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課題・解決手段

本開示は、ストロンチウムと、別々の構成物のいずれかの効力を超えて組み合わせの全体的な治療効力を増大させる少なくとも1種のさらなる分子とを合わせた治療活性組成物からなる。詳細には、本明細書に記載されている組み合わせは、2つの重要な機能を遂行する。(1)組み合わせは、局所的に適用されたストロンチウムが、有痛性またはそう痒性の神経障害状態の発生および維持の特徴を示し、それらの一因となる、急性感覚刺激作用(例えば、そう痒および疼痛)、発赤腫脹および炎症(この記載の目的のために総称して「刺激作用」と定義される)ならびに慢性刺激作用の両方を阻害する能力を増大させる。(2)組み合わせは、疼痛、そう痒、および神経障害状態の発生および維持を増強することが公知であるストロンチウムにより活性化される経路を減少させる。

概要

背景

米国特許第5,716,625号は、局所的に適用された二価イオンの形態のストロンチウムが、急性感覚刺激作用(例えば、刺痛感、灼熱痛および/またはかゆみ)、ならびに化学的刺激原、電磁放射、「環境刺激原」および疾患による付随的な炎症を迅速に抑制する能力について記載している(ストロンチウムの「抗刺激活性」)。

任意の特定の生化学機序束縛されず、また別様にも限定されないが、ストロンチウムの抗刺激活性は、ストロンチウムが、刺痛感、灼熱痛およびかゆみの感覚、ならびにTCNの活性化を伴い得る神経原性炎症反応を生成および伝達する唯一感覚神経であるC型侵害受容器(TCN)の活性化を選択的に抑制する能力によるものであることが理論付けられた。

このような感覚刺激作用を抑制することができる現存する局所的薬物、例えば、リドカインまたはNovocain(商標)と比較したとき、典型的には歯科手順の間に歯科医によって使用される局所麻酔剤であるストロンチウムは、独特の特性を有する。ストロンチウムはTCNのみに対して高度に選択的であり、正常な触覚および「皮膚意識」を提供する多くの他の感覚神経に大きな影響を与えない。リドカインおよび他の表面局所麻酔剤はTCNに対するこの特異性を欠いているため、これらは知覚麻痺および機能喪失をもたらし得る。

局所的に適用されたストロンチウムは、疼痛の感覚(例えば、灼熱感および刺痛感)ならびにそう痒(かゆみ)を伝達するTCN感覚神経サブセットの活性化を迅速に阻害することができる一方、ストロンチウムの抗刺激原機序を理解するための最近の調査によって、驚くべきことに、ストロンチウムがまた、神経障害状態処置のためのストロンチウムのプラスの抗刺激原の利点を取り消す傾向があるいくつかの生化学的経路に対するマイナスの影響も有することが明らかになる。

概要

本開示は、ストロンチウムと、別々の構成物のいずれかの効力を超えて組み合わせの全体的な治療効力を増大させる少なくとも1種のさらなる分子とを合わせた治療活性組成物からなる。詳細には、本明細書に記載されている組み合わせは、2つの重要な機能を遂行する。(1)組み合わせは、局所的に適用されたストロンチウムが、有痛性またはそう痒性の神経障害状態の発生および維持の特徴を示し、それらの一因となる、急性感覚刺激作用(例えば、そう痒および疼痛)、発赤腫脹および炎症(この記載の目的のために総称して「刺激作用」と定義される)ならびに慢性刺激作用の両方を阻害する能力を増大させる。(2)組み合わせは、疼痛、そう痒、および神経障害状態の発生および維持を増強することが公知であるストロンチウムにより活性化される経路を減少させる。

目的

ストロンチウムはTCNのみに対して高度に選択的であり、正常な触覚および「皮膚意識」を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

適切な担体ビヒクル中に二価カチオン性ストロンチウム;少なくとも1種のシステインベースとする抗酸化剤;および少なくとも1種のポリヒドロキシフェノール;の複合体を含む組成物

請求項2

前記少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤が、システイン、シスチン、N−アセチルシステイン(NAC)、N−アセチルシステイネート、N−アセチルシスチンおよびN,S−ジアセチルシステインからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸カフェ酸ケルセチンルテオリンエピガロカテキンガレートエピガロカテキンエピカテキンガレートゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項4

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸およびカフェ酸の混合物である、請求項1に記載の組成物。

請求項5

ポリマーをさらに含む、請求項1に記載の組成物。

請求項6

前記ポリマーが、ポリアニオン性ポリマーである、請求項5に記載の組成物。

請求項7

前記ポリマーが、ポリビニルピロリドンPVP)、シクロデキストリンカラギーナンアルギン酸キサンタンガム硫酸化多糖ペントサンポリスルフェート、コンドロイチンスルフェートデキストランスルフェートおよびヘパリンスルフェートからなる群より選択される、請求項5に記載の組成物。

請求項8

400mOsm以上の容量オスモル濃度を有する、請求項1に記載の組成物。

請求項9

400mOsm〜2000mOsmの容量オスモル濃度を有する、請求項8に記載の組成物。

請求項10

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、植物抽出物の形態で前記組成物に加えられる、請求項1に記載の組成物。

請求項11

前記植物抽出物が、緑茶抽出物または大豆抽出物である、請求項10に記載の組成物。

請求項12

前記少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤および前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、切断可能な結合によって一緒結合体化される、請求項1に記載の組成物。

請求項13

前記切断可能な結合が、ペプチド結合エステル結合チオエステル結合酵素的に切断可能な結合、ジスルフィド結合、およびpH依存的結合からなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。

請求項14

前記少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤が、システイン、シスチン、N−アセチルシステイン(NAC)、N−アセチルシステイネート、N−アセチルシスチンおよびN,S−ジアセチルシステインからなる群より選択される、請求項13に記載の組成物。

請求項15

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレートおよびミリセチンからなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。

請求項16

前記少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤が、システイン、シスチン、N−アセチルシステインであり、前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、または没食子酸およびカフェ酸の混合物であり、前記切断可能な結合が、エステル結合である、請求項12に記載の組成物。

請求項17

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される2種のポリヒドロキシフェノールの混合物である、請求項1に記載の組成物。

請求項18

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される3種のポリヒドロキシフェノールの混合物である、請求項1に記載の組成物。

請求項19

適切な担体ビヒクル中の二価のカチオン性ストロンチウム;および少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールの複合体を含む組成物。

請求項20

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される、請求項19に記載の組成物。

請求項21

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される2種のポリヒドロキシフェノールの混合物である、請求項19に記載の組成物。

請求項22

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される3種のポリヒドロキシフェノールの混合物である、請求項19に記載の組成物。

請求項23

適切な担体ビヒクル中の二価のカチオン性ストロンチウム;および少なくとも1種の芳香族アミノ酸の複合体を含む組成物。

請求項24

前記少なくとも1種の芳香族アミノ酸が、ヒスチジンチロシンフェニルアラニンおよびトリプトファンからなる群より選択される、請求項23に記載の組成物。

請求項25

前記少なくとも1種の芳香族アミノ酸が、L異性体である、請求項23に記載の組成物。

請求項26

少なくとも1種のポリヒドロキシフェノール、少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤またはポリマーをさらに含む、請求項23に記載の組成物。

請求項27

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される、請求項26に記載の組成物。

請求項28

前記少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤が、システイン、シスチン、N−アセチルシステイン(NAC)、N−アセチルシステイネート、N−アセチルシスチンおよびN,S−ジアセチルシステインからなる群より選択される、請求項26に記載の組成物。

請求項29

前記ポリマーが、ポリビニルピロリドン(PVP)、シクロデキストリン、カラギーナン、アルギン酸、キサンタンガム、硫酸化多糖、ペントサンポリスルフェート、コンドロイチンスルフェート、デキストランスルフェートおよびヘパリンスルフェートからなる群より選択される、請求項26に記載の組成物。

請求項30

前記ポリマーが、ポリビニルピロリドンである、請求項29に記載の組成物。

請求項31

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸およびミリセチンの混合物である、請求項26に記載の組成物。

請求項32

前記少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールが、没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、ゲニステインおよびミリセチンからなる群より選択される3種のポリヒドロキシフェノールの混合物である、請求項26に記載の組成物。

技術分野

0001

本開示は、ストロンチウムと、別々の構成物のいずれかの効力を超えて組み合わせの全体的な治療効力を増大させる少なくとも1種のさらなる分子とを合わせた治療活性組成物からなる。詳細には、本明細書に記載されている組み合わせは、2つの重要な機能を遂行する。(1)組み合わせは、局所的に適用されたストロンチウムが、急性感覚刺激作用(例えば、そう痒および疼痛)、発赤腫脹および炎症(この記載の目的のためにまとめて「刺激作用(irritation)」と定義される)ならびに有痛性またはそう痒性の神経障害状態の発生および維持を特徴とし、かつそれらに寄与する慢性刺激作用の両方を阻害する能力を増大させる。(2)組み合わせは、急性疼痛およびそう痒、および神経障害状態の発生および維持を増強することが公知であるストロンチウムにより活性化される経路を減少させる。

背景技術

0002

米国特許第5,716,625号は、局所的に適用された二価イオンの形態のストロンチウムが、急性感覚刺激作用(例えば、刺痛感、灼熱痛および/またはかゆみ)、ならびに化学的刺激原、電磁放射、「環境刺激原」および疾患による付随的な炎症を迅速に抑制する能力について記載している(ストロンチウムの「抗刺激活性」)。

0003

任意の特定の生化学機序束縛されず、また別様にも限定されないが、ストロンチウムの抗刺激活性は、ストロンチウムが、刺痛感、灼熱痛およびかゆみの感覚、ならびにTCNの活性化を伴い得る神経原性炎症反応を生成および伝達する唯一感覚神経であるC型侵害受容器(TCN)の活性化を選択的に抑制する能力によるものであることが理論付けられた。

0004

このような感覚刺激作用を抑制することができる現存する局所的薬物、例えば、リドカインまたはNovocain(商標)と比較したとき、典型的には歯科手順の間に歯科医によって使用される局所麻酔剤であるストロンチウムは、独特の特性を有する。ストロンチウムはTCNのみに対して高度に選択的であり、正常な触覚および「皮膚意識」を提供する多くの他の感覚神経に大きな影響を与えない。リドカインおよび他の表面局所麻酔剤はTCNに対するこの特異性を欠いているため、これらは知覚麻痺および機能喪失をもたらし得る。

0005

局所的に適用されたストロンチウムは、疼痛の感覚(例えば、灼熱感および刺痛感)ならびにそう痒(かゆみ)を伝達するTCN感覚神経サブセットの活性化を迅速に阻害することができる一方、ストロンチウムの抗刺激原機序を理解するための最近の調査によって、驚くべきことに、ストロンチウムがまた、神経障害状態の処置のためのストロンチウムのプラスの抗刺激原の利点を取り消す傾向があるいくつかの生化学的経路に対するマイナスの影響も有することが明らかになる。

先行技術

0006

米国特許第5,716,625号明細書

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、急性疼痛、そう痒および神経障害状態に対するストロンチウムの「プラス」の治療上の利点を増大させ、ストロンチウムの「マイナス」の影響を減少させる新規なストロンチウム含有分子、複合体および処方物を作製することが望ましい。

課題を解決するための手段

0008

本明細書における教示によって、本開示は一般に、適切な担体ビヒクル中のストロンチウム含有複合体の組成物に関する。

0009

複合体は、少なくとも1種または2種の異なる構成要素:二価カチオン性ストロンチウム、および少なくとも1種の対イオン、例えば、ポリヒドロキシフェノールまたは芳香族アミノ酸を含むという点で、実際に2つの部分からなる、または3つの部分からなる。3つの部分からなる組成物の形態で、複合体は、二価のカチオン性ストロンチウム、少なくとも1種のポリヒドロキシフェノール、および少なくとも1種のシステインベースとする抗酸化剤を含む。

0010

システインをベースとする抗酸化剤は、システイン、シスチン、N−アセチルシステイン(NAC)、N−アセチルシステイネート(acetyl cysteinate)、N−アセチルシスチンおよびN,S−ジアセチルシステイン、またはこれらの混合物からなる群より選択され得る。

0011

さらに、ポリヒドロキシフェノールは、没食子酸カフェ酸ケルセチンルテオリンエピガロカテキンガレートエピガロカテキンエピカテキンガレートゲニステインおよびミリセチン、またはこれらの混合物からなる群より選択され得る。一実施形態において、ポリヒドロキシフェノールは、没食子酸およびカフェ酸の混合物である。

0012

2つの部分からなる複合体または3つの部分からなる複合体のいずれもまた、ポリマー、例えば、ポリアニオン性ポリマー複合体形成し得る。このポリマーは、ポリビニルピロリドンPVP)、シクロデキストリンカラギーナン(carragenan)、アルギン酸キサンタンガム硫酸化多糖ペントサンポリスルフェート、コンドロイチンスルフェートデキストランスルフェートおよびヘパリンスルフェートからなる群より選択され得る。

0013

組成物の容量オスモル濃度は、400mOsm以上、または400mOsm〜2000mOsmの容量オスモル濃度を有するなど、高い浸透圧活性を有益に有し得る。

0014

ポリヒドロキシフェノール(複数可)は、本明細書に記載されている組成物に加えられるとき、本質的に純粋な形態であり、または植物抽出物、例えば、緑茶抽出物もしくは大豆抽出物の形態で加えられる。

0015

3つの部分からなる組成物の代替の実施形態において、少なくとも1種のシステインをベースとする抗酸化剤および少なくとも1種のポリヒドロキシフェノールは、切断可能な結合、例えば、ペプチド結合エステル結合チオエステル結合酵素的に切断可能な結合、ジスルフィド結合、またはpH依存的結合によって一緒結合体化される。

0016

2つの部分からなる組成物の代替の実施形態において、二価のカチオン性ストロンチウムは、少なくとも1種のポリヒドロキシフェノール(上記のような)と複合体形成され、複合体は、投与前に、適切な担体ビヒクル中に入れられる。

0017

2つの部分からなる組成物のまた別の実施形態において、二価のカチオン性ストロンチウムは、芳香族アミノ酸と複合体形成され、複合体は、投与前に、適切な担体ビヒクル中に入れられる。このようなアミノ酸には、例えば、ヒスチジンチロシンフェニルアラニンおよびトリプトファンが含まれ、一実施形態において、L異性体形態である。

0018

2つの部分からなる複合体を含有する組成物はまた、他の構成物、例えば、上記のストロンチウムの対イオンのいずれかを含むことができる。

0019

本発明の他の態様は、明細書を通して見出される。

0020

本開示は、ストロンチウムと、別々の構成物のいずれかの効力を超えて組み合わせの全体的な治療効力を増大させる少なくとも1種のさらなる分子とを合わせた治療活性組成物からなる。詳細には、本明細書に記載されている組み合わせは、2つの重要な機能を遂行する。(1)組み合わせは、局所的に適用されたストロンチウムが、急性感覚刺激作用(例えば、そう痒および疼痛)、発赤、腫脹および炎症(この記載の目的のために総称して「刺激作用」と定義される)ならびに有痛性またはそう痒性の神経障害状態の発生および維持を特徴とし、かつそれらに寄与する慢性刺激作用の両方を阻害する能力を増大させる;そして(2)組み合わせは、急性疼痛およびそう痒、および神経障害状態の発生および維持を増強することが公知であるストロンチウムにより活性化される経路を減少させる。

0021

したがって、本開示は部分的に、二価のストロンチウム、ならびに少なくとも2種の対イオンであるシステインをベースとする抗酸化剤およびポリフェノール化合物(これらの両方は下記でより詳細に考察する)の複合体を含む組成物に関する。

0022

本開示の別の態様は、二価のストロンチウムと少なくとも1種のポリヒドロキシフェノール化合物との複合体を含む組成物に関する。

0023

本開示のまた別の態様は、二価のストロンチウムと少なくとも1種のアミノ酸との複合体を含む組成物に関する。

0024

下記の記載において、いくつかの用語は広範に利用される。このような用語に与えられる範囲を含めて、明細書および特許請求の範囲の明瞭および一貫した理解を提供するために、下記の非限定的な定義を提供する。

0025

「1つの(one)」、「1つの(a)」、または「1つの(an)」という用語が本開示において使用されるとき、これらは、他に示さない限り、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。

0026

「皮膚」という用語は、この単語の最も広い意味で体の外面を指し、したがって全ての角質化した皮膚、ならびに、例えば、目、気道胃腸管、ならびに子宮頸部およびを含めた尿生殖路上皮表面を暗黙的に含む。

0027

「塩」という用語は、本明細書において使用する場合、塩の一般の化学的定義、すなわち、化合して正味静電荷を有さない電気的に中性な化合物を形成する、イオン性の荷電している物質原子および/または分子)からなる化合物を指す。

0028

「複合体」という用語は、本明細書において使用する場合、静電力(例えば、フェノール環状構造中のパイ電子による)、または部分的な負の電荷もしくは他の分子間の電荷との会合を介した、ストロンチウムカチオンと、2種の他の負に荷電しているまたは極性の分子(ストロンチウムの対イオン)との組み合わせを指す。ストロンチウムおよび2種のストロンチウムの対イオンに加えて、複合体はまた、チオール含有分子、例えば、N−アセチル−L−システイン(NAC)、またはポリヒドロキシフェノール化合物、例えば、没食子酸、ケルセチン、ルテオリン(leuteolin)、ミリセチン、および他の同様の分子に可逆的に結合し、かつこれらと複合体形成する固有の能力を有する、ポリマー物質、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアニオン性ポリマー、例えば、アルギン酸、カラギーナンまたは炭水化物ポリマーを含有し得る。

0029

「システインをベースとする」抗酸化剤という用語は、本明細書において使用する場合、システイン、システイン誘導体、システインを含有する小型(4個未満のアミノ酸)ペプチドおよびシステイン前駆体を指す。

0030

「切断可能」という用語は、破壊され得る共有化学結合を意味する。「切断可能」とは、化学結合の小部分が切断されることのみを必要とし、すなわち、結合の一部が切断される場合、化学結合は切断可能である。ある場合においては、結合は、投与後に皮膚内で切断可能である。

0031

「結合体化された」という用語は、構成要素の少なくとも2つが切断可能な結合によって一緒に接合している化合物を意味する。

0032

神経障害性」という用語は、本明細書において使用する場合、「慢性」と互換的に使用され、神経障害性疼痛、神経障害性そう痒、および神経障害性かゆみを含む。神経障害状態は典型的には、神経損傷を伴うことが認識される。例示的な神経障害状態には、例えば、化学療法により誘発されるニューロパシー複合性局所疼痛症候群HIV感覚ニューロパシー、腫瘍浸潤続発するニューロパシー、有痛性の糖尿病性ニューロパシー幻肢痛ヘルペス後神経痛乳房切除術後疼痛、三叉神経痛中枢性卒中後痛(central post−stroke pain)、多発性硬化症疼痛、パーキンソン病疼痛および脊髄傷害疼痛が含まれる。

0033

他の疼痛が関連する用語法は、下記を含み得る。

0034

ストロンチウムの抗刺激活性および抗炎症活性は、大いに増強され得る
ストロンチウムが疼痛、かゆみまたは炎症を完全にブロックすることができないことが多い理由は、2つの要因によることが、驚くべきことに発見された:(1)局所的に適用することができる限定された量のストロンチウム。この後、ストロンチウム塩自体の高浸透圧効果が、疼痛、かゆみまたは炎症をもたらし始める。これは、ストロンチウムが、同様の治療上の目標を有する多くの他の薬物と比較して、疼痛、かゆみおよび炎症を抑制するその能力において比較的低い効力を有するという事実によるものである;そして(2)ストロンチウムの固有の抗刺激活性を取り消すように作用し得る経路を刺激し、したがって全体的な治療上の利点を低減させる、ストロンチウムの能力。ストロンチウムがその抗刺激原の利点を取り消す程度は、神経障害状態の発生をもたらした神経損傷のタイプに関連する多くの要因によって決まる(例えば、ウイルス感染身体外傷、例えば、切断術または神経圧迫糖尿病において起こるような代謝性神経損傷、ともに存在する炎症および他の要因)。

0035

例えば、一般に使用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリンイブプロフェンおよびナプロキセンは典型的には、数百ミリグラム経口用量で使用され、多くのタイプの炎症が関連する疼痛の有効な低減を実現する。オピオイド鎮痛剤、例えば、レボルファノールオキシモルホンオキシコドンおよびヒドロコドンは、コデインモルヒネおよびヘロイン薬理学的に関連し、用量毎に2mg〜約10mgの範囲の経口用量で有効な疼痛緩和を実現する。対照的に、経口的に投与されたストロンチウム塩、例えば、骨粗鬆症の処置および予防のために承認された経口薬物であるラネリック酸ストロンチウム(strontium ranelate)は70超の国において承認されており、1日当たり2,000mgの用量で投与される。ラネリック酸ストロンチウムは、ストロンチウムの単純な塩であるため、水または胃液との接触によって、680mgのストロンチウム元素を生じさせる。しかし、この高用量の純粋なストロンチウム元素においてでさえ、疼痛または炎症性反応を低減させる能力についての報告は存在しない。

0036

局所的処方物が、経口の全身投与によって達成することができるものより数千倍高いストロンチウム濃度を送達することができるという事実によって、局所的ストロンチウムは、疼痛、そう痒および炎症を低減させる能力を有することが決定されている。皮膚に投与されたときに局所的に達成することができる比較的高い局所濃度においてでさえ、疼痛、そう痒および炎症をもたらす重要な生化学的経路に対するストロンチウムの効果は部分的なものにすぎない。例えば、仮定上の疼痛またはかゆみ生成経路の活性が90%〜100%阻害される場合、患者は自分の疼痛またはかゆみが完全に止まったことを報告する。対照的に、局所的に適用されたストロンチウムは、その経路を40%〜50%阻害するのみであり得、疼痛またはかゆみが明らかに低減したことを患者が観察するには十分な阻害であるが、疼痛またはかゆみはまだ存在し、まだ厄介である。

0037

皮膚は、複数の分子センサーの活性化によって危険を感じ
皮膚は、皮膚表面の直下で「感覚ウェブ」を形成する侵害受容器と称される2クラスの神経によって潜在的に有害な化学物質を感じる。A−デルタ神経は、鋭い刺すような質を有する痛覚を伝達することによって、身体外傷に反応する。C型神経(TCN)は、我々の環境からの刺激原、微生物極端な温度、電離放射線、ならびにアレルギー性および非アレルギー性皮膚状態に反応し、かつ灼熱感、刺痛またはかゆみ(「刺激作用」)の拡散する感覚を伝達する化学センサーである。過剰に刺激されるとき、TCNはまた、ヒスタミン含有肥満細胞を直接活性化し、かつ他の免疫系細胞、例えば、発赤、腫脹、および局所皮膚損傷さえをもたらす好中球誘引および活性化する、ニューロペプチド(例えば、サブスタンスP)を放出することができる。皮膚中の刺激原トリガーによる活性化の後、両方の侵害受容器は、脊髄神経節(DRG)における脊髄近くにシナプス伝達し、シグナルを脳にリレーする神経経路を活性化する神経伝達物質を放出し、脳において感覚の刺激原の質が意識的に認識される。

0038

急性、慢性および神経障害性疼痛ならびにそう痒は、侵害受容器の活性化の際に起こる
活性化の際に、両方のタイプの侵害受容器は活性され得、または多くの場合、A−デルタもしくはTCNは優先的に活性される。TCNのみが表皮の最外側部に広がり、事実上表皮の局所生化学を変化させる任意のプロセスによって活性化し得るため、TCNは、最も刺激性の刺激に反応して優先的に活性化される。皮膚におけるTCNの活性化の際に、TCNはシグナルを脊髄に伝達し、DRGにおける神経伝達物質放出をトリガーし、これによって脊髄中の神経が活性化され、これによって疼痛およびかゆみシグナルを脳にリレーする。化学的刺激原、外傷または日焼けへの曝露によってもたらされるTCNの急性活性化は典型的には数日のみ続き、「侵害受容性疼痛」と称される有痛性またはそう痒性の感覚をもたらす。ウイルス性疾患、例えば、帯状疱疹もしくはHIVの後に起こり得るように、刺激が延長され、もしくは過剰に重度であるとき、または物理的圧力熱傷、糖尿病もしくは四肢への広範な身体外傷からの神経への外傷によって神経が損傷されるとき、痛い感覚またはそう痒は長年継続し得る。過剰な侵害受容器の活性化または損傷によってもたらされるこのような慢性疼痛またはそう痒は、「神経障害性」と称され、処置するのに最も困難な状態の1つである。最良の経口または局所的薬物でさえも、非常に限定された治療上の利点しか有さず、多くは、これらの使用を制限する実質的な副作用を有する。

0039

侵害受容シグナルは典型的には、侵害受容器内で「カルシウム波」として移動する細胞内カルシウム濃度の正確に時間調節された変化としてコード化される
たとえ何が侵害受容器の活性化をもたらしても、事象は、細胞内カルシウム濃度における複雑な変化(これは次いで侵害受容器に亘って伝達される)である、普遍遺伝暗号にコード化される。このように、カルシウムは、普遍的「セカンドメッセンジャー」として作用し、疼痛またはそう痒の強度および質を含めた侵害受容器によって伝達される情報は、迅速に変化するカルシウム濃度で構成されている言語に変換される。一般に、神経、および特に、侵害受容器は、これらのカルシウムコードを典型的には約1000分の1秒以内で伝達するため、カルシウムのタイミングおよび空間分布は精巧に調節され、コード化された情報を正確に伝達しなければならない。侵害受容器を含めた事実上全ての神経において、シグナルの強度(例えば、疼痛またはそう痒の重症度)は、シナプス中に放出され、かつ情報を最終的に脳にリレーするシナプス後神経を活性化する、神経伝達物質の頻度の変化としてコード化される。頻度が高くなるほど、認知される感覚はより激烈となる。侵害受容器が活性化されるとき、カルシウムシグナルは、複数の生化学的経路によって伝達され、1つの経路の出力は、次の経路の入力となるように、これらの多くは順々に作動する。

0040

侵害受容シグナル、およびシグナルをコード化する生化学的経路は、入力と対数的に関係する出力を有する
多くの侵害受容器経路、および侵害受容器による全体的な神経伝達物質放出は典型的には、刺激の強度と対数的に関係する。例えば、刺激原が侵害受容器の活性化をもたらし、活性化のその頻度を毎秒10から50に増大させる(また脱分極と称される)場合、結果として生じた神経伝達物質放出の頻度は、1.7倍のみ増大し得る(Log10=1.0;Log50=1.7)。侵害受容器の活性化の比較的少量の阻害は、有痛性またはそう痒性の刺激の認知される重症度における大きな低減をもたらし得ることをこれは示唆するため、この事実は特に関連性がある。侵害受容器において、刺激原による刺激を順々にコード化および伝達するように作用する多くの別々の経路が存在するため、経路のステップの1つまたは複数において順次的経路のそれぞれを阻害することは、有痛性またはそう痒性の感覚の非常に大きな累積的低減を生じさせる可能性を有する。

0041

現在のストロンチウム含有処方物は典型的には、硝酸ストロンチウムまたは塩化ストロンチウム六水和物ストロンチウム源として使用する。硝酸アニオンまたは塩化物アニオンのどちらも、ストロンチウムが疼痛またはそう痒を低減させる能力に寄与しないため、これらは処方物の容量オスモル濃度を増大させるように作用することしかしない。最近のリサーチは、高い容量オスモル濃度の処方物が、侵害受容器上に存在する特定の浸透圧センサー、侵害受容器を活性化することができるケラチノサイトおよび免疫細胞または炎症性細胞を活性化することを示した。この一例は、単純な塩の濃縮溶液創傷中に注がれる場合、刺痛感および灼熱感をもたらす「創傷中の塩」効果である。高い容量オスモル濃度の溶液は、不快感をもたらすことに加えて、炎症性細胞を直接活性化し、それらに侵害受容器の活性化をもたらす化学物質を放出させる可能性がある。したがって、浸透圧が誘発する侵害受容器の活性化および炎症についての可能性を最小化するために、ストロンチウム塩または複合体の多くの「非活性」構成要素を除去することが望ましい。

0042

ストロンチウムは、カルシウム波の動態および空間分布を変更させる
ストロンチウムの独特の治療特性は、神経において、および事実上全ての細胞機能を調節する全ての他の細胞において、最も重要で普遍的な「セカンドメッセンジャー」であるカルシウムに対するその化学的類似点によるものである。カルシウムイオンは常に2つの正の電荷を有し、そのイオン半径は、水素原子ほどの大きさ0.99オングストロームである。全ての元素の内、ストロンチウムはカルシウムに最も密接に似ている。なぜなら、ストロンチウムはまた二価の正に荷電しているイオンとしてのみ存在し、1.13オングストロームのイオン半径を有するためである。この理由のために、ストロンチウムは典型的には、カルシウム結合部位に結合し、カルシウムの活性を模倣する。殆どの場合、ストロンチウムが誘発する反応はより強力でなく、活性はカルシウムの約1000分の1の低さであり得るが、大半の場合、ストロンチウムは、カルシウムと概ね同じ活性を有し、またはカルシウムの10分の1から30分の1の範囲の活性を有する。他のカルシウム依存性活性において、ストロンチウムは、例えば、カルシウムより活性であり得る。ストロンチウムがその多くのおよび多様な活性を生じさせることができるのは、ストロンチウムのカルシウム模倣活性である。カルシウムは多くの細胞機能のために重大であるため、カルシウムが強力に阻害される場合、その効果は細胞に対して毒性である。対照的に、ストロンチウムは典型的には、より低い活性であるがカルシウムに代えて用いることができるため、カルシウム依存性経路の活性はシャットダウンされない。代わりに経路活性は低減し、これはラジオボリュームコントロールを下向きにするのと同様である。ストロンチウムは、比喩的な意味で、カルシウム依存性経路をシャットダウンするのではなく、カルシウム依存性経路のボリュームコントロールを下向きにするだけなので、顕著な副作用または毒性の機会は、経路を完全にブロックする薬物と比較して大いに低減される。

0043

化学物質、疾患、外傷または他の曝露からの刺激原が、細胞内カルシウム濃度の急速な変化として受容体の反応の強度をコード化するTCNの表面上の受容体を活性化するとき、これらの変化は、1000分の1秒未満で起こり、変化するカルシウム濃度の非常に複雑な「波」を生じさせることができ、これは神経を通って伝播され、急性、慢性および神経障害性刺激作用をもたらす経路の全部ではないが大部分をトリガーする。カルシウム波の頻度に加えて、カルシウム濃度の動態の変更は、カルシウム波形の持続期間、規模および正確な形状を変化させ、これはTCN活性の重大なレギュレーターである共存する静電場を変更させる。これらの変化は、プロスタグランジン(例えば、PGE2)、ロイコトリエン(例えば、LTB4、C4、D4およびE4)を含めた複数の炎症メディエーター、ならびにスーパーオキシド過酸化水素ヒドロキシルラジカル次亜塩素酸およびペルオキシナイトライトを含めた活性酸素種(ROS)の放出を独立に活性化する。

0044

したがって、ストロンチウムは、有痛性およびそう痒性の神経障害状態において存在するカルシウム波内にコード化される疼痛およびかゆみの感覚を有意に変更させ、シグナルをゆがめ、脳によって認知される強度を低減させる効果を有する。複数のカルシウム依存性シグナル伝達経路へのストロンチウムの結合によって、ストロンチウムは、複数の独立した機序によってカルシウムコード化シグナルを有意に変更させる。カルシウム依存性キナーゼのいくつかは神経障害状態の発生のために必須であることが公知である。これは、動物モデルにおけるこれらの阻害が、確立した神経障害状態を予防および/または逆転させることができるためである
カルシウムが侵害受容器に入った後1ミリ秒未満以内にカルシウムを通常除去する侵害受容器の細胞質内部におけるカルシウム結合タンパク質に、ストロンチウムは効果的に結合することができず、したがって、正確に時間調節されたカルシウム波に寄与するカルシウム濃度の一過性の増大を生じさせる。ストロンチウムはまた、侵害受容器の主要なカルシウム貯蔵部位である小胞体ER)中にはるかに非効果的にポンプ輸送され、放出される。侵害受容器活性化シグナルを受けるとき、ストロンチウムは、カルシウムシグナルを増幅させるカルシウム誘発カルシウム放出CICR)経路を阻害し、細胞質中のカルシウムの濃度が高すぎる場合、ストロンチウムは、さらなるカルシウム放出を阻害するように作用することによって、イノシトール三リン酸(IP3)により誘発されるカルシウム放出を調節する能力を有さない。

0045

カルシウムが侵害受容器の活性化および脱分極の間に侵害受容器に入ると、これによって、CICR経路によってER中に貯蔵されている大量のカルシウムの放出が活性化される。この機序は、波を形成し、かつカルシウム依存性経路を調節するのに利用可能なカルシウムの量を非常に増幅させる効果を有する。ストロンチウムは、CICRを誘発するその能力においてカルシウムの100分の1未満の活性であり、それゆえ通常刺激原に反応して起こるカルシウム濃度の変化を有意に変更する。ER中にあるとき、緩衝液として作用し、かつ遊離カルシウムがCICRまたは他の同様の機序によって放出されるまで遊離カルシウムを隔離するERカルシウム結合タンパク質へのストロンチウムの結合もまたあまり強くない。その結果、ストロンチウムは、カルシウムより150%超高い濃度に達し、CICRの間にカルシウムを、その増幅機能を行うことから外す。ストロンチウムはまた、IP3特異的受容体によるERからのカルシウム放出をまた活性化するユビキタスな物質であるIP3によってトリガーされる第2の重要なカルシウム増幅機序の調節においてカルシウムよりはるかに活性が低い。低濃度のカルシウムで、IP3は、カルシウム放出の強力な刺激因子として作用し、これによって脱分極の間にはるかに少量のカルシウム流入を増幅するように作用する。カルシウム濃度が十分に上昇するとき、カルシウムはカルシウム放出をさらに阻害するように作用し、それゆえ限定された濃度範囲内にカルシウム濃度を維持する。ストロンチウムが存在するとき、ストロンチウムは、IP3により誘発されるカルシウム放出を活性化するその能力においてカルシウムを模倣することができるが、ストロンチウムは過剰なカルシウム放出を阻害することができず、カルシウムおよびストロンチウムの両方が、長期間に亘ってより高い濃度に達することがもたらされる。IP3により誘発されるカルシウム放出はカルシウム波の生成に関与していることが公知であるため、IP3によるカルシウム誘発放出を完全に阻害するストロンチウムの能力は、特に重要である。これらのタイプのストロンチウムの効果は、神経障害状態と関連するカルシウム動態およびカルシウム波形を有意に変化させ、したがって疼痛およびそう痒に対するストロンチウムの抑制性効果に寄与する。

0046

ストロンチウムは、カルシウム依存性神経伝達物質放出を阻害する
ストロンチウムはまた、侵害受容器内のカルシウムの動態を制御するさらなる経路に影響を与える一方、急性、慢性の両方および神経障害性の状態の抑制のために重大に重要である、疼痛およびかゆみのコード化されたカルシウム波のカルシウム依存性伝達について、1つのストロンチウムが誘発する妨害が存在する。すなわち、シナプトタグミン−1に結合し、不活性化するストロンチウムの能力であり、この分子は、DRGにおける神経伝達物質放出、皮膚におけるTCNの末梢部からのサブスタンスPを含めた炎症性ニューロペプチドの放出に主に関与している。サブスタンスPは、ヒスタミン、ならびに腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)、インターロイキン1アルファおよびベータIL−1アルファおよびベータ)ならびにIL−6を含めた50種超の異なる炎症性化学物質を含有する肥満細胞を含めた、事実上全ての炎症性免疫「白血球」(WBC)を活性化する、TCNから放出される最も重要な炎症性ニューロペプチドであることが公知である。これらの3種の炎症促進性サイトカインは、TCNを直接活性化し、疼痛および/またはかゆみをもたらす「第1のレスポンダー」であると考えられ、神経障害状態、および炎症、疼痛またはかゆみと関連する大部分の皮膚状態の発生および維持の顕著な寄与因子であると考えられる。

0047

シナプトタグミン−1は、サブスタンスPなどの神経伝達物質および抗炎症性ニューロペプチドを含有し、かつDRGにおけるシナプス後ニューロンに結合するシナプス前終末、ならびに疼痛およびかゆみをコード化したシグナルを脳にリレーする皮膚中の末梢TCN終末から、これらを最終的に放出する、小胞の表面上に存在するタンパク質である。

0048

通常、侵害受容器からのシナプス前神経伝達物質放出の頻度は、正確にマッチしており、その結果、カルシウム波中にコード化される本来の疼痛またはかゆみシグナルの強度、タイミングおよび他の特性は、脳に正確に伝達される。カルシウム波の到着、神経伝達物質放出およびシナプス後の活性化の間の遅れは通常、1000分の1秒であり、放出される量は、本来のTCNシグナルの強度と関連する。このタイプの神経伝達は、カルシウム波の到着のタイミングが、DRG神経のシナプス後の活性化をトリガーする神経伝達物質の放出と緊密に同期化されているため、「同期的放出」と称される。この正確なカップリングがなければ、頻度コード化疼痛またはかゆみシグナルは、歪曲され、ゆがめられる。

0049

ストロンチウムがカルシウムに代えて用いられるとき、TCNの活性化に反応した同期的神経伝達物質放出の大きさは典型的には、90%超低減する。ストロンチウムは、「非同期的放出」と呼ばれる神経伝達物質放出のタイミングを有意に歪曲するさらなるシグナルを歪曲する効果を有する。刺激シグナルと緊密にカップリングした同期的放出と対照的に、非同期的放出は、数百ミリ秒にまで及び得る。ストロンチウムでは、放出される神経伝達物質の総量は、カルシウムによるものと同じであり得るが、コード化された疼痛またはかゆみの強度情報を含有する同期的放出の強度は強力に低減し、重大なタイミング情報は本質的に破壊される。このストロンチウムの機序は疼痛またはかゆみシグナルの認知される重症度を低減させるだけでなく、またTCN活性化の本来の部位における皮膚中のTCNの近位端におけるサブスタンスPの放出を抑制する。ケラチノサイトからのTNF−アルファ、IL−アルファおよびIL−6の放出を阻害するストロンチウムの能力は恐らく、同じシナプトタグミンにより誘発される放出機序によるものである。なぜなら、シナプトタグミンにより誘発される放出機序は、事実上全ての細胞によって使用される分泌機序であるためである。同期的神経伝達物質放出の抑制はまた、神経障害性疼痛またはそう痒の処置のための重要な治療上の利点を有する。

0050

したがって、一実施形態において、したがってカルシウム放出をさらに抑制することによって、またはストロンチウムによって部分的に阻害される重大なカルシウム依存性経路を妨害することによって、侵害受容器のカルシウム動態をさらに変更させることが望ましい。

0051

神経障害性疼痛またはそう痒の発生および維持は、過剰および連続的な侵害受容器の活性化を必要とする
神経障害状態が発生するために、侵害受容器は、強力な刺激によって連続的に活性化されなければならない。必要とされる活性化の持続期間は、特定の神経傷害または刺激物質に依存して実質的に変化し得る。このような活性化が起こるとき、皮膚および粘膜神経支配する末梢侵害受容器は、数時間以内に感作され得、刺激原に対する感受性を増大させ続け得、通常刺激性ではない刺激によっても活性化し得る。感染症、例えば、HIVもしくはヘルペスウイルス、または細菌、例えば、アトピー性皮膚炎患者、熱傷患者、電離放射線または神経への外傷性損傷を患っている患者の皮膚上で、過剰なレベルで存在するStaphylococcus aureusによる慢性コロニー形成は、特に強力な侵害受容器感作物質である。任意の外傷または炎症を伴う複数の炎症メディエーターの放出はまた、感作への重要な寄与因子である。

0052

神経障害性状態を確立するために、TCNからの感覚入力を受けるDRGにおける感覚神経はまた、感作されなければならない。末梢TCNについて、中枢ニューロンは持続性の高強度の活性化を長時間必要とし、これは数週間ほど短いか、またははるかにより長いことがあり得る。炎症、感染性因子、または外傷の存在は、感作された神経障害性状態を促進することができる。ニューロンの「クロストーク」によって、当初は小さな感作された皮膚の有痛性部が、例えば、ヘルペス後神経痛において起こるように、A−デルタ侵害受容器を含めて傷害されていない侵害受容器を介して隣接皮膚に広がることが一般である。感作された神経障害性皮膚はまた、機械的圧力または温度変化に反応して有痛性の刺激を生じ得、これは異痛として公知の状態である。

0053

末梢侵害受容器およびこれらの中枢のカウンターパートの両方における感作された状態は、記憶を形成するCNSにおけるニューロンと非常に類似した活動依存的可塑性の一形態である。神経障害性疼痛またはそう痒の場合、侵害受容反応は、「疼痛またはかゆみの記憶」を生じさせる。持続性のニューロンの感作を生じさせる分子および経路は、適度に明確にされている。特に、細胞内キナーゼの活性化。特に重要であるのはプロテインキナーゼAおよびC(PKAおよびPKC)であり、これらのそれぞれは、いくつかの異なる形態で存在する:p38MAPK、ERK1/2MAPKおよびJNK MAPKを含むマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)。これらのキナーゼは、広範囲の環境の「危険シグナル」によって活性化され、電離放射線、活性酸素種(ROS)を含めた内部のサイトカインおよび増殖因子曝露は常に感染症および外傷を伴う。活性化されるとき、これらのキナーゼは複数の経路において活性化され、順次的カスケードを生じさせ、これは100をはるかに超す異なる分子を調節する遺伝子の調節および活性化をもたらし、これらの分子は、免疫細胞を活性化させ、炎症、ならびにイオンチャネルに影響を与える分子、ならびに神経障害性疼痛およびそう痒をもたらす末梢および中枢の侵害受容器の感作をもたらす分子センサーを生じさせる。これらの炎症および免疫系活性化遺伝子のうち、最も重要であるのは、核因子免疫グロブリン軽鎖カッパB細胞エンハンサーと称され、NF−カッパ(Kapa)Bと略され、「炎症のマスターレギュレーター」と称される。さらに、これらのキナーゼのいくつか、例えば、PKCは、カルシウム流入をもたらし、かつ神経障害性状態において起こるカルシウム動態を変更させるストロンチウムの能力を妨害する、侵害受容器を直接感作および活性化することができる。

0054

したがって、一実施形態において、ストロンチウムと、侵害受容器の感作、神経障害状態の活性化および生成に寄与するこれらのキナーゼおよび調節遺伝子の1つまたは複数を阻害する分子とを合わせることがしたがって望ましい。

0055

ストロンチウムは、侵害受容器の活性化を抑制する侵害受容器上のカルシウム感知受容体(CaSR)に結合する
全部ではないが大部分の細胞は、細胞外カルシウム濃度を検出する最近同定された表面受容体を有する。ストロンチウムはまた、カルシウムと同じく効率的にCaSRを結合および活性化するが、さらなる活性をトリガーする。この知識は、70超の国において骨粗鬆症の処置のために経口的に投与される処方薬である単純なストロンチウム塩であるラネリック酸ストロンチウムの商業的開発をもたらした。CaSRを活性化し、さらに、CaSRに連結するさらなる経路を活性化する、カルシウムの能力を模倣するストロンチウムの独特の能力によって、ラネリック酸ストロンチウムは、2つの独立した骨粗鬆症の治療上の機序を有する唯一の公知の骨粗鬆症薬物である:ストロンチウムは、骨再吸収破骨細胞を阻害することによって骨喪失を阻害し、新しい骨を生成する骨芽細胞を同時に刺激する。

0056

侵害受容器はまた、カルシウムの細胞外濃度が正常を超えて上昇したとき、または同様の濃度のストロンチウムが投与された場合、侵害受容器の活性化を阻害するCaSRを有する。この機序は、適用の後数秒以内に灼熱痛をもたらす、例えば、強酸性化学的表皮剥離、例えば、70%グリコール酸、pH0.6によるTCNの活性化を急速に阻害するストロンチウムの能力に寄与する。ストロンチウムを酸と混合するとき、灼熱痛および刺痛感は、80%以上抑制され、その結果、残存する感覚刺激作用は厄介ではない。

0057

CaSRの活性化はまた、急性、慢性の両方および神経障害性の疼痛、ならびにそう痒および炎症を増大させることが公知であるいくつかの経路の活性化をもたらす。現実の世界での使用において、ストロンチウムは典型的には疼痛およびそう痒を阻害するため、ストロンチウムによるCaSRの活性化によってもたらされる疼痛およびかゆみ増強効果は、事実上、他のストロンチウムの抗刺激機序によって取り消される可能性がある。それにも関わらず、低レベルの「無症候性」疼痛およびかゆみ増強効果は、神経障害状態を有効に処置、予防または逆転させるストロンチウムの能力を低減させる。これに対して任意の過剰なTCNの活性化は神経障害状態を促進することが公知である。

0058

特に関心があるのは、CaSRに結合し、末梢および中枢の侵害受容器の感作への主要な寄与因子の中にあることが公知であるMAPK分子の2つ、p38およびERK1/2を急速に活性化するストロンチウムの報告された能力である。CaSRへのストロンチウムの結合はまた、重要な酵素であるホスホリパーゼCを活性化することが報告されており、ホスホリパーゼCは、2種の重要な調節分子である上記のIP3、およびジアシルグリセロール(DAG)を産生し、これらの両方は、侵害受容器の活性化および感作、ならびに炎症に寄与する。IP3は、ER貯蔵庫からのカルシウム放出を直接トリガーする最も重要で強力なカルシウム放出分子の1つである。炎症、感染症または外傷の間に産生される疼痛およびかゆみ生成化学物質の多くは、IP3経路を使用して、侵害受容器を活性化し、疼痛およびかゆみの感覚を伝達するカルシウム波を生じさせる。DAGは、侵害受容器、ならびに疼痛およびかゆみおよび炎症メディエーターを産生する経路の多くを直接活性化する分子のファミリーである、プロテインキナーゼCの主要なアクチベーターである。PKC阻害は、動物モデルにおいて神経障害性疼痛を予防または逆転させることができるため、PKCはまた重要な侵害受容器の感作物質であることが公知である。PKCはまた、疼痛、そう痒および炎症をトリガーする分子の最も重要な刺激因子の1つであるNF−カッパBを活性化し、神経障害性感作を直接もたらすことができると考えられている。ストロンチウムは、CaSRに結合することによって、その骨粗鬆症の治療上の利点を生じさせるという認識は非常に最近のものであり、さらなるストロンチウム感受性経路が同定される可能性があることを強調すべきである。ヒト侵害受容器が侵害受容器の活性化を調節するCaSRを有するという事実は、局所的に適用されたストロンチウムによるCaSRの活性化が、疼痛およびかゆみ経路をトリガーすることが公知であるCaSRを介して経路を同時に活性化する一方で、重要な疼痛およびかゆみ経路を阻害するストロンチウムの能力によって、低減されたレベルで作動し得ることを示唆する。最も重要なことに、これらのCaSR経路の活性化は、神経障害状態の発生に対する重要な寄与因子であることが公知であるため、ストロンチウムの治療可能性を実質的に損ない得る。

0059

したがって、一実施形態において、したがって神経障害性疼痛、そう痒および炎症を増強することが公知であるCaSR経路を特異的に阻害する分子構成要素を有するストロンチウムをベースとする塩、複合体または処方物を生じさせることが望ましい。

0060

本開示の主要な目標
ストロンチウムと、ストロンチウムにより調節され、かつ疼痛もしくはそう痒の全体的な低減、または患者への他の利点を生じさせる、例えば、神経障害性疼痛またはそう痒性状態を予防または逆転させる経路を特異的に標的とする他の分子とを合わせることによって複数の侵害受容器経路を阻害することは本開示の1つの目的である。ストロンチウムと、ストロンチウムによって調節される経路であるが、ストロンチウムによって調節されるものと異なるステップの阻害または刺激をまたもたらす他の分子とを合わせることは本開示の別の目的である。いくつかの侵害受容器経路は固有に阻害性であり、阻害される場合、全体的な結果は侵害受容器の刺激であり得ることに留意することが重要である。この理由のために、「ストロンチウムによって調節される経路」という用語は、ストロンチウムまたはストロンチウムと合わされる分子の全体的な効果が、特定の侵害受容器経路を刺激または阻害し得るという事実を表すために使用される。ストロンチウムおよび上記分子を、「塩」または「複合体」、例えば、高分子量ポリマー、例えば、ポリアニオン性ポリマー、例えば、アルギン酸、カラギーナン、またはストロンチウムおよびさらなるストロンチウム調節分子とマトリックスを形成することができる他のポリマーとして化学的に合わせることをもたらす化学的様式で、ストロンチウムとさらなる分子とを合わせることは本開示の別の目的である。ストロンチウム塩または複合体を生じさせることによって、ストロンチウム、およびストロンチウムの2つの正の電荷と釣り合う2種の不活性な対イオンを有することと比較して、処方物の容量オスモル濃度は低減する。

0061

その「抗刺激活性」として称される、化学的刺激原および疾患によってもたらされる刺痛感、灼熱痛およびかゆみおよび関連する発赤を選択的に抑制するストロンチウムイオンの固有の能力が存在することは、米国特許第5,716,625号において最初に記載されたため、ストロンチウムと、ストロンチウムによって影響を受ける生化学的経路を増幅する1種または複数の無関係の分子とを合わせ、したがって多くの重篤な状態および疾患を処置するために有用なより強力な治療薬を生じさせることを目的として、どのようにストロンチウムがこの活性を達成しているかを理解しようと試みることが目標であった。これに対して、現在の処置は有意な有効性または安全性の制限を有し、ストロンチウムは十分に強力ではなかった。この試みの結果は、ストロンチウムの観察される治療的プロファイル予測することができる、ストロンチウムにより誘発される調節効果の極端に複雑な組み合わせを明らかにした。最も重要なことに、この理解は、「神経障害性」と一般的に称される状態である神経損傷による疼痛およびそう痒を有効に処置する新規なストロンチウムをベースとする化合物、複合体および処方物をどのように設計するかを示唆した。

0062

ニューロパシーには多くの原因が存在し、これらのいくつかは非常に一般的である。例えば、一般のニューロパシーは、ウイルス感染(例えば、HIV、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV);水痘、および後年に、または免疫抑制に続いて帯状疱疹、および多くの人にとって、典型的には高齢において起こる激烈に有痛性の状態であるヘルペス後神経痛をもたらす)を含む。糖尿病は、グルコースにより誘発される神経損傷、重篤な熱傷、重度の外傷または切断術およびいくつかの薬物、特に、HIVを処置するために使用されるものによる、典型的な灼熱痛の最も一般的な原因である。神経障害性の症状からの有意な軽減を提供することができる利用可能な経口薬物、例えば、ガバペンチン(Neurontin(商標))およびプレガバリン(Lyrica(商標))が存在する一方、これらは全て、患者の25%超において潜在的に有意な副作用、例えば、傾眠めまい感および精神機能の変化を有する。多くの神経障害性の患者は70代または80歳代であり、健康上の限界を既に有するため、これらの副作用は特に問題があり、潜在的に危険であり得る。これは、必要とされる投薬スケジュールへのコンプライアンスの低減、したがって患者の利点の低減をもたらすことが多い。

0063

必要に応じ、医学的な有意な副作用の恐れを伴わずに使用するのに十分に安全であり、および神経障害状態によってもたらされる疼痛およびそう痒を有効に処置することができる有効な局所的薬物、複合体および処方物を生じさせることは本開示の特に重要な目的である。患者が非常に低減したレベルの疼痛またはそう痒を経験するように、神経障害性状態を生じさせる慢性神経変化の発生を予防し、かつ神経障害状態を生じさせた根底にある生化学的変化を有意に逆転させることはまた本開示の目的である。いくつかのタイプの神経障害状態について、神経変化および損傷は、患者がもはや疼痛またはそう痒によって悩まされないポイントまで十分に低減し得る。

0064

したがって、本開示の複合体および処方物は、神経障害状態を処置するストロンチウムの能力を増強し、一般に下記の目標を達成する。

0065

1.細胞内グルタチオン酸化させる刺激は、複数の侵害受容器活性化経路をトリガーする
神経障害状態の発生の間の侵害受容器の活性化をもたらし得る多くの状態のうち、侵害受容器の酸化還元状態は、存在する最も強力な急性および慢性の侵害受容器の活性化刺激いくらかを生じさせることができる。細胞を、複数の炎症性および細胞保護的免疫アクチベーターが活性化されている防御的状態へと変換することをもたらす、最も重要な調節シグナルの1つは、還元型グルタチオン酸化型グルタチオンの細胞内の比である。グルタチオンは、最も豊富な細胞内チオール抗酸化剤であり、細胞をトリガーして、強力な炎症メディエーターを合成させ、かつ事実上全ての免疫系炎症性細胞を活性化させる遺伝子を順次活性化させる、最も重要なシグナル発生器の1つである。還元型グルタチオンであるGSHと酸化形態であるGSSHの比は、通常9対1またはそれ超である。細胞が外傷、感染症、炎症または炎症メディエーター、電離放射線または一般的な「細胞ストレス」に曝露されたとき、還元型グルタチオンの量は急落し、100を優に超える炎症メディエーター、炎症促進性サイトカイン(例えば、TNF−アルファ、IL−1、IL−6および多くの他のもの)、ならびに炎症性免疫細胞を誘引および活性化するサイトカインの合成を最終的にもたらす遺伝子活性化の複数のカスケードを直接トリガーする。これらの全ては、疼痛およびそう痒性のシグナルを伝達する侵害受容器を感作および活性化し、神経原性炎症性経路によるこれらの炎症性カスケードを順次増幅する。炎症および免疫防御の細胞の最も重要なレギュレーターの多くは、細胞のGSH濃度の低減に対して非常に感受性であり、低いGSH/GSSG比によって直接活性化されるが、これは、細胞が酸化的酸化還元状態にあることを示す。

0066

恐らく、これらの酸化還元感受性調節経路の最も重要なものは、NF−カッパBである。この分子は、侵害受容器を直接活性化し、かつこのように侵害受容器の長期間の感作および神経障害性状態への変換を増大させるメディエーターを分泌する炎症性細胞を誘引する、TNF−アルファ、ならびに炎症性インターロイキンおよびケモカインの多くを含めた最も重要および強力な炎症アクチベーターの合成を直接的または間接的に誘発することに関与している。

0067

NF−カッパBは複数の炎症性経路の活性化のための「最終の共通経路」として作用するため、NF−カッパBの活性化を低減またはブロックする物質は、実質的および広範な抗炎症活性を有し、炎症性経路の多くの形態の免疫系が媒介する活性化をブロックする。NF−カッパBはまた、酸化的細胞内環境、すなわち、還元型グルタチオン(GSH)と酸化型グルタチオン(GSSG)の比が最小化される環境によって直接活性化される多くの調節分子の1つである。この酸化的環境は、NF−カッパBを直接活性化し、NF−カッパBは、侵害受容器活性化メディエーターおよびサイトカインの合成を大いに増大させる。

0068

皮膚中に終末を有する末梢侵害受容器、ならびにDRGおよび脊髄における中枢の侵害受容器の両方は、連続的な活性化によって感作されるようになるため、NF−カッパBの活性化は、神経障害性感作の重要および重大な刺激因子である。

0069

2.微生物によるトール様受容体の活性化は、侵害受容器を感作および活性化するNF−カッパBによる遺伝子転写を活性化する
ケラチノサイトは表皮細胞の約90%を構成し、侵害受容器の活性化をもたらすことができる多くの受容体を有する。最も重要であるのは、細菌、真菌およびウイルスの保存された分子構造を認識する分子であるトール様受容体(TLR)である。TLRは、活性化の際に、複数の炎症性経路および侵害受容器活性化経路をトリガーし、これらの全てはNF−カッパBの活性化をもたらす。

0070

3.NF−カッパBの活性化は、炎症性細胞を誘引するケモカインを産生する
NF−カッパBの最も重要な結果の1つは、典型的には血液中の全てのWBCの50%超を構成する血液由来の白血球(WBC)である好中球を誘引および活性化する、IL−8を含めたケモカインの産生を刺激することである。好中球は、任意のタイプの外傷、感染症または炎症プロセスに対する第1のレスポンダーであり、トリガー部位において大量に蓄積する。IL−8および他の炎症メディエーターによる活性化の際に、好中球は、大きなレベルの強力な酸化剤である活性酸素種(ROS;例えば、スーパーオキシド、過酸化水素、一酸化窒素および次亜塩素酸)を生成する。これらは侵害受容器を含めた細胞からGSHを急速に枯渇させ、したがってNF−カッパBの酸化的活性化、ならびに侵害受容器を直接活性化する事実上全ての炎症性経路を増幅するように作用する、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼCおよびマイトジェン活性化プロテインキナーゼを含めた多くのキナーゼの活性化を促進する。

0071

これらの複数の独立した炎症性経路および炎症性細胞の活性化は、神経障害性感作および神経障害性疼痛およびそう痒の発生に寄与する侵害受容器の激烈な活性化をもたらす。

0072

侵害受容器のこのような活性化はまた、侵害受容器が、肥満細胞の活性化、ならびにヒスタミン、TNF−アルファ、IL−1、IL−6、IL−8、および侵害受容器をさらに活性化する多くのさらなる炎症性物質の放出を直接トリガーする、サブスタンスPを放出することをもたらす。複数の炎症性経路および侵害受容器活性化経路の同時の活性化によって、神経障害性疼痛およびそう痒を直接もたらすことが公知である、侵害受容器の活性化の正味の増幅が存在する。

0073

4.ストロンチウム、および2種の対イオンであるシステインをベースとする抗酸化剤およびポリヒドロキシフェノールの複合体は、複数の独立したステップにおける複数の炎症性経路を相乗的様式でブロックすることによって、侵害受容器の活性化をブロックする
上記のように、侵害受容器内の細胞内カルシウム動態を妨害することによって、ストロンチウムは事実上、最終的に疼痛およびそう痒の意識的な認識を生じさせる疼痛およびそう痒性のシグナルを含有する正常なカルシウムコード化シグナルをゆがめる。ストロンチウムはまた、NF−カッパBの活性化および持続する侵害受容器の活性化をもたらす炎症をトリガーするキナーゼを含めた侵害受容器経路を通常活性化する多くの重大なカルシウム依存性経路に結合する。

0074

2種の対イオンは、ストロンチウムによって阻害される同じ炎症性経路における異なるステップで作用し、それゆえストロンチウムの基礎の抗刺激活性および侵害受容器保護活性を事実上増幅する。これらの2種の特定の対イオンの重要なストロンチウム増幅活性の例を、下記で考察する。

0075

A.システインをベースとする抗酸化剤は、侵害受容器を活性化する複数のストロンチウムによって調節される炎症性経路を阻害する
皮膚へのシステインをベースとする抗酸化剤の局所的適用の際に、システインをベースとする抗酸化剤のアセチル基は急速に除去され、遊離システインが残る。システインは、還元型グルタチオン(GSH)の合成を制御する律速アミノ酸である。したがって、皮膚へのシステインをベースとする抗酸化剤の投与は、GSHの濃度を急速に増大させ、かつ酸化型グルタチオン(GSSG)の細胞内濃度を低減させ、それゆえ侵害受容器の酸化還元状態を正常化する。これは、NK−カッパBの活性化および多くの他の酸化還元感受性炎症性経路の活性化を阻害する即時の効果を有し、それゆえ直接的および間接的の両方の経路によって侵害受容器の活性化を低減させる。システインをベースとする抗酸化剤はまた、神経障害状態に直接寄与することが公知である炎症性キナーゼに共有結合し、炎症性キナーゼを活性化する一酸化窒素の能力を抑制するこれらのチオール(SH基)によって独特の抗酸化剤活性を有する。システインをベースとする抗酸化剤はまた、炎症性経路を活性化する他の酸化剤を直接不活性化し、最も重要なことに、これらは、侵害受容器の活性化を阻害する。システインをベースとする抗酸化剤とストロンチウムとを合わせることによって、侵害受容器の活性化の最も重要な調節制御の1つが、侵害受容器の酸化還元状態を高いGSH/GSSG比にシフトさせることによって低減される。

0076

そのチオール基によって、システインをベースとする抗酸化剤はまた、侵害受容器の活性化に寄与する炎症性経路の一部である分子内のシステイン残基のチオール基に直接結合する能力を有する。多くのチオール感受性調節分子が存在するため、システインをベースとする抗酸化剤は、このような分子中の重大なシステインの酸化をブロックし、したがって炎症および侵害受容器の活性化の増大をもたらす活性化をブロックする能力を有する。多くの酸化還元感受性システインによって調節される経路について、侵害受容器内のカルシウムの濃度は増大し、多くの他の侵害受容器アクチベーターと同様に、結果として生じたカルシウム濃度をコード化した疼痛、そう痒および活性化シグナルは、神経障害状態の形成および長期間の継続に寄与する。このようなシステイン酸化により誘発されるカルシウム放出をブロックすることによって、システインをベースとする抗酸化剤は、カルシウムコード化シグナルを同様に阻害するストロンチウムの固有の能力に寄与するが、これは非ストロンチウム機序によってである。別個の機序を有するカルシウム依存性シグナルをブロックすることによって、全体的な侵害受容器阻害活性は増大される。

0077

B.ポリヒドロキシフェノールは、侵害受容器を活性化する複数のストロンチウムによって調節される炎症性経路を阻害する
システインをベースとする抗酸化剤のように、ポリヒドロキシフェノール(polyhydroxyhenol)は、強力な抗酸化剤である。しかし、ポリヒドロキシフェノールは、システインをベースとする抗酸化剤が有さないいくつかの独特の抗酸化機序を有する。ポリヒドロキシフェノールは、システインをベースとする抗酸化剤によって間接的にのみ影響を受ける複数の酸化剤生成経路を阻害するように作用する。複数の独立した抗酸化剤阻害の機序を合わせることによって、組み合わせ中の対イオンは、最大の抗有効性を伴ってNF−カッパBの酸化還元感受性活性化、および酸化剤への曝露によってトリガーされる多くの他の侵害受容器の活性化経路を阻害するように作用する。

0078

本開示の実施における例示的なポリヒドロキシフェノールは、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)である。没食子酸(GA)、および同様に構造化されたポリヒドロキシフェノールは、侵害受容器の活性化の抑制をもたらすストロンチウムによって調節される経路を増幅する、複数の抗炎症性活性、抗酸化活性および炎症性細胞阻害活性を有する。

0079

没食子酸、カフェ酸、ケルセチン、ルテオリン、ミリセチンおよび同様のポリヒドロキシフェノール抗酸化剤のポリヒドロキシフェノール構造は、ストロンチウムによって抑制される侵害受容器活性化経路を阻害することと、神経障害性疼痛およびそう痒状態の発生のために重要であることが公知であるいくつかの重要なキナーゼに結合して、これらを抑制する特異的能力を提供することとの両方の行ういくつかの重要な特性をこのような分子に提供する。

0080

これらの分子は全て、一実施形態において、メタ位およびパラ位フェノール部分上に互いに隣接しており、かつアデノシン三リン酸ATP)の三次元構造を模倣するヒドロキシル基を有する。アデノシン三リン酸は、複数の炎症性経路を活性化し、NF−カッパBを活性化し、かつ侵害受容器を直接活性化するシグナル伝達経路の一部であるキナーゼ、例えば、プロテインキナーゼCおよび他のレギュレーターキナーゼの活性部位に結合するはずの分子である。これらのキナーゼはまた、神経障害性侵害受容器感作および神経障害性疼痛およびそう痒の発生のために必要であることが公知である。

0081

ポリヒドロキシフェノールはまた、NF−カッパBの構成要素に直接結合し、活性化の直接的阻害をもたらす。複数の独立した機序によってNF−カッパBの活性化を阻害する対イオンの能力は、1つのみの機序による阻害より大きな阻害効果を生じさせる。

0082

ポリヒドロキシフェノールはまた、好中球および単球が血管から溢出し、かつ炎症の部位において蓄積することを可能とし、それゆえ侵害受容器の活性化に寄与する、複数の細胞接着分子、例えば、ICAM−1、VCAM−1、およびセレクチン接着分子メンバー発現を阻害する。

0083

ポリヒドロキシフェノールはまた、システインをベースとする抗酸化剤の機序とは別個の機序を有する複数の抗酸化活性を有する。例えば、没食子酸および他のポリヒドロキシフェノールは、スーパーオキシド(supereoxide)、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルおよび次亜塩素酸を直接不活性化し、それゆえこれらが細胞内GSH濃度を低減させることからのシフトを防止する。このシフトが行われると、NF−カッパBおよび他の酸化還元により活性化される炎症性調節分子、および侵害受容器を直接活性化する分子を活性化する。

0084

ポリヒドロキシフェノールはまた、低濃度の第一鉄(Fe2++)および銅(Cu++)が強力な炎症アクチベーターである非常に毒性および炎症性のヒドロキシルラジカルを触媒的に生成する、フェントン反応を阻害する独特の能力を有する。

0085

一実施形態において、ポリヒドロキシフェノールは、没食子酸、ケルセチン、カフェ酸、ミリセチン、およびルテオリン(leutolin)からなる群より選択される。このような分子は、皮膚中に存在する最も重要な炎症性分子の1つである肥満細胞に対して強力な阻害活性を有する。肥満細胞は、体中の真皮および粘膜下組織中に存在し、事前形成された炎症メディエーター、例えば、ヒスタミン、TNF−アルファ、IL−1、IL−6の最も重要な供給源の1つである。

0086

IL−8ならびに20超の他のケモカインおよび炎症メディエーターがあり、これらの全ては、侵害受容器を直接的または間接的に活性化する。侵害受容器の活性化はまた、肥満細胞、好中球および全ての他のタイプの炎症性白血球を直接活性化するC型侵害受容器からのサブスタンスP放出の主要な刺激因子である。侵害受容器の活性化、サブスタンスP放出、および肥満細胞の活性化のポリヒドロキシフェノール阻害を阻害するストロンチウムの組み合わせた能力は、炎症および侵害受容器の活性化に対して強力な相加的相乗的阻害活性を提供する。

0087

システインをベースとする抗酸化剤およびポリヒドロキシフェノールの両方はさらに、プロスタグランジンおよびロイコトリエン、特に、PGE2およびLTB4の強力な阻害剤である。PGE2は、事実上全ての炎症状態において合成される最も重要な侵害受容器感作物質の1つである。LTB4は、外傷、刺激作用、感染症および炎症の部位において大量に蓄積する最初の細胞であり、かつ侵害受容器の活性化の最も重要なトリガーの中の1つである、好中球の最も重要な誘引物質およびアクチベーターの1つである。各クラスの対イオンは、異なる機序によってプロスタグランジンおよびロイコトリエンの合成を阻害する。

0088

両方の対イオンはまた、ストロンチウムによって刺激されるいくつかの炎症性経路および侵害受容器活性化経路を阻害する重大な能力を有し、それゆえ急性および慢性の疼痛ならびにそう痒を阻害し、かつ神経障害状態の発生のために重要であることが公知である侵害受容器の感作を阻害するストロンチウムの能力を潜在的に増強する。

0089

特に、侵害受容器を含めた細胞上のカルシウム感受性受容体(CaSR)を活性化するストロンチウムの能力は、プロテインキナーゼA、プロテインキナーゼCおよびNF−カッパBを活性化することが公知である。これらの分子のそれぞれの活性化は、侵害受容器の活性化およびニューロパシーの発生に寄与することが公知である。対イオンは、このような活性化を制限する。実際に、システインをベースとする抗酸化剤およびポリヒドロキシフェノールの組み合わせは、複数の独立した機序によってこれらのストロンチウムにより活性化される分子のそれぞれの活性化を阻害し、よって、取り消されなければその全体的な抗刺激活性、および神経障害状態の発生および維持を阻害する能力を制限するストロンチウムの望ましくない活性を取り消す。

0090

ストロンチウムと、本明細書に記載されている対イオンとを合わせることによって、結果として生じた複合体は、複数の重複したおよび別個の機序によってストロンチウムによって阻害される同じ侵害受容器活性化経路の多くのより効率的な阻害剤である。最終的に、これらのストロンチウム増幅分子の組み合わせはまた、疼痛、そう痒、および神経障害性疾患の発生に寄与するストロンチウムにより活性化される経路を阻害する。

0091

また意図されるのは、ストロンチウムとポリヒドロキシフェノールの混合物との組み合わせを組み込んだ組成物である。1種より多いポリヒドロキシフェノールを使用することは、それぞれのポリヒドロキシフェノールの差次的な活性によって相乗効果を有する。この相乗効果は、これらに限定されないが、疼痛、そう痒、および神経障害性疾患の発生が含まれる感覚刺激作用の処置において増強された有効性を有することが意図されている。一実施形態において、混合物は、モノフェノールおよびポリフェノールのポリヒドロキシフェノールを含む。一実施形態において、混合物は、モノフェノールおよびビフェノールのポリヒドロキシフェノールを含む。別の実施形態において、混合物は、モノフェノールおよびトリフェノールのポリヒドロキシフェノールを含む。別の実施形態において、混合物は、ビフェノールおよびトリフェノールのポリヒドロキシフェノールを含む。別の実施形態において、混合物は、モノフェノール、ビフェノール、およびトリフェノールのポリヒドロキシフェノールを含む。別の実施形態において、混合物は、モノフェノール、ビフェノール、またはトリフェノールのポリヒドロキシフェノールを伴うATP類似体を含む。また別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールの混合物は、没食子酸およびカフェ酸である。別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールの混合物は、ミリセチンおよびカフェ酸である。別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールの混合物は、ミリセチンおよび没食子酸である。別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールの混合物は、ミリセチン、没食子酸、およびカフェ酸である。

0092

本開示の複合体
本開示の組成物および処方物は、2つの一般設計および治療上の目標を有する:(1)神経障害性処置に対するストロンチウムのマイナスの影響を低減させること;および(2)ニューロパシーの処置のためのストロンチウムの有益な活性を増大させること。

0093

ストロンチウムが最初に商品化された後、ストロンチウムは多くの商業的用途において安全および有効であった一方、ストロンチウムはその潜在的な治療上の有用性を最終的に制限するいくつかの欠陥を有することが明らかになった。例えば、処方物中の2〜6%の濃度でのストロンチウムは、処置された皮膚が損傷されているか、または外傷、化学曝露、感染症もしくは疾患によって損傷された「バリア」を有する場合、一過性の刺痛感を頻繁にもたらした。乳児および失禁をする人の両方の「おむつかぶれ」を有する患者は通常、4%または6%ストロンチウム処方物を使用したときに、刺痛感として記載される激烈な疼痛を5〜10秒間経験した。有害ではない一方、これは多くの乳児にとって許容できなかった。同様に、より高い濃度でのストロンチウムは、熱傷、切り傷、または引っかき傷によってかなり剥離した皮膚に適用されなかった。エマルジョンをベースとするローション剤またはクリーム剤を開発する試みは、エマルジョンを生じさせる超静電力を乱す、電解質、例えば、ストロンチウムおよびその対イオンの固有のエマルジョン不安定化効果によって制限された。

0094

一実施形態において、本開示の組成物は、少なくとも3種の構成要素を含有する3つの部分からなる複合体であり、このうち、1種の構成要素は、ストロンチウムである。別の実施形態において、本開示の組成物は、少なくとも2種の構成要素を含有する2つの部分からなる複合体であり、このうち、1種の構成要素は、ストロンチウムである。3つの部分からなる複合体および2つの部分からなる複合体の構成要素を、下記で考察する。

0095

A.ストロンチウム
ストロンチウムは、二価のカチオンとして存在する。ストロンチウムは、その一般に使用される原子記号である「Sr」によって示され、下記に示す。

0096

ストロンチウムは、カルシウムが電位依存性カルシウムチャネルを通過する能力を模倣する。したがって、ストロンチウムはいくつかの受容体への結合についてCa++と競合し得る。カルシウムは、神経伝達物質の放出を調節することによって疼痛プロセスにおいて役割を果たしていると考えられ、それゆえストロンチウムの鎮痛効果は、神経細胞へのカルシウムの結合を防ぐことにあり得る。

0097

ストロンチウムは、1〜100g/lの範囲で室温で水溶性である無機または有機塩として利用可能である。無機塩には、例えば、塩化ストロンチウム硫酸ストロンチウム炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、水硫化ストロンチウム酸化ストロンチウム酢酸ストロンチウムなどが含まれる。有機塩は、例えば、負に荷電している有機酸、例えば、モノ−、ジ−、トリ−もしくはクアトロ−カルボン酸、または2〜30個の炭素原子の直鎖状もしくは分岐状の炭素鎖、およびそこに付着した1個もしくは複数個アミノ基を有し得るアミノカルボン酸を含む。アミノカルボン酸は、天然または合成のアミノ酸であり得る。有機ストロンチウム塩の例には、例えば、グルタミン酸ストロンチウム、アスパラギン酸ストロンチウム、マロン酸ストロンチウムマレイン酸ストロンチウム、クエン酸ストロンチウム、トレオン酸ストロンチウム(strontium threonate)、乳酸ストロンチウム、ピルビン酸ストロンチウム、アスコルビン酸ストロンチウム、アルファ−ケトグルタル酸ストロンチウムまたはコハク酸ストロンチウムが含まれる。ストロンチウム塩の他の例、およびその調製方法は、例えば、米国出願公開第2010/0048697号において見出すことができる。

0098

有機塩の形態で、対イオンは、ストロンチウム複合体を形成するために、ストロンチウムに対して、本明細書に記載されている抗酸化剤および/またはポリヒドロキシフェノールより高い親和性を有することができないことを理解すべきである。

0099

B.ポリヒドロキシフェノール
ポリヒドロキシフェノールは、好ましくは、オルト位およびパラ位にある少なくとも2個のヒドロキシル基を有するフェノール化合物である。1つの例示的な化合物は、また没食子酸と称される3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸である。「ポリヒドロキシフェノール」という用語は、カルボン酸、例えば、ラネリック酸塩(ranelate)を含まない。

0100

ポリヒドロキシフェノールは、本質的に精製した形態で本明細書に記載されている組成物に加えることができるか、またはこれらはポリヒドロキシフェノール含有植物抽出物、例えば、緑茶および大豆抽出物の形態で加えることができる。

0101

フラボノイドは、15個の炭素原子;直鎖状飽和の3つの炭素鎖によって通常一緒に接合された2つの6炭素ベンジル環を有するポリフェノール化合物である。他のフラボノイド(flavinoid)は、第3の5または6炭素の環構造によって一緒に接合している2つのベンジル環からなり得る。フラボノイドは、高等植物中の最も特徴的なクラスの化合物の1つを構成する。多くのフラボノイドは、顕花植物中の色素として容易に認識される。

0102

ポリヒドロキシフェノールはまた、抗酸化剤として機能し得る。例えば、没食子酸は、抗酸化活性を有するトリ−ヒドロキシフェノール構造である。モノマーのフェノール化合物は、例えば、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)およびカフェ酸を含む。両方の化合物は、糖部分、例えば、グルコースでエステル化され得るカルボン酸基を有する。没食子酸の場合、このようなエステル化によって、グルコガリン(glucogallin)が生じる。他の有機エステル、例えば、没食子酸のエチルエステル没食子酸エチル、または没食子酸のプロピルエステル没食子酸プロピルはまた、有効であり得る。

0103

本開示によってまた意図されるのは、必ずしもそうではないが典型的には、同じ構造を有する2つ以上の芳香族環を有するポリマーのフェノール化合物である。1つのこのような例は、レスベラトロール(reservatrol)である。別の例は、1個のグルコース分子にエステル化された5個の没食子酸残基からなるペンタガロイルグルコースである。この分子は、個々の没食子酸残基を遊離させる非特異的エステラーゼによってインビボで切断される。没食子酸の5個の別々の分子の使用によって生じる5単位の浸透圧活性と比較して、ペンタガロイルグルコースの1個の分子は1単位の浸透圧活性を生じさせるため、このような形態のポリヒドロキシフェノール化合物の使用は、浸透圧活性を低下させるさらなる利点を有する。

0104

タンニン酸は、高分子量没食子酸ポリマーの別の例であり、ここでは、1個または複数個のエステル化された没食子酸残基は、中心のグルコース分子にエステル化される。

0105

エラグ酸は、没食子酸二量体(dimmer)の一例である。この分子は、没食子酸様フェノール構造をもはや有さない一方、この分子は、没食子酸と同じ生物活性を多く維持し、したがって本開示の実施において有用である。

0106

フラボン骨格を有する化合物には、例えば、ケルセチン、およびエピカテキン(EC)およびその誘導体、例えば、エピガロカテキンガレート(緑茶において見出されるEGCG)、エピガロカテキン(EGC)およびエピカテキンガレート(ECG)が含まれる。

0107

他のポリヒドロキシフェノール化合物には、例えば、ミリセチン、ルテオリン、ナリンゲン、ゲニステインおよびノルジヒドロアイレチン酸(NDGA)が含まれる。

0108

特定の一実施形態において、有用なポリヒドロキシフェノールはまた、1個または複数個のカルボキシル基、例えば、没食子酸およびカフェ酸を示す。カルボキシル基は、さらなる対イオンとしての機能を果たすことができ、また任意選択のポリアニオン性ポリマーと共のマトリックス形成を支援する。

0109

別の実施形態において、本開示の実施において有用なポリヒドロキシフェノールは、プロテインキナーゼC(PKC)アイソザイム、および特に、PKCイプシロンの阻害剤である。ストロンチウムは、PKCのための補助因子としてカルシウムの効果を模倣することができるため、これはストロンチウム−ポリヒドロキシフェノール複合体に特に当てはまる。例えば、ルテオリンおよびケルセチン(quercitin)は、PKCアイソザイムを阻害することが公知である。例えば、Cancer Res.70巻(6号):2415〜2423頁(2010年);およびBiochem. Pharmacol.38巻:1627〜1634頁(1989年)を参照されたい。またこれらの論文の両方によって記載され、示されているように、化合物によるPKCの阻害の程度を決定するための方法は、製薬技術において公知である。本明細書において使用する場合、ポリヒドロキシフェノールは、PKCの活性の10%以上を抑制する場合、PKC阻害剤であると考えられる。

0110

さらに別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールおよびこれらの対応するストロンチウム複合体は、カルモジュリンの公知の阻害剤である。より特定すると、これらは、カルモジュリンによって促進されるホスホジエステラーゼ活性を阻害する。例えば、フラボノイド、例えば、カテキン、エピカテキン、ケルセチン、カフェ酸およびナリンゲニンによるカルモジュリンによって促進されるホスホジエステラーゼ活性の阻害について記載しているPlant and Cell Physiol.26巻(1号)201〜209頁(1985年)を参照されたい。本明細書において使用する場合、ポリヒドロキシフェノールは、カルモジュリンの活性の10%以上を抑制する場合、カルモジュリン阻害剤であると考えられる。

0111

さらに別の実施形態において、ポリヒドロキシフェノールおよびこれらの対応するストロンチウム複合体は、公知のATP類似体である。これは、ATP類似体がプロテインキナーゼATP結合部位についてATPと競合するという点で、これらのATP類似体がプロテインキナーゼを阻害する機序であり、これによってプロテインキナーゼが活性となることを防ぐ。様々なATP類似体、例えば、フラボノイドの活性の研究は、文献において公知である。例えば、ATP依存性活性に対するフラボノールの効果を研究したPhytochemistry Reviews、1巻:325〜332頁(2002年)を参照されたい。

0112

C.システインをベースとする化合物
システインは、3文字アミノ酸コードであるCysと略される。化学において、チオール基は、2個の基に共有結合をしている硫黄を含有する。(1)「C」と示される炭素であり、または炭素が、炭素原子のより長い鎖の一部である場合、文字「R」が使用されて、この炭素鎖を示すことが多い。(2)共有結合によって炭素原子に付着しているのは、チオール基の第2の部分である水素原子であり、その原子記号である「H」によって示される。損なわれていないチオール基は、したがって「−SH」と示され、ここでは、SH基は炭素に結合し、一般に「−C−SH」と示され、または−SHチオール基が炭素原子の鎖に付着している場合、R−SHが一般に使用される表現である。チオールはまた、水銀元素に強力に結合するこれらの能力に関連してメルカプタンと称される。このように、ラテン用語である「mercurium captans」は、「水銀を捕捉すること」を文字通りに意味する。

0113

「システインをベースとする化合物」という用語は、システインおよびシスチンを含む。代わりに、システインをベースとする化合物は、システインのアミノ基においてアセチル化され、アセチルシステインまたはNACと一般に略されるN−アセチル−システインが生成される。システインは、「L−システイン」および「D−システイン」と示される2つの鏡像異性形態で存在し、このうち、L形態は、生きている生物中で使用され、一方、D形態はそうではない。LおよびD形態の両方が本開示において意図される一方、アセチルシステインのL形態、すなわち、NACが最も好ましい。NACのD形態が意図される場合、これはD−NACと称される。さらに、L−CysおよびD−Cysの両方は、2個のチオール基の間にジスルフィド結合を形成し、文字通り1対のCys分子である「二量体」を形成することができる。このようなジスルフィド結合は、多くのタンパク質において起こり、酸化プロセスによるジスルフィド結合の可逆的形成、および還元的プロセスによる分解の容易さのために、生化学的経路における重大な調節的役割を果たしている。慣例により、システインのジスルフィド結合二量体は、シスチンと称される。このように、適当な還元条件または酵素的プロセシング下の1個のシステイン分子は、2個のシステイン分子を生じさせる。シスチンは、2個のL−Cys分子、2個のD−Cys分子、または1個のL−Cys分子および1個のD−Cys分子から形成することができる。別の例示的なシステインをベースとする化合物は、N,S−ジアセチルシステインである。このような改変体の全ては本開示内に組み込まれている。

0114

D.芳香族アミノ酸
芳香族アミノ酸は、これらの側鎖中に芳香族環を有する。芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびヒスチジンである。グリシン以外の全てのアミノ酸は、キラルである2つの異性体を有し、「D」および「L」と称される。L形態は、生きている生物において優勢な形態であり、タンパク質を構築するために使用される形態である。芳香族アミノ酸のDおよびL形態の両方は本開示において意図される一方、L形態が好ましい。

0115

芳香族アミノ酸は、ストロンチウムおよびカルシウムへの受容体反応を増大させる薬剤として作用する。芳香族アミノ酸が結合する部位は、ストロンチウムおよびカルシウム結合部位と異なる。

0116

E.切断可能な結合
一実施形態において、本開示の複合体は、3つの部分からなる複合体においてポリヒドロキシフェノール、およびシステインをベースとする化合物を一緒に接合する切断可能な結合を利用する。3つの部分からなる複合体においてポリヒドロキシフェノール、およびシステインをベースとする化合物を一緒に接合する切断可能な結合を使用する複合体は、化合物の「結合体化された」形態と称される。

0117

上記に定義されているように、切断可能な結合は、2個の分子を一緒に接合する化学結合であり、これはその後壊され、したがって2個の分子を互いから解放することができる。本開示は、当技術分野において公知の切断可能な結合を使用することを意図し、これらの例には、これらに限定されないが、ペプチド結合、チオエステル結合、酵素的に切断可能な結合、ジスルフィド結合、pH依存的結合、および他の共有結合が含まれる。

0118

本開示における切断可能な結合の使用は、より活性でない形態の化合物を生じさせ得、これは活性形態に変換することができる。より活性でない形態を使用する利点は、当技術分野において公知である。例えば、より活性でない形態を使用して、化合物の安定性を増強させ、貯蔵寿命の延長またはより大きな範囲の貯蔵温度を可能とし得る。より活性でない形態をまた使用して、化合物が活性となる前にその標的目的地に達することを確実にし得る。

0119

本開示における切断可能な結合の使用は、複合体の性能を改善し得る他の利点を提供する。例えば、結合体化された形態を使用して、化合物の容量オスモル濃度を低減し得、人体は、容量オスモル濃度の変化を認識し、疼痛およびかゆみ経路をトリガーする分子センサーを有するため、これは本開示において有用である。結合体化された形態をまた使用して、化合物の溶解度を変化させ、例えば、化合物をより親油性にして、細胞中へのより良好な取込みを可能とし得る。

0120

本明細書において他の場所で記載したように、本明細書において本組成物の容量オスモル濃度を制限することは、有益であり得る。したがって、ポリヒドロキシフェノールを、システインをベースとする抗酸化剤に結合体化させることは、容量オスモル濃度を概ね3分の1低下させ、それゆえ有効性を増強させる。中性またはアニオン性ポリマーを添加することは、複数の3つの部分からなる複合体を1つのポリマーに付着させることを可能にすることによって、容量オスモル濃度をよりさらに低減させる。

0121

一実施形態において、化合物の結合体化された形態の切断可能な結合は、皮膚への化合物の適用の際に切断される。この実施形態の一例は、没食子酸をNACに接合させるチオエステルの使用である。この化合物がヒト皮膚に適用されるとき、皮膚細胞の表面上の非特異的エステラーゼは、チオエステル結合を切断する。

0122

別の実施形態において、化合物の結合体化された形態の切断可能な結合の小さな割合のみが、皮膚への化合物の適用の際またはその後に切断され、化合物の結合体化された形態の大部分は、細胞に取り込まれ、ここで切断可能な結合は切断される。化合物の結合体化された形態の取込みは、ストロンチウム塩を皮膚に適用するより、または経口的に摂取するストロンチウムより、高い濃度のストロンチウムが細胞内に存在することを可能とする。

0123

別の実施形態において、切断可能な結合は、切断剤を含有する第2の化合物の適用によって切断される。切断剤は、特異的化学結合を切断する薬剤である。第2の化合物は、化合物の結合体化された形態の適用の直後に皮膚に適用することができるか、または代わりに、2種の化合物は、皮膚への適用の直前に一緒に混合することができる。切断剤の例には、これらに限定されないが、酵素、還元剤、酸化剤、光、およびpHの変化を誘発する化学物質が含まれる。

0124

一実施形態において、本開示の複合体は、1)ストロンチウムの1個の原子;2)没食子酸の1個の分子;3)N−アセチル−L−システイン(NAC)の1個の分子を含む。別の実施形態において、没食子酸およびNACは、チオエステルによって接合され、没食子酸と複合体形成される。

0125

任意選択の成分
1.任意選択の中性またはイオン性ポリマー
A.ストロンチウム処方物の高浸透圧処方物の不安定性
ストロンチウムの抗刺激活性は、二価のストロンチウムイオンによるものである。その二重の正の電荷によって、アニオン性対イオンは、静電荷と釣り合うことが必要であり、したがってストロンチウム塩を生じさせる。多くの可能性のあるストロンチウム塩の中で、好ましい塩は、六水和物としてまたは無水塩形態で、硝酸ストロンチウムおよび塩化ストロンチウムを含んだ。これらの塩の両方において、負に荷電している対イオンである二レート(NO3−)またはクロライド(Cl−)は、処方物のイオン強度および容量オスモル濃度に寄与するが、全体的な抗刺激原の利点には寄与しない。多くの処方物、例えば、ローション剤、クリーム剤およびヒドロゲルは、安定的なエマルジョンまたはヒドロゲルを生成させる要因の繊細な釣り合いに依存するため、高いイオン強度を有する処方物は一般に、安定的なエマルジョンの形成を妨げる。例えば、約6〜7%超の硝酸ストロンチウムまたは塩化ストロンチウム六水和物(約2%のストロンチウム元素と等しい)が組み込まれているエマルジョンは、不安定であり、分離する傾向がある。同様に、約12%〜13%超(約4%のストロンチウム元素と同等である)のこれらの塩を含有するヒドロゲルはまた不安定である傾向がある。臨床研究は、より高いストロンチウム濃度が臨床上の利点の増大を生じさせることを示してきた。結果的に、高いストロンチウム濃度を有する商業的に許容され安定的な処方物を生じさせることが医学的および商業的に有利である。ストロンチウムの硝酸塩または塩化物塩の3分の2は処方物を不安定化するように作用するイオンを表すため、利用可能な成分を使用してこの目標を達成することは不可能である。

0126

B.高浸透圧処方物はまた、組織物理的に損傷し、疼痛をもたらし得る
高い浸透圧活性(400mOsm超、例えば、400mOsm〜2000mOsm)を有する局所的処方物はまた、繊細な組織を損傷し得、特に、粘膜を有し、または身体外傷、感染症または炎症によって損傷された「バリア機能」を有する角質化していない皮膚において疼痛をもたらし得る。このような高浸透圧が誘発する損傷は、「創傷中の塩効果」として広く公知であり、浸透圧力によって水が細胞および組織から流出し、高浸透圧処方物に入ることをもたらすときこれは起こる。最近の科学報告書はまた、高浸透圧処方物の適用が、容量オスモル濃度センサーとして作用する特定の分子を直接活性化させることができ、活性化されたとき、疼痛を感知する神経、ならびに炎症および細胞損傷を生じさせ得る免疫細胞および非免疫細胞を活性化することを実証する。この最近の理解は、慢性または神経障害性疼痛の発生を予防する目標のために潜在的に重大な重要性を有する。

0127

この観察の潜在的な重要性は、慢性侵害受容器の活性化は、有痛性神経障害状態が発生するために必要とされることが公知であるため、神経障害性疼痛の発生の処置または予防のために重大な重要性を有する。高浸透圧局所的処方物への曝露の際に侵害受容器の活性化をトリガーする複数のイオンチャネルおよび関連する高浸透圧分子センサーが存在するという最近の発見は、処方物の慢性使用が、侵害受容器への合併した慢性または重度の損傷が存在する場合、神経障害性疼痛状態の発生をしやすくし得ることを示唆する。このシナリオにおいて、皮膚への、特に、例えば、膣粘膜または子宮頸部粘膜の繊細な粘膜への高浸透圧処方物の長期間の適用は、侵害受容器の低レベルではあるが長期間の活性化をもたらし、それゆえ侵害受容器の感作に寄与し得る。急性の一時的疼痛状態から慢性持続性の「神経障害性状態」への進行は、継続する過剰な侵害受容器の活性化によると考えられる。継続する過剰な侵害受容器の活性化は、刺激原または侵害受容器の活性化「閾値」とまた称される刺激原による刺激の規模を低減させる遺伝子の発現をもたらし、それゆえ侵害受容器の活性化の増大、ならびに疼痛および/またはそう痒の知覚の増大をもたらす。さらに、これらの遺伝子はまた、侵害受容器をさらに刺激し、したがって増大する感覚刺激作用および炎症の「悪循環」と一般に称されるものを生じさせる、炎症生成分子の合成を増大させ得る。

0128

C.高浸透圧処方物はまた、ヘルペスおよびHIVによる感染を増大し得る
有痛性またはそう痒性の感覚および炎症をもたらすことに加えて、侵害受容器を活性化させる刺激原への低レベルではあるが慢性の曝露は、多数の病原微生物による感染にかかりやすくなり得、これらの内、単純ヘルペスウイルス1型および2型(HSV)ならびにヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、公衆衛生への最も大きな脅威をもたらす。侵害受容器の活性化および随伴する炎症が、なぜHSVおよびHIVによる感染を促進するかについての多くの多様な理由の詳細な説明は、本明細書において詳細に考察されていない一方、本質において、C型侵害受容器による炎症性ニューロペプチド、例えば、サブスタンスPの放出は、角質化した皮膚、およびウイルス感染をブロックする粘膜の膜の両方の解剖学的「バリア」を損傷させることが公知である。結果として生じた炎症はまた、炎症性免疫細胞を活性化させることが公知であり、これは皮肉にも、HSVおよびHIVの両方が急性感染症を引き起こし、そしてHSVの場合、現存する潜伏感染再活性化を引き起こす能力に寄与する。

0129

男性もしくは女性生殖器の粘膜への、または膣、子宮頸部もしくは肛門組織への、例えば、滑沢剤または殺菌剤の高浸透圧局所的処方物の適用は、これらのウイルスの1つ、または感染者からその他の点では健康な人への性感染病をもたらす他の病原微生物を移す可能性を大いに増大し得る。したがって、処方物の容量オスモル濃度を最小化するように設計された高いストロンチウム濃度を有するストロンチウム含有処方物を生じさせることが有利である。最小の浸透圧活性を有するストロンチウム含有分子を提供するために、その分子設計において固有であり、かつ適用することができる治療的に有益なストロンチウムの量を最大化する複数の治療構成要素を有することは、本開示の1つの目的である。

0130

一実施形態において、本開示の組成物は、ストロンチウム複合体、および複合体とイオン性会合をすることができるポリマーを含み、この場合、複合体およびポリマーは、マトリックスを形成する。このようなマトリックス形成は、複合体のバイオアベイラビリティーを増強し、したがってこのような複合体の治療効果を延長する。特に、ストロンチウム複合体がポリヒドロキシフェノールを含むとき、このような化合物は、ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)に対して高親和性を有する。

0131

例えば、PVPは、治療的活性分子の不活性な担体として一般に使用される。PVPポリマーの変動する極性構造によって、PVPポリマーは、そこに原子および分子がイオン力を介して結合し得る複数の反復部位を提示する。イオン性媒質、例えば、水へのそれに続く曝露の際に、結合した物質を長期間に亘って媒質中に放出し得、したがってpHおよび他の調節可能な条件、例えば、温度などの関数として、物質の段階的な放出を促進する。したがって、PVPは「分子レザバー」として作用し、治療物質持続放出を提供する。

0132

PVPポリマーは、その天然形態であり得るか、またはPVPポリマーは誘導体化および/もしくは架橋によって化学修飾され、ポリマーの「放出」特性を調節し得る。

0133

ポリヒドロキシル化フェノール、例えば、没食子酸は、PVPへの高親和性を有する。したがって、PVP、没食子酸および二価のカチオン性ストロンチウムの組み合わせは、投与後のストロンチウムの制御放出を促進する錯イオンのマトリックスを形成する。

0134

このようなポリマーをベースとする組成物はまた、不安定な処方物をもたらし、組織を物理的に損傷し、そして疼痛を引き起こし得る容量オスモル濃度を最小化する。例えば、高い浸透圧活性を有する局所的処方物は、特に、粘膜、または身体外傷、感染症もしくは炎症による損傷された「バリア機能」を有する角質化していない皮膚における繊細な組織を損傷し得る。

0135

中性またはアニオン性ポリマーには、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、シクロデキストリン、カラギーナン、アルギン酸、キサンタンガム、硫酸化多糖、例えば、カラギーナン、デキストランスルフェート、ペントサンポリスルフェート、コンドロイチン(condroitin)硫酸、ヘパリンスルフェートなどが含まれる。

0136

モノマー化合物、例えば、フラボノイド、およびポリマー、例えば、シクロデキストリンの間に形成されるマトリックスは、当技術分野において公知である。例えば、PLoS ONE、6巻(4号):e18033(2011年)を参照されたい。

0137

処方および投与
本開示の複合体を構成する要素を患者に投与することができる、2つの主要な物理的方法が存在する。

0138

方法1:第1の方法において、ストロンチウム、および対イオンであるシステインをベースとする抗酸化剤、ポリヒドロキシフェノール、または芳香族アミノ酸は、単一の複合体を形成し、ここでは、3種の原子および分子の要素のそれぞれは、イオン化学結合によって一緒に結合している。このような結合は、ストロンチウムカチオンの2つの正の電荷によって、および生理学的pH以下で起こる対イオン上に存在する負の電荷によって形成される。イオン結合した3個の分子は、「塩」を形成する。

0139

一実施形態において、塩は、ストロンチウムと、システインをベースとする抗酸化剤およびポリヒドロキシフェノールとを合わせることによって形成される。別の実施形態において、塩は、ストロンチウムと2種のポリヒドロキシフェノールとを合わせることによって形成される。さらに別の実施形態において、塩は、ストロンチウムおよび2種の芳香族アミノ酸を合わせることによって形成される。

0140

一実施形態において、本開示の複合体の3つの部分からなる性質は、負の電荷を有する没食子酸、2つの正の電荷を有する二価のストロンチウム原子、およびその負に荷電しているカルボキシル基を伴うN−アセチル−L−システイン(アセチルシステイン、NAC)によって表される。没食子酸およびNACの両方の負に荷電しているカルボキシル基を取り囲む単一の負の静電場によって、ならびに単一のストロンチウムイオンの2つの正の電荷へのこれらの誘引によって、これらの3個の置換基は、「塩」を形成する。

0141

一実施形態において、対イオンであるシステインをベースとする抗酸化剤およびポリヒドロキシフェノールは、切断可能な結合で一緒に結合体化される。次いで、結合体化された対イオンを、ストロンチウムと合わせる。切断可能な結合は、ストロンチウムカチオンと対イオンとの間で形成されるイオン化学結合を妨害しない、当技術分野において公知の任意のタイプの切断可能な結合であり得る。1つの非限定的例は、没食子酸およびNACと、チオエステル結合で一緒に接合することである。

0142

方法2:本開示の複合体を処方し、動物またはヒト被験体に治療的に投与することができる第2の方法は、薬学的に許容されるビヒクルまたは送達系において別々の置換基を組み込むことによる。3つの部分からなる複合体について、ストロンチウムの1個の原子、システインをベースとする抗酸化剤の1個の分子、およびポリヒドロキシフェノールの1個の分子を、全て薬学的に許容されるビヒクルに加える。2つの部分からなる複合体について、ストロンチウムの1個の原子およびポリヒドロキシフェノールの2個の分子を、全て薬学的に許容されるビヒクルに加える。代わりに、2つの部分からなる複合体について、ストロンチウムの1個の原子および芳香族アミノ酸の2個の分子を、全て薬学的に許容されるビヒクルに加える。単一の原子または分子を、他の原子または分子と一対一ベースで合わせる、すなわち、整数個の原子または分子を合わせるこのタイプの関係は、これらのモルの関係に基づいて言及される。上記の3つの部分からなる複合体の例において、各置換基のモル比は、1:1:1であり、これはストロンチウムの1個の原子+没食子酸の1個の分子+NACの1個の分子を示す。2つの部分からなる複合体の例において、各置換基のモル比は、1:2であり、これはストロンチウムの1個の原子+ポリヒドロキシフェノールまたは芳香族アミノ酸の2個の分子を示す。

0143

別の実施形態において、2つの部分からなる複合体および3つの部分からなる複合体が加えられる薬学的に許容されるビヒクルはまた、ポリマーを含有する。ポリマーの性質によって、ストロンチウムと対イオンの比は、ストロンチウムの1個の分子に対して対イオンの2個の分子である必要はない。ポリマー自体は、ストロンチウムがイオン的に結合する複数の対イオンを提供する。

0144

特定の治療用途のために、生きている生物内で生じるL−システインの代わりにシステインの「D」バージョンを使用することが望ましい場合がある。例えば、L−Cysは、トリペプチドであるグルタチオン、ガンマ−Glu−Cys−Gly(式中、Gluは、グルタミン酸についての共通の3文字のアミノ酸コードであり、Glyは、グリシンのコードである)の合成のための基質として使用される。細胞が利用できるシステインの量は、どれだけのグルタチオンが細胞によって産生されるかを決定する主要な律速因子であるため、システインの量を増大または減少させることによって、細胞内グルタチオン合成を調節することができる。NACが細胞に局所的または全身的に投与されるとき、アセチル基は細胞内で急速に除去され、システインを使用して新たなグルタチオンを生じさせる。

0145

グルタチオンは全ての細胞中に存在する最も豊富および重要な細胞内チオール抗酸化剤であることが公知であり、細胞におけるグルタチオンの量は、炎症促進性サイトカインを含めた強力な炎症性分子を生じさせる遺伝子の細胞活性、機能および活性化の強力なレギュレーターであることが公知である。この理由のために、2個のL−システイン分子と組み合わせた1個のストロンチウム原子、または1個のL−シスチン分子と組み合わせた1個のストロンチウム原子を送達することは特定の状態または疾患のために治療的に有利であり得、これによって細胞内で2個のL−システイン分子に還元され、それによって細胞内のグルタチオンの最大の合成がもたらされる。

0146

他の状態または疾患を処置するために、グルタチオンへの変換のために中間量のL−システインを送達することは有利であり得る。D−システインは、グルタチオンを生じさせるために使用されないが、D−システインは、そのチオール(−SH)基によってその直接の抗酸化活性を保持するため、本開示の実施において確実に有用であり、ここで、D−Cysは、中間レベルの新規なグルタチオン合成しか送達しない一方で、最大レベルの直接のチオールに関連する抗酸化活性を送達する。

0147

特定の改変体は、特定のタイプの状態または疾患を処置するとき治療上の利点を有し得るため、本開示は複合体のこのような改変体の使用を意図する。例えば、HIVに感染した患者における神経障害性疼痛またはニューロパシーそう痒の処置のために、主要な細胞内チオール抗酸化剤であるグルタチオンの細胞内濃度が、さらなる害が患者にもたらされるポイントまで劇的に低減され得ることは周知である。このようなグルタチオンの枯渇は、HIV感染およびHIV治療に伴う潜在的に激烈なそう痒および灼熱痛に寄与する炎症性経路の多くを増悪させると考えられる。システイン、または特に、NACの投与は、細胞内グルタチオンを大いに増大させることが公知であるため、HIVにより誘発されるニューロパシーの処置は、1個超の機能的システイン基を有する複合体改変体を使用することが治療的に好ましくてもよい多くの例の1つである。

0148

本開示の組成物は、疼痛、そう痒、炎症および刺激作用の処置において有用である。例えば、本開示の組成物は、下記について有用である。1)急性感覚刺激作用(アレルギー、虫の咬傷による有毒性の疼痛などによってもたらされる);遅延型反応ツタウルシニッケルアレルギー、疾患、例えば、アトピー性皮膚炎乾癬によってもたらされる);電離放射線(日焼け、治療用x線によってもたらされる);ならびに化学的に誘発される刺激原(例えば、クリーニング用品(cleaning supply)、脱毛処置、ガソリン)による角質化した皮膚を処置すること、ならびに2)神経障害性疼痛、例えば、ヘルペス後神経痛、帯状疱疹、神経損傷、神経の過剰感作断端痛、糖尿病性ニューロパシーなどを処置すること。

0149

本組成物が有用である状態の他の例には、例えば、ヘルペス、HIV、かゆみ、炎症、目の刺激作用、避妊具刺激作用、熱傷、皮膚損傷、経口刺激作用、放射線化学熱傷、創傷、糖尿病性潰瘍などが含まれる。

0150

下記の実施例は、種々の状態(いくつかは急性傷害または刺激に反応して起こり、その他は、慢性および/または神経障害性の起源を有する)によってもたらされる疼痛およびそう痒を処置するストロンチウム、ポリヒドロキシフェノール、およびシステインをベースとする抗酸化剤の組み合わせの能力を実証する。上記のように、これらの組成物によって抑制される疼痛またはそう痒を伝達する侵害受容器は、体中に存在し、これらの最も末梢の終末は、角質化した皮膚、ならびに目、口、咽頭食道および胃腸管、気道および尿生殖路において粘膜で覆われている上皮表面の一番外側の生存している表面を裏打ちする。

0151

下記の実施例1は、口における疼痛を処置するための本明細書に記載されている複合体の使用を記載する。これは、このような組成物が、例えば、感染症、外傷、化学的刺激原への曝露、悪性疾患による口腔および咽頭の潰瘍、ならびに咽頭において起こる疼痛(「咽頭炎」)、アフタ性潰瘍、および単純ヘルペス感染症におけるように、侵害受容器自体においておよびその周りに起こる感染症を含めた多くの他の有痛性口腔状態のために有効な疼痛処置であることの特に重要な指標である。

0152

全てのこれらの状態において、C型侵害受容器を活性化する多くの異なる状態および刺激が存在する。たとえどんな近位の刺激がTCNの活性化をもたらそうとも、起こり得る2つのみの反応が存在する:灼熱感、刺痛感またはピリピリ感(tingling)と記載されることが最も多い痛い感覚、かゆみ、または時折これらの感覚の両方である。下記の実施例1および2が示すように、本開示の複合体は、ひびの入った歯による口腔、粘膜、歯、骨および周囲構造への身体外傷によってもたらされる疼痛、ならびにそれに続く歯肉粘膜外科切除抜歯および歯槽の骨に付着した歯根の切除、および縫合からの重度の身体外傷をもたらした、2個の隣接する臼歯のそれに続く抜歯、ならびに歯髄を神経支配する疼痛を感知する神経、ならびに隣接骨および軟部組織における疼痛を感知する神経の外傷および破壊からの疼痛を抑制することにおいて非常に有効である。

0153

これらの臼歯の抜歯および付随的な外科手術は、歯、歯肉、粘膜および骨における侵害受容器の活性化をもたらしただけでなく、全ての外傷および炎症において起こるように、好中球は出血および外傷の部位に急速に誘引され、活性化されて、正常な細菌叢手術部位の感染をもたらすことを防止した。付随的な身体外傷によるこのような外科手術において、疼痛をトリガーすることが公知である自然免疫および適応免疫および炎症性経路の全部ではないが大部分は、強力に活性化された。本開示の複合体による局所的処置がこのような急速および完全な疼痛緩和を生じさせた事実は、これがまた中咽頭の多くの他の有痛性状態において、および体の他の一部における外傷または他の炎症誘発プロセスによって生じた疼痛において有効な鎮痛剤であることを強く示唆する。処置を受けている組織上に細胞の角質化した層が存在すること、または存在しないことは、疼痛、そう痒(pruritun)または関連する侵害受容感覚を有効に処置する本開示の複合体の能力に対して関連または影響を有さないことに留意することは重要である。一般に、侵害受容器、および特に、C型侵害受容器が、危険シグナルをカルシウムコード化疼痛およびそう痒性の感覚に変換するという本質的に同じ機能、特性および性能を有するという事実は、このような神経が、本開示の複合体の治療効果に対する本質的に同一ではないにせよ同様の反応性を有することを示唆する。細胞の角質化した層が存在することまたは存在しないことは、局所的に適用された処置、例えば、本開示の複合体の浸透の速度および程度に影響を与える一方、これは疼痛、そう痒または他の侵害受容感覚または神経原性炎症性反応を抑制する複合体の能力を認め得るほどに影響を与えない。

0154

本明細書において実施例によって示されるように、本開示の複合体は、歯への物理的操作または外傷、およびこれらの骨性歯槽(bony socket)への歯の強い付着をもたらす歯と骨の相互作用に反応して起こる疼痛を抑制するのに特に有効である。このような外傷は、特に、歯の操作、例えば、歯科矯正手術、特に、治療上の目標として歯を整え、または別の方法で整列させ、または動かす固定具または他の物理的ワイヤーアタッチメントまたはデバイスを含むものにおいて起こる。事故、手術または疾患からの顔、頭蓋骨、口および中咽頭への身体外傷からの疼痛はまた、本明細書において教示されている複合体の疼痛を低減させる利点に特に反応性である。

0155

実施例1−経口送達
59歳の男性は、2つのひびの入った臼歯(左下の一番後ろおよび隣接した歯)を経験し、これは2つの一時的なクラウンを従前に装着することを必要とした。どちらのクラウンも完全に液密ではなく、摂取した液体はクラウン下を透過し、両方の臼歯における曝露された歯髄神経に直接接触した。

0156

クラウンを装着した後のある日、ディピクルスを食べた約1分以内に、被験体は、激烈かつ絶え間ない疼痛を経験した。0〜10ポイントの疼痛スケール(10は可能性のある最悪の疼痛である)で、疼痛レベルは5〜6分以内で10に増大し、絶え間なく、両方の臼歯および歯肉および臼歯周囲の数インチに亘るから生じているようであった。10分後、疼痛は10のままであり、これは約60分後に0に鎮静した。

0157

6%ストロンチウム元素のみまたは4%ストロンチウム+没食子酸+NACの相対的能力を比較するために、被験体は別のディルピクルスを摂取し、疼痛は上記と同一の様式および質で戻った。

0158

6%ストロンチウムのスプレーティースプーンによって適用し、勢いよくすすぐ動作で両方の臼歯を飽和させ、クラウンの間および周りに液体を押し付けるために使用した。次いで、液体をによって保持した。約60秒後、ティースプーンによる第2の適用物を適用し、舌で60秒間のみ保持した。

0159

10であった疼痛レベルは2〜3分間は変化せず、次いで、4〜5分に亘り6〜7に低減した。これは注目すべきことであり、患者が認識する疼痛の低減であるが、激烈すぎて長期間に亘り許容されなかった。第1のチャレンジとして。10〜12分の間に、疼痛は10に戻った。

0160

口を水ですすいだ後、ストロンチウム単独について記載した様式で、被験体は次いで4%ストロンチウム+没食子酸+NACを適用した。最初の4〜5分について、疼痛の変化はなかった。約5〜6分から開始して、疼痛は減弱し始め、7〜8分までに、疼痛は6〜7まで3〜4ポイントほど低減した。次の3〜4分以内に、疼痛は0に減弱した。疼痛は完全に消失した。疼痛は0レベルで維持された。

0161

その後の連続する4夜の間に、被験体は、2つの臼歯において疼痛の再発を再び経験したが、これは明らかに一連香味のきいた食品によってトリガーされたか、または未同定の食品によるものであった。いずれの場合にも、疼痛は夕食、典型的には調理済み食品を食べた数分以内に始まった。疼痛は均一なプロファイル、質および時間経過を有し、同じ激烈で許容できない10レベルの疼痛に達した。

0162

毎夜、被験体は約5分待ち、次いで部位を6%ストロンチウムのみの処方物で、それに続いて4%ストロンチウム+没食子酸+NACで処置した。6%ストロンチウムへの反応は、著しく一貫していた。疼痛の低減は最初の6〜8分以内にいつも起こり、最大で6〜7に低減した。処置10分後までに、疼痛はいつも10レベルに戻った。

0163

ある夜、6%ストロンチウムのみの処置をすすぐことなく繰り返し、その後疼痛は10に戻り(最初の処置の2〜3分後)、累積的または増強された抗疼痛の利益は観察されなかった。この2回のストロンチウムによる処置によって、疼痛はレベル7または8(注目すべきであるが、許容できないレベル)未満に決して低減しなかった。

0164

口を水ですすいだ後、ストロンチウム+没食子酸+NACによる処置は、非常に一貫したパターンの反応を同様に示した。処置後10〜12分以内に、疼痛は完全に消失し(0レベル)、残りの期間の毎夜にわたり消失し続けた。

0165

知覚麻痺、味覚、触覚または舌の運動強度の変化を含めた副作用は観察されなかった。

0166

数週間後、その59歳の男性において、その後のインプラントに備えて割れた臼歯の両方を抜歯した。ヒドロコドン経口疼痛用薬物を処方し、最大推奨用量および頻度まで使用した。アセトアミノフェンをまた、ヒドロコドン(hyodrocodone)と併せて使用した。

0167

抜歯後のある日、被験体はスープ消費し、これによって激烈な10レベルの疼痛が1〜2分以内にトリガーされた。疼痛は絶え間なくレベル10のままであり、左下のの領域に亘って広がった。

0168

被験体は口をすすぎ歯科医師が供給した洗浄剤を使用して、手術部位を浸したが、疼痛に対する効果はなかった。

0169

次いで、被験体は6%ストロンチウムのみの処方物を適用し、6〜7分で1〜2ポイントの疼痛の低減を経験したが、これは注目すべきであるが臨床的に有効でない。

0170

次いで、ストロンチウム+没食子酸+NACを、従前の様式におけるように適用し、手術の領域に舌で保持した。最初の4〜5分の間に、疼痛の低減も疼痛の増大もなかった。約5分で、疼痛は減弱し始め、8〜9分までに5レベルの疼痛に達したが、これは実質的な低減である。次の2〜3分にさらなる疼痛の低減は観察されず、ストロンチウム+没食子酸+NACを再適用した。約4〜5分後、疼痛はその低減を続け、さらに約7〜8分後、0レベルに達した(完全な疼痛の停止)。疼痛は、翌日まで夜の残りの時間は完全に消失し続けた。

0171

翌週の間、この59歳の被験体は、恐らく抜歯部位がまだ僅かに出血/滲出しており、したがって食品中の化学的刺激原に直接到達可能であったため、疼痛をトリガーしない食品を食べることを避けることができなかった。

0172

毎夜、疼痛は固形食または液体を消費した後数分で再発し、同じ耐えられない強度に達した。毎夜、上に表示した処置プロトコルを繰り返した:最初に、6%ストロンチウムのみの処方物による処置;口をすすぐ;およびその後、4%ストロンチウム+没食子酸+NACによる処置。次の5夜の間、疼痛は再発し、同じ激烈なレベル(本発明者らのスケールを使用して10)に達し、6%ストロンチウムのみの処置は、よくても、疼痛を多くても3ポイント2〜3分間低減させ、その後、疼痛は、従前の10レベルに戻った。

0173

ストロンチウム+没食子酸+NACによる処置は、同様に再現性があった。ストロンチウムのみの処置およびすすぎの後、ストロンチウム+没食子酸+NACは、12〜15分の期間の間の1〜2回の処置を必要とし、この後、疼痛は常に完全に取り除かれ、夜の残りの期間および翌日は疼痛がないままであった。抜歯の後1週間以内に、抜歯部位は十分に治癒し、食品に由来する疼痛誘発物質に対して非感受性となった。

0174

実施例2−神経圧迫による神経障害性疼痛
重度の黄斑変性症を有するが、その他の点では健康な85歳の女性は、両方の足に軽度の左右対称性の灼熱痛を経験し、これはつま先の下面で僅かにより激烈であるが、両方のつま先の上面で非常に明白および厄介であった。灼熱痛は一日中および一晩中、過去3年の間連続的であり、歩行によってより悪くなった。典型的には1日の終わりに、灼熱痛はその最悪になった。どう見ても、この女性を悩ませず、または日中の歩行または他の活動を妨害しないという点で、これは比較的軽度であったが、これが始まってから約1年後、女性は過剰な灼熱感によって夜間にをぬがなければならなかった。

0175

昨年、灼熱感の強度は、夜間の疼痛が十分に増大するポイントまでゆっくりと増大し、そのため、女性はつま先を包み込むストラップを有する靴を履くことができなかった。クッション性を提供する靴下と共に、つま先に接触しない完全に開放型の靴のみが許容できた。過去6カ月の間に、灼熱痛の強度はゆっくりと増大し、その結果、女性は灼熱痛によって夕食後夜間の歩行ができなくなった。日中の間の疼痛はあまり増大せず、過剰に厄介でもなかった。恒常的な疼痛によって、女性は夜間に睡眠することができなくなり始め、毎日の歩行の低減をもたらした。

0176

疼痛は、常にそうであったように、絶えず存在し、両足において強度および分布が本質的に等しく、夜間により悪化し、目に見える皮膚の変化も発赤もかぶれも何ら伴わなかった。灼熱感覚を伴う皮膚はまた、女性の足の大部分に亘って左右対称性の様式で広がった知覚麻痺を有した。

0177

女性は、軽度の慢性背痛(back pain)以外の知覚麻痺または灼熱痛を説明する危険因子を有さず、最大の疼痛は、L−4、L−5、S−1脊髄根から発した。これらの神経はまた、つま先を含めた足の上面および下面を神経支配するため、被験体の医師は、報告された症状がL−4からS−1レベルにおける脊髄神経圧迫によるものであり、かつ灼熱痛の原因は、特に、灼熱感覚を伝達するC型侵害受容器への神経損傷を生じさせた慢性神経圧迫であることを疑う。結果として生じた状態は、神経圧迫による神経障害性疼痛状態である。

0178

被験体は、二重盲検対照様式で2種の処方物を試験した。退職した航空技師生成物の適用およびデータ記録を行った。

0179

午後8時に、両方のつま先、および両足の上面は十分に重度な典型的かつ連続的な灼熱痛を有し、足またはつま先の上面と接触する靴は履けなかった。疼痛レベルは非常に似ていた。

0180

0〜10ポイントの視覚的なアナログスケールを使用して、被験体は最も重度の灼熱感を10として足をランク付けし、10レベルの足に対してその疼痛レベルを反映させるように反対側の足にスコア割り当てるように指示された。

0181

女性の割り当ては、左足における灼熱痛強度が10であり、右足が8であった。

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