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技術 銀系透明電極

出願人 ピルキントングループリミテッド
発明者 ニールマクスポーランゲイリーロバートニコル
出願日 2013年10月29日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2015-538573
公開日 2015年11月26日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2015-534282
状態 特許登録済
技術分野 光起電力装置 ガラスの表面処理
主要キーワード 堆積材 光透過率値 VOC値 バック接点 非反応性スパッタリング グレイジング Al被覆 全金属含量
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課題・解決手段

誘電体層、銀に基づく機能層バリヤ層、およびさらなる誘電体層を含む被覆スタック構造を有する透明導電電極が開示される。独特の被覆スタックによって不可欠な電気的性質を有し、さらなる処理、例えば光起電力デバイスの製造中に関連する高温度に耐えることができる電極が提供される。

概要

背景

発電のために光起電力セルを利用することは、よく知られている。このセル光起電力効果を示す半導体材料を含み、これらは通常、セルの配列を含むソーラーパネルにおいて、実現される。太陽エネルギーは、クリーンで環境に優しい電源の代表である。現時点での大量生産における薄膜光起電力技術の中で、CuIn1−xGaxSe2−ySy(CIGS)およびCuInS2(CIS)は最も効率が良いことを証明している。

光起電力セルは一般的に、透明基板(一般的にはガラス)上の材料の連続する層の堆積物によって製造される。これらは、上記に言及した半導体および、半導体によって生成された電流捕捉するよう配置された1組の電極を含む。半導体層電極間に位置するため、光がその間を通過し、アセンブリの半導体領域に達するように、電極の少なくとも1つが透明でなければならない。この構造は通常、最初にガラス基板上に透明電極、次いで、バッファ層界面層等および半導体領域を備えるさらなる層が堆積することによって、達成される。透明電極は通常、堆積層の「スタック」として実現される。

動作中、ガラス基板はデバイス最前面、すなわち、光源に面する表面を提供する。これにより、半導体領域に達するように、光はガラスおよび透明電極を通過することができる。

スパッタ堆積は、光起電力デバイスの製造において頻繁に用いられる物理蒸着PVD)技術である。非反応性スパッタリングによって、堆積した材料を含む「ターゲット」および基板(例えば、ガラス)は、スパッタチャンバに配置され、アルゴンなどの不活性ガスはターゲットに衝突させるために用いられる。この作用によって、原子および、またはターゲット材イオンが放出され、次いで、基板上に堆積する。

反応性スパッタリングにおいて、堆積材は、ターゲット材と、スパッタチャンバにガスとして導入される1つまたは複数の付加反応物との間の化学反応によって形成される。酸化膜および窒化膜は反応性スパッタリングによって頻繁に堆積する。

現在の考えによれば、透明電極におけるいくつかの特性が望ましい。不可欠な低シート抵抗および高い透明性に加えて、適切な「成長」層が設けられるべきであり、これはその上に続く層の堆積物に役立つ。

CdTeデバイスにとって特に、なめらかモルフォロジーを有する成長層は、次のCdS層の成長を改善し、「ピンホール」によるデバイスにおける電気的短絡を減少する。(「ピンホール」は、粗い下層の高い地点と関連したCdS層の小さな穴である。)

さらに、製造過程には、透明導電電極の堆積後にデバイスを高温さらすことが含まれるので、このような温度にも耐えることができる電極の設計が望ましい。

出願人の同時係属中の出願である英国1102724.0は、低放射率(low−E)または太陽調節グレイジングでの使用のために設計された、熱処理可能な、銀系被覆スタック記述する。これらのスタックは、下部反射防止層、銀系機能層バリヤ層、および上部反射防止層を備える。下部反射防止層は、シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物に基づくベース層と、ZnおよびSnの酸化物に基づく層と、金属酸化物および/またはシリコンの(酸)窒化物に基づく分離層と、Znの酸化物に基づく最上層とを備える。

英国1102724.0で開示された被覆ガラス板は、銀系機能層上のNiCrOx犠牲バリヤ層を必要とすることなく、優れた熱処理性を提供する。

下部誘電体(下部反射防止層および分離層)は、高温での優れた安定性を提供し、銀層を保護し、また、優れた(すなわち低い)シート抵抗も提供する。バリヤ層は物理堅牢性および優れたシート抵抗を提供する。しかし、上部誘電体層は、電気デバイスに適さない電気的性質を提供し、したがって、英国1102724.0で開示された被覆スタックは透明導電電極として使用するのに適さない。

仏国2919114は、透明電極が、特定の配置で様々な反射防止層と組み合わさった金属機能層を有する、カドミウムからなる光起電力セルを開示する。この公報は上部誘電体層の上塗りとしてアルミニウムドープ酸化亜鉛を有する透明電極スタックを含み、この被覆が0.35−2.5x10−3Ω.cmの抵抗率を有しなければならないことを教示する。

概要

誘電体層、銀に基づく機能層、バリヤ層、およびさらなる誘電体層を含む被覆スタック構造を有する透明導電電極が開示される。独特の被覆スタックによって不可欠な電気的性質を有し、さらなる処理、例えば光起電力デバイスの製造中に関連する高温度に耐えることができる電極が提供される。なし

目的

動作中、ガラス基板はデバイスの最前面、すなわち、光源に面する表面を提供する

効果

実績

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請求項1

次の連続する層を含む光起電力セル用の透明電極であって、-基板と、-前記基板から順に・シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなるベース層と、・ZnおよびSnの酸化物からなる層と、・金属酸化物および/またはシリコンの(酸)窒化物からなる分離層と、・Znの酸化物からなる最上層と を備えた第1の誘電体層と、-銀系機能層と、-バリヤ層と- -を備え、各層は順になる直前に現れる前記層上に直接配置される、透明電極。

請求項2

第2の誘電体層をさらに含み、前記第2の誘電体層はZnO:Alの層を備える、請求項1に記載の電極

請求項3

前記第2の誘電体層が前記バリヤ層と前記ZnO:Al層の間に配置されたZnSnOxの層をさらに備える、請求項2に記載の電極。

請求項4

シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなる前記ベース層が20〜40nmの厚さを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の電極。

請求項5

前記下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物からなる前記層が1〜8nmの厚さを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の電極。

請求項6

前記下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物からなる前記層がシリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなる前記ベース層上に直接配置された、請求項1〜5のいずれかに記載の電極。

請求項7

金属酸化物および/またはシリコンの(酸)窒化物からなる前記分離層が、0.5〜5nmの厚さを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の電極。

請求項8

前記分離層が金属酸化物からなる場合、前記分離層がTi、NiCr、InSn、Zr、Alおよび/またはSiの酸化物の層を備える、請求項1〜7のいずれかに記載の電極。

請求項9

前記分離層が、次の元素Ti、V、Mn、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Taの少なくとも1つ、またはこれらの材料の少なくとも1つからなる合金から選択される1つまたは複数の他の化学元素をさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の電極。

請求項10

Znの酸化物からなる前記最上層が、3〜10nmの厚さを有する、請求項1〜9のいずれかに記載の電極。

請求項11

前記銀系機能層が、5〜13nmの厚さを有する、請求項1〜10のいずれかに記載の電極。

請求項12

前記下部反射防止層のZnの酸化物からなる前記最上層が前記銀系機能層に直接接する、請求項1〜11のいずれかに記載の電極。

請求項13

前記バリヤ層が1〜10nmの厚さを有する、請求項1〜12のいずれかに記載の電極。

請求項14

-基板と、-前記基板から順に・SixNyのベース層と、・ZnSnOx層と、・TiO2層と、・ZnO:Alの最上層と を備える第1の誘電体層と、-銀層と、-前記銀層から順に・ZAO層と、・ZnSnOx層と、・ZAO層とを備えるバリヤ層とを備える、請求項1に記載の電極。

請求項15

第2の誘電体層をさらに備え、前記第2の誘電体層がZnO:Alの層を備える、請求項14に記載の電極。

請求項16

前記第2の誘電体層がZnSnOx層をさらに備える、請求項15に記載の電極。

請求項17

前記ZnSnOx層が、前記ZnO:Al層と前記最上のZAO層の間に配置される、請求項16に記載の電極。

請求項18

前記第2の反射防止層が厚さ130nm未満である、請求項1〜17のいずれかに記載の電極。

請求項19

前記第2の反射防止層が厚さ110nmよりも大きい、請求項18に記載の電極。

請求項20

請求項1〜19のいずれかに記載の電極を備える、光起電力セル。

技術分野

0001

本発明は、(例えば)光起電力セルなどのデバイスの用途に適切な透明電極に関する。

背景技術

0002

発電のために光起電力セルを利用することは、よく知られている。このセル光起電力効果を示す半導体材料を含み、これらは通常、セルの配列を含むソーラーパネルにおいて、実現される。太陽エネルギーは、クリーンで環境に優しい電源の代表である。現時点での大量生産における薄膜光起電力技術の中で、CuIn1−xGaxSe2−ySy(CIGS)およびCuInS2(CIS)は最も効率が良いことを証明している。

0003

光起電力セルは一般的に、透明基板(一般的にはガラス)上の材料の連続する層の堆積物によって製造される。これらは、上記に言及した半導体および、半導体によって生成された電流捕捉するよう配置された1組の電極を含む。半導体層電極間に位置するため、光がその間を通過し、アセンブリの半導体領域に達するように、電極の少なくとも1つが透明でなければならない。この構造は通常、最初にガラス基板上に透明電極、次いで、バッファ層界面層等および半導体領域を備えるさらなる層が堆積することによって、達成される。透明電極は通常、堆積層の「スタック」として実現される。

0004

動作中、ガラス基板はデバイスの最前面、すなわち、光源に面する表面を提供する。これにより、半導体領域に達するように、光はガラスおよび透明電極を通過することができる。

0005

スパッタ堆積は、光起電力デバイスの製造において頻繁に用いられる物理蒸着PVD)技術である。非反応性スパッタリングによって、堆積した材料を含む「ターゲット」および基板(例えば、ガラス)は、スパッタチャンバに配置され、アルゴンなどの不活性ガスはターゲットに衝突させるために用いられる。この作用によって、原子および、またはターゲット材イオンが放出され、次いで、基板上に堆積する。

0006

反応性スパッタリングにおいて、堆積材は、ターゲット材と、スパッタチャンバにガスとして導入される1つまたは複数の付加反応物との間の化学反応によって形成される。酸化膜および窒化膜は反応性スパッタリングによって頻繁に堆積する。

0007

現在の考えによれば、透明電極におけるいくつかの特性が望ましい。不可欠な低シート抵抗および高い透明性に加えて、適切な「成長」層が設けられるべきであり、これはその上に続く層の堆積物に役立つ。

0008

CdTeデバイスにとって特に、なめらかモルフォロジーを有する成長層は、次のCdS層の成長を改善し、「ピンホール」によるデバイスにおける電気的短絡を減少する。(「ピンホール」は、粗い下層の高い地点と関連したCdS層の小さな穴である。)

0009

さらに、製造過程には、透明導電電極の堆積後にデバイスを高温さらすことが含まれるので、このような温度にも耐えることができる電極の設計が望ましい。

0010

出願人の同時係属中の出願である英国1102724.0は、低放射率(low−E)または太陽調節グレイジングでの使用のために設計された、熱処理可能な、銀系被覆スタック記述する。これらのスタックは、下部反射防止層、銀系機能層バリヤ層、および上部反射防止層を備える。下部反射防止層は、シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物に基づくベース層と、ZnおよびSnの酸化物に基づく層と、金属酸化物および/またはシリコンの(酸)窒化物に基づく分離層と、Znの酸化物に基づく最上層とを備える。

0011

英国1102724.0で開示された被覆ガラス板は、銀系機能層上のNiCrOx犠牲バリヤ層を必要とすることなく、優れた熱処理性を提供する。

0012

下部誘電体(下部反射防止層および分離層)は、高温での優れた安定性を提供し、銀層を保護し、また、優れた(すなわち低い)シート抵抗も提供する。バリヤ層は物理堅牢性および優れたシート抵抗を提供する。しかし、上部誘電体層は、電気デバイスに適さない電気的性質を提供し、したがって、英国1102724.0で開示された被覆スタックは透明導電電極として使用するのに適さない。

0013

仏国2919114は、透明電極が、特定の配置で様々な反射防止層と組み合わさった金属機能層を有する、カドミウムからなる光起電力セルを開示する。この公報は上部誘電体層の上塗りとしてアルミニウムドープ酸化亜鉛を有する透明電極スタックを含み、この被覆が0.35−2.5x10−3Ω.cmの抵抗率を有しなければならないことを教示する。

発明が解決しようとする課題

0014

本発明に特徴づけられる被覆スタックは不可欠な光透過性、低シート抵抗、物理的堅牢性および高温での安定性を提供する層の組み合わせを備える。

課題を解決するための手段

0015

本発明によれば、光起電力セル用の透明電極は、本明細書に添付の請求項1に記載された特徴を備える。

0016

電極はZnO:Alの付加層をさらに備える第2のバリヤ層を備えることが好ましい。ZnSnOxのさらなる層が含まれ、この層がZnO:Al層とバリヤ層の間に配置されてもよいが、ZnO:Al層がバリヤ層に直接接することがさらに好ましい。

0017

本発明の以下の説明において、別段に記載のない限り、パラメータ許容範囲の上限または下限における代替値の開示は、上記の一方の値は他方よりもさらに非常に好ましいことを示していることに加えて、上記のパラメータの各中間値が上記の代替値のより好ましいところと、より好ましくないところの間にあり、それ自体が上記のより好ましくない値より好ましく、また、上記のより好ましくない値と上記の中間値の間にある各値よりも好ましいということの黙示の記載であると解釈される。

0018

本発明に照らして、層は特定の材料または複数の材料「からなる」と言われ、これは、層が主に対応する上記の材料または複数の材料で構成されることを意味し、このことは、層が上記の材料または複数の材料の少なくとも約50原子%を備えることを典型的に意味する。

0019

シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなるベース層は、少なくとも5nm、好ましくは5〜60nm、さらに好ましくは10〜50nm、さらに一層好ましくは20〜40nm、最も好ましくは25〜35nmの厚さを有していてもよい。このベース層は、他の利用法の中でもガラス面拡散バリヤとして働く。

0020

「シリコンの(酸)窒化物」という用語は、Si窒化物(SiNx)とSi酸窒化物(SiOxNy)の両方を包含し、「アルミニウムの(酸)窒化物」という用語は、Al窒化物(AlNx)とAl酸窒化物(AlOxNy)の両方を包含する。Si窒化物層、Si酸窒化物層、Al窒化物層およびAl酸窒化物層は、実質的に化学量論的(例えば、Si窒化物=Si3N4、x=1.33)であることが好ましいが、被覆の熱処理性がそれによって悪影響を受けない限り、準化学量論的または、超化学量論的でさえあってもよい。シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなるベース層の1つの好ましい組成は、実質的に化学量論的な混合窒化物Si90Al10Nxである。

0021

シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物の層は、窒素とアルゴンを含むスパッタリング雰囲気でそれぞれ、Si系および/またはAl系のターゲットから反応的にスパッタリングされてもよい。シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなるベース層の酸素含有量は、スパッタリング雰囲気の残留酸素から、または、上記の雰囲気内に添加した酸素の調整された含有量から生じてもよい。シリコン(酸)窒化物および/またはアルミニウム(酸)窒化物の酸素含有量がその窒素含有量よりも著しく少ない、すなわち、層の原子比O/Nが著しく1未満に維持されると一般的に好ましい。下部反射防止層のベース層の無視し得る酸素含有量を有するSi窒化物および/またはアルミニウム窒化物を用いることが最も好ましい。この特徴は層の屈折率無酸素Si窒化物および/またはアルミニウム窒化物層の屈折率と大きく異なるものではないことを確認することによって調整され得る。

0022

下部反射防止層のベース層の本質的なバリヤおよび保護の特性が失われない限り、混合されたSiおよび/またはAlターゲットを使用するか、または、他の方法でこの層のSiおよび/またはAl構成要素に金属または半導体を付加することは、本発明の範囲内である。AlおよびSiターゲットを混合することはよく知られ、確立しており、他の混合ターゲットは排除されない。付加的な構成要素は典型的に約10〜15重量%以下の量で存在し得る。Alは通常約10重量%の量で混合Siターゲットに存在する。

0023

下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物からなる層は、高密度で熱的に安定した層を提供し、熱処理後にヘイズを減少させることによって、熱処理中の安定性を改善する働きをする。下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物からなる層は、少なくとも0.5nm、好ましくは0.5〜10nm、さらに好ましくは0.5〜9nm、さらに一層好ましくは1〜8nm、さらに一層好ましくは1〜7nm、さらに一層好ましくは2〜6nm、さらに一層好ましくは3〜6nm、最も好ましくは3〜5nmの厚さを有していてもよい。約8nmという厚さの上限は、光干渉条件と、機能層を反射防止する光干渉境界条件の維持に必要とされるベース層の厚さの減少に起因する熱処理特性が減少することから好ましい。

0024

下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物からなる層は、シリコンの(酸)窒化物および/またはアルミニウムの(酸)窒化物からなるベース層上に直接配置されることが好ましい。

0025

下部反射防止層のZnおよびSnの酸化物(略語:ZnSnOx)からなる層は、好ましくは、Znを約10〜90重量%およびSnを90〜10重量%、さらに好ましくはZnを約40〜60重量%およびSnを約40から60重量%、全金属含量の重量%においてZnおよびSnのそれぞれが好ましくは約50重量%備える。ZnおよびSnの酸化物からなる層は、O2の存在下の混合ZnSnターゲットの反応性スパッタリングによって堆積されてもよい。

0026

金属酸化物および/またはシリコンの(酸)窒化物からなる分離層は、少なくとも0.5nm、好ましくは0.5〜6nm、さらに好ましくは0.5〜5nm、さらに一層好ましくは0.5〜4nm、最も好ましくは0.5〜3nmの厚さを有していてもよい。これらの好ましい厚さによって、熱処理中のヘイズはさらに改善される。分離層は堆積の過程時および次の熱処理中の保護を提供する。分離層は、堆積後すぐに実質的に完全に酸化するか、または、次の酸化層の堆積中に実質的に完全に酸化された層に酸化するかのいずれかである。

0027

分離層は、例えば、わずかに準化学量論的なチタン酸化物からなるセラミックターゲット(例えば、実質的に化学量論的またはわずかに準化学量論的な酸化物として、O2の存在下でのTiからなるターゲットの反応性スパッタリング、または、次に酸化するTiからなる薄層を堆積する、TiO1.98ターゲット)からの非反応性スパッタリングを用いて堆積することもある。本発明に照らして、「実質的に化学量論的な酸化物」とは、酸化物が少なくとも95%だが化学量論的に最大105%であることを意味し、「わずかに準化学量論的な酸化物」とは、酸化物が少なくとも95%だが、化学量論的に100%未満であることを意味する。

0028

分離層が金属酸化物からなる場合、上記の分離層は、Ti、NiCr、InSn、Zr、Alおよび/またはSiの酸化物からなる層を備えていてもよい。

0029

分離層は、次の元素Ti、V、Mn、Co、Cu、Zn、Zr、Hf、Al、Nb、Ni、Cr、Mo、Taの少なくとも1つ、またはこれらの材料の少なくとも1つからなる合金から選択される1つまたは複数の他の化学元素をさらに含んでもよく、例えばドーパントまたは合金類として使用される。

0030

Znの酸化物からなる最上層は、主に、次に堆積する銀系機能層のための成長促進層として機能する。この層はZnの酸化物を備えることが好ましく、約10重量%(ターゲット金属含量に関する重量%)以下の量で、任意にAlまたはSnなどの金属と混合される。AlまたはSnなどの上記の金属の典型的な含量は、約2重量%であり、Alが実際には好ましい。ZnOおよび混合Zn酸化物は、続いて堆積する銀系機能層の所与の厚さでの低シート抵抗を達成するのを助ける成長促進層として非常に有効であると証明されている。下部反射防止層の最上層はO2が存在するZnターゲットから反応的にスパッタリングされるか、または全くないかまたは少ない量だけ、一般的にはわずか約5体積%の酸素を含む雰囲気中で、例えば、ZnO:Alからなる、セラミックターゲットをスパッタリングすることによって堆積することが好ましい。Znの酸化物からなる最上層は、少なくとも2nm、好ましくは2〜15nm、さらに好ましくは3〜12nm、さらに一層好ましくは4〜10nm、さらに一層好ましくは5〜8nmの厚さを有していてもよい。

0031

low−eおよび/または太陽調節コーティングの領域に通常あることだが、銀系機能層は何の添加物なく本質的に銀で構成されていてもよい。しかし、高い透光性および低い光吸収性を持つ赤外線反射層としての機能に必要な銀系機能層の特性が、それによって実質的に損なわれない限り、ドープ剤合金添加物等を付加、または非常に薄い金属もしくは金属化合物層さえ付加することによって銀系機能層の特性を変更することは、本発明の範囲内である。

0032

銀系機能層の厚さはその技術的目的によって支配される。典型的なlow−eおよび/または太陽調節の目的では、単一の銀系層の好ましい層の厚さは5〜20nm、さらに好ましくは5〜15nm、さらに一層好ましくは5〜13nm、さらに一層好ましくは8〜12nm、最も好ましくは10〜11nmである。このような層の厚さは約86%の光透過率値であるので、熱処理後0.05未満の通常の放射率は単一の銀被覆にとって容易に達成され得る。より優れた太陽調整の特性が目的とされた場合、銀系機能層の厚さは十分に増加するか、または以下にさらに述べるようにいくつかの離間する機能層が提供されることがある。

0033

下部反射防止層のZnの酸化物からなる最上層は、銀系機能層に直接接することが好ましい。ガラス基板と銀系機能層の間の層は、上記の下部反射防止層の4つの層で構成されることが好ましい。

0034

バリヤ層はZnO:Alなど、金属酸化物からなる1つまたは複数の層を備えていてもよい。バリヤ層は0.5〜20nm、好ましくは1〜10nm、さらに好ましくは1〜8nm、さらに一層好ましくは1〜7nm、最も好ましくは2〜6nmの全厚さを有していてもよい。このようなバリヤ層の厚さによって、容易に堆積可能になる。バリヤ層が混合金属酸化物ターゲットからスパッタリングされた混合金属酸化物の層を備えている場合は、堆積の過程中の銀系機能層の優れた保護と熱処理中の高い光学安定性は達成され得るということが分かっている。

0035

光起電力セルは、熱処理中、最小限の色(および光透過率)の変更だけをしようとするので、実質的に化学量論的な金属酸化物を備えたバリヤ層が好ましい。金属製または主に亜酸化のバリヤ層よりも金属酸化物からなるバリヤ層を使用することによって、熱処理中の被覆の光安定性が非常に高くなり、熱処理中の光の変更を小さく維持することを効果的に助けることになる。

0036

銀系機能層に直接接するバリヤ層の少なくとも一部は、銀の損傷を回避するために、酸化物ターゲットの非反応性スパッタリングを使用して堆積することが好ましい。

実施例

0037

ここで、以下の非制限な実施例を参照することによって、本発明について説明する。

0038

本発明によるガラス基板上の一連の銀からなる被覆スタックは、スパッタ堆積物によって準備された。表1は各サンプルの様々な測定された特性とともに、結果として生じたスタック構造を示す。スパッタリングされた25nmのZnO:Al層を有するNSG TEC(商標)C15のサンプルは比較のために含まれた。

0039

ZnO:Alは亜鉛およびアルミニウム酸化物反応性スパッタ合物を表し、主に前者は、酸素/アルゴン雰囲気中で亜鉛/アルミニウムターゲットを使用して生成された。ZAOは亜鉛およびアルミニウム酸化物の非反応性スパッタ混合物を表し、主に前者は、これらの酸化物を備えた所有のターゲットを使用して得られた。

0040

0041

各実施例は、ADおよびHTをそれぞれ参照して熱処理の前後で測定された。この熱処理は、CdS/CdTeデバイスが堆積する間、経験した温度を複製するよう考案され、約5分間、600℃でマッフル炉内に各サンプルを配置することから構成された。測定された各サンプルの特性は下記に定義される
LT:これは熱処理の前後の被覆スタックの光透過率である
・ Rs:これは熱処理の前後の被覆スタックのシート抵抗である
・ヘイズ:これは、実施例に適用された主観的に可視されるヘイズの評価システムである。システムは0(完全、不具合なし)から5(濃いヘイズ、頻繁に既に裸眼見える)までの間のスコアを使用し、+5は特に外観不良である。

0042

熱処理を使用して、各サンプルが高温処理後にどのように機能したかが示された。どのサンプルもこの熱処理後に引き続き期待通りには視覚的に見えなかったことは表1から明らかであり、実施例1は視覚的に最も損傷を示した。しかし、すべてのサンプルがシート抵抗において低下を示し、このことから、光起電力デバイスの動作に有益であることが期待された。

0043

(ヘイズの評価の詳細な説明‐評価システムは、被覆が損傷しているか、または不完全な、局所的な変色を生じる、被覆における可視的欠陥のさらなるマクロ的効果を検討する。熱処理後の被覆における可視的な欠陥のマクロ的効果(すべての実施例が熱処理前にヘイズを示さない)は、明るい光の下でサンプルを見ることによって主観的に評価された。評価は、0(完全、不具合なし)から3(明らかに見える欠陥および/またはスポットの数が多い)を通り5(濃いヘイズ、頻繁に既に裸眼で見える)までの間のスコアを使用し、、熱処理後の被覆ガラスサンプルの視覚的な外観を評価する、完全評価(レーティング)システムに基づく。この視覚的評価は、ブラックボックスの前に配置された被覆ガラス板上の2つの直交した面(すなわち、トーチを最初に水平な面に、次に垂直な面に向けること)における、(通常の入射と比較して)約−90℃と約+90℃の間の入射角で向けられる250万のキャンドルパワー光線(トーチ)を使用することによって実行された。ブラックボックスはいくつかの被覆ガラスサンプルが同時に評価されるように十分に大きなサイズを有する。上述のように入射角を変化させ、観察者から被覆ガラス板を通るように光線を向けることによって、被覆ガラス板は観察され、その視覚的な特性が評価された。被覆ガラス板は、その被覆が観察者に向くようにブラックボックスの前に配置された。3以上のどんなスコアをも有する熱処理された被覆ガラス板は、テスト不合格であったとみなされる。)

0044

各実施例1−3は、
-基板と、
- 基板から順に
・ SixNyのベース層と、
・ ZnSnOx層と、
・ TiO2層と、
・ ZnO:Alの最上層と、
を備えた下部反射防止層と、
-銀層と、
- 銀層から順に
・ ZAO層と、
・ ZnSnOx層と、
・ ZAO層と
を備えたバリヤ層と
を備える。

0045

上記に加えて、実施例1はZnO:Al層を含み、実施例3は、ZnSnOx層およびZnO:Al層を含む。

0046

その後に、CdS/CdTe備えた光起電力デバイスは、堆積中およびアニーリングが600℃までなされている間の最高温度で、実施例1〜3によって表された各スタックの上に配置された。概算のデバイスの構造は〜120nm CdSおよび〜2μm CdTeであり、バック接点として金が使用された。

0047

デバイスの製造に次いで、太陽セルの特徴づけが実行され、これは当業者にはよく知られているであろうが、結果を表2に示す。これらを測定するために、NSG TEC(商標)C15のサンプルが取られたが、これは、各実施例の分析ベースラインおよび結果がこれに比較して示されているからである。

0048

デバイスの数のピークの結果および平均の結果を示す。

0049

0050

VOC値は実施例1において著しく増加し、このスタック上のCdS/CdTeの優れた成長を示している。このスタック上に配置されたデバイスの効率もまた、ベースラインのデバイスと比較して高かった。実施例1の優れた性能は、表1に記載された熱処理試験では性能の低さが示されていたので、驚くべきものであった。

0051

実施例2は上部AR層のZnSnOxを組み入れ、他のデバイスよりも悪い性能を示した。しかし、動作するデバイスが得られ、下記に述べるようなデバイスのさらなる最適化によって、性能が改善された。

0052

ZAOの上方のZnO:Alの優れた成長は証明されたが、ZAOデバイス(実施例3)は、それ自体が重要なNSG TEC(商標)C15デバイスを超える優れた性能を示す。

0053

また、実施例1の優れた性能によって、発明者たちはさらに驚かされた。それは、彼らの経験によれば、上記で参照した仏国2919114の教示にもかかわらず、反応性スパッタZnO:Al被覆は非常に高い抵抗率を有するからである。

0054

これらの抵抗率をさらに調査するために、ガラス基板とNSG TEC(商標)C15の両方の上に、非反応性スパッタZAOおよび反応性スパッタZnO:Alのサンプルを備えた4つのサンプルが準備された。

0055

これらのサンプルは測定および計算された電気的性質とともに表3に列記される。3〜5列は場合によって、それぞれ、ZAOまたはZnO:Alの最上層のシート抵抗、厚さ、抵抗率を表す。

0056

0057

表3のデータは、反応性スパッタZnO:Alが高い抵抗率を有するという発明者たちの予想合致していたため、光起電力セル用の透明電極スタック上の上塗りとしての適合性にはさらに驚くべきものがある。

0058

より最適化された光学設計の使用によって、銀スタックのJSCはさらに改善される可能性があることが示され得る。実施例1〜3に示される設計において、〜50nmの上部AR層が使用されているが、増加した反射によってこれらの上にCdS層が堆積する場合、これは最適ではない。光モデリングの結果は次の通りである。
・ 120nmCdSを有する最適化されていない上部AR層(〜50nm)
日射透過率=33.52%
・ 120nm CdSを有する最適化された上部AR層(〜120nm)
・ 日射透過率=35.55%

0059

光学特性の改善を、以下の測定結果によって示す。ここで、120nmCdS層は、〜50nmの上部AR層の実施例1および、120nmの上部AR層の修正された実施例1で堆積する。ベースラインTEC15/ZnO:Alと比較した場合の正規化された透過の結果は次の通りである。

0060

0061

120nmの上部AR層が使用される場合、明らかな改善があり、このことで、JSC値における改善がなされることが期待できるであろう。

0062

本発明の好ましい実施形態のため、110nmと130nmの間の上部AR層が使用される。

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