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課題・解決手段

本開示は、対象における血管関連障害、特に妊娠関連血管障害予後診断及び/又は診断のための方法に関する。本開示は、正の相関が、対象における血管障害事象の積極的予測と、ヒト及び動物における循環マーカーNTproCNP(NT-CNPとも称される)の濃度との間に存在するという所見に基づく。加えて、本開示は、正の相関が、妊娠中の血管関連有害事象の発生と、母体循環における循環マーカーNTproCNPの濃度との間にも存在するという所見に基づく。

概要

背景

妊娠における合併症に関連する又はその原因となる血管障害を含む血管障害は、多くの場合、対象において検出されずにいる。それ故、リスクのある、好ましくは障害発症前の対象における血管障害の早期予測についての改善された方法に関する必要性が存在する。高血圧症高脂血症家族歴糖尿病及び喫煙を含む、冠動脈性心疾患又は脳卒中を予測するいくつかのリスク因子識別されているが、血管事象は、これらの有害なリスク因子を有さない30%までの対象において発生する。このような血管障害によって現れる状態の最適な管理にも関わらず、血管事象は現れた後も(1年当たり10〜20%の対象において)発生し続ける。このような事実により、血管障害のより良い理解並びに検出及び監視の改善された手段についての必要性が強調されている。

例えば、対象における血管障害のリスクのバイオマーカー予測は、妊娠の間、臓器機能に脅威を与える病理変化の発生及び/又は有害事象の発生の前にこれらの対象を識別することによって治療可能性を改善し、それ故、リスクのある対象に個別に合わせられる特異的療法を可能にする。

C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、心臓血管恒常性を維持するのに重要なナトリウム利尿ペプチドのファミリーに属する。心臓ホルモンANP及びBNPと異なり、CNPは、中枢神経系、再生系、骨格及び血管内皮組織を含む広範囲の組織において発現される。内皮CNPの調節はまだほとんど理解されていないが、インビトロ研究は、TGFベータ並びにPDGF及びFGFなどの他の成長因子を含む様々なサイトカイン関与している。

CNPは局所的に作用し、その起源にて急速に分解されるが、CNP遺伝子発現産物血漿中で測定されうる。対照的にC型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)のアミノ末端プロペプチドは血漿中で急速に分解されないので、インビボで組織CNP産生を測定する新たなアプローチが提供されている{Prickett TCRら(2001) Biochemical and Biophysical Research Communications 286(3):513〜517頁}。

本発明者が知る限りでは、CNP及び/又はNTproCNPペプチドベル内皮機能及び動脈硬化症の発症の血管リスクに関して検査されている1つの研究のみが存在している。血管疾患のリスクを立証するために選択された117人の高齢男性の研究において、より低い濃度のNTproCNPは、より高い血管リスクスコア及び正常な機能が損なわれた内皮機能に関連した{Vlachopoulos Cら(2010) Atherosclerosis 211(2):649〜55頁}。これらの所見は、血管系内のより低いCNP(血漿中のより低い濃度のペプチドによって反映される)が、対象を動脈硬化症にかかりやすくするという見解と一致した。対照的に、本発明者らは、唯一の以前の研究と対照的に、血漿NTproCNPの増加は実際に血管リスクと関連していることを見出した。

加えて、妊娠の状況、特に妊娠の間に血管関連の有害事象を発生する妊娠対象におけるCNP濃度、特にNTproCNP濃度の役割についての検査は以前には存在していない。

概要

本開示は、対象における血管関連障害、特に妊娠関連血管障害の予後診断及び/又は診断のための方法に関する。本開示は、正の相関が、対象における血管障害事象の積極的予測と、ヒト及び動物における循環マーカーNTproCNP(NT-CNPとも称される)の濃度との間に存在するという所見に基づく。加えて、本開示は、正の相関が、妊娠中の血管関連有害事象の発生と、母体循環における循環マーカーNTproCNPの濃度との間にも存在するという所見に基づく。

目的

一実施形態において、本開示は、血管障害を獲得する成体対象のリスクを予測する方法であって、
(i)対象由来生体試料中N末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、
(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来基準範囲と比較する工程と
を含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が血管障害を獲得するリスクの増加を予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する

効果

実績

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請求項1

血管障害を獲得する成体対象のリスク予測する方法であって、(i)対象由来生体試料中N末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来基準範囲と比較する工程とを含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が血管障害を獲得することを予測し、更に、前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む、方法。

請求項2

(iii)対照集団由来の循環NTproCNPのレベルと比較して循環NTproCNPが増加していることが見出されている対象に治療レジメンを施す工程を更に含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定し、第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時間であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、前記第1及び第2の試料中のNTproCNPのレベルを比較する工程であって、前記第1及び第2の試料の間のNTproCNPの循環レベルの増加が、血管障害を獲得するリスクの増加を示す、比較する工程とを含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

成体対象における血管障害を診断する方法であって、(i)対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来の基準範囲と比較する工程とを含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が血管障害を示し、更に、前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む、方法。

請求項5

(iii)対照集団由来の循環NTproCNPのレベルと比較して循環NTproCNPが増加していることが見出されている対象に治療レジメンを施す工程を更に含む、請求項4に記載の方法。

請求項6

対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定し、第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時点であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、前記第1及び第2の試料中のNTproCNPのレベルを比較する工程であって、第1及び第2の試料の間のNTproCNPの循環レベルの増加が、血管障害の発生及び/又は血管障害の持続を示す、比較する工程とを含む、請求項4又は5に記載の方法。

請求項7

対照集団が、血管情報が知られている、性別及び年齢が一致した対象である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

基準範囲が、対照集団由来の平均循環NT-proCNP濃度である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

血管障害が、冠動脈疾患(CAD)、急性冠症候群(ACS)、不安定狭心症心筋梗塞;急性虚血症候群、血栓性脳卒中;一過性虚血発作(TIA)、末梢動脈疾患(PAD)、深部静脈血栓(DVT)、動脈硬化症アテローム性動脈硬化症心房細動カテーテル血栓性閉塞;血栓性閉塞及び再閉塞、並びに任意の血管の動脈血栓症、並びに妊娠関連血管障害又はこれらのいずれかの組合せから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測する方法であって、(i)妊娠対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、(ii)測定したNTproCNPのレベルを、妊娠対象の適切な対照集団由来の基準範囲と比較する工程とを含み、対照集団由来の基準範囲と比較した、測定したNTproCNPの循環レベルの増加が妊娠関連血管障害を獲得することを予測し、更に、前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む、方法。

請求項11

妊娠関連血管障害は、加速胎児成長減速胎児成長、胎児消失胎盤早期剥離子癇前症(妊娠性高血圧症)、高血圧症、早期産(自然及び切迫早期産を含む)、分娩前出血高血糖症臍帯血管障害胎盤成長の障害、及びHELLP症候群又はこれらのいずれかの組合せから選択される、請求項10に記載の方法。

請求項12

NTproCNPの測定が、妊娠期間20〜24週にて決定される、請求項10又は11に記載の方法。

請求項13

13.3pmol/L超のNTproCNP血漿濃度が、対象における有害事象発生を予測する、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測する方法であって、(i)第1の時点における妊娠対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、(ii)第2の時点における同じ対象由来の生体試料中のNTproCNPを測定する工程とを含み、第1及び第2の時点の間のNTproCNPの循環レベルの増加が妊娠関連血管障害を予測し、更に、前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む、方法。

請求項15

第1の時点が妊娠期間24週の前であり、第2の時点は妊娠期間24週以後である、請求項14に記載の方法。

請求項16

第1及び第2の時点が4週離れている循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタパーセントの増加が、対象における妊娠関連血管障害又は有害事象発症を予測する、請求項14又は15に記載の方法。

請求項17

妊娠対象の対照集団が、合併症のない妊娠の状態で性別及び年齢が一致した対象である、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

基準範囲が、対照集団由来の平均循環NTproCNP濃度である、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

生体試料が体液である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

体液が、血漿、血液、血清、尿、滑液脳脊髄液リンパ液精液羊水膣分泌物又は任意の他の体液から選択される、請求項19に記載の方法。

請求項21

妊娠中に妊娠関連血管障害を獲得する妊娠していない対象のリスクを予測する方法であって、(i)妊娠前の第1の時点における対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、(ii)妊娠中の第2の時点における同じ対象由来の生体試料中のNTproCNPを測定する工程と、(iii)第1及び第2の時点の間の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程とを含み、第1及び第2の時点の間のNTproCNPの循環レベルの増加が、妊娠中の妊娠関連血管障害を予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む、方法。

請求項22

第2の時点が少なくとも妊娠期間24週である、請求項21に記載の方法。

請求項23

第1及び第2の時点が4週離れている循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタパーセントの増加が、対象における妊娠関連血管障害又は有害事象発症を予測する、請求項21又は22に記載の方法。

請求項24

妊娠関連血管障害の発症について妊娠対象を監視する方法であって、(i)対象由来の第1の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)のレベルを測定する工程と、(ii)第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時点であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、(iii)前記第1及び第2の試料中の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程とを含み、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの増加が、妊娠関連血管障害の発症及び/又は妊娠関連血管障害の進行を予測し、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの減少が、合併症のない妊娠及び/又は妊娠関連血管障害の回復/改善を予測する、方法。

請求項25

抗血管剤又は療法を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視する方法であって、(i)対象由来の第1の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)のレベルを測定する工程と、(ii)第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料が同じ対象から採取される、測定する工程と、(iii)前記第1及び第2の試料中の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程とを含み、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの増加が抗血管剤又は療法に対する応答不良を示し、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの減少が抗血管剤又は療法に対する良好な応答を示す、方法。

請求項26

対象が、妊娠又は妊娠していない対象である、請求項25に記載の方法。

請求項27

NTproCNPの循環レベルの対応する増加又は減少に応じて対象に施される抗血管療法の用量及び/又は頻度を増加又は減少させる工程を更に含む、請求項25又は26に記載の方法。

請求項28

請求項29

PDEv阻害剤又はCNPアゴニストを用いた治療に対する妊娠対象の要求又は応答性を監視する、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

結合剤が抗体又はその抗原結合断片である、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。

請求項31

抗体又はその抗原結合断片が固相固定化される、請求項30に記載の方法。

請求項32

妊娠関連血管障害を含む血管障害を有する又は獲得するリスクのある対象から得られる生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)のレベルを測定するキットであって、NTproCNPに選択的に結合し、NTproCNPに結合すると定量的に測定されうる結合剤を含む、キット。

請求項33

血管障害を獲得する成体対象のリスクを予測するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤。

請求項34

成体対象における血管障害を診断するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤。

請求項35

抗血管剤を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤。

請求項36

妊娠関連血管障害を獲得する対象のリスクを予測するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤。

請求項37

妊娠関連血管障害の発症について妊娠対象を監視するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤。

請求項38

血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測するための医薬の製造におけるN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤の使用。

請求項39

成体対象における血管障害を診断するための医薬の製造におけるN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤の使用。

請求項40

抗血管剤を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視するための医薬の製造におけるN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤の使用。

請求項41

妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測するための医薬の製造におけるN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤の使用。

請求項42

妊娠関連血管障害の発症について妊娠対象を監視するのに使用するための医薬の製造におけるN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)結合剤の使用。

技術分野

0001

関連出願及び参照による組み込み
本明細書の全ての引用文献又は参考文献、並びに本明細書の引用文献における全ての引用文献又は参考文献は、本明細書又は本明細書に参照により組み込まれている任意の文献において述べられている任意の製品についての任意の製造業者指示書説明書製品仕様書、及び製品シートと共に、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。

0002

本開示は、対象における血管関連障害、特に妊娠関連血管障害予後診断及び/又は診断のための方法に関する。

背景技術

0003

妊娠における合併症に関連する又はその原因となる血管障害を含む血管障害は、多くの場合、対象において検出されずにいる。それ故、リスクのある、好ましくは障害発症前の対象における血管障害の早期予測についての改善された方法に関する必要性が存在する。高血圧症高脂血症家族歴糖尿病及び喫煙を含む、冠動脈性心疾患又は脳卒中を予測するいくつかのリスク因子識別されているが、血管事象は、これらの有害なリスク因子を有さない30%までの対象において発生する。このような血管障害によって現れる状態の最適な管理にも関わらず、血管事象は現れた後も(1年当たり10〜20%の対象において)発生し続ける。このような事実により、血管障害のより良い理解並びに検出及び監視の改善された手段についての必要性が強調されている。

0004

例えば、対象における血管障害のリスクのバイオマーカー予測は、妊娠の間、臓器機能に脅威を与える病理変化の発生及び/又は有害事象の発生の前にこれらの対象を識別することによって治療可能性を改善し、それ故、リスクのある対象に個別に合わせられる特異的療法を可能にする。

0005

C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は、心臓血管恒常性を維持するのに重要なナトリウム利尿ペプチドのファミリーに属する。心臓ホルモンANP及びBNPと異なり、CNPは、中枢神経系、再生系、骨格及び血管内皮組織を含む広範囲の組織において発現される。内皮CNPの調節はまだほとんど理解されていないが、インビトロ研究は、TGFベータ並びにPDGF及びFGFなどの他の成長因子を含む様々なサイトカイン関与している。

0006

CNPは局所的に作用し、その起源にて急速に分解されるが、CNP遺伝子発現産物血漿中で測定されうる。対照的にC型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)のアミノ末端プロペプチドは血漿中で急速に分解されないので、インビボで組織CNP産生を測定する新たなアプローチが提供されている{Prickett TCRら(2001) Biochemical and Biophysical Research Communications 286(3):513〜517頁}。

0007

本発明者が知る限りでは、CNP及び/又はNTproCNPペプチドベル内皮機能及び動脈硬化症の発症の血管リスクに関して検査されている1つの研究のみが存在している。血管疾患のリスクを立証するために選択された117人の高齢男性の研究において、より低い濃度のNTproCNPは、より高い血管リスクスコア及び正常な機能が損なわれた内皮機能に関連した{Vlachopoulos Cら(2010) Atherosclerosis 211(2):649〜55頁}。これらの所見は、血管系内のより低いCNP(血漿中のより低い濃度のペプチドによって反映される)が、対象を動脈硬化症にかかりやすくするという見解と一致した。対照的に、本発明者らは、唯一の以前の研究と対照的に、血漿NTproCNPの増加は実際に血管リスクと関連していることを見出した。

0008

加えて、妊娠の状況、特に妊娠の間に血管関連の有害事象を発生する妊娠対象におけるCNP濃度、特にNTproCNP濃度の役割についての検査は以前には存在していない。

0009

WO 08/042855
米国特許第7618943号
WO 04/099139
米国特許第7,919,255号

先行技術

0010

Prickett TCRら(2001) Biochemical and Biophysical Research Communications 286(3):513〜517頁
Vlachopoulos Cら(2010) Atherosclerosis 211(2):649〜55頁
J. Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、T.A. Brown (編)
Essential Molecular Biology: A Practical Approach、1及び2巻、IRL Press (1991)、D.M. Glover及びB.D. Hames (編)
DNA Cloning: A Practical Approach、1〜4巻、IRL Press (1995及び1996)
F.M. Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience (1988、現在までの全てのアップデートを含む)
Ed Harlow and David Lane(編) Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、(1988)
J.E. Coliganら(編) Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons(現在までの全てのアップデートを含む)
Koch Aら(2012) Clin Biochem 45(6):429〜35頁
Kohlerら(1975) Nature 256(5517):495〜7頁
Huseら(1989) 246(4935):1275〜81頁
WyattSMら(2005) 26(5):372〜9頁
Levey ASら(1990) 1306:461〜70頁
Prickett TCRら(2005) Pediatric Research 2005 58(2):334〜340頁
Yandle TGら(1993) Peptides 14(4):713〜716頁
Olney RCら(2012) Clin Endocrinol (Oxf) 2012年3月21日doi:10.1111/j.1365〜2265.2012.04392.x
Cole TJ (1990) Eur J Clin Nutr 44(1):45〜60頁
McDowell MAら(2008) National Health Statistics Reports 10:1〜45頁
Schouten BJら(2011) 32(4):797〜804頁
Casco VHら(2002) Journal of Histochemistry & Cytochemistry 50 (6):799〜809頁
JonesGTら(2005) 42(3):237〜46頁
Dutta Pら(2012) Nature 487 (7407頁)
Stepan Hら(1998) Journal of Perinatal Medicine 26(1):56〜8頁
Walther Tら(2004) Journal of Endocrinology 180(1):17〜22頁
Myatt Lら(2009) Journal of Thrombosis and haemostasis 7(3):375〜84頁
Sugulle Mら(2012) Hypertension 59(2):395〜401頁
Wright SPら(2004) Hypertension 43(1):94〜100頁
Schouten BJら(2012) Clinical endocrinology 76(6):790〜6頁

0011

本開示は、NTproCNPが対象における血管障害のバイオマーカーであり、更にそれが妊娠対象における血管関連の有害事象のリスクを予測するバイオマーカーであるという前提に基づく。特に、本開示は、正の相関が、対象における血管障害事象の積極的予測と、ヒト及び動物における循環マーカーNTproCNP(NT-CNPとも称される)の濃度との間に存在するという発見に基づく。加えて、本開示は、妊娠中の血管関連の有害事象の発生と、母体循環系における循環マーカーNTproCNPの濃度との間に正の相関も存在するという発見に基づく。

0012

一実施形態において、本開示は、血管障害を獲得する成体対象のリスクを予測する方法であって、
(i)対象由来生体試料中N末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、
(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来基準範囲と比較する工程と
を含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が血管障害を獲得するリスクの増加を予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0013

一例において、方法は、(iii)対照集団由来の循環NTproCNPのレベルと比較して循環NTproCNPが増加していることが見出されている対象に治療レジメンを施す工程を更に含む。

0014

更なる例において、方法は、対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定し、第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時間であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、前記第1及び第2の試料中のNTproCNPのレベルを比較する工程であって、第1及び第2の試料の間のNTproCNPの循環レベルの増加が、血管障害を獲得するリスクの増加を示す、比較する工程とを更に含む。

0015

別の実施形態において、本開示は、成体対象における血管障害を診断する方法であって、
(i)対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、
(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来の基準範囲と比較する工程と
を含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が血管障害を示し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0016

一例において、方法は、(iii)対照集団由来の循環NTproCNPのレベルと比較して循環NTproCNPが増加していることが見出されている対象に治療レジメンを施す工程を更に含む。

0017

任意の実施形態に係る更なる例において、生体試料中でNTproCNPを測定する工程は1回より多く行われてもよい。例えば、1、2、3、4、5、10、15回などの測定が、数時間、数日、数週、数ヶ月又は数年に及ぶ期間にわたって実施されてもよい。

0018

更なる例において、方法は、対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定し、第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時点であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、前記第1及び第2の試料中のNTproCNPのレベルを比較する工程であって、第1及び第2の試料の間のNTproCNPの循環レベルの増加が、血管障害の発生及び/又は血管障害の持続を示す、比較する工程とを含む。第1及び第2の試料の間のタイミングは、典型的に、臨床医の裁量による。これは、例えば、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月又は数年の期間であってもよい。

0019

別の実施形態において、本開示は、成体対象における動脈硬化症を診断する方法であって、
(i)対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、
(ii)測定したNTproCNPのレベルを、適切な対照集団由来の基準範囲と比較する工程と
を含み、対照集団と比較したNTproCNPの循環レベルの増加が動脈硬化症を示し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0020

一例において、方法は、(iii)対照集団における循環NTproCNPと比較して循環NTproCNPが増加していることが見出されている対象に動脈硬化症の治療レジメンを施す工程を更に含む。

0021

本開示に係る「適切な対照集団」とは、血管情報が知られている性別及び年齢が一致した対象を指す。対照集団は、測定したNT-CNPレベルが比較される適切な基準範囲を提供するために使用される。

0022

本開示に係る「血管障害」は、冠動脈疾患(CAD)、急性冠症候群(ACS)、不安定狭心症心筋梗塞;急性虚血症候群、血栓性脳卒中;一過性虚血発作(TIA)、末梢動脈疾患(PAD)、深部静脈血栓(DVT)、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症心房細動カテーテル血栓性閉塞;血栓性閉塞及び再閉塞、並びに任意の血管の動脈血栓症、並びに妊娠関連血管障害を含む前記の1つ又は複数から選択されてもよい。

0023

一例において、血管障害は冠動脈疾患である。別の例において、血管障害は動脈硬化症である。別の例において、血管障害はアテローム性動脈硬化症である。

0024

別の実施形態において、本開示は、妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測する方法であって、
(i)妊娠対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)を測定する工程と、
(ii)測定したNTproCNPのレベルを、妊娠対象の適切な対照集団由来の基準範囲と比較する工程と
を含み、対照集団由来の基準範囲と比較したNTproCNPの測定循環レベルの増加が妊娠関連血管障害を獲得することを予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0025

特定の例において、方法は、妊娠中の妊娠関連血管障害の発生を強く予測する。なお更なる例において、方法は、少なくとも78%の陽性予測値で妊娠関連血管事象の発生を予測する。別の形式で表すと、増加したレベルのNTproCNPを示す事例の78%は妊娠関連血管事象を経験する。

0026

特定の例において、妊娠関連血管障害は、妊娠(妊娠期間)中の妊娠した女性の対象又は発育中の胎児のいずれかで発生しうる有害事象である。本開示に係るこのような病態は、加速胎児成長減速胎児成長、胎児消失胎盤早期剥離子癇前症(妊娠性高血圧症)、高血圧症、早期産(自然及び切迫早期産を含む)、分娩前出血高血糖症臍帯血管障害、胎盤成長の障害、及びHELLP症候群又はこれらのいずれかの組合せから選択されてもよい。一例において、胎盤成長の障害は子宮内胎児発育遅延(IUGR)である。別の例において、胎盤成長の障害は、絨毛炎(villitis)、虚血、又は胎盤低潅流である。

0027

このような有害事象を評価する方法は当業者に公知である。このような方法論には、超音波ドップラースキャン血圧の測定、血液検査、及び/又は羊水穿刺が含まれる。

0028

本開示に係る「妊娠対象の対照集団」とは、合併症のない/正常な妊娠の状態で同じ妊娠期間にて年齢が一致した対象を指す。対照集団は、測定したNTproCNPレベルが比較される適切な基準範囲を提供するために使用される。一例において、対照対象は、腎機能障害慢性肝疾患代謝性骨疾患又は慢性心疾患から選択される1つ又は複数の病態を患っていない。なぜなら、このような病態はNTproCNPレベルを不自然に上昇させるのに関与しているからである。

0029

一例において、NTproCNPの測定は妊娠期間20〜24週にて決定される。別の例において、NTproCNPの測定は妊娠期間24週にて決定される。

0030

一例において、13.3pmol/Lより多いNTproCNP血漿濃度は対象における有害事象発生を予測する。

0031

別の実施形態において、本開示は、妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測する方法であって、
(i)第1の時点における妊娠対象由来の生体試料中のN末端pro-C型ナトリウム利尿ペプチド(NTproCNP)レベルを測定する工程と、
(ii)第2の時点における同じ対象由来の生体試料中のNTproCNPレベルを測定する工程と
を含み、第1及び第2の時点の間のNTproCNPの循環レベルの増加が妊娠関連血管障害を予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0032

特定の例において、妊娠関連血管障害は上記のような有害事象である。

0033

一例において、第1の時点は妊娠期間24週の前であり、第2の時点は妊娠期間24週以後である。

0034

別の例において、第1の時点は妊娠期間約20週であり、第2の時点は妊娠期間約24週、28週、32週又は36週である。

0035

更に別の例において、第1及び第2の時点が4週離れている循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタ%(パーセンテージの変化)の増加は、対象における妊娠関連血管障害又は有害事象開始を予測する。

0036

本明細書で使用される場合、「デルタ%」という用語は、所与変数(すなわち、NTproCNPのレベル又は濃度)のパーセンテージの変化を指すと理解される。デルタパーセンテージは、NTproCNPの第1の濃度を得て、NTproCNPの最初の濃度を引き、次いで結果をパーセンテージとして表す場合、この値をNTproCNPの最初の濃度で割ることによって決定される。このように、非限定的な例として、最初の13pmol/LのNTpropCNP濃度から4pmol/Lの増加は31%の変化を表す。

0037

明確さのために、少なくとも約25〜33デルタ%の増加は、例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33デルタパーセンテージ(%の変化)、並びにそれらの間の分数を含む。

0038

更に別の例において、方法は、更なる時点における生体試料中のNTproCNPを測定する工程を更に含んでもよい。好ましくは、これは4週の間隔で試料間のNTproCNP濃度を比較する工程を含み、4pmol/Lより大きい差異は対象における有害事象を予測する。

0039

生体試料中の「NTproCNPを測定する」という用語は、試料中のNTproCNPペプチドレベル又は濃度の決定を可能にする方法論を指す。一例において、NTproCNP濃度はpmol/Lとして表される。別の例において、NTproCNP濃度はパーセンテージの変化(デルタ%)として表される。NTproCNP濃度又はNTproCNPレベルという用語は交換可能に使用されてもよい。

0040

本開示の任意の方法に係る一例において、生体試料は体液である。別の例において、体液は、血漿、血液、血清、尿、滑液脳脊髄液リンパ液精液羊水膣分泌物又は任意の他の体液から選択される。特定の例において、生体試料は循環血漿である。

0041

別の実施形態において、本開示はまた、妊娠中に妊娠関連血管障害を獲得する妊娠していない対象のリスクを予測する方法であって、
(i)妊娠前の第1の時点における対象由来の生体試料中のNTproCNPを測定する工程と、
(ii)妊娠中の第2の時点における同じ対象由来の生体試料中のNTproCNPを測定する工程と、
(iii)第1及び第2の時点の間の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程と
を含み、第1及び第2の時点の間のNT-CNPの循環レベルの変化が妊娠中の妊娠関連血管障害を予測し、更に前記測定する工程が、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む方法を提供する。

0042

一例において、第1の時点と、妊娠期間4週から20週までの任意の時点で測定した第2の時点との間の循環レベル又は濃度の有意な減少の非存在は、対象における妊娠関連血管障害又は有害事象を予測する。更なる例において、第2の時点は、妊娠期間8、12、16又は20週において採取されてもよいが、妊娠期間5、6、7、9、10、11、13、14、15、17、18及び/又は19週において採取される標本点を排除しない。別の例において、第2の時点は典型的に妊娠期間12週付近に実施される妊娠検査訪問時に対応する。

0043

別の例において、第1及び第2の時点の間のNTproCNPの循環レベルの増加は妊娠関連血管障害を予測する。一例において、第2の時点は少なくとも妊娠期間24週である。別の例において、第2の時点は、少なくとも妊娠期間28週、32週又は36週である。

0044

別の例において、方法は、妊娠中の1つ又は複数の更なる時点においてNTproCNPを測定する工程を含んでもよい。例えば、1、2、3、4、5、7、8回の測定が妊娠期間にわたって実施されてもよい。更なる例において、4週間離れた連続測定の間の4pmol/Lより大きい差異は妊娠関連血管障害を予測する。別の例において、第1及び第2の時点が4週間離れている妊娠期間中の循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタ%(パーセンテージの変化)の増加は、対象における妊娠関連血管障害又は有害事象の開始を予測する。

0045

特定の例において、妊娠関連血管障害は上記のような有害事象である。

0046

本明細書に記載される任意の方法によれば、方法は、対象に適切な治療レジメンを施す工程を更に含んでもよい。特に、治療レジメンは、対象が、対照集団における循環NTproCNP血漿濃度と比較して循環血漿NTproCNP濃度が増加しているか、又は第1及び第2の時点の間の血漿循環NTproCNP濃度が増加していることが見出されている対象に投与されるべきである。

0047

対象の適切な治療は当業者によく知られている。このような治療レジメンは適切な医薬の投与を含んでもよく、例えば、抗血管剤が以下に記載されている。代替の治療レジメンは床上安静又は胎児出産誘導を含んでもよい。

0048

別の実施形態において、本開示はまた、妊娠関連血管障害の開始及び/又は進行について妊娠対象を監視する方法であって、
(i)対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程と、
(ii)第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料は、後の時点であるが、第1の試料と同じ対象から採取される、測定する工程と、
(iii)前記第1及び第2の試料中の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程と
を含み、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの増加が、妊娠関連血管障害の開始及び/又は既存の妊娠関連血管障害の進行を予測し、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの減少が、合併症のない妊娠及び/又は妊娠関連血管障害の回復/改善を予測する方法を提供する。

0049

一例において、方法は、対象が第1及び第2の試料の間の増加したレベルのNTproCNPを有することが見出される場合、対象に適切な治療レジメンを施す工程を更に含む。一例において、治療レジメンは妊娠糖尿病(gestational diabetes)について対象を治療することを含む。別の例において、治療レジメンは子癇前症について対象を治療することを含む。別の例において、治療レジメンは胎児を治療することを含む。一例において、胎児の治療は手術を含む。

0050

本明細書に開示される任意の方法に係る一例において、測定する工程は、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することを含む。一例において、結合剤は抗体又は抗原結合断片である。一例において、抗体はモノクローナル抗体又は抗原結合断片である。一例において、NTproCNPの結合は固相固定化される抗体又は抗原結合断片を使用して測定される。

0051

一例において、妊娠関連血管障害の発生について妊娠対象を監視する方法は、対象由来の生体試料中のCNPのレベルを測定する更なる工程を含んでもよい。本発明者らは、胎盤CNP及びNTproCNPが、妊娠の間に有害事象を有さない女性と比較して有害事象を有する女性において増加することを見出した。一例において、試料は胎盤組織であり、別の例において、試料は慢性絨毛試料(CVS)である。或いは、妊娠対象が高い循環NTproCNPを有することを示している場合、更なるCVS試料が採取されてもよく、測定されたCNPのレベルにより、必要とされうる更なる試験若しくは治療又は妊娠の間の妊娠対象のより頻度の高い監視について産科医に警告できる。

0052

本開示の任意の方法に係る一例において、対象はヒト又は非ヒト霊長類である。別の例において、対象はヒトである。一例において、対象は血管障害又は妊娠関連血管障害についての治療レジメンを受けていてもよい。平均対照レベル/基準範囲から有意な偏差が見出される場合、臨床医はそれに応じて治療レジメンを修正してもよい。例えば、NTproCNPはスタチン療法の血管効果の指標として役立ちうる。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)はアテローム性動脈硬化症の発生に関与するコレステロール下げるために臨床診療において広範に利用されている。経時的に対象におけるNTproCNPレベルを監視することによって、NTproCNPの循環レベルのあらゆる変化が、障害を治療するために対象に投与されるスタチンの用量及び/又は頻度を調整するために臨床医によって使用されうる。

0053

別の実施形態において、本開示は、抗血管剤又は療法を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視する方法であって、
(i)対象由来の第1の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程と、
(ii)第2の生体試料中のNTproCNPのレベルを測定する工程であって、第2の生体試料が同じ対象から採取される、測定する工程と、
(iii)前記第1及び第2の試料中の測定したNTproCNPのレベルを比較する工程と
を含み、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの増加が抗血管剤又は療法に対する応答不良を示し、第1及び第2の試料の間のNTproCNPのレベルの減少が抗血管剤又は療法に対する良好な応答を示す方法を提供する。

0054

この実施形態に係る対象は妊娠した又は妊娠していない対象であってもよい。

0055

一例において、第1及び第2の試料の間の循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタ%(パーセンテージの変化)の増加は抗血管療法に対する応答不良を示す。別の例において、第1及び第2の試料の間の循環NTproCNPレベルの少なくとも約25〜33デルタ%(パーセンテージの変化)の減少は抗血管療法に対する良好な応答を示す。別の例において、第1及び第2の試料は4週離れて採取される。

0056

一例において、方法は、NTproCNPの循環レベルの対応する増加又は減少に応じて対象に施される抗血管療法の用量及び/又は頻度を増加又は減少させる工程を更に含む。

0057

一例において、第1の試料は任意の抗血管剤又はその組合せの投与前に採取され、第2の試料は任意の抗血管剤又はその組合せの投与後に採取される。別の例において、第1及び第2の試料は任意の抗血管剤又はその組合せの投与後に採取される。第1及び第2の試料の採取並びにNTproCNPの測定は、典型的に、臨床医の裁量による。試料を得る間の期間もまた、臨床医の裁量によってもよく、例えば、対象に施される抗血管療法に応じて、数分、数時間、数日、数週、数ヶ月又は数年の期間であってもよい。

0058

一例において、抗血管剤又は療法は、限定されないが、HMG-CoA還元酵素阻害剤、抗高脂血症剤、内皮増殖因子剤(例えば、ベバシズマブなどの抗VEGF抗体)、微小管阻害剤(例えば、ビンブラスチンパクリタキセルBTO-956)、超音波(WO 08/042855に記載されている)、融合ポリペプチド(米国特許第7618943号に記載されている)、インドール含有化合物(WO 04/099139に記載されている)、血管形成術ステント抗凝固剤アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(PDE阻害剤)ベータ遮断剤ニトレートアンジオテンシンII受容体遮断剤(ARB)、カルシウムチャネル遮断剤(CCB)、アルファ遮断剤、アルファ-ベータ遮断剤、血管拡張剤、又はそれらの任意の組合せから選択される。

0059

対象が妊娠しているかどうかに依存して、投与される抗血管剤又は療法の種類は臨床医の裁量による。例えば、妊娠対象において、療法は子宮への血流を増大するために施されてもよい。例えば、対象は、バイアグラ若しくはシアリスなどのPDEv阻害剤又はCNPアゴニストを投与されてもよい。従って、別の実施形態において、本開示はまた、PDEv阻害剤又はCNPアゴニストを用いた治療に対する成体対象の要求又は応答性を監視する方法を提供する。

0060

別の実施形態において、本開示は、妊娠関連血管障害を含む血管障害を有する又は獲得するリスクのある対象から得た生体試料中のNTproCNPのレベルを測定するキットであって、NTproCNPに選択的に結合し、NTproCNPに結合すると定量的に測定されうる結合剤を含むキットを提供する。キットは、妊娠した及び妊娠していない対象の両方においてNTproCNPレベルを測定するために使用されてもよい。別の例において、対象は成体対象である。

0061

一例において、対象から得られる生体試料は、血液、血漿、血清、尿、滑液、脳脊髄液、リンパ液、精液、膣分泌物、羊水又は任意の他の体液から選択される。

0062

一例において、結合剤は、クロマトグラフィー酸化/還元蛍光発光、質量、分子量、放射線又はそれらの任意の組合せによって測定される。

0063

本開示はまた、血管障害を獲得する成体対象のリスクを予測するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するNTproCNP結合剤を提供する。

0064

本発明はまた、成体対象における血管障害を診断するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するNTproCNP結合剤を提供する。

0065

本発明はまた、抗血管剤を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するNTproCNP結合剤を提供する。

0066

本発明はまた、妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するNTproCNP結合剤を提供する。

0067

本発明はまた、妊娠関連血管障害の発生について妊娠対象を監視するのに使用するためのNTproCNPに選択的に結合するNTproCNP結合剤を提供する。

0068

本発明はまた、血管障害を獲得する成体対象のリスクを予測するための医薬の製造におけるNTproCNP結合剤の使用を提供する。

0069

本発明はまた、成体対象における血管障害を診断するための医薬の製造におけるNTproCNP結合剤の使用を提供する。

0070

本発明はまた、抗血管剤を用いた治療に対する成体対象の応答性を監視するための医薬の製造におけるNTproCNP結合剤の使用を提供する。

0071

本発明はまた、妊娠関連血管障害を獲得する妊娠対象のリスクを予測するための医薬の製造におけるNTproCNP結合剤の使用を提供する。

0072

本発明はまた、妊娠関連血管障害の発生について妊娠対象を監視するのに使用するための医薬の製造におけるNTproCNP結合剤の使用を提供する。

図面の簡単な説明

0073

遺伝子/cDNAシークエンシング研究からproCNPについて予測される公開されたアミノ酸配列を示す図である。ウシヒツジ、ヒト、マウスラット及びブタのproCNP配列についての配列を並べる。
男性(L)及び女性(R)の年齢と共に血漿NTproCNP(A及びB)及びCNP(C及びD)の変動を示す図である。太線中央値;線、5及び95パーセンタイル
男性、r=-0.27、p<0.001(A)及び女性、r=-0.32、p<0.001(B)の身長と共に血漿NTproCNP濃度の相関を示す図である。
健常ボランティアの21〜80、r=0.56、p<0.001における血漿NTproCNP濃度とクレアチニンとの間の相関を示す図である。線、最小二乗法による回帰直線フィット
トボランティア(H.vol)及び冠動脈疾患(CAD)コホートが、血管リスク因子及び関連する血管の数のそれぞれによって階層化されていることを示す図である。バー当たりのデータ点の数を各バー内で表す。データは平均±SEMとして表す。
正常及び合併症の妊娠における一連母体血漿NTproCNP(A)及びCNP(B)濃度を示す図である。値は平均(±SEM)である。健康な年齢の一致した妊娠していない女性(黒塗り四角形)もまた、各グラフの左端に示す。
正常(n=17)対合併症のある(n=21)妊娠の20及び36週のそれぞれにおける母体のNTproCNPの血漿濃度を示す図である。データは平均±SEMとして表す。
胎盤病変を有する患者における血漿NTproCNP濃度の上昇を示す図である。黒塗りの記号は正常な妊娠期間における一連の変化と比較して病理学的事象の時間を識別している(黒塗りの円、平均±SEM n=11)。
妊娠における合併症を予測する際の妊娠期間24週でのNTproCNP測定に対する感度及び特異性を示す図である。

0074

概要
「及び/又は」、例えば「X及び/又はY」という用語は、「X及びY」又は「X又はY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味又はいずれかの意味についての明確な支持を提供すると解釈される。

0075

本明細書全体にわたって、「含む(comprise)」という単語、又は「含む(comprises)」若しくは「含んでいる(comprising)」などの変形は、述べられている要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を包含するが、任意の他の要素、整数若しくは工程、又は要素、整数若しくは工程の群を排除しないことを示すと理解される。

0076

本明細書全体にわたって、具体的に別様で述べられていない限り、又は文脈が別様を必要としない限り、単一の工程、事柄の構成、工程の群又は事柄の構成の群に対する参照は、これらの工程、事柄の構成、工程の群又は事柄の構成の群の1つ及び複数(すなわち1つ又は複数)を包含すると解釈される。

0077

当業者は、本明細書に記載されている本発明が、具体的に記載されているもの以外の変更及び修飾を受けることができることを理解するであろう。本発明は全てのこのような変更及び修飾を含むと理解される。本発明はまた、本明細書に個々に又はまとめて参照されているか、又は示されている工程、特徴、組成物及び化合物の全て、並びに前記工程又は特徴の任意及び全ての組合せ又は任意の2つ以上を含む。

0078

本発明は、例示のみを目的とすることを意図する、本明細書に記載されている特定の実施形態による範囲に限定されない。機能的に等価の産物、組成物及び方法は、本明細書に記載されているように、明確に本発明の範囲内である。

0079

本明細書における任意の実施形態は、具体的に別様で述べられていない限り、変更すべきところは変更して、任意の他の実施形態に適用すると解釈される。

0080

具体的に別様で定義されていない限り、本明細書に使用されている全ての技術的及び科学的用語は、当業者(例えば、免疫学免疫組織化学タンパク質化学、及び生化学)により一般的に理解されているものと同じ意味を有すると解釈される。

0081

別様で示されていない限り、本開示に利用されている技術は、当業者に周知である標準的な手段である。このような技術は、J. Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、T.A. Brown (編)、Essential Molecular Biology: A Practical Approach、1及び2巻、IRL Press (1991)、D.M. Glover及びB.D. Hames (編)、DNA Cloning: A Practical Approach、1〜4巻、IRL Press (1995及び1996)、並びにF.M. Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience (1988、現在までの全てのアップデートを含む)、Ed Harlow and David Lane(編) Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、(1988)、並びにJ.E. Coliganら(編) Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons(現在までの全てのアップデートを含む)などの情報源文献全体にわたって記載され、説明されている。

0082

選択された定義
本明細書に使用されている「成体」対象という用語は骨年齢によって定義され、すなわち、線形成長が停止している対象を指すことを意図する。一例において、成体対象は生物学的年齢が20歳以上である。

0083

本明細書に使用されている「生体試料」という用語は、血漿、血液、血清、尿、滑液、脳脊髄液、リンパ液、精液、羊水、膣分泌物又は任意の他の体液から選択される生体液を含む。

0084

本明細書に使用されている「レベル」という用語は、NT-CNPの体重当たりの量又は体重当たりの質量を指すことを意図する。それはまた、体積当たりの量又は体積当たりの質量として表される「濃度」を包含することを意図する。「循環レベル」という用語は、循環流体に存在するNT-CNPの体重当たりの量又は体重当たりの質量又は濃度を指すことを意図する。典型的に、NTproCNPの濃度はpmol/Lとして表される。

0085

本明細書に使用されている「CNP」という用語は、C型ナトリウム利尿ペプチドを指し、CNP遺伝子NPPCの産物であるプロホルモン(proCNP(1〜103))に由来する生物学的に活性なペプチドを指す。公知の生物学的に活性なペプチドには、CNP-53(proCNP(51〜103)及びCNP-22(proCNP(82〜103))が含まれる。一例において、CNPはヒトCNPである。

0086

本明細書に使用されている「NTproCNP」という用語は、アミノ末端proC型ナトリウム利尿ペプチドを指すことを意図する。それは、proCNP(1〜81)に存在するアミノ酸配列から選択される連続アミノ酸の任意の識別的に検出可能な配列を包含する。この用語はNTproCNPと交換可能に使用されてもよい。一例において、NTproCNPはヒトNTproCNPである。

0087

本明細書に使用されている「基準範囲(reference interval)」という用語は、代表的濃度の統計的帯域内の数字又は代替として上限若しくは下限濃度を有する数字を指すことを意図する。基準範囲は典型的に、循環NT-CNPのレベルの不自然な上昇を生じうる既存の病態を1つも有さない対象から得られる。これらの病態は本明細書のいずれかの場所に説明されている。基準範囲という用語はまた、対照対象の試料からのNTproCNP濃度を意味することを指してもよい。

0088

本明細書に使用されている「対象」という用語は、ヒト又は非ヒト霊長類を指すことを意図する。一例において、対象はヒトである。別の例において、対象は妊娠したヒト対象である。

0089

本明細書に使用されている「妊娠している(pregnant)」という用語は、女性の子宮における受精及び子(又は胎児)の発生である妊娠の状態を指す。

0090

「妊娠期間(gestation)」という用語は、受胎から生誕までの子宮における胚又は胎児の発生の期間を指す。ヒトにおいて、妊娠期間は約266日(約38〜40週)である。

0091

本明細書に使用されている「結合剤(binding agent)」という用語は、小分子、ポリクローナル又はモノクローナルに関わらず任意の種由来の抗体、Fab及びFab2などの抗原結合断片、ヒト化抗体キメラ抗体、或いはアミノ酸置換及び/又は他のペプチド若しくはタンパク質(例えばPEG)との融合を含む他の方法で修飾された抗体を含む、NTproCNPペプチドに結合する任意の分子を指すことを意図する。それはまた、任意の種由来の受容体若しくは結合タンパク質又はそれらの修飾形態を含む。一例において、結合剤はNTproCNPに特異的に結合する。

0092

本明細書に使用されている「特異的に結合する」という用語は、結合剤が、代替の物質と反応又は会合するより、頻繁に、迅速に、長い時間及び/又は大きな親和性で、特定の物質と反応又は会合することを意味すると解釈される。例えば、NTproCNPに特異的に結合する結合剤は、関連していないタンパク質及び/又はそのエピトープ若しくは免疫原性断片に結合するより、大きな親和性、結合活性で、容易に、及び/又は長い時間、そのタンパク質又はそのエピトープ若しくは免疫原性断片に結合する。それはまた、例えば、第1の標的(例えば、NTproCNP)に特異的に結合する結合剤が、第2の標的に特異的に結合してもよいか、又はしなくてもよいというこの定義を読むことによって理解される。このように「特異的に結合している」は、別の分子の結合又は検出不能の結合を排除することを必ずしも必要としない。一般に、必ずではないが、結合に対する参照は特異的結合を意味する。

0093

本開示に係る「血管障害」という用語は、循環系の血管系の又はそれについての病変を指す。例示的な病態には、冠動脈疾患(CAD);不安定狭心症及び非ST上昇心筋梗塞を含む、急性冠症候群(ACS);急性冠虚血症候群;最初又は後の血栓性脳卒中;一過性虚血発作(TIA);末梢動脈疾患(PAD);深部静脈血栓(DVT);動脈硬化症;アテローム、心房細動;カテーテル血栓性閉塞;血栓性閉塞及び再閉塞;並びにこれらの1つ又は複数を含む任意の血管の動脈血栓症が含まれる。

0094

本明細書に使用されている「アテローム(atheroma)」という用語は、通常、マクロファージ細胞及び/又は細胞残渣から構成されており、脂質(例えば、コレステロール)、カルシウム及び線維性結合組織を含有する動脈壁における蓄積及び膨張を指すことを意図する。アテロームは、動脈硬化症の3つのサブタイプのうちの1つであるアテローム性動脈硬化症において生じ、動脈硬化症の3つのサブタイプには、アテローム性動脈硬化症、メンケベルグ動脈硬化症及び細動脈硬化症がある。

0095

本明細書に使用されている「アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)」という用語、動脈血管に影響を与える慢性血管炎症性疾患を指す。それは主に、動脈壁におけるリポタンパク質プラーク(血漿タンパク質、コレステロール、トリグリセリド、カルシウム及び瘢痕組織からなる)の堆積に起因する応答である。

0096

本明細書に使用されている「動脈硬化症(arteriosclerosis)」という用語は、中又は大動脈のあらゆる硬化(及び弾性喪失(los))を示す一般用語を指す。この用語は過去において「ミオコンディティス(myoconditis)」として知られている。

0097

本明細書に使用されている「冠動脈疾患(coronary artery disease)」という用語は、冠動脈のうちの1つ又は複数のアテローム性動脈硬化症を指す。

0098

心臓発作(heart attack)(心筋梗塞(myocardial infarction)、AMI、MI)」という用語は、最も一般的には冠動脈における不安定プラークの破裂に起因して、心臓の一部への血液供給中断される医学的状態を指すことを意図する。心臓発作はまた、冠動脈が一時的に縮小するか、又は激しい痙攣の状態になる場合に生じ得、心臓への血流を、事実上、遮断する。いずれにしても、生じる虚血又は酸素欠乏により、心臓組織の損傷及び死の可能性の原因となる。

0099

本明細書に使用されている「血栓症又は血栓塞栓症事象(thrombotic or thromboembolic event)」は以下を含むことを意図する:心房細動、不安定狭心症を含む急性冠症候群、急性心筋梗塞虚血性脳卒中、急性冠虚血症候群、血栓症、血栓塞栓症、末梢動脈疾患、深部静脈血栓、任意の血管の動脈血栓症、カテーテル血栓性閉塞、血栓性閉塞及び再閉塞、一過性虚血発作、最初又は後の血栓性脳卒中。

0100

「軽度の脳卒中」としても知られている「TIA又は一過性虚血発作(TIA or Transient ischaemic attack)」という用語は、脳への血流の一時的な中断を指すことを意図する。この症状(前兆)は、それらが数分又は数時間以内になくなることを除いて虚血性脳卒中と同様である。TIAは本格的な脳卒中リスクの重要な指標であるが、高い頻度で、対象はそれを知ることもなくTIAを有している。

0101

「抗体」という用語は、少なくとも1つの可変領域内に含まれる抗原結合部位のためにNT-CNPなどの標的に特異的に結合できる免疫グロブリン分子を指す。この用語は、4本鎖の抗体(例えば、2本の軽鎖及び2本の重鎖)、組換え又は修飾抗体{例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、脱免疫化抗体(de-immunized antibodies)、半抗体、二重特異性抗体}並びにドメイン抗体及び重鎖のみの抗体などの単一ドメイン抗体{例えば、ラクダ抗体又は軟骨魚類免疫グロブリン新規抗原受容体(IgNAR)}を含む。抗体は一般に、定常領域又は定常断片若しくは結晶可能断片(Fc)内に配列されうる、定常ドメインを含む。抗体の好ましい形態は、それらの基本単位として4本鎖構造を含む。完全長抗体は、共有結合した2本の重鎖(約50〜70kDa)及び2本の軽鎖(各々約23kDa)を含む。軽鎖は一般に、可変領域及び定常ドメインを含み、哺乳動物においてκ軽鎖又はλ軽鎖のいずれかである。重鎖は一般に、可変領域及びヒンジ領域によって更なる定常ドメインに結合した1つ又は2つの定常ドメインを含む。哺乳動物の重鎖は以下の種類α、δ、ε、γ又はμのうちの1つである。各々の軽鎖はまた、重鎖の1つに共有結合している。例えば、2本の重鎖と、重鎖及び軽鎖は、鎖間ジスルフィド結合及び非共有相互作用によって一緒に保持される。鎖間ジスルフィド結合の数は異なる種類の抗体の中で変化してもよい。各々の鎖は、N末端可変領域(各々が約110アミノ酸長であるVH又はVL)及びC末端において1つ若しくは複数の定常ドメインを有する。軽鎖(約110アミノ酸長であるCL)の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメイン(約330〜440アミノ酸長であるCH)と並べられ、ジスルフィド結合する。軽鎖可変領域は重鎖の可変領域と並べられる。抗体重鎖は、2又はそれ以上の更なるCHドメイン(例えば、CH2、CH3など)を含んでもよく、CH1とCm定常ドメインの間で識別されうるヒンジ領域を含んでもよい。抗体は任意の種類(例えば、IgGIgEIgMIgDIgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスであってもよい。一例において、抗体はネズミ科(マウス又はラット)抗体又は霊長類(好ましくはヒト)抗体である。「抗体」という用語は、インタクトなポリクローナル又はモノクローナル抗体だけではなく、バリアント、抗原結合部位を有する抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、霊長類化抗体、脱免疫化抗体又はベニア抗体も包含する。

0102

「抗原結合断片」という用語は、好ましくはNT-CNPに特異的に結合するNT-CNPに結合する能力を保持する抗体の任意の断片を意味すると解釈される。この用語は、特に、Fab断片、Fab'断片、F(ab')断片、一本鎖抗体(SCA又はSCAB)を含む。「Fab断片」は、抗体分子一価抗原結合断片からなり、インタクトな軽鎖及び重鎖の一部からなる断片を生じるように、酵素パパインを用いた全抗体分子の消化によって産生されうる。抗体分子の「Fab'断片」は、インタクトな軽鎖及び重鎖の一部からなる分子を生じるように、ペプシンを用いて全抗体分子を処理し、続いて還元することによって得られうる。2つのFab'断片が、この様式で処理される抗体分子につき得られる。抗体の「F(ab')2断片」は、2つのジスルフィド結合によって一緒に保持される2つのFab'断片の二量体からなり、後の還元をせずに酵素ペプシンを用いて全抗体分子を処理することによって得られる。(Fab')2断片。「Fv断片」は、二本鎖として表される軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された断片である。「一本鎖抗体」(SCA)は、適切なフレキシブルポリペプチドリンカーによって結合された軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含有する遺伝子操作された一本鎖分子である。

0103

C型ナトリウム利尿ペプチド前駆体
ナトリウム利尿ペプチド前駆体C(preproCNP)、遺伝子NPPCによってコードされるタンパク質は、22アミノ酸C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、並びにproCNP及びNTproCNPに切断される。ナトリウム利尿ペプチドは、3個の構造的に関連する分子、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)及びC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)のファミリーを含む。

0104

CNPは線形成長を調節するのに重要な役割を果たすことが示されている(例えば、本発明者らによる米国特許第7,919,255号を参照のこと)。それは成長板で産生され、血管内皮、心臓組織、循環血液成分及び生殖組織を含む様々な組織において発現される。不幸にも、健常対象において、CNPは細胞によって効果的に隔離され、及び/又は代謝されるので、一旦、線形成長が停止すると、循環中に実質的に検出可能なCNPは存在しない。従って、CNPの検出は、可能であれば、最新分析法のほぼ検出限界である。

0105

CNPは、細胞から放出する前にタンパク質分解処理を受ける前駆体タンパク質として合成される。CNP(NTproCNP)のアミノ末端プロペプチドは、proCNPの切断産物であり、CNPと等モル量で産生される。NTproCNPは本発明者らによって発見され、特徴付けられた(Prickett TCRら(2001) Biochemical and Biophysical Research Communications vol 286(3):513〜517頁)。血液中のNTproCNPのレベルはCNP生合成(biosynsthesis)の割合を反映しているようである。

0106

NTproCNPの血漿濃度は腎クリアランス及び/又は代謝による影響を受ける。腎機能が正常の30%を下回る場合、増加した濃度が成体において観察される。従って、中等度又は重度腎不全を有する対象におけるNT-CNPレベルの解釈により、それが不自然に増加しているという結果が提供されうる。従って、対象があらゆる既存の腎不全を有するかどうかを臨床医が判断することが適切である。このような対象において、臨床医が、例えば、血清クレアチニン(一般に使用される腎機能の指標)を測定することによって判断できる補正因子を適用することが適切でありうる。従って、臨床医はNTproCNP対クレアチニンの比に基づいて補正因子を判断できる。NTproCNPとクレアチニンの濃度の間の関係が正常な成体対象において知られているので、年齢及び性別に基づいて比(NT CNP/クレアチニン)についての参照範囲を判断でき、これを対象における血管リスクを判断するために使用できる。

0107

NTproCNPの血漿濃度はまた、肝硬変及び慢性肝疾患による影響を受ける。慢性肝疾患を有する193人の患者の研究により、上昇したNTproCNPレベルが予後不良を示したことが見出されている(Koch Aら(2012) Clin Biochem 45(6):429〜35頁)。従って、対象があらゆる既存の慢性肝疾患を有するかどうかを臨床医が判断することが適切である。

0108

特に代謝性骨疾患が増加した骨代謝回転によって現れる場合、NTproCNPの血漿濃度もまた、代謝性骨疾患による影響を受ける。既存の代謝性骨障害を有する対象において、それらのNTproCNPのレベルは不自然に増加しうる。

0109

NTproCNPの血漿濃度はまた、重度の心疾患(虚血性心疾患又は鬱血性心不全)による影響を受ける。既存の心疾患を有するこのような対象において、それらのNTproCNPのレベルは不自然に増加しうる。

0110

理想的には、対象を評価する前に、臨床医は、上記の障害(腎機能、肝機能心機能、骨状態)の1つ又は複数について検査することを含みうる、対象の完全な病歴を解釈することを必要とする。対象が上記の障害の1つ又は複数を患っていることが見出される場合、障害は、理想的には、本開示の方法のいずれかを行う前に対処されるべきである。例えば、多くの腎障害は正常な腎機能を得るように治療可能である。NTproCNP濃度はまた、対象における腎機能を正規化する数日以内に正規化することが考えられ、それにより本発明の方法は、腎障害の以前の正規化より正確な結果を提供することが考えられる。或いは、臨床医は上記に説明した補正因子を適用できる。

0111

NTproCNPに対する結合剤
NTproCNPは、NTproCNPと、NTproCNPに選択的に結合する結合剤との間の結合を検出することによって体液試料中で測定される。本開示の方法に使用するための結合剤は、好ましくは、例えば、ANP及びBNPと低い交差反応性を有する。結合剤は、免疫抗原として抗原性NTproCNPペプチド又はその断片を使用して調製される、抗体又はFab及びF(ab)2などの抗原結合断片を含んでもよい。ポリペプチド又は断片はまた、記載されているように担体に結合してもよい。一例において、結合剤は抗体である。抗体はモノクローナル又はポリクローナル抗体であってもよい。ポリクローナル及びモノクローナル抗体並びにそれらの断片を産生する方法は当技術分野において周知である(例えば、Harlow及びLane、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York 1988を参照のこと)。特異性のために、モノクローナル抗体が現在好ましい。ヒト化抗体はインビトロアッセイに必要ではないことは理解される。

0112

NT-CNPに対する市販の抗体及び/又はNT-CNPをアッセイするためのキットもまた、本開示の方法において使用されてもよい。このような市販の抗体の適切な例には、キット形態で提供されるポリクローナルヒツジ抗NT-CNP(Biomedica Gruppe社)、抗体オンライン(カタログ番号ABIN418357)からのproC型ナトリウム利尿ペプチド(ProCNP)EIISAキット、Gentaur Molecular Products社製の抗体及びキット、並びにepitomics社又はinvitrogen社から市販されている抗体が含まれる。当業者は市販の抗体の調達及び取得に精通している。

0113

一例において、抗体は抗原性NTproCNPペプチドに対して上昇する。一例において、抗原性NTproCNPペプチドは、抗体及び他の免疫分子がペプチドに対して上昇できる適切なサイズのproCNP(1〜81)の部分的な連続配列を含む。別の例において、抗原性NTproCNPペプチドはproCNP(1〜81)由来の少なくとも6個の連続アミノ酸を含む。これは一般に、特定のアミノ酸検出についての十分なエピトープを提供する。しかしながら、いくつかの場合、ペプチド検出プロセスに対する十分な特異性を提供するために少なくとも8個のアミノ酸を有することが必要でありうる。

0114

別の例において、proCNP(1〜81)由来の少なくとも15個の連続アミノ酸が利用される。抗体を上昇させる最適な能力のために、proCNP(1〜81)がそれ自体で利用されてもよい。抗体を上昇させるのに使用されうるペプチドの他の例には、proCNP(1〜50)、proCNP(1〜81)、及びproCNP(51〜81)が含まれる。proCNP(1〜103)もまた、上昇した抗体がproCNP(1〜81)及びproCNP(1〜50)ペプチドと交差反応しうるので、特定の状況において使用されてもよい。本発明に有用なペプチドは本開示においてまとめてNTproCNPと称される。本開示はまた、NTproCNPペプチドの機能的に等価のバリアントの使用を含む。

0115

ヒトproCNP(1〜103)の完全長アミノ酸配列及び他の公知の哺乳動物proCNP配列が図1に示されている。

0116

別の例において、抗原性NTproCNPペプチドはNT-CNP(1〜50)を含み、これは本発明者らにより、ヒトにおいて循環する主要なNT-CNPペプチド又はその機能的断片若しくは代謝産物であることが実証されている。proCNP(1〜81)及びproCNP(51〜81)並びにそれらの代謝産物もまた、有用である。循環NTproCNPレベル又は濃度は身体組織及び体液中でCNPレベルを反映するようである。

0117

別の例において、抗原性ペプチドはproCNP(3〜15)を含む。別の例において、抗原性ペプチドはproCNP(15〜32)、proCNP(26〜42)又はproCNP(38〜50)を含む。

0118

モノクローナル抗体は公知の当技術分野の方法により産生されうる。それらには、Kohlerら(1975) Nature 256(5517):495〜7頁により記載されている免疫学的方法及びHuseら(1989) 246(4935):1275〜81頁により記載されている組換えDNA法が含まれる。一本鎖可変抗体断片を産生するための組換えファージ抗体系、及びその後の変異(部位特異的突然変異など)又はNTproCNPペプチドに対する抗体を産生するための鎖交換の使用もまた、意図される。

0119

ポリクローナル抗体を生成するための従来の手順はHarlow及びLane(上記)に詳しく述べられている。手短に述べると、プロトコルは、失血及び血液収集の前に1つ又は複数の出血試験を用いて、複数の間隔をあけた時に、単離したNTproCNPペプチドによる、ウサギヤギロバ、ヒツジ、ラット又はマウス(通常、ウサギ)などの選択される動物宿主免疫化を必要とする。血清は遠心分離によって凝固血液から分離されうる。血清は、ELISA又は放射免疫測定競合アッセイ又は当技術分野の等価の方法を使用してポリクローナル抗体の存在について試験されてもよい。

0120

proCNP(1〜15)、proCNP(36〜50)及びproCNP(67〜81)に特異的な抗体は、これら又は同様のペプチドを、免疫原性にするためにウシ血清アルブミン又はウシチログロブリンなどの巨大タンパク質に最初にコンジュゲートした後に、上昇しうる。カップリングは、例えば、一般的な作用物質である、グルタルアルデヒドカルボジイミド又はN-(e-マレイミド-カプロイルオキシ)スクシンイミドエステル(MCS)を含む、任意のタンパク質架橋剤の使用によって達成されうる(但し、システイン残基がカップリングの前にペプチド配列に加えられるという条件で)。1ヶ月間隔でのウサギ、ヒツジ、マウス又は他の種へのこれらのコンジュゲートの注射、続いて2週間後の血液試料の収集により、マウスの脾臓からポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の産生が可能となる。

0121

例えば、上記のマウス宿主を屠殺し、その脾臓を取り出すことができる。次いでメッセンジャーRNA(mRNA)を単離し、抗体の可変領域の重鎖及び軽鎖についての特異的プライマー並びにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を使用してmRNAからcDNAを作製する。重鎖及び軽鎖についてのDNA配列は、正確なリーディングフレーム保証するためにリンカー配列と結合する。次いでDNA構築物を、宿主内への形質転換のための、ベクター、例えば、プラスミド若しくはバクテリオファージ、又はウイルス内に挿入する。一例において、ベクターはバクテリオファージである。

0122

適切な宿主は、原核生物酵母昆虫又は哺乳動物細胞から選択されてもよい。一例において、原核生物宿主、好ましくは、大腸菌(Escherichia coli)が使用される。バクテリオファージはウイルス外被を産生し、抗体断片はその外被、ファージディスプレイライブラリーで発現される。ファージディスプレイライブラリーは特異的抗原に対して適切な親和性を有する抗体断片についてスクリーニングされうる。ライブラリーは何度もスクリーニングされてもよく、修飾が、部位特異的突然変異誘発法及び鎖シャフリングなど(これらの全ては当業者の能力内である)のタンパク質操作技術によって抗体構築物に対してなされてもよい。

0123

結合剤の検出
本開示は、結合剤に対するNTproCNPの結合に関与し、次いで結合した剤の量を検出する検出系の使用を含む。同様の溶液が、未結合又は結合したNTproCNPの指標を得るために試料中の未結合の結合剤の量を検出するためにある。このような代替の方法は、結合した結合剤の量を直接検出するための機能的代替手段として本開示の範囲内であることが意図される。当業者は、試料中のNTproCNPの濃度が、試料体積が知られている場合、試料中のNTproCNPの量から容易に計算されうることを理解する。

0124

本開示に有用な抗体は試料中のNTproCNPの存在及び/又は量を決定するためのイムノアッセイに特に有用である。異なる抗体の様々な結合親和性に起因して、当業者は、試料中のNTproCNPの量を決定できるように、試料中のNTproCNPの量に対する測定値の標準的な結合曲線が特定の抗体について確立されるべきであることを理解する。このような曲線は試料中のNTproCNPの真の量を決定するために使用される。つまり、基準範囲は、使用される各々の結合剤について決定される必要がある。

0125

試料物質には、細胞、細胞膜及び生体液が含まれるが、それらに限定されない。本開示に関して、通常、生体液は、全血、血漿、血清又は尿から選択される。一例において、試料はインビトロで試験される。

0126

NTproCNPペプチドに特異的なイムノアッセイは、NTproCNPペプチドに特異的に結合する抗体の産生を必要とする。一例において、抗体はproCNP(1〜15)内のアミノ酸を認識する。別の例において、抗体はproCNP(3〜15)内のアミノ酸を認識した。これらの抗体は、NTproCNPペプチドに特異的でありながら、広範なNTproCNP特異性を有する。本発明に有用な抗体は、4つのペプチド、proCNP(1〜50)、proCNP(1〜81)、proCNP(51〜81)及びproCNP(1〜103)又はそれらの代謝産物の1つ又は複数に結合する。抗体は、以下の競合結合アッセイのように、広範な特異性を用いてイムノアッセイを構築するために使用されてもよいか、又は3つのペプチドの各々若しくは他のNTproCNPペプチドに特異的なアッセイを得るためにサンドイッチ型アッセイにおいて以下に記載されている他の抗体と共に使用されてもよい。当業者は、非競合アッセイも可能であることを理解する。サンドイッチイムノアッセイについての非競合アッセイの抗体には、proCNP(1〜15)、proCNP(36〜50)、proCNP(67〜81)、proCNP(15〜32)、proCNP(26〜42)又はproCNP(10〜21)内のアミノ酸配列に特異的な抗体が含まれる。

0127

本開示の方法は、本明細書に提供されているキットを使用して実施されうる。生体試料中のNTproCNPのレベルを測定するためのキットが提供される。キットは、NTproCNPに選択的に結合する結合剤を含み、その結合剤は、NTproCNPに結合すると、定量的に測定されうる。結合剤は上記の通りである。

0128

別の例において、指標もまた、使用されてもよい。指標はELISA及びRIA法において利用されてもよい。

0129

ポリクローナル及びモノクローナル抗体は、競合的結合又はサンドイッチ型アッセイにおいて使用されてもよい。この方法の一例において、液体試料は抗体と接触され、同時又は連続して標識NTproCNPペプチド又は抗体によって認識されるエピトープを含有する修飾ペプチドと接触される。

0130

標識は、時間分解蛍光、蛍光、蛍光偏光、発光、化学発光又は比色分析法によって測定されうる、125I、131I、3H、14Cなどの放射性成分又は非放射性成分であってもよい。これらの化合物には、放射性計数、発光若しくは蛍光出力測定、光吸収度などによって直接測定されうる、ユーロピウム又は他のアクチニド元素アクリニジウム(acrinidium)エステル、フルオレセイン、又は上記のもののような放射性物質が含まれる。標識はまた、ビオチンジゴキシンなどの間接的に測定されうる任意の成分、又は西ワサビペルオキシダーゼアルカリホスファターゼなどの酵素であってもよい。これらの標識は多くの方法で間接的に測定されうる。西洋ワサビペルオキシダーゼは、例えば、吸光度を測定できる着色産物を生成するために、o-フェニレンジアミン二塩酸塩(o-Phenylenediamine Dihyhdrochloride)(OPD)及び過酸化物などの基質インキュベートされてもよいか、又は照度計で測定できる化学発光を得るためにルミノール及び過酸化物とインキュベートされてもよい。ビオチン又はジゴキシンは、それらに強力に結合する結合剤と反応できる。例えば、アビジンはビオチンに強力に結合する。これらの結合剤は同様に、西洋ワサビペルオキシダーゼなどの測定可能な標識又は上記のような他の直接的若しくは間接的に測定される標識に共有結合又は連結できる。これらの標識及び上記のものは、合成の間、標識との直接反応によって、又はMCS及びカルボジイミドなどの一般的に利用可能な架橋剤の使用を介して、又はキレート剤の添加によってペプチド又はタンパク質に結合できる。

0131

通常、4℃にて18〜25時間、又は30℃〜40℃にて1〜240分の抗体との接触後、結合剤(抗体)に結合した標識ペプチドは未結合の標識ペプチドから分離される。溶液相アッセイにおいて、分離は、セルロース又は磁性物質などの固相粒子にカップリングした抗ガンマグロブリン抗体(二次抗体)の添加によって達成されうる。二次抗体は、異なる種において、一次抗体のために使用され、一次抗体に結合するものに対して上昇する。従って、全ての一次抗体は二次抗体を介して固相に結合する。この複合体は遠心分離又は磁力によって溶液から除去され、結合した標識ペプチドはそれに結合した標識を使用して測定される。遊離標識から結合を分離するための他の選択肢には、溶液から沈殿する、免疫複合体の形成、ポリエチレングルコールによる抗体の沈殿又は遊離標識ペプチドの炭への結合及び濾過の遠心分離による溶液からの除去が含まれる。分離した結合又は遊離相における標識は上記に提示されたものなどの適切な方法によって測定される。

0132

競合的結合アッセイはまた、実施するのが容易であり、従って上記のものより好ましい固相アッセイとして構成されうる。この種類のアッセイは、ウェル(ELISA又はイムノアッセイプレートとして一般に知られている)、固体ビーズ又はチューブの表面と共にプレートを使用する。一次抗体は、プレート、ビーズ若しくはチューブの表面に吸着若しくは共有結合するかのいずれかであるか、又はプレートに吸着若しくは共有結合する二次抗ガンマグロブリン若しくは抗Fc領域抗体を介して間接的に結合する。試料及び標識ペプチド(上記)は、一緒に又は連続してのいずれかでプレートに加えられ、試料中のNTproCNPと標識ペプチドとの間の抗体結合に対する競合を可能にする条件下でインキュベートされる。未結合の標識ペプチドは、後で吸引除去されてもよく、プレートは、プレートに付着した抗体結合標識ペプチドを残してリンスされる。次いで、標識ペプチドは上記の技術を使用して測定されうる。

0133

サンドイッチ型アッセイは、特異性、速度及びより広い測定範囲の理由のためにより好ましい。この種類のアッセイにおいて、NTproCNPに対する過剰の一次抗体が、固相競合的結合アッセイについて上記したように、吸着、共有結合、又は抗Fc若しくはガンマグロブリン抗体により、ELISAプレートのウェル、ビーズ又はチューブに付着される。試料流体又は抽出物は固相に付着される抗体と接触される。抗体は過剰にあるので、この結合反応は、通常、急速である。NTproCNPに対する二次抗体もまた、同時に又は連続してのいずれかで一次抗体を有する試料とインキュベートされる。この二次抗体は一次抗体の結合部位と異なるNTproCNPにおける部位に結合するように選択される。これらの2つの抗体反応の結果、2つの抗体間でサンドイッチされた試料からNTproCNPを有するサンドイッチが生じる。二次抗体は、通常、競合的結合アッセイについて上記に詳細に述べたように容易に測定可能な化合物により標識される。或いは、二次抗体に特異的に結合する標識三次抗体は試料と接触されうる。未結合の物質の洗浄後、結合した標識抗体は競合的結合アッセイについて概説した方法によって測定されうる。未結合の標識抗体を洗い流した後、結合した標識は競合的結合アッセイについて概説されているように定量できる。

0134

ディップスティック型アッセイもまた、使用されてもよい。これらのアッセイは当技術分野において周知である。それらは、例えば、付着した特異的抗体を有する金又は着色ラテックス粒子などの小粒子を利用できる。測定される液体試料は、粒子が予め組み込まれており、小片に沿って移動できる膜又は紙小片の一端に加えられてもよい。粒子に対する試料中の抗原の結合は、更に小片に沿って、抗原又は抗体などの粒子についての結合剤を含有する、捕捉部位に結合する粒子の能力を修飾する。これらの部位における着色粒子の蓄積の結果、試料中の競合抗原の濃度に応じて色の発生が生じる。他のディップスティック法は、試料中の抗原を捕捉するために紙又は膜小片に共有結合した抗体を利用できる。西洋ワサビペルオキシダーゼなどの酵素にカップリングした二次抗体を利用するその後の反応及び色、蛍光又は化学発光出力を生じるための基質とのインキュベーションにより、試料中の抗原の定量が可能となる。

0135

一例において、proCNP(1〜15)に対して特異性を有する抗体が使用される。別の例において、proCNP(3〜15)に対して特異性を有する抗体が使用される。

0136

血管障害におけるNTproCNPの適用
血管障害の予後診断又は診断についてのアッセイにおける本明細書に記載されているNTproCNP及び結合剤の使用は、例えば、冠動脈性心疾患又は妊娠関連血管障害及び有害事象の早期発症を検出するのに重要である。この方法は、血管障害のリスク又は既存の血管障害の悪化の可能性がありうる対象を階層化する能力を臨床医に提供する。更に、本開示の方法は、対象の既存の療法に対するそれらの対象の応答性を監視する手段を臨床医に提供する。例えば、対象におけるNTproCNPレベルを経時的に測定することによって、臨床医は、スタチン療法又は血栓溶解剤を用いた治療に対する対象の応答を監視できる。更に、妊娠対象に関して、本明細書に開示されている方法は、対象が妊娠の間、血管関連障害を獲得するリスクがあり、それにより産科医による、より頻繁な監視を必要とすることを判定する手段を提供する。

0137

本開示の広範な全体の範囲から逸脱せずに、多くの変更及び/又は修飾が上記の実施形態に対してなされてもよいことは当業者により理解される。従って、本発明の実施形態は、全ての点において例示とみなされ、限定ではない。

0138

方法及び対象の基準
健常ボランティア対象
参加者は、ニュージーランドカンタベリーの選挙人名簿から採用された、成体健常者(n=242)、年齢21〜80歳であった。これらの検体についての試験的な正常範囲を定義する目的のために研究した、16人の成体健常者におけるCNP形態の測定からの結果もデータセットに加えた(合計258人)。

0139

腎障害、虚血性心疾患(IHD)及び又は鬱血性心不全(CHF)の病歴を有する対象を除外した。長期間の薬物服用は、非ステロイド性抗炎症薬鎮痛薬降圧薬脂質低下薬、抗鬱薬及びプロトンポンプ阻害薬を含んだ。研究した258人の対象のうち、110人は医薬を摂取していなかった。この研究は、New Zealand Upper South B Regional Ethics Committeeによって承認され、インフォームドコンセント登録前に全ての参加者に与えられた。

0140

血液試料採取の時点で、自己報告による医療及び家族歴、並びに現在の医薬の詳細を記録した。対象の血管リスクスコアを、喫煙歴、高血圧症又は脂質障害として本明細書に定義されているリスク因子の数を合計することによって計算した。身長及び体重を測定した。次いで静脈血の試料をEDTA収集チューブ(Becton-Dickinson社、Plymouth、UK)内に吸い込み、氷水スラリー中に入れ、収集の10分以内に遠心分離した(10分間、2800g)。次いで吸引した血漿を、CNP及びNTproCNP並びにクレアチニンの測定までマイナス80℃に保存した。

0141

冠動脈疾患対象
Christchurch Hospital又はAucklandCity Hospitalのいずれかに入院した患者を、以下の試験対象患者基準:虚血性胸部不快感と、1)ECG変化(ST部分の低下又は少なくとも0.5mmの上昇、少なくとも3回の誘導における少なくとも3mmのT波逆転、又は左脚ブロック)、2)上昇したレベルの心臓マーカー、3)冠動脈疾患歴、又は4)糖尿病若しくは血管疾患を有する患者の少なくとも65歳の年齢のうちの1つ又は複数を使用して採用した。患者は、平均余命が3年未満に制限されている重度の共存症を有した場合、除外した。身体計測及び臨床的特徴、並びに臨床的事象を、アンケート、患者のノート及びNational Health Information Services and hospital Patient Management Systemデータベースから、計画された経過観察診療所訪問にて記録した。患者を2.8年の中央値(0.1〜6.9年)の間、追跡した。調査は、ヘルシンキ宣言及びタイトル45、連邦規則集、パート46に概説されている原則に従い、New Zealand Multi-region Ethics Committeeにより承認された。書面によるインフォームドコンセントを各々の参加している患者に提供した。

0142

採用した対象の総数は2144人であった。これらのうち、1643人の対象において提示の時に冠動脈血管造影を実施した。冠動脈は105人の対象において正常であることが見られた。残りにおいて、異常(肥大及び不規則、プラークからの狭窄)が、典型的なアテローム性血管変性として識別された。関係している動脈の数は、4つのカテゴリー(0、異常なし、1、2、3、血管異常)のうちの1つとして等級分けし、スコア動脈硬化に関与する冠動脈の指標として使用した。

0143

指標承認後、及び外来患者としての最初の経過観察訪問時(血管造影後5〜56日)に、静脈血の試料をEDTA収集チューブ(Becton-Dickinson社、Plymouth、UK)内に吸い込み、氷水スラリー中に入れ、収集の10分以内に遠心分離した(10分間、2800g)。次いで吸引した血漿を、CNP及びNTproCNPの測定まで、マイナス80℃にて保存した。身長及び体重を測定した。

0144

妊娠対象
20〜40歳の年齢の健常な妊娠していない女性で、妊娠における値についての参照のために使用した値をTable 1(表1)に示す。

0145

0146

母体血漿中のCNPペプチドの連続測定を妊娠期間全体を通して行い、産科転帰に関連している52人の妊娠した女性を検査した。

0147

研究は、母体血漿中のCNP(CNP及びNTproCNPの両方)ペプチド濃度が、(i)妊娠の要求が増加している状況における血管不全、及び/又は(ii)胎児の成長の遅延に対する適応応答として増加するかどうかを判定するように設計した。更に、研究は、CNPペプチドの増加と、妊娠中の有害な産科的事象との間に相互関係があるかどうかを判定するように設計した。

0148

研究は2011〜13年の間にクライストチャーチで行った。全ての女性は、Christchurch Women's Hospital(CWH)の産科スタッフによって管理される産科ケアを受けた。CNPペプチドの全ての測定は、Endolabスタッフ、CCERG、University of Otago、クライストチャーチによって引き受けられた。全ての研究は、New Zealand Upper South B Regional Ethics Committeeにより承認された。採用は、Lead Maternity Carerに最初に現れた時に健常な妊娠した女性から求められ、インフォームドコンセントが得られた後に登録した。

0149

除外は以下を含んだ:主要な構造又は染色体の胎児異常或いは高血圧症、若しくは自己免疫疾患又は既存の糖尿病などの成長パターンの変化と関連している可能性があるあらゆる母体状態。52人の対象を登録し、妊娠期間全体にわたって研究し、最終的に52人の対象のうち50人は健常乳児を分娩した。

0150

登録時に、医薬の詳細と共に完全な医療及び産科歴並びに喫煙歴を得た。血圧、身長、親の身長、妊娠前の母親の体重及び母親の肥満度指数(BMI)の測定を登録時に記録し、リスク状態(有害事象の低い又は高いリスク)を、産科歴、現在の健康及び慣例の血液検査(PAPPA及びHCGを含む)に基づいて割り当てた。その後のケアと共に、この評価は、CWHにおける妊婦管理の制度である「ベストプラクティス」のガイドラインに従った。

0151

登録時(12〜25週)及びその後、妊娠期間20週で開始して4週の間隔での血漿CNP形態、エラトラジオール(E2)、エストリオール(E3)及びCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)についての静脈血試料採取

0152

標準的な成長パラメータ超音波測定は、登録時12〜13週、次いで妊娠期間24、28、32及び36週における大横径頭囲及び腹囲頭殿長及び大腿骨長を含んだ。24週に、子宮動脈ドップラースキャンを、胎児成長遅延続発リスクの予測に役立つように全ての対象において実施した。異常なスキャンを有するものを以下に記載しているようにより厳密に監視した。

0153

これらのガイドラインの一部としての通常のスキャニング及び慣例の血液検査に加えて、この調査研究は、まだ受けていない場合、以下の更なる手順を必要とした:妊娠期間20、24、28、32及び36週における超音波スキャニング;妊娠期間24〜36週の間、4週の間隔における臍動脈ドップラースキャン;24週における子宮動脈ドップラースキャン;並びに登録時(可能な場合、約16週)及びほとんどの対象においてその後の4週の間隔にて母体血漿CNP及びアミノ末端proCNP(NTproCNP)についての血液試料採取。

0154

血液の最後の試料を、分娩直後の母体血漿CNP形態、CNP形態、IGF-1インスリン及びアディポネクチンのための臍帯血漿を抜き取った。選択した事例において、胎盤の肉眼的及び組織学的検査を臨床的に必要に応じて行い、{WyattSMら(2005) 26(5):372-9}に記載されているように部分を切除し、CNPペプチドの後の測定のために冷凍した。

0155

高リスクの妊娠対象
高リスクの妊娠を2つの方法で採用した。第1に、一部(大多数)は十分に定義された基準及び慣例の検査所見を使用して1回目の訪問時に識別された。第2に、採用は妊娠の後期に合併症が現れている対象において行った。この研究の目的のために、胎児が危険にさらされることが、以下のうちの1つ又は複数によって証明された:1)異常な胎児成長の超音波による徴候、2)異常な胎児又は子宮ドップラー血流及び3)破水の非存在下での羊水過少症。登録時及び後のデータ収集を上記で詳細に述べたように開始した。正常に機能していない子宮血流(上昇した抵抗指数>95パーセンタイル又はギザギザ波形)を有する対象を後で、より厳密に監視し、34週にて及び臨床的に必要に応じて更なる超音波検査を行った。分娩後の手順は上記に従った。

0156

登録後に1つ又は複数の有害事象を有した28人全ての対象にこの研究プロトコルを進めた。この研究の目的のために、有害事象を、更なる調査を保証する超音波スキャニングによって検出される異常、並びに又は緊急の専門家の評価及び入院を保証する産科に関連した合併症と定義した。有害事象を定義するために使用されるエンドポイントは以下のTable 2(表2)に記載されている。

0157

0158

有害な産科的事象の分類
有害事象を構成するエンドポイントを、CNP測定の利用前に研究群によって作成し、上記のTable 2(表2)に記載する。エンドポイントを、(i)産科実務において一般に遭遇する胎児母体の福祉に対して認められる脅威及び(ii)妊娠期間中の所定の監視手順の過程で脅威を検出する能力に基づいて選択した。事象において、28人の対象は、これらの規定のエンドポイント(C群、合併症の妊娠)の1つに直面した。これらの有害事象の詳細である、事象によって影響を受ける女性の数及び事象が最初に現れるタイミングをTable 3(表3)に記載する。残り(N群、正常妊娠)は、妊娠期間が大部分は平穏無事である24人の対象を含む。特に、これらの対象の誰もTable 2(表2)に記載されているエンドポイントのいずれも経験しなかった。

0159

0160

血漿アッセイ
血漿クレアチニンは、Architect c8000分析器(Abbott Laboratories社、USA)によって測定し、糸球体濾過率(eGFR){Levey ASら(1990) 1306:461〜70頁}を計算するために使用した。血漿NTproCNPは、以下の変更を用いて以前に記載されている{Prickett TCRら(2001) Biochemical & Biophysical Research Communications 286(3):513〜517頁;Prickett TCRら(2005) Pediatric Research 2005 58(2):334〜340頁}ように放射免疫測定によって測定した:100μlの標準又は試料抽出物を、合成ヒトproCNP1〜15(1:6,000に希釈した)に対して上昇させた50μlの一次ウサギ抗血清(J39)とプレインキュベートし、4℃にて22〜24時間インキュベートした。proCNPにおける抗血清J39エピトープはアミノ酸残基3〜15に及ぶ。次いで50マイクロリットル放射標識トレーサー(1,500cpm)を加え、4℃にて更に24時間インキュベートした。このアッセイの検出限界は1.2pmol/L(試料濃縮後0.3pmol/L)である。アッセイ内及びアッセイ間で、変動係数は、14pmol/Lにて、それぞれ6.8%及び8.4%である。このアッセイにおいてANPプロペプチドとの交差反応性は<0.07%であり、ヒトBNPプロペプチドとの交差反応性は<0.4%である。CNPもまた、Phoenix Pharmaceuticals社、Belmont CAによって提供される市販のCNP-22抗血清を使用して、以前に記載されている{Yandle TGら(1993) Peptides 14(4):713〜716頁}ように放射線免疫測定によって測定した。アッセイ内及びアッセイ間で、変動係数は、9pmol/Lにて、それぞれ3.8%及び5.5%であった。検出限界は0.5pmol/Lであった。本発明者らが以前に記載している{Olney RCら(2012) Clin Endocrinol (Oxf) 2012年3月21日 doi:10.1111/j.1365〜2265.2012.04392.x}参照範囲を使用してCNP及びNTproCNP SDSを求めた。

0161

胎盤組織領域(母体、すなわち脱落膜面、胎児、すなわち絨毛膜面及び介在領域)を、アッセイ前に抽出し(Yandleら、上記)、次いで上記のように測定した。値はfmol/gの抽出した組織として表す。

0162

統計的分析
結果は、中央値(四分位範囲、IQR)として又は本文に示したようにSD若しくはSEMによる平均として表す。r値として提示される、変数の間の相関を決定するためにスピアマンの順位係数を使用した。p<0.05である場合、統計的有意性仮定した。単変分析によってr>0.2レベルにて有意であった要因を考慮した後退ステップワイズアプローチを使用して多変数線形回帰分析を実施した。CNP及びNTproCNPについての参照範囲曲線は、LMS Chart Makerソフトウェア(バージョン2.4、Harlow Printing Limited社、South Shields、UK)を使用してLMS手順によって推定した{Cole TJ (1990) Eur J Clin Nutr 44(1):45〜60頁}。

0163

正常な健常対照におけるNTproCNP及びCNPペプチドの分析
対象集団の特徴をTable 4(表4)に要約する。圧倒的多数は白人であった(91.2%のヨーロッパ人、2.7%のマオリ人又は太平洋諸島の住民及び6.1%のその他又は未知)。米国集団の基準{McDowell MAら(2008) National Health Statistics Reports 10:1〜45頁}と比較して、成体の身長は同様であるが、BMIは有意に低い(p<0.005)。全ての群の中で、3つ(自己報告)の血管リスク因子{喫煙(n=25対象)、高血圧症(n=51)、脂質障害(n=32)}のうちの1つ又は複数が33%において存在した。残り(67%)において、血管リスク因子は存在しなかった。3人の対象は糖尿病であった(全て2型)。

0164

0165

年齢及び性別によるCNP形態及び効果
個々の対象におけるNTproCNP及びCNPの血漿濃度は有意に相関した(r=0.32、p<0.001)。図2に示すように、血漿NTproCNP及びCNPの中央値は男性において減少し、50代で一番下に達し、その後、レベルは徐々に増加した。女性において、30〜50代の間の最初の減少及び50代の後の中央値の上昇傾向の両方は男性においてよりも低かった。21歳〜80歳の年齢の範囲にわたって、NTproCNP(r=0.24、p<0.001)及びCNP(r=0.49、p<0.001)の両方は年齢と相関した{Table 5(表5)}。

0166

0167

NTproCNPの濃度の中央値は女性(p<0.001)においてよりも男性において高かったのに対して、CNPは性別の間で異ならなかった(p=0.3){Table 6(表6)}。各年代において、男性における血漿NTproCNPの中央値は女性における値を超えたのに対して、30〜70代において、CNPは女性において高かった。

0168

0169

身長及びBMIとの関連
全ての対象に関して、NTproCNPと身長との相関は存在しなかった。しかしながら、性別を別々に分析した場合、成体の身長は、男性(r=-0.27、p<0.001)及び女性(r=-0.32、p<0.001)の両方においてNTproCNPと逆相関を示した(図3)。CNPについての対応するr値は、男性及び女性のそれぞれにおいて-0.25(p<0.05)及び-0.18(p<0.05)であった。いずれのペプチドもBMIとの相関は見られなかった。

0170

腎機能との関連
図4に示すように、血漿NTproCNPは血漿クレアチニンと強力に相関した(r=0.56、p<0.001)。CNPとクレアチニンとの会合は有意ではなかったのに対して、両方のペプチドはeGFRと逆に及び有意に関連した(p<0.001){Table 5(表5)}。

0171

テップワイズ多重線形回帰後、血漿クレアチニン、身長及び性別は、血漿NTproCNPの循環濃度と独立して関連しているままであった、r=0.59。以下の回帰モデルにおける変数の中の共線性は、分散拡大要因<2.3によって示されるように適度であった。
NTproCNP=25.17+(2.79×性別)-(15.34×身長)+(0.17×クレアチニン)

0172

血管リスク因子との関連
CNP及びNTproCNPの血漿濃度は、両方とも、存在する血管リスク因子の数と明らかに関連した{それぞれr=0.22及び0.14、両方についてp<0.05、Table 5(表5)}。高血圧症のみ(非常に重要なリスク因子)に関して、51人が上昇した血圧の病歴を報告した。これらの対象(8人を除いた全ては治療を受けていた)は、上昇した血圧の病歴を有していない対象と比較して、血漿NTproCNPの高い中央値レベルを有した[18(16〜22)対16(14-19)pmol/L、p<0.01)]。

0173

冠動脈疾患対象におけるCNPペプチドの分析
アテロームに関連する冠動脈の程度と、NTproCNPとの間の関連の分析を図5に示す。NTproCNPの平均(括弧内のSE)値は、関与した血管の数と共に有意に増加した(p<0.05);関与した血管を有さない状態で18.3pmol/L(0.84)、関与した血管が1つの状態で19.6(0.37)、関与した血管が2つの状態で21.3(1.03)及び関与した血管が3つの状態で22.8(1.26)pmol/L。

0174

妊娠対象における母体血漿CNPペプチド
個体群統計及び臨床データ
母体年齢(33.2及び31.2歳)、身長(165及び165cm)、BMI(24及び26)、収縮期(111及び113)又は拡張期(70及び68mmHg)血圧に関して、それぞれ、正常(N)妊娠と合併症(C)妊娠群との間で登録時に有意差は存在しなかった。N群における24人のうちの15人(64%)は、C群における28人のうちの16人(57%)と比較して未経産であった。妊娠は、N群の対象において24人のうちの15人(62%)及びC群において28人のうちの21人(75%)を高リスクとして登録時に等級分けした。受胎は、C群の対象において28人にうちの3人及びN群の対象において24人のうちの1人において誘導された。自己報告の喫煙をN及びC群のそれぞれにおいて3及び4人の対象で記録した。

0175

血漿CNPペプチド
N群及びC群の対象における母体血漿NTproCNP及びCNPの連続変化を図6に示す。データ(平均及びSEM)を、週(16、20、24、28、32及び36週のそれぞれ)において最も近い在胎齢に対応する訪問数(1〜6)としてプロットする。平均及びSEMもまた、同じ年齢の健常な妊娠していない女性について示す(図6)。正常対合併症の妊娠についての20及び36週におけるそれぞれの値を図7に示す。

0176

以下の点を注目すべきである:
1.N群と比較して血漿NTproCNP値はC群において有意に増加する(ANOVAによる分析p<0.001)。
2.値は16週において有意に異ならなかったのに対して、血漿NTproCNPはN群において20週にて減少するが、C群においては減少しない。
3.N群におけるNTproCNPの値は、32週まで最初の値より低いままである。
4.両方の群において、より顕著にはC群において、NTproCNPは28週後更に増加する。
5.Table 2(表2)及び図6に関して、24週にてC群の対象におけるNTproCNPの濃度の有意な上昇は、これらの対象の半分未満(28人のうちの12人)が、認識される有害事象を有したときに起こる。
6.健常な妊娠していない女性(15.7±0.8pmol/l、n=25)における血漿NTproCNP値{Table 1(表1)}と比較して、N群における妊娠期間20週での値は有意に減少した(12.5±0.4pmol/l、n=17、p=0.001)。
7.血漿CNPは低く(<1pmol/l)、検出のレベルに近いが、C群における濃度は、妊娠期間28週の後、N群における濃度より有意に高い。

0177

CNP値と特定の有害事象との関連性
A.高血圧
10人の対象は妊娠期間中のいくつかの点で上昇した収縮期又は拡張期圧力を有した。更なる対象は全て子癇前症の特質を有したが、血圧の上昇はなかった。従って、この対象は本明細書においてHELLP症候群であるとみなす。なぜなら、この症候群における血管障害は子癇前症において観察されたものと同様であるからである。上昇した血圧を有する10人のうちの5人において、異常圧以外の事象は識別されなかった。異常圧が最初に検出された場合、これらの5人の対象における母体血漿NTproCNPを在胎齢(最も近い週)と共にTable 7A(表7)に示す。表に示すように、血漿NTproCNPレベルの近似値が3人の対象においてN群に見られたのに対して、2人において値は妊娠期間後期に増加した。140の収縮期若しくは90の拡張期又はそれ以上の圧力の所見は、それ自体で、母体NTproCNPを必ずしも増加させないと結論付けることができる。これらの所見とは対照的に、10人の対象のうちの2人は上昇した血圧を有し、またその対象はHELLP症候群を有し、重度の有害事象を示した。それらのNTproCNP値もTable 7B(表7)に記載する。

0178

0179

正常な血圧及び正常な胎児成長の反復レベルを含む正常な指標を示している対象p51において、血圧の急上昇(157/100)が、緊急な分娩の誘導を必要とする子癇前症の徴候(増加した尿中タンパク質及び異常な肝機能試験)と共に38.8週に記録された。母体血漿NTproCNPは20週において既に明らかに上昇し、32週、すなわち子癇前症が臨床的に明白になる6週前に29.2pmol/lの値に到達するまで徐々に上昇し続けた。対象p13において、血圧は、妊娠期間全体を通して正常であったが、減速胎児成長が24週で検出された。緊急切開を必要とするHELLP症候群の臨床的特徴が突然発生した場合、監視により、37週まで他の有害事象は示されなかった。この対象において、血漿NTproCNPは28週において20.7pmol/l、次いで36週(緊急が認められる数週間前)において38pmol/lまで上昇した。対象p14において、血圧は軽度に上昇し(24週にて140/80)、妊娠期間後期の間、胎児成長はその間を通して正常なままであった。しかしながら、39週において、分娩前出血及び胎児切迫仮死の徴候の出現後、緊急切開が必要とされた。予想外に、出生時の乳児は成長が遅延していた。この対象において、血漿NTproCNPは24週において明らかに上昇し(22.6pmol/l)、32週にて27.5pmol/lのピークに達した。このように、3つ全ての事例において、血漿NTproCNPは、少なくとも数週間前の標準的な監視手順により大きな懸念が示されたN群に見出されたこれらのレベルよりも顕著に上昇した。

0180

B.子宮内胎児発育遅延(胎内発育遅延、SGA)
IUGR(出生時体重<5%)を有する8人の新生児を識別した。これらの8人の対象のうちの3人(p15、p24、p56)において、成長障害は単独所見であったのに対して、5人において、成長遅延は1つ又は複数の更なる有害事象と関連した。これらの2つのサブグループの各々についての個々の値及び平均母体NTproCNP値をTable 8(表8)に示す。

0181

0182

単独IUGRを有する3人の対象において{Table 8A(表8)}、32週におけるNTproCNP値はN群において観察されたレベルを超えたレベルまで増加した。これらのうちの1人(p15)において、推定胎児体重(EFW)は、24週にて95パーセンタイル、28及び32週にて50パーセンタイルであり、36週にて25パーセンタイルまで減少した。血漿NTproCNPは28週にて13.5pmol/lから32週にて21.9まで突然増加し、EFWは十分に正常限界の範囲内のままであったが、36週にて増加したまま(22.7pmol/l)であった。出生時(41週)体重(BW)は5パーセンタイルであった。第2の事例(p24)において、24週におけるEFWは20パーセンタイルであり、28週にて40パーセンタイルであり、32〜36週にて5パーセンタイル未満に減少した。母体血漿NTproCNP値は20〜24週にて正常(13〜14pmol/l)であったが、28週、すなわち胎児成長のあらゆる減少の検出前に17.3まで増加した。第3の事例(p56)において、EFWは、24、28、32及び36週のそれぞれにおいて10、20、35及び20パーセンタイルであった。ここで血漿NTproCNPは、レベルが28週にて11pmol/lから32及び36週のそれぞれにて16及び15.7pmol/lまで上昇するまで、N群において観察されたレベルに近かった。この増加は、胎児の出生後、この事例においてのみ検出されたIUGRの発生に対する応答と一致する。まとめると、これらの結果により、母体血漿NTproCNPの増加が胎児成長の減少に対する適応応答でありうるという仮説が支持される。

0183

C.加速成長(胎内発育過剰、LGA)
出生時に大きな新生児が27人の事例のうち3人において識別された。1人(p1)において、加速成長は、28週に識別されたGDMと関連し、最初に食事のみによって治療した。インスリン治療を開始した場合、24週にてEFWは90パーセンタイルであり、28週にて80パーセンタイルであり、34週にて95パーセンタイル超であった。母体NTproCNPレベルは、20週にて15.4から32〜36週にて18pmol/lまで上昇した。第2の事例(p62)において、EFWは24週にて85%であり、28週にて95%超まで増加し、そのままであった。血漿NTproCNPは20〜28週において13.2〜15pmol/lであり、その後、非常に高い値(32及び36週のそれぞれにて21.6及び23.2pmol/l)が見出された。これらの関連性は、過剰胎児成長を結果として生じる要求がCNP産生を刺激しうるという見解と一致する。第3の対象(p53)が特に有益である。低いリスクと評価されている、この32歳の未産婦(nullip)(すなわち成長できる子供を出産したことはない)は、切迫早期産のために急に入院した妊娠期間33週まで平穏無事の妊娠であった。その対象は、標準的なケア(床上安静、ニフェジピンiv、及びベタメタゾン)を受け、その後、およそ6週後の平穏無事な分娩まで、追求した活動的な(しかし非常にストレスの多い)職業生活を続けるために退院した。24週にてEFWは10パーセンタイルであり、28週にて50パーセンタイル及び切迫早期産の時に95パーセンタイル超まで増加した。20週にて血漿NTproCNPは上昇し(24.5pmol/l)、32及び36週のそれぞれにて30.2及び54.6pmol/lまで顕著に増加した。加速胎児成長(約24週で開始)と切迫早期産との組合せ、その上、過剰なストレスの多い労働生活が、恐らく、母体血漿NTproCNPの非常に多くの増加を導く全ての要因である。35週にて発生した「合併症のない」早期切迫産(p59)の他の例のみにおいて、血漿NTproCNPはまた、10.7から36週にて16.9pmol/lまで増加した。

0184

D.妊娠糖尿病(GDM)
4人の女性がGDMを発症した。1人は上記に詳細に述べたように加速胎児成長を示した。残りの3つの事例(p6、p9、p31)において、1人(p6)は、メトホルミン治療を開始した場合、28週にてGDMを発症した。EFWは、インスリン治療を加えた場合、24週にて35%、28週にて40%及び32週にて60%であった。ここで、血漿NTproCNPは16〜24週において上昇し(23.5〜31.1pmol/l)、レベルは、28及び32週のそれぞれにて、すなわち糖尿病についての治療を開始した後、15.8及び13.4pmol/lまで減少した。この時系列は、母体グルコースレベルが正常に向かって回復するので、妊娠中の糖尿病の発症が、減少するCNPを刺激することを示唆している。別の対象(p9)において、糖尿病を28週にて検出し、インスリン治療を32週に開始し、その時に、胎児成長の遅延が識別された(EFW<5パーセンタイル)。早期分娩が33週にて自然に発生し、成長が遅延した乳児が分娩された。母体血漿NTproCNPは、20週にて上昇し(17.1pmol/l)、その後、母体血漿グルコースレベルの修正に対する応答として、推定上、28〜32週において13〜14pmol/lのレベルに減少した。第3の対象(p31)は、多嚢胞性卵巣症候群のためのメトホルミン受容していたが、登録時にこの治療を停止した。26週にて、GDMが診断され、メトホルミンを28週にて再開した。36週付近で、血圧は172/117に上昇し、この時、対象は入院し、血圧を下げるためにメチルドーパにより治療した。子癇前症の証拠は存在しなかった。自然早期産は36.9週に発生した。この対象において、EFWは25週にて30%から32週にて80%まで増加し、その後、期間の終了時に30%まで減少した。血漿NTproCNPは、24週にて14.4pmol/lから28週にて18.2pmol/lまで上昇し、次いで糖尿病についての治療を開始した後、32週にて15.6pmol/lまで減少した。注目すべきことに、レベルは、血圧が分娩直前に上昇した時点である36週にて非常に増加した(24.5pmol/l)。同時に、これらの所見により、NTproCNPが、妊娠期間中、制御されていない糖尿病において増加し、治療により減少することが強く示唆される。これらの観察により、血圧の増加と血漿NTproCNPの増加との関連性が更に確認される。

0185

E.胎盤早期剥離
1人の対象(p2)に28週にて剥離が現れた。妊娠は、出血のために入院した24週まで比較的平穏無事であった。床上安静を忠告したが、退院後約2週間(GA28週)で、対象は、現在、超音波により立証される胎盤早期剥離の臨床的特徴により再入院した。ベタメタゾンが投与された。分娩は36週に誘導された。胎盤組織構造は、血管梗塞又は母体血管障害の証拠を有さず、古い辺縁胎盤{膜再形成(retro-membranous)}血腫の特徴を示した。この対象において、母体血漿NTproCNPは正常であった(16〜24週において10〜14.3pmol/l)。28週にて、以前に24時間与えたベタメタゾンに対応する低い値(8.6pmol/l)が見出された。32週における後続値は正常であった(12.8pmol/l)。従って、この対象において、血漿NTproCNPは、高用量のグルココルチコイド後の抑制の予想される短い期間を除いて正常であった。正常レベルの所見は、良性の胎盤組織構造、及び梗塞/虚血などの血管損傷の非存在と一致する。

0186

F.上昇したNTproCNPと胎盤病変との関連性
この研究においてエンドポイントとして指定されていないが、母体CNPレベルと、専門の胎盤組織学者によって決定される解剖学的所見との関連性を検査することは有益である。4人の対象(p13、p51、p54、p14)において、胎盤組織学的所見の詳細な報告が分析のために得られた。これらの4人のうち3人において、重度(血管)の有害事象が血圧の顕著な増加又はHELLP症候群に関連して発生した。3つ全ての事例(p13、p14、p51)において、胎児血管障害、斑状絨毛(patchy villitis)又は不十分に血管が新生された絨毛の証拠が存在した。第4において、絨毛を含む顕著な胎盤石灰化が、胎盤床の潅流下、及び母体低酸素症と一致する絨毛形成不全の証拠と共に示された。23週にて外傷性胎盤出血/梗塞を患っている第5(p29)と共に、これらの4人の対象における母体血漿NTproCNPの変化を図8に示す。平均値は、20週にて17.1pmol/lから24週にて21.3まで増加し、36週にて29.4pmol/lまで上昇し、正常な妊娠において見出されるレベルより非常に高かった。まとめると、これらの変化は、5つの事例のうち4つで客観的観測された胎盤血管障害と相関する。特に、これらの対象における血漿NTproCNPは早くて24週で上昇し、あらゆる血管障害の認識より前であった。

0187

正常な群におけるCNP値と臨床所見との関連性
この群を正常と分類したのは、これらの妊娠の誰も所定のエンドポイントをいずれも示さなかったという事実に従う。従って、母体NTproCNPと、研究のエンドポイントではなかった起こり得る事象、例えば、出生時に成長障害として現れなかった胎児成長速度の間隔異常とのあらゆる関連性を検査することは重要である。従って、以下のサブグループを検討した。

0188

A.妊娠期間中の胎児成長の遅延
任意の定義(任意のEFW<5%、又は4週間内の20超のEFWでカスタマイズしたパーセンテージ点の減少によって示される成長の間隔減少)を使用して、検討するための6つの事例(p22、p26、p58、p60、p63、p66)が存在する。平均値をTable 9(表9)に記載する。

0189

0190

値は、胎児成長の間隔減少を生じないN群における残りの18人と有意に異ならなかった。これらの結果により、カスタマイズされたEFW指数によって検出されるように、比較的小さな間隔減少が、妊娠が他の点では正常である場合、母体血漿NTproCNP値を乱さないことが示唆される。

0191

B.胎児成長の加速増加
再び、任意の定義(任意のEFW>95%、又は4週間内の20超のEFWでカスタマイズしたパーセンテージ点の上昇によって示される成長の間隔増加)を使用して、検討するための5つの事例(p20、21、55、61、67)が存在する。これらのうちの1つ(p21)は異常値とみなされる(以下を参照のこと)。Table 10(表10)はこれらの5人の対象における個別及び平均値を示す。異常値を除いて、値はあらゆる間隔成長障害を有さない正常群において見られるより大きな上昇傾向を示す(以下及びTable 11(表11)を参照のこと)。

0192

0193

C.エンドポイントではないが、間隔成長障害又は胎児の福祉を損ないうる他の要因を有さないN群における対象の識別
正常な妊娠のみを定義するために、分析を、(i)間隔成長障害を有する値及び(ii)胎児母体健康を損ないうる妊娠期間の前に又は妊娠期間中に発生する他の予期しない事象を有する値を除外した母体NTproCNP値から行った。これらの理由で、単一臍動脈を有する1人の対象(p17)及び急性化膿性虫垂炎(p60)を有すると認められた1人を排除した。1人の更なる対象(p21、NTproCNP、16週にて18.6pmol/l)を、N群における全ての他者の範囲外に存在する結果として排除した。この対象は最も高いBMI(33、N群平均24.3)を有し、登録時に高リスクと等級分けされた。IUGRは2回の以前の妊娠を悪化させ、そのうちの1回は38週にて子宮内胎児死亡の結果となった。これらの理由のために、対象は妊娠期間37週にて早期誘導を要求した。このように範囲外のNTproCNP値、異常な体重及び対象の過去の産科歴は除外を完全に正当化する。残りの11人の対象(p3、p5、p11、p12、p19、p20、p50、p52、p64、p68、p70)についての平均値をTable 11(表11)に記載する。注目すべきことに、平均値はN群と分類した24人の対象の平均値より低かった。

0194

0195

妊娠における合併症を予測する際のCNPペプチドの適用
上記の結果により、血漿中のNTproCNPの母体濃度が、後で有害事象を経験することに向かう対象において異常に増加することが明確に示される。リスクを決定するために現在利用されている多くの試験と異なり、NTproCNPは、胎児成長又は異常血圧に影響を与えるだけでなく、様々な有害事象に応答して増加するようにみえる。更に、増加は、妊娠期間の早期、高い頻度で、任意の有害事象が現れる前に発生する。本明細書において研究した対象の総数が少ないが、早くて24週でNTproCNPの血漿濃度が予測値を有することは既に明白である。24週における試験の特異性及び感度は図10におけるROC曲線によって示される。曲線下面積(AUC)は0.754であり、その時点にサンプリングした対象の75%超を正確に評価できることを示す。13.3pMのカットオフを使用した値に関して、陽性予測値は78%である。「精製した」正常群{Table 11(表11)に記載し、このコミュニティにおいて健常な妊娠女性を表す可能性が高い11人の対象}を使用して、更に良好なリスク分類が得られる。

0196

結論
この研究により、平穏無事な正常な妊娠期間と比較して、早くて20週からの母体血漿NTproCNPの濃度は、有害な産科的事象が胎児-母体健康を脅かす妊娠において顕著に増加することが見出された(図6)。有意には、ほとんどの対象における母体NTproCNPの増加は有害事象の最初の徴候の前であり、早くて20〜24週であることが明らかでありうる。

0197

平穏無事な正常な妊娠において、母体血漿NTproCNP濃度は、同じ年齢の妊娠していない健常な対象において見出されたNTproCNP濃度より妊娠期間20〜24週にて有意に低下(p=0.001)したが、有害事象の傾向がある対象におけるNTproCNPレベルは、妊娠していない対象におけるNTproCNPレベルより高いのと同様であった。

0198

このデータにより、母体血漿NTproCNPは、胎児成長のほとんどの急増の時点において、正常及び合併症のある妊娠の両方において、妊娠期間28週の後、徐々に増加することが示され、その結果として母体循環を必要とする(図6)。

0199

有害事象の発生を予測するために24週における血漿NTproCNPの母体濃度を使用して、13.3pmol/Lを超えるNTproCNPの濃度は78%の陽性予測値を有し、13pmol/l未満の24週における母体血漿NTproCNP濃度は74%の陰性予測値を有したことを見出した。

0200

最も高い濃度の母体血漿NTproCNPは、血管障害(子癇前症、HELLP症候群、別の有害事象に関連する高血圧)に基づいて重度の有害事象を後で示したこれらの対象で発生した。興味深いことに、単一有害事象を有する対象が後で第2の(しかし異なる)有害事象を発生する場合、母体血漿NTproCNPの増加は更にいっそう顕著であった。

0201

正常な妊娠(間隔成長障害及び又は他の予期されない事象は排除される)における一連の変化に対して評価される場合、任意の妊娠期間において4週の間隔にわたる4pmol/l超の変化は、後の有害事象の発生と強く相関する。

0202

上昇した血圧のみを有する対象における母体血漿NTproCNPは、多くの場合、正常であり得、更に値は合併症へ進行する対象において上昇するので、妊娠期間中の任意の時点での母体NTproCNPのレベルが、より高いリスクのある高血圧症対象を区別するために使用されてもよい。

0203

胎児成長に関して、母体NTproCNPの増加は、減少又は加速のいずれかの胎児成長の有意な変化に先行するか、又は一致する。従って、不十分な胎児成長の状況における上昇した母体NTproCNPが、胎児に対する血流を改善することを目的とする治療の恩恵を受ける可能性のある妊娠を選択するために使用されてもよい。

0204

妊娠糖尿病(GDM)に関して、血漿NTproCNPは治療前に対象において増加し、矯正治療後に減少することが見出された。母体血漿NTproCNPのこれらの減少は、後のインターベンション特有であるようにみえ、一般に合併症の妊娠において示される急激な上向きの傾きに矛盾する。

0205

更に、血漿NTproCNP濃度は切迫早期産の発生前に増加したことも見出された。

0206

母体NTproCNPの顕著な増加は、虚血、梗塞、絨毛炎及び胎児血管障害などの組織学的に明白な胎盤低潅流状態の状況において発生する。

0207

対照的に、母体血漿CNP濃度は、変化しやすく、妊娠期間28週の前に見出され、CNPレベル(NTproCNPと異なる)は有害事象の前に対象と相関しなかった。これは妊娠中の組織内のCNPの分解によって説明されうる。

0208

上記を考慮して、正常な妊娠において、血漿NTproCNPレベルは、通常、妊娠期間の早期において減少し、典型的に、同じ年齢の妊娠していない女性を下回るレベルで維持する。これらの変化は、妊娠期間の早期に発生することが知られている減少した母体末梢動脈抵抗に対する正常な血管系の応答である可能性がある。この特有の減少を示さないことは、有害事象のリスクのある対象の徴候でありうる。妊娠の間に合併症が発生する場合、CNP及びNTproCNPペプチドの両方の増加は、i)妊娠によって課される要求を満たすための循環の機能停止に対する適応応答及び/又はii)異常な胎児成長に対する応答による可能性がある。

0209

見解
本開示は、血漿NTproCNPが、血管リスク、妊娠中の有害事象及び明白な(確立された)動脈硬化と正に関連する強力な証拠を提供する。更に、健常ボランティア対象において、血漿NTproCNPレベルは女性より男性において高く、特に男性の高齢者において増加し、これらの状況における動脈硬化症の認識されている有病率と一致することが見出される。健常ボランティア群における予期せぬ所見は、男性及び女性の両方において血漿NTproCNPと成体身長との非常に有意な逆相関が存在し、より身長の低い対象は、より高いレベルを有する。注目すべきことに、メタ分析により、冠動脈疾患の発生率は身長の低い対象において増加することが示される。本発明者らによる観察、低い身長、増加した血漿NTproCNP及び血管リスクは、将来の血管合併症のバイオマーカーとしてのNTproCNPの役割を支持する証拠を提供する。

0210

健常ボランティアの群、及び以前の研究{Schouten BJら(2011) 32(4):797〜804頁}において、本発明者らは、血漿NTproCNPと血漿クレアチニンとの強力な関連性を見出した。血漿由来のペプチドの腎クリアランスは体循環における濃度に明確に影響を与え、臨床状況において値を解釈するときを考慮する必要がある。腎血管系は、それ自体、腎機能を損なう可能性がある動脈硬化症になる傾向がある。累積的効果(腎動脈硬化性血管内のCNPの増加した産生及び血漿由来のNTproCNPの減少した腎クリアランス)は血漿NTproCNPの増加を向上させ、後の世代に観察される増加に寄与しうる(図2を参照のこと)。

0211

冠動脈関与を増大している対象における、より高い血漿NTproCNP濃度の現在の所見は以前に報告されていなかった。その結果は、アテローム負荷が増加するにつれて、明白な疾患を有さない(しかし増加した血管リスクを有する)対象におけるいくらか低い値から高い値までに及ぶ、一方向の増加であることを強力に示唆している(図5)。血管関与が増加するにつれて、より高い濃度の結果、血管壁内に増加したCNP遺伝子発現が生じうるか{Casco VHら(2002) Journal of Histochemistry & Cytochemistry 50 (6):799〜809頁}、又は内皮障壁が疾患によって損傷するので、循環内へのペプチドの増加した流出物が生じうる{JonesGTら(2005) 42(3):237〜46頁}。例えば、脳微小血管系に影響を与える動脈硬化症に関して、この損傷は血液脳関門を損ない、タンパク質の放出又は侵入を促進する。重要なことに、本発明者らによる最近の研究により、体循環におけるCNP及びNTproCNP濃度の両方における急激な上昇は、冠動脈疾患のためにステント挿入を必要とする対象における首尾良い主要な経皮冠動脈インターベンションの直後に発生することが示されている。これは、冠動脈硬化性血管由来のこれらのCNPペプチドの流出物が、実際に、体循環におけるレベルを有意に急激に上昇させうるという、最初の明らかな実証である。スタチン療法に関連するものを含む、アテロームを減少させるインターベンションの間、血漿NTproCNPの変化を観察することは将来の研究において重要である。最近の報告により、急性心筋梗塞自体が動脈硬化症を悪化させることが示されている{Dutta Pら(2012) Nature 487 (7407頁)}。従って、心臓発作後のNTproCNPの監視は血管疾患の拡大を追跡するのに有用であり得、血管損傷の進行を防ぐことを目的とする早期のインターベンションを可能にしうる。

0212

現在の研究において最も驚くべきセットの観察結果は、妊娠における血漿NTproCNPに関するものである。本発明者らの知る限りでは、妊娠早期における血漿NTproCNP(又は他のCNPプロペプチド)レベルは以前に報告されていなかった。以前の研究{Stepan Hら(1998) Journal of Perinatal Medicine 26(1):56〜8頁及びWalther Tら(2004) Journal of Endocrinology 180(1):17〜22頁}は、中期及び後期妊娠期間における血漿CNPが、妊娠していない女性における値と異ならなかったことを報告しており、正常な妊娠と比較して子癇前症又は子宮内胎児発育遅延(IUGR)を合併した妊娠に見出されるCNPにおいていかなる差異も存在しなかった。母体血漿CNP濃度に対するこの所見も同様である。しかしながら、血漿NTproCNPを測定することによって、かなり異なる実態が浮かび上がる。後で平穏無事な分娩に進行する女性の中期の妊娠期間における非常に低いレベルと対照的に、非常に高い値が、後で有害事象を発生する女性において見出された。更に、濃度は妊娠期間が進むにつれて後者の群において印象的に上昇し続けるのに対して、増加は正常な妊娠においてほとんど明らかにならなかった。これらの差異は、血漿クレアチニンが2つの群において異ならなかったので、減少した腎クリアランスに起因し得ない。従って、妊娠早期におけるNTproCNPの測定はリスクのある女性を識別するのに大きな可能性を有するようにみえ、改善された焦点及びより効果的な監視を可能にし、また、早期治療インターベンションを可能にする。

0213

他の有意な所見は、本発明者らが合併症の事例において経時的に観察した血漿NTproCNP値の変動に関する。例えば、妊娠糖尿病を有する対象における上昇したレベルは、首尾良い治療を開始した後に減少する。子癇前症の特徴を発症する対象において、値は血圧が上昇すると増加し、これらの事例の両方において、胎盤CNP含有量(母体領域)は他の事例におけるよりも3〜5倍多かった。これらの結果により、少なくともリスクのある対象において妊娠期間中、血漿NTproCNPの連続監視の適用が重要であることが指摘される。注目すべきことに、(妊娠関連胎盤タンパク質、PAPP-Aを含む最先端の評価を使用して)低いリスクと等級分けされた対象も更に、登録時に血漿NTproCNPの高い値を有し、後で有害事象を発生した。

0214

予想外に、高いNTproCNPレベルを示す対象において識別される有害事象の範囲はかなり多様であり、胎児成長異常、妊娠糖尿病、切迫早期産、子癇前症及び胎盤過成熟(placental hypermaturity)としてこのような一見したところ関連のない病変を含んだ{Table 4(表4)を参照のこと}。この所見は、心臓負荷のみを反映するようである、sflt-1[子癇前症のマーカー{Myatt Lら(2009) Journal of Thrombosis and haemostasis 7(3):375〜84頁}]並びに他のナトリウム利尿ペプチド、ANP及びBNP{Sugulle Mら(2012) Hypertension 59(2):395〜401頁}などの高リスクの妊娠を評価するために現在使用されているいくつかの他の血液バイオマーカーを用いた経験と異なる。

0215

血漿NTproCNPは、高リスクの妊娠合併症である一部の女性において受胎の前でさえ正常より上昇しているようにみえる。妊娠は、ますます、母体血管恒常性に対して大きな課題を表しているとみなされる(Myatt Lら、上記)。従って、妊娠期間における有害事象は後年の血管損傷に対する感受性の最初の証拠でありうる。例えば、IUGR又は子癇前症を示す妊娠女性は、これらの合併症を有さない女性と比較して虚血性心疾患(IHD)又は脳卒中を発症するリスクの増加がある(Myatt Lら、上記)。まとめると、NTproCNPが血管脆弱性に対するマーカーであることを示すこの所見は、広範囲にわたってヒト病態生理学に関与し、既存の無症候性血管疾患が妊娠早期に現れうるという概念と一致する。

実施例

0216

最後に、多くの血液バイオマーカーに適用されているように、成体における血漿NTproCNP値は血管系以外の要因による影響を受けるようである。例えば、腎機能障害は血漿からクリアランスを減少させることによってレベルを上昇させる。上昇した濃度はまた、確立した心不全{Wright SPら(2004) Hypertension 43(1):94〜100頁}並びに増加した骨代謝回転{Schouten BJら(2012) Clinical endocrinology 76(6):790〜6頁}及び進行した肝硬変{Koch A (2012) Clinical Biochemistry 45(6):429〜35頁)}を有する対象をもたらす可能性も高い。しかしながら、覚醒時間にわたる日変化又は毎日の変動の欠如食物摂取の効果の欠如並びに収集及び保存に対する相対的安定性は、実務において臨床応用を促進するはずである全て有効な特性であり、特に現在、年齢及び性別に関連するSDS範囲が確立されている。

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