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技術 アクリル系粘着剤組成物および粘着製品

出願人 株式会社クラレ
発明者 中田加那予森下義弘大下晋弥
出願日 2013年4月24日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2014-551464
公開日 2015年7月23日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-520774
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法 接着テープ
主要キーワード 貼付テープ 蓄光テープ 危険表 ラインテープ 貯蔵せん断弾性率 ズレ距離 ガラス飛散防止用 溶離剤流
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年7月23日)のものです。
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課題・解決手段

耐久性耐白化性ホットメルト加工性、粘着性高温下での保持力耐熱性耐候性粘着付与樹脂との相溶性低温特性、および透明性に優れかつそれらの物性バランスにも優れ、さらに接着亢進が少ない粘着剤組成物および該粘着剤組成物を用いた粘着製品の提供。メタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(A)と、一般式CH2=CH−COOR1(1)(式中、R1は炭素数4〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(1)および一般式CH2=CH−COOR2(2)(式中、R2は炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(2)からなり、アクリル酸エステルの質量比(1)/(2)が65/35〜20/80であるアクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(B)とを有するアクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物。

概要

背景

粘着シート粘着フィルム粘着テープ等の、基材層の少なくとも一部の表面上に粘着層を有する粘着製品に使用される粘着剤として、従来、ゴム系粘着剤アクリル系粘着剤等のベースポリマーからなる溶液型粘着剤が多用されていた。近年、それらに加えてホットメルト型粘着剤水性エマルジョン型粘着剤も使用されている。中でも、透明性や耐候性耐久性に優れることから、アクリル系粘着剤が広く用いられている。またアクリル系粘着剤としては、塗工性や粘着物性の観点から、アクリル系ブロック共重合体からなる粘着剤が提案されている。例えば特許文献1や特許文献2には、ホットメルト加工性に優れるアクリル系ブロック共重合体および粘着付与樹脂を含有する粘着剤が提案されている。特許文献3では、アクリル酸2−エチルヘキシルからなるブロックを有するアクリル系ブロック共重合体を用いた保持力に優れる粘着剤が提案されている。特許文献4および5では、アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとした共押出によって得られる粘着シートが提案されている。

しかし、特許文献1や特許文献2に記載の粘着剤は、高温での凝集力が不十分で、保持力等の耐久性が不足する問題があった。特許文献3および4の粘着シートは、共押出する際の成形性には優れるが、接着力が低く、耐久性試験において剥離などの不具合が生じる場合があった。また、特許文献1から4では、湿熱条件下での耐久性については検討がなされていなかった。特許文献5に記載の粘着剤は保持力には優れるものの、ガラスとの接着力には改善の余地があった。
また、近年の粘着剤の用途の広がりから、耐久性等の物性においてさらに高い性能が要求されているが、上記のアクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤では十分な性能が得られていない。また、耐白化性や低接着亢進などをも満たす粘着剤については、これまでほとんど検討がなされておらず、従来の技術では要求を満たすことが難しかった。

概要

耐久性、耐白化性、ホットメルト加工性、粘着性、高温下での保持力、耐熱性、耐候性、粘着付与樹脂との相溶性低温特性、および透明性に優れかつそれらの物性バランスにも優れ、さらに接着亢進が少ない粘着剤組成物および該粘着剤組成物を用いた粘着製品の提供。メタクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(A)と、一般式CH2=CH−COOR1(1)(式中、R1は炭素数4〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(1)および一般式CH2=CH−COOR2(2)(式中、R2は炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(2)からなり、アクリル酸エステルの質量比(1)/(2)が65/35〜20/80であるアクリル酸エステル単位からなる重合体ブロック(B)とを有するアクリル系ブロック共重合体(I)を含む粘着剤組成物。なし

目的

本発明の目的は、耐久性、耐白化性、ホットメルト加工性、粘着性、高温下での保持力、耐熱性、耐候性、粘着付与樹脂との相溶性、低温特性、および透明性に優れかつそれらの物性バランスにも優れ、さらに接着亢進が少ない粘着剤組成物および該粘着剤組成物を用いた粘着製品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系ブロック共重合体(I)を粘着剤組成物固形分の総量に対して40質量%以上含んでなる粘着剤組成物であって、前記重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステル単位が、一般式CH2=CH−COOR1(1)(式中、R1は炭素数4〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(1)および一般式CH2=CH−COOR2(2)(式中、R2は炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(2)からなり、前記アクリル酸エステル(1)および前記アクリル酸エステル(2)の質量比(1)/(2)が65/35〜20/80である、粘着剤組成物。

請求項2

アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A)の含有量が5〜95質量%、重合体ブロック(B)の含有量が95〜5質量%である、請求項1に記載の粘着剤組成物。

請求項3

アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000である、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。

請求項4

アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が30,000〜80,000であり、かつ、加熱溶融して用いる請求項1または2に記載の粘着剤組成物。

請求項5

アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が90,000〜150,000である、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。

請求項6

前記アクリル酸エステル(1)がアクリル酸n−ブチルである、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物。

請求項7

前記アクリル酸エステル(2)がアクリル酸2−エチルヘキシルである、請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物。

請求項8

アクリル系ブロック共重合体(I)の、周波数1Hzで測定した粘弾性のtanδの値が、50〜100℃の範囲で1×10-2〜1×10-1である、請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤組成物。

請求項9

剥離速度300mm/minでのガラス板に対する180°剥離強度が10N/25mm以上であり、さらに、ポリエチレンテレフタレート粘着層ガラスの構成にて85℃、85%RHの恒温恒湿槽で200時間エージングした際、エージング前と後(恒温恒湿槽から取り出して10分後)とのヘイズ値の差が+2%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の粘着剤組成物。

請求項10

請求項1〜9のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる層が、少なくとも1層の基材層と積層されてなる積層体

請求項11

基材層の全光線透過率が80%以上である、請求項10に記載の積層体。

請求項12

請求項10または11に記載の積層体を有するラベル

請求項13

請求項1〜9のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる層を有する光学用粘着シート

技術分野

0001

本発明は、特定のアクリル系ブロック共重合体を含有する粘着剤組成物、および該粘着剤組成物からなる粘着層を有する粘着製品に関する。

背景技術

0002

粘着シート粘着フィルム粘着テープ等の、基材層の少なくとも一部の表面上に粘着層を有する粘着製品に使用される粘着剤として、従来、ゴム系粘着剤アクリル系粘着剤等のベースポリマーからなる溶液型粘着剤が多用されていた。近年、それらに加えてホットメルト型粘着剤水性エマルジョン型粘着剤も使用されている。中でも、透明性や耐候性耐久性に優れることから、アクリル系粘着剤が広く用いられている。またアクリル系粘着剤としては、塗工性や粘着物性の観点から、アクリル系ブロック共重合体からなる粘着剤が提案されている。例えば特許文献1や特許文献2には、ホットメルト加工性に優れるアクリル系ブロック共重合体および粘着付与樹脂を含有する粘着剤が提案されている。特許文献3では、アクリル酸2−エチルヘキシルからなるブロックを有するアクリル系ブロック共重合体を用いた保持力に優れる粘着剤が提案されている。特許文献4および5では、アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとした共押出によって得られる粘着シートが提案されている。

0003

しかし、特許文献1や特許文献2に記載の粘着剤は、高温での凝集力が不十分で、保持力等の耐久性が不足する問題があった。特許文献3および4の粘着シートは、共押出する際の成形性には優れるが、接着力が低く、耐久性試験において剥離などの不具合が生じる場合があった。また、特許文献1から4では、湿熱条件下での耐久性については検討がなされていなかった。特許文献5に記載の粘着剤は保持力には優れるものの、ガラスとの接着力には改善の余地があった。
また、近年の粘着剤の用途の広がりから、耐久性等の物性においてさらに高い性能が要求されているが、上記のアクリル系ブロック共重合体を含む粘着剤では十分な性能が得られていない。また、耐白化性や低接着亢進などをも満たす粘着剤については、これまでほとんど検討がなされておらず、従来の技術では要求を満たすことが難しかった。

0004

米国特許第7,714,052号明細書
特表2002−533556号公報
特開2011−256319号公報
特開2011−256320号公報
国際公開第2007/029783号
特開平06−93060号公報
特表平05−507737号公報
特開平11−335432号公報

先行技術

0005

Macromolecular Chemistry and Physics、2000年、201巻、p.1108〜1114

発明が解決しようとする課題

0006

しかして、本発明の目的は、耐久性、耐白化性、ホットメルト加工性、粘着性、高温下での保持力、耐熱性、耐候性、粘着付与樹脂との相溶性低温特性、および透明性に優れかつそれらの物性バランスにも優れ、さらに接着亢進が少ない粘着剤組成物および該粘着剤組成物を用いた粘着製品を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明によれば、上記目的は、
[1]メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜1.5であるアクリル系ブロック共重合体(I)を粘着剤組成物の固形分の総量に対して40質量%以上含んでなる粘着剤組成物であって、前記重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステル単位が、CH2=CH−COOR1(1)(式中、R1は炭素数4〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(1)およびCH2=CHCOOR2(2)(式中、R2は炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(2)からなり、前記アクリル酸エステル(1)および前記アクリル酸エステル(2)の質量比(1)/(2)が65/35〜20/80である、粘着剤組成物、
[2]アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A)の含有量が5〜95質量%、重合体ブロック(B)の含有量が95〜5質量%である、上記[1]の粘着剤組成物、
[3]アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が40,000〜200,000である、上記[1]または[2]の粘着剤組成物、
[4]アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が30,000〜80,000であり、かつ加熱溶融して用いる上記[1]または[2]の粘着剤組成物、
[5]アクリル系ブロック共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)が90,000〜150,000である、上記[1]または[2]の粘着剤組成物、
[6]前記アクリル酸エステル(1)がアクリル酸n−ブチルである上記[1]〜[5]のいずれかの粘着剤組成物、
[7]前記アクリル酸エステル(2)がアクリル酸2−エチルヘキシルである上記[1]〜[6]のいずれかの粘着剤組成物、
[8]アクリル系ブロック共重合体(I)の、周波数1Hzで測定した粘弾性のtanδの値が、50〜100℃の範囲で1×10-2〜1×10-1である、上記[1]〜[7]のいずれかの粘着剤組成物、
[9]剥離速度300mm/minでのガラス板に対する180°剥離強度が、10N/25mm以上であり、さらに、PET/粘着層/ガラスの構成にて85℃、85%RHの恒温恒湿槽で200時間エージングした際、エージング前と後(恒温恒湿槽から取り出して10分後)とのヘイズ値の差が+2%以下である、上記[1]〜[8]のいずれかの粘着剤組成物、
[10]上記[1]〜[9]のいずれかの粘着剤組成物からなる層が、少なくとも1層の基材層と積層されてなる積層体
[11]基材層の全光線透過率が80%以上である、上記[10]の積層体、
[12]上記[10]または[11]の積層体を有するラベル、および
[13]上記[1]〜[9]のいずれかの粘着剤組成物からなる層を有する光学用粘着シート
を提供することにより達成される。

発明の効果

0008

本発明によれば、耐久性、耐白化性、ホットメルト加工性、粘着性、高温下での保持力、耐熱性、耐候性、粘着付与樹脂との相溶性、低温特性、および透明性に優れ、かつそれらの物性バランスにも優れ、さらに接着亢進が少ない粘着剤組成物および該粘着剤組成物を用いた粘着製品を提供することができる。

0009

以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」は、「メタクリル酸エステル」と「アクリル酸エステル」との総称であり、また「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」と「アクリル」との総称である。また、本明細書において、「透明」とは、全光線透過率が80%以上であることを示す。なお、上記全光線透過率測定時の波長は、可視光(360〜730nm)の範囲で適宜設定することができる。

0010

本発明において用いるアクリル系ブロック共重合体(I)は、メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)とを有し、一般式CH2=CH−COOR1(1)(式中、R1は炭素数4〜6の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(1)(以下、単にアクリル酸エステル(1)と称する)および一般式CH2=CH−COOR2(2)(式中、R2は炭素数7〜12の有機基を表す)で示されるアクリル酸エステル(2)(以下、単にアクリル酸エステル(2)と称する)からなり、前記アクリル酸エステル(1)および前記アクリル酸エステル(2)の質量比(1)/(2)が65/35〜20/80である。

0011

本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の全体の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜300,000である。中でも、粘着剤組成物を製造しやすい点から、40,000〜200,000が好ましく、50,000〜180,000がより好ましく、さらに60,000〜150,000がより好ましい。さらに、SUSなどの金属への接着力が高まる点から、重量平均分子量(Mw)が90,000〜150,000であることが特に好ましい。

0012

また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)の全体の重量平均分子量(Mw)は、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法カレンダー成形法ラミネーション法など、加熱溶融して本発明の粘着剤組成物を用いる場合には、塗工やフィルム加工生産性の観点から30,000〜150,000が好ましく、35,000〜100,000がより好ましい。さらに、押出しなどの粘度挙動が安定である観点、ホットメルト塗工時に低粘度で塗工性に優れる観点からは、重量平均分子量(Mw)が40,000〜80,000であることが特に好ましい。

0013

本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜1.5である。粘着剤組成物とした際に高温での凝集力が高い点から、1.0〜1.4であることが好ましく、1.0〜1.3であることがより好ましい。

0014

本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)中の重合体ブロック(A)の含有量は5〜95質量%であることが好ましく、重合体ブロック(B)の含有量は95〜5質量%であることが好ましい。粘着剤組成物とした場合に優れた粘着性を有し、また、取り扱いが容易な形態(例えばペレット状等)でブロック共重合体やそれを用いた粘着剤組成物の供給が可能となる点から、重合体ブロック(A)が15〜60質量%および重合体ブロック(B)が85〜40質量%であることが好ましく、重合体ブロック(A)が18〜60質量%および重合体ブロック(B)が82〜40質量%であることがより好ましく、重合体ブロック(A)が22〜50質量%および重合体ブロック(B)が78〜50質量%であることがさらに好ましく、重合体ブロック(A)が22〜40質量%および重合体ブロック(B)が78〜60質量%であることが特に好ましく、重合体ブロック(A)が25〜40質量%および重合体ブロック(B)が75〜60質量%であることが最も好ましい。重合体ブロック(B)の含有量が85〜40質量%であると、湿熱条件にて保管後に白化が起こりにくい利点がある。また、重合体ブロック(B)の含有量が78質量%より多い場合には、ブロック共重合体はベール状物となり、ブロック共重合体やそれを用いた粘着剤を製造する際の取扱いが困難となる場合がある。また、重合体ブロック(A)および(B)の含有量が上記を満たす場合、周波数1Hzで測定した粘弾性のtanδの値が、50〜100℃において1×10-2〜1×10-1の範囲内となる傾向にあり、結果として接着亢進の少ない粘着剤が得られる点で好ましい。

0015

上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、重合体ブロック(A)を「A」;重合体ブロック(B)を「B」;としたときに、一般式:
(A−B)n
(A−B)n−A
B−(A−B)n
(A−B)n−Z
(B−A)n−Z
(式中、nは1〜30の整数、Zはカップリング部位カップリング剤ポリマー末端と反応して化学結合を形成した後のカップリング部位)を表す)で表されるものであることが好ましい。さらに、重合体ブロック(B)が2種以上のアクリル酸エステル単位からなる場合、重合体ブロック(B)が、重合体ブロック(B)を構成するそれぞれのアクリル酸エステル単位のランダム共重合体からなるものでもよいし、それぞれのアクリル酸エステル単位のブロック共重合体からなるものでもよいし、それぞれのアクリル酸エステル単位のテーパー状ブロック共重合体からなるものでもよい。また、上記nの値は、1〜15であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることがさらに好ましい。上記の構造の中でも、(A−B)n、(A−B)n−A、B−(A−B)nで表される直鎖状のブロック共重合体が好ましい。

0016

上記重合体ブロック(A)の構成単位であるメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチルメタクリル酸エチルメタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピルメタクリル酸n−ブチルメタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシルメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシルメタクリル酸n−オクチルメタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシルメタクリル酸ステアリルメタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルメタクリル酸ベンジルなどの官能基を有さないメタクリル酸エステル;メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−アミノエチルメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するメタクリル酸エステルなどが挙げられる。

0017

これらの中でも、得られる粘着剤組成物の透明性、耐熱性、耐久性を向上させる観点から、官能基を有さないメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェニルがより好ましく、メタクリル酸メチルがさらに好ましい。さらに、メタクリル酸メチルの場合は、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との相分離がより明瞭となるため、粘着剤組成物としたときに特に高い凝集力を発現する点でより好ましい。重合体ブロック(A)は、これらメタクリル酸エステルの1種から構成されていても、2種以上から構成されていてもよい。また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)には、重合体ブロック(A)が2つ以上含まれる場合が耐久性を高める観点から好ましい。その場合、それら重合体ブロック(A)は、同一であっても異なっていてもよい。

0018

重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1,000〜50,000の範囲にあることが好ましく、4,000〜20,000の範囲にあることがより好ましい。重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)がこの範囲より小さい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)の凝集力が不足する問題がある。また、重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)がこの範囲より大きい場合には、得られるアクリル系ブロック共重合体(I)の溶融粘度が高くなり、アクリル系ブロック共重合体(I)が生産性や成形性に劣る場合がある。重合体ブロック(A)中に含まれるメタクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(A)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。

0019

重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステル単位は、アクリル酸エステル(1)とアクリル酸エステル(2)からなる。

0020

アクリル酸エステル(1)としては、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチルアクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルアクリル酸フェニルなどの官能基を有さないアクリル酸エステル;アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−アミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の官能基を有するアクリル酸エステルなどが挙げられる。

0021

これらの中でも、得られる粘着剤組成物の透明性、柔軟性、耐寒性、低温特性を向上させる観点から、官能基を有さないアクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシルなどのアクリル酸エステルがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0022

アクリル酸エステル(2)としては、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシルアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ラウリルアクリル酸ベンジル、アクリル酸フェノキシエチルなどが挙げられる。

0023

これらの中でも、得られる粘着剤組成物の透明性、柔軟性、耐寒性、低温特性を向上させる観点から、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェノキシエチルなどのアクリル酸エステルが好ましい。また、得られる粘着剤組成物の低温(10〜−40℃)での粘着特性タック、接着力等)が優れ、広い剥離速度条件下で安定した接着力を発現する点から、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチルがより好ましい。さらに、アクリル酸2−エチルヘキシルの場合は、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との相分離がより明瞭となるため、粘着剤組成物としたときに特に高い凝集力を発現する点で特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0024

上記重合体ブロック(B)中のアクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)の質量比(1)/(2)は65/35〜20/80である。質量比が上記範囲内であると、耐白化性と粘着性を両立し、さらに粘着付与樹脂との相溶性が高まる。また、アクリル酸エステル(1)とアクリル酸エステル(2)の質量比がこの範囲にあると、周波数1Hzで測定した粘弾性のtanδの値が、50〜100℃において1×10-2〜1×10-1の範囲となる傾向にあり、結果として接着亢進の少ない粘着剤が得られる。さらに、アクリル酸エステルの質量比(1)/(2)が55/45〜30/70であることが好ましく、55/45〜40/60であることがより好ましい。なお、アクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)の質量比は、後述の実施例に記載の方法により求められる。

0025

上記重合体ブロック(B)に用いるアクリル酸エステルの組み合わせとしては、例えば、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸オクチル、アクリル酸n−ヘキシル/アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸ラウリル、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸ベンジル、アクリル酸n−ブチル/[アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸ラウリル]などが挙げられる。このとき、用いるアクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)としては、アクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)の溶解度パラメーターの差が1.0〜2.5(MPa)1/2であることがより好ましい。なお、本発明でいう溶解度パラメーターは、"POLYMERHANDBOOK Forth Edition"、VII 675頁〜714頁(Wiley Interscience社、1999年発行)および"Polymer Engineering and Science"、1974年、第14巻、147頁〜154頁に記載の方法で計算することができる。また、上記アクリル系ブロック共重合体(I)に、重合体ブロック(B)が2つ以上含まれる場合には、それら重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステル単位の組み合わせは、同一であっても異なっていてもよい。

0026

上記重合体ブロック(B)は、重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)のランダム共重合体からなるものでもよいし、ブロック共重合体からなるものでもよいし、さらにテーパー状ブロック共重合体からなるものでもよい。上記アクリル系ブロック共重合体(I)に、重合体ブロック(B)が2つ以上含まれる場合には、それら重合体ブロック(B)の構造は、同一であっても異なっていてもよい。また、重合体ブロック(B)中に含まれるアクリル酸エステル単位の割合は、重合体ブロック(B)中60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。

0027

上記重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、お互いの成分が含有されていてもよい。また、必要に応じて他の単量体を含有してもよい。かかる他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸マレイン酸無水マレイン酸フマル酸、(メタ)アクリルアミド等のカルボキシル基を有するビニル系単量体;(メタ)アクリロニトリル酢酸ビニル塩化ビニル塩化ビニリデン等の官能基を有するビニル系単量体;スチレンα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体ブタジエンイソプレン等の共役ジエン系単量体エチレンプロピレンイソブテンオクテン等のオレフィン系単量体;ε−カプロラクトンバレロラクトン等のラクトン系単量体等が挙げられる。これら単量体を用いる場合は、通常少量で使用されるが、各重合体ブロックに使用する単量体の全質量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下の量で使用される。

0028

本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)は、上記重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の他に、必要に応じ、他の重合体ブロックを有していてもよい。かかる他の重合体ブロックとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、オクテン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどからなる重合体ブロック又は共重合体ブロックポリエチレンテレフタレートポリ乳酸ポリウレタンポリジメチルシロキサンからなる重合体ブロックなどが挙げられる。また、上記重合体ブロックには、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン化合物を含む重合体ブロックの水素添加物も含まれる。

0029

本発明に用いる上記アクリル系ブロック共重合体(I)の製造方法は、化学構造に関する本発明の条件を満足する重合体が得られる限りにおいて特に限定されることなく、公知の手法に準じた方法を採用することができる。一般に、分子量分布の狭いブロック共重合体を得る方法としては、構成単位である単量体をリビング重合する方法が取られる。このようなリビング重合の手法としては、例えば、有機希土類金属錯体重合開始剤としてリビング重合する方法(特許文献6参照)、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩などの鉱酸塩の存在下でリビングアニオン重合する方法(特許文献7参照)、有機アルミニウム化合物の存在下で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としリビングアニオン重合する方法(特許文献8参照)、原子移動ラジカル重合法ATRP)(非特許文献1参照)などが挙げられる。

0030

上記製造方法のうち、有機アルミニウム化合物の存在下で有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重合する方法は、得られるブロック共重合体の透明性が高いものとなり、残存単量体が少なく臭気が抑えられ、また、粘着剤組成物として用いる際、貼り合わせ後の気泡の発生を抑制できるため好ましい。さらに、メタクリル酸エステル重合体ブロック分子構造が高シンジオタクチックとなり、粘着剤組成物の耐熱性を高める効果がある点、比較的温和温度条件下でリビング重合が可能で工業的に生産する場合に環境負荷(主に重合温度を制御するための冷凍機にかかる電力)が小さい点でも好ましい。

0031

上記有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(3)
AlR3R4R5 (3)
(式中、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基又はN,N−二置換アミノ基を表すか、或いはR3が上記したいずれかの基であり、R4及びR5が一緒になって置換基を有していてもよいアリーレンジオキシ基を形成している。)
で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。

0032

上記一般式(3)で表される有機アルミニウム化合物としては、重合リビング性の高さや取り扱いの容易さなどの点から、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシアルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル〔2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)〕アルミニウムなどが好ましく挙げられる。

0033

上記有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、イソブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、テトラメチレンジリチウム等のアルキルリチウムおよびアルキルジリチウム;フェニルリチウム、p−トリルリチウム、リチウムナフタレン等のアリールリチウムおよびアリールジリチウム;ベンジルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムの反応により生成するジリチウム等のアラルキルリチウムおよびアラルキルジリチウム;リチウムジメチルアミド等のリチウムアミドメトキシリチウム、エトキシリチウム等のリチウムアルコキシドなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、重合開始効率が高いことから、アルキルリチウムが好ましく、中でもtert−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましく、sec−ブチルリチウムがさらに好ましい。

0034

また、上記リビングアニオン重合は、通常、重合反応に不活性溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼントルエンキシレンなどの芳香族炭化水素クロロホルム塩化メチレン四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素テトラヒドロフランジエチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。

0035

ブロック共重合体は、例えば、単量体を重合して得た所望のリビングポリマー末端に、所望の重合体ブロック(重合体ブロック(A)、重合体ブロック(B)など)を形成する工程を所望の回数繰り返した後、重合反応を停止させることにより製造できる。具体的には、例えば有機アルミニウム化合物の存在下、有機アルカリ金属化合物からなる重合開始剤により、第1の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第1工程、第2の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第2工程、および、必要に応じて第3の重合体ブロックを形成する単量体を重合する第3工程を含む複数段階の重合工程を経て、得られた重合体の活性末端アルコールなどと反応させ、重合反応を停止させることにより、アクリル系ブロック共重合体(I)を製造できる。上記のような方法によれば、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)からなる二元ブロックジブロック)共重合体や、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなる3元ブロック(トリブロック)共重合体、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)からなる4元ブロック共重合体などを製造できる。

0036

重合温度としては、重合体ブロック(A)を形成する際は0〜100℃、重合体ブロック(B)を形成する際は−50〜50℃が好ましい。上記範囲より重合温度が低い場合には、反応の進行が遅くなり、反応を完結させるのに長時間必要となる。一方、上記範囲より重合温度が高い場合には、リビングポリマー末端の失活が増え、分子量分布が広くなったり、所望のブロック共重合体が得られなくなったりする。また、重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)はそれぞれ1秒〜20時間の範囲で重合できる。

0037

本発明の粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の重合体、粘着付与樹脂、軟化剤可塑剤熱安定剤光安定剤帯電防止剤難燃剤発泡剤着色剤染色剤屈折率調整剤フィラー硬化剤などの添加剤が含まれていても良い。これら他の重合体および添加剤は、1種が含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。

0038

上記他の重合体としては、例えば、ポリメタクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ポリプロピレンポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリノルボルネン等のオレフィン系樹脂エチレン系アイオノマーポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体ハイインパクトポリスチレン、AS樹脂ABS樹脂AES樹脂、AAS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂ナイロン6ナイロン66ポリアミドエラストマー等のポリアミドポリカーボネートポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリビニルアルコール;エチレン−ビニルアルコール共重合体ポリアセタールポリフッ化ビニリデン;ポリウレタン;変性ポリフェニレンエーテルポリフェニレンスルフィドシリコーンゴム変性樹脂アクリル系ゴムシリコーン系ゴムSEPS、SEBS、SIS等のスチレン系熱可塑性エラストマー;IR、EPR、EPDM等のオレフィン系ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、上記粘着剤組成物に含まれるアクリル系ブロック共重合体(I)との相溶性の観点から、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、AS樹脂、ポリ乳酸、ポリフッ化ビニリデンが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。

0039

上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、メタクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(A)と、アクリル酸エステル単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック(B)からなるジブロック共重合体、およびトリブロック共重合体が好ましい(ただし、上記ジブロック共重合体およびトリブロック体には、本発明のアクリル系ブロック共重合体(I)は含まれない。)。

0040

本発明の粘着剤組成物が粘着付与樹脂を含有する場合、タック、接着力および保持力の調節が容易となるため好ましい。上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂テルペン系樹脂等の天然樹脂石油樹脂水素添加(以下、「水添」ということがある)石油樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等の合成樹脂などが挙げられる。また、粘着付与樹脂を含有させる場合、その含有量としては、接着力と耐久性の観点から、アクリル系ブロック共重合体(I)100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましく、3〜70質量部であることがより好ましく、5〜50質量部であることがさらに好ましく、5〜40質量部であることが特に好ましく、5〜35質量部であることが最も好ましい。

0041

上記ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジントール油ロジンウッドロジン等のロジン;水添ロジン不均化ロジン重合ロジン等の変性ロジン;これらロジン、変性ロジンのグリセリンエステルペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル等が挙げられる。上記ロジン類の具体例としては、パイクリスタルKE−100、パインクリスタルKE−311、パインクリスタルKE−359、パインクリスタルKE−604、パインクリスタルD−6250(いずれも荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。

0042

上記テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等を主体とするテルペン樹脂芳香族変性テルペン樹脂水添テルペン樹脂テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。上記テルペン系樹脂の具体例としては、タマノル901(荒川化学工業株式会社製)が挙げられる。上記(水添)石油樹脂等としては、例えば、(水添)脂肪族系(C5系)石油樹脂、(水添)芳香族系(C9系)石油樹脂、(水添)共重合系(C5/C9系)石油樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹脂脂環式飽和炭化水素樹脂等が挙げられる。上記スチレン系樹脂としては、例えば、ポリα−メチルスチレン、α−メチルスチレン/スチレン共重合体スチレン系単量体/脂肪族系単量体共重合体、スチレン系単量体/α−メチルスチレン/脂肪族系単量体共重合体、スチレン系単量体共重合体、スチレン系単量体/芳香族系単量体共重合体等が挙げられる。上記スチレン系樹脂の具体例としては、FTR6000シリーズ、FTR7000シリーズ(三井化学株式会社製)が挙げられる。

0043

上記粘着付与樹脂の中でも、高い接着力を発現する点で、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、(水添)石油樹脂およびスチレン系樹脂が好ましく、中でも接着性を高める観点からロジン類が好ましく、耐光劣化や着色、不純物による気泡の発生を抑える観点から、蒸留再結晶、抽出等の操作により精製処理された不均化または水素化ロジン類がさらに好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、上記粘着付与樹脂の軟化点については、高い接着力を発現する点から、50〜150℃のものが好ましい。

0044

上記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレートジ−n−オクチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−デシルフタレート、ジイソデシルフタレートなどのフタル酸エステル類、ビス−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−n−ブチルセバケートなどのセバシン酸エステル類、ビス−2−エチルヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸エステル類、ビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペートなどのアジピン酸エステル類などの脂肪酸エステル類塩素化パラフィンなどのパラフィン類ポリプロピレングリコールなどのグリコール類エポキシ化大豆油エポキシ化アマニ油などのエポキシ系高分子可塑剤;トリオクチルホスフェートトリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類トリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類;ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル系オリゴマー;ポリブテン;ポリイソブチレンポリイソプレンプロセスオイルナフテン系オイルなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、または2種以上を併用してもよい。

0045

上記フィラーとしては、例えば、ガラス繊維カーボン繊維などの無機繊維、および有機繊維炭酸カルシウムタルクカーボンブラック酸化チタンシリカクレー硫酸バリウム炭酸マグネシウムなどの無機充填剤などが挙げられる。無機繊維、有機繊維が含まれていると、得られる粘着剤組成物に耐久性が付与される。無機充填剤が含まれていると、得られる粘着剤組成物に耐熱性、耐候性が付与される。

0046

硬化剤とともに本発明の粘着剤組成物を用いると、UV硬化型粘着剤として好適に使用できる。上記硬化剤としては、UV硬化剤などの光硬化剤熱硬化剤などが挙げられ、例えば、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類ベンゾフェノン類アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類ジアセチル類などが挙げられる。具体的には、ベンゾイン、α−メチロールベンゾイン、α−t−ブチルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、ベンジル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、ジアセチルなどが挙げられる。硬化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0047

上記硬化剤の効果を高める観点から、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、および、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステルマレイン酸エステルなどのエステル;アクリルアミド;メタクリルアミドN−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド誘導体;N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド誘導体ビニルエステルビニルエーテルモノ−N−ビニル誘導体スチレン誘導体などの単量体;前記単量体を構成成分として含むオリゴマーなどをさらに添加してもよい。耐久性を高める観点からは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステルなどのエステル;ビニルエーテル;スチレン誘導体;および前記単量体を構成成分として含むオリゴマーが好ましい。また、これらの単量体の他に、さらに2官能以上の単量体またはオリゴマーからなる架橋剤を加えてもよい。

0048

本発明の粘着剤組成物の製造方法は特に制限されず、例えば、各成分を、ニーダールーダー、押出機ミキシングロールバンバリーミキサー等の既知の混合または混練装置を使用して、通常100〜250℃の範囲内の温度で混合することにより製造できる。また、各成分を有機溶媒に溶解して混合した後、該有機溶媒を留去することによって製造してもよい。得られた粘着剤組成物は、加熱溶融して使用可能であり、あるいは溶媒に溶解させて溶液型粘着剤として使用してもよい。溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチルエチルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンジメチルスルホキシド、トルエン−エタノール混合溶媒等が挙げられる。なかでもトルエン、エチルベンゼン、酢酸エチル、メチルエチルケトンが好ましい。
なお、本発明の粘着剤組成物を加熱溶融して使用する場合、加工性・取扱性の観点から、溶融粘度が低いことが好ましく、例えば、ホットメルト加工を行う場合には、200℃前後での溶融粘度が50,000mPa・s以下であることが好ましく、30,000mPa・s以下であることがより好ましい。

0049

本発明の粘着剤組成物は、該粘着剤組成物からなる粘着層や、該粘着層を含む積層体などの形態での粘着製品に好適に用いられる。

0050

上記粘着層を形成するには、本発明の粘着剤組成物を加熱溶融して用いる場合、例えば、ホットメルト塗工法、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー成形法、ラミネーション法などを用いてシート状やフィルム状などの形状に形成できる。また、本発明の粘着剤組成物を溶媒に溶解して用いる場合、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱材料スチールベルト等からなる平板またはロールを用い、これらの上に、バーコーターロールコーターダイコーターコンマコーター等を用いてアクリル系ブロック共重合体(I)またはアクリル系ブロック共重合体(I)を含む組成物を溶媒に溶解させた溶液を塗工し、乾燥により溶媒を除去する方法を用いて粘着層を形成することができる。

0051

乾燥により溶媒を除去する方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができるが、複数の段階に分けて乾燥を行うことが好ましい。複数の段階に分けて乾燥を行う場合には、1段階目の乾燥は、溶媒の急激な揮発による発泡を抑制するために、比較的低い温度で行い、2段階目以降の乾燥は、十分に溶媒を除去するために、高温で乾燥を行う方法がより好ましい。

0052

上記溶液中のアクリル系ブロック共重合体(I)またはアクリル系ブロック共重合体(I)を含む組成物の濃度は、アクリル系ブロック共重合体(I)またはアクリル系ブロック共重合体(I)を含む組成物の溶媒に対する溶解度、得られる溶液の粘度等を考慮して適宜決定されるが、好ましい下限値が5質量%、好ましい上限値が55質量%である。

0053

上記積層体は、本発明の粘着剤組成物からなる粘着層と、紙、セロハンプラスチック材料、布、木材、および金属などの種々の基材を積層することにより得られる。透明な材料からなる基材層であると、本発明の粘着剤組成物は透明性や耐候性に優れることから、透明な積層体が得られるため好適である。透明な材料からなる基材層としては、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、シクロオレフィン系樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの重合体、これら重合体の2種以上の混合物、およびガラスなどからなる基材層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、前記重合体は種々のモノマーが共重合された共重合体であってもよい。

0054

上記積層体の構成としては、例えば、本発明の粘着剤組成物からなる粘着層と基材層との2層構成、基材層2層と本発明の粘着剤組成物からなる粘着層との3層構成(基材層/粘着層/基材層)、基材層と本発明の粘着剤組成物からなる異なる2層の粘着層(a)および粘着層(b)と基材層との4層構成(基材層/粘着層(a)/粘着層(b)/基材層)、基材層と本発明の粘着剤組成物からなる粘着層(a)と他の材料からなる粘着層(c)と基材層との4層構成(基材層/粘着層(a)/粘着層(c)/基材層)、基材層3層と本発明の粘着剤組成物からなる粘着層2層との5層構成(基材層/粘着層/基材層/粘着層/基材層)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0055

上記積層体の厚み比としては特に制限されないが、得られる粘着製品の粘着性、耐久性、取り扱い性から、基材層/粘着層=1/1000〜1000/1の範囲であることが好ましく、1/200〜200/1の範囲であることがより好ましい。

0056

上記積層体を製造する際は、粘着層と基材層をそれぞれ形成したのちラミネーション法などによりそれらを貼り合わせてもよいし、基材層上に直接粘着層を形成してもよいし、粘着層と基材層を共押出することにより層構造を一度に形成してもよい。

0057

本発明の積層体においては、基材層と粘着層との密着力を高めるために、基材層の表面にコロナ放電処理プラズマ放電処理などの表面処理を予め施してもよい。また、上記粘着層および基材層の少なくとも一方の表面に、接着性を有する樹脂などを用いてアンカー層を形成してもよい。

0058

かかるアンカー層に用いる樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ブロック共重合体(例えば、SIS、SBSなどのスチレン系トリブロック共重合体、およびジブロック共重合体など)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。上記アンカー層は一層であってもよく、二層以上であってもよい。

0059

アンカー層を形成させる場合、その方法は特に制限されず、例えば、基材層に上記樹脂を含む溶液を塗工してアンカー層を形成させる方法、アンカー層となる上記樹脂などを含む組成物を加熱溶融してTダイなどにより基材層表面にアンカー層を形成させる方法などが挙げられる。

0060

また、アンカー層を形成させる場合、アンカー層となる上記樹脂と本発明の粘着剤組成物とを共押出して基材層表面にアンカー層と粘着層とを一体積層してもよく、基材層表面にアンカー層となる樹脂と粘着剤組成物とを順次積層してもよく、さらに、基材層がプラスチック材料である場合には、基材層となるプラスチック材料、アンカー層となる樹脂、および粘着剤組成物を同時に共押出してもよい。

0061

本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤は、種々の用途に使用できる。また該粘着剤組成物からなる粘着層は、単体で粘着シートとして使用できるし、該粘着層を含む積層体も種々の用途に適用できる。例えば、表面保護用マスキング用、結束用包装用、事務用、ラベル用、装飾・表示用接合用ダイシングテープ用、シーリング用、防食防水用医療・衛生用、ガラス飛散防止用電気絶縁用電子機器保持固定用、半導体製造用光学表示フィルム用、粘着型光学フィルム用、電磁波シールド用、または電気電子部品封止材用の粘着剤、粘着テープやフィルム等が挙げられる。以下、具体例を挙げる。

0062

表面保護用の粘着剤、粘着テープまたはフィルム等は、金属、プラスチックゴム、木材など種々の材料に使用でき、具体的には塗料面、金属の塑性加工深絞り加工時、自動車部材光学部材表面保護のために使用できる。該自動車部材としては、塗装外板ホイールミラーウィンドウライトライトカバーなどが挙げられる。該光学部材としては、液晶ディスプレイ有機ELディスプレイプラズマディスプレイフィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置偏光フィルム偏光板位相差板導光板拡散板、DVD等の光ディスク構成フィルム電子光学用途向け精密ファインコート面板などが挙げられる。

0063

マスキング用の粘着剤、テープやフィルム等の用途としては、プリント基板フレキシブルプリント基板の製造時のマスキング;電子機器でのメッキハンダ処理時のマスキング;自動車等車両の製造、車両・建築物の塗装、捺染土木工事見切り時のマスキングなどが挙げられる。

0064

結束用途としては、ワイヤーハーネス電線ケーブルファイバーパイプコイル巻線鋼材ダクトポリ袋食品野菜花卉などが挙げられる。

0065

包装用途としては、重量物梱包輸出梱包、段ボール箱封緘シールなどが挙げられる。

0066

事務用途としては、事務汎用、封緘、書籍補修製図メモ用などが挙げられる。

0067

ラベル用途としては、価格、商品表示荷札POPステッカーストライプネームプレート、装飾、広告用などが挙げられる。

0068

上記ラベルとしては、紙、加工紙アルミ蒸着加工、アルミラミネート加工、ニス加工、樹脂加工等を施された紙)、合成紙等の紙類;セロハン、プラスチック材料、布、木材および金属製のフィルム等を基材とするラベルが挙げられる。基材の具体例としては、例えば、上質紙アート紙、キャスト紙サーマル紙ホイル紙;ポリエチレンテレフタレートフィルムポリ塩化ビニルフィルムOPPフィルムポリ乳酸フィルム、合成紙、合成紙サーマルオーバーラミフィルムなどが挙げられる。中でも、本発明の粘着剤組成物は、透明性・耐候性に優れる点で、透明な材料からなる基材を用いたラベルに好適に用いることができる。また、本発明の粘着剤組成物は、経時的な変色が少ないため、サーマル紙や合成紙サーマルを基材とするサーマルラベルに好適に用いることができる。

0070

本発明の粘着剤組成物からなる粘着層を含む積層体からなるラベルは、室温よりやや高い温度(例えば60℃)で保管時に接着亢進が少なく、使用後に糊残りなく剥がすことができる。しかも低温(−40〜+10℃)でも被着体に貼合でき、低温(−40〜+10℃)で保管しても剥がれることがない。

0071

装飾・表示用途としては、危険表示シール、ラインテープ配線マーキング蓄光テープ反射シート等が挙げられる。

0072

粘着型光学フィルム用途としては、例えば偏光フィルム、偏光板、位相差フィルム視野角拡大フィルム輝度向上フィルム反射防止フィルムアンチグレアフィルムカラーフィルター、導光板、拡散フィルムプリズムシート電磁波シールドフィルム近赤外線吸収フィルム、機能性複合光学フィルム、ITO貼合用フィルム、耐衝撃性付与フィルム、視認性向上フィルムなどの片面若しくは両面の少なくとも一部または全部に粘着層を形成した光学フィルムなどが挙げられる。かかる粘着型光学フィルムは、上記光学フィルムの表面保護のために用いられる保護フィルムに本発明の粘着剤組成物からなる粘着層を形成させたフィルムを含む。粘着型光学フィルムは、液晶表示装置、PDP有機EL表示装置電子ペーパーゲーム機モバイル端末などの各種画像表示装置に好適に用いられる。

0073

電気絶縁用途としては、コイルの保護被覆または絶縁モータトランスなどの層間絶縁などが挙げられる。

0074

電子機器保持固定用途としては、キャリアテープパッケージングブラウン管の固定、スプライシングリブ補強などが挙げられる。

0075

半導体製造用としては、シリコーンウエハーの保護用等が挙げられる。

0076

接合用途としては、各種接着分野、自動車、電車電気機器印刷版固定、建築銘板固定、一般家庭用、粗面、凹凸面、曲面への接着用などが挙げられる。

0077

シーリング用途としては、断熱防振防水防湿防音または防塵用のシーリングなどが挙げられる。

0078

防食・防水用途としては、ガス水道管の防食、大口径管の防食、土木建築物の防食などが挙げられる。

0080

電子・電気部品の封止材用途としては、液晶モニター太陽電池等が挙げられる。

0081

以下に、実施例などに基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例の各種物性は以下の方法により測定又は評価した。
(1)アクリル系ブロック共重合体(I−1)〜(I−18)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)により標準ポリスチレン換算の分子量として求めた。
・ 装置:東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8020」
分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgelGMHXL」、「G4000HXL」および「G5000HXL」を直列に連結
溶離剤:テトラヒドロフラン
溶離剤流量:1.0ml/分
カラム温度:40℃
検出方法示差屈折率RI
(2) アクリル系ブロック共重合体(I−1)〜(I−18)における各重合体ブロックの含有量
1H−NMR測定によって求めた。
・ 装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM−ECX400」
・溶媒:重水素化クロロホルム
1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppmおよび4.0ppm付近シグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位エステル基(−O−CH3)およびアクリル酸エステル単位のエステル基(−O−CH2−CH2−CH2−CH3または−O−CH2−CH(−CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3)に帰属され、その積分値の比によって共重合成分の含有量を求めた。
(3) アクリル系ブロック共重合体(I−1)、(I−2)、(I−7)〜(I−12)、(I−14)〜(I−16)中の重合体ブロック(B)を構成する単量体の比
1H−NMR測定によって求めた。
・ 装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「JNM−ECX400」
・ 溶媒:重水素化クロロホルム
重合体ブロック(B)の重合に用いた混合単量体の1H−NMRスペクトルにおいて、4.1ppmおよび4.2ppm付近のシグナルは、それぞれ、アクリル酸n−ブチルのエステル基(−O−CH2−CH2−CH2−CH3)およびアクリル酸2−エチルヘキシルのエステル基(−O−CH2−CH(−CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3)に帰属され、その積分値の比によって各単量体のモル比による含有量を求め、これを、単量体単位の分子量を基に質量比に換算し、各重合体ブロック(B)を構成する単量体の質量比とした。
(4) 180°剥離接着力
JIS Z0237に準拠して測定した。すなわち、作製した厚さ25μmの粘着テープを幅25mm、長さ100mmとしてガラス板、ステンレス(SUS304)板(ブライトアニール処理(以下BA処理と称する)品)、ポリメチルメタクリレートPMMA)板およびポリエチレン板に貼り付け、サンプルを室温にて保管後(特に記載のない場合は、貼合後24時間保管後)、23℃において300mm/分の速度で180°の方向に剥離して測定した。スティックスリップが発生した場合は、最大値を接着力とした。
(5)保持力(SAFT)
ASTMD4498に準拠して測定した。すなわち、作製した厚さ25μmの粘着テープをステンレス(SUS304)板(BA処理品)に幅25mm×長さ25mmで貼り付け、荷重500gを吊り下げ、40℃から205℃まで0.5℃/分の速度で昇温し、落下時の温度を求めた。
(6) 保持力(クリープ
JIS Z0237に準拠して測定した。すなわち、作製した厚さ25μmの粘着テープをステンレス(SUS304)板(BA処理品)に幅25mm×長さ25mmで貼り付け、温度90℃で荷重1kgを吊り下げ、落下時間または1000分後のズレ距離を求めた。
(7)ボールタック
JIS Z0237に準拠して測定した。すなわち、傾斜角度30°になるよう設置した厚さ25μmの粘着テープ上に、ボールタック法に準拠したボールを転がし、粘着テープ上で停止する最大のボールのナンバーを求めた。
(8)粘弾性のtanδの値
表2および3記載のブロック共重合体をトルエンに溶解し、30質量%濃度のトルエン溶液を作製し、溶液キャスト法により1mm厚のシートを得た。これを以下の条件にて、ねじり振動での動的粘弾性を測定し、tanδ(損失せん断弾性率貯蔵せん断弾性率)を求めた。
・ 装置:Rhemetric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System」
・ 平行プレート:直径8mm
振動モード:ねじり振動
振動数:6.28rad/秒
測定温度範囲:−50℃〜250℃
・ 昇温速度:3℃/分
・ 歪:0.05%(−50℃〜−37℃)、1.0%(−37℃〜−15℃)、5.0%(−15℃〜250℃)
(9)耐白化性
作製した厚さ50μmの粘着テープを50mm×50mmとしてガラス板に貼り付けて、これを温度60℃、圧力0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、ヘイズ値を測定した(ヘイズ値1)。さらに、これを温度85℃、湿度85%湿熱槽にて120時間保管し、湿熱槽から取り出して10分後のヘイズ値を測定した(ヘイズ値2)。このヘイズ値1および2の差(ヘイズ値2−ヘイズ値1)が2%以下のものを○、2%より大きいものを×とした。
(10)耐久性(耐ブリスター性
作製した厚さ50μmの粘着テープを幅25mm、長さ100mmとしてポリカーボネート板(厚さ1.5mm)に貼り付け、これを温度60℃、圧力0.5MPaのオートクレーブで30分処理し、温度60℃、湿度95%湿熱槽にて200時間保管後、目盛りルーペ(10倍)を用いて気泡の有無を観察し、表1に記載の基準にもとづいて、耐久性を評価した。

0082

0083

(11)溶融粘度
表8記載の配合にて、30質量%濃度のトルエン溶液を作製し、溶液キャスト法により1mm厚のシートを得た。このシートを用い、ブルックフィールド粘度計にて、200℃に加温された粘着剤組成物の溶融粘度を測定した。スピンドルはNo.29を用いた。
(12)接着亢進(接着力の経時変化
作製した厚さ25μmの粘着テープを幅25mm、長さ100mmとしてPMMA板(住化アクリル販売製、スミペックスE)に貼り付け、サンプルを室温にて3時間、24時間、7日間保管した後、又は60℃にて24時間、7日間保管した後、JIS Z0237に準拠して、23℃において300mm/分の速度で180°の方向に剥離して接着力を測定し、接着亢進の割合を求めた。

0084

《合成例1》[アクリル系ブロック共重合体(I−1)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム5.00mmolを含有するシクロヘキサンn−ヘキサン混合溶液2.89gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物(質量比50/50)240gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物の重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−1)」と称する]260gを得た。

0085

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−1)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は64,600、数平均分子量(Mn)は60,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−1)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが25.4質量%で、(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)共重合体ブロックが74.6質量%であった。

0086

《合成例2》[アクリル系ブロック共重合体(I−2)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム3.54mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.07gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物(質量比50/50)251.9gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル混合物の重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−2)」と称する]320gを得た。

0087

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−2)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は113,000、数平均分子量(Mn)は92,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.23であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−2)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが20.1質量%で、(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)共重合体ブロックが79.9質量%であった。

0088

《合成例3》[アクリル系ブロック共重合体(I−3)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム5.00mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.89gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル240gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−3)」と称する]255gを得た。

0089

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−3)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は73,000、数平均分子量(Mn)は65,200であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−3)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが23.0質量%で、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックが77.0質量%であった。

0090

《合成例4》[アクリル系ブロック共重合体(I−4)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム3.54mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.07gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸n−ブチル251.9gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸n−ブチルの重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−4)」と称する]310gを得た。

0091

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−4)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸n−ブチル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は110,000、数平均分子量(Mn)は92,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.20であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−4)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが22.5質量%で、アクリル酸n−ブチル重合体ブロックが77.5質量%であった。

0092

《合成例5》[アクリル系ブロック共重合体(I−5)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム3.54mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.07gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸2−エチルヘキシル251.9gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸2−エチルヘキシルの重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル36.6gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−5)」と称する]315gを得た。

0093

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−5)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸2−エチルヘキシル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は123,000、数平均分子量(Mn)は104,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.19であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−5)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが21.3質量%で、アクリル酸2−エチルヘキシル重合体ブロックが78.7質量%であった。

0094

《合成例6》[アクリル系ブロック共重合体(I−6)の合成]
(1)2Lの三口フラスコの内部を窒素置換した後、室温にてトルエン868g、1,2−ジメトキシエタン43.4gを加え、次いでイソブチルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム40.2mmolを含有するトルエン溶液60.0gを加え、さらに、sec−ブチルリチウム5.00mmolを含有するシクロヘキサンとn−ヘキサンの混合溶液2.89gを加えた。続いて、この混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加えた。反応液は当初、黄色に着色していたが、室温にて60分間撹拌後には無色となった。このとき、メタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。次に反応混合液を−30℃に冷却し、アクリル酸2−エチルヘキシル240gを2時間かけて滴下し、滴下終了後−30℃にて5分間撹拌した。このときのアクリル酸2−エチルヘキシルの重合転化率は99.9%以上であった。続いて、この反応混合液にメタクリル酸メチル35.9gを加え、一晩室温にて撹拌後、メタノール3.50gを添加して重合反応を停止した。このときのメタクリル酸メチルの重合転化率は99.9%以上であった。得られた反応液を15kgのメタノール中に注ぎ、白色沈殿物を析出させた。白色沈殿物を濾過により回収し、乾燥させることにより、ブロック共重合体[以下、これを「アクリル系ブロック共重合体(I−6)」と称する]265gを得た。

0095

(2)得られたアクリル系ブロック共重合体(I−6)について、1H−NMR測定とGPC測定を行った結果、ポリメタクリル酸メチル−ポリアクリル酸2−エチルヘキシル−ポリメタクリル酸メチルからなるトリブロック共重合体であり、重量平均分子量(Mw)は65,000、数平均分子量(Mn)は59,500であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.09であった。また、アクリル系ブロック共重合体(I−6)における各重合体ブロックの含有量は、メタクリル酸メチル重合体ブロックが24.0質量%で、アクリル酸2−エチルヘキシル重合体ブロックが76.0質量%であった。

0096

《合成例7》[アクリル系ブロック共重合体(I−7)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を90/10に変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−7)を得た。

0097

《合成例8》[アクリル系ブロック共重合体(I−8)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を10/90に変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−8)を得た。

0098

《合成例9》[アクリル系ブロック共重合体(I−9)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を60/40に変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−9)を得た。

0099

《合成例10》[アクリル系ブロック共重合体(I−10)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を35/65に変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−10)を得た。

0100

《合成例11》[アクリル系ブロック共重合体(I−11)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を25/75に変更した以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−11)を得た。

0101

《合成例12》[アクリル系ブロック共重合体(I−12)の合成]
最初に加えるメタクリル酸メチルの量を51.7g、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物(質量比50/50)の量を547.4g、2回目に加えるメタクリル酸メチルの量を51.7gとした以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−12)を得た。

0102

《合成例13》[アクリル系ブロック共重合体(I−13)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を100/0に変更した以外は、合成例12と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−13)を得た。

0103

《合成例14》[アクリル系ブロック共重合体(I−14)の合成]
最初に加えるメタクリル酸メチルの量を24.6g、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物(質量比50/50)の量を164.2g、2回目に加えるメタクリル酸メチルの量を24.6gとした以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−14)を得た。

0104

《合成例15》[アクリル系ブロック共重合体(I−15)の合成]
最初に加えるメタクリル酸メチルの量を28.7g、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの混合物(質量比50/50)の量を193.7g、2回目に加えるメタクリル酸メチルの量を28.7gとした以外は、合成例1と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−15)を得た。

0105

《合成例16》[アクリル系ブロック共重合体(I−16)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を30/70に変更した以外は、合成例15と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−16)を得た。

0106

《合成例17》[アクリル系ブロック共重合体(I−17)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシルの質量比を0/100に変更した以外は、合成例14と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−17)を得た。

0107

《合成例18》[アクリル系ブロック共重合体(I−18)の合成]
アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル質量比を0/100に変更した以外は、合成例15と同様にしてアクリル系ブロック共重合体(I−18)を得た。

0108

上記の合成例1〜18で得られたアクリル系ブロック共重合体(I−1)〜(I−18)の物性値を、以下の表2および表3に示す。

0109

0110

0111

《実施例1〜7、比較例1〜8》
上記の合成例1〜13で製造したアクリル系ブロック共重合体(I−1)〜(I−13)および粘着付与樹脂(荒川化学製、パインクリスタルKE−311)を以下の表4および5に示す質量比でトルエンに溶解し、35質量%の粘着剤組成物を含有するトルエン溶液を作製し、コーターによってポリエチレンテレフタレート製フィルム(東洋紡エステルフィルムE5000、厚さ50μm)上に乾燥後の粘着層の厚さが25μmまたは50μmになるようにコーティングを行った後、該フィルムを60℃、30分で乾燥・熱処理して粘着テープを作製した。作製した粘着テープの評価において、被着体に貼り付ける必要がある場合には、2kgのローラーを10mm/分の速度で2往復させて貼り付け、評価を行った。
得られた粘着テープにつき、上記した方法にて、各種物性を評価したところ、下記の表4から表6に示す通りであった。

0112

0113

0114

0115

表4から表6の結果に見られるように、重合体ブロック(B)が特定のアクリル酸エステル(1)およびアクリル酸エステル(2)を特定質量比で混合したものからなる重合体ブロック(B)を有するアクリル系ブロック共重合体(I−1)、(I−2)、(I−9)〜(I−12)を含有する本発明の粘着剤は、ガラス、SUSへの接着力および保持力、タック、耐白化性に優れ、接着亢進が少なく、そのバランスにも優れている。これに対し、比較例1〜7は、重合体ブロック(B)に相当する重合体ブロックがアクリル酸n−ブチルのみからなるか、アクリル酸2−エチルヘキシルのみからなるか、または本発明の規定のアクリル酸エステル(1)とアクリル酸エステル(2)との質量比を満たさない混合物からなる、ブロック共重合体(I−3)〜(I−8)、(I−13)を使用しており、ガラス、SUSへの接着力、保持力、タック、耐白化性および耐久性に劣っていたり、接着亢進が大きかったり、その粘着物性のバランスに劣る。また、重合体ブロック(B)に相当するブロックがアクリル酸n−ブチルのみからなるアクリル系ブロック共重合体と、アクリル酸2−エチルヘキシルのみからなるアクリル系ブロック共重合体との混合物を使用した比較例8は、接着力や耐久性(耐ブリスター性)に劣る。

0116

《実施例2、8〜11、比較例2〜3、9〜15》
実施例1と同様にして、下記の表7に記載の配合に従い粘着テープを作製し、上記した方法にて、ポリエチレンへの接着性を評価したところ、下記の表7に示す通りであった。

0117

0118

表7の結果より、実施例2、8〜11と、比較例2〜3および9〜15を比較すると、本発明の粘着剤組成物は、ポリエチレン接着性に優れる傾向にある。本発明では、特に、粘着付与樹脂を多量に用いた場合、ポリエチレン接着性の向上が顕著であることが分かった。一方、重合体ブロック(B)に相当する重合体ブロックがアクリル酸n−ブチルのみからなるブロック共重合体(I−4)を用いた比較例2および9〜11の粘着剤組成物では、粘着付与樹脂を一定以上添加すると、スティックスリップを生じやすくなる。

0119

《実施例12〜14、比較例16、17》
実施例1と同様にして、下記の表8に記載の配合比の粘着剤組成物および粘着テープを作製し、上記した方法にて、SUS、ポリエチレンへの接着性、粘着剤組成物の200℃での溶融粘度を評価したところ、下記の表8に示す通りであった。

0120

実施例

0121

表8の結果より、本発明の規定を満たすブロック共重合体(I−14)〜(I−16)および粘着付与樹脂を含有する実施例12〜14の粘着剤は、本発明の規定を満たさないブロック共重合体を使用した比較例16および比較例17と比べて、高いSUS接着性およびポリエチレン接着性を示す。また、実施例12〜14の粘着剤組成物は、溶融粘度が低いため、加熱溶融して用いる粘着剤として好適に使用できる。

0122

本発明の粘着剤組成物は、優れた耐久性、耐白化性、ホットメルト加工性、粘着性、高温下での保持力、耐熱性、耐候性、粘着付与樹脂との相溶性、低温特性、および透明性を示し、さらに接着亢進が少ない。本発明により、紫外線に晒される環境下や、高温高湿度または低温の使用環境条件下においても、長期にわたり優れた粘着性能具備できる粘着剤および粘着製品を提供することができる。また、本発明で用いる特定のアクリル系ブロック共重合体は、ペレット等の取り扱い性に優れた形態での供給が可能であり、粘着剤の製造効率を高めることができる。

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