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技術 UL128複合体の送達及びCMV感染の予防のためのMVAワクチン

出願人 シティ・オブ・ホープザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア
発明者 ダイアモンド,ドン,ジェイウソウ,フェリックスバリー,ピーター,エー
出願日 2013年3月15日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-524249
公開日 2015年8月24日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2015-524271
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 技術的変化 中心目 同等化 M形態 標的状態 身体臓器 作業動作 フィルターデバイス
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重要な関連分野

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図面 (15)

課題・解決手段

一実施形態では、UL128複合体を発現するための発現系が本明細書に提供される。この発現系は、細菌人工染色体(BAC)構築物を含み得、このBAC構築物は、UL128複合体をコードするDNA配列のセットが挿入されたウイルスベクターを含む。別の実施形態では、HCMV感染を予防するためのワクチン組成物が提供される。このワクチン組成物は、UL128複合体を発現することが可能なウイルス又は細菌ベクター、及び薬学的に許容される担体アジュバント添加剤若しくはその組合せ、又はタンパク質アジュバントを発現するさらなるベクター、を含み得る。このウイルスベクターはMVAであり得、このUL128複合体は、5つのHCMVタンパク質又はその抗原断片:UL128、UL130、UL131A、gL及びgHを含む。いくつかの実施形態では、このウイルスベクターには、1つ又は複数のさらなるHCMVHCMVタンパク質又はその抗原断片、例えばpp65、gB若しくはその両方、又は例えばgM/gN若しくはgOをコードする1つ又は複数のさらなるDNA配列がさらに挿入される。

概要

背景

サイトメガロウイルス(CMV)ゲノムは大きく(>200kbp)、ヒトCMV(HCMV)は、複数の細胞型に感染し、潜伏確立し潜伏から再活性化し、免疫適格性宿主中に生涯にわたって留まり続けることを可能にするタンパク質をコードする165以上のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする(Murphyら、2003;Barry及びChang、2007;Hansenら、2003;Jarvis及びNelson、2007;Rivaillerら、2006;Schleissら、2008;Oxfordら、2008)。ORFのうち60%よりも多くは、線維芽細胞におけるHCMV複製にとって必須ではなく(Dunnら、2003;Yuら、2003)、これは、ほとんどのHCMV ORFの機能が、線維芽細胞以外の細胞及び/又はin vivoでのみ観察されることを示唆している。HCMVのより広い理解は、ORF、及び線維芽細胞以外のそれらの適当な細胞型、これらの細胞がHCMV伝播において果たす役割、並びに適切な動物モデルの使用が関与する研究を含むべきである。

内皮細胞及び上皮細胞(合わせて「Epi/EC」)は、HCMVの感染及び伝播のための重要な細胞型である。一次感染部位からの血行性拡散の後、HCMVは、水平伝播に重要な組織、例えば、腎臓唾液腺及び乳腺のEpi/EC細胞に感染する(Sinzgerら、2008)。複数の研究が、一次感染の消散のずっと後に唾液及び尿中に、並びに連続的な妊娠及び授乳の間の母乳中に、ウイルスが排出され得ることを実証している(Schleiss、2006a;Britt、2008;Wangら、2008;Mansatら、1997;Stagnoら、1975)。垂直伝播の間に、HCMVは、子宮血管から栄養膜細胞前駆細胞へと移行し、胎盤絨毛膜絨毛のEpi/ECは、HCMVによって感染される最初の胎児細胞である(Maidjiら、2006;Maidjiら、2002)。Epi/ECは、水平伝播及び垂直伝播の両方において重要な役割を果たすので、HCMVワクチンの保護効力は、この細胞型の感染を予防する、抗原性HCMVタンパク質に対する高力価中和抗体(NAb)の生成の成功に依存する可能性が高い。

概要

一実施形態では、UL128複合体を発現するための発現系が本明細書に提供される。この発現系は、細菌人工染色体(BAC)構築物を含み得、このBAC構築物は、UL128複合体をコードするDNA配列のセットが挿入されたウイルスベクターを含む。別の実施形態では、HCMV感染を予防するためのワクチン組成物が提供される。このワクチン組成物は、UL128複合体を発現することが可能なウイルス又は細菌ベクター、及び薬学的に許容される担体アジュバント添加剤若しくはその組合せ、又はタンパク質アジュバントを発現するさらなるベクター、を含み得る。このウイルスベクターはMVAであり得、このUL128複合体は、5つのHCMVタンパク質又はその抗原断片:UL128、UL130、UL131A、gL及びgHを含む。いくつかの実施形態では、このウイルスベクターには、1つ又は複数のさらなるHCMVHCMVタンパク質又はその抗原断片、例えばpp65、gB若しくはその両方、又は例えばgM/gN若しくはgOをコードする1つ又は複数のさらなるDNA配列がさらに挿入される。

目的

したがって、粘膜表面を超えたチャレンジウイルス散在を最小化するための1つのアプローチは、一次感染の拡散を予防するためのワクチン接種によってこれらのタンパク質を標的化することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

細菌人工染色体(BAC)構築物を含む発現系であって、前記BAC構築物が、UL128複合体をコードするDNA配列のセットが挿入されたウイルスベクターを含む、発現系。

請求項2

前記ウイルスベクターが、アビポックスウイルスオルソポックスウイルス又はパラポックスウイルス由来する、請求項1に記載の発現系。

請求項3

前記ウイルスベクターが、改変ワクシニアアンカラ(MVA)ベクターである、請求項2に記載の発現系。

請求項4

前記UL128複合体が、5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットを含む、請求項1に記載の発現系。

請求項5

前記5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットが、UL128、UL130、UL131A、gL及びgHである、請求項3に記載の発現系。

請求項6

前記ウイルスベクターに、pp65、gB又はその両方から選択される1つ又は複数のさらなるCMVタンパク質又はその抗原断片をコードする、1つ又は複数のさらなるDNA配列がさらに挿入されている、請求項1に記載の発現系。

請求項7

UL128複合体を発現することが可能なウイルスベクター、及び、薬学的に許容される担体アジュバント添加剤又はその組合せを含む、CMV感染を予防するためのワクチン組成物

請求項8

前記ウイルスベクターが、前記UL128複合体をコードするDNA配列のセットを含む、請求項7に記載のワクチン

請求項9

前記ウイルスベクターが、アビポックスウイルス、オルソポックスウイルス又はパラポックスウイルスに由来する、請求項7に記載のワクチン。

請求項10

前記ウイルスベクターが、改変ワクシニアアンカラ(MVA)ベクターである、請求項9に記載のワクチン。

請求項11

前記UL128複合体が、CMVタンパク質又はその抗原断片のセットを含む、請求項7に記載のワクチン。

請求項12

前記5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットが、UL128、UL130、UL131A、gL及びgHを含む、請求項11に記載のワクチン。

請求項13

前記ウイルスベクターが、pp65、gB又はその両方から選択される1つ又は複数のさらなるCMVタンパク質又はその抗原断片を発現することが可能である、請求項7に記載のワクチン。

請求項14

細胞中へのCMV侵入を予防する方法であって、前記細胞を有効量のウイルスベクターと接触させるステップを含み、前記ウイルスベクターが、UL128複合体をコードするDNA配列のセットを含む、方法。

請求項15

前記ウイルスベクターが、細菌人工染色体(BAC)に由来するポックスウイルスベクターを含む、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記ウイルスベクターが、細菌人工染色体(BAC)に由来するMVAベクターを含む、請求項14に記載の方法。

請求項17

前記UL128複合体が、5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットを含む、請求項14に記載の方法。

請求項18

前記5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットが、UL128、UL130、UL131A、gL及びgHである、請求項14に記載の方法。

請求項19

pp65、gB若しくはその両方から、又はgM/gN及びgOから選択されるさらなるCMVタンパク質又はその抗原断片をコードする1つ又は複数のDNA配列をさらに含む、請求項14に記載の方法。

請求項20

前記細胞が、上皮細胞内皮細胞又は線維芽細胞である、請求項14に記載の方法。

請求項21

対象においてCMV感染を処置する方法であって、治療有効量のCMVワクチンを前記対象に投与するステップを含み、前記CMVワクチンが、UL128複合体を発現することが可能なウイルスベクター、及び、薬学的に許容される担体、アジュバント、添加剤又はその組合せを含む、方法。

請求項22

前記ウイルスベクターが、アビポックスウイルス、オルソポックスウイルス又はパラポックスウイルスに由来する、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記ウイルスベクターがMVAベクターである、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記UL128複合体が、5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットを含む、請求項21に記載の方法。

請求項25

前記5つのCMVタンパク質又はその抗原断片のセットが、UL128、UL130、UL131A、gL及びgHを含む、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記ウイルスベクターが、pp65、gB又はその両方から選択されるさらなるCMVタンパク質又はその抗原断片をコードする1つ又は複数のDNA配列をさらに含む、請求項21に記載の方法。

請求項27

前記CMV感染が先天性CMV感染である、請求項21に記載の方法。

技術分野

0001

政府関与の陳述
本発明は、National Institute of Allergy and Infectious Diseasesによって拠出された助成金AI063356号;及びNational Cancer Instituteによって拠出された助成金第CA030206号の下で、政府の助成を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。

0002

優先権の主張
本願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年7月27日出願の米国仮特許出願第61/676,846号の利益を主張する。

背景技術

0003

サイトメガロウイルス(CMV)ゲノムは大きく(>200kbp)、ヒトCMV(HCMV)は、複数の細胞型に感染し、潜伏確立し潜伏から再活性化し、免疫適格性宿主中に生涯にわたって留まり続けることを可能にするタンパク質をコードする165以上のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする(Murphyら、2003;Barry及びChang、2007;Hansenら、2003;Jarvis及びNelson、2007;Rivaillerら、2006;Schleissら、2008;Oxfordら、2008)。ORFのうち60%よりも多くは、線維芽細胞におけるHCMV複製にとって必須ではなく(Dunnら、2003;Yuら、2003)、これは、ほとんどのHCMV ORFの機能が、線維芽細胞以外の細胞及び/又はin vivoでのみ観察されることを示唆している。HCMVのより広い理解は、ORF、及び線維芽細胞以外のそれらの適当な細胞型、これらの細胞がHCMV伝播において果たす役割、並びに適切な動物モデルの使用が関与する研究を含むべきである。

0004

内皮細胞及び上皮細胞(合わせて「Epi/EC」)は、HCMVの感染及び伝播のための重要な細胞型である。一次感染部位からの血行性拡散の後、HCMVは、水平伝播に重要な組織、例えば、腎臓唾液腺及び乳腺のEpi/EC細胞に感染する(Sinzgerら、2008)。複数の研究が、一次感染の消散のずっと後に唾液及び尿中に、並びに連続的な妊娠及び授乳の間の母乳中に、ウイルスが排出され得ることを実証している(Schleiss、2006a;Britt、2008;Wangら、2008;Mansatら、1997;Stagnoら、1975)。垂直伝播の間に、HCMVは、子宮血管から栄養膜細胞前駆細胞へと移行し、胎盤絨毛膜絨毛のEpi/ECは、HCMVによって感染される最初の胎児細胞である(Maidjiら、2006;Maidjiら、2002)。Epi/ECは、水平伝播及び垂直伝播の両方において重要な役割を果たすので、HCMVワクチンの保護効力は、この細胞型の感染を予防する、抗原性HCMVタンパク質に対する高力価中和抗体(NAb)の生成の成功に依存する可能性が高い。

発明が解決しようとする課題

0005

HCMVは、機能的免疫系を有さない個体、例えば、移植レシピエントHIV同時感染した個体、又は先天的に感染した胎児新生児において、罹患率及び死亡率の顕著な供給源である。現在、HCMV感染及び/又は疾患を予防するための承認されたワクチンは存在しないが、Institute of Medicine of the National Academy of Sciencesは、ワクチンがもたらすヒトの健康に対する改善に起因して、HCMVワクチンの開発を最優先カテゴリーに置く報告を、2000年に刊行した。したがって、Epi/EC及び線維芽細胞の感染を媒介するウイルス抗原(Ag)を標的化するワクチンを開発することは有益である。

課題を解決するための手段

0006

一実施形態では、UL128複合体(UL128C;これは、UL128、UL130、UL131A、糖タンパク質H、糖タンパク質Lを含む)を発現するための発現系が本明細書に提供される。この発現系は、細菌人工染色体(BAC)構築物を含み得、このBAC構築物は、UL128CをコードするDNA配列のセットが挿入されたウイルスベクターを含む。

0007

別の実施形態では、HCMV感染を予防するためのワクチン組成物が提供される。このワクチン組成物は、UL128Cを発現することが可能なウイルスベクター、及び薬学的に許容される担体アジュバント添加剤又はその組合せを含み得る。

0008

別の実施形態では、細胞中へのHCMV侵入を予防する方法が提供される。このような方法は、この細胞を有効量のウイルスベクターと接触させるステップを含み得、このウイルスベクターは、UL128CをコードするDNA配列のセットを含む。

0009

別の実施形態では、対象においてHCMV感染を処置する方法が提供される。このような方法は、治療有効量のHCMVワクチンを対象に投与するステップを含み得、このHCMVワクチンは、UL128Cを発現することが可能なウイルスベクター、及び薬学的に許容される担体、アジュバント、添加剤(例えばCD40L)又はその組合せを含む。

0010

上記実施形態のいくつかによれば、このウイルスベクターは改変ワクシニアアンカラ(Ankara)(MVA)であり、このUL128Cは、5つのHCMVタンパク質又はその抗原断片のセット:UL128、UL130、UL131A、糖タンパク質L(gL)及び糖タンパク質H(gH)を含む。いくつかの実施形態では、このウイルスベクターには、1つ又は複数のさらなるHCMVタンパク質又はその抗原断片、例えばpp65、gBをコードする1つ又は複数のさらなるDNA配列がさらに挿入されている。これらのさらなるタンパク質は、細胞性免疫の主要な標的、例えばpp65及びIE1、又はNAbを刺激する他の重要な侵入媒介因子、例えば糖タンパク質gB、gM、gN若しくはgOのいずれかであり得る。

図面の簡単な説明

0011

いくつかの実施形態に従うMVA−BAC中の、遺伝子発現カセットの挿入(図1A)及びRhCMV遺伝子の挿入部位図1B)を示す略図の対である。図1Aは、En passant変異誘発による、MVA−BAC中へのポックスウイルス遺伝子発現カセットの挿入のためのスキームを示す。最初に、上流ワクシニアウイルスmH5プロモーター、下流の転写終結シグナル(TS)、並びに両端に50bpの遺伝子重複点刻四角)が隣接する遺伝子内部のI−SceI制限部位及びカナマイシン耐性(KanR)マーカーを有する遺伝子配列を含む移入構築物が生成される。次いで、この構築物は、相同な50bpプライマー伸長を利用して、PCRを介して増幅され、MVA−BAC中にRed組換えによって挿入される。引き続いて、KanR選択マーカーが、I−SceI部位における二本鎖切断のI−Scel発現媒介性の導入、及び50bpの遺伝子重複の引き続く回目のRed組換えによって、継ぎ目なく除去される。図1Bは、MVA−BAC中の挿入部位(Del2、IGR3、G1L/I8R、Del3中のBAC(B)ベクター末端)並びにRhCMV遺伝子UL128、UL130、UL131A、gL及びgH又はgHΔTMの配向を示す。挿入の順序は、番号1〜5によって示される。
ウサギポリクローナル抗血清を使用して、MVAから発現されたRhUL128Cサブユニット同時発現を検出するウエスタンブロット(WB)を示す図である。図2Aは、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔに感染したBHK細胞の総細胞溶解物のWB分析を示す。図2Bは、異なる組合せのRhUL128〜UL131Aサブユニットを発現するMVA又はMVA−RhUL128C若しくはMVA−RhUL128CΔに感染したCEF細胞の総細胞溶解物のWB分析を示す。未感染細胞又はMVA感染細胞を、陰性コントロールとして使用した。ローディングコントロールのために、溶解物を、ワクシニアウイルスBR5タンパク質に特異的なモノクローナル抗体19C2を用いて分析した。タンパク質サイズのためのマーカーは、キロダルトン(kD)で与えられている。
BHK細胞でのMVA−RhUL128Cの繁殖(5ウイルス継代)の間の、RhUL128、RhUL130、RhUL131A、RhgL及びRhgHの発現を検出するWBを示す図である。5つの異なるウイルス継代(P1〜P5)の総細胞溶解物を、各RhCMV遺伝子に対応するペプチド特異的ウサギポリクローナル抗血清を用いて分析した。ローディングコントロールのために、溶解物を、ワクシニアウイルスBR5タンパク質に特異的なモノクローナル抗体19C2を用いて分析した。MVA感染BHK細胞及び未感染BHK細胞を、コントロールとして使用した。
MVA−RhUL128Δから発現されたRhgHΔTMの免疫沈降後の、RhgHΔTMとRhUL128Cサブユニットとの共免疫沈降を検出するWBを示す図である。MVA−RhUL128CΔに感染したBHK細胞の溶解物を、プロテインA/Gアガロース及びマウスモノクローナル抗c−mycタグ抗体又は無関係のIgGコントロール抗体を用いた免疫沈降に使用した。次いで、免疫沈降したサンプルを、各個々のサブユニットに特異的なウサギポリクローナル抗血清を用いたWBを介して分析した。MVA感染したBHK細胞を、コントロールとして分析した。
MVAから発現されたRhUL128Cサブユニットの発現の際のRhgHΔTMの分泌を示す図である。単一発現、RhgL又はRhgL及びRhUL128〜UL131Aとの同時発現の際の、細胞性又は分泌されたRhgHΔTM及びRhgHに対するWB。CEF細胞を、0.1のMOIで感染させ、無血清培地(VP−SFM)中で36〜48時間増殖させ、細胞溶解物及び濃縮培地を、ポリクローナル抗血清を用いて分析した。非組換えMVAをコントロールのために分析した。ワクシニアウイルスBR5タンパク質を、ローディングコントロールとして分析した。相対的バンド強度を、各レーンの下に番号によって与える。
RhCMVチャレンジの前にワクチン接種されたRM中のNabのin vitro測定値を示す図である。A及びB)示されたワクチン群について、ワクチン接種(Vx)の2週間後(A)及び6週間後(B)に、サル腎臓上皮細胞(MKE)に対して測定されたNT50力価が示されている。C及びD)線維芽細胞(Telo−RF)に対して、Vxの2週間後(C)及び6週間後(D)に測定されたNT50力価が示されている。Telo−RFに対して測定されたMVA−RhgB又はMVA−venusでワクチン接種されたRMについての所与の値は、既に以前に公開されている(1)(星印)。中央値はバーによって与えられる。天然に感染したサルについてMKE又はTelo−RFに対して測定された規範的NT50が、点線によって示される。矢印はアッセイ検出限界を示す。MVA−RhUL128Cワクチン群をMVA−RhUL128CΔワクチン群又は他のワクチン群のうち1つ(RhUL128、RhUL130、RhUL128/UL130/UL131、RhgB、venus)と比較するp値は、片側順位和検定によって計算した。MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔワクチン群のいずれかをMVA−RhgBワクチン群と比較するCにおけるp値は、両側順位和検定によって計算した。
ワクチン接種したRMの血漿中のRhCMVチャレンジウイルスウイルス負荷を示す図である。チャレンジの16週間後の、MVA−RhUL128CΔ、MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRM及びワクチン接種していないコントロール動物の血漿中の検出可能なゲノムコピー数曲線下面積が示される。各群の中央値AUCは、実線によって示される。ワクチン群とワクチン接種していないコントロール群との間のp値を、片側順位和検定によって計算した。
MVAからのヒトUL128C(H−UL128C)サブユニットの発現を示す図である。HCMV UL128Cサブユニット抗原発現MVAの個々のレーンにおける細胞全体抽出の結果が示される。SDS−PAGE後のPVDFメンブレン上でのタンパク質の検出を、H−UL128C特異的ペプチドからウサギにおいて作製されたHCMV特異的mAb(gH、UL128、UL130)及びポリクローナル血清(UL131A、gL)を使用して達成した。CEF=ニワトリ胚線維芽細胞、BR5=ローディングコントロールとして使用したMVA内因性タンパク質に対するmAb。
MVAから発現されたHCMV UL128Cサブユニットの共免疫沈降を示す図である。MVA−UL128Cに感染したBHK細胞の溶解物を、マウスモノクローナル抗体抗HCMV−gH 14−4b又はプロテインA/Gアガロースにカップリングさせた無関係のコントロール抗体を用いた、gHの免疫沈降に使用した。引き続いて、免疫沈降したタンパク質を、HCMV−gH(クローンAP86)、UL128又はUL130に対するマウスモノクローナル抗体、及びHCMVのgL又はUL131に対するウサギポリクローナル抗血清を用いたWBを介して分析した(示されるとおり)。
自己切り出し可能なMVA−BACを生成するための概略を示す図である。最初に、クロラムフェニコール耐性マーカー(CMR)、mini−Fレプリコン、及びワクシニアウイルスP11プロモーターによって駆動されるGFP発現カセットからなるBACベクターが、CEFにおける組換えを介してMVAチミジンキナーゼ(TK)遺伝子座中に挿入される。その後、組換えゲノムクローンが、E.coli中でレスキューされ、逆ゲノム重複が、2工程のRed組換えベースのEn passant変異誘発を介して、このBACベクター中に挿入される。MVA許容性細胞中へのBACのトランスフェクション後に、BACベクター配列が、ゲノム重複の切り出し組換えによって除去される。
1974−MVA−BACから再構築されたMVAからのHCMV挿入物の発現を示す図である。図11Aでは、赤色蛍光タンパク質(RFP)の発現が、Del2、IGR3又はG1L挿入部位中にmRFP発現カセットを含むMVAに感染したBHK−21細胞の単一ウイルスプラーク蛍光顕微鏡によって示されている。MVAは、BACベクター構築に起因して、GFPもまた発現する(図の右側)。図11Bでは、Del2から発現されるヒトUL128、IGR3から発現されるヒトUL131A又はG1Lから発現されるヒト全長gHを発現するMVAに感染したCEFのウエスタンブロット分析。非組換えMVAに感染したCEFを、非特異的コントロールとして分析した。タンパク質を、ウサギポリクローナル抗体(UL131A)又はマウスモノクローナル抗体(UL128、gH)を用いて検出した。
ワクチン接種したBalb/CマウスにおけるNAb力価を示す図である。A及びB)示されたMVAワクチンを用いた免疫後の異なる時点におけるBalb/CマウスのNAb力価(NT50)が示されている。Balb/Cマウスを4週間の間隔をあけて2回免疫し、血清NAb力価を、各免疫の3週間後:3週目及び7週目に測定し、さらに、最初の免疫後20週目に測定した。NAb力価を、感染のためにHCMV株VHL−1を使用して、ヒトARPE−19上皮細胞(A)及びヒト包皮線維芽細胞(HFF−1)(B)に対して決定した。C)ARPE−19細胞に対する、HCMV株VHL−1、TB40/E及びTRに対する最初の免疫の20週間後の中和活性が示されている。A、B及びC中のy軸に隣接する矢印は、アッセイの検出限界を示す。A及びC中の上の点線は、ARPE−19細胞に対して測定された、HCMV株VHL−1に対するHCMV陽性個体由来プールされた血清中の中和活性を示す。B中の上の点線は、線維芽細胞に対して決定された、実験室株AD169に対するHCMV陽性ドナーの血清中の中和活性を示す。

0012

HCMV感染を予防又は処置する際の使用のための発現系及びワクチンが、本明細書に提供される。以下に詳細に記載される発現系及びワクチンは、その宿主細胞へのウイルスの侵入を遮断するために、HCMV抗原性タンパク質又は断片に対する中和抗体(NAb)を生成し、それによって水平ウイルス伝播及び垂直ウイルス伝播を予防する。

0013

十年間の試みにも関わらず、HCMVワクチンの開発は、未解決公衆衛生優先事項であり続けている(Arvinら、2004;Strattonら、2001)。糖タンパク質B(gB)に基づくサブユニットワクチンにより、いくらかの進歩がなされてきた(Zhangら、2006;Zhang及びPass、2004)。一次感染の間に高結合力の抗gB NAbを発達させた妊娠女性は、高結合力のgB抗体を生成しない女性よりも、先天的に感染した小児を有する可能性が低い(Boppana及びBritt、1995)。これらの結果は、先天性感染を制限することにおけるgB−NAbの重要性を強調しているが、経胎盤伝播と関連する規定されていない因子が存在する。高結合力のgB抗体を発達させた何人かの女性は、先天性感染を有する胎児を有したが、低結合力の抗体を有する女性においては、先天的伝播は存在しなかった(Boppana及びBritt、1995)。

0014

受動免疫療法は、子宮内感染の壊滅的結果から胎児を保護することが示されている。これは、過免疫グロブリンが、先天性感染の頻度を減少させ得、胎盤の肥厚を低減させ得、中枢神経系疾患徴候を解決し得ることを示唆している(Adler及びNigro、2006;Adlerら、2007;La Torreら、2006;Nigroら、2005;Nigroら、2008)。最近の知見は、CMV過免疫グロブリンNAbの大多数が、UL128Cに対するものであることを実証している(Foutsら、2012)。

0015

ヒト線維芽細胞上での反復継代後に誘導された弱毒HCMV Towneワクチン(「Towne」)(Plotkinら、1975)は、HCMVの線維芽細胞侵入及びウイルス抗原に対する細胞免疫応答を予防するためにNAbを惹起する(Gonczol及びPlotkin、2001)。Towneを用いた免疫は、低用量HCMV(Plotkinら、1989)チャレンジに対して保護し、重症移植後HCMV疾患から、HCMV陰性腎移植レシピエントを部分的に保護する(Plotkinら、1991)。Towneは、野生型ウイルスへの曝露匹敵するリンパ増殖性応答を刺激したが、NAb力価は、線維芽細胞において測定した天然感染後に観察されたNAb力価よりも、10倍〜20倍低かった。Towne株は、UL128Cの細胞表面発現不安定化するUL130タンパク質の変異を含むゲノム変化を、ヒト線維芽細胞上での繁殖の間に蒙った(Patroneら、2005)(以下を参照のこと)。gBワクチンの潜在的な制限(Sinzgerら、2008;Cuiら、2008)と類似して、Epi/ECに特異的なCMV抗原に対するNAbの非存在は、Towneの保護効力を制限し得る。したがって、Towneは、最低限のin vivo複製、及び潜伏の持続又は証拠欠如に起因して、強固な免疫を刺激するためには弱毒化されすぎている可能性が高い。したがって、Towneと天然単離体(Toledo)との間のキメラワクチン株が、病原性を維持しつつ複製を強化するために、第I相研究において使用された(Heinemanら、2006)。

0016

HCMVベースのワクチンは、先天性感染を生じる無関係のHCMV株によるHCMV陽性女性の重複感染をもたらす免疫回避によっても限定され得る(Boppanaら、2001)。pp65及びgB抗原から構成されるDNAワクチン戦略は、移植の設定において試験されているが、gB特異的抗体ベルは最低限に刺激され、レベルは、進行性の感染に対して保護的であるのに十分に高いとはみなされなかった(Wilckら、2010;Wlochら、2008;Kharfan−Dabajaら、2012)。

0017

アジュバントMF59中に混合された組換えgB(gB/MF59)を評価する第II相試験は、前年内に出産した血清陰性女性の一次HCMV感染を予防する50%の効力を示した(Passら、1999;Passら、2009)。対照的に、生弱毒HCMV Towne株(「Towne」)は、少なくとも1人のHCMV排出小児を有する血清陰性の母親を、一次HCMV感染を獲得することから保護するための初期の試験において失敗している(Adlerら、1995)。これらの結果は、中和エピトープに対するワクチンがHCMV陰性女性における一次感染の割合を顕著に低下させることができるという希望を与えている。それにもかかわらず、両方の試験において完全な保護が得られていないということは、さらなる非gBコード中和エピトープが、母親における一次感染及び胎児における先天性感染のリスクを排除するために標的化されるべきであることを示唆している。特に、Epi/EC細胞系列のHCMV感染を遮断するためのNAbを誘導するエピトープが、以下に記載されるように、CMVワクチン中に含まれるべきである。

0018

粘膜表面における細胞又は細胞の集団の一次感染の後に、HCMVは、血液を介して複数の身体臓器に拡散する。HCMVは、Epi/EC、線維芽細胞、マクロファージ(Sinzgerら、2007;Plachterら、1996)及び栄養膜細胞(Maidjiら、2006;Maidjiら、2002)を含む、感染のための広い細胞トロピズムを有している。異なる細胞型中へのウイルス侵入は、異なるgH及びgLエンベロープ糖タンパク質複合体(gH/gL)を必要とする(Sinzger及びJahn、2008;Vanarsdall及びJohnson、2012)。それにもかかわらず、その使用の容易さに起因して、HCMVの培養及びNAb力価の定量は、典型的に、線維芽細胞を使用して調査されてきた。

0019

組織培養適合したHCMV株(例えば、AD169又はTowne)を使用した線維芽細胞感染の中和に基づく研究は、主要なNAb標的として、糖タンパク質B(gB)、糖タンパク質H(gH)並びに糖タンパク質M(gM)及び糖タンパク質N(gN)複合体(gM/gN)を同定している(Adlerら、1998;Brittら、1990;Marshallら、1994;Rasmussenら、1991;Shimamuraら、2006)。gBは、ビリオン細胞膜との間のgB媒介性の融合を遮断することによって、免疫個体において見出された線維芽細胞感染を中和する抗体の大部分を惹起する(Kinzler及びCompton、2005;Navarroら、1993;Britt、1984;Brittら、1988;Gonczolら、1990;Liuら、1991)。しかし、上記ワクチン接種研究と同様に、線維芽細胞ベースの中和研究によるHCMV感染に対するNAb応答の説明は不完全である。中和研究はEpi/ECの感染を遮断するNAbを検出していないので、これは、Epi/ECの感染を予防できなかったことに起因している可能性が高い。

0020

ヒトCMV(HCMV)及びアカゲザルCMV(RhCMV)のゲノムは、大部分が同一直線上にあり(Hansenら、2003;Rivaillerら、2006)、HCMVと同様に、RhCMVのUL/bの病原性領域は、培養継代後に再編成を受け、複数のオープンリーディングフレーム(ORF)の検出を導くことが示されている(Oxfordら、2008)。線維芽細胞中へのHCMV侵入は、gB、gM/gN並びに糖タンパク質H、糖タンパク質L及び糖タンパク質Oから形成された複合体(gH/gL/gO)に依存するが、UL/bの領域中の3つのORF:UL128、UL130及びUL131Aが、Epi/EC中への侵入のために必要とされる。UL128、UL130及びUL131Aは、UL128Cと呼ばれる、gH/gLとのペンタマービリオンタンパク質複合体を形成し、この複合体は、上記線維芽細胞とのウイルス融合とは異なる、Epi/EC中への低pH依存的なエンドサイトーシス侵入を媒介する(Hahnら、2004;Isaacson及びCompton、2009;Ryckmanら、2010;Ryckmanら、2008a、b;Vanarsdallら、2008;Wang及びShenk、2005b;Willeら、2010)。

0021

AD169及びTowneのCMV株は、UL128〜UL131A遺伝子座における変異に起因して、Epi/ECに感染する能力を失っている(Murphyら、2003;Wang及びShenk、2005a)。結果として、それらの制限された細胞トロピズムは、これらのウイルスを、Epi/EC感染を阻害するNAbを定量するのに不適切なものにしている。インタクトな細胞トロピズムを有するHCMV臨床株の使用は、HCMV感染個体が、Epi/ECの感染を強力に遮断する、UL128Cに対するNAbを発達させることが示されている(Geniniら、2011;Macagnoら、2010)。さらに、UL128、UL130及びUL131Aについて修復されたAD169を用いた研究は、gB/MF59及びTowneが、天然の感染の間に観察されるものと匹敵するEpi/EC特異的NAb力価を誘導することができないことを示している(Cuiら、2008)。これらの結果は、UL128CがEpi/ECに特異的なNAb活性の重要な決定基であることの強い証拠を提供している(Cuiら、2008;Gernaら、2008)。したがって、粘膜表面を超えたチャレンジウイルスの散在を最小化するための1つのアプローチは、一次感染の拡散を予防するためのワクチン接種によってこれらのタンパク質を標的化することである(UL128Cワクチン接種によるEpi/EC及び線維芽細胞の感染を遮断するNAbを示す、Wussowら、2013を参照のこと)。

0022

CMVワクチンの臨床移行は、ヒトと最も直接関連するモデルとみなされているアカゲザル(RM)における研究によって促進される。RhgBを発現するMVAによるRhCMV陰性RMの免疫は、線維芽細胞特異的NAbを誘導し、血漿中のRhCMVチャレンジウイルスを低減させることが、以前に実証されている(Abelら、2011;Yueら、2008;Yueら、2003)。さらに、RhgB並びに細胞性免疫の2つの主要な標的:リン酸化タンパク質65(Rhpp65)及び最初期1(RhIE1)から構成される三価MVAワクチンは、ワクチン接種した動物の50%において排出を低減させた(Abelら、2011)。HCMV UL128CペンタマーがEpi/EC侵入に必要であり、NAbの重要な標的であるという研究を基礎として、以下の実施例に記載される研究は、MVA発現RhCMV UL128C(RhUL128C)によるRMのワクチン接種が、アカゲザルEpi/EC及びアカゲザル線維芽細胞のRhCMV感染を阻害するNAbを惹起することを示している。このアプローチは、これらのORFを欠くRhCMVバリアントにおけるUL128、UL130及びUL131Aの再建上皮トロピズムを再建することを示す研究によって支持されている(Lilja及びShenk、2008)。さらに、修復されたUL130遺伝子及び再建されたUL128Cペンタマー形成を有するAD169を使用するRM又はウサギの免疫は、親AD169による免疫と比較した場合、ARPE−19上皮細胞のHCMV感染を阻害する顕著に増加した中和活性を導く(Fuら、2012)。NAbを惹起するための予防ワクチンとしてRhCMV UL128Cを使用した、RhCMV陰性RMにおける以下に記載される研究は、CMV感染の複数の侵入経路を予防し得るHCMV等価物の構築を正当化した。類似のHCMV UL128C及びgBベースのワクチンもまた構築され得、病原性臨床HCMV単離体によるin vitro感染を予防するNAbを惹起すると評価され得る。このようなワクチンは、感染のエンドサイトーシス経路及び線維芽細胞経路の両方においてHCMV感染を中和する際に、さらにより有効であり得る。

0023

個々の構成要素を示す亜種と共に、アセンブルされたHCMV UL128Cペンタマーの形態を、本明細書並びに少なくとも[0005](段落番号[0005])、[0010](段落番号[0010])、[0017]([図面の簡単な説明]段落番号[0011][図7])及び[0018]([図面の簡単な説明]段落番号[0011][図8])段落に記載されるように、MVA中で発現させた。抗原のこれらの組合せには、gH及びgL;UL128、UL130及びUL131;全長gHを伴うUL128C;並びに膜貫通欠失gHを伴うUL128CΔが含まれる。さらに、gB及びvenusを、MVA中に別々に挿入し、Balb/CマウスにおいてUL128Cサブユニットと同様に評価した。簡潔に述べると、これらの実験は、4週間離れた2ラウンドの免疫、並びにベースライン3週目、7週目及び20週目において得た採血からなった。顕著なことに、UL128Cで免疫したマウスでは、HCMV株VHL−1に対してARPE−19上皮細胞に対して測定されたNT50 NAb力価は、1回の免疫後に4096まで増加し、2回目の免疫後に約3倍増加したが、20週目の時点において最高のレベルを僅かにのみ下回る活性を維持していた(図12A)。並行してはいるがかなり低い量が、UL128CΔ株を使用した場合に2回目の免疫後に見出されたが、非常に一過的で相対的に低いレベルのNAbのみが、gH/gL−MVAを使用して見出され、gB−MVA又はVenus−MVAのいずれかを使用した場合には背景認識のみが見出された(図12A)。感染の経路は腹腔内であり、これはNAbのレベルに影響を与え得るが、これは、MVAの皮下注射又は筋内注射が増加したNAb力価をもたらし得ることが記載されていたからである。それにもかかわらず、Balb/Cマウスにおける中和活性の誘導に関して、全ての他の構築物と全長gH保有UL128Cとの間には明白な差異が存在する。

0024

驚くべきことに、MVA−UL128Cでワクチン接種したマウスに由来する血清中のHFF−1線維芽細胞に対して測定されたNAb力価もまた、全ての他の群について決定されたNAb力価よりも顕著に高かった(図12B)。UL128Cは、線維芽細胞のHCMV感染を予防するNAbの標的として文献中に以前に記載されてこなかったので、これらの結果は予期できないものであった。1回目の免疫後にMVA−UL128Cワクチン群中では検出可能な中和活性は存在しなかったが、NAb力価は2回目の免疫後に387まで増加し、20週目でもわずかに増加した。低いNAb力価は、2回目の免疫後に、MVA−UL128CΔ又はgH/gL発現MVAで免疫したマウスにおいても決定されたが、20週目に、NAb力価は両方のワクチンについてのアッセイの検出限界より下に低下した。さらに、UL128−UL131同時発現MVA、MVA−gB680又はvenusでワクチン接種したマウスにおいて誘導された中和活性は、この20週間を通じて検出不能なままであった。再び、免疫の経路は、NAbの誘導にとって準最適であった可能性がある。しかし、これらの結果は、UL128Cペンタマーが、Epi/EC感染及び線維芽細胞感染の両方を阻害する中和活性の誘導について、gB、又は5つ全て未満のUL128Cサブユニットの任意の組合せよりも優れているという強い証拠を提供している。

0025

さらに、20週目のMVA−UL128C−ワクチン接種したBalb/c由来の血清中のARPE−19細胞に対して測定された強力な中和活性は、VHL−1ウイルスに対して有効であっただけでなく、HCMV株TB40/E及びTRに対して等しく有効であった(図12C)。個々のウイルスについて決定された力価は、互いに匹敵した。ARPE−19細胞に対して3つの異なるウイルスについて決定された、MVA−UL128CΔでワクチン接種したマウス由来の血清中のNAb力価もまた互いに匹敵していたが、MVA−UL128Cでワクチン接種したマウス由来の血清中で決定されたNAb力価よりも有意に低かった。gH/gL、UL128〜UL131A、gB又はvenusを発現するMVAで免疫したマウスでは、中和活性は確認されなかった。これらのデータは、UL128Cペンタマーによるワクチン接種が中和活性を広く誘導するという強い証拠を提供している。

0026

上記研究に基づいて、Epi/EC、線維芽細胞又はその両方中へのHCMV侵入の阻害のための方法において使用され得る発現系、ウイルスベクター及びワクチンが開発され、本明細書に記載されている。

0027

CMV抗原性の発現系及びワクチン
本明細書に記載される実施形態によれば、HCMV抗原性タンパク質発現系(又は「抗原発現系」)が、本明細書に提供される。一実施形態では、この抗原発現系は、1つ又は複数のHCMV抗原性タンパク質又はその抗原断片を発現することが可能な発現ベクタークローニングするための、クローニングベクターを含み得る。

0028

一実施形態では、このクローニングベクターはBACであり、これは、細菌(例えば、E.coli)における形質転換によって1つ又は複数の標的HCMV遺伝子をクローニングするために使用され得るDNA構築物である。クローニングベクターとしてのBACの使用は、非常に大きいDNA配列の安定なクローニングを可能にし、E.coliについて確立された遺伝子技術を使用して容易に操作され得る。いくつかの実施形態では、このBACクローニングベクターは、発現ベクターをクローニングするために使用される。この発現ベクターは、プラスミド、BAC、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクターアデノ随伴ウイルスベクターRNAウイルスベクター、レンチウイルスベクター又はレトロウイルスベクター)、BACとして構築されたウイルスベクター、又は組換えタンパク質、ウイルスベクター若しくはその両方を発現することが可能な任意の他の適切なベクターであり得る。

0029

いくつかの実施形態では、この発現ベクター(例えば、ウイルスベクター)は、1つ又は複数の免疫原性若しくは抗原性HCMVタンパク質又はその機能的断片を発現することが可能である。免疫原性タンパク質は、対象に導入された場合に対象の免疫細胞によって認識され、それによって免疫反応を刺激する、タンパク質である。この免疫反応は、そのタンパク質に対する抗体生成(例えば、中和抗体生成)を生じ得る。免疫原性タンパク質の機能的断片又は抗原断片は、少なくとも1つのエピトープを含み得るタンパク質の抗原性部分を含む又はこのようなタンパク質の抗原性部分である、タンパク質の任意の一部分である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の免疫原性タンパク質又はその機能的断片は、免疫原性タンパク質サブユニット又はその機能的断片のセットを含む、免疫原性タンパク質複合体であり得る。

0030

一実施形態では、このBACクローニングベクターは、ウイルス発現ベクターをクローニングするために使用される。このような実施形態では、ウイルス発現ベクターのゲノムは、ウイルス−BAC構築物又はプラスミドを生成するために、BAC構築物中に挿入される。次いで、細菌宿主(例えば、E.coli)が、ウイルスベクターをクローニングするために、ウイルス−BACプラスミドでトランスフェクトされる。ウイルスベクターによる、感染に対して感受性真核生物細胞中へのウイルス−BACクローンのトランスフェクションは、組換えウイルス再構成を生じる。得られた再構成されたウイルスベクターは、次いで、宿主中の標的組織又は細胞を感染するために使用され得る。

0031

いくつかの実施形態では、このウイルスベクターは、アビポックスウイルス(例えば、カナリアポックスウイルス及び関連の株、例えば、ALVAC;鶏痘ウイルス)、オルソポックスウイルス(例えば、ワクシニアウイルス株、例えば、Western Reserve又はLister株、Copenhagen株(NYVAC)、Dryvax株、改変ワクシニアアンカラ(MVA)株、ACAM1000株及びACAM 2000株)、パラポックスウイルス(例えば、オルフウイルス)が含まれるがこれらに限定されない任意の適切なポックスウイルスに由来し得る。一実施形態では、このウイルスベクターは、BACクローニングベクター中にクローニングされた改変ワクシニアアンカラ(MVA)(「MVA−BAC」)であり、1つ又は複数の免疫原性HCMVタンパク質又はその抗原断片を発現することが可能である。任意の適切なMVA株は、1974−MVA株、VR株又はACAM 3000株が含まれるがこれらに限定されない、本明細書に記載される実施形態に従うBACによってクローニングされ得る。

0032

一実施形態では、1つ又は複数の免疫原性HCMVタンパク質又はその抗原断片は、UL128複合体(UL128C)の一部である免疫原性タンパク質サブユニット又はその機能的断片のセットである。このUL128複合体は、以下の5つの免疫原性タンパク質サブユニット又はその機能的断片:UL128、UL130、UL131A、gL及びgHを含む、HCMVタンパク質複合体である。単一の細胞における5つ全てのUL128Cサブユニットの同時発現が、機能的発現を得るために必要とされる(Patroneら、2005;Macagnoら、2009)。したがって、単一の送達ベクターが必要とされる(例えばMVA、以下を参照のこと)が、これは、5つ全てのUL128C構成要素の同時発現によってin vivoでタンパク質複合体をアセンブルするように1超の個々のDNA又はウイルスベクターをガイドする、一般に受容可能なアプローチは現在存在しないからである。

0033

本明細書に記載される発現系及びウイルスベクターによる、UL128、UL130、UL131A、gL及びgHタンパク質又はその抗原断片を含むUL128複合体の発現は、感受性細胞、例えば上皮細胞及び内皮細胞におけるHCMV感染を遮断する、宿主の免疫系による中和抗体(NAb)の刺激を生じる。

0034

他の実施形態では、この発現ベクターは、pp65、gB、IE1 gM、gN、gO及び当技術分野で公知の他の適切な抗原性HCMVタンパク質が含まれるがこれらに限定されないさらなるHCMVタンパク質を含み得る。これらのさらなる遺伝子は、UL128Cサブユニットと共に第1の発現ベクター中に挿入され得るか、又は代替的に、第1の発現ベクターと組み合わせて投与される第2の発現ベクター中に挿入され得る。

0035

本明細書に記載される実施形態によれば、免疫レジメンが提供される。この免疫レジメンは、1つ又は複数のプライミングベクター又はワクチンを投与するステップと、その後、1つ又は複数のブースティングベクター又はワクチンを投与するステップとを含み得る。プライミングベクターは、上のMVAベクター中に記載されたHCMV又はRhCMV UL128Cサブユニットを含む、任意の適切な発現ベクターであり得る。一実施形態では、このプライミングベクターは、本明細書に記載されるMVAベクターと同じHCMV又はRhCMV UL128Cサブユニットを組み込むネイキドプラスミドDNAを含むベクターであり得る。さらなるプライミングベクター又はワクチン接種は、MVA免疫の前に投与される、生又は合成のいずれかの、ウイルスベクター、細菌ベクター又は他の送達ビヒクルを含み得る。プライミング免疫は、1回投与され得るか、又は接種間が1週間から4週間まで変動し得るスケジュールで投与される一連のプライミング免疫を含み得る多用量の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の)プライミング免疫レジメンとして投与され得る。例えば、このプライミング免疫は、接種間が1週間から4週間まで変動し得るレジメン又はスケジュールで、1回、2回又は3回のいずれかで投与され得る。

0036

他の実施形態では、上記MVAベクターは、プライミング免疫であり得る。このような場合、上述のプライムは、1回又は複数の(例えば、1回、2回、3回、4回又はそれ以上の)連続したMVA免疫後に、ブースターベクターとしても使用され得る。代替的に、プライミングベクター及びブースティングベクターは、異種免疫が、プライムとしてMVA又は代替的ベクターを含み、その後実施例のように1〜4回のブーストとしてMVA又は代替的ベクターを含むように、交代し得る。当技術分野で公知の他の適切な免疫スケジュール又はレジメンは、当業者によって、本明細書に記載される実施形態に従って使用され得る。

0037

いくつかの実施形態によれば、代替的ベクター、例えば、上記ネイキッドプラスミドDNAは、全てのUL128Cサブユニットが単一のベクターへとアセンブルされるように、アセンブルされ得る。代替的に、これらのUL128Cサブユニットは、プラスミド、ウイルス又は細菌ベクターであり得る基礎発現ベクターのいくつかの別個コピーへとアセンブルされ得る。さらに、UL128Cサブユニットは、別々の位置に挿入され得る、又は1つの挿入部位若しくは複数の挿入部位においてこれらのサブユニットの全て若しくは一部分を連結するために、当技術分野において周知のいくつかの異なるRNAウイルスに由来する、内部リボソーム侵入部位(IRES)として公知のリンカーを介して連結され得る。1つのこのようなリンカーは、複数の別個のタンパク質へと翻訳及びプロセシングされ得る1つのポリシストロニックメッセンジャーRNA中にUL128Cサブユニットを一緒に連結するために使用され得る、T2Aと呼ばれる関連ウイルス由来の、2A又は類似のリンカーと呼ばれる。

0038

組換えベクター、例えば、上記MVAウイルスベクター;又は上記適切なプライマーベクター若しくはブースターベクターを含む任意の他の適切な代替的ベクターは、HCMV感染を処置又は予防するための方法において使用され得るHCMVワクチン組成物の一部であり得る。本明細書に記載のHCMVワクチン組成物は、治療有効量の本明細書に記載の組換えウイルスベクターを含み得、さらに、標準的な方法に従う薬学的に許容される担体を含む。許容される担体の例には、生理学的に許容される溶液、例えば、無菌食塩水及び無菌緩衝食塩水が含まれる。

0039

いくつかの実施形態では、このワクチン又は医薬組成物は、抗CMV効果を増強するために、医薬有効量のアジュバントと組み合わせて使用され得る。任意の特異的な抗原性効果をそれ自体が有することなしに免疫系を刺激し得、ワクチンに対する応答を増加させ得る任意の免疫学的アジュバントが、アジュバントとして使用され得る。多数の免疫学的アジュバントが、病原体関連分子パターン(PAMP)として公知の進化的に保存された分子模倣し、Toll様受容体TLR)として公知の免疫受容体のセットによって認識される。本明細書に記載される実施形態に従って使用され得るアジュバントの例には、フロイント完全アジュバントフロイント不完全アジュバント二本鎖RNA(TLR3リガンド)、LPS、LPSアナログ、例えば、モノホスホリルリピドA(MPL)(TLR4リガンド)、フラジェリン(TLR5リガンド)、リポタンパク質リポペプチド一本鎖RNA一本鎖DNAイミダゾキノリンアナログ(TLR7リガンド及びTLR8リガンド)、CpG DNA(TLR9リガンド)、Ribiアジュバント(モノホスホリルリピドA/トレハロースコリノミコラート(A/trehalose dicorynoycolate))、糖脂質(α−GalCerアナログ)、非メチル化CpG島、油乳濁物リポソームビロソームサポニン(サポニンの活性画分、例えばQS21)、ムラミルジペプチドミョウバン水酸化アルミニウムスクアレンBCGサイトカイン、例えばGMCSF及びIL−12、ケモカイン、例えばMIP1−α及びRANTES、活性化細胞表面リガンド、例えばCD40L、N−アセチルムラミン(muramine)−L−アラニル−D−イソグルタミン(MDP)並びにサイモシンα1が含まれる。使用されるアジュバントの量は、この型のワクチンの投与後に、ヒト又は動物において免疫応答の一部として発現され得る、皮膚の軟化疼痛紅斑症、発熱頭痛及び筋肉痛などの症状の程度に従って、適切に選択され得る。

0040

さらなる実施形態では、本発明のワクチンとの、種々の他のアジュバント、薬物又は添加剤の使用は、上で議論したように、このワクチン又は医薬組成物の投与によって達成される治療効果を増強し得る。薬学的に許容される担体は、等張性及び化学的定性を増強する物質などの微量の添加剤を含み得る。このような添加剤は、使用される投薬量及び濃度においてヒト又は他の哺乳動物対象に対して非毒性でなければならず、その例には、緩衝剤、例えば、リン酸クエン酸コハク酸酢酸及び他の有機酸並びにその塩;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸;低分子量(例えば、約10残基未満の)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニン及びトリペプチド)タンパク質(例えば、血清アルブミンゼラチン及び免疫グロブリン);アミノ酸(例えば、グリシングルタミン酸アスパラギン酸及びアルギニン);単糖二糖及び他の炭水化物(例えば、セルロース及びその誘導体グルコースマンノース並びにデキストリン)、キレート剤(例えば、EDTA);糖アルコール(例えば、マンニトール及びソルビトール);対イオン(例えば、ナトリウム);非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート及びポロクサマー);抗生物質;並びにPEGが含まれる。

0041

本明細書に記載される組換えウイルスベクターを含むワクチン又は医薬組成物は、密封アンプル又はバイアルなどの単位用量又は複数用量容器中に、水性溶液又は凍結乾燥製品として保存され得る。

0042

細胞中へのHCMV侵入の予防、HCMVの処置及びHCMV感染の予防
上記抗原発現系は、細胞又は細胞の集団中へのHCMV侵入を予防する、in vitro、in vivo又はex vivoの方法において使用され得る。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞の集団中へのHCMV侵入を予防するための方法は、この細胞又は細胞の集団を、UL128複合体又はその抗原断片を発現することが可能なウイルスベクターの有効量と接触させるステップを含む。

0043

他の実施形態では、対象においてHCMV感染を処置又は予防するための方法が提供される。このような方法は、治療有効量のHCMVワクチンを対象に投与するステップを含み得る。このHCMVワクチンは、少なくとも1種の活性成分を含み得、この少なくとも1種の活性成分には、本明細書に記載されるような、UL128複合体又はその抗原断片を発現することが可能なウイルスベクターが含まれる。

0044

本明細書に記載される発現系及びワクチンは、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞又はその組合せに感染する任意のHCMV感染を処置又は予防するために使用され得る。本明細書に記載される方法を使用して処置又は予防され得るHCMV感染の例には、先天性HCMV感染、易感染性免疫系を有する対象(例えば、臓器及び骨髄移植レシピエント、がん患者及び化学療法レシピエント、免疫抑制薬物を受けている患者、並びにHIV感染患者)における日和見HCMV感染、及び他の点では健康な対象における無症候性HCMV感染が含まれ得るがこれらに限定されない。

0045

用語「有効量」とは、本明細書で使用する場合、所望の効果を生じる化合物の量を指す。例えば、細胞の集団は、in vitro(例えば、細胞培養物)でのその効果を研究するため、又はex vivo若しくはin vitroで所望の治療効果を生じるために、有効量の化合物と接触させられ得る。有効量の化合物は、対象において治療効果を生じるため、例えば、標的状態を予防若しくは治療するため、その状態に関連する症状を軽減するため、又は所望の生理学的効果を生じるために、使用され得る。このような場合、有効量の化合物は、「治療有効量」、「治療有効濃度」又は「治療有効用量」である。正確な有効量又は治療有効量は、所与の対象又は細胞の集団における処置の効力に関して、最も有効な結果を生じる組成物の量である。この量は、化合物の特徴(活性、薬物動態薬力学及びバイオアベイラビリティを含む)、対象の生理学的状態年齢性別、疾患の型及び段階、全般的健康状態、所与の投薬量に対する応答性、並びに薬物適用の型を含む)又は細胞の生理学的状態、製剤中の薬学的に許容される担体(単数又は複数)の性質、並びに投与経路が含まれるがこれらに限定されない種々の要因に依存して変動する。さらに、有効量又は治療有効量は、化合物が、単独で投与されるか、或いは別の化合物、薬物、療法又は他の治療方法若しくは様式と組み合わせて投与されるかに依存して変動し得る。臨床及び薬理学の分野の当業者は、慣用的な実験によって、即ち、化合物の投与に対する細胞又は対象の応答をモニタリングし、投薬量をしかるべく調整することによって、有効量又は治療有効量を決定することが可能である。さらなるガイダンスについては、本明細書に完全に示されるかのように参照によって本明細書に組み込まれる、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Univ.of Sciences in Philadelphia(USIP)、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA、2005を参照のこと。

0046

状態を「処置すること」又は状態の「処置」とは、その状態を予防すること、その状態の発生を減速させること若しくは発達の速度を減速させること、その状態を発達させるリスクを低減させること、その状態に関連する症状の発達を予防若しくは遅延させること、その状態に関連する症状を低減若しくは終焉させること、その状態の完全若しくは部分的な退縮を生じること、又はこれらのいくつかの組合せを指し得る。処置とは、状態の予防的(prophylactic)処置又は予防的(preventative)処置もまた意味し得る。

0047

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるワクチン又は医薬組成物は、他の公知の医薬製品、例えば、免疫応答促進性ペプチド及び抗菌剤合成抗菌剤)と組み合わせて使用され得る。このワクチン又は医薬組成物は、他の薬物及び添加剤をさらに含み得る。本明細書に記載されるワクチン又は医薬組成物と併せて使用され得る薬物又は添加剤の例には、本発明の組換えウイルス若しくはMVA又は組換えトランスジェニックタンパク質の細胞内取り込みを助ける薬物、トランスフェクションを促進するリポソーム並びに他の薬物及び/又は添加剤(例えば、フルオロカーボン乳化剤蝸牛型剤(cochleate)、細管金粒子生分解性ミクロスフェア及びカチオン性ポリマー)が含まれる。

0048

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるワクチン又は医薬組成物中に含まれる活性成分の量は、それが治療有効量又は医薬有効量である限り、広範囲の、濃度、ウイルス粒子単位(Virus Particle Unit)(VPU)、プラーク形成単位PFU)、重量対容量パーセント(w/v%)又は活性成分量の他の定量的尺度から選択され得る。ワクチン又は医薬組成物の投薬量は、所望の治療効果、投与方法(投与経路)、治療期間、患者の年齢、性別及び他の条件などに従って、広い範囲から適切に選択され得る。

0049

いくつかの態様では、組換えウイルスベクターがワクチン又は医薬組成物の活性成分としてヒト対象に投与される場合、組換えウイルス又はMVAの投薬量は、組換えウイルスのPFUとして計算した場合、患者1人当たり102〜1014PFU、好ましくは105〜1012PFU、より好ましくは106〜1010PFUにおよそ対応する量で投与され得る。

0050

さらなる態様では、組換えウイルスベクターがワクチン又は医薬組成物の活性成分として対象に投与される場合、投薬量は、ワクチン宿主中に導入される発現可能なDNAの量又は転写されたRNAの量に関して、広い範囲から選択され得る。この投薬量は、使用される任意の移入ベクターにおいて使用される転写プロモーター及び翻訳プロモーターの強度にも依存する。

0051

いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるワクチン組成物又は医薬組成物は、PBSリン酸緩衝食塩水)若しくは食塩水中に組換えウイルス若しくはMVAを懸濁することによって調製された組換えウイルスベクター懸濁物局所部位中に(例えば、肺組織肝臓筋肉又は脳中に)直接注射することによって、経鼻若しくは呼吸器吸入によって、又は血管内(i.v.)(例えば、動脈内、静脈内及び門脈)、皮下(s.c.)、皮内(intracutaneous)(i.c.)、皮内(intradermal)(i.d.)若しくは腹腔内(i.p.)投与によって、投与され得る。本発明のワクチン又は医薬組成物は、1回より多く投与され得る。より具体的には、最初の投与後に、1回又は複数のさらなるワクチン接種が、ブースターとして与えられ得る。1回又は複数のブースター投与は、所望の効果を増強し得る。ワクチン又は医薬組成物の投与後、本明細書に記載される組換えウイルス又はMVAを含む医薬組成物によるブースター免疫が実施され得る。

0052

HCMVワクチン試験の評価、in vitro研究及び本明細書に記載されるRhCMVモデルにおける研究は、タンパク質のUL128複合体(UL128C;UL128、UL130、UL131A、gH及びgL)が、HCMV感染の重要な門戸:内皮細胞及び上皮細胞を妨害するために、ワクチン製剤中に含まれるべきであるという前提に集中している。このタンパク質複合体の機能は、感染部位から遠位部位への散在及び感染宿主からの感染性ウイルスの伝播の両方を遮断するために、免疫を介して中和される。単独で又は他のワクチン候補抗原と一緒のUL128Cで、このような戦略は、HCMVの垂直伝播及び水平伝播を顕著に阻害する合理的根拠を提供する。HCMVの小動物モデル(即ち、マウス、モルモット[gp]及びラット)は、ワクチン様式をモデル化することにおいて重要な移行上の役割を果たし続ける。げっ歯類モデルのうち、モルモットCMV(gpCMV)のみが、UL128及びUL130の配列ホモログをコードするが(Schleissら、2008;Yamadaら、2009)、細胞トロピズムに対するUL128Cタンパク質の機能的重要性は、霊長類CMVに限定されている(Hansenら、2003;Rivaillerら、2006;Oxfordら、2008)。以下の実施例1に記載されるデータは、高度に関連する霊長類宿主におけるHCMVワクチンアプローチの適用可能性及び移行可能性を実証している。

0053

以下の実施例は、BAC由来のMVAの操作を介して、UL128Cを構成する5つのサブユニットタンパク質の各々が、BACプラスミドとして維持されたMVA(MVA−BAC)の別々の挿入部位中に、連続的にクローニングされたことを示している。UL128C−MVAによるRhCMV陰性アカゲザル(RM)のワクチン接種後のUL128Cの機能は、病原性RhCMVの天然単離体がEpi/EC細胞及び線維芽細胞に感染することを阻害する高い力価のNAbの生成を実証している。RMでのこれらの結果に基づいて、アカゲザルUL128Cに対するHCMV対応物が、MVA−BACにおいてアセンブルされ得、複数の許容性細胞型のin vitroのHCMV感染を予防するNAbを惹起するようにRMをワクチン接種するために使用され得る可能性が高い。

0054

実施例2に記載される一実施形態では、UL128複合体は、MVA−BAC分子テクノロジーを使用して構築され得る。臨床試験において現在使用されている1974−MVA株から調製されたウイルスDNAを使用して、自己切断可能なMVA−BACが、本明細書に記載される方法を使用して生成される。引き続いて、UL128Cの5つのヒトサブユニット(UL131A、UL130、UL128、gL及びgH)が、MVA−BAC中に連続的にクローニングされ得る。いくつかの実施形態では、単一のrMVA中の5つ全てのサブユニットの等価な発現は、FDAに許容されるヒトワクチン細胞基質、ニワトリ胚線維芽細胞における連続的継代によって、安定性について分析され得る。マウスの免疫はさらに、感受性Hu Epi/EC細胞の病原性HCMV天然単離体感染を阻害するNAbをHCMV UL128C−MVAワクチンが惹起する機能的能力を立証している。腹腔内(i.p.)経路の免疫を使用して、4匹の動物の群中のBalb/Cマウスに、UL128C、UL128CΔ、UL128−UL130−131、gH/gL、gB及びVenusを含むMVA株をワクチン接種した。in vitro中和に使用した細胞は、この分野で標準的なヒトARPE−19(網膜色素上皮細胞)であった。VHL−1、TR及びTB40/E HCMV株の優れた中和を与える構築物は、挿入物の1つとして全長gHを有するUL128C−MVA構築物であった。

0055

実施例2に記載される別の実施形態では、1974−MVA−UL128CによるRhCMV未感染RMの免疫、及びNAb応答の特徴付けが、評価され得る。この実施例で生成されたrMVAは、RMを皮内(intradermally)接種するために使用され得る。6週間離れた2用量のUL128C−MVAが、6匹のRMの各々に与えられ、その後、in vitro研究のために血清及び唾液を回収する前に、さらなる6週間が経過する。免疫したRMから得られた血清及び唾液は、ULbの病原性領域を含みUL128Cペンタマーを発現するHCMV単離体による感染を遮断するために使用される。ARPE−19(網膜色素上皮)細胞及び初代ヒト線維芽細胞のHCMV感染を妨害する、コントロール及びワクチン接種したRMにおいて生成されたNAbの機能の評価が、実施される。HCMVの実験室株及び病原性株は、免疫されたRM及びコントロール由来の血清又は唾液と共に同時インキュベートされたARPE−19細胞の感染性チャレンジとして使用される。

0056

実施例3に記載される別の実施形態では、HCMVタンパク質:pp65及びgBがMVA−BAC中に挿入され得、この構築物の発現、安定性及び免疫原性が、UL128C−MVAと同様の様式で研究され得る。pp65−gB−MVA及びUL128Cは、混合物として又は別々に、6週間毎にRMに与えられ得る。HCMV特異的NAbは、ARPE−19細胞又は初代線維芽細胞のいずれかを使用して、in vitro方法を使用して測定される。HCMV感染を予防する力価は、HCMV感染のEpi/EC経路及び線維芽細胞経路の両方がワクチン刺激されたNAbによって阻害されるという知見を目標として、測定され得る。全てのUL128Cサブユニット及びpp65/gBが単一のMVA−BAC中に挿入されている代替的ワクチンは、同等なサブユニット発現及び遺伝的安定性について評価され得る。このワクチンはRMに与えられ、HCMVのin vitro中和がARPE−19細胞及び初代ヒト線維芽細胞において実施される。

0057

以下の実施例は、本発明の種々の実施形態を例示することを意図している。このように、議論される特定の実施形態は、本発明の範囲に対する限定として解釈すべきではない。種々の等価物、変化及び改変が、本発明の範囲から逸脱することなしに行われ得ることが当業者に明らかであり、このような等価な実施形態が本明細書に含まれることが理解される。さらに、本開示中で引用される全ての参考文献は、本明細書に完全に示されるかのようにその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。

0058

実施例
以下の実施例は、HCMV UL128Cの5つ全てのメンバーが、Epi/EC細胞感染を予防するNAbを刺激するために、臨床的に適切なMVAベクターのBAC由来バージョンにおいて同時に発現され得ることを示している。これらの実施例は以下の観察を少なくとも含む:(1)BACテクノロジーは、単一細胞においてRhCMV UL128Cを効率的に発現するようにMVAを迅速に操作するために適用され得る;(2)MVA−RhCMV−UL128CによるRMの免疫は、生物学的に適切な力価の、RhCMV上皮向性株を中和するNAbを惹起する;(3)BACテクノロジーは、単一細胞において機能的な5つのメンバーのHCMV UL128Cを発現するのに有効である;(4)臨床的に承認された1974−MVA株は、BAC中にクローニングできる;及び(5)HCMVによるヒトEpi/EC細胞の感染を遮断するNAbの発達を分析するためのRhCMV陰性RMの使用、(6)RMにおけるチャレンジ結果。(7)MVA中のHCMV UL128Cは、ARPE細胞に対する異なるHCMV Epi/EC向性株(TB40/E、VHL−1、TRなど)を中和するNAbをマウスにおいて惹起する。

0059

MVA−BACは、その使用が、複数の遺伝子を安定に発現するのに数か月間又はさらには数年間を要する、漸進的に改変されたウイルスの連続的な誘導体化及び5〜10継代にわたる真核生物細胞におけるプラーク精製を排除するので、過去の戦略よりも優れている。対照的に、BAC系は、数カ月間の作業が数週間に一本化され得る、適用が容易な細菌系における大きいゲノムの改変を可能にする。このアプローチは、単一のベクターから、各々が同じ又は異なるプロモーター配列(mH5)下にある5つ以上の遺伝子を同時発現するための唯一の管理可能な戦略であり得る。HCMVサブユニットgBもまた、最近実証されたように(Wangら、2004;Abelら、2010)、線維芽細胞侵入を妨害するNAbを誘導するために、MVA中に挿入され得る。最終ベクターが、UL128Cのメンバーのみを含むかpp65及びgBと組み合わせてUL128Cを含むかによらず、BAC系におけるMVAの遺伝子操作のこのアプローチは、伝統的なアプローチからの顕著な変化を示し、UL128Cによって例示されるコンフォメーションエピトープを認識するNAbの生成に必要とされる多構成要素の複合体に最適であるように、MVAの適用可能性を拡張する。RMは、RhCMVのpp65及びgB(Abelら、2010)並びにRhUL128C(Wussowら、2013)に対して機能的NAb応答を生じることが可能であることが示されているので、in vitro分析系においてHCMV単離体を中和するHCMV UL128C−+gB−MVAワクチン接種に応答してNAbを生じることもまた、成功するはずである。

0060

アカゲザルCMV感染の主要な門戸を阻害するCMVナイーブアカゲザルにおいて中和抗体を広く誘導するワクチン
ウイルス及び細胞。ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞におけるMVAの繁殖並びにウイルスストックの調製及び保存を、以前に報告されたプロトコル(Wangら、2010)に従って実施した。MVA繁殖のためのニワトリ胚線維芽細胞(CEF)を、ウイルス生成無血清培地(VP−SFM;Invitrogen)中で維持した。

0061

RhUL128、RhUL130、RhUL131、RhgL及びRhgHの全長5サブユニットペンタマーを発現するMVA(MVA−RhUL128C)、代替的膜貫通(TM)ドメイン欠失バージョンのgHを有する5サブユニットペンタマーを発現するMVA(MVA−RhUL128CΔ)、又はRhUL128、RhUL130及びUL131Aサブユニットを発現するMVAを、以下に記載するBACテクノロジーによって生成した。RhUL128又はRhUL130単独のいずれかを発現するMVAを、以前に記載されたように(Wangら、2007)、真核生物細胞における従来の操作戦略によって生成した。欠失されたTMドメインを有するMVA−RhgBの構築は、以前に記載されている(Yueら、2008)。インタクトなRhUL128〜UL131A遺伝子座を含む全長UL/b’領域(GenBankアクセッション番号EU130540:元々株22659と注釈されていた)(Oxfordら、2008)を含むRhCMVの上皮細胞向性UCD59株を、これらの研究のためにMKE細胞上で4回連続継代した。RhCMV株68.1(ATCC)を、テロメライズしたアカゲザル線維芽細胞(Telo−RF)(Oxfordら、2011)上で繁殖させた。MKE細胞を、上皮細胞用増殖サプリメント(ScienCell)、1mMピルビン酸ナトリウム、25mMHEPES、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン(Invitrogen)及び2%ウシ胎児血清/SuperSerum(Gemini Bio−Products)を補充したダルベッコ改変イーグル培地F12(DMEM:F12;Invitrogen)中で維持した。Telo−RF細胞を、記載されたように維持した(Abelら、2011)。全ての細胞を、37℃、5%CO2及び95%湿度で増殖させた。

0062

移入プラスミド。En Passant変異誘発によって個々のRhCMV遺伝子の遺伝子発現カセットをMVA−BAC中に挿入するための移入プラスミドを、以下のように生成した。最初に、RhUL128、RhUL130又はRhUL131Aの合成イントロン無しコード配列(GenScript)、並びにRhCMV株UCD59のRhgL及びRhgHのPCR増幅されたコード配列(Genbankアクセッション番号EU130540.1、HQ667932.1及びHQ667933.1)を、プラスミドpZero2−mH5のワクシニアウイルス改変H5(mH5)プロモーターとPoly−T(5TAT)転写終結シグナルとの間のPmlI及びAscI制限部位を介して個々に挿入した(Wangら、2010)。公開された配列と比較して、ORFの99位及び102位において2つのCからTへのヌクレオチド変化を有するRhUL130のコード配列を合成した。RhgHΔTMの生成のために、RhgHの最初の690コドンを、mycタグエピトープEQK LIS EED L(配列番号2)についての3’末端コード配列(GAG CAG AAA CTG ATA TCT GAA GAG GAC CTC TGA;配列番号1)を提供するリバースプライマーを用いるPCRを介して増幅した。

0063

RhUL128とは対照的に、RhUL130、RhUL131A、RhgL及びRHgHのORFを、ATG開始コドン先行する5’末端Kozak配列(GCACCACC(RhUL130及びRhUL131A;配列番号3)、GCC GCC GCC(gL;配列番号4)又はGCC GCC ACC(gH;配列番号5))と共に挿入した。次のクローニングステップにおいて、プラスミドpEPkan−S2(Tischerら、2006)のカナマイシン耐性(KanR)マーカーaphAI及びホーミングエンドヌクレアーゼ制限部位I−SceIを、50bpの遺伝子重複を提供するプライマーを用いてPCR増幅し、クローニングされた遺伝子の独自の制限部位中に挿入した。aphAI−I−SceIカセットを増幅するために使用したプライマー配列及びPCR産物をクローニングするために使用した制限部位を、以下の表1に示す。得られた構築物において、遺伝子内のaphAI−I−SceIカセットには、50bpの遺伝子重複が隣接した(図1A)。全てのクローニングされた挿入物を、配列決定によって確認した。全ての移入プラスミドの完全配列は、要求に応じて入手可能である。

0064

0065

En passant変異誘発。クローニングされたRhCMV遺伝子を、公開されたプロトコル(Tischerら、2010)に従って、E.coli株GS1783における2ステップのRed組換えベースEn passant変異誘発によって、MVA−BAC中に挿入した。簡潔に述べると、上流mH5プロモーター、下流ワクシニアウイルス終結シグナル、及び50bpの遺伝子重複が隣接する導入されたaphAI−I−SceIカセットを有する遺伝子配列を、相同組換えのための50bp伸長を含むプライマーを用いてpZero2−mH5移入プラスミドからPCRを介して増幅し、第1のRed組換えによってウイルスゲノム中に導入した(図1A)。その後、KanR選択マーカーを、ホーミング酵素の発現を介したI−SceI部位におけるDNA二本鎖切断の誘導、及び50bpの遺伝子重複の引き続く第2のRed組換えによって、挿入された遺伝子から継ぎ目なく切り出した(図1A)。これらの反応の連続的な適用によって、5つのRhCMV遺伝子を、図1Bに示すように、4つの伝統的なMVA挿入部位中に逐次的に挿入した。発現カセットを増幅するために使用したプライマー配列及び遺伝子挿入部位を、以下の表2に示す。

0066

0067

ウイルス再構築。MVA−BACからのウイルス再構築を、製造業者の指示(Roche)に従って、以前に記載された手順(Cottinghamら、2008;Domi及びMoss、2002)と同様にFugene HDトランスフェクション試薬を使用して、BHK細胞において実施した。最初に、BAC DNAを、Plasmid Maxi Kit(QIAGEN)を用いてGS1783 E.coli細胞から精製した。およそ1×105のBHK細胞を、6ウェル形式播種し、Fugene HD脂質複合体を介して、2μgの精製BAC DNAで16〜20時間後にトランスフェクトした。これらの細胞に、0.1の感染多重度(MOI)において鶏痘ウイルスHP1.441(Mayr及びMalicki、1966)(Bernard Moss、NIAIDの厚意による提供)を4時間後に感染させた。2日間のインキュベーション後、これらの細胞を1対2の比で希釈し、ウイルス再構築を、GFP発現及びプラーク形成によってモニタリングした。希釈ステップは、細胞単層の90%よりも多くが感染するまで、反復してもよい。

0068

ポリクローナル抗血清。RhCMVタンパク質に対するウサギポリクローナル抗血清を、以下のペプチド配列に対して、GenScriptからのExpress Complete Peptide Polyclonal Antibody Packageを介して生成した:CID SDS YPY EED IDG(配列番号26)をRhUL128抗血清に使用し;CTPRSA PAK QVAPKP(配列番号27)をRhUL130抗血清に使用し;CVPGE IDE CLYRQQ(配列番号28)をRhUL131抗血清に使用し;CFT GETFSP EDDSW(配列番号29)をRhgL抗血清に使用し;HNSTKCNNGTR RNC(配列番号30)をRhgH抗血清の生成に使用した。

0069

ウエスタンブロット(WB)。WBを、公開された標準的なプロトコル(Wangら、2004)と同様に達成した。簡潔に述べると、6ウェルプレート中に播種した80〜90%コンフルエントなBHK細胞に、MOI0.1のMVAを感染させた。36〜40時間後、これらの細胞を回収し、300×gで遠心分離し、総細胞溶解物を、200μlのSDSサンプル緩衝液(2%SDS、100mMジチオスレイトール(DTT)又は10%β−メルカプトエタノール、及び125mM Tris−HCl/pH8.8)中で調製した。培地中の分泌されたタンパク質を検出するために、6ウェルプレート中のCEF細胞のコンフルエントな単層を、0.1のMOIで感染させ、2mlのウイルス生成無血清培地(VP−SFM;GIBCO)中で36〜40時間増殖させた。培地を回収し、300×gの遠心分離によって清澄化し、Amicon(登録商標超遠心フィルターデバイス(10 MWCO、Millipore)を使用して約20倍に濃縮した。次いで、濃縮された培地を、5倍濃縮されたSDSサンプル緩衝液と混合することによって、WBのために調製した。感染CEF細胞の溶解物を、BHK細胞について記載したように調製した。サンプルを煮沸し、10〜20μl部分の変性タンパク質を、10%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動分離し、次いで、フッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブレン上に移した。ウサギポリクローナル抗血清を、1/5,000の希釈で適用した。マウスモノクローナル抗c−myc抗体を、1/1,000の希釈で使用した。西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)にカップリングした二次抗ウサギ抗体又は抗マウス抗体を、1/50,000の希釈で使用した。最後に、タンパク質バンドを、化学発光検出(Pierce)を介して可視化した。

0070

共免疫沈降(Co−IP)。100cm2の組織培養皿中のBHK細胞(80〜90%コンフルエント)に、MOI5のMVA−RhUL128CΔを感染させ、16〜22時間インキュベートした。これらの細胞を氷冷PBS中に回収し、1%(w/v)Triton X−100、50mM Tris−HCl(pH7.4)300mM NaCl、4mMエチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム、1mMフッ化フェニルメチルスルホニルPMSF)及びComplete Miniプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(Roche)を含む氷冷細胞溶解緩衝液1ml中に再懸濁した。上で30分間のインキュベーション後、細胞残骸を、4℃で10分間の約10000×gでの遠心分離によって除去した。細胞溶解物を、プロテインA/GPLUS−アガロースビーズ及びマウスIgG(Santa Cruz Biotechnology)を用いて4℃で30分間予め清澄化した。並行して、プロテインA/G PLUS−アガロースビーズ及び1〜2μgのマウス抗c−mycタグ抗体クローン4A6(Millipore)又はマウスIgG無関係コントロール抗体を、氷冷PBS中で2時間インキュベートし、PBS中で2回洗浄し、次いで、500μlの予め清澄化した細胞溶解物と合わせた。この混合物を、4℃で2時間又は一晩インキュベートした。その後、アガロースビーズをPBS中で3回洗浄し、50μlのSDSサンプル緩衝液中で煮沸した。サンプル(10〜20μl)を、上記のようにWBを介して分析した。

0071

動物。RhCMV血清陰性であることを繰り返し確認したCalifornia National Primate Research Center(CNPRC)からの遺伝的に非近交系のアカゲザル(Macaca mulatta)を、これらの研究に使用した。アカゲザルの年齢は、RhCMV接種の時点で約1〜2であった。これらの動物を、免疫前に少なくとも2週間、2匹1組で共収容し、チャレンジの7週間後の研究の最後まで、共収容したままにした。Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Careによって完全に認定されたUniversity of California、Davis(UC Davis)のInstitutional Animal Care and Use Committeeが、任意の手順の前に全ての動物プロトコルを承認した。

0072

免疫及びチャレンジ。4匹のRMの群(MVA−RhUL130については3匹のRM)を、以前に記載されたように(Yueら、2008)、6週間離れた、約5×108プラーク形成単位(PFU)の精製MVAでの筋内注射によって免疫した。2回目の免疫の8週間後、以前に報告されたプロトコル(Yueら、2008)に従って、動物を、1×103PFUのRhCMV UCD59での皮下注射を介してチャレンジした。NAb力価及びウイルス負荷の決定のための血液、口腔スワブ及び尿サンプルを、以前に記載されたように(Yueら、2008)調製した。

0073

リアルタイムPCR。DNAを、製造業者の指示及び公開されたプロトコル(Huffら、2003)に従ってQIASymphony自動化DNAプロセッサー(Qiagen)を使用して、血漿及び口腔スワブから抽出した。最終溶出容量は300μlであった。抽出したDNAを、リアルタイムPCR分析を実施するまで、−80℃で保存した。血漿及び口腔スワブ中のRhCMV UCD59 DNAコピーを、以前に記載されたリアルタイムPCRアッセイ(Sequarら、2002)によって検出した。

0074

中和アッセイ。線維芽細胞に対するサル血漿(EDTA抗凝固剤)のNAb力価を、以前に記載されたように(Abelら、2011;Abelら、2008)、感染のためのTelo−RF細胞及びRhCMV株68.1の使用によってアッセイした。MKE細胞に対するNAbを、以下のように決定した。簡潔に述べると、25PFUのUCD59を、500μlの最終容量の、10%ウシ胎児血清を含むDMEM:F12中で、一連の半対数希釈(1:31〜1:100)の熱不活化(56℃、30分間)血漿と共にインキュベートした。8匹のRhCMV未感染アカゲザル由来の血漿のプールされた混合物を、陰性コントロールとして含めた。このウイルス/血漿混合物を、37℃で2時間インキュベートし、次いで、24ウェルプレート(500μl/ウェル)中の6×104細胞/ウェルの密度で前日に播種した単層のMKE細胞に3連で添加した。3つのウェル中の細胞を、増殖培地のみ中でインキュベートした。4時間のインキュベーション後、ウイルス/血漿混合物を除去し、細胞をDMEM:F12で2回洗浄し、次いで、0.5%アガロース及び2mlの増殖培地でオーバーレイした。10〜12日後、プラークを計数した。各希釈についてのパーセント中和力価(NT)を、以下のように計算した:NT=(1−(免疫血漿でのプラーク数)/(陰性コントロール血漿でのプラーク数))×100。50%プラーク低減を与える力価(NT50力価)を、NT対血漿希釈をプロットするグラフ線形勾配を決定することによって計算した。

0075

データ分析。ウイルス負荷コピー数を、チャレンジ後16週間にわたる総曲線下面積(AUC)として各動物についてまとめた。2つの逐次的時点(T1及びT2(週))間のAUCを、以下の式に従って、これら2つの時点におけるウイルス負荷(VL)によって形成された台形面積として計算した:AUC(T1とT2との間)=1/2(VLT1+VLT2)×(T2−T1)。個々のAUC測定値の合計は、各動物についての総AUCを示した。

0076

統計分析群間の統計的差異についての片側及び両側順位和検定を、Wilcoxonに従って計算した。

0077

単一MVAベクターにおけるRhgH/gL/UL128〜UL131Aのアセンブリ。単一MVAゲノム内に5つ全てのRhCMV遺伝子の発現カセットをアセンブルするために、MVA−BACを、En passant変異誘発によるマーカーなしの配列挿入と組み合わせて使用した(Cottinghamら、2008;Tischerら、2010;Tischerら、2006)。MVA−BACを、MVA欠失3(Del3)部位中にGFP発現カセットと一緒にpBeloBAC11ベクター配列を挿入することによって構築した(Cottinghamら、2008)。対応する移入構築物を使用して、上流ワクシニアウイルスmH5プロモーター及び下流転写終結シグナルを含む5つのRhCMV遺伝子を、細菌選択マーカーなしのE.coli株GS1783におけるEn passant変異誘発によって、4つの公知のMVA挿入部位中に連続導入した(図1A)。RhUL128、RhUL131A又は全長(FL)若しくはTM欠失形態(RhgHΔTM)のいずれかとしてのRhgHの発現カセットを、欠失II部位(Del2)、遺伝子間領域3(IGR3)(Manuelら、2010)、並びに本質的なORF:それぞれG1LとI8Rとの間の挿入部位(Wyattら、2009)中に挿入した(図1B)。さらに、RhUL130及びRhgLのための発現カセットを、BACベクターの両端においてDel3部位中に導入した(図1B)。TM欠失構築物を、可溶性RhUL128Cの発現が免疫原性を増強するという論理的根拠で生成した(Endreszら、2001;Wangら、200415、61)。RhUL128Cの分析を促進するために、RhgHの欠失されたC末端TMを、c−mycエピトープタグインフレームコード配列によって置き換えた。全長RhgHを含む全ての他のサブユニットを未改変にして、RhUL128C形成の破壊を防止した(Lilja及びShenk、2008)。プロモーターエレメント間の分子間及び分子内の相同組換えのリスクを低減しつつ、個々のmH5プロモーターカセット並置された個々の遺伝子を、反対の転写配向で別々の挿入部位中に挿入して、匹敵する導入遺伝子発現を可能にした(図1B)。RhgH配列をG1L/I8R部位中に挿入したが、これは、この部位が、膜貫通含有タンパク質又は糖タンパク質などの大きい配列又は毒性配列の安定な繁殖を支持することが記載されていたからである(Wyattら、2009)。クローニングされたMVAゲノムの完全性、及びRhCMV遺伝子のマーカーなし挿入を、制限断片分析、PCR及び配列決定によって確認した(データ示さず)。これらの結果は、En passant変異誘発が、BACとしてクローニングされた単一MVAゲノム中への5つ全てのRhUL128Cサブユニットの、迅速かつ正確な挿入を可能にしたことを実証している。

0078

RhgH/gL/UL128〜UL131Aを発現するMVAの回復。MVA−RhUL128C及びMVA−RhUL128CΔと称される、gHのTMあり又はなしのいずれかのRhgL/gH/UL128〜UL131Aを同時発現するMVAビリオンを回復するために、MVA−BAC DNAを、鶏痘(FPV)ヘルパーウイルスの存在下でBHK細胞中にトランスフェクトして、ウイルスを再構築した(Cottinghamら、2008;Domi及びMoss、2002)。FPVは、「ネイキッド」MVA DNA由来の転写機構を開始するために必要であるが、MVAゲノムとの組換えを受けることも、BHK細胞における増殖性感染を確立することもない(Cottinghamら、2008;Domi及びMoss、2002)。MVAの回復が、BAC構築物に起源するGFP遺伝子を発現する細胞の細胞変性効果CPE)及びプラーク形成の観察によって、4〜5日間の細胞カルチベーション後に確認された(データ示さず)(Cottinghamら、2008)。次いで、再構築されたウイルスに感染したBHK細胞を、ウエスタンブロット(WB)を介して分析した。個々のRhUL128Cサブユニットのペプチド配列に対して惹起されたウサギポリクローナル抗血清を使用して、5つ全ての挿入されたRhCMV遺伝子の発現を、両方のMVAベクターについて確認した(図2A)。検出されたタンパク質サイズは、RhUL128について約55kD、RhUL130について約43kD、RhUL131について約23kD、RhgLについて約32kD、及びRhgHについて約95kDであった。全てのタンパク質サイズは、アミノ酸組成に基づいて理論的に計算されたタンパク質サイズよりも大きく、全てのRhCMV UL128CサブユニットがBHK細胞において翻訳後修飾されていることを示唆した(Lilja及びShenk、2008)。RhgLの2つのより速く移動する形態は、HSVについて示されているように、後期翻訳後成熟プロセスとしてO−グリコシル化を必要とするプロセシングされていないタンパク質によって説明される可能性が高い(図2A)(Johnson及びSpear、1983)。予測されるように、TMの欠失は、全長RhgHと比較して低い分子量を有するRhgHの発現を生じた(図2)。RhUL128〜UL131Aサブユニットタンパク質のうち1つだけ、2つ又は3つ全てを発現するMVAも、BACテクノロジーの助けによって生成した(図2B)。全てのRhUL128Cタンパク質サブユニットの同時発現は、増加した安定性又は発現のいずれかによって説明され得る、UL128〜UL131Aの細胞質内量の増加を生じた(図2B)。単一遺伝子挿入を有するMVAを、2〜3週間以内に生成し、MVA−RhUL128C及びMVA−RhUL128CΔを、4〜5か月以内に生成した。結論として、BACテクノロジーは、5つのRhUL128C遺伝子サブセットのみ又は全てを発現するMVAワクチンを迅速に生成するために首尾よく使用された。

0079

MVAにおけるRhgH/gL/UL128〜UL131Aの安定な同時発現。次のステップとして、ウイルス繁殖の際のMVA−RhUL128Cの遺伝的安定性及びタンパク質発現安定性を調査した。MVA−RhUL128Cを、BHK細胞上で5回継代し、5つ全ての挿入されたRhCMV遺伝子の相対的発現レベルを、WBによって各ウイルス継代後に決定した。一定量の5つ全てのRhCMVタンパク質が、MVA−RhUL128Cの5ウイルス継代の間に確認された(図3)。挿入されたRhCMV遺伝子の安定な発現もまた、RhUL128、RhUL130及びRhUL131Aを同時発現するMVAの5ウイルス継代の間に確認された(データ示さず)。さらに、BACテクノロジーによって生成されたワクチンベクターからの、又は従来のMVAトランスフェクション/感染戦略によって得られたワクチンベクターからの孤立性RhUL128遺伝子の発現は、10ウイルス継代にわたって同等な発現レベルを示した(データ示さず)(Earlら、2001)。これらの結果は、MVA−RhUL128Cが連続ウイルス継代の間に全てのRhCMV遺伝子を安定に同時発現し、BAC由来のMVAが従来型組換え体に匹敵する挿入物安定性を提供したことを実証した。したがって、このペンタマー及び他のRhCMVサブユニットMVA組換え体は、免疫研究のためのストックを調製するための大規模拡大に適していると判断された。

0080

RhUL128Cサブユニットの相互作用。RhUL128Cペンタマーの形成を実証するために、共免疫沈降(co−IP)によって、MVAから発現されたRhgH/gL/UL128〜UL131Aタンパク質のタンパク質相互作用を分析した。MVA−RhUL128CΔに感染したBHK細胞を回収し、抗c−mycタグモノクローナル抗体を用いた検出によるRhgHΔTMのIPのために処理した。免疫沈降したタンパク質を、個々のRhUL128Cサブユニットの検出のためにポリクローナル抗血清を使用するWBによって分析した。RhgHΔTMのIPにより、全ての他のRhUL128Cサブユニット(RhgL、RhUL128、UL130及びUL131A)のco−IPが得られた(図4)(Wussowら、2013を参照のこと)。これらの結果は、MVA−RhUL128CΔから同時発現された場合にRhgHΔTMがRhgL及びRhUL128と相互作用することを実証し、ペンタマーRhUL128Cの形成をもたらす重要な相互作用の証拠を提供している。

0081

RhgL及びRhUL128〜UL131Aとの同時発現の際の、RhgHΔTMの増強された分泌。Ryckmanらは、アデノウイルスベースの発現ベクターを使用して、TM欠失gH(gHΔTM)の分泌が、全てのUL128Cペンタマーサブユニットの同時発現によって増強されることを実証した(Ryckmanら、2008b)。RhCMVのRhUL128Cペンタマー複合体を形成するサブユニットの相互作用を、MVA単独から発現された、又はRhgLと組み合わせて発現された、又はRhgL及びUL128〜UL131Aと組み合わせて発現されたRhgHΔTM(MVA−RhUL128CΔ)の分泌効力を比較することによって、同様に特徴付けた。このアプローチは、ポリクローナル抗gH抗血清を使用するWBによって、MVA構築物に感染したCEF細胞の濃縮無血清培地及び細胞溶解物を分析することであった。予測されるように、全てのRhUL128Cサブユニットの同時発現(MVA−RhUL128CΔ)は、その発現単独又はgLと組み合わせた発現と比較した場合、最高の分泌レベルのRhgHΔTMをもたらした(図5)。さらに、単独で発現された、又はRhgLと組み合わせて発現された、又は全ての他のRhUL128Cサブユニットと組み合わせて発現されたRhgHΔTMの分泌量は、全ての他のRhUL128Cサブユニットと一緒に同時発現された全長RhgH(MVA−RhUL128C)の分泌量よりも高く(図5)、RhgHのTMの存在が、細胞表面へと複合体を係留したことを示唆している。興味深いことに、培地中で検出可能なRhgHΔTM又はRhgHのサイズは、細胞溶解物中で観察されたサイズよりも僅かに大きく(95kDサイズマーカーとの比較)、RhgHの分泌形態(TMあり又はなし)が、細胞の対応物と比較して示差的に翻訳後修飾されることを示唆している。先行するco−IPデータと合わせて、これらの結果により、RhgHΔTMとRhgL及びRhUL128〜UL131Aとの同時発現が、RhgHΔTMの分泌の増強を促進するペンタマー複合体をもたらすことがさらに確認され、これは、HCMV gHの可溶性形態の研究と一致している(Ryckmanら、2008b)。

0082

MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMにおけるEpi/EC特異的NAbの誘導。ワクチンプログラム中心目標を達成するために、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔがRMにおいてNAbを生成する能力を調査した。4匹のRhCMV陰性サルの2つの群を、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔのいずれかによって、6週間離して各々2回免疫した(N=4匹のRM/ワクチン)。RhUL128若しくはRhUL130単独のいずれかを発現するMVA(N=3匹のRM)、又はRhUL128〜UL131Aを同時発現するMVAもまた、免疫に使用した。50%中和を与えるNAb力価(NT50)を、感染のためにRhCMV株UCD59を使用してサル腎臓上皮(MKE)細胞に対して決定した。以前の研究からのDNAプライム/二重MVAブースト手順においてRhgB又は細菌マーカーgusで免疫したサルの血漿サンプルを、さらなるコントロールとして分析した(Abelら、2011)。ワクチン接種の2週間後の、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔでワクチン接種したRMのNT50力価は、天然に感染したRMの規範的NT50範囲と匹敵しており、それぞれ108から402(中央値146)又は88から513(中央値209)の範囲であった(図6A)。囲いに収容した3〜4歳のサルについてMKE細胞に対して測定された、UCD59に対するNT50の規範的範囲は、67〜1060である(中央値662)(Yueら、未公開)。対照的に、RhUL128Cサブユニット又はRhgBのみを発現するMVAでワクチン接種したRMのNT50力価は、アッセイの検出限界より下のままであった(図6A)。MVA−RhgB群のうちただ1匹の動物は、72のNT50力価を有した(図6A)。結果的に、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔのいずれかでワクチン接種したRMのMKE細胞に対して測定したNAb力価は、MVA−venusコントロール群及び全ての他のワクチン群のNAb力価よりも有意に高かった(図6A)。2回目の免疫の6週間後に、NT50力価は低下し、MVA−RhUL128Cで免疫したサルについては70から101の範囲(中央値79)であり、MVA−RhUL128CΔでワクチン接種した動物については36から94の範囲(中央値56)であった。これらのNAb力価はなおも、MKE細胞に対して決定された規範的NT50範囲の下端に、又はこのような規範的NT50範囲の僅かに下にあった。MVA−RhUL128C及びMVA−RhUL128CΔワクチン群について決定されたNAb力価は、有意には異ならなかった(2週間目にp=0.69及び6週間目にp=0.2)(図5B)。これらの結果は、gHの膜貫通アンカー形態又は可溶性形態のいずれかと共に発現させた5つ全てのRhUL128Cサブユニットの同時発現が、上皮細胞特異的NAbを惹起するために全て必要であることを示している。

0083

MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMにおける線維芽細胞特異的NAbの生成。MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔワクチンで免疫したRM由来の血漿を、テロメライズしたアカゲザル線維芽細胞(Telo−RF)のRhCMV株68−1による感染を阻害するその能力について分析した。驚くべきことに、両方のワクチン構築物が、Telo−RF細胞のRhCMV感染を予防する強いNAb活性を誘導した(図6C)。2回目の免疫の2週間後に、MVA−RhUL128Cで免疫したRMの血漿は、590から785の範囲(中央値608)のNT50力価を示し、MVA−RhUL128CΔでワクチン接種した動物由来の血清は、450から864の範囲(中央値732)のより高い大きさのNT50力価を有した。これらのNT50力価は、Telo−RFに対して測定した天然に感染したRMの規範的NT50範囲内にあり、これは、長期感染動物については231から3348の範囲である(Abelら、2011)。顕著なことに、ワクチン接種の2週間後に、MVA−RhUL128C又はMVA−RhUL128CΔでワクチン接種したRMのTelo−RFに対して測定されたNAbは、MVA−RhgBでワクチン接種したRMのNAb(3倍、p=0.01)又は以前の研究のコントロールでワクチン接種した動物のNAb(p=0.005)よりも有意に高かった(図6C)。2回目の免疫の6週間後、NAb力価は減退したが、なおも、MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMについては160から383の範囲(中央値216)であり、MVA−RhUL128CΔワクチン群の動物については148から350の範囲(中央値226)であった。6週間目のNAbは、なおも、線維芽細胞に対して測定したNT50値の規範的範囲の下端に、又はこのようなNT50の規範的範囲の僅かに下で維持された(図6D)。MKE細胞に対して測定したNAb力価と同様、MVA−RhUL128C及びMVA−RhUL128CΔワクチン群由来のTelo−RFに対して決定されたNAb力価は、有意には異ならなかった(p=0.49及び0.89)(図6)。全長gHを有するRhUL128Cと比較して、可溶性複合体を生成するためのgHのTMの欠失は、MKE細胞及びアカゲザル線維芽細胞についてNAb力価を改善しなかった。これらの予期せぬ結果は、RhCMV gH/gL/UL128〜UL131Aを発現するMVAが、Epi/EC中への侵入を阻害するだけでなく、線維芽細胞のRhCMV感染もまた印象的に遮断するNAb活性を誘導することを実証している。

0084

RhCMVチャレンジ後の、MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMにおける低減されたウイルス負荷。NAb活性を発達させた異なる形態のRhUL128Cを発現する2つのMVAワクチン群を、RhCMVでのチャレンジに対する保護効力について次に評価した。MVA−RhUL128CΔ又はMVA−RhUL128Cで免疫したRMに、上皮向性RhCMV株UCD59を、ブースター免疫の2週間後(6週間目)に皮下接種した(Oxfordら、2011)。コントロールとして機能するように、ワクチン接種していない動物もまたチャレンジした。次いで、RhCMVゲノムコピー数を、1〜2週間毎に収集した血漿及び口腔スワブサンプルにおけるqPCRによって測定した。図7は、チャレンジの時点で始まる16週間の時間間隔にわたって曲線下面積(AUC)を計算することによって決定されたUCD59チャレンジウイルスの累積血漿ウイルス負荷を示している。MVA−RhUL128Cで免疫した動物の血漿ウイルス負荷(ゲノムコピー数の中央値AUC=584)は、コントロールRM(ゲノムコピー数の中央値AUC=12,652)の21倍低かったが、MVA−RhUL128CΔでワクチン接種した動物のウイルス負荷(ゲノムコピー数の中央値AUC=5247)は、コントロールのワクチン接種していない動物の2.4倍の低さに過ぎなかった。MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMの大部分のウイルス負荷は、非ワクチン接種RMよりも低かった(p=0.03)。MVA−RhUL128Cでワクチン接種した4匹の動物のうち3匹は、血漿中に、全くない又は非常に少ない検出可能なRhCMVコピー数のみを有した(図7)。対照的に、MVA−RhUL128CΔワクチン群の2匹のRMは、ウイルス負荷を示さなかったが、他の2匹は高いウイルス負荷を有した(図7)。結果的に、本発明者らは、コントロールと比較してMVA−RhUL128CΔでワクチン接種したRMのウイルス負荷における改善を全く示すことができず(p=0.33)、MVA−RhUL128C群に対しても差異を全く示すことができない(p=0.64)。しかし、2つのワクチン群をプールし、ウイルス負荷をコントロールの非ワクチン接種動物と比較することにより、明確な統計的差異に非常に近い、p=0.07の有意確率が得られる。これらのデータは、MVA−RhUL128CによるRhCMVナイーブRMのワクチン接種が、病原性チャレンジウイルスを与えたRMの大部分において血漿ウイルス負荷を低減させたことを示している。NAb及びチャレンジの結果は、UL128Cペンタマーが、サルに対して及びより重要なことにはヒトに対して、首尾よい予防ワクチンの、必要とされる構成要素であることを強く示している。

0085

Epi/ECは、HCMVの侵入、散在、持続及び宿主から宿主への伝播にとって重要な役割を果たす(Sinzgerら、2008)。HCMV感染の有効な予防のためのワクチン戦略は、これらの細胞型中へのウイルス侵入を阻害する強力なNAbを誘導する能力に依存する可能性が高い(Revello及びGerna、2010;Schleiss、2010)。組換えgB又はTowneに基づく以前のワクチン戦略は、Epi/ECのHCMV感染を阻害する高力価のNAbを惹起することができなかった(Cuiら、2008)。gH/gLと共にペンタマービリオン複合体を形成するUL128〜UL131Aタンパク質は、Epi/EC中への侵入に必要とされ、HCMV血清陽性個体における強力なNAbの標的として機能するので、これらのタンパク質は、第一のワクチン標的として提案されてきた(Gernaら、2008;Hahnら、2004;Macagnoら、2010;Wang及びShenk、2005b)。上記研究は、HCMV UL128Cの5つ全てのRhCMV対応物を同時発現するMVAが、MKE細胞及びアカゲザル線維芽細胞のウイルス感染を強力に遮断するNAbを誘導することを示している。これらのタンパク質を発現するワクチンは、複数のHCMV侵入経路を阻害する有効な候補であり得る。

0086

BACテクノロジーをEn passant変異誘発によるマーカーなしの配列挿入(Cottinghamら、2008;Tischerら、2010)と組み合わせることによって、5つ全てのRhCMV遺伝子の発現カセットを、単一MVAゲノムの別々の挿入部位中に迅速に挿入することができた(図1)。引き続く面倒なスクリーニング手順を伴う真核生物細胞における相同組換えに基づく一般に使用されるアプローチは、これらの組換え体を生成するために、かなり多い回数行われている(Earlら、2001)。これは、多抗原性ワクチン設計のための新たなカテゴリーへとMVAを推進する、5つの別々の挿入部位中に遺伝子発現カセットを有するMVAの最初の記載である。MVA−RhUL128Cは、5ウイルス継代にわたって5つ全てのRhCMV遺伝子の安定な発現を維持し(図3)、このベクター構築物がワクチン開発にふさわしい候補であることを示している。個々のUL128Cサブユニットの各々は、別々のベクターから発現させることができるが、機能的ペンタマーのアセンブリを可能にするための単一細胞への同時送達は、in vitroの実験室設定ではないin vivoでは、達成が困難である。HCMVワクチンの構成単位として重要な移行結果を有する最適なアプローチが、ペンタマーのアセンブリ及び機能について同定された。

0087

動物モデルにおけるHCMVワクチン評価は、CMVの厳格種特異性に起因して限定的であり得るが、げっ歯類CMV及びそのそれぞれの宿主は、HCMVワクチン候補を開発するための重要な動物モデルとして機能し続ける。モルモットCMV(gpCMV)は経胎盤的に胎児に感染するので、このgpCMV/モルモットモデルは、先天性感染のためのワクチン戦略を設計するのに特に有用である(Schleiss、2010)。さらに、RMにおけるRhCMVワクチン評価は、HCMVを標的化するものと類似のワクチン戦略を開発するための非ヒト霊長類モデルを示す(Barryら、2006;Yueら、2003)。進化の観点から、RMは、実験的に調査できるヒトに最も近い動物である(Barryら、2006)。さらに、RhCMVの経胎盤伝播が検証されていないという抗議はあるが、RhCMVのゲノム内容並びにウイルス持続及び宿主病理発生のパターンは、HCMVのものと強く類似している(Barryら、2006;Schleiss、2010)。しかし、げっ歯類CMVとは対照的に、RhCMVは、HCMV UL128、UL130及びUL131Aに対するフルセットオルソログをコードする(Hansenら、2003;Lilja及びShenk、2008;Oxfordら、2008;Rivaillerら、2006;Schleissら、2008;Yamadaら、2009)。

0088

幾人かの研究者が、UL128、UL130又はUL131Aのタグ化融合タンパク質又は誘導体ペプチドが、マウス又はウサギにおいてHCMVに対するEpi/EC特異的NAbを誘導することを実証しており(Adlerら、2006;Saccoccioら、2011;Wang及びShenk、2005b)、これらのUL128CサブユニットがヒトにおいてNAb活性を生成するのに十分であり得ることを示唆している。しかし、小動物において異種抗原に対する免疫を生成することは、宿主制限されたCMVに対して標的化された免疫ではなく、免疫学的特性を反映しているだけであり得る。この結論は、ウサギにおいてNAbを生成するために使用されるUL130及びUL131Aペプチド配列が、HCMV血清陽性由来の血清抗体に結合しなかったという事実に基づいており(Saccoccioら、2011)、これらの単一の線状エピトープがヒトにおいて免疫原性でないことを強く示唆している。さらに、UL128に対する特徴付けられた抗体の1つだけを除いて、Epi/EC中へのHCMV侵入を排他的に阻害する全ての他の特徴付けられたヒトモノクローナルNAbは、UL128Cの2つ以上のサブユニットによって形成されたコンフォメーションエピトープを標的化する(Geniniら、2011;Macagnoら、2010)。本明細書に記載される結果は、天然に感染した後に誘導されるものに匹敵するRMにおけるEpi/EC特異的RhCMV中和活性を誘導する機能的NAbを生成するための、複数のUL128Cサブユニットの同時発現に対する上述の依存と一致する(図6)。RhgH/gLの添加は、コンフォメーションエピトープの形成を安定化するために、残りのRhUL128Cサブユニットを係留するために重要である可能性がある(Ryckmanら、2008a;Ryckmanら、2008b)。結果的に、RhCMVの系における観察は、HCMV研究と同様であり、両方の種のUL128Cの機能の類似性及び有効なNAbを生成するためにペンタマーを形成するための要件を強く示唆している。上で議論したデータは、UL128Cペンタマーが、単独で、或いは1つ若しくは複数のさらなる中和決定基(例えば、RhgB、RhgM/gN、RhgO)及び/又は細胞性免疫の1つ若しくは複数の主要な標的(例えば、Rhpp65又はRhIE1)と共に使用され得る、包括的な予防的HCMVワクチンの一部のはずであるということを支持している。さらに、包括的な予防的HCMVワクチンは、さらなる補因子B細胞刺激分子(例えば、CD40L)と組み合わせて投与され得る。

0089

ペンタマーRhUL128Cは、ヒトバージョンのUL128Cと類似しているので、RhUL128Cでワクチン接種したCMVナイーブRMは、MKE細胞のRhCMV感染を阻害したNAbを惹起するはずである。しかし、さらなる予測できない知見は、アカゲザル線維芽細胞のRhCMV感染を阻害したNAbが、RhUL128Cでワクチン接種したRMにおいて惹起され得るという発見であった。これらの観察は、本明細書に記載されるワクチン構築物が、UL128C複合体及びgH/gL複合体の両方に対するNAbを同時に刺激することが可能であることを示唆している。MKE又は線維芽細胞のいずれかに対して測定されたNAbの力価が、RhCMV血清陽性サルにおいて観察された力価と匹敵したということは、等しく顕著である(Foutsら、2012;Macagnoら、2010;Urbanら、1996)。顕著なことに、MVA−RhUL128Cでワクチン接種したRMにおいて惹起された、アカゲザル線維芽細胞のRhCMV感染を阻害したNAbは、以前に記載されたように(Abelら、2011)、MVA−RhgBでワクチン接種した動物において惹起されたNAbよりも3倍高い力価を有した(図6C)。MVA−RhgBでワクチン接種したRMは、MKE細胞のRhCMV感染を阻害したNAbを最小レベルでのみ発達させたこともまた確認されており(図6A)、MVA−RhUL128Cが線維芽細胞及びEpi/ECの両方中へのRhCMV侵入を阻害するNAbの誘導について、MVA−RhgBよりも優れていることを強く支持している。これらの結果は、Epi/EC又は線維芽細胞中への侵入を阻害するNAbが、UL128C又はgH/gL複合体のエピトープを主に標的化すること、及びgBに対するNAbが、両方の細胞型中へのHCMV侵入の阻害において軽微な役割のみを果たすことを示す、CMV過免疫グロブリンの最近の分析を説明する(Foutsら、2012)。このデータは、UL128C及び/又はgH/gLに基づくHCMVワクチン戦略が、複数の細胞型の感染を遮断するNAbを生成するためにgBのみに依存する戦略よりも有効であることを支持している。しかし、これら2つのアプローチの組合せは、これらの重要な中和決定基のうち1つだけに基づく戦略よりも、より高くより広いNAb活性さえも提供し得る。

0090

まとめると、MVA−BACテクノロジーを、En passant変異誘発によるマーカーなしの配列挿入と組み合わせて試験して、Epi/EC中へのウイルス侵入に必要とされるHCMV UL128Cの5つ全てのRhCMV対応物を安定に同時発現するMVAを生成した。これらのワクチンで免疫したRhCMV陰性RMは、上皮細胞のRhCMV感染を予防する強い中和活性を発達させただけでなく、線維芽細胞の感染を阻害する強いNAb活性もまた発達させたことが見出された。さらに、両方の細胞型に対して測定されたNAb力価は、天然に感染したサルのNAb力価と匹敵した。さらに、免疫されたRMは、血漿中の低減されたウイルス負荷を示した。この研究は、少なくとも以下の理由のために有益である:(1)5つ全てのUL128Cサブユニットが、Epi/EC及び線維芽細胞の両方に対するRhCMV感染を阻害するNAbを誘導するのに十分であるが、単一のUL128、UL130若しくはUL131Aサブユニット又はその組合せはそうではないことが確認された;(2)NAb力価は、感染基質がEpi/ECであれ線維芽細胞であれ等しく強く、UL128Cサブユニットから構成される単一ワクチンが、gBサブユニットワクチンの必要性を回避し得ることを示唆している;(3)現在臨床的に評価されているHCMVワクチンが、水平伝播を予防するためにUL128C構成要素を組み込むべきであること、又は両方の主要な感染門戸のCMV感染を予防する課題のためには不適切である危険を冒しており、それによってその有効性を低減していることが決定された(Bernsteinら、2009;Griffithsら、2011;Kharfan−Dabajaら、2012;Passら、2009)。

0091

MVAから発現されたHCMV UL128Cペンタマーの構築及び発現
ヒトUL128CサブユニットのMVA発現。ヒトUL128、UL130、UL131、gL及びgHの全長5サブユニットペンタマーを発現するMVA(H−UL128C−MVA)を、実施例1に記載されるのと同様に、BACテクノロジーによって生成した。

0092

図8に示すように、ヒトUL128C(H−UL128C)の5つ全てのサブユニットは、個々のサブユニットを検出するために使用したmAb(gH、UL128、UL130)又はポリクローナル抗血清(UL131A、gL)のいずれかによって評価した場合、首尾よく発現されていた。個々のサブユニットのMWは公開された値と一致し、MVAベースの発現が、HCMVから発現されるこれらのサブユニットの構造に忠実であるという強い証拠を提供している。代替的gH構造(例えば、欠失された膜貫通ドメインを有するgH:gHΔTM)が他の4つのH−UL128Cサブユニットと共に同時発現される組成物もまた、図8に例示される(代替的gHΔTMがUL128CΔによって示され、全長gH(gH−FL)がUL128Cによって示される組成物)。このペンタマー複合体は、上皮細胞株のHCMV感染の阻害のアプローチを使用してin vitroで評価される機能的特性について調査され得る(Ryckmanら、2008a)。この実験は、2つの異なるMVAウイルス:H−UL128C−MVA及びgB−MVAを使用して、ARPE−19細胞株及びMRC5細胞株を使用して実施され得る。このin vitro研究は、MVAから発現されたH−UL128Cの機能的活性を確認するはずであり、本明細書に記載されるNAb研究のための有効なモデルであるはずである。

0093

H−UL128Cサブユニットの相互作用。H−UL128Cペンタマーの形成を実証するために、MVAから発現されたヒトgH、gL及びUL128〜UL131Aタンパク質のタンパク質相互作用を、共免疫沈降(co−IP)によって分析した(図9)。MVA−H−UL128Cに感染したBHK細胞を回収し、プロテインA/Gアガロースとカップリングしたマウスモノクローナル抗体抗gH14−4b又は無関係のコントロール抗体を用いたgHのIPのために処理した。免疫沈降したタンパク質を、個々のRhUL128Cサブユニットの検出のためにポリクローナル抗血清を使用するWBによって分析した。図9の結果は、gHタンパク質のIP後の5つ全てのUL128Cサブユニットのco−IPを示す。これは、MVAから同時発現された場合に、H−UL128Cの個々のサブユニットが互いに相互作用して機能的ペンタマーを形成することを実証している。

0094

ヒトでの使用に臨床的に許容されるMVA−BACの構築及び評価

0095

RhCMVを使用する前臨床研究は、以前に構築されたMVA−BACベクター(Cottingham、2008)によって促進された。RhCMV構成要素を使用する全てのワクチンを、このMVA−BACを使用してアセンブルした。しかし、MVAの起源が未知であるので、異なるワクチンベクターがヒトでの使用に使用される。このMVA BACは、ウイルス再構築後に任意の望ましくない機能的細菌配列の保持を回避するためにベクター配列が欠失され得る方法でも構築され、これは、FDA承認に必要とされる可能性が高い特性である。これらのベクターエレメントは、導入遺伝子発現のために利用可能な挿入部位を再構築するために、TK遺伝子座中に挿入される。ヒトとの使用のためのMVA−BACの構築を、NIAIDのBernard Moss博士によって提供された1974−MVAを使用して達成した。このMVAの臨床的使用は、その多くが現在臨床試験中である複数のワクチンの開発を可能にした。したがって、1974−MVAは、ヒトでの使用にとって安全なはずである。1974−MVAに基づく自己切り出し可能なMVA−BAC(1974−MVA−BAC)を構築するためのスキームは、図10に示される。制限マップを、完全に配列決定された1974−MVAゲノム中に既知プロファイルを有する6bp制限酵素(RE)によって生成された断片のサイズを予測するために作成した(データ示さず)。このREプロファイルは、MVAの全長ゲノムクローンのレスキューと適合性である。BACクローニング後の1974−MVAの機能を実証するために、mRFP発現カセットを、3つの既知のMVA挿入部位中に挿入し、得られた1974−MVA−BACを使用してBHK−21細胞をトランスフェクトした。図11Aは、CEF単層上の赤色(挿入された発現カセット)及び緑色のタンパク質の発現(BACベクター中に含まれるGFP発現カセット)を示すウイルスプラークを示しており、CEFトランスフェクション及びウイルス生成後のBACクローンからの機能的発現及びウイルス生成を実証している。さらに、新たなMVA BACが、CD40Lを発現するMVA組換え体の生成のために使用されており、これは、マウス免疫後のUL128Cペンタマーに対する抗体応答を改善するために、異なる用量で使用される。

0096

1974−MVA−BACの3つの挿入部位を、3つの異なるヒトCMVタンパク質試験抗原を使用して評価した。3つ全ての挿入部位が、挿入されたHCMV遺伝子をタンパク質へと発現させ(図11B)、1974−MVA−BACの機能的完全性、及びHCMV UL128Cサブユニットで改変されるその能力、及びワクチン接種研究へのその適用を実証している。

0097

MVA−BACテクノロジーを利用して、機能的UL/b’病原性領域を有する天然のRhCMV(UCD59)単離体による上皮細胞感染を阻害するNAbを誘導する機能的RhCMV−UL128Cをアセンブルした。対応物ヒトUL128Cペンタマー複合体の類似のMVA−BAC構築物もまた開発され得、この構築物は、RhCMV陰性RMにおいて評価され得る。HCMVの宿主範囲制限はRMチャレンジ研究を阻むが、血清は、ワクチン接種したRMから回収され得、ウイルス許容性ARPE−19細胞のHCMV感染を阻害するその能力が、臨床評価代用として評価され得る。完全に保護的なワクチンは、単独で又はUL128Cと組み合わせてgBを発現するさらなるMVA構築物を開発することによって対処され得る、エンドサイトーシス経路及び線維芽細胞経路の両方に沿ってウイルス感染を同時に阻害する必要がある可能性がある。RMの感染並びに線維芽細胞及びARPE−19細胞のin vitro感染の血清NAb阻害の評価が調査され得る。最終的に、臨床試験を実施することによる調査は、感染又はウイルス血症を予防又は制限するこれらのHCMV構築物の能力を最良に確立し得る。免疫の候補である個体には、出産可能年齢の女性、HCMVを排出する、又はナイーブであり家庭に感染を持ち帰る可能性及び出産可能な未感染の母親を潜在的に感染させる可能性を妨げることによって免疫から利益を受ける青年期、が含まれるがこれらに限定されない。全てのこのような個体が、この適用の実施形態に記載されるベクターによる免疫の候補である。

0098

1974−MVA−BACにおけるHu−UL128Cのアセンブリ、in vitro発現、及び機能分析

0099

上記データは、MVAにおけるRhCMV UL128Cの発現が、RhCMV特異的NAbがUL128C−MVAによる免疫後に形成されることが実証される相同なRhCMV陰性RMモデルを使用して、有効であることを実証している(実施例1)。これは、HCMV遺伝子及びMVAにおける発現を使用するUL128Cの導かれた発達が図8で実証されているという強い証拠を提供した(実施例2)。さらに、gHの免疫沈降と、その後のgH、UL128及びUL130の検出のためのモノクローナル抗体を用いたWB分析とにより、MVAから発現されたUL128Cサブユニットのアセンブリが実証された(図9)(実施例2)。ヒトでの使用のためのワクチンを生成することを伴う移行の妥当性を達成するために、ベクターは、臨床評価研究におけるその安全性に関してFDAによって承認されたMVAと関連すべきである。結果として、1974−MVAを、自己切り出し可能なBACベクター中に挿入し(図10)、その機能性をin vitroで実証した(図11)。次に、HCMV UL128Cの5つ全てのサブユニットが、1974−MVA−BAC中に挿入され得、これらのサブユニットの発現、機能及び安定性が測定される。安全性分析が伴うワクチンに対する首尾よい応答は、RMにおいて調査される同じHCMV−MVAワクチンを用いた臨床研究を実施するためのFDA承認のための強力な支持を提供するはずである。

0100

HCMV 1974−MVA−BACの構築及びアセンブリ。図10に記載したように構築した1974−MVA−BACは、図1Aに示されるMVA−BACについて記載されたように、UL128Cの5つの抗原を挿入するために使用され得る。他の欠失部位又は遺伝子間領域は、UL128Cペンタマー又はさらなる導入遺伝子、例えばgB、pp65若しくはIEのアセンブリのためにも使用され得る。MVA−BACは一般に、MVA複製許容性CEFにおいてcGMPグレード非複製性鶏痘ウイルス(FPV、Bernard Moss博士、LVD、NIAIDから取得)を使用することによって最も簡便に対処される複製を開始するために、ヘルパーウイルスを必要とする。次いで、アセンブルされたベクターは、各サブユニットが首尾よく挿入され次いでMVAから発現される場合、図2〜5と類似の様式で評価される。発現プロファイリングのためのWBが、全ての同時発現されたサブユニットについて実施され得る。サブユニットUL128、UL130、UL131A、gL及びgHは、この順番で1974−MVA−BAC中に挿入される。gHの最終的な挿入は、2つの形態の糖タンパク質:ΔTM形態又はFL形態のいずれかを使用して達成され得る。ペンタマー構築物の発現分析の最終段階は、5つ全てのサブユニットの同時発現であり得る。作業仮説は、最終ペンタマー複合体中の等しい割合のサブユニットを示唆しているので、その目的は、各サブユニットについてほぼ等しい発現レベルである。全てのサブユニットの発現レベルは、MVAワクチンの抗原組成とは関係なく発現レベルにおいて差異を有さないはずであるBR5抗原に対して標準化され得る(図2)。両方のペンタマー構築物(UL128C−1974−MVA及びUL128CΔ−1974−MVA)は、どれがHCMV単離体のより良い中和を生じさせるかを決定するために、in vitro機能について及びin vivoで個々に試験され得る。

0101

UL128C−1974−MVA−BACは、CEF:FDAにとって許容される細胞基質において生成され得る。この選択肢は、狂病(BSE)に対する薬剤への曝露のない追跡可能な来歴を有するFPV単離体を得ることを必要とし得る。CEF細胞はFPVについて許容性であるので、ソラレン及びUV光を併用して使用したウイルスの不活化が、以前に記載されたように(Lubakiら、1994)企図され得る。代替的に、FDA登録されたマスター細胞バンクを必要とするものの、FPV感染について非許容性のBHK−21細胞が使用され得る。

0102

UL128C発現による許容性ARPE−19細胞のHCMV感染の機能的阻害。H−UL128C−MVAが、許容性Epi/EC、例えばARPE−19細胞又はHUVECのHCMV TB40/E内皮向性ウイルス(又はインタクトなEpi/ECトロピズムを有する他のウイルス株、例えば、TR、VHL−1など)感染を予防することも実証され得る。ARPE−19細胞のHCMV感染を妨害するペンタマー複合体の適切なアセンブリを検出することができるので、この機能的アッセイは、NAbを惹起するための成功基準を確立する際に重要である。この研究は、HCMV TB40/E感染の阻害の特異性を確立するために、MVAから発現されたgBなどの適切なコントロール及び個々のH−UL128Cサブユニットと、その後のFibro細胞(MRC−5)の感染とによって、実施され得る。これは、HCMV感染の阻害を調査する前に、単層のARPE−19又はMRC−5細胞がH−UL128C−MVA(1974)又はコントロールMVA(MOIは1〜5で変動する)からGFPを均一に発現している条件を確立する。代替的に、均一なGFP発現を有するARPE−19細胞単層は、H−UL128Cサブユニットの同時発現が、1〜100pfu/細胞の間のMOI範囲でのARPE−19細胞のTB40/E感染のmCherryバージョンを阻害する場合に、使用され得る。これらのアッセイは、ウイルスを保全するために96ウェルプレートにおいて実施され得、各条件について、プラークが、赤色蛍光及び/又はHCMV−IEmAbによって6個の同一ウェルにおいて計数され得る。以下の条件が使用され得る:H−UL128C−MVA、gH/gL−MVA、UL128/130/131−MVA、gB−MVA又はGFP−MVA。TB40/E感染の顕著な阻害は、UL128C−MVAのみで観察されるはずであり、最小限の阻害のみ又は阻害なしが、ARPE−19細胞において任意の他のMVAを使用して観察されるはずである。対照的に、MRC−5細胞は、Hu−IE mAb染色によって評価されるように、gH/gL−MVAによる中程度(約40%)の阻害で、TB40/E感染について許容性であり得る。

0103

TB40/E感染の予防が成功した場合、他の異種天然HCMV単離体(TR又はToledo)を使用した感染の阻害は、ヘテロサブタイプ株からの感染を予防する能力を評価するためにも試験され得る。

0104

WB及びqPCRによって評価した、UL128C−MVAの安定性分析。UL128C−MVAの継代の際の安定性は、以前に記載された方法(Wangら、2010)によって測定され得る。継代は、RM又はさらにはヒトのいずれかでの使用に十分なウイルスの増幅に必要であるので、安定性分析は重要である。UL128C−MVAの10回の連続継代が、各継代のウイルスストックの力価決定、発現分析及び遺伝子分析と共に実施され得る。安定性は、P0と称される創始ウイルスと比較して、各継代における5つのHCMV挿入物及びMVA−BR5抗原の各々の発現レベルの評価に基づく。各挿入された抗原の発現レベルは、安定性の程度の評価のために、各継代において比較され得、BR5抗原と比較され得る。MVAでの共通の観察を反映する安定性における小さな変化が生じ得るので(Wyattら、2009)、P0における創始ウイルスから20%以下のシグナル減退が、許容可能と規定される。継代後に蓄積される任意の遺伝的バリエーションもまた測定され得る。上記ウイルス継代と同じ手順を使用して、各抗原並びにアセンブルされたUL128C−MVAの一部である内因性K抗原のqPCRベースの分析が、各継代において実施される。P0と比較してP10において20%以下の低減がされたqPCRシグナルが許容され得る。挿入物定量のためのqPCRアプローチの詳細は、以前の研究において見出すことができる。5つの挿入物及びMVA−TK遺伝子の各々についてのプライマーは、配列情報に由来してもよく、5つ全ての挿入物及びMVA−TK遺伝子を含む元のMVA−BAC DNAを使用して検証されてもよい。この陽性コントロールは、各UL128C−MVA継代についてコピー数を概算するために、標準曲線を生成させるためにも使用され得る。

0105

さらに、UL128C−MVA全体が、候補ヒトワクチンとしてのその適切性を確立するMVA−BAC中間ステップを介して、継代後のその未変更の状態を実証するために配列決定され得る。

0106

BALB/cマウスにおけるHCMV UL128Cペンタマーの免疫学的機能。
動物及び免疫レジメン。合計200匹の雌性BALB/cマウス(月齢>2)が、本実施例及び以下の実施例に記載される候補抗原の発現及び体液性免疫原性を確認するために使用され得る。このアプローチは、感受性ヒト細胞株のin vitro HCMV感染を阻害するNAbについて、免疫したマウス由来の血清を評価するためであり得る。マウスは、rMVAでワクチン接種され得、予定された採血が、NAb生成を評価するために使用され得る。

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