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技術 前立腺関連抗原およびワクチンに基づく免疫療法レジメン

出願人 ファイザー・インク
発明者 ジョセフジョンビンダーヘレンキムチョマイケルロバートダーミアーカリンウテヨースブライアングレゴリーピアースジョイスツィタンヴァントゥトゥサイ
出願日 2013年4月29日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2015-509541
公開日 2015年6月22日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2015-517460
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 内部シリンダー 確率マトリックス ヘリウムタンク 流入領域 スコアカ 熟知度 スピルオーバー パルシング
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本開示は、(a)単離免疫原性PAAポリペプチド、(b)免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(c)免疫原性PAAポリペプチドまたは免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含むワクチン組成物、(d)ポリペプチド、核酸分子、および組成物の使用に関する方法、ならびに(e)免疫抑制性細胞阻害剤および免疫エフェクター細胞賦活剤と組み合わせたワクチン同時投与を含む、ワクチンに基づく免疫療法レジメンを提供する。

図1】

概要

背景

がんは世界中で主な死亡原因である。がん管理の伝統的なレジメンは、循環がんおよび固形がんの選択的な群の管理に成功している。しかし、多くの腫瘍は伝統的な手法に対して耐性がある。近年、がんを処置するための免疫療法調査されており、これは、腫瘍から遠位の部位でワクチン組成物投与することによる、宿主由来活性のある全身性腫瘍特異的免疫応答の発生を含む。単離した腫瘍関連抗原を含有するものを含めた、様々な種類のワクチンが提案されている。

前立腺がんは2番目に一般的に診断されているがんであり、世界中の先進国における男性のがん関連死の第四位の原因である。前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、および前立腺幹細胞抗原(PSCA)などの様々な前立腺関連抗原(PAA)は、その正常な対応物と比較して、前立腺がん細胞によって過剰発現されることが示されている。したがって、これらの抗原は、ワクチンに基づく免疫療法の使用を介した、抗原を発現するがんに対する特異的免疫応答を誘導させるための可能な標的を表す。(たとえばMarrari,A.、M.leroら(2007).「Vaccination therapy in prostate cancer.」Cancer Immunol lmmunother、56(4):429〜45を参照。)

PSCAはアミノ酸123個の膜タンパク質である。完全長ヒトPSCAのアミノ酸配列は配列番号21のアミノ酸4〜123からなる。PSCAは高い組織特異性を有しており、前立腺がん検体の85%を超えるもので発現されており、より高いグリーソンスコアおよびアンドロゲン非依存性に伴って発現レベルは増加する。PSCAは前立腺がん患者骨転移の80〜100%で発現されている。

PSAは、前立腺腺房および管を裏打ちする円柱上皮細胞によって排他的に産生される、カリクレインセリンプロテアーゼである。PSAmRNAは、不活性なアミノ酸261個のプレプロPSA前駆体として翻訳される。プレプロPSAは、前領域(シグナルポリペプチド)およびプロポリペプチドを構成する24個のさらなる残基を有する。プロポリペプチドの放出はアミノ酸237個の成熟した細胞外形をもたらし、これは酵素活性がある。ヒト完全長PSAのアミノ酸配列を配列番号15に提供する。PSAは臓器特異的であり、その結果、これは良性前立腺肥大(BPH)組織原発性前立腺がん組織、および転移性前立腺がん組織の上皮細胞によって産生される。

葉酸加水分解酵素1(FOLH1)としても知られるPSMAは、750個のアミノ酸から構成される。ヒト完全長PSMAのアミノ酸配列を配列番号1に提供する。PSMAには細胞質ドメイン(アミノ酸1〜19)、膜貫通ドメイン(アミノ酸20〜43)、および細胞外ドメイン(アミノ酸44〜750)が含まれる。PSMAは、前立腺がん細胞の表面上および新生血管構造上で発現されるII型二量体膜貫通タンパク質である。また、これは正常な前立腺細胞、脳、唾液腺および胆樹上でも発現される。しかし、前立腺がん細胞中では、これは正常組織よりも1000倍高いレベルで発現されることが見出された。これは、結腸乳房肝臓膀胱膵臓腎臓がんなどの様々な他の固形腫瘍ならびに黒色腫および肉腫の新生血管構造上で豊富に発現される。したがって、PSMAは、前立腺がん細胞のみに特異的な標的ではなく、他のがんの汎癌腫標的としてもみなされている。PSMAの発現は前立腺癌の普遍的な特長であると考えられ、その発現の増加は腫瘍の攻撃性相関している。PSMAの発現は高悪性度腫瘍、転移性病変およびアンドロゲン非依存性疾患において最も高い。

多数の腫瘍関連抗原が同定されており、これらの抗原の多くががんを処置または予防するためのタンパク質に基づくまたはDNAに基づくワクチンとして調査されている一方で、ほとんどの臨床治験では、現在までに治療製品を生成することに失敗している。がんワクチンの開発の困難の1つは、がん抗原は通常は自己由来であり、したがって、免疫系は自己タンパク質を認識しないように自己調節されているために免疫原性に乏しいことにある。したがって、がんワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法の必要性が存在する。

免疫原性を増強させるまたはがんワクチンの抗腫瘍効性を増強させるために、数々の手法が調査されている。そのような手法の1つは、TL作用剤、TNFR作用剤、CTLA−4阻害剤、およびプロテインキナーゼ阻害剤などの様々な免疫調節剤の使用を含む。

トール様受容体(TLR)は、造血細胞および非造血細胞上で発現される1型膜受容体である。少なくとも11個のメンバーがTLRファミリー中で同定されている。これらの受容体は、病原性生物によって発現される病原体関連分子パターン(PAMP)を認識するその能力によって特徴づけられている。TLRの始動は、増強されたサイトカインの産生、ケモカイン受容体の発現(CCR2、CCR5およびCCR7)、ならびに共刺激分子の発現を介して激しい炎症反応を誘発することが見出されている。したがって、自然免疫系中のこれらの受容体は、後に続く後天性免疫応答の極性に対して制御力を発揮する。TLRのうち、TLR9が免疫応答におけるその機能について大規模に調査されている。TLR9受容体の刺激は、炎症誘発性サイトカインの産生およびT細胞への共刺激分子の提示を増加させることによって、抗原提示細胞APC)が強力かつTH1に支配されるT細胞応答プライミングすることを指示する。TLR9のリガンドであるCpGオリゴヌクレオチドは、強力な免疫刺激因子クラスであることが見出された。CpG治療マウスにおける様々な腫瘍モデルに対して試験されており、腫瘍阻害または回帰を促進することが一貫して示されている。

細胞毒性Tリンパ球抗原4(CTLA−4)は免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、ヘルパーT細胞の表面上で発現される。CTLA−4はCD28依存性細胞活性化の負の調節因子であり、適応免疫応答阻害性チェックポイントとして作用する。T細胞共刺激タンパク質CD28と同様、CTLA−4は抗原提示細胞上のCD80およびCD86と結合する。CTLA−4はT細胞に阻害シグナルを伝達する一方で、CD28は刺激シグナルを伝達する。ヒトCTLA−4に対するヒト抗体は、ウイルスおよび細菌感染症の処置または予防およびがんの処置などのいくつかの病状における免疫刺激モジュレーターとして記載されている(WO01/14424号およびWO00/37504号)。様々な前臨床研究により、モノクローナル抗体によるCTLA−4遮断は免疫原性腫瘍に対する宿主免疫応答を増強させ、確立された腫瘍を拒絶さえできることが示されている。2つの完全にヒトの抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体(mAb)であるイピリムマブ(MDX−010)およびトレリムマブ(CP−675206としても知られる)が、様々な種類の固形腫瘍の処置における臨床治験において調査されている。

腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーは、特異的な同族細胞表面受容体であるTNF受容体(TNFR)スーパーファミリーと結合するサイトカインの群である。腫瘍壊死因子スーパーファミリーのメンバーはリガンド媒介性の三量体化によって作用し、いくつかの細胞内アダプター動員を引き起こしてアポトーシス、NF−kB経路、JNK経路、ならびに免疫および炎症反応などの複数のシグナル伝達経路を活性化させる。TNFスーパーファミリーの例には、CD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−アルファ、TNF−ベータ、RANKリガンド、LT−アルファ、LT−ベータ、GITRリガンド、およびLIGHTが含まれる。TNFRスーパーファミリーには、たとえば、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−ベータR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが含まれる。CD40は、Bリンパ球樹状細胞濾胞性樹状細胞、造血前駆細胞、上皮細胞、および癌腫の表面上に見つかる。CD40は、糖タンパク質であり、活性化されたT細胞(主にCD4+であるが一部のCD8+および好塩基球肥満細胞)上で発現される、リガンド(CD40−L)と結合する。自然および適応免疫応答におけるCD40の役割が原因で、完全にヒトの作用剤であるCD40モノクローナル抗体CP870893などの様々なCD40作用性抗体を含めたCD40作用剤は、ワクチンアジュバントおよび治療における使用について探求されている。

プロテインキナーゼは、タンパク質中の特定の残基のリン酸化触媒する酵素のファミリーである。プロテインキナーゼは、サイトカインのその受容体に対する作用を含めた細胞外シグナルを核へと伝達し、様々な生物学的事象を始動させることを司っているシグナル伝達経路における主要な要素である。正常細胞の生理学におけるプロテインキナーゼの数多くの役割には、細胞周期の制御ならびに細胞成長分化、アポトーシス、細胞移動性、および有糸分裂誘発が含まれる。c−Src、c−Abl、マイトジェン活性化タンパク質(MAPキナーゼホスホチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)AKT、および表皮成長因子(EGF)受容体などのキナーゼががん細胞中で一般的に活性化されており、腫瘍化に寄与することが知られている。必然的に、いくつかのキナーゼ阻害剤、特にチロシンキナーゼ阻害剤(TKI):サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤細胞周期チェックポイント阻害剤、表皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤、キナーゼ挿入ドメイン阻害剤、PI3K/Akt/mTOR経路を標的とする阻害剤、Ras−Raf−MEK−ERK(ERK)経路を標的とする阻害剤、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)キナーゼ阻害剤、c−kit阻害剤、およびセリンスレオニンキナーゼ阻害剤が、抗がん治療のために現在開発されている。たとえば、MK0457、VX−680、ZD6474、MLN8054、AZD2171、SNS−032、PTK787/ZK222584、ソラフェニブ(BAY43−9006)、SU5416、SU6668 AMG706、Zactima(ZD6474)、MP−412、ダサチニブ、CEP−701(レスタウルチニブ)、XL647、XL999、Tykerb、(ラパチニブ)、MLN518、(以前はCT53518として知られる)、PKC412、ST1571、AMN107、AEE788、OSI−930、OSI−817、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent、SU11248)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、SNS−032、SNS−314、およびアキシチニブ(AG−013736)を含めたいくつかのキナーゼ阻害剤が、抗がん治療で使用するために臨床調査において調査されている。ゲフィチニブおよびエルロチニブは、経口利用が可能な2つのEGFR−TKIである。

概要

本開示は、(a)単離免疫原性PAAポリペプチド、(b)免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(c)免疫原性PAAポリペプチドまたは免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含むワクチン組成物、(d)ポリペプチド、核酸分子、および組成物の使用に関する方法、ならびに(e)免疫抑制性細胞阻害剤および免疫エフェクター細胞賦活剤と組み合わせたワクチンの同時投与を含む、ワクチンに基づく免疫療法レジメンを提供する。

目的

一部の態様では、本開示は、たとえば、in vivo(たとえばヒトを含めた動物内)もしくはin vitroで免疫応答を誘発させるため、抗体を作製するため、または前立腺がんを含めたがんを処置するためのワクチン中の構成成分として使用するために有用な、単離した免疫原性PSMAポリペプチドおよび免疫原性PSAポリペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

そのアミノ酸配列が配列番号1のヒトPSMAのアミノ酸15〜750と90%〜99%の同一性を有しており、ヒトPSMAタンパク質の保存的T細胞エピトープのうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のアミノ酸を対応する位置で含む、単離免疫原性PSMAポリペプチド

請求項2

ヒトPSMAの保存的T細胞エピトープのうちの少なくとも15、16、17、18、または19個を含む、請求項1に記載の単離免疫原性PSMAポリペプチド。

請求項3

配列番号1のヒトPSMAのアミノ酸15〜750と94%〜97%の同一性を有する、請求項2に記載の単離免疫原性PSMAポリペプチド。

請求項4

a)配列番号3のアミノ酸配列、b)配列番号5のアミノ酸配列、c)配列番号7のアミノ酸配列、およびd)配列番号9のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の単離免疫原性PSMAポリペプチド。

請求項5

a)配列番号3のアミノ酸配列、b)配列番号5のアミノ酸配列、c)配列番号7のアミノ酸配列、およびd)配列番号9のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項3に記載の単離免疫原性PSMAポリペプチド。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の単離免疫原性PSMAポリペプチドまたはその機能的変異体薬学的に許容できる添加剤とを含む組成物

請求項7

免疫原性PSAポリペプチドをさらに含む請求項6に記載の組成物。

請求項8

免疫原性PSAポリペプチドが配列番号17のアミノ酸配列からなる、請求項7に記載の組成物。

請求項9

免疫原性PSAポリペプチドが配列番号19のアミノ酸配列からなる、請求項8に記載の組成物。

請求項10

請求項1から5のいずれか一項に記載の免疫原性PSMAポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離核酸分子

請求項11

a)配列番号4のヌクレオチド配列、b)配列番号6のヌクレオチド配列、c)配列番号8のヌクレオチド配列、およびd)配列番号10のヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列またはその縮重変異体を含む単離核酸分子。

請求項12

請求項10または請求項11に記載の単離核酸分子を含むプラスミド構築体

請求項13

請求項10または請求項11に記載の核酸分子を含むベクター

請求項14

請求項10もしくは請求項11に記載の単離核酸分子、請求項12に記載のプラスミド構築体、または請求項13に記載のベクターを含む組成物。

請求項15

配列番号17のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸配列からなる免疫原性PSAポリペプチドをコードしている核酸分子をさらに含む、請求項14に記載の組成物。

請求項16

ヒトPSCAタンパク質をコードしている核酸分子をさらに含む、請求項15に記載の組成物。

請求項17

ワクチン組成物である、請求項16に記載の組成物。

請求項18

哺乳動物に、請求項6から9または14から17のいずれか一項に記載の組成物を有効量で投与することを含む、哺乳動物において異常な細胞増殖阻害する方法。

請求項19

哺乳動物に、請求項6から9または14から17に記載の組成物を有効量で投与することを含む、哺乳動物において免疫応答を誘発する方法。

請求項20

ヒトに、請求項6から9または14から17のいずれか一項に記載の組成物を有効量で投与することを含む、ヒトにおいて前立腺がん処置する方法。

請求項21

ワクチンを受ける哺乳動物に、(1)有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤と、(2)有効量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤とを投与することを含む、哺乳動物において新生物性障害を処置するためのワクチンの治療効果を増強させる方法。

請求項22

ワクチンを受ける哺乳動物に、(1)有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤と、(2)有効量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤とを投与することを含む、哺乳動物において新生物性障害を処置するためのワクチンの免疫原性を増強させる方法。

請求項23

哺乳動物がヒトである、請求項21または22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

新生物性障害ががんである、請求項23に記載の方法。

請求項25

少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤が、プロテインキナーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、またはPDE5阻害剤から選択され、少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤が、CTLA−4阻害剤、CD40作用剤、TLR作用剤、4−1BB作用剤、OX40作用剤、GITR作用剤、PD−1拮抗剤、またはPD−L1拮抗剤から選択される、請求項24に記載の方法。

請求項26

1)プロテインキナーゼ阻害剤が、イマチニブソラフェニブラパチニブ、zactimaMP−412、ダサチニブレスタウルチニブ、ラパチニブ、スニチニブリンゴ酸塩アキシチニブエルロチニブゲフィチニブボスニブテムシロリムス、およびニロチニブからなる群から選択され、2)CTLA−4阻害剤が、イピリムマブおよびトレリムマブからなる群から選択され、3)CD40作用剤が、G28−5、mAb89、EA−5、S2C6、CP870893、およびダセツズマブからなる群から選択される抗CD40抗体であり、4)TLR作用剤が、CpG24555、CpG10103、CpG7909、およびCpG1018からなる群から選択されるCpGオリゴヌクレオチドである、請求項25に記載の方法。

請求項27

少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤がプロテインキナーゼ阻害剤であり、少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤がCTLA−4阻害剤である、請求項26に記載の方法。

請求項28

プロテインキナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、ダサチニブ、イマチニブ、アキシチニブまたはスニチニブリンゴ酸塩から選択され、CTLA−4阻害剤がトレメリムマブである、請求項27に記載の方法。

請求項29

プロテインキナーゼ阻害剤が、約1〜25mg/用量で経口投与するスニチニブリンゴ酸塩であり、トレメリムマブは約10〜150mg/用量で皮内または皮下投与する、請求項28に記載の方法。

請求項30

第2の免疫エフェクター細胞賦活剤をさらに含み、第2の免疫エフェクター細胞賦活剤が、CpG24555、CpG10103、CpG7909、CpG1018、またはCpG1018から選択されるTLR作用剤である、請求項29に記載の方法。

請求項31

ヒトに、(1)有効量のワクチンと、(2)有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤と、(3)有効量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤とを投与することを含み、ワクチンが、新生物性障害に関連する腫瘍関連抗原に対する免疫応答を誘発することができる、ヒトにおいて新生物性障害を処置する方法。

請求項32

新生物性障害が前立腺がんである、請求項31に記載の方法。

請求項33

ワクチンが、1)配列番号9のアミノ酸配列からなるポリペプチド、2)配列番号3のアミノ酸4〜739からなるポリペプチド、3)配列番号5のアミノ酸4〜739からなるポリペプチド、および4)配列番号7のアミノ酸4〜739からなるポリペプチドからなる群から選択される免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている核酸分子を含む、請求項32に記載の方法。

請求項34

単離核酸分子が、1)配列番号4のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、2)配列番号6のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、3)配列番号8のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、および4)配列番号10のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、またはヌクレオチド配列のうちの任意のものの縮重変異体からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項33に記載の方法。

請求項35

ワクチンが、免疫原性PSAポリペプチドをコードしている核酸分子をさらに含み、免疫原性PSAポリペプチドが、1)配列番号17のアミノ酸配列または配列番号17のアミノ酸4〜240を含むポリペプチド、2)配列番号17のアミノ酸配列または配列番号17のアミノ酸4〜240からなるポリペプチド、3)配列番号19のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸4〜281を含むポリペプチド、および4)配列番号19のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸4〜281からなるポリペプチドからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。

請求項36

ワクチンが、ヒトPSCAポリペプチドをコードしている核酸分子をさらに含む、請求項35に記載の方法。

請求項37

免疫原性PSCAポリペプチドが完全長ヒトPSCAである、請求項36に記載の方法。

請求項38

ワクチンが、免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、および免疫原性PSCAポリペプチドからなる群から選択される少なくとも2つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体を含む、請求項32に記載の方法。

請求項39

ワクチンが、免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、および免疫原性PSCAポリペプチドからなる群から選択される少なくとも3つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体を含む、請求項32に記載の方法。

請求項40

免疫原性PSMAポリペプチドが、1)配列番号9のアミノ酸配列からなるポリペプチド、2)配列番号3のアミノ酸4〜739からなるポリペプチド、3)配列番号5のアミノ酸4〜739からなるポリペプチド、および4)配列番号7のアミノ酸4〜739からなるポリペプチドからなる群から選択され、免疫原性PSAポリペプチドが、1)配列番号17のアミノ酸配列または配列番号17のアミノ酸4〜240を含むポリペプチド、2)配列番号17のアミノ酸配列または配列番号17のアミノ酸4〜240からなるポリペプチド、3)配列番号19のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸4〜281を含むポリペプチド、および4)配列番号19のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸4〜281からなるポリペプチドからなる群から選択され、免疫原性PSCAポリペプチドが完全長ヒトPSCAである、請求項38または請求項39に記載の方法。

請求項41

少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤が、プロテインキナーゼ阻害剤、COX−2阻害剤、またはPDE5阻害剤から選択され、少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤が、CTLA−4阻害剤、CD40作用剤、TLR作用剤、4−1BB作用剤、OX40作用剤、GITR作用剤、PD−1拮抗剤、またはPD−L1拮抗剤から選択される、請求項40に記載の方法。

請求項42

1)プロテインキナーゼ阻害剤が、イマチニブ、ソラフェニブ、ラパチニブ、zactimaMP−412、ダサチニブ、レスタウルチニブ、ラパチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、アキシチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ボスチニブ、テムシロリムス、およびニロチニブからなる群から選択され、2)CTLA−4阻害剤が、イピリムマブおよびトレメリムマブからなる群から選択され、3)CD40作用剤が、G28−5、mAb89、EA−5、S2C6、CP870893、およびダセツズマブからなる群から選択される抗CD40抗体であり、4)TLR作用剤が、CpG24555、CpG10103、CpG7909、およびCpG1018からなる群から選択されるCpGオリゴヌクレオチドである、請求項25に記載の方法。

請求項43

少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤がプロテインキナーゼ阻害剤であり、少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤がCTLA−4阻害剤である、請求項42に記載の方法。

請求項44

プロテインキナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、ダサチニブ、イマチニブ、アキシチニブ、ボスチニブまたはスニチニブリンゴ酸塩から選択され、CTLA−4阻害剤がトレメリムマブである、請求項43に記載の方法。

請求項45

プロテインキナーゼ阻害剤が、約1〜25mg/用量で経口投与するスニチニブリンゴ酸塩であり、トレメリムマブは約10〜150mg/用量で皮内または皮下投与する、請求項44に記載の方法。

請求項46

プロテインキナーゼ阻害剤が、約1、2、3、4、または5mg/用量で1日2回経口投与するアキシチニブであり、トレメリムマブは約10〜150mg/用量で皮内または皮下投与する、請求項44に記載の方法。

請求項47

第2の免疫エフェクター細胞賦活剤をさらに含み、第2の免疫エフェクター細胞賦活剤が、CpG24555、CpG10103、CpG7909、またはCpG1018から選択されるTLR作用剤である、請求項45または請求項46に記載の方法。

請求項48

ワクチンがDNAワクチンであり、ワクチンおよびTLR作用剤を混合物中で電気穿孔によって投与する、請求項47に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の参照
本出願は、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている、2012年5月4日に出願の米国仮出願第61/642,844号の優先権を主張するものである。

0002

配列表の参照
本出願は電子フォーマットの配列表と共に提出されている。配列表は、2013年4月4日に作成され、257KBのサイズを有する、表題「PC71854A SEQLISTING_ST25.TXT」のファイルとして.txtフォーマットで提供されている。.txtファイル中に含有される配列表は明細書の一部であり、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている。

0003

本発明は、一般に免疫療法に関し、より詳細には、新生物性障害処置または予防するためのワクチンおよび方法に関する。

背景技術

0004

がんは世界中で主な死亡原因である。がん管理の伝統的なレジメンは、循環がんおよび固形がんの選択的な群の管理に成功している。しかし、多くの腫瘍は伝統的な手法に対して耐性がある。近年、がんを処置するための免疫療法が調査されており、これは、腫瘍から遠位の部位でワクチン組成物投与することによる、宿主由来活性のある全身性腫瘍特異的免疫応答の発生を含む。単離した腫瘍関連抗原を含有するものを含めた、様々な種類のワクチンが提案されている。

0005

前立腺がんは2番目に一般的に診断されているがんであり、世界中の先進国における男性のがん関連死の第四位の原因である。前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、および前立腺幹細胞抗原(PSCA)などの様々な前立腺関連抗原(PAA)は、その正常な対応物と比較して、前立腺がん細胞によって過剰発現されることが示されている。したがって、これらの抗原は、ワクチンに基づく免疫療法の使用を介した、抗原を発現するがんに対する特異的免疫応答を誘導させるための可能な標的を表す。(たとえばMarrari,A.、M.leroら(2007).「Vaccination therapy in prostate cancer.」Cancer Immunol lmmunother、56(4):429〜45を参照。)

0006

PSCAはアミノ酸123個の膜タンパク質である。完全長ヒトPSCAのアミノ酸配列は配列番号21のアミノ酸4〜123からなる。PSCAは高い組織特異性を有しており、前立腺がん検体の85%を超えるもので発現されており、より高いグリーソンスコアおよびアンドロゲン非依存性に伴って発現レベルは増加する。PSCAは前立腺がん患者骨転移の80〜100%で発現されている。

0007

PSAは、前立腺腺房および管を裏打ちする円柱上皮細胞によって排他的に産生される、カリクレインセリンプロテアーゼである。PSAmRNAは、不活性なアミノ酸261個のプレプロPSA前駆体として翻訳される。プレプロPSAは、前領域(シグナルポリペプチド)およびプロポリペプチドを構成する24個のさらなる残基を有する。プロポリペプチドの放出はアミノ酸237個の成熟した細胞外形をもたらし、これは酵素活性がある。ヒト完全長PSAのアミノ酸配列を配列番号15に提供する。PSAは臓器特異的であり、その結果、これは良性前立腺肥大(BPH)組織原発性前立腺がん組織、および転移性前立腺がん組織の上皮細胞によって産生される。

0008

葉酸加水分解酵素1(FOLH1)としても知られるPSMAは、750個のアミノ酸から構成される。ヒト完全長PSMAのアミノ酸配列を配列番号1に提供する。PSMAには細胞質ドメイン(アミノ酸1〜19)、膜貫通ドメイン(アミノ酸20〜43)、および細胞外ドメイン(アミノ酸44〜750)が含まれる。PSMAは、前立腺がん細胞の表面上および新生血管構造上で発現されるII型二量体膜貫通タンパク質である。また、これは正常な前立腺細胞、脳、唾液腺および胆樹上でも発現される。しかし、前立腺がん細胞中では、これは正常組織よりも1000倍高いレベルで発現されることが見出された。これは、結腸乳房肝臓膀胱膵臓腎臓がんなどの様々な他の固形腫瘍ならびに黒色腫および肉腫の新生血管構造上で豊富に発現される。したがって、PSMAは、前立腺がん細胞のみに特異的な標的ではなく、他のがんの汎癌腫標的としてもみなされている。PSMAの発現は前立腺癌の普遍的な特長であると考えられ、その発現の増加は腫瘍の攻撃性相関している。PSMAの発現は高悪性度腫瘍、転移性病変およびアンドロゲン非依存性疾患において最も高い。

0009

多数の腫瘍関連抗原が同定されており、これらの抗原の多くががんを処置または予防するためのタンパク質に基づくまたはDNAに基づくワクチンとして調査されている一方で、ほとんどの臨床治験では、現在までに治療製品を生成することに失敗している。がんワクチンの開発の困難の1つは、がん抗原は通常は自己由来であり、したがって、免疫系は自己タンパク質を認識しないように自己調節されているために免疫原性に乏しいことにある。したがって、がんワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法の必要性が存在する。

0010

免疫原性を増強させるまたはがんワクチンの抗腫瘍効性を増強させるために、数々の手法が調査されている。そのような手法の1つは、TL作用剤、TNFR作用剤、CTLA−4阻害剤、およびプロテインキナーゼ阻害剤などの様々な免疫調節剤の使用を含む。

0011

トール様受容体(TLR)は、造血細胞および非造血細胞上で発現される1型膜受容体である。少なくとも11個のメンバーがTLRファミリー中で同定されている。これらの受容体は、病原性生物によって発現される病原体関連分子パターン(PAMP)を認識するその能力によって特徴づけられている。TLRの始動は、増強されたサイトカインの産生、ケモカイン受容体の発現(CCR2、CCR5およびCCR7)、ならびに共刺激分子の発現を介して激しい炎症反応を誘発することが見出されている。したがって、自然免疫系中のこれらの受容体は、後に続く後天性免疫応答の極性に対して制御力を発揮する。TLRのうち、TLR9が免疫応答におけるその機能について大規模に調査されている。TLR9受容体の刺激は、炎症誘発性サイトカインの産生およびT細胞への共刺激分子の提示を増加させることによって、抗原提示細胞APC)が強力かつTH1に支配されるT細胞応答プライミングすることを指示する。TLR9のリガンドであるCpGオリゴヌクレオチドは、強力な免疫刺激因子クラスであることが見出された。CpG治療マウスにおける様々な腫瘍モデルに対して試験されており、腫瘍阻害または回帰を促進することが一貫して示されている。

0012

細胞毒性Tリンパ球抗原4(CTLA−4)は免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、ヘルパーT細胞の表面上で発現される。CTLA−4はCD28依存性細胞活性化の負の調節因子であり、適応免疫応答阻害性チェックポイントとして作用する。T細胞共刺激タンパク質CD28と同様、CTLA−4は抗原提示細胞上のCD80およびCD86と結合する。CTLA−4はT細胞に阻害シグナルを伝達する一方で、CD28は刺激シグナルを伝達する。ヒトCTLA−4に対するヒト抗体は、ウイルスおよび細菌感染症の処置または予防およびがんの処置などのいくつかの病状における免疫刺激モジュレーターとして記載されている(WO01/14424号およびWO00/37504号)。様々な前臨床研究により、モノクローナル抗体によるCTLA−4遮断は免疫原性腫瘍に対する宿主免疫応答を増強させ、確立された腫瘍を拒絶さえできることが示されている。2つの完全にヒトの抗ヒトCTLA−4モノクローナル抗体(mAb)であるイピリムマブ(MDX−010)およびトレリムマブ(CP−675206としても知られる)が、様々な種類の固形腫瘍の処置における臨床治験において調査されている。

0013

腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーは、特異的な同族細胞表面受容体であるTNF受容体(TNFR)スーパーファミリーと結合するサイトカインの群である。腫瘍壊死因子スーパーファミリーのメンバーはリガンド媒介性の三量体化によって作用し、いくつかの細胞内アダプター動員を引き起こしてアポトーシス、NF−kB経路、JNK経路、ならびに免疫および炎症反応などの複数のシグナル伝達経路を活性化させる。TNFスーパーファミリーの例には、CD40リガンド、OX40リガンド、4−1BBリガンド、CD27、CD30リガンド(CD153)、TNF−アルファ、TNF−ベータ、RANKリガンド、LT−アルファ、LT−ベータ、GITRリガンド、およびLIGHTが含まれる。TNFRスーパーファミリーには、たとえば、CD40、OX40、4−1BB、CD70(CD27リガンド)、CD30、TNFR2、RANK、LT−ベータR、HVEM、GITR、TROY、およびRELTが含まれる。CD40は、Bリンパ球樹状細胞濾胞性樹状細胞、造血前駆細胞、上皮細胞、および癌腫の表面上に見つかる。CD40は、糖タンパク質であり、活性化されたT細胞(主にCD4+であるが一部のCD8+および好塩基球肥満細胞)上で発現される、リガンド(CD40−L)と結合する。自然および適応免疫応答におけるCD40の役割が原因で、完全にヒトの作用剤であるCD40モノクローナル抗体CP870893などの様々なCD40作用性抗体を含めたCD40作用剤は、ワクチンアジュバントおよび治療における使用について探求されている。

0014

プロテインキナーゼは、タンパク質中の特定の残基のリン酸化触媒する酵素のファミリーである。プロテインキナーゼは、サイトカインのその受容体に対する作用を含めた細胞外シグナルを核へと伝達し、様々な生物学的事象を始動させることを司っているシグナル伝達経路における主要な要素である。正常細胞の生理学におけるプロテインキナーゼの数多くの役割には、細胞周期の制御ならびに細胞成長分化、アポトーシス、細胞移動性、および有糸分裂誘発が含まれる。c−Src、c−Abl、マイトジェン活性化タンパク質(MAPキナーゼホスホチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)AKT、および表皮成長因子(EGF)受容体などのキナーゼががん細胞中で一般的に活性化されており、腫瘍化に寄与することが知られている。必然的に、いくつかのキナーゼ阻害剤、特にチロシンキナーゼ阻害剤(TKI):サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤細胞周期チェックポイント阻害剤、表皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤、キナーゼ挿入ドメイン阻害剤、PI3K/Akt/mTOR経路を標的とする阻害剤、Ras−Raf−MEK−ERK(ERK)経路を標的とする阻害剤、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)キナーゼ阻害剤、c−kit阻害剤、およびセリンスレオニンキナーゼ阻害剤が、抗がん治療のために現在開発されている。たとえば、MK0457、VX−680、ZD6474、MLN8054、AZD2171、SNS−032、PTK787/ZK222584、ソラフェニブ(BAY43−9006)、SU5416、SU6668 AMG706、Zactima(ZD6474)、MP−412、ダサチニブ、CEP−701(レスタウルチニブ)、XL647、XL999、Tykerb、(ラパチニブ)、MLN518、(以前はCT53518として知られる)、PKC412、ST1571、AMN107、AEE788、OSI−930、OSI−817、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent、SU11248)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、SNS−032、SNS−314、およびアキシチニブ(AG−013736)を含めたいくつかのキナーゼ阻害剤が、抗がん治療で使用するために臨床調査において調査されている。ゲフィチニブおよびエルロチニブは、経口利用が可能な2つのEGFR−TKIである。

発明が解決しようとする課題

0015

探求されている免疫調節剤は、典型的には、たとえば経口投与静脈内注射もしくは輸液、または筋肉内注射によって患者に全身投与される。一部の免疫調節剤の有効な使用を制限する主要な要因の1つは、投与した薬剤への高い全身性曝露によって引き起こされる毒性である。たとえば、CD40作用剤に関して、0.3mg/kgが例示されている作用性CD40抗体の最大耐量であり、それよりも高い用量は、静脈血閉塞症グレード頭痛悪寒などの毒性効果をもたらすサイトカイン放出、および一過性肝臓毒性を含めた副作用を誘発し得ることが報告されている。(Vanderheideら、J Clin.Oncol.、25(7):876〜8833(March 2007)。転移性腎細胞癌を有する患者において静脈内トレメリムマブ(抗CTLA−4抗体)と経口スニチニブとの組合せを調査するための臨床治験では、腎不全の急速な発症が観察され、その結果、毎日6mg/kgよりも高い用量のトレメリムマブ+37.5mgのスニチニブのさらなる調査は推奨されなかった。Brian I.Riniら:Phase 1 Dose−Escalation Trial of Tremelimumab Plus Sunitinib in Patients With Metastatic Renal Cell Carcinoma.、Cancer、117(4):758〜767(2011)を参照されたい]。したがって、肝臓毒性または腎不全などの重症な有害な副作用を誘発しない有効用量で免疫調節剤が投与されるワクチンに基づく免疫療法レジメンの必要性が存在する。

課題を解決するための手段

0016

一部の態様では、本開示は、たとえば、in vivo(たとえばヒトを含めた動物内)もしくはin vitroで免疫応答を誘発させるため、抗体を作製するため、または前立腺がんを含めたがんを処置するためのワクチン中の構成成分として使用するために有用な、単離した免疫原性PSMAポリペプチドおよび免疫原性PSAポリペプチドを提供する。一態様では、本開示は、配列番号1のヒトPSMAのアミノ酸15〜750と少なくとも90%の同一性を有しており、ヒトPSMAの保存的T細胞エピトープのうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のアミノ酸を対応する位置で含む、単離免疫原性PSMAポリペプチドを提供する。

0017

他の態様では、本開示は、免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子を提供する。一部の実施形態では、本開示は、本開示によって提供される免疫原性PSMAポリペプチドまたは前記ポリペプチドの機能的変異体をコードしているヌクレオチド配列を含む、単離核酸分子またはその縮重変異体を提供する。

0018

一部の他の態様では、本開示は、それぞれ2つ以上の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている複数抗原核酸構築体を提供する。

0019

また、本開示は、本発明の1つまたは複数の核酸分子を含有するベクターも提供する。ベクターは、核酸分子によってコードされている免疫原性PAAポリペプチドをクローニングもしくは発現させるため、またはワクチンなどの組成物中の核酸分子を宿主細胞もしくはヒトなどの宿主動物へと送達するために有用である。

0020

一部のさらなる態様では、本開示は、1つもしくは複数の免疫原性PAAポリペプチド、免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、または免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子を含有するベクターもしくはプラスミドを含む組成物を提供する。一部の実施形態では、組成物は、マウス、イヌサル、またはヒトなどの哺乳動物においてPAAに対する免疫応答を誘発させるために有用な免疫原性組成物である。一部の実施形態では、組成物は、ヒトなどの哺乳動物を免疫化するため、異常な細胞増殖を阻害するため、がんの発生に対する保護を提供するため(予防剤として使用される)、またはがん、特に前立腺がんなどのPAAの過剰発現に関連する障害を処置するため(治療剤として使用される)に有用なワクチン組成物である。

0021

さらに他の態様では、本開示は、本明細書中に上述した免疫原性PAAポリペプチド、単離核酸分子、および免疫原性PAAポリペプチドまたは単離核酸分子を含む組成物を使用する方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、哺乳動物に、標的PAAに対して免疫原性である、有効量の本発明によって提供されるポリペプチド、そのような免疫原性ポリペプチドをコードしている有効量の単離核酸分子、またはそのような免疫原性PAAポリペプチドもしくはそのような免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物を投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPAAに対する免疫応答を誘発させる方法を提供する。ポリペプチドまたは核酸ワクチンは1つまたは複数のアジュバントと共に使用し得る。

0022

さらに他の態様では、本開示は、様々ながんを処置するためのTAA特異的免疫応答を誘導するための様々な腫瘍関連抗原(TAA)を送達するワクチンを、少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤および少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤と組み合わせて同時投与することを含む、ワクチンに基づく免疫療法レジメン(すなわち「VBIR」)を提供する。具体的には、一部の態様では、本開示は、ワクチンを受ける哺乳動物に、有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤と少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤とを投与することを含む、哺乳動物において新生物性障害を処置するためのワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法を提供する。さらなる一態様では、本開示は、哺乳動物に、ワクチンと、少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤と、少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤とを投与することを含む、哺乳動物において新生物性障害を処置する方法を提供する。

図面の簡単な説明

0023

PJV7563ベクターの模式図である。
5つのウイルス2Aカセットのアミノ酸アラインメントを示す図である。スキップされたグリシンプロリン結合はアスタリスクによって示されている。
好ましいEMCV IRESの配列を示す図である。翻訳開始部位はアスタリスクによって示されている。最小IRES要素には、EMCV Lタンパク質の下線を引いた最初の5個のコドンは除外されている。
フローサイトメトリーによって測定した、二重抗原ワクチン構築体形質移入したHEK293細胞の表面上でのヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)および完全長ヒトPSCAの発現を示すドットプロットである。
PSMAおよびPSCA特異的モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングによって測定した、二重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞におけるヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)および完全長ヒトPSCAの発現を示すウエスタンブロットの画像である。
PSA特異的モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングによって測定した、二重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞におけるヒトPSAサイトゾル抗原(アミノ酸25〜261)の発現を示すウエスタンブロットの画像である。レーン5300はPSAよりも約2kD大きい薄いバンドを示し、これは2AペプチドC末端融合と一貫している。
フローサイトメトリーによって測定した、三重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞の表面上でのヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)および完全長ヒトPSCAの発現を示すドットプロットである。(単一抗原対照および単一プロモーター三重抗原構築体。)
フローサイトメトリーによって測定した、三重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞の表面上でのヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)および完全長ヒトPSCAの発現を示すドットプロットである。(二重プロモーター三重抗原構築体。)
PSA特異的モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングによって測定した、三重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞におけるヒトPSAの発現を示すウエスタンブロットの画像である。レーン5259および456中のバンドはレーン5297からのスピルオーバーである。スキャンしたゲルからは見ることができないが、レーン456、457、および458はPSAよりも約2kD大きいバンドを示し、これは2AペプチドのC末端融合と一貫している。(単一プロモーター三重抗原構築体。)
PSA特異的モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングによって測定した、三重抗原ワクチン構築体で形質移入したHEK293細胞におけるヒトPSAの発現を示すウエスタンブロットの画像である。レーン5259および456中のバンドはレーン5297からのスピルオーバーである。スキャンしたゲルからは見ることができないが、レーン456、457、および458はPSAよりも約2kD大きいバンドを示し、これは2AペプチドのC末端融合と一貫している。(二重プロモーター三重抗原構築体)
FN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体価によって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
PSCA抗体価によって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体細胞表面結合によって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSCA抗体細胞表面結合によって三重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体価によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSCA抗体価によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体細胞表面結合によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSCA抗体細胞表面結合によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体価によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSCA抗体価によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体細胞表面結合によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSCA抗体細胞表面結合によって二重抗原ワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
C57BL/6マウスにおけるヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)対完全長ヒトPSMA(アミノ酸1〜750)によって誘発されたT細胞免疫応答を評価するための代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによる、パスツールHLA−A2/DR1)トランスジェニックマウスにおけるヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)対完全長ヒトPSMA抗原(アミノ酸1〜750)のT細胞免疫応答を評価するための代表的な研究の結果を示すグラフである。
IFN−γ ELISPOTアッセイによる、パスツール(HLA−A2/DR1)トランスジェニックマウスにおけるヒトPSMA改変抗原(アミノ酸15〜750)対完全長ヒトPSMA抗原(アミノ酸1〜750)のT細胞免疫応答を評価するための代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体価によってヒト改変および完全長PSMAワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗PSMA抗体細胞表面結合によってヒト改変および完全長PSMAワクチンの免疫原性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
抗CTLA−4(CP−675、206)を10mg/kgで注射したインドアカゲザルにおいて競合ELISAによって測定した、血中抗CTLA−4モノクローナル抗体レベルを評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対する抗ネズミCTLA−4モノクローナル抗体(クローン9H10)の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対する抗ネズミCTLA−4モノクローナル抗体(クローン9H10)の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
単独療法として、または対照(対照)もしくはがんワクチン(rHER2)と組み合わせて、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)で処置した際の皮下腫瘍成長速度を評価および比較する代表的な研究の結果を示すグラフである。
20mg/kgのスニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(rHER2)の抗腫瘍有効性を評価および比較する代表的な研究からのマウスの個々の腫瘍成長速度を示すグラフである。
20mg/kgのスニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(rHER2)の抗腫瘍有効性を評価および比較する代表的な研究からのマウスの個々の腫瘍成長速度を示すグラフである。
20mg/kgのスニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(rHER2)の抗腫瘍有効性を評価および比較する代表的な研究からのマウスの個々の腫瘍成長速度を示すグラフである。
20mg/kgのスニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(rHER2)の抗腫瘍有効性を評価および比較する代表的な研究からのマウスの個々の腫瘍成長速度を示すグラフである。
スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(がん)で処置した、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照(対照)またはがんワクチン(rHER2)の抗腫瘍有効性を評価する図33に記載した研究からのマウスの群のカプラン−マイヤー生存曲線を示すグラフである。
図33で処置したマウスからの末梢血における、骨髄由来抑制細胞(Gr1+CD11b+)およびCD25+CD4+細胞を含有するTregにおける変化を示すグラフである。
図33で処置したマウスからの末梢血における、骨髄由来抑制細胞(Gr1+CD11b+)およびCD25+CD4+細胞を含有するTregにおける変化を示すグラフである。
マウスの腫瘍から単離した骨髄由来抑制細胞(Gr1+CD11b+)、Treg(CD4+CD25+Foxp3+)、およびPD−1+CD8 T細胞の総数の変化を示すグラフである。
マウスの腫瘍から単離した骨髄由来抑制細胞(Gr1+CD11b+)、Treg(CD4+CD25+Foxp3+)、およびPD−1+CD8 T細胞の総数の変化を示すグラフである。
マウスの腫瘍から単離した骨髄由来抑制細胞(Gr1+CD11b+)、Treg(CD4+CD25+Foxp3+)、およびPD−1+CD8 T細胞の総数の変化を示すグラフである。
皮下TUBO腫瘍を保有するBALB/neuTマウスにおける、対照(対照)またはがんワクチン(ワクチン)と組み合わせた、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および抗ネズミCTLA−4モノクローナル抗体(クローン9D9)の抗腫瘍有効性を評価する代表的な研究からのマウスの群のカプラン−マイヤー生存曲線を示すグラフである。
皮下TUBO腫瘍を有するBALB/neuTマウスの血中スニチニブレベルの動力学を示すグラフである。
スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照またはがんワクチンを投薬した皮下TUBO腫瘍を有するBALB/neuTマウスの抗腫瘍有効性を評価する代表的な研究からのマウスの群のカプラン−マイヤー生存曲線を示すグラフである。
免疫調節剤を与えた場合の、rHER2ワクチンによって誘導された抗原特異的T細胞応答の規模を評価する代表的な研究からのマウスの群からのIFNγ ELISPOT結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対するCpG7909(PF−03512676)の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対するCpG7909(PF−03512676)の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対する作用性抗ネズミCD40モノクローナル抗体の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
細胞内サイトカイン染色アッセイによる、ワクチンに誘導された免疫応答の品質に対する作用性抗ネズミCD40モノクローナル抗体の免疫調節活性を評価する代表的な研究の結果を示すグラフである。
自発性乳癌を保有するBALB/neuTマウスにおける低用量スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)および対照またはがんワクチンの抗腫瘍有効性を評価する代表的な研究からのマウスの群のカプラン−マイヤー生存曲線を示すグラフである。

0024

A.定義
用語「アジュバント」とは、ワクチン免疫原と共に与えた際に免疫応答を増強、加速、または延長させることができる物質をいう。

0025

用語「作用剤」とは、別の分子または受容体の活性を促進する(誘導する、引き起こす、増強させる、または増加させる)物質をいう。用語、作用剤には、受容体と結合する物質(たとえば、抗体、別の種からの天然リガンド相同体)およびそれと結合せずに受容体機能を促進させる物質(たとえば、関連タンパク質を活性化させることによる)が包含される。

0026

用語「拮抗剤」または「阻害剤」とは、別の分子または受容体の生物活性を部分的または完全に遮断、阻害、または中和する物質をいう。

0027

用語「同時投与」とは、処置期間中に同じ対象に2つ以上の薬剤を投与することをいう。2つ以上の薬剤は、単一の配合物中に包含され、したがって同時に投与され得る。あるいは、2つ以上の薬剤は別々の物理的配合物中にあり、別々に、順次または同時のどちらかで対象に投与し得る。用語「同時に投与した」または「同時の投与」とは、第1の薬剤の投与および第2の薬剤の投与の時間が互いに重なることを意味する一方で、用語「順次に投与した」または「順次の投与」とは、第1の薬剤の投与および第2の薬剤の投与の時間が互いに重ならないことを意味する。

0028

用語「保存的T細胞エピトープ」とは、配列番号1に記載のヒトPSMAタンパク質の以下のアミノ酸配列のうちの1つをいう。
アミノ酸168〜176(GMPGDLVY)、
アミノ酸347〜356(HSTNGVTRIY)、
アミノ酸557〜566(ETYELVEKFY)、
アミノ酸207〜215(KVFRGNKVK)、
アミノ酸431〜440(STEWAEENSR)、
アミノ酸4〜12(LLHETDSAV)、
アミノ酸27〜35(VLAGGFFLL)、
アミノ酸168〜177(GMPEGDLVYV)、
アミノ酸441〜450(LLQERGVAYI)、
アミノ酸469〜477(LMYSLVHNL)、
アミノ酸711〜719(ALFIESKV)、
アミノ酸663〜671(MNDQMFL)、
アミノ酸178〜186(NYARTDFF)、
アミノ酸227〜235(LYSDPADYF)、
アミノ酸624〜632(TYSVSFDSL)、
アミノ酸334〜348(TGNFSTQKVKMHIHS)、
アミノ酸459〜473(NYTLRVDCTPLMYSL)、
アミノ酸687〜701(YRHVIYAPSSHNKYA)、および
アミノ酸730〜744(RQIYVAAFTVQAAAE)。

0029

用語「サイトゾル性」とは、特定のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列が宿主細胞によって発現された後、発現されたポリペプチドが宿主細胞内に保持されることを意味する。

0030

用語「縮重変異体」とは、塩基置換を有するが同じポリペプチドをコードしているDNA配列をいう。

0031

用語「有効量」とは、哺乳動物において所望の効果を引き起こすために十分である、哺乳動物に投与する量をいう。

0032

用語、所定のポリペプチドの「断片」とは、所定のポリペプチドよりも短く、かつ所定のポリペプチドの配列と100%の同一性を共有するポリペプチドをいう。

0033

2つ以上の核酸またはポリペプチド配列文脈における用語「同一」またはパーセント「同一性」とは、最大一致について比較およびアラインメントした際に、同じである、または指定されたパーセンテージの同一であるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列または部分配列をいう。

0034

用語「免疫エフェクター細胞賦活剤」または「IEC賦活剤」とは、哺乳動物の免疫エフェクター細胞の1つまたは複数の種類の数、質、または機能を増加または増強させることができる物質をいう。免疫エフェクター細胞の例には、細胞溶解性CD8 T細胞、CD40 T細胞、NK細胞、およびB細胞が含まれる。

0035

用語「免疫調節剤」とは、哺乳動物の自然、液性、または細胞性免疫系の任意の構成成分の働きを変更させる(たとえば、阻害する、減少させる、増加させる、増強させる、または刺激する)ことができる物質をいう。したがって、用語「免疫調節剤」には、本明細書中に定義する「免疫エフェクター細胞賦活剤」および本明細書中に定義する「免疫抑制性細胞阻害剤」、ならびに哺乳動物の免疫系の他の構成成分に影響を与える物質が包含される。

0036

用語「免疫応答」とは、宿主脊椎動物の免疫系による、特定の物質(抗原または免疫原など)に対する任意の検出可能な応答をいい、それだけには限定されないが、自然免疫応答(たとえばToll受容体シグナル伝達カスケードの活性化)、細胞媒介性免疫応答(たとえば、抗原特異的T細胞などのT細胞および免疫系の非特異的な細胞によって媒介される応答)、ならびに液性免疫応答(たとえば、血漿リンパ、および/または組織液中への抗体の産生および分泌などの、B細胞によって媒介される応答)が含まれる。免疫応答の例には、トール様受容体活性化の変更(たとえば増加)、リンホカイン(たとえば、サイトカイン(たとえばTh1、Th2もしくはTh17型サイトカイン)またはケモカイン)の発現または分泌、マクロファージ活性化、樹状細胞活性化、T細胞(たとえばCD4+またはCD8+T細胞)活性化、NK細胞活性化、B細胞活性化(たとえば抗体の産生および/または分泌)、免疫原(たとえば抗原(たとえば免疫原性ポリポリペプチド))とMHC分子との結合、細胞毒性Tリンパ球(「CTL」)応答の誘導、B細胞応答の誘導(たとえば抗体産生)、免疫系の細胞(たとえばT細胞およびB細胞)の拡大(たとえば細胞集団の成長)、ならびに抗原提示細胞による抗原のプロセッシングおよび提示の増加が含まれる。また、用語「免疫応答」には、in vitroでの脊椎動物の免疫系の1つまたは複数の構成成分による特定の物質(抗原または免疫原など)に対する任意の検出可能な応答も包含される。

0037

用語「免疫原性」とは、単独であるか担体と連結しているかにかかわらず、アジュバントの存在下または非存在下で、特定の抗原に対する免疫応答を引き起こす、誘発する、刺激する、もしくは誘導する、または特定の抗原に対する既存の免疫応答を改善する、増強させる、増加するもしくは延長する、物質の能力をいう。

0038

用語「免疫原性PSAポリペプチド」とは、ヒトPSAタンパク質に対してまたはヒトPSAタンパク質を発現する細胞に対して免疫原性であるポリペプチドをいう。

0039

用語「免疫原性PSCAポリペプチド」とは、ヒトPSCAタンパク質に対してまたはヒトPSCAタンパク質を発現する細胞に対して免疫原性であるポリペプチドをいう。

0040

用語「免疫原性PSMAポリペプチド」とは、ヒトPSMAタンパク質に対してまたはヒトPSMAタンパク質を発現する細胞に対して免疫原性であるポリペプチドをいう。

0041

用語「免疫原性PAAポリペプチド」とは、本明細書中で上記定義した「免疫原性PSAポリペプチド」、「免疫原性PSCAポリペプチド」、または「免疫原性PSMAポリペプチド」をいう。

0042

用語「免疫原性PSA核酸分子」とは、本明細書中に定義する免疫原性PSAポリペプチドをコードしている核酸分子をいう。

0043

用語「免疫原性PSCA核酸分子」とは、本明細書中に定義する「免疫原性PSCAポリペプチド」をコードしている核酸分子をいう。

0044

用語「免疫原性PSMA核酸分子」とは、本明細書中に定義する「免疫原性PSMAポリペプチド」をコードしている核酸分子をいう。

0045

用語「免疫原性PAA核酸分子」とは、本明細書中で上記定義した「免疫原性PSAポリペプチド」、「免疫原性PSCAポリペプチド」、または「免疫原性PSMAポリペプチド」をコードしている核酸分子をいう。

0046

用語「免疫抑制性細胞阻害剤」または「ISC阻害剤」とは、哺乳動物の免疫抑制細胞の数または機能を低下させるまたは抑制することができる物質をいう。免疫抑制細胞の例には、調節性T細胞(「T reg」)、骨髄由来抑制細胞、および腫瘍関連マクロファージが含まれる。

0047

治療剤または免疫調節剤などの物質を、ヒトを含めた哺乳動物に投与する文脈における用語「皮内投与」または「皮内投与した」とは、物質を哺乳動物の皮膚の真皮層内に送達することをいう。哺乳動物の皮膚は、3つの層、すなわち表皮層、真皮層、および皮下層から構成されている。表皮は、皮膚の比較的薄く強靭な外層である。表皮中の細胞のほとんどはケラチノサイトである。皮膚の次の層である真皮は、皮膚にその柔軟性および強度を与える、線維状かつ弾性のある組織(主にコラーゲンエラスチン、およびフィブリリンから作製される)の厚い層である。真皮は、神経終末汗腺および油(皮脂毛嚢、および血管を含有する。真皮は、皮膚の位置に応じて厚さが変動する。ヒトでは、これは眼瞼では約0.3mmであり、背中では約3.0mmである。皮下層は、脂肪ならびにより大きな血管および神経を収容する結合組織から作製される。この層の厚さは身体全体にわたって、および人毎に変動する。用語「皮内投与」とは、物質を真皮層の内部に送達することをいう。対照的に、「皮下投与」とは、物質を皮下層内に投与することをいい、「外用投与」とは、物質を皮膚の表面上に投与することをいう。

0048

用語「局所投与」または「局所投与した」には、それぞれ本明細書中で上記定義したように「外用投与」、「皮内投与」、および「皮下投与」が包含される。また、この用語には、物質を腫瘍の内部に投与することを指す「腫瘍内投与」も包含される。局所投与は、投与した物質で全身体内分布が達成されるまでの一定期間の間、投与部位周辺で高い局所濃度を可能にすることを意図する一方で、「全身投与」は、投与した物質が血中に吸収されて、循環系を通じて全身にわたって器官または組織へと分配されることによって迅速に全身性曝露を果たすことを意図する。

0049

用語「哺乳動物」とは、哺乳網(Mammalia)の任意の動物種をいう。哺乳動物の例には、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類ラット、マウス、モルモットなどの実験動物ネコ、イヌ、ウサギウシヒツジヤギウマ、およびブタなどの家畜、ならびにライオントラゾウなどの捕獲野生動物等が含まれる。

0050

用語「膜結合性」とは、特定のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列が宿主細胞によって発現された後、発現されたポリペプチドが細胞の膜と結合している、付着している、または他の様式で会合していることを意味する。

0051

用語「新生物性障害」とは、細胞が異常に高いかつ制御されない速度で増殖する状態をいい、この速度は周囲の正常組織のそれを超えており、協調を欠いている。通常、これは「腫瘍」として知られる固形病変または塊をもたらす。この用語には良性および悪性の新生物性障害が包含される。本開示中で用語「がん」と互換性があるように使用される用語「悪性新生物性障害」とは、体内の他の位置へと拡散する腫瘍細胞の能力(「転移」として知られる)によって特徴づけられた新生物性障害をいう。用語「良性新生物性障害」とは、腫瘍細胞が転移する能力を欠く新生物性障害をいう。

0052

用語「作動可能に連結した」とは、そのように記載した構成成分が、それらがその意図する様式で機能することを許容する関係性にある並置をいう。導入遺伝子と「作動可能に連結した」制御配列は、制御配列と適合性のある条件下で導入遺伝子の発現が達成されるような様式でライゲーションされている。

0053

用語「相同分子種」とは、互いに類似しており、共通の祖先由来する、異なる種中の遺伝子をいう。

0054

用語「薬学的に許容できる添加剤」とは、活性成分と適合性があり、それを投与する対象において顕著な不都合な効果を引き起こさない、免疫原性またはワクチン組成物中の活性成分(たとえば、抗原、抗原コード核酸、免疫調節剤、またはアジュバント)以外の物質をいう。

0055

用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は本明細書中で互換性があるように使用され、任意の長さのアミノ酸の多量体型をいい、これには、コードされているおよびコードされていないアミノ酸、化学修飾もしくは生化学修飾または誘導体化されたアミノ酸、ならびに修飾されたポリペプチド主鎖を有するポリペプチドが含まれることができる。

0056

用語「予防すること」または「予防する」とは、(a)障害が起こらないようにすること、または(b)障害の発症もしくは障害の症状の発症を遅延させることをいう。

0057

用語「前立腺関連抗原」(またはPAA)とは、前立腺腫瘍細胞上で特異的に発現される、または腫瘍細胞によって同じ組織型非腫瘍細胞よりも高い頻度もしくは密度で発現されるTAA(本明細書中に定義)をいう。PAAの例にはPSA、PSCA、およびPSMAが含まれる。

0058

ポリペプチドの文脈における用語「分泌性」とは、ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列が宿主細胞によって発現された後、発現されたポリペプチドが宿主細胞の外に分泌されることを意味する。

0059

プロテインキナーゼ阻害剤などの免疫調節剤の量を記載する際に使用した場合、用語「最適以下の用量」とは、免疫調節剤単独で患者に投与した場合に、処置している疾患について所望の治療効果を生じるために必要な最小量未満の免疫調節剤の用量をいう。

0060

用語「処置すること」、「処置」、または「処置する」とは、障害を抑止する、障害の重症度を低下させる、または障害の症状の重症度もしくは発生頻度を低下させることをいう。

0061

用語「腫瘍関連抗原」または「TAA」とは、腫瘍細胞によって特異的に発現される、または腫瘍細胞によって同じ組織型の非腫瘍細胞よりも高い頻度もしくは密度で発現される抗原をいう。腫瘍関連抗原は、宿主によって通常は発現されない抗原であり得るか、宿主によって通常発現される分子の、突然変異した、切断された、ミスフォールディングされた、もしくは他の様式で異常な発現であり得るか、通常発現される分子と同一であるが異常に高いレベルで発現され得るか、または、異常なコンテキストもしくは環境中で発現され得る。腫瘍関連抗原は、たとえば、タンパク質もしくはタンパク質断片複合糖質ガングリオシドハプテン、核酸、またはこれらもしくは他の生体分子の任意の組合せであり得る。

0062

用語「ワクチン」とは、特定の抗原に対する免疫応答を誘発するために哺乳動物に投与する免疫原性組成物をいう。

0063

用語、所定のポリペプチドの「変異体」とは、その所定のポリペプチドのアミノ酸配列と100%未満であるが80%より高い同一性を共有しており、その所定のポリペプチドの免疫原性活性の少なくとも一部を示すポリペプチドをいう。

0064

用語「ベクター」とは、外来核酸分子輸送または移動させることができる核酸分子をいう。この用語には発現ベクターおよび転写ベクターがどちらも包含される。用語「発現ベクター」とは、標的細胞中で挿入物を発現させることができるベクターをいい、一般に、挿入物の発現を駆動するエンハンサー、プロモーター、およびターミネーター配列などの制御配列を含有する。用語「転写ベクター」とは、転写されるが翻訳されない能力を有するベクターをいう。転写ベクターは、その挿入物を増幅するために使用する。外来核酸分子は「挿入物」または「導入遺伝子」と呼ばれる。ベクターは、一般に、挿入物とベクターの主鎖として役割を果たすより大きな配列とからなる。ベクターの構造または起源に基づいて、ベクターの主要な種類には、プラスミドベクターコスミドベクターラムダファージなどのファージベクターアデノウイルス(Ad)ベクターなどのウイルスベクター、および人工染色体が含まれる。

0065

B.免疫原性前立腺関連抗原(PAA)ポリペプチド
一部の態様では、本開示は、たとえば、in vivo(たとえばヒトを含めた動物中)もしくはin vitroで免疫応答を誘発するため、エフェクターT細胞を活性化させるため、またはそれぞれPSAおよびPSMAに特異的な抗体を産生させるため、またはがん、特に前立腺がんを処置するためのワクチン中の構成成分として使用するために有用な、単離免疫原性PSAポリペプチドおよびPSMAポリペプチドを提供する。これらのポリペプチドは、本開示に鑑みて、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。免疫応答を誘発するポリペプチドの能力は、in vitroアッセイまたはin vivoアッセイで測定することができる。ポリペプチドまたはDNA構築体の免疫応答を誘発する能力を決定するためのin vitroアッセイは当技術分野で知られている。そのようなin vitroアッセイの一例は、その開示が本出願中に組み込まれている米国特許第7,387,882号に記載のように、ポリペプチドを発現するポリペプチドまたは核酸の、T細胞応答を刺激する能力を測定することである。このアッセイ方法は、(1)培養中の抗原提示細胞を抗原と接触させることによって、抗原を抗原提示細胞に取り込ませてプロセッシングさせることができ、1つまたは複数のプロセッシングされた抗原を生成するステップと、(2)T細胞がプロセッシングされた抗原のうちの1つまたは複数に応答するために十分な条件下で、抗原提示細胞をT細胞と接触させるステップと、(3)T細胞がプロセッシングされた抗原のうちの1つまたは複数に応答するかどうかを決定するステップとを含む。使用するT細胞はCD8+T細胞またはCD4+T細胞であり得る。T細胞応答は、インターフェロンガンマおよびインターロイキン−2などのサイトカインのうちの1つまたは複数の放出、抗原提示細胞(腫瘍細胞)の溶解、ならびにB細胞による抗体の産生を測定することによって決定し得る。

0066

B−1.免疫原性PSMAポリペプチド
一態様では、本開示は、配列番号1のヒトPSMAのアミノ酸15〜750と少なくとも90%の同一性を有しており、ヒトPSMAの保存的T細胞エピトープのうちの少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のアミノ酸を対応する位置で含む、単離免疫原性PSMAポリペプチドを提供する。

0067

一部の実施形態では、免疫原性PSMAポリペプチドは、ヒトPSMAの保存的T細胞エピトープのうちの少なくとも15、16、17、18、または19個を含む。

0068

一部の実施形態では、本開示は、配列番号9のアミノ酸配列からなる免疫原性PSMAポリペプチド、または配列番号9のアミノ酸配列と93%〜99%、94%〜98%、もしくは94%〜97%の同一性を有する免疫原性PSMAポリペプチドを提供する。

0069

一部の特定の免疫原性PSMAポリペプチドの例には以下が含まれる。
1)配列番号1のアミノ酸15〜750からなるポリペプチド、
2)配列番号3のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
3)配列番号5のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
4)配列番号7のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
2)配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
3)配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、および
4)配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチド。

0070

他の実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される免疫原性PSMAポリペプチドを提供する。
1)配列番号11のアミノ酸配列からなるポリペプチド
2)配列番号13のアミノ酸配列からなるポリペプチド、および
3)配列番号13のアミノ酸配列を含むポリペプチド。

0071

一部の他の実施形態では、本開示は、以下のポリペプチドのうちの任意のものの変異体である単離免疫原性PSMAポリペプチドを提供する。
2)配列番号3のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
3)配列番号5のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、および
4)配列番号7のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
ただし、変異体のアミノ酸配列は配列番号1の配列と93%〜99%の同一性を有しており、かつ配列番号3、5、または7のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の同一性を共有する。

0072

所定のPAAポリペプチドの変異体は、親免疫原性PAAポリペプチド中の1つまたは複数のアミノ酸の欠失、挿入、または置換によって得ることができる。そのような変異体の生成の一例はポリペプチドの個々のアミノ酸の保存的置換、すなわち、1つのアミノ酸を類似の特性を有する別のアミノ酸で置換することによる。

0073

本発明の免疫原性PSMAポリペプチドは、配列番号1のヒトPSMAの保存的T細胞エピトープの一部または全体を保存しつつ、ヒトPSMAの残りの領域中の特定のアミノ酸を、ヒトPSMAの1つまたは複数の相同分子種中に見つかるアミノ酸で、対応する位置で置換することによって構築し得る。免疫原性PSMAポリペプチドを作製するために利用し得る様々なPSMA相同分子種の配列は、GeneBankデータベースから入手可能である。これらの相同分子種をそのNCBI ID番号と共に表18中に提供する。ヒトPSMAのアミノ酸を相同分子種のうちの1つまたは複数からのアミノ酸で置換することは、保存的置換もしくは非保存的置換または両方であってよく、達成が必要な多様性MHC結合、置換部位での相同分子種アミノ酸の存在、表面曝露、ならびに最適なプロセッシングおよび提示のためのタンパク質の3D構造の維持を含めた、当技術分野で知られているいくつかの要因に基づいて選択し得る。

0074

B−2.免疫原性PSAポリペプチド
別の態様では、本開示は単離免疫原性PSAポリペプチドを提供する。一実施形態では、単離免疫原性PSAポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列または配列番号15のアミノ酸4〜263からなるポリペプチド、またはその変異体である。別の実施形態では、単離免疫原性PSAポリペプチドは、配列番号17のアミノ酸配列または配列番号17のアミノ酸4〜240からなるポリペプチド、またはその変異体である。さらなる実施形態では、単離免疫原性PSAポリペプチドは、配列番号19のアミノ酸配列または配列番号19のアミノ酸4〜281からなるポリペプチド、またはその変異体である。

0075

C.免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子
一部の態様では、本開示は、免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子を提供する。核酸分子は、デオキシリボヌクレオチド(DNA)またはリボヌクレオチド(RNA)であることができる。したがって、核酸分子は、チミジン(T)がウラシル(U)であることもできる本明細書中に開示したヌクレオチド配列を含むことができ、これはDNAおよびRNAの化学構造相違を反映している。核酸分子は、修飾形、一本鎖もしくは二本鎖形、または直鎖もしくは環状形であることができる。核酸分子は、本開示に鑑みて、当技術分野で知られている方法を使用して調製することができる。

0076

C−1.免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている核酸分子
一態様では、本開示は、本開示によって提供される免疫原性PSMAポリペプチドまたはその機能的変異体を含めた免疫原性PSMAポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む、単離核酸分子またはその縮重変異体を提供する。

0077

一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は膜結合免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている。一部の特定の実施形態では、単離核酸分子は、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列またはその縮重変異体を含む。
1)配列番号9のアミノ酸配列をコードしているヌクレオチド配列、
2)配列番号3のアミノ酸4〜739をコードしているヌクレオチド配列、
3)配列番号5のアミノ酸4〜739をコードしているヌクレオチド配列、および
4)配列番号7のアミノ酸4〜739をコードしているヌクレオチド配列。

0078

一部の他の特定の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号3、配列番号5、配列番号7、または配列番号9の免疫原性PSMAポリペプチドの変異体をコードしており、変異体は、(a)配列番号1のアミノ酸配列と93%〜99%の同一性および(b)配列番号3、5、または7のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。

0079

さらに一部の他の特定の実施形態では、単離核酸分子は、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列またはその縮重変異体を含む。
1)配列番号4のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、
2)配列番号6のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、
3)配列番号8のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、および
4)配列番号10のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列。

0080

C−2.免疫原性PSAポリペプチドをコードしている核酸分子
別の態様では、本開示は、本開示によって提供される免疫原性PSAポリペプチドを含めた免疫原性PSAポリペプチドをコードしている、単離核酸分子またはその縮重変異体を提供する。

0081

一部の実施形態では、単離核酸分子は、サイトゾル免疫原性PSAポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む、またはそれからなる。一実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号17の連続したアミノ酸残基4〜240からなるサイトゾル免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号17のアミノ酸配列を含むサイトゾル免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。さらに別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号17のアミノ酸配列からなるサイトゾル免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。さらに別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書中で上記提供した前記サイトゾル免疫原性ポリペプチドのうちの任意のものの機能的変異体をコードしている。

0082

一部の他の実施形態では、単離核酸分子は、膜結合免疫原性PSAポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号19の連続したアミノ酸残基4〜281を含む膜結合免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号19のアミノ酸配列を含む膜結合免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。さらに別の実施形態では、ヌクレオチド配列は、配列番号19のアミノ酸配列からなる膜結合免疫原性PSAポリペプチドをコードしている。さらに他の実施形態では、ヌクレオチド配列は、本明細書中で上記提供した前記膜結合免疫原性PSAポリペプチドのうちの任意のものの機能的変異体をコードしている。

0083

本開示によって提供される特定の核酸分子の例には以下が含まれる。
1)配列番号18のヌクレオチド配列からなる核酸分子、
2)配列番号18のヌクレオチド配列を含む核酸分子、
3)配列番号20のヌクレオチド配列からなる核酸分子、
4)配列番号20のヌクレオチド配列を含む核酸分子、および
5)上記核酸分子1)〜4)のうちの任意のものの縮重変異体。

0084

C−3.2つ以上の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子
別の態様では、本開示は、複数の免疫原性PAAポリペプチド、たとえば少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子を提供する。そのような核酸分子は、本開示において「複数抗原構築体」、「複数抗原ワクチン」、「複数抗原プラスミド」などとも呼ばれる。したがって、一部の態様では、1つの核酸分子が2つのコードヌクレオチド配列を保有しており、それぞれのコードヌクレオチド配列が個々の免疫原性PAAポリペプチドを発現する。そのような核酸分子は、本開示において「二重抗原構築体」、「二重抗原ワクチン」、または「二重抗原プラスミド」などとも呼ばれる。一部の他の態様では、1つの核酸分子が3つのコードヌクレオチド配列を保有しており、それぞれのコードヌクレオチド配列が個々の免疫原性PAAポリペプチドを発現する。そのような核酸分子は、本開示において「三重抗原構築体」、「三重抗原ワクチン」、または「三重抗原プラスミド」とも呼ばれる。1つの複数抗原構築体によってコードされている個々のPAAポリペプチドは、PSMA、PSA、またはPSCAなどの同じ抗原に対して免疫原性であり得る。1つの複数抗原構築体によってコードされている個々のPAAポリペプチドは、たとえば1つのPAAポリペプチドはPSMAポリペプチドであり別のものはPSAポリペプチドである、異なる抗原に対して免疫原性であり得る。具体的には、1つの複数抗原構築体は、以下の組合せのうちの任意のもので2つ以上の免疫原性PAAポリペプチドをコードしていてよい。
1)少なくとも1つの免疫原性PSMAポリペプチドと少なくとも1つの免疫原性PSAポリペプチド、
2)少なくとも1つの免疫原性PSMAポリペプチドと少なくとも1つのPSCAポリペプチド、
3)少なくとも1つの免疫原性PSAポリペプチドと少なくとも1つのPSCAポリペプチド、および
4)少なくとも1つの免疫原性PSMAポリペプチドと少なくとも1つの免疫原性PSAポリペプチドと少なくとも1つのPSCAポリペプチド。

0085

複数抗原構築体によってコードされている免疫原性PSMAポリペプチドは、サイトゾル性、分泌性、または膜結合性のいずれかであり得るが、好ましくは膜結合性である。同様に、複数抗原構築体によってコードされている免疫原性PSAポリペプチドは、サイトゾル性、分泌性、または膜結合性のいずれかであり得るが、好ましくはサイトゾル性である。

0086

一部の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの膜結合免疫原性PSMAポリペプチドおよび少なくとも1つの膜結合PSAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体を提供する。

0087

一部の他の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの膜結合免疫原性PSMAポリペプチド、少なくとも1つのサイトゾルPSAポリペプチド、および少なくとも1つのPSCAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体を提供し、少なくとも1つのサイトゾルPSAポリペプチドは配列番号17のアミノ酸4〜240を含み、少なくとも1つの免疫原性PSMAポリペプチドは以下からなる群から選択される。
1)配列番号1のアミノ酸15〜750を含むポリペプチド、
2)配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
3)配列番号5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
4)配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
5)配列番号9のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
6)配列番号3のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
7)配列番号5のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、
8)配列番号7のアミノ酸4〜739を含むポリペプチド、および
9)配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチド。

0088

一部の特定の実施形態では、本開示は、免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている少なくとも1つのヌクレオチド配列、免疫原性PSAポリペプチドをコードしている少なくとも1つのヌクレオチド配列、およびヒトPSCAポリペプチドをコードしている少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む複数抗原構築体を提供し、ヌクレオチド配列は配列番号17または配列番号17のアミノ酸4〜240の免疫原性PSAポリペプチドをコードしており、免疫原性PSMAポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列は以下からなる群から選択される。
1)配列番号2のヌクレオチド配列、
2)配列番号4のヌクレオチド配列、
3)配列番号6のヌクレオチド配列、
4)配列番号8のヌクレオチド配列、
5)配列番号10のヌクレオチド配列、
6)配列番号4のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、
7)配列番号6のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、
8)配列番号8のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列、および
9)配列番号10のヌクレオチド10〜2217を含むヌクレオチド配列。

0089

本開示によって提供される具体的な複数抗原構築体の例には、配列番号23〜36に記載のヌクレオチド配列を含む核酸分子が含まれる。

0090

本開示によって提供される複数抗原構築体は、本開示に鑑みて、当技術分野で知られている様々な技法を使用して調製することができる。たとえば、複数抗原構築体は、複数の独立プロモーターを単一のプラスミド内に取り込ませることによって構築することができる(Huang,Y.、Z.Chenら(2008).「Design,construction,and characterization of a dual−promoter multigenic DNA vaccine directed against anHIV−1 subtype C/B’ recombinant.」J Acquir Immune Defic Syndr、47(4):403〜411、Xu,K.、Z.Y.Lingら(2011).「Broad humoral and cellular immunity elicited by a bivalent DNA vaccine encodingHAand NP genes from an H5N1 virus.」Viral Immunol、24(1):45〜56)。プラスミドは、それぞれがa)エンハンサー要素を含むまたは含まない、RNAポリメラーゼ依存性の転写を開始させるための真核プロモーター、b)標的抗原をコードしている遺伝子、およびc)転写終結配列からなる、複数の発現カセットを保有するように操作することができる。形質移入した細胞核にプラスミドが送達された後、それぞれのプロモーターから転写が開始され、それぞれが標的抗原のうちの1つをコードしている別々のmRNAの生成がもたらされる。mRNAは独立して翻訳され、それにより所望の抗原が生成される。

0091

また、本開示によって提供される複数抗原構築体は、ウイルス2A様ポリペプチドの使用によって、単一のベクターを使用しても構築することができる(Szymczak,A.L.およびD.A.Vignali(2005).「Development of 2A peptide−based strategies in the design of multicistronic vectors.」Expert Opin Biol Ther、5(5):627〜638、de Felipe,P.、G.A.Lukeら(2006).「E unum pluribus:multiple proteins from a self−processing polyprotein.」TrendsBiotechnol、24(2):68〜75、Luke,G.A.、P.de Felipeら(2008).「Occurrence,function and evolutionary origins of ’2A−like’ sequences in virus genomes.」J Gen Virol、89(Pt 4):1036〜1042、Ibrahimi,A.、G.Vande Veldeら(2009).「Highly efficient multicistronic lentiviral vectors with peptide 2A sequences.」Hum Gene Ther、20(8):845〜860、Kim,J.H.、S.R.Leeら(2011).「High cleavage efficiency of a 2A peptide derived from porcine teschovirus−1 in human cell lines,zebrafish and mice.」PLoS One 6(4):e18556)。切断カセットまたはCHYSEL(シス作用性ヒドロラーゼエレメント)とも呼ばれるこれらのポリペプチドは、長さが約20個のアミノ酸であり、高度に保存的なカルボキシ末端のD−V/I−EXNPGモチーフを有する(図2)。このカセットは自然では稀であり、最も一般的には口蹄疫ウイルスFMDV)、ウマ鼻炎Aウイルス(ERAV)、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、ブタテッショウウイルス(PTV)、およびゾセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(TAV)などのウイルス中に見つかる(Luke,G.A.、P.de Felipeら(2008).「Occurrence,function and evolutionary origins of ’2A−like’ sequences in virus genomes.」J Gen Virol、89(Pt 4):1036〜1042)。2Aに基づく複数抗原発現戦略を用いて、複数の標的抗原をコードしている遺伝子を、単一のオープンリーディングフレーム中で、2Aカセットによって隔てて一緒に連結させることができる。オープンリーディングフレーム全体を、単一のプロモーターおよびターミネーターと共にベクター内にクローニングすることができる。構築体が宿主細胞に送達された後、複数の抗原をコードしているmRNAは単一のポリタンパク質として転写および翻訳される。2Aカセットの翻訳中、リボソームはC末端のグリシンとプロリンとの間の結合をスキップする。このリボソームによるスキップは、上流タンパク質から下流タンパク質を開放する、同時翻訳自己触媒的な「切断」のように作用する。2つのタンパク質抗原間での2Aカセットの取り込みは、上流ポリペプチドのC末端上への約20個のアミノ酸の付加および下流タンパク質のN末端への1つのアミノ酸(プロリン)の付加をもたらす。この方法の適応では、遍在的なプロテアーゼによりカセットが上流タンパク質から切断されるように、プロテアーゼ切断部位を2AカセットのN末端に取り込ませることができる(Fang,J.、S.Yiら(2007).「An antibody delivery system for regulated expression of therapeutic levels of monoclonal antibodies in vivo.」Mol Ther、15(6):1153〜1159)。

0092

本開示によって提供される複数抗原構築体を構築する別の戦略は、内部リボソーム進入部位、すなわちIRESの使用を含む。内部リボソーム進入部位は、特定のRNA分子の5’非翻訳領域中に見つかるRNAエレメント(図3)である(Bonnal,S.、C.Boutonnetら(2003).「IRESdb:the Internal Ribosome Entry Site database.」Nucleic AcidsRes、31(1):427〜428)。これらは、真核リボソームをRNAへと誘引して、下流のオープンリーディングフレームの翻訳を促進する。通常の細胞性7−メチルグアノシンcap依存性翻訳とは異なり、IRES媒介性翻訳は、RNA分子のはるか内部にあるAUGコドンを開始させることができる。複数シストロン発現ベクター中で使用するために、効率の高いプロセッシングを利用することができる(Bochkov,Y.A.およびA.C.Palmenberg(2006).「Translational efficiency ofEMCV IRES in bicistronic vectors is dependent upon IRES sequence and gene location.」Biotechniques、41(3):283〜284、286、288)。典型的には、2つの導入遺伝子は、ベクター内のプロモーターと転写ターミネーターとの間に、IRESによって隔てられた2つの別々のオープンリーディングフレームとして挿入する。構築体が宿主細胞に送達された後、両方の導入遺伝子をコードしている単一の長い転写物が転写される。第1のORFは伝統的なcap依存性様式で翻訳され、IRESの上流のストップコドン終結する。第2のORFは、IRESを使用してcap非依存性様式で翻訳される。このようにして、2つの独立したタンパク質を、単一の発現カセットを有するベクターから転写された単一のmRNAから生成することができる。

0093

複数抗原発現戦略はここではDNAワクチン構築体のコンテキストにおいて記載されているが、原理はウイルスベクター遺伝子ワクチンのコンテキストにも同様に適用される。

0094

D.免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子を含有するベクター
本発明の別の態様は、本発明の1つまたは複数の核酸分子を含有するベクターに関する。ベクターは、核酸分子によってコードされている免疫原性PAAポリペプチドをクローニングもしくは発現させるため、またはワクチンなどの組成物中の核酸分子を宿主細胞もしくはヒトなどの宿主動物へと送達するために有用である。プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、およびウイルスベクターなどの様々なベクターを、本発明の核酸分子を含有および発現するように調製し得る。

0095

一部の実施形態では、本開示は、本発明の核酸分子を含有する、プラスミドに基づくベクターを提供する。適切なプラスミドベクターの代表的な例には、pBR325、pUC18、pSKF、pET23D、およびpGB−2が含まれる。プラスミドベクターの他の代表的な例およびそのようなベクターを構築する方法は、米国特許第5,580,859号、第5,589,466号、第5,688,688号、第5,814,482号、および第5,580,859号に記載されている。

0096

他の実施形態では、本発明は、レトロウイルスアルファウイルス、アデノウイルスなどのウイルスから構築されるベクターを提供する。レトロウイルスベクターの代表的な例は、EP0,415,731号、PCT公開WO90/07936号、WO91/0285号、WO9311230号、WO9310218号、WO9403622号、WO9325698号、WO9325234号、ならびに米国特許第5,219,740号、第5,716,613号、第5,851,529号、第5,591,624号、第5,716,826号、第5,716,832号、および第5,817,491号により詳細に記載されている。アルファウイルスから作製することができるベクターの代表的な例は、米国特許第5,091,309号、第5,217,879号、第5,843,723号、および第5,789,245号に記載されている。一部の特定の実施形態では、本開示は、サルアデノウイルスなどの非ヒト霊長類アデノウイルスに由来するアデノウイルスベクターを提供する。そのようなアデノウイルスベクターの例およびその調製は、PCT出願公開WO2005/071093号およびWO2010/086189号に記載されており、ChAd3、ChAd4、ChAd5、ChAd7、ChAd8、ChAd9、ChAd10、ChAd11、ChAd16、ChAd17、ChAd19、ChAd20、ChAd22、ChAd24、ChAd26、ChAd30、ChAd31、ChAd37、ChAd38、ChAd44、ChAd63、ChAd68、ChAd82、ChAd55、ChAd73、ChAd83、ChAd146、ChAd147、PanAd1、Pan Ad2、およびPan Ad3などの非複製ベクターならびにAd4およびAd7ベクターなどの複製能を有するベクターが含まれる。サルアデノウイルスからアデノウイルスベクターを構築する際、E1A、E1B、E2A、E2B、E3、およびE4から選択されるウイルス遺伝子領域からの初期遺伝子のうちの1つまたは複数を、欠失させる、または欠失もしくは突然変異によって非機能的とすることのどちらかが好ましい。特定の実施形態では、ベクターはChAd3またはChAd68から構築する。また、適切なベクターは、カナリアポックスウイルスまたはワクシニアウイルスなどのポックスウイルス(Fisher−Hochら、PNAS、86:317〜321、1989、Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.、569:86〜103、1989、Flexnerら、Vaccine、8:17〜21、1990、米国特許第4,603,112号、第4,769,330号、および第5,017,487号、WO89/01973号)、アデノ関連ベクター(たとえば米国特許第5,872,005号を参照)、SV40(Mulliganら、Nature、277:108〜114、1979)、ヘルペス(Kit、Adv.Exp.Med.Biol.、215:219〜236、1989、米国特許第5,288,641号)、ならびにHIVなどのレンチウイルス(Poznansky、J.Virol.、65:532〜536、1991)などの他のウイルスからも作製することができる。

0097

ベクターを構築する方法は当技術分野で周知である。発現ベクターには、典型的には、発現させる核酸配列と作動可能に連結されている1つまたは複数の制御要素が含まれる。用語「制御要素」とは、プロモーター領域、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流調節ドメイン複製起点、内部リボソーム進入部位(「IRES」)、エンハンサーなどの総称であり、これらは集合的にレシピエント細胞中のコード配列の複製、転写、および翻訳をもたらす。選択されたコード配列が適切な宿主細胞中で複製、転写、および翻訳されることができる限り、これらの制御要素のすべてが必ずしも存在する必要はない。制御要素は、具体的な宿主細胞および他のベクター構成成分の供給源または構造などの、当業者に知られているいくつかの要因に基づいて選択される。免疫原性PAAポリペプチドの発現を増強させるためには、免疫原性PAAポリペプチドをコードしている配列の上流にコザック配列を提供することができる。脊椎動物では、既知のコザック配列は(GCC)NCCATGGであり、ただし、NはAまたはGであり、GCCは保存性がより低い。使用することができる例示的なコザック配列にはACCAUGGおよびACCATGGが含まれる。

0098

E.免疫原性PAAポリペプチドを含む組成物(ポリペプチド組成物
別の態様では、本開示は、本開示によって提供される1つまたは複数の単離免疫原性PAAポリペプチドを含む組成物を提供する(「ポリペプチド組成物」)。一部の実施形態では、ポリペプチド組成物は、マウス、イヌ、非ヒト霊長類またはヒトなどの哺乳動物においてPAAタンパク質に対する免疫応答を誘発するために有用な免疫原性組成物である。一部の他の実施形態では、ポリペプチド組成物は、ヒトなどの哺乳動物を免疫化するため、異常な細胞増殖を阻害するため、がんの発生に対する保護を提供するため(予防剤として使用される)、またはがん、特に前立腺がんなどのPAAの過剰発現に関連する障害を処置するため(治療剤として使用される)に有用なワクチン組成物である。

0099

本開示によって提供されるポリペプチド組成物は、免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、または免疫原性PSCAポリペプチドなどの、単一の種類の免疫原性PAAポリペプチドを含有していてよい。また、組成物は、2つ以上の異なる種類の免疫原性PAAポリペプチドの組合せを含有し得る。たとえば、ポリペプチド組成物は、以下の組合せのうちの任意のもので免疫原性PAAポリペプチドを含有していてよい。
1)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、
2)免疫原性PSMAポリペプチドとPSCAポリペプチド、または
3)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチドとPSCAポリペプチド。

0100

本開示によって提供される免疫原性組成物またはワクチン組成物は、薬学的に許容できる添加剤をさらに含み得る。免疫原性またはワクチン組成物のための薬学的に許容できる添加剤は当技術分野で知られている。適切な添加剤の例には、ナタネ油ヒマワリ油ピーナッツ油綿実油ホホバ油スクアランスクアレン生理食塩水保存料および浸透圧制御剤などの生体適合性の油、担体ガス、pH制御剤有機溶媒疎水性剤酵素阻害剤吸水ポリマー界面活性剤吸収促進剤pH調節剤、ならびに抗酸化剤が含まれる。

0101

組成物、特に免疫原性組成物またはワクチン組成物中の免疫原性PAAポリペプチドは、レシピエントに投与するための担体と連結させる、コンジュゲートさせる、または他の様式でそれ内に取り込ませ得る。用語「担体」とは、免疫原性ポリペプチドをレシピエント(たとえば患者)に送達するために免疫原性ポリペプチドと付着または他の様式で会合させることができる、物質または構造をいう。担体自体が免疫原性であり得る。担体の例には、免疫原性ポリペプチド、免疫CpGアイランドリンペットヘモシアニン(KLH)、破傷風トキソイド(TT)、コレラ毒素サブユニットB(CTB)、細菌または細菌ゴーストリポソームキトソーム、ビロソームミクロスフェア、樹状細胞などが含まれる。1つまたは複数の免疫原性PAAポリペプチド分子は単一の担体分子と連結していてよい。免疫原性ポリペプチドを担体と連結させる方法は当技術分野で知られている。

0102

本開示によって提供されるワクチン組成物または免疫原性組成物は、1つまたは複数の免疫調節剤またはアジュバントと併せて使用し得る。免疫調節剤またはアジュバントは、ワクチン組成物とは別々に配合し得るか、または、これらは同じワクチン組成物の配合物の一部であり得る。したがって、一実施形態では、ワクチン組成物は1つまたは複数の免疫調節剤またはアジュバントをさらに含む。免疫調節剤およびアジュバントの例を本明細書中以下に提供する。

0103

免疫原性およびワクチン組成物を含めたポリペプチド組成物は、液体形態(たとえば、溶液、懸濁液、または乳濁液)および固体形態(たとえば、カプセル錠剤、または粉末)などの任意の適切な剤形で、当業者に知られている方法によって調製することができる。

0104

F.免疫原性PAA核酸分子を含む組成物(核酸組成物
また、本開示は、本開示によって提供される単離核酸分子またはベクターを含む組成物(本明細書中では「核酸組成物」)も提供する。核酸組成物は、in vitroまたはヒトを含めた哺乳動物におけるin vivoでPAAタンパク質に対する免疫応答を誘発させるために有用である。

0105

一部の特定の実施形態では、核酸組成物は、異常な細胞増殖を阻害するため、がんの発生に対する保護を提供するため(予防剤として使用される)、またはPAAの過剰発現に関連するがんを処置するため(治療剤として使用される)、またはPSMA、PSA、およびPSCAなどの特定のヒトPAAに対する免疫応答を誘発するためにヒトに投与するDNAワクチン組成物である。組成物中の核酸分子は、「」核酸分子、すなわち、形質移入または発現を促進するエレメントを含まない単なる単離DNA形態であり得る。あるいは、組成物中の核酸分子をベクター内に取り込ませることができる。

0106

本開示によって提供される核酸組成物は、それぞれが免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、または免疫原性PSCAポリペプチドなどの1種類の免疫原性PAAポリペプチドのみをコードしているように、個々の単離核酸分子を含んでいてよい。

0107

核酸組成物は、2種類以上の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている、本開示によって提供される複数抗原構築体を含み得る。複数抗原構築体は、以下の組合せのうちの任意のもので2つ以上の免疫原性PAAポリペプチドをコードしていてよい。
1)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、
2)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、
3)免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、および
4)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド。

0108

DNAワクチン組成物を含めた核酸組成物は、薬学的に許容できる添加剤をさらに含み得る。DNAワクチン組成物を含めた核酸組成物のための適切な薬学的に許容できる添加剤の例は当業者に周知であり、糖などが含まれる。そのような添加剤は、水性または非水性溶液、懸濁液、および乳濁液であり得る。非水性添加剤の例には、プロピレングリコールポリエチレングリコールオリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが含まれる。水性添加剤の例には、生理食塩水および緩衝媒体を含めた、水、アルコール水溶液、乳濁液または懸濁液が含まれる。また、適切な添加剤には、ポリヌクレオチド分子細胞取り込み支援する薬剤も含まれる。そのような薬剤の例は、(i)ブピバカインなどの細胞透過性を改変させる化学薬品、(ii)ポリヌクレオチドカプセル封入のためのリポソームもしくはウイルス粒子、または(iii)自身をポリヌクレオチドと会合させるカチオン性脂質またはシリカ、金、もしくはタングステン微粒子である。陰イオン性および中性リポソームは当技術分野で周知であり(リポソームを作製する方法の詳細な説明には、たとえばLiposomes:A Practical Approach、RPC New Ed、IRL press(1990)を参照)、ポリヌクレオチドを含めた広い範囲の生成物の送達に有用である。また、カチオン性脂質も当技術分野で知られており、遺伝子送達のために一般的に使用されている。そのような脂質には、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシプロピルN,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)としても知られるLipofectin(商標)、DOTAP(1,2−ビスオレイルオキシ)−3(トリメチルアンモニオプロパン)、DDAB(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、DOGS(ジオクタデシルアミドログリシルスペルミン)およびDCChol(3ベータ−(N−(N’,N’−ジメチルアミノメタン)−カルバモイルコレステロール)などのコレステロール誘導体が含まれる。これらのカチオン性脂質の説明は、EP187,702号、WO90/11092号、米国特許第5,283,185号、WO91/15501号、WO95/26356号、および米国特許第5,527,928号中に見つけることができる。本開示によって提供される核酸ワクチンと共に使用し得る特定の有用なカチオン性脂質配合物は、水性ビヒクル中で合わせた際に自己アセンブルしてリポソームを形成する、カチオン性脂質(GAP−DMRIE)と中性リン脂質DPyPE)の混合物であるVAXFECTINである。

0109

遺伝子送達のためのカチオン性脂質は、一例としてWO90/11092号に記載されている、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)などの中性脂肪と会合させて使用することが好ましい。さらに、DNAワクチンは、CRL1005などの非イオン性ブロックコポリマーと共に配合することもできる。

0110

G.免疫原性PAAポリペプチド、核酸分子、および組成物の使用
他の態様では、本開示は、本明細書中に上述した免疫原性PAAポリペプチド、単離核酸分子、および免疫原性PAAポリペプチドまたは単離核酸分子を含む組成物を使用する方法を提供する。

0111

一態様では、本開示は、哺乳動物に、(1)標的PAAに対して免疫原性である、本開示によって提供される免疫原性PAAポリペプチド、(2)そのような免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)そのような免疫原性PAAポリペプチドを含む組成物、または(4)そのような免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物を有効量で投与することを含む、哺乳動物、特にヒトにおいてPAAに対する免疫応答を誘発させる方法を提供する。

0112

一部の実施形態では、本開示は、ヒトに、本開示によって提供される免疫原性PSMA組成物を有効量で投与することを含む、ヒトにおいてPSMAに対する免疫応答を誘発する方法を提供し、免疫原性PSMA組成物は、(1)免疫原性PSMAポリペプチド、(2)免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)免疫原性PSMAポリペプチドを含む組成物、または(4)免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物から選択される。

0113

一部の他の実施形態では、本開示は、ヒトに、本開示によって提供される免疫原性PSA組成物を有効量で投与することを含む、ヒトにおいてPSAに対する免疫応答を誘発する方法を提供し、免疫原性PSA組成物は、(1)免疫原性PSAポリペプチド、(2)免疫原性PSAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)免疫原性PSAポリペプチドを含む組成物、または(4)免疫原性PSAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物から選択される。

0114

別の態様では、本開示は、ヒトにおいて異常な細胞増殖を阻害する方法を提供し、異常な細胞増殖はPAAの過剰発現と関連している。本方法は、ヒトに、過剰発現されたPAAに対して免疫原性である、本開示によって提供される免疫原性PAA組成物を有効量で投与することを含む。免疫原性PAA組成物は、(1)免疫原性PAAポリペプチド、(2)1つもしくは複数の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)免疫原性PAAポリペプチドを含む組成物、または(4)1つもしくは複数の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物であり得る。一部の実施形態では、本方法は、ヒトにおいて前立腺中の異常な細胞増殖を阻害するためのものである。特定の実施形態では、本開示は、ヒトに、(1)免疫原性PSMAポリペプチド、(2)1つもしくは複数の免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)免疫原性PSMAポリペプチドを含む組成物、または(4)1つもしくは複数の免疫原性PSMAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物を有効量で投与することを含む、PSMAを過剰発現している前立腺中の異常な細胞増殖を阻害する方法を提供する。

0115

別の態様では、本開示は、ヒトにおいてがんを処置する方法を提供し、がんはPAAの過剰発現と関連している。本方法は、ヒトに、過剰発現されたPAAに対する免疫応答を誘発することができる免疫原性PAA組成物を有効量で投与することを含む。免疫原性PAA組成物は、(1)免疫原性PAAポリペプチド、(2)1つもしくは複数の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子、(3)免疫原性PAAポリペプチドを含む組成物、または(4)1つもしくは複数の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている単離核酸分子を含む組成物であり得る。本方法で処置し得るがんの例には、乳がん胃がん卵巣がん肺がん膀胱がん結腸直腸がん、腎臓がん、膵がんおよび前立腺がんが含まれる。

0116

一部の実施形態では、本開示は、ヒトに、本明細書中で上記提供した核酸組成物を有効量で投与することを含む、ヒトにおいて前立腺がんを処置する方法を提供する。組成物中の核酸は、免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、または免疫原性PSCAポリペプチドなどの、1つのみの特定の免疫原性PAAポリペプチドをコードしていてよい。また、組成物中の核酸は、(1)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、(2)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、(3)免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、(4)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチドなどの、2つ以上の異なる免疫原性PAAポリペプチドをコードしていてもよい。組成物中のそれぞれ個々の核酸分子は、PSMAポリペプチド、PSAポリペプチド、またはPSCAポリペプチドなどの、1つのみの特定の免疫原性PAAポリペプチドをコードしていてよい。あるいは、組成物中の個々の核酸分子は、(1)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、(2)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、(3)免疫原性PSCAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、または(4)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチドなどの、2つの異なる種類の免疫原性PAAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体であり得る。一部の特定の実施形態では、核酸組成物は、少なくとも(4)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチドをコードしている複数抗原構築体を含む。ヒトにおいて前立腺がんを処置するためのワクチン組成物中に含有される、またはワクチン組成物中の核酸によって発現される免疫原性PSCAポリペプチドは、好ましくはヒト完全長PSCAタンパク質である。

0117

ポリペプチドおよび核酸組成物は、当技術分野で知られているいくつかの方法によって、ヒトを含めた動物に投与することができる。適切な方法の例には、(1)筋肉内、皮内、表皮内、静脈内、動脈内、皮下、または腹腔内投与、(2)経口投与、および(3)外用適用(眼球鼻腔内、および内適用など)が含まれる。使用し得る核酸ワクチン組成物の皮内または表皮内投与の1つの特定の方法は、PowderMedによって市販されている粒子媒介表皮送達(Particle Mediated Epidermal Delivery)(PMED(商標))ワクチン送達装置を使用した遺伝子銃送達である。PMEDは、ワクチンを動物またはヒトに投与するための無針方法である。PMEDシステムは、DNAを微視的な金粒子上に沈降させ、その後、これらをヘリウムガスによって表皮内に推進させることを含む。DNAがコーティングされた金粒子は表皮のAPCおよびケラチノサイトへと送達され、これらの細胞の核内に入った後、DNAが金から溶離されて転写活性となり、コードされているタンパク質を生成する。その後、このタンパク質がAPCによってリンパ球に提示されて、T細胞媒介性免疫応答を誘導する。本開示によって提供される核酸ワクチンを筋肉内投与するための別の特定の方法は電気穿孔である。電気穿孔は、制御された電気パルスを使用して細胞膜中に一時的な孔を作製し、これが筋肉内に注射された核酸ワクチンの細胞取り込みを促進する。CpGを核酸ワクチンと組み合わせて使用する場合は、CpGおよび核酸ワクチンが1つの配合物中に同時配合され、配合物を電気穿孔によって筋肉内投与することが好ましい。

0118

本開示によって提供される所定の方法において投与する組成物中の免疫原性PAAポリペプチドまたは免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸の有効量は、当業者によって容易に決定することができ、いくつかの要因に依存する。前立腺がんなどのがんを処置する方法では、免疫原性PAAポリペプチドまたは核酸の有効量を決定するために考慮し得る要因には、それだけには限定されないが、(1)対象の免疫状態および健康を含めた処置する対象、(2)処置するがんの重症度または段階、(3)使用するまたは発現させる特異的免疫原性PAAポリペプチド、(4)保護の度合または所望する処置、(5)投与の方法およびスケジュール、ならびに(6)使用する他の治療剤(アジュバントまたは免疫調節剤など)が含まれる。複数抗原ワクチン組成物を含めた核酸ワクチン組成物の事例では、配合および送達の方法は、有効な免疫応答を誘発するために必要な核酸の用量を決定するために主要な要因のうちに入る。たとえば、核酸の有効量は、核酸ワクチン組成物を水溶液として配合し、皮下注射針による注射または空気圧注射によって投与する場合は2μg/用量〜10mg/用量の範囲であり得る一方で、核酸をコーティングされた金ビーズとして調製し、遺伝子銃技術を使用して送達する場合は16ng/用量〜16μg/用量しか必要でない場合がある。電気穿孔による核酸ワクチンの用量範囲は、一般に、0.5〜10mg/用量の範囲である。核酸ワクチンをCpGと共に電気穿孔によって同時配合物中で一緒に投与する事例では、核酸ワクチンの用量は0.5〜5mg/用量の範囲であってよく、CpGの用量は、典型的には0.05mg〜5mg/用量の範囲、たとえば1人当たり0.05、0.2、0.6、または1.2mg/用量である。

0119

本発明の核酸またはポリペプチドワクチン組成物は、頑強かつ持続性の免疫応答を誘導するためのプライミング−ブースト戦略において使用することができる。同じ免疫原性構築体の繰り返し注射に基づいたプライミングおよびブーストワクチン接種プロトコルは周知である。一般に、最初の投薬は保護的免疫を生じず、免疫系「プライミング」するのみであり得る。保護的免疫応答は2回目または3回目の投薬(「ブースト)後に発生する。ブーストは慣用技術に従って行われ、投与スケジュール投与経路、アジュバントの選択肢、用量、および他のワクチンと共に投与した場合は潜在的な順序に関して、経験的にさらに最適化することができる。一実施形態では、本発明の核酸またはポリペプチドワクチンは、同じワクチンを動物に複数の用量で投与する、慣用の同種プライミング−ブースト戦略において使用する。別の実施形態では、核酸またはポリペプチドワクチン組成物は、同じ抗原を含有する異なる種類のワクチンを事前に決定された時間間隔で投与する、異種プライミング−ブーストワクチン接種において使用する。たとえば、核酸構築体は、初回投薬(「プライミング」)ではプラスミドの形態で、続く投薬(「ブースト」)ではベクターの一部として、またはその逆で投与し得る。

0120

前立腺がんの処置には、本発明のポリペプチドまたは核酸ワクチンは、前立腺酸性ホスファターゼに基づく抗原およびアンドロゲン受容体などの他の抗原に基づく前立腺がんワクチンと一緒に使用し得る。

0121

本発明のポリペプチドまたは核酸ワクチン組成物は、1つまたは複数のアジュバントと共に使用し得る。適切なアジュバントの例には、(1)水中油乳濁液配合物(ムラミルポリペプチドまたは細菌細胞壁構成成分などの他の特異的免疫賦活剤を含むまたは含まない)、たとえば、(a)微小流動化装置を使用してサブミクロン粒子へと配合した、5%のスクアレン、0.5%のTween80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)、および0.5%のSpan85(トリオレインソルビタン)を含有するMF59(商標)(PCT公開WO90/14837号、Vaccine design:the subunit and adjuvant approach、第10章、Powell&Newman編、Plenum Press、1995)、(b)サブミクロンの乳濁液へと微小流動化した、または渦撹拌してより大きな粒子径の乳濁液を作製したかのどちらかの、10%のスクアレン、0.4%のTween80、5%のプルロニックブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含有するSAF、(c)2%のスクアレン、0.2%のTween80、ならびにモノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロースジミコレートTDM)、および細胞壁骨格(CWS)などの1つまたは複数の細菌細胞壁構成成分を含有するRIBI(商標)アジュバントシステムRAS)(Ribi Immunochem、モンタナ州Hamilton)、(2)QS21、STIMULON(商標)(Cambridge Bioscience、マサチューセッツ州Worcester)、Abisco(登録商標)(スウェーデンIsconova)、またはIscomatrix(登録商標)(Commonwealth Serum Laboratories、オーストラリア)などのサポニンアジュバント、(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)、(4)インターロイキン(たとえば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(PCT公開WO99/44636号)など)、インターフェロン(たとえばガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)等のサイトカイン、(5)肺炎球菌糖類と共に使用した場合は任意選択ミョウバンの実質的非存在下の、モノホスホリル脂質A(MPL)または3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)(たとえば、GB−2220221号、EP−A−0689454号、WO00/56358号)、(6)3dMPLと、たとえばQS21および/または水中油乳濁液との組合せ(たとえば、EP−A−0835318号、EP−A−0735898号、EP−A−0761231号)、(7)CpGモチーフを含む、すなわち少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含有し、シトシンメチル化されていないオリゴヌクレオチド(たとえば、Krieg、Vaccine(2000)19:618〜622、Krieg、Curr Opin Mol Ther(2001)3:15〜24、WO98/40100号、WO98/55495号、WO98/37919号、およびWO98/52581号)、(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(たとえばWO99/52549号)、(9)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(たとえばWO01/21207号)、またはオクトキシノールなどの少なくとも1つの追加の非イオン性界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはエステル界面活性剤(たとえばWO01/21152号)、(10)サポニンおよび免疫賦活オリゴヌクレオチド(たとえばCpGオリゴヌクレオチド)(たとえばWO00/62800号)、(11)アルミニウム塩(ミョウバン、リン酸アルミニウム水酸化アルミニウムなど)を含めた金属塩、(12)サポニンおよび水中油乳濁液(たとえばWO99/11241号)、(13)サポニン(たとえばQS21)+3dMPL+IM2(任意選択で+ステロール)(たとえばWO98/57659号)。(14)組成物の有効性を増強させる免疫賦活剤として作用する他の物質、たとえば、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−25アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)を含めたムラミルポリペプチド、(15)ポリI:CならびにHiltonolおよびAmpligenなどの類似化合物等のTLR3リガンドを含めた、天然または合成のトール様受容体(TLR)のリガンド(たとえばKanzlerら、Nature Med.、13:1552〜1559(2007))が含まれる。

0122

本発明のポリペプチドまたは核酸ワクチン組成物は、1つまたは複数の免疫調節剤と一緒に使用し得る。適切な免疫調節剤の例には、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(アファニブ、アキシチニブ、セジラニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、グランジニン、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ネラチニブパゾパニブ、キザルチニブ、レゴラフェニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、チボザニブ、トセラニブ、ボスチニブおよびバンデタニブなど)、CD40作用剤(CD40作用性抗体など)、OX40作用剤(OX40作用性抗体など)、CTLA−4阻害剤(抗CTLA−4抗体イピリムマブおよびトレメリムマブなど)、TLR作用剤、4−1BB作用剤、Tim−1拮抗剤、LAGE−3拮抗剤、ならびにPD−L1およびPD−1拮抗剤が含まれる。

0123

H.ワクチンに基づく免疫療法レジメン(VBIR)
さらなる一態様では、本開示は、哺乳動物、特にヒトにおいて新生物性障害を処置するためのワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法を提供する。本方法は、新生物性障害の処置のためにワクチンを受ける哺乳動物に、(1)有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤(ISC阻害剤)と、(2)有効量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤(IEC賦活剤)とを投与することを含む。本方法は、任意の形態または配合物中のワクチン、たとえば、サブユニットワクチン、タンパク質に基づくワクチン、ペプチドに基づくワクチン、またはDNAに基づくワクチン、RNAに基づくワクチン、プラスミドに基づくワクチン、もしくはベクターに基づくワクチンなどの核酸に基づくワクチンと組み合わせて使用し得る。さらに、本方法は任意の特定の種類のワクチンまたは任意の特定の種類のがんに限定されない。むしろ、本方法は、良性、前悪性、および悪性の新生物性障害を含めた新生物性障害の処置が意図される任意のワクチンと組み合わせて使用し得る。たとえば、本方法は、以下の新生物性障害の任意のものの処置が意図されるワクチンと組み合わせて使用し得る:膀胱(進行性および転移性の膀胱がんが含まれる)、乳房、結腸(結腸直腸がんが含まれる)、腎臓、肝臓、肺(小細胞および非小細胞肺がん肺腺癌が含まれる)、卵巣、前立腺、精巣尿生殖路リンパ系直腸喉頭、膵臓(外分泌膵癌が含まれる)、食道胆嚢子宮頸部甲状腺、および皮膚(扁平細胞癌が含まれる)のものを含めた癌腫、白血病急性リンパ球性白血病急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫有毛細胞リンパ腫、組織球性リンパ腫、およびバーケットリンパ腫を含めたリンパ系統の造血腫瘍、急性および慢性骨髄性白血病脊髄形成異常症候群、骨髄性白血病、ならびに前骨髄急性白血病を含めた骨髄系統の造血腫瘍、星細胞腫神経芽細胞腫神経膠腫、およびシュワン腫を含めた中枢および末梢神経系の腫瘍、線維肉腫横紋筋肉腫、および骨肉腫を含めた間葉由来の腫瘍、黒色腫、色素性乾皮症角化棘細胞腫精上皮腫甲状腺濾胞がん、および奇形癌を含めた他の腫瘍、黒色腫、切除不能の第IIIまたはIV段階悪性黒色腫、扁平細胞癌、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、神経膠腫、胃腸がん、腎臓がん、卵巣がん、肝臓がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、腎臓がん、前立腺がん、甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵がん、多形膠芽細胞腫子宮頸がん、胃がん、膀胱がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がん、および頭頸部がん、胃がん、生殖細胞腫瘍、骨がん、骨腫瘍成人悪性骨線維性組織球腫小児悪性骨線維性組織球腫、肉腫、小児肉腫、副鼻腔ナチュラルキラー新生物形質細胞新生物、脊髄形成異常症候群、神経芽細胞腫、精巣生殖細胞腫瘍、眼内黒色腫、脊髄形成異常症候群、脊髄形成異常骨髄増殖性疾患滑膜肉腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ALL)、多発性骨髄腫急性骨髄性白血病慢性リンパ球性白血病、および肥満細胞症

0124

一部の実施形態では、本開示は、ヒトにおいて前立腺がんを処置するためのワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法を提供する。投与するワクチンは、PSMA、PSA、またはPSCAなどの任意のヒトPAAに対する免疫応答を誘発させ得る。一部の特定の実施形態では、投与するワクチンは、PSMA、PSA、またはPSCAなどのヒトPAAに対して免疫原性を誘発することができる抗原をコードしている核酸分子を含む。ワクチン中に含有され得る具体的な核酸分子の例には、本開示によって提供される以下のものが含まれる。
1)免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、または免疫原性PSCAポリペプチドをコードしている核酸分子、
2)本開示によって提供される2つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子、たとえば、a)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、b)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、またはc)免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、ならびに
3)免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、および免疫原性PSCAポリペプチドである、3つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子。

0125

別のさらなる態様では、本開示は、哺乳動物、特にヒトにおいて新生物性障害を処置する方法を提供する。本方法は、哺乳動物に、(1)有効量の新生物性障害に関連するTAAに対する免疫応答を誘発することができるワクチンと、(2)有効量の少なくとも1つの免疫抑制性細胞阻害剤(ISC阻害剤)と、(3)有効量の少なくとも1つの免疫エフェクター細胞賦活剤(IEC賦活剤)とを投与することを含む。特定のTAAに対する免疫応答を誘発することができる任意のワクチンを本方法で使用し得る。多くのTAAが当技術分野で知られている。前立腺関連抗原に加えて、当技術分野で知られているTAAの例は以下である:結腸直腸がんにはCEA、MUC−1、Ep−CAM、5T4、hCG−b、K−ras、およびTERT、卵巣がんにはCEA、Muc−1、p53、メソテリンサバイビン、およびNY−ESO−1、非小細胞肺がんにはMuc−1、5T4、WT−1、TERT、CEA、EGF−RおよびMAGE−A3、腎細胞癌には5T4、ならびに膵がんにはMuc−1、メソテリン、K−Ras、アネキシンA2、TERT、およびCEA。新しいTAAが同定され続けている。既知または新しいTAAのうちの任意のものに対する免疫応答を誘発することができるワクチンを、本方法で使用することができる。さらに、投与するワクチンは、任意の形態または配合物中、たとえば、サブユニットワクチン、タンパク質に基づくワクチン、ペプチドに基づくワクチン、またはDNAに基づくワクチン、RNAに基づくワクチン、プラスミドに基づくワクチン、もしくはベクターに基づくワクチンなどの核酸に基づくワクチンであってよい。

0126

一部の実施形態では、本開示は、ヒトにおいて前立腺がんを処置する方法を提供し、本方法は、ヒトに、PSMA、PSA、またはPSCAなどの任意のヒトPAAに対する免疫応答を誘発することができるワクチンを投与することを含む。一部の特定の実施形態では、投与するワクチンは、PSMA、PSA、またはPSCAなどのヒトPAAに対して免疫原性を誘発し得る抗原をコードしている核酸分子を含む。ワクチン中に含有され得る具体的な核酸分子の例には、本開示によって提供される以下のものが含まれる。
1)免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、または免疫原性PSCAポリペプチドをコードしている核酸分子、
2)本開示によって提供される2つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子、たとえば、a)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSAポリペプチド、b)免疫原性PSMAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、またはc)免疫原性PSAポリペプチドと免疫原性PSCAポリペプチド、ならびに
3)免疫原性PSMAポリペプチド、免疫原性PSAポリペプチド、および免疫原性PSMAポリペプチドである、3つの免疫原性PAAポリペプチドをコードしている核酸分子。

0127

本明細書中に上述した、哺乳動物において新生物性障害を処置する方法、および哺乳動物において新生物性障害を処置するためのワクチンの免疫原性または治療効果を増強させる方法は、「ワクチンに基づく免疫療法レジメン」(すなわち「VBIR」)とも呼ばれる。

0128

ワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、IEC賦活剤およびISC阻害剤は、(1)静脈内、筋肉内、または経口投与などの全身投与、ならびに(2)皮内および皮下投与などの局所投与を含めた、任意の適切な方法および経路によって投与し得る。妥当または適切である場合は、一般に全身投与よりも局所投与が好ましい。任意のIEC賦活剤およびISC阻害剤の局所投与は、医薬品の局所投与に適した、哺乳動物の身体の任意の位置で実施することができるが、これらの免疫調節剤は、ワクチン流入領域リンパ節に非常に近接して局所投与することがより好ましい。

0129

単一のクラスのIEC賦活剤からの2つ以上の特異的IEC賦活剤(たとえば2つのCTLA作用剤)をISC阻害剤と組み合わせて投与し得る。さらに、2つ以上の異なるクラスのIEC賦活剤からの2つ以上の特異的IEC賦活剤(たとえば1つのCTLA−4拮抗剤および1つのTLR作用剤)を一緒に投与し得る。同様に、単一のクラスのISC阻害剤からの2つ以上の特異的ISC阻害剤(たとえば2つ以上のプロテインキナーゼ阻害剤)をIEC賦活剤と組み合わせて投与し得る。さらに、2つ以上の異なるクラスのISC阻害剤からの2つ以上の特異的ISC阻害剤(たとえば1つのプロテインキナーゼ阻害剤および1つのCOX−2阻害剤)を一緒に投与し得る。

0130

ワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、ワクチンは、使用した任意またはすべての免疫調節剤(すなわちISC阻害剤およびIEC賦活剤)と同時に、または順次に投与し得る。同様に、2つ以上の免疫調節剤を使用する場合は、これらを互いに関して同時にまたは順次に投与し得る。一部の実施形態では、ワクチンは、1つの免疫調節剤に関しては同時に(たとえば混合物中で)投与するが、1つまたは複数の追加の免疫調節剤に関しては順次に投与する。ワクチンに基づく免疫療法レジメンにおけるワクチンと免疫調節剤との同時投与には、抗原および免疫調節剤を同時に投与していない場合でも、ワクチンおよび少なくとも1つの免疫調節剤を、それぞれがワクチン流入領域リンパ節などの投与部位に同時に存在するように投与する事例が含まれることができる。また、ワクチンと免疫調節剤との同時投与には、ワクチンまたは免疫調節剤が投与部位から除去されているが、除去されたワクチンまたは免疫調節剤の少なくとも1つの細胞効果が、ワクチン流入領域リンパ節などの投与部位で、1つまたは複数の追加の免疫調節剤が少なくとも投与部位に投与されるまで持続する事例も含まれることができる。核酸ワクチンをCpGと組み合わせて投与する事例では、ワクチンおよびCpGを単一の配合物内に含有させ、任意の適切な方法によって一緒に投与し得る。一部の実施形態では、同時配合物(混合物)中の核酸ワクチンおよびCpGは、電気穿孔と組み合わせた筋肉内注射によって投与する。

0131

任意のISC阻害剤をワクチンに基づく免疫療法レジメンにおいて使用し得る。SIC阻害剤のクラスの例には、プロテインキナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、およびDNA架橋結合剤が含まれる。COX−2阻害剤の例にはセレコキシブおよびロフェコキシブが含まれる。PDE5阻害剤の例には、アバナフィル、ロデナフィル、ミロデナフィル、シルデナフィルタダラフィルバルデナフィルウデナフィル、およびザプリナストが含まれる。DNA架橋結合剤の例はシクロホスファミドである。具体的なプロテインキナーゼ阻害剤の例を以下に詳述する。

0132

用語「プロテインキナーゼ阻害剤」とは、プロテインキナーゼの選択的または非選択的阻害剤として作用する任意の物質をいう。用語「プロテインキナーゼ」とは、アデノシン三リン酸末端リン酸基の、タンパク質基質中のチロシン、セリンまたはスレオニン残基への転移を触媒する酵素をいう。プロテインキナーゼには受容体チロシンキナーゼおよび非受容体チロシンキナーゼが含まれる。受容体チロシンキナーゼの例には、EGFR(たとえば、EGFR/HER1/ErbB1、HER2/Neu/ErbB2、HER3/ErbB3、HER4/ErbB4)、INSR(インスリン受容体)、IGF−IR、IGF−II1R、IRR(インスリン受容体関連受容体)、PDGFR(たとえば、PDGFRA、PDGFRB)、c−KIT/SCFR、VEGFR−1/FLT−1、VEGFR−2/FLK−1/KDR、VEGFR−3/FLT−4、FLT−3/FLK−2、CSF−1R、FGFR1〜4、CCK4、TRK A〜C、MET、RON、EPHA1〜8、EPHB1〜6、AXL、MER、TYRO3、TIE、TEK、RYK、DDR1〜2、RET、c−ROS、LTK(白血球チロシンキナーゼ)、ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)、ROR1〜2、MUSK、AATYK1〜3、およびRTK106が含まれる。非受容体チロシンキナーゼの例には、BCR−ABL、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、Ack、およびLIMKが含まれる。本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、プロテインキナーゼ阻害剤は哺乳動物に最適以下の用量で投与する。用語「最適以下の用量」とは、チロシンキナーゼ阻害剤を標的新生物性障害のために単独療法(すなわち、いかなる他の治療剤も用いずにプロテインキナーゼ阻害剤を単独で投与する場合)で投与した場合の最小有効用量未満である用量をいう。

0133

ワクチンに基づく免疫療法レジメンにおける使用に適した具体的なプロテインキナーゼ阻害剤の例には、ラパチニブ、AZD2171、ET18OCH3、インディルビン−3’−オキシム、NSC−154020、PD169316、ケルセチンロスコビチントリシリビン、ZD1839、5−ヨードツベルシジン、アダフォスチン、アロイシンアルスターパウロンアミノゲニステイン、API−2、アピゲニンアルクチゲニン、ARRY−334543、アキシチニブ(AG−013736)、AY−22989、AZD2171、ビスインドリルマレイミドIX、CCl−779、シェレリスリン、DMPQ、DRB、エデルホシン、ENMD−981693、エルブスタチン類似体、エルロチニブ、ファスジル、ゲフィチニブ(ZD1839)、H−7、H−8、H−89、HA−100、HA−1004、HA−1077、HA−1100、ヒドロキシファスジルケンパウロン、KN−62、KY12420、LFM−A13、ルテオリン、LY294002、LY−294002、マロトキシン、ML−9、MLN608、NSC−226080、NSC−231634、NSC−664704、NSC−680410、NU6102、オロモウシン、オキシインドールI、PD153035、PD98059、フロリジンピセタノールピクロポドフィリン、PKI、PP1、PP2、PTK787/ZK222584、PTK787/ZK−222584、プルバラノールA、Rapamune、ラパマイシン、Ro31−8220、ロットレリン、SB202190、SB203580、シロリムス、SL327、SP600125、スタウロスポリン、STI−571、SU1498、SU4312、SU5416、SU5416(セマキサニブ)、SU6656、SU6668、syk阻害剤、TBB、TCN、チルホスチンAG1024、チルホスチンAG490、チルホスチンAG825、チルホスチンAG957、U0126、W−7、ワートマニン、Y−27632、Zactima(ZD6474)、ZM252868、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標)、SU11248)、エルロチニブ(Tarceva(登録商標)、OSI−1774)、ラパチニブ(GW572016、GW2016)、カネルチニブ(CI1033)、セマキシニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY43−9006)、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、STI571)、ダサチニブ(BMS−354825)、レフルノミド(SU101)、バンデタニブ(Zactima(登録商標)、ZD6474)、およびニロチニブが含まれる。本発明における使用に適したさらなるプロテインキナーゼ阻害剤は、たとえば、米国特許第5,618,829号、第5,639,757号、第5,728,868号、第5,804,396号、第6,100,254号、第6,127,374号、第6,245,759号、第6,306,874号、第6,313,138号、第6,316,444号、第6,329,380号、第6,344,459号、第6,420,382号、第6,479,512号、第6,498,165号、第6,544,988号、第6,562,818号、第6,586,423号、第6,586,424号、第6,740,665号、第6,794,393号、第6,875,767号、第6,927,293号、および第6,958,340号に記載されている。

0134

一部の実施形態では、プロテインキナーゼ阻害剤は、複数の具体的なキナーゼに作用する阻害剤である複数キナーゼ阻害剤である。複数キナーゼ阻害剤の例には、イマチニブ、ソラフェニブ、ラパチニブ、BIRB−796、およびAZD−1152、AMG706、Zactima(ZD6474)、MP−412、ソラフェニブ(BAY43−9006)、ダサチニブ、CEP−701(レスタウルチニブ)、XL647、XL999、Tykerb(ラパチニブ)、MLN518(以前はCT53518として知られる)、PKC412、ST1571、AEE788、OSI−930、OSI−817、スニチニブリンゴ酸塩(Sutent)、アキシチニブ(AG−013736)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ、テムシロリムスならびにニロチニブ(AMN107)が含まれる。一部の特定の実施形態では、チロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、ソラフェニブ、またはスニチニブもしくはソラフェニブの薬学的に許容できる塩もしくは誘導体リンゴ酸塩トシル酸塩など)である。

0135

Pfizer Inc.によって商品名SUTNTの下で販売されているスニチニブリンゴ酸塩は、ブタン二酸、ヒドロキシ−、(2S)−、N−[2−(ジエチルアミノエチル]−5−[(Z)−(5−フルオロ−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−3H−インドール−3−イルイジン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミドとの化合物(1:1)として化学的に記載される。この化合物、その合成、および特定の多型体は、米国特許第6,573,293号、米国特許公開第2003−0229229号、第2003−0069298号および第2005−0059824号、ならびにJ.M.Manley、M.J.Kalman、B.G.Conway、C.C.Ball、J.L HavensおよびR.Vaidyanathan、「Early Amidation Approach to 3−[(4−amido)pyrrol−2−yl]−2−indolinones」、J.Org.Chew.、68、6447〜6450(2003)に記載されている。スニチニブおよびそのL−リンゴ酸塩の配合物はPCT公開WO2004/024127号に記載されている。スニチニブリンゴ酸塩は、切除不能な局所的に進行性または転移性の疾患に罹患している患者における、胃腸間質腫瘍、進行性腎細胞癌、および進行性の十分に分化した脾臓神経内分泌腫瘍を処置するために、米国において認可されている。ヒトにおける胃腸間質腫瘍(GIST)および進行性腎細胞癌(RCC)のためのスニチニブリンゴ酸塩の推奨用量は、4週間の処置、続いて2週間の休止のスケジュール(スケジュール4/2)の、1日1回の50mgの経口摂取である。脾臓神経内分泌腫瘍(pNET)のためのスニチニブリンゴ酸塩の推奨用量は、1日1回の37.5mgの経口摂取である。

0136

ワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、スニチニブリンゴ酸塩は単一用量または複数用量で経口投与し得る。典型的には、スニチニブリンゴ酸塩を2回、3回、4回またはそれより多くの連続した週1回の用量で送達し、スニチニブリンゴ酸塩を送達しない約1もしくは2週間またはそれより長い「休止」期間が続く。一実施形態では、用量を約4週間送達し、2週間休止する。別の実施形態では、スニチニブリンゴ酸塩を2週間送達し、1週間休止する。しかし、全処置期間の間に「休止」期間なしで送達してもよい。ワクチンに基づく免疫療法レジメンにおいてヒトに経口投与するスニチニブリンゴ酸塩の有効量は、典型的には1人当たり40mg未満/用量である。たとえば、これは、1人当たり37.5、31.25、25、18.75、12.5、6.25mg/日で経口投与し得る。一部の実施形態では、スニチニブリンゴ酸塩は、1人当たり1〜25mg/用量の範囲で経口投与する。一部の他の実施形態では、スニチニブリンゴ酸塩は、1人当たり6.25、12.5、または18.75mg/用量の範囲で経口投与する。他の投薬レジメンおよび変動が予測でき、医師指導によって決定されるであろう。

0137

商品名NEXAVARの下で販売されているソラフェニブトシル酸塩も、複数キナーゼ阻害剤である。その化学名は4−(4−{3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチルフェニルウレイドフェノキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドである。これは、原発性腎臓がん(進行性腎細胞癌)および進行性原発性肝臓がん(肝細胞癌)を処置するために米国において認可されている。推奨1日用量は、1日2回の400mgの経口摂取である。本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、経口投与するソラフェニブトシル酸塩の有効量は、典型的には1人当たり400mg未満/日である。一部の実施形態では、経口投与するソラフェニブトシル酸塩の有効量は、1人当たり10〜300mg/日の範囲である。一部の他の実施形態では、経口投与するソラフェニブトシル酸塩の有効量は、1人当たり10〜200mg/日、たとえば、1人当たり10、20、60、80、100、120、140、160、180、または200mg/日である。

0138

商品名INLYTAの下で販売されているアキシチニブは、VEGF受容体1、2、および3の選択的阻害剤である。その化学名は(N−メチル−2−[3−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−1H−インダゾール−6−イルスルファニル]−ベンズアミドである。これは、1回の以前の全身療法が失敗した後の進行性腎細胞癌を処置するために認可されている。開始用量は1日2回の経口の5mgである。用量調節は、個々の安全性および許容性に基づいて行うことができる。本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、経口投与するアキシチニブの有効量は、典型的には1日2回の5mg未満である。一部の他の実施形態では、経口投与するアキシチニブの有効量は、1日2回の1〜5mgである。一部の他の実施形態では、経口投与するアキシチニブの有効量は、1日2回の1、2、3、4、または5mgの間である。

0139

ワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、任意のIEC賦活剤を使用し得る。これらは低分子または高分子(タンパク質、ポリペプチド、DNA、RNA、および抗体など)であり得る。使用し得るIEC賦活剤の例には、TNFR作用剤、CTLA−4拮抗剤、TLR作用剤、プログラム細胞死タンパク質1(PD−1)拮抗剤(BMS−936558など)、抗PD−1抗体CT−011)、およびプログラム細胞死タンパク質1リガンド1(PD−L1)拮抗剤(BMS−936559など)、リンパ球−活性化遺伝子3(LAG3)拮抗剤、ならびにT細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有分子−3(TIM−3)拮抗剤が含まれる。具体的なTNFR作用剤、CTLA−4拮抗剤、およびTLR作用剤の例を本明細書中以下に詳細に提供する。

0140

TNFR作用剤。
TNFR作用剤の例には、OX40、4−1BB(BMS−663513など)、GITR(TRX518など)、およびCD40の作用剤が含まれる。具体的なCD40作用剤の例を本明細書以下に詳述する。

0141

CD40作用剤は、細胞上のCD40受容体と結合し、1つまたは複数のCD40またはCD40L関連活性を増加させることができる物質である。したがって、CD40「作用剤」にはCD40「リガンド」が包含される。

0142

CD40作用剤の例には、CD40作用性抗体、CD40作用性抗体断片、CD40リガンド(CD40L)、ならびに、そのオリゴマー(たとえば二価三量体CD40L)、含有融合タンパク質および変異体などのCD40Lの断片および誘導体が含まれる。

0143

本発明で使用するためのCD40リガンドには、細胞上の1つまたは複数のCD40受容体と結合してそれを活性化することができる任意のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質、またはペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質をコードしている核酸が含まれる。適切なCD40リガンドは、たとえば、すべての特許および出願ならびにそれ中に開示されているCD40L配列がその全体で本明細書中に参考として組み込まれている、米国特許第6,482,411号、第6,410,711号、米国特許第6,391,637号、および米国特許第5,981,724号に記載されている。ヒト治療における使用にはヒトCD40リガンドが好ましいが、任意の種からのCD40リガンドを本発明において使用し得る。獣医学の実施形態などの他の動物種での使用には、処置する動物に一致するCD40リガンドの種が好ましい。特定の実施形態では、CD40リガンドは、天然に形成されるgp39ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質オリゴマー、ならびにオリゴマー化配列を含むgp39ペプチド、ポリペプチド、タンパク質(およびコード核酸)を含めた、gp39ペプチドまたはタンパク質オリゴマーである。二量体、三量体および四量体などのオリゴマーが本発明の特定の態様において好ましい一方で、本発明の他の態様では、オリゴマー構造が1つまたは複数のCD40受容体と結合してそれを活性化させる能力を保持している限りは、より大きなオリゴマー構造の使用が企図される。

0144

特定の他の実施形態では、CD40作用剤は抗CD40抗体またはその抗原結合断片である。抗体は、ヒト、ヒト化、または部分的にヒトのキメラ抗CD40抗体であることができる。具体的な抗CD40モノクローナル抗体の例には、G28−5、mAb89、EA−5またはS2C6モノクローナル抗体、およびCP870893が含まれる。特定の実施形態では、抗CD40作用性抗体はCP870893またはダセツズマブ(SGN−40)である。

0145

CP−870,893は、抗腫瘍治療として臨床的に調査されている、完全にヒトの作用性CD40モノクローナル抗体(mAb)である。CP870,893の構造および調製はWO2003041070号に開示されている(抗体は内部識別「21.4.1」によって識別されている)。CP−870,893の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号40および配列番号41に記載する。臨床治験では、CP870,893は、一般に輸液1つあたり0.05〜0.25mg/kgの範囲の用量で、静脈輸液によって投与した。第I相臨床研究では、CP−870893の最大耐量(MTD)は0.2mg/kgであると推定され、用量規制毒性にはグレード3CRSおよびグレード3蕁麻疹が含まれていた。[Jens Ruterら:Immune modulation with weekly dosing of an agonist CD40 antibody in a phase I study of patients with advanced solid tumors.Cancer Biology & Therapy、10:10、983〜993、November 15、2010]。本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、CP−870,893は皮内、皮下、または外用投与することができる。皮内投与することが好ましい。レジメンにおいて投与するCP870893の有効量は、一般に0.2mg/kg未満、典型的には0.01mg〜0.15mg/kg、または0.05〜0.1mg/kgの範囲である。

0146

ダセツズマブ(SGN−40またはhuS2C6としても知られる、CAS番号88−486−59−9)は、無痛性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫および多発性骨髄腫の臨床治験において調査されている別の抗CD40作用性抗体である。臨床治験では、ダセツズマブを2mg/kg〜16mg/kgの範囲の週に1回の用量で静脈内投与した。本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンでは、ダセツズマブは皮内、皮下、または外用投与することができる。皮内投与することが好ましい。ワクチンに基づく免疫療法レジメンにおいて投与するダセツズマブの有効量は、一般に16mg/kg未満、典型的には0.2mg〜14mg/kg、または0.5〜8mg/kg、または1〜5mg/kgの範囲である。

0147

CTLA−4阻害剤。
本開示によって提供されるワクチンに基づく免疫療法レジメンにおいて使用するための適切な抗CTLA−4拮抗剤には、それだけには限定されないが、抗CTLA−4抗体(ヒト抗CTLA−4抗体、マウス抗CTLA−4抗体、哺乳動物抗CTLA−4抗体、ヒト化抗CTLA−4抗体、モノクローナル抗CTLA−4抗体、ポリクローナル抗CTLA−4抗体、キメラ抗CTLA−4抗体、抗CTLA−4ドメイン抗体など)、抗CTLA−4抗体の断片(単鎖抗CTLA−4断片、重鎖抗CTLA−4断片、および軽鎖抗CTLA−4断片など)、ならびに共刺激経路をアゴナイズするCTLA−4の阻害剤が含まれる。一部の実施形態では、CTLA−4阻害剤はイピリムマブまたはトレメリムマブである。

0148

ERVOYとして市販されているイピリムマブ(MEX−010またはMDX−101としても知られる)は、ヒト抗ヒトCTLA−4抗体である。イピリムマブはそのCAS登録番号477202−00−9によって言及することもでき、すべての目的のためにその全体で本明細書中に参考として組み込まれているPCT公開WO01/14424号において抗体10DIとして開示されている。イピリムマブを含む医薬組成物の例はPCT公開WO2007/67959号中に提供されている。イピリムマブは、切除不能または転移性の黒色腫を処置するために米国において認可されている。単独療法としてのイピリムマブの推奨用量は、3週間毎に静脈内投与による3mg/kg、合計4回の投薬である。本発明によって提供される方法では、イピリムマブは局所投与する、特に皮内または皮下で投与する。局所投与するイピリムマブの有効量は、典型的には1人当たり5〜200mg/用量の範囲である。一部の実施形態では、イピリムマブの有効量は、1人当たり1用量あたり10〜150mg/用量の範囲である。一部の特定の実施形態では、イピリムマブの有効量は、1人当たり約10、25、50、75、100、125、150、175、または200mg/用量である。

0149

トレメリムマブ(CP−675,206としても知られる)は完全にヒトのIgG2モノクローナル抗体であり、CAS番号745013−59−6を有する。トレメリムマブは、すべての目的のためにその全体で本明細書中に参考として組み込まれている米国特許第6,682,736号において抗体11.2.1として開示されている。トレメリムマブの重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号42および43に記載する。トレメリムマブは、黒色腫および乳がんを含めた様々な腫瘍を処置するための臨床治験において調査されており、そこではトレメリムマブを、単一用量または複数用量のどちらかで、4または12週間毎に、0.01および15mg/kgの用量範囲で静脈内投与した。本発明によって提供されるレジメンでは、トレメリムマブは局所投与する、特に皮内または皮下で投与する。皮内または皮下投与するトレメリムマブの有効量は、典型的には1人当たり5〜200mg/用量の範囲である。一部の実施形態では、トレメリムマブの有効量は、1人当たり1用量あたり10〜150mg/用量の範囲である。一部の特定の実施形態では、トレメリムマブの有効量は、1人当たり約10、25、50、75、100、125、150、175、または200mg/用量である。

0150

トール様受容体(TLR)作用剤。
用語「トール様受容体作用剤」または「TLR作用剤」とは、トール様受容体(TLR)の作用剤として作用する化合物をいう。これには、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、およびTLR11またはその組合せの作用剤が含まれる。別段に指定しない限りは、TLR作用性化合物への言及には、任意の異性体(たとえばジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和物、多型体などを含めた、任意の薬学的に許容できる形態の化合物が含まれることができる。特に、化合物に光学活性がある場合、化合物への言及には化合物の鏡像異性体および鏡像異性体のラセミ混合物のそれぞれが含まれることができる。また、化合物は、1つまたは複数の特定のTLRの作用剤(たとえば、TLR7作用剤、TLR8作用剤、またはTLR7/8作用剤)として同定され得る。

0151

特定の化合物のTLRアゴニズムは、当技術分野で知られている任意の適切な様式で評価し得る。用いる特定のアッセイにかかわらず、化合物を用いたアッセイの実施により特定のTLRによって媒介される何らかの生物活性の少なくとも閾値の増加がもたらされる場合は、化合物を特定のTLRの作用剤として同定することができる。逆に、指定されたTLRによって媒介される生物活性を検出するように設計されたアッセイを実施するために使用した際に、化合物が生物活性の閾値の増加の誘発に失敗した場合は、化合物を、指定されたTLRの作用剤として作用しないとして同定し得る。別段に指定しない限りは、生物活性の増加とは、適切な対照に観察されたものと同じ生物活性を超える増加をいう。アッセイは、適切な対照と併せて実施してもしなくてもよい。経験と共に、当業者は特定のアッセイで十分な熟知度発達させる場合があり(たとえば、特定のアッセイ条件下で適切な対照において観察された値の範囲)、したがって特定のアッセイにおける化合物のTLRアゴニズムを決定するために対照の実施が必ずしも必要でない場合がある。

0152

本発明の方法において有用な特定のTLR作用剤は、タンパク質、ペプチドなどの生体高分子とは対照的に、有機低分子である。低分子TLR作用剤の例は、たとえば、米国特許第4,689,338号、第4,929,624号、第4,988,815号、第5,037,986号、第5,175,296号、第5,238,944号、第5,266,575号、第5,268,376号、第5,346,905号、第5,352,784号、第5,367,076号、第5,389,640号、第5,395,937号、第5,446,153号、第5,482,936号、第5,693,811号、第5,741,908号、第5,756,747号、第5,939,090号、第6,039,969号、第6,083,505号、第6,110,929号、第6,194,425号、第6,245,776号、第6,331,539号、第6,376,669号、第6,451,810号、第6,525,064号、第6,545,016号、第6,545,017号、第6,558,951号、および第6,573,273号中に開示されているものが含まれる。本発明によって提供される方法において有用な具体的な低分子TLR作用剤の例には、4−アミノ−アルファ、アルファ,2−トリメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール、N−(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ−}エチル)−N−メチルモルホリン−4−カルボキサミド、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル−)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン、N−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチルメタンスルホンアミド、N−[4−(4−アミノ−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミド、およびイミキモドが含まれる。本開示によって提供される方法またはレジメンにおいて特に有用な一部のTLR作用剤は、総説論文であるFolkert Steinhagenら:TLR−based immune adjuvants.、Vaccine、29(2011):3341〜3355中に記述されている。

0153

一部の実施形態では、TLR作用剤はTLR9作用剤、特にCpGオリゴヌクレオチド(すなわちCpG.ODN)である。CpGオリゴヌクレオチドは、リン酸結合によって連結されたシトシン、続いてグアニンを含有する短い核酸分子であり、シトシンのピリミジン環はメチル化されていない。CpGモチーフは、中心CpGに隣接する(その3’側および5’側に)少なくとも1つの塩基によって取り囲まれている、メチル化されていない中心CpGが含まれる塩基のパターンである。CpGオリゴヌクレオチドには、DおよびKオリゴヌクレオチドがどちらも含まれる。CpGオリゴヌクレオチド全体がメチル化されていないことができる、または一部分がメチル化されていない場合がある。本開示によって提供される方法において有用なCpGオリゴヌクレオチドの例には、米国特許第6194388号、第6207646号、第6214806号、第628371号、第6239116号、および第6339068号中に開示されているものが含まれる。

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