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図面 (20)

課題・解決手段

本明細書に記載の技術は、例えば、外来遺伝子材料を導入することなしに、より多能性の状態を細胞にとらせることに関する方法、アッセイ、および組成物に関する。

概要

背景

背景
現在の多能性細胞を取得する方法は、主に限定された入手可能性の組織(例えば、胚組織もしくは臍帯血)または外来核酸の導入を含むリプログラミング因子の添加に依存している(Hanna, J. et al. Cell 2008 133, 250-264;Hockemeyer, D. et al. Cell stem cell 2008 3, 346-353;Kim, D. et al. Cell stem cell 2009 4, 472-476;Kim, J. B. Nature 2009 461, 649-643; Okabe, M. et al. Blood 2009 114, 1764-1767)。外来リプログラミング因子の添加によってもたらされる面倒な事態なしに、幹細胞、特に、自己幹細胞を容易に産生する方法は、細胞分化の研究および幹細胞に基づく治療の開発を加速させる。熱傷化学的損傷、外傷および照射のような刺激物への曝露の結果としての細胞への損傷が、正常体細胞がん細胞になるように変化させ得ると仮定されているが、リプログラミング因子の特定の操作なしに健常成体体細胞が他の状態に転換され得ることの直接的な証拠は存在しない。

以前に、研究者らは、成体組織において「成体幹細胞」を見出したことを報告した(Reynolds, B. A. & Weiss, S. Science 1992 255, 1707-1710;Megeney, L. A. et al. ,Genes & development 1996 10, 1173-1183;Caplan, A. I. Journal of orthopaedic research 1991 9, 641-650;Lavker, R. M. & Sun, T. T. The Journal of investigative dermatology 1983 81, 121s-127s)。そのような報告は議論の余地があるままである。例えば、幹細胞マーカーであるOct4を発現する細胞を求める研究者は、正常ホメオスタシスにある成体骨髄においてOct4発現細胞見出すことができず(Lengner, C. J. et al. Cell Cycle 2008 7, 725-728;Berg, J. S. & Goodell, M. A. Cell stem cell 2007 1, 359-360)、他者は様々な成体組織からOct4発現細胞を単離できることを報告している(Jiang, Y. et al. Nature 2010 418, 41-49;D’Ippolito, G. et al. Journal of cell science 2004 117, 2971-2981;Johnson, J. et al. Cell 2005 122, 303-315;Kucia, M. et al. Leukemia 2006 20, 857-869;Kuroda, Y. et al. PNAS 2011 107, 8639-8643;Obokata, H. et al. Tissue engineering. 2011 Part A 17, 607-615;Rahnemai-Azar, A. et al. Cytotherapy 2011 13, 179-192;Huang, Y. et al. Transplantation 2010 89, 677-685;Zuba-Surma, E. K. et al. Journal of cellular and molecular medicine 2011 15, 1319-1328;Paczkowska, E. et al. Annals of transplantation 2011 16, 59-71)。これらの細胞が、成体幹細胞の集団を表すか、または、単に使用された技術のアーティファクトであるかのいずれかであると仮定されている。いずれの場合でも、それらは稀なままであり、そして研究および治療目的のための多能性細胞の適切な供給源の代表とはならない。

概要

本明細書に記載の技術は、例えば、外来遺伝子材料を導入することなしに、より多能性の状態を細胞にとらせることに関する方法、アッセイ、および組成物に関する。A

目的

従って、いくつかの実施態様において、本明細書に、細胞から多能性細胞を生成する方法であって、細胞質および/またはミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去すること、および多能性または多能性マーカーを示す細胞を選択することを含み、ここで、細胞は組織中に存在しない、方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

細胞ストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法。

請求項2

多能性細胞が外来遺伝子転写物タンパク質核成分もしくは細胞質の導入なしに、または細胞融合なしに生成される、請求項1記載の方法。

請求項3

多能性を示す細胞を選択する工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。

請求項4

細胞が組織の部分として存在しない、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。

請求項5

細胞が体細胞幹細胞前駆細胞または胚細胞である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。

請求項6

細胞が単離された細胞である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。

請求項7

細胞が細胞の不均一な集団中に存在する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。

請求項8

細胞が細胞の均一な集団中に存在する、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。

請求項9

多能性を示す細胞を選択する工程が、幹細胞マーカー発現する細胞を選択することを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。

請求項10

幹細胞マーカーが以下からなる群より選択される、請求項9記載の方法:Oct4;Nanog;E−カドヘリン、およびSSEA4。

請求項11

多能性を示す細胞を選択する工程が、接着性でない細胞を選択することを含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。

請求項12

ストレスが組織または細胞培養物における非生理的ストレスを含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。

請求項13

ストレスが以下から選択される少なくとも1つの環境刺激への細胞の曝露を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法:外傷機械的刺激化学的曝露、超音波刺激酸素欠乏照射極度な温度への曝露、解離トリチュレーション、物理的ストレス高浸透圧低浸透圧膜損傷毒素、極度のイオン濃度活性酸素UV曝露、強可視光、必須栄養の欠乏、または非生理的酸性環境

請求項14

ストレスが約3.0〜約6.8のpHに細胞を曝露することを含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。

請求項15

ストレスが約4.5〜約6.0のpHに細胞を曝露することを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。

請求項16

ストレスが約5.4〜約5.8のpHに細胞を曝露することを含む、請求項15記載の方法。

請求項17

細胞が2〜3日間曝露される、請求項12〜16のいずれか1項記載の方法。

請求項18

細胞が1日間以下曝露される、請求項12〜17のいずれか1項記載の方法。

請求項19

細胞が1時間以下曝露される、請求項12〜18のいずれか1項記載の方法。

請求項20

細胞が約30分間曝露される、請求項12〜19のいずれか1項記載の方法。

請求項21

極度な温度への曝露が、35℃未満または42℃超の温度に細胞を曝露することを含む、請求項13記載の方法。

請求項22

極度な温度への曝露が、凍結以下の温度への細胞の曝露または少なくとも約85℃の温度への細胞の曝露を含む、請求項21記載の方法。

請求項23

機械的刺激が、剪断ストレスまたは/および高圧に細胞を曝露することを含む、請求項13記載の方法。

請求項24

機械的刺激が、細胞のサイズより小さな開口を有する少なくとも1つのデバイスを通して細胞を通過させることを含む、請求項23記載の方法。

請求項25

機械的刺激が、漸進的により小さな開口を有するいくつかのデバイスを通して細胞を通過させることを含む、請求項23記載の方法。

請求項26

多能性細胞を培養して、多能性細胞を増殖させる工程をさらに含む、請求項1〜25のいずれか1項記載の方法。

請求項27

多能性細胞が幹細胞マーカーを発現する、請求項1〜26のいずれか1項記載の方法。

請求項28

幹細胞マーカーが以下からなる群より選択される、請求項27記載の方法:Oct4;Nanog;E−カドヘリン、およびSSEA4。

請求項29

細胞が哺乳動物細胞である、請求項1〜28のいずれか1項記載の方法。

請求項30

細胞がヒト細胞である、請求項1〜29のいずれか1項記載の方法。

請求項31

細胞が成体細胞新生児細胞、胎児細胞羊水細胞、または臍帯血細胞である、請求項1〜30のいずれか1項記載の方法。

請求項32

多能性細胞をインビトロで維持する工程をさらに含む、請求項1〜31のいずれか1項記載の方法。

請求項33

細胞のエピジェネティック状態が胚性幹細胞のエピジェネティック状態により近く類似するように変化させられる、請求項1〜32のいずれか1項記載の方法。

請求項34

エピジェネティック状態がメチル化パターンを含む、請求項33記載の方法。

請求項35

ストレスが、細胞質の少なくとも約40%を細胞から除去すること含む、請求項1〜34のいずれか1項記載の方法。

請求項36

細胞質の少なくとも約50%を細胞から除去する、請求項35記載の方法。

請求項37

細胞質の少なくとも約60%を細胞から除去する、請求項36記載の方法。

請求項38

細胞質の60〜80%を細胞から除去する、請求項37記載の方法。

請求項39

細胞質の少なくとも約80%を細胞から除去する、請求項37記載の方法。

請求項40

細胞質の少なくとも約90%を細胞から除去する、請求項39記載の方法。

請求項41

ストレスが、ミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去すること含む、請求項1〜40のいずれか1項記載の方法。

請求項42

細胞質の一部の除去が、ミトコンドリアの少なくとも約50%を細胞質から除去する、請求項41記載の方法。

請求項43

細胞質またはミトコンドリアの除去が、ミトコンドリアの約50%〜90%を細胞質から除去する、請求項42記載の方法。

請求項44

細胞質またはミトコンドリアの除去が、ミトコンドリアの90%超を細胞質から除去する、請求項42記載の方法。

請求項45

ストレスが、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%の細胞膜破壊するために十分である、請求項1〜44のいずれか1項記載の方法。

請求項46

請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって産生される多能性細胞を候補薬剤と接触させることを含む、アッセイ

請求項47

多能性細胞の生存能、分化、増殖の1つ以上に影響を及ぼす薬剤を同定するための使用のための、請求項46記載のアッセイ。

請求項48

対象のための細胞治療の方法における請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって産生される多能性細胞の使用。

請求項49

対象に投与しようとする細胞治療と適合性である細胞または組織を調製する方法であって:請求項1〜45のいずれか1項に従って細胞から多能性細胞を生成する工程を含み;細胞が自己細胞またはHLA適合同種異系細胞である、方法。

請求項50

対象に細胞または組織を投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って多能性細胞を分化させる工程をさらに含む、請求項49記載の方法。

請求項51

多能性細胞を含む組成物であって、多能性細胞が請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって細胞から生成される、組成物。

請求項52

副腎皮質刺激ホルモンACTH)、2iまたは3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、多能性幹細胞を産生する方法。

請求項53

細胞が、ACTHを含むLIF培地中で培養される、請求項52記載の方法。

請求項54

ACTHが約0.1μM〜約100μMの濃度で存在する、請求項52または53記載の方法。

請求項55

細胞が請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される細胞である、請求項52〜54のいずれか1項記載の方法。

請求項56

細胞が全能性細胞である、請求項52〜55のいずれか1項記載の方法。

請求項57

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも3日間培養される、請求項52〜56のいずれか1項記載の方法。

請求項58

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも5日間培養される、請求項52〜57のいずれか1項記載の方法。

請求項59

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも7日間培養される、請求項52〜58のいずれか1項記載の方法。

請求項60

培養する工程の後に、細胞が、検出可能なレベルの、以下からなる群より選択される幹細胞マーカーを発現する、請求項52〜59のいずれか1項記載の方法:Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β;Tbx3;およびKlf5。

請求項61

多能性細胞の自己再生能力を増加させる方法であって、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、2iまたは3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、方法。

請求項62

細胞が、ACTHを含むLIF培地中で培養される、請求項61記載の方法。

請求項63

ACTHが約0.1μM〜約100μMの濃度で存在する、請求項61または62記載の方法。

請求項64

細胞が請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される細胞である、請求項61〜63のいずれか1項記載の方法。

請求項65

細胞が全能性細胞である、請求項61〜64のいずれか1項記載の方法。

請求項66

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも3日間培養される、請求項61〜65のいずれか1項記載の方法。

請求項67

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも5日間培養される、請求項61〜66のいずれか1項記載の方法。

請求項68

細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも7日間培養される、請求項61〜67のいずれか1項記載の方法。

請求項69

培養する工程の後に、細胞が、検出可能なレベルの、以下からなる群より選択される幹細胞マーカーを発現する、請求項61〜68のいずれか1項記載の方法: Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β;Tbx3;およびKlf5。

請求項70

細胞治療を必要とする対象における自己細胞治療の方法であって、a.請求項1〜45のいずれか1項に従って細胞から多能性細胞を生成する工程であって、細胞が対象から得られる、工程、およびb.多能性細胞またはその分化した子孫を含む組成物を対象に投与する工程、を含む、方法。

請求項71

対象に組成物を投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って多能性細胞を分化させる工程をさらに含む、請求項70記載の方法。

請求項72

胎盤細胞に分化する能力を有する多能性細胞を産生する方法であって、請求項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される多能性細胞をFGF4の存在下で培養する工程を含む、方法。

請求項73

FGF4の濃度が1nM〜1μMである、請求項72記載の方法。

請求項74

多能性細胞が胚性幹細胞に分化する能力を有する、請求項72または73記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第61/637,631号(2012年4月24日出願)および同第61/779,533号(2013年3月13日出願)(その内容の全体を参照により本明細書に組み入れる)の米国特許法第119条(e)の下の利益を請求する。

0002

技術分野
本明細書に記載する技術は多能性細胞の産生に関する。

背景技術

0003

背景
現在の多能性細胞を取得する方法は、主に限定された入手可能性の組織(例えば、胚組織もしくは臍帯血)または外来核酸の導入を含むリプログラミング因子の添加に依存している(Hanna, J. et al. Cell 2008 133, 250-264;Hockemeyer, D. et al. Cell stem cell 2008 3, 346-353;Kim, D. et al. Cell stem cell 2009 4, 472-476;Kim, J. B. Nature 2009 461, 649-643; Okabe, M. et al. Blood 2009 114, 1764-1767)。外来リプログラミング因子の添加によってもたらされる面倒な事態なしに、幹細胞、特に、自己幹細胞を容易に産生する方法は、細胞分化の研究および幹細胞に基づく治療の開発を加速させる。熱傷化学的損傷、外傷および照射のような刺激物への曝露の結果としての細胞への損傷が、正常体細胞がん細胞になるように変化させ得ると仮定されているが、リプログラミング因子の特定の操作なしに健常成体体細胞が他の状態に転換され得ることの直接的な証拠は存在しない。

0004

以前に、研究者らは、成体組織において「成体幹細胞」を見出したことを報告した(Reynolds, B. A. & Weiss, S. Science 1992 255, 1707-1710;Megeney, L. A. et al. ,Genes & development 1996 10, 1173-1183;Caplan, A. I. Journal of orthopaedic research 1991 9, 641-650;Lavker, R. M. & Sun, T. T. The Journal of investigative dermatology 1983 81, 121s-127s)。そのような報告は議論の余地があるままである。例えば、幹細胞マーカーであるOct4を発現する細胞を求める研究者は、正常ホメオスタシスにある成体骨髄においてOct4発現細胞見出すことができず(Lengner, C. J. et al. Cell Cycle 2008 7, 725-728;Berg, J. S. & Goodell, M. A. Cell stem cell 2007 1, 359-360)、他者は様々な成体組織からOct4発現細胞を単離できることを報告している(Jiang, Y. et al. Nature 2010 418, 41-49;D’Ippolito, G. et al. Journal of cell science 2004 117, 2971-2981;Johnson, J. et al. Cell 2005 122, 303-315;Kucia, M. et al. Leukemia 2006 20, 857-869;Kuroda, Y. et al. PNAS 2011 107, 8639-8643;Obokata, H. et al. Tissue engineering. 2011 Part A 17, 607-615;Rahnemai-Azar, A. et al. Cytotherapy 2011 13, 179-192;Huang, Y. et al. Transplantation 2010 89, 677-685;Zuba-Surma, E. K. et al. Journal of cellular and molecular medicine 2011 15, 1319-1328;Paczkowska, E. et al. Annals of transplantation 2011 16, 59-71)。これらの細胞が、成体幹細胞の集団を表すか、または、単に使用された技術のアーティファクトであるかのいずれかであると仮定されている。いずれの場合でも、それらは稀なままであり、そして研究および治療目的のための多能性細胞の適切な供給源の代表とはならない。

0005

要旨
例えば、分化したまたは成体の細胞から、デノボで多能性細胞を生成または産生する方法を本明細書に記載する。本明細書に記載の方法はさらに、例えば、複能性(multipotent)細胞を多能性(pluripotent)にして、細胞の多能性を増加させる(または、例えば、細胞の成熟度を減少させる)ことに関し得る。多能性細胞の産生に関する本明細書に記載の技術の局面は、環境ストレスが細胞をより多能性の表現型をとるように誘導し得るという本発明者らの認識に基づいている。

0006

1つの局面において、本明細書に、細胞をストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法を記載する。いくつかの実施態様において、方法は、多能性を示す細胞を選択する工程をさらに含み得る。いくつかの実施態様において、細胞は組織の部分として存在しない。いくつかの実施態様において、ストレスは、細胞質の少なくとも約40%を細胞から除去すること含む。いくつかの実施態様において、ストレスは、ミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去すること含む。いくつかの実施態様において、ストレスは、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%の細胞膜破壊するために十分である。いくつかの実施態様において、細胞は体細胞、幹細胞、前駆細胞または胚細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は単離された細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は細胞の不均一な集団中に存在する。いくつかの実施態様において、細胞は細胞の均一な集団中に存在する。いくつかの実施態様において、多能性を示す細胞を選択する工程は、Oct4もしくはNanog、またはOct4およびNanog発現を発現する細胞を選択することを含む。いくつかの実施態様において、多能性を示す細胞を選択する工程は、接着性でない細胞を選択することを含む。

0007

いくつかの実施態様において、細胞質の少なくとも約50%を細胞から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質の少なくとも約60%を細胞から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質の60〜80%を細胞から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質の少なくとも約80%を細胞から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質の少なくとも約90%を細胞から除去する。

0008

いくつかの実施態様において、ストレスは以下から選択される少なくとも1つの環境刺激への細胞の曝露を含む:外傷、機械的刺激、化学的曝露、超音波刺激酸素欠乏、照射、および極度な温度への曝露。いくつかの実施態様において、ストレスは約4.5〜約6.0のpHに細胞を曝露することを含む。いくつかの実施態様において、ストレスは約5.4〜約5.8のpHに細胞を曝露することを含む。いくつかの実施態様において、細胞は1日間以下曝露される。いくつかの実施態様において、細胞は1時間以下曝露される。いくつかの実施態様において、細胞は約30分間曝露される

0009

いくつかの実施態様において、極度な温度への曝露は、35℃未満または42℃超の温度に細胞を曝露することを含む。いくつかの実施態様において、極度な温度への曝露は、凍結以下の温度への細胞の曝露または少なくとも約85℃の温度への細胞の曝露を含む。いくつかの実施態様において、機械的刺激は、細胞のサイズより小さな開口を有する少なくとも1つのデバイスを通して細胞を通過させることを含む。いくつかの実施態様において、機械的刺激は、漸進的により小さな開口を有するいくつかのデバイスを通して細胞を通過させることを含む。

0010

いくつかの実施態様において、細胞質の一部の除去は、ミトコンドリアの少なくとも約50%を細胞質から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質またはミトコンドリアの除去は、ミトコンドリアの約50%〜90%を細胞質から除去する。いくつかの実施態様において、細胞質またはミトコンドリアの除去は、ミトコンドリアの90%超を細胞質から除去する。

0011

いくつかの実施態様において、方法は、多能性細胞を培養して、多能性細胞を増殖させる工程をさらに含み得る。いくつかの実施態様において、多能性細胞はOct4およびNanogからなる群より選択される1つ以上の多能性幹細胞マーカーを発現する。

0012

いくつかの実施態様において、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はヒト細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は成体細胞または新生児細胞である。いくつかの実施態様において、方法は、多能性細胞をインビトロで維持する工程をさらに含み得る。いくつかの実施態様において、細胞のエピジェネティック状態は胚性幹細胞のエピジェネティック状態により近く類似するように変化させられる。いくつかの実施態様において、エピジェネティック状態はメチル化パターンを含む。

0013

1つの局面において、本明細書に、本明細書に記載の方法によって産生される多能性細胞を候補薬剤と接触させることを含むアッセイを記載する。いくつかの実施態様において、アッセイを、多能性細胞の生存能、分化、増殖の1つ以上に影響を及ぼす薬剤を同定するために使用し得る。

0014

1つの局面において、本明細書に、対象のための細胞治療の方法における本明細書に記載の方法によって産生される多能性細胞の使用を記載する。

0015

1つの局面において、本明細書に、細胞治療を必要とする対象における自己細胞治療の方法であって、本明細書に記載の方法に従って細胞から多能性細胞を生成する工程(ここで、細胞は対象から得られる)、および多能性細胞またはその分化した子孫を含む組成物を対象に投与する工程を含む、方法を記載する。いくつかの実施態様において、方法は、対象に組成物を投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って多能性細胞を分化させる工程をさらに含み得る。

0016

1つの局面において、本明細書に、多能性細胞を含む組成物であって、多能性細胞が本明細書に記載の方法によって細胞から生成される、組成物を記載する。

0017

1つの局面において、本明細書に、副腎皮質刺激ホルモンACTH)または3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、多能性細胞の自己再生能力を増加させる方法を記載する。いくつかの実施態様において、細胞は、ACTHを含むLIF培地中で培養される。いくつかの実施態様において、ACTHは約0.1μM〜約100μMの濃度で存在する。いくつかの実施態様において、細胞は本明細書に記載の方法によって生成される細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は全能性細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は、ACTHまたは3i培地の存在下で少なくとも3日間培養される。いくつかの実施態様において、細胞は、ACTHまたは3i培地の存在下で少なくとも5日間培養される。いくつかの実施態様において、細胞は、ACTHまたは3i培地の存在下で少なくとも7日間培養される。いくつかの実施態様において、培養する工程の後に、細胞は、検出可能なレベルの、以下からなる群より選択される幹細胞マーカーを発現する:Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β;Tbx3;およびKlf5。

0018

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法において使用される細胞はインビボである。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法において使用される細胞はインビトロである。

図面の簡単な説明

0019

図1A〜1Dは、CD45陽性体細胞からのOct4発現細胞の生成を示す。図1Aは、ストレス処理細胞のOct4−GFP発現を示す。ストレス処理細胞はOct4−GFPを発現し、一方、非処理コントロールはそうではなかった。Oct4発現コロニーの拡大図をストレス処理群中の右上に示す。スケールバーは100μmを示す。図1Bは、ストレス処理細胞および非ストレス処理コントロールの集団分析を示す。GFP発現細胞集団は5日目でストレス処理群においてのみ観察される。図1Cは、ストレス処理の前および後(7日目)のCD45陽性細胞細胞サイズ分析を示す。図1Dは、ストレス処理後のCD45陽性細胞の経時変化を示す。
図2A〜2Bは、動物カルス細胞ACC)の特徴付けを示す。図2Aは、多能性マーカー遺伝子の経時的遺伝子発現変化を示す。メッセンジャーRNAレベルをGAPDHに対して規準化した(n=3、平均+SD)。図2Bは、Oct4およびNanogプロモーター遺伝子メチル化分析を示す。
図3A〜3Dは、ストレス処理後の細胞修飾を示す。図3Aは、ACC生成期の間のストレス防御遺伝子の相対的遺伝子発現を示す。サンプルを3日目および7日目に収集し、そしてCD45陽性細胞と比較した(n=3、平均+SD)。図3Bは、全細胞ATP測定を示す(n=3、平均+SD)。図3Cは、ROS測定を示す。エラーバーはSDを示す。図3Dは、mtDNA複製因子の相対的遺伝子発現を示す(n=3、平均+SD)。
図4A〜4Bは、ACCからのキメラマウス生成を示す。図4Aは、キメラマウス生成のスキームを示す。パネル(i)はACをトリプシンを用いて単一細胞解離したことを示し、または、(パネルii)ACを小片に切断し、次いで胚盤胞中に注入した。図4Bは、キメラ寄与分析を示す。9匹の子からの組織をFACSによって分析した。
図5A〜5Cは、ACC生成条件実験する。図5Aは、CD45陽性細胞を種々のストレスに曝露し、そしてOct4−GFP発現をFACSによって分析したことを示す。ストレス処理後の生存細胞におけるOct4−GFP発現細胞の百分率(n=3、平均+SD)。図5Bは、pH条件の決定を示す。CD45陽性細胞を様々なpH溶液に曝露した。ストレス処理の3日後に、Oct4−GFP発現をFACSによって分析した。図5Cは、培養条件の決定を示す。ストレス処理細胞を種々の培地中で培養した。GFP発現ACの数を14日目に計数した(n=3、平均+SD)。
図6A〜6Bは、ICRマウス由来のCD45陽性細胞からのACC生成を示す。図6Aは、ストレス処理後のCD45陽性細胞の経時変化を示す。E−カドヘリンおよびSSEA−1の発現をFACSによって分析した。図6Bは、E−カドヘリン/SSEA1二重陽性細胞のOct4遺伝子発現をRTPCRによって確認したことを示す(n=3、平均+SD)。
図7A〜7Bは、GOFマウス由来の種々の組織からのACC生成を示す。図7Aは、ストレス処理後のOct4−GFP発現細胞の比率を示す。体細胞を種々の組織から単離し、そして種々のストレスに曝露した。Oct4−GFP発現をFACSによって分析した。図7Bは、種々の組織由来のACCの胚性遺伝子発現を示す。遺伝子発現をGAPDHによって規準化した(n=3、平均+SD)。
図8は、最初の7日間のストレス防御遺伝子の相対的遺伝子発現を示す。ストレス処理後、細胞を1、3および7日目に収集し、そして遺伝子発現を天然のCD45陽性細胞と比較した。青色グラフは、熱ショックタンパク質の遺伝子発現を示す。緑色グラフは、DNA修復遺伝子発現を示す。赤色グラフは、酸化還元遺伝子の遺伝子発現を示す。Y軸は発現の相対的倍数を示す。
図9は、ACCの分化を示す。グラフは、キメラ寄与分析を示す。種々の体細胞由来のACCを用いて生成したキメラ胎児をFACSによって分析した。グラフは、E13.5〜15.5の5匹のキメラ胎児の平均を示す。
図10は、ストレス処理が、間葉上皮移行(Mesenchymal-Epithelial Transition)(MET)を介して体細胞へのリプログラミングを引き起こしたことを示す。MET関連遺伝子の発現を、天然細胞において、そしてストレス処理開始の3および7日後の細胞において示す。y軸は、その遺伝子についての発現レベルを有するサンプルにおけるレベルに対して規準化した、%発現を示す。
図11は、ストレスの前および後の細胞集団のFACS分析を示す。GFP発現は明らかであり、このことは、各々の試験した組織型由来のストレス後細胞集団における多能性細胞の生成を示す。
図12A〜12Eは、方向付けられた体細胞における低pH処理誘導運命転換を示す。図12Aは、実験プロトコルを模式的に示す。図12Bは、フローサイトメトリー分析を示す(上列:oct3/4::GFP+/CD45−;下列:非処理CD45+細胞)。y軸は、Oct3/4:GFP細胞の数であり、そしてX軸は、CD45+細胞の数である。両方の軸に、0、100、1000および10,000の主要な単位を示す。図12Cは、培養中の経時的な生存Oct3/4::GFP+およびoct3/4::GFP−細胞のグラフを示す。図12Dは、Oct3/4::GFP+細胞(左ピーク)およびCD45+細胞(右ピーク)の細胞サイズのグラフを示す。図12Eは、ゲノムPCRによる単離されたoct3/4::GFP+球状物におけるtcrβのゲノム再構成の分析の結果を示す。
図13A〜13Bは、低pH誘導Oct3/4+細胞が多能性を有することを示す。図13Aは、CD45+細胞と比較した、d7の低pH誘導oct3/4::GFP+細胞におけるqPCRによる遺伝子発現分析のグラフを示す(このシリーズは、左から右に、oct3/4、nanog、sox2、ecat1、esg1、dax1およびklf4の発現を表す)。サンプルを3日目および7日目に収集し、そしてCD45陽性細胞と比較した(n=3、平均+SD)。図13Bは、oct3/4およびnanogプロモーター領域のバイサルファイトシーケンシングの結果を示す。CD45+細胞は、さらなる培養有りまたは無しで、重度にメチル化されたパターンを両方のプロモーターで示した。
図14A〜14Bは、STAP細胞を他の組織供給源から得ることができることを示す。図14Aは、いくつかの組織についてのd7培養物のoct3/4::GFP+細胞の産生の比率のグラフを示す(このシリーズは、左から右に、CD45+細胞、骨髄、脳、筋肉脂肪線維芽細胞肝臓、および軟骨細胞を表す)。図14Bは、oct3/4::GFP+細胞クラスターにおける遺伝子発現分析のグラフを示す(このシリーズは、左から右に、Oct3/4、Nanog、Sox2、Klf4およびRex1の発現を表す)。
図15A〜15Bは、多能性細胞としてのSTAP細胞の特徴付けを示す。図15Aは、STAP細胞におけるES細胞マーカーの遺伝子発現のグラフを示す(このシリーズは、左から右に、ES、EpiSC、STAPおよびCD45を表す)。図15Bは、STAP細胞におけるX染色体不活性化の%のグラフを示す。
図16Aは、種々のストレスに曝露したCD45陽性細胞におけるFACSによって分析したOct4−GFP発現のグラフを示す。ストレス処理後の生存細胞におけるOct4−GFP発現細胞の百分率(n=3、平均+SD)。図16Bは、pH条件の決定のグラフを示す。CD45陽性細胞を様々なpH溶液に曝露した。ストレス処理の3日後に、Oct4−GFP発現をFACSによって分析した(n=3、平均+SD)。図16Cは、培養条件の決定のグラフを示す。ストレス処理細胞を種々の培地中で培養した。GFP発現ストレス変化細胞塊の数を14日目に計数した(n=3、平均+SD)。
図17A〜17Bは、ICRマウス由来のCD45陽性細胞からのSAC生成を示す。図17Aは、ストレス処理後のCD45陽性細胞の経時変化を示す。E−カドヘリンおよびSSEA−1の発現をFACSによって分析した。図17Bは、RT−PCRによって確認した、E−カドヘリン/SSEA1二重陽性細胞のOct4遺伝子発現のグラフを示す(n=3、平均+SD)。
図18A〜18Bは、GOFマウス由来の種々の組織からのSAC生成を示す。図18Aは、ストレス処理後のOct4−GFP発現細胞の比率のグラフを示す。体細胞を種々の組織から単離し、そして種々のストレスに曝露した。Oct4−GFP発現をFACSによって分析した。このシリーズは、左から右に、BM、脳、肺、筋肉、脂肪、線維芽細胞および肝臓を表す。図18Bは、種々の組織由来のSACの胚性遺伝子発現のグラフを示す。遺伝子発現をGAPDHによって規準化した(n=3、平均+SD)。このシリーズは、左から右に、Oct4、Nanog、Sox2、Klf4およびEcat1を表す。
図19は、最初の7日間のストレス防御遺伝子の相対的遺伝子発現のグラフを示す。ストレス処理後、細胞を1、3および7日目に収集し、そして遺伝子発現を天然のCD45陽性細胞と比較した。Y軸は発現の相対的倍数を示す。
図20は、SAC、およびCD45+細胞由来のSAC由来のキメラマウスの、TCRβ鎖再構成分析を示す。2Nキメラマウス#1、#2、#3、#5、#6、#7、#8および#9は再構成されたDNAを示した。
図21は、4Nキメラマウスの遺伝子型決定分析を示す。遺伝子決定を行って、129/Sv×B6GFP Fl由来のSACおよびICR由来の4N胚盤胞を用いて生成した4NキメラマウスがSAC(129/Sv×B6GFP)特異的遺伝子を示すことが判明した。
図22は、STAP細胞がインビボでおよび胎盤両方の組織に寄与することを示す。グラフは、注入した細胞が、胚部分のみに寄与する胎児、ならびに胎盤および卵黄嚢組織にも寄与する胎児の比率を示す。
図23A〜23Cは、FGF4処理がSTAP細胞においていくらか栄養膜系列特性を誘導することを示す。図23Aは、STAP細胞からTS様(F4I)細胞を誘導するためのFGF4処理の模式図を示す。図23Bは、マーカー発現のqPCR分析のグラフを示す。図23Cは、FACS分析による胎盤寄与の定量のグラフを示す。F4I細胞とは異なり、ES細胞は検出可能なレベルで胎盤組織に寄与しなかった。
図24A〜24Dは、ES細胞様幹細胞をSTAP細胞から誘導できることを示す。図24Aは、STAP細胞由来の幹細胞株の誘導の模式図を示す。図24Bは、120日間にわたる維持培養におけるSTAP−S細胞の盛んな増殖を示すグラフを示す。同様の結果が16個の独立した株について得られた。対照的に、親STAP細胞は迅速に数が減少した。図24Cは、マーカー遺伝子発現のqPCR分析のグラフを示す。ESおよびSTAP−S細胞は、CD45+細胞においては発現されていない多能性関連遺伝子を発現していた。図24Dは、バイサルファイトシーケンシングによるDNAメチル化研究の模式図を示す。
図25A〜25Bは、STAP幹細胞が、多能性であり、そして生殖細胞系列伝達および4倍体補完適合性であることを示す。図25Aは、胚盤胞注入アッセイ(2N)におけるキメラマウス中の種々の組織へのSTAPS細胞の寄与のグラフを示す。図25Bは、胎盤組織への寄与のグラフを示す。親STAP細胞およびTS細胞とは異なり、STAPS細胞は胎盤寄与の能力をもはや保持していなかった。3つの独立した株を試験し、そして全てが胚部分への実質的な寄与を示した。

0020

詳細な説明
本明細書に記載の技術の局面は、細胞からの多能性細胞の産生または生成に関する。本明細書に記載の技術の局面は、外来遺伝子転写物タンパク質核成分もしくは細胞質を細胞に導入する必要なしに、または細胞融合の必要なしに、ストレスが細胞からの多能性幹細胞の産生を誘導できるという本発明者らの知見に基づく。いくつかの実施態様において、ストレスは、細胞における細胞質および/またはミトコンドリアの量の低下を誘導し;脱分化プロセスを惹起し、そして多能性細胞を生じる。いくつかの実施態様において、ストレスは、例えば、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%において、細胞膜の破壊を引き起こす。これらの多能性細胞は、3つの胚葉の各々に分化する能力(インビトロおよび/またはインビボ)、インビボでのテラトーマ様細胞塊の生成、および生存胚および/またはキメラマウスを生成する能力の1つ以上によって特徴付けられる。

0021

本明細書に、特定の環境ストレス(限定するものではないが、細胞における細胞質および/またはミトコンドリアの量を低下させるストレスを含む)での細胞の処理が、ミトコンドリア活性を低下させ、脱分化に関連するゲノムの領域を脱メチル化し、細胞に既知の脱分化経路のマーカーを提示させることができることを実証する実験を記載する。従って、いくつかの実施態様において、本明細書に、細胞から多能性細胞を生成する方法であって、細胞質および/またはミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去すること、および多能性または多能性マーカーを示す細胞を選択することを含み、ここで、細胞は組織中に存在しない、方法を提供する。細胞から多能性細胞を生成することができる他のストレス処理も本明細書に記載する。

0022

便宜のために、ここで、明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において用いる特定の用語をここにまとめる。別段明言しないか、または文脈から暗黙でない限り、以下の用語および語句は以下に提供する意味を含む。別段明示的に明言しないか、または文脈から明白でない限り、以下の用語および語句は、それが関係する分野においてその用語または語句が獲得している意味を排除しない。定義は、特定の実施態様の記載の助けとなるように提供されており、そして請求される発明を限定することは意図しない。なぜなら、発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるからである。別段定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。

0023

本明細書において使用する用語「含む(comprising)」または「含む(comprises)」は、方法または組成物に必須である、組成物、方法、およびそのそれぞれの成分に関して使用され、必須であるかどうかにかかわらず、不特定の要素の包含の余地がある。

0024

本明細書において使用する用語「本質的にからなる」は、所定の実施態様のために必要とされる要素を指す。この用語は、実施態様の基本的なそして新規のまたは機能的な特徴に実質的に影響を及ぼさない要素の存在を許容する。

0025

用語「からなる」は、実施態様のその記載において記載されていないいかなる要素も除外する、本明細書に記載の組成物、方法、およびそのそれぞれの成分を指す。

0026

本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別段指図しない限り、複数の言及を含む。従って、例えば、「方法」への言及は、本明細書に記載の、そして/または本開示を読んだ際などに当業者に明白となる型の、1つ以上の方法および/または工程を含む。同様に、用語「または」は、文脈が明らかに別段示さない限り、「および」を含むことが意図される。本開示の実施または試験において本明細書に記載されるものと類似のまたは等価な方法および材料が使用され得るが、適切な方法および材料を以下に記載する。略語「e.g.」はラテン語「exempli gratia」に由来し、そして非限定的な例を示すために本明細書において使用される。従って、略語「e.g.」は、用語「例えば(for example)」と同義である。

0027

細胞生物学および分子生物学における一般的な用語の定義は、"The Merck Manual of Diagnosis and Therapy", 19th Edition, Merck Research Laboratories発行, 2006 (ISBN 0-911910-19-0); Robert S. Porter et al. (eds.)、およびThe Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.発行, 1994 (ISBN 0-632-02182-9)中に見出され得る。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes X, Jones & Bartlett Publishing発行, 2009 (ISBN-10: 0763766321);Kendrew et al. (eds.)、Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers, Inc.発行, 1995 (ISBN 1-56081-569-8)およびCurrent Protocols in Protein Sciences 2009, Wiley Intersciences, Coligan et al., eds.中にも見出され得る。

0028

別段明言しない限り、本発明は、例えば以下に記載されるような標準的な手順を使用して行われた:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (3 ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2001);Davis et al, Basic Methodsin Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (1995);Current Protocols in Cell Biology (CPCB) (Juan S. Bonifacino et. al. ed., John Wiley and Sons, Inc.)、およびCulture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique by R. Ian Freshney, Publisher: Wiley-Liss; 5th edition (2005), Animal Cell Culture Methods (Methods in Cell Biology, Vol. 57, Jennie P. Mather and David Barnes editors, Academic Press, 1st edition, 1998)(その全体を本明細書に参照により組み入れる)。

0029

用語「減少する」、「低下する」、「低下した」、および「低下」は全て、一般に、参照に対して相対的な統計学的に有意な量の減少を意味するために本明細書において使用される。しかし、疑義の回避のために、「低下する」、「低下」、または「減少する」は、典型的には、所定の処理の非存在と比較しての少なくとも10%の減少を意味し、そして例えば、所定の処理の非存在と比較しての所定の物体またはパラメーターの、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、例えば、完全な非存在までおよびそれを含む減少、または所定の処理の非存在と比較しての10〜99%の任意の減少を含み得る。

0030

用語「増加した」、「増加する」、または「増強する」は全て、一般に、統計学的に有意な量の増加を意味するために本明細書において使用され;いかなる疑義も回避するために、用語「増加した」、「増加する」、または「増強する」は、参照レベルと比較しての少なくとも10%の増加、例えば、参照レベルと比較しての、少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または100%までおよびそれを含む増加、または10〜100%の任意の増加、あるいは参照レベルと比較しての少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍の増加、または2倍〜10倍の間もしくはより大きな任意の増加を意味する。

0031

疾患、障害または医学的状態に関して使用する場合、本明細書において使用する用語「処置する」、「処置(treatment)」、「処置(treating)」、または「寛解」は、状態のための治療的処置を指し、ここで、目的は、症状または状態の進行または重症度逆転緩和、寛解、阻害減速または停止させることである。用語「処置(treating)」は、状態の少なくとも1つの有害作用または症状の低下または緩和を含む。処置は一般に、1つ以上の症状または臨床マーカーが低下した場合に「有効」である。あるいは、処置は、状態の進行が低下または停止した場合に「有効」である。すなわち、「処置」は、症状またはマーカーの改善だけでなく、処置の非存在下で予想される症状の進行または悪化の休止または少なくとも減速も含む。有益なまたは所望される臨床結果は、限定するものではないが、1つ以上の症状の緩和、欠陥の程度の縮小、安定化した(すなわち、悪化していない)健康状態疾患進行遅延または減速、および症状の寛解または軽減を含む。処置は、統計学的に死亡が予想される場合に生き延びる対象も含み得る。

0032

本明細書において使用する用語「投与」は、所望の部位における細胞の少なくとも部分的な局在化を生じる方法または経路による、本明細書に記載の方法に従って産生される多能性細胞および/または少なくとも部分的に分化したそのような多能性細胞の子孫の、対象中への配置を指す。本明細書に記載の方法に従って産生される多能性細胞および/または少なくとも部分的に分化したそのような多能性細胞の子孫を含む医薬組成物を、対象において有効な処置を生じる任意の適切な経路によって投与することができる。

0033

本明細書において使用する「対象」は、ヒトまたは動物を意味する。通常、動物は、霊長類げっ歯類家畜または猟獣のような脊椎動物である。霊長類は、例えば、チンパンジーカニクイザルクモザル、およびマカク、例えばアカゲザルを含む。げっ歯類は、マウスラットウッドチャックフェレットウサギおよびハムスターを含む。家畜および猟獣は、ウシウマブタシカバイソン水牛ネコ種(例えば、イエネコ)、イヌ種(例えば、イヌ、キツネオオカミ)、鳥類(例えば、ニワトリエミューダチョウ)、ならびに魚類(例えば、マスナマズおよびサケ)を含む。患者または対象は、上記、例えば上記の全て、の任意のサブセットを含む。特定の実施態様において、対象は、哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトである。

0034

好ましくは、対象は哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであり得るが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物を、所定の細胞または組織の欠損機能不全および/または不全、あるいは幹細胞コンパートメントの欠損、機能不全または不全に関連する疾患の動物モデルを表す対象として有利に使用することができる。さらに、本明細書に記載の方法を、家畜および/またはペットを処置するために使用することができる。対象は雄性または雌性であり得る。対象は、細胞型、組織、または幹細胞コンパートメントの欠損、機能不全および/または不全、あるいはそのような状態に関連する1つ以上の疾患または状態に罹患しているかまたはそれを有していると以前に診断または同定され、任意に、しかしそのような状態のための処置を既に経る必要がなかったものであり得る。対象はまた、細胞型もしくは組織の、または幹細胞コンパートメントの欠損、機能不全および/または不全を含む状態に罹患していると診断または同定されたが、そのような状態のための1つ以上の処置を受けた結果として既知の危険因子における改善を示すものであり得る。あるいは、対象はまた、そのような状態を有するとして以前に診断されていないものであり得る。例えば、対象は、そのような状態のための1つ以上の危険因子を示すもの、またはそのような状態のための危険因子を示さない対象であり得る。

0035

細胞または細胞の集団に関して使用する場合、本明細書において使用する用語「選択」は、所望の特徴を有する1つ以上の細胞を選ぶ、分離する、隔離する、そして/または選択的に増殖させることを指す。本明細書において使用する用語「選択」は、所望の特徴を有しない細胞が、提供される条件において増殖できないことを必ずしも意味しない。

0036

本明細書において使用する「維持」は、細胞または細胞の集団の生存能の継続を指す。維持される集団は、いくつかの代謝活性細胞を有する。これらの細胞の数は少なくとも1日の期間にわたっておおよそ安定であり得るか、または増大し得る。

0037

本明細書において使用する「検出可能なレベル」は、物質または活性の量が参照レベル(例えば、ストレスに曝露されていない細胞における物質または活性のレベル)から区別されることを可能にする、サンプルにおける物質または活性のレベルを指す。いくつかの実施態様において、検出可能なレベルは、参照レベルよりも少なくとも10%大きな、例えば、10%大きな、20%大きな、50%大きな、100%大きな、200%大きな、または300%もしくはより大きなレベルであり得る。

0038

用語「統計学的に有意」または「有意」は、統計学的な有意性を指し、そして一般に参照の上または下の2標準偏差(2SD)の差を意味する(例えば、マーカー(例えば、幹細胞マーカーまたは分化マーカー)の濃度または存在量)。この用語は、差が存在することの統計学的な証拠を指す。これは、帰無仮説が実際に真である場合に帰無仮説を拒絶する決定をする確立として定義される。決定はしばしばp値を使用してなされる。

0039

具体例におけるかまたは別段示す場合以外、本明細書において使用する成分の量または反応条件を表す全ての数は、全ての場合に用語「約」によって修飾されるものと理解するべきである。百分率に関連して使用する場合、用語「約」は±1%を意味し得る。

0040

他の用語は、本明細書に記載の技術の種々の局面の記載内で本明細書において定義される。

0041

本明細書に記載の技術の局面は、細胞から多能性細胞を生成する方法、ならびにその多能性細胞の用途およびそれを使用する方法に関する。リプログラミング因子の発現を増加させること(例えば、1つ以上のリプログラミング因子(例えば、Oct4)をコードする核酸構築物を導入することによって)に依存する多能性細胞を生成する既存の方法(すなわち、誘導多能性幹細胞またはiPS細胞)とは対照的に、本明細書に記載の方法は、細胞をストレスに供するが、外来リプログラミング因子の導入を必要としない。

0042

いくつかの実施態様において、ストレスは、細胞の細胞質の体積および/または細胞のミトコンドリアの数を低下させる。細胞の細胞質の体積または細胞のミトコンドリアの数の低下は、ストレス応答を誘導し、その間に細胞は少なくとも多能性能力を獲得する。1つの局面において、本明細書に、細胞質の少なくとも約40%を細胞から除去し、そして多能性を示す細胞を選択することを含み、ここで、細胞は組織中に存在しない、多能性細胞を生成する方法を記載する。1つの局面において、本明細書に記載の発明は、ミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去し、そして多能性を示す細胞を選択することを含み、ここで、細胞は組織中に存在しない、多能性細胞を生成する方法に関する。

0043

本明細書に記載の方法、アッセイおよび組成物において使用する細胞は、任意の型の細胞(例えば、成体細胞、胚細胞、分化細胞、幹細胞、前駆細胞および/または体細胞)であり得る。細胞は上記の用語の組み合わせによって記載され得、例えば、細胞は胚性幹細胞または分化した体細胞であり得る。本明細書に記載の方法、アッセイおよび組成物において使用する細胞を、対象から得ることができる。いくつかの実施態様において、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施態様において、細胞はヒト細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は成体細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は新生児細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は胎児細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は羊水細胞である。いくつかの実施態様において、細胞は臍帯血細胞である。

0044

「成体」は、生後の任意の時点の動物対象由来のまたはその内部の組織および細胞を指す。「胚」は、誕生前の任意の時点の動物対象由来のまたはその内部の組織および細胞を指す。

0045

本明細書において使用する用語「体細胞」は、生殖細胞着床前胚中に存在するかもしくはそれから得られる細胞、またはそのような細胞のインビトロでの増殖から生じる細胞以外の任意の細胞を指す。言い換えれば、体細胞は、生殖系列細胞とは異なり、生物の身体を形成する任意の細胞を指す。哺乳動物において、生殖系列細胞(「配偶子」としても知られる)は、精子および卵子であり、これらは受精の間に融合して、そこから哺乳動物胚全体が発生する接合子と称する細胞を産生する。哺乳動物体中の全ての他の細胞型(精子および卵子、それからそれらが作られる細胞(配偶子母細胞)ならびに未分化幹細胞は別として)は、体細胞である:内臓、皮膚、骨、血液および結合組織は全て体細胞から構成されている。いくつかの実施態様において、体細胞は「非胚性体細胞」であり、これによって、胚中に存在しないかまたはそれから得られず、そしてそのような細胞のインビトロでの増殖から生じない体細胞が意味される。いくつかの実施態様において、体細胞は「成体体細胞」であり、これによって、胚または胎児以外の生物中に存在するかまたはそれから得られ、あるいはそのような細胞のインビトロでの増殖から生じる細胞が意味される。成体および新生児または胚細胞は構造的差異(例えば、メチル化パターンのようなエピジェネティック構成によって区別され得ることに留意される。いくつかの実施態様において、体細胞は哺乳動物体細胞である。いくつかの実施態様において、体細胞はヒト体細胞である。いくつかの実施態様において、体細胞は成体体細胞である。いくつかの実施態様において、体細胞は新生児体細胞である。

0046

本明細書において使用する「分化細胞」は、その運命または機能において、その発生における以前の時点よりも専門化された細胞を指し、そして最終分化した細胞、および、最終分化はしていないがその発生における以前の時点よりも専門化された細胞の両方を含む。方向付けられていない細胞(例えば、幹細胞)から、特定の分化細胞型への、そして最終的に最終分化細胞への方向付けの程度が増加している細胞への細胞の発生は、進行性分化または進行性方向付けとして知られる。細胞個体発生の文脈において、形容詞「分化した」または「分化している」は相対的な用語である。「分化細胞」は、それが比較される細胞よりも発生経路をさらに下って進行した細胞である。従って、幹細胞は、系列制限された前駆細胞(例えば、中胚葉幹細胞)に分化することができ、それは今度は、経路をさらに下って他の型の前駆細胞(例えば、心筋細胞前駆体)に、次いで最終段階の分化細胞(これは、特定の組織型において特徴的な役割を担い、そしてさらに増殖する能力を保持していてもよくしていなくてもよい)に分化することができる。

0047

本明細書において使用する用語「幹細胞」は、発生能力に関する特定の暗示される意味(すなわち、全能性、多能性、複能性など)なしに、自己再生の性質を有し、そしてより分化した細胞型に自然に分化する発生能力を有する、未分化のまたは部分的に分化した状態にある細胞を指す。自己再生によって、幹細胞が、その発生能力を維持しながら、増殖しそしてより多くのそのような幹細胞を生じる能力を有することが意味される。従って、用語「幹細胞」は、特定の状況下で、より専門化したまたは分化した表現型に分化する発生能力を有し、そして特定の状況下で、実質的に分化することなしに増殖する能力を保持する、細胞の任意のサブセットを指す。用語「体性幹細胞」は、胎児、幼若および成体組織を含む、非胚性組織由来の任意の幹細胞を指すために本明細書において使用される。天然の体性幹細胞が、血液、骨髄、脳、嗅上皮、皮膚、膵臓骨格筋および心筋を含む多種の成体組織から単離されている。例示的な天然の体性幹細胞は、限定するものではないが、間葉幹細胞および造血幹細胞を含む。いくつかの実施態様において、または前駆細胞は胚性幹細胞であり得る。本明細書において使用する「胚性幹細胞」は、受精後であるが妊娠の終了前に形成される組織(胚前組織(例えば、胚盤胞のような)、胚組織、または妊娠の間の任意の時点(典型的には、必ずしもそうではないが、妊娠の約10〜12週前)に取られた胎児組織を含む)由来の幹細胞を指す。最も頻繁には、胚性幹細胞は、初期胚または胚盤胞に由来する全能性細胞である。胚性幹細胞を、適切な組織(限定するものではないが、ヒト組織を含む)から直接、または樹立された胚細胞株から得ることができる。1つの実施態様において、胚性幹細胞は、Thomson et al.(米国特許第5,843,780号および同第6,200,806号;Science 282: 1145, 1998;Curr. Top. Dev. Biol. 38: 133 ff, 1998;Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92:7844, 1995(これらの全体を参照により本明細書に組み入れる))によって記載されるように得られる。

0048

例示的な幹細胞は、胚性幹細胞、成体幹細胞、多能性幹細胞、神経幹細胞肝幹細胞筋肉幹細胞、筋肉前駆幹細胞、内皮前駆細胞骨髄幹細胞軟骨形成幹細胞、リンパ幹細胞、間葉幹細胞、造血幹細胞、中枢神経系幹細胞、抹消神経系幹細胞など含む。幹細胞の記載(それを単離および培養するための方法を含む)は、とりわけ、Embryonic Stem Cells, Methodsand Protocols, Turksen, ed., Humana Press, 2002;Weisman et al, Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. 17:387 403;Pittinger et al, Science, 284: 143 47, 1999;Animal Cell Culture, Masters, ed., Oxford University Press, 2000;Jackson et al, PNAS 96(25): 14482 86, 1999;Zuk et al, Tissue Engineering, 7:211 228, 2001 ("Zuk et al.");Atala et al,特にChapters 33 41;および米国特許第5,559,022号, 同第5,672,346号および同第5,827,735号中に見出され得る。間質細胞の記載(それを単離するための方法を含む)は、とりわけ、Prockop, Science, 276:71 74, 1997;Theise et al, Hepatology, 31 :235 40, 2000;Current Protocols in Cell Biology, Bonifacino et al, eds., John Wiley & Sons, 2000(2002年3月までのアップデートを含む);および米国特許第4,963,489号中に見出され得る。

0049

本明細書において使用する「前駆細胞」は、未分化または部分的分化状態にあり、そして、発生能力に関する特定の暗示される意味(すなわち、全能性、多能性、複能性など)なしに、少なくとも1つのより分化した表現型に分化する発生能力を有し、そして自己再生の性質を有しない細胞を指す。従って、用語「前駆細胞」は、特定の状況下でより専門化または分化した表現型に分化する発生能力を有する細胞の任意のサブセットを指す。いくつかの実施態様において、幹または前駆細胞は、多能性幹細胞である。いくつかの実施態様において、幹または前駆細胞は、全能性幹細胞である。

0050

用語「全能性」は、身体中の任意の組織または細胞型を生じることができる幹細胞を指す。「多能性」幹細胞は、生殖系列細胞以外の身体中の任意の型の細胞を生じることができる。より少ないかまたは限定された数の異なる細胞型を生じることができる幹細胞を、一般に「複能性」と称する。従って、全能性細胞は、胎児発生に必要な組織の大部分(全部ではない)を生じることができる多能性細胞に分化する。多能性細胞は、特定の機能を有する細胞を生じるように方向付けられている複能性細胞へのさらなる分化を経る。例えば、複能性造血幹細胞は、血液中赤血球白血球および血小板を生じる。

0051

本明細書において使用する用語「多能性」は、3つ全ての胚葉(すなわち、内胚葉(例えば、腸組織)、中胚葉(例えば、血液、筋肉、および血管)、ならびに外胚葉(例えば、皮膚および神経))に特徴的な細胞型に様々な条件下で分化する能力を有する細胞を指す。多能性細胞は、例えば、ヌードマウステラトーマ形成アッセイを使用して、3つ全ての胚葉に分化するその能力によって主に特徴付けられる。多能性は、胚性幹(ES)細胞マーカーの発現によっても証明されるが、多能性のための好ましい試験は、3つの胚葉の各々の細胞に分化する能力の実証である。

0052

明細書中の実施例に記載される「ACC」および「STAP」細胞は、多能性細胞の非限定的な例である。「STAP幹細胞」は、多能性幹細胞の非限定的な例である。多能性細胞なる用語および多能性幹細胞なる用語は本明細書において互換的に使用され得る。なぜなら、両方の細胞が本発明の目的のために適切に使用され得るからである。

0053

本明細書において使用する用語「多能性」または「多能性状態」は、3つ全ての胚葉:内胚葉(腸組織)、中胚葉(血液、筋肉、および血管を含む)、ならびに外胚葉(例えば、皮膚および神経))に分化する能力を有する細胞を指す。

0054

「複能性細胞」に関して使用される場合、用語「複能性」は、3つ全ての胚葉由来の細胞の全てではないがいくつかに分化することができる細胞を指す。従って、複能性細胞は、部分的に分化した細胞である。複能性細胞は、当該分野において周知であり、そして複能性細胞の非限定的な例は、例えば、造血幹細胞および神経幹細胞のような成体幹細胞を含み得る。複能性は、幹細胞が、他の系列の細胞ではなく、所定の系列における多くの型の細胞を形成し得ることを意味する。例えば、複能性血液幹細胞は、多くの異なる型の血液細胞(赤、白、血小板など)を形成することができるが、それは神経細胞を形成することができない。用語「複能性」は、全能性および多能性より低い程度の発生万能性を有する細胞を指す。

0055

用語「全能性」は、成体身体中の全ての細胞、および胎盤を含む胚体外組織を作る能力を示す分化の程度を有する細胞を指す。受精卵(接合子)は、初期分割細胞割球)のように全能性である。

0056

本明細書に記載の方法において使用する細胞は、組織中に存在しない細胞であり得る。本明細書において使用する「組織」は、少なくとも1つの特定の機能の実行において結び付けられた、同様に専門化された細胞の組織化された生物材料(例えば、群、層、または凝集体)を指す。細胞が組織化された超構造から取り出されるか、またはそうでなければインビボで存在する組織化された超構造から分離されると、それはもはや組織中に存在しない。例えば、血液サンプルが2つ以上の非同一画分に分離されるか、または脾臓が刻まれそしてパスツールピペットを用いて機械的に解離されると、細胞はもはや組織中に存在しない。いくつかの実施態様において、組織中に存在しない細胞は、単離された細胞である。細胞に関して本明細書において使用する用語「単離」は、インビボでそれが通常結合している別の細胞群から機械的または物理的に分離されている細胞を指す。別の細胞群から1つ以上の細胞を単離するための方法は当該分野において周知である。例えば、Culture of Animal Cells: a manual ofbasictechniques (3rd edition), 1994, R. I. Freshney (ed.), Wiley-Liss, Inc.;Cells: a laboratory manual (vol. 1), 1998, D. L. Spector, R. D. Goldman, L. A. Leinwand (eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press;Animal Cells: culture and media, 1994, D. C. Darling, S. J. Morgan, John Wiley and Sons, Ltd.を参照のこと。任意に、単離された細胞は、例えば他の細胞の存在下で、インビトロで培養されている。

0057

いくつかの実施態様において、細胞は、組織中には存在しないが、細胞の集団中に存在する。いくつかの実施態様において、細胞の集団は細胞の集団である。本明細書において使用する「細胞の集団」は、少なくとも2個の細胞、例えば、2個の細胞、3個の細胞、4個の細胞、10個の細胞、100個の細胞、1000個の細胞、10,000個の細胞、100,000細胞、または任意の間の数、またはより多くの細胞の群を指す。任意に、細胞の集団は、共通の起源を有する細胞であり得、例えば、それは同じ親細胞の子孫であり得るか、それはクローン性であり得るか、それは同じ組織から単離された細胞から単離されたかもしくはその子孫であり得るか、またはそれは同じ組織サンプルから単離された細胞から単離されたかもしくはその子孫であり得る。細胞の集団は、1つ以上の細胞型、例えば、1つの細胞型、2つの細胞型、3つの細胞型、4つの細胞型、またはより多くの細胞型を含み得る。細胞の集団は、不均一または均一であり得る。細胞の集団は、それが少なくとも90%の同じ細胞型を含む(例えば、集団中の細胞の90%、92%、95%、98%、99%、またはより多くが同じ細胞型のものである)場合、実質的に均一であり得る。細胞の集団は、集団中に存在する細胞の90%未満が同じ細胞型のものである場合、不均一であり得る。

0058

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法は、非多能性細胞(例えば、分化細胞)に多能性表現型を取らせることに関し得る。いくつかの実施態様において、多能性細胞を生成することは、より多くの多能性表現型を有する細胞を生成すること、すなわち、より広い分化能力を有する表現型を細胞に取らせることを含み得る。非限定的な例として、極小胚様(VSEL)細胞は、多能性ではなく単能性であり得、そして/または特定の分化細胞型に分化するその能力において限定され得る(おそらく胚性幹細胞よりも分化細胞により近く類似したVSELのエピジェネティック状態に起因して)。本明細書に記載の方法に従って、単能性細胞および/または限定された分化能力を有する細胞に、より多能性の表現型を取らせることができる。より多能性の表現型は、より多数の分化細胞型(例えば、2つの単能性細胞の)に分化することができる表現型であり得、より多数のその系列の分化細胞型に分化することができるものはより多能性であり、そして/または多能性細胞は単能性細胞より多能性である。

0059

本明細書に記載の多能性細胞(またはより多能性の細胞)を生成する方法は、例えば、細胞質の一部を細胞から除去することおよび/またはミトコンドリアを細胞から除去することを含み得る。いくつかの実施態様において、細胞質またはミトコンドリアの一部の細胞からの除去は、細胞の部分的エピジェネティック制御を除去する。いくつかの実施態様において、細胞質の少なくとも約40%を除去し、例えば、細胞の細胞質の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはより多くを除去する。いくつかの実施態様において、細胞の細胞質の60%〜80%を除去する。いくつかの実施態様において、ミトコンドリアの少なくとも約40%を除去し、例えば、細胞のミトコンドリアの少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはより多くを除去する。いくつかの実施態様において、細胞のミトコンドリアの50%〜90%を除去する。

0060

細胞をストレスに供しそして/または細胞質もしくはミトコンドリアの一部を細胞から除去する方法は、致死性閾値より下で細胞の膜において細孔および/または破裂を引き起こす任意の環境刺激であり得る。ストレスは、組織または細胞培養物における非生理的ストレスを含み得る。適切な環境刺激の非限定的な例は、外傷、機械的刺激、化学的曝露、超音波刺激、酸素欠乏、栄養欠乏、照射、極度な温度への曝露、解離、トリチュレーション(trituration)、物理的ストレス高浸透圧低浸透圧膜損傷毒素、極度のイオン濃度活性酸素UV曝露、強可視光、必須栄養の欠乏、または非生理的酸性環境を含む。いくつかの実施態様において、1つの環境刺激が細胞に適用され得る。いくつかの実施態様において、複数の環境刺激が細胞に適用され得、例えば、2つの刺激、3つの刺激、4つの刺激、またはより多くの刺激が適用され得る。複数の環境刺激を同時にまたは別々に適用し得る。

0061

いくつかの実施態様において、ストレスは、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%において膜破壊を引き起こすストレスであり得る。本明細書において使用する「膜破壊」は、検出可能な量のオルガネラおよび/または細胞物質(限定するものではないが、ミトコンドリアおよびDNAを含む)を細胞外環境中に放出させるために十分な細孔または間隙が形成されるように膜を損傷、破裂または破壊することを指す。細胞物質(例えば、ミトコンドリア)の放出を検出する方法は、当該分野において公知であり、そして本明細書において他所に記載されている。放出された細胞物質は、遊離し、または被包され、または膜によって囲まれ得る。

0062

ストレスは、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%、例えば、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上において膜破壊を引き起こし得る。いくつかの実施態様において、ストレスに曝露された細胞は、本明細書に記載のようにより多能性にしようとする細胞と同じ型および特徴の細胞であり得、例えば、1つの型の細胞に適切なストレスは、別の型の細胞には適切でないかもしれない。

0063

細胞がストレスに曝露される時間の長さは、使用される刺激に依存して変動し得る。例えば、本明細書に記載の方法に従って細胞にストレスを与えるために低栄養条件を使用する場合、細胞を低栄養条件下で1週間以上、例えば、1週間、2週間、または3週間もしくはより長く培養し得る。いくつかの実施態様において、細胞を低栄養条件下で約3週間培養する。別の非限定的な例において、本明細書に記載の方法に従って低pHまたは低酸素条件に曝露する細胞を、数分間またよりは長く(例えば、数時間を含む)、例えば、少なくとも2分間、少なくとも5分間、少なくとも20分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間またはより長く曝露し得る。

0064

多能性細胞の生成を誘導する機械的刺激は、膜の完全性を機械的に破壊する、物質または表面の細胞膜との任意の形態の接触を含み得る。機械的刺激は、細胞を剪断ストレスおよび/または高圧に曝露することを含み得る。機械的刺激の例示的な形態はトリチュレーションである。トリチュレーションは、摩擦を介して粒子の表面を研磨および/または摩減するプロセスである。細胞のトリチュレーションのためのプロセスの非限定的な例は、デバイスを通して細胞を通過させることであり、ここで、デバイスは細胞のサイズより小さな開口を有する。例えば、真空圧および/または流体の流れによって、ピペットの内部空間の少なくとも一部が細胞の直径より小さな直径を有するピペットを通して、細胞を通過させることができる。いくつかの実施態様において、細胞のサイズより小さな開口を有する少なくとも1つのデバイスを通して細胞を通過させる。いくつかの実施態様において、漸進的により小さな開口を有するいくつかのデバイスを通して細胞を通過させる。いくつかの実施態様において、5分間以上、例えば、5分間、10分間、20分間、30分間、または60分間細胞をトリチュレーションすることができる。いくつかの実施態様において、50μmの内径を有するパスツールピペットを通して細胞を通過させることによって、細胞をトリチュレーションすることができる。いくつかの実施態様において、50μmの内径を有するパスツールピペットを通して20分間細胞を通過させることによって、細胞をトリチュレーションすることができる。

0065

多能性細胞を生成するように細胞を誘導するために必要なストレスを適用する他の方法は、例えば、特定の化学物質または物理化学的条件(例えば、高または低pH、浸透圧ショック、温度極度、酸素欠乏など)への曝露を含む。多能性細胞の生成を誘導するこの種類および他の処理を以下でさらに考察する。化学的曝露は、例えば、pH,浸透圧、および/または細胞膜の完全性を破壊または損傷する細孔形成化合物の任意の組み合わせを含み得る。非限定的な例として、細胞を、非生理的酸性環境もしくは低pH、ストレプトリシンO、または蒸留水(すなわち、浸透圧ショック)に曝露することができる。

0066

低pHは、6.8より低いpH、例えば、6.7、6.5、6.3、6.0、5.8、5.4、5.0、4.5、4.0またはより低いpHを含み得る。いくつかの実施態様において、低pHは約3.0〜約6.0である。いくつかの実施態様において、低pHは約4.5〜約6.0である。いくつかの実施態様において、低pHは5.4〜5.8である。いくつかの実施態様において、低pHは5.4〜5.6である。いくつかの実施態様において、低pHは約5.6である。いくつかの実施態様において、低pHは約5.7である。いくつかの実施態様において、低pHは約5.5である。いくつかの実施多様において、細胞は低pH条件に数日間まで、例えば、6日間以下、4日間以下、3日間以下、2日間以下、1日間以下、12時間以下、6時間以下、3時間以下、2時間以下、1時間以下、30分間以下、20分間以下、または10分間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞はpH5.4〜5.6に3日間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜6.8のpHに3日間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜6.8のpHに1時間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜6.8のpHに約30分間曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜6.8のpHに約20分間曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜5.8のpHに3日間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜5.8のpHに1時間以下曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜5.8のpHに約30分間曝露され得る。いくつかの実施態様において、細胞は約5.6〜5.8のpHに約20分間曝露され得る。

0067

いくつかの実施態様において、細胞をATPに曝露して、多能性細胞の生成を誘導することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約20μM〜約200mMの濃度のATPに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約200μM〜約20mMの濃度のATPに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約2.4mMの濃度のATPに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を、HBSS中で希釈したATPに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をATPに1分間以上、例えば、少なくとも1分間、少なくとも2分間、少なくとも5分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間またはより長く曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をATPに約5分間〜約30分間曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をATPに約15分間曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約2.4mMのATPに約15分間曝露することができる。

0068

いくつかの実施態様において、細胞をCaCl2に曝露して、多能性細胞の生成を誘導することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約20μM〜約200mMの濃度のCaCl2に曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約200μM〜約20mMの濃度のCaCl2に曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約2mMの濃度のCaCl2に曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を、HBSS中で希釈したCaCl2に曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をCaCl2に1日間以上、例えば、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間またはより長く曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をCaCl2に約1週間〜3週間曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をCaCl2に約2週間曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約2mMのCaCl2に約2週間曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約2mMのCaCl2に約1週間曝露することができる。

0069

細孔形成化合物の例は、ストレプトリシンO(SLO)、サポニンジギトニンフィリピンAeI、イソギンチャク細胞溶解素、アエロリシンアマトキシンアメーバポア、Entamoeba dispar由来のアメーバポアホモログブレビニン−1E、ブレビニン−2E、バルトリシン、Enterococcus faecalisの細胞溶解素、δヘモリシンジフテリア毒素、Vibrio choleraeのE1 Tor細胞溶解素、エクイトキシン、Aeromonas hydrophilaのエンテロトキシンエスクレンチン、グラニュリシン、Vibrio parahaemolyticusのヘモリシン、Streptococcus intermedinsのインターディリシン、レンチウイルス溶解ペプチド、Actinobacillus actinomycetemcomitansのロイコトキシンマガイニンメリチン膜結合リンホトキシン、Met−エンケファリンネオキオトルフィン、ネオキオトルフィンフラグメント1、ネオキオトルフィンフラグメント2、ネオキオトルフィンフラグメント3、ネオキオトルフィンフラグメント4、NKリシン、パラダキシン、Staphylococcus aureusのα細胞溶解素、 Clostridium septicumのα細胞溶解素、Bacillusthuringiensis毒素コリシン補体デフェンシンヒストリシン、リスリオリシン、マガイニン、メリチン、ニューモリシン酵母キラー毒素、バリノマイシン、ペダーセンクラウンエーテルパーフォリン、パーフリンゴリシンO、Clostridium perfringensのθ毒素、ファロリシンファロトキシン、および他の分子、例えばRegen et al. Biochem Biophys Res Common 1989 159:566-571(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載されるものを含む。細孔形成化合物を精製または合成する方法は当業者に周知である。さらに、細孔形成化合物は市販されている(例えば、ストレプトリシンO(Cat No. S5265; Sigma-Aldrich; St. Louis, MO))。非限定的な例として、細胞をSLOに約5分間以上、例えば、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、またはより長く曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞をSLOに約30分間〜2時間曝露する。いくつかの実施態様において、細胞をSLOに約50分間曝露する。非限定的な例として、細胞を約10ng/mL〜1mg/mLの濃度のSLOに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約1μg/mL〜100μg/mLの濃度のSLOに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約10μg/mLのSLOに曝露することができる。いくつかの実施態様において、細胞を約10μg/mLのSLOに約50分間曝露することができる。

0070

多能性細胞の生成を誘導する酸素欠乏条件は、細胞を低下した酸素条件下で培養すること、例えば、細胞を10%以下の酸素中で培養することを含み得る。いくつかの実施態様において、細胞を5%以下の酸素下で培養する。低下した酸素条件下での培養の長さは、1時間以上、例えば、1時間、12時間、1日間、2日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間またはより長くであり得る。いくつかの実施態様において、細胞を低下した酸素条件下で1週間〜1ヶ月間培養することができる。いくつかの実施態様において、細胞を低下した酸素条件下で約3週間培養することができる。

0071

多能性細胞の生成を誘導する栄養欠乏条件は、細胞増殖に有益な任意の因子または栄養素の欠乏を含み得る。いくつかの実施態様において、栄養欠乏条件は、FBSまたは増殖因子のようなさらなる補充物なしに、基本培養培地、例えば、F12またはDMEM中で細胞を培養することを含む。栄養欠乏条件における培養の長さは、1時間以上、例えば、1時間、12時間、1日間、2日間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間またはより長くであり得る。いくつかの実施態様において、細胞を栄養欠乏条件下で1週間〜1ヶ月間培養することができる。いくつかの実施態様において、細胞を栄養欠乏条件下で約2週間培養することができる。いくつかの実施態様において、細胞を栄養欠乏条件下で約3週間培養することができる。いくつかの実施態様において、栄養欠乏条件は、増殖因子なしの条件、または所定の細胞型のための1つ以上の増殖因子の標準的濃度の50%未満を用いる条件を含み得る。

0072

多能性細胞の生成を誘導する極度な温度への曝露は、低温または高温のいずれかへの曝露を含み得る。哺乳動物細胞について、極度な低温は、35℃より低い温度、例えば34℃、33℃、32℃、31℃またはより低い温度であり得る。いくつかの実施態様において、極度な低温は、凍結より低い温度であり得る。細胞の凍結は、氷結晶による膜穿孔を引き起こし得、そして細胞質を低下させるための道を提供する。哺乳動物細胞について、極度な高温は、42℃より高い温度、例えば43℃、44℃、45℃、46℃またはより高い温度であり得る。いくつかの実施態様において、極度な高温は、約85℃以上の温度であり得る。極度な温度下での培養の長さは、20分間以上、例えば、20分間、30分間、1時間、12時間、1日間、2日間、1週間、2週間、3週間、1カ月間、2カ月間またはより長くであり得る。明らかに、温度が高ければ高いほど、多能性細胞の生成を可能にするために一般に許容される曝露は短くなる。

0073

本明細書に記載の方法において使用することができるストレスのさらなる例は、限定するものではないが、超音波刺激および照射処理を含む。

0074

いくつかの実施態様において、ストレスに曝露した後、細胞を、本明細書において下記する方法に従った選択の前に培養することができる。細胞を、選択の前に少なくとも1時間培養することができ、例えば、ストレス性刺激を除去しそして細胞を、本明細書に記載のような選択の前に少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも7日間またはより長く培養する。非限定的な例として、細胞をSLOに約50分間曝露し、次いで選択の前にSLOを含まない培養培地中で約7日間培養することができる。いくつかの実施態様において、選択の前に細胞を培養するために使用する培養培地は、分化因子を含まないかまたは分化を促進しない。いくつかの実施態様において、培養培地は、幹細胞および/または多能性細胞の培養に適切なものである。そのような培地の例を本明細書において下記する。

0075

いくつかの実施態様において、細胞中の細胞質の量を低下させる。細胞中の細胞質の低下を、細胞のサイズをモニターすることによって決定することができる。細胞サイズを決定する方法は、当業者に周知であり、そして非限定的な例として細胞蛍光測定分析を含む。簡潔には、単一細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、フィルターし、そして例えばFLOMAX(商標ソフトウェアを使用してDAKO GALAXY(商標)(DAKO)アナライザー上で測定する。次いで、細胞蛍光測定分析を行って、細胞サイズを確立することができる。予め規定されたサイズのマイクロビーズ等張リン酸食塩水(pH7.2)中に再懸濁し、そして細胞蛍光測定分析を使用して球状物中に含まれる細胞のサイズを比較するための標準として使用する。細胞およびビーズの両方を同じ機器設定(細胞およびビーズのサイズを表す前方散乱、ならびに細胞の粒度を表す側方散乱)を使用して分析する。細胞サイズを、曲線上で、x軸上のビーズサイズおよびy軸上の前方散乱値を用いて算出することができる。

0076

いくつかの実施態様において、細胞中のミトコンドリアの量を低下させる。細胞中のミトコンドリアの数を決定する方法は、当業者に周知であり、そしてミトコンドリア特異的色素での染色および顕微鏡下で見たときの細胞当たりの可視ミトコンドリアの数の計数を含む。ミトコンドリア特異的色素は市販されている(例えば、MITOTRACKER(商標)(Cat No M7512 Invitrogen; Grand Island, NY))。いくつかの実施態様において、ミトコンドリアの数またはミトコンドリア特異的色素からのシグナルの強度は、本明細書において上記する方法を用いる処理の後に少なくとも40%減少し得る。いくつかの実施態様において、ミトコンドリアの数またはミトコンドリア特異的色素からのシグナルの強度が本明細書において上記する方法を用いる処理の後に少なくとも40%減少した細胞を選択する。

0077

ミトコンドリアおよび/または膜破壊の量を、細胞外環境における酸化還元活性を測定することによって検出することもできる。本明細書に記載のストレスによってミトコンドリアが細胞外環境中に放出されるにつれて、細胞外環境におけるROSのレベルは増加し得、そしてそれを所定のストレスの有効性を測定するために使用することができる。

0078

本明細書に記載の局面のいずれかのいくつかの実施態様において、LIF(白血病阻害因子)の存在下で細胞をストレスに供することができる。

0079

いくつかの局面において、細胞の細胞質および/またはミトコンドリアの一部を除去した後、方法は多能性を示す細胞を選択することをさらに含む。多能性細胞のマーカー、表現型、または機能を呈する細胞を選択することによって、多能性細胞を選択することができる。細胞の選択は、所望の特徴を呈する細胞を単離しそして増殖させること、または、所望の特徴を有する細胞が所望の特徴を有しない細胞より高い率で生存しそして/または増殖するような条件下で未知の特徴を有する細胞の集団を培養することを含み得る。多能性細胞のマーカーおよび特徴の非限定的な例を本明細書において下記する。いくつかの実施態様において、多能性についての細胞の選択は、少なくとも部分的に、Oct4を発現する細胞を選択することを含む。いくつかの実施態様において、多能性についての細胞の選択は、少なくとも部分的に、Nanogを発現する細胞を選択することを含む。いくつかの実施態様において、多能性についての細胞の選択は、少なくとも部分的に、Oct4、Nanog、E−カドヘリン、および/またはSSEAを発現する細胞を選択することを含む。いくつかの実施態様において、SSEA−1およびE−カドヘリンを発現する細胞をこれらのマーカーに特異的な抗体およびFACSを使用して選択することによって、多能性細胞を選択することができる。いくつかの実施態様において、細胞を、FACSまたは当該分野において公知のそして/または本明細書に記載の他の細胞選別デバイスを使用してサイズに基づいて選択することができる。細胞を、それが培養ディッシュ接着できないことによって選択することもできる。

0080

細胞を、ストレスに供した後に、より小さなサイズに基づいて選択することもできる。すなわち、多能性に進行する、ストレスを与えた細胞は、その非多能性体細胞前駆体より小さい。いくつかの実施態様において、8μm未満の直径を有する細胞、例えば、8μm以下、7μm以下、6μm以下、5μm以下、またはより小さな直径を有する細胞を選択する。細胞を、ストレス処理後に、短期間(例えば、数分間〜数日間)培養した後または休ませた後にサイズに基づいて選択することができる。いくつかの実施態様において、細胞を、ストレス処理の直後にサイズに基づいて選択することができる。当該分野において公知の任意の方法によって(例えば、フィルターの使用またはFACSによって)細胞をサイズに基づいて選択することができる。

0081

本明細書に記載の方法のいくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞を、その多能性細胞の増殖(すなわち、幹細胞の増殖)を可能にするように培養することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞を、インビトロで維持することができる。1つの局面において、本明細書に記載の技術は、多能性細胞および/または少なくとも部分的に分化したその子孫を含む組成物に関する。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/または少なくとも部分的に分化したその子孫を、例えば細胞株として、インビトロで維持することができる。細胞株を、本明細書において下記するように、候補薬剤(例えば、所定の疾患のための治療薬剤および/または幹細胞を調節する薬剤)をスクリーニングおよび/または試験するために使用することができる。いくつかの実施態様において、多能細胞および/または少なくとも部分的に分化したその子孫は、疾患(例えば、天然の細胞もしくは組織型または天然の多能性および/または複能性細胞の不全に関連する疾患(本明細書において下記するような)、および/または遺伝的変異を有する細胞が関与する疾患(例えば、ガン))を有する対象から得られる細胞に由来し得る。本明細書に記載の組成物を、例えば、疾患モデル化、創薬、診断、および個別化医療において使用することができる。

0082

幹および/または多能性細胞の増殖および/または維持に適切な条件は、当該分野において公知である。幹細胞の増殖は、分化を実質的に誘導または許容することなしに細胞数を拡大することを可能にする。非限定的な例として、多能性細胞の増殖に適切な条件は、細胞を、1×106細胞/cm2で、2%B27、20ng/mL塩基性線維芽細胞増殖因子、および10ng/mL上皮増殖因子を補充したF12/DMEM(1:1、v/v)中でプレーティングすることを含む。培養の持続のために約50%の培地を2〜3日毎に置換することができる。いくつかの実施態様において、幹および/または多能性細胞の増殖に適切な条件は、細胞を、B27−LIF(すなわち、Hitoshi, S. et al. Genes & development 2004 18, 1806-1811(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載のLIF(1×103ユニット/mL、Chemicon; Cat No:ESG1107 EMD Millipore, Billerica, MA)およびB27サプリメント(Cat No: 0080085-SA; Invitrogen; Grand Island, NY))を含有する無血清培地)中で培養することを含む。本明細書に記載の細胞を培養するために適切な他の培地を、本明細書中の実施例において記載する(例えば、ES樹立培養培地、2i、3iおよびACTH、ES培養条件、ES−LIF、胚性神経幹細胞培養条件、およびEpiSC培養条件)。いくつかの実施態様において、多能性細胞の増殖または維持のための条件は、LIF(白血病阻害因子)の存在下での細胞の培養を含み得る。

0083

増殖の間、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞は、同じ多能性幹細胞マーカーを発現し続ける。多能性幹細胞マーカーの非限定的な例は、SSEA−1、SSEA−2、SSEA−3、SSEA−4(本明細書においてSSEAと総称する)、AP、E−カドヘリン抗原、Oct4、Nanog、Ecat1、Rex1、Zfp296、GDF3、Dppa3、Dppa4、Dppa5、Sox2、Esrrb、Dnmt3b、Dnmt3l、Utf1、Tel1、Bat1、Fgf4、Neo、Cripto、Cdx2、およびSlc2a3を含む。細胞が多能性幹細胞マーカーを発現しているかどうかを決定する方法は、当業者に周知であり、そして、例えば、RT−PCR、レポーター遺伝子構築物の使用(例えば、FACSまたは蛍光顕微鏡と結びつけた本明細書に記載のOct4−GFP構築物の発現)、および目的の細胞表面マーカーに特異的な抗体を使用するFACSまたは蛍光顕微鏡を含む。

0084

多能性細胞マーカーは、細胞と比較して伸長したテロメアも含む。テロメア長を、例えば、ゲノムDNAを単離し、gDNAを制限酵素(例えば、Hinf1およびRsa1)で消化し、そしてテロメア長アッセイ試薬を用いてテロメアを検出することによって決定することができる。そのような試薬は、当該分野において公知であり、そして市販されている(例えば、TELOTAGGG(商標)TELOMERELENGTH ASSAY kit(Cat No. 12209136001 Roche; Indianapolis, IN)。

0085

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って処理される細胞は、開示する方法に従って処理される前にそうであったよりも、胚性幹細胞のエピジェネティック状態に近く類似するように変化し得る。細胞のエピジェネティック状態は、ゲノムのヌクレオチド配列における変化とは異なる、ゲノムの化学的マーキングを指す。エピジェネティックマークは、DNAメチル化(インプリント)ならびにDNAに結合するタンパク質(例えば、ヒストン)のメチル化およびアセチル化を含み得る。用語「DNAメチル化」は、DNA中の特定の塩基へのメチル(CH3)基の付加を指す。哺乳動物において、メチル化は、ほとんどもっぱらシトシンの5位で、これにグアニンが続く場合(CpG)に生じる。いくつかの実施態様において、エピジェネティック状態は、エピジェネティックメチル化パターン(例えば、DNAメチル化パターン)を含み得る。エピジェネティックマーキングの存在および位置を決定するためのアッセイは、当該分野において公知であり、そして例えば本明細書中の実施例2に記載するようなバイサルファイトシーケンシングを含み得る。簡潔には、DNAをCpGenome(商標)DNA Modification Kit(Chemicon, Temecula, CA)を用いて処理し、そして目的の領域(例えば、NanogおよびOct4遺伝子)を増幅し、そして配列決定する。

0086

本明細書に記載の技術のいくつかの局面は、本明細書に記載の方法によって産生される多能性幹細胞を使用するアッセイに関する。例えば、本明細書に記載の方法によって産生される多能性幹細胞を、多能性幹細胞の生存能、分化、または増殖を調節する薬剤をスクリーニングおよび/または同定するために使用することができる。そのようなアッセイは、本明細書に記載の方法に従って産生される多能性細胞を候補薬剤と接触させること、および候補薬剤と接触させた多能性細胞の生存能、分化および/または増殖が候補薬剤と接触させていない多能性細胞の生存能、分化および/または増殖から変動するかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施態様において、薬剤は、多能性幹細胞の生存能、分化および/または増殖を増加させ得る。いくつかの実施態様において、薬剤は、多能性幹細胞の生存能、分化および/または増殖を減少させ得る。いくつかの実施態様において、例えば、相乗的もしくは拮抗性の効果を決定するために、または候補薬剤をプール中でスクリーニングするために、多能性幹細胞を複数の候補薬剤と接触させることができる。

0087

候補薬剤は、生存している(すなわち、生きている)多能性細胞の数が、候補薬剤の存在下で、その非存在と比較して高いかまたは低い場合に、産生される多能性細胞の生存能を調節する薬剤として同定される。細胞の生存能を決定する方法は、当該分野において周知であり、そして、非限定的な例として、生細胞マーカーからのシグナルの強さ、または生細胞マーカーによって染色される細胞の数もしくは比率を検出することによって、少なくとも2つの時点で生存細胞の数を決定することを含む。生細胞マーカーは市販されている(例えば、PRESTOBLUE(商標)(Cat No A-13261; Life Technologies; Grand Island, NY))。候補薬剤は、多能性細胞の増殖速度が変化する、すなわち、所定の時間に産生される子孫細胞の数が候補薬剤の存在下でより高いかまたはより低い場合に、産生される多能性細胞の増殖を調節する薬剤として同定される。細胞の増殖速度を決定する方法は、当該分野において公知であり、そして、非限定的な例として、経時的に生細胞数の増加を決定することを含む。

0088

候補薬剤は、多能性細胞の分化の比率または特徴が候補薬剤の存在下でより高いかまたはより低い場合に、多能性細胞の分化を調節する薬剤として同定される。細胞の分化の比率または特徴を決定する方法は、当該分野において公知であり、そして、非限定的な例として、特定の系列のマーカーまたはた形態を検出すること、および候補薬剤と接触させた集団におけるそのようなマーカーまたは形態を有する細胞の細胞数または出現率を、候補薬剤と接触させていない集団と比較することを含む。種々の細胞運命系列および成熟細胞型のマーカーおよび形態的特長は当該分野において公知である。非限定的な例として、中胚葉細胞は、アクチンミオシン、およびデスミンの発現によって、多能性細胞と区別される。軟骨細胞を、サフラニン−Oおよび/またはFASTGREEN(商標)色素(Fisher; Pittsburg, PA; F99)での染色によって、その前駆細胞型と区別することができる。骨細胞を、アリザリンレッドS(Sigma; St. Louis, MO: Cat No A5533)での染色によって、その前駆細胞型と区別することができる。

0089

いくつかの実施態様において、候補薬剤は、腫瘍幹細胞の潜在的な阻害剤であり得、例えば、成熟腫瘍細胞から多能性細胞を作製するために、そして腫瘍細胞の創造および/または生存能を阻害する薬剤をスクリーニングするために、本明細書に記載の方法を使用することができる。本明細書に記載の方法を、成熟腫瘍細胞を死滅させるが、腫瘍幹細胞の発生および/または生存を促進しない薬剤をスクリーニングするために使用することもできる。

0090

いくつかの実施態様において、多能性細胞を、1つ以上の候補薬剤と接触させ、そして特定の細胞系列または成熟細胞型への分化を促進する条件下で培養する。分化に適切な条件は当該分野において公知である。非限定的な例として、中胚葉系列への分化に適切な条件は、20%ウシ胎仔血清FCS)を補充したDMEMを含み、培地を3日毎に交換する。さらなる非限定的な例として、神経系列への分化に適切な条件は、2%B27、10%FCS、10ng/mL bFGF、および20ng/mL EGFを補充したF12/DMEM(1:1、v/v)中でオルニチンコートしたチャンバースライド上に細胞をプレーティングすることを含む。培地を3日毎に交換し得る。

0091

本明細書において使用する「候補薬剤」は、細胞、組織または対象に通常は存在しないかまたは投与されるレベルで存在しない任意の物体を指す。候補薬剤を、以下を含む群から選択することができる:化学物質;小有機または無機分子核酸配列核酸アナログ;タンパク質;ペプチド;アプタマーペプチド模倣物ペプチド誘導体ペプチドアナログ、抗体;細胞内抗体生体高分子、生物材料(例えば、細菌、植物、真菌、または動物細胞もしくは組織)から作製される抽出物;天然のまたは合成の組成物またはその機能的フラグメント。いくつかの実施態様において、候補薬剤は、限定するものではないが、合成のおよび天然の非タンパク質性物体を含む任意の化学的物体または部分である。特定の実施態様において、候補薬剤は化学的部分を有する小分子である。例えば、化学的部分は、非置換または置換のアルキル芳香族、または複素環部分(マクロライドレプマイシンおよび関連天然産物もしくはそのアナログを含む)を含む。候補薬剤は、所望の活性および/または性質を有することが知られ得るか、あるいは多様な化合物のライブラリーから選択され得る。

0092

候補薬物を、多能性細胞の生存能、増殖、および/または分化を調節するその能力についてスクリーニングすることができる。1つの実施態様において、候補薬剤を、上記および本明細書中の実施例に記載の生存能、分化、および/または増殖のためのアッセイを使用してスクリーニングする。

0093

一般に、化合物を、適切な期間に渡って、コントロールと比較して細胞機能、遺伝子発現またはタンパク質活性を調節することができる任意の濃度で試験することができる。いくつかの実施態様において、化合物を、約0.1nM〜約1000mMの範囲の濃度で試験する。1つの実施態様において、化合物を、約0.1μM〜約20μM、約0.1μM〜約10μM、または約0.1μM〜約5μMの範囲で試験する。

0094

実行される特定の実施態様に依存して、候補または試験薬剤を、溶液中で遊離で提供することができ、または担体、もしくは固体支持体、例えばビーズに結合させ得る。いくつかの適切な固体支持体を、試験薬剤の固定化のために用いることができる。適切な固体支持体の例は、アガロースセルロースデキストラン(例えば、Sephadex、Sepharoseとして市販されている)、カルボキシメチルセルロースポリスチレンポリエチレングリコール(PEG)、濾紙ニトロセルロースイオン交換樹脂プラスチックフィルムポリアミンメチルビニルエーテルマレイン酸コポリマーガラスビーズアミノ酸コポリマーエチレン−マレイン酸コポリマー、ナイロンシルクなどを含む。さらに、本明細書に記載の方法のために、試験薬剤を個別に、またはグループもしくはプール中でスクリーニングすることができる。グループスクリーニングは、有効な試験薬剤についてのヒット率が低いことが予想され、その結果、所定のグループについて1より多い陽性の結果が期待されない場合に特に有用である。

0095

小分子、重合体およびゲノムベースのライブラリーを開発するための方法は、例えば、Ding, et al. J Am. Chem. Soc. 124: 1594-1596 (2002)およびLynn, et al., J. Am. Chem. Soc. 123: 8155-8156 (2001)に記載されている。市販の化合物ライブラリーを、例えば、ArQule(Woburn, MA)、Invitrogen(Carlsbad, CA)、Ryan Scientific(Mt. Pleasant, SC)、およびEnzo Life Sciences(Farmingdale, NY)から得ることができる。これらのライブラリーを、多能性幹細胞の生存能、増殖、および/または分化を調節するメンバーの能力についてスクリーニングすることができる。候補薬剤は、天然のタンパク質またはそのフラグメントであり得る。そのような候補薬剤を、天然供給源、例えば、細胞または組織溶解物から得ることができる。ポリペプチド薬剤のライブラリーを、例えば、市販のまたはルーチンの方法を用いて生成されるcDNAライブラリーから調製することもできる。候補薬剤はまたペプチド(例えば、約5〜約30アミノ酸のペプチド、約5〜約20アミノ酸が好ましく、そして約7〜約15が特に好ましい)であり得る。ペプチドは、天然のタンパク質の消化物ランダムペプチド、または「バイアス化」ランダムペプチドであり得る。いくつかの方法において、候補薬剤はポリペプチドまたはタンパク質である。ペプチドライブラリー、例えば、ペプチドもしくは他の化合物のコンビナトリアルライブラリーを、いかなる位置においても配列の優先または不変なしに完全にランダム化し得る。あるいは、ライブラリーをバイアス化し得る。すなわち、配列内のいくつかの位置を不変に保つか、または限られた数の可能性から選択する。例えば、いくつかの場合で、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基を、規定されたクラス内で(例えば、疎水性アミノ酸親水性残基、空間的にバイアス化された(小さなもしくは大きな)残基の、システインの創造に向けた、架橋のための、SH−3ドメインのためのプロリンリン酸化部位のためのセリンスレオニンチロシンもしくはヒスチジン、またはプリンへの)ランダム化する。

0096

候補薬剤はまた核酸であり得る。核酸候補薬剤は、天然核酸、ランダム核酸、または「バイアス化」ランダム核酸であり得る。例えば、原核生物または真核生物ゲノムの消化物をタンパク質について上記したのと同様に使用することができる。

0097

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って多能性細胞の生存能、増殖、および/または分化を調節するとしてスクリーニングおよび同定される候補薬剤は、多能性細胞の生存能、増殖、および/または分化を、非処理コントロールと比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍、1.1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍またはより多く増加させ得る。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って多能性細胞の生存能、増殖、および/または分化を調節するとしてスクリーニングおよび同定される候補薬剤は、多能性細胞の生存能、増殖、および/または分化を、非処理コントロールと比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、50%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%またはより多く、完全な低下(すなわち、0の生存能、成長、増殖、または分化)まで(それを含む)減少させ得る。

0098

いくつかの実施態様において、候補薬剤は、それが投与される形態で直接機能する。あるいは、候補薬剤は、細胞内で修飾または利用されて、所望の活性を調節する形態を生じ得る(例えば、細胞中への核酸配列の導入およびその転写、その結果としての細胞内での遺伝子発現またはタンパク質活性のインヒビターまたはアクチベーターの産生)。

0099

本明細書に記載の方法および組成物を、例えば、ガンワクチンの開発において使用できることが意図される。本明細書に記載のように得られる多能性腫瘍細胞の少なくとも部分的に分化した子孫の生成(例えば、本明細書に記載の方法に従って成熟腫瘍細胞を処理することによる)は、多様なそして変化する抗原プロフィールを提供し得、これはより強力なAPC抗原提示細胞ベースのガンワクチンの開発を可能にし得る。

0100

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法は、細胞の形質転換効率の増加に関する。細胞にストレスを与えること、例えば、本明細書に記載のように多能性を誘導することは、細胞を、遺伝子改変の方法(限定するものではないが、トランスジーンの挿入、ウイルスベクター、および/またはジンクフィンガーエンドヌクレアーゼを含む)に対してより受容性にし得る。本明細書に記載の方法が、細胞が遺伝子的に受容性の状態に改変されることを可能にし得、その結果、のDNAが、得られる多能性細胞を形質転換するために使用され得ることが意図される。

0101

本明細書に記載の技術のいくつかの局面は、本明細書に記載の方法によって産生される多能性細胞、またはそのような細胞の少なくとも部分的に分化した子孫を、細胞治療を必要とする対象に投与することを含む細胞治療の方法に関する。いくつかの実施態様において、多能性細胞または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫の治療有効量が提供される。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫は自己である。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫は同種異系である。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫は自己である。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫はHLA適合同種異系である。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫は同系である。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその子孫は異種である。いくつかの実施態様において、細胞治療は、自己治療であり得、例えば、対象由来の細胞を本明細書に記載の方法に従って多能性細胞を生成するために使用し得、そして多能性細胞および/またはその多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫を対象に投与し得る。本明細書において使用する「細胞治療を必要とする対象」は、天然の細胞または組織型あるいは天然の多能性および/または複能性細胞(例えば、幹細胞)の不全に関連する疾患を有するか、または疾患を有するかもしくは発達させる危険性があると診断される対象を指す。

0102

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法を、遺伝障害(例えば、テイサックスまたは血友病)を、例えば、本明細書に記載のように得られる同種異系の多能性細胞および/またはその子孫を投与することによって、処置するために使用することができる。

0103

1つの局面において、本明細書に、本明細書に記載の方法に従って細胞から多能性細胞(またはより多能性の細胞)を生成することを含む、対象に投与しようとする細胞治療と適合性である細胞または組織を調製する方法であって、細胞は自己細胞またはHLA適合性同種異系細胞である、方法を記載する。いくつかの実施態様において、多能性細胞(またはより多能性の細胞)を、細胞または組織を対象に投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って分化させ得る。

0104

本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞(例えば、多能性幹細胞)をガン治療において使用することができる。例えば、高用量化学療法骨髄造血系を再生するための造血幹細胞移植は、本明細書に記載のように生成される多能性細胞の使用から利益を得ることができる。

0105

天然の細胞または組織型あるいは天然の多能性および/または複能性細胞の不全に関連する疾患の非限定的な例は、再生不良性貧血ファンコニ貧血、および発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を含む。他は、例えば、以下を含む:急性白血病急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性混合性白血病および急性未分化白血病を含む);慢性白血病慢性骨髄性白血病CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、若年性慢性骨髄性白血病(JCML)および若年性骨髄単球性白血病(JMML)を含む);骨髄増殖性障害(急性骨髄線維症血管新生骨髄化生(骨髄線維症)、真性多血症および本態性血小板血症を含む);リソソーム蓄積症ムコ多糖症(MPS)、ハーラー症候群(MPS−IH)、シャイエ症候群(MPS−IS)、ハンター症候群(MPS−II)、サンフィリポ症候群(MPS−III)、モルキオ症候群(MPS−VII)、マロトー・ラミー症候群(MPS−VI)、スライ症候群、βグルクロニダーゼ欠損症(MPS−VII)、副腎白質ジストロフィームコリピドーシスII(I−細胞病)、クラッベ病ゴーシェ病ニーマンピック病ウォルマン病および異染性白質ジストロフィーを含む);組織球性障害(家族性赤血球貪食リンパ組織血症組織球症Xおよび血球貪食を含む);貪食細胞障害(チュディアック・東症候群、慢性肉芽腫性疾患、好中球アクチン欠損症および細網異形成症を含む);遺伝性血小板異常(巨核球増加(amegakaryocytosis)/先天性血小板減少症を含む);形質細胞障害(多発性骨髄腫、形質細胞白血病およびワルデンストレームマクログロブリン血症を含む)。幹細胞治療を用いて処置可能な他の悪性病変は、限定するものではないが、とりわけ、乳ガンユーイング肉腫神経芽細胞腫および腎細胞ガンを含む。以下も幹細胞治療を用いて治療可能である:肺障害COPDおよび気管支喘息を含む);先天性免疫障害(血管拡張性運動失調症コストマン症候群、白血球粘着不全症ディジョージ症候群、裸リンパ球症候群、オーメン症候群、重症複合免疫不全症(SCID)、アデノシンデアミナーゼ欠損を伴うSCID、TおよびB細胞欠損SCID、T細胞欠損、正常B細胞SCID、分類不能型免疫不全症およびX連鎖リンパ増殖性疾患を含む);他の遺伝性障害(レッシュ・ナイハン症候群、軟骨毛髪形成不全症グランツマン血小板無力症および大理石骨病を含む);神経学的状態(急性および慢性脳卒中、外傷性脳損傷脳性麻痺多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症および癲癇を含む);心臓状態アテローム性動脈硬化うっ血性心不全および心筋梗塞を含む);代謝障害糖尿病を含む);ならびに眼性障害(黄斑変性および視神経萎縮症を含む)。そのような疾患または障害を、所望の分化を促進するための薬剤の投与有りもしくは無しでの所望の細胞型へのインビボでの分化を可能にする、多能性細胞自体の投与によって、および/または、インビトロで所望の細胞型に分化したかもしくは少なくとも部分的にそれに向かって分化した多能性細胞を投与することによってのいずれかで処置することができる。そのような状態を診断する方法は医学実務の当業者に周知である。いくつかの実施態様において、対象は、細胞または幹細胞の集団を除去した放射線療法または他の治療を用いて処置されたものであり得、例えば、対象は、その骨髄が放射線療法によって除去されたガンを有する対象であり得る。

0106

いくつかの実施態様において、多能性細胞を対象に投与する。いくつかの実施態様において、少なくとも部分的に分化した細胞を対象に投与する。いくつかの実施態様において、細胞治療の方法は、多能性細胞を、細胞を投与する前に予め規定された細胞系列に沿って分化させることをさらにを含み得る。所望の細胞系列に沿って幹細胞を分化させる方法は当該分野において公知であり、そして例は本明細書に記載されている。

0107

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って得られる多能性細胞または多能性細胞の子孫である少なくとも部分的に分化した細胞を含む組成物を対象に投与する。

0108

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って得られる多能性細胞または多能性細胞の子孫である少なくとも部分的に分化した細胞を含む組成物は、任意にG−CSFGM−CSFおよび/またはM−CSFをさらに含み得、そして/あるいは、別の組成物中でG−CSF、GM−CSFおよび/またはM−CSFを投与したかまたは投与する対象に投与され得る。G−CSF、GM−CSFおよび/またはM−CSFの投与は、例えば、器官再生ならびに組織デブリ老廃物および蓄積の除去に好ましい炎症の状態を誘導し得る。

0109

いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の投与は、本明細書に記載の方法に従った培養物中の多能性細胞の産生後の比較的短期間内に行われ得る(例えば、産生後1、2、5、10、24または48時間)。いくつかの実施態様において、少なくとも部分的に分化した子孫の投与は、本明細書に記載の方法に従った培養物中の多能性細胞の分化後の比較的短期間内に行われ得る(例えば、産生後1、2、5、10、24または48時間)。いくつかの実施態様において、多能性細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫を、投与前低温貯蔵し得る。

0110

いくつかの局面において、本明細書に記載の技術は、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞および/または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫を含む組成物に関する。いくつかの実施態様において、医薬組成物は、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞および/または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫、および任意に医薬上許容される担体を含む。組成物は、少なくとも1つの医薬上許容される賦形剤をさらに含み得る。

0111

医薬組成物は、適切な賦形剤、または安定化剤を含み得、そして、例えば、溶液、懸濁液、ゲル、または乳濁液であり得る。典型的には、組成物は、約0.01〜99%、好ましくは約5〜95%の細胞を担体と一緒に含有する。細胞は、医薬上または生理学的に許容される担体、賦形剤または安定化剤と組み合わされると、非経口で、皮下で、移植によってまたは注射によって投与され得る。大部分の治療目的のために、細胞は、液体形態で溶液または懸濁液として注射を介して投与され得る。用語「医薬上許容される担体」は、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞および/または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫の投与のための担体を指す。そのような担体は、限定するものではないが、生理食塩水緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、およびその組み合わせを含む。各々の担体は、処方物の他の成分と適合性であるという意味で「許容」されなければならず、例えば、担体は対象に対する薬剤の効果を減少させない。換言すると、担体は医薬上不活性であり、そして生細胞と適合性である。

0112

適切な処方物は、水性および非水性の無菌注射溶液も含み、これは抗酸化剤緩衝剤静菌剤殺菌性抗生物質、および、処方物を意図されるレシピエント体液と等張にする溶質を含有し得る。水性および非水性の無菌懸濁液は、懸濁剤および増粘剤を含み得る。処方物は単位用量または多用量容器において提示され得る。

0113

非経口剤形の例は、限定するものではないが、注射用溶液、注射用懸濁液および乳濁液を含む。非経口剤形を、例えば、本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞および/または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫を保持するための生体吸収性足場材料を使用して、調製することができる。

0114

用語「エピジェネティック修飾」は、ゲノムの化学的マーキングを指す。エピジェネティックマークは、DNAメチル化(インプリント)ならびにDNAに結合するタンパク質(例えば、ヒストン)のメチル化およびアセチル化を含み得る。片親起源特異的遺伝子発現(母性または父性いずれかの染色体からの)が哺乳動物においてしばしば観察され、そしてそれはエピジェネティック修飾に起因する。親の生殖系列において、エピジェネティック修飾は安定な遺伝子サイレンシングまたは活性化に導き得る。

0115

本明細書において使用する用語「投与」または「移植」は、所望の効果が生じるような所望の部位における細胞の少なくとも部分的な局在化を生じる方法または経路による対象中への細胞の配置を指す。

0116

本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫を、臨床医によって適切であると見出される任意の方法で投与することができ、そして、例えば、細胞の懸濁液の注射による、または、例えば、移植可能足場もしくは支持体の上もしくは中で沈着もしくは増殖した細胞の調製物の移植による、局所投与を含み得る。移植可能な足場は、いくつかの分解性または吸収性のポリマーのいずれか、または、例えば、とりわけシルク足場を含み得る。本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫を含む医薬組成物の投与に適切な経路は、限定するものではないが、局所投与、例えば、腹腔内、非経口、体腔内または皮下投与を含む。本明細書において使用する語句「非経口投与」および「非経口で投与する」は、通常注射による、腸内および局所投与以外の投与の様式を指し、そして、限定するものではないが、腹腔内、皮内、皮下の注射および注入を含む。投与は、注射に適切な針、カテーテルおよびシリンジの使用、または外科的移植を含み得る。送達手段および送達部位の組み合わせの使用が、所望の臨床効果を達成するために意図される。

0117

用語「エピジェネティック修飾」は、ゲノムの化学的マーキングを指す。エピジェネティックマークは、DNAメチル化(インプリント)ならびにDNAに結合するタンパク質(例えば、ヒストン)のメチル化およびアセチル化を含み得る。片親起源特異的遺伝子発現(母性または父性いずれかの染色体からの)が哺乳動物においてしばしば観察され、そしてそれはエピジェネティック修飾に起因する。親の生殖系列において、エピジェネティック修飾は安定な遺伝子サイレンシングまたは活性化に導き得る。

0118

1つの実施態様において、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の治療有効量を対象に投与する。「治療有効量」は、処置される状態の症状またはマーカーにおいて測定可能な改善を生じるために十分な、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の量である。治療組成物中の細胞の実際の投与量レベルを、特定の対象について所望の治療応答を達成するために有効な細胞の量を投与するように、変動させ得る。選択される投与量レベルは、限定するものではないが、治療組成物の活性、処方、投与経路、他の薬物または処置との組み合わせ、処置される状態の重篤度、対象の身体的状態、処置される対象の以前の病歴、および治療を施す臨床医または医師の経験および判断を含む種々の因子に依存する。一般に、用量および投与スケジュールは、状態の進行の遅延および好ましくは阻害を生じ、そしてまた好ましくは状態の症状またはマーカーの1つ以上の減少を引き起こすために十分であるべきである。治療有効用量の決定および調整、ならびにそのような調整をする時期および方法の評価は、医学分野の当業者に公知である。

0119

本明細書に記載の方法に従って投与される、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の投与量は、医師によって決定され得、そして必要に応じて処置の観察される効果に適するように調整され得る。処置の持続期間および頻度に関しては、熟練した臨床医が、いつ処置が治療の利益を提供しているかを決定し、そして、細胞の別の用量を投与するか、投与量を増加または減少させるか、処置を中止するか、処置を再開するか、または処置レジメンに他の変更をするかどうかを決定するために、対象をモニターするのが典型的である。投与される細胞が中期間から長期間生着しそして生存することが期待される場合、反復投薬が必要であり得る。しかし、投与は、必要に応じて、そして対象によって許容されるように、反復され得る。投与量は、実質的な有害な副作用を引き起こすほど多くすべきでない。投与量はまた、任意の合併症の場合に個々の医師によって調整され得る。しかし、典型的には、投与量は、成体ヒトのために、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫100〜1×109個、例えば100〜10,000細胞、1,000〜100,000細胞、10,000〜1,000,000細胞または1,000,000から1×109細胞の範囲であり得る。有効用量は、例えば、動物モデル試験バイオアッセイまたは系に由来する用量反応曲線から外挿され得る。

0120

本明細書に記載のように調製される、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫を含む治療組成物は、当該分野において周知の方法に従って、効力を確認するために、移植した細胞のインビボでの増殖を評価するために、そして投与量を見積もるために、1つ以上の適切なインビトロおよび/またはインビボの疾患の動物モデル(例えば、SCIDマウスモデル)において任意に試験される。特に、投与量を、最初に、関連するアッセイにおいて、処置対非処置の活性、安定性または他の適切な尺度(例えば、処置動物モデル対非処置動物モデルの比較)によって、決定することができる。本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の有効量の決定において、医師は、基準の中でとりわけ、移植した細胞の増殖および体積、ならびに処置される状態の進行を評価する。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路で変動し得る。

0121

本明細書に記載の治療方法に関して、本明細書に記載の多能性幹細胞および/またはその少なくとも部分的に分化した子孫の投与が、特定の投与様式、投与量、投薬の頻度に限定されることは意図されない。処置される状態を処置するために適切な用量を提供するために十分な、筋肉内、静脈内、腹腔内、小胞内、関節内、病巣内、皮下、または任意の他の経路を含む全ての投与様式が意図される。

0122

いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法は、多能性細胞をインビボで生成するために使用され得、例えば、対象中に存在する細胞を、多能性表現型を獲得するように本明細書に記載のようにストレスに供し得る。インビボで細胞に本明細書に記載のストレスを適用する方法は容易に明白であり、例えば、穏和な酸溶液を注射および/または直接適用を介して組織に導入し得、温度を周囲の組織を加熱もしくは冷却できるプローブによって、または非侵襲的な方法(例えば、集束ビーム照射)の使用を介して、変化させ得る。例えば、組織再生または創傷治癒を増加させるために、多能性のインビボでの調節を使用し得る。非限定的な例は、膝関節細胞(例えば、滑膜または軟骨細胞)が多能性表現型をとり、そして新たな組織を生成するように誘導するための、関節炎膝関節中への穏和な酸の注射を含み得る。さらなる非限定的な例は、脳卒中または中枢神経系損傷(例えば、脊髄損傷)を有する対象の処置を含み得る。炎症が消散した後に、損傷領域近接する細胞を本明細書に記載のようにストレスを用いて処理し、損傷した組織を再配置し、そして/または損傷組織を再生もしくは修復できる多能性細胞を生成し得る。

0123

さらなる非限定的な例において、エピジェネティック状態の変化(例えば、デメチラーゼでの処理による)は、非インスリン分泌細胞(例えば、膵臓のαグルカゴン(glugagon)細胞)のインスリン分泌細胞(例えば、β細胞)への転換を引き起こし得る。従って、本明細書に記載の方法に従った非インスリン分泌細胞(例えば、膵臓のαグルカゴン細胞)の処理は、インスリン分泌細胞になる細胞(例えば、β様細胞)を、インビボまたはインビトロのいずれかで生じ得る。

0124

さらに、本明細書に記載の多能性細胞を他の細胞(すなわち、「レシピエント細胞」)(例えば、本明細書に記載の方法に従って処理されていない細胞、非多能性細胞、成熟細胞、悪性細胞、および/または損傷細胞)と融合させ得ることが意図される。細胞の融合は、融合前と比較して増加したレベルの細胞修復酵素発現および/または活性をレシピエント細胞において生じ得る。このことは、レシピエント細胞の健康および/または機能を、例えば、レシピエント細胞の細胞損傷、変異および/またはエピジェネティック状態の改変の修復を増加させることによって、増加させ得る。

0125

いくつかの実施態様において、インビボで細胞の多能性を増加させることによって、その細胞のエピジェネティックマーカー(例えば、DNAメチル化、脱メチル化および/またはヒドロキシメチル化状態)を調節することができる。エピジェネティックマーカーの調節は、例えば、悪性腫瘍、関節炎、自己免疫疾患加齢などへの関与が示されており、そして本明細書に記載の方法に従ったそのようなエピジェネティック関連状態の処置が意図される。

0126

いくつかの実施態様において、複数の組織をインビボで同時に処置することができ、例えば、穏和に酸性の状態を複数の器官において、例えば、連続的にまたは同時に誘導して(例えば、脳、心臓、肝臓、肺および/または甲状腺)、広範な損傷または加齢を処置することができる。

0127

本明細書に記載の細胞のインビボでの処理が、本明細書に記載のように産生された多能性細胞および/または少なくとも部分的に分化したその子孫の投与と組み合わされ得ることがさらに意図される。

0128

本明細書に記載の方法が、例えば、胎児または胚を子宮内で処置するために使用され得ることが、本明細書において意図される。

0129

処置の効力を、例えば、本明細書に記載のように処置される状態のマーカー、指標、症状もしくは発生率、または任意の他の測定可能な適切なパラメーター(例えば、多能性細胞子孫の数)を測定することによって、評価することができる。そのようなパラメーターのいずれか、またはパラメーターの任意の組み合わせを測定することによって、処置または予防の効力をモニターすることは、十分に当業者の能力の範囲内である。

0130

処置される状態のマーカー、指標または症状の1つ以上において統計学的に有意な改善が存在する場合に、あるいは、症状の悪化または発達が、それがそうでなければ予期される場合に無いことによって、有効な処置は明白である。例として、状態の測定可能なパラメーターにおける少なくとも約10%、そして好ましくは少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%またはより多くの好ましい変化は、有効な処置を示し得る。本明細書に記載の方法に従って生成される多能性細胞および/または多能性細胞の少なくとも部分的に分化した子孫の効力はまた、本明細書に記載の状態について当該分野において公知の実験動物モデルを使用して判断され得る。実験動物モデルを使用する場合、処置の効力は、マーカー(例えば、骨髄アブレーションおよび本明細書に記載のような多能性細胞を用いる処置の後にマウス中に存在する造血細胞の数)における統計学的に有意な変化が観察される場合に、証明される。

0131

1つの局面において、本明細書に、本明細書に記載の方法に従って得られる多能性細胞をFGF4の存在下で培養する工程を含む、胎盤細胞に分化する能力を有する多能性細胞を産生する方法を記載する。いくつかの実施態様において、多能性細胞は胚性幹細胞に分化する能力を有する。いくつかの実施態様において、FGF4の濃度は約1nM〜約1μMである。いくつかの実施態様において、FGF4の濃度は1nM〜1μMである。いくつかの実施態様において、FGF4の濃度は約5nM〜約500nMである。いくつかの実施態様において、FGF4の濃度は約10nM〜約100nMである。

0132

いくつかの局面において、本明細書に記載の技術は、細胞質および/またはミトコンドリアの一部を細胞から除去することを含む、細胞から多能性細胞を生成するためのシステムに関する。

0133

本明細書に記載の方法に従って細胞から多能性細胞を生成するためのシステムは、その中で細胞がストレスに供される入れ物を含み得る。入れ物は、例えば、本明細書に記載の方法に従って細胞質および/またはミトコンドリアの量を低下させるために低酸素条件下で数日またはより長く細胞を培養する場合、体細胞および/または多能性細胞の培養に適切であり得る。あるいは、入れ物は、例えば、細胞を狭い開口を有するデバイス中で限定された期間(例えば、1時間未満)トリチュレーションする場合、細胞を培養するためではなく、細胞にストレスを与えるために適切であり得る。入れ物は、例えば、容器チューブマイクロ流体デバイス、ピペット、バイオリアクターまたは細胞培養ディッシュであり得る。入れ物は、体細胞および/または多能性細胞の培養に適切な条件を提供する環境において(例えば、インキュベーター内に収容され)、または細胞に対して環境ストレスを引き起こす条件を提供する環境において(例えば、低酸素含量環境を提供するインキュベーター内に収容され)維持され得る。入れ物は、本明細書において上記する環境ストレスの1つ以上、例えば、1つのストレス、2つのストレス、3つのストレス、またはより多くを提供するように設計され得る。体細胞および/または多能性細胞を操作および/または培養するために適切な入れ物は、当業者に周知であり、そして市販されている(例えば、Cat No CLS430597 Sigma-Aldrich; St. Louis, MO)。いくつかの実施態様において、入れ物はマイクロ流体デバイスである。いくつかの実施態様において、入れ物は細胞培養ディッシュ、フラスコまたはプレートである。

0134

いくつかの実施態様において、システムは、多能性細胞を選択するための手段をさらに含み得、例えば、システムは、多能性マーカー(例えば、Oct4−GFP)を発現する細胞を選択し得るかまたは本明細書において上記するようにサイズによって選択し得るFACSシステムを含み得る。細胞の選択のための方法およびデバイスは、当業者に周知であり、そして市販されている(例えば、BD Biosciences; Franklin Lakes, NJによって生産されるBD LSRII(商標)およびBD FACSDIVA(商標)ソフトウェア(Cat No. 643629)と連結されるBD FACSARIASORP(商標))。

0135

いくつかの実施態様において、組織中に存在しない細胞がシステムに提供される。いくつかの実施態様において、組織がシステムに提供され、そしてシステムは、1つ以上の型の細胞を単離する手段をさらに含む。非限定的な例として、システムは組織ホモジナイザーを含み得る。組織ホモジナイザーおよびそれを使用する方法は、当該分野において公知であり、そして市販されている(例えば、FASTH21(商標), Cat No. 21-82041 Omni International; Kennesaw, GA)。あるいは、システムは、血液または流体サンプルを処理するために遠心分離機を含み得る。

0136

いくつかの実施態様において、システムを自動化することができる。細胞単離、細胞培養および選択デバイスを自動化する方法は、当該分野において公知であり、そして市販されている。例えば、FASTH21(商標)Tissue Homogenizer(Cat No. 21-82041 Omni International; Kennesaw, GA)およびBDFACSARIASORP(商標)。

0137

いくつかの実施態様において、システムは無菌であり得、例えば、それは無菌環境において操作され得るか、またはシステムは密閉された無菌のシステムとして操作され得る。

0138

1つの局面において、本明細書に、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、2iまたは3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、多能性細胞の自己再生能力を増加させる方法を記載する。本明細書において使用する「自己再生能力」は、細胞がインビトロで培養および継代され得る時間の長さ、例えば、細胞およびその子孫が供されそして生存細胞を産生し続けることができる継代の数を指す。本明細書に記載の方法に従って増加した自己再生能力を有するようにされる細胞は、例えば、全能性細胞および/または本明細書において他所に記載するようにそれをストレスに曝露することによって生成される細胞であり得る。

0139

いくつかの実施態様において、ACTHの存在下での培養は、約0.1μM〜約1,000μM、例えば、約0.1μM〜約100μM、約0.1μM〜約10μM、または約10μMを含む細胞培地中で細胞を培養することを含み得る。いくつかの実施態様において、ACTHの存在下での細胞の培養は、ACTHを含むLIF培地中で細胞を培養することを含み得る。LIF、ACTH、2iおよび3iは、市販されており、そして当該分野において周知であり、例えば、ACTHをSigma-Aldrichから購入することができ(Cat No. A0673; St. Louis, MO)、そしてLIF培地をMilliporeから購入することができ(例えばCat NosESG1107; Billerica, MA)、そして3iをStem Cells Inc.から購入することができる(例えば、"iSTEMStem Cell Culture Medium, Cat No.SCS-SF-ES-01; Newark, CAとして)。

0140

いくつかの実施態様において、培養工程は少なくとも3日間、例えば、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、またはより長く進行し得る。培養工程の後に、本明細書において他所に記載するように多能性細胞を維持するために適切な条件下で細胞を維持し得る。

0141

いくつかの実施態様において、培養工程の後に、細胞は検出可能なそして/または増加したレベルの幹細胞マーカーを発現し得る。幹細胞マーカーおよびそれを検出する方法は本明細書において他所に記載されている。いくつかの実施態様において、幹細胞マーカーは、以下からなる群より選択され得る:Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β;Tbx3;およびKlf5。

0142

開示の実施態様の記載が包括的であるかまたは開示される厳密な形態に開示を限定することは意図されない。開示の特定の実施態様およびそのための例を説明目的のために本明細書に記載するが、関連分野の当業者に認識されるように、種々の等価な改変が開示の範囲内で可能である。例えば、方法工程または機能を所定の順序で示すが、代替の実施態様が異なる順序で機能を実行し得、または機能が実質的に同時に実行され得る。本明細書に提供する開示の教示を、適宜他の手順または方法に適用し得る。本明細書に記載の種々の実施態様を組み合わせて、さらなる実施態様を提供し得る。必要であれば、上記の参照および適用の構成、機能および概念を用いて、開示のなおいっそうのさらなる実施態様を提供するように、開示の局面を改変し得る。詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を開示に対してなし得る。

0143

前述の実施態様のいずれかの特定の構成要素を、組み合わせるかまたは他の実施態様における構成要素に置き換えることができる。さらに、開示の特定の実施態様に結び付けられる利点をこれらの実施態様の文脈で記載するが、他の実施態様もそのような利点を示し得、そして必ずしも全ての実施態様が開示の範囲内に入るためにそのような利点を示す必要はない。

0144

同定される全ての特許および他の刊行物を、例えば、本発明と関連して使用され得るそのような刊行物中に記載される方法を記載および開示する目的のために、明白に参照により本明細書に組み入れる。これらの刊行物は、単に本願の出願日より前のそれらの開示のために提供される。この点について、何も、以前の発明のおかげで、またはいずかの他の理由のために、本発明者らがそのような開示に先行する資格がないことの承認として解釈されるべきでない。これらの書類の日付に関する陳述または内容に関する表示の全ては出願人らに入手可能な情報に基づいており、そしてこれらの書類の日付および内容の正しさに関するいかなる承認としても解釈されない。

0145

本発明を以下の実施例によってさらに説明する。実施例は限定として解釈されるべきでない。

0146

本明細書に記載の技術のいくつかの実施態様を以下の番号付けされた項のいずれかに従って規定することができる。
1.細胞をストレスに供する工程を含む、多能性細胞を生成する方法。
2.多能性細胞が外来遺伝子、転写物、タンパク質、核成分もしくは細胞質の導入なしに、または細胞融合なしに生成される、項1記載の方法。
3.多能性を示す細胞を選択する工程をさらに含む、項1または2記載の方法。
4.細胞が組織の部分として存在しない、項1〜3のいずれか1項記載の方法。
5.細胞が体細胞、幹細胞、前駆細胞または胚細胞である、項1〜4のいずれか1項記載の方法。
6.細胞が単離された細胞である、項1〜5のいずれか1項記載の方法。
7.細胞が細胞の不均一な集団中に存在する、項1〜6のいずれか1項記載の方法。
8.細胞が細胞の均一な集団中に存在する、項1〜7のいずれか1項記載の方法。
9.多能性を示す細胞を選択する工程が、幹細胞マーカーを発現する細胞を選択することを含む、項1〜8のいずれか1項記載の方法。
10.幹細胞マーカーが以下からなる群より選択される、項9記載の方法:
Oct4;Nanog;E−カドヘリン、およびSSEA4。
11.多能性を示す細胞を選択する工程が、接着性でない細胞を選択することを含む、項1〜10のいずれか1項記載の方法。
12.ストレスが組織または細胞培養物における非生理的ストレスを含む、項1〜11のいずれか1項記載の方法。
13.ストレスが以下から選択される少なくとも1つの環境刺激への細胞の曝露を含む、項1〜12のいずれか1項記載の方法:外傷、機械的刺激、化学的曝露、超音波刺激、酸素欠乏、照射、極度な温度への曝露、解離、トリチュレーション、物理的ストレス、高浸透圧、低浸透圧、膜損傷、毒素、極度のイオン濃度、活性酸素、UV曝露、強可視光、必須栄養の欠乏、または非生理的酸性環境。
14.ストレスが約3.0〜約6.8のpHに細胞を曝露することを含む、項1〜13のいずれか1項記載の方法。
15.ストレスが約4.5〜約6.0のpHに細胞を曝露することを含む、項1〜14のいずれか1項記載の方法。
16.ストレスが約5.4〜約5.8のpHに細胞を曝露することを含む、項15記載の方法。
17.細胞が2〜3日間曝露される、項12〜16のいずれか1項記載の方法。
18.細胞が1日間以下曝露される、項12〜17のいずれか1項記載の方法。
19.細胞が1時間以下曝露される、項12〜18のいずれか1項記載の方法。
20.細胞が約30分間曝露される、項12〜19のいずれか1項記載の方法。
21.極度な温度への曝露が、35℃未満または42℃超の温度に細胞を曝露することを含む、項13記載の方法。
22.極度な温度への曝露が、凍結以下の温度への細胞の曝露または少なくとも約85℃の温度への細胞の曝露を含む、項21記載の方法。
23.機械的刺激が、剪断ストレス または/および高圧に細胞を曝露することを含む、項13記載の方法。
24.機械的刺激が、細胞のサイズより小さな開口を有する少なくとも1つのデバイスを通して細胞を通過させることを含む、項23記載の方法。
25.機械的刺激が、漸進的により小さな開口を有するいくつかのデバイスを通して細胞を通過させることを含む、項23記載の方法。
26.多能性細胞を培養して、多能性細胞を増殖させる工程をさらに含む、項1〜25のいずれか1項記載の方法。
27.多能性細胞が幹細胞マーカーを発現する、項1〜26のいずれか1項記載の方法。
28.幹細胞マーカーが以下からなる群より選択される、項27記載の方法:
Oct4;Nanog;E−カドヘリン、およびSSEA4。
29.細胞が哺乳動物細胞である、項1〜28のいずれか1項記載の方法。
30.細胞がヒト細胞である、項1〜29のいずれか1項記載の方法。
31.細胞が成体細胞、新生児細胞、胎児細胞、羊水細胞、または臍帯血細胞である、項1〜30のいずれか1項記載の方法。
32.多能性細胞をインビトロで維持する工程をさらに含む、項1〜31のいずれか1項記載の方法。
33.細胞のエピジェネティック状態が胚性幹細胞のエピジェネティック状態により近く類似するように変化させられる、項1〜32のいずれか1項記載の方法。
34.エピジェネティック状態がメチル化パターンを含む、項33記載の方法。
35.ストレスが、細胞質の少なくとも約40%を細胞から除去すること含む、項1〜34のいずれか1項記載の方法。
36.細胞質の少なくとも約50%を細胞から除去する、項35記載の方法。
37.細胞質の少なくとも約60%を細胞から除去する、項36記載の方法。
38.細胞質の60〜80%を細胞から除去する、項37記載の方法。
39.細胞質の少なくとも約80%を細胞から除去する、項37記載の方法。
40.細胞質の少なくとも約90%を細胞から除去する、項39記載の方法。
41.ストレスが、ミトコンドリアの少なくとも約40%を細胞から除去すること含む、項1〜40のいずれか1項記載の方法。
42.細胞質の一部の除去が、ミトコンドリアの少なくとも約50%を細胞質から除去する、項41記載の方法。
43.細胞質またはミトコンドリアの除去が、ミトコンドリアの約50%〜90%を細胞質から除去する、項42記載の方法。
44.細胞質またはミトコンドリアの除去が、ミトコンドリアの90%超を細胞質から除去する、項42記載の方法。
45.ストレスが、ストレスに曝露された細胞の少なくとも10%の細胞膜を破壊するために十分である、項1〜44のいずれか1項記載の方法。
46.項1〜45のいずれか1項記載の方法によって産生される多能性細胞を候補薬剤と接触させることを含む、アッセイ。
47.多能性細胞の生存能、分化、増殖の1つ以上に影響を及ぼす薬剤を同定するための使用のための、項46記載のアッセイ。
48.対象のための細胞治療の方法における項1〜45のいずれか1項記載の方法によって産生される多能性細胞の使用。
49.対象に投与しようとする細胞治療と適合性である細胞または組織を調製する方法であって:
項1〜45のいずれか1項に従って細胞から多能性細胞を生成する工程を含み;
細胞が自己細胞またはHLA適合同種異系細胞である、方法。
50.対象に細胞または組織を投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って多能性細胞を分化させる工程をさらに含む、項49記載の方法。
51.多能性細胞を含む組成物であって、多能性細胞が項1〜45のいずれか1項記載の方法によって細胞から生成される、組成物。
52.副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、2iまたは3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、多能性幹細胞を産生する方法。
53.細胞が、ACTHを含むLIF培地中で培養される、項52記載の方法。
54.ACTHが約0.1μM〜約100μMの濃度で存在する、項52または53記載の方法。
55.細胞が項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される細胞である、項52〜54のいずれか1項記載の方法。
56.細胞が全能性細胞である、項52〜55のいずれか1項記載の方法。
57.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも3日間培養される、項52〜56のいずれか1項記載の方法。
58.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも5日間培養される、項52〜57のいずれか1項記載の方法。
59.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも7日間培養される、項52〜58のいずれか1項記載の方法。
60.培養する工程の後に、細胞が、検出可能なレベルの、以下からなる群より選択される幹細胞マーカーを発現する、項52〜59のいずれか1項記載の方法:
Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β; Tbx3;およびKlf5。
61.多能性細胞の自己再生能力を増加させる方法であって、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、2iまたは3i培地の存在下で細胞を培養する工程を含む、方法。
62.細胞が、ACTHを含むLIF培地中で培養される、項61記載の方法。
63.ACTHが約0.1μM〜約100μMの濃度で存在する、項61または62記載の方法。
64.細胞が項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される細胞である、項61〜63のいずれか1項記載の方法。
65.細胞が全能性細胞である、項61〜64のいずれか1項記載の方法。
66.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも3日間培養される、項61〜65のいずれか1項記載の方法。
67.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも5日間培養される、項61〜66のいずれか1項記載の方法。
68.細胞が、ACTH、2iまたは3i培地の存在下で少なくとも7日間培養される、項61〜67のいずれか1項記載の方法。
69.培養する工程の後に、細胞が、検出可能なレベルの、以下からなる群より選択される幹細胞マーカーを発現する、項61〜68のいずれか1項記載の方法:
Oct3/4;Nanog;Rex1;Klf4;Sox2;Klf2;Esrr−β; Tbx3;およびKlf5。
70.細胞治療を必要とする対象における自己細胞治療の方法であって、
a.項1〜45のいずれか1項に従って細胞から多能性細胞を生成する工程であって、細胞が対象から得られる、工程、および
b.多能性細胞またはその分化した子孫を含む組成物を対象に投与する工程、
を含む、方法。
71.対象に組成物を投与する前に、予め規定された細胞系列に沿って多能性細胞を分化させる工程をさらに含む、項70記載の方法。
72.胎盤細胞に分化する能力を有する多能性細胞を産生する方法であって、項1〜45のいずれか1項記載の方法によって生成される多能性細胞をFGF4の存在下で培養する工程を含む、方法。
73.FGF4の濃度が1nM〜1μMである、項72記載の方法。
74.多能性細胞が胚性幹細胞に分化する能力を有する、項72または73記載の方法。

0147

実施例1
全ての生物は原始的な生存本能を保有している。植物が重大な外的ストレスに供されると、それらは、細胞の脱分化を引き起こしそして損傷領域または生物全体の再生を可能にする、生存するための機構を活性化させる。そのような機構は下等生物が極度の環境変化を生き延びるために重要であるようであるが、それは哺乳動物においてはまだ立証されていない。

0148

本発明者らは、物理的ストレスが、成熟哺乳動物細胞を、植物および下等生物において見られるものに類似した、幹細胞状態に復帰させ得ると仮定した。この仮説を検討するために、7つの成体体細胞組織から入手した成熟細胞を研究した。まず、どの物理的ストレスが成熟細胞を変化させてより成熟でない状態に復帰させることに最も有効であり得るかに焦点を合わせるために、Oct4−GFPマウスから回収したCD45陽性リンパ球を研究した。このマウス由来の細胞は、幹細胞特異的Oct4プロモーターが活性化されると幹細胞表現型への復帰の読み出し情報(readout)を提供する。成熟し、完全に分化した細胞をいくつかの重大な外部刺激に曝露した。

0149

例えば、CD45陽性リンパ球を強い化学的ストレスを提供するために低pH溶液に曝露した。曝露の3日間以内に、GFP発現細胞が観察され、そして5日間以内に、GFP発現細胞から構成される球状コロニーが観察された。このようにして生成された細胞を本実施例においてストレス変化幹細胞(Stress Altered Stem Cell)(SASCまたはSAC)という。SACを若返り幹細胞(Rejuvenated Stem Cell)(RSC)または動物カルス細胞(animal callus cell)(ACC)ということもできる。SACは、胚性幹細胞に通常伴ういくつかのマーカーを発現した。SACはES細胞と等価な分化能力を示し、キメラマウスの生成に寄与し、そして4N胚盤胞中に注入したときに胎児全体を生成する能力を有した。このようにして生成された細胞は、最初に、細胞ベースの損傷防御機構の誘導に通常伴う低いミトコンドリア活性および他の状態を示した。それらは、次いで、Oct4およびNanog遺伝子プロモーターの脱メチル化を示した。ストレス変化細胞のリプログラミングは間葉−上皮移行を介して誘導されるようであった。この知見は、損傷(外部刺激)に応答しての、植物カルス中に含有される細胞の記述と一致している。植物カルスは、細胞の、クローン体(clonal body)を形成する能力を有する多能性植物幹細胞へのストレス誘導転換から形成される。重大な外部刺激に応答して、成熟し完全に分化した体細胞性哺乳動物細胞から生成される、そのような球状コロニーを、本明細書において動物カルスといい、そのようなコロニーまたはカルス中に含有されるストレス変化細胞を「動物カルス細胞」(ACC)またはSACという。

0150

このように、重大な物理的および化学的ストレスは正常成熟成体細胞を、胚発生する能力を有する多能性幹細胞へリプログラムさせた。理論に結び付けられることを望まないが、リプログラミングの機構は損傷に応答して通常見られる細胞生存および修復プロセスの誘導を含むようである。本明細書において、哺乳動物細胞が、重大なストレス性の外部刺激に応答してリプログラムされた状態に復帰するための、植物のものに非常に類似した生存機構を保有することが実証されている。

0151

報告されているところによれば、種々の型の細胞が、誘導または特異的遺伝子の強制発現を介して多能性幹細胞状態にリプログラムされている1−5。火傷、化学的損傷、外傷および照射のような刺激物への曝露の結果としての細胞への損傷が正常細胞を変化させてガン細胞になるようにし得るとも考えられている。

0152

諸言
全ての生物はそれ自体を環境に適応させそしてその身体を再生することによってストレス性刺激に関連する損傷を生き延びるための共通の本能を有しているようである。植物において、個体発生は、接合子だけでなく完全に分化した細胞および未成熟花粉においても観察される。脊椎動物において、イモリはその肢を含むいくつかの解剖学的構造および器官を再生する能力を有する1。植物およびイモリの両方によって示される驚くべき再生能力が外部刺激によって誘導され、これが以前には完全に分化していた体細胞の細胞性脱分化を引き起こすことに特に留意される。生命の最も初期の形態から何十億年も経過し、そして様々な生物が特有の方法で進化してきたが、この生存本能は現代の生物の共通の祖先から受け継がれているかもしれない。最終分化した哺乳動物細胞は分化プロセスを逆転する能力を有しないと通常考えられているが、哺乳動物は強烈な環境変化に応答して死を回避するための以前には認識されていなかったプログラムを保持しているかもしれない。

0153

創傷のような外部刺激に応答して形成される増殖細胞の塊である植物カルスは、植物ホルモンによって培養中に刺激され得る2。カルスはカルス細胞と称するリプログラムされた体細胞を含有し、その各々は全身をクローン性に再生する能力を有する。カルス細胞は植物に本来備わっているものではなく、外部刺激に応答して体細胞から生成される。近年の研究によって哺乳動物体細胞が遺伝子誘導のような外因性プロセスによってリプログラムされ得ることが実証されたが3−7、植物に相応する方法での外的な物理的および/または化学的刺激に応答しての哺乳動物体細胞のリプログラミングは報告されていない。興味深いことに、火傷、化学的損傷、外傷および照射を含む刺激物への曝露のような極度の外部刺激が、正常体細胞を変化させてガン細胞になるようにし得ると考えられている。そのような経験は、外部刺激が哺乳動物の細胞変化をもたらすことを示すものと思われる。

0154

本研究において、植物と同様に、哺乳動物細胞が重大な外部刺激への曝露を生き延びるための機構を保持していると仮定した。本報告は、重大な物理的および化学的刺激の適用が、種々の組織から入手した、成熟し、完全に分化した哺乳動物体細胞のリプログラミングを引き起こすことができること、およびそのようなストレス変化細胞が、クローン体を再生できる「動物カルス細胞」を含有する動物カルスを形成させる能力を有することの証拠を提出する。

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