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技術 KIR3DL2結合剤

出願人 イナート・ファルマ・ソシエテ・アノニム
発明者 ローラン・ゴーティエサイモン・コールンバーガーバンジャマン・ロッシエレーヌ・シカールカリーヌ・パトゥレルステファニー・コルネンステファニー・ゼルビブ
出願日 2013年9月17日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2015-532387
公開日 2015年12月17日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2015-535820
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 二次フロー 残留リン エンゲージメント 身体区域 参照文 利益効果 直接干渉 発達レベル
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この項目の情報は公開日時点(2015年12月17日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、KIR3DL2に特異的に結合する抗体(例えば、モノクローナル抗体)、抗体断片、およびその誘導体を使用して癌および炎症疾患治療する方法に関する。本発明はまた、抗体、そのような抗体を産生する細胞;そのような抗体を作製する方法;抗体の断片、バリアント、および誘導体;それらを含む医薬組成物に関する。

概要

背景

キラー免疫グロブリン様受容体KIR)は、C型レクチン受容体(CD94−NKG2)とともに、MHCクラス分子を特異的に認識するためにヒトNK細胞およびTリンパ球サブセットにより使用される受容体のファミリーである。ある阻害および活性化KIRは、高度に類似する細胞外ドメインを有し、同一のモノクローナル抗体により認識され、例えばKIR2DL1およびKIR2DS1は両方ともEB6により認識され、2DL2および2DS2はGL183により認識される。3つの基準(細胞外Ig様ドメインドメインD0、D1、D2)の数、細胞質テール長、および配列相似性)が、KIRタンパク質を13のグループ、すなわち、KIR3DL1〜2、KIR3DS1、KIR2DL1〜5、およびKIR2DS1〜5にカテゴライズするために使用されている。2つのドメインについての名称2Dまたは3つのドメインについての3Dは、Ig様ドメインの数を与え;長鎖または短鎖細胞質ドメインのいずれかを有する受容体は、さらにLまたはSとして分類される(非特許文献1)。阻害受容体は、そのHLAクラスリガンドのKIRエンゲージメントによりチロシンリン酸化されるカノニカルなITIMを含有する長鎖(L)細胞質テール(すなわち、KIR2DLまたはKIR3DL)を有する。リン酸化されたITIMは、Srcホモロジー2ドメインを含有するタンパク質チロシンホスファターゼの、Srcホモロジー2ドメイン含有ホスファターゼ1および/またはSrcホモロジー2ドメイン含有ホスファターゼ2を動員し、それらが細胞基質脱リン酸化し、したがってNK活性シグナルを停止させ、すなわち、適切な自己MHCクラスI発現を有する標的細胞を回避する。短鎖(S)細胞質テールを有する受容体は、ITIMを欠く(すなわち、KIR2DSまたはKIR3DS)。これらの活性化KIRは、それらの膜貫通ドメイン内に荷電残基を含有し、それによりシグナリング鎖KARAP/DAP12との相互作用が容易となる。KIR2DS受容体ファミリーのエンゲージメントは、KARAP/DAP12媒介シグナリングイベントカスケードをもたらし、NK細胞細胞溶解活性の増加および炎症促進性サイトカイン、例えばIFN−γの産生に至ることが示されている(非特許文献1)。成熟NK細胞は、一般に潜在的に自己反応性活性化分子より機能的に優先する自己MHCクラスI分子に特異的な少なくとも1つの阻害受容体を獲得することが予測されている。NK細胞の応答は、KIRおよび他の受容体による活性化および阻害シグナリングの両方の統合された成果を表すことが提案されている。

KIR3DL2は、KIR3DL2受容体を発現するCD4+T細胞、特にCD4+T細胞が関与する悪性腫瘍、例として、菌状息肉症およびセザリー症候群のような悪性腫瘍の治療のための標的として研究されてきた(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。

KIR3DL2のリガンドHLA−B27は、強直性脊椎炎(AS)に代表される消耗性炎症性関節炎障害のグループの脊椎関節炎(SpA)と強く関連する。ゲノムワイド関連試験は、SpAにおいてTh17細胞により産生されるIL−17の調節に関与する遺伝子を強く示した(非特許文献2)。IL17は、多様な自己免疫障害、例としてSpAに関与している(非特許文献3;非特許文献4)。HLA−B27(B27)は、古典的なβ2会合ヘテロトリマーおよび非カノニカルなβ2mフリージスルフィド結合重鎖ダイマー(B272と称される)の両方として、疾患において抗原発現細胞APC)の表面において発現される(非特許文献5;非特許文献6)。キラー細胞免疫グロブリン様受容体KIR3DL2についてのリガンドは、B27ヘテロトリマーでなく、B27ダイマーである(非特許文献6)。KIR3DL2の3つの免疫グロブリン様ドメインD0D1およびD2は、リガンドの結合に関与する。B27ダイマーによるKIR3DL2ライゲーションは、Th17およびNK細胞サブセットの生存を促進する(非特許文献7;非特許文献8)。SpAを有する患者において、KIR3DL2を発現する病原性Th17およびNK細胞サブセットの比率の増加が存在することが示されている(非特許文献7および非特許文献8)。研究は、KIR3DL2−B27相互作用がSpAにおいて中心的な役割を担うことおよびKIR3DL2が有望な治療標的であることを強く示唆している。

種々のKIR3Dポリペプチドに対して反応性の抗体の存在が、報告されている。2つの抗KIR3DL2抗体の存在:Q241およびQ66が報告されている(非特許文献9)。しかしながら、これら2つの抗体はIgMアイソタイプペンタマー)のものであり、医薬使用に容易に適合されず;さらにそれらの可変領域が二価IgG型抗体に関して配置された場合、それらの親和性は低いと予測される。さらなる抗体を産生する「AZ158」と称される細胞が報告された(非特許文献10;特許文献1)。抗体5.133は、Miltenty Biotech(Auburn CA)から入手可能である。抗体AZ158および5.133は両方とも、KIR3DL2およびKIR3DL1に結合する(さらに高度に相同性のKIR3DS1に結合する)。KIR3DL2およびKIR3DL1は、比較的高いアミノ酸同一性共有し、KIR3DL2に結合する種々のHLAリガンドはKIR3DL1によっても認識される。AZ158、Q241およびQ66を生じさせた免疫化にかかわらず、治療および他の用途において改善された抗体が必要とされている。

概要

本発明は、KIR3DL2に特異的に結合する抗体(例えば、モノクローナル抗体)、抗体断片、およびその誘導体を使用して癌および炎症疾患を治療する方法に関する。本発明はまた、抗体、そのような抗体を産生する細胞;そのような抗体を作製する方法;抗体の断片、バリアント、および誘導体;それらを含む医薬組成物に関する。

目的

本発明は、KIR3DL2ポリペプチドに結合し得る抗原結合タンパク質を提供する

効果

実績

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請求項1

列番号1のアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、配列番号169のアミノ酸配列を含むKIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合せず、KIR3DL2発現細胞中に内在化されないモノクローナル抗体。

請求項2

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、および(c)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項1に記載の抗体。

請求項3

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記KIR3DL2と、KIR3DL2の第1のHLA天然リガンドとの間の結合を検出可能に低減させる(または排除する)が、前記KIR3DL2と、KIR3DL2の第2のHLA天然リガンドとの間の結合を検出可能に低減させない(または排除しない)モノクローナル抗体。

請求項4

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、および(c)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項3に記載の抗体。

請求項5

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、および(c)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現されるモノクローナル抗体。

請求項6

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、(c)配列番号161に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*003)、(d)配列番号163に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*005)、および(e)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項1〜5に記載の抗体。

請求項7

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、(c)配列番号161に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*003)、(d)配列番号163に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*005)、(e)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)、および(f)配列番号166に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*008)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項1〜5に記載の抗体。

請求項8

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異I60NおよびG62Sを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項9

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R13W、A25TおよびQ27Rを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項10

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異Q56AおよびE57Aを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項11

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異P14S、S15AおよびH23Sを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項12

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、(a)アミノ酸突然変異I60NおよびG62を有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチド、ならびに(b)アミノ酸突然変異P14S、S15AおよびH23Sを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項1〜7に記載の抗体。

請求項13

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R13W、A25T、Q27R、I60NおよびG62Sを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項14

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R78HおよびL82Pを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。

請求項15

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異W226Aを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の抗体。

請求項16

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異I231MおよびR246Pを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項1〜7または15のいずれかに記載の抗体。

請求項17

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異E239Gを有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項1〜7または15〜16のいずれかに記載の抗体。

請求項18

KIR3DL2発現細胞中でのKIR3DL2ポリペプチドの内在化を引き起こさない、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項19

前記KIR3DL2と、KIR3DL2のHLAクラスI−リガンドとの間の結合を検出可能に低減させる、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項20

前記KIR3DL2とHLA−B27との間の結合を検出可能に低減させる、請求項1〜19に記載の抗体。

請求項21

前記KIR3DL2とHLA−B27との間の結合を検出可能に低減させるが、KIR3DL2とHLA−A3との間の結合を検出可能に低減させない、請求項1〜19に記載の抗体。

請求項22

前記KIR3DL2とHLA−A3との間の結合を検出可能に低減させるが、KIR3DL2とHLA−B27との間の結合を検出可能に低減させない、請求項1〜19に記載の抗体。

請求項23

配列番号1のアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチドのD0ドメイン中のアミノ酸残基に結合するモノクローナル抗体であって、配列番号169のアミノ酸配列を含むKIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合しないモノクローナル抗体。

請求項24

配列番号1のアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチドのD2ドメイン中のアミノ酸残基に結合するモノクローナル抗体であって、配列番号169のアミノ酸配列を含むKIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合しないモノクローナル抗体。

請求項25

KIR3DL2ポリペプチドに少なくとも部分的にそのリガンド結合面上で結合する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項26

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異I60NおよびG62を含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有するモノクローナル抗体。

請求項27

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R13W、A25TおよびQ27Rを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項26に記載の抗体。

請求項28

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R13W、A25TおよびQ27Rを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有するモノクローナル抗体。

請求項29

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異Q56SおよびE57Aを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さない、請求項26〜28に記載の抗体。

請求項30

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異P14S、S15AおよびH23Sを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項26〜29に記載の抗体。

請求項31

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異P14S、S15AおよびH23Sを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有するモノクローナル抗体。

請求項32

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異R78HおよびL82Pを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有するモノクローナル抗体。

請求項33

KIR3DL2ポリペプチドに結合するモノクローナル抗体であって、前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異W226Aを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有するモノクローナル抗体。

請求項34

前記抗体と、野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドに関してアミノ酸突然変異I231MおよびR246Pを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項33に記載の抗体。

請求項35

前記抗体と、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合に対して、アミノ酸突然変異E239Gを含む突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、請求項33〜34に記載の抗体。

請求項36

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、および(c)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項23〜35に記載の抗体。

請求項37

(a)配列番号160に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*001)、(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*002)、(c)配列番号161に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*003)、(d)配列番号163に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*005)、(e)配列番号165に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*007)、および(f)配列番号166に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL2ポリペプチド(アレル_*008)に結合し、それぞれの場合、前記KIR3DL2ポリペプチドは、細胞の表面上で発現される、請求項23〜35に記載の抗体。

請求項38

KIR3DL2発現細胞中に内在化されず、および/またはKIR3DL2発現細胞中でのKIR3DL2ポリペプチドの内在化を引き起こさない、請求項1〜9、11〜28および30〜37に記載の抗体。

請求項39

ADCCを介してKIR3DL2発現細胞の溶解を誘導し得る、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項40

リガンド誘導KIR3DL2シグナリング阻害する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項41

KIR3DL2ポリペプチドへの結合について、(a)配列番号13および14のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(2B12)、(b)配列番号23および24のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(10G5)、(c)配列番号2および3のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(10F6)、(d)配列番号34および35のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(13H1)、(e)配列番号45および46のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(1E2)、(f)配列番号56および57または67のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(9E10)、(g)配列番号170および171のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(1C3)、ならびに(h)配列番号181および182のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(20E9)からなる群から選択される抗体と競合する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項42

KIR3DL2ポリペプチドへの結合について、(a)配列番号13および14のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(2B12)、(b)配列番号23および24のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(10G5)、(c)配列番号2および3のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(10F6)、(d)配列番号34および35のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(13H1)、(e)配列番号45および46のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(1E2)、ならびに(f)配列番号56および57または67のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(9E10)、(g)配列番号170および171のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(1C3)、ならびに(h)配列番号181および182のVHおよびVL領域をそれぞれ有する抗体(20E9)からなる群から選択される抗体と競合する抗体。

請求項43

(a)(i)配列番号15(HCDR1)、配列番号18(HCDR2)および配列番号20(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、21または22の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換欠失または挿入を含み得る抗体;(b)(i)配列番号4(HCDR1)、配列番号7(HCDR2)および配列番号9(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、11または12の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(c)(i)配列番号25(HCDR1)、配列番号28(HCDR2)および配列番号30(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号31、32または33の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(d)(i)配列番号36(HCDR1)、配列番号39(HCDR2)および配列番号41(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号42、43または44の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(e)(i)配列番号47(HCDR1)、配列番号50(HCDR2)および配列番号52(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号53、54または55の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;ならびに(f)(i)配列番号58(HCDR1)、配列番号61(HCDR2)および配列番号63(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号64、65または66の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(g)(i)配列番号172、173または174(HCDR1)、配列番号175または176(HCDR2)および配列番号177(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号178、179または180の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;ならびに(h)(i)配列番号183、184または185(HCDR1)、配列番号186または187(HCDR2)および配列番号188(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号189、190または191の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体である、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項44

(a)(i)配列番号15(HCDR1)、配列番号18(HCDR2)および配列番号20(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、21または22の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(b)(i)配列番号25(HCDR1)、配列番号28(HCDR2)および配列番号30(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号31、32または33の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(c)(i)配列番号4(HCDR1)、配列番号7(HCDR2)および配列番号9(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、11または12の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(d)(i)配列番号36(HCDR1)、配列番号39(HCDR2)および配列番号41(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号42、43または44の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(e)(i)配列番号47(HCDR1)、配列番号50(HCDR2)および配列番号52(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号53、54または55の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;ならびに(f)(i)配列番号58(HCDR1)、配列番号61(HCDR2)および配列番号63(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号64、65または66の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;(g)(i)配列番号172、173または174(HCDR1)、配列番号175または176(HCDR2)および配列番号177(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号178、179または180の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;ならびに(h)(i)配列番号183、184または185(HCDR1)、配列番号186または187(HCDR2)および配列番号188(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号189、190または191の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体からなる群から選択されるモノクローナル抗体。

請求項45

前記KIR3DL2ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド(アレル*002)である、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項46

前記KIR3DL1ポリペプチドは、配列番号130のアミノ酸配列を含むポリペプチド(アレル*00101)である、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項47

ヒトKIR3DL2ポリペプチドについての10−8M未満の二価結合親和性(KD)を有する、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項48

ヒトIgG重鎖定常領域を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項49

FcγIIIA受容体に結合するヒト重鎖定常領域を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項50

キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項51

少なくとも1つのアミノ酸置換を有する改変ヒト重鎖定常領域を含み、FcγIIIA受容体に対する前記改変定常領域の結合親和性は、前記アミノ酸置換を有さない定常領域と比較して増加される、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項52

フコシル化結合グリカンを有するヒト重鎖定常領域を含み、FcγIIIA受容体に対する前記改変定常領域の結合親和性は、前記低フコシル化N結合グリカンを有さない定常領域と比較して増加される、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体。

請求項53

請求項1〜49に記載の抗体をキメラ化またはヒト化することにより得られた抗体。

請求項54

上記請求項のいずれか一項に記載の抗体、および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物

請求項55

前記抗体は、約25mg〜500mgの量で存在する、請求項54に記載の組成物

請求項56

上記請求項のいずれか一項に記載の抗体を含み、場合により、上記請求項のいずれか一項に記載の抗体を特異的に認識する標識二次抗体をさらに含むキット

請求項57

請求項1〜53に記載の抗体を産生するハイブリドーマまたは組換え宿主細胞

請求項58

疾患の治療または予防が必要とされる患者における疾患を治療または予防する方法であって、前記患者に有効量の請求項1〜53に記載の抗体または請求項54〜55に記載の組成物を投与することを含む方法。

請求項59

前記疾患は、CD4+T細胞リンパ腫である、請求項58に記載の方法。

請求項60

前記癌は、菌状息肉症およびセザリー症候群から選択される、請求項59に記載の方法。

請求項61

前記疾患は、炎症または自己免疫障害である、請求項58に記載の方法。

請求項62

対象中のKIR3DL2発現細胞を同定する方法であって、細胞を含む対象からの生物学的試料を得ること、前記細胞を請求項1〜53に記載の抗体と接触させることおよび前記抗体が前記細胞に結合するか否かを評価することを含む方法。

請求項63

対象中のKIR3DL2発現疾患関連細胞を同定する方法であって、疾患関連細胞を含む対象からの生物学的試料を得ること、前記疾患関連細胞を請求項1〜53に記載の抗体と接触させることおよび前記抗体が疾患関連細胞に結合するか否かを評価することを含み、前記抗体が疾患関連細胞に結合する知見は、前記対象が疾患を有すること、前記対象が疾患関連細胞を保有することおよび/または前記疾患関連細胞がKIR3DL2を発現することを示す方法。

請求項64

請求項1〜53に記載の抗体による治療に応答する疾患を有する対象を選択する方法であって、前記対象中の細胞がKIR3DL2受容体を発現するか否かを決定することを含み、KIR3DL2受容体の発現は、レスポンダー対象を示す方法。

請求項65

レスポンダー対象に請求項1〜53に記載の抗体を投与することをさらに含む、請求項64に記載の方法。

請求項66

前記疾患は、CD4+T細胞癌である、請求項64〜65に記載の方法。

請求項67

前記癌は、菌状息肉症およびセザリー症候群から選択される、請求項66に記載の方法。

請求項68

前記疾患は、炎症または自己免疫障害である、請求項64〜65に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、KIR3DL2ポリペプチドに結合し得る抗原結合タンパク質を提供する。抗体は、KIR3DL2発現細胞、特にCD4+T細胞により特徴づけられる障害、例として、悪性腫瘍、例えば、菌状息肉症およびセザリー症候群、ならびにKIR3DL2発現自己免疫障害治療における増加した活性を有する。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月19日に出願された米国仮特許出願第61/702,834号明細書の利益を主張し;その開示は任意の図面を含め参照により全体として本明細書に組み込まれる。

0003

配列表の参照
本出願は、電子フォーマットの配列表とともに出願されている。配列表は、2013年9月13日に作出され、91KBサイズの標題「KIR−3 PCT_ST25」のファイルとして提供される。配列表の電子フォーマット中の情報は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。

背景技術

0004

キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)は、C型レクチン受容体(CD94−NKG2)とともに、MHCクラス分子を特異的に認識するためにヒトNK細胞およびTリンパ球サブセットにより使用される受容体のファミリーである。ある阻害および活性化KIRは、高度に類似する細胞外ドメインを有し、同一のモノクローナル抗体により認識され、例えばKIR2DL1およびKIR2DS1は両方ともEB6により認識され、2DL2および2DS2はGL183により認識される。3つの基準(細胞外Ig様ドメインドメインD0、D1、D2)の数、細胞質テール長、および配列相似性)が、KIRタンパク質を13のグループ、すなわち、KIR3DL1〜2、KIR3DS1、KIR2DL1〜5、およびKIR2DS1〜5にカテゴライズするために使用されている。2つのドメインについての名称2Dまたは3つのドメインについての3Dは、Ig様ドメインの数を与え;長鎖または短鎖細胞質ドメインのいずれかを有する受容体は、さらにLまたはSとして分類される(非特許文献1)。阻害受容体は、そのHLAクラスリガンドのKIRエンゲージメントによりチロシンリン酸化されるカノニカルなITIMを含有する長鎖(L)細胞質テール(すなわち、KIR2DLまたはKIR3DL)を有する。リン酸化されたITIMは、Srcホモロジー2ドメインを含有するタンパク質チロシンホスファターゼの、Srcホモロジー2ドメイン含有ホスファターゼ1および/またはSrcホモロジー2ドメイン含有ホスファターゼ2を動員し、それらが細胞基質脱リン酸化し、したがってNK活性シグナルを停止させ、すなわち、適切な自己MHCクラスI発現を有する標的細胞を回避する。短鎖(S)細胞質テールを有する受容体は、ITIMを欠く(すなわち、KIR2DSまたはKIR3DS)。これらの活性化KIRは、それらの膜貫通ドメイン内に荷電残基を含有し、それによりシグナリング鎖KARAP/DAP12との相互作用が容易となる。KIR2DS受容体ファミリーのエンゲージメントは、KARAP/DAP12媒介シグナリングイベントカスケードをもたらし、NK細胞細胞溶解活性の増加および炎症促進性サイトカイン、例えばIFN−γの産生に至ることが示されている(非特許文献1)。成熟NK細胞は、一般に潜在的に自己反応性活性化分子より機能的に優先する自己MHCクラスI分子に特異的な少なくとも1つの阻害受容体を獲得することが予測されている。NK細胞の応答は、KIRおよび他の受容体による活性化および阻害シグナリングの両方の統合された成果を表すことが提案されている。

0005

KIR3DL2は、KIR3DL2受容体を発現するCD4+T細胞、特にCD4+T細胞が関与する悪性腫瘍、例として、菌状息肉症およびセザリー症候群のような悪性腫瘍の治療のための標的として研究されてきた(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。

0006

KIR3DL2のリガンドHLA−B27は、強直性脊椎炎(AS)に代表される消耗性炎症性関節炎障害のグループの脊椎関節炎(SpA)と強く関連する。ゲノムワイド関連試験は、SpAにおいてTh17細胞により産生されるIL−17の調節に関与する遺伝子を強く示した(非特許文献2)。IL17は、多様な自己免疫障害、例としてSpAに関与している(非特許文献3;非特許文献4)。HLA−B27(B27)は、古典的なβ2会合ヘテロトリマーおよび非カノニカルなβ2mフリージスルフィド結合重鎖ダイマー(B272と称される)の両方として、疾患において抗原発現細胞APC)の表面において発現される(非特許文献5;非特許文献6)。キラー細胞免疫グロブリン様受容体KIR3DL2についてのリガンドは、B27ヘテロトリマーでなく、B27ダイマーである(非特許文献6)。KIR3DL2の3つの免疫グロブリン様ドメインD0D1およびD2は、リガンドの結合に関与する。B27ダイマーによるKIR3DL2ライゲーションは、Th17およびNK細胞サブセットの生存を促進する(非特許文献7;非特許文献8)。SpAを有する患者において、KIR3DL2を発現する病原性Th17およびNK細胞サブセットの比率の増加が存在することが示されている(非特許文献7および非特許文献8)。研究は、KIR3DL2−B27相互作用がSpAにおいて中心的な役割を担うことおよびKIR3DL2が有望な治療標的であることを強く示唆している。

0007

種々のKIR3Dポリペプチドに対して反応性の抗体の存在が、報告されている。2つの抗KIR3DL2抗体の存在:Q241およびQ66が報告されている(非特許文献9)。しかしながら、これら2つの抗体はIgMアイソタイプペンタマー)のものであり、医薬使用に容易に適合されず;さらにそれらの可変領域が二価IgG型抗体に関して配置された場合、それらの親和性は低いと予測される。さらなる抗体を産生する「AZ158」と称される細胞が報告された(非特許文献10;特許文献1)。抗体5.133は、Miltenty Biotech(Auburn CA)から入手可能である。抗体AZ158および5.133は両方とも、KIR3DL2およびKIR3DL1に結合する(さらに高度に相同性のKIR3DS1に結合する)。KIR3DL2およびKIR3DL1は、比較的高いアミノ酸同一性共有し、KIR3DL2に結合する種々のHLAリガンドはKIR3DL1によっても認識される。AZ158、Q241およびQ66を生じさせた免疫化にかかわらず、治療および他の用途において改善された抗体が必要とされている。

0008

国際公開第2010/081890号パンフレット
国際公開第02/50122号パンフレット

先行技術

0009

Pascal V.et al.,2007 J.Immunol.179:1625−1633
Reveille,et al.(2011)Nat Genet 43:761−767
Shen,et al.(2009)Arthritis Rheum 60:1647−1656
Wendling,et al.(2007)Joint Bone Spine 74:304−305
Bird,et al.(2003)Eur J Immunol 33:748−759
Kollnberger,et al.(2002)Arthritis Rheum 46:2972−2982
Bowness,et al.(2011)Journal of immunology 186:2672−2680
Chan,et al.(2005)Arthritis Rheum 52:3586−3595
Pende,et al.(1996)J Exp Med 184:505−518
Parolini,S.,et al.(2002)In Leucocyte typingVII.D.Mason,editor.Oxford University Press,Oxford.415−417

課題を解決するための手段

0010

一態様において、本発明は、とりわけ、KIR3DL2が抗体に結合する場合に内在化し得るという発見から得られる。本発明者らは、次いで、内在化しない一連の抗KIR3DL2mAbを同定する。KIR3DL2内在化は、ADCCベースアプローチを強く妨げることが実証される。ここで、本発明者らはまた、KIR3DL2とのB27ダイマー相互作用を阻害する抗KIR3DL2抗体を提供する。特に、リガンド遮断は、受容体内在化を引き起こさずに達成することができる。本発明者らはまた、KIR3DL2−HLA−A3相互作用を遮断せずにKIR3DL2−HLA B27相互作用を選択的に遮断する抗体を提供する。

0011

メジャー(ヒト集団頻度に関して)KIR3DL2アレルに結合するが、密接に関連するKIR3DL1ポリペプチド(例えば、配列番号169に示されるアミノ酸配列を含むアレル*00101)に結合しない抗体が提供される。一実施形態において、抗体は、配列番号1および159〜168のKIR3DL2ポリペプチド(例えば、アレル*002、*003、*005、*007、および/または*008)の1、2、3、4または5つ以上に結合する。結果的に、本明細書に記載の有利な機能特性を有し、例えば、個体中で発現されるKIR3DL2アレルを評価する診断試験の実施を必要とせずに実質的にヒト集団にわたる疾患の治療のために投与することができる抗体が提供される。

0012

抗体のエピトープ試験を通して、有利な特性を生じさせるために抗体により標的化することができるKIR3DL2上(D0ドメインおよびD2ドメイン中)の領域も提供される。

0013

一態様において、抗体は、ヒトKIR3DL2の複数のアレルに結合する一方、KIR3DL1を超えるKIR3DL2特異性を維持する追加の利点をさらに有する。

0014

KIR3DL2の天然リガンドを遮断する利点を有し、したがって枯渇または非枯渇mAbフォーマットのいずれかとして炎症障害の治療または予防に十分に適合する抗体が提供される。さらに、異なるエピトープは、異なるリガンド遮断特異性を提供する。

0015

KIR3DL2リガンド(HLA−A3およびHLA−B27)を遮断しない抗体、例として非内在化抗体も提供され;これらの抗体は、リガンドとの競合を回避するために有用であり得るADCCベースアプローチにおいて有利であり得る。

0016

一態様において、KIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体であって、KIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合せず(例えば、KIR3DL1ポリペプチドは、配列番号169のアミノ酸配列を含む)、KIR3DL2発現細胞中に内在化されない抗体が提供される。

0017

一態様において、少なくとも2つのKIR3DL2ポリペプチド(アレル)に結合する抗体であって、KIR3DL1ポリペプチド(例えば、配列番号169に示されるアミノ酸配列を含むKIR3DL1アレル*00101)に実質的に結合しない抗体が提供される。

0018

一実施形態において、抗体は、配列番号1、161、163、165および/または166のKIR3DL2ポリペプチド(アレル*002、*003、*005、*007、および/または*008)の1、2、3、4または5つに結合する。

0019

一実施形態において、抗体は、配列番号1、171および176に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*002、*001および*007)のそれぞれに結合する。一実施形態において、抗体は、配列番号171および178に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*001および*009)のそれぞれに結合する。一実施形態において、抗体は、配列番号171、1、176および178に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*001、*002、*007および*009)のそれぞれに結合する。一実施形態において、抗体は、配列番号171、1、172、174および176に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*001、*002、*003、*005および*007)のそれぞれに結合する。一実施形態において、抗体は、配列番号171、1、176および177に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*001、*002、*007および*008)のそれぞれに結合する。一実施形態において、抗体は、配列番号171、1、172、174、176および177に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(それぞれアレル_*001、*002、*003、*005、*007および*008)のそれぞれに結合する。上記のいずれかの一実施形態において、抗体は、配列番号178に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(アレル*09)にさらに結合する。上記のいずれかの一実施形態において、抗体は、配列番号173に示されるアミノ酸配列を有するKIR3DL2ポリペプチド(アレル*004)にさらに結合する。上記のいずれかの一実施形態において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドアレル*010(*001と同一の配列番号171の細胞外ドメインを有する)にさらに結合する。上記のいずれかの一実施形態において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドアレル*011(*003と同一の(配列番号179の)細胞外ドメインを有する)にさらに結合する。上記のいずれかの一実施形態において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドアレル*006にさらに結合する。場合により、それぞれの場合、抗体は、細胞(例えば、KIR3DL2が天然立体構造であるレポーター細胞系)の表面上で発現される前記KIR3DL2ポリペプチドに結合する。場合により、抗体は立体構造的エピトープに結合する。

0020

場合により、それぞれの場合、抗体は、ヒトKIR3DL2ポリペプチドについての、場合により二価である10−8M未満の結合親和性(KD)で、細胞の表面上で発現される前記KIR3DL2ポリペプチドに結合する。好ましくは、抗体はKIR3DL2上の立体構造的エピトープに結合する。

0021

一実施形態において、KIR3DL2ポリペプチドのD0またはD2ドメイン中のアミノ酸残基に結合する抗体であって、KIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合しない抗体が提供される。

0022

場合により、抗体は、ヒトKIR3DL2ポリペプチドについての、場合により二価である10−8M未満、好ましくは、10−9M未満、または好ましくは、10−10M未満の結合親和性(KD)(すなわち、それらよりも良好な親和性)を有する。

0023

場合により、抗体は、特定のKIR3DL2アレル(例えば、アレル_*001、*002、*003、*005、*007および/または*008)を表面において発現させるようにした細胞への結合についての、5μg/ml以下、場合により3μg/ml以下、2μg/ml以下、1μg/ml以下または0.5μg/ml以下のEC50を有する。

0024

一態様において、KIR3DL2ポリペプチドにそのリガンド(HLA)結合領域(例えば、HLA結合ポケット)中で、または少なくとも部分的にKIR3DL2タンパク質のHLA結合面上で結合する抗体が提供される。

0025

好ましくは、本明細書の実施形態のいずれかにおいて、KIR3DL2ポリペプチドのD0ドメイン(配列番号1の残基1〜98)および/またはD2ドメイン(配列番号1の残基193〜292)内のアミノ酸残基に結合する抗体が提供される。場合により、D0および/またはD2ドメイン内の残基における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの抗体の結合は、配列番号1の野生型KIR3DL2ポリペプチドへの結合と比較して実質的に低減される。

0026

一態様において、抗体は、R13、P14、S15、H23、A25、Q27、I60およびG62(配列番号1に関する)からなる群から選択される残基の1、2、3、4、5つ以上を含むエピトープに結合し、ならびに/または抗体は、R13、P14、S15、H23、A25、Q27、I60およびG62(配列番号1に関する)からなる群から選択される残基における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。

0027

本明細書の突然変異について使用される略語表記は、野生型残基:ポリペプチド中の位置(配列番号1に示される残基の番号付与):突然変異残基である。

0028

一態様において、KIR3DL2ポリペプチドの残基R13、A25および/もしくはQ27を含むエピトープに結合し、ならびに/または残基R13、A25および/もしくはQ27(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。例えば、抗体は、突然変異R13W、A25Tおよび/またはQ27Rを有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し得る。場合により、エピトープは、残基I60および/もしくはG62(配列番号1に関する)の1つ以上をさらに含み、ならびに/または抗体は、残基I60および/もしくはG62における突然変異(配列番号1に関する、例えば、I60N、G62S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。場合により、エピトープは、残基P14、S15および/もしくはH23(配列番号1に関する)の1つ以上をさらにもしくは代替的に含み、ならびに/または抗体は、残基P14、S15および/もしくはH23における突然変異(配列番号1に関する、例えば、P14S、S15A、H23S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。場合により、エピトープは、残基R32および/もしくはG33(配列番号1に関する)を含まず、ならびに/または抗体は、残基R32および/もしくはG33における突然変異(配列番号1に関して、例えば、R32Hおよび/またはG33R)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さない。場合により、エピトープは、残基F50および/もしくはR53(配列番号1に関する)を含まず、ならびに/または抗体は、残基F50および/もしくはR53における突然変異(配列番号1に関する、例えば、F50A、R53S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さない。抗体は、残基Q56および/もしくはE57、ならびに/または残基F9および/もしくはS11に結合してもよく(例えば、KIR3DL2−HLAB27および−HLA A3相互作用を遮断する抗体)、結合しなくてもよく(例えば、非内在化抗体);したがって、一実施形態において、場合により、エピトープは、残基F9、S11、Q56および/もしくはE57(配列番号1に関する)を含まず、ならびに/または抗体は、残基F9、S11、Q56および/もしくはE57における突然変異(配列番号1に関する、例えば、F9SおよびS11A、Q56SおよびE57A)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さず;別の実施形態において、場合により、エピトープは、残基F9、S11、Q56および/もしくはE57(配列番号1に関する)を含み、ならびに/または抗体は、残基F9、S11、Q56および/もしくはE57(配列番号1に関する、例えば、F9SおよびS11A、Q56SおよびE57A)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。場合により、エピトープは、残基H29および/もしくはF34(配列番号1に関する)を含まず、ならびに/または抗体は、残基H29および/もしくはF34における突然変異(配列番号1に関する、例えば、H29S、F34A)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さない。場合により、エピトープは、残基F9および/もしくはS11(配列番号1に関する)の1つ以上を含まず、ならびに/または抗体は、残基残基F9および/もしくはS11における突然変異(配列番号1に関する、例えば、F9S、S11A)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有さない。

0029

一態様において、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基I60および/もしくはG62を含むエピトープに結合し、ならびに/または残基I60および/もしくはG62(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。例えば、抗体は、突然変異I60Nおよび/またはG62Sを有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し得る。場合により、エピトープは、残基P14、S15および/もしくはH23(配列番号1に関する)の1つ以上をさらにもしくは代替的に含み、ならびに/または抗体は、残基P14、S15および/もしくはH23における突然変異(配列番号1に関する、例えば、P14S、S15A、H23S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。場合により、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドの残基R13、A25および/もしくはQ27に結合せず、ならびに/または残基R13、A25および/もしくはQ27における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチド(例えば、突然変異R13W、A25Tおよび/またはQ27Rを有するKIR3DL2ポリペプチド)への低減した結合を有さない。

0030

一態様において、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基P14、S15および/もしくはH23を含むエピトープに結合し、ならびに/または残基P14、S15および/もしくはH23における突然変異(配列番号1に関する、例えば、P14S、S15A、H23S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。

0031

一態様において、(1)残基I60および/もしくはG62における突然変異(配列番号1に関する、例えば、I60N、G62S)を有するKIR3DL2ポリペプチド、ならびに(2)残基P14、S15および/もしくはH23における突然変異(配列番号1に関する、例えば、P14S、S15A、H23S)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。

0032

一態様において、KIR3DL2ポリペプチドの(a)残基R13、A25および/またはQ27の1、2または3つ、ならびに(b)残基I60および/またはG62の1つまたは両方を含むエピトープに結合する抗体が提供される。一態様において、抗体は、(a)残基R13、A25および/またはQ27の1、2または3つにおける突然変異、ならびに(b)残基I60および/またはG62の1つまたは両方における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。

0033

一態様において、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基R78および/もしくはL82を含むエピトープに結合し、ならびに/または残基R78および/もしくはL82(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。例えば、抗体は、突然変異R78HおよびL82Pを有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し得る。場合により、エピトープは、残基K7、Y30、R31、P79、H80、S81、T83、G84、W85、S86および/もしくはA87(配列番号1に関する)の1つ以上をさらに含み、もしくは除外し、ならびに/または抗体は、残基K7、Y30、R31、P79、H80、S81、T83、G84、W85、S86および/もしくはA87(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し、もしくは低減した結合を有さない。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドの残基1〜98(配列番号1に関する)に対応するセグメント中の1、2、3、4、5、6、7つ以上の残基を含むエピトープに結合し、場合により、さらにエピトープは、残基K7、Y30、R31、R78、P79、H80、S81、L82、T83、G84、W85、S86および/またはA87の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5つ)を含む。

0034

一態様において、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基W226を含むエピトープに結合し、および/または残基W226(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。場合により、エピトープは、残基I231および/もしくはR246(配列番号1に関する)の1つ以上をさらに含み、ならびに/または抗体は、残基I231および/もしくはR246における突然変異(配列番号1に関する、例えば、I231M、R246P)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。場合により、エピトープは、残基E239(配列番号1に関する)をさらに含み、および/または抗体は、残基E239における突然変異(配列番号1に関する、例えば、E239G)を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。

0035

一態様において、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基I231および/もしくはR246を含むエピトープに結合し、ならびに/または残基I231および/もしくはR246(配列番号1に関する)における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する抗体が提供される。

0036

一態様において、KIR3DL2ポリペプチドの残基W226、ならびに残基I231および/またはR246の1つまたは両方を含むエピトープに結合する抗体が提供される。

0037

一態様において、抗体は、残基W226における突然変異、ならびに残基I231および/またはR246の1つまたは両方における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する。

0038

本明細書の任意の実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2発現細胞中でのKIR3DL2ポリペプチドの内在化を引き起こさず、および/またはKIR3DL2発現細胞中に内在化されない。

0039

一実施形態において、KIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体であって、KIR3DL2と、KIR3DL2の第1のHLA天然リガンドとの間の結合を検出可能に低減させる(または排除する)が、KIR3DL2と、KIR3DL2の第2のHLA天然リガンドとの間の結合を検出可能に低減させない(または排除しない)抗体が提供される。

0040

一実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2と、KIR3DL2のHLAクラスIリガンド(例えば、HLA−B27、HLA−A3、HLA−B7、HLA−B35および/またはHLA−A2)との間の結合を検出可能に低減させる。

0041

一実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2とHLA−B27との間の結合を検出可能に低減させるが、KIR3DL2とHLA−A3との間の結合を検出可能に低減させない。

0042

一実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2とHLA−A3との間の結合を検出可能に低減させるが、KIR3DL2とHLA−B27との間の結合を検出可能に低減させない。

0043

一実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2とHLA−B27との間の結合も、KIR3DL2とHLA−A3との間の結合も検出可能に低減させない。

0044

一実施形態において、抗体は、場合により、抗体は、異なるアミノ酸配列を有する少なくとも2つのKIR3DL2ポリペプチド(アレル)に結合する。

0045

一実施形態において、抗体は、場合により、抗体は、KIR3DL1ポリペプチドに実質的に結合しない。

0046

リガンド遮断抗体ならびに/またはKIR3DL2ポリペプチドのH32および/もしくはG33の残基を含むエピトープに結合する抗体についての本明細書の実施形態において、抗体は、場合により、KIR3DL2発現細胞中でのKIR3DL2ポリペプチドの内在化を引き起こし得、および/またはKIR3DL2発現細胞中に内在化される。

0047

抗KIR3DL2抗体は、例えば、ヒト対象における癌、炎症障害および自己免疫障害の治療に有用であり得る。この抗体は、所望の効果または抗体の使用に応じて毒性剤または他の薬剤カップリングさせてまたはさせないで使用することができる。一実施形態において、抗KIR3DL2抗体は、「ネイキッド抗体(naked antibody)」であり、毒性剤にカップリングされていない。一実施形態において、ネイキッドまたはカップリング抗体は、Fcγ受容体(例えば、CD16)に結合するFc領域(例えば、IgG1)を含む重鎖を含む。場合により、そのような抗体は、KIR3DL2を発現する細胞に対する補体依存性細胞毒性(CDC)および/または抗体依存性細胞毒性(ADCC)を誘導する。

0048

場合により、任意の実施形態において、抗体(例えば、IgG4、IgG1、抗体断片など)は、抗体−毒素コンジュゲートの内在化時に細胞に対して毒性である毒性剤(例えば、化学療法剤)をさらに含む。一実施形態において、抗体は、放射能薬剤にコンジュゲートしている。

0049

本開示は、ヒトKIR3DL2に特異的に結合する抗体、抗体断片、および誘導体をさらに提供する。本開示は、そのような抗体組成物、ならびに癌、炎症障害または自己免疫障害を治療、予防および診断する本明細書に開示される方法のいずれかにおけるそれらの使用を提供する。

0050

一実施形態において、抗体は、ヒトKIR3DL2ポリペプチドについての10−8M未満、好ましくは、10−9M未満、または好ましくは、10−10M未満の結合親和性(KD)を有する。場合により、親和性は二価結合を指す。

0051

本発明の実施形態のいずれかの一態様において、抗体は、抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3および/または20E9からなる群から選択される抗体のそれぞれの重鎖および/または軽鎖の1、2または3つのCDRを有する重鎖および/または軽鎖を有し得る。

0052

本発明の実施形態のいずれかの一態様において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドへの結合について、モノクローナル抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3および/または20E9のいずれか1つまたは任意の組合せと競合する。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2ポリペプチドへの結合について、以下からなる群から選択される抗体と競合する。

0053

一態様において、本開示は、
(a)(i)配列番号4、5または6(HCDR1)、配列番号7または8(HCDR2)および配列番号9(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、11または12の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換欠失または挿入を含み得る抗体;
(b)(i)配列番号15、16または17(HCDR1)、配列番号18または19(HCDR2)および配列番号20(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号10、21または22の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;
(c)(i)配列番号25、26または27(HCDR1)、配列番号28または29(HCDR2)および配列番号30(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号31、32または33の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;
(d)(i)配列番号36、37または38(HCDR1)、配列番号39または40(HCDR2)および配列番号41(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号42、43または44の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;
(e)(i)配列番号47、48または49(HCDR1)、配列番号50または51(HCDR2)および配列番号52(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号53、54または55の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;
(f)(i)配列番号58、59または60(HCDR1)、配列番号61または62(HCDR2)および配列番号63(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号64、65または66の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;
(g)(i)配列番号172、173または174(HCDR1)、配列番号175または176(HCDR2)および配列番号177(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号178、179または180の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体;ならびに
(h)(i)配列番号183、184または185(HCDR1)、配列番号186または187(HCDR2)および配列番号188(HCDR3)の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む重鎖(HCDR1、HCDR2、HCDR3)、ならびに(ii)配列番号189、190または191の配列をそれぞれ含むCDR1、2および3を含む軽鎖(LCDR1、LCDR2、LCDR3)を有し、それぞれのCDRは、場合により1、2、3または4つのアミノ酸置換、欠失または挿入を含み得る抗体
からなる群から選択されるKIR3DL2に特異的に結合するモノクローナル抗体を提供する。

0054

一態様において、KIR3DL2に特異的に結合する抗体であって、以下の特性:
(a)KIR3DL2ポリペプチドへの結合についての10−8M未満、好ましくは、10−9M未満、または好ましくは、10−10M未満のKdを有する;
(b)KIR3DL2ポリペプチドの残基1〜98または残基193〜292に対応するセグメント中の少なくとも1つの残基に結合する;
(c)KIR3DL2ポリペプチドへの結合について抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3および/または20E9と競合する;
(d)KIR3DL2ポリペプチドへの結合についてKIR3DL2の天然リガンド(例えば、HLAポリペプチドHLA−A3、HLA−11および/またはHLA−B27)と競合し、または競合しない(例えば、ポリペプチド相互作用アッセイにおいて);
(e)KIR3DL2発現細胞中でのKIR3DL2ポリペプチドの内在化を引き起こさず、および/またはKIR3DL2発現細胞中に内在化されない;
(f)KIR3DL2の天然リガンド(例えば、HLAポリペプチドHLA−A3、HLA−11および/またはHLA−B27)により誘導されるKIR3DL2シグナリングを阻害し、または阻害しない;
(g)KIR3DL1、KIR3DS1、KIR3DL3、KIR2DS1、KIR2DS2、KIR2DL3、KIR2DL1および/またはKIR2DS4ポリペプチドに実質的に結合しない;
(h)KIR3DL2ポリペプチド(例えば、配列番号160、1、161、163、165および/または166のアレル*001、*002、*003、*005、*007および/または*008)の1、2、3、4、5または6つに結合する;
(i)KIR3DL2ポリペプチドのアミノ酸残基R13、P14、S15、H23、A25、Q27、H32、G33、I60、G62、R78、L82、W226、I231および/またはR246の任意の1つ以上を含むエピトープに結合する;ならびに
(j)KIR3DL2ポリペプチドの残基R13、P14、S15、H23、A25、Q27、H32、G33、I60、G62、R78、L82、W226、I231および/またはR246の1つ以上における突然変異を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有する、
の1つ以上(組合せが矛盾しない程度で、それらの任意の組合せを含む)を有する抗体が提供される。

0055

本明細書の実施形態のいずれかにおいて、抗体は、上記(a)〜(j)のいずれか1つ以上により特徴づけることができる。

0056

一実施形態において、抗体は、ヒトに好適である。一実施形態において、抗体は、キメラであり、例えば、非ネズミ、場合により、ヒト定常領域を含有する。一実施形態において、抗体は、ヒトまたはヒト化である。別の実施形態において、抗体は、マウス抗体である。

0057

本発明の実施形態のいずれかの一態様において、抗体のアイソタイプは、IgG、場合により、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4である。一実施形態において、抗体は、Fcドメインを含み、またはFcγR(例えば、FcγRIIIA)により結合されるアイソタイプのもの、例えば、IgG1またはIgG3アイソタイプの抗体である。

0058

本発明の実施形態のいずれかの一態様において、抗体は、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、ダイアボディ単鎖抗体断片、または複数の異なる抗体断片を含む多重特異的抗体から選択される抗体断片である。本発明の実施形態のいずれかの一態様において、抗体は、Fcドメインを含まず、またはFcγRにより実質的に結合されないアイソタイプのものである。一実施形態において、抗体は、IgG4またはIgG2アイソタイプのものである。

0059

場合により、そのような抗体は、さらにテトラマー(2つの重鎖および2つの軽鎖)であり、したがって、二価である(例えば、IgG抗体)。

0060

ある実施形態において、抗体は、毒性剤をさらに含む。一実施形態において、毒性剤を含む抗体は、KIR3DL2を発現する細胞の死滅を直接引き起こし得る。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2発現細胞の少なくとも20%、30%、40%または50%の細胞死を、例えばインビトロアッセイにおいて(例えば、免疫エフェクター細胞の不存在下で)直接誘導し得る。

0061

一実施形態において、抗体は、KIR3DL2を発現する細胞のCDCおよび/またはADCCを誘導し得る。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2発現細胞(例えば、T細胞リンパ腫細胞SS患者からの細胞またはSS細胞系)の少なくとも20%、30、40または50%の細胞溶解を、細胞毒性アッセイにおいて誘導し得る。

0062

一実施形態において、抗KIR3DL2抗体を試験する方法であって、KIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体を、KIR3DL2ポリペプチドを発現する細胞と接触させること、ならびに抗体がKIR3DL2発現細胞中に内在化されるか否かおよび/または抗体がKIR3DL2ポリペプチドの細胞内内在化を誘導し、および/または増加させるか否かを評価すること、ならびに抗体がKIR3DL2ポリペプチドの細胞内内在化を誘導せず、および/または増加させない場合にその抗体を選択することを含む方法が提供される。

0063

別の実施形態において、場合により、癌、炎症障害または自己免疫障害の治療のための、哺乳動物対象においてKIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体を産生する方法であって、a)複数の抗体を提供し、場合により、ヒトKIR3DL2ポリペプチドを含む免疫原により非ヒト哺乳動物を免疫化するステップ;b)複数の抗体のそれぞれが、1、2、3、4、5つ以上の異なるKIR3DL2ポリペプチドアレル(例えば、アレル*001、*002、*003、*005、*007、*008、*009および/または*011)に結合し得るか否かを決定するステップ(場合により、それぞれの場合、KIR3DL2ポリペプチドは細胞の表面上で発現される)、ならびにc)1、2、3、4、5つ以上の異なるKIR3DL2ポリペプチドアレル(例えば、アレル*001、*002、*003、*005、*007、*008、*009および/または*011)に結合し得る抗体を前記複数の抗体から(例えば、産生、開発、治療における使用などのために)選択するステップ(場合により、それぞれの場合、KIR3DL2ポリペプチドは細胞の表面上で発現される)を含む方法が提供される。場合により、本方法は、複数の抗体のそれぞれがKIR3DL1ポリペプチドに結合し得るか否かを決定すること、ならびに前記KIR3DL1ポリペプチドに結合し得る抗体を前記複数の抗体から選択することをさらに含む。

0064

別の実施形態において、場合により、癌、炎症障害または自己免疫障害の治療のための、哺乳動物対象においてKIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体を産生する方法であって、a)複数の抗体を提供し、場合により、ヒトKIR3DL2ポリペプチドを含む免疫原により非ヒト哺乳動物を免疫化するステップ;ならびにb)
(i)KIR3DL2ポリペプチドに結合するが、KIR3DL1ポリペプチドに結合せず、ならびに/または
(ii)(a)配列番号1の成熟KIR3DL2ポリペプチドの残基99〜192に対応するセグメント中の少なくとも1つの残基に、および/もしくは残基R13、P14、S15、H23、A25、Q27、H32、G33、I60、G62、R78、L82、W226、I231および/もしくはR246のいずれか1つ以上(例えば、2、3、4、5つ以上)に結合し、および/もしくは前記残基におけるアミノ酸置換を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し、
または
(b)配列番号1の成熟KIR3DL2ポリペプチドの残基1〜98に対応するセグメント中の少なくとも1つの残基に、および/もしくは残基R13、P14、S15、H23、A25、Q27、H32、G33、I60、G62、R78、L82、W226、I231および/もしくはR246のいずれか1つ以上(例えば、2、3、4、5つ以上)に結合し、および/もしくは前記残基におけるアミノ酸置換を有するKIR3DL2ポリペプチドへの低減した結合を有し、ならびに/または
(iii)KIR3DL2発現細胞中に内在化されず、および/もしくはKIR3DL2ポリペプチドの細胞内内在化を誘導および/もしくは増加させない
抗体を前記複数の抗体から(例えば、産生、開発、治療における使用などのために)選択するステップを含む方法が提供される。

0065

一態様において、KIR3DL2発現細胞の生物学的活性を阻害する方法であって、細胞を抗KIR3DL2抗体とインビトロ、エクスビボまたはインビボで接触させることを含む方法が提供される。場合により、前記接触は、KIR3DL2のリガンド(例えば、HLA)、場合により、KIR3DL2のリガンド(例えば、HLA)を発現する細胞の存在下で行う。好ましくは、KIR3DL2発現細胞は、免疫細胞、例えば、T細胞もしくはNK細胞、悪性腫瘍T細胞もしくはNK細胞、CD4Th17細胞(例えば、IL−23Rを発現し、IL−17Aを産生する炎症促進性CD4T細胞)またはIL−17A発現し、産生する炎症促進性NK細胞である。一実施形態において、IL−17Aを産生するKIR3DL2発現TまたはNK細胞の生物学的活性を阻害する方法であって、細胞を抗KIR3DL2抗体とインビトロ、エクスビボまたはインビボで接触させることを含む方法が提供される。好ましくは、生物学的活性は、活性化、溶解活性サイトカイン(例えば、IL−17A)産生および/または細胞増殖である。好ましくは、生物学的活性は、リガンド誘導(例えば、HLA誘導)シグナリングである。一態様において、KIR3DL2発現細胞の生物学的活性を阻害する方法であって、細胞を抗KIR3DL2抗体とインビトロ、エクスビボまたはインビボで接触させることを含む方法が提供される。

0066

一態様において、KIR3DL2発現細胞を排除し、または枯渇させる方法であって、細胞を抗KIR3DL2抗体とインビトロ、エクスビボまたはインビボで接触させることを含む方法が提供される。細胞は、例えば、悪性腫瘍T細胞もしくはNK細胞、T細胞もしくはNK細胞、CD4Th17細胞(例えば、IL−23Rを発現し、IL−17Aを産生する炎症促進性CD4T細胞)またはIL−17Aを発現し、産生する炎症促進性NK細胞であり得る。

0067

一態様において、本明細書の抗KIR3DL2抗体を使用する治療方法が提供される。抗体は、予防または治療的治療として使用することができ;本明細書の実施形態のいずれかにおいて、治療有効量の抗体を予防有効量の抗体と交換することができる。一態様において、癌、例えば、T細胞リンパ腫、CD4+またはCD8+CTCL、セザリー症候群(SS)、菌状息肉症(MF)、CD30+T細胞リンパ腫を有する患者を治療する方法であって、患者に医薬有効量の、KIR3DL2ポリペプチドに特異的に結合する本明細書に記載の抗原結合化合物を投与することを含む方法が提供される。別の実施形態において、少なくとも部分的にKIR3DL2発現T細胞により媒介される自己免疫または炎症障害を有する患者を治療する方法であって、患者に医薬有効量の、KIR3DL2ポリペプチドに特異的に結合する本明細書に記載の抗原結合化合物を投与することを含む方法が提供される。

0068

治療方法および抗KIR3DL2抗体を、第2の治療剤、例として、免疫調節剤(例えば、化学療法薬抗炎症薬腫瘍ワクチン腫瘍細胞上の腫瘍特異的抗原に結合する抗体、腫瘍細胞に対してADCCを誘導する抗体、免疫応答を増強する抗体、疾患修飾性抗リウマチ薬DMARD)など)との組合せで使用して個体を治療することができる。一実施形態において、第2の治療剤は、抗CD4抗体または抗CD30抗体である。

0069

本開示はさらに、KIR3DL2アンタゴニスト(例えば、KIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体)を使用する治療に応答する疾患を有する対象を選択する方法であって、前記対象中の疾患関連細胞がKIR3DL2受容体を発現するか否かを決定することを含み、KIR3DL2受容体の発現は、レスポンダー対象を示す方法に関する。場合により、本方法は、レスポンダー対象に、KIR3DL2ポリペプチドに結合する抗体(例えば、本発明の抗KIR3DL2抗体)を投与することをさらに含む。一実施形態において、本方法は、癌を有する対象を選択するために使用し、疾患関連細胞は癌細胞である。一実施形態において、本方法は、炎症または自己免疫障害を有する対象を選択するために使用し、疾患関連細胞はT細胞である。

0070

前記疾患関連細胞中でのKIR3DL2受容体の発現は、KIR3DL2特異的リガンドを使用して決定することができる。好ましくは、リガンドは、抗体、またはその断片もしくは誘導体である。一態様において、本発明は、ヒトKIR3DL2に特異的に結合するモノクローナル抗体、例として、限定されるものではないが、抗体断片、および誘導体を含む組成物、ならびにそれを使用する方法を提供する。

0071

別の態様において、患者が、KIR3DL2ポリペプチド、例えば、本明細書に記載の抗体により結合されるKIR3DL2ポリペプチド(1つ以上のKIR3DL2アレル)を発現する疾患関連細胞を有するか否かを評価することを含む方法(例えば、診断アッセイ、レスポンダーアッセイなどを実施する方法)が提供される。前記方法は、例えば、疾患関連細胞を含む患者からの生物学的試料を得ること、前記疾患関連細胞をそのような抗体と接触させることおよび抗体が疾患関連細胞に結合するか否かを評価することを含み得る。KIR3DL2が疾患関連細胞により発現される知見は、患者がKIR3DL2発現細胞により特徴づけられる病態を有し、および/または本明細書に記載の抗KIR3DL2抗体による治療に好適であることを示す。患者は、KIR3DL2発現細胞により特徴づけられる特定の疾患に好適な治療によりさらに治療することができる。場合により、患者は、抗KIR3DL2抗体により治療する。一実施形態において、本方法は、癌を有する対象を選択するために使用し、疾患関連細胞は癌細胞である。一実施形態において、本方法は、炎症または自己免疫障害を有する対象を選択するために使用し、疾患関連細胞はT細胞である。一実施形態において、抗体が疾患関連細胞に結合するか否かを評価するために疾患関連細胞と接触させる抗体は、本明細書に記載の抗体である。

0072

患者を治療する方法であって、
a)患者が病原性KIR3DL2発現細胞を有するか否かを決定すること、および
b)患者が病原性KIR3DL2発現細胞を有すると決定された場合、本開示の抗原結合化合物(例えば、抗体)を投与すること
を含む方法も提供される。

0073

患者のある身体区画内に存在する悪性腫瘍CD4+CTCL細胞の比率(例えば、割合)の評価を可能とするCTCLの発達レベルを評価する(疾患の病期を分類する)方法も提供される。この方法によれば、前記身体区画から回収された生物学的試料からの細胞を、本開示の抗KIR3DL2抗体と接触させ、KIR3DL2ポリペプチドを表面において発現するCD4+細胞の比率を計測する。前記身体区画中に実際に存在するCD4+CTCL細胞の比率は、前記計測される比率と、例えばこの計測される比率から±10%の範囲内で実質的に等しいとみなすことができる。

0074

CTCL診断方法であって、個体からの生物学的試料からの細胞を、本開示の抗KIR3DL2抗体と接触させ、KIR3DL2ポリペプチドを表面において発現するT細胞の比率(例えば、割合)を計測すること、およびそのような比率を、非CTCLヒト(好ましくは、健常ヒトにおけるもの)において観察されるKIR3DL2ポリペプチドを表面において発現するT細胞の平均比率(例えば、割合)と比較することを含み、前記計測される比率が前記平均比率よりも有意に高い場合、CTCL陽性診断を行う方法も提供される。

0075

本発明のこれらおよび追加の有利な態様および特徴を本明細書の他箇所でさらに記載することができる。

図面の簡単な説明

0076

D0ドメイン内の部分を含むKIR3DL2ポリペプチドの画像を示し、抗体による結合の損失を(様々な組合せで)もたらした「突然変異体1」、「突然変異体2」、「突然変異体3」および「突然変異体6」として示される突然変異したアミノ酸残基を示す。
D0ドメイン内の部分を含むKIR3DL2ポリペプチドの画像を示し、「突然変異体1」、「突然変異体2」および「突然変異体3」として示される突然変異したアミノ酸残基を示し、突然変異体1、2および6は、抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5および13H1による結合の損失を(様々な組合せで)もたらし、残基に隣接する残基(突然変異体2に隣接するF9、S11、P14、F34および/またはS140、ならびに突然変異体1に隣接するG21、G22、H23、E57、S58、F59、P63および/またはH68)に陰影を付す。
D0ドメイン内の部分を含むKIR3DL2ポリペプチドのそれぞれの面の画像を示し、抗体5H1による結合の損失をもたらした「突然変異体6」として示される突然変異したアミノ酸残基を示し、結合の損失をもたらさなかった「突然変異体3」も示す。陰影において、この抗体によっても結合され得る突然変異体6に隣接する残基に隣接する残基(K7、Y30、R31、P79、H80、S81、T83、G84、W85、S86および/またはA87)も示す。
D2ドメイン内の部分(D1/D2接合部)を含むKIR3DL2ポリペプチドの画像を示し、抗体1C3および20E9が結合を損失した「突然変異体14」、ならびに抗体による結合の損失を引き起こさなかった「突然変異体12」および「突然変異体17」として示される突然変異したアミノ酸残基を示し;陰影において、残基に隣接する残基(突然変異体14に隣接するQ201、K202、P203、S204、S224、S225、S227、S228、N252、R253および/またはT254)も示す。
D2ドメイン内の部分(D1/D2接合部)を含むKIR3DL2ポリペプチドの画像を示し、抗体20E9が結合を損失した「突然変異体15」として示される突然変異したアミノ酸残基を示し;陰影において、残基に隣接する残基(突然変異体14に隣接するD230、I231、R244、L245、R246、A247、V248、S275、R277および/またはP280))も示す。
CDCを媒介する抗体の能力を示し;D0ドメインに結合する抗KIR3DL2mAbは灰色であり、D1ドメインに結合するものは黒色であり、親ネズミmAbについて、mAbのアイソタイプがCDCに対して最も顕著な影響を有することを示す。
結合時のKIR3DL2の内在化が、補体動員によりB221−KIR3DL2を殺滅するmo19H12の能力を完全に停止させる一方、内在化を制限する温度条件において、mo19H12のCDC活性が明確に観察されることを示す。
インビトロでB221−KIR3DL2に対してCDCを媒介するキメラ抗KIR3DL2mAbの能力を示す。
同一の最終濃度(10μg/ml)において試験された、ADCC媒介機序を通してプロトタイプセザリー細胞系HUT78を殺滅する一連の抗KIR3DL2mAbの能力を示す。
KIR3DL2形質移入B221細胞をADCC媒介殺滅する抗KIR3DL2mAbの能力を示す。灰色で示されるmAbは、受容体の内在化を誘導し、KIR3DL2内在化を誘導しない4つの他のmAbよりも有効でないと考えられる。
用量範囲探索実験における抗体の比較、KIR3DL2発現B221標的に対するADCCを媒介するキメラ化huIgG1抗KIR3DL2mAbの能力を示す。
3IgG2bアイソタイプネズミ抗KIR3DL2 9E10および19H12の効力を、SC B221−KIR3DL2ゼノグラフトに対して試験した実験の結果を示す(1群当たりn=6匹のNOD−SCIマウス)。非内在化抗D0抗体9E10は、PBSおよび内在化抗D1抗体19H12の両方と比較して増加した生存率を示した。
ネズミ抗KIR3DL2 19H12の効力を、SC RAJI−KIR3DL2ゼノグラフトに対して試験した別の実験を結果を示す(1群当たりn=6匹のNOD−SCIDマウス)。インビトロで、KIR3DL2形質移入RAJI細胞は、mAb結合時にB221−KIR3DL2またはセザリー細胞系よりも少ない内在化を示した。RAJI−KIR3DL2ゼノグラフトモデルにおいて、mo19H12mAbは、B221−KIR3DL2モデルよりも有効であった。このことは、インビボでのそれほど強力でない標的の内在化に起因する。
KIR3DL2 D0ドメイン抗体は、HLA−A3およびB27重鎖ダイマー(B272)結合を阻害することを示す。KIR3DL2形質導入Baf3細胞へのHLA−A3およびB272テトラマー結合に対する抗KIR3DL2 D0抗体の効果を示す代表的なFACS染色(3つの独立実験の代表的な1つ)。
KIR3DL2抗D1および抗D2(1C3抗体)ドメイン抗体は、HLA−A3結合を阻害するが、B27重鎖ダイマー(B272)結合を阻害しないことを示す。KIR3DL2形質導入Baf3細胞へのHLA−A3およびB272テトラマー結合に対する抗KIR3DL2 D1/D2抗体の効果を示す代表的なFACS染色(3つの独立実験の代表的な1つ)。
KIR3DL2 D0ドメイン抗体は、HLA−A3およびB27重鎖ダイマーテトラマー結合を阻害することを示す。
抗D2(1C3)ドメインmAbはHLA−A3テトラマー結合を阻害するが、B27重鎖ダイマー(B272)結合を阻害しない。結果をアイソタイプ対照MAbの存在下でのテトラマー染色の%として表現する。
KIR3DL2 D0ドメイン抗体は、HLA−B27発現B細胞系(221B27)により刺激されたKIR3DL2 CD3eレポーター細胞によるIL−2分泌を阻害することを示すが、D1/D2ドメイン抗体は示さない。D0抗体は、対照HLAクラス1を発現するB細胞系により刺激されたレポーター細胞によるIL−2産生を、HLA−B27により刺激された細胞と比較して小さい程度で阻害する。3つの独立実験の1つからのIL−2産生についての代表的なELISA
D0ドメイン内の置換I60NおよびG62Sを有する突然変異体2に対応する抗体結合部位(例えば、抗体2B12、10F6、18C10、10G5および13H1についての結合部位)を含むKIR3DL2ポリペプチドアレル*001の画像を示す。図中、KIR3DL2アレル*001と、アレル*002、*004、*006/*007、*008および*009との間のアミノ酸差異も示す。
D0ドメイン内の置換I60NおよびG62Sを有する突然変異体2に対応する抗体結合部位を含むKIR3DL2ポリペプチドアレル*001の代替画像を示す。図中、KIR3DL2アレル*001と、アレル*005および*003/*011との間のアミノ酸差異も示す。
D0ドメイン内の置換I60NおよびG62Sを有する突然変異体2に対応する抗体結合部位を含むKIR3DL2ポリペプチドアレル*001の2つの代替(前方および後方)画像を示す。図中、KIR3DL2アレル*001と、アレル*004との間のアミノ酸差異も示す。

0077

導入
本開示の抗体は、KIR3DL2発現細胞、特にCD4+、KIR3DL2+T細胞を、他の細胞、例えばKIR3DL1+細胞(またはKIR3DL2+KIR3DL1+細胞、KIR3DS1+細胞;またはKIR3DS1 KIR3DL2+細胞)を標的化せずに直接および特異的に標的化し得、KIR3DL2+細胞中に内在化しない。KIR3DL2の天然リガンドの結合(またはリガンド誘導KIR3DL2シグナリング)を阻害し、または阻害しない抗体も提供される。本開示は、そのような特性を有し、配列番号1の成熟KIR3DL2ポリペプチドのアミノ酸残基1〜98および残基193〜292によりそれぞれ定義されるドメイン0および2を含むKIR3DL2+の領域への結合について互いに競合する多数の抗体を提供する。

0078

KIR3DL2(CD158k)は、開示が参照により本明細書に組み込まれるPende et al.(1996)J.Exp.Med.184:505−518に記載される、約140kDの3Igドメイン分子のジスルフィド結合ホモダイマーである。KIR3DL1(CD158e1)は、Colonna and Samaridis(1995)Science 268(5209),405−408に記載される、約70kDのモノマー分子であり;HLA結合ポケットは、Vivian et al.(2011)Nature 479:401−405に記載されている。KIR3DL2の天然リガンドとしては、とりわけ、HLA−AおよびHLA−Bポリペプチド、特にHLA−A3およびHLA−A11(Hansasuta et al.(2004)Eur.J.Immunol.34:1673−1679参照ならびにHLA−B27が挙げられる。HLA−B27(例えば、HLA−B27遺伝子の組織化、配列および発現については、Weiss et al.(1985)Immunobiology 170(5):367−380参照、ならびにHLA−B27マルチマーおよびHLA−B272ホモダイマーについては、Allen et al.(1999)J.Immunol.162:5045−5048およびKollnberger et al(2007)Eur.J.Immunol.37:1313−1322参照。上記参照文献の全ての開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において使用される「KIR3D」は、個々にまたは集合的に任意のKIR3D受容体(例えば、KIR3DL1、KIR3DL2、KIR3DS1)を指し、用語「KIR3D」は、用語「KIR3DL1、KIR3DL2および/またはKIR3DS1」により代用することができる。同様に、「KIR3DL」は、個々にまたは集合的に任意のKIR3DL受容体(例えば、KIR3DL1、KIR3DL2)を指し、用語「KIR3DL」は、用語「KIR3DL1および/またはKIR3DL2」により代用することができる。用語「KIR3D」、「KIR3DL」、「KIR3DL1」、「KIR3DL2」、「KIR3DS1」は、それぞれ、それらが指すKIR3D遺伝子またはコードされるタンパク質の任意のバリアント、誘導体、またはアイソフォームをさらに含む。いくつかのアレルバリアントが、KIR3Dポリペプチド(例えば、KIR3DL2)について報告されており、それらのそれぞれはそれぞれの用語により包含される。成熟ヒトKIR3DL2(アレル*002)のアミノ酸配列は、配列番号1に示され、21アミノ酸残基リーダー配列が省略されたGenbankアクセッション番号AAB52520に対応し、IPDKIRデータベース(EMBL−EBI,European Bioinformatics Institute,United Kingdomにより公開)アクセッション番号KIR00066に対応する。KIR3DL2(アレル*002)のcDNAは、Genbankアクセッション番号U30272に示される。ヒトKIR3DL2アレル*002の前駆体アミノ酸配列(リーダー配列を含む)は、配列番号159に示され、Genbankアクセッション番号AAB52520に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*001のアミノ酸配列は、配列番号160に示され、IPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00065に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*003のアミノ酸配列は、配列番号161に示され、Genbankアクセッション番号AAB36593およびIPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00067に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*004のアミノ酸配列は、配列番号162に示され、IPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00068に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*005のアミノ酸配列は、配列番号163に示され、IPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00069に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*006(成熟)のアミノ酸配列は、配列番号164に示され、Genbankアクセッション番号AAK30053およびIPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00070に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*007(成熟)のアミノ酸配列は、配列番号165に示され、Genbankアクセッション番号AAK30052およびIPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00071に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*008のアミノ酸配列は、配列番号166に示され、Genbankアクセッション番号AAK30054およびIPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00072に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*009のアミノ酸配列は、配列番号167に示され、IPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00457に対応する。ヒトKIR3DL2アレル*011のアミノ酸配列は、配列番号168に示され、IPD KIRデータベースアクセッション番号KIR00544に対応する。KIR3DL1(CD158e2)ポリペプチド(アレル*00101)をコードするcDNAは、Genbankアクセッション番号L41269に示され;コードされるアミノ酸配列は、配列番号169に示され、Genbankアクセッション番号AAA69870に対応する。リーダー配列が、KIR3DL2ポリペプチド配列を記載する特定の配列番号(例えば、配列番号1および159〜168)中に存在する場合、本明細書のアミノ酸残基位置への任意の参照は、成熟KIR3DLポリペプチドに対するものである。

0079

抗原結合化合物を使用する方法;例えば、細胞増殖または活性を阻害する方法、分子を細胞中に(例えば、毒性分子、検出可能マーカーなど)送達する方法、細胞を標的化、同定または精製する方法、細胞を枯渇させ、殺滅し、または排除する方法、細胞増殖を低減させる方法であって、細胞、例えば、KIR3DLポリペプチドを発現するT細胞を、KIR3DL2ポリペプチドに結合する本開示の抗原結合化合物に曝露することを含む方法が提供される。本開示の目的のため、「細胞増殖」は、細胞の成長または増殖の任意の態様、例えば、細胞成長細胞分裂、または細胞周期の任意の局面を指し得ることが認識される。細胞は、細胞培養物(インビトロ)または哺乳動物(インビボ)、例えば、KIR3DL2発現病変罹患する哺乳動物中に存在し得る。KIR3DL2ポリペプチドを発現する細胞の死滅を誘導し、またはその細胞の増殖もしくは活性を阻害する方法であって、細胞を、細胞の死滅を誘導し、および/または細胞の増殖を阻害するために有効な量の毒性剤に結合しているKIR3DL2ポリペプチドに結合する抗原結合化合物に曝露させることを含む方法も提供される。したがって、増殖疾患、およびKIR3DL2ポリペプチドを発現する細胞の病原性増殖または活性化により特徴づけられる任意の病態を罹患する哺乳動物を治療する方法であって、医薬有効量の本明細書に開示の抗原結合化合物を哺乳動物に投与することを含む方法が提供される。そのような病態の例としては、セザリー症候群、菌状息肉症、CTCL、および自己免疫または炎症病態、例えば関節炎心血管疾患が挙げられる。好ましくは、そのような病原増殖細胞は、KIR3DL2を発現するが、KIR3DL1を顕著に発現せず(例えば、病原性細胞の20%、40%、50%または60%以下がKIR3DL1を発現する、それらの病態は特に選択的抗体から利益を受ける。

0080

いくつかのKIR3DL2発現障害、特にTおよびNK細胞媒介障害を、本開示の方法および組成物を使用して治療または診断することができる。障害は、例えば、CD4+T細胞悪性腫瘍、例えば、CTCL、MFもしくはSS、またはT細胞および/もしくはNK細胞の活性および/もしくは増殖の排除もしくは阻害が有用である自己免疫もしくは炎症障害であり得る。CD4+T細胞としては、例えば、活性化CD4+T細胞、Th17T細胞、1つ以上の他のマーカーを発現し、または発現しないCD4+T細胞(例えば、CD2+、CD3+、CD5+、CD8−、CD28+、CD28−、CD45RO+およびTCRαβ+)が挙げられる。CD4+CD28−T細胞は、例えば、KIR3DL2を発現し得、一部の自己免疫および炎症障害において高頻度クローナル増殖細胞中に存在するが、健常個体においては希少であることが公知である。これらのT細胞は、細胞毒性であり、大量のIFN−ガンマを分泌し、自己接着単核細胞による刺激時に増殖し得る。

0081

本開示の抗体は、異なるKIR3DL2アレルにわたり結合する利点を有し、疾患を治療、特徴決定および診断するための広範な使用を可能とする。皮膚および循環MF/SS細胞は、試験された9つのKIR3DL2アレルの中の優位のアレルを発現しないことが報告されている。13のアレルも今日まで記載されている。p140−KIR3DL2受容体が健常者においてはNK細胞のマイナーサブセット上で、および希にCD8+T細胞上で発現される一方、MF/SS患者においてはCTCL腫瘍CD4+T細胞に限定されると考えられる。通常、NK細胞の表面において観察される他の受容体(例えば、p58.1、p58.2、p70KIR、CD94/NKG2A)は、悪性腫瘍CD4+T細胞の表面において見出されない(Bahler D.W.et al.,(2008)Cytometry B Clin Cytom.74(3):156−62)。SS細胞は、典型的には、CD4+に加え、成熟Tリンパ球表現型CD2+、CD3+、CD5+、CD8−、CD28+、CD45RO+およびTCRαβ+を有することによっても特徴づけられる。

0082

本開示の方法および組成物は、KIR3DL2発現により特徴づけられる自己免疫および炎症病態の治療において、KIR3DL2発現細胞を排除することにより、および/または生物学的活性KIR3DL2発現細胞を阻害することにより(すなわち、天然リガンドにより誘導されるKIR3DL2シグナリングを遮断することにより)使用することができる。生物学的活性KIR3DL2発現細胞の阻害は、例えば、KIR3DL2発現細胞の増殖を減少させること、標的細胞に対するKIR3DL2発現細胞の反応性もしくは細胞毒性を減少させること、KIR3DL2発現細胞による活性化、活性化マーカー(例えば、CD107発現)および/もしくはサイトカイン産生(例えば、IFNγ産生)を減少させること、ならびに/またはそのような活性化、反応性、細胞毒性および/もしくは活性化KIR3DL2発現細胞のインビボ頻度を減少させることを含み得る。

0083

例えば、いくつかのそのような障害は、少なくとも部分的にCD4+T細胞、例として、特定のCD4+CD28nullT細胞により媒介されることが示されている。CD4+T細胞の活性化は、一般に、刺激シグナル優占性が自己免疫反応を助長する刺激受容体と阻害受容体との間の相互作用により影響を受けると考えられる。Chan et al.((2005)Arthrit.Rheumatism 52(11):3586−3595は、脊椎関節炎において増加数末梢血および滑液CD4+T細胞およびNK細胞がKIR3DL2を発現することを報告している。関節リウマチを有する患者において、重要な共刺激分子CD28の発現は高頻度で損失される。代わりに、CD28を欠くCD4+T細胞集団(CD4+CD28−T細胞)は、キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)を発現する。CD4+CD28nullT細胞は特に、KIR3Dポリペプチドを発現することが報告されている。CD4+CD28−細胞は、それらのCD28+相当物と比較すると、それらに炎症促進細胞として機能する能力に与える有意に高いレベルのIFN−γを産生する。CD4+CD28nullT細胞クローンは、循環中で数年間存続する。これらのT細胞は、CD3の架橋時のFas媒介アポトーシス耐性である点でCD28+T細胞と異なることが公知である。CD28nullT細胞は、細胞周期を通して進行し、細胞周期の全ての段階における細胞は、それらのCD28+相当物と異なりアポトーシスに耐性である。CD4+CD28nullT細胞におけるアポトーシス経路調節不全は、インビボでそれらのクローン生成および維持を助長することが示されている。Namekawa et al.((2000)J.Immunol.165:1138−1145は、KIR、例としてKIR3DL2が、関節リウマチにおいて増殖したCD4+CD28nullT細胞上で存在したことを報告している。関節リウマチは、線維芽細胞様滑膜細胞およびマクロファージ侵襲性増殖から生じるリンパ球浸潤物、炎症メディエーター、および滑膜過形成を伴う。骨びらんの予後および疾患重症度は、高頻度のクローナル増殖CD4+CD28−T細胞と相関する。Lamprecht et al.(2001)Thorax 56:751−757は、ウェグナー肉芽腫症におけるCD4+CD28−T細胞の動員を報告している。Markovic−Plese et al.(2001)J Clin Invest.108:1185−1194は、CNS中のCD4+CD28−共刺激非依存性T細胞の存在、およびそれらの多発性硬化症との関連を報告している。したがって、本方法および組成物は、ウェグナー肉芽腫症、多発性硬化症または他の中枢神経系炎症もしくは自己免疫障害、関節炎、または炎症により特徴づけられる他のリウマチ障害の治療または予防において使用することができる。

0084

CD4+CD28−T細胞は、心血管障害とも関連している。Betjes et al.(2008)Kidney International 74,760−767は、サイトメガロウイルス(CMV)血清陽性の患者におけるアテローム性動脈硬化疾患についての増加リスクが、個体における循環CD4T細胞の過半数を占め得るCD4+CD28−T細胞の年齢依存性増加と関連することを報告している。50を超える患者は、CMV血清陰性患者と比較して50倍高い割合および血清陽性健常対照と比較して5倍高い割合のCD4+CD28−T細胞を有することが報告された。Nakajima et al.((2003)Circ.Res.93:106−113)は、急性冠症候群におけるKIRのデノボ発現を報告しており、急性冠症候群(ACS)を有する患者からのCD4+T細胞は、複数のKIRを発現する一方、健常ドナーからの正常CD4+CD28nullT細胞は、KIRを発現しない。Yen et al.Journal of Experimental Medicine,Volume 193,Number 10,May 21,2001 1159−1168は、リウマチ性血管炎を有する患者から樹立されたCD4+CD28nullT細胞クローンを、阻害および刺激KIRの発現についてRTPCRにより研究した。関節リウマチを有する患者およびACSを有する患者において、発現パターンは阻害KIR、例としてKIR3DL2を助長した一方、刺激受容体の発現はKIR2DS2に高度に制限された。したがって、本方法および組成物は、炎症により特徴づけられる心血管障害、例えば、ACS、アテローム性動脈硬化疾患、リウマチ性血管炎の治療または予防において使用することができる。

0085

Bowness et al(2011)J.Immunol.186:2672−2680は、KIR3DL2+CD4T細胞が、末梢血CD4T細胞によるIL−23R発現の大多数を占めること、およびTh17型のそのようなKIR3DL2+細胞は、IL−23の存在下でより多くのIL−17を産生することを報告している。SpA患者の末梢血中に平均15%にすぎないCD4Tを含むKIR3DL2+細胞にかかわらず、このサブセットは、対照対象と比較してSpA患者において観察されたTh17数の増加の70%を占めた。SpA患者からのTCR刺激末梢血KIR3DL2+CD4T細胞系は、対照からのKIR3DL2+系またはKIR3DL2−CD4T細胞よりも4倍多いIL−17を分泌した。

0086

KIR3DL2発現細胞の排除が有用である障害(例えば、癌、炎症および自己免疫障害)の治療に好適な抗体および他の化合物を産生および使用する方法が提供される。抗体、抗体誘導体、抗体断片、およびそれらを産生する細胞は、それを産生する方法ならびに抗体および化合物を使用して患者を治療する方法と同様に包含される。

0087

本抗体は、KIR3DL2に特異的であるため、それらは、一連の目的、例として、KIR3DL2またはKIR3DL2発現細胞の精製、KIR3DL2受容体のインビトロ、エクスビボもしくはインビボでのモジュレーション(例えば、活性化または阻害)、インビボでの破壊のためのKIR3DL2発現細胞の標的化、またはKIR3DL2のインビボ、エクスビボもしくはインビトロでの特異的標識/結合に、例として、イムノブロッティング、IHC分析、すなわち、凍結生検物に対する分析、FACS分析および免疫沈降のような方法に使用することができる。

0088

定義
本明細書において使用される「a」または「an」は、1つ以上を意味し得る。特許請求の範囲において使用され、語「含む」とともに使用される場合、語「a」または「an」は、1つまたは2つ以上を意味し得る。本明細書において使用される「別の」は、少なくとも第2以上を意味し得る。

0089

「含む」が使用される場合、これは、好ましくは、「〜から本質的になる」、より好ましくは、「〜からなる」により置き換えることができる。

0090

「増殖疾患の治療」または「腫瘍の治療」、または「癌の治療」などは、抗KIR3DL2結合剤(例えば、抗体)に関して挙げられる場合、それらは、(a)増殖疾患を治療する方法であって、(例えば、薬学的に許容可能な担体材料中の)抗KIR3DL2結合剤を、そのような治療が必要とされる温血動物、特にヒトに、前記疾患の治療を可能とする用量(治療有効量)で、例えば、上記および下記で規定される用量(量)で(少なくとも1つの治療のために)投与するステップを含む方法;(b)増殖疾患の治療のための、抗KIR3DL2結合剤の使用、または前記治療(特にヒト)において使用される抗KIR3DL2結合剤;(c)増殖疾患の治療のための医薬調製物の製造のための、抗KIR3DL2結合剤の使用、増殖疾患の治療のための医薬調製物の製造のために抗KIR3DL2結合剤を使用する方法であって、抗KIR3DL2結合剤を薬学的に許容可能な担体と混合することを含む方法、もしくは増殖疾患の治療に適切な有効用量の抗KIR3DL2結合剤を含む医薬調製物;または(d)a)、b)、およびc)の任意の組合せを含むが、これらに限定されず、本出願が出願される国において特許化の許容可能な主題に従う。特定の疾患(例えば、炎症または自己免疫疾患)または規定の腫瘍(例えば、CTCL)が「増殖疾患」に代えて挙げられる場合にもカテゴリーa)〜e)が包含され、それぞれの疾患を特許主題に従って「増殖疾患」に代えて上記a)〜e)に埋めることができることを意味する。

0091

本明細書において使用される用語「癌」および「腫瘍」は、制御不能および進行性の増殖を含む細胞または組織の新たな成長と定義される。具体的な実施形態において、自然経過時に癌は致命的である。具体的な実施形態において、癌は侵襲性、転移性、および/または未分化分化ならびに互いおよびそれらの軸のフレームワークへの配向の損失)である。

0092

「自己免疫」障害としては、自己を非自己またはその他から区別する能力の破壊に起因して免疫系が自己細胞または組織に対する反応を開始する任意の障害、病態、または疾患が挙げられる。自己免疫障害の例としては、関節リウマチ、リウマチ性血管炎、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、ウェゲナー肉芽腫症、脊椎関節炎などが挙げられる。「炎症障害」としては、不所望な免疫応答により特徴づけられる任意の障害が挙げられる。自己免疫および炎症障害は、免疫系の任意の構成要素が関与し得、体内の任意の細胞または組織型を標的化し得る。

0093

本明細書において使用される用語「生検」は、試験の目的のため、例えば、診断を確定するための臓器(例えば、関節)からの組織の取出と定義される。生検のタイプの例としては、吸引の適用によるもの、例えば、シリンジに取り付けられた針を介するもの;組織の断片の装置による取出によるもの;内視鏡を介する適切な装置による取出によるもの;例えば、病巣全体の外科切除によるもの;などが挙げられる。

0094

本明細書において使用される用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を指す。重鎖中の定常ドメインのタイプに応じて、抗体は、5つの主要なクラス:IgAIgDIgE、IgG、およびIgMの1つに割り当てられる。これらのいくつかは、サブクラスまたはアイソタイプ、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4などにさらに分類される。例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、テトラマーを含む。それぞれのテトラマーは、2つの同一のポリペプチド鎖ペアから構成され、それぞれのペアは、1つの「軽」鎖(約25kDa)および1つの「重」鎖(約50〜70kDa)を有する。それぞれの鎖のN末端は、主として抗原認識を担う約100〜110以上のアミノ酸からなる可変領域を定義する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語はそれぞれ、これらの軽鎖および重鎖を指す。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれ、「アルファ」、「デルタ」、「イプシロン」、「ガンマ」および「ミュー」と称される。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元立体配置は周知である。IgGおよび/またはIgMは、それらが生理学的状況における最も一般的な抗体であるため、およびそれらが研究室の環境において最も容易に作製されるため、本明細書において用いられる好ましいクラスの抗体であり、IgGが特に好ましい。好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。ヒト化、キメラ、ヒト、またはそれ以外ではヒトに好適な抗体が特に好ましい。「抗体」として、本明細書に記載の抗体のいずれかの任意の断片または誘導体も挙げられる。

0095

用語「に特異的に結合する」は、抗体が、好ましくは、競合結合アッセイにおいて、タンパク質の組換え形態、その中のエピトープ、または単離標的細胞の表面上に存在する天然タンパク質のいずれかを使用して評価される場合、結合パートナー、例えばKIR3DL2に結合し得ることを意味する。競合結合アッセイおよび特異的結合を決定する他の方法は、下記にさらに記載され、当技術分野において周知である。

0096

抗体が特定のモノクローナル抗体(例えば、10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9)「と競合する」と言われる場合、それは、抗体が、組換えKIR3DL2分子または表面発現KIR3DL2分子のいずれかを使用する結合アッセイにおいてモノクローナル抗体と競合することを意味する。例えば、試験抗体が結合アッセイにおいてKIR3DL2ポリペプチドまたはKIR3DL2発現細胞への10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9の結合を低減させる場合、抗体は、10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9とそれぞれ「競合する」と言われる。

0097

本明細書において使用される用語「親和性」は、抗体のエピトープへの結合強度を意味する。抗体の親和性は、[Ab]×[Ag]/[Ab−Ag](式中、[Ab−Ag]は抗体−抗原複合体モル濃度であり、[Ab]は未結合抗体のモル濃度であり、[Ag]は未結合抗原のモル濃度である)として定義される解離定数Kdにより与えられる。親和性定数Kaは、1/Kdにより定義される。mAbの親和性を測定する方法の例は、Harlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988)、Coligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,N.Y.,(1992、1993)、およびMuller,Meth.Enzymol.92:589−601(1983)に見出すことができ、その参照文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。mAbの親和性を測定する当技術分野において周知の1つの好ましい標準的方法は、表面プラズモン共鳴(SPR)スクリーニング(例えば、BIAcore(商標)SPR分析装置による分析によるもの)の使用である。

0098

本明細書で使用されるように、「決定基」は、ポリペプチド上での相互作用または結合の部位を指定する。

0099

用語「エピトープ」は、抗原決定基を指し、抗体が結合する抗原上の区域または領域である。タンパク質エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基、および特異的抗原結合抗体またはペプチドにより有効に遮断されるアミノ酸残基、すなわち抗体の「フットプリント」内のアミノ酸残基を含み得る。それは、例えば、抗体または受容体と結合し得る複合抗原分子上の最も単純な形態または最小の構造領域である。エピトープは、直鎖または立体構造的/構造的であり得る。用語「直鎖エピトープ」は、アミノ酸の直鎖配列一次構造)上で連続するアミノ酸残基から構成されるエピトープとして定義される。用語「立体構造的または構造的エピトープ」は、全てが連続しておらず、したがって、分子のフォールディング(二次、三次および/または四次構造)により互いに近接されるアミノ酸の直鎖配列の分離部分を表すアミノ酸残基から構成されるエピトープとして定義される。立体構造的エピトープは、三次元構造に依存する。したがって、用語「立体構造的」は、「構造的」と交換可能に使用されることが多い。

0100

用語「細胞内内在化」、または「内在化」は、そのように結合するKIR3DL2ポリペプチドおよび/または抗体を指す場合、細胞の細胞外表面から細胞の細胞内表面に分子をトランスロケートするプロセスと関連する分子、生化学物質および細胞イベントを指す。分子の細胞内内在化を担うプロセスは周知であり、とりわけ、細胞外分子(例えば、ホルモン、抗体、および有機小分子);膜会合分子(例えば、細胞表面受容体);および細胞外分子に結合している膜会合分子の複合体(例えば、膜貫通受容体に結合しているリガンドまたは膜会合分子に結合している抗体)の内在化を含み得る。したがって、「細胞内内在化を誘導し、および/または増加させる」は、細胞内内在化を開始させ、ならびに/または細胞内内在化の速度および/もしくは程度を増加させるイベントを含む。

0101

KIR3DL2発現細胞に関する用語「枯渇」は、殺滅し、排除し、溶解させ、またはそのような殺滅、排除もしくは溶解を誘導して試料中または対象中に存在するKIR3DL2発現細胞の数を減らすように影響し得るプロセス、方法、または化合物を意味する。

0102

用語「薬剤」は、本明細書において、化合物、化合物の混合物生物学的巨大分子、または生物学的材料から作製された抽出物を示すために使用される。用語「治療剤」は、生物学的活性を有する薬剤を指す。

0103

用語「毒性剤」および「細胞毒性剤」は、細胞の増殖を遅延、停止、もしくは反転させ、細胞の活性を任意の検出可能な手法で減少させ、または細胞を直接もしくは間接的に殺滅し得る任意の化合物を包含する。好ましくは、細胞毒性剤は、主として細胞の機能を直接干渉することにより細胞死を引き起こし、それとしては、限定されるものではないが、アルキル化剤腫瘍壊死因子阻害剤インターカレーター微小管阻害剤キナーゼ阻害剤プロテアソーム阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤が挙げられる。本明細書において使用される「毒性ペイロード」は、細胞に送達された場合に細胞死をもたらす十分量の毒性剤を指す。毒性ペイロードの送達は、抗体または抗原結合断片および毒性剤を含む十分量のイムノコンジュゲートの投与により達成することができる。毒性ペイロードの送達は、抗体または抗原結合断片を認識し、それに結合する二次抗体またはその抗原結合断片を含む細胞毒性剤を含む十分量のイムノコンジュゲートの投与により達成することもできる。

0104

本明細書の目的のため、「ヒト化」または「ヒト」抗体は、1つ以上のヒト免疫グロブリンの定常および可変フレームワーク領域が、動物免疫グロブリンの結合領域、例えばCDRと融合している抗体を指す。そのような抗体は、結合領域が由来する非ヒト抗体の結合特異性を維持するが、非ヒト抗体に対する免疫反応を回避するように設計される。そのような抗体は、結合領域が由来する非ヒト抗体の結合特異性を維持するが、非ヒト抗体に対する免疫反応を回避するように設計される。そのような抗体は、抗原チャレンジに応答して特異的ヒト抗体を産生するように「遺伝子操作」されたトランスジェニックマウスまたは他の動物から得ることができる(例えば、Green et al.(1994)Nature Genet 7:13;Lonberg et al.(1994)Nature 368:856;Taylor et al.(1994)Int Immun 6:579参照、それらの全教示は、参照により本明細書に組み込まれる)。完全ヒト抗体は、遺伝子または染色体形質移入(chromosomal transfection)法、およびファージディスプレイ技術により構築することもでき、それらは全て当技術分野において公知である(例えば、McCafferty et al.(1990)Nature 348:552−553参照)。ヒト抗体は、インビトロで活性化されたB細胞により生成することもできる(例えば、米国特許第5,567,610号明細書および米国特許第5,229,275号明細書参照、それらは全て、参照により全体として組み込まれる)。

0105

キメラ抗体」は、(a)抗原結合部位(可変領域)が異なるもしくは変化されたクラス、エフェクター機能および/もしくは種の定常領域、もしくはキメラ抗体に新しい特性を付与する完全に異なる分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬剤などに結合するように定常領域もしくはその一部が変化、置換、もしくは交換されている抗体分子;または(b)可変領域、もしくはその一部が可変領域が異なるもしくは変化された抗原特異性を有する可変領域により変化、置換、もしくは交換されている抗体分子である。

0106

用語「Fcドメイン」、「Fc部分」および「Fc領域」は、抗体重鎖、例えば、約アミノ酸(aa)230〜約aa450のヒトγ(ガンマ)重鎖、または他のタイプの抗体重鎖(例えば、ヒト抗体についてのα、δ、εおよびμ)におけるその相当配列、またはその天然アロタイプC末端断片を指す。特に記載のない限り、免疫グロブリンについての一般に認められたKabatアミノ酸番号付与が、本開示全体に使用される(Kabat et al.(1991)Sequences of Protein of Immunological Interest,5th ed.,United States Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,MD参照)。

0107

用語「抗体依存性細胞媒介細胞毒性」または「ADCC」は、当技術分野において十分理解されている用語であり、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞毒性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を指す。ADCCを媒介する非特異的細胞毒性細胞としては、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、単球好中球、および好酸球が挙げられる。

0108

用語「単離された」、「精製された」または「生物学的に純粋な」は、通常、天然状態で見出される場合に材料に付随する成分を実質的または本質的に有さない材料を指す。純度および等質性は、典型的には、分析化学技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーを使用して決定される。調製物中に存在する優勢種であるタンパク質は、実質的に精製される。

0109

用語「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書において交換可能に使用される。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸人工的な化学的模倣体である場合のアミノ酸ポリマー、ならびに天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーに適用される。

0110

用語「組換え体」は、例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関して使用される場合、細胞、核酸、タンパク質またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入もしくは天然核酸もしくはタンパク質の変化により改変されていること、または細胞がそのように改変された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組換え細胞は、天然(非組換え)形態の細胞内で見出されない遺伝子を発現し、または発現され、もしくは全く発現されない下で他で異常発現される天然遺伝子を発現する。

0111

用語「改変」は、アミノ酸の配列を指す場合(例えば、「アミノ酸改変」)、ポリペプチド配列中のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を意味する。「改変」または「アミノ酸改変」は、ポリペプチド配列中のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を意味する。本明細書の「アミノ酸置換」または「置換」は、タンパク質配列中の所与の位置におけるアミノ酸の、別のアミノ酸による置き換えを意味する。例えば、置換P14Sは、14位におけるプロリンセリンにより置き換えられている親ポリペプチドのバリアントを指す。ポリペプチドの「バリアント」は、参照ポリペプチド、典型的には、天然または「親」ポリペプチドと実質的に同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。ポリペプチドバリアントは、天然アミノ酸配列内のある位置における1つ以上のアミノ酸置換、欠失、および/または挿入を有し得る。

0112

本明細書において使用される「T細胞」は、胸腺中で成熟し、数ある分子のうち、T細胞受容体を表面上でディスプレイするリンパ球下位集団を指す。T細胞は、ある特徴および生物学的特性、例えば、特異的表面抗原、例として、TCR、CD4またはCD8、場合によりCDAおよびIL−23Rの発現、腫瘍または感染細胞の殺傷するあるT細胞の能力、免疫系の他の細胞を活性化させるあるT細胞の能力、および免疫応答を刺激または阻害するサイトカインと呼ばれるタンパク質分子を放出する能力により同定することができる。これらの特徴および活性のいずれかを使用し、当技術分野において周知の方法を使用してT細胞を同定することができる。本明細書で使用されるように、「活性」または「活性化」T細胞は、生物学的に活性なT細胞、より特定すると、細胞溶解または例えば、サイトカインの分泌による免疫応答を刺激する能力を有するT細胞を指定する。活性細胞は、多数の周知の方法のいずれか、例として、機能アッセイおよび発現ベースアッセイ、例えば、TNF−アルファまたはIL−17Aサイトカインの発現において検出することができる。

0113

本明細書において使用される、ポリペプチドまたはエピトープに「結合する」抗体という用語は、特異性および/または親和性を示して前記決定基に結合する抗体を示す。

0114

抗体およびエピトープ
開示される抗体は、ヒトKIR3DL2に結合する抗体である。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2(例えば、1、2、3、4つ以上の最優占KIR3DL2アレル)に選択的に結合するが、KIR3DL1(例えば、1、2、3、4つ以上の最優占KIR3DL1アレル)に結合しない。一実施形態において、抗体は、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドのアミノ酸残基1〜98に対応するKIR3DL2のD0ドメインに結合する。一実施形態において、抗体は、KIR3DL2のD2ドメインに、または配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドのD1およびD2ドメインの両方に跨る(D1およびD2ドメインの境界における)領域に結合する。一実施形態において、抗体は、10−9M未満、好ましくは、10−10M未満のKDにより特徴づけられるヒトKIR3DL2についての親和性を有する。

0115

別の実施形態において、抗体は、抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9と実質的に同一のエピトープに結合する。別の実施形態において、抗体は、少なくとも部分的に重複し、または配列番号1のKIR3DL2ポリペプチド(またはその部分配列の残基1〜98もしくは残基193〜292に対応するセグメント中の少なくとも1つの残基を含む。一実施形態において、エピトープの全てのキー残基は、残基1〜98に対応するセグメント中に存在する。一実施形態において、抗体は、D1ドメイン中に存在する残基およびD2ドメイン中に存在する残基に結合し;場合により、1つ以上のキー残基は、D1(残基99〜192)およびD2ドメイン(残基193〜292)の境界に存在する。一実施形態において、抗体は、配列番号1のKIR3DL2ポリペプチドの残基1〜98、99〜292、99〜192、または193〜292に対応するセグメント中の1、2、3、4、5、6、7つ以上の残基を含むエピトープに結合する。好ましくは、抗体により結合される残基は、KIR3DL2ポリペプチドの表面上に存在する。

0116

一実施形態において、抗体は、残基R13、A25、および/またはQ27を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基R13、A25、および/またはQ27、ならびに残基I60および/またはG62を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基H32および/またはH33に結合しない。場合により、抗体は、残基Q56および/またはE57にさらに結合する。

0117

一実施形態において、抗体は、残基I60および/またはG62を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基I60および/またはG62の1つ以上を含むが、残基R13、A25、および/またはQ27を含まないエピトープに結合する。

0118

一実施形態において、抗体は、残基I60および/またはG62の1つ以上ならびに残基P14、S15および/またはH23の1つ以上を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基G21、G22、H23、E57、S58、F59、P63および/またはH68の1、2、3、4、5、6または7つを含むエピトープに結合する。

0119

場合により、抗体は、残基R78および/またはL82の1つ以上を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基K7、Y30、R31、P79、H80、S81、T83、G84、W85、S86および/またはA87の1、2、3、4、5、6または7つを含むエピトープに結合する。

0120

場合により、抗体は、残基W226を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基Q201、K202、P203、S204、S224、S225、S227、S228、N252、R253および/またはT254の1、2、3、4、5、6または7つを含むエピトープに結合する。

0121

場合により、抗体は、残基I231および/またはR246の1つ以上を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基I231および/またはR246を含むエピトープならびに残基W226を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基D230、I231、R244、L245、R246、A247、V248、S275、R277および/またはP280の1、2、3、4、5、6または7つを含むエピトープに結合する。

0122

場合により、抗体は、残基E239を含むエピトープに結合する。場合により、抗体は、残基I231および/またはR246の1つ以上にさらに結合する。場合により、抗体は、残基W226にさらに結合する。

0123

本明細書の実施例セクションは、一連の突然変異体ヒトKIR3DL2ポリペプチドの構築を記載する。KIR3DL2突然変異体により形質移入された細胞への抗KIR3DL2抗体の結合を計測し、野生型KIR3DL2ポリペプチド(配列番号1)に結合する抗KIR3DL2抗体の能力と比較した。本明細書において使用される抗KIR3DL2抗体と突然変異体KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合の低減は、結合親和性の低減(例えば、公知の方法、例えば、特定の突然変異体を発現する細胞のFACS試験により、または突然変異体ポリペプチドへの結合のBiacore試験により計測される場合)および/または抗KIR3DL2抗体の全結合能の低減(例えば、ポリペプチド濃度に対する抗KIR3DL2抗体濃度プロットにおけるBmaxの減少により証明される場合)が存在することを意味する。結合の有意な低減は、突然変異残基が抗KIR3DL2抗体への結合に直接関与し、または抗KIR3DL2抗体がKIR3DL2に結合する場合に結合タンパク質に近接することを示す。したがって、抗体エピトープは、好ましくは、そのような残基を含み、そのような残基に隣接する追加の残基を含み得る。

0124

一部の実施形態において、結合の有意な低減は、抗KIR3DL2抗体と突然変異体KIR3DL2ポリペプチドとの間の結合親和性および/または能力が、その抗体と野生型KIR3DL2ポリペプチド(例えば、配列番号1に示されるポリペプチド)との間の結合に対して40%超、50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超または95%超だけ低減されることを意味する。ある実施形態において、結合は、検出可能な限界未満に低減される。一部の実施形態において、結合の有意な低減は、突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの抗KIR3DL2抗体の結合が、抗KIR3DL2抗体と野生型KIR3DL2ポリペプチド(例えば、配列番号1に示される細胞外ドメイン)との間で観察される結合の50%未満(例えば、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%未満)である場合に証明される。そのような結合計測は、当技術分野において公知の種々の結合アッセイを使用して行うことができる。1つのそのようなアッセイの具体例を実施例セクションに記載する。

0125

一部の実施形態において、野生型KIR3DL2ポリペプチド(配列番号1)中の残基が置換されている突然変異体KIR3DL2ポリペプチドについて有意に低い結合を示す抗KIR3DL2抗体が提供される。本明細書において使用される略語表記において、フォーマットは、野生型残基:ポリペプチド中の位置:突然変異残基であり、残基の番号付与は配列番号1に示されるとおりである。

0126

一部の実施形態において、抗KIR3DL2抗体は、野生型KIR3DL2ポリペプチドに結合するが、以下の突然変異(配列番号1に関する):
R13W、A25Tおよび/もしくはG25R;
I60Nおよび/もしくはG62S;
P14S、S15Aおよび/もしくはH23S;
R13W、A25Tおよび/もしくはG25Rの1つ以上、ならびにI60Nおよび/もしくはG62Sの1つ以上;
P14S、S15Aおよび/もしくはH23Sの1つ以上、ならびにI60Nおよび/もしくはG62Sの1つ以上;
R13W、A25Tおよび/もしくはG25Rの1つ以上、I60Nおよび/もしくはG62Sの1つ以上;ならびにP14S、S15Aおよび/もしくはH23Sの1つ以上;
P14S、S15Aおよび/もしくはH23Sの1つ以上、ならびにI60Nおよび/もしくはG62Sの1つ以上;
R78Hおよび/もしくはL82P;
W226A;
I231Mおよび/もしくはR246P;
I231Mおよび/もしくはR246Pの1つ以上、ならびにさらにW226A
のいずれか1つ以上を有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの減少した結合を有し;または
I231Mおよび/もしくはR246Pの1つ以上を有する突然変異体KIR3DL2ポリペプチドへの減少した結合を有するが、抗体は、W226Aの突然変異を有する突然変異体への減少した結合を有さない。

0127

好ましくは、KIR3DL2の特定の突然変異体への結合は、野生型KIR3DL2への結合と比較して有意に低減される。

0128

抗KIR3DL2抗体の産生
抗体は、当技術分野において公知の種々の技術により産生することができる。典型的には、これらは、KIR3DL2ポリペプチド、好ましくは、ヒトKIR3DL2ポリペプチドを含む免疫原による非ヒト動物、好ましくは、マウスの免疫化により産生される。KIR3DL2ポリペプチドは、ヒトKIR3DL2ポリペプチドの全長配列、またはその断片もしくは誘導体、典型的には、免疫原性断片、すなわち、KIR3DL2ポリペプチドを発現する細胞の表面上で露出されるエピトープ、好ましくは、10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9抗体により認識されるエピトープを含むポリペプチドの一部を含み得る。そのような断片は、典型的には、成熟ポリペプチド配列の少なくとも約7つの連続アミノ酸、いっそうより好ましくは、その少なくとも約10の連続アミノ酸を含有する。断片は、典型的には、本質的に、受容体の細胞外ドメインに由来する。一実施形態において、免疫原は、典型的には細胞の表面における脂質膜中の野生型ヒトKIR3DL2ポリペプチドを含む。具体的な実施形態において、免疫原は、場合により、治療または溶解されるインタクトな細胞、特にインタクトなヒト細胞を含む。別の実施形態において、ポリペプチドは、組換えKIR3DL2ポリペプチドである。具体的な実施形態において、免疫原は、インタクトなSSまたはMF細胞、特に場合により治療または溶解されるインタクトなヒト悪性腫瘍CD4+T細胞、またはCD4+CD28−T細胞を含む。別の実施形態において、ポリペプチドは、組換えダイマーKIR3DL2ポリペプチドである。

0129

非ヒト哺乳動物を抗原により免疫化するステップは、マウス中での抗体の産生を刺激する当技術分野において周知の任意の様式で実施することができる(例えば、E.Harlow and D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1988)参照、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。免疫原は、任意選択で、アジュバント、例えば完全または不完全フロイントアジュバントを有する緩衝液中で懸濁または溶解される。免疫原の量、緩衝液のタイプおよびアジュバントの量を測定する方法は、当業者に周知である。これらのパラメーターは、異なる免疫原について異なり得るが、容易に解明される。

0130

同様に、抗体の産生を刺激するために十分な免疫化の局在および頻度も、当技術分野において周知である。典型的な免疫プロトコルにおいて、非ヒト動物に1日目および約1週間後に再度、抗原を腹腔内注射する。この後、約20日目、任意選択で、アジュバント、例えば、不完全フロイントアジュバントによる抗原のリコール注射を行う。リコール注射は静脈内で実施し、数日間連続して繰り返すことができる。この後、40日目、典型的にはアジュバントを用いずに静脈内または腹腔内のいずれかでブースター注射を行う。このプロトコルは、約40日後、抗原特異的抗体を産生するB細胞の産生をもたらす。免疫化において使用される抗原に指向される抗体を発現するB細胞の産生をもたらす限り、他のプロトコルを使用することもできる。

0131

ポリクローナル抗体調製のため、血清を免疫化非ヒト動物から得、その中に存在する抗体を周知技術により単離する。血清を、固体支持体に結合している上記免疫原のいずれかを使用して親和性精製してKIR3DL2ポリペプチドと反応する抗体を得ることができる。

0132

代替的実施形態において、非免疫化非ヒト哺乳動物からのリンパ球を単離し、インビトロで成長させ、次いで細胞培養物中で免疫原に曝露させる。次いで、リンパ球を回収し、下記の融合ステップを実施する。

0133

モノクローナル抗体について、次のステップは、免疫化非ヒト哺乳動物からの脾細胞を単離し、続いてそれらの脾細胞を不死化細胞と融合させて抗体産生ハイブリドーマを形成することである。非ヒト哺乳動物からの脾細胞の単離は、当技術分野において周知であり、典型的には、麻酔された非ヒト哺乳動物から脾臓摘出し、それを小片に切断し、脾細胞を膜から細胞濾過器ナイロンメッシュを介して適切な緩衝液中に搾出して単一の細胞懸濁液を産生することを含む。細胞を洗浄し、遠心分離し、いかなる赤血球も溶解する緩衝液中で再懸濁させる。溶液を再び遠心分離し、最終的にペレット中の残留リンパ球を新たな緩衝液中で再懸濁させる。

0134

リンパ球は、単離され、単一の細胞懸濁液中で存在する場合、不死細胞系と融合させることができる。これは、典型的には、マウス骨髄腫細胞系であるが、ハイブリドーマの作出に有用な多数の他の不死細胞系は当技術分野において公知である。ネズミ骨髄腫系としては、限定されるものではないが、Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego,U.S.A.から入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、American Type Culture Collection,Rockville,Maryland,U.S.A.から入手可能なX63 Ag8653およびSP−2細胞に由来するものが挙げられる。融合は、ポリエチレングリコールなどを使用して行う。次いで、得られたハイブリドーマを、未融合の親骨腫細胞の成長または生存を阻害する1つ以上の物質を含有する選択培地中で成長させる。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマ用の培養培地は、典型的にはヒポキサンチンアミノプテリン、およびチミジンを含み(HAT培地)、それらの物質はHGPRT欠損細胞の成長を妨害する。

0135

ハイブリドーマは、典型的には、マクロファージのフィーダー層上で成長させる。マクロファージは、好ましくは、脾細胞を単離するために使用される非ヒト哺乳動物のリッターメイトからのものであり、典型的には、ハイブリドーマをプレーティングする数日前に不完全フロイントアジュバントなどによりプライミングする。融合方法は、Goding,“Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,”pp.59−103(Academic Press,1986)に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。

0136

細胞は、コロニー形成および抗体産生に十分な時間、選択培地中で成長させておく。これは通常、約7〜約14日間である。

0137

次いで、ハイブリドーマコロニーを、KIR3DL2ポリペプチド遺伝子産物、任意選択で、抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9により特異的に認識されるエピトープに特異的に結合する抗体の産生についてアッセイする。アッセイは、典型的には、比色ELISAタイプアッセイであるが、ハイブリドーマを成長させるウェルに適合させることができる任意のアッセイを用いることができる。他のアッセイとしては、ラジオイムノアッセイまたは蛍光活性細胞選別が挙げられる。所望の抗体産生について陽性のウェルを試験して1つ以上の区別されるコロニーが存在するか否かを決定する。2つ以上のコロニーが存在する場合、細胞を再クローニングおよび成長させ、単一細胞のみが所望の抗体を産生するコロニーを生じさせていることを確保することができる。

0138

好ましいモノクローナル抗体を産生することが確認されているハイブリドーマは、適切な培地、例えばDMEMまたはRPMI−1640中でより大量に成長させることができる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、動物中で腹水腫瘍としてインビボで成長させることができる。

0139

モノクローナル抗体(または腹水)を含有する成長培地は、所望のモノクローナル抗体を産生するために十分に成長させた後、細胞から分離し、その中に存在するモノクローナル抗体を精製する。精製は、典型的には、ゲル電気泳動透析プロテインAもしくはプロテインG−セファロース、または固体支持体、例えば、アガロースもしくはセファロースビーズに結合している抗マウスIgを使用するクロマトグラフィーにより達成する(全ては、例えば、Antibody Purification Handbook,Biosciences,publication No.18−1037−46,Edition ACに記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。結合抗体は、典型的には、抗体含有画分の即時中和を伴う低pH緩衝液(pH3.0以下のグリシンまたは酢酸緩衝液)の使用により、プロテインA/プロテインGカラムから溶出させる。これらの画分は、必要に応じてプール、透析、および濃縮する。

0140

外見上単一のコロニーを有する陽性のウェルを、典型的には、再クローニングおよび再アッセイして1つのモノクローナル抗体のみが検出および産生されていることを確保する。

0141

抗体は、例えば、(Ward et al.Nature,341(1989)p.544、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるとおり、免疫グロブリンのコンビナトリアルライブラリーの選択により産生することもできる。

0142

KIR3DL2、特に、モノクローナル抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9と実質的または本質的に同一のエピトープに結合する1つ以上の抗体の同定は、抗体競合をアッセイすることができる種々の免疫学的スクリーニングアッセイのいずれか1つを使用して容易に決定することができる。多くのそのようなアッセイは、定型的に実施され、当技術分野において周知である(例えば、米国特許第5,660,827号明細書参照、具体的には参照により本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載の抗体が結合するエピトープの実際的な決定は、本明細書に記載のモノクローナル抗体と同一または実質的に同一のエピトープに結合する抗体を同定するために決して要求されないことが理解される。

0143

例えば、試験すべき試験抗体が異なる動物源から得られ、またはさらに異なるIgアイソタイプのものである場合、対照(10F6、例えば、例示目的のため、または2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9などのいずれかの他の抗体)および試験抗体を混合(または予備吸着)し、KIR3DL2ポリペプチドを含有する試料にアプライする単純な競合アッセイを用いることができる。ウエスタンブロッティングに基づくプロトコルおよびBIACORE分析の使用は、そのような競合試験における使用に好適である。

0144

ある実施形態において、対照抗体(10F6、例えば、いずれかの他の抗体)を、変動量の試験抗体と、KIR3DL2抗原試料にアプライする前のある期間、予備混合する(例えば、約1:10または約1:100)。他の実施形態において、対照および変動量の試験抗体は、KIR3DL2抗原試料に曝露させる間、単純に混合することができる。(例えば、未結合抗体を除去するための分離または洗浄技術を使用することにより)結合抗体を遊離抗体から、(例えば、種特異的もしくはアイソタイプ特異的二次抗体を使用し、または6E4、20C6もしくは16A8を検出可能な標識により特異的に標識することにより)10F6を試験抗体から区別することができる限り、試験抗体が10F6の抗原への結合を低減させるか否かを決定することができ、それは試験抗体が10Fと実質的に同一のエピトープを認識することが示す。完全に無関連な抗体の不存在下での(標識)対照抗体の結合は、高値の対照として機能し得る。低値の対照は、標識(10F6)抗体を全く同一のタイプ(10F6)の未標識抗体インキュベートすることにより得ることができ、この場合、競合が生じ、標識抗体の結合を低減させる。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での標識抗体の反応性における有意な低減は、実質的に同一のエピトープを認識する試験抗体、すなわち、標識(10F6)抗体と「交差反応する」または競合する抗体を示す。10F6のKIR3DL2抗原への結合を、少なくとも約50%、例えば少なくとも約60%、またはより好ましくは少なくとも約80%もしくは90%(例えば、約65〜100%)だけ低減させる任意の試験抗体を、約1:10〜約1:100の10F6:試験抗体の任意の比において、10F6と実質的に同一のエピトープまたは決定基に結合する抗体であるとみなす。好ましくは、そのような試験抗体は、10F6のKIR3DL2抗原への結合を、少なくとも約90%(例えば約95%)だけ低減させる。

0145

競合は、例えばフローサイトメトリー試験により評価することもできる。そのような試験において、所与のKIR3DL2ポリペプチドを担持する細胞は、最初に例えば、10F6と、次いで蛍光色素またはビオチンにより標識された試験抗体とインキュベートすることができる。飽和量の10F6とのプレインキュベーション時に得られる結合が、10F6とのプレインキュベーションなしの抗体により得られる(蛍光を介して計測される)結合の、約80%、好ましくは約50%、約40%以下(例えば、約30%、20%または10%)である場合、抗体は、10F6と競合すると言われる。あるいは、飽和量の試験抗体とプレインキュベートされた細胞上の(蛍光色素またはビオチンによる)標識10F6抗体について得られる結合が、試験抗体とのプレインキュベーションなしの場合に得られる結合の、約80%、好ましくは約50%、約40%以下(例えば、約30%、20%または10%)である場合、抗体は、10F6と競合すると言われる。

0146

試験抗体を、KIR3DL2抗原が固定化された表面に飽和濃度において予備吸着およびアプライする単純な競合アッセイを用いることもできる。単純な競合アッセイにおける表面は、好ましくはBIACOREチップ(または表面プラズモン共鳴分析に好適な他の媒体)である。次いで、対照抗体(例えば、10F6)を、KIR3DL2飽和濃度において表面と接触させ、対照抗体のKIR3DL2および表面結合を計測する。対照抗体のこの結合を、試験抗体の不存在下での対照抗体のKIR3DL2含有表面への結合と比較する。試験アッセイにおいて、試験抗体の存在下での対照抗体によるKIR3DL2含有表面の結合の有意な低減は、試験抗体が対照抗体と実質的に同一のエピトープを認識し、その結果、試験抗体が対照抗体と「交差反応する」ことを示す。対照(例えば、10F6)抗体のKIR3DL2抗原への結合を少なくとも約30%以上、好ましくは約40%だけ低減させる任意の試験抗体を、対照(例えば、10F6)と実質的に同一のエピトープまたは決定基に結合する抗体であるとみなすことができる。好ましくは、そのような試験抗体は、対照抗体(例えば、10F6)のKIR3DL2抗原への結合を少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%以上)だけ低減させる。対照および試験抗体の順序入れ替えることができ、すなわち、競合アッセイにおいて、最初に対照抗体を表面に結合させることができ、その後に試験抗体を表面と接触させることが認識される。好ましくは、KIR3DL2抗原についてより高い親和性を有する抗体を最初に表面に結合させる。それというのも、二次抗体について見られる結合の減少(抗体が交差反応していると想定)がより顕著な大きさであると予期されるためである。そのようなアッセイのさらなる例が、例えば、Saunal(1995)J.Immunol.Methods183:33−41に提供され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。

0147

好ましくは、KIR3DL2エピトープを認識するモノクローナル抗体は、かなりの割合またはさらには全ての関連細胞、例えば、悪性腫瘍CD4+T細胞、SSまたはMF患者からの細胞上に存在するエピトープと反応するが、他の細胞、すなわち、KIR3DL2を発現しない細胞と有意に反応しない。一態様において、抗KIR3DL2抗体は、KIR3DL2に結合するが、KIR3DL1および/またはKIR3DS1に結合しない。

0148

一部の実施形態において、抗体は、KIR3DL2陽性細胞の発現により特徴づけられる疾患を有する1つまたは複数の個体、すなわち、抗KIR3DL2抗体を使用する本明細書に記載の方法の1つによる治療についての候補である個体からのKIR3DL2発現細胞に結合する。したがって、細胞上のKIR3DL2を特異的に認識する抗体を得たら、それを、SSまたはMFのような障害を有する患者から採取されたKIR3DL2陽性細胞(例えば、悪性腫瘍CD4+T細胞)に結合するその能力について試験することができる。特に、患者を本抗体の1つにより治療する前に、その患者から採取された例えば血液試料中悪性腫瘍細胞に結合する抗体の能力を試験して治療が患者において有益になる確率を最大化することが有益である。

0149

一実施形態において、抗体は、イムノアッセイにおいてバリデートしてKIR3DL2発現細胞、例えば、悪性腫瘍CD4+T細胞、炎症促進性CD4+細胞に結合するそれらの能力を試験する。例えば、末梢血リンパ球(PBL)を複数の患者から採取し、CD4+T細胞をPBLから、例えば、関連抗体を使用するフローサイトメトリーにより濃縮し(悪性腫瘍CD4+細胞について、例えば、開示が参照により本明細書に組み込まれるBagot et al.(2001)Blood 97:1388−1391参照)、またはCD4+CD28−細胞分画をMACSカラム(Miltenyi Biotec)上で磁気分離により単離する。次いで、細胞に結合する所与の抗体の能力を、当技術分野において周知の標準的な方法を使用して評価する。個体または患者のかなりの割合(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%以上)からのKIR3DL2を発現することが公知の細胞、例えば、T細胞のかなりの割合(例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%以上)に結合することが見出される抗体は、患者中の悪性腫瘍T細胞の存在またはレベルを決定するための診断目的のための本明細書の使用に、または本明細書に記載の治療方法における使用に、例えば、悪性腫瘍T細胞の数もしくは活性を増加もしくは減少させるための使用の両方に好適である。細胞への抗体の結合を評価するため、抗体は、直接または間接的に標識することができる。間接的に標識する場合、典型的には、二次標識抗体を添加する。次いで、細胞への抗体の結合を、例えば、フローサイトメトリー分析(例えば、FACScan)を使用して検出することができる。そのような方法は、当業者に周知である。

0150

抗体がエピトープ領域内で結合するか否かの決定は、当業者に公知の手法において実施することができる。そのようなマッピング/特徴決定方法の一例として、抗KIR3DL2抗体についてのエピトープ領域を、KIR3DL2タンパク質中の露出アミンカルボキシル化学修飾を使用するエピトープ「フットプリンティング」により決定することができる。そのようなフットプリンティング技術の1つの具体例は、HXMS(質量分析により検出される水素重水素交換)の使用であり、この場合、受容体およびリガンドタンパク質アミドプロトンの水素/重水素交換、結合、および逆交換が生じ、タンパク質結合に関与する骨格アミド基は逆交換から保護され、したがって重水素化されたままになる。関連領域は、この箇所において、ペプシンタンパク質加水分解高速マイクロボア高速液体クロマトグラフィー分離、および/またはエレクトロスプレーイオン化質量分析により同定することができる。例えば、Ehring H,Analytical Biochemistry,Vol.267(2)pp.252−259(1999)Engen,J.R.and Smith,D.L.(2001)Anal.Chem.73,256A−265A参照。好適なエピトープ同定技術の別の例は核磁気共鳴エピトープマッピング(NMR)であり、この場合、典型的には、遊離抗原および抗原結合ペプチド、例えば抗体と複合体化された抗原の二次元NMRスペクトルにおけるシグナルの位置を比較する。抗原は、典型的には、NMRスペクトルにおいて、抗原に対応するシグナルのみが見られ、抗原結合ペプチドからのシグナルが全く見られないように、15Nにより選択的に同位体標識する。抗原結合ペプチドとの相互作用に関与するアミノ酸から生じる抗原シグナルは、典型的には、複合体のスペクトルにおける位置を、遊離抗原のスペクトルと比較してシフトさせ、結合に関与するアミノ酸をそのように同定することができる。例えば、Ernst Schering Res Found Workshop.2004;(44):149−67;Huang et al.,Journal of Molecular Biology,Vol.281(1)pp.61−67(1998);およびSaito and Patterson,Methods.1996 Jun;9(3):516−24参照。

0151

エピトープマッピング/特徴決定は、質量分析法を使用して実施することもできる。例えば、Downward,J Mass Spectrom.2000 Apr;35(4):493−503およびKiselar and Downard,Anal Chem.1999 May 1;71(9):1792−801参照。プロテアーゼ消化技術も、エピトープマッピングおよび同定に関して有用であり得る。抗原決定基関連領域/配列は、プロテアーゼ消化により、例えばトリプシンをKIR3DL2に対して約1:50の比またはpH7〜8における一晩消化において使用し、次いでペプチド同定のための質量分析(MS)分析を行うことにより決定することができる。続いて、抗KIR3DL2結合剤によりトリプシン開裂から保護されるペプチドを、トリプシン消化を受けた試料と、抗体とインキュベートされ、次いで、例えば、トリプシンによる消化を受けた試料との比較により同定することができる(それにより、結合剤についてのフットプリントが明らかになる)。他の酵素、例えば、キモトリプシン、ペプシンなどをさらに、または代替的に類似のエピトープ特徴決定方法において使用することができる。さらに、酵素消化は、潜在的な抗原決定基配列が、表面露出されておらず、したがって、免疫原性抗原性に関して最も関連性が少ないKIR3DL2ポリペプチドの領域内に存在するか否かを分析する迅速な方法を提供し得る。例えば、同様の技術の議論のため、Manca,Ann Ist Super Sanita.1991; 27: 15−9参照。

0152

部位特異的突然変異誘発は、結合エピトープの解明に有用な別の技術である。例えば、「アラニンスキャニング」において、タンパク質セグメント内のそれぞれの残基をアラニン残基により置き換え、結合親和性についての結果を計測する。突然変異が結合親和性の有意な低減をもたらす場合、それは結合に関与する可能性が最も高い。構造エピトープに特異的なモノクローナル抗体(すなわち、フォールディングされていないタンパク質に結合しない抗体)を使用し、アラニン置換がタンパク質のフォールディング全体に影響を与えないことを確認することができる。例えば、Clackson and Wells,Science 1995;267:383−386;およびWells,Proc Natl Acad Sci USA 1996;93:1−6参照。

0153

エピトープ「フットプリンティング」に電子顕微鏡を使用することもできる。例えば、Wang et al.,Nature 1992;355:275−278は、天然ササゲモザイクウイルスカプシド表面上のFab断片物理的フットプリントを測定するため、低温電子顕微鏡観察、三次元画像再構成、およびX線結晶分析協調的適用を使用した。

0154

エピトープ評価のための「ラベルフリー」アッセイの他の形態としては、表面プラズモン共鳴(SPR、BIACORE)および反射干渉分光法(RifS)が挙げられる。例えば、Faegerstam et al.,Journal Of Molecular Recognition 1990;3:208−14;Nice et al.,J.Chromatogr.1993;646:159−168;Leipert et al.,Angew.Chem.Int.Ed.1998;37:3308−3311;Kroeger et al.,Biosensors and Bioelectronics 2002;17:937−944参照。

0155

本明細書に記載の抗体と同一のまたは実質的に同一のエピトープに結合する抗体は、本明細書に記載の例示的な競合アッセイの1つ以上において同定することができることも留意すべきである。

0156

場合により、細胞取り込みまたは局在化を評価してそれKIR3DL2が存在する細胞中におよび/または細胞区画中に容易に吸収される抗体を選択する。細胞取り込みまたは局在化は、一般に、抗体がその活性を与えることが求められ、または考えられる細胞中で計測する。細胞取り込みまたは局在化は、標準的方法により、例えば、検出可能部分(例えば、蛍光部分)によりマーキングされている抗体を使用する共焦点染色により評価することができる。

0157

脊椎動物または細胞中での抗体の免疫化および産生時、特定の選択ステップを実施して特許請求される抗体を単離することができる。これに関し、具体的な実施形態において、本発明はまた、そのような抗体を産生する方法であって、(a)KIR3DL2ポリペプチドを含む免疫原により非ヒト哺乳動物を免疫化するステップ;および(b)前記免疫化動物から抗体を調製するステップ;および(c)KIR3DL2に結合し得る、ステップ(b)からの抗体を選択するステップを含む方法が提供される。

0158

典型的には、本明細書の抗KIR3DL2抗体は、KIR3DL2ポリペプチドについての約104〜約1011M−1(例えば、約108〜約1010M−1)の範囲の親和性を有する。例えば、抗体は、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)スクリーニング(例えば、BIAcore(商標)SPR分析装置による分析による)により測定される場合、KIR3DL2に関して1×10−9M未満の平均解離定数(Kd)を有し得る。より特定の例示的態様において、抗体は、KIR3DL2についての約1×10−8M〜約1×10−10M、または約1×10−9M〜約1×10−11MのKdを有し得る。

0159

抗体は、例えば、約100、60、10、5、または1ナノモル濃度以下、好ましくは、ナノモル濃度以下、または場合により約500、200、100または10ピコモル濃度以下の平均Kd(すなわち、それらよりも良好な親和性)により特徴づけることができる。Kdは、例えば、例えば、組換え産生ヒトKIR3DL2タンパク質をチップ表面上に固定化し、次いで溶液中の試験すべき抗体をアプライすることにより測定することができる。一実施形態において、本方法は、KIR3DL2への結合について抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9と競合し得る(b)からの抗体を選択するステップ(d)をさらに含む。

0160

実施形態のいずれかの一態様において、本方法により調製される抗体は、モノクローナル抗体である。別の態様において、本発明の方法により抗体を産生するために使用される非ヒト動物は、哺乳動物、例えば、齧歯類ウシブタニワトリウマウサギヤギ、またはヒツジである。抗体は、10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9を包含する。さらに、抗体は、場合により、抗体Q241およびQ66(Pende,et al.(1996)J Exp Med 184:505−518)、クローン5.133(Miltenyi Biotec)、「AZ158」(Parolini,S.,et al.(2002)In Leucocyte typingVII.D.Mason,editor.Oxford University Press,Oxford.415−417および国際公開第2010/081890号パンフレット(例えば、国際公開第2010/081890号パンフレットの配列番号8および10の重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体)のいずれか、または例えばその抗原結合領域の全部もしくは一部を含む上記の誘導体以外の抗体と規定することができる。

0161

代替的実施形態によれば、KIR3DL2ポリペプチド上に存在するエピトープに結合する抗体をコードするDNAは、ハイブリドーマから単離し、適切な宿主中への形質移入に適切な発現ベクター中に配置する。次いで、宿主を抗体、またはそのバリアント、例えば、そのモノクローナル抗体のヒト化バージョン、抗体の活性断片、抗体の抗原認識部分を含むキメラ抗体、または検出可能部分を含むバージョンの組換え産生に使用する。

0162

モノクローナル抗体、例えば、抗体10F6、2B12、18C6、9E10、10G5、13H1、5H1、1E2、1C3または20E9をコードするDNAは、慣用の手順を使用して(例えば、ネズミ抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離および配列決定することができる。DNAは、単離したら、発現ベクター中に配置することができ、次いでそれを他で免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞、例えば、大腸菌(E.coli)細胞、サルOS細胞チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞中に形質移入して組換え宿主細胞中でのモノクローナル抗体の合成を得る。本明細書の他箇所において記載されるとおり、そのようなDNA配列は、多数の目的のいずれかのため、例えば、抗体をヒト化するため、断片もしくは誘導体を産生するため、または例えば抗原結合部位中の抗体の配列を改変するために改変して抗体の結合特異性を最適化することができる。

0163

抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現は、当技術分野において周知である(例えば、Skerra et al.,Curr.Opinion in Immunol.,5,pp.256(1993);およびPluckthun,Immunol.130,p.151(1992)参照)。

0164

活性の評価
抗原結合化合物を得たら、それを一般に、KIR3DL2発現標的細胞中に内在化し、またはKIR3DL2発現標的細胞中へのKIR3DL2内在化を引き起こしてKIR3DL2発現標的細胞に対するADCCもしくはCDCを誘導し、KIR3DL2発現標的細胞の炎症促進活性および/もしくは増殖を阻害し、ならびに/またはその排除を引き起こすその能力について評価する。内在化し、またはADCC、CDCを誘導し、または一般にKIR3DL2発現標的細胞の活性の排除もしくは阻害をもたらす抗原結合化合物の能力の評価は、例えば、本明細書に提供される実施例におけるように本方法の任意の好適な段階において実施することができる。この評価は、治療的使用予定の抗体(または他の化合物)の同定、産生および/または開発に関与する種々のステップの1つ以上において有用であり得る。例えば、活性は、候補抗原結合化合物を同定するスクリーニング法に関して、または抗原結合化合物を選択し、ヒトに好適とする(例えば、抗体の場合においてキメラまたはヒト化とする)方法、抗原結合化合物を発現する細胞(例えば、組換え抗原結合化合物を発現する宿主細胞)を得、機能抗体(または他の化合物)を産生するその能力を評価する方法、および/もしくは多数の抗原結合化合物を産生し、(例えば、産物のバッチまたはロットを試験するために)活性について評価することができる方法において評価することができる。一般に、抗原結合化合物は、KIR3DL2ポリペプチドに特異的に結合することが公知である。ステップは、複数(例えば、高スループットスクリーニング法を使用して極めて多数またはより少数)の抗原結合化合物を試験することを含み得る。

0165

本明細書において使用される、「内在化」されない、または「内在化」しない抗KIR3DL2抗体は、哺乳動物細胞上のKIR3DL2(すなわち、細胞表面KIR3DL2)への結合時に細胞により実質的に吸収されない(細胞に流入しない)抗体である。非内在化抗体としては、無論、抗体断片、ヒトまたはヒト化抗体および抗体コンジュゲートが挙げられる。

0166

抗KIR3DL2抗体が、哺乳動物細胞上のKIR3DL2への結合時に内在化するか否か、またはKIR3DL2ポリペプチドが細胞内内在化を受けるか否か(例えば、抗体により結合されている時)は、種々のアッセイ、例として本明細書の実験実施例に記載されるものにより決定することができる。例えば、インビボでの内在化を試験するため、試験抗体を標識し、ある細胞の表面上で発現されたKIR3DL2を有することが公知の動物中に導入する。抗体は、例えば、放射性標識または蛍光もしくは金粒子により標識することができる。このアッセイに好適な動物としては、哺乳動物、例えば、ヒトKIR3DL2発現腫瘍移植物もしくはゼノグラフトを含有するヌードマウス、またはヒトKIR3DL2により形質移入された細胞が導入されたマウス、またはヒトKIR3DL2トランス遺伝子を発現するトランスジェニックマウスが挙げられる。適切な対照としては、試験抗体を受容しなかった、または未関連抗体を受容した動物、および関心対象の細胞上の別の抗原に対する抗体を受容し、抗体が抗原への結合時に内在化されることが公知である動物が挙げられる。抗体は、動物に例えば、静脈内注射により投与することができる。好適な時間間隔において、動物の組織切片を公知のまたは以下の実験実施例に記載の方法を使用して調製し、光学顕微鏡観察または電子顕微鏡観察により内在化および細胞中の内在化抗体の局在について分析することができる。インビトロでの内在化については、細胞を組織培養ディッシュ中で、培養培地に添加された関連抗体の存在または不存在下でインキュベートし、所望の時点において顕微鏡分析のために処理することができる。細胞中の内在化標識抗体の存在は、顕微鏡観察により、または放射性標識抗体を使用する場合にはオートラジオグラフィーにより直接可視化することができる。場合により、顕微鏡観察において、既知ポリペプチドまたは他の細胞構成要素との共局在化を評価することができ;例えば、エンドソームリソソームマーカーAMP−1(CD107a)との共局在化は、内在化抗体の細胞内局在についての情報を提供し得る。あるいは、定量的生化学アッセイにおいて、KIR3DL2発現細胞を含む細胞の集団をインビトロまたはインビボで放射性標識試験抗体と接触させ、細胞(インビボで接触させる場合、細胞を好適な時間後に単離する)をプロテアーゼにより処理し、または酸洗浄に供して細胞表面上の非内在化抗体を除去する。細胞を粉砕し、耐性プロテアーゼの量、細胞のそれぞれのバッチと関連する毎分放射能カウント数cpm)を、シンチレーションカウンターホモジネートを通すことにより計測する。放射性標識抗体の既知の特異的活性に基づき、細胞当たりの内在化抗体分子の数を、粉砕細胞のシンチレーションカウントから推定することができる。細胞をインビトロで、好ましくは、溶液形態の抗体と、例えば、細胞を、培養ディッシュまたはフラスコ中の細胞培養培地に添加し、抗体を培地と十分混合して抗体への細胞の均等な曝露を確保することにより「接触」させる。

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