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課題・解決手段

方法およびシステムは、輸送機構によって互いに接続された複数のモジュールを提供するオートメーションシステム用の待ち行列を実現することができ、プロセッサは、モジュール用の所望の待ち行列を判定することができる。IVD分析器は、オートメーションシステムと、オートメーションシステムによって輸送される対象と相互作用するように構成された複数のステーションと、メモリ内の複数のステーションの少なくともサブセット用の複数の待ち行列を保持し、かつ複数の待ち行列の各々に複数の対象を割り当てる一つ以上のプロセッサと、を含むことができる。各複数の待ち行列に割り当てられた対象は、複数の待ち行列の各々に関連付けられたステーションに物理的に近接して配置される必要がない。

概要

背景

インビトロ診断(IVD)は、患者流体(fluid:体液サンプルに実施されるアッセイ(assay:生化学分析)に基づいて、研究室疾病の診断を支援することを可能にする。IVDは、患者の身体の流体部分もしくは腫瘍から採取された液体サンプル解析によって実施することができる患者の診断および治療に関する種々のタイプの分析試験およびアッセイを含む。これらのアッセイは、典型的に、患者のサンプルを含むチューブもしくはバイアル(vial:ガラス瓶)などの流体容器が装着された自動化診断(clinical:診断)化学分析器(分析器)で実施される。分析器は、バイアルから液体サンプルを抽出して、特別な反応キュベット(cuvette:浅水)もしくはチューブ(概して反応器と称される)で種々の試薬とそのサンプルを一緒にする。幾つかの従来システムにおいては、分析器用にモジュールアプローチが利用される。研究室オートメーションシステムは、あるサンプル処理モジュール(モジュール)と別のモジュールの間でサンプルを行ったり来たり動かすことができる。モジュールは、サンプル取扱ステーションおよび試験ステーション(例えば、あるタイプのアッセイを専門に扱うことができるか、さもなければ、免疫アッセイ(IA)および診断化学(CC)ステーションを含みうる、より大きな分析器に対する試験サービスを提供することができるユニット)を含む一つ以上のステーションを含んでもよい。幾つかの従来のIVDオートメーショントラックシステムは、ある完全に独立したモジュールから別のスタンドアロンモジュールへとサンプルを輸送するように設計されたシステムを含む。これによって、二つの異なるステーションで異なるタイプの試験を専門に扱うことを可能とするか、または、利用可能なサンプルスループットの全体を向上させるために、二つの余分なステーションをリンク(結合)することを可能にする。しかしながら、これらの研究室オートメーションシステムは、しばしばマルチステーション分析器におけるボトルネックである。どちらかといえば、従来の研究室オートメーションシステムは、ステーション間で独立してサンプルを動かすことを可能にするための、相当な程度の知能もしくは自主性を欠く

例示的な従来技術のシステムにおいては、コンベアベルト様の摩擦トラックが、時にはパックもしくはコンテナのラックと呼ばれる個々のキャリア機構を、異なるステーション間で動かす。サンプルは、トラックに沿った分析器内のステーション間の輸送用に、オペレータもしくはロボットによってパック内へと配置された試験管などのサンプル容器内に格納されることがある。しかしながら、この摩擦トラックは、一度に一方向にしか動くことができず、トラック上の任意のサンプルは、同一速度で同一方向にしか動けない。サンプルが摩擦トラックを出る必要があるとき、ゲーティングスイッチングは、個々のパックを分岐経路(offshot path)へと動かすために使用することができる。この構成の欠点は、各ゲートおよびスイッチにおいて任意の与えられたパックの方向を制御するために単一化(singulation)が使用されなければならないことである。例えば、二つのパックが互いに近接し、かつ一パックだけ分岐経路へと方向を変えるべき場合、一パックだけが分岐経路へと動かされるようにスイッチを制御し、適切なパックが摩擦トラックから引き出されることを保証することが困難である。これはトラック上の各決定点デシジョンポイント)において、一度に一つ、個々のパックが解放されてスイッチングされるように、ゲートにおいてパックを停止させるという従来技術における必要性が作り出されてしまう。

過度の単一化は、トラック全体を減速させ、かつトラック内に交通渋滞を増加させる。これは、トラック内の物理待ち行列(queue:キュー)に対する必要性につながる。道路上の交通と同様に、トラック上のトラフィックは、ゆっくりと動くパックの蓄積を引き起こす。なぜなら、動作中の通過に費やされる時間のほとんどは、ゲートによるスイッチングのための単一化点において、行列を通して待機することに費やされる可能性があるからである。これは、通過中の非効率につながる。大容量の分析器に対しては、最終的には、各サンプルに対して相当な量の時間が、摩擦トラック上のゲートにおいて待ち行列で待機することに費やされる。これは、各サンプルによって発生されるレイテンシーを増加させる。レイテンシーは、サンプルが、あまりにも長くサンプルチューブ内にある場合に、分離もしくは凝固を開始する可能性がある全血サンプルなど、あるタイプのサンプルにとって問題になる可能性がある。

パックは従来、ルーティングされ、扱われ、かつ処理されるために停止するため、従来技術のシステムにおけるサンプルは、サンプルに対する全処理が完了する前に、幾つかの待ち行列で待機することになる。これは、サンプルが処理を待つ間、オートメーショントラック上で実質的に格納されるとき、浪費される空間量を大きくする結果を生じる。ほとんどの従来の研究室オートメーショントラックは、モジュール(分析器もしくは前/後分析デバイス)によって処理されるために待機するサンプルをバッファするために、FIFO処理待ち行列を保持する。これらのバッファは、モジュールが爆発需要を作り出すときでさえ、一定の速度でトラックがチューブを処理することを可能にする。バッファは、現在のサンプルの処理中に、将来のサンプル用の前処理タスク(例えば、キュベットを準備する、もしくは試薬を吸引する)をトラックが実施することを可能にすることによって、個々のモジュールスループットを実質的に増加させることもできる。

摩擦トラック上の長い待ち行列およびトラフィックの別の問題点は、STATサンプルの処理に関する問題である。STATサンプルは、当該サンプル用の結果を迅速に返すことができるように、オペレータが行列の前に動かすことを望むサンプルである。例えば、救急処置室を有する病院においては、試験結果は、治療を待つ患者に対して緊急であることがある。長い待ち行列を有する従来技術の摩擦トラックシステムにおいては、待ち行列全体がSTATサンプル用経路を作るためにしばしばフラッシュされ(flush:くずされ)なければならない。これは、サンプルのソーティングに値する数分間の結果を取り消し、非STATサンプルによって発生される全体のレイテンシーを増加させる可能性がある。

概要

方法およびシステムは、輸送機構によって互いに接続された複数のモジュールを提供するオートメーションシステム用の待ち行列を実現することができ、プロセッサは、モジュール用の所望の待ち行列を判定することができる。IVD分析器は、オートメーションシステムと、オートメーションシステムによって輸送される対象と相互作用するように構成された複数のステーションと、メモリ内の複数のステーションの少なくともサブセット用の複数の待ち行列を保持し、かつ複数の待ち行列の各々に複数の対象を割り当てる一つ以上のプロセッサと、を含むことができる。各複数の待ち行列に割り当てられた対象は、複数の待ち行列の各々に関連付けられたステーションに物理的に近接して配置される必要がない。

目的

本発明は、概して、研究室環境において利用するためのオートメーションシステムに関し、より詳細には、待ち行列論理を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

輸送機構によって互いに接続された複数のモジュールで構成されるオートメーションシステム用の複数の待ち行列を実現する方法であって、前記複数のモジュールのうちの各々は複数のサンプルを処理するように構成され、前記輸送機構は、システムサイクル時間内に前記複数のモジュール間で前記複数のサンプルを輸送するように構成され、モジュール用の所望の待ち行列を決定することであって、前記所望の待ち行列は、前記モジュールによって処理される少なくとも一つのサンプルの順序付けを構成するようにことと、前記モジュール用のモジュールサイクル時間を決定することであって、前記モジュールサイクル時間は、前記少なくとも一つのサンプルのうちの一つを処理するために、前記モジュールによって必要とされる時間の長さを含むことと、前記モジュール用の前記所望の待ち行列を満たすために、前記オートメーションシステム内の前記少なくとも一つのサンプルの配置を容易にすることであって、前記少なくとも一つのサンプルは、前記所望の待ち行列内の前記少なくとも一つのサンプルの前記順序付けおよび前記モジュールサイクル時間に基づいて決められた時間に、前記モジュールに到達するように配置されることと、前記決められた時間に、前記モジュールへと前記少なくとも一つのサンプルを提供することと、を含む、ことを特徴とする方法。

請求項2

前記システムサイクル時間は、前記複数のモジュールのうちの一つによってサンプルを処理するための時間の量と、前記複数のモジュールのうちの二つの間で前記サンプルを輸送するための時間の量とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

前記オートメーションシステムは、前記少なくとも一つのサンプルのうちの一つ以上を保持するように構成された一つ以上の保持バッファをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項4

前記複数のモジュールの各々は、前記少なくとも一つのサンプルの一つ以上を保持するように構成されたモジュール保持領域を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項5

配置を容易にすることは、(i)前記輸送機構に沿った位置と、(ii)一つ以上の保持バッファのうちの少なくとも一つと、(iii)複数のモジュール保持領域のうちの少なくとも一つと、(iv)前記複数のモジュールのうちの別のモジュールのうちの少なくとも一つへと、前記少なくとも一つのサンプルを動かすことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項6

前記モジュールへと優先度レベル割り当てることと、前記モジュールと第二のモジュールとの間の前記少なくとも一つのサンプルに対する競合出現によって、前記第二のモジュールの優先度レベルと前記モジュールの前記優先度レベルを比較することと、前記比較された優先度レベルに基づいて、前記モジュールもしくは前記第二のモジュールへと、前記少なくとも一つのサンプルを提供することと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項7

TATサンプルを処理するために前記オートメーションシステム内の前記少なくとも一つのサンプルを動かすことであって、前記少なくとも一つのサンプルの前記移動は、前記STATサンプルの処理後に、前記所望の待ち行列を満たすことを可能とすることと、処理用に前記モジュールへ前記STATサンプルを提供することと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項8

前記複数のモジュールのうちの少なくともサブセットは、複数のインビトロ診断モジュールを含み、前記少なくとも一つのサンプルは患者のサンプルを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項9

前記複数のモジュールは、(i)前記輸送機構へと前記少なくとも一つのサンプルを追加し、前記輸送機構から前記少なくとも一つのサンプルを除去するように構成されたサンプル取扱モジュールと、(ii)免疫アッセイモジュールと、(iii)診断化学モジュールのうちの一つ以上を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項10

前記所望の待ち行列は、ファストインファストアウト待ち行列、もしくはランダムアクセス待ち行列のうちの一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項11

複数の待ち行列を実現するためのオートメーションシステムであって、各々が複数のサンプルを処理するように構成された複数のモジュールと、システムサイクル時間内に前記複数のモジュール間で前記複数のサンプルを輸送するように構成された輸送機構であって、前記複数のモジュールを互いに接続する輸送機構と、モジュール用の所望の待ち行列を決定することであって、前記所望の待ち行列は、前記モジュールによって処理される少なくとも一つのサンプルの順序付けを含むことと、スケジュールコントローラであって、前記モジュール用のモジュールサイクル時間を決定することであって、前記モジュールサイクル時間は、前記少なくとも一つのサンプルのうちの一つを処理するために、前記モジュールによって必要とされる時間の長さを含むことと、前記モジュール用の前記所望の待ち行列を満たすために、前記オートメーションシステム内の前記少なくとも一つのサンプルの配置を容易にすることであって、前記少なくとも一つのサンプルは、前記少なくとも一つのサンプルの前記順序付けおよび前記モジュールサイクル時間に基づいて決められた時間に、前記モジュールに到達するように配置されることと、前記決められた時間に、前記モジュールへと前記少なくとも一つのサンプルを提供することと、で構成される方法を実現するための複数の命令を処理するように構成されたものと、を含む、ことを特徴とするオートメーションシステム。

請求項12

前記システムサイクル時間は、前記複数のモジュールのうちの一つによってサンプルを処理するための時間の量と、前記複数のモジュールのうちの二つの間で前記サンプルを輸送するための時間の量とを含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項13

前記少なくとも一つのサンプルのうちの一つ以上を保持するように構成された一つ以上の保持バッファをさらに含み、前記輸送機構は、前記複数のモジュールで前記一つ以上の保持バッファを接続する、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項14

前記複数のモジュールの各々は、前記少なくとも一つのサンプルの一つ以上を保持するように構成されたモジュール保持領域を含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項15

配置を容易にすることは、(i)前記輸送機構に沿った位置と、(ii)一つ以上の保持バッファのうちの少なくとも一つと、(iii)複数のモジュール保持領域のうちの少なくとも一つと、(iv)前記複数のモジュールのうちの別のモジュールのうちの少なくとも一つへと、前記少なくとも一つのサンプルを動かすことを含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項16

前記スケジュールコントローラは、前記モジュールへと優先度レベルを割り当てることと、前記モジュールと第二のモジュールとの間の、前記少なくとも一つのサンプルに対する競合の出現によって、前記第二のモジュールの優先度レベルと前記モジュールの前記優先度レベルを比較することと、前記比較された優先度レベルに基づいて、前記モジュールもしくは前記第二のモジュールへと前記少なくとも一つのサンプルを提供することと、で構成されるさらなる方法を実現するための複数の命令を処理するようにさらに構成される、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項17

前記スケジュールコントローラは、STATサンプルを処理するために前記オートメーションシステム内の前記少なくとも一つのサンプルを動かすことであって、前記少なくとも一つのサンプルの前記移動は、前記STATサンプルの処理後に前記所望の待ち行列を満たすことを可能とすることと、処理用に前記モジュールへ前記STATサンプルを提供することと、で構成される前記さらなる方法を実現するための複数の命令を処理するようにさらに構成される、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項18

前記複数のモジュールの少なくともサブセットは、複数のインビトロ診断モジュールを含み、前記少なくとも一つのサンプルは患者のサンプルを含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項19

前記複数のモジュールは、(i)前記輸送機構へと前記少なくとも一つのサンプルを追加し、前記輸送機構から前記少なくとも一つのサンプルを除去するように構成されたサンプル取扱モジュールと、(ii)免疫アッセイモジュールと、(iii)診断化学モジュールのうちの一つ以上を含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項20

前記所望の待ち行列は、ファストインファストアウト待ち行列もしくはランダムアクセス待ち行列のうちの一つを含む、ことを特徴とする請求項11に記載のオートメーションシステム。

請求項21

インビトロ診断において使用するための分析器であって、オートメーションシステムと、前記オートメーションシステムによって輸送される複数の対象と相互作用するように構成された複数のステーションと、メモリ内の前記複数のステーションの少なくともサブセット用に複数の待ち行列を保持し、前記複数の待ち行列の各々に前記複数の対象を割り当てるように構成された一つ以上のプロセッサと、を含み、前記複数の待ち行列の各々に割り当てられた複数の対象は、前記複数の待ち行列の各々に関連付けられたステーションに物理的に近接して配置される必要がない、ことを特徴とする分析器。

請求項22

前記一つ以上のプロセッサは、同時に複数の待ち行列へと個々の複数の対象を割り当てるようにさらに構成される、ことを特徴とする請求項21に記載の分析器。

請求項23

前記一つ以上のプロセッサは、対象が前記待ち行列によって必要とされる期間内に割り当てられる、前記複数の待ち行列の各々に関連付けられた前記ステーションに前記各対象が物理的に到達できるかを検証するようにさらに構成される、ことを特徴とする請求項21に記載の分析器。

請求項24

前記複数の待ち行列は、少なくとも一つのFIFO待ち行列を含む、ことを特徴とする請求項21に記載の分析器。

請求項25

前記複数の待ち行列は、少なくとも一つのランダムアクセス待ち行列を含む、ことを特徴とする請求項21に記載の分析器。

技術分野

0001

[関連出願に対する相互参照
本出願は、2012年4月2日に出願された米国仮特許出願整理番号61/619,173に対する優先権を享受する権利を主張し、米国仮特許出願整理番号61/619,173はその全体において参照によって本明細書に組み入れられる。

0002

[技術分野]
本発明は、概して、研究室環境において利用するためのオートメーションシステムに関し、より詳細には、待ち行列論理を提供することによってオートメーションシステム内のサンプルをスケジュールするためのシステムおよび方法に関する。本発明の実施形態は、IVD環境において利用するためのオートメーションシステムに特に適しているが、それに限定されることはない。

背景技術

0003

インビトロ診断(IVD)は、患者流体(fluid:体液)サンプルに実施されるアッセイ(assay:生化学分析)に基づいて、研究室が疾病の診断を支援することを可能にする。IVDは、患者の身体の流体部分もしくは腫瘍から採取された液体サンプル解析によって実施することができる患者の診断および治療に関する種々のタイプの分析試験およびアッセイを含む。これらのアッセイは、典型的に、患者のサンプルを含むチューブもしくはバイアル(vial:ガラス瓶)などの流体容器が装着された自動化診断(clinical:診断)化学分析器(分析器)で実施される。分析器は、バイアルから液体サンプルを抽出して、特別な反応キュベット(cuvette:浅水)もしくはチューブ(概して反応器と称される)で種々の試薬とそのサンプルを一緒にする。幾つかの従来システムにおいては、分析器用にモジュールアプローチが利用される。研究室オートメーションシステムは、あるサンプル処理モジュール(モジュール)と別のモジュールの間でサンプルを行ったり来たり動かすことができる。モジュールは、サンプル取扱ステーションおよび試験ステーション(例えば、あるタイプのアッセイを専門に扱うことができるか、さもなければ、免疫アッセイ(IA)および診断化学(CC)ステーションを含みうる、より大きな分析器に対する試験サービスを提供することができるユニット)を含む一つ以上のステーションを含んでもよい。幾つかの従来のIVDオートメーショントラックシステムは、ある完全に独立したモジュールから別のスタンドアロンモジュールへとサンプルを輸送するように設計されたシステムを含む。これによって、二つの異なるステーションで異なるタイプの試験を専門に扱うことを可能とするか、または、利用可能なサンプルスループットの全体を向上させるために、二つの余分なステーションをリンク(結合)することを可能にする。しかしながら、これらの研究室オートメーションシステムは、しばしばマルチステーション分析器におけるボトルネックである。どちらかといえば、従来の研究室オートメーションシステムは、ステーション間で独立してサンプルを動かすことを可能にするための、相当な程度の知能もしくは自主性を欠く

0004

例示的な従来技術のシステムにおいては、コンベアベルト様の摩擦トラックが、時にはパックもしくはコンテナのラックと呼ばれる個々のキャリア機構を、異なるステーション間で動かす。サンプルは、トラックに沿った分析器内のステーション間の輸送用に、オペレータもしくはロボットによってパック内へと配置された試験管などのサンプル容器内に格納されることがある。しかしながら、この摩擦トラックは、一度に一方向にしか動くことができず、トラック上の任意のサンプルは、同一速度で同一方向にしか動けない。サンプルが摩擦トラックを出る必要があるとき、ゲーティングスイッチングは、個々のパックを分岐経路(offshot path)へと動かすために使用することができる。この構成の欠点は、各ゲートおよびスイッチにおいて任意の与えられたパックの方向を制御するために単一化(singulation)が使用されなければならないことである。例えば、二つのパックが互いに近接し、かつ一パックだけ分岐経路へと方向を変えるべき場合、一パックだけが分岐経路へと動かされるようにスイッチを制御し、適切なパックが摩擦トラックから引き出されることを保証することが困難である。これはトラック上の各決定点デシジョンポイント)において、一度に一つ、個々のパックが解放されてスイッチングされるように、ゲートにおいてパックを停止させるという従来技術における必要性が作り出されてしまう。

0005

過度の単一化は、トラック全体を減速させ、かつトラック内に交通渋滞を増加させる。これは、トラック内の物理待ち行列(queue:キュー)に対する必要性につながる。道路上の交通と同様に、トラック上のトラフィックは、ゆっくりと動くパックの蓄積を引き起こす。なぜなら、動作中の通過に費やされる時間のほとんどは、ゲートによるスイッチングのための単一化点において、行列を通して待機することに費やされる可能性があるからである。これは、通過中の非効率につながる。大容量の分析器に対しては、最終的には、各サンプルに対して相当な量の時間が、摩擦トラック上のゲートにおいて待ち行列で待機することに費やされる。これは、各サンプルによって発生されるレイテンシーを増加させる。レイテンシーは、サンプルが、あまりにも長くサンプルチューブ内にある場合に、分離もしくは凝固を開始する可能性がある全血サンプルなど、あるタイプのサンプルにとって問題になる可能性がある。

0006

パックは従来、ルーティングされ、扱われ、かつ処理されるために停止するため、従来技術のシステムにおけるサンプルは、サンプルに対する全処理が完了する前に、幾つかの待ち行列で待機することになる。これは、サンプルが処理を待つ間、オートメーショントラック上で実質的に格納されるとき、浪費される空間量を大きくする結果を生じる。ほとんどの従来の研究室オートメーショントラックは、モジュール(分析器もしくは前/後分析デバイス)によって処理されるために待機するサンプルをバッファするために、FIFO処理待ち行列を保持する。これらのバッファは、モジュールが爆発需要を作り出すときでさえ、一定の速度でトラックがチューブを処理することを可能にする。バッファは、現在のサンプルの処理中に、将来のサンプル用の前処理タスク(例えば、キュベットを準備する、もしくは試薬を吸引する)をトラックが実施することを可能にすることによって、個々のモジュールスループットを実質的に増加させることもできる。

0007

摩擦トラック上の長い待ち行列およびトラフィックの別の問題点は、STATサンプルの処理に関する問題である。STATサンプルは、当該サンプル用の結果を迅速に返すことができるように、オペレータが行列の前に動かすことを望むサンプルである。例えば、救急処置室を有する病院においては、試験結果は、治療を待つ患者に対して緊急であることがある。長い待ち行列を有する従来技術の摩擦トラックシステムにおいては、待ち行列全体がSTATサンプル用経路を作るためにしばしばフラッシュされ(flush:くずされ)なければならない。これは、サンプルのソーティングに値する数分間の結果を取り消し、非STATサンプルによって発生される全体のレイテンシーを増加させる可能性がある。

0008

本発明の実施形態は、サンプルが必要とされる前に、処理ステーションで物理的にサンプルが待機する必要性を回避するために、ソフトウェア内の仮想待ち行列を利用し、サンプルを輸送するためのデバイスおよびシステムを提供することによって、上記の短所および欠点のうちの一つ以上を処理して克服することができる。

0009

本発明の一実施形態に従い、本方法は、オートメーショントラックおよびキャリアなどの輸送機構によって互いに接続された複数のモジュールを提供する、オートメーションシステム用の待ち行列を実現する。複数のモジュールの各々は、サンプルを処理するように構成され、輸送機構は、システムサイクル時間内に複数のモジュール間でサンプルを輸送するように構成される。本方法は、モジュール用の所望の待ち行列を決定することを含み、所望の待ち行列はモジュールによって処理される少なくとも一つのサンプルを順序付けし、ここでさらに、モジュール用モジュールサイクル時間を決定することを含み、ここでモジュールサイクル時間は、少なくとも一つのサンプルのうちの一つを処理するためにモジュールによって必要とされる時間の長さを含む。本方法は、モジュール用の所望の待ち行列を満たすために、オートメーションシステム内の少なくとも一つのサンプルの配置を容易にすることをさらに含み、少なくとも一つのサンプルは、所望の待ち行列における少なくとも一つのサンプルの順序およびモジュールサイクル時間に基づいて決められた時間にモジュールに到達するように配置され、本方法は、決められた時間に少なくとも一つのサンプルをモジュールに提供することを含む。幾つかの実施形態のうちの一態様に従い、システムサイクル時間は、複数のモジュールのうちの一つによってサンプルを処理するための時間の量(期間)と、複数のモジュールのうちの二つのモジュール間でサンプルを輸送するための時間の量(期間)とを含むことができる。幾つかの実施形態の別の態様に従い、オートメーションシステムは、少なくとも一つのサンプルのうちの一つ以上を保持するように構成された、一つ以上の保持バッファを含むことができる。複数のモジュールの各々は、少なくとも一つのサンプルのうちの一つ以上を保持するように構成されたモジュール保持領域を含むことができる。幾つかの実施形態の別の態様に従い、サンプルの配置は、(i)輸送機構に沿った位置と、(ii)一つ以上の保持バッファのうちの少なくとも一つと、(iii)複数のモジュール保持領域のうちの少なくとも一つと、(iv)複数のモジュールのうちの別のモジュールのうちの少なくとも一つへと、少なくとも一つのサンプルを動かすことを含むことができる。

0010

幾つかの実施形態の一態様に従い、本方法は、モジュールに対して優先度レベル割り当てることと、モジュールと第二のモジュールとの間の少なくとも一つのサンプルに対する競合の発生において、モジュールの優先度レベルを第二のモジュールの優先度レベルと比較することと、比較された優先度レベルに基づいて、モジュールもしくは第二のモジュールへと少なくとも一つのサンプルを提供することと、をさらに含むことができる。幾つかの実施形態の別の態様に従い、本方法は、STATサンプルを処理するために、オートメーションシステムにおける少なくとも一つのサンプルを移動することであって、サンプルの移動は、STATサンプルの処理後に所望の待ち行列が満足されることを可能とすることと、STATサンプルの処理用モジュールへとSTATサンプルを提供することをさらに含む。

0011

幾つかの実施形態の一態様に従い、複数のモジュールの少なくともサブセットは、インビトロ診断モジュールを含み、各サンプルはサンプルである。幾つかの実施形態の別の態様に従い、複数のモジュールは、(i)少なくとも一つのサンプルを輸送機構へ追加し、少なくとも一つのサンプルを輸送機構から除去するように構成されたサンプル取扱モジュールと、(ii)免疫アッセイモジュールと、(iii)診断化学モジュールのうちの一つ以上を含むことができる。幾つかの実施形態の別の態様に従い、待ち行列は、ファストインファストアウト待ち行列もしくはランダムアクセス待ち行列を含むことができる。

0012

本発明の別の一実施形態に従い、待ち行列を実現するためのオートメーションシステムは複数のモジュールを含み、複数のモジュールの各々は、サンプルを処理するように構成され、輸送機構は、システムサイクル時間内に複数のモジュール間でサンプルを輸送するように構成され、輸送機構は複数のモジュールを互いに接続する。スケジュールコントローラは、本明細書で記述された方法を実現するための命令を処理するように構成することができる。

0013

本発明の別の一実施形態に従い、インビトロ診断で使用するための分析器は、オートメーションシステムと、オートメーションシステムによって輸送される対象と相互作用するように構成された複数のステーションと、一つ以上のプロセッサとを含む。プロセッサは、メモリ内に複数のステーションの少なくともサブセット用の複数の待ち行列を保持し、各複数の待ち行列に複数の対象を割り当てる。各複数の待ち行列に割り当てられた対象は、各複数の待ち行列に関連付けられたステーションに物理的に近接して配置される必要はない。対象は、患者サンプルもしくは本明細書を通して記述される他の対象を含んでもよい。

0014

幾つかの実施形態の一態様に従い、プロセッサは、同時に複数の待ち行列へと個々の対象を割り当てるようにさらに構成し、および/もしくは待ち行列によって必要とされる期間内に対象が割り当てられるべき複数の待ち行列の各々に関連付けられたステーションに各対象が物理的に到達できるかを検証するようにさらに構成することができる。幾つかの実施形態の別の態様に従って、複数の待ち行列は、少なくとも一つのFIFO待ち行列もしくは少なくとも一つのランダムアクセス待ち行列を含む。

0015

本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して行われる例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0016

本発明の前述の態様および他の態様は、添付の図面と組み合わせて読解されたとき、以下の詳細な説明から最良に理解される。本発明の実施形態を例示する目的のために、現在望ましい実施形態が図面において示されているが、しかしながら、本発明は、開示された特定の手段に限定されることはないことを理解されたい。図面に含まれているのは以下の図である。
例示的な物理的FIFO待ち行列における複数の状態を示す図である。
例示的な物理的ランダムアクセス待ち行列における複数の状態を示す図である。
開示されたオートメーションシステムの実施形態の利用によって改善することができる例示的な診断化学分析器構造の上面図である。
本明細書で開示されるオートメーションシステムの実施形態で利用することができるトラック構造の図である。
本明細書で開示されるオートメーションシステムの実施形態で利用することができるトラック構造の図である。
本明細書で開示された実施形態で使用することができる例示的なモジュールトラック構造の図である。
本明細書で開示された実施形態で使用することができる例示的なキャリアの透視図である。
本明細書で開示された実施形態で使用することができる例示的なトラック構造の透視図である。
本明細書で開示された実施形態で使用することができる例示的なオートメーションシステムの上面図である。
本明細書で開示されたある実施形態で使用することができる内蔵アクティブキャリアを含む制御システムのシステムブロック図である。
ある実施形態におけるサンプルキャリア操縦用に使用することができる例示的なトラック構造における例示的なルートの図である。
ある実施形態におけるサンプルキャリアの操縦動作を示すフロー図である。
ある実施形態におけるサンプルキャリアによって使用される例示的な加速プロファイルである。
ある実施形態で使用することができる仮想待ち行列を利用する例示的なオートメーションシステムの図である。
ある実施形態における仮想待ち行列の動作を示すフロー図である。

実施例

0017

[幾つかの実施形態に関連する用語と概念
分析器:自動化診断分析器(“分析器”)は、診断化学分析器、自動化免疫アッセイ分析器、もしくは任意の他のタイプのインビトロ診断(IVD)試験分析器を含む。概して、分析器は、複数の患者サンプルにおいて自動化された一連のIVD試験を実施する。患者サンプルは、分析器に(手動もしくはオートメーションシステムを介して)装填され、分析器は、その後、各サンプルに対して、免疫アッセイ、化学試験もしくは他の観察可能な試験のうちの一つ以上を実施することができる。分析器という用語は、モジュール分析システムとして構成される分析器のことを称する可能性があるが、それに限定はされない。モジュール分析システムは、オートメーショントラックなどのオートメーション面によって、線形もしくは他の幾何学的構造相互接続された複数のモジュール(同一タイプのモジュールもしくは異なるタイプのモジュールを含む可能性がある)の任意の組み合わせを含む、一体型拡張可能システムを含む。幾つかの実施形態においては、オートメーショントラックは、モジュール間で患者サンプルおよび他のタイプの材料を動かすために独立したキャリアが使用される、一体型輸送システムとして構成されてもよい。概して、モジュール分析システムにおける少なくとも一つのモジュールは、分析器モジュールである。モジュールは、患者サンプルに対して、より高い分析タスクのスループットを可能にするために、特化されるか、冗長化されてもよい。

0018

分析器モジュール:分析器モジュールは、患者サンプルに対して免疫アッセイ、化学試験もしくは他の観察可能な試験などのIVD試験を実施するように構成されたモジュール分析器内のモジュールである。典型的には、分析器モジュールは、サンプル容器から液体サンプルを抽出して、(概して反応器と称される)反応キュベットもしくはチューブ内で試薬とサンプルを一緒にする。分析器モジュールにおいて利用可能な試験は、電解質の分画もしくは肝機能、代謝、心臓ミネラル血液疾患薬剤、免疫アッセイ、もしくは他の試験を含むが、そのいずれにも限定はされない。幾つかのシステムにおいては、分析器モジュールは、より高いスループットを可能とするために、特化されてもよいし、または冗長化されてもよい。分析器モジュールの機能は、モジュールアプローチを利用しないスタンドアロン分析器によって実施されてもよい。

0019

キャリア:キャリアは、オートメーションシステムにおいてサンプル容器(および、拡張すると流体サンプル)もしくは他の単位体を動かすために使用することができる輸送ユニットである。幾つかの実施形態においては、キャリアは、従来のオートメーションパック(例えば、チューブもしくは単位体をかみ合わせるためのホルダ、オートメーショントラックにおける外部コンベヤベルト推進力を提供することを可能にするための摩擦表面、トラックがパックをその宛先へとルーティングすることを可能にするために、パックをオートメーショントラックにおける壁もしくはレールによって誘導することを可能にする複数側面を含む受動デバイス)の様に単純であってもよい。幾つかの実施形態においては、キャリアは、プロセッサ、モーションシステム誘導システムセンサなどのアクティブコンポーネントを含んでもよい。幾つかの実施形態においては、キャリアは、オートメーションシステムにおける地点間で、キャリアを自己誘導することを可能にする内蔵(オンボード)知能を含む可能性がある。幾つかの実施形態においては、キャリアは、他の場所で推進力がトラックなどのオートメーション表面によって提供されうる間に、推進力を提供する内蔵コンポーネントを含む可能性がある。幾つかの実施形態においては、キャリアは、決定点間で単一方向(例えば、前後)へと動きを制限するオートメーショントラックに沿って動く。キャリアは、サンプルチューブと噛み合って運搬するためのチューブホルダを有するIVD環境において任意のペイロードへと特化されてもよいし、または、オートメーションシステム周囲の異なる単位体を運搬するのに適した取り付け表面を含んでもよい。キャリアは、一つ以上のスロットを含むように構成することができる(例えば、キャリアは、一つもしくは複数のサンプル容器を保持してもよい)。

0020

キャリア/トレイ/ラック:キャリアは、トレイから区別可能であってもよい。トレイは、通常、オートメーショントラックに沿って移動せずに(例えば、オペレータによって運ばれる)、複数のペイロード(例えば、サンプルチューブ)を保持するように構成されるデバイスのことを称する。ラックは、複数のペイロード(例えば、サンプルチューブ)を保持するように構成されたデバイスを記述するための一般用語である。ラックは、複数のペイロードを運搬するように構成されたトレイ(オートメーショントラックの外側で使用されるとき)もしくはキャリア(オートメーショントラックを移動するように構成されるとき)のことを称してもよい。ラックは、幾つかの実施形態においては、スロットの一次元もしくは二次元アレイのことを称することがある。

0021

中央コントローラもしくはプロセッサ:中央コントローラ/プロセッサ(ときには中央スケジューラと称されることがある)は、オートメーションシステムの一部であって、任意のプロセッサ内蔵キャリアから分離されたプロセッサである。中央コントローラは、キャリア用のトラフィック方向、スケジューリングおよびタスク管理を容易にすることができる。幾つかの実施形態においては、中央コントローラは、オートメーションシステムにおけるサブシステムと通信し、キャリアとワイヤレスで通信することができる。これは、キャリアに対して、軌道もしくは操縦に関する情報もしくは命令を送信することと、どのキャリアがいつ、どこへ移動するべきかを決定することをも含んでもよい。幾つかの実施形態においては、ローカルプロセッサは、ローカル待ち行列を管理することなどのローカルトラックセクション(部分)上のキャリアの管理を担当することがある。これらのローカルプロセッサは、中央コントローラに対するローカル均等物として機能してもよい。

0022

決定点(デシジョンポイント):決定点は、異なる操縦もしくは軌道決定が異なるキャリアに対してなされることがある、オートメーショントラックの地点である。よくある例は、トラック内の分岐点フォーク)を含む。あるキャリアは、転回することなく進行するが、別のキャリアは、減速して転回する。決定点は、幾つかのキャリアは停止するが他のキャリアは進行することがある、器具における停止点を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、転回前の減速領域は決定点として機能し、減速して転回する予定のキャリアが横力を制限することを可能にし、他のキャリアは、転回しない場合、もしくは当該キャリアに対するモーションプロファイルが減速することを必要としない場合には進行してもよい。決定点においてなされる決定は、実施形態に依存して、プロセッサ内蔵キャリア、トラックセクションに対してローカルなプロセッサ、中央プロセッサもしくはその任意の組み合わせによって行われる可能性がある。

0023

独立キャリア:幾つかの実施形態においては、キャリアは独立して制御されるキャリアとして特徴づけられてもよい。独立して制御されるキャリアは、独立して制御される軌道を有するキャリアである。幾つかの実施形態においては、独立キャリアは、一つもしくは複数の、サイズ、重量、フォームファクタおよび/もしくは内容の異なるペイロードの組み合わせを運搬するキャリアを有し、同一トラック上で同時に動作してもよい。各独立して制御されるキャリアの軌道は、モーションプロファイル(オートメーションシステムで動く間のキャリアに対する最大ジャーク(jerk:加加速度)、加速度、方向および/もしくは速度を含む)によって制限されてもよい。モーションプロファイルは、各キャリアに対する軌道を独立して制限するか、規定することができる。幾つかの実施形態においては、モーションプロファイルは、オートメーションシステムの異なるセクション(例えば、直線トラックセクション対、転回中に付加される横力を処理するためのカーブ周囲)で異なるか、異なるキャリア状態(例えば、空のキャリアはサンプルを輸送するキャリア、または試薬もしくは他の品を輸送するキャリアとは異なるモーションプロファイルを有することがある)で異なるか、および/もしくは異なるキャリアで異なる可能性がある。幾つかの実施形態においては、キャリアは、各分離されたキャリアに対して意図されたモーションプロファイルまたは軌道もしくは宛先命令に応じて、個々のキャリアが独立して動作することを可能にする、内蔵推進コンポーネントを含むことができる。

0024

知能キャリア/半自律キャリア:幾つかの実施形態においては、キャリアは、知能キャリアとして特徴づけられてもよい。知能キャリアは、作動、ルーティングもしくは軌道決定に寄与する内蔵回路を有するキャリアである。知能キャリアは、命令に応じてオートメーション表面に沿って進行するためにソフトウェア命令を実行するデジタルプロセッサ、または作動入力応答する内蔵アナログ回路(例えば、ラインフォロワ回路)を含むことができる。命令は、モーションプロファイル、トラフィック、もしくは軌道ルール特徴づける命令を含んでもよい。幾つかの知能キャリアは、キャリアの環境に応じてキャリアをルーティングするか決定を行うために内蔵プロセッサを支援するための内蔵センサも含んでもよい。幾つかの知能キャリアは、内蔵プロセッサの制御に応じてキャリアを動かすことを可能にする、モータもしくは磁石などの内蔵コンポーネントを含んでもよい。

0025

インビトロ診断(IVD):インビトロ診断(IVD)は、疾病、状態、感染、代謝マーカを検出できる、または生体材料/流体の種々の成分を定量化することができる試験である。これらの試験は、患者の身体外で、研究室、病院、診療所、もしくは他の健康専門施設で実施される。IVD試験は、概して、試験管もしくは他のサンプル容器、またはより一般的には生存生物外の制御された環境におけるアッセイからの診断を実施することを意図された医療デバイスを利用する。IVDは、患者の流体サンプルに実施されるアッセイに基づいて、試験および疾病の診断もしくは生体材料/流体の種々の成分を定量化することを含む。IVDは、患者の身体の流体もしくは腫瘍から採取された液体サンプルの分析によって実施できる、患者の診断および治療に関連する種々のタイプの分析試験およびアッセイを含む。これらのアッセイは、典型的には、患者のサンプルを含むチューブもしくはバイアルが装着された分析器で実施される。IVDは、本明細書で記述されたIVD機能の任意のサブセットのことを称する可能性がある。

0026

ランドマーク:キャリアが内蔵センサを含む実施形態においては、トラック表面から視認できる/検知できるトラック表面もしくは位置における光もしくは他のマークは、ランドマークとして機能できる。ランドマークは、現在位置、近づいてくる停止位置、決定点、転回、加速減速点など、キャリアに対する地形情報伝送することができる。

0027

研究室オートメーションシステム:研究室オートメーションシステムは、研究室環境内のサンプル容器もしくは他の単位体を自動的に(例えば、オペレータもしくはソフトウェアの要求で)動かすことができる任意のシステムを含む。分析器に関連して、オートメーションシステムは、分析器内のステーションへ、ステーションから、もしくはステーション間で容器もしくは他の単位体を自動的に動かしてもよい。これらのステーションは、モジュール試験ステーション(例えば、あるタイプのアッセイに特化されるか、さもなければ、より大きい分析器へと試験サービスを提供することができるユニット)、サンプル取扱ステーション、格納ステーションもしくは作業セルを含むが、そのいずれにも限定はされない。

0028

モジュール:モジュールは、モジュール分析システム内の特定の(複数の)タスクもしくは(複数の)機能を実施する。モジュールの実施例は、分析試験用にサンプルを準備する分析前モジュール(例えば、サンプル試験チューブの頭部上のキャップを除去するデキャッパモジュール)、サンプルの一部を抽出して、試験もしくはアッセイを実施する分析器モジュール、分析試験後の格納用にサンプルを準備する分析後モジュール(例えば、サンプル試験チューブをリシール(再封)するリキャッパモジュール)、またはサンプル取扱モジュールを含んでもよい。サンプル取扱モジュールの機能は、在庫管理の目的でサンプルコンテナ/容器を管理すること、ソーティング(分類)、サンプルコンテナ/容器をオートメーショントラック(一体型輸送システムを含んでもよい)内外へ動かすこと、サンプルコンテナ/容器を分離された研究室オートメーショントラック内外へ動かすこと、ならびにトレイ、ラック、キャリア、パックおよび/もしくは格納位置内外へサンプルコンテナ/容器を動かすことを含んでもよい。

0029

ペイロード:例示的なキャリアが患者サンプルを運搬することに関連して記述されるが、幾つかの実施形態においては、キャリアはオートメーションシステムにわたって、任意の他の合理的なペイロードを輸送するために利用することができる。これは、流体、流体容器、試薬、廃棄物、使い捨て製品部品もしくは任意の他の適切なペイロードを含んでもよい。

0030

プロセッサ:プロセッサは、一つ以上のプロセッサおよび/もしくは関連するソフトウェアおよび処理回路のことを称することがある。これは、適切な場合、各実施形態において前述された処理機能を実現するための、シングルもしくはマルチコアプロセッサ、単一もしくは複数のプロセッサ、埋め込み型システム、もしくは分散型処理アーキテクチャを含んでもよい。

0031

プルアウトサイドカー、分岐経路:これらの用語は、トラックシステムの主要部分以外のトラックセクションのことを称するために使用されてもよい。プルアウトもしくはサイドカーは、コード、並行トラック、もしくは主要なトラフィックパターンから幾つかのキャリアを分離するための他の適切な手段を含んでもよい。プルアウトもしくはサイドカーは、メイントラックセクションにおけるトラフィックを中断することなく、物理待ち行列を容易にするか、あるキャリアが停止するか減速することを可能にするように構成されてもよい。

0032

サンプル:サンプルは、患者(人間もしくは動物)から採取された流体もしくは他のサンプルのことを称し、血液、尿、ヘマトクリット羊水流体、またはアッセイもしくは試験を実施するのに適した任意の他の流体を含んでもよい。サンプルは、ときには、他の患者サンプルを処理するうえで分析器を支援するために使用される、キャリブレーション流体もしくは他の流体のことを称することがある。

0033

STAT(短いターンアラウンド時間)サンプル:サンプルは、分析器内の非STATサンプルに対して先行するべきサンプルに対してSTAT優先度を割り当てるために、研究室情報システム(LIS)もしくはオペレータによって割り当てられた異なる優先度を有してもよい。賢明な方法で利用されると、これによって、試験プロセス中に他のサンプルよりも迅速にあるサンプルを動かすことが可能になり、試験結果を医師もしくは他の開業医が迅速に受け取ることを可能にする。

0034

ステーション:ステーションは、モジュール内で特定のタスクを実施するモジュールの一部を含む。例えば、分析器モジュールと関連付けられたピペッティングステーションは、一体型輸送システムもしくは研究室オートメーションシステム上のキャリアによって運搬されるサンプルコンテナ/容器の外のサンプル流体をピペッティング(pipetting:ピペット操作)するために使用されてもよい。各モジュールは、モジュールに対して機能を追加する一つ以上のステーションを含むことができる。

0035

ステーション/モジュール:ステーションは、分析器内の特定のタスクを実施する分析器の一部を含む。例えば、キャッパ/デキャッパステーションは、サンプル容器からキャップを除去して元に戻してもよい。試験ステーションは、サンプルの一部を抽出して、試験もしくはアッセイを実施することができる。サンプル取扱ステーションは、サンプル容器を管理し、サンプル容器をオートメーショントラック内外へと動かし、格納位置もしくはトレイ内外へとサンプル容器を動かすことができる。ステーションは、モジュールであってもよく、ステーションをより大きい分析器に加えることができる。各モジュールは、分析器に機能を追加する一つ以上のステーションを含み、分析器は一つ以上のモジュールで構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、モジュールは、複数のモジュールおよび/もしくはステーションをリンクしうるオートメーションシステムの一部を含むか、または、オートメーションシステムから分離されてもよい。ステーションは、特定のタスクを実施するための一つ以上の器具を含んでもよい(例えば、ピペット(pipette)は、オートメーショントラック上のサンプルと相互作用するために免疫アッセイステーションで使用されうる器具である)。そうでないと記述される場合を除いて、モジュールとステーションの概念は、交換可能なように(ほぼ同じ意味で)称されてもよい。

0036

チューブ/サンプル容器/流体容器:キャリア表面汚染することなくキャリアがサンプルを輸送することを可能にするために、サンプルは、試験管もしくは他の適切な容器などの容器で運搬されてもよい。

0037

例示的実施形態]
従来技術における物理待ち行列に通常関連付けられる問題の一つ以上は、仮想待ち行列を利用することによって、本発明の実施形態の利用によって解決されるか、または軽減される可能性がある。従来技術において使用される物理待ち行列は、バッファと論理待ち行列の間で概して区別しない。即ち、従来技術の分析器内の各待ち行列は、論理待ち行列における各サンプルの物理的存在を必要とする。実際には、論理待ち行列は、待ち行列用の物理空間から区別することができない。論理待ち行列に対する各サンプルに対して、当該サンプルは、当該待ち行列によって占められた空間へと物理的に配置される。これは、結果として各待ち行列用のバッファを生じる。バッファは、待ち行列への到着が、サンプルが使用される時間と同時ではない状況に対して、有用なことがある。バッファは、同一速度でサンプルが到着することを必要とすることなく、ステーションが自身のペースで動作することを可能にする。サンプルの待ち行列への到着は、不規則であり、分析器内のビジー時間に一斉に到着することもあり得る。一方、処理ステーションは、典型的には一定速度で動作する。

0038

概して、物理待ち行列にサンプルを配置することは有益である。なぜなら、それによって、待ち行列を利用するステーションがサンプルを必要とするとき、サンプルが使用可能であることを保証するからである。即ち、サンプルを物理待ち行列に配置することによって、サンプルが論理待ち行列の先頭に到達するときにサンプルが物理的に使用可能であることを保証する。従来の待ち行列は、物理待ち行列と論理待ち行列の間で区別しないために、この保証は、待ち行列に配置されたサンプルによって必ず満たされる。

0039

しかしながら、物理待ち行列および論理待ち行列が同一であるとき、それは、サンプルが必要とされる前に、サンプルが待ち行列に対して、その中に配置されるように物理的に準備されなければならないことを意味する。これによって、各サンプルが必要とされて待機する前に待ち行列に到着しなければならないため、結果としてシステム内のレイテンシーの増加を生じる。これによって、サンプルによってオートメーションシステム内で費やされる時間の大部分が、移動もしくは処理ではなく、むしろ待機して費やされるため、各サンプル用のターンアラウンド時間の増加を引き起こす。これによって、オートメーションシステムが拡大縮小されるにつれて、相当数のサンプルがオートメーション上で待機するように、貴重な空間を浪費する可能性もある。これは結果として、トラフィックおよび非効率を生じる。さらには、サンプルが物理的に存在し、かつ待ち行列において論理的に存在する場合、当該サンプルは、その他の場所では物理的に存在することはできない。したがって、当該サンプルは、一度に複数の待ち行列に存在することはできない。このルールは、物理待ち行列を利用する場合、オートメーションシステム内のタスクをスケジューリングするときに考慮されなければならない。サンプルは、一度に二つの位置に存在することはできないので、先の待ち行列が当該サンプルを解放するまでは、待ち行列へと配置することができない。

0040

本発明の実施形態は、物理的存在と論理待ち行列の間のもつれを低下させるか、または除去することによって、これらの問題点のうちの一つ以上を処理してもよい。幾つかの実施形態においては、仮想待ち行列が利用される。本明細書で使用されるように、仮想待ち行列は、論理待ち行列内にある各サンプルを物理待ち行列内物理的関係に置く必要なく、論理構造もしくはスケジューリングアルゴリズムの一部としてソフトウェア内で保持される待ち行列のことを称する。幾つかの実施形態においては、サンプルは、オートメーションシステム内の単一位置に関連付けられた仮想待ち行列に論理的に存在する、一方、オートメーションシステム内で実質的に非近傍もしくはいずれの位置に存在してもよい。例えば、ピペッティングステーションは、サンプルを要求して処理するために使用する論理待ち行列を有してもよい。この論理待ち行列内のサンプルは、ピペッティングステーションに物理的に存在する必要はなく、当該サンプルが論理待ち行列にある間にオートメーションシステム内で動かすことを可能にする。幾つかの実施形態においては、当該サンプルは、当該待ち行列にある間、別のステーションと関連付けられたトラック部分に存在するなど、オートメーションシステム内の他のセクションをアクティブに移動することができる。これは、サンプルが任意の処理ステーションに物理的に到着する前に論理待ち行列へと配置することを可能にすることによって、有利とすることができる。これによって、論理待ち行列におけるサンプルが待ち行列の先頭に到達する前に物理的に適応される必要がないため、当該ステーションにサンプルを格納するために必要な空間量を減少させる可能性がある。さらには、幾つかの実施形態においては、サンプルは、複数の論理待ち行列に存在することがあり、合間に他のステーションによって処理されるサンプルの性能を制限することなく、複数の取扱ステーションがこれらのサンプルが使用可能であると考えることを可能にする。

0041

二つの従来タイプの待ち行列が存在する。これらの待ち行列は、従来物理的であるが、幾つかの実施形態で利用するために、これらの待ち行列が論理的に実現されてもよい。第一タイプの待ち行列は、FIFO待ち行列である。FIFO待ち行列は、実質的にバッファのように動作し、サンプル到着とサンプルが処理される時間との間に遅延を導入する。サンプルは、決まった順序のFIFO待ち行列を有する各ステーションに対して利用可能にされる。いったんサンプルが使用可能にされると、ステーションは当該サンプルを処理してサンプルを解放する。当該サンプルは、当該ステーションによって再度利用されることはない。ステーションが時間毎に1サンプルを処理するなど、決まった速度で動作する場合、サンプルが待ち行列の終端に配置される前に経過する時間、ならびに待ち行列の先頭にサンプルがいつ到達するかは容易に決定することができる。サンプルが所定位置かつ待ち行列内にある場合、サンプルは、数周期後にステーションによって必要とされるであろう。幾つかの実施形態においては、スケジューリングソフトウェアは、この時間と位置との関係を利用する。

0042

しかしながら、FIFO待ち行列は、分析器内の全ての待ち行列に対して適切ではないことがある。FIFO待ち行列の厳密な予測性は、幾つかの処理タスクの並列化を可能とするが、モジュールが試験の再順序付けを必要とする日和見性スケジューリングを使用することも予防する。例えば、ほとんどの免疫アッセイ分析器の内部リソース競合は、最大効率に達するために、複数サンプルから試験をインターリービングすることを必要とし、第二のサンプルにおける第一ステップを、第一サンプルにおける最終ステップ前に開始することを可能とする。物理バッファで実現されるとき、FIFO待ち行列は、これらの分析器のスループットを20%減少させる。FIFO待ち行列の別の問題は、優先度を有するサンプルを扱うことができないことである。

0043

FIFO待ち行列は、処理前もしくは処理後のタスク(キャッパもしくはデキャッパなど)を実施する処理モジュールによって最も適切に利用されるが、決まった順序のサンプルを許容することができるタスク(例えば、一度のアスレーションが実施される試験)を処理するために使用されてもよい。FIFO待ち行列を利用するステーションは、一旦サンプルがFIFO待ち行列に配置されると、サンプルの順序ならびにサンプルが待ち行列の先頭に到達するタイミングが固定された間は、動作することが可能であるべきである。

0044

一方、ランダムアクセス待ち行列は、ステーションが、待ち行列内で順序に関係なく、サンプルを要求することを可能とする。ステーションがその待ち行列におけるサンプルを処理する計画を立てる順序に関して幾らかの知識もなく、サンプルが当該ステーションによっていつ必要とされるかを予測することは不可能である。ランダムアクセス待ち行列内のサンプルは、複数回要求されてもよい。理想的には、一旦サンプルがランダムアクセス待ち行列に配置されると、待ち行列を利用するステーションは、当該ステーションが何時でもサンプルにアクセスでき、任意の順序でサンプルにアクセスでき、好きなだけ何度でもアクセスでき、サンプルが当該ステーションによって明白に解放されるまで、待ち行列内の各サンプルの制御を維持することを仮定する。従来の物理的ランダムアクセス待ち行列は、各サンプルがランダムアクセス用の待ち行列内にあり、任意の順序でサンプルにアクセスすることを可能にすることを保証するために、カルーセル回転ベルトコンベヤ)を利用してきた。カルーセルのサイズがサンプル数二乗に比例して大きくなり、それほど多くはないサンプル用に大量の面積を必要とするため、従来の物理的ランダムアクセス待ち行列は、スペース制約に悩んできた。同様に、待ち行列の列サイズが大きくなると、ランダムアクセスを提供するため、循環する必要がある大量のサンプルを収容するために、より大きなカルーセルをより速く動かす必要があるだろう。

0045

したがって、従来のランダムアクセス待ち行列は、幾つかのサンプルのみに対するものに限定されるか、またはサンプルがランダムにアクセスされうる程度を制限した。例えば、純粋なランダムアクセス待ち行列においては、待ち行列における任意のサンプルは任意の時刻にアクセスすることができ、現在要求されるサンプルと以前のサンプルの間に相関はない。しかしながら、コンピュータアーキテクチャにおけるキャッシングの原則に類似し、幾つかの実施形態においては、次の動作サイクル中に待ち行列内の全てのサンプルが使用可能であることを必要とすることなく、表面上ランダムアクセスを可能とする、ランダムアクセスに課されうる理にかなった制約が存在する。例えば、サンプル待ち行列がその中に20サンプルを有する場合、待ち行列の先頭に到達する次のサンプルが、カルーセル内の現在のサンプルに対してより近接した5個のサンプルのうちの一つに制限されるとき、制約は許容できるものである。これによって、次のサイクル用の待ち行列内の全サンプルに対して、ランダムアクセスを提供することなく、ランダムアクセスを提供してもよい。これは、部分的ランダムアクセス待ち行列と称されることがある。この概念は、幾つかの実施形態で使用される幾つかのランダムアクセス待ち行列によって使用されてもよい。

0046

物理的ランダムアクセス待ち行列は、以下の不利益を有することがある。つまり、複雑性コストが増加し、信頼性が低下する。サンプルをランダムアクセス待ち行列内外へと動かさなければならないために、定常状態処理時間が増加する(処理遅延は、処理系に依存する)。トラックの物理的フットプリントを増加させる(例えば、カルーセルの直径は、カルーセルが保持するように設計されたサンプル数に伴って増加する)。それは、ほとんどの処理系においてモジュールがオフラインになる場合、待ち行列を素早くフラッシュするのを妨げる。

0047

図1は、動作中のFIFO待ち行列を示す。FIFO待ち行列10は、メイントラック12外のサイドカー上に配置される。メイントラック12に沿って移動するサンプルは、矢印の方向に移動する。状態8においては、3つのサンプルA、BおよびCがFIFO待ち行列10内にある。サンプルAは、待ち行列の先頭にあって、前処理モジュール14によって処理される。モジュール14は、到着した順序でサンプルを処理する、デキャッパなどのステーションであってもよい。一方、STATサンプル16は、メイントラック12に沿って到着し、FIFO待ち行列10に入る。状態18においては、FIFO待ち行列10は、フラッシュされる。サンプルAが処理を完了する間、サンプルBおよびCは、STATサンプル16の処理を支援するためにフラッシュされなければならない。サンプルBおよびCは、その後、FIFO待ち行列10内へ戻すために、オートメーションシステム全体もしくはオートメーションシステム内のループを移動しなければならない。一方、サンプルDは、FIFO待ち行列10へ配置するために、トラック12に沿って到着する。サンプルBおよびCがFIFO待ち行列に入る前にオートメーションシステムの別の回路を作成しなければならない場合、前処理モジュール14の必要性に依存して、元の順序が重要性を有することがある。幾つかの実施形態においては、前処理モジュール14は、FIFO待ち行列の順序の変更に適応でき、待ち行列においてSTATサンプル16の後ろにサンプルDを配置することを可能にし、サンプルBおよびCの前にサンプルDを処理することを可能にする。

0048

図2は、動作中のランダムアクセス待ち行列を示す。ランダムアクセス待ち行列22は、カルーセル(carousel)内の4つの位置を含む物理的ランダムアクセス待ち行列である。モジュール24は、所望の位置がモジュール24内のピペットと整列するように、カルーセルを回転させることによって、待ち行列内のサンプルに対するアクセスを与えられる。サンプルは、矢印の方向にメイントラック12に沿って移動し、モジュール24によって処理されるべきサンプルは、ランダムアクセスカルーセルへとサンプルを配置するサイドカーへと方向づけられる。モジュール24は、例えば、分析器試験ステーションであってもよい。状態26においては、サンプルA、BおよびCは、ランダムアクセスカルーセル22内に配置される。一方、STATサンプル16は、モジュール24によって処理するために、メイントラック12に沿って到着する。状態27においては、STATサンプル16をカルーセル内の空のスロットへと配置する間に、モジュール24は、サンプルAの処理を完了する。サンプルDは、処理用にメイントラック12に沿って到着する。状態28においては、サンプルAは処理を完了して、モジュール24による処理用に、待ち行列の先頭へと別のサンプルを動かすことを可能にする。この例においては、STATサンプルは任意の優先度を有する。カルーセル22は、モジュール24との相互作用のための位置へとSTATサンプルを動かす。サンプルDは、サンプルAによって残された空のスロットへと配置されてもよい。この状態においては、サンプルBおよびCはフラッシュされないことに留意されたい。なぜなら、STATサンプル16は、カルーセルによって収容でき、サンプルBおよびCの前にSTATサンプルを処理することを可能にするために動かすことができるからである。さらには、サンプルBおよびCは、ランダムアクセス待ち行列内に存在したままであるため、サンプルにおける試験を容易にするためにモジュール24によって利用されるローカルスケジューリングアルゴリズムに依存して、モジュール24は、サンプルDの前にサンプルBおよびCを処理するか否かを決定することができる。

0049

本発明の実施形態は、論理待ち行列から物理待ち行列を分離することによって、図1および図2に示された待ち行列の機能の全てもしくはそのサブセットを提供してもよい。即ち、ランダムアクセスおよびFIFO待ち行列の機能は、待ち行列の先頭において転回を待つ間に、物理的に隣接して待ち行列内のサンプルを格納する必要なく、これらの品質を有する論理待ち行列を保持することによって提供されてもよい。例えば、ソフトウェアにおける仮想FIFO待ち行列は、それらが待ち行列の先頭に到達する前に、分析器オートメーションシステムの異なる部分にサンプルが存在することを可能にしてもよい。これは、FIFO待ち行列におけるサンプルが予め決められた順序を有する、つまり、論理待ち行列におけるその位置に基づいて、サンプルが待ち行列の先頭に到達する確定可能な時刻を有するという事実によって影響されることがある。サンプルが、FIFO待ち行列における待ち行列の先頭に到達する前に、当該サンプルは、他のステーションによる処理などの、オートメーションシステム内の他のタスク用に利用されてもよい。例えば、ソフトウェアFIFO待ち行列は、試験ステーション用のFIFO待ち行列とデキャッパステーション用のFIFO待ち行列の双方にサンプルが存在することを可能にしてもよい。分析器内の動作順序は、試験ステーションによって処理される前に、キャッパステーションにサンプルが加えられて前処理されることを保証するので、サンプルがデキャッパステーションの待ち行列の先頭に到達することによって処理され、サンプルが試験ステーション用の論理待ち行列の先頭に到達する前に試験ステーションに対して移動するのに十分な時間を有することが判定されうる限り、サンプルは、双方の仮想待ち行列に配置されてもよい。

0050

仮想ランダムアクセス待ち行列は、同様の方法で動作することができる。従来技術のシステムは、典型的には、カルーセルなどの待ち行列機構にサンプルが物理的に配置されることを必要とするが、器具がランダムアクセス待ち行列の先頭においてサンプルを要求するとき、当該器具と相互作用するための位置にサンプルを配置することができることをオートメーションシステムが保証できる限り、サンプルは、仮想ランダムアクセス待ち行列に存在し、かつオートメーションシステムにおける任意の合理的な位置に物理的に位置してもよい。

0051

これは、オートメーションシステムにサンプルがある間、信頼性および確定可能性を提供するオートメーションシステムを利用することによって達成することができる。各ジャンクションで単一化され、識別されなければならない摩擦トラックおよびサンプルパックを利用する大部分の従来のオートメーションシステムは、仮想待ち行列を物理待ち行列から分離することを可能にするのに十分な繰り返し性もしくは信頼性を提供することがない。従来のIVDオートメーションシステムにおいては、オートメーションシステム内のトラフィックが、現在オートメーションシステムの一部に位置するサンプルが、いつオートメーションシステム内の何れの位置においても利用可能にできるかを高い信頼性で判定することを困難もしくは不可能にしている。オートメーションシステム内の各単一化点によって生成されるバッファなどの性能ボトルネックは、オートメーションシステムの二点間でサンプルを動かすために必要なレイテンシーを困難にしている。幾つかの実施形態においては、本明細書で開示されたオートメーションシステムは、物理待ち行列によって限定されない仮想待ち行列の利用を容易にすることで、この非信頼性のうちの幾らかもしくは全てを解決する可能性がある。したがって、仮想待ち行列は、サンプルが待ち行列内にある間、全ての時刻において、待ち行列に関連付けられたステーションにサンプルが物理的に近接する必要なく、仮想待ち行列をソフトウェア内に保持することができる。

0052

本発明の幾つかの実施形態は、より少ないレイテンシーおよびより多い個々の制御で、種々の分析器試験ステーション間でサンプルを動かすことを可能にするために、より効率的な研究室オートメーションシステムを提供するシステムおよび方法を含む。本発明の実施形態は、オートメーションシステムを移動するサンプルによって経験される待ち行列を減少させるか排除することができる。通常、サンプルは、単一の試験ステーションでは使用可能ではない、自動化された診断分析器(分析器)において多くの異なるタイプの試験を経験することを必要とする。分析器内の試験ステーションは、特化された試験用に適応することができる。例えば、免疫アッセイは、あるインキュベーション性能を含み、免疫アッセイに固有な特定の試薬を利用する免疫アッセイステーションによって実施されてもよい。化学分析は、診断分析器によって実施することができ、電解質化学分析は、イオン選択電極(ISE)診断分析器によって実施することができる。このモジュールアプローチを利用することによって、分析器は、サンプルに対して行われる試験タイプにのみ適応できるわけではなく、研究室の必要性に適合するために必要な試験の頻度および容量に対しても適応できる。さらなる免疫アッセイ性能が必要とされる場合、研究室は、さらなる免疫アッセイステーションを加えることを選択し、当該システム内の免疫アッセイ試験に対する全体のスループットを増加させることができる。

0053

従来技術の構成において典型的な分析器内のサンプルを輸送するうえで使用するための例示的なトラック構造が図3に示される。このトラックは、トラックシステムを設計するうえでの問題を導入しうる、従来技術の摩擦トラックを含む可能性がある。しかしながら、本発明のある実施形態は、作動用に摩擦トラックを必ずしも使用することなく、類似の構造を利用することもできる。トラック100は、サンプル準備もしくは分析/試験ステーション110、120および130などの種々のステーション間で、パックもしくはトレイでサンプルを運ぶ、ほぼ楕円形状のトラックとすることができる。トラック100は、単一方向のトラックであるか、幾つかの実施例においては、線形の双方向トラックである。この例示的構成においては、各分析器110、120、130は、其々のサイドカー112、122、132によって処理される。トラック100と各サイドカーの間の接合点においては、サンプルをトラック100とサイドカーとの間で方向転換することを可能にするゲートもしくはスイッチを配置することができる。トラック100の楕円特性は、各分析器に対するアクセスを待つ間、サンプルを循環させるために使用することができる。例えば、分析器110がサイドカー112内の保留サンプルの扱いを終えて、トラック100のメイントラフィックフローへとそれを戻すまで、トラック100上の新規サンプルが、プルアウト112へと方向転換することができないように、分析器110は、サイドカー112において一杯になった待ち行列を有してもよい。

0054

幾つかの従来技術のシステムにおいては、各サイドカーは、サンプルプローブアーム114、124および134などの取り扱い機構によって処理することができる。これらのロボット的取扱アームは、プローブ針を介してサイドカー内のサンプルからサンプル材料を吸引するか、サイドカーからサンプルチューブを取り出して、対応する試験ステーションへとサンプルチューブを輸送することができる。この例示的システムにおいては、利用可能な試験ステーションは、免疫アッセイステーション110、小容量化学ステーション120および拡張可能希釈/ISE電解質および大容量化学ステーション(もしくは複数のステーション)130を含む。このアプローチの幾つかの利点は、トラック100が自己完結型ステーションに加えることのできる分離した研究室オートメーションシステムの一部であって、トラック100およびステーション110、120、および130を独立してアップグレード購入もしくは処理することができるということである。大容量化学ステーション130などの幾つかのステーションは、トラック100と独立して動作するそれ自身の摩擦トラック136を含むことができる。摩擦トラック136は、大容量化学ステーション130のサブモジュール間でサンプルを動かすことが可能な双方向摩擦トラックを含むことができる。このタイプのシステムの欠点は、分離した摩擦トラックが独立して動作し、オートメーション全体の制御がより複雑になる点である。さらには、特に二つの摩擦トラック間に直接ルートが存在しない場合、摩擦トラック136と100の間の通過は、時間がかかってかつ厄介である可能性がある。幾つかのシステムにおいては、トラック間での移動は、ロボットアームを介したサンプルの引き上げおよび配置を必要とすることがある。

0055

従来技術の分析器用研究室オートメーションシステムは、概して個々の分析器/試験ステーションをトラック上のサンプル用の汎用の宛先として扱う。本発明の幾つかの実施形態においては、研究室オートメーションシステムは、個々の試験ステーション内に統合することができ、個々の試験ステーションの複雑性を実質的に軽減するか排除し、各ステーション内でサンプル取扱システムを分離する必要性を減少させる。幾つかの実施形態においては、研究室オートメーションシステムをステーションへと統合することによって、システムは、汎用宛先としてよりは、かつ、サンプルが移動することができるマルチルートトラックの一部として、個々のステーションの扱いを開始することができる。

0056

図4Aは、本発明での使用のために適応することができるトラックシステムの一実施形態を示す。トラック150は、時計回り(もしくは反時計回り)方向にサンプルキャリアが移動する長方形/楕円/円形トラックである。トラック150は、一方向であってもよいし、双方向であってもよい。キャリアは、流体サンプル、試薬もしくは廃棄物など、IVD環境での任意の適切なペイロードを輸送することができる。患者サンプルなどの流体は、試験管、バイアル、キュベットなど、キャリアによって輸送できるコンテナもしくは容器に配置することができる。キャリア(拡張すると、サンプルなどのペイロード)は、メイントラック150上を移動することができるか、164もしくは166などの決定点を介して方向転換することができる。これらの決定点は、(従来技術と同様に)機械的ゲートであるか、サンプルをメイントラック150から本明細書で記述されたような160、160A、160B、160Cなどのサイドカーへと方向転換することを可能にするために適切な他の機構とすることができる。例示する目的のために、サンプルキャリアがメイン経路150を移動して、決定点166に到達する場合、サンプルキャリアは、セグメント162へとメイントラック上に存在し続けてもよいし、またはサイドカー160へと方向転換されてもよい。決定点166においてサンプルキャリアを方向転換するための決定がなされるシステムおよび方法は、本明細書に記述される。

0057

図4Bは、本発明のある実施形態用に適した別のトラックレイアウトを示す。トラック170は、時計周り(もしくは反時計回り)に移動するサンプルキャリアを有するほぼ円形のトラックでもある。本実施例においては、トラック外にサイドカーを有するのではなく、プルアウト180、180Aおよび180Bがトラック内の弦である。同様に、サンプルキャリアが決定点に到達すると、メイン経路から経路180などのサイド経路へと方向転換してもよい。決定点186において、メイントラック170上のサンプルは、メイントラック上に存在し続けてもよいし、経路180へと方向転換されてもよい。いったん取扱経路180に沿った分析器ステーションがサンプルの処理を終えると、サンプルは、決定点184へと進行して、メイン経路170へと戻される。

0058

図5は、本発明のある実施形態で利用することができるオートメーションシステムトラックに対するモジュールアプローチを示す。本実施例においては、内部作動もしくは個々の研究室ステーションのサンプル取扱システムの一部としてトラックを使用することができるように、トラックが、個々の分析器ステーションへと統合されてもよい。従来技術においては、異なる分析器/試験ステーション内に複数の異なるタイプの作動システムを有することがよくある。例えば、幾つかのステーションは、サンプルチューブのパックもしくはトレイを動かすための摩擦トラックを含み、サンプルの一部を吸引し、分配できるキュベットおよび反応容器などのより小型の容器を含むカルーセルを含んでもよい。幾つかの実施形態においては、トラックシステムの一部を分析ステーション自体へと統合することによって、各ステーションは、自身の待ち行列論理を含み、不必要な内部作動システムを排除するために簡略化されてもよい。

0059

図3を参照すると、トラック200は、分析器モジュールに統合されるモジュールコンポーネントへと分解できる。本例示的トラックにおいては、モジュール205、205Aおよび205Bは、互いに組み合わせることができ、任意で、図4Bに示されたトラックと類似のトラックを形成するために、他のモジュールトラックコンポーネント202および204とも組み合わせることができる。例えば、205Aは、免疫アッセイ110(図3)と同一の機能を実施するモジュールであって、205は、小容量化学モジュール120(図3)と同一の機能を実施するモジュールであって、205Bは、モジュール130(図3)のようにISE電解質試験を実施するモジュールとすることができる。本実施例においては、外部メイントラックは、トラックセグメント202、204、206、206A、206B、208、208Aおよび208Bによって形成することができる。分析器モジュール205、205Aおよび205B内で、内部経路210、210Aおよび210Bは、メイントラックからのプルアウトを形成する。内部経路は、内部待ち行列用に使用することができ、処理されるサンプルに対して各モジュールがより多くの制御を有することを可能にするために、各分析器モジュール内で独立して管理することができる。

0060

トラック200ならびにサブ経路210、210Aおよび210Bを其々分析器モジュール205、205Aおよび205Bへと統合する利点の一つは、各分析器モジュール内の内部取り扱い機構が、トラックサブ経路とより良好に調和して機能するように特別に適応させることができることである。幾つかの実施形態においては、モジュール205、205Aおよび205Bは、分析器全体の動作サイクルよりも短い期間内に各サンプルを処理するように適応することができ、処理後にトラックシステムに沿って別のモジュールへとサンプルがルーティングされるのに十分な時間を残し、次の動作サイクルでサンプルを他のモジュールが即座に処理することを可能にする。本明細書で使用されるように、動作サイクルは、サンプルアセイ用にモジュールに処理時間を割り当てるスケジューリングアルゴリズムによって使用される時間単位である。これらは動的であってもよいし、固定されてもよく、分析器内のモジュールの同期した動作を可能とし、分析器内の複数モジュール間のサンプルをスケジューリングするための信頼できるタイミングモデルを提供することができる。動作サイクル時間は、第一のサンプルの処理を開始する時刻と、予測された定常状態条件下で別のサンプルを処理するために準備する時刻の間で、任意の与えられたモジュールによって必要とされる時間に選択することができる。例えば、分析器が3秒毎に1試験を処理できる場合、サンプル毎の予測される平均試験は7回であり、動作サイクル時間は21秒とすることができる。個々のモジュールは、サンプル毎の試験回数が予測される回数から変化するときでさえ、スループットを最大化するために、並列処理もしくはサイクル内で複数のサンプルを処理するなどの効率的技術を実現することができることを理解されたい。さらには、幾つかの実施形態においては、個々のモジュールは異なる動作サイクル時間を有し、これらのモジュールは互いに対して実質的に非同期に動作することができることを理解されたい。モジュール間でサイクル時間もしくは需要が変化する場合、仮想待ち行列もしくはバッファを、サンプルスケジューリングの管理を支援するために使用することができる。

0061

単一の動作サイクル以下の順序で、信頼できるタイムフレームにおいて分析器内のモジュール間の通過を可能にすることは、従来技術のトラックシステムで不可能だった多くの性能の利益を達成する。サンプルが分析器モジュールによって確実に取り扱われ、分析器の単一サイクル内に次の分析器モジュールへと輸送することができる場合、待ち行列におけるトラフィックの取り扱いは、より単純になり、スループットはより一貫性のあるものになり、かつレイテンシーは制御されて減少する可能性がある。本質的に、当該分析器においては、サンプルが待ち行列で待機するトラックシステム上で何もしないでいることがないように、サンプルはトラックシステムによって確実に扱われ、均一に処理することができる。さらには、任意の分析器モジュール内の待ち行列などのシステム内の待ち行列は、確実に短縮され、システム内のモジュールの数によって制限される可能性がある。

0062

各決定点において待ち行列に対する必要性が存在しないように、214および216などの決定点が合理化できる場合、物理待ち行列のみが、サブ経路210、210Aおよび210B内にあるようにすることができる。上述されたように、これらは、RA待ち行列もしくはFIFO待ち行列として扱うことができる。STATサンプルがトラック200上に配置される場合、STATサンプルを即座に処理することができるため、サブ経路210、210Aおよび210B内のRA待ち行列は、フラッシュされる必要がない。任意のFIFO待ち行列は、個々にフラッシュすることができる。例えば、STATサンプルがセクション222においてトラック200上に配置される場合、サンプルは、外部トラックおよび決定点216を介して、適切な分析器205Bへとルーティングされてもよい。経路210Bにおける待ち行列において待機している他のサンプル(および拡張すると、それらのサンプルを輸送するサンプルキャリア)が存在する場合、STATサンプルを優先することを可能にするために、待ち行列内の当該サンプルのみがフラッシュされる必要がある。外部トラック200を移動するために、動作サイクル以下の時間がかかることが仮定される場合、210Bにおける待ち行列からフラッシュされた任意のサンプルは、トラック周囲を単に循環し、STATサンプルの直後に経路210Bにおける待ち行列へと即座に戻され、STATサンプルによって引き起こされる任意の休止時間(ダウンタイム)を排除する。

0063

入力経路220および222は、トラック200にサンプルを入力するために使用することができる。例えば、標準優先度を有するサンプルは、入力220においてトラック200上に配置され、STAT優先度を有するサンプルは、入力222において配置することができる。これらの入力は、完了すると、サンプル用の出力として使用することができるか、または、(図示されていない)他のポートを、使用されたサンプル用の出力経路として使用することができる。入力220は、トラック200に対するアクセスを求める入力サンプル用のFIFO待ち行列として機能する、入力バッファとして実現することができる。いったんサンプルが入力220において待ち行列の先頭に到達すると、サンプルは、(キャリア内に配置されるか、入力220内に配置されたときキャリア内に配置されるかのいずれかによって)トラックへ移動することができる。STATサンプルは、入力222に配置された直後にトラック200に入ることができ、または、トラック200に詰め過ぎたとき、STATサンプルは、次に利用可能な、すいている動作サイクルでトラックに入ることができる。幾つかの実施形態は、動作サイクル中のトラック上のキャリア数監視して、総数を管理可能な量に制限し、入力待ち行列残余部分を残す。入力においてサンプルを制限することによって、トラック200はトラフィックがなく、可能性のある最も効率的な方法で常に動作することが可能となる。これらの実施形態においては、二つのモジュール間のサンプルの通過時間は、限界を有する値(例えば、動作サイクルの幾らかの部分よりも短い)であって、簡略化されたスケジューリングを可能とする。

0064

幾つかの実施形態においては、トラックシステム200は、双方向であるように設計することができる。これは、サンプルキャリアが外部経路および/もしくは任意のサブ経路をいずれかの方向に移動することができることを意味する。幾つかの実施形態においては、さらなる決定点215および217を介してアクセスされる211Bなどのさらなるサブ経路によって、双方向アクセスの提供を支援することができる。双方向経路は、固有の利点を有する可能性がある。例えば、通常の優先度のサンプルが常に同一方向に扱われる場合、STATサンプルは、サブ経路に沿って反対方向で扱うことができる。これは、STATサンプルがサブ経路の出口に本質的に入って、待ち行列をフラッシュする必要なく、待ち行列の先頭に即座に配置することができることを意味する。例えば、STATサンプルがセグメント204においてトラック200上に配置される場合、決定点214において経路210Bに入ることができ、任意の待ち行列の先頭において即座に配置されるように経路210Bへと進行することができる。一方、これらの実施例の全てにおいて、待ち行列は、概してサブ経路に限定されることが予測されるため、STATサンプルがそれらのモジュールに対する即座のアクセスを必要としない場合には、他のモジュールにおいて待ち行列をフラッシュする必要がない。その後のサイクルでSTATサンプルを処理する必要がある任意のさらなるモジュールは、その点においてそれらの待ち行列をフラッシュすることができ、各分析器モジュールの動作を中断させることなく、STATサンプルへのジャストインタイム(時間にちょうど間に合う)アクセスを提供する。

0065

モジュール設計は、他のある利点も可能とする。分析器モジュール内のオートメーションシステムがモジュールに含まれるトラックシステムを利用するように適応される場合、通常のトラックを利用する新規の特徴を加えることができる。例えば、モジュールは、サンプル用に規定されたアッセイを実施するために必要な全ての試薬を含む、それ自身の内部試薬カルーセルを有することができる。分析器モジュール内にストックされた試薬が欠乏するとき、オペレータは、幾つかの実施形態においては、トラック200上のキャリアにさらなる試薬を単に充填することによって、試薬を補充することができる。トラック200上の試薬が適切なモジュールに到達すると、モジュールは、トラックから試薬を取り出して、モジュール用の試薬貯蔵所へと試薬を配置するアームもしくはフィーダシステムなどの機械システムを利用することができる。

0066

幾つかの実施形態においては、図5および図4Aおよび図4Bに示された個々のトラック部分は、互いに独立して動作することができるか、または、受動的とすることができる。独立したキャリア移動は、サンプルキャリアの移動に影響を与えるために摩擦トラック全体が移動しなければならない、非局在化コンベヤベルトなどの摩擦ベースのトラックシステムに対する利点を提供する。これは、当該トラック上の他のサンプルも同一速度で移動しなければならないことを意味する。これは、あるセクションが異なる速度で動作する場合、サンプルを運搬する受動的キャリア間衝突が生じる可能性があることも意味する。

0067

図6Aは、本発明で利用するための例示的なキャリア250を示す。キャリア250は、異なる実施形態においては、異なるペイロードを保持することができる。あるペイロードは、血液もしくは尿などの流体サンプル256を含むサンプルチューブ255とすることができる。他のペイロードは、チューブのラック、試薬カートリッジもしくは任意の他の適切なカートリッジを含んでもよい。サンプルキャリア250は、本明細書で記述された内部電子コンポーネントを収容できるメインボディ260を含む。メインボディ260は、ペイロードを収受できるブラケット262を支持する。幾つかの実施形態においては、これは、サンプルチューブなどの流体容器255を収受し、かつ、それを摩擦嵌め込みで保持するように設計された浅穴である。幾つかの実施形態においては、摩擦嵌め込みは、保持力を生成するために固定できるか、ばねでエネルギーを与えることのできる弾性穴もしくはクランプを利用して、生成することができる。幾つかの実施形態においては、サンプルラックおよび試薬カートリッジは、ブラケット262へと取り付けるようにも設計でき、ブラケット262が複数のペイロードタイプ用のユニバーサルベースとして機能することを可能とする。

0068

ディ260は、ガイド部分266を含むかガイド部分266に結合することができ、決定点間のトラックにキャリア250が従うことを可能にする。ガイド部分266は、例えば、トラック内の一つ以上のレールを収受するためのスロットを含み、横方向および/もしくは垂直方向の支持を提供する。幾つかの実施形態においては、ガイド部分は、キャリア250をトラック内の壁(トラフ形状のトラックの壁など)によって誘導することを可能とする。ガイド部分266は、キャリアボディ260内のモータがトラック上で前後にキャリアもしくはパック250を駆動することを可能にする摩擦ホイールなどの駆動機構も含むことができる。ガイド部分266は、磁石もしくは誘導コイルなどの本明細書で記述された実施形態で使用するのに適した他の駆動コンポーネントを含むことができる。

0069

書き込み可能ディスプレイ268は、キャリア250の上部上に提供することができる。このディスプレイは、LCD配向パネルを含み、サンプル256についての状態情報を表示するために、キャリア250によってリアルタイムアップデートすることができる。キャリア250の上部上の電子的に再書き込み可能なディスプレイを提供することによって、状態情報はオペレータによって一目で視認できる。これは、グループ内に複数のキャリア250が存在するときに、彼/彼がどのサンプルを探しているかをオペレータが迅速に判定することを可能にすることができる。キャリア250の上部上に再書き込み可能なディスプレイを配置することによって、オペレータは複数のキャリア250が引出しもしくはラック内にあるときでさえ、状態情報を判定することができる。

0070

図6Bは、キャリア250によって使用するための例示的なトラック構造270を示す。本実施例においては、キャリア250Aは、サンプルチューブを輸送し、キャリア250Bは、メイントラック272および/もしくはサブ経路274および274Aに沿ってチューブのラックを輸送する。経路276は、サンプルをキャリアに配置するか、またはこれらのキャリアからサンプルを除去するために、オペレータによって使用することができる。

0071

図6Cは、例示的なトラック構造270のさらなる図を示す。本実施例においては、サブ経路274は、免疫アッセイステーションを提供し、サブ経路274Aは、診断化学ステーションを提供する。入力/出力レーン276は、サンプルの挿入もしくはメイントラック272からのサンプルの除去用にバッファするために、サブ経路277および278を利用するサンプル取扱ステーション280によって提供することができる。

0072

幾つかの実施形態においては、サンプルハンドラー280は、キャリア250Aおよび250Bへとサンプルもしくは他のペイロードを装填し、キャリア250Aおよび250Bからサンプルもしくは他のペイロードを取り出すこともできる。これによって、分析器用のピーク需要の間、トラック277および278上で何もしないでいる大多数のキャリアを有するのではなく、トラックシステム270におけるステーションによって現在使用されるペイロードを支持するために必要な量へと、キャリア数を減少させることを可能とする。その代わりに、(本明細書で開示されたキャリアのない)サンプルトレイは、入力/出力レーン276においてオペレータによって配置/除去することができる。これによって、システム全体のコストを減少させ、必要とされるキャリア数は、スループットを超える分析器用のピーク需要の予測に基づくのではなく、分析器のスループットによって決定することができる。

0073

[知能キャリア]
本発明の幾つかの実施形態は、摩擦ベーストラック上の受動的パックに対して、ある改善を可能とするために、独立した知能キャリアを利用することができる。例えば、従来技術のトラックシステムの不利益の一つは、パックを方向づけるための決定が、各決定点において、パックを回転させ、バーコード光学的に読み取ることによって、トラックによって行われるということである。回転および光学読みとりは比較的遅いプロセスである。さらには、このプロセスは、余分なものである可能性がある。なぜなら、システムは、サンプルチューブがオペレータによってパックへと配置されるとき、サンプルチューブの識別に関する知識を有するからである。本発明の実施形態は、キャリアを停止させ、回転させ、光学的に読み取る必要なく、サンプルチューブの内容物を識別する(ならびに、任意でオートメーションシステムへとこの情報を光学的に通信する)ための手段を有するキャリアを含むことができる。

0074

例えば、キャリアは、ペイロードのバーコードを自動的に読み取るための内蔵光学リーダを含むことができる。キャリアが内蔵処理性能を有する場合には、スキャン結果は、その後、キャリアのメモリに格納することができる。あるいは、キャリアへサンプルを配置するときにオペレータによって操作されるハンドバーコードリーダなどの外部ソースは、RF信号または一時的な電子接触もしくは光学通信を利用する通信プロトコルなどの他の既知の手段を介して、ペイロードのバーコード情報をキャリアへと通信することができる。幾つかの実施形態においては、ペイロードとキャリアの関連付けは、キャリアの外部に格納することができ、キャリアのアイデンティティは、RF、光学、もしくは近距離通信によって、キャリアによってシステムへと伝送することができ、システムがキャリアおよびペイロードをルーティングするか追跡することを支援することを可能とする。ルーティング決定は、その後、ペイロードの一意的バーコードを読み取るのではなく、キャリアによって、もしくはキャリアを識別することによって行うことができる。

0075

各個々のキャリアに処理性能および/もしくはセンサ性能を移動することによって、キャリアは、トラックシステムを通して、それ自身のルーティングにアクティブかつ知的に関与することができる。例えば、個々のキャリアが、自律作動性能もしくはトラックとの通信のいずれかによって互いに独立して動くことができる場合、ある性能の利点を実現することができる。

0076

キャリアが独立して動くことを可能にすることによって、キャリアは、トラック周囲をより迅速に動くことができる。キャリアの動きに対する一つの鍵となる制限は、キャリアが開放されたチューブサンプルをこぼすべきではないということである。制限要因は、概して、直線におけるキャリアの速度ではなく、飛沫を引き起こす可能性のある、キャリアによって経験される(加速、減速もしく転回中の)加速度およびジャークである。従来技術の摩擦ベースのトラックシステムに対しては、トラック全体が動くため、トラックの速度は、典型的には、パックによって経験される加速度およびジャークが閾値量を超えることを防止するために制限される。しかしながら、個々のキャリアに対応することのできる独立して動作するセクション、もしくは個々の独立した作動性能を有する個々のキャリアを有するトラックシステムを利用することによって、平均速度が従来のトラックの速度よりも大きくなることを可能にする一方で、任意の与えられたキャリアの加速度は、加速/減速およびジャークを制限するために適合させることができる。キャリアの最高速度を制限しないことによって、キャリアは、適切な場合に各トラックセクション上で加速し続けることができ、結果としてトラック周囲での実質的により高い平均速度を生じる。これによって、分析器の1機械サイクルよりも短時間で、トラックシステム全体を移動するキャリアを支援することができる。これらの機械サイクルは、例えば、20もしくは40秒とすることができる。

0077

同様に、自律キャリアは、それ自身のアイデンティティおよびそのペイロードのアイデンティティを知ることができる。これによって、個々の決定点において、キャリアがルーティング決定プロセスにアクティブに関与するかまたは支援することを可能にする。例えば、決定点(例えば、スイッチ、交差点、接合点、分岐点(フォーク)など)に到達することによって、キャリアは、RFもしくは近接場通信を介して、トラックもしくは任意のスイッチング機構(もしくは、ペイロードアイデンティティに基づいてキャリアが決定した意図されたルート)へと、自身のアイデンティティおよび/もしくはそのペイロードのアイデンティティを通信することができる。このシナリオにおいては、キャリアはバーコードスキャン用に決定点において停止する必要がない。その代わりに、キャリアは、減速さえすることなく進行し続けることができ、キャリアは、リアルタイムでルーティングすることができる。さらには、キャリアが決定点に物理的に到着する前に、キャリアがどこに進行しているか知っているか、または、(トラックがキャリアがどこに進行しているかわかるように)トラックへとそのアイデンティティを通信する場合、もし、キャリアが転回するならば、キャリアは決定点の前に減速させることができる。一方、キャリアが決定点において転回する必要がない場合、キャリアはより高い速度で進み続けることができる。なぜなら、キャリアによって運搬されるサンプルは、キャリアがトラックの決定点もしくは曲線セクションにおいて転回しない場合、コーナリングフォースを経験しないからである。

0078

自律キャリアは、内蔵処理およびセンサ性能も含むことができる。これによって、トラックによって方向づけられるのではなく(幾つかの実施形態においては、中央コントローラが実行されるべきキャリアへとルーティング命令を送信するが)、キャリアがトラック上のどこにあるか、ならびにどこに行く必要があるかを決定することを可能とする。例えば、トラック内の位置符号化もしくはマーカは、キャリアの位置を決定するために、キャリアによって読み出すことができる。絶対的位置情報は、キャリアがトラックを移動するとき、キャリアに対して参照点を提供するために、トラック表面上に符号化することができる。この位置符号化は、多くの形式をとる可能性がある。トラックは、トラックの現在のセクションを示す光学マーカで符号化されてもよいし(例えば、仮想ハイウェイサインなど)、トラックのセクション内の特定の絶対的位置光学符号化をさらに含んでもよい(例えば、仮想マイルマーカなど)。位置情報は、絶対的位置マーク間マーキングで符号化することもできる。これらは、その現在の軌道を計算するうえでキャリアを支援するために、同期情報を提供することができる。光学符号化スキームは、当業者に既知の任意の適切な形式をとることができる。符号化スキームによって使用されるこれらのマークは、ある位置においてトラックに配置されたLED、バーコード、QRコード登録商標)、データマトリクス反射的ランドマークなどのロータリエンコーダ、光学ランドマークに見出されるようなバイナリ位置符号化を含んでもよい。一般的位置情報は、RF/ワイヤレス手段を介してキャリアへと伝送することもできる。例えば、トラック内のRFIDマーカは、トラックの所定の部分に入ったことをキャリアに警告するために、キャリアに近接場通信を提供することができる。幾つかの実施形態においては、トラック周囲もしくはトラック近傍のローカル送信機は、キャリアがその位置を決定することを可能にするために、GPS様位置情報を提供することができる。あるいは、ホール効果センサもしくはカメラなどのトラック内のセンサは、個々のキャリアの位置を決定し、キャリアにこの情報を中継することができる。

0079

同様に、キャリアは、位置を決定するために蓄積できるデータを提供する、相対的な作動を示すセンサを有することができる。例えば、キャリアは、相対的位置を推定するために使用することができるジャイロスコープ加速度計、または速度もしくは加速度を決定するためにキャリアが移動するにつれてスペックルパターンを観察する光学センサを有してもよい。

0080

キャリアは、どこにキャリアがあるか、およびトラックに対するその動きを知ることができるため、キャリアは、その宛先を知っている限り、それ自身を実質的に駆動することができる。キャリアのルーティングは、種々の実施形態においては、多くの異なる方法で提供することができる。幾つかの実施形態においては、キャリアがサンプルを装填されると、システムはキャリアに宛先分析器ステーションを教えることができる。この情報は、キャリアが自律ルーティング性能を有する実施形態においては、宛先ステーションの識別と同じくらい単純である可能性がある。この情報は、個々のトラックセクション、およびキャリアが移動するであろう決定点の特定の経路を識別するルーティングリストなどの詳細情報である可能性もある。ルーティング情報は、RF通信近接場/誘導通信、電子的接触通信、もしくは光通信などの、本明細書で記述された任意の通信方法を介してキャリアに伝送することができる。

0081

例示的な一実施形態においては、オペレータがサンプルチューブのバーコードをスキャンして、キャリア内へ配置するとき、システムは、キャリアのアイデンティティを判定して、サンプルのアイデンティティとキャリアのアイデンティティを整合する。システムはその後、サンプルが分析器内でどの試験を経験しなければならないかを決定するために、サンプル用の記録の位置を定める。スケジューラは、その後、サンプルに対して試験リソースを割り当て、それは、個々の試験ステーションによってどの試験が行われるか、ならびにサンプルがいつ解析用の各試験ステーションに到達するべきかを選択することを含む。システムはその後、キャリアがどこに進行する必要があるか、ならびに、任意で、キャリアがいつ進行する必要があるかおよび/もしくはキャリアがいつ到着する必要があるかをキャリアに知らせるために、キャリアに対してこのスケジュール(もしくはスケジュールの一部)を通信することができる。

0082

一旦キャリアがトラックシステム上に配置されると、ルーティング性能およびキャリアの位置獲得システムは、キャリアがトラック上のどこにあるか、ならびに、キャリアがトラック上のどこに進行する必要があるかをキャリアが決定することを可能にする。キャリアがトラックを移動すると、キャリアは個々の決定点に到達し、メイントラックに沿って、もしくは適切な場合サブ経路に沿って方向づけることができる。各キャリアは互いに独立して動作するため、キャリアは、各決定点において必ずしも停止することなく、ならびに待ち行列における他のキャリアを待つことなく、非常に迅速にこれを行うことができる。これらのキャリアは迅速に移動するため、トラックのメインセクション上のトラフィックは少なく、トラック内の決定点もしくは角部(例えば、キャリアがサンプル上の過度の力を回避するために減速するセクション)において衝突もしくは交通渋滞のリスクは減少する。

0083

推進力は、多くの方法でキャリアに対して提供することができる。幾つかの実施形態においては、トラックは、各キャリアに対して個別化された推進力を提供することにアクティブに関与する。幾つかの実施形態においては、推進力は、キャリア内の一つ以上の磁石を推進する、トラックにおける電磁コイルによって提供される。この推進力を提供するための例示的システムは、MagneMotion,Inc.によって提供されるトラックシステムであって、それは、MagneMotion,Inc.に割り当てられた米国特許出願整理番号2010/0236445に見出される、線形同期モータ(LSM)の記述によって概して理解できる。この磁気的作動システムを利用するこれらの従来のシステムは、本明細書で記述されたキャリアの統合された知能を欠く受動的キャリアを含み、全てのルーティングおよび決定は、ルーティングおよび識別プロセスに関与するアクティブキャリアを必要とすることなく、中央コントローラによって行われる。

0084

磁気的作動を利用する実施形態においては、電磁的コイルおよび磁石は、速度、加速度およびジャークの精密な制御で、選ばれた方向へと各個々のキャリアを推進させるためのLSMとして動作する。トラック上の各コイル(もしくはローカルセットのコイル)が独立して動作できる場合、個々のキャリアがそれ自身個々に適合された加速度および速度で動くことができるように、これによって、個々のキャリアに対して高度に局所化された推進力を可能とする。任意の瞬間におけるキャリアに対してローカルなコイルは、コイル付近を通過する個々のキャリアの方向、速度、加速度およびジャークの精密な制御を提供するためにアクティブ化することができる。

0085

幾つかの実施形態においては、トラックはローカルにカスタマイズ可能な摩擦トラックとして機能する多くの個々の明瞭なローラで構成されてもよい。トラックのうちの個々のマイクロセクションは独立して管理できるため、キャリア周囲のローラは、個別化された速度、加速度、およびジャークを提供するために制御されてもよい。幾つかの実施形態においては、各キャリアに個々に局所化された推進力を提供する他のアクティブトラック構造を使用することができる。

0086

幾つかの実施形態においては、トラックは、ほぼ受動的であって、フロア、壁、レールもしくは単一の次元に沿ってキャリアを誘導するための、キャリアの作動に対する任意の他の適切な制限を提供する。これらの実施形態においては、推進力はキャリア自身によって提供される。幾つかの実施形態においては、各個々のキャリアは、トラックとキャリアの間の自己推進摩擦ベースの推進力を提供するためのホイールを駆動する、一つ以上の内蔵モータを有する。従来の摩擦トラックとは異なり、トラックがコンベヤである場合、駆動されたホイールを有するキャリアは、独立してトラックを移動し、個々に加速/減速することができる。これによって、個々に適合されたルートに沿ってトラックを移動するのと同様に、各キャリアがそのペイロードに及ぼされる力を制御するために、自身の速度、加速度およびジャークを任意の瞬間に制御することを可能にする。幾つかの実施形態においては、永久磁石がトラック内に提供され、キャリア内の電磁石がキャリアを前方に推進するために動作し、それによって、駆動磁気力を提供するキャリアを有するLSMとして動作する。キャリアがウォータージェットなどを介して自律的に浮遊して動くことを可能にする流体トラック、トラックによって提供された空気ポケット上にキャリアが浮遊することを可能にする低摩擦トラック(例えば、局所化されたエアホッケーテーブルのように動作する)もしくは個々のキャリアがトラックを移動するときに個別化された推進力を経験することを可能にする任意の他の構成などの、他の受動的トラック構成もまた予測される。

0087

図7は、例示的な知能自律キャリア300用の制御システムおよびセンサのトップレベルシステム図を示す。キャリア300は、キャリアを操作するために必要とされる操縦、保守、作動およびセンサ活性を扱うための十分な処理力を含むマイクロコントローラ301によって制御される。キャリアはアクティブであって内蔵電子機器を含むため、従来技術の受動的キャリアとは異なり、キャリアは内蔵電力ステーションを含む。このステーションの詳細は、本発明の異なる実施形態で変化する。幾つかの実施形態においては、電力システム303は、キャリアが動作すると充電されうるバッテリを含み、他の実施形態においては、バッテリは置換可能であるか、またはキャリアが動作していないときに手動で充電することができる。電力システム303は、バッテリを保持するために必要な充電電子機器を含むことができる。他の実施形態においては、電力システム303は、地下鉄車両もしくは模型電車電力を受信するのとほぼ同じ方法で、トラック自体から電位を獲得するための誘導もしくは電子接触機構によって充電されうるキャパシタを含む。

0088

マイクロコントローラ301はシステムメモリ304と通信する。システムメモリ304は、データおよび命令メモリを含んでもよい。メモリ304内の命令メモリは、キャリアを操作するために十分なプログラムアプリケーションもしくは命令を含む。これは、センサ取扱アプリケーションと同様に操縦手順を含んでもよい。メモリ304内のデータメモリは、現在位置、速度、加速度、ペイロードの内容、操縦計画、キャリアもしくはペイロードのアイデンティティ、もしくは他の状態情報についてのデータを含むことができる。キャリア300内に内蔵メモリを含むことによって、キャリアは、現在の状態のトラックを維持して、トラック周囲を知的にルーティングするか、トラックもしくは他のキャリアに状態情報を伝送するために、情報を利用することができる。

0089

マイクロコントローラ301は、モーションシステム305、センサ312、313および314、通信システム315、状態ディスプレイ316ならびにサンプルセンサ317を操作することを担当している。これらの周辺機器は、バス310を介してマイクロコントローラ301によって操作することができる。バス310は、複数の周辺機器と通信することが可能なCANバスなどの任意の標準バスであるか、または、個々の周辺機器へと個々の単一経路を含むことができる。周辺機器は、それ自身の電源もしくは共通の電力システム303を使用することができる。

0090

モーションシステム305は、本明細書で記述されたモーションシステムのうちの任意のシステムを操作するために必要な制御論理を含むことができる。例えば、モーションシステム305は、駆動されたホイールを利用する実施形態においては、モータコントローラを含むことができる。他の実施形態においては、モーションシステム305は、キャリア300に推進力を提供するために必要な任意のアクティブトラックシステムと通信するために必要な論理を含むことができる。これらの実施形態においては、モーションシステム305は、マイクロコントローラ301によって実行され、トラックと通信するために通信システム315を利用するソフトウェアコンポーネントであってもよい。モーションシステム305によって制御されるモータ、アクチュエータ、電磁石などのデバイスは、これらのデバイスがキャリアに内蔵される実施形態においては、電力システム303によって電力を供給することができる。LSMがトラック内のコイルにエネルギーを供給することによって推進力を提供する実施形態などの幾つかの実施形態においては、外部電源もまた、電力を供給することができる。幾つかの実施形態においては、モーションシステム305は、推進力を提供するためにキャリア内外のデバイスを制御する。幾つかの実施形態においては、モーションシステム305は、トラック内の近傍のコイルにエネルギーを供給することを要求することによって、もしくはローカルローラの移動を要求することによって、推進力を調整するために、トラック内のコントローラなどの他のコントローラとともに動作する。これらの実施形態においては、モーションシステム315は、キャリアを動かすために通信システム315とともに動作することができる。

0091

キャリア300は、一つ以上のセンサを含むことができる。幾つかの実施形態においては、キャリア300は、衝突検出システム312を含む。衝突検出システム312は、キャリアが別のキャリアに近づいているか否かを判定するために、キャリアの前面もしくは背面にセンサを含むことができる。例示的な衝突検出センサは、IR測距装置磁気センサマイクロ波センサもしくは光検出器を含むことができる。多くの従来技術のパックは円形であるが、キャリア300は、前面部分および背面部分を有する指向性であってもよい。指向性の外形を有することによって、キャリア300は、前面衝突検出器および背面衝突検出器を含むことができる。

0092

幾つかの実施形態においては、衝突検出情報は、通信システム315を介して受信された情報を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態においては、トラック用の中央コントローラは、衝突を防止するために、トラック上のキャリアの位置および速度を観察して、衝突状態を評価し、キャリアに対してアップデートされた方向を送信することができる。幾つかの実施形態においては、付近のキャリアは、それらの位置をピアツーピア方式で通信することができる。これによって、他のキャリアから受信されたリアルタイム位置情報に基づいて、衝突のリスクをキャリアが個々に評価することを可能とする。キャリアが他のキャリアについての軌道情報を受信するか、または付近のキャリアの軌道情報にアクセスした中央コントローラの支援によって決定が行われる実施形態においては、キャリアは指向性である必要がなく、また、キャリアの任意の方向に依存しないセンサもしくは受信機を含むことができることを理解されたい。

0093

キャリア300は位置デコーダ313も含むことができる。このセンサは、本明細書で記述されたようにキャリアの位置を推定することができる。例えば、位置デコーダ313は、トラック内のランドマークを識別するため、もしくはトラック内の光符号化を観察するために、カメラもしくは他の光学手段を含むことができる。幾つかの実施形態においては、位置デコーダ313は、慣性センサ、磁気センサ、もしくはキャリアの現在位置、方向、速度、加速度および/もしくはジャークを決定するために十分な他のセンサも含むことができる。

0094

キャリア300は、任意でバーコードリーダ314を含むことができる。バーコードリーダ314を備えている場合、キャリア300は、サンプルがキャリア上に装填されたときか、またはその後の任意の時間に、そのペイロードのバーコードを観察することができる。これによって、サンプルチューブのバーコードをシステムに読みとらせるために、個々の決定点においてキャリアが停止する必要性を回避する。サンプルチューブのアイデンティティを読み取って格納することによって、もしくはこの情報をシステム全体へと伝送することによって、キャリアは、トラックシステムをより効率的に移動してもよい。なぜなら、ルーティング判定は、決定点に到達する前に行うことができるからである。或いは、サンプルがキャリア上に配置されるとき、サンプルのアイデンティティをシステムが知っている場合、システムは、外部バーコードリーダを含み、通信システム315を介して記憶装置およびメモリ304用に、キャリアに対してペイロードのアイデンティティを伝送することができる。

0095

通信システム315は、キャリアがオートメーションシステム全体と通信することを可能にするのに十分な任意の機構を含むことができる。例えば、これは、802.15.4、任意の適切なバージョンの802.11、もしくは任意の標準もしくは専用ワイヤレスプロトコルなどのオフシェルフ(既存の)通信プロトコルを利用するワイヤレス通信用のXBee通信システムを含むことができる。通信システム315は、RF通信プロトコルを操作するための送受信機およびアンテナおよび論理を含むことができる。幾つかの実施形態においては、通信システム315は、近接場通信、光通信、もしくは電子接触コンポーネントも含むことができる。キャリア300へと/キャリア300から通信システムを介して伝送される情報は、本出願を通して記述される。

0096

幾つかの実施形態においては、キャリアは、状態ディスプレイモジュール316も含むことができる。状態ディスプレイモジュール316は、コントローラと、LCDパネルもしくはEインクディスプレイなどの再書き込み可能な電子ディスプレイを含むことができる。幾つかの実施形態においては、コントローラは、マイクロコントローラ301が状態ディスプレイ316を容易にアップデートすることができるように、メモリのうちのアドレス指定可能な部分として扱われる。

0097

幾つかの実施形態においては、キャリアはサンプルセンサ317も含む。このセンサは、キャリアのチューブブラケット(チューブホルダとも称されうる)内の流体容器の存在もしくは不在を示すために使用することができる。幾つかの実施形態においては、これは、チューブの存在によって押され、チューブが存在しないときには押されない一時的な機械スイッチである。この情報は、チューブの状態を決定するために使用することができ、状態ディスプレイモジュール316による状態情報の表示を支援することができる。

0098

[ルーティング]
分析器システム内の通過時間を迅速にする要望が、ルーティングを困難なものにする可能性がある。従来技術のシステムにおいては、迅速なルーティングはそれほど重要ではない。なぜなら、サンプルは、各決定点において概して停止し、単一化され、スキャンされるからである。当該システムにおいては、任意の決定点用のルーティング判定は、サンプルが停止している間に行うことができる。迅速なルーティング判定は、概して望ましく、サンプルキャリアが決定点に到達する前にスイッチング決定を決定することを必要とすることがある。さらには、キャリアが従来技術と比較して速い速度で移動するため、サンプルキャリアの即時の軌道の制御は、IVDサンプルの溢流もしくは傷害を防ぐために、リアルタイム処理によって支援することができる。幾つかの実施形態においては、実質的に即時の軌道観察および制御は、リアルタイム制御を容易にするために各内蔵キャリアで実施されるが、全体のルーティング判定は、一群のキャリアを管理する中央コントローラによって行われる。したがって、本発明の幾つかの実施形態においては、キャリアは、中央コントローラからグローバルルーティング命令を受信する半自律ロボットのように動作するが、実質的に自律してローカルモーション判定を行う。

0099

例えば、キャリアがサンプル(例えば、患者の流体サンプルもしくは他のペイロード)を受け取ると、一つ以上のキャリアを管理する中央コントローラは、当該キャリア用のスケジュールを決定し、例えば、インビトロ診断オートメーションシステムのトラック上でキャリアがどこに進行するかを、キャリアに対して命令する。この命令は、任意の決定点へと進行する、次の決定点へと前方に移動する、もしくは任意の決定点において転回するなどの次のホップの命令(例えば、ルートの次のレッグを識別する)とすることができる。幾つかの実施形態においては、命令は、トラックセグメントおよび移動するべき決定点ならびに各決定点において転回するか否かの完全もしくは部分的なリストを含むことができる。これらの命令は、本開示を通して説明されるように、ワイヤレスもしくは電子接触シグナリングを含む任意の従来手段を介して、中央コントローラからキャリアへと通信することができる。

0100

命令に従う一方で、各キャリアは適切な速度、加速およびジャークの判定を行うことができる(本明細書で使用されるように加速は減速を含む)。これは、衝突を回避するためにもしくは過度の横力を引き起こすことなくカーブに入るためにキャリアが減速しなければならないか否か、または、次の決定点前に減速しなければならないか否かのリアルタイム判定を含むことができる。これらの判定は、付近のキャリアの位置および軌道についての情報などキャリアによって受信された外部情報と同様に、任意の内蔵センサの支援で行うことができる。例えば、加速度計および/もしくはトラックエンコーディング情報は、キャリアの現在位置と同様に、現在速度、加速度およびジャークを決定するために使用することができる。この情報は、各キャリアによってその軌道を決定するために使用することができ、および/もしくは他のキャリアに伝送することができる。RF距離測定器などの衝突検出器は、キャリアが減速するおよび/もしくは停止する必要があるか否かを判定するうえでキャリアを支援するために、衝突が発生しうる条件が存在するか否かを判定することができる。この衝突判定は、観察を通して現在のキャリアによって、もしくはトラック用の中央スケジューラからの情報を受信することによって受信された周囲キャリアについての軌道情報と同様に、現在キャリアについての軌道情報を含むことができる。

0101

図8は、オートメーションシステム400における例示的なルーティングシナリオを示す。キャリア430は、RFシグナリングを介して、中央管理プロセッサ440からのルーティング命令を受信する。中央管理プロセッサ440は、ルーティング命令の発行、キャリアの移動および急送のスケジューリングを含む、キャリアの監視および方向づけに関与することができる。中央管理プロセッサ440は、個々のモジュールもしくは状態と相互作用する中央コントローラおよび/もしくはローカルコントローラの一部とすることができる。中央もしくはローカルコントローラは、中央管理プロセッサ440の方向付けにおいて動作することもできる。中央管理プロセッサ440は、ともに、独立しておよび/もしくは互いと通信して動作する一つ以上のプロセッサを含むことができる。中央管理プロセッサ440は、マイクロプロセッサ、一つ以上のプロセッサ上で動作するソフトウェア、もしくはトラックシステム400内で複数キャリア用のスケジュールを計算するのに適した他の従来のコンピュータ手段とすることができる。

0102

中央管理プロセッサ440は、トラックシステム400におけるセンサからの任意のセンサ情報および/もしくはキャリアによって報告された情報と同様に、複数キャリアからの位置情報を受信することができる。中央管理プロセッサ440は、キャリアによって運搬されたサンプルもしくは他のペイロードのアイデンティティおよびこれらのサンプルに対してシステムによって実施することが必要とされたアッセイと同様に、キャリアおよびトラックの状態情報を利用する。

0103

図8に示された例示的なトラック400は、直線セグメントBおよびプルアウトセグメントG(例えば、試験ステーションを提供するセグメント)に接続する第一のカーブセグメントAを含み、プルアウトセグメントGは、決定点402を介して、分析器/試験ステーション205Aおよびピペット420を提供する。セグメントBは、直線セグメントCおよびプルアウトセグメントHに接続し、プルアウトセグメントHは、決定点404を介して、分析器/試験ステーション205およびピペット422を提供する。セグメントCは、決定点406を介して、曲線セグメントD(サンプル取扱ステーション205Cを提供する)およびプルアウトセグメントI(分析器/試験ステーション205Bおよびピペット424を提供する)に接続する。セグメントDは、決定点408を介して、直線セグメントEおよびプルアウトセグメントIの他端に接続する。即ち、決定点406と408の間には、異なる経路であるセグメントDおよびIが存在する(セグメントIは、ピペット424と相互作用するために、サンプルを送達するのに使用できるプルアウトである)。セグメントEは、決定点410を介して、直線セグメントFおよびプルアウトセグメントHの他端に接続する。セグメントFは、決定点412を介して、カーブセグメントAおよびプルアウトセグメントGの他端に接続する。幾つかの実施形態においては、トラック400は、決定点402および412においてキャリアを追加もしくは除去するために使用できる入力および出力レーンJおよびKを含む。

0104

幾つかの実施形態においては、決定点402−412は、適切な宛先セグメントを選択するためにキャリア430が操縦できるトラック内の受動的分岐点である。他の実施形態においては、決定点402−412は、キャリア430もしくは中央管理プロセッサ440によって制御できるアクティブ分岐点である。幾つかの実施形態においては、決定点402−412は、RFもしくは近接場通信などを介して、キャリア430による要求に応答する電磁的に制御されたスイッチである。幾つかの実施形態においては、これらの電磁的に制御されたスイッチは、キャリアが一度ルーティングされたらスイッチが戻るデフォルト位置(直線部分など)を有する。決定点用のデフォルト位置を利用することによって、キャリアは、決定点において切り替えられる必要がない場合に、各決定点において位置を要求する必要がない。

0105

スケジューラ中央管理プロセッサ440は、ピペット420の到達範囲内にキャリア430およびそのペイロードを配置するために、第一のルート(ルート1)をキャリア430に割り当てる。キャリア430は、決定点402へとセグメントJに沿って移動し、かつ、ピペット420にアクセス可能な位置で停止するようにセグメントG上を移動するように命令される。幾つかの実施形態においては、キャリア430は、命令を受信して、決定点402に到達するために使用するための方向および軌道を決定するために、キャリアの現在位置および軌道を決定する。キャリア430は、セグメントG上へと決定点402において急激な右転回をするであろうことを考慮に入れることもできる。幾つかの実施形態においては、決定点402は、キャリア430の制御下で動作することができる、トラック内のスイッチング機構を含む。これらの実施形態においては、キャリア430は、セグメントG上へのスイッチングを要求するために、決定点402へ近付くときにトラックと通信する。他の実施形態においては、キャリア430は、トラック内へと一体化された外部ゲートの支援なしで、決定点402においてキャリア430がセグメントG上へ右転回をすることを可能にする操縦機構(移動可能なガイドホイール、指向性磁石、非対称ブレーキなど)を有してもよい。これらの実施形態においては、キャリア430は、セグメントG上への転回を行うために、決定点402において操縦機構を使用する。

0106

キャリア430は、光符号化もしくはRFIDタグなどのトラック内の符号化を読みとることによって、キャリアの概略的位置(セクションJなどのキャリアの現在のトラックセクション)を決定することができる。幾つかの実施形態においては、キャリア430は、トラックシステム400内のキャリアの位置を決定するための複数の手段を使用する。例えば、RFIDタグは、どのトラックセグメントにキャリア430が位置するのかを概して判定するために使用することができ、光符号化もしくは他の精密な符号化は、当該トラックセグメント内の位置を判定するために使用することができる。この符号化は、(例えば、位置情報から派生的な)符号化内の変化を観察することによって、速度、加速度もしくはジャークを決定するために使用することもできる。

0107

キャリア430は、図7における内蔵制御システムに示されるように、中央管理プロセッサ440によって受信された明示的な命令、もしくはメモリ304内の内蔵データベース内の適切なルートを探すことのいずれかによって、宛先セクションへと適切なルートを決定するために、現在のトラックセクションの識別を利用することができる。幾つかの実施形態においては、キャリア430は、メモリ304内のキャリア430のメモリに格納されたマップに基づいて、セクションJからセクションGへと如何にして到達するかを理解する。このマップは、単純なルックアップテーブルもしくは、各ノードが対応する決定点によってリンクされるかもしくはその逆にリンクされるトラックセクションのツリーを含むことができる。例えば、キャリアが現在トラックセクションJにあることを識別すると、内蔵データベースは、セクションG上へと右に切り替えるために、決定点402へと進行するようにキャリア430へと知らせることができる。

0108

図8に示されるように、キャリア430は、セクションG上へと進行して、ピペット420の近傍の位置で停止することによって、ルート1用の命令に応答する。キャリア430がいったん停止すると、ピペット420を制御する分析器/試験ステーションからのさらなる命令を受信することができる。例えば、分析器205Aは、ピペット420を制御して、かつ、セクションGに沿って正確な位置に自身を配置するように、セクションG上のキャリアに命令することができる。これによって、分析器/試験ステーションがランダムアクセス待ち行列としてトラックセクションを扱うことを可能にする。例えば、いったんキャリア430がセクションG上で停止すると、さらなる命令は、中央管理プロセッサ440を介して伝送されるか、RF伝送またはローカル光もしくは誘導/近接場信号などの他の手段を介して、キャリア430へと分析器205Aから直接伝送することができる。これらの命令は、別のキャリアがピペット420と相互作用する間の停止、ならびに、分析器205Aがキャリア430によって運搬されたサンプルに対する一つ以上のアッセイを実施する準備が出来ているとき、ピペット420にアクセス可能な位置へとその後進行することを含む。

0109

いったん、分析器/試験ステーション205Aがキャリア430によって運搬されたサンプルとの相互作用を終えると、さらなるルーティング命令を、中央管理プロセッサ440からキャリア430へと送信することができる。例えば、ルート2は、ピペット422と相互作用するために、セクションHへと進行するためのルーティング命令を含むことができる。幾つかの実施形態においては、キャリア430の内蔵メモリ304内に含まれるルーティングテーブルは、キャリアが自身をセクションHへとルーティングすることを可能にするための、トラックレイアウトについての十分な情報を有する。他の実施形態においては、ルーティングステップのリストは、中央管理プロセッサ440を介してキャリア430へと伝送することができる。キャリア430が次のルーティングステップを常に知り、かつ任意でその後のルーティングステップを知るように、他の実施形態は、ルートの任意のサブセットをキャリア430へと伝送することおよび/もしくは断片的にルーティング命令を送信することを含むことができることを理解されたい。

0110

本実施例においては、キャリア430は、決定点412へとセクションGを介して進行するようにキャリアに命令する、ルート2を表す中央管理プロセッサ440からのルートリストを受信する。決定点412において、キャリア430は、上述されたようにゲートと相互作用することによってか、転回することによって、セクションA上へのスイッチングを開始する。キャリア430は、加速度およびジャーク状態が、キャリアが運搬するサンプル用の閾値要件を超えないことを保証するために、セクションGおよびセクションA上の曲線トラック状態を考慮することができる。これは、通過中の溢流もしくは不安定性を防止することができる。キャリア430によって受信されたルート情報は、その後、転回なしで決定点402を通って進行するように、キャリア430へ命令する。決定点402に近づくときにルート2において使用される軌道は、ルート1の間に使用される軌道とは異なる(例えば、より速い)可能性がある。なぜなら、キャリア430は、セクションG上へと急な右転回をする必要がないことを知っているからである。幾つかの実施形態においては、これによって、ルート1の間よりもルート2の間で実質的により速い速度で決定点402にキャリア430が近付くことを可能にする。キャリア430が転回しない場合、決定点402をより速く移動することによって、キャリア430が各決定点において可能性のあるスイッチング用に減速しなければならない実施形態よりも短い時間で、キャリア430はルート2を完了することができる。これは、キャリアが転回するか否かに関わらず、キャリアが典型的に停止かつ単一化される従来技術に対する改良である。

0111

決定点402を通過した後、キャリア430はセクションB上へ進行する。決定点404において、キャリア430は、セクションCへと進行する。決定点406において、キャリア430は準備して、キャリアがピペット424との相互作用のために停止するセクションIへと転回する。セクションGと同様に、セクションIは、ピペット424用の待ち行列として機能し、キャリア430は、セクションIによって提供される分析器/試験ステーション205Bによるローカル命令下で制御することができる。

0112

ピペット424がキャリア430との相互作用を行うと、中央管理プロセッサ440は、出力経路Kへ進行するようにキャリア430に命令する、新規のルーティング命令をキャリア430へと提供することができる。ルート3は、ルート1およびルート2と同一の方法で処理することができる。ルート3用の命令を受信すると、キャリア430は、セクションIから決定点408へと進行し、そこで、キャリアはメイントラックセクションE上に戻り、(幾つかの実施形態においては、減速する必要なく)通過した決定点410、トラックセクションF、決定点412および、セクションK上に進み、キャリア430および/もしくはサンプルは、オペレータによってシステムから除去することができる。キャリア430は、その後、入力セクションJにおいてサンプル用に再利用することができる。ルート4に対する命令を受信すると、キャリア430は、サンプル取扱ステーション205CへとセクションDを進み、メイントラックセクションE上に戻る決定点408へと進み、その後、ルート3と同様に進行する。

0113

幾つかの実施形態においては、図8の各トラックセクションは、一つ以上の速度領域を含むように構成することができる。これは、各キャリア用のモーションプロファイルを維持するソフトウェア内で速度もしくは加速度制限として表されてもよい。例えば、セクションDは、キャリアがセクションDを移動するとき、トラックによって及ぼされる固有の求心力を処理するために、全キャリア用の低速度領域として軌道制御用に表されてもよい。同様に、トラックセクションは、トラックセクション内の複数の速度領域を含み、それらはモーションプロファイルルールを含んでもよい。例えば、キャリアは、トラックセクションD内で近づいてくる速度制限領域によって、制動領域として、セクションCの後半部分を識別するルールのソフトウェア強制に応じて減速してもよい。幾つかの実施形態においては、キャリア用のモーションプロファイルルールを維持することを担当するソフトウェアは、近づいてくる速度領域および非制限トラックセクションにおける制動を予測して考慮に入れてもよい。さらには、異なるトラックセクション部分は、動的速度領域として表すことができる。例えば、ピペットとの相互作用のための停止点は、当該位置で停止すべきキャリア用にゼロの速度を有する速度領域によって表すことができる。これによって、停止位置に近づくにつれて、軌道強制ソフトウェアが、影響を受けたキャリアを自動的に減速させることを可能にする。

0114

図9は、ルーティング命令に従うときのキャリア430の一般的な動作図を示す。方法500に示されるように、動作は、中央管理コントローラなどの中央スケジューラによって、もしくは中央スケジューラとの相互作用によって最小限の制御で、キャリアによって行うことができる。ステップ501において、キャリアは、例えば中央スケジューラからのルーティング命令を受信する。本実施例においては、ルーティング命令は、トラックシステムにおける決定点へのキャリアのルート全体をキャリアが決定するための十分な情報を含む。これらの命令は、転回するための決定点および移動するためのセクションを含む、全ルーティングポイントのリストを含むことができる。幾つかの実施形態においては、ルーティング命令は宛先点を含み、内蔵ルーティング情報は、とるべき最良のルートを決定するためにキャリアによって使用することができる。少なくともメイントラックが一方向であるとき、キャリアによるルーティング計算はかなり単純であって、ノードおよびセクションのツリーの検索、もしくは可能性のあるルート交換のルックアップテーブルの検索を含む任意の既知の方法を含むことができることを理解されたい。

0115

これらの命令は、各セクション用の速度および加速モーションプロファイルも含むことができる。幾つかの実施形態においては、トラックの各セクションに対する速度および加速度は、そのペイロードに基づいて、かつ、内蔵データベース内の情報(トラック長、トラックの曲率、決定点の位置、サンプルのタイプもしくは運搬されるペイロードのタイプ、キャリアが決定点に到達すると転回するか、同一方向に進行するか否かの考慮など)に基づいて、キャリアによって計算することができる。幾つかの実施形態においては、ステップ501で受信されるルーティング情報は、いつ通過を開始するかおよび/もしくはいつ通過を完了するかをキャリアに命令するためのタイミング情報も含む。

0116

ルーティング命令を受信して通過を開始すると、キャリアは、ステップ502において、現在位置ならびに任意でそのルートを開始するために必要な方向を決定する。一般的に、キャリアはニ方向(前方もしくは後方)にだけ動くことができ、幾つかの実施形態においては、移動中に転回を開始することができる。簡略化された移動モデルのために、キャリアは、RFID情報によって現在のトラックセクションを獲得することなどによって、その現在位置の概略的な理解を有するだけで、通過を開始することができる。幾つかの実施形態においては、キャリアは前進前に、トラックセクション内の現在位置を決定するために、トラックにおいてより精密な符号化を使用する。

0117

いったん現在位置および必要な方向が決定されると、キャリアはステップ504において通過を開始することができる。トラック上の位置、現在のトラックの構造、次の決定点への距離、サンプル/ペイロードのタイプおよび現在速度の理解を利用することによって、キャリアは通過を開始するための安全な加速度プロファイルを決定することができる。例えば、キャリアが次の決定点から長距離離れており、かつ現在停止している場合、キャリアはサンプル用の最大加速度での加速を開始することができる。幾つかの実施形態においては、キャリアの加速は、サンプルを高い程度のジャークに晒すことを回避するために、強化される。

0118

図10は、通過時間を最小限化しながら、ジャークおよび加速を制限するために使用できる例示的な加速モーションプロファイルを示す。台形加速プロファイルを使用することによって、加速が(サンプルの傷害もしくは漏流を回避するための閾値量よりも小さい)安全な値に到達するまで、加速は、不必要なジャークを回避するために強化される。加速が閾値量よりも小さいことを保証することによって、キャリアは、衝突を軽減するか、またはペイロードの加速閾値を超えることなく他の予期していない状態を扱うために、使用可能な幾らかの加速を有してもよい。概して、最大速度は、開始点と停止点の間の中間で到達される。幾つかの実施形態においては、トラックの直線セクション用に最高速度が存在せず、過度の横方向の加速を防ぐために、最高速度によってトラックの曲線セクションが管理される。これらの速度制限および加速閾値は、知能キャリアに対して既知であり、内蔵メモリ内でアクセス可能であってもよい。キャリアによって使用される正確なモーションプロファイルは、運搬されるペイロードに依存して変化することができる。例えば、空のキャリア、または試薬もしくはサンプルのないペイロードを輸送するキャリアは、サンプルを運搬するモーションプロファイルよりも高い制限を有するモーションプロファイルを利用してもよい。

0119

トラックの一定速度によって管理される従来の摩擦トラックとは異なり、本発明の幾つかの実施形態は、動的加速プロファイルを可能とし、従来技術よりもかなり早い平均速度でキャリアが移動することを可能にする。幾つかの実施形態においては、トラックシステム内の任意の点間の最大通過時間を、診断分析器の動作サイクルの一部よりも短く制限することが概して望ましい。例えば、トラックシステム上の任意の点間の最大距離が25mであって、動作サイクル時間が20秒である場合、全ての転回、加速、減速、発進および停止を含むキャリアの平均速度は、5秒以下で30mもしくは6m/s(〜2.1km/hr)で移動するために十分であることを保証することが望ましい。通過における大半の時間が加速もしくは減速に費やされるため、直線コースにおけるキャリアの最大速度は、実質的にこの平均速度よりも速い可能性があることを理解されたい。

0120

ジャークおよび加速はサンプルに対して制限されるべきであるため、加速のリアルタイム制御が望ましい。この目標は、加速度計もしくは他のセンサを利用してキャリアの現在の軌道を監視できるように、キャリア自身に加速の制御を与えることによって達成される。キャリアは、位置、トラフィックおよび近づいてくる転回用に減速する必要性などのトラック条件に基づいて、その軌道を動的に変化させることができる。この方法においては、キャリアは、それ自身の動的安定状態を監視して制御するために責任がある可能性がある。

0121

図9に戻ると、ステップ510において、キャリアは、ステップ504において決定された軌道に従って、加速もしくは減速し続けることが安全か否かを判定する。ステップ510は、衝突検出または他の予期されない障害またはシステム全体もしくはキャリア特有休止コマンド用のチェックを含むことができる。幾つかの実施形態においては、ステップ510における決定は、RF距離測定器を含む衝突検出センサに基づくものだが、中央管理コントローラからもしくは他のキャリアからステップ505で受信されたトラックについての状態情報も含むことができる。この状態情報は、例えば、周囲のキャリアについての位置および軌道情報、もしくは休止命令などのアップデートされたコマンド、または新規ルート命令を含むことができる。

0122

キャリアがステップ510において計画された軌道を進み続けることが安全ではないと判定する場合、キャリアは、ステップ512において衝突を軽減するか回避するためのステップを行うことができる。例えば、加速プロファイルが別のキャリアに対して危険なほど近くにキャリアを配置することが判定された場合、キャリアは減速を開始することができる。幾つかの実施形態においては、衝突を回避するために減速する判定は、現在の軌道の推定および他のキャリアの観察された軌道に基づく。現在の軌道が、キャリアの前に存在するキャリアから安全でない追随距離内にキャリアを移動させることが判定される場合、軽減手順が開始される。幾つかの実施形態においては、各キャリアは入ることが安全ではない衝突領域を有するものとしてモデル化される。この衝突領域は、キャリアとともに移動する。キャリアが別のキャリアの衝突領域を侵略する(または別のキャリアが目下のキャリアの衝突領域を侵略する)ことを検知する場合、キャリアは減速する(もしくは幾つかの実施形態においては、後部端での衝突を回避するために加速する)ことによって衝突を軽減することができる。

0123

キャリアが衝突を軽減するために減速/加速した後、キャリアは、新規衝突回避条件を考慮に入れるアップデートされた軌道を決定するために、ステップ504へと戻る。安全ではない条件が検出される場合、キャリアはステップ514においてその軌道を実現して進行する(例えば、条件の連続的監視を可能とするために、ステップ504−510を繰り返す前に、軌道の一部で進行する)。これは、加速もしくは減速ならびにキャリアの現在の状態および軌道を決定するためのトラック符号化および加速度計の情報の観察を含むことができる。幾つかの実施形態においては、キャリアは、ステップ515において、ルーティングおよび衝突回避を支援するために、中央コントローラおよび/もしくは他のキャリアに対して、位置、軌道および/もしくは計画された軌道を含むキャリアの現在の状態を通信する。

0124

キャリアが、計画された軌道の繰り返し実現を開始すると、ステップ520において、その宛先末端もしくは近づいてくる決定点などの近づいてくるランドマーク用にトラックを観察する。これらのランドマークは、警告もしくは制動LEDなどのトラック内の重要な特徴を介して、観察された符号化からランドマークへの距離の推定によって、もしくはそれらの幾つかの組み合わせによって識別することができる。ランドマークが近付いて来ない場合、キャリアはステップ504へと進行し、計画された軌道を繰り返し計算して実現し続ける。

0125

本実施例においては、2タイプの重要なランドマークが存在する。第一のランドマークはキャリアの宛先である。キャリアは、トラック符号化もしくはLEDなどのランドマーク特性に基づいて、その宛先に近づいているか否かを判定することができ、ステップ522において停止を開始するか、停止手順を完了するための情報を利用する。例えば、キャリアはピペットにアクセス可能な正確な位置に停止するように命令されてもよい。この正確な位置は、ミリメートルの精度で正確な位置でキャリアが停止することを支援するために、トラックの壁もしくはフロア内のLEDを含んでもよい。幾つかの実施形態においては、ステップ504において計算された軌道は、その宛先の概略位置におけるキャリアを獲得するために使用され、ステップ522における停止手順は、付近のLEDランドマークを探すことおよび適切な位置で停止することなどによって、正確な停止位置を決定するために使用される。

0126

もう一つの重要なランドマークが決定点である。トラック内の符号化もしくは警告LEDは、キャリアに対して、近づいてくる決定点の位置を伝達することができる。例えば、中央管理コントローラは、決定点において不必要な加速もしくは衝突を防ぐために、キャリアに減速するように警告するために、決定点前のトラックの幾らかの距離における制動位置においてLEDを照射してもよい。他の実施形態においては、キャリアは、トラック符号化から近づいてくる決定点の相対的位置を推定して、必要な場合、ステップ524において軌道をアップデートするためにこの距離を利用する。ステップ524において、キャリアは、そのルーティング情報に基づいて決定点の相対的位置を判定して、キャリアが決定点において転回するか進行するか否かを決定する。キャリアが転回する場合、サンプルを害するか漏流させる不必要な横力を防ぐために、決定点においてキャリアが転回するときにキャリアの速度が十分に遅いように、減速を開始するために軌道をアップデートする必要がある。

0127

多くの実施例においては、キャリアは、転回することなく通過した決定点を進む。これらの実施例においては、軌道をアップデートする必要がなく、キャリアは現在の速度で進み続けるか、決定点を通して加速し続けることさえもできる。

0128

キャリアが近づいてくる決定点で転回する必要があることを判定する場合、キャリアはステップ526において減速して転回を開始することができる。幾つかの実施形態においては、キャリアは、支援なしで前方もしくは後方へ移動することだけできる。これらの実施形態においては、キャリアもしくは中央管理コントローラは、トラックシステム400内の任意の機械的もしくは電磁的デバイスが決定点を移動するとき、適切な方向にキャリアを方向づけるために噛み合わせられることを保証するために、ステップ527において、決定点におけるスイッチング機構と通信することができる。トラック内のデバイスの例は、分岐点におけるある経路をブロックして、分岐点における他の経路をキャリアが転回することを支援する機械的スイッチ(トラックがトラフ様の形状であるとき、レールもしくはゲートに取り付けることができるレールロードスイッチなど)、一方向もしくは別方向にキャリアを引き込む磁石、キャリアが従うLEDなどのキャリアが転回することを支援する経路内の変更シグナリング、キャリアが従来の行列に従う性能を有して備えられる場合、キャリアによって従うことができる行列を含むトラック内のLCDもしくはeインクパネルを含むことができる。決定点で停止した後、個々のキャリアを単一化し、スキャンし、押し込む従来の構成とは異なり、本発明の幾つかの実施形態は、キャリアが物理的に決定点に到達する前に転回を交渉することができる。これによって、転回するために他の機構を停止させるか、待機させるのではなく、転回の曲率によって制限される速度でキャリアが進行することを可能にすることができる。

0129

キャリアが幾らかの操縦可能性を有し、次の内部スイッチの支援がなくても、決定点で転回できる実施形態においては、キャリアは、決定点に近づくと、適切な経路へとキャリアを方向づけるための操縦機構を使用することができる。決定点において転回した(もしくは転回なしで進行した)後、キャリアは、次の軌道を決定するために、ステップ504へ戻る。

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