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技術 PI3キナーゼアイソフォームモジュレーターを用いる癌の治療

出願人 インフィニティーファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
発明者 ハワードエム.スターンジェフリエル.クトク
出願日 2013年11月1日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2015-540794
公開日 2015年12月24日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2015-536948
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 中央値データ 効果部分 評価間隔 試験対象外 放射線放出体 再編成前 先行試験 パルス圧
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図面 (20)

課題・解決手段

本明細書に提供されるのは、癌又は血液障害治療するためのPI3キナーゼ阻害剤を含む方法、キット、及び医薬組成物である。

概要

背景

(背景)
細胞活性は、細胞内事象刺激又は抑制する外部シグナルによって調節され得る。刺激性又は抑制性シグナルが細胞内へ及び細胞内で伝達されて細胞内応答を誘発する過程は、シグナル伝達と呼ばれる。過去数十年間で、シグナル伝達事象のカスケードが明らかにされ、様々な生物学的応答において中心的役割を果たすことが分かった。シグナル伝達経路の様々な構成要素の欠損が、数多くの形態の癌、炎症性障害代謝障害、血管及び神経疾患を含む、数多くの疾患の原因であることが分かった(Gaestelらの文献、Current Medicinal Chemistry(2007) 14:2214-2234)。

キナーゼは、重要なシグナル伝達分子の1つのクラスである。キナーゼは、一般に、タンパク質キナーゼ及び脂質キナーゼ分類することができ、ある種のキナーゼは二重特異性を示す。タンパク質キナーゼは、他のタンパク質及び/又はそれ自体をリン酸化(すなわち、自己リン酸化)する酵素である。タンパク質キナーゼは、一般に、その基質利用に基づいて3つの主なグループ:主にチロシン残基上の基質をリン酸化するチロシンキナーゼ(例えば、erb2、PDGF受容体EGF受容体VEGF受容体、src、abl)、主にセリン及び/又はトレオニン残基上の基質をリン酸化するセリン/トレオニンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATMATR、DNA-PK、Akt)、並びにチロシン、セリン、及び/又はトレオニン残基上の基質をリン酸化する二重特異性キナーゼに分類することができる。

脂質キナーゼは、脂質のリン酸化を触媒する酵素である。これらの酵素、並びに生じたリン酸化脂質及び脂質由来生体活性有機分子は、細胞の増殖、移動、接着、及び分化を含む、多くの異なる生理的過程において役割を果たす。ある種の脂質キナーゼは膜関連型であり、それらは、細胞膜内に含まれるか又は細胞膜と関連している脂質のリン酸化を触媒する。そのような酵素の例としては、ホスホイノシチドキナーゼ(例えば、PI3-キナーゼ、PI4-キナーゼ)、ジアシルグリセロールキナーゼ、及びスフィンゴシンキナーゼが挙げられる。

ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路は、ヒト癌において最も高度に突然変異している系の1つである。PI3Kシグナル伝達は、ヒトの多くの他の疾患における重要な因子でもある。PI3Kシグナル伝達は、アレルギー性接触性皮膚炎関節リウマチ変形性関節症炎症性腸疾患慢性閉塞性肺障害乾癬多発性硬化症喘息糖尿病合併症に関連する障害、及び急性冠動脈症候群などの心血管系炎症性合併症を含む、多くの疾患状態関与する。

PI3Kは、ホスファチジルイノシトール又はホスホイノシチド上の3'-OH基をリン酸化する細胞内脂質キナーゼの独特のかつ保存されたファミリーメンバーである。PI3Kファミリーは、異なる基質特異性発現パターン、及び調節様式を有する15種のキナーゼを含む。クラスI PI3K(p110α、p110β、p110δ、及びp110γ)は、通常、チロシンキナーゼ又はGタンパク質共役受容体により活性化されて、PIP3を生じ、これが、下流エフェクター、例えば、Akt/PDK1経路の下流エフェクター、mTOR、Tecファミリーキナーゼ、及びRhoファミリーGTPアーゼを関与させる。クラスII及びIIIのPI3Kは、PI(3)P及びPI(3,4)P2の合成を介して、細胞内輸送において重要な役割を果たす。これらのPI3Kは、細胞成長を制御するか(mTORC1)又はゲノム完全性監視する(ATM、ATR、DNA-PK、及びhSmg-1)タンパク質キナーゼである。

クラスI PI3Kの4つの哺乳動物アイソフォーム: PI3K-α、β、δ(クラスIa PI3K)、及びPI3K-γ(クラスIb PI3K)が存在する。これらの酵素は、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)-三リン酸(PIP3)の産生を触媒し、細胞の生存、分化、及び機能に重要な下流エフェクター経路の活性化をもたらす。PI3K-α及びPI3K-βは広範に発現しており、細胞表面受容体からのシグナル伝達の重要なメディエーターである。PI3K-αは、癌で突然変異を起こしていることが最も多く見られるアイソフォームであり、インスリンシグナル伝達及びグルコース恒常性に役割を果たしている(Knightらの文献、Cell(2006) 125(4):733-47; Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19)。PI3K-βは、ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN)が欠失している癌で活性化されている。両アイソフォームは、癌のために開発中の小分子治療薬の標的である。

PI3K-δ及び-γは白血球優先的に発現しており、白血球機能に重要である。これらのアイソフォームは、炎症性疾患及び自己免疫疾患、並びに血液悪性腫瘍発症及び維持にも寄与する(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Claytonらの文献、J Exp Med.(2002) 196(6):753-63; Fung-Leungの文献、Cell Signal.(2011) 23(4):603-8; Okkenhaugらの文献、Science(2002) 297(5583):1031-34)。PI3K-δは、PI3K調節サブユニット(p85)のSarc相同性2(SH2)ドメインとの相互作用を通じて、又はRASとの直接的な相互作用を通じて、細胞受容体(例えば、受容体チロシンキナーゼ)により活性化される。

PI3K-γは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)と関連し、GPCRに応答したPIP3の極めて速やかな誘導に関与し、他の受容体の下流のRASによって活性化されることもできる。PI3Kによって生成されるPIP3は、プレクストリン相同(PH)ドメイン含有酵素(例えば、PDK-1及びAKT[PKB])との相互作用を通じて下流のエフェクター経路を活性化する。

PI3K-δと-γアイソフォームはどちらも、白血球生物学の多くの側面において重要であることが示されている。どちらか一方又は両方の酵素の中心的な調節的役割は、B細胞(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Claytonらの文献、J Exp Med.(2002) 196(6):753-63; Fung-Leungの文献、Cell Signal.(2011) 23(4):603-8; Al-Alwanらの文献、J Immunol.(2007) 178(4):2328-35; Bilancioらの文献、Blood(2006) 107(2):642-50; Dilらの文献、Mol Immunol.(2009) 46(10):1970-78; Durandらの文献、J Immunol.(2009) 183(9):5673-84; Srinivasanらの文献、Cell(2009) 139(3):573-86; Zhangらの文献、J. Allergy & Clin. Immunol.(2008) 122(4):811-9.e2)、T細胞(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Garconらの文献、Blood(2008) 111(3):1464-71; Haylock-Jacobsらの文献、J Autoimmun.(2011) 36(3-4):278-87; Jarminらの文献、J. Clin. Invest.(2008) 118(3):1154-64; Jiらの文献、Blood(2007) 110(8):2940-47; Liuらの文献、J Immunol.(2010) 184(6):3098-105; Okkenhaugらの文献、J. Immunol.(2006) 177(8):5122-28; Reifらの文献、J. Immunol.(2004) 173(4):2236-40; Soondらの文献、Blood(2010) 115(11):2203-13; Webbらの文献、J. Immunol.(2005) 175(5):2783-87)、好中球(Schmidらの文献、Cancer Cell(2011) 19(6):715-27)、マクロファージ/単球(Schmidらの文献、Cancer Cell(2011) 19(6):715-27、Konradらの文献、J. Biol. Chem.(2008) 283(48):33296-303; Marwickらの文献、Am J Respir Crit Care Med.(2009) 179(7):542-48; Randisらの文献、Eur J Immunol.(2008) 38(5):1215-24)、肥満細胞(Aliらの文献、Nature(2004) 431(7011):1007-11; Kimらの文献、TrendsImmunol.(2008) 29(10):493-501; Leeらの文献、FASEB J.(2006) 20(3):455-65)、及びNK細胞(Guoらの文献、J Exp Med.(2008) 205(10):2419-35; Kimらの文献、Blood(2007) 110(9):3202-08; Saudemontらの文献、Proc Natl Acad Sci U S A.(2009) 106(14):5795-800; Tassiらの文献、Immunity.(2007) 27(2):214-27)で立証されている。

PI3K-δと-γはどちらも、自己免疫疾患及び血液悪性腫瘍の発症及び持続に重要であると考えられる。

癌、例えば、血液悪性腫瘍の改善された治療法が、依然として大いに必要とされている。

概要

本明細書に提供されるのは、癌又は血液障害治療するためのPI3キナーゼ阻害剤を含む方法、キット、及び医薬組成物である。

目的

特定の理論に限定されるものではないが、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットは、副作用の軽減及び/又は効力の改善を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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- 件

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請求項1

対象におけるホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)の1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する特定の癌又は血液悪性腫瘍治療する方法であって、PI3Kの他のアイソフォームと比べてPI3Kの該1以上のアイソフォームの活性を選択的に低下させるPI3Kモジュレーター投与することを含む、前記方法。

請求項2

(1)前記癌又は血液悪性腫瘍における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを決定する工程;(2)1以上のPI3Kアイソフォームに対する特定の選択性プロファイルを有するPI3Kモジュレーターを選択する工程;及び(3)該PI3Kモジュレーターを、該癌又は疾患を有する患者に、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて投与する工程:を含む、請求項1記載の方法。

請求項3

PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、癌又は血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療する方法であって、PI3Kの他のアイソフォームと比べてPI3Kの該1以上のアイソフォームの活性を選択的に低下させるPI3Kモジュレーターを投与することを含む、前記方法。

請求項4

(1)前記癌又は血液悪性腫瘍を有する患者又は患者群における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを決定する工程;(2)1以上のPI3Kアイソフォームに対する特定の選択性プロファイルを有するPI3Kモジュレーターを選択する工程;及び(3)該PI3Kモジュレーターを、該患者に、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて投与する工程:を含む、請求項3記載の方法。

請求項5

癌又は血液悪性腫瘍を有する対象が、PI3Kの他のアイソフォームと比べてPI3Kの1以上のアイソフォームの活性を選択的に低下させるPI3Kモジュレーターによる治療に応答する可能性が高いか又は低いかを決定する方法であって、(1)該PI3Kモジュレーターを該対象に投与すること;及び(2)該PI3Kモジュレーターによる1回目の治療から約2カ月後の治療に対する該対象の応答を決定することを含む、前記方法。

請求項6

前記PI3Kモジュレーターが単独で投与される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。

請求項7

前記PI3Kモジュレーターが、1つ又は複数の第二の活性剤と組み合わせて投与される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。

請求項8

請求項9

請求項10

前記癌又は血液悪性腫瘍が、骨髄障害リンパ障害白血病リンパ腫骨髄異形成症候群骨髄増殖性疾患肥満細胞障害骨髄腫急性リンパ芽球性白血病、T細胞急性リンパ芽球性白血病、B細胞急性リンパ芽球性白血病、急性T細胞白血病、急性白血病、急性B細胞白血病、急性骨髄性白血病慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病芽球期慢性骨髄性白血病小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CLL/SLL、芽球期CLL、ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、T細胞非ホジキンリンパ腫無痛性非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、侵攻性B細胞非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、リヒター症候群、T細胞リンパ腫末梢T細胞悪性腫瘍末梢T細胞リンパ腫、皮膚T細胞悪性腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫形質転換菌状息肉腫セザリー症候群未分化大細胞リンパ腫濾胞性リンパ腫ワルデンストレームマクログロブリン血症、リンパ形質細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫多発性骨髄腫アミロイド症本態性血小板血症骨髄線維症真性赤血球増加症慢性骨髄単球性白血病高リスク骨髄異形成症候群、又は低リスク骨髄異形成症候群である、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。

請求項11

前記癌又は血液悪性腫瘍が、慢性リンパ球性白血病、無痛性非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性白血病、骨髄増殖性疾患、皮膚T細胞悪性腫瘍、又は末梢T細胞悪性腫瘍である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。

請求項12

前記癌又は血液悪性腫瘍が、再発性又は不応性である、請求項10又は11記載の方法。

請求項13

ある期間にわたるバイオマーカーのレベルの変化を決定する工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項14

前記バイオマーカーのレベルの変化が、該バイオマーカーの血清濃度の減少である、請求項13記載の方法。

請求項15

前記バイオマーカーが、CXCL13、CCL4、CCL17、CCL22、TNF-α、もしくはMMP-9、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項16

前記ある期間が、前記対象への前記PI3Kモジュレーターの投与後180日、90日、50日、40日、35日、30日、28日、24日、20日、16日、14日、12日、8日、4日、3日、2日、1日、18時間、12時間、6時間、3時間、又は1時間である、請求項13〜15のいずれか一項記載の方法。

請求項17

前記ある期間が、前記対象への前記PI3Kモジュレーターの投与後28日である、請求項16記載の方法。

請求項18

前記ある期間にわたるバイオマーカーのレベルの変化に基づいて前記PI3Kモジュレーターの用量を調整する工程をさらに含む、請求項13〜17のいずれか一項記載の方法。

請求項19

バイオマーカーを用いて、前記癌又は血液悪性腫瘍における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを決定することをさらに含み、ここで、該バイオマーカーは、標的バイオマーカー、シグナル伝達経路バイオマーカー、タンパク質突然変異バイオマーカー、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子突然変異バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカー血清サイトカインバイオマーカー、血清ケモカインバイオマーカー、又は特定の癌細胞のバイオマーカーから選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項20

前記バイオマーカーが、1以上のPI3Kアイソフォームのタンパク質、DNA、又はRNAの発現レベルを決定するための標的バイオマーカーである、請求項19記載の方法。

請求項21

バイオマーカーを用いて、患者において、癌又は血液悪性腫瘍の1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象について評価することをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項22

前記患者を、前記PI3Kモジュレーターによる治療の前、前記PI3Kモジュレーターによる治療の間、又は前記PI3Kモジュレーターによる治療の後に評価する、請求項21記載の方法。

請求項23

バイオマーカーを用いて、患者において、癌又は血液悪性腫瘍の1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象のレベルの変化についてモニタリングする工程をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項24

前記患者を、前記PI3Kモジュレーターによる治療の間又は前記PI3Kモジュレーターによる治療の後にモニタリングする、請求項23記載の方法。

請求項25

前記1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象が、1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを含む、請求項21〜24のいずれか一項記載の方法。

請求項26

前記1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象が、IGH7、KRAS、NRAS、A20、CARD11、CD79B、TP53、CARD11、MYD88、EZH2、JAK1/2、PTEN、及びPIK3CAのうちの1つ又は複数の突然変異を含む、請求項21〜24のいずれか一項記載の方法。

請求項27

前記1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象が、PTEN発現の低下、PTENのDNA修飾、PTEN欠失、及び/又はPTEN突然変異を含む、請求項21〜24のいずれか一項記載の方法。

請求項28

前記1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象が、RAS経路の活性化、及び/又はPI3K経路の活性化を含む、請求項21〜24のいずれか一項記載の方法。

請求項29

前記PI3Kモジュレーターが、式I-1の化合物、又はそのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、或いはそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物水和物、共結晶包摂化合物、又は多形である、請求項1〜28及び42〜92のいずれか一項記載の方法:(式中、Bは、式IIの部分であり:式中、Wcは、アリールヘテロアリールヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり、かつqは、0、1、2、3、又は4の整数であり;Xは、結合又は-(CH(R9))z-であり、zは、1の整数であり;Yは-N(R9)-であり;Wdは:であり;R1は、水素アルキルアルケニルアルキニルアルコキシアミドアルコキシカルボニルスルホンアミドハロシアノ、又はニトロであり;R2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アミド、アミノ、アルコキシカルボニルスルホンアミド、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;かつ各々の場合のR9は、独立に、水素、アルキル、又はヘテロシクロアルキルである)。

請求項30

Bが、式IIの部分である、請求項29記載の方法:(式中、Wcは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり;qは、0又は1の整数であり;R1は、水素、アルキル、又はハロであり;R2は、アルキル又はハロであり;かつR3は、水素、アルキル、又はハロである)。

請求項31

Xが-(CH(R9))z-であり、Yが-NH-である、請求項29記載の方法。

請求項32

R3が、-H、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-Cl、又は-Fである、請求項29記載の方法。

請求項33

Xが-(CH(R9))z-(ここで、R9はメチルであり、z=1である)であり;かつWdが、である、請求項30記載の方法。

請求項34

前記化合物が、主に、(S)-立体化学配置にある、請求項29記載の方法。

請求項35

前記化合物が、式V-A2の構造を有する、請求項29記載の方法:。

請求項36

前記PI3Kモジュレーターが、以下のものからなる群から選択される化合物、又はそのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、或いはそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、又は多形である、請求項1〜28及び42〜92のいずれか一項記載の方法:。

請求項37

前記化合物が、以下のもの、又はそのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、或いはそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、又は多形からなる群から選択される、請求項36記載の方法:。

請求項38

前記化合物が、以下のもの、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、もしくは多形からなる群から選択される、請求項37記載の方法:。

請求項39

前記化合物が、以下の構造、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、もしくは多形を有する、請求項38記載の方法:。

請求項40

前記対象が哺乳動物である、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。

請求項41

前記対象がヒトである、請求項40記載の方法。

請求項42

前記第二の活性剤がBTK阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項43

前記BTK阻害剤が、イブルチニブ、GDC-0834、CGI-560、CGI-1746、HM-71224、AVL-292、ONO-4059、CNX-774、又はLFM-A13である、請求項42記載の方法。

請求項44

前記第二の活性剤がMEK阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項45

前記MEK阻害剤が、タメチニブ/GSK1120212、セルチノブ、ピマセルチブ/AS703026/MSC1935369、XL-518/GDC-0973、ラファメチニブ/BAY869766/RDEA119、PD-0325901、TAK733、MEK162/ARRY438162、RO5126766、WX-554、RO4987655/CH4987655、又はAZD8330である、請求項44記載の方法。

請求項46

前記第二の活性剤がEZH2阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項47

前記EZH2阻害剤が、EPZ-6438、GSK-126、GSK-343、El1、又は3-デアザネプラノシンA(DNNep)である、請求項46記載の方法。

請求項48

前記第二の活性剤がbcl-2阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項49

前記bcl-2阻害剤が、ABT-199、ABT-737、ABT-263、GX15-070(メシル酸オバトクラックス)、又はG3139(オブメルセン)である、請求項48記載の方法。

請求項50

前記第二の活性剤がPLK-1阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項51

前記PLK-1阻害剤が、ボラセルチブ(BI6727)、BI2536、ZK-チアゾリドン、TAK-960、MLN0905、GSK461364、リゴセルチブ(ON-01910)、又はHMN-214である、請求項50記載の方法。

請求項52

前記第二の活性剤がドキソルビシンである、請求項7記載の方法。

請求項53

前記第二の活性剤がAraCである、請求項7記載の方法。

請求項54

前記第二の活性剤が、抗CD37抗体、抗CD20抗体、又は抗CD52抗体である、請求項7記載の方法。

請求項55

前記抗CD37抗体、抗CD20抗体、又は抗CD52抗体が、IMGN529、K7153A、TRU-016、131Iトシツモマブ、90Yイブリツモマブ、111I イブリツモマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、又はアレムツズマブである、請求項54記載の方法。

請求項56

前記第二の活性剤がPI3K阻害剤である、請求項7記載の方法。

請求項57

前記PI3K阻害剤が、AMG-319、GSK2126458、GDC-0980、GDC-0941、Sanofi XL147、XL499、XL756、XL147、PF-4691502、BKM 120、CAL-101(GS-1101)、CAL 263、SF1126、PX-886、又はBEZ235である、請求項56記載の方法。

請求項58

前記癌又は血液悪性腫瘍がiNHLであり、前記第二の活性剤が、リツキシマブ、ベンダムスチン、もしくはレナリドマイド、又はこれらの組合せである、請求項7記載の方法。

請求項59

前記癌又は血液悪性腫瘍がCLLであり、前記第二の活性剤が、リツキシマブ、ベンダムスチン、もしくはレナリドマイド、又はこれらの組合せである、請求項7記載の方法。

請求項60

前記癌又は血液悪性腫瘍がDLBCLであり、前記第二の活性剤が、リツキシマブ、ベンダムスチン、R-GDP、もしくはイブルチニブ、又はこれらの組合せである、請求項7記載の方法。

請求項61

前記癌又は血液悪性腫瘍がDLBCLであり、前記第二の活性剤がACY-1215である、請求項7記載の方法。

請求項62

前記癌又は血液悪性腫瘍がT細胞リンパ腫であり、前記第二の活性剤が、リツキシマブ、ベンダムスチン、もしくはロミデプシン、又はこれらの組合せである、請求項7記載の方法。

請求項63

前記癌又は血液悪性腫瘍がマントル細胞リンパ腫であり、前記第二の活性剤が、リツキシマブ、ベンダムスチン、もしくはイブルチニブ、又はこれらの組合せである、請求項7記載の方法。

請求項64

前記癌又は血液悪性腫瘍がT-ALLであり、前記対象がPTEN欠損を有し、前記第二の活性剤が、ドキソルビシン及び/又はビンクリスチンである、請求項7記載の方法。

請求項65

前記癌又は血液悪性腫瘍がT-ALLであり、前記対象がPTEN欠損を有する、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。

請求項66

前記癌又は血液悪性腫瘍がセザリー症候群である、請求項10記載の方法。

請求項67

前記癌又は血液悪性腫瘍がB細胞リンパ腫であり、ここで、該B細胞リンパ腫が、iNHL、濾胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、MCL、HL、aNHL、DLBCL、又はリヒターリンパ腫である、請求項10記載の方法。

請求項68

前記癌又は血液悪性腫瘍がT細胞リンパ腫であり、ここで、該T細胞リンパ腫が、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)又は皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である、請求項10記載の方法。

請求項69

前記癌又は血液悪性腫瘍が、BCR依存性シグナル伝達を有するサブタイプである、請求項10記載の方法。

請求項70

前記サブタイプが、DLBCLのRi-1、DHL-4、又はDHL-6である、請求項69記載の方法。

請求項71

前記癌又は血液悪性腫瘍が、BTK阻害剤による治療に対して再発性又は不応性である、請求項12記載の方法。

請求項72

前記BTK阻害剤が、イブルチニブ又はAVL-292である、請求項71記載の方法。

請求項73

前記対象が、BTKの残基481におけるシステインからセリンへの突然変異(C481S)、又はBTKの残基481におけるシステインからフェニルアラニンへの突然変異(C481F)を有する、請求項71又は72記載の方法。

請求項74

前記対象が、PLCγ2遺伝子の残基665におけるチロシンからトリプトファンへの突然変異(R665W)を有する、請求項71又は72記載の方法。

請求項75

前記癌又は血液悪性腫瘍が、CLL又はSLLであり、前記バイオマーカーが、CCL1、IL-10、CXCL13、CCL3、CCL4、CCL17、CCL22、TNFα、IL-12(p40)、CXCL10、もしくはMMP-9、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項76

前記癌又は血液悪性腫瘍がリンパ腫であり、前記バイオマーカーが、CXCL13、CCL17、もしくはMMP-9、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項77

前記癌又は血液悪性腫瘍がiNHLであり、前記バイオマーカーが、CCL1、CCL17、CCL22、CXCL13、IL-12(p40)、MMP-12、MMP-9、TNFα、もしくはIL-16、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項78

前記癌又は血液悪性腫瘍がMCLであり、前記バイオマーカーが、CCL17、CCL22、CXCL10、CXCL13、もしくはMMP-9、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項79

前記癌又は血液悪性腫瘍がT細胞リンパ腫であり、前記バイオマーカーが、CCL17、CCL22、CXCL10、CXCL13、MMP-9、GM-CSF、IL-12(p40)、TNF-α、TGF-α、ERK(細胞外シグナル調節キナーゼ)、PRAS40、もしくはpS6、又はこれらの組合せである、請求項14記載の方法。

請求項80

前記癌又は血液悪性腫瘍がCLLであり、前記患者が、CD38陽性、CD69陽性、CD38/CD69二重陽性、Ki67陽性、pAKT陽性、又はKi67/pAKT二重陽性癌細胞を有する、請求項1記載の方法。

請求項81

CLL細胞アポトーシスを促進する方法であって、患者に治療有効量のPI3Kモジュレーターを投与することを含む、前記方法。

請求項82

リンパ節におけるCLL細胞の増殖を阻害する方法であって、患者に治療有効量のPI3K阻害剤を投与することを含む、前記方法。

請求項83

前記PI3Kモジュレーターが、約25mg〜約75mg BIDの用量で投与される、請求項1記載の方法。

請求項84

前記PI3Kモジュレーターが、約300ng/ml〜約500ng/ml、約350ng/ml〜約450ng/ml、又は約380ng/ml〜約420ng/mlの前記化合物の定常状態での血漿濃度を生じるのに十分な用量で投与される、請求項1記載の方法。

請求項85

前記PI3Kモジュレーターを投与することが、前記対象における応答の速やかな開始をもたらす、請求項1記載の方法。

請求項86

前記癌又は血液悪性腫瘍がT細胞リンパ腫であり、前記応答の開始が、前記PI3Kモジュレーターの1回目の投与から約1.9カ月以内に達成される、請求項85記載の方法。

請求項87

前記癌又は血液悪性腫瘍がB細胞リンパ腫であり、前記応答の開始が、前記PI3Kモジュレーターの1回目の投与から約1.8カ月以内に達成される、請求項85記載の方法。

請求項88

PI3Kモジュレーターによる癌又は血液悪性腫瘍の治療に対する対象の応答性予測する方法であって:(1)該患者由来血液試料を取得すること;及び(2)該PI3Kモジュレーターの投与前試料中の絶対リンパ球数(ALC)を決定することを含み、ここで、該ALCが約10×103個/μlよりも多い場合、該対象が応答する可能性が高い、前記方法。

請求項89

前記癌又は血液悪性腫瘍が、CLL又はSLLである、請求項88記載の方法。

請求項90

対象がPI3Kモジュレーターによる癌の治療に治療的に応答する可能性を予測する方法であって、(a)該対象の生体癌試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(b)該バイオマーカーの所定のレベルと比べた該癌試料中の該バイオマーカーの存在又はレベルを決定すること、(c)該患者がバイオマーカーを有する場合、該対象を該癌の治療法に治療的に応答する可能性が増大している又は低下していると分類すること、及び(d)PI3Kモジュレーターを、応答する可能性が増大していると分類された該患者に投与することを含む、前記方法。

請求項91

Rai段階、β2-ミクログロブリントリソミー12、del13、17p、PTEN、及び11q上での突然変異もしくは欠失、ZAP-70の状態、CD38の状態、CD49dの状態、並びに/又はIgHV遺伝子突然変異のうちの1つ又は複数の増加又は減少の検出が、応答の可能性が増大していることに分類される、請求項90記載の方法。

請求項92

11q欠失、17p欠失、及びPTEN欠失、並びに/又はPTEN発現の減少のうちの1つ又は複数を有する癌患者におけるPI3Kモジュレーターの効力をモニタリングする方法であって:(a)該患者から第一の生体試料を取得すること;(b)該第一の生体試料中のバイオマーカーのレベルを決定すること(ここで、該バイオマーカーは、pAKT、c-MYC、NOTCH1、CXCL13、CCL3、CCL4、IL-10、TNFα、IL-12p40、IL-16、MMP-9、CCL17、CCL22、CCL1、CXCL10、MMP-12、又はこれらの組合せである);(c)該PI3Kモジュレーターを該患者に投与すること;(d)その後、該患者から第二の生体試料を取得すること;(e)該第二の生体試料中のバイオマーカーのレベルを決定すること;並びに(f)該第一及び第二の生体試料中のバイオマーカーのレベルを比較することを含み;ここで、該患者の第二の生体試料中のバイオマーカーのレベルが該患者の第一の生体試料中のバイオマーカーのレベルと比較して減少している場合、該患者が該治療に応答する、前記方法。

請求項93

インビトロでの癌細胞におけるPI3Kシグナル伝達を誘導し、又はインビトロでの癌細胞の増殖を誘導する方法であって、該癌細胞を、CD40L、IL-2、及びIL-10からなるサイトカインカクテルと接触させることを含む、前記方法。

請求項94

試験化合物抗癌活性を決定する方法であって:(a)癌細胞を、CD40L、IL-2、及びIL-10からなるサイトカインカクテルと接触させること;(b)PI3Kシグナル伝達及び/又は細胞増殖の程度を決定すること;(c)該サイトカインカクテルで処理した癌細胞を該試験化合物と接触させること、並びに(d)該PI3Kシグナル伝達及び/又は細胞増殖を決定することを含み、ここで、工程(b)で決定されるPI3Kシグナル伝達及び/又は細胞増殖と比較した工程(d)で決定されるPI3Kシグナル伝達及び/又は細胞増殖の低下が該試験化合物の抗癌活性を示す、前記方法。

技術分野

0001

本出願は、2013年5月30日に出願された米国仮出願第61/829,168号、2013年6月17日に出願された同第61/836,088号、2013年8月7日に出願された同第61/863,365号、及び2013年10月8日に出願された同第61/888,454号、並びに2012年11月1日に出願された米国仮出願第61/721,432号、2012年12月5日に出願された同第61/733,852号、及び2013年2月21日に出願された同第61/767,606号に対する優先権を主張する2013年3月15日に出願された米国出願第13/840,822号に対する優先権を主張するものであり、これらは全て、引用により本明細書中に組み込まれる。

背景技術

0002

(背景)
細胞活性は、細胞内事象刺激又は抑制する外部シグナルによって調節され得る。刺激性又は抑制性シグナルが細胞内へ及び細胞内で伝達されて細胞内応答を誘発する過程は、シグナル伝達と呼ばれる。過去数十年間で、シグナル伝達事象のカスケードが明らかにされ、様々な生物学的応答において中心的役割を果たすことが分かった。シグナル伝達経路の様々な構成要素の欠損が、数多くの形態の癌、炎症性障害代謝障害、血管及び神経疾患を含む、数多くの疾患の原因であることが分かった(Gaestelらの文献、Current Medicinal Chemistry(2007) 14:2214-2234)。

0003

キナーゼは、重要なシグナル伝達分子の1つのクラスである。キナーゼは、一般に、タンパク質キナーゼ及び脂質キナーゼ分類することができ、ある種のキナーゼは二重特異性を示す。タンパク質キナーゼは、他のタンパク質及び/又はそれ自体をリン酸化(すなわち、自己リン酸化)する酵素である。タンパク質キナーゼは、一般に、その基質利用に基づいて3つの主なグループ:主にチロシン残基上の基質をリン酸化するチロシンキナーゼ(例えば、erb2、PDGF受容体EGF受容体VEGF受容体、src、abl)、主にセリン及び/又はトレオニン残基上の基質をリン酸化するセリン/トレオニンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATMATR、DNA-PK、Akt)、並びにチロシン、セリン、及び/又はトレオニン残基上の基質をリン酸化する二重特異性キナーゼに分類することができる。

0004

脂質キナーゼは、脂質のリン酸化を触媒する酵素である。これらの酵素、並びに生じたリン酸化脂質及び脂質由来生体活性有機分子は、細胞の増殖、移動、接着、及び分化を含む、多くの異なる生理的過程において役割を果たす。ある種の脂質キナーゼは膜関連型であり、それらは、細胞膜内に含まれるか又は細胞膜と関連している脂質のリン酸化を触媒する。そのような酵素の例としては、ホスホイノシチドキナーゼ(例えば、PI3-キナーゼ、PI4-キナーゼ)、ジアシルグリセロールキナーゼ、及びスフィンゴシンキナーゼが挙げられる。

0005

ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路は、ヒト癌において最も高度に突然変異している系の1つである。PI3Kシグナル伝達は、ヒトの多くの他の疾患における重要な因子でもある。PI3Kシグナル伝達は、アレルギー性接触性皮膚炎関節リウマチ変形性関節症炎症性腸疾患慢性閉塞性肺障害乾癬多発性硬化症喘息糖尿病合併症に関連する障害、及び急性冠動脈症候群などの心血管系炎症性合併症を含む、多くの疾患状態関与する。

0006

PI3Kは、ホスファチジルイノシトール又はホスホイノシチド上の3'-OH基をリン酸化する細胞内脂質キナーゼの独特のかつ保存されたファミリーメンバーである。PI3Kファミリーは、異なる基質特異性発現パターン、及び調節様式を有する15種のキナーゼを含む。クラスI PI3K(p110α、p110β、p110δ、及びp110γ)は、通常、チロシンキナーゼ又はGタンパク質共役受容体により活性化されて、PIP3を生じ、これが、下流エフェクター、例えば、Akt/PDK1経路の下流エフェクター、mTOR、Tecファミリーキナーゼ、及びRhoファミリーGTPアーゼを関与させる。クラスII及びIIIのPI3Kは、PI(3)P及びPI(3,4)P2の合成を介して、細胞内輸送において重要な役割を果たす。これらのPI3Kは、細胞成長を制御するか(mTORC1)又はゲノム完全性監視する(ATM、ATR、DNA-PK、及びhSmg-1)タンパク質キナーゼである。

0007

クラスI PI3Kの4つの哺乳動物アイソフォーム: PI3K-α、β、δ(クラスIa PI3K)、及びPI3K-γ(クラスIb PI3K)が存在する。これらの酵素は、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)-三リン酸(PIP3)の産生を触媒し、細胞の生存、分化、及び機能に重要な下流エフェクター経路の活性化をもたらす。PI3K-α及びPI3K-βは広範に発現しており、細胞表面受容体からのシグナル伝達の重要なメディエーターである。PI3K-αは、癌で突然変異を起こしていることが最も多く見られるアイソフォームであり、インスリンシグナル伝達及びグルコース恒常性に役割を果たしている(Knightらの文献、Cell(2006) 125(4):733-47; Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19)。PI3K-βは、ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN)が欠失している癌で活性化されている。両アイソフォームは、癌のために開発中の小分子治療薬の標的である。

0008

PI3K-δ及び-γは白血球優先的に発現しており、白血球機能に重要である。これらのアイソフォームは、炎症性疾患及び自己免疫疾患、並びに血液悪性腫瘍発症及び維持にも寄与する(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Claytonらの文献、J Exp Med.(2002) 196(6):753-63; Fung-Leungの文献、Cell Signal.(2011) 23(4):603-8; Okkenhaugらの文献、Science(2002) 297(5583):1031-34)。PI3K-δは、PI3K調節サブユニット(p85)のSarc相同性2(SH2)ドメインとの相互作用を通じて、又はRASとの直接的な相互作用を通じて、細胞受容体(例えば、受容体チロシンキナーゼ)により活性化される。

0009

PI3K-γは、Gタンパク質共役受容体(GPCR)と関連し、GPCRに応答したPIP3の極めて速やかな誘導に関与し、他の受容体の下流のRASによって活性化されることもできる。PI3Kによって生成されるPIP3は、プレクストリン相同(PH)ドメイン含有酵素(例えば、PDK-1及びAKT[PKB])との相互作用を通じて下流のエフェクター経路を活性化する。

0010

PI3K-δと-γアイソフォームはどちらも、白血球生物学の多くの側面において重要であることが示されている。どちらか一方又は両方の酵素の中心的な調節的役割は、B細胞(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Claytonらの文献、J Exp Med.(2002) 196(6):753-63; Fung-Leungの文献、Cell Signal.(2011) 23(4):603-8; Al-Alwanらの文献、J Immunol.(2007) 178(4):2328-35; Bilancioらの文献、Blood(2006) 107(2):642-50; Dilらの文献、Mol Immunol.(2009) 46(10):1970-78; Durandらの文献、J Immunol.(2009) 183(9):5673-84; Srinivasanらの文献、Cell(2009) 139(3):573-86; Zhangらの文献、J. Allergy & Clin. Immunol.(2008) 122(4):811-9.e2)、T細胞(Vanhaesebroeckらの文献、Current Topic Microbiol. Immunol.(2010) 347:1-19; Garconらの文献、Blood(2008) 111(3):1464-71; Haylock-Jacobsらの文献、J Autoimmun.(2011) 36(3-4):278-87; Jarminらの文献、J. Clin. Invest.(2008) 118(3):1154-64; Jiらの文献、Blood(2007) 110(8):2940-47; Liuらの文献、J Immunol.(2010) 184(6):3098-105; Okkenhaugらの文献、J. Immunol.(2006) 177(8):5122-28; Reifらの文献、J. Immunol.(2004) 173(4):2236-40; Soondらの文献、Blood(2010) 115(11):2203-13; Webbらの文献、J. Immunol.(2005) 175(5):2783-87)、好中球(Schmidらの文献、Cancer Cell(2011) 19(6):715-27)、マクロファージ/単球(Schmidらの文献、Cancer Cell(2011) 19(6):715-27、Konradらの文献、J. Biol. Chem.(2008) 283(48):33296-303; Marwickらの文献、Am J Respir Crit Care Med.(2009) 179(7):542-48; Randisらの文献、Eur J Immunol.(2008) 38(5):1215-24)、肥満細胞(Aliらの文献、Nature(2004) 431(7011):1007-11; Kimらの文献、TrendsImmunol.(2008) 29(10):493-501; Leeらの文献、FASEB J.(2006) 20(3):455-65)、及びNK細胞(Guoらの文献、J Exp Med.(2008) 205(10):2419-35; Kimらの文献、Blood(2007) 110(9):3202-08; Saudemontらの文献、Proc Natl Acad Sci U S A.(2009) 106(14):5795-800; Tassiらの文献、Immunity.(2007) 27(2):214-27)で立証されている。

0011

PI3K-δと-γはどちらも、自己免疫疾患及び血液悪性腫瘍の発症及び持続に重要であると考えられる。

0012

癌、例えば、血液悪性腫瘍の改善された治療法が、依然として大いに必要とされている。

0013

(概要)
本明細書に提供されるのは、PI3Kの1以上のアイソフォーム(例えば、PI3K-δ及び/又はPI3K-γ)の高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、アイソフォーム選択的PI3Kモジュレーター(例えば、1以上のPI3Kアイソフォーム、例えば、PI3K-δ及び/又はPI3K-γの活性を選択的に低下させ又は阻害する、本明細書に提供される化合物)を、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、1以上のPI3Kアイソフォームの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関する。

0014

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、特定のタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。一実施態様において、該特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は血液悪性腫瘍は、PI3K-δもしくはPI3K-γのうちの1つもしくは複数、又はこれらの組合せを含む、PI3Kアイソフォーム(複数可)の高発現を有する。一実施態様において、該特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は血液悪性腫瘍は、PI3K-δ、もしくはPI3K-γ、又はPI3K-δとPI3K-γの両方の高発現を有する。

0015

一実施態様において、該方法、組成物、及びキットは、本明細書に提供されるバイオマーカーを用いて、治療のための、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を選択する(例えば、本明細書に提供されるバイオマーカーを用いて決定したとき、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する特定のタイプ又はサブタイプ癌又は血液悪性腫瘍を選択する)工程を含むか、又は該工程に関する。一実施態様において、該方法、組成物、及びキットは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を有する対象に、該特定のタイプ又はサブタイプの疾患で高発現しているPI3Kアイソフォーム(複数可)を選択的に調節する(例えば、選択的に阻害する)PI3Kモジュレーターを投与する工程を含むか、又は該工程に関する。

0016

具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。 具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-γの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γ及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γ及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、特定のタイプ又は特定のサブタイプの癌又は疾患、例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。

0017

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットであり、ここで、該特定の患者又は患者群は、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する。一実施態様において、該PI3Kアイソフォームには、PI3K-δもしくはPI3K-γのうちの1つもしくは複数、又はそれらの組合せが含まれる。一実施態様において、癌又は血液悪性腫瘍を有する、該特定の患者又は患者群は、PI3K-δもしくはPI3K-γ、又はPI3K-δとPI3K-γの両方の高発現を有する。

0018

一実施態様において、該方法、組成物、及びキットは、本明細書に提供されるバイオマーカーを用いて、治療のための、癌又は疾患を有する患者又は患者群を選択する(例えば、本明細書に提供されるバイオマーカーを用いて決定したとき、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する患者又は患者群を選択する)工程を含むか、又は該工程に関する。一実施態様において、該方法、組成物、及びキットは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する患者又は患者群に、該患者で高発現しているPI3Kアイソフォーム(複数可)を選択的に調節する(例えば、選択的に阻害する)PI3Kモジュレーターを投与する工程を含むか、又は該工程に関する。

0019

具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-γの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γ及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-γ及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-αの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-βの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防するための方法、組成物、及びキットである。

0020

ある実施態様において、癌もしくは疾患(例えば、血液悪性腫瘍)、又は患者もしくは患者群における1つ又は複数の特定のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、特定のPI3Kアイソフォームのタンパク質、又は特定のPI3KアイソフォームのDNA、又は特定のPI3KアイソフォームのRNAの発現レベルを、例えば、本明細書に提供される方法又は当技術分野で公知の方法を用いて検出することにより決定することができる。他の実施態様において、癌もしくは疾患(例えば、血液悪性腫瘍)、又は患者もしくは患者群における1つ又は複数の特定のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、本明細書に提供されるバイオマーカー(例えば、特に、シグナル伝達経路バイオマーカー、タンパク質突然変異バイオマーカー、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子突然変異バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカーサイトカインバイオマーカー、ケモカインバイオマーカー、又は特定の癌細胞のバイオマーカー)を測定することにより決定することができる。また別の実施態様において、癌もしくは疾患(例えば、血液悪性腫瘍)、又は患者もしくは患者群における1つ又は複数の特定のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、当技術分野で公知の情報に基づくか、或いは該癌もしくは疾患(例えば、血液悪性腫瘍)に関する先行研究、又は該患者もしくは患者群に関する先行試験に基づいて決定することができる。

0021

一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーター(例えば、1以上のPI3Kアイソフォームの活性を選択的に低下させる化合物)を、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関する。一実施態様において、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォーム(複数可)と比べて、PI3Kの1以上のアイソフォームに対して選択的である。一実施態様において、該PI3Kモジュレーター(例えば、本明細書に提供される化合物)は、他のPI3Kアイソフォーム(複数可)と比べて; PI3K-δに対して選択的であるか; PI3K-γに対して選択的であるか; PI3K-δ及びPI3K-γに対して選択的であるか; PI3K-γ及びPI3K-αに対して選択的であるか; PI3K-γ及びPI3K-βに対して選択的であるか; PI3K-δ及びPI3K-αに対して選択的であるか; PI3K-δ及びPI3K-βに対して選択的であるか; PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-αに対して選択的であるか;又はPI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-βに対して選択的である。一実施態様において、PI3Kの別のアイソフォームと比べた、PI3Kのあるアイソフォームに対するPI3Kモジュレーター(例えば、本明細書に提供される化合物)の選択性は、約2倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、約200倍、約300倍、約400倍、約500倍、約1000倍、約2000倍、約5000倍、約10000倍、又は約10000倍超である。一実施態様において、PI3Kの別のアイソフォームと比べた、PI3Kのあるアイソフォームに対する本明細書に提供される化合物の選択性は、約2倍超、約5倍超、約10倍超、約20倍超、約30倍超、約40倍超、約50倍超、約100倍超、約200倍超、約300倍超、約400倍超、約500倍超、約1000倍超、約2000倍超、約5000倍超、又は約10000倍超である。

0022

ある実施態様において、他のPI3Kアイソフォーム(複数可)と比べた、1以上のPI3Kアイソフォームに対するPI3Kモジュレーター(例えば、本明細書に提供される化合物)の選択性は、PI3Kアイソフォーム(例えば、PI3K-α、PI3K-β、PI3K-δ、及び/又はPI3K-γ)に対するPI3Kモジュレーターの活性を、例えば、本明細書に提供される方法又は当技術分野で公知の方法を用いて測定することにより決定することができる。

0023

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、特定の癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍(例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍)を治療又は予防する方法であって:(1)該癌又は疾患における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを決定すること;(2)治療剤(例えば、1以上のPI3Kアイソフォームに対する特定の選択性プロファイルを有するPI3Kモジュレーター)を、治療される癌又は疾患におけるPI3Kアイソフォームの発現レベルに基づいて選択すること;及び(3)該治療剤を、該癌又は疾患を有する患者に、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて投与することを含む、方法である。一実施態様において、該癌又は疾患における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、PI3Kアイソフォームタンパク質、DNA、及び/もしくはRNAの発現レベルを決定することによるか;又は本明細書に提供される1以上のバイオマーカー(例えば、特に、シグナル伝達経路バイオマーカー、タンパク質突然変異バイオマーカー、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子突然変異バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカー、サイトカインバイオマーカー、ケモカインバイオマーカー、もしくは特定の癌細胞のバイオマーカー)を測定することにより測定することができる。他の実施態様において、該癌又は疾患における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、当技術分野で公知の情報又は該癌もしくは疾患に関する先行研究で得られた情報に基づいて決定することができる。

0024

特定の癌又は障害、例えば、血液悪性腫瘍(例えば、特定のタイプ又は特定のサブタイプの血液悪性腫瘍)は、患者集団間のPI3Kアイソフォーム発現の不均一性を示すことがある。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍を有する特定の患者又は患者群を治療又は予防する方法であって:(1)該癌又は疾患を有する患者又は患者群における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルを決定すること;(2)治療剤(例えば、1以上のPI3Kアイソフォームに対する特定の選択性プロファイルを有するPI3Kモジュレーター)を、治療される患者におけるPI3Kアイソフォームの発現レベルに基づいて選択すること;及び(3)該治療剤を、該患者に、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて投与することを含む、方法である。一実施態様において、該患者又は患者群における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、該患者もしくは患者群におけるPI3Kアイソフォームタンパク質、DNA、及び/もしくはRNAの発現レベルを決定することによるか;又は該患者もしくは患者群における本明細書に提供される1以上のバイオマーカー(例えば、特に、シグナル伝達経路バイオマーカー、タンパク質突然変異バイオマーカー、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子突然変異バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカー、サイトカインバイオマーカー、ケモカインバイオマーカー、もしくは特定の癌細胞のバイオマーカー)を測定することにより測定することができる。他の実施態様において、該患者又は患者群における1以上のPI3Kアイソフォームの発現レベルは、当技術分野で公知の情報又は該患者もしくは患者群に関する先行試験で得られた情報に基づいて決定することができる。

0025

具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-γに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δ及びPI3K-γに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-γ及びPI3K-αに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-γ及びPI3K-βに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δ及びPI3K-αに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δ及びPI3K-βに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-αに対して選択的である。具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、及びキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり、ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、PI3K-δ、PI3K-γ、及びPI3K-βに対して選択的である。

0026

一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットは、PI3Kモジュレーターを、単独で又は1以上の他の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせて、対象、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに投与することに関するものであり;ここで、該PI3Kモジュレーターは、PI3Kの他のアイソフォームと比べて、1以上のPI3Kアイソフォームに対して選択的であり(例えば、PI3K-δ選択的、PI3K-γ選択的、又はPI3K-δ及びPI3K-γ選択的であり);かつ治療されている対象は、特定のPI3Kアイソフォーム(複数可)の高い発現レベル(例えば、PI3K-δの高発現、PI3K-γの高発現、又はPI3K-δとPI3K-γの両方の高発現)を有する。特定の理論に限定されるものではないが、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットは、副作用の軽減及び/又は効力の改善を提供することができる。したがって、一実施態様において、本明細書に提供されるのは、PI3Kの1以上のアイソフォームの高い発現レベルを有する、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍、又は特定のタイプもしくはサブタイプの癌もしくは疾患、例えば、特定のタイプもしくはサブタイプの血液悪性腫瘍を治療又は予防する方法であって、PI3K阻害剤の投与と関連する有害作用が軽減される、方法である。

0027

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍、又は特定のタイプもしくはサブタイプの癌もしくは疾患、例えば、特定のタイプもしくはサブタイプの血液悪性腫瘍を、PI3K-γ選択的阻害剤で治療又は予防する方法であって、PI3Kの他のアイソフォーム(複数可)(例えば、PI3K-α又はPI3K-β)の阻害剤の投与と関連する有害作用が軽減される、方法である。一実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌又は疾患、例えば、血液悪性腫瘍、又は特定のタイプもしくはサブタイプの癌もしくは疾患、例えば、特定のタイプもしくはサブタイプの血液悪性腫瘍を、PI3K-γ非選択的又は低選択的阻害剤(例えば、PI3K汎阻害剤(例えば、PI3K-α、β、γ、δ))による治療と比較してより低い(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、又は約80%)用量のPI3K-γ選択的阻害剤で治療又は予防する方法である。

0028

一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットは、PI3Kモジュレーターを、1以上の第二の活性剤、例えば、1以上の癌治療剤と組み合わせて投与することに関する。一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットで使用することができる第二の活性剤としては:HDAC阻害剤、例えば、ベリノスタットボリノスタット、パノビスタット、又はロミデプシンなど;mTOR阻害剤、例えば、エベロリムス(RAD001)など;プロテアソーム阻害剤、例えば、ボルテゾミブ又はカルフィルミブなど; JAK阻害剤又はJAK/STAT阻害剤、例えば、トファシチニブ、INCB16562、又はAZD1480など; BCL-2阻害剤、例えば、ABT-737、ABT-263、又はナビクラックスなど;MEK阻害剤、例えば、AZD8330又はARRY-424704など;抗葉酸剤、例えば、プララトレキセートなど;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えば、チピファルニブなど;抗体又は生物剤、例えば、アレムツズマブリツキシマブオファツムマブ、又はブレツキシマブベドチン(SGN-035)など;抗体-薬物コンジュゲート、例えば、イノツズマブオゾガマイシン、又はブレンツキシマブベドチンなど;細胞毒性剤、例えば、ベンダムスチンゲムシタビンオキサリプラチンシクロホスファミドビンクリスチンビンブラスチンアントラサイクリン(例えば、ダウノルビシンもしくはダウノマイシンドキソルビシン、又はアクチノマイシンもしくはダクチノマイシン)、ブレオマイシンクロファラビン、ネララビンクラドリビンアスパラギナーゼメトトレキセート、又はプララトレキセートなど;或いは他の抗癌剤又は化学療法剤、例えば、フルダラビンイブルチニブ、ホスタマチニブレナリドマイドサリドマイド、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、又はR-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシンもしくはヒドロキシダウノマイシン、ビンクリスチンもしくはオンコビン、プレドニゾン)などのうちの1つ又は複数が挙げられるが、これらに限定されない。第二の活性剤のさらなる実施態様は、本明細書中の別所に提供されている。

0029

特定の理論によって限定されるものではないが、一実施態様において、治療又は予防されている癌又は疾患、例えば、血液障害又は血液悪性腫瘍は、1以上のPI3Kアイソフォーム(例えば、PI3K-α、PI3K-β、PI3K-δ、もしくはPI3K-γ、又はこれらの組合せ)の高い発現レベルを有する。一実施態様において、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットによって治療又は予防することができる癌又は疾患としては、血液障害又は血液悪性腫瘍が挙げられ、特に、骨髄障害リンパ障害、白血病リンパ腫骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、肥満細胞障害、及び骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)が含まれるが、これらに限定されない。一実施態様において、該血液障害又は該血液悪性腫瘍としては、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、T細胞ALL(T-ALL)、B細胞ALL(B-ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、芽球期CML、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、CLL/SLL、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞NHL、T細胞NHL、無痛性NHL(iNHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、侵攻性B細胞NHL、B細胞リンパ腫(BCL)、リヒター症候群(RS)、T細胞リンパ腫(TCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、形質転換菌状息肉腫セザリー症候群未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、リンパ形質細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫(MM)、アミロイド症、MPD、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症(MF)、真性赤血球増加症(PV)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄異形成症候群(MDS)、高リスクMDS、及び低リスクMDSが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、該血液悪性腫瘍は再発性である。一実施態様において、該血液悪性腫瘍は不応性である。一実施態様において、該癌又は疾患は、小児患者(幼児患者を含む)で見られる。一実施態様において、該癌又は疾患は成人患者で見られる。本明細書に提供される方法、組成物、又はキットによって治療又は予防されている癌又は疾患のさらなる実施態様は、本明細書中の別所に記載されている。

0030

一実施態様において、限定されないが、CLL、CLL/SLL、芽球期CLL、CML、DLBCL、MCL、B-ALL、T-ALL、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、CTCL(例えば、菌状息肉腫もしくはセザリー症候群)、AML、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、ホジキンリンパ腫、ALCL、又はMDSを含む、治療又は予防されている癌又は疾患、例えば、血液障害又は血液悪性腫瘍は、PI3K-δ及び/又はPI3K-γの高い発現レベルを有する。

0031

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象、例えば、哺乳動物対象において(例えば、該癌又は血液疾患と関連する1以上の症状を減少させることにより)癌又は血液疾患、例えば、血液悪性腫瘍を改善するために、本明細書に提供される方法、組成物、又はキットで使用される、単剤としての又は1以上の追加の療法と組み合わせた、PI3Kモジュレーターである。改善することができる癌又は血液疾患の症状には、当技術分野で公知の及び/又は本明細書に開示される癌又は血液疾患の症状のいずれか1つ又は組合せが含まれる。癌又は血液疾患を癌又は血液疾患の動物モデルで改善する際のPI3Kモジュレーターの効果を評価するための実験条件は、本明細書に提供されているか、又は当技術分野で公知である。

0032

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、生体試料中の癌又は血液疾患、例えば、血液悪性腫瘍と関連する症状を軽減する方法であって、該生体試料をPI3Kモジュレーター、例えば、本明細書に提供される化合物(例えば、式Iの化合物、例えば、化合物292)或いはその医薬として許容し得る形態(例えば、そのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物水和物、共結晶包摂化合物、もしくは多形)と、癌又は血液疾患と関連する症状を軽減するのに十分な量で接触させることを含む、方法である。

0033

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌又は血液疾患(例えば、血液悪性腫瘍)を治療又は予防する方法であって、有効量のPI3Kモジュレーター、例えば、本明細書に提供される化合物(例えば、式Iの化合物、例えば、化合物292)、又はそのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、或いはそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、又は多形を投与することを含む、方法である。

0034

一実施態様において、該化合物は、式Iの化合物又はそのエナンチオマーもしくはエナンチオマーの混合物、或いはそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包摂化合物、又は多形である:



(式中、
Wdは、ヘテロシクロアルキルアリール、又はヘテロアリールであり;
Bは、アルキル又は式IIの部分であり;



式中、Wcは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり、かつqは、0、1、2、3、又は4の整数であり;
Xは、非存在又は-(CH(R9))z-であり、zは1の整数であり;
Yは、非存在、又は-N(R9)-であり;
R1は、水素、アルキル、アルケニルアルキニルアルコキシアミドアルコキシカルボニルスルホンアミドハロシアノ、又はニトロであり;
R2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アミド、アミノ、アルコキシカルボニルスルホンアミド、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;
R5、R6、R7、及びR8は、各々独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アミド、アミノ、アシル、アシルオキシ、スルホンアミド、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;かつ
各々の場合のR9は、独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである)。

0035

いくつかの実施態様において、XとYの両方が存在するとき、Yは-NH-である。

0036

いくつかの実施態様において、Xは、存在しないか、又は-(CH(R9))z-であり、zは、独立に、1、2、3、又は4の整数であり;かつYは、非存在、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-N(R9)-、-C(=O)-(CHR9)z-、-C(=O)-、-N(R9)(C=O)-、-N(R9)(C=O)NH-、又は-N(R9)C(R9)2-である。

0037

いくつかの実施態様において、-X-は、-CH2-、-CH(CH2CH3)-、又は-CH(CH3)-である。

0038

いくつかの実施態様において、-X-Y-は、-CH2-N(CH3)-、-CH2-N(CH2CH3)-、-CH(CH2CH3)-NH-、又は-CH(CH3)-NH-である。

0039

いくつかの実施態様において、Wdは、式III(a)のピラゾロピリミジン、又は式III(b)、式III(c)、もしくは式III(d)のプリンである:



(式中、式III(d)のRa'は、水素、ハロ、ホスフェートウレアカルボネート、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり;式III(a)のR11は、H、アルキル、ハロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、又はアルコキシであり;かつ式III(a)、式III(c)、又は式III(d)のR12は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルである)。いくつかの実施態様において、Wdは、式III(a)のピラゾロピリミジンであり、式中、R11は、H、アルキル、ハロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、又はアルコキシであり、かつR12は、シアノ、アミノ、カルボン酸、又はアミドである。

0040

いくつかの実施態様において、式Iの化合物は、式IVの構造を有する:



(式中、R11は、H、アルキル、ハロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、又はアルコキシであり、かつR12は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルである)。いくつかの実施態様において、式Iの化合物は、式IVの構造を有し、式中、R11は、H、アルキル、ハロ、アミノ、アミド、ヒドロキシ、又はアルコキシであり、かつR12は、シアノ、アミノ、カルボン酸、又はアミドである。

0041

いくつかの実施態様において、R11は、アミノである。いくつかの実施態様において、R12は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、アリール、又はヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R12は、シアノ、アミノ、カルボン酸、アミド、単環式ヘテロアリール、又は二環式ヘテロアリールである。

0042

式Iの化合物のいくつかの実施態様において、該化合物は、式Vの構造を有する:



0043

いくつかの実施態様において、-NR9-は、-N(CH2CH3)CH2-又は-N(CH3)CH2-である。

0044

式Iの化合物のいくつかの実施態様において、該化合物は、式VIの構造を有する:



0045

いくつかの実施態様において、R3は、-H、-CH3、-Cl、又は-Fであり、かつR5、R6、R7、及びR8は、独立に、水素である。

0046

いくつかの実施態様において、Bは、式IIの部分である;



(式中、Wcは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり、かつqは、0、1、2、3、又は4の整数である)。

0047

一実施態様において、該PI3キナーゼモジュレーターは、式I-1の構造を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩である:



(式中、Bは、式IIの部分であり;
ここで、B中のWcは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり、かつqは、0、1、2、3、又は4の整数であり;
Xは、非存在又は-(CH(R9))z-であり、zは1の整数であり;
Yは、非存在又は-N(R9)-であり;
Yが存在しないとき、Wdは:



であり、又はYが存在するとき、Wdは:



であり;
R1は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アミド、アルコキシカルボニル、スルホンアミド、ハロ、シアノ、又はニトロであり;
R2は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;
R3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アミド、アミノ、アルコキシカルボニルスルホンアミド、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、又はニトロであり;
各々の場合のR9は、独立に、水素、C1-C10アルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり;かつ
R12は、H、アルキル、アルキニル、アルケニル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルである)。

0048

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、式IV-Aの構造を有する:



0049

いくつかの実施態様において、R12は、置換ベンゾオキサゾールである。

0050

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、式V-Aの構造を有する:



0051

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、式IV-A又は式V-Aの構造を有する。

0052

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、式V-Bの構造を有する:



0053

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、式VI-Aの構造を有する:



0054

いくつかの実施態様において、式I又は式I-1の化合物は、Bが式IIの部分である化合物である:



(式中、Wcは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、又はシクロアルキルであり; qは、0又は1の整数であり;R1は、水素、アルキル、又はハロであり; R2は、アルキル又はハロであり;かつR3は、水素、アルキル、又はハロである)。いくつかの実施態様において、XとYの両方が存在するとき、Yは-NH-である。他の実施態様において、R3は、-H、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-Cl、又は-Fである。他の実施態様において、R3は、メチル又はクロロである。

0055

いくつかの実施態様において、Xは-(CH(R9))z-(ここで、R9はメチルであり、かつzは1である)であり;かつWdは、



である。

0056

式I又は式I-1の化合物のいくつかの実施態様において、該化合物は、主に、(S)-立体化学配置にある。

0057

式I又は式I-1の化合物のいくつかの実施態様において、該化合物は、式V-A2の構造を有する:



0058

いくつかの実施態様において、R12は、単環式ヘテロアリール、二環式ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルである。

0059

いくつかの実施態様において、Bは、式IIの部分である:



(式中、Wcは、アリール又はシクロアルキルである)。

0060

いくつかの実施態様において、式Iの化合物は、本明細書に開示される化合物292の多形形態Cである。

0061

いくつかの実施態様において、該化合物は、クラスI PI3Kの活性を阻害し又は低下させる。ある実施態様において、該クラスI PI3Kは、p110α、p110β、p110γ、又はp110δである。

0062

いくつかの実施態様において、該化合物は、PI3キナーゼ-α、PI3キナーゼ-β、PI3キナーゼ-γ、及びPI3キナーゼ-δからなる群から選択される1以上のクラスI PI3Kアイソフォームを阻害する。

0063

いくつかの実施態様において、該化合物は、他のクラスI PI3キナーゼアイソフォームと比較したとき、クラスI PI3キナーゼ-δアイソフォームを選択的に阻害する。いくつかの実施態様において、該化合物は、他のクラスI PI3キナーゼアイソフォームと比較したとき、クラスI PI3キナーゼ-γアイソフォームを選択的に阻害する。いくつかの実施態様において、該化合物は、他のクラスI PI3キナーゼアイソフォームと比較したとき、クラスI PI3キナーゼ-δ及びPI3キナーゼ-γアイソフォームを選択的に阻害する。

0064

いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る賦形剤と、限定されないが、式I、I-1、並びにIV〜XVIII(特に、IV-A、V、V-A、V-A2、V-B、VI、及びVI-Aを含む)を含む、本明細書に提供される任意の式の1以上の化合物とを含む、医薬組成物が使用される。いくつかの実施態様において、該組成物は、液体固体半固体ゲル、又はエアロゾル形態である。

0065

いくつかの実施態様において、2以上のPI3Kモジュレーター(例えば、本明細書に記載の2以上のPI3Kモジュレーター)は組み合わせて投与される。一実施態様において、該PI3Kモジュレーターは同時に投与される。別の実施態様において、該モジュレーターは連続的に投与される。例として、例えば、化合物292と第二のPI3Kモジュレーターの組合せは、同時に又は連続的に投与することができる。一実施態様において、第二のPI3Kモジュレーターがまず投与され、次いで、重複期間を設けて又は重複期間を設けないで、化合物292が投与される。別の実施態様において、化合物292がまず投与され、次いで、重複期間を設けて又は重複期間を設けないで、第二のPI3Kモジュレーターが投与される。

0066

他の実施態様において、PI3Kモジュレーター(例えば、本明細書に記載の1以上のPI3Kモジュレーター)は、1つ又は複数の追加の治療剤、例えば、本明細書に記載の癌治療剤と組み合わせて投与される。一実施態様において、該PI3Kモジュレーター及び第二の薬剤は同時に投与される。別の実施態様において、該PI3Kモジュレーター及び第二の薬剤は連続的に投与される。例として、例えば、化合物292と第二の薬剤の組合せは、同時に又は連続的に投与することができる。一実施態様において、第二の薬剤がまず投与され、次いで、重複期間を設けて又は重複期間を設けないで、化合物292が投与される。別の実施態様において、化合物292がまず投与され、次いで、重複期間を設けて又は重複期間を設けないで、第二の薬剤が投与される。

0067

一実施態様において、治療される対象は、哺乳動物、例えば、霊長類、典型的には、ヒト(例えば、本明細書に記載される、癌もしくは血液障害、例えば、血液悪性腫瘍を有するか、又はそれを有するリスクがある患者)である。いくつかの実施態様において、治療される対象は、PI3キナーゼ阻害を必要としている(例えば、PI3Kレベルの上昇又はPI3K経路の別の構成要素の変化を示すと評価されている)。一実施態様において、該対象は、他の治療(例えば、癌の治療又は血液障害の治療)を以前に受けた。

0068

いくつかの実施態様において、該PI3Kモジュレーターは、該PI3Kモジュレーター、又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物として投与される。

0069

ある実施態様において、該PI3Kモジュレーターは、組成物、例えば、医薬組成物中で投与されるか、又はその中に存在する。

0070

本明細書に記載のPI3Kモジュレーターは、対象に、全身的に(例えば、経口、非経口、皮下、静脈内、直腸内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、経皮、又は吸入もしくは腔内装置により)投与することができる。通常、該PI3Kモジュレーターは、経口投与される。

0071

一実施態様において、該PI3Kモジュレーターは、表4に開示される化合物292、又はその医薬として許容し得る塩である。化合物292、又はその医薬として許容し得る塩は、経口投与することができる。他の投与経路も本明細書に提供されている。

0072

本明細書に提供される方法及び組成物は、任意に、他の療法(例えば、1以上の薬剤、外科手術、又は放射線治療)と組み合わせて使用することができる。1以上のPI3Kモジュレーターと1以上の他の薬剤又は療法の任意の組合せを使用することができる。該PI3Kモジュレーター及び他の療法は、疾患の治療前に、その治療と同時に、その治療後に、又はその寛解期に投与することができる。一実施態様において、第二の薬剤は、PI3Kモジュレーターと同時に又は連続的に投与される。

0073

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の癌又は疾患(例えば、血液悪性腫瘍)を治療又は予防するのに使用されるバイオマーカー(例えば、診断バイオマーカー予測バイオマーカー、又は予後予測バイオマーカー)である。一実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーとしては:標的バイオマーカー、シグナル伝達経路バイオマーカー、タンパク質突然変異バイオマーカー、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子突然変異バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカー、サイトカインバイオマーカー、ケモカインバイオマーカー、又は特定の癌細胞のバイオマーカーが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、該バイオマーカーを用いて、特定のタイプの癌もしくは疾患、又は特定の患者もしくは患者群を評価することができる。一実施態様において、該バイオマーカーは、特定のタンパク質標的の免疫組織化学(IHC)を含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、特定のタンパク質標的のRNA(例えば、mRNA)(例えば、mRNAのインサイチュハイブリダイゼーション(ISH))を含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、体細胞突然変異などの遺伝的変化増幅又は欠失などのコピー数変化、及び染色体転座、並びにメチル化及びヒストン修飾などのエピジェネティック変化を含む、特定のタンパク質標的のDNAを含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、特定のタンパク質標的の発現を調節するマイクロ-RNA(miRNA)を含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、タンパク質/タンパク質修飾の測定を含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、例えば、メタボロミクスなどの非タンパク質マーカーの測定を含む。一実施態様において、該バイオマーカーは、ELISAウェスタンブロット、又は質量分析により測定される。一実施態様において、該バイオマーカーは、血清バイオマーカーである。一実施態様において、該バイオマーカーは、血液バイオマーカーである。一実施態様において、該バイオマーカーは、骨髄バイオマーカーである。一実施態様において、該バイオマーカーは、喀痰バイオマーカーである。一実施態様において、該バイオマーカーは、尿バイオマーカーである。一実施態様において、該バイオマーカーは、限定されないが、血清、血系、骨髄、喀痰、又は尿を含む、生物基質を含む。

0074

例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、例えば、1以上の特定のPI3Kアイソフォームのタンパク質及び/又はRNA発現を決定するためのバイオマーカー;例えば、PI3K-α発現、PI3K-β発現、PI3K-δ発現、もしくはPI3K-γ発現のバイオマーカー、又はこれらの組合せなどの標的バイオマーカーである。他の実施態様において、該バイオマーカーは、1以上の特定のPI3KアイソフォームのDNA変化(例えば、突然変異、コピー数変化、又はエピジェネティック修飾)であり得る。

0075

例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、例えば、PTEN経路バイオマーカーなどのシグナル伝達経路バイオマーカー、並びに/又はpAKT、pS6、及び/もしくはpPRAS40などのシグナル伝達経路活性化のバイオマーカー(例えば、IHCバイオマーカー、DNA変化バイオマーカー、DNA欠失バイオマーカー、又はDNA突然変異バイオマーカー)である。例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、例えば、IGH7、KRAS、NRAS、A20、CARD11、CD79B、TP53、CARD11、MYD88、GNA13、MEF2B、TNFRSF14、MLL2、BTG1、EZH2、NOTCH1、JAK1、JAK2、PTEN、FBW7、PHF6、IDH1、IDH2、TET2、FLT3、KIT、NPM1、CEBPA、DNMT3A、BAALC、RUNX1、ASXL1、IRF8、POU2F2、WIF1、ARID1A、MEF2B、TNFAIP3、PIK3R1、MTOR、PIK3CA、PI3Kδ、及び/又はPI3Kγなどの1以上の標的の突然変異を評価するための、タンパク質突然変異バイオマーカー又は遺伝子突然変異バイオマーカーなどの突然変異バイオマーカーである。例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、1以上の標的の発現、又は経路の上方調節もしくは下方調節を評価するための、タンパク質発現バイオマーカー、遺伝子発現バイオマーカーなどの、発現バイオマーカー、例えば、RASもしくはPI3K経路活性化を評価するための、例えば、pERK IHCバイオマーカーもしくはpERK発現バイオマーカーなどである。

0076

例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、サイトカインバイオマーカー(例えば、血清サイトカインバイオマーカー又は本明細書に提供される他のサイトカインバイオマーカー)である。例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、ケモカインバイオマーカー(例えば、血清ケモカインバイオマーカー又は本明細書に提供される他のケモカインバイオマーカー)である。

0077

例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、癌細胞(例えば、特定の癌細胞株、特定の癌細胞型、特定の細胞周期プロファイル)のバイオマーカーである。

0078

例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、例えば、PI3Kδ及び/もしくはPI3Kγ経路活性化の予測バイオマーカーとしての、又は本明細書に記載の治療に対する応答の予測バイオマーカーとしての、患者又は患者群の遺伝子発現プロファイリングに関する。例示的な実施態様において、本明細書に提供されるバイオマーカーは、例えば、PI3Kδ及び/又はPI3Kγの発現又は活性化(例えば、ABC、GCB、酸化的リン酸化(Ox Phos)、B細胞受容体/増殖(BCR)、又はDLBCLの宿主応答(HR)サブタイプの示差発現又は活性化)の予測バイオマーカーとしての、遺伝子発現分類子(classifier)に関する。

0079

一実施態様において、本明細書に提供される方法は、対象を、例えば、本明細書に開示される癌又は血液障害の1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象について評価する工程、例えば、対象における本明細書に記載のバイオマーカーを評価する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施態様において、これらの生物学的付随現象又はバイオマーカーのうちの1つ又は複数は、特定の療法に対する対象の応答の可能性の改善と相関する。いくつかの実施態様において、これらの生物学的付随現象又はバイオマーカーのうちの1つ又は複数は、特定の療法に対する対象の副作用の軽減と相関する。

0080

一実施態様において、本明細書に提供される方法は、対象を、例えば、本明細書に開示される癌又は血液障害の1以上の兆候又は症状又は生物学的付随現象、例えば、本明細書に記載のバイオマーカーのレベルの変化(例えば、増加又は減少)についてモニタリングする工程をさらに含むことができる。いくつかの実施態様において、これらの生物学的付随現象又はバイオマーカーのうちの1つ又は複数は、癌又は血液障害と関連する1以上の臨床症状の減少と相関する。いくつかの実施態様において、これらの生物学的付随現象又はバイオマーカーのうちの1つ又は複数は、特定の療法に対する対象の応答の可能性の改善と相関する。いくつかの実施態様において、これらの生物学的付随現象又はバイオマーカーのうちの1つ又は複数は、特定の療法に対する対象の副作用の軽減と相関する。

0081

いくつかの実施態様において、生物学的付随現象又はバイオマーカーの正常化又は変化(例えば、上昇したレベルの減少又は下落したレベルの増加)は、治療効力を示すものであり、及び/又は臨床症状の改善を予測するものである。いくつかの実施態様において、対象を、生物学的付随現象又はバイオマーカーの変化(例えば、治療効力を示すものであり得る、生物学的付随現象又はバイオマーカーの減少又は増加)についてモニタリングする。

0082

一実施態様において、対象は、以下の期間:治療の開始前;治療期間中;又は治療の1以上の要素が投与された後のうちの1つ又は複数で評価又はモニタリングすることができる。評価又はモニタリングを用いて、単独のもしくは別の薬剤と組み合わせた同じPI3Kモジュレーターによるさらなる治療の必要性、又は追加の薬剤による追加の治療の必要性、又は同じPI3Kモジュレーターの調整された投与レジメンの必要性を決定することができる。

0083

一実施態様において、本明細書に提供される方法は、対象由来核酸又はタンパク質を解析する工程、例えば、対象の遺伝子型を解析する工程をさらに含むことができる。一実施態様において、PI3Kタンパク質、もしくはPI3Kタンパク質をコードする核酸、及び/又はPI3Kシグナル伝達経路の上流もしくは下流の構成要素(複数可)を解析する。該核酸又はタンパク質は、本明細書に開示される又は当技術分野で公知の任意の方法を用いて、任意の生体試料(例えば、血液、尿、循環細胞組織生検、又は骨髄生検)で検出することができる。例えば、PI3Kタンパク質は、PI3Kに対する標識形態の抗体の全身投与と、その後のイメージングより検出することができる。

0084

該解析を用いて、例えば、別の治療、例えば、特定の投薬量送達様式、送達時間、補助療法包含、例えば、第二の薬剤と組み合わせた投与の適切性を評価し、又はそれらの中から選択し、又は一般に、対象の予想される薬物応答表現型もしくは遺伝子型を決定することができる。該核酸又はタンパク質は、治療の任意の段階で解析することができる。一実施態様において、該核酸又はタンパク質を、少なくともPI3Kモジュレーター及び/又は薬剤の投与の前に解析し、それにより、対象の予防的又は治療的治療のためのPI3Kモジュレーターの適切な投薬量及び治療レジメン(例えば、治療当たりの量又は治療の頻度)を決定することができる。

0085

ある実施態様において、本明細書に提供される方法は、患者におけるPI3Kレベルの変化を、PI3Kモジュレーターを該患者に投与する前又は投与した後に検出する工程をさらに含む。該PI3Kレベルは、任意の生体試料、例えば、血液、尿、循環細胞、又は組織生検中で評価することができる。いくつかの実施態様において、該PI3Kレベルは、PI3Kに対する標識形態の抗体の全身投与と、その後のイメージングにより評価される。

0086

別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、1以上のPI3Kモジュレーター、例えば、本明細書に記載のPI3Kモジュレーター、及び1以上の薬剤(例えば、本明細書に開示される第二の活性剤)を含む、組成物、例えば、医薬組成物である。該組成物は、医薬として許容し得る担体又は賦形剤をさらに含むことができる。

0087

別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される、癌もしくは障害、例えば、血液悪性腫瘍の治療のための、単独の又は本明細書に記載の第二の薬剤もしくは治療モダリティーと組み合わせた、PI3Kモジュレーターの使用のための組成物、又は該PI3Kモジュレーターの使用である。

0088

別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、単独の又は1以上の追加の薬剤と組み合わせたPI3Kモジュレーター、及び本明細書に記載される、癌又は障害、例えば、血液悪性腫瘍の治療で使用するための説明書を含む治療用キットである。

0089

(引用による組込み)
本明細書で言及される刊行物、特許、及び特許出願は全て、完全に及び各々の個々の刊行物、特許、又は特許出願が具体的かつ個別的に引用により組み込まれることが示される場合と同じ程度まで引用により本明細書中に組み込まれる。

図面の簡単な説明

0090

(図面の簡単な説明)
図1は、ヒトへの化合物292の単一用量投与後の経時的な好塩基球活性化についての平均薬物血漿濃度及び投与前からの平均%低下のPK/PD関係を示している。

0091

図2は、ヒトへの化合物292の複数用量投与後の経時的な好塩基球活性化についての平均薬物血漿濃度及び投与前からの平均%低下のPK/PD関係を示している。

0092

図3は、ヒトにおける薬力学的応答対化合物292の濃度を示している。

0093

図4は、ヒトへの化合物292の投与後の経時的な定常状態(C2D1)血漿濃度を示している。

0094

図5は、CLL/SLL細胞における化合物292のAKTリン酸化を示している。

0095

図6は、ヒトへの化合物292の投与後の腫瘍サイズの変化を示している。

0096

図7は、CLL/SLL患者における化合物292の臨床活性の速やかな発現を示している。

0097

図8は、T細胞リンパ腫患者における化合物292の臨床活性を示している。

0098

図9は、T細胞リンパ腫患者における化合物292の臨床活性を示している。

0099

図10は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)及び皮膚T細胞リンパ腫を有する患者における測定可能な疾患のパーセント変化を示している。

0100

図11は、侵攻性NHL(aNHL)、ホジキンリンパ腫、及びマントル細胞リンパ腫(MCL)を有する患者における測定可能な疾患のパーセント変化を示している。

0101

図12は、無痛性NHL(iNHL)を有する患者における測定可能な疾患のパーセント変化を示している。iNHL患者には、濾胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫)、及び辺縁帯リンパ腫(MZL)を有する患者が含まれた。

0102

図13は、対象別の試験月数及び化合物292で処置した患者の診断を示している。

0103

図14は、化合物292がLPSで刺激した希釈全血からのTNF-α及びIL-10産生を阻害することを示している。

0104

図15は、CLL/SLL及びiNHL/MCL/FL患者におけるCXCL13の血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0105

図16は、CLL/SLL及びiNHL/MCL/FL患者におけるCCL4の血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0106

図17は、CLL/SLL及びiNHL/MCL/FL患者におけるCCL17の血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0107

図18は、CLL/SLL及びiNHL/MCL/FL患者におけるCCL22の血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0108

図19は、CLL/SLL及びiNHL/MCL/FL患者におけるTNF-αの血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0109

図20は、一部の非CLL/iNHL患者におけるMMP9の血清濃度に対する化合物292治療の効果を示している。

0110

図21は、血液悪性腫瘍を有する患者における特定のケモカインの考えられる作用機序を示している。

0111

図22は、第2サイクル、28日サイクルの1日目、25mg及び75mg BID投与での化合物292の定常状態血漿濃度を示している。

0112

図23は、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での血清中のCLLバイオマーカーのレベルの減少を示している。

0113

図24は、化合物292の28日サイクル、25mg又は75mg BID投与後の様々な時点での血清中のCLLバイオマーカーのレベルの減少を示している。

0114

図25は、10×103個/μlよりも高いベースラインALC(暗い方の線)及び10×103個/μlよりも低いベースラインALC(明るい方の線)を有する患者における28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での絶対リンパ球数(ALC)中央値を示している。

0115

図26は、28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点でのALC中央値と腫瘍測定の変化とを示している。

0116

図27Aは、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での血清中のリンパ腫バイオマーカーのレベルの減少を示している。

0117

図27Bは、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での血清中のiNHLバイオマーカーのレベルの減少を示している。

0118

図28は、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での血清中のT細胞リンパ腫バイオマーカーのレベルの減少を示している。

0119

図29は、化合物292の28日サイクル、25mg又は75mg BID投与後の様々な時点での血清中のiNHLバイオマーカーのレベルの減少を示している。

0120

図30Aは、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での1マイクロリットル末梢血当たりのセザリー細胞の数を示している。

0121

図30Bは、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点での直径積和(Sum of Product Diameters)(SPD)に関して示されたCT応答を示している。

0122

図30Cは、化合物292の28日サイクル、25mg BID投与後の様々な時点でのmSWATスコアを示している。

0123

図31は、様々なタンパク質のウェスタンブロットによって評価したときの、DLBCL細胞株DHL-6、DHL-4、Ri-1、及びU2932における成長阻害と薬力学的応答の相関を示している。

0124

図32は、様々なPI3Kアイソフォーム阻害剤に対するLoucyALL細胞株の感受性を示している。

0125

図33は、GS-1101の投与と比較した場合の、化合物292で処置したときのpPRAS40のレベルの減少、及びpERK1/2のレベルがMJ又はHuT78細胞よりもHH細胞ではるかに低いことを示している。

0126

図34は、CD40L、IL-2、及びIl-10からなるサイトカインカクテルによる処置から30分、4時間、24時間、及び72時間後のKi-67/pAKT陽性CLL細胞の増加を示している。

0127

図35は、100nMの化合物292で処置したときのサイトカインカクテルによって処置されたKi-67/pAKT陽性CLL細胞の減少を示している。

0128

図36は、CAL-101と比較した化合物292によるCLL細胞増殖のパーセント阻害を示している。

0129

図37Aは、25mg BIDの化合物292によって処置されたCLL患者における絶対リンパ球数を示している。

0130

図37Bは、25mg BIDの化合物292によって処置されたCLL患者におけるCD38陽性循環CLL細胞の減少を示している。

0131

図37Cは、25mg BIDの化合物292によって処置されたCLL患者におけるCD69陽性循環CLL細胞の減少を示している。

0132

図37Dは、25mg BIDの化合物292によって処置されたCLL患者におけるCD38/CD69二重陽性循環CLL細胞の減少を示している。

0133

図38は、単剤療法と比較したときのDLBCL細胞の生存率に対する化合物292/イブルチニブ組合せの効果を示している。

0134

(詳細な説明)
特定の実施態様が論じられているが、本明細書は単に例示的なものであって、限定的なものではない。本開示の多くのバリエーションは、本明細書を概観することにより、当業者に明らかとなるであろう。

0135

別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書中で言及される特許及び刊行物は全て、引用により組み込まれる。

0136

本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「該(the)」は、文脈によりそうでないことが明確に定められない限り、複数形の指示対象を含む。

0137

本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、当業者によって決定される特定の値についての許容誤差を意味し、これは、一つには、該値がどのようにして測定又は決定されるかによって決まる。ある実施態様において、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、1、2、3、又は4標準偏差以内を意味する。ある実施態様において、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。

0138

本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、治療、観察、及び/もしくは実験の対象となるであろう又は該対象となっている、動物、典型的には、ヒト(例えば、任意の年齢層、例えば、小児患者(例えば、乳児、幼児、青少年)もしくは成人患者(例えば、若年成人中年成人、もしくは高年成人)又は他の哺乳動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザルアカゲザル);他の哺乳動物、例えば、齧歯類(マウスラット)、ウシブタウマヒツジヤギネコイヌ;及び/或いは鳥類を指す。この用語が化合物又は薬物の投与と併せて使用される場合、患者は、該化合物又は薬物の治療、観察、及び/又は投与の対象となっている。

0139

治療効果」は、その用語が本明細書で使用される場合、本明細書に記載の治療的利益及び/又は予防的利益を包含する。予防効果には、疾患もしくは疾病態の出現遅延もしくは消失、疾患もしくは疾病の症状の発症の遅延もしくは消失、疾患もしくは疾病の進行の減速、停止、もしくは逆転、又はこれらの任意の組合せが含まれる。

0140

「有効量」という用語は、下に示すような、疾患治療を含むが、これに限定されない、意図される適用を達成するのに十分である本明細書に記載の化合物又は医薬組成物の量を指す。有効量は、意図される用途(インビトロもしくはインビボ)、又は治療されている対象及び疾患状態、例えば、対象の体重及び年齢、疾患状態の重症度、投与様式などによって異なることができ、これは、当業者によって容易に決定されることができる。この用語は、標的細胞における特定の応答を誘導する用量にも適用される。具体的な用量は、例えば、選択された特定の化合物、従うべき投与レジメン、それが他の薬剤と組み合わせて投与されるかどうかということ、投与のタイミング、それが投与される組織、及びそれが運搬される物理的送達系によって異なる。

0141

本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」、「緩和する」、及び「改善する」という用語は、本明細書で互換的に使用される。これらの用語は、限定されないが、治療的利益及び/又は予防的利益を含む、有益な又は所望の結果を得るための手法を指す。治療的利益とは、治療されている基礎疾患根絶又は改善を意味する。また、治療的利益は、患者が基礎疾患にまだ罹患している可能性があるとしても、患者において改善が見られるように、基礎疾患と関連する生理的症状の1つ又は複数を根絶又は改善することによって得られる。予防的利益のために、医薬組成物を、特定の疾患を発症するリスクのある患者、又は疾患の生理的症状の1つ又は複数を訴える患者に、この疾患の診断を下すことができなかった場合でも、投与することができる。一実施態様において、これらの用語は、対象が罹患している疾病を部分的に又は完全に阻害又は軽減することも指す。一実施態様において、これらの用語は、患者が疾病に罹患しているか、又は疾患と診断されている間に行われる行為であって、疾病の重症度を低下させ、又は疾病の進行を遅延もしくは減速させる、行為を指す。治療が疾病の完全な治癒をもたらす必要はなく;疾病の部分的な阻害又は軽減がこの用語に包含される。治療は、予防(prevention)又は予防(prophylaxis)を包含することが意図される。

0142

本明細書で使用される「治療有効量」は、単独で又は組み合わせて投与したとき、疾病の治療における治療的利益を提供し、又は疾病と関連する1以上の症状を遅延もしくは最小化するのに十分である、化合物、例えば、PI3Kモジュレーターの最小量又は最小濃度を指す。「治療有効量」という用語は、治療全体を改善するか、疾病の症状もしくは原因を軽減もしくは回避するか、又は別の治療剤の治療効力を増強する量を包含することができる。治療量が疾病の完全な治癒をもたらす必要はなく;疾病の部分的な阻害又は軽減がこの用語に包含される。治療有効量は、予防有効量を包含することもできる。

0143

本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」という用語は、対象が、疾病、又は疾病の再発に苦しみ始める前に行われる行為を指す。予防が疾病の完全な予防をもたらす必要はなく;疾病又は疾病の症状の部分的な予防もしくは軽減、又は該疾病を発症するリスクの軽減がこの用語に包含される。

0144

本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、化合物、例えば、PI3Kモジュレーターの「予防有効量」は、単独で又は組み合わせて投与したとき、疾病を発症するリスク、又は疾病と関連する1以上の症状を予防もしくは軽減し、又はその再発を予防する。「予防有効量」という用語は、予防全体を改善するか、又は別の予防剤の予防効力を増強する量を包含することができる。予防量が疾病の完全な予防をもたらす必要はなく;疾病の部分的な予防又は軽減がこの用語に包含される。

0145

本明細書で使用される場合、疾病又は疾病と関連する症状を「減少させること」、「改善すること」、「軽減すること」、「治療すること」(など)は、疾病の症状の重症度及び/又は頻度を低下させること、並びに(例えば、症状の突発の重症度及び/又は頻度を低下させることによって)疾病及び/又は疾病の症状を予防することを含む。いくつかの実施態様において、症状は、対照レベルと比べて、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%軽減される。対照レベルには、当技術分野で公知の任意の適当な対照が含まれる。例えば、対照レベルは、治療される試料もしくは対象における治療前レベルであることができ、又はそれは、対照集団内のレベル(例えば、疾病を有しない対象におけるレベルもしくは疾病を有しない対象に由来する試料中のレベル)であることができる。いくつかの実施態様において、減少は、例えば、適当なパラメトリック又は非パラメトリック統計比較を用いて評価したとき、統計的に有意である。

0146

本明細書で使用される場合、「薬剤」又は「生体活性剤」又は「第二の活性剤」は、生物学的、薬学的、もしくは化学的な化合物、又は他の部分を指す。非限定的な例としては、単純なもしくは複雑な有機もしくは無機分子ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、抗体、抗体誘導体抗体断片ビタミンビタミン誘導体炭水化物毒素、又は化学療法化合物、及びこれらの代謝産物が挙げられる。様々な化合物、例えば、小分子及びオリゴマー(例えば、オリゴペプチド及びオリゴヌクレオチド)、並びに様々なコア構造に基づく合成有機化合物を合成することができる。さらに、様々な天然供給源、例えば、植物又は動物抽出物などは、スクリーニング用の化合物を提供することができる。当業者は、本開示の薬剤の構造的性質に関して制限がないことを容易に認識することができる。

0147

本明細書で使用される「アゴニスト」という用語は、標的タンパク質又はポリペプチド生物学的機能惹起又は増強する、例えば、標的タンパク質又はポリペプチドの活性又は発現を増大させる能力を有する化合物又は薬剤を指す。したがって、「アゴニスト」という用語は、標的タンパク質又はポリペプチドの生物学的役割との関連において定義される。本明細書中のいくつかのアゴニストは標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)が、標的ポリペプチドがそのメンバーとなっているシグナル伝達経路の他のメンバーと相互作用することによって標的タンパク質又はポリペプチドの生物学的活性を惹起又は増強する化合物及び/又は薬剤も、この定義に特に含まれる。

0148

アンタゴニスト」及び「阻害剤」という用語は互換的に使用され、それらは、例えば、標的タンパク質又はポリペプチドの活性又は発現を阻害することによって、標的タンパク質又はポリペプチドの生物学的機能を阻害する能力を有する化合物又は薬剤を指す。したがって、「アンタゴニスト」及び「阻害剤」という用語は、標的タンパク質又はポリペプチドの生物学的役割との関連において定義される。本明細書中のいくつかのアンタゴニストは標的と特異的に相互作用する(例えば、結合する)が、標的タンパク質又はポリペプチドのシグナル伝達経路の他のメンバーと相互作用することによって標的タンパク質又はポリペプチドの生物学的活性を阻害する化合物も、この定義に特に含まれる。アンタゴニストによって阻害される生物学的活性の非限定的な例としては、腫瘍の発生、成長、もしくは伝播、又は自己免疫疾患において現れるような望ましくない免疫応答と関連するものが挙げられる。

0149

「抗癌剤」、「抗腫瘍剤」、又は「化学療法剤」は、腫瘍状態の治療において有用な任意の薬剤を指す。抗癌剤の1つのクラスは化学療法剤を含む。「化学療法」は、1以上の化学療法薬及び/又は他の薬剤を、静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下、経皮、もしくは口腔内投与、又は吸入を含む様々な方法によるか、或いは坐剤の形態で、癌患者に投与することを意味する。

0150

細胞増殖」という用語は、細胞数分裂の結果として変化する現象を指す。この用語は、細胞形態増殖性シグナルに従って変化する(例えば、大きさが増加する)細胞成長も包含する。

0151

本明細書で使用される「共投与」、「と組み合わせて投与される」という用語、及びそれらの文法的同等表現は、2以上の薬剤を、両方の薬剤及び/又はそれらの代謝産物が対象内で同時に存在するように対象に投与することを包含する。共投与は、別々の組成物中での同時投与、別々の組成物中での異なる時間での投与、又は両方の薬剤が存在する1つの組成物中での投与を含む。

0152

本明細書で使用される場合、別途規定されない限り、「ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)モジュレーター」又は「PI3Kモジュレーター」は、PI3Kの阻害剤を含む、PI3Kのモジュレーターを指す。PI3Kは、ホスファチジルイノシトール又はホスホイノシチド上の3'-OH基をリン酸化する細胞内脂質キナーゼの独特のかつ保存されたファミリーのメンバーである。PI3Kファミリーは、異なる基質特異性、発現パターン、調節様式を有するキナーゼを含む(例えば、Katsoらの文献、2001, Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 17, 615 -675; Foster, F.M.らの文献、2003, J Cell Sci 116, 3037-3040を参照されたい)。クラスI PI3K(例えば、p110α、p110β、p110γ、及びp110δ)は、通常、チロシンキナーゼ又はGタンパク質共役受容体により活性化されて、PIP3を生じ、これが、下流メディエーター、例えば、Akt/PDK1経路の下流メディエーター、mTOR、Tecファミリーキナーゼ、及びRhoファミリーGTPアーゼを関与させる。クラスII PI3K(例えば、PI3K-C2α、PI3K-C2β、PI3K-C2γ)及びクラスIII PI3K(例えば、Vps34)は、PI(3)P及びPI(3,4)P2の合成を介して、細胞内輸送において重要な役割を果たす。具体的な例示的PI3Kモジュレーター及び阻害剤は、本明細書に開示されている。

0153

クラスI PI3Kは、p110触媒サブユニット及び調節アダプタサブユニットを含む。例えば、Cantrell, D.A.の文献(2001) Journal of Cell Science 114: 1439-1445を参照されたい。p110サブユニットの4つのアイソフォーム(PI3K-α(アルファ)、PI3K-β(ベータ)、PI3K-γ(ガンマ)、及びPI3K-δ(デルタ)アイソフォームを含む)は、様々な生物学的機能に関係があるとされている。クラスI PI3Kαは、例えば、インスリンシグナル伝達に関与しており、固形腫瘍で突然変異していることが分かっている。クラスI PI3K-βは、例えば、血小板活性化及びインスリンシグナル伝達に関与している。クラスI PI3K-γは、肥満細胞活性化、自然免疫機能、及び免疫細胞輸送(ケモカイン)において役割を果たしている。クラスI PI3K-δは、例えば、B細胞及びT細胞の活性化及び機能並びに肥満細胞におけるFc受容体シグナル伝達に関与している。本明細書に提供されるいくつかの実施態様において、PI3Kモジュレーターは、クラスI PI3Kモジュレーター(例えば、阻害剤)である。いくつかのそのような実施態様において、PI3Kモジュレーターは、PI3K-α(アルファ)、PI3K-β(ベータ)、PI3K-γ(ガンマ)、もしくはPI3K-δ(デルタ)アイソフォーム、又はこれらの組合せの活性を阻害し又は低下させる。

0154

PI3Kシグナル伝達の下流メディエーターとしては、Akt及びラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)が挙げられる。Aktは、PIP3に結合して、Aktキナーゼ活性化をもたらすプレクストリン相同性(PH)ドメインを保有する。Aktは、多くの基質をリン酸化し、多様な細胞応答のためのPI3Kの中心的な下流エフェクターである。Aktの1つの機能は、TSC2のリン酸化及び他の機構を介してmTORの活性を強化することである。mTORは、PI3Kファミリーの脂質キナーゼに関連するセリン-トレオニンキナーゼである。

0155

「シグナル伝達」は、刺激性又は抑制性シグナルが細胞内へ及び細胞内で伝達されて、細胞内応答を誘発する過程である。シグナル伝達経路の「モジュレーター」は、同じ特定のシグナル伝達経路に位置付けられる1以上の細胞タンパク質の活性を調節する化合物を指す。モジュレーターは、シグナル伝達分子の活性を強化するか(アゴニスト)又は抑制する(アンタゴニスト)ことができる。

0156

別途規定されない限り、生体活性剤に適用される「選択的阻害」又は「選択的に阻害する」又は「に対して選択的」という用語は、標的との直接的又は相互作用的相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して、標的シグナル伝達活性を選択的に低下させる薬剤の能力を指す。例えば、PI3Kの別のアイソフォームと比べてPI3Kのあるアイソフォームを選択的に阻害する化合物は、第二のアイソフォームに対する化合物の活性と比べて、第一のアイソフォームに対する少なくとも2倍(例えば、少なくとも約3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、又は1000倍)の活性を有する。

0157

「インビボ」という用語は、対象の体内で起こる事象を指す。

0158

「インビトロ」という用語は、対象の体外で起こる事象を指す。例えば、インビトロアッセイは、対象の外側で行われる任意のアッセイを包含する。インビトロアッセイは、生細胞又は死細胞を利用する細胞ベースのアッセイを包含する。インビトロアッセイは、無傷細胞を利用しない無細胞アッセイも包含する。

0159

放射線療法」は、患者を、施術者に公知のルーチンの方法及び組成物を用いて、放射線放出体、例えば、限定されないが、α-粒子放出放射性核種(例えば、アクチニウム及びトリウム放射性核種)、低線エネルギー転移(LET)放射線放出体(例えば、β放出体)、転換電子放出体(例えば、ストロンチウム-89及びサマリウム-153-EDTMP)、又は限定されないが、x線、γ線、及び中性子を含む高エネルギー放射線暴露させることを意味する。

0160

「医薬として許容し得る担体」又は「医薬として許容し得る賦形剤」としては、任意の及び全ての溶媒分散媒体コーティング剤抗菌剤及び抗真菌剤等張剤、並びに吸収遅延剤などが挙げられる。医薬活性物質へのそのような媒体及び薬剤の使用は当技術分野で周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が活性成分適合しない場合を除き、本明細書に開示される治療組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分を医薬組成物中に組み込むこともできる。

0161

本明細書で使用される場合、開示された化合物の「医薬として許容し得る形態」は、開示された化合物の医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識された誘導体を含むが、これらに限定されない。一実施態様において、「医薬として許容し得る形態」は、開示された化合物の医薬として許容し得る塩、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識された誘導体を含むが、これらに限定されない。

0162

ある実施態様において、医薬として許容し得る形態は、医薬として許容し得る塩である。本明細書で使用される場合、「医薬として許容し得る塩」という用語は、健全医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずに対象の組織と接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合っている塩を指す。医薬として許容し得る塩は当技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、医薬として許容し得る塩を、J. Pharmaceutical Sciences(1977)66: 1-19で詳細に記載している。本明細書に提供される化合物の医薬として許容し得る塩としては、好適な無機及び有機の酸及び塩基から誘導される塩が挙げられる。医薬として許容し得る、無毒酸付加塩の例は、塩酸臭化水素酸リン酸硫酸、及び過塩素酸などの無機酸とともに、又は酢酸シュウ酸マレイン酸酒石酸クエン酸コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸とともに、又はイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の医薬として許容し得る塩としては、アジピン酸塩アルギン酸塩アスコルビン酸塩アスパラギン酸塩ベンゼンスルホン酸塩ベシル酸塩安息香酸塩重硫酸塩ホウ酸塩酪酸塩ショウノウ酸塩カンファースルホン酸塩クエン酸塩シクロペンタンプロピオン酸塩ジグルコ酸塩ドデシル硫酸塩エタンスルホン酸塩ギ酸塩フマル酸塩グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩グルコン酸塩ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩ラウリン酸塩ラウリル硫酸塩リンゴ酸塩マレイン酸塩マロン酸塩メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩ニコチン酸塩、硝酸塩オレイン酸塩シュウ酸塩パルミチン酸塩パモ酸塩ペクチン酸塩過硫酸塩3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩ピクリン酸塩ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩チオシアン酸塩p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。いくつかの実施態様において、塩を誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸グリコール酸ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸桂皮酸マンデル酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。

0163

適切な塩基から誘導される医薬として許容し得る塩としては、アルカリ金属塩アルカリ土類金属塩アンモニウム塩、及びN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、ナトリウムリチウムカリウムカルシウムマグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンアルミニウムなどが挙げられる。さらなる医薬として許容し得る塩としては、適切な場合、ハロゲン化物水酸化物カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成される非毒性アンモニウム陽イオン四級アンモニウム陽イオン、及びアミン陽イオンが挙げられる。塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、一級二級、及び三級アミン天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン塩基性イオン交換樹脂など、例えば、イソプロピルアミントリメチルアミンジエチルアミントリエチルアミントリプロピルアミン、及びエタノールアミンが挙げられる。いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩ナトリウム塩カルシウム塩、及びマグネシウム塩から選択される。

0164

ある実施態様において、医薬として許容し得る形態は、溶媒和物(例えば、水和物)である。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、非共有結合的分子間力によって結合されている化学量論的又は非化学量論的量の溶媒をさらに含む化合物を指す。溶媒和物は、開示された化合物又はその医薬として許容し得る塩でできたものであることができる。溶媒が水である場合、溶媒和物は「水和物」である。医薬として許容し得る溶媒和物及び水和物は、例えば、1〜約100個、もしくは1〜約10個、又は1〜約2、約3、もしくは約4個の溶媒分子又は水分子を含み得る錯体である。本明細書で使用される「化合物」という用語は、化合物及び化合物の溶媒和物、並びにこれらの混合物を包含することが理解されるであろう。

0165

ある実施態様において、医薬として許容し得る形態は、プロドラッグである。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、開示された化合物又は該化合物の医薬として許容し得る形態を生じるようにインビボで変換される化合物を指す。プロドラッグは、対象に投与されるときには不活性であり得るが、例えば、加水分解(例えば、血液中での加水分解)によって、インビボで活性化合物に変換される。場合によっては、プロドラッグは、親化合物と比べて改善された物理的特性及び/又は送達特性を有する。プロドラッグは、通常、親化合物と関連する薬学的及び/又は薬物動態的に基づく特性を増強するように設計される。プロドラッグ化合物は、哺乳動物生物において、溶解性組織適合性、又は遅延放出という利点を提供することが多い(例えば、Bundgard, H.の文献、プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)(1985)、7 9、21 24頁(Elsevier, Amsterdam)を参照されたい。プロドラッグの考察は、その両方が引用により本明細書中に完全に組み込まれる、Higuchi, T.らの文献、「新規送達系としてのプロドラッグ(Pro drugs as Novel Delivery Systems)」、A.C.S. Symposium Series、第14巻、及び薬物設計におけるバイオリバーシブル担体(Bioreversible Carriers in Drug Design)、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供されている。プロドラッグの例示的な利点としては、その物理的特性、例えば、親化合物と比べて、生理的pHでの非経口投与のために水溶性が増強されていること、又はそれが、消化管からの吸収を増強すること、又はそれが、長期保存のために薬物安定性を増強することができることを挙げることができるが、これらに限定されない。

0166

「プロドラッグ」という用語は、そのようなプロドラッグが対象に投与されたときに、活性化合物をインビボで放出する、任意の共有結合した担体を含むことも意図される。本明細書に記載される、活性化合物のプロドラッグは、修飾が、ルーチンの操作又はインビボのいずれかで切断されて、親活性化合物になるように、活性化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製することができる。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、又はメルカプト基が任意の基に結合している化合物を含み、この任意の基は、活性化合物のプロドラッグが対象に投与されたとき、切断されて、それぞれ、遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、又は遊離メルカプト基を形成する。プロドラッグの例としては、アルコール酢酸エステルギ酸エステル、及び安息香酸エステル誘導体、又は活性化合物中のアミン官能基アセトアミドホルムアミド、及びベンズアミド誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む化合物が挙げられる。プロドラッグは、通常、周知の方法、例えば、Burgerの医薬品化学及び創薬(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)、172〜178、949〜982(Manfred E. Wolff編、第5版、1995)、及びプロドラッグの設計(Design of Prodrugs)(H. Bundgaard編、Elsevier, New York, 1985)に記載の方法を用いて調製することができる。

0167

例えば、開示された化合物又は該化合物の医薬として許容し得る形態がカルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸基水素原子と、(C1-C8)アルキル、(C2-C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1-(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルカノイルオキシ)-エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1-メチル-1-(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN-(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1-(N-(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3-フタリジル、4-クロトラクトニルγ-ブチロラクトン-4-イル、ジ-N,N-(C1-C2)アルキルアミノ(C2-C3)アルキル(例えば、β-ジメチルアミノエチル)、カルバモイル-(C1-C2)アルキル、N,N-ジ(C1-C2)アルキルカルバモイル-(C1-C2)アルキル、及びピペリジノ-、ピロリジノ-、又はモルホリノ(C2-C3)アルキルなどの基との置換によって形成される医薬として許容し得るエステルを含むことができる。

0168

同様に、開示された化合物又は該化合物の医薬として許容し得る形態がアルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子と、(C1-C6)アルカノイルオキシメチル、1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル、1-メチル-1-((C1-C6)アルカノイルオキシ)エチル (C1-C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N-(C1-C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1-C6)アルカノイル、α-アミノ(C1-C4)アルカノイル、アリールアシル、及びα-アミノアシル、又はα-アミノアシル-α-アミノアシル(ここで、各々のα-アミノアシル基は、独立に、天然に存在するL-アミノ酸から選択される)、P(O)(OH)2、-P(O)(O(C1-C6)アルキル)2、及びグリコシル(ヘミアセタール形態の炭水化物のヒドロキシル基の除去によって得られるラジカル)などの基との置換によって形成されることができる。

0169

開示された化合物又は該化合物の医薬として許容し得る形態がアミン官能基を取り込んでいる場合、プロドラッグは、アミン基中の水素原子と、R-カルボニル、RO-カルボニル、NRR'-カルボニル(ここで、R及びR'は、各々独立に、(C1-C10)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、ベンジル、天然α-アミノアシル、又は天然α-アミノアシル-天然α-アミノアシルである)、-C(OH)C(O)OY1(式中、Y1は、H、(C1-C6)アルキル、又はベンジルである)、-C(OY2)Y3(式中、Y2は(C1-C4)アルキルであり、かつY3は、(C1-C6)アルキル、カルボキシ(C1-C6)アルキル、アミノ(C1-C4)アルキル、又はモノ-N-もしくはジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノアルキルである)、-C(Y4)Y5(式中、Y4は、H又はメチルであり、かつY5は、モノ-N-又はジ-N,N-(C1-C6)アルキルアミノである)、モルホリノ、ピペリジン-1-イル、或いはピロリジン-1-イルなどの基との置換によって形成されることができる。

0170

ある実施態様において、医薬として許容し得る形態は異性体である。「異性体」は、同じ分子式を有する異なる化合物である。「立体異性体」は、原子が空間内で配置される様式のみが異なる異性体である。本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、任意の及び全ての幾何異性体及び立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、E-及びZ-異性体とも呼ばれる、二重結合シス-及びトランス-幾何異性体;R-及びS-エナンチオマー;ジアステレオマー、(d)-異性体及び(l)-異性体、これらのラセミ混合物;並びにこれらの他の混合物を、本開示の範囲内に含まれるものとして含む。

0171

一実施態様において、本明細書に提供されるのは、炭素-炭素二重結合周辺置換基の配置又は炭素環式環周辺の置換基の配置から生じる様々な幾何異性体及びその混合物である。炭素-炭素二重結合周辺の置換基は、「Z」又は「E」配置にあると表され、ここで、「Z」及び「E」という用語は、IUPAC基準に準拠して使用される。別途規定されない限り、二重結合を描いた構造は、「E」異性体と「Z」異性体の両方を包含する。

0172

或いは、炭素-炭素二重結合周辺の置換基は、「シス」又は「トランス」と呼ぶことができ、この場合、「シス」は、二重結合の同じ側にある置換基を表し、「トランス」は、二重結合の反対側にある置換基を表す。炭素環式環周辺の置換基の配置も、「シス」又は「トランス」と表すことができる。「シス」という用語は、環の平面の同じ側にある置換基を表し、「トランス」という用語は、環の平面の反対側にある置換基を表す。置換基が環の平面の同じ側と反対側の両方に配置されている化合物の混合物は、「シス/トランス」と表される。

0173

「エナンチオマー」は、重ね合わせることができない互いの鏡像である一対の立体異性体である。任意の割合の一対のエナンチオマーの混合物は、「ラセミ」混合物として知られることもある。「(±)」という用語は、適当な場合、ラセミ混合物を表すために使用される。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いの鏡像ではない立体異性体である。絶対立化学は、カーン-インゴールド-プレログ(Cahn-Ingold-Prelog)R-S体系に準拠して規定することができる。化合物がエナンチオマーであるとき、各々のキラル炭素における立体化学は、R又はSのどちらかによって規定することができる。その絶対配置が不明である分割化合物は、それらが、ナトリウムD線の波長平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)によって(+)又は(-)と表すことができる。本明細書に記載の化合物のいくつかは、1以上の不斉中心を含み、そのため、各々の不斉原子における絶対立体化学に関して、(R)-又は(S)-と規定することができるエナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じることができる。本化学的実体、医薬組成物、及び方法は、ラセミ混合物、光学的に実質的に純粋な形態、及び中間体混合物を含む、全てのそのような可能性のある異性体を含むことが意図される。光学活性のある(R)-及び(S)-異性体は、例えば、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製することができるか、又は従来の技術を用いて分割することができる。

0174

組成物の「エナンチオマー過剰」又は「%エナンチオマー過剰」は、以下に示す方程式を用いて計算することができる。以下に示す例において、組成物は、90%の一方のエナンチオマー、例えば、Sエナンチオマー、及び10%の他方のエナンチオマー、例えば、Rエナンチオマーを含む。
ee=(90-10)/100=80%

0175

したがって、90%の一方のエナンチオマー及び10%の他方のエナンチオマーを含む組成物は、80%のエナンチオマー過剰を有すると言われる。本明細書に記載のいくつかの組成物は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約75%、約90%、約95%、又は約99%のエナンチオマー過剰のS-エナンチオマーを含む。言い換えると、該組成物は、Rエナンチオマーと比べてエナンチオマー過剰のSエナンチオマーを含む。他の実施態様において、本明細書に記載のいくつかの組成物は、少なくとも約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約75%、約90%、約95%、又は約99%のエナンチオマー過剰のRエナンチオマーを含む。言い換えると、該組成物は、Sエナンチオマーと比べてエナンチオマー過剰のRエナンチオマーを含む。

0176

例えば、異性体/エナンチオマーは、いくつかの実施態様において、対応するエナンチオマーを実質的に含まないように提供することができ、また、本明細書で互換的に使用されるように、「光学的に濃縮された」、「エナンチオマー的に濃縮された」、「エナンチオマー的に純粋な」、及び「非ラセミの」と呼ぶこともできる。これらの用語は、1つのエナンチオマーの量が、ラセミ組成物の対照混合物中のその1つのエナンチオマーの量を超える(例えば、重量で1:1を超える)組成物を指す。例えば、Sエナンチオマーのエナンチオマー的に濃縮された調製物は、調製物の総重量(例えば、S及びR異性体の総重量)に対して、約50重量%を超える、例えば、少なくとも約75重量%、さらに例えば、少なくとも約80重量%のSエナンチオマーを有する化合物の調製物を意味する。いくつかの実施態様において、濃縮は、約80重量%をはるかに超えて、「実質的にエナンチオマー的に濃縮された」、「実質的にエナンチオマー的に純粋な」、又は「実質的に非ラセミの」調製物を提供するものであることができ、これらは、調製物の総重量に対して、少なくとも約85重量%、例えば、少なくとも約90重量%、さらに例えば、少なくとも約95重量%の1つのエナンチオマーを有する組成物の調製物を指す。ある実施態様において、本明細書に提供される化合物は、少なくとも約90重量%の1つのエナンチオマーから構成されている。他の実施態様において、該化合物は、少なくとも約95重量%、約98重量%、又は約99重量%の1つのエナンチオマーから構成されている。

0177

いくつかの実施態様において、化合物は、(S)-異性体と(R)-異性体のラセミ混合物である。他の実施態様において、本明細書に提供されるのは、該混合物の個々の化合物が、主に(S)-又は(R)-異性体形状で存在する化合物の混合物である。例えば、いくつかの実施態様において、該化合物混合物は、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超の(S)-エナンチオマー過剰を有する。いくつかの実施態様において、該化合物混合物は、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約99.5%、又はそれを上回る(S)-エナンチオマー過剰を有する。いくつかの実施態様において、該化合物混合物は、約55%〜約99.5%、約60%〜約99.5%、約65%〜約99.5%、約70%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%、約96%〜約99.5%、約97%〜約99.5%、約98%〜約99.5%、もしくは約99%〜約99.5%、又は約99.5%を上回る(S)-エナンチオマー過剰を有する。

0178

他の実施態様において、該化合物混合物は、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超の(R)-エナンチオマー過剰を有する。いくつかの実施態様において、該化合物混合物は、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約99.5%、又はそれを上回る(R)-エナンチオマー過剰を有する。いくつかの実施態様において、該化合物混合物は、約55%〜約99.5%、約60%〜約99.5%、約65%〜約99.5%、約70%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%、約96%〜約99.5%、約97%〜約99.5%、約98%〜約99.5%、もしくは約99%〜約99.5%、又は約99.5%を上回る(R)-エナンチオマー過剰を有する。

0179

他の実施態様において、該化合物混合物は、その立体化学配向を除いて同一の化学的実体、すなわち、(S)-又は(R)-異性体を含有する。例えば、本明細書に開示される化合物が-CH(R)-単位を有し、Rが水素でない場合、該-CH(R)-は、同一の化学的実体(すなわち、(S)-又は(R)-立体異性体)の各々について(S)-又は(R)-立体化学配向を取る。いくつかの実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)は、(S)-異性体と(R)-異性体のラセミ混合物である。別の実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)は、主に(S)-異性体又は主に(R)-異性体を含有する。例えば、いくつかの実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)中の(S)-異性体は、(S)-異性体と(R)-異性体の混合物の総重量に対して、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、もしくは約99.5重量%で、又はそれを上回って存在する。いくつかの実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)中の(S)-異性体は、約10%〜約99.5%、約20%〜約99.5%、約30%〜約99.5%、約40%〜約99.5%、約50%〜約99.5%、約55%〜約99.5%、約60%〜約99.5%、約65%〜約99.5%、約70%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%、約96%〜約99.5%、約97%〜約99.5%、約98%〜約99.5%、もしくは約99%〜約99.5%、又は約99.5%を上回る(S)-エナンチオマー過剰で存在する。

0180

他の実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)中の(R)-異性体は、(S)-異性体と(R)-異性体の混合物の総重量に対して、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、もしくは約99.5重量%で、又はそれを上回って存在する。いくつかの実施態様において、同一の化学的実体の混合物(すなわち、立体異性体の混合物)中の(R)-異性体は、約10%〜約99.5%、約20%〜約99.5%、約30%〜約99.5%、約40%〜約99.5%、約50%〜約99.5%、約55%〜約99.5%、約60%〜約99.5%、約65%〜約99.5%、約70%〜約99.5%、約75%〜約99.5%、約80%〜約99.5%、約85%〜約99.5%、約90%〜約99.5%、約95%〜約99.5%、約96%〜約99.5%、約97%〜約99.5%、約98%〜約99.5%、もしくは約99%〜約99.5%、又は約99.5%を上回る(R)-エナンチオマー過剰で存在する。

0181

エナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、キラル塩の形成及び結晶化を含む、当業者に公知の任意の方法によってラセミ混合物から単離するか、又は不斉合成によって調製することができる。例えば、エナンチオマー、ラセミ化合物、及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)(Jacques編、Wiley Interscience, New York, 1981); Wilenらの文献、Tetrahedron 33:2725(1977);炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)(E.L. Eliel編、McGraw-Hill, NY, 1962);並びに分割剤及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions) p. 268(E.L. Eliel編、Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, 1972年)を参照されたい。

0182

ある実施態様において、医薬として許容し得る形態は互変異性体である。本明細書で使用される場合、「互変異性体」という用語は、水素原子の少なくとも1回のホルマール移動及び価数の少なくとも1回の変化(例えば、単結合から二重結合へ、三重結合から二重結合へ、もしくは三重結合から単結合へ、又はその逆)から得られる2以上の相互変換可能な化合物を含むタイプの異性体である。「互変異性化」は、酸塩基化学反応の一部と考えられる、プロトトロピー型又はプロトンシフト型互変異性化を含む。「プロトトロピー型互変異性化」又は「プロトンシフト型互変異性化」は、結合次数の変化を伴うプロトンの移動を伴う。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、及びpHを含む、いくつかの因子によって決まる。互変異性化が可能な場合(例えば、溶液中で)、互変異性体の化学平衡に到達させることができる。互変異性化(すなわち、互変異性体対を提供する反応)は、酸もしくは塩基によって触媒させることができるか、又は外部薬剤の作用もしくは存在なしで起こることができる。例示的な互変異性化としては、ケト-エノール;アミド-イミド;ラクタム-ラクチム;エナミン-イミン;及びエナミン-(異なる)エナミン互変異性化が挙げられるが、これらに限定されない。ケト-エノール互変異性化の具体例は、ペンタン-2,4-ジオン互変異性体と4-ヒドロキシペンタ-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換である。互変異性化の別の例は、フェノール-ケト互変異性化である。フェノール-ケト互変異性化の具体例は、ピリジン-4-オール互変異性体とピリジン-4(1H)-オン互変異性体の相互変換である。

0183

別途明記されない限り、本明細書に図示される構造は、1以上の同位体濃縮原子の存在のみが異なる化合物を含むことも意図される。例えば、本構造を有する化合物は、水素がジュウテリウムもしくはトリチウムによって置換もしくは濃縮されていること、又は炭素が13C-もしくは14Cによって置換もしくは濃縮されていることを除き、本開示の範囲内にある。

0184

本開示はまた、1以上の原子が、天然に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置換されていることを除いて、本明細書に記載されているものと同一である同位体標識化合物を包含する。開示された化合物に取り込ませることができる同位体の例としては、それぞれ、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clなどの、水素、炭素、窒素酸素リン硫黄フッ素、及び塩素の同位体が挙げられる。ある同位体標識された開示された化合物(例えば、3H及び/又は14Cで標識されたもの)は、化合物及び/又は基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識同位体(すなわち、3H)及び炭素-14同位体(すなわち、14C)は、調製の簡便性及び検出可能性を可能にすることができる。さらに、より重い同位体、例えば、ジュウテリウム(すなわち、2H)との置換は、より大きな代謝安定性から得られる特定の治療的利点(例えば、インビボ半減期延長又は投薬必要量の低下)を与えることができる。同位体標識された開示された化合物は、通常、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いることによって調製することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、そのような化合物を構成する原子のうちの1つ又は複数において非天然の割合の原子同位体を含有することもできる化合物である。本明細書に開示される化合物の同位体バリエーションは全て、放射性であるか否かを問わず、本開示の範囲内に包含される。

0185

範囲が、分子量などの物理的性質、又は化学式などの化学的性質に対して本明細書で使用される場合、範囲及びその中の具体的な実施態様の全ての組合せ及びサブ組合せが含まれることが意図される。数字又は数値範囲に言及する場合の「約」という用語は、言及される数字又は数値範囲が、実験的ばらつきの範囲内(又は統計的実験誤差の範囲内)の近似値であり、したがって、該数字又は数値範囲が、例えば、記述された数字又は数値範囲の1%から15%の間で変動し得ることを意味する。値の範囲が記載されているとき、その範囲内の各々の値及びサブ範囲を包含することが意図される。例えば、「C1-6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、及びC5-6アルキルを包含することが意図される。

0186

具体的な官能基及び化学用語の定義は、以下でより詳細に記載されている。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、化学及び物理学ハンドブック(Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics)、第75版、内表紙に従って同定され、具体的な官能基は、通常、その中に記載されている通りに定義される。さらに、有機化学の一般的原理、並びに具体的な官能部分及び反応性は、有機化学(Organic Chemistry)、Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith及びMarchの文献、マーチの最先端有機化学(March's Advanced Organic Chemistry)、第5版、John Wiley & Sons社, New York, 2001; Larockの文献、包括的有機変換(Comprehensive Organic Transformations)、VCH Publishers社, New York, 1989;並びにCarruthersの文献、有機合成のいくつかの現代的方法(Some Modern Methodsof Organic Synthesis)、第3版、Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。

0187

本明細書で使用される略語は、化学及び生物学の分野におけるその慣習的な意味を有する。以下の略語及び用語は、全体を通して、示された意味を有する: PI3K=ホスホイノシチド3-キナーゼ;PI=ホスファチジルイノシトール;PDK=ホスホイノシチド依存性キナーゼ;DNA-PK=デオキシリボース核酸依存性タンパク質キナーゼ;PTEN=第10番染色体上で欠失しているホスファターゼ及びテンシンホモログ;PIKK=ホスホイノシチドキナーゼ様キナーゼ;AIDS=後天性免疫不全症候群;HIVヒト免疫不全ウイルス;MeI=ヨウ化メチル;POCl3=オキシ塩化リン;KCNSイソチオシアン酸カリウム;TLC薄層クロマトグラフィー;MeOH=メタノール;並びにCHCl3=クロロホルム

0188

「アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含まず、1〜10個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐炭化水素鎖ラジカル(例えば、C1-C10アルキル)を指す。それが本明細書に見られるときはいつでも、「1〜10」などの数値範囲は、所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「1〜10個の炭素原子」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個まで(10個を含む)の炭素原子からなり得ることを意味するが、この定義は、数値範囲が示されない「アルキル」という用語の存在も対象とする。いくつかの実施態様において、それは、C1-C4アルキル基である。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピルイソプロピルn-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルイソブチル三級ブチル、ペンチル、イソペンチルネオペンチルヘキシルセプチル、オクチル、ノニルデシルなどが挙げられるが、これらに少しも限定されない。アルキルは、分子の残部に単結合で結合しており、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシルなどがある。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アルキル基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチルトリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキルカルボシクリルカルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0189

アルキルアリール」は、アリール及びアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、アリール及びアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(アルキル)アリールラジカルを指す。

0190

アルキルヘテロアリール」は、ヘタリール及びアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロアリール及びアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(アルキル)ヘテロアリールラジカルを指す。

0191

アルキルヘテロシクロアルキル」は、アルキル及びヘテロシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロシクロアルキル及びアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(アルキル)ヘテロクイル(heterocycyl)ラジカルを指す。

0192

アルケン」部分は、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなる基を指し、「アルキン」部分は、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの炭素-炭素三重結合からなる基を指す。アルキル部分は、飽和であれ不飽和であれ、分岐状、直鎖、又は環式であることができる。

0193

「アルケニル」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐状炭化水素鎖ラジカル基(すなわち、C2-C10アルケニル)を指す。それが本明細書に見られるときはいつでも、「2〜10」などの数値範囲は、所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「2〜10個の炭素原子」は、アルケニル基が2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個まで(10個を含む)の炭素原子からなり得ることを意味する。ある実施態様において、アルケニルは、2〜8個の炭素原子を含む。他の実施態様において、アルケニルは、2〜5個の炭素原子を含む(例えば、C2-C5アルケニル)。アルケニルは、分子の残部に単結合で結合しており、例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロパ-1-エニル(すなわち、アリル)、ブタ-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどがある。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アルケニル基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0194

「アルケニル-シクロアルキル」は、アルケニル及びシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、アルケニル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(アルケニル)シクロアルキルラジカルを指す。

0195

「アルキニル」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含み、2〜10個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐状炭化水素鎖ラジカル基(すなわち、C2-C10アルキニル)を指す。それが本明細書に見られるときはいつでも、「2〜10」などの数値範囲は、所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「2〜10個の炭素原子」は、アルキニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、10個まで(10個を含む)の炭素原子からなり得ることを意味する。ある実施態様において、アルキニルは、2〜8個の炭素原子を含む。他の実施態様において、アルキニルは、2〜5個の炭素原子を有する(例えば、C2-C5アルキニル)。アルキニルは、分子の残部に単結合で結合しており、例えば、エチニルプロピニルブチニルペンチニルヘキシニルなどがある。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アルキニル基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0196

「アルキニル-シクロアルキル」は、アルキニル及びシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、アルキニル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(アルキニル)シクロアルキルラジカルを指す。

0197

カルボキシアルデヒド」は、-(C=O)Hラジカルを指す。

0198

カルボキシル」は、-(C=O)OHラジカルを指す。

0199

「シアノ」は、-CNラジカルを指す。

0200

「シクロアルキル」は、炭素及び水素のみを含み、飽和又は部分不飽和であり得る、単環式又は多環式ラジカルを指す。シクロアルキル基には、3〜10個の環原子を有する基(すなわち、C2-C10シクロアルキル)が含まれる。それが本明細書に見られるときはいつでも、「3〜10」などの数値範囲は、所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「3〜10個の炭素原子」は、シクロアルキル基が、3個の炭素原子など、10個まで(10個を含む)の炭素原子からなり得ることを意味する。いくつかの実施態様において、それは、C3-C8シクロアルキルラジカルである。いくつかの実施態様において、それは、C3-C5シクロアルキルラジカルである。シクロアルキル基の実例としては、以下の部分:シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロペンテニルシクロヘキシルシクロヘキセニルシクロセプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で別途具体的に記述されない限り、シクロアルキル基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0201

「シクロアルキル-アルケニル」は、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(シクロアルキル)アルケニルラジカルを指す。

0202

「シクロアルキル-ヘテロシクロアルキル」は、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(シクロアルキル)ヘテロシクイル(heterocycyl)ラジカルを指す。

0203

「シクロアルキル-ヘテロアリール」は、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(シクロアルキル)ヘテロアリールラジカルを指す。

0204

「アルコキシ」という用語は、酸素を介して親構造に結合した、直鎖状、分岐状、環状の形状、及びこれらの組合せの1〜8個の炭素原子を含む基-O-アルキルを指す。例としては、メトキシエトキシプロポキシイソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ」は、1〜6個の炭素を含むアルコキシ基を指す。いくつかの実施態様において、C1-C4アルキルは、1〜4個の炭素原子の直鎖アルキル分岐鎖アルキルの両方を包含するアルキル基である。

0205

置換アルコキシ」という用語は、アルキル成分が置換されているアルコキシ(すなわち、-O-(置換アルキル))を指す。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アルコキシ基のアルキル部分は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0206

「アルコキシカルボニル」という用語は、カルボニル炭素を介して結合した式(アルコキシ)(C=O)-の基を指し、式中、アルコキシ基は、表示された数の炭素原子を含む。したがって、C1-C6アルコキシカルボニル基は、その酸素を介してカルボニルリンカーに結合した1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基である。「低級アルコキシカルボニル」は、アルコキシ基が低級アルコキシ基であるアルコキシカルボニル基を指す。いくつかの実施態様において、C1-C4アルコキシは、1〜4個の炭素原子の直鎖アルコキシ基分岐鎖アルコキシ基の両方を包含するアルコキシ基である。

0207

「置換アルコキシカルボニル」という用語は、カルボニル官能基を介して親構造に結合している基(置換アルキル)-O-C(O)-を指す。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アルコキシカルボニル基のアルキル部分は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0208

「アシル」は、カルボニル官能基を介して親分子構造に結合している、基(アルキル)-C(O)-、(アリール)-C(O)-、(ヘテロアリール)-C(O)-、(ヘテロアルキル)-C(O)-、及び(ヘテロシクロアルキル)-C(O)-を指す。いくつかの実施態様において、それは、C1-C10アシルラジカルであり、これは、アシルオキシ基のアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキル部分の鎖又は環原子にアシルのカルボニル炭素を加えた総数、すなわち、3つの他の環又は鎖原子にカルボニルを加えたものを指す。Rラジカルがヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルである場合、ヘテロ環又は鎖原子は、鎖又は環原子の総数に寄与する。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アシルオキシ基の「R」は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0209

「アシルオキシ」は、R(C=O)O-ラジカルを指し、ここで、「R」は、本明細書に記載の通りである、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施態様において、それは、C1-C4アシルオキシラジカルであり、これは、アシルオキシ基のアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキル部分の鎖又は環原子にアシルのカルボニル炭素を加えた総数、すなわち、3つの他の環又は鎖原子にカルボニルを加えたものを指す。Rラジカルがヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルである場合、ヘテロ環又は鎖原子は、鎖又は環原子の総数に寄与する。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アシルオキシ基の「R」は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0210

「アミノ」又は「アミン」は、本明細書で別途具体的に記述されない限り、-N(Ra)2ラジカル基を指し、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。-N(Ra)2基が水素以外の2つのRaを有する場合、それらは、窒素原子と結合して、4、5、6、又は7員環を形成することができる。例えば、-N(Ra)2は、限定されないが、1-ピロリジニル及び4-モルホリニルを含むことが意図される。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アミノ基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり、これらの部分の各々は、本明細書で定義されている通りに任意に置換されることができる。

0211

置換アミノ」という用語はまた、各々上記の通りである基-NHRd及びNRdRdのN-オキシドを指す。N-オキシドは、対応するアミノ基を、例えば、過酸化水素又はm-クロロペルオキシ安息香酸で処理することによって調製することができる。当業者は、N-酸化を行うための反応条件を熟知している。

0212

「アミド(amide)」又は「アミド(amido)」は、式-C(O)N(R)2又は-NRC(O)Rを有する化学的部分を指し、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(鎖炭素を介して結合している)、及び複素脂環式(鎖炭素を介して結合している)からなる群から選択され、これらの部分の各々は、それ自体、任意に置換されることができる。いくつかの実施態様において、それは、C1-C4アミド(amido)又はアミド(amide)ラジカルであり、これは、ラジカル中の炭素の総数にアミド(amide)カルボニルを含む。アミド(amide)の-N(R)2のR2は、それが結合している窒素と任意に一緒になって、4、5、6、又は7員環を形成することができる。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アミド(amido)基は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキルについて本明細書に記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって独立に任意に置換されている。「アミド(amide)」は、式(I)の化合物に結合し、それによりプロドラッグを形成する、アミノ酸又はペプチド分子であることができる。本明細書に記載の化合物上の任意のアミン、ヒドロキシ、又はカルボキシル側鎖をアミド化することができる。そのようなアミド(amide)を生成させるための手順及び具体的な基は当業者に公知であり、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Greene及びWutsの文献、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第3版、John Wiley & Sons, New York, N.Y., 1999などの参照情報源において容易に見出すことができる。

0213

芳香族」又は「アリール」は、炭素環式である共役パイ電子系を有する少なくとも1つの環(例えば、フェニルフルオレニル、及びナフチル)を有する6個から最大14個の環原子を有する芳香族ラジカル(例えば、C6-C10芳香族又はC6-C10アリール)を指す。置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価ラジカルは、置換フェニレンラジカルと命名される。自由原子価を有する炭素原子から水素原子を1つ取り除くことにより、名前が「-イル」で終わる一価多環式炭化水素ラジカルから誘導される二価ラジカルは、対応する一価ラジカルの名前に「-イデン」を付加することによって命名され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基は、ナフチリデンと呼ばれる。それが本明細書に見られるときはいつでも、「6〜10」などの数値範囲は、所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「6〜10個の環原子」は、アリール基が、6個の環原子、7個の環原子など、10個まで(10個を含む)の環原子からなり得ることを意味する。この用語は、単環式又は縮合環多環式(すなわち、隣接する環原子対を共有する環)基を含む。本明細書で別途具体的に記述されない限り、アリール部分は、1以上の置換基によって任意に置換され、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0214

「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、アリール及びアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、アリール及びアルキルの好適な置換基として記載されている1以上の置換基によって任意に置換されている(アリール)アルキル-ラジカルを指す。

0215

「エステル」は、式-COORの化学ラジカルを指し、式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(鎖炭素を介して結合している)、及び複素脂環式(鎖炭素を介して結合している)からなる群から選択される。本明細書に記載の化合物上のアミン、ヒドロキシ、又はカルボキシル側鎖はいずれもエステル化されることができる。そのようなエステルを生成させるための手順及び具体的な基は当業者に公知であり、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Greene及びWutsの文献、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第3版、John Wiley & Sons、New York、N.Y., 1999などの参照情報源において容易に見出すことができる。本明細書で別途具体的に記述されない限り、エステル基は、1以上の置換基によって任意に置換されており、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-OC(O)N(Ra)2、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(NRa)N(Ra)2、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0216

「フルオロアルキル」は、上で定義されているような1以上のフルオロラジカルによって置換されている、上で定義されているようなアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルを指す。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上で定義されている通りに任意に置換されることができる。

0217

「ハロ」、「ハロゲン化物」、又はその代わりに「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、及び「ハロアルコキシ」という用語は、1以上のハロ基又はその組合せで置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアルコキシ構造を含む。例えば、「フルオロアルキル」及び「フルオロアルコキシ」という用語は、それぞれ、ハロがフッ素であるハロアルキル及びハロアルコキシ基を含む。

0218

「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、及び「ヘテロアルキニル」は、任意に置換されたアルキル、アルケニル、及びアルキニルラジカルを含み、これらは、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン、又はこれらの組合せから選択される1以上の骨格鎖原子を有する。鎖の全長を表す数値範囲、例えば、C1-C4ヘテロアルキルが与えられることがあり、この例では、鎖の全長は4原子の長さである。例えば、-CH2OCH2CH3ラジカルは「C4」ヘテロアルキルと呼ばれ、これは、原子鎖長の記述中にヘテロ原子中心を含む。分子の残部への接続は、ヘテロアルキル鎖中のヘテロ原子又は炭素のいずれかを介するものであることができる。ヘテロアルキル基は、1以上の置換基で任意に置換されることができ、該置換基は独立に:アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソチオキソ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)S(O)tRa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tORa(ここで、tは、1又は2である)、-S(O)tN(Ra)2(ここで、tは、1又は2である)、又はPO3(Ra)2であり、ここで、各々のRaは、独立に、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。

0219

「ヘテロアルキルアリール」は、ヘテロアルキル及びアリールが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロアルキル及びアリールの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(ヘテロアルキル)アリールラジカルを指す。

0220

「ヘテロアルキルヘテロアリール」は、ヘテロアルキル及びヘテロアリールが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロアルキル及びヘテロアリールの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(ヘテロアルキル)ヘテロアリールラジカルを指す。

0221

「ヘテロアルキルヘテロシクロアルキル」は、ヘテロアルキル及びヘテロアリールが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロアルキル及びヘテロシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(ヘテロアルキル)ヘテロシクロアルキルラジカルを指す。

0222

ヘテロアルキルシクロアルキル」は、ヘテロアルキル及びシクロアルキルが、本明細書に開示されている通りであり、かつそれぞれ、ヘテロアルキル及びシクロアルキルの好適な置換基として記載されている置換基のうちの1つ又は複数によって任意に置換されている-(ヘテロアルキル)シクロアルキルラジカルを指す。

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