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技術 計算で最適化した広い反応性を示すH3N2、H2N2、およびB型インフルエンザウイルスの抗原

出願人 ユニバーシティオブピッツバーグ−オブザコモンウェルスシステムオブハイヤーエデュケイション
発明者 ロス,テッドエム.カーター,ドナルドエム.クレバー,コーリージェイ.
出願日 2013年2月6日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-555853
公開日 2015年3月5日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-506705
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤
主要キーワード 海洋哺乳動物 エンベロープ内 リソースデータベース エピデミック インフルエンザ予防 流動物 アザラシ 抗インフルエンザ薬
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図面 (8)

課題・解決手段

インフルエンザウイルス分離株に広い反応性を示す免疫応答を誘発するために最適化したH3N2、H2N2およびBのインフルエンザHAポリペプチドの生成を本明細書中に記載する。最適化したHAポリペプチドを、H3N2、H2N2およびBインフルエンザウイルス分離株に基づいた一連のHAタンパク質アラインメントおよびその後のコンセンサス配列の生成によって作製した。最適化したH3N2、H2N2およびBインフルエンザのHAポリペプチド、ならびにHAポリペプチドを含む組成物融合タンパク質、およびVLPを本明細書中に提供する。HAポリペプチドをコードするコドン最適化した核酸配列をさらに提供する。被験体におけるインフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する方法も本開示によって提供する。

概要

背景

背景
インフルエンザウイルスオルトミクソウイルス科メンバーである。インフルエンザウイルスには、A型インフルエンザB型インフルエンザ、およびC型インフルエンザと命名された3つのサブタイプが存在する。インフルエンザビリオンは、以下のタンパク質をコードするセグメント化ネガティブセンスRNAゲノムを含む:血球凝集素HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリックス(M1)、プロトンイオンチャネルタンパク質(M2)、核タンパク質(NP)、ポリメラーゼ塩基性タンパク質1(PB1)、ポリメラーゼ塩基性タンパク質2(PB2)、ポリメラーゼ酸性タンパク質(PA)、および非構造タンパク質2(NS2)。HA、NA、M1、およびM2が膜結合タンパク質であるのに対して、NP、PB1、PB2、PA、およびNS2はヌクレオカプシド結合タンパク質である。M1タンパク質は、インフルエンザ粒子の最も豊富なタンパク質である。HAおよびNAタンパク質は、ウイルス付着(attachment)およびウイルス粒子細胞への侵入を担うエンベロープ糖タンパク質であり、ウイルス中和および防御免疫のための主な免疫優性エピトープ供給源である。HAおよびNAタンパク質の両方は、インフルエンザ予防ワクチンの最も重要な成分と見なされている。

毎年、季節性インフルエンザは、米国のみで300,000人超の入院患者および36,000人の死亡者を生じている(非特許文献1(Simonsenら,Lancet Infect Dis 7:658−66,2007))。2009年における新規のH1N1インフルエンザウイルスの出現により、新規のインフルエンザパンデミックがいかに急速に世界中を駆け巡り得るかということが証明された。H3N2インフルエンザ株は、トリおよび哺乳動物の両方に感染し得、H3N2インフルエンザは、季節性インフルエンザの中でますます増えてきている。H2N2は、ヒトでのパンデミックを以前に引き起こした別のインフルエンザサブタイプである。H2N2株は、アジアにおいて1957年のパンデミックを引き起こした。インフルエンザBウイルスは、ヒトに感染し、季節性インフルエンザの重大な原因の代表であるインフルエンザの別のタイプであるが、その制限された宿主範囲(ヒトおよびアザラシ(seal))ゆえに、パンデミックを引き起こすことは公知でない。

現在、米国では以下の2種のインフルエンザワクチンアプローチ承認されている−不活化スプリットワクチンおよび弱毒化ウイルス生ワクチン不活化ワクチン体液性免疫応答を有効に誘導することができるが、一般に、不十分な細胞性免疫応答しか示さない。生ウイルスワクチンは感染リスクが高いので、それを免疫低下状態の(immunocompromised)患者妊娠中の患者に投与することができない。したがって、予防範囲の広いインフルエンザウイルスワクチンが必要である。

概要

インフルエンザウイルス分離株に広い反応性を示す免疫応答を誘発するために最適化したH3N2、H2N2およびBのインフルエンザHAポリペプチドの生成を本明細書中に記載する。最適化したHAポリペプチドを、H3N2、H2N2およびBインフルエンザウイルス分離株に基づいた一連のHAタンパク質アラインメントおよびその後のコンセンサス配列の生成によって作製した。最適化したH3N2、H2N2およびBインフルエンザのHAポリペプチド、ならびにHAポリペプチドを含む組成物融合タンパク質、およびVLPを本明細書中に提供する。HAポリペプチドをコードするコドン最適化した核酸配列をさらに提供する。被験体におけるインフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する方法も本開示によって提供する。

目的

H2N2、H3N2またはBのインフルエンザに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発するために最適化したアミノ酸配列を有する組換えインフルエンザHAポリペプチドを本明細書中に提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

組換えインフルエンザ血球凝集素HAポリペプチドであって、(i)配列番号8の残基2〜566と少なくとも97.7%同一のアミノ酸配列;(ii)配列番号1の残基2〜562と少なくとも99.6%同一のアミノ酸配列;(iii)配列番号2の残基2〜562と少なくとも99.4%同一のアミノ酸配列;(iv)配列番号3の残基2〜562を含むアミノ酸配列;(v)配列番号4の残基2〜562と少なくとも99.7%同一のアミノ酸配列;(vi)配列番号5の残基2〜584と少なくとも99.6%同一のアミノ酸配列;(vii)配列番号6の残基2〜585と少なくとも98.8%同一のアミノ酸配列;(viii)配列番号7の残基2〜585を含むアミノ酸配列;(ix)配列番号9の残基2〜566と少なくとも98.4%同一のアミノ酸配列;(x)配列番号10の残基2〜566と少なくとも97.8%同一のアミノ酸配列;または(xi)配列番号11の残基2〜566と少なくとも98.9%同一のアミノ酸配列;を含む組換えインフルエンザ血球凝集素(HA)ポリペプチド。

請求項2

(i)配列番号8と少なくとも97.7%同一のアミノ酸配列;(ii)配列番号1と少なくとも99.6%同一のアミノ酸配列;(iii)配列番号2と少なくとも99.4%同一のアミノ酸配列;(iv)配列番号3のアミノ酸配列;(v)配列番号4と少なくとも99.7%同一のアミノ酸配列;(vi)配列番号5と少なくとも99.6%同一のアミノ酸配列;(vii)配列番号6と少なくとも98.8%同一のアミノ酸配列;(viii)配列番号7のアミノ酸配列;(ix)配列番号9と少なくとも98.4%同一のアミノ酸配列;(x)配列番号10と少なくとも97.8%同一のアミノ酸配列;または(xi)配列番号11と少なくとも98.9%同一のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項3

前記ポリペプチドのアミノ酸配列が、(i)配列番号8と比較して10個以下のアミノ酸置換;(ii)配列番号1と比較して2個以下のアミノ酸置換;(iii)配列番号2と比較して3個以下のアミノ酸置換;(iv)配列番号4と比較して1個以下のアミノ酸置換;(v)配列番号5と比較して2個以下のアミノ酸置換;(vi)配列番号6と比較して7個以下のアミノ酸置換;(vii)配列番号9と比較して9個以下のアミノ酸置換;(viii)配列番号10と比較して10個以下のアミノ酸置換;または(ix)配列番号11と比較して6個以下のアミノ酸置換を含む、請求項1または請求項2に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項4

配列番号8の残基2〜566、配列番号1の残基2〜562、配列番号2の残基2〜562、配列番号4の残基2〜562、配列番号5の残基2〜584、配列番号6の残基2〜585、配列番号9の残基2〜566、配列番号10の残基2〜566、または配列番号11の残基2〜566のアミノ酸配列を含む請求項1に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項5

配列番号8の残基2〜566、配列番号1の残基2〜562、配列番号2の残基2〜562、配列番号3の残基2〜562、配列番号4の残基2〜562、配列番号5の残基2〜584、配列番号6の残基2〜585、配列番号7の残基2〜585、配列番号9の残基2〜566、配列番号10の残基2〜566、または配列番号11の残基2〜566のアミノ酸配列からなる請求項1に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項6

配列番号8、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、または配列番号11のアミノ酸配列を含む請求項2に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項7

配列番号8、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、または配列番号11のアミノ酸配列からなる請求項2に記載のインフルエンザHAポリペプチド。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチドをコードする単離核酸分子

請求項9

前記核酸分子哺乳動物細胞での発現のためにコドン最適化する、請求項8に記載の単離核酸分子。

請求項10

請求項8または請求項9に記載の核酸分子を含むベクター

請求項11

前記インフルエンザHAポリペプチドをコードする核酸配列作動可能に連結したプロモーターをさらに含む請求項10に記載のベクター。

請求項12

請求項10または請求項11に記載のベクターを含む単離細胞

請求項13

請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチドを含むインフルエンザウイルス粒子(VLP)。

請求項14

インフルエンザノイラミニダーゼ(NA)タンパク質、インフルエンザマトリックス(M1)タンパク質、またはその両方をさらに含む請求項13に記載のインフルエンザVLP。

請求項15

前記HAポリペプチドをコードするベクター、インフルエンザNAタンパク質をコードするベクター、およびインフルエンザM1タンパク質をコードするベクターで宿主細胞を該HAタンパク質、該M1タンパク質、および該NAタンパク質を発現させるのに十分な条件下でトランスフェクトすることによって生成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチドを含むインフルエンザVLP。

請求項16

請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチドを含む融合タンパク質

請求項17

請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチド、請求項13〜15のいずれか1項に記載のVLP、または請求項16に記載の融合タンパク質、および薬学的に許容され得るキャリアを含む組成物

請求項18

被験体におけるインフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する方法であって、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインフルエンザHAポリペプチド、請求項13〜15のいずれか1項に記載のVLP、請求項16に記載の融合タンパク質、または請求項17に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。

請求項19

インフルエンザウイルスに対して被験体を免疫する方法であって、請求項13〜15のいずれか1項に記載のVLPおよび薬学的に許容され得るキャリアを含む組成物を前記被験体に投与するステップを含む、方法。

請求項20

前記組成物がアジュバントをさらに含む、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記組成物を筋肉内投与する、請求項19または請求項20に記載の方法。

請求項22

前記組成物が約1〜約25μgの前記VLPを含む、請求項19〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

前記組成物が約15μgの前記VLPを含む、請求項22に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本願は、2012年2月7日に出願された米国仮特許出願第61/596,014号への優先権の利益を主張し、その全体が参照によって本開示に援用される。

0002

分野
本開示は、H3N2、H2N2またはBのインフルエンザウイルスに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発する最適化したインフルエンザ血球凝集素タンパク質およびワクチンとしてのその使用に関する。

背景技術

0003

背景
インフルエンザウイルスはオルトミクソウイルス科メンバーである。インフルエンザウイルスには、A型インフルエンザB型インフルエンザ、およびC型インフルエンザと命名された3つのサブタイプが存在する。インフルエンザビリオンは、以下のタンパク質をコードするセグメント化ネガティブセンスRNAゲノムを含む:血球凝集素HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、マトリックス(M1)、プロトンイオンチャネルタンパク質(M2)、核タンパク質(NP)、ポリメラーゼ塩基性タンパク質1(PB1)、ポリメラーゼ塩基性タンパク質2(PB2)、ポリメラーゼ酸性タンパク質(PA)、および非構造タンパク質2(NS2)。HA、NA、M1、およびM2が膜結合タンパク質であるのに対して、NP、PB1、PB2、PA、およびNS2はヌクレオカプシド結合タンパク質である。M1タンパク質は、インフルエンザ粒子の最も豊富なタンパク質である。HAおよびNAタンパク質は、ウイルス付着(attachment)およびウイルス粒子細胞への侵入を担うエンベロープ糖タンパク質であり、ウイルス中和および防御免疫のための主な免疫優性エピトープ供給源である。HAおよびNAタンパク質の両方は、インフルエンザ予防ワクチンの最も重要な成分と見なされている。

0004

毎年、季節性インフルエンザは、米国のみで300,000人超の入院患者および36,000人の死亡者を生じている(非特許文献1(Simonsenら,Lancet Infect Dis 7:658−66,2007))。2009年における新規のH1N1インフルエンザウイルスの出現により、新規のインフルエンザパンデミックがいかに急速に世界中を駆け巡り得るかということが証明された。H3N2インフルエンザ株は、トリおよび哺乳動物の両方に感染し得、H3N2インフルエンザは、季節性インフルエンザの中でますます増えてきている。H2N2は、ヒトでのパンデミックを以前に引き起こした別のインフルエンザサブタイプである。H2N2株は、アジアにおいて1957年のパンデミックを引き起こした。インフルエンザBウイルスは、ヒトに感染し、季節性インフルエンザの重大な原因の代表であるインフルエンザの別のタイプであるが、その制限された宿主範囲(ヒトおよびアザラシ(seal))ゆえに、パンデミックを引き起こすことは公知でない。

0005

現在、米国では以下の2種のインフルエンザワクチンアプローチ承認されている−不活化スプリットワクチンおよび弱毒化ウイルス生ワクチン不活化ワクチン体液性免疫応答を有効に誘導することができるが、一般に、不十分な細胞性免疫応答しか示さない。生ウイルスワクチンは感染リスクが高いので、それを免疫低下状態の(immunocompromised)患者妊娠中の患者に投与することができない。したがって、予防範囲の広いインフルエンザウイルスワクチンが必要である。

先行技術

0006

Simonsenら,Lancet Infect Dis 7:658−66,2007

課題を解決するための手段

0007

概要
インフルエンザウイルスに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発するために計算で最適化したH2N2、H3N2およびBのインフルエンザHAポリペプチドの生成を本明細書中に開示する。最適化したHAポリペプチドを、選択されたH2N2、H3N2およびBのインフルエンザ分離株に基づいた一連のHAタンパク質アラインメントおよびその後のコンセンサス配列の生成によって作製した。

0008

H2N2、H3N2またはBのインフルエンザに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発するために最適化したアミノ酸配列を有する組換えインフルエンザHAポリペプチドを本明細書中に提供する。いくつかの実施形態では、HAポリペプチドは、配列番号1と少なくとも99.6%同一の、配列番号2と少なくとも99.4%同一の、配列番号4と少なくとも99.7%同一の、配列番号5と少なくとも99.6%同一の、配列番号6と少なくとも98.8%同一の、配列番号8と少なくとも99.7%同一の、配列番号9と少なくとも98.4%同一の、配列番号10と少なくとも97.8%同一の、または配列番号11と少なくとも98.9%同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1と比較して2個以下のアミノ酸置換;配列番号2と比較して3個以下のアミノ酸置換;配列番号4と比較して1個以下のアミノ酸置換;配列番号5と比較して2個以下のアミノ酸置換;配列番号6と比較して7個以下のアミノ酸置換;配列番号8と比較して10個以下のアミノ酸置換;配列番号9と比較して9個以下のアミノ酸置換;配列番号10と比較して10個以下のアミノ酸置換;または配列番号11と比較して6個以下のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザHAポリペプチドは、N末端メチオニン残基欠く

0009

組換えHAポリペプチドをコードする単離核酸分子およびベクターも本開示によって提供される。かかるベクターを含む単離細胞をさらに提供する。

0010

本明細書中に開示の最適化したHAポリペプチドを含むインフルエンザウイルス様粒子(VLP)および融合タンパク質も提供する。

0011

本明細書中に開示の最適化したインフルエンザHAポリペプチド、融合タンパク質、またはVLPを薬学的に許容され得るキャリアに含む組成物をさらに提供する。開示の組成物、融合タンパク質、またはVLPの投与による被験体におけるインフルエンザウイルスに対する免疫応答の誘発方法も本開示によって提供する。

0012

最適化したHAポリペプチドを含むVLPを含む組成物の被験体への投与によってインフルエンザウイルスに対して被験体を免疫する方法も提供する。

0013

上記および他の発明の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な記載からより明らかとなる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、実施例1に記載されるように、方法2にしたがってH2N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0015

図2は、実施例1に記載されるように方法3にしたがってH2N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0016

図3は、実施例2に記載されるように方法2にしたがってインフルエンザBCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0017

図4は、実施例2に記載されるように方法3にしたがってインフルエンザBCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0018

図5は、実施例3に記載されるように方法1にしたがってH3N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0019

図6は、実施例3に記載されるように方法2にしたがってH3N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0020

図7は、実施例3に記載されるように方法3にしたがってH3N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0021

図8は、実施例3に記載されるように方法4にしたがってH3N2インフルエンザCOBRAHA配列を生成するためのプロセスをまとめる模式図である。

0022

配列表
添付の配列表に列挙した核酸配列およびアミノ酸配列を、米国特許法施行規則1.822で定義のように、ヌクレオチド塩基については標準的な略語を使用し、アミノ酸については3文字表記を使用して示す。各核酸配列についてたった1つの鎖を示すが、表示の鎖を参照することによって相補鎖が含まれると理解される。本配列表はASCIItextファイル形式として提出され、2013年1月30日に作成され、53.7KBであり、本明細書中に参考として援用される。添付の配列表では、以下を列挙する:

0023

配列番号1〜4は、H2N2インフルエンザHAについてのCOBRAアミノ酸配列である。

0024

配列番号5〜7は、インフルエンザBHAについてのCOBRAアミノ酸配列である。

0025

配列番号8〜11は、H3N2インフルエンザHAについてのCOBRAアミノ酸配列である。

0026

詳細な説明
I.略語
COBRA:計算で最適化した広い反応性を示す抗原
HA:血球凝集素
HAI:赤血球凝集阻害
HRP:セイヨウワサビペルオキシダーゼ
M1:マトリックスタンパク質
NA:ノイラミニダーゼ
PFUプラーク形成単位
VLP:ウイルス様粒子

0027

II.用語および方法
別途記載がない限り、技術用語を従来の用法にしたがって使用する。分子生物学における一般用語の定義を、Benjamin Lewin,Genes V,Oxford University Pressによる出版,1994(ISBN 0−19−854287−9);Kendrewら.(編集),The Encyclopedia of Molecular Biology,Blackwell Science Ltd.による出版,1994(ISBN 0−632−02182−9);およびRobert A.Meyers(編集),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers,Inc.による出版,1995(ISBN 1−56081−569−8)に見出すことができる。

0028

本開示の種々の実施形態の概説を容易にするために、特定の用語について以下の説明を提供する。

0029

アジュバント:抗原に対する免疫応答を非特異的に増強する物質またはビヒクル。アジュバントは、抗原を吸着するミネラルミョウバン水酸化アルミニウム、またはホスフェート)の懸濁液または抗原溶液鉱油乳化する油中水型乳濁液(例えば、フロイント不完全アジュバント)、抗原性をさらに増強するために時折死滅マイコバクテリアを含む油中水型乳濁液(フロイント完全アジュバント)を含むことができる。免疫賦活性オリゴヌクレオチドCpGモチーフを含むものなど)もアジュバントとして使用することができる(例えば、米国特許第6,194,388号;同第6,207,646号;同第6,214,806号;同第6,218,371号;同第6,239,116号;同第6,339,068号;同第6,406,705号;および同第6,429,199号を参照のこと)。アジュバントはまた、生体分子共刺激分子など)を含む。例示的な生物学的アジュバントは、IL−2、RANTESGMCSF、TNF−α、IFN−γ、G−CSF、LFA−3、CD72、B7−1、B7−2、OX−40L、および41BBLを含む。

0030

投与:本明細書中で使用する場合、被験体に組成物を投与することとは、組成物を被験体に付与するか、適用するか、接触させることを意味する。多数の経路(例えば、局所、経口、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、髄腔内、および皮内など)のうちのいずれかによって投与することができる。

0031

抗体:特異的アミノ酸配列を有するBリンパ球系細胞によって産生される免疫グロブリン分子。抗体は、ヒトまたは他の動物において特異的抗原(免疫原)によって惹起される。抗体は、いくつかの実証可能な方法での抗原との特異的な反応によって特徴付けられ、抗体および抗原は相互に関して定義される。「抗体応答の誘発」は、抗原または他の分子抗体産生を誘導することができることをいう。

0032

抗原:動物における抗体の産生またはT細胞応答刺激することができる化合物、組成物、または物質(動物に注射するか動物に吸収される組成物が含まれる)。抗原は、特異的な体液性免疫または細胞性免疫の産物(異種免疫原によって誘導される産物が含まれる)と反応する。開示の組成物および方法のいくつかの実施形態では、抗原はインフルエンザHAタンパク質である。

0033

コドン最適化した:「コドン最適化した」核酸は、コドンが特定の系(特定の種または種の群など)での発現に最適なように変化している核酸配列をいう。例えば、核酸配列を、哺乳動物細胞での発現のために最適化することができる。コドン最適化は、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を変化させない。

0034

融合タンパク質:2つの異なる(異種)タンパク質の少なくとも一部をコードする核酸配列から操作した核酸配列の発現によって生成するタンパク質。融合タンパク質を作製するために、核酸配列は同一の読み枠内に存在していなければならず、且つ内部終止コドンを含んでいてはならない。例えば、融合タンパク質は、異種タンパク質に融合したインフルエンザHAを含むことができる。

0035

血球凝集素(HA):インフルエンザウイルス表面糖タンパク質。HAは、ウイルス粒子の宿主細胞への結合およびその後のウイルスの宿主細胞への侵入を媒介する。多数のインフルエンザHAタンパク質のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は当該分野で公知であり、公的に利用可能である(NCBIインフルエンザウイルスリソースデータベース(Baoら,J Virol 82:596−601,2008)を通してなど)。HA(NAと共に)は、2つの主要なインフルエンザウイルス抗原決定基のうちの1つである。

0036

免疫応答:免疫系の細胞(B細胞、T細胞、マクロファージ、または多形核球(polymorphonucleocyte)など)の刺激(抗原またはワクチンなど)に対する応答。免疫応答は、宿主防御反応関与する身体の任意の細胞(例えば、インターフェロンまたはサイトカイン分泌する上皮細胞が挙げられる)を挙げることができる。免疫応答には、先天性免疫応答または炎症が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用する場合、防御免疫応答は、感染から被験体を防御する(感染を防止するか、感染に関連する疾患の発症を防止する)免疫応答をいう。免疫応答の測定方法は当該分野で周知であり、例えば、リンパ球(B細胞またはT細胞など)の増殖および/または活性、サイトカインまたはケモカインの分泌、炎症、および抗体産生などの測定が挙げられる。

0037

免疫原:適切な条件下で免疫応答(動物における抗体の産生またはT細胞応答など)を刺激することができる化合物、組成物、または物質(動物に注射するか吸収される組成物が含まれる)。本明細書中で使用する場合、「免疫原性組成物」は、免疫原(HAポリペプチドなど)を含む組成物である。

0038

免疫する:ワクチン接種などによって感染症から被験体を防御すること。

0039

インフルエンザウイルス:オルトミクソウイルス科に属するセグメント化負鎖RNAウイルス。インフルエンザウイルスには3つの型が存在する(A型、B型、およびC型)。A型インフルエンザウイルスは、広範な種々の鳥類および哺乳動物(ヒト、ウマ海洋哺乳動物ブタフェレット、およびニワトリが含まれる)に感染する。動物では、ほとんどのA型インフルエンザウイルスは、気道および腸管に軽度の限局性感染を引き起こす。しかし、高病原性A型インフルエンザ株(H5N1など)は、家禽類において全身性感染を引き起こし、その死亡率は100%に達し得る。2009年に、H1N1インフルエンザはヒトインフルエンザの最も一般的な原因であった。ブタ起源の新規のH1N1株が2009年に出現し、世界保健機関によってパンデミック宣言された。この株は、「ブタインフルエンザ(swine flu)」と呼ばれていた。H1N1 A型インフルエンザウイルスはまた、1918年のスペイン風邪パンデミック、1976年のフォートディクスアウトブレイク、および1977〜1978年のソ連風邪エピデミックに関与していた。H3N2、H2N2およびインフルエンザBウイルスはまた、ヒトに感染し、季節性インフルエンザの原因病原体である。

0040

単離された:「単離された」生物学的成分(核酸、タンパク質、またはウイルスなど)は、他の生物学的成分(細胞デブリ、または他のタンパク質もしくは核酸など)から実質的に分離または精製して取り出されている。「単離された」生物学的成分には、標準的な精製方法によって精製された成分が挙げられる。この用語はまた、組換え核酸、タンパク質、またはウイルス(またはVLP)、および化学合成された核酸またはペプチド包含する。

0041

リンカー:融合タンパク質の2つのポリペプチド間のスペーサーとしての役割を果たす1つ以上のアミノ酸。

0042

マトリックス(M1)タンパク質:ウイルスエンベロープ内に見出されるインフルエンザウイルス構造タンパク質。M1は、アセンブリおよび出芽で機能を果たすと考えられている。

0043

ノイラミニダーゼ(NA):インフルエンザウイルス膜糖タンパク質。NAは、感染細胞の表面の炭水化物部分からの末端シアル酸残基を切断することによるウイルスHAの細胞受容体破壊に関与する。NAはまた、ウイルスタンパク質からシアル酸残基を切断してウイルスの凝集を防止する。NA(HAと共に)は、2つの主要なインフルエンザウイルス抗原決定基のうちの1つである。

0044

作動可能に連結した:第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的関係に置かれている場合、第1の核酸配列は第2の核酸配列と作動可能に連結している。例えば、プロモーターコード配列転写または発現に影響を及ぼす場合、プロモーターはコード配列に作動可能に連結している。一般に、作動可能に連結したDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合、同一の読み枠内に存在する。

0045

最適化したインフルエンザHAタンパク質:本明細書中で使用する場合、「最適化したインフルエンザHAタンパク質」は、H2N2、H3N2またはBのインフルエンザウイルス分離株の配列アラインメント(以下の実施例1〜3に記載)によって生成したHAタンパク質コンセンサス配列をいう。最適化したHAタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、コドン最適化およびRNA最適化(RNA安定性を増大させるためなど)によって哺乳動物細胞での発現のためにさらに最適化することができる。本明細書中に開示の(そして、本明細書中で配列番号1〜11として記載の)最適化したインフルエンザHAタンパク質を、「COBRA」(計算で最適化した広い反応性を示す抗原)配列という。最適化したHAポリペプチドを、被験体において広い反応性を示す免疫応答を惹起するようにデザインする。本開示の文脈では、「広い反応性を示す」は、タンパク質配列が被験体において広範なインフルエンザウイルス(特定のサブタイプ内のほとんどまたは全てのインフルエンザウイルスなど)の感染を阻害するか、中和するか、防止するのに十分な免疫応答を誘発することを意味する。いくつかの例では、最適化したインフルエンザHAタンパク質は、ほとんどまたは全てのH3N2インフルエンザウイルス分離株、ほとんどまたは全てのH2N2インフルエンザウイルス分離株あるいはほとんどまたは全てのインフルエンザBウイルス分離株に対して免疫応答(防御免疫応答など)を誘発することができる。

0046

アウトブレイク:本明細書中で使用する場合、インフルエンザウイルス「アウトブレイク」は、所定の年の一国内に由来するウイルス分離株集団をいう。

0047

薬学的に許容され得るビヒクル:本開示で有用な薬学的に許容され得るキャリア(ビヒクル)は、従来のものである。E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,第15版(1975)には、1つ以上の治療組成物(1つ以上のインフルエンザワクチンなど)およびさらなる医薬品の薬学的送達に適切な組成物および製剤が記載されている。

0048

一般に、キャリアの性質は、使用される特定の投与様式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、薬学的および生理学的に許容され得る流動物(水、生理食塩水平衡塩類溶液水性デキストロース、またはグリセロールなど)をビヒクルとして含む注射液を含む。固体組成物(例えば、粉末丸薬錠剤、またはカプセルの形態)のために、従来の非毒性固体キャリアには、例えば、医薬品グレードマンニトールラクトースデンプン、またはステアリン酸マグネシウムが含まれ得る。生物学的に中性のキャリアに加えて、投与すべき薬学的組成物は、少量の非毒性補助物質(auxiliary substance)(湿潤剤または乳化剤防腐剤、およびpH緩衝剤(例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレート)など)を含むことができる。

0049

ポリペプチド:単量体アミド結合によって相互に結合したアミノ酸残基であるポリマー。アミノ酸がα−アミノ酸である場合、L−光学異性体またはD−光学異性体のいずれかを使用することができる。用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、本明細書中で使用する場合、任意のアミノ酸配列を含むことが意図され、糖タンパク質などの修飾配列が含まれる。用語「ポリペプチド」は、天然に存在するタンパク質および組換えまたは合成によって産生されるタンパク質を包含することを特に意図する。用語「残基」または「アミノ酸残基」は、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに組み込まれるアミノ酸への言及を含む。

0050

保存的アミノ酸置換は、置換された場合に元のタンパク質の性質への干渉が最小限である(すなわち、かかる置換が行われてもタンパク質の構造、および、特に、機能が保存され、有意に変化しない)置換である。保存的置換の例を以下に示す。

0051

0052

保存的置換は、一般に、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造(例えば、シートまたはヘリックス高次構造としての)、(b)標的部位の分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の嵩高性が維持される。

0053

一般にタンパク質の性質を最も大きく変化させると予想される置換は、非保存的な以下の変化である(例えば、(a)親水性残基(例えば、セリルまたはトレオニル)で疎水性残基(例えば、ロイシルイソロイシルフェニルアラニルバリル、またはアラニル)を置換する(または、親水性残基(例えば、セリルまたはトレオニル)を疎水性残基(例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、またはアラニル)で置換する)変化;(b)システインまたはプロリンで任意の他の残基を置換する(または、システインまたはプロリンを任意の他の残基で置換する)変化;(c)正電荷の側鎖を有する残基(例えば、リシルアルギニル、またはヒスタジル)で負電荷の残基(例えば、グルタミルまたはアスパルチル)を置換する(または、正電荷の側鎖を有する残基(例えば、リシル、アルギニル、またはヒスタジル)を負電荷の残基(例えば、グルタミルまたはアスパルチル)で置換する)変化;または(d)嵩高い側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニン)で、側鎖を持たない残基(例えば、グリシン)を置換する(または、嵩高い側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニン)を、側鎖を持たない残基(例えば、グリシン)で置換する)変化)。

0054

疾患の防止、処置、または改善:疾患の「防止」は、疾患の完全な発症の抑制をいう。「処置」は、疾患または病的状態が発症し始めた後のそれの兆候または症状を改善する治療的介入をいう。「改善」は、疾患の兆候または症状の数または重症度の減少をいう。

0055

プロモーター:プロモーターは、核酸の転写を指示する一連の核酸制御配列である。プロモーターは、転写開始部位付近の必要な核酸配列を含む。プロモーターはまた、遠位エンハンサーエレメントまたはリプレッサーエレメントを必要に応じて含む。「構成性プロモーター」は、持続的に活性であり、外部のシグナルまたは分子による調節を受けないプロモーターである。対照的に、「誘導性プロモーター」の活性は、外部のシグナルまたは分子(例えば、転写因子)によって調節される。本明細書中のいくつかの実施形態では、プロモーターはCMVプロモーターである。

0056

精製された:用語「精製された」は、完全に純粋である必要はなく、むしろ、相対的な用語として意図される。したがって、例えば、精製されたペプチド、タンパク質、ウイルス、VLP、または他の活性化合物は、天然に会合しているタンパク質および他の夾雑物から全部または部分的に単離されているものである。一定の実施形態では、用語「実質的に精製された」は、細胞、細胞培養培地、または他の粗調製物から単離されており、分画に供して最初の調製物の種々の成分(タンパク質、細胞デブリ、および他の成分など)を除去したペプチド、タンパク質、ウイルス、VLP、または他の活性化合物をいう。

0057

組換え:組換え核酸、タンパク質、ウイルス、またはVLPは、天然に存在しない配列を有するか、2つの他の種類の(otherwise)個別の配列セグメントの人為的組み合わせによって作製される配列を有するものである。この人為的組み合わせを、しばしば、化学合成、または、単離された核酸セグメント人為的操作(例えば、遺伝子操作技術)によって行う。

0058

配列同一性:アミノ酸配列間または核酸配列間類似性は、配列間の類似性に関して示され、そうでなければ、配列同一性という。配列同一性は、頻繁に、同一性(または類似性もしくは相同性百分率に関して測定され、百分率が高いほど2つの配列はより類似する。所与の遺伝子またはタンパク質のホモログまたはバリアントは、標準的な方法を使用してアラインメントした場合に比較的高い配列同一性を有する。

0059

比較のための配列アラインメント法は当該分野で周知である。種々のプログラムおよびアラインメントアルゴリズムは以下に記載されている:SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981;NeedlemanおよびWunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970;PearsonおよびLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444,1988;HigginsおよびSharp,Gene 73:237−244,1988;HigginsおよびSharp,CABIOS 5:151−153,1989;Corpetら,Nucleic AcidsResearch 16:10881−10890,1988;ならびにPearsonおよびLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444,1988。 Altschulら,Nature Genet.6:119−129,1994。

0060

NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST商標))(Altschulら,J.Mol.Biol.215:403−410,1990)は、いくつかの供給源(国立生物工学情報センター(NCBI、Bethesda、MD)が含まれる)およびインターネット上で利用可能であり、配列解析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、およびtblastxと併せて用いる。

0061

被験体:生きている多細胞脊椎動物(ヒトおよび非ヒト哺乳動物非ヒト霊長類など)の両方が含まれるカテゴリー)。

0062

治療有効量:特定の薬剤で処置されている被験体において所望の効果を達成するのに十分な該薬剤の量。例えば、これは、被験体における免疫応答の誘発および/またはインフルエンザウイルスに原因する感染または疾患の防止に有用なインフルエンザウイルスワクチンの量であり得る。理想的には、本開示の文脈では、インフルエンザワクチンの治療有効量は、被験体において実質的な細胞傷害効果を生じることなく被験体においてインフルエンザウイルスに原因する感染に対する耐性を増加させ、感染症を防止し、改善し、そして/または処置するのに十分な量である。被験体における感染に対する耐性を増加させ、感染症を防止し、改善し、そして/または処置するのに有用なインフルエンザワクチンの有効量は、例えば、処置される被験体、治療組成物の投与様式、および他の要因に依存する。

0063

形質転換された:形質転換された細胞は、分子生物学技術によって核酸分子を導入している細胞である。本明細書中で使用する場合、用語、形質転換は、核酸分子をかかる細胞に導入することができる全ての技術(ウイルスベクターでのトランスフェクションプラスミドベクターでの形質転換、ならびにエレクトロポレーションリポフェクション、および粒子による粒子の加速によるのDNAの導入が挙げられる)を含む。

0064

ワクチン:疾患(感染症など)の防止、改善、または処置のために投与される免疫応答を刺激することができる免疫原性材料の調製物。免疫原性材料には、例えば、弱毒化または死滅した微生物(弱毒化ウイルスなど)または抗原性のタンパク質(VLPが挙げられる)、ペプチド、またはこれらに由来するDNAを挙げることができる。ワクチンは、予防的(または防止的)および治療的応答の両方を誘発することができる。投与方法はワクチンに応じて変化するが、接種、摂取、吸入、または他の投与形態を挙げることができる。接種物を、いくつかの経路(非経口(静脈内、皮下、または筋肉内など)が挙げられる)のうちのいずれかによって送達することができる。ワクチンを、免疫応答を追加刺激する(boost)ためのアジュバントと共に投与することができる。

0065

ベクター:ベクターは、ベクターが宿主細胞内で複製し、そして/または宿主細胞内に組み込まれる能力を破壊することなく外来核酸の挿入を可能にする核酸分子である。ベクターは、それが宿主細胞内で複製することを可能にする核酸配列(複製起点など)を含むことができる。挿入ベクターは、ベクター自体を宿主核酸に挿入することができる。ベクターはまた、1つ以上の選択マーカー遺伝子および他の遺伝エレメントを含むことができる。発現ベクターは、挿入された遺伝子(単数もしくは複数)の転写および翻訳を可能にするのに必要な調節配列を含むベクターである。本開示のいくつかの実施形態では、ベクターは、インフルエンザHA、NA、またはM1タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、ベクターはpTR600発現ベクターである(米国特許出願公開第2002/0106798号;Rossら,Nat Immunol.1(2):102−103,2000;Greenら,Vaccine 20:242−248,2001)。

0066

ウイルス様粒子(VLP):1つ以上のウイルス構造タンパク質で構成されるが、ウイルスゲノムを欠くウイルス粒子。VLPがウイルスゲノムを欠くので、VLPは非感染性である。さらに、VLPを、しばしば、異種発現によって産生することができ、容易に精製することができる。ほとんどのVLPは、宿主細胞からの出芽および粒子の放出を駆動する少なくとも1つのウイルスコアタンパク質を含む。かかるコアタンパク質の一例はインフルエンザM1である。本明細書中のいくつかの実施形態では、インフルエンザVLPは、HA、NA、および/またはM1タンパク質を含む。インフルエンザVLPを、HAおよびNAタンパク質、ならびに必要に応じてM1タンパク質をコードするプラスミドでの宿主細胞のトランスフェクションによって産生させることができる。トランスフェクトした細胞の、タンパク質を発現させるのに適した期間(およそ72時間など)のインキュベーション後、VLPを細胞培養上清から単離することができる。実施例5は、細胞上清からのインフルエンザVLPの例示的な精製プロトコールを提供する。この実施例では、VLPを、低速遠心分離(細胞デブリ除去のため)、真空濾過、および20%グリセロールによる超遠心分離によって単離する。インフルエンザVLPの他の産生方法が当該分野で公知である(例えば、米国特許出願公開第2006/0263804号;同第2008/0031895号;同第2010/0166769号;および同第2010/0239610号を参照のこと)。

0067

別の説明がない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。単数を示す用語「a」、「an」、および「the」は、文脈上別の意味が明確に示されない限り、複数形を含む。「AまたはBを含む」は、AもしくはBまたはAおよびBを含むことを意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられた全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズおよび全ての分子量または分子質量の値は近似値であり、説明のために提供されていることをさらに理解すべきである。本明細書中に記載の方法および材料に類似するか等価な方法および材料を本開示の実施または試験で使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書中で言及した全ての刊行物、特許出願、特許、および他のリファレンスは、その全体が参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(用語の説明が含まれる)に従う。さらに、材料、方法、および実施例は、例証のみを目的とし、本発明の制限を意図しない。

0068

III.いくつかの実施形態の概要
本明細書中で開示されるのは、インフルエンザウイルスに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発するための計算で最適化したH2N2、H3N2およびBインフルエンザHAポリペプチドの生成である。上記最適化したHAポリペプチドを、一連のHAタンパク質アラインメント、ならびに選択されたH2N2、H3N2およびBインフルエンザウイルス分離株に基づいて、コンセンサス配列のその後の生成を介して作製した。上記最適化されたHAコンセンサス配列を生成するために使用される方法は、実施例1〜3に記載され、図1〜7に示される。10個の特異的HAポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1〜11として本明細書に示される。

0069

本明細書中で提供されるのは、H2N2、H3N2もしくはBインフルエンザに対して広い反応性を示す免疫応答を誘発するために最適化されたアミノ酸配列を有する組換えインフルエンザHAポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記HAポリペプチドは、以下を含む:配列番号1の残基2〜562と少なくとも99.6%同一なアミノ酸配列;配列番号2の残基2〜562と少なくとも99.4%同一なアミノ酸配列;配列番号3の残基2〜562を含むアミノ酸配列;配列番号4の残基2〜562と少なくとも99.7%同一なアミノ酸配列;配列番号5の残基2〜584と少なくとも99.6%同一なアミノ酸配列;配列番号6の残基2〜585と少なくとも98.8%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号7の残基2〜585を含むアミノ酸配列;配列番号8の残基2〜566と少なくとも97.7%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号9の残基2〜566と少なくとも98.4%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号10の残基2〜566と少なくとも97.8%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号11の残基2〜566と少なくとも98.9%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列。

0070

いくつかの具体例では、HAポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1の残基2〜562、配列番号2の残基2〜562、配列番号3の残基2〜562、配列番号4の残基2〜562、配列番号5の残基2〜584、配列番号6の残基2〜585、配列番号7の残基2〜585、配列番号8の残基2〜566、配列番号9の残基2〜566、配列番号10の残基2〜566、もしくは配列番号11の残基2〜566のアミノ酸配列を含むか、または配列番号1の残基2〜562、配列番号2の残基2〜562、配列番号3の残基2〜562、配列番号4の残基2〜562、配列番号5の残基2〜584、配列番号6の残基2〜585、配列番号7の残基2〜585、配列番号8の残基2〜566、配列番号9の残基2〜566、配列番号10の残基2〜566、もしくは配列番号11の残基2〜566のアミノ酸配列からなる。

0071

いくつかの実施形態では、上記インフルエンザHAポリペプチドは、以下を含む:配列番号1と少なくとも99.6%同一なアミノ酸配列;配列番号2と少なくとも99.4%同一なアミノ酸配列;配列番号3のアミノ酸配列;配列番号4と少なくとも99.7%同一なアミノ酸配列;配列番号5と少なくとも99.6%同一なアミノ酸配列;配列番号6と少なくとも98.8%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号7のアミノ酸配列;配列番号8と少なくとも99.7%同一なアミノ酸配列;配列番号9と少なくとも98.4%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;配列番号10と少なくとも97.8%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列;または配列番号11と少なくとも98.9%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%同一なアミノ酸配列。

0072

いくつかの例では、上記HAポリペプチドのアミノ酸配列は、上記のパーセンテージ同一性より同一性が高い。他の例では、アミノ酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、もしくは配列番号11のアミノ酸配列を含むか、または配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、もしくは配列番号11のアミノ酸配列からなる。

0073

いくつかの実施形態では、上記HAポリペプチドは、以下を含む:配列番号1と比較して2個以下のアミノ酸置換;配列番号2と比較して3個以下のアミノ酸置換;配列番号4と比較して1個以下のアミノ酸置換;配列番号5と比較して2個以下のアミノ酸置換;配列番号6と比較して7個以下のアミノ酸置換;配列番号8と比較して10個以下のアミノ酸置換;配列番号9と比較して9個以下のアミノ酸置換;配列番号10と比較して10個以下のアミノ酸置換;または配列番号11と比較して6個以下のアミノ酸置換。いくつかの例では、上記アミノ酸置換は、保存的置換である。いくつかの例では、上記アミノ酸置換は、非保存的アミノ酸置換である。他の例では、同定された配列と比較した置換の数は、上記で同定された置換の数より少ない。

0074

本明細書中に開示の組換えインフルエンザHAポリペプチドをコードする単離核酸分子をさらに提供する。いくつかの実施形態では、核酸分子を、哺乳動物細胞中での発現のためにコドン最適化する。核酸分子を、RNA安定性のために必要に応じてさらに最適化する。

0075

組換えHAポリペプチドをコードする核酸分子を含むベクターも本開示によって提供される。ベクターは、HAポリペプチドの発現のための任意の適切なベクター(哺乳動物発現ベクターなど)であり得る。特定の実施例では、ベクターはpTR600発現ベクターである(米国特許出願公開第2002/0106798号(本明細書中で参考として援用される);Rossら,Nat Immunol.1(2):102−103,2000;Greenら,Vaccine 20:242−248,2001)。

0076

いくつかの例では、ベクターは、HAポリペプチドをコードする核酸配列に作動可能に連結したプロモーターを含む。特定の例では、プロモーターはCMVプロモーターである。

0077

開示のベクターを含む単離細胞も提供する。いくつかの場合、細胞は、VLPの産生および発現に適切な任意の細胞型(哺乳動物細胞など)である。

0078

本明細書中に開示の最適化したHAポリペプチドを含むインフルエンザVLPをさらに提供する。インフルエンザVLPは、ウイルス粒子の形成に必要な任意のさらなるインフルエンザタンパク質をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、インフルエンザVLPは、インフルエンザノイラミニダーゼ(NA)タンパク質、インフルエンザマトリックス(M1)タンパク質、またはその両方をさらに含む。

0079

HAポリペプチドをコードするベクター、インフルエンザNAタンパク質をコードするベクター、およびインフルエンザM1タンパク質をコードするベクターで宿主細胞をHA、M1、およびNAタンパク質を発現させるのに十分な条件下でトランスフェクトすることによって産生された、本明細書中に開示のインフルエンザHAポリペプチドを含むインフルエンザVLPも提供する。

0080

最適化したインフルエンザHAポリペプチドを含む融合タンパク質を、本開示によってさらに提供する。

0081

本明細書中に開示の最適化したインフルエンザHAタンパク質、または最適化したインフルエンザHAタンパク質を含む融合タンパク質もしくはVLPを含む組成物も本明細書中に提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容され得るキャリアおよび/またはアジュバントをさらに含む。例えば、アジュバントは、ミョウバン、フロイント完全アジュバント、生物学的アジュバント、または免疫賦活性オリゴヌクレオチド(CpGオリゴヌクレオチドなど)であり得る。

0082

本明細書中に開示の最適化したインフルエンザHAタンパク質、最適化したインフルエンザHAを含む融合タンパク質、最適化したインフルエンザHAを含むVLP、またはその組成物を投与することによって被験体におけるインフルエンザウイルスに対する免疫応答を誘発する方法をさらに提供する。いくつかの実施形態では、インフルエンザウイルスはH3N2、H2N2またはBのインフルエンザウイルスである。いくつかの実施形態では、HAタンパク質、HA融合タンパク質、またはVLPを、任意の適切な投与経路(例えば、筋肉内、鼻腔内または経口など)を使用して投与することができる。いくつかの実施形態では、HAタンパク質、融合タンパク質、またはVLPを、薬学的に許容され得るキャリアおよび/またはアジュバントをさらに含む組成物として投与する。例えば、アジュバントは、ミョウバン、フロイント完全アジュバント、生物学的アジュバント、または免疫賦活性オリゴヌクレオチド(CpGオリゴヌクレオチドなど)であり得る。

0083

本明細書中に開示の最適化したインフルエンザHAタンパク質を含むVLPを被験体に投与することによってまたはその組成物を投与することによってインフルエンザウイルスに対して被験体を免疫する方法も提供する。本方法のいくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容され得るキャリアおよび/またはアジュバントをさらに含む。例えば、アジュバントは、ミョウバン、フロイント完全アジュバント、生物学的アジュバント、または免疫賦活性オリゴヌクレオチド(CpGオリゴヌクレオチドなど)であり得る。いくつかの実施形態では、VLP(またはその組成物)を筋肉内投与する。

0084

被験体の免疫応答を誘発するか被験体を免疫する方法のいくつかの実施形態では、被験体に、最適化したHAタンパク質を含む約1〜約25μgのVLPを投与する。特定の実施例では、被験体に、約5〜約20μgのVLPまたは約10〜約15μgのVLPを投与する。1つの特定の非限定的な実施例では、被験体に、約15μgのVLPを投与する。しかし、当業者は、被験体に投与するためのVLPの治療有効量(例えば、H3N2、H2N2またはBのインフルエンザウイルス感染を防御する量)を決定することができる。

0085

IV.インフルエンザ
インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に属するセグメント化負鎖RNAウイルスである。インフルエンザウイルスには3つの型が存在する(A型、B型、およびC型)。A型インフルエンザウイルスは、広範な種々の鳥類および哺乳動物(ヒト、ウマ、海洋哺乳動物、ブタ、フェレット、およびニワトリが含まれる)に感染する。動物では、ほとんどのA型インフルエンザウイルスは、気道および腸管に軽度の限局性感染を引き起こす。しかし、高病原性A型インフルエンザ株(H5N1など)は、家禽類において全身性感染を引き起こし、その死亡率は100%に達し得る。A型インフルエンザに感染した動物は、しばしば、インフルエンザウイルスの保有宿主として働き、一定のサブタイプがヒトへの種の壁を超えることが示されている。

0086

A型インフルエンザウイルスを、表面糖タンパク質(すなわち、ウイルスの付着および細胞放出に必要な血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA))をコードする2つの遺伝子の抗原性領域対立遺伝子変異に基づいてサブタイプに分類することができる。現在、A型インフルエンザウイルスでは16種のHAサブタイプ(H1〜H16)および9種のNA(N1〜N9)抗原性バリアントが知られている。以前は、3つのサブタイプ(H1N1、H1N2、およびH3N2)のみがヒトで循環していることが知られていた。しかし、近年、1997年および2003年の香報告されているようにトリA型インフルエンザの病原性H5N1サブタイプが種の壁を超えてヒトに感染し、数名の患者を死に至らしめたことが報告されている。

0087

インフルエンザBウイルスは、インフルエンザAウイルスと同じ疾患範囲を引き起こす。しかし、インフルエンザBウイルスは、パンデミックを引き起こさず、これは、おそらく、このウイルスの制限された宿主範囲(ヒトおよびアザラシ)の結果であり、このことは、再集合による新たな株の生成を制限する。インフルエンザBウイルスは、顕著な罹病率を引き起こし;米国では2008年に、検査室で確認されたインフルエンザの全症例のうち約1/3がインフルエンザBによって引き起こされた。したがって、現在の季節性三価インフルエンザワクチンは、インフルエンザB成分を含む。

0088

2009年に、H1N1インフルエンザは、ヒトインフルエンザの最も一般的な原因であった。2009年に出現したブタ起源H1N1の新規の株が、世界保健機関によってパンデミック宣言された。この株は、「ブタインフルエンザ」と呼ばれた。A型インフルエンザウイルスH1N1はまた、1918年のスペイン風邪パンデミック、1976年のフォードディクスアウトブレイク、および1977〜1978年のソ連風邪エピデミックに関与していた。

0089

インフルエンザウイルスセグメント化ゲノムは、8種のネガティブセンスRNA(nsRNA遺伝子セグメント(PB2、PB1、PA、NP、M、NS、HA、および NA)を含み、これらは、少なくとも10種のポリペプチド(RNA指向性RNAポリメラーゼタンパク質(PB2、PB1、およびPA)、核タンパク質(NP)、ノイラミニダーゼ(NA)、血球凝集素(サブユニットHA1およびHA2)、マトリックスタンパク質(M1およびM2)、および非構造タンパク質(NS1およびNS2)が含まれる)をコードする(Krugら,“The Influenza Viruses,” R.M.Krug編,Plenum Press,N.Y.,1989,pp.89 152中)。

0090

インフルエンザウイルスの広範な疾患を引き起こす能力は、抗原変化を受けることによって免疫系を逃れるその能力に起因する。この抗原変化は、宿主が動物インフルエンザウイルスおよびヒトインフルエンザウイルスの両方に同時に感染する場合に起こると考えられる。宿主内での変異および再集合の間に、ウイルスは、別のウイルス由来のHAおよび/またはNA表面タンパク質遺伝子をそのゲノムに組み込み、それにより、新規のインフルエンザサブタイプを生成して免疫系を逃れることができる。

0091

HAは、一般におよそ560アミノ酸を含み、総ウイルスタンパク質の25%に相当するウイルス表面糖タンパク質である。HAは、感染初期の宿主細胞へのウイルス粒子の付着(adhesion)およびその侵入を担う。ウイルスHA0前駆体のHA1およびHA2サブフラグメントへの切断は、ウイルスが細胞に感染するために必要なステップである。したがって、切断は、宿主細胞内の新規のウイルス粒子が新規の細胞に感染することができるビリオンに変換するために必要である。切断は、完全体HA0膜タンパク質の、感染細胞の小胞体から原形質膜への輸送中に起こることが公知である。輸送中に、血球凝集素は、一連の翻訳時修飾および翻訳後修飾(前駆体HAのアミノ末端フラグメントHA1およびカルボキシ末端HA2へのタンパク質分解による切断が含まれる)を受ける。初代組織培養物または樹立細胞株におけるインフルエンザ株の成長における主な困難の1つは、宿主細胞においてインフルエンザ血球凝集素のタンパク質分解による切断活性化が必要であることに原因する。

0092

細胞表面のノイラミン酸含有受容体へのウイルスの付着を非切断HAが媒介することができることが公知であるにもかかわらず、感染サイクルの次のステップ(融合である)が可能でない。HA2が標的細胞に挿入され、それにより、ウイルスと標的細胞膜との間に架橋を形成することができるように、切断によるHA2の疎水性アミノ末端の露出が必要であることが報告されている。このプロセスの後に2つの膜が融合され、ウイルスが標的細胞に侵入する。

0093

HAのタンパク質分解による活性化は、しばしばカルシウム依存性であり、中性のpHが至適である細胞内酵素であるトリプシン様エンドプロテアーゼによるアルギニン残基での切断を伴う。活性化プロテアーゼが細胞酵素であるので、感染された細胞型によってHAが切断されるかどうかが決定される。哺乳動物インフルエンザウイルスおよび非病原性トリインフルエンザウイルスのHAは、限られた数の細胞型においてのみタンパク質分解による切断に感受性を示す。他方では、H5およびH7サブタイプ間の病原性トリウイルスのHAは、広範な異なる宿主細胞に存在するプロテアーゼによって切断される。したがって、宿主範囲が異なり、これは血球凝集素の切断性相違に起因し、この切断性はウイルスの病原性に相関する。

0094

ノイラミニダーゼ(NA)は、インフルエンザウイルスの第2の膜糖タンパク質である。ウイルスNAの存在は、感染ウイルスに対して多面的防御免疫応答を生じるのに重要であることが示されている。ほとんどのA型インフルエンザウイルスについて、NAは413アミノ酸長であり、1413個のヌクレオチドの遺伝子によってコードされる。9種の異なるNAサブタイプがインフルエンザウイルスで同定されており(N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、およびN9)、その全てが野鳥間で見出されている。NAは、感染細胞表面の炭水化物部分からの末端ノイラミン酸(シアル酸とも呼ばれる)残基の切断による、ウイルスHAの細胞受容体の破壊に関与する。NAはまた、ウイルスタンパク質からシアル酸残基を切断し、ウイルスの凝集を防止する。この機構を使用して、NAは新規に形成されたウイルス粒子の細胞膜に沿った蓄積の防止および粘膜表面に存在する粘液を介したウイルスの輸送の促進によってウイルス子孫の放出を容易にするとの仮説が立てられる。NAは、抗原変異に供される重要な抗原決定基である。

0095

表面タンパク質HAおよびNAに加えて、インフルエンザウイルスは6種のさらなる内部遺伝子を含み、この遺伝子は8種の異なるタンパク質(ポリメラーゼ遺伝子(PB1、PB2、およびPA)、マトリックスタンパク質(M1およびM2)、核タンパク質(NP)、および非構造タンパク質(NS1およびNS2)が挙げられる)を生じる(Horimotoら,Clin Microbiol Rev.14(1):129−149,2001)。

0096

子孫ビリオンパッケージングされるために、ウイルスRNAは、インフルエンザウイルスマトリックス1(M1)タンパク質および核外輸送タンパク質と会合した3種のインフルエンザウイルスポリメラーゼタンパク質、核タンパク質(NP)、およびウイルスRNAから構成されるリボ核タンパク質(RNP)複合体として核から輸送される(Marshら,J Virol,82:2295−2304,2008)。エンベロープ内に存在するM1タンパク質は、アセンブリおよび出芽において機能を果たすと考えられる。限られた数のM2タンパク質がビリオンに組み込まれる(Zebedee,J.Virol.62:2762−2772,1988)。M2タンパク質はH+イオンチャネル活性を有する四量体を形成し、エンドソーム中で低pHによって活性化された場合、ビリオン内部を酸性化し、その脱殻を促進する(Pintoら,Cell 69:517−528,1992)。アマンタジンは、M2イオンチャネル活性を妨害し、それにより、ウイルス脱殻を阻害することによってウイルス感染を防止する抗インフルエンザ薬である。

0097

NS1(非構造タンパク質)は、複数の機能(細胞mRNAスプライシングおよび核輸送の調節ならびに翻訳の刺激が含まれる)を有する。NS1の主な機能は、宿主のインターフェロン活性を打ち消すことのようである。これは、NS1ノックアウトウイルスがインターフェロン非欠損細胞において生存可能であるが、親ウイルスより非効率に成長したからである(Garcia−Sastre,Virology 252:324−330,1998)。

0098

NS2はウイルス粒子に検出されている(Richardsonら,Arch.Virol.116:69−80,1991;Yasudaら,Virology 196:249−255,1993)。ウイルス粒子のNS2タンパク質の平均数は、130〜200分子と推定された。in vitro結合アッセイは、M1とNS2との間に直接的なタンパク質間接触を示す。NS2−M1複合体はまた、ウイルス感染細胞ライセートにおける免疫沈降によって検出されている。NS2タンパク質は、M1タンパク質との相互作用によるRNPの核外輸送で役割を果たすと考えられる(Wardら,Arch.Virol.140:2067−2073,1995)。

0099

VI.インフルエンザVLPおよびその投与
最適化したHA(配列番号1〜11のいずれか1つとして記載のアミノ酸配列を有するHAなど)を含むインフルエンザVLPを本明細書中に提供する。インフルエンザVLPは、一般に、HA、NA、およびM1タンパク質から構成される。インフルエンザVLPの生成は当該分野で記載されており、当業者の能力の範囲内である。例えば、インフルエンザVLPを、HA、NA、およびM1タンパク質をコードするプラスミドでの宿主細胞のトランスフェクションによって生成することができる。タンパク質を発現させるのに適した期間(およそ72時間など)、トランスフェクトした細胞をインキュベートした後、VLPを細胞培養上清から単離することができる。以下の実施例5は、細胞上清からのインフルエンザVLPの例示的な精製プロトコールを提供する。この実施例では、VLPを、低速遠心分離(細胞デブリ除去のため)、真空濾過、および20%グリセロールによる超遠心分離によって単離する。

0100

本明細書中に開示のインフルエンザVLPを、H3N2およびH2N2のインフルエンザウイルスならびにインフルエンザBウイルスに対する防御免疫応答を誘発するためのインフルエンザワクチンとして使用することができる。

0101

インフルエンザVLPまたはその組成物を、組換えウイルスを被験体に導入するために通常使用される任意の経路によって被験体に投与することができる。投与方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、非経口、静脈内、皮下、直腸、鼻腔内、吸入、または経口が挙げられるが、これらに限定されない。非経口投与(皮下、静脈内、または筋肉内投与など)は、一般に、注射によって行われる。注射剤を、液体溶液または懸濁液、注射前に液体によって溶液または懸濁液にするのに適切な固体形態、または乳濁液のいずれかとして従来の形態で調製することができる。注射液剤および注射懸濁剤を、上に記載の無菌の粉末、顆粒、および錠剤などから調製することができる。投与は全身であっても局所であってもよい。

0102

インフルエンザVLPまたはその組成物を、薬学的に許容され得るキャリアなどを使用した任意の適切な様式で投与する。薬学的に許容され得るキャリアは、投与される特定の組成物によって、および組成物を投与するために使用される特定の方法によってある程度決定される。したがって、本開示の薬学的組成物の適切な製剤は広範に存在する。

0103

非経口投与用調製物には、滅菌された水性または非水性の液剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコールポリエチレングリコール植物油オリーブ油など)、および注射可能な有機エステルオレイン酸エチルなど)である。水性キャリアには、水、アルコール溶液水溶液、乳濁液または懸濁液(食塩水および緩衝媒体が含まれる)が挙げられる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム乳酸加リンゲル液、または固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補充液、および電解質補充液(リンゲルデキストロースに基づいたものなど)などが挙げられる。防腐剤および他の添加物はまた、例えば、抗菌剤抗酸化剤キレート剤、および不活性ガスなどであり得る。

0104

組成物のうちのいくつかを、無機酸(塩酸臭化水素酸過塩素酸硝酸チオシアン酸硫酸、およびリン酸など)および有機酸ギ酸酢酸プロピオン酸グリコール酸乳酸ピルビン酸シュウ酸マロン酸コハク酸マレイン酸、およびフマル酸など)との反応によって、または無機塩基水酸化ナトリウム水酸化アンモニウム水酸化カリウムなど)および有機塩基モノ−、ジ−、トリアルキルアミンおよびモノ−、ジ−、トリアリールアミンならびに置換エタノールアミンなど)との反応によって形成された薬学的に許容され得る酸付加塩または塩基付加塩として潜在的に投与することができる。

0105

単回用量または複数回用量によって投与することができる。本開示の文脈での被験体への投与用量は、長期間にわたって被験体において有利な治療応答を誘導するかH2N2、H3N2および/またはBのインフルエンザウイルス感染を抑制または防止するのに十分であるべきである。必要な用量は、被験体の種、年齢、体重、および全身状態、処置される感染症の重症度、使用される特定の組成物、およびその投与様式に応じて被験体ごとに異なる。当業者は、適切な用量を日常的な実験のみを使用して決定することができる。

0106

治療有効量のインフルエンザVLPのみまたは薬学的に許容され得るキャリアと組み合わせて含む薬学的組成物を本明細書中に提供する。薬学的に許容され得るキャリアには、食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、およびその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。キャリアおよび組成物は無菌であり得、製剤は投与様式に適合している。組成物はまた、微量の湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝剤を含むことができる。組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸薬、カプセル剤徐放性製剤、または散剤(powder)であり得る。組成物を、伝統的な結合剤およびキャリア(トリグリセリドなど)を使用して坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、標準的なキャリア(医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウムセルロース、および炭酸マグネシウムなど)を含むことができる。一般的な薬学的キャリア無菌食塩水またはゴマ油など)のうちのいずれかを使用することができる。媒体はまた、従来の薬学的補助物質(adjunct material)(例えば、浸透圧調整のための薬学的に許容され得る塩、緩衝剤、および防腐剤など)を含むことができる。本明細書中に提供した組成物および方法と共に使用することができる他の媒体は、通常の生理食塩水およびゴマ油である。

0107

本明細書中に記載のインフルエンザVLPを、単独または抗原性を増強するための他の治療薬と組み合わせて投与することができる。例えば、インフルエンザVLPを、アジュバント(フロイント不完全アジュバントまたはフロイント完全アジュバントなど)と共に投与することができる。

0108

必要に応じて、1つ以上のサイトカイン(IL−2、IL−6、IL−12、RANTES、GM−CSF、TNF−α、またはIFN−γなど)、1つ以上の成長因子(GM−CSFまたはG−CSFなど);1つ以上の分子(OX−40Lまたは41 BBLなど)、またはこれらの分子の組み合わせを、生物学的アジュバントとして使用することができる(例えば、Salgallerら,1998,J.Surg.Oncol.68(2):122−38;Lotzeら,2000,Cancer J.Sci.Am.6(Suppl 1):S61−6;Caoら,1998,Stem Cells 16(Suppl 1):251−60;Kuiperら,2000,Adv.Exp.Med.Biol.465:381−90を参照のこと)。これらの分子を、宿主の全身に(または局所に)投与することができる。

0109

in vitroおよびin vivoの両方における細胞応答を誘導する多くの手段が公知である。種々の抗原に対するin vivoでのCTLプライミング補助することができる作用物質(agent)としての脂質が同定されている。例えば、米国特許第5,662,907号に記載のように、パルミチン酸残基を、リジン残基のαおよびεアミノ基に結合し、次いで、(例えば、1つ以上の連結残基(グリシン、グリシン−グリシン、セリン、またはセリン−セリンなど)を介して)免疫原性ペプチドに連結することができる。次いで、脂質付加したペプチドを、ミセル形態に直接注入し、リポソームに組み込むか、アジュバントで乳化することができる。別の例として、大腸菌リポタンパク質(トリパルミトイル−S−グリセリルシステインリセリル−セリン(tripalmitoyl−S−glycerylcysteinlyseryl−serine)など)を使用して、適切なペプチドに共有結合した場合に腫瘍特異的CTLを刺激する(prime)ことができる(Deresら,Nature 342:561,1989を参照のこと)。さらに、中和抗体の誘導を適切なエピトープ提示するペプチドに結合体化した(conjugated)同一分子で刺激することもできるので、2つの組成物を組み合わせて望ましいと考えられる体液性応答および細胞性応答の両方の誘発が可能である。

0110

COBRAHAタンパク質を含むVLPの投与を本明細書中で例示するが、当業者は、インフルエンザHAタンパク質自体(ウイルス粒子の非存在下)を、または被験体に免疫応答を誘発するための融合タンパク質として投与することも可能であると理解することになる。いくつかの実施形態では、HA1もしくはHA2サブフラグメントなどの上記HAタンパク質のフラグメントが投与される。

0111

ある特定の特徴および/または実施形態を例証するために以下の実施例を提供する。これらの実施例は、本開示を記載の特定の特徴または実施形態に制限すると解釈すべきではない。

0112

実施例1:H2N2インフルエンザCOBRA配列の生成

0113

本実施例は、4つの異なる方法を使用する、4つのH2N2インフルエンザHACOBRA配列の生成を記載する。

0114

方法1にしたがって上記H2N2インフルエンザHACOBRA配列を生成するために、HAコンセンサス配列を、1957〜1968年に単離した59のH2N2株を使用して生成した。方法1にしたがって生成されるCOBRA配列は以下に示され、配列番号1として本明細書に示される:

0115

方法2において、コンセンサス配列に2つのレイヤー(layer)を生成した(図1を参照のこと)。第1のレイヤーでは、4つの個々のコンセンサス配列を、(1)1957年に単離された21株、(2)1958〜1960年に単離された12株、(3)1961〜1964年に単離された8株、および(4)1965〜1968年に単離された18株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した4つの個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法2にしたがって生成したCOBRA配列は以下に示され、配列番号2として本明細書に示される:

0116

方法3において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、98のヒトおよびトリのH2N2分離株を使用して生成した(図2を参照のこと)。第1のレイヤーでは、6つの個々のコンセンサス配列を、(1)1957年に単離された21株、(2)1958〜1960年に単離された12株、(3)1961〜1964年に単離された8株、(4)1965〜1968年に単離された18株、(5)2005年に単離された1株、および(6)1961〜2007年に単離された38のトリ株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、第1のコンセンサス配列を、上記第1のレイヤーで生成した6つの個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法3にしたがって生成したCOBRA配列は以下に示され、配列番号3として本明細書中で示される:

0117

方法4において、単一のコンセンサス配列を、1957〜2007年に単離した98のヒトおよびトリのH2N2株を使用して生成した。方法4にしたがって生成したCOBRA配列は以下に示され、配列番号4として本明細書中で示される:



実施例2:インフルエンザB COBRA配列の生成

0118

本実施例は、3つの異なる方法を使用する、3つのインフルエンザBHACOBRA配列の生成を記載する。

0119

方法1にしたがって上記インフルエンザBHACOBRA配列を生成するために、HAコンセンサス配列を、1940〜2011年に単離された318のインフルエンザB株を使用して生成した。方法1にしたがって生成したCOBRA配列は以下に示され、配列番号5として本明細書に示される:

0120

方法2において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、318のインフルエンザB分離株を使用して生成した(図3を参照のこと)。第1のレイヤーにおいて、10個の個々のコンセンサス配列を、(1)1940〜1986年に単離された15株、(2)1987年に単離された3株、(3)1988〜1989年に単離された5株、(4)1990〜1992年に単離された17株、(5)1993〜1998年に単離された61株、(6)1999〜2000年に単離された52株、(7)2002〜2003年に単離された39株、(8)2004〜2005年に単離された29株、(9)2006〜2007年に単離された36株、および(10)2008〜2011年に単離された61株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーにおいて生成した10個の個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法2にしたがって生成したCOBRA配列が以下に示され、配列番号6として本明細書中で示される:

0121

方法3において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、318のインフルエンザB分離株を使用して生成した(図4を参照のこと)。第1のレイヤーでは、5個の個々のコンセンサス配列を、(1)1999〜2001年に単離された52株、(2)2002〜2003年に単離された39株、(3)2004〜2005年に単離された29株、(4)2006〜2007年に単離された36株、および(5)2008〜2011年に単離された61株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した5個の個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法3にしたがって生成したCOBRA配列は以下に示され、配列番号7として本明細書中で示される:



実施例3:H3N2インフルエンザCOBRA配列の生成

0122

本実施例は、4つの異なる方法を使用する、4つのH3N2インフルエンザHACOBRA配列の生成を記載する。

0123

方法1にしたがってH3N2インフルエンザHACOBRA配列(10年間の(decade)コンセンサス配列)を生成するために、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、935のH3N2分離株を使用して生成した(図5を参照のこと)。第1のレイヤーでは、4つの個々のコンセンサス配列を、(1)168〜1979年に単離された61株;(2)1980〜1990年に単離された33株;(3)1991〜1999年に単離された288株;および(4)2000〜2011年に単離された553株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した4つの個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法1にしたがって生成したH3N2 COBRA配列は以下に示され、配列番号8として本明細書中で示される:

0124

方法2(抗原期コンセンサス(antigenic era consensus))において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、909のH3N2分離株を使用して生成した(図6を参照のこと)。第1のレイヤーでは、12個の個々のコンセンサス配列を、(1)1968〜1972年に単離された23株;(2)1973〜1974年に単離された8株;(3)1975〜1978年に単離された21株;4)1979〜1981年に単離された9株;(5)1982〜1985年に単離された19株;(6)1986〜1988年に単離された14株;(7)1989〜1992年に単離された13株;(8)1993〜1998年に単離された275株;(9)1999〜2003年に単離された294株;(10)2004年に単離された57株;(11)2005〜2006年に単離された80株;および(12)2007〜2008年に単離された96株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した12個の個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法2にしたがって生成したH3N2COBRA配列は以下に示され、配列番号9として本明細書中で示される:

0125

方法3(1968〜2011年)において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、935のH3N2分離株を使用して生成した(図7を参照のこと)。第1のレイヤーでは、13個の個々のコンセンサス配列を、(1)1968〜1972年に単離された23株;(2)1973〜1974年に単離された8株;(3)1975〜1978年に単離された21株;(4)1979〜1981年に単離された9株;(5)1982〜1985年に単離された19株;(6)1986〜1988年に単離された14株;(7)1989〜1992年に単離された13株;(8)1993〜1998年に単離された275株;(9)1999〜2003年に単離された294株;(10)2004年に単離された57株;(11)2005〜2006年に単離された80株;(12)2007〜2008年に単離された96株;および(13)2009〜2011年に単離された26株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した13個の個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法3にしたがって生成したH3N2COBRA配列は以下に示され、配列番号10として本明細書中で示される:

0126

方法4(1968〜2004年)において、コンセンサス配列の2つのレイヤーを、733のH3N2分離株を使用して生成した(図8を参照のこと)。第1のレイヤーでは、10個の個々のコンセンサス配列を、(1)1968〜1972年に単離された23株;(2)1973〜1974年に単離された8株;(3)1975〜1978年に単離された21株;(4)1979〜1981年に単離された9株;(5)1982〜1985年に単離された19株;(6)1986〜1988年に単離された14株;(7)1989〜1992年に単離された13株;(8)1993〜1998年に単離された275株;(9)1999〜2003年に単離された294株;および(10)2004年に単離された57株、を使用して生成した。第2のレイヤーでは、最終コンセンサス配列を、第1のレイヤーで生成した10個の個々のコンセンサス配列を使用して生成した。方法4にしたがって生成したH3N2COBRA配列は以下に示され、配列番号11として本明細書中で示される:

0127

実施例4:コドン最適化したCOBRA遺伝子配列
本明細書中で開示されるCOBRAアミノ酸配列は、逆翻訳され得、コドン使用法およびRNA最適化(GeneArt; Regensburg, Germany)を含め、哺乳動物細胞における発現のために最適化され得る。最適化された核酸配列は、適切な発現ベクター(例えば、pTR600発現ベクター(米国特許出願公開第2002/0106798号; Ross et al., Nat Immunol. 1(2):102−103, 2000; Green et al., Vaccine 20:242−248, 2001)へと挿入され得る。コドン最適化されたCOBRA遺伝子配列をコードする発現ベクターは、例えば、COBRAHAを含むVLPを生成するために使用され得る。

0128

実施例5:インフルエンザVLPの調製およびこれを使用した免疫
以下の方法を使用して、COBRAHAを含むインフルエンザVLPを生成し、特徴付けることができる。マウス、フェレット、およびマカクの例示的な免疫方法も以下に記載する(GilesおよびRoss,Vaccine 29(16):3043−3054,2011も参照のこと)。

0129

ワクチン調製物
293T細胞を、M1、NA、および最適化したHAを発現するプラスミドで一過性にトランスフェクトし、37℃で72時間インキュベートする。M1、NA、およびHAのコード配列を、哺乳動物細胞での発現のためにコドン最適化することができる。上清を回収し、細胞デブリを低速遠心分離およびその後の0.22μmの滅菌フィルターによる真空濾過によって除去する。VLPを、超遠心分離(20%グリセロール(重量/容積)にて100,000×g)にて4℃で4時間精製した。次いで、ペレットPBS(pH7.2)に再懸濁し、1回使用量のアリコートで使用するまで−80℃で保存する。総タンパク質濃度を、Micro BCA(商標)タンパク質アッセイ試薬キット(Pierce Biotechnology,Rockford,IL,USA)によって決定する。

0130

用量の決定
HA比含量(specific content)を、ウェスタンブロットおよびデンシトメトリーによって決定することができる。精製組換えCOBRA HAおよび精製VLPを標準的な総タンパク質量で調製し、10%SDS−PAGEゲルにて電気泳動し、PVDF膜に転写する。ブロットインフルエンザ感染マウス由来のマウスポリクローナル抗血清で探索し、HA−抗体複合体をセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合体化したヤギ抗マウスIgG(Southern Biotech;Birmingham,AL,USA)を使用して検出する。HRPを化学発光基質(Pierce Biotechnology;RockfordIL,USA)によって検出し、X線フィルム(ThermoFisher;Pittsburgh,PA,USA)に感光する。バンド密度を、ImageJソフトウェア(NIH)を使用して決定する。組換えHAバンドの密度を使用して標準曲線を計算し、精製VLPの密度を、組換えHAからの結果を使用して内挿する。

0131

マウス研究
BALB/cマウス(Mus musculis、雌、6〜8週齢)を、Harlan Sprague Dawley(Indianapolis,IN,USA)から購入することができる。マウスを小型アイソレーターユニットに収容し、飼料および水を自由に利用させ、実験動物のためのUSDAガイドラインにしたがって飼育する。マウスにデンシトメトリーアッセイ由来のHA含量に基づいた3用量の精製COBRA HA VLP(1.5μg、0.3μg、または0.06μg)のうちの1つを筋肉内注射によって0週目にワクチン接種し、次いで、3週目に同一用量で追加免疫する。各用量のワクチンを、ミョウバンアジュバント(Imject Alum,Pierce Biotechnology;Rockford,IL,USA)、CpGオリゴヌクレオチド、またはビヒクルのみを使用して調合する。各ワクチン接種の14〜21日後、麻酔したマウスの後眼窩(retro−orbital plexus)から採血し、微量遠心チューブに移す。チューブを遠心分離し、血清を取り出し、−80±5℃で凍結する。各ワクチン群についての赤血球凝集阻害(HAI)血清抗体価を、5週目に代表的な再集合体ウイルスまたはCOBRA HA VLPを使用して決定する。

0132

最終ワクチン接種の3週間後、マウスを50μl体積の病原性インフルエンザウイルス(例えば、病原性H2N2、H3N2またはBのインフルエンザウイルス分離株)にて鼻腔内でチェレンジする。感染後、マウスを、感染後14日間にわたって体重減少、疾患の兆候、および死亡について毎日モニタリングする。各体重、疾患スコア(ToapantaおよびRoss,Respiratory Research 10(1):112,2009)、および死亡を、各群について接種後毎日記録する。

0133

フェレット研究
フィッチフェレット(Mustela putorius furo、雌、6〜12月齢)(インフルエンザナイーブおよび臭腺除去済み)を、Marshall Farms(Sayre,PA,USA)から購入することができる。フェレットをSani−chips実験動物用床敷(P.J.Murphy Forest Products,Montville,NJ,USA)を含むステンレススチールケージ(Shor−line,KansasCity,KS,USA)に対で収容する。フェレットに、Teklad Globalフェレット飼料(Harlan Teklad,Madison,WI,USA)および新鮮な水を自由に与える。COBRAHAVLPをPBS(pH7.2)で希釈して最終濃度にする。フェレットに、デンシトメトリーアッセイによって決定したHA含量に基づいた2用量の精製COBRA VLP(15μg、3μg)のうちの1つを筋肉内注射によって0週目に0.25mlの体積で大腿四頭筋にワクチン接種し、次いで、3週目に同一用量で追加免疫する。ワクチンを使用前に−80℃で保存し、使用直前にミョウバンアジュバント(Imject Alum;Pierce Biotechnology,Rockford,IL,USA)を使用して調合する。動物をワクチン接種レジメンの間、有害事象(体重減少、熱(temperature)、活動の低下、鼻汁くしゃみ、および下痢が含まれる)について毎週モニタリングする。ワクチン接種前に、動物をHAIアッセイによって循環A型インフルエンザウイルスおよびB型インフルエンザウイルスについて血清陰性であることを確認する。各ワクチン接種の14〜21日後、麻酔したフェレットの前大静脈から採血し、微量遠心チューブに移す。チューブを遠心分離し、血清を取り出し、−80±5℃で凍結する。各ワクチン群についてのHAI血清抗体価を、5週目に代表的な再集合体ウイルスまたはCOBRA HA VLPを使用して決定する。

0134

最終ワクチン接種の3週間後、フェレットを1mlの体積の病原性インフルエンザウイルス(例えば、病原性H2N2、H3N2またはBのインフルエンザウイルス分離株)にて鼻腔内でチェレンジする。感染後、フェレットを、感染後14日間にわたって体重減少、疾患の兆候、および死亡について毎日モニタリングする。各体重、疾患スコア、および死亡を、各群について接種後毎日記録する。接種後7日間毎日3mlのPBSを麻酔したフェレットの鼻孔滴下注入することによって鼻洗浄を行う。洗浄液を回収し、使用まで−80℃で保存する。

0135

霊長類の免疫
カニクイザル(Macaca fascicularis、雄、3〜5)を、Harlan Sprague Dawley(Indianapolis、IN、USA)から購入することができる。マカクにデンシトメトリーアッセイ由来のHA含量に基づいた精製COBRA HA VLP(15μg)を筋肉内注射によって0週目にワクチン接種し、次いで、3週目および6週目に同一用量で追加免疫する。ワクチンを、使用直前にミョウバンアジュバント(Imject Alum,Pierce Biotechnology;Rockford,IL,USA)を使用して調合する。各ワクチン接種の21日後、麻酔したマカクの大腿静脈から採血し、血清分離チューブに移す。チューブについて凝固を活性化させ、その後に遠心分離し、血清を取り出し、−80±5℃で凍結する。各ワクチン群についてのエンドポイントIgG力価およびHAI血清抗体価を、5週目に代表的な再集合体ウイルスまたはCOBRA HA VLPを使用して決定する。

0136

最終ワクチン接種の3週間後、マカクを鼻腔内、気管内、および眼窩接種によって1mlの体積の病原性インフルエンザウイルス(例えば、病原性H2N2、H3N2またはBのインフルエンザウイルス分離株)でチェレンジする。感染後、マカクを、感染後5日間にわたって体重減少、疾患の兆候、および死亡について毎日モニタリングする。各体重、疾患スコア、および死亡を、各群について接種後毎日記録する。

実施例

0137

本開示の発明の原理を適用することができる多数の可能な実施形態を考慮して、例示の実施形態は本発明の好ましい例を示すことのみを目的とし、本発明の範囲を制限すると見なすべきではないと認識すべきである。むしろ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、本発明者らは、本特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内に入る全てを本発明者らの発明と主張する。

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