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技術 鮮明度測定装置、及び測定方法

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 石田浩章
出願日 2014年6月16日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2014-123257
公開日 2016年1月12日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2016-003906
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析 光学的手段による材料の調査の特殊な応用
主要キーワード 光源スリット 鏡面度 オフライン測定 ウェブ状フィルム JIS規格 換算処理 搬送制御プログラム 目視外観
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学移動機構を必要としない簡易機構で構成される鮮明度測定装置等を提供する。

解決手段

本発明に係る鮮明度測定装置は、フィルムの鮮明度を測定する鮮明度測定装置であって、光源からの光を、光学櫛を介して前記フィルムに照射する照射手段と、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする。

概要

背景

液晶ディスプレイ向け反射防止フィルムとは、ディスプレイに周囲の照明などが写り込むことで画面視認性が低下することを防止するためのフィルムであり、反射防止には大きく分けて2つの仕組みがある。
1つはAG(Anti−Glare)と呼ばれる樹脂中に光を散乱する粒子を混ぜた膜を塗布する方式であり、もう1つはAR(Anti−Reflection)と呼ばれる薄膜にて生じる光の干渉を利用する方式である。AGフィルムの光の拡散度合いは、フィルムの曇り度を表すヘーズ(JIS K7136(非特許文献1)に定められており、ヘーズ=散乱光/全光線透過光×100(%)と定義される)と呼ばれる全透過光の内の透過散乱光の割合で管理する。

通常のAGフィルムはヘーズが40〜50%程度でありヘーズ計による管理が可能であるが、高精細ディスプレイ向けAGフィルムではヘーズが数%〜1%未満と低い値であるため、ヘーズ計での管理が難しく、代わりにJIS K7374(非特許文献2)に定められている像鮮明度写像性)と呼ばれる指標において主に管理されている。像鮮明度とは、フィルムを透過して見え物体の像、あるいは反射して見える物体の像がどの程度鮮明に歪みなく見えるかの度合いを評価するための指標である。

従来のJIS K7374に定められている像鮮明度の測定原理は非特許文献2の図1に示されるように、試験片に平行光を透過させたときの透過光の光量を、移動する光学を通して測定し、算出する。使用する光学櫛は非特許文献2の図1に示されるように、透過部分遮光部分の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.25mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmの5種類ある。光線軸上に櫛の透過部分があるときの光量をM、遮光部分があるときの光量をmとすると、像鮮明度は、(M−m)/(M+m)(%)で表される。評価の際には、各幅の櫛で算出した値の総和または特定の幅の櫛の値を必要に応じて選択する。

また、上記のJIS K7374の測定原理に類似する手法を用いるオフライン測定機も存在する(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、液晶表示素子に使用される光源液晶セル及びカラーフィルターを光源、スリット及びガラス板再現することで、拡散フィルム光学特性をより正確に求めることが可能なフィルム評価装置等が開示されている。
特許文献2には、ワークにリングパターン投影演算することで、鏡面度と写像性を測定し、目視外観検査にて評価されていたワーク表面の綺麗さや質といった表面性状の定量的な評価を可能とする方法が開示されている。

概要

光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学櫛の移動機構を必要としない簡易機構で構成される鮮明度測定装置等を提供する。本発明に係る鮮明度測定装置は、フィルムの鮮明度を測定する鮮明度測定装置であって、光源からの光を、光学櫛を介して前記フィルムに照射する照射手段と、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学櫛の移動機構を必要としない簡易な機構で構成される鮮明度測定装置等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

フィルム鮮明度を測定する鮮明度測定装置であって、光源からの光を、光学を介して前記フィルムに照射する照射手段と、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする鮮明度測定装置。

請求項2

前記照射手段は、更に、光学レンズを備え、前記光源からの光を、前記光学レンズを介して平行光に変換し、光学櫛を介して前記フィルムに照射することを特徴とする請求項1に記載の鮮明度測定装置。

請求項3

前記撮像手段は、撮像器を備え、前記撮像器の焦点を前記光学櫛に合わせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鮮明度測定装置。

請求項4

更に、前記フィルムを搬送する搬送手段を備え、前記撮像手段は、前記光学櫛及び前記搬送手段により搬送される前記フィルムを所定時間毎に撮像し、前記算出手段は、前記撮像手段により撮像した所定時間毎の画像データに基づき前記フィルムの鮮明度を時系列的に算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鮮明度測定装置。

請求項5

前記算出手段は、前記光学櫛の櫛方向と垂直方向の前記輝度の輝度変化に基づき前記フィルムの鮮明度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の鮮明度測定装置。

請求項6

前記輝度変化は、前記光学櫛の透光部と遮光部の境界部分の輝度変化であることを特徴とする請求項5に記載の鮮明度測定装置。

請求項7

前記算出手段は、更に、前記鮮明度を像鮮明度換算する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の鮮明度測定装置。

請求項8

フィルムの鮮明度を測定する鮮明度測定装置により実行される測定方法であって、光源からの光を、光学櫛を介して前記フィルムに照射する照射ステップと、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにより撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とする測定方法。

技術分野

0001

本発明は、フィルム鮮明度を測定する技術に関する。特に、ヘーズが小さい反射防止フィルムの鮮明度を測定する技術に関する。

背景技術

0002

液晶ディスプレイ向け反射防止フィルムとは、ディスプレイに周囲の照明などが写り込むことで画面視認性が低下することを防止するためのフィルムであり、反射防止には大きく分けて2つの仕組みがある。
1つはAG(Anti−Glare)と呼ばれる樹脂中に光を散乱する粒子を混ぜた膜を塗布する方式であり、もう1つはAR(Anti−Reflection)と呼ばれる薄膜にて生じる光の干渉を利用する方式である。AGフィルムの光の拡散度合いは、フィルムの曇り度を表すヘーズ(JIS K7136(非特許文献1)に定められており、ヘーズ=散乱光/全光線透過光×100(%)と定義される)と呼ばれる全透過光の内の透過散乱光の割合で管理する。

0003

通常のAGフィルムはヘーズが40〜50%程度でありヘーズ計による管理が可能であるが、高精細ディスプレイ向けAGフィルムではヘーズが数%〜1%未満と低い値であるため、ヘーズ計での管理が難しく、代わりにJIS K7374(非特許文献2)に定められている像鮮明度写像性)と呼ばれる指標において主に管理されている。像鮮明度とは、フィルムを透過して見え物体の像、あるいは反射して見える物体の像がどの程度鮮明に歪みなく見えるかの度合いを評価するための指標である。

0004

従来のJIS K7374に定められている像鮮明度の測定原理は非特許文献2の図1に示されるように、試験片に平行光を透過させたときの透過光の光量を、移動する光学を通して測定し、算出する。使用する光学櫛は非特許文献2の図1に示されるように、透過部分遮光部分の比が1:1で、その幅が0.125mm、0.25mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmの5種類ある。光線軸上に櫛の透過部分があるときの光量をM、遮光部分があるときの光量をmとすると、像鮮明度は、(M−m)/(M+m)(%)で表される。評価の際には、各幅の櫛で算出した値の総和または特定の幅の櫛の値を必要に応じて選択する。

0005

また、上記のJIS K7374の測定原理に類似する手法を用いるオフライン測定機も存在する(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、液晶表示素子に使用される光源液晶セル及びカラーフィルターを光源、スリット及びガラス板再現することで、拡散フィルム光学特性をより正確に求めることが可能なフィルム評価装置等が開示されている。
特許文献2には、ワークにリングパターン投影演算することで、鏡面度と写像性を測定し、目視外観検査にて評価されていたワーク表面の綺麗さや質といった表面性状の定量的な評価を可能とする方法が開示されている。

0006

特開2000−19064
特開2007−155709

先行技術

0007

JIS K7136
JIS K7374

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記した方法はいずれも、JIS K7374の測定原理と同様に、光源から出た拡散光光源スリットに通し、レンズによって平行光を得ている。このようにスリットとレンズを組み合わせた投光部は光量ロスが多いため光量が低いという問題がある。そのため十分な光量を得るために露光時間を長くする必要があり、大量の測定を必要とするインライン機として用いる場合には、高速な測定の実現が難しい。また、仮に測定スピードを向上させるため1回の測定時間を短くすると像鮮明度の測定を可能とする十分な光量が得られなくなる。さらに、上記した光学系は、光学櫛を左右に移動させる仕組みが必要となるため、装置が大掛かりになる。

0009

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学櫛の移動機構を必要としない簡易機構で構成される鮮明度測定装置等を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

前述した課題を解決する第1の発明は、フィルムの鮮明度を測定する鮮明度測定装置であって、光源からの光を、光学櫛を介して前記フィルムに照射する照射手段と、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする鮮明度測定装置である。
第1の発明によって、光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、また、光学櫛の移動機構を必要としない簡易な機構で構成される鮮明度測定装置が提供される。

0011

前記照射手段は、更に、光学レンズを備え、前記光源からの光を、前記光学レンズを介して平行光に変換し、光学櫛を介して前記フィルムに照射することが望ましい。
これにより、光学櫛及びフィルムの面全体が一様な光量で照らされるため、良好な照明条件の下で撮像を行うことができ、フィルムの鮮明度の算出精度の向上に寄与する。

0012

前記撮像手段は、撮像器を備え、前記撮像器の焦点を前記光学櫛に合わせることが望ましい。
これにより、撮像器の焦点を光学櫛に合わせるため、光学櫛を鮮明に撮像でき、撮像画像の光学櫛の白黒パターン輝度値が精度よく測定できる。

0013

更に、前記フィルムを搬送する搬送手段を備え、前記撮像手段は、前記光学櫛及び前記搬送手段により搬送される前記フィルムを所定時間毎に撮像し、前記算出手段は、前記撮像手段により撮像した所定時間毎の画像データに基づき前記フィルムの鮮明度を時系列的に算出することが望ましい。
これにより、フィルムを搬送させながら鮮明度の測定を行う為、高速なインライン測定が実現される。

0014

前記算出手段は、前記光学櫛の櫛方向と垂直方向の前記輝度の輝度変化に基づき前記フィルムの鮮明度を算出することが望ましい。
これにより、輝度断面の輝度の変化に基づいたフィルムの鮮明度を算出する手段が提供される。

0015

前記輝度変化は、前記画像データの透光部と遮光部の境界部分の輝度変化であることが望ましい。
これにより、輝度断面の輝度の変化に基づいたより好適なフィルムの鮮明度を算出する手段が提供される。

0016

前記鮮明度算出手段は、更に、前記鮮明度を像鮮明度に換算する手段を有することが望ましい。
これにより、フィルムの鮮明度をJIS規格の指標に換算して評価することができる。

0017

前述した課題を解決するための第2の発明は、フィルムの鮮明度を測定する鮮明度測定装置により実行される測定方法であって、光源からの光を、光学櫛を介して前記フィルムに照射する照射ステップと、前記光学櫛及び前記フィルムを撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにより撮像した画像データの輝度に基づき前記フィルムの鮮明度を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とする測定方である。
第2の発明によって、光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学櫛の移動機構を必要としない簡易な機構で構成される鮮明度の測定方法が提供される。

発明の効果

0018

本発明によれば、光量ロスが少ない短い露光時間での測定が可能であり、光学櫛の移動機構を必要としない簡易な機構で構成される鮮明度測定装置等が提供される。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施の形態に係る鮮明度評価装置1の構成を示す概念図である。
クロムパターン7を示す図
制御端末15のハードウェア構成例を示す図
(a)曇り度が小さいパターン画像41を示す図(b)曇り度が大きいパターン画像42を示す図
(a)パターン画像41の輝度断面を示す図(b)パターン画像42の輝度断面を示す図
鮮明度測定装置1の動作を説明するフローチャート
鮮明度を算出する処理を説明するフローチャート
(a)輝度断面を示す図(b)輝度変化を示す図(c)輝度変化に閾値を設定する図
鮮明度の時系列結果を示す図
鮮明度を像鮮明度に換算する処理を説明するフローチャート

実施例

0020

以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。

0021

[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施形態に係る鮮明度測定装置1を示した概念図である。

0022

鮮明度測定装置1は、光源に相当するスポット照明3、スポット照明3から照射される光を平行光に変換するビームエキスパンダ5、光学櫛に相当するクロムパターン7、測定対象であるフィルム9、フィルム9を搬送する搬送ローラ10を備える搬送機構11、クロムパターン7及びフィルム9を撮像するカメラ13、制御端末15等を備えており、搬送されるフィルム9を通してクロムパターン7を時々刻々撮像し、当該撮像した画像データに基づきフィルム9の鮮明度を測定するものである。

0023

尚、開示内容を通じて、「鮮明度」と言った場合には、本実施形態の鮮明度測定装置1により測定される測定値のことを指し、「像鮮明度」と言った場合は、所謂JIS K7374で定められた測定原理に基づく指標のことを指す。また、「換算像鮮明度」と言った場合には、鮮明度測定装置1により測定した鮮明度をJIS K7374で定められた像鮮明度へ換算した値のことを指す。

0024

スポット照明3は、本発明の光源として機能し、例えばLEDランプ等を用いることができる。図1に示すように、スポット照明3はビームエキスパンダ5の方向へ光を照射する。

0025

ビームエキスパンダ5は、スポット照明3から照射された光を、図示しないビームエキスパンダ5内部の複数の光学レンズを介して光のビーム径を拡大しつつ平行光に変換し照射する。ビームエキスパンダ5から照射される平行光はクロムパターン7の面全体を均等に照らし、また、クロムパターン7を介して測定対象であるフィルム9を同時に照らす。
尚、ビーム径の拡大率は、クロムパターン7のサイズ等に応じて適宜定められる。

0026

図2は、クロムパターン7を示す図である。クロムパターン7は、平板状のガラス板から形成され、透光部7a及び遮光部7bを有する。
クロムパターン7の透光部7a及び遮光部7bは、ガラス板にクロム膜を一定の幅で状にコーティングすることで形成される。クロム膜がコーティングされていないエリアが、ビームエキスパンダ5から照射される光を透過する透光部7aとなり、クロム膜がコーティングされているエリアが、ビームエキスパンダ5から照射される光を遮光する遮光部7bとなる。
本実施形態においては、透光部7a及び遮光部7bは、ともに0.1mmの幅で形成される。

0027

フィルム9は、鮮明度を測定する測定対象であり、本実施形態においては、液晶ディスプレイ等に使用されるヘーズ(曇り度)が小さい(例えば数%〜1%未満)ウェブ状反射防止フィルムである。

0028

搬送機構11は、搬送ローラ10を備えており、搬送ローラ10によりフィルム9が搬送される。フィルム9は、クロムパターン7と所定の間隔を保ちながら図1に示す矢印方向に搬送される。また、搬送機構11は制御端末15と接続されており、制御端末15の制御部21からの搬送開始命令を受信すると、搬送機構11は、フィルム9の搬送を開始し、また、制御部21からの搬送停止命令を受信すると、フィルム9の搬送を停止する。

0029

カメラ13は、図示しない撮像レンズと、撮像レンズを透過した被写体像を2次元画像信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−oxide Semiconductor)等を備えるエリアセンサである。
カメラ13は、クロムパターン7及び搬送されるフィルム9が同時に視野内に収まるように配置される。カメラ13により撮像された画像は、制御端末15に送信され、制御端末15の記憶部23に画像データとして記憶される。
また、カメラ13は、フィルム9及びクロムパターン7を撮像する際、カメラ13の焦点(ピント)は、クロムパターン7の方に合わせられる。これにより、クロムパターン7の白黒パターンの輝度値が精度よく測定できる。

0030

制御端末15は、フィルム9の搬送制御、及びカメラ13の撮像制御を行うとともに、カメラ13で撮像した画像データに基づきフィルム9の鮮明度を算出する。

0031

図3は、制御端末15のハードウェアの構成例を示す図である。制御端末15は、例えば、制御部21、記憶部23、送受信部25、入力部27、表示部29等が、バス31を介して接続された一般的なコンピュータで実現される。

0032

制御部21は、CPU、ROM、RAM等で構成される。CPUは、記憶部23、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行することで、制御端末15が行う全ての処理を行う。ROMは、不揮発性メモリであり、プログラムやデータ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部23、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。

0033

記憶部23は、ハードディスクドライブ等であり、制御部21が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なデータ等が格納される。
本実施形態においては、記憶部23には、フィルム9の搬送制御プログラム、カメラ13の撮像制御プログラム、鮮明度を算出する画像処理プログラム、及び
各プログラムを実行するために必要なパラメータ(フィルム9の搬送条件、カメラ13の撮像条件など)が記憶されている。
そして、記憶部23に格納された上記プログラムは必要に応じて読み出され、RAMに移されて実行される。

0034

送受信部25は、所定の形式に従った情報の送受信を行うインターフェースとして機能する。本実施形態の場合、制御端末15は、送受信部25を介してカメラ13及び搬送機構11と有線又は無線接続されており、制御命令データ信号等の授受を媒介する。

0035

入力部27は、キーボードタッチパネル等の入力装置を有する。測定者は、入力部27を介して、測定開始及び測定停止等の操作(指示)を行う。

0036

表示部29は、液晶パネル等のディスプレイ装置を有する。表示部29には、カメラ13のモニタリング画面、撮像画像、鮮明度の測定結果等が表示される。

0037

バス31は、各部間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。

0038

以上が本実施形態における鮮明度測定装置1の構成である。本実施形態における鮮明度測定装置1は、従来のように光源スリット、及び光学櫛の移動機構を必要とせず実現できる。

0039

次に、図4を参照して、鮮明度測定装置1のカメラ13の測定画像の一例を示す。図4(a)は曇り度が比較的小さいフィルムを通してクロムパターン7を撮像した画像(以下、パターン画像41)を示し、図4(b)は曇り度が比較的大きいフィルムを通してクロムパターン7を撮像した画像(以下、パターン画像42)を示す。

0040

図4(a)(b)に示すように、パターン画像41、パターン画像42ともにスポット照明3からの光を透過する透光部41a、42aが明るく表示され、光を透過しない遮光部41b、42bは暗く表示される。
一方、曇り度の小さいパターン画像41は、撮像画像全体が鮮明(シャープ)に表示されるのに対し、曇り度の大きいパターン画像42は、撮像画像全体がぼやけて表示されているのが分かる。

0041

図5は、各パターン画像の画像水平方向の輝度断面の一部を示した図である。図5(a)は図4(a)のパターン画像41の輝度断面を示し、図5(b)は図4(b)のパターン画像42の輝度断面を示す。フィルムの曇り度によって、輝度の変化の仕方が異なる。例えば、図5(a)に示すように、曇り度の小さいパターン画像41は、光を透過する透光部41aと光を遮光する遮光部41bとの境界部分(輝度の白黒パターンの境界部分)で輝度が大きく変化する。一方、図5(b)に示すように、曇り度の大きいパターン画像42は、透過部42aと遮光部42bとの境界部分(輝度の白黒パターンの境界部分)で輝度が緩やかに変化する。
後述するように、フィルムの鮮明度は、フィルムの曇り度に応じて変化の態様(大小)が異なる透過部と遮光部との境界部分の輝度に着目して算出される。

0042

次に、図6のフローチャートを参照して、鮮明度測定装置1の測定動作フローを説明する。
測定を開始する前に、予め、スポット照明3及びビームエキスパンダ5の電源投入されており、スポット照明3から照射された光はビームエキスパンダ5で平行光に変換され、当該平行光がクロムパターン7及びフィルム9に照射されているものとする。

0043

まず、制御端末15の制御部21は、入力部27を介して、測定者の測定開始の操作(指示)を受け付ける(ステップ601)。

0044

そして、制御端末15の制御部21は、ステップ601において測定者の測定開始の操作(指示)を受付けると、フィルム9の搬送を開始する(ステップ602)。具体的には、制御端末15の制御部21が、搬送機構11に対して搬送開始命令を送信し、当該搬送開始命令を受信した搬送機構11が、搬送ローラ10を回転させながらフィルム9を所定速度で搬送する。あるいは、測定開始の操作とフィルム9の搬送機構11とは独立して動作してもよい。

0045

次に、制御端末15の制御部21は、カメラ13の撮像回数nをn=0に初期化する(ステップ603)。

0046

そして、制御端末15の制御部21は、撮像回数nをインクリメント(n←n+1)し(ステップ604)、n回目(現在の撮像回数に相当)の撮像を実行する(ステップ605)。具体的には、制御端末15の制御部21が、カメラ13に対して撮像実行命令を送信し、当該撮像実行命令を受信したカメラ13がフィルム9及びクロムパターン7を撮像する。

0047

制御端末15の制御部21は、ステップ605においてn回目に撮像した画像データを記憶部23に保存する(ステップ606)。具体的には、カメラ13が撮像した画像データは制御端末15に送信され、制御端末15の制御部21は、送受信部25を介して、当該画像データを記憶部23に保存する。

0048

制御端末15の制御部21は、ステップ606において記憶部23に記憶した画像データ(n回目に撮像した画像データ)を読込み、当該画像データに基づきフィルム9の鮮明度τ(n)を算出する(ステップ607)。

0049

ここで、図7のフローチャート及び図8を参照し、上記ステップ607において実行される鮮明度の算出処理を説明する。
本実施形態では、図4及び図5に示したように撮像画像の透光部と遮光部の境界部分(輝度の白黒パターンの境界部分)の輝度変化が、フィルム9の曇り度と高い関連性を有することから、当該境界部分の輝度変化に基づきフィルム9の鮮明度を算出する。

0050

制御部21は、まず、撮像した画像データに基づき当該画像データの水平方向の輝度断面を算出する(ステップ701)。
図8(a)は、算出された所定の輝度断面を示す図である。以降、図8(a)の輝度断面をf(x)と定義し、当該輝度断面f(x)から鮮明度を算出する手順を説明する。ここで、xは水平方向x番目画素番号を表し、f(x)はx番目の画素の輝度値を表す。

0051

制御部21は、次に、輝度断面f(x)から輝度変化|f’(x)|を算出する(ステップ702)。輝度変化|f’(x)|は、例えば、注目画素xの両隣の画素x−1、x+1の輝度値の差(変化)を用いて算出できる。つまり、水平方向x番目の輝度変化|f’(x)|は、式(1)のように算出される。

0052

0053

図8(b)は、全てのxにおいて算出された輝度変化|f’(x)|を示す図である。

0054

そして、制御部21は、ステップ702において算出した輝度変化|f’(x)|に基づき鮮明度τを算出する。鮮明度τは、式(2)に示すように「透光部と遮光部の境界部分の輝度変化の和の平均値」として算出される(ステップ703)。

0055

0056

αは、図8(c)に示すように、輝度変化|f’(x)|に設定される閾値であり、鮮明度τは、透光部と遮光部の各境界での閾値αを超える輝度変化|f’(x)|(図8(c)の実線部分)の和を平均した値である。閾値αを設定することで輝度変化|f’(x)|の小さい輝度断面f(x)の極小極大付近(つまり、輝度断面f(x)の透光部及び遮光部付近)を計算から除外し、これにより「透光部と遮光部の境界部分の輝度変化」に着目し鮮明度τが算出される。
尚、閾値αの値は、輝度断面f(x)の極小、極大付近を計算から除外できる適当な値でよく、例えば、本実施形態ではα=1とした。
以上のような処理でフィルム9の鮮明度が算出される。

0057

図6のフローチャートの説明に戻る。制御端末15の制御部21は、今まで算出した1〜n回の鮮明度の時系列結果τ(1),τ(2),・・・,τ(n)を表示部29に表示する(ステップ608)。
例えば図9に示すように、表示部29にフィルム9の鮮明度の時系列結果が表示され、測定者は、測定結果を目視で確認することができる。

0058

ステップ609において、制御端末15の制御部21は、入力部27を介して、ユーザからの測定終了の操作(指示)の有無の判定を行い、測定終了の操作(指示)があれば(ステップ609の「Yes」)、ステップ610に移行する。一方、測定終了の操作(指示)が無ければ(ステップ609の「No」)、ステップ604に移行し、カメラの撮像を継続する。ステップ604〜ステップ608までの処理は、ステップ609において「Yes」と判定されるまで、繰り返し実行される。

0059

制御端末15の制御部21は、入力部27を介して、ステップ609においてユーザからの測定終了の操作(指示)を受付けると(ステップ609の「No」)、フィルム9の搬送及びカメラ13の撮像を停止する(ステップ610)。具体的には、制御端末15の制御部21が、搬送機構11に対して搬送停止命令を送信し、当該搬送停止命令を受信した搬送機構11は、搬送ローラ10の回転を停止させ、フィルム9の搬送を停止する。同様に、制御端末15の制御部21が、カメラ13に対して撮像停止命令を送信し、当該撮像停止命令を受信したカメラ13は撮像を停止する。測定とフィルム9の搬送機構11とが独立で動作している場合は、カメラ13の撮像のみが停止する。

0060

尚、ユーザからの測定終了の操作(指示)に依らず、自動的にフィルム9の搬送の停止、及びカメラ7の撮像の停止を行うように構成してもよい。例えば、ステップ607において制御部21により算出される鮮明度が予め設定した許容値を下回った場合、若しくは、鮮明度が所定回数連続して当該許容値を下回った場合(つまり、何らかの品質上のチェックを要するような場合)、制御端末15の制御部21は、搬送停止命令及び撮像停止命令を、搬送機構及びカメラ13に送信し、測定を強制的に終了するようにしてもよい。

0061

以上説明した本実施形態に係る鮮明度測定装置1の有利な効果を説明する。

0062

第1には、従来のように光学系にスリットを必要としないため、光量ロスが少なく短い露光時間での測定が可能となる。
第2には、従来のように光学櫛の移動機構を必要としないため簡易な構成で鮮明度の測定を実現できる。
第3には、本実施形態においてはウェブ状フィルムを搬送しながら時々刻々測定を行う為、高速なインライン測定が実現できる。

0063

(像鮮明度換算処理
尚、前述した鮮明度の算出処理(図7のフローチャート参照)は、更に、鮮明度τをJIS K7374に定める像鮮明度へ換算する処理を含んでもよい。
図10は、当該処理を含んだフローチャートを示す。

0064

図10のステップ1001〜1003は、図7のステップ701〜703と同様である。つまり、制御部21は、画像データから輝度断面を算出し(ステップ1001)、輝度断面から輝度変化を算出し(ステップ1002)、透光部と遮光部の境界部分の輝度変化の和の平均値を鮮明度として算出する(ステップ1003)。
但し、ステップ1003において算出した鮮明度を像鮮明度へ換算する処理が加わる(ステップ1004)。
具体的には、制御部21は、記憶部23に予め格納されている所定の関数gを読込み、鮮明度算出処理により算出した鮮明度τをJIS K7374に定める像鮮明度へ換算した換算像鮮明度τ’を、式(3)のように算出する。

0065

0066

ここで、所定の関数gについて説明しておく。所定の関数gは、例えば、次の手順で予め作成され、制御端末15の記憶部23に格納されている。

0067

(1)曇り度が小さいものから大きいものまで、Nパターンのフィルムを用意する。

0068

(2)上記(1)の全フィルムに対して、本実施形態の鮮明度測定装置1により「鮮明度」τ1,τ2,・・・,τNを測定する。

0069

(3)上記(1)の全フィルムに対して、JIS K7374に定められた測定方法により「像鮮明度」τ’1,τ’2,・・・,τ’Nを測定する。

0070

(4)上記(2)及び(3)で算出した「鮮明度」と「像鮮明度」の組み合わせ(τ1 τ’1),(τ2 τ’2),・・・,(τN τ’N)を2次元データ系列として2次元グラフ上にプロットする。

0071

(5)上記(4)でプロットしたデータにフィットする最適な関数を回帰分析等により算出し、当該関数をgとする。

0072

(6)上記(5)により算出した関数gを記憶部23に格納する。

0073

上記手順により算出された所定の関数gを用いて、制御部21は、鮮明度τを換算鮮明度τ’へ変換する。これにより、本実施形態の鮮明度測定装置1で測定した鮮明度τをJIS K7374の像鮮明度へ換算して評価することが可能となる。
尚、鮮明度を像鮮明度に変換する所定の関数gは一次関数で十分であった(高次の関数を用いてフィッティングする必要がなかった)。換言すると、本実施形態における鮮明度測定装置1により測定算出される鮮明度は、JIS K7374の像鮮明度と高い親和性を有する。

0074

以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る鮮明度測定装置1等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

0075

1 ・・・・・・鮮明度測定装置
3 ・・・・・・スポット照明
5 ・・・・・・ビームエキスパンダ
7 ・・・・・・クロムパターン
9 ・・・・・・フィルム
10・・・・・・搬送ローラ
11・・・・・・搬送機構
13・・・・・・カメラ
15・・・・・・制御端末
21・・・・・・制御部
41、42・・・パターン画像

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