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技術 表面特性検査装置、表面特性検査システム及び表面特性検査方法

出願人 新東工業株式会社
発明者 牧野良保加賀秀明
出願日 2014年2月14日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2014-541473
公開日 2015年9月3日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-525336
状態 特許登録済
技術分野 磁気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 防護パネル 接触型検出器 表面特性評価 周波数調整器 交流ブリッジ回路 差分面積 ショットピーニング処理前 生産工数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

ショットピーニング処理熱処理窒化処理などの表面処理を施した処理材表面処理状態を、検査環境温度変化の影響を小さくして精度よく検査することができるとともにインラインの測定に適用できる表面特性検査装置表面特性検査システム及び表面特性検査方法を提供する。

解決手段

表面特性検査装置1は、交流電源10、交流ブリッジ回路20及び評価装置30を備え、交流ブリッジ回路20は、分配比γが可変可変抵抗21、基準検出器22及び検査検出器23により構成されている。検査検出器23は、被検体Mの表面特性検査領域に対向するように巻回されたコイル23bを備えており、交流電源10からの交流電力をコイル23bに供給することにより被検体Mに渦電流励起する。これにより、被検体Mの電磁気特性を検出し、交流ブリッジ回路10からの出力信号に基づいて表面特性を検査することができる。

概要

背景

自動車部品などに使用されるギヤシャフトなどの鋼材製品では、耐摩耗性向上、疲労強度向上などのために、熱処理窒化処理などによる表面硬化ショットピーニング処理などの表面処理が行われている。
従来、これら製品表面処理後残留応力硬度などの表面特性の評価は、抜き取り破壊検査により行われていた。そのため、製品を全て直接検査できないという問題、破壊検査であるため検査された製品が使えなくなるという問題などがあった。
そこで、製品の表面特性を非破壊で検査できる装置の開発の要請が高まっている。このような装置として、例えば、特許文献1には、ショットピーニング処理面上方に配置されるコイルを備えた検査回路周波数を変化させながら交流信号を入力して、検査回路におけるインピーダンス周波数応答特性を用いて検査対象における残留応力の発生状態を検査するショットピーニング処理面の非破壊検査装置が開示されている。

概要

ショットピーニング処理や熱処理、窒化処理などの表面処理を施した処理材表面処理状態を、検査環境温度変化の影響を小さくして精度よく検査することができるとともにインラインの測定に適用できる表面特性検査装置、表面特性検査システム及び表面特性検査方法を提供する。表面特性検査装置1は、交流電源10、交流ブリッジ回路20及び評価装置30を備え、交流ブリッジ回路20は、分配比γが可変可変抵抗21、基準検出器22及び検査検出器23により構成されている。検査検出器23は、被検体Mの表面特性検査領域に対向するように巻回されたコイル23bを備えており、交流電源10からの交流電力をコイル23bに供給することにより被検体Mに渦電流励起する。これにより、被検体Mの電磁気特性を検出し、交流ブリッジ回路10からの出力信号に基づいて表面特性を検査することができる。A

目的

本発明は、ショットピーニング処理や熱処理、窒化処理などの表面処理を施した処理材の表面処理状態を、検査環境の温度変化の影響を小さくして精度よく検査することができるとともにインラインの測定に適用できる表面特性検査装置、表面特性検査システム及び表面特性検査方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表面処理が施された被検体表面特性検査するための表面特性検査装置であって、交流ブリッジ回路と、前記交流ブリッジ回路に交流電力を供給する交流電源と、前記交流ブリッジ回路からの出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価する評価装置と、を備え、前記交流ブリッジ回路は、第1の抵抗と第2の抵抗とに分配比可変に構成された可変抵抗と、交流磁界を作用させ、前記被検体に渦電流励起するコイルを備えた検査検出器と、前記検査検出器からの出力と比較する基準となる基準状態を検出する基準検出器とを有し、前記第1の抵抗、前記第2の抵抗、前記基準検出器及び前記検査検出器はブリッジ回路を構成し、前記評価装置は、前記交流ブリッジ回路に交流電力が供給され、前記検査検出器が前記被検体の電磁気特性を検出し、前記基準検出器が基準状態を検出している状態における前記交流ブリッジ回路からの出力信号に基づいて、前記被検体の表面特性を評価することを特徴とする表面特性検査装置。

請求項2

前記コイルは、被検体の表面特性検査領域を囲むように巻回されており、前記コイルに交流電力を供給することにより前記表面特性検査領域に渦電流が励起されることを特徴とする請求項1に記載の表面特性検査装置。

請求項3

前記表面特性検査装置は、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置に組み込まれる表面特性検査装置であり、前記被検体または前記検査検出器を搬送して移動させることで、前記被検体を前記検査検出器の前記コイルの内側である評価位置に位置させる移動機構を備えることを特徴とする請求項2に記載の表面特性検査装置。

請求項4

さらに、前記被検体を上下に駆動可能とされ、前記検査検出器の前記コイルの内側に位置する評価位置と該評価位置の上方側及び下方側の一方又は両方の位置とに前記被検体を搬送する第1の搬送機構と、前記被検体の水平面内での位置を位置決めする位置決め部と、を備え、前記表面処理としてショットピーニング処理を行うショットピーニング装置による表面処理工程におけるインラインまたはアウトラインで被検体の表面特性を評価することを特徴とする請求項2に記載の表面特性検査装置。

請求項5

前記検査検出器は、歯車部を備えた被検体に渦電流を励起するように構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の表面特性検査装置。

請求項6

前記検査検出器は、さらに、前記コイルの外側に、被検体を囲むように配置され、外部磁気遮蔽する磁気シールドを備えたことを特徴とする請求項5に記載の表面特性検査装置。

請求項7

さらに、前記被検体の表面の温度を検出する温度測定手段が設けられ、前記評価装置は、前記温度測定手段で検出された温度が所定範囲内である場合に、前記被検体の表面処理状態良否を判断し、前記温度測定手段で検出された温度が所定範囲外である場合に、前記被検体の表面処理状態の良否の判断を行わないことを特徴とする請求項6に記載の表面特性検査装置。

請求項8

請求項3に記載の表面特性検査装置と、前記被検体を位置決めされた状態で保持する保持部と、を備え、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置であって、前記表面特性検査装置は、前記ショットピーニング処理の前後または前記ショットピーニング処理の後に、前記保持部で保持された前記被検体または前記検査検出器を搬送して移動させることで、前記保持部で保持された前記被検体を前記検査検出器の前記コイルの内側である評価位置に位置させ、前記被検体の表面特性を検査することを特徴とする表面処理装置。

請求項9

請求項4に記載の表面特性検査装置と、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置と、前記第1の搬送機構により第1待機位置に移動された前記被検体を水平方向または水平方向に対して傾斜した方向に搬送するとともに、前記被検体を前記表面処理装置の所定位置まで搬送する第2の搬送機構と、前記被検体を水平方向または水平方向に対して傾斜した方向に搬送可能とされ、ショットピーニング処理前エリアから第2待機位置を経由してショットピーニング処理及び検査済みエリアに搬送する第3の搬送機構とを備え、前記第1待機位置は、前記評価位置に対して上方側または下方側の位置、且つ前記表面処理装置に対向する位置であり、前記第2待機位置は、前記評価位置または前記評価位置に対して上方側若しくは下方側の位置であり、前記第3の搬送機構は、前記ショットピーニング処理前エリアから前記被検体を第2待機位置まで搬送し、前記第2待機位置まで搬送された前記被検体または前記検査検出器は、少なくともいずれか一方が移動されることにより、前記被検体が前記検査検出器の評価位置に位置させられ、前記第3の搬送機構は、前記第1の搬送機構により前記第2待機位置に移動された前記被検体を前記ショットピーニング処理及び検査済みエリアに搬送することを特徴とする表面処理システム

請求項10

さらに、前記検査検出器を上下方向に移動させる検査検出器搬送機構を備え、前記第2待機位置は、前記評価位置であり、前記第2待機位置まで前記被検体が搬送された際に、前記検査検出器が前記検査検出器搬送機構により上下方向に移動されることで、前記被検体が前記検査検出器の評価位置に位置させられることを特徴とする請求項9に記載の表面処理システム。

請求項11

前記第2待機位置は、前記評価位置に対して上方側若しくは下方側の位置であり、前記第2待機位置まで搬送された前記被検体は、前記第1搬送機構により上下方向に移動されることで、前記検査検出器の評価位置に位置させられることを特徴とする請求項9に記載の表面処理システム。

請求項12

請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の表面特性検査装置を用意し、前記交流電源から前記交流ブリッジ回路に交流電力が供給された状態で、前記検査検出器を被検体に渦電流が励起されるように配置する配置工程と、前記交流ブリッジ回路から出力された出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価する評価工程と、を備えた表面特性検査方法

請求項13

前記基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用意し、測定することを特徴とする請求項12に記載の表面特性検査方法。

請求項14

前記基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用いないことを特徴とする請求項12に記載の表面特性検査方法。

請求項15

被検体の表面特性を表面処理の前後でそれぞれ測定し、それぞれの測定値を比較することにより被検体の表面処理状態の良否を判断することを特徴とする請求項14に記載の表面特性検査方法。

請求項16

前記基準検出器は、コイルと、このコイルの内側に配置され、前記コイルに交流電力を供給することにより渦電流が励起される強磁性体コアと、を有することを特徴とする請求項1に記載の表面特性検査装置。

請求項17

前記交流ブリッジ回路は回路基板を備え、この回路基板上に、前記可変抵抗、及び前記基準検出器が配置されていることを特徴とする請求項16に記載の表面特性検査装置。

技術分野

背景技術

0002

自動車部品などに使用されるギヤシャフトなどの鋼材製品では、耐摩耗性向上、疲労強度向上などのために、熱処理、窒化処理などによる表面硬化、ショットピーニング処理などの表面処理が行われている。
従来、これら製品表面処理後残留応力硬度などの表面特性の評価は、抜き取り破壊検査により行われていた。そのため、製品を全て直接検査できないという問題、破壊検査であるため検査された製品が使えなくなるという問題などがあった。
そこで、製品の表面特性を非破壊で検査できる装置の開発の要請が高まっている。このような装置として、例えば、特許文献1には、ショットピーニング処理面上方に配置されるコイルを備えた検査回路周波数を変化させながら交流信号を入力して、検査回路におけるインピーダンス周波数応答特性を用いて検査対象における残留応力の発生状態を検査するショットピーニング処理面の非破壊検査装置が開示されている。

先行技術

0003

特開2008−2973号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、表面処理によって変化する透磁率導電率等の電磁気測定の要素は、環境変化の影響を受けるため、特開2008−2973号公報記載の装置においては、基準となる検体を測定した環境と被検体を測定する環境が異なる場合、特に温度変化が生じた場合には測定誤差が発生しやすいという問題がある。これにより、インラインの測定に採用することは困難である。また、局所的な測定であるため、渦電流の集中による発熱の影響が生じやすく、表面処理部全体を検査しようとすると多大な時間を要する。更に、接触式検出器を用いた場合には、被検体毎に形状に応じた検出器を用意しなければならず、汎用性の高い装置とはならない。

0005

そこで、本発明は、ショットピーニング処理や熱処理、窒化処理などの表面処理を施した処理材の表面処理状態を、検査環境の温度変化の影響を小さくして精度よく検査することができるとともにインラインの測定に適用できる表面特性検査装置、表面特性検査システム及び表面特性検査方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、表面処理が施された被検体の表面特性を検査するための表面特性検査装置であって、交流ブリッジ回路と、前記交流ブリッジ回路に交流電力を供給する交流電源と、前記交流ブリッジ回路からの出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価する評価装置と、を備え、前記交流ブリッジ回路は、第1の抵抗と第2の抵抗とに分配比可変に構成された可変抵抗と、交流磁界を作用させ、前記被検体に渦電流を励起するコイルを備えた検査検出器と、前記検査検出器からの出力と比較する基準となる基準状態を検出する基準検出器とを有し、前記第1の抵抗、前記第2の抵抗、前記基準検出器及び前記検査検出器はブリッジ回路を構成し、前記評価装置は、前記交流ブリッジ回路に交流電力が供給され、前記検査検出器が前記被検体の電磁気特性を検出し、前記基準検出器が基準状態を検出している状態における前記交流ブリッジ回路からの出力信号に基づいて、前記被検体の表面特性を評価する、という技術的手段を用いる。

0007

請求項1に記載の発明によれば、検査検出器のコイルにより被検体に渦電流を励起し、交流ブリッジ回路から出力された出力信号に基づいて被検体の表面特性を評価することができる。これにより、簡単な回路構成で高精度の表面状態の検査が可能である。また、被検体に渦電流を励起して表面特性を検査する方式を採用するため、検査環境の温度変化の影響を小さくすることができる。ここで、表面特性とは、「被検体の最表面から内面の影響層までの特性」のことをいう。

0008

請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の表面特性検査装置において、前記コイルは、被検体の表面特性検査領域を囲むように巻回されており、前記コイルに交流電力を供給することにより前記表面特性検査領域に渦電流が励起される、という技術的手段を用いる。

0009

請求項2に記載の発明によれば、磁気を安定して被検体に供給することができるとともに、被検体の表面特性検査領域を一度に検査することができる。また、渦電流を分散して被検体表面の発熱を抑制することができるので、被検体の温度変化を小さくすることができ、より精度の高い検査が可能となる。

0010

請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の表面特性検査装置において、前記表面特性検査装置は、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置に組み込まれる表面特性検査装置であり、前記被検体または前記検査検出器を搬送して移動させることで、前記被検体を前記検査検出器の前記コイルの内側である評価位置に位置させる移動機構を備える、という技術的手段を用いる。

0011

請求項3に記載の発明によれば、表面特性検査装置は、表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置に組み込まれ、移動機構を備えることにより、ショットピーニング処理後の被検体を迅速に検査することができる。また、表面処理装置(ショットピーニング装置)に、検査装置パッケージ化して顧客に提供できるので、表面処理装置(ショットピーニング装置)の価値を高め、顧客満足度を高めることができる。

0012

請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の表面特性検査装置において、さらに、前記被検体を上下に駆動可能とされ、前記検査検出器の前記コイルの内側に位置する評価位置と該評価位置の上方側及び下方側の一方又は両方の位置とに前記被検体を搬送する第1の搬送機構と、前記被検体の水平面内での位置を位置決めする位置決め部と、を備え、前記表面処理としてショットピーニング処理を行うショットピーニング装置による表面処理工程におけるインラインまたはアウトラインで被検体の表面特性を評価する、という技術的手段を用いる。

0013

請求項4に記載の発明によれば、被検体の位置決めを行う位置決め部及び第1の搬送機構が設けられているため、表面特性の評価時に適切な位置に被検体を位置させることができるので、精度の高い確実な検査を行うことができる。また、この位置決め部及び第1の搬送機構により自動化が可能となり、インラインでの検査が可能となる。ここで、「インライン」の検査とは、ショットピーニング処理前後の被検体の搬送作業(ショットピーニング装置への被検体の搬入出、評価位置への搬入出)がロボット等にて自動で行われる検査であり、ショットピーニング処理ライン生産工数に合わせた検査を示す。また、「アウトライン」の検査とは、ショットピーニング処理前後の被検体の搬送作業が手動で行われる検査であり、ショットピーニング処理ラインの生産工数には合わせない検査を示す。
ショットピーニング装置の前に検査装置を配置する必要がなくライン外の場所にて検査を行うこともアウトライン検査である。

0014

請求項5に記載の発明では、請求項3または請求項4に記載の表面特性検査装置において、前記検査検出器は、歯車部を備えた被検体に渦電流を励起するように構成されている、という技術的手段を用いる。

0015

例えば、ギヤのような歯車部を備えた部材は、接触式の検出器では全体を検査することが困難であるが、本発明の表面特性検査装置では、容易に検査することができ好適に用いることができる。

0016

請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の表面特性検査装置において、前記検査検出器は、さらに、前記コイルの外側に、被検体を囲むように配置され、外部磁気遮蔽する磁気シールドを備えた、という技術的手段を用いる。

0017

請求項6に記載の発明によれば、磁気シールドにより外部磁気を遮蔽することができるため、電磁気特性の検出感度を向上させることができ、表面処理状態に対応する電磁気特性の検出感度が向上するので、被検体の表面処理状態をより精度良く評価することができる。

0018

請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の表面特性検査装置において、さらに、前記被検体の表面の温度を検出する温度測定手段が設けられ、前記評価装置は、前記温度測定手段で検出された温度が所定範囲内である場合に、前記被検体の表面処理状態の良否を判断し、前記温度測定手段で検出された温度が所定範囲外である場合に、前記被検体の表面処理状態の良否の判断を行わない、という技術的手段を用いる。

0019

請求項7に記載の発明によれば、温度測定手段で検出された温度が検査の精度に影響を及ぼすような場合に被検体の表面処理状態の良否の判断を行わないようにすることができるので、精度の高い検査を行うことができる。

0020

請求項8に記載の発明では、請求項3に記載の表面特性検査装置と、前記被検体を位置決めされた状態で保持する保持部と、を備え、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置であって、前記表面特性検査装置は、前記ショットピーニング処理の前後または前記ショットピーニング処理の後に、前記保持部で保持された前記被検体または前記検査検出器を搬送して移動させることで、前記保持部で保持された前記被検体を前記検査検出器の前記コイルの内側である評価位置に位置させ、前記被検体の表面特性を検査する、という技術的手段を用いる。

0021

請求項8に記載の発明によれば、被検体を位置決めされた状態で保持する保持部が設けられているため、表面特性の評価時に適切な位置に被検体を位置させることができるので、精度の高い検査を行うことができる。また、この保持部により自動化が可能となり、インラインでの検査が可能となる。また、表面処理装置(ショットピーニング装置)に、検査装置をパッケージ化して顧客に提供できるので、表面処理装置(ショットピーニング装置)の価値を高め、顧客満足度を高めることができる。

0022

請求項9に記載の発明では、表面処理システムであって、請求項4に記載の表面特性検査装置と、前記表面処理としてショットピーニング処理を行う表面処理装置と、前記第1の搬送機構により第1待機位置に移動された前記被検体を水平方向または水平方向に対して傾斜した方向に搬送するとともに、前記被検体を前記表面処理装置の所定位置まで搬送する第2の搬送機構と、前記被検体を水平方向または水平方向に対して傾斜した方向に搬送可能とされ、ショットピーニング処理前エリアから第2待機位置を経由してショットピーニング処理及び検査済みエリアに搬送する第3の搬送機構とを備え、前記第1待機位置は、前記評価位置に対して上方側または下方側の位置、且つ前記表面処理装置に対向する位置であり、前記第2待機位置は、前記評価位置または前記評価位置に対して上方側若しくは下方側の位置であり、前記第3の搬送機構は、前記ショットピーニング処理前エリアから前記被検体を第2待機位置まで搬送し、前記第2待機位置まで搬送された前記被検体または前記検査検出器は、少なくともいずれか一方が移動されることにより、前記被検体が前記検査検出器の評価位置に位置させられ、前記第3の搬送機構は、前記第1の搬送機構により前記第2待機位置に移動された前記被検体を前記ショットピーニング処理及び検査済みエリアに搬送する、という技術的手段を用いる。

0023

請求項9に記載の発明によれば、第1の搬送機構及び位置決め部が設けられているので、この位置決め部が表面特性の評価時に適切な位置に被検体を位置させることができるので、精度の高い確実な検査を行うことができる。また、第1の搬送機構、第2の搬送機構、第3の搬送機構の組み合わせによりインラインでの検査が可能となる。第1の搬送機構及び位置決め部により、上述の適正な検査を実現するとともに、適切な状態で第2の搬送機構に被検体を搬送させることができ、第2の搬送機構による表面処理装置の適切な位置への搬送を実現する。すなわち、簡易な構成で表面処理装置での位置決めを実現する。

0024

請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の表面処理システムにおいて、さらに、前記検査検出器を上下方向に移動させる検査検出器搬送機構を備え、前記第2待機位置は、前記評価位置であり、前記第2待機位置まで前記被検体が搬送された際に、前記検査検出器が前記検査検出器搬送機構により上下方向に移動されることで、前記被検体が前記検査検出器の評価位置に位置させられる、という技術的手段を用いる。

0025

請求項10に記載の発明のように、検査検出器搬送機構により検査検出器を上下方向に移動させることにより被検体を検査検出器の評価位置に位置させる構成を採用することができる。

0026

請求項11に記載の発明では、請求項9に記載の表面処理システムにおいて、前記第2待機位置は、前記評価位置に対して上方側若しくは下方側の位置であり、前記第2待機位置まで搬送された前記被検体は、前記第1搬送機構により上下方向に移動されることで、前記検査検出器の評価位置に位置させられる、という技術的手段を用いる。

0027

請求項11に記載の発明によれば、検査検出器の位置を固定した状態で、被検体のみを移動させることにより検査を行うことができるので、検査検出器の搬送機構を設ける必要がなく、位置ずれも生じにくい。

0028

請求項12に記載の発明では、表面特性検査方法であって、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の表面特性検査装置を用意し、前記交流電源から前記交流ブリッジ回路に交流電力が供給された状態で、前記検査検出器を被検体に渦電流が励起されるように配置する配置工程と、前記交流ブリッジ回路から出力された出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価する評価工程と、を備えた、という技術的手段を用いる。

0029

請求項12に記載の発明によれば、表面特性検査装置を用いて、配置工程において交流電源から交流ブリッジ回路に交流電力が供給された状態で、検査検出器を被検体に渦電流が励起されるように配置し、評価工程において交流ブリッジ回路から出力された出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価することにより、被検体の表面特性を評価することができる。

0030

請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の表面特性検査方法において、前記基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用意し、測定する、という技術的手段を用いる。

0031

請求項13に記載の発明によれば、基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用いるため、表面処理状態が良好な基準検体を用いれば、被検体の表面状態の良否を基準検体と比較して評価することができる。

0032

請求項14に記載の発明では、請求項12に記載の表面特性検査方法において、前記基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用いない、という技術的手段を用いる。

0033

請求項14に記載の発明によれば、基準検出器において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体を用いないため、基準検体の温度変化の影響を受けることがなく、高精度の検査が可能である。

0034

請求項15に記載の発明では、請求項14に記載の表面特性検査方法において、被検体の表面特性を表面処理の前後でそれぞれ測定し、それぞれの測定値を比較することにより被検体の表面処理状態の良否を判断する、という技術的手段を用いる。

0035

請求項15に記載の発明によれば、表面処理の前後の表面特性を比較して表面特性の変化を把握することができるので、より正確で精度の高い検査を行うことができる。

0036

請求項16に記載の発明では、請求項1に記載の表面特性検査装置において、前記基準検出器は、コイルと、このコイルの内側に配置され、前記コイルに交流電力を供給することにより渦電流が励起される強磁性体コアと、を有する、という技術的手段を用いる。

0037

請求項16に記載の発明によれば、基準検出器がコイルを備え、このコイルの内側に基準検体ではなく、強磁性体コアが配置されるので、被検体の寸法、形状に依存することなく、基準検出器を構成することが可能になり、基準検出器を小型化することができる。

0038

請求項17に記載の発明では、請求項16に記載の表面特性検査装置において、前記交流ブリッジ回路は回路基板を備え、この回路基板上に、前記可変抵抗、及び前記基準検出器が配置されている、という技術的手段を用いる。

0039

請求項17に記載の発明によれば、可変抵抗、及び基準検出器が回路基板上に配置されているので、基準検出器を別途取り扱う必要がなく、表面特性検査装置の取り扱いが容易になると共に、表面特性検査装置の設置の自由度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0040

表面特性検査装置の構成を示す説明図であり、表面特性検査装置の回路構成を示す図である。
表面特性検査装置の構成を示す説明図であり、検査検出器の構成を示す透視図である。
交流ブリッジ回路からの出力について説明する等価回路図である。
表面特性検査方法を示すフローチャートである。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
表面処理装置の構成を示す説明図である。
表面処理装置の構成を示す説明図である。
第1実施形態の表面特性評価システムの変更例を示す説明図である。
第2実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
第2実施形態の表面特性検査システムの構成及び表面特性検査方法の工程を示す説明図である。
表面特性検査装置の回路構成の変更例を示す説明図である。
本発明の表面検査方法における検査環境の温度変化の影響を従来の表面特性検査方法と比較した実施例の結果を示す説明図である。
本発明の表面検査方法における検査環境の温度変化の影響を従来の表面特性検査方法と比較した実施例の結果を示す説明図である。
本発明の表面検査方法における検査環境の温度変化の影響を従来の表面特性検査方法と比較した実施例の結果を示す説明図である。

0041

(表面特性検査装置)
図1Aに示すように、本発明の実施形態による表面特性検査装置1は、交流電源10、交流ブリッジ回路20及び評価装置30を備えている。

0042

交流電源10は、交流ブリッジ回路20に周波数が可変の交流電力を供給可能に構成されている。

0043

交流ブリッジ回路20は、可変抵抗21、被検体Mに渦電流を励起するようにコイルを配置可能に形成された検査検出器23を備えた検査検出器23及び検査検出器23からの出力と比較する基準となる基準状態を検出する基準検出器22を備えている。

0044

可変抵抗21は、抵抗RAを抵抗R1と抵抗R2とに分配比γを可変に分配することができるように構成されている。抵抗R1、抵抗R2は、基準検出器22及び検査検出器23とともにブリッジ回路を構成している。本実施形態では、抵抗R1と抵抗R2とを分配する点A及び基準検出器22と検査検出器23との間の点Bが評価装置30の交流電源10に接続され、抵抗R1と基準検出器22との間の点C及び抵抗R2と検査検出器23との間の点Dが増幅器31に接続されている。また、ノイズの低減のため、基準検出器22及び検査検出器23側が接地されている。

0045

評価装置30は、交流ブリッジ回路20から出力される電圧信号増幅する増幅器31、全波整流を行う絶対値回路32、直流変換を行うローパスフィルタLPF)33、交流電源10から供給される交流電圧と増幅器31から出力される電圧位相を比較する位相比較器34、交流電源10から供給される交流電圧の周波数を調整する周波数調整器35、R1とR2の分配を最適化する非平衡調整を行うとともに、LPF33からの出力に基づいて被検体Mの表面状態の良否を判断する判断手段36及び判断手段36による判断結果を表示、警告する表示手段37、評価位置の温度を検出する温度測定手段38を備えている。

0046

増幅器31は、点C及び点Dに接続され、点Cと点Dとの間の電位差が入力される。また、絶対値回路32、LPF33の順に判断手段36に接続されている。位相比較器34は、交流電源10、増幅器31及び判断手段36に接続されている。周波数調整器35は、交流電源10及び増幅器31に接続されている。また、判断手段36は、制御信号を出力することにより、交流ブリッジ回路20の点Aの位置、即ち、抵抗R1と抵抗R2の分配比γを変更することができるように構成されており、これにより、後述する可変抵抗設定工程が実行される。

0047

温度測定手段38は、非接触式赤外センサ熱電対などからなり、被検体Mの表面の温度信号を判断手段36に出力する。判断手段36は、温度測定手段38で検出された被検体Mの温度が所定範囲内である場合に、被検体Mの表面処理状態の良否を判断し、温度測定手段38で検出された温度が所定範囲外である場合に、被検体Mの表面処理状態の良否の判断を行わない。これにより、被検体Mの温度が検査の精度に影響を及ぼすような場合に被検体の表面処理状態の良否の判断を行わないようにすることができるので、精度の高い検査を行うことができる。ここで、熱電対などで評価位置Tsの温度を測定し、被検体Mの表面の温度を代表する温度として被検体Mの表面処理状態の良否を判断するか否かの判断を行う構成を採用することもできる。

0048

検査検出器23及び検査検出器23と同様の構成の基準検出器22として、被検体の評価部を挿通可能なコアの外周にコイルが巻回されて形成され、コイルを被検体Mの表面と対向させて近接させ被検体Mに渦電流を励起可能な検出器を用いる。すなわち、このコイルは、被検体の表面特性検査領域を囲むように対向されて巻回されている。ここで、被検体の表面特性検査領域を囲むとは、少なくとも表面特性検査領域の一部を包囲する(包むよう囲む)ことで、表面特性検査領域に渦電流を励起することを含むことを意味している。

0049

ここでは、被検体Mとして歯車部を備えた被検体、例えば、歯車部が表面処理されたギヤGの表面特性を検査するために用いる検査検出器23について説明する。検査検出器23は、図1Bに示すように、ギヤGの歯車部を覆うように形成された円筒状のコア23aと、コア23aの外周面に巻回されたコイル23bと、を備えている。コア23aは非磁性材料、例えば、樹脂により形成されている。なお、コア23aの形状は、ギヤGを内側に配置できれば円筒状に限らない。なお、基準検出器22では、被検体Mは配置されず、基準出力を出力するための基準検体Sを配置することができる。

0050

本発明の検査検出器23は、渦電流の反応を高精度に捉えて表面特性を評価することを特徴としているため、表面特性を検査したい領域に渦電流が流れるように、被検体Mに対して配置することが好ましい。つまり、コイル23bの巻方向が渦電流を流したい方向と同方向となるように配置することが好ましい。

0051

ギヤGはショットピーニング処理により歯車部に残留応力層が形成される。被検体MとしてギヤGを評価する場合には、歯先だけではなく、歯面及び歯底の表面特性を評価することが好ましい。そのため、コイル23bの巻方向がギヤGの回転軸とほぼ直交するようにコイル23bを配置するとよい。これにより、回転軸の方向に磁界ループが発生するため、ギヤGの回転方向に渦電流を励起させることができるので、歯先だけではなく、歯面及び歯底の表面特性を評価することができる。従来の接触型の検出器では、歯の形状に合わせて数種類の検出器を用意する必要があるとともに、接触部近傍の表面特性しか検査することができなかったが、検査検出器23によれば、単一の検出器で広い範囲の表面特性を一度に検査することができる。

0052

検査検出器23は、コイル23bが形状を維持できればコア23aを備えていなくてもよい。このようなコイル23bは、例えば、硬化性エポキシ樹脂等にて、空芯にて巻回しエナメル銅線接着、若しくは、熱にて硬化する作用のある融着エナメル銅線を用いて空芯にて巻回した後に熱風乾燥炉等の熱にて硬化させて形成することができる。

0053

コイル23bが被検体Mの検査対象面を囲むように対向させて検査検出器23を配置し、交流電源10によりコイル23bに所定の周波数の交流電力を供給すると交流磁界が発生し、被検体Mの表面に交流磁界に交差する方向に流れる渦電流が励起される。渦電流は残留応力層の電磁気特性に応じて変化するため、残留応力層の特性(表面処理状態)に応じて増幅器31から出力される出力波形電圧波形)の位相及び振幅(インピーダンス)が変化する。この出力波形の変化により表面処理層の電磁気特性を検出し、検査を行うことができる。

0054

即ち、コイル23bに交流電力を供給することにより、コイル23bの内側にはコイル23bの軸線に平行な方向の交流磁界が生成される。この交流磁界は、コイル23bの内側に配置され、コイル23bには非接触のギヤGの内部に、交流磁界の方向に直交する方向の渦電流を励起する。これにより、ギヤGの内部にはギヤGの回転方向の渦電流が励起される。このため、渦電流は、表面特性を検査すべきギヤGの表面特性検査領域(ギヤGの外周面近傍)に多く流れることとなり、励起される渦電流には表面特性検査領域の表面処理状態が強く反映される。このように、表面特性を検査すべき面(表面特性検査領域)に対し、概ね平行な方向の交流磁界が作用するように被検体を配置することにより、感度良く表面特性を検出することができる。換言すれば、コイルの内周面に沿う方向に表面特性検査領域を配置するのが好適である。

0055

また、ギヤGの内部に励起される渦電流は、表面特性検査領域(ギヤGの外周面近傍)にほぼ一様に分布するので、表面特性検査領域全体の特性が渦電流に反映され、表面特性検査領域全体の表面処理状態を正確に検出することができる。また、渦電流が表面特性検査領域全体に分布するので、局部的に大きな渦電流が流れることにより、被検体の温度が上昇して検出精度が低下するのを防止することができる。
さらに、ワークであるギヤGを囲み、より多くの渦電流変化を取り込むことが可能になるため、検査環境の温度変化の影響を少なくすることができる。

0056

検査検出器23の外方であって被検体Mを囲んで配置される磁気シールド23cを設けることもできる。磁気シールド23cを用いると、外部磁気を遮蔽することができるため、電磁気特性の検出感度を向上させることができ、表面処理状態に対応する電磁気特性の検出感度が向上するので、被検体Mの表面処理状態をより精度良く評価することができる。

0057

(交流ブリッジ回路からの出力)
次に、非平衡状態に調整された交流ブリッジ回路20からの出力について、図2等価回路を参照して説明する。基準検出器22には基準出力を出力するための、例えば、表面処理状態が良好であると保証されている基準検体Sが近接され、検査検出器23には表面処理状態の良否を判定すべき被検体Mが近接されている。なお、後述するように、基準検出器22に基準検体Sを近接させない、すなわち基準検体Sを用いずに表面特性を検査することもできる。以下に、基準検体Sを用いる場合の出力について説明するが、基準検体Sを用いない場合には、後述のiαが0になることを除いて同様であるので説明は省略する。なお、後述する表面特性検査方法では、基準検体Sを用いない場合について説明している。

0058

可変抵抗RAの分配比をγとした場合、抵抗R1はRA/(1+γ)、抵抗R2はRAγ/(1+γ)となる。基準検出器22のインピーダンスをRS+jωLS、検査検出器23のインピーダンスをRT+jωLTとする。また、点Aの電位をEとし、基準検出器22、検査検出器23に各検体(基準検体S、被検体M)を近接させていないときのブリッジの各辺に流れる励磁電流をそれぞれi1、i2、各検体を基準検出器22、検査検出器23に近接させることにより磁気量が変化し、その変化量に応じて流れる電流をそれぞれiα、iβとする。このときの基準検出器22及び検査検出器23の電位E1、E2及び励起電流i1、i2は以下の式(1)〜(4)で表される。

0059

0060

0061

0062

0063

増幅器31に出力される電圧はE1、E2の差分であり、次式で表される。

0064

0065

式(3)〜(5)より次式が導かれる。

0066

0067

式(6)の右辺を次の成分A、Bに分けて差分電圧の各成分について考える。
成分A:

成分B:

0068

成分Aは、各検出器成分:(RS+jωLS)、(RT+jωLT)、各検出器に各検体が近接したときに変化する電流量:iα、iβにより構成される。iα、iβは各検体の透磁率、導電率などの電磁気特性に起因する検体を通る磁気量によって大きさが変化する。このため各検出器から発生する磁気量を左右する励磁電流i1、i2を変えることでiα、iβの大きさを変化させることができる。また、式(3)、式(4)より、励磁電流i1、i2は可変抵抗の配分比γによって変わるので、可変抵抗の配分比γを調整することにより成分Aの大きさを変化させることができる。

0069

成分Bは、各検出器成分:(RS+jωLS)、(RT+jωLT)、可変抵抗の配分比γで分けられた抵抗のパラメーターにより構成される。このため、成分A同様に可変抵抗の配分比γの調整により成分Bの大きさを変化させることができる。

0070

被検体Mを所定の位置に配置し、交流電源10により検査検出器23のコイル23bに所定の周波数の交流電力を供給すると、被検体Mの表面に交流磁界に交差する方向に流れる渦電流が励起される。渦電流は残留応力層の電磁気特性に応じて変化するため、残留応力層の特性(表面処理状態)に応じて増幅器31から出力される出力波形(電圧波形)の位相及び振幅(インピーダンス)が変化する。この出力波形の変化により残留応力層の電磁気特性を検出し、表面処理層の検査を行うことができる。

0071

ブリッジの増幅器31から出力される信号は、基準検出器22及び検査検出器23の電圧波形の差分面積を抽出した信号であり、検出器を流れる電流(励磁電流)を一定にする回路構成になっているので、抽出された電圧信号は電力信号として考えることができる。また、検出器へ供給する電力は常に一定であり、被検体Mへ供給する磁気エネルギーも一定とすることができる。

0072

(表面特性検査方法)
次に、表面特性検査装置1による被検体の表面特性検査方法について図3を参照して説明する。

0073

まず、準備工程S1では、表面特性検査装置1と、表面処理が良好な基準検体Sと、を用意する。併せて、表面処理を施していない検体または表面処理状態が不良な検体である参照検体を用意しておいてもよい。

0074

次に、可変抵抗設定工程S2を行う。可変抵抗設定工程S2では、まず、交流電源10から交流ブリッジ回路20に交流電力を供給する。この状態で、表面特性検査装置1による検体の検出感度が高くなるように、可変抵抗21の分配比γを調整する。即ち、検査検出器23に検体を近接させずに、交流ブリッジ回路20の出力信号が小さくなるように、可変抵抗21の分配比γを調整する。このように可変抵抗21を設定しておくことにより、検査検出器23に近接した被検体Mの表面処理状態が不良である場合と、表面処理状態が良好である場合の出力信号の差異が大きくなり、検出精度を高くすることができる。具体的には、オシロスコープなど波形表示機能を持つ表示装置(例えば、判断手段36が備えている)にて交流ブリッジ回路20からの出力信号の電圧振幅、またはLPF33からの電圧出力モニターし、出力が小さくなるように分配比γを調整する。好ましくは、出力が最小値又は極小値(局所平衡点)をとるように、可変抵抗21の分配比γを調整して、設定する。

0075

可変抵抗21の分配比γの調整は、差分電圧(E2−E1)を小さくすることにより表面状態の差異に応じた出力差を増大させ、検査精度を向上させるために行われる。上述したように成分A、Bは分配比γを調整することにより変化するため、基準検出器22、検査検出器23のインピーダンス(RS+jωLS)、(RT+jωLT)に応じて、可変抵抗21の分配比γを調整し、交流ブリッジ回路20からの出力である差分電圧(E2−E1)を小さくすることができる。これにより、基準検出器22と検査検出器23との特性の違いを軽減して、被検体Mの本来の特性を少しでも大きく抽出することができるので、検査精度を向上させることができる。

0076

周波数設定工程S3では、基準検体Sを検査検出器23に近接させた状態で、交流電源10から交流ブリッジ回路20に交流電力を供給し、周波数調整器35により交流ブリッジ回路20に供給する交流電力の周波数を変化させて交流ブリッジ回路20から電圧振幅出力またはLPF33からの電圧出力をモニターする。

0077

周波数調整器35は、周波数調整器35において設定された初期周波数f1になるように交流電源10へ制御信号を出力し、周波数f1における増幅器31からの出力電圧Ef1が周波数調整器35に入力され、記憶される。続いて、周波数f1よりも所定の値、例えば100Hz高い周波数f2になるように交流電源10へ制御信号を出力し、周波数f2における増幅器31からの出力電圧Ef2が周波数調整器35に入力され、記憶される。
続いて、Ef1とEf2との比較を行い、Ef2>Ef1であれば、周波数f2よりも所定の値高い周波数f3になるように制御信号を出力し、周波数f3における増幅器31からの出力電圧Ef3が周波数調整器35に入力され、記憶される。そして、Ef2とEf3との比較を行う。これを繰り返し、Efn+1<Efnとなったときの周波数fn、つまり出力が最大となる周波数fnを、しきい値設定工程S4及び交流供給工程S5で用いる周波数として設定する。これにより、表面処理状態、形状などが異なりインピーダンスが異なる被検体Mに対応して交流ブリッジ回路20からの出力を大きくする周波数を一度の操作により設定することができる。最適な周波数は、被検体の材料、形状、表面処理状態により、変化することとなるが、これがあらかじめわかっている場合、周波数の設定は不要である。これにより、表面処理状態の変化に出力が敏感に対応し、検査の感度を向上させることができる。
ここで、周波数設定工程S3は、可変抵抗設定工程S2よりも先に実施することもできる。また、基準検体Sを用いると、最適な周波数を選定して、被検体M本来の特性を少しでも大きく抽出することができるが、基準検体Sに代えて参照検体を用いて周波数を設定することもできる。

0078

しきい値設定工程S4では、基準検体Sを検査検出器23に近接させ、周波数設定工程S3において設定された周波数の交流電力を交流電源10から交流ブリッジ回路20に供給する。交流ブリッジ回路20から出力された電圧出力は、増幅器31で増幅され、絶対値回路32において全波整流を行い、LPF33において直流変換を行い、判断手段36へ出力される。検査検出器23に表面処理が良好な基準検体Sを近接させたときに判断手段36へ出力された出力値を正常しきい値として設定し、判断手段36に記憶させておく。ここで、検査検出器23に参照検体を近接させたときに判断手段36へ出力された出力値を不良しきい値として設定し、しきい値を増やすことにより、検査の利便性を高めることもできる。

0079

後述する良否判断工程S8において、被検体Mを検査検出器23に近接させたときの出力値と、正常しきい値及び不良しきい値を比較して、被検体Mの良否が判断する場合、被検体Mの出力値が、正常しきい値と不良しきい値の間の値である場合には、良否を判定できないことになる。そこで、表面状態が異なる複数の参照検体を用いて出力測定を行い、正常しきい値との差が小さくなるように不良しきい値を設定することもできる。また、被検体の破壊検査を併用することにより、不良しきい値をより精密に決定しても良い。

0080

交流供給工程S5では、周波数設定工程S3において設定された周波数の交流電力を交流電源10から交流ブリッジ回路20に供給する。ここで、基準検体Sは検査検出器23に近接していない。

0081

次いで、配置工程S6では、表面処理状態の良否を判定すべき被検体Mを検査検出器23に近接させ、被検体に渦電流が励起されるように配置する。このとき、交流ブリッジ回路20から電圧出力信号が出力され、出力信号は、増幅器31で増幅され、絶対値回路32において全波整流され、LPF33において直流変換される。

0082

温度測定手段38は、被検体Mが検査検出器23に近接する前、または被検体Mの配置後に被検体Mの表面の温度を測定し、被検体Mの表面の温度信号を判断手段36に出力する。

0083

検査状態判断工程S7では、位相比較器34により交流電源10から供給される交流電力の波形と交流ブリッジ回路20から出力される交流電圧波形を比較し、それらの位相差を検出する。この位相差をモニターすることにより、検査状態が良好である(例えば、検査検出器23と被検体Mの位置ずれがない)か否かを判断することができる。交流ブリッジ回路20からの出力が同じであっても、位相差が大きく変化した場合には、検査状態に変化があり、検査が適正に行われていない可能性があると判断することができる。また、判断手段36は、温度測定手段38で検出された被検体Mの温度が所定範囲内である場合に、被検体Mの表面処理状態の良否を判断し、温度測定手段38で検出された温度が所定範囲外である場合に、被検体Mの表面処理状態の良否の判断を行わない。ここで、所定の温度範囲は、被検体Mの温度変化が検査に実質的に影響を及ぼさない温度範囲であり、例えば、0〜60℃と設定することができる。被検体Mの表面の温度が所定の温度範囲外であった場合には、被検体Mが所定の温度範囲内になるまで待機する、被検体Mにエアを吹き付ける、被検体Mの検査を行わず別のラインに移動させる、などを行うことができる。

0084

良否判断工程S8では、LPF33において直流変換された信号が判断手段36に入力され、判断手段36は、入力された信号に基づいて被検体Mの表面状態の良否を判断する。つまり、本工程は交流ブリッジ回路20から出力された出力信号に基づいて、被検体の表面特性を評価する評価工程である。判断手段36による判断結果は、表示手段37により表示され、表面状体が不良である場合には警告する。

0085

被検体Mの表面処理状態の良否の判断は、LPF33からの出力値(測定値)と、しきい値設定工程S4において設定された正常しきい値と、を比較することにより行われる。
不良しきい値を設定した場合には、LPF33からの出力値(測定値)と、正常しきい値及び不良しきい値と、を比較することにより行われる。

0086

以上の工程により、被検体Mの表面処理状態の良否を簡単かつ高精度に検査することができる。検査を継続するには、被検体Mのみを交換して、配置工程S6、検査状態判断工程S7、良否判断工程S8を繰り返し行えばよい。被検体Mの種類、表面処理の種類などを変更する場合には、再度、可変抵抗設定工程S2、周波数設定工程S3、しきい値設定工程S4を実施する。

0087

検査検出器23は、ギヤGの表面を流れる渦電流の変化を捉えることにより、表面抵抗変化間接的に捉えている。ここで、表面処理としてショットピーニング処理を行った場合には、渦電流の流量が変化する要因としてはショットピーニングによる歪みや組織微細化、転位が挙げられるが、これらは測定環境の温度変化(0℃〜40℃)程度ではほぼ一定である。検査検出器23で検出する磁気変化は、渦電流の反磁界の変化によるものであり、渦電流が変化する要因が、測定環境の温度変化の影響を受けにくいことから、温度変化による検査精度への影響を小さくすることができる。なお、基準検出器22において基準状態を検出するために、基準出力を出力するための基準検体Sを用いることもできる。これによれば、例えば、表面処理状態が良好な基準検体Sを用いれば、被検体Mの表面状態の良否を基準検体Sと比較して評価することができる。

0088

このように、基準検出器22に基準検体Sを接近させ(基準検出器22のコイル22bの内側に基準検体Sを配置し)、基準出力を得ることにより、被検体Mの表面状態の良否を精度良く評価することができる。しかしながら、表面特性検査装置の設置環境によっては、被検体Mの温度と基準検体Sの温度を同程度に維持することが困難な場合がある。また、設置環境によっては、被検体M、基準検体Sが夫々受ける誘導ノイズ外乱が被検体Mと基準検体Sで著しく異なる場合がある。これらの場合には、基準検体Sを使用することで、却って被検体Mの表面状態を正確に評価することが困難になるため、基準検体Sを使用せずに表面特性を評価することが望ましい。

0089

このように、基準検体Sを使用せずに表面特性を検査することを前提とした場合、基準検出器22のコイル22bを検査検出器23のコイル23bよりも小型に構成することもできる。これにより、基準検出器22を小型化することが可能になる。好ましくは、基準検出器22のコイル22bを小型に構成した場合には、コイル22bの内側に強磁性体コア22aを配置する。強磁性体コア22aが配置されると、基準検出器22のコイル22bのインダクタンスが上昇するので、印加電圧の周波数を同一にした場合、強磁性体コア22aを配置していないコイルよりもインピーダンスが高くなる。これにより、検査検出器23のコイル23bと同程度のインピーダンスを有するコイル22bをより小型に構成することができる。

0090

また、基準検出器22のコイル22bの内側に強磁性体コア22aを配置することにより、これが磁気シールドとなり、コイル22b周辺からの誘導ノイズの影響を受けにくくなるという利点もある。さらに、基準検出器22のコイル22bを小型化することにより、このコイル22bを、交流ブリッジ回路(可変抵抗21)を実装した回路基板24上に配置することも可能になる。これにより、基準検出器22を交流ブリッジ回路と共に容易に取り扱うことが可能になると共に、表面特性検査装置の設置の自由度を向上させることができる。

0091

(表面特性評価システム:第1実施形態)
次に、表面特性検査装置1を含み、表面処理としてショットピーニング処理を行うショットピーニング装置による表面処理工程におけるインラインまたはアウトラインで被検体の表面特性を評価する表面特性評価システムについて説明する。図4A〜4D、図5A〜5Dに示すように、表面特性評価システム100は、被検体Mの表面処理を行う表面処理装置110、シリンダからなる第1搬送機構120、搬送アームからなる第2搬送機構121、コンベアからなる第3搬送機構122、シリンダからなる検査検出器搬送機構123を備えている。なお、図4A〜4D、図5A〜5Dでは、平面図と側面図を上下に並べて示す。図4A、4B及び図5Dの平面図においては、検査検出器23の図示を省略する。また、検査検出器23は表面特性検査装置1に含まれるが、図4A〜4D、図5A〜5Dにおいては説明のため別に表記している。本実施形態では、表面処理としてギヤGの歯車部のショットピーニング処理を行う。ここで、表面特性評価システム100は、請求項4に示す表面特性検査装置を含んだ請求項9、10に示す構成である。なお、本実施形態では、第1搬送機構120は表面特性検査装置1に備えられているが、表面特性評価システム100に設けられている構成も採用することができる。

0092

第1搬送機構120は、被検体であるギヤGを上下に駆動可能とされ、先端にギヤGを搬送する際に、水平面内での位置を位置決めする位置決め部120aを備えている。位置決め部120aは、例えば、上方に向かってテーパーを有する突起部として形成され、ギヤGを載置するだけで位置決め可能に構成されている。第1搬送機構120は、検査検出器23のコイル23bの内側でギヤGの検査を行う評価位置Tsに対して上下方向(評価位置Tsの上方側及び下方側の一方又は両方の位置)にギヤGを搬送することができる。このように、位置決め部120aは、第1の搬送機構が被検体を搬送する際に、被検体の水平面内での位置を位置決めする位置決め部である。なお、位置決め部は、この構成に限られるものではなく、被検体の水平面内での位置を位置決めできる構成であればよい。例えば、後述するストッパ122aが位置決め機能を有する構成とすることもできる。

0093

第2搬送機構121はギヤGを把持可能な搬送アームからなり、第1搬送機構120により後述する第1待機位置T1に移動されたギヤGを水平方向に搬送するとともに、ギヤGを表面処理装置110のステージ115aに搬送する。なお、第1待機位置T1と表面処理装置110のステージ115aとの位置関係によっては、第2搬送機構121がギヤGを水平方向に対して傾斜した方向に搬送する構成を採用することができる。

0094

第3搬送機構122は、ショットピーニング処理前エリアAbから第2待機位置T2を経由してショットピーニング処理及び検査済みエリアAaに搬送する。

0095

検査検出器搬送機構123は、検査検出器23を上下方向に移動させ、ギヤGが検査検出器23の評価位置Tsに位置させられるようにする。

0096

本実施形態では、表面処理装置110として、ショットピーニング装置を採用する。図6Aに示すように、ショットピーニング装置は、被処理物投射材噴射してショットピーニング処理を行う噴射ノズル111、噴射ノズル111に投射材を供給する供給装置112、投射材や粉塵分級して分離する分離装置113などを備えており、処理室114内部でショットピーニング処理を行うことができるように構成されている。また、ギヤGを位置決めされた状態で載置するステージ115aとギヤGを上方から押さえて固定するためワーク押さえ115bとからなる保持部115と、ステージ115aと連結され、ギヤGを水平方向に回転させる回転装置116を備えている。

0097

表面処理装置110によるショットピーニング処理は、図6Bに示すように、まず、シリンダ117によりワーク押さえ115bを下方に移動させて、ステージ115aに搬送されたギヤGを上方から押さえて固定し、回転装置116により回転させながら、噴射ノズル111から投射材を噴射してギヤGの歯面の側方から歯車部にショットピーニングを行うことにより実施する。

0098

表面特性評価システム100を用いたギヤGの表面特性評価方法を説明する。まず、図4Aに示すように、円筒状のギヤGを回転軸が鉛直方向である状態で、第3搬送機構122によりショットピーニング処理前エリアAbから搬送し、ストッパ122aによりギヤGを停止させる。

0099

次に、図4Bに示すように、第1搬送機構120がギヤG下方から上昇し、ギヤGを第2待機位置T2に位置決めする。ここで、位置決め機構として、例えば、ギヤG中心の孔部に挿通可能なテーパー部を備えた受け具を採用することができる。

0100

続いて、図4Cに示すように、検査検出器搬送機構123により検査検出器23をギヤG側に移動させてコイル23bが歯車部に対向する位置に配置し、表面処理前の表面特性を検査する。表面処理前の表面特性データは評価装置30の判断手段36に記憶される。位置決め部120aによりギヤGが位置決めされているため、表面特性の評価時に適切な位置にギヤGを位置させることができるので、精度の高い確実な検査を行うことができる。ここで、第2待機位置T2が表面特性を評価し、検査する評価位置Tsとなる。本実施形態では、第2待機位置T2が評価位置Tsとなるが、検査検出器23及びギヤGを移動させ、第2待機位置T2が評価位置Tsに対して上方側若しくは下方側の位置とする構成を採用することもできる。

0101

続いて、図4Dに示すように、第1搬送機構120によりギヤGを検査検出器23より上方の第1待機位置T1に移動させる。これにより、ギヤGは検査検出器23の評価位置Tsから移動し、表面処理装置110に搬送可能な状態となる。本実施形態では、第1待機位置T1は評価位置Tsに対して上方側であるが、評価位置Tsに対して上方側または下方側の位置、且つ表面処理装置110に対向する位置であればよい。

0102

続いて、図5Aに示すように、ギヤGを第2搬送機構121により把持し、表面処理装置110に搬送し、第1待機位置T1から見て水平方向または水平方向に対して傾斜した方向に位置するステージ115aに載置し、ワーク押さえ115bにより位置決め固定する。

0103

表面処理装置110により表面処理を行った後に、図5Bに示すように、ギヤGを第2搬送機構121により把持し、第1待機位置T1で待機する第1搬送機構120の位置決め部120aに搬送し、載置する。続いて、第1搬送機構120によりギヤGを第2待機位置T2(評価位置Ts)に移動させて、表面処理後の表面特性を検査する。ここで、評価装置30は判断手段36に記憶された表面処理前の表面特性データと表面処理後の表面特性データとの比較(例えば差分計算)を行い、あらかじめ設定されたしきい値と比較することにより表面処理状態の良否を判断することができる。

0104

続いて、図5Cに示すように、検査検出器搬送機構123により検査検出器23を上昇させてギヤGと離間させ、図5Dに示すように、ストッパ122aを解除して第3搬送機構122によりギヤGを検査済みエリアAaに搬送する。

0105

以上の工程のように、表面処理装置110を含む表面特性評価システム100では、第1搬送機構120に位置決め部120aが設けられているので、表面特性の評価時に適切な位置にギヤGを位置させることができるので、精度の高い確実な検査を行うことができる。位置決め部120aを備えた第1搬送機構120により、適切な状態で第2搬送機構121にギヤGを搬送させることができ、第2搬送機構121による表面処理装置110の適切な位置への搬送を実現する。すなわち、簡易な構成で表面処理装置110での位置決めを実現することができる。第1搬送機構120、第2搬送機構121、第3搬送機構122、検査検出器搬送機構123との組み合わせにより、ショットピーニング処理前後の被検体の搬送作業が自動で行われる検査であり、ショットピーニング処理ラインの生産工数に合わせた検査であるインライン検査が可能となる。

0106

以上の工程では、図4Cに示すように、表面処理前の表面特性検査を行ったが、表面処理後の表面特性検査だけでもよい。この場合には、表面処理状態の良否を判断は、測定値と正常しきい値、または測定値と正常しきい値及び不良しきい値の比較により行う。

0107

検査検出器23の位置を固定した状態で、ギヤGのみを移動させることにより検査を行うこともできる。この場合、図7に示すように、検査検出器23を第1待機位置T1と第2待機位置T2との間に配置し、第2待機位置T2が評価位置Tsに対して下方側の位置、第1待機位置T1が評価位置Tsに対して上方側の位置となるようにする。第2待機位置T2まで搬送されたギヤGは、第1搬送機構120により上方向に移動されることで、検査検出器23の評価位置Tsに位置させられる。検査検出器23の位置を固定した状態で、被検体のみを移動させることにより検査を行うことができるので、検査検出器搬送機構123を設ける必要がなく、位置ずれも生じにくい。なお、検査検出器23は、支持用の固定冶具(例えば複数の樹脂製の棒部材)により固定されているが、図7では図示を省略する。

0108

(表面特性評価システム:第2実施形態)
図8A、8Bに示すように、表面特性評価システム200は、表面処理装置110の処理室114内に検査検出器23を内蔵している。なお、図8A、8Bでは第1実施形態の第2搬送機構121、第3搬送機構122などの表面処理装置110への被検体Mの搬送機構の図示を省略している。

0109

図8AはギヤGにショットピーニング処理を行っている状態を示す。図8Aでは、検出器防護パネル118の構造及び動作を説明するために、検出器防護パネル118近傍の平面図及び図中左方から見た正面図を併記した。検査検出器23は、検査検出器23を搬送してコイル23bの内側である評価位置TsにギヤGを位置させる移動機構であるシリンダ119と接続されて、ギヤGの回転軸と同軸に、ギヤGの上方に配置されている。検査検出器23の外方には、ショットピーニング処理を行う際に検査検出器23を保護するための検出器防護パネル118が設けられている。検出器防護パネル118は検査検出器23の側面を覆うように設けられた固定パネル118aと下面を覆うように設けられている可動パネル118bとからなる。

0110

可動パネル118bは、固定パネル118a側の一端が回動中心であり、回動中心から離れた部分でチェーン金属ワイヤーに吊られている。このチェーンや金属ワイヤーの基端側がシリンダ119で駆動されることで下方が閉塞した状態と、下方が開放された状態との切り換えを行う。ショットピーニング処理を行う際には、検査検出器23を保護するために下方が閉塞した状態である。

0111

図8Bはショットピーニング処理後にギヤGの表面特性の検査を行う状態を示す。図8Bでは、検出器防護パネル118近傍の正面図を併記した。検査検出器23は、シリンダ119により、保持部115に保持された状態のギヤGの評価位置Tsに向かって搬送され、表面特性が検査される。ここで、検査検出器23の下面を覆っていた可動パネル118bは回動して下方が開くため、下方側に降りてくる検査検出器23と干渉することはない。

0112

上記の構成により、ショットピーニング処理後のギヤGを迅速に検査することができる。また、ギヤGを位置決めされた状態で保持する保持部115が設けられているため、表面特性の評価時に適切な位置にギヤGを位置させることができるので、精度の高い検査を行うことができる。また、この保持部115により自動化が可能となり、インラインでの検査が可能となる。表面処理装置110に、検査装置をパッケージ化して顧客に提供できるので、表面処理装置110の価値を高め、顧客満足度を高めることができる。そして、検出器防護パネル118により検査検出器23への投射材の衝突を防止できるため検査検出器23の長寿命化と検査検出器23の損傷による誤検知防止を実現することができる。

0113

投射材の跳ね返りが少ない場合や、投射材の跳ね返りがほとんどない位置まで検査検出器23を退避できる場合には、検出器防護パネル118は必ずしも設ける必要はない。

0114

(変更例)
内周面に歯車部を有する部材を検査する場合には、検査検出器23はコイル23bが内周面に対向して配置できるように部材に挿通可能な形状とすればよい。

0115

図9に示すように、交流ブリッジ回路20の回路構成として、増幅器31が点A及び点Bに接続され、交流電源10が点C及び点Dに接続される構成を採用することもできる。

0116

検査状態判断工程S7を実施しない場合には、表面特性検査装置1は位相比較器34を省略することができる。例えば、レーザー変位計などの位置検出手段にて検査検出器23と被検体Mの位置関係の検出を行い、検査検出器23の軸と被検体Mの軸とのずれが所定の範囲内であるか否かを光電センサレーザ)等で判定する、などを行う構成とすることができる。また、位相比較器34、周波数調整器35または表示手段37は、判断手段36に内蔵させるなど一体的に設けることもできる。

0117

被検体Mの測定時の交流ブリッジ回路20からの出力が十分に大きい場合には、可変抵抗設定工程S2、周波数設定工程S3を省略することもできる。周波数設定工程S3を省略する場合には、表面特性検査装置1は周波数調整器35を省略することができる。

0118

[実施形態の効果]
本発明の表面特性検査装置1及び表面特性検査方法によれば、検査検出器23のコイル23bにより被検体Mに渦電流を励起し、交流ブリッジ回路10から出力された出力信号に基づいて被検体Mの表面特性を評価することができる。これにより、簡単な回路構成で高精度の表面状態の検査が可能である。また、被検体Mに渦電流を励起して表面特性を検査する方式を採用するため、検査環境の温度変化の影響を小さくすることができる。また、磁気を安定して被検体に供給することができるとともに、被検体の表面特性検査領域を一度に検査することができる。また、渦電流を分散して被検体表面の発熱を抑制することができるので、被検体Mの温度変化を小さくすることができ、より精度の高い検査が可能となる。
また、本発明の表面特性検査システムによれば、被検体Mの正確な位置決めを行い、搬送する機構を備えているため、表面処理工程におけるインラインでの検査が可能となる。
表面処理装置110に、表面特性検査装置1をパッケージ化して顧客に提供できるので、表面処理装置110の価値を高め、顧客満足度を高めることができる。

0119

ガス浸炭処理した円柱形状のSCr420材の側面へショットピーニング処理した被検体を、カバレージ水準が異なる7試料用意し、従来の接触型検出器を用いた検査方法と本発明の表面特性検査方法とで比較した。ここでカバレージとは表面処理後の被検体表面の打痕率を指し、カバレージが大きいほど表面の処理密度が高いことを示している。検査環境の周囲温度は10〜40℃で変化させて検査を行い、出力を比較した。

0120

図10Aには、周囲温度10℃を基準に、カバレージ゛100%の試料を検査した時の周囲温度によるアンプ出力変化率を示したグラフであり、縦軸出力変化率横軸は周囲温度である。このグラフより本発明の表面特性検査方法による方が温度による出力変化が少ないことが分かる。

実施例

0121

10〜40℃の範囲で温度変動を生じさせた状態で、カバレージの水準が異なる7試料の検査を行った結果を図10B及び10Cに示す。図10Bは本発明の表面特性検査方法による検査結果であり、図10Cは従来の表面特性検査方法による検査結果である。各グラフにおいて、プロット上下の振れ幅は温度変化時出力変動範囲を示している。
図10Cに示すように、従来の表面特性検査方法では、出力変動が大きく、カバレージが異なることによる表面特性の差異を検出することができない。つまり、温度変化の激しいインライン環境下に適用することは困難である。一方、本発明の表面特性検査方法では、図10Bに示すように、温度変動による出力変動は極めて小さく、表面特性の差異を精度よく検出できていることがわかる。
上より、本発明の表面特性検査方法は検査環境の温度変化の影響を受けにくく、インライン検査に好適に用いることができることが確認された。

0122

1…表面特性検査装置
10…交流電源
20…交流ブリッジ回路
21…可変抵抗
22…基準検出器
22a…強磁性体コア
22b…コイル
23…検査検出器
23a…コア
23b…コイル
23c…磁気シールド
24…回路基板
30…評価装置
31…増幅器
32…絶対値回路
33…LPF
34…位相比較器
35…周波数調整器
36…判断手段
37…表示手段
38…温度測定手段
100…表面特性評価システム
110…表面処理装置
111…噴射ノズル
112…供給装置
113…分離装置
114…処理室
115…保持部
115a…ステージ
115b…ワーク押さえ
116…回転装置
117…シリンダ
118…検出器防護パネル
118a…固定パネル
118b…可動パネル
119…シリンダ
120…第1搬送機構
120a…位置決め部
121…第2搬送機構
122…第3搬送機構
122a…ストッパ
123…検査検出器搬送機構
200…表面特性評価システム、
Aa…検査済みエリア
Ab…ショットピーニング処理前エリア
G…ギヤ
M…被検体
T1…第1待機位置
T2…第2待機位置
Ts…評価位置

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