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技術 ベンゾオキサジンおよびそれを含む組成物

出願人 サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン
発明者 ウオード,スチーブン・リチヤードハリマン,マーク・エドワード
出願日 2013年3月19日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2015-503366
公開日 2015年4月27日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2015-512459
状態 特許登録済
技術分野 フェノ-ル樹脂、アミノ樹脂 強化プラスチック材料
主要キーワード シリコンニトリド 熱機械的性質 成形器具 加熱勾配 フェルトマット 温度勾配試験 層間領域 ねじり弾性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月27日)のものです。
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図面 (10)

課題・解決手段

本明細書に開示されるのは、少なくとも1つの電子求引基を有する単官能性ベンゾオキサジン化合物である。この単官能性ベンゾオキサジン化合物は、1種以上の多官能性ベンゾオキサジン化合物と組み合わせて、独特ベンゾオキサジンブレンドを形成することができる。このベンゾオキサジンブレンドは、触媒および強化剤などの追加的成分と組み合わせて、樹脂フィルムまたは複合材料を形成するのに適した硬化性樹脂組成物を形成することができる。単官能性ベンゾオキサジンの存在が、ベンゾオキサジン系樹脂組成物の粘度を低下させることにより樹脂組成物加工性を改善し、硬化された樹脂弾性率を減損することなく、この組成物から形成されるフィルムおよび複合材料の改善されたタックおよびドレープをもたらす。

概要

背景

概要

本明細書に開示されるのは、少なくとも1つの電子求引基を有する単官能性ベンゾオキサジン化合物である。この単官能性ベンゾオキサジン化合物は、1種以上の多官能性ベンゾオキサジン化合物と組み合わせて、独特ベンゾオキサジンブレンドを形成することができる。このベンゾオキサジンブレンドは、触媒および強化剤などの追加的成分と組み合わせて、樹脂フィルムまたは複合材料を形成するのに適した硬化性樹脂組成物を形成することができる。単官能性ベンゾオキサジンの存在が、ベンゾオキサジン系樹脂組成物の粘度を低下させることにより樹脂組成物加工性を改善し、硬化された樹脂弾性率を減損することなく、この組成物から形成されるフィルムおよび複合材料の改善されたタックおよびドレープをもたらす。なし

目的

詳細な説明
本開示の一態様は、純粋な多官能性ベンゾオキサジンの有益な特性の全てを保持し、同時に高性能航空宇宙用途に適した熱機械的性質を示す、ベンゾオキサジンブレンドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

(a)以下の式I:(式中、X1、X2、X3、X4の少なくとも1つは、F、Cl、Br、I、−COH、−COCH3、−COOCH3、−SO3H、NO2、CF3およびCCl3からなる群より選択される電子求引基であり、その他は、独立して、水素(H)、アルキルシクロアルキル、およびアリールから選択され、R1、R2、R3、R4、R5は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、−CH3、フェニル、−NHCOR、OCOR、NH2、およびOHから選択される)により表される少なくとも1種の置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物と、(b)少なくとも1種の多官能性ベンゾオキサジン化合物と、を含むベンゾオキサジンブレンド

請求項2

式IおよびR1、R2、R3、R4、R5に関連して、前記アルキルが、C1〜8アルキルであり、前記シクロアルキルが、C5〜7シクロアルキルであり、前記シクロアルキルおよびアリール基が、C1〜8アルキル、ハロゲンまたはアミン基によって場合により置換されている、請求項1に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項3

式IおよびX1、X2、X3、X4に関連して、前記アルキルが、C1〜8アルキルであり、前記シクロアルキルが、C5〜7シクロアルキルであり、ここで前記シクロアルキルおよびアリール基が、C1〜8アルキル、ハロゲンまたはアミン基によって場合により置換されている、請求項1または2に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項4

前記置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物が、以下の構造:(式中、Xは、FまたはClである)から選択される、請求項1に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項5

(a)以下の構造:(式中、Xは、ハロゲンであり、Yは、アルコキシ、−CH3、フェニル、−NHCOR、OCOR、NH2、およびOHからなる群より選択される電子供与基である)により表される少なくとも1種の置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物と;(b)少なくとも1種の多官能性ベンゾオキサジン化合物とを含むベンゾオキサジンブレンド。

請求項6

Xが、FまたはClであり、Yが、OCH3である、請求項5に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項7

多官能性ベンゾオキサジン対置換された単官能性ベンゾオキサジンの重量比が、99.9:0.1〜50:50の範囲内である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項8

前記多官能性ベンゾオキサジン化合物が、二官能性ベンゾオキサジンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項9

前記多官能性ベンゾオキサジン化合物が、式(II):(式中、Z1は、直接結合、−C(R3)(R4)−、−C(R3)(アリール)−、−C(O)−、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)2−、二価複素環および−[C(R3)(R4)]x−アリーレン−[C(R5)(R6)]y−から選択されるか、または前記ベンゾオキサジン部分の2つのベンジル環が、縮合されていてもよく;R1およびR2は、独立して、アルキル、シクロアルキルおよびアリールから選択される)で示される化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項10

Z1が、−[C(R3)(R4)]x−アリーレン−[C(R5)(R6)]y−から選択され、前記2つのベンゾオキサジン基を結合させる鎖が、1つ以上のアリーレン基複数可)もしくは1つ以上の−C(R7)(R8)−基(複数可)を更に含むか、または1つ以上のアリーレン基(複数可)もしくは1つ以上の−C(R7)(R8)−基(複数可)により中断されている、請求項9に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項11

Z1が、−C(CH3)2−、−CH2−および3,3−イソベンゾフラン−1(3H)−オンから選択される、請求項9に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項12

R1およびR2が、独立して、アリールから選択される、請求項9〜11のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンド。

請求項13

請求項1〜11のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンドと;少なくとも1種の熱可塑性またはエラストマー強化剤と;を含み、180℃〜200℃の範囲内の温度で、分解することなく硬化可能である、硬化性樹脂組成物

請求項14

前記ベンゾオキサジンブレンドの硬化を活性化するための触媒を更に含む、請求項13に記載の硬化性樹脂組成物。

請求項15

請求項13に記載の樹脂組成物を180℃〜200℃の範囲内で硬化させることから形成される硬化樹脂

請求項16

式IIIにより表されるハロゲン化フェノールと、式IVにより表される芳香族アミンと(式中、X1、X2、X3、X4の少なくとも1つは、F、Cl、Br、I、−COH、−COCH3、−COOCH3、−SO3H、NO2、CF3、およびCCl3からなる群より選択される電子求引基であり、その他は、独立して、水素(H)、アルキル、シクロアルキル、およびアリールから選択され、R1、R2、R3、R4、R5は、独立して、H、アルキル、シクロアルキルおよびアリールから選択される)、アルデヒドと、の反応生成物であり、180℃〜200℃の温度内での硬化の際に実質的に分解しない、液体の置換された単官能性ベンゾオキサジン。

請求項17

R1、R2、R3、R4、R5に関連して、前記シクロアルキルおよびアリール基が、C1〜8アルキル、ハロゲンおよびアミン基により置換されており、前記C1〜8アルキルが、直鎖状および分枝状アルキル鎖を含む、請求項16に記載の液体の置換された単官能性ベンゾオキサジン。

請求項18

請求項1〜12のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンドを含む樹脂組成物で含浸された強化繊維を含む複合材料

請求項19

請求項13または14に記載の樹脂組成物で含浸された、一方向に整列した強化繊維の層を含むプリプレグ

請求項20

次元形状を有する乾燥繊維プリフォームに、請求項13または14に記載の樹脂組成物を注入し、その後硬化させることにより形成される複合部品

請求項21

複合部品を作製する方法であって、強化繊維の複数の層で構成された乾燥繊維プリフォームを用意すること;前記乾燥繊維プリフォームに、請求項1〜12のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンドを含む熱硬化性樹脂組成物を注入すること;および前記注入された繊維プリフォームを硬化させることを含む、方法。

請求項22

プリプレグを作製する方法であって、強化繊維の層を用意すること;および前記層に、請求項1〜12のいずれか1項に記載のベンゾオキサジンブレンドを含む熱硬化性樹脂組成物を含浸させること、を含む、方法。

技術分野

0001

背景
ベンゾオキサジンの使用は、比較的長い使用寿命分子設計の柔軟性、低コスト、高いガラス転移温度(Tg)、高い弾性率、比較的低い粘度、良好な難燃性、低い水分吸収性硬化の間に放出される副生物がないこと、および硬化時の非常に低い収縮性をはじめとし、他の熱硬化樹脂に比較して複数の利点をもたらす。更にベンゾオキサジンは、加熱により自己硬化することができ、即ち、追加の硬化剤を必要としない。特性のこのような組み合わせは、航空宇宙用途における使用で関心を集める可能性を意味する。特にそれらは、複合材料における熱硬化マトリックスとして有用となり得る。しかし現在入手できる多官能性ベンゾオキサジンは、120℃未満の温度でガラス状固体であるため、プリプレグ化および樹脂注入などの標準の航空宇宙技術を利用した加工が困難である。

0002

「プリプレグ化」は、一方向に整列した強化繊維または織物樹脂マトリックス含浸させて、テープまたはシートの形態のプリプレグを形成させる工程を指す。これらのプリプレグは、その後、器具の上に特定の配列で互いに層をなして、積層物を形成する。その後、プリプレグレイアップは、高温および高圧に供されて、複合部品を硬化およびコンソリデートする。圧力負荷の方法は、その部品および形状に依存するが、オートクレーブの使用が、高性能構造部品では最も一般的である。プリプレグは、適切に成形するために、特定の量のタックおよびドレープを有さなければならない。「タック」は、プリプレグプライによる一緒粘着する能力であり、「ドレープ」は、プリプレグによる異なる外形に従う能力である。

0003

樹脂注入アプローチは、乾燥した構造強化繊維をモールドの空洞または他の成形器具内に配置させて、マトリックス樹脂を構造強化繊維に射出または注入する、従来のプリプレグ化のアプローチとは異なる。樹脂注入は、樹脂トランスファ成形RTM)、液状樹脂注入(LRI)、軟質成形型を用いた樹脂注入(RIFT)、真空樹脂含浸成形(VARTM)、樹脂フィルム注入(RFI)などの加工技術に及ぶ。そのような従来の技術では、比較的低い粘度であること、および加工温度で熱的に安定していることが樹脂に求められる。

発明が解決しようとする課題

0004

概要
本明細書に開示されるのは、少なくとも1つの電子求引性基を有する1種以上の単官能性ベンゾオキサジンと、1種以上の多官能性ベンゾオキサジン化合物と、を含むベンゾオキサジンブレンドである。

課題を解決するための手段

0005

このベンゾオキサジンブレンドは、樹脂フィルムまたは複合材料を形成するのに適した硬化性樹脂組成物を形成するために、触媒および強化剤などの追加的成分組み合わせ可能である。単官能性ベンゾオキサジンの存在は、樹脂組成物の粘度を低下させることによりベンゾオキサジン系樹脂組成物加工性を改善し、硬化樹脂の弾性率を減損させることなく、組成物から形成されるフィルムおよび複合材料において改善されたタックおよびドレープをもたらす。電子求引基の付加により、単官能性ベンゾオキサジン化合物は、現在入手できるベンゾオキサジン系に比較して、航空宇宙用途の硬化サイクルで典型的に用いられる高温で、高い安定性をもたらす。電子求引基の更なる利益は、硬化開始温度を低下させ、それにより硬化サイクルを有益に変更し得ることである。

図面の簡単な説明

0006

ビスフェノールA−ベンゾオキサジンと、3−フルオロフェノールおよびm−トルイジンから形成されたフッ素化された液体ベンゾオキサジンと、の異なるブレンドに基づく硬化試料を示す。
ビスフェノールA−ベンゾオキサジンの示差走査熱量測定DSC)での曲線および反応性の表を示す。
特定のフッ素化ベンゾオキサジンについてのDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。
特定の塩素化ベンゾオキサジンについてのDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。
アルキル化された液体ベンゾオキサジンについてのDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。
異なる重量比での、アルキル化された液体ベンゾオキサジンとビスフェノールA−ベンゾオキサジンとのブレンドを示す。
市販の液体ベンゾオキサジンRD2009−008についてのDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。
RD2009−008(32%)とビスフェノールA−ベンゾオキサジン(68%)とのブレンドから形成された硬化樹脂試料を示す。
様々な液体ベンゾオキサジンについての熱重量分析(TGA)曲線を示す。
300℃で加熱した後の、100%ビスフェノールA−ベンゾオキサジン(a)、80:20 ビスフェノールA:3−フルオロベンゾオキサジン(b)、および50:50 ビスフェノールA:3−フルオロベンゾオキサジン(c)から形成された樹脂試料を示す。

実施例

0007

詳細な説明
本開示の一態様は、純粋な多官能性ベンゾオキサジンの有益な特性の全てを保持し、同時に高性能航空宇宙用途に適した熱機械的性質を示す、ベンゾオキサジンブレンドを提供することである。現在入手できる多官能性ベンゾオキサジンは、熱が加えられるまで能力を発揮せず、典型的には180℃以上の硬化温度を必要とする。エポキシ−ベンゾオキサジンブレンドに基づく複数のベンゾオキサジンハイブリッド系は、市販されているが、共反応体としてエポキシが添加されると、純粋なベンゾオキサジンによりもたらされる利益の一部が無効になる。液体単官能性ベンゾオキサジンも入手可能であるが、それらは航空宇宙用途において硬化サイクルで通常利用される温度では非常に不安定性であるという難点がある。特定の置換された単官能性ベンゾオキサジンが、多官能性ベンゾオキサジンと混合されて、室温では通常、固体または半固体である多官能性ベンゾオキサジンの加工性を改善し得ることが、発見された。ベンゾオキサジンブレンドは、プリプレグ化および樹脂注入などの従来の技術を用いて、樹脂フィルム(例えば、表面フィルム接着フィルム)または先進的な複合材料(例えば、プリプレグ)を形成させるのに適した硬化性樹脂組成物を形成させるために、強化剤および触媒などの追加的成分と組み合わせ可能である。液体単官能性ベンゾオキサジンの存在は、非硬化組成物の粘度を低下させることによりベンゾオキサジン系樹脂組成物の加工性を改善して、それを強化繊維の含浸/注入に適したものにする。更に、液体単官能性ベンゾオキサジンの存在は、硬化樹脂の弾性率を減損することなく、ベンゾオキサジン系樹脂組成物から生成された非硬化(または部分硬化)複合材料(例えば、プリプレグ)の取扱い性(例えば、タックおよびドレープ)を改善する。フィルム接着剤およびプリプレグに望ましい2つの物理的性質が、意図する使用温度でのタックおよびドレープである。タックは、複合部品をレイアップする際にプリプレグの正しい配置を確実に行うのに必須である。ドレープは、平面以外の形状を有する複合部品が容易に作製され得るために必須である。そのため、タックおよびドレープの高いベンゾ
オキサジン系樹脂は、複雑な形状の複合部品を作製することができる。

0008

本明細書で用いられる「単官能性ベンゾオキサジン」は、単一のベンゾオキサジン部分が存在する化合物を指し、「多官能性ベンゾオキサジン」は、2つ以上のベンゾオキサジン部分が存在し、それにより架橋された網目構造を形成させることが可能な化合物を指す。

0009

本開示の置換された単官能性ベンゾオキサジンは、電子求引性の置換された誘導体に基づいており、周囲温度(20℃〜25℃)で液体形態になり得る。電子求引基の付加により、これらの置換された単官能性ベンゾオキサジンは、現在入手できる液体ベンゾオキサジンに比較して、航空宇宙用途の硬化サイクルで典型的に用いられる高温(例えば、180℃以上)で、高い安定性をもたらす。電子求引基の更なる利益は、硬化開始温度を低下させ、それにより硬化サイクルを有益に変更し得ることである。そのためこれらの単官能性ベンゾオキサジンは、現在入手できる液体ベンゾオキサジンを超える熱安定性の上昇により、単官能性ベンゾオキサジンと多官能性ベンゾオキサジンとをブレンドし、それに続いて分解を受けずに高温で硬化することが可能になるため、航空宇宙用途での使用に特に適する。更に多官能性ベンゾオキサジンを含むベンゾオキサジン系における、電子求引基を有する単官能性ベンゾオキサジンの存在が、活性化エネルギーを低下させて、反応する温度を低下させることが見出された。任意の特定の理論に束縛されるものではないが、硬化開始温度の低下は、単官能性ベンゾオキサジン構造の中間または遷移状態がより安定した、つまりより低いエネルギー重合開始に必要となった結果と考えられる。追加として硬化開始温度の低下は、電子求引性置換基を有さないベンゾオキサジン系に比較して、より低温での硬化サイクルの使用、後硬化時間の排除、またはより短い硬化時間での硬化を可能にする。これらの利益は、硬化樹脂のガラス転移温度(Tg)または弾性率の減損を伴わずに観察される。本明細書に開示された硬化樹脂の「弾性率」は、曲げ弾性率および引張弾性率包含する。

0010

先に議論された置換された単官能性ベンゾオキサジンは、以下の式I:



(式中、
X1、X2、X3、X4の少なくとも1つは、ハロゲン(F、Cl、Br、Iなど)、−COH、−COCH3、−COOCH3、−SO3H、NO2、CF3、またはCCl3から選択される電子求引基であり、その他は、独立して、水素(H)、アルキル(好ましくはC1〜8アルキル)、シクロアルキル(好ましくはC5〜7シクロアルキル、より好ましくはC6シクロアルキル)、およびアリールから選択され、ここでシクロアルキルおよびアリール基は、例えばC1〜8アルキル、ハロゲンおよびアミン基、好ましくはC1〜8アルキルにより、場合により置換されており;
R1、R2、R3、R4、R5は、独立して、H;アルキル(好ましくはC1〜8アルキル)、シクロアルキル(好ましくはC5〜7シクロアルキル、より好ましくはC6シクロアルキル);アリール(ここでシクロアルキルおよびアリール基は、例えばC1〜8アルキル、ハ
ゲンおよびアミン基、好ましくはC1〜8アルキルにより、場合により置換されている);アルコキシ(例えば、メトキシ−OCH3)、−CH3、フェニル、−NHCOR、OCOR、NH2、およびOHなどの電子供与基、から選択される)により表される化合物である。

0011

置換された単官能性ベンゾオキサジンの例としては、以下の構造が挙げられる:

0012

メタ位(構造2および4)のハロゲン基の影響が、反応性に関して最大であることが見出され、そのためこの位置が最も好ましい。

0013

先に議論された置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物は、フェノール(式IIにより表される)と芳香族アミン(式IIIにより表される)とアルデヒドとの反応生成物である。



式II中のX1、X2、X3、X4および式III中のR1、R2、R3、R4、R5は、式Iを参照して先に定義された通りである。様々なアルデヒドを使用することができるが、好ましいアルデヒドは、ホルムアルデヒド(H−CHO)である。

0014

置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物は、相溶性溶媒または無溶媒系での環形成により形成させてもよい。フェノール、アミンおよびアルデヒドを反応体として用いる単官能性ベンゾオキサジンモノマーの合成は、当該技術分野で周知である。一般に反応体は、反応体を化合させる温度で混合され、反応体は、この温度で、ベンゾオキサジン化合物を形成するのに十分な期間、保持される。

0015

幾つかの実施形態において、以下の例示的反応により表される通り、ハロゲン置換基を有する単官能性ベンゾオキサジン化合物は、ハロゲン化フェノールを、ホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドの存在下で芳香族アミンと反応させることにより形成されてもよい:



先の反応タイプでは、フェノール化合物上の電子求引性置換基が示された通りメタ位にある場合には、形成されたベンゾオキサジン生成物が、以下の構造により表される異性体のブレンドになることに、留意しなければならない:



(式中、Xは、フッ素(F)または塩素(Cl)などのハロゲンである)。

0016

合成された時、この異性体ブレンドは、70:30〜80:20の範囲内の化合物(IV)対化合物(V)比のブレンドとして存在し得る。

0017

一実施形態において、置換された単官能性ベンゾオキサジンは、電子求引性置換基と電子供与性置換基の両方を含む。電子供与性置換基の存在が、重合の間の反応性を更に高めることが、発見された。例としてハロゲン化フェノールは、電子供与性置換基として−OCH3を有するアミンおよびホルムアルデヒドと反応して、以下の通り置換された単官能性ベンゾオキサジンを形成し得る:



(式中、Xは、フッ素(F)または塩素(Cl)などのハロゲンである)。

0018

先に議論された通り、先に議論された置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物の1種以上が、1種以上の多官能性ベンゾオキサジンと混合されて、強化剤および触媒などの追加的成分と組み合わせ可能なベンゾオキサジンブレドを形成して、硬化性樹脂組成物を形成することができる。樹脂組成物中の単官能性ベンゾオキサジンおよび多官能性ベンゾオキサジンの総量は、非硬化組成物の所望の特性(反応性、粘度、タックおよびドレープなど)および硬化組成物中の所望の特性(Tg、弾性率、靭性など)を得るために調整されてもよい。硬化性樹脂組成物の粘度は、適切な割合の単官能性ベンゾオキサジンおよび多官能性ベンゾオキサジンにより調整して、非硬化樹脂の特定のTgを実現し、樹脂組成物から形成された非硬化組成物材料(例えば、プリプレグ)に必要なタックおよびドレープを付与することができる。多官能性ベンゾオキサジン(複数可対置換された単官能性ベンゾオキサジンの重量比は、99.9:0.1〜0.1:99.9の範囲内で変動してもよい。幾つかの実施形態において、多官能性ベンゾオキサジン(複数可)対置換された
単官能性ベンゾオキサジンの重量比は、99.9:0.1〜50:50であってもよい。高濃度の置換された単官能性ベンゾオキサジンであっても、組成物は、180℃以上、例えば180℃〜200℃の温度での硬化時に、依然として熱的に安定している(即ち、分解されない)。

0019

本明細書で用いられる「硬化性樹脂組成物」は、硬化前の組成物を指す。硬化の際に、単官能性ベンゾオキサジン化合物と多官能性ベンゾオキサジン化合物は、開環重合により即座に重合する。そのような重合は、カチオンにより(カチオン性開始剤を用いて)または熱により開始されてもよい。

0020

多官能性ベンゾオキサジンは、架橋ポリマーマトリックスの形成を可能にする2種以上のベンゾオキサジン部分が存在する化合物(モノマーまたはオリゴマー)であってもよい。二官能性三官能性および四官能性ベンゾオキサジンをはじめとする任意の従来の多官能性ベンゾオキサジン化合物を、先に記載された置換された単官能性ベンゾオキサジン化合物と組み合わせて、ベンゾオキサジンブレンドを形成してもよい。

0021

一実施形態において、多官能性ベンゾオキサジンは、以下の式(VI):



(式中、
Z1は、直接結合、−C(R3)(R4)−、−C(R3)(アリール)−、−C(O)−、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)2−、二価複素環および−[C(R3)(R4)]x−アリーレン−[C(R5)(R6)]y−から選択されるか、またはベンゾオキサジン部分の2つのベンジル環が、縮合されていてもよく;
R1およびR2は、独立して、アルキル(好ましくはC1〜8アルキル)、シクロアルキル(好ましくはC5〜7シクロアルキル、好ましくはC6シクロアルキル)およびアリールから選択され、ここでシクロアルキルおよびアリール基は、例えばC1〜8アルキル、ハロゲンおよびアミン基、好ましくはC1〜8アルキルによって、場合により置換されており、置換されている場合、1つ以上の置換基(好ましくは1つの置換基)が、各シクロアルキルおよびアリール基上に存在してもよく;
R3、R4、R5およびR6は、独立して、H、C1〜8アルキル(好ましくはC1〜4アルキル、好ましくはメチル)およびハロゲン化アルキル(ここで、ハロゲンは、典型的には塩素またはフッ素(好ましくはフッ素)であり、ハロゲン化アルキルは、好ましくはCF3である)から選択され;
xおよびyは、独立して0または1である)により表すことができる。

0022

一実施形態において、Z1は、直接結合、−C(R3)(R4)−、−C(R3)(アリール)−、−C(O)−、−S−、−O−、二価複素環および−[C(R3)(R4)]x−アリーレン−[C(R5)(R6)]y−から選択されるか、またはベンゾオキサジン部分の2つのベンジル環が、縮合されていてもよい。

0023

Z1が、二価複素環から選択される場合、それは、好ましくは3,3−イソベンゾフラン−1(3h)−オンであり、即ち式(VI)で示される化合物は、フェノールフタレイ
ンから誘導される。

0024

Z1が、−[C(R3)(R4)]x−アリーレン−[C(R5)(R6)]y−から選択される場合、各置換または非置換メチレン基が、別の置換または非置換メチレン基に隣接していないことを条件に、2つのベンゾオキサジン基を結合させる鎖は、1つ以上のアリーレン基(複数可)および/または1つ以上の−C(R7)(R8)−基(複数可)(ここで、R7およびR8は、独立して、R3に関して先に定義された基から選択される)を更に含んでいてもよく、またはそれらによって場合により中断されていてもよい。

0025

好ましい実施形態において、アリーレン基は、フェニレンである。一実施形態において、フェニレン基に結合された基は、互いに関してパラ位またはメタ位に配置されていてもよい。好ましい実施形態において、アリール基は、フェニルである。

0026

基Z1は、直鎖状または非直鎖状であってもよく、典型的には直鎖状である。基Z1は、好ましくは式(VI)に示される通り、ベンゾオキサジン部分の酸素原子に関してパラ位にあるベンゾオキサジン部分のそれぞれのベンジル基に結合されており、これは、好ましい異性体配置である。しかし基Z1は、ビスベンゾオキサジン化合物のベンジル基(複数可)の一方または両方においてメタ位またはオルト位のいずれかで結合されていてもよい。つまり基Z1は、パラ/パラ、パラ/メタ、パラ/オルト、メタ/メタまたはオルト/メタ配置でベンジル環に結合されていてもよい。一実施形態において、熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂成分(A)は、異性体の混合物を含み、好ましくはその混合物の大部分は、式(VI)に示されるパラ/パラ異性体であり、好ましくは、これは、全異性体混合物の少なくとも75モル%、好ましくは少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも99モル%で存在する。

0027

好ましい実施形態において、多官能性ベンゾオキサジンは、Z1が−C(CH3)2−、−CH2−および3,3−イソベンゾフラン−1(3H)−オンから選択される化合物、即ち、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびフェノールフタレインベンゾオキサジン誘導体から選択される。

0028

別の実施形態において、多官能性ベンゾオキサジンは、R1およびR2が、独立してアリール、好ましくはフェニルから選択される化合物から選択される。一実施形態において、アリール基は、置換されていてもよく、好ましくはこの場合、置換基(複数可)は、C1〜8アルキルから選択され、好ましくはこの場合、少なくとも1つのアリール基上に単一置換基が存在する。C1〜8アルキルは、直鎖状および分枝状アルキル鎖を含む。好ましくはR1およびR2は、独立して、非置換アリール、好ましくは非置換フェニルから選択される。

0029

本明細書に定義された多官能性ベンゾオキサジン化合物の各ベンゾオキサジン基内のベンジル環は、独立して、各環の3つの利用可能な位置のいずれかで置換されていてもよく、典型的には任意の選択的置換基が、Z1基の結合位置に対してオルト位に存在する。しかし好ましくは、ベンジル環は、非置換のままである。

0030

硬化性樹脂組成物およびその適用
単離、または1種以上の多官能性ベンゾオキサジンとのブレンドにおいて、本明細書に開示される置換された単官能性ベンゾオキサジンは、追加的成分と組み合わせて、樹脂フィルム(例えば、接着性フィルム、表面フィルム)または繊維強化複合体(例えば、プリプレグ)の製造に適した硬化性樹脂組成物を形成することができる。触媒の添加は、場合によるが、触媒の使用は、硬化速度を上昇させることができ、そして/または硬化温度を低下させることができる。ベンゾオキサジン系樹脂組成物の適切な触媒としては、非限定
的に、ルイス酸、例えばフェノールおよびその誘導体、強酸、例えばアルキレン酸(alkylenic acids)、メチルトシラートシアン酸エステルp−トルエンスルホン酸、2−エチル−4−メチルイミダゾールEMI)、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、BF3O(Et)2、アジピン酸有機酸五塩化リン(PCl5)が挙げられる。

0031

強化剤(またはタフナー)を添加して、先進的な複合構造を製造するのに適する強化された樹脂マトリックスを生成してもよい。適切な強化剤としては、非限定的に、熱可塑性強化剤、例えばポリエーテルスルホン(PES)、PESとポリエーテルエーテルスルホン(PEES)とのコポリマー(例えば、Cytec Industries Inc.製のKM180)、反応性基を有する液状ゴムをはじめとするエラストマー微粒子強化剤、例えば熱可塑性粒子ガラスビーズゴム粒子、およびコアシェルゴム粒子が挙げられる。

0032

機能的添加剤を含めることで、硬化または非硬化樹脂組成物機械的性質流動的性質、電気的性質光学的性質化学的性質耐炎性および/または熱的性質の1つ以上に影響を及ぼしてもよい。そのような機能的添加剤の例としては、非限定的に、充填剤着色顔料レオロジー制御剤粘着剤導電性添加剤難燃剤紫外線(UV)プロテクターなどが挙げられる。これらの添加剤は、非限定的に、粒子フレークロッドなどをはじめとする様々な幾何学配置の形態をとっていてもよい。

0033

一実施形態において、硬化性樹脂組成物は、置換された単官能性ベンゾオキサジンを二官能性ベンゾオキサジンおよび三官能性ベンゾオキサジンと一緒に含み、そして1種以上の先に議論された添加剤を含む。

0034

先に議論された硬化性樹脂組成物は、強化繊維と組み合わせられて、複合材料または構造を形成し得る。強化繊維は、ウィスカ短繊維連続繊維フィラメントトウバンドル、シート、プライ、およびそれらの組み合わせの形態をとっていてもよい。連続繊維は更に、一方向の、多方向の、不織布の、織られた、編まれた、縫われた、巻かれた、そして編組の形態に加え、スワールマットフェルトマット、およびチョップドファイバーマット構造のいずれかを採り入れていてもよい。繊維の組成は、最終的な複合構造に必要な特性を得るように変動してもよい。例示的な繊維材料としては、非限定的に、ガラスカーボングラファイトアラミドクォーツポリエチレンポリエステルポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ホウ素、ポリアミド、グラファイト、シリコンカーバイドシリコンニトリド、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。

0035

必須ではないが、溶媒、例えばハロゲン化炭化水素もしくはアルコール、またはそれらの組み合わせを添加して、成分の混合を補助することが可能である。溶媒およびその割合は、成分の混合物が少なくとも安定したエマルジョンを、好ましくは安定した単層溶液を形成するように選択される。その後、溶媒は、蒸発により除去されて、樹脂組成物を生成する。

0036

複合材料を形成するために、強化繊維に、プリプレグ化および樹脂注入などの従来の加工技術を利用して、硬化性樹脂組成物を含浸または注入する。樹脂含浸または注入の後、漏出した気体変形作用を抑制するため、または適切には最大10バール、好ましくは3〜7バール(絶対圧)の範囲内の圧力で、空隙の形成を抑制するために、硬化は最大200℃の高温で、好ましくは160℃〜200℃の範囲内で、より好ましくは約170℃〜190℃で、そして高圧を利用して実施される。適切には、最大5℃/分、例えば2℃〜3℃/分で加熱することにより硬化温度が達成され、その温度が最大9時間、好ましくは
最大6時間、例えば3〜4時間の必要な期間、保持される。圧力がその間ずっと解除され、最大5℃/分、例えば最大3℃/分で冷却することにより温度が低下される。190℃〜200℃の範囲内の温度での後硬化が、製品のガラス転移温度その他を改善するために、適切な加熱速度を用いて大気圧で実施されてもよい。

0037

プリプレグを作製するために、樹脂フィルムを繊維に流動および含浸させるのに十分な温度および圧力で、例えば圧縮成形押出メルトキャスティング、またはベルトキャスティングに供し、その後、そのようなフィルムを強化繊維の層の一方の表面または両方の向かい合う表面に、例えば比較的短い繊維の不織布マット、連続繊維の織物、または一方向に整列した繊維(即ち、同じ方向に沿って整列した繊維)の層の形態で積層することにより、樹脂フィルムを硬化性樹脂組成物から形成させてもよい。あるいはプリプレグは、液体形態の硬化性樹脂組成物を用意し、液体樹脂組成物に繊維の層を通過させて繊維の層に熱硬化性組成物を注入し、注入された繊維層から過剰な樹脂を除去することにより、作製されてもよい。置換された単官能性ベンゾオキサジンの存在が、そのような置換された単官能性ベンゾオキサジンを含まない同じ樹脂組成物から形成されたものと比較して、改善されたタックおよびドレープを有するプリプレグをもたらす。

0038

プリプレグから複合部品を作製するために、含浸された強化繊維のプライを、器具の上にレイアップして、熱および圧力により、例えばオートクレーブ、真空もしくは圧縮成形、または加熱ローラーにより、樹脂組成物の硬化温度を超える温度で、あるいは硬化が既に起こっている場合には、樹脂のガラス転移温度、典型的には少なくとも180℃を超えて最大200℃で、そして特に1バールを超える圧力、好ましくは1〜10バールの範囲内の圧力で、一緒に積層される。

0039

得られたマルチプライレイアップ(multi−ply layup)は、繊維が連続していて一方向であり本質的に互いに平行に配列された異方性であっても、またはプライ中の繊維が上下のプライ中の繊維に対して一定の角度、例えば45°、30°、60°もしくは90°で配列された擬似等方性であってもよい。異方性と擬似等方性の間の配列中間体、またはそれらの組み合わせが、もたらされてもよい。織物は、擬似等方性、または異方性と擬似等方性の中間の一例である。適切なレイアップは、少なくとも4プライ、好ましくは少なくとも8プライを含む。プライの数は、レイアップの適用例、例えば要求される強度に依存し、32以上、例えば数百のプライを含むレイアップが、大きな複合部品を形成するのに望ましい場合がある。プライの間の層間領域内に強靭化インターリーフまたは強靭化粒子が設けられていてもよい。

0040

複合部品を樹脂注入、例えばRTMまたはVaRTM工程により作製するための第一のステップは、所望の構造部品の形状で乾燥繊維プリフォームを形成することである。プリフォームは一般に、所望の強化特性を得られた複合部品に付与する、乾燥強化繊維から生成された複数の繊維層またはプライを含む。繊維プリフォームが形成された後、プリフォームが、モールド内に入れられる。硬化性樹脂組成物は、繊維プリフォームに直接射出/注入され、その後、樹脂注入されたプリフォームは、硬化される。

0041

実施例
実施例1
液体単官能性ベンゾオキサジンを、以下の方法により調製した:
1.フェノール18.68g、アミン20.94gおよびパラホルムアルデヒド20.76gを重量測定し、その後、ガラスジャーの中で室温(約20.0℃)で20分間混合した。
2.ブレンドした材料を撹拌しながら、ガラスジャーを115℃に加熱したオイルバスに40分間配置させた。
3.オイルバスを120℃の温度に上昇させて、更に20分間混合し続けた。
4.ガラスジャーをオイルバスから取り出して、およそ5分間放冷した。その後、ブレンドした材料をジエチルエーテル10mlに、撹拌しながら緩やかに添加した。その後、この混合物を室温(約20.0℃)で更に20分間撹拌した。
5.撹拌されたら、ベンゾオキサジン−エーテル混合物を、分液漏斗において、水中の2.0M NaOH溶液100mlずつで3回洗浄した。
6.更なる水洗浄を実施し、NaOHの添加後にpHを中和した(pH7)。
7.この混合物を一晩放置し、その後、硫酸マグネシウム乾燥剤を混合物に添加し、4時間乾燥させた。
8.残留するエーテルを真空下のロータリーエバポレータにより50℃で15分間除去した。
9.最終生成物真空オーブンにおいて60℃で2時間、真空乾燥させた。

0042

表1に、フェノールおよびアミン反応体を用いてこの方法により調製された、5種の置換された単官能性ベンゾオキサジンを開示する。

0043

液体単官能性ベンゾオキサジンをHuntsman Specialty Chemicals製のビスフェノールA−ベンゾオキサジン(二官能性ベンゾオキサジン)と、様々なビスフェノールA−ベンゾオキサジン:単官能性ベンゾオキサジン重量比でブレンドすることにより、硬化された試料を調製した。以下の実験方法を実施した:
1.単官能性ベンゾオキサジンおよびビスフェノールA−ベンゾオキサジンを別個に、真空オーブン内で110℃で90分間、脱気した。
2.脱気されたベンゾオキサジン1.5gおよび脱気されたビスフェノールA−ベンゾオキサジン18.5gを、250mlガラスジャーに添加した。
3.ジャーを90℃に加熱したオイルバスに30分間浸漬し、その後、材料のブレンドを
90℃で45分間撹拌した。
4.ブレンドをオイルバスから取り出して、アルミニウム皿に注いだ。
5.ブレンドしたベンゾオキサジンの皿を、真空オーブン内で110℃で90分間脱気した。

0044

脱気されたベンゾオキサジンブレンドを、以下の硬化サイクルを利用して硬化させた:1℃/分で25℃から180℃へ、それを2時間保持して、1℃/分で180℃から200℃へ、それを2時間保持して、2℃/分で200℃から25℃へ。

0045

置換された単官能性ベンゾオキサジン(表1に開示)が、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンとブレンドされた場合に、硬化された試料が、置換された単官能性ベンゾオキサジンの濃度上昇に応じて安定することが、見出された。図示として図1に、異なるビスフェノールA−ベンゾオキサジン:フッ素化ベンゾオキサジン重量比での、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンと3−フルオロフェノールとのブレンドに基づく硬化試料、m−トルイジンベンゾオキサジン(表1の構造2)を示す。

0046

表1に開示されている調製されたハロゲン化単官能性ベンゾオキサジン化合物の反応性を分析するために研究を実施し、それらをモデルフリー反応速度解析MFK)−示差走査熱量測定(DSC)法を用いてビスフェノールA−ベンゾオキサジン標準と比較した。このMFK法は、活性化エネルギーEaが転化率(α)に依存するという仮説に基づく。特定の転化率では、活性化エネルギーEaは、加熱速度に依存する。図2に、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンのDSC曲線を示す。図3Aに、フッ素化ベンゾオキサジンのDSC曲線を示し、図3Bに、塩素化ベンゾオキサジンのDSC曲線を示す。図2、3Aおよび3Bから、反応性に及ぼすハロゲン基の影響が、酸素に対してメタ位にハロゲン基が存在する場合に最大になることが認識され得る。

0047

実施例2
比較
比較のために、実施例1に記載された方法を利用して、電子求引基を含まないアルキル化された液体ベンゾオキサジンを、m−クレゾール、m−トルイジンおよびパラホルムアルデヒドから形成させた。アルキル化された液体ベンゾオキサジンは、以下の構造を有する:

0048

図4に、このアルキル化された液体ベンゾオキサジンについて作成されたDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。図4から、ハロゲン化された液体ベンゾオキサジンに関して図3A〜3Bに示されたデータに比較して、高い活性化エネルギーおよび低い転化率が認められる。

0049

アルキル化された液体ベンゾオキサジンとビスフェノールA−ベンゾオキサジンとのブレンドを、95:5、90:10、80:20、および50:50のビスフェノールA−ベンゾオキサジン:アルキル化された液体ベンゾオキサジン重量比に基づいて形成させた
。その後、実施例1に記載された硬化サイクルに従って、ブレンドを硬化させた。硬化されたブレンドを、図5に示す。図5から、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンと共に硬化させた場合のアルキル化された液体ベンゾオキサジンの安定性のレベルが、アルキル化ベンゾオキサジン量の増加に応じて低下することが示される。

0050

同じく比較のために、以下の構造を有する市販の液体ベンゾオキサジンHuntsman RD2009−008:



を、MFK−DSC法を利用して分析した。図6に、RD2009−008についてのDSC活性化エネルギー曲線および反応性の表を示す。図6から、ハロゲン化された液体ベンゾオキサジンに関して図3A〜3Bに示されたデータに比較して、高い活性化エネルギーおよび低い転化率が認められる。

0051

68%ビスフェノールA−ベンゾオキサジンと32%RD2009−008とのブレンドを調製し、実施例1に記載された硬化サイクルに従って硬化させた。硬化樹脂の画像を、図7に示す。図7から、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンと共に硬化させた場合に、RD2009−008材料の安定性レベルも低下することが示される。

0052

図8に、RD2009−008、アルキル化された液体ベンゾオキサジンおよびフッ素化された液体ベンゾオキサジン(実施例1、構造2)の熱重量分析(TGA)曲線を示す。図8から、市販のRD2009−008ベンゾオキサジンおよびアルキル化された液体ベンゾオキサジンの両方の安定性が、フッ素化された液体ベンゾオキサジンの安定性よりも、TGAにおいて大きな重量損失を示すことが認められる。これは、フッ素化ベンゾオキサジンブレンドに関する図1光学画像に示されたより大きな安定性と十分に一致する。

0053

硬化された場合に、ハロゲン化された液体ベンゾオキサジンも、ビスフェノールA−ベンゾオキサジンとブレンドされたRD2009−008ベンゾオキサジンよりも、高い性能(Tg、ねじり弾性率)を示した(表2参照)。

0054

実施例3
タック試験
ビスA−ベンゾオキサジン/エポキシブレンド、ビスA−ベンゾオキサジン/フッ素化された液体ベンゾオキサジンブレンド、ビスA−ベンゾオキサジン/塩素化された液体ベンゾオキサジンブレンドに基づく試料を調製して、真空オーブン内で110℃で脱気した。取り出す際に、それらを80℃まで放冷し、その時点で、親指でのタック試験(試料の上に親指を置く)を、25℃に冷却された材料で実施した。対照として、純粋なビスフェノールA−ベンゾオキサジンも、同じ脱気条件および親指タック試験に供した。表3に、試験試料について回収されたデータを示す。

0055

表3から認識される通り、ハロゲン化ベンゾオキサジン系の非硬化Tgは、純粋なビスフェノールA−ベンゾオキサジンのものおよびビスフェノールA−ベンゾオキサジン/エポキシブレンドのものよりも低い。非硬化Tgにおけるこの低下は、非硬化試料の展性に関係する。良好なドレープ特性を有する非硬化ベンゾオキサジン系材料の場合、非硬化Tgは、ほぼ室温またはそれ未満でなければならない。

0056

ハロゲン化ベンゾオキサジン系についてのタック試験で、ハロゲン化された液体ベンゾオキサジンをビスフェノールA−ベンゾオキサジンとブレンドした場合に、純粋なビスフ
ェノールAまたはHuntsman製の市販されるビスフェノールA−ベンゾオキサジン/エポキシブレンドと比較して、タックが上昇することが示された。フッ素化および塩素化ベンゾオキサジンブレンドにより示されたタックおよび展性の上昇は、より容易な加工性を可能にするはずである。

0057

実施例4
3種の試料を、100%ビスフェノールA−ベンゾオキサジン、重量比80:20でのビスフェノールA−ベンゾオキサジンと3−フルオロベンゾオキサジンとのブレンド、および重量比50:50での同じブレンドに基づいて調製した。その後、試料を300℃に加熱した。図9から、フッ素化された液体ベンゾオキサジンを加えた結果として、高温で熱安定性が上昇することが示される。図9において、上段の画像(a)は、100%ビスフェノールA−ベンゾオキサジンの画像であり、中段の画像(b)は、80:20ビスフェノールA:3−フルオロベンゾオキサジンについてであり、下段の画像(c)は、50:50ビスフェノールA:3−フルオロベンゾオキサジンについてである。

0058

先に記載された利益は、ベンゾオキサジン系の熱機械的性能を損なうことなく観察された。純粋なビスフェノールA−ベンゾオキサジン、および異なる割合でのビスフェノールA−ベンゾオキサジンと3−フルオロベンゾオキサジン(フッ素化された液体ベンゾオキサジン)とのブレンドに基づく硬化試料を、調製した。

0059

表4から、ビスフェノールA/3−フルオロベンゾオキサジンブレンドの硬化試料が、純粋なビスフェノールA−ベンゾオキサジンと比較して、同様のTgおよび同様のねじり弾性率を保持することが示される。68%/32%ブレンドは、純粋なビスフェノールA−ベンゾオキサジンに匹敵する曲げ弾性率も示している。

0060

先の実施例において、曲げ弾性率の測定は、ASTM法790−01(手順A)および以下の条件に従ってIntertek MSGにより実施された:
・ Instron 5544(T21)
ロードセル2kNシリアル53033
試験速度0.01mm/mm/分
伸縮計シリアルB
マイクロメーターR97
・ 条件23℃±2℃ r/h 50%±5%
・ ロードセル検査重量番号1&2(20N)=40.03N

0061

硬化樹脂試料のガラス転移温度(Tg)およびねじり弾性率を、動的機械熱分析DM
TA)により測定した。実験は、ARESLS 2K/2K FRT装置にて、以下の実験条件に従い、ねじれ矩形誘導モード(torsion rectangular solicitaion mode)および動的温度勾配試験法で実施した:硬化樹脂系のガラス転移温度(Tg)およびねじり弾性率の動的機械熱分析(DMTA)測定は、ARES LS 2K/2K FRT装置にて、以下の実験条件に従い、ねじれ矩形誘導モードおよび動的温度勾配試験法から得た:
周波数=0.1Hz
歪度=0.1%
加熱勾配=3℃/分

0062

試験試料は、長方形の棒の形態であり(40×1.4×4mm)、分析前に乾燥させた。Tg測定値は、タンデルタ最大値で記録し、弾性率値は、30℃およびTg+40℃で記録した。

0063

本明細書に開示された範囲は、包括的であり、独立して組み合わせ可能であり、範囲内の終点および全ての中間値を含む。例えば、「1%〜10%」は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%に加え、1.1%、1.2%、1.3%などの中間値を含む。

0064

様々な実施形態を本明細書に記載しているが、本明細書に開示された要素の様々な組み合わせ、実施形態の変形例が、当業者により実施されてもよく、それが本開示の範囲内であることは、認識されよう。加えて、本発明の本質的範囲を逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態の教示に特定の状況または材料を適合させるために多くの改良を施すことができる。それゆえ、請求された発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されず、請求された発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むものとする。

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