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技術 血液フィルタ、システム、及び血液フィルタ又はシステムの使用

出願人 フレゼニウス・ヘモケア・イタリア・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
発明者 ザンビアンキ,ラウーラボルギ,セレーナマリ,ジョルジョ
出願日 2013年1月24日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2014-553711
公開日 2015年3月2日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2015-506241
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 硬質型 腎臓形状 溶着プロセス 幾何学的形 仕上げプロセス マイクロシーブ 葉形状 フィルタ層間
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明は、血液フィルタ、血液フィルタを含むシステム、及び、全血又は血液成分からの物質の除去への血液フィルタ又はシステムの使用に関する。本発明によると、血液フィルタは、注入口(2)と、流出口(3)と、注入口(2)と流出口(3)との間を連結する流体をろ過する、注入口(2)と流出口(3)との間に設けられる少なくとも第1の繊維とを備え、第1の繊維の各々が、繊維の長手方向に延在する少なくとも1つの溝を含む。

概要

背景

全血(WB)は、3つの主要細胞成分である、赤血球RBC)及びロイコイト(leukocytes)(白血球(WBC)とも称する)、並びに前駆細胞由来する細胞フラグメントを表す栓球(thrombocytes)(血小板PLT)とも称する)を含む。血液の主な非細胞成分は血漿である。

全血又は血液成分は分離して、様々な用途、特に輸血製品として使用するために更に加工することができる。

WBCは体の免疫系の必須のものであるが、WBCが、輸血を受ける患者に、発熱性溶血性反応、移植片対宿主病及び免疫抑制のような悪影響を引き起こすおそれがあるため、例えば輸血用製品等の多数の製品におけるWBCの存在は望ましくない。よって、WBCは、ろ過により、輸血のための全血又は血液成分から通常分離されている。

PLTは、血餅(blood clot)の形成に関与するものであるため、血液製品における凝血の形成を回避するために、全血又は血液成分から除去されることが多い。

さらに、全血又は血液成分、とりわけ出血液(shed blood)(「出血液」の代わりに「回収自己血(cell salvage blood)」という用語を使用することもある)から、他の非細胞物質を除去することも望ましい場合がある。

血液ろ過のため、並びに全血又は血液成分からのWBC及び/又はPLTの除去のための市販のフィルタは、膜技術、繊維技術、又はそれらの組合せを用いて製造されている。

血液ろ過に適する繊維は広く市販されている。通常、スパンボンディング(spunbonding)又はメルトブロー積層等の種々の方法で製造される不織繊維が血液ろ過用途に使用される。

スパンボンド繊維は典型的に少なくとも20μm以上の繊維直径を有するのに対し、メルトブロー繊維は20μm未満のより小さい直径を有し得る。メルトブロー繊維の典型的な直径は1μm〜3μmである。

細いメルトブロー繊維は、それらの小さい直径に起因して大きい表面積という利点をもたらす。不織メルトブロー繊維は、全血又は血液成分からのWBCの除去によく適する。例えばスパンボンド繊維と比較して、メルトブロー繊維のより大きい表面積は、WBCの付着の改善、それ故、ろ過すべき全血又は血液成分からのこれらの細胞のより効率的な除去を可能にする。

しかしながら、全血又は血液成分のろ過中に典型的に直面する問題は、いわゆる「ゲル」又は「バイオフィルム」の形成である。ろ過中、活性化血小板血漿因子及び細胞微小凝集体から部分的になるこのバイオフィルムが、血液フィルタの第1のろ過層上に連続的に堆積されることにより、ろ過フローの連続的な減少が起こり、遂にはフィルタの完全な閉塞がもたらされるおそれがある。

従来技術では、例えば全血又は血液成分からのWBCの除去のために設計された、メインフィルタ部に加えてプレフィルタ部を備える血液フィルタを使用して、メインフィルタ部のフィルタの閉塞を防止していた。しばしば、スパンボンド繊維が典型的に20μm以上の比較的大きい直径を有するため、より細いメルトブロー繊維よりも前ろ過(pre-filtration)用途により適することから、プレフィルタはスパンボンド繊維で形成されている。

しかしながら、従来技術で使用されるプレフィルタは、バイオフィルムの一部が効率的にプレフィルタに捕捉されないことにより、通常、その構造に起因して、例えばより小さい孔径に起因して、バイオフィルムの堆積によって生じる閉塞がなおさら起きやすいメインフィルタ部に侵入することから、ろ過フローの減少又は更にはメインフィルタ部の詰まりの発生を完全に回避するものではない。

血液の流れを遮断することなくバイオフィルムを捕捉するように設計されるプレフィルタにおけるバイオフィルムのより良好な付着を実現するために、最適な表面の化学的性質及び密度を有する前ろ過材料を選択する試みがなされてきた。しかしながら、このアプローチは、プレフィルタ構造によって引き起こされる、ろ過中の、血液損失の増大、それ故、所望のろ過製品の損失をもたらすという欠点を有する。

しばしば、プレフィルタはまた、プレフィルタ表面上におけるバイオフィルムのより良好な分布を実現するために、小さい繊維サイズを用いて表面を拡大するように構成される。しかしながら、このアプローチに対する考慮すべき不利点は同様に、プレフィルタ表面の拡大によって引き起こされる血液の重大なより大きい損失である。

概要

本発明は、血液フィルタ、血液フィルタを含むシステム、及び、全血又は血液成分からの物質の除去への血液フィルタ又はシステムの使用に関する。本発明によると、血液フィルタは、注入口(2)と、流出口(3)と、注入口(2)と流出口(3)との間を連結する流体をろ過する、注入口(2)と流出口(3)との間に設けられる少なくとも第1の繊維とを備え、第1の繊維の各々が、繊維の長手方向に延在する少なくとも1つの溝を含む。A

目的

目的は、手術創傷部からの出血液の吸引及び回収中に直接、出血液から、巨大凝集体、凝血、脂肪又はフィブリン分解産物のような混入物質を除去することである

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
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- 件

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請求項1

血液フィルタであって、注入口(2)と、流出口(3)と、該注入口(2)と該流出口(3)との間を連結する流体をろ過する、該注入口(2)と該流出口(3)との間に設けられる少なくとも第1の繊維とを備え、該第1の繊維の各々が、該繊維の長手方向に延在する少なくとも1つの溝を含む、血液フィルタ。

請求項2

前記第1の繊維が、葉形状、好ましくは三葉形状である、請求項1に記載の血液フィルタ。

請求項3

前記溝が、少なくとも10μm、好ましくは少なくとも100μm、更に好ましくは理論上無限大の長さを有する、請求項1又は2に記載の血液フィルタ。

請求項4

前記第1の繊維の直径が2μm〜50μmの範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の血液フィルタ。

請求項5

前記第1の繊維がスパンボンド繊維及び/又はメルトブロー繊維である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の血液フィルタ。

請求項6

前記フィルタが、不織繊維の少なくとも1つの層(5)を備え、該層(5)の繊維の少なくとも一部が第1の繊維である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の血液フィルタ。

請求項7

前記少なくとも1つの層(5)が少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%の第1の繊維を含む、請求項6に記載の血液フィルタ。

請求項8

フィルタ層(5)の少なくとも第1のセット(4a)及び第2のセット(4b)を備え、該少なくとも第1のセット(4a)及び第2のセット(4b)が、前記注入口(2)から前記流出口(3)へと流れる流体が前記第2のセット(4b)を通過する前に前記第1のセット(4a)を通過するように配置され、各セットが少なくとも1つのフィルタ層(5)を備え、2つの連続するセット(4a,4b)の2つの隣接するフィルタ層(5)の特性が異なる、請求項6又は7に記載の血液フィルタ。

請求項9

前記第1のセット(4a)が、第1の繊維を含む少なくとも1つの層を備え、該第1の繊維が、5μm〜15μmの範囲の深さ、好ましくは7μm〜10μmの範囲の深さを有する溝を有する、請求項8に記載の血液フィルタ。

請求項10

前記第2のセット(4b)が、第1の繊維を含む少なくとも1つの層を備え、該第1の繊維が、0.2μm〜5μmの範囲の深さを有する溝を有する、請求項8又は9に記載の血液フィルタ。

請求項11

前記第1のセット(4a)及び前記第2のセット(4b)が、第1の繊維を含む少なくとも1つの層(5)を備え、前記第1のセット(4a)における第1の繊維の直径が、前記第2のセット(4b)における第1の繊維の直径よりも大きい、請求項8〜10のいずれか一項に記載の血液フィルタ。

請求項12

前記フィルタが、前記少なくとも第1の繊維を収容する少なくとも1つの軟質筐体及び/又は堅固な筐体(1)を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の血液フィルタ。

請求項13

前記第1のセット(4a)及び前記第2のセット(4b)が、単一の筐体(1)内に配置されるか、又は、前記第1のセット(4a)及び前記第2のセット(4b)が、流体連通する異なる筐体内に配置される、請求項8〜11の血液フィルタの少なくとも1つと組合せた請求項12に記載の血液フィルタ。

請求項14

全血回収自己血又は少なくとも1つの血液成分を処理するシステムであって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の少なくとも1つのフィルタ(10)を備え、該フィルタ(10)が、第1のリザーバ(20,42,60,81)と第2のリザーバ(23,43,61,82)との間に配置される、全血、回収式自己血又は少なくとも1つの血液成分を処理するシステム。

請求項15

全血又は血液成分からの物質の除去への、請求項1〜13のいずれか一項に記載のフィルタ又は請求項14に記載のシステムの使用であって、前記血液成分が、回収式自己血、全血、赤血球濃厚液、多血小板血漿血小板濃厚液及び血漿を含む群から選択される、使用。

技術分野

0001

本発明は、血液フィルタ、血液フィルタを含むシステム、及び、全血又は血液成分からの物質の除去への血液フィルタ又はシステムの使用に関する。

背景技術

0002

全血(WB)は、3つの主要細胞成分である、赤血球RBC)及びロイコイト(leukocytes)(白血球(WBC)とも称する)、並びに前駆細胞由来する細胞フラグメントを表す栓球(thrombocytes)(血小板PLT)とも称する)を含む。血液の主な非細胞成分は血漿である。

0003

全血又は血液成分は分離して、様々な用途、特に輸血製品として使用するために更に加工することができる。

0004

WBCは体の免疫系の必須のものであるが、WBCが、輸血を受ける患者に、発熱性溶血性反応、移植片対宿主病及び免疫抑制のような悪影響を引き起こすおそれがあるため、例えば輸血用製品等の多数の製品におけるWBCの存在は望ましくない。よって、WBCは、ろ過により、輸血のための全血又は血液成分から通常分離されている。

0005

PLTは、血餅(blood clot)の形成に関与するものであるため、血液製品における凝血の形成を回避するために、全血又は血液成分から除去されることが多い。

0006

さらに、全血又は血液成分、とりわけ出血液(shed blood)(「出血液」の代わりに「回収自己血(cell salvage blood)」という用語を使用することもある)から、他の非細胞物質を除去することも望ましい場合がある。

0007

血液ろ過のため、並びに全血又は血液成分からのWBC及び/又はPLTの除去のための市販のフィルタは、膜技術、繊維技術、又はそれらの組合せを用いて製造されている。

0008

血液ろ過に適する繊維は広く市販されている。通常、スパンボンディング(spunbonding)又はメルトブロー積層等の種々の方法で製造される不織繊維が血液ろ過用途に使用される。

0009

スパンボンド繊維は典型的に少なくとも20μm以上の繊維直径を有するのに対し、メルトブロー繊維は20μm未満のより小さい直径を有し得る。メルトブロー繊維の典型的な直径は1μm〜3μmである。

0010

細いメルトブロー繊維は、それらの小さい直径に起因して大きい表面積という利点をもたらす。不織メルトブロー繊維は、全血又は血液成分からのWBCの除去によく適する。例えばスパンボンド繊維と比較して、メルトブロー繊維のより大きい表面積は、WBCの付着の改善、それ故、ろ過すべき全血又は血液成分からのこれらの細胞のより効率的な除去を可能にする。

0011

しかしながら、全血又は血液成分のろ過中に典型的に直面する問題は、いわゆる「ゲル」又は「バイオフィルム」の形成である。ろ過中、活性化血小板血漿因子及び細胞微小凝集体から部分的になるこのバイオフィルムが、血液フィルタの第1のろ過層上に連続的に堆積されることにより、ろ過フローの連続的な減少が起こり、遂にはフィルタの完全な閉塞がもたらされるおそれがある。

0012

従来技術では、例えば全血又は血液成分からのWBCの除去のために設計された、メインフィルタ部に加えてプレフィルタ部を備える血液フィルタを使用して、メインフィルタ部のフィルタの閉塞を防止していた。しばしば、スパンボンド繊維が典型的に20μm以上の比較的大きい直径を有するため、より細いメルトブロー繊維よりも前ろ過(pre-filtration)用途により適することから、プレフィルタはスパンボンド繊維で形成されている。

0013

しかしながら、従来技術で使用されるプレフィルタは、バイオフィルムの一部が効率的にプレフィルタに捕捉されないことにより、通常、その構造に起因して、例えばより小さい孔径に起因して、バイオフィルムの堆積によって生じる閉塞がなおさら起きやすいメインフィルタ部に侵入することから、ろ過フローの減少又は更にはメインフィルタ部の詰まりの発生を完全に回避するものではない。

0014

血液の流れを遮断することなくバイオフィルムを捕捉するように設計されるプレフィルタにおけるバイオフィルムのより良好な付着を実現するために、最適な表面の化学的性質及び密度を有する前ろ過材料を選択する試みがなされてきた。しかしながら、このアプローチは、プレフィルタ構造によって引き起こされる、ろ過中の、血液損失の増大、それ故、所望のろ過製品の損失をもたらすという欠点を有する。

0015

しばしば、プレフィルタはまた、プレフィルタ表面上におけるバイオフィルムのより良好な分布を実現するために、小さい繊維サイズを用いて表面を拡大するように構成される。しかしながら、このアプローチに対する考慮すべき不利点は同様に、プレフィルタ表面の拡大によって引き起こされる血液の重大なより大きい損失である。

発明が解決しようとする課題

0016

その結果、バイオフィルムの形成に関連するフローの減少又はフィルタの詰まりが起きにくい、全血及び血液成分のろ過のための血液フィルタの改善に対する要求が存在している。

課題を解決するための手段

0017

本発明による血液フィルタは、注入口と、流出口と、注入口と流出口との間を連結する流体をろ過するために注入口と流出口との間に設けられる少なくとも第1の繊維とを備え、第1の繊維の各々が、繊維の長手方向に延在する少なくとも1つの溝を含む。

0018

本発明による「血液フィルタ」は、血液又は血液成分から物質を除去するように、とりわけ、微小凝集体、ゲル、PLT(血小板)、脂肪、ロイコサイト、栓球、細胞片、及び/又は細胞若しくは骨のフラグメント、又はそれらの組合せを除去するように、全血、1つ又は複数の血液成分又は出血液をろ過するためのフィルタである。

0019

詳細には、本発明による血液フィルタは、この使用に制限されることなく、ろ過すべき全血、出血液及び/又は血液成分からのPLTの優れた除去を可能にする。有益には、本発明の血液フィルタは、全血及び/又は血液成分から、WBC、PLT、脂肪、微小凝集体、ゲル、細胞片及び/又は細胞のフラグメント、又はそれらの組合せのような物質を除去する優れた性能と併せて、ろ過フローの改善、及び血液フィルタの閉塞のリスクの低減も可能とする。

0020

本発明の血液フィルタ及びシステムのこれらの有利な特性は、全血及び/又は血液成分のろ過中の血液フィルタ上におけるバイオフィルムの形成及び堆積を低減するか、又は更には完全に回避することを可能とする血液フィルタの特異的構造に起因すると考えられ得る。

0021

バイオフィルムの形成は、全血及び/又は血液成分のろ過中に頻繁に観察される現象である。バイオフィルムの形成は、血液フィルタ上におけるバイオフィルムの堆積をもたらす結果、ろ過フローを減少させ、遂には、血液フィルタの完全な詰まりを生じさせるおそれがある。

0022

閉塞した血液フィルタについて行った走査型電子顕微鏡(SEM)及び生化学的研究を通じて、本発明者らは、ろ過フローの低減をもたらすとともに、最終的にはフィルタの閉塞をもたらすおそれのあるバイオフィルムの形成が、PLTによって引き起こされることを見出した。PLTは、フィルタと接触すると、例えばフィルタの不織繊維に対して粘着性となるため、お互いの間に及びフィルタの繊維間にブリッジを作り出す。PLTによって形成されるブリッジの数が増大すると、他の細胞、例えば、WBC、休止PLT、RBC、細胞フラグメント、及び、タンパク質又は脂肪等の非細胞物質が蓄積し、遂には、肉眼見えるバイオフィルムが形成される。

0023

ここで、本発明者らは、PLTの付着が不織繊維のもつれ(knot)、又は、ねじれた不織繊維のリボン束ねられた不織繊維位置、若しくは他の構造によって2つの不織繊維が互いに密接に接触する部位で優先的に生じることを見出した。これらは、バイオフィルムの形成が開始する位置でもある。包括的に、互いに近接する不織繊維位置は、不織繊維とPLTとの間の相互作用の時間を増大させるため、バイオフィルムの形成の誘因として作用する可能性があると言える。

0024

上述の知見に基づき、理論に縛られることを望むものではないが、本発明者らは、不織繊維の直径を小さくすることで、往々にして繊維の比表面を増大させることによって血液ろ過性能を改善しようとするアプローチが、或る程度だけ有用であることを見出した。

0025

一方では、より小さい直径を有する不織繊維を用いて、フィルタの表面積を増大させることによって、フィルタによる全血又は血液成分からのWBCの除去を増強することができる。これにより、例えばメルトブロー不織繊維で形成されているフィルタによるWBCの効率的な除去が可能となる。

0026

しかしながら、WBCは、WBCのサブタイプに応じておよそ10μm〜20μmの直径を有する比較的大きな細胞である。他方、休止PLTは2μm〜3μmの平均直径を有してかなり小さいが、それは細胞活性化によって増大する。よって、繊維直径を小さくすると、繊維に対するPLTの付着がより困難になると思われる。結果として、20μm未満の小さい繊維直径を有するフィルタでは、PLTがフィルタ表面上に一様に分布しなくなる。代わりに、もつれ、束、リボン、及び2つの不織繊維間の距離がPLTの平均直径未満である他の繊維構造が、PLTの付着部位としてより重大なものとなる。PLTはこれらの構造において蓄積する傾向にあるため、これらはバイオフィルムの形成の誘因点として作用する。

0027

このため、繊維直径を小さくすると、ろ過フローの低減及び血液フィルタの閉塞のリスクが増大するのに対し、繊維に対するPLTの総合的な付着は少なくなる。その結果、繊維サイズを小さくすることによりフィルタの表面積が増大すると、全血又は血液成分からのPLTの除去も低減されてしまう。

0028

本発明者らはここで、驚くべきことに、少なくとも1つの溝を有する繊維を血液フィルタに使用すると、全血又は血液成分からのPLTの除去を改善することができるとともに、ろ過フローの減少及びフィルタの詰まりが著しく減少することを見出した。かかる溝は、それらの形状に起因して、たとえ繊維の直径をやや小さく、とりわけ20μm未満としても、血小板の付着を改善させると思われる。さらに、かかる溝は、たとえ繊維がかなり大きい、とりわけ約20μm以上の直径を有していても、好ましい効果を有すると思われる。

0029

さらに、詳細には溝領域の、繊維の表面が平滑であることが好ましい。このような平滑面は、例えば加工繊維(shaped fibres)を押し出すことによって得ることができる。繊維の押出は、とりわけ、ろ過マトリクス内に、分解に起因する化学副生成物及び/又は剥離した熱可塑性ポリマー粒子のような痕跡を残す可能性のあるレーザアブレーション法と比較して、生体適合性に関する利点も有する。さらに、レーザアブレーションでは、使用される材料に応じて化学副生成物の種類及び毒性の問題が生じ得る。このリスクは、押出加工繊維アプローチにより低減されるか、又は更には無くなる。加えて、平滑面は、例えば、このようなろ過材料を通過するエリスロサイト(ヘモグロビン運搬体)の細胞膜上にせん断応力をわずかしか引き起こさないか、又はまったく引き起こさない。高せん断応力溶血のリスクを増大させるおそれがある。当然ながら、押出以外にも、平滑面を有する繊維を得る他の方法を使用してもよい。

0030

好ましい実施の形態によれば、繊維の表面粗さRa(平均粗さ)は、0.1μm以下のRa、好ましくは0.03μm以下のRa、最も好ましくは0.01μm以下のRaである。

0031

本発明は、全血又は血液成分からロイコサイト(WBC)及び/又は血小板(PLT)を除去するための使用に制限されるものではない。血液フィルタは、例えば、骨フラグメント、凝血、活性化血小板、ミセル巨大凝集体及び/又は他の物質を除去するように出血液をろ過するためにも使用することができる。

0032

本発明の好ましい実施の形態によれば、第1の繊維は、葉形状(lobate shape)、好ましくは三葉(trilobate)形状を有する。とりわけ、三葉形状は、良好なろ過フローをもたらすとともにフィルタの詰まりを減少させるのに極めて有効であると思われる。しかしながら、他の繊維形状、例えば、概して、T字形状、V字形状若しくは腎臓形状の繊維、四葉(tetralobate)若しくは五葉(pentralobate)の形状を有する繊維、又は部分的に凹面形状を有する少なくとも1つの溝を有する繊維も使用することができる。当然ながら、種々の繊維形状を合わせたものも可能である。

0033

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1の繊維の溝は、少なくとも10μm、好ましくは少なくとも100μmの長さを有する。これにより、血液又は血液成分中の種々の物質、とりわけ血小板と相互作用し得る溝の十分な表面積がもたらされる。

0034

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1の繊維の直径は5μm〜50μmの範囲である。本発明によれば、直径は、図2に示されるような繊維の断面を静止状態で(still)囲む最小円に相当する。前ろ過の目的で、繊維は好ましくは20μm〜50μmの範囲であり、より好ましくは20μm〜40μmの範囲であり、ろ過段階に近いより深い段階に向かって直径を小さくしていくことが好ましい。ろ過段階では、繊維は好ましくは20μm未満、より好ましくは5μm未満である。とりわけ、当業者が同等の丸い繊維に通常使用するような直径を使用することができる。

0035

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1の繊維はスパンボンド繊維及び/又はメルトブロー繊維である。さらに、第1の繊維は、一成分繊維二成分繊維、又は「海島(island in the sea)」構造の繊維を含む多成分繊維であってもよい。第1の繊維は、1つのポリマー又はポリマーの配合物からなっていてもよい。繊維に好適な材料は、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブチレンポリメチルペンテンポリエチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート−コ−ポリアルキレングリコールテレフタレート)、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6/12、ナイロン11ナイロン12酢酸セルロースプロピオン酸酢酸セルロース、又はそれらの組合せである。

0036

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、フィルタは、不織繊維の少なくとも1つの層を備え、該層の繊維の少なくとも一部が第1の繊維である。層の繊維は、例えば、化学処理機械的処理熱処理又は溶剤処理によって互いに結合する。例えば、メルトブロー法では、繊維の絡み合い及び付着に起因して横たわった状態で繊維の結合が起こる。繊維の絡み合いと、繊維と繊維との結合との組合せは、通常十分なウェブ凝集がもたらされるため、ウェブは更なる結合を伴わずにすぐに使用することができる。しかしながら、付加的な結合プロセス及び仕上げプロセスを更に適用してもよい。付加的に又は代替形態として、フィルタが、層の繊維の少なくとも一部が第1の繊維である、織布繊維の少なくとも1つの層を備えていてもよい。

0037

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、少なくとも1つの層は、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%の第1の繊維を含む。理想的には、層が100%第1の繊維からなるものがよい。層中における第1の繊維の構成比が大きいほど、ろ過流量は改善され、フィルタの詰まりは減少する。しかしながら、とりわけ層が付加的な機能を備える必要があれば、他の種類の繊維(すなわち、第2の繊維)と合わせたものが可能である。

0038

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、血液フィルタは、フィルタ層の少なくとも第1のセット及び第2のセットを備え、少なくとも第1のセット及び第2のセットが、注入口から流出口へと流れる流体が第2のセットを通過する前に第1のセットを通過するように配置され、各セットが少なくとも1つのフィルタ層を備え、2つの連続するセットの2つの隣接するフィルタ層の特性は異なる。2つの隣接するフィルタ層間相違は、形状、多孔度、CWST(「臨界湿潤表面張力」)、基本重量、直径、材料及び/又は化学的若しくは機械的な表面特性であってもよい。これにより、血液フィルタに関する種々のろ過段階を規定することが可能である。第1のセットを前ろ過段階と規定してもよく、第2のセット、及び存在する場合には、後続のセットを1つ又は複数の選択的なろ過段階と規定してもよい。好ましくは、血液フィルタは2つ〜7つのセット、より好ましくは2つ〜5つを含む。セットの数は、ろ過の複雑さ及び必要とされる多孔度勾配に応じて決まる(RCCフィルタは一般にWBのものよりも少ないセットを有する)。セットは好ましくは1つ又は複数の同一層からなる。同一層を積層することによって、適切な全厚を得るとともに、一様な特性を維持することが可能となる。セットは、例えば、1個〜20個の層、好ましくは1個〜10個の層、更に好ましくは1個〜5個の層を備え得る。

0039

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1のセットは、第1の繊維を含む少なくとも1つの層を備え、第1の繊維は、5μm〜15μm、より好ましくは7μm〜10μmの範囲の深さ(図2のように外接円(external circle)から測定)を有する溝を有する。当然ながら、溝の可能な最大深さは繊維直径によって制限される。この場合、第1のセットが、とりわけ、微小凝集体、ゲル、脂肪、細胞片及び/又は細胞のフラグメントの量を減少させるために、特に前ろ過の目的に適合すると考えられる。このような場合、より大きい直径、通常約20μm以上の直径を有する繊維を使用することが考えられ、繊維層は通常、後続のセット(単数又は複数)の層よりも大きい多孔度を有すると考えられる。

0040

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第2のセットは、第1の繊維を含む少なくとも1つの層を備え、第1の繊維は、0.2μm〜5μmの範囲の深さを有する溝を有する。この場合、第2のセットは、選択的ろ過の目的に、好ましくは、WBCの量を減少させるとともに、良好な流量及び詰まりの減少も補助するために、特に適合すると考えられる。このような場合、より小さい直径、通常20μm未満の直径を有する繊維を使用することが考えられ、繊維層は通常、第1のセットの層よりも小さい多孔度を有すると考えられる。

0041

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1のセット及び第2のセットは、第1の繊維を含む少なくとも1つの層を備え、第1のセットにおける第1の繊維の直径は、第2のセットにおける第1の繊維の直径よりも大きい。これにより、例えば、有効な前ろ過及び/又は捕捉した物質の分布、詰まりの減少及び流量の減少をもたらし得る多孔度勾配を作り出すことが可能となる。

0042

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、フィルタは、少なくとも第1の繊維を収容する少なくとも1つの軟質筐体及び/又は堅固な筐体を備える。硬質(rigid)で、堅固な筐体は機械的安定性をもたらす。可撓性である軟質の筐体は、製造コスト及び容積の減少に関する利点を有する。少なくとも1つの筐体内に、血液フィルタが1つより多くの層又は1つより多くのセットを備える場合、該層及びセットが少なくともわずかに圧縮を受けることで、流量を減少させるおそれのある隣接する層間の間隙が減少するか又は防止されることが好ましい。代替的に又は付加的に、隣接するフィルタ層は、例えば熱接着によって、少なくとも部分的に互いに結合していてもよい。

0043

本発明の別の好ましい実施の形態によれば、第1のセット及び第2のセットは、単一の筐体内に配置される。代替的には、第1のセット及び第2のセットが、流体連通する異なる筐体内に配置される。

0044

全血、出血液又は少なくとも1つの血液成分を処理するためのシステムは、本発明によれば、少なくとも1つの血液フィルタを備え、該フィルタは、第1のリザーバと第2のリザーバとの間に配置される。システムは血液バッグシステムであってもよく、第1のリザーバ及び第2のリザーバが血液バッグであり、システムはとりわけ全血又は血液成分をろ過するのに適合する。システムは、第1のリザーバ及び第2のリザーバが柔軟性がない容器又は可撓性容器の一部である、出血液を処理するためのシステムであってもよい。

0045

本発明によれば、システム又は血液フィルタを全血又は血液成分からの物質の除去のために使用することができ、血液成分は、出血液、全血、赤血球濃厚液、多血小板血漿、血小板濃厚液及び血漿を含む群から選択される。

図面の簡単な説明

0046

従来技術の全血フィルタの第1の層(A,B)及び同じ全血フィルタの後続の層(C,D)の2つの異なる倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
PETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数のSEM写真である。
三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真である。
三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真である。
三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真である。
三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真である。
三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真である。
スパンボンド三葉状繊維及び細胞の優先的な付着部位のSEM写真である。
本発明による例示的な血液フィルタの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものでない。
本発明による例示的な血液フィルタの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものでない。
本発明による例示的な血液フィルタの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものでない。
本発明による、全血又は血液成分からの物質の除去のための例示的なシステムの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものではない。
本発明による、全血又は血液成分からの物質の除去のための例示的なシステムの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものではない。
本発明による、全血又は血液成分からの物質の除去のための例示的なシステムの概略図である。これらの図は正しい縮尺で描かれているものではない。
一次ろ過の上流における、出血液からの巨大凝集体及び固形脂肪の除去のための例示的なシステムを示す図である。

0047

図1は、従来技術の全血フィルタの第1の層(A,B)及び同じ全血フィルタの後続の層(C,D)の2つの異なる倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示している。図1A及び図1CのSEM写真は1500の倍率で提示されているのに対し、図1B及び図1DのSEM写真は800の倍率で提示されている。SEM写真は、円柱断面を有する従来技術のメルトブロー繊維で形成されているフィルタ層において発生するバイオフィルムの堆積を示している。

0048

図2A図2Iは、第1の繊維、本件ではPETスパンボンド三葉状繊維の断面の複数の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示している。

0049

図3A図3Eは、三葉状繊維の層の複数の走査型電子顕微鏡写真を示している。最後の図3Eは先端接着を示している。

0050

図4A〜図4Dは、スパンボンド三葉状繊維及び細胞の優先的な付着部位のSEM写真を示している。細胞が、三葉状繊維の特殊な幾何学的形状の形をなす溝の表面の繊維に優先的に付着していることがはっきりと見てとれる。本発明者らは、三葉状に制限されない繊維のこのような溝が、とりわけ血小板の除去の改善に貢献することによって、全血、回収式自己血(salvage blood)又は血液成分をろ過する際に、本発明の血液フィルタの良好な流量及び詰まりの減少をもたらすと確信している。

0051

以下に第1の繊維を含む血液フィルタの効果を立証する実験を挙げる。

0052

実験A
スパンボンド円柱状繊維の1つの層からなるプレフィルタ部を備える従来技術の小型化(1:10)血液フィルタを、本発明による3つの異なる小型化(1:10)血液フィルタと比較した。同一メインフィルタ部(被覆メルトブローPBT(ポリブチレンテレフタレート)、50g/m2、2μm)を備えるが、プレフィルタ部の異なる血液フィルタを全て試験した。

0053

ヒト供血者から得られる全血は4℃で一晩(14時間)貯蔵した。これらの条件下で貯蔵した血液をろ過すると、バイオフィルムの形成が従来技術の血液フィルタにおいてとりわけ顕著である。

0054

第1の工程では、40mlの血液をプレフィルタ部のそれぞれに施し、重力を利用してろ過を実施した。対照(C)は前ろ過工程にかけていない血液から構成されるものとした。

0055

次に、第2の工程で、前ろ過した血液を、1μm〜3μmの繊維直径を有するメルトブロー円柱状繊維の10個の層の1つのセットからなるメインフィルタ部上に施した。ろ過時間及びフィルタの閉塞数を記録した。

0056

結果を表Iに示す。

0057

0058

表Iに示した結果から、本発明の血液フィルタが、フィルタの閉塞を防止する上で極めて有効であることがはっきりと示される。加えて、ろ過時間の短縮も観察された。従来技術の血液フィルタ又は対照と比較して、バイオフィルムの形成の著しい減少が本発明の血液フィルタで観察された。

0059

実験B
第2の実験では、PLT及びWBCの除去を、本発明の小型化(1:10)血液フィルタと従来技術の小型化(1:10)血液フィルタとで比較した。

0060

本発明による血液フィルタ(「血液フィルタ4」)は、10個の不織フィルタ層組成物からなる1つのセットから構成されるものとした。不織フィルタ層組成物は全て、三葉状スパンボンド繊維から構成されるものとした。

0061

従来技術のフィルタ素子(「フィルタ素子2」)は、1μm〜3μmの直径を有するメルトブロー円柱状繊維で形成されている10個のフィルタ層のセットから構成されるものとした。

0062

ヒト供血者から得られる全血は室温で数時間(最大3時間)貯蔵した。これらの条件下で貯蔵した血液をろ過すると、血小板が、バイオフィルムの形成を促進させる一時的活性化状態となる。

0063

各フィルタ素子に40mlの全血を施して血液をろ過した。

0064

表IIは本実験結果を表すものである。

0065

0066

本実験結果から、本発明による血液フィルタによってPLTの除去が改善されることが明らかに示される。

0067

実験C
第3の実験では、15個の不織フィルタ層組成物の1つのセットを備える本発明による血液フィルタ(「血液フィルタ5」)を適用することによって、出血液からの巨大凝集体、凝血、脂肪である混入物質の除去を前ろ過工程において査定した。不織フィルタ層組成物は全て、三葉状スパンボンド繊維から構成されるものとした。

0068

2つの対照群を処理にかけた:1つ目には如何なる前ろ過工程も含めず、2つ目のものには、従来技術の前ろ過材料(ニードルフェルト(needled felt))により実施する前ろ過工程を含めた。前ろ過材料の層の数は重量相当値に基づいて決めた。

0069

出血液は、整形外科手術後6時間以内に患者のドレナージから取得した。出血液ユニットは室温で一晩(最大18時間)貯蔵した。

0070

第1の工程では、125ml〜300mlの出血液をプレフィルタ部のそれぞれに施し、重力を利用してろ過を実施した。

0071

次に、第2の工程で、前ろ過した血液を、1μm〜3μmの繊維直径を有するメルトブロー円柱状繊維の20個の層の1つのセットからなるメインフィルタ部上に施した。ろ過フローを記録した。

0072

表IIIは本実験結果を表すものである。

0073

0074

本実験結果から、本発明による血液フィルタを利用した場合、メインフィルタ部の上流における混入物質の除去がろ過フローを改善させたことが明らかに示される。

0075

実験D
実験Dでは、ろ過時間及び細胞の除去を、規模を拡大した赤血球濃厚液ユニットのろ過において評価した。60g/m2の熱先端接着した100%PETスパンボンド(円形断面)の2つの層からなるプレフィルタ部を備える従来技術のRCCフィルタを、本発明によるRCCフィルタ(実施例I)と比較した。同一メインフィルタ部を備えるがプレフィルタ部が異なるRCCフィルタ全てを試験にかけた。

0076

ヒト供血者から得られる全血(450ml〜500ml)は室温で1時間〜24時間貯蔵した。主要血液成分、例えば、血漿、バフィーコート及び赤血球濃厚液を得るために、回収した血液を遠心分離して自動選別機で処理した。赤血球濃厚液を単離し、添加溶液を添加し、従来技術のRCCフィルタ及び本発明によるRCCフィルタ(実施例I)でろ過した。

0077

採血及びRCCろ過に使用されるシステムを図6Bに示す(システムは以下のセクションでより詳細に説明する)。

0078

表IVは本実験結果(平均±標準偏差)を示すものである。

0079

0080

本実験結果から、本発明による血液フィルタによってろ過時間が改善されるとともに、白血球除去(leukodepletion)性能も同等となることが示される。

0081

下記セクションにおいて、本発明による血液フィルタの好ましい実施形態を挙げる。血液フィルタを図5a、5b及び5cに概略的に示す。各血液フィルタは、筐体1と、注入口2と、流出口3とを備える。血液フィルタの筐体1は、不織繊維層5の1つ又は複数のセット4a、4b、4c、4d、4eを収容し、各セット4a、4b、4c、4d、4eは少なくとも1つの繊維層5を含む。少なくとも1つのセットが、注入口2から流出口3までを連結する流体をろ過するために注入口2と流出口3との間に設けられる。セットが1つより多い場合、流体は、初めに注入口2に近いセット(第1のセット4a)を通過し、その後、続いて、流出口3を通過するまで、存在する場合、後続のセット(第2のセット4b、第3のセット4c、...)を通過する。筐体1は好ましくは、プラスチック製の軟質の筐体である。しかしながら、柔軟性がない筐体を使用してもよい。層5が1つよりも多い場合、層5は、本件では筐体1によってもたらされる少なくともわずかな圧縮を受ける結果、隣接する層5間の間隙が抑制される。

0082

実施例1−「軟質型RCC 番号1」
本発明による血液フィルタの第1の実施形態は、不織布フィルタ層の3つのセット4a、4b、4cを備える(図5aを参照)。第1のセット4aは、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ(すなわち、繊維の全長に延在。溝がない場合は繊維の欠陥みなすものとする)及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、18層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。第3のセット4cは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有し、かつ繊維と繊維との距離を低減させるようにカレンダ加工された、12層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。

0083

この血液フィルタは、RCC(赤血球濃厚液)からWBCを除去するのに特に適合する。第1のセット4a及び第2のセット4bは前ろ過及びろ過をもたらし、第3のセット4cは選択的ろ過及び「最終精製(polishing)」(すなわち、最後に残るロイコサイトを除去するろ過工程)をもたらす。

0084

代替的な実施形態では、セット4aタイプの更なる層(100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維)を、溶着プロセスの最適化のためにセット4cの後の最後の層として適用してもよい。

0085

更に代替的な実施形態では、実施例1の3つのセット4a、4b、4cのうちセット4aが、4層の熱平面接着した30g/m2の100%PETである2.3dpf(繊維番数(denier per filament))の三葉状スパンボンドからなる。

0086

更に代替的な実施形態では、実施例1の3つのセット4a、4b、4cのうちセット4aが、6層の熱先端接着した10g/m2の100%ナイロン6,6である7dpf(繊維番数)の三葉状スパンボンドからなる。

0087

実施例2−「硬質型WB 番号1」
第2の実施形態によれば、血液フィルタが、不織フィルタ層の5つのセット4a、4b、4c、4d、4eを備える(図5b参照)。第1のセット4aは、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、およそ3μmの平均直径を有する、2層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。第3のセット4cは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、4層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。第4のセット4dは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、8層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。第5のセット4eは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、28層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。筐体として硬質プラスチック筐体を使用する。

0088

この血液フィルタは、WB(全血)からWBCを除去するのに特に適合する。第1のセット4a、第2のセット4b及び第3のセット4cは前ろ過をもたらし、第3のセット、第4のセット4d及び第5のセット4eは選択的ろ過の向上をもたらす。セット4c、4d及び4e間において、CSWTの勾配及び繊維と繊維との距離は整えられており、注入口2から流出口3への流体の流れ方向に、CSWTが増大するとともに、繊維と繊維との距離が減少する。

0089

実施例3−「軟質型RCCPRP番号1」
第1のセット4aは、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、35g/m2の基本重量及び16μmの直径を有する、4層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約4μmの深さを有する3つの溝を有する。第3のセット4cは、実施例1の第2のセットに使用した層と同じ層18個からなるが、CWSTが減少している。第4のセット4dは、実施例1の第3のセットに使用した層と同じ層12個からなる。

0090

この血液フィルタは、RCC(赤血球濃厚液)、より具体的にはPRP(多血小板血漿)処理法から得られるRCCからWBCを除去するのに特に適合する。第1のセット4a及び第2のセット4bは前ろ過をもたらし、第3のセット4c及び第4のセット4dは選択的ろ過をもたらす。第2のセット4bにも第1の繊維を使用することによって、細胞、とりわけ血小板をより大量に捕捉することができる結果、かかる細胞のより良好な分布がもたらされる。

0091

実施例4−「軟質型RCCPRP番号2」
フィルタ層の4つのセットを備える血液フィルタの第4の実施形態では、第3のセット4cが、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、16層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第4の実施形態による血液フィルタは第3の実施形態の血液フィルタと等しい。

0092

この血液フィルタは、RCC(赤血球濃厚液)及びWB(全血)からWBCを除去するのに特に適合する。第1のセット4a、第2のセット4b及び第3のセット4cは前ろ過をもたらし、第4のセット4dは選択的ろ過をもたらす。第3のセット4cにも第1の繊維を使用することによって、実施例3と比較して、捕獲した細胞の分布を更に改善して、容量損失を減らすことができる。

0093

実施例5−「軟質型RCCPRP番号3」
フィルタ層の4つのセットを備える血液フィルタの第5の実施形態では、第3のセット4cが、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、16層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。第3の実施形態の第4のセット4dは、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、10層のカレンダ加工された100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第5の実施形態による血液フィルタは第3の実施形態の血液フィルタと等しい。

0094

この血液フィルタは、RCC(赤血球濃厚液)からWBCを除去するのに特に適合する。第1のセット4a、第2のセット4b及び第3のセット4cは前ろ過をもたらし、第4のセット4dは選択的ろ過をもたらす。第4のセット4dにも第1の繊維を使用することによって、捕獲した細胞の分布を更に改善して、総容量損失を減らすとともに、ヘモグロビン回収率を上げることができる。

0095

各セットを備えるか又はそれらからなる実施形態1〜5の血液フィルタのフィルタ材料は、回収式自己血又は出血液をろ過するための使用にも適する。

0096

実施例6−「硬質型WB 番号2」
フィルタ層の5つのセットを備える血液フィルタの第6の実施形態では、第2のセット4bが、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、2層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第6の実施形態による血液フィルタは第2の実施形態の血液フィルタと等しい。

0097

この血液フィルタは、WB(全血)からWBCを除去するのに特に適合する。

0098

実施例7−「硬質型WB 番号3」
フィルタ層の5つのセットを備える血液フィルタの第7の実施形態では、第2のセット4bが、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、2層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。第3のセット4cは、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、4層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。第4のセット4dは、50g/m2の基本重量及び約6μmの直径を有する、如何なる表面改質剤も含まない8層の80%PBTと20%(ポリアルキルグリコールテレフタレート)との二成分配合物100%からなるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約1.5μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第7の実施形態による血液フィルタは第2の実施形態の血液フィルタと等しい。

0099

この血液フィルタは、WB(全血)からWBCを除去するのに特に適合する。

0100

実施例8−「軟質型WB 番号1」
フィルタ層の5つのセットと軟質の筐体とを備える血液フィルタの第8の実施形態では、第1のセット4aが、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、50g/m2の基本重量及び約8μmの直径を有する、10層の100%PBTであるメルトブロー三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び約2μmの深さを有する3つの溝を有する。第3のセット4cは、30g/m2の基本重量及び約4μmの直径を有する、シートコア二成分PET/PEメルトブロー三葉状繊維の25個のカレンダ加工された層からなる。第3のセットの三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び1.3μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第8の実施形態による血液フィルタは第2の実施形態の血液フィルタと等しい。

0101

この血液フィルタは、WB(全血)からWBCを除去するのに特に適合する。

0102

実施例9−「軟質型PLT 番号1」
フィルタ層の3つのセットと軟質の筐体とを備える血液フィルタの第9の実施形態では、第1のセット4aが、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の表面改質された100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、6層の50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。第3のセット4cは、第2のセット4bに使用した9個の層からなるが、これはカレンダ加工することにより多孔度が減少したものである。

0103

この血液フィルタは、血小板を含む溶液をろ過するのに、例えば、多血小板血漿又は血小板濃厚液をろ過するのに特に適合する。血小板を該ろ過材料(表面の化学的性質によりPLTの付着が減少する)に通過させ、第2のセット及び第3のセットを使ってWBCを除去する。

0104

実施例10−「軟質型PLT 番号2」
フィルタ層の3つのセットと軟質の筐体とを備える血液フィルタの第10の実施形態では、第2のセット4bが、40g/m2の重量及び8μmの直径を有する、20層の80%PBTと、20%(ポリアルキルグリコールテレフタレート)の二成分配合物からなるメルトブロー三葉状繊維からなる。第2のセットの三葉状繊維は、理論上無限大の長さ及び2μmの深さを有する3つの溝を有する。その他の点に関して、第10の実施形態による血液フィルタは第9の実施形態の血液フィルタと等しい。

0105

この血液フィルタは、血小板を含む溶液をろ過するのに、例えば、血漿又は血小板濃厚液をろ過するのに特に適合する。血小板を該ろ過材料(表面の化学的性質によりPLTの付着が減少する)に通過させ、第2のセット及び第3のセットを使ってWBCを除去する。

0106

実施例11−「軟質型血漿番号1」
本発明による血液フィルタの第11の実施形態では、血液フィルタが、不織布フィルタ層の2つのセット4a及び4bを備える。第1のセット4aは、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、1層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維からなる。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。第2のセット4bは、CWSTを改善するように表面改質された、およそ2μmの平均直径を有する、30層のカレンダ加工された50g/m2の100%PBTであるメルトブロー円形繊維からなる。

0107

この血液フィルタは血漿をろ過するのに特に適合する。

0108

実施例12−「出血液 番号1」
血液フィルタの第12の実施形態では、血液フィルタが、一連の2つの硬質の筐体を備える(図6C参照)。第1の筐体は、CWSTを改善するように表面改質された、およそ16μmの平均直径及び約4μmの典型的な溝深さを有する、100g/m2の100%PBTである三葉状(trilobite)メルトブロー繊維の20個の層からなる単一のセットを収容する。第2の筐体は、実施例2に挙げられるろ過材料を収容する。

0109

第1の筐体内のこのろ過材料は、良好な白血球除去性能を可能とする第2の筐体のメインフィルタ部を通る血液の流れを促進させることができる前ろ過工程であると推定される(図6C参照)。

0110

この血液フィルタは、手術後最初の6時間以内に抜き取られた出血液から、巨大凝集体、凝血、脂肪又はフィブリン分解産物のような混入物質を除去することを対象としている。詳細については実験Cを参照されたい。

0111

4つ〜6つの種々の前ろ過段階から構成されるフィルタからなる単一のフィルタにおいて、前ろ過工程及びろ過工程を組み合わせることもできる。

0112

実施例13−「出血液 番号2」
血液フィルタの第13の実施形態では、血液フィルタが、100g/m2の基本重量、40μm〜45μmの直径(5.1dtex)及び約17μmの各単一の葉の典型的な直径を有する、単一層の100%PETである熱先端接着したスパンボンド三葉状繊維を備える。三葉状繊維は、それらの形状に起因して、理論上無限大の長さ及びおよそ10μmの深さを有する3つの溝を有する(図2参照)。本発明によれば、このような血液フィルタは、出血液処理システム図7)に利用することができる。血液フィルタ10は、ポケットの形態で硬質の回収容器内に配置される。目的は、手術創傷部からの出血液の吸引及び回収中に直接、出血液から、巨大凝集体、凝血、脂肪又はフィブリン分解産物のような混入物質を除去することである。その後、前ろ過した出血液をメインフィルタ部11に移送して、細胞(例えば、白血球及び/又は血小板)を除去する。

0113

代替形態として、メルトブロー繊維の代わりに、二成分の「海島」構造の繊維を使用することもできる。さらに、血液フィルタ内で繊維層のみを使用することは必須条件ではない。それらを、膜、テキスタイル(すなわち、マイクロヤーン(micro-yarns)の材料)又は網のような他のタイプのフィルタ材料と組み合わせて、幾つかの実施例を示すことも可能である。最終的に、とりわけ前ろ過段階における全ての繊維層が不織布であることは必須条件ではないため、押出によって得られるマイクロシーブ(網)又は工業用糸を編むことによって得られるマイクロシーブのいずれかを代わりに使用することもできる。

0114

下記セクションにおいて、全血、回収式自己血又は少なくとも1つの血液成分を処理するシステムの種々の好ましい実施形態を挙げる。各システムは、本発明による少なくとも1つの血液フィルタを備え、該フィルタは、第1のリザーバと第2のリザーバとの間に配置される。

0115

図6Aに示されるシステムは、全血を処理するためのシステムである。本システムは、全血がろ過のために提供される第1のバッグ20(すなわち、第1のリザーバ)を備える。加えて、抗凝血剤を第1のバッグ20に入れておいてもよい。第1のバッグ20は、流体フローの連結において、第1の導管手段21、典型的には可撓性のプラスチックチューブを介して血液フィルタ10とつながっている。第1の導管手段21は、血液フィルタ筐体1の注入ポート2において血液フィルタ10と接続している。血液フィルタ10は、血液フィルタ筐体1の流出ポート3において第2の導管手段22と接続している。このようにして、血液フィルタ10は、流体フローの連結において、第2の導管手段22及び第2のバッグ23の注入ポート28を介して第2のバッグ23(すなわち、第2のリザーバ)とつながっている。第2のバッグは、流出ポート24及びy型コネクタ25を用いて、第3のバッグ26及び第4のバッグ27とつながっている。さらに、本システムは、第1のバッグ20と第2のバッグ23との間に、血液フィルタ10を通過することを要さずに第2のバッグ23から第1のバッグ20へと流体を移送することを可能にする付加的な流体ライン29を備える。本システムは、第1のバッグ20から第2のバッグ23へと全血を移送することで、フィルタ10を通過させてWBC及び血小板を除去させる。第2のバッグ23内で、例えば遠心分離によって血液を更に分離してもよい。血漿部分を第4のバッグ24へと移送してもよい。第3のバッグ26に入れられた添加溶液は、第2のバッグ23へと移送して、残るRCC(赤血球濃厚液)の貯蔵を改善することができる。血液フィルタ10としては、実施例2、6、7、8に挙げられるフィルタが好ましい。

0116

図6Bに示されるシステムは、RCCをろ過するためのシステムである。本システムは、抗凝血剤が充填された、全血の回収のための第1のバッグ40を備え、これは、可撓性のチューブを用いて、片側で、血漿を貯蔵するための第2のバッグ41に、反対側で、移送のための第3のバッグ42に接続されている。第3のバッグ42は、RBC(赤血球)を貯蔵するための第4のバッグ43に接続されており、該バッグ43には付加的な貯蔵溶液が充填されている。さらに、本システムは、第3のバッグ42と第4のバッグ43との間に配置される血液フィルタ10を備えるため、第3のバッグ42から第4のバッグ43へと移送される流体は血液フィルタ10を通過することとなる。第1のバッグ40内に回収された全血を遠心分離によって分離してもよい。血漿部分を第2のバッグ41に移送してもよい。RBCを含む残りの部分は、第3のバッグ及び血液フィルタ10を介して、貯蔵を目的とする第4のバッグ43へと移送することができる。血液フィルタ10は、WBC及び血小板を除去するのに適合する。血液フィルタ10としては、実施例1、3、4、5に挙げられるフィルタが好ましい。

0117

図6cに示されるシステムは、出血液を処理するためのシステムである。本システムは、出血液を回収するための第1のバッグ60と、処理された血液を収容するための第2のバッグ61とを備える。第1のバッグ60は、血液を第1のバッグ60から第2のバッグ61へと移送するための可撓性のチューブを介して第2のバッグ61につながっている。さらに、本システムは、第1のバッグ60と第2のバッグ61との間に配置される血液フィルタ10を備えるため、第1のバッグ60から第2のバッグ61へと移送される流体は血液フィルタ10を通過することとなる。本件では、血液フィルタ10が、チューブを用いて流体連通する、第1の筐体と第2の筐体とを備える。第2の筐体は、第1の筐体の下流に配置されるため、第1のバッグ60から第2のバッグ61へと移送される血液は、まず第1の筐体を通過し、その後、第2の筐体を通過する。血液フィルタ10としては、実施例12に挙げられるフィルタが好ましい。前ろ過のための繊維層の少なくとも1つのセットが、第1の筐体内に配置され、主要なろ過のための繊維層の複数のセットが第2の筐体内に配置される。

0118

図7に示されるろ過システムは、出血液を処理するための更なるシステムである。本システムは、出血液を受け取ると同時に、処理された血液も回収する硬質容器80を備える。本システムは、硬質容器内に配置される、篩ポケットの形態の血液フィルタ10を更に備え、出血液を受け取るための第1のリザーバ81と、血液フィルタ10を通過した処理された血液を受け取るための第2のリザーバ82とに容器を分割している。本システムは加えて、流体を第2のリザーバから、貯蔵を目的とする血液バッグ84へと移送するための手段83、例えばチューブ及びコネクタを備えていてもよい。第2の血液フィルタ11を流体ラインの下流に配置して、血液を血液バッグ84に回収する前に第2のろ過段階を設けてもよい。血液フィルタ10としては、実施例13に挙げられるフィルタが好ましいが、フィルタ11に関しては、WBについて使用される実施例(図6a)のいずれを使用してもよい。

実施例

0119

上記に提示した実施形態では、押出によって得られた、平滑面を有する繊維を使用した。繊維の表面粗さRa(平均粗さ)は、0.1μm以下のRa、好ましくは0.03μm以下のRa、最も好ましくは0.01μm以下のRaである。

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