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課題・解決手段
本発明は、タンク(2)から排気ガス処理装置(3)まで液体添加物を送達するための送達装置(1)であって、前記送達装置(1)は、総容量(20)を有する送達ダクト(4)および前記送達ダクト(4)に配置されるポンプ(5)を少なくとも有し、前記送達ダクト(4)は、送達方向(6)において前記ポンプ(5)の下流に可撓性の壁部分(7)を有し、前記送達ダクト(4)内の圧力が所定の作動圧力範囲(11)で存在する場合、前記可撓性の壁部分(7)は、前記送達ダクト(4)に対向して位置する外側(29)で、停止部(9)を担持し、前記外側(29)に、前記可撓性の壁部分(7)を変形するように設計されるバネ要素(8)が設けられ、前記送達ダクト(4)の総容量(20)は、前記送達ダクト(4)内の圧力が閾値圧力(31)より低い場合、大きさが減少する、送達装置(1)に関する。さらに、本発明はまた、送達装置における氷の形成を補償するための方法にも関する。
概要
背景
液体添加物が供給される排気ガス処理装置は、特に自動車分野においても広範に使用されている。特にこのような排気ガス処理装置に一般に実装されている排気ガス浄化方法
は、排気ガス中の酸化窒素化合物が還元剤により変換されて無害な物質(例えば、水、窒素および/またはCO2)を形成する、選択接触還元(SCR)法である。還元剤は、多くの場合、液体添加物の形態、特に尿素水溶液の形態でこのような排気ガス処理装置に供給される。32.5%の尿素含有量を有する尿素水溶液はAdBlue(登録商標)という商標としてこの目的のために利用可能である。
排気ガス処理装置に液体添加物を供給するために、タンクから排気ガス処理装置まで液体添加物を輸送する送達装置が一般に必要とされる。送達装置は、最も高い可能な投与精度で作動すべきであり、可能な限り安くすべきであり、可能な限り耐用年数を長くすべきである。
還元剤が液体添加物として使用される場合、このような水性還元剤は、自動車の正常な動作の間に起こり得る温度で凍結するという技術問題が存在する。
排気ガス浄化のための還元剤として一般に使用される尿素水溶液AdBlue(登録商標)は例えば−11℃にて凍結する。自動車の場合、このような低い温度は、特に冬場の長時間の停止時間の間に起こり得る。液体添加物が凍結すると、添加物は一般に体積が増加する。この体積の増加は送達装置に損傷を与える可能性がある。したがって、必要に応じて、送達装置は、添加物の体積の増加および関連して生じる氷圧による損傷を受けないように構築されるべきである。
概要
本発明は、タンク(2)から排気ガス処理装置(3)まで液体添加物を送達するための送達装置(1)であって、前記送達装置(1)は、総容量(20)を有する送達ダクト(4)および前記送達ダクト(4)に配置されるポンプ(5)を少なくとも有し、前記送達ダクト(4)は、送達方向(6)において前記ポンプ(5)の下流に可撓性の壁部分(7)を有し、前記送達ダクト(4)内の圧力が所定の作動圧力範囲(11)で存在する場合、前記可撓性の壁部分(7)は、前記送達ダクト(4)に対向して位置する外側(29)で、停止部(9)を担持し、前記外側(29)に、前記可撓性の壁部分(7)を変形するように設計されるバネ要素(8)が設けられ、前記送達ダクト(4)の総容量(20)は、前記送達ダクト(4)内の圧力が閾値圧力(31)より低い場合、大きさが減少する、送達装置(1)に関する。さらに、本発明はまた、送達装置における氷の形成を補償するための方法にも関する。
目的
特に、液体添加物を送達するための特定の有益な送達装置を提示することを目的とする
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
タンク(2)から排気ガス処理装置(3)まで液体添加物を送達するための送達装置(1)であって、前記送達装置(1)は、総容量(20)を有する送達ダクト(4)および前記送達ダクト(4)に配置されるポンプ(5)を少なくとも有し、前記送達ダクト(4)は、送達方向(6)において前記ポンプ(5)の下流に可撓性の壁部分(7)を有し、前記送達ダクト(4)内の圧力が所定の作動圧力範囲(11)で存在する場合、前記可撓性の壁部分(7)は、前記送達ダクト(4)に対向して位置する外側(29)で、停止部(9)を担持し、前記外側(29)に、前記可撓性の壁部分(7)を変形するように設計されるバネ要素(8)が設けられ、前記送達ダクト(4)の総容量(20)は、前記送達ダクト(4)内の圧力が閾値圧力(31)より低い場合、大きさが減少する、送達装置(1)。
請求項2
請求項3
少なくとも1つの力センサ(14)が前記停止部(9)に配置され、前記力センサ(14)は、前記送達ダクト(4)内の圧力を決定するために、前記可撓性の壁部分(7)によって前記停止部(9)に付与される力を測定できる、請求項1または2に記載の送達装置(1)。
請求項4
前記ポンプ(5)がポンプ出口(15)を有し、前記送達ダクト(4)が、前記送達方向(6)における前記ポンプ出口(15)の下流にチャンバ(16)を有し、前記ポンプ出口(15)が前記チャンバ(16)内に開口し、前記可撓性の壁部分(7)が前記ポンプ出口(15)に対向して前記チャンバ(16)に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の送達装置(1)。
請求項5
前記可撓性の壁部分(7)が前記停止部(9)を担持する場合、前記停止部(9)が前記バネ要素(8)を収容するレセプタクル(30)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の送達装置(1)。
請求項6
前記可撓性の壁部分(7)が前記停止部(9)を担持する場合、前記バネ要素(8)が前記可撓性の壁部分(7)の表面積(23)に対して0.2〜1.0barの圧力に対応するバネ力を前記可撓性の壁部分(7)に付与する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の送達装置(1)。
請求項7
液体添加物が少なくとも部分的に充填される、送達ダクト(4)の総容量(20)を有する送達装置(1)における氷の形成を補償する方法であって、a)前記送達装置(1)のポンプ(5)の作動を停止させる工程、b)前記送達ダクト(4)と前記液体添加物のためのタンク(2)との間の接続を生じる戻りライン(26)の戻しバルブ(21)を開口する工程、c)液体添加物で充填された総容量(20)の大きさを能動的に減少させる工程、d)前記戻しバルブ(21)を介して前記タンク(2)内に液体添加物を放出する工程、およびe)前記送達ダクト(4)内の液体添加物が凍結すると、総容量(20)を受動的に増加させる工程を少なくとも含む、方法。
請求項8
技術分野
背景技術
0002
液体添加物が供給される排気ガス処理装置は、特に自動車分野においても広範に使用されている。特にこのような排気ガス処理装置に一般に実装されている排気ガス浄化方法
は、排気ガス中の酸化窒素化合物が還元剤により変換されて無害な物質(例えば、水、窒素および/またはCO2)を形成する、選択接触還元(SCR)法である。還元剤は、多くの場合、液体添加物の形態、特に尿素水溶液の形態でこのような排気ガス処理装置に供給される。32.5%の尿素含有量を有する尿素水溶液はAdBlue(登録商標)という商標としてこの目的のために利用可能である。
0003
排気ガス処理装置に液体添加物を供給するために、タンクから排気ガス処理装置まで液体添加物を輸送する送達装置が一般に必要とされる。送達装置は、最も高い可能な投与精度で作動すべきであり、可能な限り安くすべきであり、可能な限り耐用年数を長くすべきである。
0005
排気ガス浄化のための還元剤として一般に使用される尿素水溶液AdBlue(登録商標)は例えば−11℃にて凍結する。自動車の場合、このような低い温度は、特に冬場の長時間の停止時間の間に起こり得る。液体添加物が凍結すると、添加物は一般に体積が増加する。この体積の増加は送達装置に損傷を与える可能性がある。したがって、必要に応じて、送達装置は、添加物の体積の増加および関連して生じる氷圧による損傷を受けないように構築されるべきである。
発明が解決しようとする課題
0006
これらのことを出発点として考慮して、本発明の目的は、説明した技術的問題を可能な限り有益に解決すること、または少なくとも減少させることである。特に、液体添加物を送達するための特定の有益な送達装置を提示することを目的とする。さらに、送達装置において氷の形成を補償するための特に有益な方法を特定することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
この目的は、請求項1の特徴に係る送達装置およびまた、請求項7の特徴に係る方法により達成される。本発明のさらなる有益な改良は従属請求項に特定される。請求項において個々に特定される特徴は、任意の所望の技術的に有意な方法で互いに組み合わされてもよく、本発明のさらなる設計の変形例が特定される説明からの例示的な要因により補足されてもよい。
0008
本発明は、タンクから排気ガス処理装置まで液体添加物を送達するための送達装置であって、前記送達装置は、総容量を有する送達ダクトおよび前記送達ダクトに配置されるポンプを少なくとも有し、前記送達ダクトは、送達方向において前記ポンプの下流に可撓性の壁部分を有し、前記送達ダクト内の圧力が所定の作動圧力範囲で存在する場合、前記可撓性の壁部分は、前記送達ダクトに対向して位置する外側で、停止部を担持し、前記外側に、前記可撓性の壁部分を変形するように設計されるバネ要素が設けられ、前記送達ダクトの総容量は、前記送達ダクト内の圧力が閾値圧力より低い場合、大きさが減少する、送達装置に関する。
0009
送達装置は、好ましくは、液体添加物がタンクから吸引され得る吸引点を有する。タンクは、典型的に、液体添加物が保存される内部空間およびタンク壁を有し、タンクは、タンク基部およびタンク上側を有し、内部空間を画定する。吸引点は、タンクの内部空間と直接接触してもよいか、またはライン部分を介してタンクの内部空間に接続されてもよい。
0010
送達装置はさらに好ましくは、出口ポートを有する。液体添加物は出口ポートにて提供される。出口ポートは好ましくは、ラインを介して注入装置に接続される。注入装置は、排気ガス処理装置に配置されてもよく、液体添加物を排気ガス処理装置内に供給するように設計されてもよい。注入装置は、液体添加物を排気ガス処理装置内に注入するためのノズルおよび/または排気ガス処理装置内に供給される添加物の量を制御するためのバルブを備えてもよい。
0011
記載される送達装置において、好ましくは、還元剤(またはアンモニアを形成する還元剤前駆体)および特に好ましくは尿素水溶液が液体添加物として使用される。選択接触還元法は排気ガス処理装置内の前記還元剤を使用して実施される。
0012
送達装置は好ましくは、液体添加物を保存するためにタンク上/内に直接配置される。送達装置は好ましは、タンク内に配置される、または少なくとも部分的に配置される別個のチャンバに配置される。排気ガス処理装置は好ましくは、注入装置に加えて、SCR法が、排気ガス処理装置に前記液体添加物として提供される還元剤を用いて実施され得る、SCR触媒コンバータを備える。
0013
送達ダクトは好ましくは、タンクから排気ガス処理装置まで液体添加物のための流路の一部を形成する。送達ダクトの総容量は好ましくは、送達ダクトが送達装置において、送達装置の作動の間、液体添加物が充填される容量を指す。総容量は特に、送達ダクトが、液体添加物の送達方向の下流にポンプを有し、液体添加物が充填される容量を指す。ポンプは送達ダクトに接続される。ポンプは好ましくは送達ダクトの一部を形成する。ポンプは、送達ダクトを、吸引点からポンプまでの吸引部分およびポンプから出口ポートまでの圧力部分に分ける。総容量は特に、送達ダクトの圧力部分のみにより形成され得る。少なくとも1つのバルブがポンプに設けられることが好ましく、バルブは、ポンプを通る液体添加物の送達方向を予め規定する。この理由のために、液体添加物は、送達方向の反対にポンプを流れることができない。さらに、ポンプは送達運動を実施できる可動式ポンプ要素を有する。この送達運動によって、液体添加物はポンプを通して送達される。
0014
送達ダクトはダクト壁を有する。ダクト壁は好ましくは、大部分はプレート内のボアの形態で形成される。可撓性の壁部分は好ましくは、プレートに固定して接続されないか、またはプレートの固定した構成要素部分ではない。プレートにより形成される送達ダクトのこれらの壁部分は全体的に剛性である。可撓性の壁部分は好ましくは、可撓性材料から構成される。可撓性の壁部分は例えば、可撓性ダイヤフラムにより形成されてもよい。可撓性の壁部分または可撓性のダイヤフラムは、例えば、プラスチック、特にゴムから形成されてもよい。可撓性の壁部分は好ましくは、可逆性/弾性変形可能である。可撓性の壁部分または可撓性のダイヤフラムは好ましくは、面積要素により形成される。この面積要素は第1の表面および第2の表面を有する。第1の表面は送達ダクトに対して方向付けられ、可撓性の壁部分を形成する。第2の表面は送達ダクトおよび第1の表面の反対に配置される外側を形成する。停止部は反対側の外側により担持され、例えば、外側と接触するキャップ要素またはカバーにより形成される。バネ要素は好ましくは、このようなキャップと可撓性の壁部分の外側との間に配置される。
0015
作動圧力範囲は好ましくは3bar以上の圧力で存在する。作動圧力範囲は特に好ましくは、5barから10barの範囲であり、非常に特に好ましくは、7barから9barの間である。送達ダクト内の圧力が閾値圧力未満である場合、バネ要素は可撓性の壁部分を送達ダクト内または総容量内に押すまたは加圧するように設計される。閾値圧力は好ましくは、作動圧力範囲の下限値以下であり、従って3bar以下である。可撓性の壁部分は変形を促進する設計を有してもよい。例えば、可撓性の壁部分は可撓性の壁部分の変形を促進する波形で設けられてもよい。
0016
戻りラインが、送達方向(送達ダクトの圧力部分の領域)においてポンプの下流で送達ダクトから分岐する場合、送達装置は特に有益であり、戻りラインは戻しバルブにより閉鎖され得る。戻りラインは、適切な場合、戻しバルブにより、圧力部分からの圧力の放出を確実にできるように圧力部分から分岐する。ポンプを通る液体添加物の戻り流は、さらに上記のようにポンプに設けられるバルブにより防がれる。したがって、ポンプを介する送達ダクトの圧力部分からの圧力の放出が防がれる。出口ポートを介する圧力部分からの圧力の放出は液体添加物の損失を導く。なぜなら、出口ポートを介して放出される添加物は注入装置に移動するからである。圧力の損失のない放出は、特に戻りラインを介して可能となる。可撓性の壁部分が変形する場合、総容量の大きさの減少に起因して送達ダクトから移動される液体添加物は戻りラインを介して出ていくことができる。
0017
可撓性の壁部分により停止部に付与される力を測定できる少なくとも1つの力センサが停止部に配置される場合、送達装置は特に有益である。したがって、送達ダクト内の圧力が決定され得る。可撓性の壁部分は、停止部を担持している場合でさえ、その可撓性を維持する。次いで可撓性の壁部分は、反対側に(直接)配置される停止部の領域に送達ダクト内の圧力により直接付与される(全ての点において)力を伝える。この状況は、停止部に一体化される力センサにより、送達装置または送達装置の送達ダクト内の圧力の測定を実施するために利用され得る。圧力センサは好ましくは、停止部で端部が平坦になるように停止部内に一体化される。力センサはまた、可撓性の壁部分に付与される力が力センサにより容易に伝えられるように停止部をわずかに超えて突出してもよい。作動の間(可撓性の壁部分が停止部を担持する場合)、可撓性の壁部分の外側は力センサを押す。力センサに実際に作用する力はまた、力センサの表面積(または力センサを押す可撓性の壁部分の表面積)により規定される。力センサの表面積は付与される力を算出するように送達ダクト内の圧力を掛けられる。力センサの表面積は好ましくは、可撓性の壁部分により担持される停止部の全表面積に対して比較的小さい。このセンサの表面積は好ましくは、停止部の全表面積の多くても1/10、特に好ましくは多くても1/20になる。従来的に使用される力センサは、長さの変化または既知の弾性係数を有する弾性材料の変形に基づいて付与される力を測定する。したがって、力センサにおいて、可撓性の壁部分のわずかな変形が、送達ダクト内の作動圧力の存在下でさえ生じる。なぜなら、可撓性の壁部分は、外側から力センサまで力を伝えるように、センサの領域においてセンサに対して変形するからである。変形は好ましくは、作動圧力範囲内の送達ダクトの総容量のわずかな変化を確実にするために可能な限り小さい。
0018
力センサは、好ましくは、圧電材料によりおよび/または可変(電気)抵抗により形成される。圧電材料は、それが変形される強さによって異なる電圧を生じる。可変抵抗の場合、電気抵抗は変形に応じて変化する。変形は、各場合、弾性係数に基づいて作用する力に比例する。生じる電圧は、各場合、変形に比例する。したがって、作用する力は、電圧に変換され得、電子機器により評価され得る。
0019
ポンプがポンプ出口を有し、送達ダクトが、送達方向におけるポンプ出口の下流にチャンバを有する場合、送達装置は特に有益であり、ポンプ出口はチャンバ内に開口し、可撓性の壁部分はポンプ出口の反対側のチャンバに配置される。
0020
チャンバは特に送達ダクトの延在部である。チャンバは好ましくは送達装置のプレートに配置される凹部として形成される。ポンプ出口から延びる送達ダクトの一部はチャンバ内に開口する。出口ポートまで延びる送達ダクトのさらなる部分はチャンバから分岐する。チャンバがプレート内の凹部として設けられるので、このチャンバは、可撓性の壁部分を形成する面積要素により覆われ得る。これにより、送達ダクトの可撓性の壁部分を取り付けるのに特に簡単な可能性を生じる。次いで停止部を形成するキャップは、可撓性の壁部分を形成する可撓性の要素または材料の外側においてプレート内の記載された凹部に挿入され得る。
0021
ポンプのポンプ出口は好ましくは、ポンプのポンプ入口と共に共通軸に沿って並べられる。送達動作の間、添加物は圧力変動により拍動流としてポンプ出口から出ていく。記載されたチャンバはまた、流動の態様から有益である。ポンプ出口からの拍動流は前記チャンバ内で均質化される。このことは特に、チャンバの拡大した容量および/または添加物がチャンバを再び出ていく場合に起こる流れの偏向のために生じる。
0022
チャンバおよび可撓性の壁部分は好ましくは、ポンプ入口とポンプ出口との共通の軸に空間的に配置される。ポンプ入口とポンプ出口を通して延びる軸は好ましくは、チャンバおよび可撓性の壁部分と交わる。チャンバは、好ましくは、ポンプ出口またはポンプと反対に配置された側で可撓性の壁部分により画定される。
0023
可撓性の壁部分が停止部を担持する場合、停止部がバネ要素を収容するレセプタクルを有するならば、送達装置は特に有益である。
0024
このようなレセプタクルにより、送達ダクト内の圧力が作動圧力範囲で存在する場合、バネ要素は堅固に作動することが可能となる。次いでバネ要素はレセプタクル内に完全に収容され、ここで好ましくは、圧縮される。停止部がキャップにより形成される場合、レセプタクルはキャップの凹部として形成されてもよい。ぜんまいバネとして設計されるバネ要素に関して、レセプタクルは、例えばキャップ内の環状溝として形成されてもよく、その溝の直径はバネの直径に対応し、その溝の深さは圧縮状態においてバネ要素を完全に収容するのに十分である。
0025
また、可撓性の壁部分が停止部を担持する場合、バネ要素が可撓性の壁部分の表面積に対して0.2〜1.0barの圧力に対応するバネ力を可撓性の壁部分に付与するならば、送達装置は有益である。このような圧力に対応する力によって、特定の逆圧が外側から送達装置に作用する場合でさえ、液体添加物は送達装置の送達ダクトの総容量から外に出され得る。液体添加物は好ましくは、戻りラインを介してタンク内に戻されるべきである。送達装置は好ましくはタンクの基部に配置される。送達装置がタンクの基部に配置され、送達ダクトをタンクの内部空間に接続している戻りラインにおける戻しバルブが開いている場合、送達ダクトまたは総容量に作用する圧力は実質的にタンク内の充填レベルにより規定される。次いで0.2〜1.0barの圧力が閾値圧力に対応し、その閾値を超えると、送達ダクト内の総容量の大きさが減少する。この閾値圧力は好ましくは、作動圧力範囲から適切な間隔が得られ、したがって、圧力が作動圧力範囲で存在し、総容量の大きさの減少が、送達装置の作動可能な停止が実際に行われ、戻りラインにおける戻しバルブが開口している場合にのみ起こる場合、送達装置が実質的に堅固に作動することを確実にするように選択される。閾値圧力について上記で特定した値を確実にするのに必要とされるバネ要素のバネ力は、所望の閾値圧力および可撓性の壁部分の表面積に基づいて決定され、固定され得、その可撓性の壁部分にバネ要素は作用し、その可撓性の壁部分は送達ダクト内の圧力に曝露される。
0027
可撓性の壁部分に対してバネ要素により付与される力は、適切な場合、送達ダクト内の圧力の決定も考慮に入れられる。送達ダクト内の圧力の一部は、力センサが圧力の一部のみを測定できるようにバネ要素により補償され得る。ダクト内の圧力を測定できるように、適切な場合、バネ要素により補償される力センサにより測定される圧力の圧力成分を考慮に入れることが必要である。
0028
また、液体添加物が少なくとも部分的に充填される、送達ダクトの総容量を有する送達装置における氷の形成を補償する方法であって、
a)送達装置のポンプの作動を停止させる工程、
b)送達ダクトと液体添加物のためのタンクとの間の接続を生じる戻りラインの戻しバルブを開口する工程、
c)液体添加物で充填された総容量の大きさを能動的に減少させる工程、
d)戻しバルブを介してタンク内に液体添加物を放出する工程、および
e)送達ダクト内の液体添加物が凍結すると、総容量を受動的に増加させる工程
を少なくとも含む、方法が本発明に関連して特許請求される。
0029
本発明に係る方法は、特に本発明に係る送達装置を用いて実装または実施され得る。記載される送達装置に関して説明される有益な設計特徴は、記載される方法に同様に適用されてもよい。同様のことが、以下に記載される本発明に係る方法の有益で特別な構成の特徴に当てはまり、本発明に係る送達装置に同様に適用されてもよい。
0031
工程a)におけるポンプの作動の停止は、通常、排気ガス処理装置(その内燃エンジンの排気ガス処理装置は、液体添加物を供給するために送達装置が接続される)に接続される内燃エンジンの停止に関連する。
0032
工程b)における戻りライン内の戻しバルブの開口は、通常、自動的に行われる。戻しバルブは好ましくは、電流が印加されている場合に閉鎖され、電流が印加されていない場合に開いているソレノイドバルブとして設計される。作動が停止すると、送達装置への電流供給は好ましくは中断される。次いで、戻りラインにおける戻しバルブが自動的に開き、戻りラインを介して送達ダクトの総容量とタンクとの間の接続を生じる。この結果として、総容量内の圧力は下がる。なぜなら、送達ダクトまたは総容量内の加圧された液体添加物は戻りラインを介して出ていくことができるからである。
0033
工程c)において、総容量は次いで、比較的少ない力で大きさが減少し得る。ここで、大きさの能動的な減少は、送達装置の部品が、総容量の大きさを減少させるプロセスを開始または実施するために提供されることを意味する。このことは、例えば、送達ダクト内に送達ダクトの可撓性の壁部分を変形するバネにより実現され得る。しかしながらまた、方法のさらなる実施形態において、機械的に作動可能な装置(適切な場合、電気駆動を用いる)に関して、総容量の大きさを能動的に減少させることも可能である。例えば、スライド要素が総容量の大きさを減少させるために総容量内に移動されてもよい。
0034
変形の結果として、液体添加物は、工程d)において、戻しバルブおよび戻りラインを介してタンク内に強制される。戻りラインを介してタンク内に戻る総容量からの液体添加物の一時的な流れが存在する。
0035
液体添加物が氷に凝固するのに十分に温度(送達装置が曝露される)が下がらない限り、送達ダクトの総容量は変化しない。温度がさらに下がり、送達装置の送達ダクト内の氷の形成が開始する場合、総容量は、工程e)において、凍結を補償するのに必要とされる程度まで再び大きさが増加する。ここで、大きさの受動的増加は、特に、大きさの増加が、外部環境(存在する場合、凍結が生じる場合の水系添加物の体積膨張)に依存すること以外で、送達装置の能動的に動いた部品によって実現されないことを意味する。凍結が生じる場合、生じる凍結または体積膨張の補償は好ましくは、可撓性の壁部分の変形(のみ)により再び行われる。工程c)において生じる変形は好ましくは、工程c)において提供される能動的変形と反対である。
0036
明確さのために、ここで再び、(上記の説明自体から明らかにならない場合)工程)a〜d)は、凍結が生じる場合、特定の順序で行われることが指摘されるべきである。
0037
内燃エンジン、内燃エンジンの排気ガスを浄化するための排気ガス処理装置、液体添加物のためのタンク、およびタンクから排気ガス処理装置まで液体添加物を送達するように設計される記載される送達装置を有する自動車もまた提供される。
0038
自動車の送達装置は特に有益にはまた、記載される方法を実施するのに適している。
0039
本発明および技術的分野を図面に基づいて以下により詳細に説明する。図面は特に好ましい例示的な実施形態を示すが、本発明はそれらに限定されない。特に図面および特に例示した比率は単なる概略であることに留意されたい。
図面の簡単な説明
0040
送達装置の断面図を示す。
送達装置のさらなる断面図を示す。
自動車を示す。
送達装置における圧力のグラフを示す。
送達装置のさらなる設計の変形例を示す。
実施例
0041
図1および2の各々は異なる態様の送達装置1を示す。したがって、図1および2の説明を一緒にまずここで示す。各場合に示した送達装置1は、吸引点17から排出ポート18まで延びる送達ダクト4を有する。送達ダクト4にポンプ5が設けられ、そのポンプ5は送達ダクト4を通して液体添加物を送達する。図1に示した送達方向6において、チャンバ16がポンプ5の下流およびポンプ出口15の下流に配置される。チャンバ16は送達ダクト4の構成部品である。送達ダクト4はプレート19内にチャンバ16と一緒に配置される。送達ダクト4およびチャンバ16は、例えば、プレート19内にドリルで埋め込まれてもよいか、または(プレート19が鋳造部品として形成される場合)プレート19内で鋳造されてもよい。チャンバ16はポンプ出口の反対側で可撓性の壁部分7により画定される。したがって、この可撓性の壁部分7もまた、送達ダクト4の壁部分を形成する。可撓性の壁部分7は表面23を有し、その表面23により、それは送達ダクト4およびチャンバ16と接触する。そのチャンバ16と一緒に送達ダクト4は総容量20を有する。可撓性の壁部分7は停止部9に対して外側29で支持される。停止部9は、例えば、可撓性の壁部分7を覆うキャップにより形成されてもよい。停止部9において、送達ダクト4またはチャンバまたは総容量20における圧力を決定するための力センサ14も設けられてもよい。可撓性の壁部分7と停止部9との間にバネ要素8が配置される。可撓性の壁部分7が停止部9を担持する場合、バネ要素8が収容され得る、レセプタクル30が好ましくは設けられる。可撓性の壁部分7の表面23は、送達ダクト4における圧力によりバネ要素8に付与される力を決定づける。送達ダクト4から、好ましくは、液体添加物のためのタンク内に戻る戻りライン26が分岐する。戻りライン26は戻しバルブ21により開閉され得る。
0042
図1は、作動圧力が総容量20内に広がる場合の送達装置1を示す。ここで、可撓性の壁部分7は停止部9を担持する。
0043
図2は、総容量20内の圧力が閾値圧力より低い場合の送達装置1を示す。ここで、バネ要素8は拡大し、可撓性の壁部分7は総容量20内またはチャンバ内に変形する。したがって総容量20は図2において大きさが減少している。
0044
図3は、内燃エンジン25および内燃エンジン25の排気ガスを浄化するための排気ガス処理装置3を有する自動車24を示す。排気ガス処理装置3に注入装置28が設けられ、その注入装置28により、液体添加物は排気ガス処理装置3内に供給され得る。この目的のために、タンク2からライン27および送達装置1を介して液体添加物は注入装置28に供給される。
0045
図4は送達装置内の圧力のグラフを示す。送達装置内の圧力は水平軸13にプロットされる。送達装置の総容量は垂直容量軸12にプロットされる。作動圧力範囲11において一定である作動容量を見ることができ、この作動容量は、送達装置の通常の作動の間、総容量を形成し、送達装置内に存在する。圧力が閾値圧力31以下に下がる場合、総容量は減少する。閾値圧力31は、それを超えるとバネ要素の拡大が生じる圧力を示す。閾値圧力31以下で、圧力と総容量との間の関係を示す曲線はさらに曲がる。この曲がりは、バネの拡大が完了する圧力を示す。さらに、バネは送達ダクト内に可撓性の壁部分を押すことができない。
0046
図5は、送達装置1のさらなる設計の変形例を示す。この送達装置1もまた、液体添加物を送達するための送達ダクト4が配置されるベースプレート19を有する。ここでまた、ポンプ5は送達ダクト4の一部を形成する。送達ダクト4から分岐し、戻りラインを介する送達ダクトからタンク内への接続を生じまたは接続を外すために戻しバルブ21により開閉できる戻りライン26を見ることもできる。図5による送達装置の設計の変形例において、送達ダクト4は、水平部分(水平は自動車における送達装置の好ましい設置構成に対して定義される)が、各場合、水平配置に対する傾斜角22を有するように設計される。このように、気泡がダクト内で捕捉されることを防ぐことができる。このような気泡は、特にまた、毛細管力のために、増加した圧力により送達装置からまたは送達ダクトのみから移動され得る。傾斜角22は、好ましくは、送達ダクト4の任意の点から戻りライン26または戻しバルブ21までの気泡のための流路が単調に増加するように選択される。傾斜角22は、好ましくはさらに、送達装置がわずかに傾斜した位置にある場合でさえ、戻しバルブ21までの気泡の流路が単調に増加するように選択される。このような傾斜位置は、例えば、記載した送達装置を備える自動車が傾斜位置に駐車されるという理由で作動の間に起こり得る。傾斜角22は好ましくは少なくとも2°、特に好ましくは少なくとも5°である。したがって、補償される傾斜位置は最大2°またはさらに最大5°まで可能である。
0047
傾斜角を有する送達装置において送達ダクトを提供する概念はまた、可撓性の壁部分を有する上記の送達装置の概念と独立して実装されてもよい。特にここで、少なくとも1つの送達ダクトおよびタンク内の吸引点から出口ポートまで還元剤を送達するためのポンプを有する送達装置も特定され、送達装置における全てのダクトは、送達ダクトの任意の点から戻しバルブまで気泡の流路が存在し、それは(気泡の測地位置に関して)単調に増加するように、少なくとも2°の角度である。このような送達装置は、所望の場合、説明からのさらなる特徴により補完されてもよい。したがって、具体的に導入部分で述べた用途の分野に関して、ダクト内の気泡の形成を減少することができるか、または送達装置におけるこの気泡の移動は目的とするように作用することができる。したがって、圧力変動だけでなく、例えば、凍結した還元剤の加熱送達および/または供給ならびに測定のモニタリングの誤動作も減少することができる。
0048
1送達装置
2タンク
3排気ガス処理装置
4送達ダクト
5ポンプ
6 送達方向
7 可撓性の壁部分
8バネ要素
9 停止部
10作動容量
11作動圧力範囲
12 容量軸
13 軸
14力センサ
15ポンプ出口
16チャンバ
17吸引点
18出口ポート
19プレート
20 総容量
21 戻しバルブ
22傾斜角
23 表面
24自動車
25内燃エンジン
26戻りライン
27ライン
28注入装置
29 外側
30レセプタクル
31 閾値圧力