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技術 油圧式回生装置

出願人 ライトニングハイブリッドエルエルシー
発明者 ダニエルエス.ジョンソンディー.ジュード,ジュニアフーバージョナサンエル.レイノルズ
出願日 2013年3月5日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2014-561061
公開日 2015年4月20日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-511554
状態 特許登録済
技術分野 車両の推進装置の配置または取付け
主要キーワード 再作用 回転パワー 初期ガス圧 行程部分 二次制御 補助パワー 蓄積部材 ホイール直径
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

油圧モータポンプ回生システムが記載されている。当該システムは、走行中の車両から高い効率と正確な制御とをもってエネルギ回収し、以て最大量のエネルギが回生され、再利用される。当該システムが大抵の状況下で70%を上回ることが期待される効率でエネルギを回生し、再利用することを可能にするため、3つの固定容量型ポンプモータが用いられる。ただし、本発明は、3つの固定容量型油圧ユニットを使用する場合に限定されない。なぜなら、ある駆動サイクルでは4以上のユニットの方が効率を改善することがあり得るからである。運転者により要求されたトルクドライブシャフト(4d)へ供給するようにポンプ/モータユニットの適切な組み合わせを選択することにより、本発明の実施形態は、任意の速度で高い回収効率を達成する。

概要

背景

近年、一般に燃料及びエネルギコストが上昇しているなか、燃料節約についての改善の努力が全クラスの車両で広汎に行われてきたにもかかわらず、トラック消費される燃料が、乗用車の場合よりも速い速度で増加している。これは、恐らく、多くのトラックが効率の良いディーゼルエンジンを既に採用しているので、そのような技術の利用がより制限されているからであり、またこれらの車両に関連した重量による拘束の故であろう。

一般的なブレーキシステムは、車両を減速させる摩擦によって、車両走行のエネルギを直ちに熱に変える。このエネルギの一部を回収し、これが無駄にならないように、これを当該システム再入力するような複雑なシステムが、これまで設計されてきた。これを実現するための方法は、フライホイールのような機械的蓄積システムや、バッテリへのエネルギの電気的な蓄積や、作動油を用いたガス圧縮によるエネルギのハイドロニューマチックな蓄積を含む。一般に、これらの方法は、システムからエネルギを抽出し、かつこれをエネルギ蓄積装置へ供給する伝達装置を含む。電気的なシステムでは、伝達装置が、システムからのエネルギを、バッテリバンク充電する発電機へと伝達する。この伝達装置は、充電システムの効率を最適化し、かつ特定の電力密度を収容するように設計される。例えば、バッテリバンクは、特定の速度で電気エネルギを受け取ることができるだけである。実践的観点として、車両運転者は、絶えず変化する交通及び道路の現況に応じて、車両を制御しなければならない。したがって、個別部品を通じたエネルギ回収の最適化は困難になっており、回収し得るエネルギ量の上限に急速に達してしまう。機械式かつ油圧式回収システムもまた、その個別的性質によって悩まされ、最適化が困難である。エネルギ回収システムは、高い変換効率を維持しつつ、そのエネルギ回収速度について高い可変性を持つことが要求されている。

トラックの大部分について、ハイブリッドサブシステムにおけるブレーキエネルギの相当な量の回生及び再利用の可能性が高い。このことは、油圧式の推進及び蓄積部材をトラックへの応用にとって魅力的なものにする。なぜなら、これら油圧式部材は、電気的な相当物に比べて、より高いパワー密度によって特徴付けられるからである。すなわち、エネルギ蓄積装置として、油圧アキュムレータは、そのいずれもバッテリにとって有利ではない、高速かつ高頻度充填/放出を受け入れ能力を有している。しかしながら、油圧アキュムレータの比較的低いエネルギ容量は、燃料節約ポテンシャルが実現され得るように、注意深く設計されたコントロール戦略を必要とする。

現行の油圧式エネルギ回収方法は、作動油を低圧源からハイドロニューマチックアキュムレータのような高圧領域へ移動させるために、可変容量油圧ポンプを利用する。従来のピストン型の油圧ポンプ及び油圧モータにとって、可変容量は、ピストンのストロークを機械式及び/又は油圧式に変化させることによって達成される。容量制御は、走行中の車両からエネルギが回収され又は除去される速度を規定する。一旦十分なエネルギがシステムから回収されると、高圧作動油は、原動機があまり大きなパワーを生成する必要がないように、油圧モータを回転させてエネルギをシステムへ戻すために用いられ得る。ポンプ及びモータは、特定のエネルギ回収速度(ポンプを通過する流量)で効率良く動作し得る。しかしながら、特定の回収速度からの小さい変動が回収効率に影響を及ぼすこともある。例えば、ポンプ及びモータは、ある容量で容積的かつ機械的に効率が良くなるが、この状態からの小さい偏差が、ポンプ内の発熱や、低圧−高圧インターフェイスでの作動油のロスを引き起こすこともある。

概要

油圧モータ/ポンプ回生システムが記載されている。当該システムは、走行中の車両から高い効率と正確な制御とをもってエネルギを回収し、以て最大量のエネルギが回生され、再利用される。当該システムが大抵の状況下で70%を上回ることが期待される効率でエネルギを回生し、再利用することを可能にするため、3つの固定容量型ポンプ/モータが用いられる。ただし、本発明は、3つの固定容量型油圧ユニットを使用する場合に限定されない。なぜなら、ある駆動サイクルでは4以上のユニットの方が効率を改善することがあり得るからである。運転者により要求されたトルクドライブシャフト(4d)へ供給するようにポンプ/モータユニットの適切な組み合わせを選択することにより、本発明の実施形態は、任意の速度で高い回収効率を達成する。

目的

本発明の実施形態は、入力パワー源から独立して車両のホイールへのトルクを管理するためのエネルギ回収システムを提供する

効果

実績

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請求項1

エンジン変速機ドライブシャフトとを有する自動車のための油圧式回生装置であって、少なくとも2つの固定容量型油圧ポンプモータと、前記変速機と前記ドライブシャフトとの間に回転可能に配置された太陽歯車と、前記太陽歯車と噛合する第1の遊星歯車と、前記太陽歯車と噛合する第2の遊星歯車と、少なくとも2つの油圧クラッチ部であって、前記少なくとも2つのクラッチ部のうちの第1の油圧クラッチ部は、前記少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第1のポンプ/モータを前記第1の遊星歯車に回転可能に噛み合わせ、前記少なくとも2つのクラッチ部のうちの第2の油圧クラッチ部は、前記少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第2のポンプ/モータを前記第2の遊星歯車に回転可能に噛み合わせるものと、圧油を収容する低圧アキュムレータと、圧油を収容する高圧アキュムレータと、前記第1のポンプ/モータを前記低圧アキュムレータ及び前記高圧アキュムレータと流体連通させ、前記第2のポンプ/モータを前記低圧アキュムレータ及び前記高圧アキュムレータと流体連通させ、前記ドライブシャフトへの前記第1のポンプ/モータ及び前記第2のポンプ/モータの出力トルクを制御し、かつ前記ドライブシャフトから前記第1のポンプ/モータ及び前記第2のポンプ/モータにより吸収されるトルクを制御する多機能油圧マニホールドと、車両スロットル位置センサと、ブレーキペダル位置センサと、前記高圧アキュムレータ及び前記低圧アキュムレータからの圧力情報と、ブレーキペダル位置情報と、スロットル位置情報とをそれぞれ受け取り、かつ前記多機能油圧マニホールドを制御する電子制御システムとを備えた油圧式回生装置。

請求項2

請求項1の油圧式回生装置において、前記電子制御システムは、車両走行由来する前記ドライブシャフトからの運動エネルギ回収して前記高圧アキュムレータ中の油圧の増加として蓄え、かつ前記高圧アキュムレータ中の回収されたエネルギを前記ドライブシャフトへ利用するように指示する油圧式回生装置。

請求項3

請求項1の油圧式回生装置において、前記油圧式回生装置は前記自動車の前記ドライブトレイン並行して機能し、前記油圧式回生装置がアクティブでない場合には前記自動車の基礎ブレーキ制動を提供する油圧式回生装置。

請求項4

請求項1の油圧式回生装置において、前記多機能油圧マニホールドは、少なくとも2つの油圧回路を有し、前記少なくとも2つの油圧回路の各々は、少なくとも2つの逆止弁と、少なくとも2つの圧力制御弁とを有して、前記少なくとも2つのポンプ/モータが前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油送り込むように指示し、又は前記高圧アキュムレータからの作動油を受け取って前記ドライブシャフトへトルクを供給するように前記少なくとも2つのポンプ/モータを駆動する油圧式回生装置。

請求項5

請求項1の油圧式回生装置において、前記多機能油圧マニホールドは、前記少なくとも2つの油圧クラッチ部のうちの前記第1の油圧クラッチ部へ作動油を供給し、かつ前記少なくとも2つの油圧クラッチ部のうちの前記第2の油圧クラッチ部へ作動油を供給する油圧式回生装置。

請求項6

請求項1の油圧式回生装置において、前記太陽歯車を前記ドライブシャフトから機械的に分離するためのドッグクラッチと、前記太陽歯車の回転速度を前記ドライブシャフトの回転速度に合わせるためのシンクロナイザプレートとを更に備えた油圧式回生装置。

請求項7

請求項1の油圧式回生装置において、前記高圧アキュムレータとガス連通した補助ガスボンベを更に備えた油圧式回生装置。

請求項8

請求項1の油圧式回生装置において、前記第1の油圧クラッチ部の連結を生じさせるための作動油を供給する第1のノーマルクローズ弁と、前記第1の油圧クラッチ部の連結を生じさせるための作動油を供給する第2のノーマルクローズ弁とを更に備えた油圧式回生装置。

請求項9

請求項1の油圧式回生装置において、前記高圧アキュムレータへ作動油を供給し、かつ前記高圧アキュムレータから出る作動油を受け取るノーマルクローズ弁を更に備えた油圧式回生装置。

請求項10

請求項1の油圧式回生装置において、前記油圧式回生装置が固着されるスキッドを更に備え、前記スキッドは、元へ戻せるように前記自動車に取り付けられるのに適している油圧式回生装置。

請求項11

請求項1の油圧式回生装置において、補助油圧ポンプと、前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油を移動させるように、前記補助油圧ポンプを前記自動車の前記エンジンに連結し、また連結を解くクラッチ部とを更に備えた油圧式回生装置。

請求項12

請求項1の油圧式回生装置において、前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油を移動させるように、前記エンジンからの廃熱を利用するためのターボ駆動ポンプを更に備えた油圧式回生装置。

請求項13

エンジンと変速機とドライブシャフトとを有する自動車のための油圧式回生装置であって、少なくとも2つの固定容量型油圧ポンプ/モータと、前記変速機と前記ドライブシャフトとの間に回転可能に配置された太陽歯車と、前記太陽歯車を前記ドライブシャフトから機械的に分離するためのドッグクラッチと、前記太陽歯車の回転速度を前記ドライブシャフトの回転速度に合わせるためのシンクロナイザプレートと、前記少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第1のポンプ/モータと回転可能に連結するように前記太陽歯車と噛合する第1の遊星歯車と、前記少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第2のポンプ/モータと回転可能に連結するように前記太陽歯車と噛合する第2の遊星歯車と、圧油を収容する低圧アキュムレータと、圧油を収容する高圧アキュムレータと、前記第1のポンプ/モータを前記低圧アキュムレータ及び前記高圧アキュムレータと流体連通させ、前記第2のポンプ/モータを前記低圧アキュムレータ及び前記高圧アキュムレータと流体連通させ、前記ドライブシャフトへの前記第1のポンプ/モータ及び前記第2のポンプ/モータの出力トルクを制御し、かつ前記ドライブシャフトから前記第1のポンプ/モータ及び前記第2のポンプ/モータにより吸収されるトルクを制御する多機能油圧マニホールドと、車両スロットル位置センサと、ブレーキペダル位置センサと、前記高圧アキュムレータ及び前記低圧アキュムレータからの圧力情報と、ブレーキペダル位置情報と、スロットル位置情報とをそれぞれ受け取り、かつ前記多機能油圧マニホールドを制御する電子制御システムとを備えた油圧式回生装置。

請求項14

請求項13の油圧式回生装置において、前記電子制御システムは、車両走行に由来する前記ドライブシャフトからの運動エネルギを回収して前記高圧アキュムレータ中の油圧の増加として蓄え、かつ前記高圧アキュムレータ中の回収されたエネルギを前記ドライブシャフトへ利用するように指示する油圧式回生装置。

請求項15

請求項13の油圧式回生装置において、前記油圧式回生装置は前記自動車の前記ドライブトレインと並行して機能し、前記油圧式回生装置がアクティブでない場合には前記自動車の基礎ブレーキが制動を提供する油圧式回生装置。

請求項16

請求項13の油圧式回生装置において、前記多機能油圧マニホールドは、少なくとも2つの油圧回路を有し、前記少なくとも2つの油圧回路の各々は、少なくとも2つの第1の逆止弁と、少なくとも2つの第1の圧力制御弁とを有して、前記少なくとも2つのポンプ/モータが前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油を送り込むように連結し、又は前記高圧アキュムレータからの作動油を受け取って前記ドライブシャフトへトルクを供給するように前記少なくとも2つのポンプ/モータを駆動する油圧式回生装置。

請求項17

請求項13の油圧式回生装置において、前記高圧アキュムレータとガス連通した補助ガスボンベを更に備えた油圧式回生装置。

請求項18

請求項13の油圧式回生装置において、前記第1の油圧クラッチ部の連結を生じさせるための作動油を供給する第1のノーマルクローズ弁と、前記第1の油圧クラッチ部の連結を生じさせるための作動油を供給する第2のノーマルクローズ弁とを更に備えた油圧式回生装置。

請求項19

請求項13の油圧式回生装置において、前記高圧アキュムレータへ作動油を供給し、かつ前記高圧アキュムレータから出る作動油を受け取るノーマルクローズ弁を更に備えた油圧式回生装置。

請求項20

請求項13の油圧式回生装置において、前記油圧式回生装置が固着されるスキッドを更に備え、前記スキッドは、元へ戻せるように前記自動車に取り付けられるのに適している油圧式回生装置。

請求項21

請求項13の油圧式回生装置において、補助油圧ポンプと、前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油を移動させるように、前記補助油圧ポンプを前記自動車の前記エンジンに連結し、また連結を解くクラッチ部とを更に備えた油圧式回生装置。

請求項22

請求項13の油圧式回生装置において、前記低圧アキュムレータから前記高圧アキュムレータへ作動油を移動させるように、前記エンジンからの廃熱を利用するためのターボ駆動ポンプを更に備えた油圧式回生装置。

技術分野

0001

本願は、2012年3月5日に出願された、ダニエルエスジョンソンらによる「油圧式回生装置」についての米国仮特許出願第61/606556号の優先権による利益を主張し、その全内容は、開示及び教示の全てにつき、参照によりここに明確に組み入れられる。

0002

本発明は、広くは油圧式エネルギ回生に関し、特に、車両からエネルギを回生し、このエネルギを用いて主エンジンパワー補強することにより燃料の節約を可能にするための固定容量型ポンプモータの使用に関するものである。

背景技術

0003

近年、一般に燃料及びエネルギのコストが上昇しているなか、燃料節約についての改善の努力が全クラスの車両で広汎に行われてきたにもかかわらず、トラック消費される燃料が、乗用車の場合よりも速い速度で増加している。これは、恐らく、多くのトラックが効率の良いディーゼルエンジンを既に採用しているので、そのような技術の利用がより制限されているからであり、またこれらの車両に関連した重量による拘束の故であろう。

0004

一般的なブレーキシステムは、車両を減速させる摩擦によって、車両走行のエネルギを直ちに熱に変える。このエネルギの一部を回収し、これが無駄にならないように、これを当該システム再入力するような複雑なシステムが、これまで設計されてきた。これを実現するための方法は、フライホイールのような機械的蓄積システムや、バッテリへのエネルギの電気的な蓄積や、作動油を用いたガス圧縮によるエネルギのハイドロニューマチックな蓄積を含む。一般に、これらの方法は、システムからエネルギを抽出し、かつこれをエネルギ蓄積装置へ供給する伝達装置を含む。電気的なシステムでは、伝達装置が、システムからのエネルギを、バッテリバンク充電する発電機へと伝達する。この伝達装置は、充電システムの効率を最適化し、かつ特定の電力密度を収容するように設計される。例えば、バッテリバンクは、特定の速度で電気エネルギを受け取ることができるだけである。実践的観点として、車両運転者は、絶えず変化する交通及び道路の現況に応じて、車両を制御しなければならない。したがって、個別部品を通じたエネルギ回収の最適化は困難になっており、回収し得るエネルギ量の上限に急速に達してしまう。機械式かつ油圧式の回収システムもまた、その個別的性質によって悩まされ、最適化が困難である。エネルギ回収システムは、高い変換効率を維持しつつ、そのエネルギ回収速度について高い可変性を持つことが要求されている。

0005

トラックの大部分について、ハイブリッドサブシステムにおけるブレーキエネルギの相当な量の回生及び再利用の可能性が高い。このことは、油圧式の推進及び蓄積部材をトラックへの応用にとって魅力的なものにする。なぜなら、これら油圧式部材は、電気的な相当物に比べて、より高いパワー密度によって特徴付けられるからである。すなわち、エネルギ蓄積装置として、油圧アキュムレータは、そのいずれもバッテリにとって有利ではない、高速かつ高頻度充填/放出を受け入れ能力を有している。しかしながら、油圧アキュムレータの比較的低いエネルギ容量は、燃料節約ポテンシャルが実現され得るように、注意深く設計されたコントロール戦略を必要とする。

0006

現行の油圧式エネルギ回収方法は、作動油を低圧源からハイドロニューマチックアキュムレータのような高圧領域へ移動させるために、可変容量油圧ポンプを利用する。従来のピストン型の油圧ポンプ及び油圧モータにとって、可変容量は、ピストンのストロークを機械式及び/又は油圧式に変化させることによって達成される。容量制御は、走行中の車両からエネルギが回収され又は除去される速度を規定する。一旦十分なエネルギがシステムから回収されると、高圧作動油は、原動機があまり大きなパワーを生成する必要がないように、油圧モータを回転させてエネルギをシステムへ戻すために用いられ得る。ポンプ及びモータは、特定のエネルギ回収速度(ポンプを通過する流量)で効率良く動作し得る。しかしながら、特定の回収速度からの小さい変動が回収効率に影響を及ぼすこともある。例えば、ポンプ及びモータは、ある容量で容積的かつ機械的に効率が良くなるが、この状態からの小さい偏差が、ポンプ内の発熱や、低圧−高圧インターフェイスでの作動油のロスを引き起こすこともある。

0007

本発明の実施形態は、入力パワー源から独立して車両のホイールへのトルクを管理するためのエネルギ回収システムを提供することによって、従来技術の課題及び制約を克服する。

0008

本発明の実施形態の他の目的は、ある範囲のエネルギ回収速度にわたってエネルギの利用効率下げるような、自動車の一時的な走行条件を減少させるための、またそのような負荷条件を避けるための、エネルギ回生システムを提供することにある。

0009

本発明の実施形態の更に他の目的は、車両を加速するために車両の原動機が利用するエネルギを小さくするように、走行中の車両の運動エネルギを回収し、蓄積し、再利用することにある。

0010

本発明の実施形態の更に他の目的は、性能制約を満たしつつ燃料節約を最大化するための、主パワー源補助パワー源との動作調整を含む。

0011

本発明の他の目的、効果及び新規な特徴は、その一部が以下の説明にて明らかにされる。また、一部は、以下の説明を吟味することにより、あるいは本発明の実践から学習することにより、当業者にとって明白になる。本発明の目的及び効果は、特に添付の特許請求の範囲で指摘した手段及び組み合わせにより、具現化され、かつ得られる。

0012

前記及び他の目的を達成するために、またここに具体化され広く記載された本発明の目的によれば、エンジン変速機ドライブシャフトとを有する自動車のための油圧式回生装置であって、少なくとも2つの固定容量型油圧ポンプ/モータと、変速機とドライブシャフトとの間に回転可能に配置された太陽歯車と、太陽歯車と噛合する第1の遊星歯車と、太陽歯車と噛合する第2の遊星歯車と、少なくとも2つの油圧クラッチ部であって、少なくとも2つのクラッチ部のうちの第1の油圧クラッチ部は、少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第1のポンプ/モータを第1の遊星歯車に回転可能に噛み合わせ、少なくとも2つのクラッチ部のうちの第2の油圧クラッチ部は、少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第2のポンプ/モータを第2の遊星歯車に回転可能に噛み合わせるものと、圧油を収容する低圧アキュムレータと、圧油を収容する高圧アキュムレータと、第1のポンプ/モータを低圧アキュムレータ及び高圧アキュムレータと流体連通させ、第2のポンプ/モータを低圧アキュムレータ及び高圧アキュムレータと流体連通させ、ドライブシャフトへの第1のポンプ/モータ及び第2のポンプ/モータの出力トルクを制御し、かつドライブシャフトから第1のポンプ/モータ及び第2のポンプ/モータにより吸収されるトルクを制御する多機能油圧マニホールドと、車両スロットル位置センサと、ブレーキペダル位置センサと、高圧アキュムレータ及び低圧アキュムレータからの圧力情報と、ブレーキペダル位置情報と、スロットル位置情報とをそれぞれ受け取り、かつ多機能油圧マニホールドを制御する電子制御システムとを備えた油圧式回生装置である。

0013

本発明の他の観点では、またその目的及び趣旨によれば、エンジンと変速機とドライブシャフトとを有する自動車のための油圧式回生装置であって、少なくとも2つの固定容量型油圧ポンプ/モータと、変速機とドライブシャフトとの間に回転可能に配置された太陽歯車と、太陽歯車をドライブシャフトから機械的に分離するためのドッグクラッチと、太陽歯車の回転速度をドライブシャフトの回転速度に合わせるためのシンクロナイザプレートと、少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第1のポンプ/モータと回転可能に連結するように太陽歯車と噛合する第1の遊星歯車と、少なくとも2つのポンプ/モータのうちの第2のポンプ/モータと回転可能に連結するように太陽歯車と噛合する第2の遊星歯車と、圧油を収容する低圧アキュムレータと、圧油を収容する高圧アキュムレータと、第1のポンプ/モータを低圧アキュムレータ及び高圧アキュムレータと流体連通させ、第2のポンプ/モータを低圧アキュムレータ及び高圧アキュムレータと流体連通させ、ドライブシャフトへの第1のポンプ/モータ及び第2のポンプ/モータの出力トルクを制御し、かつドライブシャフトから第1のポンプ/モータ及び第2のポンプ/モータにより吸収されるトルクを制御する多機能油圧マニホールドと、車両スロットル位置センサと、ブレーキペダル位置センサと、高圧アキュムレータ及び低圧アキュムレータからの圧力情報と、ブレーキペダル位置情報と、スロットル位置情報とをそれぞれ受け取り、かつ多機能油圧マニホールドを制御する電子制御システムとを備えた油圧式回生装置である。

0014

本発明の実施形態の利点及び効果は、これに限定されないが、要求されたエネルギ回収速度の全範囲にわたって最大限可能な高効率で動作させ、燃料節約を最大化させ、かつブレーキ性能加速性能等の性能制約を満たしつつ、車両を加速するために車両の原動機が利用するエネルギを小さくするように、走行中の車両の運動エネルギを回収し、蓄積し、再利用するための装置及び方法を提供することを含む。

0015

ここに組み入れられ、かつ明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示して、詳細な説明とともに本発明の基本を説明するのに役立つものである。

図面の簡単な説明

0016

関連する車両の構成部材連携する主な構成部材を示す、本発明の油圧式回生装置の1つの実施形態の概略図である。
図1の多機能油圧マニホールドの構成部材の概略図である。
車両にシステムとして組み込み、又は取り外すための、本発明の油圧式回生装置の1つの実施形態の構成部材を保持するスキッドの概略斜視図である。
図3のスキッドが車両に取り付けられた状態を示す概略斜視図である。

実施例

0017

簡潔に言えば、本発明の実施形態は、広い応用範囲及び利用範囲を有する、油圧式回生のための装置及び方法を含んでいる。本発明の実施形態は、他のトルク管理装置では通常は廃棄されるエネルギを回収する能力を以て、シャフトトルクを精密に制御し得る。回収されたエネルギは、さもなければ電気モータ又は内燃エンジンのようなエネルギ源によりトルクが生成されていたであろうような場合に、トルクをシステムへ戻すために利用され得る。本発明の実施形態は、ハイブリッド車両で利用され得る。また、本発明の実施形態は、シャフトトルクが制御されるべきであり、かつエネルギの回収及び再分配が望まれる任意の状況に適用可能である。ブレーキシステム、変速比無限大変速機(IVT)、及びシャフトエネルギ回収が、またこれらの装置の応用が含まれる。本油圧式回生装置は、ポンプ、モータ、ハイドロニューマチックアキュムレータのような、その個別部品よりも上位の、むしろエネルギ伝達装置である。

0018

本発明の実施形態は、要求されるエネルギ回収速度の全範囲にわたって当該装置がほぼ同一の高効率で動作し得ることを目標として、性能制約を満たしつつ燃料節約を最大化するための、典型的には内燃エンジンのような主パワー源と、2以上の油圧モータのような補助パワー源との動作調整を含む。油圧式回生装置の他の目標は、原動機の二次制御を可能にすることである。原動機が電気モータ又は内燃エンジンのいずれであっても、その効率は、エネルギを非効率使用させるような一時的な走行条件を減少させることによって、またそのような負荷条件を避けることよって、増加し得る。これは、限定された範囲の速度及び負荷で原動機を動作させるような、増え続ける変速比を持つ無段変速機CVT)及び自動変速機(AT)の目標である。

0019

パワーが蓄積され又はパワーが車両のドライブシャフトへ解放されるようにする本発明の実施形態の油圧式の構成部材は、車両の動作効率を改善するような他の改変がなされることを許容する。1つのそのような改変は、クラッチ機構を介して車両のエンジンに直結された補助油圧ポンプを追加することである。この追加により、さもなければエンジン自体により浪費されたであろうエネルギを蓄積することが可能になる。例えば、エンジンが特定の低制動トルクかつ比較的高速で運転中であれば、道路上の車両を推進しない大量の燃料が使用される。この状況下では、低圧アキュムレータから高圧アキュムレータへ作動油を移動させ、以てエネルギを蓄積するように、補助油圧ポンプがエンジンに結合され得る。このようにして蓄積されたエネルギは、より大量のパワーが要求される際に車両にパワーを供給するために、その後使用され得る。このポンプの追加はまた、十分な時間だけ油圧式回生装置により車両が推進されるために、また制動灯又は他の交通遮断の場合のようにエンジンがある期間だけ停止させられるために、常に最大量のエネルギが蓄積されていることを保証することによって、エンジンオフ作戦略を簡素化する。

0020

油圧式回生装置の存在によってなされ得る他の改変は、エンジン駆動ポンプと同じ動作目標を達成し得るターボパワーポンプである。エンジンからの廃熱ターボ装置を回転させ、ターボ装置はクラッチ装置を介してこれに結合されたポンプを回転させる。再度ポンプは、低圧アキュムレータから高圧アキュムレータへ作動油を移動させ、これによりエネルギが蓄積される。このエネルギは、総合効率を改善し、又は車両性能を向上させる任意の目的で、車両の動作中の様々な時期に使用され得る。

0021

高圧アキュムレータの窒素ブラダ充填ポートに関連して、補助ガスボンベが追加されてもよい。この補助ボンベガス量は、高圧アキュムレータ中の窒素ブラダのガス量を補足し、以て高圧アキュムレータ自体の容積を増加させることなく高圧アキュムレータの利用可能な作動油の量を増加させるものである。この特徴は、限られたスペースを持つ車両に油圧式回生装置が追加された応用の場合に有益であり得る。

0022

本発明の実施形態は、車両からの運動エネルギの回収に、また回収されたエネルギの利用に効果的であり、原動機のパワーを増強して燃料を節約することができる。システムが大抵の状況下で70%を上回ることが期待される効率でエネルギを回収し、再利用することを可能にするため、少なくとも2つの固定容量型ポンプ/モータが用いられる。2以上の油圧ポンプ/モータを用いることにより、制御システムによって装置の総油圧容量が変更され得ることが着目されるべきである。具体的には、機械式クラッチを用いて、又は1以上のポンプ/モータを油圧式に解放することで、機械式又は油圧式にポンプ/モータをドライブシャフトへ結合することによる。これらポンプ/モータの機械式又は油圧式の総効率は、通常は、システムの最大の総効率を保証するための、動作速度の範囲及びポンプ/モータでの差圧の範囲にわたって、90%を上回る。固定容量型ポンプ/モータのコストは、同一の最大容量を持つ可変容量型ポンプ/モータよりかなり低い。更に、固定容量型の装置は、より高い回転速度を達成し得るので、比較的小さい油圧装置から高い総容量と高いトルク定数とを得ることができる。したがって、固定容量型ポンプ/モータを用いることで、本発明は、エネルギ・リサイクルにとって対費用効果の高い解決策となる。

0023

しかしながら、本発明は、特定数の固定容量型油圧ユニットを用いる場合に限定されず、更に多くのポンプ/モータの使用は、ある駆動サイクルにて効率を更に改善し得る。同様の制御理論が、2以上の任意数の固定容量型ポンプ/モータユニットに当てはまる可変ユニットは吸収及び再作用両モードでの速度範囲にわたって無段階のトルク値を提供し得るが、ドライブシャフトに与えられるトルクを調整する場合の効率が低いので、固定容量型ポンプ/モータが用いられる。運転者から要求された量のドライブシャフトトルクを供給するように、固定容量型ポンプ/モータユニットの適切な組み合わせを選択することにより、本発明の実施形態は、任意の速度で高い回収効率を生じさせる。

0024

本発明は、エネルギ回収が常に高効率で達成されるように、駆動サイクルの変更と車両重量の変更とを生じさせるために可変プリチャージアルゴリズムを使用する。これを実現するために、高圧及び低圧システムは、全負荷時の最大効率に要求されるよりもわずかに大きくされる。加速期間の後に高圧アキュムレータ中に残留する作動油の量を調節することにより、プリチャージは実際上調整され得る。例えば、1850psiのガスプリチャージを持つ15ガロンのアキュムレータは、ブラダ中の窒素ガスの量を変更することなく、2775psiのプリチャージを持つ10ガロンのアキュムレータのように動作し得る。もし、例えば、5ガロンの作動油が1850psiの初期ガス圧を持つ15ガロン(ガス量)のアキュムレータ中に注入されるならば、ガス圧、したがって油圧は、ボイル理想気体の法則による最終状態で、2775psiになる。すなわち、P1=1850psi、V1=15ガロン、V2=10ガロン、そしてP2が2775psiである。減速率又は加速率はホイール及び車両重量に与えられるトルクに比例するので、ドライブシャフトに付与され得る最小量のトルクの値は重要になる。もし、ブレーキがかけられた際のアキュムレータ中の油圧が高過ぎるならば、運転者には、必要以上の大きい制動トルクが得られ、ブレーキが期待以上に強くなるので、油圧式エネルギ回収システムを効率的に使用することができない。逆に、以下に説明するように、もし初期油圧が低過ぎるならば、運転者には、不十分な制動トルクしか得られず、油圧式エネルギ回収システムと車両の基礎ブレーキとにより供給されるトルクを混合使用することを要求される。いずれの状況でも、システムの最大ポテンシャルは実現されない。

0025

したがって、1850psiの初期油圧は、運転者の指令に従って10,000lbmの車両を停止させ、かつ高速でエネルギを回収するための、正確な大きさのトルクを提供し得る。しかしながら、もし、車両重量が2000lbm以上になるならば、運転者がブレーキをかけた時の1850psiの初期油圧は、車両を停止させるには不適切であり得る。したがって、本発明は、ポンプ/モータが特定の圧力でどのような加速効果をもたらすかを継続的にモニタして、車両重量の解決策を見出す。例えば乗客を乗せていくバスのように、動作中に車両重量が増加していくという状況の下では、油圧式エネルギ回収装置の電子制御システムは、ブレーキがかけられた時に圧力がより高くなるように、より多くの作動油が高圧アキュムレータの中に蓄積されることを必要とする。継続的な停止の場合、あるいは車両重量が減少したことを制御システムが検知するまでは、当該装置は、車両重量にかかわりなく当該装置に同じ車両加速効果を持たせるように、比較的高い圧力で動作する。

0026

したがって、もし車両運転者がアクセルペダルを踏んだならば、電子制御ユニットは、以下詳細に説明するように、ペダル位置を使って要求トルク値を決定する。電子制御ユニットは、油圧ポンプ/モータの入口ポート出口ポートとの間にいかなる差圧ができるかを決定するために、高圧及び低圧アキュムレータからの圧力瞬時値を使用する。電子制御ユニットソフトウェアに格納されたマトリックスは、選択されたポンプの容量と、ドライブシャフトへの固定ギア比とで決定されるように、ポンプ/モータユニットの可能な組み合わせの各々のトルク定数をルックアップテーブルとして含む。電子制御ユニットは、
ルックアップテーブルの数値列索引して、ペダル位置を運転者により要求されたトルク値へ変換する。その後、電子制御ユニットは、高圧及び低圧アキュムレータでの差圧を掛け合わせたときに、その後に動力伝達系に結合されるポンプ/モータがスロットリングの必要なしに動作できるように運転者の要求よりも若干小さいトルクを提供するような、トルク定数を有するポンプ/モータユニットの組み合わせを選択する。選択された比例型の圧力制御弁について試験を実行した結果、もしモータが所要圧力の100%で動作するならば、制御弁でのパワーロスが小さいか又は全くないということが確認された。このように、ポンプは、スロットリングなしの真の効率で動作する。

0027

アクセル位置は、電子制御ユニットによりモニタされる。そして、油圧システムにより供給され得るエネルギの量に依存して、修正された信号が電子制御ユニットからエンジンへ送られる。運転者の要求よりも若干小さいトルクを供給するポンプの組み合わせを制御システムが選択するので、電子制御システムは、ポンプ/モータユニットが提供するトルクと、運転者により要求されたトルクとの間の、トルクの差を使用し、エンジン制御ユニットは、フルパワーのある割合でエンジンが動作するように指示するスロットル信号を生成する。電子制御ユニットは、車両の加速を決定すべき時に関して、車速の変化を継続的にモニタし、走行中は、車両の加速と、電子制御ユニットがエンジン及び油圧システムから指令しているトルクの量とを継続的に比較する。公知の車両ホイール直径と、車両のリアエンド比とから、電子制御ユニット中のソフトウェアは、計算されたトルク値から達成された加速をもとにして、車両重量を計算する。

0028

上記のとおり、貨物や乗客を運ぶための車両は、その運行ルートにて重量に大きな変化がある点で共通している。これらの重量変化補償しないなら、エネルギ回収が非常に非効率的になる。加速及び減速の限界は、電子制御ユニットソフトウェア中に予めプログラムされており、高圧及び低圧アキュムレータの最低圧力を調整するために使用される。例えば、もし市街バス停車して乗客とその所持品との重量で2000lbmを乗せたならば、電子制御システム中のソフトウェアは、次のようにして回生サイクル中の車両重量を計算する。リアルタイムな車両重量をもとにして、電子制御ユニットは、実用的な安全走行にとっていかなるトルクが最低限必要であるかを決定する。もし重量が増加するならば、電子制御ユニットは、次の制動の後に高圧アキュムレータ中のより高い圧力を指令する。したがって、もし車両重量が10,000lbsであると計算されたならば、電子制御ユニットは、高圧アキュムレータ中の圧力が、ある最低圧力(例えば2200psi)に達するまで、多機能油圧マニホールドに油圧ユニットへの流量を供給させる。もし、次の停車中に、車両重量が12,000lbmまで増加したと制御システムが決定するならば、電子制御ユニットは、多機能油圧マニホールドに高圧アキュムレータ中の圧力(2600psi)でモータ動作を停止するように指令する。次にブレーキがかけられた場合、高圧アキュムレータの最低圧力値で利用可能な最大トルク定数は、車両重量が2000lbmだけ小さくなった場合と同様の運転者へのブレーキ感を維持するため、十分に高くなる。また、車両制動は、より高い初期値から圧力を形成するので、最終圧力もまた、高くなる。このことは、油圧システムが、加速中により大きなトルクをシステムへ供給することを可能にする。更に、これにより、エンジントルクの割合を小さくすることができるようになる。これは、高いエネルギ回収効率を維持するのに重要である。

0029

本発明の実施形態の構成部材は、保守又は修理の必要が生じた場合に全油圧式回生システムが1つのユニットとして車両に着脱され得るように、モジュール式のスキッド上に配置され得る。モジュール式のスキッドはまた、システムが車両プラットホームとは完全に別注され得るようにする。通常は、油圧スキッドにインターフェイスするように車両にマイナーチェンジが要求される。例えば、後に説明するような、パワー伝達モジュールにインターフェイスするためのドライブシャフトの寸法変更や、後述のようなブレーキペダル取り替えが含まれる。

0030

ここから、本発明の実施形態への詳細な参照がなされる。その実例が、添付図面にて示される。図面中で、同一の構造は同一の参照符号を用いることにより識別される。図面は本発明の特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、本発明をそれに限定することを意図するものではないと理解される。図1に着目すれば、本発明の油圧式回生装置の1つの実施形態の概略図が示されている。多機能油圧マニホールド(図1の参照符号3a)の1つの実施形態の構成部材は、図2に示されている。図1にて、文字「a」を有する参照符号は、油圧式の構成部材を、文字「b」を有する参照符号は、一体的にPTM(パワー伝達モジュール)30bとして参照される構成部材の一部である機械式のパワー伝達構成部材を、文字「c」を有する参照符号は、システムマイクロコントローラ及び運転者に関連する構成部材を、文字「d」を有する参照符号は、本発明の実施形態が採用される車両の一部である構成部材を、それぞれ表している。例えば、「d」で識別される構成部材は、最近の自動車に共通の部品である。本装置は、現行の車両ドライブトレインを補足するものであって、車両ドライブトレインの正常な動作に干渉するものではないことが注意されるべきである。

0031

現行の乗用車及びトラックでは、一例として内燃エンジンのような原動機1dにより回転パワーが生成される。内燃エンジン1dは、トルクコンバータ2dを通して自動変速機3dへパワーを伝達する。自動変速機3dは、その入力回転とその出力回転との間のトルク及び速度の比を調整する。自動変速機2dの出力回転は、ドライブシャフト4dに対して機械的に与えられる。ドライブシャフト4dは、変速機3dの出力からディファレンシャル5dへ回転パワーを伝達する。ディファレンシャル5dは、ドライブシャフト4dの回転方向に応じて車両が前進又は後退するように、回転パワーをホイール6dへ伝達する。車両が前進又は後退する際には、ホイールもまた、軸を通してディファレンシャル5dへ、またディファレンシャル5dからドライブシャフト4dへ回転パワーを伝達する。最近の自動変速機は、回転パワー量の最小化に関して、回転パワーが変速機により、そして内燃エンジン1dにより吸収されるように設計されている。通常、これは、変速機及びトルクコンバータを通したエンジンへの逆パワーフローを防止することにより達成される。非改変の車両では、ホイール6dの回転パワーは、ホイール6dに固着されたドラム又はディスクに摩擦を与えるディスクブレーキ又はドラムブレーキを用いて、車両を減速させるのに消費され得る。これは、前進又は後退する車両の走行を減速し、又は停止させるのに効果的な方法であるが、ある前進又は後退速度まで車両を加速するためのパワーを生成した原動機に関して、従来のブレーキシステムを通して車両の運動エネルギを熱エネルギに単に転換することは、浪費である。

0032

本油圧式回生装置の実施形態の様々な構成部材の圧力に関するモニタリングについて言えば、そのような測定は、公知の油圧センサを用いてなされると言われるべきである。

0033

上記のとおり、本発明の実施形態の1つの目的は、車両走行の運動エネルギを回収して、捕捉されかつ蓄積され得る元の運動エネルギの一部分でも、燃料を燃焼させることにより付加的なパワーを生成する必要なしに、車両の後の加速に利用することにある。この目的を達成するために、本発明の実施形態は、車両のドライブトレイン並列動作する。

0034

運転者が入力する方法は、多機能制御マニホールドに向けられた指令に落とし込まれる。そして、車両ホイールに影響する指令を生成する、そのシステム動作をここで説明する。運転者は、基本的に、本回生装置の電子制御ユニット1cを通じて本油圧式回生装置への2つの入力手段を持つ。制動中のホイールにおけるトルクに影響を及ぼすため、車両のブレーキペダルは、改変され、又は取り替えられる。上記のアクセルペダルと同様に、ブレーキペダルは、ペダルストローク頂点部に、その動きがモニタされる行程部分を含む。これは、不感帯と呼ばれ、その動きは車両の現行の基礎ブレーキの動作に影響を及ぼさない。すなわち、そのような不感帯は種々の方法で実現され得るが、不感帯は、当該回収システムによって満たされるべき制動要求の部分を調整するのに良い解決策があるが、基礎ブレーキの通常動作が著しく影響を受ける、又は使用困難であるという状況には達しないという、十分な行程を有し得る。一般に、車両の力学及び運転者のフィードバックは、不感帯領域内での1インチまでの動きを許容する。不感帯はまた、その行程の端部で、ペダルが堅く、少なくとも非改変のペダルと同様に機械的に強いようであり得る。本発明の目的のために、不感帯の行程は、回転式又はリニアポテンショメータにより、あるいはペダルが不感帯中に押し込まれた距離に1次比例する出力信号を供給する他の手段により、センサ32cで検知され得る。ペダルは、運転者の足がペダルから離れた際にペダルをゼロ位置へ戻す機械ばねを有し得る。そして、最大信号は、不感帯行程の端部に達して、更なる動きが車両の基礎ブレーキに影響を及ぼすペダル位置に対応する。ここで、ペダルの実際の位置は、電子制御ユニットが1秒間に少なくとも10回の割合でサンプリングする、位置センサ又は他のセンサにより検知される。これは、適切な車両応答にとって十分なサンプリングレートであるとみなされている。電子制御ユニットは、測定されたペダル位置を、システムにとって供給が安全な最大制動トルクの割合と関係付ける。

0035

上記の装置は、車両の基礎ブレーキが所与回数だけ使用されることを許容するとも言える。もし油圧式回生システムが使用されなければ、ペダルは、非改変のペダルと全く同様に機能する。緊急停止の場合のように、もしブレーキが急激に押し込まれるならば、コントローラは、急激に変化するブレーキ信号危険事象解釈して、運転者が車両コントロールを喪失することがないように、当該油圧式回生装置の動作を妨げる。同様に、コントローラがペダル位置を検知することを許容しつつ、当該ブレーキペダルが在庫ペダルと同様の感触を持つことが、単に要求されるとも言える。許容可能なエネルギ回収効率のため、ブレーキ行程の不感帯領域は、ブレーキ行程の残余の部分に同じ感触を維持しつつ、基礎ブレーキの動作に少しの影響を及ぼしてもならない。これは、電気的なサーボモータ、電気・油圧式の機械ばね、又はそのようなデバイスの組み合わせにより達成され得る。

0036

制動トルクの上限は、装置ソフトウェア中の変更により調整可能であるが、車両重量と、約0.2gの減速上限との積に比例することが判っている。この減速閾値をかなり上回る値は、運転者が車両コントロールを喪失する原因となり得るので、基礎ブレーキシステムの方がブレーキ機能の提供に適している。油圧式回生システムが提供し得る制動力の最小量は、高圧アキュムレータの圧力によって規定されるのではなく、むしろブレーキ圧リリーフ弁図2の6f)の圧力設定によって指令される。要求された制動トルク値は、不感帯中の全行程に対する制御システムにより検知されたペダルストロークの割合と、減速の0.0gから0.2gまでの範囲から選択された値との乗算により得られる。そして、減速値は、ホイール直径及びリアエンド比と掛け合わされて、油圧システムが提供すべき要求トルク値が計算される。ポンプ/モータが固定容量型デバイスであるので、これらが吸収できるトルクの量は、この容量値と、ポンピングするように信号を受けた際のその入口ポートと出口ポートとの間のポテンシャル差圧とに関係する。ポンプ容量は、ポンプトルク定数と呼ばれる値を生成するように、ポンプの効率及び幾何学的条件と掛け合わされる。そして、この定数は、ポンプのトルク効果と呼ばれる値を生成するように、当該ポンプの遊星歯車と太陽歯車との間のギア比と掛け合わされる。本発明の実施形態で例示された3つのポンプの各々のトルク効果は、同時に2つ又は3つのポンプの任意の組み合わせをとることにより得られるトルク効果とともに、ルックアップテーブルに数値列として格納される。

0037

コントローラは、ペダル位置の読み取り期間とほぼ同じ期間に高圧及び低圧アキュムレータ中の圧力をモニタする。そして、コントローラソフトウェアは、任意の1つのポンプ又は3つのポンプの任意の組み合わせが車両ドライブライン上でいかなるトルク効果を有するかを決定するために、この差圧と、トルク効果定数の数値列中の値とを乗算する。運転者がブレーキペダルを踏み込むことにより要求したトルクに最も近い量のトルクを、いずれのポンプ又はいずれのポンプの組み合わせが提供するのかを決定するために、要求トルク変数に変換されたペダル位置は、数値列中の値と比較される。システム電子制御ユニットは、選択されたポンプを結合する適切なクラッチがドライブラインに連結されるように指令する。一旦クラッチが連結され、ポンプが回転を始めると、ポンプは、低圧アキュムレータから作動油を引き込むことによってパワーを吸収し、高圧アキュムレータへ作動油を吐出する。高圧アキュムレータでは、作動油がブラダ中のガスを圧縮して、エネルギを蓄積する。もしシステムが供給できる最小限よりも少ない制動を運転者が要求するならば、制動は油圧式に実行され得るが、図2のブレーキ圧リリーフ弁6f及び/又は7fは、最小のポンプ/モータトルク効果定数が掛け合わされた場合に、結果のトルクが、運転者により要求されたトルクに対応するような圧力設定に調整される。ブレーキ圧リリーフ弁が高圧アキュムレータ値よりも低い圧力値に設定されるような状況では、ポンプにより移動された全ての圧力がポンプの入口側に戻り、制動力はなお制御可能であるものの、エネルギは全く蓄積されない。運転者が非常に小さい制動トルクを要求した状況、又は車両コントロール及び力学を考慮した場合に安全に回収できるトルクよりも要求トルクの方が大きい状況では、エネルギは回収されない。本発明の実施形態の他の観点によれば、ポンプ速度は、コントローラ中のソフトウェアによって制限され得る。ポンプ速度は、従来の任意のシャフト回転速度決定手段によってモニタされ得る。ポンプ/モータは、その損傷を避けるため、その定格速度よりも速い速度で動作させられてはならない。もしポンプ/モータ速度の直接モニタリングが実用的でないならば、総合的な車速からポンプ/モータ速度を推測してもよい。

0038

上記のとおり、運転者が有する他の入力はアクセルペダルである。このペダルは、不感帯を有しないが、スロットル開度サーボコントロールを必要とする。最近の多くの車両では、エンジンのスロットル開度弁に固着されたサーボモータが、運転者のアクセルペダル位置に比例してスロットル開度弁を開くように指令する信号を、ガスペダルがエンジン制御ユニットへ送る、ということが妥当する。本発明では、アクセルペダル位置34cをエンジン制御ユニットへ中継する信号線が、油圧式エネルギ回収システム制御ユニットに向けられ、かつ当該制御ユニットによりモニタされる。そして、スロットル開度サーボが指令された位置へ動くように指示するエンジン制御ユニットへ、油圧式エネルギ回収システム制御ユニットから別の出力線伸びる。更に、アクセルペダル位置は、エンジンが生成しているパワーの量と、いかなる量のパワーが油圧式エネルギ回収システムにより付加されるべきかとを制御するために、改変されたブレーキペダルと同じ方法で使用される。この状況下で、アクセルペダル位置は、ペダルがゼロ位置にある際のドライブシャフト上のゼロトルクと、ペダルが最大限まで踏み込まれた際の最大トルクとに関係している。最大トルク量は、いずれのギアが選択されていてもエンジンがドライブシャフトにフルパワーを指示し得るトルクの量により決定される。油圧式エネルギ回生システムの電子制御ユニット1cは、適切なサンプリングレートで、車両のCAN(controller area network)バス36dを常にモニタして、最新ギア選択を決定する。したがって、運転者がアクセルを緩めたとき、電子制御ユニットは、ブレーキの場合と同じ数値列を参照して、その数値列に、低圧及び高圧のアキュムレータ間の差圧を掛け合わせる。また、加速のためにいかなる量のトルクを運転者が要求しているかに応じて、ポンプ/モータの適切な組み合わせが再度選択される。選択されたポンプ/モータユニットに対応して、対応するユニットにクラッチが連結されたときに、適切なモータ圧力制御弁(図2の8f及び9f)がポンプ/モータユニットへの入口側圧力を増加するように指示される。

0039

加速の場合及び制動の場合のいずれでも、もし要求トルク値が変化するならば、制御システムは、使用すべきポンプのより良い組み合わせを継続的に探索する。しかしながら、その組み合わせを調整する前に、走行性能と構成部材の摩耗との観点から、いくらかの量のペダル行程が許容される。

0040

本発明の実施形態は、もしエネルギ回収システムに大きな故障があるならば、当該システムが非活性化され得て、車両が回生機能なしで通常どおりに動作するような、帰宅故障モードという安全性の特徴を備えている。この状況下では、ドッグクラッチ(図1の8b)又は同様のデバイスが非活性化され得て、ここに示した本発明の実施形態の全ての構成部材が、現行の車両ドライブトレインから完全に分離される。望まない加速に対する3レベルの保護もまた本発明の実施形態に含まれている。第1に、ポンプ/モータが車両動力伝達系にパワーを付加するためには、各クラッチが、オン状態に向けられなければならないことである。クラッチ連結を制御する弁は、ノーマルクローズ弁であって、もしそれらが油圧式又は電気式にパワーを失ったならば、それらはオフになり、又は低エネルギ状態になって、それゆえポンプ/モータを各遊星歯車に連結しない。第2レベルの保護は、それを開くためには制御信号が必要であるようなノーマルクローズ弁である、高圧アキュムレータオンオフ弁図2の3f)である。パワー故障モードでは、この弁を開くことができないようになっている。望まない動きに対する第3層の保護は、モータ圧力制御弁を含むことである。もしクラッチが連結状態で動かなくなり、高圧オンオフ弁が開いた状態で故障すると、モータ圧力制御弁(図2の8f及び9f)のデフォルト状態が、最低圧力設定又はゼロ圧力になる。これは、ポンプ/モータを動作させかねない圧力が、ポンプ/モータの入口側に印加されないようにする。同じシステムは、望まない制動トルクがシステムに与えられることを防止する。制御システム内のエラー検出は、誤ったスロットル信号及びブレーキ信号を常時防止する。

0041

本発明の他の実施形態では、ドッグクラッチ8bにより当該装置をドライブトレインから機械的に分離することが可能である。クラッチ部5b及び6bは、必ずしも必要でなく、省略可能である。太陽歯車が回転しているとき、多機能油圧マニホールド中のブレーキ圧リリーフ弁により制御されたブレーキ効果を以て、ポンプ/モータ5a及び6aもまた回転している。ドッグクラッチは、ドッグクラッチが分離された際にドライブシャフトのみが回転し、当該回生装置のいずれの構成部材も動かないように、パワー伝達モジュール中の太陽歯車をドライブシャフトから分離し得る。これは、車両が走行中であり、かつ当該油圧式回生装置がアクティブな働きをしていない場合のギア損失を低減するためになされる。ドッグクラッチは、シンクロナイザプレートの速度が太陽歯車を前のドライブシャフトに調和させて、負荷が遊星歯車にかかるように、シンクロナイザプレートに連結され得る。システムが制動又は加速に用いられている際には、ドッグクラッチのみが連結される。そして、当該回生装置が使用されていない車両の路上動作中、当該回生装置は、システム全体に損失をもたらすことを避けるため、ドッグクラッチによりドライブラインから分離される。

0042

上記のとおり、補助ガスボンベ38aと、補助油圧ポンプ40aと、この油圧ポンプ40aをエンジン1dに連結し、かつそれから分離するためのクラッチ41aと、ターボパワーポンプ42aとが、本油圧式回生装置の実施形態に、その効率改善のために付加され得る。

0043

図3に示されるように、本油圧式回生システムの実施形態の構成部材は、当該装置を車両に容易に取り付けることができるように、スキッド44bに固着され得る。スキッドは、当該油圧式回生装置の全ての構成部材のための取り付け位置を提供する、骨組46bを備える。スキッドは、車両に着脱され得るものであり、ゆえに、当該油圧式回生装置を車両の改変されたシステム上の一種ボルトにする。スキッドはまた、当該システムが車両プラットホームとは完全に別注され得るようにする。これは、当該装置が車両なしで使用でき、そして車両に使用される状況下で、当該システムが別注されかつ組み込み前に車両外検査され得る点で有益である。全てのホース経路設定配線、その他の組立部品がスキッド上で完結し、かつ車両から独立していることに注意すべきである。

0044

図4は、車両シャーシ上に取り付けられたスキッドを示している。通常は、油圧スキッドにインターフェイスするように車両にマイナーチェンジが要求される。例えば、PTM30bにインターフェイスするためのドライブシャフトの寸法変更や、後述のようなブレーキペダルの取り替えが含まれる。スキッド構成は、自動車の特定のシャーシに適しているが、車両への油圧式回生システムの組み込みを容易化する。スキッドは、Uボルト48bを用いることで、在庫シャーシの最小変更で車両シャーシに固着され得る。車両干渉のためUボルトの取り付けが不可能であるという状況下では、スキッドは、直接シャーシにボルト止めされ得る。本スキッドはまた、保守又は修理のために必要ならば、当該油圧式回生システムが容易かつ迅速に取り外されることを可能にする。これは、車両が容易に元の形に再構成され得るので、システム故障の場合の最小顧客ダウン時間を可能にする。

0045

本発明の実施形態の概略を説明してきたが、以下の例は、更なる詳細を提供する。

0046

《例1》
本発明の実施形態は、3つのモードのうちの1つで動作し得る。第1のモードでは、当該システムの油圧式の構成部材が、油圧式に活性化されたクラッチ5b及び6bにより、現行のドライブラインから完全に分離されている。本モードでは、当該システム中のアクティブな構成部材は、太陽歯車1bと、2つの遊星歯車2b及び4bのみである。図示の構成中では、ドライブシャフト4dの回転中はいつでも、太陽歯車1b並びに遊星歯車2b及び4bもまた回転する。もし高トルクがあるならば、故障の場合、あるいは停止及び出発のない長い路上走行が要求された場合には、ドッグクラッチ8bは、当該システムの機械的な構成部材を現行の動力伝達系から分離する。ただし、これは本発明の有効性を制限するものではある。太陽歯車及び遊星歯車のみが回転している本モードは、油圧アイドルモードと呼ばれる。もしクラッチ5b及び6bが連結されるならば、油圧ポンプ/モータ5a及び6aも同様に回転する。更に、もし当該装置が2つの異なるクラッチ5b及び6bに代えて1つのドッグクラッチで構成されるならば、当該ドッグクラッチが連結されたときにはいつでも、ポンプ/モータ5a及び6aもまた回転する。油圧中立状態を達成するために、両ポンプ/モータの出口側に結合されたブレーキ圧リリーフ弁6f及び7fは、コントローラ1cにより最小設定に設定される必要がある。ブレーキ圧リリーフ弁6f及び7fの出口側は、低圧アキュムレータ1aに結合されているので、油圧ポンプ/モータの入口側に接続されている。よって、実際には、ポンプ/モータの圧力に変化はなく、ポンプ/モータがシステムにトルクを与えることはない。

0047

《例2》
ブレーキモードと呼ばれる第2のモードは、1つのポンプ/モータユニット又は全てのポンプ/モータユニットのうちのいくつかの組み合わせが、ホイール6dからディファレンシャル5d及びドライブシャフト4dを介して太陽歯車1bへ伝達されたパワーを吸収する場合に生じる。運転者がブレーキペダルを踏み込んだとき、当該システムの電子制御ユニット1cは、ブレーキペダル位置を測定し、いかほどの減速を運転者が要求しているかを決定する。その減速値は、低圧アキュムレータ1aと高圧アキュムレータ4aとの間の差圧を測定することにより計算される要求トルク値に変換される。その後、制御システム1cは、ポンプ/モータ5a又は6aのいずれがその固定された機械ギア比を通して、あるいはポンプ/モータ5a及び/又は6aのいずれの組み合わせがその各々の機械ギア比を通して、運転者が要求している負の制動トルクを近似的に提供するかを決定する。一旦適切な選択がなされると、当該システムの電子制御ユニット1cは、多機能油圧マニホールド3aが適切なクラッチ5b及び/又は6bを連結するように指令し、適切なポンプ/モータ5a及び/又は6aを回転させ始める。個別の遊星クラッチに代えてドッグクラッチが用いられている状況下では、即時制動力を供給するため、ブレーキ圧リリーフ弁6fが不使用の油圧モータを解放するように使用されなければならない。この場合、ブレーキ圧リリーフ弁は、ポンプ/モータの入口側と出口側との間の差圧が最小になり、ゆえにドライブシャフト上のそれらのトルク効果が最小になるように、可能な限り最低設定に設定される。ポンプ/モータは、高圧及び低圧アキュムレータ1a及び4aに多機能油圧マニホールド3aを通して油圧式に結合される。

0048

図2は、図1の多機能油圧マニホールド3aからなる油圧回路を示している。当該システムの電子制御システム1cがポンプの正しい組み合わせを選択したとき、それは図2の適切なクラッチ活性化弁25f及び/又は26fを開く。

0049

ここで、クラッチを連結させる当該油圧回路の全体的な機能を説明する。クラッチユニット5b及び6bは、油圧がかけられたときに連結する、ノーマルオープンクラッチである。当該クラッチは、活性化して最大許容トルクを伝達するために、150psiのみを必要とする。したがって、低圧アキュムレータからの作動油は、クラッチへの油圧を調整してそれへの損傷を避けるために、圧力低減/リリーフ弁22fを通して供給される。圧力低減/リリーフ弁22fの出口側は、クラッチ制御弁25f及び26fへの流体結合を有している。したがって、これらの弁25f及び26fの入口側には、常に圧力調整された作動油がある。クラッチが活性化されるように電子制御システムが指令するとき、それは、それぞれクラッチ5b又は6bに圧油を供給する弁25f又は26fを開き、適切なクラッチが連結する。

0050

関連するクラッチが連結されたとき、油圧ポンプ/モータユニットは、ポンプ/モータが接続される態様の結果、既定ではポンプとして動作する。ポンプ/モータ5a又は6aのいずれかは、クラッチ5b又は6bによって各々の遊星歯車2b又は4bに連結されるならば、図1の低圧アキュムレータ1aから、図2の各々の入口逆止弁11f又は12fを通して作動油を引き抜く。次に、ポンプ/モータは、出口逆止弁13f又は14fのいずれかを通して作動油を吐出する。入口及び出口逆止弁は、ポンプ/モータの任意の組み合わせが、他のユニットの動作に影響を及ぼすことなくポンプ状態又はモータ状態のいずれかで使用され得るようにする。ポンプ/モータの出口側は、多機能油圧マニホールド3aの内部の各ポンプ/モータ用の2つの弁(図2の6f,7f,13f及び14f)に向けられている。図2において、弁6f及び7fはポンプ/モータ5a及び6aのためのブレーキ圧リリーフ弁であり、弁13f及び14fはポンプ/モータ5a及び6aのための出口逆止弁である。一旦作動油が出口逆止弁13f又は14fを通過すると、その作動油は高圧アキュムレータ4aに捕捉され又は蓄積される。もし作動油が高圧バイパス弁6f又は7fを通過するならば、その作動油は低圧アキュムレータ1aに戻る。結局、高圧バイパス弁6f及び7fのパイロットステージの圧力設定は、ポンプ出口側における圧力を制御し、したがって、もしポンプ/モータが高圧アキュムレータの油圧よりも低い圧力値でポンピングするならば、ポンプ/モータが生成する制動力を制御する。電子制御システム1cは、高圧アキュムレータ4a中の油圧と、ポンプ/モータユニット5a及び6aの出口側における圧力とを継続してモニタする。

0051

以上のようにして、連結されたポンプ/モータユニットのトルク寄与が制御される。可能ならばいつでも、電子制御システム1cは、運転者の要求に合致した、ブレーキのためのポンプ/モータの組み合わせを選択し、これによりポンプを動かす作動油が低圧アキュムレータ1aから高圧アキュムレータ4aへ転送されることを保証する。制御システム1cは、高圧及び低圧アキュムレータ4a及び1aの各々の油圧をもとに、運転者により要求された制動力よりも若干小さい制動力を提供するような、ポンプ又はポンプの組み合わせを選択する。高圧バイパス弁6f及び7fは、高圧アキュムレータ4aへ流量を向けることが実用的でない場合に、当該油圧システムが非常に軽いブレーキを実現できるようにすることが必要なときにのみ使用される。高圧バイパス弁6f及び7fはまた、もし制御システム1cが異なるポンプ/モータの選択を要求するならば、一時的に採用される。この状況下で、最終的にブレーキ期間中の当該油圧システムのトルク寄与を制御する高圧バイパス弁6f及び7fは、ポンプの2つの異なる組み合わせのトルク寄与を調和させるために使用され得る。当該システム中の他の全ての弁は、ブレーキ期間中はそのデフォルト状態を維持する。

0052

《例3》
第3のシステムモードは、モータモードである。ここでは、作動油が高圧アキュムレータ4aから低圧アキュムレータ1aへと流れ、車両ドライブシャフトに正の加速トルクを与える。ポンプ/モータユニットの入口側に高圧作動油を与えることにより、当該ユニットは、ポンプ/モータユニット5a及び/又は6aから油圧式に活性化されたクラッチ5b及び/又は6bを通して遊星歯車2b及び4bの各々へ、そして太陽歯車1bへ、ドライブシャフト4dを通してディファレンシャル5dへ、そして最後にホイール6dへと伝達されるトルクを生成する。本動作モードでは、システム電子制御ユニット1cは、図1の高圧アキュムレータ4aと図1の低圧アキュムレータ1aとの間の差圧を再度モニタする。制御システム1cは、高圧及び低圧アキュムレータ間の差圧から利用可能なエネルギの量を計算して、ポンプ/モータのいずれの組み合わせを使用するのが運転者の要求に適合し得るかを決定する。本モードでは、制御システム1cは、ブレーキペダル位置及びアクセルペダル位置を継続的にモニタする。もしシステム電子制御ユニット1cが何らかのブレーキペダル位置を検出するならば、当該システムは、モータモードから閉め出される。

0053

もし運転者がアクセルペダルとブレーキペダルとを同時に踏んだならば、当該システムは、モータモードに入る。この状況下で、システム電子制御システム1cは、要求されたトルク値を計算するのにアクセルペダル位置を用い、高圧及び低圧アキュムレータ間の差圧をもとに、当該油圧システムからどれほどのエネルギが利用化可能であるかを評価する。制御システム1cはまた、ポンプ/モータユニットの概略の効率値を計算するために、また固定容量型ポンプ/モータの全体の機械的及び油圧的効率が速度により大きく決定付けられるので利用可能なトルク値を修正するために、ポンプ/モータユニットの回転速度を継続的にモニタする。そして、運転者によって設定されたトルク要求満足させるために必要なポンプ/モータの適切な組み合わせが選択される。制御システム1cは、高圧オンオフパイロットステージ弁4fを開く。これは、高圧オンオフメインステージ弁3fにパイロット圧を与え、メインステージ弁が開くので、高圧作動油がモータ圧力制御弁8f及び9fへ移動する。更に、圧力制御弁は、圧力補償オリフィスと、パイロットステージと、メインステージとを有する。ポンプ/モータユニットが提供し得る正の加速トルクの量をポンプ入口側とポンプ出口側との間の差圧が決定するので、この差圧がモータ圧力制御弁を用いて制御される。入口逆止弁11f及び12fは、モータ圧力制御弁8f及び9fの出口側から低圧アキュムレータ1aへ高圧作動油が逆流するのを防止する。入口逆止弁は、ポンプ/モータがブレーキモードで動作している際に、作動油がポンプ/モータ5a及び6aの入口側へ入ることを許容する。一旦高圧オンオフメインステージ弁が開くと、モータ圧力制御弁は、低圧アキュムレータの圧力よりも若干高い圧力に調整される。高圧バイパス弁6fもまた、選択されたポンプ/モータユニットのモータ圧力制御弁の設定よりも若干高い圧力に調整される。これは、モータが回転せずに、低圧の入口逆止弁11f及び12fが閉じられることを保証する。この点で、制御システム1cは、適切なポンプ/モータユニットをその各々の遊星歯車にクラッチする弁25f及び/又は26fについて、適切なクラッチがオン/オフするように指令する。当該制御システムは、運転者によって要求された要求トルクよりも若干小さいトルクが当該油圧システムによって供給されるように、ポンプ/モータの選択を実行する。

0054

残余のトルクが、図1車両原動機1dにより供給される。これは、モータユニット及び車両のエンジンが最適な効率で動作し得るようになされる。可能なときはいつでも、その後に、モータ圧力制御弁は、モータ連結を円滑化するのに用いられ、かつモータリング期間中のポンプ/モータの組み合わせを変更する。システム電子制御ユニット1cは、エンジンパワーと、油圧システムにより供給されるパワーとを混合するアルゴリズムを使用する。高圧アキュムレータ中の高圧作動油が使い果たされるので、システム電子制御ユニット1cは、当該車両に設けられたエンジン制御ユニットへ信号を送出する別信号線を有する電子制御ユニット1cへの、アクセルペダルからのシステムスロットル信号線を駆動することにより、車両エンジンがより多くのパワーを付加するように指令する。誤った制御信号の供給をエンジンが受け得ないように、全ての誤り検査はそのままである。もし運転者が求める要求パワーの全てを当該油圧ユニットが供給可能であるならば、エンジンは、供給された高圧作動油が使い果たされて、原動機によりパワーが増強される必要が生じるまで、アイドル状態となる。

0055

これら3つのモードを使って、本発明の全体は、車両の運動エネルギを回収し、かつそれをシステムに再利用するについて、効果的かつ円滑となる。

0056

以上の本発明の説明は、例示及び説明の目的のために示されたものであり、網羅的であること、又は記載のとおりに本発明を限定することを意図したものではなく、上記の教示に照らして多くの修正及び変更が可能であることは明らかである。種々の実施形態で、また特定用途に適していると期待されるような種々の変形で当業者が最も良く本発明を利用できるようにするため、実施形態は、本発明の原理と、その実用的な応用とを最も良く説明するために、選択のうえ記載された。ここに添付した特許請求の範囲によって本発明の範囲が定められることが、意図されている。

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