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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、それを必要とする哺乳動物における難聴の予防または治療方法を提供する。当該方法は、哺乳動物において細胞NAD+を増加させる薬剤を哺乳動物に投与する工程を含む。本発明は、化合物神経保護剤として作用するかどうかを判定する方法も提供する。

概要

背景

背景技術
騒音曝露は、世界中の難聴の主な原因である。騒音曝露後には、通常蝸牛中の有毛細胞シナプス接合を形成するらせん神経節神経線維などの蝸牛中の多様な構造に損傷が認められる。これらのシナプスはらせん神経節が音響情報を蝸牛から脳幹中の高次構造に伝達することを可能にする。騒音曝露後、有毛細胞は、神経突起における興奮毒性損傷につながる神経伝達物質を放出し、シナプス分裂や神経突起退縮をもたらす(Kujawa, S.G. et al., J. Neuroscience, 29, 14077-14085 (2009); Lin, H.W. et al., Journal of the Association for Research in Otolaryngology, 12, 605-616 (2011); Spoendlin, H., Acta Oto-Laryngologica, 79, 266-275 (1975))。中程度の騒音曝露および神経突起退縮の後には、シナプス接続や聴力回復するいくらかの神経突起再生が認められうる (Puel, J.L. et al., Neuroreport, 9, 2109-2114 (1998))。しかし持続的騒音曝露又は激しい音響損傷は永久的な神経突起変性をもたらしうる。

したがって、騒音誘発難聴の予防及び/又は治療のための新しい方法の必要性が依然として残っている。

発明の概要
本発明は、それを必要とする哺乳動物における難聴の予防または治療方法を提供する。当該方法は、哺乳動物における細胞NAD+を増加させる薬剤の有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、それにより哺乳動物の難聴を予防または治療する。

本発明は、また化合物神経保護剤として作用するかどうかを判定する方法を提供する。当該方法は、(a)哺乳動物を提供する工程、(b)哺乳動物に薬剤を投与する工程、(c)哺乳動物を騒音に曝露する工程および(d)哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルを判定する工程を含み、それにより化合物が神経保護剤として作用するかどうかを哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルに基づき判定する。

概要

本発明は、それを必要とする哺乳動物における難聴の予防または治療方法を提供する。当該方法は、哺乳動物において細胞内NAD+を増加させる薬剤を哺乳動物に投与する工程を含む。本発明は、化合物が神経保護剤として作用するかどうかを判定する方法も提供する。

目的

本発明は、それを必要とする哺乳動物における難聴の予防または治療方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

哺乳動物難聴を予防、緩和又は治療する方法であって、哺乳動物における細胞NAD+を増加させる薬剤の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することにより哺乳動物の難聴を予防または治療することを含む方法。

請求項2

薬剤がニコチンアミドリボシドである請求項1に記載の方法。

請求項3

難聴が騒音曝露によるものである請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

薬剤を騒音曝露の前に哺乳動物に投与する請求項3に記載の方法。

請求項5

薬剤を騒音曝露中に哺乳動物に投与する請求項3に記載の方法。

請求項6

薬剤を騒音曝露後に哺乳動物に投与する請求項3に記載の方法。

請求項7

難聴が、薬物毒性により起こる請求項1又は2に記載の方法。

請求項8

薬物毒性が、ゲンタマイシン又はシスプラチンを用いる哺乳動物の治療に起因する請求項7に記載の方法。

請求項9

難聴が、メニエール病に関連する請求項1又は2に記載の方法。

請求項10

薬剤が、らせん神経節神経細胞内有毛細胞および外有毛細胞支持細胞ならびにシュワン細胞からなる群より選ばれる1以上の細胞中の細胞内NAD+を増加させる請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

薬剤が細胞中の酸化的損傷を抑制する請求項10に記載の方法。

請求項12

薬剤がSIRT3を活性化する請求項11に記載の方法。

請求項13

治療が難聴の予防をもたらす請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

治療が難聴の緩和をもたらす請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

薬剤を経口的、注射、または中耳洞への鼓室内注射により投与する請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

哺乳動物がヒトまたはイヌである請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

化合物聴覚保護剤として作用するかどうかを判定する方法であって、(a)哺乳動物を提供する工程、(b)哺乳動物に薬剤を投与する工程、(c)哺乳動物を騒音曝露する工程および(d)哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルを判定する工程を含み、それにより化合物が神経保護剤として作用するかどうかを哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルに基づき判定する方法。

請求項18

薬剤がニコチンアミドリボシドである請求項17に記載の方法。

請求項19

哺乳動物の聴覚関連細胞中の細胞内NAD+レベルの増加が、化合物が聴覚保護剤として作用することを示す請求項17又は18に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2012年7月16日に提出された米国仮特許出願No. 61/672,169の利益を主張するものであり、参照することにより本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

背景技術
騒音曝露は、世界中の難聴の主な原因である。騒音曝露後には、通常蝸牛中の有毛細胞シナプス接合を形成するらせん神経節神経線維などの蝸牛中の多様な構造に損傷が認められる。これらのシナプスはらせん神経節が音響情報を蝸牛から脳幹中の高次構造に伝達することを可能にする。騒音曝露後、有毛細胞は、神経突起における興奮毒性損傷につながる神経伝達物質を放出し、シナプス分裂や神経突起退縮をもたらす(Kujawa, S.G. et al., J. Neuroscience, 29, 14077-14085 (2009); Lin, H.W. et al., Journal of the Association for Research in Otolaryngology, 12, 605-616 (2011); Spoendlin, H., Acta Oto-Laryngologica, 79, 266-275 (1975))。中程度の騒音曝露および神経突起退縮の後には、シナプス接続や聴力回復するいくらかの神経突起再生が認められうる (Puel, J.L. et al., Neuroreport, 9, 2109-2114 (1998))。しかし持続的騒音曝露又は激しい音響損傷は永久的な神経突起変性をもたらしうる。

0003

したがって、騒音誘発難聴の予防及び/又は治療のための新しい方法の必要性が依然として残っている。

0004

発明の概要
本発明は、それを必要とする哺乳動物における難聴の予防または治療方法を提供する。当該方法は、哺乳動物における細胞NAD+を増加させる薬剤の有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、それにより哺乳動物の難聴を予防または治療する。

0005

本発明は、また化合物神経保護剤として作用するかどうかを判定する方法を提供する。当該方法は、(a)哺乳動物を提供する工程、(b)哺乳動物に薬剤を投与する工程、(c)哺乳動物を騒音に曝露する工程および(d)哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルを判定する工程を含み、それにより化合物が神経保護剤として作用するかどうかを哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルに基づき判定する。

図面の簡単な説明

0006

図の数種の見解の簡単な説明
図1A〜1Cは、代表的なNF−200株の未処理神経突起(対照)、ロテノン処理神経突起及びロテノン及びNAD+処理神経突起をそれぞれ描写する。

0007

図2は、未処理神経突起(対照)、ロテノン処理神経突起及びロテノン及びNAD+処理神経突起におけるビーディング(beading)神経突起の割合のグラフ表示である。

0008

図3A〜3Cは、それぞれ8000Hz、16,000Hz及び32,000Hzのトーンバーストを用いて測定した騒音曝露されたWldSマウス及び野生型マウスにおける閾値を図示する。

0009

図4A〜4Cは、それぞれ8000Hz、16,000Hz及び32,000Hzのトーンバーストに曝露前、曝露後及び曝露前後にニコチンアミドリボシドで処理したいずれかのC57BL6マウス又は未処理対照C57BL6マウスのC57BL6難聴を図示する。

0010

図5は、内有毛細胞基底部(base)に対するらせん神経節神経突起の空間的関係図表示である。

0011

図6は、曝露24時間及び2週間後のビヒクル処理した対照マウス又はいずれかのニコチンアミドリボシド処理マウスの騒音曝露マウスにおけるらせん神経節神経突起と内有毛細胞間の距離の比較グラフである。

0012

発明の詳細な説明
本発明は、それを必要とする哺乳動物の難聴を予防又は治療する方法を提供する。当該方法は、哺乳動物における細胞内NAD+を増加させる薬剤の有効量を哺乳動物に投与する工程を含み、それにより哺乳動物の難聴を予防または治療する。

0013

細胞内NAD+を増加させる薬剤は、細胞内NAD+を増加させるどんな適切な薬剤でもありえる。ひとつの実施形態において、薬剤はニコチンアミドリボシドである。

0014

難聴は、多様な環境により起こりうる。難聴は騒音曝露により起こりうる。薬剤は哺乳動物に、騒音曝露の前、騒音曝露中及び/又は騒音曝露後に投与しうる。

0015

難聴は薬物毒性により起こりうる。ある実施形態においては、薬物毒性はゲンタマイシン又はシスプラチンを用いる哺乳動物の治療に起因する。該薬剤は、毒性薬物に曝露前、曝露中及び/又は曝露後に投与しうる。

0016

難聴は、メニエール病に関連しうる。メニエール病は、聴力やバランスに多かれ少なかれ影響することがある内耳障害であり、眩暈低音域の耳鳴り及び難聴の症状の発現により特徴付けられる。メニエール病に関連する難聴は、らせん神経節ニューロンに対する興奮毒性損傷に関与することが示唆されている。

0017

加齢に伴った難聴、突発性原因不明の難聴、あらゆる形態の中耳炎に対する気圧性外傷などの難聴の他の原因もこの薬剤によってうまく治療しうる。

0018

蝸牛インプラントのような聴覚のインプラントは、耳の中に埋め込み型デバイスを設置している間本来の聴力を維持しようとしている。この聴力の維持は細胞内NAD+増加させる薬剤の適用により促進されうる。

0019

眩暈(めまい)、耳鳴り(耳内鳴り響く音)及び聴覚過敏(大きな音に対する感受性)などの難聴に伴う併発状態も細胞内NAD+を増加させる薬剤によって効果的に治療しうる。

0020

上記実施形態のいずれにおいても、当該薬剤は、らせん神経節神経細胞、有毛細胞、支持細胞及びシュワン細胞からなる群より選ばれる1以上の細胞において細胞内NAD+を増加させる。ある実施形態において、当該薬剤は、細胞中の酸化的損傷を抑制する。ある実施形態において、当該薬剤は、SIRT3を活性化する。内因性SIRT3は、ミトコンドリアマトリックス中に位置する可溶性蛋白質である。培養細胞中のSIRT3の過剰発現は、呼吸を増加させ活性酸素種の産生を減少させる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、SIRT3の活性化は上記細胞中の酸化的損傷の抑制に関与するものと考えられる。

0021

ある実施形態においては、当該薬剤での哺乳動物の治療は難聴の予防をもたらす。他の実施形態においては、当該薬剤での哺乳動物の治療は難聴の緩和をもたらす。

0022

細胞内NAD+を増加させる薬剤はいずれの適切な方法を用いても投与することができる。例えば、細胞内NAD+を増加させる薬剤を経口的、注射、または中耳洞への鼓室内注射により投与することができる。

0023

本明細書において使用している用語「有効量」は、本発明の方法で使用する時に過度の有害な副作用(毒性、刺激又はアレルギー性反応など)無しに、合理的な恩恵/リスク比に釣り合う、所望の治療的反応を生み出すのに十分な成分の量を意味する。例えば、細胞内NAD+を増加させる薬剤の有効量は難聴症状を抑制、弱める又は逆行させるのに有効な量でありえる。具体的な有効量は、治療を受けている特定の条件、患者の身体的条件、治療を受けている哺乳動物のタイプ、治療の持続時間、併用療法性質(もしあれば)、適用される特定の剤形、及び薬剤の構成などの要因により変化しうる。

0024

本発明にしたがって、哺乳動物、特にヒトに投与する薬剤の投与量は、所望の反応をもたらすのに十分であるべきである。かかる反応としては、全部又は一部において難聴の回復または予防が挙げられる。当業者は、薬剤の投与量及び投与レジメン年齢、状態、哺乳動物の体重、ならびに難聴の原因の具体的なタイプ及び哺乳動物の難聴の程度などの多様な要因により決まることは理解できるであろう。また投与量のサイズは、投与ルート、タイミング及び投与の頻度、ならびに細胞内NAD+を増加させる薬剤の投与や所望の生理的効果に伴ういずれかの有害な副作用の存在、性質及び程度によって決められるであろう。難聴の治療は哺乳動物へ薬剤の反復投与などの長期投与が必要かもしれない。

0025

適当な薬剤投与量及び投与レジメンは、当業者に公知の従来の範囲発見技法(range-finding technique)により決められる。一般には、治療は細胞内NAD+を増加させる薬剤の最適な用量より少ない、より低用量から始める。その後投与量は、この条件のもと最適な効果に達すまで少しずつ増量する。本発明の方法は、典型的に、上記細胞内NAD+を増加させる薬剤の哺乳動物の体重kgあたり約0.1〜約300mgの投与を含むだろう。

0026

細胞内NAD+を増加させる薬剤は哺乳動物に、単独で又は薬剤と製薬上許容し得る担体を含む医薬組成物の形態で投与することができる。

0027

細胞内NAD+を増加させる薬剤は、医薬組成物として、すなわち、意図する投与形態について適切に選択され、また従来の製薬学的プラクティスと一致するような1以上の適当な製薬学的希釈剤増量剤賦形剤又は担体(本明細書では製薬上許容し得る担体と本明細書では総称する)と一緒混合剤として投与しうる。医薬組成物は、いかなる適切な形態、例えば、経口、直接注射又は鼓室内投与に適する形態でありうる。担体は、固形又は液剤であってもよく、担体の種類は通常予定の投与ルートに基づいて選択される。細胞内NAD+を増加させる薬剤は、錠剤又はカプセル剤の形態、リポソーム凝集粉として、もしくは液剤形態で製薬上許容し得る担体と一緒に同時投与してもよい。適当な固形担体の例としては、ラクトーススクロースゼラチンおよび寒天が挙げられる。カプセル剤または錠剤は容易に製剤化することができ、嚥下または咀嚼を容易にすることができる;他の固形形態としては、顆粒、および原末などが挙げられる。錠剤は適当な結合剤潤滑剤、希釈剤、崩壊剤着色剤香味料滑沢剤および溶融助剤を含んでもよい。適当な液状製剤の例としては、(a)水、製薬上許容し得る油脂類アルコール類もしくは他の有機溶媒エステルなど)での溶液又は懸濁剤、(b)エマルジョン、(c)シロップ、(d)エリキシル剤、(e)チンキ剤、懸濁剤、(f)非発泡性顆粒から再構成された懸濁剤および発泡性顆粒から再構成された発泡性製剤などが挙げられる。かかる液状製剤は、例えば、適当な溶媒保存剤乳化剤懸濁化剤、希釈剤、甘味料増粘剤及び溶融助剤を含んでもよい。経口製剤は、任意で風味材料及び着色剤を含む。非経口および静脈投与形態は予定の投与ルート、例えば急速静注(bolus)または点滴、に適合させるためのミネラル類および他の物質を含んでもよい。注射可能な剤形は、例えば、腹腔内、皮下もしくは筋肉内投与形態が挙げられうる。いくつかの実施形態においては、細胞内NAD+を増加させる薬剤は、栄養補助食品、すなわち食品または飲料との混合物として投与することができる。いくつかの実施形態においては、医薬組成物は、細胞内NAD+を増加させる薬剤を含んでも、神経突起損傷を治療するのに使用する他の化合物も含んでもよい。

0028

本発明は、化合物が聴覚保護剤として作用するかどうかを判定する方法も提供する。該方法は、(a)哺乳動物を提供する工程、(b)哺乳動物に薬剤を投与する工程、(c)哺乳動物を騒音に曝露する工程および(d)哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルを判定する工程を含み、それにより化合物が神経保護剤として作用するかどうかを哺乳動物の聴覚関連細胞中のNAD+レベルに基づき判定する。

0029

化合物が聴覚保護剤として有用であるかどうかを知ることは難しいこともある。本明細書に記載するように、難聴がサーチュイン及びNAD+感受性経路であり、ニコチンアミドリボシドが難聴、特に騒音誘発難聴から保護および該難聴を治療することを見出した。したがって、騒音誘発難聴パラダイムを使用して化合物がニューロンにおいて作用するかどうかを評価することによって化合物が難聴を予防および/または治療しうるかどうかに関して評価がされうる。もし化合物が聴覚関連細胞においてNAD+を増加させることができれば、難聴、特に騒音誘発難聴からの保護を示し、また難聴を治療することができるであろう。

0030

以下の実施例で本発明をさらに説明するが、もちろん、それらは本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。

0031

下記略語を本明細書において使用する:HBSS−/−、ハンクス液DMEMダルベッコ改変イーグル培地PBSリン酸緩衝生理食塩水;BSA、ウシ血清アルブミン;DAPI、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール

0032

ニコチンアミドリボシドは、Yang, T. et al., J. Med.Chem. 50, 6458-6461 (2007)に既述の通り合成した。他の化学物質および試薬は下記に異なる記載以外はシグマ(Sigma)から購入した。

0033

雄性および雌性C57/BL6Jマウスをジャソンラボラトリー(Jackson Laboratories)から購入した。WldS+/+マウスは、マイケルコールマン博士(Dr. Michael Coleman)(バブラハムインスティチュート、ケンブリッジ大学)の親切贈物であった。

0034

らせん神経節ニューロン培養

0035

分離したらせん神経節ニューロンをP5ラットから採取した。簡潔には、仔ラットをすばやく断頭し、蝸牛を切り離した。蝸牛軸を切り離し、37℃で45分分解した(0.1%トリプシン、0.1%コラゲナーゼ、HBSS−/−)。連続研和(Sequential trituration)を火炎研磨したピペットで行い、組織から細胞を放出させ、細胞をラミニンポリリシンコーティングした24ウエルプレートに移した。ニューロンは、培地(DMEM高グルコース、N2サプリメント、10μg/mlインスリン、25μg/mlBDNF、25μg/mlNT3)中で一晩インキュベートした。神経突起変性を誘発するために、培養物を10mMNAD+の存在下もしくは不在下で2時間ロテノン(10μM)と一緒にインキュベートした。

0036

細胞免疫組織学

0037

らせん神経節ニューロン培養物を4%パラホルムアルデヒトで固定し、10分間0.5%トリトンX−100(登録商標)/PBSで透過処理した。洗浄後、細胞を4%ロバ血清阻害し、4℃で一晩マウス抗NF200(1:1000)と一緒にインキュベートした。その後神経突起ビーディングを既述の不偏コンピュータ化プロトコル(unbiased Computerized protocol)(Sasaki, Y. et al., J. Neuroscience, 29, 5525-5535 (2009))を使用して測定した。

0038

蝸牛組織学/免疫組織学

0039

マウス蝸牛をWhitlon, D.S. et al., Brain Research Protocols, 6, 159-166 (2001)に記載されたように調製した。マウス蝸牛は、迅速な断頭後側頭骨から素早く切り離した。いったん分離したら、蝸牛頂をやさしくフェネストレートし(fenestrate)、蝸牛を直ちに4%パラホルムアルデヒトで固定した(4℃で一晩)。その後蝸牛を3回PBSを換えて洗浄し、脱灰溶液(10%EDTA/PBS pH7.4)中で定速回転4℃で1週間インキュベートした。脱灰溶液は毎日入れ換えた。蝸牛を3回PBSを換えて洗浄してから、スクロース濃度を10〜30%へ徐々に上げて処理した。蝸牛を30%スクロース中で4℃で一晩インキュベートした。蝸牛をOCT化合物(Tissue−Tek)中でさらに24時間インキュベートした。最後のインキュベーションの後に、蝸牛をクリオモルド(cryomold)の底部に対して平行に蝸牛軸を注意深く並べながら該モルドに移し、ドライアイス凍結した。中央の(Mid)蝸牛軸サンプルを10μm厚さに切断し、ガラススライド(VWR SUPERFROST(登録商標)Plus)に載せた。切片は染色する前2時間乾燥した。

0040

スライドを5分間1.5%パラホルムアルデヒトで後固定した。スライドを洗浄後、0.5%トリトンX−100/PBSで15分間インキュベートした。スライドを再び洗浄後2%BSA/PBSで阻害した。続いて切片を製造業者指示書に従い20分間ALEXAFLUOR(登録商標)488(ファロイジン−488)(インビトロジェン)でインキュベートした。続いてスライドを洗浄後、4℃で一晩、1:1000ウサギヘビー(heavy)ニューロフィランメント抗体でインキュベートした。スライドを洗浄後、室温で1時間1:1000ALEXA FLUOR(登録商標)546ヤギ抗ウサギ抗体(インビトロジェン)でインキュベートした。最後の洗浄の後で、切片をDAPI(ライフテクノロジーズ(Life Technologies))と一緒にプロロングゴールドアンチフェイド(ProLong(登録商標)Gold antifade)試薬で載せた。3色落射蛍光画像法はクールスナップ(Coolsnap)HQ2カメラを伴うニコンエクリプスTi(Nikon Eclipse Ti)顕微鏡を使用して行った。

0041

聴覚テスト

0042

聴性脳幹反応テストを既述(Willott, J.F., Current Protocols in Neuroscience, 8.21B, B1-B12 (2005))のように行った。動物ケタミン及びキシラジン(それぞれ40mg/kgおよび10mg/kg)を用いて鎮静試験した。聴性脳幹記録システムインテリジェントヒアリングシステムマイアミ(Miami)、FL)を使用して、聴性誘発反応を誘発するために、8、16および32kHzで0.5ミリ秒(msec)のトーンバースト刺激を使用した。誘発反応は既述のWillottのように音量が増えるに伴い高さが増える適切な時間間隔波形を同定することによって判定した。

0043

騒音曝露

0044

防音室(MAC−2、インダストリアルアコスティックカンパニーブロクス、NY)に置かれたケージに動物をいれ2時間90dBオクターブ帯域に曝露した。マウスは、ケージの中を自由に動くことができた。オクターブ帯域は、トーンゲンソフトウェアー(ToneGen software)(NCHソフトウェアー、グリーンウッドビレッジ、CO)を用いて2個の下向き(down-facing)フォスターFT−96Hスピーカーが駆動するオーディオソース(Audiosource)Amp100アンプを通して発生させた。音圧レベルは、エクステック(Extech)マイクロフォン407736を使用し、0、30、60および90分と音曝露の終了直前に再度確認した。

0045

実施例1
本実施例は、らせん神経節神経炎が、以前に軸索変性を抑えることを示しているNAD制御シグナル伝達経路を有することを示す。

0046

多様なニューロン中の軸索変性は、NAD+のミリモル濃度で処理することにより阻害しうる(Avery, M.A., et al., Current Biology, CB 22, 596-600 (2012))。らせん神経節神経突起もこのNAD感受性経路を有するかどうかを判定するために、後根神経節ニューロンの軸索中に軸索変性を誘導することがすでに示されているミトコンドリア複合体I阻害剤(Press, C. et al., J. Neuroscience, 28, 4861-4871 (2008))であるロテインを使用して軸索変性を誘発させた。10μMロテノンを用いてP5 DIV3ラットらせん神経節ニューロンを処理すると、神経突起ブレブ形成(blebbing)の存在により測定した神経突起変性は、早ければ2時間でもたらされた。この効果は、10mM NAD+でニューロンを同時に処理することにより阻害された。代表的なNF−200株の未処理神経突起(対照)、ロテノン処理神経突起、およびロテノン及びNAD+処理神経突起をそれぞれ図1A〜1Cに図示した。未処理神経突起(対照)、ロテノン処理神経突起、およびロテノン及びNAD+処理神経突起におけるビーズ状に変性している(beading)神経突起の割合を、図2グラフで示した。これらのデータは、らせん神経節神経突起が軸索変性を抑制することがすでに示されているNAD+制御シグナル伝達経路を有することを示唆している。

0047

実施例2
本実施例は、内因性NAD+生合成経路の遺伝子による能力増強が騒音誘発難聴を回復させることを示す。ウォラー変性スロー(WldS)マウスは、NAD生合成酵素ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ1およびUbe4aの遺伝子融合の3つの繰り返しを発現する(Coleman, M.P, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95, 9985-9990 (1998))。WldSは、ニューロン中に高く発現され、その発現は、軸索トランザクションの後の末端軸フラグメントの変性を著しく遅らせる(Araki, T. et al., Science, 305, 1010-1013 (2004))。WldS発現は、種々の神経変性疾患にかかりやすいマウスの疾病表現型も緩和する(Samsam, M., et al., J. Neuroscience, 23, 2833-2839 (2003); Kaneko, S. et al., J. Neuroscience, 26, 9794-9804 (2006); Sajadi, A. et al., Current Biology, CB 14, 326-330 (2004))。WldSは、軸索の損傷後軸索中で作用し軸索のNAD生合成を維持する(Wang, J, et al., J. Cell Biol. 170, 349-355 (2005))、そのことは典型的に内因性NAD生合成酵素の欠損をもたらす(Gilley, J. et al.,PLoS Biology, 8, e1000300 (2010))。したがって、WldSマウスは、NAD生合成の増加が軸索変性過程を妨げるために使用することができるかどうかの遺伝的テストを提供する。

0048

NAD生合成の増加が騒音誘発難聴から保護するかどうかをテストするために、音響外傷後にトーンバースト刺激により誘発した聴性脳幹反応(ABR)を測定した。ABRは、マウスがトーンバースト刺激を聞いた時に起こる。これらの実験において、90dBオクターブ帯域の騒音曝露120分間により音響外傷をマウスに誘発した。難聴の程度を数値化するために、「閾値変動」を測定した。これらの変動は、ABRを誘発するのに必要な音響強度のレベルの上昇を意味する。音響刺激を検出するための閾値は、特定の周波数および音量で0.5ミリ秒(msec)のトーンバーストにマウスを曝露させることにより判定する。音響強度が増えるに伴い高さが増えることを示すABRを誘発する最小の音響強度を試験された周波数の音響閾値と規定する(Willott et al.)。一過的閾値変動(TTS)は、騒音曝露後24時間の一時的難聴を意味し、永久的閾値変動(PTS)は、曝露後2週間残存する難聴を意味する。

0049

次に、騒音曝露されたWldSマウスにおける閾値変動を、8000Hz、16,000Hzおよび32,000Hzトーンバーストを使用して測定した。野生型マウスにおいて、一過的閾値変動は、32,000Hzで38dBであった(図3C)。16,000Hzにおいて、21dBの閾値変動が観測された(図3B)。10dBのより小さい変動は8000Hzで記録された(図3A)。これらの閾値変動は14日間持続した。これらの閾値変動の持続はマウスが永久的な難聴を有することを示している。騒音曝露の後により高い周波数でのより顕著な難聴は、従来の研究結果と一致する(Wang, Y. et al., Journal of the Association for Research in Otolaryngology, 3, 248-268 (2002))。

0050

対照的に、WldSマウスは騒音誘発難聴から顕著な保護を示した。音響損傷後24時間では、マウスは8000および16,000Hzでは閾値変動を示さず、32,000Hzで10dBの弱い閾値変動を示した(図3A−3C)。14日までは、いずれの周波数においても閾値変動は見られなかった。総合すると、これらのデータは、音響損傷後の一過的および永久的な両聴覚の損失に対して著名な抵抗性を示すことを証明している。

0051

実施例3
本実施例は、活性薬剤としてニコチンアミドリボシドを使用して、NAD+レベルを上昇させるための薬理学的ルートが難聴の保護をもたらすことを示す。

0052

ニコチンアミドリボシド(NR)は、広く認められたNAD+の前駆体である。これらの実験において、NRを組織NADレベルを50%増加させる用量である1000mg/kgを1日2回、騒音曝露前5日及び騒音曝露後14日(NR前+後)、騒音曝露前5日(NR前)、または騒音曝露後14日(NR後)のいずれかの間、腹腔内注射で投与した。ビヒクル処理したマウスに比べて、NR処理したマウスは、ごくわずかな一過的閾値変動を24時間に8000Hzおよび16,000Hz(それぞれ6および8dB)で示した。また32,000Hz(16dB)においては減少した閾値変動を示した。8000Hz、6,000Hzおよび32,000Hzでの難聴は、表に示し、それぞれ図4A〜4Cに図示した。マウスはすべて3周波数において永久的な難聴から同様に保護された。これらのデータは、NR処理が、顕著に騒音誘発難聴を減少させたことを示した。

0053

0054

実施例4
本実施例は、内有毛細胞かららせん神経節神経突起の退縮におけるニコチンアミドリボシドの効果を示す。

0055

騒音誘発難聴は、内有毛細胞かららせん神経節神経突起の退縮に関与する。最も顕著な難聴は、最も高い聞き取れる周波数を含む聴覚スペクトルの一部においてみられるので、聴覚スペクトルのこの部分が検出される蝸牛の基底回転に着目した。蝸牛のこの部分では、騒音誘発細胞損傷が最も多い。蝸牛の免疫蛍光標識化は、らせん神経節神経突起が内有毛細胞の基底部(base)に適切な接触を形成しているかどうかを直ちに示すことができる。内有毛細胞の基底部(base)に核が存在するので、内有毛細胞の基底部(base)は核の位置により境界画定される。騒音に曝露されていない動物においては、らせん神経節神経突起は内有毛細胞の基底部(base)に隣接して見られる。予想通りに、騒音処理した動物において、らせん神経節神経突起は、騒音曝露後24時間で29.5±12.9μm内有毛細胞から退縮した。残った神経突起は騒音曝露後14日で退縮した(23±3.6μm)。持続的な退縮は、騒音曝露後のビヒクル処理した動物において、有毛細胞とらせん神経節神経突起の間のシナプス接続の永久的な損失を示唆している。

0056

次に、NR処理した動物におけるらせん神経節神経突起を試験した。NR処理した動物における騒音曝露は24時間後(4.3±4.5μm)及び14日後(2.5±3.5μm)の両方で最少の神経突起の退縮をもたらした。内有毛細胞に対するらせん神経節神経突起の関係は図5図表で示す。対照動物およびNR処理動物の騒音に曝露後のらせん神経節神経突起と内有毛細胞の間の距離は図6にグラフを使って示す。総合すると、これらのデータは、音響外傷前後のNRの連続投与は騒音曝露後の難聴及び神経突起退縮を抑制することを示唆している。

0057

本明細書で引用された刊行物、特許出願及び特許などのすべての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれるべく、個別に、かつ具体的に示され、本明細書にその全てが明示されたと同程度に参照により明細書中に組み込まれるものである。

0058

本発明を記載する文脈において(特に、下記特許請求の範囲の文脈において)、用語「a」及び「an」及び「the」及び「少なくともひとつ(at least one)」及び同様の語の使用は、異なるように本明細書に記載されるか、文脈において明瞭に否定されなければ、単数と複数の両方を包含するように理解されるべきである。1以上の項目リストが続く用語「少なくともひとつ(例えば、「AおよびBの少なくともひとつ」)の使用は、異なるように本明細書に記載されるか、文脈において明瞭に否定されなければ、列挙された項目から選択されるひとつの項目(AもしくはB)を意味する又は列挙された項目の2以上のいずれかの組み合わせ(AおよびB)を意味するように理解されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、「含む(containing)」は、異なるように記載されていなければ、範囲を限定しない用語(open−ended term)として(即ち、「含むが、それに限定されない」を意味する)として理解されるべきである。本明細書で異なるように記載されていなければ、本明細書の値の範囲の記載は単に、範囲内の各個別の値に個々言及することの略記法として役立つものと意図され、各々の個別の値は、それが本明細書で個々に記載されているように、本明細書に含まれるものとする。本明細書に記載のすべての方法は、異なるように本明細書に記載されるか、文脈において明瞭に否定されなければ、如何なる適切な順序で行うことができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な用語(例えば「などの」)の使用も単に、反対の請求が無い限り、本発明をよりよく説明することのみを意図し、本発明の範囲を制限することを意図しない。本明細書における言葉は、本発明の実施に必須のいずれの非請求要素を示すものとしても理解されるべきではない

0059

本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の態様を含む、本発明の好適な実施態様を本明細書に記載する。上記の記載を読むと、それらの好適な実施態様の改変が、当業者に明白となるかもしれない。本発明者らは、当業者が適宜このような改変を用いることを予期する。本発明者らは、本明細書に具体的に記載されたのとは異なって本発明が実施されることを意図する。それ故、本発明は、適用可能な法律によって許されるように、添付の特許請求の範囲に記載した主題の全ての改変物及び均等物を含む。更に、異なるように本明細書に記載されていなければ、又は異なるように文脈によって明瞭に否定されていなければ、その全ての可能な改変中の上記の要素の任意の組合せは本発明に包含される。

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