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課題・解決手段

ここで述べる実施形態は、ポリグリセリンを含む透析物を提供する。ポリグリセリンは、分子量が約0.15kDaから約60kDaまでである。また、拡散剤および浸透圧剤として透析物を使用することもここで提供する。

概要

背景

関連出願
本出願は、2012年4月24日に出願された米国特許仮出願番号第61/637,716号)に対する優先権を主張する。

概要

ここで述べる実施形態は、ポリグリセリンを含む透析物を提供する。ポリグリセリンは、分子量が約0.15kDaから約60kDaまでである。また、拡散剤および浸透圧剤として透析物を使用することもここで提供する。A

目的

従って、適時の腎移植待ち望んでいる成人および小児患者に対する排他移植前透析モダリティとして、まずPDを開始し、PDを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

ポリグリセリンを含む透析物において、前記ポリグリセリンの分子量が約0.15kDaから約60kDaまでであることを特徴とする、透析物。

請求項2

前記ポリグリセリンの分子量が約0.48kDaから約3.0kDaまでであることを特徴とする、請求項1に記載の透析物。

請求項3

前記透析物のpHが約2.0から約9.0までであることを特徴とする、請求項1または2に記載の透析物。

請求項4

前記透析物のpHが約6.5から約7.5までであることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の透析物。

請求項5

前記透析物が水溶液中にあることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の透析物。

請求項6

前記ポリグリセリンが、透析液の約0.01重量%から約50重量%までであることを特徴とする、請求項5に記載の透析物。

請求項7

前記ポリグリセリンが、透析液の約1.25重量%から約20重量%までであることを特徴とする、請求項5または6に記載の透析物。

請求項8

前記透析物が、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1500ミリオスモルまでであることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の透析物。

請求項9

前記ポリグリセリンが、約1.0から約15までの多分散度を有することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の透析物。

請求項10

前記ポリグリセリンが樹枝状であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透析物。

請求項11

前記ポリグリセリンの分岐度が、約0から約0.4までであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透析物。

請求項12

前記ポリグリセリンの分岐度が、約0.4から約0.7までであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透析物。

請求項13

前記ポリグリセリンの分岐度が、約0.7から約1.0までであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透析物。

請求項14

前記ポリグリセリンの分岐度がゼロであることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の透析物。

請求項15

第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンを含み、前記第1、第2およびそれ以上のポリグリセリンの各々の分子量が、他の第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの分子量とは異なることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の透析物。

請求項16

前記ポリグリセリンが、1つまたはそれ以上の疎水基親水基またはその両方をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の透析物。

請求項17

前記1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方が、前記ポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約100%までに結合されることを特徴とする、請求項16に記載の透析物。

請求項18

前記1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方が、前記ポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約40%までに結合されることを特徴とする、請求項16または17に記載の透析物。

請求項19

前記1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方が、1つまたはそれ以上のカルボキシル酸アミン置換アミン、第4級アミン、アミノ酸リン酸塩硫酸塩、スルホン酸塩ホスホン酸塩アルキルアルケンアルキンアルキルエーテル芳香族化合物芳香族エーテル双性イオン基炭水化物ジスルフィドケタール置換ケタール、アセタール、置換アセタール、エステル基チオエステルウレタンエステルアミドアミド基ペプチドフェノールハロゲンまたはチオールを含むことを特徴とする、請求項16、17または18に記載の透析物。

請求項20

前記1つまたはそれ以上の電解質をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし19のいずれかに記載の透析物。

請求項21

前記1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし20のいずれかに記載の透析物。

請求項22

前記1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし21のいずれかに記載の透析物。

請求項23

前記1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1ないし22のいずれかに記載の透析物。

請求項24

前記浸透圧剤または拡散剤が、ナトリウム塩化物乳酸塩重炭酸塩、重炭酸塩生成剤カルシウムカリウムマグネシウムブドウ糖フルクトースグリセロールソルビトールマニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミンBSA)、マルトースマルトトリオースマルトペントースキシリトール、合成または天然ポリマーを含むことを特徴とする、請求項22または23に記載の透析物。

請求項25

分子、溶質またはイオンを膜、半透膜生体膜、合成半透膜またはその組み合わせを横切って輸送するための請求項1ないし24のいずれかに記載の前記透析物の使用。

請求項26

透析における請求項1ないし24のいずれかに記載の前記透析物の使用。

請求項27

前記透析が間欠的透析を含むことを特徴とする、請求項26に記載の使用。

請求項28

前記透析が持続的透析を含むことを特徴とする、請求項26に記載の使用。

請求項29

前記透析物が、半透膜によって体液から分離され、水分、毒素代謝産物、分子、イオンまたは老廃物が前記体液から前記半透膜を介して前記透析物内に流れ込むことを特徴とする、請求項26に記載の使用。

請求項30

前記透析物が、フィルタと共に用いられ、透析液を滅菌するか、または毒素、分子、イオンまたは老廃物をそこから除去すること特徴とする、請求項26に記載の使用。

請求項31

腹膜透析における請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物の使用。

請求項32

前記腹膜透析は、持続的外来腹膜透析を含むこと特徴とする、請求項31に記載の使用。

請求項33

前記腹膜透析が周期腹膜透析を含むことを特徴とする、請求項31に記載の使用。

請求項34

請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物が、少なくとも1つの他の腹膜透析液と組み合わせて使用することを特徴とする、請求項31、32または33に記載の使用。

請求項35

前記透析物が、腹腔投薬と共に使用することを特徴とする、請求項31ないし34のいずれかに記載の使用。

請求項36

前記透析物が、電解質投与と共に使用することを特徴とする、請求項31ないし35のいずれかに記載の使用。

請求項37

血液透析において請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物の使用。

請求項38

前記透析物が、少なくとも1つの他の血液透析液と組み合わせて使用することを特徴とする、請求項37に記載の使用。

請求項39

腎代替療法において、請求項1ないし24のいずれかに記載の前記透析物の使用。

請求項40

請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物を含む透析液。

請求項41

請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物を含む腹膜透析液。

請求項42

末期腎臓病患者治療する方法において、前記方法は、腹膜透析中の患者に対して請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物を投与するステップを含むことを特徴とする、方法。

請求項43

前記透析物を1日に2回以上投与することを特徴とする、請求項42に記載の方法。

請求項44

請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物の、血管内容積増量剤または静脈利尿剤としての使用。

請求項45

浮腫頭蓋内圧の上昇、中毒または電解質平衡異常を有する患者を治療するための、請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物の使用。

請求項46

前記浮腫が浮腫を含むことを特徴とする、請求項45に記載の使用。

請求項47

透析液を製剤化するためのキットにおいて、前記キットは、(a)凍結乾燥ポリグリセリンを含み、前記ポリグリセリンは分子量が約0.15kDaから約60kDaまでであり;さらに(b)前記透析乾燥ポリグリセリンを使用して前記透析液を製剤化するためのインストラクションを含むことを特徴とする、キット。

請求項48

前記ポリグリセリンの分子量が約0.48kDaから約3.0kDaまでであることを特徴とする、請求項47に記載のキット。

請求項49

1つまたはそれ以上の電解質をさらに含むことを特徴とする、請求項47または48に記載のキット。

請求項50

1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含むことを特徴とする、請求項47、48または49に記載のキット。

請求項51

1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含むことを特徴とする、請求項47ないし50のいずれかに記載のキット。

請求項52

1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含むことを特徴とする、請求項47ないし51のいずれかに記載のキット。

請求項53

前記浸透圧剤または拡散剤が、ナトリウム、塩化物、乳酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩生成剤、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ブドウ糖、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、マルトース、マルトトリオース、マルトペントース、キシリトール、合成ポリマーまたは天然ポリマーを含むことを特徴とする、請求項51または52に記載のキット。

請求項54

透析液を製剤化するためのキットにおいて、前記キットは、(a)請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物と;(b)前記透析物を使用して前記透析液を製剤化するためのインストラクションとを含むことを特徴とする、キット。

請求項55

請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物と、透析液として使用するための、少なくとも1つの生理学的に許容される塩、緩衝剤希釈剤、または賦形剤を含むことを特徴とする、組成物

請求項56

前記組成物が水溶液中にあることを特徴とする、請求項55に記載の組成物。

請求項57

前記組成物が凍結乾燥製剤であることを特徴とする、請求項55に記載の組成物。

請求項58

分岐ポリグリセリンを含む腹膜透析液において、前記超分岐ポリグリセリンの分子量が、約0.15kDaから約60kDaまでであり、直鎖ポリグリセリンの分子量が、約0.15kDaから約60kDaまでであるか、またはその組み合わせであることを特徴とする、腹膜透析液。

請求項59

前記ポリグリセリンの分子量が、約0.48kDaから約3.0kDaまでであることを特徴とする、請求項58に記載の腹膜透析液。

請求項60

1つまたはそれ以上の電解質をさらに含むことを特徴とする、請求項58または59に記載の腹膜透析液。

請求項61

1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含むことを特徴とする、請求項58、59または60に記載の腹膜透析液。

請求項62

1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含むことを特徴とする、請求項58ないし61のいずれかに記載の腹膜透析液。

請求項63

1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含むことを特徴とする、請求項58ないし62のいずれかに記載の腹膜透析液。

請求項64

前記浸透圧剤または拡散剤が、ナトリウム、塩化物、乳酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩生成剤、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ブドウ糖、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、マルトース、マルトトリオース、マルトペントース、キシリトール、合成ポリマーまたは天然ポリマーを含むことを特徴とする、請求項62または639に記載の腹膜透析液。

請求項65

腎不全腎臓病、中毒、浮腫または電解質平衡異常を治療する際に使用するための、請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物。

請求項66

患者の腎不全、腎臓病、中毒、浮腫または電解質平衡異常を治療する方法において、前記方法が、請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物を患者に投与するステップを含むことを特徴とする、方法。

請求項67

毒素、分子、イオンまたは老廃物を体液から除去するための生体外方法において、前記方法は、請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物を半透膜によって体液から分離するステップと;毒素、分子、イオンまたは老廃物を前記体液から前記半透膜を介して前記透析物内に流れ込むようにするステップとを含むことを特徴とする、生体外方法。

請求項68

哺乳類の透析における、請求項1ないし24のいずれかに記載の透析物の使用。

背景技術

0001

関連出願
本出願は、2012年4月24日に出願された米国特許仮出願番号第61/637,716号)に対する優先権を主張する。

技術分野

0002

本発明は、ポリグリセリン分野に関する。特に、本発明は、ポリグリセリンに基づく浸透圧剤および拡散剤、ならびにその用途に関する。

0003

多くの生理的機能は、半透膜を横切って水分または溶質輸送することを必要とする。このような輸送のための駆動力は、膜全体に亘って存在する濃度勾配である。膜の孔が溶質を収容するのに十分な大きさであると仮定した場合、動的平衡を達成するために、溶質がより集中した膜の側面から、あまり集中していない膜の側面へと拡散することになる。拡散は、プロセス発生にエネルギーを費やさないため、一種受動輸送である。浸透作用は、水分が低張溶液から高張溶液まで選択的透過膜を横切って移動する受動輸送の特例である。これらのプロセスは両方共、溶質の濃度に依存するので、拡散および浸透作用は、系統の拡散剤または浸透圧剤を添加することにより調節可能である。例えば、電解質平衡異常酸塩基平衡異常、血圧老廃物除去、および液体貯留に関連する症状に対する多くの治療は、生体内または生体外のいずれかで、拡散剤および浸透圧剤またはそのいずれかを使用して、体液から溶質または水分を除去する必要があるか、または 浸透圧剤を使用して脱水症状を誘発することが必要である。

0004

腎機能が低下した結果、このような平衡異常が生じる場合、患者は、腎代替療法に2つのオプション、すなわち透析および腎移植を有する。臨床診療では、2つの透析形態、すなわち血液透析(“HD”)および腹膜透析(“PD”)を用いる。PDは、PD率カナダ国家透析プログラムの0ないし70%を含む状態でHDと共に使用することも可能である(グラスマン・エー(Grassmann, A)他、(2005)Nephrol. Dial. Transplant 20(12) : 2587 - 2593)。病院ベースのHD患者と比較してPD患者に対する非劣性転帰疫学データが実証している(ボネッシュ・イー・エフ(Vonesh, E.F.)他、(2006)Kidney Int. Suppl. 103 : S3 — S11).

0005

HDは、外部装置を用いて血管回路を介して患者の血液を浄化し、PDは、老廃物排泄のためのフィルタとして患者自身腹腔膜、すなわち腹膜を使用する。HDは通常、週に3回、3時間ないし4時間かけて透析施設内で行われ、そこでは、正看護師および技師内科医指導の下で透析機械を用いて所定の治療を行う。透析施設職員による訓練を受けた後、患者はPDを自宅で1日に複数回行い、それによって、より独立して生活を営むことが出来る。しかし、PDは、留置PDカテーテルおよび備品を定期的に維持管理し、保守する必要がある。このように自律性が増すことによって、PD患者の生活の質および治療満足度が、HD患者と比較して向上する(テオフロウ・ピー(Theofilou, P. (2011) J. Clin. Med. Res. 3(3):132-138 ; ルービンエイチ・アール(Rubin,H.R.)他、(2004) / Am. Med. Assoc. 291(6):697-703)。PDはまた、患者あたり年間、数万ドルオーダで、HDよりも廉価であることが示されており(シャリフ・エー、バブーラル・ケー (Sharif, A., Baboolal, K.) (2011) Perit. Dial. Int. Suppl. 2 : S58-S62)、従って、医療予算、医療基盤および公共医療サービスへのアクセスが制限されている開発途上国では益々好まれつつある(ナヤック・ケー・エス(Nayak, K. S.)他、(2009) Contrib. Nephrol. 163 : 270-277)。

0006

さらに、多くの研究が、PD患者におけるより優れた保存後遺腎機能を実証している(マロン・ビー(Marron, B.)他、(2008) Kidney Int. Suppl. 108 : S42-S51 ;ラング・エス・エム(Lang, S.M.) 他、(2001) Perit. Dial. Int. 21(1) : 52-57)。これによって、直接に、リン酸塩、塩、および液体をより良く扱うことになり、その結果、PD患者の食事制限が減じられ、生活の質が向上することになる(マロン・ビー (Marron, B.)他、(2008) Kidney Int. Suppl. 108 : S42-S51)。患者はまた、貧血症左心室肥大の発生が低減したことを実証している(マロン・ビー(Marron, B.)他、(2008) Kidney Int. Suppl. 108 : S42-S51)。これによって、適合するHD患者と比較してPD患者の心不全入院が低減している理由を説明できる(トレスパラオス・エフ・シー (Trespalacios, F.C.) 他、(2003) Am. J. Kidney Dis. 41(6) : 1267-1277)。

0007

また、PDに関して、末期腎臓病の患者に対して、HDよりも腎移植への好適な橋渡しとなるという証拠が増えつつある。PD患者にとって、肝炎感染があまり発生せず、それによって後の免疫抑制療法での合併症があまり発生しない可能性がある(ヤング・キュー(Yang, Q.)他、(2009) Clin. Nephrol. 72(1) : 62-68)。移植片転帰は、腎移植を受ける適合HD調節と比較して、PD患者に関して改良されているように思える(セザー・エス(Sezer, S.)他、(2011) Transplant Proc. 43(2) : 485-487 ;ドメニチ・エー (Domenici, A.) 他、(2011) Int. J. Nephrol. 2011 : 204216 ;ブレヤー・エー・ジェイ (Bleyer, A. J.) 他、(1999) J. Am. Soc. Nephrol. 10(1) : 154-159 ;ゴールドファーブ・ラムヤンツェブ・エー・エス (Goldfarb-Rumyantzev, A.S.) 他、(2005) Am. J. Kidney Dis. 46(3) : 537-549)。PD患者もまた、生着不全の場合には、将来の透析のための血管アクセスを保存する。従って、適時の腎移植を待ち望んでいる成人および小児患者に対する排他移植前透析モダリティとして、まずPDを開始し、PDを提供する試みをするよう誘発する。

0008

現在のPD液は、主要浸透圧剤として高濃度グルコースを用いて生成することも可能である。このグルコースは、PD患者のための全身および局所の合併症を発生する可能性もある。毎日グルコースに曝すことにより、高血糖症高インスリン血症肥満および糖尿病憎悪を生じる可能性がある。さらに、グルコースやグルコース分解生成物に曝すことによって、異常中皮形質変換不適応性血管新生および限外濾過不全(UFF)をもたらす腹膜を直接損傷することが示されている。この現象は、小溶質に対する膜透過性と、腹膜内グルコースの迅速吸収と、PD間の液体除去不良との増大によって臨床的特徴づけられる。UFFおよびこのようなPDに対する液体除去不良は、患者がPDを中止しHDへの移行を必要とする主たる理由の1つとなる。さらに、グルコースを使用することによって、腹膜炎発症に対するPD患者の感受性が増大し、残留腎機能が低減し、腹膜機能を失うことに関連する可能性もある。腹膜炎が軽減することによって、UFFを遅延させ、患者がPDに費やす時間を延長する可能性もある。グルコース暴露を最小限にするにより、PDに関連する代謝性合併症のうちのいくつかを防ぐことも可能である。局所宿主防御を向上し、腹膜内のグルコース濃度を低減することにより、無菌性および細菌性腹膜炎の割合を低減することも可能である。

0009

長期間のグルコース暴露で生じる問題の多くを軽減するために、巨大グルコース系ポリマーであるイコデキストリンが設計されている。実際、イコデキストリン療法で見られる高レベルの血中マルトースにも拘わらず、イコデキストリンを含有する患者の所定PDレジメン内の代謝パラメータが改良されていることを、臨床試験は示している。特に、PD患者の腹膜溶出物細胞数は、グルコースよりもイコデキストリンの方がかなり高く、これは、腹膜炎におけるイコデキストリンの潜在的進行中の役割を示す。グルコースがもはや体内から水分を除去しない場合には、イコデキストリンの主たる臨床的役割は、UFFが確立した患者内部にある。イコデキストリンは大型であるため、より長い期間、腹腔内に残存し、それによって、グルコースと比較して、より信頼のおける限外濾過を達成することになる。さらに、イコデキストリンは、変動分子量の多分散分子として透析液内に存在し、同じ濃度の単分散ポリマーと比較して、浸透圧効率を低減することになる。また、イコデキストリンは、その流体反応速度が相対的に遅いため、延長ドエルに対して1日当たり一回使用出来るのみである。1日当たり複数のドエルに対して使用可能な代替生体適合性PD液の必要性がいまだにあると思われる。

0010

PD液のpHは、PD液の生体適合性における役割を果たすことも可能である。生理的pHのPD液は、最終的に腹膜不全をもたらす腹膜炎を防ぐことも可能である。従来のPD液は、一般に酸性である。従って、生理的pHのPD液を開発することによって、腹膜の生存能を延長することも可能である。

0011

本出願は、ここで述べるポリグリセリンが、驚異的な限外濾過能力、老廃物除去特性または溶液クリアランス特性を有し、さらに、一般に使用する腹膜透析(PD)液と比較した場合に腹膜損傷(すなわち、線維化、血管新生、被嚢性腹膜硬化症およびその結果生じる限外濾過不全(UFF))を、同程度まで、もしくは全く示さないか、またはそのいずれかであるという発見に一部基づくものである。さらに、本出願は、ここで述べるポリグリセリンが、一般に使用するPD液と比較して、驚異的に優れた細胞生存性を示すという発見に一部基づくものである。

0012

ここで述べる実施形態は、驚異的な限外濾過能力を有する非グルコース系透析物を提供する。ここで述べる実施形態は、驚異的な老廃物除去特性を有する非グルコース系透析物を提供する。ココで述べる実施形態は、驚異的な溶質クリアランス特性を有する非グルコース系透析物を提供する。ここで述べる実施形態は、驚異的に腹膜損傷(すなわち、線維化、血管新生、被嚢性腹膜硬化症およびその結果生じる限外濾過不全(UFF))を示さない非グルコース系透析物を提供する。ここで述べる実施形態は、驚異的に最小の腹膜傷害(すなわち、線維化、血管新生、被嚢性腹膜硬化症およびその結果生じる限外濾過不全(UFF))を示す非グルコース系透析物を提供する。ここで述べる実施形態は、驚異的に優れた細胞生存特性を有する非グルコース系透析物を提供する。

0013

一局面では、本発明は、ポリグリセリンを含有する透析物を提供し、ここではポリグリセリンは、約0.15kDaから約60kDaまでの分子量である。さらに他の実施形態では、ポリグリセリンの分子量は、約0.16kDaから約59kDaまで、約0.17kDaから約58kDaまで、約0.18Daから約57kDaまで、約0.19kDaから約56kDaまで、約0.20kDaから約55kDaまで、約0.21kDaから約54kDaまで、約0.22kDaから約53kDaまで、約0.23kDaから約52kDaまで、約0.24kDaから約51kDaまで、約0.25kDaから約50kDaまで、約0.26kDaから約49kDaまで、約0.27kDaから約48kDaまで、約0.28kDaから約47kDaまで、約0.29kDaから約46kDaまで、約0.30kDaから約45kDaまで、約0.31kDaから約44kDaまで、約0.32kDaから約43kDaまで、約0.33kDaから約42kDaまで、約0.34kDaから約41kDaまで、約0.35kDaから約40kDaまで、約0.36kDaから約39kDaまで、約0.37kDaから約38kDaまで、約0.38kDaから約37kDaまで、約0.39kDaから約36kDaまで、約0.40kDaから約35kDaまで、約0.41kDaから約34kDaまで、約0.42kDaから約33kDaまで、約0.43kDaから約32kDaまで、約0.44kDaから約31kDaまで、約0.45kDaから約30kDaまで、約0.46kDaから約29kDaまで、約0.47kDaから約28kDaまで、約0.48kDaから約27kDaまで、約0.49kDaから約26kDaまで、約0.50kDaから約25kDaまで、約0.50kDaから約24kDaまで、約0.50kDaから約23kDaまで、約0.50kDaから約22kDaまで、約0.50kDaから約21kDaまで、約0.50kDaから約20kDaまで、約0.50kDaから約19kDaまで、約0.50kDaから約18kDaまで、約0.50kDaから約17kDaまで、約0.50kDaから約16kDaまで、約0.50kDaから約15kDaまで、約0.50kDaから約14kDaまで、約0.50kDaから約13kDaまで、約0.50kDaから約12kDaまで、約0.50kDaから約11kDaまで、約0.50kDaから約10kDaまで、約0.50kDaから約9kDaまで、約0.50kDaから約8kDaまで、約0.50kDaから約7kDaまで、約0.50kDaから約6kDaまで、約0.50kDaから約5kDaまで、約0.50kDaから約4kDaまで、または約0.50kDaから約3kDaまでである。

0014

別の実施形態では、透析物のpHは、約2.0から約9.0まで、約2.1から約8.9まで、約2.2から約8.8まで、約2.3から約8.7まで、約2.4から約8.6まで、約2.5から約8.5まで、約2.6から約8.4まで、約2.7から約8.3まで、約2.8から約8.2まで、約2.9から約8.1まで、約3.0から約8.0まで、約3.1から約8.0まで、約3.2から約8.0まで、約3.3から約8.0まで、約3.4から約8.0まで、約3.5から約8.0まで、約3.6から約8.0まで、約3.7から約8.0まで、約3.8から約8.0まで、約3.9から約8.0まで、約4.0から約8.0まで、約4.1から約8.0まで、約4.2から約8.0まで、約4.3から約8.0まで、約4.4から約8.0まで、約4.5から約7.9まで、約4.6から約7.9まで、約4.7から約7.9まで、約4.8から約7.9まで、約4.9から約7.9まで、約5.0から約7.9まで、約5.1から約7.9まで、約5.2から約7.8まで、約5.3から約7.8まで、約5.4から約7.8まで、約5.5から約7.8まで、約5.6から約7.7まで、約5.7から約7.7まで、約5.8から約7.7まで、約5.9から約7.7まで、約6.0から約7.6まで、約6.1から約7.6まで、約6.2から約7.6まで、約6.3から約7.6まで、約6.4から約7.6まで、または約6.5から約7.5までである。

0015

他の実施形態では、透析物は水溶液内にある。一実施形態では、ポリグリセリンは約0.01重量%から約50重量%までの透析液、約0.02重量%から約49重量%までの透析液、約0.04重量%から約48重量%までの透析液、約0.06重量%から約47重量%までの透析液、約0.08重量%から約46重量%までの透析液、約0.10重量%から約45重量%までの透析液、約0.12重量%から約44重量%までの透析液、約0.14重量%から約43重量%までの透析液、約0.16重量%から約42重量%までの透析液、約0.18重量%から約41重量%までの透析液、約0.20重量%から約40重量%までの透析液、約0.22重量%から約39重量%までの透析液、約0.24重量%から約38重量%までの透析液、約0.26重量%から約37重量%までの透析液、約0.28重量%から約36重量%までの透析液、約0.30重量%から約35重量%までの透析液、約0.32重量%から約34重量%までの透析液、約0.34重量%から約33重量%までの透析液、約0.36重量%から約32重量%までの透析液、約0.38重量%から約31重量%までの透析液、約0.40重量%から約30重量%までの透析液、約0.40重量%から約29重量%までの透析液、約0.42重量%から約28重量%までの透析液、約0.44重量%から約27重量%までの透析液、約0.46重量%から約26重量%までの透析液、約0.48重量%から約25重量%までの透析液、約0.50重量%から約25重量%までの透析液、約0.52重量%から約25重量%までの透析液、約0.54重量%から約25重量%までの透析液、約0.56重量%から約25重量%までの透析液、約0.58重量%から約25重量%までの透析液、約0.60重量%から約25重量%までの透析液、約0.62重量%から約25重量%までの透析液、約0.64重量%から約25重量%までの透析液、約0.66重量%から約25重量%までの透析液、約0.68重量%から約25重量%までの透析液、約0.70重量%から約24重量%までの透析液、約0.72重量%から約24重量%までの透析液、約0.74重量%から約24重量%までの透析液、約0.76重量%から約24重量%までの透析液、約0.78重量%から約24重量%までの透析液、約0.80重量%から約24重量%までの透析液、約0.82重量%から約24重量%までの透析液、約0.84重量%から約24重量%までの透析液、約0.86重量%から約24重量%までの透析液、約0.88重量%から約24重量%までの透析液、約0.90重量%から約24重量%までの透析液、約0.92重量%から約23重量%までの透析液、約0.94重量%から約23重量%までの透析液、約0.96重量%から約23重量%までの透析液、約0.98重量%から約23重量%までの透析液、約1.00重量%から約23重量%までの透析液、約1.02重量%から約22重量%までの透析液、約1.04重量%から約22重量%までの透析液、約1.06重量%から約22重量%までの透析液、約1.08重量%から約22重量%までの透析液、約1.10重量%から約22重量%までの透析液、約1.12重量%から約21重量%までの透析液、約1.14重量%から約21重量%までの透析液、約1.16重量%から約21重量%までの透析液、約1.18重量%から約21重量%までの透析液、約1.20重量%から約21重量%までの透析液、約1.21重量%から約20重量%までの透析液、約1.22重量%から約20重量%までの透析液、約1.23重量%から約20重量%までの透析液、約1.24重量%から約20重量%までの透析液、または約1.25重量%から約20重量%までの透析液を含む。

0016

さらに他の実施形態では、透析物は容量オスモル濃度が、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1500ミリオスモルまで、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1480ミリオスモルまで、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1460ミリオスモルまで、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1440ミリオスモルまで、1リットル当たり約160ミリオスモルから1リットル当たり約1420ミリオスモルまで、1リットル当たり約160ミリオスモルから1リットル当たり約1400ミリオスモルまで、1リットル当たり約160ミリオスモルから1リットル当たり約1380ミリオスモルまで、1リットル当たり約160ミリオスモルから1リットル当たり約1360ミリオスモルまで、1リットル当たり約170ミリオスモルから1リットル当たり約1340ミリオスモルまで、1リットル当たり約170ミリオスモルから1リットル当たり約1320ミリオスモルまで、1リットル当たり約170ミリオスモルから1リットル当たり約1300ミリオスモルまで、1リットル当たり約170ミリオスモルから1リットル当たり約1280ミリオスモルまで、1リットル当たり約180ミリオスモルから1リットル当たり約1260ミリオスモルまで、1リットル当たり約180ミリオスモルから1リットル当たり約1240ミリオスモルまで、1リットル当たり約180ミリオスモルから1リットル当たり約1220ミリオスモルまで、1リットル当たり約180ミリオスモルから1リットル当たり約1200ミリオスモルまで、1リットル当たり約200ミリオスモルから1リットル当たり約1180ミリオスモルまで、1リットル当たり約200ミリオスモルから、1リットル当たり約11600ミリオスモルまで、1リットル当たり約200ミリオスモルから1リットル当たり約1140ミリオスモルまで、1リットル当たり約200ミリオスモルから1リットル当たり約1120ミリオスモルまで、1リットル当たり約210ミリオスモルから1リットル当たり約1100ミリオスモルまで、1リットル当たり約210ミリオスモルから1リットル当たり約1080ミリオスモルまで、1リットル当たり約210ミリオスモルから1リットル当たり約1060ミリオスモルまで、1リットル当たり約210ミリオスモルから1リットル当たり約1040ミリオスモルまで、1リットル当たり約220ミリオスモルから1リットル当たり約1020ミリオスモルまで、1リットル当たり約220ミリオスモルから1リットル当たり約1000ミリオスモルまで、1リットル当たり約220ミリオスモルから1リットル当たり約980ミリオスモルまで、1リットル当たり約220ミリオスモルから1リットル当たり約960ミリオスモルまで、1リットル当たり約230ミリオスモルから1リットル当たり約940ミリオスモルまで、1リットル当たり約230ミリオスモルから1リットル当たり約920ミリオスモルまで、1リットル当たり約230ミリオスモルから1リットル当たり約900ミリオスモルまで、1リットル当たり約230ミリオスモルから1リットル当たり約880ミリオスモルまで、1リットル当たり約240ミリオスモルから1リットル当たり約860ミリオスモルまで、1リットル当たり約240ミリオスモルから1リットル当たり約840ミリオスモルまで、1リットル当たり約240ミリオスモルから1リットル当たり約820ミリオスモルまで、1リットル当たり約240ミリオスモルから1リットル当たり約800ミリオスモルまで、1リットル当たり約260ミリオスモルから1リットル当たり約780ミリオスモルまで、1リットル当たり約260ミリオスモルから1リットル当たり約760ミリオスモルまで、1リットル当たり約260ミリオスモルから1リットル当たり約740ミリオスモルまで、1リットル当たり約260ミリオスモルから1リットル当たり約720ミリオスモルまで、1リットル当たり約280ミリオスモルから1リットル当たり約700ミリオスモルまで、1リットル当たり約280ミリオスモルから1リットル当たり約680ミリオスモルまで、1リットル当たり約280ミリオスモルから1リットル当たり約660ミリオスモルまで、1リットル当たり約280ミリオスモルから1リットル当たり約640ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約620ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約600ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約580ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約560ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約540ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約520ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約500ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約480ミリオスモルまで、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約460ミリオスモルまで、または1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約450ミリオスモルまでである。

0017

別の実施形態では、ポリグリセリンは、約1.0ないし15、約1.0ないし約14、約1.0ないし約13、約1.0ないし約12、約1.0ないし約11、約1.0ないし約10、約1.0ないし約9、約1.0ないし約8、約1.0ないし約7、約1.0ないし約6、または約1.0ないし約5の多分散度を有する。

0018

一実施形態では、ポリグリセリンの分岐度は、約0.5から約0.7まで、約0.6から約0.7まで、約0.5から約0.6まで、約0.55から約0.7まで、または約0.55から約0.65までである。

0019

別の実施形態では、透析物は、第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンを含んでおり、第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの各々の分子量は、他の第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの分子量とは異なる。

0020

他の実施形態では、ポリグリセリンは、1つまたはそれ以上の疎水基親水基またはその両方をさらに含むことも可能である。一実施形態では、1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方を結合して、ポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約100%を形成する。別の実施形態では、1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方を結合して、ポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約40%を形成する。さらに他の実施形態では、1つまたはそれ以上の疎水基、親水基またはその両方は、1つまたはそれ以上のカルボキシル酸アミン置換アミンアミノ酸、リン酸塩、硫酸塩、アルキルアルキルエーテル芳香族基双性イオン基炭水化物ジスルフィドまたはチオールを含む。

0021

一実施形態では、透析物は、1つまたはそれ以上の電解質をさらに含む。別の実施形態では、透析物は、1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含む。他の実施形態では、透析物は、1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含む。さらに他の実施形態では、透析物は、1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含む。一実施形態では、浸透圧剤または拡散剤が、ナトリウム塩化物乳酸塩重炭酸塩、重炭酸塩生成剤カルシウムカリウムマグネシウムブドウ糖フルクトースグリセロールソルビトールマニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミンBSA)、マルトース、マルトトリオースマルトペントースまたはキシリトールを含む。

0022

別の局面では、ここで述べるように、分子、溶質またはイオンを膜、半透膜、生体膜、合成半透膜またはその組み合わせを横切って輸送するための透析物の使用を開示する。

0023

他の局面では、透析において、ここで述べる透析物を使用することを開示する。一実施形態では、透析は、間欠的透析を含む。別の実施形態では、透析は持続的透析を含む。他の実施形態では、透析物は、半透膜によって体液から分離され、水分、毒素、分子、イオンまたは老廃物が体液から半透膜を介して透析物内へと流れ込む。さらに他の実施形態では、透析物はフィルタと共に用いられ、透析液を滅菌するか、または毒素、分子、イオンもしくは老廃物をそこから除去する。

0024

別の局面では、腹膜透析において、ここで述べる透析物を使用することを開示する。一実施形態では、腹膜透析は、持続的外来腹膜透析を含む。別の実施形態では、腹膜透析は、周期腹膜透析を含む。他の実施形態では、ここで述べる透析物は、少なくとも1つの他の腹膜透析液と組み合わせて使用する。さらに他の実施形態では、透析物は電解質投与と共に使用する。

0025

さらに他の局面では、血液透析において、ここで述べる透析物を使用することを開示する。一実施形態では、透析物は、少なくとも1つの他の血液透析液と組み合わせて使用する。
一局面では、腎代替療法において、ここで述べる透析物を使用することを開示する。
別の局面では、本発明は、ここで述べる透析物を含む透析液を提供する。
他の局面では、本発明は、ここで述べる透析物を含む腹膜透析液を提供する。

0026

本発明のさらに他の局面に従って、末期の腎臓病患者を治療する方法を提供する。本方法は、ここで述べる透析物を腹膜透析中の患者へ投与するステップを含む。一実施形態では、透析物を1日に2回以上投与してもよい。
別の局面では、ここで述べる透析物を血管内容積増量剤または静脈利尿剤として使用することを開示する。

0027

他の局面では、ここで述べる透析物を使用して、浮腫頭蓋内圧の上昇、中毒または電解質平衡異常を有する患者を治療することを開示する。一実施形態では、浮腫は、浮腫を含む。

0028

一局面では、本発明は、透析液を製剤化するためのキットを提供し、該キットは、分子量が約0.15kDaから約60kDaまでである凍結乾燥ポリグリセリンと、透析液を製剤化するための凍結乾燥ポリグリセリンを使用するためのインストラクションとを含む。一実施形態では、ポリグリセリンの分子量は、約0.16kDaから約59kDaまで、約0.17kDaから約58kDaまで、約0.18kDaから約57kDaまで、約0.19kDaから約56kDaまで、約0.20kDaから約55kDaまで、約0.21kDaから約54kDaまで、約0.22kDaから約53kDaまで、約0.23kDaから約52kDaまで、約0.24kDaから約51kDaまで、約0.25kDaから約50kDaまで、約0.26kDaから約49kDaまで、約0.27kDaから約48kDaまで、約0.28kDaから約47kDaまで、約0.29kDaから約46kDaまで、約0.30kDaから約45kDaまで、約0.31kDaから約44kDaまで、約0.32kDaから約43kDaまで、約0.33kDaから約42kDaまで、約0.34kDaから約41kDaまで、約0.35kDaから約40kDaまで、約0.36kDaから約39kDaまで、約0.37kDaから約38kDaまで、約0.38kDaから約37kDaまで、約0.39kDaから約36kDaまで、約0.40kDaから約35kDaまで、約0.41kDaから約34kDaまで、約0.42kDaから約33kDaまで、約0.43kDaから約32kDaまで、約0.44kDaから約31kDaまで、約0.45kDaから約30kDaまで、約0.46kDaから約29kDaまで、約0.47kDaから約28kDaまで、約0.48kDaから約27kDaまで、約0.49kDaから約26kDaまで、約0.50kDaから約25kDaまで、約0.50kDaから約24kDaまで、約0.50kDaから約23kDaまで、約0.50kDaから約22kDaまで、約0.50kDaから約21kDaまで、約0.50kDaから約20kDaまで、約0.50kDaから約19kDaまで、約0.50kDaから約18kDaまで、約0.50kDaから約17kDaまで、約0.50kDaから約16kDaまで、約0.50kDaから約15kDaまで、約0.50kDaから約14kDaまで、約0.50kDaから約13kDaまで、約0.50kDaから約12kDaまで、約0.50kDaから約11kDaまで、約0.50kDaから約10kDaまで、約0.50kDaから約9kDaまで、約0.50kDaから約8kDaまで、約0.50kDaから約7kDaまで、約0.50kDaから約6kDaまで、約0.50kDaから約5kDaまで、約0.50kDaから約4kDaまで、または約0.50kDaから約3kDaまでである。別の実施形態では、キットは1つまたはそれ以上の電解質をさらに含む。他の実施形態では、キットは1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含む。さらに他の実施形態では、キットは、1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含む。他の実施形態では、キットは1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含む。一実施形態では、浸透圧剤または拡散剤は、ナトリウム、塩化物、乳酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩生成剤、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ブドウ糖、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、マルトース、マルトトリオース、マルトペントースまたはキシリトールを含む。

0029

別の局面では、本発明は、透析液を製剤化するためのキットを提供し、該キットは、ここで述べる透析物と、透析液を製剤化するためのインストラクションとを含む。

0030

他の局面では、本発明は、ここで述べる透析物と、透析液として使用するための少なくとも1つの生理学的に許容される塩、緩衝剤希釈剤、または賦形剤を含む組成物を提供する。一実施形態では、組成物は水溶液中にある。他の実施形態では、組成物は凍結乾燥製剤である。

0031

別の局面では、本発明は、超分岐ポリグリセリンを含む腹膜透析液を提供し、超分岐ポリグリセリンは分子量が、約0.15kDaから約60kDaである。一実施形態では、ポリグリセリンの分子量は、約0.16kDaから約59kDaまで、約0.17kDaから約58kDaまで、約0.18kDaから約57kDaまで、約0.19kDaから約56kDaまで、約0.20kDaから約55kDaまで、約0.21kDaから約54kDaまで、約0.22kDaから約53kDaまで、約0.23kDaから約52kDaまで、約0.24kDaから約51kDaまで、約0.25kDaから約50kDaまで、約0.26kDaから約49kDaまで、約0.27kDaから約48kDaまで、約0.28kDaから約47kDaまで、約0.29kDaから約46kDaまで、約0.30kDaから約45kDaまで、約0.31kDaから約44kDaまで、約0.32kDaから約43kDaまで、約0.33kDaから約42kDaまで、約0.34kDaから約41kDaまで、約0.35kDaから約40kDaまで、約0.36kDaから約39kDaまで、約0.37kDaから約38kDaまで、約0.38kDaから約37kDaまで、約0.39kDaから約36kDaまで、約0.40kDaから約35kDaまで、約0.41kDaから約34kDaまで、約0.42kDaから約33kDaまで、約0.43kDaから約32kDaまで、約0.44kDaから約31kDaまで、約0.45kDaから約30kDaまで、約0.46kDaから約29kDaまで、約0.47kDaから約28kDaまで、約0.48kDaから約27kDaまで、約0.49kDaから約26kDaまで、約0.50kDaから約25kDaまで、約0.50kDaから約24kDaまで、約0.50kDaから約23kDaまで、約0.50kDaから約22kDaまで、約0.50kDaから約21kDaまで、約0.50kDaから約20kDaまで、約0.50kDaから約19kDaまで、約0.50kDaから約18kDaまで、約0.50kDaから約17kDaまで、約0.50kDaから約16kDaまで、約0.50kDaから約15kDaまで、約0.50kDaから約14kDaまで、約0.50kDaから約13kDaまで、約0.50kDaから約12kDaまで、約0.50kDaから約11kDaまで、約0.50kDaから約10kDaまで、約0.50kDaから約9kDaまで、約0.50kDaから約8kDaまで、約0.50kDaから約7kDaまで、約0.50kDaから約6kDaまで、約0.50kDaから約5kDaまで、約0.50kDaから約4kDaまで、または約0.50kDaから約3kDaまでである。他の実施形態では、腹膜透析液は、1つまたはそれ以上の電解質をさらに含む。別の実施形態では、腹膜透析液は、1つまたはそれ以上のアミノ酸をさらに含む。他の実施形態では、腹膜透析液は、1つまたはそれ以上の拡散剤をさらに含む。さらに他の実施形態では、腹膜透析液は、1つまたはそれ以上の浸透圧剤をさらに含む。一実施形態では、浸透圧剤または拡散剤が、ナトリウム、塩化物、乳酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩生成剤、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ブドウ糖、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、マルトース、マルトトリオース、マルトペントースまたはキシリトールを含む。
別の局面では、ここで述べる透析物は、腎不全、腎臓病、中毒、浮腫または電解質平衡異常を治療する際に使用することも可能である。

0032

本発明の別の局面に従って、患者の腎不全、腎臓病、中毒、浮腫または電解質平衡異常を治療するための方法を提供する。該方法は、ここで述べる透析物を患者に投与するステップを含む。

0033

本発明のさらに他の局面に従って、毒素、分子、イオンまたは老廃物を体液から除去するための生体外方法を提供する。該方法は、ここで述べる透析物を半透膜によって体液から分離するステップと、毒素、分子、イオンまたは老廃物が体液から半透膜を介して透析物内に流れ込むようにするステップとを含む。
他の局面では、ここで述べる透析物を哺乳類の透析に使用することを開示する。

図面の簡単な説明

0034

および
は、超分岐ポリグリセリン(HPG)および直鎖ポリグリセリンLPG)の化学構造をそれぞれ示し、図1Bの“n”は約1から約810までの範囲でもよい。
は、様々なHPG腹膜透析(PD)液に対する従来のPD液(PDS)によって生じた液体除去(限外濾過)を示す。
は、様々なHPGPD液対PDSによって生じた腹膜損傷および白血球浸潤を示す。
は、様々なHPGPD液対PDSを用いて回収した液体における好血球の割合のSCC/FSCプロットを示す。
は、様々なHPGPD液対PDSの蛍光活性化細胞分類FACSヒストグラムにおけるフルオレセインイソチオシアネートFITC細胞の典型的割合を示す。
は、PDS対貯留HPGPD液内のFITC染色細胞を示す。
は、HPGPD液またはPDSへの暴露に続く回収済み液内の細胞のメイ・グリュンワルドギムザ(MGG)染色塗抹の典型的な顕微鏡画像を示す。
は、HPGPD液またはPDSへの暴露に続く培養ヒト腹膜中皮細胞(HPMC)における細胞の生存率対培養時間を示す。
は、HPGPD液またはPDSへの暴露に続く不死化HPMCにおける細胞の生存率対培養時間を示す。
は、培地、HPGPD液またはPDSを用いた培養の3時間後の不死化HPMCの典型的な顕微鏡画像を示す。

0035

は、培地、HPGPD液またはPDSを用いた培養の30分後の細胞粒度を示す。
は、培地、HPGPD液またはPDSを用いた培養の6時間後の細胞死の代表的FACSプロットを示す。
は、培地、HPGPD液またはPDSを用いた培養の6時間後に続く代表的ウェスタンブロット法を示す。
は、HPG溶液の容量オスモル濃度への分子量および濃度の影響に関連する代表データを示す。
は、LPGPD液による限外濾過(液体除去)に関連する代表データを示す。
は、同様の容量オスモル濃度でのグルコースと比較して、異なるサイズのHPGの限外濾過に関連する代表データを示す。
は、異なるサイズのHPGを含むPD液に対する同様の容量オスモル濃度でのグルコース(フィジオニール(Physioneal)PD液による尿素除去に関連する代表データを示す。
は、異なるサイズのHPGを含むPD液に対する同様の容量オスモル濃度でのグルコース(フィジオニール(Physioneal)PD液による尿素除去に関連する代表データを示す。
は、異なるサイズのHPGを含むPD液に対する同様の容量オスモル濃度でのグルコース(フィジオニール(Physioneal)PD液による尿素除去に関連する代表データを示す。
は、異なるサイズのHPGを含むPD液に対する同様の容量オスモル濃度でのグルコース(フィジオニール)PD液によるナトリウム除去に関連する代表データを示す。
図19Aは、ヘマトキシリンおよびエオシン(FI&E)で染色された組織切片代表画像を示す。図19Bは、HPG溶液のいずれかに対するフィジオニール液への暴露後に腹膜があまり損傷を受けていないことを示す対応する表形式グラフデータを例示する。
は、回収済みHPGPD液の全てにおける好中球の割合が、ドエル時間の4時間後のフィジオニール液の割合よりも低かったことを示す代表データを例示する。
は、有意なFITC染色が、回収済みフィジオニール液において見出され、一方で、低い検出可能レベルのFITC染色がHPGPD液のいずれかで見られたことを示す代表データを例示する。

実施例

0036

ここで間接的に定められたいずれかの用語は、本発明の技術内で理解されるように、一般にその用語に関連する意味を有するものとして理解されるべきである。

0037

用語“ポリグリセリン”は、当業者に通常理解されるのでここで使用し、例えば0から1.0までの分岐度を有するポリマーを言及する場合が多く、ヒドロキシル基の数は反復単位の数に等しく、反復単位は、以下のように構成される(ここでは“r”が反復単位である)。

0038

0039

ここでは、R1はH−、CH3−、CH3CH2−、t−Bu−、N3−CH2−CH2、アルキル鎖(1ないし18個の炭素)、−CH2−NH2、−CH2−N(CH3)2、−CH2−NH(CH3)、r−、r−CH2−、または(r−)2CH−;R2は−r、−O−r,−0−CH2−CH−r、または−OH;およびR3は−H、−CH3、−CH2−CH3、r−、−CHo−r、または−CH(−r)2である。上記反復単位は、示した立体化学には限定されない。“ポリグリセリン”の例としては、超分岐ポリグリセリン(HPG)、直鎖ポリグリセリン(LPG)、樹枝状ポリグリセリン/ポリグリセリンデンドリマー化学修飾ポリグリセリン、生分解性ポリグリセリン、状ポリグリセリン、樹枝状移植ポリグリセリン、環状ポリグリセリン、またはその組み合わせが挙げられる。ここで述べるポリグリセリンの実施形態は、すべての可能な立体化学的選択肢を含み、これらはここで例示または記述したものを含む。

0040

用語“超分岐ポリグリセリン”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、分岐度が約0.4から約0.7までであるポリグリセリンについて言及する場合が多い。

0041

用語“直鎖ポリグリセリン”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、分岐度が“ゼロ”であるポリグリセリンについて言及する場合が多い。

0042

用語“樹脂状ポリグリセリンまたはポリグリセリンデンドリマー”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、分岐度が1.0であるポリグリセリンについて言及する場合が多い。

0043

用語“透析物”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、拡散剤および浸透圧剤のいずれかまたは両方として作用出来る物質について言及する場合が多い。

0044

用語“浸透圧剤”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、半透膜に亘って浸透勾配を生成し、膜を横切る水分の移動を発生させる物質について言及する場合が多い。

0045

用語“拡散剤”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、膜に亘って濃度勾配を生成し、より高い溶質濃度の領域からより低い溶質濃度の領域までの溶質の移動を発生させる物質について言及する場合が多い。
用語“電解質”は、当業者によって通常理解されるため、ここで使用しており、イオン化溶質について言及する場合が多い。

0046

ここで述べる透析物は、ポリグリセリンを含む。様々な実施形態においては、ポリグリセリンは、分子量が約0.15kDaから約60kDaまで、または約0.45kDaから約3.0kDaまでであってもよい。ポリグリセリンは、直鎖超分岐樹脂形態で、分子量を精密に調節して合成され得る軟性の親水性脂肪族ポリエーテルポリマーである。ポリグリセリンおよびその誘導体は、生体適合性および多機能性に優れている。例えば、血液適合性が高く、非免疫原性であり、動物毒性の証拠がない無毒性である(カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2006) Biomaterials 27(31) : 5377-5390; カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2008) Biomaterials 29(11) : 1693-1704)。マウス循環半減期は、ポリマーの分子量に依存するが、540kDaの分子量に対して約60時間に到達する可能性があり、細かく調整可能である。他のポリマーとは異なり、ポリグリセリンは、静脈注射の後、臓器蓄積が非常に限定されるものとして示されている(カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2007) Biomaterials 28(31) : 4581-4590; カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2008) Biomaterials 29(11) : 1693-1704)。さらに、この不活性ポリマーは、グルコースまたは炭水化物を含有せず、安定しており、生理的pFIで容易に搬送される。

0047

超分岐ポリグリセリン(HPG)として、例えば、分岐度が約0.4から約0.7までのポリグリセリンは、例えば、ゆっくりと単量体を添加してグリシドール開環重合を多分岐することにより生成することも可能である。ポリグリセリンデンドリマーは、多重有機反応によって生成される。HPGの実施形態の代表的構造は、図1Aに示す。この構造は、HPGを高度な機能材料にするヒドロキシル官能価を有する大型および小型分岐部を含む。例えば、HClにおける脱保護がその後に続く1,4ジオキサンの存在下でr-BuO’K+ を開始剤として用いるエトキシエチルグリシジルエーテルの開環重合によって直鎖ポリグリセリン(LPG)を生成することも可能である(ジャーバイス・エム(Gervais, M.)他、(2010) Macromolecules 43 : 1778-1784;スティリバ・エス(Stiriba, S.) 他、(2002) J. Am. Chem. Soc. 124 : 9698-9700 ; カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、Biomacromolecules 7 : 703-709)。LPGの実施形態の代表的構造は、図1Bに示す。

0048

ポリグリセリンは、多くの生物医学的応用におけるその潜在性に対して調査されてきた。さらに、ポリグリセリンは、ポリエチレングリコール)(PEG)よりも細胞毒性が低く、熱的しかも酸化的に安定している。

0049

ポリグリセリンは、透明な粘稠液である。室温では、かなり粘性が高く、本質的には不揮発性である。直鎖であり且つ超分岐されたポリグリセリンは、溶液内では緻密性であり、水中での可溶性が高い(例えば、HPGは、200mg/mLよりも高い水溶性を有する)。0.1N NaNO3水溶液ではMn=104,000であるLPGの流体力学半径(Rh)は、QELS測定値によって決定されるように4.55nmであってもよい。比較として、Mn=104,000であるHPGのRh値は、4.85nmであってもよく、同様の分子量のPEGは12.23nmであってもよい。LPGのかなり小さいRh値は、他の直鎖水溶性ポリマーと比較して全く異なる溶液構造を有し、HPGの溶液構造および特性に、より近似することを示す。固有粘度の観点から、LPGはPEG(1.308 dL/g)よりもHPG(0.052 dL/g)により近い固有粘度(0.047 dL/g)を有し、LPGが溶液内でかなり小型の構造を有することを再度示唆している。ポリグリセリンの固有粘度は、(タンパク質と同様の)分子量の増加と共に増加し、他の直鎖ポリマーよりはかなり低くなる。これは、ポリグリセリンが他の巨大分子と同様に浸透圧剤として使用出来るだけでなく、血行路からの老廃物を活発に溶解することも可能であり、従って、拡散剤として作用することを示唆している。
様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、pHが約2.0から約9.0まで、または約6.5から約7.5までであってもよい。

0050

様々な実施形態では、ここで述べる透析物が水溶液中であってもよく、ポリグリセリンは、透析液の約0.01重量%から約50重量%まで、または透析液の約1.25%から約20%までを含有する。

0051

様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、容量オスモル濃度が、1リットル当たり約150ミリオスモルから1リットル当たり約1500ミリオスモルであってもよい。腹膜透析の応用では、容量オスモル濃度は、1リットル当たり約290ミリオスモルから1リットル当たり約450ミリオスモルまでであってもよい。生体外の応用では、高容量オスモル濃度を使用可能であり、例えば、約40重量%から約50重量%までの0.5kDaHPG溶液を使用して、1リットル当たり約1500ミリオスモルを達成することが可能である。分子量HPGがさらに低い場合、この容量オスモル濃度は、約30重量%から約40重量%までのHPG溶液を用いて達成することも可能である。
様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、ポリグリセリンに対して約1.0ないし15の多分散度を有することも可能である。

0052

様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンを含有することも可能であり、第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの各々の分子量は、他の第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの分子量とは異なる。第1、第2またはそれ以上のポリグリセリンの各々の分子量は、1反復単位の近似重量に対応して、74Daだけ変化可能である。分子量はまた、約0.5kDa、約1kDa、約2kDa、または約2.5kDa等の量だけ変化可能である。

0053

腹膜透析中に、血液からの水分および溶質を除去するのに必要なドエル時間が、ポリグリセリンの容量オスモル濃度に順に影響を及ぼすポリグリセリンの分子量に依存するものと思われる。様々な実施形態では、異なる分子量を特定的に組み合わせて透析物を生成することにより、有効な透析に必要なドエル時間を特定の状況に合わせることも可能である。望ましいドエル時間に再度依存して、各々のポリグリセリンの様々な比率を使用することも可能である。ポリグリセリンの組み合わせは、例えば、ポリグリセリンがより大きい多分散度を有するように合成後の純化を最小にすることにより、または小さい多分散度を有する異なるポリグリセリンを組み合わせることにより、様々な方法で取得することも可能である。

0054

様々な実施形態において、ここで述べるポリグリセリンは、誘導体化することも可能である。ポリグリセリンの誘導体は、ポリマーに添加されている疎水基、親水基またはその両方を含有するポリマーを含むことも可能である。このような領域は、ポリマーのヒドロキシル基を誘導体化することにより設けることも可能である。官能性誘導体は、ポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約100%まで、またはポリグリセリン上のヒドロキシル基の約1%から約40%までに結合可能である。このような基をポリグリセリンに添加することにより、ヒドロキシル基の数は、もはやポリグリセリン内の反復単位の数に等しくない可能性もある。このような基をポリグリセリンに添加するための方法論は、当業者には周知である(カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2008) Biomaterials 29: 1693-1704; キザッケダス・ジェイ・エヌ (Kizhakkedathu, J.N.)他、(2010) Biomacromolecules 11: 2567; カインサン・アール・ケイ(Kainthan, R.K.)他、(2006) Biomaterials 27: 5377-5390; ターク・エイチ(Turk, H.)他、(2004) Bioconjugate Chem. 15: 162; デメッデ・ジェイ(Demedde, J.)他、(2010) Proc. Nat. Acad. Sci. 107: 19679;カルロン・エム(Calderon, M.)他、(2010) Adv. Mater. 22: 190;ウィルムズ・ディー(Wilms, D)他、(2010) Acc. Chem. Res. 43: 129;バウデッテ・ピー(Baudette, P.)他、(20W)Anal. Chem. 83: 6500)。疎水基および親水基の例として、カルボキシル酸、アミン、置換アミン、第4級アミン、アミノ酸、リン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩ホスホン酸塩、アルキル、アルケンアルキン、アルキルエーテル、芳香族化合物芳香族エーテル、双性イオン基、炭水化物、ジスルフィド、ケタール置換ケタール、アセタール、置換アセタール、エステル基チオエステルウレタンエステルアミドアミド基ペプチドフェノールハロゲンまたはチオールが挙げられる。

0055

様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、1つまたはそれ以上の電解質、1つまたはそれ以上のアミノ酸、1つまたはそれ以上の拡散剤、および1つまたはそれ以上の浸透圧剤、またはそのいずれかをさらに含むことも可能である。拡散剤または浸透圧剤は、ナトリウム、塩化物、乳酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩生成剤、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ブドウ糖、フルクトース、グリセロール、ソルビトール、マニトール、Lカミチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、マルトース、マルトトリオース、マルトペントース、キシリトール、合成または天然ポリマーをさらに含むことも可能である。

0056

様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、浸透圧剤および拡散剤、またはそのいずれかとして作用することも可能であり、結果として、分子、溶質、またはイオンを、膜、半透膜、生体膜、合成半透膜またはその組み合わせを横切って輸送する際に使用することも可能である。従って、ここで述べる透析物は、体液、空洞または他のいずれかの生物系から水分または溶質を除去する必要がある状態を処置する際に使用することも可能である。このような治療の例として、ここで述べる透析物を血管内容積増量剤または静脈利尿剤として使用することが挙げられる。ここで述べる透析物は、腎臓病、浮腫(脳浮腫を含む)、頭蓋内圧の上昇、中毒または電解質平衡異常を有する患者の治療に使用することも可能であり、また、腎代替療法で使用することも可能である。

0057

ここで述べる透析物は、透析において使用することも可能である。透析は、間欠的透析かまたは持続的透析のいずれであってもよい。透析は、哺乳類に対して実施可能である。透析物は、半透膜によって体液から分離可能であり、水分、毒素、分子、イオンまたは老廃物が、体液から半透膜を介して透析物内に流れ込む。ここで述べる透析物は、フィルタと共に使用して、透析液を滅菌するか、または毒素、分子、イオンまたは老廃物をそこから除去することも可能である。

0058

ここで述べる透析物は、持続的外来腹膜透析(CAPD)または周期腹膜透析を含む腹膜透析において使用することも可能である。あるいは、ここで述べる透析物は、血液透析において使用することも可能である。透析物は、腹腔内投薬および電解質投与、またはそのいずれかと共に使用することも可能である。ここで述べる透析物は、場合に応じて、少なくとも1つの他の腹膜透析液または少なくとも1つの他の血液透析液と組み合わせて使用することも可能である。透析液または腹膜透析液は、ここで述べるように透析物を含有することも可能である。
透析液または腹膜透析液は、ここで述べるように、HPGを含有することも可能である。

0059

以下で示すように、急性PDのラットモデルにおいては、HPGPD液は、濃度/容量オスモル濃度依存液体除去を引き起こすことも可能であり、尿素クリアランスの観点からグルコース系PD液と比較して改良された特性を示す。さらに、HPGPD液への暴露に続いて生体外でのヒト腹膜中皮細胞(HPMC)の生存率が上昇することによって示すように、グルコース系PD液と比較して、HPGによって引き起こされる腹膜傷害および炎症が減少する。

0060

PDの最中、血漿からPD液までの容量オスモル濃度が増加したことにより発生する浸透圧のため、腹膜を介してPD液まで液体が流れる。液体または水分の除去に加えて、PDは身体からの老廃物(例えば、尿素、グルコース、クレアチニン、リン酸塩、および他の代謝副産物であり、そのすべては、透析中に除去されるべき毒素、分子、イオンおよび老廃物のいずれかとして考えられ得る)を除去することも必要である。この除去は、血漿、PD液間の濃度勾配を介する拡散によって行われる。ここで述べるポリグリセリンを含有するPD液は、これらの機能の両方を実施することも可能である。

0061

以下で述べるPDの急性モデルにおける従来のグルコース系PD液と比較して、ここで述べるポリグリセリンを含有するPD液の生体適合性が向上することは、腹膜によって耐性が向上したという証拠になる。高浸透圧グルコース系PD液は、多形核細胞、食細胞(すなわちマクロファージ)および中皮細胞(MC)を含むすべての型式腹膜細胞に対して細胞傷害を引き起こす。この傷害は、一般に使用するグルコースの酸性や高濃度に関連する可能性がある。生体内モデルおよび培養されたHPMCの両方において、HPGPD液は、腹膜傷害や白血球浸潤が減少し、細胞寿命が延びることで示されるように、同じかまたはそれより高い容量オスモル濃度での従来のPD液よりも腹膜および細胞培養への傷害が減少していること示す。さらに、培養したHPMCにおいて、HPGPD液が引き起こすアポトーシスとは異なるPDSへの暴露後の壊死によって細胞の大半は死ぬ。これらの異なる細胞死のメカニズムは、異なる免疫応答トリガとなる。アポトーシス細胞免疫寛容を引き起こし、一方で、壊死細胞が、血管内皮成長因子および形質転換増殖因子ベータを放出することによって細胞成長および創傷治癒を促進するマクロファージによって細胞毒性免疫およびアポトーシス細胞の取り込みを刺激する。特定の理論によって拘束されることなく、PDの最中に高浸透圧HPGPD液が発生するアポトーシス細胞が免疫寛容を誘発するために二次的腹膜傷害を発生させず、PD後の損傷修復にも有益となり得ることが期待される。様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、透析液を製剤化するためのキットに含むことも可能である。キットは、ここで述べるように凍結乾燥したポリグリセリンと、透析液を製剤化するための凍結乾燥したポリグリセリンを使用するためのインストラクションとを含むことも可能である。キットは、電解質、アミノ酸、1つもしくはそれ以上の他の拡散剤および1つもしくはそれ以上の他の浸透圧剤、またはそのいずれかを含む透析液の他の成分を含むことも可能である。透析液を製剤化するためのキットは、ここで述べる透析物と、透析液を製剤化するための透析物を使用するためのインストラクションとを含むことも可能である。

0062

様々な実施形態では、ここで述べる透析物は、組成物に含むことも可能である。組成物は、ここで述べる透析物と、透析液または腹膜透析液として使用するための少なくとも1つの生理学的に許容される塩、緩衝剤、希釈剤、または賦形剤とを含むことも可能である。組成物は、水溶液中にあるか、または凍結乾燥製剤であってもよい。
ここで述べる透析物は、末期の腎臓病患者に対して腹膜透析中に投与することも可能である。透析物は、1日当たり2回以上投与することも可能である。
ここで述べる透析物は、腎不全、腎臓病、中毒、浮腫または電解質平衡異常を有する患者に投与することも可能である。

0063

ここで述べる透析物は、生体外で、毒素、分子、イオンまたは老廃物を体液から除去するために使用することも可能である。ここで述べる透析物が半塗膜によって体液から分離され、毒素、分子、イオンまたは老廃物が、体液から半透膜を介して、透析物内に流れ込む。

0064

様々な別の実施形態および実施例をここで述べる。これらの実施形態および実施例は、例示のものであり、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

0065

実施例
全ての実施例に対して、オスの同系繁殖SDラット(体重300グラム週齢10ないし12週)をチャールズリバーラボラトリーズ・インターナシナルインク(Charles River Laboratories International, Inc.)(米国マサチューセッツウィルミントン)から購入し、ブリティッシュコロンビア大学のジャック・ベル・リサーチセンター(カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)の飼養施設において保管した。ブリティッシュ・コロンビア大学の動物使用小委員会(Animal Use Subcommittee)によって承認された実験計画書に基づいて飼養ガイドライン(Animal Care guidelines)によるカナダ評議会に従って動物実験を行った。

0066

全てのデータは、各群の平均 ±標準偏差(SD)として提示される。データ分析に適当なものとして、両側分布または分散分析ANOVA)を用いるステューデント検定を使用した。0.05未満のp値が有意であると考えられた。

0067

ヒト腹膜中皮細胞(HPMC)はブリティッシュ・コロンビア大学の臨床研究倫理委員会(Clinical Research Ethics Board)によって承認された実験計画書に続いて、診療所内の匿名のPD患者から提供された腹膜透析(PD)流出液から分離された。HPMCは、最初の不完全SV40DNAを用いて不死化された。初代の、またSV40不死化HPMCの両方は、当業者に周知であるものとして、完全K1培地内で培養された。

0068

実施例1:前臨床モデルにおける透析有効性に関するHPG濃度の効果
患者を治療する際のPDの機能の1つは、限外濾過としても周知であるように、体液除去である。様々な濃度または容量オスモル濃度でのHPGPD液の液体除去は、0時間の基本調節と比較して急性PDの4時間後のラットで決定された。

0069

異なるサイズのHPGの初期スクリーニングの後、動物モデルにおいてさらに試験を行うために3kDaHPGを選択した。2.5ないし15重量%の様々な濃度のHPG(MW3kDa、約1.1と推定された多分散度)を使用するPD液を生成した。HPGは、当業者に周知の方法に従って合成した。合成後、ポリマーが水中で2日間透析され、凍結乾燥によって回収された。HPGの合成は、ゲル浸透クロマトグラフィーおよび陽子磁気共鳴分光法によって検証された。HPGPD液(2.5%ないし15%)は、塩化ナトリウム(NaCl、53.8mg/L)、乳酸ナトリウム(NaC3H5O3、44.8mg/L)、塩化カルシウム(CaCl2-2H2O、1.83mg/L)および塩化カリウム(MgCl2-6H2O、0.508mg/L)を含有する無菌電解質溶液100mLにHPG(2.5gないし15g)を溶解することによって生成された。溶液の化学的プロファイルは、グルコースやブドウ糖を含有しない従来のPD液と比較可能であり、以下のイオン濃度:131meq/L Na、97meq/L Cl、39.9meq/L乳酸、2.3meq/L Caおよび0.5meq/L Mgを含有した。各溶液の容量オスモル濃度は、バンクーバー・コースタル・ヘルスリージョナル・ラボラトリー・メディスン(Vancouver Coastal Health Regional Laboratory Medicine)(カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー)での化学研究所におけるAdvanced(登録商標)モデル3320マイクロオスモメータアドバンスト・インスツルメンツ・インク(Advanced Instruments Inc.)米国マサチューセッツ州ノーウッド)を用いて測定され、各HPG溶液のpHは、研究所のpHメーター(Accumet(登録商標) B15ベーシックフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)、カナダ国オンタリオ州トロント)を10分間用いて記録した。各溶液の容量オスモル濃度、密度およびpHは表1に示す。HPG溶液は、従来のPD液と比較した(DianealTM PD4CA PD液、2.5%ブドウ糖、バクスターカンパニー(Baxter Co.)、カナダ国)(PDS)。

0070

0071

ラットは、イソフルラン麻酔かけられ、30mLの予熱したHPG溶液またはPDSを、ゆっくりと腹膜腔注入した。処置後、1ないし2分で動物は目を覚まし、エサおよび水道水へと近づいて行った。腹腔内注射後すぐに、またはその4時間後に、動物を二酸化炭素安楽死させた。血清および腹膜流出物の両方を、各ラットから採取し、各群からランダムに選択した3匹のラットから距骨周囲の腹膜を取集した。0時間で、各種のHPG溶液またはPDSが2匹のラット内で試験され、いずれかの群からの回収量にはあまり差が認められないため、全ての溶液群(28.17±1.03mL)から蓄積したデータは基本調節として使用した。腹膜流出物の体積は、限外濾過容量のマーカーとして各ラットから測定した。

0072

図2に示すように、回収した腹膜流出物の体積の濃度依存増加、すなわち、40±1.24mLの7.5%HPG(p<0.0001対基本調節)および43.33±5.24mLの15%HPG(p<0.0001対基本調節)で示すように、HPGPD液によって、かなりの液体が除去される。透析後4時間の腹膜流出物体積の5%HPG溶液(27.88±1.65mL)は、基本調節(p=0.7371)とは統計的には異なってはいなかった。HPG(2.5%)は、限外濾過を全く達成しなかった(23.0±2.72mL)。透析の4時間後のPDSによる腹膜流出物37.23±4.72mLと比較すると(図2)、HPGPD液の液体除去は、濃度7.5%(p=0.1879)と同じであったが、15%(p=0.0268)ではかなり向上した。これらのデータは、HPGがPD液に有効な浸透圧剤および他の応用として使用可能であったことを示唆する。

0073

PDの他の機能は、老廃物除去または溶質クリアランスである。このモデルの腹膜流出物におけるクレアチニンは、研究室での測定値の最低レベル未満であったので(データは示さず)、流出物または血流内の老廃物のマーカーとして、尿素窒素を使用した。腹膜流出物および血清の両方における尿素レベルは、BUN Flex(登録商標)試薬カートリッジシーメンスヘルスケアダイアグスティックス・インク(Siemens Healthcare Diagnostics Inc.)、米国デラウェア州ニューアーク)を有するディメンションビスタ*・システム(Dimension Vista* System)を使用するバンクーバー・コースタル・ヘルス・リージョナル・ラボラトリー・メディスン(Vancouver Coastal Health Regional Laboratory Medicine)での化学研究所で測定された。HPGPD液対PDSが引き起こす尿素除去は、正味除去およびクリアランス率によって計算した。絶対尿素除去は、回収した透析物(D)または流出物における尿素濃度にその体積(V)を掛けて計算し、透析物対血漿(P)尿素比(D/P)を計算して、腹膜全体に亘る尿素の平衡にアクセスした。尿素クリアランスは、D/P比に透析物の体積を掛けて計算した(D/P*V)。

0074

0075

表2で示すように、濃度が7.5%および15%のHPGでは、HPGPD液が発生する正味尿素除去または尿素クリアランス率のいずれかがブルコース系PDSよりもかなり高かった。より興味深いことには、7.5%HPGPD液が引き起こす限外濾過はPDS(図2)とは異ならないが、0.198±0.043ミリモルのPDS(>51%増加、p=0.0027)と比較して、7.5%HPG溶液の腹膜流出物における0.300±0.047ミリモルの全尿素で示すように、PDSよりも効果的であった。このデータは、HPGが尿素除去におけるグルコースよりも、また恐らくは他の老廃物よりも優れていることを示唆する。

0076

上記HPGPD液が引き起こす液体および老廃物除去に関連する同じ実験を、1kDaHPGPD液および0.5kDaHPGPD液に対して実施し、その結果を表3および表4に示す。

0077

0078

0079

これらの結果は、より小さいHPGポリマーが、より大きいポリマーと比較して改良された限外濾過および老廃物除去特性を提供することが可能であることを示している。従来の2.5%グルコースPD液と比較すると、同じ限外濾過が、7.5%HPG(3kDa)PD液、5%HPG(1kDa)PD液または2.5ないし5%HPG(0.5kDa)PD液を用いて達成可能であり、より小さいHPGをそれほど使用しなくても、従来のPD液で達成されるのと同等の結果を達成することが可能であることを示唆する。

0080

実施例2:腹膜傷害および好中球浸潤に関するHPGPD液の効果
不十分な限外濾過または溶質クリアランスは、PDを長期療法としてかなり制限する。その理由は、現在のPD液への慢性的暴露によって、腹膜の炎症および傷害が引き起こされ、それによって被嚢性腹膜硬化症と呼ばれる線維症および血管新生が徐々に発生し、最終的にUFFが生じる結果となるからである。PDSに対するHPGPD液を受け取るラットにおける腹膜傷害および炎症の差異を実証するために、腹膜の構造および白血球浸潤が組織学分析で試験され、腹膜流出物における細胞個体群フローサイトメトリー分析によって分析された。

0081

ラットの各群からランダムに選択された壁側腹膜の3つの条片(ラット一匹当たり1つの条片)は、10%の中性緩衝ホルマリンに固定され、パラフィンワックス包埋された。切片を4pmの厚さにし、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。腹膜傷害の病理的指標(すなわち、下中皮組織の厚さの増大および中皮が無傷であったかどうか)および多形核白血球浸潤は、盲検式に腹膜の各条片の2つの分離した部分における顕微鏡画像(400倍)に基づいて検査した。回収した液体中の好中球の存在は、腹膜炎症のためのバイオマーカーとして使用した。腹膜の厚さは、図3に示す各サンプルにおける2つの矢印の間の距離で示される。データは、各群の典型的な顕微鏡画像として提示されている。図3ダークスポットとして現れている浸潤物は、好中球を含む多形核白血球である。組織学で検査されたように、腹膜に類似の傷害が、高浸透圧7.5%または15%のHPGPD液で4時間透析を行った後のラットに認められ、これは、0時間調節と比較して膜の厚さが同様に増大することで示されるが、PDSを受けたラットと比べて傷害はそれほど深刻ではなかった。HPGPD液を受けた群の膜の厚さは、PDS群の僅か半分であった(図3)。多形核白血球(すなわち好中球)の浸潤をこれらの染色した組織部分で検査すると、HPGPD液で治療する場合と比較して、PDSを受けるラットの腹膜には、より多くの多形核浸潤物が見られ、より深刻な膜の傷害と確実に相関性があった(図3)。

0082

組織学的観察を確認するために、腹膜流出物における好中球および腹膜中皮細胞(MC)の数が、フローサイトメトリー分析によって検査された。フローサイトメトリー分析は、BDFACSCantoTMII(ビー・ディー・バイオサイエンシズ(BD Biosciences、カナダ国オンタリオ州ミシサガ)上で行われた。各サンプルに対して、少なくとも10,000の現象が数えられ、フロージョーソフトウェア(FlowJo software)を用いて分析した(ツリースター(Tree Star)、米国オレゴン州アシランド)。各流出物における細胞個体群を分析するために、約100万個の細胞を8,000rpmで5分間、遠心分離によって遠心沈殿させ、その後、1%のウシ胎仔血清(FBS)を含有するリン酸緩衝生理食塩水PBS)内の細胞を懸濁させた。好中球/顆粒球および単球が、前方散乱(FSC)対側方散乱SSC)のドットプロットにおけるその大きさおよび粒度に基づいて同定され、腹膜流出物における細胞総数百分率としてゲートされた領域でカウントされた。HPG濃度に関係なく、HPGPD液群の間の所定位置相違はなかった。図4に示すように、PDS群(n=5)(p<0.0001、HPG対PDS)における9.31±2.89%と比較して、蓄積したHPG群における好中球3.63±0.87%で示すように(2.5%HPGでは3.43±0.65%;5%HPGでは4.40±1.14%;7.5%HPGでは3.43±0.65%;および15%HPGでは3.25±0.74%、各群ではn=4)、PDS流出物内よりもHPG流出物内の方が好中球が少なかった。これらのデータは、PDSで透析されたラットの腹膜組織部分におけるより多くの多形核浸潤物の存在と一致した。HPG流出物におけるFSCの測定値によって決定されるマクロファージ個体群細胞体積は、PDS流出物におけるものよりも小さかった(図4)。

0083

腹膜中皮細胞(MC)は、独特の細胞表面たんぱく質HBME−1を発現し、これは、腹膜流出物における腹膜MCのマーカーとして使用された。細胞懸濁液中のMCは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)(抗HBME−1−FITC、ビオバイト・リミテッド(Biorbyt Ltd.)、英国リバーサイド)に抱合されたウサギポリクロナール抗FIBME−1抗体に対するウサギポリクロナール抗マウスIgA−FITC(ケイマンケミカル(Cayman Chemical)、米国ミシガン州アナーバー)を染色調節として、蛍光活性細胞分離(FACS)、すなわち特殊フローサイコメーター分析によって同定した。抗体染色していない細胞は、FITCポジティブに対してネガティブ背景として使用された。図5および図6に示すように、PDS群における調節染色(0.41±0.31%)(p=0.0031、n=4)と比較して、かなりの数のHBME−1染色細胞(1.62±0.68%)が存在し、また一方で蓄積したHPG溶液群におけるHBME−1染色が0.70±0.54%(範囲:0.24±0.04%ないし0.99±0.46%、各群においてn=3)であり、この値は、調節染色(0.36±0.35%、n=4)(p=0.1832)と比較してそれほど大きいものではなかった。図5のデータは、各群のFACSヒストグラムにおける典型的な割合のFITC染色細胞として提示される。図6のデータは、PDS対蓄積HPG系溶液内のFITC染色細胞の平均±SDおよびその差(調節Ig対抗HBME−1Ig)として提示される。

0084

PDS群の腹膜流出物におけるMCの存在は、PDS群からの腹膜流出物のMGG染色細胞塗抹におけるMCの存在およびHPGPD液群からの非存在から明らかなように、メイ・グリュンワルド・ギムザ(MGG)染色(図7)によってさらに確認された。腹膜流出物における細胞は、6,000rpmで10分間、遠心分離によって遠心沈殿され、顕微鏡ガラススライド上で擦り付けられた。空気乾燥を十分に行った後、細胞塗抹はメタノール内で固定された。RBSを用いた再水和に続いて、細胞塗抹はメイ・グリュンワルド溶液(シグマアルドリッチ・カナダ(Sigma−Aldrich Canada)、カナダ国オンタリオ州オークビル)(PBSで1:5希釈)で10ないし15分間染色し、PBSで洗浄し、その後ギムザ染色溶液(シグマ・アルドリッチ・カナダ(Sigma−Aldrich Canada)、カナダ国オンタリオ州オークビル)(PBSで1:5希釈)で30分間、再度染色した。異なる型式の細胞の色は、PBSで再度洗浄することにより区別された。図7は、PDS対HPGにおける細胞のMGG染色された塗抹の典型的な顕微鏡画像を示す(黒斑は白血球であり、灰色領域は腹膜MCである)。これらのデータは全て、調節PDSと比較して、HPGPD液を用いる透析に続いて、腹膜流出物における脱離MCがほとんど検出不可能な状態での、組織構造における、少ない腹膜傷害の正相関を示す。中皮脱離がほとんど存在しない状態は、HPG系溶液が腹腔における中皮に対して有毒ではないことを示しており、これはポリグリセリンの生体適合性をかなり強化する。これらの結果は、長期に亘る腹膜の完全性がPD液の成分としてポリグリセリンを使用して維持出来ることを理解するのを支持するものと思われる。

0085

実施例3:HPGPD液に対する細胞生存率または耐性
高浸透圧HPGPD液(7.5%および15%)対PDSに対する細胞生存率または耐性は、培養されたHPMCで試験した。24-ウェルプレート内に最初の、または不死化されたHPMC(1ウェル当たり0.2X106個の細胞)をK1培地で一晩中成長させ続けた。HPMCの融合性単層をPBSで洗い流し、その後、5%二酸化炭素雰囲気で37°CのHPGPD液(7.5%または15%HPG)またはPDSに暴露した。トリピンEDTA溶液(シグマ・アルドリッチ・カナダ(Sigma−Aldrich Canada)、カナダ国オンタリオ州オークビル)によって細胞を離脱し、トリパンブルー死細胞をポジティブに染色した。生存しているか、または生存可能な細胞の数は、TC10TM自動細胞カウンタ(バイオ・ラッド・ラボラトリーズ(Bio−Rad Laboratories)、カナダ国オンタリオ州ミシサガ)を用いてカウントした。生存している細胞の割合は、以下のように計算した:% = (Tx/T0)x100。ここでは、Txは指示された時点での生存可能な細胞の総数を表し、T0は未処置細胞単層(0時間時点)において生存可能な細胞の総数を表す。各サンプルにおける生存可能な細胞の数は、少なくとも3つの決定基の平均によって提示された。図8に示すように、3時間の培養中にPDSよりもHPGPD液への暴露に続いて、最初のHPMCで、より多くの無傷の細胞がトリパンブルーでネガティブに染色された(p<0.0001、7.5%HPG対PDS;p=0.0044、15%HPG対PDS、2方向ANOVA)。同様の結果が、SV40不死化HPMCで見られた(p<0.0001、7.5%HPG対PDS;2方向ANOVA;p=0.0067、15%HPG対PDS、2方向ANOVA)(図9)。

0086

培地HPMCの細胞構造でのPDSに対する高浸透圧HPG溶液の影響を、フローサイトメトリー分析を用いて顕微鏡下で調査した。24ウェルプレートにおける不死化されたHPMC(1ウェル当たり0.2*106個の細胞)を一晩中K1培地で成長させ、その後、5%の二酸化炭素雰囲気で37°CのK1培地(CM)、HPGPD液(7.5%および15%HPG)またはPDSでの培養が行われた。図10は、培養から3時間後の不死化HPMCの典型的顕微鏡画像を示す。図10において(細胞質における液胞を指示する矢印で)示すように、細胞質空洞化は、PDSで培養されたFIPMCの顕微鏡画像で提示されたが、HPG溶液または培地(CM)で培養された細胞には存在しなかった。この空洞化は、カスパーゼー3ー独立細胞死に関連し、水が細胞質から細胞外培地に拡散する場合には、グルコース細胞取り込みに関連する可能性がある。

0087

これらの結果は、フローサイトメトリー分析でさらに確認され、SSCの測定値は、培養の30分後の細胞質粒度のレベルを示した。図11に示すように、HPMCの細胞質粒度は、PDSによって顕著に誘起されており、これは、SSCの平均強度が培地を用いた細胞の27.4±0.8(x1000)からPDS(p<0.0001、t−テスト)を用いて処理された細胞の77.0±1.2(x1000)まで増加することで示されている。PDSとは対照的に、HPGPD液での培養は粒度を増大させないが、SSC測定値の濃度依存減少を引き起こした。これは、SSCの平均強度が、7.5%HPGPD液では細胞内の11.1±0.2(x1000)であり、15%HPGPD液では6.1±0.1(x1000)である(p<0.0001、HPG対培地、単一方向ANOVA)という事実によって示された。

0088

細胞生存に関するPDS上でのHPGPD液の有益な効果をさらに検証するために、細胞死または生存は、フローサイトメトリー分析およびウェスタンブロット法を用いてPDS対HPGPD液が引き起こす高浸透圧ストレス後の回収中に調べた。HPMCの細胞アポトーシスまたは壊死は、製造業者の実験計画書に続いてFACS分析によって測定され(ビー・ディー・バイオサイエンシズ(BD Biosciences)、カナダ国オンタリオ州ミシサガ)、フィコエリスリン(phycoerythrin)(アネキシン(Annexin)ーV−PE)染色で抱合されたアネキシンーVが早期アポトーシスを示し、7ーアミノーアクチノマイシンD(7−ADD)染色は、晩期アポトーシスを示した。K1培地での培養の後、HPGPD液(7.5%もしくは15%)またはPDS、1時間、不死化HPMC(1ウェル当たり0.2X106個の細胞)をK1培地で回収した。5%の二酸化炭素雰囲気で37°Cでの培養から6時間後、フローサイトメトリー分析およびウェスタンブロット分析によって細胞死を調べた。図12では、非アポトーシス(生存可能)細胞は、左下腹部にあり、壊死細胞は、左上腹部にあり(7−AADポジティブのみ)、晩期アポトーシス細胞は、右上腹部にあり(アネキシンーVおよび7−AADポジティブの両方、早期アポトーシス細胞は、右下腹部にあった(アネキシンーVポジティブのみ)。HPMCの1つの細胞懸濁液は、1x結合バッファ内で15分間、アネキシンーVーPEで培養され、その後7−AADで染色した。アポトーシスまたは壊死細胞の蛍光強度が、背景調節と比較して測定された。図12(細胞死のFACSプロットを代表し、細胞表面の7−AAD染色した核DNAおよびアネキシンーV染色リン脂質を示す)および表5に示すように、PDS処理(p<0.0001)後の細胞(61.7±2.73%)と比較してHPGPD液で前処理した細胞(7.5%HPGでは75.77±1.35%または15%HPGでは75.27±0.61%)においてより生存可能な、またはネガティブに染色した細胞が存在した。PDS前処理したHPMCでは、培地での細胞と比較して、細胞の大半は壊死または晩期アポトーシスによって死んでおり、7−AADのみで、またはアネキシンーVと組み合わせてポジティブに染色され、一方で、7.5%または15%のHPGPD液で培養した細胞は大半がアポトーシスで死んでおり、アネキシンーVのみ、または7—AADと組み合わせてポジティブに染色されている。

0089

0090

アポトーシスは、ウェスタンブロット法におけるHPGPD液前処理HPMCの細胞タンパク質抽出物におけるカスパーゼ3の活性型の存在およびPDS前処理細胞での不存在によりさらなる確認が行われた(図13)。タンパク質抽出物(1サンプル当たり50ないし100pg)は、12%のSDSーPAGEによって分画され、その後ニトロセルロース膜上に転送された。活性カスパーゼ3タンパク質(17kDaおよび19kDa)が、ウサギのポリクロナール抗活性化カスパーゼ3(Aspl75)抗体(セルシグナリングテック(Cell Signaling Tech)、米国マサチューセッツ州ダンサーズ)で同定され、改良された化学発光検定法(イー・シー・エルECL)アマーシャム・ファーマシア・バイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)、英国バッキガムシャー州)によって可視化された。ブロットは、各サンプルにおいて添加されたタンパク質を確認するために抗アクチンIgG(シグマ・アルドリッチ・カナダ(Sigma−Aldrich Canada)、カナダ国オンタリオ州オークビル)を使用して再検出された。まとめると、これらのデータは、高浸透圧HPGPD液がアポトーシスでの細胞死を減少させ、PDSが壊死および細胞質空洞化に関連する細胞死を増加させたことを示唆するかもしれない。これらの結果もまた、HPGPD液がグルコース系PD液のための有望な代用品であると理解することを支持している。これらのデータはまた、拡散剤および浸透圧剤またはそのいずれかを必要とする応用または方法において使用するためのポリグリセリンの生体適合性を支持している。

0091

実施例4:腹膜透析のラットモデルにおける直鎖ポリグリセリン(LPG)による液体除去
本実施例で使用したポリグリセリンは、アニオン開環重合によって合成された。超分岐ポリグリセリンの場合、メチル化カリウムを使用する開始剤として、トリスヒロキシメチルプロパン(TMP)からグリシドールのアニオン開環多分岐重合によってポリマーが得られた。直鎖ポリグリセリンの場合、エトキシエチルグリシジルエーテル(EEGE)が/−BuOK+から開環重合を介して重合化され、その後、35%のHClにおけるヒドロキシル保護基を除去した。合成に続いて、蒸留水に抗してポリグリセリンを透析し、透析物を凍結乾燥してポリマーを回収した。ポリマーは全て、特徴付けられた陽子NMRであり、ポリマーの分子量は、マルチアングルレーザ光散乱ワイアット・テクノロジー・インク(Wyatt Technology、Inc.米国)によって決定された。

0092

表6で示すように、4つの異なる型のポリグリセリンを使用した。ポリマーの構造は、図1Aおよび図1Bに示す。表6は、この研究で使用した超分岐ポリグリセリン(HPG)および直鎖ポリグリセリン(LPG)の特性に関するデータを示す。

0093

0094

Dianeal(登録商標)PD液と同じ塩濃度でポリグリセリン溶液を生成した。グルコースは、異なるポリグリセリンと取り換えた。ポリマーを緩衝液内で一晩中攪拌し、測定する前に濾過した。表7は、ポリマーの分子量および濃度のosmolarity(登録商標)への依存度を示し、図14は、表7の緩衝液の条件で、HPG溶液の容量オスモル濃度に対する分子量および濃度の影響を示す。

0095

0096

塩化ナトリウム(538mg/100mL)、乳酸ナトリウム(168mg/100mL)、塩化カルシウム無水物(18.4mg/100mL)、塩化マグネシウム六水和物(5.1mg/100mL)および重炭酸ナトリウム(210mg/100mL)の濃度での塩を含有する溶液内に約7.5重量%のLPGポリマー(Mn−2880Da)を溶解することによってLPGPD液を生成した。溶液のpHは、約7.4であった。LPG溶液の液体除去は、腹膜透析のラットモデルにおいて試験した。ラットは、腹腔内注射により30mLのLPG溶液または従来の腹膜透析(PD)液を受けた。液体は、0時間から4時間のドエル時間に回収された。データは、各群で2匹のラットを使用する実験から収集された。

0097

ドエル時間の4時間後、LGP溶液は、グルコース系の従来の腹膜透析(PD)液(Physioneal 40)によるものと類似の顕著な液体除去(限外濾過)(図15はLPGPD液による限外濾過(液体除去)を示す)を誘起した。

0098

実施例5:異なるサイズのHPG(Dianeal(登録商標)PD4CAPD液に類似であるがブドウ糖は含有しない緩衝液組成物)による液体および尿素の除去
異なるサイズ(0.5kDaおよび1kDa)のHPG(特徴については表6を参照)を、異なる濃度で無菌電解質溶液(塩化ナトリウム5.38g/L、乳酸ナトリウム4.48g/L,塩化カルシウム無水物0.183g/Lおよび塩化マグネシウム六水和物0.0508g/L、Dianeal(登録商標)PD4CAPD液と同じ組成であるがブドウ糖は含有しない)に溶解した。これらのHPG溶液の液体および尿素の両方を除去することの有効性を、腹膜透析のラットモデルにおいて試験した。ラットは、腹腔内注射により30mLのHPG溶液または(Dianeal(登録商標)PD4における)従来の腹膜透析(PDS)液を受けた。液体は、0時間から4時間のドエル時間に回収された。データは、各群で4匹のラットを使用する実験から収集された。

0099

0.5kDaのサイズおよび2.5%の濃度のHPGは、液体を除去する際の従来の腹膜透析液(PDS)(DianealTM2.5%)に等しく、PDS(表3)よりも高い濃度(5ないし7.5%)でかなり多くの液体を除去した。これらのHPG溶液(2.5ないし7.5%)の尿素除去全体は、PDSと同じであるが、溶液内のHPG濃度が増加することによって、尿素除去が増大する傾向があった(表8は、ドエル時間の4時間後のラットにおける0.5kDaHPGの液体除去/限外濾過および尿素除去を示す)。

0100

0101

1kDaHPG溶液では、同様の結果が見られた(表9)(ポリマーの特徴に対しては表6を参照)。5%HPG溶液の液体除去は、PDSと類似であり、HPG溶液ではPDSよりも7.5%だけ多かった。これらのHPG溶液の尿素除去は、PDS以上であった。

0102

0103

実施例6:異なるサイズのHPG(Physioneal40溶液に類似であるがブドウ糖は含有しない緩衝液組成物)による液体、尿素およびナトリウムの除去ならびに限外濾過の動態
異なるサイズのHPGを、無菌電解質溶液(塩化ナトリウム5.38g/L、乳酸ナトリウム1.68g/L,塩化カルシウム無水物0.184g/L、塩化マグネシウム六水和物0.051g/Lおよび重炭酸ナトリウム2.10g/L、Physioneal40溶液と同じ組成であるがグルコースは含有しない)内で、異なる濃度:4.8%の0.5kDaHPG、6%の1kDaHPGおよび14%の3kDaHPGで溶解した。これらの溶液の容量オスモル濃度は、0.5kDaHPG溶液では402mOsm/kg、1kDaHPG溶液では402mOsm/kgおよび3kDaHPG溶液では394mOsm/kgであり、これは2.27%のグルコース(401mOsm/kg)を含有するPhysioneal40溶液とほぼ同じであった(表6におけるHPGの特徴を参照)。溶液は全て、pH−7.4であった。表10は、この実験に対して使用したHPGおよびPhysioneal40PD液の容量オスモル濃度に関連するデータを示す。

0104

0105

これらのHPG溶液による液体、尿素およびナトリウムの除去効果に対する調節フィジオニール(Physioneal)(2.27%グルコース)は、腹膜透析のラットモデルにおいて検査した。ラットは、30mLのHPGまたはフィジオニール溶液の腹腔内注射を受けた。液体/透析物および血清サンプルを、0.5時間、2時間、4時間および8時間のドエル時間に収集した。

0106

全てのHPG溶液は、同じ容量オスモル濃度で全ての時点のフィジオニールと比較して、より多くの液体を除去し、より重要なこととして、HPG溶液の除去効果は延長ドエル時間の8時間では存続したが、従来のフィジオニールにはその効果はなかった。図16は、同じ容量オスモル濃度でのグルコースと比較して、異なるサイズのHPGの限外濾過に関連するデータを示す。ラットは、30mLの様々なHPG溶液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。液体は、ドエル時間の異なる時点で回収された。データは、各時点における各群内の4匹から5匹のラットを用いた実験から収集され、2方向ANOVAによって統計学的に分析された。

0107

HPGPD液およびフィジオニールPD液による尿素除去の比較は、4.8%の0.5kDaHPGPD液の効果はフィジオニールと同様であることを示唆した。6%の1kDaHPG溶液は、フィジオニールよりも高い尿素クリアランスを有し、14%の3kDaHPGPD液は、フィジオニールよりも多くの尿素を除去した。図17Aないし図17Cは、同様の容量オスモル濃度での異なるサイズのHPGPD液に対するグルコース(フィジオニール)PD液による尿素除去を示す。ラットは、30mLの様々なHPG溶液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。液体は、ドエル時間の異なる時点で回収された。データは、各時点における各群内の4匹から5匹のラットを用いた実験から収集され、2方向ANOVAによって統計学的に分析された。

0108

HPGPD液のナトリウム除去は、フィジオニール(図6)と比較した。結果は、フィジオニールは最初に体内へのナトリウムを減少させ、1時間後にナトリウム除去を開始し、その一方で、6%の1kDaHPGおよび4.8%の0.5kDaによりナトリウムが減少または除去されなかったことを示した。HPG14%PD液(3kDa)は、フィジオニールと比較して、全ての時点でナトリウム除去が増加することを示した。図18は、同じ容量オスモル濃度での異なるサイズのHPGに対するグルコース(フィジオニール)PD液によるナトリウム除去を示す。ラットは、30mLの様々なHPG溶液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。液体は、ドエル時間の異なる時点で回収された。データは、各時点における各群内の4匹から5匹のラットの平均値として提示され、2方向ANOVAによって統計学的に分析された。

0109

実施例7:同じ容量オスモル濃度でのグルコース(フィジオニール)と比較した異なるサイズのHPGの生体適合性
HPG溶液の生体適合性は、腹膜透析のラットモデルにおいてドエル時間の4時間後にフィジオニール溶液と比較した。最初に、生体適合性は、組織学的分析により調査した。

0110

図19は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した組織部分の画像と、HPG溶液のいずれかに暴露した後は、フィジオニール溶液ほどは腹膜が損傷を受けなかったことを示す対応する表形式のグラフデータとを例示する。ラットは、30mLの様々なHPG溶液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。腹膜組織は、ドエル時間の4時間後に採取された。組織部分は、H&Eで染色され、腫れた腹膜の厚さは、Slidepath SoftwareTMを用いて測定した。画像は、各群の代表であった。長い矢印(左から右を指す)は腹膜上皮を示し、短い矢印(右から左を指す)は好中球を示す。グラフは、各群(n=3ないし4)における腫れた腹膜の平均±SEM(画像内の棒で示す)を提示する。

0111

第2に、腹膜透析におけるHPG溶液に対するフィジオニール溶液の生体適合性は透析物における好中球およびHBME−1染色細胞(腹膜中皮細胞)の存在により調査された。図20に示すように、回収したHPGPD液の全てにおける好中球の割合は、ドエル時間の4時間後のフィジオニール溶液よりも小さかった。ラットは、30mLの様々なHPG溶液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。透析物は、ドエル時間の4時間後に採取された。好中球の割合は、フローサイトメトリーを用いてカウントされた。データは、各群における4匹の動物の平均±SDを提示した。

0112

腹膜透析におけるHPGPD液に対するフィジオニール溶液の優れた生体適合性もまた、FITCで抱合された抗HBME−1抗体でポジティブに染色された、あまり脱離されていない腹膜中皮細胞によっても示された。図21は、回収したフィジオニール溶液内で顕著なFITC染色が見い出されたが、HPGPD液のいずれかでは、検出可能なレベルのFITC染色がほとんど見られず、これはフィジオニール溶液と比較して、HPG溶液で透析した後、透析物内のあまり脱離されていない腹膜中皮細胞を示すことを例示している。ラットは、30mLの様々なHPGPD液または従来のフィジオニール40(2.27%グルコース)溶液を腹腔内注射により受けた。透析物は、ドエル時間の4時間後に採取された。好中球細胞は、FITCで抱合された抗HBME−1抗体で染色され、フローサイトメトリーを用いてカウントされた。データは、各群における4匹の動物の平均±SDを提示した。調節サンプルは、FITCで抱合された調節抗体で染色された。

0113

本発明の様々な実施形態をここで開示したが、当業者の共通する一般的知識に従って、本発明の範囲内で多くの変更および修正を行うことも可能である。このような修正は、同じ結果を実質上同じ方法で達成するために、本発明のいずれかの局面に対する周知の均等物の代替を含む。数字の範囲は、範囲を定める数字を含んでいる。用語“comprising”は、“含むが限定されない”という表現と実質的に同等である変更可能な用語としてここで使用し、単語“comprise”と“comprises”は対応する意味を有する。ここで使用するように、単数形“a”、“an”および“the”は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。このように、例えば、“物体”への言及は、このような物体を2つ以上含む。

0114

ここでの参考文献の引用は、このような参考文献が本発明の先行技術であることを認めているわけではなく、またこれらの文献の内容または日付に関しても同様である。

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