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技術 イオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 笹部茂中田祐志鈴木大輔谷知子大江良尚宇野克彦
出願日 2014年9月30日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-201586
公開日 2016年1月7日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2016-000391
状態 特許登録済
技術分野 スケール防止 イオン交換 電気・磁気による水処理
主要キーワード 平滑形状 水素イオン量 流路切替器 陽イオン交換樹脂粒子 連通構造 制御装置群 表裏面間 組成体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

充分に硬度成分吸着することができると共に、イオン交換組成体再生を効率よく実行することができるイオン交換膜を提供することを目的とする。

解決手段

陽イオン交換基を有し、シート状に形成された、第1陽イオン交換組成体1Aと、第1陽イオン交換組成体1Aと接触するように配置され、陰イオン交換基を有し、シート状に形成された、第1陰イオン交換組成体2Aと、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陽イオン交換組成体1Aと対向するように配置され、第1陽イオン交換組成体1Aよりも水を透過しやすい第2陽イオン交換組成体1Bと、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陰イオン交換組成体2Aと対向するように配置され、第1陰イオン交換組成体2Aよりも水を透過しやすい第2陰イオン交換組成体2Bと、から構成されている、イオン交換膜。

概要

背景

水処理装置は、イオン交換樹脂により、陽イオン又は陰イオン吸着除去することで水中の不純物を除去するものである。水処理装置では、一方の面に陽イオン交換基が配置され、他方の面に陰イオン交換基が配置されているイオン交換膜が使用される場合がある(例えば、特許文献1参照)。

このような水処理装置のイオン交換膜として、ピークと谷が間隔を置いて配置されたテキスチャード膜が知られている(例えば、特許文献1参照)。図13は、特許文献1に開示されているテキスチャード膜の概略構成を示す模式図である。

図13に示すように、特許文献1に開示されているテキスチャード膜105は、陽イオン交換層101と、該陽イオン交換層101に隣接した陰イオン交換層102と、を有していて、ピーク103と谷104が間隔を置いて配置されている。このテキスチャード膜105に形成されたピーク103と谷104によって膜の表面積が増大するので、テキスチャード膜105に硬度成分を含んだ水を供給した場合、硬度成分の吸着速度を増大させることができる。また、テキスチャード膜105のピーク103と谷104は、テキスチャード膜105を複数積層して用いた場合、ピーク103と谷104の間で矢印106の様に処理水通路が形成されるため、圧損を低く抑えることができる。

また、特許文献1では、テキスチャード膜105の両側に、電極107、電極108が配置された電気化学セルが開示されている。特許文献1に開示されている電気化学セルでは、水の存在下で両極電圧印加することにより、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102の界面109で水を解離してH+とOH−が生成される。このH+とOH−と、陽イオン交換層101および陰イオン交換層102に吸着した陽イオン及び陰イオンと、が置換されることによって、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102を再生するこができる。このため、特許文献1に開示されている電気化学セルでは、従来の様に薬剤を用いて再生する必要がない。

概要

充分に硬度成分を吸着することができると共に、イオン交換組成体の再生を効率よく実行することができるイオン交換膜を提供することを目的とする。陽イオン交換基を有し、シート状に形成された、第1陽イオン交換組成体1Aと、第1陽イオン交換組成体1Aと接触するように配置され、陰イオン交換基を有し、シート状に形成された、第1陰イオン交換組成体2Aと、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陽イオン交換組成体1Aと対向するように配置され、第1陽イオン交換組成体1Aよりも水を透過しやすい第2陽イオン交換組成体1Bと、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陰イオン交換組成体2Aと対向するように配置され、第1陰イオン交換組成体2Aよりも水を透過しやすい第2陰イオン交換組成体2Bと、から構成されている、イオン交換膜。

目的

本発明は、上記第1及び第2の課題の少なくとも一方の課題を解決することができる、イオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、水を透過し難い第1陽イオン交換組成体と、前記第1陽イオン交換組成体と接触するように配置され、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、水を透過し難い第1陰イオン交換組成体と、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、前記第1陽イオン交換組成体と対向するように配置され、前記第1陽イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陽イオン交換組成体と、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、前記第1陰イオン交換組成体と対向するように配置され、前記第1陰イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陰イオン交換組成体と、から構成されている、イオン交換膜

請求項2

前記第1陽イオン交換組成体は、前記陽イオン交換基を有する陽イオン交換樹脂と、バインダー樹脂を備え、前記第1陰イオン交換組成体は、前記陰イオン交換基を有する陰イオン交換樹脂と、バインダー樹脂を備える、請求項1に記載のイオン交換膜。

請求項3

前記第2陽イオン交換組成体は、前記陽イオン交換基を有する陽イオン交換樹脂と、バインダー樹脂を備え、前記第2陰イオン交換組成体は、前記陰イオン交換基を有する陰イオン交換樹脂と、バインダー樹脂を備える、請求項1又は2に記載のイオン交換膜。

請求項4

前記第1陽イオン交換組成体と前記第1陰イオン交換組成体に含有される前記バインダー樹脂量が、前記第2陽イオン交換組成体と前記第2陰イオン交換組成体に含有される前記バインダー樹脂量よりも多くなるように構成されている、請求項3に記載のイオン交換膜。

請求項5

前記バインダー樹脂は、フッ素系樹脂からなる、請求項2〜4のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項6

前記第1陽イオン交換組成体、前記第2陽イオン交換組成体、前記第1陰イオン交換組成体、前記第2陰イオン交換組成体は、ぞれぞれ、導電性材料をさらに備える、請求項2〜5のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項7

前記第2陽イオン交換組成体と前記第2陰イオン交換組成体のそれぞれに含有されるイオン交換樹脂平均粒子径が、前記第1陽イオン交換組成体と前記第1陰イオン交換組成体のそれぞれに含有されるイオン交換樹脂の平均粒子径よりも大きい、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項8

前記第1陽イオン交換組成体と前記第1陰イオン交換組成体のそれぞれに含有されるイオン交換樹脂の平均粒子径が1〜150μmであり、前記第2陽イオン交換組成体と前記第2陰イオン交換組成体のそれぞれに含有するイオン交換樹脂の平均粒子径が100〜250μmである、請求項7に記載のイオン交換膜。

請求項9

前記第1陽イオン交換組成体が備える前記陽イオン交換樹脂は弱酸性陽イオン交換樹脂で構成され、前記第1陰イオン交換組成体が備える前記陰イオン交換樹脂は弱塩基性陰イオン交換樹脂で構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項10

前記第1陽イオン交換組成体が備える前記陽イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂で構成され、前記第1陰イオン交換組成体が備える前記陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂で構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項11

前記第1陽イオン交換組成体が備える前記陽イオン交換樹脂は弱酸性陽イオン交換樹脂で構成され、前記第1陰イオン交換組成体が備える前記陰イオン交換樹脂は強塩基性陰イオン交換樹脂で構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項12

前記第2陽イオン交換組成体が備える前記陽イオン交換樹脂は弱酸性陽イオン交換樹脂で構成され、前記第2陰イオン交換組成体が備える前記陰イオン交換樹脂は弱塩基性陰イオン交換樹脂で構成されている、請求項3〜11のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項13

前記第1陽イオン交換組成体と前記第1陰イオン交換組成体は、それぞれ、補強剤をさらに備える、請求項2〜12のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項14

前記第2陽イオン交換組成体と前記第2陰イオン交換組成体は、それぞれ、補強剤をさらに備える、請求項3〜13のいずれか1項に記載のイオン交換膜。

請求項15

第1陽イオン交換組成体及び第1陰イオン交換組成体は均質膜で構成されている、請求項1に記載のイオン交換膜。

請求項16

2以上の請求項1〜15のいずれか1項に記載されたイオン交換膜を対向するように積層したイオン交換膜積層体であって、2つの前記イオン交換膜の間に配置され、表裏面間連通構造を有するスペーサー部材を備える、イオン交換膜積層体。

請求項17

前記スペーサー部材は、合成樹脂の糸を編んで網状に形成されていて、前記糸の線径が50〜200μmである、請求項16に記載のイオン交換膜積層体。

請求項18

前記スペーサー部材は、合成樹脂の糸を編んで網状に形成されていて、網目数が10〜200メッシュである、請求項16又は17に記載のイオン交換膜積層体。

請求項19

前記スペーサー部材の前記糸が交差する部分が溶着され、前記表裏面が平滑に形成されている、請求項17又は18に記載のイオン交換膜積層体。

請求項20

2以上のイオン交換膜を対向するように積層したイオン交換膜積層体であって、前記イオン交換膜の間に、表裏面間で連通構造を有するスペーサー部材を備え、前記イオン交換膜は、弱酸性陽イオン交換樹脂で構成され通水性を有する陽イオン交換組成体と、強塩基性陰イオン交換樹脂で構成され通水性を有する陰イオン交換組成体と、を張り合わせて形成されている、イオン交換膜積層体。

請求項21

前記スペーサー部材は、合成樹脂の糸を編んで網状に形成し、前記糸が交差する部分が溶着され、前記表裏面が平滑に形成されている、請求項20記載のイオン交換膜積層体。

請求項22

前記スペーサー部材は、網目数が10〜200メッシュとなるように形成されている、請求項20又は21に記載のイオン交換膜積層体。

請求項23

請求項16〜22のいずれか1項に記載のイオン交換膜積層体と、陽極陰極が対向するように配置された電極と、を備える、電気化学セル

請求項24

円筒状の芯材を備え、前記イオン交換膜積層体は、前記イオン交換膜の積層方向から見て、前記イオン交換膜の端部と前記スペーサー部材の端部とがずれて、2層の前記イオン交換膜の端部間に、前記スペーサー部材の端部が露出するように、前記芯材の外周面に巻きつけられている、請求項23に記載の電気化学セル。

請求項25

下部に流入口が設けられた筒状のケーシングと、その上流端が前記流入口よりも上方に位置するように、前記芯材の内部に配置された流出管と、をさらに備える、請求項24に記載の電気化学セル。

請求項26

前記ケーシングの内周面の接線に対して垂直な方向以外の方向に傾斜するように、前記流入口に配置された流入管をさらに備える、請求項25に記載の電気化学セル。

請求項27

通水性を有する仕切板をさらに備え、前記イオン交換膜積層体は、前記電極間に配置され、前記イオン交換膜は、鉛直方向に対して垂直な方向に積層され、2以上の前記イオン交換膜積層体は、前記イオン交換膜の積層方向から見て、並ぶように配置され、前記仕切板は、隣接する前記イオン交換膜積層体の間に配設されている、請求項23に記載の電気化学セル。

請求項28

下部に水の流入口が設けられ、上部に水の流出口が設けられたケーシングと、前記流入口と最も下方に位置する前記イオン交換膜積層体との間に配置され、前記イオン交換膜の積層方向から見て、下方から上方に向かって拡がるようにテーパー状に形成された第1整流部材と、をさらに備える、請求項23又は27に記載の電気化学セル。

請求項29

前記第1整流部材は絶縁性を有する、請求項28に記載の電気化学セル。

請求項30

前記流出口と最も上方に位置する前記イオン交換膜積層体との間に配置され、前記イオン交換膜の積層方向から見て、上方から下方に向かって拡がるようにテーパー状に形成された第2整流部材と、をさらに備える、請求項28又は29に記載の電気化学セル。

請求項31

前記第2整流部材は絶縁性を有する、請求項30に記載の電気化学セル。

請求項32

絶縁性を有する材料で構成され、表裏面間で連通構造を有し、前記イオン交換膜積層体と前記電極の間に配置される、セパレーターをさらに備える、請求項23、27〜28のいずれか1項に記載の電気化学セル。

請求項33

請求項23〜32のいずれか1項に記載の電気化学セルと、前記電極に電力を供給する電源と、前記流出口に接続され、取水口を有し、水が通流する第1水流路と、前記第1水流路から分岐され、排水口を有する、第2水流路と、前記取水口又は前記排水口への水の流れを切り替え流路切替器と、前記電源及び前記流路切替器を制御する制御装置と、を備える、水処理装置

請求項34

前記流入口に接続された第3水流路と、前記第3水流路に設けられた濾過フィルターと、をさらに備える、請求項33に記載の水処理装置。

請求項35

前記第3水流路に設けられたスケール抑制剤をさらに備える、請求項34に記載の水処理装置。

請求項36

前記制御装置は、前記陽イオン交換基及び前記陰イオン交換基の再生処理の後に、軟水化処理を実行するときに、前記電極への電力供給を所定時間停止した後、前記電極の極性を切り替えるように前記電源から前記電極に電力を供給して、軟水処理を実行する、請求項33〜35のいずれか1項に記載の水処理装置。

請求項37

前記制御装置は、前記陽イオン交換基及び前記陰イオン交換基の再生処理を実行するときに、前記電極へ供給する電力を徐々に上昇させるように前記電源を制御する、請求項33〜36のいずれか1項に記載の水処理装置。

技術分野

0001

本発明は、イオン交換膜、前記イオン交換膜を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置の構成に関するものである。

背景技術

0002

水処理装置は、イオン交換樹脂により、陽イオン又は陰イオン吸着除去することで水中の不純物を除去するものである。水処理装置では、一方の面に陽イオン交換基が配置され、他方の面に陰イオン交換基が配置されているイオン交換膜が使用される場合がある(例えば、特許文献1参照)。

0003

このような水処理装置のイオン交換膜として、ピークと谷が間隔を置いて配置されたテキスチャード膜が知られている(例えば、特許文献1参照)。図13は、特許文献1に開示されているテキスチャード膜の概略構成を示す模式図である。

0004

図13に示すように、特許文献1に開示されているテキスチャード膜105は、陽イオン交換層101と、該陽イオン交換層101に隣接した陰イオン交換層102と、を有していて、ピーク103と谷104が間隔を置いて配置されている。このテキスチャード膜105に形成されたピーク103と谷104によって膜の表面積が増大するので、テキスチャード膜105に硬度成分を含んだ水を供給した場合、硬度成分の吸着速度を増大させることができる。また、テキスチャード膜105のピーク103と谷104は、テキスチャード膜105を複数積層して用いた場合、ピーク103と谷104の間で矢印106の様に処理水通路が形成されるため、圧損を低く抑えることができる。

0005

また、特許文献1では、テキスチャード膜105の両側に、電極107、電極108が配置された電気化学セルが開示されている。特許文献1に開示されている電気化学セルでは、水の存在下で両極電圧印加することにより、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102の界面109で水を解離してH+とOH−が生成される。このH+とOH−と、陽イオン交換層101および陰イオン交換層102に吸着した陽イオン及び陰イオンと、が置換されることによって、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102を再生するこができる。このため、特許文献1に開示されている電気化学セルでは、従来の様に薬剤を用いて再生する必要がない。

先行技術

0006

特表2008−507406号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に開示されているテキスチャード膜105を有する電気化学セルであっても、テキスチャード膜105の表面に水が流れるのみで、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102の表面に露出した部分しか反応しないので、陽イオン交換層101と陰イオン交換層102による硬度成分の吸着能力が十分にえられないという第1の課題があった。

0008

また、特許文献1に開示されているテキスチャード膜105を用いた水処理装置であっても、装置内の水の通流を均一にする観点から、未だ改善の余地があった。具体的には、矢印106の方向を鉛直方向にして、テキスチャード膜105を配置した場合、テキスチャード膜105の自重により、膜が変形してピーク103と谷104の間で形成される通路がつぶれてしまい、圧損が大きくなるおそれがあった。また、通路がつぶれると、当該通路に水が通流できないため、充分に硬度成分が吸着できないおそれがあるという第2の課題があった。

0009

本発明は、上記第1及び第2の課題の少なくとも一方の課題を解決することができる、イオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

前記従来の課題を解決するために、本発明に係るイオン交換膜は、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、水を透過し難い第1陽イオン交換組成体と、前記第1陽イオン交換組成体と接触するように配置され、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、水を透過し難い第1陰イオン交換組成体と、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、前記第1陽イオン交換組成体と対向するように配置され、前記第1陽イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陽イオン交換組成体と、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、前記第1陰イオン交換組成体と対向するように配置され、前記第1陰イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陰イオン交換組成体と、から構成されている。

0011

これにより、第2陽イオン交換組成体及び第2陰イオン交換組成体で積極的にCa、Mg等の硬度成分や塩素イオン硫酸イオンを吸着することにより、充分に硬度成分を吸着することができると共に、第1陽イオン交換組成体及び第1陰イオン交換組成体との界面で効率よく水を解離して、イオン交換組成体の再生を効率よく実行することができる。

0012

また、本発明に係るイオン交換膜積層体は、2以上の前記イオン交換膜を対向するように積層したイオン交換膜積層体であって、前記イオン交換膜の間に、表裏面間連通構造を有するスペーサー部材を備える。

0013

これにより、水がイオン交換膜内部に浸透しやすくなり、効率的にイオン交換膜内のイオン交換基と接触することができ、水処理を効率よく実行することができる。

0014

また、本発明に係る電気化学セルは、前記イオン交換膜積層体と、陽極陰極が対向するように配置された電極と、通水性を有する仕切板と、を備え、前記イオン交換膜積層体は、前記電極間に配置され、前記イオン交換膜は、鉛直方向に対して垂直な方向に積層され、2以上の前記イオン交換膜積層体は、前記イオン交換膜の積層方向から見て、並ぶように配置され、前記仕切板は、隣接する前記イオン交換膜積層体の間に配設されている。

0015

これにより、電気化学セル内における水の通流の均一化を図ることができ、電気化学セルの効率化を図ることができる。

0016

さらに、本発明に係る水処理装置は、前記電気化学セルと、前記電極に電力を供給する電源と、前記流出口に接続され、取水口を有し、水が通流する第1水流路と、前記第1水流路から分岐され、排水口を有する、第2水流路と、前記取水口又は前記排水口への水の流れを切り替え流路切替器と、前記電源及び前記流路切替器を制御する制御装置と、を備える。

0017

これにより、効率よく水処理を実行することができる。

0018

本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。

発明の効果

0019

本発明に係るイオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置によれば、充分に硬度成分を吸着することができると共に、イオン交換組成体の再生を効率よく実行することができる。

図面の簡単な説明

0020

図1は、本実施の形態1に係る電気化学セルの概略構成を示す正面方向の断面図である。
図2は、図1に示す電気化学セルのA−A断面図である。
図3は、本実施の形態1に係る電気化学セルのイオン交換膜の一例を示す模式図である。
図4は、本実施の形態1に係る電気化学セルのスペーサー部材の一例を示す模式図である。
図5は、本実施の形態1に係る電気化学セルのスペーサー部材の他の例を示す模式図である。
図6は、本実施の形態2に係る電気化学セルの概略構成を示す正面方向の断面図である。
図7は、図6に示す電気化学セルのA−A断面図である。
図8は、本実施の形態2に係る電気化学セルのイオン交換膜の一例を示す模式図である。
図9は、本実施の形態3に係る電気化学セルの概略構成を示す断面図である。
図10は、図9に示す電気化学セルの膜モジュールの概略構成を示す斜視図である。
図11Aは、図9に示すB−B断面図である。
図11Bは、図9に示すB−B断面図である。
図12は、本実施の形態4に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。
図13は、特許文献1に開示されているテキスチャード膜の概略構成を示す模式図である。

実施例

0021

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略する場合がある。さらに、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

0022

(実施の形態1)
本実施の形態1に係るイオン交換膜は、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陽イオン交換組成体と、第1陽イオン交換組成体と接触するように配置され、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、水を透過し難い第1陰イオン交換組成体と、陽イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陽イオン交換組成体と対向するように配置され、第1陽イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陽イオン交換組成体と、陰イオン交換基を有し、シート状に形成され、第1陰イオン交換組成体と対向するように配置され、第1陰イオン交換組成体よりも水を透過しやすい第2陰イオン交換組成体と、から構成されている。

0023

また、本実施の形態1に係るイオン交換膜積層体は、2以上の前記イオン交換膜を対向するように積層したイオン交換膜積層体であって、2つのイオン交換膜の間に配置され、表裏面間で連通構造を有するスペーサー部材を備える。

0024

さらに、本実施の形態1に係る電気化学セルは、前記イオン交換膜積層体と、陽極と陰極が対向するように配置された電極と、を備える。

0025

以下、本実施の形態1に係るイオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、及び前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セルの一例について、図1図5を参照しながら説明する。

0026

[電気化学セルの構成]
図1は、本実施の形態1に係る電気化学セルの概略構成を示す正面方向の断面図である。図2は、図1に示す電気化学セルのA−A断面図である。なお、図1及び図2においては、電気化学セルの上下方向、左右方向、及び前後方向を図における上下方向、左右方向、及び前後方向として表している。

0027

図1及び図2に示すように、本実施の形態1に係る電気化学セル10は、陽極11、陰極12、イオン交換膜積層体15、第1整流部材24、第2整流部材23、ケーシング20、第1外板26、及び第2外板27を備えている。陽極11及び陰極12は、ケーシング20を前後方向から挟むように配置されている。

0028

陽極11及び陰極12は、チタンで構成されていて、白金及び酸化イリジウムで表面をコーティングされている。陽極11及び陰極12は、後述するケーシング20の貫通孔28を覆うように形成されている。

0029

なお、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、陽極11の端子11Aと陰極12の端子12Aを左側に配置し、端子11Aを上部に配置し、端子12Aを下部に配置する形態を採用したが、これに限定されない。例えば、端子11A及び端子12Aが、それぞれ、上部に位置するように、左右に配置する形態を採用してもよい。

0030

また、第1外板26及び第2外板27は、陽極11、第2シール部材19、ケーシング20、及び陰極12を挟むように配置されていて、これらの部材は、例えば、ネジ等により固定されている。

0031

ケーシング20は、板状に形成されていて、その主面には、貫通孔(内部空間)28が設けられている。ケーシング20の内周面(貫通孔28の開口)は、本実施の形態1においては、四角形状に形成されている。また、ケーシング20の内周面には、第1シール部材29が配設されている。第1シール部材29は、環状に形成されていて、例えば、オレフィン系のフォーム材等で構成されている。図1において、第1シール部材29はイオン交換膜積層体15の上方と下方にも配置されているが、イオン交換膜積層体15の側方のみの配置でもよい。さらに、ケーシング20の周縁部には、貫通孔28を囲むように、第2シール部材19が配置されている。なお、第2シール部材19は、例えば、シリコン系のゴム等で構成されている。

0032

また、ケーシング20の下端面には、上下方向に延び、ケーシング20の主面の貫通孔28と連通する貫通孔が形成されていて、該貫通孔が流入口22を構成する。流入口22には、適宜な配管が接続されていて、当該配管が、第3水流路18を構成する。第3水流路18には、処理用水又は再生用水が供給される。

0033

同様に、ケーシング20の上端面には、上下方向に延び、ケーシング20の主面の貫通孔28と連通する貫通孔が形成されていて、該貫通孔が流出口21を構成する。流出口21には、適宜な配管が接続されていて、当該配管が、第1水流路17を構成する。第1水流路17には、高度成分等が除去された水、又はイオン交換樹脂を再生した後の水が排出される。

0034

なお、電気化学セル10により、硬度成分等が除去される水を処理用水といい、イオン交換膜積層体15A等のイオン交換樹脂を再生するために使用する水を再生用水という。

0035

ケーシング20の貫通孔28には、下から順に、第1整流部材24、イオン交換膜積層体15、及び第2整流部材23が配設されていて、これらの部材は、第1シール部材29により、貫通孔28と嵌合するように形成されている。

0036

第1整流部材24及び第2整流部材23は、本実施の形態1においては、板状に形成されている。また、第1整流部材24又は第2整流部材23は、イオン交換膜積層体15を通流する水に電流が流れ、他の部分には、電流が漏れないようにする観点から、絶縁性の材料で構成されている方がよい。さらに、第1整流部材24又は第2整流部材23は、第3水流路18から供給される水が、電気化学セル10内を均一に通流させる観点から、イオン交換膜積層体15よりも通水抵抗が大きくてもよい。第1整流部材24又は第2整流部材23としては、例えば、ポリエチレンポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等で構成されていてもよく、多孔質のシートで形成されていてもよい。また、親水性処理がなされた材料を用いてもよい。

0037

イオン交換膜積層体15は、2以上のイオン交換膜13と網状のスペーサー部材14を備えていて、イオン交換膜13の間にスペーサー部材14が配置されている。ここで、図2及び図3を参照しながら、イオン交換膜13について説明する。

0038

図3は、本実施の形態1に係る電気化学セルのイオン交換膜の一例を示す模式図である。

0039

図3に示すように、イオン交換膜13は、第1陽イオン交換組成体1A及び第2陽イオン交換組成体1Bからなる陽イオン交換組成体1と、第1陰イオン交換組成体2A及び第2陰イオン交換組成体2Bからなる陰イオン交換組成体2と、を備えている。第1陽イオン交換組成体1A、第2陽イオン交換組成体1B、第1陰イオン交換組成体2A、及び第2陰イオン交換組成体2Bは、シート状に形成されていてもよく、特許文献1に開示されているテキスチャード膜105(図13参照)のように、波状に形成されていてもよい。

0040

第1陽イオン交換組成体1Aと第1陰イオン交換組成体2Aは、互いにその主面が対向(接触)するように積層されている。なお、第1陽イオン交換組成体1Aと第1陰イオン交換組成体2Aの接触している主面は、接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。

0041

第1陽イオン交換組成体1Aと第2陽イオン交換組成体1Bは、互いにその主面が対向(接触)するように積層されている。なお、第1陽イオン交換組成体1Aと第2陽イオン交換組成体1Bは、接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。

0042

同様に、第1陰イオン交換組成体2Aと第2陰イオン交換組成体2Bは、互いにその主面が対向(接触)するように積層されている。なお、第1陰イオン交換組成体2Aと第2陰イオン交換組成体2Bは、接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。

0043

第1陽イオン交換組成体1Aは、第2陽イオン交換組成体1Bよりも水を透過し難いように構成されている。また、第1陰イオン交換組成体2Aは、第2陰イオン交換組成体2Bよりも水を透過し難いように構成されている。

0044

具体的には、後述するように、第1陽イオン交換組成体1A、第1陰イオン交換組成体2A、第2陽イオン交換組成体1B、及び第2陰イオン交換組成体2Bが、多孔質で構成されている場合には、第1陽イオン交換組成体1Aは、第2陽イオン交換組成体1Bよりも、空孔率が小さくなるように構成されている。同様に、第1陰イオン交換組成体2Aは、第2陰イオン交換組成体2Bよりも、空孔率が小さくなるように構成されている。例えば、第1陽イオン交換組成体1A又は第1陰イオン交換組成体2Aは、空孔率が0.1〜40%であってもよく、第2陽イオン交換組成体1B又は第2陰イオン交換組成体2Bは、空孔率が5〜60%であってもよい。第1陽イオン交換組成体1A又は第1陰イオン交換組成体2Aは、第2陽イオン交換組成体1B又は第2陰イオン交換組成体2Bよりも空孔率が小さければよく、必ずしもこの数値に限定される必要はない。

0045

また、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2Aは、スチレン、DVB(ジビニルベンゼン)を共重合させた後官能基を修飾させてシート成型したいわゆる均質膜で構成されていてもよい。この場合、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2Aは、0.2〜0.3mm程度の薄い膜にすることができ、後述するイオン交換膜13の界面13Cでの電位差が大きくなり、水解離を促進することができる。

0046

第1陽イオン交換組成体1Aは、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aと第1バインダー樹脂粒子5Aを有していて、第2陽イオン交換組成体1Bは、第2陽イオン交換樹脂粒子4Bと第1バインダー樹脂粒子5Bを有していてもよい。同様に、第1陰イオン交換組成体2Aは、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aと第2バインダー樹脂粒子7Aを有していて、第2陰イオン交換組成体2Bは、第2陰イオン交換樹脂粒子6Bと第2バインダー樹脂粒子7Bを有していてもよい。

0047

第1陽イオン交換樹脂粒子4Aとしては、例えば、交換基−SO3Hを有する強酸性陽イオン交換樹脂を用いてもよく、交換基−RCOOHを有する弱酸性陽イオン交換樹脂を用いてもよい。また、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aは、交換基−NR3OH有する強塩基性陰イオン交換樹脂を用いてもよく、−NR2を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いてもよい。

0048

第1陽イオン交換樹脂粒子4Aと第1陰イオン交換樹脂粒子6Aの組み合わせとしては、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂であってもよい。この場合には、硬度成分の吸着速度が向上し、より軟水化することができる。また、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aと第1陰イオン交換樹脂粒子6Aの組み合わせとしては、弱酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂であってもよい。この場合には、イオン交換容量を増加することができ、軟水化処理量を増加することができる。

0049

また、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aと第1陰イオン交換樹脂粒子6Aの組み合わせとしては、強酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂であってもよく、弱酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂であってもよい。弱酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせの場合には、イオン交換容量を増加できて軟水化処理量を増加するうえ、弱酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせでは膜の抵抗が低くなり、強塩基では水解離の触媒作用を有すると考えられる。そのため、イオン交換膜13の界面13Cでの電位差が大きくなり、水解離を促進することができる。このため、イオン交換膜13の再生を充分に実行することができる。

0050

第2陽イオン交換樹脂粒子4Bとしては、交換基−RCOOHを有する弱酸性陽イオン交換樹脂を用いるのがよい。また、第2陰イオン交換樹脂粒子6Bとしては、−NR2を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いるのがよい。これにより、イオン交換容量を増加することができ、軟水化処理量を増加することができる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂及び弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いているので、再生時に第1陽イオン交換組成体1A、第1陰イオン交換組成体2Aの界面で水解離したH+、OH−による再生が行われやすい。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂及び弱塩基性陰イオン交換樹脂は、酸及びアルカリになる解離定数が小さいため、少量のH+、OH−でも再生され易いという特性があるからである。

0051

一方、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂を用いて吸着速度を高めてもよいが、弱酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせよりも再生が不十分ということがある。

0052

また、第2陽イオン交換樹脂粒子4Bの平均粒子径は、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aの平均粒子径よりも大きくてもよい。同様に、第2陰イオン交換樹脂粒子6Bの平均粒子径は、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aの平均粒子径よりも大きくてもよい。第2陽イオン交換樹脂粒子4B及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bの平均粒子径は、空孔率を大きくする観点から、100〜250μmであってもよい。また、第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第1陰イオン交換樹脂粒子6Aの平均粒子径は、空孔率を小さくする観点から、1〜150μmであってもよい。

0053

第1バインダー樹脂粒子5A、5B及び第2バインダー樹脂粒子7A、7Bはフッ素系樹脂で構成されていてもよい。フッ素系樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDFポリビニリデンフルオライド)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等が挙げられ、耐熱性耐アルカリ性耐酸性の観点からPTFEが好ましい。

0054

なかでも、PTFE及びPVDFは繊維状のバインダーである為、イオン交換樹脂粒子を絡めて固定し、他のバインダー使用時に比べてイオン交換樹脂表面にスキン層が発生することを抑制し、かつ、イオン交換樹脂含有量を増やすことができる。

0055

第1陽イオン交換組成体1Aは、第1バインダー樹脂粒子5Aの含有量が第2陽イオン交換組成体1Bにおける第1バインダー樹脂粒子5Bの含有量よりも大きくなるように構成されている。また、第1陰イオン交換組成体2Aは、第2バインダー樹脂粒子7Aの含有量が第2陰イオン交換組成体2Bにおける第2バインダー樹脂粒子7Bの含有量よりも大きくなるように構成されている。

0056

具体的には、第1陽イオン交換組成体1Aには、空孔率を小さくする観点から、第1バインダー樹脂粒子5Aが10〜70重量%含有されていてもよい。望ましくは20〜50%がよい。同様に、第1陰イオン交換組成体2Aには、空孔率を小さくする観点から、第2バインダー樹脂粒子7Aが10〜70重量%で含有されていてもよい。望ましくは20〜50%がよい。また、第2陽イオン交換組成体1Bには、空孔率を大きくする観点から、第1バインダー樹脂粒子5Bが5〜50重量%含有されていてもよい。同様に、第2陰イオン交換組成体2Bには、空孔率を大きくする観点から、第2バインダー樹脂粒子7Bが5〜50重量%含有されていてもよい。望ましくは5〜30%がよい。

0057

また、第1陽イオン交換組成体1A、第2陽イオン交換組成体1B、第1陰イオン交換組成体2A、及び第2陰イオン交換組成体2Bは、それぞれ、補強剤を有していてもよい。補強剤としては、例えば、PEO(ポリエチレンオキシド)又はPVA(ポリビニルアルコール)が挙げられる。補強剤を含有することにより、バインダー樹脂とイオン交換樹脂を接着することができ、イオン交換樹脂がイオン交換組成体から脱離することを抑制できる。なお、第1陽イオン交換組成体1Aが有する補強剤の含有量は、第2陽イオン交換組成体1Bが有する補強剤の含有量よりも多くてもよく、少なくてもよく、また、同じであってもよい。同様に、第1陰イオン交換組成体2Aが有する補強材の含有量は、第2陰イオン交換組成体2Bが有する補強剤の含有量よりも多くてもよく、少なくてもよく、また、同じであってもよい。

0058

また、第1陽イオン交換組成体1A、第2陽イオン交換組成体1B、第1陰イオン交換組成体2A、及び第2陰イオン交換組成体2Bは、それぞれ、導電性材料を有していてもよい。導電性材料としては、例えば、カーボンからなる粒子が挙げられる。カーボン材料としては、グラファイトカーボンブラック活性炭等が挙げられ、これらの材料を単独で使用してもよく、また、複数の材料を組み合わせて使用してもよい。また、上記カーボン材料の原料形態としては、粉末状、繊維状、粒状、燐片状等のいずれの形状でもよい。導電性材料を含有することにより、イオン交換膜13の界面13Cでの電位差が大きくなり、水解離を促進することができる。

0059

さらに、第1陽イオン交換組成体1A、第2陽イオン交換組成体1B、第1陰イオン交換組成体2A、及び第2陰イオン交換組成体2Bのバインダー樹脂として、繊維性のバインダーを使用した場合に、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2Aは、PE(ポリエチレン)を含有していてもよい。これにより、第1陽イオン交換組成体1A、第2陽イオン交換組成体1B、第1陰イオン交換組成体2A、及び第2陰イオン交換組成体2Bのバインダー樹脂の含有量が同じであっても、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2A内を水が通流しにくくすることができる。

0060

次に、図4及び図5を参照しながら、スペーサー部材14について説明する。

0061

図4は、本実施の形態1に係る電気化学セルのスペーサー部材の一例を示す模式図である。また、図5は、本実施の形態1に係る電気化学セルのスペーサー部材の他の例を示す模式図である。なお、図4及び図5においては、スペーサー部材の上下方向及び左右方向を図における上下方向及び左右方向として表している。

0062

図4に示すように、スペーサー部材14は、上下方向に延びる第1部材14A(縦糸)と左右方向に延びる第2部材14B(横糸)を有していて、第1部材14Aと第2部材14Bを編んだ網状に形成されていて、表裏面間で連通構造を有している。より詳しくは、第1部材14Aは、その主面に多数の連通孔が設けられており、該スペーサー部材14内を水が通流するように構成されている。

0063

また、スペーサー部材14は、第1部材14Aと第2部材14Bが交差する(重なる)部分14Cと、第1部材14Aと第2部材14Bに囲まれた空間14Dと、を有している。

0064

スペーサー部材14の網目数(空間14Dの数)は、任意に設定することができ、例えば、イオン交換膜13への電界強度を確保する為に10〜200メッシュであってもよい。また、第1部材14A及び第2部材14Bは、線径が50〜200μmとすることで交差点での段差を小さくし、第2陽イオン交換組成体1B及び第2陰イオン交換組成体2Bの内部へ通水しやすくし硬度成分の除去性能が向上する。

0065

また、スペーサー部材14は、隣接するイオン交換膜13の間で、電流が流れることを防止する観点から、絶縁性を有していてよい。また、スペーサー部材14は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ポリエステルといった材料を用いてもよい。

0066

また、図5に示すように、スペーサー部材14は、熱圧着機により、前後方向から押圧して、部分14Cを溶着させてもよい。この場合、第1部材14A、第2部材14B、及び部分14Cの厚みが同じになるようにして、これらが同一平面上に位置するように、すなわち、表裏面が平滑になるように、スペーサー部材14を形成してもよい。これにより、第2陽イオン交換組成体1B及び第2陰イオン交換組成体2Bの内部へ通水しやすくし、硬度成分の除去性能が向上する。

0067

また、図示はしないが、スペーサー部材14は不織布を使用しても、その表裏面を平滑形状とすることができ、同様の効果がある。

0068

そして、図2に示すように、イオン交換膜積層体15は、イオン交換膜13の陽イオン交換面13Aが陰極12と対向し、陰イオン交換面13Bが陽極11と対向するように配置されていて、複数のイオン交換膜13が鉛直方向に対して垂直な方向に積層されている。また、隣接するイオン交換膜13の層間には、スペーサー部材14が配置されている。

0069

また、陽極11とイオン交換膜積層体15との間には、セパレーター31が配置されていて、陰極12とイオン交換膜積層体15の間には、セパレーター32が配置されている。セパレーター31及びセパレーター32は、絶縁性を有する材料で構成されている。絶縁性を有する材料としては、例えば、ポリオレフィンが挙げられる。

0070

また、セパレーター31及びセパレーター32は、表裏面間で連通構造を有している。具体的には、セパレーター31及びセパレーター32は、不織布で形成されていてもよい。

0071

[電気化学セルの動作及び作用効果
次に、図1図5を参照しながら、本実施の形態1に係る電気化学セル10の動作及び作用効果について説明する。

0072

軟水化処理(水処理)時は、流入口22から流出口21に向けて、処理用水を通流させる。通常、陽イオン交換組成体に対向する電極を陽極、陰イオン交換組成体に対向する電極を陰極として電圧を印加する。ただし、原水硬度が比較的低い地域で使用する場合は電極には通電せずに処理水を通流しても相当程度硬度成分を除去できる。

0073

一方、イオン交換樹脂の再生時(再生処理時)には、流入口22から流出口21に向けて、再生用水を通流させると共に、軟水化処理時とは反対の極性の電圧を印加するため、陽イオン交換組成体に対向する電極を陰極、陰イオン交換組成体に対向する電極を陽極として電圧を印加する。

0074

流入口22から第1整流部材24に供給された水は、第1整流部材24内を通流する間に、左右方向に拡がって、均一にイオン交換膜積層体15に供給される。

0075

イオン交換膜積層体15に供給された水は、軟水化処理時には、マグネシウム成分等の硬度成分(陽イオン)は、イオン交換膜13内に存在する第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第2陽イオン交換樹脂粒子4Bと接触して、吸着除去される。また、処理用水中塩化物イオン等の陰イオンは、第1陰イオン交換樹脂粒子6A及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bにより吸着除去される。

0076

このとき、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aに比して、第2陽イオン交換樹脂粒子4Bの方が水を通過しやすいので、第2陽イオン交換樹脂粒子4Bで陽イオンが吸着除去されやすい。同様に、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aに比して、第2陰イオン交換樹脂粒子6Bの方が水を通過しやすいので、第2陰イオン交換樹脂粒子6Bで陰イオンが吸着除去されやすい。

0077

一方、再生処理時には、イオン交換膜13に電位差が発生し、イオン交換膜13の陽イオン交換組成体1の第1陽イオン交換樹脂粒子4Aと陰イオン交換組成体2の第1陰イオン交換樹脂粒子6Aとで形成される界面13Cでは、水が解離して、陰極12側の面、すなわち陽イオン交換組成体1側に水素イオンが生成され、陽極11側の面、すなわち陰イオン交換組成体2側に水酸化物イオンが生成される。

0078

特に、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第1陰イオン交換樹脂粒子6Aは、第2陽イオン交換樹脂粒子4B及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bに比して、水が透過し難いため、水を媒体としてカルシウムイオン又は塩素イオンが、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2Aを貫通して移動することが抑制される。このため、印加した電圧は界面13Cでの水解離(H+とOH−)に使用されるので、水解離による電流効率を向上させることができる。また、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aで水素イオンが生成される水素イオン量が増加し、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aで生成される水酸化物イオン量が増加する。

0079

そして、陽イオン交換組成体1内に吸着されたカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の硬度成分(陽イオン)が、生成された水素イオンとイオン交換することで脱離し、陽イオン交換組成体1内の第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第2陽イオン交換樹脂粒子4Bが再生される。また、陰イオン交換組成体2内に吸着された塩化物イオン等の陰イオンが、生成された水酸化物イオンとイオン交換することで脱離し、陰イオン交換組成体2内の第1陰イオン交換樹脂粒子6A及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bが再生される。

0080

特に、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、第2陽イオン交換樹脂粒子4B及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bは、第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第1陰イオン交換樹脂粒子6Aに比して、水が通過しやすいため、第1陽イオン交換樹脂粒子4Aで生成された水素イオンが第2陽イオン交換樹脂粒子4B内を拡散しやすく、第1陰イオン交換樹脂粒子6Aで生成された水酸化物イオンが第2陰イオン交換樹脂粒子6B内を拡散しやすい。このため、第2陽イオン交換樹脂粒子4B及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bの再生を効率よく実行することできる。

0081

なお、陽極11と陰極12間に印加される電圧は、直流電圧であり、本実施の形態では軟水化処理時は0〜300V、再生時は10V〜500Vの電圧を印加しているが、印加電圧については、ケーシング20内に配置したイオン交換膜13の枚数及び処理用水の硬度等に応じて適宜に設定される。

0082

そして、イオン交換膜積層体15を通流した水は、第2整流部材23に供給される。第2整流部材23に供給された水は、第2整流部材23を通流する間に、流出口21に向かって収束し、流出口21から電気化学セル10外に排出される。また、水の再生処理時に、電極で発生するガス(例えば、塩素酸素水素)は、イオン交換膜積層体15C内へ幾分浸入し水に押し流されて、上方向に移動し、流出口21から電気化学セル10外に排出される。ここで、第1整流部材24及び第2整流部材23は連通構造を成している為、ガスを排出し易い。また、電極と対向するイオン交換膜積層体以外の部位の絶縁を保てるので、イオン交換膜積層体以外の部位間で電流のショートパス発生を防止することができる。

0083

このように構成された、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、第1陽イオン交換樹脂粒子4A及び第1陰イオン交換樹脂粒子6Aは、第2陽イオン交換樹脂粒子4B及び第2陰イオン交換樹脂粒子6Bに比して、水が透過し難いため、第2陽イオン交換組成体1B及び第2陰イオン交換組成体2Bで積極的に硬度成分を吸着することにより、充分に硬度成分を吸着することができると共に、第1陽イオン交換組成体1A及び第1陰イオン交換組成体2Aとの界面13Cで効率よく水を解離して、陽イオン交換組成体1及び陰イオン交換組成体2の再生を効率よく実行することができる。

0084

また、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、ケーシング20の内周面と第2整流部材23、イオン交換膜積層体15、及び第1整流部材24との間に、第1シール部材29を配設することにより、これらの間で隙間が形成されることを抑制できる。このため、流入口22からケーシング20内に供給された水が、イオン交換膜積層体15内を通過せずに、当該隙間を通過して、流出口21から排出することを抑制することができ、水処理及び再生処理を充分に実行することができる。

0085

また、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、陽極11とイオン交換膜積層体15との間にセパレーター31が配置され、陰極12とイオン交換膜積層体15との間にセパレーター32が配置されている。これにより、陽極11と陰極12の間に電圧を印可したときに発生する熱がイオン交換膜積層体15に伝達されることが抑制される。このため、イオン交換膜積層体15の熱変性を抑制することができ、水処理及び再生処理を充分に実行することができる。

0086

また、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、第1整流部材24及び第2整流部材23を絶縁性材料で構成すると、これらの部材には、電流が流れないので、イオン交換膜積層体15にのみ電荷をかけることができるため、電流効率を向上させることができる。

0087

さらに、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、隣接するイオン交換膜13の層間に網状のスペーサー部材14を配置することにより、スペーサー部材14の空間14Dに位置する水が、上方向に移動するときに、第2部材14Bと接触する。第2部材14Bは、水を透過させないため、第2部材14Bと接触した水は、前後方向に移動しやすくなる。このため、空間14D内の水が、イオン交換膜13内部に浸透しやすくなり、効率的にイオン交換膜13内のイオン交換樹脂と接触することができる。したがって、本実施の形態1に係る電気化学セル10では、水処理を効率よく実行することができる。

0088

(実施の形態2)
本実施の形態2に係るイオン交換膜積層体は、2以上のイオン交換膜を対向するように積層したイオン交換膜積層体であって、イオン交換膜の間に、表裏面間で連通構造を有するスペーサー部材を備え、スペーサー部材は、合成樹脂の糸を編んで網状に形成し、糸が交差する部分が溶着され、表裏面が平滑に形成されている。

0089

また、本実施の形態2に係る電気化学セルは、前記イオン交換膜積層体と、陽極と陰極が対向するように配置された電極と、通水性を有する仕切板をさらに備え、イオン交換膜積層体は、電極間に配置され、イオン交換膜は、鉛直方向に対して垂直な方向に積層され、2以上のイオン交換膜積層体は、イオン交換膜の積層方向から見て、並ぶように配置され、仕切板は、隣接するイオン交換膜積層体の間に配設されている。

0090

また、本実施の形態2に係る電気化学セルでは、下部に水の流入口が設けられ、上部に水の流出口が設けられたケーシングと、流入口と最も下方に位置するイオン交換膜積層体との間に配置され、イオン交換膜の積層方向から見て、下方から上方に向かって拡がるようにテーパー状に形成された第1整流部材と、をさらに備えていていもよい。

0091

また、本実施の形態2に係る電気化学セルでは、第1整流部材は絶縁性を有していてもよい。

0092

また、本実施の形態2に係る電気化学セルでは、流出口と最も上方に位置するイオン交換膜積層体との間に配置され、イオン交換膜の積層方向から見て、上方から下方に向かって拡がるようにテーパー状に形成された第2整流部材と、をさらに備えていてもよい。

0093

また、本実施の形態2に係る電気化学セルでは、第2整流部材は絶縁性を有していてもよい。

0094

さらに、本実施の形態2に係る電気化学セルでは、絶縁性を有する材料で構成され、表裏面間で連通構造を有し、イオン交換膜積層体と電極の間に配置される、セパレーターをさらに備えていてもよい。

0095

以下、本実施の形態2に係る電気化学セルの一例について、図6及び図7を参照しながら詳細に説明する。

0096

[電気化学セルの構成]
図6は、本実施の形態2に係る電気化学セルの概略構成を示す正面方向の断面図である。図7は、図6に示す電気化学セルのA−A断面図である。なお、図6及び図7においては、電気化学セルの上下方向、左右方向、及び前後方向を図における上下方向、左右方向、及び前後方向として表している。

0097

図6及び図7に示すように、本実施の形態2に係る電気化学セル10は、実施の形態1に係る電気化学セル10と基本的構成は同じであるが、3つのイオン交換膜積層体15A、15B、及び15Cと、仕切板16A、16B、16C、16Dと、をさらに備えている点が異なる。

0098

具体的には、ケーシング20の貫通孔28には、下から順に、第1整流部材24、仕切板16D、イオン交換膜積層体15C、仕切板16C、イオン交換膜積層体15B、イオン交換膜積層体15A、仕切板16A、及び第2整流部材23が配設されていて、これらの部材は、貫通孔28と嵌合するように形成されている。

0099

換言すると、ケーシング20の主面の法線方向から見て、第1整流部材24は、流入口22と最も下方に位置するイオン交換膜積層体15Cとの間に配置されていて、第2整流部材23は、流出口21と最も上方に位置するイオン交換膜積層体15Aとの間に配置されている。また、第1整流部材24とイオン交換膜積層体15Cとの間には、仕切板16Dが配置されていて、第2整流部材23とイオン交換膜積層体15Aとの間には、仕切板16Aが配置されている。

0100

そして、イオン交換膜積層体15Aとイオン交換膜積層体15Cとの間には、イオン交換膜積層体15Bが配置されている。イオン交換膜積層体15Aとイオン交換膜積層体15Bとの間には、仕切板16Bが配置されていて、イオン交換膜積層体15Bとイオン交換膜積層体15Cとの間には、仕切板16Cが配置されている。

0101

なお、本実施の形態2においては、仕切板16A及び仕切板16Dを配置する形態を採用したが、これに限定されず、仕切板16A及び仕切板16Dの少なくとも一方を配置しない形態を採用してもよい。また、本実施の形態2においては、3つのイオン交換膜積層体15を配置する形態を採用したが、これに限定されない。ケーシング20内に配置されるイオン交換膜積層体の数は、ケーシング20の大きさ、イオン交換膜積層体に積層されるイオン交換膜の性能、又はイオン交換膜の積層数等により任意に設定することができる。

0102

第1整流部材24は、ケーシング20の主面の法線方向から見て、下方から上方に向かって拡がるようにテーパー状(すなわち、台形状)に形成されている。

0103

仕切板16Dは、第1整流部材24から該仕切板16Dに供給された水を混合する観点から、多孔質材料で構成されていてもよい。また、仕切板16Dは、イオン交換膜積層体15A、15B、及び15Cを通流する水に電流が流れ、他の部分には、電流が漏れないようにする観点から、絶縁性の材料で構成されていてもよい。さらに、仕切板16Dは、イオン交換膜積層体15Cを支持する観点から、所定の剛性を有するように構成されていてもよい。

0104

仕切板16Dを構成する材料としては、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂アクリル樹脂等を用いてもよい。本実施の形態2においては、仕切板16Dは、上下方向に延びる貫通孔が多数設けられたアクリル板で形成されている。なお、仕切板16A、16B、及び16Cは、それぞれ、仕切板16Dと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。

0105

第2整流部材23は、ケーシング20の主面の法線方向(イオン交換膜13の積層方向)から見て、上方から下方に向かって拡がるようにテーパー状(すなわち、台形状)に形成されている。換言すると、第2整流部材23は、水の通流方向から見て、流出口21に収束するように形成されている。

0106

また、イオン交換膜積層体15A、15B、及び15Cは、それぞれ、2以上のイオン交換膜13と網状のスペーサー部材14を備えている。なお、スペーサー部材14は、図5に示すスペーサー部材14と同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。また、イオン交換膜積層体15A、15B、及び15Cのそれぞれが備えるイオン交換膜13は、同じ構成であってもよく、異なる構成であってもよい。

0107

ここで、本実施の形態2に係る電気化学セル10におけるイオン交換膜積層体15A、15B、及び15Cが備えるイオン交換膜13の一例について、図8を参照しながら説明する。

0108

図8は、本実施の形態2に係る電気化学セルのイオン交換膜の一例を示す模式図である。

0109

ここで、上記実施の形態1においては、第1陽イオン交換組成体1Aと第1陰イオン交換組成体2Aは、互いにその主面が対向(接触)するように積層され、第1陽イオン交換組成体1Aと第2陽イオン交換組成体1Bは、互いにその主面が対向(接触)するように積層されていた。同様に、第1陰イオン交換組成体2Aと第2陰イオン交換組成体2Bは、互いにその主面が対向(接触)するように積層されていた。

0110

第1陽イオン交換組成体1Aは、第2陽イオン交換組成体1Bよりも水を透過し難いように構成されていた。また、第1陰イオン交換組成体2Aは、第2陰イオン交換組成体2Bよりも水を透過し難いように構成されていた。すなわち、実施の形態1においては、第1陽イオン交換組成体1Aと第2陽イオン交換組成体1Bと第1陰イオン交換組成体2Aと第2陰イオン交換組成体2Bの4層構造のイオン交換膜としていた。この4層構造のイオン交換膜を積層してイオン交換膜積層体を構成していた。

0111

しかしながら、本実施の形態2においては、図8に示すように、イオン交換膜13は、陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2を備えている。陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2は、互いにその主面が対向(接触)するように積層されていて、接触している主面が接合されている。陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2の接合面には、界面13Cが形成されている。また、イオン交換膜13の陽イオン交換組成体1側の主面には、陽イオン交換面13Aが形成され、陰イオン交換組成体2側の主面には、陰イオン交換面13Bが形成される。すなわち、陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2の2層構造のイオン交換膜13としている。この2層構造のイオン交換膜13を積層してイオン交換膜積層体を構成しているのが本実施の形態2である。

0112

陽イオン交換組成体1は、陽イオン交換樹脂粒子4と第1バインダー樹脂粒子5を有している。また、陰イオン交換組成体2は、陰イオン交換樹脂粒子6と第2バインダー樹脂粒子7を有している。

0113

陽イオン交換樹脂粒子4としては、交換基−SO3Hを有する強酸性陽イオン交換樹脂を用いてもよく、陰イオン交換樹脂粒子6としては、交換基−NR3OH有する強塩基性陰イオン交換樹脂を用いてもよい。なお、後述するように、イオン交換膜13に電圧を印加する場合には、陽イオン交換樹脂粒子4として、交換基−RCOOHを有する弱酸性陽イオン交換樹脂を用いてもよく、陰イオン交換組成体2として、−NR2を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いてもよい。さらに、陽イオン交換樹脂粒子4として、交換基−RCOOHを有する弱酸性陽イオン交換樹脂を用いてもよく、陰イオン交換組成体2として、−NR3OHを有する強塩基性陰イオン交換樹脂を用いてもよい。弱酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせでは、吸着容量が高まるので軟水化処理量を向上できると共に、再生時の水解離がさらに向上する。

0114

第1バインダー樹脂粒子5及び第2バインダー樹脂粒子7は、実施の形態1に係るイオン交換膜13の第1バインダー樹脂粒子5A等と同様に構成されていてもよく、熱可塑性樹脂粒子で構成されていてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等を使用することができる。なお、第1バインダー樹脂粒子5を構成する熱可塑性樹脂粒子と、第2バインダー樹脂粒子7を構成する熱可塑性樹脂粒子は、同じ種類の熱可塑性樹脂を使用してもよく、異なる種類の熱可塑性樹脂を使用してもよい。

0115

なお、本実施の形態2に係る電気化学セル10のイオン交換膜13は、上記構成に限定されず、公知の種々のイオン交換膜を用いることができ、その製造方法も公知の方法を用いることができる。例えば、WO2012/039127に開示されているイオン交換膜(多孔質イオン交換体)を用いてもよい。

0116

また、本実施の形態2に係る電気化学セル10のイオン交換膜13は、実施の形態1に係る電気化学セル10と同様に構成されていてもよい。さらに、本実施の形態2に係る電気化学セル10のイオン交換膜13における陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2は、実施の形態1に係る電気化学セル10の第1陽イオン交換組成体1Aと第1陰イオン交換組成体2Aで構成されていてもよく、第1陽イオン交換組成体1Aと第2陰イオン交換組成体2Bで構成されていてもよく、第2陽イオン交換組成体1Bと第1陰イオン交換組成体2Aで構成されていてもよく、第2陽イオン交換組成体1Bと第2陰イオン交換組成体2Bで構成されていてもよい。

0117

なお、本実施の形態2に係る電気化学セル10のイオン交換膜13における陽イオン交換組成体1と陰イオン交換組成体2は、実施の形態1における通水性を有する第2陽イオン交換組成体1Bと通水性を有する第2陰イオン交換組成体2Bを張り合わせて構成し、なおかつ、第2陽イオン交換組成体1Bが弱酸性陽イオン交換樹脂で構成され、第2陰イオン交換組成体2Bが強塩基性陰イオン交換樹脂で構成された場合には、イオン交換容量を増加できて軟水化処理量を増加するうえ、弱酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせでは膜の抵抗が低くなり、強塩基では水解離の触媒作用を有すると考えられる。

0118

このため、イオン交換膜13の界面13Cでの電位差が大きくなり、水解離を促進することができる。このため、イオン交換膜13の再生を充分に実行することができる。

0119

[電気化学セルの作用効果]
このように構成された、本実施の形態2に係る電気化学セル10であっても、実施の形態1に係る電気化学セル10と同様の作用効果を奏する。

0120

また、本実施の形態2に係る電気化学セル10では、イオン交換膜13の積層方向から見て、複数のイオン交換膜積層体を並ぶように配置し、隣接するイオン交換膜積層体の間に仕切板を配置することにより、イオン交換膜13が自重により、下方に垂れ下がることを抑制することができる。これにより、ケーシング20内を通流する水の圧損が大きくなることを抑制することができ、ケーシング20内全体を均一に水が通流することができる。また、ケーシング20内全体を均一に水が通流するので、軟水化処理時には、硬度成分等の各イオンを効率よく吸着除去することができ、再生処理時には、再生効率を高めることができる。

0121

また、本実施の形態2に係る電気化学セル10では、仮に、一部のイオン交換膜積層体で、水の通流が不均一になっても、仕切板を通流する間に、均一化することができ、水処理を効率よく実行することができる。

0122

(実施の形態3)
本実施の形態3に係る電気化学セルは、実施の形態1又は2に記載のイオン交換膜積層体と、円筒状の芯材と、を備え、イオン交換膜積層体が、イオン交換膜の積層方向から見て、イオン交換膜の端部とスペーサー部材の端部とがずれて、2層のイオン交換膜の端部間に、スペーサー部材の端部が露出するように、芯材の外周面に巻きつけられている。

0123

また、本実施の形態3に係る電気化学セルは、下部に流入口が設けられた筒状のケーシングと、その上流端が流入口よりも上方に位置するように、芯材の内部に配置された流出管と、をさらに備えていてもよい。

0124

さらに、本実施の形態3に係る電気化学セルは、ケーシングの内周面の接線に対して垂直な方向以外の方向に傾斜するように、流入口に配置された流入管をさらに備えていてもよい。

0125

以下、本実施の形態3に係る電気化学セルの一例について、図9図11Bを参照しながら詳細に説明する。

0126

[電気化学セルの構造]
図9は、本実施の形態3に係る電気化学セルの概略構成を示す断面図である。図10は、図9に示す電気化学セルの膜モジュールの概略構成を示す斜視図である。図11A及び図11Bは、図9に示すB−B断面図であり、図11Aは、比較例を示し、図11Bは、本実施の形態3の例を示す。

0127

なお、図9においては、電気化学セルの上下方向を図における上下方向として表している。図10においては、膜モジュールの上面を構成する第4蓋部材64及び下面を構成する第3蓋部材63の記載と中央部分の記載を省略している。また、図11A及び図11Bにおいては、膜モジュール等の構成を省略している。

0128

図9に示すように、本実施の形態3に係る電気化学セル10は、円筒状の流出管17、円筒状の芯材60とイオン交換膜積層体15と第3蓋部材63と第4蓋部材64とを有する膜モジュール80、及び円筒状のケーシング20を備えていて、流出管17及び円筒状の膜モジュール80が、ケーシング20の内部空間に配置されている。なお、本実施の形態3においては、流出管17、芯材60(膜モジュール80)、及びケーシング20が同心軸上に配置されている。また、イオン交換膜積層体15は、実施の形態1に記載されているイオン交換膜積層体15を用いてもよく、実施の形態2に記載されているイオン交換膜積層体15を用いてもよい。

0129

まず、図9及び図10を参照しながら、膜モジュール80について、説明する。

0130

芯材60の周面は網目状に形成されていて、その外周面には、イオン交換膜積層体15が巻きつけられている。具体的には、イオン交換膜13(イオン交換膜積層体15)の積層方向(膜モジュール80の径方向)から見て、イオン交換膜13とスペーサー部材14は、それぞれの外方端部がずれるように、芯材60の外周面に巻きつけられている。

0131

より詳細には、イオン交換膜13とスペーサー部材14は、矩形状に形成されていて、互いに同じ大きさの主面を有するように構成されている。イオン交換膜13とスペーサー部材14は、上下方向に延びる一方の辺(内方端部)が互いにずれるように、芯材60の外周面に固定されている。そして、複数のイオン交換膜13とスペーサー部材14を積層させて、芯材60の外周面に沿って巻回することで、イオン交換膜13とスペーサー部材14は、それぞれの外方端部がずれて、2層のイオン交換膜13の外方端部間に、スペーサー部材14の外方端部が露出するように配設される。

0132

また、図9に示すように、膜モジュール80の外周面には、イオン交換膜13とスペーサー部材14を固定するための円筒状の固定部材70が配置されている。固定部材70は、その周面が網目状に形成されている。

0133

膜モジュール80の下面は、第3蓋部材63により構成されている。また、膜モジュール80の上面は、第4蓋部材64により構成されている。第3蓋部材63の上面には第5シール部材75が載置されている。第5シール部材75は、芯材60と芯材60に巻きつけられたイオン交換膜積層体15とを下面から固定する。また、第4蓋部材64の下面には第6シール部材76が載置されている。第6シール部材76は、芯材60と芯材60に巻きつけられたイオン交換膜積層体15とを上面から固定する。

0134

芯材60、芯材60に巻きつけられたイオン交換膜積層体15、第3蓋部材63、第4蓋部材64が一体化して膜モジュール80を構成する。これにより、膜モジュール80を、ケーシング20から容易に着脱することができる。

0135

次に、図9を参照しながら、膜モジュール80及び電気化学セル10の他の構成について、説明する。

0136

図9に示すように、ケーシング20の上端部には、円板状の第1蓋部材61が配置されており、ケーシング20の下端部には、円板状の第2蓋部材62が配置されている。第1蓋部材61は、該第1蓋部材61の外周面とケーシング20の内周面が螺合することで固定されており、第2蓋部材62は、適宜な手段により、ケーシング20に固定されている。なお、ケーシング20と第2蓋部材62は、一体で構成されていてもよい。

0137

第2蓋部材62の主面には、下面の開口が上面の開口よりも小さくなるように、段状の貫通孔65が設けられている。なお、貫通孔65は、ケーシング20の軸心Zと同軸となるように設けられている。

0138

第2蓋部材62の上面には、円板状の第3蓋部材63が載置されている。第3蓋部材63の下面には、円環状の突起部63aが設けられている。突起部63aの外周面と、第2蓋部材62の貫通孔65を構成する上側内周面と、の間には、第3シール部材73と第4シール部材74が配置されている。第3シール部材73及び第4シール部材74としては、例えば、Oリング等を用いてもよい。

0139

また、第3蓋部材63の上面には、凹部が設けられていて、該凹部には、板状の第5シール部材75が載置されている。第5シール部材75としては、例えば、ホットメルト材又はウレタン系のポッティング材を用いてもよい。なお、生産性の観点からは、硬化の早いホットメルト材を用いることが望ましい。ホットメルト材としては、耐加水分解性の観点からポリオレフィン系のものを用いることが望ましい。

0140

第3蓋部材63の主面と第5シール部材75の主面には、ケーシング20の軸心Zと同軸となるように貫通孔がそれぞれ設けられている。そして、これらの貫通孔と、第2蓋部材62の貫通孔65と、を嵌挿し、かつ、芯材60の内部空間を挿通するように、流出管17が配設されている。

0141

流出管17は、その上流端(図9の上方端部)が流出口21を構成し、当該流出口21が流入口22よりも上方に位置するように構成されている。なお、流出管17は、ケーシング20の上端部近傍にまで延設されていてもよい。また、流出管17は第1水流路17を構成する配管の一部である。

0142

流出管17の外周面には、板状の陰極12が巻回するように設けられている。陰極12には、適宜な配線により、端子12Aと電気的に接続されている。なお、本実施の形態3においては、陰極12を板状に形成したが、これに限定されず、ワイヤー状に形成してもよい。

0143

一方、陽極11は、ケーシング20の内周面に巻回するように設けられていて、ここでは、板状に形成されている。陽極11は、適宜な配線により、端子11Aと電気的に接続されている。なお、本実施の形態3においては、陽極11を板状に形成したが、これに限定されず、ワイヤー状に形成してもよい。

0144

第1蓋部材61には、適宜な手段により、板状の第4蓋部材64(膜モジュール)が取付けられている。本実施の形態3においては、第1蓋部材61の主面に貫通孔が設けられており、第4蓋部材64の上面に設けられた凸部と螺合することにより、第4蓋部材64が第1蓋部材61に固定されている。

0145

第1蓋部材61が、膜モジュール80を押圧することにより、膜モジュール80がケーシング20内に固定される。

0146

第4蓋部材64の下面には、凹部が形成されており、該凹部には、板状の第6シール部材76が載置されている。第6シール部材76としては、例えば、ホットメルト材又はウレタン系のポッティング材を用いてもよい。なお、生産性の観点からは、硬化の早いホットメルト材を用いることが望ましい。ホットメルト材としては、耐加水分解性の観点からポリオレフィン系のものを用いることが望ましい。

0147

また、第4蓋部材64の外周面とケーシング20の内周面との間には、第7シール部材77と第8シール部材78が配置されている。第7シール部材77及び第8シール部材78としては、例えば、Oリング等を用いてもよい。

0148

また、ケーシング20の下部には、貫通孔22が設けられていて、該貫通孔22が流入口22を構成する。なお、流入口22は、ケーシング20の下端部に設けられていてもよい。

0149

流入口22には、流入管18が、ケーシング20の内周面の接線に対して垂直な方向以外の方向に傾斜するように、接続されている。なお、流入管18が、第3水流路18を構成する。

0150

ここで、図11A及び図11Bを参照しながら、流入管18の構造について、詳細に説明する。

0151

図11Aを示すように、流入管18の中心軸Xがケーシング20の内周面の接線に対して垂直方向に位置するように、流入管18を設けた場合、流入管18を通流した水は、流入口22からケーシング20の軸心Zに向かって、径方向に流れやすくなる。

0152

一方、図11Bに示すように、流入管18の中心軸Xがケーシング20の内周面の接線に対して垂直方向以外の方向に位置するように、流入管18を設けた場合、流入管18を通流した水は、流入口22からケーシング20の周方向に向かって流れやすくなる。これにより、水が、イオン交換膜13内部に浸透しやすくなり、効率的にイオン交換膜13内のイオン交換樹脂と接触することができる。

0153

このため、流入管18は、流入管18の中心軸Xとケーシング20の内周面の接線とのなす角度αが、0°以上、かつ、90°未満となるように配置されていてもよく、角度αが、60°以下となるように配置されていてもよく、45°以下となるように配置されていてもよく、30°以下となるように配置されていてもよい。

0154

なお、流入管18は、流入口22が上方向に向くように、流入管18の中心軸Xとケーシング20の軸心Zとのなす角度βが、0°より大きく、かつ、90°未満となるように配置されていてもよい。また、流入管18は、複数設けられていてもよい。

0155

また、ケーシング20の内周面に、らせん状のガイド部材を設けることにより、ケーシング20内部で、水がらせん状に通流するように構成してもよい。

0156

[電気化学セルの作用効果]
このように構成された、本実施の形態3に係る電気化学セル10では、実施の形態1に記載のイオン交換膜積層体15又は実施の形態2に記載のイオン交換膜積層体15を備えているので、実施の形態1又は2に係る電気化学セル10と同様の作用効果を奏する。

0157

また、本実施の形態3に係る電気化学セル10では、イオン交換膜積層体15が、イオン交換膜13の積層方向から見て、イオン交換膜13の端部とスペーサー部材14の端部とがずれるように、芯材60の外周面に巻きつけられているため、巻きつけられた状態でイオン交換膜13同士が接触することがないように構成されている。このため、イオン交換膜13の間に、水が滞りなく、かつ、満遍なく通流することができる。

0158

これにより、軟水化処理時には、硬度成分等の各イオンを効率よく吸着除去することができ、再生処理時には、再生効率を高めることができる。

0159

また、本実施の形態3に係る電気化学セル10では、流出管17の上流端が流入口22よりも上方に位置するように、配置されているため、ケーシング20内に流入した水が流出管17の流出口21に流入するまでの間に、イオン交換膜13と接触する時間を増大させることができる。これにより、軟水化処理時には、硬度成分等の各イオンを効率よく吸着除去することができ、再生処理時には、再生効率を高めることができる。

0160

さらに、本実施の形態3に係る電気化学セル10では、流入管18が、ケーシング20の内周面の接線に対して垂直な方向以外の方向に傾斜するように、接続されているため、ケーシング20内に流入した水が、ケーシング20の周方向に向かって流れやすくなる。

0161

このため、ケーシング20の内部で螺旋流が形成されやすくなる。これにより、ケーシング20内に水が満遍なく行き渡りやすくなり、水とイオン交換膜13とが良好に接触することができる。したがって、軟水化処理時には、硬度成分等の各イオンを効率よく吸着除去することができ、再生処理時には、再生効率を高めることができる。

0162

なお、水をイオン交換膜13内部により流入させやすくする観点から、流入管18は、その傾斜方向が、ケーシング20内を水が周回する方向と、イオン交換膜積層体15を芯材60に巻きつける方向と、が互いに逆向きになるように、配置されていてもよい。

0163

すなわち、イオン交換膜積層体15が、膜モジュール80の上面から見て芯材60に時計回りに巻きつけられている場合には、ケーシング20内を水が周回する方向が、反時計回りとなることが好ましい。また、イオン交換膜積層体15が、膜モジュール80の上面から見て芯材60に反時計回りに巻きつけられている場合には、ケーシング20内を水が周回する方向が、時計回りとなることが好ましい。

0164

(実施の形態4)
本実施の形態4に係る水処理装置は、実施の形態1〜実施の形態3のいずれかに係る電気化学セルと、電極に電力を供給する電源と、流出口に接続され、取水口を有し、水が通流する第1水流路と、第1水流路から分岐され、排水口を有する、第2水流路と、取水口又は排水口への水の流れを切り替える流路切替器と、電源及び流路切替器を制御する制御装置と、を備える。

0165

また、本実施の形態4に係る水処理装置では、流入口に接続された第3水流路と、第3水流路に設けられた濾過フィルターと、をさらに備えていてもよい。

0166

また、本実施の形態4に係る水処理装置では、第3水流路に設けられたスケール抑制剤をさらに備えていてもよい。

0167

また、本実施の形態4に係る水処理装置では、制御装置は、陽イオン交換基及び陰イオン交換基の再生処理の後に、軟水化処理を実行するときに、電極への電力供給を所定時間停止した後、電極の極性を切り替えるように電源から電極に電力を供給して、軟水処理を実行してもよい。

0168

さらに、本実施の形態4に係る水処理装置では、制御装置は、陽イオン交換基及び前記陰イオン交換基の再生処理を実行するときに、電極へ供給する電力を徐々に上昇させるように電源を制御してもよい。

0169

以下、本実施の形態4に係る水処理装置の一例について、図12を参照しながら説明する。

0170

[水処理装置の構成]
図12は、本実施の形態4に係る水処理装置の概略構成を示す模式図である。

0171

図12に示すように、本実施の形態4に係る水処理装置50は、実施の形態1に係る電気化学セル10、電源39、第1水流路17、第2水流路33、第3水流路18、第1切替弁35、スケール抑制剤38、入力装置42、及び制御装置40を備える。

0172

上述したように、電気化学セル10の流出口21には、第1水流路17の上流端が接続されていて、第1水流路17の下流端は取水口を構成している。また、第1水流路17の途中には、第2水流路33の上流端が接続されていて、第2水流路33の下流端は、排水口を構成している。

0173

さらに、第1水流路17と第2水流路33の接続点には、流路切替器として、第1切替弁35が設けられている。第1切替弁35は、第1水流路17を通流する水を、取水口に供給するか、第2水流路33を通流して、排水口に供給するかを切り替えるように構成されている。第1切替弁35としては、例えば、三方弁等を使用することができる。

0174

なお、本実施の形態4に係る水処理装置50では、流路切替器として、第1切替弁35を用いる形態を採用したがこれに限定されない。例えば、第2水流路33と、第2水流路33の接続点よりも下流側の第1水流路17と、のそれぞれに二方弁を設け、制御装置40がそれぞれの二方弁の開閉を切り替えることにより、流路切替器として機能させる形態を採用してもよい。

0175

また、電気化学セル10の流入口22には、第3水流路18が接続されている。第3水流路18の途中には、第4水流路34が接続されていて、第3水流路18の第4水流路34の上流端が接続されている部分には、第2切替弁36が設けられている。また、第3水流路18の第4水流路34の下流端が接続されている部分には、第3切替弁37が設けられている。

0176

第2切替弁36及び第3切替弁37は、第3水流路18を通流する水が、第4水流路34を通流するか否かを切り替えるように構成されている。第2切替弁36及び第3切替弁37としては、例えば、三方弁等を使用することができる。

0177

また、第3水流路18の途中には、濾過フィルター41が設けられていて、第4水流路34の途中には、スケール抑制剤38が設けられている。スケール抑制剤38は、スケール析出を抑制し、又は析出したスケールを除去することができれば、どのような形態であってもよい。

0178

スケール抑制剤38としては、例えば、ポリリン酢塩を用いれば、スケール抑制剤38に通水される際に、ポリリン酢塩が除溶し、電気化学セル10内の膜表面、第3切替弁37、又は第1水流路17にCaCO3が析出することを抑制することができる。また、スケール抑制剤38としては、クエン酸を用いれば、電気化学セル10内、第3切替弁37、又は第1水流路17にスケールが析出しても、スケールを除去し、スケールの固着を抑制することができる。

0179

濾過フィルター41としては、例えば、孔径が0.3〜10μm程度のマイクロフィルターを用いることで、電気化学セル10内に異物侵入することを防止することができる。この濾過フィルター41は、鉄塩等を含む赤水が濾過フィルター41の下流へ侵入することも抑制できるので、電気化学セル10内の膜表面の鉄塩等の析出を抑制でき、膜自体の耐久性を向上することができる。

0180

なお、濾過フィルター41は、本実施の形態4においては、第2切替弁36よりも上流側に配置する形態を採用したが、これに限定されない。例えば、濾過フィルター41は、第3水流路18における第2切替弁36と第3切替弁37の間に配置してもよく、第3水流路18の第3切替弁37よりも下流側に配置してもよい。

0181

電源39は、電気化学セル10に電力を供給することができれば、どのような形態であってもよく、例えば、商用電源等の交流電源から供給される交流電圧をAC/DCコンバータで直流電圧に変更することで構成してもよく、二次電池等の直流電源で構成されていてもよい。

0182

入力装置42は、電圧値電流値、処理時間の少なくともいずれかを設定するように構成されている。入力装置42は、軟水化処理/再生処理のそれぞれの処理時間を直接入力するように構成されていてもよく、また、処理する水のイオン濃度を入力するように構成されていてもよい。入力装置42としては、タッチパネルキーボードリモコン等で構成されていてもよい。

0183

制御装置40は、第1切替弁35等の切替弁と、電源39と、を制御するように構成されている。制御装置40は、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される演算処理部40Aと、各制御動作を実行するためのプログラムを格納した、メモリ等から構成される記憶部40Bと、カレンダー機能を有する時計部40Cと、を備えている。そして、制御装置40は、演算処理部40Aが、記憶部40Bに格納された所定の制御プログラム読み出し、これを実行することにより、水処理装置50に関する各種の制御を行う。

0184

演算処理部40Aは、電源39の電圧値及び/又は電流値を決定する電圧電流変更部401と、軟水化処理の処理時間と再生処理の処理時間との長さを決定する処理時間変更部402と、を有する。なお、電圧電流変更部401及び処理時間変更部402は、記憶部40Bに格納された所定の制御プログラムを実行することにより実現される。

0185

電圧電流変更部401は、水処理時及び/又は再生処理時に、電源39から電極に印可する電圧を変更するように構成されている。これにより、硬度成分の除去量を調整することができ、処理用水中の硬度レベルを適宜調整することができる。また、再生処理時に、イオン交換組成体のイオン交換基の再生量を適宜調整することができる。

0186

ところで、単位時間当たりのイオン交換量の多少は、電極に印加する電圧値及び/又は電流値により変動することが知られている。一方、電気化学セル10が軟水化処理可能な水の総量は、処理する水のイオン濃度によって変動する。

0187

したがって、処理時間変更部402は、処理する水のイオン濃度に応じて、軟水化処理と再生処理との処理時間を変更できるように構成されている。これにより、使用環境に応じて柔軟な水処理が可能な、水処理装置50を実現することができる。

0188

具体的には、処理時間変更部402は、処理水のイオン濃度が大きいときの方が、イオン濃度が小さいときよりも、軟水化処理の処理時間が短くなるように処理時間を変更するように構成されている。また、処理時間変更部402は、処理水のイオン濃度が大きいときの方が、イオン濃度が小さいときよりも、再生処理の処理時間が長くなるように処理時間を変更するように構成されている。

0189

より好ましくは、処理時間変更部は、イオン濃度が相対的に大きいときの方が、軟水化処理の処理時間T1と再生処理の処理時間T2との比(T1/T2)が大きくなるように、処理時間を変更するように構成されている。

0190

なお、本実施の形態4に係る水処理装置50は、電気化学セル10よりも上流側の第3水流路18にイオン濃度、PH値等の処理用水中のイオン含有量を測定するためのセンサを設け、このセンサの測定値により、処理時間変更部402が自動的に処理時間を変更するように構成されていてもよい。

0191

なお、制御装置40は、単独の制御装置で構成される形態だけでなく、複数の制御装置が協働して、水処理装置50の制御を実行する制御装置群で構成される形態であっても構わない。また、制御装置40は、マイクロコントロールで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。

0192

このように構成された、本実施の形態4に係る水処理装置では、実施の形態1に係る電気化学セル10を備えているので、実施の形態1に係る電気化学セル10と同様の作用効果を奏する。

0193

また、本実施の形態4に係る水処理装置では、スケール抑制剤38が、電気化学セル10の上流側に配置されているので、再生処理時に生成されるCaCO3が、電気化学セル10内のイオン交換膜13等、第1水流路17内、又は第1切替弁35等に析出することを抑制することができる。

0194

また、本実施の形態4に係る水処理装置では、制御装置40が、再生処理の後に、軟水化処理を実行するときに、電極への電力供給を所定時間(例えば、1〜10秒)停止した後、電極の極性を切り替えるように電源39から電極に電力を供給して、軟水処理を実行するように構成されている。なお、電源39から電極への電力供給を停止している間も電気化学セル10へ水は供給されている。これにより、再生処理時に脱離されたカルシウムイオン等が電気化学セル10内から第2水流路33を通流して、排水口から排出することができる。したがって、水の再生処理後に再度水を軟水化処理する際には、再生処理時に脱離した硬水の影響を受けにくくなり、取水口から良好な軟水を採水することができる。

0195

さらに、本実施の形態4に係る水処理装置では、制御装置40が、再生処理を実行するときに、電極へ供給する電力を徐々に(段階的に)上昇させるように電源を制御している。これにより、再生処理開始時に、Caイオンが大量に脱離することが抑制され、過電流が発生することが抑制される。

0196

なお、本実施の形態4に係る水処理装置50では、実施の形態1に係る電気化学セル10を備える形態を採用したが、これに限定されず、実施の形態2又は3に係る電気化学セル10を備える形態を採用してもよい。

0197

また、本実施の形態4に係る水処理装置50は、第3水流路18に流量調整弁をさらに備え、制御装置40が再生処理時に、水処理時に比して、電気化学セル10に供給される水の流量が減少するように流量調整弁を制御してもよい。これにより、再生処理時に排出する水量を減少させることができ、効率よく再生処理を実行することができる。

0198

さらに、本実施の形態4に係る水処理装置50は、第2水流路33に流量調整器を設ける形態を採用してもよい。流量調整器は、第1水流路17を構成する配管よりも第2水流路33を構成する配管の断面積を小さくすることで構成してもよい。また、流量調整器は、流量調整弁で構成されていてもよい。この場合、制御装置40が再生処理時に、水処理時に比して、電気化学セル10に供給される水の流量が減少するように流量調整弁を制御してもよい。これにより、再生処理時に排出する水量を減少させることができ、効率よく再生処理を実行することができる。

0199

上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。

0200

本発明に係るイオン交換膜、前記イオン交換膜を備えるイオン交換膜積層体、前記イオン交換膜積層体を備える電気化学セル、及び前記電気化学セルを備える水処理装置によれば、充分に硬度成分を吸着することができると共に、イオン交換組成体の再生を効率よく実行することができるので、水処理の分野で有用である。

0201

1陽イオン交換組成体
1A 第1陽イオン交換組成体
1B 第2陽イオン交換組成体
2陰イオン交換組成体
2A 第1陰イオン交換組成体
2B 第2陰イオン交換組成体
4陽イオン交換樹脂粒子
4A 第1陽イオン交換樹脂粒子
4B 第2陽イオン交換樹脂粒子
5 第1バインダー樹脂粒子
5A 第1バインダー樹脂粒子
5B 第1バインダー樹脂粒子
6陰イオン交換樹脂粒子
6A 第1陰イオン交換樹脂粒子
6B 第2陰イオン交換樹脂粒子
7 第2バインダー樹脂粒子
7A 第2バインダー樹脂粒子
7B 第2バインダー樹脂粒子
10電気化学セル
11陽極
11A端子
12陰極
12A 端子
13イオン交換膜
13A陽イオン交換面
13B 陰イオン交換面
13C 界面
14スペーサー部材
14A 第1部材
14B 第2部材
14C 部分
14D 空間
15イオン交換膜積層体
15A イオン交換膜積層体
15B イオン交換膜積層体
15C イオン交換膜積層体
16A仕切板
16B 仕切板
16C 仕切板
16D 仕切板
17 第1水流路
18 第3水流路
19 第2シール部材
20ケーシング
21 流出口
22 流入口
23 第2整流部材
24 第1整流部材
26 第1外板
27 第2外板
28貫通孔
29 第1シール部材
31セパレーター
32 セパレーター
33 第2水流路
34 第4水流路
35 第1切替弁
36 第2切替弁
37 第3切替弁
38スケール抑制剤
39電源
40制御装置
40A演算処理部
40B 記憶部
40C時計部
41濾過フィルター
42入力装置
50水処理装置
60芯材
61 第1蓋部材
62 第2蓋部材
63 第3蓋部材
63a突起部
64 第4蓋部材
65 貫通孔
70固定部材
73 第3シール部材
74 第4シール部材
75 第5シール部材
76 第6シール部材
77 第7シール部材
78 第8シール部材
80膜モジュール
101陽イオン交換層
102陰イオン交換層
103ピーク
104 谷
105テキスチャード膜
106 矢印
107電極
108 電極
109 界面
401電圧電流変更部
402 処理時間変更部

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