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課題・解決手段

本発明の主題は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素FADGDH)であって、成熟アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントは、一または二以上の以下の置換N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する。

概要

背景

このような課題を解決するために、例えば、NAD(P)依存性グルコース脱水素酵素(EC 1.1.1.47)またはピロロキノリンキノン(以下、本明細書中において「PQQ」とも称される)依存性グルコース脱水素酵素(EC 1.1.5.2(以前のEC 1.1.99.17)が血糖センサーにおける酵素として使用されている。これらは、溶存酸素の影響を受けないという利点を有している。しかしながら、前者の、すなわちNAD(P)依存性グルコース脱水素酵素(以下、本明細書中において「NADGDH」とも称される)は、不十分な安定性しか有さず、および、補酵素の添加を必要とし扱いにくい。後者の、すなわちPQQ依存性グルコース脱水素酵素(以下、本明細書中において「PQQGDH」とも称される)は、不十分な基質特異性を有し、および、グルコース以外の単糖類、例えばマルトースおよびラクトースなどと反応し、このため測定値の正確性が低下するという欠点を有する。

さらに、特許文献1は、アスペルギルスフラビン結合グルコース脱水素酵素を開示している。この酵素のキシロースに対する活性は、グルコースに対する活性の10%だけであるが、キシロース負荷試験を受けているヒトの血糖レベルを測定する場合には、測定値の正確性が損なわれるかもしれない。酵素は、50℃での15分間の処置の後、約89%の残存活性率を有しており、したがって、良好な熱安定性を示している。特許文献2は、この酵素の遺伝子配列およびアミノ酸配列を開示する。

野生型FAD−GDH由来のFAD−GDHよりも液体中での改良された熱安定性を有する修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)、好ましくは真核生物、より好ましくは糸状菌およびさらに好ましくはアスペルギルス属真菌由来である修飾FAD−GDH、ならびに、例えば、FAD−GDHに対して少なくとも一つのアミノ酸置換欠失、挿入または付加を有する一次構造をもつFAD−GDHが、特許文献3により示されている。

特許文献4は、アスペルギルス属の真菌、例えばアスペルギルスオリゼまたはアスペルギルステレウス(Aspergillus terreus)など由来の、野生型FAD−GDHsと比較して改善された熱安定性を有する修飾FAD−GDHを記載する。特許文献4は、大腸菌での遺伝子組換えによって産生される修飾FAD−GDHのみに焦点をあてている。したがって、前記FAD−GDHsは、非グリコシル化酵素変異体であり、これはまた、特許文献4中で液体条件下でのみスクリーニングされたものであった。したがって、この文献には、グリコシル化されている、および、潜在的なグリコシル化部位の排除または不活性化の結果により、乾燥条件下での改善された熱安定性を有するFAD−GDH変異体を得るためのヌクレオチド配列への特異的な修飾に関しては何らの記載もない。

FAD−GDHのいくつかの使用において、乾燥条件下での熱安定性は、特に重要である。例えば、血糖測定のためのテストストリップの場合、乾燥化学のもとでのFAD−GDHの酵素特性が改良される必要がある。

改良されたフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素を提供することが本発明の課題であった。乾燥条件下での温度安定性を考慮した、このような改良された酵素を提供することが特に興味の対象であった。

概要

本発明の主題は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)であって、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントは、一または二以上の以下の置換N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する。

目的

改良されたフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

(a)成熟アスペルギルスオリゼ由来FADGDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および(b)成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、(a)記載の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素に対して約80%またはそれ以上のアミノ酸配列相同性を示す、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および(c)(a)または(b)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の活性フラグメントからなる群より選択される、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素であって、(b)記載のFAD−GDHまたは(c)記載のフラグメントにおいて、前記潜在的なグリコシル化部位を排除するまたは不活性化する前記置換が、(a)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素と比較した場合に保存されており、および(b)記載のフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素または(c)記載のフラグメントが、(a)記載のFAD−GDHの酵素活性の少なくとも80%の酵素活性を示しており、かつ、(a)記載のFAD−GDHの乾燥条件下での温度安定性の少なくとも80%の温度安定性を示しており、ここで、「乾燥条件下での温度安定性を示す」との表現が、1)凍結乾燥、および、凍結乾燥された酵素の80℃で8日間、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上でのインキュベーションの後に算出され、およびストレス無負荷凍結乾燥物と比較された、凍結乾燥された修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)自身の、および、凍結乾燥された組成物中に含まれる場合凍結乾燥された組成物中の残存活性を意味している、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素。

請求項2

前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素が、グリコシル化されている配列番号1のFAD−GDHと比較して、乾燥条件下での改良された温度安定性を示し、前記配列番号1のFAD−GDHがアスペルギルスオリゼでの発現によって得られ得る、請求項1記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項3

50%未満であるグリコシル化の程度、および/または、1.02未満であるMw/Mnの比を示す請求項1または2記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項4

N2;N168およびN346からなる群より選択されるただ一つのアスパラギン残基のみが、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項5

アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントが、一または二以上の以下の置換:N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項6

アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントが、以下の置換N2S(配列番号3)を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項7

50%未満であるグリコシル化の程度、および/または、1.02未満であるMw/Mnの比を示す請求項1〜6のいずれか1項に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを含む組成物。

請求項8

請求項1〜6のいずれか1項に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードする単離ポリヌクレオチドであって、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない単離ポリヌクレオチド。

請求項9

請求項8記載の単離ポリヌクレオチドを含む発現ベクター

請求項10

N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしている単離ポリヌクレオチドを含む請求項9記載の発現ベクターを含む宿主細胞であって、前記宿主細胞が、内因性グリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができ、かつ、大腸菌株ではない宿主細胞。

請求項11

請求項10記載の形質転換体を培養する工程を含む、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを産生するための方法。

請求項12

請求項11記載の方法によって得られる修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント。

請求項13

請求項1〜6のいずれか1項もしくは請求項12記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント、または、請求項7記載の組成物を用いた、エクスビボサンプル中のグルコースを検出、決定または測定する方法であって、前記検出、決定または測定が、エクスビボサンプルを前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントとそれぞれ接触させることを含む方法。

請求項14

前記グルコースの検出、決定または測定がセンサーまたはテストストリップ素子を用いて行われる請求項13記載の方法。

請求項15

請求項1〜6のいずれか1項もしくは請求項12記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント、または、請求項7記載の組成物を含むエクスビボサンプル中のグルコースの検出、決定または測定のための装置。

技術分野

0001

血糖自己測定は、糖尿病を患う人々にとって彼らの通常のグルコースレベルを知るために、および、処置のためそれらを使用するために、重要である。グルコース基質とする酵素が、血糖の自己測定のためのセンサーとして用いられる。このような酵素の例としては、グルコース酸化酵素(EC 1.1.3.4)が挙げられる。グルコース酸化酵素は、グルコースに非常に特異的であり、および、高い熱安定性をもつという利点を有する。このため、血糖センサーにおける酵素として使用されてきた。このような特性の最初の報告は、40年前まで遡る。グルコース酸化酵素を利用する血糖センサーにおいて、血糖レベルは、酸化によってグルコースをD−グルコノ−d−ラクトンへと変換する工程において生成される電子メディエーターを介して電極へと伝導される際に測定される。しかしながら、グルコース酸化酵素には、反応によって生成されたプロトン酸素へと移動する傾向があり、この結果、溶存酸素測定値に悪影響を及ぼすことになるという問題がある。

背景技術

0002

このような課題を解決するために、例えば、NAD(P)依存性グルコース脱水素酵素(EC 1.1.1.47)またはピロロキノリンキノン(以下、本明細書中において「PQQ」とも称される)依存性グルコース脱水素酵素(EC 1.1.5.2(以前のEC 1.1.99.17)が血糖センサーにおける酵素として使用されている。これらは、溶存酸素の影響を受けないという利点を有している。しかしながら、前者の、すなわちNAD(P)依存性グルコース脱水素酵素(以下、本明細書中において「NADGDH」とも称される)は、不十分な安定性しか有さず、および、補酵素の添加を必要とし扱いにくい。後者の、すなわちPQQ依存性グルコース脱水素酵素(以下、本明細書中において「PQQGDH」とも称される)は、不十分な基質特異性を有し、および、グルコース以外の単糖類、例えばマルトースおよびラクトースなどと反応し、このため測定値の正確性が低下するという欠点を有する。

0003

さらに、特許文献1は、アスペルギルスフラビン結合グルコース脱水素酵素を開示している。この酵素のキシロースに対する活性は、グルコースに対する活性の10%だけであるが、キシロース負荷試験を受けているヒトの血糖レベルを測定する場合には、測定値の正確性が損なわれるかもしれない。酵素は、50℃での15分間の処置の後、約89%の残存活性率を有しており、したがって、良好な熱安定性を示している。特許文献2は、この酵素の遺伝子配列およびアミノ酸配列を開示する。

0004

野生型FAD−GDH由来のFAD−GDHよりも液体中での改良された熱安定性を有する修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)、好ましくは真核生物、より好ましくは糸状菌およびさらに好ましくはアスペルギルス属真菌由来である修飾FAD−GDH、ならびに、例えば、FAD−GDHに対して少なくとも一つのアミノ酸置換欠失、挿入または付加を有する一次構造をもつFAD−GDHが、特許文献3により示されている。

0005

特許文献4は、アスペルギルス属の真菌、例えばアスペルギルスオリゼまたはアスペルギルステレウス(Aspergillus terreus)など由来の、野生型FAD−GDHsと比較して改善された熱安定性を有する修飾FAD−GDHを記載する。特許文献4は、大腸菌での遺伝子組換えによって産生される修飾FAD−GDHのみに焦点をあてている。したがって、前記FAD−GDHsは、非グリコシル化酵素変異体であり、これはまた、特許文献4中で液体条件下でのみスクリーニングされたものであった。したがって、この文献には、グリコシル化されている、および、潜在的なグリコシル化部位の排除または不活性化の結果により、乾燥条件下での改善された熱安定性を有するFAD−GDH変異体を得るためのヌクレオチド配列への特異的な修飾に関しては何らの記載もない。

0006

FAD−GDHのいくつかの使用において、乾燥条件下での熱安定性は、特に重要である。例えば、血糖測定のためのテストストリップの場合、乾燥化学のもとでのFAD−GDHの酵素特性が改良される必要がある。

0007

改良されたフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素を提供することが本発明の課題であった。乾燥条件下での温度安定性を考慮した、このような改良された酵素を提供することが特に興味の対象であった。

先行技術

0008

国際公開第2004/058958号
国際公開第2006/101239号
米国特許第7,662,600号明細書
米国特許出願公開第2008/220460号明細書

0009

本発明の主題は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)であって、成熟型アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。

0010

特には、本発明の主題は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)であり、ここで、
前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、グリコシル化されている配列番号1のFAD−GDHと比較して、乾燥条件下での改良された温度安定性を示し、ここで前記配列番号1のFAD−GDHはアスペルギルスオリゼでの発現によって得ることができ、および
成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基の少なくとも1つが、一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。

0011

本発明はさらに、前記酵素、前記酵素をエンコードする核酸ベクター宿主細胞を製造するための方法、前記酵素を用いてサンプル中のグルコースを検出、決定、または測定するための方法、および、前記酵素を備える装置に関する。

図面の簡単な説明

0012

ピキア発現ベクターpPICZαAを示す。PAOX1=AOX1プロモーター目的遺伝子転写を開始する)、αFactor−ss=α−ファクターシグナル配列をエンコードしている遺伝子(目的遺伝子はこの配列にフレームをあわせて融合される;対応するポリペプチドがP.パストリスによって培養液中に分泌される)、TAOX1=AOX1ターミネーター(目的遺伝子の転写を終結させる)、Zeo=ゼオマイシン耐性遺伝子選択マーカー、ColE1=複製起点(大腸菌でのクローニングを可能にする)
SEC−RALSによる配列番号1のFAD−GDHの分子量分布を示す。
SEC−RALSによる配列番号3のFAD−GDH(変異体1;N2S)の分子量分布を示す。

0013

本発明の主題は、
(a)成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および
(b)成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、(a)記載の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素に対して約80%またはそれ以上(好ましくは90%、より好ましくは95%)のアミノ酸配列相同性を示す、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および
(c)(a)または(b)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の活性(機能的)フラグメント
からなる群より選択される、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素であり、
ただし、ここで、
(b)記載のFAD−GDHまたは(c)記載のフラグメントにおいて、前記潜在的なグリコシル化部位(複数の部位)を排除するまたは不活性化する前記置換(複数の置換)が、(a)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素と比較して保存されており、および
(b)記載のフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素または(c)記載のフラグメントが、(a)記載のFAD−GDHの酵素活性の少なくとも80%(好ましくは90%、より好ましくは95%)の酵素活性を示しており、かつ、(a)記載のFAD−GDHの乾燥条件下での温度安定性の少なくとも80%(好ましくは90%、より好ましくは95%)の温度安定性を示しており、
ここで、「乾燥条件下での温度安定性を示す(exhibits temperature stability under dry conditions)」との表現は、
1)凍結乾燥、および、凍結乾燥された酵素の80℃で8日間、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上でのインキュベーション
の後に算出され、およびストレス無負荷凍結乾燥物と比較された、凍結乾燥された修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)自身の、および、凍結乾燥された組成物中に含まれる場合凍結乾燥された組成物中の残存活性を意味する。

0014

本明細書を通して、割合の値は、絶対値ではなく、むしろ、±5%の誤差である一定のマージン包含する相対値であることが理解されるべきである。当業者であるならば、このような変形は本発明の特定事項に照らし合わせて明らかであることを認識する。

0015

用語「その(それらの)活性フラグメント(active fragment(s) thereof)」または同義語である「その(それらの)機能的フラグメント(functional fragment(s) thereof)」とは、本発明にしたがった任意の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素であって、そのようなフラグメントが酵素活性についての本質的な特性、および、本発明の意味における乾燥条件下での改良された温度安定性を依然として示しているという条件下で、配列番号3〜6に記載の対応する配列において少なくとも一つのアミノ酸が欠失している修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素を意味する。

0016

本発明の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、従来技術のFAD−GDHsと比較して、乾燥条件下での改良された温度安定性を示す。

0017

これは、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基の、グリコシル化には適していない一または二以上のアミノ酸による置換、および、これによるこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されることによって達成された。上記の(a)において概説されているように本発明によるFAD−GDHsに対して少なくとも80%(好ましくは90%、より好ましくは95%)のアミノ酸配列相同性を示すFAD−GDHsもまた、それらが同じ置換(複数の置換)を示し、および、本発明のFAD−GDHと本質的に同一の特性を示す限り、本発明の主題であり、ここで、これら本質的な特性とは、酵素活性および乾燥条件下での改良された温度安定性である。同一の置換(複数の置換)を示す、および、本発明のFAD−GDHと本質的に同一の特性を示す、本発明による前記FAD−GDHsのフラグメントもまた包含され、ここで、これら本質的な特性とは、酵素活性および乾燥条件下での改良された温度安定性である。

0018

配列相同性は、BLASTアルゴリズム、the Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul, S.F. et al. 1990. J. Mol. Biol. 215:403; Altschul, S.F. et al. 1997. Nucleic Acid Res. 25:3389-3402)によって決定され得る。上記のアミノ酸配列相同性の割合とは、前記BLASTアルゴリズムによる配列相同性の決定を意味し、ここで、相同性が決定される領域は、(a)記載の修飾FAD−GDHの全体の配列であり、および、(a)記載のFAD−GDHの前記配列が参照配列である。

0019

本明細書および対応する請求項をとおして、「配列(sequence(s))」に関連する用語「成熟型(mature)」とは、例えばシグナルペプチドまたはそれらの等価物などのいかなる追加のシグナル配列も含まないそれぞれのタンパク質配列の生の配列フォーマットを意味する。

0020

本明細書をとおして、用語「温度安定性(temperature stability)」とは、本明細書において提供される修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)の、その温度が変化する際、特にはその温度が上昇する際のその天然生物物理学的および生物化学的特性に関する変化に抵抗するための能力を意味する。この意味において、100%温度安定性とは、酵素の特に規定された特性に関して、温度への一定の期間(t)にわたる暴露前の酵素と比較した場合に、天然の生物物理学的および生物化学的特性になんらの変化も起こらないということを示しているであろう。したがって、本明細書において提供される修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれらの機能的フラグメントは、温度への一定の期間(t)にわたる暴露のあいだ、その天然の酵素活性を保持し、そして、典型的には、具体的な実施形態として実施例3にしたがって測定される酵素活性を示すが、これに限定される訳ではない。

0021

本明細書全体をとおして、用語「乾燥条件(dry condition(s))」とは、特には、以下に記載される実施例7の試験条件、すなわち、凍結乾燥された各サンプルが乾燥剤(モレキュラーシーブ3A、MS 551、Grace)の存在下で、80℃に8日間暴露された条件に特には関連するが、これに限定される訳ではない。

0022

本明細書全体および対応する請求項に関連して、「乾燥条件下での温度安定性を示す(exhibits temperature stability under dry condition(s))」との表現は、1)凍結乾燥、および、凍結乾燥された酵素の80℃で8日間、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上でのインキュベーション、の後に算出され、およびストレス無負荷の凍結乾燥物と比較された、凍結乾燥された修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)自身の、および、凍結乾燥された組成物中に含まれる場合凍結乾燥された組成物中の残存活性を意味する。

0023

「ストレス無負荷の凍結乾燥物(unstressed lyophilizate)」とは、凍結乾燥されているが、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上、80℃で8日間のインキュベートはされていない酵素の部分である。「ストレス無負荷の凍結乾燥物」とは、温度安定性が凍結乾燥に続いて測定されることを意味する。これは、ストレス無負荷の凍結乾燥物が、温度安定性を測定する前に保存されたり、処理されたりしていないことを意味している。乾燥条件下での温度安定性は、実施例7にしたがって測定され得るが、これに限定される訳ではない。

0024

別の特定の実施形態において、本発明はまた、本明細書において配列番号3〜6として提供される配列に対して機能的に等価である配列をもつ修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素を認識している。本発明の意味において、機能的な等価物とは、配列番号3〜6の配列で提供されているように少なくとも一つのアミノ酸が異なり、同一のまたは類似の機能、特には酵素活性および乾燥条件下での温度安定性、を有するタンパク質/酵素をエンコードするアミノ酸配列分子である。

0025

本発明のさらなる具体的な実施形態において、本発明による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の機能的等価物とは、配列番号3〜6に対するアミノ酸配列ホモログである。本発明の特定の実施形態において、ホモロジーの程度または割合は、それらが上記の(a)において概説されるものと同じ置換を示し、および、本発明によるFAD−GDHと本質的に同一の特性を示す、という条件下で、配列番号3〜6に対して少なくとも80、90、95、99または100%であり、ここで、これら本質的な特性とは、酵素活性および乾燥条件下での改良された温度安定性である。同様の置換を示し、および本発明のFAD−GDHと本質的に同一の特性を示す、本発明の前記FAD−GDHsの活性フラグメントがまた包含されることが理解されるべきであり、ここで、これら本質的な特性とは、酵素活性および乾燥条件下での改良された温度安定性である。

0026

全く同一のタンパク質/酵素のために、配列番号13とは異なるヌクレオチド配列、またはそれの相補配列をコードする、機能的に等価なヌクレオチド配列分子に対しても同様のことが適用される。

0027

さらなる特定の実施形態において、配列番号13で示されるようなヌクレオチド分子に対する機能的等価物は、前記DNA配列、または、配列番号13の配列に実質的に相補的である配列によってエンコードされるRNA分子である。

0028

本発明の意味において、用語「RNA分子(RNA molecule)」とは、一重鎖であり、および、本明細書において示される配列番号3〜6の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素のタンパク質合成のためのテンプレートとして機能する、リボヌクレオチド分子の直鎖のポリマーを意味する。

0029

本発明の意味における「乾燥剤(Drying agents)」としては、例えば、シリカゲル硫酸カルシウム塩化カルシウム、および、モレキュラーシーブなどの乾燥剤(desiccants)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。

0030

具体的には、本発明の主題は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントであって、ここで、
前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、アスペルギルスオリゼでの発現によって得られ得る配列番号1のグリコシル化FAD−GDHと比較して、乾燥条件下での改良された温度安定性を示し、および
成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。

0031

修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)は、グリコシル化される。本発明の一実施形態において、前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントは、グリコシル化されている配列番号1のFAD−GDHと比較して、より均一的なグリコシル化パターン(より小さな分子量分布)を示し、ここで前記配列番号1のFAD−GDHは、アスペルギルスオリゼでの発現によって、得られ得る。別の具体的な実施形態において、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントは、約103876の重量平均分子量(Mw)および約99901の数平均分子量(Mn)の分子を示す。重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、Viscotek Triple Detektors(屈折率RI)および90°光散乱(RALS))の生データからソフトウェアを用いて計算される。Mw/Mnの比は、多分散性であり、そして、タンパク質のサイズ分布を与える。単分散タンパク質は、1であるMw/Mn値を有する。

0032

したがって、本発明の一実施形態において、本発明による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントを含む組成物は、前記組成物中で以下のような前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の分子量分布を示す:約103876の重量平均分子量(Mw)および約99901の数平均分子量(Mn)。このような組成物は、本発明の別の一実施形態である。

0033

さらに、本発明の一実施形態は、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントであって、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されており、および、グリコシル化の程度が50%未満、好ましくは40%未満、およびより好ましくは30%未満であり、および/または、Mw/Mnの比が1.02未満、より好ましくは1.01未満である(これらの値の算出方法に関しては、例えば実施例4を参照)。

0034

さらに、本発明の主題はまた、修飾FAD−GDHまたはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントであって、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されており、および、前記修飾FAD−GDHを含む組成物が1.02未満であるMw/Mnの比、より好ましくは1.01未満であるMw/Mnの比を有する、前記組成物中の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の分子量分布を示し、および/または、前記修飾FAD−GDHのグリコシル化の程度が、50%未満、好ましくは40%未満、およびより好ましくは30%未満である。このような組成物は、本発明の別の一実施形態である。

0035

グリコシル化の程度は、以下の式にしたがって計算され得る:
(Mw(グリコシル化されている酵素)−Mw(グリコシル化なしのタンパク質配列による酵素))×100%。表3によって例示されている酵素に対して、以下が計算され得る(実施例4を参照):
FAD−GDH変異体1(配列番号3):
(76333−61461)/61461×100%=24%
アスペルギルス由来FAD−GDH(配列番号1):
(103876−61592)/61592×100%=69%。

0036

これは、本発明による前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントが、グリコシル化されている配列番号1のFAD−GDHと比較して、より均一的なグリコシル化パターン(より小さな分子量分布)を示し、ここで前記配列番号1のFAD−GDHは、アスペルギルスオリゼでの発現によって得られ得ること、および/または、本発明による前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントが、配列番号1のFAD−GDHと比較された場合に、より低い程度のグリコシル化を示し、ここで該配列番号1のFAD−GDHは、アスペルギルス オリゼでの発現によって得ることができることを意味している。

0037

本発明のある特定の実施形態において、1)凍結乾燥、および、凍結乾燥された酵素の80℃で8日間、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上でのインキュベーション後に算出され、およびストレス無負荷の凍結乾燥物と比較された、凍結乾燥された修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントの残存活性は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも84%である。

0038

酵素活性は、実施例3i)にしたがい例示的には測定され得るが、これに限定されるわけではない。

0039

本発明の修飾FAD−GDHまたはその活性フラグメントの糖特異性は、グリコシル化された成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)の糖特異性とほぼ同じであり、すなわち、マルトースに対して0.5%未満、およびガラクトースに対して13%未満である:糖特異性の算出については実施例3ii)を参照。

0040

特定の実施形態において、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基は、Ala、Arg、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびValを含む群から選択される一または二以上のアミノ酸によって置換されている。より具体的な実施形態において、アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基は、Arg、Asp、Gln、Glu、Gly、His、Lys、Met、Pro、SerおよびThrを含む群から選択される一または二以上のアミノ酸によって置換されている。

0041

本発明の別の特定の実施形態において、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントが提供され、ここで、N2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基のみが、一または二以上のアミノ酸によって置換されており、これは、対応するグリコシル化の標的部位の不活性化(または欠失)を導く。

0042

本発明の別の特定の実施形態において、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは90%、より好ましくは95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントが前述の実施形態にしたがい提供され、ここで前記アスパラギン残基は、S、P、SPまたはDによって置換されている。

0043

本発明によれば、具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントであり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、少なくとも一つの以下の置換:N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する。この文脈において、N168SPは、配列番号2(野生型)の168位のアスパラギン残基がセリン(S)およびプロリン(P)によって置換されていることを意味する。

0044

本発明の特に具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントの提供であり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、一または二以上の以下の置換:N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する。

0045

前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントが、以下の置換:N2S、N168P、N168SPおよびN346Dのうちただ一つを有することは、本発明の別の具体的な実施形態である。

0046

当業者であるならば、前記修飾FAD−GDHが前述の置換とは異なるさらなる置換を有していてもよく、または有していなくてもよいことを理解する。同様のことが、前述した全ての、および、後述される、本発明の修飾FAD−GDHに対して適用される。

0047

本発明の別の特に具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントの提供であり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、配列番号3に記載の特定の置換N2Sを有する。

0048

本発明の別の具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントの提供であり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、配列番号4に記載の置換N168Pを有する。

0049

本発明の別の具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントの提供であり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、配列番号5に記載の以下の置換N168Pを有する。

0050

本発明の別の具体的な実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはそれに少なくとも80%(好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%)の配列相同性を示すFAD−GDHまたはその機能的フラグメントの提供であり、ここで、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、配列番号6に記載の以下の置換N346Dを有する。

0051

上述の全ての酵素に対して、少なくとも70%の配列相同性、好ましくは80%、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の配列相同性を示す酵素もまた、特に、特には乾燥条件下での特徴的な酵素活性および温度安定性が、前記酵素活性が、これに限定される訳ではないが、例示的に実施例3i)にしたがって測定される際に、提供される配列番号3〜6の配列に記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素に対して本明細書を通して記載されるものと本質的に同一のままである場合、本願発明に包含される。

0052

本発明の別の具体的な実施形態は、本発明による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその機能的フラグメントをエンコードする単離ポリヌクレオチドであるが、ただし、前記単離ポリヌクレオチドは、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない。単離ポリヌクレオチドは、配列表項目に例示的に挙げられているような以下の配列:
配列番号3、ここで、位置2のアスパラギン残基はセリン残基によって置換されている、
配列番号5、ここで、位置168のアスパラギン残基は、2つのアミノ酸、すなわちセリンおよびプロリン残基によって置換されている、
配列番号6、ここで、位置346のアスパラギン残基はアスパラギン酸残基によって置換されている
をエンコードしているDNAもしくはRNA分子またはそれらの対応する遺伝子であり得る。

0053

本発明の別の具体的な実施形態は、一または二以上の、本発明によって提供される修飾FAD−GDHsを、関連する配列またはそれらに本質的に同質な配列に対する制限なしに含む組成物である。

0054

本発明の別の具体的な実施形態は、本発明によって提供される、DNAもしくはRNA分子または対応する遺伝子である単離ポリヌクレオチドを一または二以上含む組成物である。しかしながら、本発明にしたがい、前記単離ポリヌクレオチドは、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない。

0055

本発明の別の実施形態は、本発明の単離ポリヌクレオチドを含む発現ベクターである。しかしながら、本発明によれば、前記単離ポリヌクレオチドは、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない。前記発現ベクターは、宿主細胞でのその発現を誘導することのできるプロモーター配列作動可能に連結されていてもよい。この研究における具体的なベクターは、発現ベクターpPICZαA(Invitrogen)である。このプラスミドは、発現構築物のクローニングのための大腸菌における複製(pUC複製起点)およびAOX1プロモーター/AOX1ターミネーター配列の使用によるピキアパストリス(Pichia pastoris)における組換え遺伝子発現を可能にする(さらなる詳細については図1参照)。

0056

本発明において有用な発現ベクターは、典型的には複製起点(ori)、選別のための薬剤耐性遺伝子、発現のためのプロモーター、および修飾FAD−GDH遺伝子変異体の全体および一部を含み得る。しかしながら、本発明によれば、前記遺伝子変異体はN168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない。

0057

発現ベクターはまた、従来技術において公知の他のDNA配列、例えば、シグナル配列(より良好なフォールディングペリプラズムへの輸送または分泌のため)、より良好な発現の調節のための誘導因子、またはクローニングのための切断部位などを含んでいてもよい。選択される発現ベクターの特性は、用いられる予定の宿主細胞に適合性でなければならない。例えばCoIE1プラスミド複製起点などの適切な複製起点が使用され得る。適切なプロモーターとしては、例えば、lacおよびtrpなどが挙げられる。発現ベクターが、薬剤耐性遺伝子などの選択マーカーをコードする配列を含んでいることがまた望ましい。選択に使用され得るマーカーとしては、アンピシリン耐性遺伝子、またはカナマイシン耐性遺伝子が適宜使用され得る。これらの材料の全ては当該技術分野において公知であり、市販されている。

0058

所望のコード配列および制御配列を含む適切な発現ベクターは、当該技術分野において公知の標準的な組換えDNA技術を用いて構築され得、そのうちの多くは、Sambrookらの、“Molecular Cloning: A Laboratory Manual”(1989), Cold Spring Habor, NY Cold Spring Habor Laboratory Press.に記載されている。

0059

本発明の別の実施形態は、本発明の発現ベクターを含む宿主細胞である。当該技術分野の当業者であれば、本発明にしたがって、前記宿主細胞がグリコシル化に適切でなければならないことを理解する。したがって、本発明にしたがい、前記宿主細胞は(前提条件として)グリコシル化のため、特にはN−結合型グリコシル化のための内因性の酵素を有している。

0060

したがって、本発明の別の実施形態は、前記宿主細胞が内因性のグリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができるという条件で、本発明の発現ベクターを含む宿主細胞である。

0061

本発明の別の具体的な実施形態は、前記宿主細胞が内因性のグリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができ、かつ、前記宿主細胞が大腸菌株ではないという条件で、本発明の発現ベクターを含む宿主細胞である。

0062

「グリコシル化酵素(glycosylating enzymes)」は、そこで炭水化物、すなわちグリコシルドナーが、別の分子の水酸基または他の官能基に付加される反応を触媒する。これは、グリカンをタンパク質、脂質、または他の有機分子へと付加させる酵素的プロセスである。グリコシル化は、同時翻訳および翻訳後修飾の形態である。粗面小胞体内で合成される大部分のタンパク質がグリコシル化に付される。これは、酵素誘導型、部位特異的プロセスであり、非酵素的化学反応である「糖化(glycation)」とは対照的である。

0063

本発明によれば、「内因性のグリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができる宿主細胞(host cell capable for glycosylation, particularly for N-linked glycosylation by having endogenous glycosylating enzymes)」とは、例えば、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルスオリゼ、ピキアパストリス、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ハンゼヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)など由来の宿主細胞が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。適切なピキア宿主細胞としては、(これらに限定される訳ではないが)Invitrogen(5791 Van Allan Way, Carlsbad, CA 92008, USA)から入手可能なP.パストリス X33またはP.パストリス KM71Hなどが挙げられる。

0064

当該技術分野における当業者であるならば、天然の大腸菌株は一般的にグリコシル化システムを備えておらず、およびしたがって、グリコシル化されたタンパク質を発現しないことを理解している。グリコシル化システムが遺伝子改変により大腸菌に導入された(例えばカンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)のN−結合型グリコシル化システムなど)場合においてのみ、それらは糖タンパク質を産生することが可能である。

0065

宿主細胞は、好ましくは、本発明による一または二以上の変異を有する修飾FAD−GDH酵素をコードするDNA配列の一つの全てまたは一部分を含む発現ベクターを含む。

0066

配列番号1の酵素は、アスペルギルスオリゼで発現され得、および、例えば、JP 2010/239969, US-A1 20090259024, US-A 20090155848, US-A1 020080090278; US-A1 20080020426, US-A1 20080014612, US-A1 20080014611, US-A1 20080003628, US-B2 7,871,805, US-B2 7,741,100, US-B2 7,655,130, US-B2 7,553,649 and US-B2 7,494,794などで記載されるように発現されてもよい。

0067

本発明による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の組換え産生は、当該技術分野において公知の宿主で行われ得る。適切な宿主は、糸状菌(filamentous fungi)株、例えば、アスペルギルスニガー、アスペルギルス ソーヤおよびアスペルギルスオリゼなどから選択され得る。適切な宿主は、イースト菌株、例えば、ピキアパストリス、サッカロミセスセレビシエおよびハンゼヌラポリモルファなどから選択され得る。適切なピキア宿主細胞としては、例えば、Invitrogen(5791 Van Allan Way, Carlsbad, CA 92008, USA)から入手可能なP.パストリス X33またはP.パストリス KM71Hなどが挙げられる。

0068

当該技術分野における当業者であれば、本発明に従う修飾FAD−GDHは、前述の修飾とは異なるさらなる修飾を有していてもよいし、また有していなくてもよいことが理解されるであろう。

0069

特定の実施形態において、本発明の修飾FAD−GDHまたはその機能的フラグメントは、本発明の前記修飾FAD−GDHをエンコードするポリヌクレオチドの、イースト菌、特にはピキアパストリスでの発現によって得られ得る。

0070

発現ベクターは、当該技術分野において公知の様々な方法によって宿主細胞中へと導入され得る。例えば、発現ベクターを用いた宿主細胞の形質転換は、ポリエチレングリコール媒介のプロトロスト形質転換方法(Sambrookら、1989, supra)によって行われ得る。しかしながら、宿主細胞内へと発現ベクターを導入するための他の方法、例えば、エレクトロポレーションバリスティックDNAインジェクション、またはプロトプラスト融合もまた行われ得る。

0071

適切な宿主細胞としては、これらに限定される訳ではないが、ピキアパストリス、サッカロミセスセレビシエもしくはハンゼヌラポリモルファなどの酵母菌細胞、または、アスペルギルスニガーもしくはアスペルギルス ソーヤなどの糸状菌などが挙げられる。

0072

本発明の特定の実施形態は、本発明の発現ベクターを含む宿主細胞であり、ここで、前記宿主細胞は、イースト菌、特にはピキアパストリス由来である。

0073

修飾FAD−GDH変異体を含む発現ベクターが適切な宿主細胞内へと導入されると、宿主細胞は、所望の修飾FAD−GDH変異体の発現が可能である条件下で培養され得る。修飾FAD−GDHの全てまたは一部分をコードしているDNA配列を含む所望の発現ベクターを含む宿主細胞は、例えば抗生物質選択または栄養要求性変異体の補完および最小培地からの選択(J. Sambrook, D. W. Russell:“Molecular Cloning: a laboratory manual”, 3rd edition, Cold Spring Harbor, New York (2001))などによって容易に同定され得る。修飾FAD−GDH変異体の発現は、FAD−GDHのmRNA転写物の産生量の測定、遺伝子産物免疫学的検出または遺伝子産物の酵素活性の検出などの種々の方法によって特定され得る。好ましくは、酵素的アッセイが適用される。

0074

当該技術分野における当業者であるならば、全ての発現ベクターおよびDNA調節配列が本発明のDNA配列を発現するために等しく良好に機能することはないであろうことが理解されるであろう。また、全ての宿主細胞が同じ発現システムにおいて等しく良好に機能するものでもない。しかしながら、当業者であれば、過度実験を行うことなしに本明細書において提供されるガイダンスを用いて、発現ベクター、DNA調節配列、および宿主細胞の中から適切な選択を行うであろう。これに関連して、本発明の別の具体的な実施形態は、前記宿主細胞が内因性のグリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができ、かつ、前記宿主細胞が大腸菌株ではないという条件で、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしている単離ポリヌクレオチドを含む本発明の発現ベクターを含む適切な宿主細胞を提供する。

0075

本発明の別の実施形態は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを産生するための方法であり、前記方法は、本発明による形質転換体を培養する工程を含む。

0076

本発明はまた、本発明の修飾FAD−GDHの産生に適した条件下で本発明の宿主細胞を培養することを含む本発明のFAD−GDH変異体を産生するための工程にも関する。バクテリア宿主細胞のための典型的な培養条件は、炭素および窒素源、(使用される発現ベクターに依存する)適切な抗生物質および誘導剤を含む液体培地である。典型的な適切な抗生物質としては、例えば、アンピシリン、カナマイシンクロラムフェニコールテトラサイクリン(同様にP.パストリスの場合のゼオマイシン)などが挙げられる。典型的な誘導剤としては、IPTG、グルコース、ラクトース(大腸菌の場合)およびP.パストリスの場合のメタノールなどが挙げられる。

0077

本発明のポリペプチドが修飾FAD−GDHをコードするDNA配列を発現している宿主細胞内で産生されることによって得られることは本発明の別の実施形態である。本発明のポリペプチドはまた、修飾FAD−GDHをコードしているDNA配列によってエンコードされているmRNAインビトロ翻訳によって得られてもよい。例えば、DNA配列が前述のように合成され、そして、適切な発現ベクター内にインサートされてもよく、これは続いてインビトロ転写翻訳システムにおいて使用され得る。

0078

無細胞ペプチド合成システム中でその発現を促進することのできるプロモーター配列と作動可能に連結されている、上記で規定されるおよび説明されるような単離ポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、本発明の別の具体的な実施形態を表している。

0079

例えば上述の工程によってなどにより産生されるポリペプチドは、その後、単離され、そして様々な通例のタンパク質精製技術を用いて精製され得る。例えば、イオン交換クロマトグラフィーゲルろ過クロマトグラフィーおよびアフィニティクロマトグラフィーなどのクロマトグラフ工程が行われ得る。

0080

したがって、本発明の別の主題は、本発明の方法によって得られる修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントである。

0081

本発明の改良されたFAD−GDHの主な応用の一つは、糖尿病患者エクスビボサンプルにおける血糖レベルをモニターするためのテストストリップにおける使用である。言うまでもなく、多くの種類のサンプルが試験され得る。血清血漿腸液または尿などの体液が、このようなサンプルのサンプル源として好ましい。

0082

本発明のFAD−GDH変異体は、それらが、従来技術によるFAD−GDHsと比較して、より小さな分子量分布および乾燥条件下での改良された熱安定性を伴う、より均一なグリコシル化パターンを示すため、テストストリップ中での使用に特に適している。用語「乾燥条件下(under dry condition)」は、上記で規定されている。

0083

本発明の別の主題は、本発明の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを用いた、サンプル中のグルコースを検出、決定または測定する方法であり、前記検出、決定または測定は、サンプルを前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントと接触させることを含む。本発明の前記方法の特定の実施形態は、グルコースの前記検出、決定または測定がセンサーまたはテストストリップ素子を用いて行われる方法である。

0084

本発明の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを含む、特にはサンプル中のグルコースの前記検出、決定または測定のために必要とされる他の試薬一緒に備える、サンプル中のグルコースを検出、決定または測定するための装置もまた、本発明の範囲に含まれる。

0085

本発明の改良された熱安定性を有するFAD−GD変異体はまた、サンプル中またはリアクター中のグルコースをオンラインモニタリングするためのバイオセンサー(D'Costa, E. J., et al., Biosensors 2 (1986) 71-87; Laurinavicius, V., et al., Analytical Letters 32 (1999) 299-316; Laurinavicius, V., et al., Monatshefte fuer Chemie 130 (1999) 1269-1281; Malinauskas, A. et al., Sensors and Actuators, B: Chemical 100 (2004) 395-402)にも有利に使用され得る。この目的のため、FAD−GDH変異体は、例えば、グルコース濃度のより正確な測定のために、酸化還元性の導電性エポキシ樹脂ネットワーク(Yeら、1993、上記)を含むオスミウム錯体を用いて酸素非感受性ガラス状電極被膜するために使用され得る。

0086

上記の規定を考慮して、さらなる本発明の具体的な態様が以下のように記載される。

0087

第1の態様において、本発明は、
(a)成熟型アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および
(b)成熟型アスペルギルス オリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2におけるN2;N168およびN346からなる群より選択される少なくとも一つのアスパラギン残基が、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化されている、(a)記載の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素に対して約80%またはそれ以上のアミノ酸配列相同性を示す、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素、および
(c)(a)または(b)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の活性フラグメント
からなる群より選択される、グリコシル化されている修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素であり、
ただし、ここで、
(b)記載のFAD−GDHまたは(c)記載のフラグメントにおいて、前記潜在的なグリコシル化部位(複数の部位)を排除するまたは不活性化する前記置換(複数の置換)が、(a)記載の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素と比較した場合に保存されており、および
(b)記載のフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素または(c)記載のフラグメントが、(a)記載のFAD−GDHの酵素活性の少なくとも80%の酵素活性を示しており、かつ、(a)記載のFAD−GDHの乾燥条件下での温度安定性の少なくとも80%の温度安定性を示しており、
ここで、「乾燥条件下での温度安定性を示す」との表現は、
1)凍結乾燥、および、凍結乾燥された酵素の80℃で8日間、モレキュラーシーブ(3A、MS551、Grace)上でのインキュベーション
の後に算出され、およびストレス無負荷の凍結乾燥物と比較された、凍結乾燥された修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素(FAD−GDH)自身の、および、凍結乾燥された組成物中に含まれる場合凍結乾燥された組成物中の残存活性を意味する。

0088

第2の態様において、本発明は、第1の態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関し、ここで、前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素は、グリコシル化されている配列番号1のFAD−GDHと比較して、乾燥条件下での改良された温度安定性を示し、前記配列番号1のFAD−GDHはアスペルギルスオリゼでの発現によって得られ得る。

0089

第3の態様において、本発明は、第1または第2の態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関し、ここで、前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントは、50%未満であるグリコシル化の程度、および/または、1.02未満であるMw/Mnの比を示す。

0090

第4の態様において、本発明は、第1〜第3のいずれか1つの態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関し、ここで、N2;N168およびN346からなる群より選択されるただ一つのアスパラギン残基のみが、グリコシル化に適していない一または二以上のアミノ酸によって置換されており、そしてこれによってこの位置における潜在的なグリコシル部位がそれぞれ排除、または不活性化される。

0091

第5の態様において、本発明は、第1〜第4のいずれか1つの態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関し、ここで、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントは、一または二以上の以下の置換:N2S、N168P、N168SPおよびN346Dを有する。

0092

第6の態様において、本発明は、第1〜第5のいずれか1つの態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関し、ここで、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントは、以下の置換N2S(配列番号3)を有する。

0093

第7の態様において、本発明は、第1〜第6のいずれか1つの態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを含む組成物に関し、前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントは、50%未満であるグリコシル化の程度、および/または、1.02未満であるMw/Mnの比を示す。

0094

第8の態様において、本発明は、第1〜第6のいずれか1つの態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードする単離ポリヌクレオチドに関し、ここで、前記単離ポリヌクレオチドは、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしない。

0095

第9の態様において、本発明は、第8の態様による単離ポリヌクレオチドを含む発現ベクターに関する。

0096

第10の態様において、本発明は、N168K、N168P、N168YまたはN168Wからなる群より選択される単一の置換を有する、アスペルギルスオリゼ由来FAD−GDHの野生型配列、配列番号2(野生型)由来の修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントをエンコードしている単離ポリヌクレオチドを含む、第9の態様による発現ベクターを含む宿主細胞に関し、ここで、前記宿主細胞は内因性のグリコシル化酵素を有することによってグリコシル化、特にはN−結合型グリコシル化を行うことができ、かつ、前記宿主細胞は大腸菌株ではない。

0097

第11の態様において、本発明は、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントを産生するための方法であり、第10の態様による形質転換体を培養する工程を含む方法に関する。

0098

第12の態様において、本発明は、第11の態様による方法によって得られ得る修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントに関する。

0099

第13の態様において、本発明は、第1〜第6のいずれか1つもしくは第12の態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント、または、第7の態様による組成物を用いた、エクスビボサンプル中のグルコースを検出、決定または測定する方法であって、前記検出、決定または測定が、エクスビボサンプルを前記修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントとそれぞれ接触させることを含む方法に関する。

0100

第14の態様において、本発明は、グルコースの前記検出、決定または測定がセンサーまたはテストストリップ素子を用いて行われる第13の態様の方法に関する。

0101

第15の態様において、本発明は、第1〜第6のいずれか1つもしくは第12の態様による修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメント、または、第7の態様による組成物を含むエクスビボサンプル中のグルコースの検出、決定または測定のための装置に関する。

0102

以下の実施例において、全ての試薬、制限酵素、および他の材料は、他の市販供給元が特定されていない限り、Roche Diagnostics Germanyから得られ、そして、供給業者によって提供された取扱説明書にしたがって使用された。DNAの精製、特性評価およびクローニングのために適用される操作および方法は、当該技術分野において広く公知であり(Ausubel, F., et al., in“Current protocols in molecular biology”(1994), Wiley)、そして、当業者によって必要に応じて適応され得る。

0103

以下の実施例は本発明をさらに説明する。これらの例は、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明に対するさらなる理解を提供することが意図されている。

0104

実施例1
修飾されたFAD−GDHの発現
ピキアパストリスでのFAD−GDH変異体の組換え発現のための適切なベクターを作製するために、pBluescriptSKプラスミド(Stratagene、La Jolla)の誘導体ライゲートされた合成FAD−GDH野生型遺伝子(配列番号7)が使用された。第一のステップにおいて、制限エンドヌクレアーゼXhoIのための固有認識部位が、Quick Change II site-directed mutagenesis kit(Stratagene, La Jolla)および変異プライマー(配列番号8、配列番号9)を使用してサイレント突然変異によって排除され、その結果配列番号10が得られた。この構築物が、配列番号11および配列番号12のPCRプライマーを用いたPCR増幅によって、5’末端にXhoI部位を、および3’末端にAgeI部位を含む隣接配列を付加するテンプレートとして使用された。増幅後、PCR産物は、制限エンドヌクレアーゼXhoIおよびAgeI(New England Biolabs)を用いて加水分解され、そして、XhoI/AgeIで加水分解された発現ベクターpPICZαA(Invitrogen)にライゲートされ、この結果、α−ファクターシグナル配列、蛋白分解切断部位(KEX2)および成熟型FAD−GDHをコードする融合遺伝子(配列番号13)が得られた。単一アミノ酸置換を導入するために、配列番号13を有するpPICZαAが、部位特異的突然変異誘発のためのテンプレートとして使用された。それぞれの置換のために、変異プライマー対が、表1に示されるように、製造会社の取扱い説明書にしたがってQuick Change II site-directed mutagenesis kit(Stratagene, La Jolla)と共に使用された。

0105

0106

対応する組換え発現株を作製するために、ピキアパストリス株 X33(invitrogen)のエレクトロコンピテントセルが、エレクトロポレーションにより5〜10μgの対応するFAD−GDH変異体(それぞれ、配列番号16、19、22および25)をエンコードするDNAを含む線状化pPICZαAでトランスフェクトされた。全ての実験ステップは、製造元の取扱説明書にしたがって行われた。トランスフェクトされた細胞は、100μg/mL、250μg/mL、または500μg/mLの選択用マーカーとしてのゼオシンを含むYPD寒天プレート(1%酵母エキス、2%ペプトン、2%デキストロース(グルコース))上に播種され、そして28℃で2〜3日インキュベートされた。

0107

トランスフェクトされたP.パストリスのクローン生産性を試験するために、いくつかの単一のコロニー選別プレートから採取され、そして、4mLのBMMY培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、100mMリン酸カリウム、pH6.0、1.34%酵母窒素原礎培地(YNB、Invitrogen)、0.0004%ビオチン)中に接種された。組換え遺伝子の発現は、毎日0.5%メタノールを添加することによって、誘導された。培養物は7日間、200rpmでおよび28℃で接種された。細胞密度分光光度法(O.D.600)で測定された。上澄み中のFAD−GDH活性が、分光光度的酵素アッセイで測定された。

0108

最終的に最も良好な産生株が、種々のFAD−GDH変異体の精製および生化学的特性評価のための十分な材料を得るために、10Lの発酵へと移された。

0109

実施例2
修飾FAD−GDHsの精製
発酵からのブランクろ過された1Lの上澄み液が、限外ろ過透析によって0.05Lまで濃縮され、そして、20mMリン酸カリウム緩衝液を用いてpH7.5に調整された。その後、上澄みは固体硫酸アンモニウムの添加によって硫酸アンモニウム濃度2.5Mに調整された。室温で約1時間のインキュベーション後、溶液は、遠心分離され、そして、沈殿物廃棄された。透明な上澄みが、1000mLのフェニルセファロースカラムへ適用された。カラムを3Lの20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)および2.5Mの濃度の硫酸アンモニウムを用いて洗浄した後、FAD−GDHが、pH7.5の20mMリン酸カリウム緩衝液(5L)の後、pH7.5の20mMリン酸カリウム緩衝液および2.5Mの濃度の硫酸アンモニウムの直線濃度勾配によって溶出された。FAD−GDHを含む留分が集められ、精製され、そして約0.05Lまで限外ろ過/透析によって濃縮され、そして、20mM Tris/HCl緩衝液(pH8.5)溶液とされた。サンプルは、500mLのQセファロースカラムに適用され、20mMのTris/HCl緩衝液(pH8.5)で洗浄し、そして、20mMのTris/HCl緩衝液(pH8.5)の100mM NaClによる直線濃度勾配によって溶出された。FAD−GDH含有留分が集められ、精製され、そして、100mMPIPES緩衝液(pH7.1)中、約50mg/mLのタンパク質濃度まで限外ろ過/透析によって濃縮された。得られたサンプルが凍結乾燥された。

0110

実施例3
修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素またはその活性フラグメントの酵素活性および糖特異性
i)酵素活性の測定(基質として1M D−グルコース)
pH6.5の50mMPIPES緩衝溶液(0.1%のTriton X−100を含む)、163mMPMS溶液、6.8mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液、1M D−グルコース溶液、15.6mLの上記PIPES緩衝液、0.2mLのDCPIP溶液および4mLのD−グルコースが反応剤を形成するために混合された。

0111

ii)糖特異性の測定(基質として1Mマルトースまたは1Mキシロース)
pH6.5の50mMPIPES緩衝溶液(0.1%のTriton X−100を含む)、163mMPMS溶液、6.8mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液、1M D−マルトースまたはD−キシロース溶液、15.6mLの上記PIPES緩衝液、0.2mLのDCPIP溶液および4mLのD−D−マルトースまたはD−キシロース溶液が反応剤を形成するために混合された。

0112

酵素活性および糖特異性のための測定条件
2.9mLのそれぞれの反応剤が、37℃で5分間事前に加熱された。0.1mLのFAD−GDH溶液が添加され、ゆっくり混合された。水を参照に用いて、分光計が、600nmで、37℃で5分間較正された。1分当たりの吸収の変化(ΔODTEST)が直線部から決定された。ブランク試験として、1分当たりの吸収の変化(ΔODBLANK)が、FAD−GDH溶液の溶媒がFAD−GDH溶液の代わりに試薬に添加されたこと以外、上記と同じ様式で決定された。このようにして得られた値から、FAD−GDH活性が以下の式にしたがって算出された。本発明において、FAD−GDH活性の1ユニット(U)とは、
i)酵素活性を測定するための200mM D−グルコース
ii)糖特異性を測定するための200mM D−マルトースまたはD−キシロース
の存在下、1分あたりに1μmolのDCPIPを還元する酵素の量として規定された。

0113

活性(U/mL)={−(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.0×希釈率}/{16.3×0.1×1.0}
式において、3.0はそれぞれの反応試薬酵素溶液の量(mL)であり、16.3は、本発明の活性を測定するための条件下におけるミリモル分子吸収係数(cm2/マイクロモル)であり、0.1は酵素溶液(mL)の量であり、そして、1.0はセルの光学的光路長(cm)である。

0114

実施例4
SEC−RALSによる修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素の分子量分布
300mMのNaClを含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.9)中、約10mg/mLの濃度をもつタンパク質溶液10μLが、G3000SWXL TSKgelカラム(30cm、Tosho Biosep)に適用された。HPLCポンプ流速は、0.7mL/分であった。Viscotek Triple検出器の較正のため、新たに調製されたウシ血清アルブミン(Albumin RPLA4, Art.-Nr. 11 726 544, Roche Diagnostics GmbH)の溶液が使用された。全てのサンプルの評価に対し、dn/dc値0.185が使用された。評価はOmniSEC 4.7.0(Malvern Instruments)ソフトウェアを用いて行われた。重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、Vicotek Triple Detektors(屈折率(RI)および90°光散乱(RALS))の生データからソフトウェアを用いて計算された。Mw/Mnの比は、多分散性であり、そして、タンパク質のサイズ分布を与える。単分散タンパク質は、1であるMw/Mn値を有する。

0115

Haney, Max: Basics of GPC/SEC with threefold detection, LaborPraxis 28, 50-53 (2004)
Wanda K. Hartmann et al.; Characterization and analysis of thermal denaturation of antibodies by size exclusion high-performance liquid chromatography with quadruple detection, Analytical Biochemistry 325, 227-239 (2004)
Heinzmann, Gerhard; Tartsch, Bernd GPC/SEC - three eyes can see moreGIT Spezial Separation 27, 21-24 (2007)

0116

実施例5
C−ニトロソアニリンメディエーターを用いたFAD−GDH活性アッセイ
溶液1(S1)
100mM Pipes緩衝液(pH7.1)中、5%(w/v)PVP(ポリビニルピロリドンUSP K25、FLUKA #81399)を含む、25mM N,N−ビス−(ヒドロキシエチル)−3−メトキシ−ニトロソアニリン塩酸塩(CAS 733686−00−5)。

0117

溶液2(S2)
水中、飽和の約15%(w/v)2,18りんモリブデン酸ナトリウム塩((Na6[P2Mo18O62]・24H2O)、CAS 50811−90−0、Honeywell Specialty Chemicals, Article No. 04137)。

0118

溶液3(S3)
水中、1Mグルコース。

0119

酵素溶液
10mg/mLの凍結乾燥された酵素を100mM Pipes緩衝液(pH7.1)に溶解。

0120

これを、ΔE/分が0.02〜0.05である速度を得るために、100mM Pipes緩衝液(pH7.1)中、約1:100に希釈

0121

測定方法

0122

0123

724nmにおける吸収を25℃で20分間測定。

0124

ε724nm=27.5[mmol-1×1×cm-1]

0125

グルコースに対するKM値
反応混合物中のグルコース濃度は、S3中のグルコース濃度を変化させることにより、0.1〜170mMの範囲で変化した。

0126

KM値の算出のため、測定されたFAD−GDH活性がミカエリスメンテンの式に当てはめられた。

0127

L. Michaelis, M.L. Menten: Die Kinetik der Invertinwirkung Biochem. Z. 49, 333-369 (1913)
式中、v=測定されたFAD−GDH活性
VMax=FAD−GDH活性の最大値
KM=ミカエリス−メンテン定数(mM)
c=グルコース濃度(mM)

0128

実施例6
液体中での温度安定性
100mMのPipes緩衝液(pH7.1)1mLあたり10mgの凍結乾燥された酵素が溶解された。この溶液の1mLのアリコートが、密閉されたプラスティックバイアル中に保存され、温度制御されている水浴中で12日間インキュベートされた。酵素活性が実施例3にしたがって測定された。

0129

実施例7
乾燥条件下での温度安定性
ガラス容器風袋の重量が化学てんびんを用いて測定された。10mgの凍結乾燥された酵素サンプルが取された。全ての容器が、内部空間と周囲環境との制御されたガス交換は確保されるが、サンプルが容器から出ることは不可能であるように、栓で密閉された。サンプルは、デシケーター中、乾燥剤(モレキュラーシーブ3A、MS551、Grace)の存在下、80℃に8日間暴露された。この期間後、サンプルは室温まで冷却され、さらに、周囲環境とのガス交換がなされた。その後、容器は完全に密封され、そして、それぞれの重量が測定された。当初の酵素の量に応じて、サンプルは超純水を用いて最終濃度10mg/mLまで希釈され、温和ボルテックスにより完全に溶解された。サンプルは、室温で正確に1時間再構成のために保存され、そしてその後、上で冷却された。このストック溶液に基づき、氷上で冷却されたワーキングバッファー中への希釈が行われ、続いて活性が測定された。

0130

結果

0131

0132

実施例4による、修飾フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコース脱水素酵素のSEC−RALSによる分子量分布
グラフ:FAD−GDH(配列番号1)アスペルギルス由来、図2を参照。
グラフ:FAD−GDH(配列番号3)変異体1;N2S、図3を参照。

0133

実施例7による、乾燥条件下での温度安定性
参照:配列番号1のFAD−GDH:67+/−5%
N2S修飾(変異体1):配列番号3のFAD−GDH:79+/−5%

0134

本明細書において記載される方法および組成物は、特定の実施形態の典型であり、単に例示的なものであって、本発明の範囲に関する限定として理解されることを意図するものではない。当業者であるならば、他の目的、様態、および実施形態が、本明細書を考慮した場合に想到され、そして、これらは添付のクレームによって規定される本発明の範囲内に包含される。様々な置換および修飾が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に開示される発明に行われ得ることは、当業者ならば直ちに明白であろう。本明細書において例示的に記載された発明は、本明細書において不可欠であると具体的に開示されていないいかなるエレメントもしくはいかなる複数のエレメント、限定もしくは複数の限定もなしに、適切に実行され得る。

実施例

0135

本明細書において例示的に記載されている方法およびプロセスは、異なる順番の工程で実行され得、本明細書または添付の請求の範囲において示されている工程の順序に限定される必要はない。本明細書または添付の請求の範囲において使用される場合、その文脈が明らかに別に指示していない限り、単数形の「一つ(a)」、「一つ(an)」および「前記(the)」は複数の意味を含み、そして、複数は、単数形を含む、ということにも留意すべきである。どのような場合であっても、本出願が、本明細書中で具体的に開示されている具体的な実施例または実施態様または方法に制限されると理解されるべきではない。本明細書において、本発明は広範におよび一般的に記載されている。使用されている用語および表現は、記載のための用語として使用されているのであって、限定するためではなく、このような用語および表現の使用において、示されているおよび記載されている特徴のいかなる等価物またはその一部を排除するような意図は全く存在せず、様々な修飾がクレームされた発明の範囲内で可能であることが認識されるべきである。したがって、本発明はその対応する実施態様および任意的な特徴によって具体的に開示されているが、本明細書中に開示されている概念の修飾および変形が当業者によって用いられ得、そして、そのような修飾および変形は、添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるとみなされる。

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