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技術 イオンガイド装置及びイオンガイド方法

出願人 株式会社島津製作所
発明者 張小強孫文剣
出願日 2013年5月28日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2015-517583
公開日 2015年7月30日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2015-521784
状態 特許登録済
技術分野 計測用電子管 その他の電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード ガイド軸線 縮径構造 軸方向場 小孔付き 螺旋線 各環状電極 変更構造 環状アセンブリ
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

本発明はイオンガイド装置及びイオンガイド方法を提供する。本発明のイオンガイド装置は、同一中心軸線に沿って一列に並んで分布し、それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成される複数の環状電極アセンブリと、位相反転した高周波電圧中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つ直流電位各環状電極アセンブリの分割電極に提供する電源装置と、を含み、前記直流電位は、イオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向されるように分布する。このようなイオンガイド装置及び方法は比較的高い気圧下でのイオン移送及び集束を実現でき、特にイオンの軸外し移送を実現することにより中性成分によるノイズを低下できる。

概要

背景

質量分析計において、高圧イオン源領域(1〜105Pa)から低圧イオン分析装置領域(<1Pa)にかけて、必要な真空コネクタ以外に、イオン低損失移送を実現するために、一般的にイオンガイド装置を必要としている。イオンガイド装置は一連高周波電圧印加する電極からなるのが一般的である。高周波電圧により装置の中心軸周辺においてイオンを捕捉する効果的なポテンシャル障壁を形成し、イオンを集中させる。同時に差動排気による気流流動作用、又は軸に沿って付加された直流電界の作用下で、集中したイオンは所定方向に沿って後段真空空間へ移動して、その後質量分析装置により分析される。早期の高周波ガイド装置、例えばD.J.Douglasにより発明された多重極ガイドバーシリーズ(特許文献1)、及びJ.Franzenにより提案された表面反射型の多重極場ガイド装置(特許文献2)は、0.1torr下でイオンを集束でき、その後、N.InatsuguとH.Wakiにより発明されたQ−アレイガイド装置、及びBateman等により提案された(特許文献3)進行波ガイド装置等は、5torr以下の圧力下でイオンを効率よくガイド及び集束することができる。更に高い気圧下でイオンを集束させるために、R.D.Smithによりイオン漏斗装置(特許文献4)が提案されて、30torr程度の圧力下でイオンを有効に移送及び集束することができ、装置感度を大幅に向上させた。

しかしながら、イオン漏斗を質量分析計に用いる場合、その前段大気圧に連結された毛細管構造又は小孔付きサンプリングコーン構造であり、後段がイオン漏斗の内部より低気圧であるキャビティであることが一般的であり、その漏斗状構造のため、漏斗の軸線全体に強い気流が存在し、漏斗の入り口付近金属バッフル板(jet−disrupter)を増設して気流を小さくさせても、出口付近に大きい気流が存在する。その気流は真空ポンプの負担を増大するだけでなく、且つこれらの中性気体分子は最後のイオン検出ノイズを発生させ、特に、エレクトロスプレーイオン源と組み合わせる場合、気流はまだ完全に脱溶媒していない帯電液滴連れて後段の真空空間に入り、それにより、より多くのノイズを発生させ、装置感度に悪影響を及ぼしてしまう。換言すれば、イオン漏斗におけるイオンの移送方向と中性成分気体中性分子又は帯電液滴、帯電液滴の質量電荷比が高過ぎるため、近似的に中性であると考えられる)の移送方向は同軸であるので、ノイズ干渉を引き起こし、また、吸引速度がより速く、より高価である真空ポンプが求められる。イオン漏斗には更に1つの問題があり、即ち、その縮径構造のため、環状電極半径が極めて小さい場合、それに印加する高周波電圧は著しい軸方向場を発生させ、イオンが排出されず、その領域に閉じ込まれるため、移送効率を低下させていた。そのため、現在のイオン漏斗は最後段の直径が一般的に1.5mmより小さいことはなく、真空システムに対しても大きい負担をもたらす。

K.Gilesにより特許文献5において軸外移送装置が設計されている。該装置はイオン漏斗に類似した大円筒状電極アレイと小円筒状電極アレイをカップリングしてなり、二つのアレイ間に一定のポテンシャル障壁があり、イオンは大円筒状電極アレイの一側から入り、次に直流電界の推進下でアレイ間におけるポテンシャル障壁を克服して、小円筒状電極アレイに入って移送して且つ排出され、それに対して中性分子は大円筒状電極アレイの軸線に沿って抜き出され、それによりイオンの軸外し移送が実現される。その装置には二つの欠点が存在し、その一つは有効な集束ができないことである。イオンビームの最終集束半径は小円筒状電極アレイの半径により決められるが、小円筒状電極の半径が小さすぎると、大円筒状電極に接する縁部における高周波バリアポテンシャ障壁が強くなり、イオンが入りにくくなる。もう一つは、装置の構造が複雑であるので、製造しにくいことである。

概要

本発明はイオンガイド装置及びイオンガイド方法を提供する。本発明のイオンガイド装置は、同一中心軸線に沿って一列に並んで分布し、それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成される複数の環状電極アセンブリと、位相反転した高周波電圧を中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つ直流電位各環状電極アセンブリの分割電極に提供する電源装置と、を含み、前記直流電位は、イオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向されるように分布する。このようなイオンガイド装置及び方法は比較的高い気圧下でのイオン移送及び集束を実現でき、特にイオンの軸外し移送を実現することにより中性成分によるノイズを低下できる。

目的

本発明はイオンガイド装置及び方法を設計することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

イオンガイド装置であって、同一中心軸線に沿って一列に並んで分布し、それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成される複数の環状電極アセンブリと、位相反転した高周波電圧を前記中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つ直流電位各環状電極アセンブリの分割電極に提供する電源装置と、を含み、前記直流電位が、イオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向するように分布することを特徴とするイオンガイド装置。

請求項2

前記電源装置は前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリの各環状電極アセンブリの隣接する分割電極、又は前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリの前記中心軸線に沿って隣接する分割電極に、振幅周波数及びデューティ比の三つのパラメータのうちの少なくとも一つが異なる高周波電圧を印加することにより、イオンが前記中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向され、且つ前記電源装置は前記各環状電極アセンブリの分割電極に同じ直流電位を印加することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項3

前記中心軸線に沿って隣接する環状電極アセンブリにおける分割電極に進行波形式の直流電位を重畳することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項4

位相が反転した高周波電圧を前記各環状電極アセンブリの隣接する分割電極に提供することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項5

前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリの複数の分割電極の長さの割合が前記中心軸線に沿って変化することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項6

前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリの径方向の寸法が前記中心軸線に沿って順に減少又は増大していることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項7

前記複数の環状電極アセンブリの各環状電極アセンブリを構成する分割電極間間隙を接続してなる分割線非直線であることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項8

前記中心軸線が非直線であることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項9

前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリが2つの分割電極からなることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項10

前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリの形状が円環であることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項11

前記複数の環状電極アセンブリの少なくとも一部の環状電極アセンブリは多角形電極アセンブリにより代わることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項12

前記イオンガイド装置が、集束したイオンを後段真空に導入するように前記中心軸線に平行する方向にイオンを排出する装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項13

前記イオンガイド装置が、集束して且つ偏向したイオンを後段の真空に導入するように前記複数の環状電極アセンブリの径方向にイオンを排出する装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項14

前記イオンガイド装置がさらに、中性気体成分を前記中心軸線に平行する方向に沿って抜き出すような排気装置を有することを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項15

前記イオンガイド装置がタンデム質量分析計における衝突室であることを特徴とする請求項1に記載のイオンガイド装置。

請求項16

前記イオンガイド装置がイオン移動度分析計におけるドリフト管であることを特徴とする請求項1、3に記載のイオンガイド装置。

請求項17

それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成され、中心軸線が重なる複数の環状電極アセンブリを設置する、環状電極アセンブリを設置するステップと、位相が反転した高周波電圧を前記中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つイオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向されるように分布する直流電位を前記各環状電極アセンブリの分割電極に提供する、電圧を提供するステップと、イオンを前記中心軸線に平行する軸方向の一端側からイオンガイド装置に導入し、前記イオンを前記イオンガイド装置においてガイド、偏向又は集束した後に前記中心軸線に平行する軸方向の他端側から排出する、イオンの導入及び排出ステップと、を含むことを特徴とするイオンガイド方法。

請求項18

前記イオンを前記中心軸線に平行する軸方向の一端側から前記イオンガイド装置に導入し、前記イオンを前記イオンガイド装置においてガイド、偏向又は集束した後に導入側と同一の側から排出することを特徴とする請求項17に記載のイオンガイド方法。

請求項19

前記イオンを前記中心軸線に直交する方向に沿って前記イオンガイド装置に導入し、前記イオンを前記イオンガイド装置においてガイド、偏向又は集束した後に前記中心軸線に平行する方向に沿う任意の一側から排出することを特徴とする請求項17に記載のイオンガイド方法。

請求項20

前記イオンを前記中心軸線に平行する方向に沿う任意の一側から前記イオンガイド装置に導入し、前記イオンを前記イオンガイド装置においてガイド、偏向又は集束した後に前記中心軸線に直交する方向に沿って排出することを特徴とする請求項17に記載のイオンガイド方法。

技術分野

0001

本発明はイオンガイド装置、特に高気圧(又は低真空度)下でイオン軸外移送集束されて後段に入って質量分析されるようにイオンをガイドする装置に関する。

背景技術

0002

質量分析計において、高圧イオン源領域(1〜105Pa)から低圧イオン分析装置領域(<1Pa)にかけて、必要な真空コネクタ以外に、イオンの低損失移送を実現するために、一般的にイオンガイド装置を必要としている。イオンガイド装置は一連高周波電圧印加する電極からなるのが一般的である。高周波電圧により装置の中心軸周辺においてイオンを捕捉する効果的なポテンシャル障壁を形成し、イオンを集中させる。同時に差動排気による気流流動作用、又は軸に沿って付加された直流電界の作用下で、集中したイオンは所定方向に沿って後段の真空空間へ移動して、その後質量分析装置により分析される。早期の高周波ガイド装置、例えばD.J.Douglasにより発明された多重極ガイドバーシリーズ(特許文献1)、及びJ.Franzenにより提案された表面反射型の多重極場ガイド装置(特許文献2)は、0.1torr下でイオンを集束でき、その後、N.InatsuguとH.Wakiにより発明されたQ−アレイガイド装置、及びBateman等により提案された(特許文献3)進行波ガイド装置等は、5torr以下の圧力下でイオンを効率よくガイド及び集束することができる。更に高い気圧下でイオンを集束させるために、R.D.Smithによりイオン漏斗装置(特許文献4)が提案されて、30torr程度の圧力下でイオンを有効に移送及び集束することができ、装置感度を大幅に向上させた。

0003

しかしながら、イオン漏斗を質量分析計に用いる場合、その前段大気圧に連結された毛細管構造又は小孔付きサンプリングコーン構造であり、後段がイオン漏斗の内部より低気圧であるキャビティであることが一般的であり、その漏斗状構造のため、漏斗の軸線全体に強い気流が存在し、漏斗の入り口付近金属バッフル板(jet−disrupter)を増設して気流を小さくさせても、出口付近に大きい気流が存在する。その気流は真空ポンプの負担を増大するだけでなく、且つこれらの中性気体分子は最後のイオン検出ノイズを発生させ、特に、エレクトロスプレーイオン源と組み合わせる場合、気流はまだ完全に脱溶媒していない帯電液滴連れて後段の真空空間に入り、それにより、より多くのノイズを発生させ、装置感度に悪影響を及ぼしてしまう。換言すれば、イオン漏斗におけるイオンの移送方向と中性成分気体中性分子又は帯電液滴、帯電液滴の質量電荷比が高過ぎるため、近似的に中性であると考えられる)の移送方向は同軸であるので、ノイズ干渉を引き起こし、また、吸引速度がより速く、より高価である真空ポンプが求められる。イオン漏斗には更に1つの問題があり、即ち、その縮径構造のため、環状電極半径が極めて小さい場合、それに印加する高周波電圧は著しい軸方向場を発生させ、イオンが排出されず、その領域に閉じ込まれるため、移送効率を低下させていた。そのため、現在のイオン漏斗は最後段の直径が一般的に1.5mmより小さいことはなく、真空システムに対しても大きい負担をもたらす。

0004

K.Gilesにより特許文献5において軸外し移送装置が設計されている。該装置はイオン漏斗に類似した大円筒状電極アレイと小円筒状電極アレイをカップリングしてなり、二つのアレイ間に一定のポテンシャル障壁があり、イオンは大円筒状電極アレイの一側から入り、次に直流電界の推進下でアレイ間におけるポテンシャル障壁を克服して、小円筒状電極アレイに入って移送して且つ排出され、それに対して中性分子は大円筒状電極アレイの軸線に沿って抜き出され、それによりイオンの軸外し移送が実現される。その装置には二つの欠点が存在し、その一つは有効な集束ができないことである。イオンビームの最終集束半径は小円筒状電極アレイの半径により決められるが、小円筒状電極の半径が小さすぎると、大円筒状電極に接する縁部における高周波バリアポテンシャ障壁が強くなり、イオンが入りにくくなる。もう一つは、装置の構造が複雑であるので、製造しにくいことである。

先行技術

0005

米国特許5179278号明細書
米国特許5572035号明細書
米国特許7095013号明細書
米国特許6107628号明細書
米国特許出願公開第2011/0049357号明細書
中国特許出願201110425472.8号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

本発明はイオンガイド装置及び方法を設計することを目的とする。該装置及び方法は高気圧下でイオンをガイド、偏向及び集束できる。且つイオンの軸外し移送も実現できる。また、該装置は構造が簡単で、製造しやすい。

課題を解決するための手段

0007

この目的に基づいて、本発明のイオンガイド装置は、
同一中心軸線に沿って一列に並んで分布し、それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成される複数の環状電極アセンブリと、
位相反転した高周波電圧を中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つ直流電位各環状電極アセンブリの分割電極に提供する電源装置と、を含み、
前記直流電位は、イオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向されるように分布する。

0008

本発明のイオンガイド方法は、
それぞれ複数の独立する分割電極に囲まれて構成され、中心軸線が重なる複数の環状電極アセンブリを設置する、環状電極アセンブリを設置するステップと、
位相が反転した高周波電圧を前記中心軸線に沿って隣接する分割電極に提供して、且つイオンが中心軸線の方向に沿って移動する時に前記イオンガイド装置の径方向へ偏向されるように分布する直流電位を前記の各環状電極アセンブリの分割電極に提供する、電圧を提供するステップと、
イオンを前記中心軸線に平行する軸方向の一側に沿ってイオンガイド装置に導入し、前記イオンを前記イオンガイド装置においてガイド、偏向又は集束した後に前記中心軸線に平行する軸方向の他側から排出する、イオンの導入及び引出ステップと、
を含む。

0009

本発明に係るイオンガイド装置及び方法によれば、一定の真空度下でのイオン移送と集束が実現でき、特にイオンの軸外し移送を実現することにより中性成分によるノイズを低下できる。

0010

従来の背景技術に比べ、本発明は以下のような利点を有する。
1、高い気圧下(30torr)でイオンを移送・集束でき、
2、イオンと中性成分の軸外し移送を実現し、ひいては180度の軸外し移送を実現でき、中性ノイズを減少して装置感度を向上させ、且つ真空ポンプの負担を減少し、
3、イオンを装置の任意の一側から導入でき、装置の柔軟性と他の部材と組み合わせる拡張性を向上させ、
4、構造がより簡単で、製造しやすい。

0011

本発明の上記目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下、図面と組み合わせて本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の第一実施形態におけるイオンガイド装置の典型的構造図。
図1におけるイオンガイド装置に電圧を印加する回路配線図。
図1における本発明の第一実施形態のイオンガイド装置及びその前、後装置の関係図。
本発明の第一実施形態のコンピューターシミュレーション図。
本発明の図1図4に示される第一実施形態の変形例の模式図。
本発明の第一実施形態の上記各例の変形例の模式図。
本発明の第一実施形態の上記各例の更なる変形例の模式図。
本発明の第二実施形態のイオンガイド装置及びその前、後装置の模式図。
本発明の第三実施形態のイオンガイド装置の構造図。

実施例

0013

本発明の第一実施形態におけるイオンガイド装置の典型的構造は図1に示される。径方向においてイオンを捕捉するために、イオン漏斗に類似する積層式環状電極を用いて、環状電極間に環状絶縁層を有し、環状電極に高周波電圧を印加することにより、電極の表面付近に径方向のポテンシャル障壁が形成され、イオンは電極付近まで移動すると、高周波電圧の「リバウンド」作用により制限され、軸方向、即ちz方向においてイオンを駆動するために、環状電極に直流電圧重畳することにより、軸方向直流場を発生することができる。より重要な、本発明の、従来技術と異なる特徴は、本発明は各環状電極アセンブリを二つの部分(典型例として)に分け、図1のように、電極1と3が同一環状電極の二つの部分であり、電極2と4も同一環状電極の二つの部分であるという点にある。そのうち、1と2の間、及び1と2の後方におけるz軸の順方向に沿って順に隣接する二つずつの上段電極間に位相が反転した高周波電圧が印加される。3と4の間、及び3と4の後方におけるz軸の順方向に沿って順に隣接する二つずつの下段電極間に位相が反転した高周波電圧が印加される。該高周波電圧は例えば振幅が同じで、位相が反転した高周波電圧であり、且つ隣接する両グループの環状電極間に直流バイアス差(典型値は例えば2Vである)を印加することにより、径方向においてイオンを捕捉すると同時にz軸の順方向に沿ってイオンを移送する。更に、本発明は1と3の間、2と4の間、及び2と4の後方におけるz軸の順方向に沿って伸びた同一環状電極アセンブリの上、下段電極間に、振幅が同じで、位相が反転した高周波電圧(典型値として例えばピークピーク値は200V,周波数は1MHz)を印加するだけでなく、且つ同一環状電極の上、下段電極間に直流バイアス差(典型値は例えば5〜10Vである)があり、その直流バイアス差の駆動によりイオンをz軸の順方向に沿って移動させると同時に、径方向において偏向を発生し、即ちx軸の負方向へ寄り、最終に比較的低電位の方の環状電極アセンブリの表面に貼り付けて排出される(正イオンに対して、負イオンは逆になる)。同時に、ポンプ吸引口は典型的に装置の中心軸線方向に配置でき、中性成分は中心軸線の方向に沿って抜き出され、このようにイオンと中性成分の軸外し移送が実現される。更に、イオンの偏向と同時に集束させるために、z軸方向に沿って、各環状電極アセンブリを構成する二つの部分の電極の長さ割合はy方向において、短い方の電極の長さが所望した集束サイズに近くなるまで次第に変化する。このように、例えば正イオンの場合、z軸に沿って次第に短くなる分割電極に、対応した長い方の分割電極よりも低い直流電位を印加することができ、イオンは軸に沿って移送されると同時に、低電極の表面、即ちx軸の負方向へ偏向するとともに、中心位置、即ちy軸の原点へ集中する直流による「押出」作用を受けることで、次第に集束し、最終に最短の分割電極の寸法に近いイオンビームスポット(典型的には、例えば直径は0.5〜1.5mmである)に集束し、その後引出電極により後段の真空空間に入る。以上の実施形態において同一環状電極の上、下二つの電極間(例えば1と3の間、2と4の間)に位相が反転した高周波電圧を印加するのは、隣接する環状電極の上、下二つの部分間に近似四重極場を形成して、更にイオンを閉じ込めて、イオンが該場所から逸散することを防止するためである。

0014

該構造では、引出電極は様々な形式でもよい。典型的には、直径が集束したイオンビームスポットよりやや大きい環状電極アセンブリであってもよく、該電極に前段より負である直流電位を印加するだけでイオンを排出することができる。イオンが電極表面に衝撃することを防止するように、該電極に小さい高周波振幅を印加してもよく、該環状電極アセンブリが二つの分割電極からなる場合、二つの部分における高周波電圧の位相が反転してもよい。引出電極は更に優れた空気力学性能を得るために、質量分析計によく使用されるサンプリングコーン構造としてもよい。なお、該当イオン排出口における中性気体の流束をできるだけ減少するために、引出電極の孔径をできる限り小さく(典型値は1.5mm未満である)するか、又は軸方向寸法を適当に長くすることに注意するべきであり、大部分の中性気体は装置の中心軸線に位置する真空ポンプにより抜き出される。

0015

この装置では、各環状電極アセンブリの半径が完全に等しくてもよく、徐々に縮径する構造を必要とせずにイオンを集束できる。且つ環状電極アセンブリは一つのグループだけで十分であり、二つのグループが互いにカップリングされた環状電極構造を必要とせずに軸外し移送を行える。このように、該装置はイオン漏斗のような装置と特許文献5のような装置の機能を実現でき、且つそれら装置が同時に集束、軸外し移送二つの機能を満足することができない欠陥を克服できる。一方、該装置によれば、製造難度を大幅に低下させ、製造過程を簡素化できる。例えば、金属積層板より製造する場合、一つのグループの内径が完全に一致するリング(円環)を製造し、その後、金型により固定し、更に斜線に沿って環状アセンブリを分離するためのチャンネル切り出しすればよい。それに対して従来のイオン漏斗は変径する円環を製造する必要があり、製造しにくいだけでなく、精度への要求が高く、更に、固定時の難度も高く、簡単な固定(例えば四軸を固定する)を採用すると、縮径部分での板同士の重なる面積が大きいことに起因して、コンデンサ電力消費巨大になるため、好ましくない。特許文献6における電極の一体化製造方法によれば、該装置の等径構造により同様にチャンネルを旋盤加工する時の難度を低下でき、且つテーパ面の加工が不要である。上記特許文献5における構造は、孔径が異なる、ノッチ付き環状電極を二つのグループ(更に複数のグループ)製造する上に、両グループの孔径が異なる環状電極を精確にカップリングする必要があるため、両グループの環状電極のノッチ角度とアセンブリ軸線を精確に位置決めすることが必要であり、製造が極めて複雑であり、且つ使用過程において後続洗浄も困難である。それに対して、装置の製造が簡易であるといった該特許の優位性はより際立つ。

0016

図2図1におけるイオンガイド装置に電圧を印加する回路配線図である。二つのグループの振幅が同様で、位相が反転した高周波電圧(RF+とRF−)は一連のカップリングコンデンサ(典型値は例えば470pFである)により個別に電極に印加され、隣接する環状電極アセンブリ同士の直流勾配は一連の分圧抵抗(典型値は例えば10MΩである)により直流電圧DCを分配してなる。各環状電極アセンブリを構成する分割電極間における直流バイアスは図2における簡単な方法により実現でき、上方の一連の分圧抵抗の末端に一つのR1抵抗を添加し、下方の一連の分圧抵抗の前端に一つのR2抵抗を添加し、典型値は例えばR1=R2=50MΩである。

0017

しかしながら、本発明において電圧印加方式はこのような形態に制限されるものではない。例えば、軸方向直流場を採用することなく、直流進行波の形式により軸方向においてイオンを推進する方式を採用することができる。上記の軸方向の隣接電極における位相が反転した高周波電圧は位相差が180度ではなく、90度、120度又は他の2π/M(Mは自然数である)を満たす角度に変えることもでき、それにより高周波電圧だけでは軸方向の進行波を形成でき、軸方向の直流電位勾配を印加する必要がない。径方向においてイオンを更によく集束させるために、最後の複数の環状電極に印加された高周波振幅又は周波数を増加でき、もちろん、この場合、装置の後端補助電極を増設して軸方向における高周波ポテンシャル障壁を相殺して軸方向の束縛を軽減して、質量分別を減少することが考えられるべきである。更に軸方向における直流電界を線形変化でなく、二次曲線変化又は四次曲線変化にすることもでき、このような変化を行う直流場自体もイオンを集束できる。径方向においてイオンを偏向させるために、径方向の直流バイアスを使用せずに、環状電極を構成する二つの電極に振幅又は周波数が異なる高周波電圧を印加して、径方向における高周波ポテンシャル障壁差を発生させ、イオンはそのポテンシャル障壁に沿って偏向し、更に特別なのは、その二つのの電極にデューティ比が異なるが振幅と周波数が同じである高周波電圧を印加でき、同様にポテンシャル障壁勾配を発生させることができる。且つ、高周波電圧信号方形波鋸歯波パルスシーケンスであってもよく、更に正弦波、方形波及びパルスシーケンスの組み合わせであってもよい。

0018

図3図1における本発明の第一実施形態のイオンガイド装置及びその前、後装置の関係図である。ここでは、図1中のガイド装置、図2中の電圧印加方式を採用して、該装置の典型的な作動圧力は3〜30torrである。装置5は該ガイド装置の前段、例えば一段大気に連結された金属毛細管であり、イオン源より発生されるイオンは5により本発明の装置に入り、ほぼ経路6に基づき該装置によって偏向、集束され、その後イオン排出装置7を経由して、下段分析装置8に入る。中性気流はほぼ経路9により該装置を経由して、真空ポンプ10によって抜き出される。

0019

該実施例において、その装置は分析装置の前段におけるイオン移送装置としてもよく、タンデム質量分析装置における衝突室としてもよいが、この場合、該装置は作動気圧が更に低く、典型値が例えば10〜50mtorrであり、そのため、環状電極アセンブリの内径とリング間の距離も対応して変更しなければならない。この場合、装置5は一般的に四重極ロッドシステムであり、装置8は質量分析装置、例えば他の四重極ロッドシステム、又は飛行時間型質量分析装置等である。典型的な娘イオン走査モード下で、分析物イオンから装置5、例えば四重極ロッドにより、親イオンスクリーニングし、親イオンは本発明の装置に入って衝突ガス衝突して解離して娘イオンを発生させ、娘イオンは軸外入力装置8によって質量分析が行われる。該装置を衝突室とする利点は軸外し移送特性を有するため、衝突ガス(一般的な中性分子又は準安定状態高エネルギー分子)によるノイズ影響を有効に低下できる。該装置は更に逆方向から入射する負イオン流を一本導入して、分析しようとする正イオン流と装置において衝突させ、正イオンに電荷移動解離(ETD)過程を発生させることができる。

0020

該装置は更にある時間帯のある範囲における質量電荷比イオンの貯蔵、捕捉又は選択的通過を実現することができ、図2における抵抗及び電気容量の異なる値により、静的又は動的に高周波電圧を変化でき、同時に装置における同一環状電極の上、下二つの部分に直流電位勾配を発生させることにより、ある選択範囲の質量電荷比イオンの安定性条件を制御でき、これにより選択されたイオンの貯蔵、捕捉又は選択的通過を実現する。

0021

図4は、第一実施例を採用する場合、コンピューターによりシミュレーションした結果を示す。シミュレーションに用いられるソフトウェアSIMION8.1であり、圧力条件は20torr、高周波電圧のゼロピーク値は150V、周波数は1MHzである。軸方向電界勾配は1.85V/cmであり、径方向における二つの部分の電極の直流バイアス差は5Vである。シミュレーション結果から、該装置はイオンに対して顕著な偏向、集束作用を有し、且つイオン透過率が100%に近づくことを分かる。

0022

図5は本発明の図1図4で示される第一実施形態の変形例の模式図である。該変形例において、イオンはz軸方向でなく、径方向、即ちx軸又はy軸方向から該装置に入る。x軸方向に沿って入る場合、上方における若干枚の分割電極を除去して(例えば図5に示される電極間の間隙)、イオンが入るためのスペースを残す必要があり、y軸方向に沿って入る場合は、直接に分割電極間におけるチャンネルから入ることができる。イオンは径方向に沿って該装置に入った後、進行方向における分割電極の高周波によるバリア作用により、多くの入射されたイオン(又は帯電液滴)は電極表面に衝突して電荷損失するのではなく、次第に減速して、最後に該装置の電界により捕獲され、次に図における6の飛行軌跡に応じて、装置により偏向、集束されて、下段に入る。該変形例では、排気方向はz軸方向に沿ってもよく、x軸方向に沿ってもよい。その装置の利点は、90度偏向が追加されることであり、これにより、イオンと中性成分を更に有効に分離でき、そのため、分析の信号対雑音比を向上できる。該装置の1,2,3又は4電極に高い反発直流電圧を印加して、x軸に沿って入射されたイオンをより速くz軸の移動方向へ偏向させることもできる。

0023

図6は第一実施形態の別の変形例を示す。該変形例においても、イオンはz軸方向から入射するが、径方向において偏向した後、z軸方向から出射するのではなく、再び90度偏向し、x軸の負方向に沿って出射する。その変形例の利点は更に中性成分による影響を除去して信号対雑音比を向上できることにもある。しかし、出射効率向上のためにイオンの出射箇所における偏向電圧を精確に設定する必要があり、そのため装置としてやや複雑である。

0024

図7は第一実施形態における更なる独特の変形例を示す。該変形例はイオン反射型レンズに類似し、図3に比べ、イオンは逆方向から入射される。正イオンの場合、入射した直後に、該装置はz軸の順方向の一端に近づき、その内部電界のx軸方向における成分が極めて小さく、径方向の偏向が発生しにくいが、z軸の順方向に向ける直流電界による減速作用を受けて、イオンは次第に減速し、且つ減速過程においてx軸方向の偏向電界は次第に増大し、イオンはz方向の速度が0になるまでx軸の負方向へ次第に偏向し、その後イオンは方向を変えて、z軸の順方向に沿って進み、更に図3のように径方向において更に偏向して且つ集束した後、z軸に沿って出射される。それにより180度の軸外し移送が実現できる。図3図5の場合に比べ、その変形例は中性成分、特に帯電液滴による大きなノイズの影響を、より大幅に除去でき、且つ液滴の脱溶媒効率を向上できる。例えばエレクトロスプレーイオン化源の場合、帯電液滴を一部の加熱毛細管により移送しても、完全に脱溶媒できず、残留液滴減速電界に入った直後に、モーメンタムが大きすぎるため、電界がほぼ作用せず、液滴は更に飛行して、飛行過程にわたって十分に脱溶媒できないわずかな液滴は、z軸の負方向に沿って出射されて損失されてしまい、下段分析装置に入って分析されることができず、そのため、ノイズ干渉を生じない。大部分の液滴については飛行過程において溶媒蒸発によるクーロン爆発のため、大液滴は引き続き複数の小液滴に分裂して、次第に減速され、該ガイド装置のz方向長さを適当に増加することにより、小液滴を十分に脱溶媒させて気体状イオンを発生させることができ、電界の作用下で、イオンは逆方向に移送されて、且つ径方向において偏向させ、後の液滴又はイオンとの衝突を回避し、その後、集束されて下段の分析装置に移送される。このようなイオン入射及び進行方式は、本文に記載された如何なる背景技術においても実現することができない。

0025

該変形例は更に自由な形式であってもよく、例えば11箇所に他の一本の入射イオンを増加し、該入射イオンを内部標準源として質量補正(例えば飛行時間型質量分析計)を行うことができ、また反応イオンとして装置5の逆方向から入射するイオンと反応させて、オンラインで反応のモニタリングを行うことができる。11箇所は一本の分析しようとする中性分子であってもよく、該中性分子はレーザー脱着等の複数の方式により発生でき、該装置に入った後に装置5から逆方向入射するイオン又は帯電液滴と反応して、電荷移動過程を行う。11箇所は一本の加熱気体であってもよく、装置5から入るイオンの減速に寄与し、又は帯電液滴の脱溶媒を促進することでイオン発生率を向上させる。ひいては11箇所は一本の赤外線レーザーであってもよく、該装置に導入された後にイオンと作用して、赤外多光子解離過程(IRMPD)を行う。該装置をタンデム質量分析の衝突室として使用する場合、11箇所は一本のパルス式不活性ガスであってもよく、イオンと衝突することによりイオンの軸方向における冷却、解離を促進する。その際に中性気体によるノイズの影響を消すだけでなく、且つ前段の四重極ロッドと後段の質量分析装置は装置の同一側に設置されて、装置の全長を効果的に短縮でき、装置の小型化に有利である。

0026

図8は本発明の第二実施形態を示す。その実施形態ではイオンを出射する時に次第に縮径する環状電極を用いて、これにより次第にイオンを集束できる。集束効果については、その実施形態はイオン漏斗に類似する。相違点は各環状電極を構成する二つの部分に振幅が同じで、位相が反転した高周波電圧を印加することにある。且つその二つの部分間に更に直流バイアスを印加し、イオンが先ず径方向において偏向して更に集束させることができるが、その際にイオンの入射方向はz軸の中心に沿う場合、中性成分(主に帯電液滴)とイオンが分けにくいため、好ましくない。

0027

図9は該発明の第三実施形態を示す。該実施形態において隣接する二つのグループの環状電極アセンブリは径方向において角度偏差があり、これは軸方向に沿って環状電極アセンブリを次第に回転させ、環状電極アセンブリを構成する分割電極間における分割線螺旋線を形成することに相当する。電圧印加方式は図3に示したものと同様である。イオンは該装置内に入射した後に、電界の作用下で、次第に偏向して環状電極アセンブリにおける直流電位が低い(正イオンの場合)分割電極表面に近づき、その後、該表面に沿ってして螺旋経路を呈してz軸の順方向に移送される。該方式によればイオンの飛行経路を増加でき、様々な場合においては非常に有用である。例えば、比較的小さい帯電液滴を移送すると、飛行経路の増加により十分に脱溶媒してより多くのガス状イオンを発生できる。該実施形態では、それをイオン移動度計(Ion mobility spectrometer)におけるドリフト管(drift tube)として用いられ、イオンがスパイラル飛行をする場合は、その飛行方向に受ける電界力の成分が直線式飛行より低いため、飛行経路を増加しても移動スペクトラム解像度を向上できないが、径方向直流によるイオンビームの圧縮作用のため、一定の集束効果を果たし、該移動度計の感度を向上でき、且つ下段への排出も容易になる。

0028

以上の実施例において、いずれも環状電極アセンブリを用いるが、本発明はここに制限されるものではなく、その代わりにn角形(n≧3)の電極アセンブリを使用してもよく、各電極アセンブリはやはり複数の分割電極で囲まれて構成され、環状電極アセンブリに比べ、高周波電圧による装置の中心軸線付近におけるイオンへの捕捉作用が強くなる。

0029

以上の実施例において、装置のガイド軸線はすべて直線であるが、非直線構造を採用してもよい。従来のイオンガイド装置において、非直線のガイド軸構造は一般的には中性ノイズを除去するためのものであるが、本装置では直線ガイド軸構造によりその目的が達成されている。そのため、本発明において、一般的には、更に装置の寸法を減少させるために、非直線ガイド軸を採用する。

0030

以上の実施例において、各アセンブリは2つの部分又は3つの部分の分割電極で囲まれて構成されるが、少なくとも一部はより多い部分からなる分割電極を採用してもよく、この場合、該装置は極めて大きい柔軟性を有する。例えば、装置の末端に四段式分割電極を採用すれば、該位置の内部に更に多くの四重極成分を有する電界を形成でき、適当な共鳴排出電圧を採用することにより、径方向におけるイオンの出射が実現できる。更に、装置全体として更に多段式分割電極(例えば20段)を採用すれば、軸方向において次第に各環状電極アセンブリにおける同じ直流電位が印加される分割電極の分布(本質的に直流電位分布を変える)を変化させ、同一装置によって図3中の軸外し集束に類似する機能を実現できるとともに、図9におけるスパイラル移送に類似する機能も実現でき、もちろん、このような装置の製造、電極配線及び回路設計については更に複雑になる。

0031

また、上記の各実施例を組み合わせて使用してもよい。例えば、第一実施例に係る装置を二つ直列接続して使用でき、この場合、その二つの装置は両端が接続されて、且つそれぞれ異なる圧力範囲内で作動し、イオン源に近い一方の作動圧力の典型値は5〜20torr、他方の作動圧力の典型値は0.5〜2torrである。イオンはその組み合わせ装置において移送される時、二回偏向して、毎回、偏向すると同時に中性ノイズを低下させ、そのため、装置においてより高い信号雑音比を取得できる。更に図6で示される変形例と図5で示される変形例を直列接続して使用することもでき、この場合、図6の装置は5〜20torrの圧力範囲内、図5の装置は0.5〜2torrの圧力範囲内において作動し、イオンはイオン源から図6の装置に入った後、径方向に偏向し、その後、垂直に出射して図5の装置に入り、電界の作用下で更に一回偏向して下段装置に入り、そのような組み合わせにより装置の信号雑音比と最終の感度を向上できる。

0032

以上、例示的に本発明の実施例と各種の変形例を説明したが、当業者により以上の好適な実施例と変形例を基礎にして様々な組み合わせと置き換えを行って、各種の変更構造が得られるが、これらの変更構造は本発明の請求項により定義される保護範囲に収まるべきである。それ以外に、他の本特許の発明内容に基づく、当業者にとっては微細な変化するだけで、実現されやすい変更例も、該特許内容による保護範囲内に入るべきである。

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