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技術 急速出力制御を備えるCO2レーザー

出願人 エフイーエイチエーレーザーテックゲーエムベーハー
発明者 シュタウペンダール,ギスベルト
出願日 2013年1月31日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2014-555074
公開日 2015年4月9日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2015-510693
状態 特許登録済
技術分野 レーザ(2) レーザ加工
主要キーワード 切替パラメータ 入射レベル 初期ポジション 接触電圧 材料加工装置 平衡方程式 パルス作動 Qスイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題・解決手段

本発明の対象は、急速出力変調、具体的には高効率Qスイッチを可能にするCO2レーザーである。この場合、中心となる考え方は、とくに活性媒体(1)を含む高出力部分と、出力に敏感なビーム形成エレメント、具体的には変調器が配置されている低出力フィードバック部分(14)とに共振器を分けることである。このことは、偏光ビームスプリッタ(5)及びλ/4移相器(2)の適切な配置によって可能となる。これらの両方のコンポーネントの間の角度ψは自由に設定可能であることから、さまざまな作動モード、具体的にはパルス生成におけるフィードバック率の最適化を極めてフレキシブルに実現することができる。

概要

背景

レーザーを用いるさまざまな材料の精密加工には、非常に多くの適用ケースにおいてパルス放射線が使用される。このことは、通常のあらゆる材料加工レーザーに等しく当てはまる。適用ケースとしては、例えば、金属、セラミックプラスチックなどの切断、穴あけ及び材料除去などがある。

今日の固体レーザーステムダイオード励起Nd:YAGレーザーディスクレーザー、ファイバーレーザーチタンサファイアレーザーなど)は、幅広可変発振性(100fsからps及びnsを介してμs領域まで)を特徴とするが、経費の面及びとくに工業における長い使用経験という面で、CO2レーザーにははるかに及ばない。しかし、材料加工に適し、市販で入手可能なあらゆる従来型CO2レーザーの主な原理的欠点は、急速出力制御が制限されていることであり、これに関連して発振性も制限されている。とりわけ、これらの制限が加えられるのは、例えばkW領域のcw出力を備えるCO2高出力レーザーにおいて、できる限り効率的にこの出力をパルス放射線に変換したい場合である。すなわち、ほとんどQスイッチのような特性を有するパルス、つまりパルス長さがns及びμs領域にあるcw出力に対して少なくとも係数10で出力が増加するパルスによって、高い平均出力でパルス放射線が発振される市販のCO2レーザーはなく、さらに、ほとんどのCO2レーザーで一般的な、比較的良好なビーム品質最低0.6)はほぼそのまま維持し、潜在的に使用可能な出力(cw)を効率的にパルスシステムの平均出力に変換できるという要求事項も達成しなければならない。

そのようなCO2レーザーを備える材料加工装置装備は、以下のような多くの点で大幅な技術的進歩をもたらすであろう:
a)CO2レーザーによって実現されていた従来の作業をさらに効率的に実施することができる。
b)これまで別の種類のレーザーに任されていた多数の用途(銅、アルミニウムの精密な穴あけもしくは切断、及び特殊なパルスパラメータで加工されるその他の金属(たとえばチタンが挙げられる)の精密な穴あけもしくは切断)、あるいはまったく新しい作業を、そのようなCO2レーザーで実施することができる。
c)現在の技術水準においてはさまざまな種類のレーザーで行われるであろう多種多様な課題を処理できると考えられるため、装置の柔軟性が非常に高まるであろう。ここでは、精密な穴、難しい切断形状などを備える複雑な構成部品の製造における全体の効率という点も、再度言及することができる。同様に、例えば金属からセラミックへの変更など、材料の迅速な変更が可能であることも重要である。

まとめると、従来技術は以下のように特徴づけることができる。

活性媒体の非常に良好な保存特性により、CO2レーザーは、係数100以上で出力が上昇する多種多様なQスイッチに適している。そのため、急速に進歩した最初の20年ですでに、単純な回転鏡と、電気光学及び音響光学変調とを用いたアクティブなQスイッチから、SF6及びCO2TEAレーザー(非特許文献1を参照)のモードロッキングを用いたパッシブなQスイッチに至るまで、数々のバリエーションが研究されてきた。包括的な概要が、例えば非特許文献2に記載されている。この事実から、材料加工用のCO2レーザーでは、これらの方法のいずれも、幅広い実用化には至らなかったことは一見奇異なことに見える。これらの方法は、レーザー制御核融合を研究するための巨大施設に至るまで基礎研究興味深い対象には残っているが、産業への適用という点では特定の分野にしか用いられていない。

これとは逆に、単純だが確実に機能し、かつ費用のかからない、気体放電によるCO2レーザーの発振方法は広く認められてきた。この方法は、発生するパルスの出力増加が低いこと、パルス持続時間が比較的大きいこと、及びパルス繰返し周波数が低いことといった重大な弱点があるにもかかわらず、実際にすべての材料加工レーザーに用いられている。その結果、多数の用途にとって重要な短パルス領域(μs以下)は、ほとんど上述の固体レーザーシステムだけで占められている。その原因は、活性媒体の増強特性にあるのではなく、むしろ波長にある。視認でき、かつ赤外線に近い1μm周辺のレーザーには、多数の光学材料、例えば結晶またはガラスなどが極めて適しており、これらの材料は、とくに吸収性が低いこと、放射線負荷容量が高いこと、電気光学定数及び弾性光学的定数が高く、加工及びコーティングが極めて容易であることを特徴とし、一方、10μm周辺の波長では、とくに、実質的にCdTeに限定されている電気光学効果といった特殊な特性や、あるいはGeだけが望ましい形で備えている良好な音響光学特性が問題となる場合、材料スペクトルが著しく制限されている。基本的な問題は、放射線負荷容量が限定されていることであるが、このことが意味しているのは、強度が高すぎることによる構成部品の損傷ではなく、すでに破壊限界のかなり以前から生じている、これらの材料の比較的高いdn/dT(温度変化ごとの屈折率変化)に関係する光学作用であり、これらの作用は、波面の変形を引き起こし、とくにレーザー共振器の範囲内でこれらの材料を使用する場合、例えばQスイッチなどでは、光学作用によってレーザーのビーム品質が出力に大きく左右される結果となるため、許容できない。

干渉アウトカップリングエレメントによるアウトカップリング変調は、強い放射線パルスにおいて、潜在的に使用可能なCO2レーザーの出力を最適に変換するための有望なアプローチを提供した(非特許文献3及び特許文献1)。しかし、ここでも、重要な構成部品である干渉アウトカップリングエレメントの出力感受性が原因で、産業に適した、より高い平均出力領域への変換に失敗している。

実用化のメリットが大きいことから、最適に発振するCO2レーザーの実現は、いわゆるレーザー開発の重要な目標であり、そのため、ここ10年の間に再びこの問題に関する特許文献が発表されてきている。特許文献2では、例えば、電気光学CdTe‐Qスイッチを用いた材料加工用パルスCO2レーザーを説明している。効率的な材料加工でとくに重要となる高い平均レーザー出力において、Qスイッチの放射線被ばくをできるだけ低くするという基本的問題に対しては、この特許文献にその解決方法は示されていない。

同じ出願人による特許文献3でも状況は同じである。ここでは、特殊な出力アウトカップリングの原理、すなわちキャビティダンピングによるCdTe変調器を用いた電気光学Qスイッチの原理が用いられている。ここでの目標は、パルス繰返し周波数が非常に高いと同時に、レーザーのcw出力に対して、パルスピーク出力ができるだけ大きく増加するパルス列を達成することである。放射線被ばくの問題は、ここでも解決されていない。

CdTeに比べ大幅に改善されたGeの光学特性により、Geベース音響光学変調器を用いたCO2レーザーのQスイッチにも関心が向けられている。特許文献4では、そのようなレーザーが開示されている。この特許文献では、良好なビーム品質と同時に高い平均出力を実現するための共振器設計における特別な対策は示されていない。

概要

本発明の対象は、急速出力変調、具体的には高効率Qスイッチを可能にするCO2レーザーである。この場合、中心となる考え方は、とくに活性媒体(1)を含む高出力部分と、出力に敏感なビーム形成エレメント、具体的には変調器が配置されている低出力フィードバック部分(14)とに共振器を分けることである。このことは、偏光ビームスプリッタ(5)及びλ/4移相器(2)の適切な配置によって可能となる。これらの両方のコンポーネントの間の角度ψは自由に設定可能であることから、さまざまな作動モード、具体的にはパルス生成におけるフィードバック率の最適化を極めてフレキシブルに実現することができる。

目的

ここでの目標は、パルス繰返し周波数が非常に高いと同時に、レーザーのcw出力に対して、パルスピーク出力ができるだけ大きく増加するパルス列を達成することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

活性媒体(1)を含む共振器エンドミラー(3、4)によって両端部を閉じられた共振器と、ポンプエネルギー供給用電極とを備えるCO2レーザーであって、前記共振器が、前記共振器エンドミラー(3、4)に対して直角に通る共振器軸(11)の方向に、前記共振器エンドミラー(3、4)の間で高出力部分フィードバック部分(14)とに分けられており、 前記高出力部分と前記フィードバック部分(14)とが、前記共振器内で発生するレーザービーム(7)の一部をアウトカップリングするための偏光ビームスプリッタ(5)によって互いに分離されており、第1の共振器ミラー(3)と前記偏光ビームスプリッタ(5)との間の前記高出力部分には、前記活性媒体(1)及び1/4移相器(2)が配置されており、第2の共振器エンドミラー(4)と前記偏光ビームスプリッタ(5)との間の前記フィードバック部分(14)には、ビーム形成エレメント(15)が配置されており、前記1/4移相器(2)と前記偏光ビームスプリッタ(5)とは、互いに角度ψだけ、とくに前記共振器軸(11)に対して平行な、少なくとも1つの回転成分をもつ回転軸を中心に、又は前記共振器軸(11)を中心に回転可能であり、前記共振器軸(11)が、直線又は曲線のいずれかで前記偏光ビームスプリッタ(5)を通り抜け、前記第2の共振器軸エンドミラー(4)の代わりに、前記ビーム形成エレメント(15)として波長選択エレメントを使用することができる、CO2レーザー。

請求項2

前記共振器(14)内、具体的には高出力部分内の前記活性媒体が、0.2barよりも少ない圧力、とりわけ0.1barよりも少ない圧力を有している、及び/又は前記λ/4移相器(2)が、前記活性媒体(1)と前記第1の共振器エンドミラー(3)との間に配置されている、請求項1に記載のCO2レーザー。

請求項3

前記両方の共振器エンドミラー(3、4)が、95%より大きい反射率、とりわけ99%より大きい反射率を有している、請求項1又は2に記載のCO2レーザー。

請求項4

前記ビーム形成エレメント(15)が、出力変調エレメント、波長選択エレメント、特殊開口部及びそれらのエレメントの2つ以上の組合せから成るグループから選択されている、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー。

請求項5

前記λ/4移相器(2)が、好ましくは高出力のためのλ/4移相リターダミラー(16)である、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー。

請求項6

前記活性媒体(1)を通って前記偏光ビームスプリッタ(5)の方向に進む前記ビーム(6)及び前記λ/4移相器(2)の方向に進む前記ビーム(43)が、それぞれ直線に、しかし互いに垂直に偏光されるという条件付きで角度ψを設定することができ、又は前記活性媒体(1)を通って前記λ/4移相器(2)の方向に進む前記ビーム(43)が直線偏光され、前記活性媒体(1)を通って前記偏光ビームスプリッタ(5)の方向に進む前記ビーム(6)が楕円偏光され、楕円偏心及び位置がψによって特定されるという条件付きで角度ψを設定することができ、好ましくは、前記偏光ビームスプリッタ(5)によって反射するビームが、アウトカップリングするビーム(7)として利用され、透過ビームがフィードバックするビーム(8)として利用され、前記共振器軸(11)が、好ましくは直線で前記偏光ビームスプリッタ(5)を通過する、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー。

請求項7

前記偏光ビームスプリッタ(5)を透過する前記ビームが、アウトカップリングするビーム(7)として利用され、前記反射ビームがフィードバックするビーム(8)として利用され、前記共振器軸(11)が、好ましくは曲線で前記偏光ビームスプリッタ(5)を通過する、請求項1〜6に記載のCO2レーザー。

請求項8

前記共振器の前記フィードバック部分(14)において、波長選択エレメントとして回折格子(25)が前記第2の共振器ミラー(4)の代わりに使用される、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー。

請求項9

工作物用の工作物ホルダと、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー(35)とを備える材料加工装置であり、前記工作物が、前記工作物ホルダを用いることで前記レーザーレーザー出口に対して位置決め可能であり、前記レーザー出口と前記工作物(33)との間の光路内に、好ましくは前記レーザー出口にλ/4移相器(34)が直接取り付けられるが、前記レーザー(35)の前記直線偏光放射線円偏光放射線(36)に変換され、前記工作物での反射又は拡散後、前記レーザーの方向に戻る放射線部分(37)が、前記λ/4移相器(34)の第2の通過後、再び直線に、しかし放出されるレーザービーム(35)に対して垂直偏光され、この放射線部分(38)は、前記共振器内の前記活性媒体(1)に進入する前に、前記偏光ビームスプリッタ(5、17)によって前記レーザービームの方向から方向転換され、吸収体(26)によって消滅させられるという条件付きで取り付けられている、材料加工装置。

請求項10

工作物用の工作物ホルダと、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のCO2レーザー(35)とを備える材料加工装置であり、前記工作物が、前記工作物ホルダを用いることで前記レーザーのレーザー出口に対して位置決め可能であり、前記レーザー出口と前記工作物(33)との間の光路内に、出力変調エレメント、好ましくは干渉レーザービーム変調器(54)又は音響光学変調器(57)が組み込まれるが、工作物(33)の方向に進む前記ビーム(59)は、その出力に関して、前記レーザー内の制御パラメータを変更することなく、広い範囲で制御可能であるという条件付きで組み込まれている、材料加工装置。

背景技術

0001

レーザーを用いるさまざまな材料の精密加工には、非常に多くの適用ケースにおいてパルス放射線が使用される。このことは、通常のあらゆる材料加工レーザーに等しく当てはまる。適用ケースとしては、例えば、金属、セラミックプラスチックなどの切断、穴あけ及び材料除去などがある。

0002

今日の固体レーザーステムダイオード励起Nd:YAGレーザーディスクレーザー、ファイバーレーザーチタンサファイアレーザーなど)は、幅広可変発振性(100fsからps及びnsを介してμs領域まで)を特徴とするが、経費の面及びとくに工業における長い使用経験という面で、CO2レーザーにははるかに及ばない。しかし、材料加工に適し、市販で入手可能なあらゆる従来型CO2レーザーの主な原理的欠点は、急速出力制御が制限されていることであり、これに関連して発振性も制限されている。とりわけ、これらの制限が加えられるのは、例えばkW領域のcw出力を備えるCO2高出力レーザーにおいて、できる限り効率的にこの出力をパルス放射線に変換したい場合である。すなわち、ほとんどQスイッチのような特性を有するパルス、つまりパルス長さがns及びμs領域にあるcw出力に対して少なくとも係数10で出力が増加するパルスによって、高い平均出力でパルス放射線が発振される市販のCO2レーザーはなく、さらに、ほとんどのCO2レーザーで一般的な、比較的良好なビーム品質最低0.6)はほぼそのまま維持し、潜在的に使用可能な出力(cw)を効率的にパルスシステムの平均出力に変換できるという要求事項も達成しなければならない。

0003

そのようなCO2レーザーを備える材料加工装置装備は、以下のような多くの点で大幅な技術的進歩をもたらすであろう:
a)CO2レーザーによって実現されていた従来の作業をさらに効率的に実施することができる。
b)これまで別の種類のレーザーに任されていた多数の用途(銅、アルミニウムの精密な穴あけもしくは切断、及び特殊なパルスパラメータで加工されるその他の金属(たとえばチタンが挙げられる)の精密な穴あけもしくは切断)、あるいはまったく新しい作業を、そのようなCO2レーザーで実施することができる。
c)現在の技術水準においてはさまざまな種類のレーザーで行われるであろう多種多様な課題を処理できると考えられるため、装置の柔軟性が非常に高まるであろう。ここでは、精密な穴、難しい切断形状などを備える複雑な構成部品の製造における全体の効率という点も、再度言及することができる。同様に、例えば金属からセラミックへの変更など、材料の迅速な変更が可能であることも重要である。

0004

まとめると、従来技術は以下のように特徴づけることができる。

0005

活性媒体の非常に良好な保存特性により、CO2レーザーは、係数100以上で出力が上昇する多種多様なQスイッチに適している。そのため、急速に進歩した最初の20年ですでに、単純な回転鏡と、電気光学及び音響光学変調とを用いたアクティブなQスイッチから、SF6及びCO2TEAレーザー(非特許文献1を参照)のモードロッキングを用いたパッシブなQスイッチに至るまで、数々のバリエーションが研究されてきた。包括的な概要が、例えば非特許文献2に記載されている。この事実から、材料加工用のCO2レーザーでは、これらの方法のいずれも、幅広い実用化には至らなかったことは一見奇異なことに見える。これらの方法は、レーザー制御核融合を研究するための巨大施設に至るまで基礎研究興味深い対象には残っているが、産業への適用という点では特定の分野にしか用いられていない。

0006

これとは逆に、単純だが確実に機能し、かつ費用のかからない、気体放電によるCO2レーザーの発振方法は広く認められてきた。この方法は、発生するパルスの出力増加が低いこと、パルス持続時間が比較的大きいこと、及びパルス繰返し周波数が低いことといった重大な弱点があるにもかかわらず、実際にすべての材料加工レーザーに用いられている。その結果、多数の用途にとって重要な短パルス領域(μs以下)は、ほとんど上述の固体レーザーシステムだけで占められている。その原因は、活性媒体の増強特性にあるのではなく、むしろ波長にある。視認でき、かつ赤外線に近い1μm周辺のレーザーには、多数の光学材料、例えば結晶またはガラスなどが極めて適しており、これらの材料は、とくに吸収性が低いこと、放射線負荷容量が高いこと、電気光学定数及び弾性光学的定数が高く、加工及びコーティングが極めて容易であることを特徴とし、一方、10μm周辺の波長では、とくに、実質的にCdTeに限定されている電気光学効果といった特殊な特性や、あるいはGeだけが望ましい形で備えている良好な音響光学特性が問題となる場合、材料スペクトルが著しく制限されている。基本的な問題は、放射線負荷容量が限定されていることであるが、このことが意味しているのは、強度が高すぎることによる構成部品の損傷ではなく、すでに破壊限界のかなり以前から生じている、これらの材料の比較的高いdn/dT(温度変化ごとの屈折率変化)に関係する光学作用であり、これらの作用は、波面の変形を引き起こし、とくにレーザー共振器の範囲内でこれらの材料を使用する場合、例えばQスイッチなどでは、光学作用によってレーザーのビーム品質が出力に大きく左右される結果となるため、許容できない。

0007

干渉アウトカップリングエレメントによるアウトカップリング変調は、強い放射線パルスにおいて、潜在的に使用可能なCO2レーザーの出力を最適に変換するための有望なアプローチを提供した(非特許文献3及び特許文献1)。しかし、ここでも、重要な構成部品である干渉アウトカップリングエレメントの出力感受性が原因で、産業に適した、より高い平均出力領域への変換に失敗している。

0008

実用化のメリットが大きいことから、最適に発振するCO2レーザーの実現は、いわゆるレーザー開発の重要な目標であり、そのため、ここ10年の間に再びこの問題に関する特許文献が発表されてきている。特許文献2では、例えば、電気光学CdTe‐Qスイッチを用いた材料加工用パルスCO2レーザーを説明している。効率的な材料加工でとくに重要となる高い平均レーザー出力において、Qスイッチの放射線被ばくをできるだけ低くするという基本的問題に対しては、この特許文献にその解決方法は示されていない。

0009

同じ出願人による特許文献3でも状況は同じである。ここでは、特殊な出力アウトカップリングの原理、すなわちキャビティダンピングによるCdTe変調器を用いた電気光学Qスイッチの原理が用いられている。ここでの目標は、パルス繰返し周波数が非常に高いと同時に、レーザーのcw出力に対して、パルスピーク出力ができるだけ大きく増加するパルス列を達成することである。放射線被ばくの問題は、ここでも解決されていない。

0010

CdTeに比べ大幅に改善されたGeの光学特性により、Geベース音響光学変調器を用いたCO2レーザーのQスイッチにも関心が向けられている。特許文献4では、そのようなレーザーが開示されている。この特許文献では、良好なビーム品質と同時に高い平均出力を実現するための共振器設計における特別な対策は示されていない。

0011

旧東ドイツ特許WPH01S/2860725号明細書(1986年)“Anordnung zur Wellenlaengenselektion und internen Leistungsmodulation der Strahlung von Hochleistungs−CO2−Lasern”
米国特許第6,826,204号明細書
米国特許第7,058,093号明細書
独国特許第112008001338T5号明細書

先行技術

0012

W.J.Witteman,”The CO2 Laser”,Springer−Verlag(1987)
SPIEMilestone Series Vol.MS22,“Selected Papers on CO2 Lasers”,ed.by James D.Evans,SPIE(1990)
Schindler,K; Staupendahl,G:“Ein neuartiger CO2−Impulslaser fuer die Materialbearbeitung”,Jahrbuch LASER(3.Ausgabe),Hrsg.H.Kohler,Vulkan−Verlag(1993),S.9−14

発明が解決しようとする課題

0013

本発明に基づく構成では、従来型構造のCO2レーザー、具体的には軸方向にゆっくりと又は急速に流れる軸流システムであり、しかしまた静的にガス充填されているシステムといった、材料加工に使用されるレーザーを、迅速な出力制御、とくに放射線パルス生成のまったく新しい可能性が得られるように変更することが目的であり、これらのレーザーは、非常に広いパラメータ範囲を特徴とし、とりわけ、1つはns領域以下の時間制御、もう1つはパルスピーク出力が100kW規模までに達し、平均出力がkW領域にまで達する出力範囲を特徴としている。

課題を解決するための手段

0014

この課題は、請求項の対象によって解決される。

0015

請求項の中で、直線的もしくは折れ曲がった共振器軸経路について言及される場合、これは、レーザーの長手方向への形状的な中心線に関する。このことを光路取り違えてはならない。というのも、偏光ビームスプリッタを通るビームは、スプリッタの2つの主要面がビームに対して正確に直角な場合にしか折れ曲がれないからである。(通過する)ビームに対して偏光ビームスプリッタが傾斜している場合、ビームは二重に折れ曲がり、このとき、両方の面(出口又は入口)におけるビームの流れは互いに平行である。

0016

実施形態にはさまざまな可能性があり、以下に、制限のない変更形態としてこれらを詳細に説明する。技術的に有効であるように組合せ可能な特徴の幾つか又はすべては、互いに組み合わせることができる。

0017

本発明は、また、最大0.1barの低もしくは中程度の圧力範囲にある活性媒体を備えるCO2レーザーによっても解決されるため、相応ポンプエネルギーの供給によるcwモードが可能であり、また、このCO2レーザーは、活性媒体の一方の端部にある高反射エンドミラー及び他方の端部にあるアウトカップリングエレメントを特徴とする従来のCO2レーザー共振器に対して、変更された共振器を備えており、この共振器は、活性媒体の一方の端部と、好ましくは反射率が99%よりも高い第1の共振器エンドミラーとの間にλ/4移相器が配置され、活性媒体の他方の端部と、好ましくは同様に反射率が99%よりも高い第2の共振器エンドミラーとの間に偏光ビームスプリッタが配置されていることを特徴とし、この偏光ビームスプリッタは、任意の偏光を有する、活性媒体の方向からスプリッタに当たるビームを、直線偏光された、アウトカップリングする出力PAのビームと、同様に直線だが、アウトカップリングするビームの偏光に対して垂直に偏光する、出力PRのフィードバックするビームとに分割し、λ/4移相器又は偏光ビームスプリッタ又はその両方は、共振器軸を中心に回転可能に支持されているため、共振器軸に対して垂直なλ/4移相器の特徴軸と、同様に共振器軸に対して垂直な偏光ビームスプリッタの特徴軸との間の自由に選択可能な角度ψを設定することにより、任意の望ましい出力比PA/PRを設定することができ、偏光ビームスプリッタと、共振器のフィードバック経路内にある第2の共振器エンドミラーとの間には、ビーム形成エレメント、具体的には急速出力変調及び波長選択のためのエレメント、ならびに特殊開口部を配置することができる。

0018

活性媒体は、第1の共振器エンドミラーと偏心ビームスプリッタとの間の範囲でのみ調整することができる。この範囲は、気密性のある壁によって、レーザーのその他の範囲及び周辺環境から密閉されている(必要に応じて取り付けられるガス供給ライン及び/又はガス排出ライン例外)。

0019

電極は、通常、電気的電極である。

0020

偏光ビームスプリッタはZnSeベースの薄膜偏光子であってよく、これは、共振器軸11に対してブリュースター角αBで配置されている。

0021

共振器のフィードバック部分には、(好ましくは急速)出力変調エレメント、好ましくは電気光学もしくは音響光学変調器、干渉レーザービーム変調器、機械式チョッパー又は(好ましくは急速)傾斜ミラーを配置することができる。

0022

共振器のフィードバック部分には、電気光学変調器ならびにこの変調器と偏光ビームスプリッタとの間に、ビーム径Dを電気光学変調器の自由開口部dに適合するための望遠鏡、好ましくはガリレオ型望遠鏡を配置することができ、D/d比が、好ましくは1.2〜5の範囲にあり、フィードバックするビームであって、λ/4波長電圧が電気光学変調器に加わると、その偏光が90°回転するビームを吸収体(26)が吸収し、このビームは偏光ビームスプリッタによって共振器光路から外へ方向を変えられる。

0023

共振器のフィードバック部分には、音響光学変調器ならびにこの変調器と偏光ビームスプリッタとの間に、ビーム径Dを音響光学変調器の自由開口部dに適合するための望遠鏡、好ましくはガリレオ型望遠鏡を配置することができ、D/d比が、好ましくは1.2〜5の範囲にあり、接触電圧が音響光学変調器に加わると、共振器光路から外へ回折するビーム部分を2つの吸収体が吸収する。

0024

接触電圧が音響光学変調器に加わると回折するビームは、第2の共振器エンドミラーによって反射し、フィードバックするビームとして利用され、回折しなかったビーム部分は吸収体によって消滅し、望遠鏡と音響光学変調器との間には、選択的に、最適なビーム品質を確保するための特殊開口部が取り付けられている。

0025

共振器のフィードバック部分では、第1に、干渉レーザービーム変調器を、この変調器の光軸がフィードバックするビームの方向に対して小さな角度εを成すように配置して、この変調器によって反射した放射線部分が共振器光路から外へ方向を変え、吸収体によって吸収されるようにすることができ、第2に、波長選択エレメントが、レーザーの機能を正確に1つの波長に固定する。

0026

共振器のフィードバック部分では、選択的に、プリズム、好ましくはZnSe又はNaClから成るダブルブリュースタープリズム、または干渉フィルタを波長選択エレメントとして使用することができる。

0027

共振器のフィードバック部分には、中間焦点を備えるケプラー型望遠鏡があってもよく、駆動エレメントを備えるチョッパーディスクを配置して、フィードバックするビームが、ちょうどこの中間焦点において、チョッパーディスクにより遮断又は開放されるようにすることができる。

0028

第2の共振器エンドミラーは、好ましくは急速傾斜ミラーであってよく、この傾斜ミラーと偏光ビームスプリッタとの間には、選択的に、ビーム径Dを急速傾斜ミラーの自由開口部dに適合させるための、好ましくはガリレオ型望遠鏡を配置することができ、D/d比は1.2〜10の範囲にあるのが好ましい。

0029

選択的に使用される、出力変調エレメントの自由開口部dにビーム径Dを適合させるためのエレメントは、レンズ仕様がガリレオ型もしくはケプラー型望遠鏡、又はミラー仕様がガリレオ型もしくはケプラー型望遠鏡、又は第2の共振器エンドミラーに適合する湾曲を備える集光レンズもしくは集光ミラーから成る組合せのいずれかであってもよい。

0030

選択的に使用可能な波長選択エレメントによって、固定されているが自由に選択可能な、CO2レーザーの回転‐振動スペクトルライン上で、9μm<λ<11μmの範囲内で作動するようにレーザーを強制することができ、レーザーのその他の光学エレメント、具体的にはλ/4移相器及び偏光ビームスプリッタの特性は、この選択されたラインに適合している。

0031

列挙したすべての光学エレメントは、共通の真空気密性ハウジングの中に収容することができ、アウトカップリングするビームは、透光性材料、好ましくはZnSeから窓を介してレーザーを離れる。

0032

本発明に基づく材料加工装置の場合、レーザー出口工作物との間の光路には、透過ビームが、出力制御されたビームとして工作物の方向に進み、反射したビームは、選択的に、消滅させるため又はオンライン測定のために吸収体/検出器に供給されるという条件付きで、干渉レーザービーム変調器を組み込むことができる。レーザー出口と工作物との間の光路には、回折したビームが出力制御されたビームとして工作物(33)の方向に進み、一方、回折しなかったビームは、選択的に、消滅させるため又はオンライン測定のために吸収体/検出器に供給されるという条件付きで、音響光学変調器を組み込むことができ、選択的に、偏光ビームスプリッタと音響光学変調器との間には、ビーム形成エレメント、例えば望遠鏡及び/又は特殊開口部などがオプションで配置されている。

0033

本発明に基づく解決方法の基本的考え方は、システムの一方の端部に100%ミラーを備え、他方の端部にアウトカップリングエレメントを備えるレーザー共振器の一般に使用されている基本構造を変更して、この共振器が、とくに活性媒体及び特殊なアウトカップリングエレメントによって形成される高出力部分と、とくに急速出力制御エレメントを含む低出力のフィードバック部分に分割されるようにすることである。高出力部分と低出力部分との出力比は、この場合、以下に説明するシステムの変更形態によって広い範囲で変更することができるため、非常に高い出力の制御にも、そのうちのほんの僅かな部分、例えば10%しか必要ではない。従って、CO2レーザー用ではあるが、比較的出力に敏感な変調器システム、例えば音響光学変調器、電気光学変調器又は干渉レーザービーム変調器などすべての変調器を、急速出力制御のために、具体的には効率的なQスイッチのために使用することができる。

0034

次に、本発明に基づく新しい種類の共振器を詳しく説明する(図1も参照)。

0035

共振器を高出力部分と低出力フィードバック部分とに分割するための中心エレメントは、偏光ビームスプリッタである。CO2レーザーの場合、そのために、ZnSeベースの薄膜偏光子(TFP)を用いることができる。これは、ブリュースター角αBを成してTFPが光路の中に置かれ、特殊コーティングにより、入射する出力P0のビームが分割され、TFPの入射面に対して平行に偏光される出力部分Ppが完全に透過され、入射面に対して垂直に偏光される出力部分Psはすべて反射されるようになっていることを特徴とする。つまり、数式
P0=Pp+Ps
が該当する。このとき、例えばTFP内の吸収による損失は無視されている。

0036

TFPは、例えば、通常のアウトカップリングミラーの代わりに置かれ、本発明に基づくレーザーにおいてもアウトカップリングエレメントとして用いられ、従って、TFPで反射するビーム又は透過ビームのどちらかがアウトカップリングされ、共振器を離れる。もう一方のそれぞれの部分ビームは、共振器フィードバックのために利用され、このことは、例えば、ビームを正確に元に戻す調整可能な100%ミラーによって達成することができる。このミラーとTFPとの間の光路が前述の低出力フィードバック部分を形成し、この部分に、レーザーの出力制御のための任意のエレメントを配置することができる。

0037

本発明の第2の中心的考え方は、どのようにして出力比Pp/Psをできる限りフレキシブルに調整できるようにするかという問題であり、これにより、それぞれ本発明に従って変更されたレーザーは、その基本特性、具体的にはレーザー出力レーザー活性媒体増幅率に応じて、及び達成しなければならない新しいパラメータ、具体的には特殊なパルスパラメータがそれぞれ目指す目標に応じて最適に調整可能となる。このことは、レーザー内で生成される放射線の偏光特性の適切な影響により、共振器の「もう一方の端部」で、約100%の反射率をもつエンドミラーの前に、1回の通過ごとにλ/4の位相差をもつコンポーネントを配置することによって達成される。高出力CO2レーザーのためには、この場合、レーザー材料加工において定評のあるλ/4移相リターダミラー(PRS)が使用される。該当する幾何学的配置では、このコンポーネントは、通過後に、直線偏光放射線円偏光放射線に変換する。円偏光放射線は第1のエンドミラーS1で反射し、λ/4移相器を2回通過すると、この円偏光放射線は再び直線偏光放射線に変換されるが、元の方向に対して90°回転している。

0038

TFP及びλ/4移相器の説明した特性と、共振器における本発明に基づくそれらの配置により、以下で詳しく論じられるレーザー機能の一連の新しいオプションが可能となる。

0039

1.継続的に作動する、疑似軸モードフリーレーザー
まず、TFPについて考察する。任意に偏光されたビームは、共振器内部から、すなわち活性媒体の方向から出てTFP上に達すると仮定する。ここで、すでに説明したように、透過ビームと反射ビームとに分割が行われ、これらの2つのビームは、互いに直線偏光及び垂直偏光されている。原則的に、これらの2つのビームのいずれかがレーザービームとしてアウトカップリングされ、もう一方はフィードバックビームとして利用される。とくに、市販されているZnSeベースTFPの特性には、実施例の中でさらに詳しく論じられる強い波長依存性があることから、反射ビームをアウトカップリングし、透過ビームをフィードバックすることが有効であり、そのためこのオプションは以下の考察に基づいている。

0040

まず、このレーザーは、出力変調エレメントを追加することなく作動するべきであり、従って、TFPでの透過ビームは直接第2の100%エンドミラーS2に入射し、そこで正確に反射して戻され、(有利には損失なく)TFPを2回通過し、次に活性媒体の中で増強され、このとき、TFPの位置によって規定されている直線偏光の方向はそのまま維持されている。活性媒体の通過後、ビームは、λ/4移相器とS1とから成る組合せに達し、移相器が精密に設定されている場合、ビームは再び直線偏光されるが、入射するビームに対して90°回転しており、今度は反対方向に再び活性媒体を通過すると考えられる。この点において、従来のレーザーと本発明に基づくレーザーでは次のような大きな違いが生じる:活性媒体を往復する波は、従来型レーザーの場合、一般的には同じ方向に直線偏光されており、従って、完全に干渉可能であり、このことが、周知の軸モード構造の形成につながる。本発明に基づくレーザーでは、両方の波は同様に直線だが、互いに垂直に偏光されているため、干渉がなく、従って軸モード構造は生じない。

0041

材料加工レーザーの場合、軸モード構造は、ほとんど重視されないが、このことは先験的には正当ではない。なぜなら、軸モード構造は共振器の長さと極めて敏感に(μm領域)関連しているため、CO2材料加工レーザーの共振器の長さが比較的大きい場合、軸モード構造を関連したやり方で変更するためには、10−2℃規模の温度変化ですでに十分である。平均化効果により、このことはほとんど考慮されないが、最大精度が要求される場合には、結果的に、このことからビームの出力変動及び空間方向の変動が生じ得ることは明らかである。軸モードによって、すなわち共振器内の定在波によって引き起こされるもう1つの問題は、いわゆる「空間的ホールバーニング」であり、これは、とくに固体レーザーの場合、レーザーの出力を低下させる。その原因は、λ/2周期によって、0から最大値の間で周期的に変動する定在波の強度であり、このことから、誘導放出による反転分布照会不完全になる。軸モード構造のないレーザーでは、この不利な効果は発生しない。

0042

次に、共振器内におけるビームの経路をたどってみたい。ビームが活性媒体を2回通過すると、これまでに想定され、説明された条件下で、実質的に100%ビームが反射する決定的な効果をもつTFPに再び当たるため、レーザープロセスが停止するフィードバックは決して起こらない。本発明に基づくレーザーの特異性となるこの非常に特殊な状況は、後の第3のオプション、いわゆる「自励発振」において詳しく論じる。

0043

連続でも、パルスでも、「正常な」レーザー機能に必要なフィードバックを達成するため、本発明に基づくレーザーは、非常に単純であると同時にフレキシブルな、規定のフィードバックを設定することができる。λ/4移相器は、そのビーム軸を中心に回転可能に配置され、この軸は、活性媒体の方向から移相器に入射するビームの軸である。移相器がその「最適な」ポジションに対してどれくらいの大きさで回転するかに応じて、直線ではなく、おおむね強く楕円偏光されたビームがTFPの方向に戻り、その結果、ある程度正確に設定可能な部分がTFPによって透過され、フィードバックされたビームとして使用可能になる。この部分は、一方で、活性媒体の反転分布ができる限り最適に照会される場合、確実なレーザー機能を達成するために必要となる程度の大きさがあるが、他方ではきるだけ小さく維持されるため、本発明に基づく配置の説明した利点は失われないようになっている。すなわち、一方の側は、できるだけ低いビーム強度のフィードバック部分であり、他方の側はレーザーの疑似軸モードフリーモードとなる。

0044

この点において、望ましい作動モード及びレーザーの出力クラスに応じて、レーザー出力とフィードバック率との間には依存関係があることから、妥協が行われなければならない。具体的には連続モードにおいて、最適な出力でレーザーを作動させたい場合、例えば以下に説明するパルス(Qスイッチ)モードにおけるよりも高いフィードバック率が必要である。しかし、ここで論じられている、通常の出力範囲が数百から数千Wの材料加工用CO2レーザーでは、cw出力での損失が比較的少ない場合、5〜20%のフィードバック率ですでに十分であるため、前述したフィードバック部分におけるできる限り低い強度要求を、cwモードにおいても容易に達成することができる。

0045

2.疑似軸モードフリーQスイッチレーザー
本発明に基づくCO2レーザーの主な使用領域は、急速出力制御、具体的にはQスイッチを用いた特定の放射線パルスの生成が要求される用途である。このために必要なエレメントは、低い強度を特徴とするフィードバック部分に配置される。従来のCO2レーザーに比べ、ここでは、10μmの波長に使用可能な、通常のすべての変調バリエーションを利用することができ、これらは、とくに、高強度に対して比較的敏感であり、例えば高出力の共振器の中に直接配置した場合、ビーム品質を決定的に悪化させるか、又は破壊されてしまう。以下に、そのような出力制御の次の5つの変更形態を説明する:
電気光学変調器、音響光学変調器、干渉レーザービーム変調器、単純なチョッパーディスク、及び急速振動傾斜ミラー。

0046

a)電気光学変調器(EOM)の使用
レーザー共振器内部の出力制御に一次電光学効果ポッケルス効果)を利用することは、とくに、サブns領域という極めて短い時間で達成可能な切替時間、すなわちレーザーのQスイッチに対する非常に良好な適合性、さらに立ち上がり時間又はパルス繰返し周波数などの切替パラメータに関する非常に高いフレキシビリティを特徴とする。可視近赤外線スペクトル領域においては、電気光学スイッチに非常に適した多数の結晶が存在する一方で、このオプションは、CO2レーザーの波長領域という点で、実質的に市販のCdTe変調器だけに限定されている。しかしながら、例えばZnSeに比べ明らかに不利な光学特性、具体的には比較的高い吸収作用により、この変調器は、強度が比較的低い場合しか使用できない。本発明に基づくレーザーは、この場合、通常のレーザー共振器に比べ、(レーザー出力は同じでも)強度がほぼ1等級低い特殊なフィードバック部分によって有利なオプションを提供する。新しい配置のもう1つの極めて有利な特異性は、EOMの変調作用のために従来の共振器内に追加的に取り付ける必要のある(アナライザの)偏光感受性エレメントが、本発明に基づく共振器ではTFPの形態ですでに内在していることである。しかし、CdTe-EOMの断面積は比較的小さく、とくに高出力CO2レーザーの一般的なビーム断面よりも小さいことから、多くの場合、例えば望遠鏡を用いてビーム径を調整する必要がある。

0047

切替機能もしくは変調機能は、以下のように単純に行われる。TFPからフィードバック部分に達し、TFPの入射面に対して直線及び平行に偏光されるビームは、ビーム形成エレメント(望遠鏡)及びゼロ電位のEOMを通過し、100%ミラーによってフィードバックされ、言及したエレメントが最適に設定されている場合、活性媒体の中に戻るビームは、入射するビームと同じ拡散特性発散)及び偏光を有しているため、ほぼ最適な共振器機能(横モード構造!)が保障されており、従ってレーザーは最適な出力で作動する。次に、直線偏光ビームから円偏光ビームを作るλ/4電圧をEOMに加えた場合、円偏光ビームは、100%ミラーでの反射及びEOMの2回目の通過後、再び直線偏光されるが、今回は入射ビームに対して垂直に偏光される。このビームがTFPに達すると、ビーム全体が共振器光路から外へ反射し、吸収体によって吸収されるため、フィードバックはほぼ0になる。放射線の生成は、これによって発生する共振器損失が大きくなって、システムが「レーザー限界値」を下回った瞬間に停止する。このやり方で、フィードバック部分における出力をほぼ1等級上回るレーザー出力に切り替わることを再度強調したい。達成可能な最小のスイッチ時間は、EOM自体の特性及びその制御特性、ならびに共振器の長さによって決定され、通常はns単位にある。

0048

b)音響光学変調器(AOM)の使用
音響光学効果に基づく変調器は、CO2レーザーの場合、一般的にGe結晶から製造される。これらの変調器は、CdTeと同じく、例えばレーザー出力の変更など、負荷が変動する場合でも共振器内の光路は影響を受けず、一定でなければならないという要求から生じる許容負荷の点で、著しく制限されている。100W/cm2を超過してはならないであろう。この場合も、本発明に基づくレーザーの原理が解決方法を提供する。AOMは、EOMとまったく同じく、自由開口部の中に境界されているため、基本構造は、a)で説明した構造と類似しており、従って望遠鏡が使用され、EOMの位置にAOMがくる。自由なレーザー機能は、通常のケースでは、ゼロ電圧のAOMに対して生じる。レーザーの停止、すなわち限界値を下回るフィードバックの低下は、AOMの作動によって達成されるため、これを2回通過する場合、その都度多くの放射線がフィードバック部分から外へ偏向し、吸収体によって吸収されることにより、レーザー機能が停止する。実施例では、回折したビームがフィードバックに利用される第2の可能性も説明される。

0049

達成可能なスイッチ時間は、μs領域以下にあり、従ってAOMでもMHz領域の変調周波数を実現することができる。AOMを使用する利点は、とくに、CdTeに比べてGeの堅牢性光学的均質性が高いこと、必要なスイッチ電圧ならびにコストが低いことである。

0050

c)干渉レーザービーム変調器(ILM)の使用
この種の変調器は、ファブリーペロ干渉計(FPI)の原理に基づいており、通常、光学的に有効なエレメントとして2つのZnSeプレートが装備される。ZnSeの非常に有利な特性とCO2レーザー技術における幅広い使用範囲とにより、ILMは、一方で、問題なく共振器内のビーム径に適合できるため、とくに追加の望遠鏡は不要であり、他方では、放射線負荷容量がCdTe及びGeの場合よりも明らかに高いという利点を提供する。これにより、そのような変調器によって、本発明に基づく構造のマルチkWレーザーにも切り替えることができる。

0051

ILMは可変ビームスプリッタとして働くため、発生するレーザー出力は、実質的に損失なしに透過ビームと反射ビームとに分割され、このとき、分割比は非常にフレキシブルであるが、kHz領域内でのみ、該当する制御によって変更することができる。ILMは数値1の最大透過を達成することから、光路内におけるILMの配置は(EOM及びAOMと同じような箇所に)、それが完全なレーザー機能状態に該当するように行われる。ILMが、制御電流によって上昇する反射方向に強く合わせられるほど、共振器損失は一層上昇する。というのも、ILM軸が共振器軸に対して少し傾斜することによって、反射した部分はフィードバック光路から外へ回折し、吸収体によって消滅してしまうからである。この損失により、レーザー限界値を再度下回ると、レーザー機能は停止する。

0052

このシステム変更形態が一般的に達成可能な切替パラメータもしくはパルスパラメータは、μs領域の切替時間及びパルス持続時間、ならびに大きさにして104Hzまでのパルス繰返し周波数である。ILM型の変調器は、数百Wまで負荷をかけることができるため、より大きいkWの平均レーザー出力が達成可能である。

0053

d)機械式スイッチの使用
本発明に基づくレーザーのQスイッチには、単純な機械式スイッチ、具体的には回転するピンホールもしくはスリット開口又は急速振動傾斜ミラーも有利に使用することができる。例えば、フィードバック部分には、精度の高い中間焦点を備えるケプラー望遠鏡を置くことができ、この焦点の位置で、急速回転ピンホールもしくはスリットディスクを用いて、μs領域の短い時間で切替えを行うことができる。ディスク上の自由開口部の数及び配置に応じて、また、ディスクの回転速度に応じて、非常に効率的に、使用可能な平均レーザー出力を、最大数十kHzのパルス繰返し周波数で大幅に出力が上昇する、μs領域の一般的なパルス持続時間を有するパルスに変換することができる。ここでも、フィードバック部分における低い放射線強度が有利に作用する:すなわち、出力の強いパルスを生成する場合、回転ディスク切替エッジは高い強度に晒され、従来型レーザーでは、このことが鋭い切替エッジのアブレーションを発生させ、比較的急な切替エッジの破損につながるおそれがあるが、一方、本発明に基づくレーザーでは、そのことが回避される。
実施例においては、急速振動傾斜ミラーを備えるシステムの変更形態も説明される。

0054

3.自励発振
すでに上記に示したように、本発明に基づくレーザーは、その特殊な供振器構造に基づいて、非常に特殊な作動モード、すなわち自励発振を示す。この新しい効果を、以下に詳細に説明する。自励発振を発生させるには、説明したレーザーに特徴的な2つのエレメント、すなわち共振器の一方の端部のλ/4移相器と他方の端部のTFPとを精密に設定することが基本であり、必要に応じて波長選択エレメントを使用し、移相器及びTFPの仕様に対応した、正確に規定された波長でレーザーが作動するようにしなければならない。「精密な設定」とは、この場合、λ/4移相器(一般的なPRSを想定する場合)の入射レベル及びTFPがちょうど45°互いに回転していることを意味している。共振器の2つの100%エンドミラーは、同様に、一般的なやり方で正確に調整しなければならない。

0055

レーザーをオンにした後に生じるプロセスを質的に理解するために、活性媒体の反転分布がほぼ平衡状態に達していると仮定し、始めは自発的に放出されて無作為レーザー軸方向に正確に進む光量子だけから成る開始放射線ビームが、さらに共振器内に拡散する過程でどのように行動するかを、次に説明する。この効果は、この開始放射線ビームが活性媒体の端部で始まると想定するともっとも分かりやすく、この開始放射線ビームはTFP部分にあり、活性媒体内部の方向、すなわちλ/4移相器の方向に移動する。そこまでの経路でビームが強化され、この場合、自発的に放出される開始放射線ビームには一般的である非偏光状態が実質的に維持される。ここでは、移相器‐100%エンドミラー‐移相器という経路部分も変わらないが、それは、ここですべての放射線部分が均等に90°回転しているからであり、すなわちビームは非偏光のままである。2回目に活性媒体を通過する際にさらに増強された後、ビームはTFPに当たり、そこで、同じ強さの主に2つの部分ビームに分割され、これらの部分ビームは直線偏光だが、互いに垂直に偏光されている。それらのうちの1つはアウトカップリングされ、もう1つはフィードバックされる。フィードバックするビームは、次に、再びλ/4‐移相器の方向に活性媒体を通り抜けるが、その特性は、開始放射線ビームに対して次のように顕著に変更されている:すなわち、第1に、このビームは直線偏光されており、第2に、誘導放出によってすでにかなり高い出力を備えている。共振器を通る2回目の「往復」の際、ビームはさらに増強され(このことは自励発振にとって重要である)、λ/4‐移相器を2回通過する際、偏光方向に90°回転するため、TFPに達した時点でビームは完全にアウトカップリングされ、フィードバックは0となる。これにより、誘導放出によるさらなる増強は崩壊し、説明した形で新しいサイクルが始まる前に、レーザーの出力は実質的に0になっている。プロセスの質的説明から明らかなことは、ビームが2回のサイクル、すなわち距離4L(Lは共振器の長さ)を達成したとき、レーザー出力はそれぞれ最大となる。このことから、数式
fimp=c/4L
により、パルス繰返し周波数fimpが生じる。このとき、cは光速度である。数メートルの長さの通常の共振器では、パルス繰返し周波数は大きさにして10MHzで発生する。ここでの前提条件は、放射線ビームの4回の通過によって活性媒体内では反転分布が縮小するが、サイクルを新たに開始するために、それぞれのレーザーのポンプ速度によって異なる一定の「ポンプ時間」が必要となるほどには強く削減されないことである。反転分布が大きく縮小した場合は、もちろんパルス繰返し周波数も低下する。

0056

つまり、本発明に基づき、新しい特殊な共振器設定と関連付けられる自励発振の効果により、ポンプが連続して作動している場合は、相応の周期的パルス列が生じ、このとき、追加の出力変調エレメントを共振器ビーム経路内に組み込む必要はない。「自励発振放射線」の平均出力は、実質的にレーザーのcw値に該当することも注目に値する。

0057

4.放射線アウトカップリングレーザー‐工作物
急速出力変調の前述した可能性から、本発明に基づくCO2レーザーは、材料加工システムで実際に使用される場合、もう1つの有利なメリットを提供する。

0058

具体的には金属などの高反射材料を加工することが多く、これらの材料は、発生する放射線の大部分を反射又は回折する。この放射線は、焦点調節エレメントによって、大抵は平行に非常に良好にレーザーの方向に戻され、アウトカップリングエレメントによって共振器の中に入り込むことができるため、共振器内部の放射線の生成を著しく阻害し、このことが、ビーム品質の悪化ならびにとくにパルスのピーク出力での出力変動を顕著にする。従って、レーザーと工作物との間で放射線をデカップリングするために、ATFRミラー、すなわち偏光依存リフレクタ/吸収体とλ/4移相リターダミラーとの組合せを用いて、一種の「光ダイオード」を作ることが従来技術で一般的に行われており、この光ダイオードは、レーザービームを工作物の方向へ通すが、戻ってくるビーム部分は吸収する。

0059

本発明に基づくCO2レーザーで作業する場合、ATFRミラーの作用は、偏光ビームスプリッタの形態でレーザーの中に内在している。すでに説明したように、ビームは直線偏光されてレーザーを離れる。工作物までの往復途中で、ビームがλ/4移相リターダミラーを2回通過する場合、その偏光面は90°回転するため、ビームは、偏光ビームスプリッタ上に当たると、自動的に共振器光路から外へと方向転換し、吸収体によって吸収されることができる。

0060

すなわち、次の2つの利点が生じる:1つは、ATFRミラーのコンポーネントを省略できることであり、もう1つは、消滅するビーム部分は、ATFRミラーの場合のように温度感受性コンポーネント自体によって吸収されるのではなく、ビーム経路から望ましい形で外へ方向転換し、適切な吸収体に供給される。

0061

5.外部出力変調
多数のレーザー材料加工作業では、加工プロセス中にレーザー出力を変更する必要がある。ほとんどの場合、これは、レーザープロセス自体への介入によって、とくにポンプへのエネルギー供給を変更することによって行われる。しかし、これによってビーム品質に影響が及び、すなわち取り出された出力によってK値が変化し、結果的に加工品質が低下する。この場合、ビーム品質を維持しながら、工作物に適用される出力を広い範囲で変更する外部の変調器が解決方法を提供する。

0062

本発明に基づくレーザーも、最良のビーム品質に関して、選択された特定のパラメータセット、例えばパルス持続時間、パルス繰返し周波数及びパルスピーク出力のために、規定された最適な作動形態が備えられている。従って、レーザー機能自体に影響を及ぼさない外部の変調器によって必要な出力変更を実現することが有利である。

0063

このために、とりわけ2つの効率的な可能性、すなわち音響光学レーザービーム変調器及び干渉レーザービーム変調器が提供され、これらは、それぞれレーザー出口付近に設置することができ、必要に応じて講じられるその他のビーム形成措置、例えば、前述したレーザー‐工作物放射線デカップリングなどが妨害されることはない。

0064

AOMの場合は、回折されたビームを加工ビームとして利用するのが有利である。というのも、このビームは、出力が0から最大値まで制御できるからである。回折されなかったビーム部分は、吸収体によって消滅させるか、又は例えばレーザー出力のオンラインコントロールのために検出器に送ることができる。必要に応じて、レーザーからくる放射線フィールドを変調器に最適に適合させるため、ビーム形成エレメント(望遠鏡、開口部)を用いることができる。

0065

ILMは、干渉計プレートの開放径を容易にレーザービームに適合させることができるため、そのような追加エレメントなしに光路内に組み込むことができる。ZnSeから成るFPIプレートは、一般に加工ビームとして利用される透過光線のビーム品質を悪化させることなく、数百ワットの放射線出力で負荷を加えることができる。利用されない反射部分は、再び、吸収体によって消滅させるか、又はオンラインコントロールで利用することができる。

0066

さらに言及したいのは、レーザーに直接付属するすべてのコンポーネントが、埃、湿気及び気候変動などの外的影響から一般に保護されるように、本発明に基づくレーザー全体をハウジングで囲むことが有利なことである。一般的には、このことは、ハウジング全体が活性媒体と直接接続されていることによって、すなわちコンポーネントがレーザーガスによって囲まれていることによって構造的に解決される。

0067

これにより、コンポーネントの寿命をレーザーの一般的な標準に合わせることができる。

0068

本発明の対象を、次に、図に示されている実施例を用いて説明する。

図面の簡単な説明

0069

本発明に基づくCO2レーザーの概略図である。
λ/4移相器としてのλ/4移相リターダミラー(PRS)の基本構造図である。
ZnSeベースの薄膜偏光子(TFP)の機序を示す図である。
TFP、アウトカップリングするビームとしての透過ビーム、及びフィードバックするビームとしての反射ビームを備える変更形態である。
本発明に基づくCO2レーザーの変更形態である。
TFPと急速出力変調エレメントとを備える変更形態である。
自励発振を実現するための変更形態—第1の共振器サイクルである。
自励発振を実現するための変更形態—第2の共振器サイクルである。
EOMを用いた急速出力変調のシステム変更形態である。
AOMを用いた急速出力変調の2つのシステム変更形態である。
透過ビームを用いたフィードバックである。
回折ビームを用いたフィードバックである。
ILMを用いた急速出力変調のシステム変更形態である。
チョッパーディスクを用いたパルス生成のシステム変更形態である。
傾斜ミラーを用いたパルス生成のシステム変更形態である。
レーザー‐工作物の放射線デカップリングであり、本発明に基づくCO2レーザーを使用した場合の配置である。
レーザービームの外部出力制御の図である。
ILMを用いた変更形態である。
AOMを用いた変更形態である。
共振器のアウトカップリングエンドでの真空気密ハウジングである。

実施例

0070

図1は、本発明に基づくCO2レーザーの基本構造の概略図を示している。この場合、まず、とくに活性媒体1に関して、具体的にどのような幾何学的条件があるかは重要ではない。この図は、共振器の両端部が、それぞれ高反射ミラー3及び4によって閉じられることを示している。偏光ビームスプリッタ5により、共振器は、とくに活性媒体1を含む高出力部分と、比較的低い出力を特徴とするフィードバック部分14とに分割される。この望ましい分割は、偏光ビームスプリッタ5と、共振器のもう一方の端部に取り付けられているλ/4移相器2との相互作用により以下の形で達成される。始めは任意の偏光をもつ放射線6が、活性媒体1の方向から来て、偏光ビームスプリッタ5に当たると、放射線は、互いに垂直に直線偏光される2つの部分に分割され、それらのうち一方は反射し、他方は透過される。図1では、これらのビームは、水平偏光10をもつアウトカップリングするビーム7、及び垂直偏光9をもつフィードバックするビーム8である。フィードバックするビームは、エンドミラー4で反射した後、再び偏光ビームスプリッタ5を通り、活性媒体1で増強され、λ/4移相器2を通過する。偏光ビームスプリッタ5の特徴軸13と、λ/4移相器2の特徴軸12との間の角度ψがどのように設定されたているかに応じて、垂直に直線偏光される入射波偏光状態を変化させることができる。第1の特殊なケースでは、偏光状態は変化しないままであり、第2の特殊なケースでは円形となり、一般的には楕円形である。波がエンドミラー3で反射し、2回目にλ/4移相器2を通過した後、第2の特殊なケースでは、再び直線偏光された放射線が発生するが、今度は水平偏光をもつ放射線が生じる。一般的なケースでは、この楕円偏光が維持されているが、軸比率の変化を伴っている。この偏光楕円の垂直部分と水平部分との間の関係は、偏光ビームスプリッタ5で行われる出力分割にとって重要であり、最終的には、変調された波が活性媒体1においてさらに増強された後、再びこの偏光ビームスプリッタに到達する。すでに説明したように、本発明に基づくCO2レーザーの主要目的は、垂直偏光9をもつフィードバックビーム8の出力を、レーザーの望ましい機能に悪影響を及ぼすことなく、できるだけ低く維持することである。λ/4移相器2(これが実現されるのが好ましい)又は偏光ビームスプリッタ5又は両方が共振器軸11を中心に回転可能に配置されている場合、角度ψの該当する設定によって、最適条件を容易に発見することができる。従来のレーザーと比べ、本発明に基づく解決方法のもう1つの明らかな利点は次のことである:従来型レーザーでは、異なる反射率をもつアウトカップリングエレメントを、労力をかけて交換することによりフィードバック率の最適化を行う必要があるが、ここでは、レーザー機能の最適条件を見つけるために、角度ψを簡単に変更すれば十分である。

0071

最適化された比較的低い出力をもつフィードバック部分14には、具体的には急速出力変調及び/又は波長選択のためのエレメント、ならびにレーザーの高いビーム品質を確保するための適切な空間フィルターなど、ビーム形成15のためのさまざまなエレメントを組み込むことができる。この配置の特別な利点は、例えば高い機能をもつが、出力レスポンスが大きく、従ってこの出力クラスの従来型レーザーでは有利に使用できないエレメントを、本発明に基づくCO2レーザーでは問題なく利用できることである。

0072

図2には、λ/4移相器2の有利な実際の解決方法、すなわち、λ/4移相リターダミラー(PRS)16の使用が図示されている。このミラーは、kW領域の高出力にも適している。左の図は、調整可能なエンドミラー3を備えるコンパクトな配置の断面図であり、右の図は、このユニットが共振器軸11を中心に回転する機序を示している。左の図に示されているように、図の平面は放射線の入射面に対応し、コンポーネントの相対配置は、共振器軸11とPRS16の入射垂線43との間の角度βと、この入射垂線43とエンドミラー3の入射垂線44との間の角度βとが、両方とも45°となるように選択しなければならない。このユニットに当たる放射線ビームが、入射面において、すなわち左図の平面において直線偏光されていると仮定すると、このビームは、偏光には何の変化もなく両方のミラーで反射するため、ほとんど変化することなく活性媒体の中に戻る。しかし、右図に示されているように、ユニットをこの初期ポジションに対して角度ψだけ回転させると、特殊なケースでは、PRS16での第1の反射後、ψ=45°の円偏光放射線が生じ、エンドミラー3での反射後及びそこでの次の第2の反射後には、再び、直線偏光だが、初期の方向に対して垂直に偏光された放射線が生じる。値が0°<ψ<45°の範囲内である場合、楕円偏光放射線が得られる。

0073

本発明に基づくレーザーの重要な特徴は、図示されているユニットによって、活性媒体からくる(例えば図1のように垂直偏光されて)直線偏光放射線が、適切な角度ψの設定により変調され、戻っていく放射線が、垂直偏光成分と平行偏光成分との間で望ましい出力比率を有するようになることである。

0074

偏光ビームスプリッタ5の実際の解決方法として、CO2レーザーのために、ZnSeベースの薄膜偏光子(TFP)17が提供される。その作用機序図3に示されている。特殊コーティングされたZnSeプレートは、ブリュースター角αBで光路の中に入れられ、任意の偏光をもつ入射ビームが、入射面で直線偏光される透過ビームと、これに対して垂直に直線偏光される反射ビームとに分割される。これらの両方のビーム部分について、TFP17の反射率の波長への依存が図に示されているように、CO2レーザーの主要波長が10.59μmの場合、この分割はほぼ完全である。

0075

λ/4移相器2と相互作用することで、TFP17は、本発明に基づき、活性媒体の方向からくるビーム6を、出力の強いアウトカップリングするビーム7(出力PA)と、比較的出力の弱いフィードバックするビーム8(出力PR)に分割することが可能となる。材料加工のための実際の高出力CO2レーザーでは、効率的なフィードバックのために、僅かな割合の入射放射線で足りることが多いため、10以上の出力比PA/PRが適用可能であり、従って、フィードバック部分14の中に組み込むことのできるビーム形成エレメントが受ける放射線負荷は極めて少ない。すでに説明したように、この比率は角度ψによって簡単に設定でき、最適化することができる。

0076

TFP17でのビーム分割には、原則的に2種類がある。反射ビームをアウトカップリングするか、フィードバックに透過ビームを利用するか、又はこの逆である。両方のバリエーションには、とくにTFP17の2つの特徴から生じる利点及び欠点がある。第1は、放射線のp成分の吸収が、s成分の吸収よりも明らかに高いこと、第2は、図3に示されているように、p成分の反射率が波長に強く左右されることである。

0077

反射ビームをアウトカップリングして、透過光線ビームをフィードバックする場合は、2つの利点がある。第1の利点は、s成分としての強い出力部分が、TFP17のちょうど前面で反射し、最小の吸収損失しか被らないこと、第2の利点として、フィードバックに関与する透過p成分のλ依存性が、さらにレーザーの機能を安定化させる作用を有していることである。特定の欠点は、p成分としてのフィードバックするビームが、すなわち吸収が比較的高い場合に、TFP17を2回通過することで、共振器内部の波面が歪む危険が伴うことである。この問題は、反射する部分がフィードバックされると消滅する。しかし、そのために別の2つの問題が生じる。つまり、TFP17内の「熱レンズ」及びp成分の波長依存性によって、集中的にアウトカップリングされたビーム7の発散に大きな影響を与える危険が生じることと、この波長依存性により、望ましくないレーザー線の励起を回避するため、フィードバック部分14で追加の波長選択が必要となることである。後者のバリエーションは図4に示されており、波長選択エレメントとして回折格子ミラー25を備えている。

0078

しばしば使用されるバージョンが図5に示されており、この場合は、反射ビームがアウトカップリングされる。図5a)は、ビームスプリッタとしてのTFP17及びフィードバック部分14における出力変調エレメント15、ならびに一般的な偏光状態をもつもっとも重要なケースを示している。直線の垂直偏光9をもつリターン放射線ビーム43は、第1の通過時にλ/4移相器2で、弱い楕円偏光46をもつ放射線の中で変形し、エンドミラー3での反射後、第2の通過時に、主な偏光成分が水平である強い楕円偏光47をもつ放射線の中で変形するため、活性媒体1で増強されたビーム6が、TFP17において、アウトカップリングする、s成分としての強い反射ビーム7と、p成分としての弱い透過ビーム8とに分割される。弱い透過ビームは、ビーム形成エレメント、具体的には出力変調エレメント15を2回通過し、続いて、さらに出力を損失することなくTFP17を通過し、再び直線の垂直偏光9をもつリターン放射線ビーム43として活性媒体1を通り抜ける。

0079

図5b)及びc)は、自励発振の特殊ケースを示している。効果を分かりやすく示すために、図は、第1の共振器サイクル(5b))と第2の共振器サイクル(5c))とに分けられており、これらが合わさって自励発振の1周期となる。図5b)では、取り出された放射線ビーム45がポイント44でスタートし、このビームは、始めは自発的に放出される、正確にレーザー軸11の方向に進む光量子だけから成る。この非偏光(48)ビームは、活性媒体1の中で増強され、λ/4移相器2を2回通過し、さらに増強された後、最後に、いわゆる非偏光ビーム6として、TFP17に到達する。次に、このTFPは、ビームを、同じ大きさの2つの部分7及び8に分割し、これらのビームは、図示されているようにそれぞれ直線偏光されている。ビーム8がフィードバックされ、ポイント44に達すると、第1のサイクルは終了する。

0080

次に、直線偏光9を伴う、すでに比較的強くなっているビーム8は、さらに増強された後、λ/4移相器2に達し、この移相器は、ビームが第1の通過後は正確に円偏光49を有し、次のエンドミラー3での反射及び第2の通過後は再び直接偏光されるが、今度は水平(10)に偏光されているように設定されている(角度ψによって)。このビームは、さらに増強した後、TFP17に達し、今度は完全に反射され、すなわちアウトカップリングされる。フィードバックは0であり、図示されているプロセスは再び新たにスタートする必要がある。すなわち、自励発振のパルス繰返し周波数は、基本的に、共振器を2回「往復」することによって規定される。アウトカップリングされた放射線ビーム7の正確な時間的出力変化は、レーザーパラメータ複合的に左右され、平衡方程式によって算出されるか、又はもちろん経験的にも調べることができる。

0081

本発明に基づくCO2レーザーの多数の可能なシステム変更形態から特徴的な例が、図6〜10に示されている。

0082

まず、図6には、EOM18が共振器のフィードバック部分14に取り付けられる。そのような変調器の使用は、CO2レーザーの大きな波長にとって問題があり、例えばCdTeから成る比較的小さく高価な切替結晶を用いる必要があり、これらの切替結晶は高い接触電圧を必要とし、光学パラメータ(放射線負荷容量及び吸収)に関して最適ではない。しかし、その反面、それらの極端に高い切替速度は有利であり、使用する価値がある。従来のCO2レーザーに比べ、本発明に基づくレーザーは、言及した問題を解決する大きな利点を提供する。第1にアウトカップリングするビーム7の平均出力が比較的高い場合も、例えばガリレオ型望遠鏡22を使用することにより、フィードバックビーム8の直径Dを小さな切替結晶18の自由開口部dに適合させることができるように、また、増加した出力密度によって結晶が破壊されるおそれのないように、フィードバック部分14の出力を大幅に縮小することができる。第2に、TFP17と共に、電気光学結晶による変調の際に必要となる偏光選択エレメントがすでに共振器内に内在して含まれているため、これを追加的に取り付ける必要がない。フィードバックを完全に停止するには、この変調器に4分の1波長電圧を加えて、フィードバックするビーム8の偏光を90°回転させれば十分であるため、このビームは、リターンの際にTFP17によって完全にビーム28として反射され、吸収体26によって消滅する。

0083

図7は、同様の配置を示しているが、AOM19が装備されている。切替速度は、とりわけ開放径dによって異なることから(dが小さい‐切替速度が高い)、これらの変調器はd<10mmでのみ使用することができ、そのため、ここでも大抵はガリレオ型望遠鏡22を組み込むことが必要である。音響光学結晶としてCO2レーザーで使用されるゲルマニウムは、同様に、高強度に対し比較的敏感に反応するため、フィードバック部分における低出力は、本発明に基づくレーザーの重要な利点である。

0084

図7は、AOMを使用する2つの変更形態を示している。図7a)ではフィードバックが、すなわちレーザーが作動する状態が、制御信号なしにAOM19から直接エンドミラー4の方向に通過するビームを介して行われる。制御信号がある場合、すなわち変調器内に屈折率格子が生成される場合、往復するビームは、制御信号に応じてある程度大きな度合で共振器光路から外へ曲げられる(ビーム29)。これにより、フィードバック及び結果的にレーザー出力を変調することが可能となる。吸収体26によって吸収される回折損失が十分に高い場合、レーザーはその限界値に達し、従って完全に停止することができ、より適切なパルス作動が可能である。

0085

図7b)に示されている第2の変更形態では、制御信号が出されたときに変調器によって屈折するビーム29がフィードバックのために利用される。ここでは、制御信号=0の場合、フィードバックも0となるため、レーザーが停止することは明らかである。非常に小さいフィードバックですでに励起する、非常に高い増幅率を備えるレーザーも、適切にパルス発振することができる。この配置のもう1つの有利な様態は、その波長選択性であり、これは回折プロセスに内在している。従って、必要に応じて、共振器光路内のもう1つの波長選択エレメントを省略できる。高いビーム品質を確保するため、及びAOMの周縁領域での望ましくない回折効果によって、レーザーの横モード構造に影響を与える可能性を取り除くため、適切な空間フィルターとして、望遠鏡22と変調器19との間に特殊開口部53を置くことができる。

0086

図8は、本発明に基づくCO2レーザーの急速出力制御のためにILM20を使用している図である。図示されている配置では、最適なケースにおいてこの変調器が透過率=1に設定されており、フィードバックするビーム8がほとんど損失なく通過することができる場合に、レーザーが働く。該当する制御電流を加えると、干渉計プレートの間隔が変化し、ある程度強く反射した放射線部分30が発生し、これは吸収体26によって消滅する。T=1−Rにより、透過部分が同じ程度低下し、従ってフィードバックも低下することで、レーザーの出力を変調又は停止させることができ、これによってパルスモードを実現することができる。

0087

説明した状況は、レーザーが、正確に1つの波長で働いている場合だけ正常に機能する。このために波長選択エレメントを取り付ける必要があり、これが図8では回折格子25であり、この回折格子は同時にエンドミラー4の代わりにもなる。

0088

ILMも、高出力に対し比較的敏感に反応するが、それは、高負荷場合、2つの干渉計プレートが、透過される波長面に顕著に影響を受けるためである。結果的に、ここでも、フィードバック部分14での低い放射線負荷が、重要な要素である。

0089

前述した形態のようにフレキシブルではないが、非常に簡単かつ低コストであるもう1つの変更形態が図9に示されている。制御可能なモータ24によって駆動され、少なくとも回転数によって簡単に調整可能な急速回転チョッパーディスク21を用いて、フォードバックするビーム8が周期的にオン/オフになる。特別にスイッチオンプロセスがμs領域でできるだけ迅速に行われ、強い出力上昇によって本来のQスイッチ効果が生じるようにするため、フィードバックするビーム8は、その元の直径で「チョッピングされる」のではなく、ケプラー型望遠鏡23の中間焦点の中でチョッピングされる。その他のエレメントは、原則的に必要ない。このシステムにおいてもやはり、フィードバック部分14における低出力の利点は、望遠鏡内での精密な焦点設定にもかかわらず、非常に出力の強いパルスを生成する場合も切替エッジでの火花が形成されないため、チョッパーディスク21の寿命を大幅に低下させるおそれのある材料侵食が生じないことにある。

0090

現在の高出力走査システム発達によって関心が持たれている変更形態を図10に示す。同時にレンズベースの望遠鏡の代わりにミラーバージョンでどのように代替可能であるかも示すため、ここでは、凹鏡面50と凸鏡面51とから成るガリレオ型望遠鏡を使用する。この望遠鏡によって直径を縮小された放射線ビーム8は、エンドミラー4の代わりに使用される傾斜ミラー52に当たる。この傾斜ミラー52の急速振動によって、レーザー共振器は、調整状態非調整状態との間で急速に切り替えられ、このようにして放射線パルスを発生させることができる。達成可能なパルス繰返し周波数は、大きさにして104Hzである。このパルス繰返し周波数は、傾斜ミラー52の質量及び従ってその直径に左右されるため、ビーム径の減少は妥当なことである。ここでも、フィードバック部分14の低出力は極めて有利である。というのも、mmサイズの非常に小さなミラー直径と、それよって非常に高いパルス繰返し周波数とを、ミラーが破壊される危険なしに利用できるためである。

0091

本発明に基づくCO2レーザーの利点は、レーザー自体の放射線特性だけに限定されない。図11は、このレーザーを材料加工装置で使用する場合にもたらされる大きな利点を示している。そのような装置の場合、1つには、直線偏光ではなく、円偏光された放射線36が工作物33に送られ、他方では、レーザーと工作物との間で放射線デカップリング措置が講じられるのが一般的であり、それによって、例えば、高反射材料からレーザー方向に戻る放射線37によって、レーザーの放射線形成プロセスが不安定にならないようにしている。従来型装置では、この目的のために、s偏光放射線を反射し、p偏光放射線を吸収するATFRミラーと、λ/4移相器34という2つのコンポーネントを組み合わせて使用する。本発明に基づくCO2レーザーを使用する場合、ATFRミラーは省略することができ、それは、このミラーの偏光ビームスプリッタの役割を、図11では、すなわちTFP17が自動的に達成できるからである。つまり、外部のλ/4移相器34を2回通過した後、工作物33からくる放射線ビーム38は直線に、しかしレーザービーム35に対しては垂直に偏光されており、結果的にTFP17を完全に通り抜けるため、共振器光路から排除される。吸収体26は、この放射線を消滅させる。

0092

実際の材料加工プロセスでは、ほとんどの場合、レーザー出力の変更が必要である。この場合、最適に設定されたレーザー機能自体のパラメータ、とくにレーザービームの品質に影響を与えないためには、外部の出力変調が有利である。図12は、本発明に基づくCO2レーザーと組み合わせて利用できる2つの可能性を図示している。図12a)には、外部出力変調のためのILM54の使用が示されている。この場合、レーザーからくるビーム35は、ILM54によって出力が制御されるビームであって、工作物33に送られる透過ビーム59と、残りの出力を備える反射ビーム58とに分割される。この反射ビームは、選択的に吸収体又は放射線検出器であってもよいコンポーネント55で消滅させられるか、又はオンラインモニタのために利用される。ILM使用の利点は、その比較的高い放射線負荷容量であるが、変調速度は10〜100μsの範囲にある通常の時間に制限されている。達成可能な出力の最大‐最小変調範囲は、使用される干渉計プレートに左右される。一般的なILMモデルは、係数にして10〜100のレーザービーム35の減衰が可能である。

0093

図12b)に示されているAOM57の使用によって、準μs領域の非常に高い変調速度が可能になり、一般的には、このAOMの上流に、ビーム形成のための光学エレメント56、例えばビーム径を適合するための望遠鏡及びビーム品質を確保するための特殊開口部が接続されている。この例では、回折したビームが、出力調整されたビーム59として工作物33に送られる。残りのビーム58は、再び選択的に吸収体/検出器55内で消滅させられるか、又は測定される。この配置のもう1つの利点は、ビーム59を任意の強さに、最小では0Wにまで減衰できるという事実である。しかし、制御可能な出力は、AOMモデルに応じて制限されている。

0094

図13には、本発明に基づくCO2レーザーを実際に実現するために重要となる要素が図示されている。敏感な共振器内部のコンポーネントの長期間安定性保証するため、すなわち、これらのコンポーネントを、具体的には埃や天候の影響から保護するためは、システム全体を真空密閉したハウジング31の中に収納するべきであると考えられる。
図12は、薄膜偏光子17及びフィードバック部分14のエレメントを備えるレーザーエンドに対してこのことを示している。アウトカップリングするビーム7は、透光性材料、好ましくはZnSeから成る窓32を介してレーザーを離れる。同様に、共振器のもう一方の端部に取り付けられているエレメント、すなわちλ/4移相リターダミラー16及びエンドミラー3も、ハウジング内に含まれなければならない。

0095

実際には、真空密閉されたハウジング31全体を、活性媒体1の容積と接続することができる。

0096

1活性媒体
2 λ/4移相器
3エンドミラー1
4 エンドミラー2
5偏光ビームスプリッタ
6 偏光ビームスプリッタ5又は17に当たるビーム
7アウトカップリングするビーム
8フィードバックするビーム
9垂直偏光方向
10水平偏光方向
11共振器軸
12 λ/4移相器2の特徴軸
13 偏光ビームスプリッタ5の特徴軸
14共振器のフィードバック部分
15ビーム形成エレメント
16 λ/4移相リターダミラー(PRS)
17薄膜偏光子(TFP)
18電気光学変調器(EOM)
19音響光学変調器(AOM)
20干渉レーザービーム変調器(ILM)
21チョッパーディスク
22ガリレオ式望遠鏡
23ケプラー式望遠鏡
24駆動エレメント
25反射回折格子
26吸収体
27 ILM20の光学軸
28 EOM18から偏光方向に90°回転したビーム
29 AOM19から偏向したビーム
30 ILM20から反射したビーム
31真空密閉されたハウジング
32透光性材料から成る窓
33工作物
34 外部λ/4移相器
35レーザーの直線偏光放射線
36 工作物の方向に進む円偏光放射線
37 工作物からレーザーの方向に進む円偏光放射線
38 工作物からきて、λ/4移相器(34)によって直線偏光された放射線
39偏向ミラー
40加工ヘッド
41 PRS16の入射垂線
42 エンドミラー3の入射垂線
43 λ/4移相器2の方向に進むビーム
44自然放射線スタート地点
45 共振器軸11方向に進む、自然放出される弱いビーム
46 弱い楕円偏光
47 強い楕円偏光
48非偏光放射線
49 円偏光
50凹鏡面
51凸鏡面
52傾斜ミラー
53 特殊開口部
54 外部に配置されたILM
55 吸収体又は検出器(選択)
56 外部のビーム形成エレメント
57 外部AOM
58 排除される放射線部分
59出力調整された放射線
c光速度
d縮小されたレーザービーム径
D レーザービーム径
fimpパルス繰返し周波数
共振器長
P0 分割前の放射線出力
Pp 平行偏光された放射線部分の出力
Ps 垂直偏光された放射線部分の出力
PA アウトカップリングするビームの出力
PR フィードバックするビームの出力
S1、S2 エンドミラー
AOM 音響光学変調器
ATFR薄膜反射吸収体
cw連続波
EOM 電気光学変調器
FPIファブリー・ペロ干渉計
ILM 干渉レーザービーム変調器
PRS λ/4移相リターダミラー
TFP 薄膜偏光子
αBブリュースター角
β 共振器軸とPRSの入射垂線との間の角度
ε 共振器軸に対するILM軸の傾斜
λ波長
ψ 偏光ビームスプリッタの特徴軸とλ/4移相器の特徴軸との間の角度

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