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技術 加水分解フィブロインを含む軟膏及びその製造方法

出願人 株式会社アーダン国立大学法人鹿児島大学
発明者 西博人金蔵拓郎
出願日 2014年6月12日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2014-121441
公開日 2016年1月7日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-000710
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード スクワランオイル 美粧効果 アルカリ精練 蓋付容器 酵素精練 トレパン シルク繊維 シルクフィブロイン
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この項目の情報は公開日時点(2016年1月7日)のものです。
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図面 (5)

課題

加水分解シルクを含む製剤であって、創傷治癒を促進する効果を有し、刺激性、安定性、取扱性などの実用的条件をも満たすものの提供。

解決手段

創傷治療に用いる、創傷部位に塗布するための外用剤であって、加水分解フィブロインと、油性成分と、水性成分とを含む外用剤。該外用剤は、軟膏又はクリームであることが好ましい。当該外用剤は、有効成分である加水分解フィブロインを1〜40wt%含有し、界面活性剤を含まないことが好ましい。

概要

背景

概要

加水分解シルクを含む製剤であって、創傷治癒を促進する効果を有し、刺激性、安定性、取扱性などの実用的条件をも満たすものの提供。創傷治療に用いる、創傷部位に塗布するための外用剤であって、加水分解フィブロインと、油性成分と、水性成分とを含む外用剤。該外用剤は、軟膏又はクリームであることが好ましい。当該外用剤は、有効成分である加水分解フィブロインを1〜40wt%含有し、界面活性剤を含まないことが好ましい。

目的

本発明は、加水分解シルクを含む製剤であって、創傷の治癒を促進する効果を有し、刺激性、安定性、取扱性などの実用的条件をも満たすものを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

創傷治療に用いる、創傷部位に塗布するための外用剤であって、加水分解フィブロインと、油性成分と、水性成分とを含む外用剤。

請求項2

軟膏又はクリームである、請求項1に記載の外用剤。

請求項3

有効成分である加水分解フィブロインが1〜40wt%含有されている、請求項1又は2に記載の外用剤。

請求項4

界面活性剤を含まない、請求項1〜3のいずれかに記載の外用剤。

請求項5

前記油性成分が、植物オイルパラフィン又はゴマ油オリーブ油シアバターコメ胚芽油、スクワランオイルのいずれか1以上を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の外用剤。

請求項6

前記水性成分が多価アルコールを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の外用剤。

請求項7

(1)塩化カルシウム又は臭化リチウムの40〜60wt%水溶液中で、セリシンを除去したシルク材料を40〜70分間加熱する工程、(2)(1)で得られた溶液透析により脱塩する工程、(3)(2)で得られた溶液の濃度を調整した後、静置し、加水分解フィブロインペーストを得る工程、及び、(4)(3)で得られた加水分解フィブロインペーストと油性基剤とを撹拌混合する工程、を含む、軟膏製剤の製造方法。

請求項8

軟膏製剤が、創傷治癒促進剤である、請求項7に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は加水分解フィブロインを含む外用剤、特に、創傷治癒促進効果を有する、加水分解フィブロインを含む軟膏及びその製造方法に関する。

0002

加水分解シルクは、カイコ家蚕、Bombyx mori)によって産生される天然シルク繊維を、酸、アルカリ、濃塩液等で処理することによって得られる、タンパク質加水分解物の混合物である。いわゆる加水分解シルクとは、シルク繊維を構成するタンパク質であるフィブロイン及びセリシン加水分解物を総称するものである。

0003

加水分解シルクは様々な生理作用を有することが知られている。例えば特許文献1は、ポリビニルアルコール加水分解シルクタンパク質との混合物に対して放射線照射することによって、ゴム状の弾性があり、長時間保水性を保持できるハイドロゲルを得られることや、この材料を創傷被覆材として用いることを開示している。

0004

特許文献1の発明は、ポリビニルアルコールに放射線照射して作製されるハイドロゲルの耐熱性や強度を向上させることを課題としており、加水分解シルクタンパク質をポリビニルアルコールに添加することによって、強度及び保水性に優れたハイドロゲルが得られることが開示されている。また特許文献1には、ハイドロゲルの生体適合性には加水分解シルクタンパク質の添加が有効であるとの記載がある。

0005

また特許文献2には、L−アスコルビン酸及びその誘導体類と、加水分解シルクタンパク質とを含有する皮膚外用剤が開示されている。この皮膚外用剤は、色素沈着や乾燥、肌荒れなどを予防ないし改善する効果を有し、皮膚に総合的な美粧効果を付与しうるものである。特許文献2の発明は、美白効果を有するL−アスコルビン酸に加水分解シルクタンパク質を配合し、かつpHを5〜8の範囲に設定することによって、美白効果が相乗的に増強されるとともに、安定で、安全上の問題のない皮膚外用剤が得られることを見出したものである。

0006

一方で、特許文献3には、所定濃度カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを用いることで、未分解絹フィブロインを未分解のまま長期保存可能にすることが開示されている。また、未分解絹フィブロインはヒト皮膚由来線維芽細胞生育促進する作用があることから、当該未分解絹フィブロインを含む剤は軟膏やクリーム状の創傷被覆材、創傷治癒材、化粧品等に用いられることが記載されている。

0007

また一方で、特許文献4には、シリコーンゴムの表面をシルクタンパク質シルクフィブロイン)で被覆した複合体は、細胞の付着・増殖性が高いことが開示されている。特許文献4は、不活性かつ非親水性の材料であるシリコーンゴムの表面にシルクフィブロインを付与することによって、表面が親水化され、表面における細胞付着性細胞増殖性が向上したことを開示している。

先行技術

0008

特開2000−169736号公報
特開2007−277119号公報
特開2003−2898号公報
特開平3−123561号公報

発明が解決しようとする課題

0009

上記のとおり、加水分解シルクが生体適合性に優れることや、皮膚に対して美容的効果を有することは公知であったが、皮膚の損傷(創傷)に対する効果については知られていなかった。また、シルクフィブロインからなる被膜やシルクフィブロインフィルムが線維芽細胞の付着や増殖を促進することは公知であったが、創傷の治癒過程における効果については知られていなかった。さらに、創傷に対して適用する場合の適切な剤形や濃度、安定性等は全く検討されていなかった。
上記に鑑み本発明は、加水分解シルクを含む製剤であって、創傷の治癒を促進する効果を有し、刺激性、安定性、取扱性などの実用的条件をも満たすものを提供すること課題とする。

課題を解決するための手段

0010

発明者らは、上記課題を解決するために検討する中で、セリシンを除いた加水分解シルク(加水分解フィブロイン)を成分とする軟膏をマウス創傷部位に適用すると、当該成分を含有しない軟膏と比較して、創傷治癒が促進されることを見出した。さらに、加水分解フィブロインはそれ自体が界面活性効果を有するため、界面活性剤を使用することなく、加水分解フィブロインと油性成分と水性成分とを用いて安定に製剤化することが可能で、刺激性が低く、安定性、取扱性にも優れた実用的価値の高い製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。

0011

すなわち本発明は、創傷治療に用いる、創傷部位に塗布するための外用剤であって、加水分解フィブロインと、油性成分と、水性成分とを含む外用剤に関する。
本発明の外用剤は、軟膏又はクリームであることが好ましい。

0012

また本発明の外用剤には、有効成分である加水分解フィブロインが、1〜40wt%含有されていることが好ましい。
また、前記の外用剤は、界面活性剤を含まないことが好ましい。油性成分は植物オイルパラフィン又はゴマ油オリーブ油シアバターコメ胚芽油、スクワランオイルのいずれか1以上であることが好ましく、水性成分は多価アルコールを含むことが好ましい。

0013

また本発明は、
(1)塩化カルシウム又は臭化リチウムの40〜60wt%水溶液中で、セリシンを除去したシルク材料を40〜70分間加熱する工程、
(2)(1)で得られた溶液透析により脱塩する工程、
(3)(2)で得られた溶液の濃度を調整した後、静置し、加水分解フィブロインペーストを得る工程、及び、
(4)(3)で得られた加水分解フィブロインペーストと油性基剤とを撹拌混合する工程、
を含む、軟膏製剤の製造方法に関する。

0014

本発明の外用剤は、創傷治癒促進剤であることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明は創傷治癒促進効果を有する外用剤、特に創傷治癒促進効果を有する軟膏やクリームを提供する。本発明の外用剤は、天然成分である加水分解フィブロインを有効成分として含有しており、創傷治癒促進効果を有すると同時に、界面活性剤を含まず、低刺激性で安定性、取扱性にも優れた外用剤を提供することができる。本発明の軟膏を適用した全層欠損創は、コントロール群と比較して、肉芽組織の形成、創厚み、再上皮化において有意に良好な結果を示し、高い創傷治癒促進効果を有することが確認されている。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施例及び比較例の軟膏を適用したマウス創傷断面のHE染色像である。
本発明の実施例及び比較例の軟膏を適用したマウス創傷における、肉芽組織の面積を示す図である。
本発明の実施例及び比較例の軟膏を適用したマウス創傷における、創中央の厚みを示す図である。
本発明の実施例及び比較例の軟膏を適用したマウス創傷における、再上皮化率を示す図である。

0017

本発明の外用剤は加水分解フィブロインを有効成分として含有し、加水分解フィブロインと油性成分及び水性成分とが一体に混合されている。加水分解フィブロインは、ゲル濾過で測定した数平均分子量が10000〜100000、重量平均分子量が50000〜150000のものを使用することができ、数平均分子量が20000〜30000、重量平均分子量が80000〜95000であればより好ましい。また、加水分解フィブロインの分子量分布はほぼ正規分布のものを用いることが好ましい。特定の理論に拘束されるものではないが、幅広い分子量分布を有する加水分解フィブロインを用いることで、各分子量の加水分解フィブロインが複層的に作用し、その結果として良好な創傷治癒を得られうる。分子量分布の目安として例えば、Mw/Mnが2.0〜5.0のものを用いることができる。加水分解フィブロインは、外用剤中に1〜40wt%含有され、1〜20wt%が好ましく、2〜10wt%含有されることがより好ましい。

0018

加水分解フィブロインとしては、市販品を利用してもよいし、調製して用いてもよい。フィブロインはセリシンと共にを構成するタンパク質であり、加水分解フィブロインは、絹からセリシンを除去してフィブロインのみとし、さらに加水分解することによって得られるタンパク質分解物ポリペプチド)である。

0019

油性成分は外用剤の基剤成分であり、植物オイル、パラフィン成分炭化水素類エステル類等がある。植物オイルは、植物を原料とする油であり、具体的には、大豆油米油菜種油綿実油、ゴマ油、サフラワー油アーモンド油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油ヒマワリ油パーム油、アマ油、シソ油シア油、ヤシ油ホホバ油グレーシード油アボガド油等が挙げられるが、これに制限されるものではない。なかでも、酸化されにくいオレイン酸を比較的多く含むことから、オリーブ油、ゴマ油が好ましく用いられる。

0020

パラフィン成分は、高級脂肪酸高級アルコールエステルを意味する。具体的には、ミツロウ、鯨ロウラノリンカルナウバロウキャンデリラロウ、木ロウ等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、ミツロウを用いると融点が高いため好ましい。

0021

油性成分として、上記の植物オイル、パラフィン成分の他に、炭化水素類やエステル油を含んでもよい。炭化水素類とは、炭素水素とから成る化合物であり、具体的には流動パラフィンスクワレンスクワランα−オレフィンマイクロクリスタリンワックスセレシン、パラフィン、白色ワセリン黄色ワセリン等が挙げられるがこれらに限定されない。

0023

上述の油性成分は、主に製品の安定性、取扱性(粘度、伸展性など)の観点から選択される。例えば、植物油とパラフィン成分を併用することが好ましく、特に、植物油とミツロウとを併用することが好ましい。植物油は15〜35%、好ましくは20〜30%含有することが好ましい。パラフィン成分は1〜15%、好ましくは5〜10%含有することが好ましい。この範囲であれば、他の成分と混合されて適切な粘度と伸展性を有する軟膏が得られる。

0024

水性成分としては水のほか、多価アルコール、低級アルコール等が挙げられ、水と共に多価アルコールを含むことが好ましい。多価アルコールとしては、グリセリンプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールマンニトールソルビトール等が挙げられ、1,3−ブチレングリコールが好ましい。低級アルコールとしてはエタノールメタノール等が挙げられる。水性成分は、40〜70%含有され、55〜65%であれば好ましい。

0025

外用剤には、上記の加水分解フィブロイン、油性成分、水性成分の他に、公知の各種添加剤を含んでよい。添加剤としては例えば、界面活性剤、防腐剤防菌剤防黴剤)、pH調整剤抗酸化剤安定化剤増粘剤等が挙げられる。これらの添加剤を含む場合、添加剤の合計量は0.1〜1%とすることができ、0.2〜0.5%であることがより好ましい。但し、本発明の外用剤では、有効成分である加水分解フィブロイン自体が界面活性作用を有しているため、界面活性剤を用いずに安定な軟膏、クリームを得ることができることが特徴である。

0026

本発明の外用剤は塗布によって適用可能な剤形、具体的には軟膏又はクリームであることが好ましい(以下、特に記載が無い限り、「軟膏」の中にクリームも含むものとする。)。軟膏が乳化状態である場合、乳化の態様は油中水型であっても水中油型であってもよい。また乳化以外に、製剤中で加水分解フィブロインがコロイド状や分散状態基剤中に存在していてもよい。いずれの場合も基剤としては公知の基剤組成によることができる。

0027

本発明の外用剤が適用される創傷としては、裂傷擦過傷外科的切開創皮膚潰瘍火傷等が挙げられる。また本発明の外用剤は、創傷治癒過程における肉芽形成と再上皮化とのいずれも促進する効果を有すると考えられており、表皮が損傷された表皮欠損創、表皮及び真皮が損傷された全層欠損創のいずれにも適用されうる。

0028

本発明の外用剤は創傷部位に塗布され、塗布量は公知の範囲から適宜選択することができ特に制限されないが、例えば、直径5mmの円形の創傷に対して0.01mL〜1mLとすることができ、0.01mL〜0.20mLが好ましい。塗布方法は、創面直接塗布するのでもよいし、ガーゼやフィルムに軟膏を塗布し、塗布面が創面と接触するようにガーゼやフィルムを貼付するのでもよい。直接塗布する場合、軟膏を塗布した全体を伸縮性ポリウレタンフィルムやガーゼ等で被覆し、創面の環境を維持することも好ましい。また、本発明の軟膏と、公知の各種の創傷被覆材を併用してもよい。

0029

<製造方法>
(1)加水分解フィブロインの製造
加水分解フィブロインの製造は、例えば、天然シルク(糸、)からアルカリ処理によってセリシンを除去し、残ったフィブロインを30〜70wt%の濃塩水中で加熱することで可溶化、分解し、次いで透析や限外ろ過によって塩と低分子量物を除去することによって得られる。

0030

原料としては、家蚕の繭や市販の精練糸、未精練糸等を使用することができる。繭や未精練糸を用いる場合、まずはアルカリ精練石鹸炭酸ソーダ)、酵素精練等の公知の方法でセリシンを除去する。続いて、塩化カルシウム、臭化リチウム等の濃厚溶液に、セリシンを除去したシルクを投入し、40〜70分程度加熱することで溶解する。続いて、得られた溶解液透析膜に入れ、水に対して透析を行うことで脱塩し、同時に低分子成分を除去する。

0031

続いて、脱塩後の溶解液を所定の濃度まで加熱濃縮し、所定量の防腐剤と多価アルコールを添加して静置する。18℃〜30℃で5〜20日程度静置することによって、加水分解フィブロインペーストを得る。

0032

(2)軟膏の製造
上記で得た加水分解フィブロインペーストと防腐剤とを撹拌する。次いで、別途溶解混合しておいた植物油及びパラフィン成分を添加してさらに撹拌混合し、軟膏を得る。

0033

[実施例1]
(1)加水分解フィブロインの調製
水5000ccと塩化カルシウム5000gを混合し、沸騰させた中に、精練糸1Kgを投入し、50分間加熱した。続いて水3000ccを投入し、再度沸騰させて加熱を終了し、フィブロイン溶解物を得た。
ステンレス製漉し器を通したフィブロイン溶解物を、透析膜(分画分子量14000、ポアサイズ50Å)に入れ、4日間流水にて透析を行い、脱塩した。
脱塩後、加熱し、重量が58%程度になるまで水分を蒸発させた。
加熱後、温度60℃程度にて、防腐剤(メチルパラベン1Kgを1,3−ブチレングリコール36Lに溶解した溶解液)を防腐剤が0.4%となるように添加し、撹拌した。
ステンレス製漉し器を通して粗大物を除去し、ステンレス製蓋付容器に移し、室温18度〜30度で約10日間静置し、加水分解フィブロインペーストを得た。加水分解フィブロインペーストの分子量の測定をゲル濾過によって行ったところ、数平均分子量(Mn)は23750、重量平均分子量(Mw)は86750、Mw/Mnは3.65であった。

0034

(2)加水分解フィブロイン軟膏の調製
上記(1)で得た加水分解フィブロインペースト400gに防腐剤27gを添加し、フードプロセッサーにて2分間撹拌した。
オリーブオイル200ccとミツロウ50gを湯煎混合し、4回に分けて上記のフードプロセッサーに投入し、5〜10分間撹拌し、加水分解フィブロイン軟膏を得た。
上記によって得られた加水分解フィブロイン軟膏の組成は次のとおりである。

0035

0036

防腐防カビ試験
上記で得られた加水分解フィブロイン軟膏について、(1)標準細菌混合菌、(2)排水混合菌、(3)真菌混合菌に対する防腐、防カビ試験を行った。各混合菌は次のとおりである。

0037

加水分解フィブロイン軟膏20gを滅菌バイアル瓶にとり、各試験菌液をそれぞれに1%量(0.2mL)接種した。標準細菌混合菌及び排水混合菌は30℃、真菌混合菌は25℃で保存し、7、14、21日後に生菌数の測定を行った。
生菌数は、細菌はSCDL寒天培地混釈法、真菌はGPLP寒天培地混釈法で測定した。

0038

試験開始時菌数値(表3)、接種菌数(表4)、接種後の菌数経時変化(表5)は次のとおりであった。

0039

0040

0041

上表のとおり、本発明の加水分解フィブロイン軟膏は良好な防腐効力を示した。真菌はやや生残菌数が高かったが、増殖はないため、実用上の障害はないと判断された。

0042

<創傷治癒試験>
試験動物:マウス(BALB/c、メス、8-12週)6匹
試験対象薬剤:加水分解フィブロイン軟膏(実施例2、試験群)及び加水分解フィブロイン非含有軟膏(比較例、コントロール群)。加水分解フィブロイン軟膏としては実施例1で得たものを使用した。比較例の軟膏の組成は次表のとおりである。

0043

0044

試験方法:マウス背部を剃毛し、トレパン(直径5mm)を用いて、左右2箇所ずつ合計4箇所の全層欠損創を作成した。21G注射針を用いて実施例2もしくは比較例の軟膏を創部に0.03mL充填し、粘着性ウレタンフィルムアルケア株式会社製、マルチフィックス)で全体を被覆した。さらにマウス胴体部自着弾力包帯を巻き、ウレタンフィルムの脱落を防止した。なお、1匹のマウスに対して、左右いずれかの2箇所に実施例2の軟膏、残る2箇所に比較例の軟膏をそれぞれ適用した。
4日目、8日目、12日目にそれぞれ2匹のマウスの創部を目視観察のうえ創部全体を採取し、創部断面切片のHE染色を行った。HE染色組織切片像より、Image Jソフトを用いて肉芽形成面積、創中央の厚み、上皮再生率を測定した。肉芽の形成面積及び創厚みは実測値である。再上皮化率は、(上皮化した部分の表皮の長さ÷創全体の径)×100=(%)で算出した。結果を図1図4に示す。

実施例

0045

図2〜4に示されるとおり、加水分解フィブロイン軟膏を適用した群は、コントロール群と比較して、4、8及び12日目の時点で肉芽組織の面積、創中央の厚み、再上皮化のいずれもが優れていた。つまり、加水分解フィブロインを含有する本発明の軟膏は肉芽組織の形成と上皮の再生のいずれも促進させることが確認された。

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