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図面 (2)

課 題

安全性の点で問題のないヒアルロン酸産生促進剤を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合したヒアルロン酸産生促進サプリメント飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料を提供することを課題とする。

解決手段

DF−1をヒアルロン酸産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料の有効成分とする。このSDF−1には、ヒアルロン酸量を増加させる働きがある。

概要

背景

近年、光老化という、長年において肌に紫外線照射され続けることによる、しみ、皺、たるみなどの肌の障害を防止することに関して、多くの研究がなされている。
皮膚はおおまかに皮膚表面に存在する表皮と表皮の下部に存在する真皮からなる。表皮は主に外部からの異物病原菌、紫外線から保護するバリアー機能や、生体内からの物質漏洩防護する機能を有する。また真皮は表皮の約15〜40倍の厚さを持ち、皮膚の力学的強度を保つ役割を担っている。真皮はその乾燥重量の70%がコラーゲンからなる繊維成分であるが、真皮の線維皮膚線維芽細胞との間には、糖蛋白質や、プロテオグリカンといった基質が存在する。プロテオグリカンは、糖蛋白質とグリコサミノグリカンといったムコ多糖とが結合した分子量105〜106以上の巨大分子であり、真皮のグリコサミノグリカンは、主にヒアルロン酸デルマタン硫酸からなるため、ヒアルロン酸は真皮における主要なマトリックス成分であると言える。
老化などの生理要因や、太陽光などの紫外線、乾燥、酸化等などの外的環境の変化により皮膚の水分含量や真皮のヒアルロン酸量が低下すると、皮膚に皺が発生し、たるんだ状態を引き起こす。ヒアルロン酸は、主に皮膚の水分を保持する機能を有していることから、真皮中のヒアルロン酸含量を高めることによって、皮膚の水分含量の低下を防ぐことができると考えられ、皮膚における水分保持機能改善剤として、ヒアルロン酸を配合した化粧料が数多く提案されている。しかしながら、これらの皮膚表面に塗布されたヒアルロン酸は、皮膚表面の保湿効果を発揮するのみであり、肌の機能低下を本質的に改善し得るものではない。
また、ヒアルロン酸は、高い相対分子量や低い脂溶性生体膜障壁の通過困難性、大量の多糖分解酵素の存在といった理由から、経口投与した際の消化管からの吸収が悪いことが報告されている(特許文献1)。したがって、肌の機能低下を本質的に改善するためには、真皮層のヒアルロン酸の生合成を促進させる必要があり、これによって皮膚のシワやたるみを防止でき、しかも安全性の点でも問題のないヒアルロン酸産生促進剤が望まれていた。
これまで、ヒアルロン酸産生促進剤としては、インシュリン様成長因子−1(IGF-1)や上皮成長因子(EGF)、血漿由来成長因子(PDGF)-BB、インターロイキンン−1(IL-1)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1などが知られているが、いずれも飲食品化粧品医薬品等として実用化に至っていない。
一方、関節液中のヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、関節機能の円滑な作動に役立っている。正常人関節液中のヒアルロン酸濃度は約2.3mg/mLであるが、例えば、関節リウマチの場合、関節液中のヒアルロン酸濃度は約1.2mg/mLへと低下し、同時に関節液の粘度も著しく低下する。また、化膿性関節炎痛風性関節炎などでも関節リウマチの場合と同様、ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている(非特許文献1)。
上記疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆・保護、疼痛抑制及び病的関節液の性状改善をするために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが行われている。例えば、関節リウマチ患者ヒアルロン酸ナトリウムの関節注入療法を行うと、上記の性状の改善が認められている(非特許文献2)。同様に、外傷性関節症骨関節炎変形性関節症においても、ヒアルロン酸の関節注入療法による改善効果が報告されている(非特許文献3)。
以上のことから、ヒアルロン酸産生の促進は、肌荒れ等の皮膚疾患、関節リウマチや外傷性関節症、骨関節炎、変形性関節症といった関節疾患の予防、治療に有効である。しかしながら、上記疾患の治療は長期にわたり、しかも医師の処方を必要とする。したがって、日常の生活の中で手軽に治療できるヒアルロン酸産生促進剤を含有するサプリメントクリームあるいは飲食品が望まれていた。
ケモカインであるstromal cell derived factor 1 (SDF−1またはCXCL12、PBSF)は、Gタンパク質共役受容体であるCXCR4のリガンドであるが、そのSDF−1/CXCR4シグナル伝達系は、発生過程における造血血管形成などの生理作用を有することが知られている。また、近年では、SDF−1はマウス背部の真皮に発現していることや、表皮の細胞増殖を促すことが報告されている。しかし、ヒアルロン酸を産生する機能についての報告はない。

概要

安全性の点で問題のないヒアルロン酸産生促進剤を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合したヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料を提供することを課題とする。SDF−1をヒアルロン酸産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料の有効成分とする。このSDF−1には、ヒアルロン酸量を増加させる働きがある。

目的

したがって、肌の機能低下を本質的に改善するためには、真皮層のヒアルロン酸の生合成を促進させる必要があり、これによって皮膚のシワやたるみを防止でき、しかも安全性の点でも問題のないヒアルロン酸産生促進剤が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

DF−1を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤

請求項2

SDF−1を有効成分とするスキンケア剤

請求項3

前記スキンケアが、肌荒れの予防及び/又は改善であることを特徴とする請求項2記載のスキンケア剤。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進サプリメント

請求項5

請求項1〜3のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進用飲食品

請求項6

請求項1〜3のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進用化粧料

請求項7

SDF−1を経口摂取又は塗布することによる肌質改善方法

請求項8

SDF−1を1日あたり10.0μg以上経口摂取するか、又は0.05〜0.5重量%配合した組成物を塗布することによる肌質の改善方法。

技術分野

0001

本発明は、皮膚の荒れシワ弾性低下関節機能下等を防止するのに有用なヒアルロン酸産生促進剤ヒアルロン酸産生促進サプリメント飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料に関する。

背景技術

0002

近年、光老化という、長年において肌に紫外線照射され続けることによる、しみ、皺、たるみなどの肌の障害を防止することに関して、多くの研究がなされている。
皮膚はおおまかに皮膚表面に存在する表皮と表皮の下部に存在する真皮からなる。表皮は主に外部からの異物病原菌、紫外線から保護するバリアー機能や、生体内からの物質漏洩防護する機能を有する。また真皮は表皮の約15〜40倍の厚さを持ち、皮膚の力学的強度を保つ役割を担っている。真皮はその乾燥重量の70%がコラーゲンからなる繊維成分であるが、真皮の線維皮膚線維芽細胞との間には、糖蛋白質や、プロテオグリカンといった基質が存在する。プロテオグリカンは、糖蛋白質とグリコサミノグリカンといったムコ多糖とが結合した分子量105〜106以上の巨大分子であり、真皮のグリコサミノグリカンは、主にヒアルロン酸デルマタン硫酸からなるため、ヒアルロン酸は真皮における主要なマトリックス成分であると言える。
老化などの生理要因や、太陽光などの紫外線、乾燥、酸化等などの外的環境の変化により皮膚の水分含量や真皮のヒアルロン酸量が低下すると、皮膚に皺が発生し、たるんだ状態を引き起こす。ヒアルロン酸は、主に皮膚の水分を保持する機能を有していることから、真皮中のヒアルロン酸含量を高めることによって、皮膚の水分含量の低下を防ぐことができると考えられ、皮膚における水分保持機能改善剤として、ヒアルロン酸を配合した化粧料が数多く提案されている。しかしながら、これらの皮膚表面に塗布されたヒアルロン酸は、皮膚表面の保湿効果を発揮するのみであり、肌の機能低下を本質的に改善し得るものではない。
また、ヒアルロン酸は、高い相対分子量や低い脂溶性生体膜障壁の通過困難性、大量の多糖分解酵素の存在といった理由から、経口投与した際の消化管からの吸収が悪いことが報告されている(特許文献1)。したがって、肌の機能低下を本質的に改善するためには、真皮層のヒアルロン酸の生合成を促進させる必要があり、これによって皮膚のシワやたるみを防止でき、しかも安全性の点でも問題のないヒアルロン酸産生促進剤が望まれていた。
これまで、ヒアルロン酸産生促進剤としては、インシュリン様成長因子−1(IGF-1)や上皮成長因子(EGF)、血漿由来成長因子(PDGF)-BB、インターロイキンン−1(IL-1)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β1などが知られているが、いずれも飲食品や化粧品医薬品等として実用化に至っていない。
一方、関節液中のヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、関節機能の円滑な作動に役立っている。正常人関節液中のヒアルロン酸濃度は約2.3mg/mLであるが、例えば、関節リウマチの場合、関節液中のヒアルロン酸濃度は約1.2mg/mLへと低下し、同時に関節液の粘度も著しく低下する。また、化膿性関節炎痛風性関節炎などでも関節リウマチの場合と同様、ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている(非特許文献1)。
上記疾患において、潤滑機能の改善、関節軟骨の被覆・保護、疼痛抑制及び病的関節液の性状改善をするために、関節液中のヒアルロン酸量を増加させることが行われている。例えば、関節リウマチ患者ヒアルロン酸ナトリウムの関節注入療法を行うと、上記の性状の改善が認められている(非特許文献2)。同様に、外傷性関節症骨関節炎変形性関節症においても、ヒアルロン酸の関節注入療法による改善効果が報告されている(非特許文献3)。
以上のことから、ヒアルロン酸産生の促進は、肌荒れ等の皮膚疾患、関節リウマチや外傷性関節症、骨関節炎、変形性関節症といった関節疾患の予防、治療に有効である。しかしながら、上記疾患の治療は長期にわたり、しかも医師の処方を必要とする。したがって、日常の生活の中で手軽に治療できるヒアルロン酸産生促進剤を含有するサプリメント、クリームあるいは飲食品が望まれていた。
ケモカインであるstromal cell derived factor 1 (SDF−1またはCXCL12、PBSF)は、Gタンパク質共役受容体であるCXCR4のリガンドであるが、そのSDF−1/CXCR4シグナル伝達系は、発生過程における造血血管形成などの生理作用を有することが知られている。また、近年では、SDF−1はマウス背部の真皮に発現していることや、表皮の細胞増殖を促すことが報告されている。しかし、ヒアルロン酸を産生する機能についての報告はない。

0003

特開 2009-500503

先行技術

0004

Journal of Cell Science, 第118巻, 1981頁, 2005年

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、安全性の点で問題のないヒアルロン酸産生促進剤を提供することを課題とする。また、本発明は、そのような物質を配合したヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、これらの課題を解決するために、広く食品素材に含まれているヒアルロン酸産生促進作用を示す物質について、鋭意、探索を進めたところ、SDF−1がヒアルロン酸産生量を増加させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の態様を含むものである。
(1)SDF−1を有効成分とするヒアルロン酸産生促進剤。
(2)SDF−1を有効成分とするスキンケア剤
(3)前記スキンケアが、肌荒れの予防及び/又は改善であることを特徴とする(2)記載のスキンケア剤。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進用サプリメント。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進用飲食品。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載のSDF−1を配合したヒアルロン酸産生促進用化粧料。
(7)SDF−1を経口摂取又は塗布することによる肌質改善方法
(8)SDF−1を1日あたり10μg以上経口摂取するか、又は0.05〜0.5重量%になるよう調整した物を塗布することによる肌質の改善方法。

発明の効果

0007

本発明により、SDF−1を有効成分とするヒアルロン酸産促進剤、ヒアルロン酸産生促進用飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料が提供される。本発明のヒアルロン酸産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料は、皮膚のヒアルロン酸産生を促進させる作用を有し、皮膚のシワやたるみ、乾燥感や肌荒れの予防や治療に有用である。

図面の簡単な説明

0008

SDF−1がヒアルロン酸合成酵素遺伝子(Has2)のmRNA発現へ及ぼす影響について比較したものである。

0009

本発明のヒアルロン酸産生促進剤の特徴は、SDF−1を有効成分とすることにある。本発明のSDF−1はどのような由来のものであっても使用可能である。たとえば、ヒト及びウシ由来のSDF−1はすでにその遺伝子配列が明らかになっており、遺伝子組換えによる生産が可能であるが、本発明では、遺伝子工学的手法により生産されたSDF−1も使用可能であり、細胞培養培養液から回収した細胞由来のものも使用可能である。また、SDF−1はウシ初乳中に含有されており、乳から回収したものであっても良く、生乳粉乳脱脂乳還元乳等から、加熱処理加塩処理エタノール処理イオン交換クロマトグラフィーゲル濾過クロマトグラフィー等の各種クロマト処理限外濾過処理等によって取得することも可能である。

0010

本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、経口投与あるいは塗布することにより、ヒアルロン酸産生促進効果を発揮する。本発明のヒアルロン酸産生促進剤を経口投与するに際しては、有効成分であるSDF−1をそのままの状態で用いることもできるが、常法に従い、粉末剤顆粒剤錠剤カプセル剤ドリンク剤等に製剤化して用いることもできる。本発明において、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の経口剤は、例えば、澱粉乳糖白糖マンニットカルボキシメチルセルロースコーンスターチ無機塩類等の賦形剤を用いて常法によって製剤化することが可能である。この種の製剤には、前記賦形剤の他に、結合剤崩壊剤界面活性剤滑沢剤流動性促進剤、着色料香料等を適宜使用してもよい。結合剤としては、例えば、澱粉、デキストリンアラビアガムゼラチンヒドロキシプロピルスターチカルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロース結晶性セルロースエチルセルロースポリビニルピロリドンが挙げられ、崩壊剤としては、例えば、澱粉、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース等が挙げられる。また、界面活性剤としては、大豆レシチン蔗糖脂肪酸エステル等、滑沢剤としては、タルクロウ、蔗糖脂肪酸エステル、水素添加植物油等、流動性促進剤としては無水ケイ酸乾燥水酸化アルミニウムケイ酸マグネシウム等が挙げられる。

0011

さらには、これらのSDF−1をそのままあるいは製剤化した後、これをサプリメント、栄養剤飲食品等に配合することも可能である。なお、SDF−1は、比較的熱に対して安定であるので、SDF−1を含む原料を通常行われるような条件で加熱殺菌することも可能である。

0012

本発明のヒアルロン酸産生促進剤を塗布するに際しては、その使用目的に応じて、通常用いられる公知の成分に配合することによって、液剤固形剤半固形剤等の各種剤形に調製することが可能で、好ましい組成物として軟膏ゲル、クリーム、スプレー剤貼付剤ローション粉末等が挙げられる。例えば、本発明のヒアルロン酸産生促進剤をワセリン等の炭化水素ステアリルアルコールミリスチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸級アルキルエステルラノリン等の動物性油脂グリセリン等の多価アルコールグリセリン脂肪酸エステルモノステアリン酸ポリエチレングリコール等の界面活性剤、無機塩、ロウ、樹脂、水及び、要すればパラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸ブチル等の保存料に混合することによって、ヒアルロン酸産生促進用化粧料や医薬品を製造することができる。

0013

本発明のヒアルロン酸産生促進剤の経口投与による有効量は、その製剤形態投与方法、使用目的、及びこれを適用される患者年齢、体重、病状により適宜規定され一定でないが、ラットを用いた動物実験の結果、SDF−1は、ラット体重1kg当たり10μg以上摂取させることでヒアルロン酸産生促進作用を示すことが明らかとなった。したがって、外挿法によると、通常、成人一人当たり一日10μg以上のSDF−1を摂取すればヒアルロン酸産生促進効果が期待できるため、この必要量を確保できるよう飲食品に配合するか、あるいは、医薬として投与すれば良い。なお、投与は必要に応じて一日数回に分けて行うことも可能である。

0014

本発明のヒアルロン酸産生促進剤の塗布による有効量は、剤形により異なるが、適用する組成物全量を基準として、好ましくは、0.001〜2重量%となるように、SDF−1を配合すれば良い。ただし、入浴剤のように使用時に希釈されるものは、さらに配合量を増やすことができる。

0015

試験例1]
Biolegend社より購入したRecombinant Human CXCL12 (SDF-1α) (carrier-free)を試料Aとし、ラットを用いた動物実験によりヒアルロン酸産生促進作用を調べた。7週齢のWistar系雄ラットを、生理食塩水投与群対照群)、試料Aをラット体重1kg当たり10μg投与する群(A−1群)、試料Aをラット体重1kg当たり100μg投与する群(A−2群)、に分け、それぞれを毎日1回ゾンデで経口投与して10週間飼育した。皮膚のヒアルロン酸量については、試験前日に剃毛したラットを屠殺後速やかに回収した皮膚組織(各300mg)を測定に供した。加熱によりタンパク変性させた皮膚組織をアクチナーゼによりタンパク質分解した。得られた分解物を、更にヒアルロニダーゼにてヒアルロン酸に分解した。ヒアルロン酸をHPLC法にて測定した。
その結果を表1に示す。

0016

数値は、平均値±標準偏差(n=6)を示す。
※は対照群と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。

0017

この結果、10週間後の可溶性画分中ヒアルロン酸量は、対照群に比べ、すべての試験群で有意に高い値を示した。このことから、SDF−1には、ヒアルロン酸産生促進作用があることが明らかとなり、ヒアルロン酸産生促進剤として有用であることが示された。また、このヒアルロン酸産生促進作用はSDF−1をラット体重1kg当たり少なくとも10.0μg投与した場合に認められることが明らかとなった。

0018

[試験例2]
試料Aついて、正常ヒト線維芽細胞株〔白人女性の皮膚より採取されたCCD45SKATCCRL 1506)〕を用いた実験によりヒアルロン酸産生促進作用を調べた。10容量%ウシ胎児血清(以下FBS略記)含有変法イーグル培地MEM、10‐101、大日本製薬社製)を用いて、正常ヒト線維芽細胞株を4×104個/ウエル/0.4mlとなるように24ウエルプレート播種して、5%炭酸ガス飽和水蒸気下、37℃で24時間培養した後、0.6容量%FBS含有MEM培地置換した。そして、試料Aを、各ウエルに0.1容量%となるように添加(n=6)して、72時間培養して培養液を得た。このようにして得られた培養液中の、ヒアルロン酸量(バイオテックトレーディングパートナーズ社製)を測定した。なお、対照として、SDF−1を添加せずに同様の試験を行った。その結果を表2に示す。

0019

数値は、平均値±標準偏差(n=6)を示す。
※は対照と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。

0020

表2の結果、SDF−1を添加した群は、SDF−1を添加していない群(対照)に比べて2倍以上のヒアルロン酸産生促進能を示した。このことから、SDF−1には、皮膚線維芽細胞に働きかけ、ヒアルロン酸産生を促進する作用があることが明らかとなり、ヒアルロン酸産生促進剤として有用であることが示された。

0021

[試験例3]
SDF−1がヒアルロン酸合成酵素遺伝子(Has2)のmRNA発現へ及ぼす影響について、正常ヒト新生児包皮皮膚線維芽細胞(NHDF(NB))を用いた細胞実験及びリアルタイムPCR法を用いて確認した。具体的には、NHDF(NB)細胞を24穴プレートに0.5×105cells/wellになる様に播種し、MEDIUM106培地(GIBCO社製)にて37℃、5%CO2環境下にて7日間培養した。7日間の培養期間のうち最終の24時間について、試料Aをそれぞれ100nM、500nM、1μMになるようにMEDIUM106培地に溶解したものを細胞に添加した後、total RNAを回収しcDNAを合成した。培養した細胞にRNA抽出剤であるISOGEN(ニッポンジーン社製)を0.5ml添加し5分間静置した後、ピペッティングにて可溶化させた細胞液を1.5ml容チューブに回収した。細胞液に0.1mlのクロロホルムを添加し、十分に攪拌した後、二層に分離した上層(水層)を新たな1.5ml容チューブに回収した。回収液に0.25mlの2−プロピルアルコールを添加し、10分間静置後、15,000rpm、4℃にて15分間遠心し、total RNAの沈殿物を得た。得られた沈殿物は、70%エタノールにて洗浄した後、DEPC水に溶解しRNA液とした。1μg分のRNAからTakara PrimeScriptTMRTreagent Kit を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAをテンプレートとして、SYBR Green (Takara SYBR Prime Ex Taq II)を使用したリアルタイムPCRを行った。反応条件は、95℃、30秒の初期変性後、95℃、5秒の変性、57℃、15秒のアニーリング、72℃、20秒の伸張であり、合計40サイクル反応させた。プライマーは表3に記載のHas2遺伝子発現確認用プライマーを使用した。結果を図1に示す。

0022

0023

図1により、SDF−1をNHDF(NB)細胞に添加した時に、Has2遺伝子のmRNA発現量は、SDF−1の濃度に依存して有意に亢進された。

0024

表4に示す配合のヒアルロン酸産生促進用飲料を常法により製造した。製造した飲料の風味は良好で沈殿等の問題もなかった。

0025

0026

表5に示す配合のドウを常法により作製し、成形した後、焙焼してヒアルロン酸産生促進用ビスケットを製造した。

0027

0028

表6に示す配合のヒアルロン酸産生促進剤を常法により製造した。

0029

0030

表7に示す配合の化粧水を常法により製造した。

0031

0032

表8に示す配合のクリームを常法により製造した。

0033

0034

[試験例5]
実施例4で得られた化粧水及び実施例5で得られたクリームを用いて、実使用テストを行った。比較品としては、SDF−1を除いた以外は実施例4及び5と同じ配合のものを用いた。顔面のたるみや小ジワが認められ、なおかつ乾燥感を有する成人女性20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(A、B群)に、また、手に肌荒れが認められる女性20人を、それぞれ10人ずつ無作為に2群(C、D群)に分け、A群の顔面には本発明品の化粧水2gを、B群の顔面には比較品の化粧水2gを、C群の手指には本発明品のクリーム2gを、D群の手指には比較品のクリーム2gを、それぞれ1日2回通常の使用状態と同様に10日間塗布した。結果を表9に示す。

0035

++;10日間塗布後に顕著な改善効果あり。
+;10日間塗布後に改善効果あり。
±;10日間塗布後に改善効果なし(10日前と変わらない)。

0036

表9の結果より、本発明品の化粧水は、比較品の化粧水に比べて、乾燥感の改善、シワ等の改善が顕著であり、ヒアルロン酸産生促進効果に優れていることが実証された。また、本発明品のクリームについても、比較品のクリームに比べて、乾燥感の改善、肌荒れに顕著な改善がみられ、肌荒れ等の自然増悪抑制効果を有することが明らかとなった。

0037

[試験例6]
変形性関節炎による軽度の痛みを有する患者20名を対象に、実施例3の飲料を1日1回100g飲用し、1年間の臨床試験を行った。関節の疼痛および機能の評価を、疼痛に対するビジュアルアナログスケール(VAS)、及び、関節炎の関節における疼痛、機能、および硬直に関するWestern Ontario and McMaster Universities(WOMAC)指標にて変形性関節症の評価を行った。結果を表10に示す。

実施例

0038

数値は、平均値±標準偏差(n=20)を示す。
※ は初期値と比較して有意差があることを示す(p<0.05)。

0039

本発明は、皮膚の荒れ、シワ、弾性低下、関節機能低下等を防止するのに有用なヒアルロン酸産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進用サプリメント、飲食品及びヒアルロン酸産生促進用化粧料に関する。

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