図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
従来、唐辛子、山椒などの香辛料や柚子などの香味料は、例えば唐辛子の場合には、唐辛子の実を乾燥させ、粉砕して、唐辛子の場合は、当該粉砕物をそのまま(一味唐辛子)、或いは、更に黒胡麻、白胡麻、芥子の実、陳皮(みかんの皮)、紫蘇、海苔、青海苔、生姜、菜種などの副香味料(大きいものは、乾燥した後粉砕物にする)の少なくとも1種を加えたもの(例えば、7味唐辛子など)を、例えば図1に示すような中蓋1の中心部などに径略5mm前後の孔2の開いた容器本体3に入れて、調理ないし食事の際に料理に振りかけて使用している。尚、外蓋は符号4で示した。そのほか、料理屋によっては、例えば、外形ひょうたん型の容器の頭頂部が香辛料や香味料の出口になっていて、使用後は木製あるいは竹製の栓を出口用の孔に差し込んで蓋をすることができる容器なども使用されている。山椒なども山椒の実も同様にして使用されたり、柚子の場合は柚子の皮を乾燥し同様に、粉砕して同様にして使用されている。
概要
空気の入った容器に比較的長期間保管されていても、香りや色の減退などの経時変化が比較的少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供する。唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分及び糯米成分とを含んでなる丸剤形状に形成された香辛料または香味料。唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の粉砕された香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分粉及び糯米成分粉に水を添加し混練し、当該混練物を丸剤形状に形成し、乾燥する工程を含んで製造される。なし
目的
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、空気の入った容器に比較的長期間保管されていても、香りの減退など経時変化が比較的少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
請求項2
請求項3
丸剤形状の大きさが最長径で10mm〜2mmである請求項1又は2のいずれかに記載の香辛料または香味料。
請求項4
唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分と、粳米成分、及び糯米成分の合計重量に対し、前記香辛料成分及び/または香味料成分が76〜88重量%、粳米成分が12〜6重量%、糯米成分が12〜6重量%の割合である請求項1〜3のいずれか1項に記載の香辛料または香味料。
請求項5
唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の粉砕された香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分粉及び糯米成分粉に水を添加し混練し、当該混練物を丸剤形状に形成し、乾燥する工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の香辛料または香味料の製造方法。
請求項6
前記混練物を丸剤形状に形成し、乾燥する工程を含む工程が、前記混練物を丸剤形状に形成し、50〜70℃で2〜5時間第1乾燥工程で乾燥させ、次いで、1〜3時間磨き工程に付し、更に、第2乾燥工程で45〜65℃で1〜3時間乾燥する工程を含む工程である請求項5に記載の香辛料または香味料の製造方法。
技術分野
背景技術
0002
従来、唐辛子、山椒などの香辛料や柚子などの香味料は、例えば唐辛子の場合には、唐辛子の実を乾燥させ、粉砕して、唐辛子の場合は、当該粉砕物をそのまま(一味唐辛子)、或いは、更に黒胡麻、白胡麻、芥子の実、陳皮(みかんの皮)、紫蘇、海苔、青海苔、生姜、菜種などの副香味料(大きいものは、乾燥した後粉砕物にする)の少なくとも1種を加えたもの(例えば、7味唐辛子など)を、例えば図1に示すような中蓋1の中心部などに径略5mm前後の孔2の開いた容器本体3に入れて、調理ないし食事の際に料理に振りかけて使用している。尚、外蓋は符号4で示した。そのほか、料理屋によっては、例えば、外形ひょうたん型の容器の頭頂部が香辛料や香味料の出口になっていて、使用後は木製あるいは竹製の栓を出口用の孔に差し込んで蓋をすることができる容器なども使用されている。山椒なども山椒の実も同様にして使用されたり、柚子の場合は柚子の皮を乾燥し同様に、粉砕して同様にして使用されている。
0003
特開2001−258499号公報
先行技術
0004
フリー百科辞典Wikipediaの七味唐辛子の項1〜3頁(オンラインインターネットのGoogleの検索で「七味唐辛子」で検索し、アウトプットした文献のうち、Wikipediaの七味唐辛子の項を開いた文献:2014年5月12日検索)
発明が解決しようとする課題
0005
上述した従来の唐辛子、山椒、ないしは柚子などの香辛料または香味料は、乾燥原料の粉砕物が、通常、そのまま空気にさらされる状態で、上述のような容器に入れて(容器に入った状態は、もし必要なら上記図1のほかに、市販品参照)調理ないし食事の際に料理に振りかけて使用されている。これらの香辛料または香味料が比較的短期間で使い尽くされる場合には問題が少ないが、通常、家庭などでは、これらの香辛料または香味料は、少しずつ使用されるので、容器中には長期にわたって残留分が保持されていることが多いし、料理店においても、通常、多量に購入しておくので、結果的に、長期間保管されているものが出てくることになる。
0006
長期間にわたり容器中に保持されたこれらの香辛料または香味料は、その香りがかなり減退し、場合により、色調が変化してしまう問題がある。香辛料または香味料は、「香辛料または香味料」の「香」の文字が示すように、その香りが減退するとその風味が低下してしまう問題がある。
0007
また、香辛料または香味料が入れてある使用容器にもよるが、上述のように、市販品など中蓋に径略5mm前後の孔の開いた容器に入れてあるものを使用する場合、上記孔の径よりも、香辛料または香味料(粉砕物)の大きさはかなり小さいので、調理品にふりかける際に、誤って、思ったよりたくさんふりかかってしまい、香辛料または香味料が多すぎて、調理品の味覚を損なってしまうことも日常しばしば見られることである。したがって、調理品にふりかける際に、ほぼ予定した所定量が使用できるような、思ったよりたくさん一度にふりかかってしまうことが防止できるような使用が可能な形態の、上記香辛料または香味料があれば、より一層好ましい。
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、空気の入った容器に比較的長期間保管されていても、香りの減退など経時変化が比較的少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供するものである。
0008
更に、好ましくは、空気の入った容器に比較的長期間保管されていても色調の経時変化が比較的少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供するものである。
0009
更に、副次的には、ほぼ予定した所定量が使用できるような、思ったよりたくさん一度にふりかかってしまうことが防止できるような使用に便利な形態の香辛料または香味料を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0010
(1)前記課題を解決するため、本発明の香辛料または香味料は、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分及び糯米成分とを含んでなる丸剤形状に形成された香辛料または香味料であることを特徴とする。
0012
(3)前記(1)項又は(2)項のいずれかに記載の香辛料または香味料においては、丸剤形状の大きさが最長径で10mm〜2mmであることが好ましい。
0013
(4)前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の香辛料または香味料においては、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分と、粳米成分、及び糯米成分の合計重量に対し、前記香辛料成分及び/または香味料成分が76〜88重量%、粳米成分が12〜6重量%、糯米成分が12〜6重量%の割合であることが好ましい。
0014
(5)また、本発明の前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の香辛料または香味料の製造方法は、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の粉砕された香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分粉及び糯米成分粉に水を添加し混練し、当該混練物を丸剤形状に形成し、乾燥する工程を含む前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の香辛料または香味料の製造方法である。
0015
(6)前記(5)項記載の香辛料または香味料の製造方法においては、前記混練物を丸剤形状に形成し、乾燥する工程を含む工程が、前記混練物を所望の丸剤形状に形成し、50〜70℃で2〜5時間第1乾燥工程で乾燥させ、次いで、1〜3時間磨き工程に付し、更に、第2乾燥工程で45〜65℃で1〜3時間乾燥する工程を含む工程であることが好ましい。
発明の効果
0016
本発明によれば、空気の入った容器に比較的長期間保持されていても、香りの減退などの経時変化が少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供できる。
更に、好ましくは、空気の入った容器に比較的長期間保持されていても色調の経時変化が少なくされた、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種を含む香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供できる。
更に、副次的には、使用時に例えばスパイスミルなどでほぼ予定した所定量を粉砕し調理に振りかけて使用できるように、使用する場合に便利な形態の香辛料または香味料、並びにその製造方法を提供できる。
また、丸剤形状とすることにより、他の錠剤形状のものにした場合に比べて、形が崩れて粉状物が発生しやすくなることを防止できる利点がある。
図面の簡単な説明
0017
従来の七味唐辛子のような粉砕香辛料または香味料が入れられた容器の概略斜視図。
0018
本発明では、唐辛子、山椒、ないし柚子の少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分を用いることを対象にしており、一般的に厳密な定義があるわけではないが、通常、唐辛子と山椒の味は、香辛料に分類されることが多く、柚子の皮の乾燥粉砕物は、辛味がないので、香味料に分類されることが多い。
0019
そこで本発明においては、唐辛子と山椒の成分は香辛料成分とし、柚子については香味料成分として取り扱い、唐辛子及び/又は山椒成分を含み柚子成分を含まない場合(香辛料成分ということになる)、柚子成分は含むが、唐辛子及び/又は山椒成分を含まない場合(香味料成分ということになる)、唐辛子及び/又は山椒成分を含み且つ柚子成分も含む場合(香辛料成分及び香味料成分ということになる)があるので、これらのすべての場合を表現するために、「唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分」という用語を用いた。
0020
そして、粳米成分及び糯米成分を含ませて最終的に丸剤形状に形成されたものは、唐辛子及び/又は山椒成分を含んでいる場合には、辛味が優先するので、たとえ更にこれに柚子成分が含まれていても香辛料(唐辛子及び/又は山椒成分のみを含む場合も同様)という用語を用い、一方、柚子成分は含まれるが、唐辛子及び/又は山椒成分を含んでいない場合には、香味料という用語を用いたので、この両者を表現するため「香辛料または香味料」という用語を用いた。
0021
本発明に使用される唐辛子成分は、唐辛子の実を乾燥して、粉砕した微粒状のものを用いる。唐辛子としては、実が赤い色をしたいわゆる赤唐辛子、緑色の青唐辛子など、特に限定するものではなく、そのほか好みに応じて選択して用い得る。
0022
これらの唐辛子の実は、通常は、乾燥させ、次いで粉砕機で粉粒状に粉砕される。特に限定するものではないが、最長径でおよそ50μm〜2mm、好ましくは200〜500μm程度に粉砕される。乾燥条件も特に限定するものではないが、例えば電気乾燥機で、35〜45℃で5〜10日程度である。
0023
山椒成分は、ほぼ同様に、山椒の実を、通常は乾燥させ、次いで粉砕機で粉粒状に粉砕される。特に限定するものではないが、粉粒状物の大きさ最長径でおよそ50μm〜2mm、好ましくは200〜500μm程度に粉砕される。乾燥条件も特に限定するものではないが、例えば電気乾燥機で、35〜45℃で5〜10日程度である。
0024
柚子成分は、柚子の皮を、乾燥させ、次いで粉砕機で粒状に粉砕される。特に限定するものではないが、最長径でおよそ50μm〜2mm、好ましくは200〜500μm程度に粉砕される。乾燥条件も特に限定するものではないが、例えば電気乾燥機で、35〜45℃で5〜10日程度である。
0025
これらの成分は、2種以上混合して用いてもよく、例えば七味唐辛子のように、唐辛子成分のほかに更に芥子の実、陳皮(みかんの皮)、黒胡麻、白胡麻、紫蘇、海苔、青海苔、生姜、菜種などの副香味成分や、そのほかの香味成分などを、必要に応じて添加して用いることもできる。しかし、通常、赤唐辛子成分、青唐辛子成分、山椒成分、柚子成分は、それぞれ単品で用いて、粳米(うるちまい)成分並びに糯米(もち米)成分と共に丸剤にしておくことが、吸湿によるスパイスミルなどによる粉砕時の問題などが少なく、好ましい。しかも、それぞれ単品で丸剤にしておくと、使用者の好みに応じて、これらの2種以上の丸剤を、好みの割合で混合したものを、スパイスミルなどに入れて使用することもでき好ましい。
0026
次に、本発明で用いる粳米(うるちまい)成分としては、通称、粳米の米粉として市販されているものを用いることができる。
0027
糯米(もち米)成分としては、寒梅粉、道明寺粉、味甚粉などが挙げられるが、特に、寒梅粉を用いることが好ましい。寒梅粉は、糯米を水洗し、水に浸した後、蒸して餅にし、これを色がつかないように焼き上げ、粉末にした粉であり、市販されている。
0028
香辛料成分及び/または香味料成分と、粳米成分、糯米成分の使用割合は、唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分、糯米成分の合計重量に対し、前記香辛料成分及び/または香味料成分が76〜88重量%、粳米成分が12〜6重量%、糯米成分が12〜6重量%の割合で用いることが好ましい。糯米(もち米)成分が少なすぎると、丸剤に成形した場合に崩壊しやすくなる傾向があり、丸剤の強度が低下する傾向になる。糯米成分が多すぎると、丸剤に成形する場合に粘着性が強くなり、成形しにくくなったり、得られた丸剤が固くなりすぎて、スパイスミルなどで粉砕する場合に、粉砕しにくくなる傾向になる。粳米(うるちまい)成分が多すぎると丸剤に成形した場合に崩壊しやすくなる傾向があり、丸剤の強度が低下する傾向になったり、風味が減少する傾向になる。粳米(うるちまい)成分が少なすぎると丸剤に成形する場合に成形しにくくなる傾向になる。香辛料成分及び/または香味料成分が少なすぎると、香辛料ないし香味料としての風味が薄くなる傾向になる。香辛料成分及び/または香味料成分が多すぎると、丸剤の強度が低下する傾向になる。よって、風味、丸剤の強度、丸剤への成形性などの点で、上記範囲の配合割合とすることが好ましい。
0029
なお、必要に応じ、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等(これらの具体例については、例えば、特開2001−347153号公報、特開2001−316249号公報、特開2001−354566号公報、WO00/19983号再公表特許公報など参照)を適宜添加してもよい。
0030
丸剤に成形する方法としては、特に限定するものではないが、例えば唐辛子、山椒、及び柚子から選ばれた少なくとも1種の粉砕された前記香辛料成分及び/または香味料成分と粳米成分粉及び糯米成分粉、必要に応じて前述した他の香辛料成分及び/または香味料成分や他の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等その他の添加剤成分を混合しこれに水を添加し混練し、当該混練物を所望の丸剤形状に形成して乾燥する工程を含む方法が挙げられる。
0031
水の添加量は、用いる材料や周囲環境の湿度に応じて異なるので一概に規定することは困難であるが、用いる材料に応じて目的の丸剤が成形できる程度であればよい。例えば、水以外の前記成分合計重量に対し、水が20〜40重量%程度が目安となる。あまりに水が少なすぎると丸剤成形機で成形しても形が崩れやすくなる傾向になり、あまりに水が多すぎても、しゃぶしゃぶになり成形しにくくなる傾向になるので、成形しやすい量に調整すればよい。
0032
通常、水以外の前記材料を混合した混合物に水を加えて混練機で混練し、丸剤成形機で成形してもよいが、一旦、必要に応じこの混練された材料を圧延するなど、適宜の形態(例えば横長の板状など)に形成してから、所望の丸剤の形状に丸剤成形機で成形してもよい。一旦、顆粒状にしてから、所望の丸剤の形状に丸剤成形機で成形してもよい。成形後、乾燥器で乾燥する。乾燥条件は、用いた材料の種類や水の配合割合などによっても異なるが、通常、45〜70℃で6〜8時間程度、例えば熱風乾燥機(これに限定されるものではない)などで乾燥する。乾燥は、磨き工程あるいは表面コーティング工程を採用する場合にこれらの工程を間に入れて、その前後で2度に分けた乾燥工程(第1乾燥工程、第2乾燥工程)としてもよい。すなわち、例えば、必要に応じ、成形された丸剤に、水溶性樹脂その他のコーティングを行ったり、更に磨き装置で磨きを行ってもよい。必要に応じ磨き工程を経たのち更に第2乾燥工程を付加してもよい。なお、乾燥前にコーティングせずに、乾燥後にコーティングした場合も、更に第2乾燥工程を付加して、コーティング膜を乾燥してもよい。磨き工程は、特に限定するものではないが、糖衣錠などを製造する場合に用いられる糖衣パンなどを利用し、乾燥工程を経た丸剤形状に成形された香辛料又は香味料を当該糖衣パンなどに入れて(糖衣剤は使用せず)、当該糖衣パンを回転させて、丸剤を転がすことにより、丸剤相互の接触摩擦で表面が磨かれることになる。磨き工程は、特に限定するものではないが、通常、1〜3時間程度である。上記のように第1乾燥工程と、第2乾燥工程の両方を行う場合は、用いた水の量によっても異なるが、第1乾燥工程50〜70℃で2〜5時間程度、第2乾燥工程で45〜65℃で1〜3時間程度などが目安となる。特に限定するものではないが、第1乾燥工程での温度を、第2乾燥工程での温度より高くすることが好ましい。
0033
得られる丸剤の大きさや形状は、いわゆるスパイスミルなどに入れて、調理の際に必要な都度、あるいは食卓で、調理品を食する際に、その都度当該ミルを手動などで回して、調理物に必要量ふりかける場合に使用されるいわゆるスパイスミルなどに入る大きさや形状で、それにより粉砕できる程度の大きさや形状であれば特に限定されるものではないが、最大径が2〜10mm前後、好ましくは3〜7mmが一般的である。丸剤の形状は略球状が好ましいが、必ずしも球状に限定されるものではなく、長径と短径の差があまり極端に大きくない略楕円形球状、例えば長径1に対し短径が1より小さく0.7程度の割合であるような略楕円形球状でもよい。上記において「最大径」とは、完全球状であれば、径は最大径部分の径と最少径部分の径は、同じである(つまり、径はすべて一様であり、径に最大とか最少の差はない)が、略楕円形球状の場合は、最大径が存在することになるので、最大径が2〜10mm前後、好ましくは3〜7mmとしたものである。球状の場合は、この最大径は、単に、径を表すものである。
0035
スパイスミルなどの例としては、何ら次のものに限定されるものではないが、例えば特開平5−253083号公報の図や、Googleの検索で、スパイスミルを検索すれば、例えば、Wikipediaの説明などや、その他の検索結果が参照できる。もちろん、市販されているので、市販品が使用できる。
0036
このように、本発明の香辛料または香味料は、丸剤の形に固められているので、香辛料成分及び/または香味料成分の丸剤表面に露出したものを除いて、大部分が、丸剤の内部に埋没しているので、空気の入った容器に比較的長期間保持されていても、香りの減退が少ない香辛料または香味料とすることができる。そして、本発明の香辛料又は香味料を使用する際には、その都度、スパイスミルなどのミルで必要量削りだし、あるいはミルで粉砕して調理品にふりかけるので、丸剤中に埋没されていて、空気と長期間接していなかった香辛料成分及び/または香味料成分が削り出されるので、香りの減退が少ない香辛料または香味料をその都度使用できることになる。色調の変化についても、香辛料成分及び/または香味料成分の乾燥粉砕物をそのまま空気の入った容器に保持されているものに比べて、同様の理由で、丸剤に加工後の香辛料成分及び/または香味料成分の色調の経時変化による変色、色あせなどが比較的少なくされた香辛料または香味料を提供できる。
0037
また、丸剤形状に成形されているので、スパイスミルなどを使用して、必要な都度、必要量を、ミルから削り出して、あるいはミルで粉砕して取り出せるので、従来の粉粒状香辛料や香味料のごとく、誤ってドサッと予定した量以上ふりかかってしまうことが、好適に防止できるような使用が可能な形態の香辛料または香味料を提供できるのである。
0038
なお、特に限定するものではないが、赤唐辛子成分、青唐辛子成分、山椒成分、柚子成分は、それぞれ単品で用いて、粳米(うるちまい)成分並びに糯米(もち米)成分と共に丸剤にした単品の香辛料成分又は香味料成分を含む本発明の丸剤香辛料又は丸剤香味料を製造しておき、使用者の好みに応じてこれらの2種類以上を好みの割合で混合してスパイスミルなどの粉砕機に入れて、使用の都度、粉砕して使用することで個人的に好みの風味に調整することもでき好ましい。
0039
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
0040
(実施例1)
38から43℃に調整された電気乾燥機で1週間乾燥した赤唐辛子の実の平均粒径約240μmの粉砕物30Kg、粳米成分として粳米の粉である米粉3073g、糯米成分として寒梅粉3073gを均一に混合し、当該混合物に10.8Kgの水を添加し、混練機で混練し、取扱いを簡便にするため、圧延機で一旦、常温で板状(横長さ80cm、幅15cm、厚さ3cm)に成形し、これを丸剤成形機で常温で、圧力15MPa、平均径約6mmの略球状の丸剤形状に成形し、第1乾燥工程で熱風乾燥器で60℃で3時間乾燥させ、糖衣パンに入れて、回転させ2時間磨きを行い、これを更に第2乾燥工程として熱風乾燥器で50℃で2時間乾燥させ、丸剤形状の香辛料を得た。
0041
これを市販の家庭用スパイスミルで、丸剤を製造後直ちに粉砕したものと、丸剤を3年間放置したのち粉砕したものについて、香り、味、色について官能検査で比較したところ、味については全く辛味が減退しておらず、香りも若干減退しているが極めて良好であり、色もほとんど褪せていないものであった。
0042
(実施例2)
38から43℃に調整された電気乾燥機で1週間乾燥した青唐辛子の実の平均粒径約240μmの粉砕物30Kg、粳米成分として粳米の粉である米粉3073g、糯米成分として、寒梅粉3073gを均一に混合し、当該混合物に10.8Kgの水を添加し、混練機で混練し、取扱いを簡便にするため、圧延機で一旦、常温で板状(横長さ80cm、幅15cm、厚さ3cm)に成形し、これを丸剤成形機で常温で、圧力15MPa、平均径約6mmの略球状の丸剤形状に成形し、第1乾燥工程で熱風乾燥器で60℃で3時間乾燥させ、次いで糖衣パンに入れて、回転させ2時間磨きを行い、これを更に第2乾燥工程として熱風乾燥器で50℃で2時間乾燥させ、丸剤形状の香辛料を得た。
0043
これを市販の家庭用スパイスミルで、丸剤を製造後直ちに粉砕したものと、丸剤を3年間放置したのち粉砕したものについて、香り、味、色について官能検査で比較したところ、味については全く辛味が減退しておらず、香りも若干減退しているが極めて良好であり、色も若干変化しているが大幅に変色していないものであった。
0044
(実施例3)
38から43℃に調整された電気乾燥機で1週間乾燥した山椒の実の平均粒径約240μmの粉砕物30Kg、粳米成分として粳米の粉である米粉3073g、糯米成分として寒梅粉3073gを均一に混合し、当該混合物に10.8Kgの水を添加し、混練機で混練し、取扱いを簡便にするため、圧延機で一旦、常温で板状(横長さ80cm、幅15cm、厚さ3cm)に成形し、これを丸剤成形機で常温で、圧力15MPa、平均径約6mmの略球状の丸剤形状に成形し、第1乾燥工程で熱風乾燥器で60℃で3時間乾燥させ、次いで糖衣パンに入れて、回転させ2時間磨きを行い、これを更に第2乾燥工程として熱風乾燥器で50℃で2時間乾燥させ、丸剤形状の香辛料を得た。
0045
これを市販の家庭用スパイスミルで、丸剤を製造後直ちに粉砕したものと、丸剤を3年間放置したのち粉砕したものについて、香り、味、色について官能検査で比較したところ、味については全く減退しておらず、香りも若干減退しているが極めて良好であり、色も若干変化しているが大幅に変色していないものであった。
0046
(実施例4)
38から43℃に調整された電気乾燥機で1週間乾燥した柚子の皮の平均粒径約240μmの粉砕物30Kg、粳米成分として粳米の粉である米粉3073g、糯米成分として寒梅粉3073gを均一に混合し、当該混合物に10.8Kgの水を添加し、混練機で混練し、取扱いを簡便にするため、圧延機で一旦、常温で板状(横長さ80cm、幅15cm、厚さ3cm)に成形し、これを丸剤成形機で常温で、圧力15MPa、平均径約6mmの略球状の丸剤形状に成形し、第1乾燥工程で熱風乾燥器で60℃で3時間乾燥させ、次いで糖衣パンに入れて、回転させ2時間磨きを行い、これを更に第2乾燥工程として熱風乾燥器で50℃で2時間乾燥させ、丸剤形状の香味料を得た。本来、乾燥した柚子の皮は黄色であるが、上記、乾燥で熱がかかることにより、得られた丸剤の表面の柚子は茶色ぽく変色しているが、丸剤内部に埋もれている柚子の皮は黄色を保持していた。
実施例
0047
これを市販の家庭用スパイスミルで、丸剤を製造後直ちに粉砕したものと、丸剤を3年間放置したのち粉砕したものについて、香り、味、色について官能検査で比較したところ、味については減退が少なく、香りも若干減退しているが極めて良好であり、色も本製品製造時点と比較して若干変化しているが大幅に変色していないものであった。
0048
本発明の香辛料または香味料並びにその製造方法は、食品用の香辛料または香味料の製造工業などに適用できる。
0049
1中蓋
2 中蓋の中心部の孔
3容器本体
4 外蓋