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技術 硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法

出願人 株式会社菱晃
発明者 瀬谷昌明澤田健司
出願日 2014年6月3日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-114730
公開日 2015年12月21日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2015-229684
状態 特許登録済
技術分野 地盤中に固結物質を施すことによる地盤強化 セメント、コンクリート、人造石、その養生 土壌改良剤および土壌安定剤
主要キーワード 水酸化アルミニウムゾル 噴射注入 硬化材液 土質安定化 カルシウムアルミノシリケート 分刻み 土質安定 水酸化アルカリ金属塩
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課題

本発明は、ゲルタイムが10秒以内であり、すなわち、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供することを目的とする。

解決手段

本発明の硬化材は、アルミナセメント以外の水硬性セメント石膏石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材であって、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする。

概要

背景

地盤注入して補強するために使用する土質安定薬液としては、セメントを水に懸濁させたセメント懸濁液が用いられるが、セメント懸濁液は凝結速度が遅く、凝結するまでに数時間を要する。凝結速度が遅いと、セメント懸濁液中のセメントが沈降してしまい、全容を硬化させることができなくなる。
また、地下水流動しているような地盤内護岸堤防と地盤との空隙部などのように、注入したセメント懸濁液が流水に接触する場合、凝結速度が遅いと、該セメント懸濁液は、流水と混合してしまう。すると、セメントの濃度が低下するため、セメントは充分に硬化しなくなる。
したがって、セメント懸濁液を土質安定用薬液として用いる場合、セメント懸濁液は、地盤に注入する前には流動性が確保され、注入後10秒程度でゲル化し、かつ、早期に強度を発現することが求められる。

そこで最近では、セメント懸濁液の硬化速度を向上させる硬化材液が用いられるようになっている。
例えば、特許文献1には、アルミナセメントを除く水硬性セメント石膏石灰及び水を含む主材液と、アルミナセメント、無機炭酸塩及び水を含む硬化材液とを混合した土質安定用薬液を地盤に注入する土質安定用薬液及び地盤安定化工法が開示されている。該特許文献1に記載された発明によれば、主材液と硬化材液は、それぞれ液状態が長時間安定で、かつ、両液の混合終了後10秒程度で硬化させることが可能であることが記載されている。

概要

本発明は、ゲルタイムが10秒以内であり、すなわち、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供することを目的とする。本発明の硬化材は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材であって、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする。なし

目的

本発明は、ゲルタイムが10秒以内であり、すなわち、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

アルミナセメント以外の水硬性セメント石膏石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材であって、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする、硬化材。

請求項2

アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材液であって、請求項1に記載の硬化材及び水を含むことを特徴とする、硬化材液。

請求項3

アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰、アルミナセメント、無機炭酸塩、アルミン酸アルカリ金属塩及び水を含むことを特徴とする、土質安定薬液

請求項4

アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液と、請求項2に記載の硬化材液とを混合することを特徴とする、請求項3に記載の土質安定用薬液の製造方法。

請求項5

請求項3に記載の土質安定用薬液を地盤注入すること、又は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液と請求項2に記載の硬化材液とを地盤内で混合することを特徴とする、地盤安定化工法

技術分野

0001

本発明は、硬化材硬化材液土質安定薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法に関する。

背景技術

0002

地盤に注入して補強するために使用する土質安定用薬液としては、セメントを水に懸濁させたセメント懸濁液が用いられるが、セメント懸濁液は凝結速度が遅く、凝結するまでに数時間を要する。凝結速度が遅いと、セメント懸濁液中のセメントが沈降してしまい、全容を硬化させることができなくなる。
また、地下水流動しているような地盤内護岸堤防と地盤との空隙部などのように、注入したセメント懸濁液が流水に接触する場合、凝結速度が遅いと、該セメント懸濁液は、流水と混合してしまう。すると、セメントの濃度が低下するため、セメントは充分に硬化しなくなる。
したがって、セメント懸濁液を土質安定用薬液として用いる場合、セメント懸濁液は、地盤に注入する前には流動性が確保され、注入後10秒程度でゲル化し、かつ、早期に強度を発現することが求められる。

0003

そこで最近では、セメント懸濁液の硬化速度を向上させる硬化材液が用いられるようになっている。
例えば、特許文献1には、アルミナセメントを除く水硬性セメント石膏石灰及び水を含む主材液と、アルミナセメント、無機炭酸塩及び水を含む硬化材液とを混合した土質安定用薬液を地盤に注入する土質安定用薬液及び地盤安定化工法が開示されている。該特許文献1に記載された発明によれば、主材液と硬化材液は、それぞれ液状態が長時間安定で、かつ、両液の混合終了後10秒程度で硬化させることが可能であることが記載されている。

先行技術

0004

特開平7−188658号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の発明において、主材液と硬化材液とを混合してから硬化するまでの時間(以下、「ゲルタイム」という。)を10秒以内にするには、気温が20℃前後の場合でも、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌は、長時間を要する。また、冬場や寒い地方での施工である場合、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌は、さらに時間を要する。

0006

そこで本発明は、ゲルタイムが10秒以内であり、すなわち、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、以下の[1]〜[5]の態様を包含する。
[1]アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材であって、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする、硬化材。
[2]アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材液であって、[1]に記載の硬化材及び水を含むことを特徴とする、硬化材液。
[3]アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰、アルミナセメント、無機炭酸塩、アルミン酸アルカリ金属塩及び水を含むことを特徴とする、土質安定用薬液。
[4]アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液と、[2]に記載の硬化材液とを混合することを特徴とする、[3]に記載の土質安定用薬液の製造方法。
[5][3]に記載の土質安定用薬液を地盤に注入すること、又は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液と[2]に記載の硬化材液とを地盤内で混合することを特徴とする、地盤安定化工法。

発明の効果

0008

本発明によれば、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供することができる。

0009

本明細書において「固結体」とは、本発明の土質安定用薬液が地盤内で凝結したものをいう。
また、「瞬結性を有する」とは、ゲルタイムが10秒以内であることを意味する。
また、「撹拌時間」とは、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造において、全成分を混合してから、撹拌を終了するまでの時間を意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。

0010

[硬化材]
本発明の硬化材は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いるものである。該硬化材は、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩を含むことを特徴とする。また、該硬化材は、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩以外に、添加剤を含んでいてもよい。
以下、硬化材が含む各成分について説明する。

0011

(アルミナセメント)
アルミナセメントとしては、例えば、JIS−R2511「耐火物用アルミナセメント」に規定されるアルミナセメント1種〜5種、又はこれに相当する品質を有するアルミナセメントが挙げられる。これらの内、アルミナセメント3種、4種若しくは5種又はこれに相当する品質を有するものは、固結体の圧縮強度が高いので好ましい。アルミナセメントは、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3などのカルシウムアルミネートを主成分とし、4CaO・Al2O3・Fe2O3などのカルシウムアルミノフェライト、2CaO・SiO2などのカルシウムシリケート、又は2CaO・Al2O3・SiO2などのカルシウムアルミノシリケートなどを含むセメントである。
アルミナセメントを含む硬化材液の凝結硬化時間は7時間程度である。アルミナセメントは、施工上、充分な安定性を有する。

0012

(無機炭酸塩)
無機炭酸塩は、アルミナセメント以外の水硬性セメントの硬化を促進する性質を有し、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間を短くする成分である。無機炭酸塩は、主材液に配合すると該主材液を不安定にするが、硬化材液に配合しても該硬化材液を不安定にしない。
無機炭酸塩としては、例えば、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3などのアルカリ金属炭酸塩や、MgCO3などのアルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられる。無機炭酸塩は一種だけ含んでいてもよく、二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。中でも、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間をより短くする点、固結体の圧縮強度をより高める点から、Na2CO3、K2CO3が好ましい。

0013

(アルミン酸アルカリ金属塩)
アルミン酸アルカリ金属塩は、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間を短くする成分である。アルミン酸アルカリ金属塩は、主材液に配合すると該主材液を不安定にするが、硬化材液に配合しても該硬化材液を不安定にしない。
アルミン酸アルカリ金属塩としては、例えば、アルミン酸カリウムアルミン酸ナトリウムが挙げられる。

0014

(添加剤)
硬化材は、アルミナセメント、無機炭酸塩及びアルミン酸アルカリ金属塩以外に、減水剤消泡剤増粘剤などの添加剤を含んでいてもよい。
減水剤としては、リグニンスルホン酸塩又はその誘導体ポリカルボン酸系高性能減水剤オキシ有機酸塩アルキルアリルスルホン酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオール複合体、高級多価アルコールスルホン酸塩メラミンホルマリン縮合物スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物などを主成分とする各種の減水剤、分散剤、高性能減水剤、流動化剤が挙げられる。
消泡剤としては、高級アルコール系、アルキルフェノール系、ジエチレングリコール系、ジブチルフタレート系、非水溶性アルコール系、トリブチルホスフェート系、ポリグリコール系、シリコーン系酸化エチレン酸化プロピレン共重合物系などが挙げられる。
増粘剤としては、メチルセルロースエチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシエチルメチルセルロースヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル系;ポリアクリルアミドポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド−ポリアクリル酸ソーダ共重合物、ポリアクリルアミド部分加水分解物などのアクリル系ポリマーポリビニルアルコールポリエチレンオキサイドアルギン酸ソーダカゼイングアガムなどの水溶性ポリマーなど各種の増粘剤を挙げることができる。
また、硬化材には、該材の安定性を向上させるために、グルコン酸クエン酸などの有機カルボン酸及びその塩などの各種の凝結遅延剤を添加することもできる。

0015

(硬化材の製造方法)
硬化材は、一般に用いられる混合器により、各成分を所望の配合量で混合して製造される。
混合器は、工場又は施工現場に固定されているものでもよく、ミキサートラックに搭載されているものでもよい。
各成分は充分に混合されていることが好ましい。各成分が充分に混合されていることにより、均質な硬化材液を素早く製造することができる。

0016

(主材液)
主材液は、アルミナセメント以外の水硬性セメント(以下、単に「水硬性セメント」とも称する。)、石膏、石灰及び水を含む。該主材液は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水以外に、添加剤を含んでいてもよい。
以下、主材液が含む各成分について説明する。なお、添加剤の詳細については、上述の硬化材における添加剤と同様である。

0017

水硬性セメント:
主材液が含む水硬性セメントは、アルミナセメント以外の水硬性セメントである。該水硬性セメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱及び白色などのポルトランドセメント高炉セメントシリカセメントフライアッシュセメントなどの混合セメントなどが挙げられる。
水硬性セメントは、一種だけ含んでいてもよく、二種以上を組み合わせて含んでいていてもよい。
主材液には、主材としてアルミナセメント以外の水硬性セメントに加えて、アルミナセメントを含ませることができるが、後述する土質安定用薬液の瞬結性を担保する点、及び主材液の安定性を保つ点から、主材液中にアルミナセメントは少ないほど好ましく、含まないことがより好ましい。

0018

主材液中の水硬性セメントの含有量は、主材液200Lあたり、25〜300kgが好ましく、50〜200kgがより好ましく、75〜150kgが特に好ましい。水硬性セメントの含有量が前記下限値以上であれば、固結体の圧縮強度をより高めることができる。一方、前記上限値以下であれば、主材液の粘度が抑えられるため、ポンプによる圧送が容易となり、主材液又は後述する土質安定用薬液が地盤に浸透しやすくなる。また、前記上限値以下であれば、固結体の体積をより大きくすることができる。

0019

石膏:
石膏としては、例えば、II型無水石膏III型無水石膏、α半水石膏、β半水石膏、2水石膏など、各種の形態の石膏が挙げられる。中でも、固結体の圧縮強度がより高くなることから、II型無水石膏が好ましい。
石膏のブレーン値は、3000〜15000cm2/gが好ましく、6000〜10000cm2/gがより好ましい。石膏のブレーン値が前記下限値以上であれば、固結体の圧縮強度がより高くなる。一方、前記上限値以下であれば、水と混合した時に凝集が起こりにくくなる。
石膏は、一種だけ含んでいてもよく、二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。

0020

石灰:
石灰は、水中で水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の形をとるものであり、例えば、消石灰(Ca(OH)2)や生石灰(CaO)が挙げられる。中でも、取扱いが容易な消石灰が好ましい。
石灰のブレーン値は6000〜20000cm2/gが好ましく、8000〜15000cm2/gがより好ましい。石灰のブレーン値が前記下限値以上であれば、瞬結性により優れる。一方、前記上限値以下であれば、水と混合した時に凝集が起こりにくくなる。
石灰は、一種だけ含んでいてもよく、二種以上を組み合わせて含んでいていてもよい。

0021

石膏と石灰の比率
主材液中の石膏(G)と石灰(L)の質量比率は、石膏比率「G/(G+L)」の値で、0.1〜0.85が好ましく、0.2〜0.6がより好ましい。「G/(G+L)」が前記下限値以上であれば、固結体の圧縮強度がより高くなる。一方、前記上限値以下であれば、瞬結性により優れる。

0022

石膏と石灰の合計含有量:
主材液中の石膏と石灰の合計含有量は、主材液200Lあたり、10〜60kgが好ましく、20〜40kgがより好ましい。石膏と石灰の合計含有量が前記下限値以上であれば、瞬結性により優れ、また、固結体の強度がより高くなる。一方、前記上限値以下であれば、主材液の粘度が抑えられるため、ポンプによる圧送が容易となり、主材液又は後述する土質安定用薬液が地盤に浸透しやすくなる。また、前記上限値以下であれば、固結体の体積をより大きくすることができる。

0023

主材液の製造方法:
主材液は、公知の撹拌器等を用いて、各成分を所望の配合量で水に分散させることにより製造される。
主材液を製造する際の、水硬性セメント、石膏、石灰及び水を混合する順序は、特に限定されない。主材液の製造方法は、石灰、石膏、並びに任意成分である分散剤及び消泡剤などの添加剤を水に分散させた後、水硬性セメントを加え、所定時間撹拌して混合する方法が好ましい。
地盤安定化を行う施工現場で主材液を製造する方法としては、例えば、水硬性セメントと石膏と石灰とを別々に施工現場に搬入し、所定の量比で混合した後、水を加えて混合する方法、水硬性セメント、石膏及び石灰を所定の量比で予め配合した主材の混合物を施工現場に搬入し、これに水を加えて混合する方法が挙げられる。中でも、施工現場での作業を簡略化できる点から、後者の方法が好ましい。

0024

本発明では、主材液の水以外の成分を水に分散させた後の撹拌時間が短くても瞬結性は得られる。しかし、各成分は水に充分に分散されていることが好ましい。各成分が水に充分に分散されていることにより、主材液と硬化材液とがより均一に混合され、固結体の圧縮強度のバラツキがより少なくなる。

0025

[硬化材液]
硬化材液は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰及び水を含む主材液を硬化させるために用いる硬化材液である。該硬化材液は、上述の硬化材及び水を含むことを特徴とする。
以下、硬化材液が含む水、硬化材液中の各成分の含有量、及び硬化材液の製造方法について説明する。なお、硬化材が含む成分及び主材液が含む成分の詳細については、上述の「硬化材」における成分と同様である。

0026

(水)
水としては、例えば、上水工業用水、地下水、河川水海水などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を充分に発揮させるためには、上水や工業用水が好ましい。

0027

(硬化材液中の各成分の含有量)
硬化材液中のアルミナセメントの含有量は、該硬化材液200Lあたり、5〜100kgであることが好ましく、10〜60kgがより好ましく、14〜30kgが特に好ましい。アルミナセメントの含有量が前記下限値以上であれば、固結体の圧縮強度がより高くなる。一方、前記上限値以下であれば、硬化材液の粘度が抑えられるため、主材液と硬化材液とがより均一に混合され、固結体の圧縮強度のバラツキがより少なくなる。また、前記上限値以下であれば、ポンプによる圧送が容易となり、硬化材液又は後述する土質安定用薬液が地盤に浸透しやすくなる。

0028

硬化材液中の無機炭酸塩の含有量は、該硬化材液200Lあたり、2〜10kgであることが好ましく、4〜8kgがより好ましい。無機炭酸塩の含有量が前記範囲内にあれば、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間をより短くできる。本発明の効果をより発揮させるためには、硬化材から硬化材液を調製した際に、無機炭酸塩の不溶解分が残らないようにすることが好ましい。

0029

硬化材液中のアルミン酸アルカリ金属塩の含有量は、該硬化材液200Lあたり、0.5〜5kgであることが好ましく、1〜3kgがより好ましい。アルミン酸アルカリ金属塩の含有量が前記下限値以上であれば、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間をより短くすることができる。一方、前記上限値以下であれば、硬化材液の粘度が抑えられるため、ポンプによる圧送が容易となり、硬化材液又は後述する土質安定用薬液が地盤に浸透しやすくなる。また、前記上限値以下であれば、固結体の体積をより大きくすることができる。

0030

(製造方法)
硬化材液は、公知の撹拌器等を用いて、硬化材の各成分を水に分散させることにより製造される。分散方法としては、予め製造した硬化材を水に分散させる方法でもよく、硬化材の各成分を任意の順序で水に分散させる方法でもよい。
本発明では、硬化材を水に分散させた後の撹拌時間が短くても瞬結性は得られる。しかし、各成分は水に充分に分散されていることが好ましい。各成分が水に充分に分散されていることにより、主材液と硬化材液とがより均一に混合され、固結体の圧縮強度のバラツキがより少なくなる。

0031

[土質安定用薬液]
本発明の土質安定用薬液は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰、アルミナセメント、無機炭酸塩、アルミン酸アルカリ金属塩及び水を含むことを特徴とする。また、該土質安定用薬液は、アルミナセメント以外の水硬性セメント、石膏、石灰、アルミナセメント、無機炭酸塩、アルミン酸アルカリ金属塩及び水以外に、添加剤を含んでいてもよい。
土質安定用薬液が含む各成分の詳細は、上述の「硬化材」及び「硬化材液」における成分と同様である。

0032

(製造方法)
土質安定用薬液の製造方法は、公知の撹拌器等を用いて、各成分を水に分散させる方法でもよく、主材液に、硬化材又は硬化材の成分を添加する方法でもよく、硬化材液に、主材液中の水以外の成分を添加する方法でもよく、主材液と硬化材液とを混合する方法でもよい。中でも、施工現場での作業を簡略化できる点及び瞬結性をより高める点から、土質安定用薬液の製造方法は、主材液と硬化材液とを混合する方法が好ましい。

0033

以下、主材液と硬化材液とを混合する方法について説明する。
両液の混合は、地盤に注入する前に行ってもよく、各液を地盤に注入しながら行ってもよい。地盤に注入する前に混合を行う場合は、セメントを製造する際に通常用いる撹拌器等を用いて、一般的な撹拌方法によって混合すればよい。各液を地盤に注入しながら混合を行う場合は、例えば、主材液と硬化材液とを、それぞれ単位時間当りの送液容量を所定の比率に設定したポンプを用いて個別にY字管に供給して両液を合流、混合させたのち地盤に注入する方法、両液を途中にスタティックミキサーなどの混合器が設けられた混合室管内混合器管路混合器)を有する注入管に圧送して混合したのち地盤に注入する方法、又は、主材液と硬化材液を二重管内管外管で別々に送液し、地盤に注入する直前又は注入時に両液を合流させて混合する方法などが挙げられる。注入中に硬化しないようにするため、土質安定用薬液は、注入直前又は注入しながら製造することが好ましく、注入しながら製造することがより好ましい。
施工がし易くなる点から、主材液と硬化材液とは7:3〜3:7の容量比で混合することが好ましく、6:4〜4:6で混合することがより好ましく、略等容量で混合することが特に好ましい。

0034

[地盤安定化工法]
本発明の地盤安定化工法には、上述の土質安定用薬液を地盤に注入する第一の態様と、主材液と硬化材液とを地盤内で混合する第二の態様とがある。
第一の態様の具体的な方法は、上述の「土質安定用薬液」の製造方法等で土質安定用薬液を得、該薬液を注入管等を通じて地盤に注入する方法である。
第二の態様の具体的な方法は、主材液と硬化材液とを別々の注入管で地盤内に注入し、両液を地盤内で合流させ、混合させる方法である。本態様では、注入の際には、噴射ノズルを有する注入管を用いて、圧力50〜1000kg/cm2で噴射注入してもよい。

0035

作用効果
本発明によれば、瞬結性に優れ、かつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間がより短い硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法を提供することができる。このような本発明による効果は、以下に説明するメカニズムによるものと推定される。

0036

本発明の硬化材に含ませるアルミン酸アルカリ金属塩は、主材液と硬化材液とを混合した際、石灰由来の水酸化カルシウムと反応して、水酸化アルカリ金属塩水酸化アルミニウムゾルを生成する。
これらのうち水酸化アルカリ金属塩が、セメントの凝結を促進する作用を有するため、瞬結性を担保しつつ、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間を短くすることができる。
一方、水酸化アルミニウムゾルは、水酸化カルシウムと反応してカルシウムアルミネート水和物を形成し、硬化を急速に進行させる。また、該水酸化アルミニウムゾルは、無機炭酸塩及びアルミナセメントとの相乗効果により、撹拌時間を短くする効果を発揮していると推測される。

0037

また、後述の実施例で示すとおり、上記特許文献1に記載の発明では、気温が20℃の場合、主材液と硬化材液のそれぞれの調製における撹拌を8分以上行わなければ、土質安定用薬液の瞬結性は発揮されない。さらに、冬場や寒い地方での施工を想定した気温が5℃の場合、主材液と硬化材液のそれぞれの調製における撹拌を25分以上行わなければ、土質安定用薬液の瞬結性は発揮されない(比較例1,2を参照)。
一方、本発明によれば、主材液と硬化材液のそれぞれの調製における撹拌時間を短くしても、土質安定用薬液の瞬結性は発揮される。特に、気温が5℃前後の場合に、主材液と硬化材液のそれぞれの調製における撹拌時間を5分と短くしても、土質安定用薬液の瞬結性は発揮される(実施例1,2を参照)。

0038

以下に本発明を実施例及び比較例を用いてさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた材料、主材液及び硬化材液の調整方法、並びに各種測定・評価方法は以下のとおりである。

0039

[材料]
(主材液)
・水硬性セメント:普通ポルトランドセメント
・石膏:II型無水石膏(ブレーン値:6500cm2/g)
・石灰:消石灰(ブレーン値:13000cm2/g)
・減水剤:ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物
・消泡剤:酸化エチレン−酸化プロピレン共重合物系消泡剤
・水:水道水

0040

(硬化材液)
・アルミナセメント:JIS−R2511,3種
・無機炭酸塩:ソーダ灰無水炭酸ナトリウム
・アルミン酸アルカリ金属塩:アルミン酸ナトリウム粉末モル比1.1)
・水:水道水

0041

[主材液の調製方法
5℃又は20℃に調整した材料を使用し、それぞれ5℃又は20℃の室内で石灰、石膏、分散剤、及び消泡剤の混合物を水に分散させた後、普通ポルトランドセメントを分散し、撹拌して主材液を得た。撹拌は、マグネチックスターラーを用い、200mLのディスカップに長さ4cmのスターラーバーを入れ、主材液200mLの入った状態で、回転数650〜750rpmの条件で行った。
本実施例では、普通ポルトランドセメントを分散してから、撹拌を終了するまでの時間を「主材液の撹拌時間」とした。

0042

[硬化材液の調製方法]
5℃又は20℃に調整した材料を使用し、それぞれ5℃又は20℃の室内でアルミナセメント、無機炭酸塩、及びアルミン酸アルカリ金属塩を混合した硬化材を水に分散し、撹拌して硬化材液を得た。撹拌は、マグネチックスターラーを用い、200mLのディスカップに長さ4cmのスターラーバーを入れ、硬化材液200mLの入った状態で、回転数650〜750rpmの条件で行った。
本実施例では、硬化材を水に分散してから、撹拌を終了するまでの時間を「硬化材液の撹拌時間」とした。

0043

[瞬結性発現に必要な最低撹拌時間の測定]
まず、得られた主材液50mLと硬化材液50mLとをそれぞれ200mLディスカップに入れ、硬化材液の入ったディスカップに主材液の全量を勢いよく入れた後、両液の混合液を直ちに主材液が入っていたディスカップに移動し、さらに硬化材液が入っていたディスカップに移動した。最初に主材液と硬化材液を混合してからここまで3秒程度であった。次いで、ディスカップを水平にして10秒間静置した後、ディスカップを45度傾けて、混合液の液面が動くか否かを確認した。

0044

混合液の液面が動いた場合は、上記の主材液の撹拌時間及び硬化材液の撹拌時間を延長して、上記の混合液の液面が動くか否かの確認を最初からやり直した。やり直す場合の両撹拌時間は、10分間までは1分刻みで、それ以降は5分刻みで延長した。
混合液の液面が動かないことが確認された場合、その場合の撹拌時間を、瞬結性発現に必要な最低撹拌時間(以下、「最低撹拌時間」という。)とし、やり直すのを止めた。

0045

[実施例1〜3及び比較例1〜4]
実施例1〜3及び比較例1〜4では、それぞれ表1に示された成分、該成分の含有量で、それぞれ表1に示された撹拌時間で撹拌した主材液及び硬化材液を用いて、5℃又は20℃における最低撹拌時間を測定した。なお、5℃における最低撹拌時間の測定には、5℃で調製した主材液及び硬化材液を用い、一方、20℃における最低撹拌時間の測定には、20℃で調製した主材液及び硬化材液を用いた。
測定結果を表1に示す。

0046

実施例

0047

表1から明らかなように、硬化材液がアルミン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む実施例1〜3では、最低撹拌時間は20℃の場合で3分間、5℃の場合で5分間であり、主材液及び硬化材液のそれぞれの製造における撹拌時間が短くても、瞬結性に優れた土質安定化薬液が得られた。
これに対し、硬化材液がアルミン酸ナトリウムを含まない比較例1、2では、最低撹拌時間は、20℃の場合で8〜9分間、5℃の場合で25分以上であり、実施例1〜3に比べて、長かった。
また、炭酸ナトリウムを含まない比較例3、4では、最低撹拌時間は、5℃の場合には撹拌時間をいくら延長しても瞬結性が得られず、20℃の場合には、30分間以上撹拌しなければ、瞬結性を有する土質安定化薬液は得られなかった。

0048

本発明の硬化材、硬化材液、土質安定用薬液、該薬液の製造方法、及び地盤安定化工法は、例えば、地盤内の空隙、護岸堤防と地盤との空隙、液状化によって生じた空洞及びトンネル背面の空洞等に注入して地盤を補強するために有用である。

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