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技術 血糖降下性多分岐マルトデキストリン

出願人 ロケットフレール
発明者 ステファニー・ビュロレティシア・ゲラン−ドゥルモベルナール・ポラ
出願日 2013年2月27日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-559278
公開日 2015年4月2日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2015-510014
状態 特許登録済
技術分野 多糖類及びその誘導体 食品の着色及び栄養改善 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード ピロデキストリン 脱水酸 食物塊 出力流量 水移動 解析パラメータ 溶出水 重量収率

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課題・解決手段

本発明は、少なくとも8〜多くとも15のデキストロース当量(DE)、及び少なくとも1,700〜多くとも3,000ダルトン分子量すなわちMwを有する多分岐マルトデキストリンであって、以下:少なくとも30%〜多くとも45%の1,6グルコシド結合含有率;少なくとも75%〜多くとも100%の、AOAC第2001−03号の方法により決定される可溶性難消化性繊維含有率、並びに− in vitroで、標準マルトデキストリンα−アミラーゼ加水分解の80〜90%の低減、及び− in situで、標準的マルトデキストリンの腸管消化活性の30〜45%の低減をもたらす、試験Aにより表される血糖降下能力を有することを特徴とする、多分岐マルトデキストリンに関する。

概要

背景

本発明の目的のために、「標準マルトデキストリン」は、グルコースと、主に、わずか4%〜5%のα−1,6グルコシド結合で、α−1,4結合したグルコースポリマーの精製および濃縮混合物として定義され、これらは、可変分子量を有し、完全に水溶性であり、弱い還元力を有する。

これらの標準的マルトデキストリンは、通常、穀物デンプンまたは塊茎状植物デンプン酸性化水分解または酵素加水分解により生成される。標準的マルトデキストリンの分類は、主として、デキストロース当量すなわちD.E.(Dextrose Equivalent)の概念により従来表現される、その還元力の測定値に基づいて行われる。この点に関して具体的には、Food Chemical CodexのMonograph Specificationsで見直されたマルトデキストリンの定義では、D.E.値は20以下であるべきであると規定している。

本発明の目的のために、標準的マルトデキストリンと比較して、本発明の多分岐マルトデキストリンによって表される「防御作用」は、標準的マルトデキストリンと混合した場合、以下:
− in vitroで、前記標準的マルトデキストリンのα−アミラーゼ加水分解を80%〜90%低減することができる能力
− 腸内のin situで、上記マルトデキストリンの腸内消化活性を30%〜45%低減することができる能力
をもたらす。

炭水化物、例えば、標準的マルトデキストリンの消化および吸収に作用することにより、本発明の多分岐マルトデキストリンは、食事後(食後)の血糖の上昇、さらにはインスリン分泌も遅らせ、これにより低減させる。

ゆえに、この作用は、糖尿病患者が、その血糖の制御を改善するのを助けることができる。

従って、本発明は、様々な産業分野、特に、食品及び製薬産業で用いることができる、上記のような多分岐マルトデキストリンを含む組成物に関する。

最後に、本発明は、前記多分岐マルトデキストリンを生産する方法に関する。

しばらく前から、適切な繊維豊富食物の定義にかなりの関心が向けられてきた。実際、食物に繊維を取り込むことは、健康面で有益な効果を有することが認められている。

食物繊維は、多くの場合、その可溶性に応じて、不溶性及び可溶性繊維に分類される。

これら2つのタイプの繊維は、繊維含有食品に様々な割合で存在している。オーツ、オオムギ果実新鮮野菜及び乾燥野菜マメレンズマメヒヨコマメ)は、可溶性繊維の優れた供給源であり、また、全穀物及び全粒パンは、不溶性繊維が豊富である。

セルロースレジスタントスターチトウモロコシ繊維(ビール粕)またはダイズ繊維などの不溶性繊維は、胃腸管において本質的に力学的な役割を有する。

これらは、腸内細菌叢によりほんのわずかに発酵するにすぎず、バラスト効果によって腸通過時間の短縮に寄与する。

不溶性繊維は、このように、便の重量を増加し、腸通過時間を短縮することにより、便秘の予防に寄与する。

ヒトの腸内酵素によって消化することができないペクチン及びイヌリンなどの可溶性繊維は、腸内細菌叢により発酵する。この発酵によって大腸内短鎖脂肪酸が放出されるが、これには、大腸のpHを低下させて、その結果、病原菌の発生を制限し、有益な細菌の発生を刺激する作用がある。

短鎖脂肪酸はまた、大腸の細胞のための重要なエネルギー源を構成し、腸の癌性細胞成長及び増殖を阻害する。

炭水化物及び脂質代謝への食物繊維の有益な作用を説明するために多くのメカニズムが援用されており;これらは互いに排他的ではない。

食後の血糖に対する可溶性繊維の即時効果は、食物繊維の作用についての「力学的」説明を付与した:
食物塊の粘度を増加することによる、胃内容排出時間延長
小腸内の食物への消化酵素の作用に対する希釈及びバリア効果
− 小腸を覆う粘膜層の増加、これによる、栄養素吸収時間の遅延
− 口から腸に至るまでの時間の増加による栄養素吸収の拡大。

最初の研究(1970年代末に遡る)によって、糖尿病患者に炭水化物及び繊維が豊富な食物を与えると、血糖バランスが改善し、患者のインスリン必要性が低減することが実証されたが、これは、その時代食事及び栄養療法傾向に反するものであった。

食後の血糖及びインスリン血症に対する食物繊維の短期作用については、広く文献に記載され、首尾一貫している:食物繊維は、インスリン治療、非インスリン依存性及び耐糖能障害糖尿病被験者並びに健康な被験者における食後の血糖上昇に影響を与える。この作用は、可溶性繊維に関するものであるだけに、一層明らかである。

従って、多くの研究から、複合糖質多糖、デンプン)と良好な大腸生理機能との間に関係性があるという結果が得られる。

これらの複合糖質が血糖の制御にもたらす影響は、小腸では消化されないレジスタントスターチの変転を通して研究されており、従って、大腸の健康に極めて有利である。

それらの機能的作用の標的は、通常、これらを発酵させる大腸細菌叢(そのためにこれらは特異的かつ選択的物質として作用する)、胃腸生理機能、特に大腸によって行われる機能、免疫系、鉱物生体利用能及び脂質代謝である。

従って、可溶性繊維について、以下のことが明らかである:
胃内容排出を遅らせる;
− 早期に満腹感を与える;
−小腸における炭水化物(及びまた脂質)の吸収速度を減じる。

通常、可溶性繊維に分類される化合物は、フルクトオリゴ糖及びトランスガラクトオリゴ糖であるが、ラクツロースイソマルトオリゴ糖、ダイズ抽出オリゴ糖キシロオリゴ糖なども挙げられる。

例えば、フルクトオリゴ糖(FOS)は、短鎖フルクトース単位ポリマーであり、これらは、ヒトにおいて小腸で加水分解されないが、大腸の常在細菌叢により分解される。

FOSは、主にヒト及び動物の腸の内生乳酸菌及びビフィズス菌の増殖を誘導する。

主に植物から抽出された上記の化合物と並んで、デンプン又はその部分的若しくは完全な加水分解産物から得られる分子がある。

例えば、ポリデキストロースは、ソルビトール及び適切な酸触媒クエン酸など)の存在下及び高温で、グルコースのランダム重合により合成される。

ポリデキストロースは、充填材及び低カロリー成分として食物中に広く用いられている。ポリデキストロースは、小腸では消化も吸収もされず、かなりの割合が便に見出される。

ポリデキストロースは、このように特定の細菌叢による乳酸消費を促進し、FOSにより誘導される過剰生産を平衡させるため、FOSと併用されることが多い。

しかし、従来の技術においても、食物繊維の特性を付与することにより、レジスタントスターチを取得するように、デンプンを処理するために開発された技術がいくつか知られている(Englyst and Cummings in American Journal of Clinical Nutrition,1987年,volume 45 pp.423−431)。

このように、デンプンは、従来、高温で食用酸により処理されている。この熱処理により、酸の量、デンプンの水分、及び用いた温度範囲に応じて、ピロデキストリン白色デキストリン又は黄色デキストリンタイプのデンプン誘導体が生成され、これらのデンプン誘導体は、ヒトの小腸内での消化及び吸収に対して耐性である。

実際に、標準的な消化性マルトデキストリン及びデンプンには、α−1,4及びα−1,6タイプのグルコシド結合しかないが、酸性条件下かつ低水分での熱処理により、1,2及び1,3タイプの非定型結合(α又はβアノマー異性)を生成し、これらはヒトの消化酵素により加水分解されない。

上記の物理的処理には、得られるデンプン誘導体の食物繊維性を強化するために、酵素処理を追加することが多い。

従って、例えば、欧州特許第368,451号明細書及び米国許第5,264,568号明細書には、高温の溶液中のデキストリン又はポリデキストリンに対するα−アミラーゼ又は複数のα−アミラーゼの連続的な作用により、食物繊維特性が強化されたピロデキストリンを製造する方法が記載されている。

欧州特許第530,111号明細書は、特殊な条件下で脱水酸性化したコーンスターチの押し出しによって得られる難消化性デキストリンを記載している。この処理に耐熱性α−アミラーゼの作用を追加することができる。

本出願人企業自身も、その特許出願:欧州特許第1,006,128号明細書に、15%〜35%の1,6グルコシド結合、20%未満の還元糖含有率、5未満の多分散指数、及び多くとも4500g/モルの数平均分子量Mnを有する「分岐マルトデキストリン」を記載している。

これらの分岐マルトデキストリンは、天然でとりわけ難消化性であり、その結果、小腸内でのそれらの同化を妨げることからその発熱量が減少し、難消化性繊維の供給源となる。

繊維は様々なAOAC法に従ってアッセイできることに留意すべきである。例として、フルクタン、FOS及びイヌリンについてのAOAC法997.08及び999.03、ポリデキストロースについてのAOAC法2000.11、分岐マルトデキストリンに含まれる繊維をアッセイするためのAOAC法2001.03、あるいは、GOS、並びにまた油性植物又はタンパク質生成植物由来の可溶性オリゴ糖についてのAOAC法2001.02が挙げられる。

これらの複合糖質は、それらを難消化性にするが、大腸の有益な細菌により発酵可能なそれら自体の性質により、血糖に影響をもたらすことから、小腸バリアの統合性に寄与する。

従って、当該技術分野の当業者は、その固有の特性のために、こうした一連物質を使用している。

このように、この難消化性は、例えば、欧州特許第443,789号明細書において、血糖レベルに影響を与えることなく、インスリン分泌を低減することにより、血糖を調節する食物組成物を提供する手段として開発されている。

しかし、Am.J.Clin.Nutr.,2009,89,114−25に発表されたLivesey,G及びTagami,Hによる研究にあるように、食後の血糖に対するレジスタントマルトデキストリンの作用を説明することができるものとして完全に概略的に挙げられた6つのメカニズムの1つは、酵素による阻害であり得るとしても、難消化性を本来有し、しかも、特に、食物への消化酵素の作用に対するバリア剤として作用することができる低分子量化合物を提供するための研究はほとんど実施されていない。

概要

本発明は、少なくとも8〜多くとも15のデキストロース当量(DE)、及び少なくとも1,700〜多くとも3,000ダルトンの分子量すなわちMwを有する多分岐マルトデキストリンであって、以下:少なくとも30%〜多くとも45%の1,6グルコシド結合含有率;少なくとも75%〜多くとも100%の、AOAC第2001−03号の方法により決定される可溶性難消化性繊維含有率、並びに− in vitroで、標準的マルトデキストリンのα−アミラーゼ加水分解の80〜90%の低減、及び− in situで、標準的マルトデキストリンの腸管消化活性の30〜45%の低減をもたらす、試験Aにより表される血糖降下能力を有することを特徴とする、多分岐マルトデキストリンに関する。

目的

このように、この難消化性は、例えば、欧州特許第443,789号明細書において、血糖レベルに影響を与えることなく、インスリン分泌を低減することにより、血糖を調節する食物組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも8〜多くとも15のデキストロース当量(DE)、及び少なくとも1700〜多くとも3000ダルトン分子量すなわちMwを有する多分岐マルトデキストリンであって、以下:−少なくとも30%〜多くとも45%の1→6グルコシド結合含有率;−少なくとも75%〜多くとも100%の、AOAC法第2001−03号により決定される可溶性難消化性繊維含有率、および−下記:−invitroで、標準マルトデキストリンα−アミラーゼ加水分解の80%〜90%の低減、−insituで、標準的マルトデキストリンの腸管消化活性の30%〜45%の低減をもたらす、試験Aにより表される血糖降下能力を有すること特徴とする、多分岐マルトデキストリン。

請求項2

少なくとも8〜多くとも12のDE、及び少なくとも2500〜多くとも3000ダルトンのMwを有し、以下:−少なくとも30%〜多くとも35%の1→6グルコシド結合含有率、−少なくとも75%〜多くとも80%の、AOAC法第2001−03号に従い決定される可溶性難消化性繊維含有率を特徴とする、請求項1に記載の多分岐マルトデキストリン。

請求項3

少なくとも12〜多くとも15のDE、及び少なくとも1700〜多くとも2500ダルトンのMwを有し、以下:−少なくとも35%〜多くとも45%の1→6グルコシド結合含有率、−少なくとも80%〜多くとも100%の、AOAC法第2001−03号に従い決定される可溶性難消化性繊維含有率を特徴とする、請求項1に記載の多分岐マルトデキストリン。

請求項4

以下:a.水分含有率が5%未満、好ましくは4%以下の脱水した酸性化デンプンを調製するステップ、b.このようにして脱水した酸性化デンプンを温度120〜300℃、好ましくは150〜200℃で薄層反応器内にて処理するステップ、c.得られた分岐デンプン誘導体を集収、精製し、好ましくは濃縮するステップ、d.前記分岐デンプン誘導体の分子分別を実施して、以下:i.Mn250〜400g/モル、ii.多分散指数2〜3、iii.還元糖含有率20%〜30%、iv.1→6グルコシド結合含有率30%〜35%を有する画分を取得するステップ、e.任意選択で、得られた低分子量画分アミログルコシダーゼで処理するステップ、f.得られた溶液クロマトグラフィーカラムで処理することにより、重合度が1及び2のオリゴマーを排除するステップ、g.得られた多分岐マルトデキストリンを回収するステップを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多分岐マルトデキストリンを製造する方法。

請求項5

食品又は医薬品の製造を目的とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の、又は請求項4の方法により得られる多分岐マルトデキストリンの使用。

技術分野

0001

本発明は、低分子量、すなわち、8〜15のデキストロース当量(DE)および1700〜3000ダルトンの分子量すなわちMwを有する、新規の多分岐マルトデキストリンに関し、これは、その特有の1→6グルコシド結合含有率、その可溶性難消化性繊維含有率、とりわけ、その顕著な血糖降下特性を特徴とする。

0002

さらに詳細には、これら新規の多分岐マルトデキストリンは、30%〜45%の1→6グルコシド結合含有率、75%〜100%(AOAC法第2001−03号による)の可溶性難消化性繊維含有率、およびin vitroおよびin situの両方で、標準マルトデキストリン消化に対する防御作用によって表される顕著な血糖降下特性を有する。

背景技術

0003

本発明の目的のために、「標準的マルトデキストリン」は、グルコースと、主に、わずか4%〜5%のα−1,6グルコシド結合で、α−1,4結合したグルコースポリマーの精製および濃縮混合物として定義され、これらは、可変の分子量を有し、完全に水溶性であり、弱い還元力を有する。

0004

これらの標準的マルトデキストリンは、通常、穀物デンプンまたは塊茎状植物デンプン酸性化水分解または酵素加水分解により生成される。標準的マルトデキストリンの分類は、主として、デキストロース当量すなわちD.E.(Dextrose Equivalent)の概念により従来表現される、その還元力の測定値に基づいて行われる。この点に関して具体的には、Food Chemical CodexのMonograph Specificationsで見直されたマルトデキストリンの定義では、D.E.値は20以下であるべきであると規定している。

0005

本発明の目的のために、標準的マルトデキストリンと比較して、本発明の多分岐マルトデキストリンによって表される「防御作用」は、標準的マルトデキストリンと混合した場合、以下:
− in vitroで、前記標準的マルトデキストリンのα−アミラーゼ加水分解を80%〜90%低減することができる能力
− 腸内のin situで、上記マルトデキストリンの腸内消化活性を30%〜45%低減することができる能力
をもたらす。

0006

炭水化物、例えば、標準的マルトデキストリンの消化および吸収に作用することにより、本発明の多分岐マルトデキストリンは、食事後(食後)の血糖の上昇、さらにはインスリン分泌も遅らせ、これにより低減させる。

0007

ゆえに、この作用は、糖尿病患者が、その血糖の制御を改善するのを助けることができる。

0008

従って、本発明は、様々な産業分野、特に、食品及び製薬産業で用いることができる、上記のような多分岐マルトデキストリンを含む組成物に関する。

0009

最後に、本発明は、前記多分岐マルトデキストリンを生産する方法に関する。

0010

しばらく前から、適切な繊維豊富食物の定義にかなりの関心が向けられてきた。実際、食物に繊維を取り込むことは、健康面で有益な効果を有することが認められている。

0011

食物繊維は、多くの場合、その可溶性に応じて、不溶性及び可溶性繊維に分類される。

0012

これら2つのタイプの繊維は、繊維含有食品に様々な割合で存在している。オーツ、オオムギ果実新鮮野菜及び乾燥野菜マメレンズマメヒヨコマメ)は、可溶性繊維の優れた供給源であり、また、全穀物及び全粒パンは、不溶性繊維が豊富である。

0013

セルロースレジスタントスターチトウモロコシ繊維(ビール粕)またはダイズ繊維などの不溶性繊維は、胃腸管において本質的に力学的な役割を有する。

0014

これらは、腸内細菌叢によりほんのわずかに発酵するにすぎず、バラスト効果によって腸通過時間の短縮に寄与する。

0015

不溶性繊維は、このように、便の重量を増加し、腸通過時間を短縮することにより、便秘の予防に寄与する。

0016

ヒトの腸内酵素によって消化することができないペクチン及びイヌリンなどの可溶性繊維は、腸内細菌叢により発酵する。この発酵によって大腸内短鎖脂肪酸が放出されるが、これには、大腸のpHを低下させて、その結果、病原菌の発生を制限し、有益な細菌の発生を刺激する作用がある。

0017

短鎖脂肪酸はまた、大腸の細胞のための重要なエネルギー源を構成し、腸の癌性細胞成長及び増殖を阻害する。

0018

炭水化物及び脂質代謝への食物繊維の有益な作用を説明するために多くのメカニズムが援用されており;これらは互いに排他的ではない。

0019

食後の血糖に対する可溶性繊維の即時効果は、食物繊維の作用についての「力学的」説明を付与した:
食物塊の粘度を増加することによる、胃内容排出時間延長
小腸内の食物への消化酵素の作用に対する希釈及びバリア効果
− 小腸を覆う粘膜層の増加、これによる、栄養素吸収時間の遅延
− 口から腸に至るまでの時間の増加による栄養素吸収の拡大。

0020

最初の研究(1970年代末に遡る)によって、糖尿病患者に炭水化物及び繊維が豊富な食物を与えると、血糖バランスが改善し、患者のインスリン必要性が低減することが実証されたが、これは、その時代食事及び栄養療法傾向に反するものであった。

0021

食後の血糖及びインスリン血症に対する食物繊維の短期作用については、広く文献に記載され、首尾一貫している:食物繊維は、インスリン治療、非インスリン依存性及び耐糖能障害糖尿病被験者並びに健康な被験者における食後の血糖上昇に影響を与える。この作用は、可溶性繊維に関するものであるだけに、一層明らかである。

0022

従って、多くの研究から、複合糖質多糖、デンプン)と良好な大腸生理機能との間に関係性があるという結果が得られる。

0023

これらの複合糖質が血糖の制御にもたらす影響は、小腸では消化されないレジスタントスターチの変転を通して研究されており、従って、大腸の健康に極めて有利である。

0024

それらの機能的作用の標的は、通常、これらを発酵させる大腸細菌叢(そのためにこれらは特異的かつ選択的物質として作用する)、胃腸生理機能、特に大腸によって行われる機能、免疫系、鉱物生体利用能及び脂質代謝である。

0025

従って、可溶性繊維について、以下のことが明らかである:
胃内容排出を遅らせる;
− 早期に満腹感を与える;
−小腸における炭水化物(及びまた脂質)の吸収速度を減じる。

0026

通常、可溶性繊維に分類される化合物は、フルクトオリゴ糖及びトランスガラクトオリゴ糖であるが、ラクツロースイソマルトオリゴ糖、ダイズ抽出オリゴ糖キシロオリゴ糖なども挙げられる。

0027

例えば、フルクトオリゴ糖(FOS)は、短鎖フルクトース単位ポリマーであり、これらは、ヒトにおいて小腸で加水分解されないが、大腸の常在細菌叢により分解される。

0028

FOSは、主にヒト及び動物の腸の内生乳酸菌及びビフィズス菌の増殖を誘導する。

0029

主に植物から抽出された上記の化合物と並んで、デンプン又はその部分的若しくは完全な加水分解産物から得られる分子がある。

0030

例えば、ポリデキストロースは、ソルビトール及び適切な酸触媒クエン酸など)の存在下及び高温で、グルコースのランダム重合により合成される。

0031

ポリデキストロースは、充填材及び低カロリー成分として食物中に広く用いられている。ポリデキストロースは、小腸では消化も吸収もされず、かなりの割合が便に見出される。

0032

ポリデキストロースは、このように特定の細菌叢による乳酸消費を促進し、FOSにより誘導される過剰生産を平衡させるため、FOSと併用されることが多い。

0033

しかし、従来の技術においても、食物繊維の特性を付与することにより、レジスタントスターチを取得するように、デンプンを処理するために開発された技術がいくつか知られている(Englyst and Cummings in American Journal of Clinical Nutrition,1987年,volume 45 pp.423−431)。

0034

このように、デンプンは、従来、高温で食用酸により処理されている。この熱処理により、酸の量、デンプンの水分、及び用いた温度範囲に応じて、ピロデキストリン白色デキストリン又は黄色デキストリンタイプのデンプン誘導体が生成され、これらのデンプン誘導体は、ヒトの小腸内での消化及び吸収に対して耐性である。

0035

実際に、標準的な消化性マルトデキストリン及びデンプンには、α−1,4及びα−1,6タイプのグルコシド結合しかないが、酸性条件下かつ低水分での熱処理により、1,2及び1,3タイプの非定型結合(α又はβアノマー異性)を生成し、これらはヒトの消化酵素により加水分解されない。

0036

上記の物理的処理には、得られるデンプン誘導体の食物繊維性を強化するために、酵素処理を追加することが多い。

0037

従って、例えば、欧州特許第368,451号明細書及び米国許第5,264,568号明細書には、高温の溶液中のデキストリン又はポリデキストリンに対するα−アミラーゼ又は複数のα−アミラーゼの連続的な作用により、食物繊維特性が強化されたピロデキストリンを製造する方法が記載されている。

0038

欧州特許第530,111号明細書は、特殊な条件下で脱水酸性化したコーンスターチの押し出しによって得られる難消化性デキストリンを記載している。この処理に耐熱性α−アミラーゼの作用を追加することができる。

0039

本出願人企業自身も、その特許出願:欧州特許第1,006,128号明細書に、15%〜35%の1,6グルコシド結合、20%未満の還元糖含有率、5未満の多分散指数、及び多くとも4500g/モルの数平均分子量Mnを有する「分岐マルトデキストリン」を記載している。

0040

これらの分岐マルトデキストリンは、天然でとりわけ難消化性であり、その結果、小腸内でのそれらの同化を妨げることからその発熱量が減少し、難消化性繊維の供給源となる。

0041

繊維は様々なAOAC法に従ってアッセイできることに留意すべきである。例として、フルクタン、FOS及びイヌリンについてのAOAC法997.08及び999.03、ポリデキストロースについてのAOAC法2000.11、分岐マルトデキストリンに含まれる繊維をアッセイするためのAOAC法2001.03、あるいは、GOS、並びにまた油性植物又はタンパク質生成植物由来の可溶性オリゴ糖についてのAOAC法2001.02が挙げられる。

0042

これらの複合糖質は、それらを難消化性にするが、大腸の有益な細菌により発酵可能なそれら自体の性質により、血糖に影響をもたらすことから、小腸バリアの統合性に寄与する。

0043

従って、当該技術分野の当業者は、その固有の特性のために、こうした一連物質を使用している。

0044

このように、この難消化性は、例えば、欧州特許第443,789号明細書において、血糖レベルに影響を与えることなく、インスリン分泌を低減することにより、血糖を調節する食物組成物を提供する手段として開発されている。

0045

しかし、Am.J.Clin.Nutr.,2009,89,114−25に発表されたLivesey,G及びTagami,Hによる研究にあるように、食後の血糖に対するレジスタントマルトデキストリンの作用を説明することができるものとして完全に概略的に挙げられた6つのメカニズムの1つは、酵素による阻害であり得るとしても、難消化性を本来有し、しかも、特に、食物への消化酵素の作用に対するバリア剤として作用することができる低分子量化合物を提供するための研究はほとんど実施されていない。

発明が解決しようとする課題

0046

以上述べた全てのことから、本出願人の知る限りでは、炭水化物消化の低減によるこのような血糖降下作用を有する低分子量で、多分岐の多糖はないことになる。

課題を解決するための手段

0047

本出願人は、名誉なことに、相当量の研究の結果、特にこのバリア効果を有する新規の多分岐マルトデキストリンを考案し、生成した。

0048

本発明の多分岐マルトデキストリンは、従来技術のもの(本出願人が自身の以前の特許出願において既に提案し、記載した他の低分子量分岐マルトデキストリンも含む)と明らかに異なるという意味で新規ファミリーを成す。

0049

本発明の目的のために、「分岐マルトデキストリン」という用語は、本出願人が所有者である欧州特許第1,006,128号明細書に記載されているマルトデキストリンを意味するものとする。

0050

より具体的には、本発明の多分岐マルトデキストリンは、少なくとも8〜多くとも15のデキストロース当量(DE)、及び少なくとも1700〜多くとも3000ダルトンの分子量すなわちMwを有する。

0051

これらは、特に、以下を特徴とする:
− 少なくとも30%〜多くとも45%の1→6グルコシド結合含有率、
− 少なくとも75%〜多くとも100%の、AOAC法第2001−03号により決定される可溶性難消化性繊維含有率、および
− 下記のことをもたらす、試験Aにより表される血糖降下能力:
− in vitroで、標準的マルトデキストリンのα−アミラーゼ加水分解の80%〜90%の低減、
− in situで、標準的マルトデキストリンの腸管消化活性の30%〜45%の低減。

0052

本発明による製剤の第1ファミリーは、DEが少なくとも8〜多くとも12であり、Mwが少なくとも2500〜多くとも3000ダルトンの多分岐マルトデキストリンから構成され、以下を特徴とする:
− 少なくとも30%〜多くとも35%の1→6グルコシド結合含有率、
− 少なくとも75%〜多くとも80%の、AOAC法第2001−03号に従い決定される可溶性難消化性繊維含有率。

0053

本発明による製剤の第2ファミリーは、DEが少なくとも12〜多くとも15であり、Mwが少なくとも1700〜多くとも2500ダルトンの多分岐マルトデキストリンから構成され、以下を特徴とする:
− 少なくとも35%〜多くとも45%の1→6グルコシド結合含有率、
− 少なくとも80%〜多くとも100%の、AOAC法第2001−03号に従い決定される可溶性難消化性繊維含有率。

0054

本発明の多分岐マルトデキストリンは、何よりもまず、そのDE及びその分子量によって特徴付けられる。

0055

既述したように、本出願人は、その特許出願:欧州特許第1,006,128号明細書に、15%〜35%の1,6グルコシド結合、20%未満の還元糖含有率、5未満の多分散指数、及び4500g/モル以下の数平均分子量Mnを有する「分岐マルトデキストリン」を開発し、記載している。

0056

本発明の多分岐マルトデキストリンは、そのDE及びその分子量により、上記のファミリーの分岐マルトデキストリンに類似している。

0057

DE及び分子量(Mw)の解析パラメータは、また、当業者には公知の任意の方法で決定される:
−デキストロース当量を決定する方法は、例えば、Lane−Eynon定滴定法(1923,Determination of reducing sugars by means of Fehling’s solution with methylene blue as internal indicator.J.Soc.Chem.Ind.Trans.32−36)であり;
− Mw値は、固定層の細孔への貫入又は非貫入による、そのサイズに応じた溶質の分子の選択的保持に基づく、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定する。

0058

従って、本発明の多分岐マルトデキストリンは、1700〜3000ダルトンの低分子量の場合、8〜15の値に限定されるDEを有する。

0059

上記以外にも、またこれが欧州特許第1,006,128号明細書の分岐マルトデキストリンと違う点であるが、本発明の多分岐マルトデキストリンは、
− 30%〜45%の、全体的により高い1→6グルコシド結合含有率、
− 75%〜100%(AOAC法第2001−03号による)の、高い可溶性難消化性繊維含有率、ならびに特に、
− 顕著な血糖降下特性
を有する。

0060

1→2、1→3、1→4、及び1→6グルコシド結合含有率の決定は、Hakomori,S.1964,J.Biol,Chem,55,205に記載の従来のメチル化技術に従って決定する。

0061

血糖降下特性に関して、これらは、in vitro及びin situでの酵素消化試験を実施することによって決定され、これにより、本発明の多分岐マルトデキストリンが、標準的マルトデキストリンの消化を低減する能力の測定が可能になる。

0062

その「in vitro」成分に関して、この試験は、本発明の多分岐マルトデキストリンの存在下で、標準的マルトデキストリンに対するブタ膵臓α−アミラーゼの作用により放出される還元糖の量を経時的に測定することからなる。

0063

その手順は以下の通りである:
− 250mlビーカーにおいて、Glucidex 6の商品名で本出願人により販売されているタイプの標準的マルトデキストリンを正確に50.0g計量し、
−試験しようとする多分岐マルトデキストリンを正確に5.0g計量し、これらをビーカーに導入し、
− 150mlの脱塩水可溶化させ、
− 必要であれば、pHを5の値に調整し、
− 250ml容量のフラスコに移し、少量の水でビーカーをすすいだ後、フラスコを脱塩水で250mlに調節し、
− 500mlの三角フラスコに移し、
− 37℃のインキュベータ内に配置し、
− 参照番号A3176(タイプVI−B、≧10単位/mg固体)でSigmaにより販売されているブタ膵臓α−アミラーゼ25mgを添加し、
− 3時間、6時間、及び24時間の反応時点で50mlの溶液を取り出し、85℃の水浴中で10分不活性化させ、
− Gabriel Bertrandの方法(“Bulletin des sciences pharmacologiques”[“Bulletin of pharmacological sciences”],vol.14,No.1,Jan.1907)に従い還元糖含量を測定する。

0064

測定は対照(α−アミラーゼを単独で用いたGlucidex(登録商標)の消化)についても実施し、このin vitro試験の結果を、対照に対するα−アミラーゼ活性の%として表す。

0065

以下に例示するように、本発明の多分岐マルトデキストリンは、このようにして、膵臓α−アミラーゼによるGlucidex(登録商標)6の加水分解を80%〜90%低減することに成功している。

0066

比較として、欧州特許第1,006,128号明細書において本出願人が開発した分岐マルトデキストリンは、膵臓α−アミラーゼによるGlucidex(登録商標)6の加水分解を30%〜50%しか低減することに成功していない。

0067

その「in situ」成分に関して、この試験は、ラットにおいて連続的腸管潅流を実施して、標準的マルトデキストリン加水分解のパーセンテージを計算することからなる。

0068

その手順は以下の通りである。

0069

体重約300〜350gの、Sprague−Dawleyからの事前麻酔したOFAラットの小腸を十二指腸及び回腸の位置で潅流する。

0070

一定の流れが循環する閉じた回路を形成する。

0071

流れを蠕動ポンプにより供給する。

0072

試験しようとする生成物の溶液を回路に注入する。

0073

分子量が4000前後のポリエチレングリコール(PEG)をこの溶液に添加する。前記ポリエチレングリコールを腸内の水移動マーカーとして用いる。

0074

2時間の潅流の間、腸管流出液サンプリングする。

0075

完全な酸性加水分解の後、PEG比について調節した(潅流の前及び後)腸管流出液中で検定したグルコースの量から、試験生成物の加水分解のパーセンテージを算出することができる。

0076

詳細なプロトコルは以下の通りである:
生理学食塩水(0.15M NaCl)中にpH7、4.68g/lのRal(登録商標)バッファー溶液を調製し、
− バッファー溶液中1%のPEG4000溶液を調製し、
緩衝PEG4000溶液中10g/lで、試験しようとする製剤の、潅流用溶液を調製し、
−動物を24時間絶食させ、
− 動物をイソフルランで麻酔し、
開腹術を実施し、
内径2mmのシリコーンチューブを用いて、十二指腸及び回腸(盲腸から約5cm)を潅流し、
− 動物の体温を37℃に設定したホットプレート上で維持し、
− この閉じた回路に、潅流しようとする溶液30mlを導入し、
− 1ml/分に設定した蠕動ポンプを始動させ、
− 30、60及び120分でサンプルを採取する。

0077

次に、以下のようにして解析を実施する:
初期潅流液(Po)及び流出液(Pt)についてPEGアッセイを実施し、
− 流出液中のグルコース(FGt=時点tでの遊離グルコース)を検定し、
−生成物の初期サンプル及び流出液に対して完全な酸性加水分解を実施し、
− グルコース(TGo:時点0での総グルコース−TGt:時点tでの総グルコース)を検定する。

0078

用いる式は、以下の通りである:
−分岐グルコース(g/l)=BG=TGt−FGt
−腸管腔内の水移動に関して調節した分岐グルコース(BG’):



−試験した製剤の加水分解パーセンテージ

0079

以下に例示するように、本発明の多分岐マルトデキストリンは、腸管潅流の終了時に、Glucidex(登録商標)6の加水分解を30%〜45%低減することに成功している。

0080

本発明の多分岐マルトデキストリンを調製するために、下記のステップを連続して実施する:
a.水分含有率が5%未満、好ましくは4%以下の脱水した酸性化デンプンを調製し、
b.このようにして脱水した酸性化デンプンを温度120〜300℃、好ましくは150〜200℃で薄層反応器内にて処理し、
c.得られた分岐デンプン誘導体を集収、精製した後、好ましくは濃縮し、
d.前記分岐デンプン誘導体の分子分別を実施して、以下:
i.Mn250〜400g/モル、
ii.多分散指数2〜3、
iii.還元糖含有率20%〜30%、
iv.1→6グルコシド結合含有率30%〜35%
を有する画分を取得し、
e.任意選択で、得られた低分子量画分アミログルコシダーゼで処理し、
f.得られた溶液をクロマトグラフィーカラムで処理することにより、重合度が1及び2のオリゴマーを排除し、
g.得られた多分岐マルトデキストリンを回収する。

0081

本発明の方法の最初の4つのステップ(ステップa.〜ステップd.)により低分子量画分が調製されるが、これらのステップについては、当業者が利用可能な任意の方法をここで用いることができる。

0082

しかし、本出願人は、その特許出願:欧州特許第1,006,128号明細書に記載されているものを用いることを推奨し、上記ステップは、参照として、本明細書に含まれる(より具体的には、欧州特許第1,006,128号明細書の実施例2のステップ、その後に、グルコースオキシダーゼを用いて、グルコースを排除するステップを実施する)。

0083

次に、以下:
i.Mn250〜400g/モル、
ii.多分散指数2〜3、
iii.還元糖含有率20%〜30%、
iv.1→6グルコシド結合含有率30%〜35%
を有する低分子量画分を、6プレート構成で、粒度250〜350μmを有する、カリウム形態のPurolite C145マクロ孔質カチオン樹脂上でのクロマトグラフィーカラムの第4プレートの位置で単離する。

0084

本発明の方法の第5ステップ(ステップe)は、任意選択であり、得られた低分子量画分をアミログルコシダーゼで処理することを含む。

0085

この酵素処理の目的は、難消化性グルコシド結合含有率を最適化するように、主として、得られた生成物の線状構造(α1→4グルコシド結合)を加水分解することである。

0086

後に例示するように、pH4.5、乾燥基準で0.5%の割合のOptidex L300Aタイプのアミログルコシダーゼ(Genencor社製)を用いた5〜10時間、好ましくは8時間の処理を選択する。

0087

本発明の方法の第6ステップ(ステップf)は、重合度が1及び2のオリゴマーを排除するように、得られた溶液をクロマトグラフィーカラムで処理することからなる。

0088

このステップは、当業者には公知の任意の手段により、例えば、三菱(Mitsubishi)社により販売されているナトリウム形態のDiaion UBR 35K樹脂上でのクロマトグラフィーによって実施することができる。

0089

40%の重量収率は、以下に例示するように、DP1+DP2の含有率を乾燥基準で<6%、好ましくは乾燥基準で<0.5%の値に限定することを可能にする。

0090

本発明の方法の最後のステップは、得られた多分岐マルトデキストリンを最終的に回収することからなる。

0091

本発明は、以下に示す実施例により、さらに明瞭に理解されよう。尚、これらの実施例は、例示を意図し、非制限的である。

0092

実施例1:本発明の多分岐マルトデキストリンの調製
コムギデンプンを19.6meq H+/kg(乾燥)の割合の塩酸酸性化した後、残留水分含有率が4%になるまで乾燥させる。

0093

この原材料を、温度180℃に維持したBuess PR 46ニーダに、流量20kg/時、滞留時間5秒で導入する。

0094

15℃の冷水噴霧することにより、反応を急速に停止した。

0095

濾過による精製、ならびに吸着樹脂カチオン及びアニオン樹脂上での退色後、得られた分岐デンプン誘導体を固形分50%に戻す。

0096

得られた生成物を、75℃に維持した200リットルの6プレート構成、粒度250〜350μm、カリウム形態のPurolite C 145マクロ孔質強力カチオン樹脂上でのクロマトグラフィーに付す。

0097

分岐デンプン誘導体シロップ及び溶出水供給流量を、第1及び第3プレートの位置でそれぞれ60l/時及び400l/時に設定する。第2プレート及び第4プレートの出力流量の選択により、高分子量及び低分子量分岐マルトデキストリン画分の取得が条件付けられる。

0098

第4プレートの出力流量を140l/時に設定する。30%の収率を設定したクロマトグラフィーパラメータの調節により、400g/モルのMnを有する画分を取得する(収率は、本明細書において、クロマトグラフィー系に導入される固体に対する、上記高分子量画分から抽出された固体の割合として理解される)。

0099

クロマトグラフィー後の低分子量画分(生成物(A))の解析の結果を以下の表Iにまとめて分類する。

0100

0101

DP1及びDP2分子の排除は、これらの低分子量画分をNa+形態のUBR35Kクロマトグラフィーカラムに通過させることにより実施する。

0102

重量収率は50%と推定される。

0103

得られた生成物をカチオン(Purolite製のC150)及びアニオン(Rohm & Haas製のAmberlite IRA 910)樹脂で脱塩した後、任意選択で粉末にする。

0104

本発明の多分岐マルトデキストリン(生成物(B))の解析結果を以下のIIにまとめて分類する。

0105

0106

また、アミログルコシダーゼ(Genencor社製のOptidex(登録商標)L300A;乾燥基準で0.5%、pH4.5、60℃で8時間)で前処理した生成物(A)についてDP1及びDP2分子の排除も実施する。

0107

本発明の多分岐マルトデキストリン(生成物(C))の解析結果を以下のIIIにまとめて分類する。

0108

0109

このようにして、アミログルコシダーゼでの処理と、これに続くDP1及びDP2分子の排除により、AOAC繊維含有が強化された多分岐マルトデキストリンを得ることができる。

0110

実施例2:本発明の多分岐マルトデキストリンの血糖降下作用の測定
従って、標準マルトデキストリンのαアミラーゼ加水分解を阻害する作用のin vitroでの、及び標準マルトデキストリンの腸管消化への阻害作用のin situでの評価を、実施例1に記載した方法に従い調製した2つの生成物について実施した。

0111

実施例1の多分岐マルトデキストリン(B)及び(C)の存在下で、Glucidex(登録商標)6に対するブタ膵臓α−アミラーゼ活性の阻害率の結果を以下の表に示す。

0112

本出願人による欧州特許第1,006,128号明細書の教示に従って調製したものに一致する分岐マルトデキストリン(商品名Nutriose(登録商標)FB10で本出願人から販売されている)及び市販の製品も対照として試験する。

0113

情報として、Nutriose(登録商標)FB10は、以下の特徴を有する:
− DE:10
− Mw:3996ダルトン
− 1→6グルコシド結合含有率:33%。

0114

ポリデキストロース(商品名Litesse(登録商標)で販売されている)については、以下の特徴を有する:
− DE:8
− Mw:1700ダルトン
− 1→6グルコシド結合含有率:42%。

0115

0116

上に記載した試験に従い実施する腸管消化の阻害の測定については、10g/lのGlucidex(登録商標)6、10g/lの生成物(B)及び10g/lの生成物(C)について実施する。

0117

時間経過により達成される加水分解%の結果を以下の表に記載する。

0118

0119

生成物(B)により、Glucidex(登録商標)6の加水分解を制限することができる。腸管潅流の終了時に、Glucidex(登録商標)6の加水分解率は、Glucidex(登録商標)6を単独で試験して得られた98.0%に比べ、63.9%である。

0120

実施例

0121

生成物(C)により、Glucidex(登録商標)6の加水分解を制限することができる。腸管潅流の終了時に、Glucidex(登録商標)6の加水分解率は、Glucidex(登録商標)6を単独で試験して得られた100.5%に比べ、56.9%である。

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