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技術 エレベータ用ロープおよびそれを用いたエレベータ装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 村井道雄内藤晋也肥田政彦光井厚野口豊弘
出願日 2014年6月4日 (6年6ヶ月経過) 出願番号 2014-115612
公開日 2015年12月21日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-229544
状態 特許登録済
技術分野 ロープ又はケーブル一般 エレベーターの昇降案内装置及びロープ類
主要キーワード 押出成形設備 アンダーカット溝 結晶性樹脂材料 公称径 凹状曲面 素線断線 体積収縮量 JIS規格
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月21日)のものです。
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図面 (9)

課題

圧縮剛性が高く、また型崩れ破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供する。

解決手段

心材1と、心材1の外周に撚り合わされている複数の側ストランド2とを備え、心材1は第1の樹脂成形連続体3を含み、第1の樹脂成形連続体3には、心材1の延在方向に沿って第1の中空部3Hが形成されている。これにより、圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供することができる。

概要

背景

従来のエレベータ用ロープは、通常JIS G3525で規定された8×S(19)構成品が使用されており、中央の心材には天然サイザル麻繊維や合成樹脂ポリプロピレン繊維からなる心綱が使用されている。また、心材の周囲に配置されるストランドには複数の鋼線素線)が使用されている。

エレベータ駆動モータ連動するシーブワイヤーロープとの摩擦駆動力により上下するが、近年はシーブとワイヤーロープの摩擦駆動力を確保するためシーブにV溝アンダーカット溝を設ける工夫がなされている。このようなシーブにワイヤーロープが曲げられた状態で接する場合、ワイヤーロープにはより大きな歪がかかりワイヤーロープの型崩れ素線断線が生じやすい問題があった。

また近年、エレベータを駆動、制御するための機械室を不要とする機械室レス式のエレベータシステムが採用されるようになっているが、このシステムではワイヤーロープがエレベータの乗りかごを抱え上げる構造となっており、従来のエレベータシステムと比較してワイヤーロープがシーブを通過する回数が増えている。これにより、ワイヤーロープのストランド同士の接触による素線の断線や、シーブとストランドを構成する素線との圧接による素線の断線が生じやすくなるという問題があった。

これらの問題を解決する手段として、特開2010−202404号公報には、ロープ中央の心材に押出成形などで得られる樹脂質連続体を用いることが提案されている。また、特開2006−9174号公報には、ロープ中央の心材に使用するのみならず、この心材の周囲に撚り合わせる側ストランドの心にも合成樹脂心を用いることが提案されている。このような心材を用いたロープは、従来の心綱を用いたロープに比べて心の圧縮剛性が高く、前記のようなワイヤーロープの型崩れやそれに伴う素線断線が起こりにくい利点がある。

概要

圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供する。心材1と、心材1の外周に撚り合わされている複数の側ストランド2とを備え、心材1は第1の樹脂成形連続体3を含み、第1の樹脂成形連続体3には、心材1の延在方向に沿って第1の中空部3Hが形成されている。これにより、圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供することができる。

目的

本発明の主たる目的は、圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

心材と、前記心材の外周に撚り合わされている複数の側ストランドとを備え、前記心材は第1の樹脂成形連続体を含み、前記第1の樹脂成形連続体には、前記心材の延在方向に沿って第1の中空部が形成されている、エレベータ用ロープ

請求項2

前記心材の前記第1の樹脂成形連続体は、前記第1の樹脂成形連続体の延在方向に垂直な断面における径方向最大幅が前記第1の樹脂成形連続体の外径の10%以上の気泡密度が1cm3あたり1個以下である、請求項1に記載のエレベータ用ロープ。

請求項3

前記第1の中空部は、前記心材の前記延在方向に垂直な断面において前記心材の中心を含んでいる、請求項1または請求項2に記載のエレベータ用ロープ。

請求項4

前記心材の前記延在方向に垂直な断面において、前記第1の中空部の中心は前記心材の中心と重なっている、請求項3に記載のエレベータ用ロープ。

請求項5

前記心材は、前記第1の樹脂成形連続体の外周に撚りあわされている複数の第1素線と、前記第1素線の外周を囲む樹脂被覆膜とをさらに含み、前記樹脂被覆膜は前記心材の外周面を構成している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエレベータ用ロープ。

請求項6

前記側ストランドは、ストランド心材と前記ストランド心材の外周に撚りあわされている複数の第2素線とを含み、前記ストランド心材は第2の樹脂成形連続体を含み、前記第2の樹脂成形連続体には、前記ストランド心材が伸びる方向に沿って第2の中空部が形成されている、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエレベータ用ロープ。

請求項7

前記第1の樹脂成形連続体を構成する樹脂材料体積収縮率は、前記第1の樹脂成形連続体の外径Roに対する内径Riの比率Ri/Roに100を乗じた値以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のエレベータ用ロープ。

請求項8

前記第1の樹脂成形連続体を構成する樹脂材料は、結晶性を有している、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のエレベータ用ロープ。

請求項9

前記第1の樹脂成形連続体を構成する樹脂材料は、ポリエチレンポリプロピレンポリアミド、およびポリアセタールからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項8に記載のエレベータ用ロープ。

請求項10

請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のエレベータ用ロープを備えたエレベータ装置

技術分野

0001

本発明は、エレベータ用ロープおよびそれを用いたエレベータ装置に関し、特に樹脂成型連続体を備えるエレベータ用ロープおよびそれを用いたエレベータ装置に関する。

背景技術

0002

従来のエレベータ用ロープは、通常JIS G3525で規定された8×S(19)構成品が使用されており、中央の心材には天然サイザル麻繊維や合成樹脂ポリプロピレン繊維からなる心綱が使用されている。また、心材の周囲に配置されるストランドには複数の鋼線素線)が使用されている。

0003

エレベータ駆動モータ連動するシーブワイヤーロープとの摩擦駆動力により上下するが、近年はシーブとワイヤーロープの摩擦駆動力を確保するためシーブにV溝アンダーカット溝を設ける工夫がなされている。このようなシーブにワイヤーロープが曲げられた状態で接する場合、ワイヤーロープにはより大きな歪がかかりワイヤーロープの型崩れ素線断線が生じやすい問題があった。

0004

また近年、エレベータを駆動、制御するための機械室を不要とする機械室レス式のエレベータシステムが採用されるようになっているが、このシステムではワイヤーロープがエレベータの乗りかごを抱え上げる構造となっており、従来のエレベータシステムと比較してワイヤーロープがシーブを通過する回数が増えている。これにより、ワイヤーロープのストランド同士の接触による素線の断線や、シーブとストランドを構成する素線との圧接による素線の断線が生じやすくなるという問題があった。

0005

これらの問題を解決する手段として、特開2010−202404号公報には、ロープ中央の心材に押出成形などで得られる樹脂質連続体を用いることが提案されている。また、特開2006−9174号公報には、ロープ中央の心材に使用するのみならず、この心材の周囲に撚り合わせる側ストランドの心にも合成樹脂心を用いることが提案されている。このような心材を用いたロープは、従来の心綱を用いたロープに比べて心の圧縮剛性が高く、前記のようなワイヤーロープの型崩れやそれに伴う素線断線が起こりにくい利点がある。

先行技術

0006

特開2010−202404号公報
特開2006−9174号公報
特開平9−316787号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、樹脂質連続体や合成樹脂心を一般的な押し出し成形法により形成した場合には、当該樹脂内部には不連続な気泡が生じてしまう。具体的には、押し出し成形機から任意の断面形状として押し出された溶融状態の樹脂は、冷却される際に樹脂質連続体の外周部から冷却され固化されるが、このとき樹脂の体積は冷却に伴って収縮する。その結果、樹脂質連続体において外周部よりも冷却の進行が遅い内部の樹脂は、外部の樹脂の収縮に伴って外側に引き込まれるため、樹脂質連続体の内部には不連続な気泡が生じることになる。ここで、不連続な気泡とは、樹脂質連続体の延在方向において気泡が断続的に複数形成されており、また複数の気泡間で当該延在方向やこれに垂直な方向における大きさや位置にばらつきがある状態を指す。

0008

エレベータ用ロープはシーブを繰り返し通過する際にシーブによりその都度折り曲げられるため、当該ロープには繰り返し圧縮力が加えられる。この場合、上記のような不連続な気泡を含む樹脂質連続体をエレベータ用ロープの心材として用いると、樹脂質連続体において当該気泡が形成されている部分はその周囲に配置されているストランドから圧縮力を受けたときに当該圧縮力に耐えられずに変形してしまうことがあった。その結果、当該ロープの型崩れや樹脂質連続体の破壊を引き起こすという問題があった。樹脂質連続体の破壊は、エレベータ用ロープの圧縮剛性の低下を引き起こし、引いてはワイヤーロープの破壊を引き起こす。特に、樹脂質連続体において大きな気泡が形成されている部分は、上記のような問題の発生頻度が高くなる。

0009

なお、特開平9−316787号公報には、ばね性を持つ鋼線または薄い帯鋼螺旋状に巻回することにより形成される可撓性中空体の周囲にワイヤー撚り合せてなる複合ロープが記載されている。しかし、このような可撓性中空体をエレベータロープに使用した場合、ストランドから受ける圧縮力に耐えることができずに変形し、その結果ロープが型崩れを起こしたり、ロープがシーブを通過する際に繰り返し屈曲されることにより破壊する問題が生じる。

0010

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係るエレベータ用ロープは、心材と、前記心材の外周に撚り合わされている複数の側ストランドとを備え、前記心材は第1の樹脂成形連続体を含み、前記第1の樹脂成形連続体には、前記心材の延在方向に沿って第1の中空部が形成されている。

発明の効果

0012

本発明によれば、圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいエレベータ用ロープを提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

実施の形態1に係るエレベータ用ロープを説明するための断面図である。
実施の形態1に係るエレベータ用ロープにおける樹脂成形連続体を説明するための断面図である。
実施の形態1に係るエレベータ用ロープを備えるエレベータ装置を説明するための図である。
実施の形態1に係るエレベータ用ロープの変形例を説明するための断面図である。
実施の形態2に係るエレベータ用ロープを説明するための断面図である。
実施の形態2に係るエレベータ用ロープの変形例を説明するための断面図である。
実施の形態3に係るエレベータ用ロープを説明するための断面図である。
実施の形態3に係るエレベータ用ロープの変形例を説明するための断面図である。

0014

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。

0015

(実施の形態1)
図1図3を参照して、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10について説明する。図3を参照して、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10は、エレベータ装置100においてかご室30とおもり40とに接続されており、シーブ50に巻き掛けられている。エレベータ用ロープ10は、心材1と心材1の外周に撚り合わされている側ストランド2とを備える限りにおいて、エレベータ用ロープとしてJIS規格により定められている任意の構成を備えていればよいが、たとえば図1に示すようにJIS G3525で規定される8×S(19)であってもよいし、また6×(6×7)などであってもよい。

0016

心材1は、エレベータ用ロープ10の延在方向(以下、単に延在方向という)において延びるように形成されている。実施の形態1において、心材1は第1の樹脂成形連続体3により構成されている。第1の樹脂成形連続体3は、延在方向において連続的に成形されている。第1の樹脂成形連続体3は、熱可塑性を有する任意の樹脂材料により構成されていてもよいが、好ましくは結晶性を有する樹脂材料であり、たとえばポリエチレンポリプロピレンポリアミド、およびポリアセタールからなる群から選択される少なくとも1つである。

0017

第1の樹脂成形連続体3には、心材1の延在方向に沿って第1の中空部3Hが形成されている。つまり、第1の樹脂成形連続体3は、第1の中空部3Hに表出している内周面と、側ストランド2と接触している外周面3Aとを有している。

0018

第1の樹脂成形連続体3の延在方向に垂直な断面形状は、エレベータ用ロープ10の該延在方向に垂直な断面形状の変形を抑制することができる限りにおいて任意の形状とすることができる。たとえば、第1の樹脂成形連続体3の中心Cに向かって凹状である8つの曲面を有する星形であってもよい。第1の樹脂成形連続体3の外周面1Aに含まれる8つの凹状曲面は、第1の樹脂成形連続体3の外周囲において撚り合わされている側ストランド2の8つの束が延びる方向に沿って形成されている。つまり、外周面1Aにおいて、各凹状曲面は螺旋状に形成されており、それぞれ側ストランド2の一束と部分的に接している。この場合、側ストランド2の断面形状における星形の凸部は、その周囲に撚り合わされているとともに隣接する2つの側ストランド2間の接触を防止するスペーサ役割を果たすことができる。

0019

このとき、第1の中空部3Hは、その内部に心材1(第1の樹脂成形連続体3)の中心Cを含むように形成されており、好ましくは第1の中空部3Hの中心が第1の樹脂成形連続体3の中心Cと重なるように形成されている。つまり、第1の樹脂成形連続体3において、その外周面1A(3A)から第1の中空部3Hまでの最短距離(外周面3Aに垂直な方向における第1の樹脂成形連続体3の厚み)は、その周方向においてできる限りばらつきが小さく設けられているのが好ましいが、より好ましくは等しく設けられている。

0020

第1の樹脂成形連続体3の延在方向において、第1の中空部3Hは途切れることなく形成されているのが好ましい。つまり、第1の樹脂成形連続体3の延在方向において、第1の樹脂成形連続体3の厚みはばらつきが小さく設けられているのが好ましいが、より好ましくは等しく設けられている。

0021

第1の樹脂成形連続体3の延在方向に垂直な断面形状の寸法は、エレベータ用ロープ10の外径、エレベータ用ロープ10にかかる荷重、第1の樹脂成形連続体3を成形する際の体積収縮量などに基づいて決められる。特に、第1の樹脂成形連続体3の外径Roと内径Ri(第1の中空部3Hに表出している内周面の成す径)との比率に関しては、第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料が成形時の溶融状態から室温に冷却される際の体積収縮率により決められる。第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料の体積収縮率(%)は、第1の樹脂成形連続体3の外径Roに対する内径Riの比率Ri/Roに100を乗じた値以下であるのが好ましい。このように設計された第1の樹脂成形連続体3は、長さ方向においてより高い寸法安定性を有している。このとき、第1の中空部3Hの内径は、上記関係式を満たしながらも、可能な限り小さい方が好ましい。このようにすれば、第1の樹脂成形連続体3の厚み(外周面3Aと内周面との間の厚み)を厚くすることができ、側ストランド2から圧縮力を受けたときの変形や破壊に対する耐性を高めることができる。

0022

また、第1の樹脂成形連続体3の外周面3Aおよび第1の中空部3Hに面している内周面の少なくとも一方において、角部が形成されていないように形成されているのが好ましい。このようにすれば、第1の樹脂成形連続体3の当該角部に圧縮力が集中して、第1の樹脂成形連続体3が破壊されることを抑制することができる。

0023

第1の樹脂成形連続体3の内部には、少なくとも第1の樹脂成形連続体3の延在方向に垂直な断面における径方向最大幅(以下、単に最大幅という)が第1の樹脂成形連続体3の外径の10%以上である気泡が形成されていない。言い換えると、第1の樹脂成形連続体3において、第1の樹脂成形連続体3の外径の10%以上の上記最大幅を有する気泡は、その密度が1cm3あたり1個以下である。つまり、第1の樹脂成形連続体3には、延在方向において寸法ばらつきの小さい第1の中空部3Hが延びるように形成されているが、従来のエレベータ用ロープにおいて不連続にかつ寸法ばらつきを有して形成されていた気泡は形成されていない。

0024

側ストランド2は、心材1の外周面1A(3A)を囲うように複数形成されている。複数の側ストランド2は、それぞれ同一の方向に螺旋状に巻かれている。複数の側ストランド2は上記心材1の中心Cを挟んで互いに対向するように配置されており、また隣り合う側ストランド2の間隔はそれぞれ等しくなるように配置されている。

0025

側ストランド2は、任意の構成を備えていてもよいが、たとえば複数の鋼線(素線)が撚り合わされて構成されている。側ストランド2は、たとえば外径の異なる複数種の素線が撚り合わされて構成されており、心素線21と、心素線21の周囲に配置されて心素線21と比べて相対的に細い径を有する9本の素線22と、素線22の周囲に配置されて素線22と比べて相対的に太い9本の側素線23とが撚り合わされていてもよい。鋼線(素線)は、エレベータ用ロープを構成する鋼線として、たとえばJIS規格を満足するものである限りにおいて、任意の構成を有していればよい。

0026

次に、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10の製造方法について説明する。はじめに、心材1として第1の樹脂成形連続体3を形成する。第1の樹脂成形連続体3を形成する方法は、任意の方法を採用することができるが、押し出し成形法を採用し得る。具体的には、一般的な押し出し成形機から、上述した第1の中空部3Hを形成可能な金型を通して溶融している樹脂を押し出すことにより、中空部を有しているとともに未だ固化されていない中間体が形成される。その際使用される成型設備や金型(ダイ)は、たとえば上健吉監修「押出成形第7版改訂」(株式会社プラスチックスエージ社 1989年刊)の263〜276頁、沢田慶司著「押出成形技術入門初版第3刷」(株式会社シグマ出版2003年刊)の89〜98頁や沢田慶司著「わかりやすい押出成形技術 2008年刊」(株式会社工業調査会)の50〜79頁に記載されているような一般的な押出成形設備であればよい。

0027

次に、該中間体はたとえば水槽などの冷却装置仕掛けられることにより冷却され固化される。このようにすれば、第1の中空部3Hを有する第1の樹脂成形連続体3が形成される。

0028

次に、側ストランド2を複数本形成する。具体的には、所定の外径を有する心素線21と、心素線21よりも小径である素線22と、心素線21と同等の外径を有する素線23とを準備し、これらを撚り合せて1本の側ストランド2を形成する。複数の側ストランド2は、互いに同一の構成を有しており、たとえば8本形成される。素線21,22,23は鋼線である。側ストランド2において、心素線21は中央に位置し、素線23は最外周に位置しており、素線22は心素線21と素線23とに挟まれるように配置されている。

0029

次に、心材1(第1の樹脂成形連続体3)に対し、その外側から複数の側ストランド2を撚り合せる。複数の側ストランド2は、それぞれ心材1(第1の樹脂成形連続体3)の外周囲において同一の方向に螺旋状に巻かれている。

0030

次に、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10の作用効果について説明する。エレベータ用ロープ10は、心材1と、心材1の外周に撚り合わされている複数の側ストランド2とを備え、心材1は第1の樹脂成形連続体3を含み、第1の樹脂成形連続体3には、心材1の延在方向に沿って第1の中空部3Hが形成されている。

0031

このように、第1の樹脂成形連続体3に第1の中空部3Hが形成されていることにより、第1の樹脂成形連続体3が押し出し成形法により形成されるときにも、第1の樹脂成形連続体3内に不連続な気泡が形成されることを防止することができる。具体的には、押し出し成形機から押し出された溶融状態にある樹脂材料は冷却槽などにおいて冷却体との接触面から冷却され固化されるが、冷却・固化される前の溶融状態の第1の樹脂成形連続体3は第1の中空部3Hを有しているため、外周面3Aだけでなく内周面も冷却体との接触面とすることができる。その結果、冷却・固化される際に溶融状態の第1の樹脂成形連続体3において生じる温度ムラを小さくすることができ、第1の樹脂成形連続体3の内部に不連続な気泡が生じることを防止することができる。これにより、第1の樹脂成形連続体3は側ストランド2から受ける圧縮力に対して高い耐性(高い圧縮剛性)を有することができ、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。

0032

つまり、心材1の第1の樹脂成形連続体3は、第1の樹脂成形連続体3の外径の10%以上の上記最大幅を有する気泡の密度が1cm3あたり1個以下とすることができる。言い換えると、従来の樹脂質連続体には、上記最大幅が樹脂質連続体の外径の10%以上であって延在方向において不連続な気泡が形成されていたが、このような気泡は第1の樹脂成形連続体3内には形成されていない。このため、上述のように、第1の樹脂成形連続体3は側ストランド2から圧縮力に対して高い耐性を有することができるため、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。

0033

第1の中空部3Hは、心材1の延在方向に垂直な断面において心材1の中心Cを含んでいてもよい。この場合、冷却・固化される前の溶融状態にある第1の樹脂成形連続体3における第1の中空部3Hも、心材1の中心Cを含んでいる。このようにすれば、溶融状態にある第1の樹脂成形連続体3における第1の中空部3Hから外周面3Aまでの距離について、第1の樹脂成形連続体3の延在方向および該延在方向に垂直な周方向において大きなばらつきが生じることが抑制されている。そのため、これを冷却・固化する際にも第1の樹脂成形連続体3に不連続な気泡を生じさせるような大きな温度ムラが生じることを抑制することができる。この結果、第1の樹脂成形連続体3はその延在方向および周方向において側ストランド2から圧縮力に対して高い耐性を有することができ、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。

0034

より好ましくは、心材1の延在方向に垂直な断面において、第1の中空部3Hの中心は心材1の中心Cと重なっている。この場合、冷却・固化される前の溶融状態にある第1の樹脂成形連続体3における第1の中空部3Hの中心も、心材1の中心Cと重なっている。このようにすれば、溶融状態にある第1の樹脂成形連続体3において第1の中空部3Hから外周面3Aまでの距離を周方向において均等にすることができるため、これを冷却・固化する際にも第1の樹脂成形連続体3に不連続な気泡を生じさせるような大きな温度ムラが生じることをより効果的に抑制することができる。この結果、第1の樹脂成形連続体3はその延在方向および周方向において側ストランド2から圧縮力に対して高い耐性を有することができ、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。

0035

また、第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料の体積収縮率(%)は、第1の樹脂成形連続体3の外径Roに対する内径Riの比率Ri/Roに100を乗じた値以下であるのが好ましい。このようにすれば、成形の際に溶融状態から冷却固化されることにより生じる第1の樹脂成形連続体3の体積収縮量が抑えることができるため、延在方向における第1の樹脂成形連続体3の寸法安定性を高めることができる。このとき、内径Riは、第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料の体積収縮率等との上記関係を満足する限りにおいて、小さく設けられているのが好ましい。このような第1の樹脂成形連続体3は、側ストランド2から受ける圧縮力などに対してより高い耐性を有することができ、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。なお、内径Riは、側ストランド2において心素線21を挟んで対向する素線23が成す側ストランド2の外径よりも小さく設けられているのが好ましい。

0036

また、第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、およびポリアセタールからなる群から選択される少なくとも一つであるのが好ましい。つまり、第1の樹脂成形連続体3を構成する材料は、結晶性を有する樹脂材料から選択されるのが好ましい。これらの結晶性を有する樹脂材料は、摺動性に優れるため、側ストランド2との摩擦が生じやすい心材1に含まれる第1の樹脂成形連続体3の構成材料に好適である。しかし、これらの結晶性を有する樹脂材料はその他の樹脂材料と比べて比較的体積収縮率が高い。そのため、従来のエレベータ用ロープ中の樹脂質連続体をこれらの結晶性樹脂材料で構成した場合には、樹脂質連続体に不連続な気泡が生じやすく、これによるエレベータ用ロープの型崩れや第1の樹脂質連続体の破壊などの問題が特に顕著となる。これに対し、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10では、第1の樹脂成形連続体3が結晶性を有する樹脂材料を用いて構成されていても、第1の樹脂成形連続体3には第1の中空部3Hが形成されていることにより、不連続な気泡の発生を抑制することができ、エレベータ用ロープ10の型崩れや第1の樹脂成形連続体3の破壊の発生を抑制することができる。

0037

また、図4を参照して、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10において、心材1および側ストランド2は、その周囲を樹脂スペーサ4により覆われていてもよい。樹脂スペーサ4は、隣り合うように配置されている2本の側ストランド2間のスペーサとして設けられていてもよい。樹脂スペーサ4は、任意の構成を有していればよい。たとえば隣り合うように配置されている2本の側ストランド2間の領域毎に、当該領域の断面形状と同等の断面形状を有するように形成されていている1本の樹脂スペーサ部材が配置されていてもよい。つまり、樹脂スペーサ4は、8本の樹脂スペーサ部材により構成されていてもよい。樹脂スペーサ4の外周面4Aは、エレベータ用ロープ10の外周面を構成しており、当該外周面4Aの中心は心材1の中心Cと重なるように形成されていてもよい。

0038

樹脂スペーサ4は、熱可塑性を有する任意の樹脂材料により構成されていてもよいが、たとえば第1の樹脂成形連続体3を構成する材料と同一の材料とすることができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、およびポリアセタールからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。また、樹脂スペーサ4を構成する材料は、ポリ塩化ビニルナイロンポリエステル、およびこれらの共重合体などであってもよい。

0039

この場合、樹脂スペーサ4は、任意の方法により形成されうるが、たとえば押し出し成形法により形成されうる。このとき、押し出し成形機は一般的なものを用いることができる。また、金型には、たとえば隣り合うように配置されている2つの側ストランド2の間に形成される領域の、上記延在方向に垂直な断面形状と略同一な形状の貫通孔が形成されている。このようにして作成された複数の樹脂スペーサ部材をそれぞれ隣り合う側ストランド2間の領域に配置することにより、樹脂スペーサ4により覆われたエレベータ用ロープ10を得ることができる。

0040

(実施の形態2)
次に、図5を参照して、実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10について説明する。実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10は、基本的には実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10と同様の構成を備えるが、側ストランド2がストランド心材7とストランド心材7の外周に撚り合わされている複数の第2素線8とを含み、ストランド心材7は第2の樹脂成形連続体7を含む点で異なる。

0041

まず、実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10も、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10と同様にエレベータ用ロープとしてJIS規格により定められている任意の構成を備えていればよいが、たとえば図5に示すように6×(6×7)などであってもよい。この場合の図5に示すエレベータ用ロープ10は、たとえば42本の第2素線8を有する側ストランド2が心材1に6本撚り合わされて構成されており、各側ストランド2は7本ずつに撚られた6束の第2素線8がストランド心材7に撚り合わされて構成されている。第2素線8は、たとえば鋼線である。

0042

複数の側ストランド2は、それぞれ実施の形態1と同様に、心材1に対して同一の方向に螺旋状に延びるように配置されている。それぞれの側ストランド2において、ストランド心材7は側ストランド2の延びる方向に沿って形成されている。つまり、複数のストランド心材7は、心材1に対して同一の方向に螺旋状に延びるように配置されている。

0043

側ストランド2において、7本の第2素線8が撚り合わされてなる第2素線8の一束は、ストランド心材7の外周面7Aを囲うように複数形成されている。第2素線8の各束はそれぞれ同一の方向に螺旋状に巻かれている。第2素線8の各束はストランド心材7の中心Oを挟んで互いに対向するように配置されており、また隣り合う第2素線8の各束の間隔はそれぞれ等しくなるように配置されている。

0044

ストランド心材7に含まれる第2の樹脂成形連続体7の上記延在方向に垂直な断面形状は、側ストランド2の上記延在方向に垂直な断面形状の変形を抑制することができる限りにおいて任意の形状とすることができるが、たとえばストランド心材7の中心Oに向かって凹状である6つの曲面を有する星形であってもよい。ストランド心材7の外周面7Aに含まれる6つの凹状曲面は、ストランド心材7の外周囲において撚り合わされている第2素線8の6つの束が延びる方向に沿って形成されている。つまり、外周面7Aにおいて、各凹状曲面は螺旋状に形成されており、それぞれ第2素線8の一束と部分的に接している。この場合、ストランド心材7の断面形状における星形の凸部は、その周囲に撚り合わされているとともに隣接する2つの第2素線8間の接触を防止するスペーサの役割を果たすことができる。

0045

ストランド心材7には、ストランド心材7が伸びる方向に沿って第2の中空部7Hが形成されている。第2の中空部7Hの中心は、ストランド心材7の中心Oを含んでいるのが好ましく、より好ましくは第2の中空部7Hの中心はストランド心材7の中心Oと重なっている。

0046

第2の中空部7Hに表出している内周面の成す径は、第2素線8から受ける圧縮力などに対して高い耐性を有することができる限りにおいて任意の大きさとすればよいが、たとえば第2素線8の一束の外径よりも小さく設けられていてもよい。

0047

第2の樹脂成形連続体7を構成する材料は、熱可塑性を有する任意の樹脂材料により構成されていてもよいが、好ましくは結晶性を有する樹脂材料であり、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、およびポリアセタールからなる群から選択される少なくとも1つである。

0048

また、第2の樹脂成形連続体7を構成する樹脂材料の体積収縮率(%)は、ストランド心材7(第2の樹脂成形連続体7)の外周面7Aに対する内接円の直径に対する内径(第2の中空部7Hの内周面が成す径)の比率に100を乗じた値以下であるのが好ましい。このようにすれば、側ストランド2において、第2素線8から受ける圧縮力により第2の樹脂成形連続体7の破壊を抑制することができる。

0049

第2の樹脂成形連続体7は、第1の樹脂成形連続体3と同じ樹脂材料により構成されているのが好ましい。この場合、第1の樹脂成形連続体3および第2の樹脂成形連続体7を構成する材料の体積収縮率(%)は、第1の樹脂成形連続体3の外径Roに対する内径Riの比率Ri/Roに100を乗じた値以下であって、第2の樹脂成形連続体7の外周面7Aに対する内接円の直径に対する内径の比率に100を乗じた値以下であるのが好ましい。

0050

次に、実施の形態2に係るエレベータ用ロープの製造方法について説明する。実施の形態2に係るエレベータ用ロープの製造方法は、基本的には実施の形態1に係るエレベータ用ロープと同様の構成を備えるが、側ストランド2を形成する工程において第2の樹脂成形連続体7を形成する点で異なる。

0051

第2の樹脂成形連続体7を含む側ストランド2は任意の方法で形成され得るが、たとえば、はじめに第2の樹脂成形連続体7を形成した後、第2の樹脂成形連続体7の外周囲7Aの周囲に第2素線8を撚り合せて形成されてもよい。

0052

第2の樹脂成形連続体7は、上述した第1の樹脂成形連続体3を形成する方法と同様の方法により形成し得る。具体的には、実施の形態1で例示した一般的な押し出し成形機から、上述した第2の中空部7Hを形成可能であって、かつ外形を星形とすることができる金型を通して溶融している樹脂を押し出すことにより、中空部を有しているとともに未だ固化されていない中間体が形成される。次に、該中間体はたとえば水槽などの冷却装置に仕掛けられることにより冷却され固化される。このようにすれば、第2の中空部7Hを有する第2の樹脂成形連続体7が形成される。その後、第2の樹脂成形連続体7の周囲に第2素線8を撚り合せることにより、側ストランド2を形成し得る。

0053

実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10は、第2の樹脂成形連続体7に第2の中空部7Hが形成されていることにより、第2の樹脂成形連続体7が押し出し成形法により形成されるときにも、第2の第1の樹脂成形連続体3内に不連続な気泡が形成されることを防止することができる。これにより、第2の樹脂成形連続体7は第2素線8から圧縮力に対して高い耐性を有することができ、1本の側ストランド2に含まれる第2素線8同士の摩擦によって引き起こされる第2素線8の断線やストランド心材7の破壊を抑制することができる。

0054

なお、図6を参照して、実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10における心材1および側ストランド2は、その周囲を樹脂スペーサ4により覆われていてもよい。このようにしても、実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10の作用効果を奏することができる。

0055

(実施の形態3)
次に、図7を参照して、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10について説明する。実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10は、基本的には実施の形態2に係るエレベータ用ロープ10と同様の構成を備えるが、心材1が第1の樹脂成形連続体3の外周に撚りあわされている複数の第1素線5と、第1素線5の外周を囲む樹脂被覆層6とをさらに含み、樹脂被覆層6は心材1の外周面1Aを構成している点で異なる。

0056

まず、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10も、実施の形態1,2に係るエレベータ用ロープ10と同様にエレベータ用ロープとしてJIS規格により定められている任意の構成を備えていればよいが、たとえば図7に示すように7×(6×7)などであってもよい。この場合の図7に示すエレベータ用ロープ10は、たとえば42本の第2素線8を有する側ストランド2が心材1に6本撚り合わされていて構成されているとともに、心材1の内部に側ストランド2と同様の構成を備えるストランドが1本構成されている。各側ストランド2は7本ずつに撚られた6束の第2素線8がストランド心材7に撚り合わされて構成されている。第2素線8は、たとえば鋼線である。

0057

第1の樹脂成形連続体3には、実施の形態1および実施の形態2と同様に、第1の中空部3Hが形成されている。第1の中空部3Hは、その内部に心材1(第1の樹脂成形連続体3)の中心Cを含むように形成されており、好ましくは第1の中空部3Hの中心が第1の樹脂成形連続体3の中心Cと重なるように形成されている。

0058

第1の樹脂成形連続体3に第1の中空部3Hが形成されている限りにおいて、心材1に含まれている第1の樹脂成形連続体3および第1素線5は任意の構成を有していればよいが、たとえば図7に示すように、それぞれ実施の形態2における第2の樹脂成形連続体7および第2素線8と同様に構成されていてもよい。異なる観点からいえば、実施の形態3における側ストランド2と同一の構成を備えるストランドが、心材1の内部に含まれていてもよい。

0059

つまり、第1の樹脂成形連続体3および第2の樹脂成形連続体7は、同一の樹脂材料により同一の構成として設けられていてもよい。この場合、第1素線5は、第2素線8と同様に構成され得る。第1素線5はたとえば鋼線である。また、第1の樹脂成形連続体3および第2の樹脂成形連続体7を構成する材料の体積収縮率(%)は、第1の樹脂成形連続体3の外径Roに対する内径Riの比率Ri/Roに100を乗じた値以下であって、第2の樹脂成形連続体7の中心と外周面7Aとの最短距離に対する内径の比率に100を乗じた値以下であるのが好ましい。

0060

心材1において、樹脂被覆層6は、第1素線5と側ストランド2との接触を防止することができる限りにおいて任意の構成を備えていればよいが、たとえばその外周面6Aが心材1の中心Cに向かって凹状に設けられている6つの曲面を有するように設けられていてもよい。この場合、樹脂被覆層6は外周面1A(6A)を形成している。外周面6Aに含まれる1つの凹状曲面は、心材1の外周囲において撚り合わされている側ストランド2が延びる方向に沿って形成されていてもよい。つまり、外周面6Aにおいて、各凹状曲面は螺旋状に形成されており、それぞれ側ストランド2の一本と部分的に接していてもよい。

0061

次に、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10の製造方法について説明する。実施の形態3に係るエレベータ用ロープの製造方法は、基本的には実施の形態2に係るエレベータ用ロープの製造方法と同様の構成を備えるが、心材1を形成する工程において、第1の樹脂成形連続体3の周囲に第1素線5を撚り合せることにより実施の形態2における側ストランド2と同様の構成を有するストランドを形成した後、該ストランドの周囲に樹脂被覆層6を形成する点で異なる。

0062

第1の樹脂成形連続体3は、実施の形態1における第1の樹脂成形連続体3や実施の形態2における第2の樹脂成形連続体7と同様の方法により形成され得る。さらに、第1素線5は、実施の形態2における第2素線8と同様の方法により形成され得る。樹脂被覆層6は、第1の樹脂成形連続体3および第1素線5からなるストランドに、たとえば一般的なスクリュー式の押し出し成形機で一旦外形が円柱状となるように樹脂を被覆した後、当該樹脂の温度が高く外力によって容易に変形する状態で、上記ストランドの外側から側ストランド2を撚ることにより、星形状に形成され得る。

0063

なお、図8を参照して、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10における心材1および側ストランド2は、その周囲を樹脂スペーサ4により覆われていてもよい。このようにしても、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10の作用効果を奏することができる。

0064

なお、実施の形態1〜実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10は、JIS G3525で規定されている任意のワイヤーロープの繊維心を第1の中空部3Hを有する第1の樹脂成形連続体3に置き換えたものとすることもできる。このようにしても、従来のワイヤーロープと比べて圧縮剛性が高く、また型崩れや破壊の起こりにくいワイヤーロープとすることができる。

0065

<実施例1>
実施例1に係るエレベータ用ロープとして、JIS G3525で規定される8×S(19)のロープにおける繊維心を、第1の中空部3Hを有する円筒状の第1の樹脂成形連続体3に置き換えたものを準備した。第1の樹脂成形連続体3を構成する樹脂材料は、ポリプロピレンとした。つまり、第1の樹脂成形連続体3をポリプロピレンからなる円筒状の成形連続体とした。第1の樹脂成形連続体3は、引張降伏応力28MPa、引張弾性率1200MPaのポリプロピレン樹脂を、汎用的な押出成形機にて外径11mm、内径2.2mmの円筒状成形連続体に押出し成形することにより作製した。側ストランド2は、直径1.19mmの心素線、その周囲に配置された直径0.59mmの9本の素線、およびその周囲に配置された直径1.31mmの9本の素線を撚り合わせたものとした。実施例1に係るエレベータ用ロープは、公称径20mm、引張強度が1700MPaのワイヤーロープとした。

0066

<実施例2>
実施例2に係るエレベータ用ロープとして、実施の形態1に係るエレベータ用ロープ10と同様の構成を有し、第1の樹脂成形連続体3がポリプロピレンからなる円筒状の成形連続体であるエレベータ用ロープ10を準備した。第1の樹脂成形連続体3は、引張降伏応力28MPa、引張弾性率1200MPaのポリプロピレン樹脂を、汎用的な押出成形機にて外径1.3mm、内径2.1mmの円筒状成形連続体に押出し成形することにより作製した。側ストランド2における第2素線8は、直径0.66mmの1本の中心素線に、直径0.62mmの6本の側素線を撚り合わせたものとした。樹脂スペーサ4を構成する樹脂材料は、ポリプロピレンとした。実施例2に係るエレベータ用ロープは、公称径20mm、引張強度が1700MPaのワイヤーロープとした。

0067

<実施例3>
実施例3に係るエレベータ用ロープとして、実施の形態3に係るエレベータ用ロープ10と同様の構成を有し、第1の樹脂成形連続体3をポリプロピレンからなる円筒状の成形連続体であるエレベータ用ロープ10を準備した。第1の樹脂成形連続体3および第2の樹脂成形連続体7は、引張降伏応力28MPa、引張弾性率1200MPaのポリプロピレン樹脂を、汎用的な押出成形機にて外径1.3mm、内径0.3mmの円筒状成形連続体に押出し成形することにより作製した。樹脂スペーサ4を構成する樹脂材料は、ポリプロピレンとした。その他の側ストランド2等の構成は、実施例2と同様とした。

0068

<比較例1>
比較例1に係るエレベータ用ロープとして、第1の中空部3Hが形成されていない心材を備えている以外は、実施例1に係るエレベータ用ロープと同様の構成を有するエレベータ用ロープを準備した。具体的には、比較例1の心材は、外径11mmであって、ポリプロピレンからなる円柱状の樹脂成形連続体とした。

0069

<比較例2>
比較例2に係るエレベータ用ロープとして、第1の中空部3Hが形成されていない心材と、第2の中空部7Hが形成されていないストランド心材とを備えている以外は、実施例2に係るエレベータ用ロープと同様の構成を有するエレベータ用ロープを準備した。具体的には、比較例2の心材は、外径10.6mmであって、ポリプロピレンからなる円柱状の樹脂成形連続体とした。また、ストランド心材は、実施例2における第1の樹脂成形連続体3と同等の外径を有し、ポリプロピレンからなる円柱状の樹脂成形連続体とした。

0070

<比較例3>
比較例3に係るエレベータ用ロープとして、第1の中空部3Hが形成されていない心材と、第2の中空部7Hが形成されていないストランド心材とを備えている以外は、実施例3に係るエレベータ用ロープと同様の構成を有するエレベータ用ロープを準備した。具体的には、比較例3の心材は、外径1.3mmであって、ポリプロピレンからなる円柱状の樹脂成形連続体とした。また、ストランド心材は、実施例3における第1の樹脂成形連続体3と同等の外径を有し、ポリプロピレンからなる円柱状の樹脂成形連続体とした。

0071

<気泡の発生確認>
上記実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3に係るエレベータ用ロープについて、気泡の発生の有無と、気泡の大きさを評価した。具体的には、これらのエレベータ用ロープを構成する心材およびストランド心材について、任意の部分から1mを切り出して気泡の有無を目視にて確認し、確認された気泡をデジタルカメラ撮影し、画像処理により気泡の寸法を算出した。

0072

評価の結果、実施例1〜実施例3における心材およびストランド心材、すなわち第1の中空部3Hが形成されている心材や第2の中空部7Hが形成されているストランド心材では、気泡は確認されなかった。

0073

これに対し、比較例1および比較例2における心材、すなわち第1の中空部3Hが形成されていない心材では、複数の気泡が確認された。当該気泡は、エレベータ用ロープの延在方向に垂直な断面の径方向においてその最大幅が7mmに達していた。また、比較例2におけるストランド心材や比較例3における心材およびストランド心材、すなわち第1の中空部3Hが形成されていない心材および第2の中空部7Hが形成されていないストランド心材では、複数の気泡が確認された。当該気泡は、エレベータ用ロープの延在方向に垂直な断面の径方向においてその最大幅が1.0mmに達していた。

0074

疲労試験
上記実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3に係るエレベータ用ロープについて、疲労試験を行った。疲労試験は、D/d=20、安全率を10としたS曲げ疲労試験とし、エレベータ用ロープの表面にグリースを供給しながら行った。上記Dは試験に用いたシーブ径、dはワイヤーロープ径である。エレベータ用ロープの疲労寿命は、試験したワイヤーロープの全長において1か所以上、JIS A 4302−1992で定められる取り換え基準に達した曲げ回数とした。

0075

疲労試験の結果、実施例1に係るエレベータ用ロープがJIS A 4302−1992で定められる取り換え基準に達した曲げ回数(以下、単に曲げ回数という)を1としたときに、比較例1に係るエレベータ用ロープの曲げ回数の比率は0.4であった。また、実施例2に係るエレベータ用ロープの曲げ回数を1としたときに、比較例2に係るエレベータ用ロープの曲げ回数の比率は0.45であった。また、実施例3に係るエレベータ用ロープの曲げ回数を1としたときに、比較例3に係るエレベータ用ロープの曲げ回数の比率は0.52であった。つまり、実施例1〜実施例3に係るエレベータ用ロープは、第1の中空部3Hまたは第2の中空部7Hが形成されていないこと以外はそれぞれ同様の構成を有する比較例1〜比較例3に係るエレベータ用ロープよりも、疲労寿命が長いことが確認された。また、比較例1〜比較例3に係るエレベータ用ロープに関し、試験により破壊した箇所を観察したところ、破壊箇所が心材またはストランド心材に気泡が存在する部分の近傍であることが確認された。

0076

このように、一般的な押し出し成形法を用いて第1の中空部3Hや第2の中空部7Hが形成されている心材1やストランド心材7を備えることにより、エレベータ用ロープは良好な疲労特性を実現できることが確認された。また、この結果から、従来のエレベータ用ロープに備えられていた心材やストランド心材に発生する不連続な気泡が形成されていないことにより、当該気泡部分でのエレベータ用ロープの型崩れや心材の破壊を抑制することができていると考えられる。

実施例

0077

以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲のすべての変更が含まれることが意図される。

0078

本発明は、押し出し成形法により形成される樹脂成形連続体を備えるエレベータ用ロープに特に有利に適用される。

0079

1心材、1A,3A,4A,6A,7A外周面、2側ストランド、3 第1の樹脂成形連続体、3H 第1の中空部、4樹脂スペーサ、5 第1素線、6樹脂被覆層、7 第2の樹脂成形連続体、7A 外周囲、7H 第2の中空部、8 第2素線、10エレベータ用ロープ、21,22,23 素線、30かご室、40おもり、50シーブ、100エレベータ装置。

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