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技術 グルタチオンを含有する免疫増強剤

出願人 協和発酵バイオ株式会社
発明者 落合将之森田匡彦森下幸治加々美恵理香リッチー,ジョン
出願日 2013年9月27日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2015-516327
公開日 2015年11月2日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2015-531341
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 継時変化 一次評価 澱粉のり 結果変数 増殖増大 酸化ラジカル 検出力 総グルタチオン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月2日)のものです。
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図面 (4)

課題・解決手段

本発明は、有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者経口投与することを含む免疫機能増強方法に関する。本発明はまた、グルタチオン又はその塩を含んでなる免疫機能増強用経口剤、及び免疫機能増強への使用のためのグルタチオン又はその塩にも関する。

概要

背景

還元型グルタチオン(GSH)は、動物組織中に存在する最も豊富チオールであり(1−15mM)(非特許文献1)、またその関連する生合成経路レドックス経路、及び解毒経路と合わせて、細胞酸化ストレス及びフリーラジカル損傷に対する重要な防御系を代表する(非特許文献2−5)。

GSHは、一次細胞内レドックスバッファとして、タンパク質中のCysのチオール型を維持すること、及び酸化ラジカル恒常的な攻撃に対し細胞を保護する役割を果たす。それはまた、生体異物及び発癌物質などの様々な内在性及び外来性化合物解毒作用タンパク質構造及び機能の保持、タンパク質合成及び分解の調節、並びに免疫機能の調整を含む、数多くの他の重要な機能も有する(非特許文献6−8)。それ故、最適な血中及び組織中のGSHレベルを保持することは、健康を維持する上で極めて重要であり、またGSH合成ができないことは致死的である(非特許文献9)。

多くの研究が、たとえ部分的でもGSH喪失による、免疫機能の低下(非特許文献10)、広範囲の生体異物に対する感受性の増加(非特許文献11)、及び酸化的損傷(非特許文献12)を含む、多種多様な弊害を証明してきた。組織及び血中レベル又は産生におけるGSHの変化は、感染症(例えば、HIV)、遺伝性疾患(例えば、糖尿病)、生体異物誘導性疾患(例えば、アルコール性肝疾患)、及び変性性疾患(例えば、パーキンソン病及びアルツハイマー病)を含む多くの病理の症状であり、また加齢と密接な関係がある(非特許文献13−15)。

GSH投与効力を証明する実験室的及び疫学的データの豊富さにもかかわらず、ヒト患者における経口的GSH補給の有効性に関する直接的なデータはまだ殆どない。

概要

本発明は、有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者経口投与することを含む免疫機能増強方法に関する。本発明はまた、グルタチオン又はその塩を含んでなる免疫機能増強用経口剤、及び免疫機能増強への使用のためのグルタチオン又はその塩にも関する。

目的

本発明の目的は、GSH補給の効果を免疫機能のバイオマーカーに基づき検出することである

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者経口投与することを含む免疫機能増強方法

請求項2

有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むナチュラルキラー細胞細胞毒性増大方法

請求項3

有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むリンパ球増殖増大方法。

請求項4

前記患者がヒトであり、かつ前記投与が、グルタチオン又はその塩に換算して1日あたり50mgから5000mgである請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項5

前記患者がヒトであり、かつ前記投与が、グルタチオン又はその塩に換算して1日あたり250mgから5000mgである請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項6

前記投与が1日から1年間にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項7

前記投与が1週間から6か月間にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項8

前記投与が3か月間にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項9

前記投与が1日以上にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項10

前記投与が1週間以上にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項11

前記投与が3か月間以上にわたる請求項1に記載の免疫機能増強方法。

請求項12

グルタチオン又はその塩を含んでなる、免疫機能増強用経口剤

請求項13

グルタチオン又はその塩を含んでなる、ナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大用経口剤。

請求項14

グルタチオン又はその塩を含んでなる、リンパ球の増殖増大用経口剤。

請求項15

免疫機能増強への使用のための、グルタチオン又はその塩。

請求項16

ナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大への使用のための、グルタチオン又はその塩。

請求項17

リンパ球の増殖増大への使用のための、グルタチオン又はその塩。

技術分野

0001

本発明は、有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者経口投与することを含む免疫機能増強方法に関する。本発明はまた、グルタチオン又はその塩を含む免疫機能増強用経口剤、及び免疫機能増強への使用のためのグルタチオン又はその塩に関する。

背景技術

0002

還元型グルタチオン(GSH)は、動物組織中に存在する最も豊富チオールであり(1−15mM)(非特許文献1)、またその関連する生合成経路レドックス経路、及び解毒経路と合わせて、細胞酸化ストレス及びフリーラジカル損傷に対する重要な防御系を代表する(非特許文献2−5)。

0003

GSHは、一次細胞内レドックスバッファとして、タンパク質中のCysのチオール型を維持すること、及び酸化ラジカル恒常的な攻撃に対し細胞を保護する役割を果たす。それはまた、生体異物及び発癌物質などの様々な内在性及び外来性化合物解毒作用タンパク質構造及び機能の保持、タンパク質合成及び分解の調節、並びに免疫機能の調整を含む、数多くの他の重要な機能も有する(非特許文献6−8)。それ故、最適な血中及び組織中のGSHレベルを保持することは、健康を維持する上で極めて重要であり、またGSH合成ができないことは致死的である(非特許文献9)。

0004

多くの研究が、たとえ部分的でもGSH喪失による、免疫機能の低下(非特許文献10)、広範囲の生体異物に対する感受性の増加(非特許文献11)、及び酸化的損傷(非特許文献12)を含む、多種多様な弊害を証明してきた。組織及び血中レベル又は産生におけるGSHの変化は、感染症(例えば、HIV)、遺伝性疾患(例えば、糖尿病)、生体異物誘導性疾患(例えば、アルコール性肝疾患)、及び変性性疾患(例えば、パーキンソン病及びアルツハイマー病)を含む多くの病理の症状であり、また加齢と密接な関係がある(非特許文献13−15)。

0005

GSH投与効力を証明する実験室的及び疫学的データの豊富さにもかかわらず、ヒト患者における経口的GSH補給の有効性に関する直接的なデータはまだ殆どない。

先行技術

0006

Meister,A.,Glutathione metabolism and its selective modification.J Biol Chem,1988.263(33):p.17205−8.
Simone,G.,M.Tamba,and M.Quintiliani,Role of glutathione inaffecting the radiosensitivity of molecular and cellular systems.Radiat Environ Biophys,1983.22(3):p.215−23.
Saez,G.T.,Bannister,W.H.,Bannister,J.V.,Free radicals and thiol compounds−the role of glutathione against free radical toxicity.Glutathione:Metabolism and Physiological functions,ed.J.Vina1990,Boca Raton:CRCPress,Inc.237−254.
Sies,H.,Oxidative Stress1985,New York:Academic Press.
Sies,H.,Glutathione and its role in cellular functions.Free Radic Biol Med,1999.27(9−10):p.916−21.
Meister,A.and M.E.Anderson,Glutathione.Annu Rev Biochem,1983.52:p.711−60.
vina,J.,Glutathione:Metabolism and Physiological Functions.1990,Boca Taton:CRC Press.
Lu,S.C.,Regulation of hepatic glutathione synthesis:current concepts and controversies.Faseb J,1999.13(10):p.1169−83.
Shi,Z.Z.,et al.,Glutathione synthesis is essential for mouse development but not for cell growth in culture.Proc Natl Acad Sci USA,2000.97(10):p.5101−6.
Robinson,M.K.,et al.,Glutathione depletion in rats impairs T−cell and macrophage immune function. Arch Surg,1993.128(1):p.29−34;discussion 34−5.
Jollow,D.J.,Glutathione thresholds in reactive metabolite toxicity. Arch Toxicol Suppl,1980.3:p.95−110.
Ellouk−Achard,S.,et al.,Ex vivo and in vitro models in acetaminophen hepatotoxicity studies.Relationship between glutathione depletion,oxidative stress and disturbances in calcium homeostasis and energy metabolism.Arch Toxicol Suppl,1995.17:p.209−14.
Reid,M.and F.Jahoor,Glutathione in disease.Curr Opin Clin Nutr Metab Care,2001.4(1):p.65−71.
Macdonald,C.M.,J.Dow,and M.R. Moore, A possible protective role for sulphydryl compounds in acute alcoholic liver injury. Biochem Pharmacol,1977.26(16):p.1529−31.
Richie,J.P.,Jr.,The role of glutathione in aging and cancer.Exp Gerontol,1992.27(5−6):p.615−26.

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、GSH補給の効果を免疫機能のバイオマーカーに基づき検出することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は以下の通りである。
(1)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含む免疫機能増強方法。
(2)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むナチュラルキラー細胞細胞毒性増大方法
(3)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むリンパ球増殖増大方法。
(4)前記患者がヒトであり、かつ前記投与が、グルタチオン又はその塩に換算して1日あたり50mgから5000mgである(1)に記載の免疫機能増強方法。
(5)前記患者がヒトであり、かつ前記投与が、グルタチオン又はその塩に換算して1日あたり250mgから5000mgである(1)に記載の免疫機能増強方法。
(6)前記投与が1日から1年間にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(7)前記投与が1週間から6か月間にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(8)前記投与が3か月間にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(9)前記投与が1日以上にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(10)前記投与が1週間以上にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(11)前記投与が3か月間以上にわたる(1)に記載の免疫機能増強方法。
(12)グルタチオン又はその塩を含んでなる、免疫機能増強用経口剤。
(13)グルタチオン又はその塩を含んでなる、ナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大用経口剤。
(14)グルタチオン又はその塩を含んでなる、リンパ球の増殖増大用経口剤。
(15)免疫機能増強への使用のための、グルタチオン又はその塩。
(16)ナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大への使用のための、グルタチオン又はその塩。
(17)リンパ球の増殖増大への使用のための、グルタチオン又はその塩。
(18)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含む免疫機能増強方法。ただし、該方法は、ヒトに対する医療行為を含まない。
(19)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大方法。ただし、該方法は、ヒトに対する医療行為を含まない。
(20)有効量のグルタチオン又はその塩をその必要がある患者に経口投与することを含むリンパ球の増殖増大方法。ただし、該方法は、ヒトに対する医療行為を含まない。
(21)免疫機能増強用経口剤を製造するためのグルタチオン又はその塩の使用。
(22)ナチュラルキラー細胞の細胞毒性増大用経口剤を製造するためのグルタチオン又はその塩の使用。
(23)リンパ球の増殖増大用経口剤を製造するためのグルタチオン又はその塩の使用。

発明の効果

0009

本発明によれば、グルタチオン又はその塩により、免疫機能が増強され、かつナチュラルキラー細胞(NK細胞)の細胞毒性及びリンパ球増殖が増大される。

図面の簡単な説明

0010

図1は、GSH投与前(0か月)と、GSHを1,3,6または7か月間投与後に被験者から採取したリンパ球中のグルタチオン濃度の変化を示す。縦軸はリンパ球中のグルタチオン濃度(μmol/106cells)を表し、横軸は、C群はプラセボ群を表し、B群は1日あたりGSH 250mg投与群を表し、A群は1日あたりGSH 1000mg投与群を表す。横軸の同一群内のバーは、左から1,3,6および7か月間投与群を表す。値は、平均値±平均値の標準誤差を表し、*はベースライン値(GSH各濃度投与前)とA群のGSH投与後(1,3および6か月後)の測定値とを、カイ2乗検定を用いて検定した結果、有意差が認められた(p<0.05)ことを意味し、†は、プラセボ群(C群)とA群のGSH投与後(1および6か月後)の測定値とを、カイ2乗検定を用いて検定した結果、有意差が認められた(p<0.05)ことを示す。
図2は、GSH投与前(0か月)と、GSHを3か月間投与後に被験者から採取したリンパ球の増殖作用の変化を示す。縦軸は、細胞増殖にともなって3H−thymidineが細胞内に取り込まれたことによる放射活性(単位:counts per minute=cpm)を示し、横軸は、C群はプラセボ群を表し、B群は1日あたりGSH 250mg投与群を表し、A群は1日あたりGSH 1000mg投与群を表す。値は、平均値±平均値の標準誤差を表す。
図3は、GSH投与前(0か月)と、GSHを3か月間投与後に被験者から採取したNK細胞によるヒトK562細胞に対する細胞毒性作用の変化を表し、縦軸は、K562細胞による全放射活性に対する、NK細胞毒性により溶解したK562細胞からの放射活性の比を表す(単位:%溶解)。横軸は、C群はプラセボ群を表し、B群は1日あたりGSH 250mg投与群を表し、A群は1日あたりGSH 1000mg投与群を表す。値は、平均値±平均値の標準誤差を表し、*はベースライン値(GSH 1000mg投与前)と上記GSH 1000mg投与群の測定値とを、カイ2乗検定を用いて検定した結果、有意差が認められた(p<0.05)ことを示す。

0011

本発明で用いたグルタチオンは、還元型グルタチオン(GSH)及び酸化型グルタチオン包含する。GSHは、γ−L−Glu−L−Cys−Gly構造をもつトリペプチドを指し、酸化型グルタチオンは、2分子のGSHがSS結合により結合したグルタチオンジペプチドを指す。

0012

本発明で用いたGSH及び酸化型グルタチオンは、任意の製造プロセスにより取得され得る。GSH製造のためのプロセスの例は、酵母などの微生物からの抽出法(Methodsin Enzymology,1957年、第3巻、p.603)、化学的合成法(Bull.Chem.,Soc.Jpn.,1980年、第53巻、p.2529)、酵素的合成法(特開昭61−74595号公報)があり、酸化型グルタチオン製造のためのプロセスの一例としては、Acta Biochim.Pol.,1970年、第17巻、p.175の方法がある。GSH及び酸化型グルタチオンはまた、シグマアルドリッチコーポレーションから購入することができる。

0013

グルタチオンの塩の例としては、塩酸塩クエン酸塩リンゴ酸塩α−ケトグルタル酸塩、及びアスパラギン酸塩をあげることができ、他の塩又は2つ以上の塩の適当な組合せを使用してもよい。

0014

本願における、免疫機能とは、微生物の感染防御、他の固体の細胞の拒絶、変異細胞および老廃組織の除去にかかわる機能を意味し、例えば、NK細胞による細胞毒性およびリンパ球の増殖機能等が挙げられる。

0015

本願における、NK細胞とは、非Tおよび非B細胞系の特殊なリンパ球でウイルス感染の防御や腫瘍細胞の排除を行う細胞を意味する。

0016

本願における、免疫機能増強とは、例えば、T細胞の増殖を促進することによって、および/または腫瘍ウイルス感染細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性を高めることによって、微生物の感染防御や他の固体の細胞の拒絶、変異細胞および老廃組織の除去機能を高めることを意味する。

0017

本願における、NK細胞の細胞毒性とは、NK細胞が腫瘍細胞やウイルス感染細胞などに対し直接細胞を攻撃し、傷害を与えることを意味する。

0018

本願における、NK細胞の細胞毒性作用の増大とは、NK細胞が腫瘍細胞やウイルス感染細胞などに対し、直接攻撃し傷害を与える作用が促進されることを意味する。従って、NK細胞の毒性作用の増大は、腫瘍やウイルス性疾患治療方法および/または予防方法として有用である[「Annual Review 2002 免疫」、中外医学社、p.76−p.80]。

0019

本願における、リンパ球増殖とは、抗原刺激によるT細胞の細胞分裂による増殖を意味する。

0020

本願における、リンパ球増殖増強とは、抗原刺激によるT細胞の細胞分裂による増殖が増加することを意味し、これにより細胞内感染性微生物および細胞外感染微生物に対する細胞障害活性が増大する[「Annual Review 2002 免疫」、中外医学社、p.10−p.11]。その結果、該細胞内感染性微生物または該細胞外感染微生物を原因とする感染症の治療方法および/または予防方法として有用である。細胞内感染性微生物としては、例えば、ウイルスクラミジアリケッチアリステリアリーシュマニア好酸菌、チフス菌等が挙げられ、細胞外感染微生物としては、例えば、原虫真菌寄生虫マイコプラズマ腸炎球菌大腸菌等が挙げられる。

0021

マウス由来脾リンパ球を用いたIn vitroでの、コンカナバリン−A(Con A)誘導リンパ球増殖活性およびNK細胞毒性活性のGSH濃度依存的な増加が報告されている[Yakugaku Zasshi,126(10),pp.849−857,2006]。また、生体内でGSH産生作用がある2−ME(2−メルカプトエタノール)投与によるリンパ球増殖作用が知られている[J.Immunol.146(6),pp.1921−1927,1991]。さらに、グルタチオンの前駆体であるN−アセチルシステイン(N−Ac)のヒト経口投与による免疫細胞中でのグルタチオン濃度の増加、PHA刺激リンパ球増殖活性、NK細胞毒性活性の増大が報告されている。

0022

本願において、グルタチオンはそれ自体として投与され得るが、通常各種の製剤として投与するのが好ましい。

0023

製剤は、有効成分としてグルタチオンまたはその塩を含有し、更に任意の有効成分を含有していてもよい。また、それら製剤は、有効成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。

0024

製剤の投与形態は、免疫機能増強に際し最も効果的なものを使用するのが好ましく、経口投与、または静脈内、腹腔内もしくは皮下投与等の非経口投与を挙げることができるが、経口投与が好ましい。

0025

投与する製剤の剤形としては、例えば錠剤散剤顆粒剤丸剤懸濁剤乳剤浸剤煎剤カプセル剤シロップ剤液剤エリキシル剤エキス剤チンキ剤流エキス剤等の経口剤、注射剤点滴剤クリーム剤坐剤等の非経口剤のいずれでもよいが、経口剤として好適に用いられる。

0028

また、経口投与に適当な製剤には、一般に飲食品に用いられる添加剤、例えば甘味料着色料保存料、増粘安定剤、酸化防止剤発色剤漂白剤、防かび剤、ガムベース苦味料酵素光沢剤酸味料調味料乳化剤強化剤製造用剤、香料香辛料抽出物等が添加されてもよい。

0029

経口投与に適当な製剤は、そのまま、または例えば粉末食品シート状食品瓶詰め食品缶詰食品レトルト食品カプセル食品タブレット状食品流動食品ドリンク剤等の形態として、免疫機能増強用の健康食品、機能性食品栄養補助食品特定保健用食品等の飲食品として用いてもよい。

0030

経口用の、上記の防腐剤、保存剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1種以上の補助剤もまた、これらの非経口用製剤において使用され得る。

0031

本発明の免疫機能増強のためのグルタチオン又はその塩の濃度は、製剤の種類、製剤の投与により予想される効果などにより、適宜決定される。グルタチオン又はその塩は、通常0.1から100重量%、好ましくは1から100重量%、特に好ましくは25から100重量%の量で含有される。

0032

グルタチオン又はその塩が本発明に従って投与される場合、用量及び投与スケジュールは、投与経路、患者の年齢、及び体重等に応じて変化する。患者がヒトである場合、グルタチオンは、グルタチオン又はその塩に換算して1日あたり50mgから5000mg、好ましくは250mgから1000mg投与され得る。

0033

投与期間については特別な制限はないが、投与は1日から1年間、好ましくは1週間から6か月間、最も好ましくは3か月間にわたり得る。別の実施形態では、投与は1日以上、好ましくは1週間以上、さらに好ましくは3か月間以上にわたり得る。

0034

本発明の剤は、ヒトだけでなく、ヒト以外の動物(以降、非ヒト動物略記)にも使用され得る。

0035

非ヒト動物は、哺乳類鳥類爬虫類両生類、及び魚類といった、ヒト以外の動物を包含する。

0036

非ヒト動物への投与の場合、用量は、動物の年齢及び種類、並びに症状の性質及び重症度に応じて異なる。通常、薬剤は、オルニチン又はその塩、及びグルタチオン又はその塩に換算して、体重1kg当たり1mgから600mg、好ましくは2mgから200mg、さらに好ましくは4mgから60mgの一日用量となる量で、1日1回から数回投与される。

0037

投与期間については特別な制限はないが、通常は1日から1年間、好ましくは1週間から3か月間である。または、該投与は1日間以上でもよく、好ましくは1週間以上でもよく、さらに好ましくは3か月以上である。

0038

また、本発明には、ヒトを投与対象にして1日あたり50mg〜5000mg、好ましくは250mg〜1000mgのグルタチオンまたはその塩を1日以上、好ましくは1週間以上、より好ましくは3か月以上投与する様に調整された免疫機能増強用、NK細胞の細胞毒性増強用、リンパ球増殖増強用の経口剤も含まれる。

0039

本発明は、実施例により以下に記載される。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0040

1.研究デザイン及び方法
デザインは、3つの群(GSH 1000mg/日、GSH 250mg/日、及びプラセボ)に無作為割当てられた健康な被験者(年齢28−79、平均=46.6歳)の招集を含む。被験者48人、群当たり16人の目標集積は、検出力計算と、セレニウムを用いた先の臨床試験の結果(El−Bayoumy,K.et al.,Cancer Epidemiol Biomarkers Prev,2002年、第11巻、第11号、p.1459−65)とを基準とした。血液試料を、ベースラインにおいて全ての被験者から採取した。被験者は以下のスケジュールに従って補給を開始した。グルタミンカプセルはスポンサーである協和発酵USAから提供された。下記のようにカプセルを調剤し、被験者は以下のスケジュールに従って補給を開始した。
・A群、GSH:500mg/カプセル、及びセルロース:15mg/カプセル(毎日2錠);
・B群、GSH:125mg/カプセル、及びセルロース:360mg/カプセル(毎日2錠);
・C群(プラセボ)、セルロース:470mg/カプセル(毎日2錠)。

0041

適格参加者を無作為に、プラセボ(C群),高用量(A群)又は低用量(B群)グルタチオン群のいずれかに割当てた。補給は6か月間継続し、生体試料をベースラインから1、3、及び6か月後に採取した。6か月で補給を中止した。最後の生体試料の採取は、1か月のウォッシュアウト期間の後に行った。

0042

血液試料は、前静脈から、抗凝固剤としてヘパリンナトリウムを含有する3つのチューブ内へ採取し、直ちに上に置いた。血液試料は、午前9時と午後1時との間に採取し、被験者は採取前に絶食しなかった。チューブを穏やかな振盪により混合し、全血2.5ml分を、好中球食作用及び呼吸バースト(下記参照)の分析用取り分けた。2つの全血0.5ml分を、将来の分析用に取り分け−80℃で保存した。残りの血液を、1300xgで10分間遠心分離して、血漿軟膜、及び赤血球分画を得た。複数の血漿0.5ml分を、1.5mlのクライオバイアルに入れ、直ちに−80℃で凍結した。濃縮赤血球生理食塩水で3回洗浄し、複数のクラバイアル分注し(各0.5ml)、−80℃で凍結した。軟膜分画を合わせ、リンパ球をフィコール-ハイパック密度勾配遠心法により単離した。手短に言えば、フィコールを3ml添加後、軟膜を、19℃において400gで30分間遠心した。リンパ球層を取り除き、PBSで2回洗浄し、続いて250gで10分間遠心した。最終洗浄後、リンパ球をPBS5ml中に再懸濁した。細胞数は、細胞懸濁液10μlに対しトリパンブルー40μlを添加した後に、血球計算板を用いて算定した。細胞を、95%FBS、5%DMSO中に、2.5x106細胞/mlの濃度で再懸濁し、リンパ球増殖及びNK細胞毒性の分析(下記参照)用に液体窒素中で保存した。細胞は、以下に記載の通り、酸抽出まで氷上に保持した。

0043

<グルタチオン>
グルタチオンは、4つの時点(1、3、6、及び7か月)の各々からのリンパ球のメタリン酸(MPA)抽出物として測定した。リンパ球用には、5x106細胞を含有する濃縮リンパ球のアリコートに、5%MPAを400μl添加した。激しい混合及び室温で15分間のインキュベーションの後、試料を14,000gで2分間遠心した。上清及びペレットを別々に、フリー及びGSHの各々の分析まで−80℃で保存した。GSHを1日あたり250mgまたは1000mg投与して投与開始から1、3、6および7か月後に被験者から採取したリンパ球中のグルタチオン濃度を測定したものを図1に示す。

0044

<リンパ球増殖>
5つの時点(0、1、3、6、及び7か月)の各々からのリンパ球試料解凍し、3回洗浄し、細胞生存率計数した。細胞を、T細胞分裂促進因子フィトヘマグルチニン(PHA)の存在及び非存在下に、1x105及び5x104細胞/細胞の双方で、3枚に播種した。細胞増殖は、3H−チミジン取込みによりモニターした。細胞内放射能は、液体シンチレーションカウンティングにより測定し、結果をcpmで表した。3か月目のリンパ球増殖作用の評価結果(プラセボ,250mg/日投与群および1000mg/日投与群)を図2に示す。

0045

<NK細胞の細胞毒性>
NK細胞の細胞毒性は、標的細胞として51クロム酸ナトリウムで標識したヒトK562細胞を用いて算定した。K562細胞を標識した後、それらを96ウェルプレートに入れた(1x104細胞/ウェル)。5つの時点の各々からのリンパ球試料を解凍し、3回洗浄し、計数して細胞生存率を測定し、エフェクター:標的細胞比10:1で、3つのウェルに添加した。37℃で4時間のインキュベーション後、細胞を採取し、上清をガンマ測定により放射能分析した。結果は、(cpm実験的放出−cpm自然発生的放出)/(cpm最大−自然発生)として計算された、標的細胞溶解(%溶解)のパーセントとして表される。3か月目のNK細胞の細胞毒性作用の評価結果(プラセボ,250mg/日投与群および1000mg/日投与群)を図3に示す。

0046

この試験は、GSHの効力の証拠を提供するべくデザインされ、かつ短期間(1か月)及び長期間(6か月)の効果の評価を包含する。先の実験動物試験及び臨床データに基づき、経口的GSH補給の効果は漸進的かつ蓄積性であろうと予測された。血中GSHレベルに対するセレニウムの、同様の6か月までの漸進的な効果が、健康な成人男性において既に観察された(El−Bayoumy,K.et al.,Cancer Epidemiol Biomarkers Prev,2002年、第11巻、第11号、p.1459−65)。加えて、研究デザインはまた、結果変数に対する補給中止の影響の評価も可能にした。用量は、先の臨床試験結果に基づき、生物学的に関連した応答が試験期間内に観察され得る見込みを最適化するべく選択された。

0047

2.研究の統計的分析
重要なバイオマーカー(NK細胞の細胞毒性、及びリンパ球増殖)に対するグルタチオンの効果の一次評価は、反復測定ANOVA分散分析)を用いて、ベースラインから処理の最後までの変化を各群で比較することを包含するものである。別法として、スチューデントt検定及び反復測定ANOVAを用いて、バイオマーカーレベルの平均継時変化を各年齢群で比較することもできる。

0048

3.血中の免疫機能マーカーに対する経口的グルタチオンの効果
リンパ球増殖、及びNK細胞の細胞毒性を包含する、免疫機能のいくつかの異なる血液ベースパラメータについて、GSH投与のインパクトを調べた。リンパ球及びNK細胞アッセイは、凍結した精製リンパ球分画について実施した。これら後半のアッセイは、凍結された細胞標本から得られる、生きていてかつ増殖性の細胞の収率に依存する。それ故、全ての試料を慎重かつ迅速に処理して、純粋なリンパ球分画を得、これらを次に、最適の細胞生存を維持するべくデザインされたプロトコールを用いて凍結した。これらのアッセイでは、アッセイ対アッセイのバラつきを避けるため、所与の固体由来の各時点の全試料を、同じ日に全て一緒に分析することが重要であることから、生存率が最小限少なくとも7か月間は凍結された試料において維持されることが必要であった。生存率の最低レベルに達しなかった細胞試料は、さらなる分析に使用できなかった。この理由から、残念ながら数多くのリンパ球試料が分析に使用できなかった。このことは、恐らくは研究中に起きた−80℃のフリーザー機能不全から生じたものと考えられる。試料は解凍されなかったが、一定期間−15℃までの温かい温度を体験した。これらの消失試料の結果として、使用可能なプレサンプル及びポスト−サンプルであった被験者のn値は、リンパ球増殖には群当たり8−9、またNK細胞の細胞毒性アッセイには群当たり5−6に過ぎなかった。したがって、統計的検出力、とりわけサブグループ分析については、ネガティブな影響を受けた。

0049

<リンパ球総グルタチオン
リンパ球レベルについての経口的GSH投与の効果は、図1に要約される。値は、百万細胞ベース当たりで表され、0.7から6.7μmol/106細胞まで変動した。約30%の最大増加が、高GSH群で6か月後に観察された。高用量群では、増加は時間依存性であるように見え、レベルは投与1か月から3か月へ、6か月へと漸次に増加した。以上のように、高投与量(1.0g/日)時には投与期間依存的にGSH濃度がリンパ球中に蓄積し、かつ投与前(0か月)と比べても有意差を示したことから、GSHに基づく薬効発現(例えば、免疫増強機能等)が期待される。

0050

<リンパ球増殖>
リンパ球増殖に対するGSH投与の効果は、図2に要約される。平均増殖能における増加は、3か月後に、双方のGSH群において用量依存様式で観察された。このことは、GSH投与からの結果として生じる、リンパ球増殖の増大に向かう傾向を示唆している。

0051

従って、GSHまたはその塩は、免疫機能増強剤として有用であり、好ましくは、T細胞の増殖を促進し、および/または腫瘍やウイルス感染細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性を高めることで、微生物の感染防御や他の固体の細胞の拒絶、変異細胞および老廃組織の除去機能を高める剤として有用である。さらに、好ましくは、細胞内感染性微生物(例えば、ウイルス、クラミジア、リケッチア、リステリア、リーシュマニア、好酸菌、チフス菌等)および細胞外感染微生物(例えば、原虫、真菌、寄生虫、マイコプラズマ、腸炎球菌、大腸菌等)に対する細胞障害活性を増大し、該細胞内感染性微生物または該細胞外感染微生物を原因とする感染症の治療剤および/または予防剤として有用である。

0052

<NK細胞の細胞毒性>
NK細胞の細胞毒性に対するGSH投与の効果は、図3に要約される。平均%溶解値における増加は、3か月後に、双方のGSH群において用量依存的様式で観察されたが、高GSH用量の施行群でのみ有意であった(P値=0.01)。

0053

従って、GSHまたはその塩は、免疫機能増強剤として有用であり、好ましくは、T細胞の増殖を促進し、および/または腫瘍やウイルス感染細胞に対するNK細胞の細胞傷害活性を高めることで、微生物の感染防御や他の固体の細胞の拒絶、変異細胞および老廃組織の除去機能を高める剤として有用である。好ましくは、腫瘍細胞やウイルス感染細胞などに対し、直接攻撃し傷害を与える作用を促進する剤として有用である。さらに好ましくは腫瘍やウイルス性疾患の治療剤および/または予防剤として有用である。

0054

全体的には、これは長期間のGSH補給の有効性を初めて証明した、非常に成功した試験であった。

実施例

0055

本出願は、2012年9月28日出願の米国仮出願第61/707,286号に基づくものであり、同特許出願の内容は参考として本明細書に援用される。

0056

本発明によれば、グルタチオン又はその塩により、免疫機能が増強され、かつナチュラルキラー細胞(NK細胞)の細胞毒性及びリンパ球増殖が増大される。

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