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技術 コイル装置およびコイル装置の製造方法

出願人 株式会社デンソー
発明者 生田秀伴祐一平澤直樹木村統公
出願日 2014年6月3日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2014-114587
公開日 2015年12月17日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2015-228476
状態 特許登録済
技術分野 一般用変成器のコイル コイルの巻線方法及びその装置 変成器又はリアクトル一般 電気コイル一般 コア、コイル、磁石の製造
主要キーワード 円弧状縁 コイルターン間 柱状コア 絶縁被覆線 コイル間隔 車載装置用 ベース上面 積層間隔
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月17日)のものです。
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図面 (15)

課題

コイルターン間の隙間をより小さくして小型化を図り、かつ工程数設備コストの増加を伴わずに、損失が小さい省スペース四角形コイルの構成と、その製造方法を提供する。

解決手段

四角形断面の柱状コア31周りに装着される四角形状コイル2を有するコイル装置1であり、平角線側縁部に予め潰し冶具で窪みを形成し、次いで窪みの形成部が内周側となるように、曲げ冶具で加工して形成した円弧状の凹陥部23に、柱状コア31の各角部33を収容可能とする。

概要

背景

リアクトルコイルトロイダルコイル等のコイル装置は、一般に、矩形ブロック状のコア鉄心)の周りコイル巻回して構成される。従来のコイル形状としては、平角線エッジワイズ巻きした円筒形状のものが知られているが、コアとの間に隙間が生じて損失が発生しやすく、また、線材のR曲げによる加工で内周側が膨らみ、積層厚さが増加しやすい不具合がある。

そこで、コイル装置のコンパクト化・高効率化の要求から、円筒形以外のコイル形状が提案されており、線材をコアに沿って巻き付け四角形状としたものがある。例えば、特許文献1には、コア中心脚を中心に、螺旋状に巻回された筒状の縦巻構造のコイルを備え、それぞれのコイルを、略矩形の断面を有する連続した帯状導体板で形成したコイル装置が開示されている。導体板は、電流通電方向に対して平行以外かつ垂直以外の角度にて、裏側または表側に複数回折り曲げられている。

平角線を螺旋構造となるように、一方向に折り曲げていくと、屈曲部が折り重なって厚みが2倍、曲げRを考慮すると2倍以上となり、積み上げ寸法がターン数の2倍以上必要となる。これを解消するには、圧接圧延して形状を整えるとよいが、各コイルターン間の間隔が圧接率により制御されるために、コイル積層間隔均一度の確保が容易でない。これに対して、特許文献1のコイル装置は、導体板の折り曲げを、コイルの1ターンの中で、少なくとも1回は連続して裏側または表側に同じ側に折り曲げる工法を採用し、圧接、圧延なしでも一定の狭いコイル間隔に調整可能としている。

概要

コイルターン間の隙間をより小さくして小型化をり、かつ工程数設備コストの増加を伴わずに、損失が小さい省スペースの四角形状コイルの構成と、その製造方法を提供する。四角形断面の柱状コア31周りに装着される四角形状コイル2を有するコイル装置1であり、平角線の側縁部に予め潰し冶具で窪みを形成し、次いで窪みの形成部が内周側となるように、曲げ冶具で加工して形成した円弧状の凹陥部23に、柱状コア31の各角部33を収容可能とする。

目的

そこで、本願発明は、コイルターン間の隙間をより小さくして小型化を図り、かつ工程数や設備コストの増加を伴わずに、損失が小さい省スペースの四角形状コイルの構成と、その製造方法を確立し、小型で高性能なコイル装置を低コストで実現することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

四角形断面の柱状コア(31)と、該柱状コア周りに装着される四角形状コイル(2)を有するコイル装置(1)であって、上記四角形状コイルは、平角線(25)を上記柱状コアの外周面に沿う四角形状にエッジワイズ巻線することにより、上記柱状コアの各辺と平行な複数のストレート部(21)と、隣り合うストレート部を結ぶ複数のコーナー部(22)を有しており、かつ、各コーナー部を形成する平角線の内周面の一部を外周面側へ向けて凹陥させて、上記柱状コアの各角部(33)を収容可能な凹陥部(23)を設けたことを特徴とするコイル装置。

請求項2

上記凹陥部が、予め上記平角線の側縁部を潰し加工して窪み(24)を形成し、該窪みが内周面側となるように曲げ加工して形成されている請求項1記載のコイル装置。

請求項3

上記平角線が絶縁被覆線であり、上記凹陥部が、円弧状とした上記窪みの形成部を曲げ加工して、上記柱状コアの角部を囲む円弧状に形成されている請求項1または2記載のコイル装置。

請求項4

請求項1に記載のコイル装置の製造方法であって、一定厚の平角線の一方の側縁部を、潰し冶具(5)を用いて潰し加工して窪みを形成する第1の工程と、上記窪みの形成部が内周側となるように曲げ冶具(6)を用いて曲げ加工して、上記凹陥部を形成する第2の工程とを有し、上記平角線を送りながら、これら第1の工程と第2の工程とを順に繰り返すことにより、所定の四角形状にエッジワイズ巻線することを特徴とするコイル装置の製造方法。

請求項5

請求項4に記載のコイル装置の製造方法において、上記潰し冶具は、水平方向に対向するブロック状の一対の可動型(51)と固定型(52)を有し、該固定型の上面に上記平角線を支持する送り溝(41)を有するとともに、上記可動型に設けた押込部(54)を上記平角線の側縁部に押し込んで、上記窪みを潰し加工するコイル装置の製造方法。

請求項6

請求項4または5に記載のコイル装置の製造方法において、上記曲げ冶具は、水平方向に整列するブロック状の一対の可動型(62)と固定型(61)を有し、これら可動型と固定型の上面に上記平角線を支持する送り溝(41)を有するとともに、該送り溝の側方に配置したピン部材(65)を曲げ支点として、上記窪みの形成部を曲げ加工し、上記凹陥部を形成するコイル装置の製造方法。

請求項7

請求項4ないし6のいずれか1項に記載のコイル装置の製造方法において、上記潰し冶具または上記曲げ冶具は、潰し加工または曲げ加工時に上記平角線の膨らみを押さえ押さえ部材(53、64)を備えるコイル装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、車載装置用リアクトルコイル等に使用されるコイル装置であり、特に、平角線エッジワイズ巻きした四角形状のコイル装置とその製造方法に関する。

背景技術

0002

リアクトルコイル、トロイダルコイル等のコイル装置は、一般に、矩形ブロック状のコア鉄心)の周りコイル巻回して構成される。従来のコイル形状としては、平角線をエッジワイズ巻きした円筒形状のものが知られているが、コアとの間に隙間が生じて損失が発生しやすく、また、線材のR曲げによる加工で内周側が膨らみ、積層厚さが増加しやすい不具合がある。

0003

そこで、コイル装置のコンパクト化・高効率化の要求から、円筒形以外のコイル形状が提案されており、線材をコアに沿って巻き付けて四角形状としたものがある。例えば、特許文献1には、コア中心脚を中心に、螺旋状に巻回された筒状の縦巻構造のコイルを備え、それぞれのコイルを、略矩形の断面を有する連続した帯状導体板で形成したコイル装置が開示されている。導体板は、電流通電方向に対して平行以外かつ垂直以外の角度にて、裏側または表側に複数回折り曲げられている。

0004

平角線を螺旋構造となるように、一方向に折り曲げていくと、屈曲部が折り重なって厚みが2倍、曲げRを考慮すると2倍以上となり、積み上げ寸法がターン数の2倍以上必要となる。これを解消するには、圧接圧延して形状を整えるとよいが、各コイルターン間の間隔が圧接率により制御されるために、コイル積層間隔均一度の確保が容易でない。これに対して、特許文献1のコイル装置は、導体板の折り曲げを、コイルの1ターンの中で、少なくとも1回は連続して裏側または表側に同じ側に折り曲げる工法を採用し、圧接、圧延なしでも一定の狭いコイル間隔に調整可能としている。

先行技術

0005

特開2013−21307号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1のコイル装置は、各コイルターン間に平角線の板厚に相当する隙間が形成される構成であることは変わらず、積み上げ寸法の縮小限界がある。また、折り曲げ動作が複雑で、三軸動作可能な曲げ設備が必要となるだけでなく、加工後にコイル外表面の絶縁被覆処理が必要で、製造コストが増加する要因となりやすい。

0007

そこで、本願発明は、コイルターン間の隙間をより小さくして小型化を図り、かつ工程数設備コストの増加を伴わずに、損失が小さい省スペースの四角形状コイルの構成と、その製造方法を確立し、小型で高性能なコイル装置を低コストで実現することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の請求項1に記載の発明は、
四角形断面の柱状コアと、該柱状コア周りに装着される四角形状コイルを有するコイル装置であって、
上記四角形状コイルは、平角線を上記柱状コアの外周面に沿う四角形状にエッジワイズ巻線することにより、上記柱状コアの各辺と平行な複数のストレート部と、隣り合うストレート部を結ぶ複数のコーナー部を有しており、かつ、各コーナー部を形成する平角線の内周面の一部を外周面側へ向けて凹陥させて、上記柱状コアの各角部を収容可能な凹陥部を設けたことを特徴とする。

0009

本発明の請求項2に記載の発明は、上記凹陥部が、予め上記平角線の側縁部を潰し加工して窪みを形成し、該窪みが内周面側となるように曲げ加工して形成されている。

0010

本発明の請求項3に記載の発明は、上記平角線が絶縁被覆線であり、上記凹陥部が、円弧状とした上記窪みの形成部を曲げ加工して、上記柱状コアの角部を囲む円弧状に形成されている。

0011

本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のコイル装置の製造方法であって、
一定厚の平角線の一方の側縁部を、潰し冶具を用いて潰し加工して窪みを形成する第1の工程と、
上記窪みの形成部が内周側となるように曲げ冶具を用いて曲げ加工して、上記凹陥部を形成する第2の工程とを有し、
上記平角線を送りながら、これら第1の工程と第2の工程とを順に繰り返すことにより、所定の四角形状にエッジワイズ巻線することを特徴とする。

0012

本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のコイル装置の製造方法において、
上記潰し冶具は、水平方向に対向するブロック状の一対の可動型固定型を有し、該固定型の上面に上記平角線を支持する送り溝を有するとともに、上記可動型に設けた押込部を上記平角線の側縁部に押し込んで、上記窪みを潰し加工する。

0013

本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のコイル装置の製造方法において、
上記曲げ冶具は、水平方向に整列するブロック状の一対の可動型と固定型を有し、これら可動型と固定型の上面に上記平角線を支持する送り溝を有するとともに、該送り溝の側方に配置したピン部材を曲げ支点として、上記窪みの形成部を曲げ加工し、上記凹陥部を形成する。

0014

本発明の請求項7に記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1項に記載のコイル装置の製造方法において、
上記潰し冶具または上記曲げ冶具は、潰し加工または曲げ加工時に上記平角線の膨らみを押さえ押さえ部材を備える。

発明の効果

0015

本発明のコイル装置は、四角形状コイルのコーナー部内周面に、コア角部を収容可能な凹陥部を形成したので、収容できるコア体積を拡大できる。また、積層高さを小さくできるので、製品の小型化・高性能化が可能である。このようなコイル装置は、平角線の潰し加工、曲げ加工により一軸上で連続してエッジワイズ巻線できるので、絶縁被覆線を用いて容易に製造でき、コスト低減に有効である。

図面の簡単な説明

0016

本発明の第1実施形態におけるリアクトルコイルの断面図である。
第1実施形態におけるリアクトルコイルの全体斜視図である。
第1実施形態における四角形状コイルの斜視図および平面図である。
第1実施形態における四角形状コイルの平面図とその要部拡大図である。
第1実施形態における四角形状コイルを構成する平角線の要部拡大図である。
第1実施形態における四角形状コイルの要部拡大図である。
第1実施形態の四角形状コイルの製造方法を説明するための概略工程図である。
第1実施形態の四角形状コイルの製造方法を説明するための要部拡大図である。
第1実施形態の四角形状コイルを製造するための装置の全体構成図である。
図7製造装置において、曲げ加工前の状態を示す全体斜視図である。
図7の製造装置において、曲げ加工後の状態を示す全体斜視図である。
図7の製造装置における潰し冶具の詳細構造と、潰し加工の手順を説明するための要部斜視図である。
図7の製造装置における曲げ冶具の詳細構造と、曲げ加工の手順を説明するための要部斜視図である。
本発明の効果を従来を比較して説明するための図で、第1実施形態の四角形状コイルと、従来の四角形状コイルの平面図である。

実施例

0017

本発明を適用した第1実施形態を、図1〜4を参照しながら詳細に説明する。図1、2において、コイル装置であるリアクトルコイル1は、四角形状コイル2と磁性コア3によって構成され、磁性コア3は、四角形状コイル2がその周りに装着される柱状コア31を有している。柱状コア31の軸方向端部には、幅広フランジ状コア32が一体的に設けられて、四角形状コイル2の側面方向へ張り出し、全体が概略I字状となっている。磁性コア3は、通常公知の方法で製作され、例えば磁性鋼板等の汎用磁性材を積層したものや、鉄系磁性金属粉末樹脂バインダを混合して加圧成形したダストコア圧粉磁心)を用いることができる。磁性コア3を、複数の分割コアを組み合わせた構成としてもよい。また、図示しない他の分割コアと組み合わせて、製品や要求特性に応じた任意のコア形状とすることができる。

0018

図3に示すように、四角形状コイル2は、一定厚さの扁平な導体からなる線材(以下、平角線)を、各段が概略正方形同一形状となるように螺旋状に巻き回したエッジワイズ巻線で、全体が角筒コイル状に成形されている。平角線は、予め絶縁材料被覆された絶縁被覆線を用いることができ、後述するように、巻線工程後の絶縁処理を不要とすることができるので望ましい。四角形状コイル2の両端部は、端子部2A、2Bとなって、図の上方へ延出される。図1、2に示すように、四角形状コイル2の筒内には、磁性コア3の柱状コア31が嵌挿され、両端のフランジ状コア32が、四角形状コイル2の両端開口を閉鎖している。

0019

四角形状コイル2は、柱状コア31の各辺に平行な4つのストレート部21と、隣り合うストレート部21を結ぶ4つのコーナ—部22を有する。ストレート部21は、四角形状コイル2の冷却面として機能し、コイルで発生する熱を放出する。コーナ—部2は、平角線の曲げ加工により、角のない曲面状の外周面を有する形状に湾曲成形され、ストレート部21を滑らかに接続する。

0020

ここで、本発明では、各コーナー部22の内周面の一部を潰し加工して、柱状コア31の角部33を収容する凹陥部23を設けている。凹陥部23は円弧状で、柱状コア31の4つの角部37に対向する平角線材の側面を、コーナー部22の内周側から外周側へ、押し込むように潰し加工して窪みを設け、さらに曲げ加工することで形成される。これにより、平角線のエッジワイズ巻きを容易にするとともに、柱状コア31の嵌挿を容易にして、4つの角部33を、対応する凹陥部23の円弧状縁部にて囲まれる空間に配置する。この時、柱状コア31の各辺と隣接するストレート部21との隙間を極小とすることができ、四角形状コイル2の筒内に収容される柱状コア31の断面積最大限とすることができる。

0021

本発明において、凹陥部23の形状は特に制限されず、柱状コア31の角部33を許容可能な形状であればよい。好適には、四角形状コイル2のコーナー部22の内外周面を、円弧状とすることが望ましい。図4A(右図)に示すように、コーナー部22の内外周面が、略同心の円弧状となるように設定するとよく、コーナー部22の平角線幅を確保して、コイルの発熱を抑制しやすく、曲げ加工も容易になる。また、コーナー部22の外周面の曲率半径を小さくして、ストレート部21の長さLを、柱状コア31の一辺の長さと同等程度まで大きくすることができる。

0022

図4B、4Cは、曲げ加工前の直線状の平角線25に、コーナー部22の凹陥部23となる窪み24を形成した状態と、これを凹陥部23の中心Cを曲げ支点として加工し、凹陥部23を形成した状態を示している。コーナー部22の凹陥部23、窪み24の押し込み深さ(平角線縁部からの距離)をPとし、その曲率半径を内Rとした時、これらPと内Rは、図4(左図)に示される関係に基づいて設定される。すなわち、柱状コア31の角部33が凹陥部23の底部(円弧部中央)に当接し、柱状コア31の断面積が最大となるように配置した時、角部33と凹陥部23との最大距離がPとなる。また、角部32の縁部が、凹陥部23の曲率半径(内R)と同じ半径Rの円に接する時、この円の中心と角部33の角との距離は、R×√2となり、角部33の縁部と平行な方向において、この円の縁部と角部33の縁部との距離はPとなる。

0023

この時、PとR(内R)の関係は、以下のようになる。
P=R−{R/√2}
P=内R−{内R/√2}
したがって、この関係を満足するようにP、Rを設定し、四角形状コイル2となる平角線を、潰し加工し、次いで曲げ加工することで、凹陥部23を最適形状とすることができる。

0024

また、図4Cにおいて、四角形状コイル2のストレート部21の幅をWとし、厚さをTとする時、コーナー部22の幅は、W−Pとなる。コーナー部22の外周面の曲率半径を外Rとすると、外Rは、W+内R−Pとほぼ同等となる。コーナー部22の厚さは、ストレート部21の厚さTと同厚さであり、内周側から外周側へ一定厚さであることが望ましい。通常のプレス加工により、平角線を潰し加工する場合には、内周側から押し込む際に線材の肉が盛り上がって膨らみやすくなるため、膨らみを押さえながら加工するとよい。同様に、曲げ加工により凹陥部23を形成する場合も、膨らみを防止して一定厚さを保持することで、積層厚さを最小とすることができる。

0025

次に、図5〜9により、本発明の四角形状コイル2の製造方法を説明する。図5は、平角線から四角形状コイル2を製造する概略工程を示しており、平角線25の側縁部を、後述する潰し治具を用いて潰し加工し、凹陥部23となる窪み24を形成する第1の成型工程(第1の工程)と、窪み24の形成部(成型部)を、後述する曲げ治具を用いて曲げ加工して、凹陥部23を形成する第2の成型工程(第2の工程)とからなる。好適には、平角線を間欠的に送り出し、これら第1の成型工程、第2の成型工程による加工を、停止時に同時に行うことを繰り返す。このように、連続的に成型加工を行うことで、四角形状の平角線が厚さ方向に積層された四角形状コイル2を製造することができる。

0026

一例として、平角線25には、例えば、厚さ0.8mm、幅9.0mmの平板状の銅線が用いられる。この時、上述した図4の関係から、第1の成型工程において、凹陥部23となる窪み24を、例えば、曲率半径R=4mm、深さ2mmに成型する。この成型部を、第2の成型工程にて曲げ加工すると、図6に示すように、四角形状コイル2のコーナー部22に、曲率半径R=4mmの凹陥部23が形成される。コーナー部22において、外周面の曲率半径Rは、内側から移動した肉分(2mm)を、外周面の曲率半径R(4mm)と平角線25の線幅W(9mm)との和から差し引いた値(11mm)となり、コーナー部22の線幅が確保されることがわかる。

0027

図7、8は、四角形状コイル2を製造するための装置構成例であり、平角線25の供給部となるボビン4と、第1の成型工程を行う第1の型である潰し冶具5、第2の成型工程を行う第2の型である曲げ冶具6が、平角線25の送り方向に整列している。潰し冶具5は、平角線25を挟んで対向する一対の可動型51、固定型52を有し、可動型51を対向方向に押し込むことにより、平角線25の側縁部に凹陥部23となる窪み24を形成する。曲げ冶具6は、平角線25の送り方向に整列する固定型61、曲げベース63、可動型63を有し、後方に位置する可動型62を、曲げベース63周りに90度回転させることにより、内周側に凹陥部23を有するコーナー部22を形成する。

0028

図8に示すように、好適には、ブロック状の一対の型51、52からなる潰し冶具5、ブロック状の一対の型61、62からなる曲げ冶具6に、押さえ部材として、平角線25の膨らみ押さえ53、膨らみ押さえ64をそれぞれ設ける。図8右図は、膨らみ押さえ53、64が配置されていない状態を示し、潰し冶具5の固定型51上面、曲げ冶具6の固定型61、可動型62の上面が、平角線25の送り方向に同一面を構成するように、隣接配置されている。平角線25は、これら上面に形成される送り溝41内に保持され、送り溝41に沿って案内される。

0029

潰し冶具5の膨らみ押さえ53は、固定型51の上方に載置される矩形平板状で、送り溝41に支持される平角線25を上方から押さえる。曲げ冶具6の膨らみ押さえ64は、円筒状の曲げベース63の上方に載置される円形板状で、曲げ冶具6に接する送り溝41に支持される平角線25を上方から押さえる。これら膨らみ押さえ53、64は、いずれも、加工による肉の盛り上がりを抑制できればよく、平角線25の送りを妨げない押圧力となるように調整される。図9左図は、曲げ冶具6により曲げ加工し、可動型62を曲げベース63周りに回転させて、平角線25を90度曲げした状態であり、右図に膨らみ押さえ53、64を外した状態を示す。曲げベース63は、一対の型61、62の間で送り溝41に沿う側縁部に配置される。

0030

図10に、潰し冶具5の詳細形状例と、加工手順を示す。ブロック状の固定型(ダイ)52は、可動型(パンチ)51側の上面側縁部を一定幅でL字形に凹陥させて、平角線25より幅広の送り溝41としている。パンチ51の上面には、送り溝41に隣り合う側縁部に、ダイ52方向に所定幅張り出すフランジ55が形成され、その中央に略半円形状に突出する押込部54を設けている。図の手順1にて、ダイ52の送り溝41に、平角線25がセットされると、先の工程で形成された窪み24から所定間隔をおいた加工位置と、パンチ51の押込部54が対向する。続く手順2で、ダイ52の上方に膨らみ押さえ53が配置され、パンチ51が対向するダイ52方向へ移動して、押し込みを開始する。

0031

手順3で、パンチ51が押し込まれると、フランジ55が送り溝41上に突出して、略半円形状の押込部54が、平角線25の側縁部に食い込む。これを繰り返すことにより、押込部54形状に沿う円弧状の窪み24が、平角線25の側縁部に所定の等間隔で形成される。

0032

図11に、曲げ冶具6の詳細形状例と、加工手順を示す。固定型(固定ブロック)61と、可動型(可動ブロック)62は、曲げベース上面を一定幅でコ字形に凹陥させて、平角線25の幅に対応する送り溝41としている。この送り溝41は、潰し冶具5の送り溝41の延長上にあり、曲げベース63側の側縁部は閉じている。曲げベース63の上面は、送り溝41と同一面にあり、その中央部から上方に、円柱状のピン部材である内R形状決めピン65が突出している。内R形状決めピン65は、四角形状コイル2の凹陥部23の内Rに対応する形状となっている。

0033

図の手順1にて、曲げ治具6の送り溝41に、平角線25がセットされると、潰し加工で窪み24が形成された所定の加工位置が、曲げベース63の内R形状決めピン65の側方に配置される。続く手順2で、内R形状決めピン65の上方から、円環状の膨らみ押さえ64を装着し、手順3で、可動ブロック62を曲げベース63周りに回動させる。すると、曲げ支点となる内R形状決めピン65の円弧状の側面に、平角線25の窪み24が嵌合した状態で、所定の曲げ形状に加工される。この時、平角線25の円弧状の窪み24と、曲げ支点となる内R形状決めピン65によって、平角線25が容易に湾曲し、外Rの小さい円弧状のコーナー部22を形成する。

0034

図12に、本発明の方法を用いて製造された四角形状コイル2(左図)を、従来の方法で製造された四角形状コイル10(右図)と比較して示す。従来の四角形状コイル10は、平角線を一定間隔で同一方向に折り曲げ加工することで積層されており、コーナー部が折り畳みによる重なりを有するために、各層が平角線の厚さ(t)の2倍、積層高さはターン数(N)に対してt×2Nとなっている。四角形状コイル10の外形(幅X)に対して、冷却面となるストレート部の長さは、平角線の幅(W)とすると、X−W×2となり、このサイズのコアが収容できる。各層の折り曲げ方向を一部変更した特許文献1の方法による場合も、この四角形状コイル10と同様である。

0035

一方、本発明の四角形状コイル2は、コーナー部22の内R形状により、磁性コア3の角部33を許容できるので、従来の四角形状コイル10と同サイズのコアを収容できる。内R形状による押し込み量をPとすると、冷却面となるストレート部21の長さは、X−2(W+内R−P)となる。これは、例えばX=60mmであれば10%未満の減少であり、体格が大きいとその差はより小さくなるので、従来の四角形状コイル10に対して大きな差は生じない。また、外Rの小さい曲げ加工が容易にできる。

0036

しかも、同一面積の冷却面で比較した場合、本発明の四角形状コイル2は、従来の四角形状コイル10に対し、同一のターン数での高さが1/2となるため、有効冷却面が2倍となる利点がある。なお、コーナー部22については、曲げ加工により断面積が低減する部分があることが知られ(例えば83%程度)、これを考慮して、コイル全体の断面積が同様に減少したとしても、従来の四角形状コイル10の有効冷却面を100%とした時に、有効冷却面は、(83−10)×2=146(%)となる。すなわち、有効冷却面の46%の向上が期待できることになる。

0037

以上のように、本発明によれば、四角形状コイル2の内周に形成した凹陥部23により、コア角部を許容できるので、収容できるコア体積の拡大に効果がある。また、凹陥部23となる窪み24を予め設けることにより、平角線25の曲げ加工によるエッジワイズ巻線が容易になり、積層高さを小さくできるので、製品の小型化・高性能化が可能である。さらに、一軸上で連続して曲げ加工を行って製品形状とすることができるので、装置構成が簡易にでき、絶縁被覆された状態の線材を用いた加工ができるので、加工後の絶縁処理が不要で、コスト低減に寄与する。

0038

上記実施形態では、本発明を適用したリアクトルコイル1の例について説明したが、四角形状コイル2とその筒内に収容される柱状コア31を有するコイル装置であれば、いずれにも好適に使用できる。また、四角形状コイル2に形成される凹陥部23の形状や、平角線25に形成される窪み24形状、磁性コア3の全体形状、その他の構成は、適宜変更することができる。四角形状コイル2を製造するための装置についても、基本構造を変更しない限り、潰し冶具5や曲げ冶具6の形状その他を適宜変更することができる。

0039

このように、本発明のコイル装置は、低コストで小型かつ高性能であり、収納スペースが小さい車載用または家電用の電子機器制御機器電源装置駆動装置といった種々の用途に好適に使用することができる。

0040

1リアクトルコイル(コイル装置)
2四角形状コイル
21ストレート部
22コーナー部
23 凹陥部
24 窪み
25平角線
3磁性コア
31柱状コア
4ボビン
41送り溝
5 潰し冶具
51、52 一対の型
53 膨らみ押さえ(押さえ部材)
54押込部
6曲げ冶具
61、62 一対の型
63 曲げベース
64 膨らみ押さえ(押さえ部材)
65 内R形状決めピン(ピン部材)

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