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技術 パワーコンディショナおよびデータ収集装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 伊藤寛
出願日 2014年6月18日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2014-125639
公開日 2016年1月12日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2016-005406
状態 特許登録済
技術分野 給配電網の遠方監視・制御 交流の給配電 インバータ装置
主要キーワード 温度変化値 対流放熱 AC変換機 電圧電流情報 浮遊静電容量 中点接地 温度計測器 電力計測器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

コストを抑えながら正確な売電電力値を把握することができるパワーコンディショナおよびデータ収集装置を得る。

解決手段

太陽電池1で発電される直流電力交流電力に変換し商用系統8へ逆潮流するパワーコンディショナ2であって、パワーコンディショナ2と商用系統8との間に介在する絶縁トランス5の温度を計測する計測器周囲温度計測器11、温度計測器15など)からの温度情報(周囲温度計測値11a、内部温度計測値15aなど)に基づいて絶縁トランス5の温度変化値演算し、温度変化値に対応した絶縁トランス5における電力損失値を演算し、パワーコンディショナ2から商用系統8へ逆潮流される電力の電力値から電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部14を備える。

概要

背景

近年、地球温暖化の原因となるCO2の排出量削減問題や代替エネルギーへの関心が高まってきている中で太陽光発電システムが注目を集めており、太陽光発電システムにおいては、太陽電池発電される直流電力交流電力に変換し商用系統逆潮流するパワーコンディショナが重要な構成機器となっている。例えば下記特許文献1に代表される従来技術はパワーコンディショナを有するほか、正確な需要予測を行うことでエネルギー供給コストの低減を目的とした機能を有する。

一方、太陽光発電システムにおいては、パワーコンディショナからの出力電力三相の商用系統へ送り出す際、商用系統に繋がっている柱上トランス接地相とパワーコンディショナの接地相とが一致しないことが多い。この場合、パワーコンディショナの電位変動が大きくなり、太陽電池の浮遊静電容量を通して、柱上トランスの接地点を回ってパワーコンディショナの漏洩電流が発生し、漏洩電流により漏電遮断器が動作してパワーコンディショナが停止する。これを防止するためパワーコンディショナと商用系統の間には絶縁トランスが設置され、絶縁トランスでパワーコンディショナの接地相を一致させる。

概要

コストを抑えながら正確な売電電力値を把握することができるパワーコンディショナおよびデータ収集装置を得る。太陽電池1で発電される直流電力を交流電力に変換し商用系統8へ逆潮流するパワーコンディショナ2であって、パワーコンディショナ2と商用系統8との間に介在する絶縁トランス5の温度を計測する計測器周囲温度計測器11、温度計測器15など)からの温度情報(周囲温度計測値11a、内部温度計測値15aなど)に基づいて絶縁トランス5の温度変化値演算し、温度変化値に対応した絶縁トランス5における電力損失値を演算し、パワーコンディショナ2から商用系統8へ逆潮流される電力の電力値から電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部14を備える。

目的

例えば下記特許文献1に代表される従来技術はパワーコンディショナを有するほか、正確な需要予測を行うことでエネルギー供給コストの低減を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

太陽電池発電される直流電力交流電力に変換し商用系統逆潮流するパワーコンディショナであって、前記パワーコンディショナと前記商用系統との間に介在する絶縁トランスの温度を計測する計測器からの温度情報に基づいて前記絶縁トランスの温度変化値演算し、前記温度変化値に対応した前記絶縁トランスにおける電力損失値を演算し、前記パワーコンディショナから前記商用系統へ逆潮流される電力電力値から前記電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部を備えたことを特徴とするパワーコンディショナ。

請求項2

前記演算部は、前記絶縁トランスの温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項1に記載のパワーコンディショナ。

請求項3

前記演算部は、前記温度変化値に基づいて前記絶縁トランスの筐体表面からの対流放熱量および放射放熱量を求め、前記対流放熱量および前記放射放熱量に基づいて前記絶縁トランスにおける電力損失値を演算することを特徴とする請求項2に記載のパワーコンディショナ。

請求項4

前記演算部は、前記絶縁トランスの直射日光の当たらない面に設置された温度計測器から得られた前記温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項2または3に記載のパワーコンディショナ。

請求項5

前記演算部は、前記絶縁トランスの温度計測値から直射日光に当たる位置に配置された日射吸収板で計測された温度計測値を差し引くことにより新たな温度計測値を演算し、前記新たな温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項2または3に記載のパワーコンディショナ。

請求項6

太陽電池で発電される直流電力を交流電力に変換し商用系統へ逆潮流するパワーコンディショナと前記商用系統との間に介在する絶縁トランスで計測された温度情報に基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算し、前記温度変化値に対応した前記絶縁トランスにおける電力損失値を演算し、前記パワーコンディショナから前記商用系統へ逆潮流される電力の電力値から前記電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部を備えたことを特徴とするデータ収集装置

請求項7

前記演算部は、前記絶縁トランスの温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項6に記載のデータ収集装置。

請求項8

前記演算部は、前記温度変化値に基づいて前記絶縁トランスの筐体表面からの対流放熱量および放射放熱量を求め、前記対流放熱量および前記放射放熱量に基づいて前記絶縁トランスにおける電力損失値を演算することを特徴とする請求項7に記載のデータ収集装置。

請求項9

前記演算部は、前記絶縁トランスの直射日光の当たらない面に設置された温度計測器から得られた前記温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項7または8に記載のデータ収集装置。

請求項10

前記演算部は、前記絶縁トランスの温度計測値から直射日光に当たる位置に配置された日射吸収板で計測された温度計測値を差し引くことにより新たな温度計測値を演算し、前記新たな温度計測値と前記絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて前記絶縁トランスの温度変化値を演算することを特徴とする請求項7または8に記載のデータ収集装置。

技術分野

0001

本発明は、パワーコンディショナおよびデータ収集装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、地球温暖化の原因となるCO2の排出量削減問題や代替エネルギーへの関心が高まってきている中で太陽光発電システムが注目を集めており、太陽光発電システムにおいては、太陽電池発電される直流電力交流電力に変換し商用系統逆潮流するパワーコンディショナが重要な構成機器となっている。例えば下記特許文献1に代表される従来技術はパワーコンディショナを有するほか、正確な需要予測を行うことでエネルギー供給コストの低減を目的とした機能を有する。

0003

一方、太陽光発電システムにおいては、パワーコンディショナからの出力電力三相の商用系統へ送り出す際、商用系統に繋がっている柱上トランス接地相とパワーコンディショナの接地相とが一致しないことが多い。この場合、パワーコンディショナの電位変動が大きくなり、太陽電池の浮遊静電容量を通して、柱上トランスの接地点を回ってパワーコンディショナの漏洩電流が発生し、漏洩電流により漏電遮断器が動作してパワーコンディショナが停止する。これを防止するためパワーコンディショナと商用系統の間には絶縁トランスが設置され、絶縁トランスでパワーコンディショナの接地相を一致させる。

先行技術

0004

特開2012−191774号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このように太陽光発電システムにおいてはパワーコンディショナと商用系統の間には絶縁トランスが設置されるが、絶縁トランスでは、パワーコンディショナから商用系統へ逆潮流される電力に対して数%程度の損失が生じる。この損失は絶縁トランスの鉄損および銅損等などに起因するものであり、例えば灯力併用トランスのパワーコンディショナ側に売電計が設けられている場合、売電計の値(売電電力値)は絶縁トランスの損失分が除かれた値になるため、売電電力値とパワーコンディショナから出力される電力値とは同一の値にはならない。

0006

上記特許文献1に代表される従来技術は、商用系統とパワーコンディショナの出力との間に絶縁トランスを配置したシステムを考慮していないため、実際の売電電力値をパワーコンディショナに認識させるためには、例えば絶縁トランスの売電計側に電力計測器を設け、その計測値をパワーコンディショナに取り込む必要がある。このように実際の売電電力値を正確に把握するためには電力計測器の設置工事が必要になるため、従来のシステムはコストを抑えながら正確な売電電力値を把握するというニーズに対応することができないという課題があった。

0007

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コストを抑えながら正確な売電電力値を把握することができるパワーコンディショナおよびデータ収集装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、太陽電池で発電される直流電力を交流電力に変換し商用系統へ逆潮流するパワーコンディショナであって、前記パワーコンディショナと前記商用系統との間に介在する絶縁トランスの温度を計測する計測器からの温度情報に基づいて前記絶縁トランスの温度変化値演算し、前記温度変化値に対応した前記絶縁トランスにおける電力損失値を演算し、前記パワーコンディショナから前記商用系統へ逆潮流される電力の電力値から前記電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0009

この発明によれば、絶縁トランスから得られた温度情報を用いて絶縁トランスにおける電力損失値を考慮した売電電力を推定するようにしたので、コストを抑えながら正確な売電電力値を把握することができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の実施の形態1に係るパワーコンディショナを中心として示す太陽光発電システムと商用系統などを模式的に示す図である。
図2は、対流放熱量と放射放熱量を求めるための絶縁トランスのモデルを示す図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係るパワーコンディショナの動作を説明するための図である。
図4は、本発明の実施の形態2に係るパワーコンディショナを示す図である。
図5は、本発明の実施の形態3に係るパワーコンディショナを示す図である。
図6は、本発明の実施の形態4に係るパワーコンディショナを示す図である。

実施例

0011

以下に、本発明に係るパワーコンディショナおよびデータ収集装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0012

実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るパワーコンディショナ2を中心として示す太陽光発電システムと商用系統8などを模式的に示す図である。図2は、対流放熱量と放射放熱量を求めるための絶縁トランス5のモデルを示す図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るパワーコンディショナ2の動作を説明するための図である。

0013

図1に示されるパワーコンディショナ2は、太陽電池1によって発電された直流電力を交流電力に変換し商用系統8へ逆潮流するための装置であり、太陽電池1で発電された直流電力の出力は接続箱(図示せず)で集電された後、パワーコンディショナ2に入力される。パワーコンディショナ2では入力された直流電力が交流電力に変換され、この交流電力は住宅内あるいは住宅外電気機器などの負荷に供給されるとともに、負荷で消費しきれずに余剰分の電力が生じた場合には商用系統8へ逆潮流される。

0014

図1に示されるように商用系統8とパワーコンディショナ2との間には絶縁トランス5、売電計6、および柱上トランス7が設けられている。柱上トランス7は商用系統8の電圧低圧に変換するためのものであり、柱上トランス7の線間中点には柱上トランス接地9が施されている。この線間の中点接地から1相接地に変えるためパワーコンディショナ2と柱上トランス7との間には絶縁トランス5が設けられている。絶縁トランス5の1相は絶縁トランス接地10で接地されている。売電計6は柱上トランス7の近くのパワーコンディショナ2側に接続されている。

0015

絶縁トランス5には、絶縁トランス5の温度、例えば絶縁トランス5の内部温度を計測する絶縁トランス温度計測器15(以下「温度計測器15」)が設けられ、温度計測器15で計測された内部温度計測値15aはパワーコンディショナ2の演算部14へ送信される。なお温度計測器15の設置位置は任意の場所でよく、図示例では絶縁トランス5の正面側筐体内面側の下部に配置されているものとする。また、温度計測器15の設置場所は、絶縁トランス5の内部に限定されるものではなく、例えば絶縁トランス5の筐体の外周面などでもよいが、絶縁トランス5の内部に温度計測器15を設置した場合、絶縁トランス5の外部に温度計測器15を設置する場合に比べて、絶縁トランス内部の温度の変化、すなわち鉄損や銅損に起因して生じる絶縁トランス5の損失に相当する熱を正確に計測することができる。

0016

また絶縁トランス5の外部には絶縁トランス5の周囲温度を計測する熱電対などの絶縁トランス周囲温度計測器11(以下「周囲温度計測器11」)が設けられ、周囲温度計測器11で計測された周囲温度計測値11aはパワーコンディショナ2の演算部14へ送信される。

0017

パワーコンディショナ2は、主たる構成としてコンバータ3、インバータ4、および演算部14を有して構成されている。

0018

コンバータ3は、リアクトル及び複数のスイッチング素子を有し、コンバータ3の制御要素(図示せず)からの制御信号によりスイッチング素子を動作させることにより、太陽電池1からの直流電力の電圧値をインバータ4に適した電圧値に変換(昇圧又は降圧)するDC/DC変換機能を有する。コンバータ3で昇圧又は降圧された直流電力はインバータ4へ供給される。

0019

インバータ4は、複数のスイッチング素子を有し、スイッチング素子を動作させることにより、コンバータ3からの直流電力を、商用系統8に逆潮流できる三相交流電力に変換するDC/AC変換機能を有する。商用系統8で変換された交流電力はノイズ成分が除去された後に絶縁トランス5へ出力される。またインバータ4には、インバータ4で変換された交流の電圧値および電流値を計測するセンサ回路(図示せず)が設けられている。センサ回路で計測された電圧値および電流値は電圧電流情報4aとして演算部14に入力される。

0020

演算部14には、温度計測器15で計測されたアナログ値の内部温度計測値15aと、周囲温度計測器11で計測されたアナログ値の周囲温度計測値11aと、インバータ4のセンサ回路で計測されたアナログ値の電圧電流情報4aとが入力される。

0021

演算部14は、内部温度計測値15aと周囲温度計測値11aと電圧電流情報4aとをAD変換してデジタル値し、デジタル値に変換された電圧電流情報4aに基づいて、インバータ4から商用系統8へ向けて出力される交流電力の値であるパワーコンディショナ出力値Ppcsoutを演算する。

0022

さらに演算部14は、デジタル値に変換された内部温度計測値15aおよび周囲温度計測値11aを用いて、絶縁トランス5における電力損失分である損失電力値Qtlossを演算する。そして演算部14は、パワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより、電力会社へ売電される電力の推定値である売電電力推定値Poutを演算する。

0023

次に動作について説明する。演算部14において絶縁トランス5の発熱量を求めるため、演算部14には予め絶縁トランス5の表面積(絶縁トランス5の筐体の表面積)に関する情報が設定されている。より具体的には図2に示されるように絶縁トランス5の表面積は、上面の面積をSt、下面の面積をSu、側面の面積をSr,Sl、正面の面積をSf、背面の面積をSbとして、これらの表面積に関する情報が演算部14に設定されている。

0024

そして演算部14は、絶縁トランス5の温度変化値、絶対温度、および各部表面積に関する情報に基づいて、絶縁トランス5の筐体表面からの対流放熱量の合計値Qallconと、絶縁トランス5の筐体表面からの放射放熱量の合計値Qallradとを求める。さらに演算部14は、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算することにより、絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを求める。

0025

絶縁トランス5の対流放熱量の計算は例えば以下のようになる。温度計測器15で計測された絶縁トランス5の温度をTtr、周囲温度計測器11で計測された絶縁トランス5の周囲温度をTair、絶縁トランス5の単位時間当たりの温度変化値をΔTとする。絶縁トランス5の温度変化値ΔTは、絶縁トランス5の温度Ttrから絶縁トランス5の周囲温度Tairを減じる、すなわち内部温度計測値15aから周囲温度計測値11aを差し引くことにより求められる。

0026

そして、絶縁トランス5の上面からの対流放熱量をQtconとし、絶縁トランス5の正面からの対流放熱量をQfconとし、絶縁トランス5の側面からの対流放熱量をQrcon,Qlconとし、絶縁トランス5の背面からの対流放熱量をQbconとし、絶縁トランス5の下面からの対流放熱量をQuconとしたとき、これらの対流放熱量は以下のように演算される。ただし、定数aは、2.86、定数bは1.25、定数cは1.86、定数dは1.24とする。

0027

Qtcon=a×St×ΔT^b
Qfcon=c×Sf×ΔT^b
Qrcon=c×Sr×ΔT^b
Qlcon=c×Sl×ΔT^b
Qbcon=c×Sb×ΔT^b
Qucon=d×Su×ΔT^b

0028

次に、絶縁トランス5の上面からの放射放熱量をQtradとし、絶縁トランス5の正面からの放射放熱量をQfradとし、絶縁トランス5の側面からの放射放熱量をQrrad,Qlradとし、絶縁トランス5の背面からの放射放熱量をQbradとし、絶縁トランス5の下面からの放射放熱量をQuradとしたとき、これらの放熱量は以下のように演算される。ただし、絶縁トランス温度の絶対値Ttrabsは絶縁トランス5の温度Ttrに273を加算した値、絶縁トランス周囲温度の絶対値Tairabsは、絶縁トランス5の周囲温度Tairに273を加算した値、σはステファンボルツマン定数、ηは物体輻射率とする。

0029

Qtrad=4×σ×St×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT
Qfrad=4×σ×Sf×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT
Qrrad=4×σ×Sr×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT
Qlrad=4×σ×Sl×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT
Qbrad=4×σ×Sb×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT
Qurad=4×σ×Su×Ttrabs×η×((Ttrabs+Tairabs)/2)^3×ΔT

0030

対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradは、例えば、以下のように計算する。
Qallcon=Qtcon+Qfcon+Qrcon+Qlcon+Qbcon+Qucon
Qallrad=Qtrad+Qfrad+Qrrad+Qlrad+Qbrad+Qurad

0031

そして対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算して、絶縁トランス5の損失電力値Qtlossが求められる。この損失値は、絶縁トランス5を構成する鉄心コイルの鉄損および銅損等に起因するものであり、鉄損および銅損等の各種損失は熱となる。本実施の形態に係るパワーコンディショナ2は、絶縁トランス5の鉄損および銅損などの損失に起因して生じた熱を温度計測器15で計測し、内部温度計測値15aと周囲温度計測値11aの差分を求めることで絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを推定し、さらにパワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより売電電力推定値Poutを演算する。

0032

売電電力推定値Poutは、売電計6に示される電力値、すなわち実際に逆潮流される電力値の推定値である。従って、従来技術のように、絶縁トランス5の売電計6側に電力計測器を設けてその計測値をパワーコンディショナ2に取り込む必要がないため、このような電力計測器の設置工事が不要となり、太陽光発電システムのコスト増加を抑えながら売電計6に示される電力値を把握することができる。なお、演算部14で演算された売電電力推定値Poutは例えば外部のパソコンやデータ収集装置などに伝送され、それらの装置に設けられた表示器視覚化して表示されるものとする。

0033

以上に説明したように、本実施の形態に係るパワーコンディショナ2は、太陽電池1で発電される直流電力を交流電力に変換し商用系統8へ逆潮流するパワーコンディショナ2であって、パワーコンディショナ2と商用系統8との間に介在する絶縁トランス5の温度を計測する計測器(周囲温度計測器11、温度計測器15など)からの温度情報(周囲温度計測値11a、内部温度計測値15aなど)に基づいて絶縁トランス5の温度変化値を演算し、温度変化値に対応した絶縁トランス5における電力損失値を演算し、パワーコンディショナ2から商用系統8へ逆潮流される電力の電力値から電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部14を備える。この構成により、電力計測器を設けなくとも、絶縁トランス5における電力損失値を考慮した売電電力を推定することが可能であり、システムのコスト低減が可能である。

0034

実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るパワーコンディショナ2を示す図である。実施の形態1では温度計測器15による絶縁トランス5の温度の計測位置が任意の場所であったが、実施の形態2では、図4に示されるように日光16が直接当たらない箇所、例えば絶縁トランス5の下面に温度計測器15が設置されている。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。

0035

次に動作について説明する。絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを計算する場合、直射日光による熱量の増加が計算結果誤差になる。そこで実施の形態2に係るパワーコンディショナ2の演算部14は、直射日光による温度上昇の影響の少ない箇所に設置された温度計測器15で計測された内部温度計測値15aから周囲温度計測器11で計測された周囲温度計測値11aを差し引くことにより、絶縁トランス5の温度変化値ΔTを求める。

0036

そして、実施の形態1と同様の手順で、演算部14は、この温度変化値ΔTと各定数a〜dに基づいて、対流放熱量Qtcon,Qfcon,Qrcon,Qlcon,Qbcon,Quconを演算すると共に放射放熱量Qtrad、Qfrad,Qrrad,Qlrad,Qbrad,Quradを演算して、さらに対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradを求め、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算して絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを求める。そしてパワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより売電電力推定値Poutを演算する。

0037

以上のように実施の形態2に係るパワーコンディショナ2の演算部14は、直射日光による温度上昇の影響の少ない箇所に設置された温度計測器15で計測された内部温度計測値15aから周囲温度計測器11で計測された周囲温度計測値11aを差し引くことで絶縁トランス5の温度変化値ΔTを求めるように構成されている。この構成により、実施の形態1に比べて、絶縁トランス5の温度変化値ΔTの誤差が小さくなり、より精度の高い売電電力推定値Poutを演算することが可能である。

0038

実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るパワーコンディショナ2を示す図である。実施の形態3では、図5に示されるように日光16の当たる場所に配置した日射吸収板12で計測された温度計測値12aを用いて絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを計算するように構成されている。なお、日射吸収板12の直射日光が当たる面の放射率は、絶縁トランス表面と同じ放射率とし、直射日光の当たらない面は空気以外の媒体には熱伝導がないものと仮定する。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。

0039

次に動作について説明する。絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを計算する場合、直射日光による温度上昇は計算誤差になる。そこで実施の形態3のパワーコンディショナ2の演算部14は、日射吸収板12の温度Tsampleを取り込み、絶縁トランス5の温度Ttrから日射吸収板12の温度Tsampleを差し引く、すなわち内部温度計測値15aから温度計測値12aを差し引くことにより、新たな絶縁トランス5の温度Ttrxを求める。そして、演算部14は、この温度Ttrxから周囲温度Tairを減じることにより、絶縁トランス5の温度変化値ΔTを求める。

0040

そして、実施の形態1と同様の手順で、演算部14は、この温度変化値ΔTと各定数a〜dに基づいて、対流放熱量Qtcon,Qfcon,Qrcon,Qlcon,Qbcon,Quconを演算すると共に放射放熱量Qtrad、Qfrad,Qrrad,Qlrad,Qbrad,Quradを演算して、さらに対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradを求め、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算して絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを求める。そしてパワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより売電電力推定値Poutを演算する。

0041

以上のように実施の形態3に係るパワーコンディショナ2の演算部14は、日光16の当たる場所に配置した日射吸収板12で計測された温度計測値12aを用いて絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを計算するように構成されている。従って、実施の形態2のように日光による温度上昇の影響の少ない箇所に温度計測器15を設置できない場合でも、実施の形態1に比べて絶縁トランス5の温度変化値ΔTの誤差が小さくなり、より精度の高い売電電力推定値Poutを演算することが可能である。

0042

実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係るパワーコンディショナ2を示す図である。実施の形態1との相違点は、パワーコンディショナ2とは別にパソコン22やインターネット23に接続されたデータ収集装置20が用いられ、データ収集装置20は実施の形態1の演算部14と同機能を有する演算部21を備えており、この演算部21によって売電電力推定値Poutが演算される点である。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。

0043

絶縁トランス5には、実施の形態1と同様に絶縁トランス5の温度を計測する温度計測器15が設けられ、温度計測器15で計測された内部温度計測値15aはデータ収集装置20の演算部21へ送信される。また絶縁トランス5の外部に設けられた周囲温度計測器11で計測された周囲温度計測値11aがデータ収集装置20の演算部21へ送信される。

0044

データ収集装置20は、パワーコンディショナ2の運転状態に関する情報をユーザへ通知する機能などを備えたものであるが、本実施の形態に係るデータ収集装置20は、売電電力推定値Poutを演算する機能を演算部21により実現している。演算部21には、温度計測器15で計測されたアナログ値の内部温度計測値15aと、周囲温度計測器11で計測されたアナログ値の周囲温度計測値11aと、インバータ4のセンサ回路で計測された電圧値および電流値に関する電圧電流情報4aとが入力される。

0045

演算部21は、計測された内部温度計測値15aと周囲温度計測値11aをAD変換する一方で、インバータ4内のセンサ回路で計測された電圧電流情報4aに基づいて、インバータ4から商用系統8へ向けて出力される交流電力の値であるパワーコンディショナ出力値Ppcsoutを演算する。

0046

さらに演算部21は、デジタル値に変換された内部温度計測値15aおよび周囲温度計測値11aを用いて、絶縁トランス5における電力損失分である損失電力値Qtlossを演算し、パワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより、電力会社へ売電される電力の推定値である売電電力推定値Poutを演算する。

0047

次に動作について説明する。演算部21において絶縁トランス5の発熱量を求めるため演算部21には予め絶縁トランス5の表面積に関する情報が設定されている。より具体的には図2に示されるように絶縁トランス5の表面積は、上面の面積をSt、下面の面積をSu、側面の面積をSr,Sl、正面の面積をSf、背面の面積をSbとして、これらの表面積に関する情報が演算部21に設定されている。

0048

そして演算部21は、絶縁トランス5の温度上昇、絶対温度、および各部表面積に関する情報に基づいて、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを求める。さらに演算部21は、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算することにより、絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを求める。

0049

また、演算部21は、実施の形態1と同様の方法により、対流放熱量の合計値Qallconと、放射放熱量の合計値Qallradを計算し、対流放熱量の合計値Qallconと放射放熱量の合計値Qallradとを合算して絶縁トランス5の損失電力値Qtlossを求め、パワーコンディショナ出力値Ppcsoutから損失電力値Qtlossを減じることにより売電電力推定値Poutを演算する。

0050

この構成により、実施の形態1のパワーコンディショナ2と同様に、データ収集装置20には、絶縁トランス5の鉄損および銅損等などに起因して生じた熱の計測値を用いることよって、売電計6に示される電力値、すなわち実際に逆潮流される電力値を推定することが可能となる。

0051

また実施の形態4に係るデータ収集装置20によれば、絶縁トランス5の売電計6側に電力計測器を設ける必要がないだけでなく、既存のパワーコンディショナ2を改修することなく売電電力推定値Poutを演算することができる。そのため、パワーコンディショナ2の改修に伴う費用が不要になるだけでなく、パワーコンディショナ2が設置されている場所から離れた場所に設置されたデータ収集装置20を用いることができる。

0052

なお、データ収集装置20で演算された売電電力推定値Poutは例えば外部のパソコン22やインターネット23へ出力する機能を備えてもよい。また、本実施の形態に係る演算部21は、実施の形態2の演算部14と同様に、絶縁トランスの直射日光の当たらない面に設置された温度計測器から得られた温度計測値と絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて絶縁トランスの温度変化値を演算するように構成してもよい。

0053

また、本実施の形態に係る演算部21は、実施の形態3の演算部14と同様に、絶縁トランスの温度計測値から直射日光に当たる位置に配置された日射吸収板12で計測された温度計測値を差し引くことにより新たな温度計測値を演算し、新たな温度計測値と絶縁トランスの周囲温度計測値とに基づいて絶縁トランスの温度変化値を演算するように構成してもよい。

0054

以上に説明したように、本実施の形態に係るデータ収集装置20は、太陽電池1で発電される直流電力を交流電力に変換し商用系統8へ逆潮流するパワーコンディショナ2と商用系統8との間に介在する絶縁トランス5で計測された温度情報(周囲温度計測値11a、内部温度計測値15aなど)に基づいて絶縁トランス5の温度変化値を演算し、温度変化値に対応した絶縁トランス5における電力損失値を演算し、パワーコンディショナ2から商用系統8へ逆潮流される電力の電力値から電力損失値を差し引いた売電電力を推定する演算部21を備える。この構成により、電力計測器を設けなくとも、絶縁トランス5における電力損失値を考慮した売電電力を推定することが可能であり、システムのコスト低減が可能である。

0055

なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。

0056

以上のように、本発明は、パワーコンディショナおよびデータ収集装置に適用可能であり、特に、コストを抑えながら正確な売電電力値を把握することができる発明として有用である。

0057

1太陽電池、2パワーコンディショナ、3コンバータ、4インバータ、4a電圧電流情報、5絶縁トランス、6売電計、7柱上トランス、8商用系統、9 柱上トランス接地、10 絶縁トランス接地、11 絶縁トランス周囲温度計測器、11a 周囲温度計測値、12日射吸収板、12a温度計測値、14演算部、15 絶縁トランス温度計測器、15a内部温度計測値、16日光、20データ収集装置、21 演算部、22パソコン、23インターネット。

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