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技術 二重刺激

出願人 コーデイト・メディカル・アクチエボラーグ
発明者 ヤン-エリック・ジュウトフレドリック・ジュウトウィリアム・ホルムヴィクター・クローネステット
出願日 2012年12月14日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2014-546553
公開日 2015年4月9日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-510404
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 垂直部品 振動発生部材 刺激設定 振動ポンプ 可動プランジャ 数ヘルツ 係留部材 発見的探索
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特許:約8,000万件, クラウドファンディング:約100万年件, 科研費・グラントデータ:約500万件, 発明者・研究者情報:約600万人

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図面 (8)

課題・解決手段

本発明は、第1の刺激部材(2)および第2の刺激部材(2)を備え、前記第1の刺激部材は第1の鼻腔に導入可能であり、前記第2の刺激部材は第2の鼻腔に導入可能であり、前記第1および第2の刺激部材は、組織に当接するとともに、少なくとも1つの鼻腔内で前記組織に対して振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのデバイスに関する。

概要

背景

蝶形骨口蓋神経節は、翼口蓋窩に見られる副交感神経節である。頭部および首の4つの副交感神経節のうちの1つである。脳の外側の頭部におけるニューロンの最大の凝集体を有する。蝶形骨口蓋神経節は、頭部および首の痛みから背下部の痛みに及ぶ種々様々な痛みの問題と関連付けられてきた。例えば、蝶形骨口蓋神経節の電気刺激は、急激な重度群発性頭痛緩和することが示されてきた(非特許文献1)。他の例では、蝶形骨口蓋神経節のブロックは頭痛と関連付けられる痛みの低減に成功してきた。

視床下部は、視床の下方にあって、様々な機能を備えた多数の小核を含有する脳の一部分である。視床下部の最も重要な機能の1つは、下垂体を介して神経系と内分泌系との間をリンクすることである。片頭痛メニエール病高血圧、群発性頭痛、不整脈ALS過敏性腸症候群睡眠障害糖尿病肥満多発性硬化症耳鳴りアルツハイマー病、気分および不安障害、ならびにてんかんなど、いくつかの疾患は、視床下部における機能障害と関連付けられる。多くの場合、視床下部と問題の症状との間の関係は完全には理解されていない。

ホートン頭痛とも呼ばれる群発性頭痛(CH)は最も重度の原発性頭痛障害である。その疾病は、鼻閉眼瞼下垂流涙、および目の赤みなど、同側性自律神経徴候を伴う場合がほとんどである、激しい一側性眼窩周囲の痛みの短時間発作が反復されることを特徴とする。新しい外科的療法が試験されてきた。しかし、これらの治療侵襲性であり、重篤合併症を引き起こす恐れがある。CHの病態生理学は現在未知であるが、視床下部および副交感神経系関与が提案されてきた(非特許文献2)。

心拍リズムの問題(心臓不整脈)は、心拍を調整する心臓内電気インパルスが適切に働いていないときに起こって、早すぎる、遅すぎる、または不規則な心拍を引き起こす。心臓不整脈は無害である場合が多い。ほとんどの人は、心臓粗動またはどきどきのように感じられることがある、随時の不規則な心拍を有する。しかし、一部の心臓不整脈は、厄介な、場合によっては生命脅かす危険さえある、徴候および症状を引き起こすことがある。治療の形態は、不整脈のタイプおよび深刻度に応じて決まる。症状を有する一部の人は治療を要さない。それ以外の人の場合、治療は、投薬ライフスタイルを変化させること、および外科的処置を受けることを含む場合がある。不整脈に関して提案される理由は、いわゆる交感神経失調症、即ち自律神経系の交感神経の失調であり、心拍数迷走神経を介して視床下部によって制御され、かかる失調が視床下部の活動に関係するのが妥当と思われる。

被験者における全身作用を用いて治療を実施するための、いくつかの既知デバイスがある。例えば、鼻腔で使用されるデバイスは、鼻粘膜うっ血除去などの局所効果を達成することを狙いとする場合が多く、化学物質との組み合わせで使用される場合が多いことがある。鼻粘膜に対する局所効果を達成するためのデバイスの一例が、特許文献1に開示されている。

機械的振動体腔内の、例えばの中または他位表面上の組織に影響を及ぼすことによる、デバイスも知られている。特許文献2には、基幹脳に対する活性を増加させるシステムが開示されている。開示されるシステムは、第1および第2の振動適用デバイスを備え、第1の振動適用デバイスは、可聴範囲内の周波数成分を有する振動を生体聴覚系に適用する。第2の振動適用デバイスは、可聴範囲を超える超高周波数成分を有する振動を、鼻腔など、聴覚系とは別の領域に適用する。

特許文献3には、血管運動性鼻炎の自律神経的形態(neuroautonomic form)を治療する方法が開示されている。より具体的には、方法は、手、、および付近に位置する特定の生物学的に活性な地点(BAP:s)の振動マッサージと組み合わせて、下鼻甲介および中鼻甲介の前部3分の1に、50Hzの周波数で1.5〜2分間、振動マッサージを施すことを伴う。振動マッサージを供給するのに使用される機器は、ボールおよび先端を有する振動マッサージ機器として記載されている。

特許文献4には、蝶形骨口蓋神経節の非侵襲性神経調節のための方法およびシステムが開示されている。片頭痛および群発性頭痛を治療する超音波振動子が記載されている。超音波を有効に骨に浸透させることを可能にする音響周波数、例えば0.44MHz(一般的に、0.3〜0.8MHzの範囲)が使用される。

概要

本発明は、第1の刺激部材(2)および第2の刺激部材(2)を備え、前記第1の刺激部材は第1の鼻腔に導入可能であり、前記第2の刺激部材は第2の鼻腔に導入可能であり、前記第1および第2の刺激部材は、組織に当接するとともに、少なくとも1つの鼻腔内で前記組織に対して振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのデバイスに関する。

目的

視床下部の最も重要な機能の1つは、下垂体を介して神経系と内分泌系との間をリンクすることである

効果

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請求項1

第1の鼻腔に導入可能であり、第1の鼻腔内で膨張され、第1の鼻腔内で組織に当接するように配置される第1の刺激部材と;該第1の刺激部材を膨張させるように配置される第1の膨張部材が、少なくとも部分的に第1の刺激部材内に配置される第1の管状構造を備え、該第1の管状構造が、刺激部材と流体連通するように配置される複数の開口部を備える、該第1の膨張部材と;第2の鼻腔に導入可能であり、第2の鼻腔内で膨張され、第2の鼻腔内で組織に当接するように配置される第2の刺激部材と、該第2の刺激部材を膨張させるように配置される第2の膨張部材が、少なくとも部分的に第2の刺激部材内に配置される第2の管状構造を備え、該第2の管状構造が、該第2の刺激部材と流体連通するように配置される複数の開口部を備える、該第2の膨張部材とを備え;ここで、該第1および第2の刺激部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの鼻腔内の組織に振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのデバイス

請求項2

第1の刺激部材は、第1の鼻腔の組織に振動を付与するように配置され、第2の刺激部材は、第2の鼻腔の組織に振動を付与するように配置される、請求項1に記載のデバイス。

請求項3

刺激部材の少なくとも1つは、鼻腔の組織によって少なくとも1つの刺激部材に及ぼされる圧力を測定するように配置される圧力センサを備える、請求項1に記載のデバイス。

請求項4

少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激の間、第1および第2の刺激部材を第1および第2の鼻腔内の固定位置で固定するように配置される、少なくとも1つの係留部材をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項5

第1および第2の膨張部材を介して、第1および第2の刺激部材に接続可能な少なくとも1つの振動発生部材をさらに備え、ここで、少なくとも1つの振動発生部材は、第1および第2の刺激部材の少なくとも1つを振動させるように配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項6

第1の刺激部材は第1の振動発生部材に接続可能であり、第2の刺激部材は第2の振動発生部材に接続可能であり、ここで、第1および第2の振動発生部材は、第1および第2の刺激部材を振動させるように配置される、請求項5に記載のデバイス。

請求項7

第1および第2の刺激部材はそれぞれ、例えば約50Hz〜80Hz、約50Hz〜70Hz、約60Hz〜70Hzなど、40Hz〜100Hzの範囲から選択された少なくとも1つの周波数で、第1および第2の鼻腔のそれぞれに対して振動を付与するように配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項8

第1の刺激部材は、第2の刺激部材とは異なる周波数で振動を付与するように配置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項9

第1の刺激部材および第2の刺激部材によって付与される周波数間の差は、10〜20Hzの範囲など、5〜30Hzの範囲である、請求項8に記載のデバイス。

請求項10

第1および第2の刺激部材の少なくとも1つは、約0.05mm〜20mmの範囲の振幅で振動を付与するように配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項11

第1および第2の刺激部材はそれぞれ、例えば約50mbar〜120mbarの範囲、約70mbar〜110mbarの範囲、約90mbar〜105mbarの範囲など、約20mbar〜120mbarの範囲から選択される少なくとも1つの圧力で、第1および第2の鼻腔のそれぞれの組織に当接するように配置される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項12

第1の管状構造は、第1の管状構造の第1の長手方向に垂直な第1の方向における曲げ剛性を有し、該曲げ剛性は、第1の方向に垂直であるとともに第1の管状構造の第1の長手方向に垂直な別の方向における曲げ剛性とは異なる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項13

第2の管状構造は、第2の管状構造の第2の長手方向に垂直な第2の方向における曲げ剛性を有し、該曲げ剛性は、第2の方向に垂直であるとともに第2の管状構造の第2の長手方向に垂直な別の方向における曲げ剛性とは異なる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項14

第1および第2の管状構造はそれぞれ、第1および第2の刺激部材のそれぞれの中で自由であるとともに該刺激部材のそれぞれと流体連通するように配置される、1つの開口部を一端に備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項15

第1の膨張部材の第1の管状構造の一端から第1の刺激部材の内壁までの距離は、1〜10mmの範囲であり、第2の膨張部材の第2の管状構造の一端から第2の刺激部材の内壁までの距離は、1〜10mmの範囲である、請求項14に記載のデバイス。

請求項16

第1の管状構造の複数の開口部は、第1の管状構造の第1の長手方向に沿って分配され、第2の管状構造の複数の開口部は、第2の管状構造の第2の長手方向に沿って分配される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項17

第1および第2の管状構造のそれぞれにおいて、複数の開口部は、第1および第2の長手方向のそれぞれに沿って管状構造の対向面部分上に交互に配置され、第1の長手方向に垂直な第1の管状構造の第1の断面および第2の長手方向に垂直な第2の管状構造の第2の断面はそれぞれ、第1の管状構造および第2の管状構造のどちらかの面の1つの開口部のみと交差する、請求項16に記載のデバイス。

請求項18

第1の管状構造の第1の長手方向に沿って分配される開口部の数は4〜6個であり、第2の管状構造の第2の長手方向に沿って分配される開口部の数は4〜6個である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項19

開口部はそれぞれ独立して、1〜5mmの範囲のサイズを有する、請求項1〜18のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項20

第1および第2の管状構造はそれぞれ、1〜5mmの範囲の外径を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項21

第1の膨張部材は、第1の管状構造と流体連通して配置される第1の細長い構造をさらに備え、第2の膨張部材は、第2の管状構造と流体連通して配置される第2の細長い構造をさらに備える、請求項1〜20のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項22

第1および第2の膨張部材はそれぞれ、流体を刺激部材に供給するなどのため、第1および第2の刺激部材と流体連通して配置される少なくとも1つのチャネルを備える、請求項21に記載のデバイス。

請求項23

第1および第2の細長い構造はそれぞれ管状であり、第1および第2の管状構造それぞれの直径の2〜4倍の直径を有する、請求項21または22に記載のデバイス。

請求項24

5〜15mmの範囲内の長さから選択される長さである、第1および第2の細長い構造の一部は、第1および第2の刺激部材それぞれの中に配置される、請求項21〜23のいずれか1項に記載のデバイス。

請求項25

請求項1〜24のいずれか1項に記載のデバイスと;デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方によって、第1および第2の鼻腔の一方または両方に付与される、振動の周波数を調節するように配置される周波数調整モジュール;デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方によって、第1および第2の鼻腔の一方または両方に付与される、振動の振幅を調節するように配置される振幅調整モジュール;ならびに、デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方が、第1および第2の鼻腔の一方または両方の組織に当接する、圧力を調節するように配置される圧力調整モジュールのうち少なくとも1つとを備える、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのシステム

請求項26

振動刺激に対する身体反応測度を反映する入力信号を、少なくとも1つの関連する振動刺激パラメータとともに含む、データ時間サンプルを取得し格納するように配置されるデータ収集モジュールをさらに備え、振動刺激パラメータは、第1および第2の刺激部材の一方または両方によって付与される振動の周波数;第1および第2の刺激部材の一方または両方によって付与される振動の振幅;第1および第2の刺激部材の一方または両方が第1および第2の鼻腔の一方または両方の組織に当接する圧力;第1および第2の刺激部材によって付与される振動の周波数間の差;第1および第2の刺激部材によって付与される振動の振幅間の差;第1および第2の刺激部材が第1および第2の鼻腔の組織に当接する圧力間の差、ならびに、振動刺激持続時間から選択される、請求項25に記載のシステム。

請求項27

測度の所望の値に近付いたかを判断するために、格納された入力信号を分析するように配置される分析モジュールをさらに備え、ここで、所望の値に近付いていない場合、分析モジュールは、周波数調整モジュール、振幅調整モジュール、および圧力調整モジュールのうち少なくとも1つに対して、無作為の調節;身体反応の測度の所望の変化と少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関を含む事前プログラムされたルックアップ・テーブルから計算される調節、および、身体反応の測度の所望の変化と以前に格納したデータ時間サンプルから導出されるような少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関に基づいて計算される調節のうち1つを用いて、請求項26に定義したような少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節することを指示するように配置される、請求項26に記載のシステム。

請求項28

身体反応の測度の所望の値は、振動刺激の間に以前に取得した身体反応の測度に比例するか、あるいは、初期測定値の数分の1に、または事前プログラムされた所望の値に設定される、請求項27に記載のシステム。

請求項29

第1および第2の刺激部材によって付与される振動の周波数間の差は、約10Hz〜20Hzなど、約5Hz〜30Hzの範囲である、請求項25〜28のいずれか1項に記載のシステム。

請求項30

第1および第2の刺激部材によって付与される振動の振幅間の差は、約0.05mm〜1.5mmの範囲である、請求項25〜29のいずれか1項に記載のシステム。

請求項31

第1および第2の刺激部材が第1および第2の鼻腔の組織に当接する圧力間の差は、例えば約10mbar〜80mbar、例えば約20mbar〜50mbarなど、約5mbar〜100mbarの範囲である、請求項25〜30のいずれか1項に記載のシステム。

請求項32

身体反応の測度を反映する入力信号は、第1の鼻腔の組織と第1の刺激部材との間、または第2の鼻腔の組織と第2の刺激部材との間の圧力である、請求項25〜31のいずれか1項に記載のシステム。

請求項33

身体反応の測度を反映する入力信号は、視床下部蝶形骨口蓋神経節、およびそれらの組み合わせから選択される、生物学的標的の活動を直接もしくは間接的に反映する、請求項25〜32のいずれか1項に記載のシステム。

請求項34

身体反応の測度を反映する入力信号は、fMRIによって測定される酸素消費量、PETによって測定される代謝活性、MEGによって測定される磁気信号EEGによって測定される電気信号心電図(ECG)、痛覚心拍数瞳孔のサイズ、体温光電容積脈波計測図、および血圧から成る群から選択される、請求項25〜33のいずれか1項に記載のシステム。

請求項35

少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激の間、デバイスの第1および第2の刺激部材を第1および第2の鼻腔内の固定位置で固定するように配置される、少なくとも1つの係留部材をさらに備える、請求項25〜34のいずれか1項に記載のシステム。

請求項36

係留部材は、ヘルメットヘッドバンドフェイシャルマスク、および眼鏡から成る群から選択される、請求項35に記載のシステム。

請求項37

少なくとも1つの係留部材を被験者同士の個体差適合させるように配置される、少なくとも1つの調節部材をさらに備える、請求項35または36に記載のシステム。

請求項38

調節部材は、スナップホイール、好ましくは弾性であるストラップ、およびロック部材から成る群から選択される、請求項37に記載のシステム。

技術分野

0001

本発明は、第1および第2の刺激部材が、鼻腔内の組織に当接するとともに、少なくとも1つの鼻腔内の前記組織に振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのデバイスおよび方法に関する。

背景技術

0002

蝶形骨口蓋神経節は、翼口蓋窩に見られる副交感神経節である。頭部および首の4つの副交感神経節のうちの1つである。脳の外側の頭部におけるニューロンの最大の凝集体を有する。蝶形骨口蓋神経節は、頭部および首の痛みから背下部の痛みに及ぶ種々様々な痛みの問題と関連付けられてきた。例えば、蝶形骨口蓋神経節の電気刺激は、急激な重度群発性頭痛緩和することが示されてきた(非特許文献1)。他の例では、蝶形骨口蓋神経節のブロックは頭痛と関連付けられる痛みの低減に成功してきた。

0003

視床下部は、視床の下方にあって、様々な機能を備えた多数の小核を含有する脳の一部分である。視床下部の最も重要な機能の1つは、下垂体を介して神経系と内分泌系との間をリンクすることである。片頭痛メニエール病高血圧、群発性頭痛、不整脈ALS過敏性腸症候群睡眠障害糖尿病肥満多発性硬化症耳鳴りアルツハイマー病、気分および不安障害、ならびにてんかんなど、いくつかの疾患は、視床下部における機能障害と関連付けられる。多くの場合、視床下部と問題の症状との間の関係は完全には理解されていない。

0004

ホートン頭痛とも呼ばれる群発性頭痛(CH)は最も重度の原発性頭痛障害である。その疾病は、鼻閉眼瞼下垂流涙、および目の赤みなど、同側性自律神経徴候を伴う場合がほとんどである、激しい一側性眼窩周囲の痛みの短時間発作が反復されることを特徴とする。新しい外科的療法が試験されてきた。しかし、これらの治療侵襲性であり、重篤合併症を引き起こす恐れがある。CHの病態生理学は現在未知であるが、視床下部および副交感神経系関与が提案されてきた(非特許文献2)。

0005

心拍リズムの問題(心臓不整脈)は、心拍を調整する心臓内電気インパルスが適切に働いていないときに起こって、早すぎる、遅すぎる、または不規則な心拍を引き起こす。心臓不整脈は無害である場合が多い。ほとんどの人は、心臓粗動またはどきどきのように感じられることがある、随時の不規則な心拍を有する。しかし、一部の心臓不整脈は、厄介な、場合によっては生命脅かす危険さえある、徴候および症状を引き起こすことがある。治療の形態は、不整脈のタイプおよび深刻度に応じて決まる。症状を有する一部の人は治療を要さない。それ以外の人の場合、治療は、投薬ライフスタイルを変化させること、および外科的処置を受けることを含む場合がある。不整脈に関して提案される理由は、いわゆる交感神経失調症、即ち自律神経系の交感神経の失調であり、心拍数迷走神経を介して視床下部によって制御され、かかる失調が視床下部の活動に関係するのが妥当と思われる。

0006

被験者における全身作用を用いて治療を実施するための、いくつかの既知のデバイスがある。例えば、鼻腔で使用されるデバイスは、鼻粘膜うっ血除去などの局所効果を達成することを狙いとする場合が多く、化学物質との組み合わせで使用される場合が多いことがある。鼻粘膜に対する局所効果を達成するためのデバイスの一例が、特許文献1に開示されている。

0007

機械的振動体腔内の、例えばの中または他位表面上の組織に影響を及ぼすことによる、デバイスも知られている。特許文献2には、基幹脳に対する活性を増加させるシステムが開示されている。開示されるシステムは、第1および第2の振動適用デバイスを備え、第1の振動適用デバイスは、可聴範囲内の周波数成分を有する振動を生体聴覚系に適用する。第2の振動適用デバイスは、可聴範囲を超える超高周波数成分を有する振動を、鼻腔など、聴覚系とは別の領域に適用する。

0008

特許文献3には、血管運動性鼻炎の自律神経的形態(neuroautonomic form)を治療する方法が開示されている。より具体的には、方法は、手、、および付近に位置する特定の生物学的に活性な地点(BAP:s)の振動マッサージと組み合わせて、下鼻甲介および中鼻甲介の前部3分の1に、50Hzの周波数で1.5〜2分間、振動マッサージを施すことを伴う。振動マッサージを供給するのに使用される機器は、ボールおよび先端を有する振動マッサージ機器として記載されている。

0009

特許文献4には、蝶形骨口蓋神経節の非侵襲性神経調節のための方法およびシステムが開示されている。片頭痛および群発性頭痛を治療する超音波振動子が記載されている。超音波を有効に骨に浸透させることを可能にする音響周波数、例えば0.44MHz(一般的に、0.3〜0.8MHzの範囲)が使用される。

0010

WO2008/138997号
米国特許出願公開第2008/281238号
RU2199303号
米国特許出願公開第2011/190668号

先行技術

0011

Ansarinia et al,Headache;2010,50:1164−1174
Leoux E et al,Orphanet J of Rare Diseases;2008,3:20

発明が解決しようとする課題

0012

本発明の1つの目的は、被験者の一方または両方の鼻腔における振動刺激の新規なデバイスおよび方法を提供することである。

0013

本発明の別の目的は、蝶形骨口蓋神経節および/または視床下部の機能障害に関連する疾病を治療するための、振動刺激の新規なデバイスおよび方法を提供することである。

0014

本発明のさらに別の目的は、片頭痛、群発性頭痛、および心臓不整脈を治療する、新規なデバイスおよび方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0015

本発明の第1の態様では、
第1の鼻腔に導入可能であり、第1の鼻腔内で膨張され、第1の鼻腔内の組織に当接するように配置される第1の刺激部材と;
第1の刺激部材を膨張させるように配置される第1の膨張部材が、少なくとも部分的に第1の刺激部材内に配置される第1の管状構造を備え、第1の管状構造が、刺激部材と流体連通するように配置される複数の開口部を備える、第1の膨張部材と;
第2の鼻腔に導入可能であり、第2の鼻腔内で膨張され、第2の鼻腔内の組織に当接するように配置される第2の刺激部材と、
第2の刺激部材を膨張させるように配置される第2の膨張部材が、少なくとも部分的に第2の刺激部材内に配置される第2の管状構造を備え、第2の管状構造が、第2の刺激部材と流体連通するように配置される複数の開口部を備える、第2の膨張部材とを備え;
第1および第2の刺激部材の少なくとも1つは、少なくとも1つの鼻腔内の組織に振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのデバイスが提供される。

0016

2つの刺激部材を備えた本発明によるデバイスを使用することによって、被験者の鼻腔内における振動刺激の合計刺激時間は、1つの刺激部材のみを使用する場合の合計刺激時間に比べて低減されてもよい。2つの刺激部材を1つの鼻腔それぞれに導入することで、振動刺激中に、2つの鼻腔間で1つの刺激部材を移動させる必要がなくなる。

0017

1つの刺激部材のみを備えたデバイスを上回る、本発明によるデバイスによる別の利点は、両方の鼻腔の振動刺激中における、被験者に対する不快感の低減、および操作者に対する作業負荷の低減である。1つの刺激部材のみが使用された場合、これは、振動刺激中に除去され、再挿入(場合によっては複数回)しなければならないが、本例では、振動刺激は、追加の労力を何ら伴うことなく、2つの鼻腔間で交互にすることができる。

0018

2つの刺激部材を備えたデバイスを使用することによって、両方の鼻腔で同時に、または一度に1つの鼻腔で連続して、振動刺激を行うことができる。

0019

2つの刺激部材を用いた振動刺激は、制御された状態で行うことができる。振動刺激方式、即ち両方の鼻腔で同時の振動、または一度に1つの鼻腔で連続的な振動の選択は、医師などの操作者によって、または刺激中の被験者自身によって手作業で行われてもよい。例えば、被験者は、どの刺激部材を振動させるべきかを選択することによって、刺激を与える鼻腔を簡単に切り替えることができる。別の例では、本発明によるデバイスを使用する、かつ例えばデータ収集モジュールおよび分析モジュールを備えるシステムは、身体反応分析に基づいて、2つの鼻腔間で振動刺激をいつ切り替えるべきか、また振動刺激をいつ終了させるべきかを決定することができる。

0020

いくつかの振動刺激方式は、2つの刺激部材を備えるデバイスを使用して選択することができる。例えば、2つの刺激部材は、同じ周波数で、または異なる周波数で振動を付与してもよい。別の例では、2つの刺激部材はそれぞれ、同じ圧力または異なる圧力で鼻腔の組織に当接してもよい。

0021

被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激は、さらに、蝶形骨口蓋神経節に影響を及ぼすために使用することができる。蝶形骨口蓋神経節が種々様々の痛みの問題と関連付けられてもよいことが、研究によって示されている。振動を用いて蝶形骨口蓋神経節を刺激することによって、蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる疾病に影響を及ぼすことができ、痛みなどの徴候を低減することができる。

0022

それに加えて、振動刺激を使用して視床下部に影響を及ぼすことができる。振動を用いて視床下部を刺激することによって、視床下部の機能障害と関連付けられる疾病に影響を及ぼすことができ、疾病の症状を低減することができる。

0023

同時にまたは連続的に適用される、2つの可能性のある異なる周波数を選択することによって、また、刺激部材が2つの鼻腔内の組織に当接する、2つの可能性のある異なる圧力を選択することによって、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節など、少なくとも1つの生物学的標的の振動刺激をもたらすことができる。周波数、振幅、圧力、および振動刺激持続時間の、振動刺激パラメータを制御することによって、例えば、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる、様々な疾病の治療を行うことができる。視床下部に影響を及ぼすのではなく蝶形骨口蓋神経節に影響を及ぼすため、比較的低い圧力および/または周波数を使用するのが好ましいことがある。

0024

本発明によるデバイスは、少なくとも1つの鼻腔内の組織に振動を付与するように配置される。より具体的には、本発明の第1の態様のデバイスは、下鼻甲介、中鼻甲介、および/または上鼻甲介の部分など、少なくとも1つの鼻腔の骨構造に振動を付与するように配置されてもよい。したがって、デバイスは、頭蓋に接続された骨構造を介して、例えば視床下部に振動を機械的に伝達してもよい。別の例では、デバイスは、骨構造を介して蝶形骨口蓋神経節に振動を機械的に伝達してもよい。さらに別の例では、デバイスは、蝶形骨口蓋神経節の付近に配置され、蝶形骨口蓋神経節に振動を直接付与してもよい。人体は、機械的な影響を検出し通信する異なる細胞タイプを、いわゆる機械的受容器を有する。視床下部および蝶形骨口蓋神経節など、生物学的標的に対する所望の治療効果を得るため、機械的受容器の一部の反応に合致するように、振動刺激の周波数を同調させることができることが想到される。

0025

脳と心臓との間の信号経路は非対称であり、したがって、例えば鼻腔内の連続的な振動を含む振動刺激方式は、例えば高血圧および心臓不整脈を患っている被験者における効果を微調整する1つの手法であり得る。

0026

したがって、一実施形態では、前記第1の刺激部材は、第1の鼻腔の組織に振動を付与するように配置され、前記第2の刺激部材は、第2の鼻腔の組織に刺激を付与するように配置される。一例では、最初に、第2の刺激部材が好ましくは不活性な状態で、ある期間の間、振動が第1の刺激部材によって付与される。第1の刺激部材によって付与されるような、第1の鼻腔内における振動刺激は、制御された状態で終了させることができる。次に、第1の刺激部材が好ましくは不活性な状態で、第2の刺激部材によって他方の鼻腔に振動を付与することができる。

0027

別の実施形態では、前記刺激部材の少なくとも1つは圧力センサを備える。鼻腔内部の圧力を測定する圧力センサを備える刺激部材を使用するとき、刺激部材は、少なくとも部分的に鼻腔中の組織に当接するように配置することができる。例えば、第1の刺激部材が圧力センサを備えるとき、第1の鼻腔の組織によって第1の刺激部材に及ぼされる圧力を測定することができる。別の例では、第2の刺激部材が圧力センサを備えることができ、第2の鼻腔内の組織によって第2の刺激部材に及ぼされる圧力を測定することができる。さらに別の例では、刺激部材がそれぞれ圧力センサを備えることができ、したがって、鼻腔内の組織によって刺激部材のそれぞれに対して及ぼされる、2つの圧力を測定することができる。

0028

一実施形態では、デバイスは、少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激の間、前記第1および第2の刺激部材を第1および第2の鼻腔内の固定位置で固定するように配置される、少なくとも1つの係留部材を備える。少なくとも1つの係留部材を使用することによって、2つの刺激部材を、鼻腔に対する、かつ互いに対する固定位置で保持することができる。本発明の文脈では、係留部材は、ヘルメットヘッドバンドフェイシャルマスク、および眼鏡から成る群から選択することができる。別の実施形態では、デバイスは、少なくとも1つの係留部材を被験者同士の個体差適合させる、少なくとも1つの調節部材をさらに備える。本発明の文脈では、調節部材は、スナップホイール、好ましくは弾性であるストラップ、およびロック部材から成る群から選択することができる。当業者であれば、係留部材および調節部材を、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激の間、2つの刺激部材を固定位置で固定するのに使用できることを理解する。

0029

一実施形態では、デバイスは、場合により第1および第2の膨張部材を介して、前記第1および第2の刺激部材に接続可能な少なくとも1つの振動発生部材を備え、ここで、少なくとも1つの振動発生部材は、前記第1および第2の刺激部材の少なくとも1つを振動させるように配置される。別の実施形態では、第1の刺激部材は第1の振動発生部材に接続可能であり、第2の刺激部材は第2の振動発生部材に接続可能であり、ここで、第1および第2の振動発生部材は、第1および第2の刺激部材を振動させるように配置される。したがって、デバイスは、1つの刺激部材にそれぞれ接続可能である、2つの振動発生部材を備えてもよい。本発明の文脈では、少なくとも1つの振動発生部材を、例えば、制御装置から供給される印加電圧によって制御することができる。かかる例では、振動発生部材は刺激部材内に配置されてもよい。他の例では、振動発生部材は外部に配置される。かかる外部振動源、例えばトランスデューサは、刺激部材内に収容された流体に振動を供給するように配置されてもよい。デバイスが1つの振動発生部材を備える実施形態では、デバイスは、刺激部材のそれぞれに対する振動の供給を制御する弁をさらに備えてもよい。

0030

一実施形態では、前記第1および第2の刺激部材はそれぞれ、40Hz〜100Hzの範囲から選択された少なくとも1つの周波数で、第1および第2の鼻腔のそれぞれに対して振動を付与するように配置される。したがって、振動刺激は、1つの選択された周波数、例えば68Hzで、または例えば約50Hz〜80Hz、例えば約50Hz〜75Hz、例えば約50Hz〜70Hz、例えば約55Hz〜75Hz、例えば約60Hz〜75Hz、および例えば約60Hz〜70Hzなど、所定の周波数間隔内のいくつかの周波数で行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、振動刺激の間、2つの周波数は一定であってもよく、または例えば医師などの操作者によって、被験者自身によって、もしくはシステムによって変更されてもよい。

0031

第1の刺激部材は、別の実施形態では、第2の刺激部材とは異なる周波数で振動を付与するように配置される。前記第1の刺激部材および前記第2の刺激部材によって付与される周波数間の差は、10〜20Hzの範囲など、5〜30Hzの範囲である。体組織中における長波長により、2つの鼻腔内で異なる周波数を適用することで、平均周波数変調された振幅で組織に適用されることになる。

0032

第1および第2の振幅の例は、約0.05mm〜20mmの範囲である。適切な振幅は、特定の被験者の鼻の解剖学的構造に応じて決まる。

0033

刺激部材はそれぞれ、例えば被験者の鼻腔内への導入を容易にするため、ほぼ膨張していない状態で配置することができる。刺激部材が鼻腔内の固定位置で固定されると、例えば鼻腔内の周囲組織直接接触させるため、刺激部材をある体積まで膨張させることができる。一実施形態では、デバイスは、前記第1および第2の刺激部材の少なくとも1つを膨張させるように配置される、少なくとも1つの膨張部材を備える。一例では、1つの膨張部材が2つの刺激部材を膨張させることができる。別の実施形態では、第1の膨張部材は第1の刺激部材を膨張させるように配置することができ、第2の膨張部材は第2の刺激部材を膨張させるように配置することができる。本発明の文脈では、膨張は、流体を包含するように適宜配置される刺激部材に供給される、かかる流体を用いて遂行することができる。刺激部材が鼻腔内部で膨張すると、場合により前記第1および第2の膨張部材を介して、少なくとも1つの振動発生部材を用いて、刺激部材の一方または両方を振動させることができる。

0034

一実施形態では、前記第1および第2の刺激部材はそれぞれ、約20mbar〜120mbarの範囲から選択される少なくとも1つの圧力で、第1および第2の鼻腔のそれぞれの組織に当接するように配置される。したがって、刺激部材はそれぞれ鼻腔の組織と直接接触してもよい。さらに、刺激部材は、例えば約70mbar〜110mbar、約75mbar〜100mbar、および約90mbar〜105mbarなど、約50mbar〜120mbarの圧力で、第1および第2の鼻腔の組織に当接するように配置することができる。一例では、第1の圧力は約20mbar〜50mbarの範囲であり、第2の圧力は70〜120mbarの範囲である。振動刺激の間、圧力は一定であることができ、または例えば被験者自身によって、医師などの操作者によって、もしくはシステムによって変更することができる。したがって、第1の鼻腔の組織と第1の刺激部材との間の圧力は、第2の鼻腔の組織と第2の刺激部材との間の圧力と同じであるか、または異なることができることが理解されるべきである。鼻腔のサイズおよび形状は、特定の被験者において、または異なる被験者間で異なることがあり、したがって、鼻腔内の同じ圧力に達するために、刺激部材を異なる相対体積まで膨張させなければならないことがある。

0035

膨張部材の第1および第2の管状構造は、刺激部材の内部と流体連通するための複数の開口部を備える。第1および第2の刺激部材の膨張は、第1および第2の膨張部材を介して、第1および第2の刺激部材に対して独立して分配される流体を用いて遂行されてもよい。鼻腔の解剖学的構造が複雑であるため、刺激部材の長さに沿ったどこかに障害物があることがある。複数の開口部は、解剖学的障害物による不規則な膨張を防ぎ、各刺激部材が鼻腔内で位置付けられると適宜膨張されることを担保する。複数の開口部は、さらに、治療すべき鼻腔の部分に刺激部材を正確に挿入し位置付けるのを容易にする可撓性を備えた、管状構造を提供する。

0036

一実施形態では、第1の管状構造は、第1の管状構造の第1の長手方向に垂直な第1の方向における曲げ剛性を有し、それは、第1の方向に垂直であるとともに第1の管状構造の第1の長手方向に垂直な別の方向における曲げ剛性とは異なる。したがって、この実施形態の管状構造は、場合によっては不規則な鼻腔の形状に追随するために、十分に弾力的であると同時に十分に柔軟である。同時に、鼻内に導入する間の管状構造の突発的な曲がりが回避される。一実施形態では、第2の管状構造は、第2の管状構造の第2の長手方向に垂直な第2の方向における曲げ剛性を有し、それは、第2の方向に垂直であるとともに第2の管状構造の第2の長手方向に垂直な別の方向における曲げ剛性とは異なる。

0037

一実施形態では、第1の管状構造は、第1の刺激部材内で自由であるとともにそれと流体連通するように配置される1つの開口部を一端に備える。端部のかかる自由な配置により、鼻腔内の敏感な組織を傷つけることがある刺激部材の突出部を回避することによって、刺激部材の平滑な表面を保存することが容易になってもよい。端部開口部は、さらに、鼻腔の後部に、したがってその狭い部分に位置する刺激部材の部分の膨張を遂行してもよい。一実施形態では、第2の管状構造は、第2の刺激部材内で自由であるとともにそれと流体連通するように配置される1つの開口部を一端に備える。

0038

一実施形態では、第1の膨張部材の第1の管状構造の一端から第1の刺激部材の内壁までの距離は、1〜10mmの範囲である。一実施形態では、第2の膨張部材の第2の管状構造の一端から第2の刺激部材の内壁までの距離は、1〜10mmの範囲である。

0039

一実施形態では、第1の管状構造の複数の開口部は、第1の管状構造の第1の長手方向に沿って分配される。一実施形態では、第2の管状構造の複数の開口部は、第2の管状構造の第2の長手方向に沿って分配される。

0040

一実施形態では、複数の開口部は、第1の長手方向に沿って第1の管状構造の対向面部分上に交互に配置され、第1の長手方向に垂直な第1の管状構造の第1の断面は、第1の管状構造のどちらかの面の1つの開口部のみと交差する。一実施形態では、複数の開口部は、第2の長手方向に沿って第2の管状構造の対向面部分上に交互に配置され、第2の長手方向に垂直な第2の管状構造の第2の断面は、第2の管状構造のどちらかの面の1つの開口部のみと交差する。

0041

一実施形態では、第1の管状構造の第1の長手方向に沿って分配される開口部の数は4〜6個である。一実施形態では、第2の管状構造の第2の長手方向に沿って分配される開口部の数は4〜6個である。複数の開口部からの開口部はそれぞれ、楕円および円形切欠きから選択される形状を有してもよい。

0042

一実施形態では、開口部はそれぞれ独立して、1〜5mmの範囲のサイズを有する。

0043

一実施形態では、第1の管状構造は1〜5mmの範囲の外径を有する。5mm以下の直径は、鼻孔および鼻腔への刺激部材の導入、ならびに振動刺激で治療すべき鼻腔の部分内での位置付けをさらに容易にしてもよい。一実施形態では、第2の管状構造は1〜5mmの範囲の外径を有する。

0044

一実施形態では、第1の刺激部材内に配置されている前記第1の管状構造の部分は、長さ40〜60mmである。管状構造のこの長さは、鼻腔の後部内における刺激部材の挿入および位置付けをさらに容易にしてもよい。一実施形態では、第2の刺激部材内に配置されている前記第2の管状構造の部分は、長さ40〜60mmである。

0045

一実施形態では、第1の膨張部材は、第1の管状構造と流体連通して配置される第1の細長い構造をさらに備える。一実施形態では、第2の膨張部材は、第2の管状構造と流体連通して配置される第2の細長い構造をさらに備える。

0046

一実施形態では、第1の膨張部材は、流体を第1の刺激部材に供給するなどのため、第1の刺激部材と流体連通して配置される少なくとも1つのチャネルを備える。膨張部材が管状構造および細長い構造を備える実施形態では、チャネルは、2つの構造を互いに、かつ刺激部材の内部と流体接続する。一実施形態では、第2の膨張部材は、流体を第2の刺激部材に供給するなどのため、第2の刺激部材と流体連通して配置される少なくとも1つのチャネルを備える。

0047

一実施形態では、第1の細長い構造は管状であり、第1の管状構造の直径の2〜4倍の直径を有する。管状構造は、刺激部材内に存在することから、振動刺激の間、主に鼻腔内に位置付けられる、膨張部材の部分である。したがって、便利には、それに相応して主に鼻腔の外部に位置付けられる膨張部材の部分である、細長い構造よりも小さい直径を有してもよい。一実施形態では、第2の細長い構造は管状であり、第2の管状構造の直径の2〜4倍の直径を有する。

0048

一実施形態では、5〜15mmの範囲内の長さから選択される長さである、第1の細長い構造の一部は、第1の刺激部材内に配置される。細長い構造のこの部分は、管状構造の末端を、好ましくは管状構造の端部部分を包囲してもよい。細長い構造のこの部分の周りに配置される刺激部材は、好ましくは、デバイスが使用中のとき、少量のみ膨張してもよい。一実施形態では、5〜15mmの範囲内の長さから選択される長さである、第2の細長い構造の一部は、第2の刺激部材内に配置される。

0049

一実施形態では、デバイスは、幾何学形状が異なる複数の刺激部材からそれぞれ独立して選択される、2つの刺激部材を備える。複数の刺激部材は、例えば、形状ならびに長さ、幅、および/または直径が異なってもよい。複数の刺激部材から2つの異なる刺激部材を選択し使用することによって、鼻腔の解剖学的構造において振動刺激に対して有し得る任意の影響の差が低減される。

0050

本発明の他のデバイスの態様では、第1の刺激部材および第2の刺激部材を備え、前記第1の刺激部材が第1の鼻腔に導入可能であり、前記第2の刺激部材が第2の鼻腔に導入可能であり、前記第1および第2の刺激部材が、組織に当接するとともに、少なくとも1つの鼻腔内の前記組織に振動を付与するように配置される、被験者の少なくとも1つの鼻腔における振動刺激のためのデバイスが提供される。

0051

別の態様では、
本発明のデバイスの態様によるデバイスと;
前記デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方によって、第1および第2の鼻腔の一方または両方に付与される、振動の周波数を調節するように配置される周波数調整モジュール
前記デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方によって、第1および第2の鼻腔の一方または両方に付与される、振動の振幅を調節するように配置される振幅調整モジュール;ならびに、
前記デバイスの第1および第2の刺激部材の一方または両方が、第1および第2の鼻腔の一方または両方の組織に当接する、圧力を調節するように配置される圧力調整モジュールのうち少なくとも1つとを備える、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激のためのシステムが提供される。

0052

本発明の他の態様に関して含まれる実施形態は、適用可能である場合、本発明のシステムの態様にも関連することが理解されるべきである。したがって、システムは、例えば、デバイスの態様に関連して定義されるような異なる例によるデバイスを備えてもよい。

0053

第2の態様によるシステムでは、周波数、振幅、および当接圧力の振動刺激パラメータのうち少なくとも1つが、独立して調整されてもよい。周波数、振幅、および圧力に対する例示の範囲は、デバイスの態様と関連して開示される。システムの調整モジュールは、操作者によって、または被験者自身によって手作業で、あるいは制御装置を用いて制御されてもよい。

0054

システムは、一実施形態では、振動刺激に対する身体反応の測度を反映する入力信号を、少なくとも1つの関連する振動刺激パラメータとともに含む、データ時間サンプルを取得し格納するように配置されるデータ収集モジュールをさらに備え、振動刺激パラメータは、第1および第2の刺激部材の一方または両方によって付与される振動の周波数、第1および第2の刺激部材の一方または両方によって付与される振動の振幅、第1および第2の刺激部材の一方または両方が第1および第2の鼻腔の一方または両方の組織に当接する圧力、第1および第2の刺激部材によって付与される振動の周波数間の差、第1および第2の刺激部材によって付与される振動の振幅間の差、第1および第2の刺激部材が第1および第2の鼻腔の組織に当接する圧力間の差、ならびに振動刺激持続時間から選択される。

0055

一実施形態では、システムは、測度の所望の値に近付いたか否かを判断するために、格納された入力信号を分析するように配置される分析モジュールをさらに備え、所望の値に近付いていない場合、分析モジュールは、周波数調整モジュール、振幅調整モジュール、および圧力調整モジュールのうち少なくとも1つに対して、無作為の調節、身体反応の測度の所望の変化と少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関を含む事前プログラムされたルックアップ・テーブルから計算される調節、および、身体反応の測度の所望の変化と以前に格納したデータ時間サンプルから導出されるような少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関に基づいて計算される調節のうち1つを用いて、上記に定義したような少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節することを指示するように配置される。以前に格納したデータから相関を導出することは、身体反応の値がほぼ一定であった期間、ならびに振動刺激パラメータの1つまたはそれ以上の調節が行われて、身体反応の変化が引き起こされた期間を特定することを含んでもよい。かかる事象から、振動刺激パラメータの調節と入力信号の変化との間の相関が特定されてもよい。相関の一例は、周波数の上昇によって引き起こされる身体反応の減少であってもよい。これらの相関を格納する例示的な方法は、現在の身体反応、身体反応の所望の変化(例えば、増加または減少)、および現在の振動刺激パラメータを所与として、振動刺激パラメータの必要な調節を検索することができるデータベースであろう。この種のデータを含むデータベースは、例えばルックアップ・テーブルの形態で、システムに供給することができる。後者の場合、相関を導出するのに必要な手段を省略することができるので、システムをある程度単純化することができる。無作為の調節は、実施するのが簡単であり、身体反応の所望の変化が与えられることがあるが、適切な調節を見出すためのより系統的な方法に比べて、振動刺激パラメータを見出すのに非能率的な方法でもあり得る。

0056

一実施形態では、身体反応の測度の所望の値は、振動刺激の間に以前に取得した身体反応の測度に比例する。非限定例は、例えば最初の2分間、刺激に対する初期反応が記録され、所望の値が例えば記録値の2倍であるという事例である。

0057

一実施形態では、所望の値は、初期測定値、即ち振動刺激の開始に先立って取得される値の数分の1に、または事前プログラムされた所望の値、例えば健康なヒトで正常に記録された身体反応の値に設定される。

0058

第1の刺激部材によって付与される振動の周波数と、第2の刺激部材によって付与される振動の周波数との間の差は、約10Hz〜20Hzなど、約5Hz〜30Hzの範囲であってもよい。第1の刺激部材によって付与される振動の振幅と、第2の刺激部材によって付与される振動の振幅との間の差は、約0.05mm〜1.5mmの範囲であってもよい。第1の刺激部材が第1の鼻腔の組織に当接する圧力と、第2の刺激部材が第2の鼻腔の組織に当接する圧力との間の差は、例えば約10mbar〜80mbar、約20mbar〜50mbarなど、約5mbar〜100mbarの範囲であってもよい。

0059

身体反応の測度は、刺激部材の一方または両方による振動刺激に対する少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節するためだけでなく、振動刺激を終了させるべきか否か、または振動刺激を与える鼻腔(即ち、第1および第2の鼻腔に対して振動を連続的に付与する場合)を切り替えるべきかを判断するためにも、入力信号として使用されてもよい。

0060

身体反応の測度を反映する入力信号は、一実施形態では、第1の鼻腔の組織と第1の刺激部材との間、または第2の鼻腔の組織と第2の刺激部材との間の圧力に対応する。本発明のデバイスの態様と同様に、刺激部材の一方または両方は、刺激部材が1つの鼻腔内の組織に当接すると、その組織によって及ぼされる圧力を測定することができる、圧力センサを備えてもよい。

0061

身体反応の測度を反映する入力信号は、別の実施形態では、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)によって測定される酸素消費量陽子射出断層撮影法(PET)によって測定される代謝活性電磁式脳造影法(MEG)によって測定される磁気信号脳波記録法EEG)によって測定される電気信号心電図(ECG)、痛覚、心拍数、瞳孔のサイズ、体温光電容積脈波計測図(photoplethysmogram)、および血圧から成る群から選択される。新しい改善された方法およびデバイスが、機能的神経画像検査の分野で開発されるであろうこと、またそれらを本発明の態様で使用するのが可能であろうことが予想される。本発明の文脈では、機能的神経画像検査は、fMRI、PET、およびMEGを含む方法およびデバイスを指す。

0062

身体反応の測度を反映する入力信号は、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの生物学的標的の活動を直接もしくは間接的に反映してもよい。身体反応の直接的な測度の例としては、fMRI、PET、およびMEGなど、機能的神経画像検査の方法およびデバイスから導出される信号が挙げられる。身体反応の間接的な測度の例としては、心拍数、瞳孔のサイズ、体温、光電式容積脈波計測図、および血圧が挙げられる。

0063

痛覚は、視覚アナログ尺度(VAS)を使用して評価することができる。被験者は、1〜10の尺度(0は痛みなしに相当し、10は最大の痛みに相当する)で、振動刺激前後の自身の痛みを評価することができる。

0064

光電式容積脈派計測図は、振動刺激の間、被験者の耳たぶに取り付けることができる、光電式容積脈波記録センサを使用して取得することができる。光電式容積脈波記録センサは、血液の酸素飽和度を測定するのに使用されてもよい。

0065

心臓不整脈を診断するため、不整脈に特異的な心臓モニタリング試験が行われてもよい。これらは心電図(ECG)を含んでもよい。ECGの間、心臓の電気的活動を検出することができるセンサ(電極)が、被験者の胸部に、また場合によっては被験者の四肢に取り付けられる。ECGは、被験者の心拍の各電気的位相のタイミングおよび持続時間を測定する。例えばECGを使用することによって、振動刺激の間の心拍を監視することができる。ECGは、例えば、振動刺激を終了するべきか否かを判断するのに使用される。

0066

前記システムのデバイスは、一例では、眼鏡の形態の係留部材を備えてもよい。眼鏡は、被験者の瞳孔のサイズを測定する、物差しなどの部材を備えてもよい。

0067

別の例では、デバイスは、被験者の脳活動などの電気信号を測定するEEG電極を備えた係留部材を備えてもよい。

0068

システムは、別の実施形態では、例えば、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節など、生物学的標的の活動の測度を監視するように配置される、モニタリング・デバイスをさらに備える。モニタリング・デバイスは、機能的神経画像検査などを用いた直接的な測度、または瞳孔のサイズもしくは心臓活動などの身体反応などを用いた間接的な測度を、リアルタイムで監視してもよい。

0069

さらに別の実施形態では、分析モジュールは、身体反応の測度が閾値に達すると、振動刺激を終了するか、または振動刺激を与える鼻腔の切替えを開始するように配置される。閾値は、絶対的もしくは相対的な意味で、予め決定するかまたは計算することができる。例えば、閾値は、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節を取り囲む組織の部分における活動のレベルに対応するものとして、相対的もしくは絶対的に定義されてもよい。したがって、分析モジュールは、入力信号を閾値と比較し、閾値に達すると、一方または両方の鼻腔の振動刺激を終了するコマンドを発行してもよい。したがって、閾値に達することは、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の、振動刺激の所望のレベルに到達することを表し、刺激を終了してもよいか、または2つの鼻腔に連続的に振動が付与される事例では、振動刺激を与える鼻腔を切り替えてもよいことを示唆する。したがって、第1の鼻腔の振動刺激が、同じ鼻腔におけるさらなる振動刺激が被験者にとってもう有効ではない、飽和レベルに達していることがある。かかる事例では、振動刺激は被験者の第2の鼻腔で継続されてもよい。

0070

システムの態様のいくつかの実施形態では、システムは制御装置をさらに備え、制御装置は、適用可能な場合、データ収集モジュール、データ処理モジュール、および分析モジュールを備えてもよい。

0071

本発明のデバイスおよびシステムの態様に関して記載する実施形態および実施例は、適用可能な場合、本発明の以下の方法の態様に対して等しく関連することが理解されるべきである。

0072

別の態様では、
a)本発明のデバイスの態様によるデバイスの第1の刺激部材を第1の鼻腔に挿入する工程と;
b)前記デバイスの第2の刺激部材を第2の鼻腔に挿入する工程と;
c)前記第1および第2の刺激部材を、振動刺激に先立って刺激部材が鼻腔内の固定位置にあるように固定する工程と;
d)第1および第2の刺激部材をそれぞれ、第1および第2の圧力で第1および第2の鼻腔のそれぞれの内部の組織と当接させて配置する工程と、
e)前記第1および第2の刺激部材の少なくとも1つを介して組織に与えられる、第1の周波数および場合によっては第2の周波数を選択する工程とを含む、被験者の少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激を準備する方法が提供される。

0073

第1および第2の刺激部材はそれぞれ、場合により、少なくとも1つの係留部材および少なくとも1つの調節部材を使用して、鼻腔内で位置付けられ固定される。被験者同士のばらつきは、対象の被験者により良好に適合させるため、係留部材および調節部材を使用して調節されてもよい。

0074

第1および第2の刺激部材は、その後、第1および第2の鼻腔内で膨張される。膨張後、第1の周波数および場合によっては第2の周波数が選択される。

0075

振動刺激からの、例えば本発明による蝶形骨口蓋神経節の振動刺激からの、理論的評価および/または以前に収集したデータに基づいて、振動刺激を準備する方法は、例えば、鼻腔内における第1および第2の刺激部材の位置付けを改善し、それによって、治療範囲への、例えば蝶形骨口蓋神経節への振動の伝導を改善してもよい。同じ推論が、例えば視床下部など、他の治療標的の振動刺激に関して有効である。

0076

振動刺激を準備する方法は、特定の被験者に対する治療計画の準備および選択を提供することができる。準備方法は、特定の被験者に対する初回であって一回のみの治療、または二回目もしくはそれ以上の治療を目的としてもよい。方法が、特定の被験者に対する二回目もしくはそれ以上の治療の準備に関係する場合、前回の治療の間に収集された、身体反応の測度および使用される振動刺激パラメータなどのデータが、二回目もしくはそれ以上の治療に対する振動刺激パラメータを選択する根拠を形成してもよい。

0077

準備方法は、さらに、少なくとも1つの鼻腔内の第1の治療範囲および場合によって第2の治療範囲を選択する工程を含んでもよい。2つの鼻腔内の治療範囲は、被験者の振動刺激の影響を最大限にするように選択されてもよい。治療範囲の選択は、理論的モデル化に基づくか、または特定の被験者の前回の治療の結果に基づいてもよい。「治療範囲」という用語は、本明細書で使用するとき、振動が付与される鼻腔内の範囲を指す。

0078

準備方法は、さらに、第1および第2の刺激部材を、約20mbar〜120mbarの第1および第2の圧力で、選択された治療範囲の組織に当接させて配置する工程を含んでもよい。第1および第2の圧力は、同じであるかまたは異なってもよい。さらに、第1の周波数および場合によっては第2の周波数は、約50Hz〜80Hzなど、約40Hz〜100Hzの範囲から選択されてもよい。第1の周波数および場合によっては第2の周波数は、同じであるかまたは異なってもよい。

0079

別の方法の態様では、
a)第1の刺激部材を第1の鼻腔に挿入する工程と;
b)第2の刺激部材を第2の鼻腔に挿入する工程と;
c)前記第1および第2の刺激部材を、振動刺激に先立って刺激部材が鼻腔内の固定位置にあるように固定する工程と;
d)前記第1および第2の刺激部材をそれぞれ、第1および第2の圧力で第1および第2の鼻腔のそれぞれの内部の組織と当接させて配置する工程と;
e)前記第1および第2の刺激部材の少なくとも1つを介して、前記第1および第2の鼻腔の少なくとも1つの組織に振動を付与する工程とを含む、被験者の少なくとも1つの鼻腔内の振動治療の方法が提供される。

0080

少なくとも1つの鼻腔内の振動治療は、例えば、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの生物学的標的の活動など、異なる身体機能に影響することがある。それに加えて、また上述したように、いくつかの疾病は、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる。本発明による振動治療を、視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害に関係する疾病を患っている被験者に提供することによって、方法は、これらの疾病に対する代替の治療を構成してもよい。

0081

一実施形態では、第1および第2の刺激部材は、本発明のデバイスの態様によるデバイスに含まれる。

0082

一実施形態では、少なくとも1つの鼻腔に付与される振動の周波数は、40Hz〜100Hzの範囲から選択される。一実施形態では、前記工程e)は、前記第1の鼻腔に対して第1の周波数で、前記第2の鼻腔に対して第2の周波数で振動を付与する工程をさらに含む。第1および第2の周波数は、約40Hz〜100Hzの範囲から選択することができる。第1および第2の周波数は、同じであるかまたは異なってもよい。第1および第2の周波数が異なる場合、差は5〜30Hzの範囲内にあってもよい。さらに、周波数は、周波数間の所望の差を得る制御されたやり方で選択することができる。第1および第2の周波数のさらなる例は、本発明のデバイスの態様に関連して開示される通りである。振動は、別の実施形態では、前記第1および第2の鼻腔の1つに一度に付与される。したがって、振動は鼻腔に連続的に付与されてもよい。

0083

一実施形態では、少なくとも1つの鼻腔に付与される振動の振幅は、約0.05mm〜20mmの範囲から選択される。

0084

一実施形態では、第1および第2の刺激部材はそれぞれ、約20mbar〜120mbarの範囲から選択される少なくとも1つの圧力で、第1および第2の鼻腔のそれぞれの組織に当接するように配置される。鼻腔内部の組織に及ぼされる圧力は、約20mbar〜120mbarの範囲であることができる。第1および第2の鼻腔内の組織に及ぼされる圧力は、同じであるかまたは異なってもよい。第1および第2の鼻腔内部の組織に及ぼされる圧力のさらなる例は、本発明のデバイスの態様に関連して開示される通りである。

0085

一例では、第1の鼻腔の組織に対して第1の刺激部材によって及ぼされる圧力は、約80mbar〜約120mbarの範囲であり、第2の鼻腔の組織に対して第2の刺激部材によって及ぼされる圧力は、約20mbar〜約50mbarなど、約20mbar〜約80mbarの範囲である。2つの刺激部材を異なる圧力で使用することによって、異なる治療範囲が影響を受けてもよい。

0086

視床下部などの生物学的標的の活動は、異なる定性的および/または定量的方法によって測定することができる。特に、例えば血流、酸素消費量、および代謝活性など、生理学的パラメータの変化は、視床下部などの生物学的標的の活動レベルの変化と相関される。第1の態様によるデバイスを用いて治療される被験者の現在の健康状態に応じて、刺激によって、視床下部などの生物学的標的における活動レベルが、ある程度異なるように変化することがある。例えば、視床下部の異常活動と関連付けられる病状を患う被験者を、この態様による方法で治療した場合、振動刺激によって視床下部の活動が正常化することがある。この文脈における正常化は、生物学的標的の活動が周囲組織の活動と同等である状態を指す。したがって、正常化した視床下部の活動は、周囲の脳組織の活動と同等である活動を指すことがある。視床下部などの生物学的標的の活動の異なる測度は、直接または間接的に監視することができる。

0087

さらに、同じ推論が、蝶形骨口蓋神経節など、他の生物学的標的に関して有効である。蝶形骨口蓋神経節の活動は、異なる直接的もしくは間接的な定性的および/または定量的方法によって測定することができる。

0088

一実施形態では、振動治療の方法は、前記振動治療に対する身体反応を測定する工程f)をさらに含む。

0089

身体反応は、一実施形態では、第1および第2の鼻腔の1つの中で、前記第1および第2の刺激部材の1つに対して組織が及ぼす圧力である。第1および/または第2の刺激部材は、鼻腔内の組織に対して及ぼされる前記圧力、ならびに鼻腔組織の反応による前記圧力の変化を測定する、圧力センサを備えてもよい。

0090

身体反応の測度は、別の実施形態では、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)によって測定される酸素消費量、陽子射出断層撮影法(PET)によって測定される代謝活性、電磁式脳造影法(MEG)によって測定される磁気信号、脳波記録法(EEG)によって測定される電気信号、心電図(ECG)、痛覚、心拍数、瞳孔のサイズ、体温、光電式容積脈波計測図、および血圧から成る群から選択される。痛覚は、視覚的アナログ尺度(VAS)を参照して、被験者自身が評価することができる。一実施形態では、方法は、測定された身体反応および少なくとも1つの関連する振動刺激パラメータを含む、データ時間サンプルを格納する工程をさらに含む。振動刺激パラメータは、システムの態様に関連して上記に規定されている。

0091

一実施形態では、方法は、身体反応の以前に取得された測度を、身体反応の後の測度と比較する工程と、後で取得された測度と以前に取得された測度との差が閾値許容差内である場合、振動刺激パラメータおよび刺激を与える鼻腔のうち少なくとも1つを調節する工程とをさらに含む。この閾値許容差は、特定の刺激設定に対する入力信号において要求される最も小さい変化として定義することができる。理解することができるように、測度に対する特定の所望の影響に応じて、閾値許容差をある程度異なるように定義することができる。

0092

以前および後に取得された値の間の差が小さすぎる、即ち閾値許容差内であるか、または符号が間違っている場合、振動刺激パラメータまたは刺激を与える鼻腔を変更することができる。一実施形態では、前記少なくとも1つの振動刺激パラメータは、周波数、振幅、1つの刺激部材が1つの鼻腔内部の組織に当接する圧力、および振動刺激持続時間から成る群から選択することができる。

0093

一実施形態では、方法は、身体反応の以前に取得された測度を、身体反応の後の測度と比較する工程と、測度の所望の値に近付いていない場合、振動刺激パラメータおよび刺激を与える鼻腔のうち少なくとも1つを調節する工程とをさらに含む。

0094

上述のパラメータの調節は、例えば、入力信号の差が所望のようになるまで無作為に、または予め定義されたグリッドによる設定を適用することによって、もしくは発見的探索を適用することによって系統的に行うことができる。あるいは、以前のパラメータ設定を、それに対応する取得された値、および身体反応測度がどの方向に沿って最も変化するかを特定することができる、多次元パラメータ空間内における方向とともに、格納することができる。続いて、特定された方向に沿った新しいパラメータ設定が試験されてもよい。かかる構造化したやり方で上述のパラメータを調節することによって、身体反応測度の所望のレベルの到達が単純化され最適化されてもよい。

0095

一実施形態では、調整の工程は、無作為に選択された調節、測度の所望の変化と少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関を含む事前プログラムされたルックアップ・テーブルから計算される調節、および、以前に格納したデータ時間サンプルから導出されるような測度の所望の変化と少なくとも1つの振動刺激パラメータとの間の相関に基づいて計算される調節のうち1つを含む。

0096

一実施形態では、身体反応の測度の所望の値は、振動刺激の間に以前に取得された身体反応の測度に比例するか、または、初期の測定値の数分の1もしくは事前プログラムされた所望の値に設定される。

0097

一例では、痛覚を、振動刺激に対する身体反応の測度として使用することができる。これは、例えば、方法を用いて治療される患者が群発性頭痛を患っている被験者である場合に有用であり得る。振動刺激を用いて治療される患者は、振動刺激に先立って経験した痛みを評価してもよい。振動刺激の間、患者は痛みのレベルを繰返し評価し、痛みのレベルがほぼ一定のレベルに達し、それ以上減少しなくなると、振動刺激が一方の鼻腔から他方の鼻腔に切り替えられてもよい。あるいは、振動刺激を終了してもよい。

0098

別の例では、被験者は、振動刺激治療の前およびその間に、痛みのレベル(VASスケールによる)を評価してもよい。振動刺激のある期間後に痛みのレベルが低減しない場合、上記に規定したような振動刺激パラメータが変更されてもよい。例えば、周波数を、約70Hzなどの比較的高い周波数から、約60Hzなどの比較的低い周波数に変更することができる。周波数の変更によって痛みが低減されない場合、刺激部材の一方または両方が鼻腔内の組織に当接する圧力など、別の振動刺激パラメータを変更してもよい。

0099

閾値または要件に達すると、振動刺激を終了してもよい。閾値は、絶対的もしくは相対的な意味で、予め決定するかまたは計算することができる。例えば、身体反応の測度の閾値は、生物学的標的を、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節を取り囲む組織の部分の活動レベルに対応するものとして、相対的または絶対的に規定されてもよい。入力信号を閾値と比較することができ、閾値に達すると、一方または両方の鼻腔内の刺激を終了することができる。したがって、閾値に達することは、所望の生物学的標的、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の振動刺激の所望のレベルに到達することを表し、振動刺激を終了させるべきであるか、または振動が鼻腔に連続的に付与される場合、振動刺激を与える鼻腔を切り替えるべきであることを示唆する。したがって第1の鼻腔の振動刺激が、同じ鼻腔におけるさらなる振動刺激が被験者にとってもう有効ではない、飽和レベルに達していることがある。かかる事例では、振動刺激は被験者の第2の鼻腔で継続されてもよい。かかる閾値または要件は、VASスケールの特定の値、被験者の特定の脈拍、特定の血圧、特定の心拍数、または特定の瞳孔のサイズであってもよい。

0100

一実施形態では、方法は、第1および第2の刺激部材をほぼ膨張していない状態にする工程と、第1および第2の刺激部材を第1および第2の鼻腔から除去する工程とをさらに含む。

0101

本発明による振動治療を受ける被験者は、一実施形態では、蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる疾病を患っている。別の実施形態では、被験者は、視床下部の機能障害と関連付けられる疾病を患っている。さらに別の実施形態では、被験者は、視床下部および蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる少なくとも1つの疾病を患っている。2つの刺激部材を使用して、1つを超える生物学的標的に影響を及ぼしてもよい。したがって、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる疾病を、その疾病の症状を低減、軽減、または場合によってはさらに排除するなど、治療することができる。

0102

本発明による方法によって治療されてもよい疾病の例は、特に、片頭痛、群発性頭痛、心臓不整脈、および高血圧である。

0103

視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの生物学的標的に振動刺激を提供することによって、方法は、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる疾病を患っている、被験者に対する代替の治療を提供してもよい。本発明による方法は、疾病の従来の治療を補完するものとして、またはそれと組み合わせて使用することができる。治療の方法は、例えば、片頭痛、メニエール病、高血圧、群発性頭痛、不整脈、ALS、過敏性腸症候群、睡眠障害、糖尿病、肥満、多発性硬化症、耳鳴り、アルツハイマー病、気分および不安障害、ならびにてんかんを患っている患者の治療に使用されてもよい。

0104

本発明の特定の態様に関連して開示される実施形態は、適用可能な場合、本発明の他の態様にも関連することが理解されるべきである。本発明のさらなる目的および特徴は、詳細な説明および請求項から明白となるであろう。

0105

以下、例示的な実施形態であり、かつ同様の要素に同様の番号が付されている図面を参照する。

図面の簡単な説明

0106

図1Aは、ヒトの鼻腔の側面図を示す概略図、図1Bは、ヒトの鼻腔の正面図を示す概略図である。
図2AおよびBは、本発明のデバイスの態様によるデバイスの例を示す概略図である。
図3Aおよび3Bは、被験者の鼻腔内に位置付けられた本発明のデバイスの態様によるデバイスの一例を示す概略図である。
本発明のシステムの態様によるシステムの一例を示す概略図である。
本発明のシステムの態様によるシステムの一使用例を示す概略図である。
本発明のデバイスの態様による係留部材および調節部材の一例を示す概略図である。
本発明による振動治療の方法の一実施形態に含まれる工程を示すフローチャートである。

実施例

0107

以下、本発明の実施形態について、非限定例として図面を参照して記載する。

0108

図1Aおよび1Bは、ヒトの鼻腔の解剖学的構造を概略的に示す。図1Aは、ヒトの鼻腔と、1つの鼻腔に対する視床下部Aおよび蝶形骨口蓋神経節Bの位置とを概略的に示す、側面図である。図1Bは、正面から見たヒトの鼻腔を概略的に示す。

0109

鼻は、図1Bの鼻腔の正面図で分かるように、中隔Jと呼ばれる軟骨の壁によって互いから分離された2つの鼻腔を有する。前庭Cは鼻腔の最前部である。鼻腔の側面には、鼻甲介と呼ばれる3つの水平に伸びたものがある。甲介は、鼻腔の上側の小室を形成する、いくつかの薄い渦巻型骨要素である。それらによって、これら鼻腔の表面積が増加し、結果として、空気がに向かって通過する際に迅速な加温および加湿がもたらされる。下鼻甲介Dは、甲介の中で最も大きく、鼻を通して吸入される空気の気流方向、加湿、加温、および濾過の大部分に関与する。下鼻甲介によって画成される開いた領域は下鼻道Gと呼ばれる。中鼻甲介Eはより小さい。それらは、上顎洞および篩骨洞(図示なし)の開口部を越えて下方に突出し、空洞が加圧された鼻の気流と直接接触しないように保護する緩衝として作用する。吸入された気流のほとんどは、下鼻甲介と中鼻甲介との間を移動する。中鼻甲介Eによって画成される開いた領域は中鼻道Hと呼ばれる。上鼻甲介Fは、より小さな構造であり、嗅球を保護するのに役立つ。上鼻甲介は、篩板(鼻を脳から分離する多孔質骨板)を貫通して鼻の中に至る神経軸索を完全に覆って保護する。上鼻甲介Fによって画成される開いた領域は上鼻道Iと呼ばれる。

0110

各下鼻甲介Dは、上顎骨から生じて鼻腔内へと水平に突出するので、一対の顔面骨格と見なされる。下鼻甲介の後部は、頭骨の頭蓋部分から生じる中鼻甲介Eおよび上鼻甲介Fである。したがって、これら2つの甲介は頭蓋骨の一部と見なされる。

0111

図2Aを参照して、本発明のデバイスの態様による2つの刺激部材を備えたデバイスの特定の例について、以下に考察する。被験者の鼻腔内における振動刺激のためのデバイス1は、膨張状態で配置されるとともに膨張部材3を備える、第1および第2の刺激部材2を備える。各刺激部材2は、膨張部材の端部部分が同じ刺激部材の内部に位置するようにして、1つの膨張部材3を部分的に取り囲むように配置される。あるいは、刺激部材2は、膨張部材3の端部部分(図示なし)に隣接して接続され、結果として膨張部材をほぼ包囲しないように配置されてもよい。別の例では、刺激部材2は、端部部分(図示なし)からある距離で離れて、膨張部材3の周りのスリーブとして配置されてもよい。さらに別の例では、1つの膨張部材が2つの刺激部材と接続されるように配置される(図示なし)。これらは、2つの刺激部材を備えるデバイスを、どのようにして1つまたは2つの膨張部材に対して配置し接続するかの単なる例であり、他の例が本発明の範囲内にあることが理解される。

0112

第1および第2の刺激部材は、それらが接触する任意の身体組織化学的または生物学的に影響しないような材料で作られてもよい。例えば、刺激部材は、身体組織に対する局所的な影響を有さなくてもよい。材料の非限定例はプラスチック材料またはゴム材料である。いくつかの例では、第1および/または第2の刺激部材はラテックスで作られる。

0113

第1および/または第2の刺激部材は、さらに、鼻腔に導入する間、ならびに鼻腔内で位置付けられるときの、第1および/または第2の刺激部材と周囲組織との間の摩擦を最小限に抑える、外表面を備えてもよい。第1および/または第2の刺激部材は、例えば、平滑な外表面を提供する材料から構築されるか、または例えばパラフィン溶液など、潤滑剤でコーティングされてもよい。さらに、第1および/または第2の刺激部材は、可撓性であって、第1および/または第2の刺激部材に弾性特性が提供されてもよい。

0114

結果として、第1および第2の刺激部材のサイズと体積は、内圧によって変動してもよい。代替実施形態では、第1および/または第2の刺激部材は非弾性材料で作られる。かかる実施形態では、第1および/または第2の刺激部材が鼻腔に導入されるとき、刺激部材の一方または両方のサイズが減少する。鼻腔内への導入に続いて、第1および/または第2の刺激部材は、組織表面に当接するように膨張される。さらに、第1および/または第2の刺激部材は部分的に弾性特性を有してもよく、それによって、第1および/または第2の刺激部材が膨張状態からほぼ膨張していない状態に戻るとき、第1および/または第2の刺激部材を収縮させるとともに折り畳むことが可能になる。かかる場合では、第1および/または第2の刺激部材は、折り畳むことができる薄い材料で作られてもよい。少なくとも部分的に膨張していない第1および/または第2の刺激部材は、各鼻腔内のその位置から抜き取ることができる。

0115

第1および/または第2の刺激部材の1つの非限定例は、少なくとも部分的に膨張した状態において、1つの刺激部材と1つの鼻腔の組織との間に接触面を確立するバルーンである。第1および/または第2の刺激部材の他の例としては、袋、バブル、および発泡体デバイスが挙げられる。

0116

第1および第2の刺激部材は、同じまたは異なる寸法、サイズ、および体積を有することができることが理解される。また、第1および第2の刺激部材は、同じまたは異なる材料で作ることができ、同じまたは異なる弾性特性を有することができることが理解される。

0117

一例では、膨張部材3は、刺激部材2に流体を供給する少なくとも1つのチャネル4を備える。刺激部材2は、したがって、膨張部材3によって供給される流体を収容するチャンバを備える。チャンバ壁は、刺激部材2の内表面によって画成される。膨張部材を介した刺激部材への流体の供給は、したがって、刺激部材の体積および膨張の程度に影響する。膨張部材から刺激部材へと流体が自由に通過できるようにするため、膨張部材の端部部分は少なくとも1つの開口部を備える。例えば図2Aに示されるように、膨張部材3の端部部分が刺激部材2内に配置される場合、端部部分は、刺激部材2に流体を供給する1つを超える開口部を備えてもよい。別の例では、1つの膨張部材が2つの刺激部材に流体を供給するように配置される。膨張部材3および刺激部材2の人体と接触する部分は、一般的に、流体が人体へと漏れるのを防ぐ閉システムを画成する。

0118

少なくとも1つの膨張部材は、例えば、1つの刺激部材の内壁からある距離で自由に位置する。デバイスが鼻腔に挿入されるとき、恐らくは比較的硬い膨張部材によって、患者が痛みを経験する場合があることが、経験によって示されている。刺激部材を膨張させると、経験した痛覚が和らぐ。これは、膨張させた後の刺激部材が、膨張部材の端部から組織を優しく押しのけるという事実によるものと思われる。膨張部材の端部と刺激部材の内壁との間の距離は、1〜10mmの範囲、または4〜6mmの範囲、または約5mmであってもよい。

0119

少なくとも1つのチャネルを備える少なくとも1つの膨張部材の例としては、パイプ管材料導管シリンダチューブなどが挙げられる。少なくとも1つの膨張部材は、例えば、プラスチックゴム、または金属材料で作られる。

0120

流体、例えばガスまたは液体の供給は、少なくとも1つの膨張部材を介して外部装置によって制御されてもよい。かかる外部装置は、前後に移動させることによって、シリンダ内の流体の量を調整し、それによって少なくとも1つの膨張部材内の流体の量を調整することができる、可動プランジャを備えたシリンダを備えてもよい。

0121

本発明によるデバイスが第1および第2の刺激部材ならびに1つの膨張部材を備える実施形態では、膨張部材は両方の刺激部材に接続される。デバイスは、両方の刺激部材に対する流体の供給を制御することができる、少なくとも1つの弁を備えてもよい。この実施形態では、刺激部材の一方または両方を膨張させることができる。

0122

図2Bを参照して、本発明のデバイスの態様による、2つの刺激部材および2つの膨張部材を備えたデバイスの特定の例について、以下に考察する。被験者の鼻腔内における振動刺激のためのデバイス1は、膨張状態で配置されるとともに膨張部材3aおよび3bを備える、第1の刺激部材2aおよび第2の刺激部材2bを備える。各刺激部材2aおよび2bは、膨張部材の端部部分が個々の刺激部材の内部に位置するようにして、膨張部材3aおよび3bを部分的に取り囲むように配置される。第1の刺激部材2aの内部25aは膨張部材3aと流体接続される。第2の刺激部材2bの内部25bは膨張部材3bと流体接続される。膨張部材3aおよび3bは、刺激部材2aおよび2bを膨張させるように配置される。膨張部材3aおよび3bはそれぞれ、少なくとも部分的に刺激部材内に配置されてもよい、管状構造26aおよび26bを備える。管状構造26aおよび26bは、刺激部材2aおよび2bの内部25aおよび25bと流体連通するように配置される、複数の開口部27aおよび27bを備える。膨張部材3aおよび3bはそれぞれ、管状構造26aおよび26bを介して刺激部材2aおよび2bの内部25aおよび25bと流体連通して配置される、細長い構造28aおよび28bをさらに備える。細長い構造はそれぞれ、個々の刺激部材2aおよび2bのほぼ外部に、または部分的に刺激部材2aおよび2bの内部に配置されてもよい。細長い構造28aおよび28bは、管状構造26aおよび26bの一部を包囲してもよい。管状構造26aおよび26bの各端部部分は、刺激部材2aおよび2bの内部25aおよび25b、ならびに細長い構造28aおよび28bと流体連通する開口部を備えてもよい。流体連通は、チャネル4aおよび4bによって遂行されてもよい。管状構造26aおよび26bは、刺激部材2aおよび2bのほぼ全長内を延在してもよい。

0123

一実施形態では、管状構造26aおよび26bは、管状構造26aおよび26bの端部から刺激部材2aおよび2bの内壁までの距離を残し、前記距離は5mmの長さを有する。しかし、管状構造26aおよび26bの端部部分の周面は、刺激部材の内壁から離される。

0124

管状構造は、場合によっては不規則な鼻腔の形状に挿入し、その中で位置付けるのを可能にするのに十分に弾力的である。刺激部材が鼻腔の前庭を通る垂直の曲がりを通らなければならないため、このことは、矢状面での移動にとって特に重要である。同時に、管状構造は、鼻腔の例えば前部または後部に導入する間の偶発的な曲がりを回避するために、十分な剛性を提供しなければならない。管状構造はそれぞれ、刺激部材の1つに達する前に振動の減衰を引き起こすことがある、流動抵抗を回避するのに十分な内径を独立して有してもよい。さらに、管状構造は、複数の開口部との組み合わせで適切な剛性を達成する壁厚を有してもよい。他の材料および機械的性質も、管状構造の剛性に影響を及ぼすことがある。

0125

刺激部材内に配置される管状構造の端部部分は、鼻腔に導入されるときにデバイスが動かなくなるのを防ぐとともに、患者にとってのあらゆる不快感を最小限に抑えるため、丸み付けられるかまたは斜角が付けられてもよい。

0126

複数の開口部を備える管状構造は、それらの全長に沿った刺激部材の膨張を可能にしてもよい。鼻腔の壁は個人によって異なり、場合によっては狭い通路をもたらすので、複数の開口部によって、流体が刺激部材の全長に沿って中に入り、膨張させることが可能になる。図2Bに示される実施形態では、開口部は、異方性の剛性が十分であることを担保するため、管状構造26aおよび26bの2つの側面に交互に位置している。

0127

刺激部材の少なくとも1つは、鼻腔の組織によって少なくとも1つの刺激部材に対して及ぼされる圧力を測定するように配置される圧力センサを備えてもよい。圧力センサ29bの一例は図2Bに示される。

0128

デバイスが第1および/または刺激部材を振動させるように配置される少なくとも1つの振動発生部材を備える実施形態では、少なくとも1つの振動発生部材は、例えば、制御装置から供給される印加電圧によって制御される。かかる例では、少なくとも1つの振動発生部材は、第1および/または第2の刺激部材内に配置されてもよい。

0129

別の例では、振動発生部材は外部に配置される。かかる外部振動源、例えばトランスデューサは、第1および/または第2の刺激部材内に収容された流体に振動を供給するように配置されてもよい。

0130

本発明によるデバイスが2つの刺激部材および1つの振動発生部材を備える実施形態では、振動発生部材は両方の刺激部材に接続される。かかる実施形態では、デバイスは、例えば、流体の供給、およびしたがって2つの刺激部材のそれぞれに対する発振の供給を制御する、少なくとも1つの弁をさらに備えてもよい。この実施形態では、1つの刺激部材は一度に振動を付与してもよい。あるいは、2つの刺激部材は同じ周波数で振動を付与してもよい。

0131

したがって、振動は、刺激部材内に含まれる流体を介して、少なくとも1つの鼻腔の組織に付与されてもよい。したがって、流体は、少なくとも1つの膨張部材を介して第1および/または第2の刺激部材に振動を伝導する媒体として機能する。

0132

本発明によってデバイスを使用する、少なくとも1つの鼻腔内の組織の振動刺激は、約40Hz〜100Hzの第1の周波数および場合によっては第2の周波数で実施されてもよい。他の周波数も予想される。デバイスが2つの振動発生部材を備える実施形態では、第1および第2の周波数は同じであるかまたは異なってもよい。

0133

一例では、特定の第1の周波数は、蝶形骨口蓋神経節などの所望の生物学的標的を刺激するのに使用されてもよく、特定の第2の周波数は、同じ生物学的標的、または場合によっては視床下部などの第2の所望の生物学的標的を刺激するのに使用されてもよい。別の例では、第1および第2の周波数は振動刺激の間に変更されてもよい。さらに別の例では、刺激部材の1つが一度に振動を付与する。予め決定されるか、あるいは振動刺激の間に、システム、操作者、または被験者自身によって決定される、ある期間の後、他方の鼻腔内に位置付けられた他方の刺激部材によって振動が付与されてもよい。

0134

本発明による第1および第2の刺激部材は、応用分野に応じて様々な波形で振動させることができる。刺激部材は、例えば、振動を正弦波によって、または方形波として説明できるような形で振動させることができる。

0135

わずかに異なる周波数(かつ同じ振幅の)の振動間での干渉によって、振幅が一定ではなくなった、時間に伴って変化する波が得られる。2つの波がほぼ180度位相ずれしていると、一方の振動の極大値が他方の振動の極小値打ち消すが、それらがほぼ同相であると、それらの極大値が合計される(二重振幅が与えられる)。わずかに異なる周波数の振動の結果として、2つの開始周波数間の差に等しい周波数の波を形成する、極大値および極小値の連続した値がもたらされる。このことは、周波数f1およびf2をそれぞれ有する2つの正弦波を加算することによって、数学的に理解することができる。

0136

0137

2つの開始周波数が非常に近い(通常、数ヘルツ程度の差である)場合、上記式の右側のコサインの周波数は、低速すぎて知覚できない場合が多い。代わりに、周波数が2つの周波数の平均である式におけるサイン周期的変動として知覚される。上記式の右側のサイン部分が、コサイン部分の期間の間、正の値と負の値との間で多数回入れ替わるので、コサイン因子の絶対値のみが関連する。したがって、結果は、2つの開始周波数間の差である周波数を有する振幅変調(fmod=f1−f2)である。

0138

例えば、第1の周波数は63Hzであることができ、第2の周波数は73Hzであることができる。この例により、10Hz(2つの周波数間の差)で変調された、結果として得られる68Hz(2つの周波数の平均)の振動が与えられるであろう。例えば、68Hzは、視床下部などの生物学的標的の振動刺激に適していることがあり、10Hzは、蝶形骨口蓋神経節などの別の生物学的標的の振動刺激に適していることがある。

0139

本発明によるデバイスを使用して、少なくとも1つの鼻腔の組織に適用される振動の第1および第2の振幅は、約0.3mm〜5mmなど、約0.05mm〜20mmの範囲内に含まれてもよいが、他の振幅も予想される。第1および第2の振幅は同じであるかまたは異なってもよい。

0140

刺激部材は、同じまたは異なる圧力で、鼻腔内の組織に当接してもよい。第1および第2の圧力は、約20mbar〜120mbarの範囲内にあってもよいが、他の圧力も予想される。

0141

一例では、第1の圧力は、蝶形骨口蓋神経節などの第1の生物学的標的の振動刺激に使用されてもよく、第2の圧力は、同じ生物学的標的または視床下部などの第2の所望の生物学的標的の振動刺激に使用されてもよい。第1の圧力は、例えば20〜50mbarなどの比較的低圧の領域内であってもよく、第2の圧力は、例えば70〜120mbarなどの比較的高圧の領域内であってもよい。

0142

視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節など、生物学的標的の振動刺激の特定のレベルに必要な、第1および第2の周波数、第1および第2の振幅、ならびに/あるいは刺激部材が鼻腔内の組織に当接する第1および第2の圧力は、対象の被験者の鼻腔の性質および過敏性によって左右されることが理解されるべきである。第1および第2の周波数、第1および第2の振幅、ならびに/あるいは第1および第2の圧力の選択も、どのタイプの治療を実施することが意図されるか、即ちどの生物学的標的を、またどの疾病を治療すべきかによって左右される。

0143

図3Aおよび3Bでは、デバイス1の2つの刺激部材2は、鼻腔内に位置付けられると、少なくとも部分的に膨張される。図3Bは、2つの鼻腔内における2つの刺激部材の位置を示す。膨張部材3は、振動刺激の間、部分的に刺激部材2内に位置し、部分的に鼻腔の外部に位置する(図3A)。その結果、膨張部材3は、振動刺激に適したサイズおよび/または体積まで刺激部材2を膨張させる。かかる膨張は、膨張部材に含まれる1つまたはそれ以上のチャネルを通して、刺激部材に流体を供給することによって達成されてもよい。刺激部材が所望の体積を得ていると、1つまたは2つの鼻腔内の組織の振動刺激が開始される。かかる事例では、適用可能な場合、振動刺激を開始するときに使用される圧力は、振動刺激の残りの期間に鼻腔に対して及ぼされる圧力と比べて高圧である。かかる事例では、刺激部材の一方または両方が少なくとも部分的に膨張されると、それらを振動させてもよい。刺激部材は、少なくとも部分的に膨張させたとき、対象の被験者の鼻の解剖学的構造に応じて、円形、楕円形、または液滴形を有してもよい。

0144

視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの所望の生物学的標的に対する所望の効果が達成されると、振動刺激は適切に終了される。少なくとも部分的に膨張させた刺激部材は、ほぼ膨張していない状態に適切に戻され、その後に鼻腔から除去される。刺激部材の縮小は、例えば、少なくとも1つの膨張部材を通して流体を除去することにより、刺激部材内の流体圧を低減することによって達成されてもよい。刺激部材が少なくとも部分的に膨張していない状態まで適正に縮小されると、刺激部材は、被験者自身によって、または医師などの補助人員によって、個々の鼻腔から除去されてもよい。

0145

刺激部材の寸法は、治療される被験者の少なくとも1つの鼻腔のサイズおよび形状に適合されてもよいことが明白である。1つの鼻腔内に位置するときの1つの刺激部材の長さは、約3mm〜約100mm、例えば白人成人の場合で約40mm〜約60mmで変動してもよい。他方で、被験者が新生児であるとき、1つの鼻腔内に位置するときの1つの刺激部材の長さは、約3mm〜約20mmであってもよい。1つの鼻腔内に位置付けられたときの1つの刺激部材の実際の長さは、刺激部材の膨張の程度および鼻腔のサイズに応じて決まることが理解されるべきである。

0146

1つの鼻腔内に位置付けられたときの1つの刺激部材の横幅は、刺激部材の膨張の程度および鼻腔のサイズに応じて、例えば、成人の場合で約10mm〜約20mmなど、約1mm〜約40mmで変動してもよい。新生児の1つの鼻腔内に位置付けられたとき、刺激部材は、約1mm〜約3mmの幅であってもよい。治療される被験者に応じて、第1および/または第2の刺激部材の寸法は、上記の範囲外に変動してもよいことが理解される。

0147

1つの鼻腔内への滑らかで無痛の導入を可能にするため、鼻腔に導入されるときの1つの刺激部材の幅は、治療される被験者の鼻腔の開口部の幅を超えなくてもよい。新生児では、例えば、1つの鼻腔に導入されるときの1つの刺激部材は、約1mmの幅であってもよい。1つの鼻腔内への1つの刺激部材の導入をさらに容易にするため、刺激部材は、鼻の解剖学的構造により良好に適応するようにわずかな曲がりを有して予め形成されてもよい。

0148

本発明によるデバイスは、便利には、第1および/または第2の刺激部材内の圧力が特定の最大値を超える場合に、例えば第1および/または第2の刺激部材から流体を放出することによって、圧力の一部を放出することができる、安全弁を備えてもよい。

0149

少なくとも1つの鼻腔への挿入およびその中での位置付けを容易にするため、デバイスは、振動刺激を行う者を補助する物差しを備えてもよい。少なくとも1つの膨張部材は、例えば、かかる物差しを備えてもよく、それは、特定の被験者の解剖学的構造の任意の予備知識と併せて、鼻腔のどの程度奥まで刺激部材が挿入されているかを示してもよい。あるいは、デバイスは、刺激部材が鼻腔の奥まで挿入されすぎるのを防ぐため、鼻腔の開口部よりも大きい止め具を備えてもよい。

0150

図4を参照して、本発明のシステムの態様によるシステムの特定の例について、以下に考察する。システムは、上述したように、2つの刺激部材2および少なくとも1つの膨張部材3を有する、デバイス1を備える。空気などの流体は、入口5を介してシステムに入る。圧力調整モジュール6aおよび6b、例えば圧力ポンプにおいて、流体は、管材料7aまたは7bの少なくとも1つを介して周波数および振幅調整モジュール8aまたは8bの少なくとも1つに供給される前に加圧される。周波数および振幅調整モジュール、例えば振動ポンプは、管材料9aまたは9bおよび少なくとも1つの膨張部材3を介してデバイス1に供給される加圧流体に対して、所望の周波数および振幅を有する振動を提供する。システム圧力は、圧力センサ10aおよび10b、例えばマノメータによって監視される。システムは、システム圧力が最大レベルを超えた場合に、ガスまたは液体などの流体をシステムから放出することができる、安全弁11aおよび11bをさらに備えてもよい。

0151

一例では、1つの単位体は、圧力調整モジュール6aおよび6bの両方を備えることができる。別の例では、圧力調整モジュール6aは圧力調整モジュール6bと同じである。したがって、1つの圧力調整モジュールが、1つまたは2つの管材料を介して、周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bの一方または両方に供給される、流体を加圧してもよい。いくつかの例では、1つの単位体は、周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bの両方を備えることができる。他の例では、周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bは同じである。1つの周波数および振幅調整モジュールが、1つまたは2つの管材料を介して、デバイス1に対して振動を提供することができる。同様に、1つの単位体は、圧力センサ10aおよび10bの両方を備えてもよい。他の例では、圧力センサ10aは10bと同じであり、したがって、1つの圧力センサがシステム圧力を監視することができる。それに加えて、安全弁11aおよび11bは、同じ単位体内に位置付けられるか、あるいは同じ弁であることができる。

0152

制御装置12は、ライン13aおよび13bを介して圧力調整モジュール6aおよび6bから、ライン14aおよび14bを介して周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bから、また、ライン15aおよび15bを介して圧力センサ10aおよび10bから、入力を受け取る。制御装置は、さらに、ライン13aおよび13bを介して圧力調整モジュール6aおよび6bを、またライン14aおよび14bを介して周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bを制御する。

0153

制御装置12は、上述の調整モジュールおよびセンサからの入力を収集するように配置される、データ収集モジュールをさらに備えてもよい。データ収集モジュールは、さらに、生物学的標的、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節の活動など、身体反応の測度を反映する入力信号を取得してもよい。したがって、制御装置12は、機能的神経画像検査デバイスなどのモニタリング・デバイス(図示なし)から入力信号を受け取ってもよい。制御装置の一例は、例えば、入力信号を分析するため、また、例えば周波数、振幅、および圧力のいずれかをどのように調節するかを判断するために、ソフトウェアを実行することができる適切な周辺I/O能力を備えるマイクロプロセッサである。例えばパーソナルコンピュータなど、他のタイプの制御装置が使用されてもよいことが想起される。

0154

さらに、分析モジュール(図示なし)が制御装置内に含まれてもよい。かかる分析モジュールは、システムの別個の部分から、適用可能な場合はシステムのデバイス、モジュール、および/またはセンサから収集された、データを分析する。

0155

システムの他の例では、データ処理モジュール(図示なし)が制御装置内に含まれる。データ処理モジュールは、システムを実行するときに収集されるデータを計算する。身体反応の測度を反映する入力信号の導関数などの、未加工データまたは計算済みデータの分析に基づいて、分析モジュールは、システム内に存在することがある調整モジュールの任意の1つに対して、例えば周波数、振幅、および/または圧力を調節することを指示するように配置される。身体反応の測度が、例えば入力信号の導関数がゼロに近いことによって表されるような、飽和レベルに達している場合、分析モジュールは、周波数調整モジュール、振幅調整モジュール、および圧力調整モジュールのうち任意の1つに対して、周波数および/または振幅をゼロに調節し、ならびに/あるいは圧力が気圧を反映するように調節することを指示するように配置されてもよい。振動刺激が終了している場合、刺激部材は、少なくとも部分的に膨張していない状態に戻ることができ、それによって流体が、例えばガスまたは液体が、少なくとも1つの膨張部材から抜き取られる。次に、少なくとも部分的に膨張していない刺激部材を、被験者の鼻腔から抜き取ることができる。

0156

本発明のシステムの態様では、システムが複数の幾何学形状が異なる刺激部材を備える場合、かかる刺激部材は異なる刺激部材のキットに含まれてもよい。刺激部材は、例えば上記に開示したような範囲内で、長さおよび横幅が個々に異なってもよい。複数の刺激部材は、例えば、異なる寸法および形状を有する、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の刺激部材を備えてもよい。刺激部材は、挿入および位置付けを容易にする、異なる横方向に湾曲曲げられた形態を示してもよい。

0157

図5を参照して、本発明によるシステムの使用の特定の例について、以下に考察する。被験者は、本発明によるシステムを用いた振動刺激を受ける。2つの刺激部材を備えるデバイス1は、被験者の各鼻腔内に位置付けられる。2つの刺激部材は、鼻腔の組織に当接するように膨張される。係留部材30は、患者の頭部の周りに配置されて、少なくとも1つの鼻腔内での振動刺激の間、第1および第2の刺激部材を第1および第2の鼻腔内の固定位置で固定する。圧力、周波数、および振幅を調整する調整モジュール16は、管材料を介してデバイス1に接続される。調整モジュール16は、周波数および振幅調整モジュール8aおよび8bならびに圧力調整モジュール6aおよび6bの少なくとも1つを備えてもよい。少なくとも1つの鼻腔の組織に振動を付与しているとき、身体反応、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの生物学的標的の活動が、fMRI機器などのモニタリング・デバイス17によって監視される。制御装置12は、モニタリング・デバイス17からラインを介して、身体反応を反映する入力信号を受け取る。制御装置は、信号を取得するデータ収集モジュール(図示なし)を備える。分析モジュール(図示なし)およびデータ処理モジュール(図示なし)が、制御装置内にさらに提供されてもよい。制御装置12は、調整モジュール16を制御する命令を出力してもよい。かかる命令は、モニタリング・デバイス17から取得される入力信号の分析に基づくものであり、圧力、周波数、または振幅の振動刺激パラメータのうち任意の1つを調節することを目的とする。特定の例では、身体反応の測度を反映する入力信号が閾値に達すると、制御装置は、振動刺激を終了するように、または最初に一方の刺激部材を、次に他方の刺激部材を振動させることによって振動刺激を与える鼻腔を切り替えるように、調整モジュール16に指示してもよい。

0158

図6を参照して、本発明によるデバイスの特定の例について、以下に考察する。2つの刺激部材(図示なし)はそれぞれ1つの膨張部材3を備える。膨張部材はそれぞれ1つのチャネル4を備える。2つの膨張部材は、振動発生デバイス(図示なし)から鼻の数センチメートル内部まで至る、外部管材料20内に設けられる。外部管材料20には、ボール18を備えるカフ21が取り付けられる。ボール18は、それに対応する、支持アーム19上に設けられる境界面22にぴったり嵌合する。ボールとそれに対応する境界面との間の嵌合により、角度調節が提供される。支持アーム19は、ヘッドバンドまたは眼鏡(図示なし)の形態の係留部材に接続される。ボールがそれに対応する境界面にクリック音を立てて収まる前に、刺激部材が鼻腔に挿入されてもよい。代替例は、外部管材料を除外し、その代わりに個々の膨張部材に直接取り付けられる2つのカフを有するというものであろう。それらは、その結果、例えば頭部の両側に1つずつ位置することができる、それぞれ1つの支持アームに取り付けられるであろう。

0159

好ましくは、第1および第2の刺激部材が鼻腔に導入されたとき、ならびに鼻腔内に位置付けられたとき、少なくとも1つの係留部材がそれらを保持する。好ましくは、振動刺激の間、刺激部材は別個に保持される。

0160

少なくとも1つの係留部材は、例えばヘルメット、フェイシャル・マスク、ヘッドバンド、または眼鏡の形態で提供されてもよい。かかる係留部材は、被験者が振動刺激の間に自身の頭部を動かした場合であっても、または他の何らかの外乱が生じた場合であっても、刺激部材を鼻腔に対して一定の位置に保つ。少なくとも1つの係留部材はまた、振動刺激の間、刺激部材を互いに対して固定位置で保つ助けとなる。

0161

少なくとも1つの係留部材を備えたデバイスは、好ましくは、少なくとも1つの調節部材を備える。少なくとも1つの調節部材を用いて、被験者同士の個体差に合わせて調節することができる。少なくとも1つの調節部材は、例えばスナップ・ホイール、好ましくは弾性であるストラップ、およびロック部材の形態で提供されてもよい。例えば、スナップ・ホイールが使用されるとき、1つの刺激部材と少なくとも1つの係留部材との間の角度を離散的な段階で調節することができる。別の例では、一体型のボールを備えたカフを使用することができる。1つの刺激部材の端部において、少なくとも1つの係留部材に位置付けられたボール上に噛合する部品スナップ留めすることができる。好ましくは、刺激部材を鼻腔に導入し、その後、少なくとも1つの係留部材に位置付けられたボール上に噛合する部品をスナップ留めすることができる。

0162

いくつかの例では、デバイスは、1つが第1の刺激部材の位置を調節し、第2のものが第2の刺激部材の位置を調節する、2つの調節部材を備えてもよい。2つの調節部材は、少なくとも1つの係留部材に、例えば1つの調節部材をそれぞれ保持する2つの垂直部品を備えたヘッドバンドに、取り付けることができる。

0163

ヘッドバンドの形態の係留部材は、鼻腔内の固定位置で刺激部材を保持することができる。ヘッドバンドは、好ましくは、被験者の頭部に緊密に適合するように弾性である。ヘッドバンド30の一例が図5に示される。別の例では、ヘッドバンドは、少なくとも部分的に非弾性であり、例えばスナップ・ホイールまたはねじなどの調節部材を使用して、ヘッドバンドを被験者の頭部の周りで調節することができる。

0164

ヘッドバンド上に、1つまたは2つの垂直部品を取り付けることができる。垂直部品はそれぞれ、被験者の口および鼻に向かう長さと角度の両方を調節することが可能である。刺激部材は、垂直部品の一方または両方に取り付けられる。刺激部材は、刺激部材を1つまたは2つの垂直部品に取り付け、次いで垂直部品をヘッドバンドに取り付けるのに先立って、鼻腔に導入することができる。

0165

一例では、1つの調節部材を使用して、例えばヘッドバンドの形態の係留部材の位置を、被験者の頭部の周りで調節することができる。別の調節部材を使用して、例えばヘッドバンドの形態の係留部材と、治療される被験者の鼻との間で、垂直部品の長さを調節することができる。さらに別の調節部材を使用して、鼻腔に挿入される刺激部材の位置を調節することができる。好ましくは、例えばヘッドバンドの形態の少なくとも1つの係留部材を、治療される被験者の頭部上に位置付けるのに先立って、被験者の鼻腔に挿入される刺激部材の位置を調節することができる。

0166

別の例では、係留部材はフェイシャル・マスクの形態であることができる。フェイシャル・マスクは、好ましくは、被験者の頭部サイズのばらつきに適合できるように弾性である。一例では、フェイシャル・マスクは鼻と口のための穴を有する。別の例では、マスクは、好ましくは、振動刺激の間の呼吸を可能にするように通気性である。マスクは、2つのストラップを、好ましくは弾性ストラップを使用して、顔面上に固定されてもよい。さらに、マスクは、振動刺激の間、刺激部材を固定位置で保持する、少なくとも1つのロック部材を備えてもよい。

0167

本発明によるデバイスは、眼鏡をさらに備えてもよい。眼鏡を使用して瞳孔のサイズを測定することができる。例えば、眼鏡の表面上に物差しを挿入して、振動刺激の前および/または間における瞳孔のサイズの測定を単純化することができる。瞳孔のサイズは、振動刺激を終了するべきか否か、または振動刺激を与える鼻腔を切り替えるべきかを判断するために、身体反応の測度として使用することができる。眼鏡は、好ましくは、振動刺激の間に被験者の目に光が入るのを回避するため、暗色であるか、または少なくとも部分的にのみ光透過性であることができる。例えば、これは、例えば片頭痛などの重度の頭痛を患っている被験者を治療するときに有利である。

0168

一例では、少なくとも1つの係留部材はEEG電極を備えてもよい。EEG電極は、刺激の前および/または間の脳活動を測定するのに使用することができる。脳活動は、少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節するべきか否か、振動刺激を終了するべきか、または振動刺激を与える鼻腔(即ち、第1または第2の鼻腔)を切り替えるべきかを判断するために、身体反応の測度として使用することができる。

0169

別の例では、少なくとも1つの係留部材は、治療される被験者の耳たぶに取り付けることができる、光電式容積脈波記録センサを備えてもよい。光電式容積脈波記録センサは、血液の酸素飽和度を測定するのに使用されてもよい。同様に、酸素飽和度は、少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節するべきか否か、振動刺激を終了するべきか、または振動刺激を与える鼻腔(即ち、第1または第2の鼻腔)を切り替えるべきかを判断するために、身体反応の測度として使用することができる。

0170

さらに別の例では、本発明によるシステムはECG電極を備えてもよい。ECG電極は、被験者の胸部上に取り付けることができ、振動刺激の前および/または間における被験者の心臓活動もしくは脈拍を測定するのに使用することができる。ECG電極は、測定値を記録および/または視覚化するために、モニタリング・デバイスに接続することができる。心臓活動および/または脈拍は、同様に、少なくとも1つの振動刺激パラメータを調節するべきか否か、振動刺激を終了するべきか、または振動刺激を与える鼻腔を切り替えるべきかを判断するために、身体反応の測度として使用することができる。

0171

少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激の方法について、図7を参照して以下に例証する。2つの刺激部材を備えるデバイスが提供される。各刺激部材は、被験者の鼻腔に導入される。したがって、鼻腔の開口部を通過するのを容易にするとともに、嵩高い機器を提示することによって被験者が怖がるリスクを最小限に抑えるために、刺激部材は、導入されるときはほぼ膨張していない。鼻腔内で適正に位置付けられると、図3Aおよび3Bに例証されるように刺激部材が鼻腔の組織と接触するように、刺激部材を膨張させることができる。刺激部材の体積は、振動刺激に先立って組織との良好な接触が達成されるように、鼻腔のサイズに合わせて調節されてもよいことが理解されるべきである。良好および/または緊密な接触とは、刺激部材を少なくとも部分的に膨張させたときに、その利用可能な外表面が組織の表面に本質的に当接するような接触を指す。

0172

続いて、刺激部材の一方または両方を振動させて、同時にもしくは連続的に、例えば視床下部および/または蝶形骨口蓋神経節などの生物学的標的を刺激する。

0173

例えば、本発明の第1の態様によるデバイスは、鼻腔内で同時に振動刺激を与えるために、または1つの鼻腔内で一度に連続的な振動刺激を与えるために使用されてもよい。圧力および周波数は、鼻腔内における連続的なおよび/または同時の振動刺激に対して、同じであるかもしくは異なってもよいことが理解されるべきである。干渉効果を達成するため、同時の振動刺激の間、位相および/または振幅の差を有する2つの異なる周波数が適用されてもよい。

0174

振動刺激に先立って、方法は、個々に異なる幾何学形状を有する複数の刺激部材から、治療される被験者の2つの鼻腔に適した幾何学形状を有する2つの刺激部材を選択する工程を伴ってもよい。上述したように、特定の被験者は、特定の形状、長さ、および幅/直径を有する、異なる刺激部材を要することがある。

0175

それに加えて、対象の被験者に適した振動刺激持続時間は、少なくとも1つの鼻腔内における振動刺激を開始するのに先立って選択されてもよい。かかる選択は、合計で少なくとも5分間など、標準的な振動刺激の最小持続時間を選択する工程を含んでもよい。あるいは、振動刺激持続時間は、正常な脈拍および/または正常な瞳孔のサイズに戻るなど、身体反応の測度が予め決定された要件を満たす治療期間として規定されてもよい。本発明の文脈では、正常とは、健康であって、好ましくは片頭痛または群発性頭痛の形態の頭痛などの痛みを経験しておらず、好ましくは不整脈を経験していない、被験者の状態を指す。別の例では、予め決定された要件は、治療されている被験者が、VASスケールの特定の値に相当する痛みを経験していることである。他の治療計画は、第1の鼻腔における、次に第2の鼻腔における治療の持続時間を選択する工程を伴う。

0176

本発明のシステムおよび方法の態様と関連して記載したように、所望の生物学的標的の振動刺激は、振動刺激の所望のレベルに達しているときに終了してもよい。

0177

本明細書に開示したような方法が、視床下部の機能障害および/または蝶形骨口蓋神経節の機能障害と関連付けられる疾病の治療を伴うとき、かかる治療は、予防的または急性的に適切に行われてもよいことが理解されるべきである。

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