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課題・解決手段

本発明は、抗炎症または収束刺激活性を有し、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)もしくはSPM前駆物質を含有またはこれらで強化された油であって、長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する、魚類甲殻類藻類、および軟体動物等の生物から得られた油に由来する油を包含する。本発明はまた、これらの油の製造方法、ならびに炎症病態治療するために使用され得る栄養補助食品医薬製剤、および化粧料処方物への油の利用を包含する。

概要

背景

炎症は、動物病原体刺激物、または細胞傷害を取り除くまたは中和することを目的に、損傷組織治癒を開始する複雑な生物学的反応である。炎症の古典的な身体症状としては、苦痛疼痛)、発熱(calor)(熱)、発赤(rubor)(発赤(redness))、腫瘍腫脹)、および機能喪失(functio laesa)(機能の喪失)が挙げられる。炎症反応の開始は、多形核白血球好中球)、単球、および組織マクロファージ活性化に関連する。これらの細胞の活性化は、様々な小分子およびペプチド(例えばプロスタグランジンロイコトリエンケモカインおよびサイトカイン、ならびに活性化された補体因子等)により介在される炎症誘発シグナル伝達事象カスケードを解き放つ。これらのシグナル伝達事象は、順次、炎症の身体的症状を引き起こす、細胞走化性内皮透過性血管拡張知覚神経刺激、および凝固の活性化を刺激する。重要なことに、炎症の停止、すなわち収束もまた、組織の構造および機能を修復するための、細胞事象および分子事象協調的なセットを伴う炎症反応の能動的な制御機能であることが、現在理解されている。

炎症は、良好な健康状態に有益であり実際に必要とされるものであると同時に、また食い違いを生じ疾患を引き起こす可能性がある。例えば、虚血後再かん流障害(例えば、心筋梗塞または虚血性脳卒中)は、組織を損傷し得る急性の炎症反応を刺激する。また、元の刺激が取り除かれた後に正常な炎症反応が停止(収束)しなかった場合、慢性炎症が結果として生じ得る。慢性炎症は正常な組織に損傷を与え、多くの異なる疾患、例えば、アテローム性動脈硬化および他の血管系の疾患、喘息ざ瘡乾癬関節リウマチ慢性閉塞性肺疾患嚢胞性線維症炎症性腸疾患、ならびに様々な種類の自己免疫疾患等を引き起こすか悪化させる可能性がある。慢性炎症はまた、2型糖尿病肥満症アルツハイマー病、および癌に関連している。

現在、炎症の収束は、炎症反応の不可欠な部分を形成する能動的な生理的過程を構成することが認められている。炎症性滲出液消失、および正常な組織構造および機能の復元のような収束は、いくつかの異なる分子細胞機序により介在される。これらは、炎症性サイトカインの除去および代謝性破壊(metabolic destruction);ベータ型変異増殖因子インターロイキン−10、アネキシンA1、およびリポキシンA4等の抗炎症メディエータの形成;炎症誘発性の好中球のアポトーシス免疫調節性単球/マクロファージおよび好酸球の能動的な動員(recruitment);ならびに炎症性白血球貪食除去(efferocytosis)および放出を含む。特に関連するものとして、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)と総称される物質ファミリーが収束の中心的調節因子であることが発見されている。SPMは強力な抗炎症活性(すなわち好中球浸潤を減少させる)を有し、炎症性滲出液の除去および消失を積極的に刺激し、感染の除去を促進し、また創傷治癒を刺激する。SPMは、近年特徴化された、炎症性病変の収束性滲出物で同定された脂質メディエータの一属であり、ω−3多価不飽和脂肪酸(ω−3PUFAエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)のような長鎖多価不飽和脂肪酸酵素的酸化された誘導体を含む。SPMは、特異的なGタンパク質共役受容体に強力なアゴニスト活性を有し、これにより、炎症の収束の様々な局面を活性化させる。SPMは、長鎖ω−3PUFA誘導性脂質メディエータのいくつかの異なるファミリー:レゾルビン、プロテクチンおよびマレシン(内因性の収束機序を刺激することにより炎症の持続期間および程度を調節する各メンバー)からなる(Bannenberg & Serhan, 2010)。

SPMの生合成は、基質選択的および位置選択的脂肪酸オキシゲナーゼリポキシゲナーゼアスピリンによりアセチル化された際の2型シクロオキシゲナーゼ、およびいくつかのシトクロムP450オキシダーゼ等)により触媒される、酸素分子の1分子または2分子の多価不飽和脂肪酸への位置および立体特異的取込みを伴う。SPMの形成に基質としての役割を持つと、最近、最も理解されているPUFAは、EPAおよびDHAである。

SPMの内因的形成の第1段階は、固有脂肪酸ヒドロペルオキシドの形成を誘導する立体化学的定義による長鎖ω−3PUFAの酵素的酸化を含む。脂肪酸ヒドロペルオキシドは、いくつかの生合成経路により、SPMに変換され得る。最初に、ヒドロペルオキシル基還元して、対応するモノヒドロキシル化された脂肪酸を形成する。これらのモノヒドロキシル化された生成物のうちいくつかは、その後に続く、ジヒドロキシル化およびトリヒドロキシル化されたSPMを形成する、酵素的酸化の中間前駆物質としての機能を有する。例えば、17−ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(17−HDHA)(DHAを有する15−リポキシゲナーゼ−触媒酸化生成物である)は、識別可能な4種類のトリヒドロキシル化レゾルビン、RvD1、RvD2、RvD3、およびRvD4の形成に関わる基質である。このように、17−HDHAは、SPM前駆物質と考えられ得る。異なる生合成経路では、最初に形成された脂肪酸ヒドロペルオキシドは酵素的に再配置してエポキシドを形成し、その後、酵素的に加水分解されてジヒドロキシル化生成物を形成し得る。そのようなジヒドロキシル化脂質メディエータの例は、プロテクチンD1およびマレシン1である。

したがって、EPAおよびDHAは、動物およびヒト身体で内因性基質を構成し、この基質により、in vivo形成がEPA−およびDHA誘導性レゾルビン(いわゆるそれぞれEシリーズおよびDシリーズレゾルビン)およびDHA誘導性プロテクチンおよびマレシン(強力な抗炎症および収束−活性化能をin vivoで有するジヒドロキシル化およびトリヒドロキシル化EPAおよびDHA誘導体である)を形成し始める(BannenbergおよびSerhan, 2010)。レゾルビン、プロテクチン、およびマレシンは、SPMであり、抗炎症作用を協調して活性化し、炎症の収束を促進、刺激および引き起こすための細胞応答を強力に活性化する内因性受容体リガンドまたはアロステリック調節因子としての役割を持つ。さらにまた、EPAおよびDHAのいくつかの酵素的に形成されるエポキシド誘導体は、それ自体が同様に強力な抗炎症活性を有することも、現在知られており(Wagner, 2011)、ここではSPMと見なされる。先行文献にはまた、サケおよびアンチョビの細胞および組織で、いくつかのPUFA誘導性脂質メディエータの遊離カルボン酸形態が存在することが記載されている(Pettitt, 1989; Hong, 2005; Oh, 2011; Raatz, 2011)。SPMの形成は、生物体内で、いくつかの組織および細胞型で内因的に生じ、また細胞内に生じる。SPM形成に関する基質は、EPAおよびDHAの遊離カルボン酸形態であり;これらの遊離脂肪酸はEPAおよびDHAを含有する膜リン脂質からホスホリパーゼにより放出されている。生体の細胞または組織内で天然に形成されるSPMが動物またはヒトの身体外に見られ得るという記載は以前にない。

現在、いくつかのSPMが、化学合成手法により合成されてきた。合成SPMは、動物身体の細胞により形成されるSPMの化学構造および活性の描写に役立ってきた。また、SPMの構造的類似体は、化学合成手法により合成されてきた。SPMの合成型(synthetic form)の利点は、純度が十分に制御されていることである。しかし、SPMの化学合成は、生物活性に重要である正確な立体化学配置や二重結合配置を得ることが困難であることから、技術的に難易度が高く高価な処理である。したがって、大量のSPMの天然の生物活性形態に到達すること、およびこれらを得ることは極めて興味深いことである。

特に本発明に関して、モノヒドロキシル化およびエポキシ化された誘導体の中には、いくつかのSPMの生合成での、EPAおよびDHAより近接した中間体であることから、EPAおよびDHAより強力な抗炎症活性を有する生合成中間体を構成するものもある。したがって、これらの中間前駆物質は、SPM前駆物質と見なされる。

興味深いことに、いくつかの他の長鎖ω−3PUFA、ドコサペンタエン酸(ω−3)等はまた、著しい抗炎症活性を有するいくつかの誘導体と同じオキシゲナーゼにより酸化誘導体に変換され得ることを強調する。長鎖ω−6PUFA誘導性抗炎症および収束刺激性(炎症収束性)脂質メディエータ、例えば、酵素酸化の2段階によりアラキドン酸から形成されるリポキシンA4、強力な抗炎症活性を有する、脱水生成物を生じるシクロオキシゲナーゼによりアラキドン酸から形成されるプロスタグランジンD2等、およびドコサペンタエン酸(ω−6)に由来する脂質メディエータもまた存在する。この点において、アラキドン酸もまた、EPAおよびDHAのように不可欠な長鎖PUFAであり、長鎖ω−3脂肪酸をも含有する全ての生物に通常存在することを理解することが重要である。

いくつかのSPMの化学構造が公知であり、それらの抗炎症および炎症収束活性が炎症の様々な実験モデルで詳細に研究されてきたにもかかわらず、SPMを含有する栄養補助食品化粧料処方物、または認可された医薬製剤は、炎症の抑制または収束のために開発されていない。

EPAおよびDHAの上昇した血中濃度が、心臓血管系疾患罹患率および発症傾向の減少に関連していることから、ω−3PUFA−含有油の経口補給は、炎症をある程度の成功率寛解させるために次第に使用されてきている。食事由来の長鎖ω−3PUFAの抗炎症の可能性は、EPAおよびDHAの組織濃度の増加に関連することが広く信じられている。EPAおよびDHAの内因性濃度の増強は、ω−6PUFAアラキドン酸(AA)に由来する炎症活性エイコサノイドの内因的形成、炎症作用および炎症効果がかなり低いEPA−およびDHA誘導性3シリーズプロスタグランジンおよびトロンボキサンの形成、ならびに免疫細胞機能を調節する膜ドメインおよび膜タンパク質中の生物物理学的変化の競合による抗炎症状態に好都合であると通常信じられている。しかしながら、最近の研究で、長鎖ω−3PUFAが、炎症を機能的に拮抗するオータコイドとしての役割を有しかつ収束を積極的に促進する内因性SPMの酵素的形成のための内因性基質として機能することが示されてきた。EPAおよびDHAが炎症の収束を促すオータコイドの形成のための生理的基質としての役割を有するというこの最近の認識により、長鎖ω−3PUFAのヒトの健康に不可欠な性質に対する新たな知識が得られる。最近では、EPAおよびDHA含有食品の増加した消費がこれらのω−3PUFAの組織濃度を増加させることが立証されている。ごく最近では、EPAおよびDHAによる食事に由来する補充が、実に、いくつかのEPA−およびDHA誘導性酸化脂質メディエータの内因性形成の、ヒトでのある程度の増加を可能にすることが示された(Anta,2005;Shearer,2010;Mas,2012)。

ω−3の二重結合を含む長鎖多価不飽和脂肪酸は、長鎖ω−3脂肪酸(EPAおよびDHA等)の変換の栄養連鎖(biotrophic chain)の基盤を形成する藻類および他の微生物により天然に形成される(Gladyshev, 2013)。哺乳動物は、食料源による、主に、これらの不可欠なPUFAを食物連鎖からこれらの順番で得たEPAおよびDHAの十分な組織濃度を含有するの消費による、EPAおよび特にDHAの十分な供給に依存する。ヒトを含む哺乳動物は、α−リノレン酸からEPAおよびDHAを内因的に合成することができるが、この変換効率は極めて限定され、EPAおよびDHAの必要量を十分に満たさない。EPA−およびDHA含有食品の摂食、ならびにEPAおよびDHAの十分な濃度を含有する油を含む食事由来の補充は、現在、長鎖ω−3PUFAの濃度を十分に増加し得る日常摂取を可能にする、またこれにより炎症反応および炎症性疾患の強さやその期間を低減させる能力の増強を達成する適切な手段と見なされている。

食事による(dietary)必要量は、年齢およびライフステージにより変動するものであり、したがってEPAおよびDHAのヒトの健康に不可欠な性質は条件付きのものである。ヒトが長鎖ω−3PUFAを大いに必要とする自然の食物連鎖への依存性や、世界中のヒトによる大量の長鎖ω−3PUFAへの高まる要求を避けるため、バイオテクノロジーの最近の進歩は、例えば長鎖ω−3PUFA(EPAおよびDHA等)を形成する生合成機能に恵まれた、例えば遺伝子組み換え植物および微生物の作製を可能にしてきた(Petrie, 2012)。

現在、長鎖ω−3PUFAを含有する油による食品栄養補充は、多くの様々な提示包含する処方物の消費により達成される。現在使用される油は、その最大を占めるものでは(消費量では)魚から抽出されたEPA−およびDHA−含有油からなり、魚はペルー産アンチョビがかなりの部分を占める。他の油としては、例えばサケおよびマグロから抽出されたものが挙げられる。冷間圧縮された、また油に存在する色または匂い物質から油を浄化するためだけの少ない段階で処理された油から、固有の長鎖ω−3脂肪酸を得るために選択的に濃縮された油までの、様々な異なる品質の油が入手可能である。長鎖ω−3PUFAの適度の濃度(通常、最大およそ30%)を含有する魚油、または蒸留によりおよそ55%まで増加させた濃度を有する魚油が、例えば高トリグリセリド血症治療用、および心臓や眼の健康のための栄養補助食品に広く使用される。医薬品業界向けの産業規模で最近製造され得る魚油から生成された長鎖ω−3PUFA濃縮物の1つの好例では、97%EPAをエチルエステル形態で含有する。

脂質化学、油および脂肪酸に関する工業過程、および従来の薬学に関する一般的方法は: Remington, 2005; Martinez, 2007; Gunstone & Padley, 1997; Shahidi , 2005に記載される。

最近、魚油産業は、EPA−およびDHA−含有油を様々な品質範囲で製造している。EPAおよびDHA−含有油はまた、他の生物(オキアミイカ、藻類、酵母原生動物等)より、また、EPAおよびDHAならびに他の長鎖ω−3PUFA(ステアリドン酸(SDA)等)の生合成を可能にする酵素に関しコードした遺伝子を有する遺伝子導入植物より抽出される。ヒトが消費するために市販されている処方物としては、カプセル化油乳液、および安定化粉末(stabilized powder)のような油がある。全ての場合、目的は、EPAおよびDHAの内因的組織濃度の増強を補助するための、ヒトへの十分な高用量の摂取を可能にすることを目的とした栄養補助食品および医薬成分の供給である。EPAおよびDHAの固有の細胞型、血小板およびリポプロテインへの吸収および再分配循環血液中で比較的迅速であることが測定され得る(24時間内)が、概して、経口摂取後直ぐのEPAおよびDHAの健康増進作用は、EPAおよびDHAの組織濃度増大のために構築させる必要があると仮定される必要量のため、かなりの時間が必要であることが認められており、またその時間とは、EPAおよびDHAの数ミリグラムを、毎日少なくとも数百回服用するのを数週間から数か月行う。

炎症反応を低減させる、ならびに炎症病態を予防および治療するために不可欠な栄養素としてEPAおよびDHAを供給する必要性の特徴化は、EPAおよびDHAのSPMへの内因性酵素的変換(摂食(dietary food intake)および固有の補充により達成される)が、活性SPMを形成するための、ホスホリパーゼによるリン脂質結合型EPAおよびDHAの放出、続いて、固有の脂肪酸オキシゲナーゼにより触媒される1以上の酵素的酸化反応に関連する多段階酵素過程であることである。これらの過程は、健康な状態で適正に機能するが、低EPAおよびDHA組織濃度、ならびに身体組織での長鎖多価不飽和脂肪酸からSPMへの限定されたまたは不十分な変換は、炎症病態および増強した炎症反応に寄与する、素因となる、またはこれらの根底となると考えられる。

概要

本発明は、抗炎症または収束−刺激活性を有し、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)もしくはSPM前駆物質を含有またはこれらで強化された油であって、長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する、魚類甲殻類、藻類、および軟体動物等の生物から得られた油に由来する油を包含する。本発明はまた、これらの油の製造方法、ならびに炎症病態を治療するために使用され得る栄養補助食品、医薬製剤、および化粧料処方物への油の利用を包含する。

目的

全ての場合、目的は、EPAおよびDHAの内因的組織濃度の増強を補助するための、ヒトへの十分な高用量の摂取を可能にすることを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

抗炎症または収束刺激活性を有し、少なくとも1つの特異的炎症収束性メディエータ(SPM)もしくはSPM前駆物質を含有またはこれらで強化された油であって、前記SPMまたはSPM前駆物質が長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する生物から得られた油に由来する、油。

請求項2

長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する生物が、魚類甲殻類藻類、および軟体動物からなる、請求項1に記載の油。

請求項3

長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する生物には、海洋生物、植物、微生物、および長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を形成する能力を与えられた遺伝子導入生物が含まれる、請求項1に記載の油。

請求項4

SPMまたはSPM前駆物質が、鹸化化合物の形態である、請求項1〜3のいずれかに記載の油。

請求項5

油がまた、長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の油。

請求項6

長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸が、EPAおよび/またはDHAである、請求項5に記載の油。

請求項7

SPMが:レゾルビンE1(RvE1;5S,12R,18R−トリヒドロキシエイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、18S−レゾルビンE1(18S−RvE1;5S,12R,18S−トリヒドロキシ−エイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、20−ヒドロキシ−RvE1(5S,12R,18R,20−テトラヒドロキシ−エイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、レゾルビンE2(RvE2;5S,18−ジヒドロキシ−エイコサ−6E,8Z,11Z,14Z,16E−ペンタエン酸)、レゾルビンE3(RvE3;17,18R−ジヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸)、18S−レゾルビンE3(18S−RvE3;17,18S−ジヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸)、17,18−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸、リポキシンA5(LXA5;5S,6R,15S−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E,17Z−ペンタエン酸)、15−エピ−リポキシンA5(LXA5;5S,6R,15R−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E,17Z−ペンタエン酸)、マレシン1(MaR1;7R,14S−ドコサ−4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、7S−マレシン1(7S−MaR1;7S,14S−ドコサ−4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、7S,14S−ジHDHA(7S,14S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、プロテクチンD1(PD1;10R,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13E,15Z,19Z−ヘキサエン酸)、10S,17S−HDHA(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、14S,21S−ジHDHA(14S,21S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、14S,21R−ジHDHA(14S,21R−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、14R,21S−ジHDHA(14R,21S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、14R,21R−ジHDHA(14R,21R−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、13S,14S−エポキシ−DHA(13S,14S−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,9E,11E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、16,17S−ジHDHA(16,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、16,17−エポキシ−DHA(16,17−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD1(RvD1;7S,8R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD2(RvD2;7S,16R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD3(RvD3;4S,11R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD4(RvD4;4S,5,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD5(RvD5;7S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD6(RvD6;4S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD1(AT−RvD1;7S,8R,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD2(AT−RvD2;7S,16R,17R−トリヒドロキシ−ドコサ4Z,8E,10Z、12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD3(AT−RvD3;4S,11,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD4(AT−RvD4;4S,5,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD5(AT−RvD5;7S,17R−ジヒドロキシ−ドコサ−5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD6(AT−RvD6;4S,17R−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z−ヘキサエン酸)、7S,17S−ジHDPAn−3(7S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−8E,10Z,13Z,15Z,19Z−ペンタエン酸(ω−3))リポキシンA4(LXA4;5S,6R,15S−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E−テトラエン酸)、15−エピ−リポキシンA4(15−エピ−LXA4;5S,6R,15R−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E−テトラエン酸)、デルタ12−プロスタグランジンJ2(デルタ12−PGJ2;11−オキソ−15S−ヒドロキシ−プロスタ−5Z,9,12E−トリエン酸)15−デオキシ−デルタ12,14−プロスタグランジンJ2(15−デオキシ−デルタ12,14−PGJ2;11−オキソ−プロスタ−5Z,9,12E,14E−テトラエン酸)11(12)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(11(12)−EpETE;11(12)−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,14Z,17Z−テトラエン酸)17(18)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(17(18)−EpETE;17(18−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,14Z−テトラエン酸)19(20)−エポキシ−ドコサペンタエン酸(19(20)−EpDPE;19(20)−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,16Z−ペンタエン酸)10S,17S−HDPAn−6(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,15E−ペンタエン酸)、7,17−HDPAn−6(7,17−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,13Z,15E−ペンタエン酸)、7,14−HDPAn−6(7,14−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12Z,16Z−ペンタエン酸)、10S,17S−HDPAn−6(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−7Z,11E,13Z,15E,19Z−ペンタエン酸)、および7,17−HDPAn−6(7,17ジヒドロキシ−ドコサ−8E,10Z,13Z,15E,19Z−ペンタエン酸)から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の油。

請求項8

SPM前駆物質が:5S−HEPE(5S−ヒドロキシ−エイコサ−6E,8Z,11Z,14Z,17Z−ペンタエン酸);11S−HEPE(11S−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,12E,14Z,17Z−ペンタエン酸);12S−HEPE(12S−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,10E,14Z,17Z−ペンタエン酸);12R−HEPE(12R−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,10E,14Z,17Z−ペンタエン酸);15S−HEPE(15S−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,17Z−ペンタエン酸);18S−HEPE(18S−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,14Z,16E−ペンタエン酸);18R−HEPE(18R−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,14Z,16E−ペンタエン酸);4S−HDHA(4S−ヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸);7S−HDHA(7S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸);10S−HDHA(10S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸);11S−HDHA(11S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,9E,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸);14S−HDHA(14S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸);14R−HDHA(14R−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸);17S−HDHA(17S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸);17R−HDHA(17R−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸);20S−HDHA(20S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸);17S−HDPAn−6(17S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E−ペンタエン酸);14S−HDPAn−6(14S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z−ペンタエン酸);10S−HDPAn−6(10S−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,16Z−ペンタエン酸);17S−HDPAn−3(17S−ヒドロキシ−ドコサ−7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ペンタエン酸);14S−HDPAn−3(17S−ヒドロキシ−ドコサ−7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ペンタエン酸);10S−HDPAn−6(10S−ヒドロキシ−ドコサ−7Z,11E,13Z,16Z,19Z−ペンタエン酸);15S−HETE(15S−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E−テトラエン酸);および/または15R−HETE(15R−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E−テトラエン酸)から選択される、請求項1〜6に記載の油。

請求項9

さらに担体または賦形剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の油。

請求項10

以下の段階を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の油を生成する方法:a)油のSPMもしくはSPM前駆物質の存在または濃度を測定すること;b)油を複数の留分に分別すること;c)留分の抗炎症または収束−刺激活性を測定すること、およびd)随意に、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含み、抗炎症または収束−刺激活性を有する油を得るまで、段階a、b、およびcを繰り返すこと。

請求項11

分別が抽出および分離法の手段により実施される、請求項10に記載の方法。

請求項12

抽出法が、溶媒としての二酸化炭素により、超臨界条件下、27〜60℃の温度範囲で、80〜180barの圧力範囲で、および10〜800(Kg/Kg)の溶媒/送り量で実施される、超臨界流体抽出法である請求項11に記載の方法。

請求項13

分離法が、溶媒としての二酸化炭素により、超臨界条件下、27〜60℃の温度範囲で、80〜180barの圧力範囲で、および10〜800(Kg/Kg)の溶媒/送り量で実施される、超臨界流体クロマトグラフィである、請求項11に記載の方法。

請求項14

請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を投与する段階を含む、炎症を低減または炎症の収束を刺激する方法。

請求項15

抗炎症または収束−刺激活性を有し、請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を含む、栄養補助食品

請求項16

抗炎症または収束−刺激活性を有し、請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を含む、医薬製剤

請求項17

抗炎症または収束−刺激活性を有し、請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を含む、化粧料処方物。

請求項18

請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を投与することを含む、炎症病態治療する方法。

請求項19

請求項20

心臓血管系疾患が:アテローム性動脈硬化高血圧高コレステロール血症高トリグリセリド血症内皮反応性低下心筋梗塞および/または脳卒中から選択される、請求項19に記載の方法。

請求項21

メタボリック症候群が、インスリン感受性の低下、肥満症脂肪肝および/または胆汁鬱滞包含する、請求項19に記載の方法。

請求項22

神経変性疾患が:アルツハイマー病パーキンソン病多発性硬化症および/または失行症から選択される、請求項19に記載の方法。

請求項23

請求項1〜9のいずれかに記載の油の有効量を投与することを含む、炎症の肉眼的および身体的徴候を低減させる方法。

技術分野

0001

本出願は、2012年5月10日に出願された米国特許仮出願第61/645,281号の優先権を主張し、その全体が参照により明示的に組み込まれる。引用文献は全て、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。

0002

本発明は、概して、天然物、炎症、病理、および医薬に関する。より具体的には、本発明は、天然源より得られた特異的炎症収束性メディエータ(Specialized Proresolving Mediator:SPM)およびSPM前駆物質、ならびに炎症性成分を有する炎症および疾患を寛解させるための栄養補助食品および医薬製剤および化粧料処方物への使用に関する。

背景技術

0003

炎症は、動物病原体刺激物、または細胞傷害を取り除くまたは中和することを目的に、損傷組織治癒を開始する複雑な生物学的反応である。炎症の古典的な身体症状としては、苦痛疼痛)、発熱(calor)(熱)、発赤(rubor)(発赤(redness))、腫瘍腫脹)、および機能喪失(functio laesa)(機能の喪失)が挙げられる。炎症反応の開始は、多形核白血球好中球)、単球、および組織マクロファージ活性化に関連する。これらの細胞の活性化は、様々な小分子およびペプチド(例えばプロスタグランジンロイコトリエンケモカインおよびサイトカイン、ならびに活性化された補体因子等)により介在される炎症誘発シグナル伝達事象カスケードを解き放つ。これらのシグナル伝達事象は、順次、炎症の身体的症状を引き起こす、細胞走化性内皮透過性血管拡張知覚神経刺激、および凝固の活性化を刺激する。重要なことに、炎症の停止、すなわち収束もまた、組織の構造および機能を修復するための、細胞事象および分子事象協調的なセットを伴う炎症反応の能動的な制御機能であることが、現在理解されている。

0004

炎症は、良好な健康状態に有益であり実際に必要とされるものであると同時に、また食い違いを生じ疾患を引き起こす可能性がある。例えば、虚血後再かん流障害(例えば、心筋梗塞または虚血性脳卒中)は、組織を損傷し得る急性の炎症反応を刺激する。また、元の刺激が取り除かれた後に正常な炎症反応が停止(収束)しなかった場合、慢性炎症が結果として生じ得る。慢性炎症は正常な組織に損傷を与え、多くの異なる疾患、例えば、アテローム性動脈硬化および他の血管系の疾患、喘息ざ瘡乾癬関節リウマチ慢性閉塞性肺疾患嚢胞性線維症炎症性腸疾患、ならびに様々な種類の自己免疫疾患等を引き起こすか悪化させる可能性がある。慢性炎症はまた、2型糖尿病肥満症アルツハイマー病、および癌に関連している。

0005

現在、炎症の収束は、炎症反応の不可欠な部分を形成する能動的な生理的過程を構成することが認められている。炎症性滲出液消失、および正常な組織構造および機能の復元のような収束は、いくつかの異なる分子細胞機序により介在される。これらは、炎症性サイトカインの除去および代謝性破壊(metabolic destruction);ベータ型変異増殖因子インターロイキン−10、アネキシンA1、およびリポキシンA4等の抗炎症メディエータの形成;炎症誘発性の好中球のアポトーシス免疫調節性単球/マクロファージおよび好酸球の能動的な動員(recruitment);ならびに炎症性白血球貪食除去(efferocytosis)および放出を含む。特に関連するものとして、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)と総称される物質ファミリーが収束の中心的調節因子であることが発見されている。SPMは強力な抗炎症活性(すなわち好中球浸潤を減少させる)を有し、炎症性滲出液の除去および消失を積極的に刺激し、感染の除去を促進し、また創傷治癒を刺激する。SPMは、近年特徴化された、炎症性病変の収束性滲出物で同定された脂質メディエータの一属であり、ω−3多価不飽和脂肪酸(ω−3PUFAエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)のような長鎖多価不飽和脂肪酸酵素的酸化された誘導体を含む。SPMは、特異的なGタンパク質共役受容体に強力なアゴニスト活性を有し、これにより、炎症の収束の様々な局面を活性化させる。SPMは、長鎖ω−3PUFA誘導性脂質メディエータのいくつかの異なるファミリー:レゾルビン、プロテクチンおよびマレシン(内因性の収束機序を刺激することにより炎症の持続期間および程度を調節する各メンバー)からなる(Bannenberg & Serhan, 2010)。

0006

SPMの生合成は、基質選択的および位置選択的脂肪酸オキシゲナーゼリポキシゲナーゼアスピリンによりアセチル化された際の2型シクロオキシゲナーゼ、およびいくつかのシトクロムP450オキシダーゼ等)により触媒される、酸素分子の1分子または2分子の多価不飽和脂肪酸への位置および立体特異的取込みを伴う。SPMの形成に基質としての役割を持つと、最近、最も理解されているPUFAは、EPAおよびDHAである。

0007

SPMの内因的形成の第1段階は、固有脂肪酸ヒドロペルオキシドの形成を誘導する立体化学的定義による長鎖ω−3PUFAの酵素的酸化を含む。脂肪酸ヒドロペルオキシドは、いくつかの生合成経路により、SPMに変換され得る。最初に、ヒドロペルオキシル基還元して、対応するモノヒドロキシル化された脂肪酸を形成する。これらのモノヒドロキシル化された生成物のうちいくつかは、その後に続く、ジヒドロキシル化およびトリヒドロキシル化されたSPMを形成する、酵素的酸化の中間前駆物質としての機能を有する。例えば、17−ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(17−HDHA)(DHAを有する15−リポキシゲナーゼ−触媒酸化生成物である)は、識別可能な4種類のトリヒドロキシル化レゾルビン、RvD1、RvD2、RvD3、およびRvD4の形成に関わる基質である。このように、17−HDHAは、SPM前駆物質と考えられ得る。異なる生合成経路では、最初に形成された脂肪酸ヒドロペルオキシドは酵素的に再配置してエポキシドを形成し、その後、酵素的に加水分解されてジヒドロキシル化生成物を形成し得る。そのようなジヒドロキシル化脂質メディエータの例は、プロテクチンD1およびマレシン1である。

0008

したがって、EPAおよびDHAは、動物およびヒト身体で内因性基質を構成し、この基質により、in vivo形成がEPA−およびDHA誘導性レゾルビン(いわゆるそれぞれEシリーズおよびDシリーズレゾルビン)およびDHA誘導性プロテクチンおよびマレシン(強力な抗炎症および収束−活性化能をin vivoで有するジヒドロキシル化およびトリヒドロキシル化EPAおよびDHA誘導体である)を形成し始める(BannenbergおよびSerhan, 2010)。レゾルビン、プロテクチン、およびマレシンは、SPMであり、抗炎症作用を協調して活性化し、炎症の収束を促進、刺激および引き起こすための細胞応答を強力に活性化する内因性受容体リガンドまたはアロステリック調節因子としての役割を持つ。さらにまた、EPAおよびDHAのいくつかの酵素的に形成されるエポキシド誘導体は、それ自体が同様に強力な抗炎症活性を有することも、現在知られており(Wagner, 2011)、ここではSPMと見なされる。先行文献にはまた、サケおよびアンチョビの細胞および組織で、いくつかのPUFA誘導性脂質メディエータの遊離カルボン酸形態が存在することが記載されている(Pettitt, 1989; Hong, 2005; Oh, 2011; Raatz, 2011)。SPMの形成は、生物体内で、いくつかの組織および細胞型で内因的に生じ、また細胞内に生じる。SPM形成に関する基質は、EPAおよびDHAの遊離カルボン酸形態であり;これらの遊離脂肪酸はEPAおよびDHAを含有する膜リン脂質からホスホリパーゼにより放出されている。生体の細胞または組織内で天然に形成されるSPMが動物またはヒトの身体外に見られ得るという記載は以前にない。

0009

現在、いくつかのSPMが、化学合成手法により合成されてきた。合成SPMは、動物身体の細胞により形成されるSPMの化学構造および活性の描写に役立ってきた。また、SPMの構造的類似体は、化学合成手法により合成されてきた。SPMの合成型(synthetic form)の利点は、純度が十分に制御されていることである。しかし、SPMの化学合成は、生物活性に重要である正確な立体化学配置や二重結合配置を得ることが困難であることから、技術的に難易度が高く高価な処理である。したがって、大量のSPMの天然の生物活性形態に到達すること、およびこれらを得ることは極めて興味深いことである。

0010

特に本発明に関して、モノヒドロキシル化およびエポキシ化された誘導体の中には、いくつかのSPMの生合成での、EPAおよびDHAより近接した中間体であることから、EPAおよびDHAより強力な抗炎症活性を有する生合成中間体を構成するものもある。したがって、これらの中間前駆物質は、SPM前駆物質と見なされる。

0011

興味深いことに、いくつかの他の長鎖ω−3PUFA、ドコサペンタエン酸(ω−3)等はまた、著しい抗炎症活性を有するいくつかの誘導体と同じオキシゲナーゼにより酸化誘導体に変換され得ることを強調する。長鎖ω−6PUFA誘導性抗炎症および収束刺激性(炎症収束性)脂質メディエータ、例えば、酵素酸化の2段階によりアラキドン酸から形成されるリポキシンA4、強力な抗炎症活性を有する、脱水生成物を生じるシクロオキシゲナーゼによりアラキドン酸から形成されるプロスタグランジンD2等、およびドコサペンタエン酸(ω−6)に由来する脂質メディエータもまた存在する。この点において、アラキドン酸もまた、EPAおよびDHAのように不可欠な長鎖PUFAであり、長鎖ω−3脂肪酸をも含有する全ての生物に通常存在することを理解することが重要である。

0012

いくつかのSPMの化学構造が公知であり、それらの抗炎症および炎症収束活性が炎症の様々な実験モデルで詳細に研究されてきたにもかかわらず、SPMを含有する栄養補助食品、化粧料処方物、または認可された医薬製剤は、炎症の抑制または収束のために開発されていない。

0013

EPAおよびDHAの上昇した血中濃度が、心臓血管系疾患罹患率および発症傾向の減少に関連していることから、ω−3PUFA−含有油の経口補給は、炎症をある程度の成功率で寛解させるために次第に使用されてきている。食事由来の長鎖ω−3PUFAの抗炎症の可能性は、EPAおよびDHAの組織濃度の増加に関連することが広く信じられている。EPAおよびDHAの内因性濃度の増強は、ω−6PUFAアラキドン酸(AA)に由来する炎症活性エイコサノイドの内因的形成、炎症作用および炎症効果がかなり低いEPA−およびDHA誘導性3シリーズプロスタグランジンおよびトロンボキサンの形成、ならびに免疫細胞機能を調節する膜ドメインおよび膜タンパク質中の生物物理学的変化の競合による抗炎症状態に好都合であると通常信じられている。しかしながら、最近の研究で、長鎖ω−3PUFAが、炎症を機能的に拮抗するオータコイドとしての役割を有しかつ収束を積極的に促進する内因性SPMの酵素的形成のための内因性基質として機能することが示されてきた。EPAおよびDHAが炎症の収束を促すオータコイドの形成のための生理的基質としての役割を有するというこの最近の認識により、長鎖ω−3PUFAのヒトの健康に不可欠な性質に対する新たな知識が得られる。最近では、EPAおよびDHA含有食品の増加した消費がこれらのω−3PUFAの組織濃度を増加させることが立証されている。ごく最近では、EPAおよびDHAによる食事に由来する補充が、実に、いくつかのEPA−およびDHA誘導性酸化脂質メディエータの内因性形成の、ヒトでのある程度の増加を可能にすることが示された(Anta,2005;Shearer,2010;Mas,2012)。

0014

ω−3の二重結合を含む長鎖多価不飽和脂肪酸は、長鎖ω−3脂肪酸(EPAおよびDHA等)の変換の栄養連鎖(biotrophic chain)の基盤を形成する藻類および他の微生物により天然に形成される(Gladyshev, 2013)。哺乳動物は、食料源による、主に、これらの不可欠なPUFAを食物連鎖からこれらの順番で得たEPAおよびDHAの十分な組織濃度を含有するの消費による、EPAおよび特にDHAの十分な供給に依存する。ヒトを含む哺乳動物は、α−リノレン酸からEPAおよびDHAを内因的に合成することができるが、この変換効率は極めて限定され、EPAおよびDHAの必要量を十分に満たさない。EPA−およびDHA含有食品の摂食、ならびにEPAおよびDHAの十分な濃度を含有する油を含む食事由来の補充は、現在、長鎖ω−3PUFAの濃度を十分に増加し得る日常摂取を可能にする、またこれにより炎症反応および炎症性疾患の強さやその期間を低減させる能力の増強を達成する適切な手段と見なされている。

0015

食事による(dietary)必要量は、年齢およびライフステージにより変動するものであり、したがってEPAおよびDHAのヒトの健康に不可欠な性質は条件付きのものである。ヒトが長鎖ω−3PUFAを大いに必要とする自然の食物連鎖への依存性や、世界中のヒトによる大量の長鎖ω−3PUFAへの高まる要求を避けるため、バイオテクノロジーの最近の進歩は、例えば長鎖ω−3PUFA(EPAおよびDHA等)を形成する生合成機能に恵まれた、例えば遺伝子組み換え植物および微生物の作製を可能にしてきた(Petrie, 2012)。

0016

現在、長鎖ω−3PUFAを含有する油による食品栄養補充は、多くの様々な提示包含する処方物の消費により達成される。現在使用される油は、その最大を占めるものでは(消費量では)魚から抽出されたEPA−およびDHA−含有油からなり、魚はペルー産アンチョビがかなりの部分を占める。他の油としては、例えばサケおよびマグロから抽出されたものが挙げられる。冷間圧縮された、また油に存在する色または匂い物質から油を浄化するためだけの少ない段階で処理された油から、固有の長鎖ω−3脂肪酸を得るために選択的に濃縮された油までの、様々な異なる品質の油が入手可能である。長鎖ω−3PUFAの適度の濃度(通常、最大およそ30%)を含有する魚油、または蒸留によりおよそ55%まで増加させた濃度を有する魚油が、例えば高トリグリセリド血症治療用、および心臓や眼の健康のための栄養補助食品に広く使用される。医薬品業界向けの産業規模で最近製造され得る魚油から生成された長鎖ω−3PUFA濃縮物の1つの好例では、97%EPAをエチルエステル形態で含有する。

0017

脂質化学、油および脂肪酸に関する工業過程、および従来の薬学に関する一般的方法は: Remington, 2005; Martinez, 2007; Gunstone & Padley, 1997; Shahidi , 2005に記載される。

0018

最近、魚油産業は、EPA−およびDHA−含有油を様々な品質範囲で製造している。EPAおよびDHA−含有油はまた、他の生物(オキアミイカ、藻類、酵母原生動物等)より、また、EPAおよびDHAならびに他の長鎖ω−3PUFA(ステアリドン酸(SDA)等)の生合成を可能にする酵素に関しコードした遺伝子を有する遺伝子導入植物より抽出される。ヒトが消費するために市販されている処方物としては、カプセル化油乳液、および安定化粉末(stabilized powder)のような油がある。全ての場合、目的は、EPAおよびDHAの内因的組織濃度の増強を補助するための、ヒトへの十分な高用量の摂取を可能にすることを目的とした栄養補助食品および医薬成分の供給である。EPAおよびDHAの固有の細胞型、血小板およびリポプロテインへの吸収および再分配循環血液中で比較的迅速であることが測定され得る(24時間内)が、概して、経口摂取後直ぐのEPAおよびDHAの健康増進作用は、EPAおよびDHAの組織濃度増大のために構築させる必要があると仮定される必要量のため、かなりの時間が必要であることが認められており、またその時間とは、EPAおよびDHAの数ミリグラムを、毎日少なくとも数百回服用するのを数週間から数か月行う。

0019

炎症反応を低減させる、ならびに炎症病態を予防および治療するために不可欠な栄養素としてEPAおよびDHAを供給する必要性の特徴化は、EPAおよびDHAのSPMへの内因性酵素的変換(摂食(dietary food intake)および固有の補充により達成される)が、活性SPMを形成するための、ホスホリパーゼによるリン脂質結合型EPAおよびDHAの放出、続いて、固有の脂肪酸オキシゲナーゼにより触媒される1以上の酵素的酸化反応に関連する多段階酵素過程であることである。これらの過程は、健康な状態で適正に機能するが、低EPAおよびDHA組織濃度、ならびに身体組織での長鎖多価不飽和脂肪酸からSPMへの限定されたまたは不十分な変換は、炎症病態および増強した炎症反応に寄与する、素因となる、またはこれらの根底となると考えられる。

課題を解決するための手段

0020

本発明は、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)およびSPM前駆物質が長鎖ω−3PUFAを含有する生物から抽出された油に存在するという意外な発見に基づく。少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有し、抗炎症または収束刺激(炎症収束)活性を有する油が、次の段階:長鎖ω−3PUFA含有油(粗、精製、または濃縮長鎖ω−3脂肪酸−含有油等)中のSPMまたはSPM前駆物質の有無または濃度を測定すること、その油を複数の留分に分別すること、油留分の抗炎症または収束−刺激活性を測定すること、および随意にこれらの3段階を繰り返すこと、を含む方法を用いて生成し、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含むまたこれらで強化された、および抗炎症または収束−刺激活性を有する油を取得し得る。SPMおよびSPM前駆物質は、鹸化性物質の形態で認められ得る。油はさらに、EPAおよびDHA等の長鎖ω−3PUFAを含有し得る。

0021

そのような分別のために使用され得る技術としては、抽出および分離方法が挙げられる。SPMおよびSPM前駆物質を含有またはこれらで強化された油を得るための特に興味深い技術は、溶媒として二酸化炭素を使用する超臨界流体抽出法SFE)および超臨界流体クロマトグラフィSFC)である。対象へのこれらの油の有効量の投与は、炎症を低減するまたは炎症の収束を刺激する方法を構成する。油は、栄養補助食品、医薬製剤、および化粧料処方物を製造するために使用され得、抗炎症または収束−刺激活性を有する油の有効量を含む。したがって、これらの補助食品および処方物は、大量に製造し得、高額な化学合成SPMを付加する必要がない抗炎症および炎症収束性組成物を構成する。

0022

本明細書に記載のものと同様または同等である方法および材料が、本発明の実行または試験で使用され得るが、好適な方法および材料を以下に記載する。本明細書に記載の全ての特許、特許出願、および特許公報は、参照によりその全体が組み込まれる。抵触が生じた場合、定義を含む本明細書が優先されるであろう。さらに、以下に記述された特定の実施形態は単なる例示であり、限定を意図しない。当業者が本発明の詳細な説明を考慮すると、本発明の他の態様が存在するのは当然明白なことである。

0023

本発明の上述および他の物品、特徴ならびに利点が、添付の図面と併せた以下の詳細な説明から、より明確に理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0024

図1A〜Hは、産業規模のSFC分別により得られた一連の連続して溶出された油留分(それぞれ1〜8番)の経口投与後の、リポ多糖類LPS)を皮下投与(s.c.)することにより誘導されたマウスの皮下に生じた急性炎症の変化に対する、中間体長鎖ω−3PUFA−エチルエステル濃縮物(配合された70%EPA−エチルエステル(EE)およびDHA−EEを含有)の効果を示す。

0025

図2は、中間体長鎖ω−3PUFA−エチルエステル濃縮物(配合された70%EPA−EEおよびDHA−EEを含有)の、産業規模のSFC分別の連続して溶出された油留分での、多価不飽和脂肪酸EPAおよびDHAの様々なモノヒドロキシル化された誘導体のエチルエステル化および鹸化性形態相対存在量を示す。1〜8番の留分は、図1に示す抗炎症活性と同様のものである。

0026

図3Aは、中間体長鎖ω−3PUFA−エチルエステル濃縮物(配合された70%EPA−EEおよびDHA−EEを含有)の、産業規模のSFC分別の連続して溶出されたいくつかの油留分での、Dシリーズレゾルビン前駆物質17−HDHAのエチルエステル濃度を示し、図1および2に示す同様の留分に対応する。

0027

図3Bは、エチルエステル油留分1〜8での立体異性体、17S−HDHAおよび17R−HDHAの相対存在量を測定するために実施され、アルカリ性加水分解後に得られた、留分1での強化された認められる17−HDHAエチルエステルのキラル高速液体クロマトグラフィトリプル四重極質量分光分析結果を示す(上部パネル)。

0028

図4は、酵母膜抽出物ザイモサンAの腹腔内投与により引き起こされた腹膜炎症のマウスモデルでの、強制食餌により投与された油留分1および17S−HDHAの抗炎症作用を示す。

0029

図5A〜Cは、異なる油留分での、いくつかの固有のSPMおよびSPM前駆物質の存在を示す。

0030

図6A〜Bは、固有のSPMおよびSPM前駆物質の選択的濃縮が、長鎖ω−3PUFA濃縮物のSFC分別により達成され得ることを示す。

0031

図7は、SPM前駆物質−含有油により刺激を受けた炎症収束を示す。

0032

SPMおよびSPM前駆物質が、天然源、例えば魚類甲殻類(オキアミ)、藻類(長鎖ω−3PUFA生成藻類)、軟体動物等に、および長鎖ω−3PUFAを含有する他の生物に由来する油に含有することが発見されている。これにより、抗炎症および収束−刺激活性を有する、天然源に由来する1以上の特異的炎症収束性メディエータ(SPM)およびSPM前駆物質を意図的に含有またはこれらで強化された油、ならびにこれらの油を含有する栄養補助食品、医薬製剤、および化粧料処方物の製造、また、炎症を抑制または炎症の収束を刺激することにより炎症病態および炎症に関連する疾患を治療および予防するために、そのような補助食品および処方物を使用する方法が可能となる。以下に記載される実施形態は、これらの方法および組成物の代表的な例を説明している。にもかかわらず、これらの実施形態の記載より、本発明の他の態様が作製される、および/または、以下に記載される詳細な説明に基づき実行され得る。別段の定めがない限り、本明細書に使用される全ての技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同様の意味を有する。

0033

本発明の第1の態様は、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有するまたはこれらで強化されていることを特徴とする、抗炎症または収束−刺激活性を有する油により形成され、この場合、SPMまたはSPM前駆物質は、長鎖ω−3脂肪酸を含有する生物から得られる油に由来する。

0034

本発明で使用される場合、用語「強化された」は、生成に使用する供給源より高い濃度のSPMおよび/またはSPM前駆物質を含有する場合の、特異的炎症収束性メディエータ(SPM)および/またはSPM前駆物質を含有する油を指す。

0035

本発明で使用される場合、用語「特異的炎症収束性メディエータ(SPM)」は、強力な抗炎症および収束−活性化作用を有し、かつ炎症を起こした組織を非炎症および健常な状態に戻すように応答する炎症の内因性調節因子としての役割を果たす、酵素的に酸化されたPUFA−由来の誘導体に関する。SPMは、抗炎症作用を協調的に活性化しまた炎症の収束を促進、刺激、および引き起こす細胞応答を強力に活性化する内因性受容体リガンドまたはアロステリック調節因子(allosteric modulator)としての役割を果たす。

0036

本発明で使用される場合、用語「SPM前駆物質」は、SPMに変換するのに追加の酵素反応を必要とする、PUFAの酵素的に酸化した誘導体を指す。SPM前駆物質は、SPMの内因性形成に関し、対応するPUFA基質自体より近接した基質である。

0037

これらの油は、長鎖ω−3PUFAを含有する生物、好ましくは魚類、甲殻類、藻類、および軟体動物、または他の長鎖ω−3PUFA−含有生物、例えば他の海洋生物、植物、微生物、および長鎖ω−3多価不飽和脂肪酸を形成する能力を与えられた遺伝子導入生物等から抽出された油に由来する少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有するか、またはこれらで強化されている。

0038

天然源から抽出された油に存在する場合があるSPMとしては、以下が挙げられる:
レゾルビンE1(RvE1;5S,12R,18R−トリヒドロキシ−エイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、
18S−レゾルビンE1(18S−RvE1;5S,12R,18S−トリヒドロキシ−エイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、
20−ヒドロキシ−RvE1(5S,12R,18R,20−テトラヒドロキシ−エイコサ−6Z,8E,10E,14Z,16E−ペンタエン酸)、
レゾルビンE2(RvE2;5S,18−ジヒドロキシ−エイコサ−6E,8Z,11Z,14Z,16E−ペンタエン酸)、
レゾルビンE3(RvE3;17,18R−ジヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸)、
18S−レゾルビンE3(18S−RvE3;17,18S−ジヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸)、
17,18−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,13E,15E−ペンタエン酸、
リポキシンA5(LXA5;5S,6R,15S−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E,17Z−ペンタエン酸)、15−エピ−リポキシンA5(LXA5;5S,6R,15R−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E,17Z−ペンタエン酸)、
マレシン1(MaR1;7R,14S−ドコサ−4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
7S−マレシン1(7S−MaR1;7S,14S−ドコサ−4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
7S,14S−ジHDHA(7S,14S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
プロテクチンD1(PD1;10R,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13E,15Z,19Z−ヘキサエン酸)、
10S,17S−HDHA(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
14S,21S−ジHDHA(14S,21S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、14S,21R−ジHDHA(14S,21R−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
14R,21S−ジHDHA(14R,21S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
14R,21R−ジHDHA(14R,21R−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
13S,14S−エポキシ−DHA(13S,14S−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,9E,11E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、
16,17S−ジHDHA(16,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、16,17−エポキシ−DHA(16,17−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、レゾルビンD1(RvD1;7S,8R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
レゾルビンD2(RvD2;7S,16R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、
レゾルビンD3(RvD3;4S,11R,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
レゾルビンD4(RvD4;4S,5,17S−トリヒドロキシ−ドコサ−6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
レゾルビンD5(RvD5;7S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
レゾルビンD6(RvD6;4S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD1(AT−RvD1;7S,8R,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD2(AT−RvD2;7S,16R,17R−トリヒドロキシ−ドコサ4Z,8E,10Z,12E,14E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD3(AT−RvD3;4S,11,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD4(AT−RvD4;4S,5,17R−トリヒドロキシ−ドコサ−6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD5(AT−RvD5;7S,17R−ジヒドロキシ−ドコサ−5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、
アスピリン誘発レゾルビンD6(AT−RvD6;4S,17R−ジヒドロキシ−ドコサ−5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z−ヘキサエン酸)、
7S,17S−ジHDPAn−3(7S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−8E,10Z,13Z,15Z,19Z−ペンタエン酸(ω−3))
リポキシンA4(LXA4;5S,6R,15S−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E−テトラエン酸)、
15−エピ−リポキシンA4(15−エピ−LXA4;5S,6R,15R−トリヒドロキシ−エイコサ−7E,9E,11Z,13E−テトラエン酸)、
デルタ12−プロスタグランジンJ2(デルタ12−PGJ2;11−オキソ−15S−ヒドロキシ−プロスタ−5Z,9,12E−トリエン酸
15−デオキシ−デルタ12,14−プロスタグランジンJ2(15−デオキシ−デルタ12,14−PGJ2;11−オキソ−プロスタ−5Z,9,12E,14E−テトラエン酸)
11(12)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(11(12)−EpETE;11(12)−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,14Z,17Z−テトラエン酸)
17(18)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(17(18)−EpETE;17(18−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,14Z−テトラエン酸)
19(20)−エポキシ−ドコサペンタエン酸(19(20)−EpDPE;19(20)−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,16Z−ペンタエン酸)
10S,17S−HDPAn−6(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,15E−ペンタエン酸)、
7,17−HDPAn−6(7,17−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,13Z,15E−ペンタエン酸)、
7,14−HDPAn−6(7,14−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12Z,16Z−ペンタエン酸)、
10S,17S−HDPAn−6(10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−7Z,11E,13Z,15E,19Z−ペンタエン酸)、および
7,17−HDPAn−6(7,17ジヒドロキシ−ドコサ−8E,10Z,13Z,15E,19Z−ペンタエン酸)。
油および油留分中のこれらの化合物の存在の例を実施例1〜3に示す。

0039

天然源から抽出された油に存在またはこれらで強化される場合があるSPMの前駆物質には、以下が含まれる。油および油留分中のこれらの化合物の存在の例を実施例1〜3に示す。

0040

上記に加えて、次のω−3PUFAまたはω−6PUFAのいずれかに由来するSPMおよびSPM前駆物質は、天然源から抽出された油に存在またこれらで強化されてもよい。これらの脂肪酸は、酵素的酸化によりSPM前駆物質およびSPMを生じさせる場合がある。

0041

表1

0042

SPMおよびSPM前駆物質の列挙された例に加えて、上述の多価不飽和脂肪酸の他のモノ−、ジ−、およびトリヒドロキシル化およびエポキシ化された誘導体は、抗炎症および炎症収束活性を有する場合があり、また長鎖ω−3PUFAを含有する生物、例えば魚類、甲殻類、藻類、軟体動物、および海洋生物、植物、微生物、ならびに長鎖ω−3PUFAを形成する能力を与えられた遺伝子導入生物等から得られた油に存在および強化されると認められ得ると想定することができる。同様に、公知のSPMおよび新規のSPMのさらなる前駆物質が、そのような油で特定され強化される場合がある。さらに、SPMおよびSPM前駆物質は、エステル類およびアミド類として存在してもよい。エステル類は、天然エステルトリグリセリドジグリセリドモノグリセリド、およびリン脂質等)、ならびに魚油産業で通常使用される、粗および精製魚油からのEPAおよびDHAの濃縮が可能である工業過程中に調製されるエステル、具体的にはエチルエステルの形態であり得る。

0043

長鎖ω−3PUFA−含有生物から得られた油に見られるいずれのSPM、SPM前駆物質、またはSPMとSPM前駆物質との混合物も、抽出および分離法、例えば、蒸留技術、およびクロマトグラフィ分別および分離技術を用いて強化または濃縮され得る。

0044

本発明は、SPMおよびSPM前駆物質が粗油、連続して生成された精製油、および長鎖ω−3PUFA(EPAおよびDHA等)の濃度が、エチルエステルの形態で濃縮された油で鹸化性物質として認められ得ることを発見し、これは当技術分野で公知の水準では予期せぬことであった。例えば、実施例2(図5A)では、アンチョビ(EPAおよびDHAが比較的豊富であることからω−3系市場(ω-3 industry)には良好な出発材料と見なされている)から抽出された広く使用される粗油は、DシリーズレゾルビンRvD1およびRvD2(共にアシル化型)を含有することが示されている。SPMまたはSPM前駆物質の鹸化型はまた、ω−3PUFA−エチルエステルの濃縮および精製に使用される固有の蒸留、抽出およびクロマトグラフィ工業用手法(chromatographic industrial procedure)を用いて濃縮および分画され得る脂肪酸−エチルエステル油を得るために、エタノールにより長鎖ω−3PUFA−含有油のエステル交換反応を行った結果として、エチルエステルとして存在する。例えば、SPM前駆物質として機能し得る多くのモノヒドロキシル化脂質メディエータは、鹸化型で、アンチョビ油、マグロ肝油から製造されたエチルエステル化ω−3濃縮物中に、および軟体動物と魚の混合物から製造されたエチルエステルω−3濃縮物中に認められる(図2、3A、図3B、5C、6A、および6B)。長鎖ω−3PUFA油エチルエステル濃縮物に存在するSPM前駆物質およびSPM自体のエステル化型の有無により、これらのSPM前駆物質およびSPMが、海産粗油(crude marine oil)および粗油が抽出される生物中にアシル化型で本来存在していたことが実証される。精製油のエタノールによるエステル交換反応過程では、これらのアシル化SPM前駆物質およびSPMはまた、対応するエチルエステルにエステル交換される。SPMおよびSPM前駆物質は、生物の細胞および組織に、例えば栄養補助食品および医薬成分として使用するために製造されるω−3PUFA−含有油の調製に使用されるアシル化型で認められることが知られていないことから、この知見は非常に重要な、また予測できなかった性質である。本発明のこの態様は、SPMおよびSPM前駆物質の、長鎖ω−3PUFA−含有油での遊離カルボン酸(文献に以前から記載されている、細胞および生物中に長鎖ω−3PUFA基質から形成されるはずのSPMおよびSPM前駆物質の化学形態)としての存在および強化を除外するものではない。さらに、SPMまたはSPM前駆物質を含有する油は長鎖ω−3PUFA、EPAおよびDHA等を含有し得る。

0045

本発明の別の態様は、抗炎症または収束−刺激活性を有し、SPMおよび/またはSPM前駆物質の測定可能な濃度を含有する油を生成する方法である。方法は、以下の段階を含む;i)長鎖ω−3PUFA−含有油のSPMまたはSPM前駆物質の存在または濃度を測定すること、これは例えば粗、精製、または濃縮長鎖ω−3PUFA−含有油であり得る;ii)油を複数の留分に分別すること;iii)留分の抗炎症または収束−刺激活性を測定すること;iv)ならびに、抗炎症または収束−刺激活性を有し、および少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有するまたはこれらで強化された油を得るために、随意にこれらの3段階を繰り返すこと。

0046

油中のSPMおよびSPM前駆物質の存在を測定することにより、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有しかつSPMおよびSPM前駆物質の所望の組合せを有する油、または少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質の濃縮を有する油を得るために分画される油の適性を評価または判断することができる。所定の試料または留分のSPMおよびSPM前駆物質の存在および絶対水準(absolute level)は、分析化学的手法、例えばエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析法連動した液体クロマトグラフィ(LC/ESI−MS/MS)、およびガスクロマトグラフィ質量分析法GC/MS)(Yang, 2011)等により判定し得る。使用され得るSPMおよびSPM前駆物質を検出および/または定量する他の手法としては、免疫測定法、例えばCayman Chemical Company(Ann Arbor、MI)より市販されるレゾルビンD1ELISA、およびNeogen CorporationのLXA4およびAT−LXA4分析キット等が挙げられる。

0047

粗、精製、または濃縮長鎖ω−3PUFA−含有油を複数の留分に分析することにより、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を他の留分より高い濃度で含むか、またはSPMもしくはSPM前駆物質の所望の組合せを含有する油を生成することが可能となる。油の分別は、分離法および抽出法により達成し得る。天然源からの油に存在するSPMおよび/またはSPM前駆物質は、粗油が得られる天然源に依って当然異なるので、異なる手順により、最終産物の調製のために使用される様々な油のSPMおよびSPM前駆物質の様々な組成物が誘導される。

0048

いくつかの抽出および分離技術が、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含むまたはこれらで強化された油を得るために利用可能である。そのような技術は、SPMおよび/またはSPM前駆物質が単離された分子形態、例えば魚油および植物油のトリグリセリド、またはオキアミ油に存在するリン脂質およびトリグリセリド、または異なる化学形態への変換後の特に脂肪酸エチルエステル等に作用(operate)し得る。続いて、脂肪酸エチルエステルからなる油が、遊離脂肪酸の高濃度を含有する再構築されたトリグリセリドまたは組成物を製造するために使用され得る。SPMおよび/またはSPM前駆物質を含有する油は、本明細書に記載の、出発材料としての長鎖ω−3PUFA−含有粗油から、いくつかの技術の1つまたはその組合せにより得られ得る。好適な手順をこの後説明する。

0049

抽出過程には、長鎖ω−3PUFAを含有する原材料(例えば、魚類、オキアミ、イカ、または藻類)を95℃の温度まで加熱することを含む。熱処理段階により、水および脂肪の両方を含有する「予備圧搾」液が得られる。その後の、(熱処理で得られた残った固形材料の)130〜170barの圧力での圧搾(pressing)および相伴う(concomitant)スクリュープレス(screw-press)による圧搾により、圧搾液が得られる。予備圧搾液および圧搾液を混合し(「圧搾水」)、次いで2相分離デカンタ(2-phase decanter)に流し込んで固形物を取り除き透明な「圧搾水」を得る。圧搾水は分離器遠心分離により「脱油」され、混濁油が得られる。次いで、混濁油は、分離器によるさらなる遠心分離段階手段により「研磨」され、「粗」油が得られ得る。代替の過程は、スクリュープレスの代わりに、油含有液から固形物を直接分離することによりこの過程を簡素化し、油が油分離器(研磨)により分離される2相分離デカンタを用いる。第3の過程では、デカンタは、熱凝固した原材料を固形物、水、および油に直接分離するために使用される。次いで、油は、分離器により研磨されて微量の水を取り除き得る。分離過程中の温度は、95℃〜98℃に維持される。好ましくは、加熱は熱凝固したタンパク質および水から脂肪分を分離するために必要とされる最短時間に限定して適用される。これらの抽出法のいずれかにより得られる粗油のSPMおよび/またはSPM前駆物質の大部分はグリセリドおよびリン脂質中のエステルのような、およびアミドのようなアシル化型である。

0050

粗油は、化学的「精製」過程により清浄化され得る。この段階には、油を中和させるためのアルカリ性溶液および酸性溶液による油の洗浄、油から水性洗浄液を取り除くための分離器による分離、温水洗浄(hot water washing)、珪藻土活性炭またはシリカによる油の「漂白(bleaching)」処理、続いて吸着により不純物(有色のカロテノイド、金属、汚染物質等)を取り除くためのろ過、および真空乾燥が含まれる。概して、95℃〜98℃の温度が、精製過程中は維持される。油を最高200℃に加熱して揮発性物質を取り除く、追加の脱臭段階を行うことができる。

0051

あるいは、SPMおよび/またはSPM前駆物質を含有する油を得るために低温抽出技術を使用してもよい。

0052

油の脱ろうは、ある制御速度で油を冷却する過程であり、融点の差に基づき識別可能な脂質の分画晶出(differential crystallization)を可能にする、すなわち異なる脂質クラスの分離を可能にする。この分離技術は、SPMおよび/もしくはSPM前駆物質またはそれらのアシル化型の高含有量を含む脂質(通常はトリグリセリド)留分から、飽和脂肪酸富む脂質とワックスを分離するのに有用である場合がある。

0053

1以上の分子蒸留技術がまた、この目的で使用されてもよい。分子蒸留法としては、薄膜蒸留ワイプトフィルム蒸留(wiped film distillation)、および短行程蒸留(short path distillation)等が挙げられる。薄膜蒸発および蒸留では、密閉容器内のファンまたはローラを回転させることにより油膜を形成する。低圧力条件および加熱の組合せにより、識別可能な脂質成分の差分蒸発(differential evaporation)が達成され、対象の脂質留分の相対的濃縮(すなわち、SPMおよび/またはSPM前駆物質の高濃度を含有する留分)が可能となる。ワイプトフィルム蒸留では、回転しているバレル(rotating barrel)により、加熱された表面上の膜の油を積極的に拭き取る。

0054

行程蒸発蒸留は、蒸発または蒸留が生じる容器内に内部凝縮器を導入することにより空気による酸化に感受性を有する化合物の分別に、特に有用である分子蒸留技術である。薄膜蒸発および蒸留と同様に、分別は、減圧下および加熱下で実施される。圧力損失は、この構成では軽減され、この技術により比較的低いまたは短い加熱時間が達成される。短行程蒸留プラントは、供給タンク蒸発器真空ポンプ脱気装置、ローラ、熱交換器凝縮器温度制御タンクおよび連続閉回路を備える。

0055

分子蒸留段階は、油からの構造的に類似した脂肪酸を濃縮して対象の油留分を得るために、順次行われ得る。分子蒸留を補完する別の技術は、真空精留であり、これは比較的長い接触時間の不都合な際に濃縮の高い水準を可能にする外部還流プロセスを組み込んだものである。油中の脂肪酸は、さらに、選択的に飽和および一価不飽和脂肪酸複合する、尿素の添加による選択的析出段階の手段により濃縮され得る。さらなる濃縮技術は、陽イオン−および陰イオン交換樹脂を用いたイオン交換を包含する。分子サイズおよび分子量に基づく選択的濃縮を可能にし得る別の技術は、限外ろ過法である。

0056

SPMおよびSPM前駆物質の抽出に特に有用性のある抽出技術は、超臨界流体抽出法(SFE)である。超臨界流体抽出プラントは、供給タンク、ポンプ溶媒タンク、連続閉回路、抽出カラム大気圧タンク(atmospheric tank)、および分離器を備える。圧力および温度の特定の組合せを実現することにより、移動相が、その超臨界点を超えることができる。通常、SFEは対向流条件下で使用され、これにより定常状態が達成されて抽出カラムの上部または下部から溶出する成分の選択的濃縮が可能となる。SFEは選択的濃縮を可能にする。したがって、SFEは、それに続く、個々の脂肪酸を、例えばそれらに対応するエチルエステルとして選択的に分離および精製するために使用される分離技術に好適な出発材料である油の製造を可能にし、純粋なものに近い水準まで濃縮することを可能にする。

0057

クロマトグラフ法は、個々のエチルエステル化脂肪酸の分離の十分な水準を達成するのに有用であり、また、SPMおよびSPM前駆物質で選択的に強化された油を得るのに好適である。これらのクロマトグラフ法としては、高圧操作による従来のクロマトグラフィ、移動ベルトクロマトグラフィ(moving-belt chromatography)、向流クロマトグラフィ、および超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)が挙げられる。高圧クロマトグラフィは、固定相を含むカラムを介して高圧で投入された、水性溶媒および有機溶媒の混合物を使用する。固定相は、異なる極性および粒径および形状を有してもよい。移動相、固定相、温度の最適な組合せを選択することにより、脂肪酸−エチルエステルの許容可能な分離が達成し得る。

0058

超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)は、溶媒としての超臨界流体(通常は二酸化炭素)および移動相を用いる。圧力および温度により超臨界流体密度慎重に変更することにより、溶出条件が、試料中の個々の脂質を分離するのに最適な状態になり得る。この技術の利点は、故意でない酸化のリスクを取り除くための、近い周囲温度の使用およびクロマトグラフィ操作中中の酸素の排除である。設備は、供給容器、ポンプ、移動相タンク、連続閉回路、クロマトグラフィカラム、大気圧タンクおよび分離器を包含する。SFCは、脂肪酸−エチルエステルのクロマトグラフィ分離を可能にする。移動相は、大気圧および大気温度ガスであるので、最終の油留分から容易に除去される。

0059

長鎖ω−3PUFA−含有油を分別によりSPMおよび/またはSPM前駆物質−含有油を得るための好ましい技術は、超臨界流体抽出法(SFE)および超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)である。これらの技術は、随意に、1以上の定義されたSPMおよび/またはSPM前駆物質を濃縮できる1以上の追加の分別段階により補完されてもよい。以下に実施例を記載する。SFEおよびSFC条件の以下の範囲が用いられ得る:27〜60℃の温度範囲、80〜180barの圧力範囲で、シリカ、改質シリカ逆相キラル固定相および銀イオン化(argentated)固定相を装備、および10〜800(Kg/Kg)の溶媒/送り量。

0060

SFEおよびSFCの組合せにより、1種類またはいくつかの特定のSPMおよび/またはSPM前駆物質を濃縮することが可能となる。さらに、比率および組合せの汎用範囲を得るために、SPMおよび/またはSPM前駆物質を分離する能力により特定の油留分を再結合することが可能となる。

0061

追加のクロマトグラフィ段階は、キラル分離等の非常に特殊化された濃縮技術、および固定化銀塩による銀イオンクロマトグラフィ等の金属親和性クロマトグラフィを用いて実施され得る。

0062

SPMおよび/またはSPM前駆物質を含有するまたはこれらで強化された油の調製に用いられる技術の結果として、これらの分子の化学形態は、通常以下のうち1つとなる;ω−3濃縮物に存在する、粗油および精製油の代表的なグリセリドおよびリン脂質中でアシル化された、または油に溶解した遊離カルボン酸として認められる場合のエチルエステル類。SPMおよびSPM前駆物質の他の化学形態が、アミド等の粗油および精製油で認められる場合がある。さらなる実施形態では、SPMおよびSPM前駆物質分子は、さらに、公知の方法により変換され得る。例えば、SPM−エチルエステル−含有油は、トリグリセリドまたはリン脂質により再びエステル交換されて、それぞれ再構築(化学的にまたは酵素的に)されたトリグリセリドまたはリン脂質を形成し得る。エステル化SPMおよびSPM前駆物質はまた、対応する遊離脂肪酸型(塩または共役酸のような)を得るために加水分解され得る。

0063

特定の実施形態では、本発明はさらに、最終的には均質またはほぼ均質(例えば、80、90、95、96、97、98、または99重量%以上の純度)に精製された天然由来SPMおよび/またはSPM前駆物質を可能にする場合がある。

0064

さらにまた、同種のまたは異種の生物由来の、長鎖ω−3PUFAを有する粗油は、組み合わせて、SPMおよびSPM前駆物質−含有油を得るためのその後の濃縮手順のための出発材料として使用され得る。

0065

他の留分より高い濃度の少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有する、またはSPMまたはSPM前駆物質の所望の組み合わせを含有する留分の抗炎症または収束−刺激活性の判定は、治療的な抗炎症または収束−刺激性組成物を作り出す油の有用性を立証する。この判定は、好ましくは、油留分の抗炎症作用および作用強度を評価することができる炎症実験モデルで、in vivoで実施し得、または収束−活性化能の測定を可能にし得る(Bannenberg, 2005)。この目的で、in vivo炎症反応に対する抗炎症または炎症収束活性の特定の細胞性状または分子性状を測定するために、in vitroおよび細胞モデルが使用される場合がある。

0066

本発明の別の態様は、抗炎症および収束−増強活性を有するSPM−ならびにSPM−前駆物質含有または−強化油の意図的な製造が、対象で炎症を減少させるか炎症の収束を刺激するために使用され得るということであり、その方法は、油の有効量を投与する段階を含む。油は、炎症もしくは炎症に関連する疾患を治療するために、または炎症もしくは炎症に関連する疾患を予防するために使用され得る。油の分別により、固有の抗炎症または収束−刺激活性を有する油を得ることができる。ある油留分は抗炎症活性および/または収束刺激(炎症収束)活性を有するが他の油留分は十分な抗炎症活性を有さない機能的差別化(functional differentiation)が分別により達成し得、および/または炎症促進活性を有する油留分でさえが得られる場合がある。したがって、分別により得られた固有の油は、炎症反応を明確に調節する能力を有する。

0067

天然のSPM、SPM前駆物質、またはSPMおよび/もしくはSPM前駆物質の混合物を含有する固有の油および油留分は、具体的には固有の炎症病態を治療または予防によく適合し得る。例えば、特定のSPMおよび/もしくはSPM前駆物質、または2以上のSPMまたはSPM前駆物質の組み合わせを含有するまたはこれらで強化された油は、これらの特定の分子が最近使用されるω−3PUFA−含有油、または他のSPM、SPM前駆物質、またはSPMおよび/またはSPM前駆物質の混合物、または公知の抗炎症剤と比較して、関節リウマチの治療により効果をもたらすということを示す調査に基づき、関節リウマチの治療用に選択してもよい。他のSPMおよび/またはSPM前駆物質−含有油は、異なる炎症病態、例えば、喘息を治療する組成物を生成するために、調査に基づき選択されてもよい。この方法は、少なくとも1種類のSPMまたはSPM前駆物質を含有するまたはこれらで強化され、抗炎症または収束−刺激活性を有する油の有効量を投与する段階を含む。

0068

SPMおよび/またはSPM前駆物質−含有油はさらに、担体または賦形剤を含んでもよい。

0069

本発明で使用される場合、用語「対象」または「患者」は、動物を指し、哺乳動物、好ましくはヒトが挙げられる。

0070

本発明で使用される場合、用語「投与する」、「投与すること」または「投与」は、本明細書で用いられる場合、油または油含有組成物を対象または患者に直接投与することを指し、活性化合物または活性物質の有効量を対象または患者の身体に送達することになる。

0071

本発明で使用される場合、用語「有効量」または「効果的な量」は、病態、疾患またはその合併症の症状を治癒するまたは少なくとも部分的に寛解させるのに十分な量を意味する。

0072

本発明の別の態様は、SPMまたはSPM前駆物質を含有する抗炎症または収束−刺激性油を、これらの油がまた長鎖ω−3PUFAを含有するという点で包含する。これらの油は、EPA、およびDHAであり得るが、ステアリドン酸またはドコサペンタエン酸等の他の長鎖ω−3PUFAもまた当該油であり得る。

0073

本発明の別の態様は、抗炎症または収束−増強活性を有する、長鎖ω−3PUFAを含有する生物から得られたSPM−およびSPM−前駆物質含有または強化油の有効量を含む栄養補助食品、医薬製剤、および化粧料処方物を作製することに関する。1以上の天然に存在するSPMおよび/またはSPM前駆物質を含有するまたはこれらのために強化された、抗炎症または収束−刺激活性を有する油または油留分を得た後、油は、栄養補助食品、医薬製剤、または化粧料処方物を作製するために使用され得る。

0074

本発明で使用される場合、用語「薬学的に許容可能な」は、適切な医学的良識の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または妥当ベネフィット・リスク比(benefit/risk ratio)に見合った他の問題の合併症を引き起こさずに、ヒトおよび動物の組織に接触するのに好適である化合物、材料、組成物、補助食品、処方物、および/または剤形を指す。

0075

SPMおよび/またはSPM前駆物質を含有する油の他に、栄養補助食品および医薬製剤および化粧料処方物は、他の成分を含んでもよい。例えば、好ましい実施形態では、SPMおよび/またはSPM前駆物質含有油を混合、溶解、乳化(例えば、油/水、水/油、または二重乳化で)、またはマトリックスもしくは基剤に懸濁させる。マトリックスまたは基剤は、例えば、可食性油(ω−3PUFA−含有油、EPAもしくはDHAの高濃度を含有するω−3PUFA濃縮物、またはEPAとDHAの混合物等)、または摂取または投与に好適な別の可食性油であり得る。マトリックスまたは基剤はまた、水または水性緩衝液であってもよい。SPMおよび/またはSPM前駆物質を含有する油はまた、リポソームナノ粒子、または微小粒子中に調製されてもよい。

0076

保存期間を延ばすために、補助食品および処方物はまた、1以上の安定剤、例えば酸化防止剤(1またはいくつかのトコフェロールアスコルビン酸およびアスコルビル脂肪酸誘導体等)、および食用油の安定化に通常使用される他の酸化防止剤(ローズマリー抽出物等)等を含有してもよい。油はさらに、酸素、熱、および入射光曝露を最小限にする容器に梱包されてもよい。これらの状態が、二重結合の酸化および異性化を予防または制限することにより、SPMおよびSPM前駆物質の安定性を特に増強させる。バルク油または配合油の安定性にはまた、SPMおよびSPM前駆物質が酸化に感受性を有する十分なPUFA量により油に溶解することから、これらの状態が有効である。

0077

補助食品および処方物はまた、1以上の活性成分(アスピリン等)、他の非ステロイド抗炎症剤ビタミン、酸化防止剤、フラボノイドミネラル微量元素、脂肪酸、リコピンS−アデノシルメチオニンオレオカンタールレスベラトロールプテロスチルベン生理活性タンパク質およびペプチド(ブロメライン等)、オリゴ糖グルコシノレート、および植物抽出物ボスウェリアセラータ(Boswellia serrata)、マンゴスチントウガラシターメリック生姜ニーム、および/またはセイヨウヤナギ(Willow bark)抽出物等)を含んでもよい。成分は、明細書に記載した例に限定されない。

0078

固有の栄養補助食品は、固有の健康状態を支援するために製造され得、関節炎用のグルコサミンおよびコンドロイチン、または眼の健康用の亜鉛ルテインおよびゼアキサンチンと共に、魚油、オキアミ油、またはSPMもしくはSPM前駆物質を含有する油により補完されたω−3PUFA濃縮物を含む。

0079

SPMおよびSPM前駆物質を含む油を含有する他の栄養補助食品は、総合ビタミン製剤スポーツ栄養、強化魚油カプセル口腔ケア製品練り歯磨きおよび洗口液等)、および食品として使用される固有の油(スプレッドドレッシング料理用油、お菓子、健康ドリンク軟質ゲルチューインガム等の、また乳児用調製粉乳(infant formula)等)である。

0080

本明細書に記載の油は、様々な経路、例えば経口、直腸内、内、局所経皮舌下腺、皮下、静脈内、筋肉内、吹送(insufflation)、髄腔内、および鼻腔内投与等により投与し得る医薬製剤を製造するために、1以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤と共に含有してもよい。本発明の使用に好適な処方物が、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, Pa., 17th ed. (1985)で認められる。

0081

活性成分は、賦形剤と共に混合、賦形剤により希釈、および/またはカプセル、小袋、紙または他の容器の形態の担体中に封入(enclose)され得る。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は活性成分のビヒクル、担体または培地として機能する固形、半固形、または液体材料であり得る。処方物は、錠剤丸剤、粉末、薬用ドロップ、小袋、カシェー、エリキシル剤、懸濁液、乳液、液剤シロップ剤エアゾル固体または液体培地として)、軟膏、軟質および硬質ゼラチンカプセル坐剤無菌注射溶液、鼻腔内投与用の滅菌液(例えば、噴霧装置)、または無菌包装粉末の形態であり得る。処方物はさらに、以下のものを含み得る:平滑剤タルクステアリン酸マグネシウム、および鉱油等);湿潤剤乳化剤および懸濁化剤保存剤メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸塩等);甘味剤;および着香剤。本発明の補助食品および処方物は、当技術分野で公知の手順を用いることによる患者への投与後の活性成分の迅速な放出、持続的放出または遅延放出を行うために処方され得る。

0082

錠剤等の固形処方物を調製する場合、油は、薬学的賦形剤と混合されて、化合物の均一混合物を含有する固形の予備製剤組成物(preformulation composition)を形成する。錠剤または丸剤は、持続性作用の利点を得る剤形となるように、コーティングされ、あるいは組み合わせられていてもよい。例えば、錠剤または丸剤は、内部投与成分(inner dosage component)と外部投与成分(outer dosage component)とを有し、後者が前者を包む形であってもよい。この2成分は、腸溶性層により分離し得るが、この腸溶性層は、胃内での分解に耐える働きをし、かつ前記内部成分を完全な状態で十二指腸内移行させるまたはその放出を遅らせる。様々な材料がそのような腸溶性層または被覆剤に使用され得るが、そのような材料としては、多くのポリマー酸(polymeric acid)や、ポリマー酸とシェラック(shellac)、セチルアルコールおよびセルロースアセタートのような材料との混合物が挙げられる。

0083

処方物の液体形態としては、懸濁液および乳液が挙げられる。処方物は、カプセル化されてもよく、コロイドとして調製されてもよく、リポソームの内腔に導入されてもよく、またはリポソームの層に組み込まれてもよい。液体処方物はまた、油自体からなり、油がカプセル化されてもよい。

0084

油は、好ましくは、活性のある油およびその成分の単位剤形で処方される。対象または患者に投与される量は、投与を受けるもの、投与の目的(予防または治療等)、対象または患者の状態、投与様式等(全て資格のある医師栄養士、および薬剤師技術範囲内にある)に依り様々である。治療的用途では、処方物は、疾患に既に罹患している患者に、疾患およびその合併症の症状を治癒または少なくとも部分的にその進行を止めるのに十分な量で投与される。この使用での有効量は、治療中の疾患の状態ならびに主治医である臨床医の、患者の症状の重症度、年齢、体重および全身状態等の因子に依る判断により、決まる。

0085

固有の医薬製剤は、炎症性要素を有する疾患の治療用に経口摂取されるカプセル化された油、持続放出処方、ざ瘡、乾癬、湿疹酒さ等の治療用の局所処方物、臨床栄養学的薬剤および非経口薬剤として使用される乳化油に基づく静脈内処方物、リポソーム製剤、および組織標的化送達システム吸入処方物、および中枢神経系に注入し得る処方物である。

0086

さらなる実施形態は、SPMおよびSPM前駆物質を含有し、抗炎症または収束−刺激活性を有する、化粧料美容製品、および栄養性化粧品のような油の処方物である。これらの処方物としては、化粧品、皮膚保湿剤、および固有の局所クリーム日焼け止め軟膏および日焼け用軟膏(tanning ointment)等)が挙げられる。具体的には、抗炎症および収束刺激性を有し、SPMおよびSPM前駆物質を含む油は、適用部位での刺激および炎症を和らげる化粧料の構成要素となる場合がある。

0087

使用方法
本発明は、炎症病態または炎症性要素を有する疾患を有する対象(例えば、ヒト、イヌネコウマウシヤギブタ、魚、および他の動物)に、本明細書に記載の油、補助食品および処方物の1以上を、対象の炎症を治癒、治療および/または緩和するのに有効な量および投与スケジュールで投与することにより、患者を治療する方法を特徴とする。SPMおよび/またはSPM前駆物質−含有油の治療的使用は、主に、多くの可能性のある、その病因または症状での炎症の性状を含む病気、障害、および疾患のいずれかを治療または予防することに向けられる。この使用はさらに、EPA/DHAまたは魚油の増加した摂取により寛解されるという報告がある病態および疾患(例えば、高トリグリセリド血症、不整脈、または鬱病)を包含する。炎症病態の例としては、心臓血管系疾患(例えば、アテローム性動脈硬化、高血圧高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、内皮の反応性低下(endothelial hyporeactivity)、心筋梗塞、脳卒中)、メタボリック症候群の局面(例えばインスリン感受性の低下、肥満症、脂肪肝胆汁鬱滞)、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病多発性硬化症失行症)、アトピー/アレルギー反応、癌、変形性関節症、関節リウマチ、炎症疼痛、ざ瘡、乾癬、酒さ、喘息、急性傷害、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、敗血症アレルギー性鼻炎副鼻腔炎歯周炎、炎症性腸疾患、クローン病黄斑変性眼球乾燥症候群胃潰瘍、癌、および自己炎症疾患が挙げられる。本明細書に記載の油はまた、急性および慢性疼痛、ならびに物理的および化学的刺激に対する過敏症の識別可能な形態を治療するのに好適である場合がある。本明細書に記載の油はまた、血管新生血小板凝集および血小板凝固、骨増殖組織治癒血圧調節造血、および脂質恒常性の異常調節により引き起こされる病態を治療するのに有用であり得る。本明細書に記載の油はまた、炎症(腫脹、浮腫、発赤、発熱、疼痛、および炎症性障害等)の肉眼的および身体的徴候を低減させるのに有用であり得る。

0088

本明細書に記載の油はさらに、長鎖ω−3PUFA誘導性脂質メディエータを含有し抗炎症および炎症収束活性を有することから、食品栄養補充後に、これらの物質を対象の身体内に形成する場合がある長鎖ω−3PUFAの組織濃度を増強させる必要性を上手に回避する場合がある。

0089

本明細書に記載の油はまた、高感度C反応性タンパク質(hs−CRP)、血清アミロイドA赤血球沈降速度、可溶性接着分子(例えば、E−セレクチン、P−セレクチン、細胞間接着分子−1、血管細胞接着分子−1)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1β、−6、−8、および−10および腫瘍壊死因子−α)、フィブリノゲン、および/または活性化白血球(例えば還元された酸素種および窒素種生成速度増した白血球;非球形好中球、および空胞化が増加した単球)等の炎症マーカの増加したまたは異常な水準を有する対象に投与され得る。これに関し、本発明の補助食品および処方物は、これらの炎症マーカの1以上の水準を、少なくとも99、95、90、80、70、60、または50%低減させる;または正常と見なされる範囲までこれらの水準を低減させるために使用され得る。

0090

補助食品および処方物はまた、対象に、炎症を予防するために投与されてもよい。

0091

実施例1:産業規模の超臨界流体クロマトグラフィに依るω−3PUFAエチルエステル油の分別は、SPMのエステル化前駆物質の濃縮、および異なる抗炎症活性を有する識別可能な油留分の製造を可能にする。

0092

EPA−エチルエステルおよびDHA−エチルエステル濃縮物の産業規模の製造での、超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)の際に得られた識別可能な脂肪酸−エチルエステル油留分の抗炎症活性を評価するために、炎症反応の炎症誘発期(pro-inflammatory phase)で経口投与された油留分の効果を測定することができる皮下の無菌性炎症のマウスモデルを準備した。8種類の連続して溶出された油留分は、SFCにより、70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有する中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物の分別により、産業規模で生成され、その後直ぐに産業規模の超臨界流体抽出法(SFE)により得られた。SFC分別は以下の方法で実施される。原材料タンク(予め窒素ブランケットされた)を長鎖ω−3PUFAエチルエステル濃縮物で充填する。タンク内容物を、ウォーミングアップし、必要な場合は温度をおよそ20〜40℃に安定させる。油を、クロマトグラフィカラムに通過させることによりバッチ処理(batch-wise)する。7.5〜9.5kg重量の油の量を、圧力および温度を約110〜135barおよび20〜40℃に調節して汲み上げる。二酸化炭素を、同時に110〜130barおよび43.5〜45.5℃で汲み上げる。両方の流体(ω−3濃縮物および二酸化炭素)をクロマトグラフィカラムの上部に注入し、圧力を98〜102barで、および温度を43.5〜45.5℃で内部に流し込む。改質シリカの固定相で満たされているクロマトグラフィカラムを介して分離すべき油を生成する成分の保持(retention)の違いを利用して、異なる留分を回収する。分別の単回稼働(single run)の総溶出時間は40〜85分である。溶出された材料を、2〜20分続く、連続して溶出された留分で回収する。移動相(超臨界二酸化炭素)と供給量(feed)(ω−3濃縮物)との比率は600〜850Kg溶媒/Kg供給量である。

0093

炎症を引き起こすために、大腸菌リポ多糖類(LPS;血清型127:B8、トリクロロ酢酸抽出により精製、Sigma−Aldrich)を、マウス(9週齢でおよそ30gのCD1マウス、Charles River companyより購入)の背側の後側腹(hind flank)で、皮下に単回投与(200μlの滅菌食塩水中5mg/kg)として注入した。炎症部位への好中球浸潤を、好中球酵素のミエロペルオキシダーゼによるルミノールの変換で発する生物発光により、非侵襲的に測定し(Gross, 2009)、6時間にわたる炎症変化を評価することができた。試験物質の投与後の好中球活性の統計学的に有意な変化を測定できるように、炎症の皮下モデルを用いて好中球活性の生物発光測定を行った。LPS投与の30分前、賦形剤対照(滅菌食塩水)の100μl、インドメタシン(用量;10mg/kg)、またはSFCで得られた8油留分のうち1留分を強制食餌により投与し、投与の経口経路(per os、(p.o.))を映し出した。非ステロイド抗炎症化合物インドメタシンを陽性対照として使用し、LPSにより誘導された炎症反応が阻害され得ることを確かめた。図1A−Hは、連続して溶出された一連の油留分(それぞれ1〜8番)(中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物(70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有)の産業規模のSFC分別により得られた)の、リポ多糖類(LPS)の皮下投与(s.c.)により誘導された、マウスの皮下に生じた急性の炎症変化の効果を示す。白丸;LPSs.c.で誘導された炎症(n=40)。白抜き四角;LPSs.c.の30分前でのインドメタシン10mg/kg p.o.(n=6)。白抜き三角;パネルA〜Hに記載の各留分1〜8のそれぞれ100μlを、LPSの30分前に強制食餌により単回投与。(n=6、試験した油留分あたり)。値は平均値±平均値の標準誤差である。炎症の統計学的に有意な差(スチューデントt検定;P≦0.05)を:*(LPS前に摂取したビヒクルと比較したLPS前に摂取した油留分)、#(LPS前に摂取したビヒクルと比較したLPS前に摂取したインドメタシン)、およびt(LPS前に摂取したインドメタシンと比較したLPS前に摂取した油留分)で示す。

0094

図1に示すように、インドメタシンは、インドメタシンの代わりに食塩水を摂取したマウス(n=40)と比較して、3時間後に26%、および6時間後に44%、LPS−誘発性炎症を抑制した(独立な観測数n=40)。興味深いことに、長鎖ω−3PUFA−エチルエステルの高濃度を含有するエチルエステル油のSFCによる分別により、経口投与後の炎症に対する著しく識別可能な活性を有する異なる油留分を製造することが可能となった(n=5、各試験油留分につき)。3油留分が、経口投与後に抗炎症作用を誘導した。油留分1は、LPS−誘発性炎症の開始後3時間で61%、および6時間で82%、炎症を有意に減少させた(図1A)。油留分7は、3時間後49%、炎症を有意に減少させた(図1G)。油留分8は、90分後66%、炎症を有意に減少させた(図1H)。油留分2、3、4、および6は、LPS−刺激性炎症反応を有意には変化させなかった(図1、それぞれパネルB、C、DおよびF)。興味深いことに、いくつかの油留分の抗炎症作用が、汎用される抗炎症化合物インドメタシンの作用、すなわち油留分1および8と比較して有意に高い有効性を有していた。さらにまた、油留分1の著しい抗炎症活性はまた、既に6時間後、好中球性炎症反応をほぼ非炎症状態まで積極的に戻した収束−刺激活性を示している。産業規模のSFC分別により、有意な機能的差別化が得られ、これにより1つの油留分、3が、最も早い時点で、すなわち90分での好中球の2倍以上の活性で、炎症を増強し、その後、好中球反応の範囲はビヒクルで処置された動物で認められる反応まで正常化した。このことは、この油が細菌感染刺激に対するより迅速な炎症反応を促進し得たということを指摘する。要約すると、本結果は、長鎖ω−3PUFA−強化油の分別により、炎症反応に識別可能な活性を有する油留分を得ることができ、また、経口投与後に著しい抗炎症活性を有する油留分が得られることを実証する。

0095

抗炎症活性について評価した同じ油留分を、SPM生合成のための前駆物質ならびにSPM自体の相対的水準(relative level)または絶対水準(absolute level)について分析した。故意でない酸化を避けるため、全ての油をブチル化ヒドロキシトルエンの添加により固定した。SPMおよびその前駆物質を単離するための油留分の液−液抽出では、PUFA(EPA、DHA、またはAA等)のいずれのモノ−、ジ−、およびトリ−ヒドロキシル化誘導体も測定可能な濃度の存在が示されなかった。しかしながら、油をアルカリ加水分解(10M NaOH、撹拌しながら3時間、20℃)により加水分解すると、EPA、DHAおよびAAに由来する脂質メディエータの有意な数が検出された。図2は、中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物(70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有)の産業規模のSFC分別で連続して溶出された油留分中の、多価不飽和脂肪酸EPAおよびDHAのモノヒドロキシル化された(monohydroxylated)様々な誘導体のエチルエステル型および鹸化性型についての比存在度(relative abundance)を示す。留分1〜8番は、図1に示す抗炎症活性の試験と同様のものである。値は、各PUFA誘導体に対応するイオントランジション(ion transition)の質量分析記録のピーク面積の、二重反復測定値の平均値である。同じPUFA誘導体の対応する遊離脂肪酸型は、これらの油留分に測定可能な濃度で存在しなかった(略語HEPE、ヒドロキシ−エイコサペンタエン酸;HDHA、ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸)。これらの油留分は、EPA−EEおよびDHA−EEの産業規模の濃縮および精製に使用されるエチルエステル化油に由来することから、測定された脂質メディエータはエチルエステル自体である。測定された化合物のいくつは、SPM形成に関する中間前駆物質、4−ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(4−HDHA;4−ヒドロキシ−5E,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z−ドコサヘキサエン酸)、および18−ヒドロキシ−エイコサペンタエン酸(18−HEPE;18S−ヒドロキシ−5Z,8Z,11Z,14Z,16E−エイコサペンタエン酸)等として公知である。18−HEPEはEシリーズのレゾルビンを形成するための前駆物質であり、4−HDHAは血管増殖網膜症(vasoproliferative retinopathy)の抗炎症および組織保護作用を有することが知られ、また4−HDHA誘導性SPMの前駆物質として機能する場合がある。測定された様々なSPM前駆物質が、SFCにより得られた様々な油留分に異なって分布していた。この観測は、通常使用されるω−3PUFA−含有油の分別が、PUFA誘導性脂質メディエータの定義された存在、その組み合わせ、および識別可能な濃度の製造を可能にし得ることを示唆する。

0096

DHAの1つの誘導体、17−ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(17−HDHA;17−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)は、SPM生合成のための前駆物質として、すなわち強力な抗炎症および炎症収束の生物活性が強いDシリーズのレゾルビン、RvD1、RvD2、RvD3およびRvD4を形成する中心的な前駆物質として、関心が持たれている。図3Aは、中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物(70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有)の産業規模のSFC分別で連続して溶出された油留分での、17−HDHAのエチルエステルの濃度を示し、図1および図2に示す同様の留分に対応する。連続して溶出されるSFC油留分での、鹸化性物質としての17−HDHA−エチルエステルの定量を、内部標準およびLC−トリプル四重極質量分析法を用いて実施した。値は、平均値±平均値の標準誤差(n=3個体クロマトグラフィ分離、二重反復測定)である。結果は、17−HDHA−エチルエステルが第1留分で強化され、およそ110mg/L(0.01%w/v)の濃度に達することを示す。17−HDHAの対応する遊離脂肪酸型は、これらの留分に測定可能な濃度で認められなかった。産業規模の超臨界流体抽出法(SFE)により生成された、この中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物の、いくつかのSFC分別されたロットの第1留分での17−HDHAの測定により、この留分での17−HDHAの濃度範囲が30〜110mg/lにあることが示唆された。これにより、固有の産業規模の分別段階が固有のSPMおよびSPM前駆物質を定義された油留分中に強化するために考案され得ることが示される。

0097

ω−3PUFA−強化油に認められるこれらのSPM前駆物質は、これらの物質を溶解するPUFA−エチルエステル自体のように天然起源であることを判定することは興味深いことであった。これを受けて、立体異性体17S−HDHAおよび17R−HDHAの比存在度を判定するため、留分1に強化されたと認められる17−HDHA−エチルエステルのキラルの高速液体クロマトグラフィ−トリプル四重極質量分光分析を実施した(上パネル)。ここで分析された油留分1は、図1、2、および3Aに示される油留分1と同様のものである。立体異性体の信頼できる合成標準法(下パネル)により観測された脂質メディエータの共遊走評価、およびトリプル四重極質量分析法による固有の質量遷移(mass transition)の選択イオンモニタリングは、留分1の17−HDHA−エチルエステルが天然のS立体異性体であることを示唆する。下パネルは、17−HDHA、14−HDHA、7−HDHAおよび4−HDHAの立体異性体の信頼できる合成標準法の保持時間を示す。また、ここでは4−HDHAが主に天然のS立体異性体として存在するように示される。生成物はラセミ体ではないので、化学的酸化が油留分1に存在する17−HDHAおよび4−HDHAの原因ではない。モノヒドロキシル化されたPUFAのS−立体異性体は大部分のリポキシゲナーゼにより天然に形成された異性体ではないので、この油留分での立体異性体の存在は、17−HDHAおよび4−HDHAが天然起源であり、SFC分別が実施された段階までの工業過程の初めから全て、長鎖ω−3PUFAにより共抽出および共精製されることを、示唆する。専用の分離技術による分別、ここで示される超臨界流体クロマトグラフィはさらに、天然源のSPMおよびSPM前駆物質を選択的に固有の油留分に分別することができる。

0098

17−HDHAでは、油留分1(図1Aに示す)の抗炎症活性は、したがって、少なくとも部分的に、この抗炎症SPM前駆物質のこの油留分中への選択的濃縮によるものと説明され得る可能性がある。抗炎症作用および17−HDHAの寄与を判定するために、留分1の抗炎症効果を無菌性炎症である周知のモデルで判定した。図4は、酵母膜抽出物ザイモサンAの腹腔内投与により誘導された腹膜炎症のマウスモデルに強制食餌することにより投与された油留分1の抗炎症効果を示す。炎症開始4時間後の炎症性滲出液での固有の炎症性細胞群の選択的変化を判定した。ビヒクル(100μl滅菌生理食塩水)、100μl油留分1、または滅菌生理食塩水中の1μgの合成17S−HDHA(Cayman Chemicals)を強制食餌により投与し、30分後に0.1mgザイモサンAを腹腔注射した。ここで分析した油留分1は、図1、2、および3に示す留分1と同様のものである。4時間後、炎症性滲出液を回収し、炎症細胞の数および種類の変化を、固有の蛍光標識された抗体を用いた蛍光活性細胞ソーティングにより判定した。値は、6〜7匹の個々のマウスの平均値±平均値の標準誤差である。統計学的に有意な差(スチューデントのt検定)を、油留分1で処置後に得られた炎症性滲出液の細胞数の比較またはビヒクル処置されたマウスと比較した細胞数について、*(P≦0.05)または#(P<0.10)で示す。図4に示すように、油留分1の投与は、滲出細胞総数および多形核白血球(PMN)数を著しく減少させた。この抗炎症効果は、17S−HDHAの経口投与(強制食餌)により再生(reproduce)された。単球、マクロファージまたはリンパ球に関する統計学的に有意な変化は測定されなかった。この結果は、およそ100mg/l(100μlに10μg)17S−HDHA−エチルエステルを含有する油留分1の経口投与直後の抗炎症作用が合成17S−HDHAの抗炎症作用に極めてよく似ていることを示唆する。さらにまたこの結果は、油留分1がマウスの急性炎症の2つの識別可能なモデル、すなわちザイモサンで開始された腹膜炎およびリポ多糖類により誘導された皮下炎症で、経口投与後の全身の抗炎症作用を有することを示唆する。

0099

実施例2:天然源の油中のSPMおよびSPM前駆物質の存在

0100

図5Aは、ペルー産アンチョビから得られた粗「1812」魚油の鹸化性物質としての2種類のレゾルビン、レゾルビンD1およびレゾルビンD2の存在を示す。この油は、およそ18%EPAおよび12%DHAを含有する通常の原材料である。アンチョビ「1812」(18/12は18%EPAおよび12%DHAを含有する油を意味する)油は、精製魚油ならびにω−3PUFAEPAおよびDHAの増加した濃度を有する魚油濃縮物の製造に世界中で現在最も大量に使用されるω−3魚油である。この油は主にトリグリセリドからなり、RvD1およびRvD2がおそらくトリグリセリド中でアシル化されていることを示す。あるいは、または部分的に、これらのレゾルビンはまた、この油に存在するジグリセリドまたはモノグリセリド、ホスファチジン酸、リン脂質、または他のエステルまたはアミド種中でアシル化されていてもよい。遊離カルボン酸型のRvD1またはRvD2は、この油中に測定可能な濃度で認められなかった。クロマトグラムにより、極めて強力な抗炎症および収束−刺激活性を有する公知のSPMが、栄養補助食品および医薬成分として長鎖ω−3PUFA−含有油製造業に汎用される長鎖ω−3PUFA含有油に存在することが示される。

0101

異なる長鎖ω−3PUFA含有生物から得られた油の対照比較により、図5Bに示されるように、17−HDHAがアンチョビ、マグロ、オキアミおよび藻類から得られた油の鹸化性物質として存在することが実証される。異なる2種類のアンチョビ粗油(出発材料としてEPA−およびDHA含有魚油ならびにEPA−およびDHA−エチルエステル濃縮物の調製に通常使用される)は、17−HDHA(18/12は18%EPAおよび12%DHAを含有する油を意味し、22/08は22%EPAおよび8%DHAを含有する油を意味する)を含むことを示す。これらの例示的な2粗油は、最大30%の配合されたEPAおよびDHAを含有するが、ここでは、そのような油はまたSPM前駆物質17−HDHAを含有することが示される。マグロ、オキアミおよび藻類油(EPAおよびDHAを含む栄養補助食品としても広く使用される)の17−HDHAの測定により、これらの油がまた17−HDHAの著しく高濃度を含有することが示された。これらの油ではまた、測定された17−HDHAが、SPM前駆物質のアシル化特性を示す鹸化性物質の形態で存在していた。マグロ、オキアミおよび藻類油は、市販の油である。マグロ油はマグロ肝油である。藻類油は、渦鞭毛藻類(dinoflagellate algae)、ペリディニウム目から得られたDHA含有藻類油である。具体的には、これらのオキアミおよび藻類油は、意図的に捕獲されたまたはDHAを比較的高含有量含むように培養された生物から抽出され、ここでは、測定された魚油と比較すると、17−HDHAの比較的高い濃度を示していた。Dシリーズレゾルビンへのこの前駆物質の存在は、SPMまたはSPM前駆物質の定義された濃度を有する油が生成され得ること、およびそのような油がこれらの化合物をさらに強化した油の製造に使用され得ることを実証する。

0102

魚、藻類およびオキアミから得られた油の複数のSPMおよびSPM前駆物質の存在の定性的プロファイリングにより、油の固有のSPMおよびSPM前駆物質の存在が実証された(図5C)。様々なSPMおよびSPM前駆物質の測定を、市販の脂質メディエータ標準による診断用のトランジション(diagnostic transition)および共溶出を用いた液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析法により、実施した。油に存在する鹸化性物質に対応する全ての化合物が検出され、遊離カルボン酸型である対応する化合物は測定可能に存在しなかった。例えば、EPA−およびDHA誘導性のモノヒドロキシル化されたSPM前駆物質ならびにSPMの両方が、2魚油、精製「18/12」アンチョビ油(18%EPAおよび12%DHAを含有)等に、またエチルエステル化マグロ肝油に存在する。これに対し、DHA誘導性脂質メディエータが、DHAを高濃度にするために培養された藻類から抽出された油で優位を占めていた。オキアミ油は、EPAおよびDHA−誘導性モノヒドロキシル化された脂質メディエータの両方を含有するが、EPA誘導性化合物は、DHA誘導性脂質メディエータより多く出現することが実証された。このことはまた、エポキシ化誘導体の存在に反映され、この場合、DHA誘導性SPM19(20)−エポキシ−ドコサペンタエン酸(19(20)−EpDPE;19(20)−エポキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,13Z,16Z−ペンタエン酸)は藻類油で優勢なエポキシ−誘導体であり、また、EPA誘導性SPM17(18)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(17(18)−EpETE;17(18−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,11Z,14Z−テトラエン酸)および11(12)−エポキシ−エイコサテトラエン酸(11(12)−EpETE;11(12)−エポキシ−エイコサ−5Z,8Z,14Z,17Z−テトラエン酸)はオキアミ油で優位を占めていた。マグロ肝油で見られるような対象の少数成分が単離され得、この場合、二様(double)のヒドロキシル化DHA誘導性脂質メディエータ10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(10S,17S−ジHDHA;10S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,11E,13Z,15E,19Z−ヘキサエン酸)、ならびに7,17−ジヒドロキシ−ドコサペンタエン酸(ω−3)(7,17−ジHDPA(ω−3);(7S,17S−ジヒドロキシ−ドコサ−8E,10Z,13Z,15Z,19Z−ペンタエン酸(ω−3))が存在することが認められた。ドコサペンタエン酸(ω−3)のオキソ誘導体、17−ケト−ドコサペンタエン酸(ω−3)(17−ケト−DPA)もまた、試験した全ての油に検出された。したがって、異なる長鎖ω−3PUFA含有生物から得られた油は、SPMおよびSPM前駆物質に関し著しく異なる組成物を有していた。したがって、PUFA誘導性脂質メディエータの含有量に基づく、長鎖ω−3PUFA含有生物から得られた油の差別化が可能であり、この差別化は、分離法および抽出法によるさらなる分別に有用である油がどれであるかを決定し、1以上のSPMおよびSPM前駆物質の定義された存在、組み合わせ、および濃縮濃度を有する油を得る、価値のある基剤を構成する。

0103

実施例3:SPMおよびSPM前駆物質の濃縮

0104

図6Aは、EPA、DHA、およびドコサペンタエン酸(DPAω−3)に由来する例示的な酸化された脂質メディエータの、識別可能な油留分への選択的分別を示す。SFCにより連続的な8油留分に分別された出発材料は、56%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有する脂肪酸−エチルエステル油であった。この油は、海洋生物例えば海産魚(アンチョビ、イワシニシンシャッド、スメルト、サケ、マグロ、およびカツオ)および軟体動物(イカ、タコ、およびコウイカ)等の混合物から抽出された粗油から製造された長鎖ω−3エチルエステル濃縮物に対応している。SFC分別を、以下の方法で実施する。原材料タンク(予め窒素でブランケットされた)をω−3脂肪酸エチルエステル濃縮物で充填する。タンク内容物を、必要な場合はウォーミングアップし、温度をおよそ20〜40℃に安定させる。この油を、クロマトグラフィカラムを通過させることによりバッチ処理する。9.0〜12kg重量の油の量を、圧力および温度を約110〜135barおよび20〜40℃に調整して汲み上げる。二酸化炭素を、同時に110〜130barおよび43.5〜45.5℃で汲み上げる。両方の流体(ω−3濃縮物および二酸化炭素)を、クロマトグラフィカラムの上部に注入し、圧力を98〜102barで、および温度を43.5〜45.5℃で内部に流し込む。改質シリカの固定相で満たされているクロマトグラフィカラムを介して、分離する油を作製する成分の保持の違いを利用して、異なる留分を回収する。分別の単回稼働の総溶出時間は40〜85分である。溶出された材料を、2〜20分続く、連続して溶出された8留分で回収する。移動相(超臨界二酸化炭素)と供給量(ω−3濃縮物)との比率は、600〜850Kg溶媒/Kg供給量である。

0105

連続的に溶出された油留分は、いくつかのSPMおよびSPM前駆物質(図6A)、12−ヒドロキシ−エイコサペンタエン酸(12−HEPE;12−ヒドロキシ−エイコサ−5Z,8Z,10E,14Z,17Z−ペンタエン酸)、14−ヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(14−HDHA;14−ヒドロキシ−ドコサ−4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)、19(20)−エポキシ−ドコサペンタエン酸(19(20)−EpDPE)および17−ケト−ドコサペンタエン酸(ω−3)(17−ケト−DPA(ω−3))等で例示される、異なる濃度を含有する。値は2種類の独立した産業規模の分別稼働からの各油留分に関する2試料(二重反復測定)の平均値である。結果を、分別された油と比較したパーセント濃縮(percent enrichment)として表す。EPA誘導性モノヒドロキシル化脂質メディエータ12−HEPEが、第2留分で主に存在することが認められた(図6A)。DHA誘導性SPM前駆物質14−HDHAが、第1留分で主に存在することが認められた。14−HDHAはさらに、酸化されて例えば、14,21−ジヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(強力な創傷治癒活性で知られている)の形態を形成し得る。14−HDHAはまた、酸化されて7S,14S−ジヒドロキシ−ドコサヘキサエン酸(7S,14S−ジヒドロキシ−ドコサ−4Z,8E,10Z,12E,16Z,19Z−ヘキサエン酸)(好中球炎症の抗炎症活性を有する)になり得る。エポキシ化脂質メディエータ19(20)−EpDPE(抗炎症特性を有する、DHAのシトクロムP450誘導体)は、比較的遅く溶出される留分、特に留分5で選択的に強化されることが認められた。ドコサペンタエン酸(ω−3)のオキソ誘導体、17−ケト−DPA(ω−3)が、留分3〜7で強化されることが認められた。この結果は、EPA、DHA、およびDPA(ω−3)の、1以上の固有の酸化された誘導体の濃縮が、長鎖ω−3PUFAエチルエステル濃縮物の分別により達成され得ることを示唆する。化合物は鹸化性物質に対応し、また対応する遊離カルボン酸は、測定可能に存在しなかった。

0106

図6Bは、70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有する中間体長鎖ω−3脂肪酸−エチルエステル濃縮物の第1SFC留分をさらに分別する場合の、17−HDHA−エチルエステルのさらなる強化を示す。亜分別された油は図1〜3に示す油留分1に対応し、これらはDシリーズレゾルビン前駆物質17S−HDHAのエチルエステル形態での強化された濃度を含むことが以前に認められていた(図3A)。SFCによる、0〜2分(留分1A)、2〜7分(留分1B)、および7〜12分(留分1C)で溶出される3亜分画へのさらなる分別により、留分1Bへのさらなる強化が得られた。値は、3亜留分での17−HDHA−エチルエステルの相対レベル(平均値±S.D.)である。本結果より、固有のSPM前駆物質のさらなる強化が、固有の分離方法、SFC等を用いることにより達成し得ることが示唆される。

0107

実施例4:SPM前駆物質の強化された濃度を含有する油の収束−刺激活性

0108

図7は、SPM前駆物質−含有油により刺激された炎症の収束を示す。油留分1の収束−刺激(炎症収束)活性を、SPM前駆物質を含有する油留分の、炎症の収束を活性化させる能力の1つの例として決定づけた。図7は、炎症細胞数の変化を、LPSの皮下投与により開始された炎症反応中に形成される皮下フィブリン塊組織化学的方法により測定した際の評価結果を示す。100μl体積の油留分1またはビヒクル(滅菌生理食塩水)を、マウスに、LPSの皮下投与による炎症開始30分前に、強制食餌により投与した。ここで採用されたLPS−誘発性炎症は、実施例1で説明されたものと同様のモデルであった。油留分1は、70%の配合されたEPA−EEおよびDHA−EEを含有する中間体長鎖ω−3PUFA−エチルエステル濃縮物の産業規模のSFC分別の最初に溶出する留分であり、実施例1〜3で試験されたものと同様の留分である。この油留分1は、図1〜3に示す留分1に対応し、エチルエステル形態でのDシリーズレゾルビン前駆物質17S−HDHAの強化された濃度を含むことが以前に認められた。皮下のフィブリン塊を、炎症反応中の異なる時点(3、6、24および48時間)で分離し、24時間、4℃で4%ホルムアルデヒドにより固定した。4μm厚のパラフィン片をのせた顕微鏡用スライドガラスを組織脱水後に準備し、改変されたライトギムザ色素で染色した。炎症細胞を、倍率×400の顕微鏡により、1病態あたり少なくとも3組織片の2箇所の接眼レンズの完全視野(full ocular field)で計数した。値は、1時点あたり3個体マウスの、接眼レンズ視野あたりの平均の総炎症細胞数(平均値±S.D.)である。対照マウスでの炎症性細胞浸潤は、LPS投与後24時間で最大に達し、その後、炎症は、48時間少し前に自然に収束した。強制食餌により油留分1を投与されたマウスでは、LPSにより誘導された皮下炎症は、ほぼ完全に収束する(図7)。SPM−前駆物質で強化された油留分については、炎症反応の初期の好中球炎症誘発期で著しい抗炎症作用を有することが既に示されたが(図1、パネルA)、このSPM−前駆物質で強化された油留分は、ここにおいて、経口投与直後の顕著な収束刺激(炎症収束)活性もまた有することが示された。

0109

本発明を、詳細な説明と共に記載してきたが、上述の記載が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明を説明することを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを、理解すべきである。他の態様、利点、および変更が、以下の特許請求の範囲内に存在する。

0110

参考文献

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