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技術 脱毛障害を処置するための方法

出願人 ザトラスティースオブコロンビアユニバーシティインザシティオブニューヨーク
発明者 クリスチャーノ,アンジェラ,エム.クラインズ,ラファエル
出願日 2013年3月29日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2015-503662
公開日 2015年5月28日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-515470
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 成長係数 基部周囲 ノードサイズ 二次元グリッド 高濃度範囲 接着形態 変化形態 心理的影響
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、JAK3阻害剤投与によって被験体において脱毛障害処置するための方法を提供する。

概要

背景

円形脱毛症(AA)は、最も広く蔓延している自己免疫疾患のうちの1つであり、米国では500万人を超える個体に影響を及ぼし、世界中では1400万人もの個体に影響を及ぼしている。AAは、毛包免疫特権崩壊及びその後の自己免疫性破壊に起因する脱毛をもたらす。AAは、頭皮及び他の場所において脱毛をもたらす皮膚疾患である。一部の重篤な症例では、AAは、頭部又は体における完全な脱毛へと進行し得る。円形脱毛症は、自己免疫により引き起こされると考えられるが、遺伝子レベル診断及び合理的な標的に対する治療は開発されていない。AAの遺伝的基礎は、ほとんど知られていない。罹患した患者、特に、小児における心理的影響は、衝撃的なものである。

概要

本発明は、JAK3阻害剤投与によって被験体において脱毛障害処置するための方法を提供する。

目的

本発明の一態様は、被験体における毛の成長誘導するための方法であって、被験体に、有効量の、サイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を投与するステップを含む上記方法を提供する

効果

実績

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請求項1

それを必要とする哺乳動物被験体における脱毛障害処置方法であって、(a)Jak3阻害剤被験体投与するステップ、それによって脱毛障害を処置するステップを含む、上記方法。

請求項2

被験体において毛の成長誘導するための方法であって、(a)有効量のJak3阻害剤を被験体に投与するステップ、それによって被験体において毛の成長を誘導するステップを含む、上記方法。

請求項3

被験体が脱毛障害に罹患している、請求項2に記載の方法。

請求項4

脱毛障害が、男性型脱毛症休止期脱毛円形脱毛症頭部白癬完全脱毛症貧毛症遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む、請求項1又は3に記載の方法。

請求項5

投与された阻害剤が、阻害剤の処置前の被験体の毛の成長と比較して、被験体において毛の成長を誘導したか決定するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項6

被験体が脱毛障害に罹患している、請求項5に記載の方法。

請求項7

阻害剤が、Jak3タンパク質に特異的に結合する抗体又はその断片;Jak3タンパク質をコードする遺伝子の発現を減少させるアンチセンスRNA又はアンチセンスDNA;Jak3タンパク質の発現を減少させるアンチセンスRNA又はアンチセンスDNA;Jak3遺伝子を特異的にターゲティングするsiRNA;Jak3タンパク質に特異的に結合する低分子;又はそれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の方法。

請求項8

Jak3阻害剤が、トファシチニブ(CP690550)である、請求項1又は2に記載の方法。

請求項9

低分子が、Janex 1(WHI-P131)、PF-956980、WHI-P154、トファシチニブ(CP690550)、VX-509、Jak3阻害剤IV、NSC114792、又はR348である、請求項7に記載の方法。

請求項10

抗体が、配列番号:1を含むタンパク質に特異的に結合する、請求項7に記載の方法。

請求項11

siRNAが、配列番号:2を含むヒト核酸配列指向する、請求項7に記載の方法。

請求項12

Jak3遺伝子を指向するsiRNAが、表1に列挙される配列のいずれか1つである、請求項7に記載の方法。

請求項13

投与が、皮下、筋肉内、腹腔内、若しくは静脈内注射注入;経口、経鼻、若しくは局所送達;又はそれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項14

Jak3阻害剤が、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、週7回、週8回、週9回、週10回、週11回、週12回、週13回、又は週14回投与される、請求項1又は2に記載の方法。

請求項15

被験体がJak3阻害剤を、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、又は少なくとも16週間投与される、請求項1又は2に記載の方法。

請求項16

被験体にJak1/2阻害剤を投与するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。

請求項17

Jak1/2阻害剤の投与が、Jak3阻害剤の投与と同時に行われる、請求項16に記載の方法。

請求項18

Jak1/2阻害剤の投与が、Jak3阻害剤の投与と、任意の順で経時的に行われる、請求項16に記載の方法。

請求項19

Jak1/2阻害剤が、INCB 018424、GLPG0634、AG490、CYT387、SB1518、LY3009104、TG101348、BMS-911543、又はCEP-701である、請求項16に記載の方法。

背景技術

0001

円形脱毛症(AA)は、最も広く蔓延している自己免疫疾患のうちの1つであり、米国では500万人を超える個体に影響を及ぼし、世界中では1400万人もの個体に影響を及ぼしている。AAは、毛包免疫特権崩壊及びその後の自己免疫性破壊に起因する脱毛をもたらす。AAは、頭皮及び他の場所において脱毛をもたらす皮膚疾患である。一部の重篤な症例では、AAは、頭部又は体における完全な脱毛へと進行し得る。円形脱毛症は、自己免疫により引き起こされると考えられるが、遺伝子レベル診断及び合理的な標的に対する治療は開発されていない。AAの遺伝的基礎は、ほとんど知られていない。罹患した患者、特に、小児における心理的影響は、衝撃的なものである。

課題を解決するための手段

0002

本発明の一態様は、それを必要とする哺乳動物被験体における脱毛障害処置する方法であって、サイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を、被験体投与するステップを含む上記方法を包含する。一実施形態では、阻害剤は、Jak3阻害剤である。一実施形態では、阻害剤は、トファシチニブ(CP690550)である。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬完全脱毛症貧毛症遺伝性単純型貧毛症(hereditary hypotrichosis simplex)、又は全身性脱毛症を含む。一実施形態では、該方法は、投与された阻害剤が、脱毛障害に罹患している被験体における毛の成長を、阻害剤による処置の前における被験体の毛の成長と比較して誘導したのかどうかを決定するステップをさらに含む。一実施形態では、阻害剤は、Jak3タンパク質若しくはその断片に特異的に結合する抗体;Jak3タンパク質をコードする遺伝子の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3タンパク質の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3遺伝子を特異的にターゲティングするsiRNA;低分子;又はこれらの組合せである。一実施形態では、低分子は、Janex 1 (WHI-P131)、PF-956980、WHI-P154、トファシチニブ(CP690550)、VX-509、JAK3阻害剤IV、NSC114792、又はR348である。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号1を含むタンパク質に特異的に結合する。別の実施形態では、siRNAは、配列番号2を含むヒト核酸配列指向する。いくつかの実施形態では、Jak3遺伝子を指向するsiRNAは、表1に列挙する配列のうちのいずれか1つである。さらなる実施形態では、投与は、皮下、筋肉内、
腹腔内、若しくは静脈内注射;注入;経口、経鼻、若しくは局所送達;又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、投与は、毎日毎週、毎週2回、毎月、毎月2回、又は毎年施す。いくつかの実施形態では、Jak3阻害剤は、1週間当たり1回、1週間当たり2回、1週間当たり3回、1週間当たり4回、1週間当たり5回、1週間当たり6回、1週間当たり7回、1週間当たり8回、1週間当たり9回、1週間当たり10回、1週間当たり9回、1週間当たり10回、1週間当たり11回、1週間当たり12回、1週間当たり13回、又は1週間当たり14回投与する。他の実施形態では、被験体に、Jak3阻害剤を、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、又は少なくとも16週間にわたり投与する。いくつかの実施形態では、該方法は、Jak1/2阻害剤を被験体に投与するステップをさらに含む。さらなる実施形態では、JAK1/2阻害剤を投与するステップは、Jak3阻害剤の投与と同時に行う。さらに他の実施形態では、JAK1/2阻害剤を投与するステップは、Jak3阻害剤の投与と共に任意の順序で経時的に行う。いくつかの実施形態では、Jak1/2阻害剤は、INCB 018424、GLPG0634、AG490、CYT387、SB1518、LY3009104 (バリシチニブ; INCB28050)、AZD1480、TG101348、BMS-911543、又はCEP-701である。

0003

本発明の一態様は、被験体における毛の成長を誘導するための方法であって、被験体に、有効量の、サイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を投与するステップを含む上記方法を提供する。一実施形態では、阻害剤は、Jak3阻害剤である。一実施形態では、阻害剤は、トファシチニブ(CP690550)である。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。一実施形態では、該方法は、
投与された阻害剤が、脱毛障害に罹患している被験体における毛の成長を、阻害剤による処置の前における被験体の毛の成長と比較して誘導したのかどうかを決定するステップをさらに含む。一実施形態では、阻害剤は、Jak3タンパク質若しくはその断片に特異的に結合する抗体;Jak3タンパク質をコードする遺伝子の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3タンパク質の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3遺伝子を特異的にターゲティングするsiRNA;低分子;又はそれらの組合せである。一実施形態では、低分子は、Janex 1 (WHI-P131)、PF-956980、WHI-P154、トファシチニブ(CP690550)、VX-509、JAK3阻害剤IV、NSC114792、又はR348である。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号1を含むタンパク質に特異的に結合する。別の実施形態では、siRNAは、配列番号2を含むヒト核酸配列を指向する。いくつかの実施形態では、Jak3遺伝子を指向するsiRNAは、表1に列挙する配列のうちのいずれか1つである。さらなる実施形態では、投与は、皮下、筋肉内、腹腔内、若しくは静脈内注射;注入;経口、経鼻、若しくは局所送達;又はそれれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、投与は、毎日、毎週、毎週2回、毎月、毎月2回、又は毎年施す。いくつかの実施形態では、Jak3阻害剤は、1週間当たり1回、1週間当たり2回、1週間当たり3回、1週間当たり4回、1週間当たり5回、1週間当たり6回、1週間当たり7回、1週間当たり8回、1週間当たり9回、1週間当たり10回、1週間当たり9回、1週間当たり10回、1週間当たり11回、1週間当たり12回、1週間当たり13回、又は1週間当たり14回投与する。他の実施形態では、被験体に、Jak3阻害剤を、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも12週間、又は少なくとも16週間にわたり投与する。いくつかの実施形態では、該方法は、Jak1/2阻害剤を被験体に投与するステップをさらに含む。さらなる実施形態では、JAK1/2阻害剤を投与するステップは、Jak3阻害剤の投与と同時に行う。さらに他の実施形態では、JAK1/2阻害剤を投与するステップを、Jak3阻害剤の投与と共に任意の順序で経時的に行う。いくつかの実施形態では、Jak1/2阻害剤は、INCB 018424、GLPG0634、AG490、CYT387、SB1518、LY3009104 (バリシチニブ; INCB28050)、TG101348、BMS-911543、又はCEP-701である。

図面の簡単な説明

0004

Jak3阻害剤(トファシチニブ; CP-69055)によるマウスの処置により、円形脱毛症(AA)が防止されることを示す図である。
処置と関連する真皮内のT細胞浸潤及び炎症性バイオマーカー消失を、免疫染色(図2A)及びフローサイトメトリー(図2B)により示す図である。AA皮膚内の真皮細胞の最大25%を表すCD8+ NKG2D+ T細胞が、処置により完全に消失する。フローサイトメトリーは、皮膚に由来する単一細胞懸濁液についてのフローサイトメトリーである。右上の象限内の細胞は、CD8+NKG2D+エフェクターT細胞であり、健常マウスでは観察されない。CD8+NKG2D+エフェクターT細胞は、皮膚移植後の脱毛症マウスにおいて見出される。Jak3阻害剤で処置されたマウスは脱毛症を発症せず、それらマウスの皮膚は、これらの細胞を欠いている。
図2Aと同じ。
図2Aと同じ。
処置と関連する皮膚リンパ節(LN)内のIFN産生性「NK型」CD8T細胞の消失、及び循環IFN誘導性ケモカイン喪失を示すグラフである。左パネル棒グラフは、CD8.NKG2A/C/D/E.IFNγについて染色された、個々に処置されたマウス及び処置されなかったマウスに由来するPMA/Ionoで刺激されたLN細胞についての細胞内フローサイトメトリーを示す。1群当たり2匹のマウスを示す。
C3H/HeJ移植レシピエントを、Jak3阻害剤(右パネル)又はPBSで処置したことを示すリボンダイアグラムである。RNAを、処置の6週間後(w6)及び13週間後(w13)に採取された皮膚から、また偽手術を受けたマウスからも抽出し、その後マイクロアレイ解析により調べた。
クリームだけによる局所処置の前(上段パネル)及び後(9日後(中段パネル)及び30日後(下段パネル))におけるマウスの写真を示す図である。
Jak3阻害剤であるトファシチニブによる局所処置の前(上段パネル)及び後(9日後(中段パネル)及び30日後(下段パネル))におけるマウスの写真を示す図である。
Jak3阻害剤であるトファシチニブを伴わない対照注入の前(上段パネル)及び後(5週間後(中段パネル)及び10週間後(下段パネル))におけるマウスの写真を示す図である。
Jak3阻害剤であるトファシチニブを伴うポンプ注入の前(上段パネル)及び後(5週間後(中段パネル)及び10週間後(下段パネル))におけるマウスの写真を示す図である。
処置と関連する真皮内のT細胞浸潤及び炎症性バイオマーカーの消失を、フローサイトメトリーにより示す図である。フローサイトメトリーは、リンパ節細胞についてのフローサイトメトリーである。右上の象限内の細胞は、CD8+NKG2D+エフェクターT細胞を表しており、健常マウスでは観察されない。CD8+NKG2D+エフェクターT細胞は、皮膚移植後の脱毛症マウスにおいて見出される。Jak3阻害剤で処置された脱毛症マウスは毛の再成長を示し、それらマウスのリンパ節は、これらの細胞を欠いている。
図9−1と同じ。
NKG2D「ストレスリガンド」が毛包内で上方制御されることを示す図であり、ヒト及びマウスにおける共通の発症機序を示す。
CD8+ NKG2D+ T細胞が毛包に浸潤することを示す免疫染色の顕微鏡写真を示す図であり、ヒト及びマウスにおける共通の発症機序を示す。
NKG2D+ CD8+ T細胞が主要な浸潤細胞であることを示すフローサイトメトリー解析を示す図であり、ヒト及びマウスにおける共通の発症機序を示す(例えば、皮膚から溢出T細胞を単離するための方法について報告する、Clarkら(2006)、J Invest Dermatol.、126(5):1059〜70を参照されたい)。
図12−1と同じ。
比較トランスクリプトミクスが、共通のIFN応答サインを明らかにすることを示す図であり、ヒト及びマウスにおける共通の発症機序を示す。
CD8+NKG2D+細胞傷害性T細胞が、NK型受容体を保有するIFN-ガンマ産生細胞であることを表すプロットを示す図である。
図14−1と同じ。
NK型CD8T細胞が、円形脱毛症のT細胞移植に必要とされることを示す図である。
円形脱毛症のC3H-HeJマウスモデルにおける全身性JAK阻害剤を使用する前臨床研究を示す図である(例えば、O'Shea、Immunity、2012年4月20日、36(4):542〜50を参照されたい)。
JAK3阻害剤(トファシチニブ)の全身送達による前臨床研究の結果、及びトファシチニブ処置により円形脱毛症が防止されることを示す図である。
円形脱毛症のためのターゲティング療法の異なる例を表す図である。これらの局所療法は、確立した疾患から復帰させるのに用いられ得る。
JAK3阻害剤(トファシチニブ)の局所送達による前臨床研究を示す図である。JAK3阻害剤を使用する局所処置は、長期型AA(2〜3カ月間にわたる持続)からの復帰をもたらす。処置の前に、全てのマウスは、2〜3カ月間にわたり脱毛を示した。対照マウスには、毎日クリームを適用した。Jak3阻害剤であるトファシチニブで処置されたマウスは、0.5%のトファシチニブを含有する局所用クリームで毎日処置した。
脱毛症のC3H/HeJマウスにおける前臨床研究の概要を示す図である。
皮膚移植の時点において施されるJak3阻害剤による全身処置によるAAの防止を示す図である。全ての試薬は、移植(防止)の時点において開始する。JAK3阻害剤(CP690550)又はビヒクル(PEG300)を、皮下に移植されたAlzet浸透圧ミニポンプ(28日間用ポンプ;モデル2004)を使用して、10mg/kg/日で送達した。
Jak3阻害剤であるトファシチニブによる処置が、炎症性浸潤を正常化することを表す顕微鏡写真を示す図である。
C3H/HeJ脱毛症マウスの毛包内のNKG2DLの上方制御を示す図である。毛包内毛根鞘(K71でマークされた)内のNKG2Dリガンド(H60)の免疫蛍光染色である。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球細胞表現型及び機能を示す図である。C57BL/6マウス、健常C3H/HeJマウス、及びC3H/HeJ AAマウスの毛包内のCD8+NKG2D+細胞の免疫蛍光染色である。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。AAを発症したC3H/HeJマウスにおける顕著な皮膚リンパ節腫脹及び細胞充実度である。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。プロットは、脱毛症マウスにおける皮膚及び皮膚所属リンパ節に由来するCD8+NKG2D+ T細胞の非移植マウスの頻度を示す。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。プロットは、C3H/HeJ脱毛症マウスにおける皮膚リンパ節内のCD8+NKG2D+ T細胞の免疫表現型を示す。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。グラフは、AAマウスの皮膚LNから単離されたCD8+NKG2D+ T細胞が、C3H/HeJマウスの毛包から成長したRae-1を発現させる真皮鞘細胞をNKG2D依存的な様式で死滅させることを示す。図23Gは、AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。AA皮膚リンパ節から精製されたCD8+NKG2D+ T細胞分取物及びCD8+NKG2D- T細胞分取物に対してRNAseqを実施した。CD8+NKG2D+ T細胞で上方制御される転写物を文献8,9中のCTL遺伝子発現及びNK細胞遺伝子発現と比較し、重複する遺伝子サインをこのベン図に表す。
AAマウスにおけるCD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球の細胞表現型及び機能を示す図である。C3H/HeJマウスに、4つの異なる集団に由来する2×106個ずつの細胞を皮下注射した。全LN細胞又はCD8+NKG2D+ T細胞単独の注射後のレシピエントでは脱毛が発症した(1群当たり5匹のマウスのうちの5匹)のに対し、NKG2D+細胞を枯渇させたCD8+NKG2D- T細胞又はLN細胞を施されたマウスは、脱毛症を発症しなかった(1群当たり5匹のマウスのうちの0匹)。***p値≦0.001。
IFNγ、細胞傷害性T細胞、及びIL15経路が疾患の病原性にとって中心的である証拠を明らかにし、Jak阻害剤を使用する治療的ターゲティングを促すヒト及びマウスのAA皮膚の転写プロファイリングを示す図である。図24Aは、IFNγ誘導性遺伝子発現11を伴う脱毛症C3H/HeJマウスの皮膚全体(罹患していないC3H/HeJ皮膚と比較した)に由来する遺伝子リストと、ImmGen Consortiumの刊行物8,9に由来するCD8細胞及びNK細胞の遺伝子サインとの重複を示すベン図(上段パネル)である。ヒトAAとC3H/HeJ AAとの間で示差的に発現した遺伝子の代表的なリストは、共通の炎症性経路、特に、CD8エフェクターを表す遺伝子であるIFNγ経路遺伝子及び顕著なIL-15経路のサイン(下段パネル)を明らかにする。
Jak3阻害剤(JAK3i)による処置の効果を示す図である。図24B:JAK3i(トファシチニブ)が、T細胞のIL-15誘導性のStat3活性化を阻害することを示す図である。図24C:JAK3iが、IL-15誘導性のLAK細胞による細胞傷害性機能を阻害することを示す図である。図24D:JAK3iが、IL-15誘導性のLAK細胞によるグランザイムBの発現及びIFNγの産生を阻害することを示す図である。
CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3iでターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。移植を受けたC3H/HeJマウスは、移植の時点から全身処置した。脱毛症の発症は、JAK3iであるトファシチニブで処置することにより阻害する。疾患の持続的防止は、処置中止後さらに12週間にわたる処置の中止により示された。
図25Bは、CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3iでターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。移植を受けたC3H/HeJマウスは、移植の時点から全身処置した。脱毛症の発症は、JAK3iであるトファシチニブで処置することにより阻害する。図25Cは、CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3でターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。JAK3iで処置されたマウスの皮膚及び皮膚リンパ節におけるCD8+NKG2D+ T細胞の頻度は、対照マウスと比較して有意に低下した。***p値≦0.001。
CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3iでターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。皮膚生検免疫組織化学染色は、JAK3iで処置されたマウスの皮膚におけるCD4、CD8、MHCクラスI及びIIの発現が、対照マウスと比較して有意に低下することを示した。
図25Eは、CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3iでターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。JAK3iで処置されたマウスに由来するALADINスコア(IFNサイン遺伝子及びCTLサイン遺伝子の発現についての概略統計)は、正常化を示した。遺伝子発現研究のために、正常な自家皮膚を移植されたマウスを、偽手術対照として組み入れた。図25Fは、CD8+NKG2D+細胞傷害性Tリンパ球をJAK3iでターゲティングすることにより、移植を受けたC3H/HeJマウスにおける脱毛症の発症が防止されることを示す図である。JAK3iで処置されたマウスのGEDI結果は、CTLサイン及びIFNサインの低減を示した。
下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。(移植後少なくとも12週間にわたる)長期型AAを伴う1群当たり3〜5匹のマウスを、0.5%のJAK3iであるトファシチニブ又は(上段パネルの)ビヒクル単独(Aquaphor)で12週間にわたる毎日の適用により背部に局所処置した。JAK3iで処置されたマウスでは、7週間にわたる処置で毛の完全な外被出現し、12週間後までに、さらに拡充された。処置の中止後さらに8週間にわたり毛の再成長の持続性を測定したが、疾患再発の証拠は見られなかった。
図26Bは、下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。グラフは、処置後の週数として示される、毛の再成長係数時間経過を表す。図26Cは、下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。プロットは、JAK3iで処置されたマウスの皮膚におけるCD8+NKG2D+ T細胞の頻度が、対照マウスと比較して有意に低下したことを表す。*p値≦0.05、**p値≦0.01、n.s.=有意ではない。
図26Dは、下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。皮膚生検の免疫組織化学染色は、CD4、CD8、MHCクラスI及びIIマーカーの発現の、処置と関連する喪失を示す。図26Eは、下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。ALADINスコアは、処置と関連するCTLサイン及びIFNサインの喪失を示す。
図26Fは、下流のエフェクターキナーゼであるJAK3の局所用低分子阻害剤による、確立したAAからの復帰を示す図である。GEDI解析は、処置に関連する病理学的サインからの復帰を伴う遺伝子発現のテリトリーを示す。
図27Aは、AAの毛包(HF)では、Rae-1が上方制御されることを示す図である。C3H/HeJ脱毛症マウス、罹患していないC3H/HeJマウス、及びC57Bl.6マウスにおいてpan-Rae-1抗体を使用する病変部の免疫染色である。図27Bは、AAでは、H60及びRae-1が過剰発現することを示す図である。C3H/HeJマウスに由来する脱毛症病変皮膚におけるNKG2DL RNAの、罹患していないC3H/HeJマウスに由来する非病変皮膚と比較した発現である。3匹のマウスに由来するcDNAに由来するRT-PCRデータを示しており、相対誘導倍率として表す。
図27Cは、AA病変皮膚では、CD4 T細胞が低頻度であること:フローサイトメトリーによる脱毛症病変皮膚の評価を示す図である。ゲートした全CD3+細胞又は全CD45+細胞の百分率としてのCD4 T細胞及びCD8T細胞の定量化である。図27Dは、CD8+NKG2D+ T細胞のエフェクターメモリー免疫表現型が、病変皮膚及び皮膚所属リンパ節において類似することを示す図である。ゲートしたCD8アルファ+NKG2D+ T細胞を、CD8ベータ、NKG2D、NKG2A/C/E、CD44、CD103、及びCD62Lの発現について表す。
CD3+ CD8+NKG2D+ LN細胞とCD8+NKG2D-細胞において示差的に発現する、上方制御された遺伝子のネットワークマップである。String.dbを使用して、示差的に発現した遺伝子による生物学的相互作用スコアマトリックス作出した。Cytoscapeを使用して、ネットワークマップを作出した(生物学的相互作用>0.75のみを使用した)。ノードは遺伝子を表し、エッジはString.dbに由来する生物学的相互作用を表す。ノードサイズ倍数変化に比例し、エッジ幅は生物学的相互作用に比例する。
図28と同じ。
図28と同じ。
図28と同じ。
図28と同じ。
図28と同じ。
マウスRNA発現研究の検証を示す図である。円形脱毛症に罹患したC3H/HeJマウスの皮膚の発現サインを決定するために、病変皮膚を3匹の罹患した雌マウス及び3匹の罹患していない週齢適合させた対照から単離した。全RNA及び低分子RNAを、全皮膚から単離し、ビオチン標識cRNAをin vitroにおける転写を介して作り出した後、Affymetrix Mouse 430 2.0 Genechipとのハイブリダイゼーションを行った。データ解析は、方法において概括した通りに行った。図29Aは、C3H/HeJの罹患した皮膚と罹患していない皮膚との間で有意且つ示差的に発現した遺伝子を表すヒートマップである。図29Bは、罹患していない皮膚と比較して、AA病変皮膚で発現レベルが有意に上方制御される、本リストから選択されたいくつかの免疫関連遺伝子のqRT-PCRによる検証を示す図である(各バーは、3回の独立の実験の平均の倍数変化を表す)。UA=罹患していない; AA=罹患した。
図29Aと同じ。
JAK3阻害剤によるAAマウスの全身処置を示す図である。ビヒクル(ポリ(エチレングリコール)(PEG)300)又はJAK3iであるトファシチニブ(Abmole)を含有するビヒクルを、15mg/kg/日で12週間にわたり送達するために各マウスの背部の皮下に埋め込まれたAlzet浸透圧ミニポンプ(ポンプ;モデル2004、Durect Corporation)により、長期型円形脱毛症を有するC3H/HeJマウスをトファシチニブで処置した。円形脱毛症からの復帰は、背部及び腹部のいずれにおいても完全なものであった。
JAK3阻害剤によるAAマウスの全身処置を示す図である。皮膚及び皮膚のリンパ節集団についてのフローサイトメトリーによる解析は、処置されたマウス(1群当たりn=3)におけるCD8+NKG2D+ T細胞集団の消失を示す。
JAK3阻害剤によるAAマウスの全身処置を示す図である。トファシチニブ又はプラセボで処置されたマウスに由来する皮膚の免疫染色は、トファシチニブ処置マウスにおけるCD8浸潤並びにMHCI及びIIの上方制御の消失を示す。
正常な毛包発生におけるJAK-STATシグナル伝達を表す図である。正常な毛周期におけるJAK-STATシグナル伝達経路の状態を解析するために、mRNA生後17、23、29、33日目に3匹のマウスの皮膚から回収した。試料は、これらの時点に由来するH&E染色の顕微鏡写真において明らかな通り、休止期から発育期への移行を表す。17日目=早期休止期; 23日目=後期休止期; 29日目=早期発育期; 33日目=完全発育期。cDNAを、JAK-STATqPCRアレイ上で作製し、プローブした。JAK-STATシグナル伝達は、休止期では増大し、発育期では減少する(図32を参照されたい)。
階層的なクラスター解析を示すヒートマップである。各時点(D17、23、29、33)でマウスの皮膚から単離されたmRNAを、JAK-STAT qPCRアレイ上でプローブした。赤色=誘導、緑色=抑制。アレイの全ての遺伝子が示される。休止期時点のいずれ(d17及びd23)においても上方制御されるか、又は発育期時点のいずれ(d29及びd33)においても上方制御される、複数の遺伝子クラスターが明らかである。
図32−1と同じ。
階層的なクラスター解析を示すヒートマップである。図は、1つの時点当たり3つの生物学的反復の平均を示す。対照群: D17 (休止期);群1: D23 (休止期);群2: D29 (発育期);及び群3: D33 (発育期)。JAK1及びJAK3は、休止期群では上方制御される(対照群及び群1における赤色)。JAK-STATシグナル伝達経路成分の発現は、休止期では増大し、発育期では減少する。
階層的なクラスター解析を示すヒートマップである。図は、1つの時点当たり3回ずつの生物学的反復の平均を示す。対照群: D17 (休止期);群1: D23 (休止期);群2: D29 (発育期);及び群3: D33 (発育期)。Stat 1/2/3/5は、休止期(対照群及び群1における赤色)では上方制御される。JAK-STATシグナル伝達経路成分の発現は、休止期では増大し、発育期では減少する。
クラスター解析を示すヒートマップ(上段)である。対照群: D17 (休止期);群1: D23 (休止期);群2: D29 (発育期);及び群3: D33 (発育期)。休止期の試料では、JAK STATの潜在的なリガンド又はJAK3iの潜在的な標的: OSM、IL6st (GP130)、IL-4、IL-2Rg、及びCSF1Rなどが上方制御される。
休止期において上方制御される遺伝子並びに休止期において下方制御される遺伝子の概要を示す図である。対照群: D17 (休止期);群1: D23 (休止期);群2: D29 (発育期);及び群3: D33 (発育期)。休止期では、JAK/STATシグナル伝達により上方制御される、十分に規定された遺伝子であるCRPが顕著に増大する。
図35−1と同じ。
毛包発生:胚発生におけるJAK-STATを示す顕微鏡写真である。Stat 3及びStat 5は、休止期と発育期との間で示差的に発現することが同定された。胚発生における発現のパターンを検討するため、これらのタンパク質の活性化(リン酸化)形態を染色した。示される通り、P-Stat 3は、発生の早期段階において上皮層内で発現し、次いで真皮乳頭内でわずかに見ることができる。P-Stat5の発現は、後期のE16.5に散在した真皮細胞内で現れ、E18.5までに真皮内凝縮物中で顕著となる。
毛包発生:出生後発生におけるJAK-STATを示す顕微鏡写真である。P-Stat3は、新生児の皮膚発生時の表皮基底層及び毛包の上部上皮層において発現する。発現はまた、休止期(D17)において、真皮乳頭内でも極めて明白に検出することができる。P-Stat5は、毛周期の全ての段階において、真皮乳頭内で高度に発現する。休止期では、P-Stat5の発現は、K15+バルジに最も近接する二重陽性(DP)細胞のサブセット(D17、下段)に限定され得る。
JAK-STAT阻害剤の正常マウスの毛周期に対する効果:発育期の誘導を示す顕微鏡写真である。休止期におけるJAK-STAT経路の阻害(JAK阻害剤を適用することによる)は、発育期の早期開始をもたらす。休止期における7〜8週齢の動物を、対照又はJAK STAT阻害剤で処置した。陰性(ビヒクル単独;左パネル)対照及び陽性(SAG=ソニックヘッジホッグアゴニスト;中段パネル)対照は、DMSO処置単独が発育期を誘導しないのに対し、ソニックヘッジホッグアゴニストによる処置は予測される通り早期(処置後4〜7日間)に発育期の誘導をもたらすことを示す。右: Jak 3阻害剤であるトファシチニブ(10mg/mL)による処置は、2週間又は3週間にわたる処置の後に、休止期にとどまるビヒクル処置マウスと比較して、著しい発育期の誘導をもたらす。
in vivoにおけるケラチノサイトの増殖に対する薬物処置の効果を示す顕微鏡写真である。トファシチニブは、表皮の過剰増殖を引き起こさないと考えられる。上段:毛包の内毛根鞘で典型的に発現する、ケラチノサイト増殖のマーカーであるKrt6。下段:毛包の増殖に対する薬物処置の効果。トファシチニブで処置された皮膚では後に二次胚葉の増殖が生じることから、トファシチニブが発育期を誘導し得ることが示される。
毛周期におけるJAK-STAT:マウスにおける薬物処置を示すプロットである。Jak3阻害剤であるトファシチニブ及びJak1/2阻害剤であるルキソリチニブで処置された皮膚における、毛を抜き取られた皮膚及びビヒクル(DMSO)で処置された皮膚と比較した、毛包の数及び厚さの定量化である。毛包の数並びに毛包の厚さのいずれも、ビヒクルで処置されたマウスよりも、薬物で処置された皮膚において大きい。
Jak阻害剤のヒト毛包の形態形成に対する効果:ヒト胎児頭皮の薬物処置を示す顕微鏡写真である。20週齢のヒト胎児頭皮を得て、in vitroにおいて30mg/mLのJak3阻害剤であるトファシチニブ又はビヒクル単独で処置した。皮膚を採取して、切片化し、毛包の形態について評価した。処置された皮膚における毛は、DMSO処置された頭皮と比較して、形態形成の最初の発育期により早く進むと考えられる。
JAK阻害剤による局所処置を示す図である。7週齢の正常なC57BL/6マウスを、休止期に剃毛し、1%のJak3阻害剤(トファシチニブ;右パネル)、1.5mg/mlのイソプロピルウノプロストン(Latisse;中段右パネル)、100μMのSAG (shhアゴニスト;中左パネル)、又はビヒクルとしてのDMSO(左パネル)で、3週間にわたる毎日の適用により処置した。効果は、画像を収集した時点である1カ月をわずかに超えるまで持続性である。各マウスの右半身に局所用薬物を投与し、各マウスの左半身はDMSO単独で処置した。
トファシチニブ及びSAGで処置された皮膚の休止期毛包において、ビヒクルと比較して、発育期の開始を示す著しい増殖を示すKi67染色(緑色)の顕微鏡写真である。

0005

本発明は、脱毛障害(例えば、脱毛の一般的な自己免疫形態である円形脱毛症(AA))を、Jak3阻害剤で処置する方法を提供する。AAの臨床研究は、この遺伝子が関与している、より深く研究されたその「姉妹」自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ(RA)、1型糖尿病(T1D)、多発性硬化症(MS))に後れを取っている。本発明は、AAではこれまで調べられていない治療剤であって、AA及び関連疾患におけるJak3関連経路の臨床上の関連性についての情報をもたらし得る治療剤を提供する。

0006

略語及び定義
単数形の用語は、文脈により他に明確に指示されない限り、複数形の言及を含む。

0007

本明細書で用いられる場合、用語「約」は、約、ほぼ、およそ、又は〜の領域にあることを意味するために用いられる。「約」という用語を数値範囲と共に使用する場合は、示された数値の上限及び下限を拡張することによりその範囲を修飾する。本明細書では一般に、「約」という用語は、上下に20パーセント(高値又は低値)の変動により、記載された値の上及び下の数値を修飾するために用いられる。

0008

外皮及び毛細胞についての概観
外皮(又は皮膚)は、体で最大の器官であり、体の外面を覆う高度に複雑な器官である。外皮は、多様な体の開口部において、消化管及び他の管の粘膜統合されている。外皮は、体温及び水分の喪失;汗腺による排出の制御により定常的な内部環境を維持することなど、多数の不可欠な機能を果たすが、物理的、化学的、及び生物学的作用物質深部組織への作用に対する防御障壁として主に作用する。皮膚は、弾性があり、足底手掌、及びなど、少数の領域を除き、深部組織に緩やかに接合されている。皮膚はまた、眼瞼(「薄い皮膚」)における0.5mm(0.02インチ)から、手掌及び足底(「厚い皮膚」)における4mm(0.17インチ)以上まで厚さも変化する(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0009

皮膚は、a)表皮及びb)真皮の2層からなる。表皮は、比較的薄い(0.1mm)外層である。表皮は、細胞数個の厚さであり、基底層、有棘層顆粒層透明層(厚い皮膚に限定される)、及び角質層の5層からなる。最も外側の表皮層(角質層)は、常に表面から剥落し、基底層と呼ばれる単一の基底的な細胞層により下方から置きかえられる死滅細胞からなる。表皮は主に、細胞集団のうちの95%超を構成するケラチノサイトからなる。基底層(basal layer (stratum germinativum))のケラチノサイトは、常に分裂しており、その後、娘細胞は上方及び外側に移動し、そこで分化期間を経て、最終的に表面から脱落する。表皮の残りの細胞集団は、ランゲルハンス細胞及びメラニン細胞などの樹状細胞を含む。表皮は、本質的に細胞性であり、非脈管性であり、ケラチノサイトの基底層の下のコラーゲン及び他のタンパク質の層を除き、細胞外マトリックスをほとんど含有しない(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0010

真皮は、皮膚の内層であり、コラーゲン性細胞外物質、血管、神経、及び弾性線維ネットワークからなる。真皮内には、それらと関連する脂腺(まとめて、毛包脂腺単位として知られる)及び汗腺を伴う毛包が存在する。表皮と真皮との界面は、薄い皮膚の場合を除き、極めて不規則且つ不均等である。表皮-真皮間界面に沿った基底表皮細胞の下では、特化した細胞外マトリックスが、基底膜と呼ばれる顕著に異なる構造へと組織化されている(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0011

哺乳動物体毛線維は、角化細胞からなり、毛包から発育する。毛包は、表皮の下方成長に由来する杭状組織であり、皮膚の表面の直下に存在する。毛包の遠位部は、皮膚外側の表皮と直接につながっている。毛包は、小型の構造体ではあるが、同軸系列に配置される、認識可能な形で異なる層の、高度に組織化された系を含む。活動的な毛包は、真皮、皮下組織(緩やかな結合組織層である)を介して、下方の脂肪(fat又はadipose)層に伸展する(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0012

活動的な毛包の基部には、毛球が存在する。毛球は、表皮マトリックスとして知られる表皮細胞の倒立した状構造内に含有される、真皮乳頭として知られる真皮細胞の本体からなる。毛包の種類に関わらず、この表皮マトリックスのまさに基部にある成長性の表皮細胞は、いくつかの支持的表皮層と併せて、毛線維を産生する。最も下方の真皮乳頭基底部茎状構造と隣接し、ここから、真皮鞘は組織の薄い被覆としての毛マトリックスの表皮層全ての周囲の外側に湾曲する。次いで、真皮鞘の最下方部分が、スリーブ又はチューブとして毛包の全長にわたって続く(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0013

毛包及び羽嚢など、皮膚付属器の発生は、皮膚の2層である表皮と真皮との相互作用に依拠する。胚発生において、これらの2層の間で経時的に情報が交換されることにより、形態形成過程の複雑な系列が支持され、これにより成体の毛包構造の形成がもたらされる。しかし、一般的な皮膚の真皮細胞及び表皮細胞とは対照的に、ある種の毛包細胞集団は、成熟後も、それらの型の相互作用性、誘導性、及び生合成挙動を保持する。これらの特性は周期的に産生性となる毛包の極めて動的な性質に由来し得、ここで反復性の組織リモデリングは、胚発生にとって重要であり、また他の組織再構築の形態においても望まれるだろう高レベルの真皮-表皮間相互作用性のコミュニケーションを必要とする。

0014

毛線維は、活動的な毛包の基部において、極めて急速に産生される。例えば、ヒト頭皮では、毛包は毛線維を1日当たり0.4mmの速度で産生し、ラット鼻毛又はひげでは1日当たり最大1.5mmの速度で産生し、このことは毛包表皮内細胞増殖が成体組織内で最速ランクされることを意味している(MalkinsonFD及びJT Kearn、Int J Dermatol 1978、17:536〜551)。毛は、周期的に成長する。発育期は成長期であり、毛包のうちの最大90%は発育期にあるといわれる、退行期は消失期又は後退期であり、毛包のうちの約1〜2%を占める、休止期は毛周期のうちの休眠期又は静止期であり、毛包のうちの約10〜14%を占める。毛周期の長さは、体の様々な部分に応じて変化する。

0015

毛包の形成及び周期は、阻害シグナル刺激シグナルとのバランスにより制御される。シグナル伝達の合図は、TGFβ-BMPファミリーメンバーである成長因子により強化される。TGFβ-BMPファミリーメンバーの著名なアンタゴニストは、フォリスタチンである。フォリスタチンは、多様なBMP(BMP-2、BMP-4、BMP-7、及びBMP-11など)及びアクチビンの作用を、前記タンパク質に結合することにより阻害し、毛包の発生において役割を果たすとされる分泌タンパク質である(Nakamura Mら、FASEB J、2003、17(3):497〜9; Patel K、Intl J Biochem Cell Bio、1998、30:1087〜93; Ueno Nら、PNAS、1987、84:8282〜86; Nakamura Tら、Nature、1990、247:836〜8; Iemura Sら、PNAS、1998、77:649〜52; Fainsod Aら、Mech Dev、1997、63:39〜50; GamerLWら、Dev Biol、1999、208:222〜32)。

0016

局所的な真皮-表皮間相互作用により活動的な線維成長が駆動される深く埋め込まれた終末小体は、真皮乳頭(DP)と呼ばれる間葉細胞クラスターを含む毛包のシグナル伝達の中心である。同領域はまた、成長期と後退期との間での毛線維又は付属器の正確な交代に関与する組織リモデリング及び発生の変化にとっても中心的である。これらの活性において鍵となる構成要素であるDPは、未成熟の成長性表皮細胞供給源からの毛線維の形成を特徴付け分化の複雑なプログラム編成すると考えられる(Oliver RF、J Soc Cosmet Chem、1971、22:741〜755; Oliver RF及びCA Jahoda、Biology of Wool and Hair (Rogerら編)、1971、Cambridge University Press:51〜67; ReynoldsAJ及びCA Jahoda、Development、1992、115:587〜593; Reynolds AJら、J Invest Dermatol、1993、101:634〜38)。

0017

最も下方の真皮鞘(DS)は、乳頭基底部の茎状構造の下方に発し、そこから外側及び上方に湾曲する。次いで、この真皮鞘は、表皮の毛マトリックスの層を、組織の薄い層として外側から包み込み、毛包の全長にわたって上方に続く。表皮に由来する外毛根鞘(ORS)もまた、毛包の全長にわたって続き、真皮鞘のすぐ内側で2層の間に存在し、硝子膜と称される特化した基底膜を形成する。外毛根鞘は、下部毛包では、表皮の単層構成するに過ぎないが、表面に近づくにつれて厚みを増す。内毛根鞘(IRS)は、毛幹を発生させるための鋳型を形成する。IRSはヘンレ層ハックスリー層、及び角質の3つの部分を含み、角質は毛幹に接触する最も内側の部分である。IRSの角質層は、単一細胞の厚さであり、毛線維に隣接して位置する。IRSの角質層は、毛線維の角質層と緊密にかみ合う。ハックスリー層は、最大4つの細胞層を含み得る。IRSのヘンレ層は、ORS層に隣接して走る単一の細胞層である(RossMH、「Histology: A text and atlas」、3版、Williams and Wilkins、1995: 14章; Burkitt HGら、「Wheater's Functional Histology」、3版、Churchill Livingstone、1996: 9章)。

0018

円形脱毛症
円形脱毛症(AA)は、最も蔓延している自己免疫疾患のうちの1つであり、米国だけで、全ての人種群にわたる男性及び女性を含む約460万人に影響を及ぼし、生涯危険率は1.7%である(1)。AAでは、毛包に対する自己免疫が発生することから、斑点として始まり、融合し、進行して、頭皮全体を覆い(完全脱毛症;AT、最終的に全身を覆う(全身性脱毛症;AU)場合もある、非瘢痕性脱毛がもたらされる。AAは紀元後30年にコルネリウス・ケルススにより最初に記載され、頭皮にわたりゆっくりと広がるときの、脱毛の蛇行する斑点のために、「蛇」を意味する「ophiasis(蛇行状脱毛)」という用語が使用された。「アロキア(キツネ疥癬)」というギリシャ語を最初に使用したのはヒポクラテスであったが、現代の「円形脱毛症」という用語はSauvagesが1760年にフランスのリヨンで刊行された彼の「Nosologica Medica」中で最初に使用した。

0019

興味深いことに、AAは毛周期の発育期(成長)期における色素性の毛包に優先的に影響を及ぼし、AAの斑点内で毛が再成長すると、毛は白色又は無色で再成長する頻度が高い。したがって、「毛の突発的白色化」の現象は、急性の発症を伴うAAに帰せられ、歴史を通じて、複数の著名な個人が深刻な悲嘆、ストレス、又は恐怖に際して罹患したとして記録されてきた(2)。1631年にの死に際して、毛の急性の白色化を経験し、悲嘆の中で妻のためにタージマハールを建造したシャージャハーン、1535年に処刑の前夜に「鬚と毛髪との両方が白く」なったといわれる「ユートピア」の著者であるトーマスモア卿が例として挙げられる。毛の突発的白色化は、色素性の毛包に対する急性の攻撃から生じ、白髪無傷のまま後に残すと考えられる。

0020

AAのいくつかの臨床的側面は、依然として説明されていないが、病原性の理解に向けた重要な手がかりを有し得る。AAは、リンパ球の稠密なクラスターにより取り囲まれた毛包の基部周囲の毛だけを攻撃し、組織学において特徴的な「蜂の群れ」の外観をもたらす。これらの観察に基づき、色素性の発育期毛包内でシグナルが発せられ、これが毛包の下端部に対する急性又は慢性免疫応答誘起することから、毛周期の攪乱、急性の毛の剥落、毛幹の異常、及び毛の破断がもたらされることが想定される。毛包内のこれらの劇的な攪乱にもかかわらず、恒常的な器官破壊は見られず、免疫特権が回復できれば、毛の再成長の可能性は維持される。

0021

歴史を通じて、AAは、ときに、ストレス若しくは不安により、又は感染性因子なお若しくはホルモン機能不全の結果として引き起こされる、神経疾患であると考えられてきた。20世紀中に、AAの基礎として、遺伝子的に決定される自己免疫機構という概念が、複数の系統の証拠から現れた。AA毛包は活性化Th、Tc、及びNK細胞による免疫浸潤を示しており(3、4)、抑制性(Th2)サイトカイン応答から自己免疫性(Th1)サイトカイン応答へのシフトが存在している。ドナーT細胞の移植は毛包又はヒト黒色腫ホモジネート共培養する場合に限り脱毛を引き起こすので、AA患者頭皮の免疫欠損SCIDマウスへの移植を伴うAAのヒト化モデルは、AAの自己免疫的な性質を例示している(5、6)。AA組織では免疫寛容を維持する役目をする制御性T細胞が少数観察されており(7)、これらの細胞をC3H/HeJマウスへ移植することによりAAに対する抵抗性がもたらされる(8)。AAはもっぱらT細胞媒介疾患であると長い間考えられてきたが、近年ではAAのさらなる機構が想定されている。毛包は、免疫細胞トラフィッキングを妨げる細胞外マトリックス障壁の存在、抗原提示細胞欠如、及び免疫抑制性因子の局所的な産生を介するNK細胞活性の阻害、及びMHCクラスI発現レベルの低減を特徴とする、体内の少数の選り抜きの免疫特権部位のうちの1つとして規定されている(9)。したがってまた、「免疫特権の崩壊」という考えも、AAが生じ得る機構の一部として想定される。AAの遺伝的基礎の裏付けは、第1度近親者において観察される遺伝可能性(10、11)、双子研究(12)を含む複数の系統の証拠に由来し、最近では本発明者らによる家族ベースリンケージ研究の結果(13)に由来する。

0022

脱毛障害の処置
本発明は、知られている治療剤、例えば、Jak 3などのサイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を、脱毛障害の処置に使用し得るという発見を提供する。脱毛障害の非限定的な例として、男性型脱毛症、円形脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、完全脱毛症、及び全身性脱毛症が挙げられる。例えば、男性型脱毛症(また、女性男性型脱毛症とも呼ばれる)は、男性及び女性の両方において一般的な脱毛の形態であり、結果として毛が薄くなり、頭皮の脱毛がもたらされる。例えば、円形脱毛症(AA)は典型的に、頭皮又は体の他の部分における脱毛の斑点で始まる。AAが処置されていないか、又は処置に対して応答性でない場合は、罹患した領域における脱毛(例えば、完全脱毛症)がもたらされ得る。完全脱毛症(AT)並びに全身性脱毛症(AU)は、円形脱毛症(AA)の重篤な形態である。AUは、円形脱毛症の最も重篤な形態である。例えば、Choら(2012)、J Korean Med Sci、27: 799〜802を参照されたい。

0023

本発明の一態様は、それを必要とする哺乳動物被験体における脱毛障害を処置する方法であって、サイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を、被験体に投与するステップを含む上記方法を包含する。いくつかの実施形態では、Jak3阻害剤は、Jak3タンパク質若しくはその断片に特異的に結合する抗体;Jak3タンパク質をコードする遺伝子の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3タンパク質の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3遺伝子を特異的にターゲティングするsiRNA;低分子;又はそれらの組合せである。一実施形態では、阻害剤は、Jak3阻害剤である。さらなる実施形態では、阻害剤は、トファシチニブ(CP690550)である。さらなる実施形態では、低分子は、Janex 1 (WHI-P131)、PF-956980、WHI-P154、VX-509、JAK3阻害剤IV、NSC114792、又はR348である。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。

0024

本発明の一態様は、被験体における毛の成長を誘導するための方法であって、被験体に、有効量の、サイトカインシグナル伝達に関与するタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤を投与するステップを含む上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、Jak3阻害剤は、Jak3タンパク質若しくはその断片に特異的に結合する抗体;Jak3タンパク質をコードする遺伝子の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3タンパク質の発現を低下させるアンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA;Jak3遺伝子を特異的にターゲティングするsiRNA;低分子;又はそれらの組合せである。一実施形態では、阻害剤は、Jak3阻害剤である。さらなる実施形態では、阻害剤は、トファシチニブ(CP690550)である。さらなる実施形態では、低分子は、Janex 1 (WHI-P131)、PF-956980、WHI-P154、VX-509、JAK3阻害剤IV、NSC114792、又はR348である。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。

0025

本発明の一態様は、それを必要とする哺乳動物被験体における脱毛障害を処置する方法であって、被験体に、Jak3阻害剤を投与するステップを含む上記方法を包含する。一実施形態では、阻害剤は、配列番号1を指向する抗体又は抗体断片である。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。

0026

本発明の一態様は、被験体における毛の成長を誘導するための方法であって、被験体に、有効量のJak3阻害剤を投与し、それにより被験体における毛の成長を制御するステップを含む上記方法を提供する。一実施形態では、阻害剤は、配列番号1を含むタンパク質に特異的に結合する抗体を含む。いくつかの実施形態では、被験体は、脱毛障害に罹患している。他の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、休止期脱毛、円形脱毛症、頭部白癬、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。

0027

本発明は、いくつかのヒト遺伝子が、毛周期の休止期から発育期への移行に関与する遺伝子(例えば、休止期〜発育期毛周期(TAHC)遺伝子)のコホートとして同定されたという発見を提供する。これらの遺伝子は、毛周期の休止期において上方制御される遺伝子として同定され、被験体における脱毛障害の存在と相関し得る。これらの遺伝子は、今や同定されているので、様々な有用な方法に使用することができ、例えば、それらを使用して、被験体が、円形脱毛症(AA)などの脱毛障害に対する感受性を有するのかどうかを決定することができる。この休止期から発育期への移行毛周期のコホート又は群の一部として同定された遺伝子(すなわち、「TAHC遺伝子」)として、CSF1R (Gene ID受託番号1436)、FCER2 (Gene ID受託番号2208)、IFNGR1 (Gene ID受託番号3459)、IL20 (Gene ID受託番号50604)、OAS1 (Gene ID受託番号4938)、PTPRC (Gene ID受託番号5788)、CEBPD (Gene ID受託番号1052)、CRP(Gene ID受託番号1401)、IL2RA (Gene ID受託番号3559)、IL4 (Gene ID受託番号3565)、IL6ST (Gene ID受託番号3572)、INSR (Gene ID受託番号3643)、JAK3 (Gene ID受託番号3718)、NR3C1 (Gene ID受託番号2908)、OSM(Gene ID受託番号5008)、PTPN11 (Gene ID受託番号5781)、SOCS3 (Gene ID受託番号9021)、STAT5A (Gene ID受託番号6776)、STAT5B (Gene ID受託番号6777)、CCND1 (Gene ID受託番号595)、F2 (Gene ID受託番号2147)、LRG1 (Gene ID受託番号116844)、PRLR (Gene ID受託番号5618)、MPL(Gene ID受託番号4352)、及びJUNB (Gene ID受託番号3726)が挙げられる。

0028

一実施形態では、本発明は、ヒト被験体における脱毛障害の存在又は素因を検出するための方法であって、生物学的試料をヒト被験体から得るステップと; 脱毛障害に罹患していない被験体における発現のレベルと比較して、被験体において、TAHC遺伝子によりコードされるmRNA又はタンパク質の発現のレベルの変化があるかどうかを検出するステップとを含む上記方法を包含する。一実施形態では、検出は、TAHC遺伝子のmRNA発現又はタンパク質発現が、正常試料中の発現と比較して増大するのか、減少するのかを決定することを含む。別の実施形態では、検出は、試料中で、少なくとも2つのTAHCタンパク質、少なくとも3つのTAHCタンパク質、少なくとも4つのTAHCタンパク質、少なくとも5つのTAHCタンパク質、少なくとも6つのTAHCタンパク質、少なくとも6つのTAHCタンパク質、少なくとも7つのTAHCタンパク質、又は少なくとも8つのTAHCタンパク質の発現が、正常試料中の発現と比較して増大するのか、減少するのかを決定することを含む。いくつかの実施形態では、検出は、試料中で、少なくとも2つのTAHC mRNA、少なくとも3つのTAHC mRNA、少なくとも4つのTAHC mRNA、少なくとも5つのTAHC mRNA、少なくとも6つのTAHC mRNA、少なくとも6つのTAHC mRNA、少なくとも7つのTAHC mRNA、又は少なくとも8つのTAHC mRNAの発現が、
正常試料中の発現と比較して増大するのか、減少するのかを決定することを含む。一実施形態では、少なくとも2つのTAHC遺伝子、少なくとも3つのTAHC遺伝子、少なくとも4つのTAHC遺伝子、少なくとも5つのTAHC遺伝子、少なくとも6つのTAHC遺伝子、少なくとも7つのTAHC遺伝子、又は少なくとも8つのTAHC遺伝子の発現の増大は、被験体における脱毛障害の存在又は素因を示す。別の実施形態では、少なくとも2つのTAHC遺伝子、少なくとも3つのTAHC遺伝子、少なくとも4つのTAHC遺伝子、少なくとも5つのTAHC遺伝子、少なくとも6つのTAHC遺伝子、少なくとも7つのTAHC遺伝子、又は少なくとも8つのTAHC遺伝子の発現の減少は、被験体における脱毛障害の素因又は存在を示す。一実施形態では、被験体におけるmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5倍、約10倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、約50倍、約55倍、約60倍、約65倍、約70倍、約75倍、約80倍、約85倍、約90倍、約95倍であるか、又は100倍である。いくつかの実施形態では、被験体におけるmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍であるか、又は少なくとも約500倍である。さらなる実施形態では、被験体におけるTAHC遺伝子のmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5倍〜約70倍である。他の実施形態では、被験体におけるTAHC遺伝子のmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5倍〜約90倍である。一実施形態では、被験体におけるmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5分の1、約10分の1、約15分の1、約20分の1、
約25分の1、約30分の1、約35分の1、約40分の1、約45分の1、約50分の1、約55分の1、約60分の1、約65分の1、約70分の1、約75分の1、約80分の1、約85分の1、約90分の1、約95分の1であるか、又は100分の1である。いくつかの実施形態では、被験体におけるmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、少なくとも約100分の1である。いくつかの実施形態では、被験体におけるTAHC遺伝子のmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5分の1〜約70分の1である。さらに他の実施形態では、被験体におけるTAHC遺伝子のmRNA発現又はタンパク質発現のレベルは、正常試料中のレベルと比較して、約5分の1〜約90分の1である。さらなる実施形態では、検出は、遺伝子の配列決定、選択的ハイブリダイゼーション、選択的増幅遺伝子発現解析、又はそれらの組合せを含む。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、円形脱毛症、休止期脱毛、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。一実施形態では、TAHC遺伝子は、CSF1R、FCER2、IFNGR1、IL20、OAS1、PTPRC、CEBPD、CRP、IL2RA、IL4、IL6ST、INSR、JAK3、NR3C1、OSM、PTPN11、SOCS3、STAT5A、STAT5B、CCND1、F2、LRG1、PRLR、MPL、又はJUNBである。別の実施形態では、TAHC遺伝子は、CRPである。

0029

診断
本発明は、被験体が、脱毛障害に対して感受性であるか、又はこれを有するのかどうかを診断する方法を提供する。一実施形態では、診断法は、被験体における、CSF1R、FCER2、IFNGR1、IL20、OAS1、PTPRC、CEBPD、CRP、IL2RA、IL4、IL6ST、INSR、JAK3、NR3C1、OSM、PTPN11、SOCS3、STAT5A、STAT5B、CCND1、F2、LRG1、PRLR、MPL、又はJUNBなどのTAHC遺伝子の発現、例えば、それらが正常試料と比較して増大するのか減少するのかをモニタリングすることに基づく。本明細書で使用される「診断」という用語は、成体及び小児における早期段階、前症状段階、及び後期段階を含む多様な段階における検出、分類、モニタリング、投薬、比較を含む。診断は、発症の素因又は危険性の評価、予後診断、又は最も適切な処置(薬理遺伝学)を規定するための被験体の特徴づけを含み得る。

0030

本発明は、個体に脱毛障害を発症する危険性があるか、又は脱毛障害を患っているかどうかを決定するための診断法であって、疾患が、TAHC遺伝子の発現の変化から生じる上記診断法を提供する。一実施形態では、被験体における脱毛障害の存在又は素因を検出する方法が提供される。被験体は、ヒト又はその小児であり得る。該方法は、被験体に由来する試料中に、脱毛障害に罹患していない被験体における発現のレベルと比較して、被験体において、TAHC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現のレベルの変化があるかどうかを検出するステップを含み得る。一実施形態では、検出するステップは、TAHCのmRNAの発現が増大するのか、減少するのかを決定することを含み得る。例えば、マイクロアレイアッセイでは、TAHC遺伝子の示差的な発現を探索することができる。脱毛障害に罹患していない被験体について観察されるTAHC発現の2倍又は2分の1である、任意のTAHC遺伝子の発現(蛍光読取りにより示される)は、正常ではないとみなされ、さらなる探索に値する。検出するステップはまた、試料中で、少なくとも2つのTAHCタンパク質、少なくとも3つのTAHCタンパク質、少なくとも4つのTAHCタンパク質、少なくとも5つのTAHCタンパク質、少なくとも6つのTAHCタンパク質、少なくとも6つのTAHCタンパク質、少なくとも7つのTAHCタンパク質、又は少なくとも8つのTAHCタンパク質の発現が増大するのか、減少するのかを決定することも含み得る。このような変化の存在は、脱毛障害の存在又は素因を示す。

0031

試料中のTAHC遺伝子の変化の存在は、試料の遺伝子型決定を介して、例えば、遺伝子の配列決定、選択的ハイブリダイゼーション、増幅、遺伝子発現解析、又はそれらの組合せを介して検出する。一実施形態では、試料は、血液、血清唾液涙液分泌物、精液膣分泌物胎児組織、皮膚組織上皮組織筋肉組織羊水、又はこれらの組合せを含み得る。

0032

本発明は、被験体に由来する試料が、少なくとも2つ以上のTAHC遺伝子の発現の増大を示すかどうかを決定するために使用される診断用キットを提供する。一実施形態では、キットは、1つ以上のTAHC遺伝子と特異的にハイブリダイズする核酸プライマーを含む。本発明はまた、被験体に由来する試料が、ヒト被験体における脱毛障害の素因を示すかどうかを決定するために使用される診断用キットも提供する。さらなる実施形態では、TAHC遺伝子は、CSF1R、FCER2、IFNGR1、IL20、OAS1、PTPRC、CEBPD、CRP、IL2RA、IL4、IL6ST、INSR、JAK3、NR3C1、OSM、PTPN11、SOCS3、STAT5A、STAT5B、CCND1、F2、LRG1、PRLR、MPL、又はJUNBである。別の実施形態では、脱毛障害は、男性型脱毛症、円形脱毛症、休止期脱毛、完全脱毛症、貧毛症、遺伝性単純型貧毛症、又は全身性脱毛症を含む。

0033

DNA及びアミノ酸の操作法並びにそれらの精製
他に示されない限り、本発明の態様の実施は、当技術分野の範囲内にある細胞生物学細胞培養分子生物学トランスジェニック生物学、微生物学組換えDNA、及び免疫学の従来の技術を用いることができる。このような技術は、文献中で完全に説明されている。例えば、「Molecular Cloning A Laboratory Manual」、3版、Sambrook、Fritsch、及びManiatis編(2001)(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989);「DNA Cloning」、I及びII巻(D. N. Glover編、1985);「Oligonucleotide Synthesis」(M. J. Gait編、1984); Mullisら、米国特許第4,683,195号;「Nucleic Acid Hybridization」(B. D. Hames及びS. J. Higgins編、1984);「Transcription and Translation」(B. D. Hames及びS. J. Higgins編、1984);「Culture Of Animal Cells」(R. I. Freshney、Alan R. Liss, Inc.、1987);「Immobilized Cells and Enzymes」(IRL Press、1986); B. Perbal、「A Practical Guide To Molecular Cloning」(1984);「MethodsIn Enzymology」(Academic Press, Inc.、N.Y.)、とりわけ、「Methods In Enzymology」、154及び155巻(Wuら編);「Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells」(J. H. Miller及びM. P. Calos編、1987、Cold Spring Harbor Laboratory);「Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology」(Caner及びWalker編、Academic Press、London、1987);「Handbook Of Experimental Immunology」、I〜IV巻(D. M. Weir及びC. C. Blackwell編、1986);「Manipulating the Mouse Embryo」(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1986)を参照されたい。本明細書で引用される全ての特許、特許出願、及び参考文献は、参照によりそれらの全体において組み込まれる。

0034

業者は、タンパク質を、生化学的手段を介してタンパク質を単離すること、又は被験体のタンパク質をコードするヌクレオチド配列遺伝子操作法により発現させることを含むがこれらに限定されないいくつかの方途で得ることができる。

0035

タンパク質は、核酸(例えば、ゲノムDNA、相補的DNA(cDNA)、合成DNA、並びに対応するRNAの任意の形態を含む)によりコードされる。例えば、タンパク質は、遺伝子の組換え核酸によりコードされ得る。本発明のタンパク質は、多様な供給源から得ることができ、当技術分野で知られる多様な技術に従い作製することができる。例えば、タンパク質をコードする核酸は、DNAライブラリースクリーニングすることにより、又は天然の供給源からの増幅により得ることもできる。タンパク質は、その断片又は部分であり得る。タンパク質をコードする核酸は、組換えDNA技術を介して作製することができ、このような組換え核酸は、化学合成、遺伝子操作、酵素法、又はそれらの組合せを含む、従来の技術により調製することができる。例えば、JAK3タンパク質は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列を有する核酸によりコードされるポリペプチドである。JAK3ポリペプチドの例は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する。

0036

ヒトJak 3のポリペプチド配列を、配列番号1に表す。ヒトJak 3のヌクレオチド配列は、配列番号2に示す。Jak 3と関連する配列情報は、GenBank受託番号NP_000206 (タンパク質の配列情報)及びNM_000215 (核酸の配列情報)により公開されたデータベースアクセス可能である。JAK3は、IL-2受容体の共通のガンマ鎖の下流におけるシグナル伝達パートナーであり、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、及びIL-21受容体により共有されている。

0037

配列番号1は、Jak3に対応するヒト野生型アミノ酸配列(残基1〜1124)である:
1MAPPSEETPL IPQRSCSLLS TEAGALHVLL PARGPGPPQRLSFSFGDHLAEDLCVQAAKA
61 SGILPVYHSLFALATEDLSC WFPPSHIFSV EDASTQVLLYRIRFYFPNWF GLEKCHRFGL
121 RKDLASAILD LPVLEHLFAQ HRSDLVSGRLPVGLSLKEQGECLSLAVLDLARMAREQAQR
181 PGELLKTVSY KACLPPSLRD LIQGLSFVTRRRIRRTVRRA LRRVAACQAD RHSLMAKYIM
241 DLERLDPAGAAETFHVGLPGALGGHDGLGL LRVAGDGGIA WTQGEQEVLQPFCDFPEIVD
301ISIKQAPRVG PAGEHRLVTV TRTDNQILEA EFPGLPEALSFVALVDGYFRLTTDSQHFFC
361 KEVAPPRLLE EVAEQCHGPITLDFAINKLK TGGSRPGSYV LRRSPQDFDSFLLTVCVQNP
421 LGPDYKGCLI RRSPTGTFLL VGLSRPHSSL RELLATCWDG GLHVDGVAVTLTSCCIPRPK
481 EKSNLIVVQR GHSPPTSSLV QPQSQYQLSQMTFHKIPADS LEWHENLGHG SFTKIYRGCR
541HEVVDGEARK TEVLLKVMDA KHKNCMESFL EAASLMSQVS YRHLVLLHGV CMAGDSTMVQ
601 EFVHLGAIDMYLRKRGHLVP ASWKLQVVKQ LAYALNYLED KGLPHGNVSA RKVLLAREGA
661 DGSPPFIKLSDPGVSPAVLS LEMLTDRIPW VAPECLREAQ TLSLEADKWG FGATVWEVFS
721 GVTMPISALD PAKKLQFYEDRQQLPAPKWT ELALLIQQCM AYEPVQRPSF RAVIRDLNSL
781 ISSDYELLSD PTPGALAPRD GLWNGAQLYA CQDPTIFEERHLKYISQLGK GNFGSVELCR
841 YDPLGDNTGA LVAVKQLQHS GPDQQRDFQR EIQILKALHS DFIVKYRGVS YGPGRQSLRL
901 VMEYLPSGCL RDFLQRHRAR LDASRLLLYS SQICKGMEYL GSRRCVHRDL AARNILVESE
961AHVKIADFGL AKLLPLDKDY YVVREPGQSP IFWYAPESLS DNIFSRQSDV WSFGVVLYEL
1021 FTYCDKSCSP SAEFLRMMGC ERDVPALCRL LELLEEGQRLPAPPACPAEV HELMKLCWAP
1081 SPQDRPSFSA LGPQLDMLWS GSRGCETHAF TAHPEGKHHS LSFS
配列番号2は、Jak3に対応するヒト野生型ヌクレオチド配列(ヌクレオチド1〜5449)である[配列中、下線太字の「ATG」は、オープンリーディングフレームの開始を表す]:
1 cacacaggaa ggagccgagt gggactttcc tctcgctgcc tcccggctct gcccgccctt
61 cgaaagtcca gggtccctgc ccgctaggca agttgcactc atggcacctc caagtgaaga
121 gacgcccctg atccctcagc gttcatgcag cctcttgtcc acggaggctg gtgccctgca
181 tgtgctgctg cccgctcggg gccccgggcc cccccagcgc ctatctttct cctttgggga
241 ccacttggct gaggacctgt gcgtgcaggc tgccaaggcc agcggcatcc tgcctgtgta
301 ccactccctc tttgctctgg ccacggagga cctgtcctgc tggttccccc cgagccacat
361 cttctccgtg gaggatgcca gcacccaagt cctgctgtac aggattcgct tttacttccc
421 caattggttt gggctggaga agtgccaccg cttcgggcta cgcaaggatt tggccagtgc
481 tatccttgac ctgccagtcc tggagcacct ctttgcccag caccgcagtg acctggtgag
541 tgggcgcctc cccgtgggcc tcagtctcaa ggagcagggt gagtgtctca gcctggccgt
601 gttggacctg gcccggatgg cgcgagagca ggcccagcgg ccgggagagc tgctgaagac
661 tgtcagctac aaggcctgcc tacccccaag cctgcgcgac ctgatccagg gcctgagctt
721 cgtgacgcgg aggcgtattc ggaggacggt gcgcagagcc ctgcgccgcg tggccgcctg
781 ccaggcagac cggcactcgc tcatggccaa gtacatcatg gacctggagc ggctggatcc
841 agccggggcc gccgagacct tccacgtggg cctccctggg gcccttggtg gccacgacgg
901 gctggggctg ctccgcgtgg ctggtgacgg cggcatcgcc tggacccagg gagaacagga
961 ggtcctccag cccttctgcg actttccaga aatcgtagac attagcatca agcaggcccc
1021 gcgcgttggc ccggccggag agcaccgcct ggtcactgtt accaggacag acaaccagat
1081 tttagaggcc gagttcccag ggctgcccga ggctctgtcg ttcgtggcgc tcgtggacgg
1141 ctacttccgg ctgaccacgg actcccagca cttcttctgc aaggaggtgg caccgccgag
1201 gctgctggag gaagtggccg agcagtgcca cggccccatc actctggact ttgccatcaa
1261 caagctcaag actgggggct cacgtcctgg ctcctatgtt ctccgccgca gcccccagga
1321 ctttgacagc ttcctcctca ctgtctgtgt ccagaacccc cttggtcctg attataaggg
1381 ctgcctcatc cggcgcagcc ccacaggaac cttccttctg gttggcctca gccgacccca
1441 cagcagtctt cgagagctcc tggcaacctg ctgggatggg gggctgcacg tagatggggt
1501 ggcagtgacc ctcacttcct gctgtatccc cagacccaaa gaaaagtcca acctgatcgt
1561 ggtccagaga ggtcacagcc cacccacatc atccttggtt cagccccaat cccaatacca
1621 gctgagtcag atgacatttc acaagatccc tgctgacagc ctggagtggc atgagaacct
1681 gggccatggg tccttcacca agatttaccg gggctgtcgc catgaggtgg tggatgggga
1741 ggcccgaaag acagaggtgc tgctgaaggt catggatgcc aagcacaaga actgcatgga
1801 gtcattcctg gaagcagcga gcttgatgag ccaagtgtcg taccggcatc tcgtgctgct
1861 ccacggcgtg tgcatggctg gagacagcac catggtgcag gaatttgtac acctgggggc
1921 catagacatg tatctgcgaa aacgtggcca cctggtgcca gccagctgga agctgcaggt
1981 ggtcaaacag ctggcctacg ccctcaacta tctggaggac aaaggcctgc cccatggcaa
2041 tgtctctgcc cggaaggtgc tcctggctcg ggagggggct gatgggagcc cgcccttcat
2101 caagctgagt gaccctgggg tcagccccgc tgtgttaagc ctggagatgc tcaccgacag
2161 gatcccctgg gtggcccccg agtgtctccg ggaggcgcag acacttagct tggaagctga
2221 caagtggggc ttcggcgcca cggtctggga agtgtttagt ggcgtcacca tgcccatcag
2281 tgccctggat cctgctaaga aactccaatt ttatgaggac cggcagcagc tgccggcccc
2341 caagtggaca gagctggccc tgctgattca acagtgcatg gcctatgagc cggtccagag
2401 gccctccttc cgagccgtca ttcgtgacct caatagcctc atctcttcag actatgagct
2461 cctctcagac cccacacctg gtgccctggc acctcgtgat gggctgtgga atggtgccca
2521 gctctatgcc tgccaagacc ccacgatctt cgaggagaga cacctcaagt acatctcaca
2581 gctgggcaag ggcaactttg gcagcgtgga gctgtgccgc tatgacccgc taggcgacaa
2641 tacaggtgcc ctggtggccg tgaaacagct gcagcacagc gggccagacc agcagaggga
2701 ctttcagcgg gagattcaga tcctcaaagc actgcacagt gatttcattg tcaagtatcg
2761 tggtgtcagc tatggcccgg gccgccagag cctgcggctg gtcatggagt acctgcccag
2821 cggctgcttg cgcgacttcc tgcagcggca ccgcgcgcgc ctcgatgcca gccgcctcct
2881 tctctattcc tcgcagatct gcaagggcat ggagtacctg ggctcccgcc gctgcgtgca
2941 ccgcgacctg gccgcccgaa acatcctcgt ggagagcgag gcacacgtca agatcgctga
3001 cttcggccta gctaagctgc tgccgcttga caaagactac tacgtggtcc gcgagccagg
3061 ccagagcccc attttctggt atgcccccga atccctctcg gacaacatct tctctcgcca
3121 gtcagacgtc tggagcttcg gggtcgtcct gtacgagctc ttcacctact gcgacaaaag
3181 ctgcagcccc tcggccgagt tcctgcggat gatgggatgt gagcgggatg tccccgccct
3241 ctgccgcctc ttggaactgc tggaggaggg ccagaggctg ccggcgcctc ctgcctgccc
3301 tgctgaggtt cacgagctca tgaagctgtg ctgggcccct agcccacagg accggccatc
3361 attcagcgcc ctgggccccc agctggacat gctgtggagc ggaagccggg ggtgtgagac
3421 tcatgccttc actgctcacc cagagggcaa acaccactcc ctgtcctttt catagctcct
3481 gcccgcagac ctctggatta ggtctctgtt gactggctgt gtgaccttag gcccggagct
3541 gcccctctct gggcctcaga ggccttatga gggtcctcta cttcaggaac acccccatga
3601 cattgcattt gggggggctc ccgtggcctg tagaatagcc tgtggccttt gcaatttgtt
3661 aaggttcaag acagatgggc atatgtgtca gtggggctct ctgagtcctg gcccaaagaa
3721 gcaaggaacc aaatttaaga ctctcgcatc ttcccaaccc cttaagccct ggccccctga
3781 gtttcctttt ctgtctctct ctttttattt tttttatttt tatttttatt tttgagacag
3841 agcctcgctc tgttacccag ggtggagtgc agtggtgcga tctcggctca gtgcaacctc
3901 tgcttcccag gttcaagcga ttctcctgcc tcagcctccc gagtagctgg gattacaggt
3961 gtgcaccacc acacccggct aatttttttt atttttaata gagatgaggt ttcaccatga
4021 tggccaggct gatctcgaac tcctaacctc aagtgatcct cccacctcag cctcccaaag
4081 tgttggaata ataggcatga gccactgcac ccaggctttt ttttttttaa atttattatt
4141 attattttta agagacagga tcttgctacg ttgcccaggc tggtcttgaa ctcctgggct
4201 acagtgatcc tcctgcctta tcctcctaaa tagctgggac tacagcacct agttttgagt
4261 ttcctgtctt atttccaatg gggacattca tgtagctttt tttttttttt tttttttgag
4321 acggagtctc gctctgtcgc ccaggctgga gtacagtggc gcaatctagg ctcactgcaa
4381 gctccgcctc ctgggttcac accattctct cgcctcagcc tcccaagtag ctgggactac
4441 aggcgcccgc caccacaccc ggctaatttt ttgtattttt agtagagacg gggtttcacc
4501 ttgttagcca ggatggtttc catctcctga cctcgtgatc tgcccgtctc ggcctcccaa
4561 agtgctggga ttacaggcat gagccactgc gcccggccct catgtagctt taaatgtatg
4621 atctgacttc tgctccccga tctctgtttc tctggaggaa gccaaggaca agagcagttg
4681 ctgtggctgg gactctgcct tttaggggag cccgtgtatc tctttgggat cctgaaaggg
4741 ggcaggaaag gctggggtcc cagtccaccc taatggtatc tgagtgtcct agggcttcag
4801 ttttcccacc tgtccaatgg gaccctttct gtcctcaccc tacaaggggc acaaagggat
4861 gacaccaaac ctggcaggaa cttttcacgc aatcaaggga aggaaaggca ttcctggcag
4921 agggaacagc atgccaagcg tgagaaggct cagagtaagg aggttaagag cccaagtatt
4981 ggagcctaca gttttgcccc ttccatgcag tgtgacagtg ggcaagttcc tttccctctc
5041 tgggtctcag ttctgtcccc tgcaaaatgg tcagagctta ccccttggct gtgcagggtc
5101 aactttctga ctggtgagag ggattctcat gcaggttaag cttctgctgc tcctcctcac
5161 ctgcaaagct tttctgccac ttttgcctcc ttggaaaact cttatccatc tctcaaaact
5221 ccagctacca catccttgca gccttccctc atataccccc actactactg tagccctgtc
5281 cttccctcca gccccactct ggccctgggg ctggggaagt gtctgtgtcc agctgtctcc
5341 cctgacctca gggttccttg ggggctgggc tgaggcctca gtacagaggg ggctctggaa
5401 atgtttgttg actgaataaa ggaattcagt ggaaaaaaaa aaaaaaaaa。

0038

タンパク質の変異体は、アミノ酸配列の修飾を含み得る。例えば、アミノ酸配列の修飾は、置換、挿入、又は欠失変異体の3つのクラスのうちの1つ以上に分類される。挿入は、1つ以上のアミノ酸残基アミノ末端及び/又はカルボキシル末端の融合並びに配列内挿入を含み得る。挿入は通常、アミノ末端又はカルボキシル末端の融合による挿入より小規模の、例えば、1つ〜4つの残基の規模の挿入となる。欠失は、1つ以上のアミノ酸残基のタンパク質配列からの除去を特徴とする。これらの変異体は通常、タンパク質をコードするDNA内のヌクレオチドに部位特異的突然変異誘発を施し、それにより変異体をコードするDNAを作製し、その後、組換え細胞培養物中でDNAを発現させることにより調製する。

0039

ポリペプチドをコードするJak3遺伝子などの遺伝子を含む核酸配列は、当技術分野で知られている化学的方法を、全体的又は部分的に使用して合成することができる。あるいは、Jak3などのポリペプチドは、固相技術を使用する直接的なペプチド合成によるなど、そのアミノ酸配列を合成するのに化学的方法を使用して、作製することもできる。タンパク質の合成は、手作業による技術、又は自動法を使用して実施することができる。自動式の合成は、例えば、Applied Biosystems 431AペプチドSynthesizer (Perkin Elmer)を使用して達成することができる。任意選択で、JAK3ポリペプチドの断片は、化学的方法を使用して、別個に合成し、組み合わせて、全長分子を作製することもできる。

0040

本明細書で使用される「Jak3分子」は、Jak3活性を示すポリペプチドをコードする核酸、又はJak3活性を示すポリペプチド又はペプチド模倣体であり得る。例えば、Jak3分子は、ヒトJAK3タンパク質(例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する)、又はJak3活性を示すその断片など、その変異体を含み得る。Jak3活性は、共通のガンマ鎖(γc)を使用するI型サイトカイン受容体(例えば、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-21)によるシグナル伝達イベントを包含し得る。例えば、Jak3活性は、インターロイキン受容体によるチロシンのリン酸化を介するその活性化に応答して伝達されるシグナルであり得る。

0041

核酸は、ゲノムDNA、相補的DNA(cDNA)、合成DNA又は半合成DNA、並びに対応するRNAの任意の形態を含む任意の型の核酸であり得る。例えば、Jak3分子は、ヒトJAK3タンパク質をコードする組換え核酸を含み得る。一実施形態では、Jak3分子は、(配列をアセンブルするか、切断するか、ライゲーションするか、又は増幅することなどにより)人工的に作出された非天然核酸を含み得る。Jak3分子は、二本鎖であり得る。Jak3分子は、一本鎖であり得る。本発明のJak3分子は、多様な供給源から得ることができ、当技術分野で知られている多様な技術に従い作製することができる。例えば、Jak3分子である核酸は、DNAライブラリーをスクリーニングすることにより、又は天然の供給源からの増幅により得ることができる。Jak3分子は、組換えDNA技術を介して作製することができ、このような組換え核酸は、化学合成、遺伝子操作、酵素法、又はそれらの組合せを含む、従来の技術により調製することができる。核酸であるJak3分子の非限定的な例は、配列番号2を含む核酸である。Jak3分子の別の例は、配列番号2に示される配列を含む核酸の断片であって、Jak3活性を示す断片である。本発明のJak3分子はまた、Jak3タンパク質又はJak3活性を示すヒトJak3タンパク質の変異体をコードするヒト核酸の変異体も包含する。Jak3分子はまた、Jak3活性を示すポリペプチドをコードするヒトJak3核酸の断片も含み得る。Jak3分子は、Jak3活性を示すヒトJAK3タンパク質の断片を包含し得る。

0042

Jak3分子はまた、ヒト、イヌネコ、マウス、及びラットなど、異なる生物学的種の間で保存される遺伝子であり、ヒトに由来するタンパク質(Jak3タンパク質など)と生物学的に同等な機能を有するタンパク質(例えば、相同体(スプライス変異体を含む)、突然変異体、及び誘導体)をコードする、Jak3オルソログ遺伝子も包含し得る。Jak3オルソログは、ヒト及び他の長動物、実験用哺乳動物(マウス、ラット、ハムスター、及びモルモットなど)、市場重要性を有する哺乳動物(ウマウシラクダブタ、及びヒツジなど)、並びに、愛玩用哺乳動物(例えば、ウサギフェレット、イヌ、及びネコなどの家畜動物)におけるオルソログも含む、Jak3の任意の哺乳動物オルソログを含む。

0043

Jak3変異体は、例えば、個体間の対立遺伝子変異による天然の変異体(例えば、多型)、円形脱毛症と関連する突然変異した対立遺伝子、又は選択的スプライシング形態を含み得る。一実施形態では、Jak3分子は、配列番号2に示される配列を有する核酸の核酸変異体であって、配列番号2に対する、約65%、約75%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%のヌクレオチド配列同一性を有する上記変異体である。一実施形態では、Jak3分子は、配列番号2の約8つの連続ヌクレオチドの任意の一部を包含する。一実施形態では、断片は、配列番号2のうちの約15ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、又は約30ヌクレオチドを含み得る。断片は、約8〜100ヌクレオチドの間の全ての可能なヌクレオチドの長さ、例えば、約15〜100ヌクレオチドの間、又は約20〜100ヌクレオチドの間の長さを含む。

0044

本発明は、Jak3タンパク質をコードする核酸と相補的な核酸もさらに提供する。このような相補的な核酸は、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下でJak3タンパク質をコードする核酸配列とハイブリダイズする核酸配列を含み得る。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、30℃を上回る温度、35℃を上回る温度、42℃を超える温度、及び/又は約500mM未満若しくは約200mM未満の塩分濃度を含む。ハイブリダイゼーション条件は、当業者が、温度、塩分濃度、及び/又はSDS若しくはSSCなど、他の試薬の濃度を修飾することにより、調整することができる。

0045

一実施形態では、Jak3分子は、配列番号1に示される配列など、Jak3核酸配列によりコードされるタンパク質又はポリペプチドを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、グリコシル化及び/又はアセチル化及び/又は化学反応若しくはカップリングなどにより修飾することができ、1つ又はいくつかの非天然アミノ酸又は合成アミノ酸を含有し得る。Jak3分子の例は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。別の実施形態では、Jak3分子は、Jak3タンパク質の断片であり得る。例えば、Jak3分子は、配列番号1の約8つの連続アミノ酸の任意の一部を包含し得る。断片は、配列番号1の約10アミノ酸、少なくとも約20アミノ酸、約30アミノ酸、約40アミノ酸、少なくとも約50アミノ酸、約60アミノ酸、又は約75アミノ酸を含み得る。断片は、約8〜100アミノ酸の間の全ての可能なアミノ酸の長さ、例えば、約10〜100アミノ酸の間、約15〜100アミノ酸の間、約20〜100アミノ酸の間、約35〜100アミノ酸の間、約40〜100アミノ酸の間、約50〜100アミノ酸の間、約70〜100アミノ酸の間、約75〜100アミノ酸の間、又は約80〜100アミノ酸の間の長さを含む。

0046

いくつかの実施形態では、Jak3分子は、ヒトJak3タンパク質(配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む)の変異体を含む。このような変異体は、配列番号1に対して少なくとも約46%〜約50%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約50.1%〜約55%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約55.1%〜約60%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して約60.1%〜約65%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して約65.1%〜約70%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約70.1%〜約75%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約75.1%〜約80%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約80.1%〜約85%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約85.1%〜約90%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約90.1%〜約95%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約95.1%〜約97%の同一性を有するか、又は配列番号1に対して少なくとも約97.1%〜約99%の同一性を有する変異体を含み得る。

0047

既知の配列を有するDNA内の所定の部位において置換による突然変異を施すための技術、例えば、M13プライマーによる突然変異誘発及びPCRによる突然変異誘発はよく知られている。アミノ酸の置換は、単一の残基であり得るが、多数の異なる位置において同時に施すことができる。非限定的な一実施形態では、挿入は、約1〜約10アミノ酸残基の規模の挿入であり得るのに対し、欠失は、約1〜約30残基の範囲であり得る。欠失又は挿入は、隣接する対において施すことができる(例えば、約2つの残基の欠失又は約2つの残基の挿入)。置換、欠失、挿入、又はそれらの任意の組合せを組み合わせて、最終構築物に到達することができる。突然変異は、配列を、リーディングフレームの外に配置することは不可能であり、mRNAの二次構造をもたらし得る相補的な領域を作出するべきでない。置換変異体は、少なくとも1つの残基が除去され、異なる残基がその代わりに挿入された変異体である。

0048

機能若しくは免疫学的同一性の実質的な変化は、(a)例えば、シート若しくはへリックスコンフォメーションとしての、置換の領域におけるポリペプチド骨格の構造、(b)標的部分における分子の電荷若しくは疎水性、又は(c)側鎖の大きさの維持に対するそれらの効果においてより顕著に異なる残基を選択することにより施す。タンパク質の特性の最大の変化をもたらし得る置換は、(a)親水性の残基、例えば、セリル若しくはトレオニルの、疎水性の残基、例えば、ロイシルイソロイシルフェニルアラニルバリル、若しくはアラニルへの(又はによる)置換;(b)システイン若しくはプロリンの、他の任意の残基への(又はによる)置換;(c)陽性の側鎖を有する残基、例えば、リシルアルギニル、若しくはヒスチジルの、陰性の残基、例えば、グルタミル若しくはアスパルチルへの(又はによる)置換;(d)大きな側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンの、側鎖を有さない残基、例えば、この場合には、グリシンへの(又はによる)置換、又は(e)硫黄化及び/若しくはグリコシル化のための部位の数を増大させることによる置換である。

0049

配列番号1のアミノ酸配列内には、微細な変異を施すこともできる。アミノ酸配列内の変異は、配列が、配列番号1に対する約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、又は約99%の同一性を維持する場合に施すことができる。例えば、保存的なアミノ酸の置換を活用することができる。保存的な置換は、それらの側鎖において関連するアミノ酸のファミリー内で施される置換であって、互換性の残基が類似する側鎖を有する置換である。

0050

遺伝子によりコードされるアミノ酸は一般に、ファミリーに分けられる: (1)酸性のアミノ酸は、アスパラギン酸グルタミン酸であり; (2)塩基性のアミノ酸は、リシンアルギニンヒスチジンであり; (3)非極性のアミノ酸は、アラニンバリンロイシンイソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニントリプトファンであり、(4)非荷電極性のアミノ酸は、グリシン、アスパラギングルタミン、システイン、セリントレオニン、チロシンである。親水性のアミノ酸は、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、セリン、及びトレオニンを含む。疎水性のアミノ酸は、アラニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを含む。アミノ酸の他のファミリーは、(i)セリン及びトレオニンなど、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群; (ii)アスパラギン及びグルタミンなど、アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群; (iii)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンなど、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群; (iv)フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンなど、芳香族側鎖を有するアミノ酸の群;並びに(v)システイン及びメチオニンなど、硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の群を含む。有用な保存的アミノ酸置換群は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。

0051

例えば、当業者には、1つのアミノ酸残基の、生物学的及び/又は化学的に類似する別のアミノ酸残基による置換は、保存的置換として知られている。例えば、保存的置換であれば、1つの疎水性の残基で他を、又は1つの極性の残基で他を置きかえ得る。置換は、例えば、Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg;及びPhe、Tyrなどの組合せを含む。置換又は欠失突然変異誘発を用いて、N-グリコシル化(Asn-X-Thr/Ser)又はO-グリコシル化(Ser又はThr)のための部位を挿入することができる。また、システイン又は他の不安定残基の欠失も望ましいものであり得る。潜在的なタンパク質分解部位、例えば、Argの欠失又は置換は、例えば、塩基性残基のうちの1つを欠失、又はグルタミニル残基若しくはヒスチジル残基で置換することにより達成する。

0052

別の実施形態では、Jak3分子は、Jak3活性を示すペプチド模倣体を包含する。ペプチド模倣体は、その分子を酵素による分解から保護し、その安定性を増大させ、及び/又は分子の特性を変化させるための、既存のペプチドの修飾(例えば、分子の安定性又は生物学的活性を変化させる修飾)から生じ得るペプチドを模倣するようにデザインされた、小型のタンパク質様鎖である。これらの修飾は、自然発生する可能性がない、ペプチドへの変化(骨格の変化及び非天然アミノ酸の組込みなど)を伴う。薬物様化合物は、既存のペプチドから開発することができる。ペプチド模倣体は、選択された天然ペプチド又はタンパク質の機能的ドメイン(例えば、結合モチーフ又は活性部位)の三次結合構造又は活性を模倣するペプチド、部分ペプチド、又は非ペプチド分子であり得る。これらのペプチド模倣体は、組換え又は化学修飾ペプチドを含む。

0053

一実施形態では、配列番号1を含むJak3分子、その変異体、又はその断片を修飾して、遺伝子によりコードされる20のアミノ酸(又はDアミノ酸)による1つ以上の天然の側鎖を他の側鎖で置きかえることにより、ペプチド模倣体を作製することができる。これは、例えば、アルキル、低級アルキル、4、5、6〜7員環環状アルキル、アミド、低級アルキルアミド、ジ(低級アルキル)アミド、低級アルコキシヒドロキシカルボキシなどの基、及びこれらの低級エステル誘導体、並びに4、5、6〜7員環の複素環により行うことができる。例えば、プロリン残基の環サイズを、5員環から4、6、又は7員環に変化させたプロリン類似体を作製することができる。環状基は、飽和又は不飽和であり得、不飽和の場合は、芳香族又は非芳香族であり得る。複素環基は、1つ以上の窒素酸素、及び/又は硫黄のヘテロ原子を含有し得る。このような基の例は、フラニル、イフリルイミダゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソチアゾリルイソキサゾリルモルホリニル(例えば、モルホリノ)、オキサゾリルピペラジニル(例えば、1-ピペラジニル)、ピペリジル(例えば、1-ピペリジル、ピペリジノ)、ピラニル、ピラジニルピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリルピリダジニルピリジルピリミジニルピロリジニル(例えば、1-ピロリジニル)、ピロリニル、ピロリル、チアジアゾイルチアゾリルチエニルチオモルホリニル(例えば、チオモルホリノ)、及びトリアゾリルを含む。これらの複素環基は、置換されていても置換されていなくてもよい。基を置換する場合、置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、酸素、又は置換若しくは非置換フェニルであり得る。ペプチド模倣体はまた、リン酸化、スルホン化ビオチニル化、又は他の部分の付加若しくは除去により化学修飾されたアミノ酸残基も有し得る。例えば、ペプチド模倣体をデザインし、配列番号1を含むJak3分子によりコードされるアミノ酸配列を指向するものにすることができる。

0054

対応する天然物と同じか又は類似する所望の生物学的活性を有するが、可溶性、安定性、及び/又は加水分解若しくはタンパク質分解に対する感受性に関してペプチドより好適な活性を有するペプチド模倣体を構築するための様々な技術が利用可能である(例えば、Morgan及びGainor、Ann. Rep. Med. Chem.、24、243〜252、1989を参照されたい)。ある種のペプチド模倣体化合物は、本発明のペプチドのアミノ酸配列に基づく。ペプチド模倣体化合物は、選択されたペプチドの三次元構造に基づく三次元構造(すなわち、ペプチドモチーフ)を有する合成化合物であり得る。ペプチドモチーフは、ペプチド模倣体化合物に、所望の生物学的活性を与え、ここで、模倣体化合物の結合活性は、実質的に低減されず、しばしば模倣体のモデルとなる天然ペプチドの活性の同等以上である。ペプチド模倣体化合物は、細胞透過性の増大、アフィニティー及び/又はアビディティーの増大、並びに生物学的半減期延長など、それらの治療適用を増強するさらなる特徴を有し得る。当技術分野では、ペプチド模倣体のデザイン戦略が容易に利用可能である(例えば、Ripka及びRich(1998)、Curr. Op. Chem. Biol.、2:441〜452; Hrubyら(1997)、Curr. Op. Chem. Biol.、1:114〜119; Hruby及びBalse (2000)、Curr. Med. Chem.、9:945〜970を参照されたい)。

0055

細胞のトランスフェクション
ベクターのヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質を作製するために、真核生物発現ベクターを使用して、細胞にトランスフェクトすることができる。哺乳動物細胞(毛球からの単離細胞;例えば、真皮鞘細胞及び真皮乳頭細胞など)は、当技術分野で知られている方法を介して、適切な宿主細胞に発現ベクターを導入することにより、発現ベクター(例えば、Jak3タンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を含有する発現ベクター)を含有し得る。

0056

宿主細胞株は、挿入された配列の発現を調節するか、又はJak3遺伝子などの遺伝子によりコードされる、発現させたポリペプチドを所望の形でプロセシングするその能力について選ぶことができる。このようなポリペプチドの修飾は、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、及びアシル化を含むがこれらに限定されない。また、ポリペプチドの「プレプロ」形態を切断する翻訳後プロセシングも使用して、適正な挿入、フォールディング、及び/又は機能を容易にすることもできる。翻訳後活性に特異的な細胞性機構及び特徴的な機構を有する異なる宿主細胞(例えば、CHO細胞HeLa細胞MDCK細胞、HEK293細胞、及びWI38細胞)は、American Type Culture Collection (ATCC; 10801 University Boulevard、Manassas、Va. 20110-2209)から入手可能であり、外来タンパク質の適正な修飾及びプロセシングを確保するように選ぶことができる。

0057

外因性核酸は、リポフェクションマイクロインジェクションリン酸カルシウム若しくは塩化カルシウム沈殿DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、又は電気穿孔など、当技術分野で知られている様々な技術を介して、細胞に導入することができる。電気穿孔は、DNA構築物の対象の細胞(毛包の終末小体の細胞、例えば、真皮乳頭細胞又は真皮鞘細胞など)への移入を結果としてもたらすおおよその電圧及び静電容量で実行する。他のトランスフェクション法はまた、改変リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン沈殿、リポソーム融合、及び受容体媒介遺伝子送達も含む。

0058

遺伝子操作される細胞は、多様な組織から得られる初代細胞及び第二継代細胞であり得、培養物中で維持し、増殖させ得る細胞型を含む。初代細胞及び第二継代細胞の非限定的な例は、上皮細胞(例えば、真皮乳頭細胞、毛包細胞、内毛根鞘細胞、外毛根鞘細胞脂腺細胞、表皮マトリックス細胞)、神経細胞内皮細胞神経膠細胞線維芽細胞筋細胞(筋芽細胞など)、ケラチノサイト、形成された血液要素(例えば、リンパ球、骨髄細胞)、及びこれらの体細胞細胞型の前駆体を含む。

0059

脊椎動物組織は、パンチ生検、又は被験体の初代細胞型の組織供給源を得る、他の外科的方法など、当業者に知られる方法により得ることができる。一実施形態では、パンチ生検又は摘出を使用して、ケラチノサイト、線維芽細胞、内皮細胞、又は間葉細胞(例えば、毛包細胞又は真皮乳頭細胞)の供給源を得ることができる。別の実施形態では、毛包の摘出を使用して、線維芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、又は間葉細胞(例えば、毛包細胞又は真皮乳頭細胞)の供給源を得ることができる。初代細胞の混合物は、外植又は酵素消化(例えば、プロナーゼトリプシンコラゲナーゼエラスターゼディスパーゼ、及びキモトリプシンなどの酵素を使用する)など、当技術分野で容易に実施される方法を使用して、組織から得ることができる。生検法はまた、米国特許第7,419,661号及びPCT出願公開第WO/2001/032840号においても記載されており、これらは、各々が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。

0060

初代細胞は、遺伝子操作された初代細胞又は第二継代細胞が投与される個体から取得することができる。しかし、初代細胞はまた、同じ種のレシピエント以外のドナーからも得ることができる。細胞はまた、別の種(例えば、ウサギ、ネコ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ウマ、ウシ、トリ、又はブタ)からも得ることができる。初代細胞はまた、組織培養基質(例えば、フラスコ又はディッシュ)に付着させて成長させるか、又は懸濁液中で成長させた、単離脊椎動物組織供給源に由来する細胞;組織に由来する外植片内に存在する細胞;初回播種された前述の細胞型の両方;及びこれらの播種された細胞に由来する細胞培養懸濁液も含み得る。第二継代細胞は、培養基質から摘出され、再播種又は継代培養された、播種された初代細胞、並びにその後の継代に由来する細胞であり得る。第二継代細胞は、1回以上にわたり継代培養することができる。これらの初代細胞又は第二継代細胞は、対象のタンパク質(例えば、Jak3タンパク質又はポリペプチド)をコードする遺伝子を有する発現ベクターを含有し得る。

0061

細胞培養
培養される宿主細胞に関して、多様な培養パラメータを使用することができる。哺乳動物細胞に適切な培養条件は、当技術分野においてよく知られている(Cleveland WLら、J Immunol Methods、1983、56(2): 221〜234)か、又は当業者が決定することができる(例えば、「Animal Cell Culture: A Practical Approach」、2版、Rickwood, D.及びHames, B. D.編(Oxford University Press: New York、1992)を参照されたい)。細胞の培養条件は、選択される宿主細胞の型に従い変化し得る。市販の培地を活用することができる。培地の非限定的な例は、例えば、最小必須培地(MEM、Sigma、St. Louis、Mo.);ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Sigma); Ham F10培地(Sigma); HyClone細胞培養培地(HyClone、Logan、Utah); RPMI-1640培地(Sigma);及び多様な細胞型に応じて処方される合成(CD)培地、例えば、CD-CHO培地(Invitrogen、Carlsbad、Calif.)を含む。

0062

必要であるか望ましい場合、細胞培養培地には、必要に応じて、任意選択の成分を、適切な濃度若しくは量で含む補充成分を補充することができる。細胞培養培地溶液は、以下の類型: (1)通常、グルコースなど、炭水化物の形態のエネルギー供給源; (2)全ての必須アミノ酸、及び、通常、20アミノ酸にシステインを加えた基本セット; (3)ビタミン及び/又は低濃度で必要とされる他の有機化合物; (4)遊離脂肪酸又は脂質、例えば、リノール酸;並びに(5)極めて低濃度、通常マイクモルの範囲で必要とされ得る、無機化合物又は天然の元素として規定される微量元素のうちの1つ以上に由来する少なくとも1つの成分を提供する。

0063

培地にはまた、以下の類型: (1)塩、例えば、マグネシウム塩カルシウム塩、及びリン酸塩; (2)ホルモン、並びに血清、インスリントランスフェリン、及び上皮増殖因子など、他の成長因子; (3)タンパク質及び組織の加水分解物、例えば、精製ゼラチン植物物質、又は動物副産物から得ることができる、ペプトン又はペプトン混合物; (4)アデノシンチミジン、及びヒポキサンチンなどのヌクレオシド及び塩基; (5)HEPESなどの緩衝剤; (6)ゲンタマイシン又はアンピシリンなどの抗生剤; (7)細胞保護剤、例えば、プルロニック(Pluronic)ポリオール;並びに(8)ガラクトースのうちのいずれかに由来する1つ以上の成分も選択的に補充することができる。一実施形態では、可溶性因子を、培養培地に添加することができる。

0064

本発明と共に使用し得る哺乳動物細胞の培養物は、培養される細胞の種類に適する培地中で調製する。一実施形態では、細胞の培養培地は、既に論じた培養培地のうちのいずれか1つ(例えば、MEM)であって、哺乳動物供給源に由来する血清(例えば、ウシ胎仔血清(FBS))を補充した培地であり得る。別の実施形態では、培地は、上皮細胞又は毛包の毛球から得られる細胞(真皮乳頭細胞又は真皮鞘細胞など)の成長を維持する馴化培地であり得る。例えば、上皮細胞は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Barnes及びMather、「Animal Cell Culture Methods」(Academic Press、1998)に従い培養することができる。さらなる実施形態では、上皮細胞又は毛包細胞に、対象のポリペプチド又はタンパク質(例えば、Jak3タンパク質又はJak3ポリペプチド)をコードする遺伝子を含有するDNAベクターをトランスフェクトすることもできる。本発明の他の実施形態では、細胞を、有効量の酵素の存在下で懸濁培養(例えば、懸滴培養などの三次元培養)において成長させるが、ここで、酵素基質は、懸濁培養物中の細胞外マトリックス分子である。例えば、酵素は、ヒアルロニダーゼであり得る。上皮細胞又は毛包細胞は、当技術分野で実施される方法、例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,785,876号において記載されている方法、又はHarris、「Handbook in Practical Animal Cell Biology: Epithelial Cell Culture」(Cambridge Univ. Press、Great Britain; 1996; 8章を参照されたい)により記載されている方法に従い培養することができる。

0065

懸濁培養は、細胞又は細胞の凝集物(DP細胞の凝集物など)を、液体培地中に懸濁させながら増殖させる培養の種類である。哺乳動物細胞を含む懸濁培養は、接着しないか、又は細胞が接着形態では見られない特異的な細胞特徴顕示することを可能とする細胞型を維持するために使用し得る。懸濁培養のいくつかの種類は、三次元培養又は懸滴培養を含み得る。懸滴培養は、培養される材料を、平坦な表面(カバーガラススライドガラスペトリディッシュ、フラスコなど)に付着させた流体液滴中接種し、中空表面上で倒立させ得る培養である。懸滴中の細胞は、重力の結果として、液滴の懸垂中心に凝集し得る。しかし、本発明の方法によれば、細胞外マトリックスを分解するタンパク質(コラゲナーゼ、コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼなど)の存在下で培養される細胞は、よりコンパクトとなり、懸滴培養物中に凝集するであろうが、これは、存在するECMが少ないので、ECMの分解により、細胞が互いと近接することが可能となるためである。参照により組み込まれる、米国特許公開第US2010-0303767A1号もまた参照されたい。

0066

毛包の毛球から得られる細胞(真皮乳頭細胞又は真皮鞘細胞など)は、DP細胞の凝集物を作り出すように、懸滴培養において、単一の同質集団(例えば、DP細胞を含む)として培養することができる。細胞はまた、DP及びDS細胞キメラ凝集物を作り出すように、懸滴培養において、異質集団(例えば、DP細胞及びDS細胞を含む)として培養することもできる。上皮細胞は、当技術分野で実施される通り、単層としてコンフルエンスまで培養することができる。このような培養法は、全てが参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、「Handbook in Practical Animal Cell Biology: Epithelial Cell Culture」(Cambridge Univ. Press、Great Britain; 1996)の8章; Underhill CB、J Invest Dermatol、1993、101(6):820〜6); Armstrong及びArmstrong (1990)、J Cell Biol、110:1439〜55;又は「Animal Cell Culture Methods」(Academic Press、1998)において記載されている方法に本質的に従い実行することができる。

0067

三次元培養物は、寒天(Gey Agarなど)、ハイドロゲル(マトリゲルアガロースなど; Leeら(2004)、Biomaterials、25: 2461〜2466)、又は架橋ポリマーから形成することができる。これらのポリマーは、天然のポリマー及びそれらの誘導体、合成ポリマー及びそれらの誘導体、又はそれらの組合せを含み得る。天然のポリマーは、アニオン性ポリマーカチオン性ポリマー両親媒性ポリマー、又は中性ポリマーであり得る。アニオン性ポリマーの非限定的な例は、ヒアルロン酸アルギン酸カラギーナン硫酸コンドロイチン硫酸デキストラン、及びペクチンを含み得る。カチオン性ポリマーのいくつかの例は、キトサン又はポリリシンを含むがこれらに限定されない(Peppasら(2006)、Adv Mater.、18: 1345〜60; Hoffman, A. S. (2002)、Adv Drug Deliv Rev.、43: 3〜12; Hoffman, A. S. (2001)、Ann NY Acad Sci 944: 62〜73)。両親媒性ポリマーの例は、コラーゲン、ゼラチンフィブリン、及びカルボキシメチルキチンを含み得るがこれらに限定されない。中性ポリマーの非限定的な例は、デキストラン、アガロース、又はプルランを含み得る(Peppasら(2006)、Adv Mater.、18: 1345〜60; Hoffman, A. S.(2002)、Adv Drug Deliv Rev.、43: 3〜12; Hoffman, A. S. (2001)、Ann NY Acad Sci 944: 62〜73)。

0068

本発明の方法に従う培養に適する細胞は、プラスミドなどの導入された発現ベクターを保有し得る。発現ベクター構築物は、形質転換、マイクロインジェクション、トランスフェクション、リポフェクション、電気穿孔、又は感染を介して導入することができる。発現ベクターは、発現及び産生のための、タンパク質をコードするコード配列又はその部分を含有し得る。産生されるタンパク質及びポリペプチドをコードする配列、並びに適切な転写及び翻訳制御エレメントを含有する発現ベクターは、当業者によく知られ、実施される方法を使用して作り出すことができる。これらの方法は、J. Sambrookら、2001、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.;及びF. M. Ausubelら、1989、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons、New York、N.Y.において記載されている、合成法、in vitroにおける組換えDNA技術、及びin vivoにおける遺伝子的組換えを含む。

0069

Jak3調節化合物
本明細書で使用される「Jak3調節化合物」は、Jak3遺伝子又はJak3タンパク質若しくはポリペプチドと相互作用し、その活性及び/又はその発現を調節する化合物を指す。化合物は、Jak3遺伝子によりコードされるタンパク質の活性又は発現を増大させることができる。逆に、化合物は、Jak3遺伝子によりコードされるタンパク質の活性又は発現を低下させることができる。化合物は、Jak3アゴニスト又はJak3アンタゴニスト(例えば、Jak3阻害剤)であり得る。Jak3調節化合物のいくつかの非限定的な例は、ペプチド(Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドを含むペプチド断片、又はその抗体若しくは断片など)、低分子、及び核酸(Jak3遺伝子を含む核酸に特異的なsiRNA又はアンチセンスRNAなど)を含む。Jak3タンパク質のアゴニストは、Jak3タンパク質に結合すると、Jak3タンパク質の活性を増大させるか又は延長する分子であり得る。Jak3アゴニストは、Jak3タンパク質を活性化させるタンパク質、核酸、低分子、又は他の任意の分子を含むがこれらに限定されない。Jak3タンパク質のアンタゴニストは、Jak3タンパク質に結合すると、Jak3タンパク質の量又は活性の持続を低下させる分子であり得る。アンタゴニストは、Jak3タンパク質の活性を低下させるタンパク質、核酸、抗体、低分子、又は他の任意の分子を含む。

0070

本明細書に現れる「調節する」という用語は、Jak3の遺伝子又はタンパク質の活性又は発現の変化を指す。例えば、調節は、Jak3タンパク質のタンパク質活性結合特性、又は他の任意の生物学的、機能的、若しくは免疫学的特性の増大又は低下を引き起こし得る。

0071

一実施形態では、Jak3調節化合物は、Jak3タンパク質に結合する、Jak3タンパク質のペプチド断片であり得る。例えば、Jak3ポリペプチドは、配列番号1の約8つの連続アミノ酸の任意の一部を包含し得る。断片は、配列番号1の約10の連続アミノ酸、約20の連続アミノ酸、約30の連続アミノ酸、約40の連続アミノ酸、約50の連続アミノ酸、約60の連続アミノ酸、又は約75の連続アミノ酸を含み得る。断片は、約8〜約100アミノ酸の間及びこれらを含む全ての可能なアミノ酸の長さ、例えば、約10〜約100アミノ酸の間、約15〜約100アミノ酸の間、約20〜約100アミノ酸の間、約35〜約100アミノ酸の間、約40〜約100アミノ酸の間、約50〜約100アミノ酸の間、約70〜約100アミノ酸の間、約75〜約100アミノ酸の間、又は約80〜約100アミノ酸の間の長さを含む。これらのペプチド断片は、購入することもでき、液相又は固相の合成法を介して合成することもできる(Athertonら(1989)、「Solid Phase Peptide Synthesis: a Practical Approach」、IRL Press、Oxford、England)。Jak3ペプチド断片は、天然の供給源から単離することもでき、遺伝子操作することもでき、化学的に調製することもできる。これらの方法は、当技術分野ではよく知られている。

0072

Jak3調節化合物は、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドを指向する抗体(モノクローナルポリクローナル、ヒト化、キメラ、又は完全ヒト抗体)又はその結合性断片などのタンパク質であり得る。抗体断片は、全長形態以外の抗体の形態であることが可能であり、操作された抗体断片に加えて、全長抗体内に存在する部分又は成分も含む。抗体断片は、単鎖Fv(scFv)、ダイアボディー、Fv、及び(Fab')2、トリアボディー、Fc、Fab、CDR1、CDR2、CDR3、CDRの組合せ、可変領域、テトラボディー二官能性ハイブリッド抗体フレームワーク領域、定常領域などを含み得るがこれらに限定されない(Maynardら(2000)、Ann. Rev. Biomed. Eng.、2:339〜76; Hudson (1998)、Curr. Opin. Biotechnol.、9:395〜402を参照されたい)。抗体は、購入することもでき、特注で作り出すこともでき、当技術分野で確立された方法に従い、対象の抗原に対して合成することもできる(それらの各々が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Roland E. Kontermann及びStefan Duebel (編)、「Antibody Engineering」、I及びII巻(2010)、2版、Springer; Antony S. Dimitrov (編)、「Therapeutic Antibodies: Methods and Protocols」(Methods in Molecular Biology)(2009)、Humana Press; Benny Lo (編)、「Antibody Engineering: Methods and Protocols」(「Methods in Molecular Biology」)(2004)、Humana Pressを参照されたい)。例えば、Jak3を指向する抗体は、Abcam、Santa Cruz Biotechnology、Abgent、R&D Sytems、Novus Biologicalsなどから購入することができる。Jak3を指向するヒト抗体(モノクローナル抗体ヒト化抗体、又はキメラ抗体など)は、ヒトにおける使用のための有用な抗体治療剤であり得る。一実施形態では、抗体又はその結合性断片は、配列番号1を指向する。

0073

Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドをコードするRNAの阻害は、そこからRNAが転写されるJak3遺伝子の発現を効果的に調節し得る。阻害剤は、siRNA;RNA干渉又はRNAi;dsRNA;RNAポリメラーゼIII転写型DNA;リボザイム;及びRNA、DNA、又は人工核酸であり得るアンチセンス核酸を含む群から選択される。

0074

アンチセンスDNA、RNA、及びDNA/RNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ターゲティングされたmRNAに結合し、タンパク質への翻訳を防止することにより、mRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。例えば、約15塩基であり、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドをコードするDNA配列固有の領域と相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、従来のホスホジエステル技術(Dallasら(2006)、Med. Sci.、Monit.、12(4):RA67〜74; Kalotaら(2006)、Handb. Exp. Pharmacol.、173:173〜96; Lutzelburgerら(2006)、Handb. Exp. Pharmacol.、173:243〜59)により合成することができる。アンチセンスヌクレオチド配列は、モルホリノ、2'-O-メチルポリヌクレオチド、DNA、RNAなどを含むがこれらに限定されない。一実施形態では、Jak3に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、TGCCATGAGTGCAACTTGCCTAGC(配列番号3)を含む。

0075

siRNAは、約15〜約50塩基対、例えば、約21〜約25塩基対を含有し、細胞内で発現する標的遺伝子又はRNAと同一であるか又はほぼ同一なヌクレオチド配列を有する二本鎖構造を含む。siRNAは、センスRNA鎖、及び標準的なワトソン-クリック塩基対合相互作用により共にアニールさせた相補的なアンチセンスRNA鎖を含む。センス鎖は、標的miRNA分子内に含有される核酸配列と実質的に同一な核酸配列を含む。標的mRNA内に含有される標的配列と「実質的に同一」は、標的配列と約3%以下異なる核酸配列を指す。siRNAのセンス及びアンチセンス鎖は、2つの相補的な一本鎖RNA分子を含み得るか、又は2つの相補的な部分が塩基対合し、一本鎖「ヘアピン」領域により共有結合的に連結された単一の分子を含み得る。また、それらの全開示が参照により本明細書に組み込まれる、McMnaus及びSharp (2002)、Nat Rev Genetics、3:737〜47;並びにSen及びBlau (2006)、FASEB J.、20:1293〜99も参照されたい。

0076

siRNAは、1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換、及び/又は変化により天然のRNAと異なる、変化させたRNAであり得る。このような変化は、siRNAの末端、又はsiRNAの1つ以上の内部ヌクレオチドなどへの、非ヌクレオチド物質の付加、或いはsiRNAをヌクレアーゼによる消化に対して抵抗性とする修飾、或いはsiRNA内の1つ以上のヌクレオチドの、デオキシリボヌクレオチドによる置換を含み得る。また、siRNAの一方又は両方の鎖は、3'オーバーハングも含み得る。本明細書で使用される3'オーバーハングは、二重鎖RNAの3'端から伸長する少なくとも1つの非対合ヌクレオチドを指す。例えば、siRNAは、1〜約6ヌクレオチド(リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを含む)の長さ、又は1〜約5ヌクレオチドの長さ、又は1〜約4ヌクレオチドの長さ、又は約2〜約4ヌクレオチドの長さの少なくとも1つの3'オーバーハングを含み得る。例えば、siRNAの各鎖は、ジチミジル酸(「TT」)又はジウリジル酸(「uu」)の3'オーバーハングを含み得る。

0077

siRNAは、化学的又は生物学的に作製することもでき、組換えプラスミド又はウイルスベクターから発現させることもできる(例えば、それらの全開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,294,504号及び米国特許第7,422,896号を参照されたい)。dsRNA又はsiRNA分子を作製し、調べるための例示的な方法は、それらの各々の全開示が参照により本明細書に組み込まれる、Gewirtzによる米国特許出願公開第2002/0173478号、Hannonらによる米国特許第8,071,559号、Reichらによる米国特許第7,674,895号、及びTolentinoらによる米国特許第7,148,342号において記載されている。

0078

一実施形態では、Jak3遺伝子を含むヒト核酸配列を指向するsiRNAを、配列番号2のいずれか1つに対して作り出すことができる。別の実施形態では、Jak3遺伝子を含むヒト核酸配列を指向するsiRNAは、表1に列挙する配列のうちのいずれか1つを含み得る。

0079

別の実施形態では、Jak3を指向するsiRNAは、表1に列挙される。

0080

RNAポリメラーゼIII転写型DNAは、U6プロモーターなどのプロモーターを含有する。これらのDNAは、転写されて、siRNAとして機能し得る、細胞内の低分子ヘアピンRNA、又はアンチセンスRNAとして機能し得る直鎖状RNAを産生し得る。Jak3調節化合物は、標的RNA及び/又は遺伝子を阻害するように、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、合成ヌクレオチド、又は任意の適する組合せを含有し得る。加えて、これらの核酸の形態は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、又は四本鎖であり得る(例えば、Bass (2001)、Nature、411:428〜429; Elbashirら(2001)、Nature、411:494 498;米国特許第6,509,154号;及びPCT公開第WO00/044895号、同第WO01/036646号、同第WO99/032619号、同第WO00/01846号、同第WO01/029058号、同第WO00/44914号を参照されたい)。

0081

Jak3調節化合物は、Jak3タンパク質に結合し、その機能を破壊するか、又は逆にその機能を増強する低分子であり得る。低分子は、一般に小さな分子量がを有する合成及び天然物質の多様な群である。それらは、天然の供給源(例えば、植物、真菌微生物など)から単離することができ、購入され、且つ/又はライブラリー若しくはコレクションとして入手可能であるか、或いは合成される。Jak3タンパク質を調節する候補低分子は、当技術分野で確立された方法に従うコンビナトリアルライブラリーのin silicoスクリーニング又はハイスループット(HTP)スクリーニングにより同定することができる(例えば、それらの各々が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Potyrailoら(2011)、ACS Comb Sci.、13(6):579〜633; Menschら(2009)、J Pharm Sci.、98(12):4429〜68; Schnur (2008)、Curr Opin Drug Discov Devel.、11(3):375〜80;及びJhoti (2007)、Ernst Schering Found Symp Proc.、(3):169〜85を参照されたい)。アスピリンペニシリン、及び多くの化学療法剤など、従来の医薬品の大半は低分子であり、購入することもでき、化学合成することもでき、下記の通りランダムライブラリー又はコンビナトリアルライブラリーから得ることもできる(例えば、Wernerら(2006)、Brief Funct. Genomic Proteomic、5(1):32〜6を参照されたい)。

0082

JAK3阻害剤は現在、ヒトにおける急性腎移植拒絶及び関節リウマチの処置についての臨床試験中である。JAK3阻害剤の非限定的な例は、、Janex 1 (WHI-P131) (Changelianら(2008)、Blood、111(4):2155〜7); Uckunら(1999)、Clin Cancer Res.、5(10):2954〜62; Uckunら(2010)、Arzneimittelforschung.、60(4):218〜25)、PF-956980 (Sigma製品番号PZ0151 (St. Louis、MO、http://www.sigmaaldrich.com/catalog/product/sigma/pz0151 ?lang=enRion=US)); Changelianら(2008)、Blood、111(4):2155〜7)、WHI-P154 (Calbiochem製品番号420104-5MG (San Diego、CA、http://www.emdbiosciences.com)); Changelianら(2008)、Blood、111(4):2155〜7)、VX-509 (Vertex Pharmaceuticals、Cambridge MA製の経口剤; Fleischmannら(2011)、Arthritis Rheum、63:LB3; Fleischmannら(2012)、Curr Opin Rheumatol.、2月18日、PMID: 22357358)、JAK3阻害剤IV (ZM-39923) Calbiochem製品番号420121-10MG (San Diego、CA、http://www.emdbiosciences.com;WO1998022103)、NSC114792 (Kimら(2010)、Mol Cancer.、2010、9:36)、トファシチニブ(CP690550) (Changelianら(2008)、Blood、111(4):2155〜7; Vijayakrishnanら(2011)、TrendsPharmacol Sci.、32(1):25〜34; Fleischmannら(2012)、Curr Opin Rheumatol.、2月18日、PMID: 22357358)、及びR348 (Rigel Pharmaceuticals、San Francisco CA製の局所経口剤; Deuseら(2008)、Transplantation.、85(6):885〜92; Vijayakrishnanら(2011)、Trends Pharmacol Sci.、32(1):25〜34)を含み、それらの参考文献の各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる。

0083

本発明に有用なJAK3阻害剤の構造は、a)経口局所剤であるJanex 1; b)静注剤であるPF-956980; c)WHI-P154; d)ZM-39923; e)NSC114792; f)経口剤であるトファシチニブ(CP690550)を含む。

0084

JAK阻害剤の非限定的な例(例えば、I型及びII型Jak阻害剤)は、それらの各々が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、O'Shea及びPlenge (Immunity、2012年4月20日、36(4):542〜50)、LaFave及びLevine (TrendsPharmacol Sci.、2012年11月、33(11):574〜82)、Kontziasら、(Curr Opin Pharmacol.、2012年8月、12(4):464〜70)、Norman (Expert Opin Ther Pat.、2012 10月、22(10):1233〜49)、並びにWilson (Expert Opin Ther Pat.、2010年5月、20(5):609〜23)において論じられている。

0085

Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドなど、対象の分子の一次配列、及びこの配列の、機能が知られるタンパク質との類似性についての知識は、対象のタンパク質のアゴニストに加えて、阻害剤又はアンタゴニストについての情報も提供し得る。アゴニスト及びアンタゴニストの同定及びスクリーニングは、例えば、X線結晶構造解析中性子回折核磁気共鳴分光法、及び構造決定のための他の技術を使用してタンパク質の構造的特徴を決定することにより、さらに容易となる。これらの技術は、アゴニスト及びアンタゴニストの合理的デザイン又は同定を提供する。

0086

Jak3調節化合物などの被験化合物は、合成又は天然化合物の大規模ライブラリーからスクリーニングすることができる(Alicea-Velazquez及びBoggon (2011)、Curr Drug Targets、12(4):546〜55; Wangら(2007)、Curr Med Chem、14(2):133〜55; Mannhold (2006)、Curr Top Med Chem、6 (10):1031〜47;並びにHensen (2006)、Curr Med Chem、13(4):361〜76を参照されたい)。多数の手段が、糖、ペプチド、及び核酸ベースの化合物のランダム合成及び方向付けられた合成のために、現在使用されている。合成化合物ライブラリーは、Maybridge Chemical Co. (Trevillet、Cornwall、UK)、AMRI(Albany、NY)、ChemBridge (San Diego、CA)、及びMicroSource (Gaylordsville、CT)から市販されている。希少化学物質のライブラリーは、Aldrich (Milwaukee、Wis.)から入手可能である。あるいは細菌、真菌、植物、及び動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリーも、例えば、Pan Laboratories (Bothell、Wash.)又はMycoSearch (N.C.)から入手可能であるか、又は容易に作成可能である。加えて、天然並びに合成により作製されるライブラリー及び化合物は、従来の化学的、物理的、及び生化学的手段によっても容易に修飾される(Blondelleら(1996)、Tib Tech、14:60)。

0087

当技術分野では、分子のライブラリーを調製するための方法がよく知られており、多くのライブラリーが市販されている。本発明における対象のライブラリーは、ペプチドライブラリーランダム化オリゴヌクレオチドライブラリー、合成有機コンビナトリアルライブラリーなどを含む。縮重ペプチドライブラリーは、溶液中で、固定化形態で、細菌鞭毛ペプチドディスプレイライブラリー又はファージディスプレイライブラリーとして容易に調製することができる。ペプチドリガンドは、少なくとも1つのアミノ酸を含有するペプチドのコンビナトリアルライブラリーから選択することができる。ペプトイド及び非ペプチドの合成部分のライブラリーも合成することができる。それらの天然の対応物と比較して酵素による分解を受けにくい、非ペプチド合成部分を含有するかかるライブラリーも、さらに合成することができる。例えば、ライブラリーはまた、ペプチドオンプラスミドライブラリー、合成低分子ライブラリーアプタマーライブラリー、in vitro翻訳ベースのライブラリー、ポリソームライブラリー、合成ペプチドライブラリー、神経伝達物質ライブラリー、及び化学物質ライブラリーも含み得るがこれらに限定されない。

0088

化学合成ライブラリーの例は、Fodorら(1991)、Science、251:767〜773; Houghtenら(1991)、Nature、354:84〜86; Lamら(1991)、Nature、354:82〜84; Medynski (1994)、BioTechnology、12:709〜710; Gallopら(1994)、J. Medicinal Chemistry 37(9):1233〜1251; Ohlmeyerら(1993)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90:10922〜10926; Erbら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:11422〜11426; Houghtenら(1992)、BioTechniques、13:412; Jayawickremeら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:1614〜1618; Salmonら(1993)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90:11708〜11712; 1993年10月14日付のPCT公開第WO93/020242号;及びBrennerら(1992)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:5381〜5383において記載されている。

0089

ファージディスプレイライブラリーの例は、Scottら(1990)、Science、249:386〜390; Devlinら(1990)、Science、249:404〜406; Christianら(1992)、J. Mol. Biol.、227:711〜718; Lenstra (1992)、J. Immunol. Meth.、152:149〜157; Kayら(1993)、Gene、128:59〜65;及びPCT公開第WO94/018318号において記載されている。

0090

In vitro翻訳ベースのライブラリーは、PCT公開第WO91/005058号;及びMattheakisら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:9022〜9026において記載されているライブラリーを含むがこれらに限定されない。

0091

本明細書で使用される「リガンド供給源」という用語は、Jak3タンパク質のアゴニスト又はアンタゴニストとして作用する化合物についてスクリーニングするために用い得る、本明細書で記載される任意の化合物ライブラリー、又は生物系における多様な器官から調製される組織抽出物であり得る。本明細書で列挙される化合物ライブラリーのスクリーニング(また、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,884,189号も参照されたい)を、下記の、in vivoにおける動物研究、機能及びシグナル伝達アッセイと組み合わせて使用して、毛の成長を制御するか、又は脱毛障害を処置するJak3調節化合物を同定することができる。

0092

ライブラリーのスクリーニングは、あらゆる種類の、一般に知られる方法により達成することができる。例えば、ペプチドライブラリーのスクリーニングについて開示する以下の参考文献: Parmley及びSmith (1989)、Adv. Exp. Med. Biol.、251:215〜218; Scott及びSmith (1990)、Science、249:386〜390; Fowlkesら(1992)、BioTechniques、13:422〜427; Oldenburgら(1992)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:5393〜5397; Yuら(1994)、Cell、76:933〜945; Staudtら(1988)、Science、241:577〜580; Bockら(1992)、Nature、355:564〜566; Tuerkら(1992)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:6988〜6992; Ellingtonら(1992)、Nature、355:850〜852;全てLadnerらによる、米国特許第5,096,815号、同第5,223,409号、及び同第5,198,346号; Rebarら(1993)、Science、263:671〜673;並びにPCT公開第WO94/018318号を参照されたい。

0093

低分子コンビナトリアルライブラリーもまた、作製し、スクリーニングすることができる。低分子有機化合物のコンビナトリアルライブラリーは、1つ以上の多様性の点で互いと異なるが、緊密に関連し、多段階工程を使用する有機技術により合成される類似体のコレクションである。コンビナトリアルライブラリーは、極めて多数の低分子有機化合物を含む。コンビナトリアルライブラリーの1つの種類は、化合物アレイを作製するための並行合成法により調製される。化合物アレイは、デカルト座標におけるそれらの空間的な位置により同定可能であり、各化合物が一般的な分子コア及び1つ以上の可変的な構造多様性エレメントを有するように配置された、化合物のコレクションであり得る。このような化合物アレイ内の化合物は、個別の反応容器内で並行して作製され、各化合物は、その空間的位置により同定され、追跡される。並行合成混合物及び並行合成法の例は、各々が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、1994年1月5日に出願された米国特許第08/177,497号及びこれに対応するPCT公開第WO95/018972号、並びに米国特許第5,712,171号及びこれに対応するPCT公開第WO96/022529号において提示されている。

0094

非限定的な一例では、ベンゾジアゼピンライブラリーなどの非ペプチドライブラリー(例えば、Buninら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:4708〜4712を参照されたい)をスクリーニングすることができる。Simonら(1992)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:9367〜9371により記載されているペプトイドライブラリーなどのペプトイドライブラリーもまた使用することができる。ペプチド内のアミド官能基が、化学的に形質転換されたコンビナトリアルライブラリーを作り出すように完全メチル化された、使用し得るライブラリーの別の例は、Ostreshら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91:11138〜42により記載されている。

0095

コンピュータによるモデル化及び検索技術は、化合物の同定、又はJak3タンパク質の発現若しくは活性を調節し得る、既に同定された化合物の改善を可能とする。このような化合物又は組成物を同定したら、続いて、化合物が結合する部位を検討することにより、Jak3タンパク質の活性部位又は領域を同定することができる。これらの部位は、リガンド結合性部位であり得、例えば、ペプチドのアミノ酸配列に由来する、核酸のヌクレオチド配列に由来する、又は関連する化合物又は組成物のその天然のリガンドとの複合体についての研究に由来する方法を含む、当技術分野で知られている方法を使用して同定することができる。後者の場合は、化学的方法又はX線結晶構造解析法を使用して、因子上のどこに複合したリガンドが見出されるのかを見い出すことにより、活性部位を見い出すことができる。

0096

部位、例えば、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドの部位の三次元幾何学的構造は、完全な分子構造を決定し得るX線結晶構造解析など、当技術分野で知られる方法により決定することができる。固相又は液相NMRを使用して、いくつかの分子内距離を決定することができる。他の任意の実験的構造決定法を使用して、部分的又は完全な幾何学的構造を得ることができる。幾何学的構造は、天然又は人工の複合したリガンドにより測定することができ、これにより構造決定される活性部位の精度を増大させることができる。

0097

当技術分野では、標的に結合するペプチドを調製又は同定するための他の方法も知られている。例えば、分子インプリンティングは、分子に結合するペプチドなど、高分子構造デノボ構築に使用することができる。例えば、Kenneth J. Shea (1994)、「Molecular Imprinting of Synthetic Network Polymers: The De Novo synthesis of Macromolecular Binding and Catalytic Sites」、TRIP 2(5); Mosbach (1994)、Trendsin Biochem. Sci.、19(9);及びWulff, G.、「Polymeric Reagents and Catalysts」(Ford, W. T.編)、ACS Symposium Series、308号、186〜230頁、American Chemical Society (1986)を参照されたい。Jak3調節化合物の模倣体を調製するための1つの方法は、(i)所望の活性を示す既知の基質(鋳型)の周囲において、機能的な単量体重合化させるステップと; (ii)鋳型分子を除去するステップと;次いで、(iii)鋳型により残された空隙において、第2のクラスの単量体を重合化させて、鋳型の特性と類似する1つ以上の所望の特性を呈示する新たな分子をもたらすステップとを含む。ペプチドの調製に加えて、この様式で、多糖、ヌクレオシド、薬物、核タンパク質リポタンパク質、炭水化物、糖タンパク質ステロイド、脂質など、他の結合性分子、及び他の生物学的活性物質もまた、調製することができる。この方法は、機能的な単量体のフリーラジカルによる重合化により調製される結果として、非生分解性骨格を有する化合物をもたらすため、それらの天然の対応物より安定な多種多様な生物学的模倣体をデザインするのに有用である。このような分子をデザインするための他の方法は、例えば、多数の化合物の合成及び評価並びに分子モデリングを必要とする構造活性相関に基づく薬物デザインを含む。

0098

スクリーニングアッセイ
Jak3調節化合物は、in vivo及び/又はin vitroにおいて、Jak3タンパク質の活性及び/又は発現に影響を及ぼす化合物であり得る。Jak3調節化合物は、Jak3タンパク質のアゴニスト及びアンタゴニストであり得、発現、翻訳後修飾、又は他の手段を介して、Jak3タンパク質の活性にその効果を及ぼす化合物であり得る。

0099

Jak3タンパク質に結合し、且つ/又はJak3タンパク質の活性若しくは発現に対して刺激性若しくは阻害性の効果を及ぼす被験化合物又は薬剤は、2種類のアッセイ: (a)Jak3タンパク質若しくはその変異体を細胞表面上で発現させる細胞を使用する細胞ベースのアッセイ;又は(b)単離JAK3タンパク質を使用し得る無細胞アッセイにより同定することができる。これらのアッセイは、生物学的に活性なJak3タンパク質の断片、全長タンパク質、又はJak3遺伝子によりコードされるポリペプチドの全部若しくは一部を含む融合タンパク質を用いることができる。Jak3タンパク質は、任意の適する哺乳動物種(例えば、ヒト、ラット、ニワトリカエル、ウマ、ウシ、又はマウス)から得ることができる。アッセイは、被験化合物の結合の直接的又は間接的な測定を含む結合アッセイであり得る。アッセイはまた、Jak3タンパク質の活性の直接的又は間接的な測定を含む活性アッセイでもあり得る。アッセイはまた、Jak3mRNAの核酸配列又はJak3遺伝子によりコードされるタンパク質の発現の直接的又は間接的な測定を含む発現アッセイでもあり得る。多様なスクリーニングアッセイは、被験体における脱毛障害若しくは脱毛疾患(例えば、男性型脱毛症、円形脱毛症、完全脱毛症、又は全身性脱毛症)なお又は貧毛症の症状に対する被験化合物の効果を測定することを含むin vivoアッセイと組み合わせることができる。

0100

In vivoアッセイはまた、毛の成長の表現型欠損若しくは異常を示す既知の哺乳動物モデル、又は毛の成長の制御若しくは毛の密度に影響を及ぼすJak3遺伝子を含む核酸配列のオープンリーディングフレーム(ORF)内に突然変異を含有する哺乳動物における、毛の成長の制御に対する被験化合物の効果を評価することも含み得る。一実施形態では、毛の成長の調節は、被験体における毛の成長又は密度の誘導を含み得る。この場合、毛の成長の制御における化合物の効果は、生物の物理的な毛の成長又は脱毛を検討することにより、又は当技術分野で知られている方法を使用して、タンパク質又はmRNAの発現を評価することにより観察することもできる。

0101

また、Jak3タンパク質に結合するか又はその活性を調節する被験化合物をスクリーニングするためのアッセイも実行することができる。被験化合物は、従来の化合物ライブラリーによるなど、任意の適切な手段により得ることができる。Jak3タンパク質の膜結合形態に結合する被験化合物の能力の決定は、複合体中の標識化合物を検出することにより、被験化合物の、Jak3タンパク質を発現する細胞への結合を測定し得るように、被験化合物を、放射性同位元素又は酵素標識とカップリングすることにより達成することができる。例えば、被験化合物は、3H、14C、35S、又は125Iで直接的又は間接的に標識し、その後、放射性同位元素を、放射性物質放射の直接的なカウンティングにより、又はシンチレーションカウンティングにより検出することができる。あるいは被験化合物は、例えば、西ワサビペルオキシダーゼアルカリホスファターゼ、又はルシフェラーゼで酵素標識することもでき、酵素標識は、適切な基質の生成物への変換を決定することにより検出することができる。

0102

細胞ベースのアッセイは、Jak3を発現させる細胞を、被験薬剤と接触させることと、膜結合分子の活性又は発現を調節する(増大させるか又は低下させるなど)被験薬剤の能力を決定することとを含み得る。膜結合Jak3分子の活性を調節する被験薬剤の能力の決定は、下流のシグナル伝達イベントのモニタリングなど、このような分子の活性の測定に適する任意の方法(例えば、それらのの各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる、Thomaら(2011)、J Med Chem.、54(1):284〜8; Flanagan (2010)、J Med Chem.、53(24):8468〜84; Linら(2010)、Arthritis Rheum.、62(8):2283〜93; Kimら(2010)、Mol Cancer.、9:36; Malabarbaら(1995)、J Biol Chem. 270(16):9630〜7; JAK3 Kinase Enzyme Systems (Promega(http://www.promega.com/products/cell-signaling/protein--kinases-and-kinase--assays/nonreceptor-tyrosine-kinase-enzyme-systems/jak3-kinase-enzyme-system/)から入手可能な製品番号V9441及びV3701))により達成することができる。

0103

Jak3タンパク質又はJak3タンパク質の標的は、固定化して、タンパク質の一方又は両方の非複合形態からの複合形態の分離を容易にすることができる。被験化合物のJak3タンパク質若しくはその変異体への結合、又は被験化合物の存在下及び非存在下におけるJak3タンパク質の標的分子との相互作用は、反応物を含有するのに適する任意の容器内で達成することができる。このような容器の例は、マイクロ滴定プレート試験管、及びマイクロ遠心管を含む。一実施形態では、タンパク質の一方又は両方が、マトリックスに結合することを可能とするドメインを付加する融合タンパク質を提供することができる(例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質を、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical; St. Louis、Mo.)又はグルタチオン誘導体化マイクロ滴定プレートに吸着させることができる)。

0104

Jak3タンパク質又はその変異体はまた、固体支持体に結合させることにより、固定化することもできる。適切な固体支持体の非限定的な例は、ガラス若しくはプラスチックスライド組織培養プレートマイクロ滴ウェル、チューブ、シリコンチップ、又はビーズ(ラテックスポリスチレン、又はガラスを含むがこれらに限定されない)などの粒子を含む。共有結合的連結及び非共有結合的連結又は受動吸着の使用を含む、当技術分野で知られている任意の方法を使用して、Jak3若しくはその変異体に対応するポリペプチド(又はポリヌクレオチド)又は被験化合物を、固体支持体に付着させることができる。

0105

Jak3タンパク質の発現はまた、モニタリングすることもできる。例えば、Jak3タンパク質発現の制御因子は、細胞を被験化合物と接触させ、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3mRNAの核酸配列の発現を決定することにより同定することができる。被験化合物の存在下における、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3 mRNAの核酸配列の発現レベルを、被験化合物の非存在下におけるタンパク質又はmRNAの発現レベルと比較する。次いで、この比較に基づき、被験化合物を、Jak3タンパク質発現の制御因子として同定することができる。例えば、被験化合物の存在下における、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3 mRNAの核酸配列の発現が、その非存在下における発現より、統計学的又は有意に大きい場合、被験化合物は、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3 mRNAの核酸配列の発現の刺激剤/エンハンサーとして同定される。被験化合物は、Jak3調節化合物(アゴニストなど)であるということができる。

0106

あるいは被験化合物の存在下における、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3mRNAの核酸配列の発現が、その非存在下における発現より、統計学的又は有意に小さい場合、被験化合物は、細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3 mRNAの核酸配列の発現の阻害剤として同定される。被験化合物はまた、Jak3調節化合物(アンタゴニストなど)であるということもできる。細胞内のJak3遺伝子によりコードされるタンパク質又はJak3 mRNAの核酸配列の発現レベルは、既に記載した方法により決定することができる。

0107

結合アッセイでは、被験化合物は、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチド又はその変異体の結合部位に結合し、これを占有する低分子であり得る。これは、正常な生物学的活性を防止するように、リガンド結合性部位を基質に対してアクセス不可能とし得る。このような低分子の例は、小型のペプチド又はペプチド様分子を含むがこれらに限定されない。結合アッセイでは、被験化合物又はJak3遺伝子によりコードされるポリペプチドは、蛍光、放射性同位元素性、化学発光、又は酵素標識(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、又はルシフェラーゼ)などの検出可能な標識を含み得る。次いで、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドに結合する被験化合物の検出を、放射性物質の放射を直接カウンティングすることにより、シンチレーションカウンティングにより、又は適切な基質の検出可能な生成物への変換を決定することにより決定することができる。

0108

また、Jak3タンパク質に結合する被験化合物の能力の決定も、リアルタイムのBiamolecular Interaction Analysis (BIA) (McConnellら、1992、Science、257、1906〜1912; Sjolander、Urbaniczky、1991、Anal. Chem.、63、2338〜2345)を使用して達成することができる。BIAは、生体特異的相互作用を、リアルタイムで、相互作用物のうちのいずれも標識化せずに研究するための技術(例えば、BIA-coreTM)である。光学現象である表面プラズモン共鳴(SPR)の変化を、生物学的分子の間のリアルタイムの反応の指標として使用することもできる。

0109

Jak3タンパク質に結合するか又はこれと相互作用し、その活性を調節する他のタンパク質を同定するため、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドを当技術分野で実施される方法に従う、2ハイブリッドアッセイ又は3ハイブリッドアッセイ(Szaboら、1995、Curr. Opin. Struct. Biol. 5、699〜705;米国特許第5,283,317号)におけるベイトタンパク質として使用することができる。2ハイブリッドシステムは、大半の転写因子モジュール的性格に基づいたものであり、分離可能なDNA結合性及び活性化ドメインとからなる。

0110

機能的アッセイ:被験化合物は、Jak3タンパク質又はその変異体の活性を増大させるか又は低下させる能力について調べることができる。活性は、精製されたJAK3タンパク質、細胞膜調製物、又はインタクトな細胞を被験化合物と接触させた後で測定することができる。Jak3タンパク質の活性を、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、又は100%低下させる被験化合物は、Jak3タンパク質の活性を低下させるための潜在的な薬剤、例えば、アンタゴニストとして同定される。Jak3タンパク質の活性を、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約90%、約95%、又は100%増大させる被験化合物は、Jak3タンパク質の活性を増大させるための潜在的な薬剤、例えば、アゴニストとして同定される。

0111

処置及び防止
本発明はまた、被験体における脱毛障害を処置又は防止するための方法も提供する。一実施形態では、該方法は、被験体に由来する試料中のJak3遺伝子の変化の存在であって、脱毛障害又は脱毛障害に対する素因を示す変化の存在を検出するステップと、それを必要とする被験体に、脱毛障害に対する治療的処置を施すステップとを含む。治療的処置は、薬物投与(例えば、Jak3核酸を指向するsiRNAを含む医薬組成物)であり得る。一実施形態では、投与される治療用分子は、配列番号1のアミノ酸配列のうちの約75%、約80%、約85%、約90%、約93%、約95%、約97%、約98%、約99%、又は100%を含む、Jak3遺伝子によりコードされるポリペプチドを含み、Jak3遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を低下させる機能を示す。これは、毛包又は皮膚に由来する細胞における毛の成長を誘発する能力を回復させ得る。別の実施形態では、投与される治療用分子は、配列番号2の核酸配列のうちの約75%、約80%、約85%、約90%、約93%、約95%、約97%、約98%、約99%、又は100%を含む、ポリペプチドをコードするJak3遺伝子を含む核酸配列を含み、Jak3遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を低下させる機能を伴うポリペプチドをコードし、したがって、毛包細胞又は皮膚に由来する細胞における毛の成長を誘発する能力を回復させる。

0112

試料中の、Jak3分子をコードする遺伝子の変化の存在は、試料の遺伝子型決定、例えば、遺伝子の配列決定、選択的ハイブリダイゼーション、増幅、遺伝子発現解析、又はそれらの組合せを介して検出することができる。一実施形態では、試料は、血液、血漿、血清、唾液、涙液分泌物、精液、膣分泌物、皮膚組織、筋肉組織、羊水、又はそれらの組合せを含み得る。

0113

変化は、DNA、RNA、又はポリペプチドのレベルで決定することができる。任意選択で、検出は、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ、確認ベースのアッセイ、ハイブリダイゼーションアッセイ、配列決定アッセイ、対立遺伝子特異的増幅アッセイ、マイクロ配列決定アッセイ、融解曲線解析変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)アッセイ(例えば、Jonesら、(2000)、Hum Genet.、106(6):663〜8を参照されたい)、又はそれらの組合せを実施することにより決定することができる。別の実施形態では、検出は、Jak3遺伝子の全部若しくは一部の配列決定により、又は選択的ハイブリダイゼーションにより、又はJak3遺伝子の全部若しくは一部の増幅により実施する。Jak3遺伝子特異的増幅は、変化の同定ステップの前に実行することができる。

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