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技術 CD4+T細胞集団の抗原特異的な拡大のために標準化されたexvivoプラットフォーム

出願人 ウエスタンユニバーシティオブヘルスサイエンシズ
発明者 ダグラスウェインエセル
出願日 2013年5月8日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-511666
公開日 2015年6月11日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-516164
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 標準プラットフォーム 蛍光ラテックスビーズ 低倍率顕微鏡 水平位 検出事象 カルボン酸修飾 ブルーイング 両チューブ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、免疫診断または治療目的のために、抗原特異的な方法でヒトT細胞集団を単離および拡大させるために使用する方法、ペプチド核酸、および細胞に関する。また、本発明は、多能性ヒト幹細胞由来プロフェッショナル抗原提示細胞、および当該抗原提示細胞によるカスタマイズ可能な抗原提示に関する。

概要

背景

CD4+T細胞は、炎症のメディエーター耐性、そしてB細胞成熟促進因子として適応免疫において重要な役割を果たす(Pao et al.,1996;Klein et al,2010)。ヒトCD4+T細胞のレパートリーとして、自身が発現するT細胞受容体(TCR)が異なる数百万もの様々な細胞がある。実際、多くのヒトの疾患は、高度に特異的な抗原応答して増殖するCD4+T細胞のサブセット別個関与しているので、特定の状態に関連し得る少ない割合のCD4+細胞を単離するのは困難である。その結果、特異的なペプチドに反応するTCRを有するCD4+T細胞を臨床または治療の状況で日常的に単離または特徴付けすることができない。

細胞集団によって提示されるTCRのレパートリーが膨大なのは、発生中の胸腺に存在する未成熟T細胞のアルファ(α)およびベータ(β)、またはガンマ(γ)およびデルタ(δ)TCR遺伝子体細胞組換えの結果である(Haas et al.,1993;Hayday et al.,1995)。この組換えプロセスにより、数百万の異なるTCRの組み合わせを有するT細胞のレパートリーが生成され、これらは全ての可能なアミノ酸配列にまとめて結合する(Haas et al.,1993;Hayday et al.,1995)。このレパートリーは、T細胞が、例えば、適切な親和性を持ってそのTCRに結合するペプチドを提示する組織適合性複合体HLAクラスII)となる樹状細胞(DC)のような、プロフェッショナルAPC遭遇するまで、休止状態で血管およびリンパ系循環する(Wen et al.,1998;Sakaguchi et al.,2000;Huang et al.,2012)。細胞間で免疫シナプスを形成し、CD4+T細胞が刺激されて増殖し、数十〜数千のクローンが産生される。新たに産生されたT細胞は、二次リンパ器官を出て、体中に循環し、抗原が存在する部位に蓄積する。活性化されたCD4+T細胞は、サイトカインを放出する。サイトカインは、近くの細胞に作用し、適応免疫応答を調整する。抗原源が弱まってから何日か後、クローンの大部分は、活性化が誘導した細胞死によって除去され、少数はその抗原(病原体)が再び現れたときに迅速な応答を誘発する準備ができているメモリセルとして残る(Wen et al.,1998;Villadangos et al.,2005)。

新鮮全血から単離された多くのCD4+T細胞は、1回または2回分裂するが、臨床的に有用な目的を果たすにはもっと多くの増殖サイクルが必要である。例えば、アッセイ期間中、比較的ロバストに分裂する(例えば、5回以上)ある割合のCD4+T細胞は、問題のペプチドに対する応答性指標として使用できる。単一のタンパク質またはペプチドの異なる断片を含むパネルを、その抗原に応答するCD4+T細胞と相関する可能性がある増殖プロファイルを作成するために使用できる。これらの結果から得られた情報は、その後、ヒトの様々な状態およびそれに対しとれる可能性のある一連アクションを決定するために使用できる。しかし、CD4+T細胞の臨床的特徴付けは、抗原特異的なCD4+T細胞集団の拡大を成功させるのに必要である適切なAPC調製物利用可能性および多様性によって制限されている。

さらに、抗原特異的なCD4+T細胞集団を単離または特徴付ける診断および治療法の開発を複雑にするのは、ヒト集団におけるヒトHLA−DR受容体不均一性である。簡単に言えば、クラスIIHLA複合体は、ペプチドを含む結合ポケットを形成するHLA−DRBおよびHLA−DRA受容体ヘテロ二量体を含む。ヒトの集団は、何十、おそらく何百もの異なるHLA−DRBアレルを含む。したがって、ヒト集団におけるHLAクラスIIアレルは多数あり、これが数百万もの可能性のあるTCRの組み合わせと組み合わさると、病原性T細胞により惹起される自己免疫疾患における抗原特異的なCD4+T細胞を単離するのが技術的に困難となる(Villdangos et al.,2005;Huang et al.,2012)。このような自己免疫疾患としては、I型糖尿病糖尿病(Haskins et al.,2011;Gojanovich et al.,2012;Delong et al.,2012)、リウマチ性関節炎(Nikken et al.,2011;Albani et al.,2011)、および多発性硬化症(McFarland et al.,2007;Codarri et al.,2012;Sallusto et al.,2012)が挙げられる。簡単に言えば、個人により異なるHLA−DRBアレルを発現するので、ある者ではあるペプチドに結合するTCRが、別の人においては同一のペプチドに結合せず、これによりユニバーサルプローブの開発が複雑になりやや再現性がなくなってしまうからである。しかしながら、HLA−DRAアレルは2つだけ存在し、その内の1つは人口の98%に見られる。このように、広く発現されるHLA−DRAアレルを利用する特定のCD4+T細胞の応答を評価する方法は、ヒト集団の大部分に適用できるであろう。

従って、上述の事情を考慮して、CD4+T細胞の応答分析標準化するプラットフォームを提供するための組成物および方法を本明細書に記載する。これらの方法および組成物は、全血から単離した抗原特異的なCD4+T細胞を刺激するのに用いることができるヒト胚性幹細胞(hESC)から骨髄樹状細胞(DC)を効率的に産生する分化プロトコルを含む。要するに、初代樹状細胞(DC)の調製物は多岐にわたるのでCD4+T細胞を臨床的に特徴付けすることが制限されるが、幹細胞由来のDCを使用すれば、十分な特徴付けがされ、任意のある抗原に対するT細胞の応答の分析用機能改変が可能なAPC集団を設けることによってこの問題を回避できる。

概要

本発明は、免疫診断または治療目的のために、抗原特異的な方法でヒトT細胞集団を単離および拡大させるために使用する方法、ペプチド、核酸、および細胞に関する。また、本発明は、多能性ヒト幹細胞由来のプロフェッショナルな抗原提示細胞、および当該抗原提示細胞によるカスタマイズ可能な抗原提示に関する。

目的

従って、上述の事情を考慮して、CD4+T細胞の応答分析を標準化するプラットフォームを提供する

効果

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請求項1

ヒト胚性幹細胞(hESC)を成熟したプロフェッショナル抗原提示細胞APC)へ分化させる方法であって、hESCから骨髄共通前駆細胞への分化を誘導し;骨髄系前駆細胞から未成熟樹状細胞への分化を誘導し;そして未成熟樹状細胞から成熟樹状細胞への分化を誘導することを含み、ここで、成熟樹状細胞とは、成熟したプロフェッショナルな抗原提示細胞である、方法。

請求項2

成熟樹状細胞は、それらのHLAクラスII分子コンテクストにおいて主に単一のペプチド抗原の断片を提示する、請求項1に記載のhESCを成熟したプロフェッショナルなAPCへ分化させる方法。

請求項3

ペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大(expand)する方法であって、対象の全血からCD4+T細胞集団を単離し;CD4+T細胞の細胞分裂が少なくとも3サイクルできるよう十分な時間をかけてCD4+T細胞を請求項1に記載の成熟樹状細胞と共に培養する工程を含み、ここで成熟樹状細胞により提示される単一のペプチド抗原は、少なくとも1つのCD4+T細胞のT細胞受容体と特異的に相互作用する方法。

請求項4

ペプチド抗原が、ワクチン組成物ペプチド抗原性アミノ酸配列を含み、かつ、少なくとも3サイクルによるCD4+T細胞の集団の拡大が、対象にワクチン組成物のペプチドに対する免疫応答が発生したことを示す、請求項2に記載のペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大する方法。

請求項5

ワクチン組成物は、インフルエンザウイルスワクチン組成物である、請求項3に記載のペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大する方法。

請求項6

ペプチド抗原は、対象が免疫応答を発生するペプチドの抗原性アミノ酸配列を含み、免疫応答が、疾患または障害発症または進行の指標となる、請求項2に記載のペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大する方法。

請求項7

疾患または障害はアルツハイマー病である、請求項5に記載のペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大する方法。

請求項8

ペプチドは、アミロイド−β(1−42)またはその断片である、請求項5に記載のペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団を拡大する方法。

請求項9

成熟樹状細胞は、ペプチド抗原のアミノ酸配列、ペプチドリンカー、および図9に示すアミノ酸配列と少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする組換え核酸を含む、請求項1に記載のhESCを成熟したプロフェッショナルなAPCへ分化させる方法。

請求項10

ペプチド抗原は、アミロイド−β(1−42)またはその断片のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載のhESCを成熟したプロフェッショナルなAPCへ分化させる方法。

請求項11

アミロイドβ1−42の断片は、Aβ1−13、Aβ7−13、Aβ16−30、Aβ24−35、Aβ31−42、Aβ7−23,またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項9に記載のhESCを成熟したプロフェッショナルなAPCへ分化させる方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本願は、2012年5月8日に出願された米国特許出願第61/644,265号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本発明は、免疫診断または治療目的のために、抗原特異的な方法でヒトT細胞集団を単離および拡大(expand)させるために使用する方法、ペプチド核酸、および細胞に関する。また、本発明は、多能性ヒト幹細胞由来プロフェッショナル抗原提示細胞、および当該抗原提示細胞によるカスタマイズ可能な抗原提示に関する。

背景技術

0003

CD4+T細胞は、炎症のメディエーター耐性、そしてB細胞成熟促進因子として適応免疫において重要な役割を果たす(Pao et al.,1996;Klein et al,2010)。ヒトCD4+T細胞のレパートリーとして、自身が発現するT細胞受容体(TCR)が異なる数百万もの様々な細胞がある。実際、多くのヒトの疾患は、高度に特異的な抗原に応答して増殖するCD4+T細胞のサブセット別個関与しているので、特定の状態に関連し得る少ない割合のCD4+細胞を単離するのは困難である。その結果、特異的なペプチドに反応するTCRを有するCD4+T細胞を臨床または治療の状況で日常的に単離または特徴付けすることができない。

0004

T細胞集団によって提示されるTCRのレパートリーが膨大なのは、発生中の胸腺に存在する未成熟T細胞のアルファ(α)およびベータ(β)、またはガンマ(γ)およびデルタ(δ)TCR遺伝子体細胞組換えの結果である(Haas et al.,1993;Hayday et al.,1995)。この組換えプロセスにより、数百万の異なるTCRの組み合わせを有するT細胞のレパートリーが生成され、これらは全ての可能なアミノ酸配列にまとめて結合する(Haas et al.,1993;Hayday et al.,1995)。このレパートリーは、T細胞が、例えば、適切な親和性を持ってそのTCRに結合するペプチドを提示する組織適合性複合体HLAクラスII)となる樹状細胞(DC)のような、プロフェッショナルなAPC遭遇するまで、休止状態で血管およびリンパ系循環する(Wen et al.,1998;Sakaguchi et al.,2000;Huang et al.,2012)。細胞間で免疫シナプスを形成し、CD4+T細胞が刺激されて増殖し、数十〜数千のクローンが産生される。新たに産生されたT細胞は、二次リンパ器官を出て、体中に循環し、抗原が存在する部位に蓄積する。活性化されたCD4+T細胞は、サイトカインを放出する。サイトカインは、近くの細胞に作用し、適応免疫応答を調整する。抗原源が弱まってから何日か後、クローンの大部分は、活性化が誘導した細胞死によって除去され、少数はその抗原(病原体)が再び現れたときに迅速な応答を誘発する準備ができているメモリセルとして残る(Wen et al.,1998;Villadangos et al.,2005)。

0005

新鮮全血から単離された多くのCD4+T細胞は、1回または2回分裂するが、臨床的に有用な目的を果たすにはもっと多くの増殖サイクルが必要である。例えば、アッセイ期間中、比較的ロバストに分裂する(例えば、5回以上)ある割合のCD4+T細胞は、問題のペプチドに対する応答性指標として使用できる。単一のタンパク質またはペプチドの異なる断片を含むパネルを、その抗原に応答するCD4+T細胞と相関する可能性がある増殖プロファイルを作成するために使用できる。これらの結果から得られた情報は、その後、ヒトの様々な状態およびそれに対しとれる可能性のある一連アクションを決定するために使用できる。しかし、CD4+T細胞の臨床的特徴付けは、抗原特異的なCD4+T細胞集団の拡大を成功させるのに必要である適切なAPC調製物利用可能性および多様性によって制限されている。

0006

さらに、抗原特異的なCD4+T細胞集団を単離または特徴付ける診断および治療法の開発を複雑にするのは、ヒト集団におけるヒトHLA−DR受容体不均一性である。簡単に言えば、クラスIIHLA複合体は、ペプチドを含む結合ポケットを形成するHLA−DRBおよびHLA−DRA受容体ヘテロ二量体を含む。ヒトの集団は、何十、おそらく何百もの異なるHLA−DRBアレルを含む。したがって、ヒト集団におけるHLAクラスIIアレルは多数あり、これが数百万もの可能性のあるTCRの組み合わせと組み合わさると、病原性T細胞により惹起される自己免疫疾患における抗原特異的なCD4+T細胞を単離するのが技術的に困難となる(Villdangos et al.,2005;Huang et al.,2012)。このような自己免疫疾患としては、I型糖尿病糖尿病(Haskins et al.,2011;Gojanovich et al.,2012;Delong et al.,2012)、リウマチ性関節炎(Nikken et al.,2011;Albani et al.,2011)、および多発性硬化症(McFarland et al.,2007;Codarri et al.,2012;Sallusto et al.,2012)が挙げられる。簡単に言えば、個人により異なるHLA−DRBアレルを発現するので、ある者ではあるペプチドに結合するTCRが、別の人においては同一のペプチドに結合せず、これによりユニバーサルプローブの開発が複雑になりやや再現性がなくなってしまうからである。しかしながら、HLA−DRAアレルは2つだけ存在し、その内の1つは人口の98%に見られる。このように、広く発現されるHLA−DRAアレルを利用する特定のCD4+T細胞の応答を評価する方法は、ヒト集団の大部分に適用できるであろう。

0007

従って、上述の事情を考慮して、CD4+T細胞の応答分析標準化するプラットフォームを提供するための組成物および方法を本明細書に記載する。これらの方法および組成物は、全血から単離した抗原特異的なCD4+T細胞を刺激するのに用いることができるヒト胚性幹細胞(hESC)から骨髄樹状細胞(DC)を効率的に産生する分化プロトコルを含む。要するに、初代樹状細胞(DC)の調製物は多岐にわたるのでCD4+T細胞を臨床的に特徴付けすることが制限されるが、幹細胞由来のDCを使用すれば、十分な特徴付けがされ、任意のある抗原に対するT細胞の応答の分析用機能改変が可能なAPC集団を設けることによってこの問題を回避できる。

0008

本発明は、抗原特異的な方法でCD4+T細胞集団をex vivoで刺激および増殖させるためにヒト胚性幹細胞(hESC)由来の樹状細胞を使用する組成物および方法を提供する。本発明の樹状細胞は、抗原特異的なCD4+T細胞の応答を惹起すると考えられる任意のペプチド抗原を樹状細胞の表面に提示でき特異的なCD4+T細胞の応答を特徴付するのに使用できるという点でカスタマイズ可能である。このように、本発明は、複数の対象個体間、または同じ対象の異なる時点での、特定の抗原に対する免疫応答を比較するために標準化された任意のアプローチ包含する。同様に、本発明は、様々な他の目的のために抗原特異的なCD4+T細胞集団を拡大するための方法を提供する。様々な他の目的としては、細胞ワクチンとしての使用、または特定のペプチド標的に対する免疫応答を増強することによって軽減できる疾患の治療のため患者に再び戻すことができる活性化CD4+T細胞集団としての使用などが挙げられる。例えば、特定の抗原特異的なCD4+T細胞集団が有益であると考えられるがその数が不十分な場合、それらの細胞を、in vitroで拡大させて対象に戻すことができる。また、CD4+T細胞が高度に増殖するのが有害であると考えられる自己免疫などの場合、それらの細胞を、インビトロで拡大させて、調節性T細胞(Treg)へと再プログラムできる。調節性T細胞は、対象に戻されるとそれら特定のT細胞の応答を抑制するだろう。

0009

本発明の利点としては、これに限定されないが、比較的少量の血液を使用して、任意のヒト由来のヒトCD4+T細胞のサブセットを同定して単離することができるということがある。本発明の使用には、これらに限定されないが、ワクチンに対する応答を特徴付けること、ならびにCD4+T細胞の応答および/またはレパートリーが異なるヒトの疾患の診断および/または治療が含まれる。例えば、本発明は、以下の疾患の診断および治療するための方法および組成物を提供する:アルツハイマー病、多発性硬化症、狼瘡乾癬後天性免疫不全症候群AIDS)、重症複合型免疫不全症(SCID)、重症筋無力症関節リウマチ、糖尿病I型、グレーブス病橋本甲状腺炎、橋本脳炎多発性筋炎シェーグレン症候群クローン病横断性脊髄炎血管炎ウェゲナー肉芽腫症パーキンソン病筋ジストロフィー白斑、自己免疫心臓病セリアック病ギランバレー症候群ナルコレプシー未知病因の自己免疫疾患、自閉症、およびアレルギー

図面の簡単な説明

0010

図1は、hESCから骨髄系共通前駆細胞への分化を示す。(A)なめらかな縁を示す多能性hESC(H9)コロニー顕微鏡写真。(B)H9細胞の多能性を示すSSEA4免疫染色のフローサイトメトリーヒストグラム。(C)プレーティング直後のOP9細胞に付着した30〜50個のhESC細胞の小塊。(D)hESC/OP9の共培養4日後の分化コロニー。スケールバー=10μm。
図1は、hESCから骨髄系共通前駆細胞への分化を示す。(E)共培養8日後の大きい分化コロニー。(F)共培養8日後にコロニーから単離されたCD34+細胞(赤)およびアイソタイプ対照(黒)を示すフローサイトメトリーヒストグラム。(G)pHEMAでコーティングしたフラスコにプレーティングしてから1日後に凝集体再形成した単一細胞の懸濁液。(H)(G)の挿入図を拡大したもの。カボチャ形の無顆粒形態を有する骨髄細胞の大きな凝集体。OP9細胞は、コーティングしたフラスコに付着せずアポトーシスが起こっていたことを示す。(I)GMCSF含有培地において3日後、ほとんどの骨髄細胞は、培養中に出現した単一のCMPとともに、凝集体から解離し始めた。スケールバー=10μm。
図1は、hESCから骨髄系共通前駆細胞への分化を示す。(J〜L)相対的なCD34とCD45の発現を示すフローサイトメトリーのドットプロット。CD34lo/CD45hi集団が、(J)1日目には2〜4%、(K)3日目には20〜30%、(L)12日目には60〜70%まで増加した。(M)J〜Lのアイソタイプ対照。スケールバー=10μm。
図1は、hESCから骨髄系共通前駆細胞への分化を示す。(N)CMPの分化および拡大から12日後のCD45+染色のヒストグラム、および(O)12日後のCD43+免疫染色のヒストグラム。スケールバー=10μm。

0011

図2は、図1に示すようなHSCが骨髄系共通前駆細胞へ分化する12日間にわたる幹細胞マーカー(HSC)の発現の減少、および骨髄マーカーの発現の増加を示す。ヒストグラムでは、抗原およびアイソタイプ対照をそれぞれ赤および黒で表す。
図2は、図1に示すようなHSCが骨髄系共通前駆細胞へ分化する12日間にわたる幹細胞マーカー(HSC)の発現の減少、および骨髄マーカーの発現の増加を示す。ヒストグラムでは、抗原およびアイソタイプ対照をそれぞれ赤および黒で表す。

0012

図3は、hESC由来樹状細胞(DC)の形態的および機能的な活性を示す。(A)GM−CSFおよびIL−4を用いた培養10日後には、かなりの割合の細胞が未成熟(i)DCに分化し、それれは未分化CMP(矢頭)よりも大きく明るかった(矢印)。(B)iDCによるカルボン酸修飾赤色蛍光ラテックスビーズ(2μmサイズ)のファゴサイトーシスを示す顕微鏡写真、およびiDC内の蛍光ビーズ(矢印)を示す明視野像蛍光オーバーレイ。(C)ビーズを取り込んだiDCを示す前方散乱および側面散乱FSC/SSC)のドットプロット。(D)iDCにより取り込まれた赤色蛍光ビーズを示すフローサイトメトリーのヒストグラム(FLチャネル)。
図3は、hESC由来樹状細胞(DC)の形態的および機能的な活性を示す。(E)TNF−αおよびLPSで72時間刺激したiDCの画像。(F)Eの細胞部分の挿入図を拡大したもの。矢印は長い突起および成熟DCの形態を示す。(G)ホフマン光学系を使用して示す成熟DCのDIC画像。(H)長い樹状突起(矢印)および濃い紫色の核を示す成熟DCのヘマトキシリン染色
図3は、hESC由来樹状細胞(DC)の形態的および機能的な活性を示す。(I)TNF−αおよびLPSで誘導した成熟あり(赤)およびなし(青)のDCsign免疫染色を示すフローサイトメトリー。(J)DCの成熟後にCD80+免疫染色の増加を示すフローサイトメトリー。(K)TNF−αおよびLPSで誘発した成熟後のCD86+免疫染色。(L)成熟DC上のHLA−DRの表面発現

0013

図4は、8日、12日、および14日目のCMPからDCへの分化中におけるDCマーカーの発現を示すフローサイトメトリーの結果を示す。DC成熟因子は、12日目に投与した。ヒストグラムでは、抗原およびアイソタイプ対照を、それぞれ、赤と黒で表す。
図4は、8日、12日、および14日目のCMPからDCへの分化中におけるDCマーカーの発現を示すフローサイトメトリーの結果を示す。DC成熟因子は、12日目に投与した。ヒストグラムでは、抗原およびアイソタイプ対照を、それぞれ、赤と黒で表す。

0014

図5は、hESC由来DCは、活性化島(islandsof activation,IOA)を形成するのに2つの集団を必要とすることを示す。(A)T細胞との共培養用にDCを処理するのに使用するプロトコルの概略図。(B)FSC/SSCドットプロットにゲーティングしたT集団を示すiDCのフローサイトメトリーのドットプロット。(C)(B)の集団のDCsign/FSCプロット、Q1−UR(42.8%)がDCsign+細胞である。(D)(B)の集団のCD14+/FSCドットプロット、Q5−UR(51.3%)。
図5は、hESC由来DCは、活性化島を形成するのに2つの集団を必要とすることを示す。(E)DCsign:CD14のドットプロット。比例的に均衡をとったDCによる決定ではCD14lo/DCsignhi対CD14hi/DCsignloの比が1:1.5であることを示す。(F)成熟因子と混合したDCの顕微鏡写真。活性化島を示す。(G)IOAの高倍率明視野像。(H)IOAの位相差画像周縁が細いことに注目。
図5は、hESC由来DCは、活性化島を形成するのに2つの集団を必要とすることを示す。(I)抗CD14磁気マイクロビーズで精製したDCはDCsignhi/CD14lo集団を含んでおらず、(J)IOAを形成していなかった。(K)抗DCsign MACSマイクロビーズで精製したDCはDCsignlo/CD14hi集団を含んでおらず、(L)IOAを形成していなかった。

0015

図6は、CD4+T細胞の精製および成熟DCを用いた刺激を示す。(A)全血からT細胞の精製の概要を示す概略図。(B)ゲーティングしたT細胞集団を示すフローサイトメトリーのドットプロット(FSC/SSC)。(C)ゲーティングした集団の抗CD4免疫染色を示すヒストグラム。
図6は、CD4+T細胞の精製および成熟DCを用いた刺激を示す。(D)均一な形態を示す精製T細胞の低倍率顕微鏡写真。(E)0日目におけるCD4+T細胞のCFSE免疫染色を示すヒストグラム。(F)DCおよびIL−2との共培養から10日後。1から7までの赤く示した番号により示される各細胞分裂で見られるように、娘細胞の蛍光は細胞分裂毎に半分になることがわかる。
図6は、CD4+T細胞の精製および成熟DCを用いた刺激を示す。(G)Dil標識T細胞およびDCからなる活性島の写真。(H)DAPIによる細胞の核染色コントラストをつけるため疑似的に赤色にした。周辺の中程度〜小さなT細胞核中に大きなDC核が示される。(I)(G)および(H)をマージした画像。
図6は、CD4+T細胞の精製および成熟DCを用いた刺激を示す。(J)標準調製物をIL−2およびDCと共にインキュベートしたCD4+T細胞におけるCFSE蛍光のヒストグラム。(K)DCsign精製調製物。(L)CD14精製調製物。

0016

図7は、DC誘導性細胞増殖の分析を示す。(A)ワクチン接種前ヒト被験者被験者1〜3)から単離し、hESC由来DCと共培養したCD4+T細胞のCFSE蛍光を示す3つのヒストグラム。hESC由来DCは、前もってインフルエンザペプチドを負荷し(INF、青)、または負荷しなかった(ctrl、赤)。(B)インフルエンザワクチン接種から1週間後の同じ被験者から単離し、DCと共培養したCD4+T細胞のCFSE蛍光を示す3つのヒストグラム。DCは、前もってインフルエンザペプチドを負荷し(INF、青)、または負荷しなかった(ctrl、赤)。
図7は、DC誘導性T細胞増殖の分析を示す。(C)ワクチン後対照DC(対照)と共培養したCD4+T細胞のCFSE蛍光を示す3つのヒストグラム。破線は、IL−2を含む共培養から計算した5回目の細胞分裂を示す。(D)ワクチン後対照DCと共培養したCD4+T細胞のCFSE蛍光を示す3つのヒストグラム。DCは、前もってインフルエンザペプチドを負荷した(INF)。
図7は、DC誘導性T細胞増殖の分析を示す。(E)インフルエンザワクチンを接種前(pre−)および後(post−)の3人のヒト被験者におけるCD4+T細胞の相対的な増殖(5〜7分裂)を示す棒グラフ。白棒は、前もってインフルエンザペプチドを負荷したDCを含有する培養物におけるCD4+T細胞の増殖を示す(INF)。黒棒は、ペプチドを負荷していないDCを含有する培養物におけるCD4+T細胞の増殖を示す(ctrl)。(F)対照被験者(c1〜3)およびアルツハイマー病と推定診断された6人の被験者(AD1−6)におけるCD4+T細胞の相対的な増殖(5〜7分裂)を示す棒グラフ。白棒は、前もってヒトAβ1−42ペプチドを負荷したDCを含有する培養物におけるCD4+T細胞の増殖(5〜7分裂)を示す。黒棒は、ペプチドを負荷していないDCを含有する培養物におけるCD4+T細胞の増殖(5〜7分裂)を示す。

0017

図8は、pCR8/GW−TOPO−HLADRA+リンカーベクタープラスミドマップを示す。

0018

図9は、HLA−DRAの完全長DNAおよびアミノ酸配列を示す。

0019

図10は、[Genbankアクセッション番号CAI18477.1](ヒトアミロイド)の完全長DNAおよびアミノ酸配列を示す。

0020

図11は、HLA−DRA/Aβ1−13融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ1−13(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。

0021

図12は、HLA−DRA/Aβ7−13融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ7−13(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。

0022

図13は、HLA−DRA/Aβ16−30融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ16−30(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。

0023

図14は、HLA−DRA/Aβ24−35融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ24−35(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。

0024

図15は、HLA−DRA/Aβ31−42融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ31−42(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。Aβ31−42は、T41Iの置換を含む。

0025

図16は、HLA−DRA/Aβ7−23融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。シグナルペプチド(No.1)、シグナルペプチド切断部位(No.2)、Aβ7−23(No.3)、リンカー(No.4)、およびHLA−DRA(No.5)を含む。

0026

図17は、HLA−DRA/Aβ1−13融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0027

図18は、HLA−DRA/Aβ7−13融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0028

図19は、HLA−DRA/Aβ16−30融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0029

図20は、HLA−DRA/Aβ24−35融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0030

図21は、HLA−DRA/Aβ31−42融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0031

図22は、HLA−DRA/Aβ7−23融合構築物のDNAおよびアミノ酸配列を示す。

0032

図23は、ベクター対照としての緑色蛍光タンパク質(GFP)(レーン1)またはそれぞれ以下のHLA−DRA/Aβ融合タンパク質:HLA−DRA/Aβ1−13(レーン2);HLA−DRA/Aβ7−13(レーン3)p;LA−DRA/Aβ16−30(レーン4);HLA−DRA/Aβ24−35(レーン5)、およびHLA−DRA/Aβ31−42(レーン6)のいずれかを発現するように操作したレンチウイルスで感染させた293細胞からの細胞溶解物ウェスタンブロットを示す。

0033

図24は、ヒト樹状細胞株KG−1において発現する組換えHLA−DRA構築物の表面発現を示す。左は、図示のようにゲーティングしたKG−1細胞のFDC/SSC散乱プロットを示す。下パネルは、刺激をしないKG−1細胞の抗HLA−DRA免疫染色を示す。右パネルは、LPS刺激後のKG−1細胞の抗HLA−DRA免疫染色を示す。対照細胞(赤)は、HLA−DRA/Aβ7−13(青)を発現するレンチウイルスを感染させた細胞よりも少ないHLA−DRA染色を示した。アイソタイプ対照染色は、すべてのプロットについて黒色で示す。
図24は、ヒト樹状細胞株KG−1において発現する組換えHLA−DRA構築物の表面発現を示す。4つのプロットは、HLA−DRA/Aβ7−13、HLA−DRA/Aβ16−30、HLA−DRA/Aβ24−35、およびHLA−DRA/Aβ31−42を含むレンチウイルスベクターを感染させたKG−1細胞のHLA−DRA免疫染色の増加が類似していることを示す。

0034

(A)新鮮な血液試料から単離したhESC由来骨髄樹状細胞(DC)およびT細胞を示すFSC/SSC散乱プロット。これらの細胞の混合物から検出。フローサイトメーターで分析する前に、T細胞をCFSEで標識し、その後DCと混合し、次いで混合物中のすべての細胞を蛍光標識抗CD4で染色した。この工程でのfsc/sscは、DCおよび非DCを含む他の集団から潜在的なT細胞を分離することである。これらはゲーティングを行ったがDCであると証明しきれてはいない。蛍光標識したCD4+細胞を、より小さなサブセットからゲーティングした。当該DC集団における検出事象が全て実際のDCによるものというわけではない。(B)(A)に示すCD4+T細胞集団のみをゲーティングしたT細胞のFSC/SSC散乱プロット。(C)(B)に示すCD4+T細胞集団についてx軸上にCFSE蛍光、y軸上に抗CD4をとった散乱プロット。分裂(すなわち、増殖)し、CFSEが少ない、従ってプロットの左側に示されるT細胞を示す。実験開始時には、測定可能な増殖がなく、従って左側の細胞はなかった。(D)(C)に示す散乱プロットをT細胞およびDCを一緒に培養した混合物を除いて示す。対照条件(HLA−DRA(Ab)構築物を発現しなかったDCとともに培養したT細胞)、または検査条件(HLA−DRA(Ab)構築物を発現したDCとともに培養したT細胞)のいずれかで分析する10日前。緑色で表される対照細胞集団は、プロットの左側(すなわち、分裂細胞を示す側のプロット)に示すようにCD4+T細胞の集団全体の2.6%であった。赤色で表される試験細胞集団は、プロットの左側に示すようにCD4+T細胞の集団全体の2.6%であった。3.8と2.6の間の差はΑβ特異的なT細胞集団を示す。
(E)HLA−DRA構築物を発現するように操作したレンチウイルスを感染させたCD4+T細胞集団について、x軸上にCFSE蛍光、y軸上に抗CD4をとったFSC/SSC散乱プロットを示す。HLA−DRA構築物は、それぞれ完全長A、A1(Aβ1−13)、B2(Aβ7−13)、C3(Aβ16−30)、D4(Aβ24−35)、またはE5(Aβ1−42)を有する。
(E)HLA−DRA構築物を発現するように操作したレンチウイルスを感染させたCD4+T細胞集団について、x軸上にCFSE蛍光、y軸上に抗CD4をとったFSC/SSC散乱プロットを示す。HLA−DRA構築物は、それぞれ完全長A、A1(Aβ1−13)、B2(Aβ7−13)、C3(Aβ16−30)、D4(Aβ24−35)、またはE5(Aβ1−42)を有する。

0035

図26は、ApoE3/E3遺伝型を有し、認知症兆候がない47男性の血液から単離したCD4+T細胞の細胞増殖応答の棒グラフを示す。CD4+T細胞は、HLA−DRA構築物を発現するように操作したレンチウイルスを感染させたhESC由来DCと共に共培養した。HLA−DRA構築物は、それぞれHLA−DRAのみ(対照)、A1(Aβ1−13)、B2(Aβ7−13)、C3(Aβ16−30)、D4(Aβ24−35)、またはE5(Aβ1−42)を有する。棒は、5回以上細胞分裂をした細胞の割合、すなわち、持続的かつ特異的な増殖反応の指標を示す。

0036

図27は、血液提供者が、ApoE3/E3遺伝型を有し,アルツハイマー病の兆候がない88歳の男性である点を除き、図26で示したのと同じタイプのデータを示す。

0037

図28は、血液提供者が、ApoE4/E4遺伝型を有し、14年間アルツハイマー病と診断されている86歳の女性である点を除き、図26で示したのと同じタイプのデータを示す。

0038

図29は、血液提供者が、ApoE3/E4遺伝型を有し、母親が進行アルツハイマー病である58歳の女性である点を除き、図26で示したのと同じタイプのデータを示す。提供者は、図30および図31の提供者の姉妹である。

0039

図30は、血液提供者が、図29および図31の提供者の姉妹である56歳の女性で同様にApoE3/E4遺伝型を有している点を除き、図26で示したのと同じタイプのデータを示す。

0040

図31は、血液提供者が、図29および図30の提供者の姉妹である61歳の女性で同様にApoE3/E4遺伝型を有している点を除き、図26で示したのと同じタイプのデータを示す。

0041

本明細書に開示する本発明の方法および組成物は、種々のペプチド抗原に対するヒト対象の免疫応答の評価に関する。別の言い方をすると、本発明は、複数の対象個体間、または同じ被験体の異なる時点での、特定の抗原に対する免疫応答を比較するために標準化されたアプローチに関する。本発明は、ヒト白血球(HLA)クラスIIのコンテクストにおいて抗原提示細胞(APC)によって提示され得る任意のペプチド抗原に対する免疫応答の分析を包含する。また、本発明は、特に免疫応答におけるCD4+T細胞の構成成分の評価に関する。

0042

様々な実施形態において、本発明の方法は、ヒト胚性幹細胞(hESC)を成熟したプロフェッショナルなAPCに分化させる。例えば、本発明の方法は、hESCから骨髄系共通前駆細胞への分化を誘導し、未成熟樹状細胞に分化させることを可能にし、その後、成熟樹状細胞へさらに分化させる。様々な実施形態において、本発明は、H9 hESCを分化させるが、当業者は、当技術分野で公知の任意のヒト多能性幹細胞を選択して使用することもできる。例えば、胚性幹細胞を複数の胚性幹細胞の株から選択してもよいし、または初代胚組織から直接得てもよい。確立された胚性幹細胞株として、これらに限定されないが、以下が挙げられる:H1、H7、H9、H13、およびH14(Thompson et al.);hESBGN−01、hESBGN−02、hESBGN−03(BresaGen,Inc.,Athens,Ga.);HES−1、HES−2、HES−3、HES−4、HES−5、HES−6(ES Cell International,Inc.,Singapore);HSF−1、HSF−6(University of California at San Francisco);13、14、16(Technion−Israel Institute of Technology,Haifa,Israel);UCSF−1およびUCSF−2(Genbacev et al.,Fertil.Steril.83(5):1517−29,2005);HUES1〜17株(Cowan et al.,NEJM350(13):1353−56,2004);およびACT−14株(Klimanskaya et al.,Lancet,365(9471):1636−41,2005)。

0043

上述したように、本発明のhESC由来成熟樹状細胞は主にHLAクラスII分子のコンテクストにおいて単一のペプチド抗原の断片を提示する。本発明のAPC上に提示されるペプチドは、そのペプチドを含む抗原に特異的なCD4+T細胞の応答を評価する目的のために当業者によって選択される任意のペプチドであり得る。様々な実施形態では、ペプチドを含む抗原は、ワクチン組成物の成分である。例えば、種々の実施形態において、抗原性ペプチドは、インフルエンザHAアミノ酸126−138(すなわち、NH2−HNTNGVTAACSHE−OH)を含み、これを使用してGlaxoSmithKline、PLCにより販売されるインフルエンザウイルスワクチンであるFLULAVAL(登録商標)を投与した対象のCD4+T細胞の応答を本発明の方法により評価できる。

0044

しかし、本発明の方法は、CD4+T細胞の応答を生じさせ得る任意のペプチドに対する免疫応答を評価するのに使用できる標準プラットフォームに関するため、当業者は、本発明の方法を使用して被験体における応答を惹起可能な任意のワクチンに対するCD4+T細胞の応答を評価できる。従って、本発明に包含し得る当技術分野で公知のワクチンの例として、以下が挙げられる:炭疽菌に対するAVA(BioThrax);水痘に対するVAR(Varivax)およびMMRV(ProQuad);ジフテリアに対するDTaP(Daptacel,Infanrix,Tripedia)、Td(Decavaca,generic)、DT(−generic−)、Tdap(Boostrix,Adacel)、DTaP−IPV(Kinrix)、DTaP−HepB−IPV(Pediarix)、DTaP−IPV/Hib(Pentacel)、およびDTaP/Hib(TriHIBit);A型肝炎に対するHepA(Havrix,Vaqta)およびHepA−HepB(Twinrix);B型肝炎に対するHepB(Engerix−B,Recombivax HB)、Hib−HepB(Comvax)、DTaP−HepB−IPV(Pediarix)、およびHepA−HepB(Twinrix);b型インフルエンザ菌に対するHib(ActHIB,PedvaxHIB,Hiberix)、Hib−HepB(Comvax)、DTaP/Hib(TriHIBit)、およびDTaP−IPV/Hib(Pentacel);ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するHPV4(Gardasil)およびHPV2(Cervarix);インフルエンザに対するTIV(Afluria,Agriflu,Fluarix,Fluvirin,Fluzone)およびLAIV(FluMist);日本脳炎(JE)に対するJE(IxiaroおよびJE−Vax);麻疹に対するMMR(M−M−RII)およびMMRV(ProQuad);髄膜炎に対するMCV4(Menactra)、MPSV4(Menomune)、およびMODC(Menveo);おたふく風邪に対するMMR(M−M−RII)およびMMRV(ProQuad);百日咳に対するDTaP(Daptacel,Infanrix,Tripedia)、Tdap(Adacel,Boostrix)、DTaP−IPV(Kinrix)、DTaP−HepB−IPV(Pediarix)、DTaP−IPV/Hib(Pentacel)、およびDTaP/Hib(TriHIBit);細菌肺炎に対するPCV7(Prevnar)、PCV13(Prevnar13)、およびPPSV23(Pneumovax23);ポリオに対するPolio(Ipol)、DTaP−IPV(Kinrix)、DTaP−HepB−IPV(Pediarix)、およびDTaP−IPV/Hib(Pentacel);ロタウイルスに対するRabies(Imovax RabiesおよびRabAvert);RV1(Rotarix)およびRV5(RotaTeq);風疹に対するMMR(M−M−RII)およびMMRV(ProQuad);帯状疱疹に対するZOS(Zostavax);サルおよび天然痘に対するVaccinia(ACAM2000,Dryvax);破傷風に対するDTaP(Daptacel,Infanrix,Tripedia)、Td(Decavac,generic)、DT(−generic−)、TT(−generic−)、Tdap(Boostrix,Adacel)、DTaP−IPV(Kinrix)、DTaP−HepB−IPV(Pediarix)、DTaP−IPV/Hib(Pentacel)、およびDTaP/Hib(TriHIBit);結核(TB)に対するBCG(TICE BCG,Mycobax);腸チフスに対するTyphoid Oral(Vivotif)およびTyphoid Polysaccharide(Typhim Vi);ならびに黄熱病に対するYF(YF−Vax)。

0045

ワクチンに関連したペプチドに加え、本発明の方法はまた、特定の自己免疫疾患状態に関連する特定のペプチドに対するCD4+T細胞の応答に基づいて種々の自己免疫疾患の治療の進行を診断し追跡する。本明細書で理解されるように、「自己免疫疾患」とは、個体自身の組織に起因しそれに対し攻撃する疾患または障害のことである。自己免疫疾患または障害の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ変形性関節症乾癬性関節炎)、カプラ症候群フェルティ症候群、乾癬、皮膚炎、シェーグレン症候群、スティル病、多発性筋炎/皮膚筋炎中毒性表皮壊死症全身性強皮症および硬化症炎症性腸疾患に関する応答、クローン病、潰瘍性大腸炎呼吸窮迫症候群成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、髄膜炎、脳炎、ブドウ膜炎大腸炎糸球体腎炎アレルギー状態湿疹喘息、T細胞の浸潤および慢性炎症反応に関連する状態、アテローム性動脈硬化症自己免疫性心筋炎白血球接着欠損症全身性エリテマトーデスSLE)、若年発症糖尿病、多発性硬化症、アレルギー性脳脊髄炎、サイトカインおよびTリンパ球が介在する急性および遅延型過敏症に関連する免疫応答、結核、サルコイドーシス、肉芽腫症、例えばウェゲナー肉芽腫症、無顆粒球症、(ANCAを含む)血管炎、再生不良性貧血ダイアモンドブラックファン貧血免疫性溶血性貧血、例えば、自己免疫性溶血性貧血(MBA)、悪性貧血赤芽球癆(PRCA)、第VIII因子欠乏症血友病A自己免疫性好中球減少症汎血球減少症白血球減少症白血球漏出を伴う疾患、中枢神経系(CNS炎症性障害、多臓器損傷症候群、重症筋無力症、抗原抗体複合体媒介疾患、抗糸球体基底膜疾患、抗リン脂質抗体症候群アレルギー性神経炎ベーチェット病キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群ランバート・イートン症候群、レイノー症候群、シェーグレン症候群、スティーブンスジョンソン症候群固形臓器移植拒絶移植片対宿主病(GVHD)、水疱性類天疱瘡天然瘡、自己免疫性多腺性内分泌不全症ライター病スティッフマン症候群巨細胞性動脈炎免疫複合体腎炎IgA腎症IgM多発性ニューロパチーまたはIgM介在性ニューロパチー、特発性血小板減少性紫斑病ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),自己免疫性血小板減少症精巣および卵巣自己免疫性疾患、例えば、自己免疫性精巣炎および卵巣炎原発性甲状腺機能低下症、自己免疫性内分泌疾患、例えば、自 己免疫性甲状腺炎慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)、亜急性甲状腺炎特発性甲状腺機能低下症、アジソン病、グレーブス病、多腺性自己免疫症候群(または多腺性内分泌障害症候群)、インスリン依存糖尿病(IDDM)とも呼ばれる糖尿病I型糖尿病、シーハン症候群自己免疫性肝炎リンパ間質性肺炎HIV)、閉塞性細気管支炎(非移植)、NSIP、ギラン・バレー症候群、大血管血管炎(リウマチ性多発筋痛及び巨細胞(高安)動脈炎を含む)、中血管血管炎(川崎病および結節性多発動脈炎を含む)、強直性脊椎炎ベルガー病(IgA腎症)、急速進行性糸球体腎炎原発性胆汁性肝硬変セリアックスプルーグルテン性腸症)、クリオグロブリン血症筋萎縮性側索硬化症ALS)、冠動脈疾患、等。

0046

様々な実施形態において、本発明の組成物および方法は、アルツハイマー病のペプチドアミロイド−ベータ(Aβ)に対するCD4+T細胞の応答のレパートリーを評価するのに使用できる。簡単に述べると、Αβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)に由来しタンパク質分解処理により産生される42個のアミノ酸を有するポリペプチドである。本明細書で理解されるように、Αβタンパク質には、アミノ酸置換による突然変異体およびアレル変異体も含まれる。様々な実施形態において、本発明の方法は、完全長Aβの代替として、以下を含み得るペプチドを使用する:Aβ1−13、Aβ7−13、Aβ16−30、Aβ24−35、Aβ31−42、およびAβ7−23。

0047

様々な実施形態において、すべてのΑβペプチドに対する広範かつ強力な応答とは、ΑβおよびΑβのすべての断片に対する継続的な免疫応答のことを指す。当業者は、このような応答をΑβが蓄積する病理に対する継続的な応答の指標として解釈できる。Αβの蓄積は、アネルギーが始まるとロバストでなくなり、よって最終的なアルツハイマー病後期になるほどCD4+応答がロバストでなくなる。つまり、Αβまたは特定のΑβ断片に対し比較的ロバストなCD4+応答があれば、認知行動の変化が認められなくとも、前アルツハイマー病であると考えられるだろう。

0048

好ましくは特定の単一のペプチド断片をAPCに提示させる任意の方法が、一般的に、本発明の方法に使用できる。例えば、様々な実施形態において、本発明の方法は、APCのHLAクラスII分子にペプチドまたはその断片を提示させるのに十分な量のペプチドを培養物内のAPCに直接添加することによりAPCを負荷(load)する。本発明の様々な他の方法では、ペプチド抗原は、ペプチドをコードする核酸が導入されたAPCの表面上に提示される。例えば、ペプチドは、ウイルスまたはプラスミドベクター内にコードされてもよい。

0049

本発明の様々な実施形態において、APCによって提示されるペプチドは、HLA−IIタンパク質の少なくとも一部を含む融合タンパク質のペプチド成分として提示される。例えば、本発明の融合タンパク質は、HLAクラスIIα鎖パラログであるヒト白血球抗原(HLA)クラスII−DRAから誘導される核酸およびアミノ酸配列を含み得る。様々な他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、Αβの断片を含むHLA−DRA融合構築物を包含する。例えば、完全長Αβの代替として、当該融合タンパク質はAβ1−13、Aβ7−13、Aβ16−30、Aβ24−35、Aβ31−42、およびAβ7−23を含んでもよい。

0050

HLA−DRAα鎖は、約33〜35kDaであり、その遺伝子には5つのエクソンが含まれる。エクソン1はリーダーペプチドをコードし、エクソン2および3は2つの細胞外ドメインをコードし、エクソン4は膜貫通ドメインおよび細胞質尾部をコードする。HLA−DRAは、ペプチド結合部分において多型を有さず、β鎖DRB1、DRB3、DRB4、及びDRB5に対する唯一のα鎖として機能する。HLA−DRA配列は公衆利用可能である。例えば、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列は以下で見つけることができる:GenBankアクセッション番号CAI18477.1(アミノ酸配列)、M60334.1(DNA配列)、NP_061984.2(アミノ酸配列)、AAA36275.1(アミノ酸配列)、AAA59785.1(アミノ酸配列)、AAA36302.1(アミノ酸配列)、AAAH71659.1、CAI18476.1(アミノ酸配列)、およびGI3122(遺伝子配列);EMBLアクセッション番号AL935032.13(DNA配列)、CAG33294.1(アミノ酸配列)、CAQ08811.1(DNA配列)、およびEAX03629.1(DNA配列)。当業者は、HLA−DRA核酸およびタンパク質分子が、HLA−DRAの生物学的活性を保持しつつ、1つまたは複数の置換、欠失、挿入、またはこれらの組み合わせをもたらす多型などとして、公衆に利用可能なものから多岐にわたることを理解するであろう。したがって、本発明の種々な実施形態において、本発明の融合タンパク質のHLA−DRA成分のアミノ酸配列は、図2に示すHLA−DRA配列と約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%相同であるか、あるいはそれらの断片であってもよい。

0051

様々な実施形態において、本発明の融合タンパク質は、リンカーを含む。一般に、リンカーとは、HLA−DRAと融合タンパク質の所望の融合ペプチド成分との間に位置する柔軟なペプチドリンカー要素のことである。リンカー要素は、好ましくは25アミノ酸以下の長さを有する。特定の実施形態において、リンカー要素は、3〜30個のアミノ酸長、特に3、4、5、6、7、8、9、10、11、12〜13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または30個のアミノ酸長を有する。一実施形態では、リンカー要素の長さは、5〜25個のアミノ酸、8〜20個のアミノ酸、または10〜20個のアミノ酸である。より好ましくは、リンカーの長さが9〜15個のアミノ酸である。一般に、本明細書中で使用されるリンカー要素は、任意の既知のアミノ酸または人工アミノ酸誘導体から構成され得る。特定の実施形態において、リンカー要素は、小さな親水性の非荷電アミノ酸から成る。一般に、本発明に係るリンカー要素は、G、S、A、およびTから選択されるアミノ酸から成ることがある。リンカー要素は、好ましくは、グリシンセリンリンカー、すなわち、ポリグリシン等のアミノ酸が実質的にグリシンおよびセリンからなるペプチドリンカーである。本発明の特定の実施形態において、リンカー配列はIGGGSGGGGSGGGGSである。

0052

上述したように、本発明はまた、ペプチド抗原拘束性CD4+T細胞集団の拡大方法にも関する。上記のように様々な実施形態において、本発明の方法は、免疫応答、例えば、ワクチン、自己免疫疾患、およびΑβ沈着に関連する認知障害に対するCD4+T細胞集団の抗原特異的な拡大に関する。

0053

一般に、本発明の方法は、標準的な静脈切開法を用いて単離することができる全血からヒトCD4+T細胞を得る。初期精製により、骨髄細胞およびB細胞の大部分を除去し、T細胞集団を濃縮する。T細胞を、その後カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色してから、HLA−Αβ融合タンパク質を発現するAPCのパネルと混合し、7〜10日間共培養する。このインキュベーション期間の後、細胞混合物を、CD4特異的な蛍光抗体で染色し、蛍光活性化細胞スキャナまたはソーターといったフローサイトメーターに通す。CD4陽性(CD4+)蛍光を使用してCD4+T細胞を同定し、CFSE強度を用いてそれらの細胞が試験初期からどのくらいの増殖したのかを決定する。

0054

上述したように、本発明の方法は、APCにおいてHLA−DRA融合タンパク質を発現させる。したがって、本発明の方法および組成物は、APCにおいて本発明の融合構築物を発現することができるDNAまたはRNAベクターを含む。一般に、ベクターは、プロモーター、そして発現されるべきヌクレオチド配列の下流にターミネーターを含む。本発明の様々な実施形態において、ベクターは、組換えウイルス用にコードされる。例えば、本発明の特定の実施形態において、ベクターは、FUWレンチウイルスベクターなどのレンチウイルスゲノム由来の配列を含む(Science.2002Feb1.295(5556):868−72.Epub2002Jan10に記載)。

0055

いくつかの実施形態では、本発明の組成物および方法は、直接免疫化プロトコルの一部として用いることができる。例えば、ウイルスベクターリポソーム、または他の送達方法を用いて、リンパ節に直接HLA−DRA融合タンパク質構築物を送達できる。このアプローチにより、内因性APCのHLAクラスII複合体に問題のペプチドを迅速に提示させることができるであろう。したがって、本発明は、3〜7日間かかりうるプロセスであるAPCによる処理およびリンパ節への移動を伴うアジュバント複合体としてペプチドを導入する従来のワクチン方法に代わる望ましい代替手段を提供する。問題のペプチドを結合したHLA−DRA融合タンパク質の直接送達および迅速な発現は、エボラウイルスなど急速な殺傷性病原体に対する免疫応答を生じさせるのに特に役立つだろう。

0056

実施例1.インフルエンザ抗原を負荷したhESC由来DCを用いてCD4+T細胞の応答を評価する方法
hESCから造血幹細胞(HSC)への分化。
H9(NSCB code WA09、23継代)hESC株を、追加のbFGF(4μg/ml、Life Technologies)を補充した5×サプリメント(Stem Cell Technologies)を含むmTeSR培地中で保持した。多能性H9 hESCのコロニー(図1A)を、標準的な方法を用いてマトリゲル上で維持し、5継代全ての多能性についてSSEA4免疫染色を用いて検査した。SSEA4免疫染色は、顕微鏡およびフローサイトメトリー(図1B)により評価した。コロニーを穏やかに30〜60個の細胞塊へ掻き取り、15mlチューブ回収し、その後5分間300×gで遠心分離し、HSC分化培地(HDM:α−MEM、10%FBS、100μMモノチオグリセロール)中に再懸濁した。

0057

H9細胞を採取して分化させる前に、約70%コンフルエントなOP9マウス間質細胞ATCC)のフラスコをすすぎ、HDMと共にプレインキュベートした。OP9細胞を、ゼラチン(G1393、Sigma)で覆ったOP9増殖培地(OP9M:20%FBS(HyClone)入りのα−MEM(Life Technologies))を含むT75フラスコ内で培養した。hESC細胞塊を含むHDMをフラスコに直接加えた。4日目に、全てのHDMを新鮮なHDMに交換し、6〜8日目に、HDM培地の半分を新鮮なHDMに交換した。

0058

HDMにおける共培養の2日後、HSCを含有するH9コロニー塊が造血分化し初め、OP9フィーダー層およびビーカーに付着していた(図1C)。共培養の4日後、コロニーの形態は、hESCコロニーに類似していたが、細胞サイズはより多様であった(図ID)。8日後、HSCを含むコロニーの形態は非常に多様になっており、多能性hESCコロニーの有するなめらかな縁および均一な外観とは明らかに異なっていた(図1E)。共培養の8日後にコロニーから単離した細胞の発現解析により、CD34の免疫染色が示された(図1F)。

0059

骨髄系共通前駆細胞の分化。
骨髄細胞はpHEMA(Sigma)でコーティングしたT25フラスコ内で維持した。HSCから骨髄系共通前駆細胞(CMP)への分化を誘導するために、細胞を37℃で20分間、コラゲナーゼIV(1mg/ml)を含むノックアウトDMEM/F−12(Life Technologies)で処理してから、37℃で15分間0.05%%トリプシンEDTAで処理した。トリプシン活性を10%FBSでクエンチし、ペレット化し(300×g)、骨髄分化培地(MDM)に再懸濁し、そしてpHEMAをコーティングしたフラスコにプレーティングした。骨髄の拡大は10〜12日間行った。MDMは、α−MEM、10%FBS、100ng/mlのGM−CSF、100μΜのモノチオグリセロールを含んでいた。MDMは、骨髄細胞数を拡大するのにも使用した。再プレーティングから1日以内に、分化CMP前駆体がカボチャ形の核を有する塊に再形成した(図1G、H)。3日後に、塊が破壊し始め単一の細胞が出現した(図1I)。HSCマーカーの表面発現では、CMPマーカーが増加した一方、CD34、CD14、CD11b(SI2)、CD45(図1J〜N)、およびCD43は減少していた(図1O、図2)。

0060

未成熟樹状細胞(IDC)の産生。
骨髄の拡大後、骨髄DCを産生するために、細胞を70μmストレーナーによって濾過し、25%Percoll(登録商標)で分画死細胞および細胞凝集体を除去した(図5A)。細胞を、5%FBSを含むPBSリンスし、8〜10日間DC分化培地(DDM)中に再プレーティングした。DDMは、Ex−cyte(登録商標)成長サプリメント(Millipore)、100ng/mlのGM−CSF、および100ng/mlのIL−4(Endogen)を補充したStem Span(登録商標)SFEM培地(Stem Cell Technologies)であった。iDC培養物の半量のDDMを、4日ごとに新鮮なDDMで交換した。iDCの数を拡大するために、それらを分注し同条件で維持した。TNF−α(100ng/ml)およびLPS(250ng/ml)を補充したDDM中で3日間DCの成熟を誘導した。DC分化条件において8日後には、iDCはしわのある形態(図3A)を有し、DCsign、CD80、およびCD86の表面発現を示した(図3I〜K)。iDCの特徴的な挙動は、病原体および細胞断片のファゴサイトーシスである。これは、ヒトIgでコーティングした蛍光ラテックスビーズを用いてアッセイした(Dagenault et al.,2010)。具体的には、2μmの平均直径を有するカルボン酸で修飾した赤色蛍光ラテックスビーズ(L3030、Sigma)を37℃で30分間、PBSを含む50%ヒトAB血清中オプソニン化した。そのインキュベーション後、これらのオプソニン化されたラテックスビーズをDC培養物に添加し、37℃30分間穏やかに振盪しながらインキュベートした。同一の対照は4℃でインキュベートした。30分後、2mlの氷冷PBSを加えることによりファゴサイトーシスを停止してから、氷冷PBSで細胞を2回洗浄した。DCを1mlの冷PBSに再懸濁し、等容量の4%パラホルムアルデヒドを添加することにより固定し、撮影まで4℃で暗所に保存した。iDCはこれらのビーズを取り込んだ(図3B)。フローサイトメトリーによりiDCの大部分はビーズを取り込んでいたことが示された(図3C、D)。

0061

樹状細胞の成熟。
未成熟DCは、100ng/mlのTNF−α(PeproTech)および250ng/mlのLPS(Sigma)を補充したDDMを用いて成熟を誘導する前にあらかじめ目的のペプチドを負荷した。成熟DCは、分枝した樹状突起を有していた。これは、位相差顕微鏡(図3E、F)、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色による光学顕微鏡(図3G)、およびDIC顕微鏡(図3H)で観察された。H&E染色は、サイトスピンによりガラススライド上に広げた細胞を固定して(2%パラホルムアルデヒド)行った。iDCおよび成熟したDCのスライドをH&E溶液で覆い、15分間インキュベートし、その後酸およびブルーイング溶液(Vector Laboratories)で処理した。スライドを水ですすぎ、一連のアルコール(50%、70%、95%、100%エタノール)に浸し、カバースリップをPermount(Fisher)でマウントした。H&E染色の画像は、Nikon(登録商標)顕微鏡に搭載したカラーCCDカメラで撮影した。

0062

フローサイトメトリーによりiDCおよび成熟DCの両方がDCsignを発現していたことが確認された(図3I)。より具体的には、Percoll分離(図5A)を用いて精製したiDCの培養物は、DCsign(図5B、C)またはCD14(図5D)を高レベルで発現した集団を含有していた。1つの集団はDCsignhi/CD14loであり、もう1つの集団はDCsignlo/CD14hiであった(図5E)。これらの集団は、それぞれ典型的に約1:1.5の割合であった。比例的に均衡をとって検査するため、iDCを、抗CD14または抗DCsign磁気ビーズを用いて精製した。簡単にいうと、DCを、70μmストレーナーで濾過して凝集体を除去し、骨髄樹状細胞キットで精製し、CD14を発現する細胞を分離してからMACSカラム(Miltenyi)で精製をした。単離した細胞は、DDM中で4週間培養した。DCsignhi細胞を濃縮して単離するため、我々は、ヒトDCsignキット(Miltenyi)を使用して細胞を精製し、DDM中でさらに4週間拡大させた。

0063

成熟DCを、初代T細胞と混合したところ、培養物は、3日〜5日以内に、「活性化島(Islandsof activation、IOA)」と呼ばれる細胞凝集体へと成長した(図5F〜H)。IOAは、37℃で20分間、Dil(2μΜ、Life Technologies)を含有する予め温めた無血清培地中でインキュベートすることによりDCを第1蛍光標識して画像化し、そして単離T細胞を同様にDiO(1μΜ)で標識した。インキュベーション後、10倍容量のT細胞培地を添加し、細胞を300×gで5分間ペレット化した。次いで、細胞を0.1%BSAを含むPBSで2回洗浄した。蛍光標識したDC(赤)およびT細胞(緑)を混合し、pHEMAをコーティングしたフラスコ中で一晩(16時間)培養した後、等容量の4%パラホルムアルデヒドを添加することにより固定し、30分間放置した。固定液に直接添加することにより、核をDAPIで標識した(20μΜ最終濃度)。遠心分離および再懸濁はIOAを破壊する恐れがあるので、細胞を洗浄しなかった。IOAは顕微鏡上で採取し、カバーガラス底のチャンバー中に載せて撮影した。IOAの画像は、Nikon(登録商標)C1共焦点顕微鏡で撮影した。

0064

抗DCsign磁気ビーズを用いたiDCの精製によりDCsignhi/CD14lo集団が濃縮され、DCsignlo/CD14hi集団のほとんどが除去された(図5I)が、IOAの形成は阻害された(図5J)。補完的な研究では、抗CD14磁気ビーズを用いたDCsignlo/CD14hi細胞の濃縮により、DCsignhi/CD14lo集団が減少し(図5K)、IOAの形成も阻害された(図5L)。

0065

フローサイトメトリーによりiDCおよび成熟DCの両方がCD80(図3J)、CD86(図3K)、およびCD11c(図3)を発現していたことも確認された。HLAクラスII複合体は、iDCのエンドソーム内に隔絶されており、DCが成熟するにつれて表面に現れる(図3L)。

0066

hESC由来DCがT細胞の増殖を刺激できるか否かを決定するために、ヒトT細胞を全血から単離し(図6A)、CFSEで標識し、そして抗原を負荷した成熟DCと共に7〜10日間共培養した。その後、CD4+T細胞を、抗CD4で免疫染色し、増殖をCD4+集団のCFSE蛍光により評価した(図6B、C)。DCおよびIL−2(Life Technologies)と共にインキュベートしたT細胞(図6D)を陽性対照として使用して、一連の細胞分裂のCFSE蛍光を決定した(図6E、F)。IOAを調べるために、我々は、成熟DCと混合する前に、親油性DilでT細胞を蛍光標識した。翌日、IOAは、より大きなDC(図6G〜I)をとり囲むT細胞で見られた。成熟DCおよびIL−2と混合したT細胞は、7世代(図6J)まで増殖するが、抗DCsign(図6K)または抗CD14(図6L)磁気ビーズを用いて精製したDCでは5世代までしか増殖しなかった。

0067

hESC由来DCは、インフルエンザHAペプチド特異的CD4+T細胞の増殖を刺激する。
T細胞は、市販のインフルエンザワクチン(FLULAVAL(登録商標),GlaxoSmithKlineにより提供)を筋肉内注射による接種前および接種から1週間後のヒト被験体から採取した20mLの全血試料から回収した。全血は、EDTAを含有する血液チューブ(#366643、BD Biosciences)を用いて被験者から採取した。滅菌条件下で血液試料をPBSで1:1に希釈し、40mLの希釈試料を30mLのFicoll−hypaque(登録商標)の上に重層し、30分間400×gで遠心した。末梢血リンパ球(PBL)層を回収し(図6A)、PBSで希釈し(1:7)、10分間300×gで遠心分離した。PBS中でペレットを再懸濁することによってさらに2回細胞をリンスした。生細胞トリパンブルー排除により計数した。ナイロンウールカラムを用いて接着細胞を除去してT細胞を濃縮した。簡単にいうと、ナイロンウールカラムをT細胞培地(10%FBSを含有する1640PMI)で洗浄し、37℃で1時間インキュベートした。その後、1mlのPBL当たり107個の細胞をあらかじめ温めたカラムに加え、37℃で1時間インキュベートし、その後カラムのストップコックを開いて、非接着細胞収集した。カラムは、5mlのT細胞培地で2回洗浄し、流出物を全部回収した。T細胞を濃縮した画分を37℃の水浴で8分間、CFSE溶液(PBS中4μΜ)と共にインキュベートした。インキュベーション後、溶液を10倍量のT細胞培地で希釈し、遠心分離によりペレット化し(300×gで10分間)、0.1%BSAを含むPBSで二回洗浄した。CFSE標識細胞を再懸濁および計数し、画分を使用してフローサイトメトリー(Accuri(登録商標)、BD Biosciences)によりCFSE蛍光を評価した。フローサイトメトリーの前に、細胞をAlexa(登録商標)647結合抗CD4抗体(BD Biosciences)で免疫染色し、CD4+集団におけるCFSE蛍光を分析した。さらに、FCSexpress 4フローサイトメトリーソフトウェア(De Novo Software)を用いてフローサイトメトリーデータおよびヒストグラムを解析した。

0068

CFSE標識T細胞は、前もってインフルエンザHA免疫原性ペプチド(アミノ酸126−138、H−HNTNGVTAACSHE−OH,Anaspec)を負荷した成熟DCと共に共培養した(Le Nouen et al.,2010;Schmidt et al.,2012)。DCのペプチド負荷には、水中に凍結乾燥インフルエンザHAペプチド再懸濁すること、および10分の1容量の10×PBSを用いてpHを中和することが含まれていた。インフルエンザペプチドを用い、加湿5%CO2インキュベーター内で4日間、培養培地1mL当たり10マイクログラムの最終濃度で未成熟DCを負荷した。その後、未成熟DCをTNF−αおよびLPSで成熟させた。

0069

CD4+T細胞増殖の解析により、ワクチン前試料の対照DCに対する応答は低いが(図7A)、ワクチン後試料はCD4+T細胞増殖が顕著に増加したことが示された(図7B、C)。これは、ワクチンにおけるアジュバントの非特異的な効果によるものである可能性が高い(Fox et al.,2012;Tetsutani et al.,2012;Caproni et al.,2012)。インフルエンザペプチドであらかじめ負荷した成熟DCは、ワクチン前CD4+T細胞に対しほとんど刺激効果がなかった(図7A)が、ワクチン後T細胞は、増殖が増加する応答をし、この増加は対照DCの応答をかなり超えていた(図7B〜E)。ワクチン後アッセイにおける対照DCおよびインフルエンザDCとの間の唯一の違いは、インフルエンザペプチドにより前負荷をしたか否かであるので、この増加はインフルエンザ特異的CD4+T細胞によるものであることが示唆される。

0070

簡単に説明すると、ヒト被験者が関与するすべての手順は、Western University of Health Sciences(Pomona,CA),Arrowhead Regional Medical Center(Colton,CA)、およびCasa Colina(Pomona,CA)から承認された治験審査委員会のプロトコルの下で行われた。インフォームドコンセントフォームは、全被験者および/または法的保護者に説明し彼らの署名を受けた。

0071

実施例2.アルツハイマー病患者のAβ特異的CD4+T細胞の応答の分析
hESC由来DCが慢性状態においてCD4+T細胞の応答を検出できるかどうかを評価するために、我々は、アルツハイマー病(AD)と推定診断された6人の被験者および3人の同年齢の対照を採用した。実施例1に記載したのと同じ方法に従って、全血を採取し、処理し、そしてT細胞を単離した。CD4+T細胞増殖を、インフルエンザHAペプチドを負荷したDCについて前述したのと同じ方法で、10mg/mlのAβ1−42ペプチド(BioMer Technology)をあらかじめ負荷した成熟DCに対する応答について評価した。

0072

このペプチドの不溶性沈着物は、脳内の老人斑に蓄積するアルツハイマー病の決定的な病理特徴である(Braak and Braak,1997)。Αβ特異的CD4+T細胞は、疾患マウスモデルのアルツハイマー病の病理および挙動を軽減する(Ethell et al.,2006;Cao et al.,2009)。Αβ1−42によるワクチン接種が、アルツハイマー病の治療法として試みられ有望であったものの、この試みは、被験者の何人か(6%)の脳髄膜に炎症が生じたので中止した(Orgogozo et al.,2003)。未だ依然として不明なのは、Aβ特異的なT細胞の応答はADの病因が発生している間に起こるのか否か、そしてAβ特異的なT細胞の応答は、早期には有益な効果をもたらすものの病気が進むにつれて過剰になってしまわないかということである(Ethell et al.,2002;Ethell and Buhler,2003;Cao et al.,2009)。T細胞を、実施例1で記載したように調製し、Αβ1−42であらかじめ負荷した成熟DCと共培養した。6人のAD被験者のうち5人が対照DCよりΑβ提示DC応答性のCD4+T細胞増殖が3倍超増加し、一方対照被験者は対照DCの2倍超の応答を示した(図7F)。AD被験者の1人(AD4)では、Αβを負荷したDCに対する増殖応答がなかったが、これはADの確定診断不正確であったからという可能性があり、死後脳の病理で診断したからだという可能性がある(Alzheimer,1907;Fischer,1907)。

0073

実施例3.CD4+T細胞の応答を評価するために、HLA−DRA−Αβ融合タンパク質を発現するように操作されたレンチウイルス構築物を形質導入したhESC由来DCの使用方法
36人のヒト被験者に本発明の組成物および方法を使用して、アルツハイマー病のペプチドであるアミロイド−β(Aβ)に応答するCD4+T細胞のレパートリーを評価した。CD4+T細胞は、標準的な静脈切開法を用いて得た全血から得られた。最初のナイロンウールに基づく精製方法により、大部分の骨髄細胞およびB細胞を除去してT細胞集団を濃縮した。その後T細胞を、カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)で染色してから、HLA−DRA−Αβ融合タンパク質を発現するAPCのパネルと混合し、7〜10日間培養した。融合タンパク質のパネルには、完全長Aβ:Aβ1−13;Aβ7−13;Aβ16−30;Aβ24−35;Aβ31−42;およびAβ7−23が含まれていた。インキュベーション期間後、細胞混合物をCD4特異的な蛍光抗体で染色し、フローサイトメーターにかけた。CD4特異的な蛍光を使用してCD4+T細胞を同定し、CFSE強度を使用して、T細胞を初めてCFSE染色してからCD4+T細胞がどのくらい増殖するのかを決定した。T細胞は主にCFSEで染色されるからである。以下の実施例は、本発明の様々な工程を例示するものである。

0074

HLA−DRA/アミロイドβ融合構築物。
ヒトHLAクラスIIα鎖(HLA−DRA,gene bank entryより提供)をクローニングした。クローニングは、1mLの全血由来のヒト血液末梢血単核球(PBMC)から標準的な方法を用いてRNAを単離し、その後、標準的な逆転写法を用いてHLA−DRAcDNA鋳型を作成して行った。その後、HLA−DRA cDNA鋳型を加えてHLA−DRAヌクレオチド配列を標準的なポリメラーゼ連鎖反応PCR)で増幅した(プライマーは、HLA−DRAFフォワード):5’−TTATTCTTGTCTGTTCTGCCTC;HLA−DRAR(リバース)5’−CTTCTCTCTAAGAAACACCATCACCTCであり、これらは本発明者であるDoug Ethellが設計した)。プルーフリーディング用のDNAポリメラーゼ酵素、「Phusion」(New England Biolabs)も用いた。PCR産物アガロースゲルで分離し、正しいサイズ(約2kb)の単一のバンドゲルから単離してから製造元説明書に従ってpCR(登録商標)8/GW TOPO(登録商標)TAベクター(Invitrogen Corp.,Life Technologies,Carlsbad,CA)にライゲーションした。正確な配列を有し突然変異をしていないHLA−DRAクローンを含むpCR(登録商標)8TOPO(登録商標)TAプラスミドを選択した。部位特異的変異誘発(SDM)によりHLA−DRA配列の5’末端にポリグリシン/セリンリンカーをコードするヌクレオチド配列を導入した。SDMによるクローンに標準的なDNA配列決定を用いて、正しい配列を有するクローンを同定した。図9は、得られたpCR(登録商標)8/GW TOPO(登録商標)−HLA−DRA+リンカープラスミドのプラスミドマップを示す。このプラスミドを用いてSDMにより各々のアミロイドβ(Aβ)融合構築物を生成し、これらの実験で使用した。具体的には、以下のAβ断片を含むAβ+リンカー+HLA−DRA融合構築物を作成した:Aβ1−13(図11);Aβ7−13(図12);Aβ16−30(図13);Aβ24−35(図14);Aβ31−42(図15);およびAβ7−23(図16)。

0075

上記のAβ+リンカー+HLA−DRA融合構築物のそれぞれを、各pCR(登録商標)8/GW TOPO(登録商標)ベクターからFUWレンチウイルスベクターへサブクローニングした。サブクローニングは、標準的な分子生物学的クローニングの手法を用いてFUWベクターのマルチクローニングサイトのEcoRI部位で行った。各Αβ+リンカー+HLA−DRA融合制限断片をゲル精製してからFUWベクターに挿入した。Αβ+リンカー+HLA−DRA挿入の向きは、制限消化によって確認した。具体的には、ヌクレアーゼXbaIおよびPstIを用いて、挿入物の向きを確認した。

0076

Αβ+リンカー+HLA−DRA融合タンパク質のタンパク質発現は、FUWプラスミド上に存在するユビキチンプロモーターによって開始した。ウェスタンブロット分析により、FUW構築物を293細胞に導入するとΑβ+リンカー+HLA−DRAの融合タンパク質を発現したことが示された。図15を参照。細胞溶解物のウエスタンブロット分析はブロットをプローブするためにHLA−DRA特異的抗体(Abnovaカタログ番号MAB7134、クローンL243)を用いて行った。

0077

ヒト胚性幹細胞(hESC)由来樹状細胞。
hESCのH9株(WiCell/国立幹細胞銀行)の凍結バイアルを、凍結ペレットが残りわずかになるまで連続的にクライオバイアルを穏やかに振とうすることにより、37℃の水浴中で素早く解凍した。クライオバイアルを水浴から取り出し、イソプロピルアルコールで拭いた。1mlピペットチップを使用して、クリオバイアルの内容物を15mlコニカルチューブに移した。予め温めておいた9mLの幹細胞培地(Stem Cell Technologies,Vancouver,Canadaより得た完全mTeSR)をチューブに滴下し、培地を添加しながら穏やかに混合した。次いで、細胞を室温(25℃)で5分間、300×gで遠心分離した。培地は、細胞ペレット無傷のまま残し吸引した。細胞を凝集体として維持するよう注意しながら1mlピペットチップを用いて、細胞ペレットを穏やかに再懸濁した。塊が均一に分布していることを確認して、1mlの細胞凝集体をマトリゲル(Becton−Dickinson、製造元の説明書に従って調整した)でコーティングしたT25フラスコに移した。次いで、細胞凝集体が均等に培地内分配されるまで、フラスコを素早く前後左右に動かした。細胞を37℃で5%CO2の加湿インキュベーター内で培養した。hESC培養物は、1日おきにT25フラスコあたり新鮮なmTeSR培地で100%交換した(4ml)。解凍から約5〜7日後に、hESC培養物をチェックして継代の準備ができたhESCコロニーがあるか否か(すなわち、緻密な中心となめらかな縁があるか)を確認した。

0078

未分化hESCの継代。
前述のような継代の準備ができたhESCのコロニーを顕微鏡で検査し、未分化コロニーの場所を同定した。未分化コロニーの場所は、ピペットチップでマトリゲル表面を掻き取ることによって除去した。この段階で各フラスコの表面積の20%以下を掻き取った。掻き取った細胞を、4mLのmTeSR培地を含有しマトリゲルでコーティングしたT25フラスコに移した。未分化細胞を新しいT25フラスコへ移した後に存在する比較的大きなコロニーは、1mLのピペットチップでコロニーを上下に穏やかにピペッティングすることで壊した。T25フラスコを揺動することにより未分化細胞を穏やかに混合した後、フラスコをインキュベーターに入れた。コロニーの粗い縁が欠如していることにより同定した未分化hESCコロニーは、1日おきに4mLのmTeSR培地を培養物に供給することによって維持した。未分化のhESCは、継代から5〜6日後に実験に使用した。

0079

OP9細胞の培養。
OP9骨髄間質細胞(ATCCカタログ番号CRL−2749)を使用して、hESCの造血幹細胞(HSC)系統への分化を刺激したが、この手順において代わりに他の骨髄間質細胞を用いてもよい。OP9細胞をOP9培地、つまり20%FBS(熱による不活化をしない)およびL−グルタミンで補充した1×α−MEM(Life Technologies)培地中で維持した。OP9培養物は、ATCCプロトコルに記載のように37℃で5%CO2の加湿インキュベーター内で、T75フラスコ中に維持した。簡単に言うと、OP9培養物を2日ごとに給餌し、4日間毎日継代した。OP9培養物を継代するために、培養培地をフラスコから吸引し、OP9細胞単層を8mLのPBSで洗浄した。フラスコ表面からOP9細胞を分離するために、TRYPLE express(Life Technologies)溶液(4mL)をフラスコに加え、フラスコを37℃のインキュベーターに5分間入れた。TRYPLE処理は、0.5%BSAを含有する4mLのPBSを添加することによって停止させた。処理した細胞および溶液を15mlチューブに移し、チューブを300×gで5分間遠心分離した。遠心分離後、上清を吸引し、細胞を1mLのOP9培地中に再懸濁した。細胞溶液を30mLのOP9培地に再懸濁し、10mLの再懸濁細胞を3つの新しいT75フラスコにそれぞれ加えた。上記のように、OP9細胞を再度分注すると、約4日後には85%コンフルエンスまで増殖した。

0080

OP9間質細胞を用いた共培養によるhESCの造血細胞への分化。
hESCが分化するにはOP9細胞はT75フラスコ内で育ちすぎていた(すなわち、分注から4〜5日後)。培養培地を吸引し、10mLのhESC−HSC分化培地(10%FBS(熱活性していない)および100μMのモノチオグリセロール(MTG,Sigmaカタログ番号M6145)を補充した1×α−MEM)をフラスコに添加し、培養物を20分間インキュベートした。OP9細胞をhESC−HSC分化培地でインキュベートしながら、mTeSR培地をhESCコロニーのT25フラスコ(分注から5〜6日後)から除去し、hESC培養物を5mLのPBSでリンスした。細胞は、5%FBSを補充した3mLのPBSでカバーし、その後hESCコロニーをT25フラスコの表面から剥離し、細胞スクレーパー(BD Falconカタログ番号353085)を用いて破壊した。剥離したhESCコロニーをピペットで15mLのコニカルチューブに移した。その後フラスコを別の3mLのPBS/5%FBSでリンスし、これを掻き取ることによってコロニーを含む同じ15mLのチューブに加えた。破壊されたhESCコロニーを含む15mLチューブを、300×gで5分間遠心分離した。上清を吸引し、ペレットを1mLのピペットで穏やかに粉砕しながらフラスコをタッピングすることによって1mLのhESC分化培地に再懸濁した。このとき細胞塊を壊さないように注意した。細胞懸濁液の体積は1.5mL〜2mLであり、典型的には約106個の細胞/mlを含んでいた。さらに9mLのhESC−HSCの分化培地を穏やかにhESC細胞懸濁液に添加した。このとき、hESC細胞塊を無傷で維持するよう注意した。その後hESCを含有するhESC−HSC培地10mLを均等にOP9フラスコに分注し、上記のように、10mLのhESC−HSC分化培地とともにインキュベートした。次いで、フラスコを37℃で5%CO2の加湿インキュベーター内に入れた。インキュベーションの1日後、すべての培地を吸引して取り除いた。20mLの新鮮なhESC−HSC分化培地をフラスコに加え、フラスコをインキュベーターに戻した。合わせたhESC/OP9培養物に、それぞれ培地(10ml)の50%を新鮮なhESC−HSC分化培地で置換することによって最初のプレーティングから4〜6日間供給した。4日目から、共培養物を顕微鏡下で検査しhESCコロニーの分化を観察した。HSC分化が良いものは、未分化hESCコロニーと対比して形態が異なるコロニーによって示される。培養物は、脂肪生成(大きな液胞を含有する)OP9細胞を含んでいなかった。HSCコロニーは、最初のプレーティングから7〜8日後に採取した。

0081

GM−CSFのバルク培養における骨髄前駆細胞の拡大。
pHEMAによるプラスチック表面のコーティング。
50mLチューブ内で、10mMのNaOHを含む10mLの95%エタノールへ4gのpHEMAを添加して、これを一晩37℃のインキュベーター内で回転させて、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)/pHEMA(Sigmaカタログ番号P3932)コーティング溶液を調製した。2mLのpHEMAコーティング溶液を使用し、底面全体が覆われるまでフラスコを傾斜回転させT25フラスコをコーティングした。フラスコを横にして、過剰のpHEMAコーティング溶液を角に排出し吸引して除去した。キャップを外してフラスコを直ちに水平位置に置き、組織培養フード(UVなし)内で一晩乾燥させた。次の日に蓋をフラスコの上に載せて使用時まで室温で保存した。8日目のhESC/OP9共培養物の単一細胞懸濁液を、以下のようなコラゲナーゼ−トリプシン溶液を用いて連続的な酵素処理をすることによって調製した。まず、hESC/OP9共培養の培地を吸引し、10mlのPBSで洗浄した。その後T75フラスコあたり5mlのコラゲナーゼ溶液無菌濾過されたIV型コラゲナーゼ(LMG/ml)を含むDMEM/F12(1mg/ml),Life Technologies No.17104−019)を加え、フラスコを37℃で20分間インキュベートした。コラゲナーゼ溶液をフラスコから除去し、50mlのコニカルチューブに移した。5mlのトリプシンEDTA溶液(0.05%トリプシンを含む0.5mMのEDTA溶液、Life Technologies#25300−054)を、同じhESC/OP9共培養フラスコに加え、フラスコを37℃で20分間インキュベートした。5mlのPBS−5%FBSを、トリプシンEDTA溶液を含むフラスコに添加し、剥離した細胞を、10mlの血清学的ピペットでピペッティングすることにより再懸濁した。次いで、細胞を、回収したコラゲナーゼ溶液を含有する同じ50mlコレクションチューブに移し、チューブを密封してから反転させることにより細胞を混合した。同じチューブ内で細胞を400×gで10分間遠心分離した。上清を除去し、細胞をPBS−5%FBSで洗浄し、400×gで10分間再び遠心分離した。この洗浄工程をさらに2回繰り返し、最後の洗浄後に上清を除去した。細胞を、10mlの骨髄細胞拡大培地(MCEM)に再懸濁した。MCEMには、10%非加熱不活化hyclone FBS(Hyclone)、1×MTG(100μM)、および100ng/mlのGM−CSFを補充したα−MEMが含まれる(R&D Systemsカタログ番号215−GM)。GM−CSFは、使用直前に添加した。MCEMで細胞を再懸濁した後、細胞懸濁液を50mlチューブに取り付けた70μΜナイロンフィルタに通して濾過した。濾過工程の後、総細胞数血球計およびトリパンブルーを用いて計算した。細胞は、最終的に2〜3×106個の細胞/mlの濃度で懸濁した。hESC由来骨髄系共通前駆細胞を含む懸濁細胞を、pHEMAコーティングされたT25フラスコに分注し(5ml/T25フラスコ)、37℃、5%CO2でインキュベートした。プレーティングから4、8および12日目に、各フラスコ内の培地の50%を新鮮MCEMに置換することによって、培養物に新たなMCEMを供給した。各供給後、2.5mLの培地を除去し、300×gで10分間遠心分離した。上清を完全に除去し、細胞ペレットを新鮮なMCEMに再懸濁し、フラスコに戻した。共培養を確立してから11または12日目に、細胞を採取した。

0082

骨髄前駆細胞からDCへの分化。
上記の手順で説明した骨髄前駆細胞をT25フラスコから直接回収し、70μmナイロンで濾過し、15mlコニカルチューブに移し、400×gで10分間遠心分離した。ピペットを用いて上清を除去し、次に細胞を5mlのPBSに再懸濁した。細胞懸濁液を5mlの25%Percoll(Sigmaカタログ番号P1644)に載置してから400×gで15分間遠心分離した。細胞をPBS−5%FBSで2回洗浄し、450×gで10分間遠心分離した。このとき、細胞ペレットを無傷に保つように注意した。最後の洗浄後、細胞を8mLの樹状細胞分化培地(DCDM)に再懸濁した。DCDMは、EX−CYTE成長促進サプリメントの1/500希釈物(Milliporeカタログ番号81−129−N)、100ng/mLの組換えヒトGM−CSF(Sigma)、および100ng/mLの組換えヒトIL−4(R&D Biosystems)を補充したStemSpan無血清拡大培地(SFEM)(Stem Cell Techカタログ番号09650)から成る。細胞含有溶液を半分ずつ2つのT25フラスコにそれぞれ加えた。各フラスコ中の細胞懸濁液の最終濃度は、1mLのDCDM当たり2×105〜1×106個の細胞/mLであった。プレーティング後4および8日目に、50%のDCDMを置換することによって、細胞に供給した。2mLの培地を各フラスコから除去し、400×gで10分間遠心分離した。上清を除去し、細胞を2mLの新鮮なDCDMに再懸濁し、溶液をフラスコに加えて戻し、これをインキュベーターに戻した。

0083

樹状細胞(DC)の成熟(一般的な成熟過程)。
標準的なトリプシン溶液による細胞剥離法を用いて、樹状細胞の10〜12日間培養物を15mlのコニカルチューブに収集し、400×gで10分間遠心分離した。上清をピペッティングにより除去し、ペレットを再懸濁し、新たに調製したDC成熟培地(EX−CYTE成長サプリメント(Milliporeカタログ番号81−129−N)を補充したSFEM)4mlと穏やかに混合した。再懸濁したDCを、pHEMAでコーティングしたT25フラスコに移し、37℃、5%CO2でインキュベートした。細胞をプレーティングしてから2〜3日後までに、DCが樹状突起を形成し始めた。

0084

感染および樹状細胞への成熟。
レンチウイルスの調製。
プラスミドをHEK293細胞にトランスフェクトすることによってレンチウイルスを調製した。ヒト胚腎臓293細胞/HEK293(以下、単純に293と呼ぶ)細胞を、293培地(10%FBSおよびL-グルタミンを補充したダルベッコ最小必須培地(DMEM))に入れ、37℃で5%CO2の加湿インキュベー内で維持した。培地を吸引して除去し、細胞をPBS(直径10cmのディッシュにつき5mL)でリンスし、細胞にトリプシンEDTA(直径10cmのディッシュにつき5mL)を加えて3〜4分置くことにより細胞を80%のコンフルエンスで分取した。トリプシンEDTA処理後、5mLの293培地をディッシュに加え、溶液を上下にピペッティングすることによって細胞を穏やかに取り出した。再懸濁した293細胞および培地を15mLのチューブに移し、500×gで5分間遠心分離した。上清を吸引により除去し、細胞ペレットを1mLのPBSに再懸濁し、血球計を用いて細胞を計数した。細胞を293培地で希釈し、2mL中5×105個の細胞を各6ウェルプレートにプレーティングした。プレートを一晩インキュベーター内に置き、翌日に細胞をプラスミドでトランスフェクトした。リポフェクタミン2000(Life Technologies)を用いてプラスミドを293細胞にトランスフェクトした。すべての融合タンパク質を発現するレンチウイルスを異なるウェルで別々に次のように作成した。50μlのOptiMEM(Life Technologies)を2つの1.5mL微小遠心管に入れ、組織培養フード内で10分かけて室温に温めた。プラスミドを添加した後、1つのチューブに、2gのレンチウイルス発現ΑβHLA−DRA融合タンパク質構築物、2μgのVSVG、2μgのΔ8.92を加えた。全てのプラスミドは、Endo−Free Maxiキット(Qiagen)を用いてアンピシリン耐性大腸菌培養物から調製した。2つめのチューブには、10mLのリポフェクタミン2000を添加した。両チューブの内容物を一緒に加え、混合し、20分間組織培養フード中に静置した。この時間の後、製造業者のリポフェクタミンプロトコル(Life Technologies)に従い溶液を293細胞のウェルに滴下した。リポフェクタミンを含有する溶液を各ウェルに加えた後、プレートをインキュベーターに戻した。翌日、培地を293細胞から除去し、1mLのDCDMに置換した。細胞を2日間再びインキュベートした。このとき、ウイルス含有培地を除去し、未成熟DCに感染する準備ができた。DCDM内においてから10日後、樹状細胞を回収し、15mLのコニカルチューブ内に入れ400×gでペレット化した。上清をピペットで除去し、DCを含有するペレットを1mLのDCDMで再懸濁し、細胞を血球計で計数した。一般的に、5×105個の細胞を使用して、各Αβ融合レンチウイルスおよび実験対照(すなわち、IL−2、Aβペプチド、未処理対照)に感染させた。pHEMAでコーティングした24ウェルプレートの10ウェルの合計を感染および対照用に調製した。pHEMAのコーティングは、500μLのpHEMAコーティング溶液を各ウェルに使用した以外は、上記のように行った。融合タンパク質ベクターでトランスフェクトした293からレンチウイルス含有培地(600μL)を7つのウェルに添加した。空のFUGWレンチウイルスベクターまたはΑβ融合タンパク質のDNA配列(Aβ1−13、Aβ7−13、Aβ16−30、Aβ24−35、およびAβ31−42)を含むFUGWベクターでトランスフェクトした293細胞から得た馴化培地をそれぞれ、6個のウェルに加えた。残りの3つのウェルは、1)10μg/mlのΑβ1−42ポリペプチドを含むDC分化培地(Biomer Technology,Pleasanton CA);2)IL−2を含有するDC分化培地;3)DC分化培地のみ、を用いて処理した。次に、5×105個の分化DCを、各ウェルに添加した。分化DCを加えた後、プレートを左右に動かしてから、37℃、5%CO2で2日間インキュベートした。感染開始から2日目に、培地を各ウェルから除去し、1mlのDC成熟培地(DCMM)に置換した。DCMMは、100μg/mLの組換えヒトTNF−α、および250ng/mLのリポ多糖(LPS)を補充したDCDMから成る。感染DCを、さらに3日間DCMMでインキュベートした。

0085

T細胞の単離。
全血を、標準的な静脈切開法を使用して、被験者から収集した。約20mLの全血をpurple topEDTAでコーティングした静脈切開チューブ(Becton−Dickinson)を用いて各被験者から採取した。血液をPBS(Gibcoカタログ番号14040)で1:1に希釈し、24mLの希釈血液を50mLのコニカルチューブ内で18mLのFicoll−Paque Plus上に重層した(1:1.4の割合、GE Healthcare Biosciences,Upsala,SE,カタログ番号17−1440−02)。希釈血液およびFicoll溶液を含むチューブを室温、400×gで30分間、遠心分離した。上清(すなわち、黄色の血漿成分)を吸引して廃棄した。血漿成分およびフィコール層との間の界面層慎重に取り、新しいチューブに移した。この界面層は、末梢血リンパ球(PBL)および単球を含んでいた。PBLを含むチューブに25mLの1×PBSを投入し、混合してから1500×gで10分間遠心分離した。上清を吸引除去し、ペレットを10mLのPBSで再懸濁した。1500×gで10分の洗浄工程をさらに2回繰り返した。最後のすすぎの後、細胞を1mLのPBSに再懸濁し、血球計数器を用いて計数した。次いで、細胞をRPMIに再懸濁し20〜50×106個の細胞/mLの細胞濃度にした。

0086

無菌ナイロンウールカラム(Polysciences Inc.カタログ番号21759)内でインキュベートしたPBLを通過させることによって、T細胞をB細胞および単球などの接着細胞から精製した。簡単に言うと、10mLのナイロンウールカラムの上部に5mLのRPMI培地を添加することによりカラムを湿らせて、カラム底部のストップコックを開いて培地をカラムに通過させた。5mLのRPMI培地を用いて2回洗浄した後、ストップコックを閉じてから5mLのRPMI培地をカラム上部に添加してカラム内で静置した。次いで、カラムの上部をシリンジプランジャー密閉してから、RPMI培地を含有するカラムを37℃で1時間インキュベートした。このインキュベーションの後、カラムを垂直に固定し、ストップコックを開いてRPMI培地をカラムに流した。次にストップコックを開いて別の5mLのRPMIでリンスした。4mLの細胞懸濁液(2〜5×106個の細胞/mL)をカラムの上部に添加し(PBLの合計4mL)、ストップコックを閉じて溶液をカラムに通過させた。1mLのRPMIをカラム上部に重層し、ナイロンウールに通過させた。ストップコックを閉じ、カラムの上部をシリンジプランジャーで密閉し、37℃で1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、カラムを組織培養フード内で垂直に取り付けて、プランジャを除去した。ストップコックを開けて、重力によりカラムを通過して流れた流出液を回収した。この流出液は、T細胞の濃縮画分から成っていた。カラムを、10mLのRPMI培地でもう一度洗浄し、重力により流れた流出液を回収した。2つの流出物を50mLコニカルチューブ中で混合し、1500×gで10分間遠心分離した。上清を吸引し、T細胞濃縮調製物を1mLのPBSで再懸濁した。細胞を、血球計を用いて計数した。細胞懸濁液中の比較的大きな細胞のみを、目的のT細胞として計数した。

0087

T細胞のカルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)染色。
ナイロンカラムから回収したT細胞懸濁液を計数した後、懸濁液を1500×gで10分間遠心分離し、0.1%BSAを含む4mLのPBSに再懸濁し、37℃に予め温めておいた。その後8μΜのCFSEを含有する4mLのPBS/BSA(CellTrace(商標)CFSE細胞増殖キット、Invitrogen)を4mLの細胞懸濁液に添加し、混合物を37℃の水浴中で8分間インキュベートした。インキュベーション直後に、細胞溶液を10%hycloneウシ胎児血清(FBS)を含有する10mLのRPMIで希釈した。次いで、細胞懸濁液を25℃、1500×gで10分間遠心分離した。CFSE染色したT細胞を、0.1%のBSA(ウシ血清アルブミン画分V、Calbiochem、カタログ番号2930)を含む10mLのPBSと共に25℃、1500×gで5分間遠心して2回洗浄した。最後の洗浄の後、T細胞を、1mLのRPMIに再懸濁し、計数した。CFSE染色は、フローサイトメトリー(Accuri/BD)によりCFSEで染色した再懸濁T細胞のアリコートを分析することによって確認した。フローサイトメトリー(FL1チャネル)によって分析をすることでCFSE染色の強度が均一なことを確認した。3日前に感染した成熟DCから成熟分化培地を除去した。

0088

成熟HLA−DRA−Aβを提示する樹状細胞とADと診断された被験者由来のCFSE標識T細胞との共培養。
Αβ1−42ペプチド(10μg/ml)を前負荷したHLA−DRA−Αβ融合タンパク質を発現するレンチウイルスを感染させた成熟樹状細胞の各ウェル、または2つの未処理ウェルに、100万(1×106)個のCFSE染色T細胞を添加した。24ウェルプレートを前後左右に動かして細胞を混合しT細胞がウェル内でに均等に分布するようにした。プレートをインキュベーターに戻した。翌日、1μlのヒトIL−2(GIBCO、カタログ番号PHC0026)を各ウェルに添加した。IL−2の最終濃度は200ng/mlであった。プレートを穏やかに左右に動かすことによりIL−2を分布させた後、細胞を、37℃で9日間インキュベートした。10日目に、CD4陽性T細胞の集団を、ACCURI(商標)フローサイトメトリーによって後述のように決定した。

0089

抗CD4による免疫染色。
T細胞と遺伝子操作したDCとの共培養の10日目に、各ウェル毎に新しい1mLピペットチップを用いて各ウェル内の培地を回収し別々の15mLコニカルチューブに移した。プレートのウェルの表面を1mlのPBSで洗浄し、洗浄液を対応するウェル由来の先の洗浄液と共にプールした。すべてのウェルから細胞を回収した後、チューブを450×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、細胞を5mLのPBSで1回洗浄し、次いで450×gで10分間再び遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを回収した。細胞を蛍光結合抗CD4抗体で免疫染色(生)し、フローサイトメトリーによって分析した。インキュベーション後、50μlの各細胞懸濁液(すなわち、1×106個の細胞)を新鮮なフローサイトメトリーチューブに移した。1μlの蛍光Alexa647結合抗CD4抗体(Alexa Fluor(登録商標)647マウス抗ヒトCD4抗体、BD Biosciences,カタログ番号557707)を各チューブに加えた。残りの50μlのNMSブロックT細胞をアイソタイプ対照抗体に使用した。1μlのアイソタイプ対照抗体(Alexa Fluor(登録商標)647マウスIgG1kアイソタイプ対照、BD Biosciences,カタログ番号557714)を細胞に加え、各実験条件のアイソタイプ対照に使用した。抗CD4標識およびアイソタイプ対照細胞の両方を、4℃暗所で1時間インキュベートした。インキュベーション後、0.5%BSAを含む1mLの冷PBS(Calbiochemカタログ番号2930)を各チューブに添加し、チューブを200×gで5分間遠心分離した。上清を捨て、洗浄工程を2回繰り返した。最後の洗浄液は、0.5%BSAを含まずPBSのみを含んでいた。各チューブ内の細胞を200μlの氷冷1×PBSで再懸濁した。

0090

ACCURI(商標)フローサイトメトリーによるCD4+T細胞の増殖測定。
細胞はAccuriフローサイトメーターを使用してアッセイした。前方散乱(FSC)および側方散乱(SSC)ドットプロットを使用してT細胞を含む集団辺りにゲートを作成し、これを予備実験で測定した。そのゲート内の細胞事象を、Alexa647蛍光(赤色)を示すFL2のヒストグラムにプロットした。抗CD4抗体によって標識された細胞は、ヒストグラムで有意な蛍光量があったので、ゲーティングしてその集団を単離した。FL1(緑色)蛍光ヒストグラムは、CD4+細胞内のCFSE標識を示す。最も強い標識が非分裂細胞で見られた(右端)。細胞分裂した細胞のCFSE蛍光は徐々に低くなった。IL−2処理条件でのCFSEプロットを使用して、各工程(すなわち分裂)についての蛍光の程度を決定した。これらのマーカーを各実験条件のCFSEプロットに移し、CD4+T細胞が実験中に5回を超えて分裂したかを決定した。各条件でのT細胞増殖プロファイルを比較して、各血液試料におけるΑβ特異的CD4+T細胞の相対的な存在量および応答性を決定した。

実施例

0091

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