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図面 (13)

課題・解決手段

本開示は、概して、免疫療法において使用するための制御性T細胞(Treg)の製造に関する。特に、本開示は、同種抗原反応性Tregをエクスビボで増大させるための強固なアプローチに関する。このようにして作製された同種抗原反応性Tregは、同種異系移植レシピエントにおける免疫寛容誘導および/または維持に適している。

概要

背景

背景
免疫抑制療法現行の改善により、固形臓器移植後の急性拒絶反応発生率は大幅に低下した。しかし、長期的な成果は、一部には免疫抑制に関連した罹患率および死亡率のために、伸び悩んでいる。免疫抑制への従来のアプローチは、T細胞応答の非特異的抑制に重点をおいてきた。

より近年に制御性T細胞(Treg)および免疫応答の制御におけるそれらの重要性解明されたことにより、移植片寛容誘導することを究極目標とする、Tregの発生および機能に有利に働くための免疫抑制療法の再構成が促されてきた(Waldmann et al., J. Clin Immunol, 28:716-725, 2008(非特許文献1); Kang et al., Am J Transplant, 7:1457-1463, 2007(非特許文献2); Walsh et al., J Clin Invest, 114:1398-1403, 2004(非特許文献3); Yeung et al., Transplant Proc, 41:S21-26, 2009(非特許文献4); Sanchez-Fueyo et al., J Immunol, 176:329-334, 2006(非特許文献5); Sagoo et al., Curr Opin Organ Transplant, 13:645-653, 2008(非特許文献6); およびLong et al., Transplantation, 88:1050-1056, 2009(非特許文献7))。多数の前臨床モデルにより、Tregの養子移入が、移植片拒絶反応を軽減できること、および「Treg支持的」(Treg-supportive)免疫抑制療法との併用で、長期的な寛容を誘導できることが示されている(Kang et al., Am J Transplant, 7:1457-1463, 2007(非特許文献2); Riley et al., Immunity, 30:656-665, 2009(非特許文献8); Issa et al., Expert Rev Clin Immunol, 6:155-169, 2010(非特許文献9); およびNadig et al., Nat Med, 16:809-813, 2010(非特許文献10))。「Treg支持的」免疫抑制療法は、ドナー反応性T細胞初期デバルキング(de-bulking)を含んでいた。移植でよく用いられるT細胞枯渇剤であるウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)は、Tregを残すようであり(Sewgobind et al., Nephrol Dial Transplant, 24:1635-1644, 2009(非特許文献11))、それによってTreg:通常T細胞(Tconv)比を高める。さらに、シロリムス(SRL)は、Tregの発生を促進しながら、エフェクターT細胞を抑制する(Demirkiran et al., Transplantation, 85:783-789, 2008(非特許文献12); およびDemirkiran et al., Transplantation, 87:1062-1068, 2009(非特許文献13))。

ほとんどのプロトコルは典型的に、ポリクローナルTreg(polyTreg)と呼ばれる細胞を作製するために、すべてのTregを無差別に増大させるものである。しかし、同種抗原特異的Treg(alloTreg)は、それらが全体的な免疫抑制ではなく特異的な免疫抑制を提供するので、移植の場では非特異的Tregよりも効果的かつ安全である(Golshayan et al., Blood, 109:827-835, 2007(非特許文献14); およびRaimondi et al., J Immunol, 184:624-636, 2010(非特許文献15))。特に、ドナー反応性Tregは、通常の免疫反応を妨げることなく、移植された臓器に対する寛容を誘導する可能性がある。したがって、当技術分野において必要とされるのは、移植寛容を促進するのに使用するための、および移植片対宿主病治療するための、alloTregを増大させる強固な方法である。

概要

本開示は、概して、免疫療法において使用するための制御性T細胞(Treg)の製造に関する。特に、本開示は、同種抗原反応性Tregをエクスビボで増大させるための強固なアプローチに関する。このようにして作製された同種抗原反応性Tregは、同種異系移植レシピエントにおける免疫寛容の誘導および/または維持に適している。

目的

しかし、同種抗原特異的Treg(alloTreg)は、それらが全体的な免疫抑制ではなく特異的な免疫抑制を提供する

効果

実績

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請求項1

ヒトのドナー反応性制御性T細胞(Treg)を作製するための方法であって、以下の段階を含む方法:(a)ヒトドナーのCD19+B細胞を、照射済みのCD40L+ヒト白血病フィーダー細胞と共に、刺激されたB細胞(sBc)を作製するのに有効な条件下で共培養する段階;および(b)ヒトレシピエントのCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞を該sBcと共に、ヒトのドナー反応性制御性T細胞(Treg)を選択的に増大させるのに有効な条件下で共培養する段階。

請求項2

再刺激されたドナー反応性Tregを作製するのに有効な条件下で、前記ドナー反応性TregのCD3およびCD28を架橋することによって、該ドナー反応性Tregを再刺激する段階(c)をさらに含む、請求項1記載の方法。

請求項3

段階(b)を開始してから9〜12日後に段階(c)を開始する、請求項2記載の方法。

請求項4

前記ドナー反応性TregがCD4+、Helios+およびFoxp3+である、請求項1記載の方法。

請求項5

段階(a)の前に、前記ヒトレシピエントから得られた凍結保存末梢血単核細胞(PBMC)からCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞を単離する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。

請求項6

段階(a)が、前記B細胞と前記フィーダー細胞とを、インスリントランスフェリンインターロイキン-4およびシクロスポリンAを含む培地中で共培養することを含む、請求項1記載の方法。

請求項7

段階(b)が、前記sBcが照射された後で、該sBcおよび前記CD4+, CD25+, CD127-/lo T細胞を、インターロイキン-2を含む培地中で共培養することを含む、請求項1記載の方法。

請求項8

前記再刺激されたドナー反応性Tregが、段階(b)の開始時の前記CD4+, CD25+, CD127-/lo T細胞よりも200倍〜2000倍多い細胞を含む、請求項1記載の方法。

請求項9

請求項2〜8のいずれか一項記載の方法を用いて作製された再刺激されたドナー反応性Treg、および生理学的に許容される緩衝液を含有する、組成物

請求項10

請求項2〜8のいずれか一項記載の方法を用いて作製された107〜1011個の再刺激されたドナー反応性Tregを含有する、ヒトレシピエントによる固形臓器同種移植片拒絶反応治療または予防するための薬剤

請求項11

前記固形臓器同種移植片が、心臓、心臓/肺、腎臓膵臓、腎臓/膵臓、肝臓、腸、および皮膚の同種移植片からなる群より選択される、請求項10記載の薬剤。

請求項12

急性および/または慢性移植拒絶反応の可能性を低減させるのに有効である、請求項10記載の薬剤。

請求項13

ベースラインを超えてTregの割合を増加させること、ドナー反応性Tregの頻度を増加させること、ドナー反応性Tregの活性を増加させること、ならびにPBMCおよび/または移植組織において寛容遺伝子発現プロファイル誘導すること、からなる群の1つまたは複数を達成するのに有効である、請求項10記載の薬剤。

請求項14

リンパ球枯渇を達成するのに有効な量でウサギ抗胸腺細胞グロブリンを含むTreg支持的免疫抑制療法をヒトレシピエントが受けた後に、該ヒトレシピエントに投与される、請求項10記載の薬剤。

請求項15

標準治療より低い用量のプレドニゾンミコフェノール酸モフェチルおよびタクロリムスと同時にヒトレシピエントに投与される、請求項10記載の薬剤。

請求項16

シロリムスと同時にヒトレシピエントに投与される、請求項10記載の薬剤。

技術分野

0001

政府支援についての表明
本発明は、国立衛生研究所により授与されたP30 DK063720の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、2012年3月2日に出願された米国仮特許出願第61/606,329号の恩典を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。

0003

分野
本開示は、概して、免疫療法において使用するための制御性T細胞(Treg)の製造に関する。特に、本開示は、同種抗原反応性Tregをエクスビボで増大させるための強固なアプローチに関する。このようにして作製された同種抗原反応性Tregは、同種異系移植レシピエントにおける免疫寛容誘導および/または維持に適している。

背景技術

0004

背景
免疫抑制療法現行の改善により、固形臓器移植後の急性拒絶反応発生率は大幅に低下した。しかし、長期的な成果は、一部には免疫抑制に関連した罹患率および死亡率のために、伸び悩んでいる。免疫抑制への従来のアプローチは、T細胞応答の非特異的抑制に重点をおいてきた。

0005

より近年に制御性T細胞(Treg)および免疫応答の制御におけるそれらの重要性解明されたことにより、移植片寛容を誘導することを究極目標とする、Tregの発生および機能に有利に働くための免疫抑制療法の再構成が促されてきた(Waldmann et al., J. Clin Immunol, 28:716-725, 2008(非特許文献1); Kang et al., Am J Transplant, 7:1457-1463, 2007(非特許文献2); Walsh et al., J Clin Invest, 114:1398-1403, 2004(非特許文献3); Yeung et al., Transplant Proc, 41:S21-26, 2009(非特許文献4); Sanchez-Fueyo et al., J Immunol, 176:329-334, 2006(非特許文献5); Sagoo et al., Curr Opin Organ Transplant, 13:645-653, 2008(非特許文献6); およびLong et al., Transplantation, 88:1050-1056, 2009(非特許文献7))。多数の前臨床モデルにより、Tregの養子移入が、移植片拒絶反応を軽減できること、および「Treg支持的」(Treg-supportive)免疫抑制療法との併用で、長期的な寛容を誘導できることが示されている(Kang et al., Am J Transplant, 7:1457-1463, 2007(非特許文献2); Riley et al., Immunity, 30:656-665, 2009(非特許文献8); Issa et al., Expert Rev Clin Immunol, 6:155-169, 2010(非特許文献9); およびNadig et al., Nat Med, 16:809-813, 2010(非特許文献10))。「Treg支持的」免疫抑制療法は、ドナー反応性T細胞初期デバルキング(de-bulking)を含んでいた。移植でよく用いられるT細胞枯渇剤であるウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)は、Tregを残すようであり(Sewgobind et al., Nephrol Dial Transplant, 24:1635-1644, 2009(非特許文献11))、それによってTreg:通常T細胞(Tconv)比を高める。さらに、シロリムス(SRL)は、Tregの発生を促進しながら、エフェクターT細胞を抑制する(Demirkiran et al., Transplantation, 85:783-789, 2008(非特許文献12); およびDemirkiran et al., Transplantation, 87:1062-1068, 2009(非特許文献13))。

0006

ほとんどのプロトコルは典型的に、ポリクローナルTreg(polyTreg)と呼ばれる細胞を作製するために、すべてのTregを無差別に増大させるものである。しかし、同種抗原特異的Treg(alloTreg)は、それらが全体的な免疫抑制ではなく特異的な免疫抑制を提供するので、移植の場では非特異的Tregよりも効果的かつ安全である(Golshayan et al., Blood, 109:827-835, 2007(非特許文献14); およびRaimondi et al., J Immunol, 184:624-636, 2010(非特許文献15))。特に、ドナー反応性Tregは、通常の免疫反応を妨げることなく、移植された臓器に対する寛容を誘導する可能性がある。したがって、当技術分野において必要とされるのは、移植寛容を促進するのに使用するための、および移植片対宿主病治療するための、alloTregを増大させる強固な方法である。

先行技術

0007

Waldmann et al., J. Clin Immunol, 28:716-725, 2008
Kang et al., Am J Transplant, 7:1457-1463, 2007
Walsh et al., J Clin Invest, 114:1398-1403, 2004
Yeung et al., Transplant Proc, 41:S21-26, 2009
Sanchez-Fueyo et al., J Immunol, 176:329-334, 2006
Sagoo et al., Curr Opin Organ Transplant, 13:645-653, 2008
Long et al., Transplantation, 88:1050-1056, 2009
Riley et al., Immunity, 30:656-665, 2009
Issa et al., Expert Rev Clin Immunol, 6:155-169, 2010
Nadig et al., Nat Med, 16:809-813, 2010
Sewgobind et al., Nephrol Dial Transplant, 24:1635-1644, 2009
Demirkiran et al., Transplantation, 85:783-789, 2008
Demirkiran et al., Transplantation, 87:1062-1068, 2009
Golshayan et al., Blood, 109:827-835, 2007
Raimondi et al., J Immunol, 184:624-636, 2010

0008

概要
本開示は、概して、免疫療法において使用するための制御性T細胞(Treg)の製造に関する。特に、本開示は、同種抗原反応性Treg(alloTreg)をエクスビボで増大させるための強固なアプローチに関する。このようにして作製されたalloTregは、同種異系移植のレシピエントにおける免疫寛容の誘導および/または維持に適している。

0009

本開示は、以下の段階を含む、ヒトのドナー反応性制御性T細胞(Treg)を作製するための方法を提供する:(a)ヒトドナー(第1のヒト対象)のCD19+B細胞を、照射済みのCD40L+ヒト白血病フィーダー細胞と共に、刺激されたB細胞(sBc)を作製するのに有効な条件下で共培養する段階;および(b)ヒトレシピエント(第2のヒト対象)のCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞を前記sBcと共に、ヒトのドナー反応性制御性T細胞(Treg)を選択的に増大させるのに有効な条件下で共培養する段階。いくつかの態様では、ヒトドナーはヒトレシピエントとは無関係である。いくつかの態様では、ヒトドナーはヒトレシピエントに関してHLAミスマッチである(例えば、ドナーはレシピエントに対して同種異系であるか、別言すれば、移植は異種臓器移植である)。いくつかの態様では、HLAミスマッチは、HLA-A、HLA-B、HLA-CおよびHLA-DRのうちの1つ、2つ、3つまたは4つのミスマッチを含む。いくつかの態様では、前記方法は、再刺激されたドナー反応性Tregを作製するのに有効な条件下で、ドナー反応性TregのCD3およびCD28を架橋することにより、ドナー反応性Tregを再刺激する段階(c)をさらに含む。いくつかの好ましい態様では、ドナー反応性TregはCD4+、Helios+およびFoxp3+である。いくつかの態様では、ドナー反応性TregはCD27+およびCD62L+である。いくつかの態様では、前記方法は、段階(a)の前に、ヒトレシピエントから得られた凍結保存末梢血単核細胞(PBMC)からCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞を単離する段階をさらに含む。いくつかの態様では、段階(a)は、前記B細胞と前記フィーダー細胞とを、インスリントランスフェリンインターロイキン-4およびシクロスポリンAを含む培地中で共培養することを含む。いくつかの態様では、前記フィーダー細胞はKCD40L細胞である。いくつかの態様では、段階(b)は、sBcが照射された後で、sBcとCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞とを、インターロイキン-2を含む培地中で共培養することを含む。いくつかの態様では、段階(b)が開始してから9〜12日後に段階(c)が開始する。いくつかの好ましい態様では、再刺激されたalloTregは、段階(b)の開始時のCD4+、CD25+、CD127-/lo T細胞よりも少なくとも200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1400または1600倍多い細胞を含む。また、生理学的に許容される緩衝液(例えば、生理食塩水PBSなど)および上述の方法を用いて作製された再刺激されたドナー反応性Tregを含有する組成物も本開示により提供される。本開示は、上述の方法を用いて作製された、107〜1011個の再刺激されたドナー反応性Tregを異種臓器移植のヒトレシピエントに投与する段階をさらに含む、臓器移植レシピエントを治療するための方法を提供する。また、ヒトレシピエントによる固形臓器同種移植片拒絶反応を治療または予防するための薬剤も提供され、該薬剤は、上述の方法を用いて作製された、107〜1011個の再刺激されたドナー反応性Tregを含有する。いくつかの態様では、臓器移植片は、心臓、心臓/肺、腎臓膵臓、腎臓/膵臓、腸および肝臓の同種移植片からなる群より選択される固形臓器の同種移植片である。いくつかの態様では、固形臓器同種移植片は皮膚同種移植片である。いくつかの態様では、再刺激されたドナー反応性Tregは複数回投与される(反復投与される)。いくつかの態様では、再刺激されたドナー反応性Tregは、レシピエントが異種臓器移植を受けた後に、初めて投与される。いくつかの態様では、再刺激されたドナー反応性Tregは、レシピエントが異種臓器移植を受ける前と受けた後に、投与される。いくつかの好ましい態様では、前記方法は、再刺激されたドナー反応性Tregの投与前に、ヒトレシピエントをTreg支持的免疫抑制療法に供する段階をさらに含む。いくつかの態様では、Treg支持的免疫抑制療法は、リンパ球枯渇を達成するのに有効な量でウサギ抗胸腺細胞グロブリンをヒトレシピエントに投与する段階を含む。いくつかの態様では、前記方法は、標準治療より低い用量でプレドニゾンミコフェノール酸モフェチルおよびタクロリムスをヒト対象に投与する段階をさらに含む。いくつかの態様では、前記方法は、シロリムスをヒト対象に投与する段階をさらに含む。いくつかの好ましい態様では、再刺激されたドナー反応性Tregの投与は、急性および/または慢性移植拒絶反応の可能性を低減させるのに有効である。いくつかの好ましい態様では、再刺激されたドナー反応性Tregの投与は、固形臓器同種移植片の生存を引き延ばすのに有効である。いくつかの好ましい態様では、再刺激されたドナー反応性Tregの投与は、以下の1つまたは複数を達成するのに有効である:ベースラインを超えてTregの割合を増加させること、ドナー反応性Tregの頻度を増加させること、ドナー反応性Tregの活性を増加させること、ならびにPBMCおよび/または移植組織において寛容遺伝子発現プロファイルを誘導すること。

0010

本明細書で使用する場合、単数形「1つの」、「ある」および「その」は、特に明記しない限り、複数の言及を含むものである。

図面の簡単な説明

0011

例示的なドナー反応性制御性T細胞(Treg)の製造プロセスのフローチャートを提供する。
図2Aは、FACSによりレシピエントPBMCから精製された細胞のCD4+CD25+CD127-/lo集団を示す。図2Bは、本開示の方法で達成可能なドナー反応性Tregの増大の規模を示す。矢印は、Tregがポリクローナル刺激(例えば、抗CD3/CD28結合ビーズ)に曝露されたときを示す。
図3Aは、増大したドナー反応性Tregおよび対照のドナー反応性通常T細胞(Tconv)のフローサイトメトリー解析である。図3Bは、増大したドナー反応性TregおよびTconv、ならびにポリクローナル刺激(抗CD3/抗CD28被覆ビーズ)を用いて増大させたポリクローナルTreg(polyTreg)のTreg特異的脱メチル化領域(TSDR)解析を示す。
図4Aは、ドナー特異性アッセイの結果を提供する。ドナー反応性TregをCFSEで標識して、示されるように再刺激した。図4Bは、混合リンパ球反応(MLR)抑制アッセイの結果を提供する。滴定された数のドナー反応性Tregおよびポリクローナル増大Tregを2.5×104個の自己PBMCおよび1.25×105個の照射済みのドナーPBMCと混合して、6日間インキュベートした。トリチウム化チミジンを最後の16時間にわたり添加した。チミジン取り込みの抑制は、Tregを含まないウェルでのカウント毎分(CPM)を比較することによって算出した。
ドナー反応性T細胞頻度アッセイの結果を示す。レシピエントPBMCをCFSEで標識し、ドナーsBcで3.5日間刺激した。培養物回収し、CD3、CD4、CD8、Foxp3およびHeliosについて染色して、フローサイトメーターで解析した。CD8、CD4+ Tconv、およびTregのCFSEプロファイルを用いて、各サブセットにおけるドナー反応性T細胞の頻度を算出した。
図6Aおよび図6Bは、一方向MLRにおいて同種反応性T細胞の増殖を刺激する能力について比較した、同じドナー由来のPBMCおよびCD40L-sBcを示す。レスポンダーPBMCをMLR前にCFSEで標識し、その培養物をフローサイトメトリー解析のために4日目に回収した。CD4+およびCD8+ T細胞(図6A)とCD4+FOXP3+HELIOS+ Treg(図6B)の代表的なCFSE希釈プロファイルが示される。データは少なくとも10回の独立した実験の代表である。図6Cおよび図6Dは、CD4+ Tconv、CD8+ T細胞、およびTreg細胞の増殖を刺激する能力において比較された、レスポンダー細胞とのHLAミスマッチの程度が異なる同種異系CD40L-sBcおよび自己CD40L-sBcを示す。各記号は同じレスポンダーを表す。結果は異なるスティミュレーターとレスポンダーの15種類の組み合わせの概要である。
図7Aは、10日間の培養中の精製されたB細胞の増大を示す。矢印は再刺激の時点を示している。図7Bおよび図7Cは、フローサイトメトリーを用いて比較された、新たに単離されたB細胞および10日目のCD40L-sBcにおけるHLA-DR、CD80、およびCD86の発現を示す。サンプルのオーバーレイヒストグラムは図7Bに示され、独立した実験からの結果をまとめたグラフは図7Cに示される。データは6つの独立した実験の概要である。
図8Aは、FACS精製されたTregを0日目と9日目に刺激するために使用した同種異系sBcを示す。6回の独立した実験における14日間の培養中のTregの増大倍率が示されている。矢印は再刺激の時点を示している。図8Bは、増大に用いたのと同じCD40L-sBc(太線)、抗CD3および抗CD28被覆ビーズ(細線)、または同系CD40L-sBc(網掛けヒストグラム)で再刺激する前に増大TregをCFSEで標識することにより測定された、増大Tregの同種反応性を示す。図8Cは、CD40L-sBcで9日間刺激し、その後2つに分割して、半分を同じドナーからのCD40L-sBcで再刺激し、残りの半分を抗CD3および抗CD28被覆ビーズで再刺激したTregを示す。独立した3対の培養物の14日目の増大倍率が示されている(p=0.52、対応のある両側t検定)。図8Dおよび図8Eは、一次刺激後の9日目(図8D)および11日目(図8E)のTreg培養物の外観を示す。データは少なくとも10種の独立した培養物からの結果を表す。図8Fは、抗CD3および抗CD28被覆ビーズで再刺激する前にCD40L-sBcで9または11日間刺激されたTregを示す。培養物を再刺激の5日後に回収して、3対の培養物の総増大倍率を比較した(p=0.0026、対応のある両側t検定)。図8Gは、Invitrogen社(白抜きの記号)またはMiltenyi Biotec社(黒塗りの記号)製の抗CD3および抗CD28被覆ビーズで再刺激する前にCD40L-sBcで11日間刺激されたTregを示す。3対の培養物における経時的な細胞増大が示されている。対応のある両側t検定を用いて、16日目の総増大倍率の差を比較した(p=0.0258)。
図9Aおよび図9Bは、ゲーティングされていない(a)およびCD4ゲーティングされた(b)Treg培養物のフローサイトメトリープロファイルを示す。データは少なくとも14回の独立した実験を代表する。図9Cは、図8Bに記載したように測定された、同種異系sBc一次刺激と11日目のポリクローナル再刺激で増大させたTregの同種反応性を示す。オーバーレイヒストグラムの一例が示されている。図9Dは、図9Cに記載したように解析された、7種の独立した培養物の概要を示す。各記号は1種の独立したTreg培養物を表す。図9Eは、同種異系CD40L-sBcによる2回の刺激(黒丸、Allo-a、n=3)、同種異系sBc一次刺激とその後のポリクローナル再刺激(白丸、Allo-p、n=8)、または2回のポリクローナル刺激(白四角、Poly、n=5)を用いて増大したTregによるインビトロ抑制の概要を示す。レスポンダーはTregドナー由来のPBMCであり、スティミュレーターはsBcドナー由来のPBMCである。示されたデータは、3〜8回の独立した実験で観測された抑制の平均±SEMである。Bonferroni多重比較検定を伴う2元配置ANOVAを用いて差の統計学有意性を判定した。Tregの異なるグループによる比率1:5での抑制は有意差がない。polyTregによる抑制は、allo-a Tregと比較した場合(比率1:25でp<0.001、比率1:125でp<0.01)、またはallo-p Tregと比較した場合(比率1:25でp<0.0001、比率1:125でp<0.001)に、有意に低下している。allo-aおよびallo-p Tregは、すべての比で互いとの有意差がない。図9Fは、sBcドナー(黒丸)または第三者ドナー(白三角)由来のPBMCにより刺激されたCD40L-sBc増大Tregによる抑制を示す。示された結果は、2つの独立した実験を代表する。
図10A、図10Bおよび図10Cは、ヒト皮膚を移植されかつ皮膚ドナーに対して同種異系のPBMCで再構成されたBALB/c.Rag2-/-γc-/-マウスからのデータを示す。免疫蛍光顕微鏡写真画像は、各移植片について1染色あたり4〜6の高倍率視野計数することによって解析した。次いで、4つの実験グループからの定量的な結果を比較した。Bonferroni多重比較検定を伴う一元配置ANOVAを用いて差の統計学的有意性を判定した。
図11Aは実験モデルの模式図であり、手順が示されている。図11Bは、実験終了時に測定されたPBMC再構成を示し、Tregの同時注入がPBMC再構成の程度を有意に変化させなかったことを実証している。図11Cは、4つの実験グループにおけるBALB/c.Rag2-/-γc-/-マウスの体重を、全身健康状態を判定するために評価したことを示し、PBMCの注入が移植片対宿主病を誘発しなかったことを実証している。
例示的な同種抗原反応性Tregの製造プロセスの模式図である。

0012

詳細な説明
本開示は、概して、免疫療法において使用するための制御性T細胞(Treg)の製造に関する。特に、本開示は、同種抗原特異的Tregをエクスビボで増大させるための強固なアプローチに関する。このようにして作製された同種抗原特異的Tregは、同種異系移植のレシピエントにおける免疫寛容の誘導および/または維持に適している。

0013

本開示は、ドナー反応性Tregを20日間未満で200〜1,000倍に選択的に増大させる方法を提供する。T細胞を増大させるのに最も効率が良いのは樹状細胞であるという定説に反して、CD40リガンドで刺激されたヒトB細胞は、Tregの増殖を誘導するのに非常に効力があることが見出された。図1は、ドナー反応性Tregの製造のワークフローを示している。簡単に説明すると、このプロセスは、精製されたドナーB細胞を、致死量の照射を受けた適正製造基準(GMP)認定のK562-hCD40Lトランスフェクタントで刺激することから開始する。刺激されたドナーB細胞は、照射されて、蛍光活性セルソーティングによりレシピエントの末梢血から単離されたCD4+CD25+CD127lo Tregからドナー反応性Tregを選択的に増大させるために使用される(図2A)。9日目から12日目までに、培養物中に残存したTregは、事実上すべてがドナー反応性である。これらのTregが、さらなる5日間、細胞をさらに増大させるための抗CD3および抗CD28結合ビーズで再刺激される。このプロトコルはTregの強固な増殖を誘導し(図2B)、1単位の血液から10億個を超えるドナー反応性Tregを作製することができる。増大したTregは、>95%がCD4+であり、>60%がFoxp3+であり、>90%が脱メチル化Foxp3プロモーターを有し、>90%がドナー反応性であり、かつ、Treg:レスポンダーPBMC比1:125で存在する場合にドナー刺激されたT細胞増殖を抑制する。ドナー反応性Treg(本明細書では同種抗原特異的TregまたはalloTregとも呼ばれる)は、移植寛容を促進するための方法および移植片対宿主病を治療するための方法において有用である。

0014

例示的な態様は、肝臓移植(Ltx)の寛容を誘導するためのアプローチとして、Treg支持的免疫抑制療法の文脈においてドナー反応性Tregを使用することを含む。Treg療法は、寛容の可能性を高めるため、および/または寛容の発生を促進するために有用である。ドナー反応性T細胞の並外れて高い頻度のため、宿主の同種反応性レパートリーの「デバルキング」(debulking)および補助的免疫抑制は、Tregが同種免疫を制御するためおよび長期の移植片寛容を確保するためにより有利な状況を作り出すのに必要とされる(Wells et al., Nat Med, 5:1303-1307, 1999; Li et al., Curr Opin Immunol, 12:522-527, 2000; およびWells et al., Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci, 356:617-623, 2001)。重要な点として、免疫抑制薬の中にはTregの発生および/または生存に有利なものもあれば、中立または拮抗的なものもある。したがって、いくつかの態様では、臓器移植の状況でのTregの投与は、Treg支持的免疫抑制療法と併用して行われる。

0015

過去15年間におけるTreg研究の知見により、移植におけるドナー反応性Tregな治療的使用に関する説得力のある論理根拠が提供されている。本開示は、固形臓器移植レシピエントにドナー反応性Tregを投与することを含む最初の臨床試験を提供する。ヒトのドナー反応性Tregを確実に増大させるための、適正製造規範(GMP)に準拠したプロトコルの開発(実施例1)は、この取り組みを可能にした。さらに、一連の免疫モニタリングアッセイが移植患者における同種免疫応答を詳細に分析するために開発されているが、これらは以前に記載されたアッセイと比較して感度および再現性が顕著に改善されている。

0016

本開示は、特許請求された本開示の範囲を限定することを決して意図するものではない、以下の実施例においてさらに詳細に説明される。添付の図面は、本明細書および本開示の説明の欠くことのできない部分として考慮されるためのものである。以下の実施例は特許請求された開示を限定するためでなく、例示するために提供されるものである。

0017

以下の実験の開示において、以下の略語が適用される:M(モル濃度); mM(ミリモル濃度); μM(マイクロモル濃度); nM(ナノモル濃度); mol(モル); mmol(ミリモル); μmol(マイクロモル); nmol(ナノモル); gm(グラム); mg(ミリグラム); μg(マイクログラム); pg(ピコグラム); L(リットル); mlおよびmL(ミリリットル); μlおよびμL(マイクロリットル); cm(センチメートル); mm(ミリメートル); μm(マイクロメートル); nm(ナノメートル); U(単位); V(ボルト); MW(分子量); sec(秒); min(分); hおよびhr(時間); ℃(摂氏温度); ND(実施せず); NA(適用不可能); rpm(毎分回転数); H20(水); aa(アミノ酸); bp(塩基対);kb(キロ塩基対); kD(キロダルトン);cDNA(コピーまたは相補的DNA); DNA(デオキシリボ核酸); ssDNA(一本鎖DNA);dsDNA(二本鎖DNA); dNTP(デオキシリボヌクレオチド三リン酸);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応); qPCR(定量的PCR); RNA(リボ核酸); およびRT-PCR(逆転写PCR)。さらなる略語には以下が含まれる:Ab(抗体); allo(同種異系の); CFSE(カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル);FACS(蛍光活性化セルソーティング);GMP(適正製造規範); IHC(免疫組織化学); Ltx(肝臓移植);MELD(末期肝疾患モデル); MLR(混合リンパ球反応); PBMC(末梢血単核細胞); poly(ポリクローナル); rATG(ウサギ抗胸腺細胞グロブリン); sBc(刺激されたB細胞); SOC(標準治療); SRL(シロリムス/ラパマイシン); tac(タクロリムス); Tconv (通常のT細胞); Treg(制御性T細胞); TSDR(Treg特異的脱メチル化領域); Tx(移植); ならびにUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)。

0018

実施例1
ドナー反応性制御性T細胞の作製
この実施例では、エクスビボで、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から最大数十億(109)個の同種抗原特異的Tregを約2週間で選択的に増大させるための、例示的なGMP準拠の方法を提供する(図1参照)。

0019

材料および方法
レシピエントT細胞の精製およびバンク保存
フィコール密度遠心分離を用いて参加者由来の全血または白血球搬出産物からPBMCを精製した。細胞を2回洗浄し、細胞1億〜2億個/ml/低温バイアル氷冷CS10冷凍保存液(BioLife Solutions社)中に再懸濁した。細胞を速度制御フリーザー内で凍結し、さらなる使用まで液体窒素蒸気相中で保存した。

0020

ドナーB細胞の精製およびバンク保存
死体ドナー由来のドナー脾臓もしくはリンパ節または生存ドナー由来のPBMCを採取し、単一細胞懸濁液へと処理するためのGMP施設輸送した。B細胞を、CliniMACS装置でCD19陽性選択を用いて精製した。精製されたCD19+ B細胞を、Tregの増大のために必要となるまで冷凍保存によってバンクに保存した。

0021

フィーダー細胞の調製
ヒト骨髄赤芽球性(erythromyeloblastoid)白血病細胞K562(ATCC番号CCL-243)を、ヒトCD40L、CD64およびHLA-DR0401を発現させるためにレンチウイルストランスフェクトした(K562-hCD40LまたはK40L)。これらの細胞は免疫不全マウスにおいて腫瘍形成性ではない。K40Lフィーダー細胞に10,000ラドγ線を照射し、さらなる使用までバンクに保存した。

0022

バンク保存されたドナーB細胞の活性化
改変されたGMP準拠のプロトコル(Zand et al., Am J Transplant, 5:76-86, 2005)を用いて、刺激されたB細胞(sBc)を生成した。具体的には、CliniMACS(Miltenyi社)上で常磁性抗CD19マイクロビーズにより精製された約1〜100×106個のドナーB細胞を、10%ヒトAB血清、インスリン、トランスフェリン、ヒト組換えIL-4、およびシクロスポリンAを含有する培地中で、バンク保存されたGMP準拠のγ線照射済みのK40L細胞により比率1〜2:1(B:K40L)で7日間刺激した。7日目に、この混合培養物をK40Lフィーダー細胞により比率1〜10:1(B:K40L)で3日間再刺激した。平均増大は10〜20倍であった。このsBcを、死滅したK40L細胞を含む死細胞を除去するために、フィコールを通過させた。一連の品質保証アッセイをsBcに対して実施し、これにはqPCRに基づいたEBV再活性化試験(Viracor社)、ならびにHLA-DR、CD80およびCD86の発現だけではなく純度も測定するフローサイトメトリーが含まれていた。このsBcを、γ線照射(1000ラド)して、さらなる使用までバンクに保存した。

0023

Tregの増大
レシピエントPBMCを解凍し、計数し、臨床グレード蛍光結合抗体(CD4-PerCP Ab、CD25-APCAb、およびCD127-PE Ab)で染色した。染色されたPBMCからFACSによってCD4+CD127lo/-CD25+細胞を精製した(図2A)。FACS精製されたTregを、サプリメントGlutaMAX-1CTSを含有するGMPグレードのOptimizer Medium(Invitrogen社)および2%ヒトAB血清を含む増殖培地中で、バンク保存された照射済みのsBcとsBc:Treg比4:1で混合した。2日目に、培地容量を2倍にするときヒト組換えIL-2を300IU/mlの総濃度で培養物に添加した。細胞2〜3×105個/mlの細胞濃度を維持するために、IL-2を含有する新鮮な培地を5、7および9日目に培養物に供給した。培養の11日目に、細胞を、抗CD3および抗CD28モノクローナル抗体を比率1:1で結合させたビーズにより、残りの培養期間再刺激した。培養物は1日目に供給されて、16日目に回収された。Tregは、16日間の培養期間中に200〜1600倍に増大する。

0024

Tregを、HypoThermosal液中に再懸濁して、リリースアッセイ、品質保証調査および承認の結果を待っている間4℃で保存する。製品リリース時に、Tregを注入のためのクリニックに輸送する。5×106個を上回るTregが1単位のレシピエント全血から精製される。200倍増大という控えめな見積もりでは、少なくとも1×109個のドナー反応性Tregが増大期間の終了時に回収されると予想される。

0025

リリースアッセイおよびリリース基準
Tregリリースの前に以下のアッセイおよび基準が用いられる:生存率>99%、フローサイトメトリーでCD4>90%、CD8<5%、CD19<5%、Foxp3>60%、およびTSDR>80%。培養12日目の細菌、真菌マイコプラズマ、およびエンドトキシンについて陰性微生物試験。採用したTSDRアッセイは、現在、Tregの純度と安定性に関する最も正確で信頼性の高い試験である。メチル化アッセイは、フローサイトメトリーで測定されたFoxp3+細胞の割合を確認するものである。さらに、Foxp3は活性化されたTconv細胞で発現され得るという強力な証拠がある。しかし、Foxp3 TSDR遺伝子座は活性化されたTconv細胞においてメチル化されているのに対して、真のTregではそれが脱メチル化されている。

0026

リリース後のアッセイ
細胞の表現型と機能性を完全に文書で証明するために、各製品に対して以下のアッセイを行う:1) CD4/Foxp3/CD27/CD62LおよびCD4/Foxp3/CD25/Heliosからなる2つのパネルを用いる、拡大されたフローサイトメトリー解析;2)ドナー特異的抑制アッセイ;3)ドナー特異性アッセイ;4)長期的な14日間の微生物試験;ならびに5)ドナーsBcとPMAとイオノマイシンにより誘導されるサイトカイン(IL-2、IFN-γおよびIL-17)。

0027

最近の実験的証拠は、Foxp3+ Tregが「可塑性」(plastic)であり、IFN-γおよびIL-17などのエフェクターサイトカインの発現を獲得できることを示唆している(Zhou et al., Curr Opin Immunol, 21:281-285, 2009; Zhou et al., Immunity, 30:646-655, 2009; およびHori et al., Curr Opin Immunol, 22:575-582, 2010)。可塑性Tregの2種類の運命である、Foxp3発現および付随するエフェクターサイトカイン発現の喪失をもたらすもの(exTreg)(Komatus et al., Proc Natl Acad Sci USA 106:1903-1908, 2009; Xu et al., J Immunol, 178:6725-6729, 2007; Osorio et al., Eur J Immunol, 38:3274-3281, 2008; Yang et al., Immunity, 29:44-56, 2008; およびZhou et al., Nat Immunol, 10:1000-1007, 2009)と、Foxp3とエフェクターサイトカインの共発現をもたらすもの(エフェクターTreg)(Tartar et al., J Immunol, 184:3377-3385, 2010; Beriou et al., Blood, 113:4240-4249, 2009; Radhakrishnan et al., J Immunol, 181:3137-3147, 2008; Oldenhove et al., Immunity, 31:772-786, 2009; Stroopinsky et al., Eur J Immunol, 39:2703-2715, 2009; Koch et al., Nat Immunol, 10:595-602, 2009; およびHvhannisyan et al., Gastroenterology, 140:957-965, 2011)とを区別することは有益である。exTregは抑制活性が低いかまたは全くなく、実験的自己免疫の状況で病原性になり得るが、リンパ充満宿主におけるexTregの出現は主に極端実験条件下で起こることに留意することが重要である(Rubtsov et al., Science, 329:1667-1671, 2010)。さらに、すべての条件において、exTregの大多数は、PMAとイオノマイシンを用いた超生理学的インビトロ刺激後でさえ、エフェクターサイトカインを発現しない。この例示的なプロトコルを用いて作製されたドナー反応性Tregは、高レベルのFoxp3、TSDR、およびHelios発現を有する。これらの細胞はTreg支持的免疫抑制の下で患者に注入されるため、注入されたドナー反応性Tregが完全に発達した病原性エフェクターにインビボで変化する可能性は低い。exTregと対照的に、エフェクターTregは多くの実験条件において抑制的であることが示されている。特に、TregによるIFN-γ産生は、同種移植拒絶反応に対するそれらの抑制機能および防御に不可欠であることが示されている(Sawitzki et al., J Exp Med, 201:1925-1935, 2005)。このように、Foxp3+ Tregによるエフェクターサイトカイン産生は、病原性ではなく寛容原性であることが予想される。TSDRアッセイに基づいて高く安定したFoxp3発現を有するドナー反応性TregをTreg支持的免疫抑制を受けている患者に注入することは、病原性exTregへのドナー反応性Tregの起こり得る転換を防ぐことが期待される。

0028

結果
ドナー反応性Tregの増大。抗原提示細胞(APC)としてCD40L刺激されたドナーB細胞(sBc)を用いる上記の方法は、レシピエントPBMCからFACS精製されたCD4+CD127lo/-CD25+Tregを用いて開始するドナー反応性制御性T細胞の選択的増大に適している。広範な試験は、刺激の8〜10日後に培養物中に残っている事実上すべての生存細胞がドナー反応性であることを示した。これらの細胞を、その後、抗CD3および抗CD28結合ビーズを用いたポリクローナル再刺激によってさらに増大させた。Tregを、以前に記載されたように(Putman et al., Diabetes, 58:652-662, 2009)、CD4+CD127lo/-CD25+細胞表面表現型に基づいて、FACSを用いてPBMCから精製した。ドナーB細胞を、抗CD19 CliniMACSビーズ(Miltenyi社)を用いて精製し、ヒトCD40Lを発現するGMP準拠の照射済みのK562細胞を用いて刺激した。死滅したK540L細胞をフィコール密度勾配遠心分離によってsBcから除去し、精製されたsBcを、照射してから、精製されたTregに添加した。このプロトコルを用いて、最大で約1600倍のTreg増大が達成された。≦10%のTregが完全にHLAミスマッチのドナーに対して反応性であることを考えると、1600倍の全体的な増大は、16日間の培養期間でドナー反応性Tregの≧16,000倍の増加になる。

0029

一連のプロトコルが、増大したドナー反応性Tregの表現型と機能的能力を評価するために確立された。増大したTreg培養物は、同様に増大したTconv細胞と比較したとき、CD3+CD4+CD8-CD19-、Foxp3+、Helios+、CD27+およびCD62Lhiであった(図2B)。ドナーsBcで増大したTregのほぼすべてが、ドナーsBcによる再刺激に応答したが、同系sBcには応答しなかった。このことは、それらがスティミュレーター反応性であることを示している(図4A)。ドナーsBc増大Tregは、ポリクローナル増大Tregと比較したとき、増強されたドナー特異的抑制活性を示した(図4B)。ドナー反応性Tregが安定したTregであるのか、または一過的に上方制御されたFoxp3を有し得るTエフェクター細胞であるのかが、重要な問題である。Foxp3プロモーターの脱メチル化は、安定したFoxp3発現Tregの強固なマーカーであることが示されている(Wang et al., Eur J Immunol, 37:129-138, 2007; およびMcClymont et al., J Immunol, 186:3918-3926, 2010)。ドナー反応性Tregの94%超、およびdsTconvの1%未満は、定量的Treg特異的脱メチル化領域(TSDR)アッセイ(Wieczorek et al., Cancer Res, 69:599-608, 2009)で測定されるような、脱メチル化されたFoxp3プロモーターを有する(図3B)。これらの結果は全体として、この例示的なプロトコルがGMPグレードのドナー反応性Tregを確実に増大させることを実証している。典型的な増大からのリリースアッセイ結果を図5に示す。

0030

実施例2
ドナー反応性TregおよびTreg支持的免疫抑制を用いた肝移植
この実施例では、肝移植(Ltx)レシピエントにおける自己のドナー反応性Treg治療の安全性を評価するための用量漸増臨床試験について記載する。しかし、本開示の方法および組成物はこの状況に限定されない。実際に、本開示の方法および組成物は、移植片対宿主病の治療または予防においてだけでなく、他の固形臓器の同種移植片の文脈においても有用であると期待される。ドナー反応性TregおよびTreg支持的免疫抑制は、心臓、肺、心臓/肺、腎臓、膵臓、腎臓/膵臓、腸および肝臓の同種移植片からなる群より選択されるがこれらに限定されない同種移植片の寛容性を誘導または維持するのに適していると期待される。

0031

活性化されたドナーB細胞を用いてエクスビボで増大させたTregの漸増用量は、Tregの発生、維持および機能に有利であるように設計された改変免疫抑制療法と組み合わせて、Ltxレシピエントに投与される。この療法は、ウサギ抗胸腺細胞グロブリン(rATG)の誘導、コルチコステロイド(Pred)、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、およびタクロリムス(tac)の減量した投薬、その後のシロリムス(SRL)の遅延導入で構成される。対象は移植後1年間追跡され、その間に末梢血(PBMCと血清)および肝生検のサンプルと一緒臨床データ収集されて、解析される。

0032

主目的
以下の結果がデノボLtx成人レシピエントについて評価される:1年間の急性拒絶反応率("Banff schema for grading liver allograft rejection: an international consensus document," Hepatology, 25:658-663, 1997);1年間の慢性拒絶反応率("Liver biopsy interpretation for causes of late liver allograft dysfunction," Hepatology, 44:489-501, 2006);Treg注入3ヶ月後の≧グレード3の感染症率;≧グレード3の創傷合併症率;≧グレード3の貧血好中球減少症、および/または血小板減少症の率。

0033

副次的目的
以下の結果もまた評価される:ベースラインを超えるTregの割合の増加;ドナー反応性Tregの頻度の増加;ドナー反応性Tregの活性の増加;ならびにPBMCおよび/または肝組織における寛容遺伝子発現プロファイルの検出。

0034

患者集団および選択/除外基準
臨床試験には、参加者の安全性を最大限に高めるため、各フェーズの具体的な選択/除外基準を設けた3つのフェーズが含まれる。

0035

PreおよびLtxフェーズ
患者は、20〜70の間で末期肝疾患を有しかつ25以下の算出MELDスコアを有するLtx待機リストから選択される(Kamath et al., Hepatology, 33:464-470, 2001)。このテストにより、具体的には、急性拒絶反応および再発疾患のリスクが高いLtxレシピエントが除外され、かつ肝疾患の重症度ならびに門脈圧亢進症および/または脾機能亢進症が制限される。いくつかの態様では、TregがPBMC中に10個/μlより多く存在している患者のみを選択する。

0036

適格患者はPBMCを単離するために白血球搬出を受け、PBMCはその後のTregの精製および増大のために冷凍保存される。txの際に、および参加者の継続的な適格性を検証した後に、肝生検組織と一緒にドナー脾臓およびまたはリンパ節を採取して、バンクに保存する。

0037

Treg支持的免疫抑制フェーズ
Ltxレシピエントは、ICUから出ており、かつtx後3日目までにrATG誘導を開始する必要がある。該レシピエントは、CD3カウント数<50個/mm3と定義されるリンパ球枯渇を達成するために、3〜4.5mg/kgのrATGの総用量を受ける。この用量範囲は、免疫抑制を最小にしつつ、十分なデバルキング(Wong et al., Transpl Int, 19:629-635, 2006)を達成するために選択された。rATG投与のタイミングおよび設定は、医学的に不安定なレシピエントにおける過剰な免疫抑制および/またはサイトカイン放出症候群/血液学的毒性の可能性を回避するように選択された。患者はシロリムス(SRL)に基づいた免疫抑制に切り替えるための適格性について評価され、かつLtx後4〜6週の間、適切な腎機能血液学的パラメータ創傷治癒、および肝動脈開存性だけでなく、正常な同種移植片機能を有している必要がある。

0038

研究対象の免疫抑制療法は、参加者の安全性を最適化しながらTregの発生を促進するように、具体的に設計された。研究参加者は、半用量のコルチコステロイドと半用量のミコフェノール酸モフェチル(MMF)を用いた標準治療(SOC)の免疫抑制を開始する。タクロリムス(Tac)は、SOC(10〜15μ/L)に比べて低減したレベルである6〜8μg/Lを目標にして、開始される。tx後3日目までに、患者はリンパ球を枯渇させるための一連のrATG(3.0〜4.5mg/kg総用量)を受ける(CD3カウント数<50個/mm3または最大用量が投与されたとき)。コルチコステロイドがオフになっている参加者は、6〜8μg/Lの目標レベルに向けたSRL開始および3〜5μg/Lのトラフレベルに向けたtagの低減により、tx後4〜6週の間にSRLに基づいた免疫抑制に切り替える。MMFを中止する。SRLに基づいたISに切り替えてから4週間後(txから8〜10週間後)、参加者は、Treg注入を受けるための適格性を確実にするための同種移植片の生検を含む、最終的な評価を受ける。txから6ヵ月後、SRLを4〜6μg/Lの目標レベルまでさらに低減させる。

0039

(表2−1)肝移植患者のための免疫抑制(IS)プラン

0040

Treg注入フェーズ
Ltxから約10〜12週間後、参加者はドナー反応性Tregを受けるための適合性について評価される。rATG後のT細胞回復動態に関するデータは、tx後4〜12週の間に安定したT細胞数を示す。したがって、tx後10〜11週でのTreg注入は、デバルキングされた免疫系という状況にある。参加者は、安定したSRLに基づいた免疫抑制という状況のもとで正常な同種移植片機能を有している必要がある。

0041

免疫抑制の切り替えと並行して、ドナーB細胞を10日間増大させ、その後さらに16日間にわたってTregを増大させるために使用した(実施例1)。すべてのリリース基準に合格している増大したドナー反応性Tregは、tx後10〜11週で注入するために利用可能である。

0042

Treg注入後、機構研究のため血液を1、3、7、および28日目に採取する。臨床検査評価をさらに4週間にわたり毎週続ける。肝臓試験が安定した状態を保つ場合は、研究の残りの期間中、臨床検査評価をSOCに戻す。機構研究のためにLtxの1年後に更に採血し、かつ詳細な組織学的および免疫組織化学的な解析のためにLtxの1年後に追加のプロトコルである肝生検を実施する。

0043

用量漸増プラン
適格患者は、Treg注入を受けないか、または5000万、2億、および8億個の3用量レベルのドナー反応性Tregの単回注入を受けるかのいずれかである。あるグループから次のグループへの進行は用量制限毒性の発生に基づいている。

0044

(表2−2)現在の標準治療との比較

0045

実施例3
免疫学的分析
この実施例では、同種免疫応答に対するTreg支持的免疫抑制とTreg治療の効果を評価するために末梢血および肝臓組織で行われる解析について説明する。Treg支持的免疫抑制を伴ったドナー反応性Treg治療は、ドナー反応性Tregの頻度と抗ドナーT細胞応答性とに対して測定可能な影響を及ぼすことが期待される。また、実施例2に記載された例示的な治療レジメンは、従来の(SOC)免疫抑制療法によって生じるよりも早期に免疫寛容の特徴の発生をもたらすことが期待される。解析には以下の1つまたは複数が含まれる:1)T細胞の機能的なおよび表現型の解析;2)PBMCおよびプロトコル生検サンプルにおける寛容遺伝子発現の特徴;ならびに3)プロトコル生検のサンプルだけでなく正当な理由による生検の組織学的解析。

0046

T細胞の表現型および機能解析
マルチパラメータフローサイトメトリー(MFC)を用いて、白血球亜集団プロファイリングし、ドナー反応性T細胞の頻度を測定し、Tregによるドナー特異的抑制を評価し、ドナー抗原誘発遺伝子およびサイトカイン発現をプロファイリングする。これらのアッセイは全体として、4つの既知の免疫寛容機構-消失、偏向、不応答/消耗、および制御- の寄与の評価を可能にする。

0047

ドナー反応性T細胞の頻度
このアッセイは、ドナー反応性CD4+ Tconv細胞、CD8+ T細胞、およびTregの頻度を測定するために使用される。移植前/移植、Treg前/SRL切り替え後、Treg注入後1、3、7および28日目、ならびに移植後1年の時点からのバンク保存されたPBMCサンプルを比較する。注入直後のドナー反応性Tregの増加は、特に200〜800×106個のdsRegを受けているコホートにおいて予想される。

0048

インビトロ抑制アッセイ
このアッセイは、移植前、Treg注入前/SRL切り替え後、Treg注入後1日目および28日目、ならびに肝移植後1年の時点から単離されたTregによる抑制を評価するために使用される。移植前の白血球搬出されたPBMCを、さまざまな時点から単離されたTregと混合してレスポンダーとして使用する。この培養物を、ドナー特異的抑制を評価するために照射済みのドナーPMBCで刺激するか、または非特異的抑制を評価するために抗CD3および抗CD28で刺激する。

0049

マルチパラメータフローサイトメトリー(MFC)
MFCは、本発明者らの研究室で開発された抗体のパネルを用いて、末梢血中の白血球サブセットの割合を測定するために使用される。パネルから採取されたサンプルおよび使用されたマーカーを表3-1にまとめた。

0050

(表3−1)マルチパラメータフローサイトメトリーのパネルおよびマーカー

0051

T細胞活性化/分化アッセイ
移植前、Treg前/SRL切り替え後、Treg注入後1、3、7および28日目、ならびに移植後1年からのCD4+ Tconv細胞とCD8+ T細胞を、ドナーsBcを用いて3.5日間刺激する。移植前、Treg前/SRL切り替え後、Treg注入後1、3、7および28日目の時点で採取されたサンプルは、qPCRアレイを用いてサイトカイン遺伝子発現について、および、42-plex Luminexアッセイを用いて上清へのサイトカイン分泌について、解析される。移植前および移植後1年で採取されたサンプルは、遺伝子アレイを用いて遺伝子発現プロファイルを解析するために使用され、上清中のサイトカインは42-plex Luminexアッセイを用いて解析される。qPCRアッセイを用いて、肝移植患者では、ドナーsBcで刺激された遺伝子発現の変化が観察されると予想される。このアッセイでは、ドナー抗原で刺激された遺伝子発現プロファイルの変化を測定することが可能となる。

0052

遺伝子発現解析
末梢血サンプルを、肝移植後の操作上の寛容(operational tolerance)を検出するために現在利用可能である最も有望なバイオマーカーを表す遺伝子のうち以前に同定された限られたサブセットに関して、マイクロアレイを用いて解析する(Martinez-Llordella et al., J Clin Invest, 118:2845-2867, 2008)。

0053

組織学的解析および多重免疫組織化学(mIHC)
移植前および肝移植後1年で取得されたプロトコル生検サンプルの広範な組織学およびmIHC解析を実施する。組織学的解析では、表3-2に示すように組織の完全性および炎症の程度を判定するための40種の組織病理学的特徴を評価する。

0054

(表3−2)多重免疫組織化学マーカー

0055

実施例4
移植における同種抗原反応性のヒト制御性T細胞の臨床グレードの製造および治療上の利点
この実施例では、GMP準拠の試薬を用いて短期培養で何十億個ものヒト同種抗原反応性の制御性T細胞(Treg)を生成することができる製造プロセスを実証する。このプロセスは、同種抗原反応性Tregを選択的に増大させるためにCD40L活性化同種異系B細胞を使用し、続いて収量を高めるためにポリクローナル再刺激を使用する。200〜1600倍に増大したTregは、高度に同種抗原反応性であって、安定したTregの表現型を発現した。同種抗原増大Tregは、インビトロでポリクローナル増大Tregよりも5〜25倍効力があり、かつ皮膚移植ヒト化マウスモデルにおいてインビボで同種移植片の傷害を抑制するのにより効果的であった。

0056

材料および方法
細胞源
正常なドナーを募集し、全血の提供について同意を得た。多数の細胞が必要であった場合には、正常なドナー由来の非特定化されたアフェレーシス産物をUCSF血液センターから取得した。PBMCは、フィコール・パックPLUS密度勾配(GE Healthcare Bio-Sciences AB, Pittsburgh, PA)を用いて単離され、新鮮なうちに使用されるか、またはCoolCell(登録商標)装置(BioCision社, Mill Valley, CA)を用いてCryoStor CS10凍結用培地(BioLife Solutions社, Bothell, WA)中に冷凍保存した後で使用された。脾臓を、研究の同意を得て死体臓器ドナーから取得した。すべての手順は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のヒューマンリサーチ委員会(Committee on Human Research)およびキングス・カレッジロンドンガイ病院(Guy's hospital)により承認された。

0057

CD40L発現フィーダー細胞の生成
ヒトCD40L(NM_000074)、CD64(BC032634)、DRA(BC071659)およびDRB 0401をコードするレンチウイルスベクター33を、以前に記載されたように作製した34。これらのベクターを用いて、KT64-CD40L.HLADR0401細胞株を生成するためにK562細胞を形質導入し、FACSを用いて、以前に記載されたように35、単一細胞クローンを生成した。増大したクローンの安定した発現を、BD Biosciences社(San Jose, CA)からのCD40L、HLA-DRおよびCD64に対する抗体を用いてフローサイトメトリーにより検証した。

0058

CD40L-sBcの生成
B細胞を、untouchedヒトB細胞濃縮キット(Invitrogen社, Carlsbad, CA)を用いてPBMCまたは脾臓から濃縮した。濃縮B細胞を、前に記載されたように36、ヒトCD40Lを発現する照射(40Gy)済みの3T3またはK562細胞と共に培養した。いくつかの実験では、解離させた脾細胞を、事前のB細胞の濃縮なしに、CD40L発現細胞と共に培養した。CD40L-sBcを照射(30Gy)して、Tregを刺激するために使用した、または使用するまでCryoStor CS10凍結用培地中で冷凍保存した。GMPに準拠した増大の場合は、末梢血B細胞をCliniMACS(Miltenyi Biotech社, ドイツ)上でCD19陽性選択を用いて精製し、10%ヒトAB血清(Valley Biomedical社, Winchester, PA)、GMPグレードのIL-4(Miltenyi社)、およびシクロスポリンA(Teva Pharmaceuticals社, North Wales, PA)を補充したトランスフェリン含有X-VIVO15培地(Lonza社, Walkers ville, MD)中で照射(100Gy)済みのK-CD40L細胞により刺激した。

0059

MLR
1.25μMのCFSE(Invitrogen社)で標識したレスポンダーPBMCを、照射済みの同種異系CD40L-sBc(PBMC1個あたり2個のsBc)で刺激するか、または照射済みの同種異系PBMC(レスポンダー1個あたり5個のスティミュレーター)で刺激した。培養物を84〜96時間後に回収し、抗CD3 PerCP(BD社)、抗CD4 PE-Cy7(BD社)、抗CD8APC-Cy7(BioLegend社, San Diego, CA)、efluor 506 fixable viability dye(eBioscience社, San Diego, CA)で染色した。次に細胞を固定し、FOXP3固定/透過処理バッファーセット(eBioscience社)を用いて透過処理した後、抗FOXP3-Alexa Fluor 647(eBioscience社)および抗HELIOS PE(BioLegend社)で染色した。フローサイトメトリーをFortessa(BD社)で行い、FACSdiva(BD社)またはFlowJoソフトウェア(Treestar社, Ashland, OR)を用いて解析を行った。

0060

Treg増大
Tregを、CD4+CD127lo/-CD25+の細胞表面表現型に基づいてBDFACSAria II(BD社)を用いて単離し、以前に記載されたように28、Tregのポリクローナル増大を行った。臨床的に準拠したソーティングには、Noel Warner氏(BD社)により生成され、供与されたcGMPmAbを利用した。同種抗原反応性Tregの増大のために、培養物を、1%GlutaMAX(Invitrogen社)、ペニシリン/ストレプトマイシン、および2%ヒトAB血清を補充したOpTmizer T細胞増大培地(Invitrogen社)、または10%ヒトAB血清を補充したX-VIVO15培地中に維持した。FACS精製されたTregとCD40L-sBcとをsBc対Treg比4:1で混合した。培養物を、300IU/mlのヒトIL-2を含有する培地で9または11日目まで維持し、この時点で、新たな照射済みのsBcによりTreg 1個あたりsBc 4個の比率で、または抗CD3/抗CD28被覆ビーズによりビーズ対細胞比1:1で、細胞を再刺激した。培養物を3日後に供給し、再刺激後5日目に回収した。

0061

フローサイトメトリー
増大したTregの表現型を、3つのフローサイトメトリーパネルを用いて評価した。第1のパネルは、抗CD8FITC、抗CD4 PerCP、抗CD3 PE、および抗CD19APCから成っていた。第2のパネルは、抗CD4 PerCP、抗CD62L PE、抗CD27 APC、および抗FOXP3 Alexa Fluor 488(BioLegend社,クローン206D)から成っていた。第3のパネルは、抗CD4 PerCP、抗CD25 APC、抗HELIOS PE(BioLegend社)、および抗FOXP3 Alexa Fluor 488から成っていた。マウスIgG1 Alex Fluor 488およびマウスIgG1 PE(BioLegend社)は、それぞれ、FOXP3およびHELIOS染色を調節するために使用した。染色された細胞をFACSCaliburで解析し、データをFlowJoを用いて解析した。CD40L-sBcは、抗HLA-DR PE、抗CD80 FITC、抗CD86 PerCP-Cy5.5、および抗CD19 APCで染色した後、AccuriC6(BD社)フローサイトメーターで解析した。データをCflowPLUSソフトウェア(BD社)を用いて解析した。特に断りのない限り、すべての抗体はBD Biosciences社製であった。

0062

Treg特異性アッセイ
増大したTregを、1.25μMのCFSEで標識し、同種異系もしくは自己のCD40L-sBcで刺激するか、抗CD3および抗CD28被覆ビーズで刺激するか、または30IU/mlのIL-2を含有する培地中で刺激しないとした。72時間後、細胞を採取して抗CD4APC(BD社)およびヨウ化プロピジウムで染色し、AccuriC6フローサイトメーターで解析した。

0063

インビトロ抑制アッセイ
滴定された数の増大TregをV底96ウェルプレート中に3連でTregドナー由来の3×104個のPBMCと混合した。細胞をsBcドナー由来の照射済みPBMCで7日間刺激し、培養の最後の16〜20時間の間の3[H]チミジンの取り込みを用いて増殖を計測した。増大Tregを含まない培養物を対照として使用した。抑制パーセントを以下のように算出した:[1−(Treg含有PBMCの平均cpm/Treg不含PBMCの平均cpm)]×100。

0064

TSDRメチル化アッセイ
ゲノムDNAは、Epiontis GmbH(ベルリン, ドイツ)からライセンスを受けた試薬を用いて、Epiontis GmbHによって確立されたプロトコルに従って、0.5×106個の増大Tregから単離された37。アッセイを三つ組で実施し、メチル化TSDRの割合を次のように算出した:[非メチル化DNAの平均コピー数/(非メチル化DNAの平均コピー数+メチル化DNAの平均コピー数)]×100。女性ドナーを用いて増大させた培養物では、X染色体不活性化補正するために上記の算出からの割合に2を乗じた。

0065

皮膚移植のヒト化マウスモデルにおけるTreg機能のインビボ評価
BALB/c.Rag2-/-γc-/-マウス(Charles River社)をキングス・カレッジ・ロンドンのBiological Services Unitにおいて特定病原体除去条件下で飼育し維持した。非特定化されたヒト皮膚を、インフォームドコンセント倫理的承認を得て、常用腹部形成術および乳房縮小形成術を受けた患者から取得した。皮膚を8〜12週齢のBALB/c.Rag2-/-γc-/-マウスに移植し、6週間生着させた後、10×106個のHLAミスマッチCD25枯渇ヒトPBMCを注射した。一部のマウスには、エクスビボ増大させた2×106個のポリクローナルまたは同種抗原反応性Tregを同時注射した。移植片の視覚的および触覚的検査を毎週2回行った。移植片の組織学的解析を、PBMCを注射してから6週間後に行った。これらの実験の全期間中、100μgの精製抗マウスGr1 mAB(Bio X Cell社, West Lebanon, NH)を、マウス顆粒球を枯渇させるために4〜5日毎に腹腔内注射した。すべての手順は、施設のガイドライン内務省(Home Office)のAnimals Scientific Procedures Act(1986)に従って実施した。ヒト皮膚移植片の凍結切片(6〜8μm)を5%パラホルムアルデヒドで固定し、ヒト抗原ki67(クローン4A1, Abcam社, Cambridge, MA)、CD45(クローンHI30, eBioscience社)、CD3(A0452, Dako社,デンマーク)、FOXP3(クローン259D/C7, eBioscience社)、インボルクリン(involucrin)(クローンSY5, Sigma社)およびCD31(ab28364, Abcam社)に対する抗体で染色し、続いて適切な蛍光色素結合二次抗体とインキュベートして、4-6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)を含むProlong Gold褪色防止試薬(Invitrogen社)で封入した。サンプルは、4〜6の非重複視野を計数することによる蛍光顕微鏡を用いた定量解析に供した。スライドを読み取る人物処理条件を知らされなかった。

0066

統計
統計解析は、プリズムグラフパッド(Prism GraphPad)ソフトウェアを用いて行った。

0067

結果
CD40L刺激されたB細胞は同種抗原反応性Tregの効力のあるスティミュレーターである
同種異系PBMC、樹状細胞(DC)、新鮮なB細胞、およびCD40L刺激されたB細胞(CD40L-sBcと呼ばれる)は、ヒト同種抗原反応性細胞の増大を選択的に刺激するために以前に使用されている13-16。しかし、Tregを刺激する上でのこれらの細胞サブセットの相対的能力についてはあまり知られていない。一方向混合リンパ球反応(MLR)における照射済みのPBMC、新たに単離されたB細胞、およびCD40L-sBcの相対的効力の比較は、CD40L-sBcが最も効力のあるスティミュレーターであったことを実証した。CD4+およびCD8+ T細胞の増殖をモニターするためのCFSE色素希釈アッセイを用いて、CD40L-sBcによる3.5日間の刺激後に強固な増殖応答が検出され得ることが見出され、照射済みのPBMCを用いて刺激した後では弱い応答が観察されたにすぎなかった(図6A)。CD4+FOXP3+HELIOS+ Tregにさらにゲーティングすることによって、CD40L-sBcは、これらのMLR培養物においてTregの活発な増殖を刺激したことが見出された(図6B)。新たに単離された末梢血B細胞は、以前の報告23と一致して、T細胞の増殖を刺激しなかった。増殖がCD40L-sBc上に発現された同種抗原に応答していたかどうかを判定するために、レスポンダーT細胞に対してさまざまな程度のHLAミスマッチを有する同種異系CD40L-sBcと自己CD40L-sBcの刺激能が比較された。同じ応答性PBMCでは、応答性CD4+通常T細胞(Tconv)およびTregの頻度はHLA-DRミスマッチの数と正に相関し、応答性CD8+ T細胞の頻度はHLA-ABミスマッチの数と正に相関したことが見出された(図6Cおよび6D)。驚くべきことに、応答性Tregの頻度は、CD4+ TconvおよびCD8+ T細胞のそれよりも一貫して高かった。これらの結果は、CD40L-sBcが同種抗原反応性Tregの効力のあるスティミュレーターであることを実証し、かつ、臨床用途のための同種抗原反応性Tregの選択的増大におけるCD40L-sBcの有用性探究を促した。

0068

適正製造基準(GMP)に準拠したCD40L発現フィーダー細胞の生成
臨床用途のためのTregの製造を可能にするため、GMPに適合したヒトCD40L発現細胞株、KT64-CD40L.HLADR0401 (K-CD40Lと略す)を生成した。癌ワクチンのためのビヒクルとして、および臨床応用のための治療用T細胞を製造する際の人工抗原提示細胞として使用されている24-27骨髄性白血病細胞株K562において、レンチウイルス形質導入を用いてCD40Lを発現させた。CD40Lの発現はCD40L-sBcの生成に不可欠である。CD64およびHLADR0401の発現は、抗原特異的およびポリクローナルなT細胞増大を含む他の応用のために該細胞株を使用することを可能にしつつ、CD40L活性を妨害しない。IL-4の一定供給と共に、0日目と7日目にK-CD40L細胞で2回刺激することが、末梢血または脾臓から精製されたB細胞の10〜50倍の増大につながった(図7A)。新たに単離されたB細胞と比較したとき、CD40L-sBcは、同種異系T細胞を刺激する際のそれらの効力増強と一致して、著しく多い量のHLADR、CD80、およびCD86を発現した(図7Bおよび7C)。CD40L-sBc上でのHLA-DR、CD80、およびCD86発現の一貫した増加が見られたが、それらのレベルはドナー間で変動した。しかし、複数のドナーから生成されたCD40L-sBcがMLRおよびTreg増大を誘導することができた。このことは、CD40L-sBcの効力は、閾値が満たされる限り、共刺激分子およびMHCクラスII分子絶対レベルと厳密には相関していなかったことを示唆している。

0069

CD40L-sBcは同種抗原反応性Tregの増大を強固に誘導する
CD40L-sBcを用いて同種抗原反応性Tregを最適に刺激するための条件が試験された。蛍光活性化セルソーティング(FACS)で精製されたCD4+CD127lo/-CD25+ Tregの、抗CD3および抗CD28被覆ビーズによる2回刺激(0日目と9日目)を用いるTregのポリクローナル増大プロトコルは、公知である28。同種抗原反応性Tregを増大させるために、同様のプロトコルに従ったが、0日目と9日目の前記ビーズを照射済みのCD40L-sBcに置き換えた。このプロトコルを用いて14日目までに50〜300倍の増大が達成された(図8A)。培養終了時(14日目)、増大したTregは、Treg増大を刺激するために使用したのと同じCD40L-sBcには高度に応答性であったが、自己CD40L-sBcには応答しなかった(図8B)。この結果は、Treg増大を刺激するために使用された、CD40L-sBcにより発現された同種抗原反応性のTregの著しい強化を実証した。実際、一次刺激後9日目までに、TregはすでにCD40L-sBcに対して高度に反応性であって、14日目に観察されたものと同様であった。このことは、再刺激の際に同種反応性についてさらに強化する必要がないかもしれなかったことを示唆している。抗CD3および抗CD28刺激を用いたPolyTregの強固な増大28ならびにビーズに基づいたプロトコルによる標準化および実施の容易さを考えると、再刺激の際のCD40L-sBcを抗CD3および抗CD28被覆ビーズに置き換えることは、同等の増大をもたらす可能性がある。しかし、結果は、sBc再刺激とビーズ再刺激との間で全体的なTreg増大に有意差がないことを示した(図8C)。したがって、一次sBc刺激と、これに続く抗CD3および抗CD28被覆ビーズによるポリクローナル再刺激のプロトコルが採用された。

0070

1単位の血液は、FACS精製後に平均500万個のTregをもたらす。したがって、図8からのプロトコルを用いると、2.5億〜15億個の同種抗原反応性Tregが50〜300倍の増大に基づいて作製され得る。ヒトへの移植で有効であるために必要とされるTregの数は、3億から数十億個の範囲内にあると推定された20。3億個を超える同種抗原反応性Tregの一貫した作成を確実にするために、Treg増大を改善するための改変条件が調べられた。ビーズで0日目に活性化されたpolyTregと異なり、CD40L-sBcで刺激されたTregは、初期刺激後9日目にクラスター化および幼若化(blast)し続けたことが観察された(図8D)。この知見は、CD40L-sBcがmAb被覆ビーズよりも効力があり、Tregの長期活性化をもたらすことを示唆した。活性化T細胞の再刺激は、活性化により誘導される細胞死につながる可能性があり、それゆえに最適な増大を制限する。したがって、再刺激を、細胞がクラスターから解離してより小さくなる11日目まで遅らせた(図8E)。再刺激を遅らせることは、全体的な増大を大幅に改善した(図8F)。再刺激のタイミングに加えて、再刺激に使用されるビーズの供給源が、Treg増大の速度に大きく影響したことが見出された(図8G)。全体として、再刺激のタイミングおよび再刺激の試薬を最適化することによって、同種抗原反応性Tregをルーチン的に200〜1600倍増大させ、これにより、16日間で1×109個を超える同種抗原反応性Tregを確実に生成した。

0071

CD40L-sBcで増大させたTregのインビトロ特性評価
CD40L-sBcプロトコルを用いて増大させたTregはCD3+CD4+であることが見出され、CD8+ T細胞とCD19+B細胞の最小限の混入を伴っていた(図9A)。CD4+ T細胞の大多数はFOXP3+HELIOS+であって、かつCD27およびCD62Lを共発現し(図9B)、これは、同様に増大したTconv細胞上の発現パターンと異なっていた(図9B)。最後に、増大したTregは、>80%の脱メチル化Treg特異的な脱メチル化領域を有していた。まとめると、同種異系CD40L-sBcを用いて増大させたTregの表現型は、それらが安定した専門的な(committed)Tregであることを示唆した。

0072

一次刺激に使用した同種異系CD40L-sBcに対する増大Tregの反応性を測定するために、16日目に回収したTregを同一のCD40L-sBcで再刺激した。平均87.5%(72.5〜95.2%の範囲)の同種抗原増大Tregは、同じsBcによる再刺激に応答して増殖し、これは、抗CD3および抗CD28ビーズを用いて誘導した増殖 (平均88.8%、73.6〜96%の範囲) と同様であった。このことは、Tregの圧倒的多数がCD40L-sBcにより発現された同種抗原に反応したことを示唆している(図9Cおよび9D)。

0073

これらの表現型データおよび増強された同種抗原認識と一致して、増大Tregは、CD40L-sBcと同じドナーからのPBMCによりインビトロで活性化されたときには非常に抑制的であった(図9E)。同種抗原増大Tregとポリクローナル増大Tregの並行比較は、ドナー同種抗原反応性TregがMLRを抑制するにあたってPolyTregより5〜25倍効力があることを示した(図9E)。CD40L-sBcまたは抗CD3および抗CD28ビーズを用いた再刺激により増大させたTregは、MLRの抑制においては同一の活性を有し(図9E)、このことは、ポリクローナル再刺激がインビボにおいてその同種反応性または抑制活性を変化させなかったことを実証している。CD40L-sBcの同じドナーまたは第三者のドナーからのPBMCにより刺激された抑制活性もまた比較された。同種異系sBcで増大させたTregは、第三者の細胞により刺激されたときよりも、関連PBMCにより刺激されたときに9〜27倍抑制的であった(図9F)。これらの結果は全体として、CD40L-sBc増大Tregが、その増大のために用いられたB細胞により発現された同種抗原に対して高度に強化された反応性および抑制活性を有することを示している。

0074

同種抗原反応性Tregはインビボで皮膚同種移植片を保護するのに優れている
ヒト皮膚同種移植片の同種免疫介在性傷害のモデルを用いて(図11A)13、同種抗原反応性TregおよびPolyTregの保護機能を比較した。BALB/c.Rag2-/-γc-/-マウスにHLA-DR0401+ドナーからのヒト皮膚を移植し、その移植片を6週間治癒させた後で、CD25+細胞を枯渇させた同種異系PBMCを、単独で、または同系Tregの異なる調製物とエフェクター細胞:Treg細胞比5:1で組み合わせて、養子移入した。PBMCドナーはHLA-DR0401-であり、これらのドナーからの同種抗原反応性TregをHLA-DR0401+ CD40L-sBcを用いて増大させた。移植片を拒絶反応まで、またはPBMC再構成後最大6週間までモニターし、この時点で組織学的解析のため移植片を回収した。脾臓におけるヒト白血球生着のレベルは、ヒトPBMCを単独でまたはTregと組み合わせて受けたマウスの3つのグループにおいて類似していた(図11B)。いずれの動物異種移植片対宿主病の症状を発症せず、これは、安定した体重の維持によって確認された(図11C)。

0075

PBMCを受けなかった対照マウスにおける皮膚移植片と比較して(表4-1)、PBMC単独グループでの皮膚移植片は、ケラチノサイト増殖の同時増加を伴う真皮表皮接合部での強烈なヒトCD45+単核細胞浸潤、上部有棘層顆粒層におけるインボルクリンの喪失、および真皮内のクラスター化CD31+細胞の減少によって示される血管新生の減少を示した(表4-1)。これらの変化は、活発な皮膚炎症と、同種異系ヒト白血球により媒介される真皮表皮の完全性の喪失を明らかにした。以前の研究13で報告されたように、移植片におけるこれらすべての炎症性パラメータは、PolyTregの同時注射により減少し、これは、FOXP3+細胞の増加と相関している(表4-1)。驚くべきことに、同種抗原反応性Tregを受けたマウス内の皮膚移植片は、移植片傷害の組織学的特徴からほぼ完全に保護され、真皮表皮接合部でのFOXP3+細胞の浸潤を除いて対照移植片のものと識別不能であった(表4-1)。これらの組織学的所見の定量解析は、Ki67+ケラチノサイトの大幅な減少、CD31+血管内皮細胞の増加を示し、これは、PolyTregで処置したマウスのものと比較した場合の、同種抗原反応性Tregを注射したマウスの移植片における大幅に高いFOXP3+対CD3+細胞比と相関している(表4-1)。これらの結果は、同種抗原反応性Tregの方が、等しい数のPolyTregよりも、インビボで同種移植片の損傷を抑制するのにより効果的であることを実証した。エフェクター:Treg比5:1で、同種抗原反応性Tregは、エフェクター細胞により誘導される病理学的変化から皮膚移植片を完全に保護した。

0076

(表4−1)増大した同種抗原反応性Tregの表現型

0077

本開示のさまざまな変更および変形は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明らかであろう。本開示は特定の好ましい態様に関連して説明されてきたが、特許請求された本開示は、そのような特定の態様に不当に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、当業者によって理解される、本開示を実施するための記載された形態のさまざまな変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。

実施例

0078

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