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図面 (7)

課題・解決手段

提供されるのは、リポソームイリノテカン(MM−398)のみを、または追加の治療剤と組み合わせて投与することによる、患者膵臓癌治療するための方法である。一実施形態では、リポソームイリノテカン(MM−398)は、5−フルオロウラシルおよびロイコボリン同時投与する。一態様では、患者の膵臓癌を治療するための方法(例えば、効果的な治療)を提供し、この方法は、当該患者に有効量のリポソームイリノテカンを投与することを含み、かつ期間が3週間である少なくとも1つの周期を含み、各周期において、当該患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に80mg/m2の用量で投与する場合を除き、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に120mg/m2の用量で投与する。

概要

背景

癌治療における改善にもかかわらず、特に膵臓癌などの現在の治療法にしばしば耐性を持つ、または持つことになる進行癌の場合には、生活の質を維持しながら患者延命のために、治療をさらに改善するための重要な必要性が依然として存在する。

膵臓癌の発生率は、過去数十年の間に著しく増加している。それは現在米国における癌による死亡原因の、第4位にランクされている。膵臓癌の高い死亡率は、効果的な治療法の不足と、確実に耐久性のある治療法の、完全な欠如によるものである。膵臓の位置が原因で、膵臓癌は一般的に、腫瘍全身症状を引き起こすのに十分な大きさになるまで診断されない。この事実は、優れたスクリーニングツールの欠如と、危険因子に対する限られた理解と相まって、診断時には、患者が通常は進行疾患、多くの場合は転移性疾患、を有することになる。転移性膵臓癌は予後不良があり、5年の全生存期間率が4%未満で、ほぼ一様に致死的である。

1つ以上の5−フルオロウラシル(5−FU)、およびゲムシタビンでの化学療法は、膵臓癌における生存期間延ばすことが示されている。フォリン酸ロイコボリンまたはレボロイコボリン)、5−フルオロウラシル、およびイリノテカンフォフィリ)、フォリン酸、5−フルオロウラシル、イリノテカン、およびオキサリプラチン(フォルフィリノックス)、またはあまり一般的ではないが、フォリン酸、5−フルオロウラシル、およびオキサリプラチン(フォルフォックス)との組み合わせを含む併用療法も、いくつかの膵臓癌を治療するために使用される。イリノテカンは、7−エチル−10−[4−(1−ピペリジノ)−1−ピペリジノ]カルボニルオキシカンポテチン、IUPAC名は(S)−4,11−ジエチル−3,4,12,14−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−3,14−ジオキソ1H−ピラノ[3’,4’:6,7]−インドリジノ[1,2−b]キノリン−9−イル−[1,4’ビピペリジン]−1’−カルボキシレート。イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害剤クラスの薬剤一員で、半合成自然発生アルカロイドカンプトテシン水溶性類似体である。また、CPT−11としても知られるイリノテカンは、現在Camptosar(登録商標)(イリノテカン塩酸塩注射)などの水溶液として市販され製剤化されている。イリノテカンなどのトポイソメラーゼI阻害剤は、DNAの巻き戻しを阻害することによって、制御不能細胞の増殖を停止させるように働き、それによってDNA複製を防止する。

イリノテカンの薬効薬理は、薬剤の活性化、不活性化、および消失に関わる、広範な代謝的変換により複雑である。イリノテカンは、非特異性カルボキシルエステラーゼによって、100から1000倍の活性代謝物SN−38に変換されたプロドラッグである。SN−38は、P糖タンパク質によって認識されず、細胞外に特定の薬剤を送り出すことにより取得した、薬剤耐性に重要な役割を果たしている薬物輸送体なので、イリノテカンは、他の標準化学療法に耐性のある腫瘍内で活性である可能性が高い。体内では、SN−38は、主要な薬理遺伝学的変動性が報告されているグルクロン酸抱合および胆汁中排泄によって消失される。これらの薬物の特性は、イリノテカンにおける臨床的に認められた効能、および毒性の著しい不均一性の原因となる。イリノテカン塩酸塩注射は、転移性結腸、または腎臓癌の治療のために米国で承認されていて、また、結腸直腸子宮頸部、および卵巣の癌の治療のためにも使用される。

特に外分泌起源のものは、進行性または転移性の膵臓癌に対して、承認された治療法の選択肢が少ない。単剤ゲムシタビンは、進行性および転移性の膵臓腺癌の、一次治療における現在の標準治療である。臨床試験において、単剤ゲムシタビンは、一貫して5から6ヶ月の中央値の生存期間延長と、約20%の1年生期間率を示した。単剤ゲムシタビンは、3.9ヶ月の生存期間の中央値の全延長を持ち、5−フルオロウラシルで以前にも治療されたがもはや反応しなくなった患者のための、二次治療としても承認された。

膵臓癌の生物学に既知のものに基づいて、様々な標的薬剤が評価されてきたが、EGFRを標的とするタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤であるエルロチニブが、進行性膵臓癌の一次使用のために唯一認可されており、この認可は、ゲムシタビンとの併用でのみ使用することができる。ゲムシタビンとエルロチニブの併用投与は、生存期間率と、ゲムシタビン単独と比較した生存期間の中央値(6.4ケ月対5.9ケ月)、および1年生存期間率(24%対17%)の改善において、統計的に有意な有益性をもたらした。抗体ベバシズマブセツキシマブ治験する研究を含む他の標的薬剤を評価する臨床試験は、残念ながら、悲観的なものであった。したがって、膵臓癌のための現在の治療において、改善、および効果的に代替する緊急な必要性がある。この開示された発明は、この必要性に対処し、他の有益性を提供する。

概要

提供されるのは、リポソームイリノテカン(MM−398)のみを、または追加の治療剤と組み合わせて投与することによる、患者の膵臓癌を治療するための方法である。一実施形態では、リポソームイリノテカン(MM−398)は、5−フルオロウラシルおよびロイコボリンと同時投与する。一態様では、患者の膵臓癌を治療するための方法(例えば、効果的な治療)を提供し、この方法は、当該患者に有効量のリポソームイリノテカンを投与することを含み、かつ期間が3週間である少なくとも1つの周期を含み、各周期において、当該患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に80mg/m2の用量で投与する場合を除き、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に120mg/m2の用量で投与する。なし

目的

別の態様では、腫瘍を有する患者に対して、腫瘍血管系を増加するために有効な量のイリノテカンスクロース硫酸塩リポソーム注射を投与すること、および同時に、患者に対して、イリノテカン以外の化学療法剤の有効な量を投与することを含む、腫瘍血管系を増大させることによって化学療法の成果を改善する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

ヒト患者膵臓癌治療する方法であって、前記方法は、前記患者に有効量のリポソームイリノテカン投与することを含み、前記方法は少なくとも1つの周期を含み、前記周期が3週間の期間であり、各周期について、前記患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを周期1の1日目に80mg/m2の用量で投与する場合を除き、前記リポソームイリノテカンを前記周期の1日目に120mg/m2の用量で投与する、方法。

請求項2

前記UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である前記患者に投与するリポソームイリノテカンの用量が、1つの周期後に、120mg/m2の最大値まで、20mg/m2ずつ増加される、請求項1に記載の方法。

請求項3

ヒト患者の膵臓癌を治療する方法であって、リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの有効量を前記患者に同時投与することを含み、前記方法が少なくとも1つの周期を含み、前記周期が2週間の期間であり、それぞれの周期について(a)リポソームイリノテカンを、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性ではない患者には各周期の1日目に80mg/m2の用量で、またUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者には周期1の1日目に60mg/m2の用量で、そして各後続周期の1日目に60mg/m2または80mg/m2の用量で投与し、(b)5−FUを2400mg/m2の用量で投与し、(c)ロイコボリンを200mg/m2(l体)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する、方法。

請求項4

各周期において、前記リポソームイリノテカンを前記ロイコボリンの前に投与し、前記ロイコボリンを前記5−FUの前に投与する、請求項3に記載の方法。

請求項5

周期1後に、前記UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である前記患者に投与する前記リポソームイリノテカンの用量を80mg/m2に増加させる、請求項3または請求項4に記載の方法。

請求項6

前記リポソームイリノテカンを90分にわたって静脈内に投与する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記5−FUを46時間にわたって静脈内に投与する、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記ロイコボリンを30分にわたって静脈内に投与する、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

リポソームイリノテカンの各投与前に、前記患者に、デキサメタゾンおよび/もしくは5−HT拮抗薬、または別の制吐薬を前投与する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記膵臓癌が、腺房細胞癌、腺癌腺扁平上皮癌巨細胞腫瘍、膵管内乳粘液性腫瘍IPMN)、ムチン嚢胞腺癌芽腫漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性乳頭状腫瘍から成る群から選択される外分泌腺膵臓癌である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

前記リポソームイリノテカンがイリノテカンスクロース硫酸塩リポソーム注射である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

少なくとも1つの周期における5−フルオロウラシル(5−FU)およびロイコボリンとの同時投与のためのイリノテカンの製剤であって、前記周期が2週間の期間であり、前記イリノテカンの製剤がイリノテカンのリポソーム製剤であり、(a)リポソームイリノテカンを、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性ではない患者には各周期の1日目に80mg/m2の用量で、またUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者には周期1の1日目に60mg/m2の用量で、そして各後続周期の1日目に60mg/m2または80mg/m2の用量で投与し、(b)5−FUを2400mg/m2の用量で投与し、(c)ロイコボリンを200mg/m2(l体)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する、イリノテカンの製剤。

請求項13

周期1後に、前記UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に投与するリポソームイリノテカンの用量を80mg/m2に増加させる、請求項12に記載のイリノテカンの製剤。

請求項14

各周期において、前記リポソームイリノテカンをロイコボリンの前に投与し、前記ロイコボリンを前記5−FUの前に投与する、請求項12または請求項13に記載の製剤。

請求項15

前記リポソームイリノテカンを90分にわたって静脈内に投与する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の製剤。

請求項16

前記5−FUを46時間にわたって静脈内に投与する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の製剤。

請求項17

前記ロイコボリンを30分にわたって静脈内に投与する、請求項12〜16のいずれか1項に記載の製剤。

請求項18

リポソームイリノテカンの各投与前に、前記患者に、デキサメタゾンおよび/もしくは5−HT3拮抗薬、または別の制吐薬を前投与する、請求項12〜17のいずれか1項に記載の製剤。

請求項19

前記膵臓癌が、腺房細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、巨細胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン性嚢胞腺癌、膵芽腫、漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性偽乳頭状腫瘍から成る群から選択される外分泌腺膵臓癌である、請求項12〜18のいずれか1項に記載の製剤。

請求項20

前記イリノテカンのリポソーム製剤がイリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の製剤。

請求項21

腫瘍血管系を増大させることによって化学療法転帰を改善する方法であって、腫瘍を有する患者に、腫瘍血管系を増加するために有効な量のイリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射を投与することと、同時に、前記患者に対して、イリノテカン以外の少なくとも1つの抗癌剤の有効な量を投与することとを含む、方法。

請求項22

1)腫瘍血管系を増加するために有効な量のイリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射、および2)イリノテカン以外の少なくとも1つの抗癌剤の有効量の、腫瘍を有する患者に対する同時投与のための、イリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射。

請求項23

リポソームイリノテカンの1用量、および請求項1または2に記載の方法における、リポソームイリノテカンを使用するための説明書を含む、ヒト患者の膵臓癌を治療するためのキット

請求項24

リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの1用量、および、請求項3または4の方法における、リポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリンを使用するための説明書を含む、ヒト患者の膵臓癌を治療するためのキット。

請求項25

前記膵臓癌が、腺房細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、巨細胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン性嚢胞腺癌、膵芽腫、漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性偽乳頭状腫瘍から成る群から選択される外分泌腺膵臓癌である、請求項24に記載のキット。

請求項26

前記リポソームイリノテカンがMM−398である、請求項23〜25のいずれか1項に記載のキット。

請求項27

前記同時投与が治療の相乗効果または患者における陽性転帰をもたらし、前記陽性転帰が、pCR、CR、PR、またはSDである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法または請求項13〜21のいずれか1項に記載の製剤。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第61/659,211号(2012年6月13日出願)および、米国特許仮出願第61/784,382号(2013年3月14日出願)の、優先権有益性を主張し、両出願は参照することにより本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

癌治療における改善にもかかわらず、特に膵臓癌などの現在の治療法にしばしば耐性を持つ、または持つことになる進行癌の場合には、生活の質を維持しながら患者延命のために、治療をさらに改善するための重要な必要性が依然として存在する。

0003

膵臓癌の発生率は、過去数十年の間に著しく増加している。それは現在米国における癌による死亡原因の、第4位にランクされている。膵臓癌の高い死亡率は、効果的な治療法の不足と、確実に耐久性のある治療法の、完全な欠如によるものである。膵臓の位置が原因で、膵臓癌は一般的に、腫瘍全身症状を引き起こすのに十分な大きさになるまで診断されない。この事実は、優れたスクリーニングツールの欠如と、危険因子に対する限られた理解と相まって、診断時には、患者が通常は進行疾患、多くの場合は転移性疾患、を有することになる。転移性膵臓癌は予後不良があり、5年の全生存期間率が4%未満で、ほぼ一様に致死的である。

0004

1つ以上の5−フルオロウラシル(5−FU)、およびゲムシタビンでの化学療法は、膵臓癌における生存期間延ばすことが示されている。フォリン酸ロイコボリンまたはレボロイコボリン)、5−フルオロウラシル、およびイリノテカンフォフィリ)、フォリン酸、5−フルオロウラシル、イリノテカン、およびオキサリプラチン(フォルフィリノックス)、またはあまり一般的ではないが、フォリン酸、5−フルオロウラシル、およびオキサリプラチン(フォルフォックス)との組み合わせを含む併用療法も、いくつかの膵臓癌を治療するために使用される。イリノテカンは、7−エチル−10−[4−(1−ピペリジノ)−1−ピペリジノ]カルボニルオキシカンポテチン、IUPAC名は(S)−4,11−ジエチル−3,4,12,14−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−3,14−ジオキソ1H−ピラノ[3’,4’:6,7]−インドリジノ[1,2−b]キノリン−9−イル−[1,4’ビピペリジン]−1’−カルボキシレート。イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害剤クラスの薬剤一員で、半合成自然発生アルカロイドカンプトテシン水溶性類似体である。また、CPT−11としても知られるイリノテカンは、現在Camptosar(登録商標)(イリノテカン塩酸塩注射)などの水溶液として市販され製剤化されている。イリノテカンなどのトポイソメラーゼI阻害剤は、DNAの巻き戻しを阻害することによって、制御不能細胞の増殖を停止させるように働き、それによってDNA複製を防止する。

0005

イリノテカンの薬効薬理は、薬剤の活性化、不活性化、および消失に関わる、広範な代謝的変換により複雑である。イリノテカンは、非特異性カルボキシルエステラーゼによって、100から1000倍の活性代謝物SN−38に変換されたプロドラッグである。SN−38は、P糖タンパク質によって認識されず、細胞外に特定の薬剤を送り出すことにより取得した、薬剤耐性に重要な役割を果たしている薬物輸送体なので、イリノテカンは、他の標準化学療法に耐性のある腫瘍内で活性である可能性が高い。体内では、SN−38は、主要な薬理遺伝学的変動性が報告されているグルクロン酸抱合および胆汁中排泄によって消失される。これらの薬物の特性は、イリノテカンにおける臨床的に認められた効能、および毒性の著しい不均一性の原因となる。イリノテカン塩酸塩注射は、転移性結腸、または腎臓癌の治療のために米国で承認されていて、また、結腸直腸子宮頸部、および卵巣の癌の治療のためにも使用される。

0006

特に外分泌起源のものは、進行性または転移性の膵臓癌に対して、承認された治療法の選択肢が少ない。単剤ゲムシタビンは、進行性および転移性の膵臓腺癌の、一次治療における現在の標準治療である。臨床試験において、単剤ゲムシタビンは、一貫して5から6ヶ月の中央値の生存期間延長と、約20%の1年生期間率を示した。単剤ゲムシタビンは、3.9ヶ月の生存期間の中央値の全延長を持ち、5−フルオロウラシルで以前にも治療されたがもはや反応しなくなった患者のための、二次治療としても承認された。

0007

膵臓癌の生物学に既知のものに基づいて、様々な標的薬剤が評価されてきたが、EGFRを標的とするタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤であるエルロチニブが、進行性膵臓癌の一次使用のために唯一認可されており、この認可は、ゲムシタビンとの併用でのみ使用することができる。ゲムシタビンとエルロチニブの併用投与は、生存期間率と、ゲムシタビン単独と比較した生存期間の中央値(6.4ケ月対5.9ケ月)、および1年生存期間率(24%対17%)の改善において、統計的に有意な有益性をもたらした。抗体ベバシズマブセツキシマブ治験する研究を含む他の標的薬剤を評価する臨床試験は、残念ながら、悲観的なものであった。したがって、膵臓癌のための現在の治療において、改善、および効果的に代替する緊急な必要性がある。この開示された発明は、この必要性に対処し、他の有益性を提供する。

課題を解決するための手段

0008

提供する方法は、患者(すなわち、人間の患者)の膵臓癌を治療するためのもので、患者に対して、特定の臨床投薬法に従って、リポソームイリノテカン(例えば、イリノテカンスクロース硫酸塩リポソーム注射、MM−398とも称す)のみを、または5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリン(5−FU/LVと共に)と組み合わせて、投与することを含む。そのような方法における使用のために、適応した組成物も提供される。

0009

一態様では、患者の膵臓癌を治療するための方法(例えば、効果的な治療)を提供し、この方法は、当該患者に有効量のリポソームイリノテカンを投与することを含み、かつ期間が3週間である少なくとも1つの周期を含み、各周期において、当該患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に80mg/m2の用量で投与する場合を除き、リポソームイリノテカンを、周期1の1日目に120mg/m2の用量で投与する。一実施形態では、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である当該患者に投与するリポソームイリノテカンの用量は、1つの周期後に20mg/m2ずつ、120mg/m2の最大値まで、増加させた。

0010

別の態様において、患者の膵臓癌を治療する方法が提供され、当該方法は、リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの有効量を患者に対して同時投与することを含み、当該方法は少なくとも1つの周期を含み、当該周期が2週間の期間であり、それぞれの周期について、
(a) リポソームイリノテカンを、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性ではない患者に対して、各周期の1日目に80mg/m2の用量で、および、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に対して、周期1の1日目に60mg/m2の用量で、各後続周期の1日目に60mg/m2から80mg/m2の範囲の用量(例えば60mg/m2または70mg/m2または80mg/m2)で投与し、
(b) 5−FUを2400mg/m2の用量で投与し、
(c) ロイコボリンを200mg/m2(l体もしくはロボロイコボリン)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する。

0011

一実施形態では、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者へ投与した、1用量のリポソームイリノテカンの量は、1つの周期の後に、80mg/m2に増加した。一実施形態では、各周期において、リポソームイリノテカンはロイコボリンの前に投与し、ロイコボリンは5−FUの前に投与した。

0012

別の実施形態では、リポソームイリノテカンは、90分にわたって静脈内に投与する。

0013

別の実施形態では、5−FUは、46時間にわたって静脈内に投与する。

0014

別の実施形態では、ロイコボリンは、30分にわたって静脈内に投与する。

0015

別の実施形態では、リポソームイリノテカンの各投与前に、患者に、デキサメタゾンおよび/または5−HT拮抗薬、または別の制吐薬を、前投与する。

0016

別の実施形態では、膵臓癌は、腺房細胞癌、腺癌腺扁平上皮癌巨細胞腫瘍、膵管内乳粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン嚢胞腺癌芽腫漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性乳頭状腫瘍から成る群から選択される外分泌腺膵臓癌である。

0017

一実施形態では、患者を治療することは、陽性転帰をもたらし、陽性転帰は、病理学的完全奏功(pCR)、完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、または安定型疾患(SD)である。別の実施形態では、リポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリンとの併用療法は、治療の相乗効果をもたらす。別の実施形態では、リポソームイリノテカンは、イリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射(MM−398)として処方される。イリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射はまた、イリノテカンHClリポソーム注射と呼ばれることがある、なぜなら、イリノテカンHClは、イリノテカンを、MM−398リポソームを調合するために、トリエチルアンモニウムスクロース八硫酸塩を含むリポソームに入れるために使用される、活性医療成分であるからである。この命名法は、イリノテカンHClの塩酸イオンが、イリノテカンスクロース八硫酸塩を残して、塩化トリエチルアンモニウムトリエチルアミン塩酸塩)を生み出すために、トリエチルアンモニウムスクロース八硫酸塩のトリエチルアンモニウムイオンと反応していても、MM−398リポソーム内封入された薬剤として、使用することができる。別の態様では、患者における膵臓癌を治療するためのキットが提供され、このキットはリポソームイリノテカンの1用量、および本明細書に記載したリポソームイリノテカンを使用するための説明書を含む。

0018

別の態様では、患者の膵臓癌を治療するためのキットが提供され、当該キットは、リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの1用量、および、本明細書で開示する、リポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリンを使用するための説明書を含む。

0019

一実施形態では、キットは、腺房細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、巨細胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン性嚢胞腺癌、膵芽腫、漿液性嚢胞腺癌、膵充実性偽乳頭状腫瘍からなる群から選択された外分泌腺膵臓癌を、治療することを含む。

0020

一実施形態では、リポソームイリノテカンは、リポソームイリノテカンスクロース八硫酸塩注射(MM−398)である。

0021

別の態様では、少なくとも1つの周期における5−フルオロウラシル(5−FU)およびロイコボリンとの同時投与のためのリポソームイリノテカンの製剤が提供され、当該周期が2週間の期間であり、当該イリノテカンの製剤がイリノテカンのリポソーム製剤であり、
(a) リポソームイリノテカンを、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性ではない患者に対して各周期の1日目に80mg/m2の用量で、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に対して周期1の1日目に60mg/m2の用量で、各後続周期の1日目に60mg/m2または80mg/m2の用量で投与し、
(b) 5−FUを2400mg/m2の用量で投与し、
(c) ロイコボリンを200mg/m2(l体もしくはロボロイコボリン)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する。

0022

一実施形態では、第1周期後に、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に投与したリポソームイリノテカンの用量は、80mg/m2まで増加する。別の実施形態では、リポソームイリノテカンは、90分にわたって静脈内に投与する。

0023

別の実施形態では、5−FUは46時間にわたって静脈内に投与する。

0024

別の実施形態では、ロイコボリンは30分にわたって静脈内に投与する。

0025

別の実施形態では、リポソームイリノテカンの各投与前に、患者に、デキサメタゾンおよび/または5−HT3拮抗薬、または別の制吐薬を前投与する。

0026

別の実施形態では、膵臓癌は、腺房細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、巨細胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン性嚢胞腺癌、膵芽腫、漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性偽乳頭状腫瘍から成る群から選択される外分泌腺膵臓癌である。

0027

別の実施形態では、イリノテカンのリポソーム製剤は、イリノテカン、スクロース八硫酸塩リポソーム注射である。

0028

別の態様では、腫瘍を有する患者に対して、腫瘍血管系を増加するために有効な量のイリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射を投与すること、および同時に、患者に対して、イリノテカン以外の化学療法剤の有効な量を投与することを含む、腫瘍血管系を増大させることによって化学療法の成果を改善する方法を提供する。

0029

別の態様では、1)腫瘍血管系を増加するために有効な量のイリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射、および2)イリノテカン以外の化学療法剤の有効量の、腫瘍を有する患者に対する同時投与のための、イリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射を提供する。

図面の簡単な説明

0030

ルシフェラーゼ(L3.6pl)を発現する、同所性膵臓腫瘍型における、MM−398の抗腫瘍活性を示すグラフである。

0031

遊離イリノテカン、またはリポソームイリノテカン(MM−398)を用いた、治療後の腫瘍における、SN−38の蓄積を示すグラフである。

0032

HT29異種移植片型における、炭酸脱水酵素IX染色における、MM−398の効果を示すグラフである。

0033

分子ヘキスト染色の、灌流に対するMM−398の効果を示している。

0034

q3w(イリノテカン、リポソーム+遊離薬物)における、MM−398の薬物動態を要約したものである。

0035

q3wにおける、MM−398の薬物動態を要約したものである。

0036

3相研究設計の概略図である。

0037

I. 定義
本明細書において、用語「対象」、または「患者」は、ヒトの癌患者のことである。

0038

本明細書において、「有効な治療」とは、有益な効果を生み出す治療、例えば、疾患または障害の、少なくとも1つの症状の改善を指す。有益な効果は、ベースラインに対する改善という形であってもよく、すなわち、本方法に係る治療開始前に行われる測定または観察に対する改善ということである。有益な効果はまた、癌の遺伝子マーカーの有害な進行を阻む、減速させる、遅らせる、または安定化させる、形態を取り得る。効果的な治療とは、癌の少なくとも1つの症状の緩和を指し得る。そのような有効な治療は、例えば、患者の痛みを緩和させ、病変の大きさ、および/または数を減らし、癌腫瘍の転移を減少または防止し、および/または癌腫瘍の成長を遅らせ得る。

0039

用語「有効量」とは、所望の生物学的、治療学的、および/または予防的転帰を提供する薬剤の量を指す。その転帰は、疾患の徴候、症状または原因の、1つ以上の縮小、改善、緩和、軽減、遅延、および/または緩和または生物系のすべての他の所望する変化であり得る。癌に関しては、有効量とは、腫瘍に、腫瘍の増殖率を縮小および/または減少させる(腫瘍増殖の阻害など)、または他の望ましくない細胞増殖を、予防または遅延させるための、十分な量を含む。いくつかの実施形態において有効量とは、腫瘍の成長を遅延させるのに十分な量のことである。いくつかの実施形態において有効量とは、腫瘍再発を予防または遅延させるのに十分な量のことである。有効量は、1回以上の投与で投与することができる。薬剤または組成物の有効量は、以下をし得る:(i)癌細胞の数を減少させる、(ii)腫瘍の大きさを小さくさせる、(iii)癌細胞浸潤を、ある程度阻害し、妨害し、遅らせ、癌細胞の末梢器官への浸潤を止める、(iv)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度ゆっくりとさせる、および停止し得る)、(v)腫瘍の増殖を阻害する、(vi)腫瘍の発生、および/または再発を予防する、または遅らせる、および/または(vii)癌に関連する症状の1つ以上を、ある程度緩和する。

0040

用語「併用療法」、「共投与」、「同時投与」、または「併用投与」(またはこれらの用語の僅かな変化)とは、2回目治療薬が投与された時に、1回目の治療薬がまだ患者内に存在する時間内の、患者への少なくとも2つの治療剤の同時投与、またはそれらの連続投与を含む。

0041

用語「単剤療法」とは、同じ疾患、または障害を治療するために投与されている、すべての他の治療剤の同時投与がない場合に、疾患または障害を治療するために、単一の薬物を投与することを指す。

0042

「用量(dosage)」とは、患者に、単位時間毎に(例えば、毎時、毎日毎週、毎月、等)規定量の薬物を投与するための、指標のことを指す。当該指標には、例えば各用量のサイズがある。当該指標にはまた、各用量の1つ以上の単位として投与し得る、例えば単回投与する、例えば経口で服用する(例えば、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の錠剤カプセル等)、または注射する(例えば、ボーラスとして)、構成が含まれる。用量のサイズはまた、連続的に投与される量(例えば、数分または数時間にわたる静脈点滴として)に関連し得る。当該指標はさらに、頻度が時間とともに変化し得る、別々の用量の投与の頻度を含む。

0043

「用量(dose)」とは、単一投与において与えられる、薬物の量のことを指す。

0044

本明細書において、「癌」とは、異常な、無秩序な、悪性細胞増殖により特徴付けられる、状態のことを指す。一実施形態では、癌は外分泌腺膵臓癌である。別の実施形態では、外分泌腺膵臓癌は、腺房細胞癌、腺癌、腺扁平上皮癌、巨細胞腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、ムチン性嚢胞腺癌、膵芽腫、漿液性嚢胞腺癌、および膵充実性偽乳頭状腫瘍から成る群から選択される。

0045

用語「抵抗性」と「難治性」は、治療薬を用いた治療でも生存する、腫瘍細胞のことを指す。このような細胞は、初期には治療薬に反応したが、その後治療中に応答性の低下を示すか、または細胞が治療薬を用いた治療の過程で増殖し続けているという点で治療剤に対する適切な応答を示さなかった。
II.イリノテカンスクロース硫酸リポソーム注射(MM−398;PEP02)

0046

本明細書で提供するように、イリノテカンは、イリノテカンスクロース硫酸リポソーム注射(他には、「イリノテカンスクロース八硫酸塩リポソーム注射」、または「イリノテカンスクロース硫酸リポソーム注射」と呼ばれる)などの安定したリポソーム製剤で投与され、本製剤は、本明細書で「MM−398」と呼ぶ(またPEP02としても知られている、米国特許第8,147,867号参照)。MM−398は、静脈注射のための、無菌の、注射可能な、非経口の、液体としても提供することができる。MM−398の必要量は、例えば、5%デキストロース注射USP500mLの中に希釈して、90分にわたって点滴することができる。

0047

MM−398リポソームは、スクロース八硫酸塩などの、ゲル化した、または沈殿した状態で錯体化された、イリノテカンを含む、水性空間をカプセル化した、直径約80〜140ナノメートルの、単層脂質二重層小胞である。リポソームの脂質膜は、ホスファチジルコリンコレステロール、および200リン脂質分子に対して、約1ポリエチレングリコール(PEG)分子量の、ポリエチレングリコール誘導体ホスファチジルエタノールアミン、で構成されている。

0048

イリノテカンのこの安定したリポソーム製剤は、改善された治療指数を提供し得る、いくつかの属性を持つ。制御され持続された放出は、薬物に対する腫瘍組織曝露の時間を増加させることにより、このスケジュール依存性薬物の活性を改善し、この属性は、予備段階として、DNA複製プロセスにおいて、DNA巻き戻しが必要な時に、細胞周期のS期の間に、細胞のより高い割合で存在し得る。リポソームの長い循環薬物動態、および高い血管内薬物保持が、強化された透過性、および保持(EPR)効果を促進し得る。EPRは、悪性腫瘍などの部位での、リポソームの堆積を可能にするが、悪性腫瘍などの部位では、血管系(特に毛細血管)の正常な完全性が危険に曝されており、リポソームのような微粒子の毛細血管腔外への漏れが生じている。EPRは、このように、固形腫瘍への、リポソームの部位特異的薬物送達を促進し得る。MM−398のEPRは、リポソームが、腫瘍関連マクロファージ(TAM)中に蓄積し、イリノテカンを代謝し、実質的により細胞毒性のSN−38に局所的に変換する、その後の貯蔵効果をもたらし得る。この局所的生物活性化は、毒性の可能性のある部位での低下した薬物暴露、および腫瘍内の癌細胞での増加した暴露をもたらすと考えられている。
イリノテカングルクロン酸抱合の薬理遺伝学

0049

UGT1A1遺伝子によって作られる酵素UDPグルクロノシル転移酵素1がビリルビン代謝に責任を負い、および、イリノテカンのこの活性代謝物の主要な代謝クリアランス経路の最初の段階である、SN−38グルクロン酸抱合も仲介する。その抗腫瘍活性に加え、SN−38はまた、時々、イリノテカン療法に関連する、強い毒性の原因となる。したがって、不活性型に対するSN−38のグルクロン酸抱合であるSN−38グルクロニドは、イリノテカン毒性の調整における重要な段階である。

0050

UGT1A1遺伝子のプロモーターにおける突然変異多型は、チミンアデニン(ta)反復遺伝子変数があるものに記載されている。7つのチミンアデニン(ta)反復遺伝子(UGT1A1*28対立遺伝子で見出された)を含むプロモーターは、野生型6反復遺伝子より活性が少ないことが見出されており、UDPグルクロノシル転移酵素1の発現減少をもたらす。UGT1A1の2つの欠損対立遺伝子を運ぶ患者は、SN−38のグルクロン酸抱合減少を示す。いくつかの症例報告は、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である個人(両方の対立遺伝子が、6ta反復遺伝子を含む野生型UGT1A1 6/6遺伝子型とは対照的に、7ta反復遺伝子を含むUGT1A1*28対立遺伝子であるので、UGT1A1 7/7遺伝子型を有すると呼ぶ)、および血清ビリルビンの変動上昇を持つ人(例えば、ギルバート症候群患者)は、イリノテカンの標準用量を受けると、毒性の高い危険にさらされる可能性があることを示唆している。これは、UGT1A1*28対立遺伝子のホモ接合性、ビリルビンのレベル、およびイリノテカンの毒性との間に、因果関係があることを示唆している。

0051

SN−38(例えば、血漿中)へのMM−398の代謝変換は、2つの重要なステップを含む:(1)リポソームからのイリノテカンの放出、および(2)遊離イリノテカンのSN−38への変換。理論に制限されるものではないが、イリノテカンは、一度リポソームを離れると、従来の(遊離)イリノテカンと同じ代謝経路により分解されると考えられる。したがって、イリノテカン、およびMM−398の、毒性及び効能に予測されるヒトにおける遺伝的多型は、同様と考え得る。それにもかかわらず、遊離イリノテカンに比べてより小さな組織分布、MM−398製剤のSN−38のより低いクリアランス、より高い全身暴露、およびより長い排出半減期が原因で、欠損した遺伝的多型は、深刻な有害事象、および/または効能と、より多くの関連性を示し得る。
低下したUGT1A1活性を有する患者

0052

UGT1A1*28対立遺伝子(UGT1A17/7遺伝子型)についてホモ接合性である個人は、イリノテカン治療の開始後に、好中球減少症リスクが高いことが示されている。単剤イリノテカンを受けた(3週間毎に一度、350mg/m2)66人の患者での研究における、イリノテカン(Camptosar(登録商標))のための処方情報によると、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者において、グレード4の好中球減少症の発生率は50%と高く、この対立遺伝子(UGT1A1 6/7遺伝子型)にヘテロ接合性患者における発生率は12.5%であった。重要なことは、野生型対立遺伝子(UGT1A1 6/6遺伝子型)についてホモ接合性の患者では、グレード4の好中球減少症が、観察されなかったことである。他の研究では、生命脅かす好中球減少症の、より低い有病率が記載されている。このため、本明細書の実施例に記載されている、第3相研究に登録されている、およびUGT1A1*28対立遺伝子(UGT1A1 7/7遺伝子型)についてホモ接合性である患者は、1つ(例えば、UGT1A1 6/7)、または2つ(UGT1A1 6/6)野生型対立遺伝子を有する患者よりも低い用量で、MM−398治療を受けることになる。
イリノテカン代謝の追加の遺伝子型修飾因子

0053

UGT1A1*28対立遺伝子は、白色人種では比較的一般的(10%を推定)であるが、他の民族群では、有病率は変化する。さらに、追加のUGT1A1遺伝子型は、例えば、アジア集団でより高い有病率で見られ、これらはこれらの集団における、イリノテカンの代謝のために重要であり得る。例えば、UGT1A1*6対立遺伝子は、アジア人により広く見られる。この対立遺伝子は、ta反復遺伝子には関連していないが、酵素の活性を低下させるGly71Arg変異株を有する。MM−398の、以前および現在進行中の研究では、薬理遺伝学的情報は、登録されている患者で収集される。PEP0203研究と呼ばれる研究では、MM−398と毒性の薬物動態指標を持つ、UGT1A族とDPYD(ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ、5−FUの異化作用と関連する酵素)の遺伝的多型の関係は、評価対象者の小さな試料サイズとの、明確な相関関係を提供しなかった。しかしながら、UGT1A1*6/*28結合多型を有する患者は、SN−38、および体験したDLTの、より高い用量正規化AUCを有することが観察された。
III.5−フルオロウラシル(5−FU)およびロイコボリン

0054

5−フルオロウラシルは、核酸生合成干渉するピリミジン拮抗薬である。薬物のデオキシリボヌクレオチドは、チミジル酸合成酵素を阻害し、したがって、デオキシウリジル酸からのチミジル酸の形成を阻害し、このように、DNAの合成に干渉する。また、RNAの合成も阻害する。

0055

ロイコボリン(また、フォリン酸とも呼ばれる)は、プリンおよびピリミジンの合成における、1−炭素転移反応のための、生化学補因子として機能する。ロイコボリンは、テトラヒドロ葉酸へ変換するための、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を必要としない。メトトレキサート、および他のDHFR−アンタゴニストの効果は、ロイコボリンによって阻害される。ロイコボリンは、フッ素化ピリミジン(すなわち、フルオロウラシル、およびフロクスリジン)の細胞毒性効果を高め得る。5−FUは細胞内で活性化された後、葉酸補因子を伴い、酵素チミジル酸合成酵素を阻害し、それによって、ピリミジン合成を阻害する。ロイコボリンは、葉酸プールを増加し、それによって、葉酸補因子とチミジル酸合成酵素を有する活性5−FUの結合を増加する。

0056

ロイコボリンは、右旋性左旋性異性体を持っており、後者のみが、薬理学的に有用である。このように、生物活性の左旋性異性体(「レボロイコボリン」)はまた、FDAによって、癌の治療用として承認されている。レボロイコボリンの用量は、一般的に、右旋性(d)および左旋性(l)異性体の、両方を含むラセミ混合物の半分である。

0057

FUおよびロイコボリンは、当該国固有添付文書に従って保存して取り扱われることになる。
IV. 投与

0058

リポソームイリノテカンは、単独で、または5−フルオロウラシル(5−FU)、および/またはロイコボリンとの組み合わせのいずれかで、静脈内に投与する。一実施形態では、リポソームイリノテカンを、5−FUおよびロイコボリンの前に、投与する。別の実施形態では、ロイコボリンを、5−FUの前に、投与する。別の実施形態では、リポソームイリノテカンを、90分にわたって、静脈内に投与する。別の実施形態では、5−FUを、46時間にわたって静脈内に投与する。別の実施形態では、ロイコボリンを、30分にわたって静脈内に投与する。様々な実施形態において、リポソームイリノテカンはMM−398である。
V. 患者集団

0059

一実施形態では、本明細書に開示された方法、および組成物を用いて治療された患者は、一次化学療法後再発性、または持続性膵臓癌の証拠を示す。

0060

別の実施形態においては、患者は、一次または再発性疾患を管理するための、少なくとも1つの白金ベース事前化学療法、例えば、カルボプラチンシスプラチン、または別の有機白金化合物を含む化学療法を行い失敗した。

0061

さらなる実施形態においては、患者はゲムシタビンでの事前治療に失敗した、またはゲムシタビンに対して耐性を持つようになった。

0062

一実施形態では、抵抗性または難治性の腫瘍は、腫瘍を有する患者のための、治療の経過完了後の無治療間隔が6ヶ月未満である(例えば、癌の再発に起因して)場合、または治療の過程で腫瘍の進行がある場合、のものである。

0063

別の実施形態では、治療を受けている患者の膵臓癌は、腫瘍の遠隔転移、または膵周囲拡張のいずれか、または両方を示す膵臓腫瘍である進行性膵癌である。

0064

本明細書に開示された組成物および方法は、他の抗癌治療に対して難治性、または耐性のある膵臓癌を含む、すべての膵臓癌の治療に有用である。
VI. 併用療法

0065

一実施形態では、リポソームイリノテカンは、本明細書に記載されるもののような特定の臨床投与法に従って、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンと組み合わせ、膵臓癌を有する患者に同時投与される。一実施形態では、リポソームイリノテカンはMM−398である。

0066

本明細書で使用する場合、補助的または併用投与(同時投与)は、同じまたは異なる投与形態での化合物の同時投与、または化合物の別々の投与(例えば、連続投与)を含む。例えば、リポソームイリノテカンは、5−FUおよびロイコボリンとともに同時に投与し得る。あるいは、リポソームイリノテカンは、リポソームイリノテカン、5−FUおよびロイコボリンを、別々の投与のために処方し、同時にまたは連続的に投与する場合に、5−FUおよびロイコボリンと組み合わせて、投与し得る。例えば、リポソームイリノテカンは最初に投与し、続いて5−FUおよびロイコボリンを投与し(例えば、直後に)得る。このような同時投与、または連続投与は、好適には、治療する患者に同時に存在するリポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリン、をもたらす。特定の実施形態においては、リポソームイリノテカンは、5−FUおよびロイコボリンの前に投与する。別の特定の実施形態においては、ロイコボリンは、5−FUの前に投与する。

0067

別の実施形態では、リポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリンは静脈内投与のために製剤化される。特定の実施形態では、患者は、リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの有効量を投与され、当該治療は少なくとも1つの周期を含み、当該周期は2週間の期間であり、それぞれの周期について(a)当該患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを周期1の1日目に60mg/m2の用量で投与する場合を除き、リポソームイリノテカンを周期の1日目に80mg/m2の用量で投与する、(b)5−FUを2400mg/m2の用量で投与する、(c)ロイコボリンを200mg/m2(l体)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する。特定の実施形態では、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に対して投与されるリポソームイリノテカンの用量を、1つの周期後に80mg/m2に増加する。

0068

一実施形態では、リポソームイリノテカンは、最初は高用量で投与し、時間とともに減少し得る。別の実施形態では、リポソームイリノテカンは、最初は低用量で投与し、時間とともに増加させる。一実施形態では、リポソームイリノテカンは、単剤療法として投与する。

0069

別の実施形態においては、5−FUの用量は、時間とともに変化する。例えば、5−FUは、最初は高用量で投与し、時間とともに減少し得る。別の実施形態においては、5−FUは、最初は低用量で投与し、時間とともに増加する。

0070

別の実施形態においては、ロイコボリンの用量は、時間とともに変化する。例えば、ロイコボリンは、最初は高用量で投与し、時間とともに減少し得る。別の実施形態においては、ロイコボリンは、最初は低用量で投与し、時間とともに増加する。
VII. 治療プロトコル

0071

適切な治療プロトコルは、例えば、患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、リポソームイリノテカンを、80mg/m2の用量で、周期の1日目に投与する場合を除き、治療が少なくとも1つの周期を含み、その周期が3週間の期間で、周期毎に、リポソームイリノテカン120mg/m2を、周期の1日目に投与する、リポソームイリノテカンの有効量が患者に投与されることを含む。一実施形態では、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性の患者に投与するリポソームイリノテカンの用量は、1つの周期後に、20mg/m2ずつ、120mg/m2の最大値まで増加する。

0072

別の実施形態では、治療プロトコルは、患者に対して、リポソームイリノテカン、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンのそれぞれの有効量を投与することを含み、当該治療は少なくとも1つの周期を含み、当該周期は2週間の期間であり、それぞれの周期について、(a)当該患者がUGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性であり、ポソームイリノテカンを周期1の1日目に60mg/m2の用量で投与する場合を除き、リポソームイリノテカンを周期の1日目に80mg/m2の用量で投与し、(b)5−FUを2400mg/m2の用量で投与し、(c)ロイコボリンを200mg/m2(l体)または400mg/m2(l+dラセミ体)の用量で投与する。特定の実施形態では、UGT1A1*28対立遺伝子についてホモ接合性である患者に投与するリポソームイリノテカンの用量を、1つの周期後に80mg/m2に増加する。
VIII. 転帰

0073

本明細書に提供するのは、特定の臨床的な投与法に従って、リポソームイリノテカン(MM−398)を単独で、または5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリンと組み合わせて、患者に投与することを含む、患者における膵臓癌を治療するための方法である。

0074

好適には、5−FUとリポソームイリノテカン、およびロイコボリンとの併用療法は、治療的相乗効果を示す。

0075

「治療的相乗効果」とは、治療薬を組み合わせた患者への治療が、最適な用量で用いられた組み合わせの、個々の構成によって達成された転帰より優れた治療転帰を現す現象のことをいう(T. H. Corbett et al.,1982,Cancer Treatment Reports,66,1187)。この文脈において、治療的に優れた転帰とは、患者が(a)組み合わせの個々の成分が、組み合わせにおけるのと同一の用量で、単剤療法として、各々投与される場合と等しいか、または大きい治療上の有益性を受けている間、有害反応のより少ない発生率を示す、または(b)各成分が個別の成分として投与されるのと同一の用量で組み合わせ(複数可)て投与される時に、組み合わせの個々の構成物質を有する治療よりも大きい治療上の有益性を受けている間、用量制限毒性を示さない、かのどちらかであるということである。異種移植モデルにおいて、組み合わせの投与によって達成される腫瘍増殖の減少が、構成物質が単独で投与された時の最良の構成物質の腫瘍の増殖における減少の値よりも大きいときに、一般的にその個々の最大許容用量を超えない、1回の投与で構成物質のそれぞれが存在することになる、その最大許容用量で用いられる組み合わせが治療的相乗効果を示す。

0076

したがって、組み合わせにおいて、当該組み合わせの成分は、リポソームに封入されたイリノテカン単独を有する、またはリポソームイリノテカンが欠落している、化学療法での治療の単剤療法と比較して、膵臓腫瘍の増殖を抑制する上で、相加または超相加効果を持つ。「相加」とは、当該独立結果の総和を、ある程度超える結果を表すために「超相加」が用いられている一方、それぞれの個別の成分を有する、単独療法によって達成された、最高の独立した結果よりある程度大きい(例えば、腫瘍分裂指数、または腫瘍増殖の減少度において、または腫瘍の収縮の程度において、または無症状の頻度および/または持続時間、または症状低下期間)という結果を意味する。一実施形態では、相加効果は、膵臓腫瘍増殖の遅延、または停止として測定される。相加効果は、例えば、膵臓腫瘍の大きさの減少、腫瘍分裂指数の減少、転移性病変数の経時的減少、全体的な反応速度の増加、または平均的、または全体的な生存期間の増加としても測定され得る。

0077

治療上の処置の効能を定量化し得る、1つの非限定的な尺度の例は、次の式に従って決定されるlog10細胞死滅を計算することによる。
log10細胞死滅=TC(日)/3.32×Td
式中TCは、細胞の成長遅延治療群(T)の腫瘍、および対照群(C)の腫瘍が所定値に達する(例えば、1gまたは10mL)までの平均時間を日数で表し、そしてTdは、対照動物倍増する腫瘍の容積のために必要な時間を日数で表す。この尺度を適用する際、log10細胞死滅が0.7以上の場合、製品は活性、またlog10細胞死滅が2.8よりも大きい場合には製品が非常に活性であるとみなされる。この尺度を使うと、各構成要素のそれぞれが1回の用量で存在する量が、一般的にその最大許容用量以下の最大許容用量で使用される組み合わせが、それが単独で投与されたときの、最高の構成物質のlog10細胞死滅の値よりもlog10が大きい場合に、治療の相乗効果を示す。模範的な事例では、この組み合わせのlog10細胞死滅は、この組み合わせの最良の構成物質のlog10細胞死滅の値を、少なくとも0.1log細胞死滅、少なくとも0.5log細胞死滅、または少なくとも1.0log細胞死滅、超えている。

0078

治療に対する反応は、病理学的完全奏功(pCR)、一次全身治療後の乳房、およびリンパ節における浸潤癌の欠如。完全寛解(CR)、すべての標的病変の消失、<10mmまでの短軸における減少を持つあらゆる病理学的リンパ節(標的または非標的かどうかにかかわらない)。部分反応(PR)、ベースライン総和直径を基準にして標的病変の寸法の総和で少なくとも30%の減少。安定した疾患(SD)、研究上で、最小総和直径を基準にして部分的反応に適した十分な収縮も、または進行性疾患に適した十分な増加の、どちらもない。または、

0079

その一方で、非CR/非PDは、1つ以上の非標的病変(複数可)の持続性、および/または正常限界より上の腫瘍マーカー値の維持を示す。

0080

進行性疾患(PD)は、研究上の最小総和を基準にとって、標的病変の寸法の総和で少なくとも20%の増加を示す(それが研究上の最小総和である場合、これはベースラインの総和を含む)。20%の相対的増加に加え、総和も、5mmの絶対的増加を示さなければならない。1つ以上の新たな病変の出現も進行とみなされる。

0081

典型的な転帰では、本明細書に開示された方法に従って治療された患者は、膵臓癌の少なくとも1つの兆候における改善を経験し得る。

0082

一実施形態において、そのように治療された患者は、pCR、CR、PR、またはSDを示す。

0083

別の実施形態において、そのように治療された患者は、腫瘍の縮小および/または成長速度の低下、すなわち、腫瘍増殖の抑制を経験する。別の実施形態では、不必要な細胞増殖が減少または阻害される。さらに別の実施形態では、下記の1つ以上が発生する可能性がある:癌細胞の数を低減し得る、腫瘍の大きさを小さくし得る、末梢器官への癌細胞浸潤を阻害し、遅らせ、減速させ、または停止させ得る、腫瘍転移を減速または阻害し得る、腫瘍増殖を阻害し得る、腫瘍の再発を防止または遅延し得る、癌に関連する1つ以上の症状を、ある程度緩和し得る。

0084

他の実施形態において、このような改善は、測定可能な腫瘍病変の量、および/または大きさの減少により測定される。測定可能な病変は、CTスキャン(CTスキャン切片厚が5mmより大きくない)によって、少なくとも1次元で(最長の直径を記録すること)≧10mm、臨床試験によるキャリパー測定で10mm、または胸部X線によって>20mm、を正確に測定することができるものとして定義される。例えば病理学的リンパ節のような非標的病変の大きさも、改善のために測定し得る。一実施形態では、病変は胸部X線、またはCT、またはMRIフィルム上で測定し得る。

0085

他の実施形態では、細胞学または組織学は、治療に対する反応性を評価するために用い得る。測定可能な腫瘍が反応的、または安定的疾患のための基準を満たす場合、治療中に出現するか、または悪化する、すべての浸出液腫瘍性起源の細胞学的確認は、反応的疾患、または安定的疾患(浸出液は治療の副作用になり得る)と、進行性疾患とを区別する、と考え得る。

0086

いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法のいずれかに従って、リポソームイリノテカン、5−FU、およびロイコボリンの有効量を投与することは、乳房腫瘍の大きさの縮小、出現する転移性病変の数の経時的低下、完全寛解、部分寛解、安定した疾患、全奏効率の上昇、または病理学的完全奏功からなる群から選択される、少なくとも1つの治療効果を生じる。いくつかの実施形態では、提供された治療の方法は、付随するMM−398の投与なしで投与される抗癌剤と同じ組み合わせによって達成されるものよりも優れた、同等の臨床的有益率(CBR=CR+PR+SD≧6ヶ月)を生み出す。他の実施態様においては、臨床的有益率の改善は、付随するMM−398の投与なしで投与される抗癌剤と同じ組み合わせと比較して、約20%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、またはそれ以上である。

0087

以下の実施例は例示であり、いかなる意味においても、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、多くの変形物および均等物は、本開示を読めば当業者には明らかになり得る。

0088

実施例1:ルシフェラーゼを発現する同所性膵臓腫瘍モデルにおけるMM−398の活性(L3.6pl)
MM−398の抗腫瘍活性を、同所性膵臓癌モデル(L3.6pl)、高度低酸素前臨床腫瘍モデルにおいて評価した。約2.5×10−5 L3.6pl膵臓腫瘍細胞は、膵臓への直接注射により移植した。生物発光画像(BLI)を、腫瘍負荷検知/定量化のために、時間をかけて追跡した。MM−398および遊離イリノテカンは、毎週20mg/kgの用量で、3週間投与した。図1に示すように、MM−398(リポソームCPT11)は、対照(HBS)および遊離CPT11と比較して、大きな抗腫瘍活性を有していた。
実施例2:遊離イリノテカン、またはリポソームイリノテカンでの治療に続く、腫瘍におけるSN−38の蓄積(MM−398)

0089

同所性膵臓癌モデルにおいて観察された抗腫瘍活性は、イリノテカンを、局所的により活性のSN−38に変換するときの、マクロファージの影響によるものであると仮定した。この仮説検査するために、ヒト結腸癌細胞(HT−29)をSCIマウス皮下注射し、腫瘍の大きさが1000mm3に達したときに、遊離イリノテカン、またはMM−398を40mg/kg静脈注射した。担腫瘍マウスを異なる時点で犠牲にし、両方の群からの腫瘍を摘出し、SN−38の濃度を測定した。

0090

図2に示すように、遊離イリノテカンと比較して、MM−398の腫瘍AUCSN—38において、20倍の増加があった。長い暴露時間は、細胞周期を通して進行するにつれ、ゆっくり増殖する癌細胞の活性代謝物への長時間暴露を可能にする。さらに、この活性は、腫瘍内低酸素症の減少、および腫瘍における血管形成、転移、および免疫抑制環境上の、後続の下流効果に起因すると、仮定した。
実施例3:HT29異種移植モデルにおける、炭酸脱水酵素IX染色に関する、MM−398の効果

0091

MM−398が低酸素症のマーカーを減少させるかどうかを検査するために、ヒト結腸癌細胞(HT−29)モデルで実験を行った。具体的には、HT−29細胞をヌードマウスに皮下注射し、13日目にPBS対照、または1.25、2.5、5、10、または20mg/kgのMM−398のいずれかを、静脈注射した。MM−398を表示された用量で、4週間の間、週1回投与した。両方の群からの腫瘍(n=5)は、最終の投与から24時間後に摘出した。凍結腫瘍切片を、炭酸脱水酵素IX(CAIX)の免疫組織化学的染色のために使用した。CAIX染色の定量化は、Definiens(登録商標)(Definiens AG、ミュンヘン)ソフトウェアを用いて行った。

0092

図3に示すように、MM−398は、低酸素症のマーカーを減少させた。具体的には、図3のグラフは、CAIX用に中(中部3分の1目)、または高(上部の3分の1)の強度で染色された細胞の割合を示している。各群からの代表試料も、群平均値も、示されている(平均±標準偏差)。MM−398治療は、用量依存的な方法で、両方の中、および高CAIX陽性細胞の割合を減少させることにより、腫瘍の微小環境改変する。低酸素症は、耐性疾患と侵攻性疾患の特徴であり、低酸素症の減少が、腫瘍細胞の化学療法に対する感受性を、より高めることが期待される。
実施例4:MM−398はヘキスト染色の灌流を増加する

0093

腫瘍微小環境の改変を通して、腫瘍細胞の化学的感受性を変えることに加え、低酸素症の低下は、小分子治療の送達を容易にできる、改善された腫瘍の血管新生を示し得る。MM−398治療は、治療後6日目に、HT29異種移植研究における、CD31(血小板内皮細胞接着分子)染色することにより測定されるような、微小血管密度の増加をもたらした。さらに小分子腫瘍血管新生に関するMM−398の効果を評価するために、ヘキスト33342灌流実験を行った。具体的には、一次膵臓腫瘍をNOD−SCIDマウスで増殖させ、MM−398(20mg/kg)の1用量を投与した。24時間後、動物を犠牲にする20分前に、ヘキスト33342染色を投与した。図4に示すように、治療されたマウスにおける染色度の増加はp<0.001で、統計的に有意であった。これらのデータは、腫瘍低酸素症を減少させ、小分子灌流を増加させることを通して、腫瘍が5−FU/LVなどの薬剤に対して、より感受性を持たせるように、MM−398が腫瘍の微小環境を改変することを示している。
実施例5:ヒトにおけるMM−398の薬物動態(第I相)

0094

MM−398単剤の薬物動態プロファイルを、患者における60、120または180mg/m2の用量レベルでの第I相臨床研究(PEP0201)、および120mg/m2の胃癌患者での第II相臨床試験(PEP0206)、で調査した。総イリノテカン、SN−38、およびカプセル化されたイリノテカンの血漿レベルは、これらの研究で測定した。

0095

総イリノテカンの最高血清濃度(Cmax)は、MM−398の120mg/m2に対して48から79μg/mlまでの範囲で、125mg/m2の遊離イリノテカンよりも約50倍高かった。MM−398の総イリノテカン半減期(t1/2)は、21から48時間の範囲で、遊離イリノテカンの125mg/m2より約2〜3倍高かった。全般的に見れば、1週間の総イリノテカン曝露(AUC 0−T)は、MM−398の120mg/m2で、1回の用量で、1200〜1300(μg*h/ml)の範囲で、遊離イリノテカンの300mg/m2よりも、約50〜100倍高かった。これとは対照的に、MM−398の120mg/m2でのSN38Cmaxレベルは、9から17ng/mlの範囲で、125mg/m2での遊離イリノテカンよりも、約50%少なかった。全般的に見れば、1週間でのSN38の曝露(AUC 0−T)は、474から997ng*/mlの範囲で、300mg/m2での遊離イリノテカンにより達成されるよりも、1〜2倍高いだけであった。SN38とイリノテカン総量の両方について、AUCは、MM−398の用量に比例した量よりも少なく増加した。総イリノテカンのものとほぼ一致した、カプセル化されたイリノテカンのPK指標は、イリノテカンのほとんどが、循環中にリポソームに封入されたままであることを示している。5−FU/LVと組み合わせた場合、MM−398PK指標は、有意には変化しなかった。図5図6は、MM398の以前の研究での、PK所見をまとめたものである。
実施例6:第1相 用量増加研究

0096

フルオロウラシル、ロイコボリン、およびMM−398を組み合わせた投与法を、そのうち5人が膵臓癌の患者である、16人の被験者において、固形腫瘍の第1相試験で検討した。目標腫瘍応答率、応答時間、および疾患制御率が、研究の効能評価項目であった。15人の効能評価可能患者のうち、2人(13.3%)でPRを確認し、9人(60.0%)がSDを持っており、そして4人(26.7%)がPDを持っていた。全体的な疾患制御率は73.3%であった。部分的応答が、142日および76日それぞれの応答の持続時間で、1人の胃癌患者(80mg/m2用量レベルで)、および1人の乳癌患者(100mg/m2用量レベルで)で観察された。80mg/m2のMTD用量の投与を受けた6人の患者で、1人のPR、4人のSD、および1人のPDがいた。腫瘍応答率および疾患制御率は、それぞれ16.7%、および83.3%であった。主なDLTは、グレード3の下痢白血球減少症、および好中球減少症、および発熱性好中球減少症であった。MM−398のMTDは80mg/m2であった。

0097

第1相の進行性固形腫瘍(PEP0203)における、5−FU/LVと組み合わせたMM−398の用量増加研究では、AEの合計401の発現は16人の治療被験者(安全集団)から報告され、そのうち74(18.4%)がCTCグレード3、またはそれ以上であった。すべてのAEのうち、231(57.6%)が、研究者によって治療関連であると考えられた。最も一般的な治療関連AEには、吐き気(81.3%)、下痢(75.0%)、嘔吐(68.8%)、疲労(43.8%)、粘膜炎(43.8%)、白血球減少(37.5%)、好中球減少(37.5%)、体重減少(37.5%)、貧血(31.3%)、および脱毛症(31.3%)が含まれた。急性コリン作用性下痢はほとんど観察されなかった。表1は、PEP0203の研究に見られるように、最大CTCグレード、および因果関係(発生率≧20%)による、治療中に発生した、有害反応の、発生率を提供している。表2には、PEP0203の研究で治療された、5人の膵臓癌患者に見られた、グレード3以上の、治療下で発生した有害反応の発生率を提供している。












実施例7:第3相試験

0098

第1相試験(上述)からの有望な効能と安全性データは、MM−398と5−FU、さらにそのうえロイコボリンを加えた組み合わせが、第3相研究でさらに検討されることを保証する。
A. 目標

0099

第3相試験の主要目的は、ゲムシタビンベースの治療で進行した転移性膵臓癌患者における、MM−398を用いた、5−フルオロウラシル+ロイコボリン有りまたは無し対5−フルオロウラシルおよびロイコボリンを用いた治療後の、全生存を比較することである。第2の目的は以下を含む。

0100

治験治療群と対照治療群との間の、時間事象の効能評価項目を比較すること(すなわち、進行無し生存期間(PFS)、および治療失敗時間(TTF))
・治療群の間で、客観的奏効率(ORR)を比較すること、
・治療群の間で、CA19−9の腫瘍マーカーの反応を比較すること、
・治療群の間で、臨床的有益応答(CBR)率を比較すること、
・癌の研究と治療のための欧州機関EORTC)の生活の質に関わる中核
問書(EORTC−QLQ−C30)を用いて、治療群の間で患者報告転帰(PRO
)を評価すること、
・治療群の間で、安全性と有害反応プロファイルを比較すること、および
・単剤として、および5−FUとロイコボリンとの組み合わせで、MM−398の薬物動態学的特性を決定すること。

0101

本研究の肝要な探索目標は、MM−398、およびMM−398+5−FU、およびロイコボリンでの治療後の、毒性と効能に関連するバイオマーカー診査することである。
B. 研究設計

0102

これは、前のゲムシタビンベースの治療で進行した、転移性膵臓癌患者における、MM−398の5−FUとロイコボリン有り、または無し、対、5−フルオロウラシル(5−FU)とロイコボリン(フォリン酸としても知られている)の、非盲検での、無作為化された、3群の第3相試験である。

0103

約405人の適格患者が、プロトコル第2版またはそれ以降の下で、この世界的研究に登録されることになる。すべての患者が適格性について評価され、UGT1A1*28対立遺伝子についてスクリーニングされる、最長28日間の検査に参加することになる。適格患者は、1:1:1の比率で、以下の治療群の1つに無作為に選ばれる。

0104

患者は、中央研究所で、ウエブ自動応答システム(IWRS)を使用して、均等に治療群に無作為に選ばれることになる。無作為化は、以下の予後因子に基づいて層別化される:
・ベースラインアルブミンレベル(≧4.0g/dL対<4.0g/dL)
・KPS(70および80対≧90)
民族性白人対東アジア人対その他すべて)

0105

治療には周期的に投与する。患者は、疾患の進行(放射線学的または臨床症状の悪化)、耐え難い毒性、または研究終了にいたる他の理由が現れるまで治療される。腫瘍反応は、臨床的徴候や症状に基づく疾患の進行が明らかである場合には、6週間毎またはもっと早く、RECISTガイドライン(Eisenhauer, E. A., et al., “New response evaluation criteria in solid tumors: Revised RECIST guideline (version 1.1). European Journal of Cancer, 2009. 45:pp.228−247)を使用して評価される。すべての患者の腫瘍測定画像は、研究を通して収集され、保存される。しかしながら、すべての治療の決定は、現場放射線技師および/または疾患状態のPI評価に基づくことになる。スキャンの独立した審査は、ORRおよび/またはPFSの独立した分析が必要であるときに実行し得る。

0106

治療中止後は、治療後30日間の追跡調査訪問が必要である。それに引き続き、すべての患者が死亡したか、または研究を撤退したか、いずれか早い方まで、すべての患者の全生存期間を、1ヶ月毎に追跡調査することになる(電話または研究現場への訪問により)。目的疾患進行以外の理由で研究治療から撤退する患者は、追跡調査期間中に、放射線学的進行のために(症候性悪化によって中止した患者を含む)、6週間毎に評価することを継続すべきである。

0107

すべての患者は、研究に参加している期間を通して、痛みの評価および鎮痛剤消費量の日誌記入するように求められ、これは、患者の痛みの強さと、毎日の鎮痛剤消費量の患者の評価を文書化する。患者の反応は、他の指標と共に、臨床的有益応答の評価のために使用される。すべての患者はまた、生活の質を評価するために、EORTC−QLQ−C30質問書に記入することも求められる。

0108

本研究の診査目標に対処するために、すべての現場が、地域の規制禁止されていない限り、基礎研究から応用分野におよぶ研究(TR)手引プロトコル(MM−398−07−03−01.TR)に参加することが必要である。この研究への参加は、患者にとって任意的なものであるので、基礎研究から応用分野におよぶ研究のために、別個同意を提供させる必要がある。

0109

OSの一次解析は、プロトコル第2版、またはそれ以降の下で登録された患者で少なくとも305人が死亡した事象が起きる毎に1回行われることになる。OSのための一次解析の際に研究治療を受けている患者は、中止の基準の1つが満たされるまで、治療を受け続けることになる。研究の過程における安全性データの定期的見直しは、独立したデータ安全性監視委員会(DSMB)により実施される。図7は研究設計を示している。
C. 患者の選択および中止

0110

およそ405人の患者がプロトコル第2版またはそれ以降の下で、この研究に世界的に登録される。研究に含まれるためには、患者は以下を持っている/である必要がある。
1.組織学的または細胞学的に確認された膵臓外分泌腺の腺癌
2.文書化された転移性疾患:RECIST v1.1のガイドラインにより定義された疾患の状態が、測定可能または測定不可
3.局所進行性または転移性の設定における、事前のゲムシタビンまたはゲムシタビンを含んだ治療後に文書化された疾患の進行。許可療法の例は以下を含む
が、これらに限定されない
・単剤ゲムシタビン
・ 任意の1つのゲムシタビンベースの計画、持続ゲムシタビン有りまたは無し
白金剤、フルオロピリミジン、またはエルロチニブを後に添加した単剤ゲムシタビン
・ 疾患の再発が術後補助療法を完了した後6ヶ月以内に発生した場合、ゲムシタビンを術後補助設定で投与する
4.カルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)≧70
5. 以下によって証明される適切な骨髄予備能
造血成長因子を使用しないANC>1,500細胞/μL、および
血小板数>100,000細胞/μL、および
ヘモグロビン>9g/dL(9g/dL未満のヘモグロビンレベルを有する患者には輸血が許可されている)
6.以下によって証明される適切な肝機能
施設正常範囲内血清総ビリルビン胆道閉塞のための胆汁排泄は許
されている)
アルブミンのレベル≧3.0g/dL
アスパラギン酸アミノ基転移酵素AST)、およびアラニンアミノ基転移酵素(ALT)≦2.5×ULN(肝転移が存在する場合≦5×ULNでも可)
7.血清クレアチニン≦1.5×ULNによって証明される適切な腎機能
8. 通常のECGまたはいかなる臨床的に重要な所見も伴なわないECG
9. 事前の手術放射線療法、または他の抗腫瘍治療の影響から回復した
10. 少なくとも18
11.告知に基づく同意を理解し、署名することができる。(または、そうすることができる法定代理人を持っている。)

0111

患者はすべての上記の包含基準を満たす必要があるが、以下の除外基準のいずれも満たしてはならない。
1.活性CNS転移(臨床症状で示される脳浮腫ステロイド要件、または進行性疾
患)
2.肝疾患出血、炎症、閉塞、またはグレード>1の下痢を含む、臨床的に有意な胃
腸障害
3. 最後の5年間のすべての二次悪性腫瘍の病歴上皮内癌または基底細胞癌、もしくは扁平上皮細胞皮膚癌前歴を有する被験者が適格である。少なくとも5年間連続して無疾患であった、他の悪性腫瘍を有する被験者も適格である。
4.包含の前6ヶ月未満の、重度動脈血栓塞栓事象(心筋梗塞不安定狭心症、脳卒中)
5. NYHAクラスIII、またはIVのうっ血性心不全心室性不整脈、または血圧制御不良
6.治験責任医師意見で患者の試験への参加を危うくし得る、または研究結果に影
響を与える、スクリーニングの訪問中の、または投与の最初の予定日での、活動
性感染、または原因不明発熱>38.5℃(治験責任医師の裁量で、腫瘍熱を
有する患者は登録し得る)
7. MM−398他のリポソーム製品、フルロピリミジン、またはロイコボリンのいずれかの成分に対する、既知の過敏症
8. この研究における投与の最初の予定日前4週間以内に、または治験薬の少なくとも5半減期未満の間隔、のいずれか長い方の時間内に投与する、治験療法
9. 治験責任医師によって、告知同意へ署名する、研究に協力して参加する患者の能力を妨げる、または結果の解釈に干渉する可能性が高い、とみなされた、すべての他の医学的または社会的条件
10.妊娠または授乳:妊娠の可能性のある女性は、登録時の尿または血清妊娠検査に基づいた妊娠の検査で、陰性と出なければならない、生殖能を有する男性と女性両方の患者は、研究中および治験薬の最終投与後3ヶ月間、信頼性の高い避妊の方法を使用することに、同意しなければならない

0112

登録の基準に、明確に従わなければならない。患者は、次の状況の場合、研究治療を
中止されることになる。
・ 患者が、RECIST v1.1の基準に基づいた疾患進行の証拠を有している
・ 患者が、悪化の症状を示している
・ 患者が、耐え難い毒性、または以下を必要とする有害事象を体験している。
○ 3回目の用量の減少
○ 患者が、治験責任医師の意見では、研究治療から恩恵を受けていない限り、次
の周期を開始してから21日間より長く治療を保留されている
・ 患者が、PI評価あたりの研究手順に有意に適合していない
・ 患者または患者の主治医が、患者を研究治療から撤退させることを要求している
・ 治験責任医師または治験依頼者が、何らかの理由で、しかし患者(複数可)の権利、安全性と健康を考慮し、ICH/GCPのガイドライン、および地域の規制に従って、研究を中止する、または本研究への患者の参加を停止する。

0113

患者が追跡調査から失われる、または研究治療から脱退する場合、中止の理由を究明するために、患者に連絡する試みがなされるべきである。追跡調査から失われた患者については、患者を追跡調査からはずすことを検討する前に、1回は配達証明郵便経由を含む、少なくとも3回の文書化された、患者に連絡する試みがなされるべきである。患者が目標疾患の進行以外の理由で研究治療を中止する場合は、患者は、目標疾患の進行が観察されるまで、6週間毎に、放射線疾患評価を受け続ける必要がある。

0114

研究治療を中止するすべての患者は、プロトコルで必要とされるように、追跡調査され続ける必要がある。患者が研究の評価項目のために追跡調査されるべきではない唯一の状況は、患者が同意を撤回した場合である。同意の撤回は患者が決定すべきで、患者が研究治療と追跡調査訪問の中止を望んでいるだけでなく、患者の生存期間状況を識別するあらゆる努力を含み、治験責任医師が患者に連絡するためにさらに努力することが、もはや許されていないことも意味しなければならない。
D. 患者を治療群に割り当てる方法

0115

すべてのスクリーニング評価が完了し、UGT1A1*28の結果が利用可能になった後に、患者は、コンピュータ化されたウエブ自動応答システム(IWRS)を用いて、1:1:1の比で、以下の治療群のいずれかに無作為化される。
・ 治療群A(治験治療群):MM−398
・ 治療群B(対照治療群):5−FUおよびロイコボリン
・ 治療群C(治験治療群):MM−398、5−FU、およびロイコボリン

0116

無作為化は、計画された投与の7日以内に行われる必要がある。無作為化は、以下の予後因子に基づいて層別化される。
・ベースラインアルブミンレベル(≧4.0g/dL対<4.0g/dL)
・ KPS(70と80対≧90)
・民族性(白人対東アジア人対その他)
E. MM−398の説明

0117

MM−398は、リポソーム薬物送達システムの中に封入されたイリノテカン(別名CPT−11としても知られる)である。それは、5mg/mLの濃度で、MM−398を9.5mL含む無菌の、使い捨てバイアルとして供給される。このバイアルは、各10mLのバイアルからの標示量の引き出しを容易にするために、0.5mLの過剰量を含む。

0118

MM−398は、光から保護し、2から8℃で冷蔵保存しなければならない。点滴時には、光からの保護は必要ない。MM−398は凍結してはならない。薬物製品をバイアルから引き出して注射器に入れる前後に、責任者粒子状物質がないか、バイアルの中身を検査すべきである。

0119

MM−398は、投与前に希釈しなければならない。希釈液は、室温(15〜30℃)で6時間は、物理的、化学的に安定しているが、冷蔵温度(2〜8℃)で保存し、光から保護することが好適である。希釈した溶液を凍結させてはならない。希釈中に微生物汚染の可能性があるので、希釈した溶液は、冷蔵保管したもの(2〜8℃)は24時間以内、室温(15〜30℃)で保管したものは6時間以内に、使用することを推奨する。

0120

MM−398のバイアル20本が、段ボール容器包装される。個々のバイアルにも、段ボール容器の外側にも、地域の規制要件に従った標示が貼付される。

0121

MM−398は以下のように投与を決定し、投与する。すべての患者を、ベースライン時にUGT1A1*28対立遺伝子についてスクリーニングする。

0122

治療群Aにおいては、MM−398は、治験現場で、各3週間周期の最初の日に、IV点滴により、90分にわたって投与する。治療群Cにおいては、MM−398は、最初の周期の間、IV点滴により、90分にわたって投与する、第1周期内に急性点滴反応が現れなかった場合は、第2周期以降、点滴時間を60分に減少し得る。周期の期間は、治療群Aは3週間で、治療群Cは2週間である。最初の周期の1日目は固定日である、それに続く用量は、各周期±3日の最初の日に投与すべきである。

0123

投与の前に、MM−398の適切な用量を、500mLの最終容量まで、5%ブドウ糖注射液(D5W)で希釈しなければならない。インラインフィルター、またはD5W以外のいかなる希釈剤も、使用しないように注意しなければならない。MM−398は、標準的なPVC含有静脈内投与用バッグ、およびチューブを用いて投与し得る。

0124

投与するMM−398の実際の用量は、各周期の開始時に、患者の体表面積を計算することにより決定する。計算された総用量において、±5%の変動が、用量投与を容易にするためにに許容される。MM−398のバイアルは使い捨てバイアルであるので、現場のスタッフは、いかなる使用済みのバイアルも、将来の使用のために保管してはならず、使用済み製品は、廃棄しなければならない。

0125

すべての患者は、MM−398点滴前に、イリノテカン投与のための標準的な制度的慣行に従って、デキサメタゾンと5−HT3拮抗薬の標準用量、または他の制吐薬を、前投与されなければならない。アトロピンは、前の周期で急性コリン作用性症状を体験した患者のために、予防的に処方され得る。
F. 5−FUおよびロイコボリンの説明

0126

5−フルオロウラシルは、核酸生合成に干渉するピリミジン拮抗薬である。薬物のデオキシリボヌクレオチドは、チミジル酸合成を阻害する、したがって、デオキシウリジル酸からのチミジル酸の形成を阻害し、それ故にDNAの合成に干渉する。それはまたRNA合成を干渉する。

0127

ロイコボリンは、プリンおよびピリミジンの合成における、1−炭素転移反応のための、生化学的補因子としての役割を果たす。ロイコボリンは、をテトラヒドロ葉酸への変換のために酵素ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を必要としない。メトトレキサート、および他のDHFR−拮抗薬の効果は、ロイコボリンによって阻害される。ロイコボリンは、フッ化ピリミジン(すなわち、フルオロウラシル、およびフロクスリジン)の細胞毒性効果を高め得る。5−FUは、細胞内で活性化された後に葉酸補因子に伴われ、酵素チミジル酸合成酵素を阻害し、それ故にピリミジン合成を阻害する。ロイコボリンは、葉酸プールを増加し、それによって葉酸補因子とチミジル酸合成酵素を有する活性5−FUとの結合を増加する。

0128

FUおよびロイコボリンは、国固有の添付文書に従って保存、および扱われる。市販の5−FUおよびロイコボリンは、治験群Bと治験群Cに無作為化された、研究に関わるすべての患者に提供される。

0129

5−FUおよびロイコボリンは、次のように投薬、投与される。

0130

ロイコボリンは、ロイコボリンの再構成のために、パッケージに挿入された説明書、
または標準的な施設のガイドラインに従って、再構成しなければならない。ロイコボリンは、5−FU点滴の前に投与すること。

0131

投与される5−FUおよびロイコボリンの実際の用量は、各周期の前に、患者の体表面積を計算することにより決定する。用量投与を容易にするために、計算した総用量±5%の変動は許される。

0132

周期1の後に、各新規周期の開始のために、±3日間の空白期間が許され、8、15、および22日目の点滴には±1日の空白期間が許される。

0133

すべての患者は、5−FUとロイコボリンの点滴前に、5−FU投与の標準的な施設慣行に従って、標準用量のデキサメタゾン、プロクロルペラジン、または同等の他の制吐薬を前投薬される必要がある。
G. MM−398に関する重要な治療における留意点

0134

以前のMM−398研究からのデータは、広く研究されている活性成分、イリノテカン、と比較した場合、いかなる予期しない毒性も示していない。イリノテカンの使用、およびその毒性を管理する治療手順のための警告、および留意点を以下に提供する。
下痢

0135

イリノテカンは、異なるメカニズムによって媒介されるようにみえる、下痢の初期および後期の両方の形態を、誘導する可能性がある。初期の下痢(イリノテカンの点滴中、または直後に発生する)は、本来はコリン作用性である。これは通常一過性で、まれにしか重篤にならない。これは、鼻炎唾液増加、縮瞳流涙発汗紅潮、および腹部痙攣を引き起こし得る、腸のぜん動亢進症状を伴うことがある。MM−398の前の周期中に、初期のコリン作用性症状を体験した患者については、治験責任医師の裁量で、アトロピンを予防的に投与すること。

0136

後期下痢(一般的には、イリノテカンの投与後24時間超で発生する)は長期化し、脱水電解不均衡、または敗血症につながるので、命に関わり得る。後期下痢は、ロペラミドで速やかに治療されるべきで、ロペラミドの後でも下痢が続く場合は、オクトレオチド考慮すべきである。持続性のまたは重度の下痢に関連した、体液および電解質の喪失は、命を脅かす脱水、腎不全、電解質不均衡をもたらし、心血管疾患罹患率に寄与し得る。感染性合併症の危険性が増大し、これは化学療法誘発性好中球減少症を有する患者に敗血症をもたらし得る。下痢の患者は、慎重に監視し、脱水状態になった場合は、体液と電解質の代替品を、腸閉塞、発熱、または重度の好中球減少症を発症した場合は、抗生物質支援を与えること。
好中球減少症

0137

イリノテカンでの治療を受けた患者で、重度の好中球減少症後の、敗血症に起因した死亡が報告されている。好中球減少合併症は、抗生物質支援で迅速に管理すること。好中球減少症を慎重に管理するために、G−CFSを使用し得る。事前の抗腫瘍療法を受けながら、グレード3または4の好中球減少症を体験したことが知られている患者は、注意深く監視および管理しなければならない。
過敏症

0138

重度のアナフィラキシー、またはアナフィラキシー様反応を含む、過敏性反応が観察されている。疑いのある薬物は直ちに保留し、過敏反応が発生した場合、積極的な治療を与えること。
大腸炎/腸閉塞

0139

潰瘍、出血、腸閉塞、および感染症合併する大腸炎の症例が観察されている。腸閉塞を体験している患者は、迅速な抗生物質支援を受けなければならない。
血栓塞栓症

0140

イリノテカン含有法を受けている患者で血栓塞栓事象が観察されているが、これらの事象の特定原因は決定されていない。
妊娠

0141

イリノテカンの妊娠カテゴリーはDである。妊娠し得る女性には、イリノテカンでの治療中、妊娠を避けることを助言すること。妊娠が報告された場合は、治療を中止するべきである。患者を研究から撤退させ、結果が判明するまで妊娠を観察するべきである。
静脈部位の注意

0142

溢出しないように注意し、点滴部位に炎症の徴候がないか監視すること。溢出が起きた場合は、無菌生理食塩水で部位を洗い流し、の利用を推奨する。
特定のリスクがある患者

0143

イリノテカンの毎週のスケジュールの臨床試験において、徐々に上昇したベースライン血清総ビリルビンレベル(1.0から2.0mg/dL)を有する患者は、1.0mg/dL未満のビリルビンレベルを有する患者よりも有意に大きな(50.0%[19/38]対17.7%[47/226]、p<0.001)、第1周期のグレード3または4の好中球減少症を体験した可能性を持っていたことが分かった。ギルバート症候群のような、ビリルビンの異常なグルクロン酸抱合を有する患者もまた、イリノテカンでの治療を受けたときに、骨髄抑制のより大きな危険に曝され得る。
急性点滴関連反応

0144

紅潮、息切れ、顔の腫れ頭痛悪寒背痛のこわばり、および低血圧を特徴とする急性点滴関連反応が、リポソーム薬で治療された患者の少数で報告されている。ほとんどの患者では、これらの反応は、一般的に、点滴が終了した後24時間以内に消失する。一部の患者では、この反応は、点滴速度を遅くすることによって消失する。リポソーム薬に対して急性点滴反応を体験したほとんどの患者でも、合併症なしの、さらなる点滴を容認し得る。
他の毒性の可能性

0145

MM−398、イリノテカンの新しいリポソーム製剤は、カプセル化されていない製剤中のイリノテカンとは異なるので、イリノテカンによって引き起こされるもの以外の毒性の可能性がある。すべての患者は、特に治療の初期の投与中に、薬物毒性を示す兆候や症状について、綿密に監視する必要がある。
H. 用量修正要件

0146

投薬は、研究治療に関連する毒性から回復させるために、期日から最大3週間まで保持し得る。毒性からの回復に要する時間が3週間より長い場合、患者が研究治療から恩恵を受けていない限り、その患者の研究は中止すべきで、その場合、研究上の患者の継続は、継続のリスクと利益に関して、治験責任医師と治験依頼者または被指名人との間で、議論すること。

0147

毒性に起因して研究の間に患者の用量を減少させた場合、その用量は、研究の期間中減少させたままにする必要があり、以前の用量に再上昇させることは許されない。2つの用量減少を有し、3回目の用量減少が必要な有害事象を体験するいかなる患者も、研究治療を中止しなければならない。

0148

点滴反応を監視する。点滴反応は、下記に定義されるアレルギー反応/点滴反応、およびアナフィラキシーの国立癌研究所CTCAE(第4.0版)の定義に従って定義される:



研究現場の方針、または以下の治療ガイドラインを、点滴反応の管理に使用すること。

0149

グレード1またはグレード2の点滴反応を体験する患者のために、将来の点滴は、慎重に、減少した量で(120分にわたって)投与し得る。

0150

第2グレード1または2の点滴反応を体験する患者については、デキサメタゾン10mgをIV投与する。その後のすべての点滴は、ジフェンヒドラミン塩酸塩50mgをIVで、デキサメタゾン10mgをIVで、およびアセトアミノフェン65mgを経口で、前投薬すること。
I.血液毒性のためのMM−398の用量変更

0151

新たな治療周期を開始する前に、患者は、
・ ANC≧1500/mm3
・血小板数≧100,000/mm3
を持っている必要がある。
治療は、回復するための十分な時間遅延されるべきで、回復した上は、治療は、以下の表のガイドラインに従って投与すること。患者が発熱性好中球減少症を持っていた場合、ANCは≧1500/mm3まで消失されていなければならず、および患者は感染から回復していなければならない。






J. 非血液毒性のためのMM−398用量の変更

0152

治療は、下痢が≦グレード1に消失するまで、および他のグレード3または4の非血液毒性のためには、グレード1またはベースラインに消失するまで、遅延されるべきである。薬物関連下痢、および他のグレード3または4の非血液毒性のための、MM−398の用量調節のガイドラインを、以下に示す。点滴反応は、上述のように扱われるべきである。






K. 5−FUおよびロイコボリンの用量変更(治療群Bおよび治療群C)

0153

5−FUの用量変更のためのガイドラインを以下に示す。ロイコボリンのために毒性のための用量調整は必要ない。ロイコボリンは、各5−FU投与の直前に与えられなければならない、したがって、5−FUの投与量が保持されている場合、ロイコボリンの投与量も同様に保持すること。患者が点滴反応を体験している場合は、施設のガイドライン、またはMM−398の点滴反応管理のために提供されているガイドラインの、いずれかを使用すること。
L.血液毒性のための5−FUの用量変更

0154

1つの周期内の次の投与の前、または治療の新たなサイクル開始前に、患者は以
下を持っていりこと:
・ ANC≧1500/mm3
・ WBC≧3500/mm3
・血小板数≧75,000/mm3(5−FUの製品特性についてのヨーロッパの要約によると、血小板は治療を開始する前に、≧100,000/mm3まで回復しているべきである)

0155

治療は、回復のための十分な時間を可能にするために遅延されるべきで、回復した上は、治療は、以下の表に提供されたガイドラインに従って、投与すること。周期の持続時間は6週に固定されており、患者がD8、D15またはD22用量を、毒性が原因で受けられない場合は、その用量は省略されるように検討されることになる。



M. 非血液毒性のための5−FUの用量変更

0156

治療は、すべてのグレード3または4の、非血液学的毒性が、グレード1またはベースラインに消失されるまで、遅らせるべきである。毒性に関連する5−FUの用量調節のためのガイドラインを、以下に示す。周期の持続時間は6週に固定されていて、患者が、毒性が原因で、D8、D15またはD22用量を受けられない場合は、用量は省略するように検討されることになる。



N. 特別な注意を要する他の毒性

0157

5−FUおよびMM−398の両方の治療群のために、電解質不均衡を誘発した下痢の設定において発生するQTc延長は、適切な電解質補充によって治療されるべきである。根本的な異常が治療され、ECG異常が好転したら、治療は上記のように、注意深い監視の下、および下痢のために適切な用量の変更で継続し得る。
O. 併用療法

0158

根本的な悪性腫瘍のすべての同時病状および合併症は、医療の受容できる地方基準に従って、治験責任医師の裁量で治療する。患者は必要に応じて鎮痛薬、制吐薬、抗生物質、解熱剤、および血液製剤を受けること。ワルファリン抗凝血剤療法が許可されているが、すべての可能性のある薬物相互作用合併症を避けるために、凝固指標の注意深い監視が不可欠である。血液製剤の輸血を含むすべての併用薬は、適切な症例報告書に記録されることになる。

0159

特定の病状の治療のためのガイドラインを以下に説明する、しかしながら、これらの病状の治療のための施設のガイドラインも使用し得る。特別な注意を保証する併用療法は、以下に説明する。
制吐薬

0160

個々の患者に禁忌でない限り、デキサメタゾンおよび5−HT3阻害薬(例えば、オンダンセトロンまたはグラニセトロン)を前投薬として、すべての患者に投与する。研究期間中に臨床的に示されるように、制吐剤も処方する。
コロニー刺激因子

0161

顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の使用は、好中球減少症、または好中球減少性発熱を有する患者を治療するために許可されている、G−CSFの予防的使用は研究治療を受けている間にグレード3または4の好中球減少症または好中球減少性発熱の少なくとも1回の発症がある、または、以前の抗腫瘍治療を受けている間にグレード3または4の好中球減少症または好中球減少性発熱を文書化したことがある、患者にのみ許可される。
下痢の治療

0162

MM−398投与後24時間以内に発症する、急性下痢と腹部痙攣は、コリン作用性症候群の一部として発生し得る。この症候群は、アトロピンで治療される。アトロピンの予防的または治療的投与は、研究中にコリン作用性症状を体験している患者において考慮すること。

0163

下痢は衰弱させる可能性があり、まれに命を脅かす。ASCO委員会によって開発された、化学療法誘発性下痢の治療のためのガイドラインを、以下に要約する。

0164

合成オクタペプチドオクトレオチドは、漸増用量として連続点滴または皮下注射によって投与した場合に、フッ化ピリミジンをベースとした化学療法によって誘発される、下痢の制御に有効であることが示されている。オクトレオチドは、5日間の投与法で、毎日3回2000マイクログラムを最大許容用量で、毎日2回100マイクログラムから、毎日3回500マイクログラムまでの範囲の用量で、投与し得る。患者は治療を通じて、多量の水を飲むように助言されるべきである。
その他の治療

0165

他の毒性のための対症療法は、施設のガイドラインに従うこと。脱毛症のコールドキャップでの、または口内炎の氷で冷やした洗口液での、予防は許可される。
P.禁止療法

0166

以下の薬物が、イリノテカンと相互作用するものとして、イリノテカン処方情報に記載されている:セントジョンズワート、CYP3A4誘導抗けいれん薬フェニトインフェノバルビタール、およびカルバマゼピン)、ケトコナゾールイトラコナゾールトロレアンドマイシンエリスロマイシンジルチアゼム、およびベラパミル。イリノテカンと相互作用するこれらの薬剤と他の薬剤での治療は、可能な限り避けること。5−FUはワルファリンと相互作用するので、併用が必要な場合は、注意が必要である。すべての他の薬物相互作用については、5−FUおよびロイコボリンの、国固有のパッケージ添付文書を参照すること。

0167

以下の治療は、治験中に許可されていない。
・細胞毒性、標的薬内分泌腺療法、または他の抗体を含む他の抗腫瘍療法、
治癒する可能性がある放射線療法、緩和放射線療法が許可されている、および
・ その他すべての治験治療は許可されない。
Q.検査法
全血球計算

0168

全血球計算(CBC)は現場で実行し、白血球数(WBC)、および白血球百分率、ヘモグロビン、ヘマトクリット、および血小板の数を含めること。
血清化学

0169

血清化学検査中央研究室で実行されることになる。さらに、化学的性質は現場でも評価し得る、また、中央研究室検査結果が利用できない場合、現地研究室検査結果を、登録および治療の決定のために使用し得る。登録するために現地研究室検査結果を使用する場合は、現地研究室検査結果はすべての後続治療の決定のために使用すること。血清化学は、電解質(ナトリウムカリウム塩化物、および重炭酸塩)、BUN、血清クレアチニン、ブドウ糖、直接および総ビリルビン、AST、ALT、アルカリ性ホスファターゼLDH尿酸総タンパク量、アルブミン、カルシウムマグネシウム及びリン酸塩を含む。
CA 19−9

0170

すべての患者のCA 19−9のレベルは中央研究室で測定する。
妊娠検査

0171

妊娠の可能性のあるすべての女性は、尿または血清妊娠検査を受けること。
UGT1A1*28対立遺伝子

0172

すべての血球試料は、ベースライン時に、すべての患者から採取し、UGT1A1*28対立遺伝子状態を検査するために、中央研究室に送る。中央研究室検査結果が、無作為化する時点で利用できない場合、現地研究室検査結果を使用し得る。
薬物動態学的評価

0173

PK解析は、中央研究室で行う。血漿PKサンプルは、次の時点で、この研究で無作為化されたすべての患者から、周期1で採取する:
・治療群A:点滴の直前、点滴中(点滴の開始後80から90分で)、点滴の開始後、2.5〜4時間の間およびC1D8。
・ 治療群B:5−FU点滴の終わりに、1つの試料(C1D2)
・ 治療群C:MM−398点滴の直前、MM−398点滴中(点滴の開始後80から90分で)、MM−398の点滴開始後2.5〜4時間の間、5−FU点滴の終わりおよびC1D8。

0174

さらに、PK試料は、この試料の採取のために追加の同意を与えた、治療群Aと治療群Cに無作為化された患者から、MM−398の投与後、8から72時間の間の任意の時間に、周期1で採取する。
R. 痛みの評価と鎮痛剤消費量

0175

患者が毎日の痛みの強さを、目で見て分かるアナログ尺度で記録し、鎮痛薬の毎日の使用量を文書化するために、痛みの評価と鎮痛剤の消費を記入する日誌が患者に提供される。
S.EORTC−QLQ−C30

0176

生活の質は、EORTC−QLQ−C30機器によって評価される。このEORTC−QLQ−C30は、多文化臨床研究設定において、癌患者の生活の質の信頼の置ける、有効な尺度である。これは9個の複数項目尺度を組み込んでいる:5項目の機能尺度(物理的、役割的、認知的、感情的、および社会的)、3項目の症状尺度(疲労、痛み、および吐き気や嘔吐)、そして、世界的な健康と生活の質の尺度。いくつかの単一項目の症状尺度も含まれている。

0177

患者は、評価の表に述べられている時点で、EORTC−QLQ−C30質問票を記入することを求められる。評価は、薬剤投与を検討する前に、患者が試験薬を受け取る日には、記入されていること。EORTC−QLQ−C30質問票の有効な翻訳入手できる患者のみが、この質問票を記入することを求められる。
T. 全体的な生存期間/研究後の追跡調査

0178

患者が30日間の追跡調査訪問を完了した後に、30日間の追跡調査訪問の日から、1ヶ月(+/−1週間)毎に、全体的な生存期間データを収集する。収集しなければならない中止後データが含むものは、疾患の進行の日付(既に文書化されていない場合、患者が目標疾患進行以外の理由で治験治療を中止した場合、患者は、新しい抗腫瘍療法または進行性疾患の開始までは、6週間毎に腫瘍評価を受け続けること)、すべての中止後の全身療法、放射線療法、または外科手術介入の日付を含む、患者が受領したすべての抗癌治療の文書、および死亡の日付、である。すべての患者を、死亡または研究撤退、いずれか早い方が起きるまで、追跡調査すること。
U.有害事象の重症度と関連性の決定

0179

各有害事象は、http://ctep.cancer.gov/reporting/ctc.htmlで見つけることができ、NCI CTCAEV4.0に従って等級分けされる。CTCAEに記載されていない事象については、重症度は軽度、中度、重度、または生命を脅かす度合い、または致命的度合いと指定し、以下の定義で、NCI CTCAEのグレード1、2、3、4、5にそれぞれ対応する。
・ 軽度:身体障害または無能をもたらさず、治療介入なしに消失する事象、
・ 中度:身体障害または無能はもたらさないが、治療介入を必要とする事象
・ 重度:治療介入を必要とする一時的身体障害、または無能をもたらす事象
・ 生命を脅かす度合い:事象の時に、患者に死の危険がある事象
・ 致命的度合い: 患者に死をもたらす事象
治験責任医師は、有害事象が治験薬の使用に関連している合理的な可能性が存在するかどうかを決定することを試みること。この関係は、関連している、または関連していない、と記載すること。
V.全生存期間の解析

0180

全生存期間(OS)はこの研究の主要評価項目である。全生存期間は、患者を無作為化した日から、死亡の日、または判明している最後の生きていた日までの時間として定義する。死亡したことが、特定の解析のためのデータ算入締切日の時点で知られていない各患者については、締切日前の最後の接触日において、その解析のためにOSを審査する。

0181

研究の一次解析は、非層別ログランク検定を用いて、ITT集団において、研究治療の間の、生存期間の二対比較を伴う。検定は、0.05(両面)レベル[25]での、ファミリーワイズ誤差率を強く制御する、ボンフェローニ・ホルムの手順に従って、次のようになる。

0182

の却下、すなわち、この検定のログランクp値が0.025未満である場合、またはこの検定のログランクp値が0.05未満である場合、および治療群Bと治療群C間の比較のためのログランクp値が0.025未満である場合、MM−398単剤療法は、対照と比較して効果がない。

0183

の却下、すなわち、この検定のログランクp値が0.025未満である場合、またはこの検定のログランクp値が0.05未満である場合、および治療群Aと治療群B間の比較のためのログランクp値が0.025未満である場合、MM−398併用療法は、対照と比較して効果がない。

0184

生存機能生存期間中央値ノンパラメトリック推定値を得るために、カプラン・マイヤー解析を各治療群に対して実施する。該当する95%の信頼区間は、対数対数法を用いて計算する。ハザード比、および該当する95%信頼区間を推定するために、コックス比例ハザードモデルを使用する。

0185

一次解析結果の頑健性を評価するために、ITT集団(示されたものは除く)の全生存期間のための、以下の追加の感度解析を実施する。
PP集団に対する治療のログランク比較
無作為化層別化係数を用いた、層別ログランク解析[層別コックスモデルのハザード比
推定値で]
治療のウィルコクソン比較
治療と予後因子(以下に示す)が包含の候補となるモデル項の、ステップワイズ変数
選択でのコックス転帰モデル(<0.25に入るp値、<0.15を維持するp値)、
コックス転帰を使用した、潜在的な独立予後因子を評価するための、単変量解析
研究集団の異なる区分において、治療の効果の違いを検査するための、サブグループ
解析

0186

プロトコル・バージョン2(およびそれ以降)の下で登録された患者のみについてすべての解析(一次および感度)を繰り返す。

0187

検査されるべき予後因子に含まれるもの。ベースラインKPS、ベースラインアルブミン、民族性、地理的位置、診断時病期、元の腫瘍の位置、前化学療法治療の数、前放射線療法、前の手術、最後の治療からの時間、前治療に対する最高の反応、ベースラインCA19−9、性別、および年齢
W. 二次効能解析
進行のない生存期間

0188

PFSは、無作為化の日から、死亡または進行の日付までの、いずれか早い方、の月数として定義される(RECIST1.1準拠)。研究中に、死亡も進行も、どちらも観察されなかった場合は、PFSデータは、最後の有効な腫瘍評価で審査されることになる。

0189

PFSは、対の非層別ログランク検定を用いて、治療群の間で比較する。PFS曲線は、カプラン—マイヤー推定値を用いて推定する。ハザード比、および該当する95%信頼区間の推定値は、コックス比例ハザードモデルを用いて得られる。層別解析はまた、無作為化層別化因子を用いて実施する。層別化変数と他の予後共変量のための治療効果調整を検討する。また、異なる審査および欠落データ帰属方法は、PFSにおける感度解析を実行するために使用し得る。感度解析のための方法論は、統計解析計画で完全に指定される。解析は、ITT、PP、およびEP集団について実施する。
治療失敗までの時間

0190

治療失敗までの時間は、無作為化から、毒性による疾患の進行、死亡、または研究中止のいずれかまでの時間で定義される。無増悪生存期間の解析として指定されているカプランマイヤー解析は治療失敗までの時間について実施される。解析は、ITT、PPおよびEP集団について実施される。
目標奏効率

0191

ORRに関連する腫瘍評価は、RECISTバージョン1.1を用いて決定する。治験依頼者が、新薬申請を支援するために、または他のどんな理由でも、放射線評価の独立した審査を必要とする場合は、すべての患者の反応状態を、臨床医の独立検査によって、または治験依頼者もしくはその被指名人によって審査し得る。独立検査の評価と治験責任医師の評価との間に相違がある場合は、独立検査の評価が優先される。

0192

各治療群の目標奏効率(ORR)は、患者の数と確認されたCR、またはRECISTに従ったPRの最良全体反応を組み合わせて計算する。ORRは、無作為化から進行または研究の終了までに記録された最良の応答である。解析時での目標応答(確認したCR+PR)を体験した患者の数と割合が提示され、比率に対する95%信頼区間が計算される。治療群からの目標奏効率は、ペアワイズフィッシャーの直接確率検定を用いて比較する。解析は、ITT、PPおよびEP集団について実施する。
腫瘍マーカー反応解析

0193

CA19−9血清レベルは、治療の開始(ベースライン)前7日以内、その後6週間毎に、測定する。CA19−9の腫瘍マーカー応答は、CA19−9の血清レベルの変化によって評価する。応答は、治療期間中の少なくとも1回のベースラインレベルに対して関係したCA19−9の50%の減少として定義する。腫瘍マーカー反応率の計算には、上昇したベースラインCA19−9値(>30U/mL)の患者のみが含まれる。
患者報告転帰解析

0194

EORTC−QLQ−C30質問票の分析は、EORTCガイドライン[22]に従って実施する。
安全性分析

0195

治療の緊急有害事象は、治療群、患者、NCI CTCAEグレード、およびMedD
RA器官別大分類(SOC)によって提示される。別のリストは、総有害事象、重篤な有害事象、治験薬に関連する有害事象およびグレード3と4の有害事象について提示される。検査データは、治療群および訪問によって提示される。異常な臨床検査値は、できるだけ、NCI CTCAEグレードに従って評価する。QTcの評価は、フリデリシア補正方法に基づいて行う。CTCAE基準は、QTcF(すなわち、グレード3=QTc≧500msec)に適用する。すべての安全性分析は、適宜に、治療群、治療の周期および週、によって実行する。全体的な安全性はまた、周期、SOC、および暴露の程度にまたがるグレードによって評価する。さらに、安全性分析は、安全集団内のすべての患者における、治療群間の比較を含む。
・ 必要な輸血の数
・ G−CSFを必要とする患者の割合
・ 用量の遅延または変更をもたらす有害事象
薬物動態解析

0196

薬物動態データは、MM−398の治療群のいずれかに無作為化された、すべての患者について収集する。MM−398についての血漿濃度時間データは、集団薬物動態学的方法を用いて解析する。薬物動態学的指標は、NONMEM(登録商標)、第7版、レベル1.0(ICON Development Solutions、ダブリン、アイルランド)を用いて、非線形混合効果モデルによって推定する。PK指標は、血漿Cmax、Tmax、AUC(濃度曲線面積)、クリアランス、分布の容積、および最終消失半減期を含む。薬物動態指標の患者特異因子(年齢、民族、性、体重、肝および腎機能測定、ECOG値など)の効果を評価する。集団PK/PD法は、薬物曝露と効能、および/または毒性との関係(例えば、好中球減少症、下痢)の指標を評価するために、使用することになる。追加の探索的分析は、研究の経過中に発生したMM−398に関連した、すべての安全性、効能、またはPK課題を明確しやすくするために、PK試料について実施し得る。5−FUの濃度レベルは、記述的に要約する。
文末脚注

実施例

0197

本発明をその特定の実施形態に関連づけて説明してきたが、さらなる改変が可能であり、この出願が、一般的に、本発明の原則に従い、および本発明が属する当該技術分野内で知られることになる、または慣例となる、本開示からの逸脱を含む、または、本明細書に記載された本質的特徴に応用され得る本発明のいかなる変形物、使用物、または適応物も網羅することを意図していることが理解されるであろう。本明細書で言及された、あらゆる米国、国際、または他の特許、または特許出願、もしくは公告の開示は、その全体が、参照することによって、本明細書に組み込まれる。

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