図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2016年1月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体、これをコードする核酸配列、前記核酸配列を含むベクター及びその宿主細胞の提供。又、該ヒト化抗体を含む医薬組成物及びhTNFα関連疾患の診断治療のための医薬の製造における前記医薬組成物の用途の提供。

解決手段

特定のアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する重鎖と、特定のアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する軽鎖と、を含む抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体。

概要

背景

ヒト腫瘍壊死因子−α(TNFα)は、単球マクロファージによって産生される炎症誘発性サイトカインであり、最初に生成されるのは26kDaの前駆体タンパク質で、N末端細胞内にあり、C末端細胞外にあり、膜貫通型TNFαと呼ばれる。Pennicaらは、1984年にTNF−αのcDNA遺伝子をはじめてクローンし、TNF−α分子が157個のアミノ酸からなり、その分子量が約17kDであると推定した(非特許文献1:Pennica D, et al, Nature 1984; 312:724)。ヒトTNF−αは、2種類の分子構造が存在し、TNFαとTNFβと分けられる。TNFαは活性化マクロファージや単球により産生され、腫瘍組織出血性壊死を引き起こせるものであり、カケクチンとも呼ばれる。TNFβは主に活性Tリンパ球から分泌され、TNFαと類似した発熱性を持っている。TNFαは、腫瘍細胞表面における受容体に介して、細胞に対して識別、結合及びエンドサイトーシスによってリソソームに取り込まれ、リソソーム又はプロテアーゼを高度活性化させることにより細胞死を生じさせることができ、免疫応答、炎症、損傷に対する反応において重要な役割を果たして、主に細胞増殖および細胞アポトーシスの制御に影響を与え、腫瘍細胞へ細胞毒性細胞溶解、細胞アポトーシスの誘発、増殖阻害などに及ぼす影響のみにならず、骨髄性白血病細胞からマクロファージへの分化を促進し、好中球貪食能を向上させることができる。

適量のTNFαは免疫系を活性化させるため、体の免疫力を高め、微生物侵入の防止と腫瘍産生の阻害である宿主防御システムにおいて重要な役割を果たす。しかしながら、TNFαは過剰発現の場合、ほかの炎症性因子と共に複数の病理学的損傷を引き起こし、これはTNFαの活性を様々なレベルで阻害又は中和することにより、TNFαを受容体への到着を阻止し、シグナル伝達による結果を避ける。

非ヒト化抗体の使用による関連問題を克服するために、ヒト・マウスキメラ抗体構築HAMAによる生物免疫原性を減少させることは、より有効的な治療戦略である。これらのキメラ抗体は、非ヒト化抗体におけるもとの重鎖軽鎖可変領域のアミノ酸配列を保持しながら、ヒト化抗体定常領域に非ヒト化抗体の可変領域を組み込むものである(特許文献1:Daddona, P.EらのPCT国際公開公報第WO92/16553号;特許文献2:Le, J.らの米国特許第5919452号;特許文献3:Kang, Heui H等のPCT国際公開公報第WO2005/047329号;特許文献4:金伯らの中国特許公開CN1544466A号を参照)。金宜慧らの中国特許公開CN101177453号(特許文献5)に、ヒト腫瘍壊死因子に結合する新たなキメラ抗体は記載されている。該キメラ抗体は、非ヒト化抗体に比べて免疫原性がある程度低くなるが、キメラ抗体におけるマウス由来の部分が依然として高いため、様々なHAMA応答反応、例えば、皮膚粘膜反応、アレルギー反応不整脈狭心症腎不全を招くおそれがあり、厳しくなる場合、昏睡状態を招く可能性もある。従って、これらのキメラ抗体は臨床応用に大きく制限されている。

臨床実験では、これらのキメラ抗体が異種タンパク質として人に投与された時、該異種タンパク質に対する免疫システム免疫学的拒絶反応、即ちヒト抗マウス抗体(Human anti mouse antibody,HAMA)応答反応を誘発し、該反応により、マウス由来のモノクロナール抗体人体から速やかに排除され、半減期も短くなり、反復投与重篤アナフィラキシーショックの原因となることは証明された。しかも、これらの外来抗体は、免疫抗体による攻撃を受けるおそれもあり、結果として、薬物効果を示す前に中和されることとなった。

概要

抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体、これをコードする核酸配列、前記核酸配列を含むベクター及びその宿主細胞の提供。又、該ヒト化抗体を含む医薬組成物及びhTNFα関連疾患の診断と治療のための医薬の製造における前記医薬組成物の用途の提供。特定のアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する重鎖と、特定のアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する軽鎖と、を含む抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体。なし

目的

本発明によれば、先行技術に開示されるマウスキメラ抗体より安全性のあり、体内でより長い半減期を持ち、より効果的なヒト化抗体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

SEQID NO: 1に示されるアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する重鎖と、SEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する軽鎖と、を含む抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体

請求項2

SEQID NO: 1に示されるアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する重鎖と、SEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列またはそれに対し少なくとも75%の相同性を保持するアミノ酸配列を有する軽鎖と、を含み、前記重鎖および/または軽鎖が1〜5個のアミノ酸残基の挿入、欠失または保守的置換により修飾されるものである抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体。

請求項3

前記の重鎖可変領域相補性決定領域CDR-H1はSEQID NO: 3に示されるアミノ酸配列であり、CDR-H2はSEQ ID NO: 4に示されるアミノ酸配列であり、CDR-H3はSEQ ID NO: 5に示されるアミノ酸配列であり、フレームワーク領域FR-H1において、第16位のアミノ酸AがEで置換でき、第17位のアミノ酸SがTで置換でき、第20位のアミノ酸IがVで置換でき(SEQ ID NO: 11);FR-H2において、第3位のアミノ酸KがRで置換でき、第9位のアミノ酸GがSで置換でき(SEQ ID NO: 12);FR-H3において、第3位のアミノ酸TがVで置換でき、第7位のアミノ酸EがDで置換でき、第10位のアミノ酸VがTで置換でき、第14位のアミノ酸FがYで置換でき、第19位のアミノ酸SがTで置換でき、第27位のアミノ酸TがVで置換でき(SEQ ID NO: 13)、該ヒト化抗体の軽鎖の可変領域の相補性決定領域CDR-L1はSEQ ID NO: 6に示されるアミノ酸配列であり、CDR-L2はSEQ ID NO: 7に示されるアミノ酸配列であり、CDR-L3はSEQ ID NO: 8に示されるアミノ酸配列であり、フレームワーク領域FR-L1において、第11位のアミノ酸LがMで置換でき、第18位のアミノ酸RがEで置換でき、第21位のアミノ酸MがIで置換でき(SEQ ID NO: 14);FR-L2において、第13位のアミノ酸WがLで置換でき(SEQ ID NO: 15);FR-L3において、第4位のアミノ酸SがAで置換でき、第22位のアミノ酸LがVで置換でき、第27位のアミノ酸AがFで置換できる(SEQ ID NO: 16)、請求項1または2に記載の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体をコードする核酸配列

請求項5

請求項4に記載の核酸配列を含むベクター

請求項6

発現を容易にするために核酸に操作可能に連結されるプロモーターをさらに含む請求項5に記載のベクター。

請求項7

請求項5または6に記載のベクターを含む宿主細胞

請求項8

hTNFαの診断解析のための医薬の製造における、請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体の使用。

請求項9

hTNFα関連疾患の治療のための医薬の製造における、請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体の使用。

請求項10

前記hTNFα関連疾患が、膿血症自己免疫病悪性腫瘍肺機能障害移植による拒絶反応細菌性髄膜炎、脳マラリアエイズ及びエイズ関連症候群(ARC)、移植後のサイトメガロウイルス感染症である、請求項9に記載の使用。

請求項11

請求項1〜3のいずれかに記載の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体を含む医薬組成物であり、抗hTNFαヒト化抗体および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、特定部分または変異体を含む少なくとも一つの抗腫瘍壊死因子-α(TNFα)ヒト化抗体またはその断片、前記抗TNFαヒト化抗体をコードする核酸、その相補的核酸ベクター宿主細胞及びこれらの製造方法、並びに前記抗TNFαヒト化抗体を含む組成物キット及びそれらの用途に関する。

背景技術

0002

ヒト腫瘍壊死因子−α(TNFα)は、単球マクロファージによって産生される炎症誘発性サイトカインであり、最初に生成されるのは26kDaの前駆体タンパク質で、N末端細胞内にあり、C末端細胞外にあり、膜貫通型TNFαと呼ばれる。Pennicaらは、1984年にTNF−αのcDNA遺伝子をはじめてクローンし、TNF−α分子が157個のアミノ酸からなり、その分子量が約17kDであると推定した(非特許文献1:Pennica D, et al, Nature 1984; 312:724)。ヒトTNF−αは、2種類の分子構造が存在し、TNFαとTNFβと分けられる。TNFαは活性化マクロファージや単球により産生され、腫瘍組織出血性壊死を引き起こせるものであり、カケクチンとも呼ばれる。TNFβは主に活性Tリンパ球から分泌され、TNFαと類似した発熱性を持っている。TNFαは、腫瘍細胞表面における受容体に介して、細胞に対して識別、結合及びエンドサイトーシスによってリソソームに取り込まれ、リソソーム又はプロテアーゼを高度活性化させることにより細胞死を生じさせることができ、免疫応答、炎症、損傷に対する反応において重要な役割を果たして、主に細胞増殖および細胞アポトーシスの制御に影響を与え、腫瘍細胞へ細胞毒性細胞溶解、細胞アポトーシスの誘発、増殖阻害などに及ぼす影響のみにならず、骨髄性白血病細胞からマクロファージへの分化を促進し、好中球貪食能を向上させることができる。

0003

適量のTNFαは免疫系を活性化させるため、体の免疫力を高め、微生物侵入の防止と腫瘍産生の阻害である宿主防御システムにおいて重要な役割を果たす。しかしながら、TNFαは過剰発現の場合、ほかの炎症性因子と共に複数の病理学的損傷を引き起こし、これはTNFαの活性を様々なレベルで阻害又は中和することにより、TNFαを受容体への到着を阻止し、シグナル伝達による結果を避ける。

0004

非ヒト化抗体の使用による関連問題を克服するために、ヒト・マウスキメラ抗体構築HAMAによる生物免疫原性を減少させることは、より有効的な治療戦略である。これらのキメラ抗体は、非ヒト化抗体におけるもとの重鎖軽鎖可変領域のアミノ酸配列を保持しながら、ヒト化抗体の定常領域に非ヒト化抗体の可変領域を組み込むものである(特許文献1:Daddona, P.EらのPCT国際公開公報第WO92/16553号;特許文献2:Le, J.らの米国特許第5919452号;特許文献3:Kang, Heui H等のPCT国際公開公報第WO2005/047329号;特許文献4:金伯らの中国特許公開CN1544466A号を参照)。金宜慧らの中国特許公開CN101177453号(特許文献5)に、ヒト腫瘍壊死因子に結合する新たなキメラ抗体は記載されている。該キメラ抗体は、非ヒト化抗体に比べて免疫原性がある程度低くなるが、キメラ抗体におけるマウス由来の部分が依然として高いため、様々なHAMA応答反応、例えば、皮膚粘膜反応、アレルギー反応不整脈狭心症腎不全を招くおそれがあり、厳しくなる場合、昏睡状態を招く可能性もある。従って、これらのキメラ抗体は臨床応用に大きく制限されている。

0005

臨床実験では、これらのキメラ抗体が異種タンパク質として人に投与された時、該異種タンパク質に対する免疫システム免疫学的拒絶反応、即ちヒト抗マウス抗体(Human anti mouse antibody,HAMA)応答反応を誘発し、該反応により、マウス由来のモノクロナール抗体人体から速やかに排除され、半減期も短くなり、反復投与重篤アナフィラキシーショックの原因となることは証明された。しかも、これらの外来抗体は、免疫抗体による攻撃を受けるおそれもあり、結果として、薬物効果を示す前に中和されることとなった。

0006

国際公開公報第WO92/16553号
米国特許第5919452号
国際公開公報第WO2005/047329号
中国特許公開CN1544466A号
中国特許公開CN101177453号

先行技術

0007

Pennica D, et al, Nature 1984; 312:724

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前記特許技術に鑑み、研究を行った結果、キメラ抗体におけるマウス由来の部分を最大に減らすため、遺伝子工学の技術、即ちヒト化抗体のフレームワーク領域(Framework region, FR)にマウス由来の抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域相補性決定領域(Complementarity determining reign,CDRs)をそれぞれ組み込むことによりヒト化抗体を作製すれば、得られたヒト化抗体は、構造上で人の配列に近くなりながら、親非ヒト化抗体と同様のCDR立体構造を維持できることを、発見した。また、改造されたヒト化抗体は、親非ヒト化抗体とキメラ抗体に比べて、親非ヒト由来のアミノ酸配列が減少し、抗原に対する抗体の認識能力を保持しながら、マウス由来の抗体による免疫原性が極めて減少するため、臨床応用で抗体の安全性が改善されることができる。

0009

従って、本発明によれば、先行技術に開示されるマウスキメラ抗体より安全性のあり、体内でより長い半減期を持ち、より効果的なヒト化抗体を提供する。

0010

本発明は、少なくとも一つの抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体、および特定の相補性決定領域(CDR)、重鎖または軽鎖の可変領域、重鎖または軽鎖の定常領域、フレームワーク領域またはその任意の部分を提供する。本発明の抗体は、任意の哺乳動物、例えば、人、マウス、ラットげっ歯類霊長類またはそれらの任意の組み合わせに由来のものを含むことができる。

0011

本発明の抗体は、少なくとも一つのTNFタンパク質、そのサブユニット、断片、部分体、またはそれらの任意の組合せのエピトープに特異的に結合するものである。前記少なくとも一つのエピトープは、少なくとも一つの抗体結合領域を含むことができる。前記少なくとも一つの抗体は、任意的に、少なくとも一つの相補性決定領域(CDR)(例えば、重鎖可変領域または軽鎖可変領域)及び/または少なくとも一つの定常又は可変のフレームワーク領域(FR)、又はこれらの任意の一部を含むことができる。前記少なくとも一つの抗体のアミノ酸配列は、任意的に、更に少なくとも一つのアミノ酸残基の挿入、欠失、又は保守的置換を含むことができる。

0012

また、本発明は、本発明の少なくとも一つの抗腫瘍壊死因子のヒト化抗体をコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも一つの核酸分子、或いは、本発明の少なくとも一つの抗腫瘍壊死因子ヒト化抗体をコードする前記ポリヌクレオチドに相補又はハイブリダイズする少なくとも一つの核酸分子を提供する。少なくとも一つのその特定の配列、ドメイン、一部又はバリアントは、前記抗体に含まれている。

0013

さらに、本発明は、抗腫瘍壊死因子ヒト化抗体をコードする前記核酸分子を含む組み換えベクター、前記核酸及び/又は組み換えベクターを含む宿主細胞、並びに、前記核酸、ベクター及び/又は宿主細胞の製造方法及び/又は用途を提供する。

0014

本発明の少なくとも一つの抗体は、少なくとも一つの活性を有し、例えば、L929標的細胞に対するrhTNFαの毒性を中和すること、TNFと受容体及び/又はほかのモノクローナル抗体との結合を阻害及び/又は競争することが挙げれるが、これらに限らない。前記モノクローナル抗体としては、例えば、ヒュミラが挙げられるが、これに限定されない。

0015

さらに、本発明は、ヒトhTNFαの活性阻害における本発明の抗体及び/又は組成物の用途を提供する。hTNFα関連疾患としては、例えば、膿血症自己免疫病悪性腫瘍肺機能障害移植による拒絶反応、細菌性髄膜炎、脳マラリアエイズ及びエイズ関連症候群(ARC)、移植後のサイトメガロウイルス感染症が挙げられる。

0016

さらに、本発明は、hTNFαの診断解析のための医薬の製造における本発明の抗体及び/又は組成物の用途を提供する。前記抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体は、検出分子によって標識されてもよく、標識されなくてもよい。前記標識として、放射性同位体標識、蛍光標識、様々な酵素基質標識が挙げられる。

0017

さらに、本発明は、競合的結合分析、直接または間接サンドイッチ分析、または免疫沈降分析を含む分析方法における本発明の抗体及び/又は組成物の用途を提供する。

0018

本発明は、本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化抗体及び/又はこれをコードする核酸、並びに薬用担体賦形剤希釈剤添加剤等(これらに限定されない)から選ばれる少なくとも一種以上の助剤を含む、組成物を提供する。前記組成物は、任意的に、少なくとも一つのほかの抗体、核酸、助剤又はこれらの任意の組み合わせをさらに含んでも良い。

0019

さらに、本発明は、本発明の抗体、核酸及び/又は組成物を含有する所定量の試薬説明書とを含むキットを提供する。前記キットは、さらに酵素に対し必要とする基質補因子も含む。上記キットは、さらにスタビライザーバッファーなどの添加剤を含んでもよいが、これらに限定されない。

図面の簡単な説明

0020

図1は、TNFαによるU937細胞の細胞毒性に対する抗体の中和作用を示す曲線である。
図2は、II型コラーゲン誘導ラットにおける関節腫脹程度の点数を示す。
図3AはTg197マウスの関節炎点数を示す。
図3BはTg197マウスの組織病理学評価を示す。
図3CはTg197マウスの関節炎(AS)点数と組織病理(HS)点数を示す。

0021

業者によって、これらの図面は例示するためのものと解されるべきである。これらの図面は、本発明の範囲を制限するものではない。

0022

抗腫瘍壊死因子抗体
本発明の抗体は、任意適当なポリヌクレオチドによりコードされる本発明の抗体アミノ酸配列、或いは任意分離又は作製される抗体を含む。ヒト化抗体又は抗原結合フラグメントは、ヒト腫瘍壊死因子に結合することがこのましい。これにより、ヒト腫瘍壊死因子の少なくとも一つの生物活性を、部分的に、基本的に又は完全に中和し、その結果、TNFとTNFの受容体との結合によるシグナル伝達プロセス及び生理学的プロセスを阻害する。

0023

本発明のヒト化抗体は、任意のタイプ(例えば、IgGIgAIgMIgEIgDなど)又はアイソタイプであってもよく、κ又はλ軽鎖、及びα、μ、γ、ε又はδ重鎖を含むこともできる。

0024

本発明の少なくとも一つの抗体は、少なくとも一つのTNFタンパク質、そのサブユニット、断片、部分体、またはそれらの任意の組合せの少なくとも一つのエピトープに結合するものである。

0025

本発明の少なくとも一つの抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体は、下記のアミノ酸配列を含み、抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列がSEQID NO: 1に示され、抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列がSEQ ID NO: 2に示されるものである。

0026

SEQID NO: 1:
QVQLVQSGPELKKPGASVKISCKASGYTFTHYGMHWVKQTPGRGLKWVGWINTYTGEPTYDADFQGRFTFSLETSVSTAFLQINSLKDEDLATYFCARYDFDGFDYWGQGTTLTVSS

0027

SEQID NO: 2:
ENVLTQSPPILSASPGERVTMTCRASSSITFNYLHWYQQKSGDSPKVWIYSTSNLVSGVPSRFSGSGSGTSYSLTISSLEAEDAATYYCQQYSDYPYTFGGGTKLEIK

0028

前記重鎖可変領域の相補性決定領域CDR-H1はSEQID NO: 3に示されるアミノ酸配列であり、CDR-H2はSEQ ID NO: 4に示されるアミノ酸配列であり、CDR-H3はSEQ ID NO: 5に示されるアミノ酸配列である。フレームワーク領域FR-H1において、第16位のアミノ酸AがEで置換でき、第17位のアミノ酸SがTで置換でき、第20位のアミノ酸IがVで置換できる(SEQ ID NO: 11)。FR-H2において、第3位のアミノ酸KがRで置換でき、第9位のアミノ酸GがSで置換できる(SEQ ID NO: 12)。FR-H3において、第3位のアミノ酸TがVで置換でき、第7位のアミノ酸EがDで置換でき、第10位のアミノ酸VがTで置換でき、第14位のアミノ酸FがYで置換でき、第19位のアミノ酸SがTで置換でき、第27位のアミノ酸TがVで置換できる(SEQ ID NO: 13)。軽鎖可変領域の相補性決定領域CDR-L1はSEQ ID NO: 6に示されるアミノ酸配列であり、CDR-L2はSEQ ID NO: 7に示されるアミノ酸配列であり、CDR-L3はSEQ ID NO: 8に示されるアミノ酸配列である。フレームワーク領域FR-L1において、第11位のアミノ酸LがMで置換でき、第18位のアミノ酸RがEで置換でき、第21位のアミノ酸MがIで置換できる(SEQ ID NO: 14)。FR-L2において、第13位のアミノ酸WがLで置換できる(SEQ ID NO: 15)。FR-L3において、第4位のアミノ酸SがAで置換でき、第22位のアミノ酸LがVで置換でき、第27位のアミノ酸AがFで置換できる(SEQ ID NO: 16)。

0029

SEQID NO.3:
HYGMH

0030

SEQID NO: 4:
WINTYTGEPTYDADFQG

0031

SEQID NO: 5:
YDFDGFDY

0032

SEQID NO: 6:
RASSSITFNYLH

0033

SEQID NO: 7:
STSNLVS

0034

SEQID NO: 8:
QQYSDYPYT

0035

SEQID NO: 9:
QVQLVQSGPELKKPG(E/A)(T/S)VK(I/V)SCKASGYTFTHYGMHWV(K/R)QTPGR(S/G)LKWVGWINTYTGEPTYDADFQGRF(T/V)FSL(E/D)TS(T/V)STA(F/Y)LQIN(T/S)LKDEDLA(T/V)YFCARYDFDGFDYWGQGTTLTVSS

0036

SEQID NO: 10:
ENVLTQSPPI(M/L)SASPGE(E/R)VT(M/I)TCRASSSITFNYLHWYQQKSGDSPKV(W/L)IYSTSNLVSGVP(A/S)RFSGSGSGTSYSLTISS(V/L)EAED(A/F)ATYYCQQYSDYPYTFGGGTKLEIK

0037

SEQID NO: 11:
QVQLVQSGPELKKPG(E/A)(T/S)VK(I/V)SCKASGYTFT

0038

SEQID NO: 12:
WV(K/R)QTPGR(S/G)LKWVG

0039

SEQID NO: 13:
RF(T/V)FSL(E/D)TS(T/V)STA(F/Y)LQIN(T/S)LKDEDLA(T/V)YFCAR

0040

SEQID NO: 14:
ENVLTQSPPI(M/L)SASPGE(E/R)VT(M/I)TC

0041

SEQID NO: 15:
WYQQKSGDSPKV(W/L)IY

0042

SEQID NO: 16:
GVP(S/A)RFSGSGSGTSYSLTISS(V/L)EAED(A/F)ATYYC

0043

本発明の一つの実施形態では、本発明のヒト化抗体の重鎖定常領域配列はヒトIgG1の重鎖定常領域である。

0044

本発明の一つの実施形態では、本発明のヒト化抗体の軽鎖定常領域配列ヒト抗体の軽鎖定常領域である。

0045

本発明の好ましい態様では、前記抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体のアミノ酸配列は、1個又は複数個のアミノ酸残基、好ましくは1〜3個のアミノ酸残基を挿入、欠失又は保守的置換することにより修飾されるものである。

0046

任意の組み合わせの形で1個又は複数個のアミノ酸残基を挿入、欠失又は保守的置換することにより修飾される又は変異されるモノクローナル抗体のアミノ酸配列はある程度相違する。好ましい変異体は、前記本発明のモノクローナル抗体から、アミノ酸を保守的置換することによって得られるものである。前記保守的置換とは、特定のアミノ酸を性質上類似した別のアミノ酸で置換することである。以下非限定の形で挙げられるアミノ酸は、保守的置換を行う可能なものと認められる(性質上類似)。a)アラニンセリンスレオニン;b)グルタミン酸アスパラギン酸;c)アスパラギングルタミン;d)アルギニンリジン;e)イソロイシンロイシンメチオニンバリン;およびf)フェニルアラニンチロシントリプトファン

0047

本発明の機能的に同等なモノクローナル抗体は変異体であり、1個又は複数のアミノ酸残基、好ましくは1〜3個のアミノ酸残基が保守的置換されるものである。保守的置換とは、芳香族アミノ酸Ala、Val、LeuおよびIleの中、一つのアミノ酸を別のアミノ酸で置換すること;ヒドロキシル残基SerとThrの互いの置換;酸性残基AspとGluの互いの置換;アミド残基AsnとGlnの互いの置換;塩基性残基LysとArgの互いの置換;芳香族残基PheとTyrの互いの置換である。

0048

さらに、本発明には、本発明に開示されるアミノ酸配列に対し少なくとも50%の相同性を保持するアミノ酸配列、又はその断片及び同等の機能を持つアミノ酸配列が開示されている。一つの実施形態では、該アミノ酸配列は、本発明に提供されるアミノ酸配列SEQID NO:1又は2に対し少なくとも75%の相同性を保持する。好ましくは少なくとも85%の相同性、より好ましくは少なくとも90%の相同性、更に好ましくは少なくとも95%の相同性、特に好ましくは少なくとも97%の相同性、最も好ましくは少なくとも99%の相同性を保持する。

0049

本発明には様々な形の抗体が含まれる。例えば、抗hTNFα抗体は、長さ完全の抗体(例えば、全体のヒトFc領域を含むもの)であっても良く、抗体断片(例えば、Fv、scFv、Fab、Fab’又は(Fab’)2)などであっても良い。また、抗体は、検出可能なマーカーによって標識されること、固相担体に固定されること、および/または異種化合物(例えば、細胞毒物質など)に結合されることもできる。

0050

Fabは、プロテアーゼ/パパインIgG抗体分子を処理することによって得られるものである。これは分子量約50,000の、抗原結合活性を持つ抗体断片であり、その中、パパイン(H鎖の第224位においてアミノ酸残基を切断する)で処理することによって得られる断片において、N末端からのH鎖の約半分とL鎖全体はジスルフィド結合で結合する。本発明のFabは、抗体のFabをコードするDNAを原核生物発現ベクターまたは真核生物の発現ベクターに導入し、Fabを発現させることによって作製することもできる。

0051

Fab’は、抗体結合活性を有する抗体断片であり、(Fab’)2のヒンジ領域におけるジスルフィド結合を切断することによって産生され、その分子量が約50,000である。本発明のFab’は、抗体のFab’断片をコードするDNAを原核生物の発現ベクターまたは真核生物の発現ベクターに導入し、ベクターを原核生物または真核生物へ形質転換させ、Fab’を発現させることによって作製することもできる。

0052

(Fab')2は、抗原結合活性を有する抗体断片であり、分子量が約100,000である。その中、プロテアーゼ/ペプシン(第234位のアミノ酸残基においてH鎖を切断する)でIgG抗体を処理することによって得られる断片において、Fabがヒンジ領域のジスルフィド結合で繋がる抗体断片はやや大きい。本発明の(Fab')2は、ペプシンで抗体を処理することによって作製することができる。また、本発明の(Fab')2は、チオエーテル結合あるいはジスルフィド結合でFab'を繋ぐことによって作製することもできる。

0053

scFvは、抗原結合活性を有する抗体断片であり、一つのVHと一つのVLを適切なペプチドジョイントで接続してからなるものである。本発明のscFvは、抗体のVHとVLをコードするcDNAを得て、scFvをコードするDNAを構築し、抗体のscFvをコードするDNAを原核生物の発現ベクターまたは真核生物の発現ベクターに導入し、発現ベクターを原核生物または真核生物に形質転換させ、scFvを発現させることによって作製することもできる。

0054

核酸
本発明の核酸は、SEQID NO: 1〜16に示される少なくとも一つ、その特定の断片、変異体、又は共通配列の少なくとも70〜100%を保持する連続アミノ酸をコードするヌクレオチド配列である。本発明に記載される方法または当該分野で公知の方法によって、少なくとも一つの抗TNF抗体をコードする本発明の核酸分子を得ることができる。

0055

本発明の核酸分子は、RNAの形であってもよく、DNAの形であってもよい。RNAの形として、例えば、mRNAhnRNAtRNA又はほかの形が挙げられる。DNAの形として、クローニング又は合成、又はこれらの任意の組み合わせによって産生されるcDNA及びゲノムDNAを含むが、これらに限らない。DNAは、二本鎖であってもよく、一本鎖であってもよい。DNA又はRNAの少なくとも一方の鎖の任意部分は、センス鎖と呼ばれるコード鎖であってもよく、アンチセンス鎖と呼ばれる非コード鎖であってもよい。

0056

本発明に示されるように、抗TNF抗体をコードする核酸を含む本発明の核酸分子は、抗体断片のアミノ酸配列自体をコードする核酸;全体の抗体又はその一部をコードする配列;抗体、断片又はその一部をコードする配列、又は、例えば少なくとも一つのシグナルリーダーペプチド或いは融合ペプチドをコードする配列などのほかの配列、前記ほかの配列例えば少なくとも一つのイントロンを有してもよい配列、並びに、非コード5'および3'配列のような、転写、またはスプライシングおよびポリアデニル化シグナルのようなmRNAプロセシングにおいて役割を果たす(例えば、mRNAのリボソームへの結合および安定性)転写される非翻訳の配列を含む非コード配列;ほかの機能を提供するほかのアミノ酸をコードする配列;を含むが、これらに限らない。よって、抗体をコードする配列は、マーカー配列、例えば、抗体断片又は抗体の一部を含む融合抗体の精製を容易にするためのペプチドをコードする配列と融合することができる。また、本発明の核酸は、ここに記載のポリヌクレオチドと選択的にハイブリダイズできるポリヌクレオチドも含む。

0057

本発明の核酸は、当該分野で公知の(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、又はこれらの組み合わせによって作製することができる。

0058

本発明の核酸、例えば、DNA、RNA、cDNA、ゲノムDNA、またはそれらの任意の組み合わせは、当業者にとって公知の任意のクローニング方法によって生物源から取得することができる。実施形態において、ストリンジェントな条件で本発明のポリヌクレオチドと選択的にハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドプローブを用い、cDNAまたはゲノムDNAライブラリーから所望の配列を特定する。RNAの単離、cDNAおよびゲノムライブラリーの構築は、当業者にとって公知のものである。

0059

本発明のポリヌクレオチド配列に基いたプローブを用いて、cDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングすることができる。プローブを用いて、ゲノムDNA又はcDNA配列とハイブリダイズすることによって、同様または異なる生物における相同の遺伝子を単離することができる。測定に様々な程度のストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができ、ハイブリダイゼーションまたは洗浄溶媒のいずれかはストリンジェントであってもよいことは、当業者にとって理解すべきものである。より高いストリンジェントな条件でハイブリダイズする場合、二重鎖形成のため、プローブとターゲット配列との間に相補性の程度はより大きくなければならない。ストリンジェントの程度は、温度、イオン強度、pH、およびホルムアミド等の部分変性溶媒の存在における一つ又は複数の条件で制御される。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えばホルムアミドの濃度を0%〜50%の範囲内において変更させることで反応溶液極性を変更させることにより、容易に変化することができる。検出可能な、結合に必要な相補性程度(配列相同性)は、ハイブリダイゼーション媒体および/または洗浄溶媒のストリンジェンシーに応じて異なる。相補性程度は、100%又は70〜100%、或いはその中の任意範囲又は任意値であることが好ましい。ただし、プローブ又はプライマーにおける少量の配列変異はハイブリダイゼーションおよび/または洗浄溶媒のストリンジェンシーを減少させることによって補償することができることは、当業者にとって理解すべきものである。

0060

RNAまたはDNAの増幅方法は当分野で公知のものである。RNA又はDNAの公知の増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応PCR)、関わる増幅方法、及びRNAが介入する増幅方法を含むが、これらに限定されない。

0061

本発明の核酸は、公知の方法で直接に化学合成により製造することもできる。化学合成法では、一般的に一本鎖のヌクレオチドを生成し、該一本鎖のヌクレオチドを相補的な配列とハイブリダイズすること、或いは、一本鎖をテンプレートとしてDNAポリメラーゼ重合させることによって、二本鎖のDNAを生成する。

0062

ヒト化モノクローナル抗体の発現ベクターの構築
ヒト化抗体の重鎖可変領域配列VH遺伝子断片を含むプラスミド(pHu-VH)をテンプレートとして、5'プライマーFVHX(5’-CGCGCAAG-CTTCCTCGAG-3’ SEQID NO: 17) と3' プライマーRVCG (5’-CGATGGGCCCTTGGTGGA-3’ SEQ ID NO: 18)を用いて、ヒト化抗体の重鎖可変領域(VH)とヒトIgG1重鎖定常領域(Cγ1)の5'末端の7個のアミノ酸との遺伝子を含む5'断片を得る。一方、ヒト白血球から調製したRNAを用いて、適当な5'プライマーHuCGF (5’-ACCAAGGGCCCATCGGTCTTC-3’; SEQ ID NO: 19)と3'プライマーHUCGE (5’-CGGAATTCTCATTTACCCGGAGACAGGGA 3’, SEQ ID NO: 20)で逆転写及びPCRによって、ヒトIgG1重鎖定常領域(Cγ1)をコードする遺伝子を得る。最後に、5'プライマー(FVHX, SEQ ID NO: 17)と3'プライマー(HUCGE, SEQ ID NO: 20)を用いて、ヒト化抗体の重鎖可変領域(VH)を含む断片と前記ヒトCγ1遺伝子とをPCRで連結させることにより、重鎖をコードする配列を含む、長さが約1400bpの遺伝子断片を得る。該遺伝子断片を、エンドヌクレアーゼHind IIIとEcoR1で処理後、ベクター、例えばPUC19に挿入する(Yanisch-Perron, C., Vieira, J. and Messing, J. (1985) Gene, 33, 103-119を参照)。

0063

ヒト化抗体の軽鎖可変領域配列VLの遺伝子断片を含むプラスミド(pHu-VL)をテンプレートとして、5'プライマーFVHX (SEQID NO: 17)と3'プライマーVKCKO (5’ -AGA TGGTGCAGCCAC AGTTCGCTT GAT CTC CAG CTT GGT GCC -3’ SEQ ID NO: 21)を用いて、ヒト化抗体の軽鎖可変領域(VL)とヒトκ軽鎖定常領域(Cκ)の5'末端の7個のアミノ酸との遺伝子を含む5'断片を得る。一方、ヒト白血球から調製したRNAを用いて、適当な5'プライマーHuCKF (5’ -GTG GCTGCACCA TCT GTCTTC-3’ SEQ ID NO: 22)と3'プライマーHUCKB (5’ -TGC GGA TCC CTA ACA CTC TCCCCTGTTGAA -3’, SEQ ID NO: 23)で逆転写及びPCRによって、ヒトκ軽鎖定常領域(Cκ)をコードする遺伝子を得る。最後に、5'プライマー(FVHX, SEQ ID NO: 17)と3'プライマー(HUCKB, SEQ ID NO: 23)を用いて、ヒト化抗体の軽鎖可変領域(VL)を含む断片と前記ヒトCκ遺伝子とをPCRで連結させることにより、軽鎖をコードする配列を含む、長さが約700bpの遺伝子断片を得る。該遺伝子断片を、エンドヌクレアーゼHind IIIとBam H1で処理後、ベクター、例えばPUC19に挿入する(Yanisch-Perron, C., Vieira, J. and Messing, J. (1985) Gene, 33, 103-119を参照)。

0064

前記方法で得られた重鎖又は軽鎖をコードするcDNA、又はそれらの変更された産物をコードするcDNAを、pcDNA3(Invitrogen USA, Carlsbad, CA, U.S.A.から購入した)に挿入し、ヒト化発現ベクターpHu_anti-TNFαを構築する。該発現ベクターに、哺乳動物細胞内において高いレベルの発現に必要なサイトメガロウイルス初期遺伝子プロモーターエンハンサーが含まれる。また、ベクターに、細菌でアンピシリン耐性、哺乳動物細胞でG418耐性を付与する任意のメーカー遺伝子が含まれる。更に、ベクターにDHFR遺伝子が含まれ、これにより、適当な宿主細胞においてメトトレキサート(MethotrexateMTX, Sigma)を用いてキメラ抗体遺伝子とDHFR遺伝子を共同増幅する可能である(例えば、Axel, R.らの米国特許第5,179,017号;Kaufman,R. と Sharp,P., J.Mol. Biol. 159:601-621,1982を参照)。

0065

抗体の宿主細胞
本発明は、遺伝子技術で作製した、組み換えベクターを含んだ宿主細胞、及び当分野の公知の組み換え技術で生成した少なくとも一つの抗TNF抗体にも関する。

0066

ポリヌクレオチドは、宿主において増幅のため、任意に選択マーカーを有するベクターと連結しても良い。一般的に、ベクターを、例えば、リン酸カルシウムの如く沈殿物、又は荷電脂質を有する複合物に導入する。

0067

宿主細胞を培養する適当な培地及び培養条件は公知のものである。適当なベクターは当業者にとって容易に理解できるものである。ベクターの構築体を宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクションDEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質転換、感染またはほかの公知の方法により行うことができる。

0068

本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体の宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(Chinese hamster ovary)から誘導され、抗TNFα遺伝子を含むプラスミドでトランスフェクションし、更に、薬物のスクリーニング、遺伝子増幅、及び最終細胞株生成のための単細胞クローニングを含む一連の厳しく、特定のスクリーニングすることによって得られる。本発明の宿主細胞であるチャイニーズハムスター卵巣細胞株CHO HUAT 132は、2011年3月7日にCCTCC(China Center for Type Culture Collection)で保存され、保存番号はCCTCC No.:C201117である。

0069

本細胞株の細胞は無血清培養液に懸濁繁殖することができ、2Lの発酵タンクに培養される場合、16〜20日の培養期間で培養液中に分泌される抗TNFαのレベルは1g/L以上である。本細胞株から生成される抗TNFαはヒト化モノクローナル抗体である。

0070

TNFαとの結合活性
本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体は、組換えヒト腫瘍壊死因子(rhTNFα、ターゲット分子)のみに対し特異的親和性を持つが、ほかのタンパク質分子に結合しない。ターゲット分子に対する親和性の競合アッセイにおいて、本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体はヒュミラ(アダリムマブモノクローナル抗体)に近い親和性を有することが測定された。

0071

また、本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体は、L929標的細胞へのrhTNFαの毒性を中和する活性を有し、そのEC50はヒュミラのEC50値に近く、20.4ng/mL〜50ng/mLの濃度範囲内にある。

0072

治療上の用途
抗hTNFα抗体はhTNFα関連疾患の治療・予防に用いられる。hTNFα関連疾患として、例えば、膿血症、自己免疫病、悪性腫瘍、肺機能障害、移植による拒絶反応、細菌性髄膜炎、脳マラリア、エイズ及びエイズ関連症候群(ARC)、移植後のサイトメガロウイルス感染症が挙げられる。以下、本発明の抗体、及びhTNFα関連疾患の治療への抗体部分の用途を更に検討する。

0073

1)膿血症
腫瘍壊死因子は、膿血症病理学上の作用が確定され、その生物学的効果低血圧心筋阻害、血管漏出症候群、臓器壊死などを含む(例えば、米国特許第5,231,024号を参照)。従って、本発明のヒト化抗体および抗体部分は、膿血症ショック内毒素ショックグラム陰性膿血症および毒性ショック症候群を含む、任意的な臨床バックグランドの膿血症を治療するのに用いることができる。

0074

2)自己免疫病
腫瘍壊死因子は、様々な自己免疫病の病態生理学上で役割を果たすことが発見された。例えば、TNFαは、組織の炎症を活性化させ、リウマチ様関節炎における関節破損を引き起こすことに関与する(例えば、米国特許第5,231,024号;Moeller, A.らの (1990) Cytokine 2:162-169を参照)。また、TNFαは、糖尿病において膵島細胞死を促進し、希突起神経膠細胞に対する細胞毒性を仲介し、炎症誘起することにも関与する。

0075

本発明のヒト化抗体および抗体部分は、自己免疫病、特にリウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎骨関節炎および痛風性関節炎アレルギー多発性硬化症自己免疫糖尿病、自己免疫葡萄膜炎、並びに腎症性症候群を含む炎症を伴う自己免疫病を治療するのに用いることができる。

0076

3)悪性腫瘍
腫瘍壊死因子は悪性腫瘍において悪液質の誘導、腫瘍成長刺激転移能の増強および細胞毒性の仲介に関与することが発見された。従って、本発明の抗体および抗体部分は、悪性腫瘍を治療し、腫瘍成長または転移を阻害し、および/または悪性腫瘍続発の悪液質を緩和するのに用いることができる。該抗体または抗体部分は、全身的にまたは局所的に腫瘍部位に投与することができる。

0077

4)肺機能障害
腫瘍壊死因子は白血球−内皮細胞活性化の刺激、肺細胞への細胞毒の指向、および血管漏出症候群の誘導を含む、成人呼吸困難症候群(ARDS)の病態生理学に関与することが知られている。従って、本発明の抗体および抗体部分は、成人呼吸困難症候群、慢性肺炎肺サルコイドーシス肺線維症およびケイ肺症を含む肺機能障害を治療するのに用いることができる。

0078

5)腸機能障害
本発明のヒト化抗体および抗体部分は、限局性回腸炎および潰瘍性大腸炎との二つの症候群を含む自発性炎症性腸疾患などの腸機能障害を治療するのに用いることができる。

0079

6)移植
腫瘍壊死因子は、同種移植拒絶移植片対宿主病(GVHD)の中枢的メジエーターであり、T細胞受容体のCD3複合体へ導かれたラット抗体OKT3を腎移植体の拒絶を阻害するのに用いたときに観察された副作用を仲介することにも関与することが発見された(例えば、Suthanthiran, M., and Strom, T.B. (1994) New Engl, J.Med.331 :365-375を参照)。従って、本発明の抗体および抗体部分は、同種移植および異種移植の拒絶を含む移植拒絶およびGVHDを阻害するのに用いることができる。

0080

7)伝染病
本発明の抗体および抗体部分は、細菌性髄膜炎、脳マラリア、エイズやエイズ関連症候群(ARC)、および移植後のサイトメガロウイルス感染を含む伝染病の治療に用いることができる。また、本発明の抗体および抗体部分は、感染(例えばインフルエンザ)による発熱筋肉痛、および感染続発の悪液質(例えばエイズまたはARC続発の悪液質)を含む、伝染病に付随する徴候を緩和するのに用いることもできる。

0081

分析と診断の用途
本発明の抗体は、任意の公知の分析方法、例えば、競合的結合分析、直接または間接サンドイッチ分析および免疫沈降分析などに用いることができる。Zola, 「モノクローナル抗体:技術マニュアル」 (Monoclone Antibodies; A Manual of Techniques), 第147〜158頁 (CRCPress, Inc., 1987)。

0082

競合的結合分析は、標識された標準物質と測定サンプル中の分析物の、有限量の抗体を競合的に結合する能力に依存する。測定サンプル中のhTNFαの量は、抗体に結合する標準物質の量と反比例している。結合した標準物質の量を容易に測定するために、一般的に、抗体を競合前又は競合後に不溶解させることにより、抗体に結合した標準物質と分析物を未結合の標準物質と分析物から容易に分離することができる。

0083

サンドイッチ分析法は、それぞれ測定タンパク質の異なる免疫原性部位またはエピトープに結合する2種類の抗体を用いる。サンドイッチ分析では、測定サンプルの分析物は固相担体に固定された第一抗体に結合し、続いて第二抗体は分析物に結合することにより、不溶性三成分複合体を形成する。米国特許第4,376,110号を参照。第二抗体自体は、検出可能な部分でラベルされたものであってもよく(直接サンドイッチ分析法)、検出可能な部分でラベルされた抗免疫グロブリン抗体を通じて検出されるものであってもよい(間接サンドイッチ分析法)。例えば、サンドイッチ分析法の一つはELISAであり、その検出可能な部分は酵素である。

0084

抗hTNFα抗体は、例えば、特定の細胞、組織または血清におけるhTNFαの発現を検出するなど、hTNFαの診断解析に使用することもできる。この診断方法は自己免疫病などの病因を診断することができる。

0085

抗体は、一般的に検出可能な分子で標識される。マーカーについて多くのものを用いることができるが、一般的に、次のように分類することができる。

0086

(a)放射性同位体。例えば、111In、99Tc、14C、131I、125I、3H、32P、35Sが挙げられる。例えば、「Current Protocols in Immunology」, Volumes 1 and 2, Coligenら著, Wiley-Interscience, New York, New York, Pubs. (1991)に記載の方法に従い、放射性同位体で抗体を標識することができる。シンチレーション法で放射能を測定することによって、疾患部位を免疫フラッシュ撮影で特定することができる。

0087

(b)蛍光標識。例えば、希土類キレート剤ユーロピウムキレート剤)、またはフルオレセインおよびその誘導体ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、リサミンフィコエリスリンテキサスレッド(Texas Red)などが挙げられる。蛍光標識は、例えば、前記「Current Protocols in Immunology」に記載の方法に従い、抗体に結合させることができる。蛍光蛍光光度計定量化することができる。

0088

(c) 様々な酵素の基質マーカーは利用可能であり、それらの一部は米国特許第4,275,149号に開示された。前記酵素は、多くの技術によって検出可能な発色基質化学変化触媒することができる。例えば、酵素は、分光光度計で測定できる基質の発色変化を触媒し、或いは基質の蛍光性又は化学発色性を変化させる。蛍光の変化を定量化する技術は前記と同様である。化学発光基質は、化学反応電気励起されることによって発光し、放出される光は測定されるか(例えば、化学光度計の使用など)、或いは蛍光受容体エネルギーを提供する。酵素マーカーとしては、例えば、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼや細菌ルシフェラーゼなど;米国特許第4,737,456号)、フルオレセイン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン(2,3-dihydrophthalazinediones)、リンゴ酸デヒドロゲナーゼウレアーゼ西ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)の如くペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼβ-ガラクトシダーゼグルコアミラーゼリゾチーム、糖のオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸脱水素酵素)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼ、及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼミクロペルオキシダーゼなどが挙げられる。酵素と抗体との結合技術は、O’Sullivanらの「Methodsfor the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay」(Methods In Enzym.) (J. Langone and H. Van Vunakis著), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)に記載された。

0089

酵素−基質の組成物としては、例えば、下記のものが挙げられる。

0090

(i)西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及び基質としての、染料前駆体(例えば、o-フェニレンジアミン(OPD)又は3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化させるヒドロペルオキシダーゼ

0091

(ii)アルカリホスファターゼ(AP)及び発色基質としてのp-ニトロフェニルリン酸

0092

(iii) β-D-ガラクトシダーゼ(β-D-Gal)及び発色基質(例えば、p-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)或いは蛍光基質4-メチルウンベリフェロン-β-D-ガラクトシダーゼ。

0093

当業者にとって、ほかに多くの酵素−基質の組み合わせを使用することもできる。これらの組み合わせは、米国特許第4275149号および第4318980号にまとめられた。マーカーを抗体と間接的に結合させる場合もある。前記組成物を得る方法も当業者にとって公知のものである。例えば、抗体をビオチン(biotin)とカップリングさせることができ、前記3種類のマーカーのいずれかをアビジンとカップリングさせるか又は逆にカップリングさせることができる。ビオチンを選択的にアビジンと結合させ、マーカーを間接的に抗体とカップリングさせることができる。或いは、マーカーを抗体と間接的にカップリングさせるため、抗体を小さなハプテン(例えば、ジゴキシン)とカップリングさせ、前記様々なマーカーの一つを抗ハプテン抗体(例えば、抗ジゴキシン抗体)とカップリングさせる。これにより、マーカーと抗体との間接的なカップリングはできるようになる。

0094

本発明の別の実施形態では、抗hTNFα抗体は標識されない。該hTNFα抗体の有無は、標識された、該hTNFα抗体に結合している抗体を用いて検出することができる。

0095

アフィニティー精製試薬
本発明の抗体は、アフィニティー精製試薬として使用することができる。この方法では、抗体は当該分野で公知の方法によってセファデックス樹脂濾紙などの担体に固定される。精製しようとするhTNFα含有サンプルを固定された抗体に接触させ、適当な溶媒を用いてキャリア洗浄する。固定された抗体に結合されたhTNFαを除いてサンプル中のほかの物質は実質的にすべて前記溶媒により除去される。

0096

医薬組成物および投与方法
本発明の抗体および抗体部分は、被験者への投与に適した医薬組成物に添加することもできる。該医薬組成物は、本発明の抗体及び薬学的に許容される賦形剤を含むものである。薬学的に許容される賦形剤としては、任意の生理学的に適用できる溶媒、分散媒体抗菌剤抗真菌剤等張化剤コーティング、吸収遅延剤などが挙げられる。本発明の医薬組成物は、液体半固体および固体製剤などの様々な形態としても良い。

0097

薬学的に許容される剤形で本発明の抗hTNFα抗体を公知の方法でヒトに投与することができる。前記方法としては、静脈内(例えば、濃縮された薬(ボーラス)の静脈注射、又は一定期間内の連続的な注入)、筋肉内、腹膜内、脳脊髄腔内、皮下、動脈内、滑膜腔内、髄腔内の注射、経口、局所投与又は吸入などが挙げられる。また、抗体は、局所および全身の治療効果を得るために、腫瘍内、腫瘍周囲傷害部位内、傷害部位周囲などの経路で適当に投与することもできる。腹膜内投与は、例えば卵巣癌などの治療に特に有効であると期待される。

0098

疾患の予防または治療では、抗体の投与量は、疾患の種類、疾患の重症度及び疾患の経過、予防のためか又は治療のためかという抗体の投与目的、前の治療状況、患者病歴、抗体への応答性、及び担当医個人判断に決められる。抗体は、患者へ1回または連続的に投与することができる。

0099

回投与または複数回投与或いは連続注入に関係なく、疾患の種類や重症度によると、患者へ投与する抗体の初期候補用量は1μg/kg〜50mg/kg(例えば、0.1〜20mg/kg)である。前記要因に応じて、一般的に、毎日投与量または毎週投与量は、約1mg/kg〜20mg/kg又はこれ以上である。数日又はこれ以上の重複投与(疾患の状況によって異なる)では、治療は、疾患の症状が所望の緩和程度になるまで継続すべきであるが、ほかのレジメンを使用することもできる。前記治療の進行は、従来の技術及び分析方法を使用して簡単に監視することができる。

0100

製品
1)注射剤
本発明の別の態様では、前記疾患の治療に使用される材料を含む製品を提供する。該製品は容器とラベルを含む。適切な容器としては、普通の瓶、薬瓶注射器、実験管などが挙げられる。容器はガラスプラスチックなど様々な材料で作られる。容器に疾患の治療に有効な組成物が含まれ、無菌入り口がある(例えば、容器は、皮下注射針で透過できる栓のある静脈内輸液バッグや薬瓶)。該組成物中の活性成分は抗hTNFα抗体である。容器上又は容器に付着するレベルは、組成物が治療できる特定病症を説明するものである。また、製品はリン酸塩バッファー、リンゲル(Ringer)溶液グルコース溶液のような薬学的に許容されるバッファーを含む別の容器を有しても良い。さらに、製品は、商業上のニーズユーザーのニーズに応じて、ほかの材料、例えば、ほかのバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、および、取扱説明が添付された包装マニュアルを含んでも良い。

0101

2)徐放性製剤
本発明の抗腫瘍壊死因子ヒト化モノクローナル抗体は、徐放性製剤の製造に使用することができる。適宜な徐放性製剤としては、例えば、前記抗体を含む固体疎水性ポリマー半透過性マトリックスなどが挙げられる。前記マトリックスは形のあるものであり、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルが挙げられる。適宜な徐放性マトリックスとしては、ポリエステルヒドロゲル(例えば、ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチル)、またはポリビニルアルコール)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸とL-グルタミン酸エチルの共重体非分解性エチレンビニルアセテート、Lupron DepotTM(乳酸-グリコール酸共重体とleuprolide acetateから構成される注射用ミクロスフェア)のような分解性の乳酸-グリコール酸共重体およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。エチレンビニルアセテートおよび乳酸-グリコール酸などのポリマーは分子の放出を100日以上に続けることができるが、一部のヒドロゲルは短期間内にタンパク質を放出する。カプセル化された抗体は、長期間に体内に保持される場合、37℃で水との接触で変性または凝集するため、生物学的活性が低下し、免疫原性が変化する可能性もある。合理的な安定化方法は、メカニズムに合わせて設計することができる。例えば、安定化は、スルフィドジスルフィド交換反応により分子間S−S結合を形成し凝縮になる場合、チオール残基の修飾、酸性溶液凍結乾燥水分含有量の制御、適当な添加剤の使用、又は特別なポリマーマトリックス組成物の設計によって達成することができる。

0102

キット
本発明の抗体は、便利を図るために、所定量の試薬と診断分析用のマニュアルとを組み合わせたキットの形で提供することもできる。抗体は酵素で標識される場合、キットには、酵素に必要とする基質や補因子(例えば、検出可能な発色団および蛍光団を提供する基質前駆体)が含まれている。また、キットには、例えば、安定剤、バッファー(例えば、ブロッキングバッファーまたは分解用バッファー)などほかの添加剤が含まれても良い。提供した試薬濃度最高分析感度を達成させるために、試薬の相対量の差異が大きい。具体的に、試薬は、通常に凍結乾燥粉末のような形の乾燥粉末とすることができ、賦形剤を含んでもよく、溶かされた際に適当な濃度を有する試薬溶液を形成する。

0103

本発明を下記の実施例によって更に説明するが、これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではないと理解すべきである。下記の実施例において具体的な条件を特定していない実験方法ついて、例えば、Sambrookらの「Molecular Cloning: Laboratory Manual」(New York; Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載の条件、又は生産メーカー推奨する条件などの慣用条件に従って実施する。

0104

実施例1:抗hTNFαマウスモノクローナル抗体生産
1)免疫
7〜11週齢の雌Balb/cマウス数匹に組換えhTNF(rhTNFα:Pepro Tech Inc.より購入)でIPまたはID免疫した。これらの組換えヒトTNFαは、最終容量が100〜400μLとなるように等容量のTITERMAXまたは完全フロイントアジュバント乳化された。1〜7、5〜12、10〜18、17〜25及び/又は21〜34日後に、等容量のTITERMAXまたはフロイント不完全アジュバントで乳化されたTNFを用いて、各マウスにIP(1〜400μg)とSC(1400μg×2)免疫した。12〜25日後と25〜40日後に非抗凝の条件下で眼底穿刺によりマウスから採血した。次に室温で血液を1時間凝固させて血清を収集し、公知の方法に従ってTNFαELAで血清の力価を測定した。繰返して注射しても力価が増加しない時に融合を実施した。その時点で、生理食塩水100μLで希釈されたTNFα1~400μgをマウスに最終のブースター注射してもよい。3日後に頸部脱臼によりマウスを安楽死させ、脾臓を無菌の条件下で摘出し、ペニシリン100U/mL、ストレプトマイシン100μg/mL及びアンホテリシンB(PSA)0.25μg/mLを含んだ冷リン酸バッファーPBS)10mLに浸漬した。脾臓をPSA-PBSで無菌の条件下で灌流することにより脾細胞回収した。脾細胞をトリパンブルー染色排除法によりカウントし、25mM Hepesを含んだRPMI1640培地に再懸濁した。

0105

2)マウス血清実験
プレートを2μg/mLのTNFαPBS溶液で一晩コーティングした。0.02%(v/v)Tween 20を含んだ0.15M食塩水で洗浄後、1%(w/v)BSAを含んだ PBS溶液で 200μL/ウェルの量でウェルを室温にて1時間ブロックした。このプレートをすぐに使用してもよく、−20℃で凍結し将来の使用に備えてもよい。TNFαをコーティングしたプレートにマウス血清希釈液50μL/ウェルを室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄した後、1%BSA-PBSで1:30000に希釈されたHRP標識IgGFc 50μL/ウェルを室温にて1時間プローブした。プレートを再び洗浄し、クエン酸塩リン酸塩基質溶液(0.1Mクエン酸と0.2Mリン酸ナトリウム、0.01% H2O2及び1mg/mL OPD)100μL/ウェルを室温で加え、15分間反応させた。その後、停止溶液(4N硫酸)25μL/ウェルを加え、自動プレート分光光度計により490nmのODを読み取った。

0106

3)細胞融合
1:1~10:1の比率で、血清アッセイにより検出された高レベルの抗hTNFα抗体血清を有するマウスの生存脾細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させた。非限定的な例として、下記の方法が挙げられる。即ち、脾細胞と骨髄腫細胞一緒ペレット化した後、ペレットを50%(w/v)PEG/PBS溶液(PEG分子量1,450,Sigma)1mLに37℃にて30秒間以上かけて再懸濁した。次に25mM Hepes(37℃)を含んだRPMI1640培地10.5mlを1分間以上かけてゆっくりと加えることにより融合を停止させた。融合細胞を500〜1500rpmで5分間遠心した。続いて細胞をHAT培地(25mM Hepes、10% Fetal Clone I血清(Hyclone)、1mMピルビン酸ナトリウム、4mM L-グルタミン、10μg/mLゲンタマイシン、2.5% Origen培養サプリメント(Fisher)、10%653馴化RPMI 1640/Hepes培地、50μM2-メルカプトエタノール、100μMヒポキサンチン及び16μMチミジン、を含んだRPMI 1640培地)に再懸濁した後、200μL/ウェルで96ウェル平底組織培養プレート15枚にプレーティングした。次にプレートを5%CO2と95%空気を含有する加湿の37℃インキュベーターにいれ、7〜10日インキュベートした。

0107

実施例2:抗hTNFαマウス抗体の定性
抗hTNFα抗体の定性は2種類の測定法がある。一つは抗体がヒュミラとhTNFαに対する競合的結合を測定するものであり、もう一つは抗体がL929細胞毒性測定においてhTNFαを中和する能力を測定するものである。以下は、該2種類の方法及び実験結果をそれぞれ説明する。

0108

1)ヒュミラに対する競合的結合測定
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗hTNFαヒト抗体であるヒュミラを試薬として使用した。rhTNF(50μL、0.05g/mL)でELISAプレートを室温で一晩コーティングした。コーティング溶液を捨て、リン酸塩バッファー(PBS)に溶解した1%脱脂ミルクで各ウェルを0.5時間ブロックし、0.05%Tween 20を含んだPBSでウェルを洗浄した。次に増殖培地50μlとHRPで標識されたヒュミラ50μlとの混合液を、各ウェルに加えた。未標識のヒュミラと、抗体を含まない培地を、それぞれポジティブネガティブコントロールとした。この方法により、rhTNFαへのHRP標識ヒュミラの結合を高レベルで阻害するマウスモノクローナル抗体を選別することができる。rhTNFαへのHRP標識ヒュミラの結合を阻害するウェルを増幅及びサブクローニングし、阻害効果を示している複数のマウスモノクローナル抗体を続いて分析し、最終的にハイブリドーマ細胞を選別した。該ハイブリドーマ細胞を増幅培養し、上清を取って精製し、マウスモノクローナル抗体TM2-11-12とTM2-6-3を得た。精製したマウスモノクローナル抗体TM2-11-12とTM2-6-3を用いて、競合的結合測定を行った。マウス抗体TM2-6-3は、高濃度1μg/mLの場合でも、ただ約50%のヒュミラをhTNFαに結合させなくなった。一方、もう一つのマウス抗体TM2-11-12は、標識のないヒュミラと同等の優れた競合能力を示し、濃度約0.05μg/mL(3×10-10Mに相当)の場合、約50%のヒュミラをhTNFαに結合させなくなった。

0109

2)抗hTNFαマウス化抗体の定性:体外でhTNFαを中和する活性の測定
抗hTNFαマウス化抗体及びキメラ抗体でhTNFαを中和する生物活性は、両方ともL929細胞毒性アッセイによって測定することができ、具体的な方法は下記のように行った。合わせて7.5×103のL929細胞(ATCC)(105/mL、75μL)を96ウェル培養プレートの各ウェルに入れ、37℃、5%CO2のインキュベーター内に24時間放置した。L929細胞の増殖培地は5%ウシ胎児血清を含んだRPMI-1640(GIBCO)であった。別の96ウェル培養プレートを用いて、抗hTNFα抗体を含む溶液をRPMI増殖培地2部で1/2になるように連続的に希釈し、各サンプルウェルにおけるrhTNFαの最終濃度が5ng/mLとなるようにrhTNFαを添加し、混合液を有する培養プレートを37℃、5%CO2のインキュベーター内に2時間放置し、次に各行の抗体濃度が0.001から2μg/ mLとなる順で抗体とrhTNFαを含有する混合液を各L929細胞ウェルに入れた。該培養プレートを37℃、5%CO2のインキュベーター内に放置した。3日後、生存細胞数を定量した時、2.5mg/mLの3-(4,4-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニル-テトラゾリウムブロミド(MTT、Sigma Biochemicalsより購入)のPBS溶液20μlを添加し37℃で4時間インキュベートし、更に10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の0.01 N HCl溶液100μlを加えて一晩放置した。そして各ウェルに対して吸光度を540/690nmで測定した。吸光度と抗体濃度との曲線を描いた。結合曲線より、IC50、即ちL929細胞に対するrhTNFα毒性の50%を中和した抗体濃度を得た。従って、IC50値は、hTNFα細胞毒性を阻害する抗体の能力を比較するために使用することができる。複数の抗hTNFαマウス化抗体(TM2-11-12、TM2-10-20、TM2-2-2)のIC50値及びヒュミラのIC50値は、全て0.01〜0.04μg/mLの範囲内にあり、即ち、全てはrhTNFαによって引き起こされたL929細胞毒性を中和する類似な能力を持っている。抗hTNFαマウス化抗体TM2-11-12は、キメラ抗体の作製のために選定した。

0110

実施例3:TM2-11-12マウス化抗体の重鎖と軽鎖のクローニング
1)TM2-11-12マウス化抗体の重鎖可変領域のクローニング
マウス化抗体をヒト化させるには、まず、マウス化抗体TM2-11-12の重鎖と軽鎖の可変領域をコードする配列を含むDNA断片を取得しなければならない。RNA精製キット(Invitrogen社)を用いてTM2-11-12マウスハイブリドーマ細胞からRNAを単離することにより、cDNA(GeneRacerキット、Invitrogen社)を作製した。5'プライマー(5'-CGACTGGAGCACGAGGACACTGA-3', SEQID NO: 24)と、マウスIgG1の重鎖定常領域に対して相同でアンチセンスである3'プライマー(5'-TCCAGGGGCCAGTGGATAGAGAGA-3', SEQ ID NO: 25)を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってcDNAから重鎖可変領域のDNA断片を単離した。これらのDNA断片をTOPO TAベクター(Invitrogen社)にクローニングし、塩基配列を測定した。重鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:34であり、相補性決定領域のアミノ酸残基は、CDR-H1 (SEQ ID NO: 3)、CDR-H2 (SEQ ID NO: 4) およびCDR-H3 (SEQ ID NO: 5)である。相補性決定領域の定義は、Kabat E.らの「Sequences of Proteins of Immunological Interest」,5th Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91-3242を参考してください。

0111

2)TM2-11-12マウス化抗体の軽鎖可変領域のクローニング
重鎖可変領域のクローニング法と同様に、SEQID NO: 29の5'プライマーと、マウス免疫グロブリンのκ軽鎖定常領域に対して相同でアンチセンスである3'プライマー(5'-CACTGGATGGTGGGAAGATGGATA-3'、SEQ ID NO:26)を用いて、PCR法によりcDNAから軽鎖可変領域のDNA断片を単離し、これらのDNA断片をTOPO TAベクターにクローニングし、塩基配列を測定した。その結果、2種類のクローンを確認した。クローンの約3/4は、ヌクレオチド配列の一部が読み取り可能なアミノ酸配列(その配列が示されない)に翻訳できないものであった。このクローンは、機能的抗体の軽鎖タンパク質をエンコードできない変異軽鎖メッセンジャーRNAである。クローンの約1/4は完全に読み取り可能なアミノ酸配列に翻訳できるヌクレオチド配列を示した。このクローンは、機能のある軽鎖メッセンジャーRNAに由来する。これらのDNA断片をTOPO TAベクター(Invitrogen社)にクローニングし、塩基配列を測定した。軽鎖可変領域のアミノ酸配列はSEQ ID NO:35であり、相補性決定領域のアミノ酸残基は、CDR-L1(SEQ ID NO:6)、CDR-L2(SEQ ID NO:7)およびCDR-L3(SEQ ID NO:8)である。このアミノ酸配列は軽鎖のヒト化設計に用いられた。

0112

実施例4:重鎖と軽鎖の可変領域のヒト化設計
抗原結合活性を保持するために、ヒト化させる段階ですべての軽鎖及び重鎖の可変領域内のアミノ酸残基がTM2-11-12マウス化抗体の配列を保持するようにした。ヒト化設計は、ヒト化抗体の配列に従ってフレームワーク領域内のアミノ酸残基を変更し、様々な修飾のあるヒト化抗体の重鎖可変領域と軽鎖可変領域を設計し、抗体の結合親和性を増加したり、抗体の免疫原性を低減するように、コンピュータシミュレーション技術によって抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域配列のオリゴヌクレオチド部位を定方向突然変異させるものである。

0113

ヒト化抗体の重鎖可変領域(SEQID NO:1)について、そのフレームワーク領域FR-H1において、第16位のアミノ酸AがEで置換でき、第17位のアミノ酸SがTで置換でき、第20位のアミノ酸IがVで置換できる。FR-H2において、第3位のアミノ酸KがRで置換でき、第9位のアミノ酸GがSで置換できる。FR-H3において、第3位のアミノ酸TがVで置換でき、第7位のアミノ酸EがDで置換でき、第10位のアミノ酸VがTで置換でき、第14位のアミノ酸FがYで置換でき、第19位のアミノ酸SがTで置換でき、第27位のアミノ酸TがVで置換できる。

0114

ヒト化抗体の軽鎖可変領域(SEQID NO:2)について、そのフレームワーク領域FR-L1において、第11位のアミノ酸LがMで置換でき、第18位のアミノ酸RがEで置換でき、第21位のアミノ酸MがIで置換できる。FR-L2において、第13位のアミノ酸WがLで置換できる。FR-L3において、第4位のアミノ酸SがAで置換でき、第22位のアミノ酸LがVで置換でき、第27位のアミノ酸AがFで置換できる。

0115

前記アミノ酸修飾の少なくとも一つを導入することより、複数のヒト化抗体の重鎖および軽鎖の可変領域のアミノ酸配列を設計することができる。一部のヒト化抗体の重鎖可変領域VHおよび軽鎖可変領域VLのアミノ酸配列は表1に示す。

0116

0117

実施例5:ヒト化抗体発現ベクターpHu_anti-H1L1-TNFαの構築
1)ヒト化抗体軽鎖遺伝子の構築
まず人口合成法によりヒト化抗体の軽鎖可変領域(F001VL)の遺伝子断片を調製した。具体的な方法として、先に軽鎖可変領域のアミノ酸配列に対応する遺伝コドンから逆翻訳することによってヌクレオチド配列を得て、さらに5'末端にKozak配列および軽鎖リーダー配列を導入し、その後人口合成法により軽鎖可変領域の遺伝子断片を調製した。該遺伝子断片を適当なベクターに導入し、pHu-VL1プラスミドを得た。次はpHu-VL1プラスミドをテンプレートとして、5'プライマーFVHX (SEQID NO: 17)と3'プライマーVKCKO(SEQ ID NO: 21)を用いて、ヒト化抗体の軽鎖可変領域(VL)及びヒトκ軽鎖定常領域(Cκ)の5'末端からの7個アミノ酸の遺伝子を含む5'断片を得た。一方、ヒト白血球から調製したRNAを用いて、適当な5'プライマーHuCKF (SEQ ID NO: 22)と3'プライマーHUCKB (SEQ ID NO: 23)で、逆転写及びPCRによって、ヒトκ軽鎖定常領域(Cκ)をコードする配列を含む遺伝子を取得した。最後に、5'プライマー(FVHX, SEQ ID NO: 17)と3'プライマー(HUCKB, SEQ ID NO: 23)を用いて、ヒト化抗体の軽鎖可変領域(VL1)を含有する断片と前記ヒトCκ遺伝子とをPCRで連結させることにより、軽鎖をコードする配列を含む、長さが約700bpの遺伝子断片を得た。ヒト化抗体の軽鎖タンパク質を発現するために、該遺伝子断片をエンドヌクレアーゼHind IIIとBam H1で処理後、PUC19の如くベクターに挿入した(Yanisch-Perron, C., Vieira, J. and Messing, J. (1985) Gene, 33, 103-119を参照)。DNAシークエンサーによって該遺伝子断片の配列が正しいと確認した。

0118

2)ヒト化抗体重鎖遺伝子の構築
まず人口合成法によりヒト化抗体の重鎖可変領域(E001VH)の遺伝子断片を調製した。具体的な方法として、先に重鎖可変領域のアミノ酸配列に対応する遺伝コドンから逆翻訳することによってヌクレオチド配列を得て、さらに5'末端にKozak配列および重鎖リーダー配列を導入し、その後人口合成法により重鎖可変領域の遺伝子断片を調製した。該遺伝子断片を適当なベクターに導入し、pHu-VL1プラスミドを得た。次はpHu-VL1プラスミドをテンプレートとして、5'プライマーFVHX (SEQID NO: 17)と3'プライマーRVCG(SEQ ID NO: 18)を用いて、ヒト化抗体の重鎖可変領域(VH1)及びヒトIgG1重鎖定常領域(Cγ1)の5'末端からの7個アミノ酸の遺伝子を含む5'断片を得た。一方、ヒト白血球から調製したRNAを用いて、適当な5'プライマーHuCGF(SEQ ID NO: 19)と3'プライマーHUCGE(SEQ ID NO: 20)で、逆転写反応及びPCRによって、ヒトIgG1重鎖定常領域(Cγ1)をコードする配列を含む遺伝子を取得した。最後に、5'プライマー(FVHX, SEQ ID NO: 17)と3'プライマー(HUCGE, SEQ ID NO: 20)を用いて、ヒト化抗体の重鎖可変領域(VH)を含有する断片と前記ヒトCγ1遺伝子とをPCRで連結させることにより、重鎖をコードする配列を含む、長さが約1400bpの遺伝子断片を得た。ヒト化抗体の重鎖タンパク質を発現するために、該遺伝子断片をエンドヌクレアーゼHind IIIとEcoR1で処理後、PUC19の如くベクターに挿入した(Yanisch-Perron, C., Vieira, J. and Messing, J. (1985) Gene, 33, 103-119を参照)。DNAシークエンサーによって該遺伝子断片の配列が正しいと確認した。

0119

3)ヒト化抗体単鎖の発現ベクター
前記方法で得られた重鎖と軽鎖をコードするcDNAをベクターpcDNA3(Invitrogen USA, Carlsbad, CA, U.S.A.より購入)に挿入し、ヒト化発現ベクターpHu_anti-H1L1-TNFαを構築した。該発現ベクターに、哺乳動物細胞内において高いレベルの発現に必要なサイトメガロウイルス初期遺伝子プロモーター・エンハンサーが含まれる。また、ベクターに、細菌でアンピシリン耐性、哺乳動物細胞でG418耐性を付与する任意のメーカー遺伝子が含まれる。更に、ベクターにDHFR遺伝子が含まれ、これにより、適当な宿主細胞においてメトトレキサート(MethotrexateMTX, Sigma)を用いてキメラ抗体遺伝子とDHFR遺伝子を共同で増幅する可能である(例えば、Axel, R.らの米国特許第5,179,017号;Kaufman,R. と Sharp,P., J.Mol. Biol. 159:601-621,1982を参照)。

0120

実施例6:ヒト化抗体の発現
抗hTNFαヒト化抗体を発現させるために、前記構築した組換え発現ベクター哺乳動物宿主細胞にトランスフェクショントした。高レベルの発現を安定させる点で、好ましい宿主細胞は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、Chasin, L.らの米国特許第4,818,679号を参照)である。好ましいトランスフェクション法エレクトロポレーション法であるが、リン酸カルシウム共沈法、脂質トランスフェクション法、プロトプラスト融合法などの方法を使用することもできる。エレクトロポレーション法では、250Vの電界と960μFdのコンデンサにしたGene Pulser (Bio-Rad Laboratories)を用いて、キュベットに、2×107個の細胞が懸濁したPBS0.8mlおよびPvuI(Takara)で線形化された10μgの発現ベクターDNAを加えた。トランスフェクション2日後、0.2mg/mLのG418および200nMのメトトレキサート(methotrexateまたはMTX)を添加した。高レベルの発現を達成するために、トランスフェクションされたヒト化抗体遺伝子をMTX薬物によって阻害されるDHFR遺伝子で共同増幅させた。極限まで希釈されたサブクローニングのトランスフェクタントで各細胞株の分泌率を測定することにより、高レベルでヒト化抗体を発現する細胞株をスクリーニングした。

0121

実施例7:TNFαによるL929細胞の細胞毒性に対する抗体の中和作用に関する研究
L929細胞をトリプシンで処理・遠心分離し、10%FCSを入れた1640培地に再懸濁・カウントした後、特定の濃度で96ウェルプレートの第1〜11列に加え、更に96ウェルプレートの第1〜10列に適切濃度のTNFαを加えた。続いて、ヒュミラ(Abbott Laboratories社より購入)、アミノ酸の修飾されないキメラ抗体AT(CE)-1、及び実施例5と6で調製されたヒト化抗体AT132、AT135、AT143、AT151、AT164を、第1位のウェル濃度0.4μg/mLで2倍の勾配希釈で、高い濃度から順次(第1〜9列)に、96ウェルプレートの第A、B、C、D、E、F、GとH行にそれぞれ添加した。第10列はTNFα対照であり、第11列は細胞対照であり、第12列は培地対照であった。添加完了後、37℃の二酸化炭素インキュベーターに放置しインキュベートした。インキュベート終了後、発色試薬を加え、インキュベートし、吸光度をマイクロプレートリーダーで検出した。結果は表2に示す。

0122

0123

表2の結果よりわかるように、FR領域が突然変異されたヒト化抗体は同様に良好なTNFα中和活性を示し、AT132のEC50はヒュミラと近く、20.4ng/mLであった。

0124

実施例8:TNFαによるヒトU937細胞(ヒトリンパ腫)の細胞毒性に対するAT132の中和作用に関する研究
調子の良いU937細胞をカウントし、3.75×104個/ウェルになるように10%FCSをいれた1640培地で細胞濃度を調整し、96ウェルプレートに75μl/ウェルを添加した。120ng/mLのTNFαを含む細胞培養液を用いて、第1位のウェル濃度600ng/mLで1.5倍の希釈勾配でAT132標準試料実験試料を勾配希釈した後、25μl/ウェルで96ウェルプレートに添加し、37℃の二酸化炭素インキュベーターで40時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルにCCK8発色試薬10μlを添加し、3時間インキュベートし、490nm/630nm二波長でマイクロプレートリーダーにより検出し、4パラメーターカーブフィッティングを作って、標準試料と実験試料のED50を統計し、比活性を算出した(計算式:100%×標準試料のED50/実験試料のED50)。

0125

図1は、TNFαによるU937細胞の細胞毒性に対する抗体の中和作用を示す曲線である。
図1の結果よりわかるように、AT132濃度は極めて低い場合はTNFαが細胞毒性を誘導するが、AT132濃度の増加に従って、TNFαの作用が徐々に阻害され、AT132濃度は約80ng/mLの時点で、TNFαの細胞毒性が実質的に完全に阻害された。よって、阻害効果は使用量に依存することが明らかであり、複数回の実験結果によれば、30ng/mLのTNFαを中和するAT132の平均半数有効濃度は24.1ng/mLであった。

0126

実施例9:AT132の親和性測定
AT132の親和性はBiacore X100により測定し、Biacore X100 kinetics/affinity解析ソフトウェアによって分析を行い、間接的な捕獲法でAmine Coupling Kitによりヤギ抗ヒトIgGFcポリクローナル抗体をCM5チップ表面にカップリングして捕獲分子とし、計算よりそれぞれに特定の濃度に希釈されたAT132及びコントロールとするヒュミラをリガンドとし、TNFαを分析物とした。分析物を5段階の濃度に希釈し、一つの濃度を一つのサイクルとし、まずHBS−EPバッファーで3サイクルを実行し、そして分析物の濃度が0にしたもので2サイクルを実行し、最後に繰り返した分析物濃度で1サイクルを実行した。全過程で11サイクルを実行し、各サイクルごとに一つの曲線を描い、Biacore X100 kinetics/affinity解析ソフトウェアによって抗体とヒュミラのkinetics/affinityデータを得た。

0127

結果としては、AT132の解離定数(Kd)は1.19×10-11M、即ち親和定数(Ka)は8.4×1010M-1であり、ヒュミラの解離定数は1.08×10-10M、即ち親和定数は9.3×109M-1である。

0128

実施例10:マウスTNFαやサルTNFαへのAT132の結合活性
組換えヒトTNFα 5ng/ウェル、マウスTNFα 25ng/ウェル、サルTNFα 5ng/ウェルでコーティングし、室温で1時間ブロッキングし、洗浄してから、初期濃度250ng/mLで1.8倍で勾配希釈されたAT132を添加し、25℃で2時間インキュベートし、洗浄後、HRPで標識された抗ヒトFc抗体を添加し、室温で1時間インキュベートし、洗浄後、100μl/ウェルの基質溶液を添加し、37℃で暗所に30分間反応し、発色試薬を加えた順番で0.2M H2SO4を50μl/ウェル加えて反応を停止させた。反応終了後5分間内に、マイクロプレートリーダーにより450nm/630nmのOD値を測定し、4パラメーターのフィッティングによって半数有効濃度を得て、異なる属由来のTNFαとのAT132の結合活性を比較した。

0129

マウスTNFαとの結合活性の比較研究結果より、AT132はマウスTNFαと結合せず、コーティング濃度とAT132の添加濃度より計算したところ、マウスTNFαとの結合活性は少なくともヒトTNFαとの結合活性より1000倍低いことがわかった。
サルTNFαとの結合活性の比較研究結果より、サルTNFαとの結合活性はヒトTNFαとの結合活性の約50%であることがわかった。

0130

実施例11:注射剤の調製
次のようにAT132、AT135の注射製剤を調製した。
1)20Lのバッファーの調製(20.180kgに相当。溶液の密度:1.009g/mL)
マンニトール240.0g、クエン酸一水和物26.1g、クエン酸ナトリウム6.1g、リン酸水素二ナトリウム二水和物30.6g、リン酸二水素ナトリウム二水和物17.2g、塩化ナトリウム123.3g、無水ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル20.0g、及び水19715.7〜19716.1gを量った。

0131

水酸化ナトリウム40.0gと注射用水1000.8gを混合して水酸化ナトリウム溶液を調製した。
そして、前記予め量ったマンニトール、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム二水和物、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウムおよび無水ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステルを約90%の注射用水に溶かしてバッファーを作った。

0132

前記バッファー成分を全て添加した後、前記調製された1M水酸化ナトリウムで該バッファーのpHを調整した。水酸化ナトリウム添加後、最終量の水を入れた。フィルター(親水性ポリ(フッ化ビニリデン)、0.22μmのポアサイズ)でバッファーを滅菌容器濾過した。使用されるフィルターメディアは濾過消毒アンモニアであった。

0133

2)40L製剤の準備(40.88kgに相当)
濾過されたバッファーを以下の方法で調製した解凍合併の抗体濃縮液(前記医薬製剤の有効成分)に加えた。前記医薬製剤調製の直前水浴中に前記抗体(濃縮液)を解凍した。タンパク質2.0kgに相当する、濃度が60mgタンパク質/mLタンパク質濃縮液、密度が1.0262g/mLである抗体濃縮液34.207gを使用した。タンパク質濃縮液中のタンパク質濃度が50〜80mg/mLに相当する、25.655〜37.316範囲のタンパク質濃縮液を使用することができる。撹拌しながら、前記バッファーを溶液の最終量に達するまで添加した。
その後、すべての成分を含む製剤を、2層の無菌0.22μmメンブレンフィルターで濾過することを除き、前記方法に準じて濾過した。製剤を消毒した後、バイアル瓶または予め充填したシリンジで使用できるように包装した。

0134

実施例12:AT132のマウス急性毒性実験
実験試料:20mg/ボトルのAT132凍結乾燥粉末、バッファーコントロール:AT132バッファー(ヒスチジントレハロースを含む)、溶媒:注射用滅菌水実験動物グループおよび投与量:4-6週齡の昆明(KM)マウス60匹、18〜22g、オスメス各半数、SPF級。前記動物を、オスメス各半数で各グループが20匹になるようにランダムに3グループに分けた。一回投薬し、14日観察した。投与量および投与経路は表3に示す。

0135

0136

観察項目は、体重、飼料摂取量精神状態行動糞便性状などであった。実験観察期間終了後、動物を安楽死で犠牲させ、病理学肉眼解剖観察を行い、異常組織または器官がある場合、組織学的検査を実施した。

0137

結果:実験中では全ての動物が死亡又は瀕死状態になることはなく、全ての動物の精神状態がよく、行動、飲食水分摂取も正常であり、明らかな異常はなかった。各投与グループ動物体重は、投薬に関連する規則的な変化を示さなかった。病理学肉眼解剖観察で投薬に関連する異常も見られなかった。

0138

結論:本実験条件でAT132粉末を500mg/kgの使用量で静脈注射および皮下注射によりマウスに一回投与した結果、明らかな毒性が観察されず、最大耐量(MTD)が500mg/kgを超えることであった。

0139

実施例13:AT132による、D-ガラクトサミン感作マウスにおけるrhTNFαの誘導致死性からの保護機能
体重が20.0±2.0gのC57BL/6マウス51匹を6グループに分けた(表4に示す)。第2グループのマウスへの投薬量がAT132を基準として5.2μg/匹、第3グループのマウスへの投薬量がAT132を基準として26μg/匹、第4グループのマウスへの投薬量がAT132を基準として52μg/匹、第5グループのマウスへの投薬量がAT132を基準として26μg/匹となるように、第2〜5グループの各マウスの腹腔内にそれぞれAT132溶液0.25mLを注入した。第1グループの各マウスの腹腔内にpH5.63のクエン酸バッファー0.25mLを注射した。HuIgG1を基準として26μg/匹となるように、第6グループの各マウスの腹腔内にヒトIgG1(HuIgG1、ネガティブコントロール)0.25mLを注射した。30分間後、各グループのマウス(第5グループを除く)の腹腔内にrhTNFα(Primegene,ロット番号1030109021)とD-ガラクトサミンとの混合溶液0.25mlを注射し、第5グループのマウスの腹腔内にバッファー0.25mLを注射した。48時間以内に死亡したマウスの数を観察し、生存率を算出した。結果は表4に示す。

0140

0141

結果:バッファーグループとHuIgG1グループにおけるマウスの生存率は0でることに対し、AT132はD-ガラクトサミン感作マウスをrhTNFαの誘導致死から、用量依存的に保護した。よって、AT132は、D-ガラクトサミン感作マウスにおけるrhTNFαの誘導致死からの保護作用を有する。

0142

実施例14:II型コラーゲン誘導のラット関節炎に対するAT132の効果
Wistar系雌ラット50匹を、各グループが10匹になるようにランダムに4グループに分け、それぞれ、コントロールグループ炎症性コントロールグループ(モデル群)、1mg/kgのAT132投与グループ、及び5mg/kgのAT132投与グループとした。
コントロールグループを除いて、他のグループのラットはそれぞれ背中の皮内にII型コラーゲン免疫原を注射した。炎症性コントロールグループは0.1mol/Lの酢酸および完全または不完全フロイントアジュバント乳剤(Sigma社、ロット番号129K8701)を注射した。
1mg/kgのAT132投与グループ及び5mg/kgのAT132投与グループは、注射免疫の当日から腹腔内の注射投与を始めた。第1回目免疫の1週間後、同じ方法で強化のため再免疫し、合わせて28日間投与した。投与前後の異なる時点で、ラット足関節の腫脹値をYLS-7B足つま先ボリューム測定器により測定した。実験終了後、足関節病理検査のために採取した。腫脹率と阻害率を算出し、グループ間差別t検定により比較した。計算式は下記に示す。

0143

0144

実験データは平均値標準偏差(s)で表し、t検定で統計分析を行った。結果は図2に示す。1mg/kgのAT132投与グループでは、明らかな阻害効果を表し、19日目から良い治療効果を示し、最高の効果が63.10%であり、その後、阻害効果が徐々に低下するが、第28日までも良い効果を示し、阻害率が55.71%であった。5mg/kgのAT132投与グループでは、明らかな阻害効果を表し、19日目から顕著な治療効果を示し、ラット足関節の赤い腫れが徐々に消え、活動が正常になり、治療効果が第28日まで続き、47.27%の最高の阻害率は21日目に達して、その他の阻害率は約40%であった。

0145

実施例15:Tg197マウス関節炎モデルでAT132の薬力学的研究
本実験では、Tg197トランスジェニックマウス(Cyagen Biosciencesより購入)を採用し、各グループが10匹、オスメス各半数となるように6グループに分けた。具体的に、第1グループ:1mg/kgのAT132、第2グループ:溶剤(クエン酸及び塩化ナトリウムを含むバッファー)、第3グループ:30mg/kgのAT132、第4グループ:10mg/kgのAT132、第5グループ:10mg/kgのヒュミラ、第6グループ:3mg/kgのAT132であった。また、Tg197マウス4匹をコントロールグループとした。

0146

3週齢のTg197マウスの腹腔内に週2回で10週齢までAT132を注射した。AT132は投与前にバッファーで所定の濃度に希釈し、各グループへの投薬量は10μl/g体重であった。マウスの関節炎程度を観察し、マウスの足首関節に対し病理学得点を評価し、関節炎点数と病理学点数により阻害率を算出した。

0147

1)Tg197マウスの関節炎程度に対するAT132の作用に関する研究
関節炎程度を評価するため、毎週マウスの関節形態変化に対し得点を評価した。関節炎の採点基準は下記の通りである。

0148

0.0=関節炎無し(外観が正常、体重を支えることができ、全体的な柔軟性/避難能力が正常、握力が最も大きい)
0.5=発症した関節炎(関節と爪がわずかな腫脹を示し、外観が正常、体重を支えることができ、全体的な柔軟性/避難能力が正常、握力が最も大きい)
1.0=軽度の関節炎(関節が腫れや変形を示し、爪が赤い腫れを示し、外観が正常、体重を支えることができ、全体的な柔軟性/避難能力が正常、握力が最も大きい)
1.5=軽度から中程度の関節炎(関節と爪が腫れ、変形する+最後の手指が内側へ変形し、上体の重さを支える時間が短く、全体的な柔軟性が減少し、握力が減少する)
2.0=中程度の関節炎(関節、爪および手指が重度に腫れ、足関節が変形し、上体の重さを支えることができず倒れ、全体的な柔軟性が消え、握力が消え、はって進みや採食に影響がある)
2.5=中程度から重度の関節炎(関節、爪および手指が重度に腫れ、足関節が変形し、上体の重さを支えることができず倒れ、全体的な柔軟性が消え、握力が消え、はって進みや採食に影響がある+手指と爪が変形し、マウスの活動に支障がある)
3.0=重度の関節炎(関節がこわばり曲げと重度な活動支障が見られ、マウスが瀕死の状態となる)。
Tg197マウスの関節炎点数は図3Aに示す。

0149

2)Tg197マウスの足首関節の組織病理学的な研究
疾患の状態を監視するために、本実験では、同腹のTg197マウス4匹(番号Con1〜Con4)を3週齢時に犠牲させ、治療開始時点の関節サンプルとした。受験マウスを10週齢時に犠牲させ、足首関節スライスを採取し、ヘマトキシリン/エオシンで染色後、盲検法により関節炎の顕微鏡組織病理学得点を評価し、下記のように0〜4を採点した。

0150

0 =病理なし
1 =滑膜増殖および多形核白血球浸潤
2 =パンヌス線維組織の形成、感染軟骨下骨びらん
3 =軟骨破壊および骨びらん
4 = 拡大した軟骨破壊および骨びらん
Tg197マウスの組織病理学分析は図3Bおよび3Cに示す。

0151

3)関節炎点数および病理点数による阻害率の計算。
関節炎点数による阻害率は下記の計算式により算出した。

0152

病理学点数による阻害率は下記の計算式により算出した。

0153

結果は図5に示す。

0154

結果:異なる用量のAT132(第1グループ、第3グループ、第4グループ、第6グループ)を投与後、リウマチに対して投与量依存的に顕著な阻害効果を示した。特に、第1グループ(1mg/kg)から第6グループ(3mg/kg)の阻害効果をはっきり区別することができる。また、第6グループ(3mg/kg)から第4グループ(10mg/kg)の阻害効果をはっきり区別することもできる。一方、第4グループ(10mg/kg)と最高投与量グループである第3グループ(30mg/kg)の阻害効果を区別することができない。10mg/kgとの同じ投与量で、AT132治療グループである第4グループは、ヒュミラ治療グループとの間に阻害効果に顕著な差異がないが、溶剤グループである第2グループに比べて、関節炎の組織病理に有意な改善効果を示した。

0155

実施例16:AT132モノクローナル抗体の組織交差反応
1)ヒト組織へのAT132モノクローナル抗体の交差反応
ヒト鼻ポリープパラフィン切片および4つの正常なヒト組織(ドナーA、B、C、D,中国食品医薬品検定研究院、国家薬物安全性評価監測センターより提供)のパラフィン切片を、実験グループビオチン標識のAT132)、ポジティブコントロールグループ(ビオチン標識のヒュミラ)、ネガティブコントロールグループ(PBSバッファー)の3グループに分け、組織交差反応後の組織切片の着色状況を観察した。

0156

実験結果よりわかるように、ネガティブコントロールグループにおけるヒト鼻ポリープ及び正常なヒト各組織の何れも着色されなかった。ビオチン・ヒュミラポジティブコントロールグループでは、ヒト鼻ポリープのマクロファージ、正常なヒトリンパ節のマクロファージおよび肺胞のマクロファージに、弱い程度から中程度の着色が見られたが、ほかの組織が着色されなかった。ビオチン・AT132実験グループでは、ヒト鼻ポリープのマクロファージに弱い程度から中程度の着色が見え、その正常なヒト組織交差反応がヒュミラと類似した。

0157

2)カニクイザル組織へのAT132モノクローナル抗体の交差反応
ヒト鼻ポリープのパラフィン切片および3つの正常なニクイザル組織(ドナーA、B、C,中国食品医薬品検定研究院、国家薬物安全性評価監測センターより提供)のパラフィン切片を、実験グループ(ビオチン標識のAT132)、ポジティブコントロールグループ(ビオチン標識のヒュミラ)、ネガティブコントロールグループ(PBSバッファー)の3グループに分け、組織交差反応後の組織切片の着色状況を観察した。

実施例

0158

実験結果よりわかるように、ネガティブコントロールグループにおけるヒト鼻ポリープ及び正常なカニクイザル各組織の何れも着色されなかった。ビオチン・ヒュミラポジティブコントロールグループでは、ヒト鼻ポリープのマクロファージに弱い程度から中程度の着色が見られたが、正常なカニクイザル組織が着色されなかった。ビオチン・AT132実験グループでは、ヒト鼻ポリープのマクロファージに弱い程度から中程度の着色が見え、その正常なカニクイザル組織交差反応がヒュミラと類似した。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ