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技術 リンクにおける未来の移動時間を予測する方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 ニコヴスキ、ダニエル
出願日 2013年10月10日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2015-503605
公開日 2015年8月3日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-522186
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム
主要キーワード 予測時間間隔 回帰率 移動フロー 輸送網 予測偏差 輸送問題 自動回帰 データ測定値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年8月3日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

リンクに沿った未来移動時間は、トレーニング段階及び予測段階を用いて予測される。トレーニング中トレーニング流入量の季節区間、季節成分が学習される。季節成分はトレーニング流入量から減算され、トレーニング流入量からのトレーニング偏差が取得されて統計が得られ、これは季節成分とともにリンクにおける交通フローモデルを形成する。予測中、リンクにおける現在の移動時間が現在の季節区間について収集され、現在の流入量が求められる。最も近時の移動時間が最も近時の流入量から減算され、現在の偏差が取得される。未来の時点について、予測される偏差が統計を用いて推定される。予測される偏差に季節成分が加算され、予測流入量が取得され、そこから未来の移動時間が予測される。

概要

背景

カーナビゲーション、車両隊管理、配送及び他の物流輸送業務スケジューリング等の多くの輸送問題は、輸送網における全てのリンク、例えば道路に関する正確な移動時間推定値入手可能性に依拠する。交通が自由に流れる状況が推定される場合、任意のリンクについて、移動時間を、リンクの長さと車両の速度との比として容易に推定することができる。

しかしながら、多くのエリアにおいて、特にピーク時間帯又はラッシュ時間帯の間、混雑に起因して交通が自由に流れる状況は多くの場合に観測されない。結果として、自由に流れる状況の下での移動時間推定を用いるルートガイドステムは、車両を絶えず交通渋滞へと誘導することになり、交通状況を更に悪化させる。

日本の道路交通情報通信システム(VICS)(登録商標)及び欧州の無線データシステム(RDS)交通メッセージチャネル(TMC)等の、より近時の車両ルーティングシステムは、リンクにおける最も近時の移動時間をそのリンクにおける未来の移動時間の推定値として用いる。

しかしながら、動的輸送網において、移動時間は、特にピーク時間帯の開始時に迅速に変化する。したがって、特に、目的地に向けて車両が最後に走行することになるリンク、場合によってはルートが計画され、その走行(traverse)が開始された数時間後に走行することになるリンクについて、推定値がすぐに古く的外れなものとなる。そのような推定値は、自由に流れる状況の下での推定値よりも正確ではあるが、結果として、特にピーク時間帯の間に生じる長いルートの場合に、依然として最適から程遠いルート選択となる。

そのようなルートの例は通勤者による及び夕方の通勤を含む。通勤者はルートガイドシステムの最も重要なユーザーのうちの一部であり、交通渋滞を可能な限り回避しながら職場へ行き来する最良のルートを見つけることに大きく頼っている。

この種のルートガイドの場合、ルーティングシステムは、近い未来から数時間後までの全時点における移動時間を予測することができる方法から利益を受ける。この問題は、短期移動時間予測として知られる。

2つの基本的な方法が知られている。第1の方法は物理的なシミュレーションの観点からのものであり、物理的に現実に即したシミュレーターを用いて輸送網全体又はその個々のリンクがシミュレートされ、シミュレーションの副生成物として移動時間が得られる。その方法は非常に正確であり得るが、シミュレーションモデルを正確に較正しなくてはならず、網を出入りする交通フロー等の入力条件も供給しなくてはならないので、ほとんど実現可能でない。実際には、較正は困難で労力を要する過程であり、未来の交通フロー及び動作条件は通例未知である。

第2の方法は、完全にデータ駆動型機械学習手法であり、履歴移動時間データが保持され、予測モデルがデータに当てはめられ、現在及び過去の移動時間に対する未来の移動時間の依存関係モデル化される。

線形回帰ニューラルネットワーク状態空間モデル等の様々な回帰技法も用いられており、妥当な精度で数時間後までの未来の移動時間を予測するのに大きく成功している。

データ駆動手法は、VICS(登録商標)及びRDS−TMC等の現行の移動時間測定システムによって既に収集されているデータを用いるので、非常に実用的であり得る。しかしながら、従来技術による純粋にデータ駆動型の予測方法は、移動時間の重要な物理的特性、中でも注目すべきは先入れ先出し(FIFO)特性に容易に違反する可能性がある。この特性は、道路リンク待ち行列を作るという性質の結果として生じる。別の車両よりも後にリンクに入る車両は、その別の車両の後にリンクから出る可能性が高い。この特性は、リンクが一度に1つの車両のみを受け入れ追い越し許可されない場合に厳密に真となる。これはまた、ピーク時間帯の間、後の車両が渋滞した交通を通り抜けて前進することが困難である多車線道路の場合にも真となり得る。このため、一般的なリンクの場合、これは移動時間の期待値の観点から真である。

τ(t1)が時点t1にリンクに入る車両の予測される移動時間であり、τ(t2)が時点t2にリンクに入る車両の予測される移動時間であり、t2>t1である場合、τ(t1)はτ(t2)に対して任意の関係、例えばτ(t2)未満であるか、τ(t2)に等しいか、又はτ(t2)よりも大きい、を有することができるにもかかわらず、FIFO特性は、t2+τ(t2)≧t1+τ(t1)として表すことができる。τ(t1)及びτ(t2)は通例、データ駆動型の予測方法によって互いに完全に独立して予測されるので、通常、これらの予測間のFIFO特性を強制するものはない。

FIFO特性に違反することは、物理的に非現実的であり、場合によっては不正確な予測を生成することに加えて、もう1つの非常にマイナスの結果を生み、すなわち、最適ルーティング問題を解決困難にする。FIFO特性が動的輸送網において成り立つ場合、最適なルートを見つけることが多項式時間において可能である。FIFO特性が成り立たない場合、多項式解は存在しない。この理由により、予測される移動時間がFIFO特性を満たすような移動時間予測方法を見つけることが重要な実際上の問題である。

概要

リンクに沿った未来の移動時間は、トレーニング段階及び予測段階を用いて予測される。トレーニング中トレーニング流入量の季節区間、季節成分が学習される。季節成分はトレーニング流入量から減算され、トレーニング流入量からのトレーニング偏差が取得されて統計が得られ、これは季節成分とともにリンクにおける交通フローのモデルを形成する。予測中、リンクにおける現在の移動時間が現在の季節区間について収集され、現在の流入量が求められる。最も近時の移動時間が最も近時の流入量から減算され、現在の偏差が取得される。未来の時点について、予測される偏差が統計を用いて推定される。予測される偏差に季節成分が加算され、予測流入量が取得され、そこから未来の移動時間が予測される。

目的

本発明の実施形態は、リンクにおける車両の未来の移動時間を予測する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

リンクにおける未来移動時間予測する方法であって、該方法は、トレーニング段階であって、トレーニング季節区間について前記リンクにおけるトレーニング移動時間を収集するステップと、前記トレーニング移動時間からトレーニング流入量を求めるステップと、前記トレーニング流入量の季節成分を推定するステップと、前記トレーニング流入量から前記季節成分を減算するステップであって、前記トレーニング流入量からのトレーニング偏差を得る、ステップと、前記トレーニング偏差から統計を求めるステップであって、前記季節成分及び前記統計は前記リンクにおける交通フローモデルを形成する、ステップと、を含む、トレーニング段階と、予測段階であって、現在の季節区間について前記リンクにおける現在の移動時間を収集するステップと、前記現在の移動時間から現在の流入量を求めるステップと、最も近時の移動時間について、最も近時の流入量から減算するステップであって、現在の偏差を得る、ステップと、未来の時点について、前記統計を用いて予測偏差を推定するステップと、前記季節成分を前記予測偏差に加算するステップであって、予測流入量を得る、ステップと、前記予測流入量から前記未来の移動時間を求めるステップと、を含む、予測段階と、を含む、リンクにおける未来の移動時間を予測する方法。

請求項2

前記予測するステップは、前記リンクにおける前記移動時間と前記流入量との間の固定の非線形関係によって制約される季節自己回帰確率過程を用いる、請求項1に記載の方法。

請求項3

時点tにおける特定の移動時間τ(t)と特定の流入量u(t)の総計推定値との依存関係は、であり、ここで、v(t+τ(t))は、時点t+τ(t)における流出率であり、βは一定の重みである、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記流入率は、であり、ここで、τ’は移動時間τの一次導関数を示す、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記依存関係は線形である、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記流入量u(t)は次数1の季節自己回帰過程から生じる、請求項3に記載の方法。

請求項7

前記流入量u(t)は前記季節成分s(t)及び前記偏差r(t)に分解され、前記偏差は次数1の自己回帰過程となっている、請求項3に記載の方法。

請求項8

前記自己回帰過程はゼロ平均である、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記移動時間は、任意の持続時間の不規則な間隔において観測され、自己回帰パラメーターは平均回帰率であり、2つの連続ランダム偏差の自然対数間の差と、対応する移動時間が観測された時点間の差との平均比として求められる、請求項2に記載の方法。

請求項10

移動フローの総計の推定値と前記移動時間との間の依存関係は線形である、請求項5に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、移動時間予測することに関し、より詳細には、移動時間の季節変動収集された履歴データに基づいて車両の移動時間を予測することに関する。

背景技術

0002

カーナビゲーション、車両隊管理、配送及び他の物流輸送業務スケジューリング等の多くの輸送問題は、輸送網における全てのリンク、例えば道路に関する正確な移動時間推定値入手可能性に依拠する。交通が自由に流れる状況が推定される場合、任意のリンクについて、移動時間を、リンクの長さと車両の速度との比として容易に推定することができる。

0003

しかしながら、多くのエリアにおいて、特にピーク時間帯又はラッシュ時間帯の間、混雑に起因して交通が自由に流れる状況は多くの場合に観測されない。結果として、自由に流れる状況の下での移動時間推定を用いるルートガイドステムは、車両を絶えず交通渋滞へと誘導することになり、交通状況を更に悪化させる。

0004

日本の道路交通情報通信システム(VICS)(登録商標)及び欧州の無線データシステム(RDS)交通メッセージチャネル(TMC)等の、より近時の車両ルーティングシステムは、リンクにおける最も近時の移動時間をそのリンクにおける未来の移動時間の推定値として用いる。

0005

しかしながら、動的輸送網において、移動時間は、特にピーク時間帯の開始時に迅速に変化する。したがって、特に、目的地に向けて車両が最後に走行することになるリンク、場合によってはルートが計画され、その走行(traverse)が開始された数時間後に走行することになるリンクについて、推定値がすぐに古く的外れなものとなる。そのような推定値は、自由に流れる状況の下での推定値よりも正確ではあるが、結果として、特にピーク時間帯の間に生じる長いルートの場合に、依然として最適から程遠いルート選択となる。

0006

そのようなルートの例は通勤者による及び夕方の通勤を含む。通勤者はルートガイドシステムの最も重要なユーザーのうちの一部であり、交通渋滞を可能な限り回避しながら職場へ行き来する最良のルートを見つけることに大きく頼っている。

0007

この種のルートガイドの場合、ルーティングシステムは、近い未来から数時間後までの全時点における移動時間を予測することができる方法から利益を受ける。この問題は、短期移動時間予測として知られる。

0008

2つの基本的な方法が知られている。第1の方法は物理的なシミュレーションの観点からのものであり、物理的に現実に即したシミュレーターを用いて輸送網全体又はその個々のリンクがシミュレートされ、シミュレーションの副生成物として移動時間が得られる。その方法は非常に正確であり得るが、シミュレーションモデルを正確に較正しなくてはならず、網を出入りする交通フロー等の入力条件も供給しなくてはならないので、ほとんど実現可能でない。実際には、較正は困難で労力を要する過程であり、未来の交通フロー及び動作条件は通例未知である。

0009

第2の方法は、完全にデータ駆動型機械学習手法であり、履歴移動時間データが保持され、予測モデルがデータに当てはめられ、現在及び過去の移動時間に対する未来の移動時間の依存関係モデル化される。

0010

線形回帰ニューラルネットワーク状態空間モデル等の様々な回帰技法も用いられており、妥当な精度で数時間後までの未来の移動時間を予測するのに大きく成功している。

0011

データ駆動手法は、VICS(登録商標)及びRDS−TMC等の現行の移動時間測定システムによって既に収集されているデータを用いるので、非常に実用的であり得る。しかしながら、従来技術による純粋にデータ駆動型の予測方法は、移動時間の重要な物理的特性、中でも注目すべきは先入れ先出し(FIFO)特性に容易に違反する可能性がある。この特性は、道路リンク待ち行列を作るという性質の結果として生じる。別の車両よりも後にリンクに入る車両は、その別の車両の後にリンクから出る可能性が高い。この特性は、リンクが一度に1つの車両のみを受け入れ追い越し許可されない場合に厳密に真となる。これはまた、ピーク時間帯の間、後の車両が渋滞した交通を通り抜けて前進することが困難である多車線道路の場合にも真となり得る。このため、一般的なリンクの場合、これは移動時間の期待値の観点から真である。

0012

τ(t1)が時点t1にリンクに入る車両の予測される移動時間であり、τ(t2)が時点t2にリンクに入る車両の予測される移動時間であり、t2>t1である場合、τ(t1)はτ(t2)に対して任意の関係、例えばτ(t2)未満であるか、τ(t2)に等しいか、又はτ(t2)よりも大きい、を有することができるにもかかわらず、FIFO特性は、t2+τ(t2)≧t1+τ(t1)として表すことができる。τ(t1)及びτ(t2)は通例、データ駆動型の予測方法によって互いに完全に独立して予測されるので、通常、これらの予測間のFIFO特性を強制するものはない。

0013

FIFO特性に違反することは、物理的に非現実的であり、場合によっては不正確な予測を生成することに加えて、もう1つの非常にマイナスの結果を生み、すなわち、最適ルーティング問題を解決困難にする。FIFO特性が動的輸送網において成り立つ場合、最適なルートを見つけることが多項式時間において可能である。FIFO特性が成り立たない場合、多項式解は存在しない。この理由により、予測される移動時間がFIFO特性を満たすような移動時間予測方法を見つけることが重要な実際上の問題である。

0014

リンクに沿った未来の移動時間は、トレーニング段階及び予測段階を用いて予測される。

0015

トレーニング中トレーニング流入量(inflows)の季節特徴、季節成分が学習される。季節成分はトレーニング流入量から減算され、トレーニング流入量からのトレーニング偏差が取得されて統計が得られ、これは季節成分とともにリンクにおける交通フローのモデルを形成する。

0016

予測中、リンクにおける現在の移動時間が現在の季節区間について収集され、現在の流入量が求められる。最も近時の移動時間が最も近時の流入量から減算され、現在の偏差が取得される。未来の時点について、予測される偏差が統計を用いて推定される。予測される偏差に季節成分が加算され、予測流入量が取得され、そこから未来の移動時間が予測される。

図面の簡単な説明

0017

季節モデルに基づいて移動時間を予測する方法のトレーニング段階の流れ図である。
季節モデルに基づいて移動時間を予測する方法の予測段階の流れ図である。

実施例

0018

移動時間のための季節自己回帰全体リンクモデル
本発明の実施形態は、リンクにおける車両の未来の移動時間を予測する方法を提供する。予測は季節自己回帰確率過程を用い、これはリンクにおける移動時間と(重み付けされた)交通流入量との間の固定の非線形関係によって制約される。

0019

季節モデルの統計は、履歴トレーニングデータから推定される。リアルタイム中、リンクの流入量及び流出量が現在のデータ測定値から推測される。リンクの流入量及び流出量が実際のデータ測定値から推測され、移動時間がモデルに従って現在のデータから予測される。

0020

収集されるトレーニングデータは、ti+1≧tiであるような一連時間間隔{t0,t1,...,tN}中の移動時間τ(ti)のみである。データは、ti=iΔtであるような持続時間Δtの規則的な時間間隔tの間に収集することができる。サンプリング間隔は一定、例えばδi=Δtとすることができる。

0021

しかしながら、間隔は時間において等しく離間している必要はなく、データは例えば、道路リンクを走行する特定の車両について実際の時間を報告する「プローブ」車によって、又は多くのセンサー、例えば道路表面上の誘導ループからのデータを集計する交通測定システムによって収集することができる。センサーは移動時間の周期的な推定値を収集する。

0022

時点tにおける移動時間τ(t)とリンクにおける流入量の総計の重み付けされた推定値w(t)との間の依存関係τ(t)=f(w(t))が以下の式により推定される。

0023

0024

ここで、u(t)は時点tにおけるリンクの流入率(inflow rate)であり、v(t+τ(t))は時点t+τ(t)におけるリンクの流出率(outflow rate)であり、βは一定の重みである。

0025

FIFO特性が成り立つとき、流出率v(t+τ(t))は以下となる。

0026

0027

ここで、τ’は移動時間τの一次導関数を示す。

0028

依存関係τ(t)=f(w(t))は、任意の数の形態をとることができる。線形依存関係は、適切な線形係数a及びbについてf(w(t))=aw(t)+bとして表すことができる。より現実的な形態は、米国道路局(BPR)の性能リンク関数である。

0029

0030

ここで、τfは、混雑がなく、車両が速度制限に等しい速度で移動している、自由に流れる状況の下での移動時間であり、cはリンク容量であり、α及びγは、適切に選択された重みパラメーター、例えばα=0.15及びγ=4である。

0031

全ての場合に、関数f(・)は単調増加し、すなわち、交通フローが増えると移動時間が長くなる。この仮定の下で、その逆関数f−1(・)が常に存在する。

0032

さらに、流入量u(t)は、季節自己回帰(SAR(1))過程としても知られる、次数1の季節自己回帰過程として知られる特定の確率過程から生じると仮定される。この仮定の下で、任意の時点tにおける流入量u(t)は、季節成分s(t)と、ランダム成分r(t)とに分解することができ、ランダム成分は次数1の自己回帰過程(AR(1))となっている。

0033

0034

一般性を損なうことなく、季節成分s(t)を明示的に含むことに起因して、AR(1)過程はゼロ平均である。ゼロ平均AR(1)過程が、ti=iΔtであるような持続時間Δtの規則的な間隔においてサンプリングされるとき、ゼロ平均は以下となる。

0035

0036

ここで、ε(t)はゼロ平均及び分散σ2(t)のガウス白色雑音過程であり、ρは、



の現在の値を先行する値ri−1に関係付け自己回帰係数である。

0037

AR(1)過程が定期的な間隔でサンプリングされるのではなく、交通予測の場合のように任意の時点t0,t1,...,tNにおいてサンプリングされるとき、ランダム成分r(t)はオルンシュタイン−ウーレンベック確率過程から得られる。下記において、ランダム成分は「偏差」と呼ばれる。ランダム成分は、季節成分を元の時系列から減算した後の「残差」と呼ぶこともできる。偏差の導出及び意味は以下のステップT4−140を参照して説明される。

0038

ジョージウーレンベック過程は、摩擦の影響下での質量を有するブラウン粒子の速度を理論的記述する。この過程は定常ガウスマルコフ過程であり、AR(1)過程の連続時間版である。

0039

0040

ここで、δi=ti−ti−1,i=1,...,Nであり、λはオルンシュタイン−ウーレンベック確率過程の平均回帰率である。明らかに、λ及びρは、ρ=eλΔtとして関係している。

0041

移動時間の短時間予測手順
図1は、移動時間を予測し、季節モデル160を構築する方法のトレーニング段階を示し、図2は、モデルを用いる予測段階を示している。

0042

モデルに基づいて、以下の方法を、収集されたデータに基づく移動時間の短時間予測に用いることができる。本方法は、トレーニングデータを収集してモデルを推定するトレーニング段階100と、予測段階200とを有し、予測段階では移動時間予測のためにモデルが用いられる。

0043

トレーニング(T)
トレーニング段階は以下の一般的なステップを有する。
T1−110:ti+1≧tiであるような時間間隔{t0,t1,..,tN}中にトレーニング移動時間のデータの時系列{τ(t0),τ(t1),...,τ(tN)}111を収集する。
T2−120:トレーニング移動時間{τ(ti)}から一連の予測される推定流入量{u(ti)}121を求める(120)。
T3−130:推定流入量から任意の時間間隔tの間の季節成分s(t)131を推定し(130)、季節成分をメモリに記憶する。
T4−140:季節成分s(ti)を推定流入量{u(ti)}から減算して(140)、推定流入量からの偏差{r(ti)}141を得る。すなわちr(ti)=u(ti)−s(ti)である。
T5−150:偏差{r(ti)}から予測統計151を求め、この統計をメモリに記憶する。統計は自動回帰係数ρ又は平均回帰率λとすることができる。統計は本質的にモデル160を特徴付ける。

0044

予測(P)
予測段階はリアルタイムで実行され、以下のステップを含む。
P1−210:ti+1≧tiであり、tNが最も近時の現時点であるような当日の一連の現在の時間間隔{t0,t1,..,tN}中に現在の移動時間{τ(t0),τ(t1),...,τ(tN)}211を収集する。
P2−220:現在の移動時間{τ(ti)}から一連の推定流入量{u(ti)}221を求める(220)。
P3−230:最も近時の移動時間tNについて、その時点における推定流入量u(tN)から季節成分s(tN)を減算して、予測流入量からの現在の偏差r(tN)231を得る。すなわち、r(tN)=u(tN)−s(tN)である。
P4−240:未来の時点t>tNについて、その未来の時点における季節流入量からの予測偏差r(t)241を、予測時間間隔t−tNが一定期間Δtのちょうど倍数k=(t−tN)/Δtである場合、



として、そうでない場合、



として推定する。
P5−250:季節成分s(t)を予測偏差



に加算して、時点tにおける予測流入量



251を得る。すなわち、



である。
P6−260:予測流入量



から最終的な移動時間予測



を求める。

0045

トレーニング段階及び予測段階のステップは、当該技術分野において既知のメモリ及び入力/出力インターフェースに接続されたプロセッサにおいて実行することができる。ここで、これらのステップのうちの幾つかを更に詳細に説明する。

0046

ステップT2及びP2:観測される移動時間からの流入量の推定
これらのステップは、トレーニング段階及び予測段階について同一である。目的は、結果として移動時間{τ(ti)}が得られた流入量{u(ti)}を推定することである。式2における移動時間の一次導関数τ’(t)の後方有限差分近似は、



であり、これは式1及び式2を結合して、



にすることができる。

0047

前提とする依存関係τ(t)=f(w(t))を反転することによって、t0を除く時間間隔tiごとに以下の式を解き、系列{u(ti)},i=1,2,...,Nを得ることができる。

0048

0049

実際に、ステップP2について、最も近時の交通流入量u(tN)しか求めなくてよい。最も近時の流入量は、2つの最も近時の移動時間τ(tN)及びτ(tN−1)から求めることができる。

0050

ステップT3:交通流入量の季節成分を推定
時系列データの季節成分の時間間隔が知られているとき、その季節成分を推定する多くの可能な方法が存在する。交通フローに関して、主な季節成分は、時間ごと、日ごと、週ごと、月ごと、及び年ごとのサイクルにすることができる。日ごとのサイクルは朝のピーク及び午後のピークを有する。

0051

季節成分をモデル化するには、移動時間τ(ti)が収集された時点tiに対応する、Tiが[0,24]時間の範囲内にあるような時間Tiを求めれば十分である。時間Tのリンク流入量の季節成分S(T)が必要な場合、メモリに記憶されているk個の最も近い時間Tiを見つけることができ、それらの対応する推定流入量u(Ti)の平均を季節成分s(T)の推定値として用いることができる。

0052

他の季節サイクルのモデル化も同様に行うことができる。週ごとのサイクルは、週の同じ曜日のk個の最も近い時間Tiの推定値を用いることによってモデル化することができる。1つの季節成分は平日用に用いることができ、別の成分は週末用に用いることができる。年ごとのサイクル中の祝祭日も、交通状況に影響する可能性がある既知の特殊なイベントと同様に統合することができる。

0053

交通混雑に対する気象効果を有する年ごとのサイクル等の更に長い季節サイクルであっても、長年にわたる移動時間データが収集されている場合、モデル化することができる。

0054

ステップT5:自己回帰係数ρ又は平均回帰率λを求める
データが、ti=iΔtであるような持続時間Δtの規則的な時間間隔の間に収集されるとき、統計を自己回帰係数ρとして推定すれば十分である。式4から、2つの連続した偏差r(t)の平均比を以下のように推定することができる。

0055

0056

データが規則的な時間間隔の間に収集されるのではなく、時点tiにおける任意の時間間隔の間に収集されるとき、統計は以下のように推定される平均回帰率λとすることができる。

0057

0058

ステップP6:予測されるリンク流入量から予測移動時間を取得
このステップも式7を用いることができるが、逆方向に用いる。未来の時点t>tN、予測流入量



、時点tNにおいて最も近時に測定された移動時間τ(tN)、並びに固定パラメーターβ及び関数f(・)を所与とすると、予測される移動時間



は式の両辺に未知のパラメーターを有する以下の式を解くことによって求めることができる。

0059

0060

関数f(・)が非線形であるとき、式7は非線形の方程式であり、数値求根方法を用いることができる。

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