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課題

動的核分極のための多孔質構造体、その製造方法及びNMR分析方法の提供。

解決手段

本発明は、構造化された多孔質ネットワークからなる材料であって、上記ネットワークは、少なくとも一部が、シロキシ結合を介して互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によって形成されており、ラジカルの量が上記材料1g当たり0.50〜0.03mmolであり、上記ネットワークが、オルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより有機分子が導入されて上記多孔質構造体中に規則的に分布することを特徴とする材料に関する。本発明はまた、上記材料の製造方法、及び、本発明の材料を使用して生じる動的核分極を用いる、検体核磁気共鳴(NMR)による分析方法にも関する。

概要

背景

核磁気共鳴(NMR分光分析法は、分子構造及び空間内の幾何学的配置についての情報を明らかにすることができる化学分析法である。しかしながらNMRは、検出されるシグナルが2つの核エネルギー準位間の非常に弱い占有数差に比例することから、本質的に感度の低い分析法である。感度を改善する一つの方法は、高磁場を用いることによってエネルギー準位の差を大きくすることであり、感度は磁場の3/2乗で増加する。だが、超強磁場磁石(21T)下であったとしても、スピン磁気モーメントが磁場方向に向いている原子の数は、磁場に逆らって(磁場の反対方向に)分極した原子の数よりもわずかに多いのみである。このように基底状態の核が少量過剰になったとしても、試料には全体として磁場方向にほんのわずかしか分極が生じない。NMRの感度を増加させるための他の試みとしては、同一試料の多くのスペクトルの結果を加算することにより、より長い分析時間を費やしてランダムノイズに対してシグナルを増強することが挙げられる。この目的のために特に有用なのはフーリエ変換法である(特許文献1)。

最近では、試料の核磁気分極を増大させ、それによりNMR実験の感度を増加させるために動的核分極(DNP)法が用いられている。NMRシグナルは、エネルギー差が非常に小さいために室温では分極が非常に弱い核スピン状態間の遷移から生じ、したがってシグナルが弱くなることから、NMRシグナルの強度を高めるためにDNPを用いることができる。

DNPとは、電子スピン遷移を共鳴マイクロ波励起させることによって電子スピン分極を核スピンに移す全ての方法をいい、例えば磁気共鳴イメージングが挙げられる(非特許文献1)。この技術は、核と比べて電子の方がはるかに大きな磁気回転比を有することから、磁場においてほとんどの核に比べてより高度に分極する不対電子の存在を利用するものである。このように不対電子は、同条件下ではプロトンスピンよりもおおよそ660倍分極されやすい。DNPは、電子の分極を核に移す方法である。マイクロ波の照射分極剤の電子磁気エネルギー準位間の遷移を誘導するのに充分である場合、その分極は試料の核に移される。

現在、DNPによって溶液中で高度に分極した核スピンを得るために2つの主なアプローチを用いることができる。

オーバーハウザーによるDNP(ODNP)は、数十年前に最初の実験が行われた確立された技術である(Overhauser,1953)。このアプローチでは、分極剤と共に不対電子(ラジカル)を含む溶液を直接過分極することができる。しかしながらこの効果は低磁場、典型的には0.35Tに限定される(1Tよりも大きい場合、電子−核双極子結合の変調はオーバーハウザー効果による磁化移動には有効ではない)。Griffinとその共同研究者(非特許文献2及び非特許文献3)により、高磁場では、特にスカラー結合が電子と核の間で確立されている場合、このスルーボンド(through−bond)相互作用を変調させることによって、オーバーハウザー効果及び有意なNMRシグナル増幅をもたらすことができることが示されている。ODNPアプローチは、典型的には、電子スピンラベルに極めて接近(5〜10Å)した水分子動態を調べるために用いられる(非特許文献4)。より最近では、ODNPは、i)低磁場で電子スピンを励起させた後、高磁場に試料を輸送シャトル)してNMR検出を行うことができるシャトルDNP分光計(非特許文献5)、又は、ii)マイクロ波による励起とNMR検出を同時に行い、この際、試料を数ナノリットルの小さなキャピラリー内に入れて行う高磁場DNP分光計(非特許文献6、非特許文献7)のいずれかを用いて高磁場で行われている。

J.H.Ardenkjar−Larsenらが開発したより最近のアプローチ(非特許文献8)では、核スピンの分極を低温固体状態において行う。その際試料は、(i)固体NMR法を用い、多くの場合はマジック角スピニングを用いて、直接調べるか、又は、(ii)迅速に溶解させることにより、分析対象分子の核スピンが強く分極した状態の溶液を得る。二重項電子状態の不対電子を含む分極剤を使用することによって感度が増加した。分極剤は分析する物質を含む溶液に溶解させ、その溶液を3.35テスラ分極磁場中で1.5ケルビンまで冷却した。冷溶液に電子のラーモア周波数(94GHz)で高周波を照射した。次に、その試料に室温の溶媒を添加することによって昇温し、溶媒を添加してから数秒以内にスペクトルを得た。照射工程によって、フリーラジカルの不対電子の高分極を試料の核に移し、試料を昇温して希釈溶媒に溶解させつつ過分極を数秒間保持した。固体NMR実験は、NMR分光計内のin situ(その場)での分極を利用したものである。溶解実験は通常、磁石と、試料を多くの場合は1.5Kに近い温度まで冷却するための低温保持装置と、マイクロ波源とからなるex situDNP分極装置において行う。マイクロ波照射による分極及び迅速な溶解の後、過分極された液体試料高解像度NMR分光計に移し、そこでNMRシグナルを検出する。NMRシグナルは、10000倍よりも多く増幅することができる。分極を得るために使用したラジカルは、化学的中和するか、又は、溶液から濾過によって取り除くことができる。この方法は、主に低核(13C及び15N)に対して用いられており、溶解DNPを用いて過分極されたプロトンを検出するのは、核の緩和時間が短いことから未だ困難なままである。多次元相関スペクトルを得るためにシングルスキャン法が用いられている。

他の著者らは、固体担体上のラジカルを用いて、溶液及び流動液体をDNPにより(過)分極することを開示している。まず、Dornらは、非特許文献9及び非特許文献10において、ポリマービーズ及びシリカゲル上に固定したTEMPOを使用したODNPにより、幾つかの流動有機溶媒の分極を検討している。このアプローチは、SLIT DNP(フロー固液分子間移動DNP(flow Solid−Liquid Intermolecular Transfer DNP))と呼ばれている。このアプローチの利点は、ラジカルを含まない過分極された溶液が得られることである。好ましい場合においては、13C(スカラー優位)が1〜2桁増大した(例えば、DNP分光計によって連続的に「リサイクルされた」ベンゼン数種類の含塩素炭化水素との混合物において)。しかしながら、このアプローチは一般的ではなく(すなわち、ラジカルとの一時的な結合が起こる場合に限定される)、複雑な装置も必要である。

また、室温かつ低磁場(0.35T)でODNPにより(停滞した又は連続的に流動する)水溶液を分極するための、共有結合したラジカル(TEMPO)を含むアガロースゲルがS.Hanらによって開発されている(非特許文献11)。ゲル中のラジカルの移動性は、ラジカルが溶液中に放出されなくても、オーバーハウザー効果を介して効率的に分極を移動させるのには充分である。しかしながら、ラジカルが固定され、溶液の移動性がゲル中で減少するため、水シグナルについて観察されるプロトン増大率は、TEMPOを直接試料に溶解させた場合よりも低い。これまでのところ、この方法は、水のNMRシグナルを増大させる場合のみに限られている。

Dornら及びHansらによって開発された方法ではいずれも、溶液は低磁場で分極された後、高解像度磁石へと移される。したがって、このアプローチはex−situ分極法である。この方法は、溶液中の低濃度物質を検出するための一般的なアプローチとしては今のところ実証されていない。

より最近では、Lafonらは、非特許文献12において、in situでの固体DNPNMRを用いて、固体担体を含む市販のTEMPOであるSiliaCAT(R)TEMPO(材料1g当たり0.7mmolのラジカルを含む非構造化材料)を分極することを開示している。試料は他の成分を何ら含んでおらず、分析対象の物質や検体を上記材料で分極することは検討されていない。

他に、TEMPO基を含む非構造化材料は、アルコール選択的酸化のための触媒材料としても使用されている(特許文献2)。

概要

動的核分極のための多孔質構造体、その製造方法及びNMR分析方法の提供。本発明は、構造化された多孔質ネットワークからなる材料であって、上記ネットワークは、少なくとも一部が、シロキシ結合を介して互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によって形成されており、ラジカルの量が上記材料1g当たり0.50〜0.03mmolであり、上記ネットワークが、オルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより有機分子が導入されて上記多孔質構造体中に規則的に分布することを特徴とする材料に関する。本発明はまた、上記材料の製造方法、及び、本発明の材料を使用して生じる動的核分極を用いる、検体の核磁気共鳴(NMR)による分析方法にも関する。なし

目的

本発明の目的の1つは、NMRデータ、特に固体NMRを用いる場合のNMRデータを得るために行う工程を実質的に簡略化できるDNP用固相分極媒体を提案することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

構造化された多孔質ネットワークからなる材料であって、前記ネットワークは、少なくとも一部が、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によって形成されており、前記材料は有機分子を含み、前記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、シロキシ結合を介して前記ネットワークに共有結合しており、前記ラジカルの量は前記材料1g当たり0.50〜0.03mmolであり、前記ネットワークが、オルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより前記有機分子が導入されて前記多孔質構造体中に規則的に分布することを特徴とする材料。

請求項2

平均孔径は35Å〜500Åの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の材料。

請求項3

前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子は塊状の前記材料中に存在しており、前記有機分子は、前記材料の細孔内に局在していてもよく、この場合、前記ネットワークは、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によってのみ形成されており、又は、前記材料の壁内に局在していてもよく、この場合、前記ネットワークは、無機酸化物と前記有機分子によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の材料。

請求項4

前記ネットワーク又はその無機部分は、シリカSiO2、アルミナAl2O3、TiO2又はZrO2で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料。

請求項5

以下の前駆体:テトラアルコキシシランテトラヒドロキシシランアルコキシ金属、ヒドロキシ金属、アルコキシヒドロキシシラン、アルコキシヒドロキシ金属、ケイ酸塩、又は、金属がZr、Ti若しくはAlであるメタレート、及び、モノシリル体又はポリシリル体に相当するオルガノシラン、例えば、オルガノトリアルコキシシランオルガノトリクロロシラン、オルガノトリス(メタリル)シラン、オルガノトリハイドロゲノシラン、ジオルガノジアルコキシ若しくはジクロロシランなどのジオルガノシラン、又は、一般式X3Si−R’−SiX3(式中、X=ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、メタリル又は水素)で表されるジシリル化合物から選択されるオルガノシランであって、少なくとも1つのラジカルを有する有機部分を有するか、又は、1つ若しくは複数の追加工程において、前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を導入できる反応性官能基を有するオルガノシランのうち少なくとも2つを用いるゾルゲル法によって得られることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。

請求項6

前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子の導入に使用される前記オルガノシランは、ハロゲン原子、並びに、アジドアミンアミドイミンニトロシルカルボキシルケトンアルデヒドホスフィンホスフェート、ホスフィナイトスルホキシド、−OH、−SH及びエーテルなどの官能基から選択される反応性官能基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。

請求項7

前記ゾルゲル工程は構造指向剤を使用して行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料。

請求項8

前記ゾルゲル法によって得られる前記材料には、前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を前記反応性官能基で反応させて結合させるために行う工程の前に、前記構造指向剤を除去する処理が施されることを特徴とする請求項7に記載の材料。

請求項9

前記ゾルゲル法は、構造指向剤を使用し、少なくとも1つの共溶媒用いて若しくは用いずに水中で、又は、水と共に適当な極性溶媒中で、塩基、酸又は求核性化合物から選択される加水分解縮合触媒を使用して行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の材料。

請求項10

前記ゾルゲル法は、アルキルポリエチレンオキシド又はアルキルアリールポリエチレンオキシド(好ましくは、C16H33O(CH2CH2O)2H、C11−15H23−31O(CH2CH2O)12H、C14H22O(C2H4O)nH(式中、n=9〜10)、p−C8H17C6H4O(CH2CH2O)10H、C12H25O(CH2CH2O)nH(式中、n:〜2、4、8))、ポリソルベート系界面活性剤ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、及び、両親媒性ブロック共重合体(好ましくは、EO20−PO70−EO20、EO100−PO70−EO100など又はEO132−PO50−EO132などのトリブロック共重合体)から選択される構造指向剤を使用して行われることを特徴とする請求項7、8又は9に記載の材料。

請求項11

(ラジカルの数)/(Si原子及び存在する場合には金属原子の合計数)の比は、好ましくは1/27〜1/500の範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の材料。

請求項12

前記材料は、その多孔質シリカネットワーク内に分布した下記式(I)で表される少なくとも1つの有機無機成分(I)を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の材料。(式中、Yは少なくとも1つのラジカルを有する部分であり、L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、有機部分を連結しており、n及びmは、同一又は異なっていてもよく、1≦m+n<5として選択される整数であり、SiO1.5は前記ネットワークの無機部分の一部である。)

請求項13

前記材料は、その多孔質シリカネットワーク内に分布した下記式(II)で表される少なくとも1つの有機−無機成分(II)を含むことを特徴とする請求項12に記載の材料。(式中、Xは、1つ又は複数の追加工程において少なくとも1つのラジカルを導入できる少なくとも1つの反応性官能基を有する部分であり、L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、有機部分を連結しており、n及びmは、同一又は異なっていてもよく、1≦m+n<5として選択される整数であり、SiO1.5は前記ネットワークの無機部分の一部である。)

請求項14

L及びL’は、同一又は異なって炭化水素からなる連結部分であり、直線状又は分岐状であっても又は環を有していてもよく、飽和又は不飽和の置換又は無置換であってもよく、その鎖内又は環内に、1つ若しくは複数の酸素硫黄若しくは窒素ヘテロ原子、及び/又は、−CO−、−CONH−、−COO−、−NHCO−、−N=N−、−S(O)−、−S(O)2−、−P(=O)(ORa)−(式中、RaはC1−8アルキル)から選択される1つ若しくは複数の基を有していてもよいことを特徴とする請求項12又は13に記載の材料。

請求項15

L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、Si原子からYまでが−L1−L2−という構造(式中、L1は、2価の形態の以下の基:C1−20アルキル、C1−20アルケニル、C1−20アルキニル、C6−C24アリール、C7−C44アルキルアリール、C7−C44アルケニルアリール、C7−C44アルキニルアリールから選択され、前記基は、トリアゾール単位及びテトラゾール単位を含んでいてもよく、無置換であっても、又は、C1−10アルコキシ、C1−10アルキル、C1−10アリール、アミド、イミドホスフィドニトリド、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、アレーンホスファンスルホン化ホスファン、ホスフェート、ホスフィナイト、アルシン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン置換ピリジンイミダゾール置換イミダゾールトリアゾール、テトラゾール、ピラジン置換ピラジン及びチオエーテルから選択される1つ若しくは複数の部分によって置換されていてもよく;L2は、−O−、−NH−、−N(C1−6アルキル)−、−N(フェニル)−、−N(ベンジル)−、−C(O)−、−C(O)O、−OC(O)−、−S−、−SO2−、−N=N−、−NHC(O)−及び−CONH−から選択される。)で表されることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載の材料。

請求項16

m=1かつn=0であり、その結果、前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子が前記材料の細孔内に存在することを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の材料。

請求項17

2≦m+nであり、その結果、前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子が前記材料の壁内に存在することを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の材料。

請求項18

前記ラジカルは持続性ラジカルであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の材料。

請求項19

前記ラジカルは、ニトロキシルラジカルトリチルラジカル及びベルダジルラジカルから選択されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の材料。

請求項20

前記有機−無機成分(I)は、から選択されることを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の材料。

請求項21

下記式(III)で表される材料に相当することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の材料。(式中、a、b及びcは、同一又は異なっていてもよく、a>0、0≦b/a≦1000及び1≦(a+b+c)/(a+b)≦1000として選択される整数であり、Z原子は、ケイ素Si、ジルコニウムZr、チタンTi、アルミニウムAlから選択され、ZがSi、Zr又はTiの場合にoは2であり、ZがAlの場合にoは1.5であり、L、L’、X、Y、m及びnは請求項12〜20の記載と同義である。)

請求項22

前記多孔質ネットワークは、細孔がヘキサゴナルアレイ構造、立方配置構造又はワームライク配置構造となっていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の材料。

請求項23

粉末状であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の材料。

請求項24

動的核分極を用いる、分析対象検体の選択した1つ又は複数の核の核磁気共鳴(NMR)による分析方法であって、以下の工程:i)多孔質ネットワークからなる材料と前記検体の溶液を混合することによって試料を調製する工程であって、前記ネットワークは少なくとも一部が無機酸化物によって形成されており、前記材料は有機分子を含み、前記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、少なくとも1つのシロキシ結合を介して前記ネットワークに共有結合していることを特徴とする工程;ii)前記試料を固化する工程;iii)固化した試料をマイクロ波照射により分極する工程であって、前記材料に結合したラジカルによって前記検体に分極が生じる、工程;iv)固化した試料に対して、分極した検体の選択した核(i)のNMRスペクトルを記録する工程を含む方法。

請求項25

前記ネットワークは構造化されたネットワークである、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記ネットワークは、オルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより前記有機分子が導入されて前記多孔質材料中に規則的に分布する、請求項24又は25に記載の方法。

請求項27

前記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、2つ又は3つのシロキシ結合を介して前記ネットワークに共有結合している、請求項24、25又は26に記載の方法。

請求項28

構造化させるのに使用した前記材料は、請求項1〜24のいずれか1項に記載の材料である、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。

請求項29

前記検体は、分析対象として、1H、13C、31P、15N、29Si及び/又は19F原子などのスピン1/2の核、及び/又は、27Alなどの四極子核を含む、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

工程iii)とiv)の両方又は工程ii)、iii)及びiv)をNMR分光計において行う請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。

請求項31

1K〜300Kの範囲、好ましくは50K〜200Kの範囲の温度で前記試料を固化する請求項24〜30のいずれか1項に記載の方法。

請求項32

分析対象の検体の選択した1つ又は複数の核の核磁気共鳴(NMR)による分析方法であって、請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料を使用して生じる動的核分極を用いる方法。

請求項33

前記検体は、分析対象として、1H、13C、31P、15N、29Si及び/又は19F原子などのスピン1/2の核、及び/又は、27Alなどの四極子核を含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

以下の工程:x)請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料と前記検体の溶液を混合することによって試料を調製する工程;xx)前記試料をマイクロ波照射により分極する工程であって、前記材料に結合したラジカルによって分極が生じる、工程;xxx)分極した検体のNMRスペクトルを記録する工程を含む請求項32又は33に記載の方法。

請求項35

分極前に前記試料を固化し、固化した状態の試料に対して工程xx)の分極を行う請求項34に記載の方法。

請求項36

固化した状態の試料に対して工程xx)の照射も行う請求項35に記載の方法。

請求項37

工程xx)とxxx)をいずれもNMR分光計において行う請求項35〜37のいずれか1項に記載の方法。

請求項38

請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料を製造する方法であって、以下の工程:a)以下の前駆体:テトラアルコキシシラン、テトラヒドロキシシラン、アルコキシ金属、ヒドロキシ金属、アルコキシヒドロキシシラン、アルコキシヒドロキシ金属、ケイ酸塩、又は、金属がZr、Ti若しくはAlであるメタレート、及び、モノシリル体又はポリシリル体に相当するオルガノシラン、例えば、オルガノトリアルコキシシラン、オルガノトリクロロシラン、オルガノトリス(メタリル)シラン、オルガノトリハイドロゲノシラン、ジオルガノジアルコキシ若しくはジクロロシランなどのジオルガノシラン、又は、一般式X3Si−R’−SiX3(式中、X=ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、メタリル又は水素)で表されるジシリル化合物から選択されるオルガノシランであって、少なくとも1つのラジカルを有する有機部分を有するか、又は、1つ若しくは複数の追加工程において、前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を導入できる反応性官能基を有するオルガノシランのうち少なくとも2つを用いるゾルゲル工程であって、構造指向剤を使用して行って構造化された多孔質ネットワークを得るゾルゲル工程;b)工程a)において反応性官能基を有するトリアルコキシシランを使用する場合に、1つ又は複数の追加工程を行って無機ネットワークに前記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を共有結合させる、工程を含む方法。

請求項39

工程a)において、ハロゲン原子、並びに、アジド、アミン、アミド、イミン、ニトロシル、カルボキシル、ケトン、アルデヒド、ホスフィン、ホスフェート、ホスフィナイト、スルホキシド、−OH、−SH及びエーテルなどの官能基から選択される反応性官能基を有するオルガノシランを使用する請求項38に記載の方法。

請求項40

工程a)においてアジド官能基を有するオルガノシランを使用し、そのアジド基が更にNH2官能基に変換され、それが、少なくとも1つのラジカルとカルボキシル基とを有する有機分子と反応してNH−CO結合が形成される、請求項39に記載の方法。

請求項41

工程a)又はb)の後に、残存するヒドロキシル又はアルコキシ基を除去する工程を更に含む請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。

請求項42

工程a)又はb)の後に、前記構造指向剤を除去する工程を更に含む請求項38〜41のいずれか1項に記載の方法。

請求項43

ソックスレー抽出を行って又は行わずに、酸及び/又は塩基の存在下又は非存在下、水で、又は、アルコール類アミド類エーテル類及びエステル類から選択される適当な極性溶媒洗浄することによって前記構造指向剤を除去する請求項42に記載の方法。

請求項44

塩酸とピリジンを使用したソックスレー抽出によって前記構造指向剤を除去する請求項42に記載の方法。

請求項45

工程a)を、構造指向剤を使用し、少なくとも1つの共溶媒を用いて若しくは用いずに水中で、又は、水と共に適当な極性溶媒中で、塩基、酸又は求核性化合物から選択される加水分解縮合触媒を使用して行う請求項38〜44のいずれか1項に記載の方法。

請求項46

工程a)を、構造指向剤を使用し、アルコール類、アミド類、エーテル類及びエステル類から選択される少なくとも1つの共溶媒を用いて水中で行う請求項38〜45のいずれか1項に記載の方法。

請求項47

工程a)を、構造指向剤を使用し、アルコール類、アミド類、エーテル類及びエステル類から選択される極性溶媒中で行う請求項38〜45のいずれか1項に記載の方法。

請求項48

前記構造指向剤は、1)アニオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム);2)カチオン性界面活性剤アンモニウム塩臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリウム塩(臭化1−ヘキサデカン−3−メチルイミダゾリウム)、ピリジニウム塩塩化n−ヘキサデシルピリジニウム)、ホスホニウム塩;3)非イオン性界面活性剤アミン類ヘキサデシルアミン(C16H33NH2))、アルキルポリエチレンオキシド又はアルキルアリールポリエチレンオキシド(好ましくは、C16H33O(CH2CH2O)2H、C11−15H23−31O(CH2CH2O)12H、C14H22O(C2H4O)nH(式中、n=9〜10)、p−C8H17C6H4O(CH2CH2O)10H、C12H25O(CH2CH2O)nH(式中、n:〜2、4、8))、ポリソルベート系界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、及び、両親媒性ブロック共重合体(好ましくは、EO20−PO70−EO20、EO100−PO70−EO100など又はEO132−PO50−EO132などのトリブロック共重合体)から選択される、請求項38〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項49

工程a)を、アミン類から選択される塩基;又は、塩化水素酸臭化水素酸ヨウ化水素酸などの無機酸、及び、p−トルエンスルホン酸などの有機酸から選択される酸;又は、フッ化ナトリウム、フッ化テトラブチルアンモニウムなどの求核剤である加水分解重縮合触媒を使用して行う請求項38〜48のいずれか1項に記載の方法。

請求項50

動的核分極のための電子源としての、請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料の使用。

請求項51

酸化反応などの触媒反応のための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の材料の使用。

技術分野

0001

本発明は核磁気共鳴(NMR分光分析の分野に関し、特に、動的核分極DNP)を実施するのに適合した材料に関する。本発明は、構造化された多孔質シリカネットワーク共有結合した持続性ラジカルを含む新規材料及びその材料を用いる液体又は核磁気共鳴の方法に関する。

背景技術

0002

核磁気共鳴(NMR)分光分析法は、分子構造及び空間内の幾何学的配置についての情報を明らかにすることができる化学分析法である。しかしながらNMRは、検出されるシグナルが2つの核エネルギー準位間の非常に弱い占有数差に比例することから、本質的に感度の低い分析法である。感度を改善する一つの方法は、高磁場を用いることによってエネルギー準位の差を大きくすることであり、感度は磁場の3/2乗で増加する。だが、超強磁場磁石(21T)下であったとしても、スピン磁気モーメントが磁場方向に向いている原子の数は、磁場に逆らって(磁場の反対方向に)分極した原子の数よりもわずかに多いのみである。このように基底状態の核が少量過剰になったとしても、試料には全体として磁場方向にほんのわずかしか分極が生じない。NMRの感度を増加させるための他の試みとしては、同一試料の多くのスペクトルの結果を加算することにより、より長い分析時間を費やしてランダムノイズに対してシグナルを増強することが挙げられる。この目的のために特に有用なのはフーリエ変換法である(特許文献1)。

0003

最近では、試料の核磁気分極を増大させ、それによりNMR実験の感度を増加させるために動的核分極(DNP)法が用いられている。NMRシグナルは、エネルギー差が非常に小さいために室温では分極が非常に弱い核スピン状態間の遷移から生じ、したがってシグナルが弱くなることから、NMRシグナルの強度を高めるためにDNPを用いることができる。

0004

DNPとは、電子スピン遷移を共鳴マイクロ波励起させることによって電子スピン分極を核スピンに移す全ての方法をいい、例えば磁気共鳴イメージングが挙げられる(非特許文献1)。この技術は、核と比べて電子の方がはるかに大きな磁気回転比を有することから、磁場においてほとんどの核に比べてより高度に分極する不対電子の存在を利用するものである。このように不対電子は、同条件下ではプロトンスピンよりもおおよそ660倍分極されやすい。DNPは、電子の分極を核に移す方法である。マイクロ波の照射分極剤の電子磁気エネルギー準位間の遷移を誘導するのに充分である場合、その分極は試料の核に移される。

0005

現在、DNPによって溶液中で高度に分極した核スピンを得るために2つの主なアプローチを用いることができる。

0006

オーバーハウザーによるDNP(ODNP)は、数十年前に最初の実験が行われた確立された技術である(Overhauser,1953)。このアプローチでは、分極剤と共に不対電子(ラジカル)を含む溶液を直接過分極することができる。しかしながらこの効果は低磁場、典型的には0.35Tに限定される(1Tよりも大きい場合、電子−核双極子結合の変調はオーバーハウザー効果による磁化移動には有効ではない)。Griffinとその共同研究者(非特許文献2及び非特許文献3)により、高磁場では、特にスカラー結合が電子と核の間で確立されている場合、このスルーボンド(through−bond)相互作用を変調させることによって、オーバーハウザー効果及び有意なNMRシグナル増幅をもたらすことができることが示されている。ODNPアプローチは、典型的には、電子スピンラベルに極めて接近(5〜10Å)した水分子動態を調べるために用いられる(非特許文献4)。より最近では、ODNPは、i)低磁場で電子スピンを励起させた後、高磁場に試料を輸送シャトル)してNMR検出を行うことができるシャトルDNP分光計(非特許文献5)、又は、ii)マイクロ波による励起とNMR検出を同時に行い、この際、試料を数ナノリットルの小さなキャピラリー内に入れて行う高磁場DNP分光計(非特許文献6、非特許文献7)のいずれかを用いて高磁場で行われている。

0007

J.H.Ardenkjar−Larsenらが開発したより最近のアプローチ(非特許文献8)では、核スピンの分極を低温固体状態において行う。その際試料は、(i)固体NMR法を用い、多くの場合はマジック角スピニングを用いて、直接調べるか、又は、(ii)迅速に溶解させることにより、分析対象分子の核スピンが強く分極した状態の溶液を得る。二重項電子状態の不対電子を含む分極剤を使用することによって感度が増加した。分極剤は分析する物質を含む溶液に溶解させ、その溶液を3.35テスラ分極磁場中で1.5ケルビンまで冷却した。冷溶液に電子のラーモア周波数(94GHz)で高周波を照射した。次に、その試料に室温の溶媒を添加することによって昇温し、溶媒を添加してから数秒以内にスペクトルを得た。照射工程によって、フリーラジカルの不対電子の高分極を試料の核に移し、試料を昇温して希釈溶媒に溶解させつつ過分極を数秒間保持した。固体NMR実験は、NMR分光計内のin situ(その場)での分極を利用したものである。溶解実験は通常、磁石と、試料を多くの場合は1.5Kに近い温度まで冷却するための低温保持装置と、マイクロ波源とからなるex situDNP分極装置において行う。マイクロ波照射による分極及び迅速な溶解の後、過分極された液体試料高解像度NMR分光計に移し、そこでNMRシグナルを検出する。NMRシグナルは、10000倍よりも多く増幅することができる。分極を得るために使用したラジカルは、化学的中和するか、又は、溶液から濾過によって取り除くことができる。この方法は、主に低核(13C及び15N)に対して用いられており、溶解DNPを用いて過分極されたプロトンを検出するのは、核の緩和時間が短いことから未だ困難なままである。多次元相関スペクトルを得るためにシングルスキャン法が用いられている。

0008

他の著者らは、固体担体上のラジカルを用いて、溶液及び流動液体をDNPにより(過)分極することを開示している。まず、Dornらは、非特許文献9及び非特許文献10において、ポリマービーズ及びシリカゲル上に固定したTEMPOを使用したODNPにより、幾つかの流動有機溶媒の分極を検討している。このアプローチは、SLIT DNP(フロー固液分子間移動DNP(flow Solid−Liquid Intermolecular Transfer DNP))と呼ばれている。このアプローチの利点は、ラジカルを含まない過分極された溶液が得られることである。好ましい場合においては、13C(スカラー優位)が1〜2桁増大した(例えば、DNP分光計によって連続的に「リサイクルされた」ベンゼン数種類の含塩素炭化水素との混合物において)。しかしながら、このアプローチは一般的ではなく(すなわち、ラジカルとの一時的な結合が起こる場合に限定される)、複雑な装置も必要である。

0009

また、室温かつ低磁場(0.35T)でODNPにより(停滞した又は連続的に流動する)水溶液を分極するための、共有結合したラジカル(TEMPO)を含むアガロースゲルがS.Hanらによって開発されている(非特許文献11)。ゲル中のラジカルの移動性は、ラジカルが溶液中に放出されなくても、オーバーハウザー効果を介して効率的に分極を移動させるのには充分である。しかしながら、ラジカルが固定され、溶液の移動性がゲル中で減少するため、水シグナルについて観察されるプロトン増大率は、TEMPOを直接試料に溶解させた場合よりも低い。これまでのところ、この方法は、水のNMRシグナルを増大させる場合のみに限られている。

0010

Dornら及びHansらによって開発された方法ではいずれも、溶液は低磁場で分極された後、高解像度磁石へと移される。したがって、このアプローチはex−situ分極法である。この方法は、溶液中の低濃度物質を検出するための一般的なアプローチとしては今のところ実証されていない。

0011

より最近では、Lafonらは、非特許文献12において、in situでの固体DNPNMRを用いて、固体担体を含む市販のTEMPOであるSiliaCAT(R)TEMPO(材料1g当たり0.7mmolのラジカルを含む非構造化材料)を分極することを開示している。試料は他の成分を何ら含んでおらず、分析対象の物質や検体を上記材料で分極することは検討されていない。

0012

他に、TEMPO基を含む非構造化材料は、アルコール選択的酸化のための触媒材料としても使用されている(特許文献2)。

0013

米国特許第3475680号明細書
米国特許第6797773号明細書

先行技術

0014

Golman et al.,PNAS July 25,2006,vol 103 n°30,11270−11275
G.J.Gerfen et al.,J.Chem.Phys.1995,102,9494
D.A.Hall et al.,Science 1997,276,930
B.D.Armstrong,S.Han,J.Am.Chem.Soc.,2009,131,4641
M.Reese et al,J.Am.Chem.2009 Soc.131,15086−15087
Denysenkov, et al,Appl.Magn.Reson.2008,34 289−299
C.Griesinger et al,Progress in Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy 2012,64,4−28
J.H.Ardenkjar−Larsen et al,PNAS,2003,100,10158−10163
Dorn et al.,J.Am.Chem.Soc.110,2294(1988)
Dorn et al.,Anal.Chem.70,2623−2628(1998)
S.Han et al.,JMR,2008,190,307−315
Lafon et al.,Applied Magn.Reson.2012,43,237

発明が解決しようとする課題

0015

記文脈において、本発明の目的の1つは、NMRデータ、特に固体NMRを用いる場合のNMRデータを得るために行う工程を実質的に簡略化できるDNP用固相分極媒体を提案することである。固相分極媒体を提案することにより、基板と分極剤の分離を直接行うことによって得られるスペクトルの質も促進される。

0016

本発明の他の目的は、従来のプロトコルに比べてより高い感度因子が得られる新規固相分極媒体を提供することである。

課題を解決するための手段

0017

本発明は、構造化された多孔質ネットワークからなる材料に関する。上記ネットワークは、少なくとも一部が、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によって形成されており、上記材料は有機分子を含み、上記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、シロキシ結合を介して上記ネットワークに共有結合しており、上記ラジカルの量は上記材料1g当たり0.50〜0.03mmol、例えば上記材料1g当たり0.25〜0.09mmol、0.25〜0.06mmol又は0.25〜0.03mmolである。本発明の材料においては、上記ネットワークが、オルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより上記有機分子が導入されて上記多孔質構造体中に規則的に分布する。

0018

Si原子、又は、金属原子が存在する場合にはSi原子と金属原子は、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合しているが、上記材料の無機部分を構成し、無機酸化物を形成する。

0019

上記有機分子の50%超が3つのシロキシ結合を介して上記ネットワークに共有結合しているのが好ましい。

0020

好ましい実施形態によれば、本発明の材料の平均孔径は35Å〜500Åの範囲である。

0021

上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子は塊状の上記材料中に存在しており、上記有機分子は、
・上記材料の細孔内に局在していてもよく、この場合、上記ネットワークは、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子によってのみ形成されており、又は、
・上記材料の壁内に局在していてもよく、この場合、上記ネットワークは、オキシ基による橋かけ構造で互いに結合したSi原子又はSi原子と金属原子と上記有機分子とによって形成されている。

0022

上記材料の上記ネットワーク又はその無機部分は、シリカSiO2、アルミナAl2O3、TiO2又はZrO2で構成されるのが有利である。

0023

好ましい実施形態としては、本発明の材料は、以下の前駆体:
テトラアルコキシシランテトラヒドロキシシランアルコキシ金属、ヒドロキシ金属、アルコキシヒドロキシシラン、アルコキシヒドロキシ金属、ケイ酸塩、又は、金属がZr、Ti若しくはAlであるメタレート、及び、
モノシリル体又はポリシリル体に相当するオルガノシラン、例えば、オルガノトリアルコキシシランオルガノトリクロロシラン、オルガノトリス(メタリル)シラン、オルガノトリハイドロゲノシラン、ジオルガノジアルコキシ若しくはジクロロシランなどのジオルガノシラン、又は、一般式X3Si−R’−SiX3(式中、X=ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、メタリル又は水素)で表されるジシリル化合物から選択されるオルガノシランであって、少なくとも1つのラジカルを有する有機部分を有するか、又は、1つ若しくは複数の追加工程において、特に後述する好ましい条件下、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を導入できる反応性官能基を有するオルガノシラン
のうち少なくとも2つを用いるゾルゲル法によって得られる。

0024

例えば、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子の導入に使用される上記オルガノシランは、ハロゲン原子、並びに、アジドアミンアミドイミンニトロシルカルボキシルケトンアルデヒドホスフィンホスフェート、ホスフィナイトスルホキシド、−OH、−SH及びエーテルなどの官能基から選択される反応性官能基を有する。

0025

上記材料を組織化するために、上記ゾルゲル工程は構造指向剤を使用して行われる。この場合、上記ゾルゲル法によって得られる上記材料には、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を上記反応性官能基で反応させて結合させるために行う工程の前に、上記構造指向剤を除去する処理が施されてもよい。

0026

通常、上記ゾルゲル法は、構造指向剤を使用し、少なくとも1つの共溶媒を用いて若しくは用いずに水中で、又は、水と共に適当な極性溶媒中で、塩基、酸又は求核性化合物から選択される加水分解縮合触媒を使用して行われる。本発明の材料の製造に用いられる上記ゾルゲル法は、
アルキルポリエチレンオキシド又はアルキルアリールポリエチレンオキシド(好ましくは、C16H33O(CH2CH2O)2H、C11−15H23−31O(CH2CH2O)12H、C14H22O(C2H4O)nH(式中、n=9〜10)、p−C8H17C6H4O(CH2CH2O)10H、C12H25O(CH2CH2O)nH(式中、n:〜2、4、8))、
ポリソルベート系界面活性剤ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、及び、
両親媒性ブロック共重合体(好ましくは、EO20−PO70−EO20、EO100−PO70−EO100など又はEO132−PO50−EO132などのトリブロック共重合体
から選択される構造指向剤を使用して行われるのが好ましい。

0027

(ラジカルの数)/(Si原子及び存在する場合には金属原子の合計数)の比は、1/27〜1/500、例えば、1/62〜1/180、又は、1/62〜1/500の範囲であるのが好ましい。上記比の数値は、RPEと組み合わせた元素分析によって測定することができる。

0028

本発明の材料の例は、その多孔質シリカネットワーク内に分布した下記式(I)で表される少なくとも1つの有機無機成分(I)を含む。

0029

0030

式中、
Yは少なくとも1つのラジカルを含む部分であり、
L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、有機部分を連結しており、
n及びmは、同一又は異なっていてもよく、1≦m+n<5として選択される整数であり、
SiO1.5は上記ネットワークの無機部分の一部である。

0031

また上記材料は、その多孔質シリカネットワーク内に分布した下記式(II)で表される少なくとも1つの有機−無機成分(II)を含んでいてもよい。

0032

0033

式中、
Xは、1つ又は複数の追加工程において少なくとも1つのラジカルを導入できる少なくとも1つの反応性官能基を有する部分であり、
L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、有機部分を連結しており、
n及びmは、同一又は異なっていてもよく、1≦m+n<5として選択される整数であり、
SiO1.5は上記ネットワークの無機部分の一部である。

0034

式(I)及び(II)の解釈を明らかにするために説明すると、例えばm=2の場合、Y又はXはそれぞれ、2つの異なる共有結合によって2つの−L−SiO1.5基に共有結合していることを意味する。

0035

業者が従来使用しているように、SiO1.5は、3つのSi−O結合が、無機−無機化合物(I)(又は(II))と無機ネットワークの間で共有されていることを示すために用いられる。

0036

L及びL’は、同一又は異なって、例えば炭化水素からなる連結部分であってもよく、直線状又は分岐状であっても又は環を有していてもよく、飽和又は不飽和の置換又は無置換であってもよく、その鎖内又は環内に、1つ若しくは複数の酸素硫黄若しくは窒素ヘテロ原子、及び/又は、−CO−、−CONH−、−COO−、−NHCO−、−N=N−、−S(O)−、−S(O)2−、−P(=O)(ORa)−(式中、RaはC1−8アルキル)から選択される1つ若しくは複数の基を有していてもよい。

0037

例えば、L及びL’は、同一又は異なっていてもよく、Si原子からYまでが−L1−L2−という構造(式中、L1は、2価の形態の以下の基:C1−20アルキル、C1−20アルケニル、C1−20アルキニル、C6−C24アリール、C7−C44アルキルアリール、C7−C44アルケニルアリール、C7−C44アルキニルアリールから選択され、上記基は、トリアゾール単位及びテトラゾール単位を含んでいてもよく、無置換であっても、又は、C1−10アルコキシ、C1−10アルキル、C1−10アリール、アミド、イミドホスフィドニトリド、C1−10アルケニル、C1−10アルキニル、アレーンホスファンスルホン化ホスファン、ホスフェート、ホスフィナイト、アルシン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジン置換ピリジンイミダゾール置換イミダゾールトリアゾール、テトラゾール、ピラジン置換ピラジン及びチオエーテルから選択される1つ若しくは複数の部分によって置換されていてもよく;L2は、−O−、−NH−、−N(C1−6アルキル)−、−N(ベンジル)−、−N(フェニル)−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−S−、−SO2−、−N=N−、−NHC(O)−及び−CONH−から選択される。)で表されてもよい。より詳細には、G.Parkin,Comprehensive Organometallic Chemistry III,Vol.1,Chap.1,Ed.Elsevier 2007を参照されたい。

0038

部分(構造)の定義に使用する用語は通常の意味を有する。具体的には以下の通りである。

0039

アルキル基は、直線状、分枝状又は環状であってもよい飽和炭化水素部分である。アルキル基の例としてはメチルエチルシクロヘキシル、ter−ブチルが挙げられる。

0040

アリール基は、不飽和の単環式又は多環式炭化水素部分であって、少なくとも芳香族環を含む部分である。アリール基の例としてはフェニル基ナフチル基が挙げられる。

0041

アリールアルキル基は、不飽和炭化水素部分であって、少なくともアリール部分とアルキル部分を含む。ベンジルはアリールアルキル基の一例である。

0042

アルケニル基は、直線状、分枝状又は環状であってもよい不飽和炭化水素部分であって、少なくとも1つの二重結合を有する部分である。

0043

アルキニル基は、直線状、分枝状又は環状であってもよい不飽和炭化水素部分であって、少なくとも1つの三重結合を有する部分である。

0044

第1の実施形態によれば、m=1かつn=0であり、その結果、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子が上記材料の細孔内に存在する。

0045

第2の実施形態によれば、2≦m+nであり、その結果、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子が上記材料の壁内に存在する。

0046

本発明に係る材料は、不対電子を有する有機分子、すなわち本発明におけるラジカルを含む。このラジカルは、上記材料をNMR分析に用いる場合にDNPのための電子源として作用する。

0047

上記ラジカルは持続性ラジカルであるのが有利である。持続性ラジカルとは、ラジカル中心付近立体的に込み合っているためにラジカルが安定であり、したがってラジカルの他の分子との反応が物理的に起きにくくなることを意味する。そのような持続性ラジカルの例としては、Gombergのトリフェニルメチルラジカル、Fremy塩(ニトロソジスルホン酸カリウム(KSO3)2NO・)、TEMPO、TEMPOL、ニトロニルニトロキシドなどのニトロキシド(一般式R2NO・)、アゼフェニレニル(azephenylenyls)、並びに、PTM(パークロロフェニルメチルラジカル)及びTTM(トリス(2,4,6−トリクロロフェニルメチルラジカル由来のラジカルが挙げられる。

0048

このように、本発明に係る材料の構造がどのようなものであれ、存在するラジカルは持続性ラジカルであるのが好ましい。上記ラジカルは、ニトロキシルラジカルトリチルラジカル及びベルダジルラジカルから選択することができる。例えば、式(I)のY基は、1つ又は複数のL/L’に結合した式(A)の部分であってもよい。

0049

0050

式中、
R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、置換又は無置換のアルキル基(例えば1〜10個の炭素原子を有するアルキル基)又はアリール基(例えば6〜12個の炭素原子を有するアリール基)であるか、又は、R1とR2及び/又はR3とR4並びにR1とR3及び/又はR2とR4は共に結合してシクロアルキル基、例えば5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成し、無置換であるか又は1つ若しくは複数のフェニル基などで置換されている。特定の実施形態では、R1=R2=R3=R4=メチルであるか、又は、R1とR2及びR3とR4は共に結合してシクロヘキシル基を形成している。

0051

例えば、上記有機−無機成分(I)は以下のものから選択される。

0052

0053

本発明に係る材料の一例は式(III)で表される材料である。

0054

0055

式中、
a、b及びcは、同一又は異なっていてもよく、a>0、0≦b/a≦1000及び1≦(a+b+c)/(a+b)≦1000として選択される整数であり、
Z原子は、ケイ素Si、ジルコニウムZr、チタンTi、アルミニウムAlから選択され、ZがSi、Zr又はTiの場合にoは2であり、ZがAlの場合にoは1.5であり、
L、L’、X、Y、m及びnは式(I)と同義である。

0056

本発明に係る材料において、多孔質ネットワークは、細孔がヘキサゴナルアレイ構造、立方配置構造又はワームライク虫食い状)配置構造となっているのが有利である。

0057

本発明に係る材料は例えば粉末状であり、これは、溶液を含浸させてDNP用電子源又は触媒材料として使用するのに適合している。

0058

本発明に係る上記材料は多孔質構造体である。

0059

組織体又は構造体多孔質であることが必須であり、細孔と壁から構成されている。この構造化は、細孔の空間的長距離秩序形成(ケージ型細孔又は細孔チャネル)によりネットワークが形成されることに相当し、幾つかのタイプの組織化が起こる。そのような組織化は小角X線回折(XRD)及び電子顕微鏡によって分析することができる。小角XRDは、粉末試料に対してCuKα線(λ=0.154nm)を用いて行う。回折パターンは、通常は角度2θが[0.5°〜10.0°]の範囲において例えば走査速度0.1°/分で収集する。構造体とは、その小角XRDディフラクトグラムに少なくとも1つのピークを有する材料として定義することができる。ディフラクトグラムに可視化することができるピークが存在するのは、分析した試料中に多孔質組織が存在する場合の特徴である。

0060

ピークが1つのみ得られた場合は、それがたとえブロードなピークであったとしても、多孔質ネットワークがワームライク構造であると考えられる。小角XRDディフラクトグラムに2つ以上の回折ピークが観察された場合は、多孔質ネットワークの組織を正確に決定することができ、異なるミラー指数(hkl)に対する面間隔d(hkl)はブラッグの法則(nk=2dsinθ)を用いて算出することができる。したがって、例えば、上記ネットワークがヘキサゴナル組織又は立方組織を有しているかどうかを決定することができる。

0061

試料中にヘキサゴナル配列の細孔ネットワークが存在する場合、最少でも、ミラー指数が(1,0,0)、(1,1,0)、(2,0,0)の場合の面間隔に相当する3つの回折ピークが小角XRDディフラクトグラムにおいて確認される。

0062

立方配置については、回折ピークの指数に応じて小角XRDにより幾つかの空間群が観察される。
・(1,1,0)、(2,0,0)及び(2,1,1)の反射として指数化される少なくとも3つのピークを有する場合、空間群がIm3mの立方構造であると特徴付けられる。
・(1,1,1)、(2,2,0)及び(3,1,1)の反射として指数化される少なくとも3つのピークを有する場合、空間群がFm3mの立方構造であると特徴付けられる。
・(2,0,0)、(2,1,0)及び(2,1,1)の反射として指数化される少なくとも3つのピークを有する場合、空間群がPm3mの立方構造であると特徴付けられる。

0063

また、ヘキサゴナル構造、立方構造又はワームライク構造は、透過型電子顕微鏡により容易に確認することもできる。得られた顕微鏡写真は、細孔ネットワークの長距離周期性を明確に示す。

0064

上記材料のテクスチャ及び上記材料の空隙率データは、77Kで特定の装置を用いて行う窒素吸脱着測定によって分析できる。比表面積SBET)は、Brunauer−Emmett−Teller(BET)式により算出することができる。孔径分布及び平均孔径は、N2吸脱着等温線吸着枝からBarrett−Joyner−Halenda(BJH)法を用いて算出することができる。

0065

本発明に係る材料は平均孔径が2nm〜50nmであるのが好ましく、より好ましくは3.5nm〜50nmである。そのような平均孔径、したがってそのようなスケールの組織を有する場合、上記材料はメソ構造体又はメソポーラス材料と呼ばれる(Techniques de l’Ingenieur−Dossier texture des materiaux pulverulents ou poreux,version of July 2012)。上記材料は構造化されているため、孔径分布が狭い。この狭い孔径分布は、細孔ネットワークを構成するため、したがって孔径メソポーラスな範囲に調整するために使用する構造指向剤の大きさと関係がある。

0066

そのような平均孔径が3.5nm〜50nmの(すなわち細孔容積が大きい)メソポーラス材料は、その空隙率であれば(非多孔質材料と比べて)検体溶液をより多く導入することができ、より大きな増大となることから特に興味深く、とりわけDNPを用いる場合に興味深い。また、大きな孔(3.5nm超)を有する材料は、複雑な/より大きな検体系(complex−larger−analyte systems)を導入する際に特に興味深い。細孔が大きくなればなるほどより良い(実施例では、固体の孔径が約6〜8nmである)。したがって、多孔性が低いかあるいは細孔をほとんど有さない材料は興味深さでは劣る。

0067

ゾルゲル法によってラジカルが規則的に分布している、本発明で選択されるラジカル密度(mmolラジカル/g)として定義される希釈度の範囲は、より重大なラジカル比率及び/又は表面のみのグラフト化であるためにラジカル同士が互いに非常に接近している場合に観察されるクエンチによるラジカルの失活が最小限となることから特に興味深く、とりわけDNPを用いる場合に興味深い。ラジカル密度は、電子常磁性共鳴分光法EPR)を用いて簡単に得られ、この方法では1g当りの電子(ラジカル)の数を測定できる。ラジカル密度は、粉末状試料ガラス管内に入れ、室温(例えば25℃)でXバンドにおいてEPRスペクトルを記録し(9.52GHzのマイクロ波周波数変換時間=40.96ミリ秒時定数=5.12ミリ秒、スペクトル幅=600ガウス及びデータポイント数=1024、変調周波数=100kHz、変調振幅=1ガウス、マイクロ波電力:シグナルが飽和しないように設定)、スピン(ラジカル)の数に比例するEPRシグナルを積分し、それをTEMPOなどの持続性ラジカルの標準溶液の積分スペクトルと比較することによって容易に得られる。110Kの温度とし、上記材料を含浸させること以外は、上述の条件と同じ条件下で記録したCWスペクトルの中央ピークのピーク・トゥ・ピークEPR線幅を測定することによって、ラジカルの近接度、したがって試料の均一性を評価することもできる。

0068

本発明に係る材料は、ゾルゲル法によりテンプレート経路を用いて得ることができる。これは、i)細孔の周期性の長距離秩序があり、かつ、ii)狭い孔径分布を有するよう孔径が調整された細孔が存在する多孔質ネットワークの形成を確実にするために少なくとも1つの構造指向剤(界面活性剤ともいう)を使用して、ゾルゲル法を行うことを意味する。このため、得られる材料を組織体又は構造体と呼ぶ。

0069

「ゾルゲル法」は、反応によりコロイド粒子ゾル)を生成する化学溶液出発材料として材料(典型的には金属酸化物)を作製するための湿式化学法である。典型的な前駆体は金属アルコキシド及び金属塩化物であり、これらの前駆体は加水分解重縮合反応を経て、溶媒中に分散した固体粒子粒径は1nm〜1μm)から構成される系であるコロイドを形成する。このゾルから、液相(ゲル)を含む無機ネットワークが形成されることとなる。金属酸化物が形成される際には、金属中心オキソ(M−O−M)又はヒドロキソ(M−OH−M)橋かけ構造によって連結され、その結果、溶液中に金属−オキソポリマー又は金属−ヒドロキソポリマーが生成される。乾燥工程によって液相がゲルから除去され、それにより多孔質材料が形成する。その後、更に重縮合を促進して機械的特性を向上させるために加熱処理焼成)を行ってもよい。

0070

従来のゾルゲル法、及び、ゾルゲル法によるテンプレート経路を用いたハイブリッドナノ構造材料の合成については、Corriu R.J.Pらにより、それぞれAngew.Chem.Int;Ed.1996,35,1420−1436及びJ.Mater.Chem 2005,15,4285において説明されている。また、P.Audebert及びMiomandreによるDossier Techniques de l’Ingenieur,j5820,“Procede sol−gel de polymerization”,2012年7月に利用可能なバージョンも参照できる。例えば、Ji Man Kim et al.,J.Phys.Chem.B,2002,106,2552−2558を参照できる。

0071

本発明に係る材料は、最終的に得られる材料に持続性ラジカルを与える有機基を含むオルガノシラン前駆体と、例えばテトラアルコキシシラン、テトラヒドロキシシラン、アルコキシ金属、ヒドロキシ金属、アルコキシヒドロキシシラン、アルコキシヒドロキシ金属、ケイ酸塩又はメタレートなどの形態のシリカ又は金属源との共加水分解及び共縮合を用いたゾルゲル工程により得ることができる。このシリカ又は金属源は、Z(OR’’)x、Z(OH)x、Z(OR’’)x1(OH)x2又はZ(O−)x、(x/n)En+により表すことができる。上記式中、x、x1及びx2の値はZに依存する。例えば、Z=Si、Ti又はZrの場合、x=x1+x2=4であり、Z=Alの場合、x=x1+x2=3である。En+は対アニオン(Na+、Li+、K+などのアルカリ又はアルカリ土類カラム由来)であり、R’’は例えばC1−6アルキル基である。

0072

多孔質ネットワークの組織化は、無機前駆体及び有機−無機前駆体と構造指向剤との協同的自己組織化(cooperative self−assembly)を介して達成される。

0073

本発明の他の目的は、以下の工程を含む本発明の材料を製造する方法に関する。
a)以下の前駆体:
・テトラアルコキシシラン、テトラヒドロキシシラン、アルコキシ金属、ヒドロキシ金属、アルコキシヒドロキシシラン、アルコキシヒドロキシ金属、ケイ酸塩、又は、金属がZr、Ti若しくはAlであるメタレート、及び、
・モノシリル体又はポリシリル体に相当するオルガノシラン、例えば、オルガノトリアルコキシシラン、オルガノトリクロロシラン、オルガノトリス(メタリル)シラン、オルガノトリハイドロゲノシラン、ジオルガノジアルコキシ若しくはジクロロシランなどのジオルガノシラン、又は、一般式(Xa)3Si−R’−Si(Xa)3(式中、Xa=ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、メタリル又は水素)で表されるジシリル化合物から選択されるオルガノシランであって、少なくとも1つのラジカルを有する有機部分を有するか、又は、1つ若しくは複数の追加工程において、上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を導入できる反応性官能基を有するオルガノシラン
のうち少なくとも2つを用いるゾルゲル工程であって、構造指向剤を使用して行って構造化された多孔質ネットワークを得るゾルゲル工程;
b)工程a)において反応性官能基を有するトリアルコキシシランを使用する場合に、1つ又は複数の追加工程を行って無機ネットワークに上記少なくとも1つのラジカルを有する有機分子を共有結合させる、工程。

0074

ある実施形態によれば、工程a)において、ハロゲン原子、並びに、アジド、アミン、アミド、イミン、ニトロシル、カルボキシル、ケトン、アルデヒド、ホスフィン、ホスフェート、ホスフィナイト、スルホキシド、−OH、−SH及びエーテルなどの官能基から選択される反応性官能基を有するオルガノシランを使用する。

0075

例えば、工程a)においてアジド基を有するオルガノシランを使用し、そのアジド基が更にNH2官能基に変換され、それが、少なくとも1つのラジカルとカルボキシル基とを有する有機分子と反応してNH−CO結合が形成される。

0076

既出の実施形態と組み合わせてもよいある実施形態によれば、工程a)又はb)の後に、残存するヒドロキシル又はアルコキシ基を除去する工程を更に含む。これは典型的には、上記材料と不動態化剤、典型的には疎水性と考えられるものであって、トリアルキルシリル誘導体クロロ、ブロモヨード、アミド又はアルコキシシラン)又はアルコール類から選択される不動態化剤との反応により行われる。

0077

既出の実施形態と組み合わせてもよいある実施形態によれば、工程a)又はb)の後に、上記構造指向剤を除去する工程を更に含む。上記構造指向剤は、例えば、ソックスレー抽出を行って又は行わずに、酸及び/又は塩基の存在下又は非存在下、水で、又は、アルコール類、アミド類エーテル類及びエステル類から選択される適当な極性溶媒洗浄することによって除去することができる。また上記構造指向剤は、塩酸とピリジンを使用したソックスレー抽出によって除去することもできる。

0078

既出の実施形態と組み合わせてもよいある実施形態によれば、工程a)は、構造指向剤を使用し、少なくとも1つの共溶媒を用いて若しくは用いずに水中で、又は、水と共に適当な極性溶媒中で、塩基、酸又は求核性化合物から選択される加水分解縮合触媒を使用して行う。例えば、工程a)は、構造指向剤を使用し、アルコール類、アミド類、エーテル類及びエステル類から選択される少なくとも1つの共溶媒を用いて水中で行う。他に、構造指向剤を使用し、アルコール類、アミド類、エーテル類及びエステル類から選択される極性溶媒中で工程a)を行うことも考えられる。

0079

例えば、上記構造指向剤は以下のものから選択することができる。
1)アニオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム);
2)カチオン性界面活性剤アンモニウム塩臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリウム塩(臭化1−ヘキサデカン−3−メチルイミダゾリウム)、ピリジニウム塩塩化n−ヘキサデシルピリジニウム)、ホスホニウム塩
3)非イオン性界面活性剤
アミン類ヘキサデシルアミン(C16H33NH2))、
・アルキルポリエチレンオキシド又はアルキルアリールポリエチレンオキシド(好ましくは、C16H33O(CH2CH2O)2H、C11−15H23−31O(CH2CH2O)12H、C14H22O(C2H4O)nH(式中、n=9〜10)、p−C8H17C6H4O(CH2CH2O)10H、C12H25O(CH2CH2O)nH(式中、n:〜2、4、8))、
・ポリソルベート系界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、及び、
・両親媒性ブロック共重合体(好ましくは、EO20−PO70−EO20、EO100−PO70−EO100など又はEO132−PO50−EO132などのトリブロック共重合体)。

0080

ゾルゲル工程で使用する界面活性剤の濃度は界面活性剤の種類によって異なり、当業者であれば調整できるであろう。例えば、幾つかの界面活性剤の典型的な濃度(すなわち、液体溶液体積当たりの界面活性剤のモル数([TA]で表される))及び界面活性剤の典型的な重量比(単位%)(すなわち、Wt TA/Wt溶液×100(TA/Solで表される))は以下に示す通りであってもよい。
・カチオン性界面活性剤の場合:0.02<[TA]<2;2%<TA/Sol<25%
アミン系界面活性剤の場合:0.1<[TA]<0.8;2%<TA/Sol<10%
・アルキルポリエチレンオキシド又はアルキルアリールポリエチレンオキシド及びポリソルベート系界面活性剤の場合:0.01<[TA]<2;1%<TA/Sol<55%
ブロック共重合体の場合:0.001<[TA]<0.1;2%<TA/Sol<55%

0081

好ましい実施形態では、工程a)は、アミン類から選択される塩基;又は、塩化水素酸臭化水素酸ヨウ化水素酸などの無機酸、及び、p−トルエンスルホン酸などの有機酸から選択される酸;又は、フッ化ナトリウム、フッ化テトラブチルアンモニウムなどの求核剤である加水分解重縮合触媒を使用して行う。

0082

少なくとも1つのラジカルを有する有機分子が、ネットワークの一部であるただ1つのSiにだけ結合している本発明の材料は、例えば後で詳述する実施例で用いられる方法に近い方法に従って調製することができる。

0083

上記方法は以下の工程を含む。

0084

第1工程:メソ構造体であるアジド含有材料の合成

0085

R及びR’=アルコキシ基
リンカープロピル又はベンジル
y=100、40、30、19、15、12

0086

Yは、調整することができ、第3工程後の材料に存在するラジカルの数に影響を及ぼす。

0087

上記材料は、構造指向剤であるP123及び縮合触媒であるNaFの存在下、塩酸水溶液中でのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)と3−アジドプロピルトリエトキシシランの共加水分解及び共縮合により得ることができる。当然ながら、他の構造指向剤及び/又は縮合触媒を使用することもできる。

0088

この段階で得られた材料の表面積の範囲は、300〜1000m2/gの範囲であるのが好ましい。

0089

第2工程:アジド基のアミンへのin situ変換

0090

0091

アジド基のアミノ単位への還元はStaudinger反応として知られている(H.Staudinger;E.Hauser Helvetica Chimica Acta 1921,4,861−886)。この反応では、中間体イミノホスホラン種が形成されるが、その後、そのイミノホスホラン種はアミノ基とホスフィンオキシドへと加水分解され得る。効果的な表面改質のために、上記反応を、完全に乾燥したアジド材料と乾燥THF溶媒を使用して行ってイミノホスホランを形成するのが好ましい。還元はジメチルフェニルホスフィンを使用して行うことができる。

0092

第3工程:アミド化反応を介した−TEMPOラジカルの導入(固体のアミンと4−カルボキシ−TEMPOのカルボン酸官能基との反応性

0093

0094

Z1=NH2、Z2=COOH、Z3=NHCOであり、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、置換又は無置換のアルキル基(例えば1〜10個の炭素原子を有するアルキル基)又はアリール基(例えば6〜12個の炭素原子を有するアリール基)であるか、又は、R1とR2及び/又はR3とR4並びにR1とR3及び/又はR2とR4は共に結合してシクロアルキル基、例えば5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を形成し、無置換であるか又は1つ若しくは複数のフェニル基などで置換されている。

0095

場合によっては、室温から200℃までの範囲、好ましくは例えば約140℃で処理してもよい。

0096

他の場合には、例えば他のリンカー及び/又は1以上のラジカルを有する他の部分(構造)を使用する類似の製造方法を採用することができる。

0097

より典型的には、第1工程は、例えば上述したZ(OR)x、Z(OH)x、Z(OR)x(OH)y又はZ(O−)x、(x/n)En+型のシリカ又は金属源と、式(IV)で表されるオルガノアルコキシシランを使用して行うことができる。

0098

0099

式中、Xは、化合物(I)に対して定義したYと同一であってもよく、又は、1つ若しくは複数の追加工程において少なくとも1つのラジカルを導入できる少なくとも1つの反応性官能基によって置換された部分であるYの前駆体であってもよく、L、L’、m及びnは化合物(I)と同義であり、R及びR’はアルコキシ基、例えばC1−6アルコキシ基である。

0100

m=1かつn=0であり、オルガノアルコキシシランがモノシリル誘導体である場合、その結果、−L−Xに相当する有機分子が上記材料の細孔内に存在する。

0101

他の実施形態によれば、2≦m+nであり、オルガノアルコキシシランがポリシリル誘導体(例えばビシリル誘導体)であり、その結果、(L)m−X−(L’)nに相当する有機部分が上記材料の壁内に存在する。

0102

上記反応性官能基は、例えば、ハロゲン原子、並びに、アジド、アミン、アミド、イミン、ニトロシル、カルボキシル、ケトン、アルデヒド、ホスフィン、ホスフェート、ホスフィナイト、スルホキシド、OH、−SH及びエーテルなどの官能基から選択されてもよい。選択された反応性官能基に対してその後の工程を適合させる。

0103

本発明に係る材料は、アルコールの酸化などの酸化反応のような触媒反応に使用することもできる。

0104

しかしながら、本発明に係る材料は、核磁気共鳴(NMR)スペクトルを観測する化合物の芯部に向けて電子スピンの分極を移動させる動的核分極(DNP)法における分極剤として特に好適である。本発明に係る材料の特定の構造によって、調べる化合物の分極される芯部に対して最適な分極の移動と最適なNMRシグナルの増大をもたらすことができる。分極の移動は低温で高磁場において達成できる。

0105

本発明の他の目的は、本発明に係る材料を使用して生じる動的核分極を用いる、核磁気共鳴(NMR)による検体の分析方法に関する。

0106

例えば、上記検体は、分析対象として、1H、13C、31P、15N、29Si及び/又は19F原子などのスピン1/2の核、及び/又は、27Al原子などの四極子核を含む。

0107

本発明に係る材料は、DNPを用いた、固体核磁気共鳴法又は液体試料に適用される核磁気共鳴法における分極剤として使用することができる。本発明に係る材料は、溶液中に低濃度(例えば、1μM未満、100nM未満、10nM未満、更には1nM未満)で存在する検体(代謝物など)の検出を向上させるために材料を用いて生じる動的核分極を実行する、核磁気共鳴(NMR)による検体の分析方法において使用することができる。

0108

好ましい実施形態によれば、上記方法は以下の工程を含む。
x)本発明に係る材料と上記検体の溶液を混合することによって試料を調製する工程;
xx)上記試料をマイクロ波照射により分極する工程であって、上記材料に結合したラジカルによって分極が生じる、工程;
xxx)分極した検体のNMRスペクトルを記録する工程。

0109

分極前に上記試料全体固化し、固化した試料に対して工程xx)の分極を行うのが有利である。好ましい実施形態においては、固化した試料に対して工程xxx)も行う。

0110

特に固化試料に対して工程xx)及び/又は工程xxx)を行う場合には、工程xx)とxxx)をいずれもNMR分光計において行うのが好ましい。この実施形態は容易に行うことができるが、当然ながら分光計の外で分極を行うこともできる。

0111

上記方法は溶液NMRにより行うこともできる。例えば、固化した試料に対して分極を行ってもよいが、固化した溶液を溶解させた後に、分極した検体の選択した核(i)のNMRスペクトルを記録してもよい。溶液NMRを用いる場合には、他に、検体の液体溶液を含む試料に対して直接固化工程を行うことなく試料を分極することが考えられる。溶液NMR法においては、工程xxx)のみをNMR分光計において行うのが有利である。

0112

他の態様によれば、本発明は、動的核分極を用いる、分析対象の検体の選択した1つ又は複数の核のNMRによる分析方法であって、以下の工程を含む分析方法に相当する新規な固体NMR方法にも関する。
i)多孔質ネットワークからなる材料と上記検体の溶液を混合することによって試料を調製する工程であって、上記ネットワークは少なくとも一部が無機酸化物によって形成されており、上記材料は有機分子を含み、上記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、少なくとも1つのシロキシ結合を介して上記ネットワークに共有結合している、工程;
ii)上記試料を固化する工程;
iii)固化した試料をマイクロ波照射により分極する工程であって、上記材料に結合したラジカルによって上記検体に分極が生じる、工程;
iv)固化した試料に対して、分極した検体の選択した核(i)のNMRスペクトルを記録する工程。

0113

使用した材料のネットワークが構造化されていること、及び/又は、上記ネットワークがオルガノシランを使用したゾルゲル工程により形成され、それにより上記有機分子が導入されて上記多孔質材料中に規則的に分布することが有利である。上記有機分子は、少なくとも1つのラジカルを有し、好ましくは2つ又は3つのシロキシ結合を介して上記ネットワークに共有結合している。

0114

好ましい実施形態においては、使用した材料は本発明に係る材料である。

0115

工程iii)とiv)の両方又は工程ii)〜iv)はNMR分光計において行われるのが有利である。これらの実施形態は必要とする操作が少なく有利な場合もあるが、当然ながら分光計の外で固化及び/又は分極を行うこともできる。

0116

上記試料は、検体溶液の固化をもたらす温度、例えば1K〜300Kの範囲、典型的には50〜200Kの範囲の温度に上記試料を置くことによって固化する。

0117

従来通り、マイクロ波照射時の電子遷移の飽和によって、共有結合したラジカルの不対電子から検体の核へと分極を移す。

0118

NMR法及び使用した材料がどのようなものであれ、分析前に、DNPに使用する材料に分析対象の検体の溶液を含浸させる。この溶液は、水、グリセロール、又は、他の溶媒又は溶媒の組み合わせ、例えば以下の参考文献に列挙されている溶媒、特にトルエン、含塩素芳香族クロロアルカン及びブロモアルカンから選択される溶媒又は溶媒の組み合わせを使用して調製することができる(Zagdoun et al.Chem.Commun.2012,48,654−656)。分極前に、検体溶液と上記材料のできる限り均質な混合物を得るのが有利である。

0119

上記方法によって検討される検体は、分析対象として、1H、13C、31P、15N、29Si及び/又は19F原子などのスピン1/2の核、及び/又は、27Al原子などの四極子核を含む。

0120

添付の図面を参照して、以下の実施例によって本発明を説明する。

図面の簡単な説明

0121

Mat−PrNHCO−TEMPO1/11のTEM写真を示す。
材料Mat−PrNHCO−TEMPO1/11の小角XRDパターンを示す。
Mat−PrNHCO−TEMPO1/101のTEM写真を示す。
材料Mat−PrNHCO−TEMPO1/101の小角XRDパターンを示す。

実施例

0122

A.材料の調製及び特性評価

0123

材料の特性評価及び計測器具
透過型電子顕微鏡による観察
“Centre Technologique des Microstructures”(UCBLフランス、ビユールバンヌ)にてPhilips 120CX電子顕微鏡を用いて、従来法によるTEM顕微鏡写真撮影を行った。加速電圧は120kVであった。磨砕した試料のエタノール懸濁液を1滴、炭素フィルム被覆されたCu格子上に広げることによって試料を調製した。

0124

X線回折
Service Diffraction RX(フランス、IRCEリヨン)にてBruker D8 Avance回折計(33kV&45mA)を用いてCuKα線(λ=0.154nm)を照射することによって、粉末の小角X線回折(XRD)を行った。角度2θが[0.45°〜7.0°]の範囲において走査速度0.1°/分で回折パターンを収集した。異なるミラー指数(hkl)に対する面間隔d(hkl)をブラッグの法則(nk=2dsinθ)を用いて算出した。ヘキサゴナル構造メソポーラス材料の格子パラメータ(a0)は、a0=2d(100)/√3により与えられる。

0125

窒素吸脱着測定
日本ベル株式会社製BELSORB−Miniを用いて77Kで窒素吸脱着測定を行った。N2吸着前に、10−4Pa、408Kで12時間試料の脱ガスを行った。Barrett−Joyner−Halenda(BJH)法を用いて孔径分布及び平均孔径(dp)を算出した。Brunauer−Emmett−Teller(BET)式によって比表面積(SBET)を算出した。

0126

電子常磁性共鳴(EPR)
スペクトルは全てXバンドBrukerEMX EPR分光計で記録した。データ解析はMatLab 2011及びOrigin 8.5を用いて行った。

0127

EPRスペクトルは以下のパラメータのXバンド(9.52GHzのマイクロ波周波数)で記録した。変換時間=40.96ミリ秒、時定数=5.12ミリ秒、変調周波数=100kHz、変調振幅=1ガウス、スペクトル幅=600ガウス及びデータポイント数=1024、マイクロ波電力:シグナルが飽和しないように設定。線形解析のための試料は次のようにして調製した。乾燥したTEMPO材料を、大気中で1,1,2,2−テトラクロロエタンインピエトウェットネス含浸させることによって湿らせた。試料を3.2mmEPR石英管充填した。管内の試料の高さは、全ての材料について3〜5mmとした。EPRスペクトルを110Kで記録した。CWスペクトルを用い、主シグナル中央線)の最小値最大値の差を用いて線幅、いわゆるピーク・トゥ・ピーク線幅を測定した(Gerson,F.;Huber,W.In Electron Spin Resonance Spectroscopy of Organic Radicals;Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA:2004)。

0128

スピンカウント実験のための試料は以下のようにして調製した。乾燥した粉末をガラスキャピラリー(50μL容Hirschmann ringcaps)に充填し、底をパテで閉じた。試料の高さを約19mmとし、全ての試料について重量を記録した。CWEPRスペクトルを室温で記録した。マイクロ波電力、レシーバゲイン及び試料重量に対して補正したCWスペクトルの二重積分によってEPRシグナルの定量化を行った。1グラム当たりのラジカルの量は、標準TEMPO溶液(トルエン中4.07mM)と比較して決定し、N2吸着測定から評価した表面積当たりのラジカル数として表した。

0129

実施例1−異なる希釈度のMat−PrNHCOTEMPO(以下に示す希釈度は、全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当する。)

0130

I.異なる希釈度のMat−PrN3の調製

0131

Mat−PrN31/11の調製
代表的な手順
塩酸水溶液(365mL、pH=1.5)に溶解させたP123(9.19g)を、テトラエトキシシラン(TEOS、20.5mL、91.7mmol)と3−アジドプロピルトリメトキシシラン(1.9g、9.3mmol)の混合物に25℃で添加した。反応混合物を3時間撹拌するとマイクロエマルション(透明な混合物)が生じた。45℃に加熱した反応混合物に、少量のNaF(127mg、3mmol)を撹拌下で添加した(混合物の組成:12(TEOS):1(3−アジドプロピルトリエトキシシラン))。混合物を撹拌下、45℃で72時間放置した。得られた固体をろ過し、水100mLで3回洗浄し、アセトン100mLで3回洗浄した。ピリジン(30mL)、水(30mL)及び2M HCl(5mL)中、110℃(還流)で20時間処理することによって界面活性剤を除去した。ろ過後、水及びエーテルで洗浄し、135℃で減圧下(10−5mbar)12時間乾燥することにより、Mat−PrN31/11(5.60g)を白色固体として得た。

0132

Mat−PrN31/17の調製
10.4gのP123;塩酸水溶液(415mL、pH=1.5);TEOS(23.5mL、110mmol);3−アジドプロピルトリメトキシシラン(1.43g、7.0mmol);NaF(200mg、4.7mmol)を使用して上述の手順に従ってMat−PrN31/17を調製した。Mat−PrN31/17(8.5g)。

0133

Mat−PrN31/20の調製
8.53gのP123;塩酸水溶液(340mL、pH=1.5);TEOS(19.2mL、85.8mmol);3−アジドプロピルトリメトキシシラン(0.92g、4.48mmol);NaF(161mg、3.8mmol)を使用して上述の手順に従ってMat−PrN31/20を調製した。Mat−PrN31/20(6.2g)。

0134

Mat−PrN31/26の調製
7.03gのP123;塩酸水溶液(281mL、pH=1.5);TEOS(15.8mL、70.6mmol);3−アジドプロピルトリメトキシシラン(0.58g、2.83mmol);NaF(176mg、4.2mmol)を使用して上述の手順に従ってMat−PrN31/26を調製した。Mat−PrN31/26(3.5g)。

0135

Mat−PrN31/35の調製
9.3gのP123;塩酸水溶液(365mL、pH=1.5);TEOS(20.9mL、93.3mmol);3−アジドプロピルトリエトキシシラン(0.57g、2.78mmol);NaF(174mg、4.1mmol)を使用して上述の手順に従ってMat−PrN31/35を調製した。Mat−PrN31/35(7.2g)。

0136

Mat−PrN31/101の調製
9.5gのP123;塩酸水溶液(400mL、pH=1.5);TEOS(21mL、96mmol);3−アジドプロピルトリメトキシシラン(0.20g、0.96mmol);NaF(180mg、4.3mmol)を使用して上述の手順に従ってMat−PrN31/101を調製した。Mat−PrN31/101(7.46g)。

0137

II.異なる希釈度のMat−PrNH2の調製(以下に示す希釈度は、全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当する)

0138

Mat−PrNH21/11の調製
代表的な手順
PMe2Ph(6mL、42mmol)を乾燥THF50mLに溶解させた溶液を5.25gの材料Mat−PrN31/11に添加した。室温で24時間撹拌した後、懸濁液をろ過し、生成物をTHFで洗浄した。得られた材料を、水10mLとTHF50mLの混合物中に分散させ、更に17時間撹拌した。その後、ろ過し、アセトン100mLで3回洗浄し、メタノール100mLで3回洗浄した。残存するホスフィンオキシドをソックスレーを用いてメタノールで48時間抽出して除去した。ろ過後、メタノール及びエーテルで洗浄し、135℃で減圧下(10−5mbar)12時乾燥することにより、Mat−PrNH21/13(4.76g)を白色固体として得た。

0139

Mat−PrNH21/17の調製
PMe2Ph(6.6mL、46mmol);THF(100mL);Mat−PrN31/16(6g)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNH21/16を調製した。Mat−PrNH21/16(5g)。

0140

Mat−PrNH21/20の調製
PMe2Ph(5mL、34.5mmol);THF(50mL);Mat−PrN31/20(5.2g)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNH21/20を調製した。Mat−PrNH21/20(5g)。

0141

Mat−PrNH21/26の調製
PMe2Ph(4mL、27.6mmol);THF(50mL);Mat−PrN31/31(5.25g)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNH21/26を調製した。Mat−PrNH21/26(5.05g)。

0142

Mat−PrNH21/35の調製
PMe2Ph(3mL、20.7mmol);THF(50mL);Mat−PrN31/41(5.25g)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNH21/35を調製した。Mat−PrNH21/35(5.10g)。

0143

Mat−PrNH21/101の調製
PMe2Ph(0.38mL、2.6mmol);THF(20mL);Mat−PrN31/101(1.59g)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNH21/101を調製した。Mat−PrNH21/101(1.22g)。

0144

III.異なる希釈度のMat−PrNHCO−TEMPOの調製(以下に示す希釈度は、全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当する。)

0145

Mat−PrNHCO−TEMPO1/11の調製
代表的な手順
O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートHBTU、892mg、2.35mmol、1.3当量)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、377mg、2.46mmol、1.4当量)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.3mL、7.51mmol、4.1当量)及び4−カルボキシ−TEMPO(471mg、2.35mmol、1.3当量)をTHF/DMF(50/50)混合物24mLに溶解させたものを、Mat−PrNH21/11(2.2g、1当量)をTHF48mLに懸濁させた懸濁液に添加した。室温で12時間撹拌した後、得られた材料をろ過し、THF(3×100mL)、トルエン(3×100mL)、ペンタン(3×100mL)及びエーテル(3×100mL)で洗浄した。135℃で減圧下(10−5mbar)12時間乾燥した後、Mat−PrNHCO−TEMPO1/11(1.89g)を淡黄褐色固体として得た。

0146

Mat−PrNHCO−TEMPO1/17の調製
HBTU(100mg、0.26mmol);HOBt(40mg、0.26mmol);DIEA(0.1mL、0.58mmol);4−カルボキシ−TEMPO(52mg、0.26mmol);THF/DMF(50/50)(7mL/7mL);Mat−PrNH21/17(400mg);THF(7mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−TEMPO1/17を調製した。Mat−Pr−TEMPO1/17(350mg)。

0147

Mat−PrNHCO−TEMPO1/20の調製
HBTU(130mg、0.34mmol);HOBt(47mg、0.31mmol);DIEA(0.17mL、0.98mmol);4−カルボキシ−TEMPO(61mg、0.30mmol);THF/DMF(50/50)(6mL/6mL);Mat−PrNH21/20(450mg);THF(6mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−TEMPO1/20を調製した。Mat−PrNHCO−TEMPO1/20(320mg)。

0148

Mat−PrNHCO−TEMPO1/26の調製
HBTU(173mg、0.46mmol);HOBt(63mg、0.41mmol);DIEA(1.3mL、7.51mmol);4−カルボキシ−TEMPO(86mg、0.43mmol);THF/DMF(50/50)(12mL/12mL);Mat−PrNH21/26(800mg);THF(10mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−TEMPO1/26を調製した。Mat−PrNHCO−TEMPO1/26(800mg)。

0149

Mat−PrNHCO−TEMPO1/35の調製
HBTU(134mg、0.35mmol);HOBt(51mg、0.33mmol);DIEA(1mL、5.78mmol);4−カルボキシ−TEMPO(66mg、0.33mmol);THF/DMF(50/50)(10mL/10mL);Mat−PrNH21/35(1g);THF(10mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−TEMPO1/35を調製した。Mat−PrNHCO−TEMPO1/35(879mg)。

0150

Mat−PrNHCO−TEMPO1/101の調製
HBTU(42mg、0.11mmol);HOBt(22mg、0.14mmol);DIEA(0.05mL、0.29mmol);4−カルボキシ−TEMPO(20mg、0.10mmol);THF/DMF(50/50)(12mL/12mL);Mat−PrNH21/101(465mg);THF(40mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−TEMPO1/101を調製した。Mat−PrNHCO−TEMPO1/101(385mg)。

0151

0152

図1にMat−PrNHCO−TEMPO1/11のTEM写真を示す。

0153

材料Mat−PrNHCO−TEMPO1/11の小角XRDパターンを図2に示す。

0154

以下の値が得られる:d(100)=9.4nm(2θ=0.93°)及びa0=13.1nm。

0155

TEM写真及び小角XRDディフラクトグラムはいずれも、Mat−PrNHCO−TEMPO1/11がワームライク構造を示すことを表している。

0156

図3にMat−PrNHCO−TEMPO1/101のTEM写真を示す。

0157

材料Mat−PrNHCO−TEMPO1/101の小角XRDパターンを図4に示す。

0158

以下の値が得られる:d(1,0,0)=10.5nm(2θ=0.83°)、d(1,1,0)=6.3nm(2θ=1.41°)、d(2,0,0)=5.5(2θ=1.62°)及びa0=14.6nm。

0159

TEM写真及び小角XRDディフラクトグラムはいずれも、Mat−PrNHCO−TEMPO1/101がヘキサゴナル構造を示すことを表している。

0160

0161

0162

実施例2−全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当するMat−PrNHCO−シクロヘキシルTEMPO1/35

0163

0164

代表的な手順
HBTU(79mg、0.21mmol);HOBt(30mg、0.20mmol);DIEA(0.11mL、0.64mmol);4−カルボキシ−シクロヘキシルTEMPO(58mg、0.21mmol);THF/DMF(50/50)(12mL/12mL);Mat−PrNH21/35(401mg);THF(40mL)を使用して上述の手順に従ってMat−PrNHCO−シクロヘキシルTEMPO1/35を調製した。Mat−PrNHCO−シクロヘキシルTEMPO1/35(352mg)。表面積=640m2/g、細孔容積=1.10cm3/g、平均孔径=9.2nm(N2吸着測定による)。ヘキサゴナル配列(XR−Dによる)。

0165

0166

実施例3−全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当するMat−BzNHCO−TEMPO1/31

0167

0168

0169

I.Mat−BzN31/31の調製
代表的な手順
6.8gのP123;塩酸水溶液(272mL、pH=1.5);TEOS(15.3mL、68.4mmol);3−アジドベンジルトリメトキシシラン(0.58g、2.28mmol);NaF(133mg、3.1mmol)を使用して、Mat−PrN31/11について述べた手順に従ってMat−BzN31/31を調製した。Mat−BzN31/31(3.42g)。

0170

0171

II.Mat−BzNH21/31の調製
PMe2Ph(1.9mL、13.1mmol);THF(30mL);Mat−BzN31/31(3.1g)を使用して、Mat−PrNH21/11について述べた手順に従ってMat−BzNH21/31を調製した。Mat−BzNH21/31(0.90g)。

0172

III.Mat−BzNHCO−TEMPO1/31の調製
HBTU(65mg、0.17mmol);HOBt(26mg、0.17mmol);DIEA(0.1mL、0.58mmol);4−カルボキシ−TEMPO(35mg、0.17mmol);THF/DMF(50/50)(8mL/8mL);Mat−BzNH21/31(399mg);THF(4mL)を使用して、Mat−PrNHCO−TEMPO1/11について述べた手順に従ってMat−BzNHCO−TEMPO1/31を調製した。Mat−BzNHCO−TEMPO1/31(340mg)。ヘキサゴナル構造(XRDより)。

0173

実施例4−全Si量と比較した有機フラグメントの量(mol)として定義される理論比に相当するMat−PrNHCO−トリチル1/35

0174

0175

O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU、67mg、0.18mmol、1.3当量)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、31mg、0.20mmol、1.5当量)、エチルジイソプロピルアミン(DIEA、0.1mL、0.54mmol、4当量)及びトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルベンゾ−[1,2−d;4,5−d’]ビス[1,3]ジチオール−4−イル)メチル(272mg、0.27mmol、2当量)をTHF/DMF(75/25)混合物10mLに溶解させたものを、Mat−PrNH21/35(300mg、1当量)をTHF10mLに懸濁させた懸濁液に添加した。室温で24時間撹拌した後、得られた材料をTHF(3×20mL)、トルエン(3×20mL)及びエーテル(3×20mL)を使用して濾過した。135℃で減圧下(10−5mbar)乾燥した後、Mat−PrNHCO−トリチル1/35(240mg)を黄色がかった粉体として得た。

0176

0177

0178

B.NMR実験

0179

NMR実験のための試料調製
8.5〜16.2mgの乾燥粉末を20〜30μLの検体含有溶液又は純粋な溶媒(H2O又は1,1,2,2−テトラクロロエタンEtCl4)と共に使用して、試料をインシピエントウェットネス含浸によって調製した(http://pubs.acs.org/JACSbeta/scivee/index.html#video2の動画を参考)。含浸した材料の総質量を測定し、試料をガラス撹拌棒を用いて混合することにより、ラジカル含有溶液を粉末中に均一に分布させた。次に、試料中へのMW透過が最大となるように、含浸した粉末を3.2mmサファイアNMRロータに充填した。ロータ内の含浸した材料の質量を測定し、ポリフルオロエチレン製栓で密閉して回転中に溶媒が漏れないようにした。ロータにジルコニアドライブチップを付け、すぐにDNP分光計に挿入した。

0180

固体NMR分光分析
スペクトルは全て、263GHzジャイロトロンマイクロ波システム(B0=9.4T、ωH/2π=400MHz、ωC/2π=100MHz、ωSi/2π=79.5MHz)を備えたBruker Avance III 400MHzDNPNMR分光計において取得した。プローブ導波管の出力で推定4Wの電力のMWビームを用いて、TOTAPOLのDNP増大率の最大値(263.334GHz)でMW照射が行われるように、NMR磁石の磁場掃引コイルを設定した。1H、13C及び29Siスペクトルは、試料温度を99K、試料回転周波数を13Cスペクトルでは12kHz、29Siスペクトルでは8kHzとして三重共鳴低温CPMASプローブを使用して記録した。取得の際、SPINAL−6438異核デカップリングを適用した(ω1H/2π=100kHz)。1H、13C及び29Siの化学シフトは、TMS(0ppm)を基準物質とする。

0181

標準的な交差分極(CP)を用いて、一次元(1D)カーボン13及びシリコン29のスペクトルを得た。13CCPMASの場合、1Hπ/2パルス長は2.5マイクロ秒(100kHz)であった。1Hチャネルには線形振幅ランプ公称RF磁場強度の50〜100%)を用い、接触時間は3.0ミリ秒、公称RF磁場振幅ν1は1Hでは68kH、13Cでは50kHzであった。RF磁場振幅ν1=100kHzで13Cシグナルを取得する際、SPINAL−64プロトンデカップリングを適用した。13C取得時間は10ミリ秒、複素ポイント(complex point)数は992であった。

0182

29SiCPMASの場合、1Hπ/2パルス長は2.5μs(100kHz)であった。1Hチャネルには線形振幅ランプ(公称RF磁場強度の50〜100%)を用い、接触時間は2.0ミリ秒、公称RF磁場振幅ν1は1Hでは65kHz、29Siでは50kHzであった。RF磁場振幅ν1=100kHzで29Siシグナルを取得する際、SPINAL−64プロトンデカップリングを適用した。29Si取得時間は10ミリ秒、複素ポイント数は992であった。

0183

良好な信号対雑音比を得るために、13Cについては32〜512回、29Siについては32〜1024回の走査回数でスペクトルを取得した。

0184

スペクトルの処理は、Topspinソフトウェアパッケージを用いて行った。

0185

DNP増大因子の算出
MW照射を用いて又は用いずに同様の実験条件下で得た核Xのスペクトルの強度を測ることによって、核X(εX)に対するDNP増大因子を求めた。

0186

“−”は測定できなかったことを意味する。
“X”は増大が見られなかったことを意味する。

0187

ゾルゲル法によりテンプレート経路を用いて得られる分布、ラジカルの材料中への充填及び孔径を制御することは、ラジカルの規則的な分布及びその充填の制御によって(ラジカル同士が互いに非常に接近している場合に観察される)クエンチによるラジカルの失活が起こらない限り、及び、NMRシグナルを増大させるのに充分なラジカルが存在する限り、DNPを用いる場合に特に興味深い。最適な状態を得るために、上記材料は充分な量の、ただし多すぎない量のラジカルを含む必要があり、そのため希釈バランスが重要である。実施例で観察されたように、ラジカル濃度が0.277mmol/gのPrNHCO−TEMPO1/11はNMRシグナル増大率で劣っており、最適な状態はラジカル濃度が0.06〜0.25mmol/gの場合に観察され、濃度が0.06mmol/gより低くなると増大率は下がり始める(PrNHCO−TEMPO1/101により実証される)。本発明者らは、より希釈された材料(0.03mmol/gより低い希釈度)も調製したが、これは非常に低い増大率となり、満足できるものではないと判断されたため、提示しなかった。

0188

また、これらの結果は、酸化物表面にラジカルを均一に分布させることが非常に難しいため(多孔質材料では、ほとんどの有機基が細孔の入口に存在し、互いに接近している)、ラジカルを酸化物担体上にグラフト化することによって得られるラジカルをドープした材料があまり有効ではないことも示唆している。

0189

実際に、重大な量のラジカルを有する材料の場合、ラジカルは互いに接近しており、NMR増大率はより希釈した系と比較して低いことがEPR法によって示されており、このことは確かにグラフト化した系にとって価値がある。

0190

比較例:
多孔質ではあるが構造化されていない市販のTEMPOを担持したシリカ系固体(SiliaCAT(R)TEMPO(LafonらによってApplied Magn.Reson.2012,43,237において使用されたもの))を用いて、48〜60mgの乾燥粉末に40〜60μLの溶媒H2O又はEtCl4をインシピエントウェットネス含浸させることにより以下の増大率を得た:H2O中の場合、εH=1.4及びε..<1.1、EtCl4中の場合、εH=3.5、εC=1.9及びε..<1.1。

0191

このことは、多孔質の材料、特に本発明の組織体を用いる利点を示している。

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