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技術 (S)−3−(4−((4−(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオン及びその医薬として許容し得る形態の製造プロセス

出願人 セルジーンコーポレイション
発明者 ジョンエフ.トラバースチェングミンズハンググレッグビー.フェイゲルソンベンジャミンエム.コーエンウイリアムダブリュー.レオング
出願日 2013年8月8日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-526698
公開日 2015年8月24日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2015-524481
状態 特許登録済
技術分野 複数複素環系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 置換プロセス 共融点 窒素スイープ パーセント収率 回収収率 スケート ダイグライム 規模拡大
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重要な関連分野

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課題・解決手段

エナンチオマー的富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態の製造プロセスが提供される。

概要

背景

(3.背景
多くの種類の癌は、血管新生として知られるプロセスである、新しい血管の形成に関連している。腫瘍により誘発される血管新生に関与する機構のいくつかは解明されている。これらの機構のうち最も直接的なものは、腫瘍細胞による、腫瘍壊死因子α(TNF-α)を含む血管新生性を有するサイトカイン分泌である。

種々の他の疾患及び障害も、望ましくない血管新生に関連しているか、又はそれにより特徴づけられる。例えば、増大した又は制御されない血管新生は、眼内血管新生疾患脈絡膜血管新生疾患、網膜血管新生疾患、ルベオーシス(隅角の血管新生)、ウイルス性疾患遺伝性疾患炎症性疾患アレルギー性疾患、及び自己免疫疾患を含むがこれらに限定されないいくつかの疾患及び病状に関与している。そのような疾患及び病状の例には、糖尿病性網膜症;未熟児網膜症;角膜移植片拒絶;血管新生緑内障;後水晶体繊維増殖症;関節炎;及び増殖性硝子体網膜症があるが、これらに限定されない。

3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを含む特定の4'-アリールメトキシイソインドリン化合物は、血管新生を制御可能であるか又はTNF-αを含む特定のサイトカインの産生を阻害可能であり、種々の疾患及び病態治療及び予防に有用であると報告されている。その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2011/0196150号を参照されたい。

ラセミの3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを合成する方法は、米国特許公開第2011/0196150号に先に記載されている。エナンチオマー的富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態を製造するための、効率的で規模拡大が可能なプロセスが依然必要とされている。

エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物を提供する一般的な手法のうちで、天然又は市販の高光学純度出発物質の利用は最も直接的な手法であり、工業規模の製造に好ましいことが多い。この手法がしばしば遭遇する問題の1つは、合成プロセスの間の完全又は部分的なラセミ化であり、それは、物質鏡像体過剰率(ee)の低下につながる。ラセミ化の可能性を最低限にするために、可能な限り、過酷な反応条件が避けられることが多い。

エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物の製造のための合成プロセスの必要性に加え、プロセスが高いeeの化合物を与えることが可能であるとしてもプロセスの逸脱がeeを低下させ得るので、化合物の光学純度を増加させることができる方法が依然として必要とされている。さらに、生成物のeeを増加させることができる方法を開発することは、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物に至る代替合成経路を可能にすることがあり、物品コスト低下及びより合理化された製造プロセスをもたらす。

ラセミ混合物と高光学純度の種との間の熱力学的関係に基づく結晶化によるee向上のための一般的な方法は報告されている(Wangらの文献(Org. Proc. Res. Dev., 2005, 9, 670); Wangらの文献(Org. Proc. Res. Dev., 2008, 12, 282); Jacques, J.; Collet, A.; Wilen, S.H.の文献(「エナンチオマーラセミ体、及び分割(Enatniomers, Racemates and Resolution)」; John Wiley & Sons: New York, 1981))。直接的なee向上のための結晶化法の開発には、3つの工程がある:(1)対象とする温度でのラセミ体(コングロメレートラセミ化合物、又はラセミ固溶体)の熱力学的に安定な相を決定する工程、(2)主要な溶解度データを得る工程、及び(3)結晶化プロセスを設計する工程。

ラセミ混合物の大多数は、優先的にはラセミ化合物を形成する(参考文献Jacquesの本)。ラセミ化合物及び純粋なエナンチオマーの溶媒の存在下での飽和溶解度は、共融点として知られている。溶解度の比、すなわち「共融混合物の鏡像体過剰率(eeeu)」は、ある系のキラル向上能力を評価するのに有用なパラメーターである。eeeuは、R-エナンチオマーとS-エナンチオマーの相対的溶解度から計算される:eeeu=([多数]-[少数])/([多数]+[少数])、式中、[多数]は、共融点での多数のエナンチオマーの溶解度であり、[少数]は、共融点での少数のエナンチオマーの溶解度である。希溶液中で、ラセミ化合物及び単一のエナンチオマーの最も安定な結晶形態が使用されているとすれば、該形態の一方若しくは両方が溶媒和物であるか、且つ/又は検討中の溶媒がキラルでない限り、eeeuは溶媒選択とは独立のはずである。eeeuは全ての場合で温度に依存し得る。

ラセミ化合物の場合、低いeeeuは、固体中の化合物のeeを増加させるのに望ましい。これは、ラセミ化合物が、単一のエナンチオマーに比べて比較的高い溶解度を有する場合に起こる。低いeeeuの場合、容易な精製は、粗製の混合物を明示された溶媒中でトリチュレート又は再結晶し、それに続いて濾過を行うことにより起こり得るが、それは、濾液中に溶解した両エナンチオマーの混合物を含むエナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な固体を与えるだろう。

低いeeeu状態を特定するには、様々な結晶形態、溶媒、及び条件の大規模な溶解度スクリーニングをしばしば要するが、多くの場合それでも達成することができない。

概要

エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態の製造プロセスが提供される。

目的

エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物を提供する

効果

実績

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請求項1

エナンチオマー的富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を:(式中、(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つYは、水素又は好適なアミノ保護基である);エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程:(式中、(i)Z3はNHYであり、Z4はOHであるか;或いは(ii)Z3はOHであり、Z4はNHYである);(工程1.2)該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程:(工程1.3)Yが水素でない場合、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び(工程1.4)任意に、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程を含む、前記プロセス。

請求項2

工程1.1と工程1.2がワンポットで起こる、請求項1記載のプロセス。

請求項3

工程1.1が酸の存在下で起こる、請求項1〜2のいずれか一項記載のプロセス。

請求項4

工程1.1が、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbCOOHの存在下で起こる、請求項1〜3のいずれか一項記載のプロセス。

請求項5

工程1.1が、ギ酸酢酸トリフルオロ酢酸、又は安息香酸の存在下で起こる、請求項1〜4のいずれか一項記載のプロセス。

請求項6

工程1.1が、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbSO3Hの存在下で起こる、請求項1〜5のいずれか一項記載のプロセス。

請求項7

工程1.1が、スルホン酸ベンゼンスルホン酸p-トルエンスルホン酸カンファースルホン酸メタンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で起こる、請求項1〜6のいずれか一項記載のプロセス。

請求項8

工程1.1が、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はメタンスルホン酸の存在下で起こる、請求項1〜7のいずれか一項記載のプロセス。

請求項9

工程1.1がベンゼンスルホン酸の存在下で起こる、請求項1〜8のいずれか一項記載のプロセス。

請求項10

工程1.2が脱水剤の存在下で起こる、請求項1〜9のいずれか一項記載のプロセス。

請求項11

工程1.2が、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)又は2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)の存在下で起こる、請求項1〜10のいずれか一項記載のプロセス。

請求項12

工程1.2が共沸蒸留により起こる、請求項1〜11のいずれか一項記載のプロセス。

請求項13

工程1.1と工程1.2が、別々又はワンポットで、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサンテトラヒドロフラン酢酸エチル酢酸イソプロピルアセトニトリルメタノールエタノールイソプロピルアルコールジメチルホルムアミドジメチルスルホキシドグライムダイグライムジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンを含む溶媒又は溶媒の組み合わせ中で起こる、請求項1〜12のいずれか一項記載のプロセス。

請求項14

工程1.1と工程1.2が、別々又はワンポットで、アセトニトリルの溶媒中で起こる、請求項1〜13のいずれか一項記載のプロセス。

請求項15

工程1.1と工程1.2の反応温度が、別々又はワンポットで、約-100℃〜約200℃である、請求項1〜14のいずれか一項記載のプロセス。

請求項16

工程1.1と工程1.2の反応温度が、別々又はワンポットで、約90℃である、請求項1〜15のいずれか一項記載のプロセス。

請求項17

工程1.1と工程1.2の反応時間が、別々又はワンポットで、約1分〜約14日である、請求項1〜16のいずれか一項記載のプロセス。

請求項18

工程1.1と工程1.2の反応時間が、別々又はワンポットで、約8時間〜約9時間である、請求項1〜17のいずれか一項記載のプロセス。

請求項19

エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、(工程1.i)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を:(式中、(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中、Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つYは、水素又は好適なアミノ保護基である);環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に変換する工程;(工程1.3)Yが水素でない場合、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び(工程1.4)任意に、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程を含む、前記プロセス。

請求項20

エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、(工程1.a)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を:(式中、(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つYは、水素又は好適なアミノ保護基である);環化及び脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその塩に変換する工程;(工程1.4)任意に、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程を含む、前記プロセス。

請求項21

Rが、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;C1-6ハロアルキル;C2-10ヘテロアルキル;C3-6ヘテロシクロアルキル;1〜3つのアリールにより置換されたC1-6アルキル若しくはC2-10ヘテロアルキル;又は、各Raが、独立に、C1-6アルキル又はC5-14アリールである-SiRa3である、請求項1〜20のいずれか一項記載のプロセス。

請求項22

Rが、メチル、エチル、プロピルイソプロピルシクロプロピルブチルイソブチル、tert-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-(トリメチルシリル)エチル(TMSE)、2,2,2-トリクロロエチルベンジルトリフェニルメチル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)である、請求項1〜21のいずれか一項記載のプロセス。

請求項23

Rが、メチル、tert-ブチル、又はベンジルである、請求項1〜22のいずれか一項記載のプロセス。

請求項24

Rがtert-ブチルである、請求項1〜23のいずれか一項記載のプロセス。

請求項25

Yが好適なアミノ保護基である、請求項1〜24のいずれか一項記載のプロセス。

請求項26

Yが、ベンジル、4-メトキシベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである、請求項1〜25のいずれか一項記載のプロセス。

請求項27

Yが水素である、請求項1〜24のいずれか一項記載のプロセス。

請求項28

前記エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物が、(工程2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物を:置換に好適な条件下で、式(V)の化合物又はその塩と接触させる工程:(式中、Lは、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、-OSO2C6H4-p-Me、又は好適な脱離基である)を含むプロセスにより製造される、請求項1〜27のいずれか一項記載のプロセス。

請求項29

Lが、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、又は-OSO2C6H4-p-Meである、請求項1〜28のいずれか一項記載のプロセス。

請求項30

Lがハロゲンである、請求項1〜29のいずれか一項記載のプロセス。

請求項31

Lがクロロである、請求項1〜30のいずれか一項記載のプロセス。

請求項32

工程2が塩基の存在下で起こる、請求項1〜31のいずれか一項記載のプロセス。

請求項33

工程2が炭酸カリウムの存在下で起こる、請求項1〜32のいずれか一項記載のプロセス。

請求項34

工程2が、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンを含む溶媒又は溶媒の組み合わせ中で起こる、請求項1〜33のいずれか一項記載のプロセス。

請求項35

工程2がジメチルホルムアミドの溶媒中で起こる、請求項1〜34のいずれか一項記載のプロセス。

請求項36

工程2の反応温度が約-100℃〜約200℃である、請求項1〜35のいずれか一項記載のプロセス。

請求項37

工程2の反応温度が約40℃〜約50℃である、請求項1〜36のいずれか一項記載のプロセス。

請求項38

工程2の反応時間が約1分〜約14日である、請求項1〜37のいずれか一項記載のプロセス。

請求項39

工程2の反応時間が約12時間〜約24時間である、請求項1〜38のいずれか一項記載のプロセス。

請求項40

式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比が約10:1〜約1:10である、請求項1〜39のいずれか一項記載のプロセス。

請求項41

式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比が約1.1:1〜約1:1.1である、請求項1〜40のいずれか一項記載のプロセス。

請求項42

前記式(V)の化合物又はその塩が、(工程3.1)式(VI)の化合物を:(式中、各Lは、独立に、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、-OSO2C6H4-p-Me、又は好適な脱離基である);置換に好適な条件下で、モルホリン又はその塩と接触させる工程;及び(工程3.2)任意に、該式(V)の化合物又はその塩を選択抽出により精製する工程を含むプロセスにより製造される、請求項1〜41のいずれか一項記載のプロセス。

請求項43

各Lが、独立に、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、又は-OSO2C6H4-p-Meである、請求項1〜42のいずれか一項記載のプロセス。

請求項44

Lが両方ともクロロである、請求項1〜43のいずれか一項記載のプロセス。

請求項45

工程3.1が塩基の存在下で起こる、請求項1〜44のいずれか一項記載のプロセス。

請求項46

工程3.1が塩基の存在下で起こり、モルホリン自体が塩基として作用する、請求項1〜45のいずれか一項記載のプロセス。

請求項47

工程3.1が、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンを含む溶媒又は溶媒の組み合わせ中で起こる、請求項1〜46のいずれか一項記載のプロセス。

請求項48

工程3.1が酢酸イソプロピルの溶媒中で起こる、請求項1〜47のいずれか一項記載のプロセス。

請求項49

工程3.1の反応温度が約-100℃〜約200℃である、請求項1〜48のいずれか一項記載のプロセス。

請求項50

工程3.1の反応温度が約室温である、請求項1〜49のいずれか一項記載のプロセス。

請求項51

工程3.1の反応時間が約1分〜約14日である、請求項1〜50のいずれか一項記載のプロセス。

請求項52

工程3.1の反応時間が約20時間〜24時間である、請求項1〜51のいずれか一項記載のプロセス。

請求項53

式(VI)の化合物とモルホリンのモル比が約10:1〜約1:10である、請求項1〜52のいずれか一項記載のプロセス。

請求項54

式(VI)の化合物とモルホリンのモル比が約1:1.5である、請求項1〜53のいずれか一項記載のプロセス。

請求項55

工程3.2がメタノールの溶媒中で起こる、請求項1〜54のいずれか一項記載のプロセス。

請求項56

前記エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物が、(工程4)脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物を脱保護する工程:(式中、R1は好適なフェノール保護基である)を含むプロセスにより製造される、請求項1〜55のいずれか一項記載のプロセス。

請求項57

R1が、メチル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、tert-ブチル、シクロヘキシルアリル、プロパルギルシアノメチル、2-ブロモエチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、ベンジル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、2,6-ジクロロベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、ホルメートアセテートベンゾエートメチルカーボネート、t-ブチルカーボネート(BOC)、ベンジルカーボネート、ジメチルホスフィニルメタンスルホネート、又はトルエンスルホネートである、請求項1〜56のいずれか一項記載のプロセス。

請求項58

R1がt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、工程4がメタノール中で、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)の存在下で起こる、請求項1〜57のいずれか一項記載のプロセス。

請求項59

前記エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物が、(工程5)式(VIII)の化合物を:(式中、L1及びL2は、独立に、ハロゲン、OR2、OCOR2、OSO2R2、OPO3R2、又は好適な脱離基であり;式中、R2は、1つ以上のハロゲンにより任意に置換されている、飽和、部分的に飽和、若しくは不飽和のC1-10アルキル;又は1つ以上のハロゲンにより任意に置換されている5〜10員のアリール若しくはヘテロアリールである);環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(IX)の化合物、又はその塩と接触させる工程:を含むプロセスにより製造される、請求項1〜58のいずれか一項記載のプロセス。

請求項60

R2がメチルであり、Xがブロモであり、工程5がアセトニトリル中で、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で起こる、請求項1〜59のいずれか一項記載のプロセス。

請求項61

前記式(VIII)の化合物が、(工程6)式(X)の化合物を、ハロゲン化に好適な条件下で、そのベンジル位でハロゲン化する工程:を含むプロセスにより製造される、請求項1〜60のいずれか一項記載のプロセス。

請求項62

工程6が、酢酸イソプロピル中で、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(NBS)及び2,2'-(ジアゼン-1,2-ジイル)ビス(2-メチルプロパンニトリル)(AIBN)の存在下で起こる、請求項1〜61のいずれか一項記載のプロセス。

請求項63

前記式(X)の化合物が、(工程7)式(XI)の化合物を:保護に好適な条件下で、保護基と反応させる工程を含むプロセスにより製造される、請求項1〜62のいずれか一項記載のプロセス。

請求項64

工程7が、N,N-ジメチルホルムアミド中で、tert-ブチルジメチルシリルクロリド及びイミダゾールの存在下で起こる、請求項1〜63のいずれか一項記載のプロセス。

請求項65

前記式(XI)の化合物が、(工程8)3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸を、エステル化に好適な条件下でアルコールと反応させる工程を含むプロセスにより製造される、請求項1〜64のいずれか一項記載のプロセス。

請求項66

工程8が、3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸を、硫酸の存在下でメタノールと反応させることにより起こる、請求項1〜65のいずれか一項記載のプロセス。

請求項67

エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態が、(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を、エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程;(工程1.2)該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程;(工程1.3)Yが水素でない場合、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び(工程1.4)任意に、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、医薬として許容し得る塩に変換する工程;を含み、工程1.1と工程1.2がワンポットで起こるプロセスにより製造され;且つ該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物が、(工程2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物を、置換に好適な条件下で、式(V)の化合物又はその塩と接触させる工程;を含むプロセスにより製造され、該式(V)の化合物が、(工程3.1)式(VI)の化合物を、置換に好適な条件下で、モルホリン又はその塩と接触させる工程;及び(工程3.2)任意に、該式(V)の化合物を選択抽出により精製する工程;を含むプロセスにより製造され、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物が、(工程4) エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、脱保護する工程;を含むプロセスにより製造され、該エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物が、(工程5)式(VIII)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(IX)の化合物、又はその塩と接触させる工程;を含むプロセスにより製造され、該式(VIII)の化合物が、(工程6)式(X)の化合物を、ハロゲン化に好適な条件下で、そのベンジル位でハロゲン化する工程;を含むプロセスにより製造され、該式(X)の化合物が、(工程7)式(XI)の化合物を、保護に好適な条件下で、保護基と反応させる工程;を含むプロセスにより製造され、該式(XI)の化合物が、(工程8)3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸を、エステル化に好適な条件下で、アルコールと反応させる工程;を含むプロセスにより製造される、請求項1〜66のいずれか一項記載のプロセス。

請求項68

(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物光学純度を増加させるプロセスであって、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の第1試料を、溶媒又は溶媒混合物中再結晶又はトリチュレーションして、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の第2試料をもたらすことを含み、該第2試料が該第1試料よりも高いeeを有する、前記プロセス。

請求項69

前記溶媒がメタノールである、請求項68記載のプロセス。

請求項70

前記第1試料と第2試料が両方ともHCl塩形態である、請求項68〜69のいずれか一項記載のプロセス。

技術分野

0001

(1.優先権の主張)
2012年8月9日に出願された「(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及びその医薬として許容し得る形態の製造プロセス」という名称の米国仮特許出願第61/681,477号に基づく優先権が本明細書において主張される。上記出願はその全体が引用により本明細書に組み込まれる。

0002

(2.分野)
種々の障害治療、予防、及び管理するのに有用な、エナンチオマー的富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態の製造プロセスが本明細書に提供される。

背景技術

0003

(3.背景
多くの種類の癌は、血管新生として知られるプロセスである、新しい血管の形成に関連している。腫瘍により誘発される血管新生に関与する機構のいくつかは解明されている。これらの機構のうち最も直接的なものは、腫瘍細胞による、腫瘍壊死因子α(TNF-α)を含む血管新生性を有するサイトカイン分泌である。

0004

種々の他の疾患及び障害も、望ましくない血管新生に関連しているか、又はそれにより特徴づけられる。例えば、増大した又は制御されない血管新生は、眼内血管新生疾患脈絡膜血管新生疾患、網膜血管新生疾患、ルベオーシス(隅角の血管新生)、ウイルス性疾患遺伝性疾患炎症性疾患アレルギー性疾患、及び自己免疫疾患を含むがこれらに限定されないいくつかの疾患及び病状に関与している。そのような疾患及び病状の例には、糖尿病性網膜症;未熟児網膜症;角膜移植片拒絶;血管新生緑内障;後水晶体繊維増殖症;関節炎;及び増殖性硝子体網膜症があるが、これらに限定されない。

0005

3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを含む特定の4'-アリールメトキシイソインドリン化合物は、血管新生を制御可能であるか又はTNF-αを含む特定のサイトカインの産生を阻害可能であり、種々の疾患及び病態の治療及び予防に有用であると報告されている。その全体が引用により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2011/0196150号を参照されたい。

0006

ラセミの3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを合成する方法は、米国特許公開第2011/0196150号に先に記載されている。エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態を製造するための、効率的で規模拡大が可能なプロセスが依然必要とされている。

0007

エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物を提供する一般的な手法のうちで、天然又は市販の高光学純度出発物質の利用は最も直接的な手法であり、工業規模の製造に好ましいことが多い。この手法がしばしば遭遇する問題の1つは、合成プロセスの間の完全又は部分的なラセミ化であり、それは、物質鏡像体過剰率(ee)の低下につながる。ラセミ化の可能性を最低限にするために、可能な限り、過酷な反応条件が避けられることが多い。

0008

エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物の製造のための合成プロセスの必要性に加え、プロセスが高いeeの化合物を与えることが可能であるとしてもプロセスの逸脱がeeを低下させ得るので、化合物の光学純度を増加させることができる方法が依然として必要とされている。さらに、生成物のeeを増加させることができる方法を開発することは、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な化合物に至る代替合成経路を可能にすることがあり、物品コスト低下及びより合理化された製造プロセスをもたらす。

0009

ラセミ混合物と高光学純度の種との間の熱力学的関係に基づく結晶化によるee向上のための一般的な方法は報告されている(Wangらの文献(Org. Proc. Res. Dev., 2005, 9, 670); Wangらの文献(Org. Proc. Res. Dev., 2008, 12, 282); Jacques, J.; Collet, A.; Wilen, S.H.の文献(「エナンチオマーラセミ体、及び分割(Enatniomers, Racemates and Resolution)」; John Wiley & Sons: New York, 1981))。直接的なee向上のための結晶化法の開発には、3つの工程がある:(1)対象とする温度でのラセミ体(コングロメレートラセミ化合物、又はラセミ固溶体)の熱力学的に安定な相を決定する工程、(2)主要な溶解度データを得る工程、及び(3)結晶化プロセスを設計する工程。

0010

ラセミ混合物の大多数は、優先的にはラセミ化合物を形成する(参考文献Jacquesの本)。ラセミ化合物及び純粋なエナンチオマーの溶媒の存在下での飽和溶解度は、共融点として知られている。溶解度の比、すなわち「共融混合物の鏡像体過剰率(eeeu)」は、ある系のキラル向上能力を評価するのに有用なパラメーターである。eeeuは、R-エナンチオマーとS-エナンチオマーの相対的溶解度から計算される:eeeu=([多数]-[少数])/([多数]+[少数])、式中、[多数]は、共融点での多数のエナンチオマーの溶解度であり、[少数]は、共融点での少数のエナンチオマーの溶解度である。希溶液中で、ラセミ化合物及び単一のエナンチオマーの最も安定な結晶形態が使用されているとすれば、該形態の一方若しくは両方が溶媒和物であるか、且つ/又は検討中の溶媒がキラルでない限り、eeeuは溶媒選択とは独立のはずである。eeeuは全ての場合で温度に依存し得る。

0011

ラセミ化合物の場合、低いeeeuは、固体中の化合物のeeを増加させるのに望ましい。これは、ラセミ化合物が、単一のエナンチオマーに比べて比較的高い溶解度を有する場合に起こる。低いeeeuの場合、容易な精製は、粗製の混合物を明示された溶媒中でトリチュレート又は再結晶し、それに続いて濾過を行うことにより起こり得るが、それは、濾液中に溶解した両エナンチオマーの混合物を含むエナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な固体を与えるだろう。

0012

低いeeeu状態を特定するには、様々な結晶形態、溶媒、及び条件の大規模な溶解度スクリーニングをしばしば要するが、多くの場合それでも達成することができない。

0013

(4.概要
エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態の製造プロセスが本明細書に提供される:



。式(I)の化合物は、化学名3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを有する。一実施態様において、該化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態である。一実施態様において、該化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩であり、(3S)-3-(4-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩(1:1)、又は2,6-ピペリジンジオン、3-[1,3-ジヒドロ-4-[[4-(4-モルホリニルメチル)フェニル]メトキシ]-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル]-、(3S)-,塩酸塩(1:1)としても知られている。

0014

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態の製造プロセスであって、
(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を:



(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYである;
式中、R及びYは本明細書中の他の場所で定義されるとおりである)
エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程:



(式中、
(i)Z3はNHYであり、Z4はOHであるか;或いは
(ii)Z3はOHであり、Z4はNHYである);
(工程1.2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程:



(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0015

式(I)の化合物、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の光学純度を増加させる方法が本明細書に提供される。一実施態様において、特定の理論により限定はされないが、そのような方法は、(S)-体とラセミの3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の間の熱力学的関係に基づくものである。

図面の簡単な説明

0016

(5.図面の簡単な説明)
図1は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを表す。

0017

図2は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩のX線粉末ディフラクトグラム(XRD)を表す。

0018

図3は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩の熱重量測定(TGA)サーモグラムを表す。

0019

図4は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのHCl塩のIPA/水に対する共融混合物溶解度を表す。

0020

図5は、種々の溶媒系中の(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのHCl塩の、温度の関数としての共融混合物溶解度を表す。

0021

(6.詳細な説明)
(6.1定義)
本明細書では、特記されない限り、本明細書に提供される用語「プロセス」は、本明細書に提供される化合物を製造するのに有用な本明細書に開示される方法を意味する。本明細書に開示される方法への改良(例えば、出発物質、試薬保護基、溶媒、温度、反応時間、精製)も本開示により包含される。

0022

本明細書では、特記されない限り、用語「加えること」、「反応させること」、「処理すること」などは、1つの反応物、試薬、溶媒、触媒反応性基などを、別の反応物、試薬、溶媒、触媒、反応性基などと接触させることを意味する。反応物、試薬、溶媒、触媒、反応性基などは、個々に、同時に、又は別に加えることができ、どのような順番でも加えることができる。それらは、熱の存在下でも非存在下でも加えることができ、任意に不活性雰囲気下で加えることができる。「反応させること」は、インサイチュの形成又は反応性基が同じ分子内にある分子内反応を指すことがある。

0023

本明細書では、特記されない限り、用語「変換すること」は、手元の化合物を手元の所望の化合物の形成をもたらすのに好適な反応条件に付すことを意味する。

0024

本明細書では、特記されない限り、「ワンポット」プロセスは、所望の生成物を製造するプロセスであって、全ての反応物が同時又は連続的に加えられ、所望の生成物の形成が実質的に完全になる前に、形成された中間体のいずれの分離、単離、及び/又は精製も全く実施されないプロセスを意味する。「ワンポット」プロセスは、好ましくは、単一の容器中で実施されるが、2つ以上の容器中で実施することもできる。

0025

本明細書では、特記されない限り、「実質的に完全」であるか、又は「実質的な完了」まで推進された反応は、反応物が、パーセント収率で約50%超、一実施態様において、パーセント収率で約60%超、一実施態様において、パーセント収率で70%超、一実施態様において、パーセント収率で約80%超、一実施態様において、パーセント収率で約90%超、別な実施態様において、パーセント収率で約95%超、別な実施態様においてパーセント収率で約97%超の所望の生成物を含むことを意味する。

0026

本明細書では、特記されない限り、「医薬として許容し得る形態」は、化合物の医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体多形体、又はプロドラッグを含む。

0027

本明細書では、特記されない限り、用語「塩」には、本明細書に開示される化合物に存在し得る酸性基又は塩基性基の塩があるが、これに限定されない。本質的に塩基性である化合物は、種々の無機酸及び有機酸多種多様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の塩を製造するのに使用可能な酸は、アセテートベンゼンスルホネートベンゾエートバイカーボネートバイタータレートブロミドカルシウムエデテートカンシレート、カーボネートクロリド、ブロミド、ヨージドシトレートジヒドロクロリド、エデテート、エジシレート、エストレートエシレートフマレートグルセプテートグルコネート、グルタメートグリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、へキシルゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエート、イセチオネートラクテートラクトビオネート、マレートマレエートマンデレートメシレートメチルサルフェート、ムスケート(muscate)、ナプシレート、ニトレートパントテネートホスフェート/ジホスフェートポリガラクツロネートサリチレートステアレートスクシネートサルフェートタンネート、タータレート、テオクレート、トリエチオジド、及びパモエートを含むがこれらに限定されないアニオンを含む塩を形成するものである。アミノ基を含む化合物は、上述の酸に加えて、種々のアミノ酸とも塩を形成することができる。本質的に酸性である化合物は、種々のカチオン塩基塩を形成することができる。そのような塩の非限定的な例には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、並びにいくつかの実施態様において、カルシウム、マグネシウムナトリウムリチウム亜鉛カリウム、及び鉄の塩がある。本質的に酸性である化合物は、アミノ基を含む化合物と塩基塩を形成することもできる。

0028

本明細書では、特記されない限り、用語「溶媒和物」は、非共有結合分子間力により結合した化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒をさらに含む化合物を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。

0029

本明細書では、特記されない限り、用語「プロドラッグ」は、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で加水分解酸化、又は他の方法で反応して化合物を与えることができる、該化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例には、生物加水分解性(biohydrolyzable)アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド、及び生物加水分解性ホスフェートアナログなどの生物加水分解性部分を含む化合物があるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例には、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む化合物がある。プロドラッグは、典型的には、「Burgerの医薬品化学及び創薬(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」, 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff 編、第5版、1995)及び「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」(H. Bundgaard編, Elselvier, New York 1985)に記載の方法など、周知の方法を利用して製造できる。

0030

本明細書では、特記されない限り、用語「生物加水分解性カルバメート」、「生物加水分解性カーボネート」、「生物加水分解性ウレイド」、及び「生物加水分解性ホスフェート」は、1)化合物の生物学的活性干渉しないが、その化合物に、取り込み、作用持続時間、若しくは作用の発現など好都合性質をインビボで付与できる化合物;又は2)生物学的に不活性であるが、インビボで生物活性のある化合物に転化する化合物のカルバメート、カーボネート、ウレイド、及びホスフェートをそれぞれ意味する。生物加水分解性カルバメートの例には、低級アルキルアミン置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン複素環及び複素芳香族アミン、並びにポリエーテルアミン部分を含むカルバメートがあるが、これらに限定されない。

0031

本明細書では、特記されない限り、用語「立体異性体」は、本明細書に提供される全てのエナンチオマー的に/立体異性体的に純粋な化合物及びエナンチオマー的に/立体異性体的に富化された化合物を包含する。

0032

ある構造又はその一部の立体化学が、例えば太線又は破線により示されていない場合、該構造又はその一部は、全てのエナンチオマー的に純粋な、エナンチオマー的に富化された、ジアステレオマー的に純粋な、ジアステレオマー的に富化された化合物、及び該化合物のラセミ混合物を包含すると解釈するものとする。

0033

特記されない限り、本明細書で互換的に使用される用語「エナンチオマー的に富化された」及び「エナンチオマー的に純粋な」は、あるエナンチオマーの重量パーセントが、ラセミ組成物対照混合物中でのそのエナンチオマーの量より多い(例えば、重量で1:1を超える)組成物を意味する。例えば、(S)-エナンチオマーのエナンチオマー的に富化された調製物は、(R)-エナンチオマーに対して、少なくとも75重量%、さらには少なくとも80重量%など50重量%を超える(S)-エナンチオマーを有する化合物の調製物を意味する。いくつかの実施態様において、富化は、80重量%をはるかに超えることがあり、「実質的に光学的に富化された」、「実質的にエナンチオマー的に富化された」、「実質的にエナンチオマー的に純粋な」、又は「実質的に非ラセミの」調製物を与えるが、これは、他方のエナンチオマーに対して、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%など、少なくとも85重量%の一方のエナンチオマーを有する組成物の調製物を意味する。いくつかの実施態様において、エナンチオマー的に富化された組成物は、単位質量あたりの治療上有用性に関して、その組成物のラセミ混合物よりも高い効力を有する。

0034

本明細書では、特記されない限り、「多形体」は、2つ以上の結晶性形態/構造で存在する結晶性化合物を意味する。多形が結晶充填の違いの結果として存在する場合、それは充填多形と呼ばれる。多形は、配座多形において同じ分子の異なる配座異性体の存在からも生じ得る。疑似多形において、異なる結晶の種類は、水和又は溶媒和の結果である。

0035

本明細書では、特記されない限り、用語「ハロ」、「ハロゲン」などは、-F、-Cl、-Br、又は-Iを意味する。

0036

本明細書では、特記されない限り、用語「アルキル」は、本明細書に明示されるいくつかの炭素原子を有する飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素を意味する。いくつかの実施態様において、アルキル基は、1〜15、1〜10、1〜6、又は1〜3の炭素原子を有する。代表的な飽和直鎖アルキルには、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、及び-n-ヘキシルがあり、飽和分岐状アルキルには、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチルなどがある。用語「アルキル」はシクロアルキルも包含する。

0037

本明細書では、特記されない限り、用語「ヘテロアルキル」は、1つ以上の、いくつかの実施態様において、1〜3つの炭素原子が非限定的にN、S、O、及びSiなどのヘテロ原子により置き換えられており、且つ、窒素及び硫黄原子が、任意に酸化されていてよく、窒素原子が任意に四級化されていてよいアルキルを意味する。例には、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)2、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-Si(CH3)3、及び-CH2-CH=N-OCH3がある。例えば、-CH2-NH-OCH3及び-CH2-O-Si(CH3)3など最大2つのヘテロ原子が連続してよい。C2-6などの接頭語ヘテロアルキル基を意味するのに利用される場合、炭素の数(この例において2〜6)は、ヘテロ原子も含むものとする。例えば、C2-6ヘテロアルキル基は、例えば、-CH2OH(1つの炭素原子及び1つの炭素原子に替わる1つのヘテロ原子)及び-CH2SHを含むものとする。いくつかの実施態様において、ヘテロアルキル基は、2〜15、2〜10、2〜6、又は2〜3つの炭素原子及びヘテロ原子を有する。

0038

本明細書では、特記されない限り、用語「シクロアルキル」は、環状であり、3〜15、3〜9、3〜6、又は3〜5つの炭素原子を含み、炭素原子の間に交互又は共鳴する二重結合を持たない、1種のアルキルを意味する。それは、1〜4つの環を含み得る。非置換のシクロアルキルの例には、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシル、及びアダマンチルがあるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、1つ以上の置換基により置換されていてよい。いくつかの実施態様において、シクロアルキルは、アリール又はヘテロアリール基縮合したシクロアルキルでよい。

0039

本明細書では、特記されない限り、用語「ヘテロシクロアルキル」は、1つ以上の、いくつかの実施態様において、1〜3つの炭素原子が、非限定的にN、S、及びOなどのヘテロ原子により置き換えられているシクロアルキルを意味する。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は、3〜15、3〜9、3〜6、又は3〜5つの炭素原子及びヘテロ原子を含む。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキルは、アリール又はヘテロアリール基に縮合したヘテロシクロアルキルでよい。C3-6などの接頭語が、ヘテロシクロアルキル基を意味するのに使用される場合、炭素の数(この例において3〜6)は、ヘテロ原子も含むものとする。例えば、C3-6ヘテロシクロアルキル基は、例えば、テトラヒドロピラニル(5つの炭素原子及び炭素原子に替わる1つのヘテロ原子)を含むものとする。

0040

本明細書では、特記されない限り、用語「アリール」は、5〜14の環原子を含む炭素環式芳香環を意味する。炭素環式アリール基の環原子は全て炭素原子である。アリール環構造には、単環、二環、又は三環式化合物などの1つ以上の環構造を有する化合物並びに5,6,7,8-テトラヒドロナフチルなどのベンゾ縮合炭素環式部分がある。具体的には、アリール基は、単環、二環、又は三環式環でよい。代表的なアリール基には、フェニル、アントラニルフルオレニルインデニルアズレニルフェナントレニル、及びナフチルがある。

0041

本明細書では、特記されない限り、用語「ヘテロアリール」は、環系中の1つ以上の、いくつかの実施態様において、1〜3つの原子がヘテロ原子、すなわち、N、O、又はSを含むがこれらに限定されない炭素以外の原子である、特定の実施態様において、約5〜約15員の単環式又は多環式芳香環系を意味する。ヘテロアリール基は、任意にベンゼン環に縮合していてよい。ヘテロアリール基には、フリルイミダゾリルインドリニル、ピロリジニルピリミジニルテトラゾリルチエニルピリジルピロリル、N-メチルピロリルキノリニル、及びイソキノリニルがあるが、これらに限定されない。

0042

本明細書では、特記されない限り、用語「アラルキル」は、アルキルの水素原子の1つがアリール基により置き換えられているアルキル基を意味する。

0043

ある置換基の数が明示されない場合(例えば、「ハロアルキル」)、1つ以上の置換基が存在し得る。例えば、「ハロアルキル」は、1つ以上の同じ又は異なるハロゲンを含み得る。

0044

本明細書では、特記されない限り、用語「アルコール」は、-OH基により置換されているあらゆる化合物を意味する。

0045

本明細書では、特記されない限り、用語「アミノ」又は「アミノ基」は、式-NH2、-NH(アルキル)、-NH(アリール)、-N(アルキル)2、-N(アリール)2、又はN(アルキル)(アリール)の一価の基を意味する。

0046

特記されない限り、反応性官能基(非限定的に、カルボキシヒドロキシ、及びアミノ部分などの)を含む本明細書に提供される化合物の製造に有用な中間体を含む、本明細書に提供される化合物は、その保護された誘導体も含む。「保護された誘導体」は、反応性部位又は複数の部位が1つ以上の保護基(ブロック基としても知られる)によりブロックされている化合物である。好適な保護基は当業者に周知である。保護基の選択及び使用並びに保護基の取り付け及び除去の反応条件は、その全体が引用により本明細書に組み込まれるT. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(第3版、Wiley, New York, 1999)に記載されている。

0047

アミノ保護基は当分野に周知であり、T. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」に詳細に記載されているものがある。アミノ保護基には、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1-10アルキル(例えば、アラルキル基)、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、及び5〜14員のヘテロアリール基があるが、これらに限定されず(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);式中、
Raaの各場合は、独立に、C1-10アルキル、C1-10ペルハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、及び5〜14員のヘテロアリールから選択され(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている);
Rbbの各場合は、独立に、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1-10アルキル、C1-10ペルハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、及び5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、或いは、N原子に結合している2つのRcc基は、共に3〜14員のヘテロシクリル又は5〜14員のヘテロアリール環を形成する(ここで、式中、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている)。
Rccの各場合は、独立に、水素、C1-10アルキル、C1-10ペルハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、及び5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、或いは、N原子に結合している2つのRcc基は、共に3〜14員のヘテロシクリル又は5〜14員のヘテロアリール環を形成する(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRdd基により置換されている)。
Rddの各場合は、独立に、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1-6アルキル、C1-6ペルハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3-10員のヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択される(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されているか、或いは、2つのジェミナルRdd置換基は共に=O又は=Sを形成することができる)。
Reeの各場合は、独立に、C1-6アルキル、C1-6ペルハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、及び3〜10員のヘテロアリールから選択され(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されている);
Rffの各場合は、独立に、水素、C1-6アルキル、C1-6ペルハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C6-10アリール、及び5〜10員のヘテロアリールから選択されるか、或いはN原子に結合している2つのRff基は、共に3〜14員のヘテロシクリル又は5〜14員のヘテロアリール環を形成し(ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、独立に、0、1、2、3、4、又は5つのRgg基により置換されている);且つ
Rggの各場合は、独立に、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル、-ON(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)3X、-NH(C1-6アルキル)2X、-NH2(C1-6アルキル)X、-NH3X、-N(OC1-6アルキル)(C1-6アルキル)、-N(OH)(C1-6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル、-SS(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル)、-OC(=O)(C1-6アルキル)、-OCO2(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)C(=O)(C1-6アルキル)、-NHCO2(C1-6アルキル)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル)、-OC(=NH)(C1-6アルキル)、-OC(=NH)OC1-6アルキル、-C(=NH)N(C1-6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル)、-SO2N(C1-6アルキル)2、-SO2NH(C1-6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル、-SO2OC1-6アルキル、-OSO2C1-6アルキル、-SOC1-6アルキル、-Si(C1-6アルキル)3、-OSi(C1-6アルキル)3、-C(=S)N(C1-6アルキル)2、C(=S)NH(C1-6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル)、-C(=S)SC1-6アルキル、-SC(=S)SC1-6アルキル、-P(=O)2(C1-6アルキル)、-P(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル)2、C1-6アルキル、C1-6ペルハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;或いは、2つのジェミナルRgg置換基は、共に=O又は=Sを形成でき;
式中、X-は対イオンである。

0048

本明細書では、「対イオン」は、電子中性を維持するために、正に帯電した四級アミンと関連する負に帯電した基である。例示的な対イオンには、ハライドイオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-)、NO3-、ClO4-、OH-、H2PO4-、HSO4-、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネートトリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、10-カンファースルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホネート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホネートなど)、及びカルボキシレートイオン(例えば、アセテート、エタノエート、プロパノエート、ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タータレート、グリコレートなど)がある。

0049

例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などのアミノ保護基には、ホルムアミドアセトアミドクロロアセトアミドトリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミドフェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミドピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド(nitophenylacetamide)、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N'-ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトシンナミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、及びo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドがあるが、これらに限定されない。

0050

カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などのアミノ保護基には、メチルカルバメートエチルカルバメート(carbamante)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチル(fluoroenylmethyl)カルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェンアシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2'-及び4'-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOC)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトロベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボルニル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p'-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、及び2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートがあるが、これらに限定されない。

0051

スルホンアミド基(例えば、-S(=O)2Raa)などのアミノ保護基には、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4',8'-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、及びフェナシルスルホンアミドがあるが、これらに限定されない。

0052

他のアミノ保護基には、フェノチアジニル-(10)-カルボニル誘導体、N'-p-トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N'-フェニルアミノチオカルボニル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オンN-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン(pyroolin)-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN'-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N',N'-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N'-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタカルボニルクロム-又はタングステン)カルボニル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、及び3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)があるが、これらに限定されない。

0053

本明細書では、特記されない限り、基又は試薬の頭字語又は記号は下記の定義を有する:HPLC=高速液体クロマトグラフィー;TFA=トリフルオロ酢酸;TFE=2,2,2-トリフルオロエタノール、THF=テトラヒドロフラン;CH3CN=アセトニトリル;HOAc=酢酸;DCM=ジクロロメタン

0054

本明細書では、特記されない限り、化学構造又は部分を記載するのに使用される用語「置換された」又は「置換」は、その水素原子の1つ以上が、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びシクロアルキル;アルコキシアルキル;アロイル;ハロ;ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);ヘテロシクロアルキル;ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ);ヒドロキシ;アルコキシ;シクロアルキルオキシ;ヘテロシクロオキシ;オキソ;アルカノイル;アリール;ヘテロアリール(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリルピロリジル、ピリジル、及びピリミジル);アリールアルキル;アルキルアリール;ヘテロアリール;ヘテロアリールアルキル;アルキルヘテロアリール;ヘテロシクロ;ヘテロシクロアルキル-アルキル;アリールオキシアルカノイルオキシ;アミノ;アルキルアミノ;アリールアミノ;アリールアルキルアミノ;シクロアルキルアミノ;ヘテロシクロアミノ;一置換及び二置換アミノ;アルカノイルアミノ;アロイルアミノ;アラルカノイルアミノ;アミノアルキル;カルバミル(例えば、CONH2);置換カルバミル(例えば、CONH-アルキル、CONH-アリール、CONH-アリールアルキル、又は窒素上に2つの置換基がある場合);カルボニル;アルコキシカルボニル;カルボキシ;シアノ;エステル;エーテル;グアニジノ;ニトロ;スルホニル;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;アリールアルキルスルホニル;スルホンアミド(例えば、SO2NH2);置換スルホンアミド;チオール;アルキルチオ;アリールチオ;アリールアルキルチオ;シクロアルキルチオ;ヘテロシクロチオ;アルキルチオノ;アリールチオノ;並びにアリールアルキルチオノなどがあるがこれらに限定されない置換基により置き換えられているその構造又は部分の誘導体を意味する。いくつかの実施態様において、置換基自体も、本明細書に記載されるものなどがあるがそれらに限定されない1つ以上の化学部分により置換されていてよい。

0055

本明細書では、特記されない限り、用語「約」は、ある値が近似であることを明示するために使用される。例えば、反応温度に関連して使用される用語「約」は、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%内の温度の逸脱が、示される温度により包含されることを表す。同様に、反応時間に関連して使用される用語「約」は、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%内の期間の逸脱が、示される期間により包含されることを表す。

0056

本明細書では、特記されない限り、「好適な脱離基」は、自身が結合している炭素原子を離れることができる任意の原子又は原子団を意味する。具体的には、好適な脱離基は、接近する求核体により置き換えられ得るものである。当業者は、どの原子又は原子団が好適な脱離基として作用できるのかを決定できる。さらに、通常の実験により、特定の原子又は原子団が好適な脱離基として作用できるか否かを特定できる。好ましい好適な脱離基には、一級であるもの(例えば、一級ハロ)があるが、二級である脱離基も使用できる。好適な脱離基の例には、ハロゲン及びスルホネートエステルがある。ハロゲンのうち、ブロモ、クロロ、ヨード、及びフルオロが好ましく、ブロモ及びクロロが特に好ましいハロゲンタイプの脱離基である。スルホネートエステルに関しては、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トリクロロメタンスルホネート、2,2,2-トリフルオロエタンスルホネート、2,2,2-トリクロロエタンスルホネート、及びパラ-トルエンスルホネートが特に好ましいが、他のスルホネートエステル及び当業者に公知である同様に構成された脱離基も同様に使用できる。

0057

描写された構造とその構造に与えられた名前の間に矛盾がある場合、描写された構造により重点が置かれるものとすることに留意されたい。さらに、ある構造又はある構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、該構造又は該構造の一部はその立体異性体全てを包含すると解釈されるものとする。

0058

(6.2プロセス)
(6.2.1化合物(I)の製造)
以下のスキーム1に示す通り、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程;(工程1.2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程;(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、医薬として許容し得る塩に変換する工程を含む、製造プロセスが本明細書に提供される。一実施態様において、式(I)の化合物中のグルタルイミド環の形成は、キラル中心コンフィグレーションの高い保存と共に起こる。一実施態様において、該プロセスは効率的であり、規模拡大が可能である。

0059

Rは、メチル、tert-ブチル、ベンジルなどを含む好適なカルボキシ保護基でよい。他の好適な保護基は当業者に周知である。Yは、任意の好適なアミノ保護基でよい。保護基の選択及び使用並びに保護基の取り付け及び除去の反応条件は、その全体が引用により本明細書に組み込まれるT. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(第3版、Wiley, New York, 1999)に記載されている。

0060

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、
(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を
(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中、
Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つ
Yは、水素又は好適なアミノ保護基である);
エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程
(式中、
(i)Z3はNHYであり、Z4はOHであるか;或いは
(ii)Z3はOHであり、Z4はNHYである);
(工程1.2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程;
(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0061

一実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンであり、(3S)-3-(4-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又は2,6-ピペリジンジオン、3-[1,3-ジヒドロ-4-[[4-(4-モルホリニルメチル)フェニル]メトキシ]-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル]-、(3S)-としても知られている。

0062

一実施態様において、Rは、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;C1-6ハロアルキル;C2-10ヘテロアルキル;C3-6ヘテロシクロアルキル;1〜3つのアリールにより置換されたC1-6アルキル若しくはC2-10ヘテロアルキル;又は、各Raが、独立に、C1-6アルキル又はC5-14アリールである-SiRa3である。

0063

一実施態様において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-(トリメチルシリル)エチル(TMSE)、2,2,2-トリクロロエチル、ベンジル、トリフェニルメチル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)である。一実施態様において、Rは、メチル、tert-ブチル、又はベンジルである。一実施態様において、Rはメチルである。別な実施態様において、Rはtert-ブチルである。さらに別な実施態様において、Rはベンジルである。

0064

一実施態様において、Yは水素である。

0065

一実施態様において、Yは好適なアミノ保護基である。一実施態様において、Yは、アリル、t-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、t-ブチルジメチルシロキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シアノメチルピロリジノメチル、メトキシ、ベンジルオキシ、メチルチオ、トリフェニルメチルチオ、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、4-メトキシフェニル、4-(メトキシ(methyoxy)メトキシ)フェニル、2-メトキシ-1-ナフチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2-アセトキシ-4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジル、ビス(4-メトキシフェニル)メチル(DAM)、ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメチル、ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチル、トリフェニルメチル(Tr)、9-フェニルフルオレニル(Pf)、ビス(トリメチルシリル)メチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、メトキシカルボニルエトキシカルボニル、p-トルエンスルホニル(Ts)、ブテニル、(E)-2-(メトキシカルボニル)ビニルジエトキシメチル、1-メトキシ-2,2-ジメチルプロピル、又は2-(4-メチルフェニルスルホニル)エチルである。一実施態様において、Yは、ベンジル、4-メトキシベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。一実施態様において、Yはベンジルである。

0066

エステルを酸に変換する方法(工程1.1)は当業者に周知である。全般的には、T. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」 (第3版, Wiley, New York, 1999))を参照されたい。

0067

一実施態様において、工程1.1は、酸の存在下で起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程1.1は有機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbCOOHの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、又は安息香酸の存在下で起こる。

0068

一実施態様において、工程1.1は、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbSO3Hの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸p-トルエンスルホン酸カンファースルホン酸メタンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、ベンゼンスルホン酸の存在下で起こる。別な実施態様において、工程1.1は、p-トルエンスルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.1は、カンファースルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.1は、メタンスルホン酸の存在下で起こる。

0069

一実施態様において、工程1.1は、無機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、塩化水素酸硫酸硝酸、又はリン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、塩化水素酸の存在下で起こる。

0070

一実施態様において、工程1.1は、塩基の存在下で起こる。いくつかの実施態様において、塩基はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程1.1は、アルカリ金属塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、アルカリ金属水酸化物炭酸塩炭酸水素塩リン酸塩リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で起こる。

0071

一実施態様において、工程1.1は、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、ナトリウムメトキシドナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシドカリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、ナトリウムt-ブトキシド又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。

0072

一実施態様において、工程1.1は、窒素含有塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.1は、NH4OH、トリエチルアミンジイソプロピルエチルアミンピリジン、4-ジメチルアミノピリジンイミダゾール、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下で起こる。

0073

一実施態様において、工程1.1は水素化により起こる。

0074

式(III)の化合物の環化(工程1.2)は、当業者により任意の脱水剤又は脱水剤の任意の組み合わせにより起こり得る。いくつかの実施態様において、脱水剤は(又は脱水剤の組み合わせは)インサイチュで発生する。いくつかの実施態様において、脱水剤は(又は脱水剤の組み合わせは)、塩化チオニル塩化スルフリル、4-ジメチルアミノピリジン、ホスゲンジホスゲントリホスゲン塩化オキサリルカルボジイミド無水物若しくは混合無水物フェノール、又は式(A)の化合物である(を含む):



(式中、A1とA2のそれぞれは、独立に、非置換又は置換されたヘテロアリール基である)。いくつかの実施態様において、脱水剤は(又は脱水剤の組み合わせは)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、N,N'-カルボニルジイミダゾール(CDI)、3-(ジエトキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ(dimethyllamino)プロピル)カルボジイミド(EDCI)、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O-(3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TDBTU)、3-(ジエチルオキシホスホリルオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン(DEPBT)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)である(を含む)。いくつかの実施態様において、脱水剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)又は2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)である。別な実施態様において、脱水剤はモレキュラーシーブである。

0075

式(III)の化合物の環化(工程1.2)は、水が反応混合物から除去されるときに起こり得る。工程1.2の一実施態様において、水は共沸蒸留により除去される。反応混合物から水を除去する他の技術は当業者に周知である。

0076

式(III)の化合物の環化(工程1.2)は、脱水剤の非存在下で、又は水を除去しなくても起こり得る。

0077

Yが水素である一実施態様において、式(I-a)の化合物は式(I)の化合物であり、工程1.3は必要でない。

0078

Yが水素でない一実施態様において、式(I-a)の化合物は式(I)の化合物でなく、工程1.3は必要である。好適なアミノ保護基の取り付け及び除去の反応条件は、T. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」) (第3版, Wiley, New York, 1999)に記載されるものを含み、当業者に周知である。一実施態様において、Yはベンジルであり、工程1.3は水素化により起こる。

0079

任意に、式(I)の化合物又はその塩は、酸との反応により、異なる医薬として許容し得る塩に変換できる(工程1.4)。一実施態様において、工程1.4は、式(I)の化合物の遊離塩基を、その医薬として許容し得る塩に変換することを含む。別な実施態様において、工程1.4は、式(I)の化合物の塩を遊離塩基に変換し、該遊離塩基をその医薬として許容し得る塩に変換することを含む。さらに別な実施態様において、工程1.4は、式(I)の化合物の塩を異なるその医薬として許容し得る塩に直接変換することを含む。一実施態様において、医薬として許容し得る塩は塩酸塩である。

0080

一実施態様において、以下のスキーム1aに描かれている通り、工程1.1と工程1.2は、式(III)の化合物を単離せずに、ワンポットで起こる。

0081

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、
(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を
(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中
Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つ
Yは、水素又は好適なアミノ保護基である);
エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程
(式中、
(i)Z3はNHYであり、Z4はOHであるか;或いは
(ii)Z3はOHであり、Z4はNHYである);
(工程1.2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程;
(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程;
を含み、工程1.1と工程1.2がワンポットで起こるプロセスが本明細書に提供される。

0082

一実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。

0083

一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rは、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;C1-6ハロアルキル;C2-10ヘテロアルキル;C3-6ヘテロシクロアルキル;1〜3つのアリールにより置換されたC1-6アルキル若しくはC2-10ヘテロアルキル;又は、各Raが、独立に、C1-6アルキル又はC5-14アリールである-SiRa3である。

0084

一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-(トリメチルシリル)エチル(TMSE)、2,2,2-トリクロロエチル、ベンジル、トリフェニルメチル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)である。一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rは、メチル、tert-ブチル、又はベンジルである。一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rはメチルである。別な実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rはtert-ブチルである。さらに別な実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Rはベンジルである。

0085

一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Yは水素である。

0086

一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Yは好適なアミノ保護基である。一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Yは、アリル、t-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、t-ブチルジメチルシロキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シアノメチル、ピロリジノメチル、メトキシ、ベンジルオキシ、メチルチオ、トリフェニルメチルチオ、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、4-メトキシフェニル、4-(メトキシメトキシ)フェニル、2-メトキシ-1-ナフチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2-アセトキシ-4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジル、ビス(4-メトキシフェニル)メチル(DAM)、ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメチル、ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチル、トリフェニルメチル(Tr)、9-フェニルフルオレニル(Pf)、ビス(トリメチルシリル)メチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、p-トルエンスルホニル(Ts)、ブテニル、(E)-2-(メトキシカルボニル)ビニル、ジエトキシメチル、1-メトキシ-2,2-ジメチルプロピル、又は2-(4-メチルフェニルスルホニル)エチルである。一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Yは、ベンジル、4-メトキシベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。一実施態様において、工程1.1と工程1.2はワンポットで起こり;Yはベンジルである。

0087

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は水素化によりワンポットで起こる。一実施態様において、Rはベンジルであり、工程1.1と工程1.2は水素化によりワンポットで起こる。

0088

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は水素化/環化によりワンポットで起こり、その場合、環化は酸又は塩基により促進される。

0089

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、塩基の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.1と工程1.2は、NaOH又はKOHの存在下で、ワンポットで起こる。

0090

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.1と工程1.2は、ナトリウムtert-ブトキシド又はカリウムtert-ブトキシドの存在下で、ワンポットで起こる。

0091

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、酸の存在下で、ワンポットで起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、有機酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbCOOHの存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、又は安息香酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2は、トリフルオロ酢酸の存在下で、ワンポットで起こる。

0092

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、ブレンステッド酸又はルイス酸の存在下で、ワンポットで起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。

0093

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbSO3Hの存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はメタンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、ベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。別な実施態様において、工程1.1と工程1.2は、p-トルエンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。さらに別な実施態様において、工程1.1と工程1.2は、カンファースルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。さらに別な実施態様において、工程1.1と工程1.2は、メタンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2は、ベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こる。

0094

一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、無機酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、塩化水素酸、硫酸、硝酸、又はリン酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、工程1.1と工程1.2は、塩化水素酸の存在下で、ワンポットで起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2は、塩化水素酸の存在下で、ワンポットで起こる。

0095

工程1.1と工程1.2は、別々又はワンポットで、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノールエタノールイソプロピルアルコールジメチルホルムアミドジメチルスルホキシドグライムダイグライムジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。いくつかの実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。

0096

工程1.1と工程1.2は、別々又はワンポットで、任意の反応温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応温度は、約-100℃〜約200℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は、約-50℃〜約150℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は、約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は、約85℃〜約95℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は、約90℃である。

0097

工程1.1と工程1.2は、別々又はワンポットで、任意の反応時間で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1分〜約14日である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約5分〜約48時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1時間〜約24時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約3時間〜約12時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約8時間〜約9時間である。

0098

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2は、ベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こり、溶媒はアセトニトリルであり、反応温度は約90℃であり、反応時間は約8時間〜約9時間である。

0099

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2は、ベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こり、溶媒はアセトニトリルであり、反応温度は約90℃であり、反応時間は約8時間〜約9時間であり、水は共沸蒸留により除去される。

0100

工程1.3及び1.4は本明細書で先に記載されたとおりである。

0101

別な実施態様において、以下のスキーム1bに描かれた通り、どのような中間体にもどのような理論にも限定されないが、式(I-a)の化合物は、式(II)の化合物から1工程で製造できる。

0102

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、
(工程1.i)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を
(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中、
Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つ
Yは、水素又は好適なアミノ保護基である);
環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物、又はその塩に変換する工程;
(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0103

一実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。

0104

一実施態様において、Rは、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;C1-6ハロアルキル;C2-10ヘテロアルキル;C3-6ヘテロシクロアルキル;1〜3つのアリールにより置換されたC1-6アルキル若しくはC2-10ヘテロアルキル;又は、各Raが、独立に、C1-6アルキル又はC5-14アリールである-SiRa3である。

0105

一実施態様において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-(トリメチルシリル)エチル(TMSE)、2,2,2-トリクロロエチル、ベンジル、トリフェニルメチル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)である。一実施態様において、Rは、メチル、tert-ブチル、又はベンジルである。一実施態様において、Rはメチルである。別な実施態様において、Rはtert-ブチルである。さらに別な実施態様において、Rはベンジルである。

0106

一実施態様において、Yは水素である。

0107

一実施態様において、Yは好適なアミノ保護基である。一実施態様において、Yは、アリル、t-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、t-ブチルジメチルシロキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シアノメチル、ピロリジノメチル、メトキシ、ベンジルオキシ、メチルチオ、トリフェニルメチルチオ、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、4-メトキシフェニル、4-(メトキシメトキシ)フェニル、2-メトキシ-1-ナフチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2-アセトキシ-4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジル、ビス(4-メトキシフェニル)メチル(DAM)、ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメチル、ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチル、トリフェニルメチル(Tr)、9-フェニルフルオレニル(Pf)、ビス(トリメチルシリル)メチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、p-トルエンスルホニル(Ts)、ブテニル、(E)-2-(メトキシカルボニル)ビニル、ジエトキシメチル、1-メトキシ-2,2-ジメチルプロピル、又は2-(4-メチルフェニルスルホニル)エチルである。一実施態様において、Yは、ベンジル、4-メトキシベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。一実施態様において、Yはベンジルである。

0108

一実施態様において、工程1.iは水素化により起こる。一実施態様において、Rはベンジルであり、工程1.iは水素化により起こる。

0109

一実施態様において、工程1.iは塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.iはNaOH又はKOHの存在下で起こる。

0110

一実施態様において、工程1.iは、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.iは、ナトリウムtert-ブトキシド、又はカリウムtert-ブトキシドの存在下で起こる。

0111

一実施態様において、工程1.iは酸の存在下で起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程1.iは有機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbCOOHの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、又は安息香酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.iはトリフルオロ酢酸の存在下で起こる。

0112

一実施態様において、工程1.iは、ブレンステッド酸又はルイス酸の存在下で起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。

0113

一実施態様において、工程1.iは、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbSO3Hの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iはベンゼンスルホン酸の存在下で起こる。別な実施態様において、工程1.iはp-トルエンスルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.iはカンファースルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.iはメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.iは、ベンゼンスルホン酸の存在下で起こる。

0114

一実施態様において、工程1.iは無機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは、塩化水素酸、硫酸、硝酸、又はリン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.iは塩化水素酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.iは塩化水素酸の存在下で起こる。

0115

工程1.iは、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。いくつかの実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。

0116

工程1.iは、任意の反応温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応温度は約-100℃〜約200℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約-50℃〜約150℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約85℃〜約95℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約90℃である。

0117

工程1.iは任意の反応時間で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応時間は約1分〜約14日である。いくつかの実施態様において、反応時間は約5分〜約48時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は約1時間〜約24時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は約3時間〜約12時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は約8時間〜約9時間である。

0118

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、工程1.iはベンゼンスルホン酸の存在下で起こり、溶媒はアセトニトリルであり、反応温度は約90℃であり、反応時間は約8時間〜約9時間である。

0119

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、工程1.iはベンゼンスルホン酸の存在下で起こり、溶媒はアセトニトリルであり、反応温度は約90℃であり、反応時間は約8時間〜約9時間であり、水は共沸蒸留により除去される。

0120

ある例示的な実施態様において、Yはベンジルであり、Rはメチルであり、工程1.iはp-トルエンスルホン酸の存在下で起こる。ある例示的な実施態様において、Yはベンジルであり、Rはメチルであり、工程1.iはp-トルエンスルホン酸の存在下で起こり、溶媒は酢酸であり、反応温度は約100℃であり、反応時間は約8時間である。

0121

工程1.3及び1.4は本明細書中で先に記載された通りである。

0122

別な実施態様において、Yの脱保護は、グルタルイミド環の形成と同時に起こり得る。以下のスキーム1cに描かれる通り、どのような中間体にもどのような理論にも限定されないが、式(I)の化合物は、式(II)の化合物から1工程で製造することができる。

0123

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、
(工程1.a)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を
(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;式中
Rは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアラルキル、又はカルボキシ基の好適な保護基であり;且つ
Yは、水素又は好適なアミノ保護基である);
環化及び脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物、又はその塩に変換する工程;
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、その医薬として許容し得る塩に変換する工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0124

一実施態様において、式(I)の化合物は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである。

0125

一実施態様において、Rは、C1-6アルキル;C3-6シクロアルキル;C1-6ハロアルキル;C2-10ヘテロアルキル;C3-6ヘテロシクロアルキル;1〜3つのアリールにより置換されたC1-6アルキル若しくはC2-10ヘテロアルキル;又は、各Raが、独立に、C1-6アルキル又はC5-14アリールである-SiRa3である。

0126

一実施態様において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-(トリメチルシリル)エチル(TMSE)、2,2,2-トリクロロエチル、ベンジル、トリフェニルメチル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)である。一実施態様において、Rは、メチル、tert-ブチル、又はベンジルである。一実施態様において、Rはメチルである。別な実施態様において、Rはtert-ブチルである。さらに別な実施態様において、Rはベンジルである。

0127

一実施態様において、Yは水素である。

0128

一実施態様において、Yは好適なアミノ保護基である。一実施態様において、Yは、アリル、t-ブチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、t-ブチルジメチルシロキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シアノメチル、ピロリジノメチル、メトキシ、ベンジルオキシ、メチルチオ、トリフェニルメチルチオ、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、4-メトキシフェニル、4-(メトキシメトキシ)フェニル、2-メトキシ-1-ナフチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2-アセトキシ-4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジル、ビス(4-メトキシフェニル)メチル(DAM)、ビス(4-メトキシフェニル)フェニルメチル、ビス(4-メチルスルフィニルフェニル)メチル、トリフェニルメチル(Tr)、9-フェニルフルオレニル(Pf)、ビス(トリメチルシリル)メチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、p-トルエンスルホニル(Ts)、ブテニル、(E)-2-(メトキシカルボニル)ビニル、ジエトキシメチル、1-メトキシ-2,2-ジメチルプロピル、又は2-(4-メチルフェニルスルホニル)エチルである。一実施態様において、Yは、ベンジル、4-メトキシベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブトキシカルボニル、又はベンジルオキシカルボニルである。一実施態様において、Yはベンジルである。

0129

一実施態様において、工程1.aは水素化により起こる。一実施態様において、Rはベンジルであり、工程1.aは水素化により起こる。

0130

一実施態様において、工程1.aは塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.aはNaOH又はKOHの存在下で起こる。

0131

一実施態様において、工程1.aは、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。一実施態様において、Rはメチルであり、工程1.aは、ナトリウムtert-ブトキシド、又はカリウムtert-ブトキシドの存在下で起こる。

0132

一実施態様において、工程1.aは酸の存在下で起こる。いくつかの実施態様において、酸はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程1.aは有機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbCOOHの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、又は安息香酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.aはトリフルオロ酢酸の存在下で起こる。

0133

一実施態様において、工程1.aは、Rbが、水素、置換若しくは非置換のC1-10アルキル、置換若しくは非置換のC1-10ハロアルキル、又は置換若しくは非置換のC5-14アリールであるRbSO3Hの存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はメタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、ベンゼンスルホン酸の存在下で起こる。別な実施態様において、工程1.aは、p-トルエンスルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.aは、カンファースルホン酸の存在下で起こる。さらに別な実施態様において、工程1.aは、メタンスルホン酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.aは、ベンゼンスルホン酸の存在下で起こる。

0134

一実施態様において、工程1.aは、無機酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、塩化水素酸、硫酸、硝酸、又はリン酸の存在下で起こる。一実施態様において、工程1.aは、塩化水素酸の存在下で起こる。一実施態様において、Rはtert-ブチルであり、工程1.aは、塩化水素酸の存在下で起こる。

0135

工程1.aは、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。いくつかの実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。

0136

工程1.aは任意の反応温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応温度は約-100℃〜約200℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約-50℃〜約150℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約85℃〜約95℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約90℃である。

0137

工程1.aは任意の反応時間で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1分〜約14日である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約5分〜約48時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1時間〜約24時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約3時間〜約12時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約8時間〜約9時間である。

0138

工程1.4は、本明細書で先に記載された通りである。

0139

(6.2.2化合物(II)の製造)
一実施態様において、以下のスキーム2に描かれる通り、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を製造するプロセスであって、
(工程2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物を、置換に好適な条件下で、式(V)の化合物又はその塩と接触させる工程
(式中、
Z1及びZ2は本明細書で先に定義された通りであり;
Lは、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、-OSO2C6H4-p-Me(パラ-トルエンスルホネート)、又は好適な脱離基である);



を含むプロセスが本明細書に提供される。

0140

Lは、当業者に公知である任意の好適な脱離基でよい。一実施態様において、Lは、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、又は-OSO2C6H4-p-Me(パラ-トルエンスルホネート)である。一実施態様において、Lはハロゲンである。一実施態様において、Lはフルオロである。別な実施態様において、Lはクロロである。さらに別な実施態様において、Lはブロモである。さらに別な実施態様において、Lはヨードである。

0141

Z1、Z2、R、及びYは、本明細書で先に定義された通りである。R基の選択は工程2にとって重要である。tert-ブチルなどの立体障害のあるR基は、一般的に、メチルなどの立体障害のないR基よりも、式(IV)の化合物の式(II)の化合物へのより高い転化率をもたらす。

0142

式(IV)の化合物中の脱離基Lのフェノール基による置換(工程2)は、塩基の存在下で起こり得る。いくつかの実施態様において、塩基はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程2は、アルカリ金属塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程2は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で起こる。一実施態様において、工程2は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で起こる。一実施態様において、工程2は、K2CO3の存在下で起こる。

0143

一実施態様において、工程2は、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で起こる。一実施態様において、工程2は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。

0144

一実施態様において、工程2は、窒素含有塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程2は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下で起こる。

0145

工程2は、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。一実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。別な実施態様において、溶媒はジメチルホルムアミドである。

0146

工程2は、任意の反応温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応温度は約-100℃〜約200℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約-50℃〜約150℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約40℃〜約50℃である。

0147

工程2は、任意の反応時間で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1分〜約14日である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約5分〜約48時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約1時間〜約24時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は、約12時間〜約24時間である。

0148

工程2は、式(IV)の化合物と式(V)の化合物の任意のモル比で起こり得る。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約10:1〜約1:10である。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約5:1〜約1:5である。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約3:1〜約1:3である。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約1.5:1〜約1:1.5である。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約1.1:1〜約1:1.1である。いくつかの実施態様において、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約1:1である。

0149

一実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、Lはクロロである。一実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、Lはクロロであり、工程2はK2CO3の存在下で起こる。ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、Lはクロロであり、工程2はK2CO3の存在下で起こり、溶媒はジメチルホルムアミドであり、反応温度は約40℃〜約50℃であり、反応時間は約12時間〜約24時間であり、式(IV)の化合物と式(V)の化合物のモル比は約1:1である。

0150

式(II)の化合物中のエーテル結合の形成は、当業者に公知である他の化学変換により達成可能である。例えば、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)及びPPh3の存在下での、ラセミ形態での式(IV)の化合物と式(B)のアルコールとの光延反応は、米国特許公開第2011/0196150号に報告されている。



光延反応のカップリング生成物の精製には、多くの場合、シリカゲルクロマトグラフィーが必要とされる。スキーム2に描かれている塩基性置換プロセスは、報告されている光延反応よりも以下の点で優れている:(1)効率的で、規模拡大が可能である;(2)高い転化率;及び(3)シリカゲルクロマトグラフィーを必要としない簡単な精製。

0151

(6.2.3化合物(V)の製造)
一実施態様において、以下のスキーム3に描かれる通り、式(V)の化合物又はその塩を製造するプロセスであって、
(工程3.1)式(VI)の化合物を
(式中、
各Lは、独立に、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、-OSO2C6H4-p-Me(パラ-トルエンスルホネート)、又は好適な脱離基である);
置換に好適な条件下で、モルホリン又はその塩と接触させる工程;及び
(工程3.2)任意に、式(V)の化合物を、選択抽出により精製する工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0152

各Lは、独立に、当業者に公知である任意の好適な脱離基でよい。一実施態様において、各Lは、独立に、ハロゲン、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、又は-OSO2C6H4-p-Me(パラ-トルエンスルホネート)である。一実施態様において、各Lは、独立に、ハロゲンである。一実施態様において、Lはどちらもクロロである。別な実施態様において、1つのLはクロロであり、他のLは-OSO2Meである。

0153

脱離基Lのモルホリンによる置換(工程3.1)は、塩基の存在下で起こり得る。いくつかの実施態様において、塩基はインサイチュで発生する。一実施態様において、工程3.1は、アルカリ金属塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程3.1は、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩の存在下で起こる。一実施態様において、工程3.1は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaHCO3、KHCO3、Na3PO4、K3PO4、Na2HPO4、K2HPO4、NaH2PO4、又はKH2PO4の存在下で起こる。

0154

一実施態様において、工程3.1は、Mがアルカリ金属であり;Rcが置換又は非置換のC1-10アルキルであるM-Rc又はM-ORcの存在下で起こる。一実施態様において、工程3.1は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、又はカリウムt-ブトキシドの存在下で起こる。

0155

一実施態様において、工程3.1は、窒素含有塩基の存在下で起こる。一実施態様において、工程3.1は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下で起こる。一実施態様において、工程3.1は、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で起こる。別な実施態様において、モルホリン自体が塩基として作用する。

0156

工程3.1は、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。一実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。別な実施態様において、溶媒はテトラヒドロフランである。さらに別な実施態様において、溶媒は酢酸イソプロピルである。

0157

反応温度、反応時間、及び式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は、式(V)の化合物の最適な転化を達成するのに重要である。特定の場合において、高い反応温度、長い反応時間、及び/又は大過剰のモルホリンは、大量の副生成物1,4-ビス(モルホリノメチル)ベンゼン又はその塩の形成を起こすことがある。

0158

工程3.1は、任意の反応温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応温度は約-100℃〜約200℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約-50℃〜約150℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、反応温度は約室温である。

0159

工程3.1は任意の反応時間で起こり得る。いくつかの実施態様において、反応時間は約1分〜約14日である。いくつかの実施態様において、反応時間は約5分〜約48時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は約1時間〜約24時間である。いくつかの実施態様において、反応時間は約20時間〜24時間以下である。

0160

工程3.1は、式(VI)の化合物とモルホリンの任意のモル比で起こり得る。いくつかの実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約10:1〜約1:10である。いくつかの実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約5:1〜約1:5である。いくつかの実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約3:1〜約1:3である。いくつかの実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約1.5:1〜約1:1.5である。一実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約1:1.5である。別な実施態様において、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約1:1である。

0161

工程3.1では、通常、式(V)の化合物又はその塩と副生成物1,4-ビス(モルホリノメチル)ベンゼン又はその塩の混合物が生じる。該混合物は、好適な溶媒又は好適な溶媒の組み合わせ中での選択抽出により、任意に分離できる(工程3.2)。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。一実施態様において、溶媒はメタノールである。

0162

ある例示的な実施態様において、Lは両方ともクロロであり、工程3.1は、酢酸イソプロピルの溶媒中で起こり、反応温度は約室温であり、反応時間は約20時間〜24時間以下であり、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比は約1:1.5であり;且つ、式(V)の化合物は、メタノール中での選択抽出により任意に精製される。

0163

別な例示的な実施態様において、1つのLはクロロであり、他のLは-OSO2CH3であり、工程3.1はジイソプロピルエチルアミンの存在下で起こり、溶媒はアセトニトリルである。

0164

(6.2.4化合物(IV)の製造)
式(IV)の化合物は、当業者に公知である方法を利用して製造できる。例えば、Rがメチルであり、化合物がラセミ形態である式(IV)の化合物の製造は、米国特許公開第2011/0196150号に報告された。

0165

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物を製造するプロセスであって、
(工程4)脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物を脱保護する工程:



(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYであり;且つ
R1は好適なフェノール保護基である);
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0166

好適なフェノール保護基は当業者に周知である。保護基の選択及び使用並びに保護基の取り付け及び除去の反応条件は、T. W. Greenの文献(「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」)(第3版、Wiley, New York, 1999)に記載されている。一実施態様において、R1は、メチル、イソプロピル、シクロプロピルメチル、tert-ブチル、シクロヘキシル、アリル、プロパルギル、シアノメチル、2-ブロモエチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルアミン(SEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、ベンジル、p-メトキシベンジル、2,6-ジメトキシベンジル、2,6-ジクロロベンジル、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、又はt-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、ホルメート、アセテート、ベンゾエート、メチルカーボネート、t-ブチルカーボネート(BOC)、ベンジルカーボネート、ジメチルホスフィニル、メタンスルホネート、又はトルエンスルホネートである。

0167

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、R1はt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、反応は、メタノール中、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)の存在下で起こる。

0168

(6.2.5化合物(VII)の製造)
式(VII)の化合物は、当業者に公知である方法を利用して製造できる。例えば、Rがメチルであり、R1がt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、化合物がラセミ形態である式(VII)の化合物の製造は、米国特許公開第2011/0196150号に報告された。

0169

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物を製造するプロセスであって、
(工程5)式(VIII)の化合物を:



(式中、
R1は好適なフェノール保護基であり;L1及びL2は、独立に、ハロゲン、OR2、OCOR2、OSO2R2、OPO3R2、又は好適な脱離基であり;
式中、R2は、1つ以上のハロゲンにより任意に置換されている、飽和、部分的に飽和、若しくは不飽和のC1-10アルキル;又は1つ以上のハロゲンにより任意に置換されている5〜10員のアリール若しくはヘテロアリールである);
環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(IX)の化合物、又はその塩と接触させる工程:



(式中、
(i)Z1はNHYであり、Z2はORであるか;或いは
(ii)Z1はORであり、Z2はNHYである)
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0170

L1及びL2は、独立に、当業者に公知である任意の好適な脱離基でよい。一実施態様において、L1及びL2は、独立に、ハロゲン、メトキシ、-OSO2CH3、-OSO2CF3、-OSO2CCl3、-OSO2CH2CF3、-OSO2CH2CCl3、又は-OSO2C6H4-p-Me(パラ-トルエンスルホネート)である。一実施態様において、L1はメトキシであり、L2はブロモである。

0171

ある例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはtert-ブチルであり、R1はt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、L1はメトキシであり、L2はブロモであり、反応は、アセトニトリル中で、KH2PO4の存在下で起こる。

0172

別な例示的な実施態様において、Yは水素であり、Rはメチルであり、R1はt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、L1はメトキシであり、L2はブロモであり、反応は、アセトニトリル中、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で起こる。

0173

(6.2.6化合物(VIII)の製造)
式(VIII)の化合物は、当業者に公知である方法を利用して製造できる。例えば、R1がt-ブチルジメチルシリルであり、L1がメトキシであり、L2がブロモである式(VIII)の化合物の製造は、米国特許公開第2011/0196150号に報告された。

0174

一実施態様において、式(VIII)の化合物を製造するプロセスであって、
(工程6)ハロゲン化に好適な条件下で、式(X)の化合物をそのベンジル位でハロゲン化する工程:



を含むプロセスが本明細書に提供される。

0175

一実施態様において、ハロゲン化反応フリーラジカル臭素化である。フリーラジカル臭素化は、紫外線日光、又はラジカル開始剤の存在下での加熱により開始させることができる。臭素化試薬及びフリーラジカル臭素化の条件は当業者に周知である。ある例示的な実施態様において、臭素化試薬は1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(NBS)であり、ラジカル開始剤は2,2'-(ジアゼン-1,2-ジイル)ビス(2-メチルプロパンニトリル)(AIBN)であり、溶媒は酢酸イソプロピルである。

0176

(6.2.7化合物(X)の製造)
式(X)の化合物は、当業者に公知である方法を利用して製造できる。例えば、R1がt-ブチルジメチルシリルであり、L1がメトキシである式(X)の化合物の製造は、米国特許公開第2011/0196150号に報告された。

0177

一実施態様において、式(X)の化合物を製造するプロセスであって、
(工程7)保護に好適な条件下で、式(XI)の化合物を保護基と反応させる工程:



を含むプロセスが本明細書に提供される。

0178

ある例示的な実施態様において、L1はメトキシであり、保護は、N,N-ジメチルホルムアミドの溶媒中で、tert-ブチルジメチルシリルクロリド及びイミダゾールの存在下で起こる。

0179

(6.2.8化合物(XI)の製造)
式(XI)の化合物は、当業者に公知である方法を利用して製造できる。例えば、L1がメトキシである式(XI)の化合物の製造は、米国特許公開第2011/0196150号に報告された。

0180

一実施態様において、式(XI)の化合物を製造するプロセスであって、
(工程8)3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸を、エステル化に好適な条件下で、アルコールと反応させる工程
を含むプロセスが本明細書に提供される。

0181

酸からエステルを製造する方法は当業者に周知である。いくつかの実施態様において、エステル化は、酸性条件下で、酸をアルコールと反応させることにより起こる。ある例示的な実施態様において、アルコールはメタノールであり、反応は硫酸の存在下で起こる。

0182

(6.2.9追加の実施態様)
一実施態様において、Yが水素であり、Rがtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2がベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こり;Lがクロロであり、工程2がK2CO3の存在下で起こる、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを製造するプロセスが本明細書に提供される。

0183

一実施態様において、Yが水素であり、Rがtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2がベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こり;Lがクロロであり、工程2がK2CO3の存在下で起こり;工程3.1が酢酸イソプロピルの溶媒中で起こり、反応温度が約室温であり、反応時間が約20時間〜24時間以下であり、式(VI)の化合物とモルホリンのモル比が約1:1.5であり;式(V)の化合物が、メタノール中での選択抽出により任意に精製されている、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを製造するプロセスが本明細書に提供される。

0184

一実施態様において、Yが水素であり、Rがtert-ブチルであり、工程1.1と工程1.2が、ベンゼンスルホン酸の存在下で、ワンポットで起こり;Lがクロロであり、工程2がK2CO3の存在下で起こり;R1がt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)であり、工程4が、メタノール中で、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)の存在下で起こる、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを製造するプロセスが本明細書に提供される。

0185

一実施態様において、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその医薬として許容し得る形態を製造するプロセスであって、
(工程1.1)エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物、又はその塩を、エステルから酸への変換に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物、又はその塩に変換する工程;
(工程1.2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(III)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物に環化する工程;
(工程1.3)Yが水素でない場合、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I-a)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物に脱保護する工程;及び
(工程1.4)任意に、エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(I)の化合物を、塩形成に好適な条件下で、医薬として許容し得る塩に変換する工程;
を含み、
工程1.1と工程1.2がワンポットで起こり;且つ
エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(II)の化合物が、
(工程2)エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物を、置換に好適な条件下で、式(V)の化合物又はその塩と接触させる工程;
を含むプロセスにより製造され、
式(V)の化合物が、
(工程3.1)式(VI)の化合物を、置換に好適な条件下で、モルホリン又はその塩と接触させる工程;及び
(工程3.2)任意に、式(V)の化合物を選択抽出により精製する工程;
を含むプロセスにより製造され、
エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(IV)の化合物が、
(工程4) エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物を、脱保護に好適な条件下で、脱保護する工程;
を含むプロセスにより製造され、
エナンチオマー的に富化された、又はエナンチオマー的に純粋な式(VII)の化合物が、
(工程5)式(VIII)の化合物を、環化に好適な条件下で、エナンチオマー的に富化された、若しくはエナンチオマー的に純粋な式(IX)の化合物、又はその塩と接触させる工程;
を含むプロセスにより製造され、
式(VIII)の化合物が、
(工程6)式(X)の化合物を、ハロゲン化に好適な条件下で、そのベンジル位でハロゲン化する工程;
を含むプロセスにより製造され、
式(X)の化合物が、
(工程7)式(XI)の化合物を、保護に好適な条件下で、保護基と反応させる工程;
を含むプロセスにより製造され、
式(XI)の化合物が、
(工程8)3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸を、エステル化に好適な条件下で、アルコールと反応させる工程;
を含むプロセスにより製造され、
式中、R、R1、R2、Y、L、L1、及びL2が本明細書で先に定義された通りであるプロセスが本明細書に提供される。

0186

上記実施態様の組み合わせの全てが、本発明により包含される。

0187

本発明のプロセスが、式(IX)の化合物を、対応するR-エナンチオマー又はラセミ体に替えることにより、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのR-エナンチオマー又はラセミ体の製造にも好適であることが理解できよう。さらに、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのラセミ体は、当分野に公知であり本明細書に提供される方法に従う合成経路上での、任意のエナンチオマー的に富化された又は純粋な化合物のラセミ化により合成できる。

0188

(6.3光学純度の向上)
一実施態様において、式(I)の化合物、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の光学純度を増加させる方法が本明細書に提供される。一般に、光学純度は、最適なeeeuをもたらす条件下で、再結晶又はトリチュレーションにより増加させることができる。

0189

一実施態様において、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の光学純度を増加又は向上させるプロセスであって、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の第1試料を、溶媒又は溶媒混合物中で再結晶又はトリチュレーションして、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又はその塩及び/若しくは溶媒和物の第2試料をもたらすことを含み、該第2試料が該第1試料よりも高いeeを有するプロセスが本明細書に提供される。

0190

一実施態様において、光学純度は再結晶により増加する。別な実施態様において、光学純度はトリチュレーションにより増加する。

0191

一実施態様において、光学純度は、再結晶又はトリチュレーションの前の光学純度に比べて、再結晶又はトリチュレーションの後では、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%以上増加し得る。

0192

(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの第1試料(すなわち光学純度を増加させるべき試料)は、無水形態遊離塩基形態水和物形態溶媒和物形態塩形態、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。一実施態様において、第1試料は無水遊離塩基形態である。別な実施態様において、第1試料は遊離塩基水和物形態である。別な実施態様において、第1試料は遊離塩基THF溶媒和物形態である。さらに別な実施態様において、第1試料はHCl塩形態である。さらに別な好ましい実施態様において、第1試料は無水HCl塩形態である。

0193

第1試料のeeは、0%〜約95%であり得る。一実施態様において、第1試料のeeは約25%〜約90%である。一実施態様において、第1試料のeeは約50%〜約80%である。一実施態様において、第1試料のeeは約75%である。

0194

再結晶又はトリチュレーションは、任意の溶媒又は溶媒の任意の組み合わせ中で起こり得る。いくつかの実施態様において、溶媒又は溶媒の組み合わせは、水、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グライム、ダイグライム、ジメチルアセトアミド、又はN-メチル-2-ピロリドンであるか、これらを含む。一実施態様において、溶媒はアセトニトリルである。別な実施態様において、溶媒はテトラヒドロフランである。

0195

一実施態様において、溶媒はアルコールである。一実施態様において、溶媒はメタノールである。

0196

一実施態様において、溶媒は、アルコールと水の混合物である。一実施態様において、溶媒は、イソプロピルアルコールと水の混合物である。一実施態様において、溶媒は、イソプロピルアルコールと水の90:10混合物である。別な実施態様において、溶媒は、イソプロピルアルコールと水の95:5混合物である。

0197

再結晶又はトリチュレーションは任意の温度で起こり得る。いくつかの実施態様において、温度は約0℃〜約100℃である。いくつかの実施態様において、温度は約10℃〜約80℃である。一実施態様において、温度は約22℃である。別な実施態様において、温度は約55℃である。

0198

(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの第2試料(すなわち光学純度の増加後の化合物)は、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの第1試料と同じ形態でも異なる形態でもよい。一実施態様において、第2試料は、第1試料と異なる形態である。別な実施態様において、第2試料は、第1試料と同じ形態である。一実施態様において、第1試料と第2試料はどちらもHCl塩形態である。

0199

第2試料のeeは、第1試料のeeよりも高い。一実施態様において、第2試料のeeは、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約91%以上、約92%以上、約93%以上、約94%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上、約99.5%以上、約99.9%以上、約99.95%以上、約99.99%以上、又は約100%である。

0200

一実施態様において、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの第1試料は75%のeeを有するHCl塩形態であり、トリチュレーションが55℃のメタノール中で起こり、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの97.5%のeeを有するHCl塩形態の第2試料が生じる。

0201

上記実施態様の組み合わせの全ては本発明により包含される。

0202

(7.実施例)
本明細書では、これらのプロセス、スキーム、及び実施例に使用される記号及び慣例は、特定の略語が具体的に定義されているか否かにかかわらず、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Society又はthe Journal of Biological Chemistryに使用されているものと一致している。具体的に、しかし非限定的に、下記の略語が、実施例及び本明細書全体に使用され得る:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);M(モラー);mM(ミリモラー);μM(マイクロモラー);eq.(当量);mmol(ミリモル);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);hr又はhrs(時間又は時間);min(分);及びMS(質量分析法)。特記されない限り、本明細書に提供される化合物中の含水量は、カールフィッシャー(KF)法により決定される。

0203

以下の実施例の全てに関して、特記されない限り、当業者に公知である標準的な後処理及び精製法が利用できる。特記されない限り、温度は全て℃(摂氏の度)で表される。特記されない限り、反応は全て室温で実施される。本明細書に説明される合成方法は、具体的な実施例を利用して適用可能な化学作用を例示するものであり、本開示の範囲を示さない。

0204

(実施例1)
(メチル2-(ブロモメチル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンゾエートの合成)



(工程1:)



3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(250g、1.32モル)を、窒素下でジャケットボトムドロップ(bottom drop)三つ口フラスコ中のメタノール(2500mL、10×)に加えた。硫酸(48.3g、0.49モル)を上記溶液に加えた。該混合物を60℃に加熱し、8〜17時間撹拌した。転化が98%超になると、混合物を3×体積常圧蒸留した。残渣を20℃に冷却し、少なくとも30分かけてゆっくりと水(500mL、2×)に加えた。種晶(2g、0.01×)を加え、混合物を20℃で少なくとも1時間激しく撹拌した。水(1500mL、6×)を20℃で少なくとも3時間かけて加え、該混合物を20℃で少なくともさらに1時間激しく撹拌した。固体を濾過し、9:1の水:メタノール(500mL、それぞれ2×)でpH≧3まで3回洗浄した。固体を、35〜45℃でKF≦0.1%まで真空下で乾燥させると、メチル3-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート(235.3g、収率86%)を与えた。

0205

(工程2:)



メチル3-ヒドロキシ-2-メチルベンゾエート(110g、662mmol)を、3リットルジャケット付ボトムドロップ反応器中のDMF(660mL、6×)に加えた。該混合物を5℃に冷却し、イミダゾール(113g、1655mmol、1.03×)を該溶液に加えた。tert-ブチルジメチルシリルクロリド(110g、728mmol、1×)を加え、該混合物を5℃で1時間激しく撹拌した。該混合物を20℃まで温め、残される出発フェノールが0.2%以下になるまで少なくとも2時間激しく撹拌した。酢酸イソプロピル(770mL、7×)を加え、次いで水(1100mL、10×)をゆっくりと加え、温度を30℃未満に保った。該混合物を激しく撹拌し、静置して、分離させた。有機層を、水(770mL、それぞれ7×)でさらに3回洗浄し、40〜55℃で6×体積に、KFが0.05%以下となるまで真空下で蒸留した。メチル3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルベンゾエート生成物を酢酸イソプロピル溶液として保存し、さらに精製せずに次の工程で使用した(期待される量168g、収率90%)。

0206

(工程3:)



メチル3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルベンゾエートの酢酸イソプロピル溶液(157g、560mmol、工程2から、残留遊離フェノールの量≦0.2%)を、3リットルジャケット付ボトムドロップ反応器に加えた。追加の酢酸イソプロピルを加え、必要があれば、該混合物を40〜55℃で真空下で蒸留し、総体積を約9×(1410mL、KF≦0.05%)にした。1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(NBS、103.6g、580mmol、0.66×)及び2,2'-(ジアゼン-1,2-ジイル)ビス(2-メチルプロパンニトリル)(AIBN、1.9g、11mmol、0.012×)を該溶液に加えた。該反応混合物を少なくとも2時間かけて70℃に加熱し、70℃で2時間撹拌した。橙から黄色に色が変化した。転化率が95%未満である場合、さらに0.05モル当量のNBSを加え、混合物を70℃で1時間撹拌した。必要な場合(in necessary)、転化率が95%に達するまでプロセスを繰り返した。該混合物を20℃に冷却し、20℃で少なくとも1時間維持した。固体(スクシンイミド)を濾過し、酢酸イソプロピル(75mL、0.5×)で洗浄した。濾液を亜硫酸ナトリウム(157g、1×)の水(1413mL、9×)溶液で洗浄し、それに続いて水(315mL、2×)で洗浄した。有機層を30〜40℃で真空下で〜2×体積に蒸留した。追加の酢酸イソプロピル(315mL、2×)を加え、必要があればKFが0.1%以下になるまで、再び2×体積に蒸留した。次いで、有機層を30〜40℃で蒸留すると、メチル2-(ブロモメチル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンゾエートを油として与えた(期待される量180g、収率90%)。

0207

(実施例2)
((S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートの合成)



(工程1:)



メチル2-(ブロモメチル)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ベンゾエート(250g、696mmol)及び(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエート塩酸塩(183g、765mmol)を、オーバーヘッドの撹拌が付いた5リットルジャケット付ボトムドロップ容器中のアセトニトリル(2150mL、8.6×)に窒素下で加えた。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、303mL、1.74mmol、1.2×)を加え、該混合物を45〜50℃で24〜45時間加熱した。転化率が97%以上になると、該混合物を、真空下で、50℃未満で4×体積に蒸留した。KH2PO4(190g、1.32mmol、0.75×)の水(2500mL、10×)中の水性洗浄溶液を別な容器に調製した。反応混合物を20〜25℃に冷却し、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE、1500mL、6×)を加えた。該混合物をリン酸塩溶液の半分で2回洗浄し、水(500mL、2×)で2回洗浄した。混合物を、常圧蒸留して、4×体積(1000mL)にした。追加のMTBEを加えて、必要な場合、KFが0.2%以下になるまで、混合物を蒸留して4×体積に戻した。次いで、メタノール(1500mL、6×)を加えて、混合物を、真空下で、25〜35℃で蒸留して4×体積にした。追加のメタノールを加え、必要な場合、MTBEがメタノールに対して5モル%以下になるまで、混合物を蒸留して4×体積に戻した。粗製の(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートを、さらに精製せずに次の工程で使用した。

0208

(工程2:)



メタノール(1500mL、6×)を、工程1の粗製の(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートに加えた。テトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物(35g、0.14×)を加えた。該混合物を15〜25℃で、12〜24時間激しく撹拌した。必要な場合、転化率が99.5%に達するまで、撹拌を延長した。該混合物を真空下で、45℃未満で蒸留して、3.5〜4×体積(875〜1000mL)にした。反応器にバッフルを挿入し、温度を15〜25℃に調整し、種晶(1.25g、0.005×)を加えた。水(1750mL、7×)を7時間かけて加えた。該混合物を12〜24時間激しく撹拌した。固体を濾過し、水(500mL、2×)で洗浄し、窒素ブリード下で、40℃で、KF≦0.5%まで減圧下で乾燥させた。粗製の(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートを、さらに精製せずに次の工程で使用した。

0209

(工程3:)



工程2の粗製の(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートを、オーバーヘッドの撹拌、熱電対、及び窒素雰囲気を備えた2リットルフラスコ中のアセトニトリル(750mL、3×)に加えた。該混合物を60〜70℃に加熱し、この範囲で4〜5時間激しく撹拌した。該混合物を4〜5時間かけて15〜25℃に冷却し、この範囲で12〜24時間激しく撹拌した。固体を濾過し、アセトニトリル(250mL、1×)で洗浄し、窒素スイープにより、35〜45℃で、乾燥減量(LOD)≦1%まで減圧下で乾燥させると、(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(182g、収率78%)を与えた。MS m/z: 335.1 (M+1)。

0210

(実施例3)
(4-(4-(クロロメチル)ベンジル)モルホリン塩酸塩の合成)



1,4-ビス(クロロメチル)ベンゼン(50g、286mmol)を、反応容器中の酢酸イソプロピル(500mL、10×)に加えた。固体が溶解すると、モルホリン(37.5mL、428mmol)を1回で加えた。該混合物を、室温で20〜24時間以下撹拌した。固体(モルホリン-HCl及びビス-モルホリン副生成物)を濾過し、酢酸イソプロピル(50mL)で洗浄した。濾液を、水で2回(125mL)、5%ブライン(100mL)で1回洗浄した。有機相を、共沸により、又はMgSO4により乾燥させた。2-プロパノール(IPA、50mL、5-6N)中のHClを、乾燥させた有機相に加えた。最初の20mLをゆっくりと加えて良好な種晶床(seed bed)を確立した。生じた白色固体を濾過し、酢酸イソプロピル(100mL)で洗浄し、フィルター上で一定重量に乾燥させると、粗生成物を与えた(39.4g、80.3%の強度の生成物(strength product)及び19.7%のビス-モルホリン副生成物を含む、収率56.4%)。

0211

粗生成物(2.0g、80.3%強度、48.8mmol)を、メタノール(20mL、10×)に加え、該混合物を室温で3時間撹拌した。固体(ビス-モルホリン副生成物)を濾過し、すすぎはしなかった。酢酸イソプロピル(20mL)を濾液に加え、メタノールを常圧での蒸留により除いた。メタノールの除去は、ヘッド温度がメタノールの沸点(64〜65℃)から急速に低下したときに充分に完全であると考えられた。混合物を室温に冷却し、一晩撹拌した。生じた固体を、迅速な減圧濾過により濾過し、酢酸イソプロピル(1〜2mL)で洗浄し、真空上の漏斗上で一定重量まで乾燥させると、4-(4-(クロロメチル)ベンジル)モルホリン塩酸塩を白色結晶生成物として与えた(1.3g、収率81%);MS m/z:226.1, 228.0(M+1)。

0212

(実施例4)
((S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートの合成)



(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(160g)、4-(4-(クロロメチル)ベンジル)モルホリン塩酸塩(138g、0.87×)及び炭酸カリウム(165g、1.04×)を、5リットルジャケット付容器中のDMF(960mL、6×)に加えた。該混合物を40〜50℃に加熱し、12〜24時間激しく撹拌した。該混合物を25〜35℃に冷却し、次いで、酢酸エチル(1600mL、10×)及び水(1600mL、10×)を加えた。該混合物を、25〜35℃で激しく撹拌し、静置して、分離させた。追加の酢酸エチル(800mL、5×)及び水(800mL、5×)を加えた。該混合物を25〜35℃で激しく撹拌し、静置して、分離させた。合わせた有機相を水(400mL、2.5×)で4回洗浄した。有機相を、真空下で50℃未満で蒸留して、6×体積にした。追加の酢酸エチル(2880mL、18×)を連続的に加え、蒸留を続けて、約6×体積を維持した。温度を40〜45℃に調整し、次いで種晶(0.8g、0.005×)を加えた。該混合物を約30分間保持して、種晶床をつくり、次いでヘプタン(960mL、6×)を約1.5時間かけて加えた。該混合物を約1〜1.5時間かけて15〜25℃に冷却し、15〜25℃で少なくとも1時間激しく撹拌し、16時間維持した。固体を濾過し、ヘプタン:酢酸エチル(全体で5×、2.5×ヘプタン、2.5×酢酸エチル)で洗浄し、窒素スイープにより、減圧下で、35〜45℃で、LOD≦1%まで乾燥させると、(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートを白色固体として与えた(215.3g、収率86%); MS m/z: 524.3 (M+1)。

0213

(実施例5)
((S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンベシレートの合成)



ベンゼンスルホン酸(68.7g、0.39×)を、オーバーヘッド撹拌、熱電対、滴下漏斗、及び冷却器を備えたディーン・スタークトラップを備えた5リットルジャケット付フラスコ中のアセトニトリル(1400mL、8×)に、窒素を滴下漏斗から反応物の上を通って冷却器から出るように流しながら加えた。該混合物を、必要な場合KF≦0.1%まで、連続的にアセトニトリルと共に常圧蒸留した。次いで、(S)-tert-ブチル5-アミノ-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(175g、1×)を加えた。該混合物を、90℃で、時間あたり1〜3×体積のアセトニトリルの速度で、4時間蒸留した。種晶(1.75g、0.01×、17.5mLのアセトニトリル中のスラリーとして)を加えた。該混合物を、連続的に、時間当たり1〜3×体積のアセトニトリルの速度で、さらに4〜5時間(全部で8〜9時間)蒸留した。該混合物を約1〜4時間かけて15〜25℃に冷却し、15〜25℃で少なくとも1時間激しく撹拌した。固体を濾過し、アセトニトリル(350mL、2×)で洗浄し、減圧下で、35〜50℃で、窒素ブリードにより乾燥させると、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンベシレートを白色固体として与えた(169.1g、収率83%); MS m/z: 450.3 (M+1)。

0214

(実施例6)
((S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩の合成)



(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンベシレート(75g、1×)及び重炭酸ナトリウム(11.4g、0.15×)を、オーバーヘッドの撹拌及び窒素ブランケットを備えた3リットルジャケット付ボトムドロップ容器中の酢酸メチル(1350mL、18×)及び水(300mL、4×)に加えた。該混合物を、15〜25℃で、固体が溶解するまで激しく撹拌した。該混合物を静置して、分離させた。水(75mL、1×)を有機相に加え、15〜25℃で5分間激しく撹拌し、静置して、分離させた。6M HCl(24.7mL、0.33×)を、別の容器中のイソプロパノール(IPA、300mL、4×)に激しく撹拌しながら加えた。種晶(1.5g、0.02×)を該HCl/IPA溶液に加え、温度を35〜45℃に調整した。次いで、該酢酸メチル溶液を該HCl/IPA溶液に4〜5時間かけて加えた。添加の後、該混合物を40℃で0.5時間激しく撹拌し、0.5時間かけて22℃に冷却し、22℃で一晩(〜16時間)維持した。固体を濾過し、酢酸メチル(225mL、3×、各回)で2回洗浄し、窒素ブリードにより減圧下で40℃で乾燥させると、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩を白色固体として与えた(48.1g、収率80%、純度99.55%(HPLC)、98.3%ee); C25H28ClN3O5の分析計算値: C 61.79, H 5.81, N 8.65, Cl 7.30;測定値C 61.70, H 5.71, N 8.58, Cl 7.46; MS m/z: 450.2 (M+1)。



示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを図1に示す;X線粉末ディフラクトグラム(XRD)を図2に示す;熱重量測定(TGA)サーモグラムを図3に示す。

0215

(実施例7)
((S)-メチル5-(ベンジルアミノ)-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートの合成)



(S)-メチル5-(ベンジルアミノ)-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエートを、(S)-tert-ブチル4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエート塩酸塩を(S)-メチル4-アミノ-5-(ベンジルアミノ)-5-オキソペンタノエートに替えて、実施例2及び4と同じ条件下で製造する。

0216

(実施例8)
((S)-1-ベンジル-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成)



アルゴン下の(S)-メチル5-(ベンジルアミノ)-4-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(2.5mmol)とp-TsOH一水和物(1.25mmol)のトルエン中の混合物を、8時間還流する。溶媒を蒸発させる。粗製物をエーテル(50mL)に溶かし、飽和NaHCO3水溶液(2×20mL)で洗浄する。有機層を乾燥させて、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(S)-1-ベンジル-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを与える。

0217

(実施例9)
((S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成)



(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを、(S)-1-ベンジル-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンから、酢酸中で、Pd/Cの存在下で、2日間の水素化により製造する。

0218

(実施例10)
((S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの光学純度の増大のための条件のスクリーニング)
最初に、eeeuを、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン遊離塩基及びその対応する無水遊離塩基ラセミ化合物を使用して、22℃のアセトニトリル中で評価すると、不都合に高いことが分かった(94.7%)。次いで、水和した形態の(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン遊離塩基を得たが、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン水和物とその対応する水和物ラセミ化合物のeeeuは、22℃で不都合に高いままであった(89.2%)。(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのTHF溶媒和物も得たが、該溶媒和物とその対応する無水ラセミ化合物のeeeuは22℃で改善された(68.5%)。しかし、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのTHF溶媒和物は、THFの毒性のために好適な原薬ではなく、そのため代替手法を探求した。

0219

(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのHCl塩及び対応するラセミ化合物のHCl塩のeeeuを調べると、22℃で水:共溶媒の比率(イソプロパノールを共溶媒として使用した)に依存することが分かり、(S)-エナンチオマーとラセミ化合物のいずれか又は両方の水和物の存在が示唆された(図4)。物理的特性化により、ラセミ化合物のHCl塩が水和物であることを確認し、それが熱力学的に安定な結晶形態であると決定した。単一のエナンチオマーのHCl塩は、熱力学的に安定な無水形態のままであった。低い水の分率(〜5%)でのeeeuは好都合に低かった(〜70%)が、絶対的な溶解度は極めて低かった。キラルの向上を与えるために必要な溶媒の量及び装置の能力は、非現実的で不経済であろう。例えば、90%eeから98%eeに向上させるために、出発物質のkgあたり200Lの溶媒が必要であると計算した。

0220

次に、ラセミの3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンのHCl塩のメタノール溶媒和物を製造すると、対応する水和物からわずかに変わったXRPDパターンを示した。メタノールの存在下、周囲温度(22℃)で、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン及び対応するラセミ化合物のHCl塩の間で、好都合なeeeuを達成した(72.4%)。このeeeuから、90%eeから98%eeへの向上を達成するには出発物質のkgあたり46Lの溶媒を要するだろうことを計算したが、これは改善ではあるものの依然として望ましくない。

0221

溶媒和された結晶形態は無水の対応物よりも融点が低くなることがしばしばあり、そしてさらには、対応する無水物に対して温度上昇と共に比較的高い溶解度を有する。この現象を利用して、向上したeeeuを得た。HCl塩の共融混合物溶解度を、ニートのメタノール、90/10イソプロパノール/水、及び95/5イソプロパノール/水で温度の関数として決定した(図5)。3つの系全てにおいて、一般的な溶媒和物/無水物熱力学的関係から予測される通り、eeeuは温度上昇と共に低下することが確認された。

0222

メタノール系は、温度に対して最も強い感受性を示し、全般的に低いeeeuを示した。(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの全結晶形態、溶媒、及び温度にわたって得られた最低のeeeuは、55℃のメタノール中のHCl塩で起こり、eeeuは8%であった。この結果に基づくと、55℃のメタノール中での90%eeから98%eeへの向上には、出発物質のkgあたり2.1Lの溶媒が必要であろうが、他の条件よりも大きい改善である。

実施例

0223

(実施例11)
((S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩の光学純度の向上の試験的実験)
75%eeを有する粗製の(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩混合物(4g)を、55℃のメタノール28mL中で、およそ1.5時間トリチュレートし、次いで55℃で濾過した。次いで、湿った生成物をメタノールで洗浄し、真空オーブン中で乾燥させた。乾燥した生成物の得られた光学純度を97.5%eeであると決定した(2.5g、(S)-エナンチオマーの回収収率70%)。

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