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技術 乳酸菌免疫賦活作用増強組成物及び乳酸菌免疫賦活作用増強方法

出願人 キリンホールディングス株式会社
発明者 金山雅也田墨恭子
出願日 2015年5月29日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-109271
公開日 2016年1月14日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2016-005452
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード ジグリセリンモノラウリン酸エステル デカグリセリンラウリン酸エステル ジグリセリンモノステアリン酸エステル 濃度幅 乳酸菌培地 ソルビタンステアリン酸エステル トリグリセリン脂肪酸エステル 乾燥重
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月14日)のものです。
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図面 (10)

課題

本発明は免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用を増強する乳酸菌免疫賦活作用増強組成物及び該組成物を用いた乳酸菌の免疫賦活作用を増強する方法、並びに免疫賦活作用を有する乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含み、乳酸菌の免疫賦活作用が増強された組成物の提供を目的とする。

解決手段

免疫賦活作用を有する乳酸菌及び多価アルコール飽和脂肪酸エステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を含む組成物。

概要

背景

風邪インフルエンザは主にウイルスの感染により発病し体への不調をきたす。新型インフルエンザ等の流行もあり、風邪やインフルエンザを予防するために免疫賦活効果を有する飲食物が求められている。乳酸菌株である、Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805株(特許文献1を参照)、Lactbacillus bulgaricus OLL1073R-1株(特許文献2を参照)、Enterococcus faecalis(特許文献3を参照)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(特許文献4を参照)、Lactococcus gasseri(特許文献5を参照)などは免疫賦活効果を示すことが知られており、複数の飲食物に用いられている。しかしながら、該菌体の効果を発揮するためには一定量以上の菌株重量が必要であり、飲料に多量に添加すると沈殿が生じる、香味が悪くなるなどの商品価値の低下を招いていた。以上のことより、より少量でも乳酸菌の効果を十分に発揮させるための方法が必要とされていた。近年では、乳酸菌の免疫賦活効果を高める方法や免疫効果を高めた物についても報告されている。例えば、乳酸菌とイネ科穀粒とを組み合わせた免疫増強用飲食品(特許文献5を参照)、フコイダン又はフコイダン加水分解生成物免疫賦活素材とを含む組成物(特許文献6を参照)、アスパラガスを処理したものを含有する培地に、乳酸菌を接種乳酸発酵して得られる培養物(特許文献7を参照)、アスコルビン酸と乳酸菌とを併用する方法(特許文献8を参照)、ビタミンEと乳酸菌を併用する方法(特許文献9を参照)などである。

概要

本発明は免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用を増強する乳酸菌免疫賦活作用増強組成物及び該組成物を用いた乳酸菌の免疫賦活作用を増強する方法、並びに免疫賦活作用を有する乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含み、乳酸菌の免疫賦活作用が増強された組成物の提供を目的とする。免疫賦活作用を有する乳酸菌及び多価アルコール飽和脂肪酸エステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を含む組成物。なし

目的

免疫賦活作用として特にI型インターフェロンに着目することで、ウイルス感染防御効果の強い組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

免疫賦活作用を有する乳酸菌及び多価アルコール飽和脂肪酸エステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を含む組成物

請求項2

免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用が増強されている、請求項1記載の組成物。

請求項3

飲食品である、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

多価アルコールが、モノグリセリンポリグリセリン及びショ糖からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。

請求項5

飽和脂肪酸がカプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸及びベヘニン酸からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項6

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物が有機酸修飾を受けていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。

請求項7

免疫賦活作用を有する乳酸菌濃度1に対して、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物の濃度が0.5〜50の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。

請求項8

免疫賦活作用を有する乳酸菌がインターフェロン産生細胞のインターフェロン産生を誘導し得る乳酸菌である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。

請求項9

免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus garvieae(ラクトコッカスガルビエアエ)、Lactococcus lactis subsp.cremoris(ラクトコッカス・ラクティスサブスピーシーズクレモリス)、Lactococcus lactis subsp.lactis(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス)、Lactococcus lactis subsp.hordniae (ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ)、Leuconostoc lactis(ロイコノストック・ラクティス)、Pediococcus damnosus(ぺディオコッカスダムノーサス)、Streptococcus thermophilus(ストレプトコッカスサーモフィラス)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(ラクトバチルスブレビス・サブスピーシーズ・コアギュランス)及びEnterococcus faecalis(エンテロコッカスフェカリス)からなる群から選択される請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。

請求項10

免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus lactis JCM5805である、請求項8又は9に記載の組成物。

請求項11

免疫賦活作用を有する乳酸菌と、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を接触することを含む、前記乳酸菌の免疫賦活作用を増強させる方法。

請求項12

多価アルコールが、モノグリセリン、ポリグリセリン及びショ糖からなる群から選択される、請求項11記載の方法。

請求項13

飽和脂肪酸がカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸からなる群から選択される、請求項11又は12に記載の方法。

請求項14

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物が有機酸修飾を受けていない、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

免疫賦活作用を有する乳酸菌濃度1に対して、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物の濃度を0.5〜50の範囲とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

免疫賦活作用を有する乳酸菌がインターフェロン産生細胞のインターフェロン産生を誘導し得る乳酸菌である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus garvieae(ラクトコッカス・ガルビエアエ)、Lactococcus lactis subsp.cremoris(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス)、Lactococcus lactis subsp.lactis(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス)、Lactococcus lactis subsp.hordniae (ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ)、Leuconostoc lactis(ロイコノストック・ラクティス)、Pediococcus damnosus(ぺディオコッカス・ダムノーサス)、Streptococcus thermophilus(ストレプトコッカス・サーモフィラス)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(ラクトバチルス・ブレービス・サブスピーシーズ・コアギュランス)及びEnterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカリス)からなる群から選択される請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus lactis JCM5805である、請求項16又は17に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用を増強する乳酸菌免疫賦活作用増強組成物及び該組成物を用いた免疫賦活作用増強方法、並びに免疫賦活作用を有する乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含む組成物に関する。

背景技術

0002

風邪インフルエンザは主にウイルスの感染により発病し体への不調をきたす。新型インフルエンザ等の流行もあり、風邪やインフルエンザを予防するために免疫賦活効果を有する飲食物が求められている。乳酸菌株である、Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805株(特許文献1を参照)、Lactbacillus bulgaricus OLL1073R-1株(特許文献2を参照)、Enterococcus faecalis(特許文献3を参照)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(特許文献4を参照)、Lactococcus gasseri(特許文献5を参照)などは免疫賦活効果を示すことが知られており、複数の飲食物に用いられている。しかしながら、該菌体の効果を発揮するためには一定量以上の菌株重量が必要であり、飲料に多量に添加すると沈殿が生じる、香味が悪くなるなどの商品価値の低下を招いていた。以上のことより、より少量でも乳酸菌の効果を十分に発揮させるための方法が必要とされていた。近年では、乳酸菌の免疫賦活効果を高める方法や免疫効果を高めた物についても報告されている。例えば、乳酸菌とイネ科穀粒とを組み合わせた免疫増強用飲食品(特許文献5を参照)、フコイダン又はフコイダン加水分解生成物免疫賦活素材とを含む組成物(特許文献6を参照)、アスパラガスを処理したものを含有する培地に、乳酸菌を接種乳酸発酵して得られる培養物(特許文献7を参照)、アスコルビン酸と乳酸菌とを併用する方法(特許文献8を参照)、ビタミンEと乳酸菌を併用する方法(特許文献9を参照)などである。

先行技術

0003

国際公開第WO2012/091081号
特開2011-37888号公報
特開平5-97689号公報
特開平06-206826号公報
特開2012-184261号公報
国際公開第WO2007/013613号
特開2007-302628号公報
特開2007-204488号公報
特開2002-080364号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、イネ科穀粒は粒状の物質であり飲食物に用いると沈殿が生じてしまう。アスパラガスを用いた方法では、アスパラガス処理物を乳酸菌で発酵する必要があり手間やコストがかかる上に、香味上の問題が生じる。フコイダンは高分子多糖であり粘性が高いことから扱いが難しく、フコイダン加水分解物は複数のオリゴ糖の混合物であり香味上の問題が考えられる。アスコルビン酸は熱に弱く、ビタミンEは脂溶性であり扱いが難しい。また、上記の方法などはインターフェロンγの産生を増強するものであり、ウイルス感染の予防に最も重要となるI型インターフェロンに関しては示されていない。

0005

そこで、乳酸菌の免疫賦活作用を相乗的に高め、香味に大きく影響しない水溶性成分があれば、活性を維持したまま乳酸菌の使用量を減らすことができ、結果として乳酸菌含有組成物の開発範囲を広げることができる。免疫賦活作用として特にI型インターフェロンに着目することで、ウイルス感染防御効果の強い組成物を提供することができる。

0006

本発明は、少量の添加でも十分に乳酸菌の効果を発揮することのできる、免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用を増強する乳酸菌免疫賦活作用増強組成物及び該組成物を用いた乳酸菌の免疫賦活作用を増強する方法、並びに免疫賦活作用を有する乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含み、乳酸菌の免疫賦活作用が増強された組成物の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、多価アルコール飽和脂肪酸エステル結合物に乳酸菌の免疫賦活作用を増強する効果を見出し、本発明を完成させた。
具体的には、本発明は以下の通りである。
[1] 免疫賦活作用を有する乳酸菌及び多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を含む組成物。
[2] 免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用が増強されている、[1]の組成物。
[3]飲食品である、[1]又は[2]の組成物。
[4] 多価アルコールが、モノグリセリンポリグリセリン及びショ糖からなる群から選択される、[1]〜[3]のいずれかの組成物。
[5] 飽和脂肪酸がカプリル酸カプリン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸及びベヘニン酸からなる群から選択される、[1]〜[4]のいずれかの組成物。
[6] 多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物が有機酸修飾を受けていない、[1]〜[5]のいずれかの組成物。
[7] 免疫賦活作用を有する乳酸菌濃度1に対して、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物の濃度が0.5〜50の範囲である[1]〜[6]のいずれかの組成物。
[8] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がインターフェロン産生細胞のインターフェロン産生を誘導し得る乳酸菌である、[1]〜[7]のいずれかの組成物。
[9] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus garvieae(ラクトコッカスガルビエアエ)、Lactococcus lactis subsp.cremoris(ラクトコッカス・ラクティスサブスピーシーズクレモリス)、Lactococcus lactis subsp.lactis(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス)、Lactococcus lactis subsp.hordniae (ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ)、Leuconostoc lactis(ロイコノストック・ラクティス)、Pediococcus damnosus(ぺディオコッカスダムノーサス)、Streptococcus thermophilus(ストレプトコッカスサーモフィラス)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(ラクトバチルスブレビス・サブスピーシーズ・コアギュランス)及びEnterococcus faecalis(エンテロコッカスフェカリス)からなる群から選択される[1]〜[8]のいずれかの組成物。
[10] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus lactis JCM5805である、[8]又は[9]の組成物。
[11] 免疫賦活作用を有する乳酸菌と、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を接触することを含む、前記乳酸菌の免疫賦活作用を増強させる方法。
[12] 多価アルコールが、モノグリセリン、ポリグリセリン及びショ糖からなる群から選択される、[11]の方法。
[13] 飽和脂肪酸がカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸からなる群から選択される、[11]又は[12]の方法。
[14] 多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物が有機酸修飾を受けていない、[11]〜[13]のいずれかの方法。
[15] 免疫賦活作用を有する乳酸菌濃度1に対して、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物の濃度を0.5〜50の範囲とする[11]〜[14]のいずれかの方法。
[16] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がインターフェロン産生細胞のインターフェロン産生を誘導し得る乳酸菌である、[11]〜[15]のいずれかの方法。
[17] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus garvieae(ラクトコッカス・ガルビエアエ)、Lactococcus lactis subsp.cremoris(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス)、Lactococcus lactis subsp.lactis(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス)、Lactococcus lactis subsp.hordniae (ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ)、Leuconostoc lactis(ロイコノストック・ラクティス)、Pediococcus damnosus(ぺディオコッカス・ダムノーサス)、Streptococcus thermophilus(ストレプトコッカス・サーモフィラス)、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(ラクトバチルス・ブレービス・サブスピーシーズ・コアギュランス)及びEnterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカリス)からなる群から選択される[11]〜[16]のいずれかの方法。
[18] 免疫賦活作用を有する乳酸菌がLactococcus lactis JCM5805である、[16]又は[17]の方法。

発明の効果

0008

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物は免疫賦活作用を有する乳酸菌の免疫賦活作用を増強する。すなわち、乳酸菌を多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物とを培養等により共存させることにより、乳酸菌がインターフェロン産生細胞に作用しインターフェロン産生を誘導する効果が増強される。多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を用いて乳酸菌の免疫賦活作用を増強することができる。また、乳酸菌を含む飲食品等の組成物に乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加することにより、飲食品中の乳酸菌の免疫賦活作用を増強することができる。乳酸菌の免疫賦活作用は、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により増強されるため、飲食品等の組成物に含ませる乳酸菌の量が少なくても顕著な免疫賦活効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0009

免疫賦活作用増強組成物のスクリーニングの結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類(親水性部分)の絞込み検証の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類(疎水性部分)の絞込み検証の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の検証の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の検証2の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の有機酸修飾の検証(乳酸菌濃度0.1%)の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の有機酸修飾の検証(乳酸菌濃度0.01%)の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の濃度範囲の検証(乳酸菌濃度0.1%)の結果を示す図である。
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の濃度範囲の検証(乳酸菌濃度0.01%)の結果を示す図である。
JCM5805株以外の乳酸菌に対する効果の検証の結果を示す図である(その1)。

0010

以下、本発明を詳細に説明する。

0011

本発明は、乳酸菌の免疫賦活作用を高める乳酸菌免疫賦活作用増強組成物である。該組成物は、親水性部分と親油性部分からなり、親水性部分である多価アルコールと親油性部分である飽和脂肪酸がエステル結合で結合した構造を有する、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む。

0012

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物中の多価アルコールは、分子中に2個以上の水酸基を有するアルコールであり、水酸基の数は限定されず、例えば2個〜15個有しているものを用いる。多価アルコールは、アルデヒド基ケトン基を有していてもよい。アルデヒド基やケトン基を有する多価アルコールは糖又は糖アルコールである。

0013

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物が含む多価アルコールの炭素数は、2〜20、好ましくは3〜20である。また、多価アルコールの分子量は大きいほどよく、分子量は50以上、好ましくは60以上、さらに好ましくは90以上である。例えば、ショ糖(分子量342)、トリグリセリン(分子量240)、ジグリセリン(分子量166)及びモノグリセリン(分子量92)の増強効果を比較した場合、この順で効果が大きい。

0014

多価アルコールとして、例えば、2価のエチレングリコール(C2H6O2)、プロピレングリコール(C3H8O2)、3価のグリセリン(C3H8O3)、4価のジエチレングリコール(C4H10O3)、5価のジグリセリン(C6H14O5)、トリグリセリン(C9H20O7)、ポリグリセリン等が挙げられる。また、多数の水酸基を有するポリエチレングリコールを用いることもできる。また、糖である多価アルコールとして、ショ糖(C12H22O11)等が挙げられる。さらに、糖アルコールである多価アルコールとして、キシリトール(C5H12O5)、ソルビトール(C6H14O6)、マンニトール(C6H14O6)、ソルビタン等が挙げられる。

0015

多価アルコールに、コハク酸酒石酸等の有機酸が結合している場合、乳酸菌の免疫賦活作用増強効果は低下する。ただし、有機酸が結合している場合でも、免疫賦活作用増強効果は認められるので、有機酸が結合した多価アルコールを用いることはできる。しかし、好ましくは有機酸が結合していない多価アルコールを用いる。

0016

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物が含む飽和脂肪酸の炭素数は、8〜30である。具体的には、カプリル酸(オクタン酸)(C8)、カプリン酸(デカン酸)(C10)、ラウリン酸(ドデカン酸)(C12)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)(C14)、ペンタデシル酸(ペンタデカン酸)(C15)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)(C16)、マルガリン酸ヘプタデカン酸)(C17)、ステアリン酸(オクタデカン酸)(C18)、アラキジン酸イコサン酸)(C20)、ベヘニン酸(ドコサン酸)(C22)、リグノセリン酸テトラドコサン酸)(C24)、セロチン酸ヘキサドコサン酸)(C26)、モンタン酸オクタドコサン酸)(C26)、メリシン酸(C28)等が挙げられる。この中でも、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸が好適に用いることができる。

0017

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物は、上記の多価アルコールの水酸基と飽和脂肪酸のカルボキシル基がエステル結合により結合したエステル結合物を有効成分として含む組成物である。

0018

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物において、多価アルコール1分子に結合する飽和脂肪酸の数は限定されず、1個の水酸基のみに飽和脂肪酸が結合していてもよい。また、総ての水酸基ではない複数の水酸基に飽和脂肪酸が結合していてもよい。例えば、多価アルコールに脂肪酸が1個ついたモノエステル、2個ついたジエステル、3個ついたトリエステル等が挙げられる。また、1分子の多価アルコールに複数個の飽和脂肪酸が結合する場合、複数個の飽和脂肪酸は同じ種類の飽和脂肪酸でもよいし、異なる種類の飽和脂肪酸が結合していてもよい。

0019

多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を有効成分として含む組成物は多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を45(w/v)%以上、好ましくは50(w/v)%以上、さらに好ましくは60(w/v)%以上、さらに好ましくは70(w/v)%以上、さらに好ましくは80(w/v)%以上、さらに好ましくは90(w/v)%以上、特に好ましくは95(w/v)%以上含み、100(w/v)%含んでいてもよい。

0020

上記のエステル結合物として、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセリド)、ジグリセリン脂肪酸エステルトリグリセリン脂肪酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステル、等が挙げられる。具体的には、グリセリンカプリル酸エステル、グリセリンカプリン酸エステル、グリセリンラウリン酸エステル、グリセリンミリスチン酸エステル、グリセリンパルミチン酸エステルグリセリンステアリン酸エステル、グリセリンベヘニン酸エステル、ジグリセリンカプリル酸エステル、ジグリセリンカプリン酸エステル、ジグリセリンラウリン酸エステル、ジグリセリンミリスチン酸エステル、ジグリセリンパルミチン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンベヘニン酸エステル、トリグリセリンカプリル酸エステル、トリグリセリンカプリン酸エステル、トリグリセリンラウリン酸エステル、トリグリセリンミリスチン酸エステルトリグリセリンパルミチン酸エステル、トリグリセリンステアリン酸エステル、トリグリセリンベヘニン酸エステル、テトラグリセリンカプリル酸エステル、テトラグリセリンカプリン酸エステル、テトラグリセリンラウリン酸エステル、テトラグリセリンミリスチン酸エステル、テトラグリセリンパルミチン酸エステル、テトラグリセリンステアリン酸エステル、テトラグリセリンベヘニン酸エステル、デカグリセリンカプリル酸エステル、グリセリンカプリン酸エステル、グリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル、デカグリセリンパルミチン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンベヘニン酸エステル、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステルショ糖ミリスチン酸エステルショ糖パルミチン酸エステルショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル等が挙げられる。

0021

上記の多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物又は該エステル結合物を含む組成物は、界面活性剤としての機能を有しており、エステル型非イオン性界面活性剤又は多価アルコール型界面活性剤ということもできる。また、上記の多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物又は該エステル結合物を有効成分として含む組成物は、乳化剤としての機能を有しており、市販の乳化剤を用いることができる。

0022

そのような多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む乳化剤として、以下のものが挙げられる。以下の記載においては、各乳化剤の商品名の後のかっこ内にエステル結合物の種類を記載してあるが、かっこ内のエステル結合物を最も多く含んでいる。エステル結合物の含量(w/v)は、45%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。

0023

グリセリン脂肪酸エステル結合物として、グリセリン脂肪酸エステルあるいはポリグリセリン脂肪酸エステルであるエマルジーP-100(モノグリセリンパルミチン酸エステル及びモノグリセリンステアリン酸エステル)、ポエムM-100(グリセリンモノカプリル酸エステル)、ポエムM-200(グリセリンモノカプリン酸エステル)、ポエムM-300(グリセリンモノラウリン酸エステル)、ポエムV-100(グリセリンモノステアリン酸エステル)、リケマールB-100(グリセリンモノベヘニン酸エステル)、ポエムV-200(グリセリンモノ・ジステアリン酸エステル)、ポエムB-200(グリセリンモノ・ジベヘニン酸エステル)、ポエムDL-100(ジグリセリンモノラウリン酸エステル)、ポエムDM-100(ジグリセリンモノミリスチン酸エステル)、ポエムDS-100A(ジグリセリンモノステアリン酸エステル)、ポエムDP-95RF(ジグリセリンパルミチン酸エステル)、リケマールL-71-D(ジグリセリンラウリン酸エステル)、リケマールS-71-D(ジグリセリンステアリン酸エステル)、ポエムTRP-97RF(トリグリセリンモノパルミチン酸エステル)、ポエムJ-4081V(テトラグリセリンステアリン酸エステル)、ポエムJ-0021(デカグリセリンラウリン酸エステル)、ポエムJ-0081HV(デカグリセリンステアリン酸エステル)(すべて、理研ビタミン株式会社)等の食品用乳化剤が挙げられる。

0024

プロピレングリコール脂肪酸エステル結合物として、リケマールPL-100(プロピレングリコールモノラウリン酸エステル)、リケマールPP-100(プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル)、リケマールPS-100(プロピレングリコールモノステアリン酸エステル)、リケマールPB-100(プロピレングリコールモノベヘニン酸エステル)(すべて、理研ビタミン株式会社)等の食品用乳化剤が挙げられる。

0025

ソルビタン脂肪酸エステル結合物として、リケマールL-250A(ソルビタンラウリン酸エステル)、リケマールP-300(ソルビタンパルミチン酸エステル)、ポエムS-60V(ソルビタンステアリン酸エステル)、ポエムS-65V(スルタントリステアリン酸エステル)、リケマールB-150(スルビタントリベヘニン酸エステル)、リケマールC-250(ソルビタンカプリン酸エステル)(すべて、理研ビタミン株式会社)等の食品用乳化剤が挙げられる。

0026

ショ糖脂肪酸エステル結合物として、リョートー(登録商標シュガーエステルS-1570、S-1670(ショ糖ステアリン酸エステル)、リョートー(登録商標)シュガーエステルP-1570、P-1670(ショ糖パルミチン酸エステル)、リョートー(登録商標)シュガーエステルM-1695(ショ糖ミリスチン酸エステル)、リョートー(登録商標)シュガーエステルP-1695(ショ糖ラウリン酸エステル)、リョートー(登録商標)シュガーエステルB-370(ショ糖ベヘニン酸エステル)(すべて、三菱化学フーズ株式会社)等の食品用乳化剤が挙げられる。

0027

また、多価アルコールに有機酸が結合した食品用乳化剤として、ポエムW-60(ジアセチル酒石酸脂肪酸モノグリセリド)、ポエムB-15V及びポエムBS-20(コハク酸脂肪酸モノグリセリド)、ポエムK-30(クエン酸脂肪酸モノグリセリド)(すべて、理研ビタミン株式会社)等が挙げられる。

0028

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用を増強される乳酸菌は、本発明の組成物が存在しない状態でも元々免疫賦活作用を有している乳酸菌である。ここで、免疫賦活作用を有しているとは、乳酸菌がin vitro及びin vivoで、インターフェロン産生細胞である免疫担当細胞に作用しインターフェロン産生を促進する活性を有していることをいう。免疫賦活作用をインターフェロン産生誘導作用と呼ぶこともある。免疫担当細胞としては、脾臓細胞骨髄細胞が挙げられる。また、免疫担当細胞の中でも、プラズマイトイド樹状細胞(pDC: plasmacytoid dendrtic cell))が挙げられる。

0029

インターフェロンには、Type I インターフェロン(I型インターフェロン)、Type II インターフェロン(II型インターフェロン)、Type III インターフェロン(III型インターフェロン)が含まれる。Type I インターフェロンはウイルス感染に有効とされるサイトカインをいい、インターフェロン-α(1、2、4、5、6、7、8、10、13、14、16、17、21)、インターフェロン-β等が含まれる。Type II インターフェロンにはインターフェロン-γが含まれ、Type III インターフェロンにはインターフェロン-λが含まれる。特に、Type I インターフェロン及び Type III インターフェロンの産生誘導能、その中でもとりわけType I インターフェロンであるインターフェロン-αの産生誘導能を有する乳酸菌が好ましい。

0030

また、乳酸菌の中でも小型の乳酸菌が好ましい。例えば、乳酸菌1個の直径が5μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下の乳酸菌が挙げられる。

0031

インターフェロン産生能を有する乳酸菌として、Lactococcus(ラクトコッカス)属、Leuconostoc(ロイコノストック)属、Pediococcus(ぺディオコッカス)属、Streptococcus(ストレプトコッカス)属、Lactobacillus属、Enterococcus属に属する乳酸球菌が挙げられる。

0032

これらの乳酸菌中には、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC: plasmacytoid dendritic cell)のインターフェロン産生を促進し得る乳酸菌が含まれるがこれには限定されない。

0033

プラズマサイトイド樹状細胞(pDC: plasmacytoid dendritic cell)を活性化し、pDCのインターフェロン産生を促進し得る乳酸菌として、好ましくは乳酸球菌が挙げられ、さらに好ましくは、Lactococcus(ラクトコッカス)属、Leuconostoc(ロイコノストック)属、Pediococcus(ぺディオコッカス)属、Streptococcus(ストレプトコッカス)属に属する乳酸球菌が挙げられる。特に、Lactococcus garvieae(ラクトコッカス・ガルビエアエ)、Lactococcus lactis subsp.cremoris(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス)、Lactococcus lactis subsp.lactis(ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス)、Lactococcus lactis subsp.hordniae (ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ホールドニアエ)、Leuconostoc lactis(ロイコノストック・ラクティス)、Pediococcus damnosus(ぺディオコッカス・ダムノーサス)、Streptococcus thermophilus(ストレプトコッカス・サーモフィラス)が挙げられる。プラズマサイトイド樹状細胞が乳酸菌により活性化されると、活性化樹状細胞の特徴である細胞突起出現し、Type Iインターフェロン及びType III インターフェロンを産生する。

0034

このような、乳酸菌株として具体的には、Lactococcus garvieae NBRC100934、Lactococcus lactis subsp.cremoris JCM16167、Lactococcus lactis subsp.cremoris NBRC100676、Lactococcus lactis subsp.hordniae JCM1180、Lactococcus lactis subsp.hordniae JCM11040、Lactococcus lactis subsp.lactis NBRC12007、Lactococcus lactis subsp.lactis NRIC1150、Lactococcus lactis subsp.lactis JCM5805、Lactococcus lactis subsp.lactis JCM20101、Leuconostoc lactis NBRC12455、Leuconostoc lactis NRIC1540、Pediococcus damnosus JCM5886、Streptococcus thermophilus TA-45が挙げられ、この中でも特にインターフェロン-α産生誘導能が高いLactococcus lactis subsp.lactis JCM5805及びLactococcus lactis subsp.lactis JCM20101、特にLactococcus lactis JCM5805を好適に用いることができる。

0035

また、Lactobacillus属に属する乳酸菌として、Lactobacillus brevis subsp. coagulans(ラクトバチルス・ブレービス・サブスピーシーズ・コアギュランス)(特開平6-206826号公報)が挙げられ、具体的な株としてLactobacillus brevis subsp. CoagulansKB290が挙げられる。また、Enterococcus属に属する乳酸菌として、Enterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカリス)が挙げられ、具体的な株としてEnterococcus faecalis NF-1011、Enterococcus faecalis FK-23、Enterococcus faecalisNTなどが挙げられる。

0036

さらに、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用を増強させる乳酸菌として、経口摂取した場合にも、生体に対してインターフェロン誘導作用を有する乳酸菌が好ましい。上記のLactococcus lactis JCM5805は経口摂取した場合にも、生体に対して大きなINF産生誘導作用を発揮し得る。

0037

また、Lactococcus garvieae NBRC100934、Lactococcus lactis subsp.cremoris JCM16167、Lactococcus lactis subsp.cremoris NBRC100676、Lactococcus lactis subsp.hordniae JCM1180、Lactococcus lactis subsp.hordniae JCM11040、Lactococcus lactis subsp.lactis NBRC12007、Lactococcus lactis subsp.lactis NRIC1150、Lactococcus lactis subsp.lactis JCM5805、Lactococcus lactis subsp.lactis JCM20101、Leuconostoc lactis NBRC12455、Leuconostoc lactis NRIC1540、Pediococcus damnosus JCM5886、Streptococcus thermophilus TA-45、Lactobacillus brevis subsp. CoagulansKB290、Enterococcus faecalis NF-1011、Enterococcus faecalis FK-23、Enterococcus faecalisNTと同等の菌株を用いることができる。ここで、同等の菌株とは、上記の菌株から由来している菌株又は上記の菌株が由来する菌株若しくはその菌株の子孫菌株をいう。同等の菌株は他の菌株保存機関に保存されている場合もある。

0038

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を、上記乳酸菌に添加することにより乳酸菌の免疫賦活作用を増強することができる。

0039

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物は、例えば、乳酸菌濃度1に対して、0.5〜50の濃度で用いればよい。ここで乳酸菌濃度は乳酸菌重量(乾燥重量)/乳酸菌を含む液体体積(w/v)で表し、乳酸菌の重量は乳酸菌懸濁液を遠心し、乳酸菌を沈殿後乾燥させた状態で測定すればよい。例えば、0.01(w/v)%〜0.1(w/v)%の乳酸菌と0.005(w/v)%〜5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を混合すればよい。この際、好ましくは乳酸菌の濃度範囲に応じて乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の混合量を変えればよく、例えば乳酸菌濃度が0.01(w/v)%の場合、0.01(w/v)%の乳酸菌に0.05(w/v)%〜0.5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加すればよく(乳酸菌濃度1に対して、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物濃度5〜50)、乳酸菌濃度が0.1(w/v)%の場合、0.1(w/v)%の乳酸菌に、0.05(w/v)%〜0.5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加すればよい(乳酸菌濃度1に対して、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物濃度0.5〜5)。本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強剤は、0.01〜0.1(w/v)%という低濃度の乳酸菌を用いた場合でも乳酸菌の免疫賦活作用を増強させることができ、0.01(w/v)%の乳酸菌に0.05〜0.5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加した場合、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加しない0.1(w/v)%の乳酸菌よりも大きい免疫賦活作用を得ることができる。

0040

このように、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により、少量の乳酸菌に対して免疫賦活作用を増強させることができる。この結果、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用を増強させていない乳酸菌を用いた場合の免疫賦活効果に比べ、少量の乳酸菌で同等の免疫賦活効果を得ることができる。

0041

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により、乳酸菌の免疫賦活作用が増強される。乳酸菌の免疫賦活作用を増強するには、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物と乳酸菌を接触させればよい。乳酸菌免疫賦活作用増強組成物と乳酸菌を接触させるには、乳酸菌を乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の存在下で培養してもよいし、乳酸菌を含む液体中に乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加してもよい。また、乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を組成物中に含ませてもよく、この状態で室温で、あるいは冷蔵冷凍により保存することもできる。

0042

免疫賦活作用が増強された乳酸菌は、腸管細胞、骨髄細胞や脾臓細胞等に含まれるINF産生細胞である免疫担当細胞に作用し、該細胞のインターフェロン産生を促進する。この結果、Type Iインターフェロン(I型インターフェロン)、Type II インターフェロン(II型インターフェロン)、Type III インターフェロン(III型インターフェロン)のいずれのインターフェロンの産生も促進され得る。その中でも特にType I インターフェロンその中でもとりわけインターフェロン-αの産生が促進される。また、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物によりNK細胞やTh1細胞からのインターフェロン-γ等のType II インターフェロンの産生も促進され得る。インターフェロン産生を促進することにより生体の免疫活性が上昇する。また、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物は、Type I インターフェロン、Type III インターフェロンの産生を同時に促進することができ、すなわち、インターフェロン-α、インターフェロン-β及びインターフェロン-λの産生を同時に促進することができる。さらに、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物は、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC: plasmacytoid dendrtic cell)を活性化し得る。プラズマサイトイド樹状細胞が活性化されると、活性化樹状細胞の特徴である細胞突起が出現し、Type I インターフェロン及びType III インターフェロンを産生する。

0043

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により乳酸菌の免疫賦活作用が増強されたかどうかは、乳酸菌とインターフェロン産生細胞である免疫担当細胞を混合して本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の存在下で培養し、免疫担当細胞のインターフェロン産生が乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加しない場合と比較して促進されたか否かを測定すればよい。インターフェロン産生の増加は、例えば、ELISAを用いて培養液中のインターフェロン量を測定すればよい。本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により乳酸菌の免疫賦活作用を増強した場合、免疫賦活作用が増強された乳酸菌によりインターフェロン産生細胞のインターフェロン-αの産生量は、10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは80%以上増強される。増強の程度は、例えば、in vitroでインターフェロン-α産生量を測定した場合の、乳酸菌培地中のインターフェロン-α濃度で示すことができる。

0044

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌は、インターフェロンの産生を誘導し、生体の免疫活性を高める医薬として用いることができる。すなわち、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌は、免疫増強剤免疫賦活化剤として用いることができる。該医薬は、既にType I インターフェロンの適応疾患と知られている、腎癌多発性骨髄腫慢性骨髄性白血病ヘアリー細胞白血病膠芽腫髄芽腫星細胞腫悪性黒色腫菌状息肉症成人T細胞性白血病などを含むガン亜急性硬化性全脳炎HTLV-1脊髄症B型肝炎C型肝炎などを含むウイルス感染症クラミジア性病)・マイコバクテリウム結核)・リステリア敗血症など)・スタフィロコッカス食中毒)・ヘリコバクター胃炎)等の細菌による感染症多発性硬化症などを含む自己免疫疾患の予防あるいは治療薬として用いることができる。特に前記医薬はウイルス感染防御及びウイルス感染治療剤として有用である。また、Type I インターフェロンの活性として骨芽細胞から破骨細胞への分化抑制機能が知られていることから、骨そしょう症の予防あるいは治療薬としても用いることができる。

0045

さらに、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌株中に特定の疾患に対応する抗原遺伝子工学的手法を用いて発現させることにより、ワクチンとして用いることができる。特に乳酸菌の細胞壁胃酸から抗原を守る働きがあるため、このような異種抗原発現菌株は経口ワクチンのホストとして好適である。一般的にワクチンには生ワクチン、全粒子不活化ワクチン及びスプリットワクチンがあるが、生ワクチンにはウイルス強毒化の危険性があり、全粒子不活化ワクチンでは不純物による副作用懸念があり、最も安全性の高いスプリットワクチンでは有効性に問題がある。このような問題を克服するために目的の抗原のみを発現する組み換えワクチンの開発が進められているが、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌に発現させればアジュバント効果も合わせて得られることとなり、極めて有用性が高い。

0046

本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌の形態は特に限定されない。例えば、粉末顆粒錠剤シロップ注射剤点滴剤散剤、座剤、懸濁剤軟膏剤などが挙げられる。本発明の医薬組成物は、経口で投与してもよく、また静注筋注皮下投与直腸投与経皮投与等の非経口で投与してもよいが、経口投与が好ましい。前記インターフェロン産生誘導剤は、賦形剤崩壊剤結合剤滑沢剤着色剤等を含んでいても良い。賦形剤としてはブドウ糖乳糖コーンスターチソルビット等が、崩壊剤としてはデンプンアルギン酸ナトリウムゼラチン末、炭酸カルシウムクエン酸カルシウムデキストリン等が、結合剤としてはジメチルセルロースポリビニルアルコールポリビニルエーテルメチルセルロースエチルセルロースアラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルピロリドン等が、滑沢剤としてはタルクステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油等がそれぞれ挙げられる。投与量は、投与する患者年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度により適宜決定することができ、1日1回又は数回に分けて投与すればよく、1回菌数にして1×109〜1×1012細胞に相当する量の培養物を投与すればよい。あるいは、乳酸菌体重量換算で1回1〜1000mgを投与すればよい。

0047

また、本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により免疫賦活作用が増強された乳酸菌は、飲食品に含ませて用いることもでき、飲食品に含ませることによってその飲食品をインターフェロン産生誘導用飲食品、免疫増強用飲食品、免疫賦活用飲食品、ウイルス感染防御用飲食品等として用いることができる。対象となる飲食品として、乳・乳製品;飲料;調味料酒類;農産・林産加工食品菓子パン類穀粉麺類水産加工品畜産加工品;油脂・油脂加工品調理冷凍食品レトルト食品インスタント食品食品素材などが挙げられる。この中でも、ヨーグルトチーズ等の発酵乳製品乳酸菌飲料に用いることができる。発酵飲食品として用いる場合、免疫賦活作用を有する乳酸菌を発酵飲食品に死菌として所要量添加するほか、乳酸菌スターターとして用いて発酵飲食品を製造することもできる。

0048

本発明の飲食品は、健康飲食品、特定保健用飲食品、栄養機能飲食品、健康補助飲食品等を含む。ここで、特定保健用飲食品とは、食生活において特定の保健の目的で摂取をし、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする飲食品をいう。これらの飲食品には、例えば、体の免疫機能を増強する、体の免疫機能を賦活する、風邪をひきにくくする、インフルエンザウイルスノロウイルスあるいはロタウイルス等のウイルスに感染しにくくする、発がん予防に効果を有する等の表示が付されていてもよい。

0049

さらに、乳酸菌を含む飲食品に本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加して包含させてもよい。該飲食品に含まれる乳酸菌の免疫賦活作用は乳酸菌免疫賦活作用増強組成物により増強され、該飲食品の機能はより向上する。

0050

本発明は、乳酸菌と本発明の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含む組成物を含む。該組成物は飲食品や医薬品を含む。

0051

乳酸菌と乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の両方を含む組成物においては、乳酸菌濃度1に対して、0.5〜50の濃度で乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を含ませればよい。例えば、0.01(w/v)%〜0.1(w/v)%の乳酸菌と0.05(w/v)%〜5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を混合すればよい。この際、好ましくは乳酸菌の濃度範囲に応じて乳酸菌免疫賦活作用増強組成物の混合量を変えればよく、例えば乳酸菌濃度が0.01(w/v)%の場合、0.01(w/v)%の乳酸菌に0.05(w/v)%〜0.5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加すればよく(乳酸菌濃度1に対して、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物濃度5〜50)、乳酸菌濃度が0.1(w/v)%の場合、0.1(w/v)%の乳酸菌に、0.05(w/v)%〜0.5(w/v)%の乳酸菌免疫賦活作用増強組成物を添加すればよい(乳酸菌濃度1に対して、乳酸菌免疫賦活作用増強組成物濃度0.5〜5)。

0052

本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。

0053

実施例1免疫賦活作用増強剤のスクリーニング
<方法>
雌129/SVマウスの脾臓細胞を常法に従って回収赤血球除去処理を行った。得られた脾臓細胞を10%FBS、50μM β-メルカプトエタノールを含有するRPMI培地(SIGMA社製)に、4×106個/mlとなるように懸濁した。得られた細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図1に記載のサンプル(素材)の混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。

0054

<結果>
図1に結果を示す。JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、このインターフェロン-α誘導活性は乳化剤として用いられる多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物を含む組成物であるポエムTRP-97RF(トリグリセリンモノパルミチン酸)、リョートーシュガーエステルP1670(ショ糖パルミチン酸エステル)及びポエムBS-20(コハク酸脂肪酸モノグリセリド)によって相乗的に高められた。一方、多糖類(GENUペクチン、ペクチンAYD30T、ユニペクチンAYD5110SB)では、インターフェロン-α誘導活性は高められなかった。この結果より、JCM5805株の免疫賦活作用が乳化剤として用いられる多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物により高められることが分かった。

0055

実施例2多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の絞込み検証(親水性部分)
多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物は水と油などの混じり合わない物の境界面で働いて均一化する物質であり、親水性部分と疎水性部分からなる。また、用途によって有機酸による修飾物を用いることもある。乳酸菌の免疫賦活作用を高める多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の絞込みを行うために、まず親水性部分である多価アルコールの検証を行った。

0056

<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図2に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、エマルジーP-100(主にモノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(A)(理研ビタミン株式会社)、ポエムDP-95RF(主にジグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(B)(理研ビタミン株式会社)、ポエムTRP-97RF(主にトリグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(C)(理研ビタミン株式会社)及びリョートーシュガーエステルP-1670(主にショ糖と飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(D)(三菱化学フーズ株式会社)であった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、疎水性部分を飽和脂肪酸に統一し、親水性部分としてモノグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン及びショ糖を多価アルコールとして含むエステル結合物を使用することで親水性部分である脂肪酸の検証を行った。

0057

<結果>
図2に結果を示す。0.1%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、更にいずれの種類のエステル結合物によってもインターフェロン-α誘導活性が高められた。すなわち、乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物の親水性部分として広く多価アルコールを用いることができることが分かった。
また、多価アルコールの分子量が大きい方が効果が高かった。

0058

実施例3多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の絞込み検証(疎水性部分)
乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物として親水性部分として多価アルコールを用い得ることが確認されたため、次に疎水性部分の検証を行った。

0059

<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図3に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、リョートーシュガーエステルP-1570(主にショ糖パルミチン酸エステルを含む)(PA1)(三菱化学フーズ株式会社)、リョートーシュガーエステルP-1670(主にショ糖パルミチン酸エステルを含む)(PA2)(三菱化学フーズ株式会社)、リョートーシュガーエステルS-1570(主にショ糖ステアリン酸エステルを含む)(SA1)(三菱化学フーズ株式会社)、リョートーシュガーエステルS-1670(主にショ糖ステアリン酸エステルを含む)(SA2)(三菱化学フーズ株式会社)及びリョートーシュガーエステルO-1570(主にショ糖オレイン酸エステルを含む)(OA)(三菱化学フーズ株式会社)であった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、親水性部分をショ糖に統一し、疎水性部分としてパルミチン酸(飽和脂肪酸)、ステアリン酸(飽和脂肪酸)及びオレイン酸不飽和脂肪酸)を脂肪酸して含むエステル結合物を使用することで疎水性部分の検証を行った。

0060

<結果>
図3に結果を示す。0.1%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、更に疎水性部分に飽和脂肪酸であるステアリン酸及びパルミチン酸を含むエステル結合物ではインターフェロン-α誘導活性が高められ、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を含むエステル結合物ではインターフェロン-α誘導活栓が弱められた。すなわち、乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物として疎水性部分は飽和脂肪酸が適切であることが示された。

0061

実施例4多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の検証
乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物を詳細に検証するために、単一成分であるモノグリセリンミリスチン酸エステル、モノグリセリンパルミチン酸エステル及びモノグリセリンステアリン酸エステルを用いて多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の評価を行った。

0062

<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図4に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各モノグリセリン脂肪酸エステルのサンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、モノグリセリンミリスチン酸エステル、モノグリセリンパルミチン酸エステル、モノグリセリンステアリン酸エステルであった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、親水性部分がグリセリンであり疎水性部分がミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸であるエステルの単一成分の検証を行った。

0063

<結果>
図4に結果を示す。0.1% JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、更に疎水性部分にミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸を含むモノグリセリン脂肪酸エステルではインターフェロン-α誘導活性が高められた。すなわち、エステル結合物として親水性部分がグリセリンであり疎水性部分が飽和脂肪酸である単一成分でも乳酸菌の免疫賦活作用を高めることが示された。

0064

実施例5多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の種類の検証2
乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物を詳細に検証するために、単一成分であるショ糖パルミチン酸エステルを用いて多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の評価を行った。

0065

<方法>
雌129/SVマウスの骨髄細胞を常法に従って回収し赤血球除去処理を行った。得られた骨髄細胞を10%FBS、50μM β-メルカプトエタノール、100ng/ml Flt-3Lを含有するRPMI培地(SIGMA社製)に、5×105個/mlとなるように懸濁した。得られた細胞懸濁液を1mlずつ播種し、CO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて1週間培養して樹状細胞を誘導した。1週間培養後、播種された1ml細胞培養液中に乳酸菌(JCM5805株)と図5に記載のサンプルの混合物を各10μlずつ添加した。乳酸菌と図5に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、ショ糖パルミチン酸エステル及びリョートーシュガーエステルP1670(主にショ糖パルミチン酸エステルを含む)(三菱化学フーズ株式会社)であった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。

0066

<結果>
図5に結果を示す。0.1% JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、更にショ糖パルミチン酸エステルではリョートーシュガーエステルP1670と同程度までインターフェロン-α誘導活性が高められた。すなわち、エステル結合物として親水性部分がショ糖であり疎水性部分が飽和脂肪酸である単一成分でも乳酸菌の免疫賦活作用を高めることが示された。

0067

実施例6多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の有機酸修飾の検証
乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物として親水性部分は多価アルコールが適切であり、疎水性部分は飽和脂肪酸が適切であることが確認されたため、次にエステル結合物の多価アルコール部分の有機酸修飾の有無に関する検証を行った。

0068

(1)乳酸菌濃度0.1%の場合
<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図6に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、エマルジーP-100(主にモノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(A)(理研ビタミン株式会社)、ポエムW-60(主にジアセチル酒石酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(B)(理研ビタミン株式会社)、ポエムB-15V(主にコハク酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(C)(理研ビタミン株式会社)及びポエムBS-20(主にコハク酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(D)(理研ビタミン株式会社)であった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、エステル結合物の親水性部分をモノグリセリンに、疎水性部分を飽和脂肪酸に統一し、それに有機酸修飾として酒石酸又はコハク酸が結合したエステル結合物を使用することで有機酸修飾の検証を行った。

0069

<結果>
図6に結果を示す。0.1%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、有機酸修飾のない乳化剤ではインターフェロン-α誘導活性が高められたが、酒石酸及びコハク酸で修飾されたエステル結合物ではlFN-α誘導活性が高められなかった。すなわち、乳酸菌の濃度が比較的高い場合は、乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物として疎水性部分は飽和脂肪酸であり、有機酸修飾されていないものが適していることが示された。

0070

(2)乳酸菌濃度0.01%の場合
<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図7に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.01(w/v)%と各サンプル0.25(w/v)%を含む。サンプルは乳酸菌のみ、エマルジーP-100(主にモノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(A)(理研ビタミン株式会社)、ポエムW-60(主にジアセチル酒石酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(B)(理研ビタミン株式会社)、ポエムB-15V(主にコハク酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(C)(理研ビタミン株式会社)及びポエムBS-20(主にコハク酸モノグリセリンと飽和脂肪酸のエステル結合物を含む)(D)(理研ビタミン株式会社)であった。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、エステル結合物の親水性部分をモノグリセリンに、疎水性部分を飽和脂肪酸に統一し、それに有機酸修飾として酒石酸又はコハク酸が結合したエステル結合物を使用することで有機酸修飾の検証を行った。

0071

<結果>
図7に結果を示す。0.01%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、有機酸修飾のない乳化剤ではインターフェロン-α誘導活性が高められ、酒石酸及びコハク酸で修飾されたエステル結合物では誘導活性の向上が小さくなったが、わずかに活性の上昇が認められた。すなわち、乳酸菌の濃度が低い場合は、乳酸菌の免疫賦活作用を高めるエステル結合物として疎水性部分は飽和脂肪酸であり、有機酸修飾されていてもいなくても効果があることが示された。

0072

実施例7多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の濃度範囲の検証1
<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図8に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.1(w/v)%と各サンプル0〜1(w/v)%を含む。サンプルとしてリョートーシュガーエステルP1670(主にショ糖パルミチン酸エステルを含む)(三菱化学フーズ株式会社)を用いた。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、JCM5805株の濃度を0.1(w/v)%に固定しエステル結合物であるリョートーシュガーエステルP1670の濃度を0.05(w/v)%から1(w/v)%の間で濃度依存性を検証した。

0073

<結果>
図8に結果を示す。0.1(w/v)%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、リョートーシュガーエステルP1670の濃度幅が0.05(w/v)%から0.5(w/v)%の間で濃度依存的にインターフェロン-α誘導活性が相乗的に高まった。すなわち、JCM5805濃度1に対して、エステル結合物濃度0.5〜5の間で相乗効果を示した。エステル結合物濃度1(w/v)%で相乗効果が見られなかったのは、エステル結合物濃度が濃く細胞に傷害を与えたためと考えられる。

0074

実施例8多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物の濃度範囲の検証2
<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌(JCM5805株)と図9に記載のサンプルの混合物を各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。乳酸菌と図に記載の各サンプルの混合物は、乳酸菌0.01(w/v)%と各サンプル0〜0.5(w/v)%を含む。サンプルとしてリョートーシュガーエステルP1670(主にショ糖パルミチン酸エステルを含む)(三菱化学フーズ株式会社)を用いた。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、JCM5805株の濃度を0.01(w/v)%に固定しエステル結合物であるリョートーシュガーエステルP1670の濃度を0.05(w/v)%から0.5(w/v)%の間で濃度依存性を検証した。

0075

<結果>
図9に結果を示す。0.01%JCM5805単独でインターフェロン-α誘導活性を示し、リョートーシュガーエステルP1670濃度依存的にインターフェロン-α誘導活性が相乗的に高まった。相乗効果を示したエステル結合物濃度は0.05〜0.5(w/v)%の間であり、JCM5805濃度1に対して、エステル結合物濃度5〜50で相乗効果を示した。

0076

実施例9 JCM5805株以外の乳酸菌に対する効果の検証
<方法>
実施例1に記載の方法により作製した細胞懸濁液500μlに乳酸菌と図10に記載のサンプルを各5μlずつ添加しCO2インキュベータ内で37℃、5% CO2にて培養した。24時間後に培養上清を回収しインターフェロン-α測定キット(PBL社製)にてインターフェロン-α濃度を測定した。すなわち、乳酸菌としてEnterococcus faecalis及びLactobacillus brevis subsp. coagulansに対するエステル結合物(リョートーシュガーエステルP1670(ショ糖パルミチン酸エステル)(三菱化学フーズ株式会社))の影響について検証した。

実施例

0077

<結果>
図10に結果を示す。Enterococcus faecalis及びLactobacillus brevis subsp. coagulansそれぞれ単独でインターフェロン-α誘導活性を示し(図10B及びD)、リョートーシュガーエステルP1670によってインターフェロン-α誘導活性が高められた(図10C及びE)。これより、多価アルコールと脂肪酸のエステル結合物によって免疫賦活作用が高められる乳酸菌として、JCM5805株に限定されないことが示された。

0078

本発明の多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル結合物である、乳酸菌免疫賦活作用増強剤は医薬、飲食品に用いる乳酸菌の免疫賦活作用を増強する。

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