図面 (/)

技術 ゴムウエットマスターバッチの製造方法およびゴムウエットマスターバッチ、ならびにゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物

出願人 TOYOTIRE株式会社
発明者 西村知耶
出願日 2014年6月19日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2014-125923
公開日 2016年1月12日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-003316
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 プラスチック等の成形材料の処理、取扱一般 高分子組成物
主要キーワード 下流側内壁面 外筒内壁 加熱乾燥式水分計 高歪領域 スクイザー 耐疲労性能 ホッパ口 凝固物中
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年1月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

ゴム劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチの製造方法を提供すること。

解決手段

単軸押出機を使用して160〜200℃に加熱することによって、充填材含有ゴム凝固物脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を有し、単軸押出機は、スクリューと、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)に沿って延びるスリット内壁面に形成された外筒とを有するものであり、スリット幅をA、スクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、外筒のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、外筒のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);0<AB(Y)/AB(X)<0.9(1)を満たすゴムウエットマスターバッチの製造方法。

概要

背景

従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填材を含有するゴム組成物を製造する際の加工性能や充填材の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填材と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填材とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填材の分散性に優れ、加工性能や補強性能などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性能に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。

上述したゴムウエットマスターバッチの製造方法において、凝固工程後に得られた充填材含有ゴム凝固物から、分散溶媒およびゴムラテックス溶液由来の水分を除去する方法は、例えばろ過法遠心分離法により固液分離を行った後、任意の混合機を用いて、充填材含有ゴム凝固物を加熱しつつ混練を行って脱水する方法が挙げられる。かかる脱水方法では、脱水、乾燥、可塑化などの工程数を増やすほど、あるいは混練時の加熱温度を高めるほど、脱水後に得られるゴムウエットマスターバッチの含水率を低減できる。しかしながら、脱水、乾燥、可塑化などの工程数、脱水時に加える熱量および/または機械的エネルギーが多くなると、得られるゴムウエットマスターバッチのポリマー分子鎖の切断などを引き起こし、最終的に得られるゴム組成物の加硫ゴム特性が悪化する場合がある。したがって、ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、脱水、乾燥、可塑化などの工程では、多くの工夫の余地があるのが実情である。

下記特許文献1および2には、充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥を行う際、二軸押出機を使用する技術が記載されている。

また、下記特許文献3には、軸数に限定の無いスクリュー型脱水機を使用し、ゴム材料無機フィラースラリーとの混合物を脱水する技術が記載されている。かかるスクリュー型脱水機は、上流側に被処理物を供給するためのホッパ口を有し下流側に被処理物を排出するための排出口を有するシリンダと、このシリンダに回転可能に支持されたスクリュー軸および上記スクリュー軸の外周面螺旋状に形成された山部を有するスクリューとを備えたスクリュー型脱水機であって、上記ホッパ口側に位置する第1の脱水部と上記排出口側に位置する第2の脱水部とを備え、上記第1の脱水部では、上記スクリュー軸の径が当該スクリューの進行方向に向かって徐々に大きくなっており、第2の脱水部には、一端が上記シリンダの内壁に固定され、他端が上記山部間の空隙に突出するピン部材が設けられている点が特徴である。

概要

ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチの製造方法を提供すること。単軸押出機を使用して160〜200℃に加熱することによって、充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を有し、単軸押出機は、スクリューと、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)に沿って延びるスリット内壁面に形成された外筒とを有するものであり、スリット幅をA、スクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、外筒のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、外筒のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);0<AB(Y)/AB(X)<0.9(1)を満たすゴムウエットマスターバッチの製造方法。

目的

本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチの製造方法、および該製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチ、ならびに該ゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも充填材分散溶媒、およびゴムラテックス溶液原料として得られたゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、前記充填材および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液とを混合・凝固させて、充填材含有ゴム凝固物を製造する凝固工程と、単軸押出機を使用して160〜200℃に加熱することによって、前記充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程と、を有し、前記単軸押出機は、スクリューと、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)に沿って延びるスリット内壁面に形成された外筒とを有するものであり、前記スリット幅をA、前記スクリューの山部と前記外筒の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、前記外筒のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、前記外筒のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);0<AB(Y)/AB(X)<0.9(1)を満たすこと特徴とするゴムウエットマスターバッチの製造方法。

請求項2

前記スクリューが、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、前記スクリューの山部高さを徐々に低くしたものである請求項1に記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。

請求項3

前記スクリューが、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、前記スクリューの軸径を大きくしたものである請求項1または2に記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。

請求項4

前記スクリューが、スクリュー下流側に向けてスクリュー軸径が大きくなる段差部を少なくとも一つ有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチ。

請求項6

請求項5に記載のゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物

技術分野

0001

本発明は、少なくとも充填材分散溶媒、およびゴムラテックス溶液原料として得られたゴムウエットマスターバッチの製造方法およびゴムウエットマスターバッチ、ならびに該ゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物に関する。特に本発明は、ゴム劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチの製造方法、および該製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチ、ならびに該ゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物に関する。

背景技術

0002

従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填材を含有するゴム組成物を製造する際の加工性能や充填材の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填材と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填材とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填材の分散性に優れ、加工性能や補強性能などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性能に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。

0003

上述したゴムウエットマスターバッチの製造方法において、凝固工程後に得られた充填材含有ゴム凝固物から、分散溶媒およびゴムラテックス溶液由来の水分を除去する方法は、例えばろ過法遠心分離法により固液分離を行った後、任意の混合機を用いて、充填材含有ゴム凝固物を加熱しつつ混練を行って脱水する方法が挙げられる。かかる脱水方法では、脱水、乾燥、可塑化などの工程数を増やすほど、あるいは混練時の加熱温度を高めるほど、脱水後に得られるゴムウエットマスターバッチの含水率を低減できる。しかしながら、脱水、乾燥、可塑化などの工程数、脱水時に加える熱量および/または機械的エネルギーが多くなると、得られるゴムウエットマスターバッチのポリマー分子鎖の切断などを引き起こし、最終的に得られるゴム組成物の加硫ゴム特性が悪化する場合がある。したがって、ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、脱水、乾燥、可塑化などの工程では、多くの工夫の余地があるのが実情である。

0004

下記特許文献1および2には、充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥を行う際、二軸押出機を使用する技術が記載されている。

0005

また、下記特許文献3には、軸数に限定の無いスクリュー型脱水機を使用し、ゴム材料無機フィラースラリーとの混合物を脱水する技術が記載されている。かかるスクリュー型脱水機は、上流側に被処理物を供給するためのホッパ口を有し下流側に被処理物を排出するための排出口を有するシリンダと、このシリンダに回転可能に支持されたスクリュー軸および上記スクリュー軸の外周面螺旋状に形成された山部を有するスクリューとを備えたスクリュー型脱水機であって、上記ホッパ口側に位置する第1の脱水部と上記排出口側に位置する第2の脱水部とを備え、上記第1の脱水部では、上記スクリュー軸の径が当該スクリューの進行方向に向かって徐々に大きくなっており、第2の脱水部には、一端が上記シリンダの内壁に固定され、他端が上記山部間の空隙に突出するピン部材が設けられている点が特徴である。

先行技術

0006

特開2006−213815号公報
特開2006−346958号公報
特開2010−221093号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、特許文献1および2に記載の技術では、二軸押出機を使用して、充填材含有ゴム凝固物を脱水・乾燥してゴムウエットマスターバッチを製造するため、ゴムウエットマスターバッチに付与される機械的エネルギーが大きくなり、ゴム成分の劣化を引き起こす傾向があり、最終的な加硫ゴムの耐引裂性能や高歪領域での応力特性が悪化する傾向があることが判明した。

0008

また、特許文献3に記載の技術では、シリンダの内壁に固定されたピン部分を有するスクリュー型脱水機を使用するため、ピン部分を通過するゴム成分に高せん断力が作用し、ゴム成分中ポリマー鎖の切断を引き起こすため、ゴム成分の劣化が進行しやすい。その結果、最終的に得られる加硫ゴムの耐引裂き性能や高歪領域での応力特性が悪化する場合があることが判明した。

0009

本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチの製造方法、および該製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチ、ならびに該ゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明は、少なくとも充填材、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として得られたゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、前記充填材および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液とを混合・凝固させて、充填材含有ゴム凝固物を製造する凝固工程と、単軸押出機を使用して160〜200℃に加熱することによって、前記充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程と、を有し、前記単軸押出機は、スクリューと、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)に沿って延びるスリット内壁面に形成された外筒とを有するものであり、前記スリット幅をA、前記スクリューの山部と前記外筒の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、前記外筒のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、前記外筒のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);
0<AB(Y)/AB(X)<0.9 (1)
を満たすこと特徴とするゴムウエットマスターバッチの製造方法、に関する。

0011

上記製造方法によれば、充填材および分散溶媒を含有するスラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合・凝固させて、充填材含有ゴム凝固物を製造し(凝固工程)、かかるゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う(加熱工程)。したがって、脱水・乾燥・可塑化をそれぞれ行う従来技術に比べて加熱工程数が減るため、ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。かかる加熱工程では、単軸押出機を使用し、160〜200℃に加熱することにより行われるが、加熱温度が160℃未満であると、水分率が十分に低下せず、押出時の充填材含有ゴム凝固物の粘度が高くなるため、可塑化が不十分となる場合がある。一方、加熱が200℃より高いと、過剰の熱履歴によりゴムの劣化が発生する場合がある。ゴム凝固物の水分率の低下とゴム成分の劣化抑制とを両立するため、加熱工程における加熱温度は、180〜200℃とすることが好ましい。

0012

上記製造方法では、単軸押出機として、スクリューと、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)に沿って延びるスリットが内壁面に形成された外筒とを有するものを使用する。そして、本発明においては、スリット幅をA、スクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、外筒のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、外筒のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);
0<AB(Y)/AB(X)<0.9 (1)
を満たすこと特徴とする。本発明においては、AB(Y)/AB(X)を0.9未満とすることにより、単軸押出機内をゴムウエットマスターバッチがスクリュー軸方向下流側に進むにつれて、ゴムウエットマスターバッチが強く圧縮されることになる。その結果、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率を低減することができる。

0013

なお、本発明において「スクリュー軸方向下流側」とは、単軸押出機の排出口側を意味し、「スクリュー軸方向上流側」とは、単軸押出機内にゴム材料その他を投入する供給口側を意味する。また、「外筒のスクリュー軸方向下流側」におけるAおよびBは、最も下流側に位置するスリットのスリット幅、および最も下流側に位置するスクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスであることが好ましく、「外筒のスクリュー軸方向上流側」におけるAおよびBは、最も上流側に位置するスリットのスリット幅、および最も上流側に位置するスクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスであることが好ましい。

0014

上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、前記スクリューが、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、前記スクリューの山部高さを徐々に低くしたものであることが好ましい。一般に、単軸押出機内でゴム成分がスクリューの山部を乗り越えてスクリュー軸方向下流側へ進む際に、ゴム成分に対し最も大きなせん断力が作用する。したがって、スクリューの山部の高さが高ければ高いほど、ゴム成分の脱水効率は向上するが、その一方でゴム成分の劣化が進行し易い。しかしながら本発明において、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さを徐々に低くしたものであるスクリューを使用した場合、ゴム成分に付与されるせん断力を適度に和らげることができるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をより低減することができる。

0015

上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、前記スクリューが、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、前記スクリューの軸径を大きくしたものであることが好ましい。かかる構成によれば、下流側に向けてゴム成分に付与されるせん断力を徐々に高め、過度なせん断力がゴム成分に付与されることを抑制できるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をより低減することができる。

0016

上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、前記スクリューが、スクリュー下流側に向けてスクリュー軸径が大きくなる段差部を少なくとも一つ有するものであることが好ましい。かかる構成によれば、加熱工程において、ゴム成分は段差部に塞き止められ、適度に単軸押出機内で滞留しつつせん断力を受けるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をさらに低減することができる。

0017

本発明は、前記いずれかに記載の製造方法で製造されたゴムウエットマスターバッチに関し、特には、前記ゴムウエットマスターバッチを含有するゴム組成物に関する。かかるゴムウエットマスターバッチおよびゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムは、ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れる。

図面の簡単な説明

0018

本発明で使用可能な単軸押出機の外観図の一例
図1のA−A矢視断面図
外筒内壁面の展開図の一例
スクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスBの説明図

0019

本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法では、凝固工程および加熱工程を少なくとも有する。以下に各工程について説明する。

0020

(凝固工程)
凝固工程においては、充填材および分散溶媒を含有するスラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合・凝固させて、充填材含有ゴム凝固物を製造する。特に、凝固工程が、充填材を分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した充填材を含有するスラリー溶液を製造する工程(I)と、スラリー溶液と、残りのゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した充填材含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(II)と、ゴムラテックス粒子が付着した充填材含有ゴムラテックス溶液を凝固して、充填材含有ゴム凝固物を製造する工程(III)と、を有することが好ましい。

0021

本発明において、充填材とは、カーボンブラック、シリカクレータルク炭酸カルシウム炭酸マグネシウム水酸化アルミニウムなど、ゴム工業において通常使用される無機充填材を意味する。上記無機充填材の中でも、本発明においてはカーボンブラックを特に好適に使用することができる。

0022

カーボンブラックとしては、例えばSAFISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。

0023

分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。

0024

ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。

0025

天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。本発明において使用する天然ゴムラテックス中の天然ゴムの数平均分子量は、200万以上であることが好ましく、250万以上であることがより好ましい。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムクロロプレンゴム乳化重合により製造したものがある。

0026

以下に、充填材としてカーボンブラック、ゴムラテックス溶液として、天然ゴムラテックス溶液を使用した例に基づき、好ましい凝固工程の一例を説明する。この場合、カーボンブラックの分散度合いが非常に高く、かつ加硫ゴムとしたときの低発熱性能耐久性能およびゴム強度をさらに向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。また天然ゴムラテックスについては濃縮ラテックスフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。

0027

なお、本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法では、恒粘度剤と呼ばれる、ゴムウエットマスターバッチの保管初期における粘度上昇の抑制を目的とした添加剤を使用する必要が無い。かかる恒粘度剤としては、例えば酢酸ヒドラジドプロピオンサンヒドラジド、酪酸ヒドラジド、カプロン酸ヒドラジド、シクロプロピルヒドラジドなどのヒドラジド化合物硫酸ヒドロキシアミンセミカリバジド;ジメドン(1,1−ジメチルシクロヘキサン−3,5−ジオン;などが挙げられる。

0028

(1)工程(I)
工程(I)では、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際に、天然ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する。天然ゴムラテックス溶液は、あらかじめ分散溶媒と混合した後、カーボンブラックを添加し、分散させても良い。また、分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで所定の添加速度で、天然ゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良く、あるいは分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで何回かに分けて一定量の天然ゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良い。天然ゴムラテックス溶液が存在する状態で、分散溶媒中にカーボンブラックを分散させることにより、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造することができる。工程(I)における天然ゴムラテックス溶液の添加量としては、使用する天然ゴムラテックス溶液の全量(工程(I)および工程(II)で添加する全量)に対して、0.075〜12質量%が例示される。

0029

工程(I)では、添加する天然ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量が、カーボンブラックとの質量比で0.25〜15%であることが好ましく、0.5〜6%であることが好ましい。また、添加する天然ゴムラテックス溶液中の固形分(ゴム)濃度が、0.2〜5質量%であることが好ましく、0.25〜1.5質量%であることがより好ましい。これらの場合、天然ゴムラテックス粒子をカーボンブラックに確実に付着させつつ、カーボンブラックの分散度合いを高めたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。

0030

工程(I)において、天然ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合する方法としては、高せん断ミキサーハイシアーミキサーホモミキサーボールミルビーズミル高圧ホモジナイザー超音波ホモジナイザーコロイドミルなどの一般的な分散機を使用してカーボンブラックを分散させる方法が挙げられる。

0031

上記「高せん断ミキサー」とは、ローターステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なローターと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でローターが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断作用を生み出すためには、ローターとステーターとのクリアランスを0.8mm以下とし、ローターの周速を5m/s以上とすることが好ましい。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えばSILVERSON社製「ハイシアーミキサー」が挙げられる。

0032

本発明においては、天然ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合し、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する際、カーボンブラックの分散性向上のために界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、ゴム業界において公知の界面活性剤を使用することができ、例えば非イオン性界面活性剤アニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤両イオン系界面活性剤などが挙げられる。また、界面活性剤に代えて、あるいは界面活性剤に加えて、エタノールなどのアルコールを使用しても良い。ただし、界面活性剤を使用した場合、最終的な加硫ゴムのゴム物性が低下することが懸念されるため、界面活性剤の配合量は、天然ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、実質的に界面活性剤を使用しないことが好ましい。また、工程(I)および工程(II)で天然ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)の劣化を抑制するために老化防止剤を添加しても良い。老化防止剤としては、ゴム業界において公知の老化防止剤を使用することができ、例えばアミン系、フェノール系、有機ホスファイト系あるいはチオエーテル系などが挙げられる。

0033

工程(I)において製造されるスラリー溶液中、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックは、90%体積粒径(μm)(「D90」)が、31μm以上であることが好ましく、35μm以上であることがより好ましい。この場合、スラリー溶液中のカーボンブラックの分散性に優れ、かつカーボンブラックの再凝集を防止することができるため、スラリー溶液の保存安定性能に優れると共に、最終的な加硫ゴムの低発熱性能、耐久性能およびゴム強度にも優れる。なお、本発明において天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックのD90は、カーボンブラックに加えて、付着した天然ゴムラテックス粒子も含めて測定した値を意味するものとする。

0034

(2)工程(II)
工程(II)では、スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを混合して、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する。スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを液相で混合する方法は特に限定されるものではなく、スラリー溶液および残りの天然ゴムラテックス溶液とを高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用して混合する方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。

0035

残りの天然ゴムラテックス溶液は、次工程(III)での乾燥時間・労力を考慮した場合、工程(I)で添加した天然ゴムラテックス溶液よりも固形分(ゴム)濃度が高いことが好ましく、具体的には固形分(ゴム)濃度が10〜60質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。

0036

(3)工程(III)
工程(III)では、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固させて、充填材含有ゴム凝固物を製造する。凝固方法としては、例えば天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液中に凝固剤を含有させて、凝固させる方法が挙げられる。

0037

凝固工程で使用する凝固剤としては、ゴムラテックス溶液の凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩を使用することができる。

0038

工程(III)後に得られる充填材含有ゴム凝固物中、ゴム成分と充填材との割合は、ゴム100質量部(固形分)に対して充填材を30〜80質量部含有することが好ましい。この場合、最終的に、充填材の分散度合いと、加硫ゴムとしたときの低発熱性能および耐久性能とを、バランス良く向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。

0039

(加熱工程)
加熱工程では、単軸押出機を使用して160〜200℃に加熱することによって、充填材含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う。図1に本発明で使用可能な単軸押出機の一例を示す。

0040

単軸押出機20は、スクリュー23と、供給口29側(上流側)に位置する第一外筒25および排出口30側(下流側)に位置する第二外筒26からなる外筒27と、を有し、凝固工程後に得られた充填材含有ゴム凝固物は供給口29から投入され、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)1に沿って、混練されつつ進み、最終的に排出口30から排出される。上流側部分は脱水部21とも呼ばれ、下流側部分は乾燥部エクスパンダー部)22とも呼ばれる。乾燥部22には、必要に応じてジャケット28を設けて温調しても良い。ただし、本発明においては、乾燥部22の外筒内壁面から、内径側に突出するピン部分を有しないことが好ましい。乾燥部22にピン部分を有すると、ピン部分を通過するゴム成分に高せん断力が作用し、ゴム成分中のポリマー鎖の切断を引き起こすため、ゴム成分の劣化が進行しやすい。その結果、最終的に得られる加硫ゴムの耐引裂き性能や高歪領域での応力特性が悪化する場合がある。かかる単軸押出機の外筒(バレル)の長さ(L)・外筒径(D)は、通常のゴム業界で使用される任意の単軸押出機が使用可能であり、さらには外筒長さと外筒径との比率(L/D)も任意に設定可能である。

0041

外筒27の内壁面には、外筒長さ方向1に沿って延びるスリット24を少なくとも一つ有する(本実施形態では、図2および図3に示すとおり外筒内壁面で一定の間隔を有しつつ、複数のスリット24が形成されている)。本実施形態において説明する単軸押出機20では、脱水部21の内壁面にスリット24が形成される一方で、乾燥部(エクスパンダ—部)22にはスリット24が形成されていない。したがって、本実施形態において「外筒のスクリュー軸方向下流側」におけるAおよびBとは、脱水部21の最も下流側に位置するスリット24のスリット幅、および脱水部21の最も下流側に位置するスクリュー23の山部と外筒27の内壁面とのクリアランスであることが好ましい。図3に示すとおり、本実施形態では、スリット24が外筒長さ方向1に沿って連続的に延びる例を示したが、外筒長さ方向1に対し傾斜しつつ延びるものであっても良い。さらに、スリット24は、外筒27の供給口29側端から排出口30側端まで延びるものであっても良く、脱水部21内のみに形成されるものでも良く、外筒長さ方向1に沿って断続的に延びるものであっても良い。また、外筒内壁面でのスリット幅Aとしては、0.1〜0.9mmとすることが好ましい。Aが0.1mm未満であると、ゴムウエットマスターバッチが脱水されることにより発生した水分の流路が狭くなり、ゴムウエットマスターバッチの含水率の低下が不十分になることがある。また、Aが0.9mmを超えると、ゴムウエットマスターバッチと外筒の内壁面との接触面積が小さくなり、ゴムウエットマスターバッチの含水率の低下が不十分になることがある。

0042

図2では、外筒内壁面からスリット深さ方向に向かって、スリット幅が広がるように形成されたスリットの例を示したが、本発明においては、外筒内壁面に形成するスリットとして、外筒内壁面からスリット深さ方向に向かって、スリット幅が一定となるように形成されたスリットでも良く、スリット幅が狭くなるように形成されたスリットでも良い。

0043

単軸押出機20が備えるスクリュー23の形状は、任意の形状を採用し得る。しかしながら本発明においては、スクリュー23の山部と外筒27の内壁面とのクリアランスをBとしたとき、外筒内壁面に形成されたスリット24のスリット幅Aとの関係で、外筒27のスクリュー軸方向下流側におけるAとBとの積(AB(Y))と、外筒27のスクリュー軸方向上流側におけるAとBとの積(AB(X))とが、下記式(1);
0<AB(Y)/AB(X)<0.9 (1)
を満たすように、スクリュー23は設計されている。Bは1mm以上10mm以下であることが好ましい。Bが1mm未満である場合、ゴム成分の流路が狭くなるため、ゴム成分に対し過剰なせん断力が作用するため、最終的に得られる加硫ゴムのゴム物性が悪化する場合がある。また、Bが10mmを超えると、ゴム成分の流路が広くなるため、ゴム成分に付与されるせん断力が不足し、ゴムウエットマスターバッチの含水率の低下が不十分になることがある。スクリューは加熱式スクリューであっても良い。図4に本発明において採用可能なスクリュー形状の一例を示す。

0044

図4(a)において、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの軸径を大きくしたスクリュー23の一例を示す(スクリュー軸方向下流側のスクリュー軸径DLがスクリュー軸方向上流側のスクリュー軸径DUよりも大きい)。かかる構成によれば、下流側に向けてゴム成分に付与されるせん断力を徐々に高め、過度なせん断力がゴム成分に付与されることを抑制できるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をより低減することができる。なお、図4(a)に示すスクリュー23は、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部41高さが徐々に低くなるように形成されている(スクリュー軸方向下流側のスクリュー山部41高さHLがスクリュー軸方向上流側のスクリュー山部41高さHUよりも低い)。かかる構成によれば、ゴム成分に対しせん断力が強く作用するスクリュー軸方向下流側において、ゴム成分に付与されるせん断力を適度に和らげることができるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をより低減することができる。また、図4(a)に示すスクリューは、スクリュー軸方向下流側におけるスクリュー23の山部41と外筒27の内壁面とのクリアランスBLが、スクリュー軸方向上流側におけるスクリュー23の山部41と外筒27の内壁面とのクリアランスBUよりも小さく形成されている。ただし、本発明においては、式(1)を満たすのであれば、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが一定となるように形成しても良い。

0045

図4(b)において、スクリュー23下流側に向けてスクリュー軸径が大きくなる段差部42(「カラー部」とも言う)を少なくとも一つ有するスクリューの一例を示す。かかるスクリューを採用した場合、加熱工程において、ゴム成分は段差部に塞き止められ、適度に単軸押出機内で滞留しつつせん断力を受けるため、ゴムウエットマスターバッチ中のゴム成分の劣化を抑えつつ、ゴムウエットマスターバッチの含水率をさらに低減することができる。図4(b)に示すスクリュー23は段差部42を有するため、スクリュー軸方向下流側のスクリュー軸径DLがスクリュー軸方向上流側のスクリュー軸径DUよりも大きい。また、図4(b)に示す例では、スクリュー軸方向下流側のスクリュー山部41高さHLがスクリュー軸方向上流側のスクリュー山部41高さHUよりも低く、スクリュー軸方向下流側におけるスクリュー23の山部41と外筒27の内壁面とのクリアランスBLが、スクリュー軸方向上流側におけるスクリュー23の山部41と外筒27の内壁面とのクリアランスBUよりも小さく形成されている。ただし、本発明においては、式(1)を満たすのであれば、スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが一定となるように形成しても良い。

0046

本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法では、加熱工程に引き続いて、混練工程および加硫系配合剤混練工程を実施して、ゴムウエットマスターバッチに各種配合剤を混合し、ゴム組成物を製造することができる。

0047

(混練工程)
加熱工程後に得られたゴムウエットマスターバッチに、ステアリン酸亜鉛華、老化防止剤、シリカ、シランカップリング剤ワックスオイルなどの軟化剤加工助剤など、加硫系配合剤以外の配合剤を投入し、混合分散機を使用して練る工程。混練工程において、これらの配合剤がゴム成分に混ざることにより、加硫後のゴム製品の強度を高める、ゴムの混練加工性能を良好なものとする、ゴム分子鎖の切断により生じたラジカルに起因するゴムの劣化を防止する、などの効果が得られる。混練工程においても、噛合式バンバリーミキサー、接線式バンバリーミキサー、ニーダーなどが使用可能であり、特に噛合式バンバリーミキサーを使用することが好ましい。

0048

老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤ビスフェノール系老化防止剤ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。老化防止剤の含有量は、ゴムウエットマスターバッチのゴム成分(固形分)100質量部に対して、0.3〜3質量部であることがより好ましく、0.5〜1.5質量部であることがさらに好ましい。

0049

(加硫系配合剤混練工程)
混練工程後に得られたゴム組成物に、硫黄などの加硫剤加硫促進剤といった加硫系配合剤を投入し、全体を練り混ぜる。加硫系配合剤混練工程後に得られたゴム組成物を所定温度以上に加熱すると、ゴム組成物中の加硫剤はゴム分子と反応し、ゴム分子間橋架け構造を形成して分子が三次元ネットワーク化し、ゴム弾性が付与される。

0050

硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄沈降硫黄不溶性硫黄高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係るゴム組成物中の硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.3〜6質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6.5質量部を超えると、特に耐熱性能および耐久性能の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性能と耐久性能をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して1.5〜5.5質量部であることがより好ましい。

0051

加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤チウラム系加硫促進剤チアゾール系加硫促進剤チオウレア系加硫促進剤グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1〜5質量部であることがより好ましく、1.5〜4質量部であることがさらに好ましい。

0052

以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。使用原料および使用装置は以下のとおりである。

0053

(使用原料)a)カーボンブラック
カーボンブラック「N330」;「シースト3」(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N110」;「シースト9」(東海カーボン社製)
カーボンブラック「N774」;「シーストSO」(東海カーボン社製)
b)分散溶媒水
c)ゴムラテックス溶液
天然ゴム濃縮ラテックス溶液;レヂテックス社製((DRC(Dry Rubber Content))=60%、質量平均分子量23.6万)に常温で水を加えてゴム成分25質量%に調整したもの
天然ゴム新鮮ラテックス溶液;Golden Hope社製((DRC(Dry Rubber Content))=31.2%、質量平均分子量23.2万)に常温で水を加えてゴム成分25質量%に調整したもの
d)凝固剤ギ酸(一級85%、10%溶液を希釈して、pH1.2に調整したもの)、「ナカライテスク社製
e)亜鉛華1号亜鉛華 (三井金属社製)
f)ステアリン酸(日油社製)
g)老化防止剤芳香族アミン系:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン「6PPD」、(モンサント社製)、融点44℃
h)硫黄(鶴見化学工業社製)
i)加硫促進剤「CBS」(三新化学社製)

0054

(評価)
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で30分間加熱、加硫して得られたゴムについて行った。

0055

(充填材含有ゴム凝固物の水分率)
JIS K6238−2に準拠し、A&D社製加熱乾燥式水分計MX−50を使用して測定した。

0056

(ゴムウエットマスターバッチのムーニー粘度
JIS K6300に準拠し、100℃にて測定した。評価は、実施例1−10および比較例2−5については、比較例1を100として指数評価を行い、実施例11については比較例6を100として指数評価を行い、実施例12については比較例7を100として指数評価を行った。数値が低いほど可塑化されており、良好であることを示す。

0057

(加硫ゴムの300%伸張モジュラス(M300))
JIS−K 6251に準拠し、JIS3号ダンベル使用して、評価サンプルを作成し、その300%伸張モジュラス(M300(MPa))を測定した。評価は、実施例1−10および比較例2−5については、比較例1を100として指数評価を行い、実施例11については比較例6を100として指数評価を行い、実施例12については比較例7を100として指数評価を行った。数値が高いほどゴム強度が高く、良好であることを示す。

0058

実施例1
0.5質量%に調整した希薄天然ゴムラテックス溶液にカーボンブラック50質量部を添加し(ラテックス溶液の固形分量(ゴム量)が、カーボンブラックとの質量比で1質量部)、これにPRIMIX社製ロボミックスを使用してカーボンブラックを分散させることにより(該ロボミックスの条件:9000rpm、30分 )、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した(工程(I))。

0059

次に、工程(I)で製造された天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液に、残りの天然ゴム濃縮ラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)を、工程(I)で使用した天然ゴムラテックス溶液と合わせて、固形分(ゴム)量で100質量部・BR>ニなるように添加した後、SANYO社製家庭用ミキサーSM−L56型を使用して混合し(該ミキサーの条件:11300rpm、30分) 、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液を製造した(工程(II))。

0060

(凝固工程)
工程(II)で製造された天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液に対し、凝固剤としてギ酸10質量%水溶液をpH4に成るまで添加して、カーボンブラック含有天然ゴム凝固物を製造した(工程(III))。

0061

(加熱工程)
図1図4に記載のスクイザー式単軸押出機[(スエヒロEPM社製、品番V−02型)、バレル径90mm、(バレル長さ)/(バレル径)(L/D)=8.6、外筒内壁面でのスリット幅A(スクリュー軸方向上流側におけるスリット幅A(X)=0.9mm、スクリュー軸方向下流側におけるスリット幅A(Y)=0.7mm)、スクリュー形状(2);スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが一定、かつスクリューの軸径が徐々に大きく設計された形状、スクリューの山部と外筒の内壁面とのクリアランスB(スクリュー軸方向上流側におけるクリアランスB(X)=8.0mm、スクリュー軸方向下流側におけるクリアランスB(Y)=7.0mm)]を使用し、加熱温度200℃(加熱式スクリューの加熱温度200℃)で混練しつつ脱水・乾燥・可塑化を一工程で行った。

0062

(混練工程および加硫系配合剤混練工程)
得られた天然ゴムウエットマスターバッチに対し、B型バンバリーミキサー(神戸製鋼社製)を使用し、表1に記載の各種添加剤を配合してゴム組成物とし、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表1に示す。

0063

実施例2〜4、比較例5
A(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0064

実施例5
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(1);スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが徐々に低く、かつスクリューの軸径が徐々に大きく設計された形状に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0065

実施例6、比較例2
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(1)に変更し、かつA(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0066

実施例7
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(3);スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが一定、かつ少なくとも一つ段差部が形成された形状に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0067

実施例8
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(4);スクリュー軸方向上流側から下流側にかけて、スクリューの山部高さが徐々に低く、かつ少なくとも一つ段差部が形成された形状に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0068

実施例9
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(4)に変更し、かつA(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。
スターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0069

実施例10
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(4)に変更し、かつ加熱温度を160−200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0070

実施例11、12
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(1)に変更し、カーボンブラックの種類および配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0071

比較例1
加熱工程に代えて、脱水工程(脱水温度(脱水時に使用した単軸押出機の加熱式スクリュー温度):160℃)および乾燥可塑化工程(乾燥可塑化温度(乾燥可塑化時に使用した単軸押出機の加熱式スクリュー温度):160℃)の2工程を実施し、A(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。加硫ゴムの物性を表1に示す。

0072

比較例3
スクリューのスクリュー形状をスクリュー形状(1)に変更し、A(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更し、かつ単軸押出機として、外筒の下流側内壁面から、内径側に突出するピン部分を有するものを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。

0073

比較例4
加熱工程に代えて、遠心分離機を使用した脱水工程および乾燥可塑化工程(乾燥可塑化温度(乾燥可塑化時に使用した単軸押出機の加熱式スクリュー温度):200℃)の2工程を実施し、A(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。加硫ゴムの物性を表1に示す。

0074

比較例6、7
加熱工程に代えて、脱水工程(脱水温度(脱水時に使用した単軸押出機の加熱式スクリュー温度):160℃)および乾燥可塑化工程(乾燥可塑化温度(乾燥可塑化時に使用した単軸押出機の加熱式スクリュー温度):160℃)の2工程を実施し、A(X)、A(Y)、B(X)およびB(Y)を変更することにより、AB(Y)/AB(X)を変更し、かつカーボンブラックの種類および配合量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により天然ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および加硫ゴムを製造した。加硫ゴムの物性を表1に示す。

0075

0076

実施例

0077

表1,2の結果から、実施例1〜12に係るゴムウエットマスターバッチは、比較例1,6,7に係るゴムウエットマスターバッチに比して、加熱工程の一工程のみで水分率が十分に低下している。また、ムーニー粘度も低下しており、可塑化が十分に行われていることがわかる。さらに、加硫ゴムとしたときにもゴム強度が向上していることがわかる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ