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技術 NOxセンサの制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 青木圭一郎
出願日 2015年7月24日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-147074
公開日 2015年12月24日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2015-232569
状態 特許登録済
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析
主要キーワード 側波形 交番電圧印加 検出極 出力検出用 単パルス ノイズカット 最大印加電圧 インピーダンス検出
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

セル型NOxセンサにおいて、必要な機器の増加を抑制しつつ、NOx濃度検出精度を向上できるNOxセンサの制御装置を提供する。

解決手段

NOxセンサの検出前の所定の期間、一対の電極間電圧印加されない状態、又は、一対の電極間の電位差が基準値より小さな状態、とする。ここで、一対の電極間の電位差に対する「基準値」は、少なくとも出力検出用の電圧より小さい範囲で適宜設定可能であるが、0Vあるいは0V近傍の小さな電位差である。これによりNOxセンサの電極上に、ある程度のNOxを堆積させる。所定の期間が経過した後、一対の電極間に、センサ出力検出用の電圧を印加する。センサ出力検出用の電圧を印加した際のセンサ出力に応じて、NOx濃度を検出する。

概要

背景

特許文献1には、固体電解質の両側に一対の電極を備える1セル型NOxセンサが開示されている。このNOxセンサにおいて、検出極としてペロブスカイト型の電極が使用されている。ペロブスカイト型の電極は、NOxに対する選択吸着性を有する。このNOxセンサは、検出極に吸着したNOxが分解される時に流れる分解電流を出力とする。分解電流はNOx濃度相関を有し、分解電流を検出することで、NOx濃度が検出される。

概要

1セル型のNOxセンサにおいて、必要な機器の増加を抑制しつつ、NOx濃度の検出精度を向上できるNOxセンサの制御装置を提供する。NOxセンサの検出前の所定の期間、一対の電極間電圧印加されない状態、又は、一対の電極間の電位差が基準値より小さな状態、とする。ここで、一対の電極間の電位差に対する「基準値」は、少なくとも出力検出用の電圧より小さい範囲で適宜設定可能であるが、0Vあるいは0V近傍の小さな電位差である。これによりNOxセンサの電極上に、ある程度のNOxを堆積させる。所定の期間が経過した後、一対の電極間に、センサ出力検出用の電圧を印加する。センサ出力検出用の電圧を印加した際のセンサ出力に応じて、NOx濃度を検出する。

目的

本発明は、上記課題を解決することを目的とし、NOx検出のための必要な機器の増加を抑制しつつ、NOxセンサによるNOx濃度の検出精度を向上できるよう改良したNOxセンサの制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

内燃機関排気経路に配置されるNOxセンサを制御する、NOxセンサの制御装置であって、前記NOxセンサは、固体電解質と、前記固体電解質を挟んで配置された一対の電極と、を備え、検出対象となるガスNOx濃度に応じたセンサ出力を発するセンサであって、前記NOxセンサの制御装置は、所定のNOx吸着期間、前記一対の電極間電圧印加されない状態、又は、前記一対の電極間の電位差が基準値より小さな状態とするNOx吸着状態と、前記所定のNOx吸着期間の経過後の所定のNOx検出期間、前記一対の電極間にセンサ出力検出用の電圧を印加するNOx検出状態と、を交互に繰り返す手段と、前記所定のNOx検出期間における前記センサ出力に応じて、NOx濃度を検出する手段と、を備え、前記所定のNOx検出期間の経過後、かつ、前記所定のNOx吸着期間の開始前に、前記センサ出力検出用の電圧とは逆方向であって、かつ、前記センサ出力検出用の電圧以下の大きさの電圧を印加することを特徴とするNOxセンサの制御装置。

請求項2

前記NOxセンサの制御装置は、前記内燃機関の排気経路の尿素SCR触媒上流に配置された第1NOxセンサと下流に配置された第2NOxセンサとの、2つのNOxセンサをそれぞれ制御する制御装置であって、前記第1NOxセンサに対する前記所定のNOx吸着期間の長さは、前記第2NOxセンサに対する所定のNOx吸着期間の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載のNOxセンサの制御装置。

請求項3

前記NOxセンサの制御装置は、前記内燃機関の排気経路の尿素SCR触媒の上流に配置された第1NOxセンサと下流に配置された第2NOxセンサとの、2つのNOxセンサをそれぞれ制御する制御装置であって、前記第1NOxセンサに対する前記センサ出力検出用の電圧の最大値は、前記第2NOxセンサに対する前記センサ出力検出用の電圧の最大値よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のNOxセンサの制御装置。

請求項4

前記NOxセンサの制御装置は、前記内燃機関の排気経路の尿素SCR触媒の上流に配置された第1NOxセンサと下流に配置された第2NOxセンサとの、2つのNOxセンサをそれぞれ制御する制御装置であって、前記第1NOxセンサに対する前記所定のNOx検出期間の長さは、前記第2NOxセンサに対する前記所定のNOx検出期間の長さよりも短いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のNOxセンサの制御装置。

請求項5

前記所定のNOx検出期間の経過後、かつ、前記所定のNOx吸着期間の開始前に、前記センサ出力検出用の電圧の最大値よりも、最大値が小さい交番電圧を印加する手段と、前記小さい交番電圧を印加した際の前記固体電解質のインピーダンスを検出する手段と、前記インピーダンスに応じて、前記NOxセンサのセンサ素子の温度を検出する手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のNOxセンサの制御装置。

請求項6

前記NOxセンサのセンサ素子が活性温度に達するまでの間、一定期間ごとに、前記一対の電極間にNOx除去用の交番電圧を印加して、前記一対の電極上のNOxを除去する手段と、前記NOx除去用の交番電圧印加の後、前記NOx除去用の交番電圧の最大値よりも、最大値が小さい交番電圧を印加する手段と、前記小さい交番電圧を印加した際の前記固体電解質のインピーダンスを検出する手段と、前記インピーダンスに応じて、前記センサ素子の温度を検出する手段と、を、更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のNOxセンサの制御装置。

技術分野

0001

この発明はNOxセンサ制御装置に関する。より具体的には、固体電解質の両側に配置された一対の電極を備える1セル型のNOxセンサの制御装置に関するものである。

背景技術

0002

特許文献1には、固体電解質の両側に一対の電極を備える1セル型のNOxセンサが開示されている。このNOxセンサにおいて、検出極としてペロブスカイト型の電極が使用されている。ペロブスカイト型の電極は、NOxに対する選択吸着性を有する。このNOxセンサは、検出極に吸着したNOxが分解される時に流れる分解電流を出力とする。分解電流はNOx濃度相関を有し、分解電流を検出することで、NOx濃度が検出される。

先行技術

0003

特表2011−513735号公報
特開平08−128979号公報
特開2007−256232号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1のようなペロブスカイト型の電極を用いたNOxセンサの場合、NOx濃度が高い環境下では、検出極へのNOx吸着量は多く、検出される分解電流も大きくなる。従って、比較的高い精度でNOx濃度を検出することができる。一方、NOx濃度がごく低濃度の環境下においては、検出極へのNOx吸着率も低下する。この場合、仮に、検出極としてペロブスカイト型電極を用い、かつ、電極表面積を大きくしたとしても、分解電流はごく小さなものとなる。このためNOx濃度が低い環境下では、センサ出力誤差やばらつきが大きくなりやすく、また、必要な低濃度のレンジまでNOx濃度を検出することができない場合も考えられる。

0005

また、仮に、ごく微量の分解電流を検出したとしても、小さな電流値出力信号により、制御装置においてNOx濃度を検出するためには、例えば信号の増幅ノイズカットの処理等を行う機器が必要となることが考えられる。

0006

本発明は、上記課題を解決することを目的とし、NOx検出のための必要な機器の増加を抑制しつつ、NOxセンサによるNOx濃度の検出精度を向上できるよう改良したNOxセンサの制御装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関排気経路に配置されるNOxセンサを制御するNOxセンサの制御装置に関し、NOxセンサは、固体電解質と、固体電解質を挟んで配置された一対の電極とを備え、検出対象となるガスのNOx濃度に応じたセンサ出力を発するセンサである。本発明のNOxセンサの制御装置は、センサ出力の検出前の所定の期間、一対の電極間電圧印加されない状態、又は、一対の電極間の電位差が基準値より小さな状態、とする手段を有する。

0008

ここで、一対の電極間の電位差に対する「基準値」は、少なくとも後述の出力検出用の電圧より小さい範囲で適宜設定可能であるが、0Vあるいは0V近傍の小さな電位差であることが望ましい。また「所定の期間」は、NOxセンサに要求される応答性を考慮して決定される一定時間であってもよいし、例えば内燃機関の運転状態に応じて、制御中に設定される期間であってもよい。また、本発明のNOxセンサの制御装置が、2以上のNOxセンサをそれぞれ制御するものである場合には、「所定の期間」は、NOxセンサごとに設定できるものであってもよい。

0009

本発明のNOxセンサの制御装置は、更に、所定の期間が経過した後、一対の電極間に、センサ出力検出用の電圧を印加する手段と、センサ出力検出用の電圧を印加した際のセンサ出力に応じてNOx濃度を検出する手段と、を有する。

0010

ここで、センサ出力検出用の電圧は、交番電圧であってもよい。その場合、交番電圧の周波数は、0.1Hzから10Hzがより好適である。また交番電圧は一周期のみ印加されるものとすればよい。

0011

また、本発明のNOxセンサの制御装置は、センサ出力検出用の電圧を印加した後、センサ出力検出用の電圧とは逆方向であって、かつ、センサ出力検出用の電圧以下の大きさの電圧を印加するものであってもよい。

0012

本発明のNOxセンサの制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて、所定の期間の長さ、センサ出力検出用の電圧の最大値、及び、センサ出力検出用の電圧の印加時間のうち、少なくとも1つの条件を設定する手段を、更に備えるものとしてもよい。この場合において、NOx濃度を検出する手段は、設定された条件に応じたセンサ出力とNOx濃度との関係に基づいて、センサ出力に応じたNOx濃度を検出するものとしてもよい。

0013

本発明のNOxセンサの制御装置は、内燃機関の排気経路の尿素SCR触媒上流に配置された第1NOxセンサと下流に配置された第2NOxセンサとの、2つのNOxセンサをそれぞれ制御する制御装置であってもよい。

0014

この場合、例えば、第1NOxセンサに対する所定の期間の長さは、第2NOxセンサに対する所定の期間の長さよりも短いものとすることができる。また、例えば、第1NOxセンサに対するセンサ出力検出用の電圧の最大値は、第2NOxセンサに対するセンサ出力検出用の電圧の最大値よりも小さいものとすることができる。あるいは、第1NOxセンサに対するセンサ出力検出用の電圧の印加時間は、第2NOxセンサに対するセンサ出力検出用の電圧の印加時間よりも短いものとしてもよい。

0015

本発明のNOxセンサの制御装置は、センサ出力検出用の電圧の印加の後、センサ出力検出用の電圧の最大値よりも、最大値が小さい交番電圧を印加する手段と、小さい交番電圧を印加した際の固体電解質のインピーダンスを検出する手段と、インピーダンスに応じて、NOxセンサのセンサ素子の温度を検出する手段と、を更に備えるものとしたものでもよい。

0016

また、本発明のNOxセンサの制御装置は、NOxセンサのセンサ素子が活性温度に達するまでの間、一定期間ごとに、一対の電極間にNOx除去用の交番電圧を印加して、一対の電極上のNOxを除去する手段を、更に備えるものとしてもよい。

0017

この場合、本発明のNOxセンサの制御装置は、NOx除去用の交番電圧印加の後、NOx除去用の交番電圧の最大値よりも、最大値が小さい交番電圧を印加する手段と、小さい交番電圧を印加した際の固体電解質のインピーダンスを検出する手段と、インピーダンスに応じて、センサ素子の温度を検出する手段と、を備えるものとしてもよい。

0018

本発明のNOxセンサの制御装置は、NOxセンサのセンサ素子が活性温度に達するまでの間、一対の電極間に直流電圧を印加する手段を、更に備えるものとしてもよい。

0019

この場合、本発明のNOxセンサの制御装置は、センサ素子が活性温度に達するまでの間、一定期間ごとに、直流電圧に重畳させて、一対の電極間にインピーダンス検出用の交番電圧を印加する手段と、インピーダンス検出用の交番電圧を印加した際の固体電解質のインピーダンスを検出する手段と、インピーダンスに応じて、センサ素子の温度を検出する手段と、を備えるものとしてもよい。

発明の効果

0020

本発明によれば、センサ出力の検出前の所定の期間の間、一対の電極間に電圧が印加されない状態、又は、一対の電極間の電位差が基準値より小さな状態、とされる。これにより、所定の期間の間、電極上でのNOxの分解が抑制され電極上に多くのNOxを吸着させることができる。従って、所定の期間の経過後に検出されるセンサ出力を、大きなものとすることができる。その結果、NOx濃度がごく低濃度である場合も含めて広範囲渡りNOx濃度を検出することができる。また、センサ出力を大きくすることができるため、ノイズ等により生じる出力誤差の影響を抑え、高い精度でNOx濃度を検出することができる。

0021

また、センサ出力検出用の電圧を交番電圧としたり、あるいは、センサ出力検出用の電圧を印加した後、センサ出力検出用の電圧とは逆方向の電圧を印加したりすることで、センサ出力検出用の電圧印加によるセンサ出力のハンチングを抑制することができる。

0022

また、内燃機関の運転状態に応じて、所定の期間の長さ、センサ出力検出用の電圧の最大値、又は、センサ出力検出用の電圧の印加時間を設定することにより、例えば、NOx濃度が低濃度である場合に、所定の期間や印加時間の長さを長くしたり、印加電圧を大きくしたりするなど、運転状態に応じた制御を行うことができる。

0023

また、尿素SCRシステムの上流及び下流の2つのNOxセンサのそれぞれについて、所定の期間の長さ、センサ出力検出用の電圧の最大値、又は、センサ出力検出用の電圧の印加時間を、異なるものとすることにより、それぞれの使用環境に応じた適正な制御を行うことができる。

0024

また、センサ出力検出用の電圧の印加の後、インピーダンス検出用の電印加することで、NOx濃度の検出のための制御と並行して、素子温を検出することができる。

0025

また、NOxセンサのセンサ素子が活性温度に達するまでの間、一対の電極間に直流電圧を印加し、あるいは一定期間ごとに交番電圧を印加することで、センサ素子が活性温度に達成する前に、電極に多量のNOxが付着するのを抑制することができる。従って、センサ素子が活性温度に達した後、より早い段階でNOx濃度検出のための制御を実行することができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の実施の形態1におけるシステムの全体構成について説明するための概略模式図である。
本発明の実施の形態1におけるNOxセンサの構成について説明するための概略模式図である。
本発明の実施の形態1における制御の概要について説明するための図である。
本発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態1におけるNOx濃度検出精度について説明するための図である。
本発明の実施の形態2における制御の概要について説明するための図である。
本発明の実施の形態2において用いられる、NOxセンサの出力とNOx濃度との関係を定めたマップについて説明するための図である。
本発明の実施の形態2において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態3における制御の概要について説明するための図である。
本発明の実施の形態3において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態4における制御の概要について説明するための図である。
本発明の実施の形態4において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
本発明の実施の形態4における他の制御の例について説明するための図である。

実施例

0027

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。

0028

実施の形態1.
[実施の形態1のシステムの全体構成]
図1は、この発明の実施の形態1のシステムの全体構成について説明するための図である。図1に示すシステムは車両に搭載されて用いられる。図1に示すシステムにおいて、内燃機関2の排気経路4には、微粒子捕集フィルタであるDPF(Diesel Particulate Filter)6が設置されている。図示を省略するがDPF6には酸化触媒が組み合わされて配置されている。DPF6は、排気ガスに含まれる微粒子状物質(PM;particulate matter)を捕集するフィルタである。

0029

排気経路4のDPF6の下流には、尿素SCRシステム(以下、「SCRシステム」とも称する)が配置されている。SCRシステムは、尿素噴射弁8と選択還元型NOx触媒10とを有する。尿素噴射弁8は、尿素タンク12に配管を介して接続されている。尿素噴射弁8は、尿素タンク12から供給される尿素水を、NOx触媒10上流において排気経路4内に噴射する。NOx触媒10は、尿素水から生成されたアンモニア還元剤として、排気ガス中のNOxを還元し排気ガスを浄化する。

0030

排気経路4の、DPF6の下流であってNOx触媒10の上流には、NOxセンサ14(第1NOxセンサ)が設置され、NOx触媒10の下流には、NOxセンサ16(第2NOxセンサ)が配置されている。

0031

このシステムは制御装置20を備えている。制御装置20の入力側には、NOxセンサ14及びNOxセンサ16の他、空燃比センサや内燃機関2の各種センサが接続されている。また、制御装置20の出力側には、尿素噴射弁8や、その他各種のアクチュエータが接続されている。制御装置20は、各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、各種アクチュエータ等を作動させることにより、内燃機関2の運転に関する種々の制御を実行する。

0032

[実施の形態1のNOxセンサの構成]
図2は、本実施の形態1のNOxセンサ14のセンサ素子の構成について説明するための模式図である。なお、NOxセンサ14を例にとって説明するが、NOx触媒10の下流側のNOxセンサ16も同様の構成を有するセンサである。

0033

NOxセンサ14は1セル型のセンサである。具体的に、図2に示されるように、NOxセンサ14のセンサ素子は、固体電解質30と、固体電解質30を挟んで配置された検出極32と基準極34とからなる一対の電極と、を有するセルを1つ備える。固体電解質30はジルコニア(ZrO2)により構成される。NOxセンサ14の検出極32は、ペロブスカイト型の電極である。ペロブスカイト型電極は、NOxに対し選択吸着性を有する。基準極34は白金(pt)を含む電極である。

0034

なお、固体電解質30の基準極34が配置された面側には、所定の凹部を有する絶基板が配置され、基準極34は、絶縁基板の凹部と固体電解質30とで形成される空間内に配置される。また、絶縁基板内には、ヒータが形成されている。

0035

一対の電極である検出極32と基準極34との間には、電気回路等を介してNOx濃度を検出するための電圧が印加されると共に、検出極32と基準極34との間には、素子温検出のための所定の交番電圧(交流電圧)が印加される構成となっている。また、ヒータには、電気回路等を介して所定の電圧が印加され、これによりセンサ素子が加熱される。

0036

[実施の形態1の制御]
本実施の形態1において、制御装置20が実行する制御には、NOxセンサ14、16に印加する電圧を制御し、NOxセンサ14、16の出力信号を検出して、SCRシステムの上流又は下流の排気ガスに含まれるNOx濃度を検出する制御が含まれる。

0037

ペロブスカイト型である検出極32は表面にNOxを選択的に吸着させる。NOx濃度検出においてセンサ出力を検出するため所定の電圧が印加されると、検出極32に吸着したNOxは分解され分解電流が生じる。NOxセンサ14はこのときの電流値を出力する。制御装置20は、NOxセンサ14の出力を受けて、排気ガス中のNOx濃度を検出する。

0038

しかしながら、DPF6下流、あるいはNOx触媒10下流では、排気ガスのNOx濃度がごく低濃度にまで浄化されていると考えられる。従って、NOx分解により生じる分解電流はごく小さなものとなる。この場合、NOxセンサ14又は16の出力は、ノイズ等の影響を受けて誤差が生じやすく、検出されるNOx濃度にばらつきが生じることが考えられる。

0039

従って、本実施の形態1のシステムでは、以下の制御下でNOx濃度検出が行われる。図3は、本実施の形態1における制御について説明するためのタイミングチャートである。図3の例は、本実施の形態1において、NOx濃度検出に際し、検出極32と基準極34との間に印加される電圧の変化を示している。

0040

<NOx吸着期間>
図3の(a1)に示される、NOx吸着期間(所定の期間)では、電極32、34への電圧印加を停止(開放)する。このとき検出極32と基準極34との間の電位差は0Vである。NOx吸着期間は、検出極32においてNOx分解がされず、検出極32へのNOx吸着量が次第に増加する。

0041

<NOx検出期間
図3の(b1)で示される、NOx検出期間において、検出極32と基準極34との間には出力検出用の電圧である交番電圧を印加する。具体的に、印加電圧は、電圧0Vの状態から、検出極32をマイナス基準極34をプラスとする正方向に徐々に上昇し、印加電圧が最大電圧に達した段階で一定時間、保持される。この最大電圧に保持されている間の出力をモニター最大出力を発した検出タイミング(B)における出力を、センサ出力として検出する。

0042

最大電圧で一定時間保持した後、電圧を徐々に低下させ、基準極34をマイナス、検出極32をプラスとする、最小電圧にまで徐々に低下させる。ここで最大電圧と最小電圧とは、NOx吸着期間の電圧である0Vを中心として、逆方向の同じ大きさの電圧とする。最小電圧に達した段階で一定時間維持される。このようにプラス側とマイナス側とで、同じ時間、同じ大きさの電圧を印加することで、交番電圧印加後の逆電流によるハンチングの発生等を防止して、早くに「NOx吸着期間」に戻ることができる。

0043

本実施の形態においては、印加する交番電圧は一周期のみとする。また、以下の実施の形態において、交番電圧の大きさといった場合には最大電圧を意味するものとし、交番電圧の最大電圧と最小電圧との差を「振幅」とも称し、印加される交番電圧の一周期の長さの逆数を「周波数」とも称する。

0044

ところで、NOx吸着期間を長くすれば、その間に多くのNOxを検出極32に吸着させることができる。従って、NOx検出期間において、より大きなセンサ出力を検出することができる。一方、NOx吸着期間の間は、NOx濃度の検出ができないこととなる。従って、この分の応答遅れが生じることとなる。このため、NOx吸着期間の長さである基準時間は、必要な大きさのセンサ出力を得るための量のNOxを吸着できる時間と、NOx吸着期間により生じる応答遅れとを考慮し、実験等により求められた適正な値に設定される。この値は制御装置20に予め記憶される。具体的には例えば、NOx吸着期間開始から、NOx検出期間完了までの1回のNOx濃度検出にかかる長さは、0.1秒〜10秒程度とされることが望ましい。

0045

また、検出されたセンサ出力とNOx濃度とは相関関係を有する。しかし、この相関関係は、NOx吸着期間の長さや、NOx検出期間に印加される交番電圧の大きさ、周期等により異なるものとなる。従って、センサ出力とNOx濃度との関係は、センサの特性及びNOx吸着期間の長さ、NOx検出期間に印加される交番電圧の大きさや周期等を踏まえ、実験等により求められる。これによりセンサ出力とNOx濃度との関係を定めたマップを求め、このマップを予め制御装置20に記憶させる。実際の制御においては、検出されたセンサ出力に応じ、マップに従ってNOx濃度が求められる。

0046

[実施の形態1の具体的な制御]
図4は、本発明の実施の形態1において制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4のルーチンは、一定の演算周期で繰り返し実行されるルーチンである。なお、本実施の形態では、上流側のNOxセンサ14を制御対象として説明する。

0047

図4のルーチンでは、まず、前提条件成立しているか否かが判別される(S102)。前提条件はNOxセンサ14によりNOxを適正に検出するために必要な条件であり、例えば、内燃機関2の暖機後の運転中であるか、NOxセンサ14のセンサ素子が活性温度に達しているか、などである。具体的な前提条件はあらかじめ設定し、制御装置20に記憶しておくものとする。ステップS102において前提条件の成立が認められない場合には、今回の処理は一旦終了する。

0048

ステップS102において前提条件の成立が認められると、次に、電極32、34間への電圧印加がOFFとされる(S104)。これにより電極32、34間の電位差が約0Vとなり上記のNOx吸着期間が開始される。

0049

次に、電圧印加OFF後、基準時間が経過したか否かが判別される(S106)。つまり、NOx吸着期間が完了したか否かが判別される。ここで基準時間の経過が認められない場合、基準時間の経過が認められるまで、電圧印加がOFFとされた状態で、ステップS106の判別処理が繰り返し実行される。

0050

一方、ステップS106において基準時間の経過が認められると、次に、NOx検出電圧である交番電圧が印加される(S108)。ここで交番電圧は、図3に示されるように、正方向の最大電圧に向けて徐々に電圧が上昇するよう印加された後、最大電圧で保持され、その後、最小電圧に向けて徐々に電圧が下げられる。その後、最小電圧で保持された後、0Vに徐々に戻される。

0051

ステップS108の交番電圧印加開始後の正方向の電圧が印加されている間のセンサ出力がモニターされ、最大値となる出力がセンサ出力として検出される(S110)。次に、センサ出力に基づいて、NOx濃度が算出される(S112)。NOx濃度は、センサ出力とNOx濃度との関係を定めたマップ等に従って、センサ出力に応じて算出される。その後、今回の処理が終了する。

0052

[実施の形態1の効果]
図5は、本発明の実施の形態1におけるセンサ出力とNOx濃度との関係を説明するための図である。図5において横軸はセンサ出力(電流)、縦軸はNOx濃度を表している。また図5において、実線(a)は、本実施の形態1における検出値を表し、破線(b)は従来の検出方法での検出値を表している。

0053

図5に示されるように、本実施の形態1の制御により、以下2つの効果を得ることができる。
(効果1)
従来の検出方法では、ごく低濃度な領域において、十分なセンサ出力を得ることができず、NOxセンサ14では検出できない濃度領域が存在していた。しかし、本実施の形態1では、NOxの吸着を十分に行った後で分解電流を検出することで、ごく低濃度の領域についてもNOx濃度を検出することができる。従って、NOxセンサ14によるNOx濃度の検出可能な範囲を広く確保することができる。

0054

(効果2)
本実施の形態1では、NOxを吸着させた後に分解電流をセンサ出力として検出する。従って、検出する分解電流量を増加させることができる。つまり、図5に示されるように、従来の場合(b)に比べて、NOx濃度の変化に対する、センサ電流(出力)の変化の割合を大きくすることができる。従って、NOxセンサ14の出力はノイズ等の影響を受けにくく、出力にばらつきが生じにくい。従って、本実施の形態1のシステムによれば、NOxセンサ14により高い精度でNOx濃度を検出することができる。また、センサ出力値を大きくすることができるため、例えば、制御装置20とNOxセンサ14との間に増幅器等を設置する必要がなくなる。従って、NOxセンサ14を含むシステム全体のコストダウンを図ることができる。

0055

なお、本実施の形態1では、NOx吸着期間の間、印加電圧を停止してNOxを吸着させるためセンサ出力に遅れが生じる。しかしながら、NOx吸着期間を維持する基準時間がごく短時間であっても、NOx吸着によりセンサ出力をある程度、大きくさせることができる。従って、必要なNOxセンサの出力応答性の確保と、NOx濃度検出の精度の向上とを両立させることができる。

0056

[実施の形態1の他の例]
本実施の形態1では、NOx吸着期間の間、電圧印加をOFFとする場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、検出極32と基準極34との電位差が、0V若しくは0V近傍に設定された基準値以下の値になるように、電圧を印加するものであってもよい。ここで基準値は、少なくともNOx検出期間に印加される交番電圧の最大電圧よりも小さいものとする。また基準値は、検出極でのNOxの分解が促進されない小さい範囲に設定する。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0057

また、本実施の形態1では、NOx検出期間に交番電圧を印加する場合について説明した。これは正方向に印加した電圧と対称となるように、同じ大きさの逆方向の電圧を印加することで、交番電圧印加後のセンサ出力のハンチングの発生を抑制するためである。しかしながら、本発明においては、NOx検出用の電圧としては、必ずしも交番印圧を印加するものに限るものではない。本発明においては、例えば、検出極32のNOxを分解させる方向の、出力検出用の電圧を、所定の大きさの単パルスの電圧をして印加するものであってもよい。この場合には、ハンチングが収束した後で、再び、NOx吸着期間を開始すればよい。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0058

また、このように単パルスの電圧を印加した後、逆方向であって、かつ、出力検出用の電圧の最大値よりも絶対値が小さな電圧を印加すると、ハンチングを抑制する上で効果的である。この場合、正方向の印加電圧を印加時間で積算した値(図3の交番電圧のプラス側波形面積)と、逆方向の印加電圧を印加時間で積算した値(図3の交番電圧のマイナス側の波形の面積)と、同じ程度になるようにすることが望ましい。つまり、逆方向の印加電圧の絶対値を小さくした場合には、逆方向の電圧の印加時間を長くすることが望ましい。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0059

また、本実施の形態では、NOx検出期間の正方向の交番電圧印加中のセンサ出力をモニターし、このときの最大出力をセンサ出力として用いる場合について説明した。しかし、本発明は、これに限られるものではなく、例えば、正方向の交番電圧印加中のセンサ出力の平均的な値を求め、これをセンサ出力とするものであってもよい。また、NOx検出期間の中で正方向の最大電圧が印加されている間の所定のタイミングを、出力検出のタイミングとしてセンサ出力を検出するものとしてもよい。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0060

また、本実施の形態1では、上流側のNOxセンサ14の制御について説明した。しかし、本発明は、これに限るものではなく、下流側のNOxセンサ16の制御に適用することもできる。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0061

また、本実施の形態1において説明したNOxセンサ14のセンサ素子の構成等は、この発明を拘束するものではない。例えば、本実施の形態1では、検出極32として、ペロブスカイト型の電極を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、NOx吸着性を有する他の電極を用いたものであっても良い。また、固体電解質30、基準極34についても、本実施の形態1に説明したものに限られるものではない。これは、以下の実施の形態についても同様である。また、基準極34側に、絶縁基板やヒータを有しないセンサ構成であってもよい。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0062

同様に、本発明の実施の形態1におけるシステムは、図1に示したものに限られるものではない。即ち、本発明のNOxセンサの制御装置において、NOxセンサは尿素SCRシステムの上流、下流に設置されたものに限られるものではなく、他の位置に設置されたものであってもよい。これは、以下の実施の形態についても同様である。

0063

実施の形態2.
本実施の形態2のシステム及びNOxセンサの構成は、図1図2に示すシステム及びNOxセンサの構成と同一である。本実施の形態2のシステムは、上流側のNOxセンサ14と下流側のNOxセンサ16との2つのセンサを制御する。NOxセンサ14とNOxセンサ16とのそれぞれの制御手法は、実施の形態1と同一であるが、NOx吸着期間の長さ、及び、NOx検出期間に印加される交番電圧の振幅及び周期が、両NOxセンサ14、16間で異なり、かつ、NOx濃度算出において用いられるセンサ出力とNOx濃度との関係を定めたマップが両NOxセンサ14、16間で異なる。

0064

図6は、本発明の実施の形態2における制御について説明するためのタイミングチャートである。図6において、上側の波形は上流側のNOxセンサ14に対する印加電圧を示し、下側の波形は、NOxセンサ16に対する印加電圧を示している。

0065

上述したようにNOx触媒10では、アンモニアにより排気ガス中のNOxが浄化される。従ってNOx触媒10の下流のNOxセンサ16の検出対象となる排気ガスのNOx濃度は、NOx触媒10の上流のNOxセンサ14の検出対象となる排気ガスのNOx濃度に対し、ごく低濃度となる。

0066

従って、NOx吸着期間(a1及びa2)の長さである基準時間は、下流のNOxセンサ16の方が、上流のNOxセンサ14のよりも長くなるよう設定する。更に、NOx検出期間(b1及びb2)において印加される交番電圧の最大電圧を、下流のNOxセンサ16の方が、上流のNOxセンサ14よりも大きくなるように設定する。また、交番電圧の周期を、下流のNOxセンサ16の方が、上流のNOxセンサ14よりも長くなるように設定する。

0067

実施の形態1と同様に、NOx検出期間(b1及びb2)中の最大電圧印加中にモニタリングされた出力のうち、最大出力(例えば、B1及びB2における出力)が各NOxセンサ14、16のセンサ出力として検出される。

0068

基準時間や交番電圧の大きさや時間等が異なる場合、センサ出力(電流値)とNOx濃度との相関は、それにより異なるものとなる。例えば、同じNOx濃度のガスに対しては、NOx吸着期間を長くとった方がNOx吸着量は多くなる。従って、NOx吸着期間が長いほうが、より大きなセンサ出力が得られる。つまり、同じセンサ出力で比較した場合、NOx吸着時間が長かった場合ほど、実際のNOx濃度は少ないものとなる。同様に、同じNOx濃度のガスに対しては、出力検出用の交番電圧が大きい方が、あるいは交番電圧の印加時間が長いほうが、大きなセンサ電流が流れる。

0069

従って、図7に示されるように、本実施の形態1では、下流側と上流側とのNOxセンサ14、16のそれぞれについて、異なるセンサ出力(電流値)とNOx濃度との関係を定めるマップを持たせる。上流のNOxセンサ14については、図7の上側のマップに従って、出力に応じたNOx濃度が算出され、下流のNOxセンサ16については、下側のマップに従って、出力に応じたNOx濃度が算出される。図7の両マップを比較すると、同一出力に対して算出されるNOx濃度は、上流のNOxセンサ14の方が下流のNOxセンサ16よりも大きなものとなる。

0070

なお、このようなマップは、それぞれのNOxセンサ14、16に対する基準時間の長さ、交番電圧の最大電圧、周期、あるいはNOxセンサ14、16それぞれの特性等によって異なるものであり、適正な関係が実験等により求められ制御装置20に記憶される。

0071

以上説明したように、本実施の形態2では、NOxセンサ14、16の設置位置の違いによるNOx濃度の違いに対応し、基準時間の長さ、NOx検出期間における交番電圧の最大電圧、及び、印加時間をそれぞれに設定する。これにより、NOx濃度の違うそれぞれの環境に応じて適正な制御を行うことができ、NOx濃度の検出の精度を向上させることができる。

0072

なお、本実施の形態2では、尿素SCRシステムのNOx触媒10の上流、下流それぞれにNOxセンサ14、16を配置し、これらを制御する場合について説明した。しかし本発明においてはNOxセンサの配置位置はこれに限るものではない。本実施の形態2の制御は、検出対象とする排気ガスのNOx濃度が異なることが予想される環境で用いられる2以上のNOxセンサを制御する場合に適用することができる。これについては、以下の実施の形態に本実施の形態2が適用される場合も同様である。

0073

また、本実施の形態2では、NOxセンサ14とNOxセンサ16との間で、NOx吸着期間の長さ、交番電圧の最大電圧及び印加時間の全てを異なるものとする場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、NOxセンサが設置される環境の違いに応じて、NOx吸着期間の長さ、交番電圧の最大電圧及び交番電圧の印加時間(周期)のうち、1つ以上の要素を異なるものとするものであればよい。これについては、以下の実施の形態に本実施の形態2が適用される場合においても同様である。

0074

また、本実施の形態2では、NOxセンサ14とNOxセンサ16とのそれぞれについて、NOx濃度と出力との関係を定めたマップを有し、これに基づきNOx濃度を検出する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、印加電圧の制御目標値(NOx吸着期間の長さ、交番電圧の最大電圧や印加時間等)に応じて、補正係数を算出し、この補正係数に基づきセンサ出力又はNOx濃度を補正するものとしてもよい。これは、本実施の形態2が他の実施の形態に適用される場合についても同様である。

0075

実施の形態3
実施の形態3のシステム及びNOxセンサの構成は、図1及び図2のシステム及びNOxセンサの構成と同一である。本実施の形態2では、上流と下流とのNOxセンサ14、16のそれぞれに対し、予めNOx吸着期間の長さ、交番電圧の大きさ及び周期等を設定する場合について説明した。これに対し、実施の形態3のシステムは、1つのNOxセンサ14に対し、その制御中に基準時間(NOx吸着期間の長さ)、交番電圧の最大電圧、及び周期(印加時間)を設定する。

0076

本実施の形態3では、NOx吸着期間の長さ、交番電圧の最大電圧、あるいは周期の長さは、運転状態から予想されるNOx濃度の違いに応じて設定する。例えば、内燃機関2の冷間始動時や高負荷運転中にはNOx濃度が高くなりやすい。このようにNOx濃度が高くなる環境下では、NOx吸着時間を短くし、交番電圧の最大電圧を小さくし、周期を短くする。このようにしても、NOx濃度に対して、ある程度大きなセンサ出力を得ることができる。また、NOx吸着時間を短くすることで、早い応答性が要求される高負荷運転時に対応して、NOxセンサ14の応答性を早めることができる。

0077

一方、アイドルストップ制御における内燃機関2の停止中や、燃料カット運転中にはNOx濃度は全体に低くなりやすい。このようにNOx濃度が低くなることが予想される運転条件下では、NOx吸着期間を長くし、交番電圧の最大電圧を大きくし、周期を短くする。これにより、ごく低いNOx濃度に対しても、ある程度のセンサ出力を確保することができる。

0078

本実施の形態3では、始動時の温度、現在の負荷燃料カット中か否か、アイドルストップ制御における内燃機関の停止中か否かなど、複数の条件から複数の区分を設定し、各区分に対する、NOx吸着期間の長さ(基準時間)と交番電圧の最大電圧と周期とからなる印加電圧の制御目標値の組み合わせを、マップとして設定し、予め制御装置20に記憶しておくものとする。実際の制御時には、現在の運転状態を各種センサ等から検出し、これに応じた印加電圧のマップから、NOxセンサ14に対する印加電圧制御目標値を設定する。

0079

図8は、本発明の実施の形態3において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するための図である。図8のルーチンは、ステップS104の処理とステップS106の処理との間に、ステップS302〜S304の処理を有する点を除いて、図4のルーチンと同一である。

0080

具体的に、前提条件の成立が認められ、印加電圧がOFFとされると(S104)、次に、各種運転状態が検出される(302)。現在の内燃機関2の運転状態は、各種センサの出力等に応じて検出される。

0081

次に、検出された運転状態に応じて、印加電圧の制御目標値が設定される(S304)。具体的には、ここでは、NOx吸着期間の長さである基準時間、NOx検出期間に印加される交番電圧の最大電圧と周期がそれぞれ設定される。これらは、制御装置20に記憶されたマップに従って、検出された運転状態に応じて設定される。

0082

その後、基準時間が経過したか否かが判別される(S106)。ここでは、ステップS104において印加電圧がOFFとされた後、ステップS304で設定された基準時間が経過したか否かが判別される。ステップS106の成立が認められない場合には、基準時間の経過が認められるまで、ステップS106の判別が繰り返される。

0083

一方、ステップS106において基準時間の経過が認められると、次に、交番電圧が印加される。交番電圧の最大電圧と周期とはステップS304で設定された通りに制御される。この交番電圧印加中の最大出力がセンサ出力として検出される(S110)。

0084

次に、検出されたセンサ出力に応じて、NOx濃度が求められる(S112)。ここでは、ステップS204で設定された電圧印加条件に応じたマップに従って、センサ出力に応じたNOx濃度が求められる。その後今回の処理は終了する。

0085

以上説明したように、本実施の形態3によれば、運転状態によりNOx濃度が異なる場合に、それに応じて適正な印加電圧の制御を行うことができる。具体的に例えば、負荷が大きくより早くにNOx濃度の検出が求められる環境下では全体の検出時間が短縮化され、また、NOx濃度が低濃度となる場合には、より長くNOx吸着期間を設定して大きな出力を検出することができる。これにより、高い精度でNOx濃度の検出を行うことができる。

0086

なお、本実施の形態3では、複数の運転状態を検出し、これらに応じて、基準時間、交番電圧の最大電圧と周期のそれぞれを設定する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、基準時間、出力検出用の電圧の最大電圧又は交番電圧の振幅、交番電圧の周期等を変化させるものであってもよい。これは、本実施の形態3の制御が他の実施の形態に適用される場合についても同様である。

0087

また、本実施の形態3では、1のNOxセンサ14の印加電圧の制御目標値を運転状態に応じて設定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、実施の形態2のように、複数のNOxセンサを制御する場合において、NOxセンサのそれぞれについて、印加電圧の制御目標値を運転状態に応じて設定するものとしてもよい。これは、本実施の形態3の制御が他の実施の形態に適用される場合についても同様である。

0088

また、本実施の形態3では、設定された制御目標値に応じて、NOx濃度と出力との関係を定めたマップを有し、これに基づきNOx濃度を検出する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、印加電圧の制御目標値に応じて、補正係数を算出し、この補正係数に基づきセンサ出力又はNOx濃度を補正するものとしてもよい。これは、本実施の形態が他の実施の形態に適用される場合にも同様である。

0089

実施の形態4.
本実施の形態4のシステム及びNOxセンサの構成は、図1及び図2において説明したものと同一である。本実施の形態4では、実施の形態1と同様に、NOx濃度検出にあたり、NOx吸着期間と、交番電圧印加期間とを設ける制御に加え、NOxセンサ14の素子温を検出するための制御を実行する。

0090

電極32、34間に高周波数の交番電圧を印加した際に検出される固体電解質30のインピーダンスは、センサ素子温と高い相関を有する。従って、インピーダンスを検出することで、素子温を検出することができる。本実施の形態4では、実施の形態1の制御に加え、インピーダンスに基づくNOxセンサ14の素子温検出の制御を実行する。

0091

図9は、本発明の実施の形態4の制御について説明するためのタイミングチャートである。図9に示されるように、本実施の形態4では、実施の形態1と同様に、NOx吸着期間(a1)を設けてNOxを吸着させる。十分にNOxが吸着された後、NOx検出期間(b1)に入る。NOx検出期間(b1)では、出力検出用の電圧としての交番電圧を印加する。ここで、センサ出力がモニターされ、例えば図9のタイミング(B)において最大出力がセンサ出力として検出される。

0092

その後、素子温検出期間(c1)が設けられる。素子温検出期間(c1)では、固体電解質30のインピーダンス検出用の電圧としての交番電圧が印加される。インピーダンス検出用の交番電圧は、少なくとも、NOx検出期間に印加される交番電圧よりも、高い周波数(短い周期)、かつ、小さな振幅のものとする。具体的には、例えば、出力検出用の交番電圧の周波数を0.1Hz〜10Hzとし、インピーダンス検出用の交番電圧は、周波数を約1kHz以上、最大電圧値を約0.1V以下とする。素子温検出期間(c1)の終了後は、NOx吸着期間(a1)に戻る。

0093

このように、本実施の形態4では、NOx濃度を検出する期間の間、NOx吸着期間(a1)、NOx検出期間(b1)、及び、素子温検出期間(c1)を、この順に繰り返し実行する。

0094

ここで素子温検出期間に印加される交番電圧は、高周波でありかつ、NOx検出期間の交番電圧よりもごく小さなものとされる。これにより、素子温検出期間の交番電圧によるNOxの分解を抑えることができ、NOxセンサ14の応答性を低下させることなく、NOxが実際に吸着される期間を長く確保することができる。

0095

図10は、本発明の実施の形態4において制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図10のルーチンは、図4のルーチンに替えて、一定周期ごとに繰り返し実行されるルーチンである。図10のルーチンは、図4のルーチンのステップS110の処理とステップS112の処理との間に、ステップS402〜S406の処理を有する点を除き、図4のルーチンと同一である。

0096

図10のルーチンにおいて、図4の場合と同様に、出力検出期間において、出力検出用の交番電圧が印加され(S108)、その間の最大出力がセンサ出力として検出される(S110)。

0097

次に、インピーダンス検出用の交番電圧が印加される(S402)。上述したように、インピーダンス検出用の交番電圧は、出力検出用の交番電圧と比較して、高周波数であり、印加時間が短く、かつ振幅の小さな電圧である。具体的な交番電圧の印加時間や周波数や振幅は、制御装置20に予め記憶されている。

0098

次に、インピーダンス検出用の交番電圧印加中の所定の検出タイミング(C)においてインピーダンスが検出される(S404)。

0099

次に、素子温が検出される(S406)。素子温は、ステップS404において検出されたインピーダンスに応じ、インピーダンスと素子温との関係を定めたマップに従って検出される。

0100

その後、ステップS110において検出された、センサ出力に応じて、NOx濃度が検出される(S112)。NOx濃度は、素子温とセンサ出力とNOx濃度との関係を定めたマップに従って、素子温とセンサ出力とに応じて求められる。その後今回の処理が終了する。

0101

以上説明したように、本実施の形態4では、NOx濃度検出への影響を抑えつつ、素子温を検出することができる。検出された温度はNOx濃度の検出に利用することができ、より高い精度でNOx濃度を求めることができる。

0102

なお、実施の形態4では、実施の形態1の制御に、素子温検出のための制御を組み合わせる場合について説明した。しかし本発明はこれに限られるものではなく、実施の形態2又は3の制御に、素子温検出のための制御を組み合わせるものであってもよい。これは、以下の実施の形態5においても同様である。

0103

実施の形態5.
実施の形態5のシステム及びNOxセンサは図1及び図2のシステム及びNOxセンサと同一の構成を有している。本実施の形態5の制御は、実施の形態4の制御に加えて、始動時のセンサ活性前に、検出極32へのNOx吸着を防ぐ制御を行う。

0104

図11は、本発明の実施の形態5の制御について説明するためのタイミングチャートである。図11に示されるように、本実施の形態5では、内燃機関2の始動後、素子温がセンサ素子温の活性温度に達するまでの活性前期間(d1)の間、一定周期で交番電圧を印加する。印加する交番電圧は、素子特性に影響を与えない範囲で、吸着したNOxを十分に分解できるように、最大印加電圧を大きく、周期(印加時間)を長くする。好ましくは、NOx検出用の交番電圧と比べて、振幅、周期共に大きい電圧を印加する。

0105

また活性前期間(d1)においてNOx除去のための交番電圧を印加した後、続けてインピーダンス検出用の交番電圧を印加する。ここで検出タイミング(D)において、固体電解質30のインピーダンスを検出し、それに応じて素子温を求める。この素子温に基づいて、センサ素子が所定の活性温度に達しているか否かを判断する。なお、ここで印加されるインピーダンス検出用の交番電圧は、実施の形態4において説明した素子温検出期間(c1)において印加されるインピーダンス検出用の交番電圧と同じものとする。

0106

本実施の形態5では、センサ素子が活性温度に達するまでの間、NOx除去のための交番電圧印加と、続くインピーダンス検出用の交番電圧の印加とが、一定周期で繰り返される。これにより、活性前期間の間、検出極32に付着するNOxを一定周期で除去し、活性直後からNOxセンサ14によるNOx濃度の検出を開始できる状態とすることができる。

0107

図12は、本発明の実施の形態5において制御装置20が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図12のルーチンは、図10のルーチンに替えて実行される。図12のルーチンは、図10のルーチンのS102の前に、ステップS502〜S512の処理を有する点を除き、図10のルーチンと同一である。

0108

図12のルーチンでは、まず、内燃機関2の始動であるか否かが判別される(S502)。つまり、今回の処理が内燃機関2の始動後最初の処理であるか否かが判断される。ここで内燃機関2の始動が検出されない場合は、ステップS102に移り、ステップS102〜S112の処理が上述の通りに実行される。

0109

一方、内燃機関2の始動が検出されると、次に、NOx除去用の交番電圧が印加される(S504)。印加されるNOx除去用の交番電圧の振幅や印加時間(周期)等は、予め制御装置20に記憶されている。

0110

NOx除去の交番電圧が終了すると、次に、インピーダンス検出用の交番電圧が印加される(S506)。インピーダンス検出用の交番電圧は、NOx除去用の交番電圧やNOx検出期間の交番電圧に比べて、振幅や周期がごく小さなものであり、具体的な振幅や周期の値は予め設定され制御装置20に記憶されている。

0111

インピーダンス検出用の交番電圧印加中のタイミングで、インピーダンスが検出され(S508)、検出されたインピーダンスに応じて素子温が算出される(S510)。素子温は、検出されたインピーダンスに応じ、制御装置20に記憶されたインピーダンスと素子温との関係に従って、求められる。

0112

次に、算出された素子温が、活性温度より高いか否かが判別される(S512)。素子温が活性温度より高いことが認められない場合、再び、ステップS504に戻される。つまり、ステップS512において、素子温>活性温度の成立が認められるまでの間、一定周期で、ステップS504〜S512の処理が繰り返し実行される。

0113

一方、ステップS512において、素子温>活性温度の成立が認められると、次に、ステップS102に移り、実施の形態4と同様に、図10のステップS102〜S112の処理が実行される。

0114

以上説明したように、本実施の形態5では、センサ素子が活性温度に達するまでの間、一定周期で大きな交番電圧が印加される。これにより、センサ素子が活性温度に達するまでの間、一定周期で検出極32に堆積したNOxを除去することができる。従って、センサ素子が活性温度に達した後、早い段階でNOxセンサ14によるNOx濃度の検出を開始することができる。

0115

なお、本実施の形態5では、実施の形態4の制御に、本実施の形態5の活性前期間の制御を加えた場合について説明した。しかしこの発明はこれに限るものではなく、例えば、実施の形態1〜3のいずれかの制御に、実施の形態5に説明した、活性前期間の制御を加えたものであっても良い。

0116

また、活性前期間においてNOx除去のために印加する電圧は、交番電圧に限るものではない。図13は、本発明の実施の形態5において、活性前期間(d1)のNOx除去処理の他の例を説明するためのタイミングチャートである。この例では、図13に示されるように、活性前期間(d1)の間継続して、NOx除去のため一定の直流電圧を印加する。

0117

この例では、活性前期間(d1)におけるインピーダンス検出用の交番電圧は、NOx除去のための直流電流に重畳させて、一定時間ごとに印加する。このようにしても、インピーダンスを検出することができる。このインピーダンスに応じて素子温を検出、この素子温に応じてセンサ素子が活性温度に達したか否かを判別する。素子温が活性温度に到達した後は、直流電圧の印加を停止し、実施の形態1〜4のいずれかに説明したNOx濃度検出のための制御を開始する。

0118

このように、直流電圧を継続して印加することで、検出極32のNOxの分解が促進される状態を維持することができる。従って、NOx除去のための交番電圧を印加する場合と同様に、活性前期間の検出極32へのNOxの堆積を抑えることができ、活性温度到達度、直ぐにNOx濃度検出のための制御を開始することができる。

0119

なお、本実施の形態5の制御では、活性前期間(d1)において、一定時間ごとにインピーダンス検出用電圧を印加することで、素子温を検出する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、このようなインピーダンス検出のための制御を含まないものであってもよい。この場合、センサ素子が活性温度に達したか否かは、他のセンサに基づく温度検出値や、あるいは始動後の経過時間等に基づいて判断するものとしてもよい。

0120

以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、この実施の形態において説明する構造や制御の工程等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。

0121

2内燃機関
4排気経路
8尿素噴射弁
10NOx触媒
12尿素タンク
14NOxセンサ
16 NOxセンサ
20制御装置
30固体電解質
32検出極
34 基準極

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