図面 (/)

技術 機能性樹脂成型品及び照明カバー

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 内山修平佐古利治伊豆崇則
出願日 2014年6月20日 (6年0ヶ月経過) 出願番号 2014-126952
公開日 2015年12月24日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2015-232678
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 照明装置の配光に係わる部品細部及び防護 積層体(2)
主要キーワード 非酸化金属 押出し製法 付属カバー オーバーレンジ 鱗片状アルミニウム 状導電性粒子 グローブ形状 イオン性材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

解決手段

機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。表面機能層は、下記の(A)乃至(D)成分を含有する。(A):アクリル樹脂(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部の針状導電性粒子

概要

背景

照明器具用光透過拡散部材、例えば照明カバーは、照明器具において器具の前面側等を覆い、光源からの光を照明カバーの全面に拡散させる。これにより、光透過を平均化して、照明カバーの透光面明暗むらができるのを防ぐ。それと同時に、照明カバーは、光源のイメージ隠蔽して、器具の品格を高めるのに使用される。

従来、照明カバーに十分な拡散性を付与するのに必要な量の顔料を添加した場合、光透過性が大きく低下し、明るさを犠牲にするのが避けられなかった。つまり、光の透過性と拡散性とは相反し、トレードオフの関係を有していた。

また近年、省エネルギーの観点からLED(Light Emitting Diode)照明器具が注目されている。ただ、LED光源指向性が強いため、さらなる拡散性が必要とされる。一方で、LED照明は、省エネルギー化を目的としている。そのため、LED照明の器具効率を照明カバーで大幅に低下させるわけにはいかず、従来の蛍光灯用カバー材よりもさらに高い光透過性及び光拡散性が必要とされる。

ここで、照明器具に使われるカバーは、樹脂を予めシート状に形成した樹脂シート延伸成型することで得られる。このような延伸して得られる樹脂成型品においては、埃や異物の付着を低減させるために、帯電防止性を付与することが知られている。帯電防止性を付与する方法としては、例えば、特殊な界面活性剤樹脂材料の中に添加する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、帯電防止性を付与する方法としては、4級アンモニウム塩などのイオン性材料を樹脂材料の中に添加する方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。

さらに、樹脂成型品への耐汚染性に関して、埃等の静電的な汚れだけでなく、親水系の汚れや油類等の疎水系の汚れも低減するために、帯電防止性に加えて、撥水性を樹脂材料に付与する技術が検討されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、帯電防止機能湿度環境に依存する場合が多く、安定した機能を得ることが難しい。そのため、撥水性樹脂に、界面活性剤や4級アンモニウム塩などのイオン性材料を添加した場合、撥水性が低下してしまう恐れがあった。

そこで、撥水性等の低表面エネルギー性の低下を招かずに帯電防止性を付与する方法として、導電性微粒子を樹脂に複合化する方法が考えられている。しかし、樹脂組成物を延伸して成型する成型品に対して導電性物質を適用しようとしても、延伸時に導電性のパスが切断されてしまうため、帯電防止性を維持することができない。さらに導電性粒子の多くは着色しているため、添加することによる成型品の着色も抑制する必要がある。

一方、光拡散性と帯電防止性の2つの機能を有する光学部材の多くは、(1)光拡散基材上に帯電防止層を付与する方法がとられている(例えば、特許文献5参照)。または、(2)透光性基材上に光拡散層及び帯電防止層、すなわち二層を付与する方法がとられている(例えば、特許文献6参照)。

概要

光拡散性、帯電防止性及び撥水性に優れる機能性樹脂成型品及び照明カバーを提供する。機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。表面機能層は、下記の(A)乃至(D)成分を含有する。(A):アクリル樹脂(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部の針状導電性粒子

目的

本発明の目的は、光拡散性、帯電防止性及び撥水性に優れる機能性樹脂成型品及び照明カバーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

透明樹脂基材と、前記透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層と、を備え、前記表面機能層は、下記の(A)乃至(D)成分を含有する機能性樹脂成型品。(A):アクリル樹脂(B):前記(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂(C):前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子(D):前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部の針状導電性粒子

請求項2

透明樹脂基材と、前記透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層と、を備え、前記表面機能層は、下記の(A)乃至(E)成分を含有する機能性樹脂成型品。(A):アクリル樹脂(B):前記(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂(C):前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子(D):前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、5〜20質量部の針状導電性粒子(E):前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部であり、かつ、光拡散性及び導電性を有する金属酸化物粒子

請求項3

前記(C)成分は、前記(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して30〜60質量部である請求項2に記載の機能性樹脂成型品。

請求項4

前記(B)成分における撥水基は、ジメチルシロキサン基及びフルオロアルキル基の少なくともいずれか一方である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項5

前記(C)成分の光拡散粒子は、前記(A)成分との屈折率差が0.05〜0.2である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項6

前記(C)成分は、球状のベンゾグアナミン系樹脂粒子である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項7

前記(D)成分は、針状の導電性金属酸化物である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項8

前記(D)成分は、アンチモンドープ酸化スズである請求項7に記載の機能性樹脂成型品。

請求項9

前記(E)成分は、ガリウムドープ酸化亜鉛及びアルミニウムドープ酸化亜鉛の少なくともいずれか一方である請求項2に記載の機能性樹脂成型品。

請求項10

前記(E)成分の形状は鱗片状である請求項2,3及び9のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項11

前記表面機能層側において、表面抵抗率が107〜1013Ω/sqであり、水の接触角が90°〜120°である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品。

請求項12

請求項1乃至11のいずれか一項に記載の機能性樹脂成型品を備える照明カバー

技術分野

0001

本発明は、機能性樹脂成型品及び照明カバーに関する。詳細には本発明は、光拡散性帯電防止性及び撥水性を有する機能性樹脂成型品、並びに当該機能性樹脂成型品を用いて形成された照明カバーに関する。

背景技術

0002

照明器具用光透過拡散部材、例えば照明カバーは、照明器具において器具の前面側等を覆い、光源からの光を照明カバーの全面に拡散させる。これにより、光透過を平均化して、照明カバーの透光面明暗むらができるのを防ぐ。それと同時に、照明カバーは、光源のイメージ隠蔽して、器具の品格を高めるのに使用される。

0003

従来、照明カバーに十分な拡散性を付与するのに必要な量の顔料を添加した場合、光透過性が大きく低下し、明るさを犠牲にするのが避けられなかった。つまり、光の透過性と拡散性とは相反し、トレードオフの関係を有していた。

0004

また近年、省エネルギーの観点からLED(Light Emitting Diode)照明器具が注目されている。ただ、LED光源指向性が強いため、さらなる拡散性が必要とされる。一方で、LED照明は、省エネルギー化を目的としている。そのため、LED照明の器具効率を照明カバーで大幅に低下させるわけにはいかず、従来の蛍光灯用カバー材よりもさらに高い光透過性及び光拡散性が必要とされる。

0005

ここで、照明器具に使われるカバーは、樹脂を予めシート状に形成した樹脂シート延伸成型することで得られる。このような延伸して得られる樹脂成型品においては、埃や異物の付着を低減させるために、帯電防止性を付与することが知られている。帯電防止性を付与する方法としては、例えば、特殊な界面活性剤樹脂材料の中に添加する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、帯電防止性を付与する方法としては、4級アンモニウム塩などのイオン性材料を樹脂材料の中に添加する方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。

0006

さらに、樹脂成型品への耐汚染性に関して、埃等の静電的な汚れだけでなく、親水系の汚れや油類等の疎水系の汚れも低減するために、帯電防止性に加えて、撥水性を樹脂材料に付与する技術が検討されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、帯電防止機能湿度環境に依存する場合が多く、安定した機能を得ることが難しい。そのため、撥水性樹脂に、界面活性剤や4級アンモニウム塩などのイオン性材料を添加した場合、撥水性が低下してしまう恐れがあった。

0007

そこで、撥水性等の低表面エネルギー性の低下を招かずに帯電防止性を付与する方法として、導電性微粒子を樹脂に複合化する方法が考えられている。しかし、樹脂組成物を延伸して成型する成型品に対して導電性物質を適用しようとしても、延伸時に導電性のパスが切断されてしまうため、帯電防止性を維持することができない。さらに導電性粒子の多くは着色しているため、添加することによる成型品の着色も抑制する必要がある。

0008

一方、光拡散性と帯電防止性の2つの機能を有する光学部材の多くは、(1)光拡散基材上に帯電防止層を付与する方法がとられている(例えば、特許文献5参照)。または、(2)透光性基材上に光拡散層及び帯電防止層、すなわち二層を付与する方法がとられている(例えば、特許文献6参照)。

先行技術

0009

特開2008−231240号公報
特開2008−201036号公報
特開2009−51983号公報
特開2009−155499号公報
特開平11−39910号公報
特開2007−225972号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、(1)の方法では、帯電防止性を付与することはできるが、光拡散基材の光透過性及び光拡散性の両立が難しいため、光源を隠蔽させながら、高い器具効率を実現することが困難である。また、(2)の方法では、基材に二層の機能層を付与するため、プロセス面及びコスト面で工業的に現実的ではない。

0011

本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、光拡散性、帯電防止性及び撥水性に優れる機能性樹脂成型品及び照明カバーを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。表面機能層は、下記の(A)乃至(D)成分を含有する。
(A):アクリル樹脂
(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂
(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子
(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部の針状導電性粒子

0013

本発明の第二の態様に係る機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。表面機能層は、下記の(A)乃至(E)成分を含有する。
(A):アクリル樹脂
(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂
(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子
(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、5〜20質量部の針状導電性粒子
(E):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部であり、かつ、光拡散性及び導電性を有する金属酸化物粒子

発明の効果

0014

本発明の機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材に特定組成の表面機能層を設けている。そのため、表面機能層が単層でも優れた光拡散性、帯電防止性及び撥水性を得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施形態に係る照明器具の一例を示す概略図である。

0016

以下、本発明の実施形態に係る機能性樹脂成型品及び照明カバーについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

0017

[機能性樹脂成型品]
本実施形態に係る機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、当該透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備えている。具体的には機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材の一方の面に表面機能層を設けており、所定の形状に合わせて延伸成型されるものである。

0018

後述するように、表面機能層は熱可塑性樹脂で構成されていることから、透明樹脂基材が熱可塑性であれば、表面機能層も追随して延伸成型することが可能である。そして、この機能性樹脂成型品は、表面機能層とは反対側を光源に向けて用いられるものである。

0019

透明樹脂基材としては、透明性を有し、延伸成型が可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではない。透明樹脂基材としては、例えば、アクリル樹脂(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル重合体)、ポリカーボネート樹脂及びスチレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種で形成されたものを用いることができる。なかでもアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂は光線透過率が高い。そのため、透明樹脂基材は、アクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂の少なくともいずれか一方で形成されていることが好ましい。

0020

透明樹脂基材の厚さは特に限定されないが、例えば0.1mm〜3mmであることが好ましい。成型性や強度を考慮すると、透明樹脂基材の厚さは1mm〜2mmであることがより好ましい。なお、透明樹脂基材は、ガラスキャスト製法、連続キャスト製法、押出し製法等のシート成型方法により得たものを使用することができる。

0021

本実施形態の機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材の表面に表面機能層を設けることで、帯電防止性及び撥水性を付与している。このような表面機能層は、(A)成分としてのアクリル樹脂と、(B)成分としての、撥水基を有するアクリル樹脂と、(C)成分としての光拡散粒子と、(D)成分としての針状導電性粒子とを含有している。なお、本明細書において、「(A)成分としてのアクリル樹脂」を「アクリル樹脂(A)」ともいい、「(B)成分としての、撥水基を有するアクリル樹脂」を「撥水基を有するアクリル樹脂(B)」ともいう。また、「(C)成分としての光拡散粒子」を「光拡散粒子(C)」ともいい、「(D)成分としての針状導電性粒子」を「針状導電性粒子(D)」ともいう。さらに、後述する「(E)成分としての金属酸化物粒子」を「金属酸化物粒子(E)」ともいう。

0022

(A)成分は表面機能層の主成分であり、アクリル樹脂であれば特に限定されない。また、(A)成分のアクリル樹脂は、後述する(B)成分と異なり、分子内に撥水基を有さないことが好ましい。

0023

アクリル樹脂は、(メタアクリレート系モノマー重合して得られる樹脂である。また、アクリル樹脂は、(メタ)アクリレート系モノマーと、炭素炭素二重結合を有するモノマーとの共重合物であってもよい。炭素−炭素二重結合を有するモノマーとしては、スチレン系モノマーオレフィン系モノマー、及びビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。

0024

(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。また、スチレン系モノマーとしては、例えばスチレンなどが挙げられる。オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、及びプロピレンなどが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、及び塩化ビニリデンなどが挙げられる。上記のモノマー成分は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。

0025

本実施形態における表面機能層は、撥水基を有するアクリル樹脂(B)を含んでいる。撥水基とは表面自由エネルギーが特に低い官能基のことであり、表1に示すようなフルオロアルキル基フルオロアルキレン基、及びアルキル基を例示することができる。

0026

0027

なお、上記の構造式はそれぞれ炭素数が1のものを例示しており、CF3−はパーフルオロメチル基であり、−CF2−はパーフルオロメチレン基であり、CH3−はメチル基である。

0028

このような化学構造を保有している分子鎖が表面機能層に存在することによって、高い撥水性や低付着性易除去性発現することが可能となる。撥水基は、アクリル樹脂の側鎖として有していることが好ましく、それにより撥水性をより向上させることができる。

0029

また、撥水基として、化学式1に示すジメチルシロキサン基を有することも好ましい。ジメチルシロキサン基を有する場合も表面自由エネルギーを低下させることができる。化学式1において、nは1以上の整数であることが好ましい。nの上限は特に制限ないが、実用上、好ましくは160である。nが160以下であると、硬度等の膜物性が良好となる。

0030

0031

上述のように、(B)成分における撥水基は、ジメチルシロキサン基及びフルオロアルキル基の少なくともいずれか一方であることが好ましい。また、撥水基としては、樹脂の分子骨格にジメチルシロキサン基及びフルオロアルキル基の少なくともいずれか一方を有していることが好ましい。さらに、撥水性を高める点から、フルオロアルキル基は、パーフルオロアルキル基(全ての水素原子フッ素原子置換されたアルキル基)であることが好ましい。

0032

撥水基を有するアクリル樹脂(B)は、(A)成分のアクリル樹脂の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であることが好ましい。アクリル樹脂(B)の固形分が5質量部未満の場合、撥水性が不十分となる。つまり、照明器具の形状に合わせた延伸成型を行った際、延伸後の表面機能層の撥水性が不十分となる。アクリル樹脂(B)の固形分が100質量部を超える場合、塗装性が悪くなり、レベリング性平滑性)の十分な表面機能層とはならない恐れがある。また、アクリル樹脂(B)の固形分をこの範囲とすることにより均一なコーティング膜となり、さらに水接触角を90°〜120°にすることが可能となる。

0033

なお、表面機能層の表面自由エネルギーが低下することにより、撥水性だけでなく撥油性も向上する。また、撥水性を長期間維持することを考慮した場合、撥水基を有するアクリル樹脂(B)は、(A)成分のアクリル樹脂の固形分100質量部に対して、25〜100質量部であることがより好ましい。

0034

本実施形態における表面機能層は、光拡散粒子である(C)成分を含んでいる。この光拡散粒子により、機能性樹脂成型品の光透過を平均化し、透光面に明暗のむらが生じることを抑制できる。

0035

光拡散粒子(C)は、平均粒子径が0.8μm〜10μmであることが好ましい。光拡散粒子(C)の平均粒子径がこの範囲内であることにより、表面機能層の光透過性及び光拡散性を向上させることが可能となる。また、表面機能層を塗布するプロセス等を考慮すると、表面機能層の膜厚は5μm〜15μm程度であることが好ましい。そのため、光拡散粒子(C)の平均粒子径は、1μm〜3μmであることがより好ましい。

0036

光拡散粒子(C)の形状は特に限定されないが、球状であることが好ましい。つまり、光拡散粒子(C)のアスペクト比は、1.0〜1.1の範囲内であることが好ましい。光拡散粒子(C)が球状であることにより、表面機能層内部での光拡散粒子(C)の光拡散性をより向上させることが可能となる。なお、本明細書において、アスペクト比とは、粒子顕微鏡像において、(最大長径/最大長径に直交する幅)で定義される粒子の形状を表す指数をいう。なお、光拡散粒子(C)の平均粒子径及びアスペクト比は、表面機能層を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。

0037

また、光透過性と光拡散性のバランスを考慮すると、(C)成分の光拡散粒子は、(A)成分との屈折率差が0.05〜0.2であることが好ましい。屈折率差が0.05以上の場合、光拡散性を高めることが可能となる。また、屈折率差が0.2以下の場合には、光拡散性を高めつつも光透過性を維持することが可能となる。

0038

光拡散粒子は、表面機能層に光拡散性を付与できる粒子ならば特に限定されない。光拡散粒子としては、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、スチレン系微粒子シリコーン微粒子メラミン樹脂粒子ポリテトラフルオロエチレンPTFE)粒子、及び無機微粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。なお、無機微粒子としては、例えば、硫酸バリウム炭酸カルシウム結晶形シリカ不定形シリカガラスフレークガラス繊維、及びガラスビーズからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。

0039

本実施形態に係る機能性樹脂成型品を照明カバーとして用いるためには、可視光線の透過性を損なわずに光拡散性を付与できるものが好ましい。そのような観点から、光拡散粒子(C)としては、ベンゾグアナミン系樹脂粒子が特に好ましい。ベンゾグアナミン系樹脂粒子としては、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン)、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物、ベンゾグアナミンとメラミンとホルムアルデヒドとの縮合物などを挙げることができる。

0040

光拡散粒子(C)の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して25〜80質量部である。光拡散粒子(C)の含有量が25質量部未満の場合、光拡散性が十分に発現せず、透光面に明暗のむらが発生する恐れがある。一方、光拡散粒子(C)の含有量が80質量部を超える場合、光透過性が低下し、器具効率が悪化する恐れがある。なお、光拡散性と光透過性を共に向上させる観点から、光拡散粒子(C)の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して30〜60質量部であることがより好ましい。

0041

本実施形態における表面機能層は、針状導電性粒子(D)を含んでいる。針状導電性粒子(D)は、樹脂層として形成される表面機能層に導電性を付与するための物質である。そして、針状導電性粒子(D)により導電性が付与されることで放電されやすくなるため、表面機能層が静電気を帯びることを抑制することが可能となる。そのため、針状導電性粒子(D)を配合することにより帯電防止性が向上し、表面機能層の表面の汚染を有効に防止できる。

0042

ここで、導電性粒子として球状粒子を用いた場合、表面機能層を延伸しながら成型した際に導電性のパスが切断され、帯電する恐れがある。しかし、導電性粒子を針状とすることにより、表面機能層を延伸した場合でも導電性のパスが切断されることを抑制し、帯電防止性を向上させることが可能となる。つまり、針状の導電性粒子を用いれば、球状のものよりも少ない添加量表面抵抗下がり、かつ、延伸時にも球状に比べて導電パスが確保されやすい。すなわち、針状であれば、もともと長軸方向で粒子が交差して接触する可能性が高くなるのに加え、延伸された際にも、球状のものに比べて長軸方向で接触する可能性が高くなる。

0043

上述のように、導電性粒子の形状は針状であることが好ましい。そのため、(D)成分としての導電性粒子のアスペクト比の平均値は10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、20以上であることが特に好ましい。このようなアスペクト比を備えることにより、表面機能層の放電を促進することが可能となる。導電性粒子のアスペクト比の平均値における上限は特に限定されないが、例えば100とすることができる。

0044

針状導電性粒子(D)の長軸及び短軸の長さは、特に限定されない。針状導電性粒子(D)は、長軸を1μm〜5μmとすることができ、短軸を10nm〜50nmとすることができる。このような長軸及び短軸の長さであることにより、互いに接触し、表面機能層内部で導電パスを形成しやすくなる。なお、針状導電性粒子(D)の長軸及び短軸の長さ、並びにアスペクト比も、表面機能層を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。

0045

針状導電性粒子(D)としては、金属酸化物の粒子を使用することが好ましい。つまり、針状導電性粒子(D)は、針状の導電性金属酸化物であることが好ましい。また、導電性を向上させる観点から、針状導電性粒子(D)としては、例えば、非酸化金属酸化されていない金属)がドープされた金属酸化物を使用することが好ましい。非酸化金属がドープされた金属酸化物としては、例えば、アンチモンドープ酸化スズアンチモンドープ二酸化スズ)、アルミニウムドープ酸化亜鉛ガリウムドープ酸化亜鉛酸化インジウムスズ、及びアンチモンドープ酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。これらの中でも、アスペクト比の高いものが一般的に存在する導電性金属酸化物が好ましく、アンチモンドープ酸化スズ、アンチモンドープ酸化チタンがそれに該当する。特に好ましくはアンチモンドープ酸化スズである。

0046

針状導電性粒子(D)の含有量は、後述する(E)成分を含有しない場合、(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して20〜50質量部である。針状導電性粒子(D)の含有量が20質量部未満の場合、帯電防止性が十分に発現せず、汚染物質が樹脂成型品の表面に付着してしまう。一方、針状導電性粒子(D)の含有量が50質量部を超える場合、表面機能層が着色し、照明カバーとしての品位が保てなくなるだけでなく、その着色による光透過性の低下を招くことになる。

0047

上記の範囲で針状導電性粒子(D)を配合すると、本実施形態に係る機能性樹脂成型品における表面機能層側の表面抵抗率を107〜1013Ω/sqにすることが可能となる。すなわち、表面抵抗率は、針状導電性粒子(D)の種類や量に依存することになるが、配合量を上記の範囲に設定することで表面抵抗率を好適な範囲にすることができる。なお、表面抵抗率は、日本工業規格JIS K6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に基づき測定することができる。

0048

ここで、針状導電性粒子(D)としての針状のアンチモンドープ酸化スズを上記の範囲に設定しても、33〜50質量部の範囲では、暗青色を呈する針状アンチモンドープ酸化スズに起因して、機能性樹脂成型品が若干着色する場合がある。つまり、照明カバーとしての外観品位は20〜50質量部の範囲で保つことは可能であるが、無添加の場合と比較すると色の違いは識別可能である。

0049

つまり、帯電防止機能を向上させればさせるほど樹脂成型品の色は白色から遠ざかり、白色に近づけようとすると(D)成分の添加量を下げる必要があり、樹脂成型品の帯電防止機能は低下する。本発明者は、このようなトレードオフを回避し、さらに優れた光透過性及び光拡散性を両立するために様々な検討を行った。その結果、光拡散性と導電性を兼ね備え、着色の少ない金属酸化物粒子((E)成分)を配合し、暗青色を呈するアンチモンドープ酸化スズの添加量を減少させることで、帯電防止機能を向上させつつも樹脂成型品の着色を抑制することが可能となった。また、優れた光透過性及び光拡散性も両立することが可能となった。

0050

金属酸化物粒子(E)は、平均粒子径が0.5μm〜8μmであることが好ましい。金属酸化物粒子(E)の平均粒子径がこの範囲内であることにより、表面機能層の光拡散性を向上させることが可能となる。また、金属酸化物粒子(E)の形状も特に限定されないが、例えば、球状、鱗片状、又は繊維状が好ましい。ただ、光拡散性と導電性を両立するためには、金属酸化物粒子(E)の形状は鱗片状が特に好ましい。金属酸化物粒子(E)が鱗片状であることにより、表面機能層内部での金属酸化物粒子(E)の光拡散性をより高めながら、導電性能も向上させることが可能となる。

0051

鱗片状の金属酸化物粒子(E)において、金属酸化物粒子(E)の厚さとその主面の最大径との比率であるアスペクト比(主面の最大径/厚さ)は、10〜100であることが好ましい。アスペクト比が10以上の場合には、導電パスを確保しやすくなる。また、アスペクト比が100以下の場合には、導電パスを確保しつつも光透過性の低下を抑制することができる。なお、金属酸化物粒子(E)の平均粒子径及びアスペクト比も、表面機能層を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。

0052

光拡散性と導電性を兼ね備えた金属酸化物粒子としての(E)成分は、ガリウムドープ酸化亜鉛及びアルミニウムドープ酸化亜鉛の少なくともいずれか一方が好ましい。このような金属酸化物は、導電性を有しつつも(D)成分に比べて白色であるため、表面機能層の着色をより抑制することが可能となる。

0053

金属酸化物粒子(E)の添加量は、(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して20〜50質量部であることが好ましい。この場合、針状導電性粒子(D)の添加量は、(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して5〜20質量部まで減少させることができる。そのため、帯電防止性を発現させながら、機能性樹脂成型品の着色を大きく抑制することが可能となる。金属酸化物粒子(E)の添加量が20質量部未満の場合は、針状導電性粒子(D)の添加量を下げることが難しくなる。また、金属酸化物粒子(E)の添加量が50質量部を超える場合は、優れた光透過性及び光拡散性を与えている光拡散粒子(C)の存在比率を低くする必要があり、光透過性及び光拡散性に悪影響を与える恐れがある。

0054

針状導電性粒子(D)と金属酸化物粒子(E)が共存した場合、機能性樹脂成型品を延伸しながら成型したときでも、針状導電性粒子(D)同士の接触及び金属酸化物粒子(E)同士の接触による導電パスが確保される。さらに、針状導電性粒子(D)と金属酸化物粒子(E)の接触によっても導電パスが確保される。そのため、表面機能層の白色を保ったまま、優れた帯電防止機能を付与することが可能となる。

0055

なお、針状導電性粒子(D)を使用せず、金属酸化物粒子(E)のみで帯電防止性を発現しようとしても、金属酸化物粒子(E)が針状ではないため、延伸前後で導電パスが確保できず、帯電防止性は低下してしまう。したがって、針状導電性粒子(D)と金属酸化物粒子(E)が複合化されていることで、着色を抑制し、さらに光透過率の低下をも抑制しながら、帯電防止性を発現することができる。

0056

表面機能層は、少なくともアクリル樹脂(A)、撥水基を有するアクリル樹脂(B)、光拡散粒子(C)及び針状導電性粒子(D)を含む樹脂組成物を透明樹脂基材に塗布することにより形成される。また、表面機能層は、少なくともアクリル樹脂(A)、撥水基を有するアクリル樹脂(B)、光拡散粒子(C)、針状導電性粒子(D)及び金属酸化物粒子(E)を含む樹脂組成物を透明樹脂基材に塗布することにより形成される。

0057

ここで、樹脂組成物には,必要に応じて界面活性剤のような分散剤が配合されていてもよい。分散剤を配合すれば、光拡散粒子(C)、針状導電性粒子(D)及び金属酸化物粒子(E)の凝集を抑制し、均一な状態とすることが可能となる。さらに、樹脂組成物には溶媒表面調整剤などが配合されていてもよい。溶媒を配合すれば樹脂組成物を塗装しやすい粘度に調整可能であり、表面調整剤を配合すればレベリング性を向上させることが可能である。

0058

粘度調整用の溶媒としては、例えば水や有機溶剤を使用することが好ましい。有機溶剤は特に限定されないが、塗膜作成時に容易に揮発し、かつ、塗膜形成時硬化阻害などを生じないものを適宜選択することが好ましい。有機溶剤としては、例えば芳香族炭化水素類トルエン及びキシレン等)、アルコール類メタノールエタノール及びイソプロピルアルコール等)、ケトン類アセトンメチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)を挙げることができる。さらに、脂肪族炭化水素類ヘキサン及びヘプタン等)、エーテル類テトラヒドロフラン等)、アミド系溶剤(N,N−ジメチルホルムアミドDMF)及びジメチルアセトアミドDMAc)等)が挙げられる。これらのうち好ましいのは、芳香族炭化水素類及びアルコール類である。これらの有機溶剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。

0059

表面機能層の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、スプレーコーティング法ディップコーティング法、フローコーティング法スピンコーティング法ロールコーティング法、刷毛塗りスポンジ塗り等の方法を好適に利用することができる。

0060

こうして表面機能層が積層された基材が機能性樹脂成型品の前駆体である樹脂シートとなる。つまり、樹脂シートは、成型品の前駆体シートとなるものである。

0061

機能性樹脂成型品は、この樹脂シートを延伸し成型することにより得られる。すなわち、樹脂シートは、少なくともその一部が延伸して成型される。成型方法としては、適宜の方法を用いることができる。例えば、真空成型圧空成型真空圧空成型プレス成型等の熱成型方法により、樹脂シートを所定の形状に成型することができる。

0062

成型の際の延伸倍率としては、樹脂シートの平面での直角な二軸方向にそれぞれ1.2〜2倍であることが好ましい。この範囲の延伸倍率であると成型性が維持でき、さらに表面機能層にクラック等が生じ難くなる。

0063

なお、延伸成型前の樹脂シート状態における表面機能層の膜厚(塗布膜厚)は特に限定されないが、5μm〜50μmの範囲であることが好ましい。表面機能層の膜厚が5μm以上であると延伸後の膜厚が十分であり撥水性を維持することができる。一方、表面機能層の膜厚が50μm以下であると、成型時に基材に追随して塗膜も延伸できる。

0064

本実施形態の機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。そして、当該表面機能層は、下記の(A)乃至(D)成分を含有する。
(A):アクリル樹脂
(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂
(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子
(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部の針状導電性粒子

0065

本実施形態の機能性樹脂成型品では、上記組成の表面機能層を備えているため、たとえ表面機能層が単層でも優れた光透過性、光拡散性、帯電防止性及び撥水性を得ることが可能となる。また、表面機能層が形成される樹脂基材は透明であるため、光透過性を阻害することが抑制される。

0066

また、本実施形態の他の機能性樹脂成型品は、透明樹脂基材と、透明樹脂基材の表面に設けられた表面機能層とを備える。そして、当該表面機能層は、下記の(A)乃至(E)成分を含有する。
(A):アクリル樹脂
(B):(A)成分の固形分100質量部に対して、固形分が5〜100質量部であり、かつ、撥水基を有するアクリル樹脂
(C):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、25〜80質量部であり、かつ、平均粒子径が0.8〜10μmである光拡散粒子
(D):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、5〜20質量部の針状導電性粒子
(E):(A)成分及び(B)成分の合計の固形分100質量部に対して、20〜50質量部であり、かつ、光拡散性及び導電性を有する金属酸化物粒子

0067

本実施形態の機能性樹脂成型品では、上記組成の表面機能層を備えているため、たとえ表面機能層が単層でも優れた光透過性、光拡散性、帯電防止性及び撥水性を得ることが可能となる。さらに、針状導電性粒子に代えて金属酸化物粒子を使用しているため、針状導電性粒子による表面機能層の着色をさらに抑制し、白色の機能性樹脂成型品を得ることが可能である。

0068

本実施形態の機能性樹脂成型品では、透明樹脂基材に一層の機能層を付与するだけで、優れた光透過及び光拡散性に加えて、帯電防止性、撥水性を発現する。また、このような帯電防止性及び撥水性は、表面機能層を有した樹脂基材を延伸成型しても発現する。そのため、このような機能性樹脂成型品は、その工業的価値が非常に高いものである。

0069

本実施形態の機能性樹脂成型品は、表面機能層側において、表面抵抗率が107〜1013Ω/sqであることが好ましい。表面抵抗率がこの範囲内であることにより、表面機能層の帯電が抑制されるため、埃等の静電的な汚れの付着を低減することが可能となる。

0070

本実施形態の機能性樹脂成型品は、表面機能層側において、水の接触角が90°〜120°であることが好ましい。水の接触角がこの範囲内であることにより高い撥水性を有しているため、親水系の汚れや油類等の疎水系の汚れも低減することが可能となる。

0071

[照明カバー]
機能性樹脂成型品の用途としては、特に限定されるものではないが、上述の樹脂シートを延伸して製造可能であり、撥水性と導電性を必要とする用途に適用可能である。例えば、半導体用トレーや照明カバーなどが挙げられる。特に、上記の機能性樹脂成型品は、表面機能層にアクリル樹脂を用いており、耐光性に優れているので照明カバーとして好適である。

0072

照明カバーは、例えば、ランプを覆うように装着されるものであることが好ましい。このとき、発光部を全部覆って装着されても、発光部の一部を覆って装着されてもよい。ランプを覆う形状にするためには、樹脂シートの基材側(表面機能層とは反対側)の表面から押圧して延伸することにより、成型することが好ましい。このように成型すると、成型品の外表面に表面機能層が配置されることになる。

0073

また、照明カバーは、乳白色で光の拡散を伴うことにより、ランプからの光を和らげ、ランプイメージを和らげるタイプのカバーであることが好ましい。したがって、照明カバーは、全光線透過率が30%以上であることが好ましく、全光線透過率が40%以上であることがより好ましい。全光線透過率が30%以上であれば、暗くなりすぎず、適度にランプからの光を和らげることができる。また、照明カバーは、全光線透過率が70%以下であることがより好ましい。全光線透過率が70%以下であれば、ランプからの光を和らげることができつつ十分な明るさを得ることができる。

0074

このような照明カバーは、各種照明器具に用いることができる。例えばシーリングライトペンダント型ライト、流し元灯、浴室灯、シャンデリアスタンドブラケット行燈のカバー等に好適に用いることができる。また、ガレージライト、軒下灯、門柱灯、ポーチライト、ガーデンライトエントランスライト、足元灯階段灯、誘導灯防犯灯ダウンライトベースライト電飾看板サイン灯等用のカバー等に好適に用いることができる。さらに、自動車自動二輪車等を初めとする車両用灯具向けのカバー等に好適に用いることができる。特に、カバーが器具本体に挟持される構造を有するシーリングライト等に好適に用いることができる。上記の機能性樹脂成型品は適度な強度と柔軟性とを持つため、強度により耐衝撃性を高めつつ、柔軟性によって挟持される部分に嵌め込むことができる。

0075

図1に、照明カバー1が用いられた照明器具10の一例を示す。この照明器具10は、家屋天井4などに設置される円形状のシーリング型ライトである。照明器具10は、発光体となるランプ2と、ランプ2を保持し天井4に取り付けられる器具本体3と、機能性樹脂成型品によって形成された照明カバー1とを備えている。

0076

照明カバー1は断面が略C状に形成され、ランプ2を覆って器具本体3に下方から取り付けられている。照明カバー1においては、ランプ2とは反対側の外表面に表面機能層が配置されている。照明カバー1の上端部には、器具本体3に引っ掛けるための係合部11が設けられている。図示の形態では、係合部11は内側に向かって突出して形成されている。この係合部11は、照明カバー1の全周に亘って設けられていても、一部に設けられていてもよい。

0077

器具本体3には、照明カバー1の係合部11と係合する被係合部31が設けられている。図示の形態では、被係合部31は外側に向かって突出して形成されている。また、器具本体3には、被係合部31よりも器具本体3の外側よりの位置で、下方に向かって突出して形成された支持部32が設けられている。この支持部32は、照明カバー1が位置ずれしたり、がたついたりしないように、照明カバー1を外側から支持するものである。被係合部31及び支持部32は、器具本体3の全周に亘って設けられていても、一部に設けられていてもよい。

0078

このように、照明カバー1は、上述の機能性樹脂成型品を備えている。そして、照明カバー1は、外表面が表面機能層となっているので、撥水性のような低表面エネルギー性と帯電防止性が向上し、防汚染性が高いものである。また、表面機能層がアクリル樹脂により形成されていることにより、耐光性が向上し、好適な光透過性が得られるものである。

0079

以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。

0080

[実施例1]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)はDIC株式会社製A−190を使用し、その固形分は50質量%である。また、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は東亞合成株式会社製GS−101を使用し、その固形分は45質量%である。

0081

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0082

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子を60質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で35質量部となるように添加した。球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子は、株式会社日本触媒製「エポスター登録商標)MS」(ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物)を使用した。当該球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子は、屈折率が1.66であり、平均粒子径が2μmである。また、針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、石原産業株式会社製FSS−10Mを使用した。当該分散液は、固形分が30質量%である。また、針状アンチモンドープ酸化スズは、長軸が0.2μm〜2μmであり、短軸が0.01μm〜0.02μmである。

0083

そして、樹脂溶液に球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0084

この塗料を、乾燥膜厚が10μmになるように、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後、乾燥した。これにより、基板の表面に表面機能層が形成された樹脂シートを得た。なお、このアクリル樹脂板は、板厚が2mmの押出成型板であり、住友化学株式会社製スミペックス(登録商標)E000を使用した。また、当該アクリル樹脂板の全光線透過率は92.5%である。

0085

得られた樹脂シートを650mm×650mmのサイズに裁断し、真空成型機を用いて、図1に示すような、シーリングライトのグローブ形状に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0086

[実施例2]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)はDIC株式会社製S−701を使用し、その固形分は40質量%である。また、パーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)は株式会社フロロテクノロジー製FS−6130を使用し、その固形分は10質量%である。

0087

さらに、全体の不揮発分が15%となるように蒸留水で希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0088

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子を60質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズの水分散液を固形分で35質量部となるように添加した。なお、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子は、実施例1と同じものを使用した。また、針状アンチモンドープ酸化スズの水分散液は、石原産業株式会社製FS−10Dを使用した。当該分散液は、固形分が20質量%である。また、針状アンチモンドープ酸化スズは、長軸が0.2μm〜2μmであり、短軸が0.01μm〜0.02μmである。

0089

そして、樹脂溶液に球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0090

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0091

[実施例3]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)はDIC株式会社製WAL−578を使用し、その固形分は50質量%である。また、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は東亞合成株式会社製GS−101を使用し、その固形分は45質量%である。

0092

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0093

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子を45質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で15質量部となるように添加した。さらに、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(E)成分としてアルミニウムドープ酸化亜鉛を35質量部添加した。なお、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子及び針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。また、アルミニウムドープ酸化亜鉛は、ハクスイテック株式会社製PazetCKを使用し、その固形分は100質量%である。

0094

そして、樹脂溶液に球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とアルミニウムドープ酸化亜鉛とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0095

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0096

[実施例4]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は実施例1と同じものを使用した。

0097

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0098

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状スチレン樹脂粒子を45質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で15質量部となるように添加した。さらに、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(E)成分としてガリウムドープ酸化亜鉛を35質量部添加した。なお、球状スチレン樹脂粒子は、綜研化学株式会社製SX−350Hを使用し、その屈折率は1.59であり、その平均粒子径は3.5μmである。また、針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。さらにガリウムドープ酸化亜鉛は、ハクスイテック株式会社製Pazet GK−40を使用し、固形分は100質量%である。

0099

そして、樹脂溶液に球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とガリウムドープ酸化亜鉛とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0100

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0101

[実施例5]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、及び針状アンチモンドープ酸化スズ(D)を表2に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして、本例の成型品を得た。

0102

[実施例6]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で100質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は実施例1と同じものを使用した。

0103

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0104

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状シリコーン樹脂粒子を80質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で50質量部となるように添加した。なお、球状シリコーン樹脂粒子は、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製トスパール(登録商標)120を使用し、その屈折率は1.42であり、その平均粒子径は2μmである。また、針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。

0105

そして、樹脂溶液に球状シリコーン樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0106

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0107

[実施例7]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、針状アンチモンドープ酸化スズ(D)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛を表2に示す値に変更したこと以外は実施例3と同様にした。これにより、本例の成型品を得た。

0108

[実施例8]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で100質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は、実施例3と同じものを使用した。

0109

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0110

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状シリコーン樹脂粒子を60質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で20質量部となるように添加した。さらに、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(E)成分としてアルミニウムドープ酸化亜鉛を50質量部添加した。なお、球状シリコーン樹脂粒子は、実施例6と同じものを使用した。また、針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。さらに、アルミニウムドープ酸化亜鉛は、実施例3と同じものを使用した。

0111

そして、樹脂溶液に球状シリコーン樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とアルミニウムドープ酸化亜鉛とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0112

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0113

[実施例9]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は、実施例3と同じものを使用した。

0114

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0115

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子を45質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で10質量部となるように添加した。さらに、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(E)成分として鱗片状アルミニウムドープ酸化亜鉛を20質量部添加した。なお、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子及び針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。また、鱗片状アルミニウムドープ酸化亜鉛は、ハクスイテック株式会社製PazetCK−Kを使用し、その固形分は100質量%である。

0116

そして、樹脂溶液に球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液と鱗片状アルミニウムドープ酸化亜鉛とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0117

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0118

[比較例1]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、及び針状アンチモンドープ酸化スズ(D)を表3に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして、本例の成型品を得た。

0119

[比較例2]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、及び針状アンチモンドープ酸化スズ(D)を表3に示す値に変更したこと以外は実施例1と同様にして、本例の成型品を得た。

0120

[比較例3]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で150質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)は、実施例2と同じものを使用した。

0121

さらに、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0122

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状シリコーン樹脂粒子を60質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で35質量部となるように添加した。なお、球状シリコーン樹脂粒子及び針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例6と同じものを使用した。

0123

そして、樹脂溶液に球状シリコーン樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0124

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0125

[比較例4]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)は、実施例2と同じものを使用した。

0126

さらに、全体の不揮発分が15%となるように蒸留水で希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0127

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子を60質量部添加し、(D)成分として球状アンチモンドープ酸化スズの水分散液を固形分で35質量部となるように添加した。なお、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子は、実施例1と同じものを使用した。また、球状アンチモンドープ酸化スズの水分散液は、石原産業株式会社製FN−100Dを使用した。当該分散液は、固形分が30質量%である。また、球状アンチモンドープ酸化スズの水分散液は、粒子径が0.01μm〜0.1μmである。

0128

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0129

[比較例5]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)は実施例1と同じものを使用した。

0130

さらに、全体の不揮発分が15%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0131

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として酸化アルミニウム粒子を60質量部添加し、(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液を固形分で35質量部となるように添加した。なお、酸化アルミニウム粒子は、日本軽金属株式会社製であり、その屈折率は1.76であり、その平均粒子径は12μmである。また、針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液は、実施例1と同じものを使用した。

0132

そして、樹脂溶液に酸化アルミニウム粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0133

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0134

[比較例6]
アクリル樹脂(A)の固形分100質量部に対して、撥水基としてパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)を固形分で50質量部となるように添加した。なお、アクリル樹脂(A)及びパーフルオロアルキル基を有するアクリル樹脂(B)は、実施例2と同じものを使用した。

0135

さらに、全体の不揮発分が15%となるように蒸留水で希釈し、ディスパー(攪拌機)にて1000rpmで10分間攪拌することで、樹脂溶液を得た。

0136

次に、樹脂溶液の固形分100質量部に対して、(C)成分として球状アクリル樹脂粒子の水分散液を固形分で60質量部となるように添加し、さらに(D)成分として針状アンチモンドープ酸化スズの水分散液を固形分で35質量部となるように添加した。なお、球状アクリル樹脂粒子の水分散液は、東洋紡株式会社製F−167を使用し、その固形分は27質量部であり、その平均粒子径は0.3μmである。また、針状アンチモンドープ酸化スズの水分散液は、実施例2と同じものを使用した。

0137

そして、樹脂溶液に球状アクリル樹脂粒子と針状アンチモンドープ酸化スズのメチルエチルケトン分散液とを添加した後、ディスパーにて2000rpmで20分間攪拌することで、塗料を得た。

0138

この塗料を、実施例1と同様に、透明アクリル樹脂板の表面に塗布した後に乾燥することで、樹脂シートを得た。さらに実施例1と同様に成型することで、本例の成型品を得た。なお、樹脂シートからグローブ形状に成型した際の延伸倍率は、平面での直交する二軸方向に平均で1.5倍×1.5倍であった。

0139

[比較例7]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、針状アンチモンドープ酸化スズ(D)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(E)を表3に示す値に変更した。それ以外は実施例7と同様にして、本例の成型品を得た。

0140

[比較例8]
アクリル樹脂(A)、ジメチルシロキサン基を有するアクリル樹脂(B)、球状ベンゾグアナミン系樹脂粒子(C)、針状アンチモンドープ酸化スズ(D)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(E)を表3に示す値に変更した。それ以外は実施例7と同様にして、本例の成型品を得た。

0141

[比較例9]
(D)成分としての針状アンチモンドープ酸化スズを添加しなかったこと以外は実施例3と同様にして、本例の成型品を得た。

0142

各例における(A)成分乃至(E)成分の材料及び添加量を、表2及び表3に示す。

0143

0144

0145

[評価]
実施例1乃至9、及び比較例1乃至9で得られた成型品(照明カバー)について、次の項目の評価を行った。

0146

[光透過性評価]
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製NDH2000)を用いて、各例の成型品の全光線透過率を測定した。全光線透過率が60%以上あり、さらに光均一性があり、ランプイメージがない状態であれば、優れた器具効率と光均一性を両立できているといえる。そのため、以下のような判定基準とした。
・判定基準
65%以上:◎
60〜65%:○
60%未満:×

0147

[光拡散性評価]
パナソニック株式会社製LEDシーリングライトHH−LC626Aの器具本体を用い、各成型品(照明カバー)のランプイメージを消す能力目視により確認した。
・判定基準
◎:光源形状が確認できず、光が均一である。
○:光源形状が確認できるほどではないが、光源直下部は明るく、光源から距離のある中心部分は暗い
×:光源形状が確認できる。

0148

[水接触角評価]
協和界面科学株式会社製の接触角計DM500)にて、水を各成型品の表面に滴下した際の接触角を測定した。
・判定基準
90°以上:○
90°未満:×

0149

[帯電防止性評価]
株式会社三菱化学アナリテック製の表面抵抗測定器ハイレスタ(登録商標)UPMCPHT450型)によって、印加電圧100Vで測定した。この表面抵抗値は、JIS K6911−1995に基づく値である。装置の測定範囲が4乗〜14乗までであるため、14乗を越えたものに関しては、オーバーレンジを意味する「O.R.」と記載する。
・判定基準
1×1014 Ω/sqより小さい:○
1×1014 Ω/sq以上:×

0150

外観色評価]
各例の成型品の外観色が照明カバーとして品位があるかの判断を、パナソニック株式会社製LEDシーリングライトHH−LC626Aに付属の照明カバーを基準としたΔb値により評価した。b値で評価した理由は、(D)成分や(E)成分を配合した場合、これらの粉末が暗い青色を呈しているため、L値やa値の差よりb値の差が大きくなることが実験により判明したためである。

0151

ここで、L値、a値、b値とはLab表色系で表される色調を示す値であり、L値は明度を示し、a値は+で赤味、−で緑味の傾向が表され、b値は+で黄色味、−で青味の傾向が表されるものである。例えば、(成型品のb値)−(付属照明カバーのb値)=−2.5であれば、成型品は付属カバーよりも青味が強いことを意味する。

0152

Δbが−3よりもゼロに近ければ照明カバーとしての外観に問題はないため、以下のような判定基準とした。
・判定基準
0≧Δb>−2:◎
−2≧Δb>−3:○
Δb≦−3:×

0153

[塗膜の均一性評価]
目視により塗膜(表面機能層)の均一性を評価した。均一であるものをAとし、不均一であるものをXとした。

0154

[結果]
各例の評価結果を表4に示す。

0155

0156

表4に示すように、実施例1〜9は全ての評価において良好な結果を示した。これに対し、比較例1は着色と透過率低下の原因であるアンチモンドープ酸化スズの添加量が上限を超えているため、全光線透過率及び外観色が不十分であった。比較例2は(B)成分、(C)成分及び(D)成分の添加量が下限を下回ったため、光拡散性、撥水性及び帯電防止性が不十分であった。比較例3は(B)成分の添加量が上限を超えているため、塗料のレベリング性が悪く、ハンドリングの難しい塗料となったため、基材への均一塗布が困難で膜均一性が不十分であった。

0157

比較例4は(D)成分の導電性粒子が針状ではなく球状であるため、延伸後、導電パスが確保できず、帯電防止性が不十分であった。比較例5は(C)成分の平均粒子径が10μmを超えており、さらに(A)成分との屈折率差で0.2より高いため、全光線透過率が不十分であった。比較例6は(C)成分の平均粒子径が0.8μm未満であり、さらに(A)成分との屈折率差で0.05未満であったため、光拡散性が不十分であった。

0158

比較例7は(E)成分の添加量が上限を超えているため、光透過性へ悪影響を与えた結果、全光線透過率が不十分となった。比較例8は(E)成分の添加量が下限を下回ったため、帯電防止性が不十分となった。比較例9は(D)成分を使用せず、(E)成分のみで帯電防止性を発現させようとしたが、延伸後の導電パスが確保できずに、帯電防止性が不十分となった。

実施例

0159

以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。

0160

1 照明カバー

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ