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技術 コンドロイチン硫酸グリカンのターゲティング

出願人 ヴァー2・ファーマシューティカルズ・アンパルトセルスカブ
発明者 アリ・サランティトーア・グルントヴィ・テアナーマス・ダウゴーモーテン・ニールセンマデレイネ・ダールベックトマス・マンデル・クラウセン
出願日 2013年2月8日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-556075
公開日 2015年5月14日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2015-513524
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 生物学的材料の調査,分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 反発エネルギー 水晶微量天秤 熱機械的応力 カルダン 一致区間 コア部位 物理的応力 分子分光学
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課題・解決手段

本発明は、VAR2CSAの最小結合フラグメントを含む機能的結合フラグメント、VAR2CSAの前記結合フラグメントに対する抗体、VAR2CSAの前記フラグメントをコードする核酸、ならびにそれらを生産するための方法に関する。さらに本発明は、最小結合フラグメントを含むVAR2CSAポリペプチドコンジュゲートおよび融合タンパク質、ならびにそれらの使用、特にコンドロイチン硫酸A(CSA)の発現(例えばコンドロイチン硫酸A(CSA)の不適切な発現)に関連する状態の処置における使用に関する。

概要

背景

発明の背景
プロテオグリカンは、1つ以上のグリコサミノグリカン(GAG)鎖にコンジュゲートされたタンパク質である。これらのタンパク質は、細胞内部、細胞膜上、および細胞外マトリックス分布して、さまざまな機能、すなわち軟骨マトリックス形成;組織構造的編成基底膜の編成;分泌小胞役割の調節;サイトカインケモカイン成長因子、およびモルフォゲンの結合;プロテアーゼ受容体およびプロテアーゼインヒビター補助受容体チロシンキナーゼ型成因子受容体;エンドサイトーシス受容体としての機能を果たし、細胞付着細胞間相互作用、および細胞運動性ならびに細胞遊走を助長する。

マラリア寄生虫である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、その複雑な生活環のほとんど全てのステージにおいて、宿主細胞プロテオグリカンを利用する。スポロゾイトは、高硫酸化ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)と相互作用する表面発現スポロゾイト周囲タンパク質を介して、肝臓中の幹細胞に感染する。赤血球メロゾイト感染は、グリコホリンA上のシアル酸に結合するEBA−175によって媒介される。加えて、宿主内皮接着を媒介するいくつかの熱帯熱マラリア原虫赤血球膜タンパク質1(Plasmodium falciparum Erythrocyte Membrane Protein 1:PfEMP1)タンパク質は、グリカン結合性であると記述されている。その一つがVAR2CSAであり、これはPfEMP1タンパク質ファミリーユニークなメンバーである。VAR2CSAは、胎盤絨毛間腔において、プロテオグリカン、いわゆるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)に取り付けられた珍しい硫酸化型のコンドロイチン硫酸A(CSA)に、高いアフィニティで結合する。VAR2CSAは熱帯熱マラリア原虫感染赤血球IE)の表面に発現する大きなマルチドメインタンパク質(350kDa)であり、VAR2CSA−CSA相互作用は、胎盤マラリア(PM)における胎盤特異的ゼクエストレーション(sequestration)の原因である。重要なことに、FCR3型および3D7型寄生虫由来組換え完全長VAR2CSAエクトドメインは、低ナノモル濃度域のCSAに対してアフィニティを示している。

CSAはグリコサミノグリカン(GAG)のファミリーに属し、GAGは、プロテオグリカンに取り付けられた、アミノ糖残基とヘキスロン酸残基とが交互する線状ポリマーである。GAGには、コンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン硫酸(DSまたはCSB)、ヘパラン硫酸(HS)およびヘパリンを含む、いくつかのタイプがある。これらのGAGの多糖主鎖は単純であるが、硫酸化およびウロン酸エピマー化などといった修飾には、かなりの多様性が生じる。これが、異なるGAGのドメイン構造および生物学的活性幅広い多様性の根拠である。

CSは、成長ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、および接着分子など、数多くの重要な因子と相互作用し、構造安定化、細胞質分裂細胞増殖分化、細胞遊走、組織形態形成、器官形成、感染、および創傷修復関与すると考えられている。CS鎖はN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)残基とグルクロン酸残基との交互ユニットから構成される。グルクロン酸はそのC2位が硫酸化可能であり、GalNAcはC4および/またはC6が硫酸化されうるので、さまざまな二糖ユニットを生じうる。糖主鎖のさまざまな修飾は、CS鎖の構造的および機能的不均一性を可能にする。胎盤接着性熱帯熱マラリア原虫寄生虫は、GalNAcのC4だけが硫酸化されている低硫酸化CSAと特異的に会合する。

初期の研究では、CSAが胎盤におけるIEゼクエストレーションの原因であると、核心を衝く指摘がなされた。しかし特異的受容体はわからなかった。さらなる研究により、ヒト胎盤は3つの異なるタイプのコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)を含有しているが、絨毛間腔ではIEが低硫酸化CSPGに特異的に接着することが見出された。このタイプのCSPGに特有なことは、二糖ユニットの2〜8%しかC4硫酸化されていないことである。CSAの具体的構造要件を同定しようとする付随の研究において、CSPGへの寄生虫の接着は、30〜50%のC4硫酸化を含んでいて残り50〜70%の二糖ユニットが非硫酸化型であるCSAによって阻害されることが見出された。CSAにとっての最小結合阻害要件は、最低2〜3個または4〜5個のC4硫酸化二糖ユニットを含有するる12糖(6個の二糖)であることが示された。

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)は、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)または黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MSCP)とも呼ばれ、黒色腫細胞によって発現されることが示されている細胞表面プロテオグリカンである。

CSPG4/MSCP/HMV−MAAは、タンパク質主鎖上にCS鎖を有することを特徴とする大きなプロテオグリカンである。これらのCS鎖の硫酸化は、主にGalNAcのC4で起こっていると思われるが(CSA)、硫酸化度はわかっていない。

概要

本発明は、VAR2CSAの最小結合フラグメントを含む機能的結合フラグメント、VAR2CSAの前記結合フラグメントに対する抗体、VAR2CSAの前記フラグメントをコードする核酸、ならびにそれらを生産するための方法に関する。さらに本発明は、最小結合フラグメントを含むVAR2CSAポリペプチドのコンジュゲートおよび融合タンパク質、ならびにそれらの使用、特にコンドロイチン硫酸A(CSA)の発現(例えばコンドロイチン硫酸A(CSA)の不適切な発現)に関連する状態の処置における使用に関する。

目的

本発明の実施形態の目的は、コンドロイチン硫酸グリカンのターゲティングおよび/または検出に適したVAR2CSAの最小機能的結合フラグメントを提供する

効果

実績

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請求項1

VAR2CSAの単離されたタンパク質フラグメントであって、a)ID1、およびb)DBL2Xb、ならびに場合によってはc)ID2aの連続するアミノ酸配列からなるフラグメント

請求項2

プロテオグリカン(CSPG)上のコンドロイチン硫酸A(CSA)に、100nM未満、例えば80nM未満、例えば70nM未満、例えば60nM未満、例えば50nM未満、例えば40nM未満、例えば30nM未満、例えば26nM未満、例えば24nM未満、例えば22nM未満、例えば20nM未満、例えば18nM未満、例えば16nM未満、例えば14nM未満、例えば12nM未満、例えば10nM未満、例えば9nM未満、例えば8nM未満、例えば7nM未満、例えば6nM未満、または4nM未満の、KDによって測定されるアフィニティで結合する、請求項1に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項3

列番号1の1〜577、配列番号3の1〜592、配列番号4の1〜579、配列番号5の1〜576、配列番号10の1〜586、配列番号11の1〜579、配列番号29の1〜565、配列番号34の1〜584、配列番号36の1〜569、配列番号37の1〜575、配列番号38の1〜592、配列番号41の1〜603、配列番号43の1〜588、配列番号44の1〜565、配列番号45の1〜589、配列番号48の1〜573、配列番号53の1〜583、または配列番号54の1〜569のいずれか一つのアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜2のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項4

配列番号1の578〜640、配列番号3の593〜656、配列番号4の580〜643、配列番号5の577〜640、配列番号10の587〜650、配列番号11の580〜643、配列番号29の566〜628、配列番号34の585〜647、配列番号36の570〜632、配列番号37の576〜639、配列番号38の593〜655、配列番号41の604〜667、配列番号43の589〜652、配列番号44の566〜628、配列番号45の590〜653、配列番号48の574〜637、配列番号53の584〜646、または配列番号54の570〜632のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項5

配列番号2、6、8、9、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、30、31、32、33、35、39、40、42、46、47、49、50、51、または52のアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項6

配列番号1の1〜577、配列番号3の1〜592、配列番号4の1〜579、配列番号5の1〜576、配列番号10の1〜586、配列番号11の1〜579、配列番号29の1〜565、配列番号34の1〜584、配列番号36の1〜569、配列番号37の1〜575、配列番号38の1〜592、配列番号41の1〜603、配列番号43の1〜588、配列番号44の1〜565、配列番号45の1〜589、配列番号48の1〜573、配列番号53の1〜583、または配列番号54の1〜569のいずれか一つのアミノ酸配列と少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項7

配列番号1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53、および54からなるリストから選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項8

700アミノ酸未満、例えば690アミノ酸未満、例えば680アミノ酸未満、例えば670アミノ酸未満、例えば660アミノ酸未満、例えば650アミノ酸未満、例えば640アミノ酸未満、例えば630アミノ酸未満、例えば620アミノ酸未満、例えば610アミノ酸未満、例えば600アミノ酸未満、例えば590アミノ酸未満、例えば580アミノ酸未満、例えば570アミノ酸未満の長さを有するアミノ酸配列からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項9

実質的に純粋である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項10

SDS−PAGEで非還元条件下に約100kDa未満の分子量を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項11

組換えタンパク質である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項12

非グリコシル化体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の単離されたタンパク質フラグメント。

請求項13

請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメントに特異的に結合する抗体。

請求項14

請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメントをコードする単離された核酸分子

請求項15

請求項14に記載の単離された核酸分子を含むベクター

請求項16

請求項15に記載のベクターを含む宿主細胞

請求項17

請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメントを生産するための方法であって、請求項16に記載の細胞を適当な成長培地中、ポリヌクレオチドコンストラクト発現を可能にする条件下で培養し、その結果生じたタンパク質フラグメントを培養培地から回収することを含む、方法。

請求項18

VAR2CSAポリペプチドと、治療用または診断用エフェクター部分、例えば細胞毒性部分、蛍光ラベル、および/または放射性ラベルとを含む、コンジュゲートまたは融合タンパク質

請求項19

VAR2CSAポリペプチドが請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメントであるか、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメントを含む、請求項18に記載のコンジュゲート。

請求項20

細胞毒性部分が、カリケアマイシンオーリスタチンドキソルビシンメイタンシノイドタキソールエクテイナシジンゲルダナマイシンメトトレキサートおよびそれらの誘導体、細胞毒性タンパク質、例えばシュードモナス外毒素A、ジフテリア毒素リシン毒素、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質サポリンゲロニン、ならびにそれらの機能的変異体、フラグメント、および組み合わせから選択される、請求項18または19のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項21

細胞毒性部分が、天然化合物から誘導されたものではない合成化学毒素である、請求項18〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項22

該ラベルが、蛍光色素および金属、発色性色素化学発光性化合物および生物発光性タンパク質、酵素放射性核種および粒子からなる群より選択される、請求項18〜21のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項23

治療用または診断用エフェクター部分が抗炎症剤である、請求項18〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項24

治療用または診断用エフェクター部分が、CSPG4、CD44、または限定するわけではないが表1に記載のプロテオグリカンによって例示される他のプロテオグリカンである、請求項18〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項25

請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、請求項13に記載の抗体、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む、組成物

請求項26

医薬または診断剤として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、請求項13に記載の抗体、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項27

診断において使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、請求項13に記載の抗体、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項28

請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む、医薬組成物

請求項29

生物学的試料中の請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートを検出するための方法であって、a)生物学的試料を取得すること;b)該生物学的試料を請求項13に記載の抗体と接触させること;およびc)該抗体と該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体が、もし存在すれば、それを、該試料における該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートの存在の指標として検出することを含む、方法。

請求項30

医薬を調製するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートの使用。

請求項31

例えばがん関節炎関節症多発性硬化症、および神経損傷後の治癒軟骨修復創傷治癒において、ならびに乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)を伴う状態に関連する任意の適応症処置するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲート。

請求項32

該がんが、癌(例えば、限定するわけではないが、乳癌膵臓癌卵巣癌子宮内膜癌肝細胞癌肺癌大腸癌前立腺癌子宮頚癌精巣癌、基底細胞皮膚癌明細胞腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、皮膚扁平上皮癌、外陰角化型扁平上皮癌および外陰基底細胞癌)、肉腫(例えば、限定するわけではないが、線維肉腫脱分化軟骨および脂肪肉腫平滑筋肉腫、脂肪肉腫、粘液性脂肪肉腫、子宮体部平滑筋肉腫、骨肉腫ユーイング肉腫および横紋筋肉腫滑膜肉腫孤立線維性腫瘍)、造血器がん(例えば、限定するわけではないが、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性、T細胞性および大顆粒リンパ腫)、神経上皮組織の腫瘍、例えば限定するわけではないが星状細胞種(多形性黄色星状膠細胞腫原線維性星細胞腫退形成性星細胞腫、多形性神経膠芽腫)、乏突起神経膠腫脳室上衣腫脈絡叢腫瘍、乏突起星細胞腫、神経膠肉腫神経節膠腫網膜芽細胞腫神経細胞腫神経芽細胞腫感覚神経芽腫および神経節芽細胞腫)、髄芽腫非定型奇形腫様/ラブイド腫瘍およびあらゆるタイプの神経内分泌がん、ならびに他の任意のCSA発現がんを含む、全てのCSA発現悪性疾患から選択される、請求項31に記載のタンパク質フラグメント。

請求項33

例えばがん、関節炎、関節症、多発性硬化症、神経損傷が引き起こす病理学的状態リウマチ、軟骨修復または創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態において、または乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する任意の適応症を処置するための方法であって、治療有効量または予防有効量の、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートを、そのような処置を必要とする対象に投与することを含む、方法。

請求項34

例えばがん、多発性硬化症、関節炎、関節症、神経損傷が引き起こす病理学的状態、リウマチ、軟骨修復もしくは創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態において、または乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する適応症または状態の発生を防止するための方法であって、治療有効量または予防有効量の、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートを、そのような処置を必要とする対象に投与することを含む、方法。

請求項35

請求項14〜15のいずれか一項に記載の核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする能力を有する、核酸プローブ

請求項36

CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する適応症または状態、例えば悪性疾患、関節炎、関節症、神経損傷が引き起こす病理学的状態、リウマチもしくは創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態、またはがん疾患、例えば脳腫瘍肝腫瘍および生殖器官の腫瘍の診断および/または予後のための、体液、例えば血液、血漿、尿、唾液糞便脳脊髄液リンパ液胃液胸水、軟骨液、精子、および/または組織中のバイオマーカーとしての、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートの使用。

請求項37

対象の免疫化のための、例えばワクチンにおける、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項24に記載のコンジュゲートの使用。

請求項38

CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞を単離するための、ターゲティング部分としての、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項24に記載のコンジュゲートの使用。

請求項39

生物学的試料中の、CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞、例えばがん幹細胞または循環がん細胞(CTC)を単離および/または検出するための方法であって、a)CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞を含む生物学的試料を取得すること;b)該生物学的試料を、場合によっては固形支持体カップリングされた、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートと接触させること;およびc)該CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞と該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体を精製、単離および/または検出することを含む、方法。

請求項40

悪性腫瘍呼応する、体液、例えば血液、血漿、尿、脊髄液胸膜滲出液、関節液骨髄精液、精子、前立腺液、糞便、胃液、唾液、眼液、吸引液、およびリンパ液中の、上昇したCSAレベルを検出するための診断方法であって、該体液を、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートと接触させるステップ、および該体液中のCSAによって形成された複合体を検出するステップを含む、方法。

請求項41

生物学的試料中のCD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを精製するための方法であって、a)CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを含む生物学的試料を取得すること;b)該生物学的試料を、場合によっては固形支持体にカップリングされた、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲートと接触させること;およびc)該CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンと該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体を精製または単離することを含む、方法。

請求項42

他の任意の適切な抗癌剤と組み合わされた、請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または請求項18〜24のいずれか一項に記載のコンジュゲート、または請求項28に記載の医薬組成物。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、VAR2CSAの最小結合フラグメントを含む機能的結合フラグメント、VAR2CSAの前記結合フラグメントに対する抗体、VAR2CSAの前記フラグメントをコードする核酸、ならびにそれらの生産方法に関する。さらに本発明は、最小結合フラグメントを含むVAR2CSAポリペプチドコンジュゲートおよび融合タンパク質、ならびにそれらの使用、特にコンドロイチン硫酸A(CSA)の発現(例えばコンドロイチン硫酸A(CSA)の不適切な発現)に関連する状態の処置における使用に関する。

背景技術

0002

発明の背景
プロテオグリカンは、1つ以上のグリコサミノグリカン(GAG)鎖にコンジュゲートされたタンパク質である。これらのタンパク質は、細胞内部、細胞膜上、および細胞外マトリックス分布して、さまざまな機能、すなわち軟骨マトリックス形成;組織構造的編成基底膜の編成;分泌小胞役割の調節;サイトカインケモカイン成長因子、およびモルフォゲンの結合;プロテアーゼ受容体およびプロテアーゼインヒビター補助受容体チロシンキナーゼ型成因子受容体;エンドサイトーシス受容体としての機能を果たし、細胞付着細胞間相互作用、および細胞運動性ならびに細胞遊走を助長する。

0003

マラリア寄生虫である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、その複雑な生活環のほとんど全てのステージにおいて、宿主細胞プロテオグリカンを利用する。スポロゾイトは、高硫酸化ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)と相互作用する表面発現スポロゾイト周囲タンパク質を介して、肝臓中の幹細胞に感染する。赤血球メロゾイト感染は、グリコホリンA上のシアル酸に結合するEBA−175によって媒介される。加えて、宿主内皮接着を媒介するいくつかの熱帯熱マラリア原虫赤血球膜タンパク質1(Plasmodium falciparum Erythrocyte Membrane Protein 1:PfEMP1)タンパク質は、グリカン結合性であると記述されている。その一つがVAR2CSAであり、これはPfEMP1タンパク質ファミリーユニークなメンバーである。VAR2CSAは、胎盤絨毛間腔において、プロテオグリカン、いわゆるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)に取り付けられた珍しい硫酸化型のコンドロイチン硫酸A(CSA)に、高いアフィニティで結合する。VAR2CSAは熱帯熱マラリア原虫感染赤血球IE)の表面に発現する大きなマルチドメインタンパク質(350kDa)であり、VAR2CSA−CSA相互作用は、胎盤マラリア(PM)における胎盤特異的ゼクエストレーション(sequestration)の原因である。重要なことに、FCR3型および3D7型寄生虫由来組換え完全長VAR2CSAエクトドメインは、低ナノモル濃度域のCSAに対してアフィニティを示している。

0004

CSAはグリコサミノグリカン(GAG)のファミリーに属し、GAGは、プロテオグリカンに取り付けられた、アミノ糖残基とヘキスロン酸残基とが交互する線状ポリマーである。GAGには、コンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン硫酸(DSまたはCSB)、ヘパラン硫酸(HS)およびヘパリンを含む、いくつかのタイプがある。これらのGAGの多糖主鎖は単純であるが、硫酸化およびウロン酸エピマー化などといった修飾には、かなりの多様性が生じる。これが、異なるGAGのドメイン構造および生物学的活性幅広い多様性の根拠である。

0005

CSは、成長ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、および接着分子など、数多くの重要な因子と相互作用し、構造安定化、細胞質分裂細胞増殖分化、細胞遊走、組織形態形成、器官形成、感染、および創傷修復関与すると考えられている。CS鎖はN−アセチル−D−ガラクトサミン(GalNAc)残基とグルクロン酸残基との交互ユニットから構成される。グルクロン酸はそのC2位が硫酸化可能であり、GalNAcはC4および/またはC6が硫酸化されうるので、さまざまな二糖ユニットを生じうる。糖主鎖のさまざまな修飾は、CS鎖の構造的および機能的不均一性を可能にする。胎盤接着性熱帯熱マラリア原虫寄生虫は、GalNAcのC4だけが硫酸化されている低硫酸化CSAと特異的に会合する。

0006

初期の研究では、CSAが胎盤におけるIEゼクエストレーションの原因であると、核心を衝く指摘がなされた。しかし特異的受容体はわからなかった。さらなる研究により、ヒト胎盤は3つの異なるタイプのコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)を含有しているが、絨毛間腔ではIEが低硫酸化CSPGに特異的に接着することが見出された。このタイプのCSPGに特有なことは、二糖ユニットの2〜8%しかC4硫酸化されていないことである。CSAの具体的構造要件を同定しようとする付随の研究において、CSPGへの寄生虫の接着は、30〜50%のC4硫酸化を含んでいて残り50〜70%の二糖ユニットが非硫酸化型であるCSAによって阻害されることが見出された。CSAにとっての最小結合阻害要件は、最低2〜3個または4〜5個のC4硫酸化二糖ユニットを含有するる12糖(6個の二糖)であることが示された。

0007

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)は、高分子量黒色腫関連抗原(HMW−MAA)または黒色腫関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MSCP)とも呼ばれ、黒色腫細胞によって発現されることが示されている細胞表面プロテオグリカンである。

0008

CSPG4/MSCP/HMV−MAAは、タンパク質主鎖上にCS鎖を有することを特徴とする大きなプロテオグリカンである。これらのCS鎖の硫酸化は、主にGalNAcのC4で起こっていると思われるが(CSA)、硫酸化度はわかっていない。

発明が解決しようとする課題

0009

発明の目的
本発明の実施形態の目的は、コンドロイチン硫酸グリカンのターゲティングおよび/または検出に適したVAR2CSAの最小機能的結合フラグメントを提供することである。本発明の実施形態の別の目的は、コンドロイチン硫酸グリカン(例えばCSA)の発現(例えば不適切な発現)に関連する状態を処置するための方法であって、コンドロイチン硫酸グリカンの発現(例えば不適切な発現)を有する組織または細胞をターゲットとし、かつ/または検出するために、VAR2CSAポリペプチドまたはそのフラグメントが、単独で、またはコンジュゲートもしくは融合タンパク質の一部として使用される方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

発明の概要
本発明者らは、VAR2CSAが、一定のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンに高いアフィニティおよび特異性で結合するその能力を、ポリペプチド配列の最小構造要素に保持していることを見出した。より重要なことに、本発明者らは、VAR2CSAポリペプチドが、高い特異的アフィニティでがん細胞およびがん組織に結合することを見い出し、この結合は、がん細胞の表面または周囲の細胞外マトリックスに発現したコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとの特異的相互作用によるものであると、本発明者らは考えている。したがって本発明者らは、この特定タイプのコンドロイチン硫酸プロテオグリカンが大量に、または他の形で発現している、例えば不適切に発現している、がん細胞または他の組織のターゲティングに、この特異的な高アフィニティ結合を使用することを提案する。

0011

そこで、第1の態様において、本発明は、VAR2CSAの単離されたタンパク質フラグメントであって、
a)ID1、および
b)DBL2Xb、ならびに場合によっては
c)ID2a
の連続するアミノ酸配列(sequential amino acid sequence)からなるフラグメントに関する。

0012

いくつかの実施形態では、本発明のVAR2CSAの単離されたタンパク質フラグメントが、ID2aを含む。

0013

第2の態様において、本発明は、a)ID1、およびb)DBL2Xb、ならびに場合によってはc)ID2aの連続するアミノ酸配列からなるVAR2CSAのタンパク質フラグメントに特異的に結合する抗体に関する。いくつかの実施形態では、本発明の抗体が、完全長VAR2CSAポリペプチドには結合しない。

0014

第3の態様において、本発明は、a)ID1、およびb)DBL2Xb、ならびに場合によってはc)ID2aの連続するアミノ酸配列からなるVAR2CSAのタンパク質フラグメントをコードする核酸分子に関する。本発明はさらに、ストリンジェントな条件下でそのような核酸配列ハイブリダイズする能力を有する核酸プローブに関する。

0015

さらにもう一つの態様において、本発明は、本発明の単離された核酸分子を含むベクターに関する。

0016

さらにもう一つの態様において、本発明は、本発明の単離された核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞に関する。

0017

さらにもう一つの態様において、本発明は、本発明のタンパク質フラグメントを生産するための方法であって、ここに定義する細胞を適当な成長培地中、ポリヌクレオチドコンストラクトの発現を可能にする条件下で培養し、その結果生じたタンパク質フラグメントを培養培地から回収することを含む方法に関する。

0018

さらにもう一つの態様において、本発明は、VAR2CSAポリペプチドと、治療用または診断用エフェクター部分、例えば細胞毒性部分、蛍光ラベル、および/または放射性ラベルとを含む、コンジュゲートまたは融合タンパク質に関する。

0019

VAR2CSAポリペプチドを含むコンジュゲート、融合またはキメラタンパク質には、ここに定義する任意のVAR2CSAポリペプチドを使用することができると理解すべきである。したがってこの態様は最小結合フラグメントの使用に限定されない。このことは、VAR2CSAポリペプチドという用語が使用される場合はいつでも当てはまり、したがって、医学的処置、ターゲティングまたは診断に使用される場合には、等しく該当する。

0020

さらにもう一つの態様において、本発明は、ここに定義するタンパク質フラグメント、本発明の抗体、または本発明のコンジュゲートを含む組成物に関する。

0021

さらにもう一つの態様において、本発明は、医薬または診断剤として使用するための、ここに定義するタンパク質フラグメント、本発明の抗体、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートに関する。

0022

さらにもう一つの態様において、本発明は、診断において使用するための、ここに定義するタンパク質フラグメント、本発明の抗体、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートに関する。

0023

さらにもう一つの態様において、本発明は、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートを含む医薬組成物に関する。

0024

さらにもう一つの態様において、本発明は、生物学的試料中の、ここに定義するタンパク質フラグメント、または本発明のコンジュゲートを検出するための方法であって、a)生物学的試料を取得すること;b)該生物学的試料を本発明の抗体と接触させること;およびc)該抗体と該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体が、もし存在すれば、それを、該試料における該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートの存在の指標として検出することを含む方法に関する。

0025

したがって、生物学的試料中のVAR2CSAのタンパク質フラグメントのレベルを測定するための方法が提供される。これは、処置の一部として、または処置の進行をモニタリングするために、あるいは本発明のVAR2CSAポリペプチドを生産する生産方法の一部として、使用し、応用することができる。

0026

さらにもう一つの態様において、本発明は、医薬を調製するための、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートの使用に関する。

0027

さらにもう一つの態様において、本発明は、例えばがん、関節炎関節症多発性硬化症神経損傷後の治癒軟骨修復創傷治癒において、および乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)を伴う状態に関連する任意の適応症を処置するための、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートに関する。

0028

さらにもう一つの態様において、本発明は、例えばがん、関節炎、関節症、多発性硬化症、神経損傷が引き起こす病理学的状態リウマチ、軟骨修復もしくは創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態において、または乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する任意の適応症を処置するための方法であって、治療有効量または予防有効量の、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートを、そのような処置を必要とする対象に投与することを含む方法に関する。

0029

さらにもう一つの態様において、本発明は、例えばがん、多発性硬化症、関節炎、関節症、神経損傷が引き起こす病理学的状態、リウマチ、軟骨修復もしくは創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態において、または乾癬において、CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する適応症または状態の発生を防止するための方法であって、治療有効量または予防有効量の、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートを、そのような防止を必要とする対象に投与することを含む方法に関する。

0030

さらにもう一つの態様において、本発明は、CSAの発現(例えば不適切な発現)に関連する適応症または状態、例えば悪性疾患、関節炎、関節症、神経損傷が引き起こす病理学的状態、リウマチまたは創傷治癒などにおける軟骨および瘢痕組織の状態、またはがん疾患、例えば脳腫瘍肝腫瘍および生殖器官腫瘍の診断および/または予後のための、バイオマーカーとしての、例えば血液、血漿、尿、唾液糞便脳脊髄液リンパ液胃液胸水、軟骨液(cartilage fluid)、精子などの体液、および/または組織におけるCSAの発現(例えば不適切な発現)を検出するためのツールとしての、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートの使用に関する。

0031

ここで使用するバイオマーカーという用語は、CSAの発現(例えばCSAの不適切な発現)に関連する適応症または状態の診断および/または予後の手段としてCSA発現を検出するために生物に導入された場合の、本発明のVAR2CSAポリペプチド、コンジュゲートおよび融合タンパク質の使用を指すものであると理解すべきである。

0032

さらにもう一つの態様において、本発明は、対象の免疫化のための、例えばワクチンにおける、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートの使用に関する。

0033

さらにもう一つの態様において、本発明は、CD44および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞を単離するための、ターゲティング部分としての、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートの使用に関する。

0034

[表1]VAR2CSAポリペプチドによってターゲティングされる可能性がある分子

0035

さらにもう一つの態様において、本発明は、生物学的試料中の、CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞、例えばがん幹細胞を単離するための方法であって、
a)CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞を含む生物学的試料を取得すること;
b)該生物学的試料を、場合によっては固形支持体カップリングされた、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートと接触させること;および
c)該CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを発現する細胞と該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体を精製または単離すること
を含む方法に関する。

0036

さらにもう一つの態様において、本発明は、悪性腫瘍または不適切なCSA発現に関連する他の状態に呼応する、体液、例えば血液、血漿、尿、脊髄液胸膜滲出液、関節液骨髄、胃液、糞便、精液、精子、前立腺液、唾液、眼液(eye fluid)、吸引液(lung aspirate)、およびリンパ液中の、上昇したCSAレベルを検出するための診断方法であって、該体液を、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートと接触させるステップ、および該体液中のCSAによって形成された複合体を検出するステップを含む方法に関する。

0037

さらにもう一つの態様において、本発明は、生物学的試料中のCD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを精製するための方法であって、
a)CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンを含む生物学的試料を取得すること;
b)該生物学的試料を、場合によっては固形支持体にカップリングされた、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲートと接触させること;および
c)該CD44、および/またはCSPG4、および/または他の任意のプロテオグリカン、例えば表1に列挙するプロテオグリカンと該タンパク質フラグメントまたはコンジュゲートとの複合体を精製または単離すること
を含む方法に関する。

0038

さらにもう一つの態様において、本発明は、他の任意の適切な抗癌剤と組み合わされた、ここに定義するタンパク質フラグメント、VAR2CSAポリペプチド、または本発明のコンジュゲート、または本発明の医薬組成物に関する。

0039

発明の詳細な開示
本発明は、マラリアタンパク質、いわゆるVAR2CSAの一部分が、がん特異的抗原および細胞外CSPGに、極めて高い特異性および極めて高い結合強度で結合することができるという事実に基づく。

0040

VAR2CSAは、もっぱら妊婦の胎盤においてプロテオグリカン(CSPG)に取り付けられた低硫酸化コンドロイチン硫酸A(CSA)への、寄生虫の接着を媒介する。組換えタンパク質は、かつてない高いアフィニティおよび特異性で、CSAに結合することが示されている。これは、荷電した硫酸基に依存するだけでなくCS主鎖にも依存するCSAとの相互作用によるものであるだろう。本発明者らは、胎盤中に存在するCSが、がん幹細胞を含むさまざまながん細胞上に提示されるCSと極めて似ていることを想起する。これは、VAR2CSAを発現するマラリア寄生虫がC32黒色腫細胞上のCSAおよびヒト脳がん細胞に特異的に接着するという事実によって実証される。

0041

したがって本発明は、VAR2CSA組換えタンパク質と低硫酸化CSAとの間の高いアフィニティおよび特異性に依拠している。このタンパク質にタグ付けすることにより、本発明を、インビボでの転移の追跡や、転移性疾患を診断することを含む、広範囲にわたる応用例に使用することができる。VAR2CSAをアポトーシス試薬または細胞毒性試薬にカップリングすることにより、がん細胞およびがん幹細胞を特異的にターゲティングし、それらを排除するために、本発明を使用することができる。VAR2CSA組換えタンパク質を使った簡単な治療により、CSAの活性中和し、それによってCSA発現がん細胞の腫瘍発生および/または転移を阻害することが可能であるだろう。CSAは、いくつかのタンパク質主鎖上に、例えばCSPG4、CD44、バイグリカンデコリンバーシカンアグリカン(軟骨中の主要CSPG)、パーレカンシンデカン、および表1に列挙する他のタンパク質上に、存在することができる。

0042

本発明は、とりわけ、黒色腫細胞の表面にCSA鎖を伴うCSPG4を持つ皮膚、眼内および結膜黒色腫を含む悪性黒色腫がんに関連すると考えられる。このGAG鎖有糸分裂および転移に関与すると思われる。しかしCSPG4は黒色腫に特有ではない。ヒト組織および細胞株の大きなパネルからのデータに対して本発明者らが行ったマイクロアレイおよび組織アレイ解析により、CSPG4および他のタイプのCSA含有プロテオグリカンは、3つの細胞胚葉(cellular germ layer)の全てに由来する広範ながんタイプ上に存在しうることが示唆される。これらのがんタイプには、癌(乳癌膵癌卵巣癌子宮内膜癌肝細胞癌肺癌大腸癌前立腺癌子宮頸癌精巣癌、基底細胞皮膚癌明細胞腎細胞癌角化型(kreatinzed)頭頸部扁平上皮癌、皮膚扁平上皮癌、外陰角化型扁平上皮癌および外陰基底細胞癌)、肉腫胸部脂肪肉腫線維肉腫脱分化型軟骨および脂肪肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、粘液性脂肪肉腫、子宮体部平滑筋肉腫、骨肉腫ユーイング肉腫および横紋筋肉腫)、造血器がん慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性、T細胞性および大顆粒リンパ腫)、神経上皮組織の腫瘍、例えば星状細胞腫多形性黄色星状膠細胞腫原線維性星細胞腫退形成性星細胞腫、多形性神経膠芽腫)、乏突起神経膠腫(oligodrendroglioma)、脳室上衣腫脈絡叢腫瘍(choroid plexus turmor)、乏突起星細胞腫、神経膠肉腫神経節膠腫網膜芽細胞腫神経細胞腫神経芽細胞腫感覚神経芽腫および神経節芽細胞腫)、髄芽腫非定型奇形腫様/ラブイド腫瘍およびあらゆるタイプの神経内分泌がんが含まれる。

0043

コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)は、眼を含む中枢神経系(CNS)の細胞外マトリックスおよび関節軟骨の細胞外マトリックスの重要な構成要素も構成する。細胞外CSPGは関節炎の病理発生と神経損傷後の再生欠如に決定的に関与する。細胞外CSPGの喪失は関節炎および関節症の発生にとって不可欠であり、細胞外CSPGの局所濃度が高ければ、神経損傷後の神経伸長が妨げられる。

0044

VAR2CSA組換えタンパク質を使用することができるのは、がんで起こるような悪性成長に関連する適応症の処置だけではない。細胞外環境におけるCSPG存在量を増加または減少させるための治療は、関節炎、関節症を処置するために使用することができ、多発性硬化症を含む神経突起損傷後の神経回復強化するためにも使用することができる。これらの戦略のために、本発明者らは、VAR2CSAを、直接インヒビターとして使用するか、または患部組織にCSPG代謝を変化させる薬物をターゲティングし、維持する分子として、使用することができると考えている。

0045

本発明者らは、胎盤の絨毛間腔中のCSAに10nM未満のアフィニティで結合するマラリアタンパク質を同定した。完全長ネイティブVAR2CSAタンパク質の特性と類似する特性でCSAに結合する、より小さなVAR2CSAの組換え部分が、高い収率で生産された。組換えVAR2CSAタンパク質は、他のCS、例えばコンドロイチン硫酸C(C6S)または高硫酸化GAG、例えばヘパラン硫酸(HS)に結合しない。S2細胞、T.Ni細胞、CHO細胞、およびBL21およびShuffle細胞(商標)(Lifetechnologies)を含む大腸菌株などといったさまざまな発現系において、CSAに高いアフィニティで結合するように、組換えタンパク質を作製することができる。

0046

本発明者らは、CSAに極めて高いアフィニティ(nM)および高い特異性で結合する単一の小さな(75kDa)抗原も同定した。表3(実施例2参照)に、バイオセンサー技術を使って解析したVAR2CSAタンパク質の全てのCSAアフィニティを列挙する。

0047

本発明者らは、このVAR2CSA組換えタンパク質が、皮膚黒色腫(C32、MeWo)、肺癌(A549)、乳癌(HCC1395)、骨肉腫(osterosarcoma)(U2OS、MNNG/HOS)、横紋筋肉腫(RH30)および皮膚T細胞性リンパ腫(表4および表5)を含む広範ながん細胞株に、低い濃度で強く結合することを示した。対照分子として、分子のC末端部分の151アミノ酸が切断されていることを除けば最小結合性VAR2CSAコンストラクトと同一であるもう一つのVAR2CSAタンパク質を使用した。この切断によってCSA結合性が取り除かれる。組換えVAR2CSAは、全てのCSPG4発現細胞株、およびCSA鎖を有する他のCSPG分子を発現するがん細胞株(例えばT細胞性リンパ腫)に結合する。組換えVAR2CSAタンパク質は、ヒト赤血球および末梢血単核球(PBMC)とは相互作用できない(表4)。

0048

本発明者らは、マラリア寄生虫が、おそらくはCSPG4とVAR2CSAとの間の特異的相互作用によって、C32黒色腫細胞に接着することを、ここに示す。したがって、組換えVAR2CSAおよびそのコンジュゲートは、さまざまながん細胞上のCSAをターゲットとする治療化合物として使用することができると考えられる。

0049

他の現行治療法との比較で、VAR2CSAを使ってがん細胞上のCSAをターゲットとすることの利点は、数多い:
1)VAR2CSAとCSAとの間の相互作用は、かつてない高いアフィニティを有し、高度に特異的である。
2)VAR2CSAは進化的洗練されたマラリアタンパク質であり、それゆえに、治療が寛容性を破って患者自己免疫反応を引き起こす可能性は低い。
3)VAR2CSAはよく特徴づけられた安定なタンパク質であり、大規模タンパク質生産適合する生物において大量に発現させることができる。
4)VAR2CSAはいくつかの血清型(serovariant)を持つ多形タンパク質である。反復治療は、中和抗体による問題を避けるために異なる血清型によって施行することができるだろう。
5)VAR2CSAはもともと熱帯熱マラリア原虫感染赤血球上で細胞外に露出しているので、ヒト血清中では本質的に安定なタンパク質であり、プロテアーゼ耐性は高いことが示されている。

0050

本発明は、VAR2CSAとCSAとの間の相互作用に焦点を当てている。この相互作用は高アフィニティ相互作用であり、主な用途はCSA発現がん細胞のターゲティングである。

0051

CSAは、他の疾患および病理学的状態、例えば関節炎、関節症、多発性硬化症および神経損傷後の治癒、軟骨修復、創傷治癒などにも、また乾癬にも関与しうる。したがってVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、そのような疾患または状態のいずれの処置にも使用することができる。

0052

加えて、VAR2CSAとCSAとの間の相互作用は、生物工学的ツールとして、例えばタンパク質精製および細胞選別アッセイなどに使用することができる。

0053

したがって本発明者らは、本発明の用途をいくつか考えている:
1)トレース可能な組換えVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、がん患者における腫瘍および転移を追跡するために使用することができる。
2)組換えVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、がん細胞におけるCSA活性を直接ターゲティングし中和するために使用することができる。
3)組換えVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲート、例えば細胞毒性分子にカップリングされたVAR2CSAポリペプチドは、CSA陰性組織への有害な毒性を最小限に抑えつつ、がん細胞をターゲットとするために使用することができる。
4)タグ付き組換えVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、がん細胞上のCSAを調べる研究ツールまたは臨床開発ツールとして使用することができる。
5)タグ付き組換えVAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、生物工学および生命科学においてCSA陽性細胞選別するためのアッセイに使用することができる。これは、それをがん幹細胞などのCSPG4発現細胞を精製するために使用することができるように、そして効率のよい新規な生物工学ツールが得られるように、組換えVAR2CSAを樹脂にカップリングすることによって行うことができるだろう。
6)VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、自家移植の一部として、がん細胞などのCSPG4発現細胞のインビトロ枯渇に使用することができる。
7)VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは抗CSPG4ワクチンに使用することができるだろう。動物をCSPG4−VAR2CSA複合体またはコンジュゲートで免疫化することにより、VAR2CSAは、CSPG4に対する寛容を破ることを目的とするCSPG4に対する免疫応答のための担体およびエンハンサーとして作用するかもしれない。
8)VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、悪性腫瘍に呼応する、体液(すなわち、尿、脊髄液、胸膜滲出液、関節、骨髄、およびリンパ液)中の増加したCSAレベルのモニタリングに使用することができるだろう。これは、VAR2CSAポリペプチドが低硫酸化CSAに対する特異性を有し、増加した非硫酸化CS(C0S)の比率関数として腫瘍の進行を検出することができるだろうという事実に基づいている。
9)VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、関節炎および関節症の処置において使用することができるだろう。VAR2CSAポリペプチドは、関節炎および関節症において、プロテアーゼが媒介するアグリカンの分解をブロックするか、それをブロックする薬物をターゲティングすることができるだろう。VAR2CSAポリペプチドは、患部組織に抗炎症薬をターゲティングするため、ならびにADAMTS4およびADAMTS5インヒビターなどのインヒビターを送達するためにも、使用することができる。VAR2CSAポリペプチドは、軟骨細胞によるアグリカンの生産を刺激する薬物をターゲティングするために使用することができるだろう。VAR2CSAポリペプチドにカップリングされたアグリカンの反復i.v.注射は、アグリカンに対する寛容を誘導するために使用することができるだろう。
10)VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートは、神経組織中の細胞外CSPGに結合することにより、例えばチロシンホスファターゼシグマ受容体を介したシグナリングをブロックすることによって、神経突起伸長に対するCSPGの効果を不活化することができるだろう。VAR2CSAペプチドは、患部神経組織においてCSPGを分解するかCSPG生産を阻害する薬物をターゲティングすることができるだろう。例えば、次に挙げる薬物をVAR2CSAにカップリングすることが考えられるだろう:CSPG分子のタンパク質コア糖鎖を切断するコンドロイチナーゼABC、またはCSPG生産を低減するキシロシド(xylocides)、またはCSPG生産にとって重要な酵素、例えばコンドロイチンシンターゼもしくはコンドロイチン重合化因子を阻害する薬物。そのような薬物の例として、4−フルオログルコサミン、p−ニトロフェニル−β−D−キシロキシド(p−nitrophenyl−beta−D−xyloxide)、4−メチル−ウンベリフリル−β−D−キシロピラノシドが挙げられる。
11)ADAMTS4の生産を刺激し、次にそれがCSPGを切断することになる、IL1−αなどのサイトカインをターゲティングし、維持するためにも、VAR2CSAポリペプチドまたはコンジュゲートを使用することができるだろう。
12)がん細胞上のCSPG4発現は薬物耐性に影響を及ぼしうる。多くの患者における腫瘍は、通常、最初は治療に応答するが、時間が経つと、化学療法抵抗性が発生し、がんが進行する。CSPG4発現は多剤耐性に関連し、これは、CSPG4発現と、PI3K経路インテグリン誘発性活性化との関連によって媒介される。がん細胞上のCSPG4をターゲットとする組換えVAR2CSAポリペプチドは、化学療法抵抗性を低減しまたは妨害することができるので、例えばBRAFV600EインヒビターであるPLX4032との併用療法に使用することができるだろう。

0054

定義
本明細書において使用する用語「VAR2CSAポリペプチド」は、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)と相互作用する熱帯熱マラリア原虫が発現し、配列番号55もしくは配列番号56の配列を有することを特徴とする、特殊な赤血球膜タンパク質1(PfEMP1)タンパク質の細胞外部分、またはプロテオグリカン(CSPG)上に提示されうるコンドロイチン硫酸A(CSA)に結合する能力を持つそのフラグメントもしくは変異体を指す。

0055

いくつかの実施形態では、本発明のVAR2CSAポリペプチドが、少なくとも、a)ID1とb)DBL2Xbの連続するアミノ酸配列からなるVAR2CSAのタンパク質フラグメントを含む。

0056

いくつかの実施形態では、本発明のVAR2CSAポリペプチドが、少なくとも、a)ID1とb)DBL2Xbとc)ID2aの連続するアミノ酸配列からなるVAR2CSAのタンパク質フラグメントを含む。

0057

VAR2CSAポリペプチドの定義には、Salanti A. et al Mol. Micro 2003 Jul;49(1):179−91、Khunrae P. et al, J Mol Biol. 2010 Apr 2;397(3):826−34、Srivastava A. et al, Proc Natl Acad Sci USA. 2010 Mar 16;107(11):4884−9、Dahlbaeck M. et al, J Biol Chem. 2011 May 6;286(18):15908−17、またはSrivastava A. et al,PLoS One. 2011;6(5):e20270に記載のポリペプチドが包含される。

0058

本明細書において使用する用語「ID1」は、配列番号1の1〜152によって同定されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を持つアミノ酸配列を有することを特徴とするVAR2CSAのドメインを指す。

0059

本明細書において使用する用語「DBL2Xb」は、配列番号1の153〜577によって同定されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を持つアミノ酸配列を有することを特徴とするVAR2CSAのドメインを指す。

0060

本明細書において使用する用語「ID2a」は、配列番号1のアミノ酸578〜640のN末端から少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくとも61、または少なくとも62個、例えば63個の連続アミノ酸(consecutive amino acids)のアミノ酸配列を有することを特徴とし、そのような連続アミノ酸の配列に対して少なくとも70%の配列同一性を持つ、VAR2CSAのドメインを指す。

0061

いくつかの実施形態において、配列番号1〜75によって同定されるいずれか一つの配列またはそのフラグメントの少なくとも70%と本明細書にいうアミノ酸配列同一性は、この配列に対して少なくとも71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、8、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の配列同一性を持つ配列を指す。

0062

本明細書において使用する用語「変異体」(variantまたはvariants)は、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列を有するVAR2CSAポリペプチド、または配列番号1〜54のアミノ酸配列を含むVAR2CSAポリペプチドのフラグメントであって、そのフラグメントまたは変異体は、プロテオグリカン(CSPG)上のコンドロイチン硫酸A(CSA)に結合する能力を保持しており、1つ以上のアミノ酸が別のアミノ酸で置換され、かつ/または1つ以上のアミノ酸が除去され、かつ/または1つ以上のアミノ酸がポリペプチド中に挿入され、かつ/または1つ以上のアミノ酸がポリペプチドに付加されているものを指す。 そのような付加は、N末端にも、C末端にも、その両方にも行うことができる。この定義に包含される「変異体」(variantまたはvariants)は、コンドロイチン硫酸A(CSA)に結合することができるという点で、依然として機能的活性を有している。いくつかの実施形態では、変異体が、配列番号1〜75の配列、例えば配列番号1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53〜56、60〜70、72〜75の配列と、少なくとも70%、例えば少なくとも71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、8、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の配列同一性を有する。

0063

本明細書において使用する「機能的変異体」、「機能的フラグメント」および「機能的誘導体」という表現は、配列番号55または配列番号56の変異体、フラグメント、切断型、ならびに誘導体、例えば配列番号1、3〜5、10、11、29、34、36〜38、41、43〜45、48、53〜56、60〜70、72〜75ののいずれか一つを指し、そのポリペプチドは、配列番号55または配列番号56の本質的結合配列部分を含み、少なくとも、コンドロイチン硫酸A(CSA)に結合する能力を保有している。VAR2CSAの機能的変異体または機能的フラグメントは、変異体および/またはフラグメントおよび/または誘導体であることから選択される2つまたは3つの特徴を有しうると理解すべきである。

0064

VAR2CSAポリペプチドの機能的変異体または機能的フラグメントには、本明細書に記載するアッセイで試験した場合に、同じ細胞タイプにおいて生産された野生型VAR2CSAポリペプチドの結合アフィニティの少なくとも約25%、例えば少なくとも約50%、例えば少なくとも約75%、例えば少なくとも約90%を呈するものが包含される。

0065

本明細書において使用する用語「免疫性フラグメント」(immunologic fragment)は、あるアミノ酸配列のフラグメントであって、抗体に認識されるべく、本質的に同じ機能的活性と、同じ空間的配向とを保有しているものを指す。したがって特異的抗体は、ポリペプチドとその免疫性フラグメントとの両方に結合するであろう。

0066

本明細書において使用する用語「別のアミノ酸」とは、その位置にもともと存在するアミノ酸とは異なるアミノ酸を意味する。これには、ポリヌクレオチドによってコードされうるアミノ酸が含まれるが、それに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、その異なるアミノ酸が天然L型であり、ポリヌクレオチドによってコードされうる。

0067

本明細書において使用する用語「誘導体」とは、配列番号55または配列番号56によって同定される野生型VAR2CSAまたはそのフラグメントと比較して、実質的に同じかまたは改良された生物学的活性を呈するVAR2CSAポリペプチドであって、例えばアルキル化、PEG化、アシル化エステル形成またはアミド形成などによって親ペプチドのアミノ酸の1つ以上が化学修飾されているものを示すものとする。

0068

用語「コンストラクト」は、ポリヌクレオチドセグメントを示すものとし、このポリヌクレオチドセグメントは、目的のポリペプチドをコードする完全なまたは部分的な天然のヌクレオチド配列に基づきうる。コンストラクトは、場合によっては、他のポリヌクレオチドセグメントを含有してもよい。同様に、「ポリヌクレオチドコンストラクトによってコードされうるアミノ酸」という用語は、上に定義したポリヌクレオチドコンストラクトによってコードされうるアミノ酸、すなわちAla、Val、Leu、Ile、Met、Phe、Trp、Pro、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glu、Lys、Arg、His、AspおよびGlnなどのアミノ酸を包含する。

0069

本明細書において使用する用語「ベクター」は、宿主細胞中で増幅する能力を有する任意の核酸実体を意味する。したがってベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち染色体外実体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しないベクター、例えばプラスミドであることができる。あるいはベクターは、宿主細胞中に導入された時に、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、それが組み込まれている染色体と一緒に複製するものであってもよい。ベクターの選択は、多くの場合、それを導入しようとする宿主細胞に依存するであろう。ベクターには、プラスミドベクターファージベクターウイルスまたはコスミドベクターなどがあるが、これらに限るわけではない。ベクターは通常、複製起点と、少なくとも1つの選択可能遺伝子、すなわち容易に検出することができる産物または細胞の成長にとってその存在が不可欠である産物をコードする遺伝子とを含有する。

0070

本明細書において使用する用語「適当な成長培地」は、細胞の成長と本発明のVAR2CSAポリペプチドをコードする核酸配列の発現とに必要な栄養素および他の構成要素を含有する培地を意味する。

0071

本発明に関して「処置」という用語は、例えばがんにおける、CSAの発現(例えば不適切な発現)が関与する疾患、障害または状態の症状の防止、治癒および軽減を包含するものとする。したがって、本発明のVAR2CSAポリペプチド、コンジュゲートまたは誘導体の予防的投与および治療的投与は、「処置」という用語に包含される。

0072

本明細書において使用する用語「対象」は、任意の動物、特に哺乳動物、例えばヒトを意味し、適宜、用語「患者」と可換的に使用することができる。

0073

用語「配列同一性」は、当技術分野において知られているとおり、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列の間の関係を指す。当技術分野において「同一性」とは、場合により、2つ以上のヌクレオチド残基または2つ以上のアミノ酸残基ストリング間の一致数によって決定される、核酸分子間またはポリペプチド間の配列関連性の度合いも意味する。「同一性」では、2つ以上の配列の小さい方と、特定の数学的モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち「アルゴリズム」)によって処理されたギャップアライメントとの完全一致パーセントを(もしあれば)測定する。

0074

用語「類似性」は、関連する概念であるが、「同一性」とは対照的に、完全一致と保存的置換一致との両方を包含する配列の関係を指す。2つのポリペプチド配列が、例えば分数10/20の同一アミノ酸を有し、残りは全て非保存的置換であったとすると、パーセント同一性とパーセント類似性は、どちらも50%であるだろう。同じ例で、さらに5つの位置に保存的置換があったとすると、パーセント同一性は50%のままだが、パーセント類似性は、75%(分数15/20)になるだろう。それゆえに、保存的置換がある場合、2つのポリペプチド間の類似性の度合いは、それら2つのポリペプチド間のパーセント同一性より高くなる。

0075

配列番号1〜56、60〜70、および72〜75のアミノ酸配列に対する保存的修飾(およびそれをコードするヌクレオチドに対する対応する修飾)は、天然VAR2CSAポリペプチドのものと類似する機能的特徴および化学的特徴を有するVAR2CSAポリペプチドをもたらすであろう。これに対して、VAR2CSAポリペプチドの機能的および/または化学的特徴の実質的な修飾は、(a)置換領域における分子主鎖の構造、例えばシートコンフォメーションまたはらせんコンフォメーション、(b)ターゲット部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の嵩高さ、を維持することに関するその効果が著しく異なる、配列番号1〜56、60〜70、および72〜75のアミノ酸配列中の置換を選択することによって、達成することができる。

0076

例えば「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基の極性または電荷にほとんどまたは全く影響がないような、非ネイティブ残基によるネイティブアミノ酸残基の置換を伴いうる。さらにまた、「アラニンスキャニング変異導入」について過去に記載されているように、ポリペプチド中の任意のネイティブ残基をアラニンで置換することもできる(例えばアラニンスキャニング変異導入について考察しているMacLennan et al., 1998, Acta Physiol. Scand. Suppl. 643:55−67;Sasaki et al., 1998, Adv. Biophys. 35:1−24を参照されたい)。

0077

望ましいアミノ酸置換は(保存的置換であれ非保存的置換であれ)、そのような置換が望まれる時に、当業者が決定することができる。例えばアミノ酸置換は、VAR2CSAポリペプチドの重要残基を同定するために、または本明細書に記載するVAR2CSAポリペプチドのアフィニティを増加もしくは減少させるために使用することができる。

0078

天然残基は、共通する側鎖の性質に基づいて、複数のクラスに分類することができる:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:His、Lys、Arg;
5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。

0079

例えば非保存的置換は、これらのクラスの一つのメンバーと別のクラスからのメンバーとの交換を伴いうる。そのような置換残基は、非熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドと相同な熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドの領域に、またはその分子の非相同領域に、導入することができる。

0080

そのような改変を加える際には、アミノ酸のハイドロパシー指数(hydropathic index)を考慮することができる。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特徴に基づいてハイドロパシー指数が割り当てられており、それらは次のとおりである:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システインシスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。

0081

相互作用する生物学的機能をタンパク質に付与する際のハイドロパシーアミノ酸指数重要性は、当技術分野では理解されている。Kyte et al., J. Mol. Biol., 157:105−131 (1982)。一定のアミノ酸で、類似するハイドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸を置換することができ、それでもなお、類似の生物学的活性が保たれることは知られている。ハイドロパシー指数に基づいて改変を加える際には、ハイドロパシー指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものは特に好ましく、±0.5以内のものはさらに好ましい。

0082

創製される生物学的機能の等価なタンパク質またはペプチドが、この例と同様に、免疫学的実施形態での使用を意図するものである場合は特に、類似するアミノ酸の置換を親水性に基づいて効果的に行いうることも、当技術分野では知られている。隣接アミノ酸の親水性に支配されるタンパク質の最大局所平均親水性は、その免疫原性および抗原性と(すなわちタンパク質の生物学的性質と)相関する。

0083

アミノ酸残基には以下の親水性値が割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(’3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);トリプトファン(−3.4)。類似する親水性値に基づいて改変を加える際は、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものは特に好ましく、±0.5のものはさらに好ましい。親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを同定することもできる。これらの領域は「エピトープコア領域」とも呼ばれる。

0084

当業者は、周知の技法を使って、配列番号1〜75に示すポリペプチドの適切な変異体を決定することができるであろう。活性を破壊せずに変化させることができる分子の適切な領域を同定するために、当業者は、活性にとって重要でないと考えられる領域をターゲットにすることができる。例えば、同じ種または異なる種に由来する類似の活性を持つ類似のポリペプチドが知られている場合、当業者は、VAR2CSAポリペプチドのアミノ酸配列をそのような類似のポリペプチドと比較することができる。そのような比較により、分子の残基および部分であって、類似するポリペプチド間で保存されているものを同定することができる。VAR2CSAポリペプチドのうち、そのような類似ポリペプチドとの比較で保存されていない領域の変化が、VAR2CSAポリペプチドの生物学的活性および/または構造に悪影響を及ぼす可能性が少ないことは、理解されるであろう。たとえ比較的保存された領域であっても、活性を保ったまま化学的に類似するアミノ酸で天然の残基を置換しうることは、当業者にはわかるだろう(保存的アミノ酸残基置換)。それゆえに、生物学的活性または構造にとって重要でありうる領域でも、生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチド構造有害な影響を及ぼすことなく、保存的アミノ酸置換に付すことができる。

0085

加えて、活性または構造にとって重要な類似ポリペプチド中の残基を同定する構造−機能研究を精査することもできる。そのような比較を考慮して、類似ポリペプチドにおいて活性または構造にとって重要であるアミノ酸残基に対応するVAR2CSAポリペプチド中のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドの、重要と予測されるそれらアミノ酸残基に対して、化学的に類似するアミノ酸置換を選択することができる。

0086

当業者は、類似ポリペプチドの構造との関連において、三次元構造およびアミノ酸配列を分析することもできる。その情報を考慮して、当業者は、VAR2CSAポリペプチドのアミノ酸残基のアライメントを、その三次元構造に関して予測することができる。当業者は、タンパク質の表面上にあると予測されるアミノ酸残基に根本的な改変を加えるような選択はできない、というのも、そのような残基は他の分子との重要な相互作用に関与しうるからである。さらにまた、当業者は、所望するアミノ酸残基のそれぞれに単一のアミノ酸置換を含有する試験変異体を生成させることができる。次に、それらの変異体を、本明細書に記載する活性アッセイを使ってスクリーニングすることができる。そのような変異体は、適切な変異体に関する情報を集めるために使用することができるだろう。例えば、特定アミノ酸残基への改変が、活性の破壊、活性の望ましくない低減、不適切な活性をもたらすことが見出されたとすると、そのような改変を持つ変異体は避けられることになるだろう。言い換えると、そのようなルーチン実験から集められた情報に基づいて、単独での、または他の変異との組み合わせでの、さらなる置換を避けるべきアミノ酸を、当業者は容易に決定することができる。

0087

二次構造の予測を扱っている科学的刊行物がいくつかある。Moult J., Curr. Op. in Biotech., 7(4):422−427 (1996), Chou et al., Biochemistry, 13(2):222−245 (1974);Chou et al., Biochemistry, 113(2):211−222 (1974);Chou et al., Adv. Enzymol. Relat. Areas Mol. Biol, 47:45−148 (1978);Chou et al., Ann. Rev. Biochem., 47:251−276およびChou et al., Biophys. J., 26:367−384 (1979)を参照されたい。さらにまた、現在では、二次構造の予測を支援するコンピュータプログラムを利用することができる。二次構造を予測する方法の一つはホモロジーモデリングに基づく。例えば、30%より高い配列同一性または40%より高い類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、類似する構造トポロジーを有することが多い。タンパク質構造データベース(PDB)の最近の発展により、ポリペプチド構造またはタンパク質構造内の潜在的フォールド数を含む二次構造の予測可能性は強化されている。Holm et al., Nucl. Acid. Res., 27(1):244−247 (1999)を参照されたい。所与のポリペプチドまたはタンパク質中のフォールドの数は限られていること、および構造の臨界数(critical number of structures)が解明されていれば、構造予測確度は劇的に向上することが、示唆されている(Brenner et al., Curr. Op. Struct. Biol., 7(3):369−376 (1997))。

0088

二次構造を予測する他の方法には、「スレディング(threading)」(Jones, D., Curr. Opin. Struct. Biol., 7(3):377−87 (1997);Sippl et al., Structure, 4(1):15−9 (1996))、「プロファイル解析(profile analysis)」(Bowie et al., Science, 253:164−170 (1991);Gribskov et al., Meth. Enzymol., 183:146−159 (1990);Gribskov et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 84(13):4355−4358 (1987))、および「進化的リンケージ(evolutionary linkage)」(Home、前掲およびBrenner、前掲)などがある。

0089

関連ポリペプチドの同一性と類似性は、既知の方法により、容易に算出することができる。そのような方法には、「Computational Molecular Biology」Lesk, A.M.編、Oxford University Press, New York, 1988;「Biocomputing: Informatics and Genome Projects」Smith, D.W.編, Academic Press, New York, 1993;「Computer Analysis of Sequence Data, Part 1」Griffin, A.M.およびGriffin, H.G.編, Humana Press, New Jersey, 1994;「Sequence Analysis in Molecular Biology」von Heinje, G., Academic Press, 1987;「Sequence Analysis Primer」Gribskov, M.およびDevereux, J.編, M. Stockton Press, New York, 1991;ならびにCarillo et al., SIAM J. Applied Math., 48:1073 (1988)に記載されているものなどがあるが、これらに限るわけではない。

0090

同一性および/または類似性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間で最大の一致が得られるように設計される。同一性および類似性を決定するための方法は、一般に利用することができるコンピュータプログラムに記載されている。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好ましいコンピュータプログラム法には、GAP(Devereux et al., Nucl. Acid. Res., 12:387 (1984);ウィスコシン大学ェネティクスコンピュータグループ(Genetics Computer Group)、ウィスコンシン州マディソン)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(Altschul et al., J. Mol. Biol., 215:403−410 (1990))を含むGCプログラムパッケージがあるが、これに限るわけではない。BLASTXプログラムは国立バイオテクノロジー情報センターNCBI)および他の供給源から一般に入手することができる(BLAST Manual, Altschul et al. NCB/NLM/NIH、メリーランド州20894ベセスダ;Altschul et al.、前掲)。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定するために使用することができる。

0091

2つのアミノ酸配列を整列させるための一定のアライメントスキームには、2つの配列の短い領域の一致だけをもたらすものがあり、そして、たとえ2つの完全長配列間に有意な関係がなくても、整列されたこの小さな領域が極めて高い配列同一性を有する場合がある。したがって好ましい実施形態では、選択したアライメント法(GAPプログラム)が、ターゲットポリペプチドの少なくとも50個の連続アミノ酸をまたぐアライメントをもたらすであろう。

0092

例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(ウィスコンシン大学ジェネティクス・コンピュータ・グループ、ウィスコンシン州マディソン)を使って、パーセント配列同一性を決定しようとする2つのポリペプチドを、各々のアミノ酸の最適な一致が得られるように整列させる(アルゴリズムによって決定される「一致区間(matched span)」)。ギャップ開始ペナルティ(gap opening penalty)(これは平均ダイアゴナル(average diagonal)の3倍として算出される;「平均ダイアゴナル」は使用する比較行列のダイアゴナルの平均である;「ダイアゴナル」(diagonal)は、その比較行列によって各完全アミノ酸一致に割り当てられるスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティ(これは通常、ギャップ開始ペナルティの分数1/10倍である)ならびにPAM250またはBLOSUM62などの比較行列が、アルゴリズムと共に使用される。標準的な比較行列(PAM250比較行列についてはDayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, vol. 5, supp.3 (1978);BLOSUM62比較行列についてはHenikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915−10919 (1992)参照)も、アルゴリズムによって使用される。

0093

ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータには、次に挙げるものがある:
アルゴリズム:Needleman et al., J. Mol. Biol, 48:443−453 (1970);比較行列:Henikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:10915−10919 (1992)のBLOSUM62;ギャップペナルティ(Gap Penalty):12、ギャップ長ペナルティ(Gap Length Penalty):4、類似性の閾(Threshold of Similarity):0。

0094

GAPプログラムは上記のパラメータで有用である。上述のパラメータは(エンドギャップのペナルティなし(no penalty for end gaps)と共に)GAPアルゴリズムを用いるポリペプチド比較のためのデフォルトパラメータである。

0095

核酸分子配列比較のための好ましいパラメータには、次に挙げるものがある:
アルゴリズム: Needleman et al., J. Mol Biol., 48:443−453 (1970);比較行列:一致(match)=+10、不一致(mismatch)=0、ギャップペナルティ:50、ギャップ長ペナルティ:3。

0096

GAPプログラムは上記のパラメータで有用である。上述のパラメータは、核酸分子比較のためのデフォルトパラメータである。

0097

他の例示的アルゴリズム、ギャプ開始ペナルティ、ギャップ伸長ペナルティ、比較行列、類似性の閾なども、Wisconsin PackageのProgram Manualバージョン9(1997年9月)に示されているものを含めて、使用することができる。為すべき選択は当業者には明白であるだろうし、DNAとDNA、タンパク質とタンパク質、タンパク質とDNAなど、為すべき具体的比較や、比較が所与の配列ペア間で行われるのか(この場合はGAPまたはBestFitが一般に好ましい)、ある配列と大きな配列データベースとの間で行われるのか(この場合はFASTAまたはBLASTAが好ましい)に依存するであろう。

0098

本発明者らは、PMの胎盤接着の背景にある分子機序に関する以下の基本的疑問に取り組み、ここにその答えを見出した:1)記載されたCSA接着の差異はVAR2CSA配列に関係するか、2)CSAへのVAR2CSA結合に関する正確な最小構造要件は何か、3)VAR2CSAとCSAとの間にはどんなタイプの化学的相互作用が存在するか、そして最後に4)この情報を最適なワクチン抗原の設計に利用することができるか。

0099

同一のFCR3および3d7 VAR2CSA切断物を発現させることにより、本発明者らは、VAR2CSAが、寄生虫株起源とは無関係に、類似するアフィニティおよび特異性で、CSAに結合することを示した。これら2つの配列は79.6%の配列同一性を有する。本発明者らはさらに、高いCSA結合アフィニティがいくつかの短いフラグメントでも保持されること、および隣接するドメイン間配列(interdomain)からの小さな配列を含むDBL2Xは、高アフィニティCSA結合部位を含有するコンパクトコアを形成することを実証する。インシリコで、本発明者らはVAR2CSA中の推定GAG結合部位を特定し、欠失および置換により、本発明者らは、これらの部位における変異がCSPG結合に影響を及ぼさないことを示した。多価電解質タンパク質相互作用の理論を使って、本発明者らは、VAR2CSA−CSA相互作用がイオン相互作用だけに依存するのではないだろうということを示した。最後に本発明者らは、いくつかの短いVAR2CSAフラグメントが、接着阻止抗体の生産を誘導する能力を有すること、および抗接着抗体が、提案されるCSA結合領域をターゲットとすることを示した。これらのデータは、PfEMP1分子とそのリガンドとの間の相互作用の生化学的性質についての詳細な洞察を初めて提供するものである。

0100

本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドの調製
本発明は、本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを調製する方法にも関係する。本明細書に記載する本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドは、組換え核酸技法を使って生産することができる。一般的には、クローニングされた野生型VAR2CSA核酸配列を、所望のタンパク質をコードするように修飾する。次に、この修飾配列を発現ベクターに挿入し、次いでそれを、宿主細胞に形質転換またはトランスフェクトする。高等真核細胞、特に培養哺乳動物細胞を、宿主細胞として使用することができる。ラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)または大腸菌(E. coli)などの原核細胞も、それらの原核生物ジスルフィド結合を生じさせることができる限り、またはタンパク質が正しくリフォールディングされるか正しくリフォールディングされうる限り、ポリペプチドを発現させるために使用することができる。加えて、サッカロミセスセレビシア(Saccharomyces cerevisiae)およびP.ピキア(P. Pichia)などの酵母株も、タンパク質を発現させるために使用することができる。

0101

アミノ酸配列の改変は、さまざまな技法によって達成することができる。核酸配列の修飾は部位特異的変異導入法によって行うことができる。部位特異的変異導入の技法は当技術分野では周知であり、例えばZoller and Smith(DNA 3:479−488, 1984)または「オーバーラップ伸長によるスプライシング(Splicing by extension overlap)」Horton et al., Gene 77, 1989, pp.61−68に記載されている。したがって、VAR2CSAのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を使って、選択した改変を導入することができる。また、特異的プライマーを使用し、ポリメラーゼ連鎖反応を使ってDNAコンストラクトを調製するための手順も、当業者には周知である(「PCRProtocols」1990, Academic Press, San Diego, California, USA参照)。

0102

本発明のポリペプチドは非天然アミノ酸残基も含むことができる。非天然アミノ酸には、β−アラニン、デスアミノヒスチジン、trans−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、cis−4−ヒドロキシプロリン、trans−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシンアロスレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステインニトログルタミン、ホモグルタミンピペコリン酸チアゾリジンカルボン酸デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、および4−フルオロフェニルアラニンなどがあるが、これらに限るわけではない。当技術分野では、非天然アミノ酸をポリペプチドに組み込むための方法が、いくつか知られている。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使ってナンセンス変異が抑制されるインビトロ系を使用することができる。アミノ酸を合成するための方法およびtRNAをアミノアシル化するための方法は当技術分野では知られている。ナンセンス変異を含有するプラスミドの転写および翻訳は、大腸菌S30抽出液ならびに市販の酵素および他の試薬を含む無細胞系で行われる。ポリペプチドはクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991;Ellman et al., MethodsEnzymol. 202:301, 1991;Chung et al., Science 259:806−9, 1993;およびChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145−9, 1993を参照されたい。2つ目の方法では、変異させたmRNAと化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAとのマイクロインジェクションにより、ゼノパス(Xenopus)卵母細胞で翻訳が行われる(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991−8, 1996)。3つ目の方法では、置き換えようとする天然アミノ酸(例えばフェニルアラニン)の非存在下、かつ所望の非天然アミノ酸(例えば2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、または4−フルオロフェニルアラニン)の存在下で、大腸菌細胞を培養する。非天然アミノ酸は、その天然対応物の代わりに、ポリペプチドに組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33:7470−6, 1994を参照されたい。天然アミノ酸残基はインビトロ化学修飾によって非天然種に転化することができる。置換の範囲をさらに広げるために化学修飾を部位特異的変異導入法と併用することができる(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395−403, 1993)。

0103

本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードする核酸コンストラクトは、好ましくは、ゲノム起源またはcDNA起源であることができ、例えば標準的技法に従って、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを調製し、合成オリゴヌクレオチドプローブを使ったハイブリダイゼーションによって、ポリペプチドの全部または一部をコードするDNA配列についてスクリーニングすることなどにより、取得することができる(Sambrook et al.「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」第2版、Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989)。

0104

VAR2CSAポリペプチドをコードする核酸コンストラクトは、確立された標準的方法によって、例えばBeaucage and Caruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859−1869に記載のホスホアミダイト法により、またはMatthes et al.,EMBO Journal 3 (1984), 801−805に記載の方法により、合成的に調製することもできる。ホスホアミダイト法では、オリゴヌクレオチドが、例えば自動DNA合成装置で合成され、精製され、アニーリングされ、ライゲートされ、適切なベクターにクローニングされる。本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列は、例えばUS4,683,202、Saiki et al., Science 239 (1988), 487−491、またはSambrook et al.(前掲)に記載されているように、特異的プライマーを使って、ポリメラーゼ連鎖反応によって調製することもできる。

0105

さらにまた、核酸コンストラクトは、(適宜)合成起源、ゲノム起源またはcDNA起源のフラグメント(これらのフラグメントは核酸コンストラクト全体のさまざまな部分に対応する)を、標準的技法でライゲートすることによって調製される、合成およびゲノム複合起源、合成およびcDNA複合起源、またはゲノムおよびcDNA複合起源のものであってもよい。

0106

核酸コンストラクトは、好ましくは、DNAコンストラクトである。本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドの生産に使用するためのDNA配列は、典型的には、適正な翻訳後プロセシングおよび宿主細胞からの分泌が得られるように、VAR2CSAのアミノ末端にあるプレプロポリペプチドをコードするであろう。

0107

本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列は、通常、組換えベクターに挿入される。このベクターは、組換えDNA手法に便利に付すことができる任意のベクターであってよく、ベクターの選択は、多くの場合、それを導入しようとする宿主細胞に依存するであろう。したがってベクターは、自律的に複製するベクター、すなわち染色体外実体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しないベクター、例えばプラスミドであることができる。あるいはベクターは、宿主細胞中に導入された時に、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、それが組み込まれている染色体と一緒に複製するものであってもよい。

0108

ベクターは、好ましくは、本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列が、そのDNAの転写に必要な追加セグメントに作動的に連結されている発現ベクターである。一般に、発現ベクターはプラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、または両者の要素を含有しうる。「作動的に連結された」という用語は、それらのセグメントが、意図する目的のために協力して機能するように、例えば転写がプロモーターで始まり、ポリペプチドをコードするDNA配列に沿って進行するように、配置されていることを示す。

0109

本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを発現させる際に使用するための発現ベクターは、クローニングされた遺伝子またはcDNAの転写を指示する能力を有するプロモーターを含むであろう。プロモーターは選択した宿主細胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、宿主細胞にとって同種または異種のタンパク質をコードする遺伝子に由来しうる。

0110

哺乳動物細胞における熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドをコードするDNAの転写を指示するための適切なプロモーターの例は、SV40プロモーター(Subramani et al., Mol. Cell Biol. 1 (1981), 854−864)、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al., Science 222 (1983), 809−814)、CMVプロモーター(Boshart et al., Cell 41:521−530, 1985)またはアデノウイルス2主要後期プロモーター(Kaufman and Sharp, Mol. Cell. Biol, 2:1304−1319, 1982)である。

0111

昆虫細胞における使用に適したプロモーターの一例は、ポリドリンプロモーター(US4,745,051;Vasuvedan et al., FEBSLett. 311, (1992)7−11)、P10プロモーター(J.M. Vlak et al., J. Gen. Virology 69, 1988, pp.765−776)、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多核体病ウイルス塩基性タンパク質プロモーター(EP397 485)、バキュロウイルス前初期遺伝子1プロモーター(US5,155,037;US5,162,222)、またはバキュロウイルス39K遅延初期遺伝子プロモーター(US5,155,037;US5,162,222)である。

0112

酵母宿主細胞における使用に適したプロモーターの例には、酵母解糖系遺伝子(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255 (1980), 12073−12080;Alber and Kawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1 (1982), 419−434)またはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al.「Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals」(Hollaender et al編)Plenum Press, New York, 1982)に由来するプロモーター、またはTPI1(US4,599,311)もしくはADH2−4c(Russell et al., Nature 304 (1983), 652−654)プロモーターがある。

0113

糸状菌宿主細胞における使用に適したプロモーターの例は、例えばADH3プロモーター(McKnight et al., TheEMBO J. 4 (1985), 2093−2099)またはtpiAプロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、A.オリゼ(A. oryzae)TAKAアミラーゼリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガー(A.niger)中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸安定性α−アミラーゼ、A.ニガーまたはA.アワモリ(A.awamori)グルコアミラーゼ(gluA)、リゾムコール・ミーヘイリパーゼ、A.オリゼ・アルカリ性プロテアーゼ、A.オリゼ・トリオースリン酸イソメラーゼまたはA.ニデュランス(A. nidulans)アセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。好ましいのは、TAKA−アミラーゼおよびgluAプロモーターである。適切なプロモーターは、例えばEP238 023およびEP383 779において言及されている。

0114

本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列は、必要であれば、ヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al., Science 222, 1983, pp.809−814)またはTPI1(Alber and Kawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1, 1982, pp.419−434)もしくはADH3(McKnight et al., TheEMBO J. 4, 1985, pp.2093−2099)ターミネーターなどの適切なターミネーターに作動的につなぐこともできる。発現ベクターは、プロモーターの下流かつVAR2CSA配列自体挿入部位上流に位置する一組のRNAスプライス部位も含有しうる。好ましいRNAスプライス部位は、アデノウイルスおよび/または免疫グロブリン遺伝子から得ることができる。挿入部位の下流に位置するポリアデニル化部位も発現ベクターに含まれる。特に好ましいポリアデニル化シグナルには、SV40からの初期または後期ポリアデニル化シグナル(Kaufman and Sharp、同上書)、アデノウイルス5Elb領域からのポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNoto et al. Nucl. AcidsRes. 9:3719−3730, 1981)または熱帯熱マラリア原虫、ヒトもしくはウシ遺伝子からのポリアデニル化シグナルがある。発現ベクターは、プロモーターとRNAスプライス部位との間に位置するアデノウイルス2トリパータイト(tripartite)リーダーなどの非コードウイルスリーダー配列;およびSV40エンハンサーなどのエンハンサー配列も含みうる。

0115

本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に導くために、分泌シグナル配列リーダー配列プレプロ配列またはプレ配列とも呼ばれている)を組換えベクターに用意することができる。分泌シグナル配列は、本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列に、正しい読み枠接合される。分泌シグナル配列は一般に、ペプチドをコードするDNA配列の5’側に置かれる。分泌シグナル配列は、通常そのタンパク質に付随しているものであってもよいし、別の分泌タンパク質をコードする遺伝子からのものであってもよい。

0116

酵母細胞からの分泌の場合、分泌シグナル配列は、発現した本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを細胞の分泌経路へと効率よく導くことを保証する任意のシグナルペプチドをコードしうる。シグナルペプチドは天然のシグナルペプチドまたはその機能的部分であってもよいし、合成ペプチドであってもよい。適切なシグナルペプチドは、α因子シグナルペプチド(US4,870,008参照)、マウス唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle et al., Nature 289, 1981, pp.643−646参照)、修飾カルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A. Valls et al., Cell 48, 1987, pp.887−897)、酵母BAR1シグナルペプチド(WO87/02670参照)、または酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M. Egel−Mitani et al., Yeast 6, 1990, pp.127−137参照)であることが見出されている。

0117

酵母における効率のよい分泌のために、シグナル配列の下流かつ本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列の上流に、リーダーペプチドをコードする配列を挿入することもできる。リーダーペプチドの機能は、発現したペプチドが、小胞体からゴルジ装置へと導かれ、さらに培養培地への分泌(すなわち、細胞壁を横切っての、または少なくとも細胞膜を通って酵母細胞のペリプラズム間隙への、本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドの輸出)のために、分泌小胞へと導かれることを可能にすることである。リーダーペプチドは、酵母α因子リーダー(その使用は、例えばUS4,546,082、US4,870,008、EP16 201、EP123 294、EP123 544およびEP163 529に記載されている)であることができる。あるいは、リーダーペプチドは、合成リーダーペプチド、つまり自然界には見出されないリーダーペプチドであってもよい。合成リーダーペプチドは、例えばWO89/02463またはWO92/11378に記載されているように構築することができる。

0118

糸状菌における使用の場合、シグナルペプチドは、アスペルギルス(Aspergillus)属のアミラーゼまたはグルコアミラーゼをコードする遺伝子、リゾムコール・ミーヘイのリパーゼもしくはプロテアーゼまたはフミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)リパーゼをコードする遺伝子から、都合よく得ることができる。シグナルペプチドは、好ましくは、A.オリゼTAKAアミラーゼ、A.ニガー中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸安定性アミラーゼ、またはA.ニガー・グルコアミラーゼをコードする遺伝子に由来する。適切なシグナルペプチドは、例えばEP238 023およびEP215 594に開示されている。

0119

昆虫細胞における使用の場合、シグナルペプチドは、例えば鱗翅目タバコスズメガ(Manduca sexta)脂質動員ホルモン前駆体シグナルペプチド(US5,023,328参照)など、昆虫遺伝子から、都合よく得ることができる(WO90/05783参照)。

0120

本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列、プロモーター、そして場合によってはターミネーターおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれライゲートし、それらを複製に必要な情報を含有する適切なベクターに挿入するために使用される手法は、当業者には周知である(例えばSambrook et al.「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」Cold Spring Harbor, New York, 1989)。

0121

哺乳動物細胞をトランスフェクトし、細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法は、例えばKaufman and Sharp, J. Mol. Biol. 159 (1982), 601−621;Southern and Berg, J. Mol. Appl. Genet. 1 (1982), 327−341;Loyter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79 (1982), 422−426;Wigler et al., Cell 14 (1978), 725;Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 (1981), 603、Graham and van der Eb, Virology 52 (1973), 456;およびNeumann et al.,EMBO J. 1 (1982), 841−845に記載されている。

0122

クローニングされたDNA配列は、例えばリン酸カルシウムによるトランスフェクション(Wigler et al., Cell 14:725−732, 1978;Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603−616, 1981;Graham and Van der Eb, Virology 52d:456−467, 1973)またはエレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J. 1:841−845, 1982)などによって、培養哺乳動物細胞に導入される。外因性DNAを発現する細胞を同定し選択するために、一般に、選択可能な表現型を付与する遺伝子(選択可能マーカー)が、目的の遺伝子またはcDNAと一緒に細胞に導入される。好ましい選択可能マーカーには、ネオマイシンハイグロマイシンおよびメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与する遺伝子がある。選択可能マーカーは増幅可能な選択可能マーカーであってもよい。好ましい増幅可能な選択可能マーカーはジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)配列である。選択可能マーカーについてはThillyによる総説がある(引用により本明細書に組み込まれる「Mammalian Cell Technology」Butterworth Publishers, Stoneham, MA)。当業者は適切な選択マーカーを容易に選ぶことができるであろう。

0123

選択可能マーカーは、別個のプラスミドにのせて、目的の遺伝子と同時に細胞に導入するか、または同じプラスミドにのせて導入することができる。同じプラスミドにのせる場合、選択可能マーカーと目的の遺伝子は、異なるプロモーターの制御下にあってもよいし、同じプロモーターの制御下にあってもよく、後者の配置はジシストロン性メッセージをもたらす。このタイプのコンストラクトは当技術分野では知られている(例えばLevinson and Simonsen, U.S.4,713,339)。細胞中に導入される混合物に「キャリアDNA」と呼ばれる追加DNAを加えることも、有益でありうる。

0124

細胞がDNAを取り込んだら、目的の遺伝子を発現し始めるように、細胞を適当な成長培地で典型的には1〜2日間成長させる。本明細書において使用する用語「適当な成長培地」は、細胞の成長および目的の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドの発現にとって必要な栄養素および他の構成要素を含有する培地を意味する。培地は一般に、炭素源窒素源必須アミノ酸、必須糖、ビタミン塩類リン脂質、タンパク質および成長因子を含む。次に、選択可能マーカーを安定に発現している細胞の成長を選択するために、薬物選択を適用する。増幅可能な選択可能マーカーがトランスフェクトされている細胞の場合、クローニングされた配列のコピー数の増加を選択し、よって発現レベルを増加させるために、薬物濃度を増加させることができる。次に、安定トランスフェクト細胞クローンを、目的の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドの発現についてスクリーニングする。

0125

本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列が導入される宿主細胞は、翻訳後修飾ポリペプチドを生産する能力を有し、これには、酵母、真菌および高等真核細胞が含まれる。

0126

本発明で使用するための哺乳動物細胞株の例は、COS−1(ATCCCRL 1650)、ベビーハムスター腎臓(BHK)および293(ATCC CRL 1573;Graham et al., J. Gen. Virol. 36:59−72, 1977)細胞株である。好ましいBHK細胞株はtk−ts13BHK細胞株(引用により本明細書に組み込まれるWaechter and Baserga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1106−1110, 1982)であり、以下、これをBHK570細胞という。BHK570細胞株はAmerican Type Culture Collection(メリーランド州20852ロックビルパークローンドライブ12301)に、ATCC受託番号CRL10314として寄託されている。tk−ts13BHK細胞株は受託番号CRL1632としてATCCから入手することもできる。加えて、ラットHepI(ラット肝癌;ATCC CRL1600)、ラットHepII(ラット肝癌;ATCC CRL1548)、TCMK(ATCC CCL139)、ヒト肺(ATCC HB8065)、NCTC1469(ATCC CCL9.1)、CHO(ATCC CCL 61)およびDUKX細胞(Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216−4220, 1980)を含め、他にもいくつかの細胞株を、本発明において使用することができる。

0127

適切な酵母細胞の例には、サッカロミセス(Saccharomyces)属またはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、特にサッカロミセス・セレビシアまたはサッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)の株の細胞がある。異種DNAで酵母細胞を形質転換し、そこから異種ポリペプチドを生産するための方法は、例えばUS4,599,311、US4,931,373、US4,870,008、5,037,743、およびUS4,845,075に記載されており、これらは全て、引用により本明細書に組み込まれる。形質転換細胞は選択可能マーカーが決定する表現型、一般的には薬物耐性または特定栄養素(例えばロイシン)の非存在下で成長する能力によって選択される。酵母で使用するための好ましいベクターは、US4,931,373に開示されているPOT1ベクターである。本発明の熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドをコードするDNA配列の前には、シグナル配列と、場合によってはリーダー配列、例えば上述のものを置くことができる。適切な酵母細胞のさらなる例は、クルイベロミセス属(Kluyveromyces)、例えばK.ラクティス(K. lactis)、ハンセヌラ属(Hansenula)、例えばH.ポリモルファ(H. polymorpha)、またはピキア属(Pichia)、例えばP.パストリス(P. pastoris)の株である(Gleeson et al., J. Gen. Microbiol. 132, 1986, pp.3459−3465;US4,882,279参照)。

0128

他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス属ニューロスポラ(Neurospora)属、フザリウム(Fusarium)属またはトリコデルマ(Trichoderma)属、特にA.オリゼ、A.ニデュランスまたはA.ニガーの株の細胞である。タンパク質の発現を目的とするアスペルギルス属の使用は、例えばEP272 277、EP238 023、EP184 438に記載されている。例えば、F.オキシスポラム(F. oxysporum)の形質転換は、Malardier et al., 1989, Gene 78:147−156に記述されているように行うことができる。トリコデルマ属の形質転換は、例えばEP244 234に記載されているように行うことができる。

0129

糸状菌を宿主細胞として使用する場合は、その糸状菌を本発明のDNAコンストラクトで(宿主染色体にDNAコンストラクトを組み込むことによって都合よく)形質転換して、組換え宿主細胞を得ることができる。この組込みは、DNA配列が細胞内に安定に維持される可能性が高くなるので、一般に利点であると考えられる。宿主染色体へのDNAコンストラクトの組込みは、従来の方法に従って、例えば相同組換えまたは非相同組換え(heterologous recombination)によって、行うことができる。

0130

昆虫細胞の形質転換と、そこでの異種ポリペプチドの生産は、US4,745,051;US4,879,236;US5,155,037;5,162,222;EP397,485に記載されているように行うことができ、これらは全て引用により本明細書に組み込まれる。宿主として使用される昆虫細胞株は、好適には、鱗翅目細胞株、例えばヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞またはイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞であることができる(US5,077,214参照)。培養条件は、好適には、例えばWO89/01029もしくはWO89/01028、または上述の文献のいずれかに記載されているとおりであることができる。

0131

上述の形質転換宿主細胞またはトランスフェクト宿主細胞は、次に、適切な栄養培地中、熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドの発現が可能な条件下で培養される、その後、結果として生じたペプチドは培養物から回収することができる。細胞を培養するために使用される培地は、宿主細胞を成長させるのに適した従来の任意の培地、例えば適当なサプリメントを含有する最小培地または天然培地であることができる。適切な培地は、供給業者から入手するか、(例えばAmerican Type Culture Collectionのカタログに)公表されている配合表に従って調製することができる。次に、細胞によって生産された熱帯熱マラリア原虫VAR2CSAポリペプチドは、遠心分離または濾過によって宿主細胞を培地から分離すること、上清または濾液タンパク質性構成要素を塩、例えば硫酸アンモニウムを使って沈殿させること、さまざまなクロマトグラフィー手法、例えば、問題のポリペプチドのタイプに応じてイオン交換クロマトグラフィーゲル濾過クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィーなどによる精製を含む従来の手法によって、培養培地から回収することができる。

0132

トランスジェニック動物技術を使って本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを生産してもよい。宿主雌哺乳動物乳腺内でタンパク質を生産することが好ましい。乳腺における発現と、続いて起こる目的タンパク質乳汁への分泌では、他の供給源からタンパク質を単離する際に直面する数多くの困難が克服される。乳汁は容易に収集することができ、大量に入手することができ、生化学的によく特徴づけられている。さらにまた、主要乳汁タンパク質は乳汁中高濃度に存在する(典型的には約1〜15g/l)。

0133

商業的観点からは、乳量の多い種を宿主として使用することが、明らかに好ましい。マウスやラットなどの小動物も使用することはできる(そして原理証明段階では好ましい)が、ブタヤギヒツジおよびウシを含む(ただしこれらに限るわけではない)家畜哺乳動物を使用することが好ましい。ヒツジは、この種における遺伝子導入(transgenesis)の前例があること、乳量、コスト、および乳を収集するための装置の入手が容易であることなどの要因により、特に好ましい(宿主種の選択に影響を及ぼす因子の比較については例えばWO88/00239を参照されたい)。搾乳用育種された宿主動物品種、例えば東フリージア羊(East Friesland Sheep)を選択するか、または後日、トランスジェニック系統の育種によって、搾乳用家畜を導入することが、一般に望ましい。いずれにせよ、健康状態が良いことがわかっている動物を使用すべきである。

0134

乳腺での発現を得るには、乳汁タンパク質遺伝子からの転写プロモーターを使用する。乳汁タンパク質遺伝子には、カゼイン(U.S.5,304,489参照)、βラクトグロブリンラクトアルブミン、および乳清酸性タンパク質をコードする遺伝子がある。βラクトグロブリン(BLG)プロモーターは好ましい。ヒツジβラクトグロブリン遺伝子の場合、一般的には、その遺伝子の5’隣接配列の少なくとも近位406bpの領域が使用されるであろうが、最大約5kbpまでの、さらに大きな5’隣接配列の一部、例えば5’隣接プロモーターとβラクトグロブリン遺伝子の非コード部分とを包含する約4.25kbpDNAセグメントが、好ましい(Whitelaw et al., Biochem. J. 286: 31 39 (1992)参照)。他の種に由来するプロモーターDNAの類似するフラグメントも適切である。

0135

βラクトグロブリン遺伝子の他の領域もコンストラクトに組み込むことができ、発現させようとする遺伝子のゲノム領域も同様である。例えば、イントロン欠くコンストラクトが、そのようなDNA配列を含有するコンストラクトと比較して、弱く発現するという考えは、当技術分野では一般に受け入れられている(Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:836 840 (1988);Palmiter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:478 482 (1991);Whitelaw et al., Transgenic Res. 1:3 13 (1991);WO89/01343;およびWO91/02318参照、これらはそれぞれ引用により本明細書に組み込まれる)。この点で、可能であれば、目的のタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子のネイティブイントロンの全部または一部を含有するゲノム配列を使用することが、一般に好ましい、したがって、例えばβラクトグロブリン遺伝子からのイントロンの少なくとも一部をさらに含めることが好ましい。そのような領域の一つは、ヒツジβラクトグロブリン遺伝子の3’非翻訳領域からのイントロンスプライシングとRNAポリアデニル化をもたらすDNAセグメントである。このヒツジβラクトグロブリンセグメントは、遺伝子の天然の3’非コード領域の代わりに使用した場合に、目的のタンパク質またはポリペプチドの発現レベルを強化することも安定化することもできる。他の実施形態では、VAR2CSA配列の開始ATGを取り囲む領域を、乳汁特異的タンパク質遺伝子からの対応する配列で置き換える。そのような置き換えは推定組織特異的開始環境を与えて発現を強化する。VAR2CSAプレプロおよび5’非コード配列全体を、例えばBLG遺伝子のもので置き換えることが便利であるが、それより小さな領域を置き換えてもよい。

0136

トランスジェニック動物において本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドを発現させるには、発現ユニットを作製するために、VAR2CSAをコードするDNAセグメントを、その発現に必要な追加DNAセグメントに作動的に連結する。そのような追加セグメントには、上述のプロモーター、ならびに転写の終結およびmRNAのポリアデニル化をもたらす配列が含まれる。発現ユニットはさらに、修飾VAR2CSAをコードするセグメントに作動的に連結された分泌シグナル配列をコードするDNAセグメントを含むであろう。分泌シグナル配列は、ネイティブ分泌シグナル配列であってもよいし、別のタンパク質、例えば乳汁タンパク質のものであってもよい(例えばvon Heijne, Nucl. AcidsRes. 14: 4683 4690 (1986);およびMeade et al., U.S.4,873,316を参照されたい。これらは引用により本明細書に組み込まれる)。

0137

発現ユニットは本質的にどのライゲーション順序でも構築しうるが、トランスジェニック動物において使用するための発現ユニットの構築は、追加のDNAセグメントを含有するプラスミドまたはファージベクターにVAR2CSA配列を挿入することによって行うと好都合である。乳汁タンパク質をコードするDNAセグメントを含有するベクターを用意し、乳汁タンパク質のコード配列をVAR2CSA変異体のコード配列で置き換えることによって、乳汁タンパク質遺伝子の発現制御配列を含む遺伝子融合物作出することは、とりわけ好都合である。いずれにせよ、プラスミドまたは他のベクターへの発現ユニットのクローニングは、VAR2CSA配列の増幅を容易にする。増幅は細菌(例えば大腸菌)宿主細胞中で行うのが便利なので、ベクターは典型的には、細菌宿主細胞中で機能する複製起点と選択可能マーカーとを含むであろう。次に、選んだ宿主種の受精卵初期胚を含む)に発現ユニットを導入する。異種DNAの導入は、マイクロインジェクション(例えば米国特許第4,873,191号)、レトロウイルス感染(Jaenisch, Science 240: 1468 1474 (1988))または胚性ES)細胞を使った部位特異的組込み(Bradley et al., Bio/Technology 10: 534 539 (1992)に総説がある)を含めて、いくつかある経路の一つによって達成することができる。次に、偽妊娠雌の卵管または子宮移植し、分娩日まで発生させる。導入されたDNAをその生殖系列保因している子孫は、そのDNAを通常のメンデルの法則に従って子孫に伝えることで、トランスジェニック群(transgenic herd)の発生を可能にする。トランスジェニック動物を作出するための一般的手法は当技術分野では知られている(例えば、Hogan et al.「Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual」Cold Spring Harbor Laboratory, 1986;Simons et al., Bio/Technology 6:179 183 (1988);Wall et al., Biol. Reprod. 32:645 651 (1985);Buhler et al., Bio/Technology 8:140 143 (1990);Ebert et al., Bio/Technology 9:835 838 (1991);Krimpenfort et al., Bio/Technology 9:844 847 (1991);Wall et al., J. Cell. Biochem. 49:113 120 (1992);U.S.4,873,191;U.S.4,873,316;WO88/00239、WO90/05188、WO92/11757;およびGB87/00458)を参照されたい)。哺乳動物およびその生殖細胞外来DNA配列を導入するための技法は、もともとはマウスで開発された(例えばGordon et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:7380 7384 (1980);Gordon and Ruddle, Science 214:1244 1246 (1981);Palmiter and Brinster, Cell 41:343 345 (1985);Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:4438 4442 (1985);およびHogan et al.(同上書)を参照されたい)。その後、これらの技法は、家畜種を含む、より大きな動物での使用に適合するように改変された(例えばWO88/00239、WO90/05188、およびWO92/11757;ならびにSimons et al., Bio/Technology 6:179 183 (1988)を参照されたい)。要約すると、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニック家畜の作出において現在までに使用された最も効率のよい経路では、目的のDNAの線状分子数百個が、確立された技法によって受精卵の前核の一つに注入される。接合体細胞質にへのDNAの注入も使用することができる。

0138

トランスジェニック植物における生産も使用することができる。発現は全般性であってもよいし、特定器官、例えば塊茎に向けられてもよい(Hiatt, Nature 344:469 479 (1990);Edelbaum et al., J. Interferon Res. 12:449 453 (1992);Sijmons et al., Bio/Technology 8:217 221 (1990);およびEP0 255 378参照)。

0139

VAR2CSA精製
本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドは、細胞培養培地または乳汁から回収することができる。本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドは、当技術分野において知られるさまざまな手法、例えば限定するわけではないが、クロマトグラフィー(例えばイオン交換、アフィニティ、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除)、電気泳動的手法(例えば分取等電点電気泳動(IEF)、溶解度差(例えば硫酸アンモニウム沈殿)、または抽出などによって、精製することができる(例えば「Protein Purification」J.−C. Janson and Lars Ryden編、VCH Publishers、New York、1989参照)。好ましくは、それらを抗VAR2CSA抗体カラムでのアフィニティークロマトグラフィーによって精製することができる。さらなる精製は、従来の化学的精製手段、例えば高速液体クロマトグラフィーなどによって達成することができる。クエン酸バリウム沈殿を含む他の精製方法も当技術分野では知られており、本明細書に記載する新規VAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドの精製に応用することができる(例えばScopes, R.「Protein Purification」Springer−Verlag, N.Y., 1982を参照されたい)。

0140

治療的目的には、本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドが実質的に純粋であることが好ましい。したがって本発明の好ましい実施形態では、本発明のVAR2CSAポリペプチドおよび他のポリペプチドが、少なくとも約90〜95%の均一度(homogeneity)まで、好ましくは少なくとも約98%の均一度まで精製される。純度は例えばゲル電気泳動およびアミノ末端アミノ酸配列決定によって評価することができる。

0141

「単離されたポリペプチド」という用語は、(1)そのポリペプチドに天然に付随しているポリヌクレオチド、脂質、糖質または他の物質(すなわち夾雑物)の少なくとも約50パーセントから分離されている本発明のポリペプチドを指す。好ましくは、単離されたポリペプチドが、その天然環境において見出される他の任意の夾雑ポリペプチドまたは他の夾雑物であって、その治療的、診断的、予防的または研究的使用を妨げるものを、実質的に含まない。

0142

本明細書において使用する用語「微生物」は、細菌、真菌、古細菌原生生物微細な植物および動物(例えば緑藻類またはプランクトン)、プラネリアおよびアメーバを指す。この定義には病原性微生物が包含される。

0143

投与および医薬組成物
併用処置
本明細書において定義されるVAR2CSAポリペプチド、誘導体、またはコンジュゲートは、1つ以上の他の制がん剤(cancer agent)と共に、同時に投与するか、逐次的に投与することができ、かつ/または他の既知の治療法との併用処置に使用することができる。これらの因子は、両方の化合物を含有する単一剤形で供給するか、第1単位剤形としてのVAR2CSAポリペプチドの調製物と、第2単位剤形としての前記1つ以上の他の化合物の調製物とを含むパーツキット(kit−of−parts)の形態で供給することができる。本明細書において第1または第2または第3単位用量などという場合、これは、好ましい投与順序を示しているのではなく、便宜上そうしているにすぎない。

0144

VAR2CSAポリペプチドと併用することができる適切な他の制がん剤または制がん治療には、既に市販されている抗体または開発中の抗体、例えばベムラフェニブ(Hoffmann−La Roche)、MCSPに対するヒトモノクローナル抗体、BiTE抗体プラットフォーム技術を使った治療用(Micromet Inc)抗MCSP、およびMCSPに対する特異性を持つ細胞障害性T細胞養子移入が含まれる。

0145

VAR2CSAポリペプチドの調製物と1つ以上の他の化合物の調製物との「同時」投与とは、単一剤形中の化合物の投与を意味するか、または第1剤の投与後、15分以下、好ましくは10分、より好ましくは5分、さらに好ましくは2分以下の時間間隔で、第2剤を投与することを意味する。どちらの因子を最初に投与してもよい。

0146

「逐次的」投与とは、第1剤の投与後、15分を上回る時間間隔で、第2剤を投与することを意味する。2つの単位剤形のどちらを最初に投与してもよい。好ましくは、両方の製品を、同じ静脈アクセスで注入する。

0147

本発明のもう一つの目的は、0mg/mlから1mg/mlまでの血清血漿中濃度で存在するVAR2CSAポリペプチドを含み、2.0から10.0までのpHを有する医薬製剤を提供することである。製剤は、緩衝液系保存剤張性剤(tonicity agent)、キレート剤、安定剤および界面活性剤を、さらに含みうる。本発明のいくつかの実施形態では、医薬製剤が水性製剤、すなわち水を含む製剤である。そのような製剤は、典型的には、溶液または懸濁液である。本発明のさらにもう一つの実施形態では、医薬製剤が水溶液である。用語「水性製剤」は、少なくとも50%w/wの水を含む製剤と定義される。同様に用語「水溶液」は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液と定義され、用語「水性懸濁液」は少なくとも50%w/wの水を含む懸濁液と定義される。

0148

別の実施形態では、医薬製剤が凍結乾燥製剤であり、医師または患者はそこに溶剤および/または希釈剤を加えてから使用する。

0149

別の実施形態では、医薬製剤が、事前の溶解を行わずに直ぐに使用することができる乾燥製剤(例えば凍結乾燥製剤または噴霧乾燥製剤)である。

0150

さらにもう一つの態様において、本発明は、VAR2CSAポリペプチドの水溶液と緩衝剤とを含み、VAR2CSAポリペプチドが0〜1mg/mlまたはそれ以上の血清/血漿中濃度で存在し、製剤が約2.0から約10.0までのpHを有する、医薬製剤に関する。

0151

本発明の他の実施形態では、製剤のpHが、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、および10.0からなるリストから選択される。

0152

本発明のさらにもう一つの実施形態では、緩衝剤が、酢酸ナトリウム炭酸ナトリウムクエン酸塩グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウムリン酸水素二ナトリウムリン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチルアミノメタンビシントリシンリンゴ酸コハク酸塩マレイン酸フマル酸酒石酸、アスパラギン酸またはその混合物からなる群より選択される。これら具体的緩衝剤の各々は、本発明の代替的実施形態を構成する。

0153

本発明のさらにもう一つの実施形態において、製剤はさらに、医薬上許容される保存剤を含む。本発明のさらにもう一つの実施形態では、保存剤が、フェノール、o−クレゾールm−クレゾール、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸メチルp−ヒドロキシ安息香酸プロピル2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル2−フェニルエタノールベンジルアルコールクロロブタノール、およびチオロサール(thiomerosal)、ブロノポール安息香酸イミドウレア(imidurea)、クロヘキシジンデヒドロ酢酸ナトリウムクロロクレゾールp−ヒドロキシ安息香酸エチル塩化ベンゼトニウムクロルフェネシン(chlorphenesine)(3p−クロルフェノキシプロパン−1,2−ジオール)またはそれらの混合物からなる群より選択される。本発明のさらにもう一つの実施形態では、保存剤が0.1mg/mlから20mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、保存剤が0.1mg/mlから5mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、保存剤が5mg/mlから10mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、保存剤が10mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。これらの具体的保存剤の各々は本発明の代替的実施形態を構成する。医薬組成物における保存剤の使用は当業者には周知である。便宜のために「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第19版(1995)を挙げておく。

0154

本発明のさらにもう一つの実施形態では、製剤がさらに等張化剤(isotonic agent)を含む。本発明のさらにもう一つの実施形態では、等張化剤が、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えばL−グリシン、L−ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロールグリセリン)、1,2−プロパンジオールプロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、またはそれらの混合物からなる群より選択される。任意の糖、例えば単糖、二糖、もしくは多糖、または水溶性グルカン、例えばフルクトースグルコースマンノースソルボースキシロースマルトースラクトーススクローストレハロースデキストランプルランデキストリンシクロデキストリン可溶性デンプンヒドロキシエチルデンプンおよびカルボキシメチルセルロース−Naなどを使用することができる。いくつかの実施形態では、糖添加物がスクロースである。糖アルコールは少なくとも1つの−OH基を持つC4−C8炭化水素と定義され、例えばマンニトールソルビトールイノシトールガラクチトールズルシトールキシリトール、およびアラビトールが含まれる。いくつかの実施形態では、糖アルコール添加物がマンニトールである。上述の糖または糖アルコールは、個別にまたは組み合わせて使用することができる。糖または糖アルコールがその液状調製物に可溶であり、本発明の方法を使って達成される安定化効果に有害な影響を及ぼさない限り、使用する量に決まった限度はない。いくつかの実施形態では、糖または糖アルコール濃度が、約1mg/mlと約150mg/mlの間にある。本発明のさらにもう一つの実施形態では、等張化剤が1mg/mlから50mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、等張化剤が1mg/mlから7mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、等張化剤が8mg/mlから24mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、等張化剤が25mg/mlから50mg/mlまでの濃度で存在する。これらの具体的等張化剤の各々は、本発明の代替的実施形態を構成する。医薬組成物における等張化剤の使用は、当業者には周知である。便宜のために「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第19版(1995)を挙げておく。

0155

本発明のさらにもう一つの実施形態では、製剤がさらにキレート剤を含む。本発明のさらにもう一つの実施形態では、キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸EDTA)、クエン酸、およびアスパラギン酸の塩、ならびにそれらの混合物から選択される。本発明のさらにもう一つの実施形態では、キレート剤が、0.1mg/mlから5mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、キレート剤が、0.1mg/mlから2mg/mlまでの濃度で存在する。本発明のさらにもう一つの実施形態では、キレート剤が、2mg/mlから5mg/mlまでの濃度で存在する。これらの具体的キレート剤の各々は、本発明の代替的実施形態を構成する。医薬組成物におけるキレート剤の使用は当業者には周知である。便宜のために「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第19版(1995)を挙げておく。

0156

本発明のさらにもう一つの実施形態では、製剤がさらに安定剤を含む。医薬組成物における安定剤の使用は当業者には周知である。便宜のために「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第19版(1995)を挙げておく。

0157

より具体的には、本発明の組成物は、その治療活性構成要素が、液状医薬製剤における貯蔵中に凝塊形成を呈する可能性のあるポリペプチドを含む、安定化された液状医薬組成物である。「凝塊形成」とは、オリゴマーの形成をもたらすポリペプチド分子間の物理的相互作用を意味し、それは可溶性のままであってもよいし、溶液から沈降する大きな可視凝集体であってもよい。「貯蔵中に」とは、ひとたび調製された液状の医薬組成物または製剤が、対象に直ぐには投与されないことを意味する。そうではなく、調製後に、液状、凍結状態、または乾燥形態のいずれかで、貯蔵のために包装され、後で対象への投与に適した液状その他の形態に再構成される。「乾燥形態」とは、液状医薬組成物または製剤がフリーズドライ(すなわち凍結乾燥;例えばWilliams and Polli (1984)J. Parenteral Sci. Technol. 38:48−59参照)、噴霧乾燥(Masters (1991)「Spray−Drying Handbook」(第5版;Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.)のpp.491−676;Broadhead et al. (1992)Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169−1206;およびMumenthaler et al. (1994)Pharm. Res. 11:12−20)、または空気乾燥(Carpenter and Crowe (1988)Cryobiology 25:459−470;およびRoser (1991)Biopharm. 4:47−53)のいずれかによって乾燥されていることを意味する。液状医薬組成物の貯蔵中のポリペプチドによる凝塊形成は、そのポリペプチドの生物学的活性に有害な影響を及ぼし、医薬組成物の治療有効性の喪失をもたらす。さらにまた、凝塊形成は、注入システムを使ってポリペプチド含有医薬組成物を投与する場合に、チューブ、膜、またはポンプ閉塞など、他の問題も引き起こしうる。

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