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技術 溶媒を含むペルオキシド硬化性フルオロポリマー組成物及びその使用方法

出願人 スリーエムイノベイティブプロパティズカンパニー
発明者 福士達夫
出願日 2013年11月1日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2015-541814
公開日 2015年11月26日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-533924
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 高分子物質の処理方法
主要キーワード スクラップ発生率 影響値 赤外光透過率 水溶性有機液体 硬化ガス 周囲気圧 非晶質フルオロポリマー 含量値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月26日)のものです。
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課題・解決手段

第1の溶解度パラメータを有する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、第2の溶解度パラメータを有する溶媒と、ペルオキシドと、を含む、硬化性組成物。非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在し、溶媒は、硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する。第1の溶解度パラメータから第2の溶解度パラメータを引いた絶対値は、8.2(MPa)1/2以下である。溶媒は、9.6(MPa)1/2〜26(MPa)1/2の範囲の溶解度パラメータを有し得る。また、硬化性組成物から硬化フルオロエラストマーを作製する方法についても開示する。

概要

背景

フッ化ビニリデン(VDF)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー、並びにテトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマーを含むフルオロエラストマーは、例えば、優れた機械的特性耐熱性耐候性、及び耐化学性を有することが知られている。このような有益な特性により、フルオロエラストマーは、例えば、O−リングシールホーススキッド材、及びコーティング(例えば、自動車用金属ガスケットコーティング)として有用なものになる。フルオロエラストマーを作製するために用いられるコポリマーの多くは、エラストマーを作製するために用いられる他の材料(例えば、シリコーンエラストマーのためのシリコーン)に比べて比較的高い粘度を有する。フルオロエラストマーのためのいくつかの比較的低粘度のフルオロポリマー組成物報告されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0286329号(Fukushiら)を参照のこと)。また、米国特許第6,410,630号(Hooverら)には、ハイソリッドフルオロエラストマー組成物が報告されている。

ポリマー架橋して硬化フルオロエラストマーを作製するためにペルオキシドが用いられている。ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、典型的に、臭素又はヨウ硬化部位又は末端基を有する。最近、特定のペルオキシドが、非晶質フルオロポリマー硬化速度を増大させることが示された(米国特許出願公開第2012/0088884号(Fukushiら))。

概要

第1の溶解度パラメータを有する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、第2の溶解度パラメータを有する溶媒と、ペルオキシドと、を含む、硬化性組成物。非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在し、溶媒は、硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する。第1の溶解度パラメータから第2の溶解度パラメータを引いた絶対値は、8.2(MPa)1/2以下である。溶媒は、9.6(MPa)1/2〜26(MPa)1/2の範囲の溶解度パラメータを有し得る。また、硬化性組成物から硬化フルオロエラストマーを作製する方法についても開示する。

目的

本開示は、例えば、硬化フルオロエラストマーを作製するのに有用な、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマー及び溶媒の硬化性組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

硬化性組成物であって、第1の溶解度パラメータを有する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーであって、前記硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、第2の溶解度パラメータを有する溶媒であって、前記硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する溶媒と、ペルオキシドと、を含み、前記第1の溶解度パラメータから前記第2の溶解度パラメータを引いた絶対値が、8.2(MPa)1/2以下である、硬化性組成物。

請求項2

前記第1の溶解度パラメータから前記第2の溶解度パラメータを引いた絶対値が、4.1(MPa)1/2以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。

請求項3

前記非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、前記硬化性組成物の重量に対して80重量パーセントでは存在しない、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。

請求項4

前記非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、前記硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント以上80重量パーセント未満の範囲で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項5

前記非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、前記硬化性組成物の重量に対して80重量パーセント超97.5重量パーセント以下の範囲で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項6

架橋剤を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項7

前記架橋剤が、トリメチルアリイソシアヌレートトリアリルイソシアヌレート、トリ(メチル)アリルシアレート、ポリ−トリアリルイソシアヌレート、キシリレンビスジアリルイソシアヌレート)、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドフタル酸ジアリル、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン亜リン酸トリアリル、1,2−ポリブタジエンエチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジアクリレート、又はCH2=CH−Rf1−CH=CH2(式中、Rf1は、1〜8個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレンである)である、請求項6に記載の硬化性組成物。

請求項8

前記非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、ブロモ又はヨード硬化部位を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項9

25℃で100ポアズ〜24,000ポアズの範囲の粘度を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項10

前記ペルオキシドが、アシルペルオキシドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項11

前記溶媒が、30℃〜200℃の範囲の沸点を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項12

ASTMD5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間において0.5dNm超のデルタトルク、又はASTMD5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間後に0.3未満のタンデルタのうちの少なくとも1つを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項13

前記溶媒が、アセトン2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンシクロヘキサノンギ酸メチルギ酸エチル酢酸メチル酢酸エチル酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル、又は炭酸ジメチルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の硬化性組成物。

請求項14

硬化フルオロエラストマーを作製する方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の硬化性組成物を準備することと、硬化温度で前記硬化性組成物を加熱して、硬化フルオロエラストマーを作製することと、を含む、方法。

請求項15

前記硬化性組成物を加熱する前に、最初に溶媒を除去することを含まない、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記硬化フルオロエラストマーが、360ナノメートル〜1100ナノメートルの範囲において、少なくとも70パーセント平均光透過率を有する、請求項14又は15に記載の方法。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本願は、米国仮出願第61/722,516号(2012年11月5日出願)に対する優先権を主張し、その開示全体を参照により本明細書に援用する。

背景技術

0002

フッ化ビニリデン(VDF)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー、並びにテトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマーを含むフルオロエラストマーは、例えば、優れた機械的特性耐熱性耐候性、及び耐化学性を有することが知られている。このような有益な特性により、フルオロエラストマーは、例えば、O−リングシールホーススキッド材、及びコーティング(例えば、自動車用金属ガスケットコーティング)として有用なものになる。フルオロエラストマーを作製するために用いられるコポリマーの多くは、エラストマーを作製するために用いられる他の材料(例えば、シリコーンエラストマーのためのシリコーン)に比べて比較的高い粘度を有する。フルオロエラストマーのためのいくつかの比較的低粘度のフルオロポリマー組成物報告されている(例えば、米国特許出願公開第2010/0286329号(Fukushiら)を参照のこと)。また、米国特許第6,410,630号(Hooverら)には、ハイソリッドフルオロエラストマー組成物が報告されている。

0003

ポリマー架橋して硬化フルオロエラストマーを作製するためにペルオキシドが用いられている。ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、典型的に、臭素又はヨウ硬化部位又は末端基を有する。最近、特定のペルオキシドが、非晶質フルオロポリマー硬化速度を増大させることが示された(米国特許出願公開第2012/0088884号(Fukushiら))。

課題を解決するための手段

0004

本開示は、例えば、硬化フルオロエラストマーを作製するのに有用な、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマー及び溶媒硬化性組成物を提供する。硬化性組成物は、以下の予想外の特性、(1)組成物中における高重量パーセントの非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーを考慮して予想外に低い粘度、又は(2)組成物中に存在する溶媒を考慮して予想外の硬化能、のうちの少なくとも1つを有する。

0005

1つの態様では、本開示は、第1の溶解度パラメータを有する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、第2の溶解度パラメータを有する溶媒と、ペルオキシドと、を含む硬化性組成物を提供する。非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在し、溶媒は、硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する。第1の溶解度パラメータから第2の溶解度パラメータを引いた絶対値は、8.2(MPa)1/2以下である。

0006

別の態様では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマー、溶媒、及びペルオキシドを含む硬化性組成物を提供する。非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在する。溶媒は、9.6(MPa)1/2〜26(MPa)1/2の範囲の溶解度パラメータを有し、硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する。

0007

別の態様では、本開示は、硬化フルオロエラストマーを作製する方法を提供する。方法は、本明細書に開示する硬化性組成物を準備することと、硬化温度で前記硬化性組成物を加熱して、硬化フルオロエラストマーを作製することと、を含む。

0008

典型的に、ペルオキシド硬化性ポリマーが溶媒に溶解しているとき、ポリマーを硬化させようとする前に乾燥によって溶媒を除去するが、その理由は、典型的な炭化水素溶媒が、例えば、水素引き抜きによってラジカルと反応する場合があるためである。更に残留溶媒が架橋に干渉する恐れがある。驚くべきことに、本明細書に開示する硬化性組成物は、溶媒を除去することなく硬化し得る。

0009

したがって、別の態様では、本開示は、硬化フルオロエラストマーを作製する方法を提供する。方法は、本明細書に開示する硬化性組成物を準備することと、最初に溶媒を除去することなく硬化温度で硬化性組成物を加熱して、硬化フルオロエラストマーを作製することと、を含む。

0010

本出願では、
「a」、「an」、及び「the」等の用語は、1つの実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示のために用いることができる一般部類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と同じ意味で使用される。

0011

リストの前の語句「のうちの少なくとも1つを含む」は、リストの中の項目のいずれか1つ、及びリストの中の2つ以上の項目の任意の組み合わせを含むことを指す。リストの前の語句「少なくとも1つの」は、リストの中の項目のいずれか1つ、又はリストの中の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。

0012

用語「溶媒」とは、沸点を有し、かつ25℃で非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーを少なくとも部分的に溶解させることができる均質液体材料(2つ以上の材料の組み合わせを含む)を指す。

0013

用語「硬化」及び「硬化性」は、網目構造ポリマーを形成するために、通常、架橋分子又は基を介して、共有化学結合によってポリマー鎖を互いにつなぎ合わせる。したがって、本開示では、用語「硬化」及び「架橋」は、互換的に用いることができる。硬化又は架橋ポリマーは、一般的に、不溶性であることを特徴とするが、適切な溶媒の存在下で膨潤性であり得る。

0014

全ての数値範囲は、特に明記しない限り、その端点及び端点間の非整数値を含む。

0015

硬化フルオロエラストマーを作製するために、溶媒から非晶質フルオロポリマーを取り出すことが有用であり得る。例えば、時にフルオロエラストマーゴムと呼ばれる、非硬化非晶質フルオロポリマーを溶媒に溶解させ、基材にコーティングし得る。これら溶液の典型的な非晶質ポリマー含量は、溶液の重量に対して20重量%〜50重量%であり得る。これら溶液中のフルオロポリマー含量がより高い(例えば、少なくとも60重量%のフルオロポリマー)ことが、コーティング厚さを増大させ、揮発性有機化合物(VOC)を低減するために望ましいことがある。塗料シーリング材、及びコーキング材に関する揮発性有機化合物(VOC)の次第に厳しくなる規制は、その処方が、光化学反応によって地表面のオゾンに影響を与える溶媒の使用を最小化することを要求している。しかし、50重量%を超えるフルオロポリマーを含有する溶液を作製することは困難である。その理由は、濃度が増大するにつれてこのような溶液の粘度が急速に増大するため、また、特定の溶媒に対する非晶質フルオロポリマーの溶解度が限られているためである。

0016

非晶質フルオロポリマーの溶液の粘度は、一般的に、非晶質フルオロポリマーの分子量が増大するにつれて増大する。したがって、比較的低い分子量を有する非晶質フルオロポリマーが、より高いフルオロポリマー含量及び/又はより低い溶液粘度を有する溶媒を作製するために有用であり得る。しかし、非晶質フルオロポリマーの分子量が低すぎる場合、硬化が困難になる。分子量と硬化とのバランス見出すことは、困難であり得る。また、上述の通り、ペルオキシドと共に溶媒に溶解している非晶質フルオロポリマーを硬化させることが望ましい場合、溶媒は、典型的に、ポリマーを硬化させようとする前に乾燥によって除去されるが、その理由は、典型的な炭化水素溶媒が、例えば、水素引き抜きによってラジカルと反応し得るためである。更に残留溶媒が、硬化又は架橋反応に干渉する恐れがある。

0017

本開示に係る硬化性組成物は、特定の溶媒中に比較的高重量パーセントの非晶質フルオロポリマーを含む。非晶質フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量%〜97.5重量%の非晶質フルオロポリマーの範囲で存在する。いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して80重量%では存在しない。例えば、特定の実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して60重量%以上80重量%未満の範囲で存在する。これら実施形態では、溶媒は、硬化性組成物の重量に対して19重量%〜39重量%の範囲で存在し得る。これら実施形態の一部では、非晶質フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して、60重量%から79重量%、78重量%、77重量%、76重量%、75重量%以下、又は75重量%未満の範囲で存在し得る。他の実施形態では、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して80重量パーセント超97.5重量パーセント以下の範囲で存在する。これら実施形態では、溶媒は、硬化性組成物の重量に対して1%〜19%の範囲で存在し得る。これら実施形態の一部では、非晶質フルオロポリマーは、硬化性組成物の重量に対して81重量%〜97.5重量%、81重量%〜95重量%、80重量%超90重量%以下、又は90重量%超97.5重量%以下の範囲で存在し得る。

0018

本明細書に開示する硬化性組成物では、非晶質フルオロポリマー(δa)と溶媒(δb)との間の溶解度パラメータの差の絶対値は、8.2(MPa)1/2(4(cal/cc)1/2)以下であり得る。換言すれば、|δa−δb|≦8.2(MPa)1/2である。いくつかの実施形態では、フルオロポリマー(δa)と溶媒(δb)との間の溶解度パラメータの差の絶対値は、6.1(MPa)1/2(3(cal/cc)1/2)以下、又は4.1(MPa)1/2(2(cal/cc)1/2)以下である。Myers and Abu−Isa,Journal of Applied Polymer Science,Vol.32,3515〜3539(1986)において、78/22のモル比でVDF及びHFPを含むフルオロポリマーの溶解度パラメータδは、8.7(cal/cc)1/2(17.8(MPa)1/2)であると報告されている。本願の目的のために、非晶質フルオロポリマーの溶解度パラメータは、17.8(MPa)1/2であると考えられ、溶媒は、9.6(MPa)1/2〜26(MPa)1/2、いくつかの実施形態では、11.7(MPa)1/2〜23.9(MPa)1/2、いくつかの実施形態では、13.7(MPa)1/2〜21.9(MPa)1/2の範囲の溶解度パラメータを有する。

0019

本開示を実施するのに有用な溶媒は、沸点を有し、かつ必要に応じて、加熱又は減圧による通常の乾燥手順を用いて、本明細書に開示する硬化性組成物から作製される硬化フルオロエラストマーから除去され得る。これら特徴により、溶媒とイオン性液体(例えば、国際公開第2012/006487号(Fukushiら)に開示されているもの)とは区別され、本開示を実施するのに有用な溶媒は、イオン性液体を含まない。本明細書に開示する硬化性組成物の前述の実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、溶媒は、30℃〜200℃の範囲の沸点を有する。溶媒の沸点が30℃未満である場合、例えば、コーティングプロセス中に一定の固形分含量を維持することが困難である。溶媒の沸点が200℃超である場合、必要に応じて、フルオロポリマーを硬化させた後に、溶媒を除去することが困難であり得る。本開示を実施するのに有用な溶媒の例としては、ケトンエステルカーボネート、及びギ酸塩、例えば、酢酸tert−ブチル、4−メチル2−ペンタノン、酢酸n−ブチル酢酸エチル2−ブタノンギ酸エチル酢酸メチルシクロヘキサノン炭酸ジメチルアセトン、及びギ酸メチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル、又は炭酸ジメチルのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、酢酸エチル又は酢酸メチルのうちの少なくとも1つを含む。本明細書に開示する硬化性組成物の実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、溶媒は、アルコールではない。アルコールは、ペルオキシド硬化にとって特に有害である傾向がある。

0020

本開示を実施するのに有用な溶媒は、そのオゾン影響に基づいて選択することができる。VOCのオゾン影響は、オゾン(グラム)/VOC(グラム)の単位でオゾン生成能(maximum incremental reactivity)(MIR)値として計算され、報告された。(William P.L.Carter,「UPDATED MAXIMUM INCREMNTAL REACTIVITYSCALEAND HYDROCARBON BIN REACTIVITIES FOR REGULATORYAPPLICATIONS」(Revised January 28,2010)を参照のこと)。特定の溶媒は、無視できるほどの光化学反応性しか有しないことが見出されており、40 CFR Part 51,100(s)(2009年1月21改正)にVOC除外物として列挙されている。いくつかの実施形態では、本開示を実施するのに有用な溶媒は、オゾン(グラム)/溶媒(グラム)の単位で測定される最大オゾン生成能(MIR)スケールにおいて0.35以下の計算オゾン影響値を有する。これら実施形態の一部では、ポリマー含量が高くかつオゾン影響が低い本開示に係る硬化性組成物は、地表のオゾンを低くすることができる。

0021

本開示を実施するのに有用ないくつかの溶媒を、以下の表に示す。溶媒の溶解度パラメータ、沸点、及びMIR値を要約する。また、表は、比較のためにアルコール溶媒も含む。

0022

0023

また、本開示に係る硬化性組成物は、ペルオキシドを含む。典型的に、本開示を実施するのに有用なペルオキシドは、アシルペルオキシドである。アシルペルオキシドは、アルキルペルオキシドよりも低温で分解する傾向があり、より低温で硬化することができる。これら実施形態の一部では、ペルオキシドは、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ(2−フェノキシエチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシドデカノイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルエチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、二コハク酸ペルオキシド、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、又はt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネートである。いくつかの実施形態では、ペルオキシドは、ジアシルペルオキシドである。これら実施形態の一部では、ペルオキシドは、ベンゾイルペルオキシド又は置換ベンゾイルペルオキシド(例えば、ジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド、又はジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド)である。ペルオキシドは、組成物を硬化させるのに有効な量で硬化性組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ペルオキシドは、硬化性組成物の重量に対して0.5重量%〜10重量%の範囲で組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、ペルオキシドは、硬化性組成物の重量に対して1重量%〜5重量%の範囲で組成物中に存在する。

0024

ペルオキシド硬化フルオロエラストマーでは、多くの場合、架橋剤を含むことが望ましい。架橋剤は、例えば、最終硬化組成物における機械的強度強化するために有用であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、架橋剤を更に含む。当業者は、所望の物性に基づいて従来の架橋剤を選択することができる。有用な架橋剤の例としては、トリ(メチル)アリイソシアヌレート(TMAIC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリ(メチル)アリルシアレート、ポリ−トリアリルイソシアヌレート(ポリ−TAIC)、キシリレンビスジアリルイソシアヌレート)(XBD)、N,N’−m−フェニレンビスマレイミドフタル酸ジアリル、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン亜リン酸トリアリル、1,2−ポリブタジエンエチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジアクリレート、及びCH2=CH−Rf1−CH=CH2(式中、Rf1は、1〜8個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレンである)が挙げられる。架橋剤は、典型的に、硬化性組成物の重量に対して1重量%〜10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、架橋剤は、硬化性組成物の重量に対して2重量%〜5重量%の範囲で存在する。

0025

本開示を実施するのに有用な非晶質フルオロポリマーは、少なくとも2つの主要モノマー由来する1つ以上の共重合単位を含んでよい。主要モノマーの好適な候補の例としては、ペルフルオロオレフィン(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)、又は式CF2=CF−Rf(式中、Rfは、フッ素又は1〜8個、いくつかの実施形態では1〜3個の炭素原子を有するペルフルオロアルキルである)の任意のペルフルオロオレフィン)、ペルフルオロビニルエーテル(例えば、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)及びペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル(PAOVE))、ハロゲン化フルオロオレフィン(例えば、トリフルオロクロロエチレン(CTFE))、オレフィン等の水素含有モノマー(例えば、エチレン及びプロピレン)、及び部分的にフッ素化されているオレフィン(例えば、フッ化ビニリデン(VDF)、ペンタフルオロプロピレン及びトリフルオロエチレン)が挙げられる。当業者は、フルオロエラストマーを形成するのに適切な量の特定の共重合単位を選択することができる。いくつかの実施形態では、非フッ素化オレフィンモノマーに由来する重合単位は、フルオロポリマーの25モルパーセント以下、いくつかの実施形態では、10モルパーセント以下又は3モルパーセント以下で非晶質フルオロポリマー中に存在する。いくつかの実施形態では、PAVE又はPAOVEモノマーのうちの少なくとも1つに由来する重合単位は、フルオロポリマーの50モルパーセント以下、いくつかの実施形態では、30モルパーセント以下又は10モルパーセント以下で非晶質フルオロポリマー中に存在する。

0026

非晶質フルオロポリマーが全ハロゲン化、いくつかの実施形態では全フッ素化されているとき、典型的に、その共重合単位の少なくとも50モルパーセント(モル%)が、TFE及び/又はCTFE(任意でHFPを含む)に由来する。非晶質フルオロポリマーの共重合単位の残部(10〜50モル%)は、1つ以上のペルフルオロアルキルビニルエーテル及び/又はペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル、並びに好適な硬化部位モノマーで構成される。フルオロポリマーが全フッ素化されていない場合、TFE、CTFE、及び/又はHFPに由来するその共重合単位約5モル%〜約95モル%、VDF、エチレン、及び/又はプロピレンに由来するその共重合単位約5モル%〜約90モル%、ビニルエーテルに由来するその共重合単位約40モル%以下、並びに好適な硬化部位モノマー約0.1モル%〜約5モル%、いくつかの実施形態では約0.3モル%〜約2モル%を含有する。

0027

好適な全フッ素化エーテルとしては、式CF2=CFO−(CF2)m−(O(CF2)p)n−ORf(式中、Rfは、全フッ素化(C1〜C4)アルキル基であり、mは1〜4であり、nは0〜6であり、pは1〜2である)、又はCF2=CF(CF2)m−O−Rf(式中、mは1〜4であり、Rfは、任意でO原子を含有する全フッ素化脂肪族基である)のものが挙げられる。ペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルの例としては、CF2=CFOCF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2CF2 CF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2(OCF2)3OCF3、CF2=CFOCF2CF2(OCF2)4OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF3及びCF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2CF3が挙げられる。PAVEとPAOVEとの混合物をまた使用してもよい。非晶質フルオロポリマーに含まれ得るペルフルオロアルコキシアルキルアリルエーテルの例としては、CF2=CFCF2OCF2CF2OCF3、CF2=CFCF2OCF2CF2CF2OCF3及びCF2=CFCF2OCF2OCF3が挙げられる。これら全フッ素化エーテルは、典型的に、液体であり、例えば、ガス状フルオロオレフィンの付加等、他のコモノマーとの共重合の前に乳化剤で予め乳化してよい。

0028

本開示を実施するのに有用な非晶質フルオロポリマーの例としては、TFE/プロピレンコポリマー、TFE/プロピレン/VDFコポリマー、VDF/HFPコポリマー、TFE/VDF/HFPコポリマー、TFE/ペルフルオロメチルビニルエーテルPMVE)コポリマー、TFE/CF2=CFOC3F7コポリマー、TFE/CF2=CFOCF3/CF2=CFOC3F7コポリマー、TFE/CF2=C(OC2F5)2コポリマー、TFE/エチルビニルエーテルEVE)コポリマー、TFE/ブチルビニルエーテル(BVE)コポリマー、TFE/EVE/BVEコポリマー、VDF/CF2=CFOC3F7コポリマー、エチレン/HFPコポリマー、TFE/HFPコポリマー、CTFE/VDFコポリマー、TFE/VDFコポリマー、TFE/VDF/PMVE/エチレンコポリマー、及びTFE/VDF/CF2=CFO(CF2)3OCF3コポリマーが挙げられる。

0029

本明細書に開示する非晶質フルオロポリマーは、典型的に、重合、凝固洗浄、及び乾燥を含み得る一連の工程によって調製される。いくつかの実施形態では、水性乳化重合は、定常状態条件下で連続的に実施することができる。この実施形態では、例えば、モノマーの水性エマルション(例えば、上記のもののいずれかを含む)、水、乳化剤、バッファ、及び触媒を最適な圧力及び温度条件下で撹拌反応器に連続的に供給すると同時に、得られるエマルション又は懸濁液を連続的に除去する。いくつかの実施形態では、前述の成分を撹拌反応器に供給し、規定の時間、設定温度でそれらを反応させることによるか、又は成分を反応器仕込み、所望量のポリマーが形成されるまでモノマーを反応器に供給して一定の圧力を維持することによるバッチ若しくは半バッチ重合が実施される。重合後に、減圧での蒸発によって、反応器廃液ラテックスから未反応モノマーを除去する。非晶質フルオロポリマーは、凝固によってラテックスから回収することができる。

0030

一般に、重合は、過硫酸アンモニウム等のフリーラジカル反応開始剤系の存在下で実施される。重合反応は、連鎖移動剤及び錯化剤等の他の成分を更に含んでよい。重合は、一般的に、10℃〜100℃の範囲、又は30℃〜80℃の範囲の温度で実施される。重合圧力は、通常、0.3MPa〜30MPaの範囲であり、いくつかの実施形態では2MPa〜20MPaの範囲である。

0031

乳化重合を実施するとき、全フッ素化又は部分フッ素化乳化剤が有用であり得る。一般的に、これらフッ素化乳化剤は、ポリマーに対して約0.02重量%〜約3重量%の範囲で存在する。フッ素化乳化剤を用いて作製したポリマー粒子は、典型的に、動的光散乱技術によって測定したとき、約10ナノメートル(nm)〜約300nmの範囲、いくつかの実施形態では約50nm〜約200nmの範囲の平均直径を有する。

0032

好適な乳化剤の例としては、式[Rf−O−L−COO−]iXi+(式中、Lは、直鎖状の部分フッ素化若しくは全フッ素化アルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rfは、直鎖状の部分フッ素化若しくは全フッ素化脂肪族基、又は1つ以上の酸素原子によって中断される直鎖状の部分フッ素化若しくは全フッ素化脂肪族基を表し、Xi+は、価数iを有するカチオンを表し、iは1、2又は3である)を有する、全フッ素化及び部分フッ素化乳化剤が挙げられる。(例えば、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hinzterら)を参照のこと)。また、好適な乳化剤の更なる例としては、式CF3−(OCF2)m−O−CF2−X(式中、mは、1〜6の値を有し、Xは、カルボン酸基又はその塩を表す)及び式CF3−O−(CF2)3−(OCF(CF3)−CF2)z−O−L−Y(式中、zは、0、1、2又は3の値を有し、Lは、−CF(CF3)−、−CF2−、及び−CF2CF2−から選択される二価連結基を表し、Yは、カルボン酸基又はその塩を表す)を有する全フッ素化ポリエーテル乳化剤が挙げられる。(例えば、米国特許出願公開第2007/0015865号(Hintzerら)を参照のこと)。他の好適な乳化剤としては、式Rf−O(CF2CF2O)mCF2COOA(式中、Rfは、CnF(2n+1)であり、nは1〜4であり、Aは、水素原子アルカリ金属、又はNH4であり、mは1〜3の整数である)を有する全フッ素化ポリエーテル乳化剤が挙げられる。(例えば、米国特許出願公開第2006/0199898号(Funaki;Hiroshiら)を参照のこと)。また、好適な乳化剤としては、式F(CF2)nO(CF2CF2O)mCF2 COOA(式中、Aは、水素原子、アルカリ金属、又はNH4であり、nは3〜10の整数であり、mは0又は1〜3の整数である)を有する全フッ素化乳化剤が挙げられる。(例えば、米国特許出願公開第2007/0117915号(Funaki;Hiroshiら)を参照のこと)。更に好適な乳化剤としては、米国特許第6,429,258号(Morganら)に記載されているフッ素化ポリエーテル乳化剤、並びに全フッ素化又は部分フッ素化アルコキシ酸及びその塩類が挙げられ、ペルフルオロアルコキシのペルフルオロアルキル成分は、4〜12個の炭素原子、又は7〜12個の炭素原子を有する。(例えば、米国特許第4,621,116号(Morgan)を参照のこと)。また、好適な乳化剤としては、式[Rf−(O)t−CHF−(CF2)n−COO−]iXi+(式中、Rfは、任意で1つ以上の酸素原子によって中断される部分フッ素化又は全フッ素化脂肪族基を表し、tは0又は1であり、nは0又は1であり、Xi+は、価数iを有するカチオンを表し、iは、1、2又は3である)を有する部分フッ素化ポリエーテル乳化剤が挙げられる。(例えば、米国特許出願公開第2007/0142541号(Hintzerら)を参照のこと)。更に好適な乳化剤としては、米国特許出願公開第2006/0223924(Tsuda;Nobuhikoら)号、同第2007/0060699号(Tsuda;Nobuhikoら)、同第2007/0142513号(Tsuda;Nobuhikoら)、及び同第2006/0281946号(Morita;Shigeruら)に記載されている乳化剤を含有する全フッ素化又は部分フッ素化エーテルが挙げられる。アンモニウムペルフルオロオクタノエート(APFO)及びアンモニウムペルフルオロノナノエート等、6〜20個の炭素原子を有するフルオロアルキル、例えば、ペルフルオロアルキルカルボン酸、及びその塩類(例えば、米国特許第2,559,752号(Berry)を参照のこと)も有用であり得る。

0033

必要に応じて、乳化剤は、米国特許第5,442,097号(Obermeierら)、同第6,613,941号(Felixら)、同第6,794,550号(Hintzerら)、同第6,706,193号(Burkardら)、及び同第7,018,541号(Hintzerら)に記載されている通り、フルオロポリマーラテックスから除去又は再生することができる。

0034

いくつかの実施形態では、重合プロセスは、乳化剤なしで(例えば、フッ素化乳化剤なしで)実施してよい。乳化剤なしで作製されるポリマー粒子は、典型的に、動的光散乱技術によって測定したとき、約40nm〜約500nmの範囲、典型的には約100nm〜約400nmの範囲の平均直径を有し、懸濁重合では、典型的に、数ミリメートル以下の粒径が生じる。

0035

いくつかの実施形態では、水溶性反応開始剤が、重合プロセスを開始させるために有用であり得る。過硫酸アンモニウム等のペルオキシ硫酸の塩類は、典型的に、単独で、あるいは時に亜硫酸水素塩若しくはスルフィン酸塩(米国特許第5,285,002号(Grootaert)及び同第5,378,782号(Grootaert)に開示されている)又はヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム塩商品名「RONGALIT」として販売(BASFChemical Company(New Jersey,USA))等の還元剤の存在下で適用される。これら反応開始剤及び乳化剤の大部分は、これらが最も効率的となる最適なpH範囲を有する。この理由のために、バッファが時に有用である。バッファとしては、リン酸、酢酸若しくは炭酸バッファ、又は任意の他の酸若しくは塩基(例えば、アンモニア若しくはアルカリ金属水酸化物)が挙げられる。反応開始剤及びバッファの濃度範囲は、水性重合媒体に基づいて0.01重量%〜5重量%で変動し得る。

0036

ペルフルオロ硬化性非晶質フルオロポリマーは、典型的に、クロロ、ブロモ、又はヨード硬化部位を含む。本明細書に開示する硬化性組成物のいくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、ブロモ又はヨード硬化部位を含む。これら実施形態の一部では、非晶質フルオロポリマーは、ヨード硬化部位を含む。硬化部位は、フルオロポリマー鎖の末端化学的に結合しているヨード、ブロモ、又はクロロ基であってよい。非晶質フルオロポリマー中の元素ヨウ素、臭素、又は塩素の重量パーセントは、約0.2重量%〜約2重量%、いくつかの実施形態では、約0.3重量%〜約1重量%の範囲であってよい。非晶質フルオロポリマーに硬化部位末端基を組み込むために、ヨード連鎖移動剤、ブロモ連鎖移動剤、又はクロロ連鎖移動剤のうちのいずれか1つを重合プロセスで用いてよい。例えば、好適なヨード連鎖移動剤としては、3〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル又はクロロペルフルオロアルキル基と1又は2つのヨード基とを含む。ヨードペルフルオロ化合物の例としては、1,3−ジヨードペルフルオロプロパン、1,4−ジヨードペルフルオロブタン、1,6−ジヨードペルフルオロヘキサン、1,8−ジヨードフルオロオクタン、1,10−ジヨードペルフルオロデカン、1,12−ジヨードペルフルオロドデカン、2−ヨード−1,2−ジクロロ−1,1,2−トリフルオロエタン、4−ヨード−1,2,4−トリクロロペルフルオロブタン及びこれらの混合物が挙げられる。好適なブロモ連鎖移動剤としては、3〜12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル又はクロロペルフルオロアルキル基と1又は2個のヨード基とを含む。

0037

また、クロロ、ブロモ、及びヨード硬化部位モノマーは、重合反応に硬化部位モノマーを含ませることによって非晶質フルオロポリマーに組み込むことができる。硬化部位モノマーの例としては、式CX2=CX(Z)(式中、各Xは、独立して、H又はFであり、Zは、I、Br、又はRf−Z(式中、Zは、I又はBrであり、Rfは、任意でO原子を含有する全フッ素化又は部分フッ素化アルキレン基である)である)のものが挙げられる。更に、非フッ素化ブロモ又はヨード置換オレフィン、例えば、ヨウ化ビニル及びヨウ化アリルを使用することができる。いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーは、CH2=CHI、CF2=CHI、CF2=CFI、CH2=CHCH2I、CF2=CFCF2I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFCH2CH2I、CF2=CFCF2CF2I、CH2=CH(CF2)6CH2CH2I、CF2=CFOCF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CH2I、CF2=CFCF2OCH2CH2I、CF2=CFO(CF2)3OCF2CF2I、CH2=CHBr、CF2=CHBr、CF2=CFBr、CH2=CHCH2Br、CF2=CFCF2Br、CH2=CHCF2CF2Br、CF2=CFOCF2CF2Br、CF2=CFCl、CF2=CFCF2Cl、又はこれらの混合物である。

0038

硬化部位及び/又は硬化部位モノマーを有する連鎖移動剤を、バッチ投入又は連続供給によって反応器に供給してよい。連鎖移動剤及び/又は硬化部位モノマーの供給量は、モノマー供給量と比較して相対的に少ないので、少量の連鎖移動剤及び/又は硬化部位モノマーを反応器へ連続供給することは、制御が困難である。1種以上のモノマー中のヨウ素連鎖移動剤のブレンドによって、連続供給を実現することができる。このようなブレンドに有用なモノマーの例としては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)及びペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)が挙げられる。

0039

例えば、反応開始剤の濃度及び活性、各反応性モノマーの濃度、温度、連鎖移動剤の濃度、並びに溶媒を、当該技術分野において既知の技術を用いて調整することにより、非晶質フルオロポリマーの分子量を制御することができる。いくつかの実施形態では、本開示を実施するのに有用な非晶質フルオロポリマーは、10,000グラム/モル〜200,000グラム/モルの範囲の重量平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、重量平均分子量は、少なくとも15,000、20,000、25,000、30,000、40,000、又は50,000グラム/モル、100,000、150,000、160,000、170,000、180,000、若しくは190,000グラム/モル以下である。本明細書に開示する非晶質フルオロポリマーは、典型的に、分子量及び組成分布を有する。重量平均分子量は、例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(即ち、サイズ排除クロマトグラフィー)によって、当業者に既知の技術を使用して測定できる。

0040

本開示を実施するのに有用な非晶質フルオロポリマーは、ASTMD1646−06 TYPE Aに準拠して、100℃で0.1〜100(ML 1+10)の範囲のムーニー粘度を有し得る。いくつかの実施形態では、本開示を実施するのに有用な非晶質フルオロポリマーは、ASTM D1646−06 TYPE Aに準拠して、100℃で0.1〜20、0.1〜10、又は0.1〜5(ML 1+10)の範囲のムーニー粘度を有する。

0041

得られるフルオロポリマーラテックスを凝固させるために、フルオロポリマーラテックスの凝固に一般的に使用される任意の凝固剤を使用してよく、これは、例えば、水溶性塩(例えば、塩化カルシウム塩化マグネシウム塩化アルミニウム又は硝酸アルミニウム)、酸(例えば、硝酸塩酸又は硫酸)、又は水溶性有機液体(例えば、アルコール又はアセトン)であり得る。添加される凝固剤の量は、フッ素化エラストマーラテックス100質量部当たり0.001〜20質量部の範囲、例えば、0.01〜10質量部の範囲であってよい。あるいは又は更に、フッ素化エラストマーラテックスは、凝固のために凍結させてよい。

0042

凝固した非晶質フルオロポリマーは、濾過によって回収し、水で洗浄してよい。洗浄水は、例えば、イオン交換水、純水、又は超純水であってよい。洗浄水の量は、非晶質フルオロポリマーの1〜5倍の質量であってよく、それによって、非晶質フルオロポリマーに付着している乳化剤の量は、1回の洗浄によって十分に減少し得る。

0043

本開示に係る硬化性組成物は、溶媒、非晶質フルオロポリマー、ペルオキシド、及び任意で上記架橋剤を配合することによって調製することができる。配合は、例えば、ロールミル(例えば、2本ロールミル)、密閉式ミキサー(例えば、Banburyミキサー)、又は他のゴム混合装置で実施してよい。有効に硬化し得るように、硬化性組成物全体に均一に成分及び添加剤を分布させるために十分に混合することが、典型的に、望ましい。組成物は、1つ又はいくつかの工程で実施してよい。例えば、架橋剤等の特定の成分は、使用直前に非晶質フルオロポリマー、溶媒、及びペルオキシドの混合物に配合してよい。また、溶媒は、第2の工程で、非晶質フルオロポリマー、ペルオキシド、及び任意で架橋剤の混合物に配合してよい。混合中の組成物の温度を、硬化を開始させるほど十分な高さまで上昇させないことが典型的には望ましい。例えば、組成物の温度は、約50℃以下に維持してよい。

0044

また、本開示に係る硬化性組成物は、溶媒、非晶質フルオロポリマー、ペルオキシド、及び任意で上記架橋剤を合わせ、必要に応じて、溶液が形成されるまで混合物を振盪又は撹拌することによって作製することができる。溶媒の量は、組成物の重量に対して39重量%超であってよい。このような場合、溶媒は、本明細書に開示する硬化性組成物が得られるまで、加熱及び/又は減圧によって除去してよい。

0045

いくつかの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、組成物中の非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーの高重量パーセントを考慮して、予想外に低い粘度を有する。いくつかの実施形態では、硬化性組成物は、25℃で100ポアズ〜24,000ポアズの範囲の粘度を有する。いくつかの実施形態では、硬化性組成物は、25℃で1,000ポアズ〜10,000ポアズの範囲の粘度を有する。これら範囲の粘度により、硬化性組成物を、例えば、コーキング材として容易に用いることができるようになる。本開示に係る硬化性組成物の予想外に低い粘度は、以下の実施例に示す。例えば、75重量%の非晶質フルオロポリマーと21重量%の酢酸ブチルとを含む、実施例1及び2の硬化性組成物は、それぞれ、1,800及び2,217ポアズの粘度を有する。80重量%の非晶質フルオロポリマーと、16重量%の溶媒(DMC、酢酸メチル、酢酸tert−ブチル、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、MEK、及びMIBKを含む)とを含む実施例3〜10の硬化性組成物は、1,109ポアズ〜5,682ポアズの粘度を有する。更に、硬化性組成物の重量に対して80重量パーセント超97.5重量パーセント以下の範囲の非晶質フルオロポリマーを有する硬化性組成物の場合、組成物は、溶媒に応じて、25℃で4500ポアズ〜24,000ポアズの範囲の粘度を有する。酢酸メチル及び酢酸エチルでは、硬化性組成物の重量に対して少なくとも90重量%の非晶質フルオロポリマーを有する硬化性組成物は、15,000ポアズ未満の粘度を有し得る。

0046

多くの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、硬化性組成物中に存在する溶媒を考慮して、予想外の硬化能を有する。非晶質フルオロポリマーの硬化は、デルタトルク又はタンデルタを測定することによって、ASTMD 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計において評価することができる。デルタトルクは、最大トルク最小トルクとの差であり、硬化フルオロエラストマーの架橋密度に関連する。デルタトルクが高いことは、フルオロエラストマーが、より架橋している又は架橋密度がより高いことを示す。タンデルタは、損失弾性率(G”)を貯蔵弾性率(G’)で除することによって計算される(tan δ=G”/G’)。タンデルタが高いことは、フルオロエラストマーが、より流体であることを示し、タンデルタが低いことは、フルオロエラストマーが、より弾性であることを示す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する硬化性組成物は、ASTM D 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間において、少なくとも0.4dNm又は0.5dNmのデルタトルクを有する。いくつかの実施形態では、130℃で12分間におけるデルタトルクは、少なくとも1.0dNm又は少なくとも2.0dNmである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する硬化性組成物は、ASTM D 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間後、0.3未満のタンデルタを有する。いくつかの実施形態では、130℃で12分間後のタンデルタは、0.2又は0.1未満である。本開示に係る硬化性組成物は、組成物の重量に対して50重量%のフルオロポリマーと40重量%超の溶媒とを含む例示的実施例5及び10を考慮して、密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で硬化する。

0047

多くの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、良好な貯蔵安定性も有する。例えば、以下の実施例11に示す通り、硬化性組成物は、ASTMD 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、室温で314日間後にも流体であり、更に130℃で容易に硬化した。したがって、多くの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、貯蔵安定性であり、更に、予想外に、ペルオキシド分解温度以上で硬化可能である。

0048

本開示に係る硬化性組成物を用いて、O−リング等の最終物品及び/又はそれから最終形状を作製できる予成形物(例えば、それからリングが切断されるチューブ)等の最終物品を含む様々な物品の形態の硬化フルオロエラストマーを作製することができる。物品を形成するために、硬化性組成物は、スクリュータイプ押出成形機又はピストン押出成形機を使用して押出加工することができる。押出成形又は予成形硬化性組成物は、周囲気圧オーブン内にて硬化させることができる。

0049

あるいは、硬化性組成物は、射出成形トランスファー成形、又は圧縮成形を使用して物品へ成形することができる。硬化性組成物の射出成形は、例えば、押出成形スクリューにおいて硬化性組成物を砕き捏ね、加熱チャンバにそれを回収し、そこから水圧ピストンを用いて中空型穴に射出することによって実施することができる。加硫後、次いで、物品を型から取り出してよい。射出成形プロセスの利点としては、成形サイクルが短いこと、予成形の準備がほとんど又は全く無いこと、除去するバリがほとんど又は全く無いこと、及びスクラップ発生率が低いことが挙げられる。硬化性組成物の粘度は比較的低いので、シリンダーバレル及びスクリューの温度は、低くてよく、充填又は射出時間が最小化され得る。

0050

また、本開示に係る硬化性組成物を用いて、現場硬化ガスケット(cure-in-place gaskets)(CIPG)又は現場成形ガスケット(form-in-place gaskets)(FIPG)を調製することができる。硬化性組成物のビーズ又はスレッドノズルから基材表面上に堆積させることができる。所望のガスケットパターンに成形した後、硬化性組成物を、例えば、周囲圧力のオーブン内で加熱しながら現場硬化させてよい。

0051

また、本開示に係る硬化性組成物は、フルオロエラストマーコーキング材として有用であり得、これは、例えば、様々な基材の空隙を埋めるため、様々な基材をコーティングするため、様々な基材に接着するため、様々な基材を封止するため、及び様々な基材を、例えば、化学的浸透腐食、及び磨耗から保護するために有用であり得る。フルオロエラストマーコーキング材は、スチール又はコンクリート容器目地材、煙ダクト伸縮継手封止材工業用オーブンの扉パッキンシーリング材、燃料電池のシーリング材又はガスケット、及びフルオロエラストマーコーキング材を(例えば、金属に)固着させるための接着剤として有用であり得る。いくつかの実施形態では、硬化性組成物は、手で分注し、周囲気圧で加熱によって硬化させてよい。

0052

本開示に係る硬化フルオロエラストマーを作製する方法のいくつかの実施形態では、硬化性組成物は、硬化温度で硬化性組成物を加熱する前に、基材上に配置される。

0053

硬化性組成物の上記実施形態のいずれかでは、硬化温度は、ペルオキシドの分解温度に基づいて選択してよい。例えば、ペルオキシドの10時間半減期温度を超える(いくつかの実施形態では、少なくとも10℃、20℃、30℃、40℃、又は少なくとも50℃超える)温度を選択してよい。いくつかの実施形態では、硬化温度は、100℃超である。いくつかの実施形態では、硬化温度は、120℃〜180℃の範囲である。硬化時間は、ペルオキシド硬化性非晶質フルオロポリマーの組成、及び硬化フルオロエラストマーの断面厚さによって、少なくとも5、10、15、20、又は30分間、24時間以下であってよい。

0054

便利なことに、本開示に係る硬化性組成物は、溶媒が存在しても予想外に硬化可能であるので、硬化フルオロエラストマーを作製するために硬化性組成物を硬化させる前に、溶媒除去工程は必須ではない。したがって、本開示に係る硬化フルオロエラストマーを作製する方法のいくつかの実施形態では、最初に溶媒を除去することなく、硬化温度における硬化性組成物の加熱が実施される。多くの無溶媒フルオロエラストマーコーティングでは、乾燥工程が硬化工程の前である。この工程により、プロセスの時間及びコストが増すことがある。このような乾燥工程は、典型的に、ペルオキシドの10時間半減期温度を下回る温度で実施される。例えば、乾燥は、ペルオキシドの10時間半減期温度を少なくとも20℃、25℃、又は30℃下回る温度で実施してよい。したがって、本開示に係る硬化フルオロエラストマーを作製する方法のいくつかの実施形態では、2つの異なる温度における硬化性組成物の加熱、及び/又はペルオキシドの10時間半減期温度を下回る温度における硬化性組成物の加熱は避ける。

0055

いくつかの実施形態では、本開示に開示する方法によって調製される硬化フルオロエラストマーは、溶媒を含有する。溶媒と硬化フルオロエラストマーとの相溶性により、そして、硬化性組成物及び硬化性組成物から作製される硬化フルオロエラストマーのいくつかの実施形態では、溶媒の低オゾン影響により、硬化フルオロエラストマー中の残留溶媒を使用前に除去する必要はない。他方、本明細書に開示する硬化フルオロエラストマーを作製する方法のいくつかの実施形態では、硬化フルオロエラストマーを、溶媒を除去するのに十分な温度で後硬化させる。硬化フルオロエラストマーは、フルオロエラストマーの化学組成及びサンプルの断面厚さによって、例えば、約120℃〜300℃の温度、いくつかの実施形態では、約150℃〜250℃の温度で、約30分間〜約24時間以上、オーブン内で後硬化し得る。

0056

意図した使用条件で適切な安定性を有する限り、カーボンブラック、安定剤、可塑剤潤滑剤、充填剤、及び典型的にフルオロポリマーの配合において利用される加工助剤等の添加剤を硬化組成物中へ組み込んでよい。特に、ペルフルオロポリエーテルを組み込むことにより、低温性能を強化することができる。例えば、米国特許第5,268,405号(Ojakaarら)を参照のこと。組成物の弾性率、引張り強度伸び硬度磨耗耐性伝導率、及び加工性のバランスをとるための手段として、カーボンブラック充填剤をフルオロポリマーで使用してよい。好適な例としては、MTブラックミディアムサーマルブラック)及び大粒径ファーネスブラックが挙げられる。使用する場合、フルオロポリマー100部当たり(phr)1〜100部の大粒径ブラックの充填剤で一般に十分である。

0057

また、フルオロポリマー充填剤が硬化性組成物中に存在してよい。一般に、1〜100phrのフルオロポリマー充填剤が使用される。フルオロポリマー充填剤は、微粉化することができ、硬化性組成物の製造及び硬化において使用される最高温度で、固体として容易に分散させることができる。固体であるとは、充填剤材料が、部分的に結晶質である場合、硬化性組成物の加工温度を超える結晶融解温度を有することを意味する。フルオロポリマー充填剤を組み込むための1つの方法は、ラテックスをブレンドすることである。この手順は、様々な種類のフルオロポリマー充填剤を用い、米国特許第6,720,360号(Grootaertら)に記載されている。

0058

あるいは、本明細書に開示する硬化性組成物の実施形態のいずれかを含むいくつかの実施形態では、本開示に係る硬化性組成物は、充填剤を含まないか、又は硬化性組成物の重量に対して5重量%、2重量%、又は1重量%未満の充填剤しか含有しない。例えば、本開示に係る硬化性組成物は、無機充填剤を含まなくてよい。本明細書に開示する硬化性組成物において充填剤を避けることの1つの利点は、可視光透過性硬化フルオロエラストマーを得ることができる点である。1つには、溶媒と硬化フルオロエラストマーとの相溶性により、本明細書に開示する硬化性組成物から調製される硬化フルオロエラストマーは、比較的高い可視光及び赤外光透過率を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法によって調製される硬化フルオロエラストマーは、少なくとも約70パーセント(いくつかの実施形態では、少なくとも約75又は80パーセント)の平均可視光透過率を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法によって調製される硬化フルオロエラストマーは、360nm〜1100nmの範囲において、少なくとも約70パーセント(いくつかの実施形態では、少なくとも約75又は80パーセント)の平均透過率を有する。硬化フルオロエラストマーが充填剤を含まない実施形態でさえも、有用な機械的特性が得られる。例えば、以下の実施例34を参照のこと。

0059

また、化合物の特性を強化するために、従来の補助剤を本明細書に開示する硬化性組成物に組み込んでもよい。例えば、化合物の硬化及び熱安定性を促進するために酸受容体を用いてよい。好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム酸化鉛酸化カルシウム水酸化カルシウム二塩基性亜リン酸鉛、酸化亜鉛炭酸バリウム水酸化ストロンチウム炭酸カルシウムハイドロタルサイトアルカリステアレートシュウ酸マグネシウム、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。酸受容体は、非晶質フルオロポリマー100重量部当たり、約1〜約20重量部の範囲の量で用いてよい。しかし、燃料電池のシーリング材又はガスケット等のいくつかの用途は、金属イオンが燃料電池のプロトン交換膜性能を劣化させるので、金属含量が低い必要がある。したがって、いくつかの実施形態では、硬化性組成物は、このような補助剤を含まないか、又は硬化性組成物の重量に対してこのような補助剤を0.5重量%未満しか含まない。更に、硬化性組成物の上述の実施形態のうちのいずれかを含むいくつかの実施形態では、硬化性組成物は、シランを含まないか、又は1%未満若しくは0.5%未満のシランしか含まない。このようなシランとしては、アミノシラン又はアミノシランに由来するシッフ塩基が挙げられる。いくつかの実施形態ではこのような補助剤を含まないにもかかわらず、上に論じた通り、また以下の実施例に示す通り、硬化性組成物について望ましい硬化特性がみられる。

0060

本開示の一部の実施形態
第1の実施形態では、本開示は、
第1の溶解度パラメータを有する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーであって、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、
第2の溶解度パラメータを有する溶媒であって、硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する溶媒と、
ペルオキシドと、を含み、
第1の溶解度パラメータから第2の溶解度パラメータを引いた絶対値が、8.2(MPa)1/2以下である、硬化性組成物を提供する。

0061

第2の実施形態では、本開示は、第1の溶解度パラメータから第2の溶解度パラメータを引いた絶対値が、4.1(MPa)1/2以下である、第1の実施形態に記載の硬化性組成物を提供する。

0062

第3の実施形態では、本開示は、
硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント〜97.5重量パーセント存在する非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーと、
9.6(MPa)1/2〜26(MPa)1/2の範囲の溶解度パラメータを有し、かつ硬化性組成物の重量に対して1重量パーセント〜39重量パーセント存在する溶媒と、
ペルオキシドと、を含む、硬化性組成物を提供する。

0063

第4の実施形態では、本開示は、溶媒の溶解度パラメータが、13.7(MPa)1/2〜21.9(MPa)1/2の範囲である、第3の実施形態に記載の硬化性組成物を提供する。

0064

第5の実施形態では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、硬化性組成物の重量に対して80重量パーセントでは存在しない、第1〜第4の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0065

第6の実施形態では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、硬化性組成物の重量に対して60重量パーセント以上80重量パーセント未満の範囲で存在する、第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0066

第7の実施形態では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、硬化性組成物の重量に対して80重量パーセント〜97.5重量パーセントの範囲で存在する、第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0067

第8の実施形態では、本開示は、架橋剤を更に含む、第1〜第7の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0068

第9の実施形態では、本開示は、架橋剤が、トリ(メチル)アリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メチル)アリルシアヌレート、ポリ−トリアリルイソシアヌレート、キシリレン−ビス(ジアリルイソシアヌレート)、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、フタル酸ジアリル、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、亜リン酸トリアリル、1,2−ポリブタジエン、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、又はCH2=CH−Rf1−CH=CH2(式中、Rf1は、1〜8個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレンである)である、第1〜第8の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0069

第10の実施形態では、本開示は、架橋剤が、1重量パーセント〜10重量パーセントの範囲で硬化性組成物中に存在する、第8又は第9の実施形態に記載の硬化性組成物を提供する。

0070

第11の実施形態では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、ブロモ又はヨード硬化部位を含む、第1〜第10の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0071

第12の実施形態では、本開示は、非晶質ペルオキシド硬化性フルオロポリマーが、ヨード硬化部位を含む、第11の実施形態に記載の硬化性組成物を提供する。

0072

第13の実施形態では、本開示は、25℃で100ポアズ〜24,000ポアズの範囲の粘度を有する、第1〜第12の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0073

第14の実施形態では、本開示は、25℃で1,000ポアズ〜10,000ポアズの範囲の粘度を有する、第1〜第13の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0074

第15の実施形態では、本開示は、ペルオキシドが、アシルペルオキシドである、第1〜第14の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0075

第16の実施形態では、本開示は、ペルオキシドが、ジアシルペルオキシドである、第1〜第15の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0076

第17の実施形態では、本開示は、ペルオキシドが、0.5重量パーセント〜10重量パーセントの範囲で硬化性組成物中に存在する、第1〜第16の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0077

第18の実施形態では、本開示は、溶媒が、30℃〜200℃の範囲の沸点を有する、第1〜第17の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0078

第19の実施形態では、本開示は、ASTMD 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間において、0.5dNm超のデルタトルクを有する、第1〜第18の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0079

第20の実施形態では、本開示は、ASTMD 5289−07に準拠して密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計によって測定したとき、130℃で12分間後に、0.3未満のタンデルタを有する、第1〜第19の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0080

第21の実施形態では、本開示は、溶媒が、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル、又は炭酸ジメチルのうちの少なくとも1つを含む、第1〜第20の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0081

第22の実施形態では、本開示は、溶媒が、酢酸エチル又は酢酸メチルである、第21の実施形態に記載の硬化性組成物を提供する。

0082

第23の実施形態では、本開示は、溶媒が、オゾン(グラム)/溶媒(グラム)の単位で測定される最大オゾン生成能スケールにおいて、0.35以下の計算オゾン影響値を有する、第1〜第21の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供する。

0083

第24の実施形態では、本開示は、硬化フルオロエラストマーを作製する方法であって、
第1〜第23の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性組成物を準備することと、
硬化温度で硬化性組成物を加熱して、硬化フルオロエラストマーを作製することと、を含む、方法を提供する。

0084

第25の実施形態では、本開示は、硬化性組成物を加熱する前に、最初に溶媒除去することを含まない、第24の実施形態に記載の方法を提供する。

0085

第26の実施形態では、本開示は、硬化温度が、100℃超である、第24又は第25の実施形態に記載の方法を提供する。

0086

第27の実施形態では、本開示は、硬化温度が、少なくともペルオキシドの10時間半減期温度である、第24〜第26の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。

0087

第28の実施形態では、本開示は、硬化性組成物が、硬化性組成物を加熱する前に基材上に配置される、第24〜第27の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。

0088

第29の実施形態では、本開示は、硬化フルオロエラストマーが、360ナノメートル〜1100ナノメートルの範囲において、少なくとも70パーセントの平均光透過率を有する、第24〜第28の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。

0089

第30の実施形態では、本開示は、硬化フルオロエラストマーが、溶媒を含む、第24〜第29の実施形態のいずれか1つに記載の方法を提供する。

0090

第31の実施形態では、本開示は、第24〜第30の実施形態のいずれか1つに記載の方法によって作製される硬化フルオロエラストマーを提供する。

0091

以下の具体的であるが非限定的な実施例は、本開示を例示するためのものである。これら実施例では、全ての量は、重量部又はゴム100重量部当たりの重量部(phr)で表される。略記としては、グラムのg、分のmin、毎分回転数のrpmが挙げられる。

0092

試験方法
ムーニー粘度
1分間の予熱及び100℃における10分間の測定(ML1+10)で大きなロータを用いて、MV 2000機器(Alpha Technologies(Akron,Ohio,USA)から入手可能)によって、ASTMD1646−06 TYPE Aに準拠して、ポリマーのムーニー粘度を測定した。結果は、ムーニー単位で報告する。

0093

溶液のDMA粘度
ASTMD 6204−07に準拠して、動的機械分析機(DMA)RPA 2000機器(Alpha Technologies(Akron,Ohio,USA)から入手可能)を用いて、ポリマーの溶媒溶液粘度を測定した。1.0%の歪み及び0.2〜200rad/秒の周波数(ω)で見かけ粘度を測定した。これら測定の温度は、25℃であった。5g〜7gの溶液をポリエステルテレフタレート(PET)フィルム上に置き、溶液を−40℃の冷凍庫で10分間冷却して、サンプルをダイ間で押したときにサンプルがあふれるのを防ぐために初期粘度を増大させた。

0094

溶液のブルックフィールド粘度
ASTMD 2196−05に準拠して、ブルックフィールド粘度計DV−II(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.(Middleboro,MA,USA)から入手可能)を用いて、ポリマーの溶媒溶液粘度を測定した。LV4スピンドルを0.3rpmで用いた。

0095

硬化レオロジー
ASTMD5289−07に対応する条件下で、Moving Die Rheometer(MDR、密閉式ねじり剪断ロータレス硬化計)モードのRPA 2000機器(Alpha Technologies(Akron,Ohio,USA)から入手可能)を用いて硬化特性を測定した。周波数は、100cpm(10.47rad/秒)であり、歪みは、0.5度(6.98%)であった。以下のパラメーターを記録した。
ML:dNmの単位の最小トルクレベル
MH:dNmの単位の最大トルクレベル
デルタトルク:最大トルク(MH)と最小トルク(ML)との差
ts2:2dNm増大するまでの分
t’50:50%のデルタトルクに達するまでの分(50%硬化時間)
t’90:90%のデルタトルクに達するまでの分(90%硬化時間)。

0096

MDR試験後、同じ周波数、歪み、及び温度でタンデルタを測定した。試験後、成形したサンプルは、透明であった。

0097

機械的特性
ASTMD412−06aに準拠して、T2000張力計(Alpha Technologies(Akron,Ohio,USA)から入手可能)を用いて破断点引っ張り強度及び破断点伸びを測定した。機械的特性用のダンベルをASTM Die Dに従って切断した。

0098

非晶質フルオロポリマーA〜Dの調製
非晶質フルオロポリマーAを、以下の通り調製した。80リットルの反応器に52kgの水、40gの過硫酸アンモニウム(APS、(NH4)2S2O8)、及び160gのリン酸一水素カリウム(K2HPO4)50%水溶液仕込んだ。反応器を排気し、真空を破り、25psi(0.17MPa)になるまで窒素加圧した。この真空及び加圧を3回繰り返した。酸素を除去した後、反応器を80℃に加熱し、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン、及び2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデカフルオロヘキサン(3M Company(St.Paul,MN)から商品名「NOVEC HFE−7500」として市販)のブレンドで74psi(0.51MPa)に加圧した。ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン、及び「NOVEC HFE−7500」のブレンドを調製するために、1リットルのステンレススチール製のシリンダーを排気し、N2で3回パージした。1,4−ジヨードオクタフルオロブタン及び「NOVEC HFE−7500」をシリンダーに添加した後、添加される1,4−ジヨードオクタフルオロブタンの量に基づいてHFPを添加した。次いで、ブレンドを反応器に取り付け、N2ブランケットを使用して供給した。ブレンドは、89.9重量%のHFPと、非晶質フルオロポリマーA〜Dについての表1に従って様々な重量%の1,4−ジヨードオクタフルオロブタン及び「NOVEC HFE−7500」とを含有していた。次いで、反応器にフッ化ビニリデン(VDF)と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン、及び「NOVEC HFE 7500」の上記ブレンドとを仕込み、反応器の圧力を220psi(1.52MPa)にした。VDFと、HFP、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン、及び「NOVEC HFE 7500」のブレンドとの全事前充填量は、それぞれ、800g及び1536gであった。反応器を450rpmで撹拌した。重合反応でモノマーが消費されることにより反応器の圧力が低下するので、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン、及び「NOVEC HFE 7500」のブレンドと、VDFとを反応器へ連続的に供給して、圧力を220psi(1.52MPa)に維持した。ブレンドとVDFとの比は、重量比で0.651であり、重合のために乳化剤は使用しなかった。6.2時間後に、モノマー及びブレンドの供給を停止させ、反応器を冷却した。得られた分散体は、固形分含量が29.7重量%であり、pHは3.6であった。分散体の粒径は、323nmであり、分散体の総量は、約76.5kgであった。

0099

凝固のために、1重量部のNH4OHと25重量部の脱イオン水との混合物19.54gを942グラムの上記のように調製したラテックスに添加した。混合物のpHは、6.7であった。この混合物を5重量%のMgCl2水溶液2320mLに添加した。チーズクロスを通して凝固物を濾過し、穏やかに絞って余分な水を除去することによって、クラムを回収した。クラムを凝固用容器へ戻し、脱イオン水で合計3回すすいだ。最後のすすぎ及び濾過の後で、クラムを130℃のオーブン内で16時間乾燥させた。上記「ムーニー粘度」において記載した通り、ムーニー粘度を測定した。中性子放射化分析(NAA)によってヨウ素及び臭素含量を測定した。ムーニー粘度、並びにヨウ素及び臭素含量を表1に示す。

0100

非晶質フルオロポリマーE
非晶質フルオロポリマーEは、3M Companyから「E−18894」として市販されている。フルオロポリマーは、100℃で測定された36ムーニー粘度を有し、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、及びフッ化ビニリデン(VDF)のターポリマーであり、65.7重量%がフッ素である。

0101

0102

実施例1
「非晶質フルオロポリマーA〜Dの調製」に記載した通り調製した非晶質フルオロポリマーAと、2phrのベンゾイルペルオキシド(BPO、Aldrich(Milwaukee,WI)から商品名「LUPEROX A98」として入手可能)とを配合することによって、15cm(6インチ)の2本ロールミルを用いて、硬化性組成物を調製した。次いで、ガラスジャーにおいて、0.6gのトリアリルイソシアヌレート(TAIC)補助剤(98%、Nippon Kasei(日本)から商品名「TAIC」として入手)と共に、20.4gの配合した非晶質フルオロポリマーA及びBPOを5.68gの酢酸ブチルに溶解させることによって、75重量%溶液を作製した。ガラスジャーを振盪器上で16時間振盪し、ポリマーを溶解させた。溶液の処方を、ゴム100当たりの部(phr)に基づいて表2に要約する。溶液の粘度を「溶液のDMA粘度」に記載の通り測定したところ、25℃及び200rad/秒における溶液の粘度は、1,800ポアズであった。サンプルを、「硬化レオロジー」に記載の通り硬化させた。結果を表3に示す。

0103

実施例(EX)2及び例示的実施例(IE)1
表2中のペルオキシドをベンゾイルペルオキシド(BPO)の代わりに用いたことを除いて、実施例1の方法に従って実施例2及び例示的実施例1の硬化性組成物を調製し、試験した。2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド(CBPO)は、3B Scientific Corp.(Libertyville,IL)から入手可能であり、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン(DBPH)は、商品名「LUPEROX 101」としてAldrich(Milwaukee,WI)から入手可能である。「溶液のDMA粘度」に記載の通り溶液の粘度を測定し、「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させた。結果を表3に示すが、この結果は、ベンゾイルペルオキシド(BPO)を用いたときに硬化が著しく改善されたことを示す。実施例2では、サンプルを150℃及び177℃で硬化させたが、150℃及び177℃における硬化レオロジーデータは、表3には記載していない。その理由は、硬化が速すぎて、サンプルが硬化計のダイの穴に流れなかったためである。

0104

0105

0106

実施例3〜10及び例示的実施例2〜4
表4に示す様々な溶媒を用い、フルオロポリマー含量が80重量%であったことを除いて、実施例1の方法に従って実施例3〜10及び例示的実施例2〜4の硬化性組成物を調製し、試験した。

0107

非晶質フルオロポリマーを溶媒に完全に溶解させ、結果を表4に要約する。25℃〜40℃の様々な温度で、実施例8(溶媒:酢酸ブチル)の「溶液のDMA粘度」及び「溶液のブルックフィールド粘度」を測定し、結果を表5に要約する。DMA粘度(η’)は、200rad/秒及び歪み1%で測定し、ブルックフィールド粘度は、LV4スピンドルを用いて0.3rpmで測定した。

0108

0109

0110

実施例11
フルオロポリマー含量(%)が60であったことを除いて、実施例1の方法に従って実施例11の硬化組成物を調製し、試験した。「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させた。また、ジャー内に室温で保管した同じ硬化性組成物について、314日間後に再度「硬化レオロジー」を測定した。結果を表6に示す。

0111

0112

実施例12〜17及び例示的実施例5〜8
フルオロポリマー含量(%)が異なっていたことを除いて、実施例1の方法に従って実施例12〜15及び例示的実施例5〜8の硬化性組成物を調製し、試験した。フルオロポリマー含量(%)が異なっていたことを除いて、実施例4の方法に従って実施例16及び17の硬化性組成物を調製し、試験した。結果を表6に要約する。

0113

フルオロポリマー含量が増大するにつれて、溶液の粘度が増大した(表7)。フルオロポリマー含量が60%よりも低いとき(例示的実施例5)、硬化は困難である。25℃及び200rad/秒において歪み1.0%でDMAによって粘度を測定した。

0114

0115

実施例20〜28及び例示的実施例7〜9
ベンゾイルペルオキシド(BPO)及び補助剤TAICの量が異なっていたことを除いて、実施例1の方法に従って実施例20〜28及び例示的実施例7〜9の硬化性組成物を調製し、試験した。結果を表8にまとめる。

0116

0117

実施例29〜31
実施例29では、非晶質フルオロポリマーAの代わりに非晶質フルオロポリマーBを用いたことを除いて、実施例1の方法に従って硬化性組成物を調製し、試験した。実施例30では、非晶質フルオロポリマーAの代わりに非晶質フルオロポリマーBを用いたことを除いて、実施例16の方法に従って溶液を調製し、試験した。実施例31では、非晶質フルオロポリマーAの代わりに非晶質フルオロポリマーCを用いたことを除いて、実施例1の方法に従って溶液を調製し、試験した。結果を表9にまとめる。

0118

0119

例示的実施例10
例示的実施例10では、ガラスジャーにおいて、溶媒としての95gの酢酸エチル(沸点:77℃)に、100gの非晶質フルオロポリマーDと共に2gのベンゾイルペルオキシド(BPO)及び3gのトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を溶解させることによって、50重量%非晶質フルオロポリマー溶液を調製した。ガラスジャーを振盪器上で16時間振盪し、ポリマー、BPO、及びTAICを溶解させた。「溶液のブルックフィールド粘度」は、100rpmでLV4スピンドルを用いて7.8ポアズであった。また、「溶液のDMA粘度」に記載の通り溶液の粘度を測定した。しかし、粘度が低すぎて「溶液のDMA粘度」によって粘度を測定することができなかった。「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させたが、溶媒が多すぎたので硬化しなかった。結果を表10に示す。

0120

実施例32
43.7gの例示的実施例10の溶液のサンプルをポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルム上にコーティングし、PETシート上のコーティング溶液を50℃のオーブンで10分間乾燥させて、溶媒を蒸発させた。乾燥させた後、コーティング溶液の重量は、30.9gであり、コーティング溶液の計算非晶質フルオロポリマー含量値は、70.7%であった。コーティング溶液をPETフィルムから除去して、溶液の粘度及び硬化を測定した。「溶液のDMA粘度」に記載の通り粘度を測定し、「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させた。結果を表10に示す。

0121

実施例33
16.7gの例示的実施例10の溶液のサンプルをPETフィルム上にコーティングし、PETシート上のコーティング溶液を50℃のオーブンで10分間及び23℃で16時間乾燥させて、溶媒を蒸発させた。乾燥させた後、コーティング溶液の重量は、8.6gであり、コーティング溶液の計算非晶質フルオロポリマー含量値は、97.3%であった。コーティング溶液をPETフィルムから除去して、溶液の粘度及び硬化を測定した。「溶液のDMA粘度」に記載の通り粘度を測定し、「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させた。結果を表10に示す。

0122

実施例34
実施例34では、ガラスジャーにおいて、114gのMEKに、50gの非晶質フルオロポリマーEと共に1gのベンゾイルペルオキシド(BPO)及び1.5gのトリアリルイソシアヌレート(TAIC)を溶解させることによって、30重量%非晶質フルオロポリマー溶液を調製した。ガラスジャーを振盪器上で16時間振盪し、ポリマー、BPO及びTAICを溶解させた。「溶液のブルックフィールド粘度」は、100rpmでLV4スピンドルを用いて3.4ポアズであった。溶液(60.7g)をPETフィルムにコーティングし、PETシート上のコーティング溶液を50℃のオーブンで30分間乾燥させた。乾燥させた後、コーティング溶液の重量は、22gであり、コーティング溶液の計算非晶質フルオロポリマー含量値は、82.5%であった。乾燥した溶液をPETフィルムから除去して、溶液の粘度及び硬化を測定した。「溶液のDMA粘度」に記載の通り粘度を測定し、「硬化レオロジー」に記載の通りサンプルを硬化させた。

0123

乾燥した溶液を130℃で10分間更に硬化させた。硬化した「乾燥溶液」をフィルムとしてPETフィルムから除去したが、硬化フィルムの厚さは、0.34mmであった。硬化フィルムは、透明であった。ASTMDie Dに従って、機械的特性の試験のために3つのダンベルを硬化フィルムから切断した。「機械的特性」に記載の通り、破断点引っ張り強度及び破断点伸びを測定した。破断点引っ張り強度は、7.6MPa(1,096psi)であり、破断点伸びは、623%であった。

0124

0125

実施例35
例示的実施例10の溶液をPETフィルムにコーティングし、PETシート上のコーティング溶液を50℃のオーブンで10分間乾燥させて、溶媒を蒸発させた。この時間及び温度で乾燥させた後、実施例32の計算非晶質フルオロポリマー含量値は、70.7%であった(上記実施例32を参照のこと)。実施例35の乾燥溶液を130℃で10分間更に硬化させた。硬化した「乾燥溶液」をフィルムとしてPETフィルムから除去したが、硬化フィルムの厚さは0.3mmであった。硬化フィルムは、透明であり、良好な機械的特性を示した。E20 UV−VIS分光計(Parkin Elmer(Waltham,MA)から入手可能)を用いて透過率を試験した。360nm〜1100nmのフィルムの平均透過率は、81%であった。

実施例

0126

本開示の種々の修正及び変更は、本開示の範囲及び趣旨を逸脱しなければ当業者によって行われてよく、また本開示は、本明細書に記載された例示的な実施形態に不当に限定されるべきではないと理解されるべきである。

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