図面 (/)

技術 流況計算システムおよび濁り拡散計算システム

出願人 大成建設株式会社
発明者 高山百合子織田幸伸
出願日 2014年5月30日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-112762
公開日 2015年12月17日 (4年11ヶ月経過) 公開番号 2015-227783
状態 特許登録済
技術分野 気象学
主要キーワード 連成計 平衡方程式 基礎方程式 潮位変化 平均水位 吹送流 現場海域 海洋開発
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

短時間で流況結果を算出可能な流況計算システムを提供する。

解決手段

対象海域の流況を算出するための、流況計算システムであって、対象海域のの満ち引き情報に基づいて算出する第1の流速ベクトルを、日時に対応付けて予め記憶可能な、潮汐データベースと、対象海域の潮位情報および波浪情報を変更しながら算出する第2の流速ベクトルを予め記憶可能な、波浪場データベースと、演算手段であって、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトルおよび第2の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、演算手段と、を少なくとも具備する。

概要

背景

海洋工事では、発生する濁り工事海域外に流出して周辺環境に影響を与えることが無いよう、工事中に発生する濁りを日々管理することが求められている。
この管理方法としては、工事現場である対象海域流況流れ場)を求め(以下「流況計算」という。)、当該流況に濁りのデータを入力して、濁りの拡散度合いを計算(以下「濁り拡散計算」という)する手法が用いられている。

例えば、以下の特許文献1には、埋め立て工事における施工管理システムとして、水質汚濁シミュレーション部を設けた構成が開示されている。
また、以下の非特許文献1には、翌日の工事海域の流れを予測する方法として、潮汐・風・河川流入などの影響を考慮した3次元流動の数値シミュレーションにより、流況計算を行っている。

概要

短時間で流況結果を算出可能な流況計算システムを提供する。対象海域の流況を算出するための、流況計算システムであって、対象海域のの満ち引き情報に基づいて算出する第1の流速ベクトルを、日時に対応付けて予め記憶可能な、潮汐データベースと、対象海域の潮位情報および波浪情報を変更しながら算出する第2の流速ベクトルを予め記憶可能な、波浪場データベースと、演算手段であって、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトルおよび第2の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、演算手段と、を少なくとも具備する。

目的

特許第3841267号公報




「日々の工事管理を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

対象海域流況を算出するための、流況計算システムであって、対象海域のの満ち引き情報に基づいて算出する第1の流速ベクトルを、日時に対応付けて予め記憶可能な、潮汐データベースと、対象海域の潮位情報および波浪情報を変更しながら算出する第2の流速ベクトルを予め記憶可能な、波浪場データベースと、演算手段であって、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトルおよび第2の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、演算手段と、を少なくとも具備する、流況計算システム。

請求項2

対象海域の風情報に基づいて算出する第3の流速ベクトルを予め記憶可能な、風場データベースと、を更に具備し、前記演算手段は、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、ユーザが設定する風条件に対応する前記第3の流速ベクトルを、前記風場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトル、第2の流速ベクトルおよび第3の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、ことを特徴とする、請求項1に記載の流況計算システム。

請求項3

請求項1または2に記載の流況計算システムと、前記流況計算システムで得た流況結果に、濁り条件を入力して該濁りの拡散経過を計算し出力する、拡散計算手段と、を少なくとも含む、濁り拡散計算システム

技術分野

0001

本発明は、対象海域流況を算出するための流況計算システム、および該流況計算システムを用いて対象海域での濁り拡散を計算するための濁り拡散計算ステムに関する。

背景技術

0002

海洋工事では、発生する濁りが工事海域外に流出して周辺環境に影響を与えることが無いよう、工事中に発生する濁りを日々管理することが求められている。
この管理方法としては、工事現場である対象海域の流況(流れ場)を求め(以下「流況計算」という。)、当該流況に濁りのデータを入力して、濁りの拡散度合いを計算(以下「濁り拡散計算」という)する手法が用いられている。

0003

例えば、以下の特許文献1には、埋め立て工事における施工管理システムとして、水質汚濁シミュレーション部を設けた構成が開示されている。
また、以下の非特許文献1には、翌日の工事海域の流れを予測する方法として、潮汐・風・河川流入などの影響を考慮した3次元流動の数値シミュレーションにより、流況計算を行っている。

0004

特許第3841267号公報

先行技術

0005

「日々の工事管理を目的とした、流れ・濁り予測システム海洋開発論文集、第19巻、2003年7月、767〜772頁

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、従来行われている流況計算では、以下の様な問題のうち、少なくとも何れか1つの問題があった。
(1)計算時間が長時間にわたる。
流況計算を行うにあたり、潮位予測値、波の予報値、風の予報値などの入力データをその都度入力して複雑なシミュレーションを実行(以下、「連成計算」という。)するため、計算時間が長時間にわたる。
計算終了時には、入力データの予報値自体が最新の値に更新されていることもあるため、計算時間の短縮化に改良の余地が残されている。
なお、計算時間を短縮化するためには、入力条件の削減や、現場海域メッシュを粗くするなどしてシミュレーション精度を落とす方法もあるが、シミュレーション精度が落ちてしまうと、本来の目的と逸脱してしまう。
(2)専門的な知識を要する。
計算時間に長時間を要すると、条件設定を適宜変えて行った複数の予測結果を出力することが現実的に難しくなる。
したがって、より適切な工事計画をたてるためには、入力データの条件設定が非常に重要となり、計算の実行前に、専門的な知識や多くの経験を有する技術者が入力データを十分に検討する必要がある。
(3)検討時間の確保と計算時間の確保との両立が困難である。
(1)による計算時間の確保と(2)による検討時間の確保とを限られた時間の中で両立しなければならず、技術者にとって非常に負担となる。
(4)入力データが複雑である。
その都度入力する、潮位の予測値、波の予報値、風の予報値などのデータが多岐にわたるため、入力ミスなどが生じやすく、誤った計算結果を出力してしまった際の後戻りによる影響が大きい。

0007

よって、本願発明は、短時間で流況結果や濁り拡散結果を算出可能な、流況計算システムおよび濁り拡散計算システムを提供することを目的の一つとする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、対象海域の流況を算出するための、流況計算システムであって、対象海域のの満ち引き情報に基づいて算出する第1の流速ベクトルを、日時に対応付けて予め記憶可能な、潮汐データベースと、対象海域の潮位情報および波浪情報を変更しながら算出する第2の流速ベクトルを予め記憶可能な、波浪場データベースと、演算手段であって、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトルおよび第2の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、演算手段と、を少なくとも具備する、流況計算システムを提供する。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、対象海域の風情報に基づいて算出する第3の流速ベクトルを予め記憶可能な、風場データベースと、を更に具備し、前記演算手段は、ユーザが設定する日時条件に対応する第1の流速ベクトルを、前記潮汐データベースから取得し、ユーザが設定する波浪条件、および前記日時条件で特定される対象海域の潮位に対応する第2の流速ベクトルを、前記波浪場データベースから取得し、ユーザが設定する風条件に対応する前記第3の流速ベクトルを、前記風場データベースから取得し、前記取得した第1の流速ベクトル、第2の流速ベクトルおよび第3の流速ベクトルを合算した結果を、流況結果として出力する、ことを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1または第2発明に記載の流況計算システムと、前記流況計算システムで得た流況結果に、濁り条件を入力して該濁りの拡散経過を出力する、拡散計算手段と、を少なくとも含む、濁り拡散計算システムを提供する。

発明の効果

0009

本願発明によれば、海洋工事、海難事故時の現況把握に有効であり、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を得ることができる。
(1)計算時間の短縮化。
潮の満ち引き情報による潮の流れの計算結果や、波浪情報や風情報などの各種データを変化させた潮の流れの計算結果を予めデータベース化しておくため、日々行う流況計算の実行時には、これらのデータベースからユーザが入力する情報に合わせた結果を取り出して合算するだけで良く、計算時間を大きく短縮化することができる。
また、波浪情報や風情報の入力データをできるだけ最新の予報値とすることができるため、流況計算の精度向上にも寄与し得る。
(2)専門技術者による入力条件の複数回の計算を実行できる。
計算時間が短縮されるため、1日のうちに入力データや濁り条件の条件設定を適宜変えて行った複数の流況計算結果や濁り拡散結果を取得することができる。
また、限られた時間の中で、入力データの条件設定を、柔軟に変更して流況計算または濁り拡散計算を行うことができるため、通常予測し得ない問題の発見などの効果も期待できる。
(3)入力データの把握が容易である。
入力するデータを、予めデータベース化している各種の条件から選択する形式を採用することができるため、選択使用者にとって、日時や気象予報値などの単純な条件を入力するだけでよく、入力データの把握や、計算結果との関連性の理解が容易となる。
(4)従来の計算方法と同等の計算結果を得ることができる。
予めデータベース化した流速ベクトルを単純合算するのみで、従来の連成計算に近い計算結果を得ることができる。
特に、波浪場データベースにおける第2の流速ベクトルを、潮位情報を適宜変更してデータベース化しておき、潮の満ち引き情報から得られる潮位に近似する潮位情報で計算した第2の流速ベクトルを用いることで、さらに連成計算に近付けることができる。
(5)濁り拡散予測ができる。
濁りは海洋工事の施工を進める上で大きく影響するので、予測によって有効な施工計画実行が可能となる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施例1に係る流況計算システムの概略構成図。
潮汐データベースの概略構成図。
波浪場データベースの概略構成図。
図1の流況計算システムの動作を示す図。
計算結果の比較図1
計算結果の比較図2
本発明の実施例2に係る流況計算システムの概略構成図。
本発明の実施例3に係る流況計算システムの概略構成図。
本発明の実施例4に係る濁り拡散計算システムの概略構成図。

0011

以下、図面を参照しながら、本発明の各実施例の詳細について説明する。

0012

[流況計算システム1(潮汐+波浪場)]
図1に、実施例1に係る流況計算システムの構成の概略を示す。
本実施例に係る構成は、本発明に係る流況計算システムとして機能させるためのプログラムを、サーバAなどの一般的な情報処理装置インストールすることによって実現してなる。
サーバAは、ユーザCが操作するユーザ端末Bと情報を送受信可能な状態で接続されている。

0013

前記サーバAおよびユーザ端末Bは、CPU(演算処理装置)、データの送受信インターフェース、HDDSSDなどの記憶装置、ROM、RAM、キーボードマウスなどの入力装置ディスプレイプリンタなど出力装置などを任意に備える。

0014

本実施例に係る流況計算システムは、潮汐データベース11と、波浪場データベース12と、演算手段20とを少なくとも具備する。
これらの各手段は、前記サーバAが備えるCPUや記憶装置などのハードウェアと、前記サーバAにインストールするプログラム(ソフトウェア)との組合せによって実現することができる。
以下、各構成要素について説明する。

0015

潮汐データベース11は、対象海域の「潮の満ち引き情報」に基づいて算出する第1の流速ベクトルを集約したデータベースである。

0016

潮の満ち引き情報とは、対象海域の位置情報と潮汐の実測値によって計算される潮汐の振幅周期を少なくとも含んだ情報である。

0017

第1の流速ベクトルは、対象海域をメッシュ分割して、該メッシュ毎に前記した「潮の満ち引き情報」に基づく潮位変動のみを外力として計算した流速ベクトルである。
第1の流速ベクトルの計算方法は、流体運動基礎方程式であるナビエストーク方程式数学的に解く方法など、公知の方法を用いて行うことができる。

0018

図2に、第1の流速ベクトルの分布図をデータベース化した概念図を示す。
図2に示すように、潮汐データベース11では、潮の満ち引き情報に基づいて算出した対象海域の第1の流速ベクトルの分布図が、所定の時間間隔毎(T0〜Tn)に格納されているイメージとなる。

0019

このように、対象海域での施工時期等の全ての対象期間において、第1の流速ベクトルをデータベース化しておけば、従来の連成計算のように流況計算や濁り拡散計算の度に、改めて第1の流速ベクトルを計算する必要は無く、その都度、潮汐データベース11から、ユーザが設定する日時条件に該当する第1の流速ベクトルを取得すればよい。

0020

波浪場データベース12は、対象海域の「波浪情報」および「潮位情報」による流れの情報を集約したデータベースである。
より詳しくは、波浪場データベース12は、「波浪情報」を適宜変更して算出する流れを、さらに対象海域の「潮位情報」を変更しながら集約したデータベースである。

0021

波浪情報とは、流況計算の前に波浪場データベースを構築するために用いる、対象海域で発生する波(入射波)の情報からなる入力条件である。
波浪情報には、波高波向などのパラメータが含まれる。

0022

潮位情報とは、流況計算の前に波浪場データベースを構築するために用いる、対象海域の平均水位を示す情報からなる入力条件である。

0023

第2の流速ベクトルは、対象海域をメッシュ分割して、前記した波浪情報および潮位情報に基づいて算出した該メッシュ毎の流速ベクトルである。
第2の流速ベクトルの計算方法は、一般にエネルギー平衡方程式等による波浪推算から求めた波浪場のラディエーションストレスから求める方法など、公知の方法を用いて行うことができる。

0024

図3に、第2の流速ベクトルの分布図をデータベース化した概念図を示す。
図3に示すように、波浪場データベース12では、波浪情報(W0〜Wn)や潮位情報(H0〜Hn)を適宜変更した対象海域の第2の流速ベクトルの分布図が格納されているイメージとなる。

0025

このように、対象海域での施工時期の全ての期間において、波浪情報や潮位情報を適宜変更した第2の流速ベクトルをデータベース化しておけば、流況計算や濁り拡散計算の都度、改めて第2の流速ベクトルを計算する必要は無く、その都度波浪場データベース12から、ユーザが設定する日時条件および波浪条件に該当する第2の流速ベクトルを取得すればよい。

0026

演算手段20は、ユーザが設定した条件に基づき、各データベースから、前記設定条件に該当する流速ベクトルを読みだして合算した結果を、流況結果として出力するための手段である。
各データベースから流速ベクトルを読み出すためには、ユーザが設定した日時条件、波浪条件を要する。

0027

まず、潮汐データベース11から第1の流速ベクトルを取得する。
第1の流速ベクトルは、対象海域の時刻毎に算出・格納されたものであるため、ユーザが設定する日時条件に該当する日時情報を有する第1の流速ベクトルを選択して読み出せばよい。

0028

次に、波浪場データベース12から第2の流速ベクトルを取得する。
第2の流速ベクトルは、対象海域の波浪情報および潮位情報毎にデータベース化されているため、ユーザが設定する波浪条件に該当し、且つ日時条件で特定される対象海域の潮位(以下「潮位条件」)に最も近い潮位情報で計算した第2の流速ベクトルを抽出して読み出せばよい。
前記潮位条件は、前記第1の流速ベクトルの算出時に、対象海域の潮の満ち引き情報に基づいて所定時刻毎に特定されている。

0029

最後に、読みだした第1の流速ベクトルと第2の流速ベクトルをメッシュ毎に合算して、最終的な流速ベクトルを算出する。

0030

これらの処理を、ユーザが設定した時間範囲まで行うことで、対象海域の流況結果を算出することができる。

0031

図4を参照しながら、本発明に係る流況計算システムの使用手順の概要について説明する。
(1)データベース化
準備段階として、まず対象海域において、日時情報、波浪情報および潮位情報を適宜変化させて、サーバAにある前記潮汐データベース11と、前記波浪場データベース12に、各流速ベクトルを算出・集約しておく。
(2)入力データの選択
ユーザは、流況結果を把握したい日時条件(Tx)と波浪条件(Wy)を、ユーザ端末BからサーバAに入力設定して、流況結果の演算開始を実行する。
(3)各流速ベクトルの取得および合算
サーバAの演算手段20は、前記潮汐データベース11からユーザが設定する日時条件(Tx)に該当する第1の流速ベクトルを選択して読み出す。
また、演算手段20は、前記波浪場データベース12とから、波浪条件(Wy)および日時条件(Tx)で特定される対象海域の潮位に最も近い潮位情報(Hz)で計算した第2の流速ベクトルを選択して読みだす。
これらの流速ベクトルを合算して、合算後の流速ベクトルを最終結果とする。
(4)計算結果の出力
合算後の流速ベクトルは、対象海域において分布図の形で出力することができ、さらに時刻毎の分布図を追跡することで潮の流れの遷移を把握することができる。

0032

図5A,5Bに、各計算方法での流速ベクトル分布図を示す。
(a)は、従来の連成計算による算出結果である。
(b)は、潮位変化を考慮せず、潮位情報を一定としたまま第2の流速ベクトルを選定して、第1の流速ベクトルと合算した算出結果である。
(c)は、潮位変化を考慮して、時刻毎に対象海域の潮の満ち引き情報に近似する潮位情報で算出した第2の流速ベクトルを選定して、第1の流速ベクトルと合算した算出結果である。

0033

これらの分布図を比較すると、(a)に対し、(b)よりも(c)の分布結果がより近似する結果となった。
これは、リーフ上において見られる海浜流(波による流れ)が実際の潮位によっても変化するためと考えられる。
よって、潮位情報を一定としたまま計算した第2の流速ベクトルを用いて合算した流況結果よりも、潮の満ち引き情報から得られる対象海域の潮位(潮位条件)に近い潮位情報で計算した第2の流速ベクトルを用いて合算した流況結果のほうが、より連成計算に近い結果を得ることができる点が確認できた。

0034

[流況計算システム2(潮汐+波浪場+風場)]
図6に、実施例2に係る流況計算システムの構成の概略を示す。
本実施例に係る構成は、実施例1の構成から新たに風場データベース13を加えたものである。
以下、各構成要素について説明する。なお、実施例1と同様の構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。

0035

風場データベース13は、対象海域の「風情報」に基づいて算出する第3の流速ベクトルを集約したデータベースである。

0036

風情報とは、流況計算の前に風場データベースを構築するために用いる、対象海域で発生する風の情報からなる入力条件である。
風情報には、風速風向が含まれる。

0037

第3の流速ベクトルは、対象海域をメッシュ分割して、該メッシュ毎に前記した風情報に基づいて算出する流速ベクトルである。
第3の流速ベクトルの算出方法は、公知の方法を用いて行うことができる。
一般に、潮流に作用する吹送流(風情報に基づいて算出する流速ベクトル)は,海上風によって海面に発生するせん断応力摩擦項として運動方程式に付加される。

0038

このように、対象海域での施工時期の全ての期間において、風情報を適宜変更した第3の流速ベクトルをデータベース化しておけば、流況計算や濁り拡散計算の都度、改めて第3の流速ベクトルを計算する必要は無く、その都度風場データベース13から、ユーザが設定する風条件に該当する第3の流速ベクトルを取得すればよい。

0039

演算手段20では、前記実施例1の構成に加えてさらに、風場データベース13から、ユーザが設定する風条件に該当する第3の流速ベクトルを読み出し、第1〜第3の流速ベクトルを合算した結果を最終的な流速ベクトルとして算出する。

0040

本実施例に係る構成によれば、前記実施例1に記載の構成に加えて、さらに風条件を加えた形で最終的な流速ベクトルを算出するため、より精度の高い流況結果を算出することができる。

0041

[その他の流況計算システム(河川流入)]
図7に、実施例3に係る流況計算システムの構成の概略を示す。
本実施例に係る構成は、実施例2の構成から新たに河川流入データベース14を加えたものである。
以下、各構成要素について説明する。なお、実施例1または2と同様の構成要素については同一の符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。

0042

河川流入データベース14は、対象海域に流入する河川がある場合に、河川からの流入に起因する「河川流入情報」に基づいて算出する第4の流速ベクトルをデータベース化したものである。
河川流入情報とは、流況計算の前に河川流入データベースを構築するために用いる年平均流量などが含まれた情報からなる入力条件である。
第4の流速ベクトルの計算方法は、第1の流速ベクトルの計算方法と同様の方法を用いて「河川流入情報」を境界条件に付加して行うことができる。
第4の流速ベクトルの算出に用いるパラメータを以下の表4に示す。

0043

演算手段20では、前記実施例2に記載の構成に加えてさらに、ユーザが設定する河川流入条件に該当する第4の流速ベクトルを読み出し、各流速ベクトルを合算した結果を最終的な流速ベクトルとして算出することとする。

0044

なお、本実施例に係る発明は、実施例1の構成から、新たに河川流入データベース13を加えた構成としてもよい。

0045

本実施例に係る構成によれば、前記実施例1または2に記載の構成に加えて、さらに河川流入条件を加えた形で最終的な流速ベクトルを算出するため、より精度の高い流況結果を算出することができる。

0046

[濁り拡散計算システム]
図8に、本実施例に係る濁り拡散計算システムの概略構成図を示す。
本発明では、前記した流況計算システムで得た流況結果に、濁り条件を入力して該濁りの拡散経過を出力する、拡散計算手段30を加えて、濁り拡散計算システムとすることもできる。
図8では、実施例1に係る流況計算システムに、拡散計算手段30を追加した構成としている。
拡散計算手段30は、公知の方法によって構築することができる。

実施例

0047

本実施例に係る流況計算システムは、濁りの拡散に用いる流況結果をより短時間で得る事ができるため、限られた時間内で濁り拡散のシミュレーションの実行回数を増やすことができるため、現場での施工計画をより効率よく策定できる点で有益である。

0048

本実施例に係る流況計算システムおよび濁り拡散計算システムは、海洋工事において、構造体曳航ケーソン沈設などの作業を行う際の現場海域の流況把握や、海洋工事で発生した土砂の拡散推移の把握、あるいはタンカー事故による重油の拡散推移の把握などの用途に用いることができる。

0049

Aサーバ
Bユーザ端末
C ユーザ
11潮汐データベース
12波浪場データベース
13 風場データベース
14河川流入データベース
20演算手段
30拡散計算手段

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ