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技術 疾患を治療するための組成物および方法

出願人 ユニバーシティオブフロリダリサーチファンデーションインコーポレーティッド
発明者 バリー・ジョン・バーンダリン・ジェイ・フォーククリスティーナ・パカックララ・ロバート・デリュソーキャスリン・マーデイビッド・ディ・フラー
出願日 2013年6月19日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2015-518552
公開日 2015年8月20日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2015-523998
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 非処理対象 換気能 周波数バースト フィルター設定 運動出力 タイタニック マルチユニット 吸気性
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、ポンペ病のような疾患を治療するための治療上有効な分子のrAAV-媒介送達に関する組成物および使用方法を提供する。この組成物は、種々の投与経路および投与方法と組み合わさって、特定の器官組織および細胞における治療分子の標的化された発明を生じる。

概要

背景

ポンペ病酸性α−グルコシダーゼ(GAA)欠損から生じるリソソームおよびグリコーゲン貯蔵の両方の障害である。GAAは、通常、α−1,4およびα−1,6グリコシド結合を切断することによって過剰なグリコーゲンを分解するリソソームにおいて活性である。十分なGAA活性がないと、多量のグリコーゲンがすべての細胞蓄積する。ポンペ病におけるリソソームグリコーゲンの全身的な蓄積にもかかわらず、この障害における筋肉弱さの主要なベースとして骨格筋および心筋機能障害が伝統的に見られる。

概要

本発明は、ポンペ病のような疾患を治療するための治療上有効な分子のrAAV-媒介送達に関する組成物および使用方法を提供する。この組成物は、種々の投与経路および投与方法と組み合わさって、特定の器官組織および細胞における治療分子の標的化された発明を生じる。

目的

本発明は、神経筋およびリソソーム貯蔵病の遺伝子療法系の治療を提供する

効果

実績

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請求項1

障害を受けた神経筋接合部完全性を改善する方法であって、障害を受けた神経筋接合部の完全性を有する対象に、rAAV2/9ベクターを含む有効量の組成物投与することを含み、ここに該rAAV2/9ベクターはプロモーター作動可能に連結された異種の核酸分子を含み、治療組成物筋肉内、胸腔内髄腔内、嚢内くも膜下腔内または静脈内注射を介して該対象に投与することを特徴とする該方法。

請求項2

該異種の核酸分子が酸性α−グルコシダーゼ(GAA)をコードする、請求項1記載の方法。

請求項3

該プロモーターが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、デスミン(DES)プロモーター、シナプシンI(SYN)プロモーターまたは筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーターである、請求項1記載の方法。

請求項4

該対象が、神経筋疾患によって引き起こされた障害を受けた神経筋を有する、請求項1記載の方法。

請求項5

該対象が、ポンペ病筋萎縮性側索硬化症脊髄性筋萎縮症多発性硬化症糖原病1a型、肢帯型筋ジストロフィーバース症候群および重症筋無力症よりなる群から選択される疾患によって引き起こされた障害を受けた神経筋を有する、請求項1記載の方法。

請求項6

該対象がヒトである、請求項1記載の方法。

請求項7

さらに、アセチルコリンエステラーゼインヒビター(ACI)を対象に投与することを含む、請求項2記載の方法。

請求項8

神経筋疾患を治療する方法であって、かかる治療を必要とする対象にrAAV2/9ベクターを含む有効量の組成物を投与することを含み、ここに該rAAV2/9ベクターはプロモーターに作動可能に連結された異種の核酸分子を含み、治療組成物は筋肉内、胸腔内、髄腔内、くも膜下腔内、嚢内または静脈内注射を介して該対象に投与することを特徴とする該方法。

請求項9

該神経筋疾患が、ポンペ病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、糖原病1a型、肢帯型筋ジストロフィー、バース症候群および重症筋無力症よりなる群から選択される、請求項8記載の方法。

請求項10

該神経筋疾患がポンペ病である、請求項9記載の方法。

請求項11

該異種の核酸分子が酸性α−グルコシダーゼ(GAA)をコードする、請求項8記載の方法。

請求項12

該プロモーターが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、デスミン(DES)プロモーター、シナプシンI(SYN)プロモーターまたは筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーターである、請求項8記載の方法。

請求項13

該対象がヒトである、請求項8記載の方法。

請求項14

さらに、アセチルコリンエステラーゼ・インヒビター(ACI)を該対象に投与することを含む、請求項11記載の方法。

請求項15

障害を受けた神経筋接合部の完全性を改善し、および/または、神経筋疾患を治療する方法であって、対象にrAAVベクターを含む有効量の組成物を投与することを含み、ここに該rAAVベクターはプロモーターに作動可能に連結された異種の核酸分子を含み、該対象は障害を受けた神経筋接合部の完全性および/または神経筋疾患を患い、かつ、該対象はポンペ病を患っていないことを特徴とする該方法。

請求項16

該rAAVベクターが、rAAV2/1、rAAV2/8またはrAAV2/9ベクターから選択される、請求項15記載の方法。

請求項17

治療組成物を、筋肉内、胸腔内、髄腔内、嚢内または静脈内注射を介して該対象に投与する、請求項15記載の方法。

請求項18

該プロモーターが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、デスミン(DES)プロモーター、シナプシンI(SYN)プロモーター、または筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーターである、請求項15記載の方法。

請求項19

該対象が、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、糖原病1a型、帯型筋ジストロフィー、バース症候群および重症筋無力症よりなる群から選択される神経筋疾患を患っている、請求項15記載の方法。

請求項20

対象がヒトである、請求項15記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、すべて出典明示して本明細書の一部とみなす、2007年2月23日に出願された米国仮特許出願60/891,369の優先権の利益を主張する、2008年2月25日に出願された国際出願番号PCT/US2008/054911の§371国内移行出願である、2010年4月12日に出願された米国特許出願番号12/305,869の一部継続出願である、2012年6月19日に出願された米国特許出願番号13/527,350の一部継続出願である。

0002

連邦支援の研究または開発に関する陳述
本発明は、NIHのHeart, Lung and Blood Instituteによる助成金番号HL59412およびNIH 5F32HL095282−03下の合衆国政府支援によってなされたものである。合衆国政府は本発明におけるある種の権利を有する。

0003

発明の分野
本発明は、一般的に、分子生物学遺伝子療法および内科治療の分野に関する。1つの実施形態において、本発明は、神経筋およびリソソーム貯蔵病の遺伝子療法系の治療を提供する。

背景技術

0004

ポンペ病酸性α−グルコシダーゼ(GAA)欠損から生じるリソソームおよびグリコーゲン貯蔵の両方の障害である。GAAは、通常、α−1,4およびα−1,6グリコシド結合を切断することによって過剰なグリコーゲンを分解するリソソームにおいて活性である。十分なGAA活性がないと、多量のグリコーゲンがすべての細胞蓄積する。ポンペ病におけるリソソームグリコーゲンの全身的な蓄積にもかかわらず、この障害における筋肉弱さの主要なベースとして骨格筋および心筋機能障害が伝統的に見られる。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、神経筋接合部完全性回復および/または神経筋疾患および糖原病を治療するための、骨格筋、心臓およびCNSを含む種々の組織器官および細胞に治療用遺伝子送達するためのrAAVベクターを提供する。有利には、本発明のrAAVベクターは、対象において関心のある治療遺伝子長期持続的発現を提供する。

課題を解決するための手段

0006

ある種の実施形態において、本発明は、神経筋疾患の治療を提供し、その疾患には限定されるものではないが、ポンペ病、筋萎縮性側索硬化症脊髄性筋萎縮症多発性硬化症、糖原病1a型、肢帯型筋ジストロフィーバース症候群および重症筋無力症が含まれる。

0007

1つの実施形態において、リソソーム貯蔵病(例えば、ポンペ病のような糖原病)を治療する組成物および方法を本願明細書に記載する。

0008

別段定義しない限り、本願明細書中で用いるすべての技術用語本願発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。

0009

1つの実施形態において、本願明細書に記載する方法は、酸性α−グルコシダーゼ欠乏症を患う哺乳動物対象に、酸性α−グルコシダーゼをコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのrAAVビリオンを含む組成物を投与することを含み、ここに該ポリヌクレオチドは第1のAAV逆方向末端反復と第2のAAV逆方向末端反復との間に挿入されており、組成物の投与が哺乳動物対象における運動ニューロン機能の上昇を生じる。哺乳動物対象はポンペ病を患っていることができる。組成物は、静脈内、くも膜下腔内、または筋肉内投与することができる。1つの実施形態において、少なくとも1つのrAAVビリオンは血清型1、8、9および/またはrh10キャプシドタンパク質を含むことができる。組成物は哺乳動物対象の横隔膜に投与し、逆行性輸送によって少なくとも1つの運動ニューロンに移行させることができ、あるいは中枢神経系に直接投与することができる。

0010

本願明細書に記載するもう1つの方法は、ポンペ病を患う哺乳動物対象に、酸性α−グルコシダーゼをコードする少なくとも1つのウイルスベクターを含む組成物を投与することを含み、ここに組成物の投与が哺乳動物対象における運動ニューロン機能の上昇を生じ、ポンペ病を治療する。少なくとも1つのウイルスベクターは、rAAVベクターとすることができる。組成物は、くも膜下腔内、静脈内、筋肉内または非経口経路によって投与することができる。1つの実施形態において、rAAVベクターは血清型1、8、9および/またはrh10キャプシドタンパク質を含むrAAVビリオン内に存在することができる。

0011

組成物は、哺乳動物対象の横隔膜に投与して逆行性輸送によって少なくとも1つの運動ニューロンに移行させることができ、あるいは中枢神経系に直接投与することができる。
本願明細書に記載する組成物および方法に類似するまたは同等のものも本発明の実施または試験に用いることができるが、好適な組成物および方法を以下に記載する。本願明細書中において言及するすべての刊行物、特許出願および特許は、出典明示して本明細書の一部とみなす。矛盾する場合は、定義を含んで本願明細書の記載が支配する。以下に論じる特定の実施形態は説明目的だけのものであって、それに限定されることを意図するものではない。

図面の簡単な説明

0012

本発明は、特に添付する特許請求の範囲によって示す。本発明の上記したおよびさらなる利点は、添付する図面と一緒に以下の説明を参照することによってより良好に理解し得る。図中:
図1A、図1Bおよび図1Cは、染色した心臓組織写真スキャンであり、図1DはrAAV2/9の静脈内送達が心臓の高レベル形質導入を生じることを示すグラフである。1−日齢のC57BL6/129SvJマウス新生児(n=5)に、1×1011 vgのCMV−lacZ構築物運搬するrAAV偽型、AAV2/1、AAV2/8およびAAV2/9を以前に記載した側頭静脈送達経路を介して注射した。注射4週間後にβ−ガラクトシダーゼ酵素検出アッセイを行って、lacZ発現レベルを定量した。図1A、図1Bおよび図1Cは、AAV2/1(図1A)、AAV2/8(図1B)およびAAV2/9(図1C)を接種した心臓からのX−Gal染色した凍結切片を示す。図1Dは心臓におけるβ−ガラクトシダーゼ酵素のレベルを示す(n=5)。
図2Aおよび図2Bは、rAAV2/8−CMV−lacZまたはrAAV2/9−CMV−lacZ構築物を送達した後の種々の標本で検出されたβ−ガラクトシダーゼ酵素のレベルの発現の体内分布分析を示すグラフである。図2Aは心筋と比較した筋肉組織を横切る生体内分布を示す。Htは心臓;Diは横隔膜;Quは四頭筋;Soはヒラメ筋;EDは長指伸筋;TAは前脛骨筋を示す。図2Bは非骨格筋における発現の生体内分布を示す。Brは脳;Luは;Smは小腸;Kiは腎臓;Splは脾臓を示す。
図3A、図3Bおよび図3Cは、CMV−lacZのrAAV2/9−媒介送達後の経時アッセイを示すグラフである。図3A:rAAV2/9を用いたトランスジーン送達後、投与後4週に発現レベルは骨格筋でプラトーに達し、心臓においては実験の8週間の期間中上昇し続けた。図3Bは、細胞当たりのベクターゲノムも、実験の期間中、心臓組織において増加し続けたが、骨格筋では増加し続けなかったことを示す。図3Cは、実験の期間中、RNA転写物も心臓組織において増加することを示す(時点当たり、n=4)。
図4Aは、1−日齢新生児時として1×1011vgのrAAV2/9−CMV−lacZを注射したマウスからの心臓および骨格筋のβ−ガラクトシダーゼ発現レベル分析(投与後4週間)を示すグラフである。図4Bは、3週齢(n=3)に頸静脈を介して1×1011vgのrAAV2/9−CMV−lacZを注射したマウスからの心臓および骨格筋のβ−ガラクトシダーゼ発現レベル(投与後4週間)を示すグラフである。
図5Aは、rAAV2/1−CMV−hGaaまたはrAAV2/9−CMV−hGaaのいずれかを誕生時に静脈内注射したアカゲザルの心臓からの組織標本におけるGAA活性を示すグラフである。Y−軸は送達したベクターゲノム当たりの(合計GAA活性)−(非注射対照からのバックグラウンド活性)を示す。図5Bは、rAAV2/9−CMV−hGaaを誕生時に静脈内注射したアカゲザルからの心臓および骨格筋組織間のベクターゲノムの生体内分布プロフィールを示すグラフである。すべてのデータはベクター投与後6ヶ月のものである。
図6A、図6Bおよび図6Cは、6ヶ月(図6A)、12ヶ月(図6B)および>21ヶ月(図6C)の対照およびGAA−/−マウスにおけるベースラインおよび10分間の高炭酸ガスの間の毎分換気量(mL/分)の結果を示すグラフである。平均±SEM;*=対照から異なるGAA−/−、†雌性から異なる雄性
図7Aは、ベースラインならびに対照、GAA−/−および筋肉特異的GAAマウスにおける高炭酸ガスに対する平均応答の毎分換気量からの結果を示すグラフである。筋肉特異的GAAマウスはGAA−/−バックグラウンドに維持したが、骨格筋においてのみGAAを発現している。図7Bは、12週齢の対照、GAA−/−および筋肉特異的GAAマウス横隔膜の横隔膜収縮機能の結果を示すグラフである。
図8は、呼吸に対する神経の駆動の推定を提供する平均吸気流を示すグラフである。ベースラインは、6ヶ月、12ヶ月および>21ヶ月の対照およびGAA−/−マウスにおける吸気流を意味する。平均±SEM;*=対照から異なる;週齢または性別の差なし。
図9Aは6月、12月および>21月齢の対照およびGAA−/−マウスにおける脊髄セグメントC3−C5のグリコーゲン定量(図9A)の結果を示すグラフであり、図9Bは組織染色写真である。横隔膜運動プール頸髄セグメントC3−C5内に存在する。PAS染色を用いた組織グリコーゲン検出(図9B)。横隔膜運動ニューロン(矢印)は、横隔膜に適用した逆行性ニューロントレーサーFluoro−Gold(登録商標)によって同定した。
図10Aは、対照およびGAA−/−マウスの移動時間平均の30秒ピーク振幅の結果を示すグラフである。PaCO2値は同様である。図10Bは、同様のPaCO2値を有する機械的に換気した対照およびGAA−/−マウスの生の横隔膜ニューログラム(上図)および移動時間平均(下図)からの結果を示す。スケール振幅利得フィルター設定および記録の構成は2の調製物において同一とした。
図11は、rAAV2/1の静脈内注射が罹患した横隔膜組織におけるグリコーゲンの消失に通じることを示すグラフである。注射後1年に、rAAV2/1−CMV−GAAを静脈内投与したGaa−/−マウスおよび非処理の年齢を一致させた対照Gaa−/−マウスからの横隔膜組織を固定し、標準的な方法によってPAS染色した (Richard Allen,Kalamazoo,MI)。写真はZeiss光学顕微鏡オリンパス社製カメラ、およびMagnaFire(登録商標)デジタル記録ステムを用いて撮影した。倍率×400。
図12A、図12B、図12Cおよび図12Dは、rAAV2/1−CMV−hGAAの全身送達が処理後6ヶ月の高炭酸ガスに対する応答で換気の改善を付与することを示す一連のグラフである。処理Gaa−/−(n=6)ならびに年齢を一致させた非処理Gaa−/−およびC57BL6/129SvJ(n=10)の換気を、気圧全身プレチモグラフィーを用いて評価した。*=p<0.05
図13A、図13B、図13Cおよび図13Dは、rAAV2/1−CMV−hGAAの全身送達が処理後12ヶ月の高炭酸ガスに対する応答で換気の改善を付与することを示す一連のグラフである。処理Gaa−/−(n=12)ならびに年齢を一致させた非処理Gaa−/−およびC57BL6/129SvJ(n=10)の換気を、気圧全身プレチモグラフィーを用いて評価した。*=p<0.05
図14A、図14B、図14Cおよび図14Dは、換気機能がAAV2/1−処理マウスにおいて有意に改善されることを示す一連のグラフである。換気機能は、意識のある、非拘束の、気圧全身プレチモグラフィーによってアッセイした。グラフは、10分間を超える高炭酸ガスに対する毎分換気量を示す。
図15A、図15B、図15Cおよび図15Dは、AAV2/1−処理マウスにおいて換気機能が有意に改善されることを示す一連のグラフである。グラフは、10分間を超える高炭酸ガスに対するピーク吸気流応答を示す。
図16は、Fuller Phrenicバースト振幅−Hybridの模式図である。ボルトで測定した横隔膜バースト振幅は、各呼吸での横隔膜神経の大きさを記載している。GAA動物における電圧が低いほど、欠陥のある横隔膜運動ニューロン機能を示している。この図は、横隔膜へAAV−GAA送達後の横隔膜の出力の回復を示している。
図17A、図17B、図17C、図17D、図17E、図17Fおよび図17Gは、頚髄(C3−C5)グリコーゲン含量を示す横隔膜運動ニューロンのグラフ(図17A)および一連の写真(図17B−図17G)である。6、12および>21月齢における対照およびGAA−/−マウスの脊髄生化学的グリコーゲン定量(μgグリコーゲン/mg湿重量)(図17A)。*=Gaa−/− 対照から異なる、p<0.01、†=6月は>21月と異なる。p<0.01。複数の運動プールが、Gaa−/−マウス頚髄(図17E)−対−対照(図17B)のグリコーゲンに対して陽性染色を示している。横隔膜運動ニューロンは、対照(図17C)およびGaa−/− (図17F)マウスにおいてFluoro−Gold(登録商標)で標識した。Gaa−/−標識した横隔膜運動ニューロンは、対照横隔膜運動ニューロン(図17D)に対してグリコーゲンのより強力な染色を示している(図17G)。
図18Aおよび図18Bは、毎分換気量における年齢依存的な低下を示す一対のグラフである。対照およびGAA欠損マウスを、6、12、>21ヶ月にVe/VCO2(A)および毎分換気量(B)について評価した。GAAKOマウスは対照と比較して1/2の正常Ve/VCO2および毎分換気量を有する。
図19A、図19Bおよび図19Cは、高炭酸ガスに対する毎分換気量の応答を示している。6(図19A)、12(図19B)および>21(図19C)月齢の対照およびGaa−/−マウスについての60分ベースライン(21% O2、バランス量のN2)および高炭酸ガス(7% CO2、バランス量のO2)に対する10分応答の毎分換気量。*=Gaa−/−から異なる対照、p<0.01。
図20Aおよび図20Bは筋肉特異的hGaaマウスを示す一対のグラフであり、図20Cは一連のトレーシングである。B6/129(n=3)、Gaa−/−(n=3)および筋肉特異的hGaaマウス(n=6)についての力周波数測定(Force frequency measurement)(図20A)。†=対照および筋肉特異的hGaaマウスから異なるGaa−/−。ベースラインの毎分換気量およびB6/129、Gaa−/−および筋肉特異的hGaaマウス(n=8/群)についての高炭酸ガスに対する平均応答(図20B)。*=対照から異なる。¥=互いに異なるすべての群。すべての値は、p<0.01で有意であると考える。安静呼吸(ベースライン)および呼吸攻撃(高炭酸ガス)の非麻酔マウスからの代表的な気流トレーシングを図20Cに提供する。スケールはすべての図において同一である。気流の補正はmL/秒である。
図21Aは横隔膜吸気バースト振幅を示すグラフであり、図21Bは一連のトレーシングである。同様の動脈PaCO2値を有する対照、Gaa−/−および筋肉特異的hGaaマウスの30秒平均横隔膜吸気バースト振幅(グラフに示す)。*=対照から異なる、p<0.01。代表的な対照、Gaa−/−およびMTPマウスからの生横隔膜振幅(上図)および調整し、積算したトレース(下図)を示す(スケールは各図において同一である)。
図22は、横隔膜から単離したゲノムDNAがベクター送達後の対照遺伝子を含むことを示すアガロースゲルの写真である。
図23は、横隔神経核から単離したゲノムDNAを示すゲルの写真である。
図24は、AAV−CMV−GAA(2.52×1010粒子)で注射した4週間後に換気が改善したことを示すグラフである。
図25は、Gaa−/−動物へのAAV2/9−GAAのゲノムコピーの直接筋肉内注射後の前脛骨筋(TA)および腰髄中のベクターゲノムコピーを示す。簡単には、Gaa−/−動物に、前脛骨筋においてAAV2/9−DES−GAAまたはAAV2/9−CMV−GAAベクターを単一注射した。ベクターゲノムコピーは、注射後28日に、前脛骨筋および腰髄において評価した。両方の構築物は、治療トランスジーンの骨格筋の効率的な形質導入および逆行性輸送を示している。
図26は、前脛骨筋におけるAAV2/9−hGAAの単一注射後のポンペ病動物におけるベクターゲノムコピーおよびGAA酵素活性を示す。注射後1月の前脛骨筋(A)および(B)腰髄におけるVgコピーを示す。PCRデータは、脊髄におけるAVVベクターの十分な逆行性形質導入を示す。(C)注射の部位におけるGAA活性レベル(TA)は、Gaa−/−マウスにおける酵素レベルの有意な増加を生じる。
図27は、前脛骨筋におけるAAV2/9−DES−hGAAの単一の注射後の神経筋接合部(NMJ)の染色を示す。NMJの免疫染色は、hGAAのrAAV2/9媒介送達が処理Gaa−/−動物においてポンペ病の病理反転およびNMJの回復を生じることを示す。
図28は、マウスC3−C5領域におけるAAVレポーター構築物の直接髄腔内注射後の横隔膜運動ニューロン・プールの形質導入を示す。(A)固定したインタクトな脳および脊髄調製物における注射部位のAAVレポーター構築物(*)の陽性検出。(B)AAV−GFPの断面落射蛍光検出は、横隔膜モータープールの形質導入を示す。
図29は、マウスC3−C5領域におけるAAV−GAAの直接髄腔内注射後の横隔膜運動ニューロン・プールにおけるGAAタンパク質発現免疫組織化学的検出を示す。横隔膜運動ニューロン・プールにおけるAAV−GAAの検出を低倍率で(A)および高倍率で(B)示す。茶褐色の染色は、GAAタンパク質検出について陽性である。
図30は、マウスにおける赤外色素胸腔内注射を示す。画像は、横隔膜の表面を横切る色素の陽性検出を示す。
図31は、AAVベクターの胸腔内注射後の炭酸過剰条件の間の横隔膜および横隔膜運動ニューロン活性を示す。非処理Gaa−/−動物は、AAV2/9−CMV−GAAおよびAAV2/9−DES−GAA処理動物と比較して弱く鈍ったEMG(横隔膜)およびはじけた振幅(横隔膜神経)を示している。
図32は、頸部および胸部の脊髄におけるAAV−レポーターの検出を示す。抗−GFP免疫組織化学染色は陽性の横隔膜(左側)および肋骨(右側)運動ニューロン染色染色を検出し、AAV2/9の胸腔内投与が逆行性形質導入を生じることを示している。
図33は、Gaa−/−動物へのrAAV2/9−CMV−GAAまたはrAAV2/9−DES−GAAベクターの胸腔内投与後の横隔膜EMG(A)、AAVゲノムベクターのコピー(B)、および横隔膜神経信号伝搬における改善(C)を示す。
図34は、AAV2/9−CMV−GAAまたはAAV2/9−DES−GAAベクターを静脈内投与した後のGaa−/−動物における病理的症状の修正を示している。(A)は、注射後3ヶ月の放出フラクションを示している。AAV−DES処理動物は、放出フラクションにおける有意な改善を示している。平均およびsem(n=6)。(B)は、すべての処理が注射後1ヶ月および3ヶ月に体重の顕著な増加を生じたことを示している。(C)は処理後1ヶ月および3ヶ月のPR間隔を示す。
図34は、AAV2/9−CMV−GAAまたはAAV2/9−DES−GAAベクターを静脈内投与した後のGaa−/−動物における病理的症状の修正を示している。(D)は静脈内注射後の心臓機能の改善を示す。(E)は静脈内投与後の心臓におけるGAA酵素活性を示す。
図34は、AAV2/9−CMV−GAAまたはAAV2/9−DES−GAAベクターを静脈内投与した後のGaa−/−動物における病理的症状の修正を示している。(F)AAV2/9−CMVおよびAAV2/9−DES−GAA処理動物の横隔膜のインビトロ(in vitro)力−周波数測定は、増大した最大タイタニック力(titanic force)を示す。平均およびsem(n=6)。*非処理マウスと比較してP値<0.05。AAV2/9−GAA処理は、60Hzよりも上方の周波数で収縮機能の改善を生じた。(G)は呼吸筋におけるGAA酵素活性を示す。
図34は、AAV2/9−CMV−GAAまたはAAV2/9−DES−GAAベクターを静脈内投与した後のGaa−/−動物における病理的症状の修正を示している。(H)は、AAV2/9−CMVおよびAAV2/9−DES−GAAベクターの静脈内投与後の心臓、横隔膜および脊髄におけるベクターゲノムコピーを示す。(I)は、AAV2/9−CMVおよびAAV2/9−DES−GAAベクターの静脈内投与後のGAA発現レベルを示す。
図35は、AAVおよびHSVウイルスの概略図である。野生型および組換えゲノムを、主要なゲノムエレメントと一緒に示す。
図36は、接着細胞を用いたHSV同時感染法によるAAVの生成を示す。1)および2)rHSVストックの創製;3)rHSVでの同時感染;4)rAAVの収穫および回収
図37は、pI析出およびカラムクロマトグラフィーによるrAAV2/9の合理化された精製を示す。(A)粗製ライゼート銀染色PAGE(レーン1)、微小溶液操作後の粗製ライゼート(レーン2)、pI析出後のAAV2/9−保持上清(レーン3);(B)SP SepharoseIECおよび濃縮後のフラクションを含有するpI−精製したrAAV2/9の銀染色PAGE(レーン2〜7)。
図38は、野生型およびGaa−/−マウスにおける坐骨神経横断面の評価。Gaa−/−マウスは、不規則形態計測および細胞外マトリクスの量の増加を示している。
図39は、H&Eについて染色した縦方向の神経切片を示す。野生型およびGaa−/−マウスの比較によって、核染色の増大が明らかになり、これはシュワン細胞脱分化および増殖を示している。
図40は、野生型およびGaa−/−マウスにおけるヒラメ筋の神経筋接合部の完全性の評価である。(A)ヒラメ筋の縦方向の切片。神経筋接合部の解離が明らかであるGaa−/−中の顕著な変化に注目されたい。(B)マウス横隔膜の全組織標本における神経筋接合部。Gaa−/−横隔膜における典型的なインタクトな神経筋接合部(矢印)および異常な神経筋接合部(*)。アルファ−ブンガロトキシン(赤色)および神経フィラメントH(緑色)。
図41は、横隔膜NMJの形態計測分析を示す。Gaa−/−アセチルコリン受容体(AcR)はWTと比較して有意に大きい。Gaa−/−におけるα−ブンガロトキシン標識の明白な局所で非合同外観に注目されたい。
図42は、WTおよびGaa−/−マウスにおける坐骨神経の断面を示す。Gaa−/−マウスは、不規則な軸索の形態計測および細胞外マトリクスにおける増加を示す。
図43は、NMJにおけるシナプトタグミン喪失を示す。Gaa−/−動物(B)は、WT(A)と比較したシナプトタグミン発現の顕著な消失を示す。Magenta−NFH。
図44は、動物におけるGAAのrAAV−媒介発現の実験設計を示す。
図45は、AAV2/9−デスミン−GAAを注射したGaa−/−マウスの脚部におけるアセチルコリン受容体のサイズの減少を示す。Gaa−/−動物は、AChRサイズの有意な増大を示しているが、AAV2/9−デスミン−GAA処理後のAChRのサイズの減少は、NMJ病理に対する陽性の治療効果を提供している。23−月齢のGaa−/−マウスにおいては、右側前脛骨筋へのAAV2/9−デスミン−GAAベクターの直接的な注射後2ヶ月に、注射した脚部および反対側の脚部におけるアセチルコリン受容体(AChR)のサイズを測定した。
図46は、Gaa−/−動物が野生型(WT)動物と比較した場合のNMJの完全性の消失を示すことを示している。接合部の正常化は、AAV9−GAA投与後1ヶ月に起こるようである(右図)。
図47は、AAV2/9−GAA処理したGaa−/−動物における軸索標識(Gap43)を示す。
図48は、AAV−GAAの髄腔内送達後のGaa−/−マウスにおける換気を示す。ベクター処理した動物(点線)は、ベースライン(左図)および高炭酸ガス攻撃(右図)の間、改善された換気パラメータを示した。

実施例

0013

(詳細な記載)
本発明は、神経筋接合部の完全性の回復、および/または神経筋疾患の治療のための、骨格筋、心臓、およびCNSを含む種々の組織、器官、および細胞への治療用遺伝子を送達するためのrAAVベクターを提供する。有利には、本発明のrAAVベクターは、対象における関心のある治療遺伝子の長期間の持続した発現を提供する。

0014

1つの実施形態において、本発明は、異種核酸分子(トランスジーンまたは治療用遺伝子ともいう)を含むrAAVベクターを含む組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ビリオンを提供し、AAVベクターはウイルスキャプシドによってキャプシド形成されている。

0015

1つの具体的な実施形態において、rAAVビリオンには、関心のあるタンパク質またはポリペプチドをコードする異種の核酸分子(トランスジーンまたは治療用遺伝子ともいう)を含むrAAVベクターが含まれ、
ここに、該異種の核酸分子は、関心のあるタンパク質またはポリペプチドのイン・ビボ(in vivo)またはイン・ビトロ(in vitro)発現を指示することができる調節エレメント(例えば、プロモーターエンハンサー)に作動可能に連結されており、
ここに、該異種の核酸分子は、AAV逆方向末端反復で各末端において挟まれており、および
ここに、該rAAVベクターは、ウイルスキャプシドによってキャプシド形成されている。

0016

好ましい実施形態において、本発明は偽型化したrAAVベクターに関する。ある種の実施形態において、本発明は、AAV2のベクターゲノムおよびAAVx(例えば、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9またはAAVrh10)のキャプシドを含むrAAV2/xベクターに関する。好ましい実施形態において、本発明は、rAAV2/1(図中ではrAAV1ともいう)、rAAV2/5、rAAV2/8(図中ではrAAV8ともいう)、およびrAAV2/9(図中ではrAAV9ともいう)ベクターに関する。

0017

1つの実施形態において、rAAVベクターにはサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターが含まれる。もう1つの実施形態において、rAAVベクターには、デスミン(DES)プロモーターが含まれる。1つの具体的な実施形態において、rAAVベクターには、トランスジーンを組織特異的に発現させるための調節エレメントが含まれ、例えば、筋細胞エンハンサー因子2(MEF2)およびmyoDエンハンサー因子のようなものが含まれる。

0018

もう1つの実施形態において、本発明は、神経筋疾患の治療を必要とする対象に本発明のrAAVベクターを含む有効量の組成物を投与することを含む、神経筋疾患を治療する方法を提供する。

0019

1つの具体的な実施形態において、本発明は、本発明のrAAVベクターを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における神経筋接合部の完全性を回復するおよび/または障害を受けた神経筋接合部の完全性を改善する方法を提供する。ある種の実施形態において、障害を受けた神経筋の完全性は、神経筋疾患または傷害によって引き起こされる。

0020

もう1つの実施形態において、本発明は、本発明のrAAVベクターを含む有効量の組成物を関心のある細胞に導入することを含む、関心のある細胞に治療遺伝子を送達することによって疾患を治療する方法を提供する。

0021

ある種の実施形態において、本発明のrAAVベクターは、静脈内、筋肉内、胸腔内、くも膜下腔内、嚢内または髄腔内注射によって投与する。ある種の実施形態において、rAAVベクターは、対象の骨格筋、横隔膜、肋骨、および/または心筋細胞に投与する。ある種の実施形態において、rAAVベクターは、直接または逆行性輸送を介して末梢および/または中枢神経系のニューロンに送達される。

0022

ある種の実施形態において、本発明は、限定されるものではないが、ポンペ病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、糖原病1a型、肢帯型筋ジストロフィー、バース症候群および重症筋無力症を包含する神経筋疾患の治療を提供する。

0023

1つの実施形態において、rAAVベクターにはGAAをコードする治療遺伝子が含まれ、rAAVベクターは中枢神経系(例えば、脊髄および脳)に送達されて、ポンペ病に罹った対象の中枢神経系中のグリコーゲン蓄積を減少させる。

0024

もう1つの実施形態において、本発明は、ポンペ病ではない神経筋疾患の治療を提供する。もう1つの実施形態において、本発明は、ポンペ病に罹っていない対象における障害を受けた神経筋接合部の完全性を改善する。ポンペ病の動物モデルを実施例として用いて、本発明のrAAVベクターが関心のある細胞、組織および器官へのGAAをコードする治療遺伝の有効な送達を生じることを説明する。ポンペ病の動物モデルを実施例として用いて、本発明のrAAVベクターが神経筋接合部の完全性の改善を生じることも説明する。当業者であれば、これらの実施例に鑑みて、本発明のrAAVベクターを他の治療用遺伝子を関心のある細胞、組織および器官(例えば、ニューロン)にも送達することができ、それによって、ポンペ病を患っていない対象における神経筋疾患の治療および/または神経筋接合部の完全性の改善が提供されることを容易に認識するであろう。

0025

ある種の実施形態において、GAA欠損を有する哺乳動物対象を治療するためのGAAを発現するrAAVベクターを有するrAAVビリオンを含む組成物および方法を本明細書に記載する。1つの実施形態において、治療分子を発現するrAAV血清型(例えば、血清型1−10、またはその誘導体)を含む組成物は、静脈内経路の投与と組み合わさって、脈管構造を容易に通過し、特定の組織型(例えば、心臓組織、横隔膜組織、中枢神経系組織)を効果的に形質導入するrAAV 血清型を生じる。

0026

もう1つの実施形態において、AAVは、組成物を全身的に投与し、標的への吸収が指示され、特異的であるように特異的である細胞および/または組織であるリガンドを含むように修飾する。

0027

哺乳動物における遺伝子送達に望ましいこれらの特徴を考慮すると、主に小さいサイズおよび感染細胞に長期間存続する能力が証明されているために、(4.7−kb非病原性パルボウイルスrAAVが魅力的選択肢として現れた。rAAVは、複製するためにはヘルペスウイルスまたはアデノウイルスのようなヘルパーを必要とする一本鎖DNAウイルスである。さらなる血清型のrAAVが最近発見されたことで、特定の適用に望ましいように組織を標的化および/または回避する最も有利なトロピズムでもって、これらを選択することが可能となった。いずれかの治療適用に最適な遺伝子送達系は、臨床的に有利な身体的送達経路と、関心のある具体的に標的化した組織について最高天然の親和性を有するrAAV血清型とを組合せる。
典型的な実施形態において、組成物には、GAA欠損(例えば、ポンペ病)を有する哺乳動物対象における横隔膜神経機能を改善するGAAをコードするrAAVベクターを有するrAAVビリオンが含まれる。rAAVビリオンは中枢神経系に直接的に形質導入するか、または他の組織型(例えば、横隔膜)に形質導入して、逆行性輸送を介して中枢神経系に輸送させることができる。GAA欠損を有する哺乳動物(例えば、ヒト)対象における横隔膜神経活性を改善することによって、得られる呼吸の不足(例えば、低下した換気、低下した心臓機能ほか) を補正し得る。

0028

もう1つの実施形態において、rAAVの投与は静脈内投与(例えば、全身送達)を介して行う。典型的な実施形態において、疾患の心筋および呼吸の態様に強い衝撃を与えるため、全身送達を用いる。

0029

リソソーム病LSD)を治療する異なる治療分子の他の例には、限定されるものではないが:ハーラー病:α−L−イズロニダーゼハンター病:イズロン酸スルファターゼサンフィリッポ:ヘパランN−スルファターゼ;モルキオA病:ガラクトース−6−スルファターゼ;モルキオB病:酸性−β−ガラクトシダーゼ;スライ病:β−グルクロニダーゼ:I−細胞病N−アセチルグルコサミン−1−ホスホトランスフェラーゼシンドラー病:α−N−アセチルガラクトサミニダーゼα−ガラクトシダーゼB);

0030

ウォルマン病:酸性リパーゼコレステロールエステル:酸性リパーゼ;貯蔵症ファーバー病:リソソーム酸性セラミダーゼニーマンピック病酸性スフィンゴミエリナーゼゴーシェ病β−グルコシダーゼグルコセレブロシダーゼ);クラッベ病ガラクトシルセラミダーゼファブリー病:α−ガラクトシダーゼA;GM1ガングリオシド蓄積症:酸性β−ガラクトシダーゼ;ガラクトシアリドーシス:β−ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼテイサックス病:ヘキソサミニダーゼA;サンドホフ病:ヘキソサミニダーゼ AおよびB;ニューロン・セロイドパルミトイルタンパク質チオエステラーゼ(PPT);ニューロン・セロイド:トリペプチジルアミノペプチダーゼI1(TPP−I)が含まれる。関心のある治療分子をコードする異種の核酸分子またはトランスジーンは、リソソーム病治療のために本発明のrAAVベクターに挿入し得る。

0031

糖原病II型(GSD II;ポンペ病;酸性マルターゼ欠損)は、リソソーム酵素酸性α−グルコシダーゼ(酸性マルターゼ)の欠損によって引き起こされる。3つの臨床的形態は区別する:幼児、少年少女および成人。幼児GSDIIは出生後早期に開始し、進行的に筋肉の弱化および心不全を示す。この臨床的異型は、生後の最初の2年間以内に死に至る。成人および少年少女の患者における症状は人生の後半に起こり、骨格筋およびニューロンが主に関与する。患者は呼吸不全により最終的に死亡する。患者は例外的に60年を超えて生存する場合がある。疾患の重症度残余酸性α−グルコシダーゼ活性との間には良好な相関が存在し、疾患の後期発症では正常の10−20%であり、早期発症では2%未満である。

0032

ポンペ病はリソソームグリコーゲン分解酵素である酸性α−グルコシダーゼ(GAA)の欠損を有する代謝の先天的エラーであり、最終的にすべての組織、特に横紋筋にグリコーゲン蓄積を生じる。歴史的に、筋力低下は患者の集団における呼吸欠損に対する主な寄与とみられているが、いまだ他の機構は調べられていない。呼吸不全に寄与する機構をさらに評価するために、ポンペ病の動物モデル、Gaa−/−マウスモデルを用いた。静かな呼吸および高炭酸ガスの間のGaa−/−および対照マウスにおいて換気を定量した。すべての換気変化が6、12および>21週齢のGaa−/−マウスにおいて衰え、頚髄(C3−C5)の高いグリコーゲン含量を伴っていた。骨格筋にGaaのみを発現するトランスジェニックマウスはGaa−/−と同様の毎分換気量を有していたが、横隔膜筋の機能は正常であり、このことは、筋肉の機能障害以外の機構が換気機能障害に寄与していることを示している。有効横隔膜神経の吸気性バースト振幅(吸気バースト振幅)(mV)は、同様のPaCO2レベルである(53.1±1.2−対−52.2±1.4mmHg)であるが、対照(49.7±13.9mV)と比較してGaa−/−マウス(5.2±1.2mV)において低かった。データはポンペ病においては換気の神経制御が欠損していることを示しており、以下の結論を支持している:1)Gaa−/−マウスは臨床的GSDII呼吸欠損を再現する、2)脊髄のグリコーゲン蓄積は運動出力を害し得る、および3)呼吸ニューロン制御はGSDIIにおいて害されているかもしれない。

0033

幼児型のポンペ病は迅速な心筋症の発症を有し、典型的には誕生して1年以内に死亡する筋疾患および神経障害に通じる。周期的酸−シッフ試薬PAS)染色を用いてマウスの横隔膜切片を評価し、Gaa−/−動物におけるグリコーゲン沈殿の進行を調べた。12週齢に、広範囲かつ拡散したグリコーゲン沈殿がGaa−/−動物の横隔膜切片において明らかである。Gaa−/−動物における横隔膜収縮特性の低下のみならず、加齢にともなう収縮機能の進行性の悪化も存在する。イン・ビトロ(in vitro)力−周波数測定は、3、6および12週齢のGaa−/−マウスにおける収縮機能の進行性の損失を示している。GAAにおける欠損は非効率なグリコーゲン消失につながり、細胞の形態および機能の崩壊につながる。ポンペ病患者の生検は、空包形成、リソソームグリコーゲン蓄積および続く呼吸筋力の低下も示した。

0034

また、中枢神経系内のグリコーゲン蓄積の効果および骨格筋機能に対するその効果が最近見出された。本発明者らは、Gaa−/−マウス脊髄内に実質的なグリコーゲン沈殿を検出した。詳細には、PAS染色が脊髄の断面の運動ニューロンに一定の程度のグリコーゲンの局在化を示した。運動ニューロンは膨張している場合があり、切片を横切って変化した。野生型およびGaa−/−動物における横隔膜神経記録は、高炭酸ガス攻撃時にバースト振幅のレベルで明らかなディスクレパシーを示す。本発明者らは、筋肉特異的GAAマウス(骨格筋においてGAAを発現したが、CNSにおいては発現しなかった)が、プレチモグラフィー測定の間に機能的呼吸欠損をいまだ示すことも発見した。この結果は、Gaa−/−動物およびポンペ病患者におけるCNS−媒介呼吸機能障害を示している。

0035

動物モデルにおいて生じるポンペ病の顕著な特徴は、ドラスティックな骨格筋疾患の結果としての重篤後弯症である。Gaa−/−動物は約9−12週齢に重篤な後弯症を発症する。ポンペ病に罹った個人における好中球減少症の発症は記載されており、これは筋力低下が最終的に栄養摂取に悪影響を及ぼす動物モデルにおいて明らかである。AAV−CMV−GAAで処理したGaa−/−マウスは後弯症を発症しない。骨格筋の質量および強度を保持することによって、処理動物は十分な栄養摂取を維持し、したがって野生型マウスと同様の機能を維持することができる。

0036

Gaa−/−マウスモデルは、CNSおよび骨格筋におけるグリコーゲン貯蔵と関連する進行性の病理を示す。本発明者らは、ポンペ病の齧歯類モデルにおける呼吸機能障害へのCNS寄与の特異的な役割報告している。他の神経筋障害においては、CNSまたは骨格筋の異常の結果としてNMJおよび運動ニューロンにおける適応が生じる。晩期発症型ポンペ病の患者においては疲労が明らかであり、これはニューロンに基づく欠陥によって引き起こされるが、大部分にとって骨格筋欠陥の周り中心化したままであることが報告されている。

0037

本発明によれば、18月齢の野生型またはGaa−/−動物から坐骨神経を収集した。図38に示すように、Gaa−/−動物からの神経横断面は、ミエリン、直径または軸索の量および厚さが変化しているようであり、細胞外マトリクスの量の増加を示している。また、Gaa−/−動物からの坐骨神経の縦方向の切片は核染色の増加を示しており、シュワン細胞の脱分化および増殖を示している(図39)。ポンペ病の坐骨神経試料染色パターンは、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、糖原病1a型、肢帯型筋ジストロフィー、バース症候群および重症筋無力症のような典型的な神経筋疾患においても観察される。

0038

神経筋疾患を患う患者に存在する疲労は、E−Cカップリングおよび他の機構における欠陥によるものであるある可能性がある。ヒラメ筋からの縦方向の切片および全組織標本横隔膜調製物の神経筋接合部を比較した際に(図40)、本発明者らは、神経筋接合部に関連する不意の変化を記録した。全組織標本横隔膜調製物の取込みは、神経筋接合部の全体の状態の真相的な画像を提供する。Gaa−/−動物からの横隔膜調製物は、野生型横隔膜と比較して、接合部の進行し明瞭なゆがんだ形を示している。

0039

ゴーシェ病は、糖脂質グリコセレブロシド加水分解するリソソーム酵素、グルコセレブロシダーゼ("GCR")中の欠陥によって特徴付けられる常染色体性劣性リソソーム蓄積障害である。ゴーシェ病においては、分解酵素中の欠損が糖脂質グリコセレブロシドを生じ、それは白血球および老化した赤血球の膜からのグルコスフィンゴ脂質の分解から主に生じる。主に肝臓、脾臓および骨髄食細胞のリソソームに多量に蓄積する。疾患の臨床的な病変には、巨症、肝腫骨格障害、血小板減少症および貧血症が含まれる。例えば、米国特許第6,451,600号ご参照。

0040

テイ・サックス病は、β−ヘキソサミニダーゼのA(酸性)イソ酵素の欠損により、とりわけCNS組織において特徴付けられる脂質代謝の致命的な遺伝性の障害である。β−ヘキソサミニダーゼのαサブユニットをコードするHEXA遺伝子中の突然変異は、Aイソ酵素欠損を引き起こす。テイ・サックス病は、欠陥のあるGM2ガングリオシド分解によって特徴付けられる一群の障害、GM2ガングリオシド蓄積症原型である。GM2ガングリオシド(モノシアル酸付加ガングリオシド2)は、胎児において始まるニューロンに蓄積する。GM1ガングリオシド蓄積症は、β−ガラクトシダーゼの欠損によって引き起こされ、それは、GM1ガングリオシドのリソソーム貯蔵(モノシアル酸付加ガングリオシド 1)を生じる。サンドホフ病は、β−ヘキソサミニダーゼのAおよびB(塩基性)イソ酵素の両方の欠損から生じる。β−ヘキソサミニダーゼのβサブユニットをコードするHEXB遺伝子中の突然変異は、Bイソ酵素欠損を引き起こす。

0041

もう1つのLSDは、炭水化物を切断する、リソソーム酵素α−L−イズロニダーゼの遺伝子欠損から生じ、これはムコ多糖症I型(MPS I)を発生する(E.F.NeufeldおよびJ.Muenzer、1989;米国特許第6,426,208号)。また、The Metabolic Basis of Inherited Disease (C.R.Scriver、A.L.Beaudet、W.S.SlyおよびD.Valle編)における"The mucopolysaccharidoses"、pp.1565−1587、McGraw−Hill、New Yorkを参照されたい。重篤な形態では、MPS Iは一般的にハーラー症候群として知られ、精神遅滞角膜濁り荒れた顔の特徴(coarsened facial features)、心臓疾患呼吸疾患、肝臓および脾臓の肥大ヘルニアおよび関節硬直のような複数の問題と関連している。ハーラー症候群を患う患者は通常10前に死亡する。ハーラー−シャイエ症候群として知られている中間形態においては、精神機能は一般的に重篤に冒されないが、身体的な問題は10歳代または20歳代までに死亡につながり得る。シャイエ症候群は、MPS Iの最も温和な形態であり、一般的に通常の寿命適合するが、関節硬直、角膜の濁りおよび心臓弁疾患が重大な問題を引き起こす。

0042

ファブリー病は、重篤な腎機能障害角化血管腫、および心血管異常、脳室拡張および僧帽弁閉鎖不全症のような症状によって特徴付けられるX−連鎖先天的リソソーム貯蔵症である(米国特許第6,395,884号)。この疾患は、末梢神経系も冒し、苦悶エピソード四肢における焼けるような痛みを引き起こす。ファブリー病は、酵素α−ガラクトシダーゼA(α−gal A)中の欠損によって引き起こされ、それは天然糖脂質の代謝の遮断、および天然細胞内および血流中の酵素基質セラミドトリヘキソシドの蓄積を生じる。疾患のX−連鎖遺伝パターンに起因して、実質的にすべてのファブリー病患者男性である。数人の重篤に冒された女性ヘテロ接合体が観察されているが、女性のヘテロ接合体は一般的に無症候性であるか、角膜の特徴的な不透明性に限られた比較的温和な症状を有する。低い残余α−gal A活性を示し、非常に温和な症状またはファブリー病の他の症状を明らかに全く示さないファブリー病の異常な変異型は、左室肥大および心臓病と関連する。α−gal Aの低下はかかる心臓の異常の原因であるかもしれないと推測されている。

0043

I−細胞病は、リソソーム酵素中のマンノース−6−リン酸残基の不存在によって引き起こされる致死性のリソソーム貯蔵症である。N−アセチルグルコサミン−1−ホスホトランスフェラーゼは、リソソーム酵素前駆体に対するM6Pシグナルの発生に必要である。

0044

中枢神経系を冒すLSDは、置換酵素がBBBを横切ることが必要である。このことを起こすために、置換酵素の源は対象の脳内で置き換えることができ、それによってBBBを迂回することができる。したがって、グリア前駆細胞は、増殖、移動および理想的な治療送達のビヒクルである。増殖し、移動し、希突起神経膠細胞および正常膠細胞ならびに星状膠細胞サブタイプ分化するその例外的な能力のためである。したがって、中枢神経系に影響するLSDは、種々の様式で処理することができ、それにはグリア前駆細胞を遺伝学的にコードさせてリソソーム酵素前駆体を分泌させる、例えば、リソソーム酵素前駆体、およびその細胞を損傷した組織に送達することおよび/または欠陥のある細胞を置換することが含まれる。

0045

もう1つの実施形態において、本発明の組成物を用いて、神経学的な障害を治療する。"神経学的な障害"とは、限定されるものではないが、ニューロンの喪失、ニューロンの変性、ニューロンの脱髄グリオーシス(換言すれば、アストログリオーシス)、またはニューロンのもしくはニューロン外の異常なタンパク質または毒素(例えば、β−アミロイドまたはα−シヌクレイン)の蓄積を含む神経細胞またはグリア細胞の欠陥に関連するいずれの中枢神経系 (CNS)または末梢神経系(PNS)の疾患をもいう。神経学的な障害は慢性または急性のものとすることができる。

0046

例示的な神経学的な障害には、限定されるものではないが、ゴーシェ病ならびにファブリー病、テイ・サックス病、ポンペ病およびムコ多糖症を含む他のLSD;パーキンソン病アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症(ALS);多発性硬化症(MS);ハンチントン舞踏病フリードリ失調症経度認知障害運動失調症脳性小児まひ、コレオアテトーシスジストニアトゥーレット症状群核黄疸を含む);振戦障害、ロイコジストロフィーアドレノロイコジストロフィー異染性白質ジストロフィー、カナバン病、アレキサンダー病、ペリツェウスメルツバッハー病を含む);ニューロン・セロイドリポシノース(lipofucsinoses);毛細血管拡張性運動失調症;およびRett症候群が含まれる。この用語には、卒中および虚血性発作のような脳血管性事象が含まれる。

0047

本願明細書中で用いる“対象”なる用語は、霊長類のような哺乳動物を含む生物を記載している。主題の方法から恩恵を受けることができる哺乳動物種には、限定されるものではないが、類似チンパンジーオランウータン、ヒト、サル;ならびにイヌネコウマウシブタヒツジヤギニワトリ、マウス、ラットモルモットおよびハムスターのような他の動物が含まれる。典型的に、対象はヒトである。

0048

幾つかの実施形態において、"神経学的な障害"を有する対象には、神経学的な障害、疾患または症状を発症するリスクのある対象および/または神経学的な障害、疾患および症状を有するとすでに診断された対象が含まれる。

0049

GAAをコードする核酸分子を含むrAAVベクター(rAAV2/9のような)の注射は、Gaa−/−動物におけるAChRサイズの減少を生じることができ;したがって、GAAのrAAV−媒介送達を用いて、横隔膜神経と横隔膜との間の神経筋伝達を回復または向上することができる。1つの実施形態において、GAAをコードする核酸分子を含むAAVベクター(AAV2/9のような)の投与に加えて、1またはそれを超えるアセチルコリンエステラーゼインヒビター(ACI)を別々にまたは同時に同時投与して、ポンペ病を患う対象における神経伝達物質の放出を改善することができる。

0050

種々のアセチルコリンエステラーゼ・インヒビター(ACI)が当該技術分野で知られており、それには限定されるものではないが、テトラヒドロアミノアクリジンドネペジルガランタミンリバスチグミンタクリンメトリホネートおよびフペルジン−A(米国特許出願公開第2013/0131110ご参照)が含まれる。

0051

治療分子
GAA発現をモデュレートする核酸
一例として、GAAを用いて本発明を説明する。しかしながら、疾患に応じて治療分子は置換することができる(前掲)。機能性機能性GAAタンパク質の細胞または動物への移入は、2のAAV ITRの間に挿入された機能性GAAタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を用いて行う。GAAをコードするポリヌクレオチド配列は、多くの異なる形態をとることができる。例えば、配列は、受託番号NM_008064、NM_000152、X55080、X55079、M34425およびM34424としてGenbankに寄託されているマウスまたはヒトのGAAをコードする配列のような天然の哺乳動物GAAヌクレオチド配列としてもよい。GAAをコードするヌクレオチド配列は、遺伝コード重複性または縮重の結果として、天然の哺乳動物GAAヌクレオチド配列と同一のポリヌクレオチドをコードする非−天然のコーディング配列としてもよい。本発明の範囲内の他のGAAをコードするヌクレオチド配列は、天然GAAタンパク質のフラグメントアナログおよび誘導体をコードするものである。かかる変異型は、例えば、天然GAAをコードする核酸の天然の対立遺伝子変異型、天然GAAをコードする核酸のホモログ、または天然GAAをコードする核酸の非天然変異型である。これらの変異型は、1またはそれを超える塩基で天然GAAをコードする核酸とは異なるヌクレオチド配列を有する。例えば、かかる変異型のヌクレオチド配列は、天然GAAをコードする核酸の1またはそれを超えるヌクレオチドの欠損、付加または置換を特徴とすることができる。核酸の挿入は、一般的に約1〜10の隣接するヌクレオチドであり、欠損は一般的に約1〜30の隣接するヌクレオチドである。本発明の大部分の適用において、GAAをオードするポリヌクレオチドは、実質的にフェニルアラニンチロシンに変換する能力を維持する。

0052

GAAをコードするヌクレオチド配列は、GAA融合タンパク質をコードするものともすることができる。かかる配列は、もう1つのタンパク質(例えば、検出可能な標識をコードする)をコードする第2のポリヌクレオチドとインフレームで融合したGAAタンパク質をコードする第1のポリヌクレオチドとをライゲートすることによって作製することができる。かかる融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、細胞中のポリヌクレオチドの発現を視覚化するのに有用である。

0053

長期発現を促進するために、GAAをコードするポリヌクレオチドは、AAV逆方向末端反復(ITR)(例えば、第1および第2のAAV ITR)の間に挿入する。AAV ITRはWT AAVゲノムの両末端に見出され、DNA複製の起点およびプライマーとして作用する。ITRは、AAV DNA 複製のため、ならびに原核生物プラスミドからの救出または切除のためにはシス(cis)であることが必要である。核酸内に含まれるAAV ITR配列は、いずれかのAAV血清型(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)由来または1を超える血清型からの由来とすることができる。ベクター中で使用するためには、第1および第2のITRは、パッケージおよび複製に必要であるWTまたは設計ITRの少なくとも最小限の部分を含まなければならない。

0054

AAV ITRおよびGAAをコードするポリヌクレオチドに加えて、本発明の核酸は、GAAをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結した1またはそれを超える発現制御配列も含むことができる。多数のかかる配列が知られている。本発明の核酸に含めるべきものは、他の適用において知られているその機能に基づいて選択することができる。発現制御配列の例には、プロモーター、インシュレーターサイレンサー応答エレメントイントロン、エンハンサー、開始部位、停止シグナルおよびpAテイルが含まれる。

0055

適当なレベルのGAAを達成するために、選択した宿主細胞における使用に好適ないずれかの数のプロモーターを用いてもよい。例えば、異なる強度の構成的プロモーターを用いることができる。本発明による発現ベクターおよびプラスミドには、1またはそれを超える構成的プロモーター、転写を促進するのに一般的に活動的なウイルスプロモーターまたは哺乳動物遺伝子からのプロモーターが含まれる。構成的ウイルスプロモーターの例には、単純ヘルペスウイルス(HSV)、チミジンキナーゼ(TK)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、シミリアンウイルス40(SV40)、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、Ad E1Aおよびサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターが含まれる。構成的哺乳動物プロモーターの例には、β−アクチンプロモーターによって例示されるような種々のハウスキーピングプロモーターが含まれる。以下の実施例に記載するように、ニワトリベータアクチン(CB)プロモーターは、GAAを発現するための特に有用な構成的プロモーターであることが証明されている。

0056

誘導的プロモーターおよび/または調節エレメントは、発明の核酸と使用することも意図することができる。好適な誘導的プロモーターの例には、チトクロムP450遺伝子ヒートショックタンパク質遺伝子、メタロチオネイン遺伝子およびエストロゲン遺伝子プロモーターのようなホルモン誘導性遺伝子からのものが含まれる。誘導性プロモーターのもう1の例は、テトラサイクリン応答性であるtetVP16プロモーターである。

0057

本発明により有用なプロモーターには、限定されるものではないが、シナプシンI(SYN)プロモーター;筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター;サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター;およびデスミン(DES)プロモーターのようなニューロン−特異的プロモーターが含まれる。1の実施形態において、異種の核酸(ヒトGAAのような)のAAV−媒介発現は、シナプシンプロモーターを介してニューロンでまたはMCKプロモーターを介して骨格筋で行うことができる。

0058

組織−特異的プロモーターおよび/または調節エレメントは、本発明のある種の実施形態において有用である。本発明の発現ベクターと一緒に用いてもよいかかるプロモーターの例には、(1)筋細胞に特異的な、クレアチンキナーゼ、ミオゲニンアルファミオシン重鎖、ヒト脳およびナトリウム利尿ペプチド、ならびに(2)肝細胞に特異的であるアルブミン、アルファ−1−アンチトリプシンB型肝炎ウイルスコアタンパク質プロモーターが含まれる。

0059

本発明には、マルチサブユニットのタンパク質によって引き起こされる遺伝子の欠陥を修正または改善するために用いることができる方法および組成物も含まれる。ある種の状況において、異なるトランスジーンを用いてタンパク質の各サブユニットをコードしてもよい。これは、タンパク質サブユニットをコードするDNAのサイズが大きい場合、例えば、イムノグロブリンまたは血小板由来成長因子受容体に望ましい。細胞にマルチユニットタンパク質を製造させるために、細胞は異なるサブユニットの各々を発現するrAAVで感染させる。

0060

別法として、タンパク質の異なるサブユニットは、同一のトランスジーンによってコードされていてもよい。この場合、単一のトランスジーンには、各サブユニットをコードするDNAと、配列内リボソーム進入部位(IRES)によって分離されている各サブユニットのDNAが含まれる。IRESの使用により、多重遺伝子または多シストロン性mRNAを作製することができる。IRESエレメントは、5'メチル化キャップ依存性翻訳リボソームスキャニング(ribosome scanning)モデルのリボソームを迂回することができ、内部部位で翻訳を開始することができる。例えば、C型肝炎およびピコウイルスファミリーメンバー(例えば、ポリオおよび脳心筋炎)からのIRESエレメント、ならびに哺乳動物mRNAからのIRESが記載されている。IRESエレメントは、異種のオープンリーディングフレームに連結することができる。IRESエレメントによって、各オープン・リーディング・フレームは効率的な翻訳のためにリボソームに近づき易い。したがって、プロモーター/エンハンサーを用いて複数の遺伝子を効率的に発現させて単一のメッセージを転写することができる。このことは、サブユニットをコードするDNAとIRESの合計がウイルスが取り囲むことができるDNAインサート最大サイズよりも大きくない、各サブユニットをコードするDNAのサイズが十分に小さい場合に特に有用である。例えば、rAAVについては、インサートのサイズはほぼ4.8キロベース以下とすることができるが;すべてのそのヘルパー機能を欠くアデノウイルスについては、インサートのサイズはほぼ28キロベースである。

0061

有用な遺伝子産物には、ホルモンならびに成長および分化因子が含まれ、それには限定されるものではないが、インスリングルカゴン成長ホルモンGH)、上皮小体ホルモンPTH)、カルシトニン成長ホルモン放出因子(GRF)、甲状腺刺激ホルモンTSH)、副腎皮質刺激ホルモンACTH)、プロラクチンメラトニンバソプレシン、β−エンドルフィン、メトエンケファリンロイシンエンケファリン、プロラクチン−放出因子、プロラクチン−阻害因子副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンTRH)、濾胞刺激ホルモンFSH)、黄体形成ホルモンLH)、柔毛膜性生殖腺刺激ホルモンCG)、血管内皮成長因子VEGF)、アンギオポエチンアンギオスタチンエンドスタチン顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、エリスロポイエチン(EPO)、結合組織増殖因子(CTGF)、塩基性繊維芽細胞(bFGF)、bFGF2、酸性FGF(aFGF)、表皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子α(TGFα)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子IおよびII(IGF−IおよびIGF−II)、TGFβを含む形質転換成長因子β(TGFβ)スーパーファミリーのいずれか1つ、アクチビンインヒビン、または骨形成タンパク質(BMP)BMP 1 15のいずれか、成長因子ヘレグリン/ニューレグリン/ARIA/neu分化因子 (NDF)ファミリーのいずれか1つ、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィンNT−3、NT−4/5およびNT−6、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞系由来神経栄養因子GDNF)、ニューツイン(neurtuin)、パーセフィンアグリンセマフォリンコラプシンのファミリーの1つ、ネトリン−1およびネトリン−2、肝細胞増殖因子HGF)、エフリンノギンソニックヘッジホッグおよびチロシンヒドロキシラーゼが含まれる。

0062

他の有用な遺伝子産物には、免疫系を調節するタンパク質が含まれ、それには限定されるものではないが、トロンボポイエチン(TPO)、インターロイキンIL)IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16およびIL−17のようなサイトカインおよびリンホカイン単球化学吸引性タンパク質(MCP−1)、白血病阻止因子(LIF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、単球コロニー刺激因子(M−CSF)、Fasリガンド、腫瘍壊死因子αおよびβ(TNFαおよびTNFβ)、インターフェロン(IFN)、IFN−α、IFN−βおよびIFN−γ、幹細胞因子、flk−2/flt3リガンドが含まれる。免疫系によって産生される遺伝子産物も本発明に包含される。それらには、限定されるものではないが、イムノグロブリンIgGIgMIgAIgDおよびIgEキメラ・イムノグロブリン、ヒト化抗体単鎖抗体、T細胞受容体、キメラT細胞受容体単鎖T細胞受容体、クラスIおよびクラスIIMHC分子ならびに単鎖MHC分子を含む設計したMHC分子が含まれる。有用な遺伝子産物には、膜補助因子タンパク質(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CR1、CR2およびCD59のような補体調節タンパク質も含まれる。

0063

いまだ他の有用な遺伝子産物には、ホルモン、成長因子、サイトカイン、リンホカイン、調節タンパク質および免疫系タンパク質に対する受容体のいずれか1つが含まれる。かかる受容体の例には、数ある中で、flt−1、flk−1、TIE−2;TrkAのような受容体のtrkファミリー、MuSK、Eph、PDGF受容体、EGF受容体、HER2、インスリン受容体、IGF−1受容体、受容体のFGFファミリー、TGFβ受容体インターロイキン受容体インターフェロン受容体セロトニン受容体、α−アドレナリン作動性受容体、β−アドレナリン作動性受容体、GDNF受容体、p75ニューロトロフィン受容体が含まれる。本発明には、インテグリンのような細胞外マトリクスタンパク質の受容体、細胞間接着分子ICAM−1、ICAM−2、ICAM−3およびICAM−4)のような貫膜結合タンパク質対抗受容体、血管細胞接着分子(VCAM)、ならびにセレクチン類、E−セレクチン、P−セレクチンおよびL−セレクチンが包含される。本発明には、LDL受容体HDL受容体、VLDL受容体およびスキャベンジャー受容体を含むコレステロール調節のための受容体が包含される。本発明には、ApoAI、ApoAIVおよびApoEを含むこれらの受容体のアポリポタンパク質リガンドが包含される。また、本発明には、グリココルチコイド受容体およびエストロゲン受容体を含むステロイドホルモン受容体スーパーファミリー、ビタミンD受容体および他の核内受容体のような遺伝子産物も包含される。また、有用な遺伝子産物には、デフェンシンおよびマギニン(maginin)のような抗菌性ペプチド、jun、fos、max、mad、血清応答因子SRF)、AP−1、AP−2、myb、MRG1、CREM、Alx4、FREAC1、NF−κBのような転写因子ロイシンジッパーファミリーのメンバー、Zif268、EGR1、EGR2を含むC2H4ジンクフィンガータンパク質、グリココルチコイドおよびエストロゲン受容体を含むC6ジンクフィンガータンパク質、Pit 1によって例示されるPOUドメインタンパク質、HOX−1を含むホメオドメインタンパク質、myc、MyoDおよびミオゲニンを含む塩基性helix−loop−helixタンパク質、ETS−box含有タンパク質、TFE3、E2F、ATF1、ATF2、ATF3、ATF4、ZF5、NFAT、CREB、HNF−4、C/EBP、SP1、CCAAT−box結合タンパク質インターフェロン調節因子1(IRF−1)、ウィルムス腫瘍タンパク質、ETS−結合タンパク質、STAT、GATA−box結合タンパク質、例えば、GATA−3、ならびにフォークヘッドファミリー翼状らせんタンパク質が含まれる。

0064

他の有用な遺伝子産物には、カルバモイルシンセターゼI、オルニチントランスカルバミラーゼアルギノコハク酸シンテターゼ、アルギノコハク酸リアーゼアルギナーゼフマリルアセト酢酸ヒドラーゼフェニルアラニンヒドロキシラーゼ、アルファ−1アンチトリプシン、グルコース−6−ホスファターゼポルホビリノーゲンデアミナーゼ、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XII因子、第XI因子フォンヴィレブランド因子スーパーオキシドジスムターゼグルタチオンペルオキシダーゼおよびレダクターゼヘムオキシゲナーゼアンギオテンシン変換酵素エンドセリン−1、心房性ナトリウム利尿ペプチドプロウロキナーゼウロキナーゼプラスミノゲン活性化物質ヘパリン副因子II、活性化タンパク質C(第V因子ライデン)、タンパク質C、抗トロンビン、シスタチオンβ−シンターゼ、側鎖ケト酸デカルボキシラーゼ、アルブミン、イソバレリルCoAデヒドロゲナーゼプロピオニルCoAカルボキシラーゼメチルマロニルCoAムターゼグルタリルCoAデヒドロゲナーゼ、インスリン、β−グルコシダーゼ、ピルビン酸カルボキシラーゼ肝臓ホスホリラーゼホスホリラーゼキナーゼグリシンデカルボキシラーゼ(P−タンパク質ともいう)、H−タンパク質、T−タンパク質、メンケス病タンパク質、腫瘍抑制因子(例えば、p53)、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)、ウィルソン病遺伝子の産物PWD、Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、アセチルコリンシンセターゼ、プロホルモン転換酵素プロテアーゼインヒビターラクターゼ、リパーゼ、トリプシンキモトリプシンおよびペプシンを含む胃腸の酵素、アデノシンデアミナーゼ、α1抗−トリプシン、組織メタロプロテアーゼ阻害物質TIMP)、GLUT−1、GLUT−2、トレハロースリン酸シンターゼヘキソキナーゼI、IIおよびIII、グルコキナーゼ、いずれか1またはそれを超える個々の鎖または型のコラーゲンエラスチンフィブロネクチントロンボスポンジンビトロネクチンおよびテネイシン、ならびにチミジンキナーゼおよびシトシンデアミナーゼのような自殺遺伝子が含まれる。他の有用なタンパク質にはリソソーム蓄積障害に関与するものが含まれ、それには、酸性β−グルコシダーゼ、α−ガラクトシダーゼa、α−1−イズロニダーゼ、イズロン酸スルファターゼ、リソソーム酸性α−グルコシダーゼ、スフィンゴミエリナーゼヘキソサミニダーゼAヘキソイミダーゼ(hexomimidase)AおよびB、アリールスルファターゼA、酸性リパーゼ、酸性セラミダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、α−フコシダーゼ、α−、β−マンノシド症、アスパラチルグルコサミニダーゼ、ノイラミニダーゼ(neuramidase)、ガラクトシルセラミダーゼ、ヘパラン−N−スルファターゼ、N−アセチル−α−グルコサミニダーゼ、アセチル−CoA:α−グルコサミニドN−アセチルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミン−6−サルフェートスルファターゼ、N−アセチルガラクトサミン−6−スルフェートスルファターゼ、アリールスルファターゼB、β−グルクロニダーゼおよびヘキソサミニダーゼAおよびBが含まれる。

0065

他の有用なトランスジーンには、挿入、欠損またはアミノ酸置換を含む非−天然アミノ酸配列を有するキメラまたはハイブリッドポリペプチドまたはポリペプチドのような非−天然ポリヌクレオチドが含まれる。例えば、単鎖設計したイムノグロブリンは、ある種の免疫無防備状態の患者において有用となることができる。他の有用なタンパク質には、貫膜および細胞質ドメインを欠く切頭受容体が含まれる。この切頭受容体を用いて、受容体による付随するシグナリングなしに結合することによるその各々のリガンドの機能に拮抗する。他の型の非−天然遺伝子配列には、センスおよびアンチセンス分子およびリボザイムのような触媒核酸、それを用いて遺伝子の発現をモデュレートすることができる。

0066

ウイルスベクター
本願明細書に記載する組成物(例えば、GAAをコードするウイルスベクターを含む組成物)は、いずれかの好適な技術によって哺乳動物対象に投与してもよい。GAA遺伝子を細胞に導入するためにウイルスベクターを用いる種々の技術を、本願明細書に記載する組成物および方法に従って提供する。ウイルスは、その遺伝子を宿主細胞に効率的に送達する自然進化した担体であり、したがって治療用遺伝子の送達に望ましいベクター系である。好ましいウイルスベクターは宿主細胞に対して低い毒性を示し、治療量のGAAタンパク質(例えば、組織−特異的な様式で)を産生する。ウイルスベクターの方法およびプロトコールはKayら、Nature Medicine、7:33−40、2001に概説されている。

0067

以下に記載する実験にはrAAVを含めているが、いずれの好適なウイルスベクターも用いることができる。哺乳動物対象に遺伝子を送達するための多くのウイルスベクターが当該技術分野で知られているが、非限定的な例には以下のものが含まれる。遺伝子療法ベクターとして組換えアデノウイルスを使用する方法は、例えば、W.C.Russell、J.Gen.Virol.、81:2573−2604、2000;およびBramsonら、Curr.Opin.Biotechnol.、6:590−595、1995に記載されている。単純ヘルペスウイルスベクターを用いる方法は、例えば、CotterおよびRobertson、Curr.Opin.Mol.Ther.1:633−644、1999で論じられている。HIVを含む複製−欠陥のあるレンチウイルスのベクターを使用してもよい。レンチウイルスのベクターを使用する方法は、例えば、VignaおよびNaldini、J.Gene Med.、5:308−316、2000およびMiyoshiら、J.Virol.、72:8150−8157、1998で論じられている。マウス白血病ウイルス系ベクターを含むレトロウイルスベクターを使用してもよい。レトロウイルス系ベクターの使用方法は、例えば、HuおよびPathak、Pharmacol.Rev.52:493−511、2000およびFongら、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.、17:1−60、2000で論じられている。用途を見出すことができる他のウイルスベクターには、セムリキ森林熱ウイルスおよびシンドビスウイルスを含むアルファウイルス属が含まれる。ハイブリッドウイルスベクターを用いてgaa遺伝子を標的組織(例えば、筋肉、中枢神経系)に送達することができる。ハイブリッドベクター構築する標準的な技術は当業者によく知られている。かかる技術は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor、NY)、または組換えDNA技術を論じている多数のラボラトリーマニュアルのいずれかに見出すことができる。

0068

rAAVベクターおよびビリオン
幾つかの実施形態において、本願明細書に記載する組成物の核酸および方法は、rAAVベクターおよび/またはビリオンを細胞に導入することを容易にするためにそれらにに取り込む。本発明において有用なrAAVベクターは、(1)発現するべき異種の配列(例えば、GAAタンパク質をコードするポリヌクレオチド)および(2)異種の遺伝子の組込みおよび発現を容易にするウイルス配列、を含む組換え核酸構築物である。ウイルスの配列には、複製およびビリオンへのDNA(例えば、機能性ITRs)のパッケージングにcisで必要であるAAVの配列が含まれていてもよい。典型的な適用において、異種の遺伝子は、細胞においてGAA−欠損を修正するのに有用であるGAAをコードする。かかるrAAVベクターは、マーカーまたはレポーター遺伝子も含んでいてもよい。有用なrAAVベクターは、全体または一部分が欠失した1またはそれを超えるAAV WT遺伝子を有するが、機能性フランキングITR配列を保持している。AAV ITRは、特定の適用に好適ないずれの血清型(例えば、血清型2由来)としてもよい。rAAVベクターを用いる方法は、例えば、Tal、J.Biomed.Sci.、7:279−291、2000;およびMonahanおよびSamulski, Gene Delivery、7:24−30、2000で論じられている。

0069

本発明の核酸およびベクターは、一般的に、細胞への核酸またはベクターの導入を容易にするために、rAAVビリオンに取り込まれる。AAVのキャプシドタンパク質は、ビリオンの外部の非−核酸部分を構成し、AAVcap遺伝子によってコードされている。cap遺伝子は、3のウイルスコートタンパク質、VP1、VP2およびVP3をコードし、これらはビリオンのアセンブリーに必要である。rAAVビリオンの構造は、記載されている。例えば、米国特許第5,173,414、5,139,941、5,863,541、5,869,305、6,057,152、6,376,237号;Rabinowitzら、J.Virol.、76:791−801、2002;ならびにBowlesら、J.Virol.、77:423−432、2003を参照されたい。

0070

本発明に有用なrAAVビリオンには、1、2、3、4、5、6、7、8および9を含む多くのAAV血清型由来のものが含まれる。筋肉細胞を標的化するためには、少なくとも1つの血清型1キャプシドタンパク質を含むrAAVビリオンが、特に有用となる場合がある。なぜならば、本願明細書に報告する実験では、それが血清型2キャプシドのみを有するrAAVビリオンよりも顕著に高いGAAの細胞発現を誘導することを示しているからである。少なくとも1つの血清型6キャプシドタンパク質を含むrAAVビリオンも有用になるかもしれない。なぜならば、血清型6のキャプシドタンパク質は血清型1のキャプシドタンパク質に構造的に類似しており、したがって筋肉細胞中のGAAの高い発現を生じることが予想さえるからである。rAAV血清型9は、筋肉細胞の効率的なトランスデューサーであることも見出されている。異なる血清型のAAVベクターおよびAAVタンパク質の構築および使用は、Chaoら、Mol.Ther.2:619−623、2000;Davidsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97:3428−3432、2000;Xiaoら、J.Virol.72:2224−2232、1998;Halbertら、J.Virol.74:1524−1532、2000;Halbertら、J.Virol.75:6615−6624、2001;およびAuricchioら、Hum.Molec.Genet.、10:3075−3081、2001で論じられている。

0071

また、偽型化したrAAVも本発明において有用である。本発明の偽型化したベクターには、所定の血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9ほか)以外の血清型由来のキャプシド遺伝子で偽型化した所定の血清型(例えば、AAV2)のAAVベクターが含まれる。例えば、本発明の代表的な偽型化したベクターは、異なる血清型(例えば、AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9)のAAV由来のキャプシド遺伝子で偽型化したGAAをコードするrAAV2ベクターである。1つの実施形態において、IV投与経路およびrAAV2/9偽型キャプシドを用いたLacZトランスジーン送達は、rAAV2/1を同用量で用いた場合よりも心臓組織においてほぼ200倍高いレベルの発現を生じたことが観察された。さらなる実験では、rAAV2/9を用いたトランスジーンの成体マウスへのIV送達も心臓組織の形質導入を生じたことが示された。偽型化rAAVビリオンの構築および使用を含む技術は当該技術分野で知られており、Duanら、J.Virol.、75:7662−7671、2001;Halbertら、J.Virol.、74:1524−1532、2000;Zolotukhinら、Methods、28:158−167、2002;およびAuricchioら、Hum.Molec.Genet.、10:3075−3081、2001に記載されている。

0072

ビリオンキャプシド内に突然変異を有するAAVビリオンを用いて、非−突然変異導入キャプシドビリオンよりもより効率的に特定の細胞型を感染することができる。例えば、好適なAAV突然変異体は、特定の細胞型へAAVの標的化を容易にするためのリガンド挿入突然変異を有することができる。挿入突然変異体アラニンスクリーニング突然変異体、およびエピトープtag突然変異体を含むAAVキャプシド突然変異体の構築および特徴付けは、 Wuら、J.Virol.、74:8635−45、2000に記載されている。本発明の方法に用いることができる他のrAAVビリオンには、ウイルスの分子育種ならびにエキソンシャッフリングによって作製するキャプシドハイブリッドが含まれる。Soongら、Nat.Genet.、25:436−439、2000;およびKolmanおよびStemmer、Nat.Biotechnol.、19:423−428、2001を参照されたい。

0073

細胞におけるGAAレベルのモデュレート
前記した核酸、ベクターおよびビリオンを用いて、細胞中のGAAのレベルをモデュレートすることができる。その方法には、2のITRの間に挿入されたGAAをコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物を細胞に投与する工程が含まれる。細胞は、本発明の核酸を投与できるいずれの動物からのものとすることができる。GAA欠損を有する対象からの哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ヤギほか)の細胞は、本発明に使用する典型的な標的細胞である。

0074

幾つかの実施形態において、細胞は心筋細胞、例えば、ミオカーディオサイトである。他の実施形態において、細胞はニューロン(例えば、横隔膜運動神経)である。

0075

哺乳動物における運動ニューロン(例えば、横隔膜ニューロン)の増大
本願明細書に記載するrAAVベクター、組成物および方法を用いて、ポンペ病および/または不十分なGAAレベルを有する哺乳動物における横隔膜神経活性を増大させることができる。例えば、GAAをコードするrAAVは、中枢神経系(換言すれば、ニューロン)に投与することができる。もう1の例においては、横隔膜(または他の筋肉)から横隔膜神経または他の運動ニューロンへのGAAをコードするrAAVベクターの逆行性輸送は、ポンベ病の生化学的および生理学的な修正を生じることができる。これらと同一の原理は、他の神経変性疾患に適用することができる。

0076

対象におけるGAA活性の増大
前記した核酸、ベクターおよびビリオンを用いて、動物対象における機能性GAAのレベルをモデュレートすることができる。この方法には、動物対象を準備し、ついで、2のAAV ITR間に挿入したGAAをコードするポリヌクレオチドを含む核酸を含む組成物を該動物対象に投与する工程が含まれる。対象は、本発明の核酸を投与することができるいずれかの動物とすることができる。例えば、哺乳動物(換言すれば、ヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ヤギほか)は好適な対象である。本発明の方法および組成物は、GAA−欠損動物対象に特に適用し得る。

0077

前記した組成物は、いずれかの好適な方法によっていずれかの好適な処方でヒトを含む動物に投与することができる。例えば、rAAVビリオン(換言すれば、粒子)は、標的組織(例えば、筋肉)への静脈内(IV)注射、腹膜内(IP)注射、またはイン・サイチュ(in situ)によって、動物に直接的に導入することができる。例えば、従来の注射器およびニードルを用いてrAAVビリオン懸濁液を動物に注射することができる。望ましい投与経路に依存して、注射はイン・サイチュ(換言すれば、特定の組織または組織の場所)、IM、IV、IPまたは他の非経口経路とすることができる。注射によるビリオンの非経口投与は、例えば、巨丸剤注射または連続注入によって行うことができる。注射用の処方は、添加する保存剤といっしょにユニット投与量形態、例えば、アンプルまたは複数用量の容器で提供することができる。組成物は、懸濁液、溶液または油性もしくは水性の担体中のエマルジョンのような形態をとってもよく、懸濁剤安定化剤および/または分散剤のような処方化剤を含んでいてもよい。あるいは、rAAVビリオンは、使用する前に好適な担体、例えば、発熱物質を含まない無菌の水で構成するための粉体形態(例えば、凍結乾燥した)とすることができる。

0078

動物へのrAAVビリオンの送達を容易にするために、本発明のビリオンは、不活性成分または賦形剤と混合することができる。使用することができる不活性成分および賦形剤には、塩類溶液(特に、発熱物質を含まない無菌の塩類溶液)、塩類溶液緩衝液(例えば、クエン酸緩衝液リン酸緩衝液酢酸緩衝液および重炭酸緩衝液)、アミノ酸尿素アルコールアスコルビン酸リン脂質、タンパク質(例えば、卵白アルブミン)、EDTA塩化ナトリウムリポソームマンニトールソルビトールおよびグリセロールが含まれる。USP等級の不活性成分および賦形剤は、ヒト対象へのビリオンの送達に特に有用である。かかる処方を製造する方法はよく知られており、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。

0079

先に記載した処方に加えて、ビリオンはデポー調製物としても処方化することができる。かかる長期間作用型処方は、埋め込み(例えば、皮下もしくは筋肉内)またはIM注射によって投与してもよい。したがって、例えば、ビリオンは好適なポリマー性または疎水性材料(例えば、許容し得る油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または溶解性の低い誘導体を用いて処方化してもよい。

0080

同様にして、rAAVベクターは、種々の方法を用いて動物対象に投与してもよい。rAAVベクターは、腹膜内投与(IP注射)ならびに非経口投与(換言すれば、標的組織へのIV注射、IM注射およびイン・サイチュ注射)によって動物に直接的に導入してもよい。rAAVビリオン用の前記した非経口投与の方法および処方を用いて、rAAVベクターを投与してもよい。

0081

rAAVビリオンで形質導入した細胞のエクス・ビボ(ex vivo)送達も、本発明の範囲内で提供する。エクス・ビボ(ex vivo)送達を用いて、rAAV−形質導入した宿主細胞を宿主移植してもよい。同様にして、エクス・ビボ幹細胞(例えば、間葉系幹細胞)療法を用いてrAAVベクター−形質導入した宿主細胞を宿主に移植してもよい。好適なエクス・ビボプロトコールには、幾つかの工程を含んでいてもよい。標的組織(例えば、筋肉、肝臓組織)のセグメントを宿主から採取し、rAAVビリオンを用いてGAAをコードする核酸を宿主細胞に形質導入してもよい。ついで、これらの遺伝子的に修飾した細胞を、宿主に戻し移植してもよい。宿主への細胞の再導入に幾つかのアプローチを用いることができ、それには標的組織への静脈内注射、腹膜内注射またはイン・サイチュ注射が含まれる。rAAVエクス・ビボ修飾したrAAVを形質導入または感染させた細胞の操作は、本発明の範囲内で用いることができるもう1の技術である。本発明に従って、自家および同種異系間細胞移植を用いてもよい。

0082

効用
前記した組成物は、典型的に有効量、すなわち処理対象において望ましい結果を奏することができる量(例えば、対象におけるWTGAA活性の増大)で哺乳動物に投与する。かかる治療有効量は、以下に記載するようにして決定することができる。

0083

本発明の方法に用いる組成物の毒性および治療効力は、培養中の細胞または実験動物のいずれかを用いる標準的な薬学的方法によって決定して、LD50(集団の50%が死滅する用量)を決定することができる。毒性および治療効果の間の用量比は治療インデックスであり、比LD50/ED50として表すことができる。大きな治療インデックスを示す組成物が好ましい。毒性の副作用を示すものも用いることができるが、かかる副作用の潜在的な被害を最小限が最小限に留まるように送達システムを設計することに注意すべきである。本明細書に記載する組成物の投与量は、一般的に、ほとんどまたは全く毒性がないED50を含む範囲内にあるべきである。投与量は、用いる投与形態および用いる投与経路に依存してこの範囲内で変動してもよい。

0084

医学および獣医学の技術分野でよく知られているように、いずれかの動物に対する投与量は、対象の大きさ、体表面積、年齢、投与する具体的な組成物、投与の時間および経路、一般的健康状態、および同時に投与する他の薬剤を含む多くの因子に依存する。粒子の静脈内投与用の適用な投与量は約1012〜1015粒子の範囲内であろうと予想される。70kgのヒトについては、1012〜1015粒子の1〜10mL(例えば、5mL)の注射が現在のところ適当な用量と考えられる。

0085

本発明の組成物および方法の実施形態を以下の実施例で説明する。これらの実施例は説明目的で提供するものであって、本発明の組成物および方法の範囲に対して限定を加えるものと解してはならない。

0086

実施例
材料および方法
ウイルス生成
組換えAAVベクターを作製し、精製し、以前に記載したUniversity of Florida Powell Gene Therapy Center Vector Core Laboratory(Zolotukhin、S.Methods、28:158‐167、2002)にて力価測定した。

0087

静脈内注射
すべての動物の手続きは、University of Florida Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC)のガイドライン(マウス)またはUniversity of California(UC)Davis IACUC(サル;以下を参照されたい)に従って行った。1−日齢の子マウスに以前に記載されているように浅側頭静脈を介して注射した(SandsMS,ら、Lab.Anim.Sci.、49:328‐330、1999)。簡単には、マウスを人工低体温によって麻酔した。29.5ゲージツベルクリン注射器を用いて、ベクターを35μLの合計体積で左側側頭静脈に送達した。2−月齢の成体マウスには、頸静脈を介して注射した。マウスは1.5%イソフルランおよびO2の混合物(1〜2L)を用いて最初に麻酔した。頸静脈を暴露するために0.5−cm切開した。ついで、29−ゲージの無菌の注射針および注射器を用いて、150μLの体積でウイルスを送達した。恒常性を得;皮膚を近づけ、Vetbond(3M、St.Paul、Minn)を用いて圧迫を保持した.

0088

β−ガラクトシダーゼ検出
組織ライゼートをGalacto−Starケミルミネセンス・レポーター遺伝子アッセイシステム(Tropix Inc、Bedford、Mass)を用いてβ−ガラクトシダーゼ酵素活性についてアッセイした。組織ライゼートのタンパク質濃度をBio−RadDCタンパク質アッセイキット(Hercules、Calif)を用いて測定した。

0089

ECG分析
肩部右前肢、左前肢、左後肢および尾部における標準的な皮下ニードル電極(MLA1203、1.5mm Pin 5;AD Instruments)ならびにPower Laboratory Dual BioAmp機器を用いてECG軌跡を得た。各動物からの5分間のECG軌跡をADInstrument's Chart(登録商標)ソフトウェアを用いて分析した。

0090

非−ヒト霊長類実験
サルを用いた実験は、California National Primate Research Center(UC Davis)にあるCenter for Fetal Monkey Gene Transfer for heart,lung,and Blood Diseasesで行った。妊娠したアカゲザル(n=6)を超音波によって妊娠期間モニターし、確立された技術を用いて一定時期に帝王切開によって新生児を取り出した。生後1時間以内に、新生児に末梢の血管を介して

を静脈内注射した。新生児にはrAAV2/1−CMV−hGaa(n=3)またはrAAV2/9−CMV−hGaa(n=3)を受けさせた。新生児は保育器飼育し、6ヶ月間モニターし、その後に過用量のペントバルビタールによって安楽死させ、確立された方法を用いて組織を完全に回収した(グループ当たり一匹)。匹敵する年齢の対照動物からの標本は、Center for Fetal Monkey Gene Transferを通して入手可能である。GAA活性は注射後6月に収集した組織で測定し、非−注射対照からのバックグラウンド活性を差し引いて図5Aの結果を得た。製造業者(Qiagen;DNeasy Tissue kit)によるプロトコールに従って組織からゲノムDNA(gDNA)を抽出した。抽出手順から得られたDNAの濃度をEppendorf Biophotometer(モデル6131;Eppendorf、Hamburg、Germany)を用いて測定した。1mgの抽出したgDNAを、以前に用いられたプロトコール(Song、S,ら、Mol Ther.、6:329−335、2002)および(Perkin−Elmer/Applied Biosystemsによって推奨される)反応条件に従ってすべての定量PCRに用いた。その反応条件には、94.8℃にて40秒、37.8℃にて2分、55.8℃にて4分および68.8℃にて30秒を50サイクルが含まれる。記載されているようにCMVプロモーターに対するプライマーを設計し(Donsante A.ら,Gene Ther.、8:1343‐1346、2001)、同じプロモーターを含むプラスミドDNAのスパイク・イン(spike−in)濃度によって標準曲線を確立した。DNA試料は3回アッセイした。3回目の繰り返しは、100コピー/gDNAμgの比でCBATDNAを補充した。少なくとも40コピーのスパイク・インDNAが検出されたら、そのDNA試料はレポーターベクターDNAのコピーについて受け入れ可能であると考えた。

0091

実施例1:優先的なイン・ビボ心臓形質導入に通じる組換えアデノ随伴ウイルス
rAAV2/1を、イン・ビボで心筋を形質導入する能力について、2のあまり特徴付けられていない血清型(rAAV2/8およびrAAV2/9)と直接的に比較した。これらの組換えまたは偽型化したベクターは、AAV2の逆方向末端反復(ITRs)によって挟まれた関心のあるトランスジーンをもう1の血清型のキャプシドに挿入することによって作製した。1×1011ベクターゲノム(vg)を、35μLの注射体積で1−日齢マウス(5新生児/群)への全身静脈経路によってCMV−lacZ構築物(細胞質lacZ)を運搬する3の異なる各血清型(rAAV2/1、rAAV2/8、またはrAAV2/9)に送達した(図1A−図1D)。注射したマウスからの心臓を注射後4週に収集し、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドX−gal)染色を凍結切片に対して行って、心筋を横切るβ−ガラクトシダーゼ発現生体内分布の範囲を視覚化した(図1A−図1C)。また、β−ガラクトシダーゼ活性を測定して、LacZ発現を定量化した(図1D)。SYBRグリーン定量PCR技術もこれらの心臓に対して行って、存在するベクターゲノムの相対的な量を比較した。二倍体当たり0.19、16.12および76.95vgが各々rAAV2/1、rAAV2/8およびrAAV2/9を注射したマウスの心臓に存在することが判明した。

0092

細胞当たりのベクターゲノムの計算は、以前に記載されているように測定した(Wei JFら,Gene Ther.、1:261‐268、1994)。

0093

結果は、この作業で比較した血清型のもののうち、AAV2/9の全身静脈送達が広くなり、選択的な心臓投与なしでも心筋におけるベクターおよびトランスジーン産物の分布が均一になることを示している。遺伝子発現のレベルは、rAAV2/1について観察されたものよりも200倍大きいレベルの発現を生じることが示された。rAAV2/8は、rAAV2/1を用いて得られたものよりも

高いレベルの心筋の例外的な形質導入を提供する;しかしながら、この血清型を用いた肝細胞の重要な形質導入も存在する。X−Gal-染色した凍結切片は、rAAV2/8およびrAAV2/9が両方とも心臓全体にわたるトランスジーン発現の広範かつ均一の分布を提供することを示している。それに対して、rAAV2/1を注射した心臓は、ずっと低い全体発現を示した。さらに、心臓トロポニン抗体(Santa Cruz Biotechnology)を用いた免疫組織化学を行い、β−ガラクトシダーゼを発現する細胞が心筋細胞であることが判明した。

0094

また、実験では、rAAV2/9はイン・ビトロ(in vitro)で筋芽細胞よりもより効率的に心筋細胞を形質導入することが示された。ついで、β−ガラクトシダーゼ酵素検出アッセイをこれらの同じ動物からの他の組織に対して行って、lacZ発現の生体内分布を特徴付けした。rAAV2/8およびrAAV2/9は両方とも骨格筋をある程度まで形質導入できることが判明した(図2A)。一般的に、rAAV2/8心臓に加えて筋肉を横切る発現の全体的な広範かつ均一な生体内分布を提供する能力を有するが、rAAV2/9−送達されたトランスジーンの発現は他の組織においてよりも心臓において遙かに大きかった。

0095

β−ガラクトシダーゼアッセイを、これらのマウスからの非心臓、非骨格筋組織試料に対しても行った(図2B)。これらの結果は、rAAV2/8およびrAAV2/9は脳、肺および腎臓のような組織も形質導入することができるが、脾臓および小腸の形質導入は小さいことを示した。

0096

rAAV2/9が心筋に対して最大の天然の親和性を示すことが確立されたら、rAAV2/9活性をイン・ビボ(in vivo)でさらに特徴付けした。CMVプロモーターをこれらの実験に選択した。なぜならば、関心のある標的組織におけるサイズおよび発現プロフィールにおいてこの発現カセットが適当であったからである。SYBRグリーン定量PCRをrAAV2/9を注射したマウスからの心臓、肝臓および四頭筋組織標本に対して行い、これらの組織に存在するベクターゲノムの相対量を比較した。これらの結果は、心筋において

ならびに肝臓および四頭筋において各々2.89vg/細胞および11.47vg/細胞が存在することを示した。これらの知見が臨床的に暗示しているのは、特定の組織に対して高い天然親和性を示すAAVキャプシドを用いた場合であっても、組織−特異的なプロモーターを用いることは、関心のある領域に制限されたトランスジーンの発現を最終的に確実にするために重要であるということである。

0097

さらなる実験を行って、心筋および骨格筋におけるrAAV2/9−CMV−lacZ発現の経時的アッセイを評価した。1−日齢のマウス新生児に5×1010vgを注射し、注射後1、7、14、28および56日に心筋および骨格筋を収集した(図3A).結果は、両方の組織におけるトランスジーン発現の開始がベクター投与後1〜7日に生じることを示している。骨格筋における発現の量は最初の28日間徐々に上昇し、ついで横ばいになり、少なくとも56日までは一定のレベルを維持した。心臓組織におけるトランスジーン発現の量は骨格筋においてよりも一貫して高く、実験の期間(56日)全体を通して安定して増加し続けた。

0098

ついで、これらの組織に対してSYBRグリーン定量PCRを行って、心臓組織におけるトランスジーン発現の増大が骨格筋組織と比較した心臓組織におけるβ−ガラクトシダーゼタンパク質安定性に寄与し得るものかを判定した(図3B)。ベクターゲノムのコピー数は心臓組織で増加したが、骨格筋組織ではしなかった。さらに、これらの組織からRNAを単離し、実験の期間を通してRNA転写物の数も増加することが判明した(図3C)。

0099

AAV9に対する細胞性受容体は現在のところ知られていない;しかしながら、優先的な心臓形質導入は、AAVによって結合している心臓リガンドのさらなる評価を保証する。データは、AAV9キャプシドが以前に実験した血清型と同じくらい容易に他の組織によって吸収されないことを示唆している。それが、ヘパリン硫酸プロテオグリカン受容体のような身体全体に位置するより遍在する受容体に結合する能力を有しないためである。したがって、AAV9キャプシドは、心臓組織に達するのにより時間を要する。実験の工程にわたるベクターゲノム濃度の増大に関するさらなる説明は、ベクターゲノムの倍化の潜在的な原因になっている心臓において送達されたトランスジーンの二本鎖合成に遅延があるかもしれないということである。

0100

次に、成体マウスにおける実験を行って、新生児において観察されたrAAV2/9の挙動成体動物において類似しているかを判定した。頸静脈(図4B)を介した静脈内送達経路を用いて、rAAV2/9−CMV−lacZ(1×1011 vg)を3−月齢のマウスに投与した。注射後4週に組織を収集し、トランスジーン発現のレベルを心筋および骨格筋の両方について測定した。結果は、rAAV2/9は成体マウスの心筋および骨格筋を形質導入したが、新生児に同用量を投与した場合と比較すると、発現レベルは遙かに低かった(図4A)。成体におけるrAAV2/9−送達の発現レベルは、同用量のrAAV2/1−CMV−lacZを新生児に投与した静脈内送達後に観察されたものに匹敵した。新生児における同用量と比較した成体における低い全体的rAAV2/9形質導入は予想されないものである。なぜならば、用量/kg体重は小さくなるからである。しかしながら、これらのデータは、rAAV2/9を成体に静脈内送達しようと新生児に静脈内送達しようと同様の生体内分布プロフィールが観察されることを示しており、rAAV2/9が優先的に心臓組織を形質導入することのさらなる証拠を提供している。

0101

遺伝した心筋症のモデルを用いて、この状態への遺伝子−移入アプローチを評価した。ポンペ病は筋ジストロフィーの一形態であり、酸性β−グルコシダーゼ(Gaa)遺伝子中の突然変異によって引き起こされる代謝性筋疾患である。不十分な量のGAA酵素は、リソソームにおけるグリコーゲンの蓄積、その結果、細胞性機能障害につながる。ヒト患者においては、産生されるGAA量と疾患の重篤度との間には直接的な相関がある。治療しなければ、生後5年以内の早期発症患者においては典型的に心臓呼吸系の疾患が起こる。

0102

疾患表現型発病を修正および/または防ぐ治療トランスジーンを送達するrAAV2/9偽型の能力を示すために、Gaa−/−マウスモデルをrAAV2/9−CMV−hGaa(ヒトGaa)で処理した。rAAV2/9マーカー遺伝子の結果により、典型的に必要な治療用量よりも少ない用量で十分に心筋症のマウスモデルにおける修正を提供することが予想された。したがって、4×105または4×108vg/新生児のいずれかのrAAV2/9−CMV−hGaaを、静脈内送達経路を用いて1日齢のGaa−/−マウスに投与した。注射後3月に、処理マウスおよび非注射の年齢の合致したGaa−/−および健全な野生型(B6/129)対照の各投与量群に対してECGを行った。

0103

この疾病のヒト形態と同様に、非処理Gaa−/−マウスのECGは、健全なB6/129対照と比較して短いPR時間を示している(PR=33.41±1.35 ms、または野生型[PR=44.95±1.58 ms]よりも26%短い)。低用量(4×105vg)のrAAV2/9−CMV−hGaaで処理したマウスは、36.76±1.12msのPR時間、または野生型で年齢の合致した対照よりも18%短いPR時間しか示さなかった(P=0.062)。4×108vgで処理した投与量群は、39.38±2.42msのPR時間を示し、または年齢の合致したB6/129対照よりも12%しか短いPR時間しか示さなかった(P=0.058)。本質的に、これらの低用量では、時間が進行するにつれて増大し得る長いPR時間が観察された。

0104

マウスは遺伝子療法実験の一般的によく認知されたモデルであるが、ヒトにおける種々のAAVキャプシドの挙動は全く異なる場合がある。したがって、現在は非ヒト霊長類において長期の実験を行って、ヒトに系統学的により類似する動物モデルにおける経時的な発現を評価している。この進行中の実験からの結果は、新生児アカゲザルへのrAAV2/9−CMV−hGaaまたはrAAV2/1−CMV−hGaaの末梢血管(誕生時の)を介した静脈内送達後6月に、血清型間の発現プロフィールがrAAV2/9を用いたマウスで観察されたものに類似し、rAAV2/1よりも

高いGAA発現を提供することを示している(図5A)。これらの非ヒト霊長類組織において観察されたベクターゲノム生体内分布プロフィールもrAAV2/9を用いたマウス組織で見出されたものに類似し(図5B)、骨格筋を超える心臓組織に対する劇的な優先性を示している。非ヒト霊長類心臓標本の発現およびベクターゲノム分析の両方について、数値心房および心室を含む右心左心との間で平均化した。発現およびベクターゲノムの生体内分布は心臓全体にわたって均一のようである。

0105

実施例2:AAV9キャプシドは心臓組織を優先的に形質導入し、イン・ビボ(in vivo)においてユニークな挙動を示す
遺伝型心筋症を治療するための遺伝子療法アプローチの開発:
ウイルスを成体、新生児マウスおよび非−ヒト霊長類に静脈内(IV)投与した後の全身にわたる組織中の発現プロフィールを評価することによって、(評価したもののうちの)心臓組織の形質導入に最適なAAV血清型はAAV2/9であることを決定した。MRI、ECGおよび組織分析を通して、治療トランスジーンを運搬する410vgのAAV2/9のIV送達により、ポンペ病、グリコーゲン蓄積障害のマウスモデルにおいて心臓表現型を緩和し得ることが示された。3月齢時に、ECG分析はPR時間における改善を示し、MRI評価は、非処理対照と比較して高い心拍出量を示した。投与後6月に、これらの改善は続いており、心臓標本のPAS染色はグリコーゲンの首尾よい消失を示した。心臓組織に対するAAV2/9の高い天然のアフィニティーは、それが心筋細胞において広く分布している受容体に優先的に結合することを示唆している。実験は、以前に作業したものの中でもこのキャプシドについてユニークな興味深い特徴を明らかにした。510vgのAAV2/9−CMV−LacZを1−日齢マウスに投与し、心臓および筋肉を56日まで経時的に収集して、発現を定量化した。β−galの発現は骨格筋組織において横ばいになったが、心臓においては上昇し続けた。vgの分析は、同じ現象を明らかにした。データは、AAV9キャプシドが経時的に組織から放出され続けられ得ることを示唆し、IV送達後に心臓に達するのにより長時間を要することを示している。

0106

酸性α−グルコシダーゼのrAAV2/9媒介遺伝子送達はポンペ病のマウスモデルにおける心臓表現型を修正する:
ポンペ病は、酸性アルファグルコシダーゼ(GAA)遺伝子中の突然変異によって引き起こされる形態の酸性代謝筋疾患である。不十分な量のGAAはリソソームにおけるグリコーゲンの蓄積につながり、その結果として細胞の機能障害を引き起こす。ヒト患者においては、産生されるGAAの量と疾患の重篤度との間に直接的な相関が存在する。治療しなければ、心臓呼吸系の機能不全が生後1年以内の早期発症型の患者において起こる。

0107

本明細書に記載するのは、ECG軌跡、MRIデータの分析および過ヨウ素酸シフト(PAS)染色の使用を通して組織切片におけるグリコーゲン含量を視覚的に評価した、種々の年齢のGAAノックアウトマウスモデル(gaa−/−)における心臓表現型の特徴付け実験である。ECG分析を通して、ヒトポンペ病集団において観察された伝導表現型を模倣する短いPR時間(gaa−/−33.41±1.35ms、対照44.95±1.58ms)が3週齢までに観察された。2週齢までに、異常な量のグリコーゲンがPAS染色によって示されたように心臓細胞のリソソームにおいて観察することができた。MRI分析は、3月目に一回拍出量(SV)の減少(gaa−/−36.13±1.19μL、対照51.84±3.59μL)および心拍出量(CO)の減少(gaa−/−7.95±0.26 mL/分、対照11.40±0.79mL/分)ならびに12週齢までに心筋質量の顕著な減少(gaa−/−181.99±10.7mg、対照140.79±5.12mg)を示している。

0108

多くの遺伝による心筋症に適用することができる心臓遺伝子送達技術を開発するために、心機能不全のこのモデルを用いる。CMV−hGAA構築物を運搬する血清型1(rAAV2/1)のウイルスキャプシドで偽型化した組換えAAV2ウイルスベクターの1−日齢のGaa−/−新生児へのIV送達が投与後12月観察した場合に種々の組織でGAA活性を回復することが以前に示されている。より最近では、IV投与経路およびrAAV2/9偽型キャプシドを用いたLacZトランスジーン送達がrAAV2/1を同用量で用いた場合よりもほぼ200倍高いレベルの心臓組織における発現を生じることが判明した。さらなる実験では、成体マウスへのrAAV2/9を用いたトランスジーンのIV送達も心臓組織の形質導入を生じることが示された。

0109

ここに、ヒトGAA(hGAA)遺伝子をGaa−/−マウスに送達するために、心臓形質導入用の最適なrAAV血清型(rAAV2/9)を臨床上適当なIV投与経路と組み合わせた。このストラテジーを用いて4×105 vg、4×108 vgおよび4×1010 vgの用量の範囲のrAAV2/9−CMV−hGAAで処理した新生児は、ECG分析によって評価したように持続性の修正を示した(39.38±2.42ms)。凍結組織切片に対するPAS染色ならびに凍結乾燥組織に対するNMR分析は、処理したgaa−/−マウスの心臓組織においては非処理対照と比較して少ないグリコーゲン蓄積を示した。非−侵襲的MRI分析は、SVおよびCOの増大を示した。すでに心臓表現型を示し始めているマウスにおけるポンペ病の効果を逆転するために、成体Gaa−/−マウスもIV送達経路を用いて処理し、同時に評価した。

0110

全身送達経路、CMVプロモーターの使用およびGGAがすべて身体全体にわたる発現および修正を促進する分泌酵素であるという事実。GAA活性は骨格筋および肝臓を含む処理したマウスの種々の他の組織において観察されている。結論として、これらの実験は、比較的非侵襲性のIV送達経路、血管構造超越し、全身にわたる組織を導入し、最終的にポンペ病の心臓表現型の出現を防ぐrAAV2/9の能力を示している。

0111

実施例3:筋ジストロフィーの齧歯類モデルにおいて特徴付けおよび遺伝子療法評価のためのMRI
どのアデノ随伴ウイルス(AAV)血清型、プロモーターおよび送達経路の組合せが心臓遺伝子送達に最も有利であるかを確立する研究を行った。処理することができる種々の形態の筋ジストロフィーのマウスモデルにおける心臓を非−侵襲的に特徴付けする実験を行った。種々の形態の筋ジストロフィーのモデルの例には、肢帯型筋ジストロフィーのモデル;アルファ−サルコグリカンノックアウト(ASG−/−)、MBNLのエキソン3が欠失している筋硬直性ジストロフィー1型のモデル(MDNL1−/−)およびジストロフィンを欠失しているデュシェンヌ型筋ジストロフィーのMDXマウスモデルが含まれる。

0112

初期の特徴付け実験では、これらのモデルから心臓組織を年齢の範囲で収集し、すべての症例において疾患の徴候が年齢とともに増大することが判明した。発症の初期ステージの変性病変の場所およびサイズは同定および測定できる。なぜならば、悪化した筋肉組織の異常な浸透性に筋して蛍光色素、Evans Blue Dye(EBD)を取り込み捕捉するその能力のためである。1H−磁気共鳴技術を用いた骨格筋における変性病変の進行を非−侵襲的に同定およびモニターするその能力も示す。凍結切片における発病の後期ステージの病変を認識するために、トリクローム染色を用いた。これは、線維形成を受けるに従ってより進行した変性病変に浸透するコラーゲンの存在を染色する。

0113

心臓MRは、構造ならびに全体および領域的な機能情報を提供する高解像度の画像を提供する。より高齢のMDXマウス(6−52週齢)では、心臓は、一般的に心室および隔膜に位置する炎症性細胞浸潤、筋細胞損傷および線維形成の限局性病変を示す。より高齢のMDX心臓(>48週齢)が高いMRシグナル強度の領域を示すことも見出された。EBD蓄積、H&Eおよびトリクローム染色を用いて組織学的に測定すると、高強度の領域は筋細胞損傷の領域と相関している。心臓MRを用いて、筋細胞機能をモニターすることもできる。種々の年齢のこれらのモデルに対して心臓MRIを行うことによって、拡張した心筋症、収縮性欠損および不整脈の存在を同定することができる画像を得た。標準的な心臓イメージング測定および技術に加えて、心臓タギングプロトコールを確立して局在した収縮性欠損の領域を同定することができる。このことは、心臓全体にわたる壊死性組織の領域による領域性の機能障害を示すことができるマウスモデルに有利になるかもしれない。

0114

これらの特徴付けが完了したら、次の工程には、遺伝子療法をこれらのマウスに提供し、これらの疾患の病変を防ぐことが含まれる。ついで、処理した動物を、心筋症の齧歯類モデルにおける機能性修正を最終的に示すために、確立されたMRIプロトコールを用いて定期的に非−侵襲的に評価した。

0115

実施例4:ポンペ病への呼吸不全に寄与する神経の欠損
主目的は、GAA−/−マウスが、患者集団において観察された換気困難に類似する変化したパターンの呼吸を有するかおよびGSDIIにおける換気欠損が中枢コンポーネントによって媒介されるかを決定することである。

0116

プレチモグラフィー:気圧プレチモグラフィーを用いて、CA−/−マウスおよび年齢の合致した対照(B6/129株)の毎分換気量(MV)および吸気時間(Ti)を測定した。馴養期間(30分)およびベースライン(60分;FiO2=21%、FiCO2=0%)の後に、マウスを高炭酸ガス攻撃に付して(10分、FiCO2=6.5%)、呼吸運動神経出力を刺激した。

0117

血液サンプリング:対照(B6/129)およびGAA−/−マウスを麻酔し、採血した〜100μLの尾部血液をディスポーザブルG8+カートリッジに収集し、ポータブルI−Stat機器(Heska Corp.)で判読した。

0118

グリコーゲン検出:グリコーゲンは、酸−加水分解法の修飾を用いて定量した。組織学的グリコーゲン検出のために、PAS染色を行った;横隔膜運動ニューロンを検出するために、48時間前にマウス横隔膜をFluoro−Gold(登録商標)(4%)で染色する。

0119

イン・ビトロ(in vitro)力−周波数測定:各横隔膜片について等尺テタニック張力(isometric tetanic tension)に最適な長さを測定した後に次第に刺激周波数を増加させた。横隔膜片の長さおよび重量に対して生成した力を正規化した。

0120

神経生理学:右横隔膜神経を単離し、双極性タングステン電極で麻酔し(ウレタン、i.v.1.0−1.6g/kg)、機械的に通知し、麻痺させ、迷走神経切除したマウスで電気活性を記録した。

0121

結果および概要:図6A−図6Cは、6ヶ月(図6A)、12ヶ月(図6B)および>21ヶ月(図6C)の対照およびGAA−/−マウスにおけるベースラインのおよび10分間の高炭酸ガスの毎分換気量(mL/分)の結果を示すグラフである。

0122

要約すると、結果は:
GAA−/−マウスは年齢を一致させた対照マウス(図7A)と比較して変化したパターンの呼吸を有する。
神経系におけるGAA欠損は、筋肉特異的GAAマウス(正常に機能する横隔膜を有する)において減衰した毎分換気量によって示されるように、換気の欠陥を生じた(図7B)。
減衰した平均吸気流は、GAA−/−マウスにおける呼吸に対する駆動が低下することができることを示唆している(図8)。
GAA−/−マウスの脊髄中のグリコーゲンの蓄積は、6月齢に開始することが観察される(図9Aおよび図9B)。
遠心性吸気横隔膜の出力は、対照に対してGAA−/−において低下している(図10Aおよび図10B)。
結論:GAA−/−マウスにおける換気の欠陥は、患者の集団について同様である。平均吸気流、グリコーゲン定量、呼吸の筋肉特異的GAAマウスのパターンおよび横隔膜ニューログラムのデータは、これらの換気困難がGSD IIにおける筋肉およびニューロン成分の両方を反映しているという仮説と一致する。

0123

実施例5-RAAV2/1ベクターを用いたポンペ病の生理学的修正
材料および方法:
組換えAAV2プラスミドp43.2−GAA(Fraites、T.J.、Jr.ら、Mol.Ther.5:571−578、2002)は以前に記載されている。血清型1に基づく組換えAAV粒子はp43.2−GAAを用いて作製し、発生させ、精製し、以前に記載されているようにUniversity of Florida Powell Genetherapy Center vector Core Labで力価測定した(Zolotukhin、S.ら、Methods、28:158−167、2002)。

0124

すべての動物実験は、University of Florida Institutional Animal Care and Use Committeeのガイドラインに従って行った。この実験に用いたポンペ病のマウスモデル(Gaa−/−)は以前に記載されており、Gaa遺伝子のエキソン6を標的化して破壊することによって作製した(Raben、N.ら、J.Biol.Chem.、273:19086−19092、1998)。1−日齢のGaa−/−マウスに、以前に記載されているように浅側頭静脈を介して5×1010粒子(30μL総体積)のrAAV2/1−CMV−GAAを静脈内投与した(Sands、M.S.and Barker、J.E.、 Lab.Anim.Sci.、49:328−330、1999)。

0125

注射後10−、24−および52−週に、組織ホモジネートをGAA酵素活性についてアッセイした。簡単には、37℃にて1時間インキュベートした後、合成基質4−メチルウンベリフリル−α−D−グルコシド(Sigma M9766、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)の切断を測定することによってGAA活性についてライゼートをアッセイした。首尾よい切断は、FLx800マイクロプレート蛍光リーダー(Bio−Tek Instruments、Winooski、VT)を用いて測定されるように、448nmで発光する蛍光産物を与える。タンパク質濃度は、Bio−RadDCタンパク質アッセイキット(Bio−Rad、Hercules、CA)を用いて測定した。データは、非処理Gaa−/−組織レベルを差し引いた後の各組織におけるGAAの正常レベルのパーセンテージとして表す。抗−GAA抗体の検出は、ELISAによって行った。

0126

処理および非処理横隔膜のセグメントを、標準的な方法によって、PBS中の2%グルタルアルデヒド中で固定し、Epon 812(登録商標)(Shell)に包埋し、切片調製し、periodic acid−Schiff(PAS)によって染色した。

0127

マウスを1.5−2%のイソフルランおよび1L/分の酸素の混合物で麻酔し、ついでヒーティングパッド上に仰向けに置いた。ECGのリードは、右肩部、右前肢、左前肢、左後肢および尾部に皮下的に設置した。ECG軌跡は、PowerLabADInstrumentsユニットおよびChart獲得ソフトウェア(ADInstruments、Inc.、Colorado Springs、CO)を用いて動物当たり5分間獲得した。すべての軌跡からのピーク間隔を各動物について平均化し、ついで各実験群内で平均化した。

0128

心臓の質量の評価:
心臓MRIは、University of Florida Advanced Mgnetic Resonance Imaging and Spectroscopy(AMRIS)施設の4.7 T Bruker Avance spectrometer(Bruker BioSpin Corporation、Billerica、MA)で行った。動物を1.5%イソフルラン(Abbott Laboratories、North Chicago、IL)および1L/分の酸素を用いて麻酔した。動物を手作りの直交伝達−受容表面コイル(quadrature transmit−and−receive surface coil)上に、可能な限りコイルの中心に近づけて心臓を設置しながら、うつ伏せで設置した。cardiac gatingを用いて画像を獲得し、R−R波のピークでトリガーした(SA Instruments、Inc.、Stony Brook、NY)。心臓は、左心室の長さ方向に沿って単一の短軸スライスを得ることによって視覚化した。グラジエントリコールドエコー(GRE)配列(マトリクス=256×128、TE=2.4 ms、FOV=4cm×3cm、7−8スライス、厚さ=1 mm)を用いて画像を獲得した。有効なTR(パルス繰り返し時間)は動物の心拍数によって支配され、それは一定に維持されることが観察され、それに従って麻酔した。R−R間隔は典型的に250 msであった。

0129

画像は、マウス用CAASMRV(Pie Medical Imaging、Maastricht、The Netherlands)を用いて加工した。輪郭は、弛緩末期および収縮末期の両方に左心室の長さ方向に沿った各スライスについて心外膜および心内膜描写した。結果をエクスポートし、分析し、拡張末期の心筋質量を計算した。

0130

等尺力−周波数の関係を用いて、横隔膜収縮力を評価した。肋骨および中心が付いたまま横隔膜を単離し、上、95%O2/5%CO2ガス混合物で平衡したKrebs−Henseleit溶液に入れた。単一の筋条片、結合組織繊維に平行する腹側の肋骨横隔膜から単一の筋条片を切断し、それを用いて力−周波数の関係を測定した。肋骨および腱中心を挟むことによって、Plexiglas(登録商標)クランプを横隔膜ストリップに結合した。筋条片は、95%O2 /5%CO2ガス混合物平衡化したKrebs−Henseleit溶液を含有する水−被覆した組織浴(Radnoti、Monrovia、CA)中に垂直に吊し、37oC、pH7.4に維持し、15分間平衡化した。等尺収縮性特性を測定するために、腱中心に結合したクランプを力トランスデューサー(モデルFT03、Grass Instruments、West Warwick、RI)に連結した。Theトランスデューサーの出力を演算増幅器によって増幅および区別し、コンピュータベースデータ獲得システム(Polyview、Grass Instruments)を用いてA/D変換した。等尺テタニック張力について筋条片の最適な長さ(Lo)を決定するために、筋肉を白金ワイヤ電極を用いてその全体の長さに沿ってフィールド刺激した(モデルS48、Grass Instruments)。単一の痙攣収縮を発生させ、つづいて最大の等尺痙攣収縮が得られるまで筋肉の長さを段階的に増大させた。すべての収縮特性は、Loで等尺的に測定する。ピーク等尺テタニック力は、10、20、40、80、100、150および200 Hzで測定する。列間に40分の回復時間を設けて疲労を防ぎつつ、単一の500 ms列を用いた。キャリパーを用いて機器から筋肉を取り出す前のLoを測定する。ついで、筋肉組織を肋骨および腱中心から取り出し、ブロット乾燥し、重量を測定した。筋肉の断面積(CSA)は、等式CSA(cm2)=[筋条片質量(g)/繊維長Lo(cm)×1.056(g/cm3)]を用いて測定し、ここに1.056 g/cm3 とは推定される筋肉の密度である。計算したCSAを用いて、N/cm2として表される等尺張力を正規化した。

0131

呼吸機能は、気圧全身プレチモグラフィーを用いてアッセイした。非麻酔、非拘束C57BL6/129SvJ、Gaa−/−およびrAAV2/1−処理Gaa−/−マウスを透明Plexiglas(登録商標)チャンバー(Buxco、Inc.、Wilmington、NC)に入れた。チャンバーの気流、圧力、温度および湿度を連続的にモニターし、DrorbaughおよびFennによる方法を用いて周波数、毎分換気量、一回換気量およびピーク吸気流のようなパラメータを測定し、BioSystem XA software (Buxco、Inc.)を用いて分析した(Drorbaugh、J.E.およびFenn、W.O.、Pediatrics、16:81−87、1955)。ベースライン測定は、1時間の酸素正常状態(FIO2:0.21、FICO2:0.00)につづく高炭酸ガス(FIO2:0.21、FICO2:0.07)への10分間暴露で行った。

0132

結果:
rAAV2/1−処理動物における心臓および呼吸の機能を調べた。ポンペ病の患者集団と同様にして、(ECG)測定(PR時間)は、マウスモデルにおいて顕著に短くなっていた。rAAV2/1−処理マウスにおいては、非処理対照(35.58±0.57 ms)(p<0.05)と比較して39.34±1.6msの長いP−R間隔を有する心臓伝導における顕著な改善が示された。また、心臓磁気共鳴イメージング(MRI)を用いると、左心室質量における急激な減少が、非処理、年齢の合致した対照における181.99±10.70mgからrAAV2/1−処理マウスにおける141.97±19.15まで記録された。さらに、マウスは、気圧全身プレスチモグラフィーを用いて測定したところ、対応する著しく改善した換気(特に周波数、毎分換気量およびピーク吸気流)と一緒に、野生型のピーク力のほぼ90%まで増大した横隔膜収縮力を示した。これらの結果は、生化学的および組織学的な修正に加えて、rAAV2/1ベクターが致死心筋症および筋ジストロフィー−モデルにおける心臓および呼吸機能の両方の持続した生理学的修正を媒介することを示している。

0133

rAAV2/1の全身送達は、Gaa−/−マウスの心臓および横隔膜GAA酵素活性の持続した回復を生じることができる。
5×1010粒子のrAAV2/1−CMV−hGAAを、浅側頭静脈を介して1−日齢のGaa−/−マウスに注射した。一連の血清試料を収集し、注射後10、24および52週に抗−hGAA抗体の形成についてアッセイし、ならびに心臓および横隔膜組織をGAA酵素活性について分析した。循環型抗−hGAA抗体の存在によって一時的な体液性免疫応答が検出された。抗体価は、バックグラウンドレベルを超える16.08±4.66−倍の平均で、注射後11週に最高であった。15週後に、抗体価はバックグラウンドを超える4.72±1.28−倍まで著しく低下し、処理後31週までにバックグランドレベルまで低下した。ピークGAA酵素活性レベルは、心臓および横隔膜において、各々、注射後24週に正常(Gaa+/+)活性の4223±1323および138.18±59.7%と測定され、1年後に正常の593.79±197.35%および39.81±17.43%と測定された。

0134

組換えAAV2/1−媒介療法はGaa−/−マウスにおける心臓の質量および心伝導の異常を修正し得る。
前記した結果は、PAS試薬染色によって判定されたように超生理的レベルのGAA酵素活性およびグリコーゲンの同時消失によって明らかになったように、rAAV2/1−CMV−hGAAベクターの送達がポンペ病心臓表現型の持続した生化学的および組織学的修正を生じることを示している。心臓組織の過塩素酸抽出物プロトン磁気共鳴測定(1H−MRS)は、さらに、これらの知見を支持している。図11に示すように、明白なグリコーゲンピークが1−歳のGaa−/−マウスにおいて検出することができた。新生児時にrAAV2/1−CMV−hGAAで処理した1−歳のGaa−/−マウスの心臓のグリコーゲン含量において、非処理マウスと比較して平均70%の減少が認められた。

0135

心臓機能に対するrAAV2/1−媒介療法の生理学的効果を調べた。短いPR時間はポンペ病を患う患者の心電図において特徴的である。1歳時に、Gaa−/−マウスも顕著に短いPR時間を示す。表1に示すように、新生児時にrAAV2/1−CMV−hGAAを投与した1歳のGaa−/−マウスは、非処理対照(35.58±0.57 ms)(p<0.05)と比較して39.32±1.6 msの延長したPR時間でもって顕著に改善された心臓伝導を示した。異常な心臓伝導に加えて、ポンペ病の患者集団およびマウスモデルの両方とも、顕著な心臓肥大も示した。磁気共鳴画像診断(MRI)を用いて、以前の実験では、マウスモデルにおいて心臓の質量を正確に、非侵襲的に定量することができた。MRIを用いてGaa−/− モデルにおける左心室(LV)の質量を評価した。1歳時に、Gaa−/−マウスは年齢の合致した野生型Gaa+/+(C57BL6/129SvJ)マウス(140.79±5.12 mg)と比較して顕著に大きいLV質量(181.99±10.7 mg)を有する。表1に示すように、rAAV2/1−処理Gaa−/−マウスは1歳の野生型マウスのLV質量(141.97±19.15 mg)よりも小さいLV質量を有している。rAAV2/1−処理マウスにおけるLV質量の減少は全く統計学的に有意というわけではないが(p=0.06)、the 小さいLV質量の傾向は真実であると考えられ、より多い集団では有意になりそうである。

0136

0137

注射1年後、rAAV2/1−処理マウス(n=7)ならびに非処理の年齢の合致した対照Gaa−/−(n=7)およびC57(n=5)マウスを心電図検査ならびに磁気共鳴画像診断に付した。

0138

横隔膜の収縮性および換気機能は、rAAV2/1ベクターを投与した後に顕著に改善される。
呼吸不全徴候は、ポンペ病の最も一般的な臨床的併発症のうちの1であるため、換気機能に対するrAAV2/1−媒介遺伝子療法の効果をGaa−/−マウスで調べた(Kishnani、P.S.ら、Genet.Med.、8:267−288、2006;Hagemans、M.L.ら、Neurology、66:581−583、2006;Mellies、U.ら、Neurology、64:1465−1467、2005)。rAAV2/1−CMV−hGAAを静脈内投与した1歳のGaa−/−マウスからの横隔膜のPAS染色は、治療レベルのGAA発現に対応する蓄積グリコーゲン量における顕著な減少を示した。横隔膜筋肉を単離し、等尺力発生について評価した。rAAV2/1−処理マウスによって発生する横隔膜収縮力は、年齢の合致した、非処理対照、およびより若年の3−月齢の非処理動物とでさえ比較して顕著に改善された。最大刺激周波数(200 Hz)では、rAAV2/1−処理マウスからの横隔膜によって発生される力は21.98±0.77 N/cm2であり、一方、対照の1歳のGaa−/−マウス横隔膜は平均13.95±1.15 N/cm2を発生した。

0139

換気を測定するために、気圧全身プレチモグラフィーを用いた。プレチモグラフィーにより、非麻酔、非拘束マウス(DeLorme、M.P.およびMoss、O.R.、J.Pharmacol.Toxicol.Methods、47:1−10、2002)において、呼吸数(呼吸/分)、一回換気量(mL/呼吸)、毎分換気量(mL/分)およびピーク吸気流(mL/秒)を含む換気の複数のパラメータを同時に測定することができる。マウスを正常酸素圧の空気への90分間につづいて高炭酸ガス(7% CO2)条件に12分間曝した。高いCO2レベルは、呼吸する駆動を高め、拡大した範囲の呼吸能を評価することができる。プレチモグラフィーは6および12週齢に行った。高炭酸ガスに応答した顕著に減少した回数、一回換気量、毎分換気量およびピーク吸気流(p<0.01)によって示されるように、非処理Gaa−/−マウスは6および12週齢の両方において劇的に減じられた換気能を示した。反対に、6ヶ月時には、rAAV2/1−処理Gaa−/−マウスは高炭酸ガスに応答して測定したすべてのパラメータを横切る顕著に改善された換気を有しており(図12A−図12D)、処理後1年には、回数、毎分換気量、およびピーク吸気流は未だ非処理、年齢の合致した対照のものよりも顕著に高かった(p<0.05)(図13A−図13D)。

0140

本願明細書に記載する実験は、疾患表現型の生化学的な修正に加えて、治療rAAV2/1ベクターの投与が同様に機能性修正につながることを示している。治療rAAV2/1ベクターを用いた処理は、処理した動物の心電図における延長されたPR時間によって示されるように心臓機能における顕著な改善を生じる。

0141

これらの実験は、ほぼ39%の正常なGAA活性の平均が横隔膜、換気に関与する主な筋肉におけるグリコーゲンの消失、ならびに横隔膜の収縮能力における劇的な改善を生じることができることも示している。なお、換気機能の顕著な改善は、高炭酸ガスの条件下で観察されたものである。心臓機能と同様に、換気機能においても著しい改善が記録されたが、修正は部分的である。処理した動物および対応する非処理対照の間の換気における顕著な差異は観察されなかった。

0142

Gaa−/−マウスモデルにおいて行った実験は、Gaa−/−マウスにおける横隔膜運動ニューロン活性は和らぎ、治療rAAV2/1ベクターの単一の静脈内投与は、代謝筋ジストロフィーのマウスモデルにおける心臓−呼吸表現型の持続した修正を生じ得ることができることを示唆している。

0143

実施例6−進行した形態の疾患を有するポンペ病マウスにおける換気機能を修正するrAAV2/1ベクターのゲル−媒介送達
3、9および21−週齢時に処理したGaa−/−マウス中の血清型1(rAAV2/1)のウイルスキャプシドで偽型化した治療組換えAAV2ウイルスベクターのゲル−媒介法の送達の結果を特徴付けした。3週齢時に処理したマウスにおいては、年齢を一致させた非処理対照と比較して6月時に横隔膜収縮力の顕著な改善が認められ、それは1歳まで持続することが観察された。同様にして、顕著に改善された収縮力が、処理後9および21週齢、および3月に処理したマウスにおいて認められた(p<0.05)。正常酸素圧条件下の換気(一回換気量/吸気時間の比、吐き出されたCO2に対する毎分換気量の比、およびピーク吸気流)は、3月齢に処理し、6月時に試験したマウスにおいてすべて改善されていた(p<0.05)が、年齢の合致した対照と比較して1歳時に持続していなかった。すべてのrAAV2/1ゲル−処理マウス(3、9および21週齢に処理)において、毎分換気量およびピーク吸気流は炭酸過剰条件で顕著に改善された。これらの結果は、rAAV2/1ベクターのゲル−媒介送達が、筋ジストロフィーのモデルにおける換気機能の顕著な生理学的改善を媒介することができることを示している。

0144

材料および方法:
組換えAAV2/1ベクターのパッケージングおよび精製
組換えAAV2プラスミドp43.2−GAAは以前に記載されている。血清型1に基づく組換えAAV粒子は、p43.2−GAAを用いてUniversity of Florida Powell GeneTherapy Center Vector Core Labで作製し、発生させ、精製し、力価測定した。

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